JP2015188379A - 腸内菌叢の老若判定方法及び菌群のスクリーニング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】糞便検体に含まれる全ての菌の数に対する17の門又は科に属する菌群のうち少なくとも一つ以上の菌群の割合と、予め定められた各菌群における基準値とを比較して腸内菌叢が老齢タイプ又は若齢タイプのいずれであるかを判定する判定工程を有する、腸内菌叢の老若判定方法を提供する。
【選択図】なし
Description
(1)Methanobacteriaceae科
(2)Campylobacteraceae科
(3)Desulfitobacteraceae科
(4)Proteobacteria門
(5)Synergistetes門
(6)Comamonadaceae科
(7)Dethiosulfovibrionaceae科
(8)Leuconostocaceae科
(9)Staphylococcaceae科
(10)Catabacteriaceae科
(11)Synergistaceae科
(12)Pseudomonadaceae科
(13)Peptococcaceae科
(14)Odoribacteraceae科
(15)Enterobacteriaceae科
(16)Lachnospiraceae科
(17)Propionibacteriaceae科
前記判定工程の(a)に用いられる基準値は、任意の年齢又は月齢以下の若齢集団から得た個々の糞便検体における各々の前記割合のうちの最大値であってもよい。
また、前記判定工程の(b)に用いられる基準値は、任意の年齢又は月齢以下の若齢集団から得た個々の糞便検体における各々の前記割合のうちの最小値であってもよい。
さらに、前記判定工程の(c)に用いられる基準値は、任意の年齢又は月齢を超える高齢集団から得た個々の糞便検体における各々の前記割合のうちの最大値であってもよい。
前記判定工程の(a)における下記(1)〜(15)の門又は科に属する菌群の各々に対する前記基準値を下記値とすることもできる。
(1)Methanobacteriaceae科:0
(2)Campylobacteraceae科:0
(3)Desulfitobacteraceae科:0
(4)Proteobacteria門:0.0681
(5)Synergistetes門:0.0015
(6)Comamonadaceae科:0.0002
(7)Dethiosulfovibrionaceae科:0.0003
(8)Leuconostocaceae科:0.0003
(9)Staphylococcaceae科:0.0004
(10)Catabacteriaceae科:0.0011
(11)Synergistaceae科:0.0015
(12)Pseudomonadaceae科:0.0017
(13)Peptococcaceae科:0.0026
(14)Odoribacteraceae科:0.0032
(15)Enterobacteriaceae科:0.0663
また、前記判定工程の(b)における下記(16)の科に属する菌群に対する前記基準値を下記値とすることもできる。
(16)Lachnospiraceae科:0.228
さらに、前記判定工程の(c)における下記(17)の科に属する菌群に対する前記基準値を下記値とすることもできる。
(17)Propionibacteriaceae科:0
前記腸内菌叢の老若判定方法は、前記判定工程の前に前記割合を測定する測定工程を有していてもよい。
本開示に係る腸内菌叢の老若判定方法では、腸内菌叢について老齢タイプと若齢タイプのいずれであるかを判定する。図1は、本開示に係る腸内菌叢の老若判定方法の一例を示すフローチャートである。腸内菌叢の老若判定方法には、少なくとも判定工程S12が含まれる。また、本開示に係る腸内菌叢の老若判定方法では、判定工程S12の前に、後述する、糞便検体に含まれる全ての菌の数に対する特定の菌群の割合を測定する測定工程S11を有していてもよい。
以下、測定工程S11と判定工程S12について順に説明する。なお、本開示に係る腸内菌叢の老若判定方法において、腸内菌叢を構成する菌群の「菌」とは、細菌(bacteria)及び古細菌(archaea)を含み、かつ、真菌(fungi)を含まないものである。また、これは、後述する菌群のスクリーニング方法においても同様である。
糞便検体に含まれる菌のうち、上記(1)〜(17)の門又は科に属する菌群に分類される菌の数は、公知の手法を用いて求めることができ、その手法は特に限定されない。例えば、菌の分類については、リボソームを構成する小型のサブユニット(16S)に存在するRNAをコードする遺伝子(16SrRNA遺伝子)の塩基配列に基づき、各々の菌を、上記(1)〜(17)の門又は科に属する各々の菌群又は、その他の菌群に分けることができる。また、糞便検体に含まれる各々の菌群の菌数の算出についても、例えば、糞便検体中に含まれる、各々の菌に由来する16SrRNA遺伝子のDNA量やコピー数を定量することにより行うこともできる。菌数の算出について、以下に例を挙げる。
