[1.パチンコ遊技機の全体構成]
以下、本発明の遊技機としてのパチンコ遊技機について図面を参照して説明する。まず、図1〜図3を参照して実施形態に係るパチンコ遊技機の全体について説明する。図1は実施形態に係るパチンコ遊技機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図であり、図2はパチンコ遊技機の正面図であり、図3はパチンコ遊技機の背面図である。
パチンコ遊技機1は、図1〜図3に示すように、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される外枠2と、外枠2に開閉自在に軸支され前側が開放された箱枠状の本体枠3と、本体枠3に前側から装着固定され遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる遊技領域1100を有した遊技盤4と、本体枠3及び遊技盤4の前面を遊技者側から閉鎖するように本体枠3に対して開閉自在に軸支された扉枠5とを備えている。このパチンコ遊技機1の扉枠5には、遊技盤4の遊技領域1100が遊技者側から視認可能となるように形成された遊技窓101と、遊技窓101の下方に配置され遊技球を貯留する皿状の上皿301及び下皿302(図7を参照)と、上皿301に貯留された遊技球を遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むために遊技者が操作するハンドル装置500と、を備えている。
また、パチンコ遊技機1は、正面視において、外枠2、本体枠3、及び扉枠5がそれぞれ上下方向へ延びた縦長の矩形状に形成されており、それぞれの左右方向の横幅が略同じ寸法とされているとともに、上下方向の縦幅の寸法が、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の寸法が若干短く形成されている。そして、本体枠3及び扉枠5よりも下側の位置において、外枠2の前面に装飾カバー23が取り付けられており、扉枠5及び装飾カバー23によって外枠2の前面が完全に閉鎖されるようになっている。また、外枠2、本体枠3、及び扉枠5は、上端が略揃うようにそれぞれが配置されるとともに、外枠2の左端前側の位置で本体枠3及び扉枠5が回転可能に軸支されており、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の右端が前側へ移動することで開状態となるようになっている。
また、パチンコ遊技機1は、正面視において、略円形状の遊技窓101を介して遊技球が打ち込まれる遊技領域1100が臨むようになっており、その遊技窓101の下側に前方へ突出するように二つの上皿301及び下皿302が上下に配置されている。また、扉枠5の前面右下隅部には、遊技者が操作するためのハンドル装置500が配置されており、上皿301内に遊技球が貯留されている状態で遊技者がハンドル装置500を回転操作すると、その回転角度に応じた打球強さで上皿301内の遊技球が遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込まれて、遊技をすることができるようになっている。
扉枠5の遊技窓101は、透明なガラスユニット590によって閉鎖されており、遊技者から遊技領域1100内を視認することができるものの、遊技者が遊技領域1100内へ手等を挿入して遊技領域1100内の遊技球や障害釘、各種入賞口や役物等に触ることができないようになっている。
[2.外枠の全体構成]
次に、遊技ホールの島設備に設置される外枠2について、図4を参照して説明する。図4は外枠の正面斜視図である。外枠2は、図4に示すように、横方向へ延びる上下の上枠板10及び下枠板11と、縦(上下)方向へ延びる左右の側枠板12,13と、それぞれの枠板10,11,12,13の端部を連結する四つの連結部材14と、を備えており、連結部材14で各枠板10,11,12,13同士を連結することで縦長の矩形状(方形状)に組立てられている。外枠2における上枠板10及び下枠板11は、所定厚さの無垢材(例えば、木材、合板、等)により形成されている。なお、上枠板10における左側端部の上面及び前面には、後述する上支持金具20が取り付けられている。
一方、側枠板12,13は、一定断面形状の軽量金属型材(例えば、アルミ合金)とされている。なお、側枠板12,13の外側側面及び内側側面には、上下方向へ延びた複数の溝が形成されており、パチンコ遊技機1を遊技ホールのパチンコ島設備に設置する際等に、作業者の指掛りとなってパチンコ遊技機1を保持し易くすることができるようになっているとともに、外観の意匠性を高められるようになっている。
外枠2は、上枠板10の左端上面に固定される上支持金具20と、上支持金具20と対向するように配置され左側の側枠板12における下部内側の所定位置に固定される下支持金具21と、下支持金具21の下面を支持するように配置され左右の側枠板12,13を連結するように固定される補強金具22と、補強金具22の前面に固定される装飾カバー23と、を備えている。上支持金具20及び下支持金具21は、本体枠3及び扉枠5を開閉可能に軸支するためのものである。上支持金具20における支持鉤穴20cには、後述する本体枠3における上軸支金具630の軸支ピン633(図5を参照)が着脱自在に係合されるようになっている。下支持金具21における支持突起21dには、後述する本体枠3の本体枠軸支金具644に形成された本体枠軸支が挿入されるようになっており、下支持金具21の支持突起21dを、本体枠3における本体枠軸支金具644の支持穴に挿入した後に、本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633を支持鉤穴20cに係止することにより簡単に本体枠3を開閉自在に軸支することができるようになっている。
また、外枠2は、右側の側枠板13の内側に、上下方向に所定距離離反して配置される二つの閉鎖板24,25(図1を参照)が取り付け固定されている。これら閉鎖板24,25は、平面視で略L字状に形成されている。この閉鎖板24,25は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取り付けられる錠装置1000(施錠装置)のフック部1054,1065(図1を参照)と係合するものであり、詳細は後述するが、錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖板24,25との係合が外れて外枠2に対する本体枠3の閉鎖状態を解除することができるものである。
[3.本体枠の全体構成]
次に、外枠2の前面側に開閉自在に設けられる本体枠3について、図5及び図6を参照して説明する。図5は本体枠の正面斜視図であり、図6は本体枠における基板ユニットの背面斜視図である。本体枠3は、図5に示すように、本体枠3の骨格を形成するとともに前後方向に貫通し遊技盤4を保持するための矩形状の遊技盤保持口601を有した本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側端部の上端及び下端にそれぞれ取り付けられ外枠2に軸支されるとともに扉枠5を軸支するための上軸支金具630及び下軸支金具640と、本体枠ベース600の下部前面に取り付けられ遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むための打球発射装置650と、本体枠ベース600の後側に取り付けられ皿ユニット300の上皿301へ遊技球を払い出すための賞球ユニット700と、本体枠ベース600の前面に取り付けられ本体枠3に対して扉枠5が開いた時に賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊技球の流れを遮断する球出口開閉ユニット790と、を備えている。
また、本体枠3は、本体枠ベース600の下部後面に取り付けられ遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に備えられた電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板851等を一纏めにしてユニット化した基板ユニット800と、本体枠ベース600における遊技盤保持口601の後側開口を覆う裏カバー900と、本体枠ベース600の正面視左側端部を被覆する側面防犯板950と、本体枠ベースの正面視右側端部に取り付けられ外枠2に対する本体枠3の開閉施錠、及び本体枠3に対する扉枠5の開閉施錠をする錠装置1000と、を主に備えている。
[3−1.本体枠ベース]
次に、本体枠ベース600について説明する。本体枠ベース600は、合成樹脂によって一体成形されており、正面視の外形が扉枠5の外形と沿った縦長の矩形状とされているとともに、前後方向に所定量の奥行きを有するように形成されている。本体枠ベース600は、上部から下部へ向かって全体の約3/4の範囲内が前後方向へ矩形状に貫通し遊技盤4の外周を嵌合保持可能な遊技盤保持口601と、本体枠ベース600の正面視左辺を除く前端外周を形成するコ字状の前端枠部602と、前端枠部602の前面から後方へ向かって窪み、扉枠5における扉枠ベース本体110の下端から後方へ突出した扉枠突片110c(図1を参照)、扉枠5の補強ユニット150における上側補強板金151の後方へ突出した上側の屈曲突片167(図1を参照)及び開放側補強板金153の後方へ突出した開放側外折曲突片164(図1を参照)が挿入係合される係合溝603と、を備えている。
また、本体枠ベース600は、遊技盤保持口601の下側から本体枠ベース600下端まで延出し前端枠部602の前端から所定量後側へ窪み左右方向へ板状に広がった下部後壁部604と、前端枠部602よりも内側で後方へ突出し遊技盤保持口601の内周壁を形成する周壁部605と、を備えている。周壁部605によって、コ字状の前端枠部602の自由端部(正面視で上下の左側端部)同士が連結されるようになっており、本体枠ベース600の外形が枠状となるようになっている。
また、本体枠ベース600は、下部後壁部604の上端に遊技盤保持口601の下辺を形成すると共に遊技盤4が載置される遊技盤載置部606と、遊技盤載置部606の左右方向略中央から上方へ突出し遊技盤4における遊技パネル1150のアウト球排出溝と係合する位置決め突起607と、周壁部605における正面視右側内壁の所定位置に形成され遊技盤4の遊技盤止め具1120が止め付けられる遊技盤係止部と、周壁部605の上側内壁から下方へ垂下し下端が遊技盤4の上端と当接可能な板状で左右方向に複数配置された上端規制リブ609と、を備えている。本体枠ベース600の位置決め突起607は、遊技盤4のアウト球排出溝と嵌合することで、遊技盤4の下端が左右方向及び後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤係止部は、遊技盤4の遊技盤止め具1120が係止されることで遊技盤4の正面視右辺が前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。なお、遊技盤4の正面視左辺は、詳細は後述するが、側面防犯板950の位置決め部材956によって前後方向への移動が規制されるようになっている。
また、本体枠ベース600は、下部後壁部604が前端枠部602の前面よりも後側へ一段窪んだ位置に形成されており、下部後壁部604の正面視右側前面に、打球発射装置650の発射ソレノイド654がソレノイド収容凹部内に収容されるように前側から打球発射装置650が取り付けられるようになっている。この下部後壁部604の前面に打球発射装置650を取り付けた状態では、打球発射装置650における発射レール660の上端よりも正面視左側に、左方向及び下方へ広がったファール空間626が形成されるようになっている。本実施形態では、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、ファール空間626の下部にファールカバーユニット540におけるファール球入口542e(図1を参照)が位置するようになっており、ファール空間626を下降した遊技球が、ファールカバーユニット540のファール球入口542eに受けられて、皿ユニット300における下皿302(図7を参照)へ排出されるようになっている。
また、本体枠ベース600は、正面視で下部後壁部604の左右中央よりも左側に前後方向へ矩形状に貫通する開口部と、開口部の上側及び正面視左右両側に複数形成され前後方向に貫通した透孔615と、を備えている。この本体枠ベース600の開口部は、前側から中継端子板カバー692によって閉鎖されるようになっており、中継端子板カバー692の開口692aを通して、下部後壁部604の後面に取り付けられた基板ユニット800の主扉中継端子板880と周辺扉中継端子板882とが前側へ臨むようになっている。
また、本体枠ベース600は、正面視で下部後壁部604の右端上部に前後方向に貫通した略円形のシリンダ錠貫通穴611の下側前面に、本体枠3に対する扉枠5の開放を検出するための扉枠開放スイッチ618が取り付けられており、本体枠3に対して扉枠5が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて扉枠5の開放を検出することができるようになっている。また、本体枠ベース600は、扉枠開放スイッチ618が取り付けられた位置よりも下側後面に、外枠2に対する本体枠3の開放を検出するための本体枠開放スイッチ619が取り付けられており、外枠2に対して本体枠3が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて本体枠3の開放を検出することができるようになっている。
[3−2.上軸支金具及び下軸支金具]
次に、上軸支金具630及び下軸支金具640について説明する。上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600の正面視左端上下後面の金具取付部に、所定のビスを用いてそれぞれ取り付けることで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができるとともに、外枠2に対して本体枠3を開閉可能に軸支させることができるものである。
上軸支金具630は、本体枠ベース600の上側の金具取付部に取り付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部631と、取付部631の上端から前方へ延出する板状の前方延出部632と、前方延出部632の前端付近から上方へ延びだすように突設された軸支ピン633と、軸支ピン633の正面視左側に配置され扉枠5の軸ピン155(図7を参照)が挿入される上下方向に貫通した扉枠軸支穴634と、前方延出部632の正面視左側端部から下方へ垂下し扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパと、を備えている。上軸支金具630は、取付部631、前方延出部632、及びストッパが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
下軸支金具640は、扉枠5を軸支するための扉枠軸支金具642と、扉枠軸支金具642の下側に配置され外枠2に対して本体枠3を軸支するための本体枠軸支金具644と、を備えている。下軸支金具640における扉枠軸支金具642は、本体枠ベース600の下側の金具取付部に取り付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部と、取付部の下端から前方へ延出する板状の前方延出部642bと、前方延出部642bの前端付近に上下方向へ貫通し扉枠5の軸ピン157(図7を参照)が挿入される扉枠軸支穴642cと、前方延出部642bの正面視左側端部から上方へ立設され扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパ642dと、を備えている。この扉枠軸支金具642は、取付部、前方延出部642b、及びストッパ642dが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
また、下軸支金具640における本体枠軸支金具644は、本体枠ベース600の下側の金具取付部に取り付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部と、取付部の下端から前方へ延出する前方延出部644bと、前方延出部644b前端付近に上下方向へ貫通した本体枠軸支穴と、を備えている。本体枠軸支金具644もまた、取付部、及び前方延出部644bが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
下軸支金具640は、扉枠軸支金具642の取付部と本体枠軸支金具644の取付部とが前後方向に重なった(接した)状態とされるとともに、扉枠軸支金具642の前方延出部642bと本体枠軸支金具644の前方延出部644bとが上下方向に所定距離離間した状態で、本体枠ベース600における下側の金具取付部に取り付けられるようになっている。
上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600に取り付けた状態で、上軸支金具630の軸支ピン633と、下軸支金具640の本体枠軸支穴とが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具640における本体枠軸支金具644の本体枠軸支穴が、外枠2における下支持金具21の支持突起21d(図4を参照)に嵌合挿入されるように、本体枠軸支金具644の前方延出部644bを、下支持金具21の支持突出片21c(図4を参照)上に載置した上で、上軸支金具630の軸支ピン633を、外枠2における上支持金具20の支持鉤穴20c(図4を参照)内に挿入することで、本体枠3を外枠2に対して開閉可能に軸支させることができるようになっている。
また、上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600に取り付けた状態で、上軸支金具630の扉枠軸支穴634と、下軸支金具640の扉枠軸支穴642cとが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具640における扉枠軸支金具642の扉枠軸支穴642cに、扉枠5の軸ピン157が挿入されるように扉枠5の下軸支部158(図7を参照)を扉枠軸支金具642の前方延出部642b上に載置した上で、扉枠5の軸ピン155を、上軸支金具630の扉枠軸支穴634に挿入することで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができるようになっている。なお、本実施形態では、扉枠5の上側の軸ピン155は、上下方向へ摺動可能とされており、上軸支金具630の扉枠軸支穴634へ挿入させる際に、軸ピン155を一旦、下方へスライドさせて、扉枠5の上軸支部156と上軸支金具630の前方延出部632とが上下に重なるようにした上で、軸ピン155を上方へスライドさせることで扉枠軸支穴634へ挿入することができるようになっている。
[3−3.打球発射装置]
次に、打球発射装置650について説明する。打球発射装置650は、本体枠ベース600における下部後壁部604の前面所定位置に取り付けられる金属板の発射ベース652と、発射ベース652の下部後面に前側へ回転駆動軸654aが突出するように取り付けられる発射ソレノイド654と、発射ソレノイド654の回転駆動軸654aに一体回転可能に固定される打球槌656と、打球槌656の先端に固定される槌先658と、槌先658の移動軌跡上における所定位置を基端として正面視斜め左上へ延出し発射ベース652の前面に取り付けられる発射レール660と、発射レール660の基端上部に発射レール660との間で打球槌656先端の槌先658が通過可能とされると同時に遊技球が通過不能な隙間を形成し発射レール660の基端に遊技球を保持する球止め片662と、球止め片662によって発射レール660の基端に保持された遊技球を打球可能な打球位置よりも打球槌656(槌先658)が発射レール660側へ回動するのを規制するストッパ664と、を備えている。
この打球発射装置650における発射ソレノイド654は、詳細な図示は省略するが、回転駆動軸654aがハンドル装置500の回転操作角度に応じた強さ(速さ)で往復回動するようになっている。また、打球発射装置650の打球槌656は、発射ソレノイド654の回転駆動軸654aに固定される固定部656aと、固定部656aから緩やかな円弧状に延出し先端が回転駆動軸654aの軸心に対して法線方向を向き先端に槌先658が固定される棹部656bと、棹部656bに対して固定部656aを挟んで反対側へ延出しストッパ664と当接可能なストッパ部656cと、を備えている。打球槌656のストッパ部656cがストッパ664と当接することで、先端の槌先658が打球位置(正面視で反時計周りの方向の回動端)よりも発射レール660側へ回動するのが規制されるようになっている。
打球発射装置650は、本体枠ベース600の下部後壁部604に取り付けた状態においては、発射レール660の上端が左右方向の略中央で下部後壁部604の上端、つまり、遊技盤載置部606(遊技盤保持口601の下辺)よりも下方に位置するようになっており、遊技盤保持口601に保持された遊技盤4における外レール1111の下端との間で、左右方向に所定幅で下方へ広がったファール空間626が形成されるようになっている。そして、打球発射装置650は、発射レール660よりも正面視左側のファール空間626を飛び越えるようにして遊技球を発射することで、遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むことができるようになっている。なお、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態においては、ファール空間626の下部に、扉枠5に取り付けられるファールカバーユニット540のファール球入口542eが位置するようになっており、遊技領域1100内へ打ち込まれずにファール球となった遊技球が、ファール空間626を落下してファール球入口542eへ受け入れられて、下皿302へ排出されるようになっている。
[3−4.賞球ユニット]
次に、賞球ユニット700について説明する。パチンコ遊技機1を設置するホールにおけるパチンコ島設備において、パチンコ島設備側からパチンコ遊技機1へ供給された遊技球を貯留した上で、所定の払出指示に基づいてパチンコ遊技機1の上皿301へ払い出すものである。この賞球ユニット700は、本体枠ベース600の後面に取り付けられる賞球ベース710と、賞球ベース710の後面上部に取り付けられパチンコ島設備側から供給される遊技球を受けると共に貯留する賞球タンク720と、賞球タンク720の下側に配置され賞球タンク720に貯留された遊技球を整列させて下流側へ送るタンクレールユニット730と、タンクレールユニット730によって整列された遊技球を所定の払出指示に基づいて払い出す賞球装置740と、賞球装置740によって払出された遊技球を皿ユニットの上皿301へ誘導することができると共に上皿301が遊技球で満タンになると払出された遊技球を下皿302側へ分岐誘導することができる満タン分岐ユニット770と、を主に備えている。
また、賞球ユニット700は、賞球ベース710の後面に取り付けられる外部端子板784と、外部端子板784の後側を覆う外部端子板カバー786と、を備えている。
[3−4−1.賞球タンク]
賞球タンク720は、底壁部721の外周が外周壁部722で囲まれており、底壁部721上に所定量の遊技球を貯留することができるようになっている。また、賞球タンク720は、底壁部721の上面が、排出口723へ向かって低くなるように傾斜しており、底壁部721上の遊技球が排出口723へ向かって転動するようになっている。
また、賞球タンク720は、軸部725に回動自在に軸支される二つの球ならし部材727を備えている。この球ならし部材727は、一端側が軸部725に軸支されるようになっていると共に内部に錘を保持しており、自重によって他端側が垂下するようになっている。この球ならし部材727は、後述するタンクレールユニット730内に垂下するようになっており、タンクレールユニット730内を流通する遊技球をならして整列させることができるものである。
[3−4−2.タンクレールユニット]
タンクレールユニット730は、賞球タンク720の下側に配置され左右方向へ長く延びたタンクレール731を備えている。このタンクレール731は、上方が開放された所定深さの樋状で前後方向に遊技球が二列で整列することが可能な幅(奥行)とされ、正面視左側(軸支側)端部が低くなるように底部が傾斜している。
また、タンクレールユニット730は、タンクレール731の排出口上部に回転可能に支持される整列歯車732と、整列歯車732の上部を覆う歯車カバー733と、歯車カバー733の正面視右端と連続しタンクレール731の上部を閉鎖する球押え板734と、タンクレール731内に進退可能とされタンクレール731内の遊技球が排出口側へ転動するのを停止させることが可能な球止片735と、を備えている。整列歯車732は、タンクレール731の仕切壁によって二列に仕切られた遊技球の二つの流路と対応するように、前後方向に並んで二つ備えられている。
[3−4−3.賞球装置]
賞球装置740は、タンクレールユニット730の排出口から排出供給された遊技球を、所定の払出指示に基づいて皿ユニット300の上皿301へ払い出すためのものである。賞球装置740は、上端に開口し遊技球の外形よりも若干広い幅で上下方向の中央よりもやや下側の位置まで延出する供給通路と、供給通路の下端と連通し所定広さの空間を有した振分空間と、振分空間の背面視左側(開放側)下端と連通し略く字状に曲がって背面視左側面に開口する賞球通路と、振分空間の背面視右側(軸支側)下端と連通し下方へ延出して下端に開口する球抜通路と、を備えている。この供給通路、振分空間、賞球通路、及び球抜通路は、後方へ開放された状態で形成されている。
賞球装置740は、払出モータ744の回転軸に一体回転可能に固定されモータ支持板の後側に配置される第1ギアと、第1ギアと噛合する第2ギアと、第2ギアと噛合する第3ギアと、第3ギアとともに一体回転し振分空間内に配置されるスプロケットとしての払出回転体と、払出回転体とは第3ギアを挟んで反対側に一体回転可能に固定され周方向に等間隔で複数(本実施形態では、3つ)の検出スリットが形成された回転検出盤と、を備えるとともに、供給通路内の遊技球の有無を検出するための球切れスイッチ750と、賞球通路内を流下する遊技球を検出するための計数スイッチ751と、払出回転体と一体回転する回転検出盤に形成された検出スリットを検出するための回転角スイッチ752と、回転角スイッチ752を保持する回転角スイッチ基板753と、払出モータ744、球切れスイッチ750、計数スイッチ751、及び回転角スイッチ752と後述する払出制御基板との接続を中継する賞球ケース内基板754と、を備えている。
スプロケットとしての払出回転体は、周方向に等間隔でそれぞれ1つの遊技球を収容可能な大きさの3つの凹部を備えており、払出回転体が回転することで、供給通路から供給された遊技球が1球ずつ凹部に収容されて、賞球通路又は球抜通路側へ払い出すことができるようになっている。また、払出回転体と一体回転する回転検出盤に形成された3つの検出スリットは、回転検出盤の外周に等分(120度ごと)に形成されるとともに、払出回転体の凹部間と対応する位置にそれぞれ設けられており、検出スリットを回転角スイッチ752によって検出することで、払出回転体の回転位置を検出することができるようになっている。なお、本実施形態では、回転検出盤(払出回転体)の各検出スリット間(120度)の回転は、払出モータ744の18ステップの回転に相当するように設計されている。
賞球装置740は、払出モータ744によって払出回転体が背面視反時計周りの方向へ回転させられると、供給通路内の遊技球が、賞球通路へ払出されるようになっており、払出回転体の回転によって賞球通路へ払出された遊技球は、計数スイッチ751によって1球ずつ数えられた上で賞球通路へ受け渡されるようになっている。一方、球抜き操作部材がホールの店員等により操作されると、供給通路内の遊技球が球抜通路へ払出されるようになっており、球抜通路へ払出された遊技球は、球抜通路の下端から後述する満タン分岐ユニット770を介してパチンコ遊技機1の後側外部へと排出することができるようになっている。
[3−4−4.満タン分岐ユニット]
満タン分岐ユニット770は、全体が後端から前端へ向かうに従って低くなるような箱状に形成されており、後端上部における左右方向の略中央に上方へ向かって開口し賞球装置740の賞球通路を流下してきた遊技球を受ける賞球受口と、賞球受口の下側に配置され左右方向へ広がった分岐空間と、分岐空間における賞球受口の直下から前側へ向かって遊技球を誘導する通常通路と、通常通路を流通した遊技球を前方へ放出し前端の正面視右端に開口した通常球出口774と、分岐空間における賞球受口の直下よりも背面視右側へ離れた位置から前側へ向かって遊技球を誘導する満タン通路と、満タン通路を流通した遊技球を前方へ放出し通常球出口774の正面視左側に開口した満タン球出口776と、を備えている。
また、満タン分岐ユニット770は、後端上部の正面視左側端部に上方へ向かって開口し賞球装置740の球抜通路を流下してきた遊技球を受ける球抜受口と、球抜受口に受けられた遊技球を前側へ誘導する球抜通路と、球抜通路を流通した遊技球を前方へ放出し正面視左端で通常球出口774及び満タン球出口776よりも後方の位置で開口した球抜出口と、を備えている。
満タン分岐ユニット770は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、通常球出口774及び満タン球出口776が、それぞれ扉枠5におけるファールカバーユニット540の第一球入口542a及び第二球入口542c(図1を参照)と対向して連通するようになっており、通常球出口774から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第一球入口542aを通って皿ユニット300の上皿301へ供給され、満タン球出口776から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第二球入口542cを通って皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。また、球抜出口は、本体枠ベース600における本体枠ベース球抜通路の背面視右側上端と連通するように形成されており、球抜出口から放出された遊技球が本体枠ベース600の本体枠ベース球抜通路へ受け渡されるようになっている。
皿ユニット300の上皿301が遊技球で満タンとなった状態で、更に賞球ユニット700(賞球装置740)から遊技球が払出されると、ファールカバーユニット540の第一球出口から上皿301側へ出られなくなった遊技球が、ファールカバーユニット540の第一球通路内で滞り、やがて、満タン分岐ユニット770における通常球出口774を通して上流の通常通路内も一杯になる。この状態で、賞球受口から分岐空間内へ侵入した遊技球は、通常通路内へ侵入することができず、分岐空間内で横方向へ移動し始め、横方向へ移動した遊技球が満タン通路内へ侵入して、満タン球出口からファールカバーユニット540の第二球入口542c、第二球通路、そして第二球出口を介して皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。
[3−5.基板ユニット]
次に、基板ユニット800について説明する。基板ユニット800は、図6に示すように、本体枠ベース600の下部後壁部の後面に取り付けられる基板ユニットベース810と、基板ユニットベース810の正面視左側後面に取り付けられるスピーカボックス820と、基板ユニットベース810の後面に取り付けられる電源基板ボックスホルダ840と、電源基板ボックスホルダ840の後面に取り付けられ後端がスピーカボックス820の後端と略同一面状となる大きさに形成される電源基板ボックス850と、電源基板ボックス850及びスピーカボックス820の後面に取り付けられる払出制御基板ボックス860と、払出制御基板ボックス860の正面視左側端部を覆うようにスピーカボックス820の後面に取り付けられる端子基板ボックス870と、基板ユニットベース810の前面に取り付けられる主扉中継端子板880及び周辺扉中継端子板882と、を備えている。
電源基板ボックスホルダ840は、正面視で左右中央よりも左側前面に、上方へ開放され遊技盤4のアウト球排出部から排出された下方へ排出された遊技球を受ける排出球受部841と、排出球受部841で受けられた遊技球を下方へ誘導して排出する排出通路842と、排出通路842及び排出球受部841の横(正面視で右側)の前面に前方及び上方へ開放され電源基板ボックスホルダ840の後面全体が前側へ窪んだように形成され電源基板ボックス850の前端を収容可能なボックス収容部と、を備えている。
また、電源基板ボックスホルダ840は、排出通路842の開放された前端側が基板ユニットベース810の後面によって閉鎖されるようになっているとともに、基板ユニットベース810の開口部が排出通路842へ臨む位置に形成されており、本体枠ベース600における下部後壁部の後面に形成された本体枠ベース球抜通路を流通して基板ユニットベース810の開口部を通って基板ユニットベース810の後側へ流下した遊技球と、遊技盤4のアウト球排出部から排出されて排出球受部841で受けられた遊技球と、を排出通路842を通してパチンコ遊技機1の後側下方へ排出することができるようになっている。
電源基板ボックス850は、前方が開放された横長の箱状に形成されており、その前端開口を閉鎖するように取り付けられた電源基板851を備えている。この電源基板ボックス850は、電源基板851に取り付けられた各種電子部品が収容されるようになっており、上面及び下面に形成された複数のスリット850aを介して、電子部品等からの熱を外部へ放出することができるようになっている。なお、電源基板ボックス850の後面には、電源基板851に取り付けられた電源スイッチ852が臨むようになっている。
払出制御基板ボックス860は、横長で後方が開放された薄箱状のボックスベース861と、ボックスベース861内へ後側から嵌合し前方が開放された薄箱状のカバー862と、ボックスベース861の後面に取り付けられカバー862によって後面が覆われる払出制御基板4110と、を備えている。また、払出制御基板ボックス860は、背面視左端から外方へ突出しボックスベース861及びカバー862の双方に形成された複数の分離切断部863を備えており、複数の分離切断部863の一箇所でボックスベース861とカバー862とがカシメ固定されている。これによってボックスベース861とカバー862とを分離するためには、分離切断部863を切断しないと分離できないようになっており、払出制御基板ボックス860を開くと、その痕跡が残るようになっている。したがって、払出制御基板ボックス860が不正に開閉させられたか否かが判るようになっている。なお、本実施形態では、検査等のために払出制御基板ボックス860を一回だけ開閉することができるようになっている。
また、払出制御基板ボックス860は、払出制御基板4110に取り付けられた操作スイッチ860a(エラー解除部)、及び検査用出力端子860c等がカバー862を通して後方へ臨むようになっている。また、払出制御基板ボックス860は、主制御基板4100等と接続するための各種接続用の端子が、カバー862を通して後方へ臨むようになっている。なお、操作スイッチ860aは、電源投入時において払出制御基板4110のマイクロプロセッサに内蔵されるRAM、及び主制御基板4100のマイクロプロセッサに内蔵されるRAMをクリアする場合に操作されたり、電源投入後においてエラー報知されている際に、そのエラーを解除するために操作されたりするようになっており、電源投入時におけるRAMクリアを行う機能と、電源投入後(RAMクリアとして機能を奏する期間を経過した後)におけるエラー解除を行う機能と、を有している。この点についての詳細な説明を後述する。
端子基板ボックス870は、スピーカボックス820の後面に取り付けられる基板ベース871と、基板ベース871の後面に取り付けられ後方へ向かって周辺パネル中継端子872が固定された枠周辺中継端子板868と、基板ベース871の後面に取り付けられ後方へ向かってCRユニット中継端子873が固定された遊技球等貸出装置接続端子板869と、周辺パネル中継端子872とCRユニット中継端子873とが後側へ臨むように基板ベース871の後側を覆う基板カバー874と、を備えている。周辺パネル中継端子872は、パチンコ遊技機1を設置するパチンコ島設備側に備えられたパチンコ遊技機1の稼動状態等を表示するための度数表示器と接続するためのものであり、CRユニット中継端子873は、パチンコ遊技機1と隣接して設置されるCRユニットと接続するためのものである。
主扉中継端子板880及び周辺扉中継端子板882は、本体枠3に取り付けられる遊技盤4に備えられた周辺制御基板4140や基板ユニット800の払出制御基板4110等と、扉枠5に備えられたハンドル装置500、各装飾基板や操作ユニット400等との接続を中継するためのものである。これら主扉中継端子板880及び周辺扉中継端子板882は、基板ユニットベース810の前面に形成された基板取付部に取り付けることで、本体枠ベース600の前面から前側へ臨むようになっており、扉枠5から延びだした配線を接続することができるようになっている。
なお、主扉中継端子板880及び周辺扉中継端子板882は、本体枠ベース600の前面に取り付けられる中継端子板カバー692によってその前側が覆われるようになっているとともに、中継端子板カバー692の開口692aを通して、接続端子のみが前側へ臨むようになっており、本体枠3の前面がすっきりした外観となるようになっている。
また、主扉中継端子板880は、扉枠5側に配置される皿ユニット300における貸球ユニット360の貸球ボタン361、返却ボタン362、貸出残表示部363、ハンドル装置500のポテンショメータ512、タッチスイッチ516、発射停止スイッチ518、及びファールカバーユニット540の満タンスイッチ550と、本体枠3側に配置される払出制御基板4110との接続を中継するためのものである。なお、貸球ユニット360の貸球ボタン361、返却ボタン362、貸出残表示部363、ハンドル装置500のポテンショメータ512、タッチスイッチ516、発射停止スイッチ518、及びファールカバーユニット540の満タンスイッチ550についての説明を後述する。
また、周辺扉中継端子板882は、扉枠5側に配置される各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板、及び操作ユニット400に備えられた、ダイヤル駆動モータ414、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を各々検出する各種スイッチと、本体枠3側に配置される遊技盤4の周辺制御基板4140との接続を中継するためのものである。なお、扉枠5側に配置される各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板、及び操作ユニット400に備えられた、ダイヤル駆動モータ414、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を検出する各種スイッチについての説明は後述する。
[4.扉枠の全体構成]
次に、本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図7を参照して説明する。図7は扉枠の斜視図である。扉枠5は、図7に示すように、外形が縦長の矩形状に形成され内周形状がやや縦長の円形状(楕円形状)とされた遊技窓101を有する扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の右外周に取り付けられる右サイド装飾ユニット200と、右サイド装飾ユニット200と対向し扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の左外周に取り付けられる左サイド装飾ユニット240と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の上部外周に取り付けられる上部装飾ユニット280と、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の下端下側に配置され扉枠ベースユニット100の前面に取り付けられる一対のサイドスピーカカバー290と、を備えている。
また、扉枠5は、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の下部に取り付けられる皿ユニット300と、皿ユニット300の上部中央に取り付けられる操作ユニット400と、皿ユニット300の右側に取り付けられている上皿側液晶表示装置470、この上皿側液晶表示装置470(第2表示装置)の表示領域を覆うように設けられており接触状態を検知しうる接触面を有する静電容量型のタッチパネル480(接触型入力装置)、皿ユニット300を貫通して扉枠ベースユニット100の右下隅部に取り付けられ遊技球の打込操作をするためのハンドル装置500と、扉枠ベースユニット100を挟んで皿ユニット300の後側に配置され扉枠ベースユニット100の後面に取り付けられるファールカバーユニット540と、ファールカバーユニット540の右側で扉枠ベースユニット100の後面に取り付けられる球送ユニット580と、扉枠ベースユニット100の後側に遊技窓101を閉鎖するように取り付けられるガラスユニット590と、を備えている。なお、タッチパネル480は、本実施形態では4.3インチで分解能10×20のタイプである。このタッチパネル480の接触状態の検知制御を行うタッチパネル駆動基板450が上皿側液晶表示装置470の下方近傍に配置され、皿ユニット300内に収納されている。
[4−1.扉枠ベースユニット]
次に、扉枠ベースユニット100について説明する。扉枠ベースユニット100は、外形が縦長の矩形状に形成されるとともに、前後方向に貫通し内周が縦長の略楕円形状に形成された遊技窓101を有する扉枠ベース本体110と、扉枠ベース本体110の前面で遊技窓101の上部中央に取り付けられ上部装飾ユニットを固定するための上部ブラケット120と、扉枠ベース本体110の前面で遊技窓101の下端左右両外側に取り付けられる一対のサイドスピーカ130と、扉枠ベース本体110の前面で正面視右下隅部に取り付けられハンドル装置500を支持するためのハンドルブラケットと、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース本体110の後側に固定される金属製で枠状の補強ユニット150(図1を参照)と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の下部を被覆するように取り付けられる防犯カバー180(図1を参照)と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の外周の所定位置に回動可能に取り付けられるガラスユニット係止部材190(図1を参照)と、背面視で左右方向の中央より左側(開放側)に配置され遊技窓101の下端に沿って扉枠ベース本体110の後面に取り付けられる発射カバー191(図1を参照)と、発射カバー191の下側で扉枠ベース本体110の後面に取り付けられ後述するハンドル装置500のポテンショメータ512と後述する遊技盤4に備えられた主制御基板4100との接続を中継するハンドル中継端子板192(図1を参照)と、ハンドル中継端子板192の後側を被覆するハンドル中継端子板カバー193(図1を参照)と、左右方向の中央を挟んで発射カバー191やハンドル中継端子板192等とは反対側(背面視で左右方向中央よりも右側(軸支側))に配置され扉枠ベース本体の後面に取り付けられる枠装飾駆動アンプ基板194(図1を参照)と、枠装飾駆動アンプ基板194の後側を被覆する枠装飾駆動アンプ基板カバー195(図1を参照)と、を備えている。
枠装飾駆動アンプ基板194は、サイドスピーカ130や左右のサイド装飾ユニット200,240の上部スピーカと電気的に接続されるとともに、後述する遊技盤4に備えられた周辺制御基板4140と電気的に接続されており、周辺制御基板4140から送られた音響信号を増幅して各スピーカ130へ出力する増幅回路を備えている。なお、具体的な図示は省略するが、本実施形態では、各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板、操作ユニット400に備えられたダイヤル駆動モータやスイッチ、ハンドル中継端子板192、皿ユニット300の貸球ユニット360等と、払出制御基板4110や周辺制御基板4140等とを電気的に接続する配線が、枠装飾駆動アンプ基板194の背面視で右側(軸支側)の位置に集約して束ねられた上で後方へ延出して本体枠3の主扉中継端子板880や周辺扉中継端子板882に接続されるようになっている。
[4−1−1.扉枠ベース本体]
扉枠ベース本体110は、合成樹脂によって縦長の額縁状に形成されており、前後方向に貫通し内形が縦長で略楕円形状の遊技窓101が全体的に上方へオフセットするような形態で形成されている。この遊技窓101は、左右側及び上側の内周縁が連続した滑らかな曲線状に形成されているのに対して、下側の内周縁は左右へ延びた直線状に形成されている。また、扉枠ベース本体110における遊技窓101の下側の内周縁には、軸支側(正面視で左側)にファールカバーユニット540の第一球出口を挿通可能な方形状の切欠部が形成され、遊技窓101の下辺の左右両外側に配置されサイドスピーカ130を取り付けて固定するためのスピーカ取付部、正面視で右下隅部に配置され前方へ膨出した前面の右側(開放側)端が後退するように斜めに傾斜しハンドルブラケットを取り付けるためのハンドル取付部、ハンドル取付部の所定位置で前後方向へ貫通しハンドル装置500からの配線が通過可能な配線通過口、ハンドル取付部の上側で前方へ向かって短く延びた筒状に形成され後述するシリンダ錠1010が挿通可能な錠穴116が形成されている。この扉枠ベース本体110は、遊技窓101によって形成される上辺、及び左右の側辺の幅が、後述する補強ユニット150の上側補強板金151、軸支側補強板金152、及び開放側補強板金153の幅と略同じ幅とされており、正面視における扉枠ベース本体の大きさに対して、遊技窓101が可及的に大きく形成されている。
[4−1−2.補強ユニット]
補強ユニット150は、扉枠ベース本体110の上辺部裏面に沿って取り付けられる上側補強板金151(図1を参照)と、扉枠ベース本体110の軸支側辺部裏面に沿って取り付けられる軸支側補強板金152(図1を参照)と、扉枠ベース本体110の開放側辺部裏面に沿って取り付けられる開放側補強板金153(図1を参照)と、扉枠ベース本体110の遊技窓101の下辺裏面に沿って取り付けられる下側補強板金154(図1を参照)と、を備えており、それらが相互にビスやリベット等で締着されて方形状に形成されている。
軸支側補強板金152の上下端部に、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン155を有する上軸支部156と、その下面に軸ピン157を有する下軸支部158と、を一体的に備えている。そして、上下の軸ピン155,157が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具630及び下軸支金具640に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に軸支されるようになっている。
また、開放側補強板金153の後側下部には、錠装置1000の扉枠用フック部1041と当接するフックカバー165が備えられている。このフックカバー165は、本体枠3に対して扉枠5を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取り付けられる錠装置1000(施錠装置)の扉枠用フック部1041と係合するものであり、錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差し込んで一方に回動する(本体枠3を外枠2に対して開放する方向と反対方向に回転する)ことにより、扉枠用フック部1041とフックカバー165との係合が外れて本体枠3に対する扉枠5の閉鎖状態を解除することができるものである。
[4−2.皿ユニット]
次に、皿ユニット300について説明する。皿ユニット300は、賞球装置740から払出された遊技球を貯留するための上皿301及び下皿302を備えているとともに、上皿301に貯留した遊技球を球送ユニットを介して打球発射装置650へ供給することができるものである。
皿ユニット300の上皿上部パネル314の形状は、正面視で左方向から中央に向かって前方へ突出するように湾曲状に形成されるとともに、その中央から右方向に向かって直線上に前方へ突出して形成されている。皿ユニット300の上部中央には、操作ユニット400が取り付けられる操作ユニット取付部が形成され、この操作ユニット取付部の右側に上皿側液晶表示装置470を取り付けるための液晶取付部314dが形成される。液晶取付部314dが形成される上皿上部パネル314の形状は、板状に形成されており、この部分を例えば遊技者が手で下に向かって押しつけると下方向にたわむようになっており、その押しつける力が所定の力を超えると、上皿上部パネル314が壊れるようになっている。これは、上皿側液晶表示装置470が高価なものであるため、上皿側液晶表示装置470の画面を遊技者が手を押しつけた際に、その力を上皿上部パネル314で受けることにより上皿上部パネル314をたわませることで上皿側液晶表示装置470が破損しないようにしている。つまり、上皿側液晶表示装置470が破損する前に上皿上部パネル314が先に破損するという構造が採用されている。なお、上皿上部パネル314が破損した場合には、皿ユニット300を交換することとなる。この場合、壊れた上皿上部パネル314から上皿側液晶表示装置470を取り外して交換する皿ユニット300の上皿上部パネル314に取り付けて再利用する。
また、皿ユニット300には、上皿球抜きボタン341の操作に応じて上皿301に貯留された遊技球を下皿302へ抜くための上皿球抜き機構340と、下皿球抜きボタン354の操作に応じて下皿302に貯留された遊技球を下皿球抜き孔324bを介して下方へ抜くための下皿球抜き機構350と、パチンコ遊技機1に隣接して設置された図示しないCRユニットを作動させる貸球ユニット360と、を備えている。
[4−2−1.操作ユニット]
操作ユニット400は、正面視左右方向の略中央で上皿301の前面に配置され、遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401(操作部)と、遊技者が押圧可能な押圧操作部405(操作部)と、を備えており、遊技状態に応じて遊技者の操作を受付けたり、ダイヤル操作部401が可動したりすることができ、遊技者に対して遊技球の打込操作だけでなく、遊技中の演出にも参加することができるようにするものである。ダイヤル操作部401の回転(回転方向)は、操作ユニット400に備える回転検出スイッチにより検出され、押圧操作部405の操作は、操作ユニット400に備える押圧検出スイッチにより検出されるようになっている。
また、操作ユニット400は、ダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を時計回りや、反時計回りの方向へ回転させることができるようになっている。また、操作ユニット400は、ステッピングモータを用いたダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を、カクカクと段階的に回転させたり、遊技者がダイヤル操作部401を回転操作した時に、その回転を補助したり、わざと回らないようにしたり、回転にクリック感を付与したりすることができるようになっている。また、操作ユニット400は、ダイヤル駆動モータ414を小刻みに正転させる回転と逆転させる回転とを交互に繰返させることによりダイヤル操作部401を振動させるようにすることができるようになっている。
[4−2−2.貸球ユニット]
貸球ユニット360は、後方へ押圧可能な貸球ボタン361及び返却ボタン362を備えているとともに、貸球ボタン361と返却ボタン362の間に貸出残表示部363を備えている。貸球ボタン361が操作されると、球貸スイッチ365aにより検出され、返却ボタン362が操作されると、返却スイッチ365bにより検出されるようになっている。残度数表示器365cの表示内容は貸出残表示部363を介して視認することができるようになっている。なお、残度数表示器365cに隣接してCRユニットランプ365dが配置されており、CRユニットランプ365dの発光態様が貸出残表示部363を介して視認することができるようになっている。球貸スイッチ365a、返却スイッチ365b、残度数表示器365c、及びCRユニットランプ365dは、度数表示板365に実装されており、この度数表示板365は、貸球ユニット360の内部に取り付けられている。この貸球ユニット360は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられた球貸機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、貸球ボタン361を押すと、所定数の遊技球を皿ユニット300の上皿301内へ貸出す(払い出す)ことができるとともに、返却ボタン362を押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却されるようになっている。また、貸出残表示部363には、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数が表示されるようになっている。
[4−3.球送ユニット]
次に、球送ユニット580について説明する。球送ユニット580は、皿ユニット300における上皿301から供給される遊技球を1球ずつ打球発射装置650へ供給することができるとともに、上皿301内に貯留された遊技球を、上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341の操作によって下皿302へ抜くことができるものである。
球送ユニット580は、皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球が、上皿301の上皿球排出口、扉枠ベース本体110の球送開口を通して供給され前後方向に貫通した侵入口、及び侵入口の下側に開口する球抜口を有し後方が開放された箱状の前カバーと、前カバーの後端を閉鎖するとともに前方が開放された箱状で、前後方向に貫通し前カバーの侵入口から侵入した遊技球を打球発射装置650へ供給するための打球供給口582aを有した後カバーと、後カバー及び前カバーの間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバーの後側で侵入口と球抜口との間を仕切る仕切部を有した球抜き部材と、球抜き部材の仕切部上の遊技球を1球ずつ後カバーの打球供給口582aへ送り前カバーと後カバーとの間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送部材と、球送部材を回動させる球送ソレノイド585と、を備えている。
球送ソレノイド585が駆動される(ONの状態)と、球送部材が遊技球を1球受け入れる一方、球送ソレノイド585の駆動が解除される(OFFの状態)と、球送部材が受け入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る(供給する)ようになっている。
[4−4.ハンドル装置]
次に、ハンドル装置500について説明する。ハンドル装置500は、扉枠ベース本体110の前面に取り付けられたハンドルブラケットに固定され円筒状で前端が軸直角方向へ丸く膨出したハンドルベースと、ハンドルベースに対して相対回転可能にハンドルベースの前側に配置される環状の回転ハンドル本体後と、回転ハンドル本体後の前面に固定され回転ハンドル本体後と一体回転可能とされた回転ハンドル本体前506と、回転ハンドル本体前506の前面に配置されると共にハンドルベースに固定され、ハンドルベースと協働して回転ハンドル本体前506及び回転ハンドル本体後を回転可能に支持する前端カバー508と、を備えている。
また、ハンドル装置500は、回転ハンドル本体前の回転中心に前側から後側へ突出するように取り付けて固定され後端に非円形の軸受部を有した軸部材と、軸部材の軸受部と嵌合し回転可能とされた検出軸部を有しハンドルベースの前面に回転不能に嵌合されるポテンショメータ512と、ポテンショメータ512をハンドルベースとで挟むようにハンドルベースの前面に固定されポテンショメータ512の検出軸部が通過可能な貫通孔を有したスイッチ支持部材と、スイッチ支持部材の後面に取り付けられるタッチスイッチ516と、タッチスイッチ516とはスイッチ支持部材の後面の異なる位置に取り付けられる発射停止スイッチ518と、スイッチ支持部材に対して回転可能に軸支され発射停止スイッチ518を作動させる単発ボタンと、軸部材の外周を覆うように配置され回転ハンドル本体前506及び回転ハンドル本体後を原回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰するように付勢するハンドル復帰バネと、を備えている。なお、ポテンショメータ512は、回転ハンドル本体前506の回転位置に応じて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す強度を電気的に調節するためのものである。また、回転ハンドル本体前506及び回転ハンドル本体後は、原回転位置から正面視で時計周りの方向へ最大回転位置となる限界回転位置(正面視で時計周りの方向への回転端)まで回動する。
また、ハンドル装置500は、ポテンショメータ512が可変抵抗器とされており、回転ハンドル本体前506及び回転ハンドル本体後を回転させると、軸部材を介してポテンショメータ512の検出軸部が回転することとなる。そして、検出軸部の回転位置(回転角度)に応じてポテンショメータ512の内部抵抗が変化し、ポテンショメータ512の内部抵抗に応じて打球発射装置650における発射ソレノイド654の駆動力が変化して、回転ハンドル本体前506及び回転ハンドル本体後の回転角度、つまり回転ハンドル本体前506及び回転ハンドル本体後の回転位置に応じた(見合った)発射強度で遊技球が遊技領域1100内へ打ち込まれるようになっている。
[4−5.ファールカバーユニット]
次に、ファールカバーユニット540について説明する。ファールカバーユニット540は、扉枠ベースユニット100における遊技窓101よりも下側の後面に取り付けられ、賞球ユニット700から払出された遊技球や、打球発射装置650により発射されたにも関わらず遊技領域1100内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を、皿ユニット300の上皿301や下皿302へ誘導するものである。ファールカバーユニット540は、前側が開放され複数の遊技球の流路を内部に有したカバーベースと、カバーベースの前端を閉鎖する前カバーと、を備えている。
ファールカバーユニット540のカバーベースは、背面視で右上隅に配置され前後方向に貫通する第一球入口542aと、第一球入口と連通しカバーベース542の前端に向かうに従って正面視右側へ広がる第一球通路と、第一球入口542aの外側(背面視でで右側)に配置され第一球入口542aよりも大口の第二球入口542cと、第二球通路と連通しカバーベースの内部で、下方へ延びた上で正面視右下隅へ向かって低くなるように傾斜した第二球入口542cと、を備えている。この第一球入口542a及び第二球入口542cは、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態で、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出口774及び満タン球出口776とそれぞれ対向する位置に形成されている。なお、カバーベースにおける第二球通路は、下端に沿って左右方向へ延びた部分の高さが、遊技球の外径に対して約3倍の高さとされており、所定量の遊技球を収容可能な収容空間が形成されている。
また、カバーベース542は、左右方向の略中央上部に配置され上方に開口したファール球入口542eと、ファール球入口542eと連通し第二球通路の下流付近の上部へ遊技球を誘導可能なファール球通路と、を備えている。また、カバーベースは、第二球入口の下側の後面に球出口開閉ユニット790の開閉シャッター792を作動させるための開閉作動片を、備えている。この開閉作動片は、扉枠5を本体枠3に対して閉じた時に、球出口開閉ユニット790における開閉クランクの球状の当接部と当接することで、開閉クランクを回転させて開閉シャッター792を開状態とすることができるものである。
ファールカバーユニット540の前カバーは、カバーベースの前面を閉鎖する略板状に形成されており、正面視左上隅に配置されカバーベースの第一球通路と連通し前後方向に貫通した第一球出口と、正面視右下隅に配置されカバーベース542の第二球通路の下流端と連通し前後方向に貫通した第二球出口と、を備えている。前カバーの第一球出口は、扉枠ベースユニット100の切欠部を通して皿ユニット300の上皿球供給口と接続されるようになっている。また、第二球出口は、扉枠ベース本体110の球通過口を通して皿ユニット300における下皿球供給樋の後端が接続されるようになっている。
ファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出口774から第一球入口542aへ供給された遊技球を、第一球通路を通って第一球出口から皿ユニット300の上皿球供給口を介して上皿301へ供給することができるようになっている。また、ファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の満タン球出口776から第二球入口542cへ供給された遊技球を、第二球通路を通って第二球出口から皿ユニット300の下皿球供給樋及び下皿球供給口を介して下皿302へ供給することができるようになっている。
また、ファールカバーユニット540は、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態とすると、ファール球入口542eが本体枠3のファール空間626の下部に位置するようになっており、打球発射装置650により発射された遊技球が遊技領域1100内へ到達せずにファール球となってファール空間626を落下すると、ファール球入口542eによって受けられるようになっている。そしてファールカバーユニット540は、ファール球入口542eに受けられた遊技球を、ファール球通路及び第二球通路を通って第二球出口から皿ユニット300の下皿302へ排出(供給)することができるようになっている。
また、ファールカバーユニット540は、第二球通路における収容空間の上流側(正面視左側)側面を形成し収容空間内に貯留された遊技球によって揺動可能にカバーベースに軸支された揺動部材と、揺動部材の揺動を検出する満タンスイッチ550と、揺動部材が満タンスイッチ550によって非検出状態となる方向へ付勢するバネと、を備えている。この揺動部材は、カバーベースに対して下端が回動可能に軸支されているとともに、上端が正面視左側へ回動するようになっており、略垂直な状態で収容空間の左側側壁を形成するようになっている。また、揺動部材は、バネによって略垂直状態となる位置へ付勢されている。また、揺動部材は、収容空間側とは反対側の側面に外側へ突出する検出片が形成されており、この検出片が満タンスイッチ550よって検出されるようになっている。つまり、満タンスイッチ550からの検出信号に基づいて、収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かを判断することができるようになっている。
[5.遊技盤の全体構成]
次に、遊技盤4の全体構成について、図8及び図9を参照して説明する。図8は遊技盤の正面図であり、図9は図8の遊技盤を分解して前から見た分解斜視図である。遊技盤4は、図8及び図9に示すように、外レール1111及び内レール1112を有し、遊技者がハンドル装置500を操作することで遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる遊技領域1100の外周を区画形成する枠状の前構成部材1110と、前構成部材1110の正面視右下隅部でパチンコ遊技機1へ取り付けた時に扉枠5の遊技窓101から遊技者側へ視認可能となる位置に配置された機能表示ユニット1180と、前構成部材1110の後側に遊技領域1100を閉鎖するように取り付けられ遊技領域1100と対応する位置に所定形状で前後方向へ貫通した複数の開口部1158を有した板状の遊技パネル1150と、遊技パネル1150の開口部1158に対して前側から取り付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1150の後面に取り付けられる裏ユニット3000と、を備えている。
また、遊技盤4は、遊技パネル1150と裏ユニット3000との間に配置され、遊技パネル1150を貫通するように複数穿設された発光装飾孔に対して遊技パネル1150の後側から挿入されるパネルレンズ部材2500と、裏ユニット3000の後側に脱着可能に取り付けられ遊技状態に応じて遊技者側から視認可能とされた所定の演出画像を表示可能な液晶表示装置と、裏ユニット3000の下部を後側から覆うように遊技パネル1150の後面下部に取り付けられる基板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後面に取り付けられる主制御基板ボックス1170と、を備えている。
[5−1.前構成部材]
次に、前構成部材1110について説明する。前構成部材1110は、外形が本体枠3の遊技盤保持口601内へ挿入可能な略矩形状とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域1100の外周が区画されるようになっている。この前構成部材1110は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1111と、外レール1111に略沿って外レール1111の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1112と、内レール1112の下端から滑らかに連続するように正面視反時計回りの周方向へ沿って外レール1111の終端(上端)よりも下側の位置まで円弧状に延びた内周レール1113と、内周レール1113の終端(上端)と外レール1111の終端(上端)とを結び外レール1111に沿って転動してきた遊技球が当接可能とされた衝止部1114と、内レール1112と内周レール1113との境界部で遊技領域1100の最下端に配置され後方へ向かって低くなったアウト口誘導面1115と、内レール1112の上端に回動可能に軸支され、外レール1111との間を閉鎖するように内レール1112の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1111との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされるとともに閉鎖位置側へ復帰するようにバネによって付勢された逆流防止部材1116と、を備えている。
前構成部材1110は、遊技盤4を本体枠3に取り付けた状態とすると、外レール1111と内レール1112との間の下端開口が、本体枠3の打球発射装置650における発射レール660(図1を参照)の延長線上に位置するようになっている。この外レール1111の下端と、発射レール660の上端との間には、左右方向及び下方へ広がった空間が形成されており、打球発射装置650の発射レール660に沿って打ち出された遊技球が、その空間を飛び越えて、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から外レール1111と内レール1112との間へ打ち込まれるようになっている。外レール1111と内レール1112との間に打ち込まれた遊技球は、その勢いに応じて外レール1111に沿って上方へ転動し、内レール1112の上端に軸支された逆流防止部材1116を、その付勢力に抗して開放位置側へ回動させることにより、遊技領域1100内へ侵入することができるようになっている。
また、打球発射装置650において遊技球を強く打球した場合、遊技領域1100内で外レール1111に沿って転動した遊技球が、外レール1111の終端に備えられた衝止部1114に当接するようになっており、この衝止部1114に遊技球が当接することで遊技球の転動方向を強制的に変化させることができ、外レール1111から内周レール1113へ連続して遊技球が転動するのを防止することができるようになっている。なお、遊技領域1100内へ侵入した(打ち込まれた)遊技球が、外レール1111と内レール1112との間へ戻ろうとしても、その前に逆流防止部材1116が付勢力によって閉鎖位置へ復帰することで、逆流防止部材1116によって遊技球の逆流が阻止されるようになっている。
また、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球は、表ユニット2000の始動口2101,2102や入賞口2103,2104,2201等に受け入れられなかった場合は、遊技領域1100の下端へと流下し、内レール1112と内周レール1113との境界のアウト口誘導面1115によって、遊技パネル1150のアウト口1151へ誘導され、アウト口1151から遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
一方、打球発射装置650から発射された遊技球が、内レール1112先端の逆流防止部材1116を越えて遊技領域1100内へ侵入することができなかった場合は、外レール1111と内レール1112との間を逆方向の下方へ向かって転動し、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から、発射レール660の上端と外レール1111の下端との間に形成されたファール空間626(図1を参照)を落下することとなり、ファール空間626の下部に位置する扉枠5に取り付けられたファールカバーユニット540のファール球入口542e(図1を参照)に受け入れられて、皿ユニット300における下皿302(図7を参照)へ排出されるようになっている。
なお、前構成部材1110における外レール1111は、その表面に金属板が取り付けられており、遊技球の転動による耐摩耗性が高められているとともに、遊技球が滑らかに転動するようになっている。また、衝止部1114は、表面にゴムや合成樹脂等の弾性体が配置されており、遊技球が外レール1111に沿って勢い良く転動してきて衝突しても、その衝撃を緩和させることができるようになっているとともに、遊技球を内側へ反発させることができるようになっている。
また、前構成部材1110は、正面視左端に上下方向へ離間して配置され前方から後方へ向かって窪むとともに左端に開放された一対の位置決め凹部1119と、正面視右端に上下方向へ離間して配置された一対の遊技盤止め具1120と、外レール1111の下端よりも正面視左側に配置され下方へ開放されるとともに上側が円弧状に形成され前側から窪んだ固定凹部1121と、正面視下端の左側端部付近に下端から上方へ左右方向へ長く延びた矩形状に切欠かれた球通路用切欠部1122と、を備えている。前構成部材1110の位置決め凹部1119は、本体枠3における側面防犯版950の内側に取り付けられた位置決め部材956(図5を参照)と嵌合させることで、遊技盤保持口601(図5を参照)に挿入された遊技盤4の正面視左端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤止め具1120は、本体枠3における本体枠ベース600の遊技盤係止部に対して着脱可能に係止することができるようになっており、遊技盤止め具1120を遊技盤係止部に係止させることで、本体枠3の遊技盤保持口601に挿入された遊技盤4の正面視右端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
また、前構成部材1110の固定凹部1121は、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入した状態で、本体枠3の前面に軸支された遊技盤固定具690(図5を参照)を正面視で時計回りの方向へ回動させると、遊技盤固定具690の固定片690a(図5を参照)が挿入されるようになっており、遊技盤固定具690によって遊技盤4の下端が前方へ移動するのが規制されるようになっている。また、前構成部材1110の球通路用切欠部1122は、遊技パネル1150の同位置にも同様の球通路用切欠部1152が形成されており、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入した状態では、球通路用切欠部1122,1152内に満タン分岐ユニット770(図5を参照)の前端が挿通されるようになっている。
なお、前構成部材1110の正面視右下には、後述する機能表示ユニット1180が配置されている。
[5−2.表ユニット]
次に、遊技盤4の表ユニット2000について説明する。表ユニット200は、遊技領域1100内の左右方向略中央下部でアウト口1151の上側に配置され遊技パネル1150の前面に支持されるアタッカユニット2100と、アタッカユニット2100の左方で遊技領域1100の外周に沿って配置され遊技パネル1150の前面に支持されるサイド入賞口部材2200と、遊技領域1100の略中央部分に配置され遊技パネル1150に支持される枠状のセンター役物2300と、を備えている。
この表ユニット2000は、遊技パネル1150における遊技領域1100と対応した位置に形成された開口部1158に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に取り付けられるようになっており、遊技パネル1150よりも前側へ突出した部分は、遊技領域1100内に位置するようになっている。これにより、表ユニット2000は、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球と適宜位置で当接するようになっており、遊技パネル1150の前面に植設された障害釘と共に、遊技球の動きに対して変化を付与することができるようになっているものである。また、表ユニット2000は、遊技領域1100内を装飾することができるようになっている。
[5−2−1.アタッカユニット]
次に、表ユニット2000のアタッカユニット2100について説明する。アタッカユニット2100は、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球が受入可能とされた複数の受入口(入賞口)を有しており、具体的には、左右方向の略中央に配置された上始動口2101と、上始動口2101の下側に配置された下始動口2102と、下始動口2102の下側に配置され上始動口2101や下始動口2102よりも左右方向へ大きく延びた矩形状の大入賞口2103と、大入賞口2103の左右両側やや上寄りに配置された一般入賞口2104と、を備えている。これら上始動口2101、下始動口2102、大入賞口2103、及び一般入賞口2104に受け入れられた遊技球は、遊技パネル1150の前面側から後面側へ誘導されるようになっている。
このアタッカユニット2100の上始動口2101は、上側が開放されており遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。一方、上始動口2101の下側に配置された下始動口2102は、上始動口2101との間に始動口ソレノイド2105(図12を参照)により拡開可能な一対の可動片2106が配置されており、一対の可動片2106が略垂直に立上った状態では上始動口2101と一対の可動片2106とによって下始動口2102へ遊技球が受入不能となるのに対して、一対の可動片2106が左右方向へ拡開した状態では下始動口2102へ遊技球が受入可能となるようになっている。つまり、一対の可動片2106により下始動口2102が可変入賞口となっている。なお、一対の可動片2106は、後述するセンター役物2300におけるゲート部2350のゲートスイッチ2352による遊技球の通過の検出に基づいて抽選される普通抽選結果に応じて(普通抽選の結果が「当り」の時に)始動口ソレノイド2105の駆動により開閉されるようになっている。
また、アタッカユニット2100の大入賞口2103は、その開口を閉鎖可能な横長矩形状の開閉部材2107によって開閉可能とされている。この開閉部材2107は、下辺が回動可能に軸支されており、略垂直な状態では大入賞口2103を閉鎖して遊技球を受け入れし難くすることができると共に、上辺が前側へ移動するように回動すると大入賞口2103を開放して遊技球を受け入れ易くすることができるようになっている。この開閉部材2107は、通常の遊技状態では大入賞口2103を閉鎖した状態となっており、上始動口2101や下始動口2102へ遊技球が受け入れられる(始動入賞する)ことで抽選される特別抽選結果に応じて(特別抽選の結果が「大当り」又は「小当り」の時に)アタッカソレノイド2108(図12を参照)の駆動により開閉するようになっている。
更に、アタッカユニット2100の一般入賞口2104は、上向きに開放されており、遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。
また、アタッカユニット2100は、詳細な図示は省略するが、下始動口2102へ受け入れられた遊技球を検出する下始動口スイッチ2109と、大入賞口2103へ受け入れられた遊技球を検出するカウントスイッチ2110と、を更に備えており、下始動口スイッチ2109やカウントスイッチ2110により検出された遊技球は、基板ホルダ1160の底壁部上に排出されるようになっている。なお、上始動口2101へ受け入れられた遊技球を検出する上始動口スイッチ3022と、一般入賞口2104へ受け入れられた遊技球を検出する一般入賞口スイッチ3020は、裏ユニット3000に備えられている。
[5−2−2.サイド入賞口部材]
次に、表ユニット2000のサイド入賞口部材2200について説明する。サイド入賞口部材2200は、遊技パネル1150における左右方向中央から左寄りの下部で、アタッカユニット2100が挿入固定される開口部1158よりも左側に形成された開口部1158に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に固定されるものであり、アタッカユニット2100における正面視左側の一般入賞口2104と並ぶように遊技領域1100の外周に沿って互いに背向するようにされた2つの一般入賞口2201を備えている。これら2つの一般入賞口2201は、上方に開放され遊技球が常時受入(入賞)可能となっており、一般入賞口2201へ受け入れられた遊技球は、遊技パネル1150の前面側から後面側へ誘導された後に、後述する裏ユニット3000に備えられた一般入賞口スイッチ3020によって検出されるようになっている。
また、サイド入賞口部材2200には、その左上端部に左側の端部が遊技領域1100の外周と略接するような位置に配置され、右側の端部へ向うに従って低くなるように傾斜した第一棚部2202と、第一棚部2202とは2つの一般入賞口2201を挟んで反対側且つ下側に配置され遊技領域1100の左右方向中央側(アタッカユニット2100の下始動口2102や大入賞口2103側)へ向かって低くなる第二棚部2203と、を備えており、第一棚部2202によって遊技領域1100の外周に沿って流下してきた遊技球を遊技領域1100の中央側へ寄せることができるようになっている。
なお、2つの一般入賞口2201は、第一棚部2202の右側の端部よりも右側へ配置されており、第一棚部2202により遊技球が遊技領域1100の中央側へ寄せられても、一般入賞口2201へ入賞する可能性があるようになっている。また、2つの一般入賞口2201の間の上側にも、遊技領域1100の中央側へ向って低くなるように傾斜した第三棚部2204が備えられている。
このサイド入賞口部材2200は、全体的に透光性を有するように形成されており、詳細な図示は省略するが、第二棚部2203の後側にサイド入賞口装飾基板が備えられていると共に、サイド入賞口部材2200の後側に後述する裏ユニット3000におけるサイドランプ装飾基板3014が配置されるようになっており、これらサイド入賞口装飾基板及びサイドランプ装飾基板3014によってサイド入賞口部材2200が発光装飾可能とされている。
[5−2−3.センター役物]
次に、表ユニット2000のセンター役物2300について説明する。センター役物2300は、遊技パネル1150の略中央を貫通するように大きく形成された開口部1158に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に固定されるものであり、遊技領域1100の大半を占める大きさで枠状に形成され、正面視右側の外周面は遊技領域1100の外周との間で遊技球の外径よりも若干大きい隙間が形成されるように円弧状に形成されていると共に、左側の外周面は遊技領域1100の外周との間で所定幅の領域が形成されるように垂下した略直線上に形成されている。
このセンター役物2300は、遊技パネル1150の前面に位置する前壁部の上側の外周面における左右方向中央のやや右寄りの位置から左側に、左方向へ向うに従って低くなるように傾斜した上棚部2301を備えており、遊技領域1100内の上部へ打ち込まれた遊技球が、上棚部2301へ流下するとセンター役物2300の左方を通って流下するようになっていると共に、上棚部2301よりも右側へ流下(侵入)した遊技球はセンター役物2300の右方を通って一気に遊技領域1100の下部へ流下するようになっている。つまり、センター役物2300における上棚部2301よりも右側へ遊技球が侵入するように遊技球を打ち込むと、遊技球の流下を楽しむ機会が少なくなるようになっているので、遊技球の打込強さを適宜調整させることができ、緊張感を維持させて漫然とした遊技となるのを抑制することができるようになっている。
また、センター役物2300は、遊技パネル1150の前側に位置する前壁部の左側の外周面に遊技領域1100を流下する遊技球が侵入可能とされたワープ入口2302と、ワープ入口2302に侵入した遊技球を枠内へ放出するワープ出口(図示は省略)と、ワープ出口から放出された遊技球を左右方向へ転動させた後にアタッカユニット2100の上側の遊技領域1100内へ放出させセンター役物2300における枠内の下辺上面に形成されたステージ2310と、を主に備えている。
このセンター役物2300におけるステージ2310は、詳細な図示は省略するが、ワープ出口から放出された遊技球が供給される第一ステージと、第一ステージの前側に配置され第一ステージから遊技球が供給されると共に遊技領域1100内へ遊技球を放出可能とされた第二ステージと、を備えている。このステージ2310は、左右方向の略中央が低くなるような湾曲面状に形成されている。また、第一ステージの左右方向略中央の後側には、遊技球が侵入可能なチャンス入口2313が形成されており、チャンス入口2313へ侵入した遊技球はセンター役物2300における最下端前面のチャンス出口2314から遊技領域1100内へ放出されるようになっている。このチャンス出口2314は、アタッカユニット2100における上始動口2101の直上に配置されており、チャンス出口2314から放出された遊技球は、高い確率で上始動口2101へ受け入れられる(入賞する)ようになっている。
なお、センター役物2300におけるステージ2310は、透明な部材で形成されており、このステージ2310を通して、裏ユニット3000におけるステージ2310よりも下側に配置された装飾体が遊技者側から視認できるようになっている。
また、センター役物2300には、遊技パネル1150の前側に位置する前壁部の左側の外周面でワープ入口2302よりも上側に、内レール1112と略接するように左方向へ延出する透明なアーチ部2315を更に備えている。このアーチ部2315は、前壁部の略前端から薄板状の延びだしており、アーチ部2315と遊技パネル1150の前面との間に遊技球が通過可能な空間を形成している。これにより、遊技領域1100の上部に打ち込まれて上棚部2301によってセンター役物2300の左方へ誘導された遊技球が、アーチ部2315の後側を通って下流側へ流下するようになっている。
更に、センター役物2300には、遊技パネル1150の前側に位置する前壁部の左側の外周面でアーチ部2315付近に遊技球の通過を検出するゲート部2350を備えている。このゲート部2350は、前壁部の左側の外周面でアーチ部2315の上側に配置され遊技領域1100を流下する遊技球が侵入可能とされたゲート入口と、ゲート入口に侵入した遊技球を検出するゲートスイッチ2352と、ゲートスイッチ2352で検出された遊技球を前壁部の外周面から遊技領域1100へ放出するゲート出口とを備えている。なお、本実施形態では、詳細な図示は省略するが、ゲート部2350のゲート出口が、アーチ部2315と同じ高さの位置に形成されており、ゲートスイッチ2352で検出された遊技球が、アーチ部2315をあたかも潜ったかのように見えるようになっている。
[5−3.パネルレンズ部材]
次に、遊技盤4のパネルレンズ部材2500について説明する。パネルレンズ部材2500は、遊技パネル1150における遊技領域1100内でセンター役物2300が挿入される開口部1158よりも外側の位置に円形や×形状で前後方向へ貫通するように形成された複数の発光装飾孔を発光装飾させるものである。このパネルレンズ部材2500は、センター役物2300の外周で左上側に形成された複数の発光装飾孔と対応した透明な上パネルレンズ2510と、上パネルレンズ2510の後側に配置され表面に複数のLEDが実装された上パネルレンズ基板と、センター役物2300の外周で左下側に形成された複数の発光装飾孔と対応した透明な下パネルレンズ2520と、下パネルレンズ2520の後側に配置され表面に複数のLEDが実装された下パネルレンズ基板とを備えている。
このパネルレンズ部材2500における上パネルレンズ2510及び下パネルレンズ2520は、板状のレンズベース部から前方へ突出し、挿入される発光装飾孔の形状と略同形状とされた複数の棒状の挿入導光部を備えている。この挿入導光部を遊技パネル1150の発光装飾孔へ後側から挿入した状態では、その先端が遊技パネル1150の前面と略一致するように形成されており、遊技パネル1150の前面を流下する遊技球に対して可及的に影響を及ぼさないようになっている。
パネルレンズ部材2500は、上パネルレンズ基板及び下パネルレンズ基板のLEDを適宜発光させることで、ベニア合板等の不透明な遊技パネル1150を用いても遊技球が流下する領域を発光装飾させることができ、これまでにない遊技パネル1150の装飾を遊技者に見せることができると共に、パチンコ遊技機1を目立たせて他のパチンコ遊技機との差別化を計ることができるようになっている。
[5−4.裏ユニット]
次に、遊技盤4の裏ユニット3000について説明する。裏ユニット3000は、遊技パネル1150の後面に取り付けて固定されており、遊技パネル1150から所定距離後側へ離れた位置に表示装置1820(以下、「遊技盤側表示装置1820」と記載する。)を支持する裏箱3001と、裏箱3001内で遊技盤側表示装置1820の上側に配置される上部ユニット3100と、裏箱3001内で遊技盤側表示装置1820の右側に配置されるキャラクタユニット3400と、裏箱3001内で遊技盤側表示装置1820の左側に配置される歯車装飾体ユニット3500と、を主に備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3001の左下前端付近で遊技パネル1150の前面に取り付けられた表ユニット2000におけるサイド入賞口部材2200と対応する位置に配置され、表面に複数のLEDが実装されたサイドランプ装飾基板3014と、裏箱3001の下部前端に取り付けられ、サイド入賞口部材2200の一般入賞口2201へ受け入れられた遊技球と、アタッカユニット2100における左側の一般入賞口2104へ受け入れられた遊技球とを下方へ誘導する左誘導部材3016と、左誘導部材3016の右側に配置され、アタッカユニット2100の上始動口2101及び右側の一般入賞口2104へ受け入れられた遊技球を下方へ誘導する右誘導部材3018と、を主に備えている。
