JP2015183537A - 車両用駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気密度が低いときでも、良好なエンジントルク応答性の確保と変速ショックなどの違和感の解消を両立する車両用駆動制御装置を提供する。
【解決手段】目標回転数Nintと高地用下限回転数nelowgdとの差分が所定回転数α未満のときには、目標回転数Nintを高地用下限回転数nelowgdに切り換える高回転維持制御が実行され、上記差分が所定回転数α以上のときには、アクセル開度PAPが所定開度β以上の場合に高回転維持制御が実行されるため、変速ショックなどが運転者に認識されにくい所定回転数α未満の変速ステップ量のときには速やかに高回転維持制御の変速が実行され、変速ショックなどが運転者に認識されやすい所定回転数α以上の変速ステップ量のときには、運転者による所定開度β以上のアクセル操作をトリガとして高回転維持制御の変速が開始される。
【選択図】図3

Description

本発明は、過給機付のエンジンを備えた車両において、空気密度が低い場合においても、良好なエンジントルク応答性の確保と変速ショックなどの違和感の解消を両立する技術に関する。
エンジンと、エンジンの動力を駆動輪へ出力する無段変速機とを備えた車両に備えられた車両用駆動制御装置が知られている。たとえば、特許文献1に記載の車両用駆動制御装置がそれである。特許文献1の車両用駆動制御装置は、空気密度が低い高地や高温環境下において、通常の環境と比較して同じ変速要求に対してのエンジン出力トルクが低下されるとき、加速要求があった場合に実行される前記無段変速機のダウンシフトにおいて、変速動作を行う速度を遅くする、あるいは変速を開始するタイミングを遅らせるように無段変速機を制御するものであり、この制御によりエンジン出力トルクに対するイナーシャ損失の割合を減少させることが提案されている。
上記特許文献1の車両用駆動制御装置が備えられた車両においては、空気密度が低い環境下で、エンジン出力トルクが低下された際のドライバビリティーの向上が図られている。ところで、従来から、エンジンと、エンジンの動力を駆動輪へ出力する無段変速機とを備える車両において、エンジンに過給機が備えられた車両が知られており、空気密度が低くても過給圧が高く維持されることによりエンジン出力トルクの低下が抑制されて、エンジントルク応答性が確保される。しかしながら、過給機が排気タービン式の車両においては、エンジン回転数上昇の結果として過給圧が上昇することから、エンジン回転数の低回転領域ではエンジン出力トルクの低下を抑制することができない。そのため、過給機付きエンジンと、無段変速機とを備えた車両に備えられた車両用駆動制御装置において、空気密度が低いときでもエンジントルク応答性を確保するために、エンジン回転数を高回転に維持する制御を実行することが考えられる。
特開2008−267467号公報
しかしながら、前記車両用駆動制御装置において、エンジン回転数の高回転維持制御に際し、現状のエンジン回転数と目標エンジン回転数との差が大きいすなわち変速ステップ量が大きいときには、少なからず無段変速機において変速ショックなどの発生が想定される。ここで、運転者の変速ショックによる違和感を解消するために、アクセル踏込みなどの操作をトリガとして前記高回転維持制御を作動させることが考えられるが、たとえば定常速度を維持するような微小開度でのアクセル操作では、前記高回転維持制御を作動させる上記トリガの閾値を越えず、前記高回転維持制御が作動せず結果として運転者が期待するエンジントルク応答性を得ることができない可能性がある。また、前記特許文献1の車両用駆動制御装置においては、空気密度の低いときにエンジントルク応答性を維持するための制御に際し、上記のような可能性は検討されていない。要するに、前記車両用駆動制御装置においては、良好なエンジントルク応答性を確保と、前記高回転維持制御のために生じる変速ショックなどの違和感の解消を両立することができない可能性があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、過給機付のエンジンと無段変速機とを備える車両において、空気密度が低いときでも、良好なエンジントルク応答性の確保と変速ショックなどの違和感の解消を両立する車両用駆動制御装置を提供することにある。
