(第1実施例)
(1)遊技機の前提構成
本実施例の遊技機においては、遊技球の入球が当否抽選の実行契機となる「始動口」が設けられる。その当否抽選の結果を示すために特別図柄が変動表示される。当否抽選の結果が大当りとなり、特別図柄が大当りを示す態様にて停止されたときに、複数回の単位遊技からなる特別遊技が実行される。単位遊技において大入賞口が開放されるため、特別遊技は通常遊技よりも賞球を獲得できる期待値(「賞球獲得期待値」ともいう)が高い。また、当否抽選の結果が大当りとなり、所定の移行条件が成立した場合には、その特別遊技後に始動口への入球容易性が通常入球状態よりも高い入球容易状態へ移行される。「始動口」は、待機状態と作動状態をとり得る入球変動機構を備えるものでもよい。「入球変動機構」は、作動状態では待機状態と比較して始動口への入球を容易とし、待機状態では作動状態と比較して始動口への入球を困難とするものでよい。「入球変動機構」は、その作動により始動口を通常開口状態から拡開状態に変化させることにより入球し易くするものでもよい。「入球変動手段」は、通常入球状態と比較して入球変動機構の作動時間を延長する、あるいは入球変動機構の作動効率を高めることにより、入球容易状態を実現するものでもよい。
また、後述するように始動口として「第1始動口」と「第2始動口」が設けられてもよい。その場合、第2始動口についてのみ入球変動機構を設けてもよい。「入球変動機構」は、作動状態では第2始動口に入球可能とし、待機状態では第2始動口に入球不能とするものでよい。あるいは、作動状態では待機状態と比較して第2始動口への入球を容易とし、待機状態では作動状態と比較して第2始動口への入球を困難とするものでよい。「入球変動機構」は、その作動により第2始動口を閉鎖状態から開放させることにより入球可能とするものでもよい。あるいは、その作動により第2始動口を通常開口状態から拡開状態に変化させることにより入球し易くするものでもよい。そして、通常入球状態においては第1始動口のほうが第2始動口よりも入球し易く、入球容易状態においては第2始動口のほうが第1始動口よりも入球し易くなるように設定されてもよい。すなわち、「入球変動手段」は、入球容易状態において第2始動口への入球容易性を第1始動口よりも高めるよう作動可能なものでよい。
具体的には、遊技領域に設けられた作動口と、作動口への入球を契機として、入球変動機構を作動させるか否かを決定するための作動抽選を実行する作動抽選手段と、作動抽選の結果を示すための普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段と、作動抽選の結果が当りとなり、普通図柄が当りを示す態様で停止表示されたときに、入球変動機構を作動させる作動制御手段と、を備えるものでもよい。そして、入球容易状態においては、作動抽選の結果が当りとなった場合の入球変動機構の作動時間を通常入球状態よりも延長するものでもよい。また、入球容易状態において、作動抽選の当選確率を通常入球状態よりも向上させるものでもよい。さらに、入球容易状態において、普通図柄の変動時間の長さが通常入球状態と比べて短くなる傾向を有するようにしてもよい。
「入球容易状態の終期」は、遊技状態が所定条件を満たすまでの期間であってよく、本実施例では図柄変動が設定回数なされるまでの期間、つまり図柄変動回数にて規定される期間(「終期回数」ともいう)として定められる。後述のように、始動口として第1始動口と第2始動口が設けられる場合、第1始動口への入球を契機に第1の当否抽選が実行され、その抽選結果を示す図柄(「第1図柄」ともいう)が変動する。第2始動口への入球を契機に第2の当否抽選が実行され、その抽選結果を示す図柄(「第2図柄」ともいう)が変動する。以下の説明では便宜上、第1の当否抽選を単に「第1の抽選」と呼び、第2の当否抽選を単に「第2の抽選」と呼ぶこともある。この場合、「入球容易状態の終期回数」は、第1図柄の変動回数と、第2図柄の変動回数との合計値としてカウントされる。このような構成により、一旦入球容易状態へ移行されると、その入球容易状態を維持したまま大当りを繰り返し獲得する連荘状態を実現し易くなり、遊技者の利益状態を高く維持できる可能性がある。
(2)プリペイドカード注意喚起の表示条件
本実施例では、大当りの種類として「通常大当り」および「特殊大当り」が含まれる。当否抽選の結果が通常大当りであった場合、賞球獲得期待値が相対的に高い「通常特別遊技」が実行される。当否抽選の結果が特殊大当りであった場合、賞球獲得期待値が相対的に低い「特殊特別遊技」が実行される。特殊特別遊技は、単位遊技数が通常特別遊技と比べて少ないものでもよいし、単位遊技における大入賞口の開放時間が通常特別遊技と比べて短いものでもよい。大入賞口への入球は、賞球付与(賞球払い出し)の契機となる。特殊特別遊技は、大入賞口への入球が困難であり、実質的に出玉(賞球)を期待できないものでもよい。
本実施例では、演出表示装置に表示される演出として、当該遊技機に対応づけられた装置から有価記憶媒体を取り忘れないよう遊技者に対して注意を促すための特殊報知画像が表示対象とされる。「有価記憶媒体」は、いわゆるプリペイドカードであってもよい。「遊技機に対応づけられた装置」は、当該遊技機に併設(隣接配置、並設)された台間機であってもよく、有価記憶媒体をセットした状態で遊技者が所定の貸出操作をすることにより遊技球の貸し出しを実行する「貸出装置」であってもよい。
特別遊技における最後の単位遊技の終了後には、終了デモンストレーション演出(以下「終了デモ」ともいう)が表示される。本実施例では、通常入球状態において通常大当りに当選した場合の終了デモの表示時間(「第1終了デモ時間」ともいう)が、入球容易状態において通常大当りに当選した場合の終了デモの表示時間(「第2終了デモ時間」ともいう)よりも長くされている。これは以下の理由による。すなわち、本実施例では、特に賞球獲得期待値が高い通常大当りを入球容易状態を維持したまま繰り返し獲得できる状態を「連荘状態」とし、遊技者が多くの賞球を獲得できる状態であると位置づけている。このため、通常入球状態において通常大当りとなったときは、未だその連荘状態に到っていないが(未だ単発の大当りでしかないが)、連荘状態に突入する可能性がある状態であり、遊技者の期待感を高めるために終了デモを比較的長く表示させる。一方、入球容易状態において通常大当りとなったときは、既に連荘状態となっている可能性があるため、終了デモを長くすることは次の通常大当りの獲得に向けて非効率となりうる。このため、終了デモの表示時間を短くしている。
通常入球状態において通常大当りに当選した場合には、その通常特別遊技の第1終了デモ時間に特殊報知画像が表示される。一方、通常入球状態において特殊大当りに当選した場合の終了デモの表示時間(「第3終了デモ時間」ともいう)には特殊報知画像は表示されない。すなわち、後者のように通常入球状態において特殊大当りに当選した場合には、その特殊特別遊技の終了後に入球容易状態へ移行しうるものの、特殊報知画像は表示されない。ただし、そのように通常入球状態での特殊大当りを契機に移行された入球容易状態において通常大当りに初回当選した場合は、その通常特別遊技における特定の単位遊技の実行期間にて特殊報知画像が表示される。
すなわち、本実施例では、通常特別遊技が実行されると遊技者が多くの賞球を獲得できると想定する。このため、通常入球状態において通常大当りとなったときには、その後の通常特別遊技により多くの賞球が獲得されるため、遊技者が有価記憶媒体の存在を忘れる可能性がある。そこで、その通常特別遊技の終了デモとともに特殊報知画像を表示させ、有価記憶媒体の取り忘れがないよう注意を促す。一方、通常入球状態において特殊大当りとなったときには、その後の特殊特別遊技による賞球が期待できないが、入球容易状態へ移行しうるため、遊技者は遊技を継続させる可能性がある。このようなときに特殊報知画像を表示させると、遊技者の遊技意欲をそぐ可能性があり、場合によっては不快感を与える虞がある。そこで、このようなときには特殊報知画像を表示させないようにする。
ただし、このような通常入球状態での特殊大当りを契機に入球容易状態へ移行され、その入球容易状態において通常大当りに初回当選した場合には(便宜上「特殊当選の場合」ともいう)、特殊報知画像を表示させる。その通常特別遊技により多くの賞球が獲得される一方で、遊技者が有価記憶媒体の存在を忘れる可能性があるからである。特に、特殊大当りが確変大当りでもある場合には好適である。更に確変且つ次回大当りまで時短(入球容易状態)が付与される場合には尚好適である。ただし、上述のように、入球容易状態において通常大当りとなった場合の終了デモの表示時間(第2終了デモ時間)は短い。そこで、特殊報知画像をその通常大当りに係る通常特別遊技の特定の単位遊技にて表示させるようにする。このように、本実施例によれば、有価記憶媒体の取り忘れに関する報知を、大当りの種類(つまり特別遊技の種類)やその終了デモ時間を考慮した適切なタイミングで適度に行えるようになる。なお、このような場合、後述する特別遊技中の演出である保留内連荘演出と重複しないように、a)保留内連荘演出を控える、b)特殊報知画像を控える、のいずれかとしても良い。
なお、上記のように入球容易状態へ移行するパターンとして、以下のいずれかが含まれてもよい。すなわち、1)通常入球状態から特殊大当りとなり、入球容易状態(確変を伴う)となる場合、2)通常入球状態から特殊大当りとなるものの、再度通常入球状態(確変を伴う潜伏確変でもよい)へ移行され、当該通常入球状態において特殊大当りとなることで入球容易状態(確変を伴う)となる場合が含まれてもよい。上記1)は、特殊大当りが必ず入球容易状態(時短)を伴う場合である。上記2)は、潜伏確変中(確変であるが入球容易状態を伴わない状態)からの特殊大当りが必ず入球容易状態を伴う場合である。これらのパターンは、特別図柄と遊技状態に依存するため、両者が混在してもよい。
なお、上記構成を具体的に実現する場合、特別図柄の種類と大当りの種類とが対応づけられる。一方、上述した第1終了デモ時間と第2終了デモ時間との関係のように、同じ通常大当りであってもデモ時間が異なることがある。本実施例では、デモ時間の相異にかかわらず、通常大当りに対応づける特別図柄を同じとすることができる。言い換えれば、同じ大当りを示す特別図柄であっても、大当りとなったときの遊技状態(入球容易状態又は通常入球状態のいずれであるか)に応じてデモ時間を異ならせることができる。
特殊報知画像の表示時間は、第1終了デモ時間よりも短く、第2終了デモ時間よりも長く設定してもよい。このような設定により、上記特殊当選の場合に特殊報知画像を通常特別遊技の特定の単位遊技にて表示させることに意味をもたせることができる。第2終了デモ時間のみでは特殊報知画像を表示できないため、単位遊技中を利用してこれを表示させるものである。また、特殊報知画像をしっかりと遊技者に認識させるための時間値を確保する必要があるために単位遊技中を利用するものである。
終期回数の満了により入球容易状態が終了すると、遊技を進めるうえでの優位性が低くなる。特に連荘状態から通常入球状態へ移行するとなおさらである。このような遊技状態の変化タイミングは、遊技者が遊技を止めて離席又は退席する契機となり易い。そこで、入球容易状態から通常入球状態への移行を契機として、通常遊技中の特定期間内に特殊報知画像を表示させてもよい。それにより、まさに効果的なタイミングで有価記憶媒体の取り忘れがないよう遊技者に注意を促すことができる。
なお、このように通常遊技中に特殊報知画像を表示させる場合、特別遊技中に表示させる場合よりもその表示領域を小さく抑えるのが好ましい。後述のように、通常遊技中は演出表示装置に装飾図柄を変動表示させるため、その変動表示を阻害しないためである。演出表示領域としてメイン表示領域とサブ表示領域が設けられている場合、メイン表示領域に装飾図柄を表示させ、サブ表示領域に特殊報知画像を表示させるようにしてもよい。あるいは、例えば特殊報知画像を透過表示としたり、装飾図柄の停止時においてその停止図柄と被らない表示としてもよい。また、液晶上部領域や下部領域に表示したり、文字だけの表示としてもよい。あるいは、装飾図柄と特殊報知画像のそれぞれを表示する画像レイヤーを異ならせ、装飾図柄の変動中は特殊報知画像を装飾図柄よりも前面側のレイヤーに配置し、装飾図柄の停止時には特殊報知画像を装飾図柄よりも後面側のレイヤーに配置してもよい。
特別遊技中に電源が遮断され、その後の電源復帰により特別遊技が再開された場合、中断されていた特別遊技に係る大当りの種別やその大当りが発生したときの遊技状態にかかわらず、復帰された特別遊技中には特殊報知画像を表示させないようにしてもよい。例えば、電断時に大当りの種別や大当りが発生したときの遊技状態を記憶に残さない場合を考慮するものである。
あるいは逆に、特別遊技中に電源が遮断され、その後の電源復帰により特別遊技が再開された場合、中断されていた特別遊技に係る大当りの種別やその大当りが発生したときの遊技状態にかかわらず、復帰された特別遊技における所定の単位遊技中に特殊報知画像を必ず表示させるようにしてもよい。電断時に大当りの種類(つまり特別遊技の種類)を記憶する場合には、その大当りが通常大当り(つまり通常特別遊技)の場合に特殊報知画像を表示させるようにしてもよい。
いわゆる右打ちを促進する画面のように、遊技者の遊技をガイドするような促進画像を演出対象として含む場合、その促進画像と特殊報知画像とを同時に表示させてもよい。その場合、促進画像を表示レイヤーを異ならせる態様で特殊報知画像の前面側に表示させることが好ましい。それにより、遊技者が有益な情報を取りこぼすことを抑制できる。
(3)変則RTC
本実施例の遊技機には、「計時手段」として機能するリアルタイムクロック(「RTC」とも表記する)が設けられている。RTCは、現在の「年」,「月」,「日」,「曜日」,「時」,「分」,「秒」を示すために実時間を計時出力する装置であり、電源遮断時においてもバックアップ電源により計時動作を継続することができる。このRTCの出力値に基づいて日時および経過時間を計時することができる。
本実施例では、当否抽選の結果を示唆するための通常演出のほか、計時手段の計時に基づく演出条件が満たされたときに実行される特殊演出が設けられる。これらの演出は、所定の演出表示装置に表示されるものでもよいし、ランプ等による点灯・点滅表示、音声出力(サウンドエフェクト:SE)、可動役物の駆動等により実現されるものでもよい。あるいは、それらの組合せにより実現されるものでもよい。特殊演出として第1特殊演出と第2特殊演出が設けられる。これらの特殊演出は、遊技ホールに設置された複数の遊技機において設定時刻に一斉に実行される一斉演出であってもよい。あるいは、電源投入から設定期間が経過することを条件に実行される解禁演出であってもよい。その場合、遊技ホールに設置された複数の遊技機について、解禁演出の設定時間が互いに異なるものがあってもよい。
第1特殊演出は、第1演出条件が満たされたときに実行される。具体的には、第1特殊演出の実行時刻として複数の特定時刻を設け、少なくともいずれかの特定時刻の割り当て(設定有無)が日にちに応じて異なりうるように設定してもよい。そして、その日にちに応じた特定時刻に到達することを「第1演出条件」としてもよい。あるいは、第1特殊演出の実行時間として、遊技機への電源投入からの経過時間として定める複数の特定時間を設け、少なくともいずれかの特定時間の割り当て(設定有無)が日にちに応じて異なりうるように設定してもよい。そして、その日にちに応じた特定時間が経過することを「第1演出条件」としてもよい。
一方、第2特殊演出は、第2演出条件が満たされたときに実行される。具体的には、第2特殊演出の実行時刻として複数の特殊時刻を設け、それらの特殊時刻の割り当て(設定有無)が日にちによらず共通となるように設定してもよい。そして、その特殊時刻に到達することを「第2演出条件」としてもよい。あるいは、第2特殊演出の実行時間として、遊技機への電源投入からの経過時間として定める複数の特殊時間を設け、少なくともいずれかの特殊時間の割り当てが日にちによらず共通となるように設定してもよい。そして、その特殊時間が経過することを「第2演出条件」としてもよい。
このような構成によれば、第2特殊演出についてはRTCを用いた一般的な演出のように定期的又は規則的に実行される一方、第1特殊演出については不定期又は不規則に実行される。このため、遊技者は、第2特殊演出の実行時刻については比較的高い確度で予測がつき、その演出に興味があれば予測した時刻に遊技ホールに滞在するようスケジュールを調整することができる。一方、第1特殊演出の実行時刻については候補が特定できたとしても、正確な予測は困難となる。このため、その演出に興味があれば候補となる時刻に遊技ホールに滞在するようスケジュール調整することになるが、その第1特殊演出が実際に行われるか否かは運任せとなる。このことが、場合によっては遊技者の期待感を高めることにもなる。すなわち、本実施例によれば、RTCを用いる演出の多様性を高めるとともに、遊技興趣を高めることができる。
第2特殊演出の演出態様は、第1特殊演出と比べて通常演出の演出態様と大きく相異するものでよい。また、第1特殊演出の演出態様は、通常演出と同一であってもよいし、少なくとも第2特殊演出と比べて通常演出の演出態様に近いものでよい。例えば、通常演出が演出表示である場合、その演出表示と背景画像を共通としつつ、特定の画像オブジェクトを追加したものを第1特殊演出としてもよい。もしくは、その特定の画像オブジェクト自体や付帯演出自体を第1特殊演出としてもよい。第1特殊演出は、通常演出と同時並行的に行われるものでもよい。一方、通常演出とは背景画像を含めて異なるものを第2特殊演出としてもよい。第2特殊演出は、通常演出と同時並行的には行われないものでよい。
第1特殊演出は、賞球等の遊技機により提供される主たる利益とは異なる付加的な利益を遊技者に提供しうるものでもよい。例えば、第1特殊演出の実行履歴などに基づいて遊技者のポイント又はレベルを算出し、算出されたポイント又はレベルに関する特殊条件が満たされた場合に、遊技者が選択したキャラクタの優位性を高めたり、演出傾向を変化させたり、あるいは付加的に出現させる演出候補の数を増加させてもよい。このポイントやレベルを、演出上の優位性を評価するための評価値として機能させてもよい。第1特殊演出が出現したときにポイント又はレベルの増加率を向上させてもよい。その場合、第1特殊演出の実行履歴や遊技者のポイント又はレベルなどを記憶するための履歴格納手段を設け、遊技の進行とともにその履歴を更新してもよい。ポイントやレベルは、「特定の変動演出パターンの発生」や「大当り自体」や「大当り回数」「連荘回数」「特定の演出」「特定変動回数(内)での大当り」「RTCならではの所定時刻(内)での大当りや特定演出発生」などを条件として付与しても良い。その場合、それぞれの種別に応じてポイントやレベルの高低差を設けても良い。
第1特殊演出は、遊技者による所定の操作入力がなされた場合にのみ実行してもよい。上述のように第1特殊演出の実行履歴などに基づいてポイント又はレベルを算出する仕様とする場合、第1特殊演出が実行されなくとも演出として内部的に選択されていた場合には、そのポイント又はレベルを遊技者には提示しないものの、内部処理的に加算するようにしてもよい。
さらに、第3特殊演出として、特定の日時に到達したときに発生する解禁演出を設けてもよい。この第3特殊演出が実行されると、例えば入球容易状態において選択可能なキャラクタが増加するようにしてもよい。
第2特殊演出の開始に先立って所定の事前演出を発生させてもよい。例えば、事前演出として、第2特殊演出の発生までをカウントダウンする演出を発生させてもよい。なお、この事前演出は、第2特殊演出の直前に表示させる別演出としてもよいし、第2特殊演出の一部としてその冒頭に組み入れられてもよい。第1特殊演出についてはこのような事前演出を設定しないことで、第2特殊演出との差別化をしてもよい。
(4)RTC演出の延長
本実施例では、遊技が進行していない停滞状態が予め定める待機判定時間継続したときに、遊技待機状態であることを示すデモンストレーション演出(以下「待機デモ」ともいう)が表示される。「停滞状態」は、始動口への入球がない状態としてもよい。あるいは、図柄変動が停止されている状態としてもよい。あるいは、遊技球の打ち出しが停止された状態としてもよい。そして、この待機デモに関連した所定条件が満たされた場合、上記第2特殊演出について延長がなされる。なお、前提として、第2特殊演出の実行時間(実行継続時間)としては、待機判定時間よりも長い時間(例えば5分等)がデフォルト値として設定される。
本実施例では、第2特殊演出を楽しみにする遊技者に対する特典として、その第2特殊演出を所定時間延長する制御を行う。すなわち、遊技者の中には第2特殊演出を楽しみにこれを最後まで見届ける者もいれば、第2特殊演出にあまり興味がなく、その終了時間が到来する前に遊技を止めてしまう者もいる。そこで、前者に対しては第2特殊演出の実行時間を延長可能とし、後者に対しては延長しないようにする。なお、第2特殊演出の実行中は例外的に待機デモを表示させないようにする。
具体的には、第2特殊演出の実行中に遊技の停滞状態となり、その際におけるその停滞状態の開始からその第2特殊演出の終了までの残り時間が、待機判定時間未満であることを条件(「延長条件」ともいう)として、その第2特殊演出の実行時間が延長される。この延長期間としては、例えば待機判定時間と同一時間を設定してもよい。本実施例によれば、RTCを利用した演出に「延長」という概念を追加した斬新な遊技が実現される。また、第2特殊演出に関して遊技者の好みに応じたサービスを提供することで、遊技機の稼働率向上を図ることができる。
