JP2015180051A - 無線受信装置及び無線受信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】送信情報量が少ない場合でも他システムからの信号を排除して自システムの多値FSK変調波のみを正確に受信復調する。
【解決手段】各シンボル期間が、FFT期間とFFT期間より短い所定の一定期間との和の期間以上に設定されて送信された、シンボル長が既知の多値FSK変調波に対して、FFT演算部1311は、一定期間経過すると新たな別のFFT期間を設定することを繰り返しながら各FFT期間毎に逐次FFTを行う。判定部1313は、FSK変調波がどのようなタイミングで受信されたとしても、受信FSK変調波の1シンボル内に必ず1つのFFT期間が入り、かつ、FFT期間の長さが最大になるため、FSK変調波の正規の電文の長さ以上の長さの信号は不要信号として排除でき、また、1シンボルの受信強度よりも小さな信号や、シンボル期間よりも短い信号もそれぞれ不要信号として排除する。
【選択図】図4

Description

本発明は無線受信装置及び無線受信方法に係り、特に多値のFSK変調波を受信する無線受信装置及び無線受信方法に関する。
可搬型の移動体である無線通信端末は電池を動作電源とするため、特に大きな電力を必要とする無線通信を行う無線通信端末では、低消費電力化が求められている。そこで、デジタル変調された被変調波信号(デジタル変調波ともいう)を無線送受信する無線通信端末では、低消費電力化のため1シンボルの情報量を増加させて通信時間を低減するためにデータを多値化して、例えば多値のFSK(Frequency Shift Keying:周波数偏移変調)などの変調方式で変調されたデジタル変調波を送受信している(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−152814号公報
しかるに、特許文献1記載の無線通信端末における多値FSKの多値化数は4程度であり、従来の2値のFSK通信に比べて低消費電力化のための多値化が十分とはいえない。また、送信情報量が少ない場合は最低2シンボルのFSK信号を送信することとなるが、このような単純な送信FSK信号を受信する場合は、他システムからの信号を排除して自システムの送信FSK信号のみを誤りなく受信する必要がある。
この問題は送受信する電文(パケット)の通信時間を短縮することで送信側無線通信端末の消費電力を低減するために、送信するFSK信号中に同期コードや誤り検出符号を含まず、電文そのものだけを無線送信する無線通信システムに用いられる無線受信装置において特に影響が大きい。
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、送信情報量が少ない場合でも他システムからの信号を排除して自システムの多値FSK変調波のみを正確に受信復調する無線受信装置及び無線受信方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の無線受信装置は、各シンボル期間が、受信側の高速フーリエ変換の単位演算期間であるFFT(Fast Fourier Transform)期間とFFT期間より短い所定の一定期間との和の期間以上に設定されて送信された、シンボル数が既知の多値FSK変調波を無線受信する受信手段と、受信手段により受信された多値FSK変調波に対して、FFT期間毎に高速フーリエ変換するとともに、各FFT期間開始後一定期間経過すると新たな別のFFT期間を設定することを繰り返しながら各FFT期間毎に同時並行的に高速フーリエ変換を行い、各FFT期間の演算結果として周波数スペクトルを得るFFT演算手段と、FFT演算手段による各FFT期間毎の演算結果を記憶する記憶手段と、記憶手段から読み出した各FFT期間毎の演算結果である周波数スペクトルの周波数成分の信号強度の最大値が、信号成分と想定される信号強度より小なる第1の閾値以上である複数のFFT期間の演算結果を複数の第1のFFT演算結果として検出する第1の検出手段と、複数の第1のFFT演算結果が示す各周波数スペクトルのうち、最大値の周波数成分以外の周波数成分の信号強度が第1の閾値より小なる第2の閾値以上である周波数成分が無い2以上の周波数スペクトルのFFT演算結果を、既知のシンボル数のシンボルの第2のFFT演算結果として検出する第2の検出手段と、記憶手段から読み出した各FFT期間毎の演算結果に基づき、既知のシンボル数の各シンボルにおいて最初に第2のFFT演算結果が得られた第1のシンボルより既知のシンボル期間に対応した一定期間の複数倍期間前の1FFT期間と、最後に第2のFFT演算結果が得られた第2のシンボルより既知のシンボル期間に対応した一定期間の複数倍期間後の1FFT期間の両方の演算結果である両周波数スペクトルにおいて、信号強度が前記第1の閾値より小なる第3の閾値以上である周波数成分が無いことを検出する第3の検出手段と、第3の検出手段により信号強度が第3の閾値以上である周波数成分が無いと検出されたときの複数の第2のFFT演算結果に対して復調処理を行う復調手段とを備えることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、本発明の無線受信装置は、前記第2及び第3の検出手段に代えて、
記憶手段から読み出した各FFT期間毎の演算結果に基づき、複数の第1のFFT演算結果のうち最初に第1のFFT演算結果が得られた第1のFFT期間の演算結果である周波数スペクトル中の信号強度の第1の最大値と、最後に第1のFFT演算結果が得られた第2のFFT期間の演算結果である周波数スペクトル中の信号強度の第2の最大値と、第1のFFT期間より既知のシンボル期間に対応した一定期間の複数倍期間前の第3のFFT期間の演算結果である周波数スペクトルにおける第1の最大値と同じ周波数の第1の信号の信号強度及び第2の最大値と同じ周波数の第2の信号の信号強度と、第2のFFT期間より既知のシンボル期間に対応した一定期間の複数倍期間後の第4のFFT期間の演算結果である周波数スペクトルにおける第1の最大値と同じ周波数の第3の信号の信号強度及び第2の最大値と同じ周波数の第4の信号の信号強度とを抽出し、第1の最大値と第1の信号及び第3の信号の各信号強度との第1及び第2の差分値と、第2の最大値と第2の信号及び第4の信号の各信号強度との第3及び第4の差分値とのうち、少なくとも第1及び第4の差分値、又は第2及び第3の差分値が所定の第5の閾値より大であることを検出する第4の検出手段を備え、復調手段は、第4の検出手段により第1及び第4の差分値、又は第2及び第3の差分値が所定の第5の閾値より大であることが検出されたときの複数の第1のFFT演算結果に対して復調処理を行うことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、本発明の無線受信方法は、各シンボル期間が、受信側の高速フーリエ変換の単位演算期間であるFFT期間とFFT期間より短い所定の一定期間との和の期間以上に設定されて送信された、シンボル数が既知の多値FSK変調波を無線受信する受信ステップと、受信ステップにより受信された多値FSK変調波に対して、FFT期間毎に高速フーリエ変換するとともに、各FFT期間開始後一定期間経過すると新たな別のFFT期間を設定することを繰り返しながら各FFT期間毎に同時並行的に高速フーリエ変換を行い、各FFT期間の演算結果として周波数スペクトルを得るFFT演算ステップと、FFT演算ステップによる各FFT期間毎の演算結果を記憶部に記憶する記憶ステップと、記憶部から読み出した各FFT期間毎の演算結果である周波数スペクトルの周波数成分の信号強度の最大値が、信号成分と想定される信号強度より小なる第1の閾値以上である複数のFFT期間の演算結果を複数の第1のFFT演算結果として検出する第1の検出ステップと、複数の第1のFFT演算結果が示す各周波数スペクトルのうち、最大値の周波数成分以外の周波数成分の信号強度が第1の閾値より小なる第2の閾値以上である周波数成分が無い2以上の周波数スペクトルのFFT演算結果を、既知のシンボル数のシンボルの第2のFFT演算結果として検出する第2の検出ステップと、記憶部から読み出した各FFT期間毎の演算結果に基づき、第2のFFT演算結果が得られる既知のシンボル数の各シンボルにおいて最初に第2のFFT演算結果が得られた第1のシンボルより既知のシンボル期間に対応した一定期間の複数倍期間前の1FFT期間と、最後に第2のFFT演算結果が得られた第2のシンボルより既知のシンボル期間に対応した一定期間の複数倍期間後の1FFT期間の両方の演算結果である両周波数スペクトルにおいて、信号強度が第1の閾値より小なる第3の閾値以上である周波数成分が無いことを検出する第3の検出ステップと、第3の検出ステップにより信号強度が第3の閾値以上である周波数成分が無いと検出されたときの2以上の第2のFFT演算結果に対して復調処理を行う復調ステップとを含むことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、本発明の無線受信方法は、前記第2及び第3の検出ステップに代えて、