糞便検体から得られるDNAの解析結果を、これらのデータベースに蓄積された菌群の塩基配列に対して相同性検索することにより、糞便検体に含まれる菌群を同定することができる。いずれかの菌群に同定された配列のうち、上記(1)〜(17)の門又は科に属する菌群の16SrRNA遺伝子として同定された配列のコピー数を、上記(1)〜(17)の門又は科に属する菌群の数とすることができる。
糞便検体に含まれる全ての菌の数の測定は、公知の手法を用いて求めることができ、その手法は特に限定されない。例えば、上述したシーケンサーを用いる方法においては、16SrRNA遺伝子の配列中、糞便検体に含まれる菌で共通の塩基配列部分に結合するプライマーを用いて16SrRNA遺伝子の配列を解読することにより、上記(1)〜(17)の門又は科に属する菌群以外の菌の16SrRNA遺伝子のコピー数も算出することができる。このため、糞便検体に含まれる全菌数は、例えば、糞便検体で測定される全ての菌の16SrRNA遺伝子のコピー数の和としてもよい。また、顕微鏡等を用いて、糞便検体に含まれる菌を数えることによって、糞便検体に含まれる全ての菌の数を求めることもできる。本開示に係る腸内菌叢の老若判定方法においては、測定工程S11に、16SrRNA遺伝子の塩基配列を解読する工程を有する方法が好ましい。なお、本工程S11に用いられる糞便検体は、採取後に培養操作が行われていない検体が望ましい。培養操作において、各々の菌の増殖率が異なることによって、採取時の糞便検体における各菌の割合が変化してしまうおそれがあるためである。
糞便検体に含まれる全ての菌の数に対する上記(1)〜(17)の門又は科に属する菌群の各々の割合とは、糞便検体に含まれる全菌数を「1」としたときの相対値である。従って、上記割合は、上記(1)〜(17)の門又は科に属する菌群の各々に分類された菌の数と糞便検体に含まれる全菌数から求めることができる。また、上述したように、上記(1)〜(17)の門又は科に属する菌群の16SrRNA遺伝子のコピー数と、糞便検体に含まれる全て菌の16SrRNA遺伝子のコピー数とから上記割合を求めることもできる。なお、上記(1)〜(17)の門又は科に属する菌群が検出されなかった場合には、その菌群の割合は0とする。
判定工程S12の(a)に用いられる基準値を、任意の年齢又は月齢以下の若齢集団から得た個々の糞便検体における各々の上記割合のうち、最大値とする。
判定工程S12の(b)に用いられる基準値を、任意の年齢又は月齢以下の若齢集団から得た個々の糞便検体における各々の上記割合のうち、最小値とする。
判定工程S12の(c)に用いられる基準値を、任意の年齢又は月齢を超える高齢集団から得た個々の糞便検体における各々の上記割合のうち、最大値とする。
なお、若齢集団には、乳幼児など、腸内菌叢に関して成人とは異なる特徴を有することが知られている年齢層を除外することが好ましい。このような年齢層を除外することによって、若齢集団における腸内菌叢を構成する菌群の種類や菌数についてのばらつきが、より抑制される。この場合、若齢集団については、任意の年齢又は月齢以下で、かつ当該任意の年齢又は月齢より若い任意の年齢又は月齢を超える集団とすることができる。
(1)Methanobacteriaceae科:0、
(2)Campylobacteraceae科:0、
(3)Desulfitobacteraceae科:0、
(4)Proteobacteria門:0.0681、
(5)Synergistetes門:0.0015、
(6)Comamonadaceae科:0.0002、
(7)Dethiosulfovibrionaceae科:0.0003、
(8)Leuconostocaceae科:0.0003、
(9)Staphylococcaceae科:0.0004、
(10)Catabacteriaceae科:0.0011、
(11)Synergistaceae科:0.0015、
(12)Pseudomonadaceae科:0.0017、
(13)Peptococcaceae科:0.0026、
(14)Odoribacteraceae科:0.0032、
(15)Enterobacteriaceae科:0.0663、
(16)Lachnospiraceae科:0.228、
(17)Propionibacteriaceae科:0
