以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示される。なお、確定特別図柄は、可変表示中に表示される特別図柄とは異なるものであってもよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(適宜LEDを全て消灯したパターンを点灯パターンとして含んでもよい。)が、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。
画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が変動表示(可変表示)される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、最初から可変表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が可変表示中に現れて確定飾り図柄となってもよい。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲームともいう。)、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲームともいう。)と同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。なお、仮停止される飾り図柄は、最初から可変表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が可変表示中に現れて仮停止されてもよい。
画像表示装置5の画面上には、所定の表示エリア5Hが配置されている。この表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留記憶表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。保留表示図柄は、保留されている可変表示と一対一で対応するようになっている。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される(保留表示図柄が1つ増える)。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される(保留表示図柄が1つ増える)。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、保留データが消化されたときには、対応する保留表示図柄が消去される。また、保留表示図柄の表示時に他の保留表示図柄が表示されていた場合には、当該他の保留表示図柄を例えば1つ左の表示位置(消去した保留表示図柄が表示されていた表示位置を含む)にシフトさせる。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の特図保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
前記表示エリア5Hとともに、あるいは表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが横方向に並んで設けられている。また、その上には、遊技媒体を振り分ける振分装置200が設けられている。
普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。
普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる通常の開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片6Ba(図2参照)を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片6Ba(図2参照)が垂直位置となることにより通常の開放状態になっている。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片6Ba(図2参照)が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が通常よりも進入し易い拡大開放状態になる。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な拡大開放状態といった第1可変状態(進入容易状態)と、遊技球が第1可変状態よりも進入し難い通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
振分装置200の上部には、図2に示すように、遊技媒体が流入可能な流入口201が設けられている。また、振分装置200内部には、流入口201から振分装置200内に流入した遊技媒体を左側通路203と右側通路204とのいずれかに振り分けるための振分部材202が設けられている。また、振分装置200の下部には、左側通路203を通過した遊技媒体が振分装置200から流出可能な左側流出口205と、右側通路204を通過した遊技媒体が振分装置200から流出可能な右側流出口206とが設けられている。
図2(a)に示す例では、振分部材202によって振分装置200内の右側通路204が遮蔽され、遊技媒体が左側通路203を通過可能な状態が示されている。図2(a)に示す状態において遊技媒体が流入口201から振分装置200内に流入すると、図2(b)に示すように、流入口201から流入した遊技媒体は振分部材202によって左側通路203に振り分けられ、左側通路203を通過して左側流出口205から流出する。そして、左側流出口205の下方には、普通入賞球装置6Aによって形成される第1始動入賞口が位置しているので、左側流出口205から流出した遊技媒体は、第1始動入賞口に入賞する。振分部材202による振分時、振分部材202の回転軸部分に設けられている羽根部202aに遊技媒体があたり、遊技媒体の自重によって羽根部202aが押されることによって、図2(a)および図2(b)に示すように、振分部材202が右側に倒れている状態から左側に倒れている状態に変化する。そして、振分部材202が左側に倒れている状態に変化すると、振分部材202によって振分装置200内の左側通路203が遮蔽され、遊技媒体は右側通路204を通過可能となる。
次いで、そのような状態において、図2(c)に示すように、遊技媒体が流入口201から振分装置200内に流入すると、図2(d)に示すように、流入口201から流入した遊技媒体は振分部材202によって右側通路204に振り分けられ、右側通路204を通過して右側流出口206から流出する。そして、右側流出口206の下方には普通可変入賞球装置6Bによって形成される第2始動入賞口が位置しているので、右側流出口206から流出した遊技媒体は、第2始動入賞口に入賞する。振分部材202による振分時、振分部材202の回転軸部分に設けられている羽根部202aに遊技媒体があたり、遊技媒体の自重によって羽根部202aが押されることによって、図2(c)および図2(d)に示すように、振分部材202が左側に倒れている状態から右側に倒れている状態に変化する。そして、振分部材202が右側に倒れている状態に変化すると、振分部材202によって振分装置200内の右側通路204が遮蔽され、遊技媒体は左側通路203を通過可能となる。
図2に示すような動作をすることにより、この実施の形態では、振分部材202によって振分装置200に流入した遊技媒体が左側通路203と右側通路204とに交互に振り分けられ、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに交互に入賞可能となる。なお、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片6Baが傾動位置となると、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる。特に、振分装置200内を通過しない遊技媒体が、振分装置200の横から第2始動入賞口に入賞しやすくなる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図3に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図3に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値未満であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図3に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図3に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、遊技領域に形成された通過ゲート41(所定の部材によって遊技球が通過可能に形成され、遊技球の通過は、図3のゲートスイッチ21によって検出される。)を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、音声等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。傾倒方向センサユニット、トリガセンサなどによって、コントローラセンサユニット35A(図3)が構成され、コントローラセンサユニット35Aによって、スティックコントローラ31への操作が検出される。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35B(図3)が設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図3に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板、払出制御基板などといった、各種の基板が配置されている。また、パチンコ遊技機1には、各基板などに電力を供給する電源基板なども搭載されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、演出制御基板12などのサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンド(後述の演出制御コマンドなど)を制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御して、各種保留記憶数を表示する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したこと(スイッチがオンになったこと)を示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態にする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号などを受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作などや、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(音声信号)に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(音声信号が指定する音声)を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。なお、音声とは、音のみからなるもの(例えば、歌が入らない演奏のみからなる楽曲、効果音など)も含む。
ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(電飾信号)に基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサ(例えば、フォトセンサ、近接スイッチなど)と称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82を駆動するためのソレノイド駆動信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、演出制御コマンドなどを制御信号として演出制御基板12に伝送する配線などが接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば演出制御コマンドである(詳しくは後述する)。制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理(例えば、主基板11の上記機能を実現するための処理など。)が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が書換可能に一時記憶される。RAM102は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、例えば、停電などがあってパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても(所謂、電断などがあっても)、所定期間(例えば、バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存される。このようにバックアップRAMに保存されバックアップされたデータを適宜バックアップデータという。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部(スイッチ回路110など)から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部(ソレノイド回路111、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、中継基板15など)へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作を制御する処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作などを行う処理(演出用の電気部品に所定の演出動作などを実行させる機能を実現する処理)が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120や表示制御部123がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号(画像表示装置5に演出画像を表示させるための信号)を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての音声信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、RAM122の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM122とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、演出制御用CPU120が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出を実行するためのデータの集まりであって、例えばプロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が記憶される。なお、RAM122は、バックアップRAMではないので、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止した場合(つまり、電断があった場合)には、記憶しているデータが失われてしまう。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120の制御に基づいて(例えば、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき)、画像表示装置5において表示する演出画像の映像信号を出力し、画像表示装置5に演出画像を表示する。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。例えば、演出制御用CPU120は、上記の演出制御パターンに含まれる表示制御データなどに従って、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像を指定する表示制御指令を表示制御部123に送信する。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に従って、CGROMなど(記憶部)に格納されているデータに基づいて、当該表示制御指令によって指定される演出画像を表示するための映像信号を出力する。これによって、演出制御用CPU120の制御(演出制御パターンなど)に従った演出画像の映像信号が出力されたことになり、そして、画像表示装置5に当該演出画像が表示されることになる。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号(表示制御部123から出力される信号)や、音声制御基板13へと伝送される音声信号、ランプ制御基板14へと伝送される電飾信号などが出力される。また、I/O125の入力ポートには、演出制御基板12には、コントローラセンサユニット35Aからの操作検出信号や、プッシュセンサ35Bからの操作検出信号が入力される。
画像表示装置5は、液晶パネルなどからなる表示パネルと、当該表示パネルを駆動するドライバ回路などを備える。演出制御用CPU120の制御に基づいて表示制御部123からI/O125を介して画像表示装置5に供給された映像信号は、前記ドライバ回路に入力される。ドライバ回路は、入力された映像信号に基づいて、表示パネルを駆動し、当該映像信号が表す画像を表示パネルに表示させる。これによって、画像表示装置5には、各種の演出画像が表示されることになる。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどに点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を制御して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技機において付与される遊技価値は、直接的には、賞球となる遊技球の払出しや、これに相当する得点の付与である。こうした遊技球や、その個数に対応する得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、遊技機で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、遊技機において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと(第2始動口スイッチ22Bがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたこと(ゲートスイッチ21がオンになったこと)に基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、可変表示態様などを指定する変動パターンの決定などが行われる。こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。
また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球(大入賞口に進入した遊技球)が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「確変」又は「非確変」の「大当り」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が所定時間(例えば29秒などの第1期間)となる通常開放ラウンドが、15ラウンド(15回)などの所定回数分実行される。なお、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」という。また、大当り種別が「確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」という。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の可変表示(特図ゲーム)が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、時短終了条件が成立するまでの可変表示(特図ゲームなど)の残りの実行回数を時短残回数ということがある。時短状態や確変状態も遊技者にとって有利な状態である。
この実施の形態では、非確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。この実施の形態では、確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態及び確変状態になる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(拡大開放状態)と第2可変状態(通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」、「非時短状態」、「非時短」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」、「非確変状態」、「非確変」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにもならない状態、つまり、通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
上記飾り図柄の可変表示中には、画像表示装置5や演出ユニット55の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像を表示したり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたりする演出が実行される。これら演出を、飾り図柄の可変表示そのもの(これも演出である。)とともに、可変表示中演出という。つまり、可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像による演出であり、飾り図柄の可変表示(可変表示の開始から表示結果の導出を含む。)そのものも含む概念である。可変表示中演出は、例えば、遊技の進行に対応して実行され、遊技の進行を遊技者に認識させるような演出であればよい。可変表示態様をリーチ態様にすることも、可変表示中演出のうちの1つである。可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像(飾り図柄の可変表示そのものも含む)による演出の他、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などによる演出が含まれていてもよい。
上記可変表示中演出ではリーチ演出が実行されることがある。リーチ演出は、リーチ態様となったことに対応して実行される。リーチ演出は、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作を行う演出である。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。この実施の形態では、リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチB、及び、スーパーリーチCが用意されている(図14参照、詳しくは後述する)。
また、この実施の形態では、可変表示中演出の一部として、予告演出が実行される。予告演出は、大当り期待度(その演出が実行されたときに可変表示結果が「大当り」となる可能性であり、信頼度などともいわれるものである。)を予告する演出である。予告演出としては、演出態様が異なり、かつ、予告する大当り期待度が異なる予告A、予告Bなどがある(図26などを参照。詳しくは、後述する。)。なお、予告Aは、プッシュボタン31Bの操作を受け付ける操作系予告演出である。この実施の形態では、予告Bは、プッシュボタン31Bの操作が不要な非操作系予告演出である。また、予告Aでのプッシュボタン31Bの操作タイミングが最良タイミングであったときには、可変表示中演出の一部として、最良タイミング演出(ST演出ともいう。)が実行される。最良タイミング演出でも、大当り期待度が予告される。最良タイミング演出としては、演出態様の異なり、かつ、予告する大当り期待度が異なるST演出A〜Cがある(図27などを参照。詳しくは、後述する。)。
また、この実施の形態では、先読み予告演出(単に「先読み予告」ともいう。)が実行される。先読み予告演出は、予告の対象となる可変表示(「ターゲット」、「ターゲットの可変表示」などともいう。)が開始される前に、特図ゲームの保留データ(保留記憶)などに基づいて実行される。先読み予告演出は、ターゲットの大当り期待度を予告するものである。この実施の形態では、先読み予告演出として、保留表示予告、アイテム予告などがある(詳しくは、後述)。保留表示予告は、保留表示図柄の表示開始時において実行されるものであり、可変表示中演出の一部ではなく、独立した演出として実行される。アイテム予告は、可変表示中演出の一部として実行される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」の「大当り」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されてもよく、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。又は、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであってもよく、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。なお、以下では、フローチャートなどを参照して動作を説明するが、各動作(各処理)では、パチンコ遊技機1の動作を実現するために必要な処理であってフローチャートに現れていない処理などが適宜行われる場合がある。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。RAM102のクリアは、例えば、電源投入時に、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないクリアスイッチなどの初期化用操作手段が操作されたことなどによって行われる。この操作は、例えば、遊技店の営業時間外に行われる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時(停電などによる電断時)における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい(例えば、クリアスイッチが押されずに電源が投入(オン)された時にRAM101に所定のデータが記憶されるなどしている状態のとき(例えば電断のときなど))。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
