以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照して遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠アセンブリ2、ガラス枠ユニット4、受け皿ユニット6及びプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を備えている。このうち外枠アセンブリ2は、木材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠アセンブリ2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。
その他のガラス枠ユニット4や受け皿ユニット6、プラ枠アセンブリ7は外枠アセンブリ2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみてプラ枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応してガラス枠ユニット4及び外枠アセンブリ2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠アセンブリ2に対してガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともにガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動してプラ枠アセンブリ7とともにガラス枠ユニット4及び受け皿ユニット6の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠アセンブリ2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、プラ枠アセンブリ7は施錠されたままでガラス枠ユニット4の施錠だけが解除され、ガラス枠ユニット4が開放可能となる。ガラス枠ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。またガラス枠ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6のロック機構(図示していない)が露出する。この状態でロック機構を解除すると、受け皿ユニット6をプラ枠アセンブリ7に対して前面側へ開放することができる。
またパチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤8を備えている。遊技盤8は、ガラス枠ユニット4の背後(内側)で上記のプラ枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤8は、例えばガラス枠ユニット4を前面側へ開放した状態でプラ枠アセンブリ7に対して着脱可能である。ガラス枠ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、ガラス枠ユニット4の裏側に図示しないヒンジ機構を介して開閉式に取り付けられる。遊技盤8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。ガラス枠ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と遊技盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に外枠アセンブリ2から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の前面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きレバー6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きボタン6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きレバー6dを例えば左方向へスライドさせることで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また遊技者は、下皿球抜きボタン6eを例えば押し込み操作することで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤8の左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。
〔盤面の構成〕
遊技領域8a内には、始動ゲート20や普通入賞口22,24、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等が設置されている。遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に始動ゲート20を通過したり、あるいは、普通入賞口22,24や上始動入賞口26、作動時の可変始動入賞装置28に入賞(入球)したりする。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、入賞した遊技球は遊技板に形成された貫通穴を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。
なお、上記の可変始動入賞装置28は、所定の条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って下始動入賞口28aへの入賞を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の可動片28bを有しており、これら可動片28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図示のように先端が上を向いた状態で左右の可動片28bは閉位置にあり、このとき下始動入賞口28aへの入賞は不能(遊技球が流入できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の可動片28bはそれぞれ閉位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、下始動入賞口28aの開口幅を左右に拡大する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が可能な状態となり、下始動入賞口28aへの入賞を発生させる。なお、遊技盤8に設置されている障害釘の配列(ゲージ)は、基本的に可変始動入賞装置28に向けて遊技球の流下を案内しやすい態様となっているが、必ず遊技球が可変始動入賞装置28に流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
また上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示された場合)に作動可能な状態となり、これが実際に作動することで大入賞口(参照符号なし)への入賞を可能にする(特別電動役物)。可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有しており、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉止状態)にあり、このとき大入賞口への入賞は常に不能(大入賞口は閉塞中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、大入賞口への入賞という事象(特別な入賞事象)を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。また、上始動入賞口26や可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入賞した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
遊技盤8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33と普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、特別図柄表示装置34、特別図柄作動記憶ランプ34a及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。
図3は、遊技盤8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。特別図柄表示装置34は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。また、特別図柄作動記憶ランプ34aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせにより、0〜4個の記憶数を表示することができる。例えば、2つのランプがともに消灯のときは記憶数0個を表示し、1つのランプが点灯すると記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅すると記憶数2個を表示し、この状態からもう1つのランプが点灯すると記憶数3個を表示し、そして2つのランプがともに点滅すると記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、記憶数は4個を超えるものであってもよい。
特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の上始動入賞口26に遊技球が流入するか、もしくは上記の可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)に遊技球が流入すると、いずれの場合も入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ表示が増え、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ表示が減少する。なお本実施形態では、特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で上始動入賞口26又は可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)に遊技球が流入しても表示は増えない。すなわち、特別図柄作動記憶ランプ34aの表示数(最大4個)は、その時点で未だ特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数(保留球数)を表している。
遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b、確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dにそれぞれ対応する4つのLEDが含まれている。本実施形態では、大当り種別表示ランプ38aが「2ラウンド当り」を表し、大当り種別表示ランプ38bが「15ラウンド当り」を表している。なお、この他にも例えば「6ラウンド当り」等のラウンド数が異なる当りが別に設けられている場合、それぞれのラウンド数に応じて別の大当り種別表示ランプが遊技状態表示装置38に設置されることになる。
いずれにしても本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34、特別図柄作動記憶ランプ34a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図1を参照〕
また遊技盤8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40fが形成されており、このとき転動ステージ40eから球放出路40fに流下した遊技球は、その真下にある上始動入賞口26に流入しやすくなる。その他に演出ユニット40には、演出用の可動体(例えばキャラクターのフィギュア、装飾物等)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属していてもよい。演出用の可動体は、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。
〔枠前面の構成〕
ガラス枠ユニット4には、演出用の構成要素としてガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50がガラスユニット8を取り巻くようにして複数の箇所に設置されている。また、受け皿ユニット6には受け皿ランプ52が設置されており、この受け皿ランプ52とガラス枠トップランプ46,48及びガラス枠サイドランプ50とは、外見上、パチンコ機1の前面において一体的につながっているかのようにデザインされている。
上述した各種ランプ46〜52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。またガラス枠ユニット4の上部には、左右一対のガラス枠上スピーカ54とその中央にガラス枠中スピーカ55が内蔵されており、そして受け皿ユニット6には、下皿6cの右側に受け皿スピーカ56が内蔵されている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、ラウンド継続演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図4)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aはプラ枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのインタフェースであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。なお、外部端子板160を用いた外部情報信号の出力については、さらに別の図面を参照しながら後述する。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。またアース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図4は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、大当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また遊技盤8には、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82及びカウントスイッチ84が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)への遊技球の入賞を検出するためのものである。またカウントスイッチ84は、可変入賞装置30(大入賞口)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤8には、普通入賞口22,24への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,24について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,24に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口24に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお遊技盤8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、カウントスイッチ84及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34、特別図柄作動記憶ランプ34a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,38及びランプ33a,34aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,38及びランプ33a,34aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また遊技盤8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお主制御CPU72は、ガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
またパチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。
またパチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。またタッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。またCRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。またCRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。またガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。その他、遊技盤8にはパネル電飾基板138が設置されており、ランプ駆動回路132からの駆動信号がパネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53に印加されている。
上記の液晶表示器42は遊技盤8の裏側に設置されており、遊技盤8に形成された略矩形の開口を通じてのその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば例陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。またVDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なおVRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置74(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置74からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。またリセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図5及び図6は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセッ(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、作動記憶数コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図6に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(供給電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、普通図柄に対応する当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図7中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図7中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。上記のように、本実施形態において大当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数である。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図7)を実行した場合の残り時間で行われる。なお割込管理処理の内容については後述する。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図7は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ミリ秒)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数、普通図柄当り決定乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。またゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた特別図柄表示装置34による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとの過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。なお、このような「大当り1」〜「大当り5」の出力状態を制御する処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS209:また主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、変動時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34、特別図柄作動記憶ランプ34a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔外部情報信号〕
図8は、先の割込管理処理(出力管理処理)で外部端子板160から出力される各種の外部情報信号と外部の電子機器との対応関係を示した概略図である。パチンコ機1が設置されている遊技場には、例えば外部の電子機器としてホールコンピュータ200が設置されている。また遊技場には、例えばパチンコ機1が設置されている島設備において、パチンコ機1の台ごとにデータ表示装置202が設置されている。なお図8では便宜上、外部端子板160がパチンコ機1から離れた位置に記号化された状態で示されているが、実際には上記(図2参照)のように外部端子板160はパチンコ機1の裏側に端子実装基板の形態で設置されている。
ホールコンピュータ200は、遊技場内に設置されている各遊技機(本実施形態のパチンコ機1やその他の種類のパチンコ機、回胴式遊技機等を含む)から外部出力される外部情報信号を集計・管理する機能を有している。またホールコンピュータ200は、例えば図示しないCRユニット(球貸し機)から外部出力される信号を集計・管理する機能を有している。
台ごとのデータ表示装置202は、例えばその台で発生した図柄確定回数(いわゆるスタート回数)や大当りの回数を集計及び表示したり、その台が大当り中や変動時間短縮状態(高確率状態を含む)であることを内蔵のLED(図示していない)による点灯・点滅によって表示したり、あるいは文字情報(「大当り中」等のテロップ)によって表示したりする機能を有する。またデータ表示装置202は、パチンコ機1が設置されている島設備において、他の遊技台で大当りが発生したことを内蔵のLEDによる点滅・点灯によって表示する機能を有する場合もある。なおデータ表示装置202は、パチンコ機1だけでなくホールコンピュータ200に接続されていてもよい。この場合、データ表示装置202に対して出力される外部情報信号をデータ表示装置202が中継してホールコンピュータ200に出力することができる。
外部端子板160には、例えば図8中に示される番号1〜18までの外部端子が設けられており、これら外部端子は、例えば2つを1組(合計9組)として使用することができる。このうち番号1,2の組からは、例えば「賞球情報」がホールコンピュータ200に出力されている。また番号3,4の組からは、例えば「扉開放情報」がホールコンピュータ200に出力されている。このうち「賞球情報」は、例えばパチンコ機1において賞球として払い出された遊技球の個数を表す外部情報である。この「賞球情報」に基づき、ホールコンピュータ200はパチンコ機1の出玉数を集計・管理することができる。また「扉開放情報」は、上記のようにガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を表す外部情報である。この「扉開放情報」に基づき、ホールコンピュータ200はガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を認識したり、その開放回数を集計・管理したりすることができる。
