JP2015179236A - 汚れ付着防止装置およびそれを用いた光学式ほこり検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の高圧印加による光学レンズへの汚れ付着防止装置は、印加電極から離れた箇所、例えば、印加電極が光学レンズの縁にあれば光学レンズの中心部、といった箇所では印加電極からの距離に応じて電圧が減衰するため汚れ付着防止効果が弱くなる、という課題があった。
【解決手段】印加電極6を光学レンズ5の帯電部4と対向していない面に配置することで、光学レンズ5の帯電部4側の表面に同極性の電荷を一様に分布させることができ、光学レンズ5の表面への汚れの付着を防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学系レンズの汚れ防止装置を搭載した光学式ほこり検出装置に関する。
従来、光学レンズを使用した計測器は、経年使用時に光学レンズにほこりや浮遊粒子が付着して光学レンズが汚れて正確な計測ができなくなる、という課題がある。そして、正確な計測を維持するためには定期的なメンテナンスが必要となるが、メンテナンスそのものの手間の問題や、計測器の設置場所によっては人が簡単に入れないような場所もありメンテナンスそのものが難しい、という課題がある。
そこで、これらの課題を解決するために光学レンズの汚れを防止し、光学レンズをメンテナンスフリーとする方法が検討されている。
例えば、プリンターにおいては帯電したトナーが光学レンズに付着して印刷物が汚れる、という課題がある。そこで、帯電したトナーの極性と同極性の高電圧をレンズに印加することで、静電気による反発力を利用して帯電トナーの光学レンズへの付着を防ぎ、光学レンズのメンテナンスフリー化を図る方法が提案されている(特許文献1参照)。
この発明の装置は主に、感光体101と、帯電器102、LEDヘッド103、LEDレンズアレイ104、電極坂105から構成されている。
まず、帯電器102により感光体101を均一に帯電させる。次に、LEDヘッド103からLEDレンズアレイ104を通して感光体101に露光し、静電潜像(印刷イメージ)を感光体101上に形成する。露光後、感光体101に帯電したトナーを付着させると、感光体101上では静電潜像部分のみに帯電したトナーが付着される。この状態で紙を感光体101に近づけると、紙にトナーが付着して印刷が完了する。
このLEDレンズアレイ104に帯電トナーが付着すると静電潜像の形成が不十分となり、印刷が綺麗に仕上がらなくなる。そこで、このLEDレンズアレイ104の両側面に電極坂105を取り付け、帯電器102から高圧を印加する。
これにより、電極坂105と帯電したトナーとの間には静電気による反発力が働き、LEDレンズアレイ104に帯電トナーが付着することを防止できる、としたものである。
特開2003−276248号公報
このような従来の光学レンズの汚れ防止装置では、電圧印加部の近辺は光学レンズへの帯電トナーの付着防止を期待できる。しかし、電圧印加部の近辺以外の箇所、例えば、電圧印加部が光学レンズの縁にあるときは光学レンズの中心部、というような電圧印加部との距離がある箇所では印加部からの距離に応じて電圧が減衰するため、その付着防止効果は弱くなる。
本発明ではこのような課題を解決し、光学レンズ表面全体に汚れの付着しにくいほこり検出装置を提供する。
本発明は、
放電電極と接地電極を対向して配置し空気中の浮遊粒子を帯電させる帯電部と、
光を通過させる光学レンズと、
前記光学レンズを内包し、少なくとも一端に開口を設けた筒状の本体と、
前記光学レンズに電圧を印加する印加電極と、
前記放電電極と前記印加電極に高圧を供給する高圧電源とを備え、
前記帯電部は、前記光学レンズよりも前記本体の前記開口の近傍に配置し、
前記光学レンズの前記帯電部と対向していない面に前記印加電極を接触させたことを特徴としたものである。
上記構成により、光学レンズの表面には、帯電させたほこりなどの粒子と同極性の電荷が分布する。そのため、帯電した粒子は、光学レンズと反発し、光学レンズへの付着を防ぐことができる。
