JP2015168367A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的低温の温度環境下での始動時であっても、クラッチ装置における連結又は切り離し機能を円滑に遂行する。【解決手段】操舵反力モータ16を有する操舵反力発生装置15と、転舵モータ29を有する転舵装置17と、操舵反力発生装置15及び転舵装置17の間を機械的な連結状態にし又は切離状態にする動作を行うロック装置35を有するクラッチ装置19と、クラッチ装置19に係る温度相関情報を取得する温度相関情報取得部61と、操舵反力モータ16、転舵モータ29、及びロック装置35の駆動制御を行う駆動制御部63と、を備える。駆動制御部63は、ロック装置35に与える電力供給態様を温度相関情報に基づき設定すると共に、当該設定された電力供給態様を用いて、クラッチ装置19を切離状態にするための電磁ソレノイド37の駆動制御を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、ステア・バイ・ワイヤ方式の車両用操舵装置に関する。
特許文献1には、ステア・バイ・ワイヤ(Steer By Wire)と呼ばれる方式の車両用操舵装置が開示されている。
特許文献1に係る車両用操舵装置は、運転者の操舵操作を受ける操舵部と、転舵輪を転舵する転舵部と、操舵部の側の回転軸と転舵部の側の回転軸との間を連結し又は切り離す動作を行うバックアップクラッチ(以下、“クラッチ装置”という。)と、クラッチ装置が連結されたか否かを判定する連結判定手段と、クラッチ装置に切離指令が出力されている際に、クラッチ装置が連結されていると判定された場合に、ステア・バイ・ワイヤ制御からアシスト(操舵力補助)制御に切り替える制御切替手段と、を備えている。
また、特許文献2には、操舵入力に応じた電動モータの駆動力を転舵輪に伝達することで車両の転舵を行う電動パワーステアリング装置の技術が開示されている。電動モータの駆動力は、ウォームギヤ及びウォームホイールを含む転舵部を介して転舵輪に伝達される。グリス戻し機構を有する前記転舵部の筐体内部には、グリスが封入されている。
特許文献2に係る電動パワーステアリング装置によれば、寒冷時に硬化したグリスによって始動性を悪化させることなく、長期間にわたって潤滑性を維持することができる。
特開2007−137294号公報 特開2009−248724号公報
特許文献1に係るクラッチ装置は、特許文献2に係る転舵部の例と同様に、その筐体内部にグリスが封入されている。一方で、冬季などの比較的低温の温度環境下での始動時において、クラッチ装置に係る潤滑の役割を果たすグリスの粘度は高くなる。すると、クラッチ装置に内蔵される、操舵部の側の回転軸と転舵部の側の回転軸との間を連結し又は切り離すための機械要素に係るフリクションが増大する。その結果、クラッチ装置における連結又は切り離し機能を円滑に遂行することができないおそれがあった。
本発明は、前記の実情に鑑みてなされたものであり、比較的低温の温度環境下での始動時であっても、クラッチ装置における連結又は切り離し機能を円滑に遂行することが可能な車両用操舵装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、(1)に係る発明は、車両の運転者による操舵入力に対して操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータを有する操舵部と、転舵輪を転舵するための転舵力を付与する転舵アクチュエータを有する転舵部と、前記操舵部及び前記転舵部の間を機械的な連結状態にし又は切離状態にする動作を行う切替アクチュエータを有するクラッチ装置と、前記クラッチ装置に係る温度相関情報を取得する温度相関情報取得部と、前記操舵反力アクチュエータ、前記転舵アクチュエータ、及び前記切替アクチュエータの駆動制御を行う制御部と、を備え、前記切替アクチュエータは、前記制御部からの駆動制御指令に従う電力の供給を受けて前記クラッチ装置を切離状態にする動作を行い、前記制御部は、前記クラッチ装置を切離状態にするに際し、前記切替アクチュエータに与える駆動制御指令に係る電力供給態様を前記温度相関情報に基づき設定すると共に、当該設定された電力供給態様を用いて前記切替アクチュエータの駆動制御を行う、ことを最も主要な特徴とする。
(1)に係る発明によれば、クラッチ装置に係る温度相関情報に基づき設定された電力供給態様を用いて切替アクチュエータの駆動制御が行われるため、比較的低温の温度環境下での始動時であっても、クラッチ装置における連結又は切り離し機能を円滑に遂行することができる。
また、(2)に係る発明は、(1)に係る発明に記載の車両用操舵装置であって、前記制御部は、前記温度相関情報の値が、予め定められる温度閾値未満の場合、前記切替アクチュエータに供給する電力を、前記温度相関情報の値が前記温度閾値以上の際に設定される標準電力に対して大きく設定する、ことを特徴とする。
(2)に係る発明では、温度相関情報の値が、予め定められる温度閾値未満の場合、切替アクチュエータに供給する電力を、温度相関情報の値が温度閾値以上の際に設定される標準電力に対して大きく設定する。ここで、前記温度閾値は、クラッチ装置における連結又は切り離し機能を円滑に遂行することができなくなる蓋然性が高い境界温度を、例えば実験などを通じて把握し、こうして把握した境界温度に基づいて予め定められる。
