JP2015191333A - 検出装置、検出方法及び検出プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、オフラインの個人とは、ネットワーク(インターネット)を利用する現実のユーザそれぞれをいい、ネットワーク上で1又は複数の人格を持つ。ネットワーク上の人格をここではオンラインの個人と呼び、オフラインの個人とオンラインの個人とは、1対1又は1対多の関係にある。オフラインの個人は、オンラインの個人を介し1又は複数のサービスプロバイダそれぞれに対してアカウントを作成して、1つ以上の個人ウェブサイトを管理している。
近年、特に中学生や高校生の間では、各人が複数のオンラインの個人を持ち、それぞれのオンラインの個人で複数の個人ウェブサイトを作成し、自身のサイト間のみならず、他者とのサイト間で互いにハイパーリンクを設け、情報やメッセージの公開及び交換を行うことが多い。
しかしながら、このハイパーリンクの構造がどのような意味を持つかを一見して把握することは難しい。したがって、現実世界における管理者間に生じている特別な関係、特にネットいじめと言われるような注意を要する人間関係を発見するためには、リンクの内容を目視又はテキスト解析等により判断する必要があり、負担が大きかった。特に、仲間外れ又は無視のように言語に現れ難い関係性攻撃は、発見することが難しかった。
なお、本発明のリンク情報は、ネットワーク上の様々なコミュニケーションツールにおけるユーザ間のリンクデータを対象とするが、本実施形態では、個人ウェブサイト間のハイパーリンクに基づくリンク情報を一例として説明する。
現実の人物であるオフラインの個人は、ネットワーク(インターネット)上で、1又は複数のオンラインの個人を管理している。また、オンラインの個人は、1又は複数のサービスプロバイダそれぞれに対してアカウントを作成して、1つ以上の個人ウェブサイトを管理している。以下、単に管理者という場合は、オンラインの個人を指す。
例えば、以下のタイプの個人ウェブサイトがそれぞれ複数のサービスプロバイダにより提供されている。
ゲスブ(ゲストブック)・・・訪問者が履歴としてコメントを投稿できるウェブサイト
リアル(リアルタイム)・・・個人の現況を短い文章で投稿できるウェブサイト
ブログ・・・日々の記録を公開できるウェブサイト
マイリンク・・・他者の個人ウェブサイトへのリンクを公開できるウェブサイト
ホムペ(ホームページ)・・・多目的に利用できる個人用のウェブサイト
このように、オンラインの個人は、複数のサービスプロバイダの中から好きな個人ウェブサイトを選択し、複数のアカウントによって複数の個人ウェブサイトを管理できる。
ここで、オンラインIDによって名寄せされた個人ウェブサイト群の間に存在するハイパーリンクを可視化することによって、管理者であるオンラインの個人の間のリンク構造が把握される。これにより、例えば、ネットいじめ等の人間関係に起因するトラブルについて、生徒指導に必要な情報として、ネットワークでの人間関係を教師等に提供できる。
検出装置1は、制御部10と、記憶部20と、通信部30と、入力部40と、出力部50とを備える。
なお、個人属性テーブル223には、オンラインの個人に関する現実世界における属性情報が提供された場合に記録される。
これらの属性情報は、例えば学校等の組織から提供され、又は個人ウェブサイト内のテキスト情報から抽出され、グラフ生成のためのノード及びリンクの選択に利用される。
制御部10は、サイト収集部11と、ID割当部12と、第1グラフ生成部13(第1の生成部)と、クリーク抽出部14(抽出部)と、第2グラフ生成部15(第2の生成部)と、検出部16とを備える。これら各部は、検出プログラムを実行することにより実現される機能ブロックである。
なお、個人ウェブサイトの収集には、既存の提案手法が利用できる(例えば、特願2011−071109号明細書)。
サイト間リレーションテーブル222は、収集ID、リンク元の個人ウェブサイトの情報(URL(U)、Type(U)、C(U)、AcID(U)、OnID(U))、リンク先の個人ウェブサイトの情報(URL(V)、Type(V)、C(V)、AcID(V)、OnID(V))、リンク本数(N(U→V))及びリンク発生日時(Ldate(U→V))等を記憶する。
