JP2015179306A - 姿勢検出装置、電子機器、頭部装着型装置及び姿勢検出方法 - Google Patents

姿勢検出装置、電子機器、頭部装着型装置及び姿勢検出方法 Download PDF

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Norinao Hagiwara
典尚 萩原
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Abstract

【課題】 ユーザー負担を軽減しつつ、所与の基準座標系での姿勢情報を適切に検出する姿勢検出装置、電子機器、頭部装着型装置及び姿勢検出方法等を提供すること。
【解決手段】 姿勢検出装置100は、姿勢センサー10からの姿勢検出情報を取得する情報取得部110と、姿勢検出情報に基づいて、姿勢検出対象物の姿勢検出処理を行う処理部120含み、処理部120は、姿勢検出対象物が第1の姿勢であるときの第1の姿勢情報と、第1の姿勢から鉛直軸以外の軸まわりでの回転をした姿勢である第2の姿勢であるときの第2の姿勢情報を求め、姿勢検出対象物の姿勢情報に対して、第1の姿勢情報及び第2の姿勢情報に基づく変換処理を行って、第1の姿勢を基準とした姿勢検出対象物の姿勢を表す変換姿勢情報を求める。
【選択図】 図2

Description

本発明は、姿勢検出装置、電子機器、頭部装着型装置及び姿勢検出方法等に関する。
種々の姿勢検出センサーを用いて、対象物の姿勢を検出する手法が知られている。例えば、姿勢検出センサーとは、加速度センサーや地磁気センサー、ジャイロセンサー等が考えられる。また、対象物とは姿勢検出装置を装着するユーザーであってもよく、狭義にはユーザーの所定部位(頭部等)である。
この際、センサーから取得されたデータに基づいて姿勢検出装置が出力する姿勢は、基本的にワールド座標系で表現された情報であり、任意に設定された基準座標系での姿勢を求める場合には、何らかの変換を行う必要がある。ワールド座標系は、例えばNED座標系あるいはENU座標系が用いられる。
特許文献1には、ユーザーが画面等を見ながらマウスやキーボードを用いて対話的に調整を行うことで、上記変換に必要なアライメントデータを設定する手法が開示されている。
特開2005−107248号公報
ワールド座標系と基準座標系が一致するのであれば、そもそも変換処理は必要とならない。ワールド座標系から基準座標系への変換姿勢情報を所定の設定値とすることも可能である。しかしそのためには、デバイスメーカーにより上記センサーの装置への実装が正確に行われること、或いは出荷時のアライメント補正が適切に行われること、またユーザーが姿勢検出装置を理想的な姿勢で(例えばあらかじめ設定された基準姿勢で)装着すること、といった条件が満たされる必要があり、実現は容易でない。
ユーザーの第1の姿勢を基準とした基準座標系に変換する場合、ユーザーが第1の姿勢状態であることを姿勢検出装置に入力するのみでは変換姿勢情報は得られない。ユーザーが第1の姿勢状態であるとき、ワールド座標系における姿勢検出装置の姿勢情報は求められる。しかし、ユーザーに対する姿勢検出装置の装着状態が確定できない場合、ワールド座標系における第1の姿勢の姿勢情報は求められない。したがって、第1の姿勢状態の姿勢検出のみでは基準座標系への変換姿勢情報は得られない。
また、特許文献1のように、ユーザー自身がアライメントデータを設定することで変換処理を適切に行うことができる。しかし、特許文献1の手法でもユーザーがその都度、アライメントデータを調整する必要があり、設定が容易とは言えない。
本発明の幾つかの態様によれば、ユーザー負担を軽減しつつ、所与の基準座標系での姿勢情報を適切に検出する姿勢検出装置、電子機器、頭部装着型装置及び姿勢検出方法等を提供することができる。
本発明の一態様は、姿勢センサーからの姿勢検出情報を取得する情報取得部と、前記姿勢検出情報に基づいて、姿勢検出対象物の姿勢検出処理を行う処理部と、を含み、前記処理部は、前記姿勢検出対象物が第1の姿勢であるときの第1の姿勢情報と、前記第1の姿勢から鉛直軸以外の軸まわりでの回転をした姿勢である第2の姿勢であるときの第2の姿勢情報と、を求め、前記姿勢検出対象物の姿勢情報に対して、前記第1の姿勢情報及び前記第2の姿勢情報に基づく変換処理を行って、前記第1の姿勢を基準とした前記姿勢検出対象物の姿勢を表す変換姿勢情報を求める姿勢検出装置に関係する。
本発明の一態様では、第1の姿勢から第2の姿勢への変化に関する情報に基づいて、第1の姿勢を基準とした姿勢を表す情報を変換姿勢情報として求める。これにより、従来手法のように煩雑な処理を行うことなく、取得された姿勢情報を所望の姿勢を基準として表現した姿勢情報(変換姿勢情報)に変換すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記姿勢情報、前記第1の姿勢情報、及び前記第2の姿勢情報は、ワールド座標系での前記姿勢検出対象物の姿勢を表す情報であり、前記変換姿勢情報は、前記姿勢検出対象物が前記第1の姿勢のときに向く方位の方向として設定される座標軸をxとし、鉛直方向の座標軸をzとし、x及びzに直交する方向の座標軸をyとした場合に、xyzで表される座標系での前記姿勢検出対象物の姿勢を表す情報であってもよい。
これにより、ワールド座標系で取得された情報を、適切に所望の座標系で表現した情報に変換すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記姿勢検出対象物は、ユーザーの頭部であり、前記第1の姿勢は、前記頭部が正面を向いた姿勢であり、前記第1の姿勢から前記第2の姿勢への姿勢変化は、前記頭部が正面を向いた姿勢からうなずく動作であってもよい。
