JP2015171269A - ルールを用いた自動デマンドレスポンス実行装置および実行システム - Google Patents

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塚本 昌彦
Masahiko Tsukamoto
昌彦 塚本
智樹 義久
Tomoki Yoshihisa
智樹 義久
朋也 川上
Tomoya Kawakami
朋也 川上
直生 藤田
Tadao Fujita
直生 藤田
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Abstract

【課題】各電力需要側の電力消費ポリシーおよび電力供給側の電力供給ポリシーを反映し、エリア内の施設情報に基づき、階層的なルールエンジンを用いたルールシステムにより、現状を認識した上で適切にデマンドレスポンスを自動で実行する装置を提供する。【解決手段】1)電力供給側端末から電力需要側での電力削減要求を受信し、2)電力需要側端末から電力需要側の総消費電力情報および消費電力機器の優先度情報を有するローカルポリシーを受信し、3)それぞれの電力需要側のプロファイルに基づく電力供給の優先度情報を有するグローバルポリシーおよび受信したローカルポリシーに基づき、管理する電力需要側のグローバルルールを生成し、4)デマンドを受信した場合に、グローバルルールから個々の電力需要側端末に対するローカルルールを生成し、5)電力需要側端末に対してローカルルールを送信する。【選択図】図4

Description

本発明は、電力会社からの電力削減の要請に従い、デマンドレスポンス(DR)イベントを、センサデータ及び機器データベースに基づき、ルールを用いて自動デマンドレスポンス(ADR:Automated Demand Response)を実行する装置およびシステムに関するものである。
電気の使用量が増えると、電力会社などは発電所の出力を増やし、瞬間の電力消費量(需要)に見合った発電量(供給)を維持する。多数のユーザが存在して、多様な電気機器を使用しているため、それらの一部の使用を一時的に控えてもらうことにより、需要の増分を抑制でき、需要を減少させることが可能になる。このように、需要と供給の一致は、発電所の出力を増減させること以外に、需要を変化させることでも実現できる。
次世代送電線網であるスマートグリッドの概念において、情報通信技術の活用により、需要家に無理なく柔軟に需要を減らして需給を一致させることが行われており、この需要の減少分は通常の供給電力と対比する意味で、ネガワット(Negative Watt)と呼ばれている。電力会社からすると、燃料を焚き増すのと同じ効果が得られるのであれば、それに相当する対価を支払って、ネガワットを購入するといった選択肢もあり、ネガワット取引と呼ばれている。既に米国などでは、電力を取引する市場で通常の正の電力と同様に取引されている。
ネガワットは、電力の需要と供給を一致させる効果として電力の供給力と等価であるため、今後、ネガワット取引の活用が期待されている。ネガワットを発生させる施設としては、例えば、ホテル、病院、大学、工場、集合住宅などが挙げられる。
近年の電力産業の世界において、ネガワットを集める事業者は「アグリゲータ」と呼ばれている。アグリゲータとは、需要家の電力需要を束ねて効果的にエネルギー管理サービス(電力消費量を把握し節電を支援するサービス)を提供する事業者であり、自らエネルギー管理システム(以下、「EMS」という)を設置し、エネルギー管理、電力売買、送電などのサービスの仲介を担っている。
また一方、電力需要が電力事業者の供給能力を上回ることが予想される場合、電力事業者としては需給バランスを崩さないようにするため、需要を抑制する仕組みとして、デマンドレスポンス(以下、「DR」とする)がある。このDRは、スマートグリッドを構成する要素の一つとされ、電力需要のピークを予測し、電力供給が逼迫する時間帯に、電力会社あるいは地域エリアのエネルギー管理システム(EMS)等がそれぞれの需要家へ電力削減要請を出し、要請を受けた需要家は、電力消費機器を適切に制御して電力需要の削減を図る。DRは、アグリゲータが取り扱うサービスの内の1つとされている。