更に、裏ユニット3000は、詳細な図示は省略するが、裏箱3001の後側下部に配置されランプ駆動基板4170を収容した横長矩形状のランプ駆動基板ボックス3423と、ランプ駆動基板ボックス3423の下側に配置されモータ駆動基板4180を収容した横長矩形状のモータ駆動基板ボックス3430と、裏箱3001の後側に固定されランプ駆動基板ボックス3423及びモータ駆動基板ボックス3430の背面視で左側に配置されたパネル中継端子板4161と、裏箱3001の後側上部に配置された横長矩形状の上部抵抗基板と、裏箱3001の後側に取り付けられ遊技盤側表示装置1820を脱着可能に保持するロック部材と、を更に備えている。
この裏ユニット3000は、本実施形態では、表ユニット2000におけるセンター役物2300の枠内を通して遊技者側から視認することができるようになっており、所定の形状に造形された各ユニット3100,3400,3500等によってパチンコ遊技機1のコンセプトを特徴付けることができるようになっている。また、裏ユニット3000は、遊技状態に応じて各ユニット3100,3400,3500が、それぞれ独立、或いは、連係しながら可動するようになっており、その可動により遊技者に対して、遊技状態の変化やチャンスの到来等を示唆することができ、遊技者を楽しませることができるようになっている。
[5−4−1.裏箱]
次に、裏ユニット3000の裏箱3001について説明する。裏箱3001は、前側が開放された箱状に形成され、前端に外方へ突出するフランジ状の固定部3001aが複数備えられており、この固定部3001aを介して遊技パネル1150の後側に固定されるようになっている。また、裏箱3001は、後壁の略中央に矩形状の開口が形成されており、この開口を通して後側に支持される遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900が遊技者側から視認できるようになっている。更に、裏箱3001は、各ユニット3100,3400,3500や、各基板3014等を取り付けて固定するための取付部が適宜位置に形成されている。
また、裏箱3001は、図示は省略するが、背面視で開口の右側に、遊技盤側表示装置1820の左右両辺から外方へ突出する一方(背面視で右辺)の固定片を挿入係止する表示装置支持部を備えていると共に、開口の背面視で左側にロック部材が取り付けられており、ロック部材により遊技盤側表示装置1820の他方(背面視で左辺)の固定片を支持することで、遊技盤側表示装置1820が裏箱3001の後側に脱着可能に取り付けられるようになっている。
[5−4−2.誘導部材]
次に、左誘導部材3016及び右誘導部材3018について説明する。左誘導部材3016は、サイド入賞口部材2200の一般入賞口2201と、アタッカユニット2100の左側の一般入賞口2104へ受け入れられた遊技球を、それぞれ異なる流路を通って下方へ誘導排出するようになっており、それぞれの流路に遊技球の通過を検出する一般入賞口スイッチ3020が備えられている。一方、右誘導部材3018は、アタッカユニット2100の上始動口2101と右側の一般入賞口2104へ受け入れられた遊技球を下端付近まではそれぞれ異なる流路を通って下方へ誘導排出されるようになっており、上始動口2101と対応した流路には上始動口スイッチ3022が、右側の一般入賞口2104と対応した流路には一般入賞口スイッチ3020が備えられている。また、右誘導部材3018には、磁気を検出可能な磁気検出スイッチ3024が備えられている。
これら左誘導部材3016及び右誘導部材3018によって下方へ誘導された遊技球は、基板ホルダ1160の底壁部上に排出され、基板ホルダ1160のアウト球排出部1161から遊技盤4の下方へ排出されるようになっている。
[5−4−3.上部ユニット]
次に、上部ユニット3100について説明する。上部ユニット3100は、全体的に横長に形成され、裏箱3001内で遊技盤側表示装置1820が臨む開口の上側に取り付け固定されるものである。この上部ユニット3100は、左右方向の略中央で前面に配置され正面視で円形状の回転装飾体ユニット3200と、回転装飾体ユニット3200の後側に配置され回転装飾体ユニット3200を昇降させる昇降機構3250と、昇降機構3250の後側で左右方向の略中央に配置された揺動装飾体ユニット3300と、揺動装飾体ユニット3300の左右両側に配置された可動天井ユニット3350と、を主に備えている。
回転装飾体ユニット3200は、昇降機構3250によって、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900の上部に位置する上昇位置と、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900の略中央に位置する下降位置との間で上下方向へ移動することができるようになっている。この回転装飾体ユニット3200は、前面に配置された手裏剣状に形成された回転装飾体が回転するようになっているとともに、回転することでその遠心力により回転装飾体の回転半径が拡径するようになっている。
また、回転装飾体ユニット3200は、端に回転装飾体が回転するだけでなく、半径方向外側へ突出するようになっているため、回転装飾体全体の回転半径が拡径して見た目を大きく変化させることができるようになっており、遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるとともに、遊技者の関心を強く引付けることができ、他のパチンコ遊技機に対して大きく差別化して遊技するパチンコ遊技機としてパチンコ遊技機1を選択させ易くすることができるようになっている。
揺動装飾体ユニット3300は、上昇位置に位置した回転装飾体ユニット3200に隣接するようにその後側の左右に配置された揺動装飾体を備えており、遊技状態に応じて左右の揺動装飾体を一斉に左右方向へ揺動させることができるようになっている。
可動天井ユニット3350は、上部ユニット3100の左右両端に水平方向へ延びるような板状の天井装飾体を備えている。この天井装飾体は、前端側を中心として左右方向へ延びた軸周りに回動可能に形成されており、遊技状態に応じて、天井装飾体の後端側が下降する方向へ回動するようになっている。
[5−4−4.キャラクタユニット]
次に、裏ユニット3000のキャラクタユニット3400について説明する。キャラクタユニット3400は、忍者を模式化すると共に立体的に造形したキャラクタ体を備えており、遊技状態に応じて、キャラクタ体が右端の位置から、中央側へ寄った位置へ左右方向に移動することができるようになっている。また、キャラクタユニット3400のキャラクタ体は、左右方向へ移動する際に、その移動と共に上下方向へ延びた軸周りに所定角度回動するようになっている。
また、キャラクタユニット3400のキャラクタ体は、頭部が左右方向へ伸びた軸周りに往復回動することができるようになっていると共に、右腕が上下方向へ伸びた軸周りに往復回動することができるようになっている。これにより、頭部を往復回動させることで、あたかもキャラクタが頷いているような動作をさせることができるようになっている。また、右腕を水平方向へ往復回動させることで、あたかもキャラクタが手裏剣を投げているような動作をさせることができるようになっている。
[5−4−5.歯車装飾体ユニット]
次に、裏ユニット3000の歯車装飾体ユニット3500について説明する。歯車装飾体ユニット3500は、左右方向へ延びた軸周りに回転可能とされ上下方向に複数配置された歯車状の歯車装飾体を備えており、遊技状態に応じて、各歯車装飾体が一斉に回転するようになっている。
[5−4−6.遊技盤側表示装置]
次に、遊技盤4の遊技盤側表示装置1820について、図8及び図9に加えて、図10を参照して説明する。図10は、遊技盤側表示装置の概略構成図(側面図)である。遊技盤側表示装置1820は、前面が矩形状に開口された箱状の形状を有するとともに、上面の後側が後面へ向かって面取りされた傾斜面を有する筐体1825と、筐体1825の前面の開口を塞ぐように取り付けられる矩形状を有する透過型のスクリーン1900と、筐体1825の底面に取り付けられるプロジェクタ1850と、筐体1825の内面であって傾斜面と対応する位置に、プロジェクタ1850から出射される画像を反射してスクリーン1900の裏面全体へ投射する反射鏡1875と、を備えている。遊技盤側表示装置1820は、プロジェクタ1850から出射される画像を反射鏡1875で反射させてスクリーン1900の裏面全体へ投射することにより、遊技状態に応じた所定の演出画像をスクリーン1900の表面全体に鮮明に表示することができるようになっている。
また、筐体1825の後面には、演出の進行を制御する周辺制御基板4140を収容する周辺制御基板ボックス1904が取り付けられるとともに、筐体1825の外面であって傾斜面にはプロジェクタ1850を駆動制御するプロジェクタ駆動基板1800を収容するプロジェクタ駆動基板ボックス1906が取り付けられている。なお、筐体1825の左右両側外面には、外方へ突出する図示しない固定片がそれぞれ設けられており、この固定片を介して裏箱3001に取り付けられるようになっている。
[6.機能表示ユニット]
次に、遊技盤4における機能表示ユニット1180について図11を参照して説明する。この機能表示ユニット1180は、前構成部材1110の所定位置に取り付けて配置されるものである。図11はパチンコ遊技機に取り付けた状態で遊技盤における機能表示ユニットを拡大して示す正面図である。
機能表示ユニット1180は、図11に拡大して示すように、正面視左側端部に遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球によって変化する遊技状態を表示するための1つのLEDからなる遊技状態表示器1183と、遊技状態表示器1183の右側で上下方向へ並んだ2つのLEDからなり上始動口2101への遊技球の受け入れに関する保留数を表示するための上特別図柄記憶表示器1184と、上特別図柄記憶表示器1184の右側に配置され上始動口2101への遊技球の受け入れにより抽選された第一特別抽選結果を第一特別図柄として表示するための1つの7セグメントLEDからなる上特別図柄表示器1185と、上特別図柄表示器1185の右斜め上に配置され下始動口2102への遊技球の受け入れにより抽選された第二特別抽選結果を第二特別図柄として表示するための1つの7セグメントLEDからなる下特別図柄表示器1186と、下特別図柄表示器1186の右側で上下方向へ並んだ2つのLEDからなり下始動口2102への遊技球の受け入れに関する保留数を表示するための下特別図柄記憶表示器1187と、を備えている。
機能表示ユニット1180の表示部1181には、下特別図柄表示器1186の直上から内周レール1113に略沿った円弧状に並んで配置され遊技球によるゲート部2350の通過に関する保留数を表示するための4つのLEDからなる普通図柄記憶表示器1188と、普通図柄記憶表示器の下側に配置され遊技球がゲート部2350を通過することで抽選された普通抽選結果を普通図柄として表示するための1つのLEDからなる普通図柄表示器1189と、普通図柄記憶表示器1188の斜め右上側へ並んで配置され第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」の時に大入賞口2103の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示するための2つのLEDからなるラウンド表示器1190と、を備えている。
遊技状態表示器1183は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なフルカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、様々な遊技状態(例えば、通常時状態、確率変動状態、時間短縮状態、確変時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態、等)を表示することができるようになっている。
上特別図柄記憶表示器1184は、上特別図柄表示器1185において第一特別図柄を変動表示させることができない時に、上始動口2101へ遊技球が受け入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第一特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この上特別図柄記憶表示器1184は、所定のLEDからなる第一特別図柄記憶ランプ1184aと、第一特別図柄記憶ランプ1184bとを有しており、第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が1つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点灯して第一特別図柄記憶ランプ1184bが消灯し、保留数が2つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bがともに点灯し、保留数が3つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点滅して第一特別図柄記憶ランプ1184bが点灯し、保留数が4つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bがともに点滅するようになっている。なお、本実施形態では、4つまで保留されるようになっている。
下特別図柄記憶表示器1187は、下特別図柄表示器1186において第二特別図柄を変動表示させることができない時に、下始動口2102へ遊技球が受け入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第二特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この下特別図柄記憶表示器1187は、所定のLEDからなる第二特別図柄記憶ランプ1187aと、第二特別図柄記憶ランプ1187bとを有しており、第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が1つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点灯して第二特別図柄記憶ランプ1187bが消灯し、保留数が2つの時には第二特別図柄記憶表示ランプ1187a,1187bがともに点灯し、保留数が3つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点滅して第二特別図柄記憶ランプ1187bが点灯し、保留数が4つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bがともに点滅するようになっている。なお、本実施形態では、4つまで保留されるようになっている。
上特別図柄表示器1185及び下特別図柄表示器1186は、上始動口2101や下始動口2102への遊技球の受け入れにより、抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を表示するものであり、7セグメントLEDが特別抽選結果に応じた所定の時間、変動した後に停止し、停止した7セグメントLEDの発光パターン(特別図柄)によって、第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を遊技者側に認識させることができるようになっている。
普通図柄表示器1189は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なフルカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、ゲート部2350を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果を表示することができるようになっている。なお、普通図柄表示器1189による普通図柄の表示も、特別図柄と同様に、所定時間変動表示した後に、普通抽選結果に対応した発光パターンで停止表示するようになっている。
普通図柄記憶表示器1188は、普通図柄表示器1189において普通図柄を変動表示させることができない時に、ゲート部2350を遊技球が通過した場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された普通図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この普通図柄記憶表示器1188は、下から並んで配置された4つの普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを備え、それぞれが所定のLEDとされており、保留数に応じて下から普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを順次点灯させることで普通図柄の保留数を表示させることができるようになっている。なお、本実施形態では、普通図柄の変動表示が4つまで保留(記憶)されるようになっている。
ラウンド表示器1190は、所定のLEDからなる2ラウンド表示ランプ1190aと、15ラウンド表示ランプ1190bとを備えており、それぞれのランプが点灯することで「大当り」遊技におけるラウンド数を表示することができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180は、図11に示すように、遊技盤4をパチンコ遊技機1に取り付けた状態で、扉枠5の遊技窓101を通して遊技者側から視認することができるようになっている。遊技状態表示器1183、上特別図柄記憶表示器1184、上特別図柄表示器1185、下特別図柄表示器1186、下特別図柄記憶表示器1187、普通図柄記憶表示器1188、普通図柄表示器1189、及びラウンド表示器1190は、機能表示基板1191の前面に取り付けられている。なお、機能表示ユニット1180の後方突出部の後端には、機能表示基板1191と主制御基板4100とを接続するための接続端子が取り付けられている。
本実施形態では、機能表示ユニット1180を遊技盤4の前構成部材1110に備えるようにしているので、遊技パネル1150に取り付けられる表ユニット2000や裏ユニット3000に備えるようにした場合と比較して、機能表示ユニット1180を遊技盤4の基本構成として流用することができ、パチンコ遊技機1に係る構成を簡略化してコストが増加するのを防止することができるとともに、パチンコ遊技機1の機種(表ユニット2000や裏ユニット3000により具現化されパチンコ遊技機1の機種を特徴付けることが可能な遊技盤4の詳細構成)が異なっていても、機能表示ユニット1180の位置が変化しないので、遊技者や遊技ホールの店員等に対して、戸惑うことなく機能表示ユニット1180の位置を認識させることができるようになっている。
[7.主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板]
次に、パチンコ遊技機1の各種制御を行う制御基板について、図12〜図17を参照して説明する。図12は主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板のブロック図であり、図13は図12のつづきを示すブロック図であり、図14は主基板を構成する払出制御基板とCRユニット及び度数表示板との電気的な接続を中継する遊技球等貸出装置接続端子板に入出力される各種検出信号の概略図であり、図15は図12のつづきを示すブロック図であり、図16は周辺制御MPUの概略を示すブロック図であり、図17は液晶及び音制御部における音源内蔵VDP周辺のブロック図である。
パチンコ遊技機1の制御構成は、図12に示すように、主制御基板4100、払出制御基板4110及び周辺制御基板4140から主として構成されており、各種制御が分担されている。まず、主制御基板について説明し、続いて払出制御基板、電源基板、そして周辺制御基板について説明する。
[7−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図12に示すように、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに遊技動作を制御するメイン制御プログラムなどの各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU4100aと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路4100bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための主制御出力回路4100cと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路4100dと、予め定めた電圧の停電又は瞬停の兆候を監視する停電監視回路4100eと、を主として備えている。
主制御MPU4100aには、その内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ4100af(以下、「主制御内蔵WDT4100af」と記載する。)や不正を防止するための機能等も内蔵されている。
また、主制御MPU4100aは、不揮発性のRAMが内蔵されている。この不揮発性のRAMには、主制御MPU4100aを製造したメーカによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。この一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えることができない。主制御MPU4100aは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができるようになっている。
また、主制御MPU4100aは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数をハードウェアにより更新するハード乱数回路4100an(以下、「主制御内蔵ハード乱数回路4100an」と記載する。)が内蔵されている。この主制御内蔵ハード乱数回路4100anは、予め定めた数値範囲(本実施形態では、最小値として値0〜最大値として値32767という数値範囲が予め設定されている。)内において乱数を生成し、初期値として予め定めた値が固定されておらず(つまり、初期値が固定されておらず)、主制御MPU4100aがリセットされるごとに異なる値がセットされるように回路構成されている。具体的には、主制御内蔵ハード乱数回路4100anは、主制御MPU4100aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU4100aに入力されるクロック信号(後述する主制御水晶発振器から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU4100aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路4100anが繰り返し行い、主制御MPU4100aは、主制御内蔵ハード乱数回路4100anから値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路4100anが抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
主制御入力回路4100bは、その各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路4100bは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路4100bは、その各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御出力回路4100cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き主制御出力回路4100caと、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし主制御出力回路4100cbと、から構成されている。リセット機能付き主制御出力回路4100caは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き主制御出力回路4100caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし主制御出力回路4100cbは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし主制御出力回路4100cbは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
図8に示した、上始動口2101に入球した遊技球を検出する上始動口スイッチ3022、下始動口2102に入球した遊技球を検出する下始動口スイッチ2109、及び一般入賞口2104に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ3020からの検出信号や停電監視回路4100eからの信号は、主制御入力回路4100bを介して主制御MPU4100aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。また、図8に示した、ゲート部2350を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ2352、一般入賞口2201に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ3020、大入賞口2103に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ2110、及び図9に示した裏ユニット3000に取り付けられて磁石を用いた不正行為を検出する磁気検出スイッチ3024からの検出信号は、遊技盤4に取り付けられたパネル中継端子板4161、そして主制御入力回路4100bを介して主制御MPU4100aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
主制御MPU4100aは、これらの各スイッチからの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路4100caから主制御ソレノイド駆動回路4100dに制御信号を出力し、主制御ソレノイド駆動回路4100dからパネル中継端子板4161を介して始動口ソレノイド2105及びアタッカソレノイド2108に駆動信号を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路4100caからパネル中継端子板4161、そして機能表示基板1191を介して上特別図柄表示器1185、下特別図柄表示器1186、上特別図柄記憶表示器1184、下特別図柄記憶表示器1187、普通図柄表示器1189、普通図柄記憶表示器1188、遊技状態表示器1183、及びラウンド表示器1190に駆動信号を出力したりする。
また、主制御MPU4100aは、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路4100caから払出制御基板4110に遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに信号(停電クリア信号)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路4100caから停電監視回路4100eに信号(停電クリア信号)を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、上始動口スイッチ3022、下始動口スイッチ2109、ゲートスイッチ2352、及びカウントスイッチ2110には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口スイッチ3020,3020には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が上始動口2101や下始動口2102に頻繁に入球するし、ゲート部2350を頻繁に通過するため、上始動口スイッチ3022、下始動口スイッチ2109、及びゲートスイッチ2352による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、上始動口スイッチ3022、下始動口スイッチ2109、及びゲートスイッチ2352には、寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技者にとって有利となる大当り遊技状態が発生すると、大入賞口2103が開放されて遊技球が頻繁に入球するため、カウントスイッチ2110による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、カウントスイッチ2110にも、寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球が頻繁に入球しない一般入賞口2104,2201には、一般入賞口スイッチ3020,3020による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口スイッチ3020,3020には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU4100aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路4100cbに払い出しに関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路4100cbから払出制御基板4110に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。払出制御基板4110は、主制御基板4100からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を主制御基板4100に出力する。この信号(払主ACK信号)が主制御入力回路4100bを介して主制御MPU4100aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、主制御MPU4100aは、払出制御基板4110からのパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして主制御入力回路4100bで受信することにより、主制御入力回路4100bからその所定のシリアル入力ポートの入力端子で各種コマンドをシリアルデータとして受信する。主制御MPU4100aは、払出制御基板4110からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに出力し、リセット機能付き主制御出力回路4100caから払出制御基板4110に信号(主払ACK信号)を出力する。
また、主制御MPU4100aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路4100cbに遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路4100cbから周辺制御基板4140に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
ここで、周辺制御基板4140へ各種コマンドをシリアルデータとして送信する主周シリアル送信ポートについて簡単に説明する。主制御MPU4100aは、主制御CPUコア4100aaを中心として構成されており、主制御内蔵RAMのほかに、主制御各種シリアルI/Oポートの1つである主周シリアル送信ポート4100ae等がバス4100ahを介して回路接続されている(図23を参照)。主周シリアル送信ポート4100aeは、周辺制御基板4140へ各種コマンドを主周シリアルデータとして送信するものであり、送信シフトレジスタ4100aea、送信バッファレジスタ4100aeb、シリアル管理部4100aec等を主として構成されている(図23を参照)。主制御CPUコア4100aaは、コマンドを送信バッファレジスタ4100aebにセットして送信開始信号をシリアル管理部4100aecに出力すると、このシリアル管理部4100aecが送信バッファレジスタ4100aebにセットされたコマンドを送信バッファレジスタ4100aebから送信シフトレジスタ4100aeaに転送して主周シリアルデータとして周辺制御基板4140に送信開始する。本実施形態では、送信バッファレジスタ4100aebの記憶容量として32バイトを有している。主制御CPUコア4100aaは、送信バッファレジスタ4100aebに複数のコマンドをセットした後にシリアル管理部4100aecに送信開始信号を出力することによって複数のコマンドを連続的に周辺制御基板4140に送信している。
なお、主制御基板4100に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間(本実施形態では、3時間)、主制御基板4100に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)BC0(図18を参照)を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。主制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に後述する払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作されると、操作スイッチ860aからの操作信号(RAMクリア信号)が払出制御基板4110から出力され、主制御入力回路4100bを介して、主制御MPU4100aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、これを契機として、主制御MPU4100aによって主制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[7−2.払出制御基板]
遊技球の払出制御のほかに、遊技球の発射制御や球送制御等を行う払出制御基板4110は、図13に示すように、払い出しに関する各種制御を行うとともに遊技球の発射制御や球送制御を行う払出制御部4120と、各種機能を兼用する操作スイッチ860aと、パチンコ遊技機1の状態を表示するエラーLED表示器860bと、を備えている。また、RAMクリアスイッチとしての機能を兼ね備える操作スイッチ860aは、操作されることによって出力された検出信号に基づいて、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号を出力する。
[7−2−1.払出制御部]
払い出しに関する各種制御を行うとともに遊技球の発射制御や球送制御を行う払出制御部4120は、図13に示すように、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行される遊技媒体の払出動作を制御する払出制御プログラムを含む各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU4120aと、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号や遊技球の発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路4120bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための払出制御出力回路4120cと、図5に示した賞球装置740の払出モータ744に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路4120dと、CRユニット6との各種信号をやり取りするためのCRユニット入出力回路4120eと、を備えている。払出制御MPU4120aには、図5に示した打球発射装置650の発射ソレノイド654による発射制御及び図1に示した球送ユニット580の球送ソレノイド585による球送制御を行う発射球送制御回路4120agと、この発射球送制御回路4120agに不具合が発生しているか否かを監視する発射球送不具合監視回路4120ahと、が内蔵されている。また、払出制御MPU4120aには、その内蔵されているRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)、その内蔵されているROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
発射ソレノイド654による発射制御と、球送ソレノイド585による球送制御と、を行う払出制御MPU4120aに内蔵される発射球送制御回路4120agは、図7に示した回転ハンドル本体前506の回転位置に応じて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す強度(発射強度)を電気的に調節するポテンショメータ512からの操作信号と、回転ハンドル本体前506に手のひらや指が触れているか否かを検出するタッチスイッチ516からの検出信号と、遊技者の意志によって遊技球の打ち出し(発射)を強制的に停止するか否かを検出する発射停止スイッチ518からの検出信号と、がハンドル中継端子板192、電源基板851、そして払出制御基板4110の払出制御入力回路4120bを介して、入力されている。また、発射球送制御回路4120agは、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続されると、その旨を伝えるCR接続信号が払出制御基板4110のCRユニット入出力回路4120eを介して入力されている。
発射球送制御回路4120agは、ポテンショメータ512からの操作信号に基づいて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を調整して払出制御出力回路4120c(後述するリセット機能付き払出制御出力回路4120ca)を介して電源基板851(後述する発射ソレノイド駆動回路858)に出力して発射ソレノイド654による発射制御を行っている一方、払出制御出力回路4120c(後述するリセット機能付き払出制御出力回路4120ca)を介して電源基板851(後述する球送ソレノイド駆動回路859)に出力してハンドル中継端子板192を介して球送ソレノイド585に一定電流を出力することにより球送ユニット580の球送部材が図7に示した皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を1球受け入れ、球送部材が受け入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る制御を行っている。
発射球送制御回路4120agは、払出制御プログラムに従って動作するものであり、発射動作許可が設定されているときには、図7に示した回転ハンドル本体前506の回転位置に応じて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す強度(発射強度)を電気的に調節するポテンショメータ512からの操作信号と、回転ハンドル本体前506に手のひらや指が触れているか否かを検出するタッチスイッチ516からの検出信号と、遊技者の意志によって遊技球の打ち出し(発射)を強制的に停止するか否かを検出する発射停止スイッチ518からの検出信号と、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続される旨を伝えるCR接続信号と、に基づいて遊技球の発射制御を行う。これに対して、発射動作禁止が設定されているときには、上述した遊技球の発射制御を強制的に停止する。
なお、発射球送制御回路4120agによる遊技球の発射制御は、1分間当たりに遊技領域1100に向かって打ち出す(発射する)ことができる遊技球の球数として99.93球〜99.95球となるように予め設定されており、100球を超えないようになっている。これは、払出制御MPU4120aに内蔵される図示しないPWM(Pulse Width Modulationの略)信号を発生するためのPWM回路(図示しない)により実現している。この回路から出力されるPWM信号のパルス幅は、1分間当たりに遊技領域1100に向かって打ち出す(発射する)ことができる遊技球の球数が99.93球〜99.95球となるように予め設定されており、このPWM信号が発射球送制御回路4120agに入力されるように回路接続されている。発射球送制御回路4120agは、入力されるPWM信号に基づいて、遊技球の発射タイミングを計っている。
発射球送不具合監視回路4120ahは、上述したように、発射球送制御回路4120agに不具合が発生しているか否かを監視するものであり、監視結果(不具合の発生の有無)をステータス情報として記憶保持することができるようになっている。払出制御プログラムは、発射球送不具合監視回路4120ahからステータス情報を取得して発射球送制御回路4120agに不具合が発生していると判別したときには、発射球送制御回路4120agによる遊技球の発射制御を強制的に停止するために発射球送制御回路4120agに対して発射動作禁止を設定する。
なお、払出制御プログラムは、電源投入時のほかに、瞬停や停電が発生してその後に復電する時において、初期状態(デフォルト)として発射球送制御回路4120agに対して発射動作禁止を設定した後に、発射球送不具合監視回路4120ahからステータス情報を取得して発射球送制御回路4120agに不具合が発生していないと判別したときには発射球送制御回路4120agによる遊技球の発射制御を開始するために発射球送制御回路4120agに対して発射動作許可を設定する一方、発射球送不具合監視回路4120ahからステータス情報を取得して発射球送制御回路4120agに不具合が発生していると判別したときには発射球送制御回路4120agによる遊技球の発射制御が停止された状態を維持するために発射球送制御回路4120agに対して発射動作禁止を設定する。
ここで、発射球送制御回路4120agにおける不具合としては、ポテンショメータ512からの操作信号に基づいて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を調整することが困難となっている場合、ポテンショメータ512からの操作信号がノイズの影響を受けて極めて乱れた信号に化けて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を特定することができず駆動電流を調整することが困難となっている場合、タッチスイッチ516からの検出信号がノイズの影響を受けて極めて乱れた信号に化けて回転ハンドル本体前506に遊技者の手のひらや指が触れているか否かを特定することが困難となっている場合、発射停止スイッチ518からの検出信号がノイズの影響を受けて極めて乱れた信号に化けて遊技者の意志によって遊技球の打ち出し(発射)が強制的に停止されているか否かを特定することが困難となっている場合のほかに、発射球送制御回路4120ag自体が何らかの原因により破壊されて使用不能となっている場合や所定時間当たりに遊技領域1100に向かって打ち出した(発射した)遊技球の球数が所定個数を超えている場合(本実施形態では、1分間当たりに遊技領域1100に向かって打ち出した(発射した)遊技球の球数が100球を超えている場合)などを挙げることができる。
払出制御プログラムは、払出制御MPU4120aの制御によって、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドをそれぞれ払出制御I/Oポート4120bを介して払主シリアルデータ送信信号としてシリアル方式でシリアルデータを受信する。また、払出制御プログラムは、遊技球の払出動作にエラーが発生したことを契機として枠状態1コマンド(第1のエラー発生コマンドに相当)を生成したり、エラー解除部としての操作スイッチ860aの操作信号(検出信号)に基づいて16ビット(2バイト)のエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンドに相当)を作成し、これらエラー発生コマンド及びエラー解除ナビコマンドをそれぞれ、払主シリアルデータ送信信号としてシリアル方式のシリアルデータとして、払出制御I/Oポート4120bを介して主制御基板4100の受信ポートに対して出力する(コマンド送信手段)。また、この払出制御プログラムは、電源投入時から所定時間が経過した後、即ち、払出制御部メイン処理が実行されたり払出制御部タイマ割り込み処理が実行されて払出制御が開始された後に、その払出動作に関してエラーが発生した場合、操作スイッチ860aの操作に伴って発生した検出信号に基づいて当該エラーを解除するとともに当該エラーに応じた警告情報の出力などを停止させる(エラー解除制御手段)。
また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からその開放操作に伴う検出信号(扉枠開放検出信号)が入力されると扉枠開放コマンドの(第1の扉開放コマンド)を出力するともに、本体枠開放スイッチ619からその開放操作に伴う検出信号(本体枠開放検出信号)が入力されると本体枠開放コマンド(第1の本体枠開放コマンド)を出力する。一方、また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からその閉鎖操作に伴う検出信号(扉枠閉鎖検出信号)が入力されると扉枠閉鎖コマンド(第1の扉枠閉鎖コマンド)のを出力するともに、本体枠開放スイッチ619からその閉鎖操作に伴う検出信号(本体枠閉鎖検出信号)が入力されると本体枠閉鎖コマンド(第1の本体枠閉鎖コマンド)を出力する。
また、この払出制御プログラムは、発射球送不具合監視回路4120ahからステータス情報を取得して発射球送制御回路4120agに不具合が発生していないと判別したときには、発射球送制御回路4120agによる遊技球の発射制御を開始するために発射球送制御回路4120agに対して発射動作許可を設定する一方、発射球送制御回路4120agに不具合が発生していると判別したときには、発射球送制御回路4120agによる遊技球の発射制御を強制的に停止するために発射球送制御回路4120agに対して発射動作禁止を設定する。
払出制御入力回路4120bは、その各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、払出制御入力回路4120bは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、払出制御入力回路4120bは、その各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
払出制御出力回路4120cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き払出制御出力回路4120caと、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし払出制御出力回路4120cbと、から構成されている。リセット機能付き払出制御出力回路4120caは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き払出制御出力回路4120caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
賞球装置740の供給通路内に遊技球の有無を検出する球切れスイッチ750、及び賞球装置740の賞球通路内を流下する遊技球を検出する計数スイッチ751からの検出信号は、まず賞球装置740の賞球ケース内基板754、そして払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。賞球装置740の回転検出盤に形成された検出スリットを検出するための回転角スイッチ752からの検出信号は、まず賞球装置740の回転角スイッチ基板753、そして賞球ケース内基板754、そして払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、本体枠3に対する扉枠5の開放を検出する扉枠開放スイッチ618、及び外枠2に対する本体枠3の開放を検出する本体枠開放スイッチ619からの検出信号は、払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、図1に示したファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かを検出する満タンスイッチ550からの検出信号は、まずハンドル中継端子板192、電源基板851、そして払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
払出制御MPU4120aは、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンドを、払出制御入力回路4120bを介して、そのシリアル入力ポートの入力端子でシリアルデータ方式で受信したり、操作スイッチ860aの操作信号(検出信号)を払出制御入力回路4120bを介して主制御基板4100に対して出力する。払出制御MPU4120aは、主制御基板4100からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから主制御基板4100に信号(払主ACK信号)を出力する。
また、払出制御MPU4120aは、そのシリアル出力ポートの出力端子から、パチンコ遊技機1の状態を示すための各種コマンドをシリアルデータとしてリセット機能なし払出制御出力回路4120cbに送信することにより、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbから主制御基板4100に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。主制御基板4100は、払出制御基板4110からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を払出制御基板4110に出力する。この信号(主払ACK信号)が払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、払出制御MPU4120aは、その所定の出力ポートの出力端子から、払出モータ744を駆動するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから駆動信号を払出モータ駆動回路4120dに出力し、払出モータ駆動回路4120dから駆動信号を賞球ケース内基板754を介して払出モータ744に出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から、パチンコ遊技機1の状態をエラーLED表示器860bに表示するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから駆動信号をエラーLED表示器860bに出力したりする。
エラーLED表示器860bは、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ遊技機1の状態を表示している。エラーLED表示器860bが表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間において電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切れスイッチ750からの検出信号に基づいて賞球装置740の供給通路内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転角スイッチ752からの検出信号に基づいて賞球装置740の供給通路と連通する振分空間の入り口において払出回転体と遊技球とがその入り口近傍でかみ合って払出回転体が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、計数スイッチ751からの検出信号に基づいて計数スイッチ751に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タンスイッチ550からの検出信号に基づいてファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板4110からCRユニット6までに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中(賞球ストック(未払出)あり)」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
また、払出制御MPU4120aは、その所定の出力ポートの出力端子から、賞球として実際に払い出した遊技球の球数等をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから図示しない抵抗を介して外部端子板784に賞球として実際に払い出した遊技球の球数等を出力したりする。
また、払出制御基板4110は、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)を図示しない抵抗を介して外部端子板784に出力している。外部端子板784には、払出制御基板4110のほかに周辺制御基板4140からの各種情報(賞球として払い出される予定の遊技球の球数等)も入力されている。外部端子板784は、図示しない複数のフォトカプラ(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)が設けられており、これらの複数のフォトカプラを介して、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータに遊技球の球数等及び各種情報(遊技情報、遊技球の払出動作に関するエラー内容或いはエラーがあった旨)をそれぞれ伝えるようになっている。外部端子板784とホールコンピュータとは、複数のフォトカプラにより電気的に絶縁された状態となっており、パチンコ遊技機1の外部端子板784を経由してホールコンピュータへ異常な電圧が印加されてホールコンピュータが誤動作したり故障したりしないようになっているし、ホールコンピュータからパチンコ遊技機1の外部端子板784を経由して遊技を進行する主制御基板4100、払出等を制御する払出制御基板4110、及び演出の進行を制御する周辺制御基板4140に異常な電圧が印加されて誤動作したり故障したりしなしようになっている。ホールコンピュータは、パチンコ遊技機1が賞球として実際に払い出した遊技球の球数等、パチンコ遊技機1の遊技情報、及びパチンコ遊技機1が賞球として払い出される予定の遊技球の球数等を把握することにより、遊技者の遊技と、パチンコ遊技機1の払出動作による遊技球の払出情報(いわゆる、出玉情報)と、を監視している。
図2に示した貸球ユニット360の球貸スイッチ365aからの遊技球の球貸要求信号、及び返却スイッチ365bからのプリペイドカードの返却要求信号は、まず度数表示板365、主扉中継端子板880、そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。CRユニット6は、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板4110にシリアル方式で送信し、この信号がCRユニット入出力回路4120eを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。また、CRユニット6は、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を残度数表示器365cに表示するための信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869、主扉中継端子板880、そして度数表示板365に出力し、この信号が残度数表示器365cに入力されるようになっている。また、残度数表示器365cに隣接するCRユニットランプ365dは、CRユニット6からの供給電圧が遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されるようになっている。
なお、払出制御基板4110に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間(本実施形態では、1時間)、払出制御基板4110に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタBC1(図18を参照)を備えている。このキャパシタBC1により払出制御MPU4120aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAM(払出記憶部)に記憶することができるようになっている。払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に操作スイッチ860aが操作されると、その操作信号が払出制御入力回路4120bを介して、払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、払出制御MPU4120aは払出制御内蔵RAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号として判断し、これを契機として、払出制御MPU4120aによって払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。この操作信号(RAMクリア信号)は、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbに出力され、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbから主制御基板4100に出力されるようにもなっている。
[7−2−2.遊技球等貸出装置接続端子板との各種信号のやり取り]
ここで、払出制御部4120とCRユニット6とにおける各種信号のやり取り、及びCRユニット6と度数表示板365とにおける各種信号のやり取りについて、図14に基づいて説明する。遊技球等貸出装置接続端子板869は、図14に示すように、CRユニット6と払出制御基板4110との基板間の電気的な接続を中継するほかに、CRユニット6と度数表示板365との基板間の電気的な接続も中継している(正確には、遊技球等貸出装置接続端子板869は、主扉中継端子板880を介して度数表示板365と電気的に接続されており、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続され、遊技球等貸出装置接続端子板869と主扉中継端子板880とが電気的に接続され、そして主扉中継端子板880と度数表示板365とが電気的に接続されている)。CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869との基板間、遊技球等貸出装置接続端子板869と払出制御基板4110との基板間、遊技球等貸出装置接続端子板869と主扉中継端子板880との基板間、及び遊技球等貸出装置接続端子板869と度数表示板365との基板間は、各配線(ハーネス)によって電気的にそれぞれ接続されている。また、電源基板851からの後述するAC24Vが遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に供給されている。CRユニット6は、この供給されたAC24Vから所定電圧VL(本実施形態では、直流+12V(DC+12V、以下「+12V」記載する。))を、内蔵する図示しない電圧作成回路により作成してグランドLGとともに、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板4110に供給する一方、遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して度数表示板365に供給している。
度数表示板365は、その部品面に、図2に示した、貸球ユニット360の貸球ボタン361と対応する位置に押ボタンスイッチである球貸スイッチ365aが実装され、貸球ユニット360の返却ボタン362と対応する位置に押ボタンスイッチである返却スイッチ365bが実装され、貸球ユニット360の貸出残表示部363と対応する位置にセグメント表示器である残度数表示器365cが実装されている。
球貸スイッチ365a及び返却スイッチ365bは、CRユニット6からのグランドLGが遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して電気的に接続されている。球貸スイッチ365aは、貸球ボタン361が押圧操作されると、球貸スイッチ365aのスイッチが入り(ONし)、球貸スイッチ365aからの球貸操作信号TDSが主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。返却スイッチ365bは、返却ボタン362が押圧操作されると、返却スイッチ365bのスイッチが入り(ONし)、返却スイッチ365bからの返却操作信号RESが主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。
残度数表示器365cは、セグメント表示器が3個一列に並設されたものであり、これら3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器ずつ順次駆動する、いわゆるダイナミック点灯方式によって3桁のセグメント表示器が点灯制御されるようになっている。このような点灯制御によって、残度数表示器365cは、CRユニット6に挿入されたプリペイドカードの残額を表示したり、CRユニット6のエラーを表示したりする。残度数表示器365cは、3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器を指定するためのデジット信号DG0〜DG2(計3本の信号)と、この指定した1桁のセグメント表示器を点灯させて表示させる内容を指定するためのセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−G(計7本の信号)と、がCRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されると、この入力された、デジット信号DG0〜DG2及びセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gに従って1桁のセグメント表示器が順次発光され、これらの3桁のセグメント表示器の発光による内容が貸出残表示部363を通して視認することができるようになっている。
なお、残度数表示器365cに隣接してCRユニットランプ365dが度数表示板365に実装されている。このCRユニットランプ365dは、CRユニット6からの所定電圧VLが遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されている。所定電圧VLは、CRユニットランプ365dを介して遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って球貸可能信号TDLとしてCRユニット6に入力されている。CRユニット6は、内蔵する電圧作成回路で電源基板851から供給されたAC24Vから所定電圧VLを作成しており、球貸スイッチ365a及び返却スイッチ365bが有効である球貸可能な状態である場合には球貸可能信号TDLの論理を制御してCRユニットランプ365dを発光させ、この発光が貸出残表示部363を通して視認することができるようになっている。また、セグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gは、遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って残度数表示器365cに入力されている。
CRユニット6は、貸球ボタン361が押圧操作されて球貸スイッチ365aからの球貸操作信号TDSが度数表示板365から主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、貸球要求信号であるBRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)に出力するようになっている。そしてCRユニット6は、1回の払出動作で所定の貸球数(本実施形態では、25球であり、金額として100円に相当する。)を払い出すための1回の払出動作開始要求信号であるBRQを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)に出力するようになっている。BRDY及びBRQが入力される払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)は、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるための信号であるEXSを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力したり、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるための信号であるPRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力したりする。なお、例えば、貸球ボタン361が押圧操作されると、200円分の遊技球が払い出されるように、ホールの店員等がCRユニット6に予め設定している場合には、1回の払出動作が連続して2回行われるようになっており、100円分の25球が払い出されると、続けて100円分の25球が払い出され、計200円分の50球が払い出されることとなる。
CRユニット6は、返却ボタン362が押圧操作されて返却スイッチ365bからの返却操作信号RESが度数表示板365から主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、プリペイドカードを図示しない挿入口から排出して返却するようになっている。この返却されたプリペイドカードは、貸球ボタン361が押圧操作された結果、払い出された遊技球の球数に相当する金額が減算された残額が記憶されている。
[7−3.電源基板]
次に、電源基板851について簡単に説明する。電源基板851は、パチンコ島設備から供給され交流24ボルト(AC24V)を電気的に接続したり、電気的に遮断したりすることができる電源スイッチ852と、各種電源を生成する電源制御部855と、図5に示した打球発射装置650の発射ソレノイド654を駆動するための発射ソレノイド駆動回路858と、図1に示した球送ユニット580の球送ソレノイド585を駆動するための球送ソレノイド駆動回路859と、を備えている。発射ソレノイド駆動回路858は、払出制御基板4110の払出制御MPU4120aに内蔵される発射球送制御回路4120agにより制御されてポテンショメータ512からの操作信号に基づいて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す(発射する)ことができるように発射ソレノイド654への駆動電流が調整されるようになっている。球送ソレノイド駆動回路859は、払出制御基板4110の払出制御MPU4120aに内蔵される発射球送制御回路4120agにより制御されて球送ユニット580の球送部材が図7に示した皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を1球受け入れ、球送部材が受け入れた遊技球を打球発射装置650側へ送ることができるように球送ソレノイド585への駆動電流が一定電流となるように調整されるようになっている。
[7−3−1.電源制御部]
電源制御部855は、電源スイッチ852が操作されてパチンコ島設備から供給される交流24ボルト(AC24V)を整流する同期整流回路855aと、同期整流回路855aで整流された電力の力率を改善する力率改善回路855bと、力率改善回路855bで力率が改善された電力を平滑化する平滑化回路855cと、平滑化回路855cで平滑化された電力から各種基板に供給するための各種直流電源を作成する電源作成回路855dと、を備えている。
[7−4.周辺制御基板]
周辺制御基板4140は、図15に示すように、主制御基板4100からの各種コマンドに基づいて演出制御を行い、かつ、図2に示した上皿側液晶表示装置470の表示領域を覆うように設けられる静電容量型のタッチパネル480の接触状態の検知制御を行うとともに上皿側液晶表示装置470の表示領域の描画を行うタッチパネル駆動基板450と制御コマンドや各種情報(各種データ)をやり取りする周辺制御部4150と、遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470の描画制御を行う一方、本体枠3に設けた図5に示したスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音楽や効果音等の音制御を行う液晶及び音制御部4160と、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するリアルタイムクロック(以下、「RTC」と記載する。)制御部4165と、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音楽や効果音等の音量をつまみ部を回動操作することにより調節する音量調整ボリューム4140aと、を備えている。
[7−4−1.周辺制御部]
演出制御を行う周辺制御部4150は、図15に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4150aと、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに演出動作を制御するサブ制御プログラムなどの各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータを記憶する周辺制御ROM4150bと、後述する液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理をまたいで継続される各種情報(例えば、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射して表示する(描画)する画面を規定するスケジュールデータや各種LED等の発光態様を規定するスケジュールデータなどを管理するための情報など)を記憶する周辺制御RAM4150cと、日をまたいで継続される各種情報(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)を記憶する周辺制御SRAM4150dと、周辺制御MPU4150aが正常に動作しているか否かを監視するための周辺制御外部ウォッチドックタイマ4150e(以下、「周辺制御外部WDT4150e」と記載する。)と、電源基板851からの電力消費抑制信号が伝える値(後述する電力消費抑制段階)を、枠周辺中継端子板868を介して、予め定めた周期でサンプリングして(後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理における電力消費状況履歴情報作成処理において)電力消費状況履歴情報として逐次記憶保持する電力消費状況履歴RAM4150fと、電源断時おいて電力消費状況履歴RAM4150fのに記憶した内容を保持するために電力消費状況履歴RAM4150fにバックアップ電源を供給する電池4150gと、を備えている。
周辺制御RAM4150cは、瞬停が発生して電力がすぐ復帰する程度の時間しか記憶された内容を保持することができず、電力が長時間遮断された状態(長時間の電断が発生した場合)ではその内容を失うのに対して、周辺制御SRAM4150dは、電源基板851に設けられた図示しない大容量の電解コンデンサ(以下、「SRAM用電解コンデンサ」と記載する。)によりバックアップ電源が供給されることにより、記憶された内容を50時間程度、保持することができるようになっている。電源基板851にSRAM用電解コンデンサが設けられることにより、遊技盤4をパチンコ遊技機1から取り外した場合には、周辺制御SRAM4150dにバックアップ電源が供給されなくなるため、周辺制御SRAM4150dは、記憶された内容を保持することができなくなってその内容を失う。
周辺制御外部WDT4150eは、周辺制御MPU4150aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御MPU4150aは、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)に周辺制御外部WDT4150eのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御外部WDT4150eに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御MPU4150aは、一定期間内にクリア信号を周辺制御外部WDT4150eに出力するときには、周辺制御外部WDT4150eのタイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
周辺制御MPU4150aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板4100からの各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤4に設けられる図8に示した上始動口2101、下始動口2102、一般入賞口2104,2201、及び大入賞口2103等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出される予定の遊技球の球数が予め定めた球数(本実施形態では、10球に設定されている。)に達するごとにその旨を伝えるためのメイン賞球数情報出力信号をパラレルI/Oポートから図示しない周辺制御出力回路を介して外部端子板784に出力したり、遊技盤側表示装置1820のプロジェクタ1850に備える後述する空冷装置が作動している旨を伝える作動中信号がプロジェクタ駆動基板1800、そして図示しない周辺制御入力回路を介して、パラレルI/Oポートに入力されて作動中信号を監視し、この作動中信号が入力されなくなると、空冷装置が作動してないとして空冷装置を点検する旨を伝えるためのメンテナンス情報出力信号をパラレルI/Oポートから図示しない周辺制御出力回路を介して外部端子板784に出力したりする。
また、周辺制御MPU4150aは、遊技盤4の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから図示しない周辺制御出力回路を介してランプ駆動基板4170に送信したり、遊技盤4に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データをモータ駆動基板用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路を介してモータ駆動基板4180に送信したり、扉枠5に設けたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データを枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信したり、扉枠5の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データを枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信したり、タッチパネル480の接触状態の検知制御を行うための制御コマンド(例えば、タッチパネル480の接触状態の検知制御を開始するための検知制御開始コマンド、タッチパネル480に指が触れている位置(接触位置データ)を要求するための接触位置データ要求コマンド、省電力モードへ移行するための省電力モード移行コマンドなど。)をタッチパネル駆動基板用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介してタッチパネル駆動基板450に送信したりする。
主制御基板4100からの各種コマンドは、図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートに入力されている。また、操作ユニット400に設けられた、ダイヤル操作部401の回転(回転方向)を検出するための回転検出スイッチからの検出信号、及び押圧操作部405の操作を検出するための押圧検出スイッチからの検出信号は、枠装飾駆動アンプ基板194に設けた図示しない扉側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された操作ユニット検出データが扉側シリアル送信回路から、周辺扉中継端子板882、枠周辺中継端子板868、そして周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU4150aの操作ユニット検出用シリアルI/Oポートに入力されている。また、タッチパネル480の接触状態の検知制御を行うタッチパネル駆動基板450から、周辺扉中継端子板882、枠周辺中継端子板868、そして周辺制御入力回路を介して、タッチパネル480に指が触れている位置(接触位置データ)がシリアル化されて周辺制御MPU4150aのタッチパネル駆動基板用シリアルI/Oポートに入力されている。
遊技盤4に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチ(例えば、フォトセンサなど。)からの検出信号は、モータ駆動基板4180に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された可動体検出データが遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU4150aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートに入力されている。周辺制御MPU4150aは、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの入出力を切り替えることにより周辺制御基板4140とモータ駆動基板4180との基板間における各種データのやり取りを行うようになっている。
なお、周辺制御MPU4150aは、ウォッチドックタイマを内蔵(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)しており、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDT4150eとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
[7−4−1a.周辺制御MPU]
次に、マイクロコンピュータである周辺制御MPU4150aについて説明する。周辺制御MPU4150aは、図16に示すように、周辺制御CPUコア4150aaを中心として、周辺制御内蔵RAM4150ab、周辺制御DMA(Direct Memory Accessの略)コントローラ4150ac、周辺制御バスコントローラ4150ad、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御アナログ/デジタルコンバータ(以下、周辺制御A/Dコンバータと記載する)4150ak等から構成されている。
周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御内蔵RAM4150ab、周辺制御DMAコントローラ4150acに対して、内部バス4150ahを介して、各種データを読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150akに対して、内部バス4150ah、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、各種データを読み書きする。
また、周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御ROM4150bに対して、内部バス4150ah、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして外部バス4150hを介して、各種データを読み込む一方、周辺制御RAM4150c、周辺制御SRAM4150d、及び電力消費状況履歴RAM4150fに対して、内部バス4150ah、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして外部バス4150hを介して、各種データを読み書きする。
周辺制御DMAコントローラ4150acは、周辺制御内蔵RAM4150ab、周辺制御ROM4150b、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150d等の記憶装置と、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア4150aaを介すことなく、独立してデータ転送を行う専用のコントローラであり、DMA0〜DMA3という4つのチャンネルを有している。
具体的には、周辺制御DMAコントローラ4150acは、周辺制御MPU4150aに内蔵される周辺制御内蔵RAM4150abの記憶装置と、周辺制御MPU4150aに内蔵される、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア4150aaを介すことなく、独立してデータ転送を行うために、周辺制御内蔵RAM4150abの記憶装置に対して、内部バス4150ahを介して、読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置に対して、周辺制御バスコントローラ4150ad及び周辺バス4150aiを介して、読み書きする。
また、周辺制御DMAコントローラ4150acは、周辺制御MPU4150aに外付けされる、周辺制御ROM4150b、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150d等の記憶装置と、周辺制御MPU4150aに内蔵される、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア4150aaを介すことなく、独立してデータ転送を行うために、周辺制御ROM4150b、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150d等の記憶装置に対して、周辺制御バスコントローラ4150ad及び外部バス4150hを介して、読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置に対して、周辺制御バスコントローラ4150ad及び周辺バス4150aiを介して、読み書きする。
周辺制御バスコントローラ4150adは、内部バス4150ah、周辺バス4150ai、及び外部バス4150hをコントロールして周辺制御MPUコア4150aaの中央処理装置と、周辺制御内蔵RAM4150ab、周辺制御ROM4150b、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150d等の記憶装置と、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置と、の各種装置間において、各種データのやり取りを行う専用のコントローラである。
周辺制御各種シリアルI/Oポート4150aeは、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポート、モータ駆動基板用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、主制御基板用シリアルI/Oポート、操作ユニット情報取得用シリアルI/Oポート、及びタッチパネル駆動基板用シリアルI/Oポートを有している。
周辺制御内蔵ウォッチドックタイマ(周辺制御内蔵WDT)4150afは、周辺制御MPU4150aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御CPUコア4150aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせた場合には、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)にそのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御内蔵WDT4150afに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御CPUコア4150aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせて一定期間内にクリア信号を周辺制御内蔵WDT4150afに出力するときには、タイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
周辺制御各種パラレルI/Oポート4150agは、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号、扉側モータ駆動発光ラッチ信号等の各種ラッチ信号を出力するほかに、周辺制御外部WDT4150eにクリア信号を出力したり、遊技盤4に設けられる図8に示した上始動口2101、下始動口2102、一般入賞口2104,2201、及び大入賞口2103等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出される予定の遊技球の球数が予め定めた球数(本実施形態では、10球に設定されている。)に達するごとにその旨を伝えるためのメイン賞球数情報としてメイン賞球数情報出力信号を外部端子板784へ出力したり、遊技盤側表示装置1820のプロジェクタ1850に備える後述する空冷装置が作動している旨を伝える作動中信号を監視して、この作動中信号が入力されなくなると、空冷装置が作動してないとして空冷装置を点検する旨を伝えるためのメンテナンス情報出力信号を外部端子板784に出力したり、遊技盤4に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチからの検出信号をモータ駆動基板4180に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化して、このシリアル化された可動体検出データを遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御MPU4150aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートで受信するための可動体情報取得ラッチ信号を出力したり、扉枠5における上部装飾ユニット280の上部装飾基板に実装されたLEDの点灯信号を出力したりする。このLEDは、高輝度の白色LEDであり、大当り遊技状態の発生が確定している旨を伝えるための確定告知ランプとなっている。本実施形態では、LEDと周辺制御各種パラレルI/Oポート4150agとが電気的に直接接続された構成を採用することにより、LEDと周辺制御各種パラレルI/Oポート4150agとの経路を短くすることで遊技上重量な意味を持つLEDの点灯制御についてノイズ対策を講ずることができる。なお、メイン賞球数情報出力信号の出力制御、メンテナンス情報出力信号の出力制御、LEDの点灯制御については、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理において実行されるようになっている。また、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理において点灯制御されるLEDを除く他のLED等の点灯制御は、後述する周辺制御部定常処理において実行されるようになっている。
