JP2015180501A - 微小気泡発生装置、微小気泡発生方法及びそれを用いた気液反応方法 - Google Patents

微小気泡発生装置、微小気泡発生方法及びそれを用いた気液反応方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接近・離反可能に対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する複数の処理用部における複数の処理用面において、微小気泡を発生させる装置及び微小気泡の発生方法を提供するとともに、微小気泡の発生方法を用いた気液反応方法を提供する。
【解決手段】接近・離反可能に対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する複数の処理用部10,20と、処理用部10,20のそれぞれにおいて互いに対向する位置に設けられた処理用面1,2と、処理用面1,2間に通じる少なくとも二つの独立した流路d1,d2とを備え、少なくとも二つの独立した流路d1,d2から処理用面1,2間に被処理流動体である液体と気体とを導入して流体処理を行う。少なくとも二つの独立した流路d1,d2の内、一方の流路d1より液体を導入し、他方の流路d2より気体を導入することにより、処理用面1,2間において気泡を発生させる。
【選択図】図1

Description

本願発明は、接近・離反可能な少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する処理用部における処理用面間で微小気泡を発生させる装置ならびに微小気泡の発生方法に関する。また、上記処理用面間において発生させた微小気泡と反応物とを接触させることによって、気液反応を行う気液反応方法に関する。
マイクロバブルやナノバブルなどの微小気泡は、養殖、水処理、土壌浄化、船底の流体抵抗の低減、殺菌や造影剤への利用など、環境分野や産業分野または健康分野や医療分野などの広い分野で利用され、近年注目されている。
そのような微小気泡を発生させる装置としては、特許文献1に記載されるような旋回式のものや特許文献2に記載されるような加圧減圧式、その他スプレーノズル方式などが一般的であるが、装置が大掛かりとなりやすいことや、気泡を微小化するための気泡の分断などにコストがかかりやすいだけでなく、多大なエネルギーが必要となるなど問題が多い。また、特許文献3に記載されたようなマイクロリアクターを用いて微小気泡を発生させる場合には、流路における気泡の閉塞や気泡の大量生産に関する問題については未だ解決が困難である。
本願出願人によって提供された特許文献4や特許文献5に記載されたような、接近・離間可能な少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する処理用部における処理用面間において混合・反応・晶析などを行う流体処理装置及び処理方法においては、容易に微小な反応場を形成する事を可能とし、低エネルギー且つ低資源での流体処理を可能とできた。
しかし、特許文献4または特許文献5に記載されたような流体処理装置においても、これまで処理用面間において微小気泡を発生させるための具体的な開示はされておらず、低エネルギーで微小気泡を発生させ、さらに発生させた微小気泡を効率的に利用できる方法が懇願されていた。
特開2006−142300号公報 特開2011−78858号公報 特開2009−101299号公報 特開2004−49957号公報 国際公開WO2009/8394号パンフレット
本願発明は、接近・離反可能に対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する複数の処理用部における複数の処理用面の間で被処理物の処理を行う流体処理装置を応用して、上記複数の処理用面間おいて微小気泡を発生させる装置及び微小気泡の発生方法を提供することを目的とする。さらに発生させた微小気泡は、その界面積が大きいため、反応物と処理用面間において有効に接触させることによって、効率的な気液反応方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願の請求項1に係る発明は、接近・離反可能に対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する複数の処理用部と、前記複数の処理用部のそれぞれにおいて互いに対向する位置に設けられた複数の処理用面と、上記複数の処理用面の間に通じる少なくとも二つの独立した流路をと備え、上記少なくとも二つの独立した流路から上記複数の処理用面間に被処理流動体を導入して流体処理を行うものであり、上記少なくとも二つの独立した流路の内、一方の流路より被処理流動体の1種である液体を導入し、他方の流路より被処理流動体の他の1種である気体を導入することによって、上記複数の処理用面間において気泡を発生させることを特徴とする微小気泡発生装置を提供する。
また、本願の請求項2に係る発明は、接近・離反可能に対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する複数の処理用部と、前記複数の処理用部のそれぞれにおいて互いに対向する位置に設けられた複数の処理用面において、被処理流動体として液体と気体とを混合して微小気泡を発生させるものであり、上記液体または気体の内の何れか一方が薄膜流体を形成しながら上記複数の処理用面間を通過し、上記液体または気体の内のいずれか一方が流される流路とは独立した別途の導入路を備えており、上記複数の処理用面の少なくともいずれかが、上記別途の導入路に通じる開口部を少なくとも一つ備え、上記液体または上記気体の内のいずれか他方を上記開口部から上記複数の処理用面間に導入し、上記液体と上記気体とを上記薄膜流体中で混合して、微小気泡を発生させることを特徴とする微小気泡発生方法を提供する。
