JP2015182038A - 撹拌装置の軸スリーブとその製造方法 - Google Patents

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【目的】 グランドパッキン方式の軸封機構を備えた撹拌装置において、グランドパッキンと摩擦する位置が上下方向に変動した場合であっても耐摩耗性及び耐腐食性を発揮し優れた耐久性を有する軸スリーブとその製造方法を提案する。【構成】 グランドパッキン方式の軸封機構を備えた撹拌装置の軸スリーブをチタン製もしくはチタン合金製とし、そのスリーブ本体の外周面のグランドパッキンの配置幅より大きい範囲に、埋め込み方式により所望の層厚を有するセラミック層を形成することにより、軸スリーブの耐久性を向上させる。【選択図】 図1

Description

本発明は、特に、電気ニッケル及び電気コバルト製錬にて使用される各種反応槽の撹拌装置に係り、より詳しくはグランドパッキン方式の軸封機構を備えた撹拌装置の軸スリーブとその製造方法に関する。
ニッケルの湿式製錬の一方法として、従来から行われている方法として塩素浸出電解採取法がある。この方法は、ニッケル硫化物を主成分とするニッケルマットを粉砕した後、これを塩化物溶液に混合し、その中に塩素ガスを吹き込み、ニッケルを含む金属を浸出する。そして、得られたニッケル浸出液から、不純物である銅、コバルト、鉄などを化学的処理によって除去して塩化ニッケル溶液を得る。そして、この塩化ニッケル溶液からニッケルを電解採取し、ニッケル地金を生産するものである。この塩素浸出電解採取法においては、酸化剤として、塩素ガス、次亜塩素酸などが使用され、アルカリ剤として、苛性ソーダなどの水酸化物、アンモニア、炭酸塩などが使用されている。
ところで、前記塩素浸出電解採取法に用いられる反応槽には、その反応の促進及び固形物の沈降防止のために撹拌装置が設置されている。撹拌装置の一般的な構造は、図4を例にとり説明すると、電動機11より得られた回転動力をVベルト12にて伝動し、減速装置13により所望の回転数に減速され、軸受部14を経て、回転軸16及び撹拌羽根17を回転させることで図示しない反応槽内の液を撹拌する機構となしている。
この撹拌装置の軸封部15は、反応槽内の液又はガスの漏洩を防止又は低減させる役割を有しており、その構造は反応槽内の圧力や温度によって決定される。通常、軸封部には耐久性及び保守性に優れた図5のようなグランドパッキン方式を採用している。一般にこの方式では、回転軸16に円筒形状の軸スリーブ18が装着され、グランドパッキン19との接触により回転軸16が磨耗するのを防止している。軸スリーブ18は回転軸16に固定されているので、回転軸と同期した回転運動をする。図中、20はパッキンケース、21は支持台、22はパッキン押え、23はパッキン押え固定ボルト、24はパッキン押えナットである。
しかしながら、上記構成の撹拌装置には以下に記載する問題点がある。
即ち、軸封部15において、軸スリーブ18とグランドパッキン19の相互接触によりそれぞれ摩耗が発生し、軸スリーブ18の摩耗量が大きくなり過ぎると、回転軸16の外周面が露出しグランドパッキン19の内周面と接触する。この回転軸16とグランドパッキン19が接触した状態で撹拌装置が使用されると、回転軸16の外周面が摩耗していく。回転軸16は、撹拌機の稼動中は大きな負荷を受けているので、僅かな摩耗によっても折損するおそれがある。万一、回転軸が折損した場合、回転中の撹拌羽根が脱落し落下する。その場合、撹拌羽根が槽壁を突き破って人に当たったり、損傷した槽壁から薬液が噴出したりして、安全上・環境上の問題がある。このような事情から、回転軸の磨耗は許容できず、軸スリーブ18は損壊する前に交換し補修する必要がある。しかし、軸スリーブ18を交換するには、反応槽内の薬液を抜き、電動機や減速装置を取り除いて槽の天蓋を開け、撹拌機を槽外へ吊り出してから交換しなければならないことから、多大な時間と労力を要する。又、一連の交換作業の間は、設備が稼動できないため、工場の操業停止につながってしまう。