(2)に係る発明によれば、温度相関情報の値が、予め定められる温度閾値未満といったように比較的低い場合、切替アクチュエータに供給する電力を、クラッチ装置に係る温度相関情報の値が温度閾値以上の際に設定される標準電力に対して大きく設定するため、標準電力供給時の駆動力と比べて増大した切替アクチュエータの駆動力、並びに、増大した駆動力に由来する摩擦熱及び切替アクチュエータに生じるジュール熱を補助的に用いて、クラッチ装置の切替動作を行うことができる。その結果、比較的低温の温度環境下での始動時であっても、クラッチ装置を連結状態から切離状態する機能を円滑に行わせることができる。
また、(3)に係る発明は、(1)に係る発明に記載の車両用操舵装置であって、前記切替アクチュエータに供給する電力を、前記標準電力に対して大きく設定する電力供給態様とは、前記切替アクチュエータへの供給電力の量を、前記標準電力の量に対して増大させることを意味する、ことを特徴とする。
ここで、切替アクチュエータへの供給電力の量を増大させる電力供給態様としては、例えば、切替アクチュエータに与える電流の大きさを増大させること、及び、後記する、切替アクチュエータへの電力供給に係る時間頻度を高めることをあげることができる。
(3)に係る発明によれば、(1)に係る発明の作用効果に加えて、切替アクチュエータに供給する電力を標準電力に対して大きく設定するための具体的な電力供給態様を提示することができる。
また、(4)に係る発明は、(3)に係る発明に記載の車両用操舵装置であって、前記制御部は、前記温度相関情報の値が低いほど、前記切替アクチュエータへの供給電力の量を、前記標準電力の量に対して増大させる、ことを特徴とする。
(4)に係る発明によれば、クラッチ装置に係る温度相関情報の値が低いほど、切替アクチュエータへの供給電力の量を、標準電力の量に対して増大させるため、比較的低温の温度環境下での始動時であっても、低温に由来するクラッチ装置における連結又は切り離し機能の悪化を迅速に改善することができる。
また、(5)に係る発明は、(3)又は(4)に係る発明に記載の車両用操舵装置であって、前記切替アクチュエータへの供給電力の量を、前記標準電力の量に対して大きく設定する電力供給態様は、前記切替アクチュエータへの電力供給に係る時間頻度を高めることを含む、ことを特徴とする。
(5)に係る発明によれば、切替アクチュエータへの供給電力の量を大きく設定する電力供給態様として、切替アクチュエータへの電力供給に係る時間頻度を高めるという具体的な電力供給態様を提示することができる。
また、(6)に係る発明は、(3)又は(4)に係る発明に記載の車両用操舵装置であって、前記制御部は、前記温度相関情報の値が低いほど、前記切替アクチュエータの駆動に係る時間頻度を高めるように当該切替アクチュエータの駆動制御を行う、ことを特徴とする。
(6)に係る発明によれば、クラッチ装置に係る温度相関情報の値が低いほど、切替アクチュエータの駆動に係る時間頻度を高めるように切替アクチュエータの駆動制御を行うため、(4)に係る発明と同様に、比較的低温の温度環境下での始動時であっても、低温に由来するクラッチ装置における連結又は切り離し機能の悪化を迅速に改善することができる。
そして、(7)に係る発明は、(1)〜(6)のいずれか一に係る発明に記載の車両用操舵装置であって、前記制御部は、前記クラッチ装置が切離状態になるのを待って前記切替アクチュエータの駆動制御を停止させる、ことを特徴とする。
(7)に係る発明によれば、クラッチ装置が切離状態になるのを待って切替アクチュエータの駆動制御を停止させるため、クラッチ装置を切離状態にする動作を確実に行わせることができる。
本発明によれば、比較的低温の温度環境下での始動時であっても、クラッチ装置における連結又は切り離し機能を円滑に遂行することができる。
本発明の実施形態に係る車両用操舵装置の概略構成図である。 車両のイグニッションスイッチがオン投入された際の、車両用操舵装置の動作説明に供するフローチャート図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用操舵装置の概略構成図である。
本発明の実施形態に係る車両用操舵装置11は、ステア・バイ・ワイヤ(SBW)方式の操舵装置である。この車両用操舵装置11は、後記する転舵モータ29の駆動により転舵力を発生させる機能(SBWモード)、例えば後記する操舵反力モータ16の失陥時において、転舵モータ29の駆動により運転者の手動による操舵に係る補助力を発生させる電動パワーステアリング(Electronic Power steering:EPS)機能(EPSモード)、並びに、例えば操舵反力モータ16及び転舵モータ29の失陥時において、運転者の手動による操舵を行わせる機能(マニュアルステアリングモード)を有する。
前記の諸機能を実現するために、車両用操舵装置11は、図1に示すように、ステアリングホイール13と、操舵反力発生装置15と、転舵装置17と、クラッチ装置19と、を備える。車両用操舵装置11は、車両Vに搭載されている。車両Vは、一対の転舵輪21a,21bと一対の従動輪(不図示)とを備える。
