JP2015183007A - シリコーン系防汚塗料又は、防汚膜若しくはその形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 経時劣化性塗料の硬化物に比べて時間経過に伴う劣化進行を抑制でき、長期間にわたって水棲生物の付着を防止して優れた防汚性を発揮するシリコーン系防汚塗料又は、防汚膜若しくはその形成方法を提供すること。
【解決手段】 硬質の防汚膜を形成するための塗料であって、硬化後の時間経過により分解劣化する経時劣化性塗料又はその硬化物を溶解可能な有機溶剤と、架橋反応により分岐鎖状又は網目状の三次元架橋構造を有した硬質シリコーンレジンへと硬化する硬化性シリコーンレジン成分とを含有した混合液であって、その硬化性シリコーンレジン成分の架橋剤を添加して使用するものである。
【選択図】 なし
【解決手段】 硬質の防汚膜を形成するための塗料であって、硬化後の時間経過により分解劣化する経時劣化性塗料又はその硬化物を溶解可能な有機溶剤と、架橋反応により分岐鎖状又は網目状の三次元架橋構造を有した硬質シリコーンレジンへと硬化する硬化性シリコーンレジン成分とを含有した混合液であって、その硬化性シリコーンレジン成分の架橋剤を添加して使用するものである。
【選択図】 なし
Description
本発明は、硬質の防汚膜を形成するために使用されるシリコーン系防汚塗料又は、それにより形成される防汚膜若しくはその形成方法に関するものである。
経時劣化性塗料は、硬化後の時間経過に伴って分解が進行して劣化する塗料である。例えば、このような経時劣化性塗料の一種として溶出型の防汚塗料がある。溶出型防汚塗料は、防汚成分(防汚剤)が海水等の水との接触により溶出するものであり、その溶出形態に応じて、例えば、膨潤崩壊型や水和分解型や加水分解型などの自己研磨性(自己更新性)を有した防汚塗料である。
尾野眞史、「防汚塗料の現状」、日本海水学会誌、Vol.50(1996年)、No.5、p.322-326[平成26年1月28日検索]、インターネット(URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/swsj1965/50/5/50_322/_pdf)
しかしながら、経時劣化性塗料には、その硬化物で形成される塗膜(皮膜)が分解に伴ってひび割れや剥離を生じて塗膜としての機能を喪失してしまうという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、経時劣化性塗料の硬化物に比べて時間経過に伴う劣化進行を抑制でき、長期間にわたって水棲生物の付着を防止して優れた防汚性を発揮するシリコーン系防汚塗料又は、防汚膜若しくはその形成方法を提供することを目的としている。
この目的を達成するために本願第1発明のシリコーン系防汚塗料は、硬質の防汚膜を形成するための塗料であって、硬化後の時間経過により分解劣化する経時劣化性塗料又はその硬化物を溶解可能な有機溶剤と、架橋反応により分岐鎖状又は網目状の三次元架橋構造を有した硬質シリコーンレジンへと硬化する硬化性シリコーンレジン成分とを含有した混合液であって、その硬化性シリコーンレジン成分の架橋剤を添加して使用するものである。
第2発明のシリコーン系防汚塗料は、第1発明のシリコーン系防汚塗料において、前記経時劣化性塗料は、水棲生物に対する忌避作用を有する忌避成分を含有し、その忌避成分を水中へ放出する性質のある塗料である。
第3発明のシリコーン系防汚塗料は、第2発明のシリコーン系防汚塗料において、前記経時劣化性塗料は溶出型塗料である。
第4発明のシリコーン系防汚塗料は、第1から第3発明のいずれかのシリコーン系防汚塗料において、前記有機溶剤に対して可溶性を示すとともに硬化後の時間経過により分解劣化する経時劣化性塗料を含有している。
第5発明の防汚膜は、硬化後の時間経過により分解劣化する経時劣化性塗料の硬化物と、架橋反応により分岐鎖状又は網目状の三次元架橋構造になって硬化する硬質シリコーンレジンとが一体となった膜を形成している。
