以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る機器管理システム、情報処理装置、機器管理方法およびプログラムの一実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、各実施の形態は、内容を矛盾させない範囲で、適宜組み合わせることができる。
本実施形態の情報処理装置は、機器から受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報を用いて、機器の使用場所情報を取得する。そして、情報処理装置は、保持する設定情報の中から、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報と、取得した使用場所情報とを用いて、機器の設定項目を含む設定情報を選定する。機器は、機器を識別する識別情報を含む設定情報取得要求を情報処理装置に送信する。これにより、ネットワーク機器が一時的な場所移動により本来設置される場所以外で使用する場合に、最低限必要な設定情報を選定してネットワーク機器に最低限の設定情報を設定することができる。
以下では、本実施形態の情報処理装置を、機器と通信して遠隔管理する機器管理システムの一部の装置(機器管理装置)として実現する例を説明する。本実施形態の情報処理装置が適用可能なシステムは、このような機器管理システムに限られるものではない。また、以下では、本発明に係る機器を、モバイル機器に適用した場合を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
まず、図1を用いて、機器管理システム1の全体システム構成例について説明する。図1は、本実施形態の機器管理システムの全体システム構成の一例を示す図である。
図1に示すように、機器管理システム1は、複数の機器20a〜20cを遠隔管理する機器管理装置10と、機器管理装置10により管理される機器20a、機器20b、機器20cとを備える。以下、複数の機器20a〜20cを区別する必要がない場合は、機器20と表記する。機器管理装置10は、例えば、管理対象の機器20に対して、機器20の本来の設置場所情報と、現在の使用場所情報とに基づいて、適切な設定情報を選定して機器20に各種設定を実施させる装置である。機器20は、例えば、一時的に移動した使用場所から通信網30に接続して機器管理装置10との間でデータの送受信を行う。
通信網30は、例えば、イントラネット、セキュリティが高い専用回線やVPN(Virtual Private Network)、インターネット等のネットワークである。図1では、機器管理装置10と接続される機器20の台数が3台である場合を例示しているが、これに限らず、機器20の台数は任意である。なお、図1の例では、機器20は、直接に通信網30に接続する構成であるが、これに限ることはなく、例えば、無線により各無線アクセスポイントに接続して通信網30に接続する構成であってもよい。
次に、図2を用いて、機器管理装置10のハードウェア構成について説明する。図2は、機器管理装置のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
図2に示すように、機器管理装置10は、システムバス18に接続された、HDD(Hard Disk Drive)12と、メモリ装置13と、CPU(Central Processing Unit)14と、インタフェース装置15と、表示装置16と、入力装置17とを備える。
HDD12は、機器管理装置10で実行される各種のプログラムを格納する。また、HDD12は、機器管理装置10の各種機能を実現するために必要なファイルやデータ等を格納する。
メモリ装置13は、CPU14からプログラムの起動指示があった場合に、HDD12からプログラムを読み出して格納する。また、メモリ装置13は、機器管理装置10に対して着脱自在な構成とすることもできる。この場合、メモリ装置13は、CPU14の制御の下でデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、例えば、USBメモリ、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
CPU14は、機器管理装置10の動作を統括的に制御する。CPU14は、メモリ装置13に格納されたプログラムを実行することで、機器管理装置10全体の動作を制御する。また、CPU14は、各種機能を実現する。
インタフェース装置15は、外部装置(機器20)と通信するためのインタフェースである。また、インタフェース装置15は、通信網30に接続するためのインタフェースである。
表示装置16は、プログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。表示装置16は、例えば、画像などを表示するディスプレイである。ディスプレイは、例えば、液晶や有機ELなどのFPD(Flat Panel Display)である。
入力装置17は、キーボード及びマウス等で構成され、ユーザの様々な操作指示を受け付けるユーザインタフェースである。例えば、タッチパネルや音声入力装置を入力装置17とすることもできる。
なお、上記の機器管理装置10用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、記録メディア等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
次に、図3を用いて、本実施形態の機器管理装置10及び機器20の機能について説明する。なお、機器20のハードウェア構成は、上記の図2を用いて説明した機器管理装置10のハードウェア構成と同様であるので詳細については省略する。
図3は、機器管理装置及び機器の機能構成の一例を示すブロック図である。まず、機器管理装置10の機能構成について説明する。図3に示すように、機器管理装置10は、通信部101と、機器設定情報部102と、使用場所情報取得部103と、機器管理部104と、選定部105と、設定情報送信部106と、制御部107とを有する。上記各部については、これらの一部又は全部がソフトウェア(プログラム)、ハードウェア回路であってもよい。また、上記各部のうちの一部が機器管理装置10に搭載される形態であってもよい。
通信部101は、通信網30を経由して機器20と通信する。通信部101は、1以上の機器20と通信網30を介して各種データを送受する。具体的には、例えば、通信部101は、機器20から機器20を識別する識別情報を含む設定情報取得要求を受信する。また、通信部101は、例えば、機器20から機器20を識別する識別情報と、機器20が本来設置される場所を示す設置場所情報とを含む設定情報取得要求を受信する。通信部101は、設定情報取得要求に含まれる識別情報、設置場所情報を使用場所情報取得部103、機器管理部104、選定部105、制御部107に受け渡す。
また、通信部101は、例えば、機器20から機器20の状態を示す状態情報を含む機器情報を受信する。通信部101は、機器情報を機器管理部104に受け渡す。なお、機器情報は、機器20を識別する識別情報と機器20の種類を示す機器種類を少なくとも含む情報である。
また、通信部101は、例えば、機器管理装置10が選定した設定情報を機器20に送信する。