なお、C(U)及びC(V)は、サイトの利用形態を表す分類(クラス)であり、個人ウェブサイトのURLから判別される。具体的には、ClassAは、プロフ及びホムペが分類され、オンラインの個人が他者と識別するために作成する個人ウェブサイトである。ClassBは、ゲスブ及びマイリンクが分類され、オンラインの個人がClassAに付随して作成する個人ウェブサイトである。ClassCは、リアル及びブログが分類され、オンラインの個人が他者と識別するため、又はClassAに付随して作成する個人ウェブサイトである。
なお、オンラインIDの割り当てには、既存の提案手法が利用できる(例えば、特願2010−108242号明細書)。
第1のタイプとは、人間関係を表す静的なリンクを含むサイトのタイプ(例えば、プロフ、ホムペ、マイリンク)であり、リンク情報が互いの親密な関係(友達であること)を示している。
クリーク抽出部14は、ノードの数が所定の範囲内(例えば4個〜6個)のクリークを抽出してもよい。
第2グラフ生成部15は、リンク元が第2のタイプの個人ウェブサイトであるリンク情報に基づいて、有向グラフを生成する。
第2のタイプとは、他者との間での活動を表す動的なリンクを含むサイトのタイプ(例えば、ゲスブ、リアル、ブログ)であり、リンク情報がコミュニケーション活動の活発さの程度を示している。
無向グラフ(Contact Network)は、管理者が所有する個人ウェブサイト間の相互のハイパーリンクに基づいてリンクが生成され、この管理者(ノード)間のリンクは、管理者相互の親密な関係を示している。
構造的特徴は、ネットいじめ等、管理者のネットワークにおいて注意を要する関係が生じた可能性を示すものであり、検出部16は、例えば、以下の構造的特徴を検出する。
規則は、例えば、ノード間の相互の有向リンクの重みが共に閾値以上である場合に、無向リンクへ変換するものである。
ここで、有向リンクの重みは、ハイパーリンクの種類(コメント、足跡を残すアクション、閲覧等)に応じて設定されてもよい。例えば、特定の種類のみを対象としたり、足跡1に対してコメントはk倍にしたりといった設定が適宜可能である。
検出部16は、ノードAからノードBへのリンクの重みaと、ノードBからノードAへのリンクの重みbとが対等でない場合を、例えば、a=bのとき最大値1をとる関数(a+b)/2×max(a,b)の値が閾値以下である場合を検出する。
検出部16は、前回の対象期間(例えば、n+1ヶ月前からnヶ月前の1ヶ月間)と、今回の対象期間(例えば、1ヶ月前から現在までの1ヶ月間)とで、所定の手段によって無向グラフに変換した場合のリンクの差分(graph distance)が閾値以上となったことを検出する。
仲間集団内の管理者61〜64は、無向グラフ(Contact Network)においてクリーク60を形成している。
このことが検出部16により検出され、ノード61の管理者が被害者となったネットいじめが発生している可能性が把握される。
なお、個人ウェブサイトの収集及びオンラインIDの割り当てが行われ、サイト間リレーションテーブル222が作成されているものとする。
グラフのノードとなる管理者は、個人属性テーブル223から抽出されてよい。具体的には、個人属性が指定された条件(例えば、特定の学校等)に合致した管理者リストが抽出される。あるいは、個人ウェブサイトを収集した際のルート(特定の個人)から所定のホップ数の管理者を抽出する等、個人属性によらない条件によりノードとなる管理者リストが抽出されてもよい。
このとき、管理者間の双方向に1本以上のハイパーリンクがある場合、又はいずれかの方向に5本以上のハイパーリンクがある場合等、所定のルールに基づいて、無向グラフにおける管理者間にリンクを設定する。
クリークの各ノードは、管理者リストに含まれるものに限定されてもよい。また、クリークに含まれるノードの数を4〜6等に限定してもよい。
具体的には、第2グラフ生成部15は、サイト間リレーションテーブル222から、所定期間(例えば、過去nヶ月間)に生じたハイパーリンクの情報を抽出し、この情報に基づいて有向リンクの重みを設定する。