記憶手段から読み出した各FFT期間毎の演算結果に基づき、複数の第1のFFT演算結果のうち最初に第1のFFT演算結果が得られた第1のFFT期間の演算結果である周波数スペクトル中の信号強度の第1の最大値と、最後に第1のFFT演算結果が得られた第2のFFT期間の演算結果である周波数スペクトル中の信号強度の第2の最大値と、第1のFFT期間より既知のシンボル期間に対応した一定期間の複数倍期間前の第3のFFT期間の演算結果である周波数スペクトルにおける第1の最大値と同じ周波数の第1の信号の信号強度及び第2の最大値と同じ周波数の第2の信号の信号強度と、第2のFFT期間より既知のシンボル期間に対応した一定期間の複数倍期間後の第4のFFT期間の演算結果である周波数スペクトルにおける第1の最大値と同じ周波数の第3の信号の信号強度及び第2の最大値と同じ周波数の第4の信号の信号強度とを抽出し、第1の最大値と第1の信号及び第3の信号の各信号強度との第1及び第2の差分値と、第2の最大値と第2の信号及び第4の信号の各信号強度との第3及び第4の差分値とのうち、少なくとも第1及び第4の差分値、又は第2及び第3の差分値が所定の第5の閾値より大であることを検出する第4の検出ステップを備え、復調ステップは、第4の検出ステップにより第1及び第4の差分値、又は第2及び第3の差分値が所定の第5の閾値より大であることが検出されたときの複数の第1のFFT演算結果に対して復調処理を行うことを特徴とする。
本発明によれば、自システムのFSK変調波の既知のシンボル数(電文の長さ)以上の長さの信号は不要信号として排除でき、また、1シンボルの受信信号強度よりも小さな信号や、シンボル期間よりも短い信号もそれぞれ不要信号として排除することができ、自システムの受信FSK変調波のみを正確に判別して復調できる。
本発明の無線受信装置の一実施の形態の全体ブロック図である。 図1中のアナログフロントエンドの一例のブロック図である。 図1中のデジタル処理モジュールの一実施形態の概略ブロック図である。 図1中のデジタル処理モジュールの第1の実施形態の構成説明図である。 図4中のFFT演算部におけるFFT演算動作を説明するための、入力FSK変調波に対するFFT期間の時間タイミング及びFFT演算結果の各例を示す図である。 本発明におけるFSK変調波とFFTポイント及びアップデートポイントの関係の一例を示す図である。 FFT演算結果の時間変化の一例を示す図である。 図4の第1の実施形態の問題点を説明するFFT演算結果の時間変化を示す図である。 図1中のデジタル処理モジュールの第2の実施形態の構成説明図である。 図9の動作説明用のFFT演算結果の時間変化を示す図である。 本発明の無線受信装置におけるFFT演算結果の一実施例を示す図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態の無線受信装置は、一例として322MHz以下の周波数を用いて無線通信を行う、微弱電波規格を採用したセンサネットワークシステムで用いられる。このセンサネットワークシステムは、例えば可搬型の無線送信端末においてセンサから得た情報を多値FSK変調して無線送信し、ネットワークを介して無線送信された多値FSK変調波を本実施形態の無線受信装置により受信して復調するシステムである。このセンサネットワークシステムでは、無線送信端末は電池を動作電源とする可搬型であり、できるだけ消費電力を低減することが要求されるのに対し、無線受信装置は電池を動作電源としない非可搬型で消費電力の低減は無線送信端末に比べて厳しく要求はされない。そこで、本実施形態の無線受信装置は、可搬型無線送信端末の消費電力低減のために、可搬型無線送信端末が送信する多値FSK変調波の多値化数を256(=28)と従来に比べて大幅に多くし、かつ、同期コード及び誤り検出コードの無いFSK変調波を2シンボル送信するセンサネットワークシステムに適用され、この256値FSK変調波を受信するものとする。
なお、本実施の形態が適用される微弱電波規格は、例えば無線設備から3mの距離での電界強度が、322MHz以下の周波数領域では500μV/m以下であり、322MHz〜10GHzの周波数領域では35μV/m以下であり、10GHz〜150GHzの周波数領域では周波数が高くなるほど35μV/mから500μV/mまで直線的に増加する線分で示される電界強度以下の強度であり、150GHz以上の周波数領域では500μV/m以下に規定された、無線局の免許不要な規格である。
図1は、本発明の無線受信装置の一実施の形態の全体ブロック図を示す。図1において、無線受信装置10は、受信アンテナ11で受信したRF信号帯の多値FSK変調波を高周波受信処理して受信FSK変調波のデジタル信号を出力するアナログフロントエンド12と、アナログフロントエンド12から出力されたデジタル信号に基づいて、受信信号が他のシステムから混入した多値FSK変調波等の信号であるか否かを判定し、他のシステムから混入した信号を排除して自システムの受信多値FSK変調波のデジタル信号のみを出力するデジタル処理モジュール13と、デジタル処理モジュール13から出力されたデジタル信号を処理して受信FSK変調波の電文情報内容を解析する処理装置14とから構成される。処理装置14は、パーソナルコンピュータなどから構成されている。
本実施形態の無線受信装置10は、デジタル処理モジュール13の構成に特徴があり、アナログフロントエンド12及び処理装置14は公知の構成である。すなわち、アナログフロントエンド12は図2のブロック図に示す一般的な構成とされている。図2において、アナログフロントエンド12は、受信アンテナ11で受信された受信信号中の不要周波数成分をフィルタ121により除去して、受信信号中の高周波数帯の多値FSK変調波のみを低雑音増幅器(LNA)122で増幅してダウンコンバータ123へ供給して、所定の中間周波数(IF)帯の受信多値FSK変調波に周波数変換する。次に、アナログフロントエンド12は、ダウンコンバータ123から出力されたIF帯の多値FSK変調波をIFアンプ124で所要のレベルまで増幅した後、低域フィルタ(LPF)125で不要周波数成分を除去し、信号周波数成分のみ取り出してAD変換器(ADC)126に供給して所定のサンプリング周波数でサンプリングしたデータからなるデジタル信号に変換させる。このようにして、アナログフロントエンド12は、受信信号から受信多値FSK変調波のデジタル信号を生成してデジタル処理モジュール13へ出力する。
図3は、デジタル処理モジュール13の一実施形態の概略ブロック図を示す。図3に示すように、デジタル処理モジュール13は、アナログフロントエンド12から出力された受信デジタル信号中から他システムからの信号(以下、不要信号という)を排除し、自システムの受信多値FSK変調波のみを検出する自システム信号検出部131と、自システム信号検出部131により自システムからの受信多値FSK波であると検出されたデジタル信号の復調を行い、復調データを出力するデコード部132とから構成されている。自システム信号検出部131は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)やPLD(Programmable Logic Device)などの半導体集積回路で構成されている。また、デコード部132は、MCU(Micro Controller Unit)などのコンピュータで構成されている。