次に、番号5,6の組からは、「OUT1」として例えば「図柄確定回数情報」がデータ表示装置202に出力されている。また番号7,8の組からは、「OUT2」として例えば「大当り1情報」がデータ表示装置202に出力されており、番号9,10の組からは、「OUT3」として例えば「大当り2情報」がデータ表示装置202に出力されている。このうち「図柄確定回数情報」は、特別図柄表示装置34による特別図柄の変動表示が確定停止したことを表す外部情報であり、この「図柄確定回数情報」は特別図柄が確定停止するごとに外部情報信号として出力される。このためデータ表示装置202では、パチンコ機1において特別図柄の確定停止回数(いわゆるスタート回数)を集計したり、大当り後の確定停止回数を表示したりすることができる。
上記の「大当り1情報」は、パチンコ機1において実質的(現実的)に賞球の払い出しが得られる大当りが発生したことを表す外部情報である。また「大当り2情報」は、「大当り1情報」が出力中であるか、もしくは大当り後の有利な状態(例えば変動時間短縮機能の作動状態)を表す外部情報である。
また番号11,12の組からは、「OUT4」として例えば「大当り3情報」がホールコンピュータ200に出力されており、続く番号13,14の組からは、「OUT5」として例えば「大当り4情報」がホールコンピュータ200に出力されている。さらに番号15,16の組からは、「OUT6」として例えば「大当り5情報」がホールコンピュータ200に出力されており、そして番号17,18の組からは、「OUT7」として例えば「始動口情報」がホールコンピュータ200に出力されている。
上記の「大当り3情報」は、小当りを除いた全ての種類の大当り開始時から終了時まで出力される外部情報である。また「大当り4情報」は、一部の種類の大当り開始時から終了時まで出力される外部情報である。そして「大当り5情報」は、小当り及び全ての種類の大当り開始時から終了時まで出力される外部情報である。なお、「小当り」や「大当りの種類」についてはさらに後述するものとする。「始動口情報」は、パチンコ機1において上始動入賞口26又は下始動入賞口28aへの入賞が発生したことを表す外部情報であり、この「始動口情報」に基づき、ホールコンピュータ200はパチンコ機1の始動入賞回数(例えば分間始動)を集計・管理することができる。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図9は、スイッチ入力イベント処理(図7中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、大入賞口に対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図7)に復帰する。
〔特別図柄記憶更新処理〕
図10は、特別図柄記憶更新処理(図9中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4個の上限数)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(No)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、特別図柄作動記憶数を1つ加算する。上記のように特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図7中のステップS210)で特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から大当り決定乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともにRAM76の乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。
ステップS36:次に主制御CPU72は、先読み当り判定処理を実行する。この処理において主制御CPU72は、先のステップS35で記憶した大当り決定乱数を先読みし、その当否(当選又は非当選)を事前に判定する。合わせて主制御CPU72は、先読みの結果が当選に該当する場合、大当り図柄乱数を先読みし、当選図柄の種別(当選種類)を事前に判定する。このような先読み当り判定の結果は、例えば特別図柄の変動表示に対応した演出(いわゆる先読み予告演出)に活用することができる。
ステップS37:次に主制御CPU72は、演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の先読み当り判定処理(ステップS35)で行った事前の判定結果に基づき、演出制御装置124(演出制御CPU126)に対して出力するべき演出コマンドの内容を設定する。例えば、今回の事前の判定結果が「非当選」に該当する場合、主制御CPU72は「非当選時」を表す特図先判定演出コマンドを生成する。また主制御CPU72は、合わせて「非当選時」の変動パターンコマンドを生成する。一方、今回の事前の判定結果が「当選」に該当する場合、主制御CPU72は「当選時」及び「当選図柄種別」を表す特図先判定演出コマンド(例えば「B8H」)を生成する。そして主制御CPU72は、生成した各種コマンドを送信コマンドバッファに転送する。なお、この処理で始動口入賞音制御コマンドを合わせて生成してもよい。
以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図7)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図11は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が15ラウンド大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば15回)だけ励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で15回あれば、これらを「15ラウンド」と総称することがある。なお本実施形態では、大当りの種類として15ラウンド大当りだけでなく、その他に複数種類の2ラウンド大当りが設けられており、その詳細についてはさらに後述するものとする。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図6中のステップS119)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ又は変動時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。「高確率状態」になると確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも高く(10倍程度に)なる。また「時間短縮状態」になると変動時間短縮機能が作動し、上記のように普通図柄の作動抽選が高確率(例えば251分の250程度)になり、また、普通図柄の変動時間が短縮(例えば非作動時で6秒程度→1秒程度に短縮)されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長(例えば非作動時で0.5秒程度→1.5秒程度に延長)される。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、上記の「15ラウンド大当り」について、例えば複数の当選種類として「15ラウンド確変大当り1」及び「15ラウンド確変大当り2」が設けられている(これ以上があってもよい)。また「15ラウンド大当り」以外に、本実施形態では複数の当選種類として「2ラウンド通常大当り1」、「2ラウンド通常大当り2」、「2ラウンド確変大当り2」及び「2ラウンド確変大当り3」が設けられている。なお、ここでは「2ラウンド確変大当り1」を欠番(設定なし)としているが、別途「2ラウンド確変大当り1」が設けられていてもよいし、その他の「2ラウンド確変大当り4」等が設けられていてもよい。なお当選種類は、当選時に停止表示される特別図柄の種類に対応しており、例えば「15ラウンド確変大当り1」は「15ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「15ラウンド確変大当り2」は「15ラウンド確変図柄2」の大当りに対応する。同様に、「2ラウンド通常大当り1」は「2ラウンド通常図柄1」の大当りに対応し、「2ラウンド通常大当り2」は「2ラウンド通常図柄2」の大当りに対応し、「2ラウンド確変大当り2」は「2ラウンド確変図柄2」の大当りに対応し、そして「2ラウンド確変大当り3」は「2ラウンド確変図柄3」の大当りに対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔2ラウンド通常図柄2,2ラウンド確変図柄2(第1当選種類)〕
先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「2ラウンド通常図柄2」又は「2ラウンド確変図柄2」のいずれかの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する。ただし、2ラウンドの大当り遊技は、15ラウンドの大当り遊技に比較して極端に短時間内で終了するため、大入賞口への入賞はほとんど発生することがない。その代わり、当選種類が「2ラウンド確変図柄2」に該当していた場合、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔2ラウンド通常図柄1,2ラウンド確変図柄3(第2当選種類)〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「2ラウンド通常図柄1」又は「2ラウンド確変図柄3」のいずれかの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する。この場合、1ラウンド目において極端に短時間(例えば0.1秒)内の大入賞口の開放が例えば2回まで行われた後、同じ1ラウンド目においてある程度の十分な時間(例えば最長で6.1秒)をかけて大入賞口の開放が1回行われ、続く2ラウンド目に同じく十分な時間(例えば最長で6.1秒)をかけて大入賞口の開放が1回行われる。したがって、1ラウンド目において2回の短期間内の開放時に大入賞口への入賞はほとんど発生することはないが、同じ1ラウンド目で大入賞口の3回目の開放(所定時間6.1秒以上の開放時間にわたる開放)からは大入賞口への入賞が比較的容易に発生し、これは2ラウンド目も継続する。さらに、「2ラウンド確変図柄3」に該当していた場合、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔15ラウンド確変図柄2〕
また、先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「15ラウンド確変図柄2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する。この場合、やはり1ラウンド目において極端に短時間(例えば0.1秒)内の大入賞口の開放が例えば2回まで行われた後、同じ1ラウンド目においてある程度の十分な時間(例えば最長で6.1秒)をかけて大入賞口の開放(所定時間6.1秒以上の開放時間にわたる開放)が1回行われ、さらに同じ1ラウンド目においてより長い時間(例えば最長で22.7秒)をかけて大入賞口の開放(所定時間6.1秒以上であり、最長で22.7秒の開放時間にわたる開放)が1回行われる。そして、続く2ラウンド目以降(15ラウンド目まで)は、十分に長い時間(例えば最長で29.0秒)をかけて大入賞口の開放(所定時間6.1秒以上であり、最長で29.0秒の開放時間にわたる開放)が1回ずつ行われる。したがって、1ラウンド目に2回の短期間内の開放時に大入賞口への入賞はほとんど発生することはないが、同じ1ラウンド目で大入賞口の3回目の開放からは大入賞口への入賞が比較的容易に発生し、これは2ラウンド目以降も継続する。なお大入賞口は、1ラウンド内に特定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。またこの場合、それまでの遊技で「変動時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「変動時間短縮機能」を作動させることで、合わせて「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔15ラウンド確変図柄1〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「15ラウンド確変図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する。この場合、1ラウンド目から十分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが15ラウンド目まで継続する。ここでも大入賞口は、1ラウンド内に特定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。またこの場合、それまでの遊技で「変動時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「変動時間短縮機能」を作動させることで、合わせて「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
いずれにしても、当選図柄が上記の「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄2」、「2ラウンド確変図柄2」又は「2ラウンド確変図柄3」のいずれかに該当すると、大当り遊技終了後に内部状態を「高確率状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。また、「高確率状態」において内部抽選に当選し、そのときの当選図柄が「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄2」、「2ラウンド確変図柄2」又は「2ラウンド確変図柄3」のいずれかに該当すると、その大当り遊技終了後も「高確率状態」が継続される。一方、「高確率状態」で内部抽選に当選し、上記の「2ラウンド通常図柄1」又は「2ラウンド通常図柄2」に該当すると、大当り遊技終了後に内部状態は通常の状態(低確率状態)に復帰する。また言うまでもなく、通常の状態で内部抽選に当選し、「2ラウンド通常図柄1」又は「2ラウンド通常図柄2」に該当すると、大当り遊技終了後も内部状態は通常の状態に維持される。
〔小当り〕
また本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当り(特例当選種類)が設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて可変入賞装置30が開閉動作する。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、通常の状態又は高確率状態の中で小当りの遊技(可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される。このような小当りの遊技では可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、2ラウンド大当り遊技と同様に大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また小当りの遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「変動時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。
〔特別図柄変動前処理〕
図12は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。特別図柄作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図7中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、特別図柄作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶シフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域内で、上記のように先頭のセクション(アドレス00H)に保存されている乱数記憶(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数記憶が保存されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから乱数記憶を読み出して消去(消費)した後、残った乱数記憶を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。
ステップS2250:次に主制御CPU72は、特別図柄作動記憶数減算処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図7中のステップS205)の中で特別図柄作動記憶ランプ34aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では通常状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に可変入賞装置30を作動させる条件(規定の条件)を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄表示装置34によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図5中のステップS115)において演出制御装置124に送信される。
なお本実施形態では、特別図柄表示装置34に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2406:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン決定手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば1.5秒程度)に設定される。また「時間短縮状態」でなければ、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2250で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて決定される。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
以上のステップS2404,ステップS2406は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において特別図柄判定テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて上記の6種類が用意されている。6種類の内訳は、上記のとおり「2ラウンド通常図柄1」、「2ラウンド通常図柄2」、「2ラウンド確変図柄3」、「2ラウンド確変図柄2」、「15ラウンド確変図柄1」及び「15ラウンド確変図柄2」である。さらに以下の説明では、当選図柄と大入賞口の開放パターン(開放の時間の長短)や大当り中の遊技内容との対応関係を括弧書きで付記することにより、これら6種類を例えば「2ラウンド通常図柄1(ロング)」、「2ラウンド通常図柄2(ショート)」、「2ラウンド確変図柄3(ロング)」、「2ラウンド確変図柄2(ショート)」、「15ラウンド確変図柄1」及び「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」と呼称する。このうち括弧書きで「ショート」が付記されているものは、大当り中の大入賞口の開放が比較的短時間に設定されている図柄である。また括弧書きで「ロング」が付記されているものは、大当り中に比較的長い時間をかけて大入賞口の開放が行われる図柄である。また括弧書きで「スーパー」と付記されているものは、大当り中に比較的長い時間をかけて大入賞口の開放が行われるとともに、ラウンド数が最大の15ラウンドに設定されている図柄である。なお「15ラウンド確変図柄1」については、大当り中に比較的長い時間をかけて大入賞口の開放が行われるラウンド動作が15ラウンドまで繰り返される図柄であるため、特に括弧書きが付記されていない。
また本実施形態では、同じ「2ラウンド通常図柄1(ロング)」であっても、例えば「2ラウンド通常図柄1A(ロング)」,「2ラウンド通常図柄1B(ロング)」,「2ラウンド通常図柄1C(ロング)」,・・・のように、さらに細かく複数の当選図柄が規定されている。同じく「2ラウンド通常図柄2(ショート)」であっても、例えば「2ラウンド通常図柄2A(ショート)」,「2ラウンド通常図柄2B(ショート)」,「2ラウンド通常図柄2C(ショート)」,・・・のように、さらに細かく複数の当選図柄が規定されている。同様に「2ラウンド確変図柄3(ロング)」や「15ラウンド確変図柄1」等についても、例えば「2ラウンド確変図柄3A(ロング)」,「2ラウンド確変図柄3B(ロング)」,「2ラウンド確変図柄3C(ロング)」,・・・、あるいは「15ラウンド確変図柄1A」,「15ラウンド確変図柄1B」,「15ラウンド確変図柄1C」,・・・のように、さらに細かく複数の当選図柄が規定されている。
このような細分類は、特別図柄表示装置34による当選図柄の停止表示を多様化させるためのものである。例えば、同じ「15ラウンド確変図柄1」であっても、細分類として「15ラウンド確変図柄1A」の場合は特別図柄表示装置34において7つのセグメントが全て点灯(例えば「日」字形の態様)し、「15ラウンド確変図柄1B」の場合は5つのセグメントが点灯(例えば「己」字形の態様)するといった具合である。ただし、大分類として同じ「15ラウンド確変図柄1」であれば、細分類の中でどの図柄が選択されたとしても、その後の遊技を進行させる上で結果(効果)は同じである(演出の態様は異なる場合がある。)。なお、これらラウンド数別に設けられている複数種類の当選図柄は、予め上記の特別図柄判定テーブルにより規定されている(当選種類規定手段)。
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
ステップS2413:主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」、「2ラウンド確変図柄2(ショート)」又は「2ラウンド確変図柄3(ロング)」のいずれであっても、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする。
また主制御CPU72は、それまでの遊技状態が変動時間短縮状態(変動時間短縮機能作動時)であるか否かに応じて、遊技状態フラグとして変動時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットするか否かを振り分ける。
〔変動時間短縮機能作動時〕
それまでの遊技状態が変動時間短縮状態(変動時間短縮機能作動時)であれば、「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」、「2ラウンド確変図柄2(ショート)」、「2ラウンド確変図柄3(ロング)」、「2ラウンド通常図柄1(ロング)」及び「2ラウンド通常図柄2(ショート)」の全ての当選図柄について、主制御CPU72は遊技状態フラグとして変動時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする。
〔変動時間短縮機能非作動時〕
これに対し、それまでの遊技状態が変動時間短縮状態(変動時間短縮機能作動時)でない場合、当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「15ラウンド確変図柄1」又は「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」のいずれかであれば、主制御CPU72は遊技状態フラグとして変動時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットするが、その他の「2ラウンド確変図柄2(ショート)」、「2ラウンド確変図柄3(ロング)」、「2ラウンド通常図柄1(ロング)」又は「2ラウンド通常図柄2(ショート)」のいずれについても、主制御CPU72は遊技状態フラグとして変動時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットしない。