ステアリングホイール13は、運転者による操舵入力を受け付ける部材である。ステアリングホイール13には、操舵軸23が設けられている。操舵軸23は、運転者によるステアリングホイール13の操作にしたがって、軸周りに回転するように構成されている。
操舵反力発生装置15は、車両用操舵装置11がSBWモードで動作している際に、ステアリングホイール13を握る運転者の手元に操舵に係る反力(手応え)を発生させる機能を有する。操舵反力発生装置15は、操舵反力モータ16を有する。操舵反力モータ16は、本発明の“操舵反力アクチュエータ”に相当する。操舵反力モータ16には、操舵軸23が連結されている。操舵反力モータ16は、操舵軸23を軸周りに回転させるための操舵トルクを発生させる。これにより、車両用操舵装置11がSBWモードで動作している際に、ステアリングホイール13を握る運転者の手元には、操舵に係る反力(手応え)が伝えられるようになっている。
ステアリングホイール13、操舵反力モータ16を有する操舵反力発生装置15、及び、操舵軸23は、本発明の“操舵部”に相当する。
転舵装置17は、不図示のラック・アンド・ピニオン機構を介して、転舵軸25の回転運動をラック軸27の直線運動に変換する機能を有する。転舵装置17は、転舵モータ29を有する。転舵モータ29は、本発明の“転舵アクチュエータ”に相当する。転舵モータ29には、転舵軸25及びラック軸27が連結されている。転舵モータ29は、ラック軸27を軸方向に沿って直線運動させるための転舵トルクを発生させる。ラック軸27には、図示しないタイロッドを介して一対の転舵輪21a,21bが連結されている。一対の転舵輪21a,21bは、ラック軸27の直線運動によって転舵されるようになっている。
転舵軸25、ラック軸27、及び、転舵モータ29を有する転舵装置17は、本発明の“転舵部”に相当する。転舵装置17の筐体内部には、グリスGrが封入されている。これにより、転舵装置17の筐体内部に収容されたラック・アンド・ピニオン機構を含む機械要素間の潤滑性を担保するようになっている。
クラッチ装置19は、操舵軸23及び転舵軸25の間を連結し又は切り離す機能を有する。こうした機能を実現するために、クラッチ装置19は、遊星歯車機構31を備える。この遊星歯車機構31は、内歯歯車31aと、遊星歯車31bと、太陽歯車31cと、遊星キャリア31dと、を有して構成されている。クラッチ装置19の筐体内部にも、グリスGrが封入されている。これにより、クラッチ装置19の筐体内部に収容された遊星歯車機構31を含む機械要素間の潤滑性を担保するようになっている。
ここで、本発明の実施形態に係る車両用操舵装置11が搭載される車両Vでは、イグニッションスイッチ(不図示)がオフである始動前(駐車時)において、クラッチ装置19は連結状態にある。こうした車両Vの、冬季などの比較的低温の温度環境下での始動時において、クラッチ装置19に係る潤滑の役割を果たすグリスGrの粘度は高い。すると、クラッチ装置に内蔵される、操舵軸23及び転舵軸25の間を連結し又は切り離すための機械要素である遊星歯車機構31に係るフリクションが増大する。その結果、クラッチ装置19を連結状態から切離状態する機能を円滑に遂行することができなくなるおそれがある。
そこで、本発明の実施形態に係る車両用操舵装置11では、車両Vの始動時において、操舵モードをSBWモードにする(クラッチ装置19を連結状態から切離状態する)際に、クラッチ装置19に係る温度相関情報の値T1が、予め定められる温度閾値Tth未満の場合、電磁ソレノイド37に供給する電力を、温度相関情報の値T1が温度閾値Tth以上の際に設定される標準電力に対して大きく設定する。これにより、標準電力供給時の駆動力と比べて増大した電磁ソレノイド37によるロックピン36の駆動力(衝撃力)、並びに、増大した駆動力に由来する摩擦熱及び電磁ソレノイド37のコイル部(不図示)に生じるジュール熱を補助的に用いて、クラッチ装置19を連結状態から切離状態する機能を円滑に行わせることとしている。そのための構成及び作用について、詳しくは後記する。
クラッチ装置19は、ロック用歯車33及びロック装置35を備える。ロック装置35は、ロック用環状歯車33の歯溝に係脱自在に設けられるロックピン36と、ロックピン36を軸方向に沿って進退自在に往復駆動する電磁ソレノイド37と、支軸38を介してシーソー支持されてロックピン36の進退動作が伝えられるリンクレバー39と、を備えて構成されている。ロック装置35は、本発明の“切替アクチュエータ”に相当する。また、ロックピン36は、本発明の“ロック部材”に相当する。
クラッチ装置19において、内歯歯車31aは、操舵軸23のうち転舵装置17の側端部に固定され、操舵軸23と同軸の軸周りに操舵軸23と一体に回転するように構成される。太陽歯車31cは、転舵軸25と同軸の回転軸周りに自在に回転するように構成される。遊星歯車31bは、環状内歯歯車31a及び太陽歯車31c間に設けられた周回状の間隙に、環状内歯歯車31a及び太陽歯車31cのそれぞれに係合するように、相互に均等な間隔を置いて複数(例えば3つなど)設けられる。複数の遊星歯車31bのそれぞれは、転舵軸25と同軸の軸周りに転舵軸25と一体に回転する遊星キャリア31dに対して回転自在に軸支されている。