ここで、本実施形態の無線受信装置10は、前述したようにデジタル処理モジュール13の構成に特徴があり、その中でも自システム信号検出部131の構成に特徴がある。図4は、自システム信号検出部131の第1の実施形態の構成説明図を示す。図4に示すように、本実施形態の自システム信号検出部131Aは、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を行うFFT演算部1311と、FFT演算部1311の演算結果を記憶する記憶部1312と、FFT演算部1311及び記憶部1312からの信号に基づいて他システムからの不要信号やノイズを誤りとして検出して排除し、自システムの受信多値FSK変調波のみ検出して出力するための判定処理を行う判定部1313とから構成されている。なお、判定部1313については、その動作を図4にフローチャートで示してある。
次に、図4の自システム信号検出部131Aの動作について説明する。FFT演算部1311は、無線送信端末(図示せず)から送信された多値FSK変調波(ここでは、256値FSK変調波)を受信し、アナログフロントエンド12によりデジタル化された受信信号を以下、説明する高速フーリエ変換(FFT)を行い、時系列の連続的な周波数スペクトルを生成する。
ここで、FFT演算部1311の動作について更に詳細に説明する。
FFT演算部1311では、予め設定されたFFTポイント分の複数の入力サンプリングデータを蓄積してその全体に対して所定期間(これを「FFT期間」というものとする)FFTを行う。このとき、図5(A)に示すように入力されるFSK変調波21のサンプリングデータに対し、FFT期間がW1で示すようにそのすべてがFSK変調波21のシンボル期間を含む位置にある場合は、そのときの入力サンプリングデータに対してFFTを行って得られた時系列の連続的な周波数スペクトルにおける周波数と信号強度との関係は図5(B)に示すように、ピークレベルが急峻で大レベルでその周波数範囲が狭い、いわゆる周波数分解能が良いものとなる。
これに対して、図5(A)に示すように入力されるFSK変調波21のサンプリングデータに対し、FFT期間がW2で示すようにFSK変調波21のシンボル期間の一部のみしか含まない位置にある場合や、FFT期間がW3で示すようにそのすべてがFSK変調波21の信号部分を含んでいてもFSK変調波21のシンボル期間がFFT期間W3よりも短い場合には、そのときの入力サンプリングデータに対してFFTを行って得られた時系列の連続的なスペクトルにおける周波数と信号強度との関係は図5(C)に示すように、ピークレベルの信号強度が低く、かつ、ピークレベルとほぼ同程度の信号強度の周波数範囲が広い、いわゆる周波数分解能が悪いものとなる。このように、FFTの周波数分解能は、時間分解能とトレードオフの関係にあることが知られている。
ここで、受信したFSK変調波のFFT演算における単位演算期間であるFFT期間のサンプリングデータ数を規定するFFTポイントは、S/Nの増加のためにはできるだけ大きくしたい。一方、FSK変調波のシンボルがどのタイミングで受信されても、受信したFSK変調波の1シンボル内にFFT期間が入るようにしたい。前述した周波数分解能増加のためと、S/N増加のためである。そこで、本実施形態では以上の点を考慮して、無線受信装置10におけるFFT演算部1311においては、FFT期間をFFT期間より短い一定期間経過すると新たな別のFFT期間を設定することを繰り返しながら(以下、この一定期間におけるデータ数を「アップデートポイント」ともいう)同時並行的にFFT演算を行い、一方、無線送信装置側では、送信する多値FSK変調波の1シンボル期間のデータ数を規定するシンボルポイントを下記のように設定するようにしたものである。
(シンボルポイント)≧(FFTポイント)+(アップデートポイント)

上式の左辺の値と右辺の値とが等しいときは、低消費電力化のため最も望ましい。なお、実際には用途に応じてシンボルポイントが決定され(通常は通信距離が長いほどシンボルポイントは大きく設定される)、このシンボルポイントに応じてFFTポイントが決定される。シンボルポイントの期間がシンボル期間に相当する。
このように設定することで、FSK変調波がどのようなタイミングで受信されたとしても、受信FSK変調波の1シンボル内に必ず1つのFFT期間(FFTポイント)が入り、かつ、FFT期間のサンプリングデータ数が最大になる。これにより、自システムのFSK変調波の正規のシンボル数(電文の長さ)以上の長さの受信信号は不要信号として排除でき、また、1シンボルの受信強度よりも小さな信号や、シンボル期間よりも短い信号もそれぞれ不要信号として排除することができる。
図6は、FSK変調波とFFTポイント及びアップデートポイントの関係の一例を示す。同図において、FSK変調波23はシンボル231の第1の周波数とシンボル232の第2の周波数とからなる計2シンボルの変調波である。また、FFTポイントを構成するサンプリングデータ数を「512」、アップデートポイントをFFTポイントの1/4倍の「128」とすると、シンボルポイントを構成するサンプリングデータ数は前記式から「640」となる。
アップデートポイントの128個のサンプリングデータのFFT演算時間である一定期間経過する毎にFFT期間がPFFT5、PFFT6、PFFT7、PFFT8、PFFT9、PFFT10、PFFT11と更新されていく。FFT期間PFFT5、PFFT6、PFFT7、PFFT8、PFFT9のうちシンボル231の信号を最も多くその期間内に含むFFT期間PFFT5の512個のサンプリングデータをFFT演算して得られたFFT演算結果はFFT期間PFFT5の終了時点直後の時刻t5で得られる。また、FFT期間PFFT7、PFFT8、PFFT9、PFFT10、PFFT11のうちシンボル232の信号を最も多くその期間内に含むFFT期間PFFT10の512個のサンプリングデータをFFT演算して得られたFFT演算結果はFFT期間PFFT10の終了時点直後の時刻t10で得られる。
再び図4に戻って説明する。記憶部1312は、FFT演算部1311により図6に示すようにアップデートポイントずつずらして順次得られた各FFT期間毎のFFT演算結果(以下、このFFT演算結果である周波数スペクトルを「Frame」ともいう)を一時記憶して判定部1313へ出力する。ここでは、無線受信装置10は、自システムの多値FSK変調波として、図6に示したような2シンボルの256値FSK変調波を受信することが予め分かっているものとする。
判定部1313は、記憶部1312から入力された各FFT演算結果として、FFT期間内の512個の受信信号のサンプリングデータをFFT演算して得られた各FFT演算結果の中から図6に示した時刻t5で得られたFramet5と時刻t10で得られたFramet10の各々256個の周波数成分の信号強度のうち最大値を順次抽出する(ステップS1)。すなわち、FFTポイント、シンボルポイント及びアップデートポイントの各値が決定すると、どのくらいずれたFFT期間にシンボル1とシンボル2とが受信できるかが決まるので、図6に示すようにシンボル1の演算結果が得られてから5FFT期間後の演算結果(すなわち、5アップデートポイント後の1FFT期間の演算結果)が得られる時刻にシンボル2が受信できることが決まっている場合は、Framet5をシンボル1として受信した場合は、Framet10がシンボル2として受信できる。このため、Framet5をシンボル1として受信した場合は、Framet5とFramet10の各々256個の周波数成分の最大値の信号強度を抽出する。
続いて、その抽出した最大値の信号強度が第1の閾値TH1以上であるかどうかを判定する(ステップS2)。第1の閾値TH1は信号成分と想定される程度の信号強度(図5(B)のピークレベル)よりも若干小なる値に設定されている。このため、最大値の信号強度が第1の閾値TH1未満であるときは信号成分ではないと判断して何もしないが(ステップS6)、最大値の信号強度が第1の閾値TH1以上であるときは信号成分である可能性があると判断してステップS3に進む。本実施形態では、2シンボルの多値FSK変調波のFFT演算結果は、図6にPFFT5及びPFFT10に示したような、互いに5FFT期間ずれた2つのFFT期間のFFT演算結果において、TH1以上の最大値が得られるからである。
ステップS3では、判定部1313は記憶部1312から読み出したFFT演算結果に基づき、FFT演算結果Framet5が示す256個の周波数成分からなる周波数スペクトルのうち、その中の最大値Sp1以外に第2の閾値TH2以上の信号強度をもつ周波数成分はなく、かつ、FFT演算結果Framet10が示す256個の周波数成分からなる周波数スペクトルのうち、その中の最大値Sp2以外に第2の閾値TH2以上の信号強度を持つ周波数成分がないか否かを判定する。第2の閾値TH2は第1の閾値TH1よりも小なる値に設定されている。ステップS3でFramet5及びFramet10の少なくとも一方にて第2の閾値TH2以上の信号強度を持つ周波数成分があると判定されたときは、自システムが受信すべき2つのシンボルのFFT演算結果ではないと判断して何もしない(ステップS6)。つまり、このような信号は自システムの信号ではないとして排除される。
