JP2015154002A - スキルミオンのサイズと渦の向きの制御方法及びスキルミオン結晶 - Google Patents

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基洋 柴田
秀珍 于
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大輔 森川
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十倉 好紀
Yoshinori Tokura
好紀 十倉
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Abstract

【課題】Mn1−xFexGe系の結晶中に生成されるスキルミオンについて、鉄の割合xを変化させることでスピン軌道相互作用の強さを変化させ、これによりスキルミオンのサイズと渦の向きを任意に制御する方法を提供する。【解決手段】Mn1−xFexGeの結晶中に生成されるスキルミオン1のサイズと渦の向きの制御方法。Mn1−xFexGeの結晶作成時にxの割合を変化させることで前記スキルミオン1の前記サイズと前記渦の向きを制御する。【選択図】図4

Description

本発明は、Mn1−xFeGe系の結晶中に形成されるスキルミオンのサイズと渦の向きの制御方法及びスキルミオン結晶に関するものである。
従来の半導体エレクトロニクスでは、電子における電荷とスピンという2つの性質のうち、電荷の活用に焦点を当てたものが殆どであった。一方、電子のもう1つの性質であるスピンを積極的に活用するスピントロニクスも近年において特に注目されている電子技術であり、次世代の革新的な特徴・機能を持つデバイスとして高い期待が寄せられている。
一般的に電子のスピンは、物質の磁気的な振る舞いに大きく関係しており、スピンが同一方向に揃う場合には、通常の磁性体としての性質が現れる。これに対し、一部の特殊な磁性体において、電子のスピンが自発的に「スキルミオン」と呼ばれる構造を作ることが近年において明らかにされている。
スキルミオンは、物質中に生じるスピン秩序が周期的に配列したトポロジカルな磁気構造である。スキルミオンは、スピンの連続的な変化に対して壊れることがない、非常に安定的な構造を持つ(例えば、非特許文献1参照。)。
このように、特定の温度下、磁場下においてスキルミオンが格子状に規則的に配列している構造をスキルミオン結晶といい、小角中性子線回折法を用いたB20型のMnSiの解析により発見され、B20型合金をローレンツ透過型電子顕微鏡(TEM)を用いることで直接観察することができる。
スキルミオンの大きさは、直径10〜100nm程度であることから、高い情報密度を持つ次世代のスピントロニクスデバイスとして期待されている。
また、スキルミオンは、強磁性体における磁壁と比較して、10万分の1程度の微小な電流で磁気構造体をコントロールすることができ、工学的に優れた特性を示す。
また、結晶中に生成されるスキルミオンの数は、量子的ベリー位相を通過する磁束に応じて変化する性質を備えていて、これによりスキルミオン結晶には位相的ホール効果が生じていることが分かる。
更にスキルミオン結晶は他の興味深い性質も示し、例えば超低電力密度(<100Acm−2)においてほぼピン止め効果の働かない挙動を示したり、絶縁体中でスキルミオンによる電気分極が生じたりする性質がある。
こうした数々の特異な性質を有することにより、スキルミオンは、高密度省電力データデバイスへの応用や演算デバイスへの応用が期待されている。またスキルミオンは、その特殊なスピン配列であるため粒子としての性質を持ち、ナノメータサイズで構成されることから、高速で省電力の磁気メモリ素子の記録ビットへの応用が期待されている。
ところで、過去のスキルミオンの研究において、スキルミオンの結晶構造の理論研究が先ず行われており、MnSiや、FeGe、Fe1−xCoGe等のB20構造を有する金属系のカイラル磁性体において強磁性交換相互作用とDM(ジャロシンスキー・守谷)相互作用、更には面直磁場のゼーマン相互作用等により生じることが実験的に検証されている(例えば、非特許文献1参照。)。