機器設定情報部102は、1以上の機器20が現在使用されている場所を示す1以上の使用場所情報ごとに、機器20を識別する識別情報と、機器20が本来設置される場所を示す設置場所情報と、機器20の設定項目を含む設定情報とが対応付けられた情報を示す機器設定情報を保持する。ここで、機器設定情報について説明する。図4及び図5は、機器設定情報の一例を示す図である。機器設定情報は、機器20が現在使用されている使用場所情報ごとに、機器20を識別する識別情報と、機器20が本来設置される設置場所情報と、機器20の設定情報とが対応付けられた情報である。
まず、使用場所情報について説明する。図4及び図5に示すように、使用場所情報の一例としては、機器20が現在使用されている場所である、例えば、A事業所1F、A事業所2F、A事業所3Fなどの機器20が実際に使用される使用場所を特定できる情報である。すなわち、モバイル機器などは簡単に持ち運びが可能であるため、例えば、A事業所2FからA事業所1Fに一時的に移動してA事業所1Fで使用するなどの場合の一時的な使用場所を示す情報である。なお、使用場所情報は一時的な使用場所に限ることはなく、固定して使用する使用場所を示す情報であってもよい。なお、上記の使用場所情報は一例であり、使用場所情報は任意に設定できる。
次に、図6を用いて、使用場所情報に対応付けられた機器20を識別する識別情報について説明する。図6は、機器を識別する識別情報を示す図である。図6に示すように、機器20を識別する識別情報の一例として、例えば、アドレス情報(IPアドレス情報、MACアドレス情報など)、機器種類、機器IDなどの機器20を特定できる情報を含む。機器種類としては、例えば、PC(personal computer)、コピー機、プロジェクタなどのネットワーク機器の種類を特定できる情報を含む。図6の例では、機器20の識別情報はIPアドレス情報、MACアドレス情報、機器種類、機器IDで示される。また、図6の例では、機器種類はPC、コピー機、プロジェクタなどで示される。また、図6の例では、識別情報は、IPアドレス情報又はMACアドレス情報と機器種類と機器IDとが対応付いた情報である。なお、識別情報は、IPアドレス情報と機器種類とが対応付いた情報でもよいし、MACアドレス情報と機器種類とが対応付いた情報でもよいし、機器IDと機器種類とが対応付いた情報でもよい。
例えば、IPアドレスとMACアドレス情報と機器種類と機器IDとが対応付いた識別情報として、図6の例では、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.1」とMACアドレス情報「11:11:11:AA:AA:AA」と機器種類「PC1」と機器ID「ABCDE1」とが対応付いている。また、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.2」とMACアドレス情報「11:11:12:AA:AA:AA」と機器種類「PC2」と機器ID「ABCDE2」とが対応付いている。また、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.3」とMACアドレス情報「11:11:13:AA:AA:AA」と機器種類「PC3」と機器ID「ABCDE3」とが対応付いている。また、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.4」とMACアドレス情報「11:11:14:AA:AA:AA」と機器種類「コピー機1」と機器ID「ABCDE4」とが対応付いている。また、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.5」とMACアドレス情報「11:11:15:AA:AA:AA」と機器種類「プロジェクタ1」と機器ID「ABCDE5」とが対応付いている。以下同様に図6の例では、識別情報としては、IPアドレス情報とMACアドレス情報と機器種類と機器IDとが対応付いている情報である。なお、上記で例示した識別情報は一例であり、機器20が識別できる情報であればよく、識別情報は任意に設定できる。
図4及び図5に戻って説明を続ける。次に、使用場所情報に対応付けられた機器20が本来設置される場所を示す設置場所情報について説明する。図4及び図5に示すように、設置場所情報の一例として、例えば、同じ敷地内にある建物の各フロアや異なる建物の各フロア、違う敷地内にある建物の各フロアなどの情報を含んでいる。つまり、会社組織を一例にすると、設置場所情報としては、同じ敷地内にあるA棟の1階、2階、3階、違う敷地内にあるB棟の1階、2階、3階、違う敷地内にあるC棟の1階、2階、3階などの情報である。図4及び図5の例では、設置場所情報はA事業所1F、A事業所2F、A事業所3F、B事業所1F、C事業所1F、登録なしで示される。なお、上記で例示した設置場所情報は一例であり、設置場所情報は任意に設定できる。
次に、使用場所情報ごとに対応付けられた機器20の設定情報について説明する。設定情報としては、機器20の設定項目を含む情報である。設定情報に含まれる設定項目に基づいて、機器20の設定が実施される。図4に示すように、例えば、使用場所情報が「A事業所1F」において、本来の設置場所情報が「A事業所1F」に対応付いた識別情報の中で、例えば、識別情報「PC1〜3」の機器20には、設定情報の設定項目として、例えば、無線LAN暗号鍵、プロキシ設定、プリンタアドレス、セキュリティ設定、基本アプリセットの5つの設定情報が対応付けられている。なお、基本アプリセットとは、その使用場所において使用できる基本のアプリケーションのセットを示す。ここで、設定情報の無線LAN暗号鍵は、例えば、各種サーバへのアクセス許可情報の一例である。アクセス許可情報として、例えば、暗号鍵、専用アプリケーションのダウンロード権限、インストール権限などを一例として挙げることができる。また、プロキシ設定は、例えば、通信設定情報の一例である。通信設定情報として、例えば、最初は機器20に対して許可されている通信設定は、本実施形態の機器設定を行うための機器管理装置10との通信だけである。従って、それ以外の通信を行うためには、機器管理装置10からダウンロードしたプロキシ設定を行う必要がある。
また、使用場所情報が「A事業所1F」において、設置場所情報が「A事業所1F」に対応付いた識別情報の中で、例えば、識別情報「コピー機1」には、設定情報の設定項目として、例えば、無線LAN暗号鍵の1つの設定情報が対応付けられている。また、使用場所情報が「A事業所1F」において、設置場所情報が「A事業所1F」に対応付いた識別情報の中で、例えば、識別情報「プロジェクタ1」には、設定情報の設定項目として、例えば、無線LAN暗号鍵、ファイルサーバアドレスの2つの設定情報が対応付けられている。なお、上記の識別情報「PC1〜3」、「コピー機1」、「プロジェクタ1」に対応付けられた各設定項目は、「本来の設置場所で使用する機器用設定」であることを示している。よって、本来の設置場所で使用する機器20には、アクセス許可情報、通信設定情報、印刷設定、セキュリティ設定、アプリケーション設定などの必要な全ての設定情報を設定する。