これにより、うなずくという日常的に行われる実現容易な動作により、変換処理を実現すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記姿勢情報を表すクォータニオンをqとし、前記第1の姿勢情報を表すクォータニオンをqAとし、前記第1の姿勢と所与の絶対基準方位との差異をキャンセルする姿勢変換用のクォータニオンをqγとし、qAの共役クォータニオンをqAとし、qγの共役クォータニオンをqγとした場合に、前記処理部は、q’=qγ×q×qA×qγにより、前記変換姿勢情報を表すクォータニオンであるq’を求めてもよい。
これにより、クォータニオンを用いて姿勢を表現することにより、変換姿勢情報を求めること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記第2の姿勢情報を表すクォータニオンをqBとした場合に、前記処理部は、qAとqBに基づいて、qγを求めてもよい。
これにより、第1の姿勢と第2の姿勢に対応するクォータニオンに基づいて、変換用のクォータニオンを求めること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、x軸周りの回転角をロール角とし、y軸周りの回転角をピッチ角とし、z軸周りの回転角をヨー角とした場合に、前記処理部は、前記姿勢検出対象物が前記第1の姿勢の時の前記ロール角、前記ピッチ角、前記ヨー角が基準角度となり、前記基準角度からの相対的な角度変化を表す情報を、前記変換姿勢情報として求めてもよい。
これにより、ロール角、ピッチ角、ヨー角を用いて姿勢を表現することにより、変換姿勢情報を求めること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記姿勢検出対象物は、ユーザーの頭部であり、前記第1の姿勢から前記第2の姿勢への姿勢変化は、うなずき動作であってもよい。
これにより、うなずくという日常的に行われる実現容易な動作により、変換処理を実現すること等が可能になる。
また、本発明の他の態様は、上記の姿勢検出装置を含む電子機器に関係する。
また、本発明の一態様では、ユーザーに対して前記第1の姿勢をとることを指示する第1の指示と、前記第1の姿勢から前記第2の姿勢への姿勢変化を指示する第2の指示と、を行うユーザーインターフェース部を含んでもよい。
これにより、第1の姿勢情報及び第2の姿勢情報の取得において、ユーザーに対して適切な報知を行うこと等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記姿勢検出対象物が前記第1の姿勢となったことを表す第1の入力と、前記姿勢検出対象物が前記第2の姿勢となったことを表す第2の入力と、をユーザーから受け付けるユーザーインターフェース部を含んでもよい。
これにより、第1の姿勢情報及び第2の姿勢情報の取得において、ユーザーから適切な入力を受け付けること等が可能になる。
また、本発明の他の態様は、上記の姿勢検出装置を含む頭部装着型装置に関係する。
また、本発明の他の態様は、姿勢センサーからの姿勢検出情報を取得し、前記姿勢検出情報に基づいて、姿勢検出対象物が第1の姿勢であるときの第1の姿勢情報と、前記第1の姿勢から鉛直軸以外の軸まわりでの回転をした姿勢である第2の姿勢であるときの第2の姿勢情報と、を求め、前記姿勢検出対象物の姿勢情報に対して、前記第1の姿勢情報及び前記第2の姿勢情報に基づく変換処理を行って、前記第1の姿勢を基準とした前記姿勢検出対象物の姿勢を表す変換姿勢情報を求めることで、前記姿勢検出対象物の姿勢検出処理を行う姿勢検出方法に関係する。
図1(A)、図1(B)は絶対方位を基準とした座標系の例。 本実施形態に係る姿勢検出装置の構成例。 図3(A)〜図3(C)はうなずく動作、首を傾ける動作、顔を左右に振る動作の説明図。 NED座標系に対して電子機器が傾いて装着される例。 本実施形態に係る電子機器の構成例。 頭部装着型装置(HMD)の例。 図7(A)〜図7(C)はHMDにおいて頭部の相対的な姿勢変化をインターフェースに用いる例。 ユーザーの顔が正面方向を向いた姿勢を基準とした座標系の例。 本実施形態の処理を説明するフローチャート。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.本実施形態の手法
まず本実施形態の手法について説明する。上述したように種々のセンサーを用いて対象物の姿勢変化を検出する姿勢検出装置等が知られている。この際、姿勢検出装置の出力信号は、基本的にワールド座標系で算出されることになる。そのため、所望の基準座標系があり、当該基準座標系での姿勢、或いは姿勢変化の情報をユーザーに提示するには、何らかの処理が必要となる。例えば、姿勢検出対象物の所定の基準姿勢があり、当該基準姿勢に対する姿勢変化を検出したい、といった状況が考えられる。
ワールド座標系と基準座標系が一致する、或いは所定の相対関係となるものとできれば、ワールド座標系での情報をそのまま基準座標系での情報としたり、既知の変換処理により、容易にワールド座標系の情報を基準座標系の情報に変換できる。しかしそのためには、センサーと機器本体(姿勢検出装置を含む電子機器本体)との関係、及び電子機器と姿勢検出対象物の関係を正確に定めなくてはならない。
具体的には、センサーを含む電子機器を製造するメーカーにおいて、電子機器本体とセンサーのアライメントを厳密に実装する、或いは工場出荷時に精度の高いアライメント補正を行う、或いはその両方を行う必要がある。また、電子機器本体をユーザーが装着する際にも、装着の自由度を持たせることができず、決められた角度で装着する必要がある。以上の条件が守られないと、姿勢検出の結果と、ユーザーに提示される姿勢とに誤差が生じてしまう。
このような手法では、ユーザーにとってもメーカーにとっても負担が大きく好ましくない。これに対して、特許文献1では、センサー座標系から基準座標系への変換に用いるアライメントデータの設定を、対話的なインターフェースを用いて実現する手法が開示されている。
しかし、特許文献1の手法でも、ユーザーはマウスやキーボードを用いてアライメントデータの微調整を行う必要がある。つまりユーザーは画面を閲覧して調整の方向性を検討し、実際にマウス等を用いて調整内容を入力する、という操作を所望の変換を実現するアライメントデータが生成されるまで繰り返さなくてはならず、煩雑である。