このような処理の意義は、例えば以下の考え方に基づく。すなわち、先ず通常の状態から「2ラウンド確変図柄2(ショート)」又は「2ラウンド確変図柄3(ロング)」のいずれかに該当すると、変動時間短縮機能作動フラグの値(01H)はセットされずに確率変動機能作動フラグの値(01H)だけがセットされる。この場合、演出上でも「高確率状態」を明らかにしないことにより、いわゆる遊技者に認知されにくい「隠し確変状態(又は潜伏確変状態、内在確変状態)」となる。また、通常の状態から「2ラウンド通常図柄1(ロング)」又は「2ラウンド通常図柄2(ショート)」のいずれかに該当すると、変動時間短縮機能作動フラグの値(01H)もセットされず、かつ、確率変動機能作動フラグの値(01H)もセットされない。この場合、演出上で「高確率状態」であるか否かを明らかにしないことにより、遊技者に対して上記の「隠し確変状態」に期待させる効果(いわゆるフェイク効果)が得られる。
ただし、本実施形態では既に「変動時間短縮状態」になっている状況で「2ラウンド確変図柄2(ショート)」、「2ラウンド確変図柄3(ロング)」、「2ラウンド通常図柄1(ロング)」又は「2ラウンド通常図柄2(ショート)」のいずれかに該当すると、引き続き「高確率状態」であるか否かを明らかにしない演出は実行されるが、変動時間短縮機能は継続させて遊技者の利益を維持することとしている。これにより、遊技者が「高確率状態」であるか否かを全く知らされないまま「変動時間短縮状態」が終了してしまうことを防止し、過度に遊技者の不興を買うのを防止している。
またステップS2413の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて特別図柄表示装置34による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「2回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「1回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。上記のように内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン決定手段)。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択することもできるし、はずれ通常変動時と同等の変動パターンを選択することもできる。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、特別図柄表示装置34による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットする。また主制御CPU72は、変動パターンに対応する停止図柄表示時間の値を表示タイマにセットする。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図11:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図14中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。なお、特別図柄停止表示中処理の手順についてはさらに別のフローチャートを用いて後述する。
〔大当り時大入賞口開放パターン及び付加機能〕
図13は、当選図柄別の大入賞口開放パターン及び変動時間短縮機能の付加の有無を示した一覧表である。図13の一覧表には、これまでに説明した全ての当選図柄とともに、それぞれについて規定されている大入賞口の開放パターン及び大当り終了後に付加される変動時間短縮機能の有無が示されている。なお、図13中(A)には全ての「大当り」について大入賞口開放パターン及び変動時間短縮機能の付加の有無を示し、図13中(B)には「小当り」についての大入賞口の開放回数及び開放時間だけを示している。以下、それぞれについて説明する。
〔2ラウンド通常図柄1(ロング)〕
図13中(A)の最上段に示されているように、「2ラウンド通常図柄1(ロング)」については、1ラウンド目の開放パターンとして例えば「0.1秒開放×2回」の後に「6.1秒開放×1回」、2ラウンド目の開放パターンとして例えば「6.1秒開放×1回」という開放パターンが規定されている。なお「2ラウンド大当り」であるため、ここでは3ラウンド目以降の開放パターンは当然に規定されていない。
また図13中(A)の右欄(2カラム)に示されているように、「2ラウンド通常図柄1(ロング)」については、それまでの遊技において変動時間短縮機能が非作動であれば、上記のように大当り終了後に変動時間短縮機能は付加されない(「なし」)。一方、それまでの遊技において変動時間短縮機能が作動していれば、大当り終了後に変動時間短縮機能が付加される(「あり」)。
〔2ラウンド通常図柄2(ショート)〕
図13中(A)の2段目に示されているように、「2ラウンド通常図柄2(ショート)」については、1ラウンド目の開放パターンとして例えば「0.1秒開放×1回」が規定されており、2ラウンド目の開放パターンとして同じく「0.1秒開放×1回」という開放パターンが規定されている。なお「2ラウンド大当り」であるため、ここでは3ラウンド目以降の開放パターンは当然に規定されていない。
また「2ラウンド通常図柄2(ショート)」については、それまでの遊技において変動時間短縮機能が非作動であれば、上記のように大当り終了後に変動時間短縮機能は付加されない(「なし」)。一方、それまでの遊技において変動時間短縮機能が作動していれば、大当り終了後に変動時間短縮機能が付加される(「あり」)。
〔2ラウンド確変図柄2(ショート)〕
図13中(A)の4段目(3段目は中略部分とする)に示されているように、「2ラウンド確変図柄2(ショート)」については、1ラウンド目の開放パターンとして例えば「0.1秒開放×1回」が規定されており、2ラウンド目の開放パターンとして同じく「0.1秒開放×1回」という開放パターンが規定されている。なお、ここでも「2ラウンド大当り」であるため、3ラウンド目以降の開放パターンは当然に規定されていない。
また「2ラウンド通常図柄2(ショート)」については、それまでの遊技において変動時間短縮機能が非作動であれば、上記のように大当り終了後に変動時間短縮機能は付加されない(「なし」)。一方、それまでの遊技において変動時間短縮機能が作動していれば、大当り終了後に変動時間短縮機能が付加される(「あり」)。
〔2ラウンド確変図柄3(ロング)〕
図13中(A)の5段目に示されているように、「2ラウンド確変図柄3(ロング)」については、1ラウンド目の開放パターンとして例えば「0.1秒開放×2回」の後に「6.1秒開放×1回」、2ラウンド目の開放パターンとして例えば「6.1秒開放×1回」という開放パターンが規定されている。同じく「2ラウンド大当り」であるため、ここでは3ラウンド目以降の開放パターンは当然に規定されていない。
また「2ラウンド確変図柄3(ロング)」についても、それまでの遊技において変動時間短縮機能が非作動であれば、上記のように大当り終了後に変動時間短縮機能は付加されない(「なし」)。一方、それまでの遊技において変動時間短縮機能が作動していれば、大当り終了後に変動時間短縮機能が付加される(「あり」)。
〔15ラウンド確変図柄1〕
次に、図13中(A)の7段目(6段目は中略部分とする)に示されているように、「15ラウンド確変図柄1」については、1ラウンド目、2ラウンド目及び3ラウンド目以降の15ラウンド目まで、全てのラウンドの開放パターンとして例えば「29.0秒開放×1回」が規定されている。
また「15ラウンド確変図柄1」については、それまでの遊技において変動時間短縮機能が非作動であるか否かに関わらず、大当り終了後に変動時間短縮機能が付加される(「あり」)。
〔15ラウンド確変図柄2(スーパー)〕
図13中(A)の最下段に示されているように、「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」については、1ラウンド目の開放パターンとして例えば「0.1秒開放×2回」、「6.1秒開放×1回」及び「22.7秒開放×1回」という開放パターンが規定されている。また、2ラウンド目の開放パターンとして例えば「29.0秒開放×1回」という開放パターンが規定されており、3ラウンド目以降の15ラウンド目まで同じく「29.0秒開放×1回」という開放パターンが規定されている。
なお「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」についても、それまでの遊技において変動時間短縮機能が非作動であるか否かに関わらず、大当り終了後に変動時間短縮機能が付加される(「あり」)。
〔小当り時〕
「小当り」については、いずれの「大当り」にも属しない性質のものであるため、本実施形態では特に「ラウンド数」という概念を設けていない。したがって、図13中(B)に示されているように、小当りについては1回目の開放時間として「0.1秒開放」が規定されており、2回目の開放時間として同じく「0.1秒開放」が規定されているだけである。なお上記のように、小当りを契機として変動時間短縮機能が作動又は非作動になることはない。
〔大入賞口開放パターンのまとめ〕
ここで図13中(A)の表にマーキング(網掛け)を施しているように、本実施形態においては大当りの開始時から大入賞口が2回(0.1秒ずつ)開放するまでの挙動について、複数の当選図柄(当選種類)にまたがって共通の開放パターンが規定されていることがわかる。すなわち、マーキングが施された2回開放パターンを有する「2ラウンド通常図柄1(ロング)」、「2ラウンド通常図柄2(ショート)」、「2ラウンド確変図柄2(ショート)」、「2ラウンド確変図柄3(ロング)」及び「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」については、互いに当選図柄が異なるものの、大当り開始時から2回目の大入賞口の開放までの挙動は全て共通している。ただし、これらは大当りの開始から終了時までを通して全て共通するのではなく、あくまで大当りの開始時から2回目の大入賞口の開放までであり、その後の展開(可変入賞装置30の挙動)は当選図柄に応じて共通の場合もあれば、異なる場合もある。
すなわち、当選図柄が「2ラウンド通常図柄2(ショート)」又は「2ラウンド確変図柄2(ショート)」に該当していれば、大当りの開始に伴い大入賞口が0.1秒ずつ2回だけ開放し、そのまま大入賞口が閉止されて大当りが終了する。この場合、1回あたりの開放時間が極端に短いため、大入賞口への入賞は不能ではないものの、実際(実質的)には極めて困難であることがわかる。したがって「2ラウンド通常図柄2(ショート)」又は「2ラウンド確変図柄2(ショート)」の大当り中に賞球(出玉)が発生することはほとんどない。
一方、当選図柄が「2ラウンド通常図柄1(ロング)」又は「2ラウンド確変図柄3(ロング)」に該当していれば、大当りの開始に伴い大入賞口が0.1秒ずつ2回だけ開放して大入賞口が閉止されるが、続いて大入賞口が3回目に最長で6.1秒にわたり開放して閉止され、さらに4回目(2ラウンド目に相当)でも大入賞口が最長で6.1秒にわたり開放し、その後に閉止されて大当りが終了する。この場合、大入賞口の3回目の開放(1ラウンド目の一部)と4回目の開放(2ラウンド目)で大入賞口の開放時間がある程度は十分に設けられているため、その間に大入賞口への入賞は比較的容易となる。さらに「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」に該当していれば、大入賞口が3回目に最長で6.1秒にわたり開放して閉止され、さらに4回目(1ラウンド目の終期まで)で大入賞口が3回目に最長で22.7秒にわたり開放して閉止される。さらに、5回目(2ラウンド目)からは最長で29.0秒の十分な長時間にわたり大入賞口が開放されるため、4回目以降は全て大入賞口への入賞が容易となる。
以上を遊技者の立場から見ると、大当り開始時から極めて短時間で大入賞口が2回開放して終了する大当りは「出玉(賞球)なし」であり、逆に3回目以降も大入賞口が開放する大当りは「出玉(賞球)あり」であるということがわかる。したがって遊技者にとっては、短時間で大入賞口が2回開放しただけで終了してしまうのか、それとも3回目以降まで大入賞口の開放が継続するのかが出玉の有無を決める大きな分かれ道となる。これにより本実施形態では、大当り開始時から0.1秒×2回の開放中に「果たして3回目以降の開放があるのか?」という緊張感や期待感を遊技者に抱かせ、それによって新たな興趣を提供することができる。
なお「確率変動機能」の作動という観点からいえば、たとえ大入賞口の開放が0.1秒×2回で終了してしまったとしても、上記のように本実施形態では「隠し確変状態に期待が持てる」という意味で別の興趣を提供することもできる。そして、「大入賞口の開放が0.1秒×2回で終了する」という表面的(見た目上)の挙動については、上記のように「小当り」の場合でも同様に発生するため、それによって生じるフェイク効果と相まって、益々遊技者の期待感や探求心を刺激することができる。
〔大当り時変動パターン決定処理〕
次に、特別図柄変動前処理の中で行われる大当り時変動パターン決定処理(図12中のステップS2412)の内容について説明する。大当り時変動パターン決定処理は、上記のように内部抽選の結果が当選(小当り以外の大当り)に該当した場合に実行される処理であるが、本実施形態においては、その前の大当り時停止図柄決定処理(図12中のステップS2410)において、当選種類(当選図柄)として「15ラウンド確変図柄1」が選択されたか否かによって特別図柄の変動パターンを決定する手法が異なっている。さらに「15ラウンド確変図柄1」以外の場合については、現在の状態が変動時間短縮機能作動中(時短中)であるか否かによっても変動パターンを決定する手法が異なっている。
図14は、大当り時変動パターン決定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
〔15ラウンド確変図柄1時〕
大当り時の当選図柄として「15ラウンド確変図柄1」が選択された場合、変動パターンの決定は以下の手順で行われる。
ステップS2600:主制御CPU72は、選択された当選図柄が大分類の「15ラウンド確変図柄1」であるか否かを判断する。この判断は、例えば上記の大当り時停止図柄番号に基づいて行うことができる。主制御CPU72は、例えばRAM76のバッファ領域にアクセスし、該当するアドレスから大当り時停止図柄番号の値を読み出す。その結果、「15ラウンド確変図柄1」に対応する値であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2602を実行する。
ステップS2602:主制御CPU72は、ROM74のテーブル格納領域にアクセスし、当選図柄別・状態別選択テーブル(図示していない)から例えばテーブルアドレス(1)を取得(指定)する。ここで取得したテーブルアドレス(1)には、「15ラウンド確変図柄1当選」の場合に使用される「変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されている。
ステップS2604:次に主制御CPU72は選択抽選を実行する。具体的には、主制御CPU72は今回の変動パターン決定乱数値(例えば、0〜255のいずれかとする。)を「変動パターン選択テーブル」の比較値と比較し、該当する変動パターン番号を選択する。例えば、テーブルアドレス(1)で指定される「変動パターン選択テーブル(1)」には、例えば予め複数種類の「大当りリーチ変動パターン1〜20」が規定されており、その中からいずれかの番号が選択されることになる。
ステップS2606:そして主制御CPU72は、選択した番号に基づいて今回の変動パターンを設定する。具体的には、主制御CPU72は特別図柄の変動時間(大当りリーチ変動用)を設定するとともに、演出制御装置124(演出制御CPU126)に送信するための変動パターンコマンドを生成する。変動パターンコマンドは、例えばMODE値−EVENT値の形式で記述された「97H01H」等の2バイトのコマンドである。なお変動パターンコマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
〔15ラウンド確変図柄1以外の当選図柄時〕
一方、大当り時の当選種類として「15ラウンド確変図柄1」以外の当選図柄が選択された場合、変動パターンの決定は以下の手順で行われる。
先のステップS2600において、今回の当選図柄(大当り時停止図柄番号)が大分類で「15ラウンド確変図柄1」に該当しないと判断した場合(No)、主制御CPU72は次にステップS2608を実行する。
ステップS2608:主制御CPU72は、現在の内部状態が「変動時間短縮状態」であるか否かを判断する。当選時に変動時間短縮状態(図中に「時短中」と表記)でなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2610に進む。
〔非時短中〕
ステップS2610:主制御CPU72は、ROM74のテーブル格納領域にアクセスし、上記の当選図柄別・状態別選択テーブルから例えばテーブルアドレス(5)を取得する。ここで取得したテーブルアドレス(5)には、例えば「非時短中2ラウンド演出あり当選」の場合に使用される「変動パターン選択テーブル(5)」のアドレスが記述されている。
主制御CPU72は次のステップS2604において、変動パターンの選択抽選を実行する。ここで選択抽選に使用される「変動パターン選択テーブル(5)」には、例えば複数の「非リーチ変動パターン」だけが設けられており、いずれの変動パターンが選択されたとしても、次のステップS2606において変動時間は比較的短く設定されることになる。そして主制御CPU72は特別図柄の変動時間(非リーチ変動用)を設定するとともに、演出制御装置124(演出制御CPU126)に送信するための変動パターンコマンドを生成する。変動パターンコマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
〔時短中〕
これに対し、時短中の当選で「15ラウンド確変図柄1」以外に該当した場合は以下の手順が実行される。
ステップS2608:主制御CPU72は、現在の内部状態が変動時間短縮状態(時短中)であることを確認すると(Yes)、次にステップS2612に進む。
ステップS2612:主制御CPU72は、ROM74のテーブル格納領域にアクセスし、上記の「当選図柄別・状態別選択テーブル」から例えばテーブルアドレス(3)を取得する。ここで取得したテーブルアドレス(3)には、例えば「時短中2ラウンド演出なし当選」の場合に使用される「変動パターン選択テーブル(3)」のアドレスが記述されている。
そして主制御CPU72はステップS2604において、上記の「変動パターン選択テーブル(3)」に基づいて変動パターンの選択抽選を実行する。この場合、変動パターン選択テーブルには複数の「リーチ変動パターン」が設けられているため、その中からいずれの変動パターンが選択されたとしても、次のステップS2606において、時短中で「15ラウンド確変図柄1」以外の当選時における変動時間は比較的長く設定されることになる。
ここでも同様に、主制御CPU72は特別図柄の変動時間(リーチ変動用)を設定するとともに、演出制御装置124(演出制御CPU126)に送信するための変動パターンコマンドを生成する。変動パターンコマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
以上の手順を経て主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図12)に復帰し、上記のように大当り時その他設定処理及び特別図柄変動開始処理(図12中のステップS2413,ステップS2414)を実行する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図15は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図11中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。
ステップS4400:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図12中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類が大分類で「15ラウンド確変図柄」であれば、連続作動回数コマンドは「15ラウンド」を表す値として生成される。また「2ラウンド図柄(通常又は確変)」の場合、連続作動回数コマンドは「2ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップ4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域又は時短カウント領域にセットされている。なお、ここでは「回数切り」としているが、「高確率状態」の場合の回数切りカウンタの値は、極端に膨大な値(例えば10000回以上)に設定することができる。このような膨大な値を設定することで、実質的に次回の当選が得られるまで「高確率状態」が継続することを確率的に保証することができる。なお、「高確率状態」ではなく単独の「時間短縮状態」だけである場合、回数切りカウンタは標準的な数値(例えば100回)に設定される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ又は変動時間短縮機能作動フラグであるが、上記のように「高確率状態」で回数切りカウンタの値が0になることは実質的にはないため、実用上でリセットされるのは変動時間短縮機能作動フラグである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図16は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図7中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように特別図柄表示装置34、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a及び特別図柄作動記憶ランプ34aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は変動時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38cに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお確率変動状態表示ランプ38cは、この後に特別図柄の変動表示が行われると、確率変動機能作動フラグがセットされていても非表示に(消灯)切り替えられる。一方、変動時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。
また主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数コマンドの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数コマンドで指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数コマンドの値が「15ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「15ラウンド(15R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。また連続作動回数コマンドの値が「2ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「2ラウンド(2R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図17は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図18は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ可変入賞装置30を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、現在の遊技状態が大役中、つまりRAM76のフラグ領域に大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5204に進む。一方、大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5210に進む。なお、この手順は小当りフラグの値を参照する内容に書き換えてもよい(ただしYes/Noの論理は逆となる。)。