また、本願の請求項3に係る発明は、請求項2に記載の微小気泡発生方法を用いるものであり、少なくとも1種類の反応物が、上記液体と、上記気体と、上記液体及び上記気体とは異なるさらに他の1種の被処理流動体との、少なくとも何れかの被処理流動体に含まれているものであり、上記薄膜流体中で上記の被処理流動体を混合し、上記気体と上記反応物とを反応させることを特徴とする気液反応方法を提供する。
また、本願の請求項4に係る発明は、請求項2に記載の微小気泡発生方法を用いて上記複数の処理用面間にできる薄膜流体中で発生させた微小気泡と、上記微小気泡を発生させるために上記複数の処理用面間に導入した、上記液体と、上記気体と、前記液体及び前記気体とは異なる他の1種の被処理流動体との、少なくとも何れかの被処理流動体に含まれる反応物とを、上記処理用面間において接触させ、上記微小気泡と上記反応物とを反応させることを特徴とする気液反応方法を提供する。
本願発明は、接近・離反可能に対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する複数の処理用部における複数の処理用面間において、微小気泡を発生させる装置と微小気泡の発生方法とを提供することができたものである。本願発明は、従来の方法に比べて微小気泡を容易に発生させることが可能である。さらに発生させた微小気泡を効率的且つ効果的に反応物を接触させることが可能であるため、従来に比べて効率良く気液反応を行うことを可能とした。
本発明の実施の形態に係る微小気泡発生装置の略断面図である。 (A)は図1に示す微小気泡発生装置の第1処理用面の略平面図であり、(B)は同装置の処理用面の要部拡大図である。 (A)は同装置の第2導入部の断面図であり、(B)は同第2導入部を説明するための処理用面の要部拡大図である。
以下、図面を用いて上記の微小気泡発生装置の実施の形態の一例について説明する。
図1〜図3に示す装置は、特許文献5に記載の流体処理装置と同様であり、接近・離反可能な少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する処理用部における処理用面の間で被処理物を処理するものであって、被処理流動体のうちの第1の被処理流動体である第1流体を処理用面間に導入し、前記第1流体を導入した流路とは独立し、処理用面間に通じる開口部を備えた別の流路から被処理流動体のうちの第2の被処理流動体である第2流体を処理用面間に導入して処理用面間で上記第1流体と第2流体を混合・攪拌して処理を行う装置である。なお、図1においてUは上方を、Sは下方をそれぞれ示しているが、本発明において上下前後左右は相対的な位置関係を示すに止まり、絶対的な位置を特定するものではない。図2(A)、図3(B)においてRは回転方向を示している。図3(B)においてCは遠心力方向(半径方向)を示している。
この装置は、被処理流動体として少なくとも2種類の流体を用いるものであり、そのうちで少なくとも1種類の流体については被処理物を少なくとも1種類含むものであり、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面を備え、これらの処理用面の間で上記の各流体を合流させて薄膜流体とするものであり、当該薄膜流体中において上記の被処理物を処理する装置である。この装置は、上述のとおり、複数の被処理流動体を処理することができるが、単一の被処理流動体を処理することもできる。
この装置は、対向する第1及び第2の、2つの処理用部10,20を備え、少なくとも一方の処理用部が回転する。両処理用部10,20の対向する面が、夫々処理用面となる。第1処理用部10は第1処理用面1を備え、第2処理用部20は第2処理用面2を備える。
両処理用面1,2は、被処理流動体の流路に接続され、被処理流動体の流路の一部を構成する。この両処理用面1,2間の間隔は、適宜変更して実施することができるが、通常は、1mm以下、例えば0.1μmから50μm程度の微小間隔に調整される。これによって、この両処理用面1,2間を通過する被処理流動体は、両処理用面1,2によって強制された強制薄膜流体となる。
この装置を用いて複数の被処理流動体を処理する場合、この装置は、第1の被処理流動体の流路に接続され、当該第1被処理流動体の流路の一部を形成すると共に、第1被処理流動体とは別の、第2被処理流動体の流路の一部を形成する。そして、この装置は、両流路を合流させて、処理用面1,2間において、両被処理流動体を混合し、反応させるなどの流体の処理を行なう。なお、ここで「処理」とは、被処理物が反応する形態に限らず、反応を伴わずに混合・分散のみがなされる形態も含む。
具体的に説明すると、上記の第1処理用部10を保持する第1ホルダ11と、第2処理用部20を保持する第2ホルダ21と、接面圧付与機構と、回転駆動機構と、第1導入部d1と、第2導入部d2と、流体圧付与機構pとを備える。
図2(A)へ示す通り、この実施の形態において、第1処理用部10は、環状体であり、より詳しくはリング状のディスクである。また、第2処理用部20もリング状のディスクである。第1、第2処理用部10、20の材質は、金属の他、カーボン、セラミックや焼結金属、耐磨耗鋼、サファイア、その他金属に硬化処理を施したものや、硬質材をライニングやコーティング、メッキなどを施工したものを採用することができる。この実施の形態において、両処理用部10,20は、互いに対向する第1、第2の処理用面1、2の少なくとも一部が鏡面研磨されている。
この鏡面研磨の面粗度は、特に限定されないが、好ましくはRa0.01〜1.0μm、より好ましくはRa0.03〜0.3μmとする。