第6発明の防汚膜は、第5発明の防汚膜において、前記経時劣化性塗料は、水棲生物に対する忌避作用を有する忌避成分を含有し、その忌避成分を水中へ放出する性質のある塗料であり、前記硬質膜の表層部分に前記忌避成分が分散して混ざり込んでいる。
第7発明の防汚膜は、第5又は第6発明の防汚膜において、前記経時劣化性塗料の硬化物により形成される基礎膜と、その基礎膜上に積層融着され前記硬質シリコーンレジンにより形成される被覆膜とを備えており、その基礎膜および被腹膜は互いの境界が不明瞭に融合した状態で積層した膜を形成している。
第8発明の防汚膜は、第5から第7発明のいずれかの防汚膜において、前記経時劣化性塗料の硬化物と、前記硬質シリコーンレジンとが渾然一体に融合した状態で膜を形成している。
第9発明の防汚膜形成方法は、請求項5から8のいずれかに記載の防汚膜を形成するための方法であって、硬化後の時間経過により分解劣化する経時劣化性塗料の硬化物により形成された基礎膜の上に、その経時劣化性塗料又はその硬化物を溶解可能な有機溶剤と架橋反応により分岐鎖状又は網目状の三次元架橋構造を有する硬質シリコーンレジンへと硬化する硬化性シリコーンレジン成分とを含有したシリコーン系防汚塗料を所定厚みで塗装する塗装工程と、その塗装工程により塗装されたシリコーン系防汚塗料の有機溶剤により基礎膜を再溶解し、その有機溶剤を蒸発させて、シリコーン系防汚塗料の硬化性シリコーンレジン成分を硬質シリコーンレジンになるまで硬化させる硬化工程とを備えている。
本発明及びその実施をするための形態によれば、シリコーン系防汚塗料が硬化性シリコーンレジン成分(架橋による硬化性のあるシリコーンレジンの未硬化状態のものをいう。以下同じ。)と有機溶剤とを含有した混合液(溶液、エマルジョンを含む。以下同じ。)であり、この有機溶剤が経時劣化性塗料又はその硬化物を溶解可能なものであり、この経時劣化性塗料がその硬化後の時間経過により分解劣化する性質を有している。
このため、硬化性シリコーンレジン成分と有機溶剤との混合液を、例えば、既に塗工済みの経時劣化性塗料又はその硬化物(その皮膜(第9発明の基礎膜を含む。)を含む。以下同じ。)の上に塗装した場合、その有機溶剤の作用により経時劣化性塗料を再溶解できる。
例えば、経時劣化性塗料の硬化物が時間経過に伴って分解しひび割れや剥離などの劣化現象を生じているときは、この混合液の有機溶剤による再溶解によって、当該ひび割れや剥離が修復生じた塗膜(被膜)が再生され、その後、有機溶剤が蒸発(揮発)すれば、経時劣化性塗料の皮膜が再生される。
しかも、硬化性シリコーンレジン成分の混合液への架橋剤の添加によって、硬化性シリコーンレジン成分が架橋反応して分岐鎖状又は網目状の三次元分子構造(化学的な三次元構造)を形成して硬質シリコーンレジンとなるので、有機溶剤の揮発(蒸発)に伴う経時劣化性塗料の硬化再生と相俟って、経時劣化性塗料の硬化物と硬質シリコーンレジンとが一体となった硬質の防汚膜が形成される。
例えば、この経時劣化性塗料の硬化物と硬質シリコーンレジンとが一体となった硬質の防汚膜は、経時劣化性塗料の硬化物により形成される基礎膜とその基礎膜上に積層融着され硬質シリコーンレジンにより形成される被覆膜とが互いの境界が不明瞭に融合した状態で積層した状態、或いは、経時劣化性塗料の硬化物と硬質シリコーンレジンとが渾然一体に融合した状態の膜を形成したものとなる。
この硬質の防汚膜によれば、分岐鎖状又は網目状をした三次元架橋構造を有した硬質シリコーンレジンによって経時劣化性塗料の硬化物を全面的又は部分的に被覆することができるので、経時劣化性塗料の硬化物がひび割れや剥離などを伴って再劣化することを防止又は低減できる。しかも、硬質シリコーンレジンは濡れ性が高いので、防汚膜の表面に水棲生物が着生したり、その他の付着性物質が付着することも抑制できる。
また、この防汚膜によれば、例えば、経時劣化性塗料が自らの含有成分の放出により又は大気との接触により劣化する場合、硬質シリコーンレジンによって経時劣化性塗料の硬化物を部分的又は全体的に被覆できるので、経時劣化性塗料が含有成分を放出し又は大気と接触することを抑制又は阻止でき、経時劣化性塗料の硬化物の劣化進行を抑制できる。
