JP2015193563A - 包接結晶物粉末、包接結晶膜および包接結晶の製造方法 - Google Patents

包接結晶物粉末、包接結晶膜および包接結晶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特定のゲスト分子を検出することが可能なバイオセンサ等への応用が期待される包接結晶の実用的な製造方法を提供する。【解決手段】アントラセン−1,8−ジスルホン酸等の芳香族スルホン酸およびトリフェニルメチルアミン等の芳香族アミンを含み、ホストとして機能する有機塩を用意する工程と、前記有機塩を、N,N−ジメチルホルムアミド等のゲストとして機能する化合物の蒸気に曝露させる工程とを包含する包接結晶の製造方法。【選択図】なし

Description

本願は包接結晶の製造方法に関する。
包接結晶は、水素結合やπ-π相互作用などの共有結合以外の比較的弱い相互作用によって、ゲスト分子を取り込みながらホスト分子が規則的に配置している多成分結晶である。ホスト分子がゲスト分子を取り込む化学種としては、包接化合物が知られている。包接化合物は、1または複数ホスト分子がゲスト分子を取り込み、超分子(超分子クラスター)を構成している。これに対し、包接結晶は、ホスト分子が結晶を構成する際にゲスト分子を取り込む点で包接化合物と異なっている。
例えば、非特許文献1は、スルホン酸とアミンとかならなる超分子が規則的に配列する際、ゲスト分子を取り込み結晶化することを開示している。非特許文献1によれば、ゲスト分子として種々の化合物を取り込むことが可能であり、取り込んだゲスト分子に応じて、特異的な物性や機能を発現する。このため、この特徴を利用することにより、特定のゲスト分子を検出することが可能なバイオセンサ等、化学種を検出する種々のデバイスを実現し得ると考えられる。
T. Hinoue, Angew. Chem., Int. Ed., 51, 155 (2012)
包接結晶を用いて種々のデバイスを実現しようとする場合、より実用的な条件で包接結晶を製造することが求められる。本願の限定的ではないある実施形態は、実用的な条件で包接結晶を製造する方法を提供する。
本願の限定的ではないある実施形態にかかる包接結晶の製造方法は、芳香族スルホン酸および芳香族アミンを含み、ホストとして機能する有機塩を用意する工程(a)と、有機塩を、ゲストとして機能する化合物の蒸気に曝露させる工程(b)とを包含する。
本願に開示された包接結晶を製造する方法によれば、従来よりも包接結晶の作製時間を大幅に短縮でき、かつ収率も大幅に高めることができる。
(a)は、超分子の構造を示す模式図であり(b)は包接結晶の構造を示す模式図である。 本実施形態の包接結晶を作製する方法を示す図である。 (a)および(b)は、本実施形態の包接結晶を作製する他の方法を示す図である。 実施例1、2、参考例および有機塩の粉末X線チャートを示している。 (a)は本実施形態の化合物検出デバイスの概念的な図であり、(b)は化合物検出デバイスの製造途中の工程図であり、(c)は化合物検出デバイスを用いた化合物の検出方法を説明する図であり、(d1)〜(d3)は化合物を検出した状態の化合物検出デバイスを模式的に示す図であり、(e)は、検出によって得られる模式的な蛍光スペクトルの図である。 (a)化合物検出デバイスを用いた化合物の他の検出方法を説明する図であり、(b)は、検出によって得られる模式的な吸収スペクトルの図である。 化合物検出デバイスを用いた化合物の他の検出方法を説明する図である。 化合物検出デバイスの他の例を示す図である。 (a)は化合物検出デバイスの他の例を示す図であり、(b)は、化合物検出デバイスの出信号の一例を示している。 (a)は化合物検出デバイスの他の例を示す図であり、(b)は、化合物検出デバイスの出信号の一例を示している。
非特許文献1に開示された包接結晶の作製方法によれば、まず、スルホン酸とアミンとを所定の割合で含む塩を単離し、得られた塩を包接させたいゲスト分子とともに適当な溶媒に溶解させ、溶液から有機塩を再結晶させる。結晶化の際、ゲスト分子が取り込まれ、包接結晶が得られる。
この作成方法によれば、包接結晶が析出するまでに時間を要し、また、溶液から得られる包接結晶の収量が小さいという課題がある。このため、包接結晶を商業的に利用するためには、量産性の観点で、非特許文献1に開示された方法は適していないと考えられる。
また、得られた包接結晶は、例えば、0.1mmから数mm程度の大きさを有する粒子であるため、この形状のままでは、化合物検出デバイス等への利用に適さない。また、適当な形態の包接結晶を得るために包接結晶を可溶な溶媒に溶解させると、溶解にともなって結晶構造がくずれ、ゲスト分子がホストである塩から分離してしまう。このため、得られた包接結晶を化合物検出デバイス等へ応用することが困難になると考えられる。
本願発明者はこの様な課題に鑑み、新規な包接結晶の製造方法を想到した。本発明の一実施形態に係る包接結晶の製造方法の概要は以下の通りである。
〔項目1〕
本発明の一実施形態に係る包接結晶の製造方法は、芳香族スルホン酸および芳香族アミンを含み、ホストとして機能する有機塩を用意する工程(a)と、有機塩を、ゲストとして機能する化合物の蒸気に曝露させる工程(b)とを包含する。
これにより、従来よりも包接結晶の作製時間を大幅に短縮でき、かつ収率も大幅に高めることができる。
〔項目2〕