CPU103は、遊技制御用タイマ割込処理において、例えば、スイッチ処理を行い、メイン側エラー処理を行い、情報出力処理を行い、その後、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオン状態であるか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する処理である。なお、スイッチ処理では、例えば、オン状態と判定したスイッチ(第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23)に対応する賞球個数を示す賞球個数コマンドの送信設定も行う。賞球個数コマンドはコマンド制御処理にて払出制御基板に送信され、払出制御基板は、このコマンドを受信すると、球払出装置を制御して、このコマンドが示す賞球個数分だけ賞球を払い出す処理を実行する。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい(図7参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「確変」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数の変動パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。
特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどの決定や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態の特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、遊技の進行に応じて、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理にてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値を抽出してRAM102に記憶させること)を行う処理や、保留記憶(RAM102に記憶した乱数値)を用いて普図ゲームの可変表示結果を決定する処理や、普図ゲームの変動パターン(変動時間など)を決定する処理や、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行する処理や、普図ゲームの可変表示結果を導出表示する処理や、可変表示結果が普図当りの場合に普通可変入賞球装置6Bを開放状態などの第1可変状態にする処理などを実行する。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の第1可変状態などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理、スイッチ処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に演出制御基板12に対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる。
コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
ここで、コマンド制御処理により主基板11から演出制御基板12に送信される主な制御コマンドについて図4を参照して説明する。なお、「(H)」は16進数であることを示す。
コマンド8001(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第1変動開始指定コマンド)である。コマンド8002(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第2変動開始指定コマンド)である。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、後述の変動パターン指定コマンドに含めるようにしてもよい。第1変動開始指定コマンド又は第2変動開始指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定のために実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド81XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)である。この実施の形態では、変動パターン(図14参照、詳しくは後述する。)それぞれに対応する変動パターン指定コマンドが設定されている。例えば、各変動パターンには、一意の番号(変動パターン番号)が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「01」など)。また、変動パターン指定コマンドは、飾り図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもあり、変動パターンの設定のために実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否かおよび大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。この実施の形態では、表示結果それぞれに対応する表示結果指定コマンドが設定されている。例えば、各表示結果には、一意の番号が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、大当り種別が「確変」の「大当り」なら「01」など)。また、表示結果指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定のために実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを指定する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。図柄確定指定コマンドは、後述のステップS112における特図ゲーム終了時にて送信設定される。
コマンド95XX(H)は、遊技状態を指定する演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技状態それぞれに対応する遊技状態指定コマンドが設定されている。例えば、遊技状態が通常状態(低確低ベース)であれば、「XX」は、「00」に設定される。例えば、遊技状態が高確低ベース状態であれば、「XX」は、「01」に設定される。例えば、遊技状態が高確高ベース状態であれば、「XX」は、「02」に設定される。遊技状態指定コマンドは、遊技状態の変更が行われ得る後述のステップS113やステップS117の実行時に送信設定される。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始)を指定する演出制御コマンド(当り開始指定コマンド)である。なお、ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。このコマンドは、後述のステップS113において、大当り遊技状態が開始されるときに送信設定される。
コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始)を指定する演出制御コマンド(当り終了指定コマンド)である。なお、エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。このコマンドは、後述のステップS116において、最後のラウンド遊技が終了したときに送信設定される。
コマンドB100(H)は、第1始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第1始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンド)である。コマンドB200(H)は、第2始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第2始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)である。第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドとを始動口入賞指定コマンドと総称することがある。また、これらコマンドは、後述の始動入賞判定処理(ステップS101)にて送信設定される。
コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第2特図保留記憶数を示す。第1特図保留記憶数指定コマンドと第2特図保留記憶数指定コマンドとを総称して、特図保留記憶数指定コマンドという場合がある。特図保留記憶数指定コマンドは、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が変化し得る後述のステップS101やステップS111にて送信設定される。
コマンドC4XX(H)は、始動入賞時の判定結果のうち表示結果を指定する演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。コマンドC6XX(H)は、始動入賞時の判定結果のうち変動カテゴリを指定する演出制御コマンド(変動カテゴリ指定コマンド)である。詳しくは後述するが、第1始動入賞又は第2始動入賞が発生したときに、上記乱数値MR1〜3が抽出される(ステップS101)。この実施の形態では、当該抽出された乱数値MR1〜3に対応する可変表示について、当該可変表示の開始条件の成立前に、この抽出された乱数値MR1〜3に基づいて、当該可変表示の可変表示結果が「大当り」になるか否か、大当り種別、及び、当該可変表示の変動カテゴリ(変動パターンの大まかな種類)が判定される(所謂先読み)。始動入賞時の判定は、この判定のことをいい、当該判定は、ステップS211の入賞時乱数値判定処理にて行われる。表示結果についての判定結果には、一意の番号が振られ、その番号が図柄指定コマンド中の「XX」に設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、「非確変」の「大当り」なら「01」、「確変」の「大当り」なら「02」など)。変動カテゴリについての判定結果には、一意の番号が振られ、その番号が変動カテゴリ指定コマンド中の「XX」に設定される(例えば、図9(B)のように、「非リーチ」なら「00」、「リーチハズレ」なら「10」、「大当り」なら「11」など)。これらコマンドは、後述の始動入賞判定処理(ステップS101)にて送信設定される。
次に、特別図柄プロセス処理について説明する。図5は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図6は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。スイッチ処理にて第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されているなどして第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。スイッチ処理にて第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されているなどして第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ(図7参照)が抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。このとき、始動口バッファ値も、始動口データ(始動入賞が第1特図についてのものか、第2特図についてのものかを特定するデータ)として、保留データに対応付けられて特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされる。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、当該バッファ値を始動口データとして保留データとともに対応付けて、図8に示すような特図保留記憶部にセットする。例えば、始動口バッファ値が「2」であるときには、当該バッファ値を始動口データとして保留データとともに対応付けて、図8に示すような特図保留記憶部にセットする。なお、このとき、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
図8に示す特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データと、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データと、を入賞順(遊技球の検出順)に記憶する。一例として、特図保留記憶部は、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と対応付けて、その遊技球の進入による第1始動条件又は第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして記憶する。保留データは、第1始動入賞口への入賞と第2始動入賞口への入賞とのそれぞれについて、最大4つまで記憶される。こうして特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図又は第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチなど)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。また、特図保留記憶部には、上述のように、各保留データが第1始動条件と第2始動条件とのうちのいずれの条件成立に基づいて抽出されたものであるかを示す前記の始動口データが各保留データに対応付けて記憶される。
ステップS210の処理に続いて、CPU103は、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS211)。入賞時乱数値判定処理は、所謂先読みのための処理である。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図5のステップS110、図10)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図5のステップS111、図13)において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS211の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、今回の始動入賞によって実行される特図ゲームの特図表示結果が「大当り」となるか否かの判定や、今回の始動入賞によって実行される飾り図柄の可変表示態様がリーチを伴う表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様がリーチを伴う表示態様などとなることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図9(A)は、入賞時乱数値判定処理の一例を示すフローチャートである。入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102に所定領域に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオンになるフラグ)や確変フラグ(確変状態のときにオンになるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された複数の特図表示結果決定テーブルのうちから、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応して用意されたテーブルを選択して使用テーブルにセットする(ステップS402)。特図表示結果決定テーブルは、始動入賞が第1始動入賞と第2始動入賞とのいずれかであるか、遊技状態が確変状態であるかなどに応じて複数用意されている。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図11に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
例えば、特図表示結果決定テーブルとして、第1始動入賞及び非確変状態に対応する第1特図表示結果決定テーブル(非確変)(図11(A)参照)、第1始動入賞及び確変状態に対応する第1特図表示結果決定テーブル(確変)(図11(B)参照)、第2始動入賞及び非確変状態に対応する第2特図表示結果決定テーブル(非確変)(図11(C)参照)、第2始動入賞及び確変状態に対応する第2特図表示結果決定テーブル(確変)(図11(D)参照)が用意されている。CPU103は、これらテーブルのうち、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応したテーブルをROM101からRAM102に読み出すなどして当該テーブルを使用テーブルにセットする。なお、始動口バッファ値が「1」であれば、当該始動入賞は第1始動入賞であり、始動口バッファ値が「2」であれば、当該始動入賞は第2始動入賞である。
その後、図6のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理でセットされた使用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無(乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否か)を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定することにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンド(始動入賞時の判定結果のうちの表示結果として「ハズレ」を指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定を行う(ステップS405)。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを参照する。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図12に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられている大当り種別を今回の判定結果とする(判定結果の特定は、上記乱数値MR1のときと同様に、乱数値MR2と各決定結果に割り当てられた決定値との逐一比較又は乱数値MR2と各決定結果に割り当てられた決定値の最小値及び最大値との比較などによって行う。以下、乱数値に基づいて、テーブルを参照して、決定結果を決定するときについて同じ)。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンド(始動入賞時の判定結果のうちの表示結果として「確変」又は「非確変」の「大当り」を指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定が行われる(ステップS410)。
ステップS405、S410の処理のいずれかを実行した後には、当該始動入賞によって実行される可変表示の変動パターンの変動カテゴリの判定を行う(ステップS412)。
CPU103は、ステップS412において、ステップS403にて乱数値MR1が大当り判定範囲内であると判定していた場合(ステップS403;Yes)には、変動カテゴリを「大当り」のカテゴリと判定する。
一方、ステップS403にて乱数値MR1が大当り判定範囲外であると判定していた場合(ステップS403;No)、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、ROM101の所定領域に記憶されて用意されたハズレ変動パターン決定テーブルと、を用いて乱数値MR3に応じた変動カテゴリを判定する。ハズレ変動パターン決定テーブルでは、例えば図16に示すように、遊技状態が時短状態であるか非時短状態であるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、乱数値MR3に基づいて、ステップS401で特定した遊技状態が時短状態であるか否かに応じて当該乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられている変動パターンを選択する。例えば、乱数値MR3が「220」である場合、CPU103は、遊技状態が時短状態のときには、変動パターンPA2−1を選択し、非時短状態のとき(時短状態でないとき)には、変動パターンPB2−1を選択する。図14に示すように、各変動パターンは、いずれかの変動カテゴリに属しており、CPU103は、変動パターンとして、PA1−1、PA1−2を選択した場合には、今回の判定結果の変動カテゴリが「非リーチハズレ」のカテゴリであると判定する。CPU103は、変動パターンとして、PA2−1、PB2−1〜PB2−3を選択した場合には、今回の判定結果の変動カテゴリが「リーチハズレ」のカテゴリであると判定する。
ステップS412のあと、CPU103は、上記判定結果に応じた変動カテゴリ指定コマンド(始動入賞時の判定結果のうちの変動カテゴリを指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定を行う(ステップS413)。上記判定結果が「大当り」の変動カテゴリだった場合には、変動カテゴリ指定コマンドとしてコマンドC611(H)の送信設定を行う(図9(B)参照)。また、上記判定結果が「非リーチハズレ」の変動カテゴリだった場合には、変動カテゴリ指定コマンドとしてコマンドC600(H)の送信設定を行う(図9(B)参照)。また、上記判定結果が「リーチハズレ」の変動カテゴリだった場合には、変動カテゴリ指定コマンドとしてコマンドC610(H)の送信設定を行う(図9(B)参照)。
ステップS413のあと、CPU103は、始動口入賞指定コマンド及び特図保留記憶数指定コマンドの送信設定を行う(ステップS414)。具体的には、始動口バッファ値が「1」のときは、第1始動口入賞指定コマンド及び第1特図保留記憶数指定コマンドの送信設定を行う。始動口バッファ値が「2」のときは、第2始動口入賞指定コマンド及び第2特図保留記憶数指定コマンドの送信設定を行う。送信設定する第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドは、現在の第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数(当該始動入賞によって1つ増えた記憶数)を指定するコマンド(当該記憶数に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、指定する特図保留記憶数は、第1特図保留記憶数カウンタや第2特図保留記憶数カウンタのカウント値によって特定すればよい。ステップS414のあと、入賞時乱数値判定処理は終了する。
上記一連の処理が実行されたあと、コマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、特図保留記憶数指定コマンド(第1特図保留記憶数指定コマンドまたは第2特図保留記憶数指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンドという4つのコマンドが1セット(始動入賞時コマンド)として、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図6に戻り、ステップS211のあと、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図5に戻り、ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値(最初は「0」)に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図10は、特別図柄通常処理として、ステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。特図保留記憶数は、特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値及び第2特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値がいずれも「0」であるか否かを判定すればよい(「0」であれば、特図保留記憶数は「0」である。)。なお、合計保留記憶数カウント値を読み出し、当該カウント値が「0」であるか否かを判定することで、特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定してもよい。
特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、乱数値MR1〜MR3を示す数値データ及びこれに対応付けられた始動口データを読み出す(ステップS232)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞又は第2始動入賞の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データ及び始動口データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、ステップS232で読み出した始動口データに応じて、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」(始動口データが「1」の場合)又は「2」(始動口データが「2」の場合)に設定する(ステップS233)。これによって、これから開始される特図ゲームが第1特図のものであるか第2特図のものであるかが設定される。
ステップS233のあと、CPU103は、変動特図指定バッファ値が「1」の場合には、例えば第1特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS234)。CPU103は、変動特図指定バッファ値が「2」の場合には、例えば第2特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS234)。例えば、特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「8」に対応する記憶領域)に記憶された保留データ及び始動口データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「7」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS234の処理では、合計保留記憶数を1減算する。
ステップS234の処理を実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。例えば、CPU103は、現在の遊技状態と変動特図指定バッファ値とに基づいて、例えば図11(A)〜(D)のいずれかに示す特図表示結果決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。具体的には、確変フラグがオフ状態で、変動特図指定バッファ値が「1」を示すものである場合には、図11(A)の第1特図表示結果決定テーブル(非確変)を使用テーブルとしてセットする。確変フラグがオン状態で、変動特図指定バッファ値が「1」を示すものである場合には、図11(B)の第1特図表示結果決定テーブル(確変)を使用テーブルとしてセットする。確変フラグがオフ状態で、変動特図指定バッファ値が「2」を示すものである場合には、図11(C)の第2特図表示結果決定テーブル(非確変)を使用テーブルとしてセットする。確変フラグがオン状態で、変動特図指定バッファ値が「2」を示すものである場合には、図11(D)の第2特図表示結果決定テーブル(確変)を使用テーブルとしてセットする。各特図表示結果決定テーブルでは、例えば、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、乱数値MR1を示す数値データに基づいて、使用パターンとしてセットした特図表示結果決定テーブルを参照することにより、乱数値MR1に合致する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。