周辺制御A/Dコンバータ4150akは、音量調整ボリューム4140aと電気的に接続されており、音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変し、つまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶及び音制御部4160(後述する音源内蔵VDP4160a)を制御して本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から音楽や効果音が流れるようになっている。このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から音楽や効果音が流れるようになっている。
なお、本実施形態では、音楽や効果音のほかに、パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりする等。)ための告知音も本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れるが、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶及び音制御部4160(後述する音源内蔵VDP4160a)を制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ遊技機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
[7−4−1b.周辺制御ROM]
周辺制御ROM4150bは、周辺制御部4150、液晶及び音制御部4160、RTC制御部4165等を制御する各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータを予め記憶されている。各種スケジュールデータには、遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470に描画する画面を生成する画面生成用スケジュールデータ、各種LEDの発光態様を生成する発光態様生成用スケジュールデータ、音楽や効果音等を生成する音生成用スケジュールデータ、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動態様を生成する電気的駆動源スケジュールデータ、及び賞球として払い出す予定の遊技球の球数が予め定めた球数(本実施形態では、10球)に達している旨をメイン賞球情報としてホールコンピュータへ伝えるためのメイン賞球情報出力信号を生成するメイン賞球情報出力信号用スケジュールデータ等がある。画面生成用スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470に描画する画面の順序が規定されている。発光態様生成用スケジュールデータは、各種LEDの発光態様を規定する発光データが時系列に配列されて構成されている。音生成用スケジュールデータは、音指令データが時系列に配列されて構成されており、音楽や効果音が流れる順番が規定されている。この音指令データには、後述する液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数の出力チャンネルのうち、どの出力チャンネルを使用するのかを指示するための出力チャンネル番号と、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックのうち、どのトラックに音楽及び効果音等の音データを組み込むのかを指示するためのトラック番号と、が規定されている。電気的駆動源スケジュールデータは、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データが時系列に配列されて構成されており、モータやソレノイド等の電気的駆動源の動作が規定されている。メイン賞球情報出力信号用スケジュールデータは、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が予め定めた球数(本実施形態では、10球)に達している旨をメイン賞球情報としてホールコンピュータへ伝えるためのメイン賞球情報出力信号を生成するための出力波形データが時系列に配列されて構成されており、メイン賞球情報出力信号の出力波形が規定されている。
なお、周辺制御ROM4150bに記憶されている各種制御プログラムは、周辺制御ROM4150bから直接読み出されて実行されるものもあれば、後述する周辺制御RAM4150cの各種制御プログラムコピーエリアに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されて実行されるものもある。また周辺制御ROM4150bに記憶されている、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータも、周辺制御ROM4150bから直接読み出されるものもあれば、後述する周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリアに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されるものもある。
また、周辺制御ROM4150bには、RTC制御部4165を制御する各種制御プログラムの1つとして、遊技盤側表示装置1820の使用時間に応じて遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の輝度を補正するための輝度補正プログラムが含まれている。この輝度補正プログラムは、遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の経年変化にともなう輝度低下を補正するものであり、後述するRTC制御部4165の内蔵RAMから遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850を最初に電源投入した日時、現在の日時、輝度設定情報等を取得して、この取得した輝度設定情報を補正情報に基づいて補正する。この補正情報は、周辺制御ROM4150bに予め記憶されている。輝度設定情報は、後述するように、遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の各種LEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の各種LEDの輝度と、が含まれているものであり、例えば、遊技盤側表示装置1820を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、遊技盤側表示装置1820を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM4150bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の各種LEDを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の各種LEDの輝度を調節して点灯し、遊技盤側表示装置1820を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM4150bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の各種LEDを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の各種LEDの輝度を調節して点灯する。
[7−4−1c.周辺制御RAM]
周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御RAM4150cは、図16に示すように、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶するバックアップ管理対象ワークエリア4150caと、このバックアップ管理対象ワークエリア4150caに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccと、周辺制御ROM4150bに記憶されている各種制御プログラムがコピーされたものを専用に記憶する各種制御プログラムコピーエリア4150cdと、周辺制御ROM4150bに記憶されている、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータ等がコピーされたものを専用に記憶する各種制御データコピーエリア4150ceと、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっていないものを専用に記憶するバックアップ非管理対象ワークエリア4150cfと、が設けられている。
なお、パチンコ遊技機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)には、バックアップ非管理対象ワークエリア4150cfに対して値0が強制的に書き込まれてゼロクリアされる一方、バックアップ管理対象ワークエリア4150ca、バックアップ第1エリア4150cb、及びバックアップ第2エリア4150ccについては、パチンコ遊技機1の電源投入時に主制御基板4100からの電源投入時状態コマンド(図37を参照)がRAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである(例えば、電源投入時から予め定めた期間内に図13に示した操作スイッチ860aが操作された時における演出の開始を指示したりするものである)であるときにはゼロクリアされる。
バックアップ管理対象ワークエリア4150caは、後述する液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理において更新される各種情報である演出情報(1fr)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(1fr)と、後述する1msタイマ割り込みが発生するごとに実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理において更新される各種情報である演出情報(1ms)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(1ms)と、から構成されている。ここで、Bank0(1fr)及びBank0(1ms)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く「0」は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア4150cbからバックアップ第2エリア4150ccに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。「(1fr)」は、後述するように、音源内蔵VDP4160aが1画面分(1フレーム分)の描画データを遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470に出力すると、周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU4150aに出力するようになっているため、Vブランク信号が入力されるごとに、換言すると、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(1fr)や後述する演出バックアップ情報(1fr)についても、同一の意味で用いる)。「(1ms)」は、後述するように、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(1ms)や後述する演出バックアップ情報(1ms)についても、同一の意味で用いる)。
Bank0(1fr)には、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caa、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cab、受信コマンド記憶領域4150cac、RTC情報取得記憶領域4150cad、及びスケジュールデータ記憶領域4150cae等が設けられている。ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaには、遊技盤4の各装飾基板に設けた複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATがセットされる記憶領域であり、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabには、扉枠5の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATがセットされる記憶領域であり、受信コマンド記憶領域4150cacには、主制御基板4100から送信される各種コマンドを受信してその受信した各種コマンドがセットされる記憶領域であり、RTC情報取得記憶領域4150cadには、RTC制御部4165(後述するRTC41654aのRTC内蔵RAM4165aa)から取得した各種情報がセットされる記憶領域であり、スケジュールデータ記憶領域4150caeには、主制御基板4100(主制御MPU4100a)から受信したコマンドに基づいて、この受信したコマンドと対応する各種スケジュールデータがセットされる記憶領域である。スケジュールデータ記憶領域4150caeには、周辺制御ROM4150bから各種制御データコピーエリア4150ceにコピーされた各種スケジュールデータが読み出されてセットされるものもあれば、周辺制御ROM4150bから各種スケジュールデータが直接読み出されてセットされるものもある。
Bank0(1ms)には、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150caf、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cag、可動体情報取得記憶領域4150cah、及び操作ユニット情報取得記憶領域4150cai、及び描画状態情報取得記憶領域4150cak等が設けられている。枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafには、扉枠5に設けたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされる記憶領域であり、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagには、遊技盤4に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされる記憶領域であり、可動体情報取得記憶領域4150cahには、遊技盤4に設けた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて遊技盤4に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を取得した各種情報がセットされる記憶領域であり、操作ユニット情報取得記憶領域4150caiには、操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいてダイヤル操作部401の回転(回転方向)及び押圧操作部405の操作等を取得した各種情報(例えば、操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて作成するダイヤル操作部401の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部405の操作履歴情報など。)がセットされる記憶領域であり、描画状態情報取得記憶領域4150cakには、タッチパネル駆動基板450が周辺制御基板4140の音源内蔵VDP4160aからの描画データを受信し、この受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する後述するLOCKN信号に基づいて周辺制御基板4140とタッチパネル駆動基板450との接続間における不具合の頻度や不具合の発生状態を取得した各種情報がセットされる記憶領域である。
なお、Bank0(1fr)のランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caa及び枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabと、Bank0(1ms)の枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150caf及びモータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagとは、第1領域及び第2領域という2つの領域にそれぞれ分割されている。
ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaは、後述する周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第1領域に、遊技盤側発光データSL−DATがセットされ、次の周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるようになっており、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第1領域、第2領域に遊技盤側発光データSL−DATが交互にセットされる。周辺制御部定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部定常処理においてランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第1領域にセットした遊技盤側発光データSL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabは、周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第1領域に、扉側発光データSTL−DATがセットされ、次の周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるようになっており、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第1領域、第2領域に扉側発光データSTL−DATが交互にセットされる。周辺制御部定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部定常処理において枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第1領域にセットした扉側発光データSTL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafは、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第1領域に、扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされ、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるようになっており、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第1領域、第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATが交互にセットされる。周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理において枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第1領域にセットした扉側モータ駆動データSTM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagは、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第1領域に、遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされ、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるようになっており、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第1領域、第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATが交互にセットされる。周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理においてモータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第1領域にセットした遊技盤側モータ駆動データSM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア4150caに記憶されている各種情報である演出情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccについて説明する。バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccは、2つのバンクを1ペアとする2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccに周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccに周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア4150cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア4150ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア4150cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアであり、バックアップ第2エリア4150ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、つまりバックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
また、本実施形態では、通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccに周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccに周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされるようになっているが、これらの周辺制御DMAコントローラ4150acによる高速コピーを実行するプログラムは共通化されている。つまり本実施形態では、演出情報(1fr)、演出情報(1ms)を、共通の管理手法(共通のプログラムの実行)で情報を管理している。
[7−4−1d.周辺制御SRAM]
周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御SRAM4150dは、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶するバックアップ管理対象ワークエリア4150daと、このバックアップ管理対象ワークエリア4150daに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcと、が設けられている。なお、周辺制御SRAM4150dに記憶された内容は、パチンコ遊技機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)に主制御基板4100からの電源投入時状態コマンド(図37を参照)がRAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである(例えば、電源投入時から予め定めた期間内に図13に示した操作スイッチ860aが操作された時における演出の開始を指示したりするものである)ときにおいても、ゼロクリアされない。この点については、上述した周辺制御RAM4150cのバックアップ管理対象ワークエリア4150ca、バックアップ第1エリア4150cb、及びバックアップ第2エリア4150ccがゼロクリアされる点と、全く異なる。また、パチンコ遊技機1の電源投入後、所定時間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射されて表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで、周辺制御SRAM4150dに記憶されている内容(項目)ごとに(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴など。)クリアすることができる一方、周辺制御RAM4150cに記憶されている内容(項目)については、全く表示されず、設定モードにおいてクリアすることができないようになっている。この点についても、周辺制御RAM4150cと周辺制御SRAM4150dとで全く異なる。
バックアップ管理対象ワークエリア4150daは、日をまたいで継続される各種情報である演出情報(SRAM)(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(SRAM)から構成されている。ここで、Bank0(SRAM)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、上述したように、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く「0」は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア4150dbからバックアップ第2エリア4150dcに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。「(SRAM)」は、周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御SRAM4150dに記憶されている各種情報がバックアップ対象となっていることから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(SRAM)や後述する演出バックアップ情報(SRAM)についても、同一の意味で用いる)。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア4150daに記憶されている各種情報である演出情報(SRAM)がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcについて説明する。バックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcは、2つのバンクを1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容である演出情報(SRAM)は、演出バックアップ情報(SRAM)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcに周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア4150dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとする、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア4150dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとする、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア4150dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理するためのエリアであり、バックアップ第2エリア4150dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、つまりバックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
[7−4−1e.電力消費状況履歴RAM]
周辺制御MPU4150aに外付けされる電力消費状況履歴RAM4150fは、電源基板851からの電力消費抑制信号が伝える値(電力消費抑制段階)を周辺制御MPU4150aが予め定めた周期でサンプリングして(後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理における電力消費状況履歴情報作成処理において)電力消費状況履歴情報として記憶保持するものである。具体的には、周辺制御MPU4150aは、後述する1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理を実行し、この周辺制御部1msタイマ割り込み処理において、電源基板851からの電力消費抑制信号が伝える値(電力消費抑制段階)をサンプリングして電力消費状況履歴情報として電力消費状況履歴RAM4150fに逐次記憶する。この電力消費状況履歴情報は、本実施形態ではサンプリング回数として3000回分の電力消費抑制信号が伝える値(電力消費抑制段階)を記憶保持することができるものであり、今回サンプリングした電力消費抑制信号が伝える値(電力消費抑制段階)が記憶保持されると、前回までにすでにサンプリングした電力消費抑制信号が伝える値(電力消費抑制段階)が1つずつシフトされることにより時系列に配列されるように構成され、サンプリングされて電力消費抑制信号が伝える値(電力消費抑制段階)が記憶保持されることにより、サンプリング回数として3000回に達すると、サンプリングして電力消費抑制信号が伝える値(電力消費抑制段階)が記憶保持されるごとに、最も古くサンプリングした電力消費抑制信号が伝える値(電力消費抑制段階)が順番に1つずつ破棄されるようになっている。つまり、電力消費状況履歴情報は、今回サンプリングした電力消費抑制信号が伝える値(電力消費抑制段階)を含めて直近の3000回分(換言すると、周辺制御MPU4150aは、周辺制御部1msタイマ割り込み処理を実行するごとに、電源基板851からの電力消費抑制信号が伝える値(電力消費抑制段階)をサンプリングして電力消費状況履歴情報として電力消費状況履歴RAM4150fに逐次記憶するため、周辺制御部1msタイマ割り込み処理を3000回実行することにより3秒間(=1ms×3000回))の電力消費抑制信号が伝える値(電力消費抑制段階)が時系列に配列されるように構成されている。
また、電力消費状況履歴RAM4150fには、周辺制御MPU4150aが後述する周辺制御部電源投入時処理における復電時節電モード移行判定処理において、電力消費状況履歴RAM4150fに記憶保持されている電力消費状況履歴情報に基づいて、電源断時(電源断直前)においてパチンコ遊技機1で消費していた電力状況を復電時において把握してパチンコ遊技機1で消費する電力を抑制する復電時節電モードへ移行するか否かを判定し、復電時節電モードへ移行した回数を計数して総和(積算結果の値)を求めて記憶保持することができる移行回数保持領域4150faが設けられている。具体的には、周辺制御MPU4150aは、後述する周辺制御部電源投入時処理における復電時節電モード移行判定処理において、電力消費状況履歴RAM4150fに記憶保持されている電力消費状況履歴情報に基づいて、復電時節電モードへ移行するごとに、電力消費状況履歴RAM4150fの移行回数保持領域4150faに記憶保持されたカウンタの値(後述する復電時節電モード移行回数カウンタECO−CTの値)に値1を加える(インクリメントする)ことにより、復電時節電モードへ移行した回数を計数して総和(積算結果の値)を更新する。なお、電力消費状況履歴RAM4150fには、電源断時において、周辺制御部4150の電池4150gからバックアップ電源が供給されることにより電力消費状況履歴RAM4150fの移行回数保持領域4150faにカウンタ値(後述する復電時節電モード移行回数カウンタECO−CT)が記憶保持されるようになっている。
ここで、電力消費状況履歴RAM4150fの移行回数保持領域4150faに記憶保持されたカウンタの値(後述する復電時節電モード移行回数カウンタECO−CTの値)を取り出す方法について簡単に説明する。まず、製造元の作業者は、周辺制御基板4140の周辺制御部4150から周辺制御MPU4150aを取り外し、周辺制御MPU4150aに代えて、いわゆるICE(In−Circuit Emulatorの略。(登録商標))のプローブを電気的に接続して、このICE(In−Circuit Emulatorの略。(登録商標))を操作することにより電力消費状況履歴RAM4150fの移行回数保持領域4150faに記憶保持されたカウンタの値(後述する復電時節電モード移行回数カウンタECO−CTの値)を取り出すためのプログラムを実行する。このように複数の遊技盤4に備える周辺制御基板4140からそれぞれ取り出した電力消費状況履歴RAM4150fの移行回数保持領域4150faに記憶保持されたカウンタの値(後述する復電時節電モード移行回数カウンタECO−CTの値)等は、製造元の開発部へ送られて分析されるようになっている。
本実施形態では、周辺制御MPU4150aが電力消費状況履歴RAM4150fの移行回数保持領域4150faに記憶保持されたカウンタの値(後述する復電時節電モード移行回数カウンタECO−CTの値)を更新することができるように構成されているものの、周辺制御MPU4150aがこの値を取り出して演出の進行に利用するように構成されていない。これは、電力消費状況履歴RAM4150fの移行回数保持領域4150faに記憶保持されたカウンタの値(後述する復電時節電モード移行回数カウンタECO−CTの値)は、ホールに設置されているパチンコ遊技機1から遊技盤4を他の遊技盤へ交換して、製造元へ回収された際に(例えば、リサイクルするために製造元へ回収された際に)、今後のパチンコ遊技機や遊技盤を開発するための貴重な開発参考情報として取り出されるうちの1つの情報となっているからである。製造元では、電力消費状況履歴RAM4150fの移行回数保持領域4150faに記憶保持されたカウンタの値(後述する復電時節電モード移行回数カウンタECO−CTの値)を取り出して、この取り出した値(後述する復電時節電モード移行回数カウンタECO−CTの値)から復電時節電モードへ移行した回数(つまり、復電時節電モードへ移行した回数を計数した総和(積算結果の値))を正確に把握することができるため、ホールに設置されたパチンコ遊技機1が実際に稼働した場合における復電時節電モードへ移行した回数と、製造元において開発段階において復電時節電モードへ移行すると想定していた回数と、を比較してパチンコ遊技機1で消費される電力を抑制するための改善点の有無の検討に寄与することができる。
[7−4−2.液晶及び音制御部]
遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470の描画制御と本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音楽や効果音等の音制御とを行う液晶及び音制御部4160は、図15に示すように、音楽や効果音等の音制御を行うための音源が内蔵(以下、「内蔵音源」と記載する。)されるとともに遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470の描画制御を行う音源内蔵VDP(Video Display Processorの略)4160aと、遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470に表示される画面の各種キャラクタデータに加えて音楽や効果音等の各種音データを記憶する液晶及び音制御ROM4160bと、シリアル化された音楽や効果音等をオーディオデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するオーディオデータ送信IC4160cと、上皿側液晶表示装置470へシリアル化された描画データを扉枠5の皿ユニット300の右側に取り付けられている上皿側液晶表示装置470の下方近傍に配置されて皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450へ向かって送信する上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに内蔵されるタッチパネル駆動基板用シリアルI/Oポートから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データをプラス信号とマイナス信号とに差動化する差動化回路4160eと、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから出力される信号のほかに、差動化回路4160eからの信号が入力されるとともに、差動化回路4160eからの信号が入力されているときには、この信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路4160eからの信号が入力されていないときには、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから出力される信号を伝送するように回路接続する強制切替回路4160fと、を備えている。この液晶及び音制御ROM4160bには、後述する画面や画像の表示に用いるスプライトデータとして、例えばリング状表示物(環状の表示物)の表示に用いる環状画像データ、後述する操作メニュー背景画像の表示に用いる操作メニュー背景画像データ、後述する少なくとも1つの選択表示物の表示に用いる選択表示物画像データ、後述するボリュームスケールを含む音量調整画面の表示に用いる音調調整背景画像データ、後述する音量調整アイコンの表示に用いる音量設定アイコン画像データ等の他、遊技者から見て本体枠3の背面における各部位の位置が視認可能な本体枠背面画像の表示に用いる本体枠背面画像データ、サービスモード画面の表示に用いるサービスモード画面画像データ、休憩タイマー設定画面の表示に用いる休憩タイマー設定画面画像データ、及び、休憩中画面の表示に用いる休憩中画面画像データが格納されている。なお、液晶及び音制御ROM4160bは、操作ユニット400の押圧操作部405(操作部)を操作すべき旨を促すための示唆表示物の表示に用いる示唆表示物画像データをも格納している。
周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、主制御基板4100からのコマンドと対応する画面生成用スケジュールデータを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域に4150caeにセットし、このスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータの先頭の画面データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力した後に、後述するVブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って先頭の画面データに続く次の画面データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。このように、周辺制御MPU4150aは、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って、この画面生成用スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の画面データから1つずつ音源内蔵VDP4160aに出力する。
また、周辺制御MPU4150aは、主制御基板4100からのコマンドと対応する音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域に4150caeにセットし、このスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力した後に、Vブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って先頭の音指令データに続く次の音指令データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。このように、周辺制御MPU4150aは、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って、この音生成用スケジュールデータに時系列に配列された音指令データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の音指令データから1つずつ音源内蔵VDP4160aに出力する。
[7−4−2a.音源内蔵VDP]
音源内蔵VDP4160aは、上述した内蔵音源のほかに、周辺制御MPU4150aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて、図17に示すように、液晶及び音制御ROM4160bから遊技盤側キャラクタデータ及び上皿側キャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを生成するためのVRAMも内蔵(以下、「内蔵VRAM」と記載する。)している。音源内蔵VDP4160aは、内蔵VRAM上に生成した描画データのうち、遊技盤側表示装置1820に対する描画データをチャンネルCH1からプロジェクタ駆動基板1800を介して遊技盤側表示装置1820に出力するとともに、上皿側液晶表示装置470に対する描画データをチャンネルCH2から、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450を介して、上皿側液晶表示装置470に出力(送信)することで、遊技盤側表示装置1820と上皿側液晶表示装置470との同期化を図っている。なお、周辺制御MPU4150aからの画面データには、タッチパネル480に指が触れている位置(接触位置データ)に基づいて(つまり指が触れている位置に反映する画像となるように)、遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470に描画する画面の順序が規定されているものもある。
チャンネルCH1から出力される描画データは、周辺制御基板4140からプロジェクタ駆動基板1800を介して遊技盤側表示装置1820に出力されるのに対して、チャンネルCH2から出力される描画データは、周辺制御基板4140から、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠5の皿ユニット300の右側に取り付けられている上皿側液晶表示装置470の下方近傍に配置されて皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450を介して上皿側液晶表示装置470に出力(送信)される。このように、チャンネルCH1から出力される描画データは、上述したように、周辺制御基板4140からプロジェクタ駆動基板1800を介して遊技盤側表示装置1820に出力されるため、周辺制御基板4140及び遊技盤側表示装置1820は遊技盤4にそれぞれ取り付けられていることによりチャンネルCH1からプロジェクタ駆動基板1800を介して遊技盤側表示装置1820までの経路に要する配線の長さが短いものの、チャンネルCH2から出力される描画データは、上述したように、周辺制御基板4140から扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450を介して上皿側液晶表示装置470に出力されるため、周辺制御基板4140は遊技盤4に取り付けられているのに対して、タッチパネル駆動基板450は扉枠5の皿ユニット300内に収納されていることによりチャンネルCH2から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そしてタッチパネル駆動基板450までの経路に要する配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなることでノイズの影響を極めて受けやすくなる。このため、描画データを送るための配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなるというチャンネルCH2に対しては、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用することにより、ノイズの影響を受け難い仕組みとなっている。
チャンネルCH1は、LVDS(Low Voltage Differential Signalingの略)というシリアル方式による差動インターフェースを使用しているのに対して、チャンネルCH2は、パラレル方式によるインターフェースを使用している。
チャンネルCH1から出力される描画データは、シリアルデータであり、プロジェクタ駆動基板1800のLVDSレシーバIC1800vで受信されると、LVDSレシーバIC1800vにおいて、この受信したシリアルデータを、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成されるパラレルデータに復元されて、反射型液晶表示パネルであるLCOS(Liquid crystal on siliconの略)を用いた映像表示システムを駆動するLCOS駆動回路1800wに出力される。このLCOS駆動回路1800wは、その詳細な説明を後述するが、遊技盤側表示装置1820のプロジェクタ1850に備えるLCOSと各種LEDとから構成される光学エンジンを駆動制御するものであり、LVDSレシーバIC1800vから入力される、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成される描画データに従って遊技盤側表示装置1820のプロジェクタ1850に備えるLCOSと各種LEDとから構成される光学エンジンを駆動制御して1画面分の描画データを遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900へ投射して表示する。
チャンネルCH2から出力される描画データは、パラレルデータであり、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成されており、上皿側液晶用トランスミッタIC4610dでシリアル化されて、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450に送信される。そして、このシリアル化された各種信号は、タッチパネル駆動基板450においてパラレル信号に復元されて上皿側液晶表示装置470に出力されるようになっている。
このように、周辺制御MPU4150aが遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470に表示する1画面分(1フレーム分)の画面データを音源内蔵VDP4160aに出力すると、音源内蔵VDP4160aは、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM4160bからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成し、この生成した描画データうち、遊技盤側表示装置1820に対する画像データをチャンネルCH1からプロジェクタ駆動基板1800を介して遊技盤側表示装置1820に出力するとともに、上皿側液晶表示装置470に対する画像データをチャンネルCH2から図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450を介して上皿側液晶表示装置470に出力(送信)する。つまり、「1画面分(1フレーム分)の画面データ」とは、遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成するためのデータのことである。
また、音源内蔵VDP4160aは、1画面分(1フレーム分)の描画データを、チャンネルCH1からプロジェクタ駆動基板1800を介して遊技盤側表示装置1820に出力するとともに、上皿側液晶表示装置470に対する画像データをチャンネルCH2から図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450を介して上皿側液晶表示装置470に出力(送信)すると、周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU4150aに出力する。本実施形態では、遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が出力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。周辺制御MPU4150aは、このVブランク信号が入力されたことを契機として、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理を実行するようになっている。ここで、Vブランク信号が出力される間隔は、遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470の液晶サイズによって多少変化する。また、周辺制御MPU4150aと音源内蔵VDP4160aとが実装された周辺制御基板4140の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合がある。
なお、音源内蔵VDP4160aは、フレームバッファ方式が採用されている。この「フレームバッファ方式」とは、遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470の画面に描画する1画面分(1フレーム分)の描画データをフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持し、このフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持した1画面分(1フレーム分)の描画データを、遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470に出力する方式である。
また、音源内蔵VDP4160aは、主制御基板4100からのコマンドに基づいて周辺制御MPU4150aから上述した音指令データが入力されると、図17に示すように、液晶及び音制御ROM4160bに記憶されている音楽や効果音等の音データを抽出して内蔵音源を制御することにより、音指令データに規定された、トラック番号に従って音楽及び効果音等の音データをトラックに組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定して本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音楽や効果音等をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力する。
なお、音指令データには、音データを組み込むトラックの音量を調節するためのサブボリューム値も含まれており、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックには、音楽や効果音等の演出音の音データとその音量を調節するサブボリューム値のほかに、パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音の音データとその音量を調節するサブボリューム値が組み込まれる。具体的には、演出音に対しては、上述した、音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として設定され、報知音に対しては、音量調整ボリューム4140aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量がサブボリューム値として設定されるようになっている。演出音のサブボリューム値は、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで後述する設定モードへ移行して調節することができるようになっている。
また、音指令データには、出力するチャンネルの音量を調節するためのマスターボリューム値も含まれており、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数の出力チャンネルには、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値と、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力するようになっている。
本実施形態では、マスターボリューム値は電力抑制用のマスターボリューム値を除いて一定値に設定されており、合成した演出音の音量が最大音量であるときに、マスターボリューム値まで増幅されることにより、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音量が許容最大音量となるように設定されている。具体的には、演出音に対しては、複数のトラックのうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームと、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力し、報知音に対しては、使用するトラックに組み込まれた報知音の音データと、使用するトラックに組み込まれた報知音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム4140aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量と、を合成して、この合成した報知音の音量を、実際に、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力する。
ここで、演出音が本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れている場合に、パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音を流す制御について簡単に説明すると、まず演出音が組み込まれているトラックのサブボリューム値を強制的に消音に設定し、この演出音が組み込まれたトラックの音データと、その消音に設定したサブボリューム値と、報知音が組み込まれたトラックの音データと、報知音の音量が最大音量に設定されたサブボリューム値と、を合成し、この合成した演出音の音量と報知音の音量とを、実際に、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音及び報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力する。
つまり、実際に、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音は、最大音量の報知音だけが流れることとなる。このとき、演出音は消音となっているため、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れないものの、演出音は、上述した音生成用スケジュールデータに従って進行している。本実施形態では、報知音は所定期間(例えば、90秒)だけ本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れるようになっており、この所定期間経過すると、これまで消音に強制的に設定された音生成用スケジュールデータに従って進行している演出音の音量が、音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として再び設定され(このとき、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行して調節されている場合には、その調節された演出音のサブボリューム値に設定され)、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れるようになっている。
このように、演出音が本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れている場合に、パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音が流れるときには、演出音の音量が消音になって報知音が本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れるものの、この消音となった演出音は、音生成用スケジュールデータに従って進行しているため、報知音が所定期間経過して本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れなくなると、演出音は、報知音が流れ始めたところから再び流れ始めるのではなく、報知音が流れ始めて所定期間経過した時点まで音生成用スケジュールデータに従って進行したところから再び流れ始めるようになっている。
[7−4−2b.液晶及び音制御ROM]
液晶及び音制御ROM4160bは、図17に示すように、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900へ投射して描画するための遊技盤側キャラクタデータと、上皿側液晶表示装置470の表示領域に描画するための上皿側キャラクタデータと、が予め記憶されるとともに、音楽、効果音、報知音、及び告知音等の各種の音データも予め記憶されている。
[7−4−2c.オーディオデータ送信IC]
オーディオデータ送信IC4160cは、音源内蔵VDP4160aからのシリアル化したオーディオデータが入力されると、右側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、枠装飾駆動アンプ基板194に送信するとともに、左側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、枠装飾駆動アンプ基板194に送信する。これにより、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から各種演出に合わせた音楽や効果音等がステレオ再生されるようになっている。
なお、オーディオデータ送信IC4160cは、周辺制御基板4140から枠装飾駆動アンプ基板194に亘る基板間を、左右それぞれ差分方式のシリアルデータとしてオーディオデータを出力することにより、例えば、左側オーディオデータのプラス信号、マイナス信号にノイズの影響を受けても、プラス信号に乗ったノイズ成分と、マイナス信号に乗ったノイズ成分と、を枠装飾駆動アンプ基板194で合成して1つの左側オーディオデータにする際に、互いにキャンセルし合ってノイズ成分が除去されるようになっているため、ノイズ対策を講じることができる。
[7−4−2d.上皿側液晶用トランスミッタIC]
上皿側液晶用トランスミッタIC4160dは、図17に示すように、音源内蔵VDP4160aのチャンネルCH2から出力される描画データが入力されている。チャンネルCH2は、上述したように、パラレル方式によるインターフェースが使用されている。描画データは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成されており、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ8ビット、計24ビットで構成されている。本実施形態では、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dに入力可能な赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ6ビット、計18ビットであるため、各映像信号における上位6ビットが上皿側液晶用トランスミッタIC4160dに入力されている。下位2ビットは、人間の目にとって判別困難な極めて微弱な色情報であるため、音源内蔵VDP4160aから出力されているものの、微弱な色情報を含む下位2ビットを無効化している。
音源内蔵VDP4160aのチャンネルCH2から出力される描画データである、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、が上皿側液晶用トランスミッタIC4160dに入力されると、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、がザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)にシリアル化して差動1ペアケーブルのみでこれらの各種信号を、周辺制御基板4140から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450に送信する。
上述したように、音源内蔵VDP4160aのチャンネルCH1から出力される描画データは、周辺制御基板4140からプロジェクタ駆動基板1800を介して遊技盤側表示装置1820に出力されるため、チャンネルCH1から遊技盤側表示装置1820までの経路(第1経路)に要する配線の長さが短いものの、音源内蔵VDP4160aのチャンネルCH2から出力される描画データは、周辺制御基板4140から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450を介して上皿側液晶表示装置470に出力(送信)されるため、チャンネルCH2から上皿側液晶表示装置470までの経路(第2経路)に要する配線の長さが第1経路に要する配線の長さより極めて長くなることによりノイズの影響を極めて受けやすくなる。
具体的には、図1に示した本体枠3に対して開閉自在に扉枠5が軸支されているため、本体枠3の開放側辺に沿って図5に示した錠装置1000の反対側である閉塞側に、例えば本体枠3に装着される遊技盤4に備える周辺制御基板4140から扉枠5に備える皿ユニット300に収納されるタッチパネル駆動基板450などの、本体枠3側に備える各種基板と扉枠5側に備える各種基板とを電気的に接続する各種配線を通す必要がある。ところが、本体枠3の閉塞側には、図3に示したように、賞球装置740のほかに、この賞球装置740によって払出された遊技球を、図7に示した、皿ユニット300の上皿301へ誘導することができると共に上皿301が遊技球で満タンになると払出された遊技球を下皿302側へ分岐誘導することができる満タン分岐ユニット770が配置されている。また、本体枠3の下側には、パチンコ島設備から電源が供給される図6に示した電源基板851等を一纏めにしてユニット化した図5に示した基板ユニット800が配置されている。このように、本体枠3側に備える各種基板と扉枠5側に備える各種基板とを電気的に接続する各種配線は、賞球装置740、満タン分岐ユニット770、電源基板851等の近傍に引き回されることとなり、賞球装置740に備える払出モータ744が駆動されることによるノイズのほかに、遊技球による静電放電によるノイズやパチンコ遊技機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等を受ける環境下にある。
このため、描画データを送るための配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなるというチャンネルCH2に対しては、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用することにより、ノイズの影響を受け難い仕組みとなっている。本実施形態では、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450に備える後述する上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続するための配線として、上述したように、差動1ペアケーブルを用いているが、この差動1ペアケーブルは、2本の配線が単に平行に設けられる平行線ではなく、ツイストペアケーブルである。このツイストペアケーブルは、2本の配線を撚り合わせたケーブルであって、撚り対線とも呼ばれるものである。
ここで、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして平行線を採用した場合について簡単に説明する。描画データを送るための配線の長さが音源内蔵VDP4160aのチャンネルCH1と比べて極めて長くなるという音源内蔵VDP4160aのチャンネルCH2に対して、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとしても、このようなハードウェアによる構成だけでは、遊技球の静電放電によるノイズ、パチンコ遊技機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等により、平行線におけるシリアルデータが影響を受けると、扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0で受信する際にそのノイズがキャンセル(除去)されないため、シリアルデータが影響を受けた状態のまま上皿側液晶用レシーバICSDIC0で受信されることとなり、音源内蔵VDP4160aのチャンネルCH2から出力される描画データが正規なものと異なる乱れたものとして上皿側液晶用レシーバICSDIC0で受信され、上皿側液晶表示装置470の表示領域では、いわゆる砂嵐のような画像が表示されて何の画像であるのかを全く認識することができなくなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、描画データを送るための配線の長さが音源内蔵VDP4160aのチャンネルCH1と比べて極めて長くなるという音源内蔵VDP4160aのチャンネルCH2に対して、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとするとともに、このようなハードウェアによる構成に加えて、ディファレンシャル方式によるシリアルデータが配線に侵入したノイズの影響を受けたとしても受信側においてそのノイズをキャンセル(除去)することができるツイストペアケーブルを、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして採用した。これにより、遊技球の静電放電によるノイズ、パチンコ遊技機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等により、ツイストペアケーブルにおいてシリアルデータが影響を受けたとしても、扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0で受信する際にそのノイズがキャンセル(除去)されるようになっているため、音源内蔵VDP4160aのチャンネルCH2から出力される描画データは、扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0で確実に受信されて上皿側液晶表示装置470に出力されることにより、上皿側液晶表示装置470において、液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aが生成した画像を確実に表示することができる。ノイズをキャンセル(除去)することにより、砂嵐のような何の画像であるのかを全く認識することができなくなるような画像が上皿側液晶表示装置470で表示されることを防止することができるため、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。したがって、ノイズの影響による遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態では、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450に備える後述する上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間においては、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882が介在している。これは、本体枠3と扉枠5とが一体的に構成されるものではなく、別々に組み立てられたものを、本体枠3に扉枠5を取り付けるという構造を採用しているため、本体枠3に扉枠5を取り付ける作業のあとに、扉枠5側に備える各種基板からのハーネスやツイストケーブルなどの各種配線を本体枠3側に備える周辺扉中継端子板882に電気的に接続することによって、本体枠3側に備える各種基板と、扉枠5側に備える各種基板と、を電気的に接続することができるようになっている。このような構成により、本体枠3から扉枠5を開放して各種配線を取り外す作業を行ったあとに、本体枠3から扉枠5を取り外すことで、本体枠3や扉枠5のメンテナンスを行うことができるし、扉枠5に生じた不具合が解消することができない場合には、この不具合のある扉枠5に替えて他の扉枠5’を本体枠3に取り付けて、扉枠5’側に備える各種基板からの各種配線を本体枠3側に備える周辺扉中継端子板882に電気的に接続することによって、本体枠3側に備える各種基板と、扉枠5’側に備える各種基板と、を電気的に接続することができる。
また、本実施形態では、上述したように、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとするとともに、このようなハードウェアによる構成に加えて、ディファレンシャル方式によるシリアルデータが配線に侵入したノイズの影響を受けたとしても受信側においてそのノイズをキャンセル(除去)することができるツイストペアケーブルを、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして採用した。具体的には、周辺制御基板4140と枠周辺中継端子板868との基板間、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882との基板間、そして周辺扉中継端子板882とタッチパネル駆動基板450との基板間においては、それぞれツイストペアケーブルにより電気的に接続されているのに対して、電源配線やその他の各種信号を伝える配線においては、それぞれハーネスにより電気的に接続されている。これにより、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882とには、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dにより送信されるディファレンシャル方式によるシリアルデータを伝送するための映像伝送用配線パターンのほかに、電源用配線パターンやその他の各種信号を伝送するための各種信号用配線パターンと、が混在している。このため、枠周辺中継端子板868、及び周辺扉中継端子板882には、電源用配線パターンや各種信号用配線パターンから所定寸法だけ離して上述した映像伝送用配線パターンがそれぞれ形成されている。トランスミッタからレシーバまでの経路には、枠周辺中継端子板868、及び周辺扉中継端子板882という複数の中継端子板をまたぐこととなるため、これらの複数の中継端子板に形成される映像伝送用配線パターンの入出力間において、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dにより送信されるディファレンシャル方式によるシリアルデータを伝送する信号の一部が反射されてノイズとなったり、その信号の出力レベルが低下するという問題が生ずる。そこで、本実施形態では、これらの複数の中継端子板に形成される映像伝送用配線パターンには、インピーダンス整合が施されている。
また、本実施形態では、上述したように、周辺制御基板4140と枠周辺中継端子板868との基板間、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882との基板間、そして周辺扉中継端子板882とタッチパネル駆動基板450との基板間においては、それぞれツイストペアケーブルにより電気的に接続されているのに対して、電源配線やその他の各種信号を伝える配線においては、それぞれハーネスにより電気的に接続されているが、ツイストペアケーブルのうち、一方の配線を赤色とし、他方の配線を灰色とするとともに、ハーネスのうち、電源を供給する配線を赤色とし、他の複数の配線を灰色としている。なお、電源を供給する配線を赤色とせず、黄色としてもよい。
[7−4−2e.強制切替回路、差動化回路]
上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから出力される信号は、強制切替回路4160f、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450に送信されるようになっている。この強制切替回路4160fには、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから出力される信号のほかに、周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに内蔵されるタッチパネル駆動基板用シリアルI/Oポートから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データが差動化回路4160eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化されて入力されている。この差動化回路4160eでは、LOCKN信号出力要求データをディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)にシリアル化している。このLOCKN信号出力要求データは、パチンコ遊技機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射して表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900によるデモンストレーションを行っている(表示している)期間において、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450に備える後述する上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、上皿側液晶表示装置470の動作確認要求として送信されるものである。強制切替回路4160fは、差動化回路4160eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、この2つの信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路4160eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから出力される信号を伝送するように回路接続するように回路構成されている。これにより、差動化回路4160eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、その2つの信号を伝送するように回路接続するため、その2つの信号が、周辺制御基板4140から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450に送信される一方、差動化回路4160eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから出力される信号を伝送するように回路接続するため、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから出力される信号が、周辺制御基板4140から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450に送信される。周辺制御MPU4150aは、パチンコ遊技機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射して表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900によるデモンストレーションを行っている(投射して表示している)期間において、タッチパネル駆動基板用シリアルI/OポートからLOCKN信号出力要求データを、扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450(実際には、周辺制御基板4140に備える差動化回路4160e)に向かって送信する。
扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450は、周辺制御基板4140からのシリアル信号(シリアルデータ)を後述する上皿側液晶用レシーバICSDIC0で受信すると、シリアル化された各種信号をパラレル信号に復元して上皿側液晶表示装置470に出力する液晶モジュール回路450Vと、図2に示した上皿側液晶表示装置470の表示領域を覆うように設けられる静電容量型のタッチパネル480の接触状態の検知制御を行うタッチパネル回路450Wと、から主として構成されている。
上皿側液晶用レシーバICSDIC0は、音源内蔵VDP4160aからの描画データを受信し、この受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝える後述するLOCKN信号を周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板4140に出力する。このLOCKN信号は、周辺制御基板4140の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに入力される。周辺制御MPU4150aは、入力されるLOCKN信号に基づいて、所定の条件が成立すると、その旨を伝えるための画像を音源内蔵VDP4160aを制御して生成してプロジェクタ駆動基板1800を介して遊技盤側表示装置1820に出力することにより遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900へ投射して報知する。
また、上皿側液晶用レシーバICSDIC0は、受信したその2つの信号がタッチパネル駆動基板用シリアルI/OポートからのLOCKN信号出力要求データであると判断したときには、後述するLOCKN信号を周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板4140に出力する。このLOCKN信号は、周辺制御基板4140の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに入力される。これにより、周辺制御MPU4150aは、LOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN信号が入力されているときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していないとして扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450に不具合が発生していないと判断することができる一方、LOCKN信号が入力されていないときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとして扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450に不具合が発生していると判断して、その旨を伝える報知画像(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」)を、音源内蔵VDP4160aを制御してプロジェクタ駆動基板1800を介して遊技盤側表示装置1820に出力するとともに、その旨を伝える報知音(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しています。」)を、音源内蔵VDP4160aを制御してオーディオデータ送信IC4160cに出力することにより扉枠5に設けたスピーカ130,222,262等から報知音が流れる。これにより、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900へ投射されて表示される報知画像と、扉枠5に設けたスピーカ130,222,262等から繰り返し流れる報知音と、により報知を行うことができるようになっている。このとき、扉枠5に備える発光装飾用のLEDや遊技盤4に備える各種装飾基板に実装される各種LEDをすべて点灯してもよい。
[7−4−3.RTC制御部]
年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するRTC制御部4165は、図15に示すように、RTC4165aを中心として構成されている。このRTC4165aには、カレンダー情報と時刻情報とが保持されるRAM4165aaが内蔵(以下、「RTC内蔵RAM4165aa」と記載する。)されている。RTC4165aは、駆動用電源及びRTC内蔵RAM4165aaのバックアップ用電源として電池4165b(本実施形態では、ボタン電池を採用している。)から電力が供給されるようになっている。つまりRTC4165aは、周辺制御基板4140(パチンコ遊技機1)からの電力が全く供給されずに、周辺制御基板4140(パチンコ遊技機1)と独立して電池4165bから電力が供給されている。これにより、RTC4165aは、パチンコ遊技機1の電力が遮断されても、電池4165bからの電力供給により、カレンダー情報や時刻情報を更新保持することができるようになっている。
周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、RTC4165aのRTC内蔵RAM4165aaからカレンダー情報や時刻情報を取得して上述した周辺制御RAM4150cのRTC情報取得記憶領域4150cadにセットし、この取得したカレンダー情報や時刻情報に基づく演出を遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470で繰り広げることができるようになっている。このような演出としては、例えば、12月25日であればクリスマスツリーやトナカイの画面が遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470で繰り広げられたり、大晦日であれば新年カウントダウンを実行する画面が遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470で繰り広げられたりする等を挙げることができる。カレンダー情報や時刻情報は、工場出荷時に設定される。
なお、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報のほかに、遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の輝度や上皿側液晶表示装置470のバックライトであるLEDの輝度等の輝度設定情報が記憶保持されている。周辺制御MPU4150aは、RTC内蔵RAM4165aaから輝度設定情報を取得して遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の輝度調整をPWM制御により行う。輝度設定情報は、遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の輝度と、現在設定されている上皿側液晶表示装置470のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれている。
また、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報、時刻情報や輝度設定情報のほかに、カレンダー情報、時刻情報、及び輝度設定情報をRTC内蔵RAM4165aaに最初に記憶した年月日及び時分秒の情報として入力日時情報も記憶されている。
周辺制御MPU4150aは、上皿側液晶表示装置470のバックライトが冷陰極管タイプのものが装着されている場合には、バックライトのON/OFF制御もしくはONのみとするようになっている。
RTC内蔵RAM4165aaに記憶される、カレンダー情報、時刻情報、輝度設定情報、及び入力日時情報等の各種情報は、遊技機メーカの製造ラインにおいて設定される。製造ラインにおいては、例えば遊技盤側表示装置1820の表示テスト等の各種テストを行うため、遊技盤側表示装置1820を最初に電源投入した日時として入力日時情報が製造ラインで入力された年月日及び時分秒である製造日時に設定される。
このように、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報のほかに、遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の輝度設定情報、及び入力日時情報等、パチンコ遊技機1の機種情報(例えば、低確率や高確率における大当り遊技状態が発生する確率など)とは独立して維持が必要な情報を記憶保持することができるようになっている。
また、RTC内蔵RAM4165aaに記憶保持される輝度設定情報等は、パチンコ遊技機1が設置されるホールの環境によっては製造日時に設定された遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の輝度では明るすぎたり、暗すぎたりする場合もある。そこで、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行して遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の輝度を所定の輝度に調節することができるようになっている。パチンコ遊技機1の電源投入後、所定時間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射されて表示されるほかに、客待ち状態となって遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900によるデモンストレーションを行っている(投射して表示している)期間において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射されて表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することでカレンダー情報、時刻情報を再設定したり、遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の輝度を所望の輝度に調節したりすることができる。この調節された遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の所望の輝度は、輝度設定情報に記憶されるLEDの輝度としてそれぞれ上書き(更新記憶)されるようになっている。