すなわち、本発明の要旨とするところは、過給機を有するエンジンと、無段変速機とを備えた車両において、空気密度が低い場合は高い場合と比較して前記無段変速機の入力回転数が高くなるように目標入力回転数より高く設定した高地用下限回転数以上に実際の入力回転数を制御する高回転維持制御手段を備える車両用駆動制御装置であって、前記目標入力回転数と前記高地用下限回転数との差分が所定値未満のときは、前記高回転維持制御を実行させ、前記目標入力回転数と前記高地用下限回転数との差分が前記所定値以上のときは、アクセル開度が所定値以上の場合に前記高回転維持制御を実行させることを特徴とする車両用駆動制御装置にある。
本発明の車両用駆動制御装置によれば、前記差分が所定値よりも小さいときには、変速ショックなどが運転者に認識されにくいので、速やかに高回転維持制御が実行され、前記差分が所定値以上のときには、変速ショックなどが運転者に認識されやすいので、高回転維持制御による変速は運転者のアクセル開度が所定値以上のアクセル操作をトリガとした変速となることから、空気密度が低いときでも、良好なエンジントルク応答性の確保と変速ショックなどの違和感の解消が両立される。
本発明が適用された車両に含まれる車両用駆動装置の骨子図である。 図1の電子制御装置に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。 図1の電子制御装置の制御作動の要部、すなわち高回転維持制御を実行する制御作動を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の車両用駆動制御装置の一実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両8に含まれる車両用駆動装置10の骨子図である。この車両用駆動装置10は横置き型であって、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に採用されるものである。図1に示すように車両用駆動装置10は、走行用の動力源としてのエンジン12と、トルクコンバータ14と、前後進切換装置16と、ベルト式無段変速機18とを備えている。エンジン12の出力は、エンジン12のクランク軸13から、トルクコンバータ14、前後進切換装置16、入力軸36、ベルト式無段変速機18(以下、無段変速機18という)、および減速歯車装置20を順次介して差動歯車装置22に伝達され、左右一対の駆動輪24L、24R(特に左右を区別しない場合には、駆動輪24という)へ分配される。
トルクコンバータ14は、エンジン12と無段変速機18との間に配設された流体伝動装置であって、エンジン12のクランク軸13に連結された入力回転部材としてのポンプ翼車14pと、タービン軸34を介して前後進切換装置16に連結された出力回転部材としてのタービン翼車14tとを備えており、流体を介して動力伝達を行うようになっている。
また、トルクコンバータ14はそれらのポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tの間にロックアップクラッチ26を備えている。そのロックアップクラッチ26は、ポンプ翼車14pとタービン翼車14tとを直結可能な摩擦係合装置であり、油圧制御回路98の油圧制御弁などによって油圧供給が切り換えられることにより、係合または解放されるようになっている。例えばロックアップクラッチ26が油圧制御により直結状態(完全係合状態)にされれば、それによりポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tは一体回転させられる。上記ポンプ翼車14pには機械式のオイルポンプ28が連結されており、そのオイルポンプ28は車両用駆動装置10内で油圧供給源として機能し、更に、各部に潤滑油を供給する。