前記したように、軸スリーブ18の重要性は高いにもかかわらず、交換・補修は容易でないため、耐久性が要求される。しかし、既存の軸スリーブでは、求められる耐久性を満たすことが難しい。特に、ニッケルマットを塩素ガスで浸出する塩素浸出槽では、槽内の保有液量が多く、槽内の液の濃度が高く、槽内の塩素ガス分圧が高く、槽内の温度が高く、槽の撹拌装置の運転速度が大きいため、軸スリーブの消耗が特に大きかった。そのため、軸スリーブの寿命を延長する技術が望まれていた。
軸スリーブの寿命を延長する技術として、特許文献1には、軸封部に圧縮空気を吹き込む方法が開示されている。この方法によると、軸封部の密封性能が向上できるので、腐食性のガスや溶液を用いる槽においても、グランドパッキン方式の撹拌装置が使用できる。しかし、この方法は、軸封部へ空気を供給する必要がある点、槽内の圧力が高まる点、反応用ガスが薄まり反応速度が低下する点、排ガスが薄まり排ガス処理設備の効率が低下する点、槽内で酸化物の生成が考えられる点の5つの理由により、実用できる状況が限られていた。
一方、軸スリーブの摩耗を抑えるため、軸スリーブをセラミック製とする方法が考えられる。しかし、セラミック製の軸スリーブは使用中に割れてしまい、軸スリーブが回転軸から脱落したり、ガスが軸封部から漏洩したりするという問題がある。この問題に対して、特許文献2にあるような、軸スリーブがグランドパッキンと接触する部分のみをセラミック層とし、残りの部分を金属で構成する方法が考えられる。しかしながら、この方法を実施するためには、軸スリーブとグランドパッキンの接触位置を的確に知り、その接触位置を考慮してセラミック層とする範囲を決める必要がある。その理由は、軸スリーブとグランドパッキンの接触位置は、撹拌機の構成や反応槽ごとの運転条件によって異なるからである。さらに、撹拌装置運転中はグランドパッキンの位置を確認することは難しく、又、反応槽内のガス圧力の変動や、撹拌装置の回転軸の加減速等によりグランドパッキンが上下に変動する場合もあることから、実施は困難である。
以上のような事情から、塩素浸出電解採取法で使用される反応槽の撹拌装置においては、軸スリーブ自体の耐久性を向上させる必要があった。
特開2009−000661号公報 特開2004−036773号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、特に、塩素浸出電解採取法で使用される反応槽の撹拌装置として使用されるグランドパッキン方式の軸封機構を備えた撹拌装置において、グランドパッキンと摩擦する位置が上下方向に変動した場合であっても耐摩耗性及び耐腐食性を発揮し優れた耐久性を有する軸スリーブとその製造方法を提案しようとするものである。
本発明に係る撹拌装置の軸スリーブは、チタン製もしくはチタン合金製の円筒体の外周面に、グランドパッキンと接する層厚0.15mm以上3mm以下のセラミック層を有し、かつ前記セラミック層は、グランドパッキンの配置範囲より大きく形成されていることを特徴とするものである。又、前記セラミック層は、チタン製の円筒体の外周面に形成した所望深さの環状凹部を埋めるように形成したセラミック溶射層で構成することを好ましい態様とするものである。
又、本発明に係る撹拌装置の軸スリーブの製造方法としては、チタン製もしくはチタン合金製の円筒体の外周面に切削加工により前記グランドパッキンの配置範囲より大きくかつ深さが0.15mm以上3mm以下の環状凹部を形成し、該環状凹部に当該環状凹部の深さ以上の厚みを有するセラミック層を形成し、しかる後、前記セラミック層を当該円筒体の外周面と面一に研削することを特徴とするものである。又、この軸スリーブの製造方法において、軸スリーブの外周面に前記セラミック層を形成する方法としては、PVD法、CVD法、プラズマ溶射法、爆発溶射法、拡散浸透法等、化学緻密化法のうちいずれの方法を用いてもよい。