そのうえ、環境保護の観点から、経時劣化性塗料が含有成分を放出することを積極的に抑制又は阻止する場合には、経時劣化性塗料の硬化物の表面を硬質シリコーンレジンによって部分的又は全面的に被覆することで、経時劣化性塗料からの含有成分の放出を抑制又は阻止することができる。
さらに、有機溶剤により溶解される経時劣化性塗料には、その含有成分として水棲生物に対する忌避作用を有する忌避成分が含まれていても良い。この忌避成分は、この有機溶剤が揮発して硬質シリコーンレジン及び経時劣化性塗料が硬化するまでの間、シリコーン系防汚塗料の混合液中に拡散溶出して混ざり込む。
例えば、防汚膜の硬質シリコーンレジンの皮膜の表層部分に経時劣化性塗料の忌避成分が混在していれば、この防汚膜が塗装された船舶や水中構造物の沈水部分から、この忌避成分が水中(海中を含む。)に放出され、その忌避作用によって水棲生物が船舶や水中構造物に着生することを抑制できる。
ところで、シリコーン系防汚塗料は、硬化性シリコーンレジン成分と経時劣化性塗料との双方を有機溶剤と混合した混合液であっても良い。さすれば、この混合液を塗布することによって経時劣化性塗料の硬化物と硬質シリコーンレジンとが混在した防汚膜をまとめて同時に形成することができる。
しかも、かかる場合に、防汚膜は、硬質シリコーンレジンと経時劣化性塗料の硬化物とが渾然一体となって混ざり合った融合物となるので、経時劣化性塗料の硬化物が防汚膜の表面に露出することを低減でき、結果、経時劣化性塗料の硬化物が時間経過により分解劣化し難くなり、経時劣化性塗料の耐久性も向上される。
本発明のシリコーン系防汚塗料並びに防汚膜及びその形成方法によれば、経時劣化性塗料の硬化物に比べて時間経過に伴う劣化進行を抑制でき、長期間にわたって水棲生物の付着を防止して優れた防汚性を発揮でき、かつ、これを経時劣化性塗料又はその硬化物に塗布することによって、経時劣化性塗料又はその硬化物の劣化状態を修復でき、かつ、これらを被覆保護できるという効果がある。
以下、本発明の実施例について説明する。
[塗料P1]
シリコーン系防汚塗料P1は、硬化性シリコーンレジン(硬化後に化学的な三次元構造を形成する市販の硬化性シリコーンワニス)100重量部に対し、有機溶剤であるトルエン40重量部と、その硬化性シリコーンレジンのための架橋剤(上記硬化性シリコーンワニスに対応する硬化剤)2.5重量部とを混合調整して得られる。
シリコーン系防汚塗料P1は、硬化性シリコーンレジン(硬化後に化学的な三次元構造を形成する市販の硬化性シリコーンワニス)100重量部に対し、有機溶剤であるトルエン40重量部と、その硬化性シリコーンレジンのための架橋剤(上記硬化性シリコーンワニスに対応する硬化剤)2.5重量部とを混合調整して得られる。
[塗料P2]
シリコーン系防汚塗料P2は、上記シリコーン系防汚塗料P1に対し、更に、経時劣化性塗料である赤色加水分解型FRP船用船底塗料を混合調整して得られる。具体的には、上記した硬化性シリコーンレジン100重量部に対し、上記トルエン40重量部と、上記架橋剤2.5重量部と、経時劣化性塗料である赤色加水分解型FRP船用船底塗料20重量部とを混合調整して得られる。
シリコーン系防汚塗料P2は、上記シリコーン系防汚塗料P1に対し、更に、経時劣化性塗料である赤色加水分解型FRP船用船底塗料を混合調整して得られる。具体的には、上記した硬化性シリコーンレジン100重量部に対し、上記トルエン40重量部と、上記架橋剤2.5重量部と、経時劣化性塗料である赤色加水分解型FRP船用船底塗料20重量部とを混合調整して得られる。
[試料1]
被塗装物であるFRP積層板(縦150mm、横150mm、厚み5mm。以下同じ。)のゲルコート面に上記したシリコーン系防汚塗料P1を塗布し(塗装工程)、その後自然乾燥により1時間放置した後更に室温120℃の乾燥室内に10分間設置して硬化し(硬化工程)、その結果、被塗装物の表面に硬質シリコーンレジンで形成された防汚膜を得た。なお、この防汚膜の膜厚は約100μmであった。