前後進切換装置16は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置を主体として構成されており、トルクコンバータ14のタービン軸34はサンギヤ16sに一体的に連結され、無段変速機18の入力軸36はキャリア16cに一体的に連結されている一方、キャリア16cとサンギヤ16sは前進用クラッチC1を介して選択的に連結され、リングギヤ16rは後進用ブレーキB1を介してハウジングに選択的に固定されるようになっている。前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1は何れも、油圧シリンダによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合装置である。前後進切換装置16では、前進用クラッチC1が完全係合させられるとともに後進用ブレーキB1が解放されることにより、前後進切換装置16は一体回転状態とされて、前進方向の駆動力が無段変速機18側へ伝達される。一方、後進用ブレーキB1が完全係合させられるとともに前進用クラッチC1が解放されると、入力軸36はタービン軸34に対して逆方向へ回転させられるようになり、後進方向の駆動力が無段変速機18側へ伝達される。また、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1が共に解放されると、前後進切換装置16は動力伝達を遮断するニュートラル(遮断状態)になる。
無段変速機18は、油圧制御により変速比γat(=入力回転数Nin/出力回転数Nout)が連続的に変化させられる自動変速機である。具体的に、無段変速機18は、前記入力軸36に設けられた入力側部材である有効径が可変の入力側可変プーリ42と、出力軸44に設けられた出力側部材である有効径が可変の出力側可変プーリ46と、それ等の可変プーリ42、46に巻き掛けられた伝動ベルト48とを備えており、可変プーリ42、46と伝動ベルト48との間の摩擦力を介して動力伝達が行われる。無段変速機18は、エンジン12から駆動輪24への動力伝達経路の一部を構成しており、エンジン12の動力を駆動輪24へ出力する。そして、その無段変速機18の変速比γatは、両可変プーリ42、46のV溝幅が変化して伝動ベルト48の掛かり径(有効径)が変更されることで、変化させられる。電子制御装置100は、車速V及びアクセル開度PAPに基づき、燃費性能と走行性能とを両立するように予め実験的に設定された変速マップから入力回転数Ninの目標回転数Nintを逐次決定し、その目標回転数Nintに実際の入力回転数Ninを近づけるようにして、例えば一致させるようにして、無段変速機18の変速を実行する。具体的に、その変速マップは一般的に知られたマップであり、アクセル開度PAPが大きいほど目標回転数Nintが高くなるように設定されているので、その変速マップによれば、アクセル開度PAPが大きくなるほど無段変速機18の変速比γatは大きくなる。なお、入力回転数Ninは入力軸36の回転数(rpm)であり、出力回転数Noutは出力軸44の回転数(rpm)である。
エンジン12は、ディーゼルエンジンまたはガソリンエンジンなどの内燃機関であり、過給機54を備えている。その過給機54は、エンジン12の吸気系に設けられており、エンジン12の排気によって回転駆動されてエンジン12の吸気を昇圧する公知の排気タービン過給機、すなわちターボチャージャーである。具体的には図1に示すように、過給機54は、エンジン12の排気管56内に設けられエンジン12の排気によって回転駆動される排気タービンホイール58と、エンジン12の吸気管60内に設けられ排気タービンホイール58により回転させられることでエンジン12の吸気を圧縮する吸気コンプレッサーホイール62と、排気タービンホイール58と吸気コンプレッサーホイール62とを連結する回転軸64とを備えている。エンジン12は、過給機54を駆動するのに十分なエンジン12の排気が排気タービンホイール58に導かれると、過給機54により過給される過給状態で動作する。一方で、排気タービンホイール58に導かれるエンジン12の排気が過給機54の駆動に不十分であると過給機54が殆ど駆動されず、エンジン12は、前記過給状態に比して過給が抑制された状態すなわち過給機54の無い自然吸気エンジンと同等の過給されない吸気の状態である自然吸気状態(NA状態又は非過給状態とも言う)で動作する。