例えば、老齢タイプであるか否かの判定に用いられる上記(1)〜(16)の門又は科に属する菌群の中から、複数種類を選択して、老齢タイプであるか否かの判定を行ってもよい。また、例えば、上記(1)〜(16)の門又は科に属する菌群のうち一つと、若齢タイプであるか否かの判定に用いられる上記(17)の科に属する菌群とを選択して、腸内菌叢を老齢タイプと若齢タイプのいずれであるかを判定することもできる。
本開示に係る菌群のスクリーニング方法では、腸内菌叢に含まれる菌群のうち、腸内菌叢を老齢タイプ又は若齢タイプに判定するための老若判定マーカーとなる菌群を探索する。
図2は、本開示に係る菌群のスクリーニング方法の工程を示すフローチャートである。
なお、図3と後述する図5と図7における第1群〜第4群は、選別工程S21によって分けられる糞便検体の各群に便宜的に付したものにすぎず、各数字に意味はない。
例えば、老齢タイプと判定するためのマーカー探索が目的であれば、老齢タイプに該当する糞便検体に含まれる菌群を同定することが好ましい。また、若齢タイプと判定するためのマーカー探索が目的であれば、若齢タイプに該当する糞便検体に含まれる菌群を同定することが好ましい。
このため、より効率的に老齢タイプと判定するためのマーカーを探索することができる。この点については、若齢タイプに該当しなかった糞便検体から同定された菌群やその菌数を、若齢タイプを判定するためのマーカー検索において、リファレンスとして用いる場合も同様である。
即ち、本開示の腸内菌叢の老若判定マーカーとなる菌群のスクリーニング方法は、糞便検体に含まれる任意の種類の菌群について、糞便検体に含まれる全ての菌の数に対する割合を測定する測定工程と、任意の年齢又は月齢を超える高齢集団における上記割合の分布と、任意の年齢又は月齢以下の若齢集団における上記割合の分布と、を比較する比較工程と、比較工程において、下記(a)〜(d)のうち少なくともいずれか一つに該当する場合には、任意の種類の菌群を腸内菌叢の老若判定マーカーとして同定する同定工程と、を含むものとすることもできる。
(a)若齢集団における上記割合の最大値を超える範囲に、高齢集団の分布が存在する。
(b)若齢集団における上記割合の最小値未満の範囲に、高齢集団の分布が存在する。
(c)高齢集団における上記割合の最大値を超える範囲に、若齢集団の分布が存在する。
(d)高齢集団における上記割合の最小値未満の範囲に、若齢集団の分布が存在する。
本開示に係る物質のスクリーニング方法では、食餌や物質に含まれる腸内菌叢へ作用するものを探索する。図8は、本開示に係る物質のスクリーニング方法のフローチャートである。物質のスクリーニング方法には、少なくとも測定工程S31、相関算出工程S32及び物質同定工程S33が含まれる。なお、本開示に係る物質のスクリーニング方法において、腸内菌叢へ作用するものとは、例えば、腸内菌叢の老化を促進したり、あるいは抑制したりするなど、腸内菌叢のバランスを変化させるものである。
例えば、相関算出工程S32において相関係数r、χ2値又はUを算出するのであれば、本工程S33では、これらの数値に対応するp値に対して閾値を設定できる。例えば、閾値をp<0.05とする場合、前記p値がこれに該当すれば、閾値を満たすものとする。また、前記p値がこれに該当しなければ、閾値を満たさないものとする。
また、食餌又は物質の摂取後に、若齢タイプと判定するためのマーカーとされる菌群の上記割合が若齢タイプの範囲外へ変動し、その相関が閾値を満たす場合には、その食餌又は物質は、腸内菌叢の老齢タイプへの変化を促進するものとして同定される。
〔1〕糞便検体に含まれる全ての菌の数に対する下記(1)〜(17)の門又は科に属する菌群のうち少なくとも一つ以上の菌群の割合と、予め定められた各菌群における基準値とを比較して腸内菌叢が老齢タイプ又は若齢タイプのいずれであるかを判定する判定工程を有する、腸内菌叢の老若判定方法であって、前記判定工程においては、(a)下記(1)〜(15)の門又は科に属する菌群のうち少なくともいずれか一つの菌群の前記割合が前記基準値を超える場合には老齢タイプと判定し、(b)下記(16)の科に属する菌群の前記割合が前記基準値未満である場合には老齢タイプと判定し、又は(c)下記(17)の科に属する菌群の前記割合が前記基準値を超える場合には若齢タイプと判定する、方法。
(1)Methanobacteriaceae科
(2)Campylobacteraceae科
(3)Desulfitobacteraceae科
(4)Proteobacteria門
(5)Synergistetes門
(6)Comamonadaceae科
(7)Dethiosulfovibrionaceae科
(8)Leuconostocaceae科
(9)Staphylococcaceae科
(10)Catabacteriaceae科
(11)Synergistaceae科
(12)Pseudomonadaceae科
(13)Peptococcaceae科
(14)Odoribacteraceae科
