JP2015190026A - ラインパイプ用厚肉高強度電縫鋼管およびその製造方法 - Google Patents

ラインパイプ用厚肉高強度電縫鋼管およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ラインパイプ用厚肉高強度電縫鋼管およびその製造方法を提供する。【解決手段】質量%で、C:0.02〜0.06%、Si:0.1〜0.3%、Mn:1.0〜1.5%、Al:0.01〜0.1%、Nb:0.01〜0.06%、Ti:0.005〜0.02%、Cu:0.01〜0.2%、Ni:0.01〜0.2%、Mo:0.01〜0.15%、V:0.01〜0.1%、Ca:0.001〜0.005%を含有する組成の鋼素材に、1000〜1300℃に加熱し終了温度をAr3変態点以上とする熱間圧延を施し、終了後10s以内に冷却を開始し、5〜15℃/sの冷却速度で冷却し、400〜600℃の巻取温度で巻き取り厚肉熱延鋼板とし、成形加工し電縫溶接して厚肉電縫鋼管とする。さらに電縫溶接した後、溶接部に高周波誘導加熱手段を用いて1100℃〜(Ac3変態点+50℃)の範囲の温度に加熱し、5〜100℃/sの冷却速度で冷却する。【選択図】なし

Description

本発明は、原油、天然ガス等の輸送に好適なラインパイプ用で、比較的低濃度(具体的には、0.5%程度)の硫化水素ガスを含む湿潤環境(以下、ライトサワー環境ともいう)下で、しかも寒冷地用としても好適な、高強度厚肉電縫鋼管に係り、とくにライトサワー環境下での耐水素誘起割れ性(以下、耐ライトサワー性ともいう)と低温靭性をともに向上させた厚肉高強度電縫鋼管に関する。なお、ここで、「高強度」とは、API 5L X65級(降伏強さYS:450MPa)以上の強度を有する場合をいい、「厚肉」とは管肉厚が15mm以上である場合をいう。
近年、原油価格の高騰や、近い将来に予想される石油資源の枯渇という観点から、従来、省みられなかったような深度が深い油田や、海底油田、さらには硫化水素等を含む、いわゆるサワー環境下にある油田、ガス田等の開発が盛んになっている。そのため、採掘された原油、天然ガスを、生産地から積出基地あるいは需要地まで、大量輸送するためのパイプラインの建設が盛んに行われている。
パイプラインは、通常、UOE鋼管、電縫鋼管あるいは継目無鋼管を溶接等で継ぎ合わせて構成される。近年、輸送効率の向上のために、ラインパイプの大径化、内圧の高圧化が進められているうえ、硫化水素等を含む腐食性が強い原油、天然ガスを輸送する場合が多く、また寒冷地を経由する場合が多くなっている。このため、ラインパイプ用鋼管には、高強度で高靭性、かつ優れた耐硫化物応力腐食割れ性を兼備することが強く要望されるようになってきた。
このような要望に対し、例えば特許文献1には、C:0.01〜0.07%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.0%を基本成分とし、Nb:0.060%以下、V:0.10%以下、Ti:0.050%以下の1種または2種以上を含み、残部Feおよび不可避的不純物よりなる鋼をAr3以上の温度で熱間圧延を完了後、Ar3以上の温度から、20℃/s以上の冷却速度で冷却し、その後250℃以下の温度で巻取り、微細ベイナイトと島状マルテンサイトからなる組織とする、引張強さ60〜80kgf/mm2級(API規格のX60〜X80級)の強度を有し、低温靭性に優れた高強度電縫鋼管用鋼の製造方法が記載されている。特許文献1に記載された技術によれば、合金元素の添加を必要とすることなく、また管全体の熱処理を行うことなしで、破面遷移温度vTrsで−100℃以下の低温靭性に優れた高強度電縫鋼管が容易に製造可能となるとしている。
また、特許文献2には、C:0.03〜0.07%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.7〜1.1%、Cr:0.3〜0.7%、Ti:0.005〜0.030%、Al:0.005〜0.05%、Ca:0.0005〜0.0050%、N:0.005〜0.010%を含む鋼を、1050〜1250℃に加熱してから950℃以下での累積圧下率が50%以上となる圧延を施し、Ar3点以上で圧延を終了し、(Ar3点−30℃)以上の温度域から400〜550℃の温度域まで10〜25℃/sの冷却速度で水冷し、巻取を行う、耐食性に優れた高強度鋼材の製造方法が記載されている。特許文献2に記載された技術によれば、フェライトとベイナイトとの二相組織を有し、API規格のX80級以上の高強度で、かつ耐水素誘起割れ性、耐硫化物応力腐食割れ性、耐炭酸ガス腐食性に優れた鋼材が得られるとしている。
特開昭64−25916号公報 特開平07−216500号公報