また、排気管56内の排気タービンホイール58が設けられている排気経路と並列に配設された排気バイパス経路66と、その排気バイパス経路66を開閉するウェイストゲートバルブ68とが設けられている。ウェイストゲートバルブ68は、そのウェイストゲートバルブ68の開度θwg(以下、ウェイストゲートバルブ開度θwgという)が連続的に調節可能になっており、電子制御装置100は、電動アクチュエータ70を制御することにより、吸気管60内の圧力を利用してウェイストゲートバルブ68を連続的に開閉する。また、ウェイストゲートバルブ開度θwgが大きいほどエンジン12の排気は排気バイパス経路66を通って排出され易くなるので、エンジン12を前記過給状態にすることが可能な程度にエンジン12の排気ポートからの排気が得られていれば、吸気管60内での吸気コンプレッサーホイール62の下流側気圧PLin、要するに過給機54の過給圧Pcmout(=PLin)は、ウェイストゲートバルブ開度θwgが大きいほど低くなる。すなわち、ウェイストゲートバルブ68は、過給圧Pcmoutを調節する過給圧調節装置として機能する。例えば、エンジン12を前記過給状態にする動作範囲(エンジン動作点の範囲)である過給域と、その過給域に対して低エンジントルク側に設けられ且つエンジン12を前記非過給状態にする動作範囲である非過給域とに領域分けされた過給動作マップが予め実験的に設定されている。そして、電子制御装置100は、エンジン回転数Ne(rpm)とエンジントルクTeとで表されるエンジン12の動作点(エンジン動作点)を前記非過給域から前記過給域に移行する場合には、ウェイストゲートバルブ68を閉方向に作動させることにより過給機54に過給させる。逆に、前記エンジン動作点を前記過給域から前記非過給域に移行する場合には、ウェイストゲートバルブ68を開方向に作動させることにより過給機54による過給を停止又は抑制する。前記過給動作マップは、例えば、運転者の要求に従って可及的に大きな駆動力Fcが得られるように、且つ、車両8の燃費悪化が可及的に抑えられるように、予め実験的に設定されている。駆動力Fcとは車両8を進行方向へ推進する推進力である。
また、本発明の車両用駆動制御装置として機能する電子制御装置100は、エンジン12が前記過給状態にある場合には、予め実験的に定められた関係から、アクセル開度PAP及び車速V等で表される車両状態に基づいて、過給圧Pcmoutの目標値である目標過給圧PTcmout(目標吸気圧PTcmoutと呼んでもよい)を逐次決定し、その予め決定した目標過給圧PTcmoutに過給圧Pcmoutを近づけるように過給機54を作動させる。具体的には、ウェイストゲートバルブ開度θwgまたはスロットル開度θthを制御することにより過給圧Pcmoutを目標過給圧PTcmoutに近づける。例えば、目標過給圧PTcmoutは、前記予め実験的に定められた関係に従って、アクセル開度PAPが大きいほど大きく設定される。
また、エンジン12は電子スロットル弁72を備えている。その電子スロットル弁72は、エンジン12の吸気管60内の吸気コンプレッサーホイール62よりも下流側に設けられエンジン12の吸入空気量Qinを調節する弁機構であって、電動のスロットルアクチュエータ94により開閉作動させられる。
電子制御装置100は、エンジン12等の駆動制御を行い本発明の車両用駆動制御装置としての機能を含むものであり、所謂マイクロコンピュータを含んで構成され、予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより例えばエンジン12や無段変速機18に関する車両制御を実行するものである。
電子制御装置100には、図1に示すような各センサやスイッチなどから、スロットル開度センサ74により検出される電子スロットル弁72の開度θthすなわちスロットル開度θthを表す信号、大気圧センサ76により検出される大気圧Pairを表す信号、過給圧センサ78により検出される吸気管60内での吸気コンプレッサーホイール62の下流側気圧Plinすなわち過給圧Pcmoutを表す信号、エンジン回転数センサ84により検出されるエンジン回転数Neを表す信号、入力軸回転数センサ85により検出される入力軸36の回転数Ninすなわち入力回転数Ninを表す信号、出力軸回転数センサ86により検出される出力軸44の回転数Noutすなわち出力回転数Noutを表す信号、運転者の要求出力に対応するアクセルペダル88の踏込量であるアクセル開度PAP(単位は例えば%)を表すアクセル開度センサ90からの信号、タービン軸34の回転数Nt(以下、「タービン回転数Nt」という、単位はrpm)を表すタービン回転数センサ92からの信号、車速センサ96により検出される車速Vを表す信号、および水温センサ97により検出される水温Twを表す信号等が、それぞれ供給される。なお、出力回転数Noutは車速Vに対応するので、出力軸回転数センサ86と車速センサ96とは一つの共通のセンサとされてもよい。また、大気圧Pairは、コンプレッサー上流側吸気圧PHinと同じであるので、大気圧センサ76はコンプレッサー上流側気圧PHinのセンサとしても機能する。また、タービン回転数Ntは、前進用クラッチC1が完全係合させられた前進走行時には入力回転数Ninと一致する。