米国では、需要応答の市場化やエネルギー管理システム(EMS)への進化に伴い、アグリゲータ事業が急成長している。日本でも、近年の再生可能エネルギーの拡大とともに、節電の必要性から、アグリゲータを介することによるピーク時の電力需要減が重視されている。特に、東京電力福島第1原発事故以降、アグリゲータ事業の市場は急成長しており、需給が逼迫しそうになると、電力会社の要請を受けたアグリゲータが契約先の電力使用量を抑制し、ピーク時の電力需要を抑えることが行われる。
アグリゲータは、例えば、複数の小口需要家をまとめ、ビルの照明や空調などを遠隔操作して需給を調整する。具体的には、電力需給の逼迫が予想される日の前日の段階で、電力会社はアグリゲータに対し翌日のピーク抑制を依頼し、アグリゲータはビルの空調や照明を遠隔操作するなどして需要を抑える。電力会社は節電量に対し、アグリゲータにインセンティブ(報酬など)を渡し、各需要家はアグリゲータからインセンティブ(報酬など)を受け取ることができる。アグリゲータの顧客である各需要家(ビルや工場)にとって、自らの電気料金が節約でき、さらにインセンティブを受け取れる利点がある。
従来、デマンドレスポンス(DR)に対して、事前に決められた内容や値に基づいて、人が電力削減の応答を行っており、機械による自動応答では現在の状況や電力使用状況に基づき柔軟に対応することが困難であった。
そこで、予め設定された制御ルールによりセンサ情報及び機器情報に基づいて、現状(現在の消費電力量、人やフロア毎の機器の環境)を認識した上で適切に応答して、電力削減を自動的に行うシステムが知られている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
例えば、特許文献1の電力管理装置の場合、限定的な時間範囲において供給量が少なくなる場合には、使用者はデマンドの実施予定時刻や内容を知ることができない問題に鑑みて、時間帯ごとの消費電力削減量のデータ、推定した所定時間帯ごとの消費電力のデータ、空調の運転状態と電力との関係を示すデータおよび空調の動作条件に基づく空調の消費電力を削減するデマンドに基づいて、それぞれの空調に対して、時間帯ごとに制御指令を自動で送信する。
また、特許文献2の電力調整支援装置の場合、デマンドレスポンスにおける電力削減目標量を満たすように、各フロアを複数に区切った各エリアに属する電力消費機器を決定し、電力消費機器の制御優先度を算出するための制御ルール及びこれに適用するパラメータに基づいて、制御結果を求めるための演算ルールを形成する。
また、特許文献3の電力制御装置の場合、電力需要側の環境状態を示す環境情報を取得し、環境情報に基づいて削減要求に応じた電力削減量を算出する。環境情報としては、電力需要側のエリア毎に存在する人数を示す人数情報であり、電力削減量に基づいて、電力需要側のエリア毎に割り当てた電力削減量に応じた制御を行い、また、予め設定された電力削減対象から除外するエリアに対しては電力削減量に応じた制御を無効にする。
特開2014−009824号公報 特開2013−236520号公報 特開2012−065407号公報
上述した特許文献1〜3に開示された技術では、複数の空調設備、ビル内のフロア毎の電力消費機器、エリア毎に存在する人数など現在の状況や電力使用状況に基づき柔軟に対応して電力削減を自動的に行うものである。
しかしながら、ホテル、病院、大学、工場、集合住宅や、それぞれの家庭が多数集まった地域の面的エリア内で消費される電力に対して、それぞれの需要家の利便性を失わず、かつ、需要家が意識することなく、確実に消費電力を削減できるものではない。
かかる状況に鑑みて、本発明は、電力需要側の電力消費ポリシーおよび電力供給側の電力供給ポリシーを反映し、エリア内の施設情報に基づき、階層的なルールエンジンを用いたルールシステムにより、現状を認識した上で適切にデマンドレスポンスを自動で実行する装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の自動デマンドレスポンス実行装置は、複数の電力需要側を管理し、それぞれの電力需要側の電力消費機器の動作を制御して需給を調整する装置であって、少なくとも1つの電力供給側端末と、少なくとも1つの電力需要側端末と、ネットワークを介して接続され、下記1〜5)を備える。
1)電力供給側端末から電力需要側での電力削減要求(デマンド)を受信するデマンド受信手段