〔大当り時の手順〕
先ず、大当り時の手順は以下となる。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)を設定する。なお当選図柄別の開放パターンについては、既に説明したもの(図13中(A)参照)と同じである。またラウンド間のインターバル時間は、例えば「2ラウンド図柄」については10ms程度、「15ラウンド図柄」については数秒程度に設定されるものとする。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は全ての当選図柄について例えば9個(特定回数として9回)であるが、上記のように極端な短時間(0.1秒)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図12中のステップS2410)で選択した大当り時当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として大分類の「15ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を15回に設定する。また、当選図柄として「2ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を2回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(2回なら「1」、15回なら「14」)として、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となるが、上記のように開放時間はラウンド数や開放回数(何回目の開放であるか)によって異なる(図13中(A)参照)。なお、大当り時開放タイマの値として22.7秒や29.0秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは30秒程度)となる。一方、大当り開放タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間となるが、上記のようにラウンド数と開放回数(何回目の開放であるか)によってインターバル時間の設定は異なる。
ステップS5220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔小当り時の手順〕
ステップS5212:一方、小当りの場合(ステップS5202:No)、主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については上記のように1回目と2回目とでそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される(図13中(B)参照)。
ステップS5214:主制御CPU72は、先のステップS5212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお本実施形態では、上記のように小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば10ms程度に設定される。
ステップS5220:小当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして主制御CPU72は、次に大入賞口開閉動作処理を実行する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図19は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、大入賞口を開放させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
ステップS5304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大入賞口開放パターン設定処理(図18中のステップS5214又はステップS5220)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5308を実行する。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(9個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド、小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5302〜ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、小当り時の開放や「2ラウンド図柄」及び「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」の2回目までの開放時は、いずれも開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5312:主制御CPU72は、大入賞口を閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大入賞口開放パターン設定処理(図18中のステップS5210又はステップS5218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5316に進む。
ステップS5316:主制御CPU72は、大役中(大当り遊技中)であるか否かを確認する。現在の遊技が大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。これに対し、現在の遊技が小当りであれば(No)、主制御CPU72は次にステップS5322に進む。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。「現ラウンド内で設定した回数」は、例えば図13中(A)に示されているように、「2ラウンド通常図柄1(ロング)」又は「2ラウンド確変図柄3(ロング)」の場合、その1ラウンド目では2回、2ラウンド目では1回にそれぞれ設定されている。また「15ラウンド確変図柄2(ロング)」の場合、その1ラウンド目では3回、2ラウンド目以降ではそれぞれ1回に設定されている。さらに「15ラウンド確変図柄1」の場合、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、「2ラウンド通常図柄2(ショート)」、「2ラウンド確変図柄3(ショート)」、「15ラウンド確変図柄1」の場合、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
一方、「2ラウンド通常図柄1(ロング)」、「2ラウンド確変図柄2(ロング)」又は「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」の場合、それぞれ1ラウンド目で2回又は3回の開閉動作を繰り返すまでの間は、カウンタ値が設定した回数に達していない(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5302〜ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進む。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図20は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜14)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜14)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図17中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(2回又は15回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図18中のステップS5218)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図17中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図21は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。
ステップS5505:また主制御CPU72は、ここで連続作動回数コマンドを消去する。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図12中のステップS2413)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(例えば10000回程度)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。ただし、上記のように10000回程度の膨大な回数を設定した場合、そこまで非当選が続くことは確率的にほとんどないので(高確率時の当選確率が例えば30分の1〜39分の1程度)、実質的には次回の当選まで高確率状態が続くことになる。これとは逆に、高確率状態に実質的な上限を設ける場合、確率変動回数は現実的な回数(例えば10回程度)に設定される(いわゆる回数切り確変)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、変動時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグもまた、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図12中のステップS2413)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、変動時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時間短縮回数(例えば100回程度又は10000回程度)を設定する。設定した時間短縮回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時間短縮回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、変動時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
ステップS5514:そして主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、高確率状態機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、変動時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また内部状態フラグから「小当り中」を消去する。なお小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5516:いずれにしても、以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図11中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔パチンコ機の挙動〕
上記のように遊技中に主制御CPU72が各種の処理を実行することで、パチンコ機1は以下の挙動を示すことになる。
(1)「15ラウンド確変1」の大当り時
内部抽選で非当選以外となり、「15ラウンド確変図柄1」の大当りに該当した場合、上記の可変入賞装置管理処理(図17)において可変入賞装置30の開閉動作が15回の連続作動回数にわたって繰り返し実行される(第3特別遊技実行手段)。このとき1回ごとの開放時間(最大29.0秒)は大入賞口に遊技球が流入できる充分な長さに設定されているため、この間の挙動は「大当り遊技」として遊技者にも明確に認識される。また演出上も、通常時とは異なる大当り遊技中の演出が実行されるため、遊技者に明確な大当り遊技を実感させることができる。
なお、「15ラウンド確変図柄1」の大当りは、例えば演出上の図柄表示態様(例えば、奇数図柄揃い等)によって「確変図柄」であることが報知(又は教示、開示)される。あるいは、大当り中に昇格演出によって「確変大当り」であることが報知(又は教示、開示)される。また「15ラウンド確変図柄1」の大当り後は、例えば演出上で高確率状態に移行したことが報知(又は教示、開示)されるため、遊技者に対して現在の内部状態が「高確率状態」であるということを確実に認識させることができる。
(2)「2ラウンド通常2」,「2ラウンド確変2」の大当り時
一方、「2ラウンド通常2(ショート)」又は「2ラウンド確変2(ショート)」の大当りに該当した場合、可変入賞装置管理処理(図17)において可変入賞装置30の開閉動作がいずれも0.1秒開放×2回という開放パターンによって実行されるだけであり、さらに1回ごとの開放時間が短時間に設定されているため、この間の挙動は全体として短い期間内で終了する(第1特別遊技実行手段)。したがって、この間の挙動は特に「大当り遊技」として遊技者には明確に認識されにくい。また、可変入賞装置30が開閉動作しても、それによる賞球はほとんど(又は全く)得られないことから、遊技者に「大当りした」という実感を抱かせにくい。
ただし、「2ラウンド確変2(ショート)」の大当りに該当した場合、可変入賞装置30の作動終了後は内部的に「高確率状態」に移行する特典が付与されるため、その後の内部抽選が遊技者にとって有利な条件で行われることになる。このため本実施形態では、「2ラウンド確変2(ショート)」の大当りは、遊技者に大当りを意識させないまま内部状態だけを「高確率状態」に移行させるための契機となる。なお、外見上は「2ラウンド確変2(ショート)」の大当りと「2ラウンド通常2(ショート)」の大当りとの判別がつきにくく、「2ラウンド通常2(ショート)」の大当り後は「高確率状態」に移行しない。したがって、いずれに該当したのかを遊技者が明確に認識できない限り、内部的に「高確率状態」であっても、それは表面上で秘匿されたままで上記の「隠し確変」となる。「隠し確変」については、内部的に高確率状態であることを遊技者に対して積極的に報知(又は教示、開示)しないので、何らの情報(例えば演出上での報知)もなければ、ほとんどの遊技者は自己にとって有利な状態であることを意識しないまま遊技を進行させる状態(内部状態非報知モード)となる。
(3)「2ラウンド通常1」,「2ラウンド確変3」の大当り時
「2ラウンド通常1(ロング)」又は「2ラウンド確変3(ロング)」の大当りに該当した場合、いずれも可変入賞装置管理処理(図17)において可変入賞装置30の開閉動作が1ラウンド目に0.1秒開放が2回と6.0秒開放が1回、2ラウンド目に6.0秒開放が1回という開放パターンにより実行される(第2特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目の開始時から2回の開放までは大入賞口への入賞がほとんど発生しないが、3回目からは大入賞口への入賞が発生し、それによって「大当り遊技」として遊技者に明確に認識される。また、「2ラウンド確変3(ロング)」の大当りに該当した場合、可変入賞装置30の作動終了後は内部的に「高確率状態」に移行する特典が付与されるため、その後の内部抽選が遊技者にとって有利な条件で行われることになる。ただし、外見上は「2ラウンド確変3(ロング)」の大当りと「2ラウンド通常1(ロング)」の大当りとの判別がつきにくく、「2ラウンド通常1(ロング)」の大当り後は「高確率状態」に移行しないことから、いずれに該当したのかを遊技者が明確に認識できない限り、内部的に「高確率状態」であっても、それは表面上で秘匿されたままとなるため、この場合も「隠し確変」となる。
(4)「15ラウンド確変2」の大当り時
「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」の大当りに該当した場合、上記の可変入賞装置管理処理(図17)において可変入賞装置30の開閉動作が1ラウンド目に0.1秒開放が2回、6.0秒開放が1回、そして22.7秒開放が1回、また2ラウンド目から15ラウンド目まではそれぞれ29.0秒開放が1回という開放パターンにより実行される(第2特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目の開始時から2回の開放までは大入賞口への入賞がほとんど発生しないが、3回目からは大入賞口への入賞が発生し、それによって「大当り遊技」として遊技者に明確に認識される。また演出上も、1ラウンド目で3回目の開放からは大当り遊技中の演出が実行されるため、遊技者に明確な大当り遊技を実感させることができる。
「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」の大当りについては、例えば演出上の図柄表示態様(例えば、奇数図柄揃い等)によって「確変図柄」であることが報知(又は教示、開示)されないが、大当り中の演出によって「15ラウンド確変大当り」であることが報知(又は教示、開示)される。また「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」の大当り後は、例えば演出上で高確率状態に移行したことが報知(又は教示、開示)されるため、遊技者に対して現在の内部状態が「高確率状態」であるということを確実に認識させることができる。
(5)小当り時
「小当り」に該当した場合、可変入賞装置管理処理(図17)において可変入賞装置30の開閉動作が2回にわたって実行される。また、1回あたりの開放時間が短時間に設定されているため、この間の挙動は全体として短い期間内(例えば1.5秒程度)で終了する。したがって、この間の挙動もまた特に遊技者には明確に認識されにくい。また可変入賞装置30が開閉動作しても、賞球がほとんど(又は全く)得られないことから、遊技者に「何らかの当選が得られた」という実感を抱かせることもない。加えて「小当り」は、内部的な状態を変化させる(確率変動機能を作動させる)契機とならないため、可変入賞装置30の作動終了後も内部状態は変化せず、たとえ小当り(可変入賞装置30の開閉動作)に遊技者が気付くことがあったとしても、それはいわゆるフェイク当選としての位置付けとなる。
〔演出上の特徴〕
以上がパチンコ機1による当選を契機とした各種挙動の概要である。このうち上記(2)の「2ラウンド通常2」,「2ラウンド確変2」の大当り時、(3)「2ラウンド通常1」,「2ラウンド確変3」の大当り時、(4)の「15ラウンド確変2」の大当り時、及び(5)の小当り時については、いずれも大入賞口の開始時から2回までの開放動作を共通にしているため、この間に共通の態様で演出を実行することにより、上記(2)〜(5)のいずれに該当したのかを最初の段階で遊技者に判別させにくくする処理がなされている。以下、各種の演出例を挙げて具体的に説明する。
〔変動表示演出〕
先ず、大入賞口の開放が開始される前の特別図柄の変動に関する演出について説明する。変動時間短縮機能の非作動時(低確率時又は高確率時)に上記(2)〜(5)のいずれかに該当した場合、そのときの特別図柄表示装置34の変動パターンとして上記のように非リーチ変動パターンが選択される。そこで演出上でも、演出図柄を用いた変動表示演出においてリーチ状態を発生させず、通常(はずれ)変動による変動表示演出が行われる。これにより、遊技者に対して何らかの当選(小当りを含む)が得られたことを意識させることなく、あたかも非当選の変動であるかのような印象を与えることができる。ここではリーチ状態を発生させないこととしているが、上記(2)〜(5)のいずれかに該当した場合、そのときの特別図柄表示装置34の変動パターンとしてリーチ変動パターンが選択されることとしてもよい。なお、実際の変動表示演出例についてはさらに後述する。
〔結果表示演出〕
加えて演出図柄による結果表示演出においても、そのときの特別図柄表示装置34の停止表示態様は確かに当選(小当りを含む)の態様となっているが、液晶表示器42の画面上では当選以外の態様(はずれ目)で結果表示演出が行われる。これにより、遊技者に対して何らかの当選(小当りを含む)が得られたことを意識させることなく、あたかも非当選の結果が演出上で表示されているかのような印象を与えることができる。なお、実際の結果表示演出例についてもさらに後述する。
このとき特別図柄表示装置34の停止表示態様は7セグメントLEDによる記号的な表示(例えば「巳」の字形、「己」字形、「L」字形、「F」字形等)であり、また小さく目立たない位置に設けられているため、意識して7セグメントLEDの表示態様を注目していない限り、遊技者が当りの停止表示態様に気付くことはほとんどない。したがって遊技者は、上記(2)〜(5)のいずれに該当したかを判別することは困難である。
〔演出例〕
図22は、演出図柄と背景画像を用いた演出例を示す連続図である。この演出例は、演出図柄を用いた変動表示演出と結果表示演出の一例を表している。このうち変動表示演出は、特別図柄が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また結果表示演出は、特別図柄が停止表示したことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄は、例えば数字の「1」〜「9」とともに、女性キャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。このうち左演出図柄については、数字が「1」〜「9」の昇順に並んだ図柄列を構成しており、中演出図柄と右演出図柄については、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
〔変動表示前〕
図22中(A):特別図柄が変動を開始する前の状態で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
ここでは特に図示していないが、例えば液晶表示器42の画面下部には、特別図柄の作動記憶数を表すマーカ(例えば「○」、「◇」、「☆」等のシンボル)が合わせて表示されている。このようなマーカは、その表示個数により特別図柄の作動記憶数(特別図柄作動記憶ランプ34aによる表示数)を表し、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。
〔変動表示演出開始〕
図22中(B):特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。すなわち、特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。なお図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
この場合の背景画像は、例えば浴衣を着こなした女性キャラクターが長椅子に腰掛け、夕涼みでもするかのようにリラックスしている風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。なお、この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている。なお特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。また、変動開始に伴って特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して上記のマーカの表示個数が1個分減少する演出が合わせて行われる。これにより、特別図柄に関して作動記憶が減少したことを演出上でも遊技者に教示することができる。