ロック用歯車33は、外歯歯車である。ロック用歯車33は、太陽歯車31cと一体に回転するように構成される。リンクレバー39のうちロックピン36に対する当接側から支軸38を挟んだ反対側の先端部39aは、不図示の付勢手段によってロック用歯車33に近接する方向に付勢されている。
電磁ソレノイド37は、後記する制御装置40からの、クラッチ装置19を連結状態にする(操舵モードを非SBWモードにする)指令と共に、電力供給が絶たれると、ロックピン36を待機位置(図1のP1参照)に退避させるように動作する。すると、リンクレバー39のうち先端部39aが、ロック用歯車33の歯溝に係合する。これにより、ロック用歯車33の回転運動が規制されるようになっている。
一方、電磁ソレノイド37は、制御装置40からの、クラッチ装置19を切離状態する(操舵モードをSBWモードにする)指令と共に、電力供給が行われると、ロックピン36を待機位置(図1のP1参照)から作動位置(図1のP2参照)まで進出させるように動作する。すると、リンクレバー39のうち先端部39aが、ロック用歯車33の歯溝に対する係合から離脱する。これにより、ロック用歯車33の回転運動が規制解除されるようになっている。
次に、クラッチ装置19の作用について説明する。ロックピン36の退避駆動により、リンクレバー39の先端部39aがロック用歯車33の歯溝に係合すると、ロック歯車33と一体に回転する太陽歯車31cの回転運動が規制される。
太陽歯車31cの回転運動が規制された状態で、運転者がステアリングホイール13を操作すると、操舵軸23の回転に伴って内歯歯車31aが回転する。このとき、太陽歯車31cの回転運動が規制されているため、遊星歯車31bは自転しながら太陽歯車31cの周囲を公転する。遊星歯車31bの公転によって、遊星歯車31bを軸支する遊星キャリア31d及びこの遊星キャリア31dと一体に回転する転舵軸25が回転する。
要するに、リンクレバー39の先端部39aがロック用歯車33の歯溝に係合した状態では、クラッチ装置19は、操舵軸23及び転舵軸25の間を連結する連結状態になる。このとき、操舵軸23の回転力は、転舵軸25へと伝えられる。
一方、ロック用歯車33の歯溝に対するリンクレバー39の先端部39aの係合が解除されると、ロック用歯車33と一体に回転する太陽歯車31cは回転自在な状態になる。
太陽歯車31cが回転自在な状態で、運転者がステアリングホイール13を操作すると、操舵軸23の回転に伴って内歯歯車31aが回転する。このとき、遊星歯車31bは、自転しながら太陽歯車31cの周囲を公転しようとする。しかし、遊星キャリア31dには、転舵軸25及びラック軸27を介して転舵輪21a,21bが連結されている。このため、遊星キャリア31dの回転に対する抵抗力は、回転自在の状態にある太陽歯車31cの回転に対する抵抗力と比べてはるかに大きい。したがって、遊星歯車31bが自転すると、太陽歯車31cの方が回転(自転)し、遊星キャリア31dは回転しない。つまり、転舵軸25は回転しない。
要するに、ロック用歯車33の歯溝に対するリンクレバー39の先端部39aの係合が解除された状態では、クラッチ装置19は、操舵軸23及び転舵軸25の間を切り離した切離状態になる。このとき、操舵軸23の回転力は、転舵軸25へと伝えられない。
次に、制御装置40に対する入出力系統について説明する。
制御装置40には、入力系統として、操舵角センサ41、操舵トルクセンサ43、操舵反力モータレゾルバ45、転舵モータレゾルバ47、ラックストロークセンサ49、クラッチ温度センサ51、切替駆動電流センサ53、及び、車載情報端末55が接続されている。
操舵角センサ41及び操舵トルクセンサ43は、操舵軸23に設けられている。操舵角センサ41は、運転者によるステアリングホイール13の操舵角を検出し、検出した操舵角情報を制御装置40に与える。また、操舵トルクセンサ43は、運転者によるステアリングホイール13の操舵トルクを検出し、検出した操舵トルク情報を制御装置40に与える。
操舵反力モータレゾルバ45は、操舵反力モータ16に設けられている。操舵反力モータレゾルバ45は、操舵反力モータ16の回転動作量(操舵角)を検出し、検出した操舵角情報を制御装置40に与える。
転舵モータレゾルバ47は、転舵モータ29に設けられている。転舵モータレゾルバ47は、転舵モータ29の回転動作量(転舵角)を検出し、検出した転舵角情報を制御装置40に与える。
ラックストロークセンサ49は、ラック軸27に設けられている。ラックストロークセンサ49は、ラック軸27の直線移動量(転舵角)を検出し、検出した転舵角情報を制御装置40に与える。
クラッチ温度センサ51は、クラッチ装置19の筐体内部に封入されているグリスGrの温度を検出し、検出したグリス温度情報を、温度相関情報として制御装置40に与える。グリス温度情報は、本発明の“クラッチ装置に係る温度相関情報”に相当する。グリスGrの温度情報は、本発明の主題である、クラッチ装置19における連結又は切り離しの機能性とよく相関するからである。
切替駆動電流センサ53は、電磁ソレノイド37のコイル部に流れる切替駆動電流値を検出し、検出した切替駆動電流値に係る情報を制御装置40に与える。切替駆動電流値に係る情報は、制御装置40において、電磁ソレノイド37への供給電力が適切か否かを判定する用途に用いられる。