特に近年において、絶縁体のカイラル磁性体CuOSeOにおいても、ある磁場温度域になるとスキルミオン相が発現することも確認されている(例えば、非特許文献2参照。)。このCuOSeOでは、スキルミオンがスピン軌道相互作用を通じて誘電分極を誘起することにより、強誘電体としての機能も併せ持つマルチフェロイックスとしての特性を発現させるとともに、当該スキルミオンに基づく新たな電磁気現象の発現も期待されている。
また近年においては、スキルミオンの制御手法の確立やスキルミオンを基盤としたデバイスの開発を行うため、スキルミオンの性質の詳細を解明するための基礎研究や、スキルミオンの新奇な外場応答を探索するための研究も行われている。
スキルミオンが電磁波に対して応答を示す特性を利用して逆にスキルミオンを制御する方法も提案されている(例えば、非特許文献3参照。)。また電磁波による磁気共鳴に基づいてスキルミオンの回転運動や並進運動をするための技術も提案されている。
ところで、キラリティ、すなわち右手系又は左手系の対掌性は、科学分野の広範にわたる重要な概念である。キラリティは分子や結晶構造において見出されるだけでなく、磁気的構造においても見出される構造であるため、こうしたスキルミオンの研究においても重要な概念となっている。
具体的には、キラル格子のらせん磁性体中に観察される磁気のスキルミオンは、位相的に安定したスピンの渦構造であり、スピンの渦の方向(ヘリシティ)は時計回りと反時計回りの2つの方向があるため、こうした磁気的構造もキラリティを生じるものとなる。
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こうした興味深い電磁気的な性質があるにも関わらず、結晶工学は従来の強磁性体の分野と比べてスキルミオン結晶の構造の制御(格子定数、格子形状及び磁気の渦の方向等を含む)という点については一切確立されていない。
具体的には、例えばスピントロニクスデバイスにおいて読み取り可能なスキルミオンのサイズに制限がある場合には、生成されるスキルミオンのサイズを読み取り可能な所定の範囲内とする必要がある。
また、スキルミオンの渦の向きがスピントロニクスデバイスにおいて扱われる情報を担うよう構成することも考えられるため、この渦の向きを制御可能にすることが望ましい。
このように、スキルミオンのサイズと渦の向きを制御することができればスピントロニクスデバイスの開発に大きく貢献することができるにも関わらず、こうした制御を行う方法はまだ開発されていなかった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、Mn1−xFeGe系の結晶中に生成されるスキルミオンについて、そのサイズと渦の向きを制御する方法及びこうして形成されるサイズと渦の向きを制御可能なスキルミオン結晶を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために、Mn1−xFeGe系の結晶中に生成されるスキルミオンについて、そのサイズと渦の向きを制御する方法及びサイズと渦の向きを制御可能なスキルミオン結晶を発明した。
第1発明に係るスキルミオンのサイズと渦の向きの制御方法は、Mn1−xFeGeの結晶中に生成されるスキルミオンのサイズと渦の向きの制御方法であって、Mn1−xFeGeの結晶作成時にxの割合を変化させることで前記スキルミオンの前記サイズと前記渦の向きを制御することを特徴とする。
第2発明に係るスキルミオンのサイズと渦の向きの制御方法は、第1発明に係るスキルミオンのサイズと渦の向きの制御方法において、前記スキルミオンの前記サイズは5〜200nmの範囲で連続的に制御されることを特徴とする。
第3発明に係るスキルミオンのサイズと渦の向きの制御方法は、第1発明又は第2発明に係るスキルミオンのサイズと渦の向きの制御方法において、前記Mn1−xFeGeの結晶の生成は、アーク溶解と高圧合成とにより行われることを特徴とする。
第4発明に係るスキルミオン結晶は、所望のサイズと渦の向きを有するスキルミオンが生成されるMn1−xFeGeの多結晶試料を得るようxの調整をしたMn、Fe、Geの化学量論混合物について、アーク溶解を行った後、更に高圧合成を行い前記多結晶試料を生成する工程と、前記多結晶試料に磁場を印加する工程と、を行うことにより前記多結晶試料中に生成されることを特徴とする。