2)電力需要側端末から電力需要側の総消費電力情報および消費電力機器の優先度情報を有するローカルポリシーを受信する電力需要側情報受信手段
3)それぞれの電力需要側のプロファイルに基づく電力供給の優先度情報を有するグローバルポリシーおよび受信したローカルポリシーに基づき、管理する電力需要側のグローバルルールを生成するグローバルルール生成手段
4)デマンド受信手段がデマンドを受信した場合に、グローバルルールから個々の電力需要側端末に対するローカルルールを生成するローカルルール生成手段
5)電力需要側端末に対してローカルルールを送信するローカルルール送信手段
ここで、電力需要側の電力消費ポリシーは、電力需要側端末(ゲートウェイサーバ、HEMSサーバ、分電盤など)から電力需要側の総消費電力情報および消費電力機器の優先度情報を有するローカルポリシーで記述される。また、電力供給側の電力供給ポリシーは、電力需要側のプロファイル(ビル、工場、病院、集合住宅のプロファイル)に基づく電力供給の優先度情報を有するグローバルポリシーで記述される。
また、グローバルルールは、電力需要側のプロファイルに基づく電力供給の優先度情報を有するグローバルポリシーだけでなく、電力需要側の総消費電力情報および消費電力機器の優先度情報を有するローカルポリシーも加えた情報に基づいて記述された中間的なルールである。
電力需要側のプロファイルに基づく電力供給の優先度情報とは、例えば、ビル、工場、病院、学校、集合住宅などの個別の施設に対する電力供給の優先度であり、時間帯に応じて優先度が変化することもある。電力供給の優先度は、個別の施設の重要度に基づいて予め決められる場合、自家発電能力の有無を加味して決められる場合、利用者数や設備規模に応じて決められる場合がある。
また、電力需要側の総消費電力情報とは、個々の電力需要側端末に接続されている消費電力機器の情報から総消費電力を算定されるものである。後述するように、複数レベルの消費電力量に分けられ、各レベルの消費電力量に応じて、消費電力機器の優先度が決められるのが好ましい。消費電力機器の優先度とは、例えば、照明、空調、冷蔵庫などの家電の優先度、ビルや工場の場合は、フロア照明、機械設備の優先度である。
グローバルルールが、グローバルポリシーだけでなく、ローカルポリシーも加えた情報に基づいて記述されることで、電力需要側の電力消費ポリシーおよび電力供給側の電力供給ポリシーを反映でき、エリア内の施設情報に基づき、ルールシステムにより、現状を認識した上で適切にデマンドレスポンスを自動で実行することができる。
本発明の自動デマンドレスポンス実行装置のグローバルポリシーにおいて、電力需要側のプロファイルは、電力需要側の重要度および稼働時間が記述され、重要度および稼働時間から、時間帯毎の電力供給の優先度が記述されていることが好ましい。
重要度だけでなく、稼働時間についても記述されることにより、例えば、工場では夜間は一部の照明と機械設備を除いて電力供給が不要であるというルールを記述できることになる。
また、本発明の自動デマンドレスポンス実行装置のローカルポリシーにおいて、総消費電力情報は、複数レベルの消費電力量に分けられており、各レベルの消費電力量に応じて、消費電力機器の優先度が記述されていることが好ましい。
総消費電力情報が、複数レベルの消費電力量に分けられることにより、段階的な電力削減が可能になり、デマンドに対してより柔軟に対応することができる。
また、本発明の自動デマンドレスポンス実行装置のローカルポリシーにおいて、消費電力機器の優先度情報は、時間帯毎に異なる優先度が記述されていることが好ましい。
例えば、家庭においては、昼間は照明の優先度は低く、反対に夜間は照明の優先度は高くなる。また、夏場の季節ではエアコンの優先度は高く、反対に春・秋はエアコンの優先度は低くなる。時間帯毎に異なる優先度は、このように時間帯(一日の時間帯ではなく、季節帯も含む概念で用いている)によって、消費電力機器の優先度は変化するので、時間帯毎に異なる優先度が記述するのである。
また、本発明の自動デマンドレスポンス実行装置のローカルルールは、ルールを有効(Enable)とする時間帯情報あるいは期間情報が含まれていることが好ましい。
ルールを有効(Enable)とする時間帯情報とは、何時から何時までルールが有効であるとか、現在から1週間有効とか、直ちに有効とか、である。