少なくとも一方のホルダは、電動機などの回転駆動機構(図示せず)にて、他方のホルダに対して相対的に回転することができる。図1の50は、回転駆動機構の回転軸を示しており、この例では、この回転軸50に取り付けられた第1ホルダ11が回転し、この第1ホルダ11に支持された第1処理用部10が第2処理用部20に対して回転する。もちろん、第2処理用部20を回転させるようにしてもよく、双方を回転させるようにしてもよい。また、この例では、第1、第2ホルダ11、21を固定しておき、この第1、第2ホルダ11、21に対して第1、第2処理用部10、20が回転するようにしてもよい。
第1処理用部10と第2処理用部20とは、少なくとも何れか一方が、少なくとも何れか他方に、接近・離反可能となっており、両処理用面1,2は、接近・離反できる。
この実施の形態では、第1処理用部10に対して、第2処理用部20が接近・離反するもので、第2ホルダ21に設けられた収容部41に、第2処理用部20が出没可能に収容されている。但し、これとは、逆に、第1処理用部10が、第2処理用部20に対して接近・離反するものであってもよく、両処理用部10,20が互いに接近・離反するものであってもよい。
この収容部41は、第2処理用部20の、主として処理用面2側と反対側の部位を収容する凹部であり、平面視において、円を呈する、即ち環状に形成された、溝である。この収容部41は、第2処理用部20を回転させ得る十分なクリアランスを持って、第2処理用部20を収容する。なお、第2処理用部20は軸方向に平行移動のみが可能なように配置してもよいが、上記クリアランスを大きくすることにより、第2処理用部20は、収容部41に対して、処理用部20の中心線を、上記収容部41の軸方向と平行の関係を崩すように傾斜して変位できるようにしてもよく、さらに、第2処理用部20の中心線と収容部41の中心線とが半径方向にずれるように変位できるようにしてもよい。
このように、3次元的に変位可能に保持するフローティング機構によって、第2処理用部20を保持することが望ましい。
上記の被処理流動体は、各種のポンプや位置エネルギーなどによって構成される流体圧付与機構pによって圧力が付与された状態で、第1導入部d1と、第2導入部d2から両処理用面1、2間に導入される。この実施の形態において、第1導入部d1は、環状の第2ホルダ21の中央に設けられた通路であり、その一端が、環状の両処理用部10、20の内側から、両処理用面1、2間に導入される。第2導入部d2は、第1の被処理流動体と反応させる第2の被処理流動体を処理用面1,2へ供給する。この実施の形態において、第2導入部d2は、第2処理用部20の内部に設けられた通路であり、その一端が、第2処理用面2にて開口する。流体圧付与機構pにより加圧された第1の被処理流動体は、第1導入部d1から、両処理用部10,20の内側の空間に導入され、第1処理用面1と第2処理用面2との間を通り、両処理用部10,20の外側に通り抜けようとする。これらの処理用面1,2間において、第2導入部d2から流体圧付与機構pにより加圧された第2の被処理流動体が供給され、第1の被処理流動体と合流し、混合、攪拌、乳化、分散、反応、晶出、晶析、析出などの種々の流体処理がなされ、両処理用面1,2から、両処理用部10,20の外側に排出される。なお、減圧ポンプにより両処理用部10,20の外側の環境を負圧にすることもできる。
上記の接面圧付与機構は、第1処理用面1と第2処理用面2とを接近させる方向に作用させる力を、処理用部に付与する。この実施の形態では、接面圧付与機構は、第2ホルダ21に設けられ、第2処理用部20を第1処理用部10に向けて付勢する。
前記の接面圧付与機構は、第1処理用部10の第1処理用面1と第2処理用部20の第2処理用面2とが接近する方向に押す力(以下、接面圧力という)を発生させるための機構である。この接面圧力と、流体圧力などの両処理用面1、2間を離反させる力との均衡によって、nm単位ないしμm単位の微小な膜厚を有する薄膜流体を発生させる。言い換えれば、上記力の均衡によって、両処理用面1、2間の間隔を所定の微小間隔に保つ。
図1に示す実施の形態において、接面圧付与機構は、上記の収容部41と第2処理用部20との間に配位される。具体的には、第2処理用部20を第1処理用部10に近づく方向に付勢するスプリング43と、空気や油などの付勢用流体を導入する付勢用流体導入部44とにて構成され、スプリング43と上記付勢用流体の流体圧力とによって、上記の接面圧力を付与する。このスプリング43と上記付勢用流体の流体圧力とは、いずれか一方が付与されるものであればよく、磁力や重力などの他の力であってもよい。この接面圧付与機構の付勢に抗して、流体圧付与機構pにより加圧された被処理流動体の圧力や粘性などによって生じる離反力によって、第2処理用部20は、第1処理用部10から遠ざかり、両処理用面間に微小な間隔を開ける。このように、この接面圧力と離反力とのバランスによって、第1処理用面1と第2処理用面2とは、μm単位の精度で設定され、両処理用面1,2間の微小間隔の設定がなされる。上記離反力としては、被処理流動体の流体圧や粘性と、処理用部の回転による遠心力と、付勢用流体導入部44に負圧を掛けた場合の当該負圧、スプリング43を引っ張りスプリングとした場合のバネの力などを挙げることができる。この接面圧付与機構は、第2処理用部20ではなく、第1処理用部10に設けてもよく、双方に設けてもよい。
上記の離反力について、具体的に説明すると、第2処理用部20は、上記の第2処理用面2と共に、第2処理用面2の内側(即ち、第1処理用面1と第2処理用面2との間への被処理流動体の進入口側)に位置して当該第2処理用面2に隣接する離反用調整面23を備える。この例では、離反用調整面23は、傾斜面として実施されているが、水平面であってもよい。被処理流動体の圧力が、離反用調整面23に作用して、第2処理用部20を第1処理用部10から離反させる方向への力を発生させる。従って、離反力を発生させるための受圧面は、第2処理用面2と離反用調整面23とになる。