第2特殊演出において延長された演出部分(「延長演出」ともいう)は、延長されない部分と比較して演出態様ないし演出傾向が少なくとも異なるものでよい。また、この延長演出は、通常演出と比較して演出態様ないし演出傾向が少なくとも異なるものでよい。ここでいう「演出態様」には、例えば登場するキャラクタの種類や背景画像の種類などが含まれてもよい。「演出傾向」には、演出の展開などが含まれてもよい。
第2特殊演出の実行中に大当りが発生した場合、特定遊技状態となること又は特定遊技状態であることを報知するタイミングが、通常演出の実行中に大当りが発生した場合よりも早くなるように設定されてもよい。ここでいう「特定遊技」には、特別遊技への移行効率を高める確率変動遊技(「確変」ともいう)、変動時間短縮遊技(「時短」ともいう)、始動口への入球容易性を高める入球容易状態の少なくともいずれかが含まれる。
また、第2特殊演出の延長条件を、その第2特殊演出の終了時間が到来する前に当否抽選値が保留されることとしてもよい。その場合、延長期間をその当否抽選値に係る図柄変動が終了するまでとしてもよい。その延長期間中にさらに当否抽選値が保留された場合、その当否抽選値に係る図柄変動が終了するまでとしてもよい。すなわち、当否抽選値の保留が途切れるまで延長するようにしてもよい。
第2特殊演出については、上述のように事前演出を実行してもよい。その事前演出時の図柄変動が大当りを示すものである、又は事前演出時に保留された当否抽選値に大当りに該当するもの等の特殊条件が満たされた場合、その事前演出の演出内容を切り替えるようにしてもよい。例えば、事前演出としてカウントダウン演出を実行している状況下で特殊条件が満たされた場合、そのカウントダウン演出を中止してフリーズ状態とするなどの特殊事前演出(違和感演出)を実行してもよい。なお、第2特殊演出については延長があるものの、事前演出については延長しないようにしてもよい。なお、この特殊事前演出(違和感演出)は、上述した変則的なRTC演出における第2特殊演出にて実行してもよい。
(5)変動パターンに合わせた昇天演出
本実施例では、いわゆる連荘状態が所定回数継続した場合に稀少性が高い特別演出が表示される。ここでいう「連荘状態」とは、特定遊技状態中に当否抽選の結果が大当りとなることで特別遊技が実行され且つその特別遊技の終了後に再び特定遊技状態となることである。「特定遊技状態」とは通常状態よりも特別遊技への移行容易性が高い遊技状態であり、確変、時短、入球容易状態の少なくともいずれかが含まれる。「特別条件」としてその連荘状態が設定回数連続することが定められ、その特別条件が充足される場合に特別演出が表示されうる。
本実施例では、いわゆる「先読み」が実行される。「先読み」とは、当否抽選値が消化される前にその抽選に係る情報(以下「抽選値情報」ともいう)を取得する手法である。すなわち、始動口への入球を契機に新たな当否抽選が実行されると、その当否抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず、その抽選値に関する抽選値情報(先読み情報)が取得される。そして、その先読み情報に基づく先読み演出が表示されることがある。すなわち、新たに保留された抽選値に係る当否抽選の結果を、対応する図柄変動表示に先立って事前に示唆する示唆演出(先読み演出)が表示されうる。
ただし、そもそも特別演出は稀少性が高い演出と位置づけられていることから、その出現を事前に示唆することは演出趣旨に反するものとなる。すなわち、特別演出は先読み演出とは馴染み難い。そこで、新たに保留された抽選値が特定の抽選値である場合に表示され得る所定の示唆演出については、特別条件を充足している状況では表示させないようにするか、又は特別条件を充足している状況では非充足の状況よりも低頻度にて表示させるようにする。これにより、各演出の機能を有効に担保できるようになる。
本実施例では、特別演出を通常遊技中と特別遊技中とに跨って表示させる。すなわち、図柄変動演出と大当り演出とに跨る形で表示させる。特別演出を伴う図柄変動は、特定の大当りが当選したときに選択される変動パターン(「特定変動パターン」ともいう)に対応づけられてもよい。この「特定の大当り」を、複数種の大当りのうち賞球獲得期待値が最も高い大当りである「最有利大当り」としてもよい。最有利大当りに当選すると、賞球獲得期待値が最も高い「最有利特別遊技」へ移行される。このような構成において、特定変動パターンを複数種類設け、いずれの特定変動パターンが選択されたかに応じて特別演出の構成を異ならせてもよい。
複数種の特別演出については、共通の演出部分と相異する演出部分とを設けてもよい。具体的には、一連の演出を複数の場面にカット割りし、その前段の複数の場面については選択的に抽出可能な可変演出とし、後段の複数の場面については固定的に表示させる固定演出としてもよい。そして、可変演出を通常遊技中に表示させ、固定演出を特別遊技中に表示させてもよい。例えば、カット1〜10のカット割りをし、カット1〜4を可変演出、カット5〜10を固定演出としてもよい。そして、通常遊技における変動時間の長さに応じてカット1〜4を表示させる場合、カット2〜4を表示させる場合、カット3,4を表示させる場合、カット4のみを表示させる場合のいずれかを設定する。一方、特別遊技中は一律カット5〜10を表示させるようにする。特別遊技として最有利特別遊技が設定されると、大当り演出の時間が長く確保できるため、その固定演出(カット5〜10)を安定に表示させることができる。また、可変演出についても、連続するカットをひとまとまりの単位として構成されるため、違和感は生じ難い。このような構成は、特別演出が複数あるとはいえ、カット割りの違いでしかなく、実質的に1種類の演出のどの部分を切り取るかの違いとなる。このため、設計工数が節約できる。
特別遊技終了により特定遊技状態(確変、時短、入球容易状態等)となった際、その特定遊技の継続期間を複数段階の期間に分け、各段階において図柄の変動パターンの選択傾向や変動演出傾向が異なるようにしてもよい。具体的には、各段階において選択される図柄変動時間の傾向が異なるよう変動パターンの選択基準(変動パターンテーブル)を切り替えるようにしてもよい。特定遊技の終期回数を100回とした場合、図柄変動時間として3段階、例えば特定遊技開始からの図柄変動回数が0〜30回までの期間について大当り時の変動時間が平均10秒(もしくは大当り時に最も選択されやすいものが10秒)、31〜90回までの期間について大当り時の変動時間が平均90秒(もしくは大当り時に最も選択されやすいものが90秒)、91〜100回までの期間について大当り時の変動時間が平均15秒(もしくは大当り時に最も選択されやすいものが15秒)を設定してもよい。そして、いずれの段階にて特別条件の充足が判定されたかに応じて可変演出の内容(カット割り等)を適切に設定してもよい。
あるいは、複数種の特別演出として演出内容(演出画像)そのものが異なるものを設けてもよい。そして、大当りの種別に応じていずれかの特別演出を設定してもよい。その場合、固定演出も複数種設けられ、それに対応するよう可変演出も複数種設けられる。このような構成において、大当りの種別に応じて対応する固定演出(大当り演出)を設定し、それに対応した可変演出(図柄変動演出)を選択してもよい。すなわち、固定演出と可変演出とは両者間で一連のストーリーが形成されるなど、演出が違和感なく接続され、演出系統が共通するものであるのがよい。
「第1の特別遊技において実行される演出」は「第2の特別遊技において実行される演出」よりも多く設定しても良い。この場合、複数種の特別演出として、例えば第1の特別演出グループに属するものと、第2の特別演出グループに属するものとを設け、両グループ間で遊技者に対する利益状態が異なるようにしてもよい。具体的には、賞球獲得期待値が相対的に大きい大当りに対して第1の特別演出グループが対応づけられ、賞球獲得期待値が相対的に小さい大当りに対して第2の特別演出グループが対応づけられてもよい。その場合、第1の特別演出グループにおける特別演出の種別が第2の特別演出グループにおける特別演出の種別よりも多くなるようにしてもよい。つまり、優位な大当りほど特別演出の種別が多くなるようにしてもよい。
以下、本実施例の詳細について説明する。
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する遊技性を有する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技の遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口(「始動口」という)、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。遊技球が第1始動口または第2始動口に入球すると、第1の抽選、第2の抽選がそれぞれ実行され、その当否抽選の結果が「大当り」であった場合、大入賞口が開閉を繰り返す特別遊技が開始される。大入賞口が開放されて遊技球が入球すると、その都度所定数の賞球が払い出されることで遊技者は大きな利益を獲得できる。
本実施例では、大当りとして、16R大当り、4R大当りおよび2R大当りの3種類が設けられている。16R大当りは16R特別遊技への移行契機となり、4R大当りは4R特別遊技への移行契機となり、2R大当りは2R特別遊技への移行契機となる。いずれの特別遊技も複数の単位遊技(特別遊技が継続する場合の単位となる遊技)を含むが、大入賞口の開放態様(開放時間)が互いに異なっている。16R特別遊技、4R特別遊技は、所定継続回数(16回又は4回)の単位遊技を含み、所定数以上の入球(10球以上入賞)または所定時間(30秒)の経過が各単位遊技の終了条件とされている。一方、2R特別遊技は、所定継続回数(2回)の単位遊技を含み、所定数以上の入球(10球以上入賞)または所定時間(0.5秒)の経過が各単位遊技の終了条件とされている。後述のように、この0.5秒という極短期間には大入賞口への入球がほとんど見込めないため、実質的に出玉は期待できない。
特別遊技における賞球の期待値(賞球獲得期待値)は、16R特別遊技>4R特別遊技>2R特別遊技の順に大きくなっている。すなわち、16R大当りが賞球獲得期待値が最も高い「最有利大当り」に該当し、16R特別遊技が「最有利特別遊技」に該当する。本実施例では、16R大当りが「通常大当り」に該当し、4R大当りおよび2R大当りが「特殊大当り」に該当する。なお、本実施例では大当りは全て確変移行を伴う。本実施例における確変は、特別遊技の終了後に特別図柄の変動回数が所定回数(「確変終期回数」ともいう)に達するまで、または新たな大当りが発生するまで継続する。本実施例の遊技機は、いわゆる「ST機」と呼ばれるものである。本実施例では、大当りの種別を問わず確変終期回数を一律(100回)に設定している。
時短は、当否抽選の結果を示す特別図柄の変動時間を通常状態よりも短くすることで一定時間あたりの図柄変動および当否抽選の回数を増加させる。また、時短中には第2始動口への一定時間あたりの入球容易性が高められるため、その第2始動口への入球により賞球が得られる頻度が増し、遊技者は持ち玉の減少を抑制しながら効率よく大当りを狙うことができる。すなわち、時短中は「入球容易状態」となる。本実施例における時短は、特別遊技の終了後に特別図柄の変動回数が所定回数(「時短終期回数」ともいう)に達するまで、または新たな大当りが発生するまで継続する。具体的には後述のように、時短の終期は確変と同様に、所定の終期回数(100回)に達するか、それ以前に新たな大当りが発生するまでとなる。
一方、当否抽選の結果が「小当り」と呼ばれる所定の結果になった場合は、大入賞口の短時間の開放(0.5秒の開放が2回)がなされる小当り遊技が実行される。この小当り遊技は、単位遊技を1回分しか有しないため「大当り」とは区別される。本実施例では、小当りは第1の遊技に対してのみ設けられている。小当り遊技においても大入賞口の開放時間が短いため、2R特別遊技と同様に実質的に出玉は期待できない。小当りは確変や時短等の特定遊技を伴わず、その小当り遊技前後の遊技状態を変化させない。ただし、時短状態(入球容易状態)から大当りが発生した場合、その大当りが時短を伴わなければその特別遊技後の遊技状態は非時短状態(通常入球状態)に転落してしまうが、時短状態から小当りが発生してもその小当り遊技後の遊技状態は時短状態に維持される。
本実施例では16R大当りおよび4R大当りは全て時短移行を伴うが、2R大当りは時短移行を伴う場合と時短移行を伴わない場合がある。そして、2R大当りと小当りは、ともに第1の遊技に対してのみ設けられ、いずれも入球容易状態を伴わないため、外観上の区別がつき難い。このため、時短を伴わない2R大当りは、確変大当りであることが外観上判別し難い「潜伏確変大当り」となっている。本実施例では、以下、時短移行を伴う2R大当りを「2R確変大当り」、時短移行を伴わない2R大当りを「2R潜伏確変大当り」とも呼ぶことがある。なお、説明の便宜上、16R大当りについても「16R確変大当り」と呼び、4R大当りについても「4R確変大当り」と呼ぶことがある。
本実施例のぱちんこ遊技機は、このような構成において第1の抽選よりも第2の抽選を優遇した仕様を有する。すなわち後述のように、第1の抽選と第2の抽選の当選確率は等しく設定されているものの、第1の抽選の当否抽選値(「第1当否抽選値」ともいう)には大当りとして賞球獲得期待値の低い2R大当りが対応づけられているのに対し、第2の抽選の当否抽選値(「第2当否抽選値」ともいう)には2R大当りが対応づけられていない。このため、出玉獲得の点で第2の遊技が有利となっている。一方、第1の抽選よりも第2の抽選を優先して実行するいわゆる「優先消化」が適用された仕様となっている。このため、第2当否抽選値の保留を絶やさない限り、遊技者は相対的に有利に遊技を進行できる可能性が高い。以下、その詳細について説明する。
図1は、第1実施例に係るぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
前枠12の前面側には、遊技者が遊技球を借りる際に操作する球貸ボタン221、遊技者が遊技球を借りる際に使用するプリペイドカード(「有価記憶媒体」として機能する)の残高を表示する残高表示装置223、そのカードを排出させる際に操作する排出ボタン225などが配設されている。なお、本実施例では、残高表示装置223として複数の7セグメントLEDにより残高表示が可能なものを用いているが、LEDドットアレーや液晶などの表示装置として構成してもよい。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、第1始動口62、第2始動口63、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動口62は第1の遊技に対応する始動口として設けられ、第2始動口63は第2の遊技に対応する始動口として設けられる。第1始動口62および第2始動口63は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられる。第1始動口62と第2始動口63は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によっていずれか一方への入球を狙うことが可能となるよう、それぞれ遊技領域52の左側と右側に離れて設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成となっている。例えば、第1始動口62は遊技領域52の左側を狙って比較的弱めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられ、第2始動口63は遊技領域52の右側を狙って比較的強めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられる。
第1始動口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物65が拡開されると、第2始動口63への入球容易性が高まる。
なお、本実施例では、第2始動口63として普通電動役物65が非作動のときに閉鎖されて入球が阻止される開閉式の構成を採用するが、変形例においては普通電動役物65が非作動のときにも小さく開口して入球可能性を残す拡開式(開度可変式)の構成を採用してもよい。あるいは、普通電動役物65が非作動のときにも小さく開口はするが、その直上に設けられた遊技釘によって入球が実質的に規制される構成を採用してもよい。なお、「普通電動役物65が拡開する」とは、普通電動役物65が閉鎖状態から開放状態となる場合を含むものとする。普通電動役物65が拡開したときの第2始動口63の開口面積は、第1始動口62の開口面積よりも大きい。
また、第2始動口63は図示するとおり遊技領域52の右側における狭い通路に設けられているので、右側を狙って強めに打球した遊技球の多くが少なくとも第2始動口63の近傍に集まる。このため、普通電動役物65が拡開されていると、第2始動口63への入球可能性は高い。これに対し、第1始動口62には普通電動役物が設置されておらず、しかも狭い通路から離れた位置に設けられているため、入球可能性はそれほど高くない。ただし、第2始動口63が拡開されていない状態において第1始動口62よりも入球容易性が低くなることは言うまでもない。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を複数備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1大入賞口91および第2大入賞口92は、遊技領域52における右下の領域に上下に隣接するように設けられている。図示のように、第2始動口63の直上やや右寄りの位置に第2大入賞口92が設けられ、その第2大入賞口92の直上やや右寄りの位置に第1大入賞口91が設けられている。したがって、2つの大入賞口は、遊技領域52の右側を狙って遊技球を比較的強めに発射するいわゆる「右打ち」を行ったときに入球しやすくなる配置構成となっている。
第1大入賞口91は、第1の遊技に対応する大入賞口として設けられる。一方、第2大入賞口92は、第2の遊技に対応する大入賞口として設けられる。すなわち、第1の遊技においては第1大入賞口91のみが開放され、第2の遊技においては第2大入賞口92のみが開放される。具体的には、第1の遊技にて2R特殊特別遊技へ移行されると、第1大入賞口91のみが連続的に開放される。一方、第2の遊技にて2R通常特別遊技へ移行されると、第2大入賞口92のみが連続的に開放される。
第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、第1大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。第1大入賞口91は、第1特別図柄192が所定の大当り態様にて停止したときに開放状態となる横長方形状の入賞口である。一方、第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92を開閉させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口92は、第2特別図柄193が所定の大当り態様にて停止したときに開放状態となる。
遊技領域52の略中央に演出表示装置60が設けられている。演出表示装置60の左下方の左右に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71が設けられている。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄193は、第2始動口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、ドットマトリクス・ディスプレイや7セグメントLEDで構成される表示手段である。第1特別図柄192および第2特別図柄193はそれぞれ「1」〜「9」の9種類の数字や、「A」〜「C」,「−」等の文字や、その他の記号で表される。
演出表示装置60は、液晶ディスプレイからなる表示領域194を有する。この表示領域194には、第1特別図柄192に連動する装飾図柄190または第2特別図柄193に連動する装飾図柄190の変動が表示される。装飾図柄190は、第1特別図柄192で示される第1の抽選の結果表示または第2特別図柄193で示される第2の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示領域194に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、LEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
作動口68は、遊技盤50の右側方位置にて第1大入賞口91の直上やや右寄りに位置するように設けられる。図示のように、遊技領域52の右側における遊技球の流下通路に沿って上方から作動口68、第1大入賞口91、第2大入賞口92、第2始動口63が順次配置されている。いわゆる右打ちがなされている状態でこれらの入球口への入球効率が高められる配置構成とされている。