水素誘起割れ(HIC)は、硫化水素等を含む、いわゆるサワー環境下で鋼板表面での電気化学的な反応により発生する水素が、鋼板内部に拡散し、例えば介在物、硬質相とマトリックスとの界面等の異相界面に集積し、割れを発生させることにより引き起こされる現象であることが明らかになっている。このため、HICの発生を抑制するには、介在物や硬質相の生成を厳しく抑制することが必要となり、Ca等の添加による介在物の形態制御や、硬質相の生成を促進させるC、Mn、P等の合金元素の制限等が実施されている。例えば、特許文献2に記載された技術では、Cは0.07%以下、Mnは1.1%以下に制限し、Caを0.0050%以下含有する鋼材としている。しかし、とくにMnは、他の特性の著しい低下を伴うことなく容易に高強度を確保でき、しかも安価な元素であり、安価な高強度鋼板を製造するうえでは、含有量を低く制限することは経済的に不利となる。
また、特許文献2に記載された技術は、H2Sが飽和するような高い濃度(具体的には、10%程度)の硫化水素ガスH2Sを含む湿潤環境(サワー環境)下の厳しい環境に晒されても、優れた耐HIC性を保持する高強度鋼材を目的としている。しかし、実際には、比較的低い濃度(1%未満程度)の硫化水素ガスH2Sを含む湿潤環境(ライトサワー環境)となる原油、天然ガスをもっぱら輸送するパイプラインも多くあり、このようなライトサワー環境下で、もっぱら使用されるパイプライン向けラインパイプ用として好適な、安価な鋼管への要求も強い。
また、特許文献1に記載された技術ではMnは2.0%以下と、Mnの含有量をそれほど厳しく制限してはいないが、比較的薄肉(12.9mm以下程度)の高強度電縫鋼管用を対象として熱間圧延完了後の冷却速度を20℃/s以上と限定している。しかし、15mm以上の厚肉高強度電縫鋼管を対象とする場合には、上記した冷却速度を確保するために、高い冷却能を有する大規模な冷却設備の新設を必要とするという問題がある。
本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、API規格のX65以上の高強度で高靭性、ライトサワー環境下で優れた耐水素誘起割れ性を有し、安価で製造性に優れたラインパイプ用高強度厚肉電縫鋼管およびその製造方法を提供することを目的とする。なお、ここでいう「高靭性」とは、シャルピー衝撃試験において、試験温度:−45℃で40J以上の吸収エネルギーを示す場合をいい、しかもこの高靭性を、電縫溶接部においても保持するものとする。なお、ライトサワー環境下で優れた耐水素誘起割れ性を有する場合を、「耐ライトサワー性に優れる」ともいうものとする。
本発明者は、上記した目的を達成するために、肉厚15mm以上の厚肉電縫鋼管の強度、靭性と、ライトサワー環境下での耐水素誘起割れ性(耐HIC性)に及ぼす各種要因について、鋭意検討した。その結果、API規格のX65以上という所望の高強度と、試験温度:−50℃で50J以上の吸収エネルギーを示す高靭性とを有し、かつライトサワー環境下での耐HIC性に優れた安価な厚肉電縫鋼管とするためには、Cを0.02〜0.06質量%としたうえで、Mnを1.0〜1.5質量%の範囲に、さらにMn以外の合金元素、とくにMoの含有量を0.15質量%以下と極力低く調整して、鋼管素材である鋼板組織(母板組織)を微細なフェライト単相組織とすることが肝要となることに思い至った。また、母板組織を、微細なフェライト単相組織とすることにより、所望の高強度を有し、かつ電縫溶接部以外の管母材の延性、および靭性が向上し、所望の高靭性を確保できるうえ、異相界面が減少し、HICの発生が抑制されて耐HIC性に優れた電縫鋼管となることを知見した。
さらに、母板組織を、微細なフェライト単相組織とするためには、熱間圧延終了温度をAr3変態点以上とし、熱間圧延終了後、10s以内に冷却を開始し、5〜15℃/sの範囲の冷却速度で、巻取温度である400〜600℃まで冷却することが肝要となることを知見した。なお、ここでいう「微細なフェライト」とは、平均結晶粒径が10μm以下、好ましくは4〜8μmのフェライトをいうものとする。
まず、本発明の基礎となった実験結果について、説明する。
表1に示す組成の2種のスラブA,B(鋼素材:肉厚215mm)を、表2に示す加熱温度に加熱したのち、熱間圧延を施し、表2に示すAr3変態点以上の温度(熱間圧延終了温度)で熱間圧延を終了し、表2に示す平均冷却速度で、表2に示す巻取温度まで冷却し、該巻取温度で巻き取り、板厚:22mmの熱延鋼板(熱延鋼帯)a,a1,bとした。
得られた熱延鋼板(熱延鋼帯)を所定の幅にスリット(あるいはトリミング)し、複数のロールで冷間成形して略円筒形状のオープン管とし、該オープン管の相対する端面同士を突合せて、電縫溶接して電縫鋼管とした。