本発明の実施の形態1の汚れ付着防止装置の構成を示す第一の概要図 同汚れ付着防止装置の光学レンズの(a)正面図、(b)内部構成粒子の電荷の並びを示す図 本発明の第2の実施の形態の汚れ付着防止装置の構成を示す(a)概要図、(b)放電電極の正面図、(c)接地電極の正面図 本発明の第3の実施の形態の光学式ほこり検出装置を示す図 従来のプリンターにおける光学レンズ汚れ防止装置の構成を示す簡略図
本発明の請求項1記載の汚れ付着防止装置は、
放電電極と接地電極を対向して配置し空気中の浮遊粒子を帯電させる帯電部と、
光を通過させる光学レンズと、
前記光学レンズと前記帯電部を内包し、少なくとも一端に開口を設けた筒状の本体と、
前記光学レンズに電圧を印加する印加電極と、
前記放電電極と前記印加電極に高圧を供給する高圧電源とを備え、
前記帯電部は、前記光学レンズよりも前記本体の前記開口の近傍に配置し、
前記光学レンズの前記帯電部と対向していない面に前記印加電極を接触させたことを特徴としたものである。
光学レンズの帯電部と対向していない面から電圧を印加することで、光学レンズ内部の構成粒子の電荷はレンズ表面と垂直にプラスとマイナス交互に並び変わるため、レンズ表面に印加電極と同極性の電荷を分布させることができる。
これにより、帯電した浮遊粒子と光学レンズ表面は同極性となり、電気的な斥力により光学レンズ表面への浮遊粒子の付着を防止することができる。
また、前記放電電極は、前記光学レンズと前記接地電極の間に配置することを特徴としたものである。これにより、放電電流の流れる向きと光学レンズに向かってくる浮遊粒子の向きが正反対となるため、浮遊粒子と電子の衝突率が向上し、より確実な浮遊粒子への帯電が期待できる。
また、前記放電電極と前記設置電極の形状は格子状であることを特徴としたものである。この形状にすることで、光学レンズから発信される光が帯電部を貫通することができるため、本来の目的である光学測定を支障なく行うことができる。
また、前記筒状の本体は絶縁体であることを特徴としたものである。
筒状の本体が導電体である場合は、放電電極と筒状の本体の距離が近すぎると、放電電極から筒状の本体への放電してしまうことで浮遊粒子への帯電が不十分となる可能性がある。そこで、筒状の本体を絶縁体とする。これにより、放電電極から筒状の本体への放電がなくなり、上記のような配慮を不要とでき、浮遊粒子を十分に帯電させることができる。
また、上記汚れ付着防止装置において、前記帯電部とは前記レンズを挟んで反対側に設けた発光部または受光部を備えた光学式ほこり検出装置であることを特徴としたものである。
これにより、光学レンズの汚れ付着を防止しメンテナンスフリーを実現した光学式ほこり検出装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、本実施の形態の汚れ付着防止装置およびそれを用いた光学式ほこり検出装置は、本体となる円筒1と、放電電極2と接地電極3から構成される帯電部4と、光学レンズ5と、光学レンズ5に電圧を印加する印加電極6と、放電電極2と印加電極6に高圧を供給する高圧電源7から構成されている。円筒1は、帯電部4側を開口し、帯電部4は、この開口の近くに設けられる。
帯電部4では放電電極2から接地電極3に放電電流を流し、その放電電流が流れている領域に浮遊粒子を通過させることで浮遊粒子を帯電させている。
帯電部4を円筒1の開口の近傍に配置すると、開口部から侵入した浮遊粒子は帯電部4を通過するため必ず帯電する。
そして、印加電極6は光学レンズ5の帯電部4と対向しない側に接触させて配置する。
この状態で印加電極6に高圧を印加すると、印加電極6の印加極性に応じて光学レンズ5の内部構成粒子の電荷の並びが変わる。
その電荷の並び変わりの様子を、図2を用いて説明する。
図2は、印加電極6に電圧を印加した際の光学レンズ5内の構成粒子の電荷の並びを示している。図2では、説明のため光学レンズ5を板状として記述してあるが、実際の形状は異なっている。