図11に示すように、確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い決定割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図5に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、遊技者にとって有利である。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。CPU103は、例えば、図12に示す大当り種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図12に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
特図表示結果が「大当り」でない場合(ステップS240;No)、ステップS243のあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図5に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS231にて特図保留記憶数が「0」である場合には(ステップS231;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図5のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間(特図変動時間)が決定される。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図13は、変動パターン設定処理として、ステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
図14は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
この実施の形態では、「非リーチ」の場合の「ハズレ」の変動パターンとして、PA1−1、PA1−2が用意されている。「リーチ」の場合の「ハズレ」の変動パターンとして、PA2−1(ノーマルリーチが実行される。)、PB2−1(スーパーリーチAが実行される。)、PB2−2(スーパーリーチBが実行される。)、PB2−3(スーパーリーチCが実行される。)が用意されている。また、大当り種別が「確変」、「非確変」のときの「大当り」の変動パターンとして、PA4−1(ノーマルリーチが実行される。)、PB4−1(スーパーリーチAが実行される。)、PB4−2(スーパーリーチBが実行される。)、PB4−3(スーパーリーチCが実行される。)が用意されている。
図13に示すステップS262の処理では、例えば図15に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから変動パターン決定用の乱数値MR3を読み出し、読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「140」である場合、CPU103は、変動パターンPB4−2を選択する。
図13に示すステップS263の処理では、例えば図16に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一例として、ハズレ変動パターン決定テーブルでは、遊技状態が時短状態であるか非時短状態であるかに応じて(RAM102の所定領域に設けられた時短フラグによって特定できる。)、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、時短フラグの状態と、に基づいて、ハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に合致する決定値に時短状態であるか否かに応じて割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「220」である場合、CPU103は、時短フラグがオン状態のときには(時短状態のときには)、変動パターンPA2−1を選択し、時短フラグがオフ状態のときには(非時短状態のときには)、変動パターンPB2−1を選択する。
図16に示すハズレ変動パターン決定テーブルでは、時短状態のときの方が、特図変動時間の短い変動パターンが選択されやすくなっており、時短状態のときには、非時短状態のときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。また、可変表示の実行頻度を高めることができる。なお、保留記憶数に応じて、参照するテーブルを異ならせ、保留記憶数が所定数以上であれば、変動パターンPA1−1よりも短縮有りの変動パターンPA1−2が選択されやすいようにしてもよい。このような場合、リーチの変動パターンなどについては、保留数に関わらず、決定値の範囲を共通にしておき、入賞時乱数値判定処理(ステップS211)では、保留数に関わらず変動カテゴリ(リーチの有無など)を判定してもよい。なお、変動カテゴリについて、スーパーリーチなどの特定の変動になるカテゴリを設け、スーパーリーチなどの特定の変動になる変動パターンなどについては、保留数に関わらず、決定値の範囲を共通にしておき、入賞時乱数値判定処理(ステップS211)では、保留数に関わらず変動カテゴリ(スーパーリーチの有無など)を判定してもよい。これによって、入賞時乱数値判定処理の正確性を担保できる。
また、図15及び図16を参照すると、リーチ演出のうちスーパーリーチCが実行されたときが、最も高い割合で可変表示結果が「大当り」となる。そして、スーパーリーチB、スーパーリーチA、ノーマルリーチの順で、可変表示結果が「大当り」となる割合(所謂大当り期待度)が下がっていく。
図13に示すステップS262、S263のいずれかの処理を実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間(変動時間ともいう。)を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図14に示すように、予め用意された複数の変動パターンそれぞれに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262、S263の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。変動パターンの決定は、特図変動時間の決定でもある。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための制御を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する制御を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する制御を行う。これによって、特図ゲームが開始される。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特図表示結果や変動パターンの決定結果などを演出制御基板12側に通知するために、特別図柄の変動開始時におけるコマンド(変動開始時コマンド)の送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第1変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS262又はS263で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS246などで決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第1特図保留記憶数指定コマンド(ステップS234で1減じた第1特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第1特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS262又はS263で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS246などで決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第2特図保留記憶数指定コマンド(ステップS234で1減じた第2特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第2特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図5に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図5のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理などが含まれている。そして、遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので、特図ゲームの可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図や第2特図の表示を更新(所定時間特別図柄の表示を維持させるための更新を適宜含む。以下同じ。)させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い、特別図柄変動処理を終了する。一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、所定の駆動信号を送信する制御などを行って、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ(確定特別図柄は、所定時間表示し続けるように制御するとよい。)、また、停止表示されるときに図柄確定指定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値を“3”に更新し、特別図柄変動処理を終了する。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する。大当りフラグがオン状態である場合には、時短フラグ、確変フラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタのカウント値をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にする処理が行われる。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする。そして、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として「15」を設定する。その後、当り開始指定コマンド及び現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンド(ここでは通常状態を指定するコマンド)を送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。なお、大当り遊技状態後に、遊技状態が変更されるので、ここで遊技状態指定コマンドを送信しなくてもよい。
大当りフラグがオフ状態である場合には、時短フラグがオン状態であるかを判定し、オン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し、カウント値が「0」である場合には、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする。その後、現在の遊技状態に基づいて遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行う。時短フラグがオフ状態である場合、「1」減算したあとのカウント値が「0」でない場合、又は、遊技状態指定コマンド送信設定後には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する。減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新されて大当り開放前処理は終了する。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理でカウントスイッチ23がオン状態と判定される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる。)などによってカウントされればよい。)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、又は、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号の供給を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新され、大当り開放中処理は終了する。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態のおけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理なども行って大当り開放後処理を終了する。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放後処理は終了する。
タイマ割り込みの発生ごとにステップS114で大入賞口が開放されてからS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ、時短回数カウンタ、確変フラグなどの状態を設定する。
例えば、大当り種別が「確変」(例えば大当り種別バッファ設定値が「1」)であれば、時短フラグ及び確変フラグをオン状態とするとともに、RAM102の所定領域に設けられた時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り種別が「非確変」(例えば大当り種別バッファ設定値が「0」)であれば、時短フラグのみをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り終了処理では、このような設定のあと、設定に応じた遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行い、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新し、大当り終了処理を終了する。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファ(RAM122に設けられる。)に格納されている各種の制御コマンドを読み出した後に、その読み出された制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定に戻る。
図17は、コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から始動入賞時コマンド(始動口入賞指定コマンド、特図保留記憶数指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド)の受信があったかを判定する(ステップS681)。始動入賞時コマンドを受信したときには(ステップS681;Yes)、RAM122に設けられた始動入賞時コマンドバッファに受信コマンドを格納する(ステップS682)。
図19は、始動入賞時コマンドバッファの構成例である。ステップS682では、始動入賞時コマンドバッファの空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第1又は第2始動口入賞指定コマンド、第1又は第2特図保留記憶数指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンドを順番に記憶させる。始動入賞時コマンドバッファには、始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(始動入賞時コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンド(始動入賞時コマンド)を、その受信順序に従って、始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「8」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
なお、図19において、図柄指定コマンドの「C400(H)」は、可変表示結果の判定結果が「ハズレ」であることを示し、「C402(H)」は、可変表示結果の判定結果が「確変」(大当り種別)の「大当り」であることを示しているものとする。変動カテゴリ指定コマンド「C600(H)」は、変動カテゴリが「非リーチハズレ」であることを示し、「C610(H)」は、変動カテゴリが「リーチハズレ」であることを示し、「C611(H)」は、変動カテゴリが「大当り」であることを示す。特図保留記憶数指定コマンドの「C102(H)」〜「C104(H)」は、第1特図保留記憶数が始動入賞時において「2つ」〜「4つ」であることをそれぞれ示す。特図保留記憶数指定コマンドの「C202(H)」〜「C204(H)」は、第1特図保留記憶数が始動入賞時において「2つ」〜「4つ」であることをそれぞれ示す。なお、図19において、保留番号「5」と「7」で第2特図保留記憶数が同じになっているが、これは、保留番号「5」の始動入賞があったあとに、第2特図ゲームが実行され、その実行中などに第2始動入賞があったことを示す。
なお、始動入賞時コマンドバッファに格納された始動入賞時コマンドは、保留表示図柄と一対一で対応する。具体的には、保留表示番号と保留表示図柄の表示位置とが対応しており、これによって、始動入賞時コマンドは、保留表示図柄と一対一で対応する。
例えば、始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」は、表示エリア5Hの左から1番目の表示位置に対応し、始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「2」は、表示エリア5Hの左から2番目の表示位置に対応し、・・・始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「8」は、表示エリア5Hの左から8番目(最も右)の表示位置に対応する。
例えば、始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「4」に始動入賞時コマンドが格納されると、表示エリア5Hの左から4番目の表示位置に保留表示図柄が表示される。このとき、始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「3」にも始動入賞時コマンドが格納されているはずなので、表示エリア5Hの左から1番目〜3番目の表示位置にも保留表示図柄がすでに表示されている。
保留表示番号に対応付けて格納される始動入賞時コマンドは、始動入賞時における乱数値の抽出に対応して送信されるものであり、抽出された乱数値のデータは図8の特図保留記憶部に保留番号に対応して保留データ(可変表示を実行する情報)として格納されるものである。また、保留データと同様に、可変表示が実行されるごとに保留表示番号「1」の始動入賞時コマンド(保留表示番号「1」に対応付けて格納されている始動入賞時コマンド)は消去され、下位の保留表示番号「2」〜「8」の始動入賞時コマンドは、1つずつ上位(保留表示番号「1」〜「7」)にシフトされる(詳しくは後述)。つまり、保留番号と保留表示番号とは、同じ番号同士が対応しており、同じ番号の保留番号と保留表示番号とにそれぞれ対応して格納された保留データと始動入賞時コマンドとは互いに対応する。つまり、始動入賞時コマンドは、当該コマンドに対応する保留表示番号と同じ保留番号の保留データに基づいて実行される可変表示に対応する。さらに、保留表示図柄も、保留表示番号に対応した位置に表示されるので、同じ保留表示番号及び保留番号にそれぞれ対応する保留データ及び始動入賞時コマンドと、当該同じ保留表示番号に対応する位置に表示された保留表示図柄と、は、互いに対応して、同じ可変表示に対応する。保留表示図柄は、対応する保留データに基づいて実行される可変表示を表すものとなる。
また、始動入賞時コマンドバッファには、ターゲットフラグが各保留表示番号に対応して設けられている。また、始動入賞時コマンドバッファには、実行情報を記憶する記憶領域が各保留表示番号に対応して設けられている(つまり、実行情報は、各保留表示番号に対応して記憶される)。実行情報、ターゲットフラグは、対応する保留表示番号と同じ番号の保留番号に対応して記憶された保留データに対応し、その保留データに基づいて実行される可変表示などに対応することになる。
例えば、保留表示番号「4」の始動入賞時コマンドは、保留番号「4」の保留データに対応し、当該保留データに基づいて実行される可変表示に対応する。また、保留番号「4」の保留データに基づいて実行される可変表示は、保留表示番号「4」に対応しているターゲットフラグ、実行情報に対応している。また、保留表示番号「4」に対応する表示位置に表示された保留表示図柄は、保留番号「4」の保留データ及び保留表示番号「4」の始動入賞時コマンド、ターゲットフラグ、実行情報に対応し、保留番号「4」の保留データに基づいて実行される可変表示を表すものである。
ターゲットフラグは、当該フラグに対応する可変表示が先読み予告演出のターゲットとなっているときにオンとなるフラグである。図19では、保留表示番号「7」の始動入賞時コマンドに対応する可変表示がターゲットとなっている。ターゲットフラグについては、後で後述する。
実行情報は、対応する可変表示の実行時において先読み予告演出を実行する場合に、実行する先読み予告演出の種類などを特定する情報である。実行情報については、後で後述するが、実行情報をチェックすれば、当該実行情報に対応する可変表示の実行時に実行される予定の先読み予告演出の種類などが分かるようになっている。
ステップS682のあと、又は、始動入賞時コマンドを受信していないときには(ステップS681;No)、演出制御用CPU120は、その他の演出制御コマンドについて解析処理を行い(ステップS689)、コマンド解析処理を終了する。
図18は、各演出制御コマンドについてコマンド解析処理にて行われる処理の表を示す図である。処理内容中、S682は、上述で説明したステップS682で処理が行われることを示す。他の処理内容は、例えば、ステップS689で行われる処理である。表における各受信フラグや、各格納領域は、RAM122の所定領域に設けられる。また、受信フラグをセットとは、オン状態にすることである。なお、受信フラグや格納領域に格納されるコマンドなどは、適宜のタイミングで適宜クリアされてもよい(例えば、一度受信フラグによってコマンドの受信が確認された場合であって、再度の確認が後の処理にて無い場合などに適宜クリアする)。
変動開始時コマンドとして、第1又は第2特図保留記憶数指定コマンドを受信したときには、つまり、第1又は第2変動開始指定コマンドと一緒に第1又は第2特図保留記憶数指定コマンドを受信したときには、第1又は第2特図保留記憶数指定コマンドを第1又は第2特図保留記憶数指定コマンド格納領域に格納する。
演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドを受信しているときには、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグ及び高ベースフラグのオン状態・オフ状態を切り替える。高確フラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。例えば、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグの両者をオン状態にする(すでにオン状態である場合には、オン状態を維持する。以下、両フラグについてのオン状態、オフ状態について同じ)。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグがオン状態で時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグをオン状態とし、高ベースフラグをオフ状態にする。
図20は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告演出の実行のための先読み予告決定処理を実行する(ステップS162)。
図21は、先読み予告決定処理の一例を示すフローチャートである。先読み予告決定処理では、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時コマンドバッファの記憶内容をチェックし(ステップS701)、受信コマンド(始動入賞時コマンド)が始動入賞時コマンドバッファに新たに格納されているかを判定する(ステップS702)。
新たな受信コマンドがある場合(ステップS702;Yes)、現在始動入賞時コマンドバッファに格納されている各始動入賞時コマンドに対応した可変表示のうち先読み予告のターゲットとなる可変表示があるかを判定する(ステップS703)。ステップS703では、例えば、現在始動入賞時コマンドバッファのターゲットフラグのうちのいずれかがオン状態になっているかを判定する。
いずれのターゲットフラグもオンになっていないなどして、先読み予告のターゲットとなる可変表示がない場合(ステップS703;No)、演出制御用CPU120は、保留記憶(新たな受信コマンドに対応する保留記憶含む。)が2つ以上であるかを判定する(ステップS704)。ステップS704では、例えば、始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「2」以降に始動入賞時コマンドが記憶されていれば、保留記憶が2つ以上あると判定する。
演出制御用CPU120は、保留記憶が2つ以上であると判定した場合(ステップS705;Yes)、先読み予告演出の実行の有無を決定する(ステップS706)。
ステップS706では、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される乱数値SR1を示す数値データを抽出し、抽出した数値データに基づいて先読み予告実行決定テーブル(ROM121の所定領域に予め記憶されている)を参照して、先読み予告演出の実行の有無を決定する。
図22は、先読み予告実行決定テーブルの構成例を示す図である。先読み予告実行決定テーブルでは、「実行無し」(先読み予告演出を実行しない決定結果)と、「実行有り」(先読み予告演出を実行する決定結果)とに、乱数値SR1と比較される決定値(図22では、決定割合(選択割合)が記載されている。)が、変動カテゴリに応じて異なる割合で割り当てられていればよい。
この実施の形態では、新たな受信コマンドの変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリが「非リーチハズレ」である場合(C600(H)である場合)には、90%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、10%の割合で「実行有り」の決定結果が選択されるように先読み予告実行決定テーブルが構成されればよい。