この変換の規則は、例えば、ノード間の相互の有向リンクの重みが共に閾値以上である場合に変換可能とするものであり、簡便な手法により容易に検出処理を実現できる。
また、有向リンクの重みがリンク情報の種類に応じて設定されることにより、管理者間の関係性が適切に有向グラフへ反映されるので、検出装置1は、構造的特徴の検出精度を向上できる。
SNS(Social Networking Service)の普及により、コミュニケーションツールとして種々のアプリケーションが提供されている。検出装置1は、これらのアプリケーションが有するデータから、ユーザ間のリンク情報を取得してもよい。
10 制御部
11 サイト収集部
12 ID割当部
13 第1グラフ生成部(第1の生成部)
14 クリーク抽出部(抽出部)
15 第2グラフ生成部(第2の生成部)
16 検出部
20 記憶部
21 サイト保存DB
22 サイト管理DB
30 通信部
40 入力部
50 出力部
221 収集履歴管理テーブル
222 サイト間リレーションテーブル
223 個人属性テーブル
Claims (11)
- オンラインの管理者のID、及び当該管理者の間の隣接関係を示したリンク情報を記憶する記憶部と、
前記リンク情報に基づいて、前記管理者をノードとする無向グラフを生成する第1の生成部と、
前記無向グラフに含まれているクリークを抽出する抽出部と、
前記リンク情報に基づいて、前記クリーク内のノードを含む重み有りの有向グラフを生成する第2の生成部と、
前記有向グラフにおいて、現実世界の前記管理者間の関係に起因して現れる所定の構造的特徴を検出する検出部と、を備える検出装置。 - 前記第1の生成部は、リンク元が静的リンクを含むサイトであるリンク情報に基づいて、前記無向グラフを生成する請求項1に記載の検出装置。
- 前記抽出部は、ノードの数が所定の範囲内のクリークを抽出する請求項1又は請求項2に記載の検出装置。
- 前記第2の生成部は、リンク元が動的リンクを含むサイトであるリンク情報に基づいて、前記有向グラフを生成する請求項1から請求項3のいずれかに記載の検出装置。
- 前記構造的特徴は、ノード間の有向リンクの重みに基づく規則に基づいて、前記有向グラフを仮に無向グラフへ変換した際、クリークにならない場合である請求項1から請求項4のいずれかに記載の検出装置。
- 前記規則は、ノード間の相互の有向リンクの重みが共に閾値以上である場合に、無向リンクへ変換するものである請求項5に記載の検出装置。
- 前記有向リンクの重みは、前記リンク情報の種類に応じて設定される請求項5又は請求項6に記載の検出装置。
- 前記構造的特徴は、1つ以上のノード間の相互の有向リンクの重みに所定の対称性がない場合である請求項1から請求項4のいずれかに記載の検出装置。
- 前記構造的特徴は、ノード間の有向リンクの重みに基づく規則に基づいて、前記有向グラフを仮に無向グラフへ変換した際、所定期間の前後でリンクに閾値を超える差分が生じた場合である請求項1から請求項4のいずれかに記載の検出装置。
- オンラインの管理者のID、及び当該管理者の間の隣接関係を示したリンク情報を記憶する記憶部を参照し、前記リンク情報に基づいて、前記管理者をノードとする無向グラフを生成する第1の生成ステップと、
前記無向グラフに含まれているクリークを抽出する抽出ステップと、
前記リンク情報に基づいて、前記クリーク内のノードを含む重み有りの有向グラフを生成する第2の生成ステップと、
前記有向グラフにおいて、現実世界の前記管理者間の関係に起因して現れる所定の構造的特徴を検出する検出ステップと、をコンピュータが実行する検出方法。 - オンラインの管理者のID、及び当該管理者の間の隣接関係を示したリンク情報を記憶する記憶部を参照し、前記リンク情報に基づいて、前記管理者をノードとする無向グラフを生成する第1の生成ステップと、
前記無向グラフに含まれているクリークを抽出する抽出ステップと、
前記リンク情報に基づいて、前記クリーク内のノードを含む重み有りの有向グラフを生成する第2の生成ステップと、
前記有向グラフにおいて、現実世界の前記管理者間の関係に起因して現れる所定の構造的特徴を検出する検出ステップと、をコンピュータに実行させるための検出プログラム。
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