得られた電縫鋼管から試験片を採取し、組織観察、引張試験、衝撃試験、腐食試験を実施した。試験方法は次のとおりとした。
(1)組織観察
得られた電縫鋼管の母材部から組織観察用試験片を採取し、管幅方向断面を研磨し、ナイタール液で腐食して、母材部の肉厚中央位置について、光学顕微鏡(倍率:400倍)で観察し、視野数:40箇所について撮像して、組織の同定を行い、各組織の分率(母材部での面積率)および平均粒径を測定した。平均粒径は、撮像した組織写真から画像解析により各粒の面積を測定し、それら面積を平均して平均面積を求め円相当直径に換算し、各電縫鋼管(熱延鋼板)母材部の平均粒径(μm)とした。
(2)引張試験
得られた電縫鋼管の母材部から、引張方向が管長手方向または管円周方向となるように、引張試験片(ASTM板状試験片)を採取し、ASTM A 370の規定に準拠して引張試験を実施し引張特性(降伏強さYS、引張強さTS、伸びEl)を求めた。
(3)衝撃試験
得られた電縫鋼管の母材部から、ASTM A 370の規定に準拠して、長さ方向が管円周方向となるように2mmVノッチ試験片(厚さ:10mm)を採取し、試験温度:−50℃でシャルピー衝撃試験を実施し、吸収エネルギー(J)を求めた。試験片数は各3本とした。
(4)腐食試験
得られた電縫鋼管の母材部から、腐食試験片(大きさ:20×100mm)を採取した。得られた腐食試験片を、ライトサワー環境を模して、雰囲気ガスを(0.5%H2S+99.5%CO2)とした試験溶液(5%NaCl+0.5%CH3COOH水溶液)に、試験期間:96h間浸漬した。浸漬後、25mmピッチで割断した断面を観察し、各腐食試験片中の割れを測定し、NACE TM 0248の規定に準拠して、CLR(Crack Length Ratio)、CTR(Crack Thickness Ratio)、CSR(Crack Sensitivity Ratio)を算出した。
得られた結果を表3に示す。
Figure 2015190026
Figure 2015190026
Figure 2015190026
Mn含有量を1.1%超とし、Mo含有量を0.15%以下に調整した組成のスラブA(鋼素材)を、熱間圧延終了温度:Ar3変態点以上で、熱間圧延終了後の冷却速度を5〜15℃/sの平均冷却速度で冷却し、巻取温度:400〜600℃として巻き取った熱延鋼板No.a,No.a1は、母材部組織が微細なフェライト相が面積率で95%以上のフェライト単相組織となり、所望のX65級以上の高強度と、試験温度:−50℃でのシャルピー吸収エネルギーが50J以上と安定して高靭性を確保でき、しかもライトサワー環境下でも割れ(HIC)の発生は皆無であった。一方、Mn:1.0%以下で、Mo:0.15%を超える熱延鋼板No.bは、同様の熱間圧延、冷却条件で、面積率で5%を超える第二相(パーライト相)が生成し、母材部組織がフェライト単相組織が得られていないため、試験温度:−50℃でのシャルピー吸収エネルギーが50J未満となる場合があり、安定した高靭性を確保できないうえ、ライトサワー環境下でも割れ(HIC)の発生が認められた。
さらに、本発明者は、電縫溶接部の靭性を母材靭性並みに「高靭性」とするためには、上記した母板を使用しても通常の電縫溶接および溶接部熱処理しただけでは十分ではなく、電縫溶接部に所定の条件の熱処理を施す必要があることを知見した。本発明者の検討によれば、電縫溶接部に施す熱処理としては、電縫溶接により形成された粗大な組織を靭性に富む微細なフェライト相組織とするために、高周波誘導加熱により、管外面の温度で1100〜(Ac3変態点+50℃)の範囲の温度に加熱したのち、5〜100℃/sの冷却速度で冷却する必要があることを知見した。
本発明は、これらの知見に基づきさらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)熱延鋼板を成形加工し電縫溶接してなり、母材部と電縫溶接部とを有し、肉厚が15mm以上であるラインパイプ用厚肉高強度電縫鋼管であって、前記母材部が、質量%で、C:0.02〜0.06%、Si:0.10〜0.30%、Mn:1.00〜1.50%、P:0.010%以下、S:0.0010%以下、Al:0.01〜0.10%を含み、さらにNb:0.010〜0.060%、Ti:0.005〜0.020%を含有し、さらに、Cu:0.01〜0.20%、Ni:0.01〜0.20%、Mo:0.01〜0.15%、V:0.01〜0.10%と、さらにCa:0.001〜0.005%を含有し、不純物であるN、OをN:0.005%以下、O:0.003%以下に調整し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、フェライト相が面積率で95%以上を占めるフェライト単相組織とを有し、前記電縫溶接部がフェライト相が面積率で95%以上を占めるフェライト単相組織を有し、前記母材部および前記電縫溶接部が高靭性で、かつライトサワー環境下での耐HIC性に優れることを特徴とするラインパイプ用厚肉高強度電縫鋼管。