なお、設定モードでは、周辺制御MPU4150aは、上述した輝度補正プログラムを実行することにより、遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の経年変化にともなう輝度低下を補正する。周辺制御MPU4150aは、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、入力日時情報を取得して遊技盤側表示装置1820を最初に電源投入した日時を特定し、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定し、遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と現在設定されている遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の輝度とを有する輝度設定情報を取得する。この取得した輝度設定情報を周辺制御ROM4150bに予め記憶されている補正情報に基づいて補正する。
例えば、遊技盤側表示装置1820を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、遊技盤側表示装置1820を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM4150bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850を点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の輝度を調節して点灯し、遊技盤側表示装置1820を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM4150bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850を点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の輝度を調節して点灯する。
なお、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、直接、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定してもいいし、後述する周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1002の現在時刻情報取得処理において周辺制御RAM4150cのRTC情報取得記憶領域4150cadにおける、カレンダー情報記憶部にセットされて周辺制御基板4140のシステムにより更新される現在のカレンダー情報と、時刻情報記憶部にセットされて周辺制御基板4140のシステムにより更新される現在の時刻情報と、を取得して現在の日時を特定してもいい。
[7−4−4.音量調整ボリューム]
音量調整ボリューム4140aは、上述したように、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音楽や効果音等の音量をつまみ部を回動操作することにより調節することができるようになっている。音量調整ボリューム4140aは、上述したように、そのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変するようになっており、電気的に接続された周辺制御A/Dコンバータ4150akがつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、上述したように、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶及び音制御部4160(音源内蔵VDP4160a)を制御して本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から音楽や効果音が流れるようになっている。
このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から音楽や効果音が流れるようになっている。また、本実施形態では、上述したように、音楽や効果音のほかに、パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、遊技盤側表示装置1820に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したり等。)ための告知音も本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れるが、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶及び音制御部4160(音源内蔵VDP4160a)を制御して調整することができるようになっている。
このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ遊技機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。
また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
なお、本実施形態では、音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節するようになっていることに加えて、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行して音楽や効果音の音量を調節することができるようになっている。パチンコ遊技機1の電源投入後、所定時間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射されて表示されるほかに、客待ち状態となって遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900によるデモンストレーションを行っている(投射して表示している)期間において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射されて表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができる。具体的には、音量調整ボリューム4140aのつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、周辺制御A/Dコンバータ4150akがアナログ値からデジタル値に変換して、この変換した値に対して、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることができるようになっている。この調節された音量は、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックのうち、音楽や効果音等の演出音の音データが組み込まれたトラックに対して、サブボリューム値として設定更新されて演出音の音量の調節に反映されるものの、上述した報知音や告知音の音量に調節に反映されないようになっている。
このように、本実施形態では、音量調整ボリューム4140aのつまみ部を直接回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、の2つの方法がある。音量調整ボリューム4140aは、周辺制御基板4140に実装されているため、本体枠3を外枠2から必ず開放した状態にする必要がある。そうすると、音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作することができるのは、ホールの店員となる。ところが、ホールの店員が調節した音量では、遊技者にとって小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合もあるし、遊技者にとって大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合もある。そこで、パチンコ遊技機1の電源投入後、所定時間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作したり、客待ち状態となって遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900によるデモンストレーションを行っている(投射して表示している)期間において、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作したりした場合には、設定モードを行うための画面が遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射されて表示され、この設定モードの画面に従って操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができるようになっている。これにより、遊技者は所望の音量に音楽や効果音の音量を調節することができるため、ホールの店員が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、ホールの店員が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
また、本実施形態では、パチンコ遊技機1において遊技が行われていない状態が所定時間継続され、客待ち状態となって遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900によるデモンストレーションが繰り返し行われると(例えば、10回繰り返し表示されると)、前回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量がキャンセルされて、音量が初期化されるようになっている。この音量の初期化では、ホールの店員が調節した音量、つまりホールの店員が音量調整ボリューム4140aのつまみ部を直接回動操作して調節した音量となるようになっている。これにより、前回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、今回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、前回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、今回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
[8.電源システム]
次に、パチンコ遊技機1の電源システムについて、図18〜図20を参照して説明する。図18はパチンコ遊技機の電源システムを示すブロック図であり、図19は電源作成回路を示すブロック図(a)、電力消費量と電力消費量に伴う電力消費抑制レベルとの関係を示す図(b)であり、図20は図18のつづきを示すブロック図である。まず、電源基板について説明し、続いて各制御基板等に供給される電源について説明する。なお、各種基板のグランド(GND)や各種端子板のグランド(GND)は、電源基板851のグランド(GND)と電気的に接続されており、同一グランド(GND)となっている。
[8−1.電源基板]
電源基板851は、電源コードと電気的に接続されており、この電源コードのプラグがパチンコ島設備の電源コンセントに差し込まれている。図3に示した電源スイッチ852を操作すると、パチンコ島設備から供給されている電力が電源基板851に供給され、パチンコ遊技機1の電源投入を行うことができる。
電源基板851は、図18に示すように、電源制御部855、発射ソレノイド駆動回路858、球送ソレノイド駆動回路859を備えている。電源制御部855は、パチンコ島設備から供給される交流24ボルト(AC24V)から各種直流電圧を作成したり、主制御基板4100や払出制御基板4110へのバックアップ電源を供給する回路であり、発射ソレノイド駆動回路858は、図5に示した打球発射装置650の発射ソレノイド654を駆動する回路であり、球送ソレノイド駆動回路859は、図1に示した球送ユニット580の球送ソレノイド585を駆動する回路である。
電源制御部855は、同期整流回路855a、力率改善回路855b、平滑化回路855c、電源作成回路855d、キャパシタBC0,BC1を備えている。パチンコ島設備から供給されているAC24Vは、電源基板851を介して遊技球等貸出装置接続端子板869に供給されるとともに、同期整流回路855aに供給されている。この同期整流回路855aは、パチンコ島設備から供給され交流24ボルト(AC24V)を整流して力率改善回路855bに供給している。この力率改善回路855bは、整流された電力の力率を改善して直流+37V(DC+37V、以下、「+37V」と記載する。)を作成して平滑化回路855cに供給している。この平滑化回路855cは、供給される+37Vのリップルを除去して+37Vを平滑化させて発射ソレノイド駆動回路858、球送ソレノイド駆動回路859、及び電源作成回路855dにそれぞれ供給している。
キャパシタBC0は、主制御基板4100の主制御MPU4100aに内蔵されたRAM(主制御内蔵RAM)へのバックアップ電源を供給し、キャパシタBC1は、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aに内蔵されたRAM(払出制御内蔵RAM)へのバックアップ電源を供給している。
発射ソレノイド駆動回路858は、平滑化回路855cから供給される+37Vを駆動電源として、図13に示した払出制御基板4110の払出制御MPU4120aに内蔵される発射球送制御回路4120agにより制御されてポテンショメータ512からの操作信号に基づいて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す(発射する)ことができるように発射ソレノイド654への駆動電流を調整する。これにより、図7に示した回転ハンドル本体前506の回転位置に見合う打ち出し強度(発射強度)で遊技球を図1に示した遊技領域1100に向かって打ち出す(発射する)ことができる。一方、球送ソレノイド駆動回路859は、平滑化回路855cから供給される+37Vを駆動電源として、図13に示した払出制御基板4110の払出制御MPU4120aに内蔵される発射球送制御回路4120agにより制御されて球送ソレノイド585への駆動電流を一定電流となるように調整する。これにより、球送ユニット580の球送部材が図7に示した皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を1球受け入れ、球送部材が受け入れた遊技球を打球発射装置650側へ送ることができる。
電源作成回路855dは、電力消費監視回路855da、+5V電源作成回路855db、+12V電源作成回路855dc、+24V電源作成回路855ddを備えている。平滑化回路855cから供給される+37Vは、電力消費監視回路855daを介して、+5V電源作成回路855db、+12V電源作成回路855dc、及び+24V電源作成回路855ddへそれぞれ供給されている。
電力消費監視回路855daは、平滑化回路855cから供給される+37Vの電力消費を監視している。電力消費監視回路855daは、平滑化回路855cから供給される+37Vの電力消費量を監視し、その電力消費量に基づいて、どの程度電力消費を抑制すべきかを示す電力消費抑制段階を判定して、判定結果を電力消費抑制信号として枠周辺中継端子板868に出力するようになっている。電源作成回路855dの電力消費監視回路855daから出力される電力消費抑制信号は、3本の信号配線として構成されており(つまり、3本のパラレル信号として構成されており)、値0〜値7までの8通りの値を伝えることができるものであり、枠周辺中継端子板868を介して周辺制御基板4140へ入力される一方、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して枠装飾駆動アンプ基板194へ入力されるようになっている(図20(b)を参照)。そして、電源作成回路855dの電力消費監視回路855daからの電力消費抑制信号は、枠装飾駆動アンプ基板194を介して、扉枠の装飾基板等にそれぞれ入力されるようになっている(図20(b)を参照)。
具体的には、電力消費監視回路855daは、図19(a)に示すように、電力計測回路855daa、電力消費抑制段階判定回路855dabを備えている。平滑化回路855cから供給される+37Vは、電力計測回路855daaを介して、+5V電源作成回路855db、+12V電源作成回路855dc、及び+24V電源作成回路855ddへそれぞれ供給されている。電力計測回路855daaは、平滑化回路855cから供給される+37Vの電力消費量をリアルタイムで計測して電力消費抑制段階判定回路855dabに出力する。電力消費抑制段階判定回路855dabは、電力計測回路855daaで計測した電力消費量に基づいて、どの程度電力消費を抑制すべきかを示す電力消費抑制段階を判定して、この判定結果を、3本の信号配線として構成される電力消費抑制信号の値に設定して枠周辺中継端子板868に出力する。
どの程度電力消費を抑制すべきかを示す電力消費抑制段階と、電力計測回路855daaで計測した電力消費量と、どの程度電力消費を抑制すべきかを示す電力消費抑制段階と、の関係(つまり、電力消費量と電力消費量に伴う電力消費抑制レベルとの関係)について簡単に説明する。本実施形態では、パチンコ島設備に設けられる1つのトランス(最大許容容量:250VA)に対して1台のパチンコ遊技機1に電源(AC24V)を供給する場合を想定し、図19(b)に示すように、このトランスの最大許容容量に対しての電力消費量を横軸とし、電力消費抑制段階として段階0〜段階7を縦軸とすると、電力消費抑制段階判定回路855dabは、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が0%以上10%未満であるときには電力消費抑制段階として段階0である判定して電力消費抑制信号の値として値0を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が10%以上20%未満であるときには電力消費抑制段階として段階1である判定して電力消費抑制信号の値として値1を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が20%以上30%未満であるときには電力消費抑制段階として段階2である判定して電力消費抑制信号の値として値2を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が30%以上40%未満であるときには電力消費抑制段階として段階3である判定して電力消費抑制信号の値として値3を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が40%以上50%未満であるときには電力消費抑制段階として段階4である判定して電力消費抑制信号の値として値4を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が50%以上60%未満であるときには電力消費抑制段階として段階5である判定して電力消費抑制信号の値として値5を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が60%以上70%未満であるときには電力消費抑制段階として段階6である判定して電力消費抑制信号の値として値6を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が70%以上であるときには電力消費抑制段階として段階7である判定して電力消費抑制信号の値として値7を設定する。
なお、パチンコ島設備では、通常1つのトランスに対して、例えば4台のパチンコ遊技機1を1つのグループとして電源(AC24V)をそれぞれ供給するというシステムが採用されているため(例えば、1列に20台のパチンコ遊技機1が設置されるパチンコ島設備においては、4台のパチンコ遊技機1が5つのグループとして管理され、それぞれのグループ対して1つずつトランスが設けられ(合計5つのトランスにより)、電源(AC24V)がそれぞれ供給されるというシステムが採用されているため)、最大許容容量:1000VAという性能を有するトランスがパチンコ島設備に複数設けられている。
+5V電源作成回路855dbは、電力消費監視回路855daを介して、平滑化回路855cから供給される+37Vから直流+5V(DC+5V、以下、「+5V」と記載する。)を作成している。+12V電源作成回路855dcは、電力消費監視回路855daを介して、平滑化回路855cから供給される+37Vから直流+12V(DC+12V、以下、「+12V」と記載する。)を作成している。+24V電源作成回路855ddは、電力消費監視回路855daを介して、平滑化回路855cから供給される+37Vから直流+24V(DC+24V、以下、「+24V」と記載する。)を作成している。+5V、+12V、及び+24Vは、払出制御基板4110及び枠周辺中継端子板868にそれぞれ供給されている。+5Vが印加されて供給される電源系統が+5V電源ライン、+12Vが印加されて供給される電源系統が+12V電源ライン、そして+24Vが印加されて供給される電源系統が+24V電源ラインとなる。
電源作成回路855dの+5V電源作成回路855dbで作成される+5Vは、後述するように、払出制御基板4110に供給されている。払出制御基板4110に供給される+5Vは、払出制御フィルタ回路4110aを介して払出制御MPU4120aの電源端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して払出制御内蔵RAMの電源端子に印加されるようになっている。電源作成回路855dの+12V電源作成回路855dcで作成される+12Vは、払出制御基板4110を介して主制御基板4100の+5V作成回路4100gに供給されている。この+5V作成回路4100gは、払出制御基板4110からの+12Vから主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vを作成している。+5V作成回路4100gで作成される+5Vは、主制御フィルタ回路4100hを介して主制御MPU4100aの電源端子に供給されるとともに、ダイオードMD0を介して主制御内蔵RAMの電源端子に供給されるようになっている。
電源基板851のキャパシタBC1のマイナス端子は、グランド(GND)と接地される一方、キャパシタBC1のプラス端子は、払出制御基板4110の払出制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、払出制御基板4110のダイオードPD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、電源基板851における電源作成回路855dの+5V電源作成回路855dbで作成される+5Vは、払出制御MPU4120aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードPD0により順方向である払出制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC1のプラス端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC1は、電源基板851における電源作成回路855dの+5V電源作成回路855dbで作成される+5Vが払出制御基板4110、そして再び払出制御基板4110から電源基板851に戻ってくるという電気的な接続方法により、+5Vが供給されて充電することができるようになっている。これにより、電源作成回路855dの+5V電源作成回路855dbで作成される+5Vが払出制御基板4110に供給されなくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板4110に供給されるようになっているため、払出制御MPU4120aの電源端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU4120aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMの電源端子には払VBBが供給されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
電源基板851のキャパシタBC0のマイナス端子は、グランド(GND)と接地される一方、キャパシタBC0のプラス端子は、払出制御基板4110を介して主制御基板4100の主制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、主制御基板4100のダイオードMD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5V作成回路4100gで作成される+5Vは、主制御MPU4100aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードMD0により順方向である主制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC0のプラス端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC0は、+5V作成回路4100gで作成される+5Vが主制御基板4100、そして払出制御基板4110から電源基板851に供給されるという電気的な接続方法により、+5Vが供給されて充電することができるようになっている。これにより、電源基板851における電源作成回路855dの+12V電源作成回路855dcで作成される+12Vが払出制御基板4110を介して主制御基板4100の+5V作成回路4100gに供給されなくなって+5V作成回路4100gが+5Vを作成することができなくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして、払出制御基板4110を介して、主制御基板4100に供給されるようになっているため、主制御MPU4100aの電源端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU4100aが作動しないものの、主制御内蔵RAMの電源端子には主VBBが供給されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
[8−2.各制御基板等に供給される電圧]
次に、各制御基板等に供給される電圧についての概要を説明し、続いて、主として払出制御基板に供給される電圧、そして主制御基板に供給される電圧について説明する。
電源基板851における電源作成回路855dの+5V電源作成回路855db、+12V電源作成回路855dc、及び+24V電源作成回路855ddでそれぞれ作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図18に示すように、払出制御基板4110に供給され、これら3種類の電圧のうち、+12V及び+24Vという2種類の電圧は、払出制御基板4110を介して主制御基板4100に供給されている。また電源基板851における電源作成回路855dの+5V電源作成回路855db、+12V電源作成回路855dc、及び+24V電源作成回路855ddでそれぞれ作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、枠周辺中継端子板868に供給されるとともに、この枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板4140及び周辺扉中継端子板882にそれぞれ供給されている。
周辺制御基板4140に供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図20(a)に示すように、ランプ駆動基板4170のランプ駆動回路4170a及びモータ駆動基板4180の駆動源駆動回路4180aにそれぞれ供給されている。ランプ駆動基板4170のランプ駆動回路4170aは、遊技盤4の各種装飾基板に点灯信号、点滅信号や階調点灯信号等の各種信号を出力し、モータ駆動基板4180の駆動源駆動回路4180aは、遊技盤4のモータやソレノイド等の電気的駆動源に駆動信号を出力する。
周辺制御基板4140に供給される+12Vという電圧は、図20(a)に示すように、プロジェクタ駆動基板1800に供給されるものの、プロジェクト駆動基板1800で利用されず、そのまま遊技盤側表示装置1820に供給されている。周辺制御基板4140に供給される+24Vという電圧は、図20(a)に示すように、プロジェクタ駆動基板1800の電圧作成回路1800aに供給されている。プロジェクタ駆動基板1800の電圧作成回路1800aは、複数種類の電圧を作成して遊技盤側表示装置1820へ供給している。
これに対して、周辺扉中継端子板882に供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図20(b)に示すように、枠装飾駆動アンプ基板194に供給されている。枠装飾駆動アンプ基板194は、周辺扉中継端子板882から供給される+12Vから直流+9V(DC+9V、以下、「+9V」と記載する。)を作成する+9V作成回路194aを備えている。+9V作成回路194aが作成する+9Vとともに、周辺扉中継端子板882から供給される+5V、+12V、及び+24Vという計4種類の電圧が扉枠5の各種装飾基板等に供給されている。
また、周辺扉中継端子板882に供給される+5Vの電圧は、タッチパネル駆動基板450のタッチパネル電源回路450aに供給されている。タッチパネル電源回路450aは、+5Vの電圧からアナログ系電圧とデジタル系電圧とをそれぞれ作成し、これらのうち必要な電圧が図17に示したタッチパネル回路450Wを構成する各種電子部品にそれぞれ供給されているとともに、タッチパネル480に供給されている。また、周辺扉中継端子板882に供給される+12Vは、上皿側液晶モジュール電源回路450xに供給されている。上皿側液晶モジュール電源回路450xは、+12Vから+3.3Vを作成している。上皿側液晶モジュール電源回路450xが作成した+3.3Vは、図17に示した液晶モジュール回路450Vを構成する各種電子部品にそれぞれ供給されているほかに、上皿側液晶モジュールバックライト電源回路450yや上皿側液晶表示装置470にそれぞれ供給されている。上皿側液晶モジュールバックライト電源回路450yが作成した電圧は、上皿側液晶表示装置470に供給されている。
[8−2−1.払出制御基板に供給される電圧]
払出制御基板4110は、図18に示すように、払出制御MPU4120a等のほかに、払出制御フィルタ回路4110a等を備えている。この払出制御フィルタ回路4110aは、電源基板851からの+5Vが供給されており、この+5Vからノイズを除去している。この+5Vは、ダイオードPD0を介して電源基板851のキャパシタBC1に供給されるほかに、例えば、払出制御部4120の払出制御MPU4120a等に供給されている。電源基板851からの+12Vは、例えば、払出制御部4120の払出制御入力回路4120b等に供給されるとともに、払出制御基板4110を介して、外部端子板784の外部通信回路784aに供給されている。この外部端子板784の外部通信回路784aは、パチンコ遊技機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ遊技機1の遊技情報等を伝える信号を遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータへ出力する回路である。ホールコンピュータは、外部通信回路784aから出力される信号から、パチンコ遊技機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ遊技機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。なお、電源基板851からの+24は、払出制御基板4110において何ら使用されずに、払出制御基板4110を介して、主制御基板4100に供給されている。
[8−2−2.主制御基板に供給される電圧]
主制御基板4100は、図18に示すように、主制御MPU4100a等のほかに、+5V作成回路4100g、主制御フィルタ回路4100h、停電監視回路4100e等を備えている。+5V作成回路4100gは、電源基板851からの+12Vが払出制御基板4110を介して供給され、この+12Vから主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vを作成している。主制御基板4100において、+5V作成回路4100gが作成する+5Vが印加されて供給される電源系統が+5V電源ラインとなる。本実施形態では、電源基板85における電源作成回路855dの+5V電源作成回路855dbで作成される+5V電源ラインと、主制御基板4100の+5V作成回路4100gで作成される+5V電源ラインと、が電気的に接続されることがないように回路構成されているため、電源基板851における電源作成回路855dの+5V電源作成回路855dbで作成される+5V電源ラインが主制御基板4100の各種電子部品と電気的に接続されることがないし、主制御基板4100の+5V作成回路4100gで作成される+5V電源ラインが主制御基板4100を除く他の基板等の各種電子部品と電気的に接続されることもない。
主制御フィルタ回路4100hは、+5V作成回路4100gで作成される+5Vが供給されており、この+5Vからノイズを除去している。この+5Vは、ダイオードMD0を介して電源基板851のキャパシタBC0に供給されるほかに、例えば、主制御MPU4100a等に供給されている。払出制御基板4110からの+12Vは、例えば、主制御入力回路4100b等に供給され、払出制御基板4110からの+24Vは、例えば、主制御ソレノイド駆動回路4100d等に供給されている。
停電監視回路4100eは、電源基板851からの+12V及び+24Vが払出制御基板4110を介して供給されており、これら+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。停電監視回路4100eは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を主制御MPU4100aに出力する。停電予告信号は、主制御基板4100、そして払出制御基板4110の払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aに入力される。また、停電予告信号は、主制御基板4100を介して周辺制御基板4140に入力される。また、停電予告信号は、周辺制御基板4140、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、図20(b)に示すように、枠装飾駆動アンプ基板194に入力されるとともに、この枠装飾駆動アンプ基板194を介して、扉枠の装飾基板等にそれぞれ入力されるようになっている。
本実施形態では、停電監視回路4100eは、+12V電源ラインと+24V電源ラインとの2つの電源ラインに印加される電圧をそれぞれ監視することによって、+12V電源ライン又は+24V電源ラインの一方の電源ラインに印加される電圧を監視する場合と比べて、停電又は瞬停等の電源断の兆候をより正確に把握することができる。
[9.主制御基板の回路]
次に、図12に示した主制御基板4100の回路等について、図21〜図23を参照して説明する。図21は主制御基板の回路を示す回路図であり、図22は停電監視回路を示す回路図であり、図23は主制御基板と周辺制御基板との基板間の通信用インターフェース回路を示す回路図である。まず、図18に示した主制御フィルタ回路4100hについて説明し、続いて主制御基板4100で作成された電源、主制御システムリセット、主制御水晶発振器、主制御入力回路、停電監視回路、主制御MPUへの各種入出力信号、そして主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間の通信用インターフェース回路について説明する。
主制御基板4100は、図12及び図18に示した、主制御MPU4100a、主制御入力回路4100b、主制御出力回路4100c、主制御ソレノイド駆動回路4100d、停電監視回路4100e、+5V作成回路4100g、及び主制御フィルタ回路4100hのほかに、周辺回路として、図21に示すように、リセット信号を出力する主制御システムリセットMIC1、クロック信号を出力する主制御水晶発振器MX0(本実施形態では、24メガヘルツ(MHz))を主として構成されている。
[9−1.主制御フィルタ回路]
主制御フィルタ回路4100hは、図21に示すように、主制御3端子フィルタMIC0を主として構成されている。この主制御3端子フィルタMIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。主制御3端子フィルタMIC0は、その1番端子に、+5V作成回路4100gで作成される+5Vが印加され、その2番端子がグランド(GND)と接地され、その3番端子からノイズ成分を除去した+5Vが出力されている。1番端子に印加される+5Vは、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC0の他端と電気的に接続されることにより、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。
3番端子から出力される+5Vは、一端がグランド(GND)と接地される、コンデンサMC1及び電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、さらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、主制御システムリセットMIC1の電源端子、主制御水晶発振器MX0の電源端子であるVDD端子、主制御MPU4100aの電源端子であるVDD端子等にそれぞれ印加されている。なお、主制御MPU4100aの電源端子であるVDD端子には、停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっている。
主制御MPU4100aのVDD端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC3の他端と電気的に接続され、VDD端子に印加される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。主制御MPU4100aの接地端子であるVSS端子はグランド(GND)と接地されている。
また、主制御MPU4100aのVDD端子は、コンデンサMC3と電気的に接続されるほかに、ダイオードMD0のアノード端子と電気的に接続されている。ダイオードMD0のカソード端子は、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM(主制御内蔵RAM)の電源端子であるVBB端子と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC4の他端と電気的に接続されている。この主制御内蔵RAMのVBB端子は、ダイオードMD0のカソード端子及びコンデンサMC4の他端と電気的に接続されるほかに、抵抗MR0を介して、図18に示した電源基板851のキャパシタBC0のプラス端子と電気的に接続されている。つまり、主制御フィルタ回路4100hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、主制御MPU4100aのVDD端子に印加されるとともに、ダイオードMD0を介して、主制御内蔵RAMのVBB端子と、キャパシタBC0のプラス端子と、に印加されるようになっている。これにより、上述したように、図18に示した電源基板851における電源作成回路855dの+12V電源作成回路855dcで作成される+12Vが払出制御基板4110を介して主制御基板4100の+5V作成回路4100gに供給されなくなって+5V作成回路4100gが+5Vを作成することができなくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして主制御基板4100に供給されるようになっているため、主制御MPU4100aのVDD端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU4100aが作動しないものの、主制御内蔵RAMのVBB端子には主VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
[9−2.主制御システムリセット]
主制御フィルタ回路4100hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図21に示すように、主制御システムリセットMIC1の電源端子に印加されている。主制御システムリセットMIC1は、主制御MPU4100a及びリセット機能付き主制御出力回路4100caにそれぞれリセットをかけるものであり、遅延回路が内蔵されている。主制御システムリセットMIC1の遅延容量端子には、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC5の他端と電気的に接続されており、このコンデンサMC5の容量によって遅延回路による遅延時間を設定することができるようになっている。具体的には、主制御システムリセットMIC1は、電源端子に入力された+5Vがしきい値(例えば、4.25V)に達すると、遅延時間経過後に出力端子からシステムリセット信号を出力する。
主制御システムリセットMIC1の出力端子は、主制御MPU4100aのリセット端子であるSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路4100caのリセット端子とそれぞれ電気的に接続されている。出力端子は、オープンコレクタ出力タイプであり、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR1の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC6の他端と電気的に接続されている。このコンデンサMC6によりリップルが除去されて平滑化されている。出力端子は、電源端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗MR1により+5V側に引き上げられて論理がHIとなり、この論理が主制御MPU4100aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路4100caのリセット端子にそれぞれ入力される一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなり、この論理が主制御MPU4100aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路4100caのリセット端子にそれぞれ入力される。主制御MPU4100aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路4100caのリセット端子はそれぞれ負論理入力であるため、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態となると、主制御MPU4100a及びリセット機能付き主制御出力回路4100caにリセットがかかる。なお、電源端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC7の他端と電気的に接続されており、電源端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子はグラント(GND)と接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[9−3.主制御水晶発振器]
主制御フィルタ回路4100hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図21に示すように、主制御水晶発振器MX0の電源端子であるVDD端子に印加されている。このVDD端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC8の他端と電気的に接続されており、VDD端子に入力される+5Vは、さらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5Vは、VDD端子のほかに、出力周波数選択端子であるA端子、B端子、C端子及びST端子にもそれぞれ印加されている。主制御水晶発振器MX0は、これらのA端子、B端子、C端子及びST端子に+5Vがそれぞれ印加されることにより、24MHzのクロック信号を出力端子であるF端子から出力する。
主制御水晶発振器MX0のF端子は、主制御MPU4100aのクロック端子であるCLK端子と電気的に接続されており、24MHzのクロック信号が入力されている。なお、主制御水晶発振器MX0の接地端子であるGND端子はグランド(GND)と接地されており、主制御水晶発振器MX0のF端子の分周波を出力するD端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[9−4.主制御入力回路]
主制御入力回路4100bは、図12に示した、一般入賞口スイッチ3020,3020、上始動口スイッチ3022、下始動口スイッチ2109、磁気検出スイッチ304、カウントスイッチ2110、ゲートスイッチ2352からの検出信号のほかに、図13に示した払出制御基板4110に備える操作スイッチ860aからの操作信号(RAMクリア信号)等が入力される回路である。各スイッチからの検出信号が入力される回路構成は、同一であるため、ここでは、操作スイッチ860aからの操作信号(RAMクリア信号)が入力される回路について説明する。
[9−4−1.操作スイッチからの操作信号(RAMクリア信号)が入力される回路]
まず、操作スイッチ860aは、上述したように、電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板4110の払出制御MPU4120aに内蔵されるRAM(払出制御内蔵RAM)、及び主制御基板4100の主制御MPU4100aに内蔵されるRAM(主制御内蔵RAM)をクリアする場合に操作されたり、電源投入後においてエラー報知されている際に、そのエラーを解除するために操作されたりするようになっており、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能と、電源投入後(RAMクリアとして機能を奏する期間を経過した後、つまり電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能と、を有している。主制御基板4100には、払出制御基板4110が有するエラー解除を行う機能を有していないため、電源投入時から予め定めた期間内に操作スイッチ860aからの操作信号が入力されると、主制御内蔵RAMをクリアするためのRAMクリア信号として判断して主制御内蔵RAMをクリアする処理を行う。
主制御基板4100には、操作スイッチ860aが操作されていないときには払出制御基板4110から論理がLOWとなった操作信号が入力される一方、操作スイッチ860aが操作されているときには払出制御基板4110から論理がHIとなった操作信号が払出制御基板4110から入力されるようになっている(この点の詳細な説明について後述する)。
電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板4110に備える操作スイッチ860aからの操作信号を伝える伝送ラインは、図21に示すように、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR2の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR3を介してトランジスタMTR0のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のベース端子は、抵抗MR3と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR4の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR0のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR5の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC10(非反転バッファICMIC10は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(MIC10A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0と電気的に接続されている。
払出制御基板4110における操作スイッチ860aからの操作信号を出力する回路は、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されるオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、操作スイッチ860aからの操作信号を伝える伝送ラインがプルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられている。主制御基板4100は、操作スイッチ860aが操作されていないときには払出制御基板4110からの操作信号がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなって入力される一方、操作スイッチ860aが操作されているときには払出制御基板4110からの操作信号がプルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられて論理がHIとなって入力される。
抵抗MR3,MR4、及びトランジスタMTR0から構成される回路は、操作スイッチ860aからの操作信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
操作スイッチ860aが操作されていないときには、論理がLOWとなった操作信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR5により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった操作スイッチ860aからの操作信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU4100aは、入力端子PA0に入力される操作スイッチ860aからの操作信号の論理値がHIであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものでないと判断する。
一方、操作スイッチ860aが操作されているときには、プルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった操作信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった操作スイッチ860aからの操作信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU4100aは、入力端子PA0に入力される操作スイッチ860aからの操作信号の論理値がLOWであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断する。
なお、操作スイッチ860aからの操作信号は、プルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられている。これは、操作スイッチ860aからの操作信号が払出制御基板4110を介して入力されているためである。つまり、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間においては、基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて信号の信頼性を高めている。そこで、本実施形態では、主制御基板4100に直接入力される、一般入賞口スイッチ3020、上始動口スイッチ3022、及び下始動口スイッチ2109からの検出信号は、プルアップ抵抗により+5V側に引き上げられる一方、図12に示したパネル中継端子板4161を介して入力される、磁気検出スイッチ3024、カウントスイッチ2110、一般入賞口スイッチ3020、及びゲートスイッチ2352からの検出信号は、主制御基板4100に直接入力されないため、操作スイッチ860aからの操作信号と同様に、プルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
[9−5.停電監視回路]
主制御基板4100は、図18に示したように、電源基板851から+12V及び+24Vという2種類の電圧が払出制御基板4110を介して供給されており、+12V及び+24Vが停電監視回路4100eに入力されている。停電監視回路4100eは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を、主制御MPU4100aのほかに、払出制御基板4110の払出制御MPU4120aや周辺制御基板4140に出力する。ここでは、まず停電監視回路の構成について説明し、続いて+24Vの停電又は瞬停の監視、+12Vの停電又は瞬停の監視、そして停電予告信号の出力について説明する。
[9−5−1.停電監視回路の構成]
停電監視回路4100eは、図22に示すように、シャント式安定化電源回路MIC20、オープンコレクタ出力タイプのコンパレータMIC21、DタイプフリップフロップMIC22、トランジスタMTR20〜MTR23を主として構成されている。
シャント式安定化電源回路MIC20の基準電圧入力端子であるREF端子、及びカソード端子であるK端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR20の他端と電気的に接続されて+5Vが印加されており、REF端子に入力される電流が抵抗MR20により制限されている。K端子は、コンパレータMIC21の比較基準電圧となるリファレンス電圧Vref(本実施形態では、2.495Vが設定されている。)を出力する。K端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC20の他端と電気的に接続されており、K端子から出力されるリファレンス電圧Vrefは、コンデンサMC20によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。なお、シャント式安定化電源回路MIC20のアノード端子であるA端子はグランド(GND)と接地されている。
コンパレータMIC21は、2つの電圧比較回路を備えており、その1つ(MIC21A)を、+24Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いているとともに、残りの1つ(MIC21B)を、+12Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いている。MIC21Aのプラス端子である3番端子は、+24Vの監視電圧V1が印加され、MIC21Aのマイナス端子である2番端子は、リファレンス電圧Vrefが印加されている。MIC21Bのプラス端子である5番端子は、+12Vの監視電圧V2が印加され、MIC21Bのマイナス端子である6番端子は、リファレンス電圧Vrefが印加されている。これらの比較結果は、DタイプフリップフロップMIC22に入力されている。このDタイプフリップフロップMIC22は、2つのDタイプフリップフロップ回路を備えており、その1つ(MIC22A)を本実施形態に用いている。コンパレータMIC21の電源端子であるVcc端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC21の他端と電気的に接続されており、コンパレータMIC21の電源端子であるVcc端子に印加される+5Vは、コンデンサMC21によりリップルが除去されて平滑化され、コンパレータMIC21のグランド端子であるGND端子は、グランド(GND)と接地されている。
[9−5−2.+24Vの停電又は瞬停の監視]
+24Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータMIC21のMIC21Aが+24Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+24Vの監視電圧V1が印加されるコンパレータMIC21のMIC21Aのプラス端子である3番端子は、図22に示すように、一端が+24V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR21の他端と、一端がグランド(GND)に接地される抵抗MR22の他端と、が電気的に接続されるとともに抵抗MR21,MR22の他端と、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC23の他端と、が電気的に接続されている。コンパレータMIC21のMIC21Aのプラス端子である3番端子に印加される+24Vの監視電圧V1は、抵抗MR21,MR22による抵抗比によって+24Vが分圧され、コンデンサMC23によりリップルが除去されて平滑化されている。抵抗MR21,MR22の値は、+24Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+24Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V1pf(本実施形態では、21.40Vに設定されている。)となったときに、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子は、オープンコレクタ出力となっており、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR23の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC24の他端と電気的に接続されてDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子と電気的に接続されている。コンデンサMC24は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗MR23により+5V側に引き上げられ、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子に印加される電圧は、グランド(GND)側に引き下げられ、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
[9−5−3.+12Vの停電又は瞬停の監視]
+12Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータMIC21のMIC21Bが+12Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+12Vの監視電圧V2が印加されるコンパレータMIC21のMIC21Bのプラス端子である5番端子は、図22に示すように、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR24の他端と、一端がグランド(GND)に接地される抵抗MR25の他端と、が電気的に接続されるとともに抵抗MR24,MR25の他端と、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC25の他端と、が電気的に接続されている。コンパレータMIC21のMIC21Bのプラス端子である5番端子に印加される+12Vの監視電圧V2は、抵抗MR24,MR25による抵抗比によって+12Vが分圧され、コンデンサMC25によりリップルが除去されて平滑化されている。抵抗MR24,MR25の値は、+12Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+12Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V2pf(本実施形態では、10.47Vに設定されている。)となったときに、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子は、オープンコレクタ出力となっており、上述したMIC21Aの出力端子である1番端子と電気的に接続されているため、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR23の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC24の他端と電気的に接続されてDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子と電気的に接続されている。コンデンサMC24は、上述したように、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗MR23により+5V側に引き上げられ、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
一方、+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子に印加される電圧は、グランド(GND)側に引き下げられ、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
[9−5−4.停電予告信号の出力]
DタイプフリップフロップMIC22は、クロック入力端子である1CK端子に入力されるクロック信号のエッジの変化により、D入力端子である1D端子に入力される信号の値(論理)を記憶し、この記憶値(論理)を、出力端子である1Q端子から出力するとともに、その記憶値(論理)を反転させた値を、出力端子である負論理1Q端子から出力する。また、DタイプフリップフロップMIC22は、クリア端子であるCLR端子に論理がLOWとなった信号が入力されると、ラッチ状態を解除してプリセット端子であるPR端子に入力されている信号の論理を反転させた信号を出力端子である1Q端子から出力する(このとき、1Qから出力される信号の論理を反転させた信号、つまりプリセット端子であるPR端子に入力されている信号の論理と同一の論理となった信号を負論理1Q端子から出力する)一方、クリア端子であるCLR端子に論理がHIとなった信号が入力されると、ラッチ状態をセットする。また、DタイプフリップフロップMIC22は、クリア端子であるCLR端子に論理がHIとなった信号が入力されてラッチ状態をセットするようになっている際に、プリセット端子であるPR端子に論理がLOWとなった信号が入力されると、論理をHIとする信号を出力端子である1Q端子から出力する状態を維持する(このとき、1Qから出力される信号の論理を反転させた信号を負論理1Q端子から出力する状態を維持する)。
DタイプフリップフロップMIC22は、本実施形態において、D入力端子である1D端子、及びクロック入力端子である1CK端子は、グランド(GND)とそれぞれ接地されているため、クロック入力端子である1CK端子に入力されるクロック信号のエッジの変化がなく、D入力端子である1D端子に入力される信号の値(論理)を記憶して出力端子である1Q端子から出力することがないように回路構成されている。DタイプフリップフロップMIC22は、プリセット端子であるPR端子に、上述したように、+24Vの停電又は瞬停の監視を行うコンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子からの信号と、+12Vの停電又は瞬停の監視を行うコンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子からの信号と、が入力され、これらの信号に基づいて、出力端子である1Q端子から信号を出力する。なお、電源端子であるVcc端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC22の他端と電気的に接続されており、DタイプフリップフロップMIC22の電源端子であるVcc端子に印加される+5Vは、コンデンサMC22によりリップルが除去されて平滑化され、接地端子であるGND端子は、グランド(GND)と接地され、出力端子である1Q端子の論理を反転する負論理1Q端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
DタイプフリップフロップMIC22は、本実施形態において、クリア端子であるCLR端子に主制御MPU4100aからの停電クリア信号がリセット機能付き主制御出力回路4100caを介して入力されている。この停電クリア信号は、主制御MPU4100aが行う後述する主制御側電源投入時処理において、出力開始されて所定時間経過後に停止されるようになっている。CLR端子は負論理入力であるため、主制御MPU4100aからの停電クリア信号は、リセット機能付き主制御出力回路4100caを介してその論理がLOWとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップMIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されると、ラッチ状態を解除するようになっており、このとき、プリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する。
一方、主制御MPU4100aからの停電クリア信号の出力が停止されると、リセット機能付き主制御出力回路4100caを介してその論理がHIとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップMIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されないときには、ラッチ状態をセットするようになっており、PR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチする。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子は、主制御入力回路4100bを介して主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続され、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号が停電予告信号として主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっている。また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子は、リセット機能なし主制御出力回路4100cbと電気的に接続され、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号をリセット機能なし主制御出力回路4100cbから払出制御基板4110に払出停電予告信号として出力するとともに、周辺制御基板4140に周辺停電予告信号として出力する。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子と、主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1と、を電気的に接続する主制御入力回路4100bは、図22に示すように、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR26の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR27を介してトランジスタMTR20のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のベース端子は、抵抗MR27と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR28の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR29の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC23(非反転バッファICMIC23は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(MIC23A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されている。
抵抗MR27,MR28、及びトランジスタMTR20から構成される回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR20がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR20がONし、スイッチ回路もONすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなってトランジスタMTR20のベース端子に入力されることでトランジスタMTR20がOFFする。これにより、トランジスタMTR20のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR29により+5V側に引き上げられて非反転バッファICMIC23を介して論理がHIとなった停電予告信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなってトランジスタMTR20のベース端子に入力されることでトランジスタMTR20がONする。これにより、トランジスタMTR20のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて非反転バッファICMIC23を介して論理がLOWとなった停電予告信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を払出制御基板4110に払出停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路4100cbは、図22に示すように、オープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が上述した主制御入力回路4100bの抵抗MR26と電気的に接続されて抵抗MR30を介して前段のトランジスタMTR21のベース端子と電気的に接続されている。前段のトランジスタMTR21のベース端子は、抵抗MR30と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR31の他端と電気的に接続されている。前段のトランジスタMTR21のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR32の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR33を介して後段のトランジスタMTR22のベース端子と電気的に接続されている。後段のトランジスタMTR22のベース端子は、抵抗MR33と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR34の他端と電気的に接続されている。後段のトランジスタMTR22のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC26の他端と電気的に接続され、そして配線(ハーネス)を介して払出制御基板4110と電気的に接続されている。なお、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板4110と電気的に接続されると、払出制御基板4110における図13に示した払出制御部4120の払出制御入力回路4120bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されるとともに図13に示した払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続される。
抵抗MR30,MR31、及び前段のトランジスタMTR21から構成される回路は前段のスイッチ回路であり、抵抗MR33,MR34、及び後段のトランジスタMTR22から構成される回路は後段のスイッチ回路であり、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするものである。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、前段のトランジスタMTR21のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて前段のトランジスタMTR21がOFFし、前段のスイッチ回路もOFFすることとなり、後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加される電圧である、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR32により+5V側に引き上げられることで後段のトランジスタMTR22がONし、後段のスイッチ回路もONすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR21のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR21がONし、前段のスイッチ回路もONすることとなり、後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加される電圧である、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることで後段のトランジスタMTR22がOFFし、後段のスイッチ回路もOFFすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなって前段のトランジスタMTR21のベース端子に入力されることで前段のトランジスタMTR21がOFFする。これにより、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR32により+5V側に引き上げられて後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加されることで後段のトランジスタMTR22がONする。これにより、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板4110においてグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなって前段のトランジスタMTR21のベース端子に入力されることで前段のトランジスタMTR21がONする。これにより、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)に引き下げられて後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加されることで後段のトランジスタMTR22がOFFする。これにより、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御入力回路4120bにおいてプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力される。
また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を周辺制御基板4140に周辺停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路4100cbは、図22に示すように、オープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が上述した主制御入力回路4100bの抵抗MR26と電気的に接続されて抵抗MR35を介してトランジスタMTR23のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR23のベース端子は、抵抗MR35と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR36の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR23のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して周辺制御基板4140と電気的に接続されている。なお、トランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して周辺制御基板4140と電気的に接続されると、図15に示した周辺制御基板4140における周辺制御部4150の図示しない周辺制御入力回路において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されるとともに図15に示した周辺制御MPU4150aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続される。
抵抗MR35,MR36、及びトランジスタMTR23から構成される回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR23のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR23がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR23のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR23がONし、スイッチ回路もONすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなってトランジスタMTR23のベース端子に入力されることでトランジスタMTR23がOFFする。これにより、トランジスタMTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して周辺制御基板4140における周辺制御部4150の払出制御入力回路においてプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった周辺停電予告信号が周辺制御基板4140に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなってトランジスタMTR23のベース端子に入力されることでトランジスタMTR23がONする。これにより、トランジスタMTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して周辺制御基板4140においてグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった周辺停電予告信号が周辺制御基板4140に入力される。
このように、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を主制御MPU4100aに停電予告信号として伝える主制御入力回路4100bと、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を周辺制御基板4140に周辺停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路4100cbと、にはトランジスタがそれぞれ1つであり、主制御MPU4100aに入力される停電予告信号と周辺制御基板4140に入力される周辺停電予告信号との論理が同一論理となっているのに対して、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を払出制御基板4110に払出停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路4100cbにはトランジスタが前段と後段との2つであり、払出停電予告信号の論理は、主制御MPU4100aに入力される停電予告信号の論理と周辺制御基板4140に入力される周辺停電予告信号の論理とを反転させた論理となっており、停電予告信号の論理及び周辺停電予告信号の論理と異なっている。
また、主制御入力回路4100bのトランジスタMTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR29の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC23を介して主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されているのに対して、リセット機能なし主制御出力回路4100cbの後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御入力回路4120bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されているとともに、リセット機能なし主制御出力回路4100cbのトランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、周辺制御基板4140における周辺制御部4150の払出制御入力回路において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗と電気的に接続されている。これは、主制御入力回路4100bのトランジスタMTR20のコレクタ端子と主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1との端子間においては、主制御入力回路4100bのトランジスタMTR20と主制御MPU4100aとが主制御基板4100に実装されているため、主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vを用いた停電予告信号の論理(ON/OFF信号)によって停電予告を行うのに対して、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間、及び主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間においては、基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU4100a、払出制御MPU4120a、及び周辺制御MPU4150aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いた停電予告信号の論理(ON/OFF信号)によって停電予告を行っている。
[9−6.主制御MPUへの各種入出力信号]
次に、主制御MPU4100aへの各種入出力信号について、図21を参照して説明する。主制御MPU4100aのシリアル入力ポートのシリアルデータ入力端子であるRXA端子は、図12に示した払出制御基板4110からのシリアルデータが主制御入力回路4100bを介して払主シリアルデータ受信信号として受信される。一方、主制御MPU4100aのシリアル出力ポートのシリアルデータ出力端子であるTXA端子及びTXB端子は、TXA端子から、払出制御基板4110に送信するシリアルデータを主払シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし主制御出力回路4100cbに送信してリセット機能なし主制御出力回路4100cbから払出制御基板4110に主払シリアルデータ送信信号を送信し、TXB端子から、図12に示した周辺制御基板4140に送信するシリアルデータを主周シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし主制御出力回路4100cbに送信してリセット機能なし主制御出力回路4100cbから周辺制御基板4140に主周シリアルデータ送信信号を送信する。
主制御MPU4100aの所定の入力ポートの各入力端子には、上述した操作信号(RAMクリア信号)が入力されるほかに、例えば、上述した主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払出制御基板4110からの払主ACK信号が主制御入力回路4100bを介して入力されたり、図12に示した上始動口スイッチ3022等の各種スイッチからの検出信号が主制御入力回路4100bを介してそれぞれ入力されたり等する。
一方、主制御MPU4100aの所定の出力ポートの各出力端子からは、例えば、上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主払ACK信号をリセット機能付き主制御出力回路4100caに出力してリセット機能付き主制御出力回路4100caから主払ACK信号を払出制御基板4110に出力したり、図12に示した、始動口ソレノイド2105に対して、リセット機能付き主制御出力回路4100caに駆動信号を出力してリセット機能付き主制御出力回路4100caから主制御ソレノイド駆動回路4100dを介して始動口ソレノイド2105に駆動信号を出力したり、図12に示した上特別図柄表示器1185等の各種表示器に対して、リセット機能付き主制御出力回路4100caにそれぞれ駆動信号を出力してリセット機能付き主制御出力回路4100caから各種表示器に駆動信号をそれぞれ出力したり、遊技に関する各種情報(遊技情報)をリセット機能付き主制御出力回路4100caに出力してリセット機能付き主制御出力回路4100caから遊技に関する各種情報(遊技情報)を払出制御基板4110に出力したり等する。
[9−7.主制御基板と周辺制御基板との基板間の通信用インターフェース回路]
次に、主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間の通信用インターフェース回路について、図23を参照して説明する。主制御基板4100は、図18に示した電源基板851からの+12Vが払出制御基板4110を介して供給され、+5V作成回路4100gは、この+12Vから主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vを作成している。主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて送信されることによってその信頼性が高められている。
具体的には、主制御基板4100は、リセット機能なし主制御出力回路4100cbを通信用インターフェース回路として機能させており、通信用インターフェース回路は、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50を主として構成されている。これに対して、周辺制御基板4140には、通信用インターフェース回路として、ダイオードAD10、電解コンデンサAC10(本実施形態では、静電容量:47μF)、フォトカプラAIC10(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)を主として構成されている。