作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は第2始動口63の普通電動役物65を拡開させるか否かを決定する普通図柄抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、普通図柄抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。この普通図柄抽選は、普通図柄の停止図柄により普通電動役物65の作動有無、つまり第2始動口63の拡開作動の有無を決定するための抽選であり、「作動抽選」とも呼ぶ。本実施例における普通図柄表示装置59は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄195の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄195の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄195の停止図柄が表現される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の下方に設けられる。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物65が所定時間拡開される。
演出表示装置60の周囲にはセンター飾り64が設けられている。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技効果ランプ90がセンター飾り64の上部および下部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。第1特別図柄表示装置70の上方には、第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20が設けられている。第1特図保留ランプ20は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。
また、第2特別図柄表示装置71の上方には、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21が設けられている。第2特図保留ランプ21も2個のランプからなる。第2特図保留ランプ21は、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。
普通図柄表示装置59の下方には、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22が設けられている。普図保留ランプ22もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄195の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄195の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンであり、「操作入力手段」として機能する。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動口62、第2始動口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動口62に入球すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。遊技球が第2始動口63に入球すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。
第1特別図柄192および第2特別図柄193は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄190は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄192または第2特別図柄193が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄190が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の変動が停止される。
装飾図柄190の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が開始される。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合も特別遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄190の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称することがある。
当否抽選が大当りに該当した場合は特別遊技が実行される。16R特別遊技および4R特別遊技は、開始デモと呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモの画面表示後に大入賞口が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または10球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口の開閉ないし単位遊技が2回繰り返された後、終了デモと呼ばれる演出画面の表示によってこの特別遊技が終了される。
また、2R特別遊技も開始デモの表示によって開始される。その開始デモの画面表示後に大入賞口が開放され、その開放が約0.5秒間続いた後、または10球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。ただし、設計上、10球以上の入球は見込まれていない。このような大入賞口の開放から閉鎖までが単位遊技となる。大入賞口の開閉ないし単位遊技が2回繰り返された後、終了デモの表示によってこの特別遊技が終了される。
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、その特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短が開始される。第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短は、これらの変動時間が通常状態よりも短縮される状態である。第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短も終了する。時短により第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。
第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。入球容易状態は、普通図柄の時短、普通図柄抽選の確率変動、普通電動役物65の開放延長が実施されることにより第2始動口63への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。通常状態における普通図柄195の変動表示において30秒から60秒の間で比較的長い変動時間が設定されるのに対し、時短状態では1秒から5秒の間で通常状態よりも相当短い変動時間が設定される。
普通図柄抽選の確率変動は、普通図柄抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。通常状態では26/256の低確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。一方、時短状態では通常状態よりも高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。具体的には、通常時短においては230/256の高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。
普通電動役物65の開放延長は、普通電動役物65の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。すなわち、普通電動役物65の作動1回あたりの開放時間は、通常状態においては0.5秒の1回開放(通常開放パターン1)、1秒の1回開放(通常開放パターン2)、2秒の1回開放(通常開放パターン3)の3種類が設けられており、それらの通常開放パターン1,2,3の選択確率が約90%,7%,3%となっている。一方、時短中においては普通電動役物65の作動1回あたりの開放時間が2秒の3回開放(特定開放パターン1)、3秒の2回開放(特定開放パターン2)、6秒の1回開放(特定開放パターン3)の3種類が設けられており、それらの特定開放パターン1,2,3の選択確率が約90%,7%,3%となっている。すなわち、時短中においては普通電動役物65の作動1回あたりの開放時間が通常状態よりも長いので、遊技球は第2始動口63に入球しやすくなる。
時短による入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口63への入球容易性も増すため、第2始動口63への入球数が増加する可能性も高まる。したがって、第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短および入球容易状態により、その期間中は第2始動口63への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉の減少を抑制しつつ遊技し続けることが可能となる。
なお、本実施例における入球容易状態は、普通図柄の時短、普通図柄抽選の確率変動、普通電動役物65の開放延長という3つの機能を用いて第2始動口63への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて第2始動口63への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても第2始動口63への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
また、ぱちんこ遊技機10に隣接するように貸出装置200が設けられている。貸出装置200は、有価記憶媒体としてのプリペイドカードを受け付けるカードユニットとして構成されている。貸出装置200の前面にはカード挿入口208が設けられ、その上方に使用可ランプ210およびカード挿入ランプ213が設けられている。なお、変形例においては、有価記憶媒体として、会員カードの形で遊技ホールにて購入されるもの、あるいはICチップを内蔵したコイン(いわゆるICコイン)を受け付けるようにしてもよい。使用可ランプ210は、遊技球が貸出可能であるときに点灯し、貸出不能であるときに点滅する。カード挿入ランプ213は、カード挿入口208におけるカード挿入時に点灯し、カード非挿入時に消灯する。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40は、ぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、とくに第1始動口62、第2始動口63へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動口62、第2始動口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
図4は、ぱちんこ遊技機10および貸出装置200の電気的構成を示すブロック図である。遊技制御装置100の各制御基板は、演算処理を実行するCPU、遊技プログラムが格納されたROM、遊技プログラムを実行する上で作業領域として機能するRAM等の素子を含んで構成される。なお、RAMは揮発性の処理RAMであってもよいし、遊技データをバックアップ可能な不揮発性のバックアップRAMであってもよい。同様に、貸出装置200の貸出制御基板202は、演算処理を実行するCPU、貸出制御プログラムが格納されたROM、貸出制御プログラムを実行する上で作業領域として機能するRAM等の素子を含んで構成される。
すなわち、メイン基板102は、CPU102a、ROM102b、RAM102c、入出力インターフェイス(I/F)102d、通信インターフェイス(I/F)102e等を含むマイクロコンピュータから構成されている。サブ基板104は、CPU104a、ROM104b、RAM104c、入出力I/F104d、通信I/F104e、RTC104f等を含むマイクロコンピュータから構成されている。払出制御基板45は、CPU106a、ROM106b、RAM106c、入出力I/F106d、通信I/F106e等を含むマイクロコンピュータから構成されている。貸出制御基板202は、CPU202a、ROM202b、RAM202c、入出力I/F202d、通信I/F202e等を含むマイクロコンピュータから構成されている。なお、メイン基板102およびサブ基板104には、抽選用の所定桁数の乱数値を発生させるための図示しない乱数発生回路が搭載されている。
メイン基板102とサブ基板104とは通信ラインL1を介して接続されている。通信ラインL1は複数の信号線からなり、メイン基板102とサブ基板104との間でパラレル通信が行われる。本実施例では、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向である。このため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102、サブ基板104に配置される。このようなデータ送信の一方向性が保たれるため、逆方向へのデータの送信はできず、またデータ送信の要求もできない。したがって、送信側の基板からデータを送信しない限り、受信側の基板でそれを参照することはできない。
メイン基板102と払出制御基板45とは通信ラインL2を介して接続されている。通信ラインL2は複数の信号線からなり、メイン基板102と払出制御基板45との間でパラレル通信が行われる。なお、変形例においては、メイン基板102と払出制御基板45との間でシリアル通信を行うようにしてもよい。本実施例では、メイン基板102と払出制御基板45の間におけるデータの送受信は双方向である。このため、双方向通信による遊技球の払出制御が実現される。払出制御基板45には、遊技球の払出を検出するカウントセンサ155からの検出信号が入力される。なお、カウントセンサ155は、上球皿15の上部に開口する払出口の近傍に設けられている。払出制御基板45は、払出ユニット43を構成する払出モータ156を駆動制御する。
貸出制御基板202は、通信ラインL3を介して払出制御基板45に接続されている。通信ラインL3は複数の信号線からなり、貸出制御基板202と払出制御基板45との間でパラレル通信が行われる。本実施例では、貸出制御基板202と払出制御基板45の間におけるデータの送受信は双方向である。このため、双方向通信による貸出球払出制御が実現される。遊技者が遊技球を借りるために球貸ボタン221を操作すると、貸出制御基板202は、その旨を示す貸出要求信号を払出制御基板45に向けて送信する。それにより、遊技球を貸し出すための払出制御が開始される。この払出制御において、貸出制御基板202と払出制御基板45との間で遊技球の貸し出しのために必要な信号の送受信が行われる。貸出制御基板202には、上述した使用可ランプ210、カード挿入ランプ213のほか、カードR/W214が接続されている。カードR/W214は、カードにその残高を読み取り、また記録するリーダ/ライタである。
図3に戻り、メイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、小当り遊技制御手段121、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、特図調整手段152、条件保持手段176、遊技状態保持手段181、電断復帰制御手段182を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。本実施例では、演出決定手段132および操作ボタン82が「操作入力手段」として機能する。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、「特図抽選手段」として機能する。第1抽選手段126は、第1抽選値取得手段112、第1当否判定手段113、第1パターン決定手段114を含み、第1始動口62への入球に対応する特別図柄抽選として第1の抽選を実行する。第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。一方、第2抽選手段128は、第2抽選値取得手段115、第2当否判定手段117、第2パターン決定手段119を含み、第2始動口63への入球に対応する特別図柄抽選として第2の抽選を実行する。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段132へ送信する。さらに、第1抽選手段126および第2抽選手段128は、第1始動口62または第2始動口63への入球時にも事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を抽選結果として演出決定手段132へ送信する。事前判定処理の結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず演出決定手段132へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。そのため、サブ基板104の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前に予め当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。
第1抽選値取得手段112は、第1始動口62への入球を契機に、第1の抽選のための乱数の値を第1当否抽選値(「特図抽選値」ともいう)として取得する。第2抽選値取得手段115は、第2始動口63への入球を契機に、第2の抽選のための乱数の値を第2当否抽選値(「特図抽選値」ともいう)として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第1当否抽選値または第2当否抽選値として取得された値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない範囲で第1当否抽選値と第2当否抽選値が保留される。
第1抽選手段126は、第1当否抽選値が保留されたときに現在の第1当否抽選値の保留数の情報を演出決定手段132へ送信する。第2抽選手段128は、第2当否抽選値が保留されたときに現在の第2当否抽選値の保留数の情報を演出決定手段132へ送信する。なお、変形例においては各当否抽選値の保留数の情報ではなく保留された旨の情報のみを送信し、演出決定手段132が各当否抽選値の保留数を管理(演算・更新)できるようにしてもよい。なお、以下の説明において第1当否抽選値と第2当否抽選値とを区別しない場合には、単に「当否抽選値」ともいう。
第1当否判定手段113は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第1当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第2当否判定手段117は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第2当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、本判定としての当否判定において図示の当否判定テーブルを参照する。図5(a)は通常時に参照されるテーブルであり、図5(b)は確変時に参照されるテーブルである。
すなわち、各当否判定手段による当否抽選においては、通常時には当否抽選値が0〜163の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜163の範囲に該当する場合だけでなく、164〜1639の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1の抽選と第2の抽選とで大当りに該当する確率は等しい。大当りに該当した場合、それが確変を伴うか否かは、特別図柄の停止図柄に応じて別途決定される。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1の抽選用と第2の抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。図示の例では、第1の抽選においては確変状態の有無にかかわらず、第1当否抽選値が65208〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。一方、第2の抽選においては小当りは設定されていない。つまり、本実施例では、第1始動口62への入球を契機とする第1の抽選においてのみ小当りとなり得る。なお、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。なお、小当りを外れに含めることなく特定の当りとし、当否判定テーブルに個別の範囲を設けてもよい。