また、電子制御装置100から、車両8に設けられた各装置に各種出力信号が供給されるようになっている。例えば、電子制御装置100は、逐次検出されるアクセル開度PAPに基づき、予め定められたスロットル開度θthとアクセル開度PAPとの関係であるスロットル開度特性に従ってスロットル開度θthを制御する。具体的には、アクセル開度PAPが大きいほど前記スロットル開度特性に従ってスロットル開度θthが大きくされる。
ところで、空気密度が低い環境下においては、目標過給圧PTcmoutに現在の過給圧Pcmoutを近づけるように過給機54は電子制御装置100により前記予め実験的に定められた関係に従って制御されるが、エンジン回転数Neが低回転領域にある場合には、エンジン出力トルクTeの低下を低減するために、空気密度が平地のときと比較してエンジン回転数Neを高く維持するように変速制御する高回転維持制御が実行される。この空気密度が低く、エンジン回転数Neが低回転領域にある場合に実行される高回転維持制御機能の要部について、図2を参照して説明する。なお、上記高回転維持制御では、電子制御装置100は目標回転数Nintを逐次定めるが、エンジン回転数Neはトルクコンバータ14のスリップを加味しても入力回転数Ninに対応するので、目標回転数Nintを決定することは、エンジン回転数Neの目標値である目標エンジン回転数Netを決定することであるとも言える。
図2は、電子制御装置100に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。図2に示すように、電子制御装置100は、目標回転数算出部である目標回転数算出手段102と、変速制御部である変速制御手段104とを備えている。また、電子制御装置100は、高回転維持制御部である高回転維持制御手段106を備えており、高回転維持制御手段106は、高回転維持制御のための高地用下限回転数算出部である高回転維持制御のための高地用下限回転数算出手段108と、アクセル開度判定部であるアクセル開度判定手段110と、目標回転数切換部である目標回転数切換手段112とから構成されている。
目標回転数算出手段102は、予め実験的に設定された変速マップから、アクセル開度センサ90により逐次検出された実際のアクセル開度PAPと、車速センサ96により逐次検出された実際の車速Vとに基づき目標回転数Nintを逐次算出する。
高地用下限回転数算出手段108は、大気圧センサ76および水温センサ97によりそれぞれ逐次検出された大気圧Pairおよび水温Twなどの環境状態を示す信号や、車速センサ96により逐次検出された出力回転数Noutすなわち車速Vなどの車両状態を示す信号に基づき予め実験的に設定された高地用変速マップなどから高地用下限回転数nelowgdを算出する。高地用下限回転数nelowgdは、大気圧Pairが平地よりも低圧であり、空気密度が低いときにおいても、過給機54により発生される過給圧が上昇され、良好なエンジン出力トルクTeが得られるような入力回転数Ninに設定されている。
アクセル開度判定手段110は、アクセル開度センサ90からの信号によりアクセルペダル88の踏込量であるアクセル開度PAPを逐次検出し、アクセル開度PAPが所定開度β以上であるか否かを判定する。なお、アクセルペダル88の踏込量が中踏み込み以上であるとき、アクセル開度PAPが所定開度β以上となる。