なお、初期姿勢に対する相対的な姿勢変化を求めるのであれば、加速度センサーとジャイロセンサーを用いることでも実現可能である。例えば、初期状態で姿勢検出対象物を基準姿勢としておけば、その後の姿勢を、当該基準姿勢に対する姿勢変化として検出することができる。
ただし、加速度センサーとジャイロセンサーの組み合わせでは、方位(水平面内での方向)の算出をジャイロセンサーの信号に基づいて行うことになる。具体的には、ジャイロセンサーからのセンサー出力である角速度を積分して、方位に相当する情報を求める。そのため、ジャイロセンサーの信号に誤差が含まれる場合、当該誤差も蓄積されてしまい適切な方位を求めることができない。特に、ジャイロセンサーの信号にはオフセットが含まれるため、当該オフセットを積分し続けることで、姿勢変化がないのに姿勢が徐々に変化していってしまう、といった状況も起こりえる。
これに対して、加速度センサーと地磁気センサーを組み合わせる手法が考えられる。地磁気センサーは磁場を検出するセンサーであり、地球の磁場の検出結果から北或いは南といった絶対方位を検出できる。このような組み合わせであれば、方位の算出を地磁気センサーで行うことができるため、ジャイロセンサーのような積分演算による誤差の蓄積(特にオフセットの蓄積)を考慮しなくてよく、精度よく姿勢を検出できる。
なお、地磁気センサーは地球の磁場以外の磁場も検出するため、例えば磁性体を近づけたり電子機器を近づけたりすることで、検出される方位の精度が低下することがある。そのため、方位の検出を地磁気センサーとジャイロセンサーの組み合わせにより行う等の変形実施も可能である。いずれにせよ、高精度での姿勢検出を考慮して、本実施形態では地磁気センサー等の絶対方位を検出するセンサーを用いることを前提とする。
しかし、地磁気センサーを用いることで、逆に検出される方位が絶対方位に縛られてしまうという問題も生じる。具体的には、地磁気センサーを含むセンサーからの出力を用いることで、対象物の姿勢は図1(A)に示したNED座標系や、図1(B)に示したENU座標系のように、絶対方位を基準として設定されるワールド座標系により表現されることになる。NED座標系は北(North)をX軸の正、東(East)をY軸の正、鉛直下向き(Down)をZ軸の正とする座標系である。ENU座標系は東(East)をX軸の正、北(North)をY軸の正、鉛直上向き(Up)をZ軸の正とする座標系である。
本実施形態では、図6を用いて後述するように、姿勢検出装置はHMD(Head Mounted Display、頭部装着型装置)等に含まれ、ユーザーの頭部の姿勢を検出するといった用途を想定している。この場合、図7(A)〜図7(C)を用いて後述するように、うなずきや首振りといった動作をインターフェースとして利用することが考えられる。その場合、姿勢検出装置が検出すべき姿勢(姿勢変化)とは、うなずいたり首を振ったりする動作、すなわち顔を正面方向に向けた姿勢に対する頭部の姿勢変化であり、北を向いている南を向いているといった絶対方位の情報ではない。
つまり、方位の情報を高精度で取得するために地磁気センサーを利用することを考えると、NED座標系等の座標系で取得された情報を、所望の基準座標系での情報へ変換するという処理は結局必要なものとなってしまう。
以上を踏まえて、本出願人は、NED座標系等において任意の姿勢(傾いた状態)の電子機器を、あたかも水平に設置されたものとして姿勢を表現し、さらに、電子機器を頭部に取り付けるなどしたときに、北や東といった絶対方位ではなく、基準姿勢(狭義には後述するように顔の正面をx軸の正とする姿勢)に変換する手法を提案する。
具体的には、本実施形態に係る姿勢検出装置100は、図2に示すように、姿勢センサー10からの姿勢検出情報を取得する情報取得部110と、姿勢検出情報に基づいて、姿勢検出対象物の姿勢検出処理を行う処理部120を含む。そして、処理部120は、姿勢検出対象物が第1の姿勢であるときの第1の姿勢情報と、第1の姿勢から鉛直軸以外の軸まわりでの回転をした姿勢である第2の姿勢であるときの第2の姿勢情報と、を求め、姿勢検出対象物の姿勢情報に対して、第1の姿勢情報及び第2の姿勢情報に基づく変換処理を行って、第1の姿勢を基準とした姿勢検出対象物の姿勢を表す変換姿勢情報を求める。
ここで、姿勢センサー10とは、姿勢に関する情報を検出するセンサーであり、例えば図5を用いて後述するように加速度センサー11、地磁気センサー13、ジャイロセンサー15等である。また、姿勢検出情報とは、姿勢センサー10から出力されるセンサー情報に対応する。第1の姿勢、第2の姿勢とは、姿勢検出対象物の異なる2つの姿勢を表す。そして第2の姿勢は第1の姿勢から鉛直軸以外の軸まわりの回転により実現される。例えば、姿勢検出対象物がユーザーの頭部であり、第1の姿勢が正面を向いた姿勢である場合、第2の姿勢とは、図3(A)に示す第1の動作を起点としてうなずく動作(水平面内の軸であるy軸まわりの回転)や、図3(B)に示す首を傾ける動作(水平面内の軸であるx軸まわりの回転)により移行可能な姿勢である。一方、図3(C)に示した、第1の姿勢を起点とした左右を向く動作(鉛直軸であるZ軸まわりの回転)では、第2の姿勢には移行することはできない。
また、姿勢情報とは、姿勢検出情報に基づき求められる各タイミングでの姿勢検出対象物の姿勢を表す情報である。例えば、姿勢センサー10が所与の時間間隔tごとにセンサー情報(姿勢検出情報)を出力するのであれば、姿勢情報とは情報取得部110においてtごとに取得された姿勢検出情報を用いて求められるNED座標系等での情報である。つまりここでの姿勢情報とは、狭義には最新の姿勢検出情報から求められた最新の(現在の)姿勢検出対象物の姿勢を表すNED座標系での情報であってもよい。