図6は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段113は図6(a)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜163」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「164〜1639」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「1640〜65207」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「65208〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第1当否判定手段113は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第1の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。
第2当否判定手段117は図6(b)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜163」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「164〜1639」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「1640〜65535」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第2当否判定手段117は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第2の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。
第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、別途取得する乱数値である図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図7は、本判定で参照される図柄判定テーブルの構成例を示す。ここでは、図柄抽選値は「0」から「255」までの値範囲であることとする。この図柄判定テーブルには、図柄抽選値に対し、第1特別図柄192および第2特別図柄193の停止態様(停止図柄)、特別遊技のラウンド数、時短移行や確変移行の有無および終期がそれぞれ対応づけられている。図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「14」の番号と図柄抽選値との対応関係が定められている。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
第1当否判定手段113は、第1の抽選の結果が大当りとなった場合、図7(a)上段の図柄判定テーブルを参照する。この図柄判定テーブルでは、特別図柄の種類「0」〜「7」が大当りに対応付けられている。そのうち、種類「0」「1」は16R確変大当りを示し、それぞれ図柄抽選値の範囲「0〜63」「64〜127」に対応付けられる。また、種類「2」「3」は4R確変大当りを示し、それぞれ図柄抽選値の範囲「128〜159」「160〜190」に対応付けられる。種類「4」「5」は2R確変大当りを示し、それぞれ図柄抽選値の範囲「191〜209」「210〜228」に対応付けられる。種類「6」「7」は2R潜伏確変大当りを示し、それぞれ図柄抽選値の範囲「229〜241」「242〜255」に対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類ごとの選択確率が定まる。なお、図示のように、時短および確変の終期回数は、ともに100回とされている。
第1当否判定手段113は、当否抽選の結果が小当りとなった場合に図7(a)中段の図柄判定テーブルを参照し、外れとなった場合に図7(a)下段の図柄判定テーブルを参照する。種類「8」は当否判定結果が小当りの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。種類「9」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。なお、小当りは1回の単位遊技(1ラウンド)からなり、確変、時短に関する遊技状態の変更の契機とはならない。
一方、第2当否判定手段117は、第2の抽選の結果が大当りとなった場合、図7(b)上段の図柄判定テーブルを参照する。この図柄判定テーブルでは特別図柄の種類「10」〜「13」が大当りに対応付けられている。そのうち、種類「10」「11」は16R確変大当りを示し、それぞれ図柄抽選値の範囲「0〜95」「96〜190」に対応付けられる。また、種類「12」「13」は4R確変大当りを示し、それぞれ図柄抽選値の範囲「191〜222」「223〜255」に対応付けられる。なお、図示のように、時短および確変の終期回数は、ともに100回とされている。第2当否判定手段117は、当否抽選の結果が外れとなった場合に図7(b)下段の図柄判定テーブルを参照する。種類「14」当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図8は、事前図柄判定で参照される事前図柄判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段113は、当否抽選値が大当りに該当する場合に図8(a)のテーブルを参照する。図柄抽選値が「0〜127」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての図柄範囲に設定し、図柄抽選値が「128〜190」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。図柄抽選値が「191〜228」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての図柄範囲に設定し、図柄抽選値が「229〜255」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。ここで、図7(a)との対比からも分かるように、図柄範囲「1」は16R確変大当りを示し、図柄範囲「2」は4R確変大当りを示し、図柄範囲「3」は2R確変大当りを示し、図柄範囲「4」は2R潜伏確変大当りを示している。なお、図示を省略するが、当否抽選値が小当りに該当する場合には、その旨を示す「5」の値を判定結果としての図柄範囲に設定し、当否抽選値が外れに該当する場合には、その旨を示す「6」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。第1当否判定手段113は、以上のように図柄範囲を設定するたびにその値を第1の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。
第2当否判定手段117は、当否抽選値が大当りに該当する場合に図8(b)のテーブルを参照する。図柄抽選値が「0〜190」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての図柄範囲に設定し、図柄抽選値が「191〜255」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。ここで、図7(b)との対比からも分かるように、図柄範囲「1」は16R確変大当りを示し、図柄範囲「2」は4R確変大当りを示している。なお、図示を省略するが、当否抽選値が外れに該当する場合には、その旨を示す「6」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。第2当否判定手段117は、以上のように図柄範囲を設定するたびにその値を第2の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。
図3に戻り、第1パターン決定手段114は、第1特別図柄表示装置70および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2パターン決定手段119は、第2特別図柄表示装置71および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。
また、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。
図9は、本判定で参照される変動パターンテーブルを模式的に示す図である。変動パターンテーブルには、パターン抽選値と変動パターンとが対応づけられている。ここでは、パターン抽選値は「0」から「255」までの値範囲であることとする。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否判定結果が外れのときは図9(a)に示される外れ用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が4R大当り又は16R大当りのときは図9(b)に示される4R大当りおよび16R大当り用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が2R大当りまたは小当りのときは図9(c)に示される2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルを参照する。
図9(a)に示すように、外れ用の変動パターンテーブルにおいては、パターン抽選値「0〜10」に「スーパー1」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値「11〜20」に「スーパー2」というスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値「21〜255」に「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。このように、当否判定結果が外れの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性がある。なお、外れ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。また、外れ用の変動パターンテーブルは保留数ごとに参照すべき欄が異なるように規定されるが、通常状態を例とするその詳細は後述する図11において説明する。
図9(b)に示すように、4R大当りおよび16R大当り用の変動パターンテーブルにおいては、パターン抽選値「0〜120」に「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値「121〜240」に「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値「241〜250」に「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値「251〜255」に「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。このように、当否判定結果が4R大当りおよび16R大当りの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。
図9(c)に示すように、2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルにおいては、パターン抽選値「0〜122」に「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値「123〜255」に「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当りまたは小当りの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。なお、この変動パターンテーブルを参照するのは、第1の遊技に対応する第1パターン決定手段114のみである。なお、本実施例では説明の便宜上、パターン抽選値に対して「スーパー1」〜「スーパー3」、「ノーマル1」〜「ノーマル3」を割り当てる例を示したが、実際にはこれらの各変動パターンがさらに細分化され、細分化されたパターン抽選値が割り当てられてもよいことは言うまでもない。
図10は、事前パターン判定で参照される事前パターン判定テーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が外れの場合に図10(a)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜10」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「11〜20」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「21〜255」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が4R大当り又は16R大当りの場合に図10(b)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜120」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「121〜240」の場合はその旨を示す「5」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「241〜250」の場合はその旨を示す「6」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「251〜255」の場合はその旨を示す「7」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
第1パターン決定手段114は、当否結果が2R大当りまたは小当りの場合に図10(c)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜122」の場合はその旨を示す「8」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「123〜255」の場合はその旨を示す「9」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、以上のようにパターン範囲を設定するたびにその値を第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。なお、本実施例においては、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が、共通の変動パターンテーブル、事前パターン判定テーブルを用いる例を示した。変形例においては、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が、これら変動パターンテーブルおよび事前パターン判定テーブルの少なくとも一方について別々のテーブルを用いるようにしてもよい。
図11は、外れ用の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。本図の変動パターンテーブルにおいては、保留数ごとにそれぞれ変動パターンに対応付けられたパターン抽選値の範囲が異なる。具体的には、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。そのため、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなる。したがって、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が所定数、例えば1〜2個より少なくなった場合に、変動時間の長い変動パターンの選択確率が通常より高くなり、変動時間が比較的長くなりやすい。
第1欄212には、第1保留手段144による第1の抽選の結果保留数または第2保留手段146による第2の抽選の結果保留数が1の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。同様に、第2欄214、第3欄216、第4欄218に、第1保留手段144による第1の抽選の結果保留数または第2保留手段146による第2の抽選の結果保留数がそれぞれ2、3、4の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。すなわち、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218が保留数ごとの変動パターンテーブルを示すと考えることができる。本図では、外れのときに選択され得る複数の変動パターンを変動時間別に5種類に分類した例を説明するが、実際にはそれらの分類ごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類ごとの抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
第1範囲222には、抽選値が0から10までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー1」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。第2範囲224には、抽選値が11から20までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー2」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。このように、抽選値が0から10までのパターン抽選値と抽選値が11から20までのパターン抽選値の場合には、保留数にかかわらず同じ変動時間の変動パターンが選択される。
第3範囲226には、抽選値が21から255までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218にはそれぞれノーマルリーチである「ノーマル1」「ノーマル2」と「リーチなし」の3種類の変動パターンが対応付けられる。ただし、それぞれの変動パターンが対応付けられるパターン抽選値の範囲は保留数によって異なる。第1欄212では、「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のそれぞれが対応付けられる抽選値範囲の大きさがそれぞれほぼ等しく、21から255をほぼ3等分した範囲が対応付けられている。これに対し、第2欄214では、「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさが「リーチなし」に対応付けられる抽選値範囲よりやや小さい。また、第3欄216では「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさがさらに小さくなり、第4欄218にて「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさはまたさらに小さくなっている。
「ノーマル1」「ノーマル2」の変動時間は「リーチなし」の変動時間より長くてもよく、また「リーチなし」のときは時短状態のように変動時間が短縮される場合もあるため、上記の第3範囲226の設定内容に応じて平均的な変動時間が異なることとなる。保留数が1から2、3、4と多くなるにつれて「ノーマル1」および「ノーマル2」のパターン抽選値範囲は小さくなり、逆に「リーチなし外れ」のパターン抽選値範囲が大きくなる。したがって、保留数が多いほど平均的な変動時間は短くなり、逆に保留数が少ないほど平均的な変動時間は長くなる。このように保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現することができる。なお、上述のように特定遊技の継続期間を複数段階(例えば3段階)の期間に分ける仕様とする場合には、特定の段階の期間においては、変動時間が保留数に依存しない構成としてもよい。このようにすれば、特定どのような状況下でも必ず一定期間以上の変動が選択され、特定の段階の期間については略毎変動において遊技者の期待感を煽る演出(煽り演出)を行うことができる。
図3に戻り、普図抽選手段136は、「作動抽選手段」として機能し、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値(「普図抽選値」ともいう)を取得することにより普通図柄抽選を実行する。普図抽選手段136による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段136は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段136は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が普通電動役物65を所定時間拡開する。