この実施の形態では、新たな受信コマンドの変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリが「リーチハズレ」である場合(C610(H)である場合)には、60%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、40%の割合で「実行有り」の決定結果が選択されるように先読み予告実行決定テーブルが構成されればよい。
この実施の形態では、新たな受信コマンドの変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリが「大当り」である場合(C611(H)である場合)には、10%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、90%の割合で「実行有り」の決定結果が選択されるように先読み予告実行決定テーブルが構成されればよい。
演出制御用CPU120は、乱数値SR1と、変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリと、に基づいて、先読み予告実行決定テーブルを参照し、乱数値SR1に合致する決定値が、変動カテゴリに応じて、「実行無し」に割り当てられていた場合には先読み予告演出を実行しないと決定し(「実行無し」が選択されたことになる。)、「実行有り」に割り当てられていた場合には先読み予告演出を実行すると決定する(「実行有り」が選択されたことになる。)。
図22の決定割合が示すように、この実施の形態では、変動カテゴリが「大当り」のときに、「実行有り」が選択されやすく、変動カテゴリが「非リーチハズレ」及び「リーチハズレ」のときに(つまり、ターゲットの可変表示結果が「ハズレ」となると判定されているときに)、「実行無し」が選択されやすくなっている。このため、先読み予告演出を実行すると決定されると、ターゲットの可変表示の大当り期待度が高いことが分かる。つまり、先読み予告演出が実行されることで、ターゲットの可変表示の大当り期待度(ここでは、特に、大当り期待度が高いこと)を遊技者に予告できる。
その後、ステップS706で先読み予告演出を実行すると決定したか否かを判定し(ステップS707)、先読み予告演出を実行すると決定している場合(ステップS707;Yes)、実行する先読み予告演出の種類を決定する(ステップS708)。
この実施の形態では、先読み予告演出として、保留表示予告、アイテム予告がある(図23参照)。
保留表示予告は、ターゲットに対応する保留表示図柄の色を通常の色(例えば、白)から他の色(例えば、赤)に変更する演出である。この実施の形態では、保留表示図柄の表示開始時から当該図柄の色を変更する保留表示予告が実行される。
アイテム予告は、ターゲットの可変表示の前に実行される可変表示中演出において、所定のアイテム(例えば、剣や鎧など)を登場させる演出である。アイテム予告は、ターゲットの可変表示が保留記憶されたあとに最初に実行される可変表示(次変動)の可変表示中演出にて実行される。
ステップS708では、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される乱数値SR2を示す数値データを抽出し、抽出した数値データに基づいて先読み予告種類決定テーブル(ROM121の所定領域に予め記憶されている)を参照して、実行する先読み予告演出の種類を決定する。
図23は、先読み予告種類決定テーブルの構成例を示す図である。先読み予告種類決定テーブルでは、「アイテム予告」(先読み予告演出としてアイテム予告を実行する決定結果)と、「保留表示予告」(先読み予告演出として保留表示予告を実行する決定結果)と、に、乱数値SR2と比較される決定値(図23では、決定割合(選択割合)が記載されている。)が割り当てられていればよい。
この実施の形態では、50%の割合で「アイテム予告」が選択され、50%の割合で「第2保留表示予告」が選択されるように先読み予告種類決定テーブルが構成されればよい。なお、各割合は、可変表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかで異なるようにしてもよい。これによって、先読み予告演出の種類によって、大当り期待度を異ならせてもよい。また、各割合は、今回の変動する特図(可変表示される特図)が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なるようにしてもよい。また、各割合は、大当り種別に応じて異なるようにしてもよい。
演出制御用CPU120は、乱数値SR2に基づいて、先読み予告種類決定テーブルを参照し、乱数値SR2に合致する決定値が、「アイテム予告」に割り当てられていた場合にはアイテム予告を実行すると決定し(「アイテム予告」が選択されたことになる。)、「保留表示予告」に割り当てられていた場合には保留表示予告を実行すると決定する(「第1保留表示予告」が選択されたことになる。)。
図22の決定割合が示すように、この実施の形態では、同じ割合で、先読み予告演出の種類が決定される。
ステップS708のあと、演出制御用CPU120は、新たな受信コマンドに対応するターゲットフラグをオン状態にセットし、ステップS708で決定した先読み予告演出の種類に応じて、実行情報を始動入賞時コマンドバッファに格納する(ステップS709)。ステップS709では、アイテム予告を実行すると決定した場合には、実行情報として、アイテム予告を識別する情報である「IT」を保留表示番号「1」(次変動の可変表示)に対応する記憶領域に格納する。保留表示予告を実行すると決定した場合には、すぐに当該予告が実行されるので、実行情報を格納しない。なお、保留表示予告を実行すると決定した場合には、RAM122の所定領域に設けられた記憶領域に保留表示予告を実行することを示す情報を格納するようにしてもよい。この情報は、当該保留表示予告のターゲットの可変表示が実行されたことに伴って消去されるようにしてもよい。これによって、この情報を確認すれば、保留表示予告によって保留表示図柄の色が変化していることが確認できる。また、保留表示予告について、オン状態としたターゲットフラグに対応付けて当該情報を格納するようにしてもよい。これによって、保留表示予告によって色が変化している保留表示図柄の確認が容易になる。また、情報を記憶する代わりに、所定のフラグをオン状態とすることで、保留表示予告によってターゲットの保留表示図柄の色が変化していることを示してもよい。
図19の例では、保留表示番号「7」に対応するターゲットフラグがオンになっており、保留表示番号「1」に対応して実行情報「IT」が記憶されている。このため、図19の例では、保留表示番号「7」に対応する可変表示をターゲットとし、次変動においてアイテム予告が実行されることがあることが示されている。
先読みターゲットになっている可変表示がすでにある場合(ステップS703;Yes)、保留記憶数が2以上でない場合(ステップS704;No)、先読み予告演出を実行しないと決定した場合(ステップS707;No)、ステップS709のあとは、保留表示図柄を表示させる制御を行う(ステップS710)。演出制御用CPU120は、表示制御部123を制御して、画像表示装置5の表示エリア5Hにおける新たな受信コマンドに対応する保留表示番号に対応する表示位置に保留表示図柄を表示させる(これ以降、保留表示図柄が表す可変表示が実行されるまで、当該保留表示図柄は可変表示の実行ごとに移動しながら表示される。)。このとき、ステップS708にて保留表示予告を実行すると決定している場合には、通常とは異なる色(例えば赤など、予め設定されていればよい。)の保留表示図柄を表示させる(これによって保留表示予告が実行される。)。それ以外の場合には、通常の色(例えば白など、予め設定されていればよい。)の保留表示図柄を表示させる。
ステップS709のあと、新たな受信コマンドがない場合(ステップS702;No)、先読み予告決定処理を終了する。
演出制御用CPU120は、先読み予告決定処理のあと、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信したか否か(例えば、各受信フラグがオン状態になっているか否か)に基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新されて可変表示開始待ち処理は終了する。それ以外の場合には、演出プロセスフラグの値の更新を行わずに可変表示開始待ち処理を終了する。
なお、この可変表示開始待ち処理において、飾り図柄の可変表示を開始すると判定していない場合であって、客待ちデモ指定コマンドが送信されると(客待ちデモ指定コマンド受信フラグがオン状態となっている場合)、演出制御用CPU120は、デモ画面表示を行うための制御を行う(このとき、例えば、当該フラグをクリアしてオフする。)。デモ画面表示は、ROM121に記憶されている演出制御パターンなどの各種データを用いて実行される。例えば、演出制御用CPU120は、表示制御部123を制御してデモ画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎に当該演出動作制御が繰り返し実行されることで、デモ画面表示の実行が実現する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。可変表示開始設定処理は、これから実行する可変表示についての設定などを行う処理である。
図24は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)などに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」のときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)により指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の非リーチ変動パターン(PA1−1、PA1−2)であるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せ(非リーチハズレ)の飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合(変動パターンが、PA2−1、PB2−1〜PB2−3のとき)には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せ(リーチハズレ)の飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)によって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S525のあと、演出制御用CPU120は、演出制御パターン設定処理を実行する(ステップS530)。
図25は、演出制御パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。演出制御パターン設定処理において、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドバッファから保留表示番号「1」に対応して格納されている各データ(ターゲットフラグの状態を含む)を読み出す(ステップS771)。これによって、今回実行される可変表示に対応する各データが読み出される。読み出した各データはRAM122に設けられた所定のバッファに格納されればよい。
次に、始動入賞時コマンドバッファの記憶内容をシフトさせ、各データ(ターゲットフラグの状態を含む)を保留表示番号の1つ上位に対応する記憶領域にシフトさせる(ステップS772)。演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドバッファにて保留表示番号「1」より下位の記憶領域(保留表示番号「2」〜「8」に対応する記憶領域)に記憶された始動入賞時コマンド、ターゲットフラグの状態、実行情報を、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「7」に対応する記憶領域)にシフトする。
演出制御用CPU120は、読み出したデータの中に、実行情報「IT」が含まれるかをチェックし、実行情報「IT」が含まれている場合には、アイテム予告を実行すると決定し、実行情報「IT」が含まれていない場合には、アイテム予告を実行しないと決定する(ステップS773)。
ステップS773のあと、演出制御用CPU120は、予告演出の実行の有無などの決定を行う(ステップS774)。ステップS774では、演出制御用CPU120は、例えば、図26に示す、予告演出決定テーブルを参照して、予告演出の実行の有無などを決定する。予告演出決定テーブルはROM121に予め記憶されており、ステップS774において使用パターンとしてセットされて(RAM122に読み出されるなどしてセットされる)参照される。
この実施の形態では、予告演出として、予告Aと、予告Bとが用意されている。
予告Aは、所定のキャラクターが登場して課題(ここでは、池を飛び越える課題)にチャレンジする演出であり、当該チャレンジ時において、プッシュボタン31Bへの操作を要求する操作系予告演出である(図31〜図33を参照)。そして、予告Aでは、プッシュボタン31Bの操作に応答して、チャレンジ成功の演出とチャレンジ失敗の演出とのいずれかが実行される(図31〜図33を参照)。以下では、操作に応答してチャレンジ成功の演出が実行される予告Aを予告A(成功)といい、操作に応答してチャレンジ失敗の演出が実行される予告Aを予告A(失敗)という。なお、この実施の形態では、チャレンジが成功するか失敗するかは、操作タイミングなど、操作に依存するものではない。また、操作が行われなかった場合には、当該予告演出は終了する。つまり、予告A(成功)は、有効な操作があったときに、初めてチャレンジ成功の演出が実行されるものである。予告A(失敗)は、有効な操作があったときに、初めてチャレンジ失敗の演出が実行されるものである。
予告Aにおいて、プッシュボタン31Bへの操作(有効な操作)があるまでの演出を操作前演出ともいう。操作前演出は、操作を有効に受け付ける操作有効期間が設けられた操作受付演出になる。また、予告Aにおいて、プッシュボタン31Bへの操作(有効な操作)があってからの演出(チャレンジ成功の演出及びチャレンジ失敗の演出)を操作後演出ともいう。操作後演出は、操作有効期間に受け付けた操作に応答して実行される演出になる。予告A(成功)が実行されるときには、プッシュボタン31Bへの操作に応答して、チャレンジ成功の演出として、チャレンジ成功を報知するとともに、大当り期待度が高いことを予告する操作後演出(以下、成功の操作後演出ともいう。)が実行される。予告A(失敗)が実行されるときには、プッシュボタン31Bへの操作に応答して、チャレンジ失敗の演出として、チャレンジ失敗を報知するとともに、大当り期待度が低いことを予告する操作後演出(以下、失敗の操作後演出ともいう。)が実行される。なお、予告Aにおいて、操作が行われなかった場合(有効な操作が無かった場合)、操作後演出が実行されることなく、操作前演出の段階で予告Aは終了することになる。予告Aは、プッシュボタン31Bへの操作後による演出の結果として、大当り期待度が高いこと又は低いことのいずれかを予告することで、大当り期待度を予告するものとなっている。
予告Bは、操作の受け付けがない予告演出であり、例えば通常では登場しない特定のキャラクターが登場することで、実行中の可変表示の大当り期待度が高いことを予告する。又は、可変表示中演出で登場するキャラクターが通常では言わない特定のセリフを言うことで、実行中の可変表示の大当り期待度が高いことなどを予告するようなものであってもよい。
ステップS774では、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される乱数値SR3を示す数値データを抽出し、抽出した数値データに基づいて、予告演出決定テーブルを参照して、予告演出の実行の有無などを決定する。
図26は、予告演出決定テーブルの構成例を示す図である。予告演出決定テーブルでは、「実行無し」(予告演出を実行しない決定結果)と、「予告A(成功)」(予告A(成功)を実行する決定結果)と、「予告A(失敗)」(予告A(失敗)を実行する決定結果)と、「予告B」(予告Bを実行する決定結果)と、に、乱数値SR3と比較される決定値(図26では、決定割合(選択割合)が記載されている。)が、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに応じて異なる割合で割り当てられていればよい。
この実施の形態では、変動パターンが非リーチハズレの変動パターンPA1−1又はPA1−2である場合(「ハズレ(非リーチ)」の場合)に、50%の割合で「実行無し」が選択され、50%の割合で「予告A(失敗)」が選択され、「予告B」や「予告A(成功)」は選択されないように予告演出決定テーブルが構成されればよい。
この実施の形態では、変動パターンがノーマルリーチを実行してハズレとなる変動パターンPA2−1である場合(「ハズレ(ノーマル)」の場合)は、40%の割合で「実行無し」が選択され、10%の割合で「予告A(成功)」が選択され、40%の割合で「予告A(失敗)」が選択され、10%の割合で「予告B」が選択されるように予告演出決定テーブルが構成されればよい。
この実施の形態では、変動パターンがスーパーリーチを実行してハズレとなる変動パターンPB2−1〜PB2−3である場合(「ハズレ(スーパー)」の場合)は、15%の割合で「実行無し」が選択され、35%の割合で「予告A(成功)」が選択され、15%の割合で「予告A(失敗)」が選択され、35%の割合で「予告B」が選択されるように予告演出決定テーブルが構成されればよい。
この実施の形態では、変動パターンが大当りの変動パターンPA4−1、PB4−1〜PB4−3のいずれかである場合(「大当り」の場合であり、表示結果指定コマンドによって指定される特図表示結果が「大当り」となる場合であってもよい。)は、1%の割合で「実行無し」が選択され、49%の割合で「予告A(成功)」が選択され、1%の割合で「予告A(失敗)」が選択され、49%の割合で「予告B」が選択されるように予告演出決定テーブルが構成されればよい。
演出制御用CPU120は、乱数値SR3と、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンと、に基づいて、予告演出決定テーブルを参照し、乱数値SR3に合致する決定値が、変動パターンに応じて、「実行無し」に割り当てられていた場合には予告演出を実行しないと決定し(「実行無し」が選択されたことになる。)、「予告A(成功)」に割り当てられていた場合には予告A(成功)を実行すると決定し(「予告A(成功)」が選択されたことになる。)、「予告A(失敗)」に割り当てられていた場合には予告A(失敗)を実行すると決定し(「予告A(失敗)」が選択されたことになる。)、「予告B」に割り当てられていた場合には予告Bを実行すると決定する(「予告B」が選択されたことになる。)。
図26の決定割合が示すように、この実施の形態では、「大当り」のときや「ハズレ(スーパー)」のときに、「予告A(成功)」、「予告B」それぞれは「実行無し」、「予告A(失敗)」それぞれよりも選択されやすくなっている。「ハズレ(非リーチ)」、「ハズレ(ノーマル)」のときには、「予告A(成功)」、「予告B」それぞれは「実行無し」、「予告A(失敗)」それぞれよりも選択されにくくなっている。特に、「予告A(成功)」、「予告B」それぞれは「ハズレ(非リーチ)」のときに選択されない。
このため、「予告A(成功)」、「予告B」が実行されると、当該予告演出が実行される可変表示の大当り期待度は高いことになる(特に、「実行無し」、「予告A(失敗)」それぞれよりも高い)。つまり、「予告A(成功)」(成功の操作後演出)、「予告B」は、それぞれ、実行中の可変表示の大当り期待度が高いことを予告する。また、「実行無し」、「予告A(失敗)」の大当り期待度は、「予告A(成功)」、「予告B」よりも低いことが分かる。特に、「予告A(失敗)」(失敗の操作後演出)は、「実行無し」と各決定割合が同じであり、「予告A(失敗)」(失敗の操作後演出)は、「実行無し」と同等に大当り期待度が低いことを予告する。また、「予告A(成功)」(成功の操作後演出)と「予告B」とは、各決定割合が同じであり、実行された場合の大当り期待度が同じになっている。
ステップS774のあと、ステップS774において予告Aを実行すると決定したか判定し(ステップS775)、予告Aを実行すると決定した場合には(ステップS775;Yes)、ステップS774において予告A(成功)を実行すると決定したかを判定する(ステップS776)。予告A(成功)を実行すると決定している場合には(ステップS776;Yes)、最良タイミング演出の種類を決定する(ステップS777)。
最良タイミング演出は、予告Aにおいて行われる操作(操作有効期間における操作)が、操作有効期間内の最良タイミング(ある1点のタイミングでもよいし、0.5秒間など所定の期間であってもよい。)であったときに実行される演出であり、その種類としてST演出A〜Cが用意されている(図27など参照)。ST演出Aは、操作後演出の一部として実行されるものであり、操作直後において、操作タイミングが最良タイミングである旨を表示する演出である(図31(C)参照)。ST演出Bは、操作後演出の一部として実行されるものであり、操作直後において、操作タイミングが最良タイミングである旨を表示するとともに、所定のキャラクターを一体表示する演出である(図31(D)参照)。ST演出Cは、操作後演出の一部として実行されるものであり、操作直後において、操作タイミングが最良タイミングである旨を表示するとともに、所定のキャラクターを複数体表示する演出である(図31(E)参照)。ST演出Cは、ST演出AやST演出Bよりも高い大当り期待度を予告するものである。ST演出Bは、ST演出Aよりも高い大当り期待度を予告するものである。ST演出Aは、ST演出が実行されない場合よりも高い大当り期待度を予告するものである。
ステップS777では、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される乱数値SR4を示す数値データを抽出し、抽出した数値データに基づいて、最良タイミング演出決定テーブルを参照して、ST演出の種類を決定する。
図27は、最良タイミング演出決定テーブルの構成例を示す図である。最良タイミング演出決定テーブルでは、「ST演出A」(ST演出Aを実行する決定結果)と、「ST演出B」(ST演出Bを実行する決定結果)と、「ST演出C」(ST演出Cを実行する決定結果)と、に、乱数値SR4と比較される決定値(図27では、決定割合(選択割合)が記載されている。)が、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに応じて異なる割合で割り当てられていればよい。なお、ST演出は、予告A(成功)の実行時にのみ実行されるので、非リーチハズレの変動パターンPA1−1又はPA1−2は想定されていない。
この実施の形態では、変動パターンがノーマルリーチを実行してハズレとなる変動パターンPA2−1である場合(「ハズレ(ノーマル)」の場合)は、80%の割合で「ST演出A」が選択され、20%の割合で「ST演出B」が選択され、「ST演出C」が選択されないように最良タイミング演出決定テーブルが構成されればよい。
この実施の形態では、変動パターンがスーパーリーチを実行してハズレとなる変動パターンPB2−1〜PB2−3である場合(「ハズレ(スーパー)」の場合)は、40%の割合で「ST演出A」が選択され、58%の割合で「ST演出B」が選択され、2%の割合で「ST演出C」が選択されるように最良タイミング演出決定テーブルが構成されればよい。
この実施の形態では、変動パターンが大当りの変動パターンPA4−1、PB4−1〜PB4−3のいずれかである場合(「大当り」の場合であり、表示結果指定コマンドによって指定される特図表示結果が「大当り」となる場合であってもよい。)は、10%の割合で「ST演出A」が選択され、30%の割合で「ST演出B」が選択され、60%の割合で「ST演出C」が選択されるように最良タイミング演出決定テーブルが構成されればよい。
演出制御用CPU120は、乱数値SR4と、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンと、に基づいて、最良タイミング演出決定テーブルを参照し、乱数値SR4に合致する決定値が、変動パターンに応じて、「ST演出A」に割り当てられていた場合にはST演出Aを実行すると決定し(「ST演出A」が選択されたことになる。)、「ST演出B」に割り当てられていた場合にはST演出Bを実行すると決定し(「ST演出B」が選択されたことになる。)、「ST演出C」に割り当てられていた場合にはST演出Cを実行すると決定する(「ST演出C」が選択されたことになる。)。
図27の決定割合が示すように、この実施の形態では、「大当り」のときは、「ST演出C」が他のST演出よりも選択されやすくなっており、しかも、「ハズレ(スーパー)」のときの「ST演出C」の決定割合は「ST演出A」や「ST演出B」の決定割合よりも格段に低くなっており、しかも、「ハズレ(ノーマル)」のときの「ST演出C」は選択されないようになっている。このようなことからすると、ST演出Cが実行されたときの大当り期待度は、他のST演出よりも高くなっている。つまり、ST演出Cが予告する大当り期待度は、他のST演出よりも高くなっている。また、ST演出AとST演出Bと比べると、「大当り」及び「ハズレ(スーパー)」のときにはST演出Bが選択されやすくなっており、「ハズレ(ノーマル)」のときにはST演出Aが選択されやすくなっており、このようなことからすると、ST演出Bが実行されたときの大当り期待度は、ST演出Aが実行されたときよりも高くなっている。なお、ST演出は、予告A(成功)の実行時に実行されるものであり、予告A(成功)が実行されたときの大当り期待度は予告演出が実行されないときの大当り期待度よりも高いので、ST演出Aが実行されたときの大当り期待度は、ST演出が実行されないときよりも高くなる(又は、ST演出Aが実行されたときの大当り期待度は、ST演出が実行されないときよりも高くなるように各テーブルの決定割合を決定するとよい。なお、このようなことは、各テーブルにおいて同じ。明細書にて説明される大当り期待度が実現されるように、各テーブルの決定割合は適宜決定されればよい。)。このように、ST演出は、ST演出C、ST演出B、ST演出Aの順で予告する大当り期待度が高くなっている(ST演出Cが最も高い)。
ステップS777のあと、演出制御用CPU120は、決定したST演出の種類に応じて、RAM122の所定領域に設けられた実行フラグA〜Cのいずれかをオン状態にセットする(ステップS778)。具体的には、ST演出Aを実行するときには、実行フラグAをオン状態とし、ST演出Bを実行するときには、実行フラグBをオン状態とし、ST演出Cを実行するときには、実行フラグCをオン状態とする(図27参照)。
ステップS776にて、予告A(成功)を実行すると決定していないと判定した場合には(ステップS776;Yes)、RAM122の所定領域に設けられた演出制限フラグをオン状態にセットする(ステップS779)。演出制限フラグは、最良タイミング演出(ST演出)の実行を制限するとき(ここでは、実行しないとき)に、オン状態となるフラグである。
予告Aを実行すると決定していない場合(ステップS775;No)、ステップS778、ステップS779のあと、演出制御用CPU120は、各種演出についての決定結果や、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに応じた演出制御パターン(今回の可変表示で実行される各種演出態様などを指定する演出制御パターン)を使用パターンとして設定する(ステップS780)。