また、図4の例では、例えば、使用場所情報が「A事業所1F」において、設置場所情報が「A事業所2F、3F(例えば、A事業所1F以外)」に対応付いた識別情報の中で、例えば、識別情報「PC4〜6」には、設定情報の設定項目として、例えば、プリンタアドレスの1つの設定情報が対応付けられている。また、同様に設置場所情報が「A事業所2F、3F(例えば、A事業所1F以外)」に対応付いた識別情報の中で、例えば、識別情報「コピー機2、3」には、設定情報の設定項目として、例えば、無線LAN暗号鍵の1つの設定情報が対応付けられている。また、同様に設置場所情報が「A事業所2F、3F(例えば、A事業所1F以外)」に対応付いた識別情報の中で、例えば、識別情報「プロジェクタ2、3」には、設定情報の設定項目として、例えば、ファイルサーバアドレスの1つの設定情報が対応付けられている。なお、上記の識別情報「PC4〜6」、「コピー機2、3」、「プロジェクタ2、3」に対応付けられた各設定項目は、「本来の設置場所以外で使用する機器用設定」であることを示している。
本来の設置場所以外で使用する機器20は、一時的に同じ事業所の他の設置場所から移動して持ち込まれたものであると判断できるため、基本的な設定は既に行われている。従って、最低限必要な設定項目を変更するだけで良いことになる。よって、上記の例えば、識別情報「PC4〜6」には、設定情報の設定項目として、例えば、近くの印刷装置から印刷するためのプリンタアドレスだけを設定情報として設定する。また、例えば識別情報「コピー機2、3」には、設定情報の設定項目として、例えば、無線LAN暗号鍵だけを設定情報として設定する。また、例えば識別情報「プロジェクタ2、3」には、設定情報の設定項目として、例えば、ファイルサーバアドレスだけを設定情報として設定する。これにより、ネットワーク機器が一時的な場所移動により本来の設置場所以外で使用する場合に、最低限必要な設定情報を設定することが可能となる。
また、図4の例では、例えば、使用場所情報が「A事業所1F」において、設置場所情報が「B事業所1F、C事業所1F(A事業所以外)」に対応付いた識別情報の中で、例えば、識別情報「PC7、8」には、設定情報の設定項目として、例えば、無線LAN暗号鍵、プリンタアドレスの2つの設定情報が対応付けられている。なお、上記の識別情報「PC7、8」に対応付けられた各設定項目は、「異なる事業所で使用する機器用設定」であることを示している。すなわち、他の事業所に所属する機器20には、本実施形態の機器設定を行うための機器管理装置10との通信を許可する暗号鍵、近くの印刷装置から印刷するためのプリンタアドレスを基本の最低限の設定情報として設定する。なお、同じ組織に所属する機器20であるため、それ以外の設定情報は任意に設定することができる。
また、図4の例では、例えば、使用場所情報が「A事業所1F」において、設置場所情報が「登録なし」に対応づいた識別情報の中で、例えば、識別情報「PC」には、設定情報の設定項目として、例えば、無線LAN暗号鍵、プリンタアドレスの2つの設定情報が対応付けられている。なお、この識別情報「PC」に対応付けられた各設定項目は、「ゲスト機器用設定」であることを示している。なお、ゲスト機器用の設定情報は、機器管理装置10が接続する通信網30に接続するための暗号鍵、および通信網30に接続された、例えば印刷装置を利用するための識別番号の少なくとも何れかである。すなわち、外部のゲスト用機器には、本実施形態の機器設定を行うための機器管理装置10との通信だけを許可する暗号鍵、近くの印刷装置から印刷するためのプリンタアドレスだけを設定情報として設定する。つまり、ゲスト用機器に対しては、ネットワーク機器としては利用制限がなされるように設定される。
また、図5に示すように、例えば、使用場所情報が「A事業所2F」において、本来の設置場所情報が「A事業所2F」に対応づいた識別情報の中で、例えば、識別情報「PC4、5」の機器20には、設定情報の設定項目として、例えば、無線LAN暗号鍵、プロキシ設定、プリンタアドレス、セキュリティ設定、基本アプリセットの5つの設定情報が対応付けられている。
また、同様に設置場所情報が「A事業所2F」に対応づいた識別情報の中で、例えば、識別情報「コピー機2」には、設定情報の設定項目として、例えば、無線LAN暗号鍵の1つの設定情報が対応付けられている。また、同様に設置場所情報が「A事業所2F」に対応づいた識別情報の中で、例えば、識別情報「プロジェクタ2」には、設定情報の設定項目として、例えば、無線LAN暗号鍵、ファイルサーバアドレスの2つの設定情報が対応付けられている。なお、上記の識別情報「PC4、5」、「コピー機2」、「プロジェクタ2」に対応付けられた各設定項目は、「本来の設置場所で使用する機器用設定」であることを示している。よって、本来の設置場所で使用する機器20には、アクセス許可情報、通信設定情報、印刷設定、セキュリティ設定、アプリケーション設定などの必要な全ての設定情報を設定する。
また、図5の例では、例えば、使用場所情報が「A事業所2F」において、設置場所情報が「A事業所1F、3F(例えば、A事業所2F以外)」に対応付いた識別情報の中で、例えば、識別情報「PC1〜3、6」には、設定情報の設定項目として、例えば、プリンタアドレスの1つの設定情報が対応付けられている。また、同様に設置場所情報が「A事業所1F、3F(例えば、A事業所2F以外)」に対応付いた識別情報の中で、例えば、識別情報「コピー機1、3」には、設定情報の設定項目として、例えば、無線LAN暗号鍵の1つの設定情報が対応付けられている。また、同様に設置場所情報が「A事業所1F、3F(例えば、A事業所2F以外)」に対応付いた識別情報の中で、例えば、識別情報「プロジェクタ1、3」には、設定情報の設定項目として、例えば、ファイルサーバアドレスの1つの設定情報が対応付けられている。なお、上記の識別情報「PC1〜3、6」、「コピー機1、3」、「プロジェクタ1、3」に対応付けられた各設定項目は、「本来の設置場所以外で使用する機器用設定」であることを示している。
また、図5の例では、例えば、使用場所情報が「A事業所2F」において、設置場所情報が「B事業所1F、C事業所1F(A事業所以外)」に対応付いた識別情報の中で、例えば、識別情報「PC7、8」には、設定情報の設定項目として、例えば、無線LAN暗号鍵、プリンタアドレスの2つの設定情報が対応付けられている。なお、上記の識別情報「PC7、8」に対応付けられた各設定項目は、「異なる事業所で使用する機器用設定」であることを示している。なお、同じ組織に所属する機器20であるため、それ以外の設定情報は任意に設定することができる。
また、図5の例では、例えば、使用場所情報が「A事業所2F」において、設置場所情報が「登録なし」に対応付いた識別情報の中で、例えば、識別情報「PC」には、設定情報の設定項目として、例えば、無線LAN暗号鍵、プリンタアドレスの2つの設定情報が対応付けられている。なお、この識別情報「PC」に対応付けられた各設定項目は、「ゲスト機器用設定」であることを示している。なお、外部のゲスト用機器には、本実施形態の機器設定を行うための機器管理装置10との通信だけを許可する暗号鍵、近くの印刷装置から印刷するためのプリンタアドレスだけを設定情報として設定する。つまり、ゲスト用機器に対しては、ネットワーク機器としては利用制限がなされるように設定される。
なお、図4及び図5の例では、使用場所情報として、A事業所1F、A事業所2Fを一例として示したが、A事業所3Fについても同様の設定情報を保持している。
このように、機器設定情報部102は、1以上の機器20が現在使用されている場所を示す1以上の使用場所情報ごとに、機器20を識別する識別情報と、機器20が本来設置される場所を示す設置場所情報と、機器20の設定項目を含む設定情報とが対応付けられた情報を示す機器設定情報を保持する。