車載情報端末55は、アンテナ57を経由した無線通信を介して、例えば、車両の現在位置を含む地域に係る気象情報(気温を含む)を取得し、取得した気温を含む気象情報を、“クラッチ装置に係る温度相関情報”として制御装置40に与える。
一方、制御装置40には、出力系統として、操舵反力モータ16、転舵モータ29、及び、電磁ソレノイド37が接続されている。
制御装置40は、入力系統を介して入力した検出信号、及び、車両用操舵装置11の各種構成部材に係る異常診断結果などに基づいて、車両用操舵装置11の操舵モードを、SBWモード、EPSモード、又は、マニュアルステアリングモードのいずれかに決定する機能、決定した操舵モードにしたがって、操舵反力モータ16、転舵モータ29、及び、電磁ソレノイド37の駆動制御をおこなうための制御信号をそれぞれ生成する機能、並びに、生成した制御信号に基づいて、操舵反力モータ16、転舵モータ29、及び、電磁ソレノイド37の駆動制御を行う機能を有する。
制御装置40は、車両用操舵装置11がSBWモードで動作している際に、操舵反力モータ16の駆動制御を行うことにより、ステアリングホイール13を握る運転者の手元に対し、適切な操舵に係る反力(手応え)を伝えるように動作する。
また、制御装置40は、車両用操舵装置11がSBWモードで動作している際に、転舵モータ29の駆動制御を行うことにより、運転者の運転意図にしたがって転舵輪21a,21bを転舵するように動作する。
また、制御装置40は、車両用操舵装置11の操舵モードにしたがって、電磁ソレノイド37のコイル部への励磁電流(電力)の供給又は供給停止を切り替える駆動制御を行うことにより、クラッチ装置19の状態を、連結状態又は切離状態のいずれか一方に切り替えるように動作する。
さらに、制御装置40は、車両用操舵装置11が有する操舵機能を維持するために不可欠な構成要素(操舵反力モータ16を有する操舵反力発生装置15、転舵モータ29を有する転舵装置17、及び、制御装置40など)の稼働状況を調査し、その調査結果に基づいて、操舵機能に係る異常診断を行う機能を有する。
そして、制御装置40は、クラッチ装置19に係る温度相関情報を取得する機能、電磁ソレノイド37に対してPWM制御に従う励磁電流(電力)を与える際の出力電圧デューティ比を、前記取得したクラッチ装置19に係る温度相関情報に基づいて設定する機能、出力電圧デューティ比を前記設定されたデューティ比に追従させるように電磁ソレノイド37の駆動制御を行う機能、及び、転舵輪21a,21bの実転舵角を、別途算出される目標転舵角に追従させるように転舵モータ29の駆動制御を行う機能を有する。
こうした諸機能を実現するために、制御装置40は、温度相関情報取得部61、及び、駆動制御部63を備えて構成されている。
温度相関情報取得部61は、クラッチ装置19に係る温度相関情報を取得する機能を有する。本発明の“クラッチ装置に係る温度相関情報”とは、クラッチ温度センサ51により検出したグリス温度情報のほか、車両Vに係る環境温度情報などの、クラッチ装置19に係る温度に相関する情報を包括的に含む。車両Vに係る環境温度情報としては、例えば、車外温度情報、エアコン作動情報、シートヒータ温度情報、タイヤ空気圧情報、車載情報端末55を介して取得した気温を含む気象情報などを例示することができる。
駆動制御部63は、電磁ソレノイド37をPWM制御する際の出力電圧デューティ比を、クラッチ装置19に係る温度相関情報に基づいて設定する機能を有する。ここで、“出力電圧デューティ比を、クラッチ装置19に係る温度相関情報に基づいて設定する”とは、クラッチ装置19に係る温度相関情報の値T1の大小に応じて、温度相関情報の値T1が所定の温度閾値Tth以上の場合に標準デューティ比(標準電力)を採用し、また、温度相関情報の値T1が温度閾値Tth未満の場合に標準デューティ比(標準電力)と比べて大きいデューティ比(標準電力を超える電力)を採用するように、出力電圧デューティ比をそれぞれ設定する態様を含む。そして、駆動制御部63は、設定したデューティ比を用いて、電磁ソレノイド37のPWM制御を行わせるように動作する。駆動制御部63は、本発明の“制御部”に相当する。
なお、標準デューティ比とは、クラッチ装置19に係る温度相関情報の値T1が温度閾値Tth以上の(クラッチ装置19の切替動作に支障を来さない)際に設定される、標準的に常用されるデューティ比を意味する。
次に、車両Vのイグニッションスイッチ(不図示)がオン投入された際の、車両用操舵装置11の動作について説明する。
なお、本発明の実施形態に係る車両用操舵装置11では、車両Vのイグニッションスイッチがオン投入される直前の操舵モードは、非SBWモードであるとする。また、車両用操舵装置11を構成する、操舵反力発生装置15、転舵装置17、及び、クラッチ装置19を含む各種機能部材は、全て正常に動作しているものとする。さらに、制御装置40には、車両Vのイグニッションスイッチのオンオフ状態にかかわらず、車載電池(不図示)から電力が供給されているものとする。