目標回転数切換手段112は、目標回転数算出手段102が算出する目標回転数Nint、高地用下限回転数算出手段108が算出する高地用下限回転数nelowgd、およびアクセル開度判定手段110が判定するアクセル開度PAPを逐次取得し、目標回転数Nintを高地用下限回転数nelowgdに切り換えるか否か、すなわち目標回転数Nintを更新するか否かを判定する。具体的には、逐次取得される高地用下限回転数nelowgdが、同様に逐次取得される目標回転数Nint以上であるか否かを判定し、高地用下限回転数nelowgdが目標回転数Nint以上であるとき、高地用下限回転数nelowgdが目標回転数Nintに所定回転数αを加えた回転数以上であるか否か、すなわち高地用下限回転数nelowgdと目標回転数Nintとの間に所定回転数αとして設定される閾値以上の変速ステップ量が存在するか否かを判定する。この所定回転数αの変速ステップ量は、車両の運転状況により逐次変化する値であり、高回転維持制御が実行される際に生じる変速ショック、駆動力変化およびエンジン回転数の上昇などが運転者に認識されやすいか否かの閾値として、予め実験的に設定されている。高地用下限回転数nelowgdが目標回転数Nintに所定回転数αを加えた回転数以上ではないとき、目標回転数Nintを高地用下限回転数nelowgdに速やかに切り換えて、目標回転数Nintをより高い回転数に更新する。一方、高地用下限回転数nelowgdが目標回転数Nintに所定回転数αを加えた回転数以上のとき、アクセルペダル88の踏込量が中踏み込み以上であり逐次取得されるアクセル開度PAPがβ以上の場合に限り、目標回転数Nintを高地用下限回転数nelowgdに切り換える。換言すれば、高地用下限回転数nelowgdが目標回転数Nint以上ではないとき、および高地用下限回転数nelowgdが目標回転数Nintに所定回転数αを加えた回転数以上であり、アクセル開度PAPがβよりも小さいときには、目標回転数Nintを高地用下限回転数nelowgdに切り換えない。ここで、所定のアクセル開度βは、高地用下限回転数nelowgdと目標回転数Nintとの差が所定回転数α以上のとき、変速ショックなどが運転者に認識されやすい前記閾値以上の変速ステップ量を有する変速を、運転者のアクセルペダル88の踏込操作をトリガとして開始させるアクセル開度PAPであり、予め実験的に設定されている。
要するに、高回転維持制御手段106は、空気密度が低く、エンジン回転数Neが低回転数領域にあるとき、高地用下限回転数算出手段108により算出される高地用下限回転数nelowgdとアクセル開度判定手段110により判定されるアクセル開度PAPとに基づき、上記の要件を満たす場合に限り、目標回転数切換手段112により目標回転数Nintをより回転数の高い高地用下限回転数nelowgdに更新する。これにより、空気密度が低い環境下において、通常の環境下すなわち過給機54により車速Vおよびアクセル開度PAPなどの車両の運転状況に基づいた通常のエンジン出力トルクが期待される環境下よりも入力回転数Ninに対応するエンジン回転数Neを高回転に維持する。
変速制御手段104は、目標回転数切換手段112により切り換えられた目標回転数Nintを逐次取得し、油圧制御回路98を通じてベルト式無段変速機18の変速制御を実行する。この目標回転数Nintは、目標回転数算出手段102により算出された目標回転数Nint、もしくは、高回転維持制御手段106により高地用下限回転数nelowgdに切り換えられた目標回転数Nintである。
図3は、電子制御装置100の制御作動の要部、すなわち高回転維持制御を実行する制御作動を説明するためのフローチャートである。この図3に示す制御作動は、単独であるいは他の制御作動と並列的に繰り返し実行される。
先ず、ステップ(以下、「ステップ」を省略する。)S1においては、過給圧を維持するために大気圧Pair、水温Twおよび車速Vなどから予め実験的に求められた前記マップに基づき、高回転維持制御による高地用下限回転数nelowgdが算出される。S1は、高地用下限回転数算出手段108に対応する。
次に、S2においては、S1において算出された高地用下限回転数nelowgdが目標回転数Nint以上であるか否かが判定される。このS2の判定が肯定される場合には、S3が実行される。しかし、S2の判定が否定される場合には、本フローチャートは終了する。なお、目標回転数Nintは、予め記憶された関係から実際の車速Vとアクセル開度PAPに基づき逐次設定される。