被塗装物であるFRP積層板(縦150mm、横150mm、厚み5mm。以下同じ。)のゲルコート面に上記したシリコーン系防汚塗料P1を塗布し(塗装工程)、その後自然乾燥により1時間放置した後更に室温120℃の乾燥室内に10分間設置して硬化し(硬化工程)、その結果、被塗装物の表面に硬質シリコーンレジンで形成された防汚膜を得た。なお、この防汚膜の膜厚は約100μmであった。
[試料2]
被塗装物であるFRP積層板のゲルコート面に、上記塗料P2で用いたものと同様の赤色加水分解型FRP船用船底塗料を塗布し(塗装工程)、その後室温で3日間乾燥して基礎膜(乾燥後の膜厚約150μm)を形成し、この基礎膜の表面に、上記シリコーン系防汚塗料P1を塗布し(塗装工程)、その後自然乾燥により1時間放置した後更に室温120℃の乾燥室内に10分間設置して硬化して被腹膜を形成し(硬化工程)、その結果、被塗装物の表面に基礎膜と硬質シリコーンレジンの被腹膜とが積層した防汚膜を得た。なお、この防汚膜の膜厚は約250μmであった。
被塗装物であるFRP積層板のゲルコート面に、上記塗料P2で用いたものと同様の赤色加水分解型FRP船用船底塗料を塗布し(塗装工程)、その後室温で3日間乾燥して基礎膜(乾燥後の膜厚約150μm)を形成し、この基礎膜の表面に、上記シリコーン系防汚塗料P1を塗布し(塗装工程)、その後自然乾燥により1時間放置した後更に室温120℃の乾燥室内に10分間設置して硬化して被腹膜を形成し(硬化工程)、その結果、被塗装物の表面に基礎膜と硬質シリコーンレジンの被腹膜とが積層した防汚膜を得た。なお、この防汚膜の膜厚は約250μmであった。
[試料3]
被塗装物であるFRP積層板のゲルコート面に上記シリコーン系防汚塗料P2を塗布し(塗装工程)、その後自然乾燥により1時間放置した後更に室温120℃の乾燥室内に10分間設置して硬化し(硬化工程)、その結果、被塗装物の表面に赤色加水分解型FRP船用船底塗料の硬化物と硬質シリコーンレジンとの混合膜である防汚膜を得た。なお、この防汚膜の膜厚は約120μmであった。
[試料4(比較例1)]
被塗装物であるFRP積層板のゲルコート面に上記シリコーン系防汚塗料P2を塗布し(塗装工程)、その後自然乾燥により1時間放置した後更に室温120℃の乾燥室内に10分間設置して硬化し(硬化工程)、その結果、被塗装物の表面に赤色加水分解型FRP船用船底塗料の硬化物と硬質シリコーンレジンとの混合膜である防汚膜を得た。なお、この防汚膜の膜厚は約120μmであった。
[試料4(比較例1)]
上記試料1〜3で用いた被塗装物と同じFRP積層板であって、ゲルコート面に一切塗装がされておらず、かかるゲルコート面が全面的に露出したものを得た。
[試料5(比較例2)]
[試料5(比較例2)]
上記試料1〜3で用いた被塗装物と同様のFRP積層板のゲルコート面に、上記第2実施例と同様の赤色加水分解型FRP船用船底塗料を塗布し、その後室温で7日間乾燥して防汚膜を得た。なお、この防汚膜の膜厚は約120μmであった。
[防汚性能の評価]
[防汚性能の評価]
試料1〜5の防汚性能を比較評価するため、試料1〜5を三重県鳥羽湾内の海中に3か月間浸漬した後、試料1〜5の被処理面(試料4はゲルコート面をいい、試料4を除くものは防汚膜表面をいう。以下同じ。)の面積に対するアオノリとフジツボとが付着した面積の比率(以下「付着面積比率」という。)を測定した。
ここで、表1では、「防汚性(アオノリ)」がアオノリの付着面積比率を、「防汚性(フジツボ)」がフジツボの付着面積比率を、それぞれ示しており、それらの付着面積比率が0〜10%であれば「○」を、11〜50%であれば「△」を、51〜100%であれば「×」を、それぞれ表記している。
[膜強度の評価]
[膜強度の評価]
また、試料1〜5の膜強度を比較評価するため、試料1〜5の処理面を地面(例えば、コンクリート舗装面など)に向けて、試料1〜5を高さ約10mから落下させて、被処理面のクラック(ひび割れ)や剥がれ(剥離)等の状態を確認した。
ここで、表1では、「膜強度」が被処理面のクラック(ひび割れ)や剥がれ(剥離)等の状態を示しており、被処理面に変化なし又は軽微な傷のみが確認された場合に「○」を、被処理面にクラックや剥がれが発生した場合に「×」を、それぞれ表記している。