なお、図5(A)にW3で示したようなFFT期間よりも短期間の信号は、自システムの本来のFSK変調波の受信信号ではない。このような信号は、図5(C)に示したように周波数分解能が悪くなるため、ステップS3で第2の閾値TH2以上の信号強度を持つ周波数成分があると判定され、ステップS3でNoと判定され、その結果何もしない(ステップS6)。つまり、受信信号は自システムの信号ではないとして排除される。
ステップS3で、Framet5及びFramet10の両方で第2の閾値TH2以上の信号強度を持つ周波数成分がないと判定されたときは(ステップS3のYes)、図5(B)に示したような信号であると判断し、判定部1313は続いて記憶部1312から読み出したFFT演算結果に基づき、Framet0あるいはFramet15で第3の閾値TH3以上の信号強度をもつ信号がないかどうかを判定する(ステップS4)。第3の閾値TH3は第2の閾値TH2と同じような値である。また、Framet0は図6に示した時刻t5よりも5アップデートポイント前の時刻t0で得られる1FFT期間のFFT演算結果であり、Framet15は、時刻t10よりも5アップデートポイント後の時刻t15で得られる1FFT期間のFFT演算結果である。
すなわち、Framet0は自システムのFSK変調波の第1シンボルのFFT演算結果が得られる時刻t5の5アップデートポイント前の時刻t0で得られる1FFT期間のFFT演算結果を示しているが、この1FFT期間では自システムのFSK変調波は受信されないはずである。従って、Framet0のFFT演算結果である周波数スペクトルに第3の閾値TH3以上の信号強度をもつ周波数成分があるときは(ステップS4のNo)、ノイズか、あるいは他システムの信号であると判断できる。同様に、Framet15は自システムのFSK変調波の第2シンボルのFFT演算結果が得られる時刻t10の5アップデートポイント後の時刻t15で得られる1FFT期間のFFT演算結果を示しているが、この1FFT期間では自システムのFSK変調波は受信されないはずである。従って、Framet15のFFT演算結果である周波数スペクトルに第3の閾値TH3以上の信号強度をもつ周波数成分があるときは(ステップS4のNo)、ノイズか、あるいは他システムの信号であると判断できる。
よって、判定部1313は、ステップS4において、Framet0あるいはFramet15で第3の閾値TH3以上の信号強度をもつ信号があると判断したときは(ステップS4のNo)、受信信号が2シンボルの多値FSK変調波の本来の信号長(電文の長さ)よりも長いから不要信号であると判断し、何もしない(ステップS6)。つまり、受信信号は自システムの信号ではないとして排除される。
一方、判定部1313は、ステップS4において、Framet0及びFramet15の両方で第3の閾値TH3以上の信号強度をもつ信号がないと判断したときは(ステップS4のYes)、受信信号が2シンボルの多値FSK変調波の本来の信号長(電文の長さ)と同じであるので、自システムの信号の可能性が高いと判断し、続いて前述した2つの周波数スペクトル中の各最大値Sp1とSp2の信号強度の差が第4の閾値TH4以下であるか否かを判定する(ステップS5)。第4の閾値TH4は、前記の各閾値TH1〜TH3のいずれよりも小なる値に設定されている。
2シンボルの多値FSK変調波を受信して得られる前述した2つのFFT演算結果の周波数スペクトル中の各最大値Sp1とSp2の信号強度の差は、ノイズの混入や他システムからの不要信号が混入していない限り殆ど無い。従って、判定部1313は、ステップS2〜S4において、それぞれYesと判定し、更にステップS5において、最大値Sp1とSp2の信号強度の差が第4の閾値TH4以下であると判定したときは、受信信号は自システムの2シンボルのFSK変調波であると検出し、その受信信号をデコード部132へ出力してデコーダ1321にて復調させる。
一方、判定部1313は、ステップS2〜S4において、それぞれYesと判定したとしても、ステップS5において最大値Sp1とSp2の信号強度の差が第4の閾値TH4より大であると判定したときは(ステップS5のNo)、受信信号が例えば瞬間的に大レベルのノイズが混入した信号などであると判断し、受信信号に対して何もしない(ステップS6)。つまり、受信信号は自システムの信号ではないとして排除される。
このように、本実施形態の無線受信装置10によれば、各シンボル期間が、FFT期間とFFT期間より短い所定の一定期間(アップデートポイントの数のサンプリングデータのFFT演算時間に相当する期間)との和の期間以上に設定された、シンボル数が既知の多値FSK変調波(図4の例では256値FSK変調波)を受信し、その受信多値FSK変調波に対して、FFT演算部1311がFFT期間毎にFFTポイントの数のサンプリングデータのFFT演算を行うとともに、各FFT期間開始後上記の一定期間経過すると新たな別のFFT期間を設定することを繰り返しながら各FFT期間毎に同時並行的にFFT演算を行い、その演算結果を記憶部1312に記憶する。続いて、第1の検出手段(図4のステップS1及びS2を実行する手段に相当)が、記憶部1312から読み出した各FFT期間毎の演算結果である周波数スペクトルの周波数成分の信号強度の最大値が、第1の閾値TH1以上である複数のFFT期間の演算結果を複数の第1のFFT演算結果として検出する。
次に、第2の検出手段(図4のステップS3を実行する手段に相当)が、複数の第1のFFT演算結果が示す各周波数スペクトルのうち、信号強度が最大値を示す周波数成分以外の周波数成分の信号強度が第2の閾値TH2以上である周波数成分が無い2以上の周波数スペクトルのFFT演算結果を、既知のシンボル数のシンボルの第2のFFT演算結果(図7の例ではFramet5及びFramet10)として検出する。
続いて、第3の検出手段(図4のステップS4を実行する手段に相当)が、記憶部1312から読み出した各FFT期間毎の演算結果に基づき、第2のFFT演算結果が得られる既知のシンボル数の各シンボルにおいて最初に第2のFFT演算結果が得られた第1のシンボルより1シンボル期間に対応した前記一定期間の複数倍期間前の1FFT期間と、最後に第2のFFT演算結果が得られた第2のシンボルより1シンボル期間に対応した前記一定期間の複数倍期間後の1FFT期間の両方の演算結果(図7の例ではFramet0及びFramet15)である両周波数スペクトルにおいて、周波数成分の信号強度が第3の閾値TH3以上である周波数成分が無いことを検出する。
そして、出力手段(図4のステップS5を実行する手段に相当)が、第3の検出手段により信号強度が第3の閾値TH3以上である周波数成分が無いと検出されたときの複数の第2のFFT演算結果が示す複数の周波数スペクトル群の信号強度のそれぞれの最大値(Sp1とSp2)の差が、第4の閾値TH4以下であるとき、複数の第2のFFT演算結果を自システムの受信信号の演算結果と判定してデコード部132へ出力する。
これにより、FSK変調波がどのようなタイミングで受信されたとしても、受信FSK変調波の1シンボル内に必ず1つのFFT期間が入り、かつ、FFT期間の長さが最大になるため、FSK変調波の既知のシンボル数(電文の長さ)以上の長さの信号は不要信号として排除でき、また、1シンボルの受信強度よりも小さな信号や、シンボル期間よりも短い信号もそれぞれ不要信号として排除することができ、自システムの複数シンボルの多値FSK変調波のみを正確に判別してデコード部132で復調することができる。
また、本実施形態の無線受信装置10は、不要信号除去と同時に無線送信機と同期もしているので、無線送信する多値FSK変調波中に同期コードや誤り検出符号を含まず、電文そのものだけを無線送信し、その多値FSK変調波を受信復調する無線通信システムに適用して特に好適である。なお、同期に関しては、周波数を合わせる同期と、電文のフレーム(どこからがIDで、どこからがデータか)の同期がある。周波数を合わせる同期に関しては、無線送信機から周波数が予め分かっているので同期は不要である。ただし、クロック源として使用している水晶振動子の性能ばらつきにより微妙な周波数ずれはあるが、その同期はしない。電文のフレームの同期に関しては、FFTのアップデートポイントを少なくすること(これも完全には同期しない)で対応する。同期が少しでもずれると受信信号のS/Nが落ちる。ただ、このS/Nを一定に保つためには、送信側の電力を上げることで対応可能である。その送信側の電力の増加が電文に付与する同期情報(周波数同期とフレーム同期)を送信するよりも低ければ、本発明の意味がある。