ステップS11において、制御装置40は、車両Vのイグニッションスイッチがオン投入されたか否かを調べる。ステップS11の判定の結果、車両Vのイグニッションスイッチがオン投入されていない旨の判定が下された場合(ステップS11の“No”)、制御装置40は、車両Vのイグニッションスイッチがオン投入された旨の判定が下されるまで、ステップS11の判定を繰り返し行う。
一方、ステップS11の判定の結果、車両Vのイグニッションスイッチがオン投入された旨の判定が下された場合(ステップS11の“Yes”)、制御装置40は、処理の流れを次のステップS12へと進ませる。
ステップS12において、制御装置40の温度相関情報取得部61は、クラッチ温度センサ51により検出されるグリス温度に基づいて、クラッチ装置19に係る温度相関情報の値T1を取得する。
ステップS13において、制御装置40は、温度相関情報取得部61で取得した温度相関情報の値T1が、所定の温度閾値Tth以上か否かを調べる。ステップS13の判定の結果、温度相関情報の値T1が温度閾値Tth以上である旨の判定が下された場合(ステップS13の“Yes”)、制御装置40は、処理の流れを次のステップS14へと進ませる。
一方、ステップS13の判定の結果、温度相関情報の値T1が温度閾値Tth未満である旨の判定が下された場合(ステップS13の“No”)、制御装置40は、処理の流れをステップS15へとジャンプさせる。
ステップS14において、温度相関情報の値T1が温度閾値Tth以上である旨の判定結果を受けて、制御装置40の駆動制御部63は、出力電圧デューティ比を標準デューティ比(標準電力)に設定する。
一方、ステップS15において、温度相関情報の値T1が温度閾値Tth未満である旨の判定結果を受けて、制御装置40の駆動制御部63は、出力電圧デューティ比を標準デューティ比(標準電力)に対して大きく(標準電力を超える電力に)設定する。
ステップS16において、制御装置40の駆動制御部63は、ステップS15で設定したデューティ比を用いて、電磁ソレノイド37のPWM制御を行わせる。
ステップS17において、制御装置40は、クラッチ装置19が連結状態から切離状態になったか否かを調べる。クラッチ装置19が連結状態から切離状態になったか否かは、例えば、ロックピン36が待機位置(図1のP1参照)にあるのか、又は作動位置(図1のP2参照)にあるのかを、位置センサを用いて検出することで認識することができる。
ステップS17の判定の結果、クラッチ装置19が切離状態になった旨の判定が下された場合(ステップS17の“Yes”)、制御装置40は、一連の処理の流れを終了させる。
一方、ステップS17の判定の結果、クラッチ装置19が切離状態になっていない旨の判定が下された場合(ステップS17の“No”)、制御装置40は、処理の流れを次のステップS18へと進ませる。
ステップS18において、制御装置40は、車両用操舵装置11が有する操舵機能を維持するために不可欠な構成要素(操舵反力モータ16を有する操舵反力発生装置15、転舵モータ29を有する転舵装置17、及び、制御装置40など)が正常か否かの判定を行う。
ステップS18の判定の結果、操舵機能を維持するために不可欠な構成要素のいずれかが異常状態に陥っている旨の判定が下された場合(ステップS18の“Yes”)、制御装置40は、操舵モードをSBWモードに移行させることはできないとみなして一連の処理の流れを終了させる。
一方、ステップS18の判定の結果、操舵機能を維持するために不可欠な構成要素が正常である旨の判定が下された場合(ステップS18の“No”)、制御装置40は、処理の流れをステップS12に戻し、以下の処理を順次行わせる。
〔本発明の実施形態に係る車両用操舵装置11の作用効果〕
第1の観点(請求項1に対応)に基づく車両用操舵装置11では、車両Vの運転者による操舵入力に対して操舵反力を付与する操舵反力モータ(操舵反力アクチュエータ)16を有する操舵反力発生装置(操舵部)15と、21a,21bを転舵するための転舵力を付与する転舵モータ(転舵アクチュエータ)29を有する転舵装置(転舵部)17と、操舵反力発生装置15及び転舵装置17の間を機械的な連結状態にし又は切離状態にする動作を行うロック装置(切替アクチュエータ)35を有するクラッチ装置19と、クラッチ装置19に係る温度相関情報を取得する温度相関情報取得部61と、操舵反力モータ16、転舵モータ29、及びロック装置35の駆動制御を行う駆動制御部(制御部)65と、を備え、ロック装置35は、駆動制御部(制御部)65からの駆動制御指令に従う電力の供給を受けてクラッチ装置19を切離状態にする動作を行い、駆動制御部(制御部)65は、クラッチ装置19を切離状態にするに際し、ロック装置35に与える駆動制御指令に係る電力供給態様を温度相関情報に基づき設定すると共に、当該設定された電力供給態様を用いてロック装置35の駆動制御を行う。
第1の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、クラッチ装置19に係る温度相関情報に基づき設定された電力供給態様を用いてロック装置(切替アクチュエータ)35の駆動制御が行われるため、比較的低温の温度環境下での始動時であっても、クラッチ装置19における連結又は切り離し機能を円滑に遂行することができる。