また、本発明の自動デマンドレスポンス実行装置は、デマンドを受信した後、デマンド期間内の別デマンドを受信すると、別デマンドが前記デマンドよりも大きな電力削減要求であり、かつ、デマンド期間が有効である場合に、ローカルルール生成手段が別デマンドに基づく別のローカルルールを生成し、ローカルルール送信手段が電力需要側端末に対して別のローカルルールを送信する。
デマンド期間内にさらにきびしいデマンドを受けた場合、デマンド期間が有効であれば、後のルールを優先することにより、デマンドに応答する。
また、本発明の自動デマンドレスポンス実行装置のローカルルール生成手段は、ルール内に連鎖ルールの存在の有無をチェックし、連鎖ルールが存在した場合には、デマンド期間開始前または終了間際に連鎖実行されるルールの強制終了、あるいは、ルールの延長時間を設定することが好ましい。
電力需要側で、デマンド期間終了間際に連鎖する可能性のあるルールを実行している場合、意図せぬ連鎖を防ぐためである。連鎖ルールが存在した場合には、デマンド期間開始前または終了間際に連鎖実行されるルールの強制終了、あるいは、ルールの延長時間を設定する。ルールの延長時間には、明示的あるいは暗黙的な延長時間が含まれる。
また、デマンド期間開始直前に、その時点で連鎖実行されている可能性のあるルールを検知し、その連鎖実行されている可能性のあるルールを、デマンド開始までにストップさせる必要がある場合には、予め設定されたルールに従ってストップさせる。デマンド開始までにストップさせる必要が無い場合には、そのまま放置することでも構わない。
上述した本発明の自動デマンドレスポンス実行装置と、少なくとも1つの電力供給側端末と、少なくとも1つの電力需要側端末とがネットワークを介して接続されたシステムが、自動デマンドレスポンス実行システムである。自動デマンドレスポンス実行システムにおいて、電力需要側端末は、デマンド期間が終了すると、受信した前記ローカルルールを破棄し、オリジナルのルールに戻すことが好ましい。
電力需要側では、オリジナルのルールを記憶しており、自動デマンドレスポンス実行装置から送られたローカルルールに記述された有効期間が終わると、元のルールに戻す。これは、デマンドにより生成されたローカルルールは、あくまで一時的なものであるためである。
自動デマンドレスポンス実行システムにおいて、電力需要側端末、電力供給側端末および自動デマンドレスポンス実行装置における時刻情報は同期されていることが好ましい。デマンド期間内のルールの実行開始・終了の一貫性を確保するためである。
時刻情報の同期は、例えば、長波帯標準電波信号の外部信号を受信することにより行う。
また、自動デマンドレスポンス実行システムにおける電力需要側端末は、受信したローカルルールをデマンド期間内に実行開始時および実行終了時に、自動デマンドレスポンス実行装置に通知することが好ましい。
自動デマンドレスポンス実行装置が、実行開始時および実行終了時の通知を受け取ることにより、ルールが実際に実行されたかの把握が行える。
本発明によれば、電力需要側の電力消費ポリシーおよび電力供給側の電力供給ポリシーを反映し、エリア内の施設情報に基づき、階層的なルールエンジンを用いたルールシステムにより、現状を認識した上で適切にデマンドレスポンスを自動で実行できるといった効果がある。
自動デマンドレスポンス実行システムの構成模式図 自動デマンドレスポンス実行システム構成の系統図 自動デマンドレスポンス実行システムの概念図 階層化ルールの説明図 自動デマンドレスポンス実行システムの処理概念図 自動デマンドレスポンス実行システムの処理フロー図 自動デマンドレスポンス実行システムの機能ブロック図
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
図1は、自動デマンドレスポンス実行システムの構成模式図を示している。
電力網A〜Cは、電力会社の電力供給網であり、電力供給側を示している。また、PST1〜3は、電力供給側端末を示している。上述したように、アグリゲータは、複数の小口需要家を取りまとめ、照明や空調などを遠隔操作して需給を調整する。アグリゲータaは電力網Aの電力供給側端末PST1とネットワークを介して接続され、アグリゲータbは電力網Bの電力供給側端末PST2とネットワークを介して接続され、アグリゲータcは電力網BおよびCの電力供給側端末PST2およびPST3とネットワークを介して接続されている。