本実施形態の特長について、更に図7のFFT演算結果の時間変化の一例を示す図と共に説明する。同図中、図6と同一時刻には同一符号を付してある。図7において、横軸はFFT演算結果で得られる周波数スペクトルにおける周波数、縦軸はFFT期間毎に経過する時間を示し、また矩形部分はFFT演算して得られた信号又はノイズの周波数成分と受信期間を示す。また、矩形部分の濃度が濃いほど信号の強度が大きいことを示す。
図7において、時刻t5で得られる1つのFFT期間(FFTポイントPFFT5)のFFT演算結果Framet5における最も濃度の濃い矩形部分31は、256値FSK変調波の第1シンボルの信号部分を示し、第1シンボルが第1の周波数Faの信号成分であることを示す。また、時刻t10で得られる1つのFFT期間(FFTポイントPFFT10)のFFT演算結果Framet10における最も濃度の濃い矩形部分32は、256値FSK変調波の第2シンボルの信号部分を示し、第2の周波数Fbの信号成分であることを示す。矩形部分31はFFT演算結果Framet5におけるTH1以上の最大値Sp1の信号部分であり、矩形部分32はFFT演算結果Framet10におけるTH1以上の最大値Sp2の信号部分である。周波数Fa及びFbは、それぞれ8ビットで表される256個の情報のうち割り当てられた2つの情報を示す。
図7において、(2)で示す部分はFFT演算結果Framet5のうち矩形部分31以外の周波数領域、及びFFT演算結果Framet10のうち矩形部分32以外の周波数領域を示し、これらの周波数領域はFSK変調波において本来信号成分が存在しない周波数領域である。図7ではFFT演算結果Framet5及びFramet10には領域(2)にはTH2以上の信号強度の信号成分が無いことを示している。しかし、FFT演算結果Framet5及びFramet10のうち、少なくとも一方のFFT演算結果の周波数領域(2)にTH2以上の信号強度の信号成分があるときは、図4のステップS3でNoと判定することで、その受信信号を不要信号として排除できる。また、図7において、(1)で示す時刻t0のFFT演算結果Framet0と時刻t15のFFT演算結果Framet15とは、2シンボルのFSK変調波の受信信号のFFT演算結果が得られないはずであるので、FFT演算結果Framet0及びFramet15の少なくとも一方にTH3以上の信号強度の周波数成分があれば、図4のステップS4でNoと判定することで、その受信信号は電文長が自システムのものより長い不要信号として排除できる。
ところで、上記の実施形態の自システム信号検出部131Aでは、FFT演算結果の周波数スペクトルの全周波数領域で信号強度を検出しているため、本来受信すべき多値FSK変調波を受信できない場合がある。
このことについて、図8に示すFFT演算結果の時間変化の一例を示す図と共に説明する。同図中、図7と同一時刻には同一符号を付してある。図8において、時刻t0の直前から時刻t5の直後までの複数のFFT期間のFFT演算結果が濃度の濃い矩形部分41で表され、時刻t10の直後の時刻t11から時刻t17付近までの複数のFFT演算結果が濃度の濃い矩形部分42で表されるような信号を、復調すべき本来の2シンボルのFSK変調波の受信信号(31,32)と同時に受信したものとする。これら矩形部分41、42で表される信号は、それぞれ周波数Fc、FdのTH3以上の信号強度の受信信号成分で不要信号である。
この場合、図4に示した自システム信号検出部131Aでは、ステップS4において、FFT演算結果Framet0が示す256個の周波数成分からなる周波数スペクトルのうち、第3の閾値TH3以上の信号強度をもつ周波数Fcの信号があり、FFT演算結果Framet15が示す256個の周波数成分からなる周波数スペクトルのうち、第3の閾値TH3以上の信号強度を持つ周波数Fdの信号があると判定する(S4のNo)ため、不要信号を受信したと判定し何もしない(ステップS6)。つまり、この場合、不要信号と同時に受信されている時刻t5で得られるFFT演算結果Framet5が示す周波数Faの第1シンボルの信号と、時刻t10で得られるFFT演算結果Framet10が示す周波数Fbの第2シンボルの信号とからなる本来復調すべき受信FSK変調波が復調されず、排除されてしまう。
なお、図8において濃度の濃い矩形部分41が時刻t5でTH2以上の信号強度を示している信号である場合は、ステップS3において、FFT演算結果Framet5に最大値Sp1以外でTH2以上の信号強度をもつ信号があると判定され(ステップS3のNo)、何もしないので(ステップS6)、この場合も不要信号と同時に受信されている本来復調すべき受信FSK変調波が復調されず、排除されてしまう。
図9は、上記の問題を解決した、自システム信号検出部131の第2の実施形態の構成説明図を示す。図9中、図4と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図9に示す第2の実施形態の自システム信号検出部131Bは、FFT演算部1311と、FFT演算部1311の演算結果を記憶する記憶部1312と、FFT演算部1311及び記憶部1312からの信号に基づいて他システムからの不要信号やノイズを誤りとして検出して排除し、自システムの受信多値FSK変調波のみ検出して出力するための判定処理を行う判定部1316とから構成されている。なお、判定部1316については、その動作を図9にフローチャートで示してある。
次に、図9の自システム信号検出部131Bの動作について説明する。判定部1316は、記憶部1312から入力された各FFT演算結果として、図6に示した時刻t5で得られたFFT演算結果Framet5と、時刻t10で得られたFFT演算結果Framet10の各々256個の周波数成分の信号強度のうち、最大値を順次抽出する(ステップS11)。ここでは、図6に示すようにFramet5をシンボル1として受信した場合は、5FFT期間後のFramet10がシンボル2として受信できる。このため、Framet5をシンボル1として受信した場合は、ステップS11においてFramet5とFramet10の各々256個の周波数成分の最大値の信号強度を抽出する。なお、このときFramet5が示す周波数スペクトラムにおいて最大値をSp1、そのときの周波数をFaとし、Framet10が示す周波数スペクトラムにおいて、最大値をSp2、そのときの周波数をFbとする。
続いて、その抽出した最大値の信号強度が閾値TH1sp以上であるかどうかを判定する(ステップS12)。閾値TH1spは信号成分と想定される程度の信号強度(図5(B)のピークレベル)よりも若干小なる値に設定されている。このため、最大値の信号強度が閾値TH1sp未満であるときは信号成分ではないと判断して何もしないが(ステップS15)、最大値の信号強度が閾値TH1sp以上であるときは信号成分である可能性があると判断してステップS13に進む。本実施形態では、2シンボルの多値FSK変調波のFFT演算結果は、図6でPFFT5及びPFFT10に示したような、互いに5FFT期間ずれた2つのFFT期間のFFT演算結果においてTH1sp以上の最大値が得られるからである。なお、TH1spは例えば−90dBmである。
ステップS13では、判定部1316が記憶部1312から読み出したFFT演算結果に基づき、時刻t0で得られたFFT演算結果Framet0が示す周波数スペクトラムと、時刻t15で得られたFFT演算結果Framet15が示す周波数スペクトラムのそれぞれにおいて、前記第1の周波数Faでの信号強度と最大値Sp1との差、及び前記第2の周波数Fbでの信号強度と最大値Sp2との差がそれぞれ閾値TH2sp以上であるか否かを判定する。ここで、Framet0は図6に示した時刻t5よりも5アップデートポイント前の時刻t0で得られる1FFT期間のFFT演算結果であり、Framet15は時刻t10よりも5アップデートポイント後の時刻t15で得られる1FFT期間のFFT演算結果である。なお、TH2spは例えば4dB程度である。5アップデートポイントの期間は既知のシンボル期間に対応した期間で、5つのFFT期間の演算結果が得られる。