本発明の軸スリーブは、チタン製もしくはチタン合金製の円筒体の外周面に形成したグランドパッキンの配置範囲より大きく形成されたセラミック層を有することにより、グランドパッキンとの摩擦により金属粉等が発生するおそれがないばかりでなく、グランドパッキンと摩擦する位置が変動した場合であっても十分に耐摩耗性及び耐腐食性を発揮できるので、軸スリーブの耐久性を大幅に向上できる。又、本発明の軸スリーブ製造方法によれば、チタン製もしくはチタン合金製の円筒体の外周面に形成した凹部を埋めるようにセラミック層を形成するので、軸スリーブ自体の肉厚を増加させることなく耐摩耗性及び耐腐食性に優れるセラミック層を形成することができ、さらに、前記セラミック層は、母材であるチタン製もしくはチタン合金製の円筒体との密着力を確保することができることにより簡単に脱落することもなく、耐久性に優れた軸スリーブを得ることができる。
本発明に係る撹拌装置の軸スリーブの一例を示す斜視図である。 図1に示す軸スリーブの縦断面図である。 図1及び図2に示す軸スリーブの製造方法の一実施例を示す概略説明図である。 本発明に係る撹拌装置の一般的な構成例を示す概略図である。 図4に示す撹拌装置の軸封部を示す概略図である。
本発明に係る撹拌装置の軸封部の軸スリーブは、図1、図2に示すように、チタン製もしくはチタン合金製の円筒体1−1の外周面に、図5に示すグランドパッキン19との設計上の接触範囲である該グランドパッキン19の高さ方向の配置範囲W2より大きい形成範囲W1のセラミック層2を有している。このセラミック層2は、円筒体1−1の外周面に切削加工により設けた所望深さの環状凹部を埋める方式により形成する。
ここで、軸スリーブ1の本体である円筒体1−1をチタン製もしくはチタン合金製としたのは、特に塩素浸出電解採取法で使用される反応層の場合、化学的腐食に強い材料が好ましいとの理由による。軸スリーブ1の母材をチタン製もしくはチタン合金製とすることで、腐食性のガスや薬液に対して優れた耐久性が得られる。
又、前記チタン製もしくはチタン合金製の円筒体1−1の外周面に形成するセラミック層2の厚み(層厚)を0.15mm以上3mm以下としたのは、図4に示す構成の一般的な撹拌装置においては、約半年の稼働でセラミック層2が0.15mm程度の摩耗が予想されること、他方、層厚が3mmを超えるとセラミック層2が脱落し易くなるためである。
さらに、セラミック層2の形成範囲W1をグランドパッキン19の配置範囲W2より大きくしたのは、以下に示す理由による。即ち、前記したごとく、図4、図5に示す構成の一般的な撹拌装置においては、撹拌時に回転軸16及び軸スリーブ18に対してグランドパッキン19が反応槽内のガス圧力の変動や撹拌機の回転軸の加減速等により上下にぶれる場合がある。グランドパッキン19が上下にぶれた場合、軸スリーブ18がグランドパッキン19との摩擦により摩耗する箇所もそれに応じて変わる。このことは、軸スリーブ18の摩耗が一か所に偏らない点では有利であるが、軸スリーブ18が広範囲に摩耗するという問題があるため、グランドパッキンと摩擦する位置が変動した場合であっても軸スリーブ18の耐摩耗性及び耐腐食性を十分に発揮できるようにするため、本発明の軸スリーブ1は、セラミック層2の形成範囲W1をグランドパッキン19の配置範囲W2より大きくした。
なお、本発明において、チタン製もしくはチタン合金製の円筒体1−1の外周面にセラミック層2を形成する手段として、円筒体1−1の表面を切削して設けた環状凹部1−2にセラミック層2を埋め込む方式を採用したのは、円筒体1−1の表面に直接セラミック層を形成する方式では、軸スリーブの肉厚が増加してグランドパッキン19との摩擦が大きくなりすぎるためである。
次に、前記図1に示す軸スリーブ1の製造方法を図3に基づいて説明する。
図3において、(a)は加工前の円筒体1−1の側壁の断面図、(b)は円筒体1−1の外周面に切削加工により所望深さの環状凹部を形成した状態を示す断面図、(c)は円筒体1−1の外周面に施した環状凹部にセラミック層を形成した状態を示す断面図、(d)は前記環状凹部に形成したセラミック層を表面研削した状態(仕上げ状態)を示す断面図である。