主制御基板4100のダイオードMD50のアノード端子には、電源基板851から供給される+12Vが払出制御基板4110を介して印加され、ダイオードMD50のカソード端子には、マイナス端子がグランド(GND)と接地される電解コンデンサMC50(本実施形態では、静電容量:220マイクロファラッド(μF))のプラス端子と電気的に接続されている。ダイオードMD50のカソード端子は、電解コンデンサMC50のプラス端子と電気的に接続されるほかに、配線(ハーネス)を介して、周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10のアノード端子(1番端子)と電気的に接続されている。これにより、例えば停電又は瞬停が発生することにより、電源基板851からの電力が払出制御基板4110を介して主制御基板4100に供給されなくなった場合には、電解コンデンサMC50に充電された電荷が+12Vとして主制御基板4100から周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10のアノード端子に印加し続けることができるようになっている。
このように、主制御MPU4100aの電源端子であるVDD端子には、停電又は瞬停が発生した場合に、図21に示した電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470μF)に充電された電荷が+5Vとして印加されるようになっているため、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeは、少なくとも、その送信バッファレジスタ4100aebに主制御CPUコア4100aaがセットしたコマンドをシリアル管理部4100aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ4100aeaから主周シリアルデータとして送信完了することができる。
主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、上述したように、主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて送信されることによってその信頼性が高められている。
そこで、本実施形態では、停電又は瞬停が発生した場合に、電解コンデンサMC50に充電された電荷が+12Vとして主制御基板4100から周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10のアノード端子に印加されるようになっているため、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeは、その送信バッファレジスタ4100aebに主制御CPUコア4100aaがセットしたコマンドをシリアル管理部4100aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ4100aeaから主周シリアルデータとして送信すると、トランジスタMTR50のコレクタ端子から+12Vにより論理をHIとする主周シリアルデータ送信信号を送信することができるようになっている。
なお、本実施形態では、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeの送信バッファレジスタ4100aebの記憶容量が32バイトを有しており、また1パケットが3バイトのデータから構成されているため、送信バッファレジスタ4100aebに最大で10パケット分のデータが記憶されるようになっている。また、本実施形態では、主制御MPU4100aから送信される主周シリアルデータの転送ビットレートが19200bpsに設定されている。
フォトカプラAIC10のカソード端子(3番端子)は、抵抗AR10、そしてその配線(ハーネス)を介して、主制御基板4100のトランジスタMTR50のコレクタ端子と電気的に接続されている。周辺制御基板4140の抵抗AR10は、フォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに流れる電流を制限するための制限抵抗である。
図21に示した主制御MPU4100aから主周シリアルデータ送信信号を出力するTXB端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR50の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR51を介してトランジスタMTR50のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR50のベース端子は、抵抗MR51と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR52の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR50のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地されている。
抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成される回路はスイッチ回路であり、主周シリアルデータ送信信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR50がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに順方向の電流が流れないため、フォトカプラAIC10がOFFする。一方、主周シリアルデータ送信信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧が抵抗MR50により+5V側に引き上げられてトランジスタMTR50がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに順方向の電流が流れるため、フォトカプラAIC10がONする。
周辺制御基板4140のダイオードAD10のアノード端子には、電源基板851から供給される+5Vが枠周辺中継端子板868を介して印加されて、ダイオードAD10のカソード端子が、マイナス端子がグランド(GND)と接地される電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されている。ダイオードAD10のカソード端子は、電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されるほかに、フォトカプラAIC10の電源端子であるVcc端子(6番端子)と電気的に接続されている。フォトカプラAIC10のエミッタ端子(4番端子)は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラAIC10のコレクタ端子(5番端子)は、電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されるプルアップ抵抗AR11により+5V側に引き上げられて周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラAIC10がON/OFFすることによりフォトカプラAIC10のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主周シリアルデータ送信信号として周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される。
これにより、上述したように、例えば停電又は瞬停が発生することにより、電源基板851から供給される+5Vが枠周辺中継端子板868を介して周辺制御基板4140に供給されなくなった場合には、電解コンデンサAC10に充電された電荷が+5VとしてフォトカプラAIC10のVcc端子に印加し続けることができるようになっている。電又は瞬停が発生した際に、電解コンデンサAC10からの+5Vが印加されることにより、主制御MPU4100aのTXB端子から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeの送信バッファレジスタ4100aebにセットされたデータが送信完了することができるようになっており、送信途中の主周シリアルデータ送信信号、つまり主周シリアルデータが寸断されることなく、また欠落されることなく周辺制御基板4140で確実に受信されるようになっている。
主制御MPU4100aのTXB端子から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR50がOFFすることでフォトカプラAIC10がOFFするようになっているため、フォトカプラAIC10のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗AR11により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった主周シリアルデータ送信信号が周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される一方、主制御MPU4100aのTXB端子から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧が抵抗MR50により+5V側に引き上げられてトランジスタMTR50がONすることでフォトカプラAIC10がONするようになっているため、フォトカプラAIC10のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主周シリアルデータ送信信号が周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラAIC10のコレクタ端子から出力される主周シリアルデータ送信信号の論理は、主制御MPU4100aのTXB端子から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理と、同一の論理となっている。
このように、本実施形態では、主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vが印加される+5V電源ラインと、ダイオードMD50を介して印加される通信用電圧である+12Vが印加される+12V電源ラインと、が停電又は瞬停が発生して制御基準電圧及び通信用電圧が低下した際の対策が施されている。つまり、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeに対しては、+5V電源ラインと、主制御フィルタ回路4100hの電解コンデンサMC2を第1の補助電源とする電解コンデンサMC2のプラス端子と、が電気的に並列接続されることにより、停電又は瞬停が発生して+5V電源ラインから印加される制御基準電圧が低下しても、第1の補助電源である主制御フィルタ回路4100hの電解コンデンサMC2のプラス端子からの制御基準電圧が印加されることによって、制御基準電圧が印加された状態を維持することができるようになっているし、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成されて通信用インターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路4100cbに対しては、+12V電源ラインに印加される+12Vが通信用電圧としてダイオードMD50のアノード端子に印加され、このダイオードMD50のカソード端子と、第2の補助電源である電解コンデンサMC50のプラス端子と、が電気的に並列接続されることにより、停電又は瞬停が発生して+12V電源ラインからダイオードMD50を介して印加される通信用電圧が低下しても、第2の補助電源である電解コンデンサMC50のプラス端子からの通信用電圧が印加されることによって、通信用電圧が印加された状態を維持することができるようになっている。これにより、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信中のコマンドの寸断を防止することができ、また欠落を防止することができるため、周辺制御基板4140は、送信中のコマンドを確実に受信することができる。したがって、停電の発生直後や瞬停時におけるコマンドの取りこぼしを解消することができる。
また、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeの送信バッファレジスタ4100aebにセットされた複数のコマンドを主周シリアルデータとしてすべて、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成されて通信用インターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路4100cbを介して、周辺制御基板4140へ送信完了することができるように、主制御フィルタ回路4100hの電解コンデンサMC2の静電容量として470μFが設定され、電解コンデンサMC50の静電容量として220μFが設定されている。これにより、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信中に停電又は瞬停が発生しても、送信バッファレジスタ4100aebにセットされた複数のコマンドを主周シリアルデータとしてすべてインターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路4100cbを介して周辺制御基板4140へ送信完了することができるため、周辺制御基板4140は、送信バッファレジスタ4100aebにセットされた複数のコマンドを寸断することなく、また欠落することなく確実に受信することができる。
[10.払出制御基板の回路]
次に、図13に示した払出制御基板4110の回路等について、図24〜図29を参照して説明する。図24は払出制御部の回路等を示す回路図であり、図25は払出制御入力回路を示す回路図であり、図26は図25の続きを示す回路図であり、図27は払出モータ駆動回路を示す回路図であり、図28はCRユニット入出力回路を示す回路図であり、図29は主制御基板との各種入出力信号、及び外部端子板への各種出力信号を示す入出力図である。まず、払出制御フィルタ回路について説明し、続いて払出制御部の回路、そして主制御基板との各種入出力信号及び外部端子板への各種出力信号について説明する。
[10−1.払出制御フィルタ回路]
払出制御フィルタ回路4110aは、図24に示すように、払出制御3端子フィルタPIC0を主として構成されている。この払出制御3端子フィルタPIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。払出制御3端子フィルタPIC0の1番端子は、図18に示した電源基板851からの+5Vが印加されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC0の他端と電気的に接続されており、電源基板851からの+5VがコンデンサPC0により、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。払出制御3端子フィルタPIC0の2番端子は、グランド(GND)と接地され、払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子は、ノイズ成分を除去した+5Vを出力している。
払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子は、一端がグランド(GND)と接地される、コンデンサPC1、及び電解コンデンサPC2(本実施形態では、静電容量:180マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子から出力される+5Vからさらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、後述する、払出制御システムリセットPIC1の電源端子、払出制御水晶発振器PX0の電源端子であるVCC端子、払出制御MPU4120aの電源端子であるVDD端子等にそれぞれ印加されている。なお、払出制御MPU4120aの電源端子であるVDD端子には、停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合に、電解コンデンサPC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっている。
払出制御MPU4120aのVDD端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC3の他端と電気的に接続され、VDD端子に印加される+5VはコンデンサPC3によりさらにリップルが除去されて平滑化されている。払出制御MPU4120aの接地端子であるVSS端子はグランド(GND)と接地されている。
また、払出制御MPU4120aのVDD端子は、コンデンサPC3と電気的に接続されるほかに、ダイオードPD0のアノード端子と電気的に接続されている。ダイオードPD0のカソード端子は、払出制御MPU4120aに内蔵されているRAM(払出制御内蔵RAM)の電源端子であるVBB端子と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC4の他端と電気的に接続されている。この払出制御内蔵RAMのVBB端子は、ダイオードPD0のカソード端子及びコンデンサPC4の他端と電気的に接続されるほかに、抵抗PR0を介して、図18に示した電源基板851のキャパシタBC1のプラス端子と電気的に接続されている。つまり、払出制御フィルタ回路4110aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、払出制御MPU4120aのVDD端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して、払出制御内蔵RAMのVBB端子と、キャパシタBC1のプラス端子と、に印加されるようになっている。これにより、上述したように、図18に示した電源基板851における電源作成回路855dの+5V電源作成回路855dbで作成される+5Vが払出制御基板4110に供給されなくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板4110に供給されるようになっているため、払出制御MPU4120aのVDD端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU4120aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMのVBB端子には払VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
[10−2.払出制御部の回路]
払出制御部4120は、払出制御MPU4120a、払出制御入力回路4120b、払出制御出力回路4120c、払出モータ駆動回路4120d、CRユニット入出力回路4120eのほかに、周辺回路として、図24に示すように、リセット信号を出力する払出制御システムリセットPIC1、クロック信号を出力する払出制御水晶発振器PX0(本実施形態では、8メガヘルツ(MHz))を主として構成されている。ここでは、まず払出制御システムリセットについて説明し、続いて払出制御水晶発振器、払出制御入力回路、払出モータ駆動回路、CRユニット入出力回路、そして払出制御MPUへの各種入出力信号について説明する。
[10−2−1.払出制御システムリセット]
払出制御フィルタ回路4110aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図24に示すように、払出制御システムリセットPIC1の電源端子に印加されている。払出制御システムリセットPIC1は、払出制御MPU4120a及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caにそれぞれリセットをかけるものであり、遅延回路が内蔵されている。払出制御システムリセットPIC1の遅延容量端子には、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC5の他端と電気的に接続されており、このコンデンサPC5の容量によって遅延回路による遅延時間を設定することができるようになっている。具体的には、払出制御システムリセットPIC1は、電源端子に入力された+5Vがしきい値(例えば、4.25V)に達すると、遅延時間経過後に出力端子からシステムリセット信号を出力する。
払出制御システムリセットPIC1の出力端子は、払出制御MPU4120aのリセット端子であるSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caのリセット端子とそれぞれ電気的に接続されている。出力端子は、オープンコレクタ出力タイプであり、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR1の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC6の他端と電気的に接続されている。このコンデンサPC6は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。出力端子は、電源端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗PR1により+5V側に引き上げられて論理がHIとなり、この論理が払出制御MPU4120aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caのリセット端子にそれぞれ入力される一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなり、この論理が払出制御MPU4120aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caのリセット端子にそれぞれ入力される。払出制御MPU4120aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caのリセット端子はそれぞれ負論理入力であるため、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態となると、払出制御MPU4120a及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caにリセットがかかる。なお、電源端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC7の他端と電気的に接続されており、電源端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子はグラント(GND)と接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[10−2−2.払出制御水晶発振器]
払出制御フィルタ回路4110aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図24に示すように、払出制御水晶発振器PX0の電源端子であるVCC端子に入力されている。このVCC端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC8の他端と電気的に接続されており、VCC端子に入力される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5Vは、VCC端子のほかに、払出制御水晶発振器PX0の出力許可(Output Enable)端子であるOE端子にも印加されている。払出制御水晶発振器PX0は、そのOE端子に+5Vが印加されることにより、8MHzのクロック信号を出力端子であるOUT端子から出力する。
払出制御水晶発振器PX0のOUT端子は、払出制御MPU4120aのクロック端子であるMCLK端子と電気的に接続されており、8MHzのクロック信号が払出制御MPU4120aに入力されている。なお、払出制御水晶発振器PX0の接地端子であるGND端子はグラント(GND)と接地されている。
[10−2−3.払出制御入力回路]
払出制御入力回路4120bは、図13に示した、扉枠開放スイッチ618、本体枠開放スイッチ619、図18に示した主制御基板4100に備える停電監視回路4100eからの払出停電予告信号が入力される回路、図13に示したハンドル中継端子板192、そして電源基板851を介して満タンスイッチ550からの検出信号が入力される回路、操作スイッチ860aからの操作信号が入力される回路等である。まず、扉枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路について説明し、続いて本体枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路、停電監視回路からの払出停電予告信号が入力される回路、満タンスイッチからの検出信号が入力される回路、そして操作スイッチからの操作信号が入力される回路について説明する。なお、満タンスイッチ550や、図13に示した、球切れスイッチ750、計数スイッチ751、及び回転角スイッチ752等の各種検出スイッチは、出力端子がオープンコレクタ出力タイプであるため、各種検出スイッチからの検出信号が入力される回路構成はほぼ同一であるため、ここでは、満タンスイッチからの検出信号が入力される回路について説明する。
[10−2−3(a).扉枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路]
扉枠開放スイッチ618は、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、図1に示した、扉枠5が本体枠3から開放された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠5が本体枠3に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。扉枠開放スイッチ618の2番端子は、グランド(GND)に接地される一方、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR20の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR20のベース端子は抵抗PR21と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR22の他端と電気的に接続されている。また、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC20の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR20のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR23の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC20(非反転バッファICPIC20は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC20A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0と電気的に接続されている。トランジスタPTR20がON/OFFすることによりトランジスタPTR20のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が扉開放信号として払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。
また、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR24を介してトランジスタPTR21のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR21のベース端子は抵抗PR24と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR25の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR21のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR21のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR21のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されると、外部端子板784において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR21がON/OFFすることによりトランジスタPTR21のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が外端枠扉開放情報出力信号として外部端子板784に入力される。
更に、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されるとともに、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR24を介してトランジスタPTR21のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR26を介してトランジスタPTR22のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR22のベース端子は抵抗PR26と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR27の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR22のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して図12に示した主制御基板4100と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板4100と電気的に接続されると、図12に示した主制御基板4100の主制御入力回路4100bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR22がON/OFFすることによりトランジスタPTR22のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主枠扉開放信号として主制御基板4100に入力される。
プルアップ抵抗PR20及びコンデンサPC20から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、扉枠5が本体枠3から開放される際に、又は扉枠5が本体枠3に閉鎖される際に、扉枠開放スイッチ618を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による扉枠開放スイッチ618からの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR21,PR22、及びトランジスタPTR20から構成される回路と、抵抗PR24,PR25、及びトランジスタPTR21から構成される回路と、抵抗PR26,PR27、及びトランジスタPTR22から構成される回路と、は扉枠開放スイッチ618からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
扉枠5が本体枠3から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR20のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR20がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR20のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR23により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった扉枠開放信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。また、扉枠5が本体枠3から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR21のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR21がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR21のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、扉枠5が本体枠3から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR22のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR22がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板4100の主制御入力回路4100bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
一方、扉枠5が本体枠3から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR20のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR20がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR20のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった扉枠開放信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。また、扉枠5が本体枠3から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR21のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR21がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、扉枠5が本体枠3から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR22のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR22がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR22のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
このように、扉枠5が本体枠3から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONすることにより、論理がHIとなった扉枠開放信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力され、論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される一方、扉枠5が本体枠3に閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFすることにより、論理がLOWとなった扉枠開放信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力され、論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
[10−2−3(b).本体枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路]
本体枠開放スイッチ619は、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、図1に示した、本体枠3が外枠2から開放された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠3が外枠2に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。本体枠開放スイッチ619の2番端子は、グランド(GND)に接地される一方、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR28の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR29を介してトランジスタPTR23のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR23のベース端子は抵抗PR29と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR30の他端と電気的に接続されている。また、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、プルアップ抵抗PR28と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC21の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR23のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR23のコレクタ端子は、上述したトランジスタPTR21のコレクタ端子と電気的に接続されるとともに、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されると、外部端子板784において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR23がON/OFFすることによりトランジスタPTR23のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が外端枠扉開放情報出力信号として外部端子板784に入力される。
また、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、プルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられて抵抗PR29を介してトランジスタPTR23のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられて抵抗PR31を介してトランジスタPTR24のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR24のベース端子は抵抗PR31と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR32の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR24のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR24のコレクタ端子は、上述したトランジスタPTR22のコレクタ端子と電気的に接続されるとともに、配線(ハーネス)を介して図12に示した主制御基板4100と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR24のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板4100と電気的に接続されると、図12に示した主制御基板4100の主制御入力回路4100bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR24がON/OFFすることによりトランジスタPTR24のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主枠扉開放信号として主制御基板4100に入力される。
プルアップ抵抗PR28及びコンデンサPC21から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、本体枠3が外枠2から開放される際に、又は本体枠3が外枠2に閉鎖される際に、本体枠開放スイッチ619を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による本体枠開放スイッチ619からの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR29,PR30、及びトランジスタPTR23から構成される回路と、抵抗PR31,PR32、及びトランジスタPTR24から構成される回路と、は本体枠開放スイッチ619からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
本体枠3が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONしているため、トランジスタPTR23のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR23がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、本体枠3が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONしているため、トランジスタPTR24のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR24がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR24のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板4100の主制御入力回路4100bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
一方、本体枠3が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFしているため、トランジスタPTR23のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR23がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、本体枠3が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFしているため、トランジスタPTR24のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR24がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR24のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板4100においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
このように、本体枠3が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONすることにより、論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される一方、本体枠3が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFすることにより、論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
本実施形態では、上述したように、扉枠5が本体枠3に閉鎖された状態と、本体枠3が外枠2から開放された状態と、のうち、いずれか一方の状態又は両方の状態となった場合でも、主制御基板4100に対しては主枠扉開放信号が入力されるようになっているため、図12に示した主制御基板4100の主制御MPU4100aは、主枠扉開放信号に基づいて、扉枠5が本体枠3から開放された状態であるか、それとも本体枠3が外枠2から開放された状態であるかを判別することができないものの、扉枠5及び/又は本体枠3が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを判断することができるし、外部端子板784に対しては外端枠扉開放情報出力信号が入力されるようになっているため、この外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784を介してホールコンピュータに伝わり、ホールコンピュータは、外端枠扉開放情報出力信号に基づいて、扉枠5が本体枠3から開放された状態であるか、それとも本体枠3が外枠2から開放された状態であるかを判別することができないものの、扉枠5及び/又は本体枠3が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを判断することができる。
また、本実施形態では、上述したように、扉枠開放スイッチ618、本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチを採用したことにより、何らかの原因により扉枠開放スイッチ618が短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、扉枠5が本体枠3から開放された状態となり、何らかの原因により本体枠開放スイッチ619が短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、本体枠3が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチを採用することにより、短絡時にでも、主枠扉開放信号を主制御基板4100に出力することができるとともに、外端枠扉開放情報出力信号を外部端子板784を介してホールコンピュータに伝えることができる。
なお、扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチから、常開形(ノーマルオープン(NO))のスイッチ(扉枠開放スイッチ618’及び本体枠開放スイッチ619’)に替えると、扉枠開放スイッチ618’は、扉枠5が本体枠3から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠5が本体枠3に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。本体枠開放スイッチ619’は、本体枠3が外枠2から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠3が外枠2に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。そうすると、何らかの原因により扉枠開放スイッチ618’が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、扉枠5が本体枠3から開放された状態となるし、また、何らかの原因により本体枠開放スイッチ619’が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、本体枠3が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ618’及び本体枠開放スイッチ619’をノーマルオープンのスイッチを採用しても、断線時にでも、主枠扉開放信号を主制御基板4100に出力することができるとともに、外端枠扉開放情報出力信号を外部端子板784を介してホールコンピュータに伝えることができる。
[10−2−3(c).停電監視回路からの払出停電予告信号が入力される回路]
主制御基板4100に備える停電監視回路4100eからの払出停電予告信号を伝える伝送ラインは、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR40の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR41を介してトランジスタPTR40のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のベース端子は抵抗PR41と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR42の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR40のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR43の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されている。トランジスタPTR40がON/OFFすることによりトランジスタPTR40のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が払出停電予告信号として払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
抵抗PR41,PR42、及びトランジスタPTR40から構成される回路は、主制御基板4100に備える停電監視回路4100eからの払出停電予告信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
停電監視回路4100eは、上述したように、電源基板851からの+12V及び+24Vという2種類の電圧の停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、リセット機能なし主制御出力回路4100cbを介して停電予告として払出停電予告信号を払出制御基板4110に出力する。停電監視回路4100eは、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候を監視し、上述したように、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板4110においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力される一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して上述したプルアップ抵抗PR40により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力される。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、つまり+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力されるため、トランジスタPTR40のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR40がOFFし、トランジスタPTR40のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR43により+5V側に引き上げられる。これにより、トランジスタPTR40のコレクタ端子から論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、つまり+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力されるため、停電監視回路4100eからの払出停電予告信号によりトランジスタPTR40のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR40により+12V側に引き上げられることでトランジスタPTR40がONし、トランジスタPTR40のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられる。これにより、トランジスタPTR40のコレクタ端子の論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
このように、+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される一方、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっている。これは、上述したように、+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった停電予告信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される一方、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、停電予告信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっているため、停電監視回路4100eからの停電予告による、払出制御MPU4120aに入力される払出停電予告信号の論理と、主制御MPU4100aに入力される停電予告信号の論理と、が同一論理となっている。
[10−2−3(d).満タンスイッチからの検出信号が入力される回路]
図1に示したファールカバーユニット540に備える満タンスイッチ550からの検出信号は、図1に示したハンドル中継端子板192、そして図6に示した電源基板851を介して、払出制御基板4110に入力されている。この満タンスイッチ550の出力端子は、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されるオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、払出制御基板4110において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR44aの他端と電気的に接続されるとともに満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50の1番端子と電気的に接続されている。この満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。
満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50の2番端子は、グランド(GND)と接地され、満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50の3番端子は、抵抗PR44bを介して、満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50の1番端子と電気的に接続されるとともに、抵抗PR45を介してトランジスタPTR41のベース端子と電気的に接続されている。これにより、満タンスイッチ550の検出信号は、満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50において、ノイズ成分が除去されてトランジスタPTR41のベース端子に入力される。トランジスタPTR41のベース端子は、抵抗PR45が電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)に接地される抵抗PR46の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサPC40の他端と電気的に接続されている。コンデンサPC40は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。トランジスタPTR41のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR41のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR47の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40B)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA2と電気的に接続されている。トランジスタPTR41がON/OFFすることによりトランジスタPTR41のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が満タン信号として払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
抵抗PR45,PR46、及びトランジスタPTR41から構成される回路は、満タンスイッチ550からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
満タンスイッチ550は、上述したように、ファールカバーユニット540の第二球通路における収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを検出するものである。本実施形態では、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっていないときには、満タンスイッチ550の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板192、そして電源基板851を介して、払出制御基板4110においてプルアップ抵抗44aにより+12V側に引き上げられて論理がHIとなった信号が払出制御基板4110に入力される一方、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているときには、満タンスイッチ550の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板192、そして電源基板851を介して、払出制御基板4110においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった信号が払出制御基板4110に入力される。
収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっていないときには、満タンスイッチ550の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板192、そして電源基板851を介して、払出制御基板4110においてプルアップ抵抗44aにより+12V側に引き上げられて論理がHIとなった信号が上述したトランジスタPTR41のベース端子に入力されることでトランジスタPTR41がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR41のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった満タン信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
一方、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているときには、満タンスイッチ550の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板192、そして電源基板851を介して、払出制御基板4110においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった信号が上述したトランジスタPTR41のベース端子に入力されることでトランジスタPTR41がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR41のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR47により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった満タン信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
なお、本実施形態では、満タンスイッチ550からの検出信号は、満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50を介して、抵抗PR45、抵抗PR46、及びトランジスタPTR41から構成されるスイッチ回路に入力される回路構成としていたが、図13に示した、球切れスイッチ750、計数スイッチ751、及び回転角スイッチ752等の各種検出スイッチからの検出信号は、満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50のようなT型フィルタ回路を介さずに各スイッチ回路に直接入力される回路構成となっている。満タンスイッチ550は、扉枠5に取り付けられるファールカバーユニット540に設けられているため、本体枠3に取り付けられる賞球装置740に設けられる球切れスイッチ750、計数スイッチ751、及び回転角スイッチ752等と比べると、検出信号を伝送する経路が極めて長くなり、ノイズの影響を極めて受けやすい。
満タンスイッチ550は、ファールカバーユニット540の第二球通路における収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを検出するものであり、払出制御MPU4120aは、満タンスイッチ550からの検出信号に基づいて、収容空間が貯留された遊技球で満タンであると判断すると、払出モータ744の駆動制御を強制的に停止して払出回転体による遊技球の払い出しを停止する制御を行うようになっている。つまり、満タンスイッチ550からの検出信号を伝える伝送経路(伝送ライン)にノイズが侵入すると、払出制御MPU4120aは、収容空間が貯留された遊技球で満タンでもないのに、払出モータ744の駆動制御を強制的に停止して払出回転体による遊技球の払い出しを停止するという場合もあるし、収容空間が貯留された遊技球で満タンであるにもかからず、払出モータ744を駆動制御して払出回転体を回転させて遊技球の払い出しを継続することにより上述した賞球通路の上流側まで遊技球で満たされると、払出回転体そのものが回転することができなくなって払出モータ744に負荷が異常にかかり、払出モータ744が過負荷となって異常発熱して故障したり、払出モータ744の回転軸を払出回転体の回転運動に伝達する機構等が故障したりするという場合もある。そこで、本実施形態では、このような問題が発生しないように、満タンスイッチ550からの検出信号を、まず満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50において、ノイズ成分が除去するように回路構成を採用した。
[10−2−3(e).操作スイッチからの操作信号が入力される回路]
操作スイッチ860aの出力端子である1番端子及び2番端子は、グランド(GND)に接地され、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子は、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR49を介して前段のトランジスタPTR42のベース端子と電気に接続されている。前段のトランジスタPTR42のベース端子は、抵抗PR49と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR50の他端と電気的に接続されている。また、操作スイッチ860aの出力端子である4番端子は、プルアップ抵抗PR48と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC41の他端と電気的に接続されている。前段のトランジスタPTR42のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、前段のトランジスタPTR42のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR51の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR52を介して後段のトランジスタPTR43のベース端子と電気的に接続されている。後段のトランジスタPTR43のベース端子は、抵抗PR52と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR53の他端と電気的に接続されている。後段のトランジスタPTR43のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR54の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40C)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA3と電気的に接続されている。前段及び後段のトランジスタPTR42,PTR43がON/OFFすることにより後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がRWMCLR信号として払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。
また、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子は、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR49を介して前段のトランジスタPTR42のベース端子と電気に接続されるほか、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR55を介してトランジスタPTR44のベース端子と電気に接続されている。トランジスタPTR44のベース端子は、抵抗PR55と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR56の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR44のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR44のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板4100と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR44のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板4100と電気的に接続されると、図21に示した、主制御基板4100の主制御入力回路4100bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR2の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR44がON/OFFすることによりトランジスタPTR44のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がRAMクリア信号として主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。
プルアップ抵抗PR48及びコンデンサPC41から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、操作スイッチ860aが押圧操作される際に、操作スイッチ860aを構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による操作スイッチ860aからの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR49,PR50、及びトランジスタPTR42から構成される回路は前段のスイッチ回路であり、抵抗PR52,PR53、及びトランジスタPTR43から構成される回路は後段のスイッチ回路であり、抵抗PR55,PR56、及びトランジスタPTR44から構成される回路はスイッチ回路であり、操作スイッチ860aからの操作信号によりON/OFFするものである。
操作スイッチ860aは、上述したように、電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板4110の払出制御MPU4120aに内蔵されるRAM(払出制御内蔵RAM)、及び主制御基板4100の主制御MPU4100aに内蔵されるRAM(主制御内蔵RAM)をクリアする場合に操作されたり、電源投入後においてエラー報知されている際に、そのエラーを解除するために操作されたりするようになっており、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能と、電源投入後(RAMクリアとして機能を奏する期間を経過した後、つまり電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能と、を有している。操作スイッチ860aからの操作信号は、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能においては、RAMクリア信号となる一方、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能においては、エラー解除信号となる。
操作スイッチ860aが操作されていないときには、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられることで論理がHIとなった操作信号が前段のトランジスタPTR42のベース端子に入力されて前段のトランジスタPTR42がONし、前段のスイッチ回路もONすることとなり、後段のトランジスタPTR43のベースに印加される電圧である、前段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることで後段のトランジスタPTR43がOFFし、後段のスイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR54により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったRWMCLR信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。払出制御MPU4120aは、電源投入時から予め定めた期間内において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がHIであるときには払出制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断し、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がHIであるときにはエラー解除を行うことを指示するものではないと判断する。
また、操作スイッチ860aが操作されていないときには、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった操作信号がトランジスタPTR44のベース端子に入力されてトランジスタPTR44がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR44のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板4100においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRAMクリア信号が主制御基板4100に入力される。主制御基板4100の主制御MPU4100aは、電源投入時から予め定めた期間内に論理がLOWであるRAMクリア信号が入力されているときには、上述したように、図21に示した、この論理がLOWであるRAMクリア信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR5により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったRAMクリア信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU4100aは、入力端子PA0に入力されるRAMクリア信号の論理がHIであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断する。
一方、操作スイッチ860aが操作されているときには、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子がグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった操作信号が前段のトランジスタPTR42のベース端子に入力されて前段のトランジスタPTR42がOFFし、前段のスイッチ回路もOFFすることとなり、後段のトランジスタPTR43のベースに印加される電圧である、前段のトランジスタPTR42のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR51により+5V側に引き上げられることで後段のトランジスタPTR43がONし、後段のスイッチ回路もONすることとなる。これにより、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRWMCLR信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。払出制御MPU4120aは、電源投入時から予め定めた期間内において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がLOWであるときには払出制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断し、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がLOWであるときにはエラー解除を行うことを指示するものであると判断する。
また、操作スイッチ860aが操作されているときには、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48によりグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった操作信号がトランジスタPTR44のベース端子に入力されてトランジスタPTR44がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR44のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板4100の主制御入力回路4100bのプルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられて論理がHIとなったRAMクリア信号が主制御基板4100に入力される。主制御基板4100の主制御MPU4100aは、電源投入時から予め定めた期間内に論理がHIであるRAMクリア信号が入力されているときには、上述したように、図21に示した、この論理がHIであるRAMクリア信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRAMクリア信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU4100aは、入力端子PA0に入力されるRAMクリア信号の論理がLOWであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断する。
[10−2−4.払出モータ駆動回路]
次に、図5に示した賞球装置740の払出モータ744に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路4120dについて説明する。払出モータ駆動回路4120dは、図27に示すように、電圧切替回路4120da、ドライブICPIC60を主として構成されている。電圧切替回路4120daの電源入力端子1,2は、+12V電源ライン及び+5V電源ラインとそれぞれ電気的に接続されて+12及び+5Vがそれぞれ印加され、電圧切替回路4120daの接地端子は、グランド(GND)と接地されている。電圧切替回路4120daの電源切替入力端子は、電圧切替信号が入力される。この電圧切替信号は、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力され、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから電圧切替回路4120daの電源切替入力端子に出力されるようになっている。電圧切替回路4120daの電源出力端子は、ツェナーダイオードPZD60を介して、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子とそれぞれ電気的に接続されるとともに、払出モータ744の電源端子と電気的に接続され、電圧切替回路4120daの電圧切替入端子に入力される電圧切替信号に基づいて、+12V又は+5Vを、モータ駆動電圧として、ツェナーダイオードPZD60を介して、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子にそれぞれ供給するとともに、払出モータ744に供給する。
ドライブICPIC60は、4つのダーリントンパワートランジスタを備えており、本実施形態では、ドライブICPIC60のエミッタ端子である6番端子及び7番端子は、それぞれグランド(GND)と接地され、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子は、払出モータ駆動信号が抵抗PR60〜PR63を介してそれぞれ入力される。ドライブICPIC60のコレクタ端子である2番端子、4番端子、9番端子、そして11番端子は、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子とそれぞれ対応しており、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子に払出モータ駆動信号が抵抗PR60〜PR63を介してそれぞれ入力されると、励磁信号である駆動パルスを払出モータ744と対応する各相(/B相、B相、A相、/A相)にそれぞれ出力する。この払出モータ駆動信号は、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力され、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから抵抗PR60〜PR63を介してドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子にそれぞれ出力されるようになっている。これらの駆動パルスは、払出モータ744の各相(/B相、B相、A相、/A相)に流す励磁電流のスイッチングにより行われ、払出モータ744を回転させる。なお、このスイッチングにより各相(/B相、B相、A相、/A相)の駆動パルス(励磁信号)を遮断したときには逆起電力が発生する。この逆起電力がドライブICPIC60の耐圧を超えると、ドライブICPIC60が破損するため、保護として、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子の前段に上述したツェナーダイオードPZD0を電気的に接続する回路構成を採用した。
[10−2−5.CRユニット入出力回路]
次に、図14に示したCRユニット6との各種信号を入出力するためのCRユニット入出力回路4120eについて説明する。払出制御基板4110は、CRユニット6から、上述したように、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、貸球要求信号であるBRDYと、1回の払出動作開始要求信号であるBRQと、が入力され、また図14に示した電源基板851から供給されるAC24Vから作成した、所定電圧VL(+12V)及びグランドLGが供給される一方、払出制御基板4110から、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号と、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるPRDY信号と、を出力する。これらの各種信号等を入出力する入出力回路は、図28に示すように、フォトカプラPIC70〜PIC74(赤外LEDとフォトトランジスタとが内蔵されている。)を主として構成されている。
CRユニット6からの所定電圧VLは、抵抗PR70を介して、フォトカプラPIC70のアノード端子に印加されている。フォトカプラPIC70のカソード端子は、CRユニット6からのグランドLGと電気的に接続されている。抵抗PR60は、フォトカプラPIC70の内蔵赤外LEDに流れる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC70のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときには、フォトカプラPIC70がONする一方、フォトカプラPIC70のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFするようになっている。フォトカプラPIC70のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC70のコレクタ端子は、抵抗PR71を介してトランジスタPTR70のベース端子と電気的に接続されるほかに、抵抗PR72を介してトランジスタPTR71のベース端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC70のコレクタ端子は、抵抗PR71と電気的に接続されるほかに、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR73の他端と電気的に接続されている。
トランジスタPTR70のベース端子は、抵抗PR71と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR74の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR70のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR70のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR75の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して図24に示した払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR70がON/OFFすることによりトランジスタPTR70のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がCR接続信号1として払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
一方、トランジスタPTR71のベース端子は、抵抗PR72と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR76の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR71のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR71のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して電源基板851と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR71のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して電源基板851と電気的に接続されると、電源基板851において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR71がON/OFFすることによりトランジスタPTR71のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がCR接続信号として電源基板851に入力される。
抵抗PR71,PR74、及びトランジスタPTR70から構成される回路は、フォトカプラPIC70のON/OFFによりON/OFFするスイッチ回路である。
CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFし、プルアップ抵抗PR73により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR70がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR70のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったCR接続信号1が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
一方、CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されているときには、フォトカプラPIC70がONし、トランジスタPTR70のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR70がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR70のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PTR75により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったCR接続信号1が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
抵抗PR72,PR76、及びトランジスタPTR71から構成される回路も、フォトカプラPIC70のON/OFFによりON/OFFするスイッチ回路である。
CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFし、プルアップ抵抗PR73により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR71がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR71のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して電源基板851においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったCR接続信号が電源基板851に入力される。
一方、CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されているときには、フォトカプラPIC70がONし、トランジスタPTR71のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR71がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR71のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して電源基板851のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなったCR接続信号が電源基板851に入力される。