さらに、この図1の例では、第2処理用部20に近接用調整面24が形成されている。この近接用調整面24は、離反用調整面23と軸方向において反対側の面(図1においては上方の面)であり、被処理流動体の圧力が作用して、第2処理用部20を第1処理用部10に接近させる方向への力を発生させる。
なお、第2処理用面2及び離反用調整面23に作用する被処理流動体の圧力、即ち流体圧は、メカニカルシールにおけるオープニングフォースを構成する力として理解される。処理用面1,2の接近・離反の方向、即ち第2処理用部20の出没方向(図1においては軸方向)と直交する仮想平面上に投影した近接用調整面24の投影面積A1と、当該仮想平面上に投影した第2処理用部20の第2処理用面2及び離反用調整面23との投影面積の合計面積A2との、面積比A1/A2は、バランス比Kと呼ばれ、上記オープニングフォースの調整に重要である。このオープニングフォースについては、上記バランスライン、即ち近接用調整面24の面積A1を変更することで、被処理流動体の圧力、即ち流体圧により調整できる。
摺動面の実面圧P、即ち、接面圧力のうち流体圧によるものは次式で計算される。
P=P1×(K−k)+Ps
ここでP1は、被処理流動体の圧力即ち流体圧を示し、Kは上記のバランス比を示し、kはオープニングフォース係数を示し、Psはスプリング及び背圧力を示す。
このバランスラインの調整により摺動面の実面圧Pを調整することで処理用面1,2間を所望の微小隙間量にし被処理流動体による流動体膜を形成させ、生成物などの処理された被処理物を微細とし、また、均一な反応処理を行うのである。
なお、図示は省略するが、近接用調整面24を離反用調整面23よりも広い面積を持ったものとして実施することも可能である。
被処理流動体は、上記の微小な隙間を保持する両処理用面1,2によって強制された薄膜流体となり、環状の両処理用面1、2の外側に移動しようとする。ところが、第1処理用部10は回転しているので、混合された被処理流動体は、環状の両処理用面1,2の内側から外側へ直線的に移動するのではなく、環状の半径方向への移動ベクトルと周方向への移動ベクトルとの合成ベクトルが被処理流動体に作用して、内側から外側へ略渦巻き状に移動する。
尚、回転軸50は、鉛直に配置されたものに限定するものではなく、水平方向に配位されたものであってもよく、傾斜して配位されたものであってよい。被処理流動体は両処理用面1,2間の微細な間隔にて処理がなされるものであり、実質的に重力の影響を排除できるからである。また、この接面圧付与機構は、前述の第2処理用部20を変位可能に保持するフローティング機構と併用することによって、微振動や回転アライメントの緩衝機構としても機能する。
第1、第2処理用部10、20は、その少なくともいずれか一方を、冷却或いは加熱して、その温度を調整するようにしてもよく、図1では、第1、第2処理用部10、20に温調機構(温度調整機構)J1,J2を設けた例を図示している。また、導入される被処理流動体を冷却或いは加熱して、その温度を調整するようにしもよい。これらの温度は、処理された被処理物の析出のために用いることもでき、また、第1、第2処理用面1、2間における被処理流動体にベナール対流若しくはマランゴニ対流を発生させるために設定してもよい。
図2に示すように、第1処理用部10の第1処理用面1には、第1処理用部10の中心側から外側に向けて、即ち径方向について伸びる溝状の凹部13を形成して実施してもよい。この凹部13の平面形状は、図2(B)へ示すように、第1処理用面1上をカーブして或いは渦巻き状に伸びるものや、図示はしないが、真っ直ぐ外方向に伸びるもの、L字状などに屈曲あるいは湾曲するもの、連続したもの、断続するもの、枝分かれするものであってもよい。また、この凹部13は、第2処理用面2に形成するものとしても実施可能であり、第1及び第2の処理用面1,2の双方に形成するものとしても実施可能である。この様な凹部13を形成することによりマイクロポンプ効果を得ることができ、被処理流動体を第1及び第2の処理用面1,2間に吸引することができる効果がある。
この凹部13の基端は第1処理用部10の内周に達することが望ましい。この凹部13の先端は、第1処理用部面1の外周面側に向けて伸びるもので、その深さ(横断面積)は、基端から先端に向かうにつれて、漸次減少するものとしている。
この凹部13の先端と第1処理用面1の外周面との間には、凹部13のない平坦面16が設けられている。
前述の第2導入部d2の開口部d20を第2処理用面2に設ける場合は、対向する上記第1処理用面1の平坦面16と対向する位置に設けることが好ましい。
この開口部d20は、第1処理用面1の凹部13からよりも下流側(この例では外側)に設けることが望ましい。特に、マイクロポンプ効果によって導入される際の流れ方向が処理用面間で形成されるスパイラル状で層流の流れ方向に変換される点よりも外径側の平坦面16に対向する位置に設置することが望ましい。具体的には、図2(B)において、第1処理用面1に設けられた凹部13の最も外側の位置から、径方向への距離nを、約0.5mm以上とするのが好ましい。特に、流体中から微粒子を析出させる場合には、層流条件下にて複数の被処理流動体の混合と、微粒子の析出が行なわれることが望ましい。
この第2導入部d2は方向性を持たせることができる。例えば、図3(A)に示すように、上記の第2処理用面2の開口部d20からの導入方向が、第2処理用面2に対して所定の仰角(θ1)で傾斜している。この仰角(θ1)は、0度を超えて90度未満に設定されており、さらに反応速度が速い反応の場合には1度以上45度以下で設置されるのが好ましい。