アグリゲータaは、自身が取りまとめているホームネットワーク1〜3のホームゲートウェイHGW1〜3に接続されており、電力網Aからの電力削減要求(デマンド)を受けるとホームネットワーク1〜3の需給を調整する。また、アグリゲータbは、自身が取りまとめているビルネットワーク4のゲートウェイGW4に接続されており、電力網Bからの電力削減要求(デマンド)を受けるとビルネットワーク4の需給を調整する。また、アグリゲータcは、自身が取りまとめているファクトリネットワーク5のゲートウェイGW5に接続されており、電力網Bまたは電力網Cからの電力削減要求(デマンド)を受けるとファクトリネットワーク5の需給を調整する。
図2は、自動デマンドレスポンス実行システム構成の系統の説明図である。図では、電力供給側(電力会社)A〜Cと、電力需要側(ホームゲートウェイ)1〜11と、その中間に位置し、電力供給側から電力削減要求(デマンド)を受けると電力需要側の需給を調整するアグリゲータa〜eが示されている。図は、電力会社Aがアグリゲータaを介して、ホームゲートウェイ1〜3を制御できることを示している。また、電力会社Bがアグリゲータbを介して、ホームゲートウェイ4〜7を制御できることを示している。また、電力会社Cがアグリゲータcを介して、ホームゲートウェイ8〜10を制御できることを示している。
次に、図3〜5を参照して、自動デマンドレスポンス実行システムの概念を説明する。
アグリゲータa〜cのそれぞれが、本発明における自動デマンドレスポンス実行装置に該当する。アグリゲータa〜cは、電力供給側端末PST1〜3とデマンドレスポンス(DR)のデータ通信を行い、一方で、ホームゲートウェイHGW1〜3とルールの配信と消費電力データに関するデータ通信を行う。
図4に示すように、自動デマンドレスポンス実行装置におけるルールは、グローバルルールとローカルルールに階層化されている。グローバルルールはエリア全体の電力削減ルールが記述されており、一方、ローカルルールは電力需要側(ホームゲートウェイなど)の個々の電力供給ルールが記述されている。グローバルルールは、各エリアに対応した電力供給方針のグローバルポリシーと、電力需要側に対応した電力供給方針のローカルポリシーに基づいて生成される。
グローバルポリシーは、電力需要側のプロファイルに基づく電力供給の優先度情報を有する。優先度は、エリア内に存在する施設の特性に応じて、施設毎に設定する。例えば、エリア内に集合住宅、病院、学校、工場がある場合、病院は優先度を高く設定するべきであるが、例えば、その病院に入院病棟が無い場合や救急受付け対応が無い場合、病院がクローズする土日祝日などは優先度を低く設定すべきである。また学校の場合も、学校の閉鎖日は優先度を低くすべきである。工場の場合も同様である。集合住宅では、そこに住んでいる人の生活スタイルによって異なるかもしれないが、通常は、優先度が高く設定されるべきであろう。
このように、グローバルポリシーは、電力需要側のプロファイルに基づいて、電力供給の優先度を記述したものである。
一方、ローカルポリシーは、電力需要側の総消費電力情報および消費電力機器の優先度情報を有する。集合住宅では、時間帯(昼間と夜間)によっては、電力消費対象が異なるかもしれない。例えば、昼間は照明を利用しないであろう。夜間は反対に照明を利用するだろう。このように集合住宅では使用される電力消費機器が異なることから、デバイス毎に優先度の設定が可能である。また、昼間と夜間では総消費電力量に差が現れるかもしれない。すなわち、時間帯(昼間と夜間)によっては、総消費電力量および消費電力機器の優先度が異なることになる。また、集合住宅では個々の家庭の総消費電力量および消費電力機器の優先度は異なるはずである。また、工場、病院、学校も、時間帯(昼間と夜間)、平日と休日では、総消費電力量および消費電力機器の優先度は異なるはずである。
それらの総消費電力量および消費電力機器の優先度の情報をローカルポリシーとして記載する。
そして、電力需要側のプロファイルに基づいて電力供給の優先度が記述されたグローバルポリシーと、電力需要側の総消費電力情報および消費電力機器の優先度が記述されたローカルポリシーとから、グローバルルールを生成する。
