JP2015170992A - 無線接続装置、無線接続装置を制御するための方法 - Google Patents

無線接続装置、無線接続装置を制御するための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の通信インタフェースを持つ無線接続装置において、ハンドオーバの発生時、換言すれば、通信インタフェース切り替え発生時の名前解決に伴って、利用者の無線端末がタイムアウトすることを抑制する。
【解決手段】装置間の通信を実現するための複数の通信インタフェース130〜160と、複数の通信インタフェースの中から使用される通信インタフェースを切り替える通信制御部112と、無線接続装置と、無線端末との間で、コネクション型通信である第1の通信路を予め確立し、第1の通信路を確立後、無線端末から受信したネットワークアドレスを取得するための名前解決要求を、名前解決要求の宛先へ送信する代理処理部113と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、無線接続装置に関する。
コネクションレス型通信であるUDP(User Datagram Protocol)通信は、コネクション型通信であるTCP(Transmission Control Protocol)通信よりも、通信がタイムアウトまでの時間が短いという特徴がある。このようなUDP通信は、一般的に、名前解決で広く用いられているDNS(Domain Name System)サーバへの通信手段として使用されている。ところで、モバイルルータ等の無線接続装置は、例えば、無線通信インタフェースや移動体通信網通信インタフェース等の種類が異なる複数の通信インタフェースを備え、利用者による設定や周囲の通信環境に応じて、使用する通信インタフェースの切り替え(以降、「ハンドオーバ」とも呼ぶ。)を行うことが通常である。
特許文献1には、ネットワーク層アドレスと、仮想コネクションとの対応関係を用いて、高速にハンドオフ(ハンドオーバ)制御を行うことが可能な移動対応ルータ装置が記載されている。特許文献2には、他の無線伝送装置からハンドオーバされた移動端末からのメッセージを受信した場合に、移動端末に既に割り当てられているIPアドレスを含むメッセージを、サーバに替わって応答する無線伝送装置が記載されている。特許文献3には、通信エリア内に移動端末が移動したことを検出して、移動端末のネットワークアドレスを自動的に取得する無線中継器が記載されている。特許文献4には、クライアント端末のハンドオーバ前後において、同一のIPアドレスの割り当てを可能としたネットワークアドレス管理装置が記載されている。特許文献5には、DNSサーバを備えるホームゲートウェイ装置が記載されている。
特開平11−266278号公報 特開2007−180777号公報 特開2006−148579号公報 特開2004−007072号公報 特開2006−148241号公報
図1は、従来の無線接続装置における課題を説明するためのシーケンス図である。従来の無線接続装置ROは、アクセスポイントAPとの間の無線通信の切断(ステップS12)に伴って、移動体通信網の基地局BSへのハンドオーバ処理を実行する(ステップS20)。この間、無線接続装置ROは、無線端末PCから受信した名前解決要求(ステップS14〜S18)をDNSサーバSV1へ送信することができない。そして、無線接続装置ROと基地局BSとの間の移動体通信が確立(ステップS24)する前に、無線接続装置ROと無線端末PCとの間のUDP通信がタイムアウトしてしまう。この結果、無線端末PCには、接続がタイムアウトした旨の表示がされる(ステップS22)。このように、無線接続装置ROにおいて、DNSサーバSV1への接続時にハンドオーバが生じることにより、通信の再確立までに時間が掛かり、DNSサーバ接続のためのUDP通信がタイムアウトしてしまうことがある。このタイムアウトの際に利用者の無線端末PCに表示されるタイムアウト表示(ステップS22)が、利用者にとって煩わしいという課題があった。また、UDP通信のタイムアウトにより、無線端末PCは、利用者がサービスの提供を受けようとするサーバSV2のIPアドレスを取得することができず、利用者の利便性を損ねているという課題があった。
特許文献1〜4では、ハンドオーバの発生に起因するUDP通信のタイムアウトについては考慮されていない。特許文献5では、インターネット上に設けられているDNSサーバが利用できないため、膨大な種類の名前解決を必要とするWWW(World Wide Web)アクセスにおける名前解決には適さない。
このため、複数の通信インタフェースを持つ無線接続装置において、ハンドオーバの発生時、換言すれば、通信インタフェース切り替え発生時の名前解決に伴って、利用者の無線端末がタイムアウトすることを抑制することが望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、無線接続装置が提供される。この無線接続装置は;装置間の通信を実現するための複数の通信インタフェースと;前記複数の通信インタフェースの中から使用される通信インタフェースを切り替える通信制御部と;前記無線接続装置と、無線端末との間で、コネクション型通信である第1の通信路を予め確立し、前記第1の通信路を確立後、前記無線端末から受信したネットワークアドレスを取得するための名前解決要求を、前記名前解決要求の宛先へ送信する代理処理部と、を備える。この形態の無線接続装置によれば、代理処理部は、無線接続装置と無線端末との間で、コネクション型通信である第1の通信路を予め確立する。そして、前記第1の通信路を確立後、代理処理部は、無線端末から受信したネットワークアドレスを取得するための名前解決要求を、当該要求の宛先へ送信する。コネクション型通信(例えばTCP通信)は、従来、名前解決要求のために使用されていたコネクションレス型通信(例えばUDP通信)よりも、通信がタイムアウトするまでの時間が長い。このため、無線接続装置が無線端末からの名前解決要求を受信する前後において通信インタフェースの切り替え(ハンドオーバ)が発生し、結果として、無線端末から受信した名前解決要求の処理に時間を要した場合であっても、通信タイムアウトまでの時間が長いコネクション型通信による第1の通信路が無線端末との間で予め確立されているため、無線接続装置は、自身と無線端末との間の通信がタイムアウトするリスクを低減させることができる。この結果、無線接続装置と無線端末との間の通信のタイムアウトに伴って、無線端末で表示されていたタイムアウト表示の発生頻度を低減することができる。以上のように、この形態の無線接続装置によれば、複数の通信インタフェースを持つ無線接続装置において、ハンドオーバの発生時、換言すれば、通信インタフェース切り替え発生時の名前解決に伴って、利用者の無線端末がタイムアウトすることを抑制することができる。