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、第1始動口62への入球により新たに第1当否抽選値が取得されたときにそれ以前の第1の抽選に対応する第1特別図柄192の変動が表示されている場合、新たな第1当否抽選値をその抽選に対応する第1特別図柄192の変動表示開始まで保留する。すなわち、第1特別図柄192の図柄変動許可が下りていない状況で取得した乱数を一時記憶するか否かを判定し、この判定結果に基づきその乱数をその図柄変動許可が下りるまで一次記憶手段に保留する。本実施例では4個を上限として第1当否抽選値を保留する。この保留数は、第1特図保留ランプ20の点灯数または点滅数により表される。
第2保留手段146は、第2始動口63への入球により新たに第2当否抽選値が取得されたときにそれ以前の第2の抽選に対応する第2特別図柄193の変動が表示されている場合、新たな第2当否抽選値をその抽選に対応する第2特別図柄193の変動表示開始まで保留する。すなわち、第2特別図柄193の図柄変動許可が下りていない状況で取得した乱数を一時記憶するか否かを判定し、この判定結果に基づきその乱数をその図柄変動許可が下りるまで一次記憶手段に保留する。本実施例では4個を上限として第2当否抽選値を保留する。この保留数は、第2特図保留ランプ21の点灯数または点滅数により表される。このように、第1の抽選の当否抽選値の保留上限数が4個、第2の抽選の当否抽選値の保留上限数が4個であることから、第1の抽選と第2の抽選とを合わせた当否抽選値の保留上限数は8個ということになる。
普図保留手段147は、作動口68への入球により新たに普図抽選値が取得されたときにそれ以前の作動抽選に対応する普通図柄の変動が表示されている場合、新たな普図抽選値をその作動抽選に対応する普通図柄の変動表示開始まで保留する。すなわち、普通図柄の図柄変動許可が下りていない状況で取得した乱数を一時記憶するか否かを判定し、この判定結果に基づきその乱数をその図柄変動許可が下りるまで一次記憶手段に保留する。本実施例では、4個を上限として普図抽選値を保留する。この保留数は、普図保留ランプ22の点灯数または点滅数により表される。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第1特図制御手段148は、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。第2特図制御手段150もまた、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄195の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。本実施例において、特図調整手段152は、第1特別図柄192よりも第2特別図柄193の変動表示を優先的に実行する。すなわち、第2保留手段146に当否抽選値が保留されている間は、第1保留手段144に当否抽選値が保留されていても、第2保留手段146に保留された当否抽選値の消化を優先させる(このような仕様を「優先消化」ともいう)。これにより、第2特別図柄193の変動終了時には既に第2保留手段146により当否抽選値が保留されているという状態を維持するかぎり、第2の抽選を継続的に実行させることが可能になる。その結果、出玉のある大当りを早期に発生させやすくなる。
特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方が当り態様で停止されたときはその停止表示を継続し、他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
条件保持手段176は、特別遊技作動条件保持手段178および小当り遊技作動条件保持手段180を含む。特別遊技作動条件保持手段178は、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件保持手段178は、当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となり、特別図柄が所定の大当り態様で停止されることをその特別遊技作動条件として保持する。すなわち、特別遊技作動条件保持手段178は、当否抽選の結果が16R大当りとなり、特別図柄が16R大当りを示す図柄で停止されることを16R特別遊技の作動条件として保持する。特別遊技作動条件保持手段178は、また、当否抽選の結果が4R大当りとなり、特別図柄が4R大当りを示す図柄で停止されることを4R特別遊技の作動条件として保持する。特別遊技作動条件保持手段178は、さらに、当否抽選の結果が2R大当りとなり、特別図柄が2R大当りを示す図柄で停止されることを2R特別遊技の作動条件として保持する。
小当り遊技作動条件保持手段180は、小当り遊技へ移行するための条件である小当り作動条件を保持する。小当り遊技作動条件保持手段180は、当否抽選が小当り遊技への移行を示す結果となり、特別図柄が所定の小当り態様で停止されることを小当り作動条件として保持する。すなわち、小当り遊技作動条件保持手段180は、当否抽選の結果が小当りとなり、特別図柄が小当りを示す図柄で停止されることを小当り遊技の作動条件として保持する。
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否抽選結果が大当りであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技が所定回数を消化した場合に特別遊技を終了させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選の結果が16R大当りとなって特別遊技作動条件が成立したときに16R特別遊技を実行する。すなわち、16R特別遊技として単位遊技を16回繰り返し、1回の単位遊技において基本的に第1大入賞口91又は第2大入賞口92を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、また、当否抽選の結果が4R大当りとなって特別遊技作動条件が成立したときに4R特別遊技を実行する。すなわち、4R特別遊技として単位遊技を4回繰り返し、1回の単位遊技において基本的に第1大入賞口91又は第2大入賞口92を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、さらに、当否抽選の結果が2R大当りとなって特別遊技作動条件が成立したときに2R特別遊技を実行する。すなわち、2R特別遊技として単位遊技を2回繰り返し、1回の単位遊技において基本的に第1大入賞口91を約0.5秒間開放させる。2R特別遊技における大入賞口のトータルの開放時間は上記開放基準時間未満となる。
小当り遊技制御手段121は、当否抽選の結果が小当りとなって小当り作動条件が成立したときに短期開放遊技として小当り遊技を実行する。小当り遊技制御手段121は、小当り遊技として単位遊技を1回だけ実行し、例えば、その単位遊技において第1大入賞口91を0.5秒、0.5秒の2回にわたって開放する。
特定遊技実行手段122は、確変状態および時短状態(入球容易状態)における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、確変状態を予め定められた確変終期回数に到達するまで継続するが、その終期に到達するまでに当否抽選が大当りとなれば一旦時短状態を終了する。既に述べたように、本実施例における確変終期回数は一律70回とされている。特定遊技実行手段122は、時短状態を予め定められた時短終期回数に到達するまで継続するが、その終期に到達するまでに当否抽選が大当りとなれば一旦時短状態を終了する。時短終期回数の候補は複数設けられている。時短状態においては、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が変動時間の短い変動パターンを選択する。また、入球容易状態においては、普通図柄の時短、普通図柄の確変、第2始動口63の拡開機構(「入球変動機構」として機能する)の開放延長が実施される。
開閉制御手段124は、「作動制御手段」として機能し、第2始動口63の普通電動役物65や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄195が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動口63の普通電動役物65を開放させる。開閉制御手段124は、入球容易状態においては普通電動役物65を通常状態に比べて長い時間作動させ、第2始動口63を通常状態に比べて長い時間拡開させる開放延長を実行する。第2始動口63の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉の減少を抑制しつつ遊技を継続可能にするものである。開閉制御手段124は、特別遊技において大入賞口ソレノイド80または大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放させる。
遊技状態保持手段181は、遊技状態がどの状態であるかを特定できる状態情報を記憶する。遊技状態保持手段181は、その状態情報を記憶するための所定の内蔵の不揮発性メモリを含み、電源ユニット48からの電力供給が遮断されるときはその時点の状態情報の記憶を保持する。なお、ここでいう「電力供給の遮断」は、手段を問わず電力供給が遮断される場合が該当し、電源スイッチ40の操作による意図的な遮断のほか、停電時などのように意図しない遮断も含まれる。
電断復帰制御手段182は、電源遮断時に後述する電断時処理を実行し、電源投入時に後述する電源投入時処理を実行する。電源ユニット48には電圧監視手段が設けられており、メイン基板102およびサブ基板104への供給電圧が基準電圧を下回ると、メイン基板102に向けてその旨を表す「電断信号」を出力する。電断復帰制御手段182は、この電断信号を受信すると、遊技状態を保存するための後述する電断時処理を実行する。また、このように電源が遮断された後に再投入されると、電断復帰制御手段182は、遊技制御を正常に開始するための後述する電源投入時処理を実行する。電断復帰制御手段182は、また、電源遮断後に次の電源投入がなされたことを契機に、遊技状態保持手段181が記憶している状態情報を取得し、その状態情報に基づいて電源遮断前の遊技状態を復元させる。
一方、いわゆる「RAMクリア」と呼ばれる特別な操作方法を経て電源が投入される場合、電断復帰制御手段182は、遊技状態保持手段181が記憶している電源遮断前の遊技状態を取得せずに電源を投入させる。その特別な操作方法は、通常の電源投入のための電源スイッチ40の操作方法とは異なる操作方法であり、図示しないRAMクリアスイッチを押しながら電源スイッチ40を操作する方法である。
電断復帰制御手段182は、その特別な操作方法を経て電源投入がなされたときは、電源遮断前の遊技状態を復元せず、初期状態(非確変状態かつ非時短状態)にて遊技機を起動する。なお、変形例として、上記の特別な操作方法を経て電源投入されたときに、電断復帰制御手段182は、遊技状態保持手段181に記憶された状態情報を消去してもよいし、取得した上で破棄してもよい。あるいは、電断復帰制御手段182は、その状態情報を復元する処理自体を電源投入時にスキップすることとしてもよい。
メイン基板102には、電源ユニット48から電源供給を受けて稼動する処理ユニットが実装されている。この処理ユニットは、演算処理を実行するCPU、遊技プログラムが格納されたROM、遊技プログラムを実行する上で作業領域として機能する揮発性の処理用RAM、遊技データをバックアップするための不揮発性のバックアップRAM等を備えている。そのCPUは電断復帰制御手段182等の各手段としても機能し、そのバックアップRAMは遊技状態保持手段181としても機能する。ROMには、遊技プログラムのほか、その遊技プログラムに初期状態を示すパラメータ群(以下、単に「初期状態データ」とよぶ)が保持される。電源が遮断されるとCPUが動作を停止し、処理用RAM上のデータも消失するが、バックアップRAMに格納された遊技データは保持される。ここでいう「遊技データ」とは、初期状態データと後述の中途状態データを含むデータであり、このうちの全部または一部のデータがバックアップの対象となる。
バックアップRAMは、中途状態データを保持する。ここでいう「中途状態データ」とは、電源遮断時における遊技状態を示す遊技データである。電源が投入されると、CPUは、遊技プログラムをROMから処理用RAMにロードする。そして、バックアップRAMに適切な中途状態データが存在しないときには、初期状態データを処理用RAMにロードし、その初期状態データに基づいて遊技プログラムを実行することにより、初期状態から遊技を開始する。一方、バックアップRAMに中途状態データが適切にバックアップされていれば、CPUは、初期状態データの代わりに中途状態データを処理用RAMにロードし、その処理用RAMにロードされた中途状態データに基づいて遊技プログラムを実行する。これにより、電源遮断時に中断された遊技状態が再現可能となる。
一方、サブ基板104にも、電源ユニット48から電源供給を受けて稼動する処理ユニットが実装されている。この処理ユニットもCPU、ROM、処理用RAM等を備えている。ROMには、演出制御等の遊技プログラムが保持される。電源が遮断されるとCPUが動作を停止し、処理用RAM上のデータは消失する。サブ基板104のパターン記憶手段130の機能は主としてROMにより実現される。サブ基板104の他の手段の各機能は、主としてCPUが実行する遊技プログラムにより実現される。電源が投入されると、CPUは、遊技プログラムをROMから処理用RAMにロードして遊技プログラムを実行する。
パターン記憶手段130は、演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄190の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。なお、変形例においては、変動演出と予告演出とを予め一体に構成した総合演出パターンとして設けてもよい。パターン記憶手段130は、特別遊技中に演出表示装置60に表示させるべき大当り演出のデータをさらに保持する。
演出決定手段132は、第1抽選手段126から受け取る第1の抽選の結果または第2抽選手段128から受け取る第2の抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119により決定された特別図柄(第1特別図柄192,第2特別図柄193)の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータの中からいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出す。演出決定手段132は、読み出した変動演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。演出決定手段132は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段126または第2抽選手段128による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。演出決定手段132は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。演出決定手段132は、また、特別遊技の実行に先立って、その特別遊技中に表示される開始デモおよび終了デモを含む大当り演出の内容を決定する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成される。例えば第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否判定結果が大当りの場合には、その大当りを示す特定の組合せ(当り図柄組合せ)が選択される。基本的には、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が外れの場合には、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。当否判定結果がリーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄組合せと装飾図柄の変動演出パターンを示す情報を演出表示制御手段134へ送る。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、相対的に変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、特定のキャラクタのコメントを表示させるコメント予告演出、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけのキャラクタ予告演出、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。なお、本実施例では、このような予告演出を含むバトル演出が設けられる。また、先読み処理に基づいて表示予定のバトル演出の種別を事前に予告する前兆演出(「先読み演出」ともいう)が設けられる。さらに、RTCの設定に基づく特殊演出、16R大当りの連荘回数が所定回数継続した場合に表示されうる稀少性が高い特別演出、遊技者がプリペイドカードを取り忘れないよう促す特殊報知演出などが設けられる。その詳細については後述する。
予告演出パターンには、装飾図柄の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に表示させるべき予告演出等の演出パターンを決定する。演出決定手段132は、演出パターンの種類を選択するときに参照すべき演出パターンテーブルを保持する。この演出パターンテーブルの詳細については後述する。
演出表示制御手段134は、第1演出制御手段168および第2演出制御手段170を含む。第1演出制御手段168は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果を、選択された変動パターンデータにしたがって装飾図柄190として演出表示装置60の表示領域194に変動表示させる。第2演出制御手段170は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果を、選択された変動パターンデータにしたがって装飾図柄190として演出表示装置60の表示領域194に変動表示させる。第1演出制御手段168および第2演出制御手段170は、それ以前の第1の抽選または第2の抽選に対応する装飾図柄190の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
次に、本実施例の特徴的構成および動作について説明する。
図12は、演出全体の概略構成を示す図である。本実施例では、メインキャラクタが敵キャラクタと戦うバトル演出をベースとした各種演出がなされる。このバトル演出は、メインキャラクタの勝利により16R大当りの確定(16R特別遊技への移行確定)を示唆するものである。図示のように、図柄変動中に定常的に行われる通常演出のほか、RTCの設定により特定の日時に開始される特殊演出、16R大当りの連荘回数が所定回数継続した場合に表示されうる稀少性が特別演出、遊技者がプリペイドカードを取り忘れないよう促す特殊報知演出などが設けられる。
通常演出では、敵キャラクタによるコメント予告,キャラクタ予告,群予告等がなされることがあり、その予告種類に応じて当り期待度が異なるように設定されている。通常演出の過程でスーパーリーチに発展すると、バトル演出が表示される。このバトル演出においてメインキャラクタが勝利すると、16R大当りが確定する。メインキャラクタが敗北又は敵キャラクタが逃亡すると、16R大当りの獲得に失敗となる。
具体的には図示のように、バトル演出の敵キャラクタとしてキャラクタa〜cが設定されている。キャラクタの強さはa<b<cとなっている。このため、最強のキャラクタcが登場するとメインキャラクタが敗北する可能性が高く、16R大当りへの期待度が低くなる。逆に、最弱のキャラクタaが登場するとメインキャラクタが勝利する可能性が高く、16R大当りへの期待度が高くなる。
また、メインキャラクタが繰り出す必殺技についても必殺技X,Y,Zが設定されており、その効果はX>Y>Zとなっている。このため、相対的に効果の大きい必殺技Xが繰り出されるとメインキャラクタが勝利する可能性が高く、16R特別遊技への移行期待度が高くなる。逆に、相対的に効果の小さい必殺技Zが繰り出されるとメインキャラクタが敗北する可能性が高く、16R特別遊技への移行期待度が低くなる。他にも敵キャラクタの攻撃技や、メインキャラクタがその攻撃を避けられるか否かによって期待度が変わるよう設定されているが、その詳細については説明を省略する。なお、所定条件のもと、対戦予定の敵キャラクタを事前に示唆する先読み演出がなされることがある。
特殊報知演出は、遊技者に対して適切かつ適度なタイミングでプリペイドカードの抜き取りを促す特殊報知画像を表示させる。特殊演出は、演出態様および傾向が互いに異なる第1RTC演出(第1特殊演出)と第2RTC演出(第2特殊演出)を含む。特別演出は、16R特別遊技の連荘回数が規定値に達したときに特典的に表示される昇天演出を含む。以下、これらの演出制御について詳細に説明する。