項目1において、工程(b)は、有機塩および揮発性化合物を閉容器内に配置する工程を含んでいてもよい。これにより、包接結晶の作製をより促進させることができる。
〔項目3〕
項目1において、工程(a)は、有機塩を溶媒に溶解させ、溶液を調製する工程(a1)と溶液を基板に塗布する工程(a2)と塗布した溶液から溶媒を除去し、基板上に有機塩の薄膜を形成する工程(a3)とを含んでいてもよい。
〔項目4〕
項目3において、工程(a2)における塗布は、スピンコート法、インクジェット法またはマイクロコンタクトプリント法であってもよい。これにより、量産に適した作製を行うことができる。
〔項目5〕
項目1から4のいずれかにおいて、芳香族スルホン酸は、ベンゼンスルホン酸、アントラセン−2−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ピレン−1−スルホン酸、9,10−ジクロロアントラセン−2−スルホン酸、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸、スチルベン−4,4’−ジスルホン酸、アントラセン−1,8−ジスルホン酸、4,4’−アゾベンゼンジスルホン酸、ジフェニルアセチレン−4,4’−ジスルホン酸およびアントラセン−9,10−ジビニルスルホン酸からなる群から選ばれる1つであってもよい。
〔項目6〕
項目1から4のいずれかにおいて、芳香族アミンは、トリフェニルメチルアミンである。
〔項目7〕
項目1から4のいずれかにおいて、ゲストとして機能する化合物は、ベンゼン、トルエン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,3−ジイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、1−ブロモブタン、1,3−ジヨードプロパン、0−クロロトルエン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,4−ジオキサン、アニソール、アセトン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ペンタフルオロベンゾニトリル、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−o−トルイジン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびエチルアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1つであってもよい。
〔項目8〕
本発明の一実施形態に係る包接結晶粉末は、芳香族スルホン酸および芳香族アミンを含み、ホストとして機能する有機塩と、有機塩に包接され、ゲストとして機能する化合物とを含む。これにより、センサなどにより適した包接結晶粉末を提供することができる。
〔項目9〕
項目8において、芳香族スルホン酸は、ベンゼンスルホン酸、アントラセン−2−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ピレン−1−スルホン酸、9,10−ジクロロアントラセン−2−スルホン酸、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸、スチルベン−4,4’−ジスルホン酸、アントラセン−1,8−ジスルホン酸、4,4’−アゾベンゼンジスルホン酸、ジフェニルアセチレン−4,4’−ジスルホン酸およびアントラセン−9,10−ジビニルスルホン酸からなる群から選ばれる1つであり、芳香族アミンは、トリフェニルメチルアミンであり、ゲストとして機能する化合物は、ベンゼン、トルエン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,3−ジイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、1−ブロモブタン、1,3−ジヨードプロパン、0−クロロトルエン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,4−ジオキサン、アニソール、アセトン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ペンタフルオロベンゾニトリル、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−o−トルイジン、ジメチルホルムアミドおよびエチルアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1つであってもよい。
〔項目10〕
本発明の一実施形態に係る包接結晶膜は、芳香族スルホン酸および芳香族アミンを含み、ホストとして機能する有機塩と、有機塩に包接され、ゲストとして機能する化合物とを含む。これにより、センサなどにより適した包接結晶膜を提供することができる。
〔項目11〕