即ち、本発明方法は、先ず、(a)に示す加工前のチタン製もしくはチタン合金製の円筒体1−1の外周面に、(b)に示すように切削加工により所望深さの環状凹部1−2を形成する。この環状凹部1−2は、前記したようにグランドパッキン19との設計上の接触範囲である該グランドパッキン19の配置範囲W2より大きいセラミック層形成範囲W1を有し、かつその深さは0.15mm以上3mm以下である。次いで、(c)に示すように前記環状凹部1−2に、当該環状凹部の深さ以上の厚みを有するセラミック層2を形成する。このセラミック層を形成する方法としては、前記したようにPVD法、CVD法、プラズマ溶射法、爆発溶射法、拡散浸透法等、化学緻密化法のうちいずれの方法を用いてもよい。そして、仕上げ工程として、(d)に示すように円筒体1−1の表面より突出する前記厚肉のセラミック層2を当該円筒体の外周面と面一に研削する。このようにして得られる軸スリーブは、図1に示すようにチタン製もしくはチタン合金製の円筒体1−1の外周面に、グランドパッキン19との設計上の接触範囲である該グランドパッキン19の配置範囲W2より大きい形成範囲W1を有するセラミック層2を有したものとなる。
なお、円筒体1−1の外周面に設けた環状凹部1−2に埋め込み方式により形成したセラミック層2は、母材から容易に剥離するものではないが、母材とセラミック層2の接合性をより高めるため、相互の接合面は適度な粗さを有していることが望ましい。母材を切削した後にセラミックを溶射する場合は、切削面の起伏は0.01mm以下に抑えるのが好ましい。一般的なセラミック溶射方法では、溶射膜の厚みは0.01mmの精度で制御できるからである。又、母材とセラミック層2の間に、母材とセラミック層の熱膨張率差を吸収するための層を設けてもよい。母材とセラミック層2の熱膨張率差を吸収するための層としては、例えば粘土粉や硫酸バリウム等が考えられる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例によって制限を受けるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で変更・実施することは全て本発明の技術的範囲に含まれる。
外径170mm、肉厚10mm、長さ240mmのチタン製の円筒体の外周面に、当該円筒体の上面と底面から等距離な位置で上下方向に220mmの範囲を深さ2mmまで切削して環状凹部を設け、この環状凹部にセラミックをプラズマ溶射して切削前の高さ以上に盛り上げ、しかる後、セラミック溶射層を当該円筒体の外周面と面一に研削し、層厚2mmのセラミック溶射層付きの軸スリーブを得た。得られた軸スリーブを塩素浸出電解採取法で使用される塩素浸出槽の撹拌装置に取付けて、軸スリーブの摩耗、腐食状況を調べた。
本実施例では、撹拌装置の回転軸を本発明の軸スリーブに挿し込み、グランドパッキンを、セラミック部の下端から45mmだけ中央に寄った位置から、セラミック部の上端から45mmだけ中央に寄った位置の間に通常の方法で配置した。その後、撹拌装置を6ケ月間運転した。
その結果、稼働して6ケ月後の点検では、軸スリーブの摩耗はセラミック部にのみ生じ、その深さは最大で0.15mmであった。又、腐食は軸スリーブの下部にみられたが、無視できる程度であった。この結果より、本発明のチタン製軸スリーブは、定期点検時に使用開始してから次の定期点検までの半年間に、軸封部の機能を十分に維持させることができることが判明した。
実施例1と同じ外径170mm、肉厚10mm、長さ240mmのチタン合金製の円筒体の外周面に、当該円筒体の上面と底面から等距離な位置で上下方向に180mmの範囲を深さ3mmまで切削して環状凹部を設け、この環状凹部にセラミックをプラズマ溶射して切削前の高さ以上に盛り上げ、しかる後、セラミック溶射層を当該円筒体の外周面と面一に研削し、層厚3mmのセラミック溶射層付きの軸スリーブを得た。得られた軸スリーブを塩素浸出電解採取法で使用される塩素浸出槽の撹拌装置に取付けて、軸スリーブの摩耗、腐食状況を調べた。