このようにすれば、電子機器に対するセンサーの実装状態、或いはユーザーによる電子機器の装着状態によらず、基準姿勢(第1の姿勢)を基準として、姿勢検出対象物の姿勢を検出することが可能になる。例えば、図4に示したように、NED座標系に対して傾いた状態で電子機器が装着されていたとしても、ユーザーは姿勢検出対象物の姿勢を、基準姿勢を含む2点間で変化させるだけでよく、特許文献1のように煩雑な微調整は不要である。また、2点間での姿勢変化は、上述したうなずく動作のように日常的に行われる自然な動作でもよいため、当該姿勢変化におけるユーザー負担は問題とならない。
また、本実施形態による処理は、下式(1)〜(8)等を用いて後述するようにクォータニオンを用いて行ってもよい。クォータニオンは演算が容易であるため、上記変換姿勢情報の算出も容易である。
以下、本実施形態の詳細について説明する。具体的にはまず本実施形態に係る姿勢検出装置や、姿勢検出装置を含む電子機器、頭部装着型装置の構成例について説明し、その後本実施形態に係る姿勢変換処理について説明する。ここでの姿勢変換処理とは、例えばNED座標系で求められた姿勢情報を、基準座標系(第1の姿勢を基準とした座標系)での姿勢情報である変換姿勢情報に変換する処理を表す。
2.システム構成例
本実施形態に係る姿勢検出装置100の構成例は図2に示したとおりである。姿勢検出装置100は、姿勢検出情報(狭義にはセンサー情報)を取得する情報取得部110と、姿勢検出情報に基づいて姿勢検出対象物の姿勢情報を求める処理部120を含む。
処理部120では、第1,第2の姿勢での姿勢検出情報に基づいて、第1,第2の姿勢情報(後述するqA,qB)を求める処理と、第1,第2の姿勢情報に基づいて、変換用の情報(後述するqγ)を求める処理、そして求めた変換用の情報を用いて、現在の姿勢情報を第1の姿勢を基準とした形式に変換する姿勢変換処理(後述するq’を求める処理)とを行う。各処理の詳細については後述する。
また、本実施形態の手法は、姿勢検出装置100を含む電子機器200に適用できる。電子機器200は、図5に示すように姿勢センサー10と、姿勢検出装置100と、インターフェース部210を含む。ただし、電子機器200は図5の構成に限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
ここでの電子機器200の具体例は種々考えられるが、例えばスマートフォン等の携帯端末装置であってもよい。その場合、本実施形態に係る姿勢検出装置100は、スマートフォンに含まれるプロセッサやマイコン等で動作するソフトウェア(アプリケーション)として実装されてもよいし、スマートフォンに組み込まれるデバイス(ハードウェア)として実装されてもよい。
姿勢センサー10は、加速度センサー11と、地磁気センサー13と、ジャイロセンサー15を含む。ただし姿勢センサー10は、ジャイロセンサー15を省略したり、他のセンサーを追加する等の変形実施が可能である。
インターフェース部210は、ユーザーに対して第1の姿勢をとることを指示する第1の指示と、第1の姿勢から第2の姿勢への姿勢変化を指示する第2の指示と、を行う。一例としては、インターフェース部210は表示部211を含み、テキストや画像等を用いて第1,第2の指示を表示部211に表示してもよい。
例えば、うなずく動作を実行させる例であれば、第1の指示として「顔を正面に向けてください」といったテキストの表示をしたり、正面方向を向いた人の画像を表示して「画像の姿勢を取ってください」といったテキストを合わせて表示することが考えられる。同様に、第2の指示として、「うなずいてください」といったテキスト表示や、うなずいた状態の人の画像の表示、或いはうなずく動作を表すアニメーションの表示等を行う。
ただし、インターフェース部210は表示部211には限定されず、音声等を出力させるスピーカーであってもよいし、振動により指示を行う振動部であってもよい。
このようにすれば、第1,第2の姿勢をユーザーに取らせることが可能になるため、第1,第2の姿勢情報の取得、及びそれらに基づいた姿勢変換処理をスムーズに行うことが可能になる。
また、インターフェース部210は、姿勢検出対象物が第1の姿勢となったことを表す第1の入力と、姿勢検出対象物が第2の姿勢となったことを表す第2の入力と、をユーザーから受け付ける。第1,第2の入力は、それぞれ上記第1,第2の指示に対する応答として入力されるものであってもよいし、指示とは関係なくユーザーにより能動的に行われてもよい。
例えば、インターフェース部210は操作部213を含み、第1,第2の入力は操作部213の操作により行われてもよい。具体的には、操作部213としてボタンが設けられ、ユーザーが姿勢検出対象物に第1の姿勢を取らせた(頭部を正面方向に向けた)状態でボタンを押下させるものとしてもよい。同様にユーザーが姿勢検出対象物に第2の姿勢を取らせた(頭部を下方向に向けた、うなずいた)状態でボタンを押下させる。
このようにすれば、電子機器200において姿勢検出対象物が第1,第2の姿勢となったことを認識できるため、第1,第2の姿勢に対応する姿勢検出情報を取得すること、及び第1,第2の姿勢情報を求めること等が可能になる。
なお、第1,第2の入力の受付についても操作部213に限定されるものではなく、マイクによる音声入力の音声認識等を行ってもよい。また、操作部213の形態もボタンに限定されるものではなく、レバー等、他の物理的に設けられるインターフェースを用いてもよいし、タッチパネル等に表示されるボタンを用いてもよい。或いは、ユーザーが機器をタップすることによる振動を加速度センサー11等を用いて検出することで、第1,第2の入力を受け付けてもよい。
また、本実施形態の手法は、姿勢検出装置100を含む頭部装着型装置に適用できる。なお、頭部装着型装置の構成例については図5に示した電子機器200と同様であるため、詳細な説明は省略する。頭部装着型装置とは例えば図6に示すようなメガネ型のデバイスであってもよい。頭部装着型装置は、表示部211による表示画像と外界視界とを同時に閲覧可能なシースルー型であってもよいし、表示画像をユーザー視野の全体に表示するものであってもよい。