(15)Enterobacteriaceae科
(16)Lachnospiraceae科
(17)Propionibacteriaceae科
〔3〕前記判定工程の(b)に用いられる基準値が、任意の年齢又は月齢以下の若齢集団から得た個々の糞便検体における各々の前記割合のうちの最小値である、上記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔4〕前記判定工程の(c)に用いられる基準値が、任意の年齢又は月齢を超える高齢集団から得た個々の糞便検体における各々の前記割合のうちの最大値である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の方法。
(1)Methanobacteriaceae科:0
(2)Campylobacteraceae科:0
(3)Desulfitobacteraceae科:0
(4)Proteobacteria門:0.0681
(5)Synergistetes門:0.0015
(6)Comamonadaceae科:0.0002
(7)Dethiosulfovibrionaceae科:0.0003
(8)Leuconostocaceae科:0.0003
(9)Staphylococcaceae科:0.0004
(10)Catabacteriaceae科:0.0011
(11)Synergistaceae科:0.0015
(12)Pseudomonadaceae科:0.0017
(13)Peptococcaceae科:0.0026
(14)Odoribacteraceae科:0.0032
(15)Enterobacteriaceae科:0.0663
〔6〕前記判定工程の(b)における下記(16)の科に属する菌群に対する前記基準値が下記値である、上記〔1〕又は〔5〕に記載の方法。
(16)Lachnospiraceae科:0.228
〔7〕前記判定工程の(c)における下記(17)の科に属する菌群に対する前記基準値が下記値である、上記〔1〕、〔5〕又は〔6〕のいずれかに記載の方法。
(17)Propionibacteriaceae科:0
任意の年齢又は月齢を超える高齢集団における前記割合の分布と、前記任意の年齢又は月齢以下の若齢集団における前記割合の分布と、を比較する比較工程と、該比較工程において、下記(a)〜(d)のうち少なくともいずれか一つに該当する場合には、前記任意の種類の菌群を腸内菌叢の老若判定マーカーとして同定する同定工程と、を含む、
腸内菌叢の老若判定マーカーとなる菌群のスクリーニング方法。
(a)前記若齢集団における前記割合の最大値を超える範囲に、前記高齢集団の前記分布が存在する
(b)前記若齢集団における前記割合の最小値未満の範囲に、前記高齢集団の前記分布が存在する
(c)前記高齢集団における前記割合の最大値を超える範囲に、前記若齢集団の前記分布が存在する
(d)前記高齢集団における前記割合の最小値未満の範囲に、前記若齢集団の前記分布が存在する
本実験例では、糞便検体に含まれる菌群について、老齢及び若齢の各々に特徴的な菌群の同定を試みた。
本実験例では、健常な174名(21〜104歳)の日本人から提供された糞便検体を用いた。この174名の内訳は、20歳代:9人、30歳代:45人、40歳代:21人、50歳代:13人、60歳代:5人、70歳代:10人、80歳代:46人、90歳代:19人、100歳以上:6人であり、平均年齢は61.7歳である。
本実験例では、先ず、糞便検体からのDNAの抽出を行った。約20mgの糞便検体に対して、450μlの抽出用溶液(100mM Tris/HCl、4mM EDTA、pH9.0)を加えて懸濁し、さらに、10%SDS溶液50μl、0.1mm径のガラスビーズ300mg、500μlのTE飽和フェノール(和光純薬)を加えて混合した。得られた懸濁液に対しては、FastPrep FP 100A(フナコシ社製)を用いてパワーレベル5で30秒の破砕処理を実施した後、14,000×gで5分間遠心して400μlの上清を得た。
得られた上清に250μlのフェノール・クロロホルム溶液(和光純薬)を加えて混合し、14,000×gで5分間遠心した後、250μlの上清を回収した。回収した上清に、2−プロパノールを250μl加え、DNAを沈殿させ、200μlのTris−EDTAバッファー(pH8.0)に再度溶解させて、これをDNA溶液とした。
次に、上記DNA溶液に含まれる菌群のゲノムに対して核酸増幅反応を行った。下記表1〜表3に、本実験例で用いたプライマーの配列を示す。表1に示すプライマーセットは、16SrRNA遺伝子の第3〜4可変領域を増幅させるためのプライマーである。これらのプライマーについては、便宜的に第1プライマーセットとする。