(2)(1)において、前記母材部組織における前記フェライト相が、平均粒径で2〜10μmであることを特徴とするラインパイプ用厚肉高強度電縫鋼管。
(3)鋼素材を加熱して熱間圧延し、該熱間圧延終了後、冷却して巻き取り、肉厚が15mm以上の厚肉熱延鋼板とし、該厚肉熱延鋼板を成形加工し電縫溶接して厚肉電縫鋼管とする厚肉電縫鋼管の製造方法であって、前記鋼素材が、質量%で、C:0.02〜0.06%、Si:0.10〜0.30%、Mn:1.00〜1.50%、P:0.010%以下、S:0.0010%以下、Al:0.01〜0.10%を含み、さらにNb:0.010〜0.060%、Ti:0.005〜0.020%を含有し、さらに、Cu:0.01〜0.20%、Ni:0.01〜0.20%、Mo:0.01〜0.15%、V:0.01〜0.10%と、さらにCa:0.001〜0.005%を含有し、不純物であるN、OをN:0.005%以下、O:0.003%以下に調整し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材とし、前記加熱が、加熱温度:1000〜1300℃とする加熱であり、前記熱間圧延を、熱間圧延終了温度:Ar3変態点以上とする熱間圧延とし、前記冷却を、前記熱間圧延終了後10s以内に冷却を開始し、5〜15℃/sの平均冷却速度で巻取温度まで冷却する冷却とし、前記巻き取りを、巻取温度:400〜600℃とする巻き取りとし、前記電縫溶接した後、該電縫溶接された前記厚肉電縫鋼管の電縫溶接部に熱処理を施し、母材部および電縫溶接部がともに高靭性で、ライトサワー環境下での耐HIC性に優れる厚肉高強度電縫鋼管とすることを特徴とするラインパイプ用厚肉高強度電縫鋼管の製造方法。
(4)(3)において、前記熱処理を、高周波誘導加熱手段により、前記厚肉電縫鋼管の前記電縫溶接部の外面温度で1100℃〜(Ac3変態点+50℃)の範囲の温度に加熱したのち、5〜100℃/sの冷却速度で冷却する熱処理とすることを特徴とするラインパイプ用厚肉高強度電縫鋼管の製造方法。
本発明によれば、API規格のX65以上の高強度と、試験温度:−50℃で50J以上のシャルピー衝撃試験吸収エネルギーを示す高靭性と、硫化水素濃度が0.1〜0.5%程度のライトサワー環境下での優れた耐水素誘起割れ性とを兼備する、厚肉のラインパイプ用電縫鋼管を、安価に製造できるという効果を奏する。また、本発明によれば、電縫溶接部が、母材部と同等の特性を有する電縫鋼管とすることができるという効果もある。
本発明ラインパイプ用厚肉高強度電縫鋼管は、熱延鋼板を成形加工し電縫溶接してなり、肉厚が15mm以上で、X65級高強度電縫鋼管であり、母材部が、質量%で、C:0.02〜0.06%、Si:0.10〜0.30%、Mn:1.00〜1.50%、P:0.010%以下、S:0.0010%以下、Al:0.01〜0.10%を含み、さらにNb:0.010〜0.060%、Ti:0.005〜0.020%を含有し、さらに、Cu:0.01〜0.20%、Ni:0.01〜0.20%、Mo:0.01〜0.15%、V:0.01〜0.10%と、さらにCa:0.001〜0.005%を含有し、不純物であるN、OをN:0.005%以下、O:0.003%以下に調整し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する。
まず、本発明電縫鋼管の母材部の組成限定理由について説明する。以下、とくに断わらないかぎり質量%は単に%で記す。
C:0.02〜0.06%
Cは、鋼管の強度増加に寄与する元素であり、所望の強度を確保するために0.02%以上の含有を必要とする。一方、0.06%を超える含有は、溶接性の低下をもたらすとともに、熱間圧延後の冷却速度が速くなる場合にマルテンサイトの生成を促進し、鋼管の靭性低下を招く。また、0.06%を超えて含有すると、耐サワー性(耐食性)に悪影響を及ぼす恐れがある。そのため、Cは0.02〜0.06%の範囲に限定した。
Si:0.10〜0.30%
Siは、脱酸剤として作用する元素であり、このような効果を得るためには0.10%以上の含有を必要とする。一方、0.30%を超える含有は、電縫溶接時に電縫溶接部に非金属介在物(Mn−Si系非金属介在物)を形成し、電縫溶接部の靭性低下をもたらす恐れがある。このため、Siは0.10〜0.30%の範囲に限定した。