(2)上記形態の無線接続装置において;前記代理処理部は、さらに、前記通信制御部による前記切り替えの実行中は前記名前解決要求の送信を待機し、前記切り替えの終了後において、前記名前解決要求を送信してもよい。この形態の無線接続装置によれば、代理処理部は、通信制御部による通信インタフェース切り替えの実行中は名前解決要求の送信を待機し、切り替えの終了後において名前解決要求を送信する。この結果、通信インタフェースの切り替え(ハンドオーバ)中に名前解決要求の送信を試みることによって、無線接続装置に余分な処理負荷を掛けることを回避することができる。また、代理処理部は、通信インタフェースの切り替え(ハンドオーバ)の完了を待ってから、名前解決要求を確実に宛先に向けて送信することができる。
(3)上記形態の無線接続装置において;前記代理処理部は、さらに;前記無線端末から、インターネット上の外部装置が提供するサービスを利用するための利用要求を受信し;前記無線接続装置と前記外部装置との間で、前記名前解決要求の応答として取得したネットワークアドレスを用いて、コネクション型通信である第2の通信路を確立し;前記第2の通信路を介して、受信した前記利用要求を前記外部装置へ送信し;前記第1の通信路を介して、前記利用要求の応答として取得した情報を前記無線端末へ送信してもよい。この形態の無線接続装置によれば、代理処理部は、無線接続装置とインターネット上の外部装置との間で、名前解決要求の応答として取得したネットワークアドレスを用いて、コネクション型通信である第2の通信路を確立し、第2の通信路を介して無線端末から受信した利用要求を外部装置へ送信し、第1の通信路を介して利用要求の応答として取得した情報を無線端末へ送信する。このため、無線接続装置は、無線端末に代わってインターネット上の外部装置との間で通信を行うプロキシサーバとしても機能することができる。この結果、無線端末におけるセキュリティを向上させることができる。
(4)上記形態の無線接続装置では、さらに;前記外部装置が提供する前記サービスを特定するための識別子と、前記サービスによって前記外部装置から取得された情報と、を対応付けて記憶する記憶部を備え;前記代理処理部は;前記無線端末から受信した前記利用要求に、前記記憶部に記憶されている前記識別子が含まれている場合は;前記外部装置に対する前記利用要求の送信を行わず;前記利用要求の応答として取得すべき情報に代えて、前記記憶部において受信した前記利用要求に含まれている前記識別子と対応付けて記憶されている前記情報を、前記無線端末へ送信してもよい。この形態の無線接続装置によれば、代理処理部は、無線端末から受信した利用要求に記憶部に記憶されている識別子が含まれている場合は、外部装置に対する利用要求の送信を行わず、かつ、利用要求の応答として取得すべき情報に代えて、記憶部において受信した利用要求に含まれている識別子と対応付けて記憶されている情報を、無線端末へ送信する。このため、無線接続装置は、過去に外部装置から取得した情報を記憶しておくキャッシュサーバとしても機能することができる。この結果、通信トラフィックの低減と、無線端末における利便性の向上とを図ることができる。
(5)上記形態の無線接続装置では、さらに;前記サービスの利用が許可されていない前記識別子の候補を記憶する第1の候補群を含む記憶部を備え;前記代理処理部は、さらに;前記無線端末から受信した前記利用要求に、前記第1の候補群に記憶されている前記識別子が含まれている場合は、前記外部装置に対する前記利用要求の送信を行わなくてもよい。この形態の無線接続装置によれば、代理処理部は、無線端末から受信した利用要求に、第1の候補群に記憶されている識別子が含まれている場合は、外部装置に対する利用要求の送信を行わない。この結果、無線接続装置は、第1の候補群を用いてブラックリスト方式に基づいたフィルタリング処理を実現することができ、ブラックリスト方式に基づいて無線端末によるサービスの利用を制限することができる。
(6)上記形態の無線接続装置では、さらに;前記サービスの利用が許可されている前記識別子の候補を記憶する第2の候補群を含む記憶部を備え;前記代理処理部は、さらに;前記無線端末から受信した前記利用要求に、前記第2の候補群に記憶されている前記識別子が含まれていない場合は、前記外部装置に対する前記利用要求の送信を行わなくてもよい。この形態の無線接続装置によれば、代理処理部は、無線端末から受信した利用要求に、第2の候補群に記憶されている識別子が含まれていない場合は、外部装置に対する利用要求の送信を行わない。この結果、無線接続装置は、第2の候補群を用いてホワイトリスト方式に基づいたフィルタリング処理を実現することができ、ホワイトリスト方式に基づいて無線端末によるサービスの利用を制限することができる。
(7)上記形態の無線接続装置において;前記コネクション型通信は、コネクションレス型通信と比較して、通信がタイムアウトするまでの時間が長い。この形態の無線接続装置によれば、代理処理部は、コネクションレス型通信と比較して、通信がタイムアウトするまでの時間が長いコネクション型通信の第1の通信路を、予め無線端末との間で確立することができる。このため、無線接続装置が無線端末からの名前解決要求を受信する前後において通信インタフェースの切り替え(ハンドオーバ)が発生した場合であっても、無線接続装置は、自身と無線端末との間の通信がタイムアウトするリスクを低減させることができる。
(8)上記形態の無線接続装置において;前記第1の通信路は、TCPプロトコルに準拠して確立された通信路であってもよい。この形態の無線接続装置によれば、代理処理部は、第1の通信路に、一般的に広く使用されているTCPプロトコルを採用することができる。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素は全てが必須のものではなく、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部について、その変更、削除、新たな構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部または全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部または全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