[特殊報知演出]
まず、特殊報知演出について説明する。図13は、演出表示装置に表示される画面例を表す図である。(a)〜(h)は演出過程の一部を例示している。(a)〜(d)は通常遊技中の入球容易状態を例示し、(e)および(f)は特別遊技における終了デモ中を例示し、(g)は特別遊技中(第16Rラウンド)を例示し、(h)は通常遊技中の通常入球状態を例示している。図14は、特殊報知演出の表示タイミングを表すタイムチャートである。
図13(a)に示すように、演出表示装置60の表示領域194には、その略中央の領域に装飾図柄190が変動表示される他、その装飾図柄190の変動表示に重ねられるように、各種演出の画像が表示される。また、装飾図柄190の変動表示に干渉しない下方には特定表示領域203,204が設定され、第1の遊技の保留表示演出、第2の遊技の保留表示演出がそれぞれ表示される。
すなわち、表示領域194の左下の特定表示領域203には、第1保留手段144により保持される当否抽選値(第1当否抽選値)の保留状態がランプをモチーフとした保留対応画像206の態様により表示される。図示の例では、その保留数の上限値と同数(本実施例では4つ)のランプ画像のうち、現在の保留数に相当する2つのランプが点灯表示されている。特定表示領域203における4つのランプ画像は、第1保留手段144による第1当否抽選値の保留が追加されるごとに、右方から順次追加点灯され、保留が消化されるごとに左方から消灯される。演出上は、保留対応画像206が右端側から順次消化されてその点灯状態が右へシフトするように表示される。
表示領域194の右下の特定表示領域204には、第2保留手段146により保持される当否抽選値(第2当否抽選値)の保留状態がランプをモチーフとした保留対応画像207の態様により表示される。図示の例では、その保留数の上限値と同数(本実施例では4つ)のランプ画像のうち、現在の保留数に相当する2つのランプが点灯表示されている。特定表示領域204における4つのランプ画像は、第2保留手段146による第2当否抽選値の保留が追加されるごとに、左方から順次追加点灯され、保留が消化されるごとに右方から消灯される。演出上は、保留対応画像206が左端側から順次消化されてその点灯状態が左方へシフトするように表示される。なお、本実施例では上述した優先消化の仕様が採用されているため、図示のように第2当否抽選値が保留されている間は第1当否抽選値は消化されない。なお、変形例においては、入球容易状態においては第2当否抽選値の保留状態のみ(つまり保留対応画像207のみ)を表示させるようにしてもよい。
図13(b)に示すように、第2当否抽選値が3つ以上保留されると、図示のように、そのバトルでの対戦が予定される敵キャラクタをシルエット230にて示唆する前兆演出が表示され得る。この前兆演出は先読み演出である。シルエット230は、該当する保留対応画像の直上に表示される。遊技者は、このシルエット230から対戦相手となる敵キャラクタを推測することができ、その期待感が煽られる。図示の例では、次変動から3変動目にキャラクタaとのバトルが開始されることが示唆されている。なお、このシルエット230は、対応する保留対応画像とともにシフト表示され、該当する抽選値が消化されるまで表示される。すなわち、前兆演出は、その表示契機となった図柄変動が開始されるまで表示される。
スーパーリーチに発展してバトル演出が開始されると、図13(c)に示すように、装飾図柄190が画面右下に小さく表示され、画面中央にメインキャラクタと敵キャラクタとの対戦の様子が大きく表示される。当否抽選の結果が16R大当りであった場合には、図13(d)に示すように、バトルの結末にて敵キャラクタに勝利し、大当りを獲得できた旨が示される。
一方、このようにして16R特別遊技へ移行されると、所定の大当り演出が表示される。この大当り演出では専用の背景が表示され、画面左上には現在の単位遊技(ラウンド)を示すラウンド数が表示される。最終ラウンドである第16ラウンドが終了すると、図13(e)に示すような終了デモが開始される。図示の例では、当該遊技機10の製造メーカのロゴがテロップの形で表示されている。
そして本実施例では、プリペイドカードの取り忘れを防止するよう、遊技者に適切に注意を促す特殊報知演出を表示させる。この特殊報知演出は、図13(f)〜(h)に示すように特殊報知画像250の表示により行われる。特殊報知画像250は、図13(f)に示すように所定の終了デモに合わせて表示される。その場合、特殊報知画像250は、終了デモとは別レイヤーで構成され、表示領域194の画面中央に大きく表示される。特殊報知画像250は、カード挿入口およびプリペイドカードを模した画像オブジェクトと、注意を促すコメントからなるものであり、終了デモの前面側に表示される。
特殊報知画像250はまた、図13(g)に示すように、所定条件が満たされる16R特別遊技中の特定ラウンド(例えば最終ラウンド)において表示される。その場合も、特殊報知画像250は、表示領域194の画面中央に大きく表示される。ただし、16R特別遊技の終了後は時短(入球容易状態)へ移行されるため、第2始動口63への入球を狙うよう促す「右打ち」という促進画像252が表示される。この促進画像252は、特殊報知画像250とは別レイヤーで構成され、特殊報知画像250の前面側に表示される。それにより、遊技者が有益な情報を取りこぼすことを抑制する。
本実施例では、遊技者への注意を促す促進演出として、表示領域が大きい第1促進演出と、表示領域がそれよりも小さい第2促進演出(図示の特殊報知画像250:「右打ち」表示)が設けられる。第1促進演出は、第2促進演出よりも装飾図柄への干渉が大きくなる表示範囲を有するものでよい。第2促進演出は、時短中(入球容易状態中)に常時表示されるが、右打ちすべき状況であるにもかかわらず左打ちしていることが検知された場合(例えば左打ちをしなければ入球し難い、言い換えれば右打ちでは入球し難い入球口への入球が検知された場合)、第2促進演出だけでなく第1促進演出までも表示する。この場合、装飾図柄の変動時の画像レイヤーの配置は、前面側から「第1促進演出→第2促進演出→装飾図柄の変動」となる。またこの場合、装飾図柄の停止時のレイヤーの配置は、前面から「第2促進演出→停止装図→第1促進演出」となる。
特殊報知画像250は、さらに図13(h)に示すように、所定条件が満たされる通常遊技中に図柄変動とともに表示される。その場合、特殊報知画像250は、中央に大きく表示される装飾図柄190や予告演出とは別レイヤーで構成されるが、それらと干渉しないよう、画面隅部にやや小さく表示される。当否抽選の結果を示唆する役割を示す本来の演出を優先しつつ、遊技者に注意を促すものである。このとき、遊技者に対して左打ちに戻すよう指示する促進演出である「左打ち」の表示を行ってもよい。なお、「右打ち」や「左打ち」のような促進演出を行うべき状況下では、音声における促進演出も並行させてよい。例えば、「右打ちしてください」、「左打ちしてください」といった音声報知を行ってもよい。この場合、音声報知については、所定回数報知することで終了してもよい。更に言えば、音声報知については「右打ち」などの画像での促進演出よりも先に終了させてもよい。
この特殊報知画像250の表示を適度なものとするよう、その表示タイミングを以下のように設定している。すなわち、図14(a)に示すように、非時短状態(通常入球状態)から16R大当りに初回当選した場合に、その16R特別遊技の終了デモ時間(「デモ1」と表記)に特殊報知画像250を表示させる(図13(f)参照)。図示の例では、時刻t1から開始された16R特別遊技の終了デモ時間(時刻t2〜t3)に特殊報知画像250(特殊報知)が表示されている。16R特別遊技へ移行されることで多くの賞球が得られ、またそこから連荘状態に突入する場合もあり得ることから、遊技者が遊技に集中するあまり、プリペイドカードの存在を忘れる可能性があるからである。
ただし、このように特殊報知画像250を表示させた場合、それ以降に入球容易状態を維持したまま16R特別遊技が繰り返される連荘状態になったとしても、その連荘中の終了デモ時間(「デモ2」と表記)には特殊報知画像250を表示させない。これは、連荘中の初回の終了デモ時間(第1終了デモ時間td1)と比較して、2回目以降の終了デモ時間(第2終了デモ時間td2)が短く設定されているため(デモ1>デモ2)、後者について特殊報知画像250を表示させるための十分な時間が確保されないためである。また、連荘中に本来の演出に関係のない特殊報知画像250を繰り返し表示させることで、遊技者に不快感を与えることを防止するものである。本実施例においては、特殊報知画像250の表示時間tw(例えば20秒)を、第1終了デモ時間td1(例えば30秒)よりも短く、第2終了デモ時間td2(例えば5秒)よりも長く設定している。
一方、図14(b)に示すように、非時短状態(通常入球状態)から2R大当りに当選した場合には、その終了デモ時間に特殊報知画像250は表示させない。その2R特別遊技では実質的に賞球が期待できないし、その後に入球容易状態へ移行し得るため、遊技者は遊技を継続させる可能性がある。このようなときに特殊報知画像250を表示させると、遊技者の遊技意欲をそぐ可能性があるからである。
ただし、このような通常入球状態での2R大当りを契機に入球容易状態へ移行され、その入球容易状態において16R大当りに初回当選した場合には、その16R特別遊技の特定ラウンド(16ラウンド)にて特殊報知画像250を表示させる(図13(g)参照)。その16R特別遊技により多くの賞球が獲得される一方で、遊技者がプリペイドカードの存在を忘れる可能性があるからである。ただし、上述のように、入球容易状態において16R大当りとなった場合の終了デモの表示時間(第2終了デモ時間td2)は短い。そこで、特殊報知画像250をその16R特別遊技における特定ラウンドの実行時間にて表示させるようにする。
また、本実施例では、時短終期回数が満了して入球容易状態から通常入球状態へ移行された場合、その移行直後の初回の図柄変動において特殊報知画像250を表示させる。図示の例では、時刻t20において特殊報知画像250が表示されている(図13(h)参照)。このように入球容易状態が終了すると、遊技者が遊技を止めて離席又は退席する契機となり易いため、そのタイミングで遊技者に注意を促すものである。
なお、図示を省略するが、4R大当りの場合も16R大当りと比較して十分な賞球が得られないため、この2R大当りの場合と同様とする。このように、本実施例によれば、プリペイドカードの取り忘れに関する報知を、大当りの種類(つまり特別遊技の種類)やその終了デモ時間を考慮した適切なタイミングで適度に行えるようになる。
[RTC演出]
次に、RTC演出について説明する。図15は、演出表示装置に表示される画面例を表す図である。(a)〜(g)は演出過程の一部を例示している。本実施例では、RTCの計時情報に基づき、設定日時にRTC演出が表示される。このRTC演出は、基本的に遊技ホールに設置された全てのぱちんこ遊技機において共通になされるものである。本実施例では、このRTC演出として、互いに演出系統が異なる第1RTC演出(第1特殊演出)と、第2RTC演出(第2特殊演出)が設けられる。本実施例では、いずれのRTC演出もバトル演出に関連付けたものとされている。
第1RTC演出は、通常演出(図12参照)と同時並行的に表示されるものであり、遊技者の要求にしたがって表示される。この第1RTC演出は、バトル演出におけるメインキャラクタの優位性を高めるチャンスを付与する演出と位置づけられる。すなわち、本実施例のバトル演出では、ロールプレイングゲームの要素がとり入れられており、メインキャラクタの体力、知力、経験値といった状態値を遊技の進行に応じて高めていくことができる。遊技者は、この状態値をメインキャラクタの優位性を推し量る値として認識することができる。この優位性が高まると、そのメインキャラクタの状態値に応じた演出傾向の変化が可能となり、演出内容の追加などが可能となる。遊技機の内部では、大当りの発生回数、当り期待度の高い特定の変動パターンの選択回数等に応じて演出上の優位性を評価するための評価値が演算される。本実施例では、この評価値をポイント数として加算していき、その累積ポイント数が高まるにつれて演出の流れが優位に変化するように設定される。第1RTC演出は、その表示により例えば「ポイント2倍」といった具合に、演出上、ポイント数を有利に獲得できるようにみせるものとされている。
すなわち、図15(a)に示すように、第1RTC演出の開始時刻になると、通常演出の途中で「ポイントチャンス!」と表示され、操作ボタン82の操作入力が促される。これに応じて遊技者が操作ボタン82を押下すると、図15(b)に示すように、表示領域194の画面隅部に特定の画像オブジェクトが表示される。図示の例では星形の専用オブジェクト260が表示されるとともに、その上方に状態値が表示されている。遊技者は、この専用オブジェクト260が表示されることで、メインキャラクタの優位性を高めるチャンスだと認識することができる。
なお、変形例においては、待機デモ時(遊技待機状態)における遊技者の操作によってキャラクタを選択可能とし、そこで選択したキャラクタに基づく演出を第1RTC演出として実行してもよい。その場合、遊技者がキャラクタを選択していない状態(デフォルト状態)であれば、この第1RTC演出を発生させないようにしてもよい。すなわち、遊技者が選択していることを条件に、この第1RTC演出が変則的に発生するようにしてもよい。
一方、第2RTC演出は、通常演出(図12参照)とは別に表示されるものであり、遊技者の意思とは関係なく、設定時刻の到来により表示される。この第2RTC演出の冒頭にはその開始を予告する事前演出が表示される。具体的には図15(c)に示すように、第2RTC演出の開始までをカウントダウンするカウントダウン演出が表示される。なお、このカウントダウン演出の途中で大当りが発生すると、図15(d)に示すように、そのカウントダウンを途中で中止してフリーズ状態とする演出がなされる。遊技者は、この違和感のある演出とともに装飾図柄190を確認することで、大当りの発生を認識することができる。
カウントダウン演出が中断することなく終了すると、図15(e)に示すように、第2RTC演出が開始される。本実施例では、第2RTC演出としてメインキャラクタおよびその味方キャラクタが一斉に表示され、それらの回想シーンが再生されるものとなっている。この回想シーンは、第2RTC演出でしか見ることができない稀少性が高いものとされている。
第2RTC演出の途中で大当りが発生すると、図15(f)に示すように、大当りである旨だけでなく、確変および時短への移行確定を告知する表示がなされる。図示の例では、「チャンスモード確定」との表記によりそれが示されている。なお、第2RTC演出中でないときに2R大当りが当選した場合にも、2R確変大当り(時短あり)又は2R確変大当り(時短なし)のいずれが当選したかを、図柄変動時又は変動停止時には確定的に報知してもよい。ただし、その確定報知の確率は第2RTC演出中のときよりも低くなるようにしてもよい。また、本実施例では大当りの種別にかかわらず確変移行がなされる仕様としたが、大当りとして確変移行を伴うものと伴わないものを有する仕様とする場合には、確変移行を伴うか否かを報知するようにしてもよい。なお、後述するように、第2RTC演出は、所定条件のもと表示が延長されることがある。この延長演出では、その延長前の演出とは異なる演出がなされるようになる。例えば図15(g)に示すように、次の対戦相手となる敵キャラクタを探すことを指令内容とするミッション演出が表示される。
図16は、第2RTC演出の表示制御を表すタイムチャートである。図16(a)は延長がなされない場合を示し、図16(b)は延長がなされる場合を示す。本実施例では、第2RTC演出の表示中に遊技待機状態になったとしても、待機デモを表示させずにその第2RTC演出を優先的に表示する。これは、第2RTC演出が遊技ホールの複数の遊技機について一斉になされる一斉演出と位置づけられるため、遊技機によって第2RTC演出が表示されるものと待機デモが表示されるものがあると不都合となるからである。ただし、音声出力は行わないもしくは出力低下(音量低下)してもよい。一方、そのような遊技待機状態であるか否かは、遊技者がその第2RTC演出に興味を感じているか否かを判断する指標にはなる。そこで、第2RTC演出の表示中に遊技待機状態になっていると推定される場合には、その第2RTC演出を規定通りに終了させ、遊技待機状態になっていないと推定される場合には、その第2RTC演出を所定時間延長する。
すなわち、図16(a)に示すように、当否抽選値が保留されている状態では、前後の図柄変動の時間間隔は変動準備時間Δtとして一定とされる。一方、遊技が進行していない停滞状態であることを判定するための待機判定時間Δtpが設定されており、図柄の変動停止時間がこの待機判定時間Δtpに達したときに待機デモが表示される。ただし、当否抽選値の保留が一時的に途絶えたために変動停止時間が変動準備時間Δtを超えることも想定されるため(例えば図中の時間Δt1)、このような場合に待機デモが表示されないよう、待機判定時間Δtpとして十分に長い時間が設定されている。なお、第2RTC演出の表示時間(実行継続時間)としては、待機判定時間Δtpよりも十分に長い時間(例えば5分等)がデフォルト値として予め設定される。
このような設定を前提とし、図柄変動停止からその第2RTC演出の終了までの残り時間Δt2が待機判定時間Δtp未満であることを条件(延長条件)として、その第2RTC演出の表示時間が延長される。本実施例では、この延長演出の表示時間(延長期間)として、その図柄変動停止から待機判定時間Δtpが経過するまでとしている。図16(a)に示す例では、残り時間Δt2が待機判定時間Δtpよりも長いことから、第2RTC演出の終了前に既に遊技待機状態になっていると推定できる。このため、このような場合には延長演出は行われない。
一方、図16(b)に示す例では、残り時間Δt2が待機判定時間Δtp未満であることから、第2RTC演出の終了前には遊技待機状態になっていないと推定できる。このため、このような場合には遊技者に対する特典として延長演出を表示させる。図示の例では、待機判定時間Δtpと残り時間Δt2との差分が、その延長時間Δt3とされている。なお、変形例においてはこれに限らず、延長条件を満たせば、第2RTC演出の終了タイミングから予め定められた時間(例:1分)延長させてもよい。
図17は、RTCの設定を表す説明図である。図17(a)は第1RTC演出に係るRTCの設定を示し、図17(b)は第2RTC演出に係るRTCの設定を示す。本実施例では、第2RTC演出を定期的に実行する一方、第1RTC演出については不定期に実行することで、RTCを用いる演出の多様性を高めている。
すなわち、第1RTC演出については、図17(a)上段に示すように、開始対象時刻として4つの時間(「特定時刻」に該当する)が設けられているが、同図下段に示すように、遊技機の設置日からの経過日数(日付)によって、その開始時刻の数や組合せが異なるようにされている。具体的には、開始対象時刻として11時、15時、19時、22時半を設け、それらを時刻番号「1」〜「4」として管理している。そして、遊技機設置からN日が経過するまで、開始時刻の組合せが異なるように設定されている。N+1日目は経過日数がクリアされ、新たな経過日数として計時される。このように、日にちによって開始時刻が異なることがあるため、第1RTC演出を運良く見ることができるか否かにつき、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
一方、第2RTC演出については、図17(b)上段に示すように、開始対象時刻として4つの時間(「特殊時刻」に該当する)が設けられ、日にちによらず、開始時刻が10時、14時、18時、22時で一定とされている。それらを時刻番号「5」〜「8」として管理している。このため、遊技者は、その第2RTC演出に興味があれば、いずれかの時刻に遊技ホールに滞在するようスケジュール調整を行えばよく、好みの演出をほぼ確実に見ることができる。
図18は、バトル演出に適用される演出パターンテーブルの概要を示す図である。上述のように、バトル演出においては遊技の進行に応じてポイント数が加算されていく。具体的には図示のように、メインキャラクタの状態値として体力、知力、経験値が設定され、獲得されたポイント数に応じていずれかの状態値が向上する。また、それに応じて味方キャラクタ(助っ人)が増加するように演出パターンが選択されるようになる。図示の例では、味方キャラクタa,b,cが設けられている。獲得ポイントが2以下では演出パターンテーブルAが設定されることにより、味方キャラクタは登場しないが、獲得ポイントが増加するにつれ、演出パターンテーブルがB〜Dに切り替えられ、味方キャラクタが増加していき、バトルが有利に展開されるようになる。なお、変形例においては、知力・体力・経験値などのパラメータの「いずれが」、「どれだけ」、突出してるかに応じて、演出傾向を変化させてもよい。その傾向としては、演出発生頻度、特定演出の発生有無などが挙げられる。
上述した第1RTC演出が表示されると、その表示期間において演出上、一時的にポイントの加算率が大きくなるため、遊技者の期待感を高めることができる。なお、第1RTCにおいてそのポイント加算率そのものは表示されないため、演出上は第1RTC演出によるポイント加算を示唆するものの、内部処理においては第1RTC演出の表示有無にかかわらず、ポイント数を加算するようにしてもよい。