ステップS780では、変動パターンが指定する態様かつステップS523〜S525で決定した最終停止図柄に合わせた態様(例えば、各停止図柄を最終停止図柄に合わせた態様)での可変表示中演出を実行する演出制御パターンであって、今回の可変表示において実行すると決定した演出(アイテム予告、予告A(成功)、予告A(失敗)、予告B、ST演出A〜C)を実行することが可能な演出制御パターンを使用パターンとして設定する。なお、例えば、ST演出は、実行すると決定されていても、操作タイミングが最良タイミングでない限り実行されないので、ST演出を実行するためのデータは演出制御パターンには含まないようにし、後述の演出制御パターンの書き換え時において、ST演出を実行するように演出制御パターンの書き換えを行うようにしてもよい。予告A(成功)、予告A(失敗)の操作後演出は、実行すると決定されていても、操作されない限り実行されないので、予告A(成功)、予告A(失敗)の操作後演出を実行するためのデータは演出制御パターンには含まないようにし、後述の演出制御パターンの書き換え時において、予告A(成功)、予告A(失敗)の操作後演出を実行するように演出制御パターンの書き換えを行うようにしてもよい。
演出制御パターンを使用パターンとして設定するときには、設定され得る全ての演出制御パターン(変動パターン、最終停止図柄、各種演出それぞれの各組合せに対応する演出制御パターン)をROM121に記憶させるなどして予め用意して、用意された複数の演出制御パターンのうちから、今回の変動パターン、最終停止図柄、今回の可変表示において実行すると決定した演出に対応した演出制御パターンを使用パターンとして設定してもよいし、変動パターンそれぞれ及び最終停止図柄それぞれの組合せに対応する基本的な演出制御パターンと、各演出それぞれに対応する基本的な演出制御パターンと、をROM121に記憶させるなどして予め用意し、変動パターン、最終停止図柄、及び、今回の可変表示において実行すると決定した演出に応じて基本的な演出制御パターンを組み合わせて、組み合わせた演出制御パターンを使用パターンとして設定してもよい。なお、飾り図柄の可変表示、予告演出、アイテム予告、ST演出などの各種の演出画像をそれぞれ異なるレイヤーで重畳表示するように、複数の演出制御パターンを組み合わせるようにするとよい(又は後述の書き換えにおいては書き換えるようにするとよい)。
ステップS530のあとには、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値(変動パターンに対応する特図変動時間に応じた初期値)を設定する(ステップS531)。
そして、演出制御用CPU120は、表示制御部123を制御して、画像表示装置5の表示エリア5Hに表示した保留表示図柄のうち最も左の保留表示図柄(保留表示番号「1」の位置に対応する保留表示図柄)を消去して、その他の保留表示図柄を1つ左の表示位置に移動させる(これによって、ステップS772のシフト後の保留表示番号のデータと保留表示図柄とが対応する。)(ステップS532)。このとき、保留表示予告のターゲットとなっている保留表示図柄はその色のまま1つ左に移動する。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定(演出動作制御の開始設定)を行う(ステップS533)。このときには、演出制御用CPU120は、例えばステップS530にて使用パターンとして決定(設定)された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて表示制御部123を制御し、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS534)、可変表示開始設定処理を終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。図28は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS551;No)、演出制御用CPU120は、使用パターンとして設定された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して画像表示装置5に演出画像(特に、飾り図柄の可変表示、予告演出、先読み予告演出、ST演出、リーチ演出などのうち実際に実行する演出の演出画像)を表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う(ステップS560)。タイマ割り込み毎にステップS560が繰り返し実行されることで、飾り図柄の可変表示、予告演出、先読み予告演出(アイテム予告)、ST演出、リーチ演出などの実行が実現する。ステップS560のあと、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS560中では、例えば、図29の処理が行われ、予告Aの実行やST演出の実行が実現される。図29の処理では、まず、現在が予告A(操作前予告演出)の実行開始タイミングであるかを判定する(ステップS901)。実行開始タイミングは、演出制御パターンにて指定されていればよい。例えば、演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データに、現在が予告Aの実行開始タイミングであることを特定するデータが含まれる場合には、演出制御用CPU120は、現在が予告Aの実行開始タイミングであると判定する(ステップS901;Yes)。
現在が予告Aの実行開始タイミングである場合(ステップS901;Yes)、RAM122の所定領域に設けられた操作前タイマ(操作前演出の経過時間を計測するタイマ)にタイマ初期値(演出制御パターンにて規定されていてもよく、又、固定値としてROM121に記憶されていてもよい。)を設定し(ステップS902)、操作前演出の実行開始し(ステップS903)、図29の処理を終了する。ステップS903では、演出制御用CPU120は、使用パターンとして設定されている演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して画像表示装置5に予告Aの操作前演出の演出画像を表示開始させるための演出動作制御などを行う。なお、ステップS903の演出動作制御(特に、表示制御部123への表示制御指令など)は、図29の処理の終了後のステップS560内で、飾り図柄の可変表示などの演出動作制御とともに一括して行うようにしてもよい。例えば、可変表示中演出の演出動作制御として、一括して行うようにしてもよい。
現在が予告A(予告A(成功)又は予告A(失敗))の実行開始タイミングでない場合(ステップS901;No)、操作前タイマが動作中であるかを判定する(ステップS911)。例えば、演出制御用CPU120は、操作前タイマのタイマ値が0であるか否かによって動作中の判定を行う。演出制御用CPU120は、操作前タイマのタイマ値が0である場合には、操作前タイマが動作中でない(つまり、操作前演出の実行中でない)と判定し(ステップS911;No)、ステップS931の処理を実行する。演出制御用CPU120は、操作前タイマのタイマ値が0以外である場合には、操作前タイマが動作中である(つまり、操作前演出の実行中である)と判定し(ステップS911;Yes)、操作前タイマのタイマ値を1減じ(ステップS912)、減じた後のタイマ値が0であるかを判定する(ステップS913)。
減じた後の操作前タイマのタイマ値が0でない場合(ステップS913;No)、プッシュボタン31Bへの操作があったか否かをプッシュセンサ35Bから操作検出信号の伝送があったか否かなどに基づいて判定する(ステップS914)。
操作検出信号が伝送されており、プッシュボタン31Bへの操作があった場合(ステップS914;Yes)、演出制御用CPU120は、現在が、プッシュボタン31Bへの操作を有効に受け付ける期間である操作有効期間内であるか否かを判定する(ステップS915)。予告Aには、当該操作有効期間が設けられている。当該操作有効期間は、例えば、予告Aにおいて、プッシュボタン31Bへの操作を促す画像を表示する期間に対応して設けられている。この実施の形態では、予告Aの操作前演出開始時から所定期間経過後にプッシュボタン31Bへの操作を促す画像が表示される。操作有効期間は、当該画像が表示されてから、操作が無かった場合の予告Aの終了(操作前演出の終了)までが操作有効期間となる。
なお、プッシュボタン31Bへの操作を促す画像は、操作有効期間の終了タイミングの所定時間前(例えば、0.2秒前)に表示を終了するようにしてもよい。これによって、プッシュボタン31Bへの操作を促す画像の非表示期間において、プッシュボタン31Bへの操作があった場合でも当該操作が受け付けられることがある。操作有効期間とプッシュボタン31Bへの操作を促す画像の表示期間が完全に一致しているとすると、プッシュボタン31Bへの操作を促す画像の表示終了間際に遊技者が操作を行ったつもりであっても、実際の操作タイミングがプッシュボタン31Bへの操作を促す画像が非表示となったあとになってしまい、操作が検出されず、遊技者が誤動作があったと誤認することがあるが、上記のように、操作有効期間の終了タイミングをプッシュボタン31Bへの操作を促す画像の表示終了タイミングよりも後にすることで、このような誤認を防げる。
操作有効期間内であるか否かは、例えば、演出制御パターンによって規定されていればよい。例えば、演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データに、現在が操作有効期間内であることを特定するデータが含まれる場合には、演出制御用CPU120は、現在が操作有効期間内であると判定する。
なお、操作有効期間内であるか否かの判定は、現在の操作前タイマのタイマ値が操作有効期間の範囲内のタイマ値であるか否かによって判定してもよい(範囲内のタイマ値になっていれば、操作有効期間内である。)。また、例えば、ステップS912において、1減算後の操作前タイマのタイマ値が所定のタイマ値(操作有効期間の開始タイミングのタイマ値)になったときに、RAM122の所定領域に設けられた有効期間タイマにタイマ初期値を設定するようにし、その後のステップS912の処理毎に当該有効期間タイマのタイマ値を1減算するようにし、ステップS915では、有効期間タイマのタイマ値が0以外であるか否かを判定することで、操作有効期間内であるか否かの判定を行ってもよい(0以外であれば、操作有効期間内である。)。
プッシュボタン31Bへの操作がない場合(ステップS914;No)、操作タイミングが操作有効期間内でない場合(ステップS915;No)には、演出制御用CPU120は、使用パターンとして設定されている演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して画像表示装置5に操作前演出の演出画像を表示させるための演出動作制御などを行う(ステップS921)。タイマ割り込み毎にステップS921が繰り返し実行されることで、予告Aの操作前演出の実行が実現される。なお、ステップS921の演出動作制御(特に、表示制御部123への表示制御指令など)は、図29の処理の終了後のステップS560内で、飾り図柄の可変表示などの演出動作制御とともに一括して行うようにしてもよい。例えば、可変表示中演出の演出動作制御として、一括して行うようにしてもよい。
現在が、プッシュボタン31Bへの操作を有効に受け付ける期間である操作有効期間内である場合(ステップS915;Yes)、演出制限フラグがオン状態となっているかを判定する(ステップS916)。演出制限フラグがオフ状態のとき(ST演出の実行が制限させていないとき)(ステップS916;No)、現在のタイミングが最良タイミングであるか否かを判定する(ステップS917)。最良タイミングは、予め定められている。
例えば、操作有効期間と同様に、最良タイミングは、演出制御パターンによって規定されていればよい。例えば、演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データ(演出を実行するためのデータ)に、現在が最良タイミングであることを特定するデータが含まれる場合には、演出制御用CPU120は、現在が最良タイミングであると判定する(つまり、プッシュボタン31Bへの操作が最良タイミングでの操作であると判定する)。
また、例えば、図31などに示すように、操作有効期間中、画像表示装置5にバーB1を表示するとともに、バーB1内においてタイミング特定画像T1を左右に動かす(例えば、バーB1内においてタイミング特定画像T1を左に移動させてバーB1の左端に達した場合には、タイミング特定画像T1を右に移動させ、バーB1の右端に達した場合には、タイミング特定画像T1を左に移動させるなどを繰り返す)。バーB1の中央には、最良タイミングを示す領域JSが設けられており、タイミング特定画像T1が領域JS内にあるときに、プッシュボタン31Bへの操作があったときに最良タイミングとなる。バーB1とタイミング特定画像T1と領域JSとで、最良タイミングを報知するメータが構成されている。なお、タイミング特定画像T1は、バーB1内において左から右に移動するのみであってもよい。つまり、タイミング特定画像T1は、操作有効期間開始時にバーB1の左端に位置し、その後、操作有効期間の経過に伴って右に移動し、操作有効期間終了時にバーB1の右端に位置するものであってもよい。このような場合、最良タイミングは、操作有効期間において1つとなり、また、タイミング特定画像T1の位置によって、操作有効期間の残り時間を把握できる。演出制御用CPU120は、プッシュボタン31Bへの操作があったタイミングで、タイミング特定画像T1が領域JS内にある画像であるときに、プッシュボタン31Bへの操作が最良タイミングでの操作であると判定するようにしてもよい。
また、例えば、操作前タイマ又は有効期間タイマにタイマ初期値を設定するときに、当該初期値に対応して、最良タイミングとなるタイマ値の範囲(例えば、タイミング特定画像T1が領域JS内に位置するときのタイマ値の範囲であり、タイマ初期値に対応して予め定められているものとする。)を設定しておき、現在の操作前タイマ又は有効期間タイマのタイマ値が最良タイミングとなるタイマ値の範囲内にあるかを判定し、範囲内であれば、プッシュボタン31Bへの操作が操作有効期間のうちの最良タイミングでの操作であると判定してもよい。
最良タイミングでの操作である場合には(ステップS918;Yes)、実行フラグA〜Cのうち、オン状態となっている実行フラグに対応するST演出を含む成功の操作後演出の実行設定を行う(ステップS918)。例えば、実行フラグAがオン状態であれば、ST演出Aを含む成功の操作後演出をこれから実行するように、現在の演出制御パターンを書き換える。例えば、実行フラグBがオン状態であれば、ST演出Bを含む成功の操作後演出をこれから実行するように、現在の演出制御パターンを書き換える。例えば、実行フラグCがオン状態であれば、ST演出Cを含む成功の操作後演出をこれから実行するように、現在の演出制御パターンを書き換える。なお、演出制御パターンの書き換えに必要なデータは、例えば、演出制御パターン設定時に全てROM121からRAM122に読み出しておいてもよいし、書き換えタイミングごとにROM121からRAM122に読み出しておいてもよい(以下、演出制御パターンの書き換えについて同じ)。また、ステップS918では、操作前演出の実行を終了するように、演出制御用CPU120は、表示制御部123を制御して画像表示装置5に表示する画像の切り替えを行うようにしてもよい。
最良タイミングでの操作でない場合(ステップS918;No)、演出制限フラグがオン状態である場合(ステップS916;Yes)には、ST演出を含まない成功の操作後演出(ステップS918;Noの場合)、又は、ST演出を含まない失敗の操作後演出(ステップS916;Yesの場合)の実行設定を行う(ステップS919)。例えば、ST演出を含まない成功の操作後演出(ステップS918;Noの場合)、又は、ST演出を含まない失敗の操作後演出(ステップS916;Yesの場合)をこれから実行するように、現在の演出制御パターンを書き換える。また、ステップS919では、操作前演出の実行を終了するように、演出制御用CPU120は、表示制御部123を制御して画像表示装置5に表示する画像の切り替えを行うようにしてもよい。
また、ステップS918及びステップS919の後では、操作前タイマや有効期間タイマのタイマ値を0にリセットすることで、操作前演出の実行の終了設定を行うとともに、操作後タイマ(RAM122の所定領域に設けられ、操作前演出の経過時間を計測するタイマ)にタイマ初期値を設定する(ステップS920)。当該タイマ初期値は、予告Aの操作後演出の実行期間に対応する値に、現在の操作前演出タイマのタイマ値を足した値とする。このようにすることで、予告演出A(操作後演出)の実行終了時期を操作タイミングによらず固定とすることができる。なお、予告Aの操作後演出の実行期間に対応する値は、予め設定されている値であり、成功の操作後演出と失敗の操作後演出とにおいて同じとしてもよいし、異なるようにしてもよい。また、ST演出の実行の有無に係わらず同じとしてもよいし、ST演出の実行の有無に応じて異なるようにしてもよい。つまり、操作後演出の実行期間は、ST演出の有無や、当該操作後演出が成功の操作後演出であるか失敗の操作後演出であるかなどに応じて異なるようにしてもよい。なお、操作後演出の期間を変化させないように、操作後演出が操作タイミングに応じて前倒しで実行されるように、演出制御パターンを書き換えるようにしてもよい。このような場合には、操作後タイマのタイマ初期値は、固定とすればよい。
操作前タイマのタイマ値が0である場合(ステップS913;Yes)、操作有効期間内における操作が無かったことになるので、操作前演出の終了設定を行い(ステップS922)、図29の処理を終了する。操作前演出の終了設定では、予告A終了の報知の演出を実行するために、現在の使用パターンである演出制御パターンを書き換えるとともに、今回の演出制御パターンにおいて実行が予定されている操作後演出などの実行をキャンセルするように、演出制御パターンを書き換える。このため、これ以降に実行されるステップS560では、演出終了の報知の演出が実行されるとともに、操作後演出などが実行されないようになる(リーチ演出などは実行される。)。
ステップS931では、操作後タイマが動作中であるかを判定する。例えば、演出制御用CPU120は、操作後タイマのタイマ値が0であるか否かによって動作中の判定を行う。演出制御用CPU120は、操作後タイマのタイマ値が0である場合には、操作後タイマが動作中でない(つまり、操作後演出の実行中でない)と判定し(ステップS931;No)、図29の処理を終了する。演出制御用CPU120は、操作後タイマのタイマ値が0以外である場合には、操作後タイマが動作中である(つまり、操作後演出の実行中である)と判定し(ステップS931;Yes)、操作後タイマのタイマ値を1減じ(ステップS932)、減じた後のタイマ値が0であるかを判定する(ステップS933)。
減じた後の操作前タイマのタイマ値が0でない場合(ステップS933;No)、演出制御用CPU120は、使用パターンとして設定されている演出制御パターン(書き換え後の演出制御パターン)に含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して画像表示装置5に操作後演出の演出画像を表示させるための演出動作制御などを行う(ステップS934)。タイマ割り込み毎にステップS934が繰り返し実行されることで、予告Aの成功又は失敗の操作後演出(ST演出が含まれる場合もある。)の実行が実現される。なお、ステップS934の演出動作制御(特に、表示制御部123への表示制御指令など)は、図29の処理の終了後のステップS560内で、飾り図柄の可変表示などの演出動作制御とともに一括して行うようにしてもよい。例えば、可変表示中演出の演出動作制御として、一括して行うようにしてもよい。
減じた後の操作前タイマのタイマ値が0である場合(ステップS933;Yes)、現在が操作後演出の終了タイミングになったので、操作後演出の終了設定を行う(ステップS935)。操作後演出の終了設定では、例えば、操作後演出の実行を終了するように、演出制御用CPU120は、表示制御部123を制御して画像表示装置5に表示する画像の切り替えを行うようにしてもよい。
ステップS934又はステップS935が実行されたあと、図29の処理は、終了する。
図28に戻り、ステップS551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドの受信があったか否か(図柄確定指定コマンド受信フラグがオン状態であるか否か)を判定する(ステップS561)。このとき、図柄確定指定コマンド受信フラグがオフで図柄確定指定コマンドの受信がなければ(ステップS561;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS561にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS561;Yes)、表示制御部123を制御して、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)(ステップS171で決定した組合せの確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS564)。
ステップS564のあと、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS565)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS566)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、例えば、当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(当り開始指定コマンド受信フラグがオン状態であるか否かによって判定すればよい)。そして、当り開始指定コマンドの受信があったと判定した場合には、大当り遊技状態時に対応した演出を実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。その後、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。
当り開始指定コマンドの受信がないと判定した場合には、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が0でない場合には、特図当り待ち処理を終了する。一方で、1減算したタイマ値が0である場合(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したとき)には、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなど(次の可変表示に持ち越したくないもの)は、適宜リセットされる)。
ステップS174の当り中処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この当り中処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS174が繰り返し実行されることで、大当り遊技状態に対応した演出(例えば、ファンファーレを含み、エンディングを除く演出)の実行が実現する。当り中処理では、さらに、当り終了指定コマンドを受信したかを判定し(当り終了指定コマンド受信フラグがオン状態であるか否かによって判定すればよい)、当り終了指定コマンドを受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出制御プロセスフラグの値を更新せずに当り中処理を終了する。また、当り終了指定コマンドを受信した場合には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出制御プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新する。なお、この更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。
ステップS175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、エンディングの演出の実行が実現する。1減じたあとのタイマ値が「0」であったり、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであったりする場合には、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなど(次の可変表示に持ち越したくないもの)は、適宜リセットされる)。
上記処理によって実現される予告Aについて図30を参照して説明する。図30(A)は、予告Aが実行され、かつ、最良タイミングでの操作が行われたときの演出のタイミングなどを示す図である。図30(B)は、予告Aが実行され、かつ、操作が操作有効期間内であるが最良タイミングでの操作でないときの演出のタイミングなどを示す図である。図30(C)は、予告Aが実行され、かつ、操作が行われなかったときの演出のタイミングなどを示す図である。図30(A)〜(C)に示すように、この実施の形態では、まず、操作前演出が実行される。操作前演出開始後、所定期間経過後に操作指示開始(プッシュボタン31Bへの操作を促す画像の表示開始)が行われる。そして、このタイミングから操作有効期間が開始する。なお、操作有効期間の終了タイミングは、プッシュボタン31Bへの操作が無かった場合の操作前演出の終了タイミングと同じである(図30(C))。操作有効期間内に操作があった場合で、その操作のタイミングが最良タイミングである場合には、当該操作後から操作後演出が実行され、このとき、ST演出も操作後演出の一部として実行される(図30(A)参照)。操作有効期間内に操作があった場合で、その操作のタイミングが最良タイミングでない場合には、当該操作後から操作後演出が実行されるがST演出は実行されない(図30(B)参照)。なお、上述のように、ここでは、操作後演出の終了タイミング(予告Aの終了タイミング)は、操作タイミングによらず固定であるが(つまり、操作後演出の実行期間は可変である。)、操作後演出の実行期間を固定とし、操作後演出の終了タイミング(予告Aの終了タイミング)を可変としてもよい。
次に、上記処理によって画像表示装置5に表示される演出画像の一部を図31〜図33を参照して説明する。なお、ここでは、予告A(成功)の操作前演出と予告A(失敗)の操作前演出とは、共通の演出態様になっており(なお、微差があってもよい)、これによって、遊技者は、実行される予告Aが予告A(成功)であるか予告A(失敗)であるかを判別できない(又は、困難な)ようにしているので、遊技の興趣が向上している。