例えば、本発明の一形態は、複数の通信インタフェースと、通信制御部と、代理処理部と、の3つの要素のうちの一部または全部の要素を備えた方法として実現可能である。こうした装置は、例えば無線接続装置として実現できるが、無線接続装置以外の他の装置としても実現可能である。前述した無線接続装置の各形態の技術的特徴の一部または全部は、いずれもこの装置に適用することが可能である。
本発明は、無線接続装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、無線接続装置を制御するための方法、無線接続装置を含むネットワークシステム、これらの方法の一部または全部を実現するコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
従来の無線接続装置における課題を説明するためのシーケンス図である。 本発明の一実施形態としての無線接続装置が用いられたネットワークシステムの概略構成を示す説明図である。 無線接続装置の構成を機能的に示すブロック図である。 代理処理の手順を示すシーケンス図である。 第2実施形態における無線接続装置の構成を機能的に示すブロック図である。 第2実施形態における代理処理の手順を示すシーケンス図である。 第3実施形態における無線接続装置の構成を機能的に示すブロック図である。 第3実施形態における代理処理の手順を示すシーケンス図である。
次に、本発明の実施の形態を実施形態に基づいて説明する。
A.第1実施形態:
A−1.システムの概略構成:
図2は、本発明の一実施形態としての無線接続装置が用いられたネットワークシステムの概略構成を示す説明図である。ネットワークシステム1は、無線接続装置10と、無線端末20と、アクセスポイント装置30と、移動体通信基地局40と、DNS(Domain Name System)サーバ50と、WEB(WWW、World Wide Web)サーバ60と、広域無線通信基地局70とを含んでいる。なお、図2では便宜上、説明上必要としない他のネットワーク中継装置、回線、端末等については図示を省略している。
図3は、無線接続装置10の構成を機能的に示すブロック図である。図3に示すように、無線接続装置10は、移動体通信網通信インタフェース160、LAN用無線通信インタフェース130、有線通信インタフェース150、および、WAN用無線通信インタフェース140等の、種類が異なる複数の通信インタフェースを備えるモバイルルータ装置である。以降、無線接続装置10を「ルータ10」とも呼ぶ。ルータ10は、IEEE802.11規格に準拠したLAN用無線通信インタフェース130を備え、アクセスポイント装置30との間での無線通信CN1が可能である。また、ルータ10は、IEEE802.3規格に準拠した有線通信インタフェース150を備え、アクセスポイント装置30との間での有線通信CN2が可能である。また、ルータ10は、3G(3rd. Generation)/LTE(Long term Evolution)等の3GPP(3rd Generation Partnership Project)に準拠した移動体通信方式を利用した移動体通信網通信インタフェース160を備え、移動体通信基地局40との間での移動体通信CN3が可能である。また、ルータ10は、IEEE802.11規格に準拠したWAN用無線通信インタフェース140を備え、広域無線通信基地局70との間での無線通信CN4が可能である。
図2に示すように、無線端末20は、IEEE802.11に準拠した無線通信インタフェースを備えるパーソナルコンピュータである。
アクセスポイント装置30は、IEEE802.11規格と、IEEE802.3規格とに準拠したアクセスポイント装置である。以降、アクセスポイント装置30を「AP30」とも呼ぶ。AP30は、ルータとしても機能し、有線ケーブルを介してインターネットINTに接続されている。移動体通信基地局40は、3GPPに準拠した移動体通信の基地局である。広域無線通信基地局70は、IEEE802.11規格に準拠した広域無線通信の基地局である。移動体通信基地局40と、広域無線通信基地局70とは、それぞれ、インターネットINTに接続されている。
DNSサーバ50は、インターネットINT上のホスト名や電子メールに使われるドメイン名と、IPアドレスとの対応づけを管理するDNSサービスを提供するためのサーバ装置である。WEBサーバ60は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)に基づいて、WEBブラウザに対して、HTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像等のオブジェクトを提供するためのサーバ装置である。DNSサーバ50と、WEBサーバ60と、はそれぞれインターネットINTに接続されている。なお、WEBサーバ60は、任意のサービスを提供する「外部装置」として機能する。
図2のような構成において、無線端末20は、ルータ10とAP30との間の無線通信CN1を介して、インターネットINT上のDNSサーバ50およびWEBサーバ60へ接続することができる。同様に、無線端末20は、ルータ10とAP30との間の有線通信CN2を介してDNSサーバ50およびWEBサーバ60へ接続することができる。同様に、無線端末20は、ルータ10と移動体通信基地局40との間の移動体通信CN3を介してDNSサーバ50およびWEBサーバ60へ接続することができる。同様に、無線端末20は、ルータ10と広域無線通信基地局70との間の無線通信CN4を介してDNSサーバ50およびWEBサーバ60へ接続することができる。なお、ルータ10において、CN1〜4のうちのどの通信が実施されるかは、ルータ10の周囲の電波状況等の通信環境や、ルータ10への事前の設定に基づいて決定される。
A−2.ルータの概略構成:
図3に示すように、ルータ10は、上述した通信インタフェース130〜160のほか、CPU110と、RAM120と、フラッシュROM170と、を備え、各構成要素はバスにより相互に接続されている。
CPU110は、フラッシュROM170に格納されているコンピュータプログラムをRAM120に展開して実行することにより、ルータ10を制御する。また、CPU110は、中継処理部111、通信制御部112、代理処理部113の各機能を実現する。
中継処理部111は、ルータ10が受信したパケットを、宛先に応じて転送する中継処理を実行する。