Mn:1.00〜1.50%
Mnは、鋼管の強度増加に寄与するとともに、組織の微細化を介して、靭性の向上にも寄与する安価な元素である。このような効果を得るためには1.00%以上の含有を必要とする。一方、1.50%を超える多量の含有は、焼入れ性が向上し硬質相の生成が顕著となり、耐サワー性(耐ライトサワー性)が低下する。このようなことから、Mnは1.00〜1.50%の範囲に限定した。
P:0.010%以下
Pは、粒界等に偏析して靭性に悪影響を及ぼす元素であり、できるだけ低減することが望ましいが、0.010%以下であれば許容できる。
S:0.0010%以下
Sは、通常、硫化物系介在物として存在し、延性及び靭性の低下や耐ライトサワー性の低下を招く元素であり、できるだけ低減することが望ましいが、0.0010%以下であれば、許容できる。このようなことから、Sは0.0010%以下に限定した。
Al:0.01〜0.10%
Alは、脱酸剤として作用する元素である。このような効果を得るためには、0.01%以上の含有を必要とする。一方、0.10%を超えて含有すると、アルミナ系介在物が増加し、鋼の清浄度を低下させる恐れがある。このため、Alは0.01〜0.10%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.01〜0.05%である。
Nb:0.010〜0.060%
Nbは、オーステナイト粒の再結晶を抑制し、結晶粒の微細化に有効に寄与する元素であり、また、炭化物を形成し鋼管の高強度化に寄与する元素である。このような効果を得るためには0.010%以上の含有を必要とする。一方、0.060%を超える含有は、焼入れ性を向上させ、靭性とくに電縫溶接部靭性を低下させる。このようなことから、Nbは0.010〜0.060%の範囲に限定した。
Ti:0.005〜0.020%
Tiは、窒化物を形成しオーステナイト粒の粗大化を防止する作用を有し、靭性向上に寄与する有用な元素である。また、Tiは、炭化物を形成し析出強化により鋼管強度の増加に寄与する。このような効果を確保するためには、0.005%以上の含有を必要とする。一方、0.020%を超える含有は、溶接性を低下させる。このため、Tiは0.005〜0.020%の範囲に限定した。
Cu:0.01〜0.20%
Cuは、固溶して鋼管強度を増加させるとともに、靭性、耐食性を向上させる元素である。また、Cuは、パーライト変態の開始を遅延する作用を有し、バンド状パーライトの生成を抑制し、靭性向上に寄与する。このような効果を得るためには0.01%以上の含有を必要とする。一方、0.20%を超える含有は、硬質相の生成が助長されて、耐ライトサワー性が低下する。このため、Cuは0.01〜0.20%の範囲に限定した。
Ni:0.01〜0.20%
Niは、Cuと同様に、固溶して鋼管強度を増加させるとともに、靭性、耐食性を向上させる元素である。このような効果を得るためには0.01%以上の含有を必要とする。一方、0.20%を超える含有は、材料コストの高騰を招く。このため、Niは0.01〜0.20%の範囲に限定した。
Mo:0.01〜0.15%
Moは、フェライト相に固溶し、固溶強化により鋼管強度の増加に寄与する元素である。また、Moはパーライト変態の開始を遅延する作用を有し、バンド状パーライトの生成を抑制し、靭性向上に寄与する。このような効果を得るためには、0.01%以上の含有を必要とする。一方、Moは多量に含有しても、硬質相の生成を助長することはないが、0.15%を超える多量の含有は材料コストの高騰を招くうえ、焼入性を向上させる硬質相を生成させて、電縫溶接部の靭性を低下させる。このため、Moは0.01〜0.15%の範囲に限定した。
V:0.01〜0.10%
Vは、炭化物あるいは窒化物を形成し、析出強化により鋼管強度の増加に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.01%以上の含有を必要とする。一方、0.10%を超える含有は、電縫溶接部の靭性を低下させる。このため、Vは0.01〜0.10%の範囲に限定した。
Ca:0.001〜0.005%
Caは、展伸した硫化物系介在物を粒状の介在物とする、いわゆる介在物の形態を制御する作用を有し、この介在物の形態制御を介して、延性、靭性さらには耐ライトサワー性の向上に寄与する元素である。このような効果を得るためには0.001%以上の含有を必要とする。一方、0.005%を超える含有は、非金属介在物が増加しかえって、延性、靭性さらには耐ライトサワー性が低下する。このため、Caは0.001〜0.005%の範囲に限定した。
なお、不純物であるN、OはN:0.005%以下、O:0.003%以下に調整する。