ステップS13での処理について、図10のFFT演算結果の時間変化の一例を示す図と共に更に詳細に説明する。同図中、図7、図8と同一時刻には同一符号を付してある。いま、図10に示すようにFFT演算結果Framet5のステップS12で閾値TH1sp以上と検出された最も濃度が濃い矩形部分31により表された最大値Sp1が得られる周波数Faと同じ周波数である、Framet0のFFT演算結果が示す周波数スペクトラム中の周波数成分の信号強度をNp1f、Framet15のFFT演算結果が示す周波数スペクトラム中の周波数成分の信号強度をNp1eとする。また、FFT演算結果Framet10のステップS12で閾値TH1sp以上と検出された最も濃度が濃い矩形部分32により表された最大値Sp2が得られる周波数Fbと同じ周波数である、Framet0のFFT演算結果が示す周波数スペクトラム中の周波数成分の信号強度をNp2f、Framet15のFFT演算結果が示す周波数スペクトラム中の周波数成分の信号強度をNp2eとする。
判定部1316は、ステップS13において以下に示す不等式をすべて満足するか否かを判定する。
Sp1−Np1f > TH2sp (a)
Sp1−Np1e > TH2sp (b)
Sp2−Np2f > TH2sp (c)
Sp2−Np2e > TH2sp (d)
判定部1316は(a)式〜(d)式のうち、少なくとも一つの式を満足しないとの判定結果を得たときは(ステップS13のNo)、Framet0及びFramet15の各周波数成分のうち最大値Sp1、Sp2が得られる周波数Fa、Fbと同じ周波数の信号強度のいずれかが最大値Sp1、Sp2と差があまりないから、2シンボルの多値FSK変調波の本来の信号長(電文の長さ)よりも長い信号を受信しているか、瞬間的な大レベルのノイズを受信していると判断し、何もしない(ステップS15)。つまり、受信信号は自システムの信号ではないとして排除される。
一方、判定部1316は(a)式〜(d)式のすべてを満足するとの判定結果を得たときは(ステップS13のYes)、Framet0及びFramet15の各周波数成分のうち最大値Sp1、Sp2が得られる周波数Fa、Fbと同じ周波数の信号強度が最大値Sp1、Sp2よりかなり小さく、よってFramet0及びFramet15の両方では受信信号が実質的に得られておらず、受信信号が2シンボルの多値FSK変調波の本来の信号長(電文の長さ)と同じであるので、自システムの信号の可能性が高いと判断する。判定部1316は、続いて最大値Sp1とSp2の信号強度の差が閾値TH3sp以下であるか否かを判定する(ステップS14)。閾値TH3spは、前記閾値TH2spと同程度の値に設定されている。
2シンボルの多値FSK変調波を受信して得られる前述した2つのFFT演算結果の周波数スペクトル中の各最大値Sp1とSp2の信号強度の差は、ノイズの混入や他システムからの不要信号が混入していない限り殆ど無い。従って、判定部1316は、ステップS12〜S14において、それぞれYesと判定したときは、受信信号は自システムの2シンボルのFSK変調波であると検出し、その受信信号をデコード部132へ出力してデコーダ1321にて復調させる。
次に、図8と共に説明した自システム信号検出部131Aの問題を、本実施形態の自システム信号検出部131Bにより解決できることについて説明する。図10に示すように、図8と同様に、時刻t0の直前から時刻t5の直後までの複数のFFT期間のFFT演算結果が濃度の濃い矩形部分41で表され、時刻t10の直後の時刻t11から時刻t17付近までの複数のFFT演算結果が濃度の濃い矩形部分42で表されるような信号強度が大きな信号を、復調すべき本来の2シンボルのFSK変調波の受信信号(31,32)と同時に受信したものとする。これら矩形部分41、42で表される信号はそれぞれ周波数Fc、Fdの受信信号成分で不要信号である。
ここで、時刻t0のFFT演算結果Framet0において周波数Fcの信号の信号強度が最大値Sp1とあまり差の無い閾値TH3以上の信号強度を持つ信号であり、また時刻t15のFFT演算結果Framet15において周波数Fdの信号の信号強度が最大値Sp1とあまり差の無い閾値TH3以上の信号強度を持つ信号であったとしても、自システム信号検出部131Bの判定部1316は、ステップS13においてFFT演算結果Framet0及びFramet15の周波数スペクトル中、最大値Sp1、Sp2が得られる周波数Fa、Fb以外の周波数成分の比較は行わないので、ステップS13における処理に矩形部分41、42で表される周波数Fc、Fdの不要信号は何の影響も与えない。
従って、判定部1316は、矩形部分31、32で表される2シンボルのFSK変調波の受信信号と同時に、矩形部分41、42で表される不要信号が受信されたとしても、ステップS13において、(a)式〜(d)式のすべてを満足するとの判定結果を得ることができ、これにより不要信号により排除されることなく矩形部分31、32で表される本来の信号長(電文の長さ)と同じ2シンボルのFSK変調波の受信信号は自システムの信号の可能性が高いと判断することができる。その後、判定部1316は、最大値Sp1とSp2の信号強度の差が閾値TH3sp以下であると判定したときは(ステップS14のYes)、最大値Sp1及びSp2を有する矩形部分31、32で表される2シンボルのFSK変調波の受信信号をデコード部132へ出力してデコーダ1321にて復調させる。従って、矩形部分41、42で表される周波数Fc、Fdの不要信号は復調されることはない。
なお、判定部1316はステップS13において、(a)式〜(d)式のすべてを満足するとの判定結果を得たときに、自システムの信号の可能性が高いと判断してステップS14に進み、最大値Sp1とSp2の信号強度の差が閾値TH3sp以下であるか否かを判定するように説明したが、これに限らず、例えば(a)式と(d)式の両方のみ満足した場合、あるいは(b)式と(c)式の両方のみ満足した場合に、自システムの信号の可能性が高いと判断してステップS14に進むようにしてもよい。
このように、本実施形態の無線受信装置10によれば、自システム信号検出部131Bが自システム信号検出部131Aの第2及び第3の検出手段に代えて第4の検出手段を備える。第4の検出手段は、記憶部1312から読み出した各FFT期間毎の演算結果に基づき、複数の第1のFFT演算結果のうち最初に第1のFFT演算結果が得られた第1のFFT期間の演算結果(Framet5)である周波数スペクトル中の信号強度の第1の最大値(Sp1)と、最後に第1のFFT演算結果が得られた第2のFFT期間の演算結果(Framet10)である周波数スペクトル中の信号強度の第2の最大値(Sp2)と、第1のFFT演算結果が得られた時刻(t5)より既知のシンボル期間に対応した前記一定期間の複数倍期間(5アップデートポイントの期間)前の第3のFFT期間の演算結果(Framet0)である周波数スペクトルにおける第1の最大値と同じ周波数(Fa)の第1の信号の信号強度(Np1f)及び第2の最大値と同じ周波数(Fb)の第2の信号の信号強度(Np2f)と、第2のFFT演算結果が得られた時刻(t10)より既知のシンボル期間に対応した前記一定期間の複数倍期間(5アップデートポイントの期間)後の第4のFFT期間の演算結果(Framet15)である周波数スペクトルにおける第1の最大値と同じ周波数の第3の信号の信号強度(Np1e)及び第2の最大値と同じ周波数の第4の信号の信号強度(Np2e)とを抽出し、第1の最大値と第1の信号及び第3の信号の各信号強度との第1及び第2の差分値と、第2の最大値と第2の信号及び第4の信号の各信号強度との第3及び第4の差分値とのうち、少なくとも第1及び第4の差分値、又は第2及び第3の差分値が所定の第5の閾値(TH2sp)より大であることを検出する。これにより、時刻t5、t10において本来のFSK変調波と同時に不要信号が受信されたとしても、本来のFSK変調波が同時に受信された不要信号により排除されるという問題を解決できる。
次に、本発明の実施例について説明する。