通信制御部112は、ルータ10の周囲の電波状況等の通信環境やルータ10への事前の設定に基づいて、ルータ10が有する複数の通信インタフェースの中から、使用される通信インタフェースを切り替えるためのハンドオーバ処理を実行する。ルータ10が有する複数の通信インタフェースとは、本実施形態では、LAN用無線通信インタフェース130と、WAN用無線通信インタフェース140と、有線通信インタフェース150と、移動体通信網通信インタフェース160の4つの通信インタフェースである。
代理処理部113は、代理処理を実行する。代理処理の詳細は後述する。
LAN用無線通信インタフェース130およびWAN用無線通信インタフェース140は、それぞれ、図示しない送受信回路を含み、アンテナを介して受信した電波の復調とデータの生成、および、アンテナを介して送信する電波の生成と変調を行う。LAN用無線通信インタフェース130はAP30との無線通信CN1(図2)を行い、WAN用無線通信インタフェース140は広域無線通信基地局70との無線通信CN4(図2)を行う。有線通信インタフェース150は、有線ケーブルを介してAP30や他の装置(例えばNASやパーソナルコンピュータ等)と接続され、有線通信CN2(図2)を行う。移動体通信網通信インタフェース160は、図示しない送受信回路、変調器、アンプ等を含み、アンテナを介して移動体通信基地局40との間で移動体通信CN3(図2)を行う。
A−3.代理処理:
図4は、代理処理の手順を示すシーケンス図である。代理処理とは、ルータ10が無線端末20から受信した名前解決要求を、無線端末20に代理して名前解決要求の宛先へ送信するための処理である。代理処理は、ルータ10が無線端末20からTCP(Transmission Control Protocol)コネクション確立要求を受信することをトリガとして開始される。なお、図4では、説明の便宜上、通信制御部112によるハンドオーバ処理を含んだ態様で図示している。また、図4では、ルータ10がAP30から移動体通信基地局40へとハンドオーバ処理を行う場合を例示して説明する。
なお、図4の処理に先立ち、無線端末20には「ルータ10をプロキシサーバとして使用すること」が予め設定されている。この設定は、例えば、以下のa1〜a3のいずれかの方法を用いて実現できる。
(a1)利用者が、プロキシサーバとしてのルータ10を手動で設定する。この設定は、無線端末20のネットワークの設定メニューを介して実現可能である。
(a2)無線端末20が利用するDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)のオプションに、プロキシサーバとしてルータ10を使用することが指定されている。この結果、無線端末20に対するIPアドレスの付与時において自動的に、ルータ10がプロキシサーバとして設定される。
(a3)PAC(Proxy Auto Configuration file)ファイルに、プロキシサーバとしてルータ10を使用することが指定されている。この結果、無線端末20のWEBブラウザがPACファイルを読み込むことで自動的に、ルータ10がプロキシサーバとして設定される。
ステップS102において、ルータ10とAP30との間の無線通信CN1(図2)が切断する。無線通信CN1の切断を検出したルータ10の通信制御部112は、ステップS104においてハンドオーバ処理を実行し、移動体通信基地局40との移動体通信の構築を試みる。なお、ステップS104のハンドオーバ処理は、ルータ10とAP30との間の無線通信CN1の切断(ステップS102)に伴い発生し、ルータ10と無線端末20との間のTCPコネクションの状況には依存しない。
ステップS106において無線端末20は、ルータ10に対して、TCPコネクションの確立を求める旨の要求(以降「TCPコネクション確立要求」と呼ぶ。)を送信する。これにより、代理処理部113による代理処理が開始する。ステップS108において無線端末20の代理処理部113は、無線端末20からのTCPコネクション確立要求に対する応答と、無線端末20へのTCPコネクション確立要求とを送信する。
ステップS110において無線端末20は、ルータ10からのTCPコネクション確立要求に対する応答を送信する。ステップS106〜S110で説明したスリーウェイハンドシェイクの手順によって、ルータ10と無線端末20の間で、コネクション型通信であるTCPに準拠した通信路(以降、「TCPコネクション」とも呼ぶ。)が確立される(ステップS112)。なお、ルータ10と無線端末20との間のTCPコネクションを「第1の通信路」とも呼ぶ。
ステップS114において無線端末20は、ルータ10に対して、名前解決要求と、WEB接続要求とを送信する。名前解決要求およびWEB接続要求は、無線端末20の利用者が、無線端末20のWEBブラウザを用いて任意のWEBページを開こうとした際に、WEBブラウザから自動的に発行される要求である。名前解決要求には、インターネット上でコンピュータやネットワークを識別する名前であるドメイン名が含まれている。WEB接続要求には、インターネット上に存在する情報(例えば、文書や画像等)の場所を特定するためのURL(Uniform Resource Locator)が含まれている。なお、WEB接続要求は、WEBサーバ60が提供するサービスの利用を要求するための「利用要求」として機能する。
ステップS116において無線端末20の代理処理部113は、無線端末20から受信した名前解決要求と、WEB接続要求とを、通信確立まで保留する。具体的には、代理処理部113は、受信した名前解決要求とWEB接続要求とを、すぐに宛先には送信せずに、RAM120またはフラッシュROM170に記憶させる。
ステップS118において無線端末20の通信制御部112は、ハンドオーバ処理の結果として、ルータ10と移動体通信基地局40との間の移動体通信CN3(図2)を確立する。
新たな通信(移動体通信CN3)の確立を検出したルータ10の代理処理部113は、ステップS120において、無線端末20から受信した名前解決要求を、名前解決要求の宛先であるDNSサーバ50へ送信する。ステップS122においてDNSサーバ50は、名前解決要求に含まれるドメイン名に対応するIPアドレスを調べ、調べたIPアドレスを含む応答をルータ10へ送信する。
ステップS124においてルータ10の代理処理部113は、ステップS122で取得したIPアドレス、すなわちWEBサーバ60に対して、TCPコネクション確立要求を送信する。ステップS126においてWEBサーバ60は、ルータ10からのTCPコネクション確立要求に対する応答と、ルータ10へのTCPコネクション確立要求とを送信する。