このような頭部装着型装置では、ユーザーの頭部の動きをインターフェースとして利用することが考えられる。例えば、図7(A)に示すように、ユーザー視野の広さに比べて大きい表示画像を生成しておき、当該表示画像のうちどの領域を表示部211に表示するかを、ユーザーの頭部の姿勢により決定してもよい。一例としては、図7(B)に示すように、頭部が正面を向いているときには図7(A)のA1に示した領域を表示し、図7(C)に示すように、頭部が右を向いているときには、その動き量に対応した図7(A)のA2に示した領域を表示することが考えられる。図7(A)〜図7(C)の例であれば、実空間の風景を見る際に顔を向ける方向で視野内に入る空間が変動するように、パノラマ画像を自然な形態でユーザーに提示することが可能になる。
頭部装着型装置におけるインターフェースはそのほかにも種々考えられるが、基本的には絶対方位ではなく、基準姿勢に対する変化を用いることが想定される。例えば、「うなずく」、「首を振る」といったインターフェースはユーザーにとってもわかりやすいが、「東を向く」ことを条件とするインターフェースでは、ユーザーが絶対方位を認識していないと用いることができない。そのため、上述したようにNED座標系等の絶対方位を基準とした情報をそのまま用いるのではなく、基準姿勢に対する変化を表す姿勢に変換することが重要となる。
3.姿勢変換処理
処理部120で行われる処理の詳細について説明する。なお、以下では姿勢検出対象物はユーザーの頭部であり、頭部が正面方向となる状態を基準(第1の姿勢)とし、第1の姿勢から第2の姿勢の変化とはうなずく動作である例について説明する。具体的には、電子機器を頭部に装着し正面を向いた状態を第1の姿勢とする。そして、頭部が正面を向いている状態でのロール角、ピッチ角、ヨー角が0度となるように、姿勢変換処理を行う。
ここで、図8に示すように、ユーザーの正面方向をx軸とし、鉛直方向(ここでは下向き)をz軸とし、x軸z軸に直交し、xyz軸による座標系が右手系となるようにy軸を設定する。この場合、ロール角とはx軸まわりの回転を表し、首を右にかしげると正、左にかしげると負となる角度である。また、ピッチ角はy軸まわりの回転を表し、首を上に上げると正、下にうなずくと負となる角度である。ヨー角はz軸まわりの回転を表し、顔を右に回すと正、左に回すと負となる角度である。
ただし、姿勢検出対象物や、第1の姿勢や第2の姿勢については種々の変形実施が可能である。
本実施形態では、まず第1の姿勢での姿勢情報と第2の姿勢での姿勢情報を求め、それらから姿勢変換処理用の情報を求める。具体的には、第1の姿勢を表す第1の姿勢情報としてクォータニオンqAを求め、第2の姿勢を表す第2の姿勢情報としてクォータニオンqBを求める。ここで、クォータニオン(四元数)とは、複素数を拡張した数体系であり、特に3Dグラフィックス等の分野において、3次元での回転演算に利用される。クォータニオンについては広く知られたものであるため、演算手法の詳細については説明を省略する。
qAは上述したようにインターフェース部210が第1の入力を受け付けたタイミングに対応する姿勢検出情報を用いて求めることができる。同様に、qBはインターフェース部210が第2の入力を受け付けたタイミングに対応する姿勢検出情報を用いて求めることができる。
ここで、qA及びqBはNED座標系で表された情報である。qA,qBはそれぞれ第1の姿勢と第2の姿勢を表すため、第1の姿勢から第2の姿勢に変化させるクォータニオンをqdiffとすると、下式(1)が成り立つ。なお、下式(1)等における“×”はクォータニオンの乗算を表す符号である。
diff×qA=qB ・・・・・(1)
上式(1)は、下式(2)のように変形できる。なお、下式(2)等における“”は共役クォータニオンを表す。
diff=qB×qA ・・・・・(2)
ここで、クォータニオンの定義から、回転軸を(v,v,v)とし、回転角をθとすると、その回転を表すクォータニオンqは、下式(3)のように表現できる。ただし、v +v +v =1である。
q=(q,q,q,q
=(cos(θ/2),vsin(θ/2),vsin(θ/2),vsin(θ/2)) ・・・・・(3)
一般的に、首を下にうなずく動作を思い浮かべると、回転軸(v,v,v)のvは0であり、vとvは左右の肩を直線で結んだ方向(以下、φと呼ぶ)のはずである。そこで、上式(2)によって求めたクォータニオンqdiffのqとqの成分を使って、φは下式(4)のように表現できる。ここで、φはZ軸まわり(NED座標系のD、すなわち鉛直下向きの軸まわり)での回転を表すものであり、正方向は水平面を鉛直上側から見たときの時計回りの方向である。
φ=atan(q/q) ・・・・・(4)
そして、φが左肩から右肩へ向かう方向である以上、顔の正面の方向(以下、γと呼ぶ)は水平面を鉛直上側から見たときに、φに対して反時計回りに90度回転した方向、すなわちφから90度引き算した方向である。このとき、NED座標系における、水平面上での回転を表すクォータニオン(以下、qγと呼ぶ)は、回転軸が鉛直方向、すなわちZ軸と一致することから(v,v,v)=(0,0,1)とできる。以上のことより、γ及びqγは下式(5)、(6)により表すことができる。
γ=φ−90° ・・・・・(5)
qγ=(cos(γ/2),0,0,sin(γ/2)) ・・・・・(6)
以上の処理により、頭部が正面方向を向いた第1の姿勢と、絶対方位(例えばNED座標系を用いた場合の北等)との差異をキャンセルするクォータニオンqγが求められた。以下では、順次取得されるqを用いて変換姿勢情報q’を求める処理を説明する。ここでのqはNED座標系で求められた絶対方位を基準とする情報であり、q’とは正面方向を基準とする情報である。具体的にはq’は、首を左右に傾ければロール角が変化し、上下にうなずけばピッチ角が変化し、左右に回せばヨー角が変化する。
ここで、現在の姿勢qを他のクォータニオンで表すことを考えると、以下の4つの手順に従って回転させることで可能となる。まず第1に、第1の姿勢を表すクォータニオンqAによる姿勢にする。第2に、−γだけ水平に回転させるクォータニオンqγ(qγの共役クォータニオン)で回転させる。この時点で、顔の正面が一旦、北を向いた状態となる。