CRユニット6からの所定電圧VLは、フォトカプラPIC70のアノード端子のほかに、抵抗PR77を介して、フォトカプラPIC71のアノード端子にも印加されている。フォトカプラPIC71のカソード端子は、CRユニット6からのBRDYが入力されている。抵抗PR77は、フォトカプラPIC71の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC71がONする一方、フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC71がOFFするようになっている。フォトカプラPIC71のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC71のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR78の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80B)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC71がON/OFFすることによりフォトカプラPIC71のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がBRDY信号として払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC71がONするため、フォトカプラPIC71のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったBRDY信号が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。一方、フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC71がOFFするため、フォトカプラPIC71のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR78により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったBRDY信号が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラPIC71のコレクタ端子から出力されるBRDY信号の論理は、CRユニット6からのBRDYの論理と同一の論理となっている。
CRユニット6からの所定電圧VLは、フォトカプラPIC70のアノード端子、及びフォトカプラPIC71のアノード端子のほかに、抵抗PR79を介して、フォトカプラPIC72のアノード端子にも印加されている。フォトカプラPIC72のカソード端子は、CRユニット6からのBRQが入力されている。抵抗PR79は、フォトカプラPIC72の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC72がONする一方、フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC72がOFFするようになっている。フォトカプラPIC72のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC72のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR80の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80C)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC72がON/OFFすることによりフォトカプラPIC72のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がBRQ信号として払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC72がONするため、フォトカプラPIC72のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったBRQ信号が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。一方、フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC72がOFFするため、フォトカプラPIC72のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR80により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったBRQ信号が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラPIC72のコレクタ端子から出力されるBRQ信号の論理は、CRユニット6からのBRQの論理と同一の論理となっている。
払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号は、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbに出力され、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbから抵抗PR81を介してフォトカプラPIC73のカソード端子に入力されている。フォトカプラPIC73のアノード端子は、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR82の他端と電気的に接続されている。抵抗PR82は、フォトカプラPIC73の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるEXS信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC73がONする一方、フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるEXS信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC73がOFFするようになっている。フォトカプラPIC73のエミッタ端子は、CRユニット6からのグランドLGと接地され、フォトカプラPIC73のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR83により、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6内において所定電圧VLに引き上げられてその内蔵制御装置と電気的に接続されている。フォトカプラPIC73がON/OFFすることによりフォトカプラPIC73のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がEXSとしてCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。
フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるEXS信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC73がONするため、フォトカプラPIC73のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったEXSがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。一方、フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるEXS信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC73がOFFするため、フォトカプラPIC73のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR83により所定電圧VLに引き上げられて論理がHIとなったEXSがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。このように、フォトカプラPIC73のコレクタ端子から出力されるEXSの論理は、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるEXS信号の論理と同一の論理となっている。
払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるPRDY信号は、抵抗PR84を介して、フォトカプラPIC74のカソード端子に入力されている。フォトカプラPIC74のアノード端子は、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR85の他端と電気的に接続されている。抵抗PR85は、フォトカプラPIC74の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるPRDY信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC74がONする一方、フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるPRDY信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC74がOFFするようになっている。フォトカプラPIC74のエミッタ端子は、CRユニット6からのグランドLGと接地され、フォトカプラPIC74のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR86により、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6内において所定電圧VLに引き上げられてその内蔵制御装置と電気的に接続されている。フォトカプラPIC74がON/OFFすることによりフォトカプラPIC74のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がPRDYとしてCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。
フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるPRDY信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC74がONするため、フォトカプラPIC74のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったPRDYがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。一方、フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるPRDY信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC74がOFFするため、フォトカプラPIC74のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR86により所定電圧VLに引き上げられて論理がHIとなったPRDYがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。このように、フォトカプラPIC74のコレクタ端子から出力されるPRDYの論理は、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるPRDY信号の論理と同一の論理となっている。
[10−2−6.払出制御MPUへの各種入出力信号]
次に、払出制御MPU4120aの各種入出力ポートの入出力端子から入出力される各種入出力信号について説明する。
払出制御MPU4120aのシリアル入力ポートのシリアルデータ入力端子であるRXD端子は、図24に示すように、主制御基板4100からのシリアルデータが払出制御入力回路4120bを介して主払シリアルデータ受信信号として受信される。一方、払出制御MPU4120aのシリアル出力ポートのシリアルデータ出力端子であるTXD端子からは、主制御基板4100に送信するシリアルデータを払主シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし払出制御出力回路4120cbに送信してリセット機能なし払出制御出力回路4120cbから主制御基板4100に払主シリアルデータ送信信号を送信する。
払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの各入力端子には、上述した、RWMCLR信号、払出停電予告信号、扉開放信号、満タン信号、CRユニット6からの各種信号(BRQ信号、BRDY信号、CR接続信号1等)等がそれぞれ入力されるほかに、例えば、上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主制御基板4100からの主払ACK信号が払出制御入力回路4120bを介して入力されたり、図13に示した、球切れスイッチ750、計数スイッチ751、及び回転角スイッチ752等からの検出信号が払出制御入力回路4120bを介してそれぞれ入力されたり、図13に示したポテンションメータ512からの操作信号、図13に示した、タッチスイッチ516、発射停止スイッチ518、及び満タンスイッチ550等からの検出信号が電源基板851、そして払出制御基板4100の払出制御入力回路4120bを介してそれぞれ入力されたり等する。
一方、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの各出力端子からは、上述したEXS信号及びPRDY信号をリセット機能なし払出制御出力回路4120cbにそれぞれ出力してリセット機能なし払出制御出力回路4120cbからEXS信号及びPRDY信号をCRユニット入出力回路4120eに出力したり、上述した電圧切替信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路4120caから電圧切替信号を電圧切替回路4120daに出力したり、払出モータ駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路4120caから払出モータ駆動信号を払出モータ駆動回路4120dを介して払出モータ744に出力したりするほかに、例えば、上述した主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払主ACK信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路4120caから払主ACK信号を主制御基板4100に出力したり、図13に示したエラーLED表示器860bの駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路4120caから駆動信号をエラーLED表示器860bに出力したり、図13に示した発射ソレノイド駆動回路858への駆動電流を調整する制御信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路4120caから駆動電流を発射ソレノイド654に出力したり、図13に示した球送ソレノイド駆動回路859への駆動電流を調整する制御信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路4120caから駆動電流を球送ソレノイド585に出力したり等する。
[10−3.主制御基板との各種入出力信号及び外部端子板への各種出力信号]
次に、払出制御基板4110と主制御基板4100との各種入出力信号と、払出制御基板4110から外部端子板784への各種出力信号について、図29を参照して説明する。
[10−3−1.主制御基板との各種入出力信号]
払出制御基板4110は、主制御基板4100と各種入出力信号のやり取りを行う。具体的には、図29(a)に示すように、払出制御基板4110は、上述した、払主シリアルデータ送信信号、払主ACK信号、操作信号(RAMクリア信号)、主枠扉開放信号等を、主制御基板4100に出力する。これらの出力される信号は、主制御基板4100の主制御入力回路4100bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
一方、払出制御基板4110は、上述した、主払シリアルデータ受信信号、主払ACK信号、及び操作信号(RAMクリア信号)のほかに、15ラウンド大当り情報出力信号、及び2ラウンド大当り情報出力信号等の大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する遊技情報信号や払出停電予告信号等が主制御基板4100から入力される。これらの入力される信号は、払出制御基板4110の払出制御部4120の払出制御入力回路4120bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
[10−3−2.外部端子板への各種出力信号]
払出制御基板4110は、外部端子板784に各種信号を出力する。具体的には、図29(b)に示すように、上述した外端枠扉開放情報出力信号のほかに、払出モータ744が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとに出力される賞球数情報出力信号、主制御基板4100から払出制御基板4110を介して、15ラウンド大当り情報出力信号と2ラウンド大当り情報出力信号との大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、及び始動口入賞情報出力信号等の遊技情報信号を、外部端子板784に出力する。これらの出力される信号は、外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
また、外部端子板784には、上述した各種信号が入力されるほかに、図29(b)に示すように、周辺制御基板4140からのメイン賞球数情報出力信号が入力されている。このメイン賞球数情報出力信号について、簡単に説明すると、主制御基板4100は、遊技盤4に設けられる図8に示した上始動口2101、下始動口2102、一般入賞口2104,2201、及び大入賞口2103等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出される予定の遊技球の球数が予め定めた球数(本実施形態では、10球に設定されている。)に達するごとにその旨を伝えるために、後述するメイン賞球数情報出力コマンドを周辺制御基板4140へ送信し、周辺制御基板4140は、この受信したメイン賞球数情報出力コマンドに基づいて、上始動口2101、下始動口2102、一般入賞口2104,2201、及び大入賞口2103等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出される予定の遊技球の球数が予め定めた球数(本実施形態では、10球に設定されている。)に達するごとにその旨をメイン賞球数情報としてメイン賞球数情報出力信号を外部端子板784に出力してホールコンピュータへ伝えている。このメイン賞球数情報出力信号は、外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
つまり、外部端子板784には、払出制御基板4110側からの外端枠扉開放情報出力信号、及び賞球数情報出力信号という2つの信号が出力され、主制御基板4100側からの15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、及び始動口入賞情報出力信号という7つの信号が払出制御基板4110を介して(通過して)出力され、周辺制御基板4140側からのメイン賞球数情報出力信号という1つの信号が出力されるようになっている。
外部端子板784から出力される信号は、図示しない遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータに伝わるようになっており、ホールコンピュータは、遊技者の遊技等を監視している。なお、15ラウンド大当り情報出力信号又は2ラウンド大当り情報出力信号を1つの大当り情報出力信号としてホールコンピュータに出力する場合には、ホールコンピュータは、ラウンドが2回となった大当りの回数(2ラウンド大当りの発生回数)と、ラウンドが15回となった大当りの回数(15ラウンド大当りの発生回数)と、が合算されたものがパチンコ遊技機1の大当りの回数となる。このため、ホールコンピュータは、その合算された大当り回数から、2ラウンド大当りの発生回数や15ランド大当りの発生回数を把握することができないので、実際にパチンコ遊技機1で発生した大当り回数が多いのが、2ラウンド大当りであるのか、それとも15ラウンド大当りであるのかを、把握することができない。またパチンコ遊技機1の上方に図示しないデータカウンタが配置されており、遊技者の中には、このデータカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数等を参考にして遊技を行うか否かを選択する者もいる。
ところが、データカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数は、実際には2ラウンド大当りの発生回数に偏っている場合もあるので、遊技者が遊技を開始しても、2ラウンド大当りばかり発生して15ラウンド大当りがなかなか発生しないこともある。このように、データカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数は、遊技者に期待感を与えることはできるものの、必要以上に遊技者の射幸心をあおりかねない。
そこで、本実施形態では、大当り情報出力信号として、15ラウンド大当り情報出力信号と2ラウンド大当り情報出力信号とを別々にホールコンピュータに出力することにより、ホールコンピュータは、2ラウンド大当りの発生回数と、15ラウンド大当り発生回数と、を正確に把握することができるようになっている。したがって、ホールコンピュータは、実際にパチンコ遊技機1で発生した大当り回数の多いのが、2ラウンド大当りであるのか、それとも15ラウンド大当りであるのかを、把握することができるし、データカウンタには15ラウンド大当りの発生回数と2ラウンド大当りの発生回数とを別々に又は15ラウンド大当りの発生回数のみを大当り遊技状態の発生回数として表示することができるので、必要以上に遊技者の射幸心をあおることもない。
なお、本実施形態では、2ラウンド大当り情報出力信号は2ラウンド大当りが発生して終了するまでの期間においてホールコンピュータに出力された状態となっており、15ラウンド大当り情報出力信号も15ラウンド大当りが発生して終了するまでの期間においてホールコンピュータに出力された状態となっている。本実施形態のように、2ラウンド大当り情報出力信号及び15ラウンド大当り情報出力信号をホールコンピュータに出力する方法のほかに、例えば、2ラウンド大当りが発生すると、2ラウンド大当り情報出力信号が所定期間だけホールコンピュータに出力される状態とし、15ラウンド大当りが発生すると、15ラウンド大当り情報出力信号が所定期間だけホールコンピュータに出力される状態とする、このような2ラウンド大当り情報出力信号及び15ラウンド大当り情報出力信号を同一の所定期間だけホールコンピュータに出力する方法も挙げることができる。
[11.外部端子板の出力端子の配列]
次に、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータへ各種信号を出力する外部端子板784の出力端子の配列について、図30を参照して説明する。外部端子板784は、図3に示した、本体枠ベース600の後面に取り付けられる賞球ベース710の後面に取り付けられるとともに、その後側が外部端子板カバー786により覆われている。図30は外部端子板の出力端子の配列を示す図である。
外部端子板784は、上述したように、外端枠扉開放情報出力信号、賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号と2ラウンド大当り情報出力信号との大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、及び始動口入賞情報出力信号が払出制御基板4110から入力されるとともに、メイン賞球数情報出力信号が周辺制御基板4140から入力されており、これらの各種信号を、パチンコ遊技機1の外部へ出力するものである。ホールコンピュータは、外部端子板784と電気的に接続されており、最小検出信号幅(例えば、60msという信号幅)より大きいものを、外部端子板784からの各種信号として検出することができるようになっている。
これらの各種信号について、簡単に説明すると、外端枠扉開放情報出力信号は、図1に示した扉枠5及び/又は本体枠3が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを伝える信号であり、賞球数情報出力信号は、図5に示した払出モータ744が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であり、メイン賞球数情報出力信号は、図8に示した上始動口2101、下始動口2102、一般入賞口2104,2201、及び大入賞口2103等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であり、15ラウンド大当り情報出力信号は、15ラウンド大当りが発生している状態である旨を伝える信号であり、2ラウンド大当り情報出力信号は、2ラウンド大当りが発生している状態である旨を伝える信号であり、確率変動中情報出力信号は、確率変動が発生している状態である旨を伝える信号であり、特別図柄表示情報出力信号は、図11に示した機能表示基板1191の上特別図柄表示器1185や下特別図柄表示器1186で特別図柄の変動表示を終了(停止)した状態である旨を伝える信号であり、普通図柄表示情報出力信号は、図11に示した機能表示基板1191の普通図柄表示器1189で普通図柄の変動表示を終了(停止)した状態である旨を伝える信号であり、時短中情報出力信号は、時短状態が発生している旨を伝える信号であり、始動口入賞情報出力信号は、図8に示した上始動口2101又は下始動口2102に遊技球が入球するごとにその旨を伝える信号である。
外部端子板784には、図30に示すように、出力端子PT1〜PT11が一列に水平に並んで配置されている。出力端子PT1は、白色に施されて賞球数情報出力信号が出力されるものである。賞球数情報出力信号は、上述したように、図5に示した払出モータ744が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT1から0.106秒間(後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期として本実施形態では2msに設定されているため、0.106秒間という出力期間(つまり出力端子PT1から出力される賞球数情報出力信号の信号幅)は、2msという割り込み周期に基づいて、払出制御部タイマ割り込み処理を53回繰り返し行われている期間)、出力されるようになっている。外部端子板784からの賞球数情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、賞球数情報出力信号が入力されるごとに、パチンコ遊技機1の払出モータ744が賞球として10球の遊技球を賞球として払い出したことを把握することができるとともに、その払い出した遊技球の球数をカウントしてパチンコ遊技機1が払い出した遊技球の総球数を把握することができる。
出力端子PT2は、緑色に施されて外端枠扉開放情報出力信号が出力されるものである。外端枠扉開放情報出力信号は、上述したように、図1に示した扉枠5及び/又は本体枠3が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT2から扉枠5及び/又は本体枠3が開放されている間、出力されるようになっている。外部端子板784からの外端枠扉開放情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、外端枠扉開放情報出力信号が入力されている間、パチンコ遊技機1の扉枠5及び/又は本体枠3が開放されていることを把握することができる。
出力端子PT3は、灰色に施されて特別図柄表示情報出力信号が出力されるものである。特別図柄表示情報出力信号は、上述したように、図11に示した機能表示基板1191の上特別図柄表示器1185や下特別図柄表示器1186で特別図柄の変動表示を終了(停止)した状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT3から機能表示基板1191の上特別図柄表示器1185や下特別図柄表示器1186における特別図柄の変動表示の終了(停止)時に0.128秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からの特別図柄表示情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、特別図柄表示情報出力信号が入力されると、パチンコ遊技機1の機能表示基板1191の上特別図柄表示器1185や下特別図柄表示器1186において特別図柄の変動表示が終了(停止)したことを把握することができるとともに、その回数をカウントしてパチンコ遊技機1の機能表示基板1191の上特別図柄表示器1185や下特別図柄表示器1186において特別図柄を変動表示した総回数を把握することができる。
出力端子PT4は、黄色に施されて始動口入賞情報出力信号が出力されるものである。始動口入賞情報出力信号は、上述したように、図8に示した上始動口2101又は下始動口2102に遊技球が入球するごとにその旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT4から上始動口2101又は下始動口2102に遊技球が入球するごとに0.128秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からの始動口入賞情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、始動口入賞情報出力信号が入力されるごとに、パチンコ遊技機1の上始動口2101又は下始動口2102に遊技球が入球したことを把握することができるとともに、始動口入賞情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ遊技機1の上始動口2101又は下始動口2102に入球した遊技球の総球数を把握することができる。
出力端子PT5は、黒色に施されて15ラウンド大当り情報出力信号が出力されるものである。15ラウンド大当り情報出力信号は、上述したように、15ラウンド大当りが発生している状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT5から15ラウンド大当りが発生している間、出力されるようになっている。外部端子板784からの15ラウンド大当り情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、15ラウンド大当り情報出力信号が入力されている間、パチンコ遊技機1に15ラウンド大当りが発生している状態であることを把握することができるとともに、15ラウンド大当り情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ遊技機1に15ラウンド大当りが発生した総回数を把握することができる。
出力端子PT6は、桃色に施されて2ラウンド大当り情報出力信号が出力されるものである。2ラウンド大当り情報出力信号は、上述したように、2ラウンド大当りが発生している状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT6から2ラウンド大当りが発生している間、出力されるようになっている。外部端子板784からの2ラウンド大当り情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、2ラウンド大当り情報出力信号が入力されている間、パチンコ遊技機1に2ラウンド大当りが発生している状態であることを把握することができるとともに、2ラウンド大当り情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ遊技機1に2ラウンド大当りが発生した総回数を把握することができる。
出力端子PT7は、青色に施されて普通図柄表示情報出力信号が出力されるものである。普通図柄表示情報出力信号は、上述したように、図11に示した機能表示基板1191の普通図柄表示器1189で普通図柄の変動表示を終了(停止)した状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT7から機能表示基板1191の普通図柄表示器1189における普通図柄の変動表示の終了(停止)時に0.128秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からの普通図柄表示情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、普通図柄表示情報出力信号が入力されると、パチンコ遊技機1の機能表示基板1191の普通図柄表示器1189において普通図柄の変動表示が終了(停止)したことを把握することができるとともに、その回数をカウントしてパチンコ遊技機1の機能表示基板1191の普通図柄表示器1189において普通図柄を変動表示した総回数を把握することができる。
出力端子PT8は、赤色に施されて時短中情報出力信号が出力されるものである。時短中情報出力信号は、上述したように、時短状態が発生している旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT8から時短状態が発生している間、出力されるようになっている。外部端子板784からの時短中情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、時短中情報出力信号が入力されると、パチンコ遊技機1に時短状態が発生していることを把握することができるとともに、時短中情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ遊技機1に時短状態が発生した総回数を把握することができる。
出力端子PT9は、橙色に施されて確率変動中情報出力信号が出力されるものである。確率変動中情報出力信号は、上述したように、確率変動が発生している状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT9から確率変動が発生している間、出力されるようになっている。外部端子板784からの確率変動中情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、確率変動中情報出力信号が入力されると、パチンコ遊技機1に確率変動が発生している状態であることを把握することができるとともに、確率変動中情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ遊技機1に確率変動が発生した総回数を把握することができる。
出力端子PT10は、水色に施されてメイン賞球数情報出力信号が出力されるものである。メイン賞球数情報出力信号は、上述したように、主制御基板4100からのコマンド(後述するメイン賞球数情報出力コマンド)に基づいて、図8に示した上始動口2101、下始動口2102、一般入賞口2104,2201、及び大入賞口2103等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出される予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を出力する信号であり、本実施形態では、出力端子PT10から0.128秒間(後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期として本実施形態では後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期(2ms)と異なり1msに設定されているため、0.128秒間という出力期間(つまり出力端子PT10から出力されるメイン賞球数情報出力信号の信号幅)は、1msという割り込み周期に基づいて、周辺制御部1msタイマ割り込み処理を128回繰り返し行われている期間)、出力されるようになっている。外部端子板784からのメイン賞球数情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、メイン賞球数情報出力信号が入力されるごとに、パチンコ遊技機1が賞球として10球の遊技球を賞球として払い出す予定であることを把握することができるとともに、その払い出す予定の遊技球の球数をカウントしてパチンコ遊技機1が払い出す予定の遊技球の総球数を把握することができる。なお、主制御基板4100からのコマンド(後述するメイン賞球数情報出力コマンド)に基づいて、例えば上始動口2101、下始動口2102、一般入賞口2104,2201、及び大入賞口2103等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が20球以上に達してメイン賞球数情報出力信号を複数回出力する場合には、メイン賞球数情報出力信号が0.256(=0.128秒間×2回)秒間、1つの連続した信号とならにように、0.128秒間という間隔をあけて周辺制御基板4140から外部端子板784に出力されるようになっている。
出力端子PT11は、黄緑色に施されてメンテナンス情報出力信号が出力されるものである。メンテナンス情報出力信号は、上述したように、遊技盤側表示装置1820のプロジェクタ1850に備える後述する空冷装置FAN0,FAN1が作動している旨を伝える作動中信号に基づいて、この作動中信号が入力されなくなると、後述する空冷装置FAN0,FAN1のいずれか一方又は両方が作動してないとして後述する空冷装置FAN0,FAN1を点検する旨を伝える信号である。外部端子板784からのメンテナンス情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、パチンコ遊技機1における遊技盤側表示装置1820のプロジェクタ1850に備える後述する空冷装置FAN0,FAN1のいずれか一方又は両方が作動してない状態であることを把握することができる。そして、ホールコンピュータが設置されるホールの管理室では、ホールの管理者は、ホールコンピュータのディスプレイに表示される内容を見て、パチンコ遊技機1における遊技盤側表示装置1820のプロジェクタ1850に備える後述する空冷装置FAN0,FAN1を点検するように、ホール内を巡回するホールの店員等の係員に対して、無線機を用いて連絡することができる。
外部端子板784の出力端子PT1〜PT11のうち、出力端子PT1,PT2は、払出制御基板4110側において出力される各種信号が出力され、出力端子PT3〜PT9は、主制御基板4100側において出力される各種信号が払出制御基板4110を介して(通過して)出力され、そして出力端子PT10,PT11は、周辺制御基板4140側において出力される信号が出力されるように配置されている。出力端子PT1〜PT11は、それぞれ色が施され、これらの色と同一色に施されたコネクタを有する配線を出力端子PT1〜PT11にそれぞれ電気的に接続することにより、他の配線を誤って電気的に接続することを防止することができるようになっている。そして、払出制御基板4110側において出力される各種信号と、主制御基板4100側において出力される各種信号と、周辺制御基板4140側において出力される信号と、を混在しないように、払出制御基板4110側において出力される各種信号をホールコンピュータへ伝えるための出力端子PT1,PT2を外部端子板784の左側に一列に配置し、主制御基板4100側において出力される各種信号をホールコンピュータへ伝えるための出力端子PT3〜PT9を外部端子板784の中央左寄りから右側に向かって一列に配置し、そして周辺制御基板4140側において出力される信号をホールコンピュータへ伝えるための出力端子PT10,PT11を外部端子板784の右側に配置することによって出力端子PT1〜PT11を一列に整列させて配置することにより、この点においても、払出制御基板4110側において出力される各種信号をホールコンピュータへ伝えるための配線と、主制御基板4100側において出力される各種信号をホールコンピュータへ伝えるための配線と、周辺制御基板4140側において出力される信号をホールコンピュータへ伝えるための配線と、を誤って電気的に接続することを防止することができるようになっている。
なお、本実施形態では、払出制御基板4110側において出力される賞球数情報出力信号と、周辺制御基板4140側において出力されるメイン賞球数情報出力信号と、がそれぞれ外部端子板784からホールコンピュータへ伝えるように構成されている。これは、例えば、パチンコ島設備に何らかのトラブルにより図1に示した賞球タンク720にパチンコ島設備側からの遊技球が供給されなくなっている状態において、賞球タンク720に貯留されている遊技球が残り少なくなった時点において、たまたまパチンコ遊技機1に15ラウンド大当りが発生すると、遊技球を賞球として払い出すための賞球タンク720に貯留されている遊技球の球数が不足するため、払い出すことができなくなる(また、例えば賞球装置740内において球詰まりや球がみが発生すると、これを解消することができないと、遊技球を払い出すことができない)。そうすると、払出制御基板4110側において出力される賞球数情報出力信号は、上述したように、図5に示した払出モータ744が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であるため、遊技球を払い出すことができなくなることにより払出制御基板4110は賞球数情報出力信号を出力して外部端子板784を介してホールコンピュータへ伝えることができなくなる。遊技球が払い出されない状態となると、遊技者がホールの店員等を呼び出す。ホールの店員などは、例えば、パチンコ島設備から賞球タンク720へ遊技球を供給するためのホース状の補給ノズル等をチェックして球詰まりの位置を特定(また、例えば賞球装置740内において発生した、球詰まりの位置や球がみの位置を特定)して解消することにより、遊技球が払い出される状態に復帰することとなる。
しかし、ホールの店員等が作業をすすめている状況であっても、主制御基板4100による遊技は進行しているため、15ラウンド大当り終了したのちに、ホールの店員等の作業により遊技球が払い出される状態に復帰すると、払出制御基板4110は未払い出しの遊技球を次々と払い出すこととなり、15ラウンド大当り終了して15ラウンド大当りが発生していない時期であるにもかかわらず、払出制御基板4110は、払出モータ744が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える賞球数情報出力信号を出力して外部端子板784を介してホールコンピュータへ伝えることとなる。そうすると、15ラウンド大当りが発生していない時期であるにもかかわらず、極めて多くの遊技球を払い出すこととなるため、パチンコ遊技機1の遊技状態と、パチンコ遊技機1が払い出した遊技球の球数と、の関係をホールコンピュータが正確に把握することができないという問題が生ずる。
そこで、本実施形態では、払出制御基板4110により払出モータ744が駆動制御されて賞球として実際に払い出したか否かに関係なく、つまり払出制御基板4110が出力する賞球数情報出力信号とは別の信号として、主制御基板4100は、図8に示した上始動口2101、下始動口2102、一般入賞口2104,2201、及び大入賞口2103等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝えるコマンド(後述するメイン賞球数情報出力コマンド)を周辺制御基板4140へ送信し、周辺制御基板4140は、この受信したコマンド(後述するメイン賞球数情報出力コマンド)に基づいて、上始動口2101、下始動口2102、一般入賞口2104,2201、及び大入賞口2103等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出される予定の遊技球の球数が10球にに達するごとにその旨をメイン賞球数情報としてメイン賞球数情報出力信号を外部端子板784に出力してホールコンピュータへ伝えるという仕組みを採用した。これにより、仮に、上述したトラブル(補給ノズル等における球詰まり、賞球装置740内における球詰まりや球がみ等のトラブル)が発生したとしても、パチンコ遊技機1の遊技状態と、この遊技状態における払い出す予定の遊技球の球数と、の関係を正確にホールコンピュータへ伝えることができる。したがって、パチンコ遊技機1の遊技状態と、遊技状態における払い出される遊技球の球数と、の関係をホールコンピュータが正確に把握することができる。
[12.プロジェクタの駆動]
次に、図10に示した遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の駆動制御について、図31を参照して説明する。図31は、プロジェクタ1850の概略構成図である。まず、プロジェクタ1850を駆動するプロジェクタ駆動基板1800について説明し、続いてプロジェクタ1850の光学エンジン、プロジェクタの駆動方法について説明する。
[12−1.プロジェクタ駆動基板の回路]
プロジェクタ駆動基板1800は、図31に示すように、LVDSレシーバIC1800v、LCOS駆動回路1800wを主として構成されている。
LVDSレシーバIC1800vは、周辺制御基板4140における周辺制御部4150の音源内蔵VDP4160aのチャンネルCH1からシリアルデータとして出力される描画データを受信すると、この受信したシリアルデータを、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成されるパラレルデータに復元してLCOS駆動回路1800wに出力する。
LCOS駆動回路1800wは、LVDSレシーバIC1800vから入力される、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成される描画データに従って、プロジェクタ1850に備える反射型液晶表示パネル(LCOS)である光学素子1850nを駆動制御するとともに、プロジェクタ1850に備える赤色LED1850aをR−LED駆動回路1800xを介して(R−LED駆動回路1800xに制御信号を出力することにより)駆動制御し、プロジェクタ1850に備える緑色LED1850bをG−LED駆動回路1800yを介して(G−LED駆動回路1800yに制御信号を出力することにより)駆動制御し、プロジェクタ1850に備える青色LED1850cをB−LED駆動回路1800zを介して(B−LED駆動回路1800zに制御信号を出力することにより)駆動制御する。
[12−2.プロジェクタの光学エンジン]
プロジェクタ1850は、光源として、赤色LED1850a、緑色LED1850b、青色LED1850cにより構成されている。赤色LED1850aが発した赤色光は、集光レンズ1850dで集光され、緑色LED1850bが発した緑色光は、集光レンズ1850eで集光され、青色LED1850cが発した青色光は、集光レンズ1850fで集光されるようになっている。赤色LED1850aが発して集光レンズ1850dで集光された赤色光は、ミラー1850gにより反射され、緑色LED1850bが発して集光レンズ1850eで集光された緑色光は、ミラー1850hにより反射され、青色LED1850cが発して集光レンズ1850fで集光された青色光は、ミラー1850iにより反射されるようになっている。ミラー1850gは、赤色光を反射するとともに、緑色光と青色光を透過するものであり、ミラー1850hは、緑色光を反射するとともに、青色光を透過するものである。ミラー1850g〜1850iで反射や透過した各色光の光路は、同一光軸上に沿って、コンデンサレンズ1850kを介して(つまり、コンデンサレンズ1850kで集光して)偏光ビームスピリッタ1850mへ入射されるようになっている。
偏光ビームスピリッタ1850mの偏光分離部で反射した各色光は、反射型液晶表示パネル(LCOS)である光学素子1850nへ折り曲げられて光学素子1850nで反射して再び偏光ビームスピリッタ1850mへ折り曲げられて偏光ビームスピリッタ1850mを透過して投射レンズ1850pから出射される。この投射レンズ1850pは、複数枚のレンズにより構成された超広角単焦点レンズとして機能するものである。
本実施形態において、各色LED1850a〜1850c、集光レンズ1850d〜1850f、ミラー1850g〜1850i、コンデンサレンズ1850k、偏光ビームスピリッタ1850m、反射型液晶表示パネル(LCOS)である光学素子1850n、及び投射レンズ1850pから構成される光学エンジンは、安定な配置を維持するために、プロジェクタ1850の筐体に実装されている。また、プロジェクタ1850の内部は、上述した光学エンジンによる発熱により温度が上昇するため、この熱を外部へ放出するために2つの空冷装置FAN0,FAN1が設けられている。これらの空冷装置FAN0,FAN1は、プロジェクタ駆動基板1800からの+12Vという電圧により電源が供給されることで駆動されるようになっている。空冷装置FAN0,FAN1は、+12Vという電圧が供給されると、図示しないファンが回転し、作動している旨を伝える作動中信号を、それぞれ出力する。空冷装置FAN0,FAN1からそれぞれ出力される作動中信号は、プロジェクタ駆動基板1800を介して、周辺制御基板4140に入力され、図15に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aにおいて、空冷装置FAN0,FAN1の作動状態が監視されるようになっている。そして、周辺制御MPU4150aは、空冷装置FAN0,FAN1からの作動中信号のいずれか一方又は両方が入力されなくなると、空冷装置FAN0,FAN1のいずれか一方又は両方が作動してないとして空冷装置FAN0,FAN1を点検する旨を伝えるためのメンテナンス情報出力信号を外部端子板784に出力するようになっている。
なお、周辺制御基板4140からプロジェクタ駆動基板1800に供給される+24Vは、上述したように、電圧作成回路1800aに供給されている。この電圧作成回路1800aで作成される複数種類の電圧は、LVDSレシーバIC1800v、LCOS駆動回路1800w、R−LED駆動回路1800x、G−LED駆動回路1800y、そしてB−LED駆動回路1800zと対応する電圧がそれぞれ供給されるとともに、プロジェクタ1850の光学エンジンと対応する電圧がそれぞれ供給される。
[12−3.プロジェクタの駆動方法]
次に、プロジェクタ1850の駆動方法について、簡単に説明すると、プロジェクタ駆動基板1800のLVDSレシーバ1800vは、上述したように、周辺制御基板4140における周辺制御部4150の音源内蔵VDP4160aのチャンネルCH1からシリアルデータとして出力される描画データを受信すると、この受信したシリアルデータを、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成されるパラレルデータに復元してLCOS駆動回路1800wに出力する。そして、LCOS駆動回路1800wは、LVDSレシーバIC1800vから入力される、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成される描画データに従って、プロジェクタ1850に備える赤色LED1850a、緑色LED1850b、そして青色LED1850cを1色ずつ順番に発光させるために、R−LED駆動回路1800x、G−LED駆動回路1800y、そしてB−LED駆動回路1800zへの制御信号をそれぞれ出力して駆動制御するとともに、赤色LED1850a、緑色LED1850b、そして青色LED1850cの発光に応じて反射型液晶表示パネル(LCOS)である光学素子1850nの駆動制御を行う。これにより、投射レンズ1850pから出射される各色光が反射鏡1875で反射されてスクリーン1900の裏面全体へ投射されると、スクリーン1900の表面全体で赤色の画面、緑色の画面、そして青色の画面という順番に高速に次々と切り換わることにより、遊技者の目に残像として映って各色が混ざり合ってフルカラーの画面として遊技者に鮮明に認識される。
なお、本実施形態では、後述する周辺制御部電源投入時処理における周辺制御部定常処理が約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっており、この約33.3msの期間を、時分割して、赤色、緑色、そして青色という1色ずつ順番に発光させている。つまり、本実施形態では、スクリーン1900の表面全体に、約33.3msという期間において、時分割されて、赤色の画面、緑色の画面、そして青色の画面という順番に高速に次々と切り換わることにより、約33.3msで1つのフルカラー画面、換言すると、約33.3msごとに1つのフルカラー画面が遊技者に鮮明に認識されることとなる。
[13.タッチパネル駆動基板の回路]
次に、図2に示した扉枠5の皿ユニット300の右側に取り付けられている上皿側液晶表示装置470の表示領域を覆うように設けられる静電容量型のタッチパネル480の接触状態の検知制御を行うとともに上皿側液晶表示装置470の表示領域の描画を行うタッチパネル駆動基板450の回路について、図32〜図35を参照して説明する。タッチパネル駆動基板450は、上述したように、扉枠5の皿ユニット300の右側に取り付けられている上皿側液晶表示装置470の下方近傍に配置されて皿ユニット300内に収納されており、上皿側液晶表示装置470の表示領域の描画を行う液晶モジュール回路450Vと、タッチパネル480の接触状態の検知制御を行うタッチパネル回路450Wと、から主として構成されている。図32は上皿側液晶表示装置の表示領域の描画を行う液晶モジュール回路を示す回路図であり、図33はタッチパネルの接触状態の検知制御を行うタッチパネル回路のブロック図であり、図34はタッチパネルに指が触れている位置を検出する概略図であり、図35は図34のつづきを示す概略図である。まず、液晶モジュール回路について説明し、続いてタッチパネル回路について説明する。
[13−1.液晶モジュール回路]
タッチパネル駆動基板450の液晶モジュール回路450Vは、図32に示すように、上皿側液晶用レシーバICSDIC0を主として構成されている。
液晶モジュール回路450Vは、図17に示した周辺制御基板4140の上皿側液晶用トランスミッタIC4160dからザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式によるシリアル信号(シリアルデータ)がプラス信号とマイナス信号として送信されると、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、コモンモードチョークコイルSDL0にそれぞれ入力され、このコモンモードチョークコイルSDL0によりプラス信号とマイナス信号とからノイズをそれぞれ分離することができるようになっている。ノイズが分離されたプラス信号とマイナス信号とは、上皿側液晶用レシーバICSDIC0のRXIN+端子とRXIN−端子とにそれぞれ入力されている。RXIN+端子とRXIN−端子との間には抵抗SDR0が電気的に接続されている。この抵抗SDR0は、終端抵抗(ターミネータ)であり、プラス信号とマイナス信号とがRXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ反射するのを防ぎ、シリアル信号の乱れを防止している。
上皿側液晶用レシーバICSDIC0は、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、に復元する(つまり、シリアル化される前のパラレル信号に復元する)。なお、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号は、上述したように、音源内蔵VDP4160aのチャンネルCH2から出力される赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ8ビットであるものの、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dに入力可能な赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ6ビット、計18ビットであるため、各映像信号における上位6ビットの信号となっている。
液晶モジュール回路450Vは、周辺制御基板4140の上皿側液晶用トランスミッタIC4160dからの信号のほかに、上述したように、周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに内蔵されるタッチパネル駆動基板用シリアルI/Oポートから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データが周辺制御基板4140の差動化回路4160eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号も入力されるようになっている。周辺制御基板4140の強制切替回路4160fは、上述したように、差動化回路4160eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、この2つの信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路4160eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから出力される信号を伝送するように回路接続するように回路構成されている。これにより、差動化回路4160eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、その2つの信号を伝送するように回路接続するため、その2つの信号が、周辺制御基板4140から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450の液晶モジュール回路450Vに送信される一方、差動化回路4160eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから出力される信号を伝送するように回路接続するため、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから出力される信号が、周辺制御基板4140から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450の液晶モジュール回路450Vに送信される。
強制切替回路4160fは、差動化回路4160eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから出力される信号、つまり上皿側液晶用トランスミッタIC4160dからザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式によるシリアル信号(シリアルデータ)がプラス信号とマイナス信号として、周辺制御基板4140から枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、コモンモードチョークコイルSDL0に入力され、そして上皿側液晶用レシーバICSDIC0のRXIN+端子とRXIN−端子とにそれぞれ入力される一方、差動化回路4160eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が周辺制御基板4140から枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して入力されているときには、この2つの信号がコモンモードチョークコイルSDL0に入力され、そして上皿側液晶用レシーバICSDIC0のRXIN+端子とRXIN−端子とにそれぞれ入力される。上皿側液晶用レシーバICSDIC0は、差動化回路4160eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、LOCKN信号の出力要求であることを判断して、後述するLOCKN端子からLOCKN信号を周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板4140に出力する。このLOCKN信号は、周辺制御基板4140の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに入力される。
なお、周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに内蔵されるタッチパネル駆動基板用シリアルI/Oポートから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データは、上述したように、パチンコ遊技機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射して表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900によるデモンストレーションを行っている(投射して表示している)期間において、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、上皿側液晶表示装置470の動作確認要求として送信されるものである。本実施形態におけるLOCKN信号出力要求データは、差動化回路4160eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化されるものの、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから出力される信号、つまり上述したザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)とデータ形式が全く異なる構造としている。このため、LOCKN信号出力要求データが上皿側液晶用レシーバICSDIC0で受信されると、上皿側液晶用レシーバICSDIC0が上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから出力される信号でないものと判断し、異常なデータであるとして、後述するLOCKN端子からLOCKN信号を出力することとなる。換言すると、本実施形態では、受信したデータが異常なデータであると判断したときにLOCKN信号を出力するという上皿側液晶用レシーバICSDIC0の機能を利用して、後述するLOCKN端子からLOCKN信号を強制的に出力させるために、わざわざ、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから出力される信号とデータ形式が異なる構造のLOCKN信号出力要求データを、周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに内蔵されるタッチパネル駆動基板用シリアルI/Oポートから出力することにより、上皿側液晶用レシーバICSDIC0というデバイスが正常に動作しているか否かを確認することができるようになっている。これにより、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認することができる。
上皿側液晶用レシーバICSDIC0のVDD端子、VDDO端子、LVDSVDD端子、PLLVDD端子、及びPDWN端子は、図20に示した上皿側液晶モジュール電源回路450xが作成した+3.3Vがそれぞれ供給され、上皿側液晶用レシーバICSDIC0のGND端子、GNDO端子、LVDSGND願紙、PLLGND端子、EDGE端子、OE端子、MODE0、及びMODE1端子がそれぞれグランドに接地されている。
VDD端子は、デジタル回路用の電源端子であり、このデジタル回路用のグランドとなるGND端子との端子間にコンデンサSDC0が電気的に接続されており、VDD端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
VDDO端子は、TTL(Transistor−Transistor Logic)出力用の電源端子であり、このTTL出力用のグランドとなるGNDO端子との端子間にコンデンサSDC1が電気的に接続されており、VDDO端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
LVDSVDD端子は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)入力用の電源端子であり、このLVDS入力用のグランドとなるLVDSGND端子との端子間にコンデンサSDC2が電気的に接続されており、LVDSVDD端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
PLLVDD端子は、PLL(Phase Locked Loop)回路用の電源端子であり、このPLL回路用のグランドとなるPLLGND端子との端子間にコンデンサSDC3が電気的に接続されており、PLLVDD端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
PDWN端子は、+3.3Vが供給(印加)されることにより論理がHIとなって通常動作する旨を伝える一方、+3.3の供給が停止されて論理がLOWとなってパワーダウンする旨を伝える端子である。PDWN端子は、+3.3Vが抵抗SDR1を介して供給されるとともに、一端がグランドに接地されたバリスタSDZ0の他端と電気的に接続されている。このバリスタSDZ0は、抵抗SDR1を介して供給される+3.3Vの電電ラインのノイズや過電圧を抑えている。
EDGE端子は、後述する、CLKOUT端子から出力されるクロック信号DCLKに基づく各種出力端子(DE端子、SYNC0端子〜SYNC2端子、及びD0端子〜D17端子)から出力される各種信号の伝送を、立ち上がりエッジとする(論理がLOWからHIへ遷移する)場合、又は立ち下がりエッジとする(論理がHIからLOWへ遷移する)場合のいずれかを指定するための端子であり、本実施形態では、上述したように、EDGE端子をグランドに接地することにより立ち下がりエッジを指定している。因みに、EDGE端子を+3.3Vに接続すると、立ち上がりエッジを指定することができる。
OE端子は、後述する各種出力端子(DE端子、SYNC0端子〜SYNC2端子、D0端子〜D17端子、及びCLKOUT端子)の出力を許可するか否かを指示するものであり、本実施形態では、上述したように、OE端子をグランドに接地することにより、常に、出力可能状態としている。因みに、OE端子を+3.3Vに接続すると、出力することができない状態となる。
MODE0端子、及びMODE1端子は、動作モードを選択する端子であり、ともにグランドに接地することで動作モードを選択することができる。動作モードには、ノーマルモードとシェイクハンドモードとがある。ノーマルモードでは、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号(18ビットの映像信号)と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号(3ビットの同期信号)と、から構成されるパラレル信号に上皿側液晶用レシーバICSDIC0が復元するという通常動作するモードである。シェイクハンドモードでは、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求する旨をLOCKN端子からLOCKN信号を出力するモードである。このシェイクハンドモードは、自動的に切り替わるようになっている。
例えば、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号(18ビットの映像信号)と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号(3ビットの同期信号)と、から構成されるパラレル信号に上皿側液晶用レシーバICSDIC0が復元したものが、何らかの理由により、異常なデータで上皿側液晶表示装置470に描画することが困難である場合には、ノーマルモードからシェイクハンドモードに自動的に切り替わってLOCKN端子からLOCKN信号を出力する。このLOCKN信号は、ダンピング抵抗である抵抗SDR2、周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板4140に入力され、周辺制御基板4140の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに入力される。周辺制御MPU4150aは、入力されるLOCKN信号に基づいて、所定の条件が成立すると、その旨を上皿側液晶用トランスミッタIC4160dに伝えるために、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dのINIT端子に接続確認信号を出力する。この接続確認信号がINIT端子に入力されると、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dは、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を、周辺制御基板4140から枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0に送信する。このような所定のデータパターン(SYNCパターン)が上皿側液晶用レシーバICSDIC0で受信されることにより、トランスミッタとレシーバとの間の接続を容易に回復することができるようになっている。所定のデータパターン(SYNCパターン)は、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dに予め記憶されている。なお、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dのINIT端子と、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0のLOCKN端子と、を枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して電気的に直接接続してもよい。
LOCKN端子は、上述したように、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求する旨を出力する端子である。LOCKN端子から出力されるLOCKN信号は、タッチパネル駆動基板450のダンピング抵抗である抵抗SDR2、周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板4140に入力され、周辺制御基板4140の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに入力される。
SYNC0端子〜SYNC2端子は、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて復元された水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号を出力する端子である。本実施形態では、復元された、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号を使用しないため、SYNC0端子〜SYNC2端子が未接続端子となっている。
DE端子は、後述する、CLKOUT端子から出力されるクロック信号、データ出力端子であるD0端子〜D17端子から出力されるデータが有効又は無効であることを伝えるDE信号を出力する端子である。DE端子から出力されるDE信号は、ダンピング抵抗である抵抗SDR3を介して上皿側液晶表示装置470に入力される。
CLKOUT端子は、上皿側液晶用レシーバICSDIC0に内蔵されるPLL回路により生成されるクロック信号DCLKを出力する端子である。CLKOUT端子から出力されるクロック信号DCLKは、ダンピング抵抗である抵抗SDR4を介して上皿側液晶表示装置470に入力される。
D0端子〜D17端子は、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて復元された赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号(18ビットの映像信号)を出力するデータ出力端子である。D0端子〜D5端子という6ビットのデータ出力端子から青色映像信号B0〜B5(6ビット)をクロック信号DCLKと同期して出力し、この青色映像信号B0〜B5の各信号線がダンピング抵抗であるラダー抵抗SDRA0を介して上皿側液晶表示装置470にそれぞれ入力される。D6端子〜D11端子という6ビットのデータ出力端子から緑色映像信号G0〜G5(6ビット)をクロック信号DCLKと同期して出力し、この緑色映像信号G0〜G5の各信号線がダンピング抵抗であるラダー抵抗SDRA1を介して上皿側液晶表示装置470にそれぞれ入力される。D12端子〜D17端子という6ビットのデータ出力端子から赤色映像信号R0〜R5(6ビット)をクロック信号DCLKと同期して出力し、この赤色映像信号R0〜R5の各信号線がダンピング抵抗であるラダー抵抗SDRA2を介して上皿側液晶表示装置470にそれぞれ入力される。
なお、周辺制御基板4140、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、タッチパネル駆動基板450、及び上皿側液晶表示装置470のグランドは、電気的に接続されており、同一グランドとなっている。
[13−2.タッチパネル回路]
タッチパネル駆動基板450のタッチパネル回路450Wは、図33に示すように、周辺制御基板4140からの所定電圧からアナログ系電圧とデジタル系電圧とを作成して供給するタッチパネル電源回路450aのほかに、タッチパネルコントローラIC450bを中心として、発振器450c、センシングIC450d、及び増幅回路450eを主として構成されている。タッチパネルコントローラIC450bは、周辺制御基板4140からの制御コマンドに基づいて(具体的には、周辺制御基板4140から送信される制御コマンドを枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して受信し、この受信した制御コマンドに基づいて)センシングIC450dを駆動制御してタッチパネル480の接触状態の検知制御を行ってタッチパネル480に指が触れている位置(接触位置データ)を周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して周辺制御基板4140へ送信したり、省電力モードへの移行を行ったりする。発振器450cは、タッチパネルコントローラIC450bへ基準クロック信号を出力する。センシングIC450dは、タッチパネルコントローラIC450bにより駆動制御され、タッチパネル480の接触状態をセンシングしてタッチパネル480の静電容量の値をアナログ信号として出力する。増幅回路450eは、センシングIC450dからのアナログ信号を増幅してタッチパネルコントローラIC450bへ出力する。
タッチパネルコントローラIC450bは、コントローラ450baを中心として構成され、増幅回路450eを介して入力されるセンシングIC450dがセンシングしたタッチパネル480の接触状態をアナログ信号からデジタル信号へ変換するアナログデジタル変換回路(以下、「ADC」と記載する。)450bbと、各種プログラム(例えば、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。以下、同じ。)において電源投入時処理を行うための電源投入時プログラム、タッチパネル480の接触状態の検知を行うための検知制御プログラム、省電力モードへ移行するための省電力モード移行プログラム、省電力モードを解除して起動するための起動プログラム等)が予め記憶されるROM450bcと、ADC450bdで変換されたデジタル信号に基づいてタッチパネル480の接触状態のうち最大で2点における接触位置(X座標、Y座標)を格納することができる2点接触位置格納レジスタ450bdと、発振器450cからの基準クロック信号から制御クロック信号を作成する位相同期回路(いわゆる、「PLL回路」)450beと、PLL回路450beからの制御クロック信号に基づいてタッチパネルコントローラIC450bとセンシングIC450dとの同期化を図るための同期信号を出力する同期信号出力回路450bfと、タッチパネル480のセンシング位置を指示するためのシリアルデータを出力するセンシングIC用シリアルインターフェース450bgと、周辺制御基板4140からの各シリアル化された種コマンドを枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して受信してコントローラ450baに伝える一方、2点接触位置格納レジスタ450bdに格納されている接触位置(最大で2点の接触位置)である接触位置データをシリアル化して周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して周辺制御基板4140へ送信する周辺制御基板用シリアルインターフェース450bhと、を主として構成されている。
センシングIC450dは、タッチパネルコントローラIC450bのセンシングIC用シリアルインターフェース450bgからの送信されるタッチパネル480のセンシング位置を指示するためのシリアルデータを受信するシリアルインターフェース450daと、シリアルインターフェース450daで受信したシリアルデータをタッチパネル480のセンシング位置を指示するセンシング位置データへ復元するデコーダ450dbと、デコーダ450dbで復元したセンシング位置データが入力されることによりタッチパネル480の全領域のうちセンシング位置への電気的な接続を開閉してセンシング位置におけるタッチパネル480の静電容量の値をアナログ信号として出力するアナログマルチプレクサ450dcと、タッチパネルコントローラIC450bの同期信号出力回路450bfからの同期信号が入力される同期信号入力回路450deと、デコーダ450dbで復元したセンシング位置データが入力されるとともに、同期信号入力回路450deに同期信号が入力され、アナログマルチプレクサ450dcからのアナログ信号をセンシングして増幅回路450eに出力するセンシングユニット450dfと、を主として構成されている。
ここで、タッチパネルコントローラIC450bとセンシングIC450dとの動作について、簡単に説明すると、タッチパネルコントローラIC450bのコントローラ450baは、例えば、周辺制御基板4140からタッチパネル480の接触状態の検知制御を開始するための検知制御開始コマンドを周辺制御基板用シリアルインターフェース450bhを介して伝わると、タッチパネル480の接触状態の検知を行うための検知制御プログラムをROM450bcから読み出して(又は、タッチパネルコントローラIC450bに備える図示しないRAMに、電源投入時において、ROM450bcに予め記憶される各種プログラムがコピーされた場合には、このRAMから読み出して)、この読み出した検知制御プログラムを開始する。この検知制御プログラムが開始されると、コントローラ450baは、タッチパネル480のセンシング位置を指示するためのシリアルデータをセンシングIC用シリアルインターフェース450bgからセンシングIC450dへ送信する。
センシングIC450dは、シリアルインターフェース450daでシリアルデータを受信してデコーダ450dbへ出力し、デコーダ450dbでセンシング位置データを復元する。アナログマルチプレクサ450dcは、デコーダ450dbからのセンシング位置データに従ってタッチパネル480の全領域のうちセンシング位置への電気的な接続を開閉してセンシング位置におけるタッチパネル480の静電容量の値をアナログ信号としてセンシングユニット450dfへ出力する。タッチパネルコントローラIC450bのコントローラ450baは、同期信号出力回路450bfから同期信号をセンシングIC450dへ出力し、この同期信号がセンシングIC450dの同期信号入力回路450deに入力されてセンシングユニット450dfへ伝わると、これを契機として、センシングユニット450dfは、アナログマルチプレクサ450dcからのアナログ信号がデコーダ450dbからのセンシング位置データに従ってタッチパネル480の全領域のうちセンシング位置への電気的な接続を開閉してセンシング位置におけるタッチパネル480の静電容量の値であることを判別して増幅回路450eへ出力する。増幅回路450eを介して増幅されたアナログ信号は、タッチパネルコントローラIC450bのADC450bbでデジタル信号に変換されてコントローラ450baへ入力される。
コントローラ450baは、タッチパネル480のセンシング位置を指示するシリアルデータをセンシングIC用シリアルインターフェース450bgからセンシングIC450dへ送信するとともに、同期信号出力回路450bfから同期信号をセンシングIC450dへ出力する制御を繰り返し行うことにより、タッチパネル480の全領域をセンシングしてタッチパネル480の全領域のうち、接触面の領域を判別し、タッチパネルに指が触れている位置を特定する。
このとき、コントローラ450baは、タッチパネル480に指が触れていないと判別したときには2点接触位置格納レジスタ450bdに接触位置データとして接触なし情報を格納する一方、図34(a)に示すように、例えばタッチパネル480に左手の人差し指のみ触れている(つまり1点触れている)と判別したときには2点接触位置格納レジスタ450bdに接触位置データとして、図34(b)に示すように、1点の接触位置であるP0(x0,y0)を格納する一方、図34(c)に示すように、例えばタッチパネル480に左手の人差し指と中指とが触れている(つまり2点触れている)と判別したときには2点接触位置格納レジスタ450bdに接触位置データとして、図34(d)に示すように、2点の接触位置であるP0(x0,y0)及びP1(x1,y1)をそれぞれ格納する。2点接触位置格納レジスタ450bdは、検知制御プログラムが開始されるごとに更新されるようになっている。
この検知制御プログラムは、後述する周辺制御基板4140の周辺制御部電源投入時処理における16msごとに繰り返し行われる周辺制御部定常処理のタッチパネル処理において、検知制御開始コマンドを周辺制御基板4140から枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して受信すると、パチンコ遊技機1の電源が遮断されたり、又は、電力モードへ移行するための省電力モード移行コマンドを周辺制御基板4140から受信しない場合に繰り返し実行され、16msが経過するまでに、タッチパネル480の全領域のセンシングを終了するようになっている。周辺制御部定常処理のタッチパネル処理において、タッチパネル480に指が触れている位置(接触位置データ)を要求するための接触位置データ要求コマンドを周辺制御基板4140から枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して受信すると、つまりコントローラ450baは、周辺制御基板4140からタッチパネル480に指が触れている位置(接触位置データ)を要求するための接触位置データ要求コマンドを周辺制御基板用シリアルインターフェース450bhを介して伝わると、2点接触位置格納レジスタ450bdに格納された接触位置データをシリアル化して周辺制御基板用シリアルインターフェース450bhから周辺制御基板4140へ送信する。
なお、コントローラ450baは、タッチパネル480に3点以上触れていると判別したときには、予め定めたアルゴリズムにより、センシングした順番のうち、1点目として判別した接触面と、2点目として判別した接触面と、を有効とするのに対して、3点目として判別した接触面、4点目として判別した接触面、・・・という3点目以降に判別した接触面を無効として、2点接触位置格納レジスタ450bdに接触位置データとして、1点目及び2点目の接触位置(P0(x0,y0)及びP1(x1,y1))をそれぞれ格納している。
具体的には、図35(e)に示すように、例えばタッチパネル480に左手の人差し指、中指、そして薬指という順番で触れた場合において、コントローラ450baは、タッチパネル480に左手の人差し指と中指と薬指とが触れている(つまり3点触れている)と判別したときには、予め定めたアルゴリズムにより、図35(f)に示すように、センシングした順番のうち、1点目として判別した接触面の位置(つまり左手の人差し指の接触位置P0(x0,y0))と、2点目として判別した接触面の位置(つまり左手の中指の接触位置P1(x1,y2))と、を有効とする(つまり、左手の人差し指の接触位置P0(x0,y0))と、左手の中指の接触位置P1(x1,y2)と、がそれぞれ有効化される点となる。)のに対して、3点目として判別した接触面の位置(つまり左手の薬指の接触位置P2(x2,y2))を無効として(つまり左手の薬指の接触位置P2(x2,y2)が無効化される点(破棄される点)となる。)、2点接触位置格納レジスタ450bdに接触位置データとして、1点目及び2点目の接触位置(P0(x0,y0)及びP1(x1,y1)))をそれぞれ格納している。
このように、コントローラ450baがタッチパネル480に3点以上触れていると判別したとしても、タッチパネルコントローラIC450bの2点接触位置格納レジスタ450bdには、1番目に検出した接触位置と、2番目に検出した接触位置と、の2点の接触位置しか記憶することができないため、3点以上の接触位置を無効とすることができる。これにより、遊技者がタッチパネル480の操作に要する指の本数を最大で2本に限定することができるため、タッチパネル480の操作に対して遊技者に負担がかからないようにすることができる。
ここで、2本の指を使う演出について、簡単に説明すると、大当り遊技状態が発生している場合において、遊技盤4の遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900では大当り演出(例えば、ラウンドの数や各種キャラクタの紹介等)が進行されるのに対して、皿ユニット300の右側に取り付けられている上皿側液晶表示装置470の表示領域では大当り中に宝物探しをさせる宝物探し演出が進行されるようになっている。この宝物探し演出では、二枚貝により宝物が封印されており、遊技者が2つの指(例えば、左手の人差し指と中指と)を使って、上側の殻と下側の殻とをこじ開けるようにタッチパネル480に触れながら移動させて、二枚貝をみごとこじ開けて宝物を獲得することができれば確率変動昇格することができる一方、二枚貝をこじ開けることができず宝物を獲得することができなければ通常確率のままとなる。このように、指の接触状態に基づいて上皿側液晶表示装置470の表示領域に表示する画像に対してタッチパネル480への接触による変化を付与することができるようになっている。
なお、携帯電話等の携帯端末における表示装置の表示領域を覆うように設けられているタッチパネルは、タッチパネルを操作する指に合わせて(つまり操作し易いように)携帯端末の姿勢を変えることができるため、例えば、2本の指を使ってタッチパネルを操作する場合には、他の指がタッチパネルに触れないようにすることができる。これに対して、本実施形態におけるタッチパネル480は、上述したように、上皿側液晶表示装置470の表示領域を覆うように設けられているため、タッチパネル480が固定されている。このため、遊技者が操作する指に合わせて(つまり操作し易いように)タッチパネル480の姿勢を変えることができない。これにより、例えば、遊技者が2本の指を使ってタッチパネル480を操作していても、他の指が気付かないうちにタッチパネル480に触れている場合もある。このような他の指がタッチパネル480に触れていることを専用に検出するプログラムを作成する方法もあるが、操作に必要な指と操作に必要でない指とを区別するためのアルゴリズムが複雑となり、プログラムが巨大化するという問題がある。