また図示していないが、演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面下部には第4図柄が表示される。この第4図柄は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお第4図柄は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。
〔左図柄停止〕
図22中(C):例えば、ある程度の時間が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
〔右演出図柄停止〕
図22中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「5」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「1」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「2」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「1」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。
〔結果表示演出〕
図22中(E):特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。通常、特別図柄がはずれ図柄で停止表示されていれば、演出図柄も同様にはずれの態様で結果表示演出が行われるが、ここでは「2ラウンド通常図柄1(ロング)」、「2ラウンド通常図柄2(ショート)」、「2ラウンド確変図柄2(ロング)」、「2ラウンド確変図柄3(ショート)」又は「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」の当選図柄か、もしくは「小当り」の図柄が停止表示されているにも関わらず、演出上、はずれと同様の(又は近似した)態様で結果表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この場合、演出図柄の組み合わせは「1」−「3」−「5」のはずれ目であるため、今回の変動は目立って当選ではなく、通常の「はずれ」と特に変わりがないことが演出上では表現されている。ただし、この例のように左演出図柄から順に奇数図柄が並んだ停止目を表示すると、場合によっては何らかの当り(小当りを含む)に該当した可能性があることを遊技者に対して教示(示唆)することができる。これにより、以後の遊技において遊技者に「確率変動状態」に移行する可能性があることを想起させ、遊技意欲の減退を抑えることができる。なお、この例では奇数図柄を順に並べたはずれ目を挙げているが、特に規則性のないはずれ目(例えば「8」−「2」−「3」)で結果表示演出が行われる態様であってもよい。
このとき第4図柄については、実際にいずれかの当選図柄又は小当りの図柄に対応する態様(例えば赤表示色、ピンク色表示色等)で停止表示されている。これは、結果表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、実際に内部抽選の結果がはずれ(非当選)であった場合、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で第4図柄は停止表示される。
なお、内部抽選の結果が上記の「15ラウンド確変図柄1」の大当りであれば、リーチ演出を経て左・中・右の演出図柄が同種の組み合わせ(例えば「7」−「7」−「7」)で構成される大当りの態様で停止表示される。また、この場合に第4図柄は、「15ラウンド確変図柄1」の大当りに対応する態様(例えば緑表示色)で停止表示される。
〔2回開放中の演出〕
図23は、大入賞口が最初に2回開放されるまでの間に実行される演出例を示す連続図である。なお以下の演出例は、例えば特別図柄が停止表示されるタイミングの前後あたりから実際に可変入賞装置30が0.1秒×2回にわたり開閉動作されるまでの時間を利用して実行されるものとする(短期開閉動作中演出)。
〔扉閉演出〕
図23中(F):例えば、それまでの背景画像が図22中(B)に示される「通常モード」であったとすると、先ず表示画の両側から扉(襖)が出現し、中央でぴしゃりと閉じる演出が行われる。このような扉閉演出は、それまでの表示画面を一旦覆い隠すことで、遊技者の目を惹き付ける目的で行われる。
〔扉開演出〕
図23中(G):次に、閉じていた扉が表示画面の左右に素早く移動して、扉が大きく開かれる動作を表す演出(扉開演出)が行われる。このような扉開演出は、例えば遊技者に対して、扉が開いた先の結果に興味を抱かせる意味で行われる。
〔モード移行(背景チェンジ)演出〕
図23中(H):扉が開かれた段階で、例えば「浴衣モード突入!!」の文字情報とともに、背景画像が「浴衣モード」を表す態様に変化する。「浴衣モード」は、例えば上記の浴衣を着こなした女性キャラクターが画面上で大写しになった様子を演出的に表した画像である。このようなモード移行演出を実行することにより、これ以降は演出上で異なるモードに移行するということを遊技者に対して視覚的に訴求させることができる。
また、この時点で「高確率状態」に移行することは未だ確定しないが、以後は「内部高確率状態」の可能性があること(隠し確変の可能性)を想起させ、次の当選が得られるまで(次の当選に向けて)遊技を継続しようとするモチベーションを維持させることができる。
〔浴衣モード演出〕
図23中(I):モード移行演出に続き、特別図柄の変動表示に略同期して上記の変動表示演出が実行される。このときの背景画像は既に「浴衣モード」の態様に切り替わっている。これにより扉の開閉動作を経て、演出上で「通常モード」から「浴衣モード」に移行したことが遊技者に知らされる。なお、ここでは「通常モード」から「浴衣モード」に移行するパターンを例に挙げているが、その他のモード(ステージ)に移行する場合も同様の流れとなる。
また上記のモード移行演出は、「2ラウンド確変図柄2(ショート)」の大当り遊技終了後の「隠し確変」中だけでなく、「2ラウンド通常図柄2(ショート)」の大当り遊技終了後や、小当り後の通常状態においても共通して実行される。すなわち「2ラウンド通常図柄2(ショート)」又は「小当り」に該当した場合であっても、上記のように可変入賞装置30が2回開閉動作されるため、特別図柄表示装置34による特別図柄の停止表示態様や遊技状態表示装置38による大当り種別表示ランプ38aの点灯表示を遊技者が正確に認識(識別)していない限り、パチンコ機1の外見上の挙動は「2ラウンド確変図柄2(ショート)」の大当りと見分けがつきにくく、内部状態が高確率状態に移行したか否かを遊技者が直ちに察知することができない。この場合、実際に内部状態が高確率状態に移行していなかったとしても、上記のモード移行演出を共通に実行することにより、「隠し確変」を契機に「浴衣モード」に移行したのか、それとも通常状態のまま「2ラウンド通常大当り」又は「小当り」を契機に演出上だけ「浴衣モード」に移行したのかの見分けを付にくくし、それによって遊技の多様性を高めることができる。
もちろん、特別図柄表示装置34による特別図柄の停止表示時にその停止表示態様(停止図柄)を遊技者が正確に認識(識別)可能であれば、明らかに内部状態が高確率状態に移行したか否かを知ることができる。ただし、大多数の遊技者にとっては演出上で報知(教示、開示)される情報の方が利用しやすいため、演出上で明らかに内部状態を報知しない場合、ほとんどの遊技者には内部状態が高確率状態に移行したか否かを後から知ることは困難である。したがって、本実施形態のように演出上で内部状態を明確に知らせない場合、それによって「内部状態の推測や看破」という別の興趣性を遊技者に提供することができる。
さらに本実施形態では、上記のように大入賞口の2回開放(0.1秒開放×2回)後に続いて3回目以降の大入賞口の開放が行われると、その時点で「出玉あり」の大当りであることが確定する。また「出玉あり」の大当りについては、「2ラウンド通常図柄1(ロング)」、「2ラウンド確変図柄3(ロング)」及び「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」の3種類があり、このうち前の2種類と後の1種類とでは演出の流れが異なっている。以下、それぞれについて説明する。
〔2ラウンド通常図柄1(ロング)、2ラウンド確変図柄3(ロング)の場合〕
図24は、2ラウンド通常図柄1(ロング)又は2ラウンド確変図柄3(ロング)のいずれかに該当した場合に実行される演出例を示す連続図である。なお図24の演出例は、例えば図23中(F)の「扉閉演出」及び図23中(G)の「扉開演出」と共通の流れで実行されるものとする。
〔モード移行(背景チェンジ)演出〕
図24中(J):ここでも同様に、「扉開演出」によって画面上の扉が開かれた後、例えば「浴衣モード突入!!」の文字情報とともに、背景画像が「浴衣モード」を表す態様に変化する。この間、上記のように1ラウンド目の開始時から大入賞口の開放が2回にわたり実行されている。
〔継続演出1〕
図24中(K):続いて、大当りの1ラウンド目で大入賞口の3回目の開放が行われる場合、上記の「モード移行演出」に続いて「継続演出1」が実行される。この「継続演出1」では、例えば画面上に女性キャラクターが出現し、その人差し指を立てる仕草をしながら「まだまだこれからよ!」といった台詞を発する内容の演出が行われる(付加開閉動作演出)。また、このとき合わせてスピーカ54,55,56等から音声や効果音を出力させる演出が行われてもよい。
このような「継続演出1」を実行することで、遊技者に対して「大入賞口の開放が3回目も継続した」ということを明確に教示(又は開示、告知、報知等)することができる。したがって遊技者は、「モード移行演出」に続いて「継続演出1」が出現すると、それによって「出玉あり」の大当りが確定したことを知り、その後の遊技意欲をより高度に維持していくことができる。
〔大当り中演出1〕
図24中(L):そして、実際に3回目の大入賞口の開放が開始されると、上記の「継続演出1」に続いて「大当り中演出1」が実行される。この「大当り中演出1」では、例えば画面上に3人の女性キャラクターが並んで出現し、それぞれが様々な表情を見せながら動作するとともに、画面の下部に例えば「浴衣ボーナス」の文字情報が表示されるという内容の演出が行われる。また、このとき合わせてスピーカ54,55,56等から効果音を出力させる演出が行われてもよい。
この後、実際に最終の2ラウンド目として4回目の大入賞口の開放が開始されても、例えば「大当り中演出1」が引き続き実行される。そして、2ラウンド目の大入賞口の開放が終了すると、「大当り中演出1」が終了し、その後は例えば図23中(I)の「浴衣モード」による演出が開始される。
以上が2ラウンド通常図柄1(ロング)又は2ラウンド確変図柄3(ロング)のいずれかに該当した場合に実行される演出例であるが、15ラウンド確変図柄2(スーパー)に該当した場合は以下の演出例が実行される。
〔15ラウンド確変図柄2(スーパー)の場合〕
図25は、15ラウンド確変図柄2(スーパー)に該当した場合に実行される演出例を示す連続図である。なお図25の演出例は、例えば図24中(J)の「モード移行演出」及び図24中(K)の「継続演出1」と共通の流れで実行されるものとする。
〔大当り中演出1〕
図25中(M):ここでも同様に、先の「継続演出1」が実行された後、実際に3回目の大入賞口の開放が開始に伴い上記の「大当り中演出1」が実行される。
〔継続演出2〕
図25中(N):そして、1ラウンド目で大入賞口の4回目の開放(22.7秒開放×1回)が行われる場合、上記の「大当り中演出1」に続いて「継続演出2」が実行される。この「継続演出2」では、例えば画面上に先と同じ女性キャラクターが出現し、今度はその人差し指と中指の2本を立ててVサインを出す仕草をしながら「ラッキー!」といった台詞を発する内容の演出が行われる(付加開閉動作演出)。なお、このとき合わせてスピーカ54,55,56等から音声や効果音を出力させる演出が行われてもよい。
このような「継続演出2」を実行することで、遊技者に対して「大入賞口の開放がさらに4回目も継続した」ということを明確に教示(又は開示、告知、報知等)することができる。したがって遊技者は、「大当り中演出1」に続いて「継続演出2」が出現すると、それによって「15ラウンドまでの出玉あり」の大当りが確定したことを知り、その後の遊技意欲を益々高度に維持していくことができる。加えて本実施形態では、「15ラウンド」については全て確変図柄であることが確定するため、大当り終了後は高確率状態に移行する。これにより、遊技者に対して自己に有利な高確率状態への移行を明確に認識させ、さらに遊技意欲の維持を図ることができる。
〔大当り中演出2〕
図25中(O):そして、実際に4回目の大入賞口の開放が開始されると、上記の「継続演出2」に続いて「大当り中演出2」が実行される。この「大当り中演出2」では、例えば画面上に先と同じ3人の女性キャラクターが並んで出現するとともに、それぞれが頭に装飾品(例えばウサギの耳を模した被り物)を身につけて様々な表情を見せながら動作し、合わせて画面の下部に例えば「スーパー浴衣ボーナス」の文字情報が表示されるという内容の演出が行われる。また、このとき合わせてスピーカ54,55,56等から特殊な効果音を出力させる演出が行われてもよい。
この後、実際に2ラウンド目以降で大入賞口の開放が開始されても、例えば「大当り中演出2」が引き続き実行される。そして、最終の15ラウンド目の大入賞口の開放が終了すると「大当り中演出2」が終了し、その後は例えば「高確率状態」であることを明確に開示する内容の演出(例えばチャンスモード演出等)が行われる。
〔共通演出による効果〕
以上のように本実施形態では、「2ラウンド通常2」、「2ラウンド確変2」、「2ラウンド通常1」、「2ラウンド確変3」又は「15ラウンド確変2」の大当り時と小当り時については、いずれも大入賞口の2回目までの開放中に共通の態様による「モード移行演出」が実行されている(図23中(F)〜(H)、図24中(J)等)。このため「モード移行演出」の実行中は、演出の内容だけでは「出玉あり」の大当りであるのか、それとも「出玉なし」の大当り・小当りであるのかの判別が困難であるため、それによって遊技者に対してはらはらどきどきした緊張感を抱かせることができる。そして、次に「継続演出1」が実行されると、そこで「出玉あり」の大当りであることが確定するため、それによって遊技者にある程度の満足感や達成感を抱かせることができる。
〔外部情報信号による開示の抑制〕
ところがパチンコ機1には、上記のように外部情報信号(大当り1情報〜5)を出力する機能が備わっており、このような外部情報信号に対する外部の電子機器(特にデータ表示装置202)の挙動を根拠として、そこから大当りの種類や小当りであることが遊技者に察知されてしまうことがある。例えば、演出制御上では上記の「モード移行演出」を実行中であったとしても、外部情報信号に基づいてデータ表示装置202により「出玉ありの大当り中」であることが表示(発光器の点灯・点滅、文字表示、大当り回数表示のカウントアップ等)されると、その時点で遊技者に大当りの種類が発覚し、せっかくの「モード移行演出」による効果を減退させてしまう。
そこで本実施形態では、上述した共通の態様による演出の実行中は外部情報信号による内部状態の開示を抑制し、せっかくの演出による効果を減退させないための工夫がなされている。以下、外部情報信号による内部状態の開示の抑制手法について具体的に説明する。
〔大当り情報バッファセット処理〕
図26は、主制御CPU72が割込管理処理の中で実行する大当り情報バッファセット処理の手順例を示したフローチャートである。上記のように外部情報信号の出力は主制御CPU72によって制御されているため、本実施形態では主制御CPU72の処理を通じて外部情報信号による開示の抑制を好適に実現することができる。主制御CPU72は、例えば割込管理処理中の外部情報処理(図7中のステップS208)において、以下の大当り情報バッファセット処理をさらにプログラムモジュールとして実行する。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS700:先ず主制御CPU72は、外部情報信号の「大当り1情報」、「大当り2情報」、「大当り3情報」、「大当り4情報」及び「大当り5情報」の全てをオフにする。これにより、外部情報信号の「大当り1情報」〜「大当り5情報」(OUT2〜6)に対応するポート出力要求バッファは一旦全てクリアされる。
ステップS702:次に主制御CPU72は、何らかの当り中(大当り中又は小当り中)であるか否かを確認する。すなわち主制御CPU72は、上記の内部状態フラグとして「大当り中」又は「小当り中」を表すフラグがいずれもセットされていなければ(No)、特に現在はいずれの当り中ではないことを確認(No)し、次にステップS704に進む。なお「大当り中」又は「小当り中」を表す内部状態フラグは、上記のように特別図柄の確定停止を契機としてセットされる(図15の特別図柄停止表示中処理)。
〔当り中以外で非時短中の場合〕
ステップS704:主制御CPU72は、これまでに変動時間短縮機能が作動中であるか否かを確認する。この確認は、上記の変動時間短縮機能作動フラグの値(又は変動時間短縮機能についての回数切りカウンタの値が1以上であること)を参照して行うことができる。その結果、変動時間短縮機能作動フラグに値「01H」がセットされていなければ(No)、主制御CPU72はそのまま外部情報処理(図7中のステップS208)に復帰する。この場合、外部情報信号の「大当り1情報」〜「大当り5情報」はいずれもオフのままで出力されない。
〔当り中以外で時短中の場合〕
一方、特に現在は当り中でなくとも(ステップS702:No)、変動時間短縮機能が作動中であれば(ステップS704:Yes)、主制御CPU72はステップS706を実行する。
ステップS706:この場合、主制御CPU72は外部情報信号の「大当り2情報」だけをオンにする。これにより、外部情報信号の「大当り2情報」(OUT3)がポート出力要求バッファに格納される。
この状態で主制御CPU72が外部情報処理に復帰すると、割込管理処理中の出力管理処理(図7中のステップS211)において、主制御CPU72は外部情報信号の「大当り2情報」を出力する。そして「大当り2情報」は、上記の外部端子板160を通じてデータ表示装置202に出力される。これを受けてデータ表示装置202では、例えば発光器の点灯・点滅を行ってその台が時短中であることを表示する動作が行われる。また「大当り2情報」をホールコンピュータ200に対しても出力すれば、ホールコンピュータ200でその台が時短中であることを認識することができる。
以上は当り中以外についての手順であるが、何らかの当り中(大当り中又は小当り中)は以下の手順が実行される。
ステップS708:先のステップS702で何らかの当り中であることを確認すると(ステップS702:Yes)、次に主制御CPU72は、現在が小当り中であるか否かを確認する。その結果、現在小当り中であれば(Yes)、主制御CPU72は次に(ステップS710)を実行する。
ステップS710:主制御CPU72は、外部情報信号の「大当り5情報」をオンにする。これにより、外部情報信号として「大当り5情報」(OUT6)がポート出力要求バッファに格納される。
〔非時短中の小当り時〕
ステップS712:次に主制御CPU72は、これまでに変動時間短縮機能が作動中であるか否かを確認し、その結果、特に変動時間短縮機能が作動中でなければ(No)、主制御CPU72はここで外部情報処理に復帰する。この場合、割込管理処理中の出力管理処理(図7中のステップS211)において、主制御CPU72は外部情報信号の「大当り5情報」を出力する。そして「大当り5情報」は、上記の外部端子板160を通じてホールコンピュータ200に出力される。これを受けてホールコンピュータ200では、その台(パチンコ機1)で非時短中に小当りが発生したこと(小当り中)を認識することができる。
〔時短中の小当り時〕
一方、先のステップS712でこれまでに変動時間短縮機能が作動中であることを確認すると(Yes)、主制御CPU72はさらにステップS714を実行する。
ステップS714:この場合、主制御CPU72は外部情報信号の「大当り5情報」(OUT6)をオンにする。これにより、外部情報信号の「大当り2情報」に加えて、「大当り5情報」がポート出力要求バッファに格納される。そしてこの場合、割込管理処理中の出力管理処理(図7中のステップS211)において、主制御CPU72は外部情報信号の「大当り2情報」及び「大当り5情報」を出力する。これら「大当り2情報」及び「大当り5情報」は、上記の外部端子板160を通じてホールコンピュータ200に出力される。これを受けてホールコンピュータ200では、その台(パチンコ機1)で時短中に小当りが発生したこと(小当り中)を認識することができる。
〔大当り時〕
以上は小当り時に実行される手順例であるが、大当り時には以下の手順が実行される。
ステップS716:先のステップS708で小当り中でない(=大当り中である)ことを確認すると(ステップS708:Yes)、主制御CPU72は、今回の大当りが2ラウンド演出をする図柄であるか否かを確認する。ここでいう「2ラウンド演出」とは、例えば先に挙げた「モード移行演出」(図23中(F)〜(H))に相当するものである。すなわち、当選図柄が上記の「2ラウンド通常図柄1(ロング)」、「2ラウンド通常図柄2(ショート)」、「2ラウンド確変図柄2(ロング)」、「2ラウンド確変図柄3(ショート)」又は「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」のいずれかであれば、大入賞口の2回目までの開放中に「2ラウンド演出」として上記の「モード移行演出」が実行される。このため今回の大当りがこれらいずれかの当選図柄に該当するか否かを確認し、その結果、いずれにも該当していなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS718を実行する。なお「2ラウンド演出」を実行しない図柄には、上記の「15ラウンド確変図柄1」が該当する。
〔2ラウンド演出非実行時〕
ステップS718: この場合、主制御CPU72は外部情報信号の「大当り1情報」、「大当り2情報」、「大当り3情報」、「大当り4情報」及び「大当り5情報」をオンにする。これにより、外部情報信号として「大当り1情報」(OUT2)〜「大当り5情報」(OUT6)までがポート出力要求バッファに格納される。
この後、割込管理処理中の出力管理処理(図7中のステップS211)において、主制御CPU72は外部情報信号の「大当り1情報」〜「大当り5情報」までを出力する。このうち「大当り1情報」及び「大当り2情報」は、外部端子板160を通じて台ごとのデータ表示装置202に出力される。これを受けてデータ表示装置202では、例えば大当り回数のカウント表示を1インクリメントするとともに、その発光器を点灯・点滅させて大当り中であることを表示する動作が行われる。
また「大当り3情報」〜「大当り5情報」は、外部端子板160を通じてホールコンピュータ200に出力される。これを受けてホールコンピュータ200では、その台(パチンコ機1)で「15ラウンド確変図柄1」の大当りが発生したこと(15ラウンド確変大当り中)を認識することができる。なお、上記のように「15ラウンド確変図柄1」の大当り終了後は確率変動機能とともに必ず変動時間短縮機能が作動するため、この段階で「大当り4情報」を出力することにより、ホールコンピュータ200で変動時間短縮機能の作動契機が発生したタイミングを正確に管理することができる。
〔2ラウンド演出実行時〕
これに対し、先のステップS716で「2ラウンド演出」、つまり「モード移行演出」を実行する当選図柄であると判断した場合(ステップS716:Yes)、主制御CPU72は次にステップS717に進む。
ステップS717:主制御CPU72は、ここで今回の当選図柄が15ラウンド図柄であるか、つまり、「2ラウンド演出」を行う当選図柄のうちの「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」であるか否かを確認する。今回の当選図柄が「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS719を実行する。
ステップS719:この場合、主制御CPU72は外部情報信号の「大当り4情報」をオンにした上で次のステップS720に進む。これにより、外部情報信号の「大当り4情報」(OUT5)が先ずポート出力要求バッファに格納されることになる。