第3に、頭部の傾きを表すq’で回転させる。上述したように、qAはNED座標系を基準とした情報であり、正面方向を基準とした情報であるq’をそのまま作用させるのは適切でない。しかし第2の手順によりNED座標系と正面方向との差異がキャンセルされているため、第3の手順でq’を作用させることに問題はない。この時点で顔の正面が一旦北を向いた状態から、頭部の何らかの傾きを表した状態となる。ただし、実際には顔の正面は北ではないところ、第2の手順において一時的に北を正面方向とする変換をしているため、第3の手順の結果はそのままqを表すものとなっていない。よって第4の手順として、第2の手順での回転を打ち消す目的でγだけ水平に回転させるクォータニオンqγで回転させる。第4の手順の結果により、NED座標系での現在の姿勢、すなわちqを表現できたことになる。以上の姿勢変化を式で表すと、下式(7)のようになる。
q=qγ×q’×qγ×qA ・・・・・(7)
そして、ここではq’を求めたいのであるから上式(7)を下式(8)のように変形する。具体的には、上式(7)に対して、左からqγを作用させ、右からqA×qγを作用させればよい。
q’=qγ×q×qA×qγ ・・・・・(8)
以上から、姿勢検出情報から得られたqに対して、毎回上式(8)によってq’を求めることで、第1の姿勢を水平と捉え、かつ顔の正面を基準とした頭部の変化を表すクォータニオンに変換することができる。
図9に以上の本実施形態の処理を説明するフローチャートを示す。この処理が開始されると、まず、センサー値(姿勢検出情報)に基づいて最新のタイミングでのクォータニオンqを求める(S101)。ここでのqは、上述してきたように所望の基準座標系とは異なる座標系(例えばNED座標系)で表現された姿勢検出対象物の姿勢を表す情報である。
なお、センサー値からNED座標系での情報を求める処理は、姿勢検出装置100の処理部120で行われるものに限定されない。例えば、姿勢検出装置100は、姿勢検出情報を取得する情報取得部110と、姿勢検出情報に基づいて、姿勢検出対象物の姿勢検出処理を行う処理部120を含み、情報取得部110は、姿勢検出対象物が第1の姿勢であるときの第1の姿勢情報と、第1の姿勢から鉛直軸以外の軸まわりでの回転をした姿勢である第2の姿勢であるときの第2の姿勢情報と、を前記姿勢検出情報として取得し、処理部120は、姿勢検出対象物の姿勢情報に対して、第1の姿勢情報及び第2の姿勢情報に基づく変換処理を行って、第1の姿勢を基準とした姿勢検出対象物の姿勢を表す変換姿勢情報を求めてもよい。
この場合、姿勢センサー10からの情報を、姿勢検出装置100の外部の処理装置(例えば姿勢検出装置100とは異なるマイコン)においてNED座標系等の情報に変換し、姿勢検出装置100の情報取得部110は、変換後のNED座標系等の情報を姿勢検出情報として取得することになる。
qが求められたら、qに対応するタイミングにおいて姿勢Aの取り込みリクエストがあったかの判定を行う(S102)。姿勢Aの取り込みリクエストとは第1の姿勢情報を取得するものであり、具体的には上記第1の入力に対応し、ボタンを押す等の操作であってもよい。S102でYesの場合とは、S101で取得されたqが第1の姿勢を表す情報、すなわち第1の姿勢情報である場合に対応する。
そこで、S102でYesの場合には、S101で取得した現在のクォータニオンqをqAにコピーし(S103)、フラグflagAを1にする(S104)。flagAとはqAが取得済みであるか否かを表すフラグであり、1の場合には取得済み、0の場合には未取得となる。
また、現在が第1の姿勢に関する情報を取り込むタイミングであれば、第2の姿勢での情報取り込みはそれ以降に行われるはずである。よってqBが取得済みであるか否かを表すフラグflagBを0とする(S105)。このようにすれば、仮にそれ以前に取得されたqBが削除されずに残っていたとしても、当該qBと、S103でコピーされたqAを対にして用いてしまうという不適切な処理を行う可能性を抑止できる。
一方、S102でNoの場合には、S101で取得したqは第1の姿勢とは無関係であるため、S103〜S105のqAに関する処理はスキップされる。
次に、qに対応するタイミングにおいて姿勢Bの取り込みリクエストがあったかの判定を行う(S106)。姿勢Bの取り込みリクエストとは第2の姿勢情報を取得するものであり、具体的には上記第2の入力に対応し、ボタンを押す等の操作であってもよい。S102の場合と同様に、S106でYesの場合とは、S101で取得されたqが第2の姿勢情報である場合に対応する。
そこで、S103,S104と同様に、S101で取得した現在のクォータニオンqをqBにコピーし(S107)、フラグflagBを1にする(S108)。
S108の処理が行われた段階で、qAとqBの両方が取得されたことになる。よって、上式(2)〜(6)を用いて、NED座標系と顔の正面方向との差異をキャンセルするクォータニオンqγを求める(S109)。
一方、S106でNoの場合には、S101で取得したqは第2の姿勢とは無関係であるため、S107〜S109の処理はスキップされる。
次に、flagAとflagBがともに1であるかの判定を行う(S110)。S110でYesの場合とは、S103、S107でqAとqBが取得され、且つS109でqγも算出されている場合である。よってS110でYesの場合には、上式(8)に従ってq’を演算し(S111)、演算結果であるq’を正面方向を基準とした姿勢を表す情報として出力する(S112)。
一方、S110でNoの場合には、第1の姿勢から第2の姿勢への動き(うなずく動作)が行われておらず、qγの算出が終わっていない。そのため、S111に示したq’を演算することはできない。よって図9では、S110でNoの場合には、S101で取得したqをそのまま出力するものとしている(S113)。