項目10において、芳香族スルホン酸は、ベンゼンスルホン酸、アントラセン−2−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ピレン−1−スルホン酸、9,10−ジクロロアントラセン−2−スルホン酸、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸、スチルベン−4,4’−ジスルホン酸、アントラセン−1,8−ジスルホン酸、4,4’−アゾベンゼンジスルホン酸、ジフェニルアセチレン−4,4’−ジスルホン酸およびアントラセン−9,10−ジビニルスルホン酸からなる群から選ばれる1つであり、芳香族アミンは、トリフェニルメチルアミンであり、ゲストとして機能する化合物は、ベンゼン、トルエン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,3−ジイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、1−ブロモブタン、1,3−ジヨードプロパン、0−クロロトルエン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,4−ジオキサン、アニソール、アセトン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ペンタフルオロベンゾニトリル、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−o−トルイジン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびエチルアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1つであってもよい。
〔項目12〕
本発明の一実施形態に係る化合物検出デバイスは、基板と基板上に配置されたゲストフリー包接結晶膜とを備え、ゲストフリー包接結晶膜は、芳香族スルホン酸および芳香族アミンを含み、ホストとして機能する有機塩であって、ゲストとして機能する化合物を包接可能なように配置された有機塩を含む。これにより、検出効果の高い化合物検出デバイスを提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明による包接結晶の製造方法の一実施形態およびこれによって得られる包接結晶粉末および包接結晶薄膜を説明する。
まず、本実施形態で得られる包接結晶の構造を説明する。上述したように、本実施形態で製造する包接結晶は、スルホン酸およびアミンの組み合わせからなる有機塩の超分子が、規則的に配置された構造を有し、超分子間の間隙にゲストとなる化合物が取り込まれている。
以下、スルホン酸およびアミンとして、1,8−アントラセンジスルホン酸(1,8−ADS)およびトリフェニルメチルアミン(TPMA)を例にあげ、包接結晶の構造を説明する。
1,8−ADSおよびTPMAは、以下の反応式(R1)に示すように、1:2の割合で反応し、塩を形成する。得られた塩は、2つの1,8−ADSと4つのTPMAとが、O-H-N等の水素結合で互いに強く結合したで超分子を構成している。
Figure 2015193563
図1(a)は、得られた超分子11の断面構造を模式的に示している。非特許文献1によれば、超分子11は、1,8−ADSとTPMAとの組み合わせの場合には、概ね球形状を有している。図1(a)において、1,8−ADSは、スルホン酸11bの部分に位置し、TPMAは、アミン11aの部分に位置している。図1(a)に示すように、超分子(A)は、1,8−ADSの芳香環が外部に対して露出した構造を有する。図1(a)においてハッチングされた領域が芳香環を模式的に示している。
図1(b)は、複数の超分子11が配列することによって構成された包接結晶12を模式的に示している。図では、2次元的に示しているが、包接結晶12は、たとえば図に示す1層が分子間力等によって積層された3次元構造を有している。図1(b)に示すように、超分子11のスルホン酸11bの芳香環が互いにπーπ相互作用によって弱く結合し、超分子11の1次元配列構造を形成し、この1次元配列構造が重なりあうことによって3次元構造を形成している。ゲストとして包接される化合物13は、重なりあう1次元配列構造の空隙12sに取り込まれている。
スルホン酸11bおよびアミン11aが1,8−ADSおよびTPMAであり、化合物13がN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)である場合、包接結晶12は、以下の組成式で示される。
Figure 2015193563
取り込まれる化合物13の大きさや形状によって、空隙12sの大きさも変化する。これは、隣接する2つのスルホン酸11bの芳香環が重なる面積が変化することによって実現し得る。このため、取り込む化合物13の種類によって、包接結晶12の全体の構造も変化し、また、スルホン酸11bの芳香環が重なる面積が変化ことによって、包接化合物の吸収スペクトルや蛍光スペクトル、電気的特性が変化する。よって、包接結晶12は、化合物13に応じた特異的な物性や機能を発現する。また、以下において説明するように、いったん化合物13を取り込んだ包接結晶12が形成された後、化合物13を包接結晶12から取り除いても、結晶構造は維持される場合がある。
上述したように、スルホン酸11bおよびアミン11aは水素結合等によって超分子11である1次構造を形成し、超分子11が配列することによって、化合物13を取り込んだ包接結晶12である2次構造を形成している。この点で、本実施形態の包接結晶12は、スルホン酸11bおよびアミン11aをアニオンおよびカチオンとする単純なイオン結晶とは異なる。なお、本願明細書において、ゲストとして包接される化合物13を含まず、包接結晶12を形成する前の超分子11を有機塩と呼ぶことがある。この場合、有機塩は、塩を構成し得る所定の比率でスルホン酸11bおよびアミン11aを含んでいる。