S3においては、高地用下限回転数nelowgdが目標回転数Nintに所定回転数αを加えた回転数以上であるか否かが判定される。S3の判定が肯定される場合には、高地用下限回転数nelowgdと目標回転数Nintとの間には、高回転維持制御の変速により生じる変速ショックなどが運転者に認識されやすい閾値以上の変速ステップ量が存在するということであり、S4が実行される。しかし、S3の判定が否定される場合には、S5が実行される。
S4においては、アクセル開度PAPが所定開度β以上すなわちアクセルペダル88の踏込量が中踏み込み以上であるか否かが判定される。具体的には、S3において肯定された高地用下限回転数nelowgdと目標回転数Nintとの間に存在する所定回転数α以上の変速ステップ量が、運転者によるアクセルペダル88の踏込操作をトリガとした変速を開始させる大きさのアクセルペダル88の踏込操作が成されているか否かが判定される。S4の判定が肯定される場合には、S5が実行される。S4の判定が否定される場合には、本フローチャートが終了する。
S5においては、目標回転数Nintを高地用下限回転数nelowgdに切り換えることにより、目標回転数Nintが更新され、本フローチャートは終了する。具体的には、高地用下限回転数nelowgdが目標回転数Nintに所定回転数αを加えた回転数以上であることがS3の判定にて否定される場合、およびS3の判定にて肯定され且つアクセル開度PAPが所定開度β以上であることがS4の判定にて肯定される場合において、目標回転数Nintがより高い回転数である高地用下限回転数nelowgdへ切り換えられる。これにより、変速ショックなどが運転者に認識されにくい所定回転数αよりも小さい変速ステップ量である場合には、所定のアクセル開度PAP以上のアクセルペダル88の踏込操作などのトリガを必要とせず速やかに高地用下限回転数nelowgdに切り換えられた目標回転数Nintに基づき変速制御が開始される一方、変速ショックなどが運転者に認識されやすい所定回転数α以上の変速ステップ量である場合には、アクセル開度PAPが所定開度β以上の場合に限り、運転者によるアクセルペダル88の踏込操作をトリガとして高地用下限回転数nelowgdに切り換えられた目標回転数Nintに基づき変速制御が開始される。なお、S2ないしS5は高回転維持制御手段106に対応する。
上述のように、本実施例の電子制御装置100によれば、目標回転数Nintと高地用下限回転数nelowgdとの差分が所定回転数αよりも小さいときには、目標回転数Nintが高地用下限回転数nelowgdにより切り換えられる高回転維持制御が実行され、目標回転数Nintと高地用下限回転数nelowgdとの差分が所定回転数α以上のときには、アクセル開度PAPが所定開度β以上の場合に目標回転数Nintが高地用下限回転数nelowgdに切り換えられる高回転維持制御が実行される。このため、変速ショックなどが運転者に認識されにくい所定回転数αよりも小さい変速ステップ量のときには速やかに高回転維持制御が実行され、変速ショックなどが運転者に認識されやすい所定回転数α以上の変速ステップ量のときには、高回転維持制御の変速は運転者による所定のアクセル開度PAP以上のアクセルペダル88の踏込操作をトリガとして変速が開始されることから、空気密度が低いときでも、良好なエンジントルク応答性の確保と変速ショックの違和感の解消が両立される。
以上、本発明を表及び図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
8:車両
12:エンジン
18:ベルト式無段変速機(無段変速機)
54:過給機
100:電子制御装置(車両用駆動制御装置)

Claims (1)

  1. 過給機を有するエンジンと、無段変速機とを備えた車両において、空気密度が低い場合は高い場合と比較して前記無段変速機の入力回転数が高くなるように目標入力回転数より高く設定した高地用下限回転数以上に実際の入力回転数を制御する高回転維持制御手段を備える車両用駆動制御装置であって、
    前記目標入力回転数と前記高地用下限回転数との差分が所定値未満のときは、前記高回転維持制御を実行させ、前記目標入力回転数と前記高地用下限回転数との差分が前記所定値以上のときは、アクセル開度が所定値以上の場合に前記高回転維持制御を実行させることを特徴とする車両用駆動制御装置。
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