これに対し、今回の当選図柄が「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」でなかった場合(ステップS717:No)、主制御CPU72はステップS719を実行することなく次のステップS720に進む。この場合、外部情報信号の「大当り4情報」(OUT5)はポート出力要求バッファに格納されない。
〔非時短中の大当り時〕
ステップS720:主制御CPU72は、今回の大当りが変動時間短縮機能作動中に発生した大当りであるか否かを確認する。すなわち主制御CPU72は、これまでに変動時間短縮機能が作動中であるか否かを確認し、その結果、特に変動時間短縮機能が作動中でなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS722に進む。
ステップS722:次に主制御CPU72は、現在のタイミング(今回の割込周期)が大当り開始から大入賞口の3回目の開放開始までであるか否かを確認する。この確認は、例えば先の大入賞口開閉動作処理(図19中のステップS5318)で管理している開放回数カウンタの値を参照することで行われる。主制御CPU72は、現時点で開放回数カウンタの値が3回に達していなければ、未だ大当り開始から大入賞口の3回目の開放開始までのタイミングであることを確認する(Yes)。この場合、主制御CPU72はステップS724を実行する。
〔2ラウンド演出中(大入賞口の2回開放まで)〕
ステップS724:この場合、主制御CPU72は外部情報信号の「大当り3情報」及び「大当り5情報」をオンにする。これにより、外部情報信号の「大当り3情報」(OUT4)及び「大当り5情報」(OUT6)がポート出力要求バッファに格納される。そしてこの場合、割込管理処理中の出力管理処理(図7中のステップS211)において、主制御CPU72は外部情報信号の「大当り3情報」及び「大当り5情報」を出力する。これら「大当り3情報」及び「大当り5情報」は、外部端子板160を通じてホールコンピュータ200に出力される。これを受けてホールコンピュータ200では、その台(パチンコ機1)で非時短中に何らかの大当り(小当りを除く)が発生したことを認識することができる。ただし、この時点では未だデータ表示装置202に対する「大当り1情報」及び「大当り2情報」は出力されない。
ただし、今回の当選図柄が「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」に該当する場合、外部情報信号の「大当り4情報」(OUT5)がポート出力要求バッファに格納されている(ステップS719)。したがってこの場合、割込管理処理中の出力管理処理(図7中のステップS211)において、主制御CPU72は外部情報信号の「大当り3情報」及び「大当り5情報」とともに「大当り4情報」を合わせて出力する。これら「大当り3情報」、「大当り4情報」及び「大当り5情報」は、外部端子板160を通じてホールコンピュータ200に出力される。これを受けてホールコンピュータ200では、その台(パチンコ機1)で非時短中に何らかの大当り(小当りを除く)が発生したことに加えて、最終的に出球が発生する大当りの開始を認識することができる。
〔出玉なし大当り時〕
なお、「2ラウンド演出」を実行する対象の当選図柄であっても、上記の「2ラウンド通常図柄2(ショート)」及び「2ラウンド確変図柄3(ショート)」については、いずれも大入賞口の開放は2回までであり、3回目の大入賞口の開放が実行されることはない。したがって、先のステップS716で「2ラウンド演出」を実行する図柄であると判断されても、今回の当選図柄が「2ラウンド通常図柄2(ショート)」又は「2ラウンド確変図柄3(ショート)」である場合、ステップS722で判断が否定(No)になることはない。これはつまり、非時短中に発生した出玉なし大当り中は、外部情報信号の「大当り3情報」及び「大当り5情報」だけをホールコンピュータ200に出力し、大当り開始から終了までの間に「大当り1情報」及び「大当り2情報」をデータ表示装置202には一切出力しないことを意味している。
〔3回目の開放開始後(出玉あり大当り時)〕
これに対し、上記の「2ラウンド通常図柄1(ロング)」、「2ラウンド確変図柄2(ロング)」及び「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」については、いずれも「2ラウンド演出」に続いて3回目の大入賞口の開放が実行される「出玉ありの大当り」である。したがって、これら「出玉ありの大当り」のいずれかに該当していた場合、現在のタイミングが大当り開始から大入賞口の3回目の開放開始後(開放開始時点を含む)であることを確認すると(ステップS722:No)、主制御CPU72は次にステップS726を実行する。
ステップS726:この場合、主制御CPU72は外部情報信号の「大当り1情報」、「大当り2情報」、「大当り3情報」及び「大当り5情報」をオンにする。これにより、外部情報信号として「大当り1情報」(OUT2)〜「大当り3情報」(OUT5)及び「大当り5情報」(OUT6)がポート出力要求バッファに格納される。
この後、割込管理処理中の出力管理処理(図7中のステップS211)において、主制御CPU72は外部情報信号の「大当り1情報」〜「大当り3情報」及び「大当り5情報」を出力する。また、今回の当選図柄が「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」に該当する場合、同じく外部情報信号の「大当り4情報」(OUT5)がポート出力要求バッファに格納されている(ステップS719)。したがってこの場合、割込管理処理中の出力管理処理(図7中のステップS211)において、主制御CPU72は外部情報信号の「大当り1情報」〜「大当り5情報」を出力する。このうち「大当り1情報」及び「大当り2情報」は、外部端子板160を通じて台ごとのデータ表示装置202に出力される。これを受けてデータ表示装置202では、例えば大当り回数のカウント表示を1インクリメントするとともに、その発光器を点灯・点滅させて大当り中であることを表示する動作が行われる。
上記のように、大当り開始後に3回目の大入賞口の開放はある程度の長い時間(最長で6.1秒)が設定されているため、ここでようやく大入賞口への入賞が容易となり、実際に賞球の払い出しが行われることになる。また上記のように、3回目の開放開始に伴って演出上は「継続演出1」(図24中(K))が実行されるため、遊技者に対して「出玉ありの大当り」が発生したことを明確に教示することができる。したがって、このようなタイミングでデータ表示装置202による大当りカウント数表示が1インクリメントされ、また、発光器による点灯・点滅や文字情報により大当り中であることが表示されたとしても、それまでの「2ラウンド演出」は有効に活かされているため、遊技者を興ざめさせるようなことはない。また「大当り3情報」、「大当り4情報」及び「大当り5情報」は、3回目の大入賞口の開放開始後も引き続き外部端子板160を通じてホールコンピュータ200に出力される。
このように、変動時間短縮機能が非作動中に「2ラウンド演出」を実行する当選図柄に該当した場合、大当りの開始時から大入賞口の3回目の開放開始までの間は外部情報信号による当選図柄の開示を抑制することができる。これにより、大当り開始時から大入賞口の開放2回目までの「2ラウンド演出」による効果を充分に発揮させ、その間の興趣性を損なわずに遊技意欲の維持を図ることができる。
以上の手順は、変動時間短縮機能が作動していない場合(非時短中)の例であるが、変動時間短縮機能が作動中(時短中)であれば、以下の手順が実行される。
〔時短中の大当り時〕
すなわち、「2ラウンド演出」を実行する大当りであっても、今回の大当りが変動時間短縮機能作動中に発生した大当りであることを確認すると(ステップS720:Yes)、主制御CPU72は次にステップS728に進む。
ステップS728:この場合、主制御CPU72は大入賞口の開放回数に関係なく、大当り開始時から外部情報信号の「大当り1情報」、「大当り2情報」、「大当り3情報」及び「大当り5情報」をオンにする。これにより、外部情報信号として「大当り1情報」(OUT2)〜「大当り3情報」(OUT5)及び「大当り5情報」(OUT6)がポート出力要求バッファに格納される。
この後は同様に、割込管理処理中の出力管理処理(図7中のステップS211)において、主制御CPU72は外部情報信号の「大当り1情報」〜「大当り3情報」及び「大当り5情報」を出力する。また、今回の当選図柄が「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」に該当する場合、同じく外部情報信号の「大当り4情報」(OUT5)がポート出力要求バッファに格納されている(ステップS719)。したがってこの場合、割込管理処理中の出力管理処理(図7中のステップS211)において、主制御CPU72は外部情報信号の「大当り1情報」〜「大当り5情報」を出力する。これを受けてデータ表示装置202では、大入賞口の1回目の開放開始時から大当り回数のカウント表示を1インクリメントするとともに、その発光器を点灯・点滅させて大当り中であることを表示する動作が行われる。これはつまり、変動時間短縮機能が作動中の大当りであれば、それ以前から「大当り2情報」は既に出力されていることから(ステップS706)、あえて大当り開始時から大入賞口の開放3回目までに「大当り2情報」の出力を一時的にでもオフにしないことを意味している。
また、「出玉あり大当り」であるか「出玉なし大当り」であるかに関わらず、大当り開始時から共通して「大当り2情報」の出力をオフにしないこととしているため、大入賞口の開放3回目までに例えばデータ表示装置202による時短中の表示が中断(一時的にオフ)されることはない。このため、大入賞口の開放3回目までの間に「出玉あり大当り」と「出玉なし大当り」とで外見上の違いが生じることがなく、ここでも外部情報信号による当選図柄の開示を抑制することができる。
以上の大当り情報バッファセット処理を通じて主制御CPU72が外部情報信号「大当り1情報」〜「大当り5情報」の出力(オン又はオフ)を制御することにより、本実施形態では当選図柄別に外部情報信号の出力タイミングを個別管理することができる。その結果、特に非時短中の「2ラウンド演出」の実行中に外部情報信号による内部状態の開示が抑制され、「2ラウンド演出」による効果を最大限に発揮した遊技性を実現することができる。また時短中においても、大当り開始時から大入賞口の開放3回目までの間に外部情報信号による当選図柄の開示(一時的なオフによる消極的な開示)を抑制することができる。
〔外部情報信号の出力管理のまとめ〕
図27から図34は、内部状態別に制御されている外部情報信号の「大当り1情報」〜「大当り5情報」の出力タイミング(ON/OFF)を当選図柄ごとに示したタイミングチャートである。なお図27〜図34には、合わせて大入賞口ソレノイド90の駆動信号の出力状態(ON/OFF)や確率変動機能の作動状態(ON/OFF)、変動時間短縮機能の作動状態(ON/OFF)が示されている。以下、当選図柄別にそれぞれの出力タイミングについて説明する。
〔2ラウンド通常図柄1(ロング)〕
図27は、「2ラウンド通常図柄1(ロング)」の大当り時に制御される外部情報信号の「大当り1情報」〜「大当り5情報」それぞれの出力タイミングを内部状態別に示したタイミングチャートである。なお以下の説明中に「非作動」とあるのは、各図中に示されている「未作動」と同じ意味である。
図27中(A):低確率・変動時間短縮機能非作動時(通常時)
確率変動機能が非作動であり、かつ、変動時間短縮機能も非作動の状態(いわゆる通常時)で「2ラウンド通常図柄1(ロング)」の大当りが開始されると、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになる(いわゆる「立ち上がり」)タイミングから3回目にONになるタイミングまで(大当り開始から大入賞口の3回目の開放開始まで)に「大当り1情報」及び「大当り2情報」は出力されない(OFF)。「大当り1情報」及び「大当り2情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が3回目にONになるタイミングから出力されると、4回目のONからOFFになる(いわゆる「立ち下がり」)タイミングまで(大当り終了まで)出力される(ON)。これにより、上記のように「2ラウンド演出」の実行中は外部情報信号による内部状態の開示を抑制しつつ、データ表示装置202により「出玉あり大当り」の発生を正確に管理することが可能となる。
一方、「大当り3情報」は大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、4回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当りが発生したことを正確に管理することができる。
「大当り4情報」については、大当り中及びその前後を通して出力されない(OFFに維持)。「大当り4情報」が出力されるのは、上記のように「15ラウンド確変図柄1」又は「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」に該当した場合となる。
また「大当り5情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、4回目のONからOFFになる(いわゆる「立ち下がり」)タイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
図27中(B):高確率・変動時間短縮機能非作動時(隠し確変時)
確率変動機能が作動中(高確率)であり、かつ、変動時間短縮機能が非作動の状態(隠し確変時)で「2ラウンド通常図柄1(ロング)」の大当りが開始された場合も、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから3回目にONになるタイミングまで(大当り開始から大入賞口の3回目の開放開始まで)に「大当り1情報」及び「大当り2情報」は出力されない(OFF)。そして「大当り1情報」及び「大当り2情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が3回目にONになるタイミングから出力されると、4回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り終了まで)出力される(ON)。これにより、上記のように「2ラウンド演出」の実行中は外部情報信号による内部状態の開示を抑制しつつ、データ表示装置202により「出玉あり大当り」の発生を正確に管理することが可能となる。
また「大当り3情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、4回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当りが発生したことを正確に管理することができる。
ここでも同様に、「大当り4情報」については大当り中及びその前後を通して出力されない(OFFに維持)。
また「大当り5情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、4回目のONからOFFになる(いわゆる「立ち下がり」)タイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお、今回の大当りは「2ラウンド通常図柄1(ロング)」であるため、確率変動機能は大当り開始時はONからOFF(非作動)になり、大当り終了後もOFFのまま(非作動)となる(確変終了)。
図27中(C):低確率・変動時間短縮機能作動時(低確率時短中)
確率変動機能が非作動中(低確率)であり、かつ、変動時間短縮機能が作動中の状態(低確率時短中)で「2ラウンド通常図柄1(ロング)」の大当りが開始された場合、上記のように「大当り1情報」は大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから出力され、これは大当りの終了まで出力される(ON)。
また「大当り2情報」は、大当りの以前から出力中であり、これは大当り中及び大当り終了後も出力されたままとなる。これにより、上記のように時短中の大当り開始時から大入賞口の開放3回目までの間に外部情報信号による当選図柄の開示(一時的なオフによる消極的な開示)を抑制しつつ、データ表示装置202により「出玉あり大当り」の発生を正確に管理することが可能となる。
なお、変動時間短縮機能作動中に「2ラウンド通常図柄1(ロング)」で大当りすると、大当り中は変動時間短縮機能の作動が停止されるが、大当り終了後から変動時間短縮機能の作動が再開される(時短継続)。
また「大当り3情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、4回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお「大当り4情報」については、上記のとおり大当り中及びその前後を通してOFFに維持されている。
また「大当り5情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、4回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
図27中(D):高確率・変動時間短縮機能作動時(高確率時短中)
確率変動機能が作動中(高確率)であり、かつ、変動時間短縮機能が作動中の状態(いわゆる確変中)で「2ラウンド通常図柄1(ロング)」の大当りが開始された場合、ここでも同様に「大当り1情報」は大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから出力され、これは大当りの終了まで出力される(ON)。
また「大当り2情報」は、大当りの以前から出力中であり、これは大当り中及び大当り終了後も出力されたままとなる。これにより、高確率時短中の大当り開始時から大入賞口の開放3回目までの間に外部情報信号による当選図柄の開示(一時的なオフによる消極的な開示)を抑制しつつ、データ表示装置202により「出玉あり大当り」の発生を正確に管理することが可能となる。
ここでも同様に、変動時間短縮機能作動中に「2ラウンド通常図柄1(ロング)」で大当りすると、大当り中は変動時間短縮機能の作動が停止されるが、大当り終了後から変動時間短縮機能の作動が再開される(時短継続)。
また「大当り3情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、4回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお「大当り4情報」については、上記のとおり大当り中及びその前後を通してOFFに維持されている。
また「大当り5情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、4回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお、今回の大当りは「2ラウンド通常図柄1(ロング)」であるため、確率変動機能は大当り開始時はONからOFF(非作動)になり、大当り終了後もOFFのまま(非作動)となる(確変終了)。ただし、大当り終了後も変動時間短縮機能は作動(ON)を維持される。
〔2ラウンド通常図柄2(ショート)〕
次に図28は、「2ラウンド通常図柄2(ショート)」の大当り時に制御される外部情報信号の「大当り1情報」〜「大当り5情報」それぞれの出力タイミングを内部状態別に示したタイミングチャートである。
図28中(A):低確率・変動時間短縮機能非作動時(通常時)
確率変動機能が非作動であり、かつ、変動時間短縮機能も非作動の状態(いわゆる通常時)で「2ラウンド通常図柄2(ショート)」の大当りが開始されると、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから2回目にONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)に「大当り1情報」及び「大当り2情報」は出力されない(OFF)。
また「2ラウンド通常図柄2(ショート)」の大当りでは、大入賞口ソレノイド90の駆動信号は2回(2ラウンド)だけONになるため、結果的に大当り中を通して「大当り1情報」及び「大当り2情報」は出力されないまま維持されることになる。これにより、「2ラウンド演出」の実行中は外部情報信号による内部状態の開示を抑制しつつ、データ表示装置202では「出玉なし大当り」を大当り回数にカウントすることを防止することができる。
一方、「大当り3情報」は大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目にONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当りが発生したことを正確に管理することができる。
またここでも同様に、「大当り4情報」については大当り中及びその前後を通してOFFに維持されている。
「大当り5情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
図28中(B):高確率・変動時間短縮機能非作動時(隠し確変時)
確率変動機能が作動中(高確率)であり、かつ、変動時間短縮機能が非作動の状態(隠し確変時)で「2ラウンド通常図柄2(ショート)」の大当りが開始された場合も、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目にONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)に「大当り1情報」及び「大当り2情報」は出力されない(OFFに維持)。これにより、上記のように「2ラウンド演出」の実行中は外部情報信号による内部状態の開示を抑制しつつ、データ表示装置202では「出玉なし大当り」が大当り回数にカウントされるのを防止することができる。
また「大当り3情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目にONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお「大当り4情報」については、大当り中及びその前後を通してOFFに維持されている。
同様に「大当り5情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
また今回の大当りは「2ラウンド通常図柄2(ショート)」であるため、確率変動機能は大当り開始時はONからOFF(非作動)になり、大当り終了後もOFFのまま(非作動)となる(確変終了)。
図28中(C):低確率・変動時間短縮機能作動時(低確率時短中)
確率変動機能が非作動中(低確率)であり、かつ、変動時間短縮機能が作動中の状態(低確率時短中)で「2ラウンド通常図柄2(ショート)」の大当りが開始された場合、上記のように「大当り1情報」は大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから出力され、これは大当りの終了まで出力される(ON)。これにより、データ表示装置202では低確率時短中の「出玉なし大当り」中にも「大当り中」の表示が可能となる。
また「大当り2情報」は、大当りの以前から出力中であり、これは大当り中及び大当り終了後も出力されたままとなる。これにより、データ表示装置202では低確率時短中の「出玉なし大当り」中にも「時短継続中」の表示が可能となる。
なお、変動時間短縮機能作動中に「2ラウンド通常図柄2(ショート)」で大当りすると、大当り中は変動時間短縮機能の作動が停止されるが、大当り終了後から変動時間短縮機能の作動が再開される(時短継続)。
また「大当り3情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお「大当り4情報」については、上記のとおり大当り中及びその前後を通してOFFに維持されている。
「大当り5情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
図28中(D):高確率・変動時間短縮機能作動時(高確率時短中)
確率変動機能が作動中(高確率)であり、かつ、変動時間短縮機能が作動中の状態(いわゆる確変中)で「2ラウンド通常図柄2(ショート)」の大当りが開始された場合、ここでも同様に「大当り1情報」は大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから出力され、これは大当りの終了まで出力される(ON)。