次に、本実施形態の包接結晶の製造方法を説明する。本実施形態の包接結晶の製造方法は、芳香族スルホン酸および芳香族第1級アミンを含み、ホストとして機能する有機塩を用意する工程と、前記有機塩を、ゲストとして機能する化合物の蒸気に曝露させる工程とを包含する。
1.有機塩を用意する工程
まず、スルホン酸11bおよびアミン11aを含む有機塩を用意する。スルホン酸11bには、芳香族スルホン酸を用いる。具体的には、スルホン酸11bには以下に示す、ベンゼンスルホン酸(1)、アントラセン−2−スルホン酸(2)、ナフタレン−2−スルホン酸(3)、ピレン−1−スルホン酸(4)、9,10−ジクロロアントラセン−2−スルホン酸(5)、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸(6)、スチルベン−4,4’−ジスルホン酸(7)、アントラセン−1,8−ジスルホン酸(8)、4,4’−アゾベンゼンジスルホン酸(9)、ジフェニルアセチレン−4,4’−ジスルホン酸(10)、アントラセン−9,10−ジビニルスルホン酸(11)を用いることができる。
Figure 2015193563
アミン11aには、芳香族アミンを用いる。スルホン酸11bと複数の水素結合を形成できるよう、アミンは第1級アミンであることが好ましい。つまり、アミン11aは芳香族第1級アミンを用いることが好ましい。具体的には、以下に示すトリフェニルメチルアミン(12)を用いる。
Figure 2015193563
上述したアミン11aおよびスルホン酸11bを、超分子を構成する割合で秤量し、これらが溶解する溶媒に溶解する。上記化学式(1)から(11)のスルホン酸とTPMA(トリフェニルメチルアミン)(12)とがどのような割合で超分子を構成するかは、スルホン酸11bの種類によって異なる。1,8−ADS(8)を用いる場合、2分子の1,8−ADS(8)と4分子のTPMA(9)で超分子11を構成する。また、例えば、ベンゼンスルホン酸(1)を用いる場合には、4分子のベンゼンスルホン酸(1)と、4分子のTPMA(12)で超分子11を構成する。
概括的には、化学式(1)〜(6)で表されるモノスルホン酸の場合には、4分子のスルホン酸と、4分子のTPMA(9)で超分子11を構成する。また、化学式(7)〜(11)で表されるジスルホン酸の場合には、2分子のスルホン酸と、4分子のTPMA(12)で超分子11を構成する。
溶媒には、スルホン酸およびアミンを溶解するものを用いる。具体的には、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノールなどから選ばれる少なくとも1つを選ぶ。2種以上の溶媒を混合して用いてもよい。また、溶媒は、ゲストとして機能する化合物13を含まないことが好ましい。溶液中で、アミン11aおよびスルホン酸11bは、上述した割合で、超分子を構成する。
次に、溶液から有機塩である超分子11を単離する。超分子11を得るために、超分子が溶解しにくい貧溶媒を溶液に添加したり、溶液の温度を低下させ、溶解度を低下させたり、溶液から溶媒を除去してもよい。得られた超分子11を乾燥させることによって、有機塩である超分子11が単離される。この状態では、アミン11aおよびスルホン酸11bは超分子11を構成しているが、超分子11は3次元に配列されておらず、結晶構造を有していない。
2.ゲストとして機能する化合物の蒸気に曝露させる工程
次に超分子11を、ゲストとして機能する化合物13の蒸気に曝露させる。図2に示すように、シャーレなどの閉容器21に、基板22を配置し、基板22上に超分子11を置く。また、基板の周囲にゲストとして機能する化合物13を配置する。閉容器21は化合物13の蒸気で超分子11の周囲を満たすことができればよく、密閉されていなくてもよい。
ゲストとして機能する化合物13には以下に示す、ベンゼン(13)、トルエン(14)、1,3,5−トリメチルベンゼン(15)、1,3−ジイソプロピルベンゼン(16)、1,2−ジクロロエタン(17)、1−ブロモブタン(18)、1,3−ジヨードプロパン(19)、0−クロロトルエン(20)、1,2,4−トリクロロベンゼン(21)、1,4−ジオキサン(22)、アニソール(23)、アセトン(24)、アセトニトリル(25)、ベンゾニトリル(26)、ペンタフルオロベンゾニトリル(27)、N,N−ジメチルアニリン(28)、N,N−ジメチル−m−トルイジン(29)、N,N−ジメチル−p−トルイジン(30)、N,N−ジメチル−o−トルイジン(31)、N,N−ジメチルホルムアミド(32)、エチルアセテート(33)を用いることができる。
Figure 2015193563
化合物13の量は、配置した超分子11に包接される量よりも十分多ければよい。
超分子11および化合物13を閉容器21に入れ、放置する。放置によって、配置された化合物13が蒸発し、閉容器21の内部が化合物13の蒸気で満たされ、超分子11が化合物13の蒸気で満たされる。
本願発明者の詳細な実験および検討の結果、固体状態の超分子11を化合物13の蒸気で曝すことによって、化合物13が超分子11に取り込まれながら、超分子11が階層的に集積し、包接結晶12を形成する。包接結晶12が形成されていることは、例えば、化合物13が取り込まれることにより、粉末X線回折パターンが変化することによって確認し得る。