また、図3(B)に示すように、上記の第2処理用面2の開口部d20からの導入方向が、上記の第2処理用面2に沿う平面において、方向性を有するものである。この第2流体の導入方向は、処理用面の半径方向の成分にあっては中心から遠ざかる外方向であって、且つ、回転する処理用面間における流体の回転方向に対しての成分にあっては順方向である。言い換えると、開口部d20を通る半径方向であって外方向の線分を基準線gとして、この基準線gから回転方向Rへの所定の角度(θ2)を有するものである。この角度(θ2)についても、0度を超えて90度未満に設定されることが好ましい。
この角度(θ2)は、流体の種類、反応速度、粘度、処理用面の回転速度などの種々の条件に応じて、変更して実施することができる。また、第2導入部d2に方向性を全く持たせないこともできる。
上記の被処理流動体の種類とその流路の数は、図1の例では、2つとしたが、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。図1の例では、第2導入部d2から処理用面1,2間に第2流体を導入したが、この導入部は、第1処理用部10に設けてもよく、双方に設けてもよい。また、一種類の被処理流動体に対して、複数の導入部を用意してもよい。また、各処理用部に設けられる導入用の開口部は、その形状や大きさや数は特に制限はなく適宜変更して実施し得る。また、上記第1及び第2の処理用面間1、2の直前或いはさらに上流側に導入用の開口部を設けてもよい。
なお、処理用面1,2間にて上記処理を行う事が出来れば良いので、上記とは逆に、第1導入部d1より第2流体を導入し、第2導入部d2より第1流体を導入するものであっても良い。つまり、各流体における第1、第2という表現は、複数存在する流体の第n番目であるという、識別のための意味合いを持つに過ぎないものであり、第3以上の流体も存在し得る。
上記装置においては、析出・沈殿または結晶化のような処理が、図1に示すように、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1、2の間で強制的に均一混合しながら起こる。処理された被処理物の粒子径や単分散度は処理用部10、20の回転数や流速、処理用面1,2間の距離や、被処理流動体の原料濃度、または被処理流動体の溶媒種等を適宜調整することにより、制御することができる。
以下、上記の装置を用いて行う微小気泡発生方法の具体的な態様について説明する。
上記の装置においては、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面の間に形成される薄膜流体中で、被処理流動体である液体と気体とを混合させ、微小気泡を発生させる。
上記微小気泡の発生は、本願の図1に示す装置の、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間で、被処理流動体である液体と気体とを強制的に均一混合させることによって起こる。
まず、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として液体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体から構成された薄膜流体である第1流体膜を作る。
次いで別流路である第2導入部d2より、第2流体として気体を、上記処理用面1,2間に作られた第1流体膜に直接導入する。
上記のように、被処理流動体の供給圧と回転する処理用面の間にかかる圧力との圧力バランスによって距離を固定された処理用面1,2間にて、第1流体と第2流体とが混合され、微小気泡を発生させる事が出来る。より具体的には、処理用面1,2間に形成される第1流体である液体の薄膜流体中に導入された第2流体である気体は、その時点で処理用面1,2間の微小間隔と同等の厚み0.1μm〜1mmとされる。さらに処理用面が相対的に回転することによって、気体を液体中に瞬間的に混合・拡散させることが可能であり、処理用面1,2間に導入された気体は容易に微小な気泡となる。処理用面の回転数や処理用面1,2間に導入される被処理流動体の温度、使用する被処理流動体である液体や気体の種類によって、気泡の大きさまたは気泡の径を容易に変更することが可能である。
なお、処理用面1,2間にて上記反応を行う事が出来れば良いので、上記とは逆に、第1導入部d1より第2流体を導入し、第2導入部d2より第1流体を導入するものであっても良い。つまり、各流体における第1、第2という表現は、複数存在する流体の第n番目であるという、識別のための意味合いを持つに過ぎないものであり、第3以上の流体も存在し得る。
第1流体と第2流体の組み合わせとしては、特に限定されないが、液体を含む流体と、気体を含む流体であれば実施できる。
本発明における気体は特に限定されない。全ての物質における、特定環境下(圧力、温度など)において、気体として存在するものを、気体として処理用面1,2間に導入することができればどのような気体も使用する事ができる。一例を挙げると、水素や窒素、酸素、酸化炭素(一酸化炭素や二酸化炭素など)、二酸化硫黄や塩化水素、塩素や酸化窒素(一酸化窒素や二酸化窒素など)、アセチレンやアルゴン、ヘリウムなどの気体が挙げられる。上記の気体はそれぞれ単独で使用しても良く、または複数以上を混合して使用しても良い。また、これらの気体には、本発明に影響を及ぼさない程度において、固体や液体を含んでも実施できる。なお、これらの気体と後述する液体とを一つの導入部から同時に処理用面1,2間に導入してもよい。