複数の糞便検体に由来するPCR産物を同じ濃度で混合したものをMiseq v2 Reagent kit(イルミナ社製)に供し、Miseqにてシークエンス解析を実施した。
上記シークエンス解析により得られたペアエンド配列をfastq-join (version.1.1.2-301)(http://code.google.com/p/ea-utils/wiki/FastqJoin)にて、QIIMEソフトウェア(version 1.6.0)(http://qiime.org/)にて97%の相同性を有する配列ごとをOUT(Operational Taxonomy Unit)とした。各OUTの代表配列を下記データベースに対してBLAST検索することにより、腸内菌叢の構成を解析した。
データベース:Greengenes database 12_10
(http://greengenes.secondgenome.com/downloads/database/12_10)
上述した腸内菌叢の構成の解析の結果、個々の糞便検体について8295±2366の配列が得られた。本実験例では、この配列数を各糞便検体に含まれる全菌数とした。また、これらの配列のうち、個々の門又は科ごとの数を各々の門又は科に属する菌群の数とした。上記相同性検索の結果、表4及び表5に示す腸内菌叢構成が得られた。表4は、門レベルでの分類を示し、表5は、科レベルでの分類を示す。
即ち、Enterobacteriaceae科に属する菌群における上記割合の分布幅は、若齢集団と高齢集団の間で、Bifidobacteriaceae科に属する菌群に比べて、より差異が大きかった。さらに、Enterobacteriaceae科に属する菌群の割合については、若齢集団における割合の最大値は0.0663であり、高齢集団では、割合が0.0663を超える検体は、37であった。
図13に示すProteobacteria門に属する菌群では、約10.7倍、
図14に示すSynergistetes門に属する菌群では、約18.7倍、
図15に示すComamonadaceae科に属する菌群では、約468.6倍、
図16に示すDethiosulfovibrionaceae科に属する菌群では、約46.6倍、
図17に示すLeuconostocaceae科に属する菌群では、約75.0倍、
図18に示すStaphylococcaceae科に属する菌群では、約164.9倍、
図19に示すCatabacteriaceae科に属する菌群では、約68.5倍、
図20に示すSynergistaceae科に属する菌群では、約13.8倍、
図21に示すPseudomonadaceae科に属する菌群では、約411.8倍、
図22に示すPeptococcaceae科に属する菌群では約7.8倍、
図23に示すOdoribacteraceae科に属する菌群では、約12.1倍、
といずれも、Bifidobacteriaceae科に属する菌群に比べて、より差異が大きかった。
Campylobacteraceae科に属する菌群については、高齢集団で、割合が0を超える検体は、21であった。
Desulfitobacteraceae科に属する菌群については、高齢集団で、割合が0を超える検体は、4であった。
Propionibacteriaceae科に属する菌群については、若齢集団では、割合が0を超える検体は、8であった。
また、Methanobacteriaceae科、Campylobacteraceae科、Desulfitobacteraceae科、Proteobacteria門、Synergistetes門、Comamonadaceae科、Dethiosulfovibrionaceae科、Leuconostocaceae科、Staphylococcaceae科、Catabacteriaceae科、Synergistaceae科、Pseudomonadaceae科、Peptococcaceae科、Odoribacteraceae科、Enterobacteriaceae科の各門又は各科に属する菌群については、若齢集団における割合の最大値を超える範囲に高齢集団の分布が見られた。さらに、Lachnospiraceae科に属する菌群については、若齢集団の割合の最小値に満たない範囲に高齢集団の分布が見られた。
従って、上記の門又は科に属する菌群の、若齢集団における上記割合の上限値及び下限値、並びに高齢集団における上記割合の上限値及び下限値は、上記の門又は科に属する菌群をマーカーとして用いる場合に、基準値とすることができることが示された。
Claims (9)
- 糞便検体に含まれる全ての菌の数に対する下記(1)〜(17)の門又は科に属する菌群のうち少なくとも一つ以上の菌群の割合と、予め定められた各菌群における基準値とを比較して腸内菌叢が老齢タイプ又は若齢タイプのいずれであるかを判定する判定工程を有する、腸内菌叢の老若判定方法であって、