まず、図31を参照して、予告A(成功)が実行される場合において、操作タイミングが最良タイミングであったときの演出画像例を説明する。画像表示装置5の画面上で飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄が可変表示されているときに(図31(A)参照。下向き矢印は可変表示されていることを示す。)、予告A(成功)が実行されると、操作前演出として、キャラクターC1が、水たまりC2を飛び越える課題をチャレンジする演出が実行され、プッシュボタン31Bへの操作を促す画像として、「ボタン押せ!」を表示する(図31(B)参照)。また、図31(B)のように、操作有効期間中、画像表示装置5にバーB1を表示するとともに、バーB1内においてタイミング特定画像T1を左右に動かす(例えば、バーB1内においてタイミング特定画像T1を左に移動させてバーB1の左端に達した場合には、タイミング特定画像T1を右に移動させ、バーB1の右端に達した場合には、タイミング特定画像T1を左に移動させるなどを繰り返す)。バーB1の中央には、最良タイミングを示す領域JSが設けられており、タイミング特定画像T1が領域JS内にあるときに、プッシュボタン31Bへの操作があったときに最良タイミングとなる。バーB1とタイミング特定画像T1と領域JSとで、最良タイミングを報知するメータが構成されている。最良タイミングを報知するメータの表示期間は、プッシュボタン31Bへの操作を促す画像の表示期間と同じであればよい。なお、タイミング特定画像T1は、バーB1内において左から右に移動するのみであってもよい。つまり、タイミング特定画像T1は、操作有効期間開始時にバーB1の左端に位置し、その後、操作有効期間の経過に伴って右に移動し、操作有効期間終了時にバーB1の右端に位置するものであってもよい。このような場合、最良タイミングは、操作有効期間において1つとなり、また、タイミング特定画像T1の位置によって、操作有効期間の残り時間を把握できる。
操作有効期間内において、遊技者がプッシュボタン31Bを操作し、かつ、この操作のタイミングが最良タイミングである場合(タイミング特定画像T1が領域JS内にあるときに操作がなされたとき)、成功の操作後演出の一部として、ST演出A〜Cのいずれかが実行される。ST演出Aでは、操作タイミングが最良タイミングである旨の画像(「最良タイミング!」の画像)を各種のエフェクト処理で画面全体を変化させながら表示する(図31(C)参照)。ST演出Bでは、操作タイミングが最良タイミングである旨の画像(「最良タイミング!」の画像)を各種のエフェクト処理で画面全体を変化させながら表示するとともに、キャラクターS1を表示する(図31(D)参照)。ST演出Cは、操作タイミングが最良タイミングである旨の画像(「最良タイミング!」の画像)を各種のエフェクト処理で画面全体を変化させながら表示するとともに、複数のキャラクターとしてキャラクターS1、S2を表示する演出である(図31(E)参照)。その後、成功の操作後演出の一部として、キャラクターC1が、水たまりC2を飛び越えて、当該水たまりC2を飛び越える課題をクリアした画像(キャラクターC1が水たまりC2を飛び越える画像)が表示されるとともに、大当り期待度が高いことを予告する画像(「CHANCE」の画像)を表示する。なお、ST演出の画像と、課題をクリアした画像及び大当り期待度が高いことを予告する画像とは、重畳表示されるようにしてもよい。このような場合、ST演出(操作タイミングが最良タイミングである旨の画像などの表示)は、前記のように操作後演出の一部の期間(例えば、最初の数秒間)で実行されるものではなく、操作後演出のすべての期間にわたって実行されるものであってもよい。
次に、図32を参照して、予告A(成功)が実行される場合において、操作タイミングが最良タイミングでなかったときの演出画像例を説明する。画像表示装置5の画面上で飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄が可変表示されているときに(図32(A)参照。下向き矢印は可変表示されていることを示す。)、予告A(成功)が実行されると、図31(B)と同様に操作前演出の画像や、最良タイミングを報知するメータを表示する(図32(B)参照)。操作有効期間内において、遊技者がプッシュボタン31Bを操作し、かつ、この操作のタイミングが最良タイミングでない場合(タイミング特定画像T1が領域JS内にないときに操作がなされたとき)、操作後演出の一部として、操作があったことの報知(「操作OK」の画像表示)が実行され、その後、操作後演出の一部として、キャラクターC1が、水たまりC2を飛び越えて、当該水たまりC2を飛び越える課題をクリアする画像(キャラクターC1が水たまりC2を飛び越える画像)が表示されるとともに、大当り期待度が高いことを予告する画像(「CHANCE」の画像)を表示する。操作があったことの報知の画像と、課題をクリアした画像及び大当り期待度が高いことを予告する画像とは、重畳表示されるようにしてもよい。このような場合、操作があったことの報知は、前記のように操作後演出の一部の期間(例えば、最初の数秒間)で実行されるものではなく、操作後演出のすべての期間にわたって実行されるものであってもよい。また、操作があったことの報知は、実行されないようにしてもよい(この場合、操作後演出では、課題をクリアした画像及び大当り期待度が高いことを予告する画像の表示から開始される)。
次に、図33を参照して、予告A(失敗)が実行される場合の演出画像例を説明する(この場合には、ST演出の実行が制限されるので、最良タイミングは関係がない)。画像表示装置5の画面上で飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄が可変表示されているときに(図33(A)参照。下向き矢印は可変表示されていることを示す。)、予告A(失敗)が実行されると、図31(B)と同様に操作前演出の画像や、最良タイミングを報知するメータを表示する(図33(B)参照)。操作有効期間内において、遊技者がプッシュボタン31Bを操作した場合、その操作のタイミングが最良タイミングであろうとなかろうと、操作後演出の一部として、操作があったことの報知(「操作OK」の画像表示)が実行され(図33(C)及び(D))(最良タイミングの報知は実行されない。つまり、操作タイミングが最良タイミングである旨の画像の表示は実行されない。)、その後、操作後演出の一部として、キャラクターC1が、水たまりC2を飛び越えられず、当該水たまりC2を飛び越える課題をクリアできない画像(キャラクターC1が水たまりC2で転ぶ画像)が表示されるとともに、大当り期待度が低いことを予告する画像(「残念・・・」の画像)を表示する。操作があったことの報知の画像と、課題をクリアできない画像及び大当り期待度が低いことを予告する画像とは、重畳表示されるようにしてもよい。このような場合、操作があったことの報知は、前記のように操作後演出の一部の期間(例えば、最初の数秒間)で実行されるものではなく、操作後演出のすべての期間にわたって実行されるものであってもよい。また、操作があったことの報知は、実行されないようにしてもよい(この場合、操作後演出では、課題をクリアできなかった画像及び大当り期待度が低いことを予告する画像の表示から開始される)。
上記で説明したように、この実施の形態では、大当り期待度が高い(所定基準よりも高い)予告A(成功)では、演出実行フラグがオンされず、ST演出の実行が制限されないが、大当り期待度が低い(所定基準よりも低い)予告A(失敗)では、演出実行フラグがオンされず、大当りST演出の実行が制限される(ステップS775〜S779、ステップS916〜S919、)。ST演出は、遊技者による操作が、操作有効期間内の一部の特定のタイミングである最良タイミングであったときに実行されるものであり、遊技者は、ST演出が実行されることによって、何かが起きる期待感(ここでは、ST演出が実行されると大当り期待度が高くなるので、大当りになる期待感)を持つ。仮に、ST演出が実行されたにもかかわらず、予告演出が予告(失敗)である場合(つまり、大当り期待度が低い、失敗の操作後演出が実行された場合)には、遊技者は大当り期待度が低いことを認識して落胆する。そうすると、遊技者は、ST演出で期待感を持ったにもかかわらず、失敗の操作後演出によって落胆することになり、遊技の興趣が低下してしまう。また、ST演出自体の大当り期待度が下がってしまい、ST演出の価値が低くなってしまうことにも繋がる。この実施の形態では、大当り期待度が低い(所定基準よりも低い)予告A(失敗)では、演出実行フラグがオンされず、大当りST演出の実行が制限される(この実施の形態では、実行が禁止される。)ので、上記のような落胆を軽減ことができ(この実施の形態では、無くすことができる。軽減は、無くすことも含む。)、遊技の興趣の低下を軽減することができる。さらに、ST演出自体の大当り期待度が下がることも軽減でき、ST演出の価値が低くなってしまうことも軽減できる。
また、上記実施の形態では、ST演出の実行の制限中(演出制限フラグがオンになっているとき)においては、最良タイミングの判定(ステップS917)を実行しないので、常に最良タイミングの判定を行うよりも演出制御が簡単になっている(これによって、無駄な処理を軽減することもできる)。
また、上記実施の形態では、ST演出として、ST演出A〜Cがあり、それぞれの大当り期待度が異なるので、遊技者は、ST演出の種類にも注目し、遊技の興趣が向上する。
この実施の形態では、上記構成によって、遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、遊技者の動作(例えば、遊技者の操作)を検出可能な動作検出手段(例えば、プッシュボタン31B及びプッシュセンサ35Bなど)を備える遊技機が実現される。
この実施の形態では、上記遊技者の動作は、遊技者によるプッシュボタン31Bへの操作によって実現され、上記動作検出手段は、プッシュボタン31B及びプッシュセンサ35Bなどの操作手段によって実現されている。しかし、これに限らず、上記動作検出手段は、他の操作手段によって実現されてもよい。例えば、他の操作手段として、スティックコントローラ31及びコントローラセンサユニット35Aが用いられてもよい。この場合の上記遊技者の動作は、スティックコントローラ31への操作になる。また、他の操作手段の少なくとも一部として、ジョイスティック、十字キー、タッチパネルやタッチセンサなどが用いられてもよい。この場合の上記遊技者の動作は、これら操作手段への操作になる。また、上記動作検出手段は、カメラ及び画像処理装置、赤外線センサ、マイク及び音声解析装置など、遊技者の動作としての、手の動作(赤外線センサなどで検出される。)、表情(カメラなどの撮影画像に対する画像処理などで検出される。)、体全体の動き(カメラなどの撮影画像に対する画像処理などで検出される。)、発声(マイクなどへの入力音声に対する音声処理などで検出される。)などを検出するものであってもよい。赤外線センサなどは複数設けられ、所定の順番にセンサが反応したときに、動作を検出したとしてもよい。または、単純にいずれかのセンサが反応したときに、動作を検出したとしてもよい。
また、上記構成によって、遊技機は、前記動作検出手段によって遊技者の動作が検出される動作有効期間(例えば、操作有効期間など)が設けられた動作演出(例えば、予告Aの操作前演出など)を実行する動作演出実行手段(例えば、ステップS530で操作前演出を実行する演出制御用CPU120など)と、前記動作検出手段による遊技者の動作の検出タイミングが、前記動作有効期間内であれば、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、大当り遊技状態など)に移行する可能性の報知(例えば、予告Aの成功又は失敗の操作後演出など)を実行する報知実行手段(例えば、ステップS530で操作後演出を実行する演出制御用CPU120など)と、を備えることになる。
この実施の形態では、動作演出を予告Aの操作前演出とし、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性(以下、移行可能性という。)の報知(以下、可能性報知という。)を予告Aの操作後演出としているが、動作演出と可能性報知とを、例えば、他の操作系予告演出(但し、例えば操作に応答して複数の操作後演出のいずれかが実行されるもの)などとしてもよい。他の操作系予告演出としては、選択演出(選択肢を提示し、操作後において、提示した選択肢のいずれかを選択することで、選択した選択肢に応じた大当り期待度を予告する演出)などがある。また、他の操作系予告演出としては、操作があると次のステップに発展する場合と発展しない場合とに分岐することで、異なる大当り期待度を予告するステップアップ予告などがある。その他、操作があると擬似連の再変動が実行される場合と実行されない場合とに分岐することで、異なる大当り期待度を予告する擬似連予告などがある。これら他の操作系予告演出でも操作前(動作前)の演出である操作前演出が動作演出となり、操作後(動作後)の演出である操作後演出が可能性報知となる。
なお、可能性報知は、可変表示態様がリーチになるか否か、擬似連が実行されるか否か、スーパーリーチが実行されるか否かなど、可変表示態様(特に、飾り図柄の可変表示態様であり、リーチの態様が同じであっても、ノーマルリーチのみが実行されるか、スーパーリーチに発展するかで、両者は異なる可変表示態様となる)が特定の態様(大当り期待度などの遊技者にとって有利な遊技状態に移行するか否かに基づいて決定される態様)になるか否か又は特定の態様になる可能性(特定の態様になるか否かと特定の態様になる可能性とをまとめて特定の態様になる可能性ともいう。)を予告することで、大当り期待度などの移行可能性を報知するものであってもよい(例えば、予告演出が、可変表示態様が特定の態様になることを予告するものであってもよい)。可変表示態様がリーチになること、擬似連が実行されること、スーパーリーチが実行されることなど、可変表示態様が特定の態様になることは、移行可能性が所定の可能性であることになるので、特定の態様になるか否か又はその可能性を予告することは、移行可能性を報知することにもなる。
また、可能性報知は、上記実施の形態のように、成功/失敗によって大当り期待度を報知するほか、メッセージなどで移行可能性を直接報知する他、予告演出において画像表示装置5に表示される、背景画像やキャラクターの色を特定の色としたり、特定のキャラクターを登場させたりすることなどの演出態様によって移行可能性を報知するものであってもよい。例えば、大当り期待度の異なる複数の操作後演出として、背景画像やキャラクターの色、登場キャラクターの種類などを変化させた複数の操作後演出を用意してもよい。
以上のように、可能性報知は、演出態様などが所定の態様になることによって、移行可能性を報知するものであればよい。また、報知される移行可能性は、移行可能性の詳細な値でなくてもよく、移行可能性が高いこと/低いこと、他の所定の可能性報知よりも移行可能性が高いこと/低いことなどであってもよい。また、報知される移行可能性は、スーパーリーチなどの特定のリーチ演出が実行されるか否か又はその可能性(可変表示態様が特定の態様になる可能性)など、結果的に、大当り期待度が分かるものであってもよい。
また、上記実施の形態のように、1つの動作演出(上記実施の形態では、予告Aの動作前演出)に対して2つの可能性報知(上記実施の形態では、予告Aの成功又は失敗の動作後演出)を用意してもよいし、報知する移行可能性の異なる3つ以上の可能性報知(例えば、大当り期待度が、高い操作後演出、中くらいの操作後演出、低い操作後演出など)を用意してもよい。また、操作系予告演出を複数種類設け、複数種類の操作系予告演出それぞれの各操作前演出を動作演出としてもよい。そして、各動作演出それぞれについて、複数種類の可能性報知を設けてもよい。また、動作演出と可能性報知とは、間隔を開けて実行されるものであってもよい。
前記の動作有効期間は、当該期間に動作が検出された場合に当該動作に応答して可能性報知が実行される期間(遊技者の動作の検出を有効なものとする期間)であればよい。従って、動作検出手段によって遊技者の動作を検出しない期間(動作検出手段が動作していない期間)や、動作検出手段によって遊技者の動作を検出可能であるが、当該検出に応答して可能性報知が行われない期間(動作検出手段による検出が無効化される期間)は、前記の動作有効期間に含まれない。なお、動作有効期間は、動作演出の実行期間の一部の他、全部の期間であってもよい。
また、上記構成によって、遊技機は、前記動作検出手段による遊技者の動作の検出タイミングが、前記動作有効期間内の特定タイミング(例えば、最良タイミングなど)であるときに、特定演出(例えば、ST演出など)を実行する特定演出実行手段(例えば、ステップS530でST演出を実行する演出制御用CPU120など)を備えることになる。
上記実施の形態では、特定タイミングを最良タイミングにより実現しているが、当該最良タイミングは、操作有効期間内に設けられた複数の期間又はタイミングであってもよい。つまり、特定タイミングは、動作有効期間内に複数設けられてもよい。
上記実施の形態では、特定演出は、ST演出により実現されているが、特定演出は、他の演出であってもよい。また、大当り期待度などを報知するようなものでなくてもよい。特定演出は、保留表示予告などの先読み予告演出であってもよい。特定演出を保留表示予告にした変形例については、後述する。上記実施形態では、特定演出を実現するST演出は、操作タイミングが最良タイミングであることの報知を含むが、特定演出は、当該報知を含むものでなくてもよい。特定演出は、操作タイミングが最良タイミングであることに応答して実行されるものであればよい。
上記特定演出実行手段は、前記動作検出手段による遊技者の動作の検出タイミングが、前記動作有効期間内の特定タイミング(例えば、最良タイミングなど)であるときに、特定演出(例えば、ST演出など)を実行するが、この例として、上記実施の形態などでは、プッシュボタン31Bへの操作タイミングが最良タイミングであるかを判定し、最良タイミングであると判定した場合に特定演出を実行するが、このような判定を行わなくても良い。例えば、遊技者の動作の検出タイミングが特定タイミングであるときを検出するのに、上記で例示した判定以外の方法で検出し、当該検出に基づいて特定演出を実行するようにしてもよい。例えば、プッシュボタン31Bへの操作タイミングが最良タイミングであるかを判定するのではなく、上記の操作前タイマや有効期間タイマなどの各タイマ値に応じたデータに応じて特定演出を実行するようにすることで、当該データによって、遊技者の動作の検出タイミングが特定タイミングであるときを検出してもよい。例えば、上記タイマの各タイマ値に、特定演出を実行することを示す第1データ又は特定演出を実行しないことを示す第2データのいずれかを設定し(例えば、タイマ初期値のセット時に設定する。)、例えば、ステップS917の代わりに、現在のタイマ値に設定されているデータが第1データであるか第2データあるかを判定し、現在のタイマ値に設定されているデータが第1データであるときには、ステップS918の処理を実行し、現在のタイマ値に設定されているデータが第2データであるときには、ステップS919の処理を実行するようにしてもよい。第1データは、最良タイミングの範囲の各タイマ値に設定され、第2データは、最良タイミングでない範囲の各タイマ値に設定されればよい。どのタイマ値にどのデータを設定するかは、演出制御パターン(操作系予告演出の実行期間)ごとに予め定められていればよい。現在のタイマ値が「10」であって、当該「10」に第1データが設定されているときには、ステップS918の処理を実行し、当該「10」に第2データが設定されているときには、ステップS919の処理を実行する。
また、前記動作検出手段による遊技者の動作の検出タイミングが、前記動作有効期間内の特定タイミング(例えば、最良タイミングなど)であるときに、特定演出(例えば、ST演出など)を実行することについての他の例を以下に説明する。例えば、上記の操作前タイマや有効期間タイマなどの各タイマ値に、特定演出を実行することを表示制御部123に指示する第3データ(例えば、表示制御指令のコマンドデータや、当該指示を示すデータなど)又は特定演出を実行しないことを表示制御部123に指示する第4データ(例えば、表示制御指令のコマンドデータや、当該指示を示すデータなど)のいずれかを設定し(例えば、タイマ初期値のセット時に設定する。)、例えば、ステップS917などの代わりに、演出制御用CPU120は、現在のタイマ値に設定されているデータを読み出し、そのデータ(コマンドなどの表示制御指令)を表示制御部123にそのまま伝送することやそのデータが示す指示(表示制御指令)を表示制御部123に行うようにしてもよい。第3データは、最良タイミングの範囲の各タイマ値に設定され、第4データは、最良タイミングでない範囲の各タイマ値に設定されればよい。どのタイマ値にどのデータを設定するかは、演出制御パターン(予告演出の実行期間)ごとに予め定められていればよい。表示制御部123は、第3データが送信されたり、第3データが示す指令があったりしたときには、特定演出を実行する。例えば、現在のタイマ値が「10」で、この「10」に第3データが設定されていれば、演出制御用CPU120は、表示制御部123に、当該第3データを表示制御指令としてそのまま送信するか、当該第3データによって示される表示制御指令を送信し、特定演出を実行させる。現在のタイマ値が「15」で、この「15」に第4データが設定されていれば、演出制御用CPU120は、表示制御部123に、当該第4データを表示制御指令としてそのまま送信するか、当該第4データによって示される表示制御指令を送信し、特定演出を実行させないようにする。
上記では、操作前タイマや有効期間タイマにタイマ初期値を設定し、処理毎にタイマ値を減算していくが、タイマ初期値を1にして、その後タイマ値を加算していってもよい。この場合には、操作前演出の終了タイミングのタイマ値を設定し、例えば、ステップS913で現在のタイマ値が終了タイミングのタイマ値であるかを判定し、終了タイミングのタイマ値であればステップS922の処理に進み、終了タイミングのタイマ値でなければステップS914の処理に進めばよい。終了タイミングのタイマ値(操作系予告演出の実行期間に対応するタイマ値)は、演出制御パターンごとに予め定められていればよい。このような場合、最良タイミングが、操作前演出の開始時から何秒後であるかなど(例えば、開始から1秒〜1.5秒、4秒〜4.5秒などであり、上記実施の形態では、複数の最良タイミングが用意される。)を、演出の実行期間の長さによらず共通にしておくことで、上記の最良タイミングの範囲の各タイマ値(例えば、タイミング特定画像T1が領域JS内に位置するときのタイマ値)や最良タイミングでない範囲の各タイマ値(例えば、タイミング特定画像T1が領域JS内に位置しないときのタイマ値)を操作前演出(複数種類の操作系予告演出を用意して、操作前演出を複数種類用意する場合)の実行期間の長さによらず共通化することができる(この場合、各タイマ値に第1データ又は第2データを割り当てたテーブルや各タイマ値に第3データ又は第4データを割り当てたテーブルをROM121に記憶させておくなどして、各タイマ値に各データを設定しておくようにすればよい。これによって、テーブルを参照すれば、現在のタイマ値に設定されているデータを取得、使用などできる。)。また、上記実施の形態のように、操作前タイマ又は有効期間タイマにタイマ初期値を設定するときに、当該初期値に対応して、最良タイミングとなるタイマ値の範囲を設定する場合などでも、上記のように、タイマ値を加算していく構成にすることで、最良タイミングとなるタイマ値の範囲を予告演出の実行期間の長さによらず共通化することができる。
また、上記構成によって、前記特定演出実行手段は、前記報知実行手段が実行する前記報知が前記有利な遊技状態に移行する可能性が低いことを報知する特定の報知(例えば、失敗の操作後演出など)となる動作演出(例えば、予告A(失敗))において前記特定演出の実行を制限する(例えば、予告A(失敗)を実行すると決定したときにステップS779において演出制限フラグをオン状態とし、演出制限フラグがオン状態のときには、ステップS919においてST演出を実行しないようにする演出制御用CPU120など)、ことになる。
特定の報知は、報知する移行可能性が異なる複数種類の可能性報知のうち、報知する移行可能性が所定の基準よりも低い報知であればよい。例えば、大当り期待度が、高い操作後演出A、中くらいの操作後演出B、低い操作後演出Cなどを用意した場合、操作後演出B、及び、操作後演出Cを特定の報知としてもよいし、操作後演出Cのみを特定の報知としてもよい。
上記実施の形態は、特定演出の実行の制限時、特定演出を実行しないようにしていたが、当該制限は、特定演出の実行割合を非制限時と比べて低くするようなものであればよい。つまり、特定演出の実行の制限時でも、特定演出を実行してもよい。例えば、ステップS779において、演出制限フラグをオンする代わりに、所定の乱数値に基づいてROM121が予め記憶する所定のテーブルを参照して、ST演出の実行の有無や、実行する場合のST演出の種類などを決定するようにし(ST演出を実行する決定割合は、100%未満にすればよい。)、ステップS916の処理を省略するようにすればよい。
特定演出は、上記実施の形態では、ST演出A〜Cであるが、例えば、ST演出など、操作タイミングが最良タイミングである旨の報知(操作タイミングが最良タイミングである旨の画像(「最良タイミング!」の画像)を各種のエフェクト処理で画面全体を変化させながら表示することによる報知など)は、特定演出でないとしてもよい。この場合、キャラクターS1などの登場させる演出が特定演出となる。例えば、上記実施の形態において、ST演出Aを無くし(つまり、操作タイミングが最良タイミングである旨の報知が大当り期待度を持たないようにし)、操作タイミングが最良タイミングであるときには、特定演出の実行の制限の有無に係わらず、操作タイミングが最良タイミングである旨の報知のみは必ず実行するようにしてもよい。そして、ST演出BやCのみ、特定演出の実行の制限対象としてもよい。
上記の構成によれば、特定の報知となる動作演出において、特定演出の実行を制限するので、遊技の興趣の低下を軽減することができる。
また、上記構成によって、前記特定演出実行手段は、前記特定演出の実行を制限するときには、当該特定演出を実行せず、かつ、前記動作検出手段による遊技者の動作の検出タイミングが前記特定タイミングであるか否かの判定を行わない(例えば、演出制限フラグがオン状態のときには、ステップS917の最良タイミングの判定処理を実行しない演出制御用CPU120など)ことになる。
上記の構成によれば、特定演出制限時の制御が簡単になる。
なお、前記特定演出の実行を制限するときであっても、前記動作検出手段による遊技者の動作の検出タイミングが前記特定タイミングであるか否かの判定を行うようにしてもよい。
また、上記構成によって、前記特定演出実行手段は、複数種類の前記特定演出(例えば、ST演出A〜Cなど)を実行可能であり(例えば、ST演出A〜Cのいずれかを実行する演出制御用CPU120など)、前記複数種類の特定演出それぞれで、実行されたときに遊技者にとって有利な遊技状態に移行する割合が異なる(例えば、図27参照など)、ことになる。
上記の構成によれば、特定演出のバリエーションが増え、特定演出への興味が増す。
この発明は、上記実施の形態などについて、さらに様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態などで示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下では、上記実施形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせてもよい。
(変形例1)