本発明における液体は特に限定されない。全ての物質における、特定環境下(圧力、温度など)において、液体として存在するものを、液体として処理用面1,2間に導入することができればどのような液体も使用する事ができる。一例を挙げると水や有機溶媒、またはそれらの複数からなる混合溶媒が挙げられる。前記水としては、水道水やイオン交換水、純水や超純水、RO水などが挙げられ、有機溶媒としては、アルコール化合物溶媒、アミド化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、エーテル化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、二硫化炭素、脂肪族化合物溶媒、ニトリル化合物溶媒、スルホキシド化合物溶媒、ハロゲン化合物溶媒、エステル化合物溶媒、イオン性液体、カルボン酸化合物、スルホン酸化合物などが挙げられる。上記の溶媒はそれぞれ単独で使用しても良く、または複数以上を混合して使用しても良い。また、これらの液体には、本発明に影響を及ぼさない程度において、水酸化ナトリウム等の固体や塩化水素等の気体を含んでも実施できる。なお、これらの液体と上記に挙げた気体とを一つの導入部から同時に処理用面1,2間に導入してもよい。
本発明においては、上記に挙げたような気体と液体とを処理用面1,2間において混合・拡散させることによって、微小気泡を発生させることができるが、本発明における気泡の径は特に限定されない。好ましくは100μm以下、より好ましくは10μm以下である。目的とする微小気泡の上昇時間や安定性、後述する気液反応の種類などによって、適宜変更可能である。また、微小気泡の径の測定方法については特に限定されない。例えば、上記に挙げたような気体と液体とを処理用面1,2間において混合・拡散処理後に吐出される吐出液中の微小気泡の粒度分布測定や顕微鏡観察などが挙げられる。
本発明においては、上記の微小気泡発生方法を用いて、処理用面1,2間にできる薄膜流体中で被処理流動体を混合することによって、上記に挙げた気体と後述する反応物とを反応させる気液反応を容易に行うことが可能である。上記の気液反応には、被処理流動体を処理用面間1,2に導入直後に被処理流動体が接触することによって上記気体と上記反応物とが反応する場合も含むものとする。また、本発明においては、上記の微小気泡発生方法にて処理用面1,2間にできる薄膜流体中で発生させた微小気泡と後述する反応物とを、上記処理用面1,2間において接触させることによって、気液反応を容易に行うことが可能である。その際、上記の反応物は、上記液体と、上記気体と、上記液体とも上記気体とも異なる第3の流体の少なくとも何れかの被処理流動体に含まれるものとする。
また、これらの気液反応をバルーン構造を有する生成物の作製にも用いることが出来る。上記のバルーン構造を有する生成物は特に限定されないが、中空の固体粒子や中空のエマルションなどが挙げられ、一例を挙げると、中空のケイ素化合物などのセラミックスまたはそれらの微粒子や、中空の樹脂エマルションや樹脂微粒子のほか、顔料や金属、酸化物や水酸化物、窒化物や炭化物、塩類などの各種化合物や有機化合物の中空構造の粒子などが挙げられる。
本発明における反応物は特に限定されない。目的とする気液反応によって、適宜その反応物と気体の種類とを選択して実施できる。上記したような気体の気泡と反応させる反応物として一例を挙げると、細菌やウィルスなどの生物や蛋白、無機物及び/または有機物の各種物質(医薬品や顔料などを含む)や、金属や非金属、または金属や非金属の化合物(無機塩や有機塩、酸化物や水酸化物、窒化物やホウ化物などを含む)などが挙げられる。これらの反応物は上記液体に溶解または分子分散された溶液状態として実施するか、固体のまま混合された状態、例えば微粒子の分散液としても実施することが好ましい。また、上記反応物は、上述の通り上記に挙げた気体や後述する第3の流体に含まれていてもよい。上記反応物が、上記気体に含まれている場合、上記反応物に対する上記気体の反応性は、活性であっても不活性であっても実施できる。
本発明においては、本発明に影響を及ぼさない程度において、上記に挙げた気体または液体、もしくはその両方にブロック共重合体や高分子ポリマー、界面活性剤などの分散剤を含んでもよい。また、上記の分散剤は、上記気体を含む流体とも上記液体を含む流体とも異なる第3の流体に含まれていてもよい。
前述のように、第1導入部d1、第2導入部d2以外に第3導入部d3を上記の装置に設けることもできるが、この場合にあっては、例えば各導入部から、第1流体して上記に挙げた液体、第2流体として上記に挙げた気体、第3流体として反応物を含む流体をそれぞれ別々に処理装置に導入して気液反応を行うことが可能である。そうすると、各流体の種類や濃度、圧力を個々に管理することができ、微小気泡の発生条件及び微小気泡の径やその安定化、発生させた微小気泡と反応物との反応条件などをより精密に制御することができる。なお、各導入部へ導入する被処理流動体(第1流体〜第3流体)の組み合わせは、任意に設定できる。第4以上の導入部を設けた場合も同様であって、このように上記の装置へ導入する流体を細分化できる。この場合、反応物は、少なくとも上記の第3流体に含まれていればよく、上記の第1流体、上記の第2流体の少なくともいずれか一方にも含まれていてもよく、上記第1流体及び第2流体の双方に含まれていなくてもよい。
さらに、第1、第2流体等の被処理流動体の温度を制御したり、第1流体と第2流体等との温度差(即ち、供給する各被処理流動体の温度差)を制御することもできる。供給する各被処理流動体の温度や温度差を制御するために、各被処理流動体の温度(上記の装置、より詳しくは、処理用面1,2間に導入される直前の温度)を測定し、処理用面1,2間に導入される各被処理流動体の加熱又は冷却を行う機構を付加して実施することも可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。しかし、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