本実施例2も前記実施例1と同じく、撹拌装置の回転軸を本発明の軸スリーブに挿し込み、グランドパッキンを、セラミック部の下端から25mmだけ中央に寄った位置から、セラミック部の上端から25mmだけ中央に寄った位置の間に通常の方法で配置した。その後、撹拌装置を6ケ月間運転した。
その結果、本実施例においても、稼働して6ケ月後の点検では、軸スリーブの摩耗はセラミック部にのみ生じ、その深さは最大で0.15mmであった。又、腐食は軸スリーブの下部にみられたが、無視できる程度であった。この結果より、チタン合金製軸スリーブも実施例1のチタン製軸スリーブと同様に、定期点検時に使用開始してから次の定期点検までの半年間に、軸封部の機能を十分に維持させることができることが判明した。
[比較例1]
チタン製円筒体の切削範囲とセラミック溶射範囲が、当該円筒体の上面と底面から等距離な位置で上下方向に130mmの範囲(本発明の規定値より外れた範囲)にセラミック溶射層を形成した以外は、実施例1と同じ外径170mm、肉厚10mm、長さ240mmのチタン製軸スリーブを製作し、該軸スリーブを実施例1と同様の撹拌装置に取付けて同様の操業を実施したところ、次の定期点検前に、軸封部の機能が低下し、塩素ガス漏れを起こしたため、予定外の操業中止、及び軸スリーブ取替え作業が必要となった。その原因について調べた結果、前記溶射範囲の上下部分の摩耗により軸封部の機能が低下したことによることが判明した。
[従来例1]
実施例1と同じ外径170mm、肉厚10mm、長さ240mmのSUS316製の軸スリーブを、実施例1、2と同様の撹拌装置に取付けて操業したところ、次の定期点検前に、軸封部の機能が低下し、塩素ガス漏れを起こしたため、予定外の操業中止、及び軸スリーブ取替え作業が必要となった。その際、軸封部の機能を低下させたのは、軸スリーブ下部の腐食によるものであることが判明した。その腐食の原因は、反応槽内の塩素ガスと、反応槽内で飛散した薬液と考えられる。
1、18 軸スリーブ
1−1 円筒体
1−2 環状凹部
2 セラミック層
11 電動機
12 Vベルト
13 減速装置
14 軸受部
15 軸封部
16 回転軸
17 撹拌羽根
19 グランドパッキン
20 パッキンケース
21 支持台
22 パッキン押え
23 パッキン押え固定ボルト
24 パッキン押えナット
W1 セラミック層の形成範囲
W2 グランドパッキンの配置範囲

Claims (2)

  1. 反応槽内を撹拌するための撹拌羽根が取付けられた撹拌軸と、前記反応槽の上部に隣接して前記撹拌軸の周囲に軸スリーブを介して軸方向に圧縮状態で重ねられて配置されたグランドパッキンを備えた撹拌装置の軸スリーブであって、前記軸スリーブはチタン製もしくはチタン合金製の円筒体からなり、該円筒体の外周面に設けた環状凹部を埋めるように形成した、前記グランドパッキンと接する層厚0.15mm以上3mm以下のセラミック層を有し、該セラミック層はグランドパッキンの配置範囲より大きく形成されていることを特徴とする撹拌装置の軸スリーブ。
  2. 反応槽内を撹拌するための撹拌羽根が取付けられた撹拌軸と、前記反応槽の上部に隣接して前記撹拌軸の周囲に軸スリーブを介して軸方向に圧縮状態で重ねられて配置されたグランドパッキンを備えた撹拌装置の前記軸スリーブの製造方法であって、チタン製もしくはチタン合金製の円筒体の外周面に切削加工によりグランドパッキンの配置範囲より大きくかつ深さが0.15mm以上3mm以下の環状凹部を形成し、該環状凹部に当該環状凹部の深さ以上の厚みを有するセラミック層を形成し、しかる後、前記セラミック層を当該円筒体の外周面と面一に研削することを特徴とする撹拌装置の軸スリーブの製造方法。
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