なお、以上では第1の姿勢から第2の姿勢へ移行する動作をうなずく動作としていたが、上述したように鉛直軸以外の軸まわりの回転による動作に拡張可能である。例えば、図3(B)に示すように、首を左右に傾ける動作を行ってもよい。具体的には、顔が正面を向いた姿勢を第1の姿勢とし、首を右又は左に傾けた姿勢を第2の姿勢とする。
例えば、顔が正面を向いた姿勢を第1の姿勢とし、首を右に傾けた姿勢を第2の姿勢とした場合、姿勢変化の回転軸はユーザーの背中側から正面側へ向かう方向、すなわち顔の正面方向となる。顔が正面を向いた姿勢に対応するqAと、首を右に傾けた姿勢に対応するqBから上式(2)により求められたqdiffの回転軸は、水平面内にあり(v=0であり)、qdiffのq1とq2から定められる方向が正面方向に一致する。
つまり首を傾ける動作の場合、上式(4)、(5)によりγを求める必要はなく、下式(9)からγを求めることが可能である。
γ=atan(q/q) ・・・・・(9)
なお、γが求められた後のqγ、q’を求める処理については、うなずく動作を行う場合と同様に、上式(6)、(8)を用いて行えばよい。
以上の本実施形態では、処理部120は、第1の姿勢に対する相対的な姿勢変化を表す情報を、変換姿勢情報として求める。
具体的には、姿勢検出対象物がユーザーの頭部であれば、図3(A)〜図3(C)に示したように、顔が正面方向となる第1の姿勢に対して、うなずいているか、首を左右に曲げているか、頭部を左右に向けているか、といった姿勢変化を検出できる。
そのため、姿勢の基準をNED座標系等に限定されることがなく、種々の姿勢を基準とすることが可能になる。また、絶対方位に縛られることもないため、図6、図7に示したHMDの例のように、検出した姿勢に基づいて、直感的なインターフェースを実現すること等も可能になる。
また、姿勢情報、第1の姿勢情報、及び第2の姿勢情報は、ワールド座標系での前記姿勢検出対象物の姿勢を表す情報であり、変換姿勢情報は、姿勢検出対象物が第1の姿勢のときに向く方位の方向として設定される座標軸をxとし、鉛直方向の座標軸をzとし、x及びzに直交する方向の座標軸をyとした場合に、xyzで表される座標系での姿勢検出対象物の姿勢を表す情報である。
ここで、ワールド座標系とは、姿勢検出装置100の状態に依存せず(姿勢検出装置100の外部に)設定される座標系であり、例えば図1(A)に示したNED座標系であってもよい。また、姿勢情報とは上記のqに対応し、第1の姿勢情報はqA、第2の姿勢情報はqBに対応する。q,qA,qBは、上述したとおりワールド座標系で表現される情報である。
それに対して、本実施形態では第1の姿勢を基準とした座標系として、図8に示したxyz軸で規定される座標系を用い、変換姿勢情報として、当該座標系により表現される情報を求める。変換姿勢情報とは上記のq’に対応する。このようにすれば、ワールド座標系で表現された姿勢情報qが取得された際に、それを適切に基準座標系での情報q’に変換することが可能になる。特に、図8では第1の姿勢としてユーザーの顔が正面を向いた姿勢を用いるため、q’が平常状態での姿勢に対する変化を表すことになり、ユーザーにとっても理解しやすい情報となる。
また、姿勢検出対象物は、ユーザーの頭部であり、第1の姿勢から第2の姿勢への姿勢変化は、図3(A)に示したようなうなずき動作である。具体的には、第1の姿勢は、頭部が正面を向いた姿勢であり、第1の姿勢から第2の姿勢への姿勢変化は、頭部が正面を向いた姿勢からうなずく動作であってもよい。
これにより、ユーザーにとって日常的に行われる、非常に単純且つ容易な動作によって、姿勢変換処理を行うことが可能になる。そのため、特許文献1のようにマウスやキーボードを用いてアライメントデータの調整を行う必要もない。なお、上述したように、第1の姿勢から第2の姿勢への姿勢変化は図3(B)に示した首を左右に曲げる動作により実現されてもよい。さらに、図3(C)に示した鉛直軸(z軸)まわりでの回転以外の回転動作であれば、図3(A)や図3(B)以外の頭部の動きにより、第1の姿勢から第2の姿勢への姿勢変化を実現することが可能である。
上記姿勢変化による姿勢情報の取得において、順番を交換して第2の姿勢情報の後に第1の姿勢情報を取得して変換姿勢情報を求める実施としてもよい。
また、姿勢情報を表すクォータニオンをqとし、第1の姿勢情報を表すクォータニオンをqAとし、第1の姿勢と所与の絶対基準方位との差異をキャンセルする姿勢変換用のクォータニオンをqγとし、qAの共役クォータニオンをqAとし、qγの共役クォータニオンをqγとした場合に、処理部120は、q’=qγ×q×qA×qγにより、変換姿勢情報を表すクォータニオンであるq’を求めてもよい。
これにより、クォータニオンを用いて、上式(2)〜(8)等に従って、変形姿勢情報q’を求めることが可能になる。クォータニオンは座標変換行列等に比べて演算が容易であるが、特に共役クォータニオンの演算負荷が小さい。共役クォータニオンは、回転角度を表すθを−θとする際にはベクトル部(上式(3)におけるq,q,q)の符号を反転させるだけで求めることが可能である。座標変換行列の場合は3列3行の9個の要素を扱う必要があるのに対して、クォータニオンの場合は4個の要素を扱うため、クォータニオンの演算は演算量およびメモリ使用量を少なくすることが可能である。
また、第2の姿勢情報を表すクォータニオンをqBとした場合に、処理部120は、qAとqBに基づいて、qγを求める。
これにより、上式(2)〜(6)に従って、qγを求めることが可能になる。具体的には、第1の姿勢と第2の姿勢の間の変化を回転により実現することとしているため、その回転軸を規定することができる。本実施形態では、第1の姿勢から第2の姿勢への変化を、うなずく動作等の特定の動作とすることで、当該回転軸と基準となる方向(例えば顔を正面に向けた方向)との関係を事前に決定できるものとしている。つまり、NED座標系等で表現されたqA及びqBにより、基準座標系を規定する方向を表現できるのであるから、NED座標系と基準座標系の関係を表すqγをqAとqBから求めることができる。