ステップS128においてルータ10の代理処理部113は、WEBサーバ60からのTCPコネクション確立要求に対する応答を送信する。ステップS124〜S128で説明したスリーウェイハンドシェイクの手順によって、ルータ10とWEBサーバ60との間でTCPコネクションが確立される(ステップS130)。なお、ルータ10とWEBサーバ60との間のTCPコネクションを「第2の通信路」とも呼ぶ。
ルータ10とWEBサーバ60との間のTCPコネクションの確立後、ルータ10の代理処理部113は、ステップS114において無線端末20から受信したWEB接続要求であって、ステップS116において保留していたWEB接続要求を、WEB接続要求の宛先であるWEBサーバ60へ送信する(ステップS132)。ステップS134においてWEBサーバ60は、WEB接続要求に含まれるURLによって特定されるWEBページの内容を取得し、取得したWEBページの内容をルータ10へ応答する。
ステップS136においてルータ10の代理処理部113は、WEBサーバ60から取得したWEBページの内容を、無線端末20へ応答する。ステップS138において無線端末20のWEBブラウザは、受信したWEBページの内容を表示させる。
以上のように、第1実施形態の代理処理によれば、代理処理部113は、ルータ10(無線接続装置)と無線端末20との間で、コネクション型通信である第1の通信路を予め確立する。第1の通信路を確立後、代理処理部113は、無線端末20から受信したIPアドレス(ネットワークアドレス)を取得するための名前解決要求を、当該要求の宛先へ送信する。コネクション型通信(上記実施形態の例ではTCP通信)は、従来、名前解決要求のために使用されていたコネクションレス型通信(例えばUDP通信)よりも、通信がタイムアウトするまでの時間が長い。このため、ルータ10が無線端末20からの名前解決要求を受信する前後において、図4に示すように通信インタフェースの切り替え(ハンドオーバ処理)が発生し、結果として、無線端末20から受信した名前解決要求の処理に時間を要した場合であっても、通信タイムアウトまでの時間が長いコネクション型通信による第1の通信路が無線端末20との間で予め確立されているため、ルータ10は、ルータ10と無線端末20との間の通信がタイムアウトするリスクを低減させることができる。この結果、ルータ10と無線端末20との間の通信のタイムアウトに伴って、無線端末20で表示されていたタイムアウト表示(図1)の発生頻度を低減することができる。以上のように、この形態のルータ10によれば、複数の通信インタフェースを持つルータ10において、ハンドオーバ処理の発生時、換言すれば、通信インタフェース切り替え発生時の名前解決に伴って、利用者の無線端末20がタイムアウトすることを抑制することができる。
さらに、第1実施形態の代理処理のステップS116によれば、代理処理部113は、通信制御部112による通信インタフェース切り替えの実行中(ステップS104)は名前解決要求の送信を待機し、切り替えの終了後(ステップS118終了後)において名前解決要求を送信する。この結果、通信インタフェースの切り替え(ハンドオーバ処理)中に名前解決要求の送信を試みることによって、ルータ10(無線接続装置)に余分な処理負荷を掛けることを回避することができる。また、代理処理部113は、通信インタフェースの切り替え(ハンドオーバ処理)の完了を待ってから、名前解決要求を確実に宛先に向けて送信することができる。
さらに、第1実施形態の代理処理のステップS124〜S136によれば、代理処理部113は、ルータ10(無線接続装置)とWEBサーバ60(インターネット上の外部装置)との間で、名前解決要求の応答として取得したIPアドレス(ネットワークアドレス)を用いて、コネクション型通信である第2の通信路を確立し、第2の通信路を介して無線端末20から受信したWEB接続要求(利用要求)をWEBサーバ60へ送信し、第1の通信路を介してWEB接続要求の応答として取得した情報(上記実施形態の例では、WEBページの内容)を無線端末20へ送信する。このため、ルータ10は、無線端末20に代わってWEBサーバ60との間で通信を行うプロキシサーバとしても機能することができる。この結果、無線端末20におけるセキュリティを向上させることができる。
B.第2実施形態:
本発明の第2実施形態では、ルータの代理処理部が、第1実施形態で説明したプロキシサーバとして機能することに加えて、さらに、キャッシュサーバとしても機能することが可能な構成について説明する。以下では、第1実施形態と異なる構成および動作を有する部分についてのみ説明する。なお、図中において第1実施形態と同様の構成部分については先に説明した第1実施形態と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
B−1.システムの概略構成:
第2実施形態におけるネットワークシステムの概略構成は、図2に示す第1実施形態と同様である。ただし、第2実施形態のネットワークシステムでは、ルータ10に代えてルータ10aを備える。
B−2.ルータの概略構成:
図5は、第2実施形態における無線接続装置10aの構成を機能的に示すブロック図である。図3に示した第1実施形態との違いは、CPU110に代えてCPU110aを備える点と、フラッシュROM170に代えてフラッシュROM170aを備える点である。
CPU110aは、代理処理部113に代えて代理処理部113aを備える。代理処理部113aは、実行する代理処理における処理内容が第1実施形態とは異なる。フラッシュROM170aは、履歴記憶部171を備える。履歴記憶部171は、インターネットINT上の外部装置(本実施形態ではWEBサーバ60)が提供するサービスを特定するための識別子であるURLと、当該URLによって特定されるWEBページの内容と、を対応付けて記憶するための領域である。なお、履歴記憶部171を含むフラッシュROM170aは「記憶部」として機能する。
B−3.代理処理:
図6は、第2実施形態における代理処理の手順を示すシーケンス図である。図4に示した第1実施形態との違いは、図4で説明した各処理に加えてさらに、ステップS202〜S210を備える点である。
ステップS202においてルータ10aの代理処理部113aは、ステップS114で無線端末20から取得したWEB接続要求に含まれるURLと、ステップS134でWEBサーバ60から取得したWEBページの内容と、を対応付けて履歴記憶部171に記憶させる。
ステップS204において無線端末20は、ルータ10aに対してWEB接続要求を送信する。なお、ここでは、既に名前解決済みのWEBサーバ60を宛先とするWEB接続要求を想定しているため、無線端末20からルータ10aへの名前解決要求の送信はされない。