実施例1〜4として、水酸化ナトリウム水溶液(液体)と炭酸ガス(二酸化炭素の気体)とを、図1に示すように、特許文献5に示された装置と同様の原理の微小気泡発生装置を用いて、処理用面1,2間に形成される薄膜流体中で混合し、水酸化ナトリウムと二酸化炭素を反応させて炭酸水素ナトリウムを得る気液反応を行った。また、実施例5〜8として、ドデシル硫酸ナトリウム水溶液(以下、SDS水溶液)と窒素ガスとを、図1に示すように、特許文献5に示された装置と同様の原理の微小気泡発生装置を用いて、処理用面1,2間に形成される薄膜流体中で混合し、微小気泡を発生させた。
尚、以下の実施例において、「中央から」というのは、図1に示す処理装置の「第1導入部d1から」という意味であり、第1流体は、第1導入部d1から導入される、前述の第1被処理流動体を指し、第2流体は、図1に示す処理装置の第2導入部d2から導入される、前述の第2被処理流動体を指す。
(実施例1〜4)
中央から第1流体の液体として水酸化ナトリウム水溶液を、供給圧力=0.30MPaG、表1の回転数で送液しながら、第2流体の気体として、炭酸ガス(二酸化炭素の気体)を処理用面1,2間に25℃で導入し、第1流体と第2流体とを薄膜流体中で混合した。第1流体並びに第2流体の送液温度は、第1流体と第2流体のそれぞれの温度を処理装置導入直前(より詳しくは、処理用面1,2間に導入される直前)にて測定した。炭酸水素ナトリウムを含む液が処理用面1,2より吐出された。吐出された炭酸水素ナトリウムを含む液をエバポレーターにて乾固し、熱分解して炭酸水素ナトリウムを炭酸ナトリウムに変化させた。その後、ワルデ法によって、炭酸ナトリウムの生成量を算出し、算出された炭酸ナトリウムから気液反応によって生じた炭酸水素ナトリウムの量を算出した。表1に処理条件並びに反応処理に対する炭酸水素ナトリウムの生成量を収率(wt%)として記載する。なお、処理用面1,2より吐出された炭酸水素ナトリウムを含む液には、炭酸ガスの微小気泡が含まれていたことを目視にて確認した。
Figure 2015180501
(比較例)
実施例2の比較例として、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶100mlをビーカーにてマグネティックスターラーを用いて25℃で攪拌しながら、炭酸ガスを25℃で400ml/minにて1分間投入・混合した。炭酸ガス混合後の炭酸水素ナトリウムを含む液をエバポレーターにて乾固し、熱分解して炭酸水素ナトリウムを炭酸ナトリウムに変化させた。その後、ワルデ法によって、炭酸ナトリウムの生成量を算出し、算出された炭酸ナトリウムから気液反応によって生じた炭酸水素ナトリウムの量を算出た。結果、炭酸水素ナトリウムの生成量を収率は46wt%であった。
表1より、処理用面1,2間において、本願発明に係る微小気泡発生装置を用いて気液反応を行うことによって、従来の方法よりも効率的に気液反応を行うことが可能であることがわかった。以上の結果から、本願発明に係る微小気泡発生装置を用いて、処理用面1,2間において発生させた二酸化炭素の微小気泡と反応物とを処理用面1,2間において効率良く接触させることができたものと推測される。
(実施例5〜8)
中央から第1流体の液体としてSDS水溶液を、供給圧力=0.30MPaG、表2の回転数で送液しながら、第2流体の気体として、窒素ガスを処理用面1,2間に25℃で導入し、第1流体と第2流体とを薄膜流体中で混合した。第1流体並びに第2流体の送液温度は、第1流体と第2流体のそれぞれの温度を処理装置導入直前(より詳しくは、処理用面1,2間に導入される直前)にて測定した。窒素ガスの微小気泡を含む液が処理用面1,2より吐出された。吐出された窒素ガスを含む液を光学顕微鏡にて観察し、窒素ガスの気泡粒子径を確認した。
Figure 2015180501
表2より、本願発明に係る微小気泡発生装置を用いて、処理用面1,2間において、窒素ガスの気泡を容易に発生させることが可能であることがわたった。また、その気泡の大きさが1mm以下であったことから、処理用面1,2間において、微小気泡が形成されることが確認できた。さらに、発生させた微小気泡は、その表面積(界面積)が大きいために、発生させた微小気泡と反応物とを処理用面1,2間において効率良く接触させることによって、微小気泡を用いた気液反応の反応効果が期待できる。
1 第1処理用面
2 第2処理用面
10 第1処理用部
11 第1ホルダ
20 第2処理用部
21 第2ホルダ
d1 第1導入部
d2 第2導入部
d20 開口部
上記課題を解決するために、本願の請求項1に係る発明は、接近・離反可能に対向して配設され、一方が他方に対して回転する複数の処理用部と、上記複数の処理用部のそれぞれにおいて互いに対向する位置に設けられた複数の処理用面の間において、被処理流動体として液体と気体とを混合して微小気泡を発生させるものであり、上記複数の処理用部として第1処理用部と第2処理用部とを備え、上記第1処理用部が上第2処理用部に対して回転するものであり、上記複数の処理用面間の間隔は、1mm以下に調整され、上記液体が薄膜流体を形成しながら上記複数の処理用面間を通過し、上記液体が流される流路とは独立した別途の導入路を備えており、上記複数の処理用面の少なくともいずれかが、上記別途の導入路に通じる開口部を少なくとも一つ備え、上記気体を上記開口部から上記複数の処理用面間に導入し、上記液体と上記気体とを上記薄膜流体中で混合して、微小気泡を発生させて、上記複数の処理用面間から上記微小気泡を含む上記液体を排出するものであり、上記液体がドデシル硫酸ナトリウム水溶液であり、上記気体が窒素ガスであって、窒素ガスの微小気泡を発生させるものであり、上記複数の処理用面間に導入される液体と気体との少なくともいずれか一方に関する特定の条件を変化させることによって、上記微小気泡の粒子径を制御するものであり、上記特定の条件が、上記液体と気体とのうちの少なくともいずれか一方の導入速度と、上記第1処理用部の回転数とからなる群から選択された少なくとも1つであることを特徴とする微小気泡発生方法を提供する。