図11は、本発明の無線受信装置におけるFFT演算結果の一実施例を示す。同図中、図7と同一部分には同一符号を付してある。図11において、縦軸はFFT演算結果が得られる時刻を示し、横軸はFFT演算結果である周波数スペクトルを構成する各周波数を示す。256値FSK変調波のFFT演算結果はF1〜F256までの256個の周波数の信号からなる周波数スペクトルを示す。また、図11において、縦軸と横軸との交点に示す数値は一つの周波数成分の信号強度(単位:dBm)を示し、濃度が濃いほど高い信号強度であることを示す。また、図11において、各時刻に対応した1行がその時刻で得られる1FFT期間のFFT演算結果を示している。
図11において、時刻t5の1行が1つのFFT期間(FFTポイントPFFT5)のFFT演算結果Framet5を示しており、その演算結果のうち周波数F8の信号強度が−40.0dBmで最大値を示している。同様に、時刻t10の1行が1つのFFT期間(FFTポイントPFFT10)のFFT演算結果Framet10を示しており、その演算結果のうち周波数F18の信号強度が−40.0dBmで最大値を示している。ここで、例えば、前述した第1の閾値TH1を−52dBm、第2の閾値TH2及び第3の閾値TH3をそれぞれ−57dBmとすると、図4のステップS1〜S3で、それぞれYesと判定されるFFT演算結果は、Framet5とFramet10のみである。また、ステップS4において、Framet0及びFramet15の両方で−52dBm以上の信号強度をもつ信号がないと判断される。更に、第4の閾値TH4を3dBとすると、Framet5とFramet10の各最大値の差は0dBであり、ステップS5も満足している。従って、図8のFFT演算結果が得られた場合は、受信信号はシンボル周波数がF8とF18である2シンボルの256値FSK変調波であることが分かる。
図11において、(1)及び(2)で示した範囲は図7に示した(1)及び(2)の範囲に相当する。また、図11にAで示した領域は、信号強度が第1の閾値TH1である−57dBm以上の周波数がF8、F18だけでなく、その付近の周波数も含む信号強度が強い領域であるが、この領域Aは、図6にPFFT6〜PFFT9などに示したように、シンボル期間の大部分又は一部分を含んだ期間のFSK変調波をFFT演算したため図5(C)に示した周波数分解能が悪い特性でFFT演算結果が得られた領域である。しかし、この領域AのFFT演算結果は、ステップS3のNoの判定により排除される。
なお、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、受信する多値FSK変調波の多値数は「256」に限定されるものではなく、例えば「8」以上であればよい。また、多値FSK変調波のシンボル数は2シンボルに限定されるものではなく、受信側で既知であれば3シンボル以上でもよい。更に、FFTポイント、アップデートポイント、シンボルポイントは図6に示した例に限定されるものではない。アップデートポイントはFFTポイントの1/M倍(Mは4以上の自然数)であればよい。
また、無線受信装置において、多値FSK変調波に割り当てられた各周波数成分のうち送信された周波数成分以外の周波数遷移時の周波数成分を取得する必要がある場合(例えば、特願2014−020888参照)は、隣り合う周波数成分で送信されると周波数遷移時の周波数を取得することができない。このため、受信側では送信側の2倍の周波数分解能を持っている必要があり、受信側で識別できる複数の周波数チャンネルの半分を使用して送信する必要がある。例えば、前述した256値FSK変調波を受信する場合は、送信側は例えばF2、F4、F6、F8、・・・、F256の1つおきの各周波数に割り当てられた128個の周波数チャンネルのみを使用して送信する。
なお、本実施の形態の無線受信装置が使用される微弱無線規格を採用した無線センサネットワークシステムでは、送信側の無線センサ端末は、多くの場合送信データ量が少なく、遅くとも数ミリ秒で終了するため、同じ帯域を用いている他の無線センサ端末での電波の衝突が起こりにくい。
また、微弱無線規格は電波強度のみが規定されており、占有する周波数帯域には制限が無く、電波法で問題となることはない。
更に、以上の実施形態では微弱無線規格を採用した無線センサネットワークシステムで使用される無線受信装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は微弱無線を使用しない無線センサネットワークシステムにも使用可能である。
10 無線受信装置
11 受信アンテナ
12 アナログフロントエンド
13 デジタル処理モジュール
14 処理装置
31,32,41,42 短形部分
131、131A、131B 自システム信号検出部
132 デコード部
1311 高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)演算部
1312 記憶部
1313、1316 判定部
1321 デコーダ

Claims (12)

  1. 各シンボル期間が、受信側の高速フーリエ変換の単位演算期間であるFFT期間と前記FFT期間より短い所定の一定期間との和の期間以上に設定されて送信された、シンボル数が既知の多値FSK変調波を無線受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信された前記多値FSK変調波に対して、前記FFT期間毎に高速フーリエ変換するとともに、各FFT期間開始後前記一定期間経過すると新たな別のFFT期間を設定することを繰り返しながら各FFT期間毎に同時並行的に高速フーリエ変換を行い、各FFT期間の演算結果として周波数スペクトルを得るFFT演算手段と、
    前記FFT演算手段による各FFT期間毎の演算結果を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段から読み出した前記各FFT期間毎の演算結果である前記周波数スペクトルの周波数成分の信号強度の最大値が、信号成分と想定される信号強度より小なる第1の閾値以上である複数のFFT期間の演算結果を複数の第1のFFT演算結果として検出する第1の検出手段と、
    複数の前記第1のFFT演算結果が示す各周波数スペクトルのうち、前記最大値の周波数成分以外の周波数成分の信号強度が前記第1の閾値より小なる第2の閾値以上である周波数成分が無い2以上の周波数スペクトルのFFT演算結果を、前記既知のシンボル数のシンボルの第2のFFT演算結果として検出する第2の検出手段と、
    前記記憶手段から読み出した前記各FFT期間毎の演算結果に基づき、前記既知のシンボル数の各シンボルにおいて最初に前記第2のFFT演算結果が得られた第1のシンボルより前記既知のシンボル期間に対応した前記一定期間の複数倍期間前の1FFT期間と、最後に前記第2のFFT演算結果が得られた第2のシンボルより前記既知のシンボル期間に対応した前記一定期間の複数倍期間後の1FFT期間の両方の演算結果である両周波数スペクトルにおいて、信号強度が前記第1の閾値より小なる第3の閾値以上である周波数成分が無いことを検出する第3の検出手段と、
    前記第3の検出手段により信号強度が前記第3の閾値以上である周波数成分が無いと検出されたときの複数の前記第2のFFT演算結果に対して復調処理を行う復調手段と、
    を備えることを特徴とする無線受信装置。
  2. 前記第3の検出手段により信号強度が前記第3の閾値以上である周波数成分が無いと検出されたときの2以上の前記第2のFFT演算結果が示す複数の周波数スペクトルの信号強度のそれぞれの最大値の差が第4の閾値以下であるとき、複数の前記第2のFFT演算結果を自システムの受信信号の演算結果と判定して、前記復調手段へ出力する手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の無線受信装置。
  3. 前記第2及び第3の検出手段に代えて、
    前記記憶手段から読み出した前記各FFT期間毎の演算結果に基づき、前記複数の第1のFFT演算結果のうち最初に前記第1のFFT演算結果が得られた第1のFFT期間の演算結果である周波数スペクトル中の信号強度の第1の最大値と、最後に前記第1のFFT演算結果が得られた第2のFFT期間の演算結果である周波数スペクトル中の信号強度の第2の最大値と、前記第1のFFT期間より前記既知のシンボル期間に対応した前記一定期間の複数倍期間前の第3のFFT期間の演算結果である周波数スペクトルにおける前記第1の最大値と同じ周波数の第1の信号の信号強度及び前記第2の最大値と同じ周波数の第2の信号の信号強度と、前記第2のFFT期間より前記既知のシンボル期間に対応した前記一定期間の複数倍期間後の第4のFFT期間の演算結果である周波数スペクトルにおける前記第1の最大値と同じ周波数の第3の信号の信号強度及び前記第2の最大値と同じ周波数の第4の信号の信号強度とを抽出し、前記第1の最大値と前記第1の信号及び前記第3の信号の各信号強度との第1及び第2の差分値と、前記第2の最大値と前記第2の信号及び前記第4の信号の各信号強度との第3及び第4の差分値とのうち、少なくとも前記第1及び第4の差分値、又は前記第2及び第3の差分値が所定の第5の閾値より大であることを検出する第4の検出手段を備え、