前記判定工程においては、(a)下記(1)〜(15)の門又は科に属する菌群のうち少なくともいずれか一つの菌群の前記割合が前記基準値を超える場合には老齢タイプと判定し、(b)下記(16)の科に属する菌群の前記割合が前記基準値未満である場合には老齢タイプと判定し、又は(c)下記(17)の科に属する菌群の前記割合が前記基準値を超える場合には若齢タイプと判定する、方法。
(1)Methanobacteriaceae科
(2)Campylobacteraceae科
(3)Desulfitobacteraceae科
(4)Proteobacteria門
(5)Synergistetes門
(6)Comamonadaceae科
(7)Dethiosulfovibrionaceae科
(8)Leuconostocaceae科
(9)Staphylococcaceae科
(10)Catabacteriaceae科
(11)Synergistaceae科
(12)Pseudomonadaceae科
(13)Peptococcaceae科
(14)Odoribacteraceae科
(15)Enterobacteriaceae科
(16)Lachnospiraceae科
(17)Propionibacteriaceae科 - 前記判定工程の(a)に用いられる基準値が、任意の年齢又は月齢以下の若齢集団から得た個々の糞便検体における各々の前記割合のうちの最大値である、請求項1に記載の方法。
- 前記判定工程の(b)に用いられる基準値が、任意の年齢又は月齢以下の若齢集団から得た個々の糞便検体における各々の前記割合のうちの最小値である、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記判定工程の(c)に用いられる基準値が、任意の年齢又は月齢を超える高齢集団から得た個々の糞便検体における各々の前記割合のうちの最大値である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記判定工程の(a)における下記(1)〜(15)の門又は科に属する菌群の各々に対する前記基準値が下記値である、請求項1に記載の方法。
(1)Methanobacteriaceae科:0
(2)Campylobacteraceae科:0
(3)Desulfitobacteraceae科:0
(4)Proteobacteria門:0.0681
(5)Synergistetes門:0.0015
(6)Comamonadaceae科:0.0002
(7)Dethiosulfovibrionaceae科:0.0003
(8)Leuconostocaceae科:0.0003
(9)Staphylococcaceae科:0.0004
(10)Catabacteriaceae科:0.0011
(11)Synergistaceae科:0.0015
(12)Pseudomonadaceae科:0.0017
(13)Peptococcaceae科:0.0026
(14)Odoribacteraceae科:0.0032
(15)Enterobacteriaceae科:0.0663 - 前記判定工程の(b)における下記(16)の科に属する菌群に対する前記基準値が下記値である、請求項1又は5に記載の方法。
(16)Lachnospiraceae科:0.228 - 前記判定工程の(c)における下記(17)の科に属する菌群に対する前記基準値が下記値である、請求項1、5又は6のいずれか一項に記載の方法。
(17)Propionibacteriaceae科:0 - 前記判定工程の前に前記割合を測定する測定工程を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の判定方法の結果に基づいて糞便検体を複数の群に分ける選別工程と、
選別された前記複数の群のうちの少なくともいずれか一つの群の糞便検体に含まれる菌群を同定する菌群同定工程と、を有する、腸内菌叢の老若判定マーカーとなる菌群のスクリーニング方法。
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JP2014068353A JP2015188379A (ja) | 2014-03-28 | 2014-03-28 | 腸内菌叢の老若判定方法及び菌群のスクリーニング方法 |
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JP7312170B2 (ja) | 2018-06-29 | 2023-07-20 | 国立大学法人大阪大学 | 眼表面組織を用いる結膜疾患検出方法及び老化バイオマーカー |
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