第5発明に係るスキルミオン結晶は、第4発明に係るスキルミオン結晶において、前記多結晶試料中に生成される前記スキルミオンのサイズは5〜200nmであることを特徴とする。
上述した構成からなる本発明によれば、Mn1−xFeGe系の結晶中に生成されるスキルミオンについて、鉄の割合xを変化させることでスピン軌道相互作用の強さを変化させ、これによりスキルミオンのサイズと渦の向きを任意に制御することができる。
スキルミオンを示す模式図である。 結晶と磁気のキラリティの定義を示す模式図であり、図2aは右手系と左手系の光学異性体を示す模式図、図2bはらせん状の磁気の配列についての磁気−モーメント構造を示す模式図、図2cは外部磁場が下向きに印加された場合における、平面内のスキルミオンのらせん構造中に含まれる磁気モーメントの構造、図2dはローレンツTEMがスキルミオンの観察とその渦の向きの決定に使われる様子を示す模式図、図2eはFeGe系において観察される過焦点像である。 図3aはMn1−xFeGeの組成xが0.6〜0.7の試料におけるローレンツ電子顕微鏡像を示す図、図3bは、図3aに示した領域の組成分布を示す図、図3cは、図3aと図3bから得られたスキルミオンのサイズと組成xの関係を示すグラフである。 磁気周期(スキルミオンサイズとらせん磁気構造周期)の組成依存性を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態としてのスキルミオンのサイズと渦の向きの制御方法について詳細に説明する。
図1は、スキルミオンを示す模式図である。図1に模式的に示すスキルミオンは、渦状のスピン構造であり、スピンは球面を包み込むようにあらゆる方向に向いていて、この状態の位相の符号は−1となる。
スキルミオン1は、あらゆる方向をむくスピン2で構成されている。スキルミオン1に印加される磁場Hの方向が図中上向きである場合に、最外周のスピン2aは、その磁場Hの方向と同様に上向きで、且つ磁場Hと平行とされている。
スキルミオン1は、その最外周から渦巻状に内側へ向けて回転していく平面形態とされ、これに伴ってスピン2の方向は徐々に向きを変えることとなる。そしてスキルミオン1の中心を構成するスピン2bは、磁場Hと反平行となるように、下向きで安定することとなる。
スキルミオン1では、スピン2が中心から最外周に至るまで下向きから上向きに方向が連続的に遷移し、且つ規則的に並んだ構造とされている。複数の電子スピンが渦のように規則的に並んだ構造をしている。
中心のスピン2bと最外周のスピン2aの向きは反平行で、中心から外周の間にあるスピン2の向きは連続的にねじれ、渦巻き構造を形成する。
このようなスキルミオン1に対して、例えば特定の周波数からなる電磁波を照射することにより、スキルミオンを磁気共鳴させ、ひいてはこのスキルミオンを時計回りに回転させ、或いは反時計回りに回転させる等の運動を行わせることも可能となる。
スキルミオンはキラル結晶中において安定的に存在し、主に六方格子状(時折正方格子状や単純立方格子状)に生成される。こうした磁気的に秩序のある状態をスキルミオン結晶という。
本願発明者らは、混合結晶を用いたスキルミオンのサイズと磁気の渦の向きの制御について、スピノーダル分離について固有の性質を有するMn1−xFeGeに狙いを絞って研究をした結果、様々な組成を示す多数の領域を作成することに成功した。
こうしたMn1−xFeGe中にスキルミオンを生成させる方法について説明する。
まず、Mn、Fe及びGeの化学量論混合物について、アーク溶解を行った後、更に高圧合成(4−4.5GPa、800℃、1h)を行い、Mn1−xFeGeの多結晶試料が得られた。
次に、粉末X線回折(XRD)により、得られた多結晶試料の相純度が確認された。XRDパターンにより算出された格子定数は凡そベガードの法則に従うものであった。
次に、多結晶の薄いプレート状のサンプルが、機械的薄層化とそれに続くアルゴンイオンミリングにより作成された。
次に、こうして得られた試料について、各領域のスキルミオン定数、各領域の定数x及び結晶のキラリティを解析するため、ローレンツ透過型電子顕微鏡(TEM)、エネルギー分散X線分光分析(EDX)、電子エネルギー損失分光法(EELS)及び収束ビーム電子線回折(CBED)が行われた。