Nは、不純物として存在し、靭性に悪影響を及ぼすため、できるだけ低減することが望ましいが、0.005%までは許容できる。このため、Nは0.005%以下に限定した。
Oは、酸化物系介在物として存在し、靭性、さらには耐ライトサワー性に悪影響を及ぼす元素であり、できるだけ低減することが望ましいが、0.003%までは許容できる。このため、Oは0.003%以下に限定した。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物からなる。
本発明電縫鋼管の母材部は、上記した組成を有し、かつフェライト相が面積率で95%以上を占めるフェライト単相組織を有する。
フェライト相:面積率で95%以上
所望の高強度と高靭性を兼備した母材部(電縫鋼管母材部)とするためには、フェライト単相組織とする必要がある。ここでいう「フェライト単相組織」とは、フェライト相が面積率で95%以上である場合をいう。フェライト相が95%未満、すなわち、フェライト相以外の第二相が面積率で5%以上存在すると、母材靭性が低下し、所望の高強度と高靭性を兼備することができなくなる。フェライト相以外の第二相としては、パーライト、ベイナイト相、マルテンサイト相が例示される。
なお、フェライト相は、微細フェライト相とすることが、所望の高強度と高靭性を確保するため必要となる。ここでいう「微細」とは、平均結晶粒径が、10μm以下、好ましくは4〜8μmである場合をいう。
また、本発明電縫鋼管では、電縫溶接部で所望の高靭性を確保するために、電縫溶接部の組織は、フェライト相が面積率で95%以上を占めるフェライト単相組織とする。なお、フェライト相は微細フェライト相とする。このような組織とするために、本発明では電縫溶接部に所定の熱処理を施す。ここでいう「微細」とは平均結晶粒径が10μm以下である場合をいう。
つぎに、本発明ラインパイプ用厚肉高強度電縫鋼管の製造方法について説明する。
本発明ラインパイプ用厚肉高強度電縫鋼管は、通常の電縫鋼管の製造方法を利用する。すなわち、鋼管素材を冷間で、好ましくは複数のロール群を用いて、略円筒形状のオープン管に成形加工し、ついで該オープン管の相対する端面同士を突合せて、電縫溶接して電縫鋼管とする。本発明では、鋼管素材として、板厚15mm以上の厚肉熱延鋼板(厚肉熱延鋼帯)を用いる。
なお、本発明ラインパイプ用厚肉高強度電縫鋼管では、電縫溶接し、その直後に、電縫溶接部に熱処理を施す。
電縫溶接部の熱処理は、誘導加熱手段を用いて行うことが、生産性の観点から好ましい。熱処理は、オンラインあるいはバッチ処理として行ってもよい。電縫溶接部の熱処理は、最高加熱温度を(Ac3変態点+50℃)〜1100℃の範囲の温度とし、該温度に加熱後、平均冷却速度で5〜100℃/sの冷却速度で500℃以下の冷却停止温度まで冷却する処理とすることが好ましい。
最高加熱温度が、(Ac3変態点+50℃)未満では、電縫溶接で生成した硬質な組織を靭性に富む、微細な組織とすることができない。一方、1100℃を超えて高温となると、組織が粗大化し、電縫溶接部の靭性が低下する。このようなことから、電縫溶接部の熱処理の最高加熱温度は(Ac3変態点+50℃)〜1100℃の範囲の温度に限定することが好ましい。
また、加熱後の冷却速度が5℃/s未満では、組織が微細化せず、パーライトが生成する恐れがあり、電縫溶接部の靭性が低下する。一方、100℃/sを超える急速冷却では、ベイナイト、マルテンサイト等の硬質相が生成し、靭性が低下する。このため、加熱後の冷却速度は平均で、5〜100℃/sの冷却速度とすることが好ましい。加熱後の冷却を上記した範囲の冷却速度に調整することにより、電縫溶接部の組織を、微細なフェライト単相組織とすることができ、電縫溶接部の靭性が向上する。なお、より好ましくは10〜50℃/sである。
つぎに、鋼管素材である厚肉熱延鋼板の製造方法について説明する。
上記した組成の溶鋼を、転炉等の常用の溶製法で溶製し、連続鋳造法等の常用の鋳造方法でスラブ等の鋼素材とする。ついで、上記した組成を有する鋼素材に、加熱温度:1000〜1300℃に加熱し熱間圧延終了温度をAr3変態点以上とする熱間圧延を施し、熱間圧延終了後、10s以内に冷却を開始し、5〜15℃/sの平均冷却速度で巻取温度まで冷却し、巻取温度:400〜600℃で巻き取り、板厚15mm以上の厚肉熱延鋼板(厚肉熱延鋼帯)とする。
加熱温度:1000〜1300℃
鋼素材の加熱温度が1000℃未満では、熱間変形抵抗が高くなり、圧延機への負荷が増大し、圧延が困難になる恐れがある。一方、1300℃を超えると、結晶粒の粗大化が生じ靭性が低下するうえ、スケール生成量が増大し、歩留りの低下や鋼素材の表面性状の低下が著しくなる。このため、鋼素材の加熱温度は1000〜1300℃の範囲に限定した。なお、結晶粒の微細化の観点からは、1250℃以下とすることが好ましい。