また、本願の請求項2に係る発明は、上記液体と気体のそれぞれの導入速度が速く、かつ、上記第1処理用部の回転数が速いほど、粒子径が小さい微小気泡が得られるよう制御するものであることを特徴とする、請求項1に記載の微小気泡発生方法を提供する。
また、本願の請求項3に係る発明は、上記微小気泡の粒子径が1mm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の微小気泡発生方法を提供する。
また、本願の請求項4に係る発明は、上記複数の処理用面間は環状の空間であり、上記別途の導入路は、上記複数の処理用部の少なくともいずれかの内部に設けられ、その一端が同処理用部の処理用面にて開口して上記開口部を形成するものであり、上記複数の処理用面間に突出していない上記開口部から上記気体を上記複数の処理用面間に導入し、上記液体と気体との混合を層流条件下の上記薄膜流体中で行い、上記複数の処理用面間から上記微小気泡を含む上記液体を排出することを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の微小気泡発生方法を提供する。
また、本願の請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れかに記載の微小気泡発生方法に用いられる装置であって、接近・離反可能に対向して配設され、一方が他方に対して回転する複数の処理用部と、上記複数の処理用部のそれぞれにおいて互いに対向する位置に設けられた複数の処理用面と、上記複数の処理用面の間に通じる少なくとも二つの独立した流路とを備え、上記少なくとも二つの独立した流路から上記複数の処理用面間に被処理流動体を導入して流体処理を行うものであり、上記複数の処理用部として第1処理用部と第2処理用部とを備え、上記第1処理用部が上第2処理用部に対して回転するものであり、上記複数の処理用面間の間隔は、1mm以下に調整され、上記少なくとも二つの独立した流路の内、一方の流路より被処理流動体の1種である液体を導入し、他方の流路より被処理流動体の他の1種である気体を導入することによって、上記複数の処理用面間において気泡を発生させることを特徴とする、微小気泡発生装置を提供する。
また、本願の請求項6に係る発明は、上記複数の処理用面間は環状の空間であり、上記少なくとも二つの独立した流路のうちの少なくともいずれかは、上記複数の処理用部の少なくともいずれかの内部に設けられ、その一端が同処理用部の処理用面にて開口しており、同処理用面から上記複数の処理用面間に突出していないものであることを特徴とする、請求項5に記載の微小気泡発生装置を提供する。

Claims (4)

  1. 接近・離反可能に対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する複数の処理用部と、前記複数の処理用部のそれぞれにおいて互いに対向する位置に設けられた複数の処理用面と、上記複数の処理用面の間に通じる少なくとも二つの独立した流路とを備え、
    上記少なくとも二つの独立した流路から上記複数の処理用面間に被処理流動体を導入して流体処理を行うものであり、
    上記少なくとも二つの独立した流路の内、一方の流路より被処理流動体の1種である液体を導入し、他方の流路より被処理流動体の他の1種である気体を導入することによって、上記複数の処理用面間において気泡を発生させることを特徴とする微小気泡発生装置。
  2. 接近・離反可能に対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する複数の処理用部と、前記複数の処理用部のそれぞれにおいて互いに対向する位置に設けられた複数の処理用面において、被処理流動体として液体と気体とを混合して微小気泡を発生させるものであり、
    上記液体または気体の内の何れか一方が薄膜流体を形成しながら上記複数の処理用面間を通過し、上記液体または気体の内のいずれか一方が流される流路とは独立した別途の導入路を備えており、上記複数の処理用面の少なくともいずれかが、上記別途の導入路に通じる開口部を少なくとも一つ備え、
    上記液体または上記気体の内のいずれか他方を上記開口部から上記複数の処理用面間に導入し、
    上記液体と上記気体とを上記薄膜流体中で混合して、微小気泡を発生させることを特徴とする微小気泡発生方法。
  3. 請求項2に記載の微小気泡発生方法を用いるものであり、
    少なくとも1種類の反応物が、上記液体と、上記気体と、上記液体及び上記気体とは異なるさらに他の1種の被処理流動体との、少なくとも何れかの被処理流動体に含まれているものであり、
    上記薄膜流体中で上記の被処理流動体を混合し、上記気体と上記反応物とを反応させることを特徴とする気液反応方法。
  4. 請求項2に記載の微小気泡発生方法を用いて上記複数の処理用面間にできる薄膜流体中で発生させた微小気泡と、
    上記微小気泡を発生させるために上記複数の処理用面間に導入した、上記液体と、上記気体と、前記液体及び前記気体とは異なる他の1種の被処理流動体との、少なくとも何れかの被処理流動体に含まれる反応物とを、
    上記複数の処理用面間において接触させ、上記微小気泡と上記反応物とを反応させることを特徴とする気液反応方法。
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