なお、図4及び図5に示した、機器設定情報は一例であり、使用場所情報、設置場所情報、識別情報、設定情報(設定項目)は、任意に設定することができる。また、図4及び図5に示した機器設定情報の識別情報は、説明が容易なように図6で示した識別情報の中の機器種類を一例としたが、これに限ることはなく、識別情報としては、図6を用いて説明したものと同様である。
図3に戻って説明を続ける。使用場所情報取得部103は、機器20から受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報を用いて、機器20が通信網30に接続した位置を特定して、識別情報で識別される機器20が現在使用されている使用場所情報を取得する。機器20を識別する識別情報は、図6を用いて説明したように、例えば、IPアドレス情報、MACアドレス情報、機器ID、機器種類などの機器20を特定できる情報である。使用場所情報取得部103は、例えば、識別情報に含まれる各種アドレス情報から機器20がどこの場所から通信網30に接続したかを特定して使用場所情報を取得する。例えば、機器20から受信した設定情報取得要求のデータの例えば、ヘッダー情報などから、通信網30に接続した位置を特定して使用場所情報を取得する。
また、使用場所情報取得部103は、受信した設定情報取得要求の識別情報に含まれるアドレス情報を用いて、機器20が接続した予め保持する無線アクセスポイントを識別する識別情報、スイッチングハブを識別する識別情報、ルータを識別する識別情報の何れかを少なくとも参照して機器20が通信網30に接続した位置を特定する。
図6の例では、例えば、「PC1」から受信した設定情報取得要求の識別情報に含まれるアドレス情報、例えば、「IPアドレス情報やMACアドレス情報」に基づいて、PC1が通信網30に接続した位置を特定して使用場所情報を取得することができる。なお、アドレス情報としては、例えば、IPアドレス、MACアドレス、サブネット・マスク、デフォルト・ゲートウエイ、DNSサーバといったアドレス情報である。
本実施形態においては、機器20は直接に通信網30に接続しているので、例えば、接続したスイッチングハブから機器20が接続されているポートの情報を基にして機器20の位置を特定して使用場所情報を取得することができる。具体的には、機器20のIPアドレスがわかっているので、スイッチングハブのMACアドレステーブルを見て、そのMACアドレスがどのポートに割り当てられているかを特定し(カスケードされているなら、そのスイッチングハブに繋がるポートが特定できる)、次に、そのスイッチングハブでMACアドレステーブルを参照することを繰り返すことで、機器20が接続した使用場所情報を特定することができる。
また、例えば、ルータのIPアドレス、DNS(Domain Name System)、SNMP(Simple Network Management Protocol)、ポートおよびMACアドレスの情報に基づいて、機器20が通信網30に接続した位置を特定して使用場所情報を取得することができる。
また、機器20が例えば、無線LANで通信網30に接続する場合には、接続した無線アクセスポイントのアドレス情報から機器20の位置を特定して使用場所情報を取得することができる。
なお、例えば、スイッチングハブ、ルータ、無線アクセスポイントなどの各ネットワーク機器の各種アドレス情報に対応付いた位置情報は、予め登録して保持している。図4の例を参照すれば、例えば、各ネットワーク機器の例えば、アドレス情報(IPアドレス情報やMACアドレス情報)に対応付いた、例えば「A事業所1F」などの位置情報を予め保持している。
また、使用場所情報取得部103は、識別情報に基づいて、例えば、SNMPを用いて、機器20に固有のOID(Object IDentifier)の情報の中から機器20が通信網30に接続した位置を特定して使用場所情報を取得することができる。OIDの情報としては、システムの情報、インタフェースの情報、アドレス変換情報、IP(Internet Protocol address)に関する情報、ICMP(Internet Control Message Protocol)に関する情報、TCP(Transmission Control Protocol)コネクションに関する情報、UDP(User Datagram Protocol)コネクションに関する情報、EGP(Exterior Gateway Protocol)に関する情報、変換タイプを定義するグループ(transmission)、SNMP(Simple Network Management Protocol)自身に関する情報などを含む。
なお、これに限らず、例えば、機器20が通信網30に接続した位置情報が特定できる情報を、設定情報取得要求に含まれる識別情報に含むことによって、その位置情報が特定できる情報に基づいて、機器20の位置を特定して使用場所情報を取得することができる。なお、機器20が通信網30に接続した位置情報が特定できる情報、使用場所情報を取得する方法は、任意である。
図3に戻って説明を続ける。機器管理部104は、管理対象の機器20から各種の情報を取得して、取得した情報を管理する。各種の情報としては、例えば、機器20の識別情報である、例えば、IPアドレス情報、MACアドレス情報、機器ID、機器種類、登録年月日などの情報を一例として挙げることができる。ここで、機器20の各種の情報を取得する方法の一例としては、SNMP(Simple Network Management Protocol)を用いて、各機器20のMIB(Management Information Base:管理情報領域)と呼ばれるデータ保存領域のOID(Object IDentifier)を参照して機器20の各種の情報を取得することができる。
機器管理部104は、管理対象の機器20に対して、機器20の本来設置される設置場所情報と、現在使用されている使用場所情報とに基づいて、適切な設定情報を選定して機器20に設定を実施させるように管理する。また、機器管理部104は、1以上の機器20ごとに、識別情報を保持する。なお、識別情報は、図6を用いて説明したものと同様である。
また、機器管理部104は、機器20の状態を示す状態情報を含む機器情報を取得して管理する。具体的には、機器管理部104は、機器20から通信網30を経由して送信される機器20の状態を示す状態情報を含む機器情報を通信部101を介して受け付けることで、機器20の状態を示す状態情報を含む機器情報を取得する。そして、機器管理部104は、使用場所情報取得部103が取得した機器20の使用場所情報と、取得した機器情報とを対応付けて保持して管理する。
機器20の状態を示す状態情報を含む機器情報とは、機器情報の一例として、例えば、機器20がコピー機(MFP:MultiFunction Printer/Product/Peripheral)である場合、機種や機番などの個体情報、ソーターやフィニッシャーなどのオプション装着情報、トータルコピー数やモノクロコピー数及びカラーコピー数などの各種カウンタ情報、故障回数や修理部位及び回数などの機器状態情報(履歴情報)、機器20設置時などに設定するサービスマン(SP)設定やユーザが任意に設定するユーザ設定などの機器設定情報等を含んでいる。機器20の状態を示す状態情報としては、例えば、カウンタ情報、機器状態情報、機器設定情報などを含んでいる。なお、上記の機器20の状態を示す状態情報を含む機器情報は一例であり、機器情報は、任意に設定することができる。
選定部105は、機器設定情報部102が保持する機器設定情報の中から、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報と、取得した使用場所情報とを用いて、設定情報を選定する。