ステップS206においてルータ10aの代理処理部113aは、ステップS204で無線端末20から取得したWEB接続要求に含まれるURLと、履歴記憶部171に記憶されているURLとが一致するか否かを判定する。なお、このURLの比較は、一部一致であってもよい。例えば、URLに含まれる引数の部分は一致していなくてもよい。
ステップS206においてURLが一致する場合、ステップS208において代理処理部113aは、履歴記憶部171において、一致したURLと対応付けて記憶されているWEBページの内容を取得し、取得したWEBページの内容を無線端末20へ応答する。ステップS210において無線端末20のWEBブラウザは、受信したWEBページの内容を表示させる。この結果、無線端末20には、ルータ10aの履歴記憶部171に記憶されていたWEBページの内容が表示される。
一方、ステップS206においてURLが一致しない場合、代理処理部113aは、ステップS204で無線端末20から取得したWEB接続要求を用いて、ステップS132〜S136の処理を実行する。この結果、無線端末20には、新たにWEBサーバ60から取得されたWEBページの内容が表示される。
なお、図示の便宜上、1回目(ステップS114)のWEB接続要求とは、2回目(ステップS204)のWEB接続要求とは、同じ無線端末20から送信されることとした。しかし、1回目のWEB接続要求と、2回目のWEB接続要求とは、異なる無線端末から送信されてもよい。異なる無線端末からのWEB接続要求であっても、ルータ10aは、2回目のWEB接続要求に対して図6で説明したステップS202〜S210の処理を実施する。
以上のように、第2実施形態の代理処理によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、第2実施形態の代理処理によれば、代理処理部113aは、無線端末20から受信したWEB接続要求(利用要求)に、履歴記憶部171(記憶部)に記憶されているURL(識別子)が含まれている場合は、WEBサーバ60(外部装置)に対するWEB接続要求の送信を行わず、かつ、WEB接続要求の応答として取得すべき情報に代えて、履歴記憶部171において受信したURLと対応付けて記憶されている情報(上記実施形態の例では、WEBページの内容)を、無線端末20へ送信する。このため、ルータ10a(無線接続装置)は、過去にWEBサーバ60から取得した情報を記憶しておくキャッシュサーバとしても機能することができる。この結果、ネットワークシステムにおける通信トラフィックの低減と、無線端末20における利便性の向上とを図ることができる。
C.第3実施形態:
本発明の第3実施形態では、ルータの代理処理部が、第1実施形態で説明したプロキシサーバとして機能することに加えて、さらに、フィルタリング機能を実現することが可能な構成について説明する。以下では、第1実施形態と異なる構成および動作を有する部分についてのみ説明する。なお、図中において第1実施形態と同様の構成部分については先に説明した第1実施形態と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
C−1.システムの概略構成:
第3実施形態におけるネットワークシステムの概略構成は、図2に示す第1実施形態と同様である。ただし、第2実施形態のネットワークシステムでは、ルータ10に代えてルータ10bを備える。
C−2.ルータの概略構成:
図7は、第3実施形態における無線接続装置10bの構成を機能的に示すブロック図である。図3に示した第1実施形態との違いは、CPU110に代えてCPU110bを備える点と、フラッシュROM170に代えてフラッシュROM170bを備える点である。
CPU110bは、代理処理部113に代えて代理処理部113bを備える。代理処理部113bは、実行する代理処理における処理内容が第1実施形態とは異なる。フラッシュROM170bは、ブラックリスト172を備える。ブラックリスト172は、インターネットINT上の外部装置(本実施形態ではWEBサーバ60)が提供するサービスの利用が許可されていないURLの候補が予め記憶されている。なお、ブラックリスト172は「第1の候補群」として機能し、ブラックリスト172を含むフラッシュROM170bは「記憶部」として機能する。
C−3.代理処理:
図8は、第3実施形態における代理処理の手順を示すシーケンス図である。図4に示した第1実施形態との違いは、図4で説明した各処理に加えてさらに、ステップS302、S304を備える点である。
ステップS302においてルータ10bの代理処理部113bは、ステップS114で無線端末20から取得したWEB接続要求に含まれるURLと、ブラックリスト172に記憶されているURLとが一致するか否かを判定する。なお、このURLの比較は、一部一致であってもよい。例えば、URLに含まれる引数の部分は一致していなくてもよい。
ステップS302においてURLが一致する場合、ステップS304において代理処理部113bは、無線端末20から受信したWEB接続要求と、名前解決要求とを送信することなく、代理処理を終了させる。なお、この際、代理処理部113bは、受信したWEB接続要求と名前解決要求とを破棄してもよい。また、代理処理部113bは、ブラックリストに一致したためWEB接続要求を処理できない旨のメッセージを、無線端末20に対して送信してもよい。
一方、ステップS302においてURLが一致しない場合、ルータ10bの代理処理部113bは、ステップS116以降の処理を継続する。
なお、本実施形態では、フラッシュROM170bには、ブラックリスト172に代えてホワイトリストを備えていてもよい。ホワイトリストは、インターネットINT上の外部装置(本実施形態ではWEBサーバ60)が提供するサービスの利用が許可されているURLの候補が予め記憶されている。ホワイトリストは「第2の候補群」として機能し、ホワイトリストを含むフラッシュROM170bは「記憶部」として機能する。ホワイトリストを備える構成とする場合、代理処理(図8)のステップS302において代理処理部113bは、ステップS114で無線端末20から取得したWEB接続要求に含まれるURLと、ホワイトリストに記憶されているURLとが一致するか否かを判定する。ステップS302においてURLが一致しない場合、代理処理部113bは、無線端末20から受信したWEB接続要求と、名前解決要求とを送信することなく、代理処理を終了させる(ステップS304)。なお、この際、代理処理部113bは、受信したWEB接続要求と名前解決要求とを破棄してもよい。一方、ステップS302においてURLが一致する場合、代理処理部113bは、ステップS116以降の処理を継続する。