動作演出と可能性報知とを、選択演出(選択肢を提示し、操作後において、提示した選択肢のいずれかを選択することで、選択した選択肢に応じた大当り期待度を予告する演出)によって実現する場合、選択肢が選択されるまでの演出が動作演出で、選択後の演出が可能性報知となる。なお、選択演出の実行の決定時では、選択される選択肢も通常決定されるので、通常、操作タイミングによらず、予め定められた選択肢が選択される。選択演出の選択肢としては、例えば、これから実行されるリーチ演出の種類などを予告することで、移行可能性を報知する選択肢などがある。このような場合、予告演出の実行の決定時において、変動パターンによって指定されるリーチ演出の種類の選択肢を含み、かつ、当該選択肢を選択する選択演出の実行を決定する(選択される選択肢以外の選択肢は、乱数値とテーブルとに基づいて決定してもよい。予め定められた選択肢の組合せを用意し、選択される選択肢を含む組合せを今回の選択肢の組合せとしてもよい)。そして、特定演出の実行の制限は、例えば、大当り期待度が低いリーチ演出の選択肢(移行可能性が低いことを報知する可能性報知)が選択されるときにのみ行われても良い。または、大当り期待度が低いリーチ演出の選択肢が提示される選択演出については、実際に選択される選択肢がどのような選択肢であっても、特定演出の実行を制限してもよい。このように、動作演出が、これから実行され得る複数の可能性報知を提示し、かつ、提示された複数の可能性報知のいずれかを遊技者の動作検出後に選択する演出である場合に、提示される可能性報知に、移行可能性の低い(所定基準よりも低い)特定の報知が含まれない場合には特定演出の実行を制限せずに、移行可能性の低い(所定基準よりも低い)特定の報知が含まれる場合には特定演出の実行を制限するようにしてもよい。このような場合であっても、遊技の興趣の低下は低減できる。
(変形例2)
上述のように、特定演出を保留表示予告によって実現してもよい。以下、この場合について説明する。
この変形例では、例えば、図34の先読み予告決定処理を実行する。なお、図34の先読み予告決定処理のステップS701〜S704、ステップS710の処理は、上記実施の形態の先読み予告決定処理のステップS701〜S704、ステップS710と同様の処理であるので、詳細な説明は省略する。また、この変形例では、キャラクターS1などが登場するST演出の代わりに、保留表示予告が実行されるST演出が実行されるようになっている(図38参照)。
ステップS704のあと、演出制御用CPU120は、先読み予告演出の実行の有無などを決定する(ステップS706A)。この変形例では、先読み予告演出として、保留表示予告(緑)、保留表示予告(赤)、アイテム予告がある(図35参照)。アイテム予告は、上記実施の形態のアイテム予告と同じである。保留表示予告(緑)は、ターゲットに対応する保留表示図柄の色を通常の色(例えば、白)から緑色に変更する演出である。保留表示予告(赤)は、ターゲットに対応する保留表示図柄の色を通常の色(例えば、白)から赤色に変更する演出である。保留表示予告(緑)及び保留表示予告(赤)は、上記最良タイミングの操作があったときに実行されるものである。なお、この変形例では、上記保留表示図柄の表示開始時から当該図柄の色を変更する保留表示予告が実行されないようになっているが、このような保留表示予告も実行してよい。また、保留表示予告における変化後の色などは任意のものを採用できる。
この変形例では、保留表示予告(緑)及び保留表示予告(赤)は、それぞれ保留表示図柄の色を変更することで、色を変更する保留表示図柄に対応する可変表示(ターゲットの可変表示)の大当り期待度を予告するものである。なお、保留表示予告(緑)及び保留表示予告(赤)は、上記同様、可変表示態様が特定の態様になる可能性を予告することで、大当り期待度を予告するものであってもよい。
ステップS706Aでは、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される乱数値SR5を示す数値データを抽出し、抽出した数値データに基づいて先読み予告実行決定テーブル(ROM121の所定領域に予め記憶されている)を参照して、実行する先読み予告演出の種類を決定する。
図35は、先読み予告実行決定テーブルの構成例を示す図である。先読み予告実行決定テーブルでは、「実行無し」(先読み予告演出を実行しない決定結果)と、「アイテム予告」(先読み予告演出としてアイテム予告を実行する決定結果)と、「保留表示予告(緑)」(先読み予告演出として保留表示予告(緑)を実行する決定結果)と、「保留表示予告(赤)」(先読み予告演出として保留表示予告(緑)を実行する決定結果)と、に、乱数値SR5と比較される決定値(図35では、決定割合(選択割合)が記載されている。)が新たな受信コマンドの変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリに応じて異なる割合で割り当てられていればよい。
この変形例では、新たな受信コマンドの変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリが「非リーチハズレ」である場合には、60%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、20%の割合で「アイテム予告」の決定結果が選択され、20%の割合で「保留表示予告(緑)」の決定結果が選択され、「保留表示予告(赤)」の決定結果は選択されないように先読み予告実行決定テーブルが構成されればよい。
この変形例では、新たな受信コマンドの変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリが「リーチハズレ」である場合には、30%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、30%の割合で「アイテム予告」の決定結果が選択され、30%の割合で「保留表示予告(緑)」の決定結果が選択され、10%の割合で「保留表示予告(赤)」の決定結果が選択されるように先読み予告実行決定テーブルが構成されればよい。
この変形例では、新たな受信コマンドの変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリが「大当り」である場合には、10%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、20%の割合で「アイテム予告」の決定結果が選択され、20%の割合で「保留表示予告(緑)」の決定結果が選択され、50%の割合で「保留表示予告(赤)」の決定結果が選択されるように先読み予告実行決定テーブルが構成されればよい。
演出制御用CPU120は、乱数値SR5と、変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリと、に基づいて、先読み予告実行決定テーブルを参照し、乱数値SR5に合致する決定値が、変動カテゴリに応じて、「実行無し」に割り当てられていた場合には先読み予告演出を実行しないと決定し(「実行無し」が選択されたことになる。)、「アイテム予告」に割り当てられていた場合にはアイテム予告を実行すると決定し(「アイテム予告」が選択されたことになる。)、「保留表示予告(緑)」に割り当てられていた場合には保留表示予告(緑)を実行すると決定し(「保留表示予告(緑)」が選択されたことになる。)、「保留表示予告(赤)」に割り当てられていた場合には保留表示予告(赤)を実行すると決定する(「保留表示予告(赤)」が選択されたことになる。)。
図35の決定割合が示すように、この変形例では、変動カテゴリが「大当り」のときに、「保留表示予告(赤)」が最も選択されやすく、「保留表示予告(緑)」と「アイテム予告」とが同じ割合で次に選択されやすく、「実行無し」が最も選択されにくくなっている。また、変動カテゴリが「リーチハズレ」のときに、「保留表示予告(赤)」が最も選択されにくくなっており、「保留表示予告(緑)」と「アイテム予告」と「実行無し」とが同じ割合で選択されやすくなっている。変動カテゴリが「非リーチハズレ」のときには、「保留表示予告(赤)」選択されず、「保留表示予告(緑)」と「アイテム予告」が同じ割合で「実行無し」よりも選択されにくくなっている(「実行無し」が選択されやすくなっている。)。このようなことから、「保留表示予告(赤)」の大当り期待度が高く、「保留表示予告(緑)」及び「アイテム予告」の大当り期待度が次に高く、「実行なし」の大当り期待度が最も低くなっていることが分かる。先読み予告演出が実行されることで、ターゲットの可変表示の大当り期待度やリーチ演出が実行される割合が高いことを遊技者に予告できる。なお、各割合は、ターゲットの可変表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかで異なるようにしてもよい。これによって、先読み予告演出の種類によって、大当り期待度を異ならせてもよい。また、各割合は、今回の変動する特図(可変表示される特図)が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なるようにしてもよい。また、各割合は、ターゲットの大当り種別に応じて異なるようにしてもよい。
ステップS706Aのあと、演出制御用CPU120は、ステップS706Aで「実行無し」を選択していない場合に限り、新たな受信コマンドに対応するターゲットフラグをオン状態にセットし、ステップS706Aで決定した先読み予告演出の種類に応じて、実行情報を始動入賞時コマンドバッファに格納する(ステップS709A)。ステップS709では、アイテム予告を実行すると決定した場合には、実行情報として、アイテム予告を識別する情報である「IT」を保留表示番号「1」(次変動の可変表示)に対応する記憶領域に格納する。保留表示予告(緑)を実行すると決定した場合には、実行情報として、保留表示予告(緑)を識別する情報である「HH(G)」を保留表示番号「1」(次変動の可変表示)に対応する記憶領域に格納する。保留表示予告(赤)を実行すると決定した場合には、実行情報として、保留表示予告(赤)を識別する情報である「HH(R)」を保留表示番号「1」(次変動の可変表示)に対応する記憶領域に格納する。なお、ステップS706Aで「実行無し」を選択している場合には、当該ステップS709Aはスキップすればよい。ステップS709Aのあとは、ステップS710が実行される。
また、この変形例では、例えば、図36の演出制御パターン設定処理を実行する。演出制御用CPU120は、演出制御パターン設定処理において、まず、ステップS771、S772の処理を実行するが、これら処理は、上記実施の形態の演出制御パターン設定処理のステップS771、S772の処理と同様であるので、説明を省略する。
その後、演出制御用CPU120は、読み出したデータの中に、実行情報が含まれるかをチェックし、実行情報「IT」が含まれている場合には、アイテム予告を実行すると決定し、実行情報「HH(G)」が含まれている場合には、保留表示予告(緑)を実行すると決定し、実行情報「HH(R)」が含まれている場合には、保留表示予告(赤)を実行すると決定し、実行情報が含まれていなければ先読み予告演出を実行しないと決定する(ステップS773A)。
その後、演出制御用CPU120は、ステップS774〜776、S779などの処理を実行するが、これら処理は、上記実施の形態の演出制御パターン設定処理のステップS774〜776、S779の処理と同様であるので、説明を省略する。
予告A(成功)を実行すると決定していると判定した場合(ステップS776;Yes)、ステップS773Aにおいて保留表示予告(緑)又は保留表示予告(赤)を実行すると決定している場合には、RAM122の処理領域に設けられた実行フラグD、Eのいずれかをオン状態にする(ステップS777A)。具体的には、保留表示予告(緑)を実行すると決定している場合には、実行フラグDをオン状態とし、保留表示予告(赤)を実行すると決定している場合には、実行フラグEをオン状態とする。なお、テップS773Aにおいて保留表示予告(緑)又は保留表示予告(赤)を実行すると決定していない場合には、ステップS777Aはスキップされればよい。
ステップS777Aの後などでは、ステップS780の処理が実行されるが、当該処理では、上記実施の形態と同様に、実行すると決定した各種演出や変動パターン、確定飾り図柄などに応じた演出制御パターンを設定する。
また、この変形例では、例えば、図29のステップS911〜S921の処理を実行する代わりに、図37の処理を実行する。なお、図37と図29とで同じステップ番号の処理は、同様の処理を実行することになるので、詳細な説明は省略する。
演出制御用CPU120は、ステップS917にて操作タイミングが最良タイミングであると判定した場合には、実行フラグD又はEがオン状態であるかを判定し(ステップS951)、いずれかがオン状態である場合には(ステップS951;Yes)、オン状態に対応する保留表示予告を実行するST演出(保留表示図柄の色を変化させることを含むST演出)を含む操作後演出の実行設定を行う(ステップS953)。例えば、実行フラグDがオン状態であれば、保留表示予告(緑)を実行するST演出(ターゲットの保留表示図柄(ターゲットフラグによって確認すればよい。)の色を緑色に変化させるST演出)を含む成功の操作後演出をこれから実行するように、現在の演出制御パターンを書き換える。例えば、実行フラグEがオン状態であれば、保留表示予告(赤)を実行するST演出(ターゲットの保留表示図柄(ターゲットフラグによって確認すればよい。)の色を赤色に変化させるST演出)を含む成功の操作後演出をこれから実行するように、現在の演出制御パターンを書き換える。ステップS953では、操作前演出の実行を終了するように、演出制御用CPU120は、表示制御部123を制御して画像表示装置5に表示する画像の切り替えを行うようにしてもよい。
演出制御用CPU120は、実行フラグD及びEがいずれもオン状態でない場合には(ステップS951;No)、保留表示予告を実行しないST演出(保留表示図柄の色を変化させないST演出)を含む操作後演出の実行設定を行う(ステップS952)。例えば、保留表示予告を実行しないST演出を含む成功の操作後演出をこれから実行するように、現在の演出制御パターンを書き換える。ステップS952では、操作前演出の実行を終了するように、演出制御用CPU120は、表示制御部123を制御して画像表示装置5に表示する画像の切り替えを行うようにしてもよい。
上記処理移行の操作後演出の演出動作制御によって、操作タイミングが最良タイミングであるときには、保留表示予告を実行する又は実行しないST演出が実行されることになる。
図38を参照して、予告A(成功)が実行される場合において、操作タイミングが最良タイミングであったときの演出画像例を説明する。画像表示装置5の画面上で飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄が可変表示されているときに(図38(A)参照。下向き矢印は可変表示されていることを示す。)、上記実施の形態と同様、予告A(成功)が実行されると、操作前演出として、キャラクターC1が、水たまりC2を飛び越える課題をチャレンジする演出が実行され、プッシュボタン31Bへの操作を促す画像として、「ボタン押せ!」を表示する(図38(B)参照)。また、上記実施の形態と同様、図38(B)のように、操作有効期間中、画像表示装置5に最良タイミングを報知するメータが表示される。
操作有効期間内において、遊技者がプッシュボタン31Bを操作し、かつ、この操作のタイミングが最良タイミングである場合(タイミング特定画像T1が領域JS内にあるときに操作がなされたとき)、成功の操作後演出の一部として、ST演出が実行される。保留表示予告(緑)の実行を含むST演出を実行するときには、操作タイミングが最良タイミングである旨の画像(「最良タイミング!」の画像)を各種のエフェクト処理で画面全体を変化させながら表示するとともに、ターゲットの保留表示図柄H(T)を緑色に変更するST演出を実行する(図38(C)参照)。保留表示予告(赤)の実行を含むST演出を実行するときには、操作タイミングが最良タイミングである旨の画像(「最良タイミング!」の画像)を各種のエフェクト処理で画面全体を変化させながら表示するとともに、ターゲットの保留表示図柄H(T)を赤色に変更するST演出を実行する(図38(E)参照)。保留表示予告を実行しないST演出を実行するときには、操作タイミングが最良タイミングである旨の画像(「最良タイミング!」の画像)を各種のエフェクト処理で画面全体を変化させながら表示するのみのST演出を実行する(図38(G)参照)。その後、成功の操作後演出の一部として、キャラクターC1が、水たまりC2を飛び越えて、当該水たまりC2を飛び越える課題をクリアした画像(キャラクターC1が水たまりC2を飛び越える画像)が表示されるとともに、大当り期待度が高いことを予告する画像(「CHANCE」の画像)を表示する。なお、ST演出の画像と、課題をクリアした画像及び大当り期待度が高いことを予告する画像とは、重畳表示されるようにしてもよい。このような場合、ST演出(操作タイミングが最良タイミングである旨の画像などの表示)は、前記のように操作後演出の一部の期間(例えば、最初の数秒間)で実行されるものではなく、操作後演出のすべての期間にわたって実行されるものであってもよい。
上記構成例によって、例えば、以下のような遊技機が構成されればよい(具体例は、当該変形例に限られない)。
遊技領域に設けられた始動領域(例えば、第1始動入賞口や第2始動入賞口など)に遊技媒体(例えば、遊技球など)が進入した後に識別情報(例えば、特別図柄や飾り図柄など)の可変表示を開始することを許容する開始条件が成立したことに基づいて識別情報の可変表示を実行して表示結果を導出し、当該表示結果として予め定められた特定表示結果(例えば、大当り図柄など)を導出したときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態など)になる遊技機であって、
前記始動領域に前記遊技媒体が進入したにもかかわらず前記開始条件が成立していない識別情報の可変表示について保留情報(例えば、保留データなど)を記憶する保留記憶手段(例えば、特図保留記憶部など)と、
前記保留記憶手段が記憶する保留情報に対応して保留表示(例えば、保留表示図柄など)を表示する保留表示手段(例えば、ステップS710の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、
前記保留表示手段によって表示される保留表示の態様を変化させる保留表示態様制御手段(例えば、ステップS560で保留表示予告(緑)又は保留表示予告(赤)を実行する演出制御用CPU120など)と、
遊技者の動作を検出可能な動作検出手段(例えば、プッシュボタン31B及びプッシュセンサ35Bなど)と、
前記動作検出手段によって遊技者の動作が検出される動作有効期間(例えば、操作有効期間など)が設けられた動作演出(例えば、予告Aの操作前演出)を実行する動作演出実行手段(例えば、ステップS560で操作系予告演出を実行する演出制御用CPU120など)と、
前記動作検出手段による遊技者の動作の検出タイミングが、前記動作有効期間内であれば、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性の報知(例えば、操作後演出など)を実行する報知実行手段(例えば、ステップS560で操作後演出を実行する演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記保留表示態様制御手段は、
前記動作検出手段による遊技者の動作の検出タイミングが、前記動作有効期間内の特定タイミング(例えば、最良タイミング)であるときに、前記保留表示の態様を変化させ(例えば、ステップS560において、操作有効期間中になされたプッシュボタン31Bへの操作のタイミングが最良のタイミングであったときに保留表示予告(緑)又は(赤)を実行する演出制御用CPU120など)、
前記報知実行手段が実行する前記報知が前記有利な遊技状態に移行する可能性が低いことを報知する特定の報知となる動作演出において前記保留表示の態様を変化させることを制限する(例えば、予告A(失敗)を実行すると決定したときにステップS779において演出制限フラグをオン状態とし、演出制限フラグがオン状態のときには、ステップS919においてST演出を実行しないようにする演出制御用CPU120など)、
ことを特徴する遊技機。
上記保留表示手段は、例えば、所定領域に保留表示(ここでは、保留表示図柄)を表示するものであればよい。所定領域は、画像表示装置5の表示エリア5Hなどの画像表示装置5の画面上のエリアなどの他、他の画像表示装置を設け、当該他の画像表示装置の画面上のエリアなどであってもよい。また、所定領域は、画面上又は複数の画像表示装置間を移動してもよい(例えば、スーパーリーチの実行や役物の移動などに応じて移動してもよい)。また、演出モードなどによって、所定領域の位置が画面上又は複数の画像表示装置間で移動してもよい。また、保留表示は、LEDなどの発光体の発光によって表示されるものであってもよい。この場合の所定領域は、LEDなどの発光体が設けられた領域になる。保留表示の態様の変化は、保留表示の色の変化(発光体によって保留表示を表示する場合は、発光色の変化など)の他、保留表示の形状の変化、保留表示の表示位置の変化などであってもよい。
保留表示態様制御手段は、先読みの判定結果(始動入賞時コマンドによって特定される判定結果)に基づいて、保留表示の態様を変化させ、これによって、ターゲットの大当り期待度が高いこと(特に態様を変化させないときよりも大当り期待度が高いこと)などを予告するようにしているが、保留表示の態様を変化させるのは、例えば、乱数値とテーブルとを用いて一定割合で決定し、特に大当り期待度などに関係無いようにしてもよい。つまり、保留表示の態様を変化させるのに、特定の予告が伴わなくてもよい。このようなことでも演出が多様化して遊技の興趣が向上する。
なお、保留表示態様制御手段は、例えば、先読みの判定結果として表示結果の判定結果に基づいて、保留表示の態様を変化させ、これによって、ターゲットの大当り期待度が高いこと(特に態様を変化させないときよりも大当り期待度が高いこと)などを予告するようにしたり、先読みの判定結果として変動カテゴリ(変動パターンなどであってもよい。また、変動カテゴリとして、ノーマルリーチとスーパーリーチとが別々にカテゴライズされてもよい。)の判定結果(可変表示態様が所定の態様になるかの判定結果など)に基づいて、保留表示の態様を変化させ、これによって、ターゲットの可変表示がリーチ態様になること(又はスーパーリーチが実行されること)の割合が高いこと(特に態様を変化させないときよりも当該割合(移行可能性でもある)が高いこと)を予告するとよい。
なお、この変形例では、前記保留表示の態様を変化させることを制限することをしなくてもよい(特定演出の制限を行わないようにしてもよい)。このため、前記遊技機は、以下の構成であってもよい(具体例は、当該変形例に限られない。また、上記の説明も以下の構成に適宜適用できる。)。
前記始動領域に前記遊技媒体が進入したにもかかわらず前記開始条件が成立していない識別情報の可変表示について保留情報(例えば、保留データなど)を記憶する保留記憶手段(例えば、特図保留記憶部など)と、
前記保留記憶手段が記憶する保留情報に対応して保留表示(例えば、保留表示図柄など)を表示する保留表示手段(例えば、ステップS710の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、
前記保留表示手段によって表示される保留表示の態様を変化させる保留表示態様制御手段(例えば、ステップS560で保留表示予告(緑)又は保留表示予告(赤)を実行する演出制御用CPU120など)と、
遊技者の動作を検出可能な動作検出手段(例えば、プッシュボタン31B及びプッシュセンサ35Bなど)と、
前記動作検出手段によって遊技者の動作が検出される動作有効期間(例えば、操作有効期間など)が設けられた動作演出(例えば、予告Aの操作前演出)を実行する動作演出実行手段(例えば、ステップS560で操作系予告演出を実行する演出制御用CPU120など)と、
前記動作検出手段による遊技者の動作の検出タイミングが、前記動作有効期間内であれば、所定の報知(例えば、操作後演出など)を実行する報知実行手段(例えば、ステップS560で操作後演出を実行する演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記保留表示態様制御手段は、
前記動作検出手段による遊技者の動作の検出タイミングが、前記動作有効期間内の特定タイミング(例えば、最良タイミング)であるときに、前記保留表示の態様を変化させる(例えば、ステップS560において、操作有効期間中になされたプッシュボタン31Bへの操作のタイミングが最良のタイミングであったときに保留表示予告(緑)又は(赤)を実行する演出制御用CPU120など)、
ことを特徴する遊技機。
このような構成によれば、操作が最良タイミングであるときに、保留表示の態様を変化させるので、遊技者の遊技への参加意欲が上がり、遊技の興趣が向上する(従来は、遊技の興趣を向上させることができなかった。)。なお、上記構成の所定の報知は、大当り期待度を有するものでなくてもよい。つまり、動作演出や所定の報知は、予告演出を構成するものではなく、例えば、大当り遊技状態中に実行される演出などであってもよい。例えば、動作演出は、音楽などを遊技者が選択するための演出などであってもよい。この場合、所定の報知は、選択された音楽などの報知となる。
前記の所定の報知は、予め定められた報知などであればよく、遊技者の動作を動作有効期間に検出したことに応答して行われる画像表示や演出などであればよく(操作が行われたことを遊技者が認識可能な報知であることが望ましい。)、遊技者の動作を動作有効期間に検出したことを直接遊技者に伝えるもの(例えば、動作有効期間内に操作を検出した旨の文言の表示など)でなくてもよい。
この変形例では、上記構成によって、動作検出タイミング(ここでは、プッシュボタン31Bへの操作タイミング)が所定タイミング(ここでは、最良タイミング)になったときに、報知を実行することの他、保留表示の態様を変化させるので、動作演出(操作系予告演出)への参加意欲を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、上記構成によって、前記開始条件が成立した識別情報の可変表示に対応する保留情報に基づいて当該可変表示を所定態様にするか否かを当該表示結果が導出される前に決定する事前決定手段(ここでは、ステップS110やステップS111で可変表示結果や変動パターンを決定するCPU103)と、識別情報の可変表示が前記所定態様になるか否かを、当該識別情報の可変表示についての保留情報に基づく前記事前決定手段の決定よりも前に判定する決定前判定手段(ここでは、ステップS211で可変表示結果や変動パターン(変動カテゴリ)を判定するCPU103)と、前記保留表示態様制御手段によって保留表示の態様を変化させるか否かを、当該保留表示に対応する保留情報に基づく前記決定前判定手段の判定結果に基づいて決定する態様決定手段(ここでは、変動カテゴリを指定する変動カテゴリ指定コマンドに基づいて先読み予告演出の実行の有無などをステップS706及びステップS708で決定する演出制御用CPU120)と、が構成されることになる。
「可変表示」を「所定態様」にするか否かは、例えば、可変表示の態様をリーチ態様にするか否かや、スーパーリーチが実行されるリーチ態様にするか否かなどであればよく、上記実施形態のように、事前決定手段は、変動パターンを決定することによって、可変表示を所定態様にするか否かを決定し、決定前判定手段では、変動カテゴリを特定することで、可変表示を所定態様にするか否かを判定するものなどであれよい。このように、可変表示を所定態様にするか否かの決定及び判定は、それぞれ異なる方法で行ってもよい。所定態様とは、例えば、スーパーリーチが実行されるリーチ態様(見た目上、ノーマルリーチが実行されるリーチ態様と一緒でもリーチ態様になったあとにスーパーリーチが実行されれば、それは、スーパーリーチが実行されるリーチ態様であると言えるものとする。)、擬似連のチャンス目の仮停止、小当り組合せ(可変表示結果として導出されたときに大当り遊技状態とは異なる有利度で遊技者にとって有利となる小当り遊技状態に制御される組合せ)の導出表示、大当り組合せの導出表示、先読み予告演出としてのチャンス目予告のチャンス目の仮停止、大当り図柄又は小当り図柄の導出表示などであればよい。可変表示を所定態様にするとは、最終停止時の態様(表示結果)を所定態様(小当たり組合せ、大当り組合せ)にすることであってもよいし、仮停止時の飾り図柄などを所定態様(チャンス目など)にすることであってもよい。