また、選定部105は、受信した設定情報取得要求に識別情報及び設置場所情報が含まれていた場合、機器設定情報部102が保持する機器設定情報の中から、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報及び設置場所情報と、取得した使用場所情報とを用いて、設定情報を選定する。
また、選定部105は、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報と一致する識別情報に対応付けられた設置場所情報がない場合、ゲスト機器用の設定情報を選定する。
選定部105は、選定した機器20の設定項目を含む設定情報を設定情報送信部106に対して受け渡す。
ここで、図4〜図6を参照して、選定部105が機器20の設定項目を含む設定情報を選定する方法について説明する。まず、機器設定情報部102が保持する設定情報は、上記の図4及び図5を用いて説明したものである。
図6の例において、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報が、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.1」、MACアドレス情報「11:11:11:AA:AA:AA」、機器種類「PC1」、機器ID「ABCDE1」の何れか1つ又は全てであると仮定する。また、使用場所情報取得部103で取得した使用場所情報が「A事業所1F」であると仮定する。図4の例において、機器設定情報の選定条件として、例えば、使用場所情報、識別情報の2つが設定されていると仮定する。なお、選定条件はこれに限らず任意に設定できる。上記の仮定において、図4の例では、使用場所情報「A事業所1F」、識別情報「PC1」は設置場所情報「A事業所1F」と特定できるため、設定情報の設定項目は、無線LAN暗号鍵、プロキシ設定、プリンタアドレス、セキュリティ設定、基本アプリセットの5つの設定情報である。よって、選定部105は、機器20の設定項目を含む設定情報として、「本来の設置場所で使用する機器用設定」を選定する。
また、図6の例において、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報が、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.4」、MACアドレス情報「11:11:14:AA:AA:AA」、機器種類「コピー機1」、機器ID「ABCDE4」の何れか1つ又は全てであると仮定する。また、使用場所情報取得部103で取得した使用場所情報が「A事業所1F」であると仮定する。図4の例において、使用場所情報「A事業所1F」、識別情報「コピー機1」は設置場所情報「A事業所1F」と特定できるため、設定情報の設定項目は、無線LAN暗号鍵の1つの設定情報である。よって、選定部105は、機器20の設定項目を含む設定情報として、「本来の設置場所で使用する機器用設定」を選定する。
また、図6の例において、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報が、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.5」、MACアドレス情報「11:11:15:AA:AA:AA」、機器種類「プロジェクタ1」、機器ID「ABCDE5」の何れか1つ又は全てであると仮定する。また、使用場所情報取得部103で取得した使用場所情報が「A事業所1F」であると仮定する。図4の例において、使用場所情報「A事業所1F」、識別情報「プロジェクタ1」は設置場所情報「A事業所1F」と特定できるため、設定情報の設定項目は、無線LAN暗号鍵、ファイルサーバアドレスの2つの設定情報である。よって、選定部105は、機器20の設定項目を含む設定情報として、「本来の設置場所で使用する機器用設定」を選定する。
次に、図6の例において、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報が、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.6」、MACアドレス情報「11:11:16:AA:AA:AA」、識別情報「PC4」、機器ID「ABCDE6」の何れか1つ又は全てであると仮定する。また、使用場所情報取得部103で取得した使用場所情報が「A事業所1F」であると仮定する。図4の例において、使用場所情報「A事業所1F」、識別情報「PC4」は設置場所情報「A事業所2F」と特定できるため、設定情報の設定項目は、プリンタアドレスの1つの設定情報である。よって、選定部105は、機器20の設定項目を含む設定情報として、「本来の設置場所以外で使用する機器用設定」を選定する。
また、図6の例において、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報が、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.8」、MACアドレス情報「11:11:18:AA:AA:AA」、機器種類「コピー機2」、機器ID「ABCDE8」の何れか1つ又は全てであると仮定する。また、使用場所情報取得部103で取得した使用場所情報が「A事業所1F」であると仮定する。図4の例において、使用場所情報「A事業所1F」、識別情報「コピー機2」は設置場所情報「A事業所2F」と特定できるため、設定情報の設定項目は、無線LAN暗号鍵の1つの設定情報である。よって、選定部105は、機器20の設定項目を含む設定情報として、「本来の設置場所以外で使用する機器用設定」を選定する。
また、図6の例において、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報が、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.9」、MACアドレス情報「11:11:19:AA:AA:AA」、機器種類「プロジェクタ2」、機器ID「ABCDE9」の何れか1つ又は全てであると仮定する。また、使用場所情報取得部103で取得した使用場所情報が「A事業所1F」であると仮定する。図4の例において、使用場所情報「A事業所1F」、識別情報「プロジェクタ2」は設置場所情報「A事業所2F」と特定できるため、設定情報の設定項目は、ファイルサーバアドレスの1つの設定情報である。よって、選定部105は、機器20の設定項目を含む設定情報として、「本来の設置場所以外で使用する機器用設定」を選定する。
次に、図6の例において、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報が、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.10」、MACアドレス情報「11:11:20:AA:AA:AA」、機器種類「PC6」、機器ID「ABCDE10」の何れか1つ又は全てであると仮定する。また、使用場所情報取得部103で取得した使用場所情報が「A事業所1F」であると仮定する。図4の例において、使用場所情報「A事業所1F」、識別情報「PC6」は設置場所情報「A事業所3F」と特定できるため、設定情報の設定項目は、プリンタアドレスの1つの設定情報である。よって、選定部105は、機器20の設定項目を含む設定情報として、「本来の設置場所以外で使用する機器用設定」を選定する。