また「大当り2情報」は、大当りの以前から出力中であり、これは大当り中及び大当り終了後も出力されたままとなる。これにより、データ表示装置202では高確率時短中の「出玉なし大当り」中にも「時短継続中」の表示が可能となる。
なお、変動時間短縮機能作動中に「2ラウンド通常図柄2(ショート)」で大当りすると、大当り中は変動時間短縮機能の作動が停止されるが、大当り終了後から変動時間短縮機能の作動が再開される(時短継続)。
同様に「大当り3情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお「大当り4情報」については、上記のとおり大当り中及びその前後を通してOFFに維持されている。
「大当り5情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
〔2ラウンド確変図柄2(ショート)〕
図29は、「2ラウンド確変図柄2(ショート)」の大当り時に制御される外部情報信号の「大当り1情報」〜「大当り5情報」それぞれの出力タイミングを内部状態別に示したタイミングチャートである。
図29中(A):低確率・変動時間短縮機能非作動時(通常時)
確率変動機能が非作動であり、かつ、変動時間短縮機能も非作動の状態(いわゆる通常時)で「2ラウンド確変図柄2(ショート)」の大当りが開始されると、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから2回目にONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)に「大当り1情報」及び「大当り2情報」は出力されない(OFF)。
また「2ラウンド確変図柄2(ショート)」の大当りでは、大入賞口ソレノイド90の駆動信号は2回(2ラウンド)だけONになるため、結果的に大当り中を通して「大当り1情報」及び「大当り2情報」は出力されないまま維持されることになる。これにより、「2ラウンド演出」の実行中は外部情報信号による内部状態の開示を抑制しつつ、データ表示装置202では「出玉なし大当り」を大当り回数にカウントすることを防止することができる。
一方、「大当り3情報」は大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目にONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当りが発生したことを正確に管理することができる。
またここでも同様に、「大当り4情報」については大当り中及びその前後を通してOFFに維持されている。
「大当り5情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
また今回の大当りは「2ラウンド確変図柄2(ショート)」であるため、その大当り終了後に確率変動機能が作動する(確変突入)。ただし、大当り終了後も変動時間短縮機能は作動されないため、外見上は内部高確率状態が明らかにされない「隠し確変」となる。
図29中(B):高確率・変動時間短縮機能非作動時(隠し確変時)
確率変動機能が作動中(高確率)であり、かつ、変動時間短縮機能が非作動の状態(隠し確変時)で「2ラウンド確変図柄2(ショート)」の大当りが開始された場合も、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目にONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)に「大当り1情報」及び「大当り2情報」は出力されない(OFFに維持)。これにより、上記のように「2ラウンド演出」の実行中は外部情報信号による内部状態の開示を抑制しつつ、データ表示装置202では「出玉なし大当り」が大当り回数にカウントされるのを防止することができる。
また「大当り3情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目にONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお「大当り4情報」については、大当り中及びその前後を通してOFFに維持されている。
同様に「大当り5情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお、確率変動機能作動中に「2ラウンド確変図柄2(ショート)」の大当りに該当すると、その大当り中に確率変動機能は非作動になるが、大当り終了後に確率変動機能は再び作動する(確変継続)。ただし、大当り終了後も変動時間短縮機能は非作動を維持されるため、外見上は内部高確率状態が明らかにされない「隠し確変」が継続する。
図29中(C):低確率・変動時間短縮機能作動時(低確率時短中)
確率変動機能が非作動中(低確率)であり、かつ、変動時間短縮機能が作動中の状態(低確率時短中)で「2ラウンド確変図柄2(ショート)」の大当りが開始された場合、上記のように「大当り1情報」は大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから出力され、これは大当りの終了まで出力される(ON)。これにより、データ表示装置202では低確率時短中の「出玉なし大当り」中にも「大当り中」の表示が可能となる。
また「大当り2情報」は、大当りの以前から出力中であり、これは大当り中及び大当り終了後も出力されたままとなる。これにより、データ表示装置202では低確率時短中の「出玉なし大当り」中にも「時短継続中」の表示が可能となる。
なお、変動時間短縮機能作動中に「2ラウンド確変図柄2(ショート)」で大当りすると、大当り中は変動時間短縮機能の作動が停止されるが、大当り終了後から変動時間短縮機能の作動が再開される(時短継続)。
また「大当り3情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお「大当り4情報」については、上記のとおり大当り中及びその前後を通してOFFに維持されている。
「大当り5情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
さらに今回の大当りは「2ラウンド確変図柄2(ショート)」であるため、その大当り終了後に確率変動機能が作動する(確変突入)。ただし、演出上で「2ラウンド通常」との見分けがつきにくいため、変動時間短縮機能が作動中であっても、外見上は内部高確率状態が明らかにされない「隠し確変」となる。
図29中(D):高確率・変動時間短縮機能作動時(高確率時短中)
確率変動機能が作動中(高確率)であり、かつ、変動時間短縮機能が作動中の状態(いわゆる確変中)で「2ラウンド確変図柄2(ショート)」の大当りが開始された場合、ここでも同様に「大当り1情報」は大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから出力され、これは大当りの終了まで出力される(ON)。
また「大当り2情報」は、大当りの以前から出力中であり、これは大当り中及び大当り終了後も出力されたままとなる。これにより、データ表示装置202では高確率時短中の「出玉なし大当り」中にも「時短継続中」の表示が可能となる。
同様に「大当り3情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお「大当り4情報」については、上記のとおり大当り中及びその前後を通してOFFに維持されている。
「大当り5情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお、確率変動機能作動中に「2ラウンド確変図柄2(ショート)」の大当りに該当すると、その大当り中に確率変動機能は非作動になるが、大当り終了後に確率変動機能は再び作動する(確変継続)。また、大当り中は変動時間短縮機能の作動が停止されるが、大当り終了後から変動時間短縮機能の作動は再開される(時短継続)。ただし、演出上で「2ラウンド通常図柄2(ショート)」との見分けがつきにくいため、確率変動機能及び変動時間短縮機能がともに作動中であっても、外見上は内部高確率状態が明らかにされない「隠し確変」となる。
〔2ラウンド確変図柄3(ロング)〕
次に図30は、「2ラウンド確変図柄3(ロング)」の大当り時に制御される外部情報信号の「大当り1情報」〜「大当り5情報」それぞれの出力タイミングを内部状態別に示したタイミングチャートである。
図30中(A):低確率・変動時間短縮機能非作動時(通常時)
確率変動機能が非作動であり、かつ、変動時間短縮機能も非作動の状態(いわゆる通常時)で「2ラウンド確変図柄3(ロング)」の大当りが開始されると、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから3回目にONになるタイミングまで(大当り開始から大入賞口の3回目の開放開始まで)に「大当り1情報」及び「大当り2情報」は出力されない(OFF)。「大当り1情報」及び「大当り2情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が3回目にONになるタイミングから出力されると、4回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り終了まで)出力される(ON)。これにより、上記のように「2ラウンド演出」の実行中は外部情報信号による内部状態の開示を抑制しつつ、データ表示装置202により「出玉あり大当り」の発生を正確に管理することが可能となる。
一方、「大当り3情報」は大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、4回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお「大当り4情報」については、大当り中及びその前後を通して出力されない(OFFに維持)。
また「大当り5情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、4回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
また今回の大当りは「2ラウンド確変図柄3(ロング)」であるため、その大当り終了後に確率変動機能が作動する(確変突入)。ただし、大当り終了後も変動時間短縮機能は作動されないため、外見上は内部高確率状態が明らかにされない「隠し確変」となる。
図30中(B):高確率・変動時間短縮機能非作動時(隠し確変時)
確率変動機能が作動中(高確率)であり、かつ、変動時間短縮機能が非作動の状態(隠し確変時)で「2ラウンド確変図柄3(ロング)」の大当りが開始された場合も、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから3回目にONになるタイミングまで(大当り開始から大入賞口の3回目の開放開始まで)に「大当り1情報」及び「大当り2情報」は出力されない(OFF)。そして「大当り1情報」及び「大当り2情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が3回目にONになるタイミングから出力されると、4回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り終了まで)出力される(ON)。これにより、上記のように「2ラウンド演出」の実行中は外部情報信号による内部状態の開示を抑制しつつ、データ表示装置202により「出玉あり大当り」の発生を正確に管理することが可能となる。
また「大当り3情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、4回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当りが発生したことを正確に管理することができる。
ここでも同様に、「大当り4情報」については大当り中及びその前後を通して出力されない(OFFに維持)。
また「大当り5情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、4回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお、確率変動機能作動中に「2ラウンド確変図柄3(ロング)」の大当りに該当すると、その大当り中に確率変動機能は非作動になるが、大当り終了後に確率変動機能は再び作動する(確変継続)。ただし、大当り終了後も変動時間短縮機能は非作動を維持されるため、外見上は内部高確率状態が明らかにされない「隠し確変」が継続する。
図30中(C):低確率・変動時間短縮機能作動時(低確率時短中)
確率変動機能が非作動中(低確率)であり、かつ、変動時間短縮機能が作動中の状態(低確率時短中)で「2ラウンド確変図柄3(ロング)」の大当りが開始された場合、上記のように「大当り1情報」は大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから出力され、これは大当りの終了まで出力される(ON)。これにより、データ表示装置202では低確率時短中に発生した「大当り中」の表示が可能となる。
また「大当り2情報」は、大当りの以前から出力中であり、これは大当り中及び大当り終了後も出力されたままとなる。これにより、上記のように時短中の大当り開始時から大入賞口の開放3回目までの間に外部情報信号による当選図柄の開示(一時的なオフによる消極的な開示)を抑制しつつ、データ表示装置202により「出玉あり大当り」の発生を正確に管理することが可能となる。
なお、変動時間短縮機能作動中に「2ラウンド確変図柄3(ロング)」で大当りすると、大当り中は変動時間短縮機能の作動が停止されるが、大当り終了後から変動時間短縮機能の作動が再開される(時短継続)。
また「大当り3情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、4回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお「大当り4情報」については、上記のとおり大当り中及びその前後を通してOFFに維持されている。
また「大当り5情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、4回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
さらに今回の大当りは「2ラウンド確変図柄3(ロング)」であるため、その大当り終了後に確率変動機能が作動する(確変突入)。ただし、演出上で「2ラウンド通常図柄1(ロング)」との見分けがつきにくいため、変動時間短縮機能が作動中であっても、外見上は内部高確率状態が明らかにされない「隠し確変」となる。
図30中(D):高確率・変動時間短縮機能作動時(高確率時短中)
確率変動機能が作動中(高確率)であり、かつ、変動時間短縮機能が作動中の状態(いわゆる確変中)で「2ラウンド確変図柄3(ロング)」の大当りが開始された場合、ここでも同様に「大当り1情報」は大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから出力され、これは大当りの終了まで出力される(ON)。
また「大当り2情報」は、大当りの以前から出力中であり、これは大当り中及び大当り終了後も出力されたままとなる。これにより、高確率時短中の大当り開始時から大入賞口の開放3回目までの間に外部情報信号による当選図柄の開示(一時的なオフによる消極的な開示)を抑制しつつ、データ表示装置202により「出玉あり大当り」の発生を正確に管理することが可能となる。
ここでも同様に、変動時間短縮機能作動中に「2ラウンド確変図柄3(ロング)」で大当りすると、大当り中は変動時間短縮機能の作動が停止されるが、大当り終了後から変動時間短縮機能の作動が再開される(時短継続)。
また「大当り3情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、4回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお「大当り4情報」については、上記のとおり大当り中及びその前後を通してOFFに維持されている。
また「大当り5情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、4回目のONからOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお、確率変動機能作動中に「2ラウンド確変図柄3(ロング)」の大当りに該当すると、その大当り中に確率変動機能は非作動になるが、大当り終了後に確率変動機能は再び作動する(確変継続)。また、大当り中は変動時間短縮機能の作動が停止されるが、大当り終了後から変動時間短縮機能の作動は再開される(時短継続)。ただし、演出上で「2ラウンド確変図柄3(ロング)」との見分けがつきにくいため、確率変動機能及び変動時間短縮機能がともに作動中であっても、外見上は内部高確率状態が明らかにされない「隠し確変」となる。
〔15ラウンド確変図柄1〕
次に図31は、「15ラウンド確変図柄1」の大当り時に制御される外部情報信号の「大当り1情報」〜「大当り5情報」それぞれの出力タイミングを内部状態別に示したタイミングチャートである。
図31中(A):低確率・変動時間短縮機能非作動時(通常時)
確率変動機能が非作動であり、かつ、変動時間短縮機能も非作動の状態(いわゆる通常時)で「15ラウンド確変図柄1」の大当りが開始されると、「大当り1情報」は大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミング(大当り開始)から出力され、これは大当りの終了まで出力される(ON)。これにより、データ表示装置202では大当り開始から「大当り中」の表示が可能となる。
また「大当り2情報」は、大当り開始から出力され、これは大当り終了後も継続して出力される。これによりデータ表示装置202では、大当り終了後に「時短中」の表示が可能となる。
「大当り3情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから出力され、これは最終15ラウンド終了によりOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている。また「大当り4情報」についても、「15ラウンド確変図柄1」の大当り開始時から終了時まで出力される。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当り(この場合は特に15ラウンド大当り)が発生したことを正確に管理することができる。
「大当り5情報」もまた、大当り開始から終了まで出力されている。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお今回の大当りは「15ラウンド確変図柄1」であるため、その大当り終了後に確率変動機能が作動する(確変突入)。また、大当り終了後は変動時間短縮機能が作動するため、外見上でも内部高確率状態が明らかな「確変状態」となる。
図31中(B):高確率・変動時間短縮機能非作動時(通常時)
確率変動機能が作動中であり、かつ、変動時間短縮機能が非作動の状態(いわゆる隠し確変)で「15ラウンド確変図柄1」の大当りが開始されると、「大当り1情報」は大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミング(大当り開始)から出力され、これは大当りの終了まで出力される(ON)。これにより、データ表示装置202では大当り開始から「大当り中」の表示が可能となる。
また「大当り2情報」は、大当り開始から出力され、これは大当り終了後も継続して出力される。これによりデータ表示装置202では、大当り終了後に「時短中」の表示が可能となる。
「大当り3情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから出力され、これは最終15ラウンド終了によりOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている。また「大当り4情報」についても、「15ラウンド確変図柄1」の大当り開始時から終了時まで出力される。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当り(この場合は特に15ラウンド大当り)が発生したことを正確に管理することができる。
「大当り5情報」もまた、大当り開始から終了まで出力されている。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
確率変動機能作動中に「15ラウンド確変図柄1」の大当りに該当すると、その大当り中に確率変動機能は非作動になるが、大当り終了後に確率変動機能は再び作動する(確変継続)。また、大当り終了後から変動時間短縮機能が作動するため、外見上でも内部高確率状態が明らかな「確変状態」となる。
図31中(C):低確率・変動時間短縮機能作動時(低確率時短中)
確率変動機能が非作動中(低確率)であり、かつ、変動時間短縮機能が作動中の状態(低確率時短中)で「15ラウンド確変図柄1」の大当りが開始されると、「大当り1情報」は大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミング(大当り開始)から出力され、これは大当りの終了まで出力される(ON)。これにより、データ表示装置202では大当り開始から「大当り中」の表示が可能となる。
また「大当り2情報」は、大当りの以前から出力中であり、これは大当り中及び大当り終了後も出力されたままとなる。これによりデータ表示装置202では、大当り終了後に続けて「時短中」の表示が可能となる。
「大当り3情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから出力され、これは最終15ラウンド終了によりOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている。また「大当り4情報」についても、「15ラウンド確変図柄1」の大当り開始時から終了時まで出力される。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当り(この場合は特に15ラウンド大当り)が発生したことを正確に管理することができる。
「大当り5情報」もまた、大当り開始から終了まで出力されている。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお「15ラウンド確変図柄1」の大当り終了後は確率変動機能が作動する(確変突入)。また、大当り中は変動時間短縮機能の作動が停止されるが、大当り終了後から変動時間短縮機能の作動が再開される(時短継続)ため、外見上でも内部高確率状態が明らかな「確変状態」となる。
図31中(D):高確率・変動時間短縮機能作動時(高確率時短中)
確率変動機能が作動中(高確率)であり、かつ、変動時間短縮機能が作動中の状態(いわゆる確変中)で「15ラウンド確変図柄1」の大当りが開始されると、「大当り1情報」は大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミング(大当り開始)から出力され、これは大当りの終了まで出力される(ON)。これにより、データ表示装置202では大当り開始から「大当り中」の表示が可能となる。
また「大当り2情報」は、大当りの以前から出力中であり、これは大当り中及び大当り終了後も出力されたままとなる。これによりデータ表示装置202では、大当り終了後に続けて「時短中」の表示が可能となる。
「大当り3情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから出力され、これは最終15ラウンド終了によりOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている。また「大当り4情報」についても、「15ラウンド確変図柄1」の大当り開始時から終了時まで出力される。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当り(この場合は特に15ラウンド大当り)が発生したことを正確に管理することができる。
「大当り5情報」もまた、大当り開始から終了まで出力されている。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお確率変動機能作動中に「15ラウンド確変図柄1」の大当りに該当すると、その大当り中に確率変動機能は非作動になるが、大当り終了後に確率変動機能は再び作動する(確変継続)。また、大当り中は変動時間短縮機能の作動が停止されるが、大当り終了後から変動時間短縮機能の作動が再開される(時短継続)ため、外見上でも内部高確率状態が明らかな「確変状態」となる。