図2に示すように、例えば、高圧電源7から印加電極6に印加する極性をプラスに設定する。このとき、高圧電源7からは帯電部4にも電圧を印加するため、帯電部4の放電はプラス放電となり浮遊粒子の帯電極性もプラスとなる。印加電極6にプラス極性の電圧を印加すると、誘電分極の作用によって、印加電極6と光学レンズ5の接触部では光学レンズ5内の構成粒子Aのマイナス電荷が印加電極のプラス極性に引き寄せられる。
同時に、構成粒子Aのプラス電荷はマイナス電荷を挟んで印加電極6と反対側の位置に移動する。加えて、並びが変わった構成粒子Aのプラス電荷に構成粒子Bのマイナス電荷が引き寄せられる。同時に、構成粒子Bのプラス電荷はマイナス電荷を挟んで構成粒子Aのプラス電荷と反対側の位置に移動する。
さらに、並び変わった構成粒子Bのプラス電荷に構成粒子Cのマイナス電荷が引き寄せられる。同時に、構成粒子Cのプラス電荷はマイナス電荷を挟んで構成粒子Bのプラス電荷と反対側の位置に移動する。
このように、光学レンズ5内の構成粒子の電荷は、印加電極6への電圧印加と同時にその電圧印加部を起点として連鎖的に並び変わる。
したがって、この電荷の連鎖的な並び変わりにより光学レンズ5の帯電部4と対向した面にはプラスの極性が現れることになる。そして、光学レンズ5の帯電部4と対向した面と帯電した浮遊粒子の極性は同一極性であるため、その間に電気的な斥力が働いて、光学レンズ5の帯電部4と対向した面には浮遊粒子が付着しにくくなる。
これにより、光学レンズ5への浮遊粒子の付着を防ぐことができる。
なお、本実施の形態において、本体は円柱形の円筒1としたが、筒の形状は円柱形以外であってもその効果に差異を生じない。
また、図1では帯電部4が円筒1の内部の開口部近傍に設置したが、開口部近傍であれば円筒1の外部に帯電部4を設置してもその効果に差異を生じない。
また、印加電極6を光学レンズ5の帯電部4と対向しない側に配置する場合、印加電極6が光学レンズ5を通過する光を遮らないよう、印加電極6には光を通過させるための開口部が必要となる。この開口部は測定光を遮らなければどのような形状でもかまわないが、開口部が大きいと開口部の中心は印加電極6の接触部と離れることから開口の中心部では誘電分極の作用が弱まる可能性がある。
従って、開口部の面積はできるだけ小さいほうが望ましい。また、円筒1は、絶縁体で構成するとよい。
すなわち、円筒1を絶縁体とすることで放電電極2から円筒1への放電がなくなるため、接地電極3への放電電流は減少せず浮遊粒子を十分に帯電することができる。
なお、強度の都合などにより円筒1全体を絶縁物で構成するのが難しい場合は、円筒1の帯電部4の近傍のみを絶縁物で構成してもその効果に差異を生じない。
(実施の形態2)
図3に本実施の形態におけるほこり付着防止装置の概要図を示す。本実施の形態に係るほこり付着防止装置は、図3に示すように放電電極2を光学レンズ5側に、接地電極3を円筒1の開口側に配置するものである。言い換えれば、放電電極2は、接地電極3と光学レンズ5の間に設けられている。
このような配置とすることで、光学レンズ5に向かってくる浮遊粒子と、帯電部4で流れる放電電流の向きが正反対となり、浮遊粒子と電子の衝突率が向上する。そのため、より効率的に、より確実に浮遊粒子が帯電することになる。
また、接地電極3が開口側に配置されているので、開口側から高電圧となる放電電極2に触れることがなくなる。従って、手や指を挿し込まれても接触するのは必ず接地電極3となるため、感電の危険を生じない。
なお、放電電極2と接地電極3の配置を図2の配置とする場合は、光学レンズ5から発信される光を妨げないよう、光は各電極を貫通させる必要がある。そこで、図3のような格子状とすれば、各電極が光を妨げることないので目的とする光学測定に支障が出ない。
また、ここでは放電電極2、接地電極3の形状を格子状としたが、光の妨げとならなければどのような形状でもかまわない。
また、第1の実施の形態同様、帯電部4は、開口部近傍であれば円筒1の外部に帯電部4を設置してもその効果に差異を生じない。