また、図6の例において、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報が、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.11」、MACアドレス情報「11:11:21:AA:AA:AA」、機器種類「コピー機3」、機器ID「ABCDE11」の何れか1つ又は全てであると仮定する。また、使用場所情報取得部103で取得した使用場所情報が「A事業所1F」であると仮定する。図4の例において、使用場所情報「A事業所1F」、識別情報「コピー機3」は設置場所情報「A事業所3F」と特定できるため、設定情報の設定項目は、無線LAN暗号鍵の1つの設定情報である。よって、選定部105は、機器20の設定項目を含む設定情報として、「本来の設置場所以外で使用する機器用設定」を選定する。
また、図6の例において、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報が、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.12」、MACアドレス情報「11:11:22:AA:AA:AA」、機器種類「プロジェクタ3」、機器ID「ABCDE12」の何れか1つ又は全てであると仮定する。また、使用場所情報取得部103で取得した使用場所情報が「A事業所1F」であると仮定する。図4の例において、使用場所情報「A事業所1F」、識別情報「プロジェクタ3」は設置場所情報「A事業所3F」と特定できるため、設定情報の設定項目は、ファイルサーバアドレスの1つの設定情報である。よって、選定部105は、機器20の設定項目を含む設定情報として、「本来の設置場所以外で使用する機器用設定」を選定する。
次に、図4の例において、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報が、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.13」、MACアドレス情報「11:11:23:AA:AA:AA」、機器種類「PC7」、機器ID「ABCDE13」の何れか1つ又は全てであると仮定する。また、使用場所情報取得部103で取得した使用場所情報が「A事業所1F」であると仮定する。図4の例において、使用場所情報「A事業所1F」、識別情報「PC7」は設置場所情報「B事業所1F」と特定できるため、設定情報の設定項目は、無線LAN暗号鍵、プリンタアドレスの2つの設定情報である。よって、選定部105は、機器20の設定項目を含む設定情報として、「異なる事業所で使用する機器用設定」を選定する。
また、図6の例において、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報が、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.14」、MACアドレス情報「11:11:24:AA:AA:AA」、機器種類「PC8」、機器ID「ABCDE14」の何れか1つ又は全てであると仮定する。また、使用場所情報取得部103で取得した使用場所情報が「A事業所1F」であると仮定する。図4の例において、使用場所情報「A事業所1F」、識別情報「PC8」は設置場所情報「C事業所1F」と特定できるため、設定情報の設定項目は、無線LAN暗号鍵、プリンタアドレスの2つの設定情報である。よって、選定部105は、機器20の設定項目を含む設定情報として、「異なる事業所で使用する機器用設定」を選定する。
次に、図6の例において、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報が、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.15」、MACアドレス情報「11:11:25:AA:AA:AA」であると仮定する。また、使用場所情報取得部103で取得した使用場所情報が「A事業所1F」であると仮定する。図4の例において、使用場所情報「A事業所1F」、識別情報が例えば「PC」は設置場所情報「登録なし」と特定できるため、設定情報の設定項目は、無線LAN暗号鍵、プリンタアドレスの2つの設定情報である。よって、選定部105は、機器20の設定項目を含む設定情報として、「ゲスト機器用設定」を選定する。
同様に、図6の例において、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報が、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.16」、MACアドレス情報「11:11:26:AA:AA:AA」であると仮定する。また、使用場所情報取得部103で取得した使用場所情報が「A事業所1F」であると仮定する。図4の例において、使用場所情報「A事業所1F」、識別情報が例えば「PC」は設置場所情報「登録なし」と特定できるため、設定情報の設定項目は、無線LAN暗号鍵、プリンタアドレスの2つの設定情報である。よって、選定部105は、機器20の設定項目を含む設定情報として、「ゲスト機器用設定」を選定する。
なお、図5の例において、使用場所情報「A事業所2F」の場合についても、上述したと同様にして、選定部105は機器20の設定項目を含む設定情報を選定する。また、使用場所情報「A事業所3F」の場合についても同様である。
次に、機器20から受信した設定情報取得要求に識別情報と設置場所情報とを含む場合、選定部105が、機器20の設定項目を含む設定情報を選定する方法について説明する。
図6の例において、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報が、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.1」、MACアドレス情報「11:11:11:AA:AA:AA」、機器種類「PC1」、機器ID「ABCDE1」の何れか1つ又は全てであり、設置場所情報が、例えば、「A事業所1F」であると仮定する。また、使用場所情報取得部103で取得した使用場所情報が「A事業所1F」であると仮定する。図4の例において、機器設定情報の選定条件として、例えば、使用場所情報、設置場所情報、識別情報の3つが設定されていると仮定する。なお、選定条件はこれに限らず任意に設定できる。上記の仮定において、図4の例では、使用場所情報「A事業所1F」、設置場所情報「A事業所1F」、識別情報「PC1」に対応付いた設定情報の選定項目は、無線LAN暗号鍵、プロキシ設定、プリンタアドレス、セキュリティ設定、基本アプリセットの5つの設定情報である。よって、選定部105は、機器20の設定項目を含む設定情報として、「本来の設置場所で使用する機器用設定」を選定する。
また、図6の例において、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報が、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.4」、MACアドレス情報「11:11:14:AA:AA:AA」、機器種類「コピー機1」、機器ID「ABCDE4」の何れか1つ又は全てであり、設置場所情報が、例えば、「A事業所1F」であると仮定する。また、使用場所情報取得部103で取得した使用場所情報が「A事業所1F」であると仮定する。図4の例において、使用場所情報「A事業所1F」、設置場所情報「A事業所1F」、識別情報「コピー機1」に対応付いた設定情報の選定項目は、無線LAN暗号鍵の1つの設定情報である。よって、選定部105は、機器20の設定項目を含む設定情報として、「本来の設置場所で使用する機器用設定」を選定する。