[14.主制御基板の送受信に関する各種コマンド]
次に、主制御基板4100から払出制御基板4110へ送信される各種コマンドと、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される各種コマンドについて、図36〜図39を参照して説明する。図36は主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図37は主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図38は図37の主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドのつづきを示すテーブルであり、図39は主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドの一例を示すテーブルである。まず、主制御基板から払出制御基板へ送信される払い出しに関するコマンドである賞球コマンドについて説明し、続いて主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドについて説明し、主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドについて説明する。
[14−1.主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンド]
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、図12に示した、一般入賞口スイッチ3020,3020、上始動口スイッチ3022、下始動口スイッチ2109、及びカウントスイッチ2110等の各種入賞スイッチからの検出信号が入力されると、これらの検出信号に基づいて、予め定めた球数の遊技球を賞球として払い出すための賞球コマンドを払出制御基板へ送信する。この賞球コマンドは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドである。本実施形態では、パチンコ遊技機1とCRユニット6(パチンコ遊技機1と通信して、パチンコ遊技機1(賞球装置740)の払出モータ744を駆動して貯留皿である、上皿301や下皿302に貸球として遊技球を払い出す装置)とが電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ遊技機を「CR機」という。)、図36(a)に示すように、主制御基板4100から払出制御基板4110に送信する賞球コマンドには、コマンド10H〜コマンド1EH(「H」は16進数を表す。)が用意されており、コマンド10Hでは賞球1個が指定され、コマンド11Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド1EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板4110は、払出モータ744を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
また、パチンコ遊技機1と球貸し機(遊技球を貯留皿である、上皿301や下皿302に貸球として直接払い出す装置)とが遊技場(ホール)に隣接して設置され、パチンコ遊技機1と球貸し機が電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ遊技機を「一般機」という。)、図36(b)に示すように、主制御基板4100から払出制御基板4110に送信する賞球コマンドには、コマンド20H〜コマンド2EHが用意されており、コマンド20Hでは賞球1個が指定され、コマンド21Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド2EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板4110は、払出モータ744を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
なお、CR機及び一般機の共通のコマンドとして、図36(c)に示すように、コマンド30Hが用意されており、このコマンド30Hではセルフチェックが指定されている。送信側は、コマンド送信後、所定期間、受信側からコマンドの受け取り確認として出力するACK信号が入力されない場合に、コマンド30Hを送信して、ACK信号が入力されるか否かをチェックすることで接続状態を確認する。本実施形態におけるCR機の場合では、払出制御基板4110がCRユニット6との接続状態を確認する。
[14−2.主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンド]
次に、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される各種コマンドについて説明する。主制御基板4100の主制御MPU4100aは、遊技の進行に基づいて周辺制御基板4140に各種コマンドを送信する。これらの各種コマンドは、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、図37及び図38に示すように、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、から構成されている。
各種コマンドは、図37及び図38に示すように、特図1同調演出関連、特図2同調演出関連、大当り関連、電源投入、普図同調演出関連、普通電役演出関連、報知表示、状態表示、及びその他に区分されている。
[14−2−1.特図1同調演出関連]
特図1同調演出関連は、図12に示した上始動口スイッチ3022からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図37に示すように、図12に示した機能表示基板1191の上特別図柄表示器1185に関する、特図1同調演出開始、特別図柄1指定、特図1同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「A*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図1同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄1指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図1同調演出終了コマンドは、特図1同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、確率及び時短状態を指示するものである。なお、確率及び時短状態には、低確率状態であって時短状態であることを指示する低確率時短状態と、高確率状態であって時短状態であるを指示する高確率時短状態と、低確率状態であって時短状態でないことを指示する低確率非時短状態と、高確率状態であって時短状態でないことを指示する高確率非時短状態と、から構成されている(通常遊技状態としては、低確率非時短状態が設定されている)。ここで、高確率状態は、大当りする確率が低確率状態(通常遊技状態)と比べて高く設定されるという状態であり、時短状態は、例えば、図11に示した普通図柄表示器1189による普通図柄を変動表示する時間を、非時短状態(通常遊技状態)と比べて、短くして普通抽選結果に対応した発光パターンで停止表示することにより、所定時間における後述する普通抽選による普通抽選結果の停止表示回数を非時短状態と比べて多くするとともに、さらに、図8に示した一対の可動片2106を開閉動作させる期間を、非時短状態(通常遊技状態)と比べて、長くして図8に示した下始動口2102への遊技球の受入率(入球率)を高めることにより持ち球を減らさず特別図柄の抽選機会を得ることができるという状態(換言すると、非時短状態と比べて、一対の可動片2106を開閉動作させるか否かの決定を多くするとともに、一対の可動片2106を開閉動作させる場合には一対の可動片2106の開閉動作の期間を長くすることにより、下始動口2102への遊技球の受入率(入球率)を高めるという状態)である。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図1同調演出開始コマンドは、特別図柄1変動開始時に送信され、特別図柄1指定コマンドは、特図1同調演出開始の直後に送信され、特図1同調演出終了コマンドは、特別図柄1変動時間経過時(特別図柄1確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、特図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[14−2−2.特図2同調演出関連]
特図2同調演出関連は、図12に示した下始動口スイッチ2109からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図37に示すように、図12に示した機能表示基板1191の下特別図柄表示器1186に関する、特図2同調演出開始、特別図柄2指定、及び特図2同調演出終了という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「B*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図2同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄2指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図2同調演出終了は、特図2同調演出終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図2同調演出開始コマンドは、特別図柄2変動開始時に送信され、特別図柄2指定コマンドは、特図2同調演出開始の直後に送信され、特図2同調演出終了コマンドは、特別図柄2変動時間経過時(特別図柄2確定時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[14−2−3.大当り関連]
大当り関連という区分には、図37に示すように、大当りオープニング、大入賞口1開放N回目表示、大入賞口1閉鎖表示、大入賞口1カウント表示、大当りエンディング、大当り図柄表示、小当りオープニング、小当り開放表示、小当りカウント表示、及び小当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「C*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始を指示するものであり、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜16ラウンド目の大入賞口1開放中開始(図8に示した、アタッカユニット2100の大入賞口2103のN回目のラウンドの開放中又は開放開始)を指示するものであり、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、ラウンド間の大入賞口1閉鎖中開始(アタッカユニット2100の大入賞口2103のラウンド間の閉鎖中又は閉鎖開始)を指示するものであり、大入賞口1カウント表示コマンドは、カウント0〜10個の遊技球の球数をカウントした旨(図12に示したカウントスイッチ2110によって検出された、大入賞口2103に入球した遊技球の球数)を伝えるものであり、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始を指示するものであり、大当り図柄表示コマンドは、大当り図柄情報表示を指示するものである。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始を指示するものであり、小当り開放表示コマンドは、小当り開放中開始(小当り時における、アタッカユニット2100の大入賞口2103の開放中又は開放開始)を指示するものであり、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞演出(小当り中における、大入賞口2103に入球した遊技球がカウントスイッチ2110によって検出された場合における演出)を指示するものであり、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始時に送信され、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜16ラウンド目の大入賞口1開放時(アタッカユニット2100の大入賞口2103のN回目のラウンドの開放時)に送信され、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、大入賞口1閉鎖時(アタッカユニット2100の大入賞口2103の閉鎖開始)に送信され、大入賞口1カウント表示コマンドは、大入賞口1開放時及び大入賞口1へのカウント変化時(アタッカユニット2100の大入賞口2103の開放時、及び大入賞口2103に入球した遊技球がカウントスイッチ2110によって検出された時)に送信され、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始時に送信され、大当り図柄表示コマンドは、大入賞口開放時(アタッカユニット2100の大入賞口2103の開放時)に送信される。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始時に送信され、小当り開放表示コマンドは、小当り開放時(小当り時における、アタッカユニット2100の大入賞口2103の開放時)に送信され、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞時(小当り中における、大入賞口2103に入球した遊技球がカウントスイッチ2110によって検出された時)に送信され、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[14−2−4.電源投入]
電源投入という区分には、図37に示すように、電源投入時状態、電源投入時主制御復帰先、及び電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「D*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
電源投入時状態コマンドは、RAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである。電源投入時状態コマンドは、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、図13に示した払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作されてRAMクリアを行う場合にその旨を指示する情報と、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、上述した、低確率時短状態、高確率時短状態、低確率非時短状態、及び高確率非時短状態のうち、いずれの状態(確率及び時短状態)で復帰するかを指示する情報と、パチンコ遊技機の機種コードを示す情報と、から構成されている。このパチンコ遊技機の機種コードは、例えば、いわゆる、マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプをそれぞれ作成するときに、どの作品の版権に対するものであるのか、どのような遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定(例えば、30回や70回)された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(いわゆる、ST機)など)であるのか、を特定するものである。つまり、パチンコ遊技機の機種コードの情報は、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、から主として構成されている。
電源投入時主制御復帰先コマンドは、主制御基板4100自体の復帰先を指示するものである。電源投入時主制御復帰先コマンドは、図12に示した始動口ソレノイド2105の駆動状態を指示する情報と、図12に示したアタッカソレノイド2108の駆動状態を指示する情報と、を主としてから構成されている。
電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドは、主制御基板4100が遊技盤4に設けられる上始動口2101、下始動口2102、一般入賞口2104,2201、及び大入賞口2103等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数をカウントしたメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を指示するものであり、主制御内蔵RAMに遊技バックアップ情報の1つとして記憶保持(バックアップ)されるものである。電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドは、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、主制御内蔵RAMに記憶保持(バックアップ)された遊技バックアップ情報からメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を読み出して作成されるようになっている。なお、図13に示した払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作されてRAMクリアを行う場合には、主制御内蔵RAMに記憶保持(バックアップ)された遊技バックアップ情報が初期化されることによりメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値が初期値である値0(ゼロ)に設定される(つまり、図13に示した払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作されてRAMクリアを行う場合には、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が強制的にゼロ個に設定される)。
電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、及び電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に送信される。具体的には、パチンコ遊技機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときに、後述する主制御側電源投入時処理が実行されて主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、及び電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信される。
[14−2−5.普図同調演出関連]
普図同調演出関連は、図12に示したゲートスイッチ2352からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図37に示すように、図12に示した機能表示基板1191の普通図柄表示器1189に関する、普図同調演出開始、普図柄指定、普図同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「E*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで普図同調演出開始を指示するものであり、普図柄指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、普図同調演出終了コマンドは、普図同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、確率及び時短状態を指示するものである。なお、確率及び時短状態には、上述したように、低確率状態であって時短状態であることを指示する低確率時短状態と、高確率状態であって時短状態であるを指示する高確率時短状態と、低確率状態であって時短状態でないことを指示する低確率非時短状態と、高確率状態であって時短状態でないことを指示する高確率非時短状態と、から構成されている(通常遊技状態としては、低確率非時短状態が設定されている)。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図同調演出開始コマンドは、普通図柄1変動開始時に送信され、普図柄指定コマンドは、普図同調演出開始の直後に送信され、普図同調演出終了コマンドは、普通図柄変動時間経過時(普通図柄確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、普図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[14−2−6.普通電役演出関連]
普通電役演出関連は、図12に示した始動口ソレノイド2105の駆動により開閉される図8に示した一対の可動片2106に関するものであり、その区分には、図37に示すように、普図当りオープニング、普電開放表示、及び普図当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「F*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始を指示するものであり、普電開放表示コマンドは、普電開放中開始(一対の可動片2106が始動口ソレノイド2105の駆動により左右方向へ拡開した状態、又は拡開する時)を指示するものであり、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始時に送信され、普電開放表示コマンドは、普電開放時(一対の可動片2106が始動口ソレノイド2105の駆動により左右方向へ拡開する時)に送信され、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[14−2−7.報知表示]
報知表示の区分には、図38に示すように、入賞異常表示、接続異常表示、断線・短絡異常表示、磁気検出スイッチ異常表示、扉開放、及び扉閉鎖という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「6*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時(大当り中でもないのに、アタッカユニット2100の大入賞口2103に遊技球が入球してその遊技球をカウントスイッチ2110が検出した時)に入賞異常報知の開始を指示するものであり、接続異常表示コマンドは、例えば、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間に亘る経路において電気的な接続異常がある場合に接続異常報知の開始を指示するものであり、断線・短絡異常表示コマンドは、例えば、主制御基板4100と、上始動口スイッチ3022、下始動口スイッチ2109、カウントスイッチ2110等との電気的な接続の断線・短絡が生じた場合に断線・短絡異常表示の開始を指示するものであり、磁気検出スイッチ異常表示コマンドは、図12に示した磁気検出スイッチ3024に異常が生じた場合に磁気検出スイッチ異常報知の開始を指示するものである。
また、扉開放コマンドは、図13に示した、払出制御基板4110を介して入力される扉枠開放スイッチ618からの検出信号(開放信号)に基づいて、扉枠5が本体枠3に対して開放された状態である場合に、扉開放報知を指示するものであり、扉枠閉鎖コマンドは、その扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠5が本体枠3に対して閉鎖された状態である場合に扉開放報知終了を指示するものである。一方、本体枠開放コマンドは、図13に示した、払出制御基板4110を介して入力される本体枠開放スイッチ619からの検出信号(開放信号)に基づいて、本体枠3が外枠2に対して開放された状態である場合に、本体枠開放報知を指示するものであり、本体枠閉鎖コマンドは、その本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠3が外枠2に対して閉鎖された状態である場合に本体枠開放報知終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時に送信され、接続異常表示コマンドは、主制御基板4100から払出制御基板4110へのコマンド送信時に払出制御基板4110からのACK返信(ACK信号)がなかった時に送信され、断線・短絡異常表示コマンドは、上始動口スイッチ3022、下始動口スイッチ2109、カウントスイッチ2110等のうち、いずれが断線または短絡状態となった時に送信され、磁気検出スイッチ異常表示コマンドは、磁気検出スイッチ3024の異常を検知した時に送信される。また、扉開放コマンドは、扉開放を検知した時(扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠5が本体枠3に対して開放された状態である場合)に送信され、扉枠閉鎖コマンドは、扉閉鎖を検知した時(扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠5が本体枠3に対して閉鎖された状態である場合)に送信される。本体枠開放コマンドは、本体枠開放を検知した時(本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠3が外枠2に対して開放された状態である場合)に送信され、本体枠閉鎖コマンドは、本体枠閉鎖を検知した時(本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠3が外枠2に対して閉鎖された状態である場合)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[14−2−8.状態表示]
状態表示の区分には、図38に示すように、枠状態1コマンド(エラー発生コマンドに相当)、エラー解除ナビコマンド(エラー解除コマンドに相当)及び枠状態2コマンドという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「7*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンドは、それぞれ、払出制御基板4110から送信された1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、これらの詳細な説明は、後述する。なお、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、払出制御基板4110からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、図38に示すように、「7*H」をステータスとして設定するとともに、その受信したコマンドをそのままモードとして設定する。つまり、主制御MPU4100aは、払出制御基板4110からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、これら受信したコマンドに付加情報である「7*H」を付加することにより、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドに整形する。
整形された、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これら整形された、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[14−2−9.テスト関連]
テスト関連の区分には、図38に示すように、テストという名称の各種コマンドから構成されている。このテストコマンドには、ステータスとして「8*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
テストコマンドは、周辺制御基板4140の各種検査を指示するものである(例えば、図15に示した、周辺制御部4150、液晶及び音制御部4160、ランプ駆動基板4170、モータ駆動基板4180、及び枠装飾駆動アンプ基板194等の各種基板の検査を行うものである)。
テストコマンドの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時RAMクリア及びRAMクリア以外の時に送信される。具体的には、パチンコ遊技機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときであって、払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作されたときに、後述する主制御側電源投入時処理が実行されて主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理でテストコマンドが送信される。
[14−2−10.その他]
その他の区分には、図38に示すように、始動口入賞、変動短縮作動終了指定、高確率終了指定、特別図柄1記憶、特別図柄2記憶、普通図柄記憶、特別図柄1記憶先読み演出、特別図柄2記憶先読み演出、及びメイン賞球数情報出力という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「9*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
始動口入賞コマンドは、始動口入賞演出開始を指示するものであって、上始動口スイッチ3022からの検出信号に基づいて上始動口2101に遊技球が入球した場合における演出の開始と、下始動口スイッチ2109からの検出信号に基づいて下始動口2102に遊技球が入球した場合における演出の開始と、をそれぞれ指示するものであり、変動短縮作動終了指定コマンドは、変動短縮作動状態から変動短縮非作動状態への状態移行を指示するものであり、高確率終了指定コマンドは、高確率状態から低確率状態への状態移行を指示するものであり、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1保留0〜4個(図8に示した上始動口2101に遊技球が入球して機能表示基板1191の上特別図柄表示器1185で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2保留0〜4個(図8に示した下始動口2102に遊技球が入球して機能表示基板1191の下特別図柄表示器1186で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄1保留0〜4個(図8に示したゲート部2350を遊技球が通過して機能表示基板1191の普通図柄表示器1189で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄1記憶先読み演出コマンドは、特別図柄1保留が機能表示基板1191の上特別図柄表示器1185で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄1保留に基づく上特別図柄表示器1185による表示結果の予告を報知する先読み演出開始を指示するものであり、特別図柄2記憶先読み演出コマンドは、特別図柄2保留が機能表示基板1191の下特別図柄表示器1186で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄2保留に基づく下特別図柄表示器1186による表示結果の予告を報知する先読み演出開始を指示するものであり、メイン賞球数情報出力コマンドは、主制御基板4100が上始動口2101、下始動口2102、一般入賞口2104,2201、及び大入賞口2103等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨をメイン賞球数情報としてメイン賞球数情報出力信号を外部端子板784を介してホールコンピュータへ伝えることを指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、始動口入賞コマンドは、始動口入賞時(上始動口スイッチ3022からの検出信号に基づいて上始動口2101に遊技球が入球した時や、下始動口スイッチ2109からの検出信号に基づいて下始動口2102に遊技球が入球した時)に、図5に示した本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び図2に示した扉枠5に設けたスピーカ130から主に音声でその旨を報知するために送信され、変動短縮作動終了指定コマンドは、規定回数の変動短縮を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信され、高確率終了指定コマンドは、「高確率N回」の場合の高確率回数を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信され、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1作動保留球数変化時(上始動口2101に遊技球が入球して機能表示基板1191の上特別図柄表示器1185で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらに上始動口2101に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から上特別図柄表示器1185で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2作動保留球数変化時(下始動口2102に遊技球が入球して機能表示基板1191の下特別図柄表示器1186で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらに下始動口2102に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から下特別図柄表示器1186で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄1作動保留球数変化時(ゲート部2350を遊技球が通過して機能表示基板1191の普通図柄表示器1189で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらにゲート部2350を遊技球が通過して保留数が増加した時や、その保留数から普通図柄表示器1189で普通図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄1記憶先読み演出コマンドは、特別図柄1作動保留球数増加時(上始動口2101に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信され、特別図柄2記憶先読み演出コマンドは、特別図柄2作動保留球数増加時(下始動口2102に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信され、メイン賞球数情報出力コマンドは、各種入賞口入賞時(上始動口スイッチ3022からの検出信号に基づいて上始動口2101に遊技球が入球した時、下始動口スイッチ2109からの検出信号に基づいて下始動口2102に遊技球が入球した時、一般入賞口スイッチ3020,3020からの検出信号に基づいて一般入賞口2104,2201に遊技球が入球した時、及びカウントスイッチ2110からの検出信号に基づいて大入賞口2103に遊技球が入球した時等の各種入賞口に遊技球が入球した時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
ところで、始動口入賞コマンドは、上述したように、始動口入賞時(上始動口スイッチ3022からの検出信号に基づいて上始動口2101に遊技球が入球した時や、下始動口スイッチ2109からの検出信号に基づいて下始動口2102に遊技球が入球した時)に、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から主に音声でその旨を報知するために送信されるが、図15に示した周辺制御基板4140が始動口入賞コマンドをどのように利用するかについては、パチンコ遊技機の仕様によって異なる場合もある。例えば、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から音声で報知するほかに、不正行為の有無を監視するためにも利用するという仕様のものである。これに対して、他のパチンコ遊技機では、周辺制御基板4140が始動口入賞コマンドを単に受信するだけで、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から音声で報知しない仕様のものもある。
[14−3.主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンド]
次に、主制御基板4100が受信する払出制御基板4110からの各種コマンドについて説明する。
払出制御基板4110からの各種コマンドの区分には、図39に示すように、枠状態1、エラー解除ナビ及び枠状態2という名称のコマンドから構成されており、枠状態1、エラー解除ナビ、そして枠状態2の順で優先順位が設定されている。
枠状態1コマンド(エラー発生コマンドに相当)には、球切れ、満タン、50個以上のストック中、接続異常及びCR未接続が用意されており、球切れではビット0(B0、「B」はビットを表す。)に値1がセットされ、満タンではビット1(B1)に値1がセットされ、50個以上のストック中ではビット2(B2)に値1がセットされ、接続異常ではビット3(B3)に値1がセットされ、CR未接続ではビット4(B4)に値1がセットされる。枠状態1コマンドのビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B5に値1、B6に値0、そしてB7に値0がセットされている。
エラー解除ナビコマンド(エラー解除コマンドに相当)には、球がみ、計数スイッチエラー及びリトライエラーが用意されており、球がみではビット2(B2)に値1がセットされ、計数スイッチエラーではビット3(B3)に値1がセットされ、リトライエラーではビット4(B4)に値1がセットされる。ここで、「計数スイッチエラー」とは、図13に示した計数スイッチ751の不具合が生じているか否かを示すものである。「リトライエラー」とは、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球の払い出しが繰り返し行われたことを示すものである。エラー解除ナビコマンドのビット(B0)、ビット(B1)、及びビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B0に値0、B1に値0、B5に値0、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
枠状態2コマンドには、発射球送制御回路エラーが用意されており、発射球送制御回路エラーではビット0(B0)に値1がセットされる。枠状態2コマンドのビット1(B1)〜ビット7(B7)には、B1に値0、B2に値0、B3に値0、B4に値0、B5に値1、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS558のコマンド送信処理で送信される。
[15.主制御基板の各種制御処理]
次に、パチンコ遊技機1の遊技の進行に応じて、図12に示した主制御基板4100が行う各種制御処理について、図40〜図42を参照して説明する。図40は主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図41は図40の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図42は主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、遊技制御に用いられる各種乱数について説明し、続いて初期値更新型のカウンタの動き、主制御側電源投入時処理、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。
[15−1.各種乱数]
遊技制御に用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数と、大当り遊技状態を発生させないときにリーチ(リーチはずれ)を発生させるか否かの決定に用いるためのリーチ判定用乱数と、図12に示した、上特別図柄表示器1185及び下特別図柄表示器1186で変動表示される特別図柄の変動表示パターンの決定に用いるための変動表示パターン用乱数と、大当り遊技状態を発生させるときに上特別図柄表示器1185及び下特別図柄表示器1186で導出表示される大当り図柄の決定に用いるための大当り図柄用乱数と、この大当り図柄用乱数の初期値の決定に用いるための大当り図柄用初期値決定用乱数、小当り遊技状態を発生させるときに上特別図柄表示器1185及び下特別図柄表示器1186で導出表示される小当り図柄の決定に用いるための小当り図柄用乱数、この小当り図柄用乱数の初期値の決定に用いるための小当り図柄用初期値決定用乱数等が用意されている。またこれらの乱数に加えて、図8に示した可動片2106を開閉動作させるか否かの決定に用いるための普通図柄当り判定用乱数と、この普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定用乱数と、図12に示した普通図柄表示器1189で変動表示される普通図柄の変動表示パターンの決定に用いるための普通図柄変動表示パターン用乱数等が用意されている。
このような遊技制御に用いられる各種乱数のうち、大当り判定用乱数はハードウェアにより更新されるものに対して、他の各種乱数はソフトウェアにより更新されるようになっている。
例えば、大当り判定用乱数は、図12に示した主制御MPU4100aに内蔵される主制御内蔵ハード乱数回路4100anによりハードウェアにより直接更新されるようになっている。この主制御内蔵ハード乱数回路4100anは、上述したように、主制御MPU4100aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU4100aに入力されるクロック信号(図21に示した主制御水晶発振器MX0から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU4100aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路4100anが繰り返し行い、主制御MPU4100aは、主制御内蔵ハード乱数回路4100anから値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路4100anが抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
これに対して、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。このカウンタは、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定用乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は更新される。このようなカウンタの更新方法を「初期値更新型のカウンタ」という。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
なお、本実施形態では、図13に示した払出制御基板4110の操作スイッチ860aが電源投入時に操作された場合や、後述する、主制御側電源投入時処理において図12に示した主制御MPU4100aの主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出して得たチェックサムの値(サム値)が主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致していない場合など、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする場合には、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、図12に示した主制御MPU4100aがその内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を実行し、この導出した固定値がセットされる仕組みとなっている。つまり、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、初期値導出処理の実行によりIDコードに基づいて導出された同一の固定値が常に上書き更新されるようになっている。このように、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数にセットされる値は、IDコードを利用して導出されており、主制御MPU4100aを製造したメーカによって主制御MPU4100aに内蔵する不揮発性のRAMにIDコードを記憶させるとIDコードが外部装置を用いても書き換えられないという第1のセキュリティー対策と、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする場合に初期値導出処理を実行することによってIDコードに基づいて同一の固定値を導出するという第2のセキュリティー対策と、による2段階のセキュリティー対策が講じられることよって解析されるのを防止している。
ここで、主制御MPU4100aに内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードを普通図柄当り判定用初期値決定用乱数として用いる利点について説明する。例えば、賞球として払い出される遊技球を不正に獲得しようとする者が何らかの方法で遊技盤4を入手して分解し、主制御MPU4100aに内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードを不正に取得し、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングを把握することができたとしても、そのIDコードが個体を識別するためのユニークな符号が付されたものであるため、他の遊技盤4’に備える主制御MPU4100a’に内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードとまったく異なるものとなる。つまり他の遊技盤4’においては、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングも、入手した遊技盤4のものとまったく異なる。換言すると、入手した遊技盤4を分解して解析して得たIDコードは、他の遊技盤4’、つまり他のパチンコ遊技機1’において、まったく役に立たないものであるため、分解して解析した得た所定間隔ごとに瞬停を発生させ、その所定間隔ごとに、図8に示したゲート部2350に遊技球を通過させたとしても、図8に示した可動片2106を開閉動作させて下始動口2102へ遊技球が受入可能となる遊技状態を発生させることができない。
[15−2.主制御側電源投入時処理]
まず、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、デフォルトとして予め定めたアドレスにスタックポインタが設定されるように主制御MPU4100aが回路構成されている。このスタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。
そして上述したメイン制御プログラムが、主制御基板4100の主制御MPU4100aによる制御の下、図40及び図41に示すように、主制御側電源投入時処理を行う。この主制御側電源投入時処理が開始されると、メイン制御プログラムは、主制御MPU4100aの制御の下、RAMアクセス許可の設定を行う(ステップS10)。このRAMアクセス許可の設定により主制御内蔵RAM(遊技記憶部)に対する更新を行うことができる。
ステップS10に続いて、メイン制御プログラムは、図12に示した主制御内蔵WDT4100afの初期値設定及び起動設定を行う(ステップS12)。ここでは、主制御MPU4100aの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視する主制御内蔵WDT4100afに初期値を設定するために主制御MPU4100aに内蔵されるウォッチドックタイマコントロールレジスタ(以下、「WDTコントロールレジスタ」と記載する。)にタイマ設定値を設定して主制御内蔵WDT4100afを起動させて主制御MPU4100aをリセットするまでの計時を開始する。主制御内蔵WDT4100afが起動すると、主制御内蔵WDT4100afによる計時が開始され、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでに、主制御MPU4100aに内蔵されるウォッチドックタイマクリアレジスタ(以下、「WDTクリアレジスタ」と記載する。)にタイマクリア設定値をセットしないと、主制御内蔵WDT4100afにより主制御MPU4100aが強制的にリセットされるようになっている。これに対して、主制御内蔵WDT4100afが起動して計時が開始されると、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでにWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすると、主制御内蔵WDT4100afによる計時がクリアされて、再び計時が開始されるようになっている。このように、主制御内蔵WDT4100afによる計時をタイマ設定値で設定された時間に達するまでにクリアして再び計時を開始するという処理を繰り返し行うことにより主制御MPU4100aの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視することができる。
ステップS12に続いて、メイン制御プログラムは、停電クリア処理を行う(ステップS14)。この電電クリア処理では、まず、図22に示した停電監視回路4100eに停電クリア信号の出力を開始する。この停電監視回路4100eは、電圧比較回路であるコンパレータMIC21と、DタイプフリップフロップMIC22と、から構成されている。電圧比較回路であるコンパレータMIC21は、+24Vとリファレンス電圧との電圧を比較したり、+12Vとリファレンス電圧との電圧を比較したりすることで、その比較結果を出力する。この比較結果は、停電又は瞬停が発生していない場合ではその論理がHIとなってDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される一方、停電又は瞬停が発生した場合ではその論理がLOWとなってDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるようになっている。
電電クリア処理では、まず停電監視回路4100eに停電クリア信号の出力を開始することにより、このDタイプフリップフロップMIC22のクリア端子であるCLR端子に停電クリア信号の出力を開始する。この停電クリア信号は、主制御MPU4100aの所定の出力ポートの出力端子からその論理をLOWとして、リセット機能付き主制御出力回路4100caを介して、DタイプフリップフロップICのクリア端子であるCLR端子に入力される。これにより、主制御MPU4100aは、DタイプフリップフロップMIC22のラッチ状態を解除することができ、ラッチ状態をセットするまでの間、DタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する状態とすることができ、その1Q端子からの信号を監視することができる。
続いて、電電クリア処理では、ウェイトタイマ処理を行い、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路4100eから停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路4100eから停電予告信号が入力される。そこで、ウェイトタイマ処理では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。停電予告信号が入力されているか否かの判定では、停電予告信号として、上述したDタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力されている信号に基づいて行う。
電源投入後に電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待っても停電予告信号の入力がなかったときには、メイン制御プログラムは、DタイプフリップフロップMIC22のクリア端子であるCLR端子に停電クリア信号の出力を停止する。ここでは、停電クリア信号は、主制御MPU4100aの所定の出力ポートの出力端子からその論理をHIとして、リセット機能付き主制御出力回路4100caを介して、DタイプフリップフロップICのクリア端子であるCLR端子に入力される。これにより、主制御MPU4100aは、DタイプフリップフロップMIC22をラッチ状態にセットすることができる。DタイプフリップフロップMIC22は、そのプリセット端子であるPR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチすると、出力端子である1Q端子から停電予告信号を出力する。
ステップS14に続いて、メイン制御プログラムは、電源投入時から所定時間に亘って主制御内蔵RAM(遊技記憶部)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする(遊技側電源投入時操作制御手段)。具体的には、メイン制御プログラムは、まず、図13に示した払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作されているか否かを判定する(ステップS16)。この判定では、メイン制御プログラムが、払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作されたことに伴う操作信号(検出信号)に基づくエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンド)が主制御MPU4100aに入力されているか否かにより行う。メイン制御プログラムは、その操作信号の論理値に基づいて、操作スイッチ860aからの操作信号の論理値がHIであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断して操作スイッチ860aが操作されていないと判定する一方、操作スイッチ860aからの操作信号の論理値がLOWであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものであると判断して操作スイッチ860aが操作されていると判定する。
ステップS16において、メイン制御プログラムは、上記操作スイッチ860aが操作されているときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値1をセットする(ステップS18)。一方、メイン制御プログラムは、ステップS16で操作スイッチ860aが操作されていないときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値0をセットする(ステップS20)。即ち、メイン制御プログラムは、電源投入時から所定時間に亘って、主制御MPU4100aに内蔵されたRAM(つまり、主制御内蔵RAM(遊技記憶部))の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする(遊技制御側電源投入時操作制御手段)。上述したRAMクリア報知フラグRCL−FLGは、主制御MPU4100aの主制御内蔵RAM(遊技記憶部)に記憶されている、確率変動、未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報を消去するか否かを示すフラグであり、各種情報を消去するとき値1、各種情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS18及びステップS20でセットされたRAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、主制御MPU4100aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS18又はステップS20に続いて、メイン制御プログラムは、ウェイト時間待機処理を行う(ステップS22)。このウェイト時間待機処理では、図15に示した、周辺制御基板4140の液晶及び音制御部4160による遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。本実施形態では、ブートするまでの待機時間(ブートタイマ)として2.5秒(s)が設定されている。
ステップS22に続いて、メイン制御プログラムは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS24)。上述したように、パチンコ遊技機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路4100eから入力される。ステップS24の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。ステップS24の判定で停電予告信号の入力があるときには、メイン制御プログラムは、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行う。これにより、ステップS12において起動した主制御内蔵WDT4100afに対して主制御MPU4100aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDT4100afによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDT4100afにより主制御MPU4100aが強制的にリセットされることとなる。その後メイン制御プログラムが、主制御基板4100の主制御MPU4100aによる制御の下、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS24の判定がステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS24の判定で停電予告信号の入力がないときには、メイン制御プログラムは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS26)。上述したように、RAMクリア報知フラグRCL−FLGは、各種情報を消去するとき値1、各種情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS26でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0であるとき、つまり各種情報を消去しないときには、チェックサムの算出を行う(ステップS28)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS28に続いて、メイン制御プログラムは、算出したチェックサムの値(サム値)が後述する主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS30)。一致しているときには、このメイン制御プログラムは、バックアップフラグBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS32)。このバックアップフラグBK−FLGは、各種情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値等の遊技バックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。なお、主制御基板4100の製造ラインの検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板4100が電源投入される際における、ステップS28のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、についての詳細な説明を後述する。
ステップS32でバックアップフラグBK−FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したときには、メイン制御プログラムは、復電時として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS34)。この設定は、主制御MPU4100aに内蔵されたROM(つまり、主制御内蔵ROM)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットする。これにより、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域に記憶する。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態、不正手段(例えば、不正行為者が腕の裾に隠した高周波出力装置)からの高周波が主制御基板4100に照射されて主制御MPU4100a自体がリセットし、その後に復帰した状態も含める。
ステップS34に続いて、メイン制御プログラムは、バックアップフラグBK−FLGに値0をセットする(ステップS36)。これにより、これ以後の各種処理が行われることにより各種情報、チェックサムの値(サム値)等が変更されるため、後述する主制御側電源断時処理を正常に終了してバックアップフラグBK−FLGに値1がセットされないと、後述するように、主制御内蔵RAMの全領域がクリアされることとなる。
一方、ステップS26でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり各種情報を消去するときには、或いはステップS30でチェックサムの値(サム値)が一致していないときには、又はステップS32でバックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、メイン制御プログラムは、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS38)。即ち、メイン制御プログラムは、上述した操作スイッチ860aの操作に伴う検出信号の入力を契機として遊技制御側RAMクリア処理を実行している(払出制御側電源投入時操作制御手段)。具体的には、メイン制御プログラムは、値0を主制御内蔵RAMに書き込むことよって行う。なお、その代わりに、メイン制御プログラムは、初期値として主制御内蔵ROMから所定値を読み出して、セットしてもよい。また、主制御MPU4100aは、操作スイッチ860aからの操作信号の論理値がRAMクリアを指示するもので各種情報を消去するとき、サム値が一致していないとき、又は主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、主制御MPU4100aの不揮発性のRAMに予め記憶された固有のIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を行い、この固定値を、上述した普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定用乱数にセットする。
ステップS38に続いて、メイン制御プログラムは、初期設定として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS40)。この設定は、主制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットされることにより実施される。これにより、遊技バックアップ情報が初期化され、例えばメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値は、初期値である値0(ゼロ)に設定(セット)される。
ステップS36又はステップS40に続いて、メイン制御プログラムは、割り込み初期設定を行う(ステップS42)。この設定は、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、4ミリ秒(ms)に設定されている。
ステップS42に続いて、メイン制御プログラムは、シリアル通信初期設定を行う(ステップS44)。ここでは、主制御MPU4100aに内蔵される各種シリアル入出力ポート(例えば、払出制御基板4110に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)、周辺制御基板4140に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)に対応する、送信シリアルポートプリスケーラに通信速度の設定やパリティ有無の設定等を行うとともに、送信シリアルポートコントロールレジスタに送信回路の初期化の設定や送信許可の設定等を行う。
ステップS44に続いて、メイン制御プログラムは、試験信号出力ポート初期化設定を行う(ステップS46)。ここでは、遊技機の試験機関において、各種検査情報を出力するための図示しない試験信号出力ポートを、電源投入時に初期化設定(OFFデータ出力に設定)等を行う。
ステップS46に続いて、メイン制御プログラムは、図12に示した主制御内蔵ハード乱数回路4100anの起動設定を行う(ステップS48)。ここでは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数を、ハードウェアにより更新するために主制御MPU4100aに内蔵される、ハード乱数コントロールレジスタに乱数をラッチして取得するという設定等を行うとともに、ハード乱数設定レジスタに主制御内蔵ハード乱数回路4100anの起動等を設定する。これらの設定により主制御内蔵ハード乱数回路4100anが起動すると、主制御MPU4100aに入力されるクロック信号(図21に示した主制御水晶発振器MX0から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU4100aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。なお、主制御MPU4100aは、主制御内蔵ハード乱数回路4100anから乱数(乱数値)を取得するときには、主制御内蔵ハード乱数回路4100anにラッチ信号を出力し、このラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路4100anが抽出した乱数(乱数値)を、主制御内蔵主制御MPU4100aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得するようになっている。主制御MPU4100aは、この取得した乱数値を大当り判定用乱数としてセットする。
ステップS48に続いて、メイン制御プログラムは、電源投入時に送信するコマンドの予約設定を行う(ステップS50)。ここでは、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、図37に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず各種情報のうち遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されることとなる。これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。なお、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS50に続いて、メイン制御プログラムは、割り込み許可設定を行う(ステップS52)。この設定によりステップS42で設定した割り込み周期、つまり4msごとに後述する主制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS52に続いて、メイン制御プログラムは、電源投入時から所定時間を経過すると、つまり、主制御側メイン処理が開始されると、操作スイッチ860a(操作スイッチ)の操作に伴うエラー解除ナビコマンドの受け取りを契機とした遊技制御側RAMクリア処理の実行を規制することとなる(通常時操作制御手段)。以上のように、メイン制御プログラムは、操作スイッチ860aの操作に伴って入力される検出信号を、タイムシェアリングの概念により、上述のように電源投入時から所定時間に亘ってエラー解除ナビコマンドの入力を契機としてRAMクリア処理を実行させたり(遊技制御側電源投入時操作制御手段)、当該所定時間の経過後は当該エラー解除ナビコマンドの入力があってもRAMクリア処理の実行を規制し(遊技制御側通常時操作制御手段)、発生したエラーに伴うエラー報知を解除するための解除スイッチとして取り扱っている。つまり、本来、払出動作に関して発生したエラーを解除するために使用されるはずであった操作スイッチ860a(エラー解除部)を、電源投入時から所定時間に亘って、その代わりに、遊技記憶部としての主制御内蔵RAM(及び後述する払出記憶部としての払出制御内蔵RAM)の初期化を開始させるためのRAMクリア処理を実行するための操作部として機能させたり、当該所定時間の経過後に、遊技球の払出動作に関して発生したエラーを解除するための操作部として機能させることができるようになっている。
次にメイン制御プログラムは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS54)。上述したように、パチンコ遊技機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路4100eから入力される。ステップS54の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS54で停電予告信号の入力がないときには、メイン制御プログラムは非当落乱数更新処理を行う(ステップS56)。この非当落乱数更新処理では、上述した、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数等を更新する。このように、非当落乱数更新処理では、当落判定(大当り判定)にかかわらない乱数をソフトウェアにより更新する。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数及び普通図柄変動表示パターン用乱数等もこの非当落乱数更新処理により更新される。
ステップS56に続いて、再びステップS54に戻り、メイン制御プログラムは、停電予告信号の入力があるか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS56で非当落乱数更新処理を行い、ステップS54〜ステップS56を繰り返し行う。なお、このステップS54〜ステップS56の処理を「主制御側メイン処理」という。
一方、ステップS54で停電予告信号の入力があったときには、メイン制御プログラムは、割り込み禁止設定を行う(ステップS58)。この設定により後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、主制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した、遊技情報、及びその他の情報を含む各種情報の書き換えを保護している。
ステップS58に続いて、メイン制御プログラムは、停電クリア信号を出力開始する(ステップS60)。ここでは、ステップS14の停電クリア処理において停電クリア信号を出力開始した処理と同一の処理を行う。これにより、メイン制御プログラムは、主制御MPU4100aの制御の下、DタイプフリップフロップMIC22のラッチ状態を解除することができる。
ステップS60に続いて、メイン制御プログラムは、図12に示した、始動口ソレノイド2105、アタッカソレノイド2108、上特別図柄表示器1185、下特別図柄表示器1186、上特別図柄記憶表示器1184、下特別図柄記憶表示器1187、普通図柄表示器1189、普通図柄記憶表示器1188、遊技状態表示器1183、ラウンド表示器1190等に出力している駆動信号を停止する(ステップS62)。
ステップS62に続いて、メイン制御プログラムは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS64)。このチェックサムは、上述したチェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値の記憶領域を除く、主制御内蔵RAMの作業領域の遊技情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS64に続いて、メイン制御プログラムは、バックアップフラグBK−FLGに値1をセットする(ステップS66)。これにより、遊技バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS66に続いて、メイン制御プログラムは、RAMアクセス禁止の設定を行う(ステップS68)。このRAMアクセス禁止の設定により主制御内蔵RAM(遊技記憶部)に対するアクセスが行うことができなくなることよって主制御内蔵RAM(遊技記憶部)の内容の更新を防止することができる。
ステップS68に続いて、無限ループに入る。この無限ループでは、ステップS12において起動した主制御内蔵WDT4100afに対して主制御MPU4100aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDT4100afによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDT4100afにより主制御MPU4100aが強制的にリセットされることとなる。その後メイン制御プログラムが、主制御基板4100の主制御MPU4100aによる制御の下、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループを「主制御側電源断時処理」という。
パチンコ遊技機1(主制御MPU4100a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により主制御側電源投入時処理を行う。
なお、ステップS30では主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS32では主制御側電源断時処理が正常に終了された否かを検査している。このように、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報を2重にチェックすることにより遊技バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
ここで、ステップS24の停電予告信号の有無の判定をステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行う点について説明する。まず、ステップS24の停電予告信号の有無の判定がない場合における問題点について、つまりステップS22のウェイト時間待機処理に続いてステップS26のRAMクリアフラグの値の判定を行ってその後の処理をすすめる場合における問題点について説明する。
主制御MPU4100aの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合に、図21に示した電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっている。つまり、瞬停や停電によりパチンコ島設備からの電源が遮断された状態であっても、電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が+5Vとして印加されることにより、パチンコ島設備からの電源が遮断されてから約7msという時間が経過するまでの期間内に、主制御側電源断時処理を完了することができるようになっている。これは、遊技者が遊技を行っている際に、つまり、主制御側メイン処理又は後述する主制御側タイマ割り込み処理を行っている際に、停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合において、主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。
ところが、極めて稀な現象として、復電時にステップS22のウェイト時間待機処理において、図15に示した、周辺制御基板4140の液晶及び音制御部4160による遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)までの待機時間(ブートタイマ:本実施形態では、2.5秒が設定されている。)を計時開始し、その待機時間に達する直前で、仮に瞬停又は停電が発生すると、主制御MPU4100aの電源端子であるVDD端子に電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が+5Vとして印加されるものの、約7msという期間内に、ステップS42で割り込み初期設定が行われ、その後、ステップS52で割り込み許可設定が行われることにより、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われて、主制御内蔵RAMの内容が更新されても、主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を完了することができなくなる場合がある。このため、主制御内蔵RAMの内容に基づく、チェックサムを算出した値が記憶されることなく再び復電時に主制御側電源投入時処理を開始することとなる。
そうすると、今回の復電時において主制御側電源投入時処理を開始して、瞬停や停電が発生することなく、ステップS22のウェイト時間待機処理を完了し、その後、ステップS28で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出した値と、瞬停又は停電が発生した直前における主制御内蔵RAMに記憶されている値と、をステップS30で比較判定すると、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域をクリアすることなる。換言すると、復電時に操作スイッチ860aがホールの店員等により操作されてRAMクリアというホールの店員等による意思表示がなくても、強制的に主制御内蔵RAMに記憶されている上述した遊技バックアップ情報を消去(クリア)することとなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップ24として設けて、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うようになっている。これにより、ステップS12において起動した主制御内蔵WDT4100afに対して主制御MPU4100aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDT4100afによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDT4100afにより主制御MPU4100aが強制的にリセットさせることができるようになっている。ステップS22のウェイト時間待機処理を行う前に、ステップS18又はステップS20においてRAMクリア報知フラグRCL−FLGに値が設定されるものの、RAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、上述したように、主制御MPU4100aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶されるため、ステップS10でRAMアクセス許可の設定が行われていても、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が全く変更されない。
このように、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップ24として設けて、停電予告信号が入力されているときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ遊技機1への電源が遮断されるとステップS24の判定により判定されたときには)、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、主制御基板4100の主制御MPU4100aを強制的にリセットして主制御基板4100を再起動することができるようになっているため、遊技の進行を行うことができず、遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報が更新されることを防止することができ、チェックサムの算出結果に変動が生ずることがないようになっている。これにより、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。したがって、復電時において、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報が初期化されることを防止することができる。
また、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップ24として設けて、停電予告信号が入力されていないときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ遊技機1への電源が遮断されないとステップS24の判定により判別されたときには)、主制御基板4100の主制御MPU4100aが遊技の進行を行っている際に、パチンコ遊技機1への電源が遮断されても、主制御MPU4100aの電源端子であるVDD端子に、図21に示した電解コンデンサMC2による電源の供給により、この遊技の進行による遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報を記憶するためのバックアップ処理であるステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板4100の主制御MPU4100aが完了することができるようになっているため、主制御MPU4100aの主制御MPU4100aは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、バックアップ処理においてチェックサムの算出結果(つまり、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値)と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。つまり、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報に復元されて主制御基板4100を起動することができるようになっている。
更に、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていると判定したときには主制御内蔵WDT4100afにより主制御MPU4100aが強制的にリセットさせることで主制御内蔵RAMの内容を全く更新することなく再び主制御側電源断時処理を開始することができる一方、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていないと判定したときにはこれまで通りハードウェアによる約7msという「瞬停又は停電時電源確保期間」以内に主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。つまり、本実施形態では、復電時に主制御側電源投入時処理を行っている際に瞬停や停電が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合であって、主制御MPU4100aの電源端子であるVDD端子に、図21に示した電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっているため、電解コンデンサMC2というハードウェアによる約7msという「瞬停又は電源確保期間」内において主制御側電源断時処理を完了することができない場合においては、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後におけるステップ24で停電予告信号が入力されているか否かの判定を行い、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、ステップS12において起動した主制御内蔵WDT4100afに対して主制御MPU4100aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDT4100afによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDT4100afにより主制御MPU4100aが強制的にリセットさせることができるようになっている。このようなソフトウェアによる主制御内蔵WDT4100afにより主制御MPU4100aが強制的にリセットされることでステップS24より後のステップ(具体的には、ステップS42で割り込み初期設定を行って、その後に、ステップS52で割り込み許可を設定して後述する主制御側タイマ割り込み処理を開始するという制御フロー)への進行を阻止することで主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が更新されることを回避することができるという仕組みを採用した。このように停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された際に、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が全く変更されないようにソフトウェアで賄う部分と、主制御側電源断時処理を確実に完了して主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が全く変更されないようにハードウェアで賄う部分と、に2つに分けて構成することにより、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が変更されることを確実に防止することができるようになっている。
次に、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点について説明する。ステップS50では、上述したように、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、図37に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。この電源投入時主制御復帰先コマンドは、上述したように、始動口ソレノイド2105の駆動状態を指示する情報と、図12に示したアタッカソレノイド2108の駆動状態を指示する情報と、主として構成されている。ここでは、まず電源投入時主制御復帰先コマンドに、始動口ソレノイド2105の駆動状態を指示する情報と、図12に示したアタッカソレノイド2108の駆動状態を指示する情報と、が含まれていない場合における問題点、つまり、ステップS50において電源投入時主制御復帰先コマンドが電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われない場合における問題点について説明する。