先読み予告演出は、ターゲットの可変表示で「大当り」が発生したあとに確変状態などの特別遊技状態になる可能性(例えば、大当り種別が「確変」になる可能性)を予告するものであってもよい。前記の「所定態様」は、「確変」などの大当り図柄が導出される態様であってもよい。また、先読み予告演出が、特別遊技状態になる可能性(例えば、可能性が高いこと)を予告するものである場合、例えば、パチンコ遊技機1を、確変判定装置が設けられたものとしてもよい。確変判定装置は、例えば、遊技球が進入しやすい進入容易状態(例えば、開放状態など)と遊技球が進入し難い進入困難状態(例えば、閉鎖状態や一部開放状態など)とに変化する領域(例えば、入賞口(アタッカーなど))を備える。確変判定装置の当該領域は、例えば、大当り遊技状態のラウンド遊技において、進入容易状態に変化するものであればよい。当該領域を通過した遊技球は確変判定装置内部に進入する。また、確変判定装置は、内部に、前記領域を通過した遊技球が進入可能な特定領域が設けられている(特定領域とともに非特定領域を設けてもよい。また、特定領域の方が非特定領域よりも遊技球が進入しやすい構造になっているとよい)。なお、賞球の払出は、入賞口、特定領域、非特定領域の少なくともいずれかに遊技球が進入したことに基づいて行われればよい。このようなパチンコ遊技機では、例えば、入賞口を通過した遊技球が特定領域に進入した場合には、大当り遊技状態(特定遊技状態)の終了後に確変状態になる。そして、可変表示開始時には(大当り開始時などであってもよい。)、大当り種別の代わりに、前記領域を進入容易状態に変化させる態様を複数種類の態様(進入容易状態にする時間が異なる複数種類の態様)のうちから決定する(大当り種別と同様に、乱数値やテーブルを用いて決定すればよい)。決定した態様に応じて進入容易状態にする時間が異なることになるので、結果的に、決定された態様に応じて、その後に確変状態になるか否かの可能性が変化することになる。なお、各進入容易状態に変化させる態様を大当り種別と同様に扱うようにするとよい。入賞時乱数値判定処理(ステップS211)では、進入容易状態に変化させる態様が特別の態様(進入容易状態にする時間が所定基準よりも長い態様であり、遊技球が進入しやすい態様)になるか否かを判定するようにしてもよい(この場合、特別の態様以外の態様(進入容易状態にする時間が前記所定基準以下の態様)も用意される。)。そして、先読み予告は、この判定結果に基づいて、特別の態様になる割合や確変状態になる可能性を予告するものであってもよい。このように、先読み予告演出は、始動入賞時に決定された確変状態を予告するものではなく(上記実施形態など)、可変表示開始時よりも後のタイミング(例えば、上記のように、可変表示終了後の大当り遊技状態におけるタイミングなどでもよい。)で確変状態になると決まる可能性(特定領域に遊技球が進入したことによって確変状態などにすると決定される可能性)を予告するものであってもよい。このように、事前決定手段は、前記開始条件が成立した識別情報の可変表示に対応する保留情報に基づいて、当該可変表示のあとを特別遊技状態にするか否か(例えば、大当り種別)を決定するか、又は、遊技機の状態が当該可変表示のあとを特別遊技状態にする可能性が所定基準よりも高い状態(前記の特別の態様など)なるか否かを決定するようにしてもよい。決定前判定手段は、当該可変表示のあとを確変状態にするか否か(例えば、大当り種別)を判定するか、又は、遊技機の状態が当該可変表示のあとを特別遊技状態にする可能性が所定基準よりも高い状態(前記の特別の態様など)なるか否かを判定するようにしてもよい。態様決定手段は、前記保留表示態様制御手段によって保留表示の態様を変化させるか否かを、当該保留表示に対応する保留情報に基づく前記決定前判定手段の判定結果に基づいて決定するようにしてもよい。なお、前記領域を進入容易状態に変化させる態様に応じて、大当り図柄(特定表示結果の種類)などを異ならせる場合(上記のリーチ態様と同様、見た目上は同じでも、その後の制御が異なるものであれば、図柄が異なるとしてもよい。)には、前記の「所定態様」を、前記特別な態様に対応する大当り図柄が導出される態様と扱ってもよい。
なお、保留表示予告を実行すると決定したにもかかわらず、最良タイミングでの操作がなされなかった場合や、予告A(成功)などが実行されなかった場合など、保留表示予告が実行されなかった場合には、当該保留表示予告の実行を次の可変表示に持ち越すようにしてもよいし(この場合、実行情報を保留表示番号「1」に対応して新たに格納し直せばよい。なお、このとき、保留表示番号「1」のターゲットフラグがオン状態であれば、当該格納をしないことによって、ターゲットの保留表示図柄が無い状態での保留表示予告の実行を防止できる。)、当該保留表示予告の実行を中止するようにしてもよい。ターゲットの可変表示前にリーチや大当りとなる保留記憶があった場合には、実行を制限するようにしてもよい。
また、保留表示予告を実行すると決定した場合であって、特定演出の実行に制限がある場合において、保留表示の態様を変化させることは行うが(例えば、保留表示予告の実行の制限をせずに)、「最良タイミング!」の表示等(最良タイミングである旨の報知など)を制限するようにしてもよい。つまり、実行制限の対象となる特定演出を、最良タイミングである旨などの報知やあとの変形例3でのキャラクターS1などが登場するST演出などの実行中の可変表示についての移行可能性を報知する可能性報知などとし、保留表示の態様を変化させること自体は、実行制限の対象とならないようにしてもよい。前記特定演出の報知対象(実行中の可変表示になる。)と、保留表示の態様を変化させることの対象(まだ実行されていない可変表示)とは異なるので、実行中の可変表示の移行可能性(可能性報知によって報知される遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性)が低くても、保留表示の態様を変化させることができれば、遊技者は保留表示の態様を変化によって後の可変表示について期待を持てるので、遊技の興趣は低下しない。このように、保留表示の態様を変化させることを実行の制限の対象としないようにしてもよい(上記前記保留表示の態様を変化させることを制限することをしなくてもよい構成を含む。)。
(変形例3)
上記実施の形態と、変形例2とを組み合わせても良い。すなわち、保留表示予告を含むST演出と、キャラクターS1などが登場するST演出を実行可能なようにしてもよい。この場合、どちらかを実行する場合には、他方の実行を制限するようにしてもよい。
(変形例4)
上記変形例2や変形例3を前提に、ステップS774の予告演出の実行の有無などを決定するときに、図39に示す予告演出決定テーブルを参照して、予告演出の実行の有無などを決定してもよい。演出制御用CPU120は、例えば、保留表示予告(緑)又は保留表示予告(赤)を実行すると決定しているときには、図39(A)の第1予告演出決定テーブルを参照する。演出制御用CPU120は、例えば、保留表示予告(緑)又は保留表示予告(赤)を実行すると決定していないときには、図39(B)の第2予告演出決定テーブルを参照する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される乱数値SR5を示す数値データを抽出し、抽出した数値データに基づいて、第1予告演出決定テーブル又は第2予告演出決定テーブルを参照して、予告演出の実行の有無などを決定する。
第1予告演出決定テーブル又は第2予告演出決定テーブルは、上記実施の形態と同様に、図39に示すように、「実行無し」(予告演出を実行しない決定結果)と、「予告A(成功)」(予告A(成功)を実行する決定結果)と、「予告A(失敗)」(予告A(失敗)を実行する決定結果)と、「予告B」(予告Bを実行する決定結果)と、に、「予告C」(予告Cを実行する決定結果)と、乱数値SR3と比較される決定値(図26では、決定割合(選択割合)が記載されている。)が、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに応じて異なる割合で割り当てられていればよい(各決定割合について図39を参照)。
なお、予告A(成功)、予告A(失敗)、予告Bは、上記実施の形態と同じ予告演出である。予告Cは、操作有効期間が設けられているが、操作によって1つの操作後演出(大当り期待度が高いことを報知するようになっているとよい)が実行される操作系予告演出となっている。なお、予告Cでも最良タイミング時には、ST演出が実行されるものとする(但し、大当り期待度が高く、ST演出の実行の制限対象外となっている)。
図39を参照すると、保留表示予告を実行すると決定しているとき(第1予告演出決定テーブルを参照するとき)には、「ハズレ(非リーチ)」及び「ハズレ(ノーマル)」のとき、予告Cを含む操作系予告演出の決定割合が非操作系予告演出の決定割合よりも高くなっており、「ハズレ(スーパー)」及び「大当り」のとき、非操作系予告演出の決定割合が操作系予告演出の決定割合よりも高くなっている。保留表示予告を実行すると決定していないとき(第2予告演出決定テーブルを参照するとき)には、保留表示予告を実行すると決定しているときほど、決定割合に偏りがない。このように、保留表示予告を実行可能なときにおいて、当該変動(予告演出が実行される可変表示であって、予告演出の予告の対象となる可変表示)の大当り期待度が低いとき(「ハズレ(非リーチ)」及び「ハズレ(ノーマル)」のとき)には、大当り期待度が高いときよりも、及び又は、保留表示予告を実行しないときよりも、操作系予告演出を選択し易くすることで、最良タイミングに注目させることができ、遊技者にターゲットの可変表示について期待を抱かせやすくすることができる。また、保留表示予告を実行可能なときにおいて、当該変動の大当り期待度が高いとき(「ハズレ(スーパー)」及び「大当り」のとき)には、大当り期待度が低いときよりも、及び又は、保留表示予告を実行しないときよりも、非操作系予告演出を選択し易くすることで、ST演出の実行を抑制して、遊技者を当該変動に注目させることで、遊技の興趣を向上させることができる。
(変形例5)
上記最良タイミングを報知するメータ又は領域JS(領域JSは、タイミング特定画像T1に置き換えてもよい。以下、同じ)をST演出の実行の有無に応じて表示したり、表示しなかったりするようにしてもよい。このように、特定演出の実行が制限されているときには、当該メータを表示しないようにし(又は当該メータのうち領域JSのみ表示しないようにし)、特定演出の実行が制限されていないときには、当該メータ(又は領域JS)を表示するようにしてもよい。なお、このようなときには、特定演出の実行が制限されているときにおいて、所定割合で当該メータ(又は領域JS)を表示するようにしてもよい。これによって、当該メータ(又は領域JS)を表示しない場合には、特定演出の実行が制限されている状態であること(つまり、可能性報知が報知する移行可能性が低いこと)を遊技者に認識させ難くし、これによって、遊技の興趣を向上させることができる。または、特定演出の実行が制限されていないときにおいて、所定割合で当該メータ(又は領域JS)を表示しないようにしてもよい。これによって、当該メータ(又は領域JS)を表示する場合には、特定演出の実行が制限されていない状態であること(つまり、可能性報知が報知する移行可能性が高いこと)を遊技者に認識させ難くし、これによって、遊技の興趣を向上させることができる。
上記のように、前記動作演出において、前記特定演出の実行が制限されていないときには前記特定タイミングを示唆し、前記特定演出の実行が制限されているときには前記特定タイミングを示唆しない示唆手段をさらに備える(例えば、最良タイミングを報知するメータをST演出の実行の有無に応じて表示したり、表示しなかったりする演出制御用CPU120など)、ようにしてもよく、この構成によれば、特定演出の実行が制限されているときには特定タイミングを示唆しないことで、特定演出が実行されることへの過度の期待感を防止できる。
なお、上記実施の形態では、最良タイミングを報知するメータの表示によって操作有効期間についても示唆が行われているが、最良タイミングの示唆と、操作有効期間の示唆(特に残り期間の示唆)とは、別々に行われても良い。例えば、バーB1とタイミング特定画像T1と領域JSとで構成される最良タイミングを報知するメータと、バーB2とを表示するようにしてもよい(図40)。バーB2は、操作有効期間の残り時間に応じて、黒く塗り潰した部分が減っていく画像であり、これによって、操作有効期間の示唆を行うメータの画像として機能するものである。なお、バーB1におけるタイミング特定画像T1の移動速度と、バーB2の変化の速度(黒く塗り潰した部分の減る速度)と、同じでなくてもよいし、同じであってもよい。また、バーB1の長さとバーB2の長さは、同じであってもよいし、異なってもよい。タイミング特定画像T1は、バーB1内において左から右に移動するのみであってもよいし、左右を往復するものであってもよい。
なお、前記保留表示態様制御手段によって保留表示の態様を変化させるか否かを決定する態様変化決定手段(例えば、変動カテゴリを指定する変動カテゴリ指定コマンドに基づいて先読み予告演出の実行の有無などをステップS706及びステップS708で決定する演出制御用CPU120など)をさらに備え、前記動作演出実行手段は、前記動作検出手段によって遊技者の動作を検出する動作有効期間が設けられた予告演出を前記動作演出として実行するとともに(例えば、演出制御用CPU120が、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターンなどに基づいて、操作系予告演出の実行の有無などを決定してステップS560で実行することで実現される。)、前記保留記憶手段が記憶した第1の保留情報よりも後に前記保留記憶手段が記憶した第2の保留情報に対応する保留表示の態様を変化させると前記態様変化決定手段によって決定されたときには、当該保留表示の態様を変化させると決定されないときよりも高い割合で、前記予告演出を実行する(例えば、ST演出に含まれる保留表示予告が実行される可能性があるときには、当該可能性がないときよりも操作系予告演出の決定割合が高くして、操作系予告演出を実行しやすくするなど)、ようにすることで、動作検出によって保留表示の態様を変化させる機会を多くすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、保留表示予告以外の特定演出が実行される可能性があるときには、保留表示予告以外の特定演出が実行される可能性がないときよりも、操作系予告演出を実行する割合を高くしてもよい。
また、前記保留表示態様制御手段は、前記検出タイミングが前記特定タイミングでないときには、当該検出タイミングの動作検出の対象となる動作演出の実行期間よりもあとのタイミングで、前記保留表示の態様を変化させる(例えば、予告演出が操作系予告演出の場合であって、かつ、ST演出に含まれる保留表示予告の実行が決定されている場合において、操作が最良タイミングでないときには、次の可変表示において保留表示予告を実行するなど)、ようにすることで、保留表示の態様を変化させる機会を増やすことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
前記動作演出実行手段は、前記動作演出を1回の識別情報の可変表示が実行されている期間内において複数回実行し(例えば、操作系予告演出を1回の可変表示中で複数回実行する演出制御用CPU120など)、前記保留表示態様制御手段は、前記動作演出実行手段によって実行される複数回の動作演出のうちの1回の動作演出において、前記検出タイミングが前記所定タイミングであるときに、前記保留表示の態様を変化させる(例えば、複数回実行される操作系予告演出のうちのいずれかで操作が最良タイミングであれば第2保留表示予告を実行する演出制御用CPU120など)、ようにすることで、保留表示の態様を変化させる機会を増やすことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
前記動作演出実行手段は、識別情報の可変表示が実行されている期間内に動作演出を実行し(例えば、可変表示中に保留表示予告を実行する演出制御用CPU120など)、前記動作演出実行手段によって前記動作演出が実行される識別情報の可変表示を開始するタイミングにおいて前記保留記憶手段に保留記憶が記憶されていないときに、前記検出タイミングが前記所定タイミングであったとしても、前記保留表示態様制御手段によって前記保留表示の態様を変化させることを制限する制限手段(例えば、新たな保留記憶が発生し(新たな受信コマンドが始動入賞時コマンドバッファに格納され)、ステップS708などで新たな保留記憶について保留表示予告を実行すると決定しても、保留表示番号「1」(次の可変表示)に対応させて実行情報を始動入賞時コマンドバッファに格納することで(ステップS709)、次の可変表示において第2保留表示予告をステップS560で実行する演出制御用CPU120など)をさらに備えることで、制御を簡単にできる。
(変形例6)
また、前記メータなどの態様(特定タイミングを示唆する態様)を特定演出の実行の制限の有無に応じて異ならせてもよい。また、特定演出が制限されているときであって当該メータを表示する場合、上記実施の形態では、操作が最良タイミングであっても(タイミング特定画像T1が領域JS内にあっても)、最良タイミングの報知などは実行されないようにしていたが、例えば、特定演出が制限されているとき(特に特定演出の実行が禁止されているとき)には、タイミング特定画像T1が領域JS内にあるときに操作があっても、当該操作時の画像処理によって、タイミング特定画像T1が領域JSの外にあるように見せるように、画像を変更するようにし、最良タイミングの報知を実行しないようにしてもよい。または、タイミング特定画像T1を消去して、最良タイミングの報知を実行しないようにしてもよい。
(変形例7)
上記実施の形態では、予告演出の実行の有無と、予告演出の種類とを一括して決定しているが、例えば、実行の有無を先に決定して、予告演出を実行すると決定した場合に、予告演出の種類を決定してもよい。また、予告とST演出とを一括で決定してもよい。また、例えば、予告Aと予告Bとのいずれを実行するかを決定し、予告Aを実行すると決定した場合に、当該予告Aを予告A(成功)と予告(失敗)とのいずれかにするかを決定してもよい。これら決定は、上記実施の形態と同様に、乱数値やテーブルなどを用いて実行するようにすればよい。
(変形例8)
操作後演出(可能性報知)は、操作有効期間内における操作がなくても、操作有効期間経過後に強制的に実行するようにしてもよい。例えば、現在実行中の予告演出の操作後演出を実行するようにする。具体的には、例えば、予告A(成功)の実行が決定されている場合には、操作があってもなくても、成功の操作後演出を実行するようにする。このような場合には、ステップS921にて、操作後演出の実行設定を行えばよい。また、操作後演出(可能性報知)は、操作前演出を経由せずに実行される場合があってもよい。さらに、操作有効期間内における操作がなかった場合、例えば、予告A(成功)の実行(成功の操作後演出)が決定されている場合であっても、予告A(失敗)の操作後演出(失敗の操作後演出)を実行するようにしてもよい。このような場合には、ステップS921にて、失敗の操作後演出の実行設定を行えばよい。このように、可能性報知は、操作有効期間内における操作があったときと無かったときとで異なるもの(例えば、報知する移行可能性が異なるなど)としてもよい。特に、操作があったときには、移行可能性が高い可能性報知を実行し、操作がなかったときには、移行可能性が低い可能性報知を実行するようにしてもよい。
(変形例9)
操作前演出(動作演出)は、特定演出の実行の制限時と非制限時とで異なる態様としてもよい。また、特定演出は、例えば、特定演出を実行可能な所定タイミングにおいて(最良タイミングの操作の検出後に所定タイミングにおいて)、実行の有無を決定してもよく、このような場合、実行の有無の決定割合を異ならせることで、特定演出の実行の制限を実現してもよい。
(変形例10)
また、操作前演出や操作後演出は、1回の可変表示で複数回実行されるようなものであってもよい。つまり、操作有効期間は、1回の可変表示で複数あってもよい。このような場合、いずれかの操作有効期間において、最良タイミングの特定演出が実行されたときには、他の操作有効期間において最良タイミングの操作があったとしても、特定演出の実行を制限するとよい。また、制限しなくてもよい(特定演出が、保留表示の態様を変化させることである場合には、変化が重複しないように実行を禁止するとよい)。操作前演出や操作後演出が1回の可変表示で複数回実行される演出としては、ステップアップ予告演出(操作に応じて演出のステップが増えていく演出であり、ステップが多ければ多いほど大当り期待度が高くなる演出)などがある(ステップアップ予告演出の態様(ステップ数などを含む。)は、予告演出の実行決定時などにおいて予め決定するとよい。このとき、可変表示結果が大当りか否かなどに応じて、態様(特にステップ数など)が異なるように、テーブルと乱数値とを用いてステップアップ予告演出の態様を決定するとよい。)。このような場合、例えば、操作タイミングが最良タイミングであるか否かで、操作後における演出を異ならせるようなものであってもよい。最良タイミングである場合には、操作後における演出を特定演出(通常の操作後演出とは異なる特別な演出(大当り期待度は、通常の操作後演出と同じであってもよいし、高くてもよい。))とし、最良タイミングでない場合には、通常の操作後演出としてもよい。このような場合、ステップアップ予告演出の実行中において、操作が最良タイミングであるか否かに応じて実行される演出が異なることを遊技者に認識させる画像(操作が最良タイミングであるか否かに応じて実行される演出の種類を認識させる画像を含む。)を表示するとよい。例えば、操作前演出では、図41のように、操作を促す画像P1を表示するとともに、ルートが分岐するルート画像R1を表示する。ルート画像R1では、分岐したルートそれぞれが、演出Xが実行されることを示す画像(「X」を四角で囲んだ画像)及び演出Yが実行されることを示す画像(「Y」を四角で囲んだ画像)に繋がっている(図41(A))。また、ルートの途中(分岐する部分)には、最良タイミングを示す領域JSが設けられている(図41(A))。また、タイミング特定画像T1がルート画像R1のルート上を演出の実行時間に応じて左から右に向かって動く(図41(A))。このような演出において、操作が最良タイミングであったとき(つまり、タイミング特定画像T1が領域JS内にあるときに操作が検出されたとき)には(図41(B))、タイミング特定画像T1は、演出Yが実行されることを示す画像に進み(図41(C))、その後に演出Yが実行される。このような場合、演出Yが特定演出となる。このような演出において、操作が非最良タイミングであったとき(つまり、タイミング特定画像T1が領域JS外にあるときに操作が検出されたとき)には(図41(D))、タイミング特定画像T1は、演出Xが実行されることを示す画像に進み(図41(E))、その後に演出Xが実行される。このような場合、演出Xが操作後演出となる。なお、このあとにさらに次のステップの演出がある場合には、演出Yが実行されても、次のステップの演出を続けて実行するようにしてもよい。また、このような場合、操作前演出において、操作があったときに実行される操作後演出の種類が分かるので(操作後演出を複数種類用意しておくとよい。)、当該分かる操作後演出の種類が大当り期待度が低いものである場合には、特定演出の実行を制限するようにしてもよい(例えば、ルート画像R1を、ルートが分岐しないで演出Xが実行されることを示す画像にのみ接続され、演出Yが実行されることを示す画像には接続されない画像であって、領域JSが表示されない画像として、最良タイミングなどは示唆しないようにする、又は、どのようなタイミングであってもタイミング特定画像T1は演出Xが実行されることを示す画像に進むなど)。
(変形例10)
特定演出は、先読み予告や当該変動の期待度(移行可能性)を報知することに替えて、又は、加えて、遊技の進行と関係のないものを遊技者に付与するものであってもよい。例えば、所定の特典(プレミアム画像の閲覧)の付与などを可能にするための情報(パスワードや、所定の特典を得るためのWEBアドレスを示す2次元コードなど)を表示するものであってもよい。
(変形例11)
特定演出は、最良タイミングの動作検出時直後ではなく、最良タイミングの動作検出時から所定期間経過後に実行されるものであってもよい。このような場合などには、動作検出時において遊技者の動作が最良タイミングであるか否かを判定するほか、動作検出時におけるタイマ値(操作前タイマや、有効期間タイマなどのタイマ値)などをRAM122に保持して、特定演出の実行を開始するときなどに、当該タイマ値に基づいて遊技者の動作が最良タイミングであったかを判定してもよい。
(変形例12)
なお、保留表示予告を含む先読み予告演出は、ターゲットの可変表示前にリーチや大当りとなる保留記憶があった場合には、実行を制限するようにしてもよい。
(変形例13)
上記実施形態などにおける技術思想は、遊技を行うための遊技機全般に適用できる。例えば、遊技媒体として遊技球を遊技領域に発射して所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となるパチンコ遊技機1に限定されず、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機に適用することもできる。より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされたスロットマシンにも適用できる。例えば、スロットマシンが、遊技者の動作を検出する動作検出手段(例えば、上記実施の形態と同様のものの他、スロットの進行に使用されるMAXBETボタン、スタートレバー、第1〜第3停止ボタンなど)と、前記動作検出手段によって遊技者の動作が検出される動作有効期間が設けられた動作演出を実行する動作演出実行手段と、前記動作検出手段による遊技者の動作の検出タイミングが、前記動作有効期間内であれば、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、BB、RB、AT(アシストタイム)、RT(リプレイタイム)など)に移行する可能性の報知(各種の演出であればよい。)を実行する報知実行手段と、前記動作検出手段による遊技者の動作の検出タイミングが、前記動作有効期間内の特定タイミングであるときに、特定演出を実行する特定演出実行手段と、を備える場合に、本発明を適用できる。なお、動作演出や特定演出、可能性報知は、上記実施の形態の操作前演出、操作後演出、ST演出などをスロットマシン用にしたものや、スロットマシンでの演出を実行することで、実現すればよい。
(変形例14)
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板12は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(変形例15)
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。