また、図6の例において、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報が、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.5」、MACアドレス情報「11:11:15:AA:AA:AA」、機器種類「プロジェクタ1」、機器ID「ABCDE5」の何れか1つ又は全てであり、設置場所情報が、例えば、「A事業所1F」であると仮定する。また、使用場所情報取得部103で取得した使用場所情報が「A事業所1F」であると仮定する。図4の例において、使用場所情報「A事業所1F」、設置場所情報「A事業所1F」、識別情報「プロジェクタ1」に対応付いた設定情報の選定項目は、無線LAN暗号鍵、ファイルサーバアドレスの2つの設定情報である。よって、選定部105は、機器20の設定項目を含む設定情報として、「本来の設置場所で使用する機器用設定」を選定する。
次に、図6の例において、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報が、例えば、IPアドレス情報「192.168.0.15」、MACアドレス情報「11:11:25:AA:AA:AA」であり、設置場所情報が、例えば、「登録なし」であると仮定する。また、使用場所情報取得部103で取得した使用場所情報が「A事業所1F」であると仮定する。図4の例において、使用場所情報「A事業所1F」、設置場所情報「登録なし」、識別情報が例えば「PC」に対応付いた設定情報の選定項目は、無線LAN暗号鍵、プリンタアドレスの2つの設定情報である。よって、選定部105は、機器20の設定項目を含む設定情報として、「ゲスト機器用設定」を選定する。
以下、設置場所情報「A事業所2F」、「A事業所3F」についても同様にして機器20の設定項目を含む設定情報を選定する。
図3に戻って説明を続ける。設定情報送信部106は、選定部105で選定した設定情報を受け付ける。そして、設定情報送信部106は、選定部105で選定した設定情報を通信部101を介して機器20に送信する。
制御部107は、機器管理装置10全体の動作を制御する。また、制御部107は、上述した各機能部の各種処理を制御する。制御部107は、例えば、マイクロプロセッサなどから構成されるCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。制御部107が有する機能は、制御部107のCPUがROM等に格納された所定の制御プログラムを実行することにより実現される。なお、これに限らず、これらの機能の少なくとも一部を個別の回路(ハードウェア)で実現することもできる。
次に、機器20の機能構成について説明する。図3に示すように、機器20は、通信部201と、設定情報要求部202と、設定情報取得部203と、設定部204と、機器情報管理部205と、制御部206とを有する。上記各部については、これらの一部又は全部がソフトウェア(プログラム)、ハードウェア回路であってもよい。また、上記各部のうちの一部が機器20に搭載される形態であってもよい。
通信部201は、通信網30を経由して機器管理装置10と通信する。通信部201は、機器管理装置10と通信網30を介して各種データを送受する。具体的には、例えば、通信部201は、機器管理装置10に対して、機器20を識別する識別情報を含む設定情報取得要求を送信する。
また、通信部201は、例えば、機器管理装置10に対して、機器20を識別する識別情報と、機器20が本来設置される場所を示す設置場所情報とを含む設定情報取得要求を送信する。
また、通信部201は、例えば、機器管理装置10に対して、機器20の状態を示す状態情報を含む機器情報を送信する。また、通信部201は、例えば、機器管理装置10から選定した設定情報を受信する。通信部201は、受信した設定情報を設定部204、機器情報管理部205に受け渡す。
設定情報要求部202は、機器20を識別する識別情報を含む設定情報取得要求を通信部201を介して機器管理装置10に送信する。具体的には、図6を用いて説明した、例えば、機器20を識別する識別情報である、IPアドレス情報、MACアドレス情報、機器種類、機器IDの何れか1つ又は全てを含む識別情報を含んだ設定情報取得要求を通信部201を介して機器管理装置10に送信する。
また、設定情報要求部202は、機器20を識別する識別情報と、機器20が本来設置される場所を示す設置場所情報とを含む設定情報取得要求を通信部201を介して機器管理装置10に送信する。
設定情報取得部203は、機器管理装置10が選定した機器20の設定項目を含む設定情報を通信部201を介して受け付けることで設定情報を取得する。設定情報取得部203は、取得した設定情報を設定部204、機器情報管理部205に受け渡す。
設定部204は、設定情報取得部203で取得した機器20の設定項目を含む設定情報に基づいて、機器20の設定を行う。具体的には、例えば、機器20がPCであり、機器管理装置10から取得した設定情報に含まれる設定項目が、例えば、無線LAN暗号鍵、プロキシ設定、プリンタアドレス、セキュリティ設定、基本アプリセットの5つの設定情報である場合、これらの5つの設定項目に基づいて機器20の設定、又は必要な設定項目だけを更新する処理を行う。また、例えば、機器20がコピー機であり、機器管理装置10から取得した設定情報に含まれる設定項目が、例えば、無線LAN暗号鍵の1つの設定情報である場合、これらの1つの設定項目に基づいて機器20の設定、又は必要な設定項目だけを更新する処理を行う。また、例えば、機器20がプロジェクタであり、機器管理装置10から取得した設定情報に含まれる設定項目が、例えば、無線LAN暗号鍵、ファイルサーバアドレスの2つの設定情報である場合、これらの2つの設定項目に基づいて機器20の設定、又は必要な設定項目だけを更新する処理を行う。
機器情報管理部205は、機器20を管理するために必要な各種の情報を取得して管理する。機器情報管理部205は、具体的には、例えば、機器20に固有のOID(Object IDentifier)の情報を管理する。OIDの情報とは、システムの情報、インタフェースの情報、アドレス変換情報、IPに関する情報、ICMPに関する情報、TCPコネクションに関する情報、UDPコネクションに関する情報、EGPに関する情報、変換タイプを定義するグループ(transmission)、SNMP自身に関する情報などが挙げられる。
また、各種の情報の一例として、機器20の識別情報、機種、機番、機器ID、機器種類、IPアドレス、MACアドレス、設置場所、設置年月日、使用期間など機器20に関係する情報を取得して管理する。
機器情報管理部205は、機器20が本来設置される場所を示す設置場所情報を取得するには、例えば、制御部206の制御の下、図示しない表示部に機器20の設置場所情報を登録するためのUI(user interface)表示をし、入力された設置場所を登録して保持する。