超分子11を化合物13の蒸気で曝す時間は、超分子11の量や化合物13の閉容器21内での蒸気圧などに依存する。例えば、化合物13の蒸気で曝す時間は数分から数時間程度である。閉容器21内での化合物13の蒸気圧が低い場合には、閉容器21全体を
150℃程度以下の温度で加熱してもよい。
これにより、化合物13が取り込まれた包接結晶12が得られる。超分子11の全体が、つまり配置した超分子11の内部まで化合物13の蒸気が届く限り、ほぼすべての超分子11が包接結晶12に変換される。得られる包接結晶12は粉末である。具体的には、例えば、0.1mmより小さい粒子である。
このように、本実施形態によれば、再結晶によらず包接結晶12が得られる。したがって、従来よりも短時間で、かつより高い収率で包接結晶12を製造することが可能となる。また、包接結晶12は、溶液からの再結晶による0.1mmから数mm程度の粒子形状を有していないため、得られた包接結晶12を固体のまま、種々のデバイスに利用しやすい。
本実施形態の包接結晶の製造方法によって、薄膜を得ることも可能である。
まず、超分子11を溶媒に溶解させ、溶液を調製し、基板に塗布する。例えば、図3(a)に示すように、基板22をスピンコーター31の回転台に取り付け、基板22に超分子11が溶解した溶液を、ディスペンサー32を用いて滴下する。その後、スピンコーター31の回転台を回転させ、溶液を基板22の表面に広げることによって超分子が溶解した溶液の膜34を基板22上に形成する。
溶液の基板22への塗布は、このようなスピンコート法以外にインクジェット印刷、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、マイクロコンタクトプリント法、ドロップキャスト法であってもよい。また、上述したように、アミン11aおよびスルホン酸11bを、超分子を構成する割合で秤量し、これらが溶解する溶媒に溶解すれば、溶液中で超分子11を形成する。このため、単離した超分子11ではなく、所定の割合で秤量されたアミン11aおよびスルホン酸11bを用いてもよい。
その後、膜34から溶媒を除去し、基板22に支持された超分子の薄膜を得る。溶媒の除去は基板22を加熱することによって、あるいは、基板22全体を減圧下で保持することによって等によって行うことができる。
その後、図3(b)に示すように、基板22に支持された超分子の薄膜11’を閉容器21に配置し、上述したように化合物13の蒸気に曝すことによって、包接結晶12の薄膜を得ることができる。この方法によれば、従来形成することが困難であった包接結晶膜を得ることが可能である。このような包接結晶膜は化合物13を検出するための種々のデバイスを製造するのに適した形状を有している。包接結晶膜は、例えば、1nmから1000nm程度の厚さを有している。
なお、非特許文献1に記載されているように、得られた包接結晶12を加熱したり、減圧下で保持すると、化合物13を包接結晶12から除去することができ、ゲストフリーの包接結晶が得られる。この状態では、超分子11の配列は維持されているため、化合物13の蒸気にゲストフリーの包接結晶12を曝すと、再びゲストである化合物13が包接された包接結晶12が得られる。
なお、本願発明者が検討した結果、図3(a)に示すように、超分子が溶解した溶液の膜34を基板22上に形成する際、溶液にゲストである化合物13を添加しておいても、溶媒を除去するだけでは、包接結晶膜は得られないことが分かった。
(実施例)
以下、本実施形態の方法によって、包接結晶を作製し、同定を行った結果を説明する。
1.包接結晶の作製
<実施例1>
1,8−ADSをとTPMAとを1:2の割合で秤量し、これらをエタノール中で混合し、その後エタノールを減圧で留去し、有機塩を得た。調整した有機塩を0.005g秤とり、スライドガラス上に載せてシャーレ中に置いた。シャーレ中のスライドガラス以外の場所にDMFを100μl滴下し、シャーレに蓋をして密閉し、10分静置した。これにより包接結晶を得た。
<実施例2>
前記方法で調整した有機塩0.010gを秤量し、メタノール100μlとクロロホルム300μlを加えた。調整した溶液を、熱酸化SiO2膜が表面に形成されたシリコン基板上に滴下し、2000rpm、60秒の条件でスピンコートして乾燥させた。スピンコートした基板をスライドガラス上に載せてシャーレ中に置いた。シャーレ中のスライドガラス以外の場所にDMFを100μl滴下し、シャーレに蓋をして密閉し、10分静置した。これにより包接結晶を得た。
<参考例>
1,8−ADSをとTPMAとを1:2の割合で秤量し、これらをエタノール中で混合し、その後エタノールを減圧で留去し、有機塩を得た。有機塩に良溶剤としてメタノールを、貧溶媒としてDMFを加えて再結晶を行った。
作製した包接結晶の単結晶X線構造解析から、1,8−ADSとTPMAをホスト骨格としDMFをゲスト分子とする包接結晶が形成されていることを確認した。
2.同定
粉末X線回折測定によって、実施例1、2の構造を推定した。実施例1、2、参考例および有機塩の粉末X線回折測定をおこなった、実施例2の包接結晶は、基板から膜を掻き取り、試料とした。図4に粉末X線回折パターンを示す。