具体的には、得られたサンプルに対する実空間磁気構造のイメージ化のため、ローレンツTEMによる解析が行われた。ローレンツTEMは、200kVで、CCD(Charge-coupled device)カメラを用いて行われた。
ローレンツTEMによる解像可能なサイズは2nm以下である。ローレンツTEMを行う際のサンプルの温度管理は、液体窒素を用いた試料の冷却ホルダを用いて行われた。また、磁場は試料プレートに対して垂直(又は入射する電子線に対して平行)となるようにTEMの対物レンズ電流を制御しつつ印加された。
次に、200kVで、走査型透過電子顕微鏡(JEM-2010F)とEDX検出器(30mmのシリコンドリフト検出器を有するBruker X-Flash 5030)が設けられたTEMを用いたEDXにより、組成のマップが得られた。
次に、結晶のキラリティを同定するため、CBEDが、ローレンツTEMと同じ顕微鏡を用いて行われた。第1次ラウレゾーンを含むCBEDのパターンは、CCDカメラを用いて得られ、MBFITのソフトウェアを用いて比較、計算された。
こうした観察の結果、スキルミオン結晶は、その結晶定数に広い分布があるのみならず、xの変化に基づく結晶のキラリティの変化によりスキルミオンの渦の向きに逆転が生じることが判明した。また、これらの現象は、混合結晶系の符号の逆転とともに生じるスピン−軌道カップリング強度の連続的な変化に起因することが判明した。
このように、Mn1−xFeGe内において生成され、広範かつ連続的に調整可能なスキルミオンは、スキルミオンを含むスピントロニックデバイスの作成に非常に重要な役割を果たすことが予想される。
図2は、結晶と磁気のキラリティの定義を示す模式図である。この構造は非中心対称であり、図2aの投影図に模式的に示すように、右手系と左手系の光学異性体が存在する。結晶の掌性は、炭素族元素(Ge)の構造のキラリティに従い定義されている。
こうしたキラル格子のらせん磁性は、式(1)に示す有効ハミルトニアンによりそのスピンの系が定義される。
上記式(1)において、Mは空間的に変化する磁化、Jは強磁性交換相互作用、αはジャロンスキー−守谷相互作用(DM)定数、rは3次元位置ベクターを示している。
基底状態において、適切なねじ式のらせん磁性構造が安定的に形成される。このモデルでは、波ベクトルqはα/Jに比例する大きさを有している。
非対称なDM相互作用により、スピンらせん構造のキラリティ(以下「磁気の渦の向き」という。)は、αの符号に基づいて決まる。αの符号は結晶のキラリティと、スピン軌道カップリングの符号(Γ)に基づき決まることが知られている。
図2bは、らせん状の磁気の配列についての磁気−モーメント構造を示している。伝播ベクトルqがM×M(MとMはqの方向に基づく磁気モーメント)と平行であるとき、この状態は右手系のらせん、磁気の渦の向きはγ=+と表される。また、伝播ベクトルqがM×Mと逆平行であるとき、この状態はそれぞれ左手系のらせん、そして磁気の渦の向きγ=−と表される。
スキルミオンは薄いフィルム状の強磁性体中に対し、外部磁場Bを垂直に印加したときに発生する。2つの構造、すなわち時計回り(CW)又は反時計回り(ACW)の面内磁気モーメントの渦が、αの符号に応じ、エネルギー的に有利な状態となることで、対応するγが所定の格子キラリティで結晶の領域中に現れる。このように、平面内のスキルミオンの磁気−モーメント構造は、ACW(CW)がγ=+(−)となるようにして定まる。
上述したローレンツTEMは、実際の空間におけるトポロジー的なスピン構造の磁化分布を可視化する有効な手法である。入射する電子線は、試料中の局所的な面内磁気誘導に起因するローレンツ力により屈折され、面内磁化の空間的変動は、ぼやけた像面(不足焦点又は過焦点(オーバーフォーカス))内で収束(明るいコントラスト)又は発散(暗いコントラスト)した状態となる。
この手法を用いて、らせん状の磁気構造が縞模様として可視化される。しかし、ローレンツTEMにより得られるのは面内の構造のみであるため、ローレンツ画像によっては適切な渦巻き構造についてのγに関する情報を得ることはできない。