ここで、グローバルルールについて説明する。電力供給側端末から電力削減要求のデマンドレスポンス(DR)イベント通知があった場合、アグリゲータは、DRイベント通知内容から、時間帯と電力削減量を認識できる。翌日の何時〜何時に電力削減、あるいは、DRイベントが直ちに電力削減を要請する場合もあるだろう。
グローバルルールでは、時間帯毎に、曜日毎に、月日毎に、管理するエリア内の電力需要側のプロファイルに基づいて電力供給の優先度を予め設定している。
例えば、電力需要側の施設が病院と学校であれば、病院を高優先度とし、学校を低優先度とする。また、DRイベントの要請する時間帯が昼間の場合、電力需要側の施設が学校とオフィスであれば、学校もオフィスもどちらも優先度は比較的高くなり、要請する時間帯が夜間の場合、学校もオフィスもどちらも優先度は低くなる。この場合も、例えば、学校が夜間学校であったりすれば優先度が変わる。オフィスも不動産業のように平日に休んで土日休日に稼働する場合もある。百貨店も平日に休んで土日休日は稼働する。
グローバルルールは、電力需要側のプロファイルに基づいて予め時間軸(時間帯、曜日、月日)に沿って、電力需要側の個々の施設に対する電力供給の優先度が記述されている。
グローバルルールには、ローカルルールがリンクされている。
ローカルルールは、個々の施設内のデバイス動作(ON/OFFや、強弱)を制御し、消費電力量を制御するためのルールである。例えば、電力削減する要請のDRイベントが来たとき、エアコン(高優先度)と洗濯機(低優先度)が動いていれば洗濯機を止めるというルールや、テレビ(低優先度)と洗濯機(低優先度)が動いていればどちらを止めるか利用者のモバイル端末にメールを送信して問い合わせるルールなどである。
図5に示すように、電力供給側端末4からデマンドレスポンス(DR)イベントがアグリゲータ1に送られると、アグリゲータ1はグローバルルールのリンク先から、当該DRに適した制御を実施する電力需要側のローカルルールを選定し、ホームゲートウェイ2にローカルルールを配信する。ホームゲートウェイ2は、自身が管理するデバイス(機器)に対して、制御コマンドを送り、機器の自動制御を行う。デバイス(機器)が停止するか動作を切り替えて節電を実施する(DR実施)。ホームゲートウェイ2は、デバイス(機器)の電力消費量を計量し、その結果をアグリゲータ1に通知する(電力消費量レポート)。アグリゲータ1は、節減電力レポートを電力供給側端末4に送り、一連のDRイベントに対する対応が終わる。
図6及び図7は、自動デマンドレスポンス実行システムの処理フロー及び機能ブロック図を示している。アグリゲータ1は、電力供給側と電力需要側と予め契約を行って、デマンドレスポンス(DR)イベントに対するインセンティブとなる価格を認識する。そして、電力需要側から消費電力機器の総消費電力情報と優先度を予め認識し、それらをDRイベント処理ルールD/B7としてデータベース化する。
アグリゲータ1は、DRイベント処理ルールD/B7を参照して、グローバルルールを生成し、それらを分解してローカルルールをホームゲートウェイ2に送信する。
ホームゲートウェイ2では、ローカルルールを受信21した後、ルールを解析し、個々のデバイス(機器)に送信するメッセージ(停止、動作切替など)を作成し、メッセージを送信する。デバイス(機器)3では、現在の動作状態データを通知し、ホームゲートウェイ2からメッセージを受信すれば、それを解析して、メッセージ内容に従ってデバイスを制御する。
本発明は、自動デマンドレスポンス(ADR)システムに有用である。
1 アグリゲータ
2 ホームゲートウェイ
3 デバイス・センサ
4 電力供給側端末

Claims (10)

  1. 複数の電力需要側を管理し、それぞれの電力需要側の電力消費機器の動作を制御して需給を調整する装置であって、
    少なくとも1つの電力供給側端末と、少なくとも1つの電力需要側端末と、ネットワークを介して接続され、
    1)前記電力供給側端末から電力需要側での電力削減要求(デマンド)を受信するデマンド受信手段と、
    2)前記電力需要側端末から電力需要側の総消費電力情報および消費電力機器の優先度情報を有するローカルポリシーを受信する電力需要側情報受信手段と、
    3)それぞれの電力需要側のプロファイルに基づく電力供給の優先度情報を有するグローバルポリシーおよび受信した前記ローカルポリシーに基づき、管理する電力需要側のグローバルルールを生成するグローバルルール生成手段と、