図4から、実施例1、2の包接結晶は、有機塩の回折パターンとは異なっていること、および、参考例の方法によって得られた包接結晶の回折パターンとよく一致していることが分かる。この結果から、実施例1、2の試料は、超分子ではなく、1,8−ADSとTPMAをホスト骨格としDMFをゲスト分子とする包接結晶であることが確認できた。
(第2の実施形態)
本発明の化合物検出デバイスの実施形態を説明する。
図5(a)は、本実施形態の化合物検出デバイスの概念的な構造図である。化合物検出デバイスは、基板22と、基板22上に配置されたゲストフリー包接結晶膜12’とを備える。ゲストフリー包接結晶膜12’は、図5(b)に示すように、例えば、基板22上に薄膜状の包接結晶12を形成し、包接結晶12から化合物13を除去することによって得られる。ゲストフリー包接結晶膜12は、図1(b)に示すように、芳香族スルホン酸および芳香族アミンからなる超分子11が規則的に配列されており、化合物13を包接し得る空隙12sを有している。
図5(c)に示すように、化合物検出デバイスを化合物13に曝すと、化合物13がゲストフリー包接結晶膜12’に化合物13が取り込まれ、包接結晶12に変化する。この時、包接結晶12における超分子11の位置や相互作用が変化する。このため、例えば365nmの紫外光を放射する光源36でゲストフリー包接結晶膜12’を照射し、ゲストフリー包接結晶膜12’から得られる蛍光を検出器35が検出することによって、化合物13がゲストフリー包接結晶膜12’の周囲に存在するか否かを検出することができる。
また、図5(d1)〜(d3)に示すように、化合物検出デバイスに周囲に、ゲストフリー包接結晶膜12’が包接可能な異なる化合物14、15、16が存在する場合、化合物14、15、16を取り込む、つまり、検出することも可能である。図5(e)は、検出器35によって得られる蛍光スペクトルの模式的な例を示している。S12’は、ゲストフリー包接結晶膜12’の蛍光スペクトルを示し、S14、S15、S16は、それぞれ化合物14、15、16を包接したときの蛍光スペクトルを示す。このように、包接する化合物によって異なる蛍光スペクトルを示すため、蛍光波長から化合物の種類を特定することが可能である。
本実施形態の化合物検出デバイスは、吸収スペクトルを測定することによって化合物を検出してもよい。例えば、図6(a)に示すように、紫外から可視域の光を放射する光源36’でゲストフリー包接結晶膜12’を照射し、ゲストフリー包接結晶膜12’を透過した光を検出器35で検出してもよい。この場合、基板22は、紫外から可視域の光を透過する材料によって構成されている。
図6(b)は、検出器35によって得られる吸収スペクトルの模式的な例を示している。S’12’は、ゲストフリー包接結晶膜12’の吸収スペクトルを示し、S’14、S’15、S’16は、それぞれ化合物14、15、16を包接したときの吸収スペクトルを示す。このように、包接する化合物によって異なる吸収スペクトルを示すため、吸収波長から化合物の種類を特定することが可能である。
また、ゲストフリー包接結晶膜12’は、化合物を包接すると電気抵抗の変化を示す。このため、化合物検出デバイスは、ゲストフリー包接結晶膜12’の電気抵抗を測定することによって、化合物を検出してもよい。図7に示す化合物検出デバイスは、4端子抵抗法による抵抗測定器37を備えている。図7に示すように、抵抗測定器37は、外側の一対の端子間に流す電流の変化を内側の一対の端子間における電圧の変化として電気抵抗率を求めることができる。したがって、ゲストフリー包接結晶膜12’に化合物14、15、16が包接されると、異なる電気抵抗率を示す。これにより、化合物の検出やその種類を同定することが可能である。
また、化合物検出デバイスは、電界効果トランジスタ(FET)を備え、上述した電気抵抗の変化をFETによって検出してもよい。図8は、FET41を備えた化合物検出デバイスの一例を示す。図8に示す化合物検出デバイスは、ゲート電極42と、ゲート電極42上に形成されたゲート絶縁膜43とゲート絶縁膜43において、所定の間隔を隔てて設けられたソース電極44およびドレイン電極45と、ソース電極44およびドレイン電極45に接するようにゲート絶縁膜43上に設けられたゲストフリー包接結晶膜12’とを備える。図8に示すように、検知すべき雰囲気に化合物13が含まれていると、化合物13がゲストフリー包接結晶膜12’に取り込まれることによって、ゲストフリー包接結晶膜12’の電気抵抗の変化率が変化する。この電気抵抗率の変化はFET41のソース電極44およびドレイン電極45間を流れる電流の変化を引き起こす。また、ゲストフリー包接結晶膜12’に包接される化合物の種類によっても電気抵抗率の変化量は異なる。したがって、FET41に流れる電流をモニタすることによって、化合物の検出やその種類を同定することが可能である。
また、ゲストフリー包接結晶膜12’は、化合物を包接すると質量の変化を示す。このため、化合物検出デバイスは、ゲストフリー包接結晶膜12’の質量を測定することによって、化合物を検出してもよい。微小な質量変化を検出するには、例えば、水晶振動子マイクロバランス(Quartz Crystal Microbalance)法を用いたセンサ(以下、QCMセンサと呼ぶ。)を用いることができる。QCMセンサは、水晶振動子を有し、水晶振動子の電極表面に物質が付着するとその質量に応じて共振周波数が変動することを利用し、極めて微量な質量変化を計測し得る。このようなQCMセンサは例えば特開2009−236607号公報に開示されている。