表1の結果から、試料1〜3は、単なるFRP積層板のゲルコート面がそのまま露出した試料4に比べて防汚性能も高く、これらの防汚性能は試料5の赤色加水分解型FRP船用船底塗料と同程度の良好なものであった。しかも、試料1〜3については、赤色加水分解型FRP船用船底塗料の塗膜に比べて膜強度が大きいことも確認された。
したがって、FRP積層板を使用した船体は波の衝突を受けて一部が変形することもあるため、赤色加水分解型FRP船用船底塗料の塗膜はその膜強度が低いため船体の変形により剥離する恐れもあるのに対し、本実施例の試料1〜3のシリコーン系防汚塗料の塗膜は、このような船体変形にも塗膜が追従変形して、塗膜の剥離が抑制されるものと考えられる。
Claims (9)
- 硬質の防汚膜を形成するための塗料であって、
硬化後の時間経過により分解劣化する経時劣化性塗料又はその硬化物を溶解可能な有機溶剤と、架橋反応により分岐鎖状又は網目状の三次元架橋構造を有した硬質シリコーンレジンへと硬化する硬化性シリコーンレジン成分とを含有した混合液であって、
その硬化性シリコーンレジン成分の架橋剤を添加して使用するものであることを特徴としたシリコーン系防汚塗料。 - 前記経時劣化性塗料は、水棲生物に対する忌避作用を有する忌避成分を含有し、その忌避成分を水中へ放出する性質のある塗料であることを特徴とする請求項1記載のシリコーン系防汚塗料。
- 前記経時劣化性塗料は溶出型塗料であることを特徴とする請求項2記載のシリコーン系防汚塗料。
- 前記有機溶剤に対して可溶性を示すとともに硬化後の時間経過により分解劣化する経時劣化性塗料を含有していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のシリコーン系防汚塗料。
- 硬化後の時間経過により分解劣化する経時劣化性塗料の硬化物と、架橋反応により分岐鎖状又は網目状の三次元架橋構造になって硬化する硬質シリコーンレジンとが一体となった膜を形成していることを特徴とする防汚膜。
- 前記経時劣化性塗料は、水棲生物に対する忌避作用を有する忌避成分を含有し、その忌避成分を水中へ放出する性質のある塗料であり、前記硬質膜の表層部分に前記忌避成分が分散して混ざり込んでいることを特徴とする請求項5記載の防汚膜。
- 前記経時劣化性塗料の硬化物により形成される基礎膜と、その基礎膜上に積層融着され前記硬質シリコーンレジンにより形成される被覆膜とを備えており、
その基礎膜および被腹膜は互いの境界が不明瞭に融合した状態で積層した膜を形成していることを特徴とする請求項5又は6に記載の防汚膜。 - 前記経時劣化性塗料の硬化物と、前記硬質シリコーンレジンとが渾然一体に融合した状態で膜を形成していることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の防汚膜。
- 請求項5から8のいずれかに記載の防汚膜を形成するための方法であって、
硬化後の時間経過により分解劣化する経時劣化性塗料の硬化物により形成された基礎膜の上に、その経時劣化性塗料又はその硬化物を溶解可能な有機溶剤と架橋反応により分岐鎖状又は網目状の三次元架橋構造を有する硬質シリコーンレジンへと硬化する硬化性シリコーンレジン成分とを含有したシリコーン系防汚塗料を所定厚みで塗装する塗装工程と、
その塗装工程により塗装されたシリコーン系防汚塗料の有機溶剤により基礎膜を再溶解し、その有機溶剤を蒸発させて、シリコーン系防汚塗料の硬化性シリコーンレジン成分を硬質シリコーンレジンになるまで硬化させる硬化工程とを備えていることを特徴とする防汚膜形成方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114249609A (zh) * | 2021-12-06 | 2022-03-29 | 清远市简一陶瓷有限公司 | 一种低光防污砖的制备方法 |
CN116640006A (zh) * | 2023-05-15 | 2023-08-25 | 清远市简一陶瓷有限公司 | 一种防涂鸦、防污柔光/哑光陶瓷砖及其制备方法 |
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