一方、TEMの対物レンズ電流が形成されるB領域におけるスキルミオンのTEM画像は、上述した渦の向きについての十分な情報を有している。図2dに示すように、面内ACW(CW)磁気モーメント構造は凸(凹)レンズとして機能し、過焦点の像面において明るい(暗い)点として表れる。
こうして、過焦点の像では、スキルミオンの位置とらせんの向きとが、それぞれスポット像とそのコントラストとして同時に可視化される。図2eは、FeGe系において観察される過焦点像を示している。図2eに示すように、面内磁気モーメントの再現は、過焦点及び不足焦点の画像の両方について強度輸送方程式を解くことで行われる。
図3aはMn1−xFeGeの組成xが0.6〜0.7の試料におけるローレンツ電子顕微鏡像を示す図である。黒いスポットはそれぞれスキルミオンを示している。また、askは、化合物x中のスキルミオン格子定数(スキルミオン間の距離の平均値)を示している。図3aの左下から右上にかけて、次第にスキルミオンのサイズが小さくなっていることが分かる。
このサイズの異なるスキルミオンのそれぞれについて、組成xの解析が行われた。図3bは、図3aに示した領域の組成分布を示す図である。図3bに示すデータは、EDXを用いて得られるものである。これより、スキルミオンのサイズが大きい左下に向うに従い、組成xが大きくなっている。
図3cは、図3aと図3bから得られたスキルミオンのサイズと組成x、すなわち鉄の割合との関係を示すグラフである。
これらのグラフから、Mn1−xFeGeに含まれる鉄の割合xが変化することによってスキルミオンのサイズaskが変化していることが分かる。
図4は、磁気周期(スキルミオンサイズとらせん磁気構造周期)の組成依存性を示すグラフである。スキルミオンのサイズを√(3/2)倍したもの(図中の黒丸)を、らせん磁気構造の周期(図中の×印)と共に表している。
スキルミオンは、鉄の割合xの変化に応じて5〜200nm程度までは連続的に変化する。そして、x=0.8付近ではスキルミオンのサイズは大きくなり、x=0.8を境に渦の向きが左巻きから右巻きへと変化する。
そして、実際にスキルミオンのサイズに加え、らせん磁気構造の周期と組成の関係を分析した結果、サイズと周期は5〜200nm程度まで、途中でスキルミオンの渦の向きの反転を伴って、連続的に制御できることが分かった。これは、組成xの変化によって電子の相対論的硬化の1つであるスピン軌道相互作用の強さが変化していることを示している。すなわち、スピン軌道相互作用の強さがスキルミオンのサイズと渦の向きを決める要素であることを示している。
このように、本実施形態に係るMn1−xFeGeにおけるスキルミオンのサイズと渦の向きの制御方法によると、Mn1−xFeGe系の結晶中に生成されるスキルミオンについて、鉄の割合xを変化させることでスピン軌道相互作用の強さを変化させ、これによりスキルミオンのサイズと渦の向きを任意に制御することができる。
1 スキルミオン
2、2a、2b スピン
H 磁場

Claims (5)

  1. Mn1−xFeGeの結晶中に生成されるスキルミオンのサイズと渦の向きの制御方法であって、Mn1−xFeGeの結晶作成時にxの割合を変化させることで前記スキルミオンの前記サイズと前記渦の向きを制御することを特徴とするスキルミオンのサイズと渦の向きの制御方法。
  2. 前記スキルミオンの前記サイズは5〜200nmの範囲で連続的に制御されることを特徴とする請求項1記載のスキルミオンのサイズと渦の向きの制御方法。
  3. 前記Mn1−xFeGeの結晶の生成は、アーク溶解と高圧合成とにより行われることを特徴とする請求項1叉は2に記載のスキルミオンのサイズと渦の向きの制御方法。
  4. 所望のサイズと渦の向きを有するスキルミオンが生成されるMn1−xFeGeの多結晶試料を得るようxの調整をしたMn、Fe、Geの化学量論混合物について、アーク溶解を行った後、更に高圧合成を行い前記多結晶試料を生成する工程と、
    前記多結晶試料に磁場を印加する工程と、
    を行うことにより前記多結晶試料中に生成されることを特徴とするスキルミオン結晶。
  5. 前記多結晶試料中に生成される前記スキルミオンのサイズは5〜200nmであることを特徴とする請求項4記載のスキルミオン結晶。
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