    4)前記デマンド受信手段が前記デマンドを受信した場合に、グローバルルールから個々の前記電力需要側端末に対するローカルルールを生成するローカルルール生成手段と、
    5)前記電力需要側端末に対して前記ローカルルールを送信するローカルルール送信手段と、
    を備えたことを特徴とする自動デマンドレスポンス実行装置。
  2. 前記グローバルポリシーにおいて、
    電力需要側のプロファイルは、電力需要側の重要度および稼働時間が記述され、
    重要度および稼働時間から、時間帯毎の電力供給の優先度が記述されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動デマンドレスポンス実行装置。
  3. 前記ローカルポリシーにおいて、
    総消費電力情報は、複数レベルの消費電力量に分けられており、
    各レベルの消費電力量に応じて、消費電力機器の優先度が記述されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動デマンドレスポンス実行装置。
  4. 前記ローカルポリシーにおいて、
    消費電力機器の優先度情報は、時間帯毎に異なる優先度が記述されている、
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の自動デマンドレスポンス実行装置。
  5. 前記ローカルルールは、ルールを有効(Enable)とする時間帯情報あるいは期間情報が含まれていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の自動デマンドレスポンス実行装置。
  6. 前記デマンドを受信した後、デマンド期間内の別デマンドを受信すると、
    別デマンドが前記デマンドよりも大きな電力削減要求であり、かつ、前記デマンド期間が有効である場合、
    前記ローカルルール生成手段が別デマンドに基づく別のローカルルールを生成し、
    前記ローカルルール送信手段が前記電力需要側端末に対して別のローカルルールを送信する、
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の自動デマンドレスポンス実行装置。
  7. 前記ローカルルール生成手段は、
    ルール内に連鎖ルールの存在の有無をチェックし、
    連鎖ルールが存在した場合には、デマンド期間開始前または終了間際に連鎖実行されるルールの強制終了、あるいは、ルールの延長時間を設定する、
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の自動デマンドレスポンス実行装置。
  8. 請求項1〜7の何れかの自動デマンドレスポンス実行装置と、少なくとも1つの電力供給側端末と、少なくとも1つの電力需要側端末とがネットワークを介して接続されたシステムであって、
    前記電力需要側端末は、前記デマンド期間が終了すると、受信した前記ローカルルールを破棄し、オリジナルのルールに戻すことを特徴とする自動デマンドレスポンス実行システム。
  9. 前記電力需要側端末、前記電力供給側端末および前記自動デマンドレスポンス実行装置における時刻情報が同期されていることを特徴とする請求項8に記載の自動デマンドレスポンス実行システム。
  10. 前記電力需要側端末は、受信した前記ローカルルールをデマンド期間内に実行開始時および実行終了時に、前記自動デマンドレスポンス実行装置に通知することを特徴とする請求項8又は9に記載の自動デマンドレスポンス実行システム。
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JP2017135824A (ja) * 2016-01-27 2017-08-03 住友電気工業株式会社 電力消費管理装置、電力消費管理システムおよび電力消費管理プログラム
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JP7555051B2 (ja) 2020-11-17 2024-09-24 パナソニックIpマネジメント株式会社 電圧制御システム、電圧制御方法及びプログラム

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