また、第1の実施の形態同様、円筒1は、絶縁体で構成するとよい。
(実施の形態3)
図4に示すように、本実施の形態の光学式ほこり検出装置は、発光装置17と受光装置18から構成される。
発光装置17は、実施の形態1で示した汚れ付着防止装置を用い、さらに円筒1aの内部に発光素子8を組み込んだものである。受光装置18は、実施の形態1で示した汚れ付着防止装置を用い、さらに円筒1bの内部に受光素子16を組み込んだものである。
発光装置17では、光学レンズ5aは発光素子8と帯電部4aの間に配置する。同様に、受光装置18では、光学レンズ5bは帯電部4bと受光素子16の間に配置する。
また、印加電極6aは光学レンズ5aの帯電部4aと対向しない側に、印加電極6bは光学レンズ5bの帯電部4bと対向しない側に配置して接触させる。
このようなほこり検出装置は、例えば、トンネル内での煙の濃度を判定するために用いられる。トンネル内で使用する光学式ほこり検出装置は、発光装置17と受光装置18をトンネル内で道路を挟んで設置する。また、発光装置17と受光装置18は、円筒1a、1bの開口部側(帯電部4a、4b側)を対向させて設置する。なお、図4では、発光装置17と受光装置18の配置を簡略化して描画したが、実際には発光装置17と受光装置18は、数十メートルから数百メートルの距離をおいて配置される。
この光学式ほこり検出装置は、発光装置17から出力した光信号を受光装置18で受信する。受光装置18で受信する光信号は、トンネル内の煙の濃度が高いと弱くなり、煙の濃度が低いと強くなる。この受信した光信号の強弱により、トンネル内の空気の清浄度判定する、というものである。
このような構成によれば、空気中のほこりなどの浮遊粒子は、円筒1a、1bの開口部で帯電される。そして、光学レンズ5a、5bは、裏面、すなわち、円筒1a、1bの開口部とは反対面に印加電極6a、6bを接触させている。従って、光学レンズ5aの帯電部側の表面と、光学レンズ5bの帯電部側の表面には帯電した浮遊粒子と同極性の電荷が現れるため、電気的な斥力により光学レンズ5a、5bへの浮遊粒子の付着を防ぐことができ、メンテナンスフリーを実現した光学式ほこり検出装置を提供できる。
なお、上記では実施の形態1で示した汚れ付着防止装置の構成を用いて効果を説明したが、実施の形態2で示した汚れ付着防止装置の構成を用いてもその効果に差異を生じない。
本発明は、光学式ほこり検出装置に適用できる。
1、1a、1b 円筒
2、2a、2b 放電電極
3、3a、3b 接地電極
4、4a、4b 帯電部
5、5a、5b 光学レンズ
6、6a、6b 印加電極
7、7a、7b 高圧電源
8 発光素子
16 受光素子
17 発光装置
18 受光装置

Claims (5)

  1. 放電電極と接地電極を対向して配置し空気中の浮遊粒子を帯電させる帯電部と、
    光を通過させる光学レンズと、
    前記光学レンズを内包し、少なくとも一端に開口を設けた筒状の本体と、
    前記光学レンズに電圧を印加する印加電極と、
    前記放電電極と前記印加電極に高圧を供給する高圧電源とを備え、
    前記帯電部は、前記光学レンズよりも前記本体の前記開口の近傍に配置し、
    前記光学レンズの前記帯電部と対向していない面に前記印加電極を接触させたことを特徴とする汚れ付着防止装置。
  2. 前記放電電極は前記光学レンズ側に、前記接地電極は本体の開口側に配置することを特徴とする請求項1記載の汚れ付着防止装置。
  3. 前記放電電極と前記接地電極の形状は格子状であることを特徴とする請求項1〜2記載の汚れ付着防止装置。
  4. 前記筒状の本体は絶縁体であることを特徴とする汚れ付着防止装置。
  5. 請求項1〜4いずれかひとつに記載の汚れ付着防止装置と、
    前記帯電部とは前記レンズを挟んで反対側に設けた発光部または受光部を備えた光学式ほこり検出装置。
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