図9(a)に示す化合物検出デバイスは、QCMセンサを備えた化合物検出デバイスの一例を示す。図9(a)に示す化合物検出デバイスは、表面にQCMセンサが設けられた基板22’と、ゲストフリー包接結晶膜12’とを備える。ゲストフリー包接結晶膜12’はQCMセンサの水晶振動子の電極表面に設けられている。図9(a)に示すように、検知すべき雰囲気に化合物13が含まれていると、化合物13がゲストフリー包接結晶膜12’に取り込まれることによって、ゲストフリー包接結晶膜12’の質量が変化する。この試料の変化は図9(b)に示すようにQCMセンサの振動数の変化を引き起こす。例えば、化合物13を取り込む前のQCMセンサの周波数をf1とし、化合物13を取り込んだQCMセンサの周波数をf2とする。周波数変化Δf=f1−f2は、取り込まれた化合物13の質量に比例する。周波数変化と質量の変化との関係は、Sauerbreyの式で示される。従って、QCMセンサの振動数の変化をモニタすることによって、化合物の検出やその質量を同定することができる。
また、分子の吸着により微小な質量変化を検出するセンサとして国際公開第2011/148774号は、膜型表面センサ(Membrance−type Surface stress Sensor、以下MSSセンサと呼ぶ。)を開示している。MSSセンサは、ピエゾ抵抗を有する連結部によって4か所で支持された微小な板状部材と、板状部材の表面に設けられた受容体層とを有し、受容体層に検出すべき分子が付着することによって生じる板状部材の応力変化を連結部のピエゾ抵抗の変化として検出する。
ゲストフリー包接結晶膜12’は、MSSセンサの受容体層として用いることができる。図10(a)に示す化合物検出デバイスは、MSSセンサを備えた化合物検出デバイスの一例を示す。図10(a)に示す化合物検出デバイスは、表面にMSSセンサが設けられた基板22’’とゲストフリー包接結晶膜12’とを備える。ゲストフリー包接結晶膜12’はMSSセンサの板状部材の表面に設けられている。図10(a)に示すように、検知すべき雰囲気に化合物13が含まれていると、化合物13がゲストフリー包接結晶膜12’に取り込まれることによって、ゲストフリー包接結晶膜12’が設けられた板状部材の表面応力が変化し、ピエゾ抵抗の値が変化する。これによって、図10(b)に示すようにMSSセンサの出力電圧がV1からV2へ変化する。従って、MSSセンサの出力電圧の変化ΔVをモニタすることによって、化合物の検出やその質量を同定することができる。
本願に開示された包接結晶の製造方法は、種々の包接結晶に好適に用いられる。また、本願に開示された包接結晶粉末および包接結晶膜は、ケモセンサやバイオセンサなど種々のデバイスへ適用可能である。
11 超分子
11a アミン
11b スルホン酸
12’ ゲストフリー包接結晶膜
12 包接結晶
12s 空隙
21 閉容器
22 基板
31 スピンコーター
32 ディスペンサー
35 検出器
36 単色の紫外光源
36’ 紫外から可視域の光を放射する光源
37 抵抗測定器
41 FET
42 ゲート電極
43 ゲート絶縁膜
44 ソース電極
45 ドレイン電極

Claims (12)

  1. 芳香族スルホン酸および芳香族アミンを含み、ホストとして機能する有機塩を用意する工程(a)と、
    前記有機塩を、ゲストとして機能する揮発性化合物の蒸気に曝露させる工程(b)と
    を包含する包接結晶の製造方法。
  2. 前記工程(b)は、前記有機塩および前記揮発性化合物を閉容器内に配置する工程を含む請求項1に記載の包接結晶の製造方法。
  3. 前記工程(a)は、前記有機塩を溶媒に溶解させ、溶液を調製する工程(a1)と
    前記溶液を基板に塗布する工程(a2)と
    前記塗布した溶液から溶媒を除去し、前記基板上に前記有機塩の薄膜を形成する工程(a3)と
    を含む請求項1に記載の包接結晶の製造方法。
  4. 前記工程(a2)における塗布方法は、スピンコート法、インクジェット法またはマイクロコンタクトプリント法である請求項3に記載の包接結晶の製造方法。
  5. 前記芳香族スルホン酸は、ベンゼンスルホン酸、アントラセン−2−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ピレン−1−スルホン酸、9,10−ジクロロアントラセン−2−スルホン酸、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸、スチルベン−4,4’−ジスルホン酸、アントラセン−1,8−ジスルホン酸、4,4’−アゾベンゼンジスルホン酸、ジフェニルアセチレン−4,4’−ジスルホン酸およびアントラセン−9,10−ジビニルスルホン酸からなる群から選ばれる1つである請求項1から4のいずれかに記載の包接結晶の製造方法。
  6. 前記芳香族アミンは、トリフェニルメチルアミンである請求項1から4のいずれかに記載の包接結晶の製造方法。