熱間圧延終了温度:Ar3変態点以上
熱間圧延は、粗圧延および仕上圧延からなるが、粗圧延についてはとくに限定する必要はない。仕上圧延では、仕上圧延の終了温度、すなわち熱間圧延終了温度をAr3変態点以上とする。仕上圧延の終了温度がAr3変態点未満では、仕上圧延中にフェライトが生成し加工されるため、組織が不均一となり、微細なフェライト単相組織を確保できなくなるとともに靭性が低下する。このため、熱間圧延終了温度はAr3変態点以上に限定した。なお、ここでいう熱間圧延終了温度は、仕上圧延機出側における鋼板表面の温度をいうものとする。
冷却開始:10s以内
熱間圧延終了後には、冷却を施す。冷却の開始時間は、熱間圧延終了後、10s以内とする。冷却開始が、10sを超えて遅くなると、粗大な軟質のフェライトが生成しやすく、所望の高強度を確保できなくなる。そのため、冷却の開始時間は、熱間圧延終了後、10s以内に限定した。なお、好ましくは圧延終了後直ちに、あるいは8s以内である。
平均冷却速度:5〜15℃/s
熱間圧延後の冷却は冷却停止温度を巻取温度(巻取り直前の温度)として一般に管理している。熱間圧延後の冷却が、巻取温度までの平均で5℃/s未満では、組織が粗大となりやすく、所望の高強度、高靭性を確保できにくくなる。また、15℃/sを超えて冷却が速くなると、ベイナイト、マルテンサイト等の硬質相の生成が促進され、所望の組織を得ることが難しくなり、所望の高靭性を確保できにくくなる。このため、熱間圧延後の冷却は、平均冷却速度で5〜15℃/sの範囲に限定した。
巻取温度:400〜600℃
巻取温度が400℃未満では、析出物量が不足して所望の高強度を確保できなくなる。一方、巻取温度が600℃を超えて高温となると、組織が粗大化し、著しい靭性の低下を招く。このため、本発明では、微細なフェライト単相組織とし、かつ析出物量を適正範囲に調整して、所望の強度、靭性を確保するために、巻取温度は400〜600℃の範囲に限定した。
上記した製造方法によれば、微細なフェライト単相組織を有し、所望の高強度、高靭性を有する、ラインパイプ用厚肉高強度電縫鋼管用として好適な、厚肉高強度熱延鋼板を安価に製造できる。
以下、実施例に基づきさらに本発明について説明する。
表4に示す組成の溶鋼を、転炉で溶製し、連続鋳造によりスラブ(鋼素材;肉厚:215mm)とし、これら鋼素材を表5に示す加熱温度に加熱し、表5に示す条件で熱間圧延を施し、表5に示す板厚の厚肉熱延鋼板(熱延鋼帯)とした。
得られた熱延鋼板を所定の幅にスリットしたのち、冷間で複数のロールにより成形加工し略円筒形状のオープン管とし、相対する端面を突合せ電縫溶接して厚肉電縫鋼管とした。ついで、得られた厚肉電縫鋼管の電縫溶接部に、高周波誘導加熱手段により表6に示す条件の熱処理(加熱−冷却処理)を施した。
得られた電縫鋼管から試験片を採取し、組織観察、引張試験、衝撃試験、腐食試験を実施した。試験方法は次のとおりとした。
(1)組織観察
得られた電縫鋼管の母材部および電縫溶接部から組織観察用試験片を採取した。母材部については、管幅方向断面を研磨し、ナイタール液で腐食して、母材部の肉厚中央位置で、光学顕微鏡(倍率:400倍)で組織を観察し、組織の同定を行い、視野数:10箇所について撮像して、画像解析により各組織の分率(母材部での面積率)および平均粒径を測定した。平均粒径は、撮像した組織写真から画像解析により各粒の面積を測定し、それら面積を平均して平均面積を求め円相当直径に換算し、各電縫鋼管(熱延鋼板)母材部の平均粒径(μm)とした。なお、電縫溶接部についても同様に、電縫溶接部の組織、平均粒径を求めた。
(2)引張試験
得られた電縫鋼管の母材部から、引張方向が管長手方向または管円周方向となるように、引張試験片(ASTM A 370板状試験片)を採取し、ASTM A 370の規定に準拠して引張試験を実施し引張特性(降伏強さYS、引張強さTS、伸びEl)を求めた。
(3)衝撃試験
得られた電縫鋼管の母材部から、ASTM A 370の規定に準拠して、長手方向が管円周方向となるように2mmVノッチ試験片(厚さ:10mm)を採取し、試験温度:−50℃でシャルピー衝撃試験を実施し、吸収エネルギー(J)を求めた。試験片数は各3本とした。なお、電縫溶接部についても、ノッチ部が電縫溶接部中央位置となるように、試験片を採取し、同様に吸収エネルギー(J)を求めた。
(4)腐食試験