さらに、フラッシュROM170bには、ブラックリストとホワイトリストとの両方を備える構成としてもよい。この場合、代理処理において代理処理部113bは、ブラックリストを備える場合のステップS302、S304と、ホワイトリストを備える場合のステップS302、S304との両方を実行する。
以上のように、第3実施形態の代理処理によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、第3実施形態の代理処理によれば、代理処理部113bは、無線端末20から受信したWEB接続要求(利用要求)に、ブラックリスト172(第1の候補群)に記憶されているURL(識別子)が含まれている場合は、WEBサーバ60(外部装置)に対するWEB接続要求の送信を行わない。また、無線端末20から受信したWEB接続要求に、ホワイトリスト(第2の候補群)に記憶されているURLが含まれていない場合は、WEBサーバ60に対するWEB接続要求の送信を行わない。この結果、ルータ10b(無線接続装置)は、第1の候補群を用いてブラックリスト方式に基づいたフィルタリング処理を実現することができ、同様に、第2の候補群を用いてホワイトリスト方式に基づいたフィルタリング処理を実現することができる。この結果、ルータ10bは、ホワイトリスト方式とブラックリスト方式とのうちの少なくとも一方の方式に基づいて、無線端末20によるサービスの利用を制限することができる。
D.変形例:
上記実施形態において、ハードウェアによって実現されるとした構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されるとした構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。その他、以下のような変形も可能である。
・変形例1:
上記実施形態では、ネットワークシステムの構成の一例を挙げた。しかし、上記実施形態におけるネットワークシステムの構成はあくまで一例であり、種々の変更が可能である。例えば、構成要素の一部を省略したり、更なる構成要素を付加したり、構成要素の一部を変更したりする変形が可能である。
例えば、ルータやモデム等の、他のネットワーク機器を備える構成としてもよい。
例えば、上記実施形態では、無線接続装置の例としてモバイルルータを示した。しかし、無線接続装置は、複数の通信インタフェースを持つネットワーク装置である限りにおいて、任意の装置を採用することができる。例えば、無線接続装置として、アクセスポイント、無線ルータ、スマートフォン等を採用してもよい。
例えば、上記実施形態では、無線端末の例としてパーソナルコンピュータを示した。しかし、無線端末は、無線通信インタフェースを備え、無線通信のクライアントとして機能する限りにおいて、任意の装置を採用することができる。例えば、無線端末として、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、NAS(Network Attached Storage)等を採用してもよい。
例えば、上記実施形態では、任意のサービスを提供する外部装置の例として、HTTPに基づいてWEBブラウザにHTMLファイルや画像等のオブジェクトを提供するWEBサーバを示した。しかし、外部装置が提供するサービスの内容は任意に変更することができる。このため、外部装置としては、例えば、スカイプ等の通話サービスを提供する通信サーバ、メッセンジャー等のチャットサービスを提供する通信サーバ、メールサービスを提供するメールサーバ、ファイル共有サービスを提供するファイルサーバー等を採用してもよい。
例えば、上記実施形態では、各装置が備える無線通信インタフェースの例としてIEEE802.11を例示した。しかし、各装置が備える無線通信インタフェースは、IEEE802.11規格に限らず、Bluetooth(登録商標)を含む無線PAN(Personal Area Network)通信でも良いし、独自通信方式であっても良い。
・変形例2:
上記実施形態では、無線接続装置の構成の一例を挙げた。しかし、上記実施形態における構成はあくまで一例であり、種々の変更が可能である。例えば、構成要素の一部を省略したり、更なる構成要素を付加したり、構成要素の一部を変更したりする変形が可能である。
例えば、無線接続装置は、図2に例示した通信インタフェースのうちの一部を備えていなくてもよい。また、図2に例示した通信インタフェース以外の、他の通信インタフェースを備えていてもよい。
例えば、無線接続装置は、さらに、ISO/IEC14443およびISO/IEC18092に準拠した近距離型の無線通信インタフェースとして、NFCインタフェースを備えていてもよい。この場合において、無線接続装置は、NFCインタフェースを利用して、無線端末からハンドオーバ処理のための設定を取得してもよい。
例えば、無線接続装置において、フラッシュROMは異なる記憶媒体で構成されていてもよい。例えば、無線接続装置は、フラッシュROMに代えて、USBメモリやUSBハードディスク等の着脱可能な記憶媒体を備えていてもよい。また、例えば、上記実施形態においてフラッシュROMに記憶されると説明した情報は、複数の記憶媒体に分散されて記憶されていてもよい。
・変形例3:
上記実施形態では、代理処理の一例を示した。しかし、上記実施形態における処理の手順はあくまで一例であり、種々の変形が可能である。例えば、一部のステップを省略してもよいし、更なる他のステップを追加してもよい。また、実行されるステップの順序を変更してもよい。
例えば、ステップS106〜S110において代理処理部が無線端末との間で確立する通信路は、コネクション型の通信路である限りにおいて、TCPに限定されない。例えば、代理処理部は、無線端末との間でNCP(Netware Core Protocol)に準拠した通信路を第1の通信路として確立してもよい。
例えば、ステップS116において代理処理部は、無線端末から受信した名前解決要求を通信確立まで保留することとした。しかし、代理処理部は、無線端末から受信した名前解決要求を、通信確立まで保留せずに送信してもよい。この場合において、代理処理部は、通信確立後、名前解決要求の送信に成功するまで、名前解決要求の送信を繰り返し実行(リトライ)してもよい。