〔15ラウンド確変図柄2(スーパー)〕
次に図32及び図33は、「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」の大当り時に制御される外部情報信号の「大当り1情報」〜「大当り5情報」それぞれの出力タイミングを内部状態別に示したタイミングチャートである。
図32中(A):低確率・変動時間短縮機能非作動時(通常時)
確率変動機能が非作動であり、かつ、変動時間短縮機能も非作動の状態(いわゆる通常時)で「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」の大当りが開始されると、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから3回目にONになるタイミングまで(大当り開始から大入賞口の3回目の開放開始まで)に「大当り1情報」及び「大当り2情報」は出力されない(OFF)。「大当り1情報」及び「大当り2情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が3回目にONになるタイミングから出力されると、4回目のONから最終15ラウンドでOFFになるタイミングまで(大当り終了まで)出力される(ON)。これにより、上記のように大当り開始時から「2ラウンド演出」の実行中は外部情報信号による内部状態の開示を抑制しつつ、データ表示装置202により「出玉あり大当り」の発生を正確に管理することが可能となる。
「大当り3情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから出力され、これは最終15ラウンド終了によりOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている。また「大当り4情報」についても、「15ラウンド確変図柄1」の大当り開始時から終了時まで出力される。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当り(この場合は特に15ラウンド大当り)が発生したことを正確に管理することができる。
「大当り5情報」もまた、大当り開始から終了まで出力されている。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお今回の大当りは「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」であるため、その大当り終了後に確率変動機能が作動する(確変突入)。また、大当り終了後は変動時間短縮機能が作動するため、外見上でも内部高確率状態が明らかな「確変状態」となる。
図32中(B):高確率・変動時間短縮機能非作動時(隠し確変時)
確率変動機能が作動中(高確率)であり、かつ、変動時間短縮機能が非作動の状態(隠し確変時)で「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」の大当りが開始された場合も、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから3回目にONになるタイミングまで(大当り開始から大入賞口の3回目の開放開始まで)に「大当り1情報」及び「大当り2情報」は出力されない(OFF)。「大当り1情報」及び「大当り2情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が3回目にONになるタイミングから出力されると、4回目のONから最終15ラウンドでOFFになるタイミングまで(大当り終了まで)出力される(ON)。これにより、上記のように大当り開始時から「2ラウンド演出」の実行中は外部情報信号による内部状態の開示を抑制しつつ、データ表示装置202により「出玉あり大当り」の発生を正確に管理することが可能となる。
「大当り3情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから出力され、これは最終15ラウンド終了によりOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている。また「大当り4情報」についても、「15ラウンド確変図柄1」の大当り開始時から終了時まで出力される。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当り(この場合は特に15ラウンド大当り)が発生したことを正確に管理することができる。
「大当り5情報」もまた、大当り開始から終了まで出力されている。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお、確率変動機能作動中に「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」の大当りに該当すると、その大当り中に確率変動機能は非作動になるが、大当り終了後に確率変動機能は再び作動する(確変継続)。また、大当り終了後は変動時間短縮機能が作動するため、外見上でも内部高確率状態が明らかな「確変状態」となる。
図32中(C):低確率・変動時間短縮機能作動時(低確率時短中)
確率変動機能が非作動中(低確率)であり、かつ、変動時間短縮機能が作動中の状態(低確率時短中)で「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」の大当りが開始された場合、上記のように「大当り1情報」は大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから出力され、これは大当りの終了まで出力される(ON)。これにより、データ表示装置202では低確率時短中に発生した「大当り中」の表示が可能となる。
また「大当り2情報」は、大当りの以前から出力中であり、これは大当り中及び大当り終了後も出力されたままとなる。これにより、上記のように時短中の大当り開始時から大入賞口の開放3回目までの間に外部情報信号による当選図柄の開示(一時的なオフによる消極的な開示)を抑制しつつ、データ表示装置202により「出玉あり大当り」の発生を正確に管理することが可能となる。
なお、変動時間短縮機能作動中に「2ラウンド確変図柄3(ロング)」で大当りすると、大当り中は変動時間短縮機能の作動が停止されるが、大当り終了後から変動時間短縮機能の作動が再開される(時短継続)。
「大当り3情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから出力され、これは最終15ラウンド終了によりOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている。また「大当り4情報」についても、「15ラウンド確変図柄1」の大当り開始時から終了時まで出力される。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当り(この場合は特に15ラウンド大当り)が発生したことを正確に管理することができる。
「大当り5情報」もまた、大当り開始から終了まで出力されている。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
さらに今回の大当りは「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」であるため、その大当り終了後に確率変動機能が作動する(確変突入)。また、大当り終了後は変動時間短縮機能が作動するため、外見上でも内部高確率状態が明らかな「確変状態」となる。
図32中(D):高確率・変動時間短縮機能作動時(高確率時短中)
確率変動機能が作動中(高確率)であり、かつ、変動時間短縮機能が作動中の状態(いわゆる確変中)で「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」の大当りが開始された場合、ここでも同様に「大当り1情報」は大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから出力され、これは大当りの終了まで出力される(ON)。
また「大当り2情報」は、大当りの以前から出力中であり、これは大当り中及び大当り終了後も出力されたままとなる。これにより、高確率時短中の大当り開始時から大入賞口の開放3回目までの間に外部情報信号による当選図柄の開示(一時的なオフによる消極的な開示)を抑制しつつ、データ表示装置202により「出玉あり大当り」の発生を正確に管理することが可能となる。
「大当り3情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから出力され、これは最終15ラウンド終了によりOFFになるタイミングまで(大当り開始から終了まで)出力されている。また「大当り4情報」についても、「15ラウンド確変図柄1」の大当り開始時から終了時まで出力される。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを除く何らかの大当り(この場合は特に15ラウンド大当り)が発生したことを正確に管理することができる。
「大当り5情報」もまた、大当り開始から終了まで出力されている。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当りが発生したことを正確に管理することができる。
なお、確率変動機能作動中に「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」の大当りに該当すると、その大当り中に確率変動機能は非作動になるが、大当り終了後に確率変動機能は再び作動する(確変継続)。また、大当り中は変動時間短縮機能の作動が停止されるが、大当り終了後から変動時間短縮機能の作動は再開される(時短継続)ため、外見上でも内部高確率状態が明らかな「確変状態」となる。
〔小当り〕
図34は、「小当り」の発生時に制御される外部情報信号の「大当り1情報」〜「大当り5情報」それぞれの出力タイミングを内部状態別に示したタイミングチャートである。
図34中(A):低確率・変動時間短縮機能非作動時(通常時)
確率変動機能が非作動であり、かつ、変動時間短縮機能も非作動の状態(いわゆる通常時)で「小当り」が開始されても、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから2回目にONからOFFになるタイミングまで(小当り開始から終了まで)に「大当り1情報」及び「大当り2情報」は常に出力されない(OFF)。これにより、データ表示装置202では「小当り」を大当り回数にカウントすることを防止することができる。なお「小当り」についても、上記の「2ラウンド演出」が実行される。
また、「大当り3情報」についても、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目にONからOFFになるタイミングまで(小当り開始から終了まで)出力されることはない。
そして「大当り4情報」については、小当り中及びその前後を通してOFFに維持されている。
「大当り5情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目のONからOFFになるタイミングまで(小当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当り(この場合は小当り)が発生したことを正確に管理することができる。
なお、「小当り」は確率変動機能や変動時間短縮機能の作動又は非作動の契機を発生させないため、は小当りの前後で確率変動機能及び変動時間短縮機能の作動状態に変化は生じない。
図34中(B):高確率・変動時間短縮機能非作動時(隠し確変時)
確率変動機能が作動中(高確率)であり、かつ、変動時間短縮機能が非作動の状態(隠し確変時)で「小当り」が開始された場合も、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから2回目にONからOFFになるタイミングまで(小当り開始から終了まで)に「大当り1情報」及び「大当り2情報」は常に出力されない(OFF)。ここでも同様に、データ表示装置202では「小当り」を大当り回数にカウントすることを防止することができる。
また、「大当り3情報」についても、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目にONからOFFになるタイミングまで(小当り開始から終了まで)出力されることはない。
そして「大当り4情報」については、小当り中及びその前後を通してOFFに維持されている。
「大当り5情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目のONからOFFになるタイミングまで(小当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当り(この場合は小当り)が発生したことを正確に管理することができる。
なお、「小当り」は確率変動機能や変動時間短縮機能の作動又は非作動の契機を発生させないため、確率変動機能は小当りの開始前からその終了後も引き続き作動する。
図34中(C):低確率・変動時間短縮機能作動時(低確率時短中)
確率変動機能が非作動中(低確率)であり、かつ、変動時間短縮機能が作動中の状態(低確率時短中)で「小当り」が開始された場合についても、やはり大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから2回目にONからOFFになるタイミングまで(小当り開始から終了まで)に「大当り1情報」及び「大当り2情報」は常に出力されない(OFF)。ここでも同様に、データ表示装置202では「小当り」を大当り回数にカウントすることを防止することができる。
また、「大当り3情報」についても、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目にONからOFFになるタイミングまで(小当り開始から終了まで)出力されることはない。
そして「大当り4情報」については、小当り中及びその前後を通してOFFに維持されている。
「大当り5情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目のONからOFFになるタイミングまで(小当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当り(この場合は小当り)が発生したことを正確に管理することができる。
ここでも同様に、「小当り」は確率変動機能や変動時間短縮機能の作動又は非作動の契機を発生させないため、変動時間短縮機能は小当りの開始前からその終了後も引き続き作動する(小当り中に特別図柄の変動はしない)。
図34中(D):高確率・変動時間短縮機能作動時(高確率時短中)
確率変動機能が作動中(高確率)であり、かつ、変動時間短縮機能が作動中の状態(いわゆる確変中)で「小当り」が開始された場合も同様に、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから2回目にONからOFFになるタイミングまで(小当り開始から終了まで)に「大当り1情報」及び「大当り2情報」は常に出力されない(OFF)。また同様に、データ表示装置202では「小当り」を大当り回数にカウントすることを防止することができる。
「大当り3情報」についても、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目にONからOFFになるタイミングまで(小当り開始から終了まで)出力されることはない。
そして「大当り4情報」については、小当り中及びその前後を通してOFFに維持されている。
「大当り5情報」は、大入賞口ソレノイド90の駆動信号が1回目にONになるタイミングから、2回目のONからOFFになるタイミングまで(小当り開始から終了まで)出力されている(ON)。これにより、ホールコンピュータ200ではパチンコ機1で小当りを含む全ての大当り(この場合は小当り)が発生したことを正確に管理することができる。
ここでも同様に、「小当り」は確率変動機能や変動時間短縮機能の作動又は非作動の契機を発生させないため、確率変動機能及び変動時間短縮機能は小当りの開始前からその終了後も引き続き作動する(小当り中に特別図柄の変動はしない)。
次に、本実施形態における演出制御の手法について説明する。上述した変動表示演出やモード移行演出、継続演出1、大当り中演出1、継続演出2、大当り中演出2は、以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図35は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば、数ミリ秒周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、特図別作動記憶数コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド等がある。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や結果表示演出の内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする。なお、演出図柄管理処理の内容については別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、特別図柄の作動記憶数、変動演出パターン番号、予告演出番号、モード番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(各種の演出実行手段としての機能を果たす。)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出用に可動体がある場合、演出制御CPU126は可動体の駆動用ICに対して制御信号を出力する。特に図示していないが、可動体は例えばソレノイドやステッピングモータ等の駆動源によって動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行うものである。これらソレノイドやステッピングモータ等の駆動源は、例えば図4中のパネル電飾基板138に接続することができる。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
〔演出図柄管理処理〕
図36は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図11中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また演出制御CPU126は、この演出図柄変動前処理において待機用デモ画面を表示する制御(デモ演出の制御)を実行する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた結果表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と結果表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、結果表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して結果表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。ただし本実施形態において、少なくとも通常中からの2ラウンド当選時や小当り時には、はずれと同様か近似した態様で結果表示演出を実行することは既に述べたとおりである。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する。この可変入賞装置作動時処理において、演出制御CPU126は、今回の当選図柄が上記の「2ラウンド通常図柄1(ロング)」、「2ラウンド通常図柄2(ショート)」、「2ラウンド確変図柄2(ロング)」、「2ラウンド確変図柄3(ショート)」又は「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」のいずれかであるか、もしくは「小当り」であれば、大入賞口の2回目までの開放中に「2ラウンド演出」として上記の「モード移行演出」の演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。また、その中でも当選図柄が「2ラウンド通常図柄1(ロング)」又は「2ラウンド確変図柄2(ロング)」のいずれかであれば、演出制御CPU126は上記の「継続演出1」及び「大当り中演出1」の演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。さらに当選図柄が「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」であれば、合わせて演出制御CPU126は上記の「継続演出2」及び「大当り中演出2」の演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。
一方、今回の当選図柄が「15ラウンド確変図柄1」の大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として15ラウンド大当り中に専用の演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。また演出制御CPU126は、15ラウンド大当り中の遊技の進行状況(例えば、ラウンドの進行状況)に合わせて演出パターンを選択すると、これらを適宜、演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では15ラウンド大当り中に専用の演出画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
以上のように、演出制御CPU126が上記の演出図柄管理処理を実行することで、そのときの当選図柄に基づいて適切な演出パターンが選択される結果、実際に液晶表示器42の画面上で上述した変動表示演出やモード移行演出、継続演出1、大当り中演出1、継続演出2、大当り中演出2が実行されることになる。
上述した一実施形態のパチンコ機1によれば、特に大当りの種類として「出玉あり大当り」と「出玉なし大当り」とが設けられている場合、いずれについても大当り開始から出玉が生じない期間(大入賞口の開放開始から3回目の開放開始まで)に外部情報信号による開示が抑制されるため、遊技者が出玉あり大当りであるか否かを事前に察知してしまうことを防止することができる。これにより、「2ラウンド演出」としての「モード移行演出」による期待感の持続や興趣性を損なうことなく、演出による効果を充分に発揮させることができる。
また、例えば既に変動時間短縮機能作動中の場合に「2ラウンド演出」を実行する大当りが発生した場合、それまでに外部情報信号として出力されていた「大当り2情報」の出力が大入賞口の開放開始から3回目の開放開始までに中断されることはないので、やはり外部情報信号によって大当りの種類が遊技者に察知されてしまうことを防止することができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。例えば、一実施形態では「2ラウンド演出」を行う当選図柄として2ラウンド通常図柄1(ロング)」、「2ラウンド通常図柄2(ショート)」、「2ラウンド確変図柄2(ロング)」、「2ラウンド確変図柄3(ショート)」及び「15ラウンド確変図柄2(スーパー)」を挙げているが、これら以外の当選図柄(例えば「6ラウンド確変図柄」や「6ラウンド通常図柄」等)が設けられていてもよい。
また、例えば図13に挙げた大入賞口の開放回数や開放の時間、開放パターン等はあくまで一例であり、これら以外に開放回数を増減したり、開放の時間を延長又は短縮したり、異なる開放パターンや開放回数を設定したりしてもよい。
また、各種の演出例であげた演出図柄やモード移行時のキャラクター、台詞、画面の具体的な態様はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。その他、パチンコ機1の構造や盤面構成等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。