得られた電縫鋼管の母材部および電縫溶接部から、試験片長手方向が管円周方向となるように腐食試験片(大きさ:20×100mm)を採取した。得られた腐食試験片を、ライトサワー環境を模して、オートクレーブ中で雰囲気ガスを(0.5%H2S+99.5%CO2)とした試験溶液(5%NaCl+0.5%CH3COOH水溶液)に、試験期間:96h間浸漬した。浸漬後、25mmピッチで割断した断面を観察し、各腐食試験片中の割れを測定し、NACE TM 0248の規定に準拠して、CLR、CTR、CSRを算出した。
得られた結果を表6、7に示す。
Figure 2015190026
Figure 2015190026
Figure 2015190026
Figure 2015190026
本発明例はいずれも、API規格のX65以上の高強度と、試験温度:−50℃で50J以上のシャルピー衝撃試験吸収エネルギーを示す高靭性と、ライトサワー環境下での優れた耐水素誘起割れ性とを兼備した厚肉高強度電縫鋼管となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、所望の高強度が得られていないか、所望の高靭性が得られていないか、あるいは腐食環境下で割れが発生し、耐ライトサワー性が低下しているか、している。

Claims (4)

  1. 熱延鋼板を成形加工し電縫溶接してなり、母材部と電縫溶接部とを有し、肉厚が15mm以上である厚肉高強度電縫鋼管であって、前記母材部が、質量%で、
    C :0.02〜0.06%、 Si:0.10〜0.30%、
    Mn:1.00〜1.50%、 P :0.010%以下、
    S :0.0010%以下、 Al:0.01〜0.10%
    を含み、さらに
    Nb:0.010〜0.060%、 Ti:0.005〜0.020%
    を含有し、さらに、
    Cu:0.01〜0.20%、 Ni:0.01〜0.20%、
    Mo:0.01〜0.15%、 V :0.01〜0.10%
    と、さらに
    Ca:0.001〜0.005%を含有し、不純物であるN、OをN:0.005%以下、O:0.003%以下に調整し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、フェライト相が面積率で95%以上を占めるフェライト単相組織とを有し、前記電縫溶接部がフェライト相が面積率で95%以上を占めるフェライト単相組織を有し、前記母材部および前記電縫溶接部が高靭性で、かつライトサワー環境下での耐HIC性に優れることを特徴とするラインパイプ用厚肉高強度電縫鋼管。
  2. 前記母材部組織における前記フェライト相が、平均粒径で2〜10μmであることを特徴とする請求項1に記載のラインパイプ用厚肉高強度電縫鋼管。
  3. 鋼素材に、加熱して熱間圧延を施し、該熱間圧延終了後、冷却して巻き取り、肉厚が15mm以上の厚肉熱延鋼板とし、該厚肉熱延鋼板を成形加工し電縫溶接して厚肉電縫鋼管とする厚肉電縫鋼管の製造方法であって、前記鋼素材が、質量%で、
    C :0.02〜0.06%、 Si:0.10〜0.30%、
    Mn:1.00〜1.50%、 P :0.010%以下、
    S :0.0010%以下、 Al:0.01〜0.10%
    を含み、さらに
    Nb:0.010〜0.060%、 Ti:0.005〜0.020%
    を含有し、さらに、
    Cu:0.01〜0.20%、 Ni:0.01〜0.20%、
    Mo:0.01〜0.15%、 V :0.01〜0.10%
    と、さらにCa:0.001〜0.005%を含有し、不純物であるN、OをN:0.005%以下、O:0.003%以下に調整し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材とし、前記加熱が、加熱温度:1000〜1300℃とする加熱であり、前記熱間圧延を、熱間圧延終了温度:Ar3変態点以上とする熱間圧延とし、前記冷却を、前記熱間圧延終了後10s以内に冷却を開始し、5〜15℃/sの平均冷却速度で巻取温度まで冷却する冷却とし、前記巻き取りを、巻取温度:400〜600℃とする巻き取りとし、前記電縫溶接した後、該電縫溶接された前記厚肉電縫鋼管の電縫溶接部に熱処理を施し、母材部および電縫溶接部がともに高靭性で、ライトサワー環境下での耐HIC性に優れる厚肉高強度電縫鋼管とすることを特徴とするラインパイプ用厚肉高強度電縫鋼管の製造方法。
  4. 前記熱処理を、高周波誘導加熱手段により、前記厚肉電縫鋼管の前記電縫溶接部の外面温度で1100℃〜(Ac3変態点+50℃)の範囲の温度に加熱したのち、5〜100℃/sの冷却速度で冷却する熱処理とすることを特徴とする請求項3に記載のラインパイプ用厚肉高強度電縫鋼管の製造方法。
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