    前記復調手段は、前記第4の検出手段により前記第1及び第4の差分値、又は前記第2及び第3の差分値が所定の第5の閾値より大であることが検出されたときの複数の前記第1のFFT演算結果に対して復調処理を行うことを特徴とする請求項1記載の無線受信装置。
  4. 前記第4の検出手段により前記第1及び第4の差分値、又は前記第2及び第3の差分値が所定の第4の閾値より大であることが検出されたときの複数の前記第1のFFT演算結果が示す複数の周波数スペクトルの信号強度のそれぞれの最大値の差が前記第5の閾値と同程度の第6の閾値以下であるとき、複数の前記第1のFFT演算結果を自システムの受信信号の演算結果と判定して、前記復調手段へ出力する手段を更に備えることを特徴とする請求項3記載の無線受信装置。
  5. 前記FFT演算手段は、
    前記受信手段により受信された前記多値FSK変調波に対してAD変換して得られたサンプリングデータに対して、前記FFT期間毎に所定の第1のサンプリングデータ数のサンプリングデータの高速フーリエ演算を行うとともに、前記第1のサンプリングデータ数の1/M倍(Mは4以上の自然数)の第2のサンプリングデータ数のサンプリングデータのFFT演算時間を前記一定期間として、前記一定期間経過すると新たな別のFFT期間を設定することを繰り返しながら同時並行的に高速フーリエ演算を行うことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の無線受信装置。
  6. 前記受信手段が受信する前記多値FSK変調波は、同期コード及び誤り検出符号を含まず電文のみからなる、8値以上の多値FSK変調波であることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の無線受信装置。
  7. 各シンボル期間が、受信側の高速フーリエ変換の単位演算期間であるFFT期間と前記FFT期間より短い所定の一定期間との和の期間以上に設定されて送信された、シンボル数が既知の多値FSK変調波を無線受信する受信ステップと、
    前記受信ステップにより受信された前記多値FSK変調波に対して、前記FFT期間毎に高速フーリエ変換するとともに、各FFT期間開始後前記一定期間経過すると新たな別のFFT期間を設定することを繰り返しながら各FFT期間毎に同時並行的に高速フーリエ変換を行い、各FFT期間の演算結果として周波数スペクトルを得るFFT演算ステップと、
    前記FFT演算ステップによる各FFT期間毎の演算結果を記憶部に記憶する記憶ステップと、
    前記記憶部から読み出した前記各FFT期間毎の演算結果である前記周波数スペクトルの周波数成分の信号強度の最大値が、信号成分と想定される信号強度より小なる第1の閾値以上である複数のFFT期間の演算結果を複数の第1のFFT演算結果として検出する第1の検出ステップと、
    複数の前記第1のFFT演算結果が示す各周波数スペクトルのうち、前記最大値の周波数成分以外の周波数成分の信号強度が前記第1の閾値より小なる第2の閾値以上である周波数成分が無い2以上の周波数スペクトルのFFT演算結果を、前記既知のシンボル数のシンボルの第2のFFT演算結果として検出する第2の検出ステップと、
    前記記憶部から読み出した前記各FFT期間毎の演算結果に基づき、前記第2のFFT演算結果が得られる前記既知のシンボル数の各シンボルにおいて最初に前記第2のFFT演算結果が得られた第1のシンボルより前記既知のシンボル期間に対応した前記一定期間の複数倍期間前の1FFT期間と、最後に前記第2のFFT演算結果が得られた第2のシンボルより前記既知のシンボル期間に対応した前記一定期間の複数倍期間後の1FFT期間の両方の演算結果である両周波数スペクトルにおいて、信号強度が前記第1の閾値より小なる第3の閾値以上である周波数成分が無いことを検出する第3の検出ステップと、
    前記第3の検出ステップにより信号強度が前記第3の閾値以上である周波数成分が無いと検出されたときの2以上の前記第2のFFT演算結果に対して復調処理を行う復調ステップと、
    を含むことを特徴とする無線受信方法。
  8. 前記第3の検出ステップにより信号強度が前記第3の閾値以上である周波数成分が無いと検出されたときの2以上の前記第2のFFT演算結果が示す複数の周波数スペクトルの信号強度のそれぞれの最大値の差が第4の閾値以下であるとき、複数の前記第2のFFT演算結果を自システムの受信信号の演算結果と判定して、前記復調ステップで復調させるために出力する出力ステップを更に含むことを特徴とする請求項7記載の無線受信方法。
  9. 前記第2及び第3の検出ステップに代えて、
    前記記憶手段から読み出した前記各FFT期間毎の演算結果に基づき、前記複数の第1のFFT演算結果のうち最初に前記第1のFFT演算結果が得られた第1のFFT期間の演算結果である周波数スペクトル中の信号強度の第1の最大値と、最後に前記第1のFFT演算結果が得られた第2のFFT期間の演算結果である周波数スペクトル中の信号強度の第2の最大値と、前記第1のFFT期間より前記既知のシンボル期間に対応した前記一定期間の複数倍期間前の第3のFFT期間の演算結果である周波数スペクトルにおける前記第1の最大値と同じ周波数の第1の信号の信号強度及び前記第2の最大値と同じ周波数の第2の信号の信号強度と、前記第2のFFT期間より前記既知のシンボル期間に対応した前記一定期間の複数倍期間後の第4のFFT期間の演算結果である周波数スペクトルにおける前記第1の最大値と同じ周波数の第3の信号の信号強度及び前記第2の最大値と同じ周波数の第4の信号の信号強度とを抽出し、前記第1の最大値と前記第1の信号及び前記第3の信号の各信号強度との第1及び第2の差分値と、前記第2の最大値と前記第2の信号及び前記第4の信号の各信号強度との第3及び第4の差分値とのうち、少なくとも前記第1及び第4の差分値、又は前記第2及び第3の差分値が所定の第5の閾値より大であることを検出する第4の検出ステップを備え、
    前記復調ステップは、前記第4の検出ステップにより前記第1及び第4の差分値、又は前記第2及び第3の差分値が所定の第5の閾値より大であることが検出されたときの複数の前記第1のFFT演算結果に対して復調処理を行うことを特徴とする請求項7記載の無線受信方法。
  10. 前記第4の検出ステップにより前記第1及び第4の差分値、又は前記第2及び第3の差分値が所定の第4の閾値より大であることが検出されたときの複数の前記第1のFFT演算結果が示す複数の周波数スペクトルの信号強度のそれぞれの最大値の差が前記第5の閾値と同程度の第6の閾値以下であるとき、複数の前記第1のFFT演算結果を自システムの受信信号の演算結果と判定して、前記復調ステップで復調させる出力ステップを更に備えることを特徴とする請求項9記載の無線受信方法。
  11. 前記FFT演算ステップは、
    前記受信ステップにより受信された前記多値FSK変調波に対してAD変換して得られたサンプリングデータに対して、FFT期間毎に所定の第1のサンプリングデータ数のサンプリングデータの高速フーリエ演算を行うとともに、前記第1のサンプリングデータ数の1/M倍(Mは4以上の自然数)の第2のサンプリングデータ数のサンプリングデータのFFT演算時間を前記一定期間として、前記一定期間経過すると新たな別のFFT期間を設定することを繰り返しながら同時並行的に高速フーリエ演算を行うことを特徴とする請求項7乃至10のうちいずれか一項記載の無線受信方法。
  12. 前記受信ステップで受信する前記多値FSK変調波は、同期コード及び誤り検出符号を含まず電文のみからなる、8値以上の多値FSK変調波であることを特徴とする請求項7乃至11のうちいずれか一項記載の無線受信方法。
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