また、第2の観点(請求項2に対応)に基づく車両用操舵装置11では、駆動制御部(制御部)63は、温度相関情報の値T1が、予め定められる温度閾値Tth未満の場合、ロック装置(切替アクチュエータ)35のうち電磁ソレノイド37に供給する電力を、温度相関情報の値T1が温度閾値Tth以上の際に設定される標準電力に対して大きく設定する、構成を採用してもよい。
第2の観点に基づく車両用操舵装置11では、温度相関情報の値T1が、予め定められる温度閾値Tth未満の場合、ロック装置(切替アクチュエータ)35のうち電磁ソレノイド37に供給する電力を、温度相関情報の値T1が温度閾値Tth以上の際に設定される標準電力に対して大きく設定する。ここで、前記温度閾値Tthは、クラッチ装置19における連結又は切り離し機能を円滑に遂行することができなくなる蓋然性が高い境界温度を、例えば実験などを通じて把握し、こうして把握した境界温度に基づいて予め定められる。
第2の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、温度相関情報の値T1が、予め定められる温度閾値Tth未満の場合、ロック装置(切替アクチュエータ)35のうち電磁ソレノイド37に供給する電力を、温度相関情報の値T1が温度閾値Tth以上の際に設定される標準電力に対して大きく設定するため、標準電力供給時の駆動力と比べて増大したロック装置35の駆動力(衝撃力)、並びに、増大した駆動力に由来する摩擦熱及びロック装置35(のうち電磁ソレノイド37のコイル部)に生じるジュール熱を補助的に用いて、クラッチ装置19の切替動作を行うことができる。その結果、比較的低温の温度環境下での始動時であっても、クラッチ装置19を連結状態から切離状態する機能を円滑に行わせることができる。
また、第3の観点に基づく車両用操舵装置11では、ロック装置(切替アクチュエータ)35のうち電磁ソレノイド37に供給する電力を、標準電力に対して大きく設定する電力供給態様とは、電磁ソレノイド37への供給電力の量を、標準電力の量に対して増大させることを意味する、構成を採用してもよい。
第3の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、第1の観点に基づく車両用操舵装置11の作用効果に加えて、ロック装置(切替アクチュエータ)35のうち電磁ソレノイド37に供給する電力を標準電力に対して大きく設定するための具体的な電力供給態様を提示することができる。
また、第4の観点(請求項4に対応)に基づく車両用操舵装置11では、駆動制御部(制御部)63は、温度相関情報の値T1が低いほど、ロック装置(切替アクチュエータ)35のうち電磁ソレノイド37への供給電力の量を、標準電力の量に対して増大させる、構成を採用してもよい。
第4の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、クラッチ装置19に係る温度相関情報の値T1が低いほど、ロック装置(切替アクチュエータ)35のうち電磁ソレノイド37への供給電力の量を、標準電力の量に対して増大させるため、比較的低温の温度環境下での始動時であっても、低温に由来するクラッチ装置19における連結又は切り離し機能の悪化を迅速に改善することができる。
また、第5の観点(請求項5に対応)に基づく車両用操舵装置11では、ロック装置(切替アクチュエータ)35のうち電磁ソレノイド37への供給電力の量を、標準電力の量に対して大きく設定する電力供給態様は、電磁ソレノイド37への電力供給に係る時間頻度(PWM制御の出力電圧デューティ比)を高めることを含む、構成を採用してもよい。
第5の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、所要の制御性能を維持するための具体的かつ実用的な指針を提示することができる。
また、第6の観点(請求項6に対応)に基づく車両用操舵装置11では、駆動制御部(制御部)63は、温度相関情報T1の値が低いほど、ロック装置(切替アクチュエータ)35の駆動に係る時間頻度を高めるようにロック装置35の駆動制御を行う、構成を採用してもよい。具体的には、駆動制御部63は、温度相関情報T1の値が低いほど、単位時間当たりのロック装置35(電磁ソレノイド37)の駆動回数を多くする(例えば、特に限定されないが、通常時の駆動回数は1回のところ、2回以上の複数回数に増やすなど)ようにロック装置35の駆動制御を行う。なお、単位時間当たりのロック装置35の駆動回数を多くすることは、電磁ソレノイド37への電力供給に係る時間頻度を高めることに対応する。
第6の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、クラッチ装置19に係る温度相関情報の値が低いほど、ロック装置35の駆動に係る時間頻度を高めるようにロック装置35の駆動制御を行うため、第4の観点に基づく車両用操舵装置11と同様に、比較的低温の温度環境下での始動時であっても、低温に由来するクラッチ装置における連結又は切り離し機能の悪化を迅速に改善することができる。
そして、第7の観点(請求項7に対応)に基づく車両用操舵装置11では、駆動制御部(制御部)63は、クラッチ装置19が切離状態になるのを待ってロック装置(切替アクチュエータ)35の駆動制御を停止させる、構成を採用してもよい。