また、機器情報管理部205は、例えば、機器20の状態情報を含む機器情報を保持して管理する。また、機器情報管理部205は、例えば、少なくとも機器20を識別する識別情報に対応付いた機器20の種類を示す機器種類を保持して管理する。また、機器情報管理部205は、機器20の設定項目を含む設定情報を保持して管理する。なお、機器情報管理部205が管理する各種の情報は任意に設定できる。
制御部206は、機器20全体の動作を制御する。また、制御部206は、上述した各機能部の各種処理を制御する。制御部206は、例えば、マイクロプロセッサなどから構成されるCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。制御部206が有する機能は、制御部206のCPUがROM等に格納された所定の制御プログラムを実行することにより実現される。なお、これに限らず、これらの機能の少なくとも一部を個別の回路(ハードウェア)で実現することもできる。
次に、図7を参照しながら、機器管理装置10が機器20の設定項目を含む設定情報を選定する処理動作の一例を説明する。図7は、機器管理装置が機器の設定項目を含む設定情報を選定する処理動作の一例を示すシーケンス図である。
まず、機器管理装置10の制御部107は、図示しない表示部に機器20の設置場所情報を登録するためのUI(user interface)表示をする。機器管理装置10は、図4及び図5に示したように、機器20が使用される1以上の使用場所情報ごとに、機器20を識別する識別情報と、機器20が本来設置される場所を示す設置場所情報と、機器20の設定項目を含む設定情報とを対応付けた情報を示す機器設定情報を登録して保持する(ステップS1)。
次に、機器20は、機器20を識別する識別情報を含む設定情報取得要求を機器管理装置10に送信する(ステップS2)。次に、機器管理装置10は、設定情報取得要求に含まれる識別情報を用いて、機器20が通信網30に接続した位置を特定して、識別情報で識別される機器20が現在使用されている使用場所情報を取得する(ステップS3)。次に、機器管理装置10は、機器設定情報部102が保持する機器設定情報の中から、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報と、取得した使用場所情報とを用いて、設定情報を選定する(ステップS4)。次に、機器管理装置10は、選定した設定情報を機器20に送信する(ステップS5)。
次に、機器20は、機器管理装置10から機器20の設定項目を含む設定情報を取得して保持する(ステップS6)。機器20は、取得した設定情報に基づき、機器20の設定、又は設定変更を行う(ステップS7)。機器20は、機器設定の処理を終了する(ステップS8)。
以上のシーケンス処理を機器管理システム1に実行させることにより、機器管理装置10は、機器20から受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報を用いて、機器20の使用場所情報を取得する。そして、機器管理装置10は、機器設定情報部102が保持する設定情報の中から、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報と、取得した使用場所情報とを用いて、機器20の設定項目を含む設定情報を選定するため、ネットワーク機器が一時的な場所移動により本来設置される場所以外で使用する場合に、最低限必要な設定情報を選定してネットワーク機器に最低限の設定情報を設定することができる、という有利な効果を達成できる。
次に、図8を参照しながら、機器管理装置10が機器20の設定項目を含む設定情報を選定する他の処理動作の一例を説明する。なお、以下では、機器20から受信した設定情報取得要求に識別情報と設置場所情報とを含む場合について説明する。図8は、機器管理装置が機器の設定項目を含む設定情報を選定する他の処理動作の一例を示すシーケンス図である。
まず、機器20の制御部206は、図示しない表示部に機器20の設置場所情報を登録するためのUI(user interface)表示をする。機器20は、自身の機器20が本来設置される場所を示す設置場所情報の入力を受け付けて、入力された設置場所情報を登録して保持する(ステップS11)。設置場所情報は、図4及び図5に示したものである。
機器管理装置10の制御部107は、図示しない表示部に機器20の設置場所情報を登録するためのUI(user interface)表示をする。機器管理装置10は、図4及び図5に示したように、機器20が使用される1以上の使用場所情報ごとに、機器20を識別する識別情報と、機器20が本来設置される場所を示す設置場所情報と、機器20の設定項目を含む設定情報とを対応付けた情報を示す機器設定情報を登録して保持する(ステップS12)。
次に、機器20は、機器20を識別する識別情報と、機器20が本来設置される場所を示す設置場所情報とを含む設定情報取得要求を機器管理装置10に送信する(ステップS13)。次に、機器管理装置10は、設定情報取得要求に含まれる識別情報を用いて、機器20が通信網30に接続した位置を特定して、識別情報で識別される機器20が現在使用されている使用場所情報を取得する(ステップS14)。次に、機器管理装置10は、機器設定情報部102が保持する機器設定情報の中から、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報と設置場所情報と、取得した使用場所情報とを用いて、設定情報を選定する(ステップS15)。次に、機器管理装置10は、選定した設定情報を機器20に送信する(ステップS16)。
次に、機器20は、機器管理装置10から機器20の設定項目を含む設定情報を取得して保持する(ステップS17)。機器20は、取得した設定情報に基づき、機器20の設定、又は設定変更を行う(ステップS18)。機器20は、機器設定の処理を終了する(ステップS19)。
以上のシーケンス処理を機器管理システム1に実行させることにより、機器管理装置10は、機器20から受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報を用いて、機器20の使用場所情報を取得する。そして、機器管理装置10は、機器設定情報部102が保持する設定情報の中から、受信した設定情報取得要求に含まれる識別情報と設置場所情報と、取得した使用場所情報とを用いて、機器20の設定項目を含む設定情報を選定するため、ネットワーク機器が一時的な場所移動により本来設置される場所以外で使用する場合に、最低限必要な設定情報を選定してネットワーク機器に最低限の設定情報を設定することができる、という有利な効果を達成できる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、上述の機器設定情報部102、機器管理部104、機器情報管理部205は、機器管理装置10および機器20の各々に分散されて搭載される形態であってもよい。また、例えば上述の機器設定情報部102、機器管理部104、機器情報管理部205は、機器管理装置10、機器20、および、1以上の外部装置(例えばサーバ装置)の各々に分散されて搭載される形態であってもよい。
また、上述した各実施形態の機器管理システム1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、各種プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
なお、本実施形態の機器管理装置10と、機器20とが接続されたシステム構成は一例であり、用途や目的に応じて様々なシステム構成例があることは言うまでもない。