  7. 前記ゲストとして機能する化合物は、ベンゼン、トルエン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,3−ジイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、1−ブロモブタン、1,3−ジヨードプロパン、0−クロロトルエン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,4−ジオキサン、アニソール、アセトン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ペンタフルオロベンゾニトリル、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−o−トルイジン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびエチルアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1から4のいずれかに記載の包接結晶の製造方法。
  8. 芳香族スルホン酸および芳香族アミンを含み、ホストとして機能する有機塩と、
    前記有機塩に包接され、ゲストとして機能する化合物と
    を含む包接結晶粉末。
  9. 前記芳香族スルホン酸は、ベンゼンスルホン酸、アントラセン−2−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ピレン−1−スルホン酸、9,10−ジクロロアントラセン−2−スルホン酸、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸、スチルベン−4,4’−ジスルホン酸、アントラセン−1,8−ジスルホン酸、4,4’−アゾベンゼンジスルホン酸、ジフェニルアセチレン−4,4’−ジスルホン酸およびアントラセン−9,10−ジビニルスルホン酸からなる群から選ばれる1つであり、
    前記芳香族アミンは、トリフェニルメチルアミンであり、
    前記ゲストとして機能する化合物は、ベンゼン、トルエン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,3−ジイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、1−ブロモブタン、1,3−ジヨードプロパン、0−クロロトルエン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,4−ジオキサン、アニソール、アセトン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ペンタフルオロベンゾニトリル、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−o−トルイジン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびエチルアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項8に記載の包接結晶粉末。
  10. 芳香族スルホン酸および芳香族アミンを含み、ホストとして機能する有機塩と、
    前記有機塩に包接され、ゲストとして機能する化合物と
    を含む包接結晶膜。
  11. 前記芳香族スルホン酸は、ベンゼンスルホン酸、アントラセン−2−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ピレン−1−スルホン酸、9,10−ジクロロアントラセン−2−スルホン酸、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸、スチルベン−4,4’−ジスルホン酸、アントラセン−1,8−ジスルホン酸、4,4’−アゾベンゼンジスルホン酸、ジフェニルアセチレン−4,4’−ジスルホン酸およびアントラセン−9,10−ジビニルスルホン酸からなる群から選ばれる1つであり、
    前記芳香族アミンは、トリフェニルメチルアミンであり、
    前記ゲストとして機能する化合物は、ベンゼン、トルエン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,3−ジイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、1−ブロモブタン、1,3−ジヨードプロパン、0−クロロトルエン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,4−ジオキサン、アニソール、アセトン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ペンタフルオロベンゾニトリル、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−o−トルイジン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびエチルアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項10に記載の包接結晶膜。
  12. 基板と
    前記基板上に配置されたゲストフリー包接結晶膜と
    を備え、
    前記ゲストフリー包接結晶膜は、芳香族スルホン酸および芳香族アミンを含み、ホストとして機能する有機塩であって、ゲストとして機能する化合物を包接可能なように配置された前記有機塩を含む、化合物検出デバイス。
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