[昇天演出]
次に、昇天演出について説明する。図19は、昇天演出の構成を表す説明図である。本実施例では、入球容易状態を継続させたまま16R特別遊技を繰り返し取得する回数である連荘回数が21回に到達することを条件として表示される。昇天演出は、特別に用意された一連の演出の全部又は一部を再生するものである。本実施例では、その一連の演出を一種類のみ設けて複数の場面にカット割りし、いずれのカットを表示させるかにより、複数通りの表示パターンが形成可能とされている。
すなわち図示のように、一連の演出がカットC1〜C10に分割されており、前後のカット同士が演出上の連続性を有するようにされている。このため、一連のカットC1〜C10の前端側又は後端側を切り離しても演出の連続性を確保できるが、途中のカットのみを切り取るとその連続性は確保できない。前半のカットC1〜C4は、通常遊技中に表示される第1グループCG1に割り当てられている。この前半のカットC1〜C4は、メインキャラクタの登場から敵キャラクタへの遭遇し、さらにこの昇天演出でしか登場しない不敗の敵キャラクタxとの対戦が開始されるところまでを再生するものである。一方、後半のカットC5〜C10は、特別遊技中に表示される第2グループCG2に割り当てられている。この後半のカットC5〜C10は、メインキャラクタがこの敵キャラクタxと死闘を広げ、最終的には感動の場面を含めつつ、メインキャラクタが勝利するところまで再生するものである。
第1グループCG1に属する各カットの表示時間は、カットC1が30秒、カットC2が40秒、カットC3が10秒、カットC4が10秒とされている。これらの全てを再生するか、又は前側のいずれのカットを外すかによって演出時間を調整することができる。これは、後述のように通常遊技中の図柄の変動時間に合わせた再生を実現するためのものである。一方、第2グループCG2に属する各カットの表示時間は、1カットあたり60秒程度とされている。これは、16R特別遊技における2ラウンド分に相当する長さである。ただし、16R特別遊技中は一律にカットC5〜C10の全てが表示される。すなわち、第1グループCG1により実現される通常遊技中の演出は、トータルの再生時間が変化しうる可変演出であるのに対し、第1グループCG1により実現される特別遊技中の演出は、トータルの再生時間が固定された固定演出とされている。
図20は、昇天演出を表示させる際に参照される演出パターンテーブルの構成を示す図である。上述のように、この昇天演出については、その再生契機となった図柄の変動時間に応じてその演出パターンが決定される。具体的には図示のように、変動パターンの種別を示すパターン番号に対し、通常遊技中および特別遊技中の演出パターンがそれぞれ対応づけられている。なお、図示のパターン番号は、図10(b)に示した変動パターン範囲と対応している。
本実施例では、スーパー1の変動時間が90秒とされているところ、カットC1〜C4の全てを表示させることで表示時間を一致させている。同様に、スーパー2についてはカットC2〜C4を表示させ、ノーマル1についてはカットC3,C4を表示させ、ノーマル2についてはカット4のみを表示させることで、表示時間を一致させている。このようにして、通常遊技中の演出時間が整合する。一方、特別遊技中については、その第1〜第12ラウンドでカット5〜10を表示させることで演出時間の整合をとることができる。このように、通常遊技から特別遊技にわたる一連の長い演出をカット割りとし、変動パターンやラウンド時間に対応づけることで、演出の整合がとれるとともに、演出の設計工数を節約することができる。
図21は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、電源投入時処理を実行する(S10)。この電源投入時処理は、電源が投入されたときに遊技データをロードして遊技プログラムを正常に動作させるものである。この電源投入時処理は、通常は遊技機の起動が正常に終了された場合の電源投入時に実行されるが、停電などの予期しない電源遮断後の再投入時にも電断復帰処理として実行される。本実施例では、この電断復帰処理により初当り(通常入球状態からの16R大当り)による16R特別遊技に復帰したとしても、特殊報知画像250の表示は行わないこととする。続いて、デモ画面表示処理を実行する(S11)。このデモ画面表示処理は、遊技待機状態において待機デモを表示させるものであるが、その詳細については後述する。
続いて、遊技球が第1始動口62、第2始動口63、一般入賞口72、作動口68、第1大入賞口91、第2大入賞口92などへ入球した場合の処理を実行する(S12)。そして、通常遊技中であれば(S13のY)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行する(S14)。通常遊技中でなければ(S13のN)、特別遊技の制御処理を実行する(S16)。そして、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。電源の遮断が検出されると、電断時処理を実行する(S20)。
図22は、図21におけるS10の電源投入時処理を詳細に示すフローチャートである。電源が遮断された後に再投入されると、まずサブ基板104が起動し、続いてメイン基板102が起動する。メイン基板102からそのメイン基板102が起動したタイミングで送信される遊技状態を含む各種コマンド情報をサブ基板104側で取りこぼさないようにするためである。電断復帰制御手段182は、RAMクリアスイッチがオンにされていれば(S300のY)、予め定める初期化処理を実行する(S302)。このとき、バックアップRAMに中途状態データ等の遊技データが保持されていれば、消去される。この初期化処理に続いて、RTC演出に関わる演出実行日時の設定等を行うRTC設定処理を実行する。
RAMクリアスイッチがオンにされていない場合(S300のN)、電源遮断時の遊技状態を再現するための「再現処理」が実行される。すなわち、電断復帰制御手段182は、バックアップRAMから処理用RAMに中途状態データをロードするとともに、後述するS20の電断時処理にて生成した第1チェックサムも取得する。続いて、ロードした中途状態データから、第1チェックサムの生成方式と同一方式にて新たなチェックサムである第2チェックサムを生成し、第1チェックサムと第2チェックサムとが一致するか否かを判定する。このとき、両チェックサムが一致していれば(S310のY)、ロードした中途状態データを有効なものとして設定する(S312)。一方、チェックサムが一致していなければ(S310のN)、初期化処理を実行する(S302)。
図23は、図21におけるS11のデモ画面表示処理を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、遊技状態が待機デモが開始されていなければ(S310のN)、各入賞口等いずれの入球口の入球も検出されない状態が所定時間以上継続した場合には(S312のY)、RTC演出等のようにより優先度の高い演出(「優先演出」ともいう)が実行中でなければ(S314のN)、待機デモの表示を開始する(S316)。すなわち、入球未検出状態が所定時間(本実施例では60秒)を経過すると、遊技が中断されたとみなして待機デモが表示される。優先演出が実行中であれば(S314のY)、S316の処理をスキップする。入球未検出状態が所定時間継続していなければ(S312のN)、S314およびS316の処理をスキップする。既に待機デモが開始されている場合(S310のY)、いずれかの入球口への入球が検出された場合には(S318のY)、待機デモの表示を終了する(S320)。すなわち、遊技球が打ち出された場合には、本処理を終了する。入球が検出されない場合には(S318のN)、S320の処理をスキップする。
図24は、図21におけるS12の入球処理を詳細に示すフローチャートである。入球判定手段110は、始動口(第1始動口62または第2始動口63)への入球が検出されると(S200のY)、その始動口に対応する規定賞球数をセットする(S202)。そして、当否抽選値を取得し(S204)、保留制御手段116による当否抽選値の保留数が4未満であるか否かを参照してさらなる保留が可能な状態であれば(S206のY)、その当否抽選値について先読みによる事前判定処理を実行し(S208)、その当否抽選値を保留制御手段116に保留する(S210)。S206において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合は(S206のN)、S208およびS210の処理をスキップする。S200において入球検出がない場合には(S200のN)、S202からS210の処理をスキップする。
作動口68に入球があった場合(S212のY)、普図抽選値を取得し(S214)、保留制御手段116による普図抽選値の保留数が4未満であるか参照してさらに保留可能な状態であれば(S216のY)、その普図抽選値を保留制御手段116に保留する(S220)。S212において作動口68への入球がない場合は(S212のN)、S214からS220までの処理をスキップする。S216において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合には(S216のN)、S220の処理をスキップする。
一般入賞口72に入球があった場合(S222のY)、一般入賞口72に対応する規定賞球数をセットする(S224)。一般入賞口72への入球がないときは(S222のN)、S224の処理をスキップする。
大入賞口(第1大入賞口91または第2大入賞口92)に入球があった場合(S226のY)、大入賞口に対応する規定賞球数をセットする(S228)。大入賞口への入球がないときは(S226のN)、S228の処理をスキップする。
図25は、図24におけるS208の事前判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、事前当否判定テーブルを参照して事前当否判定を実行し(S230)、その判定結果として当否範囲を示す値を設定し(S232)、事前図柄判定テーブルを参照して事前図柄判定を実行し(S234)、その判定結果として図柄範囲を示す値を設定し(S236)、事前パターン判定テーブルを参照して事前パターン判定を実行し(S238)、その判定結果として変動パターン範囲を示す値を設定する(S240)。以上のように設定された事前判定結果の値が、第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値、保留の個数、保留順序等の情報とともに送信バッファに一時保存され、サブ基板104の演出決定手段132へ送信される(S242)。
図26は、図21におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。この通常遊技制御処理は、サブ基板104における先読み処理が実行され(S250)、メイン基板102における特別図柄変動処理の実行(S252)、サブ基板104における装飾図柄変動処理の実行(S254)が、繰り返し処理される。
図27は、図26におけるS250の先読み処理を詳細に示すフローチャートである。本実施例では、いわゆる先読みによって得られる事前判定情報(抽選値情報)に基づき、保留表示を更新する。また、所定条件のもと、その抽選値の消化とともに表示させるバトル演出と、その抽選値が消化される前にバトル演出の内容を示唆する前兆演出の内容を事前決定する。また、特別演出(昇天演出)を表示させるための特別条件が充足されている場合には、特別演出の設定を許可状態としておく。なお、変形例においては、このように特別演出の設定を先読み処理の中で行うのではなく、連荘回数を記憶更新する処理においてその連荘回数が21回に到達したことをもって特別条件が満たされたと判定し、特別演出の設定を許可状態としてもよい。サブ基板104がメイン基板102から事前判定情報を受信した場合(S260のY)、演出決定手段132は、保留数の情報に基づいて保留表示演出の内容を決定し、演出表示制御手段134が保留表示の更新を実行する(S261)。すなわち、保留対応画像206の表示処理を実行する。
続いて、演出決定手段132は、未だ特別演出の設定がオフである場合(S262のN)、16R大当りの連荘回数Nが設定回数Nsetより1少ない回数、つまり次の16R大当りにより設定回数Nsetに到達する状態にあれば(S263のY)、保留された抽選値がその設定回数Nsetを充足させる予定のものであるか否かを判定する。すなわち、事前判定により設定された当否範囲の値が「1」で図柄範囲の値が「1」の場合(S270のY)、その要件を満たすとして特別演出の設定をオンにする(S274)。S270において当否範囲の値と図柄範囲の値が該当しない場合は(S270のN)、S274の処理をスキップする。
一方、S263において連荘回数Nの値が該当しない場合には(S263のN)、その時点での保留数が所定数(例えば3つ)以上であり(S264のY)、事前判定により設定された当否範囲の値が「1」でパターン範囲の値が「4」の場合や(S265のY)、異なる値であっても(S265のN)、事前判定により設定された当否範囲の値が「3」でパターン範囲の値が「4」の場合は(S266のY)、前兆設定をオンにする(S267)。すなわち、保留数が前兆演出をするのに十分な個数であり、大当り又は外れ確定で変動パターンとしてスーパー1が事前決定されていれば、前兆演出の実行を示すフラグをセットする。そして、図示しない演出パターンテーブルを参照してバトル演出の演出パターンを事前決定し(S268)、前兆演出の演出パターンを決定する(S269)。前兆演出の演出パターンは、バトル演出の演出パターンに予め対応付けられたものを決定する。S266において当否範囲の値とパターン範囲の値が該当しない場合は(S266のN)、S267からS269の処理をスキップする。保留数が所定数に満たない場合は(S264のN)、S265からS269の処理をスキップする。また、既に特別演出の設定がオンとなっている場合(S262のY)、S263以降の処理をスキップする。昇天演出が表示予定であるため、それに馴染まない先読み演出の実行を回避するものである。事前判定情報を受信しない場合には(S260のN)、S261以降の処理をスキップする。
図28は、図26におけるS252の特別図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S20のN)、第2特別図柄193の変動表示タイミングであれば(S22のY)、第2抽選手段128が第2保留手段146から第2当否抽選値を読み出して当否判定を実行し(S24)、第2特別図柄193の停止図柄を決定し(S26)、第2特別図柄193の変動パターンを決定する(S28)。そして、第2特別図柄193の図柄変動が開始される(S38)。一方、第2特別図柄193の変動表示タイミングでなく(S22のN)、第1特別図柄192の変動表示タイミングであれば(S30のY)、第1抽選手段126が第1保留手段144から第1当否抽選値を読み出して当否判定を実行し(S32)、第1特別図柄192の停止図柄を決定し(S34)、第1特別図柄192の変動パターンを決定する(S36)。そして、第1特別図柄192の図柄変動が開始される(S38)。
なお、第1特別図柄192の変動表示タイミングであるか、第2特別図柄193の変動表示タイミングであるかは、第2保留手段146に第2当否抽選値が保留されているか否かに加え、図柄変動中であるか否か応じて決定される。本実施例では上述のように、第2保留手段146が保留する第2当否抽選値を第1保留手段144が保留する第1当否抽選値よりも優先的に消化し、第1特別図柄192よりも第2特別図柄193の変動表示を優先的に実行する。したがって、第2保留手段146が第2当否抽選値を保留していれば、次の変動表示タイミングには第2特別図柄193の変動表示が開始されることになる。第2保留手段146が第2当否抽選値を保留しておらず、第1保留手段144のみが第1当否抽選値を保留している場合、次の変動表示タイミングには第1特別図柄192の変動表示が開始されることになる。
第2特別図柄193の変動表示タイミングでなく(S22のN)、第1特別図柄192の変動表示タイミングでもなければ(S30のN)、本図のフローを終了する。一方、既に図柄変動表示が開始されている場合は(S20のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動の停止タイミングに達していれば(S42のY)、図柄変動の停止処理を実行する(S44)。図柄変動の停止タイミングに達していないときは(S42のN)、S44をスキップする。
図29は、図28におけるS44の図柄変動停止処理を詳細に示すフローチャートである。まず図柄変動を停止する処理を実行し(S50)、当否抽選の結果が大当りであった場合(S52のY)、時短(入球容易状態)を伴う図柄であれば(S54のY)、時短の設定をオンする(S56)。時短を伴う図柄でなければ(S54のN)、S56の処理をスキップする。さらに確変を伴う図柄であれば(S58のY)、確変の設定をオンし(S60)、確変を伴う図柄でなければ(S58のN)、確変の設定をオフする(S62)。そして、特別遊技へ移行する(S64)。16R大当りである場合は16R特別遊技へ移行し、4R大当りである場合は4R特別遊技へ移行し、2R大当りである場合は2R特別遊技へ移行する。なお、ここで設定された確変のオンおよび時短のオンは、特別遊技の終了後に有効となる。ただし、本実施例においては大当りが全て確変を伴うため、S58,S60において時短の設定は必ずオンにされることになる。
一方、大当りでなく外れであった場合には(S52のN)、確変中であれば(S66のY)、その確変の終期となっていれば(S68のY)、確変の設定をオフにする(S70)。確変の終期となっていなければ(S68のN)、S70の処理をスキップする。確変中でなければ(S66のN)、S68およびS70の処理をスキップする。また、時短中であれば(S72のY)、その時短の終期となっていれば(S74のY)、時短の設定をオフにする(S76)。時短の終期となっていなければ(S74のN)、S76の処理をスキップする。時短中でなければ(S72のN)、S74およびS76の処理をスキップする。
図30は、図26におけるS254の装飾図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から変動開始コマンドを受信した場合(S280のY)、受信した当否判定結果および特別図柄の停止図柄に応じて装飾図柄の停止態様を決定する(S281)。また、受信した当否判定結果および変動パターンに応じて変動演出パターンを決定する(S282)。さらに、受信した当否判定結果および変動パターンに応じて予告演出パターンを決定する(S283)。
このとき、特別演出の設定がオンであれば(S284のY)、特別演出の契機となった特定の変動であれば(S285のY)、特別演出(昇天演出)を設定する(S286)。すなわち、図20の演出パターンテーブルを参照して通常遊技中の特別演出パターンを決定する。すなわち、変動パターンの種別に応じた一連のカットを表示させる演出パターンを決定する。特別演出の契機となった変動でなければ(S285のN)、S286の処理をスキップする。特別演出の設定がオフであれば(S284のN)、S285およびS286の処理をスキップする。
このとき、前兆設定がオンであれば(S287のY)、前兆設定の契機となった特定の変動でなければ(S288のN)、前兆演出を設定する(S289)。すなわち、図24のS269にて事前決定された前兆演出を設定する。前兆設定の契機となった変動であれば(S288のY)、特定のバトル演出を設定し(S290)、前兆設定をオフにする(S291)。すなわち、図24のS268にて事前決定されたバトル演出を設定する。そして、演出表示制御手段134は、装飾図柄190による図柄変動演出、予告演出などの表示制御を開始する(S292)。前兆設定がオフであれば(S287のN)、S288からS291の処理をスキップする。変動開始コマンドを受信していない場合には(S280のN)、S282からS292の処理をスキップする。
既に装飾図柄の変動表示が開始済みであれば(S293のY)、その演出表示処理を実行し(S294)、メイン基板102から変動停止コマンドを受信したときは(S296のY)、S282で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止する(S298)。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときは(S296のN)、S298の処理をスキップする。変動表示が開始済みでないときは(S293のN)、S294からS298の処理をスキップする。
図31は、図21におけるS16の特別遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、未だ特別遊技が開始済みでない場合は(S92のN)、大入賞口の開放パターンを設定し(S93)、大当り演出の演出パターンを設定する(S94)。このとき、特別演出の設定がオンであれば、当該大当りに係る図柄変動において昇天演出が表示されていたことになるため、図20に示した特別演出パターンを設定する。そして、特別演出の設定がオンであれば(S95のY)、これをオフにする(S96)。特別演出の設定がオフであれば(S95のN)、S96の処理をスキップする。そして、特別遊技を開始して(S97)、大当り演出を開始し(S98)、本処理を一旦終了する。