例えば、ステップS124〜S136において代理処理部は、無線端末に代わってWEBサーバとの間でTCPコネクション(第2の通信路)を確立し、無線端末に代わってWEB接続要求の送信を行うこととした。しかし、ステップS124〜S136を省略し、無線端末がWEBサーバとの間でTCPコネクションを確立し、無線端末が自らWEB接続要求を送信することとしてもよい。
例えば、上記代理処理では、無線通信のアクセスポイント装置と移動体通信網の基地局との間のハンドオーバ処理について例示した。しかし、上記代理処理は、無線接続装置が備える一の通信インタフェースと、他の通信インタフェースとの切り替え時の全てにおいて適用することができる。
例えば、上記第2実施形態の代理処理において、代理処理部は、無線端末から取得したWEB接続要求に含まれるURLと、WEBサーバから取得したWEBページの内容と、に加えてさらに、他の情報(例えば取得日時)を合わせて履歴記憶部に記憶させてもよい。取得日時を記憶させることとすれば、代理処理部は、取得日時から一定期間が経過した情報を削除することができる。そうすれば、履歴記憶部にいつまでも古い情報が保持されることを抑制することができ、WEBサーバの情報が更新された際にも、新しい情報をWEBサーバから取得することができる。
・変形例4:
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
1…ネットワークシステム、10、10a、10b…ルータ(無線接続装置)、20…無線端末、30…アクセスポイント装置、40…移動体通信基地局、50…サーバ、60…サーバ、70…広域無線通信基地局、110、110a、110b…CPU、111…中継処理部、112…通信制御部、113、113a、113b…代理処理部、150…有線通信インタフェース、160…移動体通信網通信インタフェース、170…フラッシュROM、171…履歴記憶部、172…ブラックリスト、PC…無線端末、RO…無線接続装置、AP…アクセスポイント、BS…基地局、CN1…無線通信、CN2…有線通信、CN3…移動体通信、CN4…無線通信、SV1…サーバ、SV2…サーバ、INT…インターネット

Claims (9)

  1. 無線接続装置であって、
    装置間の通信を実現するための複数の通信インタフェースと、
    前記複数の通信インタフェースの中から使用される通信インタフェースを切り替える通信制御部と、
    前記無線接続装置と、無線端末との間で、コネクション型通信である第1の通信路を予め確立し、前記第1の通信路を確立後、前記無線端末から受信したネットワークアドレスを取得するための名前解決要求を、前記名前解決要求の宛先へ送信する代理処理部と、
    を備える、無線接続装置。
  2. 請求項1に記載の無線接続装置であって、
    前記代理処理部は、さらに、前記通信制御部による前記切り替えの実行中は前記名前解決要求の送信を待機し、前記切り替えの終了後において、前記名前解決要求を送信する、無線接続装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の無線接続装置であって、
    前記代理処理部は、さらに、
    前記無線端末から、インターネット上の外部装置が提供するサービスを利用するための利用要求を受信し、
    前記無線接続装置と前記外部装置との間で、前記名前解決要求の応答として取得したネットワークアドレスを用いて、コネクション型通信である第2の通信路を確立し、
    前記第2の通信路を介して、受信した前記利用要求を前記外部装置へ送信し、
    前記第1の通信路を介して、前記利用要求の応答として取得した情報を前記無線端末へ送信する、無線接続装置。
  4. 請求項3に記載の無線接続装置であって、さらに、
    前記外部装置が提供する前記サービスを特定するための識別子と、前記サービスによって前記外部装置から取得された情報と、を対応付けて記憶する記憶部を備え、
    前記代理処理部は、
    前記無線端末から受信した前記利用要求に、前記記憶部に記憶されている前記識別子が含まれている場合は、
    前記外部装置に対する前記利用要求の送信を行わず、
    前記利用要求の応答として取得すべき情報に代えて、前記記憶部において受信した前記利用要求に含まれている前記識別子と対応付けて記憶されている前記情報を、前記無線端末へ送信する、無線接続装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の無線接続装置であって、さらに、
    前記サービスの利用が許可されていない前記識別子の候補を記憶する第1の候補群を含む記憶部を備え、
    前記代理処理部は、さらに、
    前記無線端末から受信した前記利用要求に、前記第1の候補群に記憶されている前記識別子が含まれている場合は、前記外部装置に対する前記利用要求の送信を行わない、無線接続装置。
  6. 請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の無線接続装置であって、さらに、
    前記サービスの利用が許可されている前記識別子の候補を記憶する第2の候補群を含む記憶部を備え、
    前記代理処理部は、さらに、
    前記無線端末から受信した前記利用要求に、前記第2の候補群に記憶されている前記識別子が含まれていない場合は、前記外部装置に対する前記利用要求の送信を行わない、無線接続装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の無線接続装置であって、
    前記コネクション型通信は、コネクションレス型通信と比較して、通信がタイムアウトするまでの時間が長い、無線接続装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の無線接続装置であって、
    前記第1の通信路は、TCPプロトコルに準拠して確立された通信路である、無線接続装置。
  9. 装置間の通信を種々の方式で実現するための複数の通信インタフェースを備えた無線接続装置を制御するための方法であって、
    前記複数の通信インタフェースの中から使用される通信インタフェースを切り替える工程と、
    前記無線接続装置と、無線端末との間で、コネクション型通信である第1の通信路を予め確立する工程と、
    前記第1の通信路を確立後、前記無線端末から受信したネットワークアドレスを取得するための名前解決要求を、前記名前解決要求の宛先へ送信する工程と、
    を備える、方法。
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