また、x軸周りの回転角をロール角とし、y軸周りの回転角をピッチ角とし、z軸周りの回転角をヨー角とする場合に、処理部120は、姿勢検出対象物が第1の姿勢の時のロール角、ピッチ角、ヨー角が基準角度となり、基準角度からの相対的な角度変化を表す情報を、変換姿勢情報として求めてもよい。
以上の説明ではクォータニオンを用いて姿勢を表現するものとしたが、姿勢の表現はこれに限定されるものではなく、ロール角、ピッチ角、ヨー角を用いてもよい。この場合、基準となる第1の姿勢の時に、ロール角、ピッチ角、ヨー角が基準角度(狭義には全てが0度)とし、変形姿勢情報を当該基準角度に対するロール角、ピッチ角、ヨー角の差分とすれば、変形姿勢情報を、第1の姿勢を基準とした相対的な姿勢変化として表現することが可能になる。
なお、以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また姿勢検出装置、電子機器、頭部装着型装置の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 姿勢センサー、11 加速度センサー、13 地磁気センサー、
15 ジャイロセンサー、100 姿勢検出装置、110 情報取得部、
120 処理部、200 電子機器、210 インターフェース部、211 表示部、
213 操作部

Claims (12)

  1. 姿勢センサーからの姿勢検出情報を取得する情報取得部と、
    前記姿勢検出情報に基づいて、姿勢検出対象物の姿勢検出処理を行う処理部と、
    を含み、
    前記処理部は、
    前記姿勢検出対象物が第1の姿勢であるときの第1の姿勢情報と、前記第1の姿勢から鉛直軸以外の軸まわりでの回転をした姿勢である第2の姿勢であるときの第2の姿勢情報と、を求め、
    前記姿勢検出対象物の姿勢情報に対して、前記第1の姿勢情報及び前記第2の姿勢情報に基づく変換処理を行って、前記第1の姿勢を基準とした前記姿勢検出対象物の姿勢を表す変換姿勢情報を求めることを特徴とする姿勢検出装置。
  2. 請求項1において、
    前記姿勢情報、前記第1の姿勢情報、及び前記第2の姿勢情報は、ワールド座標系での前記姿勢検出対象物の姿勢を表す情報であり、
    前記変換姿勢情報は、
    前記姿勢検出対象物が前記第1の姿勢のときに向く方位の方向として設定される座標軸をxとし、鉛直方向の座標軸をzとし、x及びzに直交する方向の座標軸をyとした場合に、xyzで表される座標系での前記姿勢検出対象物の姿勢を表す情報であることを特徴とする姿勢検出装置。
  3. 請求項2において、
    前記姿勢検出対象物は、ユーザーの頭部であり、
    前記第1の姿勢は、前記頭部が正面を向いた姿勢であり、前記第1の姿勢から前記第2の姿勢への姿勢変化は、前記頭部が正面を向いた姿勢からうなずく動作であることを特徴とする姿勢検出装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記姿勢情報を表すクォータニオンをqとし、前記第1の姿勢情報を表すクォータニオンをqAとし、前記第1の姿勢と所与の絶対基準方位との差異をキャンセルする姿勢変換用のクォータニオンをqγとし、qAの共役クォータニオンをqAとし、qγの共役クォータニオンをqγとした場合に、
    前記処理部は、
    q’=qγ×q×qA×qγ
    により、前記変換姿勢情報を表すクォータニオンであるq’を求めることを特徴とする姿勢検出装置。
  5. 請求項4において、
    前記第2の姿勢情報を表すクォータニオンをqBとした場合に、
    前記処理部は、
    qAとqBに基づいて、qγを求めることを特徴とする姿勢検出装置。
  6. 請求項2において、
    x軸周りの回転角をロール角とし、y軸周りの回転角をピッチ角とし、z軸周りの回転角をヨー角とした場合に、
    前記処理部は、
    前記姿勢検出対象物が前記第1の姿勢の時の前記ロール角、前記ピッチ角、前記ヨー角が基準角度となり、前記基準角度からの相対的な角度変化を表す情報を、前記変換姿勢情報として求めることを特徴とする姿勢検出装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記姿勢検出対象物は、ユーザーの頭部であり、
    前記第1の姿勢から前記第2の姿勢への姿勢変化は、うなずき動作であることを特徴とする姿勢検出装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の姿勢検出装置を含むことを特徴とする電子機器。
  9. 請求項8において、
    ユーザーに対して前記第1の姿勢をとることを指示する第1の指示と、前記第1の姿勢から前記第2の姿勢への姿勢変化を指示する第2の指示と、を行うユーザーインターフェース部を含むことを特徴とする電子機器。
  10. 請求項8において、
    前記姿勢検出対象物が前記第1の姿勢となったことを表す第1の入力と、前記姿勢検出対象物が前記第2の姿勢となったことを表す第2の入力と、をユーザーから受け付けるユーザーインターフェース部を含むことを特徴とする電子機器。
  11. 請求項1乃至7のいずれかに記載の姿勢検出装置を含むことを特徴とする頭部装着型装置。
  12. 姿勢センサーからの姿勢検出情報を取得し、
    前記姿勢検出情報に基づいて、姿勢検出対象物が第1の姿勢であるときの第1の姿勢情報と、前記第1の姿勢から鉛直軸以外の軸まわりでの回転をした姿勢である第2の姿勢であるときの第2の姿勢情報と、を求め、
    前記姿勢検出対象物の姿勢情報に対して、前記第1の姿勢情報及び前記第2の姿勢情報に基づく変換処理を行って、前記第1の姿勢を基準とした前記姿勢検出対象物の姿勢を表す変換姿勢情報を求めることで、前記姿勢検出対象物の姿勢検出処理を行う、
    ことを特徴とする姿勢検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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