一方、S92において既に特別遊技が開始済みであって(S92のY)、大入賞口(第1大入賞口91又は第2大入賞口92)が開放済でなければ(S99のN)、大入賞口の開放処理を実行する(S100)。大入賞口が開放済みであれば(S99のY)、大入賞口の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。
S106においては、特別遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、後述する終了フラグを参照して特別遊技終了条件が満たされるか否かを判定し、特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了する(S118)。そして、特定遊技、すなわち確変、時短、および入球容易状態を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118およびS120の処理をスキップする。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降のフローをスキップする。
図32は、図31におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S124)、大入賞口を開放させる(S126)。また、現在の単位遊技の繰り返し回数に対応した大当り演出、または繰り返し回数が異なる回数になることに対応した大当り演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図33は、図31におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は大入賞口を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、入球数による終了条件が満たされなくとも(S130のN)、開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口を閉鎖する(S134)。開放時間による終了条件も満たされなければ(S132のN)、S134以降のフローをスキップする。
なお、この特別遊技における入球数による終了条件は大入賞口への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口の開放開始から開閉パターンに沿った設定時間の経過である。16R特別遊技又は4R特別遊技であれば大入賞口の開放開始から30秒の経過であり、2R特別遊技であれば大入賞口の開放開始から0.5秒の経過である。このとき、単位遊技の繰り返し数が継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。この継続上限回数は16R特別遊技であれば16回、4R特別遊技であれば4回、2R特別遊技であれば2回である。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
図34は、図21におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が小当りであった場合(S150のY)、既に小当り遊技が開始済みであって(S152のY)、大入賞口(第1大入賞口91または第2大入賞口92)が開放済でなければ(S158のN)、大入賞口の開放処理を実行し(S160)、開放済みであれば(S158のY)、大入賞口の閉鎖処理を実行する(S162)。そして、大入賞口が閉鎖状態になっていれば(S164のY)、S166へ移行する。閉鎖状態でなければ(S164のN)、S166以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S152において小当り遊技が開始済みでない場合は(S152のN)、小当り遊技を開始し(S154)、開始デモ演出の表示を開始する(S156)。
S166においては、小当り遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でなければ(S166のN)、小当り遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、小当り遊技終了条件が満たされることになる。小当り遊技終了条件が満たされていれば(S170のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S172)、終了デモ演出の表示を開始する(S174)。小当り遊技終了条件が満たされていなければ(S170のN)、本処理を一旦終了する。
S166にてデモ演出中であると判定され(S166のY)、終了デモ演出が終了した場合(S176のY)、小当り遊技を終了する(S178)。このとき、小当り終了フラグをオンにしておく(S179)。終了デモ演出が終了していない場合には(S176のN)、S178以降の処理をスキップする。小当りでない場合は(S150のN)、S152以降のフローをスキップする。
図35は、図34におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口の開放タイミングとなったとき(S180のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S182)、大入賞口の開放を開始する(S184)。開放タイミングでないときは(S180のN)、S182およびS184の処理をスキップする。
図36は、図34におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口の終了タイミングとなったとき(S190のY)、終了フラグをオンにし(S192)、大入賞口を閉鎖する(S194)。なお、この閉鎖タイミングは、例えば、大入賞口の開放開始から0.5秒の経過したタイミングである。閉鎖タイミングでなければ(S190のN)、S192およびS194の処理をスキップする。
図37は、図21のS20における電断時処理を詳細に示すフローチャートである。メイン基板102に電源が遮断されたことを示す電断信号が入力されると(S370のY)、遊技状態を保存する処理が実行される。電断復帰制御手段182は、バックアップ対象となる遊技データを特定し、チェックサム(第1チェックサム)を生成してバックアップRAMに記録する(S372)。チェックサムの生成方式は、既知の方式であればよい。このとき特定される遊技データには中途状態データが含まれており、電断復帰制御手段182は、その遊技データをバックアップRAMに退避させる(S374)。遊技状態保持手段181は、その電源遮断時の遊技状態およびその進行状態を示す情報を記憶する。一方、電断信号の入力がなければ(S370のN)、S372およびS374の処理はスキップされる。なお、この電源遮断時においては、まずメイン基板102側が起動を停止し、続いてサブ基板104側が起動を停止する。メイン基板102から送信される各種コマンド情報をサブ基板104側で取りこぼさないようにするためである。
(第2実施例)
本実施例では、特別演出の制御方法が第1実施例と異なる。以下、本実施例の詳細について、第1実施例との相異点を中心に説明する。
(1)保留内連荘演出と昇天演出の関係
本実施例では、大当りの種類として、特別遊技中における賞球獲得期待値が互いに異なる複数種の大当りが設けられ、各大当りに対応づけられるように複数種の特別遊技が設けられる。その複数種の特別遊技のうち所定の特別遊技が実行された場合には、その特別遊技終了後の図柄変動回数により規定される限定期間が設定される。この限定期間においては、上記最有利大当りを示す図柄の変動時間について相対的に短い時間が選択される傾向を有する。「所定の特別遊技」は、後述する「特定の特別遊技」であってもよい。
特別演出は、所定の特別条件が充足された場合に表示可能とされる。この特別演出は、先の特別遊技と、当該先の特別遊技終了後の通常遊技と、当該先の特別遊技の後続の特別遊技である後の特別遊技とにわたって表示される。「特別条件」は、少なくとも以下の第1〜第4条件を充足するものとして定められている。
第1条件は、特定遊技状態中に大当りとなることで特定の特別遊技が実行され且つその特定の特別遊技の終了後に再び特定遊技状態となること、が連続する回数にて規定される。すなわち、第1条件は、特定の特別遊技による連荘回数が予め定める設定連続回数に到達することである。「特定の特別遊技」は、連荘の利益が得られるよう複数種の特別遊技のうち賞球獲得期待値が相対的に高いものが好ましく、最有利大当りによって移行される最有利特別遊技であってもよい。
第2条件は、先の特別遊技中に保留中の抽選値として、後の特別遊技に係る特定の抽選値が含まれていることである。第3条件は、先の特別遊技が上記所定の特別遊技に該当し、先の特別遊技終了後の限定期間において表示される図柄変動に対応した抽選値が特定の抽選値に該当することである。第4条件は、その特定の抽選値に係る当否抽選の結果が最有利大当りに該当することである。
本実施例によれば、先の特別遊技終了後の限定期間に消化予定の抽選値の中に大当りとなるものがあり(いわゆる保留内連荘となっており)、その抽選値が最有利大当りに該当する特定の抽選値であることが、当該先の特別遊技において先読みにて判明した場合、当該先の特別遊技→通常遊技→後の特別遊技にわたる特別演出が表示される。図19に示したカット割りにて簡易的に説明すると、「先の特別遊技ではカットC1〜C3まで」、「変動中は(超短縮変動のため)カットC4のみ」、「後の特別遊技中ではカットC5〜C10」といったように繋げる演出とすることができる。このような構成により、後の特別遊技を加味しつつ、先の特別遊技中から当該後の特別遊技中にわたる連続演出をすることができる。この特別演出は、後の特別遊技に係る大当りの種別がその開始条件に含まれるため、当該後の特別遊技からみてフライング的に開始される演出となる。すなわち、本実施例によれば、先読みにより一つ手前の特別遊技において特別条件が充足されることが判明すると、フライング的に特別演出を開始させる、という斬新な制御が実現される。
上記特別条件として、先の大当りと後の大当りとが同種であることを第5条件として含めてもよい。当該先の大当りと後の大当りとをいずれも最有利大当りとすれば、特別演出を最高の大当りの連続を賞賛する演出とすることもできる。特別演出の演出開始タイミングは特別遊技の実行中としてよい。また、その特別演出の演出開始タイミングを、特別遊技の終了デモの実行中(終了デモ時間中)としてもよい。特別演出の演出開始タイミングから演出終了タイミングまでの時間値(つまり特別演出の演出時間)は、その特別演出の演出開始タイミングから特別遊技の終了タイミングよりも長く設定してもよい。それにより、特別演出を特別遊技終了後の通常遊技中に引き延ばすことができる。
最有利特別遊技における終了デモの実行時間(「終了デモ時間」ともいう)は、その最有利特別遊技に係る最有利大当りが発生したときの遊技状態に応じて異なるように設定してもよい。例えば通常入球状態において最有利大当りが発生した場合には、最高の大当りの初当りを賞賛する意味で終了デモ時間を相対的に長くしてもよい。入球容易状態において最有利大当りが発生した場合には、既に連荘状態となっている可能性があるため、その連荘状態の継続効率を高めるために終了デモ時間を相対的に短くしてもよい。また、特別遊技中に上述のような保留内連荘となる場合、その保留内連荘を実現する抽選値が次回以降の何変動目に消化されるのかに応じて特別演出の演出開始タイミングを異ならせてもよい。例えば、相対的に開始が早い変動にて消化されるものであれば、先の特別遊技における演出時間を長くするために演出開始タイミングを早めに設定してもよい。逆に、相対的に開始が遅い変動にて消化されるものであれば、先の特別遊技における演出時間を短くために演出開始タイミングを遅めに設定してもよい。このようにすることで、特別演出の時間尺を平均化することが可能となり、特別演出の演出設計が容易となる。
なお、特別演出は、連荘状態が上記設定連続回数に到達した以降に表示させてもよい。すなわち、本来の条件(特別条件)が満たされた後に表示させるものである。これを「第1の特別演出」とし、既に述べたフライング的に開始される特別演出を「第2の特別演出」としてもよい。その場合、第1の特別演出については、通常遊技から特別遊技に跨るように表示させてもよい。
以下、本実施例の詳細について具体的に説明する。図38は、第2実施例に係る特別演出の制御方法を例示するタイムチャートである。
本実施例では、16R特別遊技の連荘回数が設定回数Nset(21回)に到達することが確定することを条件に昇天演出が表示される。ただし、ここでいう「確定する」とは「確定が予定されること」をも含み、先読みにより保留内連荘が判明した場合には、1回分手前であるNset−1(20回)においてフライング的に昇天演出が開始され得る。以下、連荘回数が本来の設定回数Nsetに到達したときに表示される昇天演出を第1の昇天演出(第1の特別演出)、連荘回数がその1つ手前のNset−1であるときからフライング的に表示される昇天演出を第2の昇天演出(第2の特別演出)として説明する。
図38(a)は、第2の昇天演出が実行される場合を示す。本実施例では、16R特別遊技後に入球容易状態へ移行して直後の図柄変動4回分の期間を限定期間として設定する。この「図柄変動4回分」は、優先消化の対象となる第2当否抽選値の保留上限数に相当する。すなわち、先の16R特別遊技において右打ちがなされることで、少なくとも第2当否抽選値が保留上限数に達しているという想定のもと、その保留上限数に対応する回数を限定期間としている。この限定期間においては、専用の変動パターンテーブル(「限定テーブル」ともいう)を参照する。この限定テーブルにおいては、図柄の変動時間が当否抽選の結果によらず(つまり大当りであったとしても)一律に2秒程度に設定される。
このような構成を前提とし、図38(a)に示すように、連荘回数がNset−1に該当する先の16R特別遊技中に保留される第2当否抽選値の中に16R大当りが存在する場合、つまり、連荘回数を設定回数Nsetに到達させる抽選値がある場合には、当該先の16R特別遊技から昇天演出を開始する。図示の例では、当該先の16R特別遊技の実行中の時刻t33にて16R大当りに該当する第2当否抽選値が保留されたため、その最終ラウンド(16ラウンド)の時刻t34から昇天演出を開始させている。時刻t35〜t36では図柄変動が行われているが、16R大当りを示す変動でさえ短変動(2秒)とされているため、昇天演出の時間に与える影響は小さい。すなわち、この昇天演出を表示するにあたって図柄変動演出の時間を考慮する必要はない。このフライング的な昇天演出は、後の16R特別遊技中に終了する。つまり、昇天演出の表示時間として、先の16R特別遊技の最終ラウンドと後の16R特別遊技の実行時間を考慮して当該昇天演出を表示可能な時間が設定されている。
一方、図38(b)に示すように、連荘回数がNset−1に該当する先の16R特別遊技中に16R大当りに該当する抽選値が保留されなかった場合、当該先の16R特別遊技から昇天演出が開始されることはない。図示の例では、当該先の16R特別遊技が終了された後の入球容易状態において時刻t41に16R大当りとなったため、その16R大当りを示す図柄変動から昇天演出を開始させている。この場合は限定期間に対応する図柄変動ではないため、その16R大当りに係る図柄変動時間が比較的長くなる。この図柄変動時間とその16R大当りに対応する16R特別遊技の実行時間を利用して昇天演出が表示される。本実施例によれば、このように昇天演出の表示開始タイミングが異なる制御がなされるため、遊技者に斬新な印象を与えることができる。
なお、16R特別遊技の連荘回数が設定回数Nsetに到達しない状況下で保留内連荘となることが先読みにより判明した場合、つまり、「保留内連荘」のみの条件を満たしている場合には、第1、第2のいずれの昇天演出とも異なる「特別遊技中保留内連荘演出」を表示させてもよい。すなわち、昇天演出の発生条件を満たしていない状況下での保留内連荘は、通常どおりの特別遊技中保留内連荘演出(「即連演出」ともいう)とすることができる。その一方で、昇天演出の発生条件を満たしている状況下での保留内連荘は、通常どおりの即連演出を行うことなく、先と後の特別遊技をその間の変動までも跨ぐ形で昇天演出に置換する。これにより、「昇天演出の発生条件を満たしているにもかかわらず昇天演出が発生しないという事象を回避」することができ、更に、「昇天演出の発生条件の充足有無によつて演出態様及びその演出開始タイミングと演出終了タイミングを、変動パターンを強制変化させることなく変更」することができる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
(変形例1)
上記実施例では、第1の遊技に2R大当りを設け、第2の遊技には2R大当りを設けないようにするなどラウンド振り分けを異ならせることで、両遊技の出玉獲得の優位性を異ならせるようにした。変形例においては、第1,第2の遊技の特別遊技における大入賞口の開放時間を共通とする一方、大入賞口への入球1回あたりの賞球を第1の遊技については5球、第2の遊技については15球とするなど、両遊技で賞球数を異ならせることにより、出玉獲得の優位性を異ならせるようにしてもよい。
(変形例2)
上記実施例では、遊技状態にかかわらず先読みによる事前判定を実行する例を示した。変形例においては、入球容易状態又は特別遊技中であることを条件に先読み処理を実行し、特別演出や先読み演出の実行有無を決定してもよい。また、上記実施例では、第1の遊技および第2の遊技の双方において先読み処理を実行する例を示した。変形例においては、第2の遊技についてのみ先読み処理を実行し、先読み演出を表示させてもよい。また、入球容易状態又は特別遊技中の第2の遊技についてのみ先読み処理を実行し、特別演出や先読み演出を表示させる構成としてもよい。
(変形例3)
上記実施例では、第1大入賞口91を第1の遊技に対応させ、第2大入賞口92を第2の遊技に対応させる例を示したが、第1,第2の遊技の少なくとも一方について第1大入賞口91と第2大入賞口92の双方を対応させ、これらの大入賞口を交互に開放させてもよい。このようにすれば、一方の大入賞口が閉鎖されるとほぼ同時に他方の大入賞口が開放されるため、両者の開放タイミングに実質的な待ち時間(インターバル時間)がなく、賞球が付与される効率(払出効率:つまり出玉スピード)が高められる。この場合、一方の大入賞口の閉鎖と同時に他方の大入賞口の開放を可能とするために、第1大入賞口91の入球検出処理と第2大入賞口92の入球検出処理との並行を許容するとよい。
(変形例4)
上記実施例では、演出表示装置60における装飾図柄190の表示領域に特殊報知画像やRTC演出等を表示させる例を示した。変形例においては、特殊報知画像やRTC演出に専用の表示装置を別途設けるようにしてもよい。あるいは、演出表示装置60に装飾図柄190とは別に特殊報知画像やRTC演出等の専用の表示領域を設けてもよい。
(変形例5)
上記実施例では、大当りとなったときの特別図柄(大当り図柄)にかかわらず特別遊技終了後に確率変動状態へ必ず移行し、次の大当りが発生しない限り、予め設定した確変終期回数分の期間はその確率変動状態を維持するいわゆるST機を前提とした。変形例においては、大当り図柄に応じて確率変動状態へ移行する場合と移行しない場合とが混在する遊技機としてもよい。また、確変終期回数を複数設け、大当り図柄に応じて確変終期回数が異なるように設定されてもよい。
(変形例6)
上記実施例では、当否抽選値の消化順序について第2当否抽選値を第1当否抽選値よりも優先的に消化する優先消化の仕様を採用した。変形例においては、第1始動口62および第2始動口63のうちいずれに遊技球が入球したかの順序にしたがって当否抽選値を消化させ、第1特別図柄192と第2特別図柄193とを選択的に変動表示させてもよい。このようにすれば、新たな保留がなされたときに演出表示順序が入れ替わることがなくなり、よりシンプルで遊技者に分かり易い遊技性を実現することができる。その場合、バトル演出を第2の遊技のみならず、第1の遊技においても表示対象とするのがよい。
(変形例7)
上記実施例では、RTC演出について演出の実行時刻を複数設け、そのいずれかに該当することを開始条件とした。変形例においては、遊技機への電源投入からの経過時間として定める複数の開始時間を設け、そのいずれかに該当することを開始条件としてもよい。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。尚、本願発明は上記実施例や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施例や変形例に開示されている複数の構成要素の適宜組合せにより種々の発明を形成しても良いし、上記実施例や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。更に、複数の実施例にわたる構成要素を適宜組み合わせることも可能である。