第7の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、クラッチ装置19が切離状態になるのを待ってロック装置35の駆動制御を停止させるため、クラッチ装置19を切離状態にする動作を確実に行わせることができる。
〔その他の実施形態〕
以上説明した複数の実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
例えば、本発明の実施形態に係る説明において、遊星歯車機構31を有するクラッチ装置19を設ける例をあげて説明したが、本発明はこの例に限定されない。クラッチ装置19の構成は、操舵軸23及び転舵軸25の間を連結し又は切り離すことが可能であれば、いかなるものでも構わない。
最後に、本発明の実施形態に係る説明において、クラッチ装置19に係る温度相関情報の値T1が、ひとつの温度閾値Tth未満か否かに基づいて、PWM制御の出力電圧デューティ比の大きさを設定する例をあげて説明したが、本発明はこの例に限定されない。温度閾値Tthの値を複数設け、温度相関情報の値域を複数に区分して、複数の異なる値域毎にPWM制御の出力電圧デューティ比の大きさをそれぞれ設定する構成を採用してもよい。
11 車両用操舵装置
15 操舵反力発生装置(操舵部)
16 操舵反力モータ(操舵反力アクチュエータ)
17 転舵装置(転舵部)
19 クラッチ装置
29 転舵モータ(転舵アクチュエータ)
35 ロック装置(切替アクチュエータ)
37 電磁ソレノイド(切替アクチュエータ)
40 制御装置(制御部)
51 クラッチ温度センサ
53 切替駆動電流センサ
61 温度相関情報取得部
63 駆動制御部
V 車両

Claims (7)

  1. 車両の運転者による操舵入力に対して操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータを有する操舵部と、
    転舵輪を転舵するための転舵力を付与する転舵アクチュエータを有する転舵部と、
    前記操舵部及び前記転舵部の間を機械的な連結状態にし又は切離状態にする動作を行う切替アクチュエータを有するクラッチ装置と、
    前記クラッチ装置に係る温度相関情報を取得する温度相関情報取得部と、
    前記操舵反力アクチュエータ、前記転舵アクチュエータ、及び前記切替アクチュエータの駆動制御を行う制御部と、を備え、
    前記切替アクチュエータは、前記制御部からの駆動制御指令に従う電力の供給を受けて前記クラッチ装置を切離状態にする動作を行い、
    前記制御部は、前記クラッチ装置を切離状態にするに際し、前記切替アクチュエータに与える駆動制御指令に係る電力供給態様を前記温度相関情報に基づき設定すると共に、当該設定された電力供給態様を用いて前記切替アクチュエータの駆動制御を行う、
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1に記載の車両用操舵装置であって、
    前記制御部は、前記温度相関情報の値が、予め定められる温度閾値未満の場合、前記切替アクチュエータに供給する電力を、前記温度相関情報の値が前記温度閾値以上の際に設定される標準電力に対して大きく設定する、
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1に記載の車両用操舵装置であって、
    前記切替アクチュエータに供給する電力を、前記標準電力に対して大きく設定する電力供給態様とは、前記切替アクチュエータへの供給電力の量を、前記標準電力の量に対して増大させることを意味する、
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項3に記載の車両用操舵装置であって、
    前記制御部は、前記温度相関情報の値が低いほど、前記切替アクチュエータへの供給電力の量を、前記標準電力の量に対して増大させる、
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
  5. 請求項3又は4に記載の車両用操舵装置であって、
    前記切替アクチュエータへの供給電力の量を、前記標準電力の量に対して大きく設定する電力供給態様は、前記切替アクチュエータへの電力供給に係る時間頻度を高めることを含む、
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
  6. 請求項3又は4に記載の車両用操舵装置であって、
    前記制御部は、前記温度相関情報の値が低いほど、前記切替アクチュエータの駆動に係る時間頻度を高めるように当該切替アクチュエータの駆動制御を行う、
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両用操舵装置であって、
    前記制御部は、前記クラッチ装置が切離状態になるのを待って前記切替アクチュエータの駆動制御を停止させる、
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
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