例えば、周辺制御基板4140が大当り遊技状態の画面(例えば、大当り遊技演出の画面)を図8に示した遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900へ投射して表示するという表示制御を行っている際に、主制御基板4100がアタッカソレノイド2108を駆動して図8に示した大入賞口2103が開閉部材2107により開放されているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板4100は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、アタッカソレノイド2108の駆動を開始して大入賞口2103が開閉部材2107により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板4140は、復電時において、主制御基板4100からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板4140は、復電時において主制御基板4100から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板4100が遊技状態として大当り遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板4140は、復電時において主制御基板4100から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900へ投射して表示し、そして復帰することができても、大当り遊技状態のどのラウンドであるか全く表示することができない。つまり、例えば大入賞口2103に遊技球が入球して図12に示したカウントスイッチ2110によって検出され、大入賞口2103に入球した遊技球の球数を伝える大入賞口1カウント表示コマンドを主制御基板4100が周辺制御基板4140に送信して周辺制御基板4140が受信したとしても、周辺制御基板4140は、確率及び時短状態に応じて画面に大入賞口2103に入球した遊技球の球数を遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900へ投射して表示することができても、大当り遊技状態のどのラウンド(つまり、何回目のラウンド)であるか全く表示することができない。
このような状況において、主制御基板4100は、例えば大当り遊技状態の4ラウンド(4回目のラウンド)を終了するときには、アタッカソレノイド2108の駆動を停止して大入賞口2103が開閉部材2107により開放されている状態から閉鎖されている状態へ移行する旨(つまり、アタッカユニット2100の大入賞口2103のラウンド間の閉鎖開始)を指示する大入賞口1閉鎖表示コマンドを主制御基板4100から周辺制御基板4140に送信し、主制御基板4100が大当り遊技状態の5ラウンド(5回目のラウンド)を開始するときには、アタッカソレノイド2108の駆動を開始して大入賞口2103が開閉部材2107により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨(つまり、大入賞口2103の5回目のラウンドの開放開始)を指示する大入賞口開放5回目表示コマンドを主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信する。これにより、周辺制御基板4140は、大当り遊技状態の5ラウンドの開始という画面を、上述した確率及び時短状態に応じた画面からようやく切り替えて遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900へ投射して表示することとなる。
また、例えば、下始動口2102へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面(例えば、可動片が拡開されている旨を遊技者に伝える画面)を周辺制御基板4140が遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900へ投射して表示するという表示制御を行っている際に、主制御基板4100が始動口ソレノイド2105を駆動して図8に示した一対の可動片2106を左右方向へ拡開させた状態となっているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板4100は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、始動口ソレノイド2105の駆動を開始して一対の可動片2106が略垂直に立上った状態から左右方向へ拡開させた状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板4140は、復電時において、主制御基板4100からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板4140は、復電時において主制御基板4100から受信した電源投入時状態コマンドに基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板4100が遊技状態として下始動口2102へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板4140は、復電時において主制御基板4100から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900へ投射して表示し、そして復帰することができても、下始動口2102へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面を周辺制御基板4140が遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900へ投射して表示することが全くできない。このため、パチンコ遊技機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生したことに驚いて、復電時において、瞬停や停電が発生する直前における下始動口2102へ遊技球が受入可能となる遊技状態であることを忘れている場合もあり、このような場合には、復電時における遊技状態として下始動口2102へ遊技球が受入可能となる遊技状態に復帰されているにもかかわらず、復電時に遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に遊技を指示する画面(つまり、下始動口2102へ遊技球を入球させるという遊技を指示する画面)が投射されず表示されないことにより、遊技者がどのような遊技を行えば分からなくなるという問題もあった。
このように、上述した2つの例においては、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができないという問題があった。換言すると、パチンコ遊技機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ遊技機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いするという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板4100が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを周辺制御基板4140に送信するために、ステップS50において、図37に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、周辺制御基板4140は、主制御基板4100から受信した電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとに基づいて、例えば、上述した例では、大当り遊技状態の4ラウンドにおいて、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板4100の復帰先として、アタッカソレノイド2108の駆動を開始して大入賞口2103が開閉部材2107により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨を周辺制御基板4140に伝えることができるため、周辺制御基板4140は、大当り遊技状態の4ラウンドである旨を特定した画面(つまり、何回目のラウンドであるかを示す画面)を遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900へ投射して表示することができないものの、大当り遊技状態であってアタッカソレノイド2108の駆動を開始して大入賞口2103が開閉部材2107により開放されている状態である旨を伝える画面(例えば、「大当りです。大入賞口が開放されています。大入賞口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900へ投射して表示することによりパチンコ遊技機の前面に着座する遊技者に復電後において大入賞口2103に遊技球を入球させるという遊技を指示することができるし、また例えば、上述した例では、下始動口2102へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている状態において、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板4100の復帰先として、始動口ソレノイド2105の駆動を開始して一対の可動片2106を左右方向へ拡開させた状態となっている旨を伝える画面(例えば、「可動片を拡開させています。下始動口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を周辺制御基板4140が遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900へ投射して表示することによりパチンコ遊技機の前面に着座する遊技者に復電後において下始動口2102へ遊技球を入球させるという遊技を指示することができる。これにより、瞬停や停電が発して、その後に復電する際に、周辺制御基板4140の復帰先を主制御基板4100側で細かく指示することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができる。換言すると、パチンコ遊技機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ遊技機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いすることを防止することができる。
次に、主制御基板4100の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板4100が電源投入される際における、ステップS28のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、について説明する。主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板4100が電源投入されると、上述した、バックアップ処理であるステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板4100の主制御MPU4100aは、一度も実行していない状態であるため、ステップS28で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出しても、ステップS30で比較判定において、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域を必ずクリアすることなる。これにより、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、図37に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドという3つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となる。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において、まず電源投入時状態コマンドが送信され、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドが送信され、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されるようになっている。これを利用して、主制御基板検査工程においては、検査のために製造してから最初に主制御基板4100が電源投入されると、主制御基板4100から最初のコマンドとして電源投入時状態コマンドが主制御基板検査工程の検査装置へ送信されることとなる。
ところで、電源投入時状態コマンドは、上述したように、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、図13に示した払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作されてRAMクリアを行う場合にその旨を指示する情報と、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、上述した、低確率時短状態、高確率時短状態、低確率非時短状態、及び高確率非時短状態のうち、いずれの状態(確率及び時短状態)で復帰するかを指示する情報と、パチンコ遊技機の機種コードを示す情報と、から構成されている。ここでは、電源投入時状態コマンドにパチンコ遊技機の機種コードを示す情報が含まれていない場合における問題点について説明する。
パチンコ遊技機の機種コードは、上述したように、パチンコ遊技機1(正確には、主制御基板4100)として、いわゆる、マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプをそれぞれ作成するときに、どの作品の版権に対するものであるのか、どのような遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定(例えば、30回や70回)された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(いわゆる、ST機)など))であるのか、を特定することができるものである。
パチンコ遊技機1を製造するメーカの製造ラインにおいては、主制御基板4100を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板4100が混在する場合がある。そうすると、製造ラインの作業者は、複数種類の作品の版権(例えば、映画A、映画B、ドラマC、映画D、漫画E、及び漫画Fという作品の版権)のうち、どの作品の版権に対する主制御基板4100を製造するために主制御基板4100が製造ラインに流れているのか分からなくなったり、複数種類の作品の版権のうち、一の版権(例えば、映画Dという作品の版権)に対する主制御基板4100を製造するために主制御基板4100が製造ラインに流れているにもかかわらず、他の版権(例えば、漫画Fという作品の版権)に対する主制御基板4100を製造するために主制御基板4100が製造ラインに流れているという思い込みや勘違いもある。このため、パチンコ遊技機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板4100を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板4100が混在すると、製造ラインの作業者は、製造ラインで製造した主制御基板4100がどの作品の版権に対するものなのかを確認することができないし、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを確認することもできない。これにより、パチンコ遊技機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板4100を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板4100が混在すると、複数種類の作品の版権に対する主制御基板4100が混在したまま、遊技盤4に主制御基板4100を取り付けるための遊技盤組立ラインへ送られることとなる。このため、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤4と対応しない主制御基板4100を遊技盤4に取り付ける場合もあった。これにより、結果として、遊技盤4の生産効率が低下するという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板4100が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、パチンコ遊技機の機種コードを示す情報を含む電源投入時状態コマンドを周辺制御基板4140に送信するために、ステップS50において、図37に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、パチンコ遊技機1を製造するメーカの製造ラインの作業者は、製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、主制御基板4100を電源投入することにより、検査装置が主制御基板4100から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ遊技機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ遊技機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、検査モニタに表示する詳細な機種情報を目視することにより、主制御基板4100がどの作品の版権に対するものなのかを判別することができるとともに、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを判別することもできるようになっている。これにより、パチンコ遊技機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板4100を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板4100が混在しても、製造ラインの主制御基板検査工程の作業者は、検査モニタを目視して主制御基板4100の機種タイプ、作品の版権、及び遊技仕様を正確に判別することができることによって、作品の版権に対する主制御基板4100ごとに分別して後続の遊技盤組立ラインへ送ることができる。そして、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤4と対応する主制御基板4100を遊技盤4に確実に取り付けることができ、作品の版権に対する遊技盤4と対応しない主制御基板4100を遊技盤4に取り付けるという作業によって生ずる遊技盤4の生産効率の低下を防止することができる。したがって、遊技盤4の生産効率の向上に寄与することができる。
[15−3.主制御側タイマ割り込み処理]
次に、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。この主制御側タイマ割り込み処理は、図40及び図41に示した主制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、4ms)ごとに繰り返し行われる。
主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御基板4100では、メイン制御プログラムが、主制御MPU4100aの制御の下、図42に示すように、レジスタバンクの切替を行う(ステップS100)。主制御MPU4100aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)には、第1のレジスタバンクと第2のレジスタバンクとから構成される2つのレジスタバンクがある。第1のレジスタバンクは上述した主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用される一方、第2のレジスタバンクは本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において使用される。ステップS100では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において第2のレジスタバンクを使用するため、主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用されている第1のレジスタバンクから第2のレジスタタンクへのレジスタバンクの切り替えを行う。なお、本実施形態では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理が開始されるときに、各レジスタをスタックに退避する処理は必要ないようになっている。
ステップS100に続いて、メイン制御プログラムは、タイマ減算処理を行う(ステップS102)。このタイマ減算処理では、例えば、後述する特別図柄及び特別電動役物制御処理で決定される変動表示パターンに従って上特別図柄表示器1185及び下特別図柄表示器1186が点灯する時間、後述する普通図柄及び普通電動役物制御処理で決定される普通図柄変動表示パターンに従って普通図柄表示器1189が点灯する時間のほかに、主制御基板4100(主制御MPU4100a)が送信した各種コマンドを払出制御基板4110が正常に受信した旨を伝える払主ACK信号が入力されているか否かを判定する際にその判定条件として設定されているACK信号入力判定時間等の時間管理を行う。具体的には、変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間が5秒間であるときには、タイマ割り込み周期が4msに設定されているので、このタイマ減算処理を行うごとに変動時間を4msずつ減算し、その減算結果が値0になることで変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間を正確に計っている。
本実施形態では、ACK信号入力判定時間が100msに設定されている。このタイマ減算処理を行うごとにACK信号入力判定時間が4msずつ減算し、その減算結果が値0になることでACK信号入力判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種時間及びACK信号入力判定時間は、時間管理情報として主制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS102に続いて、メイン制御プログラムは、スイッチ入力処理を行う(ステップS104)。このスイッチ入力処理では、主制御MPU4100aの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。具体的には、このメイン制御プログラムは、例えば、図8に示した一般入賞口2104,2201に入球した遊技球を検出する図12に示した一般入賞口スイッチ3020,3020からの検出信号、図8に示した大入賞口2103に入球した遊技球を検出する図12に示したカウントスイッチ2110からの検出信号、図8に示した上始動口2101に入球した遊技球を検出する図12に示した上始動口スイッチ3022からの検出信号、図8に示した下始動口2102に入球した遊技球を検出する図12に示した下始動口スイッチ2109からの検出信号、図8に示したゲート部2350を通過した遊技球を検出する図12に示したゲートスイッチ2352からの検出信号、図12に示した磁石を用いた不正行為を検出する磁気検出スイッチ3024からの検出信号や後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを図12に示した払出制御基板4110が正常に受信した旨を伝える払出制御基板4110からの払主ACK信号、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。また、上始動口2101に入球した遊技球を検出する上始動口スイッチ3022からの検出信号、下始動口2102に入球した遊技球を検出する下始動口スイッチ2109からの検出信号をそれぞれ読み取ると、これと対応する図38に示したその他に区分される始動口入賞コマンドを送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。つまり、上始動口スイッチ3022からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として送信情報記憶領域に記憶されるし、下始動口スイッチ2109からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として送信情報記憶領域に記憶されるようになっている。
なお、本実施形態では、一般入賞口2104,2201に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ3020,3020からの検出信号、大入賞口2103に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ2110からの検出信号、上始動口2101に入球した遊技球を検出する上始動口スイッチ3022からの検出信号、下始動口2102に入球した遊技球を検出する下始動口スイッチ2109からの検出信号、及びゲート部2350を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ2352からの検出信号は、このスイッチ入力処理が開始されると、まず1回目としてそれぞれ読み取られ、所定時間(例えば、10μs)経過した後、2回目としてそれぞれ再び読み取られる。そして、この2回目に読み取られた結果と、1回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを判定する。同結果でないものについては、さらに、3回目として再び読み取られ、この3回目に読み取られた結果と、2回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果でないものについては、さらに、4回目として再び読み取られ、この4回目に読み取られた結果と、3回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果とならいものについては、遊技球の入球がないものとして扱う。
このように、スイッチ入力処理では、メイン制御プログラムが、一般入賞口スイッチ3020,3020、カウントスイッチ2110、上始動口スイッチ3022、下始動口スイッチ2109、及びゲートスイッチ2352からの検出信号を、1回目〜3回目に亘って比較する2度読み取りと、2回目〜4回目に亘って比較する2度読み込みと、による計2回の2度読み取りを行うことによって、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避することができるようになっているため、一般入賞口スイッチ3020,3020、カウントスイッチ2110、上始動口スイッチ3022、下始動口スイッチ2109、及びゲートスイッチ2352からの検出信号の信頼性を高めることができる。
ステップS104に続いて、メイン制御プログラムは、当落乱数更新処理を行う(ステップS106)。この当落乱数更新処理では、上述した、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数を更新する。またこれらの乱数に加えて、図41に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理で更新される、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数も更新する。これらの大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数は、主制御側メイン処理及びこの主制御側タイマ割り込み処理においてそれぞれ更新されることでランダム性をより高めている。これに対して、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数は、当落判定(大当り判定)にかかわる乱数であるためこの当落乱数更新処理が行われるごとにのみ、それぞれのカウンタがカウントアップする。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数もこの当落乱数更新処理により更新される。
例えば、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、上述したように、初期値更新型のカウンタであり、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、この主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定用乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、この当落乱数更新処理により大当り判定用初期値決定用乱数は更新される。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
本実施形態では、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数を、図41に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理、及び本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS106の当落乱数更新処理でそれぞれ更新しているが、割り込みタイマが発生するごとに本ルーチンの処理時間にムラが生じて次の割り込みタイマが発生するまでの残り時間内において主制御側メイン処理を繰り返し実行することによりステップS56の非当落乱数更新処理の実行回数がランダムとなる場合には、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数をステップS56の非当落乱数更新処理においてのみ更新する仕組みとしてもよい。
ステップS106に続いて、メイン制御プログラムは、賞球制御処理を行う(ステップS108)。この賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて遊技球を払い出すための図36に示した賞球コマンドを作成したり、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の接続状態を確認するための図36に示したセルフチェックコマンドを作成したりする。そして作成した賞球コマンドやセルフチェックコマンドを主払シリアルデータとして払出制御基板4110に送信する。例えば、図8に示した大入賞口2103に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成するとともに、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているため、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶し、賞球コマンドを払出制御基板4110に送信したり、この賞球コマンドを払出制御基板4110が正常に受信完了した旨を伝える払主ACK信号が所定時間内に入力されないときには主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板4110に送信したりする。
また、ステップS108の賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している場合には、その旨を伝えるために図38に示したその他に区分されるメイン賞球数情報出力コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶する。メイン賞球数情報出力コマンドは、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に基づいて作成されるようになっている。このメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値は、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、つまり遊技盤4に設けられる上始動口2101、下始動口2102、一般入賞口2104,2201、及び大入賞口2103等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数をカウントするものであり、ステップS108の賞球制御処理において、主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶更新されるようになっている。ステップS108の賞球制御処理では、主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶されるメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を読み出し、この読み出したメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数を加算し、この加算した球数を示す値が値10を超えているときには(つまり、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているときには)、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力コマンドを作成し、送信情報として出力情報記憶領域に記憶するとともに、その超えた球数を示す値を、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値として、上述した主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶更新するようになっている。
ステップS108に続いて、メイン制御プログラムは、枠コマンド受信処理を行う(ステップS110)。払出制御基板4110では、払出制御プログラムが、図39に示した状態表示に区分される1バイト(8ビット)の各種コマンド(例えば、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド)を送信する。一方、後述するように払出制御プログラムは、払出動作にエラーが発生した場合にエラー発生コマンドを出力したり、操作スイッチ860aの検出信号に基づいてエラー解除ナビコマンドを出力する。上述した枠コマンド受信処理では、メイン制御プログラムが、この各種コマンドを払主シリアルデータとして正常に受信すると、その旨を払出制御基板4110に伝える情報を、出力情報として主制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。また、メイン制御プログラムは、その正常に払主シリアルデータとして受信したコマンドを2バイト(16ビット)のコマンドに整形し(図38の状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド))、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。なお、ここでいう枠状態1コマンドは第1のエラー発生コマンドに相当するとともに、エラー解除ナビコマンドは第1のエラー解除コマンドに相当する。
ステップS110に続いて、メイン制御プログラムは、不正行為検出処理を行う(ステップS112)。この不正行為検出処理では、賞球に関する異常状態を確認する。例えば、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、大当り遊技状態でない場合にカウントスイッチ2110からの検出信号が入力されているとき(大入賞口2103に遊技球が入球するとき)等には、異常状態として図38に示した報知表示に区分される入賞異常表示コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS112に続いて、メイン制御プログラムは、特別図柄及び特別電動役物制御処理を行う(ステップS114)。この特別図柄及び特別電動役物制御処理では、図12に示した主制御内蔵ハード乱数回路4100anにラッチ信号を出力し、ラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路4100anが抽出した乱数(乱数値)を、主制御内蔵主制御MPU4100aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得し、この取得した乱数値を大当り判定用乱数としてセットする。そして大当り判定用乱数(つまり、主制御内蔵主制御MPU4100aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かを判定(大当り遊技状態を発生させるか否かを判定(「特別抽選」という。))したり、大当り図柄用乱数を更新するカウンタの値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている確変当り判定値と一致するか否かを判定(確率変動を発生させるか否かの判定)したりする。ここで、「確率変動」とは、大当りする確率が通常時(低確率)にくらべて高く設定された高確率(確変時)に変化することである。本実施形態では、上述した大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)として、低確率では値32668〜値32767が設定されており、通常時判定テーブルから読み出されるのに対して、高確率では値31768〜値32767が設定されており、確変時判定テーブルから読み出される。このように、ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理では、大当り判定用乱数(つまり、主制御内蔵主制御MPU4100aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かを判定するときには、大当り判定用乱数(つまり、主制御内蔵主制御MPU4100aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)が大当り判定範囲に含まれているか否かにより行う。
これらの判定結果が上始動口スイッチ3022によるものである場合には図37に示した特図1同調演出関連の各種コマンドを作成する一方、その抽選結果が下始動口スイッチ2109によるものである場合には図37に示した特図2同調演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した特別図柄の変動表示パターンに従って上特別図柄表示器1185又は下特別図柄表示器1186を点灯させるよう上特別図柄表示器1185又は下特別図柄表示器1186への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、発生させる遊技状態に応じて、例えば大当り遊技状態となるときには、図37に示した大当り関連に区分される各種コマンド(大当りオープニングコマンド、大入賞口1開放N回目表示コマンド、大入賞口1閉鎖表示コマンド、大入賞口1カウント表示コマンド、大当りエンディングコマンド、及び大当り図柄表示コマンド)を作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶したり、図8に示した開閉部材2107を開閉動作させるようアタッカソレノイド2108への駆動信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、大入賞口2103が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回であるときには、図11に示したラウンド表示器1190の2ラウンド表示ランプ1190aを点灯させるよう2ラウンド表示ランプ1190aへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、ラウンドが15回であるときには、図11に示したラウンド表示器1190の15ラウンド表示ランプ1190bを点灯させるよう15ラウンド表示ランプ1190bへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、確率変動の発生の有無を所定の色で点灯させるよう遊技状態表示器1183への点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したりする。
ステップS114に続いて、メイン制御プログラムは、普通図柄及び普通電動役物制御処理を行う(ステップS116)。この普通図柄及び普通電動役物制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいてゲート入賞処理を行う。このゲート入賞処理では、入力情報からゲートスイッチ2352からの検出信号が入力端子に入力されていたか否かを判定する。この判定結果に基づいて、検出信号が入力端子に入力されていたときには、上述した普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値等を抽出してゲート情報として主制御内蔵RAMのゲート情報記憶領域に記憶する。
このゲート情報記憶領域には、第0区画〜第3区画(4つの区画)が設けられており、第0区画、第1区画、第2区画、そして第3区画の順にゲート情報が格納されるようになっている。例えばゲート情報がゲート情報記憶の第0区画〜第2区画に格納されている場合、ゲートスイッチ2352からの検出信号が入力端子に入力されていたときにはゲート情報をゲート情報記憶の第3区画に格納する。
ゲート情報はゲート情報記憶の第0区画に格納されているものが主制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。このゲート情報がセットされると、ゲート情報記憶の第1区画のゲート情報がゲート情報記憶の第0区画に、ゲート情報記憶の第2区画のゲート情報がゲート情報記憶の第1区画に、ゲート情報記憶の第3区画のゲート情報がゲート情報記憶の第2区画に、それぞれシフトされてゲート情報記憶の第3区画が空き領域となる。例えば、ゲート情報記憶の第1区画〜第2区画にゲート情報が記憶されている場合には、ゲート情報記憶の第1区画のゲート情報がゲート情報記憶の第0区画に、ゲート情報記憶の第2区画のゲート情報がゲート情報記憶の第1区画にそれぞれシフトされてゲート情報記憶の第2区画及びゲート情報記憶の第3区画が空き領域となる。ここで、ゲート情報記憶の第1区画〜第3区画にゲート情報が格納されていると、格納されたゲート情報の総数を保留球として普通図柄記憶表示器1188を点灯させるよう、上述したゲート情報に基づいて普通図柄記憶表示器1188の点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ゲート入賞処理に続いて、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされたゲート情報を読み出し、この読み出したゲート情報から普通図柄当り判定用乱数の値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致するか否かを判定する(「普通抽選」という)。この判定結果(普通抽選による抽選結果)により可動片2106を開閉動作させるか否かが決定する。この決定で開閉動作をさせる場合には、一対の可動片2106が左右方向へ拡開した状態となることで下始動口2102へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態なる。この決定と対応する普通図柄の変動表示パターンを上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、図37に示した普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄の変動表示パターンに従って普通図柄表示器1189を点灯させるよう普通図柄表示器1189への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、例えばその取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致しているときには、図37に示した普通電役演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、可動片2106を開閉動作させるよう始動口ソレノイド2105への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する一方、その取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致していないときには、上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて普通図柄変動表示パターンを決定し、図37に示した普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄変動表示パターンに従って普通図柄表示器1189を点灯させるよう普通図柄表示器1189への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS116に続いて、メイン制御プログラムは、ポート出力処理を行う(ステップS118)。このポート出力処理では、主制御MPU4100aの各種出力ポートの出力端子から、上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて各種信号を出力する。このメイン制御プログラムは、例えば、出力情報に基づいて主制御MPU4100aの所定の出力ポートの出力端子から、払出制御基板4110からの各種コマンドを正常に受信完了したときには主払ACK信号を払出制御基板4110に出力したり、大当り遊技状態であるときには大入賞口2103の開閉部材2107の開閉動作を行うアタッカソレノイド2108に駆動信号を出力したり、可動片2106の開閉動作を行う始動口ソレノイド2105に駆動信号を出力したりするほかに、15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する各種情報(遊技情報)信号を払出制御基板4110に出力したりする。
ステップS118に続いて、メイン制御プログラムは、周辺制御基板コマンド送信処理を行う(ステップS120)。この周辺制御基板コマンド送信処理では、このメイン制御プログラムが、上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を主周シリアルデータとして周辺制御基板4140に送信する。この送信情報には、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理で作成した、図37に示した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド(例えば、大入賞口2103(図8参照)に入球した遊技球を検出した際にカウントスイッチ2110(図12参照)からの検出信号に基づ大入賞口カウントコマンドに相当する大入賞口1カウント表示コマンド)、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、図38に示した、報知表示に区分される各種コマンド(扉開放コマンド、扉枠閉鎖コマンド、本体枠開放コマンド、本体枠閉鎖コマンドなど)、状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンド)、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンド(例えば、主制御基板4100が上始動口2101、下始動口2102、一般入賞口2104,2201、及び大入賞口2103等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨をメイン賞球数情報としてメイン賞球数情報出力信号を外部端子板784を介してホールコンピュータへ伝えることを指示するメイン賞球数情報出力コマンドなど)が記憶されている。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されている。具体的には、主周シリアルデータは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、ステータス及びモードを数値とみなしてその合計を算出したサム値と、から構成されており、このサム値は、送信時に作成されている。
この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、主周シリアルデータとして各種コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板4140に送信する。主制御MPU4100aの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生した場合に、図21に示した電解コンデンサMC2に充電された電荷が+5Vとして印加されるようになっているため、図23に示した、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeは、少なくとも、その送信バッファレジスタ4100aebに主制御CPUコア4100aaがセットしたコマンドをシリアル管理部4100aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ4100aeaから主周シリアルデータとして送信完了することができるようになっている。パチンコ遊技機1への電源投入するときや、電源投入後に停電又は瞬停が発生して電力が回復する復電時には、図41に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、復電した旨を伝えるために、図37に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶しているため、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板4140に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板4140に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板4140に送信する。なお、主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、主制御側電源投入時処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず各種情報のうち遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されることとなる。
この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板4110から枠状態1コマンド(第1のエラー発生コマンド)を受信した場合、周辺制御基板4140(演出制御部)に対して枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンド)を送信する(エラーコマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板4110から受け取った図39に示す形態である枠状態1コマンドを、図38に示す形態の枠状態1コマンドとして周辺制御基板4140に転送している。
またその一方、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板4110からエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンド)を受信した場合、周辺制御基板4140に対してエラー解除ナビコマンド(第2のエラー解除コマンド)を送信する(エラーコマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板4110から受け取った図39に示す形態であるエラー解除ナビコマンドを、図38に示す形態のエラー解除ナビコマンドとして周辺制御基板4140に転送している。
またさらに、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板4110から本体枠開放コマンド(第1の本体枠開放コマンド)を受信した場合、周辺制御基板4140(演出制御部)に対して本体枠開放コマンド(第2の本体枠開放コマンド)を送信する(本体枠コマンド送出手段、第2の本体枠送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板4110から受け取った図39に示す形態である本体枠開放コマンドを、図38に示す形態である本体枠開放コマンドとして周辺制御基板4140に転送している。一方、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板4110から本体枠閉鎖コマンド(第1の本体枠閉鎖コマンド)を受信した場合、周辺制御基板4140(演出制御部)に対して本体枠閉鎖コマンド(第2の本体枠閉鎖コマンド)を送信する(本体枠コマンド送出手段、第2の本体枠コマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板4110から受け取った図39に示す形態である本体枠閉鎖コマンドを、図38に示す形態である本体枠閉鎖コマンドとして周辺制御基板4140に転送している。
また、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板4110から扉開放コマンド(第1の扉開放コマンド)を受信した場合、周辺制御基板4140(演出制御部)に対して扉開放コマンド(第2の扉枠開放コマンド)を送信する(扉枠コマンド送出手段、第2の扉枠コマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板4110から受け取った図39に示す形態である扉枠閉鎖コマンドを、図38に示す形態である扉閉鎖コマンドとして周辺制御基板4140に転送している。一方、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板4110から扉閉鎖コマンド(第1の扉閉鎖コマンド)を受信した場合、周辺制御基板4140(演出制御部)に対して扉閉鎖コマンド(第2の扉閉鎖コマンド)を送信する(扉枠コマンド送出手段、第2の扉枠コマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板4110から受け取った図39に示す形態である扉閉鎖コマンドを、図38に示す形態である扉閉鎖コマンドとして周辺制御基板4140に転送している。
ステップS120に続いて、メイン制御プログラムは、図12に示した主制御内蔵WDT4100afのクリアを行い(ステップS122)、このルーチンを終了する。ステップS22の主制御内蔵WDT4100afのクリアは、主制御MPU4100aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすることにより行う。これにより、主制御内蔵WDT4100afによる計時がクリアされる。そして、主制御内蔵WDT4100afによる計時が再び開始されることによって、主制御内蔵WDT4100afにより主制御MPU4100aが強制的にリセットされずに済む。
なお、主制御基板4100は、上述したように、遊技の進行を行っている際に、パチンコ遊技機1への電源が遮断される前に、遊技の進行による遊技情報を記憶するための上述したバックアップ処理を実行して完了することができるとともに、復電時において、主制御基板4100による遊技の進行の復帰先として、バックアップ処理を実行した遊技情報に基づいて、パチンコ遊技機1への電源が遮断される際における、本ルーチンにおけるステップS118のポート出力処理による電気的駆動源である始動口ソレノイド2105やアタッカソレノイド2108の駆動状態を指示する図37の電源投入時主制御復帰先コマンドを周辺制御基板4140へ出力することができるようになっている。つまり、主制御基板4100は、図41の主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、同処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、図37の電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板4140に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板4140に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板4140に送信する。このため、周辺制御基板4140は、主制御基板4100からの電源投入時主制御復帰先コマンドに基づいて、復電時における主制御基板4100による遊技の進行の復帰先を遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900へ投射して演出表示することができる。これにより、遊技者が遊技を行っている際に、瞬停や停電が発生して、その後に復電するときに、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができるとともに、主制御基板4100による遊技の進行の復帰先を遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900へ投射して演出表示することにより報知することができるため、パチンコ遊技機1のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に遊技者に見えて故障したと勘違いされることを防止することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することにより、遊技者に故障したと勘違いされることを防止することができる。
また、主制御基板4100の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板4100が電源投入されると、上述したように、図40の主制御側電源投入時処理におけるステップS38で主制御内蔵RAMの全領域を必ずクリアすることなる。これにより、同処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、図37に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドという3つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となり、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信する。主制御基板検査工程の検査装置は、主制御基板4100から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ遊技機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ遊技機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、主制御基板検査工程の検査モニタに詳細な機種情報を表示するようになっている。
[16.払出制御基板の各種制御処理]
次に、図13に示した払出制御基板4110が行う各種制御処理について、図43〜図59を参照して説明する。図43は払出制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図44は図43の払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図45は図44に続いて払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図46は払出制御部タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図47は回転角スイッチ履歴作成処理の一例を示すフローチャートであり、図48はスプロケット定位置判定スキップ処理の一例を示すフローチャートであり、図49は球がみ判定処理の一例を示すフローチャートであり、図50は賞球用賞球ストック数加算処理の一例を示すフローチャートであり、図51は貸球用賞球ストック数加算処理の一例を示すフローチャートであり、図52はストック監視処理の一例を示すフローチャートであり、図53は払出球がみ動作判定設定処理の一例を示すフローチャートであり、図54は払出設定処理の一例を示すフローチャートであり、図55は球がみ動作設定処理の一例を示すフローチャートであり、図56はリトライ動作監視処理の一例を示すフローチャートであり、図57は不整合カウンタリセット判定処理の一例を示すフローチャートであり、図58はエラー解除操作判定処理の一例を示すフローチャートであり、図59は球貸しによる払出動作時の信号処理(ア)、CRユニットからの入力信号確認処理(イ)を示すタイミングチャートである。
まず、払出制御部電源投入時処理について説明し、続いて払出制御部タイマ割り込み処理、回転角スイッチ履歴作成処理、スプロケット定位置判定スキップ処理、球がみ判定処理、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、払出球がみ動作判定設定処理、払出設定処理、球がみ動作設定処理、リトライ動作監視処理、不整合カウンタリセット判定処理、エラー解除操作判定処理について説明する。なお、回転角スイッチ履歴作成処理、スプロケット定位置判定スキップ処理、球がみ判定処理、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、払出球がみ動作判定設定処理、リトライ動作監視処理、不整合カウンタリセット判定処理、エラー解除操作判定処理は、後述する払出制御部電源投入時処理におけるステップS562の主要動作設定処理の一処理として行われ、回転角スイッチ履歴作成処理、スプロケット定位置判定スキップ処理、球がみ判定処理、リトライ動作監視処理、不整合カウンタリセット判定処理、エラー解除操作判定処理、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、そして払出球がみ動作判定設定処理の順番で優先順位が設定されている。
[16−1.払出制御部電源投入時処理]
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図43〜図45に示すように、払出制御部電源投入時処理を行う。この払出制御部電源投入時処理が開始されると、払出制御プログラムは、払出制御MPU4120aは、割り込みモードの設定を行う(ステップS500)。この割り込みモードは、払出制御MPU4120aの割り込みの優先順位を設定するものである。本実施形態では、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が優先順位として最も高く設定されており、この払出制御部タイマ割り込み処理の割り込みが発生すると、優先的にその処理を行う。
ステップS500に続いて、払出制御プログラムは、入出力設定(I/Oの入出力設定)を行う(ステップS502)。このI/Oの入出力設定では、払出制御MPU4120aの各種入力ポート及び各種出力ポートの設定等を行う。
ステップS502に続いて、払出制御プログラムは、ウェイトタイマ処理1を行い(ステップS506)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS508)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、図12に示した主制御基板4100の停電監視回路4100eから停電予告として停電予告信号(払出停電予告信号)が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると主制御基板4100の停電監視回路4100eから停電予告信号(払出停電予告信号)が入力される。そこで、ステップS506のウェイトタイマ処理1は、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS508の判定では、主制御基板4100の停電監視回路4100eからの停電予告信号(払出停電予告信号)に基づいて行う。
ステップS508に続いて、払出制御プログラムは、操作スイッチ860aが操作されているか否かを判定する(ステップS512)。この判定は、操作スイッチ860aからの操作信号の論理値に基づいて、操作スイッチ860aからの操作信号の論理値がHIであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断して操作スイッチ860aが操作されていないと判定する一方、操作スイッチ860aからの操作信号の論理値がLOWであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものであると判断して操作スイッチ860aが操作されていると判定する。
ステップS512で操作スイッチ860aが操作されているときには、払出制御プログラムは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値1をセットする(ステップS514)。即ち、払出制御プログラムは、電源投入時から所定時間に亘って、払出制御MPU4120aに内蔵されたRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする(払出制御側電源投入時操作制御手段)。一方、ステップS512で操作スイッチ860aが操作されていないときには、払出制御プログラムは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値0をセットする(ステップS516)。この払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU4120aの払出制御内蔵RAM(払出記憶部)に記憶されている、例えば、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報を消去するか否かを示すフラグであり、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS514及びステップS516でセットされた払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU4120aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS514又はステップS516に続いて、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMへのアクセスを許可する設定を行う(ステップS518)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスができ、例えば払出情報の書き込み(記憶)又は読み出しを行うことができる。
ステップS518に続いて、払出制御プログラムは、スタックポインタの設定を行う(ステップS520)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS520では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS520に続いて、払出制御プログラムは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS522)。上述したように、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS522で払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0であるとき、つまり払出情報を消去しないときには、払出制御プログラムは、チェックサムの算出を行う(ステップS524)。このチェックサムは、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS524に続いて、払出制御プログラムは、算出したチェックサムの値が後述する払出制御部電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値と一致しているか否かを判定する(ステップS526)。一致しているときには、払出制御プログラムは、払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS528)。この払出バックアップフラグHBK−FLGは、払出情報、チェックサムの値等の払出バックアップ情報を後述する払出制御部電源断時処理において払出制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、払出制御部電源断時処理を正常に終了したとき値1、払出制御部電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS528で払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるとき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了したときには、払出制御プログラムは、復電時として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS530)。この設定では、払出バックアップフラグHBK−FLGに値0がセットされる他に、払出制御MPU4120aに内蔵されたROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)から復電時情報が読み出され、この復電時情報が払出制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている上述した払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報、時間管理情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタリセット判定時間等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態も含める。
一方、ステップS522で払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり払出情報を消去するときには、又はステップS526でチェックサムの値が一致していないときには、又はステップS528で払出バックアップフラグHBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了していないときには、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS532)。即ち、払出制御プログラムは、操作スイッチ860aの操作信号の検出を契機として払出制御側RAMクリア処理を実行する(払出制御側電源投入時操作制御手段)。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報がクリアされる。
ステップS532に続いて、払出制御プログラムは、初期設定として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS534)。この設定は、払出制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を払出制御内蔵RAMの作業領域にセットする。
ステップS530又はステップS534に続いて、払出制御プログラムは、割り込み初期設定を行う(ステップS536)。この設定は、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、2msに設定されている。
ステップS536に続いて、払出制御プログラムは、割り込み許可設定を行う(ステップS538)。この設定によりステップS536で設定した割り込み周期、つまり2msごとに払出制御部タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS538に続いて、払出制御プログラムは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットする(ステップS539)。このウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに、値A、値Bそして値Cを順にセットすることによりウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS539に続いて、払出制御プログラムは、停電予告信号(払出停電予告信号)が入力されているか否かを判定する(ステップS540)。上述したように、パチンコ遊技機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号(払出停電予告信号)が主制御基板4100の停電監視回路4100eから入力される。ステップS540の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS540で停電予告信号の入力がないときには、払出制御プログラムは、2ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS542)。この2ms経過フラグHT−FLGは、後述する、2msごとに処理される払出制御部タイマ割り込み処理で2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS542で2ms経過フラグHT−FLGが値0であるとき、つまり2ms経過していないときには、ステップS540に戻り、払出制御プログラムは、停電予告信号(払出停電予告信号)が入力されているか否かを判定する。
一方、ステップS542で2ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したときには、払出制御プログラムは、2ms経過フラグHT−FLGに値0をセットする(ステップS544)。
ステップS544に続いて、払出制御プログラムは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットする(ステップS546)。このとき、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS539においてセットされた値Aに続いて値Bがセットされる。
ステップS546に続いて、払出制御プログラムは、ポート出力処理を行う(ステップS548)。このポート出力処理では、払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域から各種情報を読み出してこの各種情報に基づいて各種信号を払出制御MPU4120aの各種出力ポートの出力端子から出力する。出力情報記憶領域には、例えば、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンド(図36に示した、賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を正常に受信した旨を伝える払主ACK情報、払出モータ744への駆動制御を行う駆動情報、払出モータ744が実際に遊技球を払い出した球数の賞球数情報、エラーLED表示器860bに表示するLED表示情報等の各種情報が記憶されており、この出力情報に基づいて払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信したときには払主ACK信号を主制御基板4100に出力したり、払出モータ744に駆動信号を出力したり、払出モータ744が実際に遊技球を払い出した球数を賞球数情報出力信号として外部端子板784に出力したり(本実施形態では、払出モータ744が実際に10個の遊技球を払い出すごとに外部端子板784に賞球数情報出力信号を出力している。具体的には、賞球数情報を出力するか否かを判定するための賞球数情報出力判定用カウンタが設けられており、この賞球数情報出力判定用カウンタは、払出モータ744が実際に払い出した遊技球の球数を、後述するステップS550のポート入力処理で図13に示した計数スイッチ751からの検出信号に基づいて、カウントするものであり、払出モータ744が実際に払い出した遊技球の球数を監視するための図示しない処理(プログラム)により払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶更新されるようになっている。この払出モータ744が実際に払い出した遊技球の球数を監視するための図示しない処理(プログラム)では、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶される賞球数情報出力判定用カウンタの値に、後述するステップS550のポート入力処理で図13に示した計数スイッチ751からの検出信号に基づいて、払出モータ744が実際に払い出した遊技球の球数を加算して記憶更新する。ステップS548のポート出力処理では、この賞球情報記憶領域から賞球数情報出力判定用カウンタの値を読み出し、この読み出した賞球数情報出力判定用カウンタの値が値10を超えているときには(つまり、払出モータ744が実際に払い出した遊技球の球数が10球に達しているときには)、外部端子板784に賞球数情報出力信号を出力するとともに、その超えた球数を示す値を、賞球数情報出力判定用カウンタの値として、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶更新するようになっている。)、エラーLED表示器860bに表示信号を出力したりする。
ステップS548に続いて、払出制御プログラムは、ポート入力処理を行う(ステップS550)。このポート入力処理では、払出制御MPU4120aの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。例えば、操作スイッチ860aの操作信号、回転角スイッチ752からの検出信号、計数スイッチ751からの検出信号、満タンスイッチ550からの検出信号、CRユニット6からのBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号、後述するコマンド送信処理で送信した各種コマンドを主制御基板4100が正常に受信した旨を伝える主制御基板4100からの主払ACK信号等、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。
ステップS550に続いて、払出制御プログラムは、タイマ更新処理を行う(ステップS552)。このタイマ更新処理では、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体による球がみ状態が生じているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球がみ判定時間、払出回転体の定位置判定を行わない際に設定されているスキップ判定時間、図1に示したファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている満タン判定時間、球切れスイッチ750からの検出信号により賞球装置740の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球切れ判定時間等の時間管理を行うほかに、払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に計数スイッチ751で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを監視するための不整合カウンタINCCをリセットするか否かの判定を行う際にその判定条件と設定されている不整合カウンタリセット判定時間の時間管理を行う。例えば、球がみ判定時間が5005msに設定されているときには、タイマ割り込み周期が2msに設定されているので、このタイマ更新処理を行うごとに球がみ判定時間を2msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球がみ判定時間を正確に計っている。
本実施形態では、スキップ判定時間が22.75ms、満タン判定時間が504ms、球切れ判定時間が119ms、不整合カウンタリセット判定時間が7000s(約2時間)にそれぞれ設定されており、このタイマ更新処理を行うごとに満タン判定時間、球切れ判定時間及び不整合カウンタリセット判定時間を2msずつ減算し、その減算結果が値0になること満タン判定時間、球切れ判定時間及び不整合カウンタリセット判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種判定時間は、時間管理情報として払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS552に続いて、払出制御プログラムは、CR通信処理を行う(ステップS554)。このCR通信処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、CRユニット6からの各種信号(BRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号)が入力されているか否かを判定する。CRユニット6からの各種信号に基づいて、払出制御MPU4120aは、CRユニット6と各種信号のやり取りを行う。ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において、上述したように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。
この処理によって、例えば、瞬停又は停電しても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値を、払出バックアップ情報として記憶した、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元することができる。これにより、賞球装置740による遊技球の払出動作を実行している際に、瞬停又は停電して払出動作を続行することができなくなっても、復電時に、その払出動作を続行することができるため、過不足なく遊技球を上皿301や下皿302に払い出すことができる。換言すれば、払出制御MPU4120aは、CR通信処理において、CRユニット6と各種信号のやり取りを行いながら、遊技球を上皿301や下皿302に払い出している際に、瞬停又は停電してCRユニット6と各種信号のやり取りが遮断され、遊技球の払い出しを続行することができなくなっても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値が、払出バックアップ情報として記憶された、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元されることによって、瞬停又は停電する直前における、パチンコ遊技機1(払出制御MPU4120a)とCRユニット6とによる各種信号のやり取りを、復電時から継続することができるとともに、遊技球の払い出しを引き続き行うことができるようになっている。
このように、パチンコ遊技機1(払出制御MPU4120a)とCRユニット6とによる各種信号のやり取りは、瞬停又は停止しても、復電時に、瞬停又は停止する直前の状態に復元されるようになっており、瞬停又は停止による影響によってパチンコ遊技機1(払出制御MPU4120a)とCRユニット6とによる各種信号が変化しないようになっている。したがって、パチンコ遊技機1(払出制御MPU4120a)とCRユニット6とによる各種信号のやり取りの信頼性を高めることができる。
また、CR通信情報記憶領域に記憶される各種情報は、上述したように、払出バックアップ情報に含まれている。CR通信処理では、復電時に、ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において設定された、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報が、例えば貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態に設定されている場合には、そのPRDY信号を払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からCRユニット6へ出力する。そして、主要動作設定処理の一処理として行われる、例えばリトライ動作監視処理において、払出バックアップ情報に含まれている、払出制御内蔵RAMに記憶されている賞球情報記憶領域の不整合カウンタINCCの値に基づいて、この不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいか否かを判定し、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないときには、リトライ動作が異常動作していると判断して、つまり賞球装置740による遊技球の払出動作が異常状態であると判断して、リトライエラーフラグRTERR−FLGに値1をセットし、払出球がみ動作判定設定処理において、CRユニット6へのエラー状態の出力の設定として、例えばCRユニット6と通信中でないときには貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態(LOW)をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。
これにより、CR通信処理では、復電時から次のタイマ割り込みで、このPRDY信号の論理の状態を、CR通信情報記憶領域から読み出してそのPRDY信号を払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からCRユニット6へ出力する。このように、例えば、瞬停する直前において、賞球装置740による遊技球の払出動作が異常状態であった場合には、復電時に、その状態が復元されるため、復電してから極めて早い段階で、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号を払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からCRユニット6へ出力することができ、CRユニット6に賞球装置740による遊技球の払出動作が異常状態である旨を伝えることができる。これにより、復電時から極めて早い段階で、CRユニット6からの無駄な貸球要求信号であるBRDYが出力されるのを防止することができる。
また、CR通信処理では、ステップS550のポート入力処理で、払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域からCR接続信号を読み出してこのCR接続信号に基づいて、その論理がHIであるとき、つまりパチンコ遊技機1が電源投入されているときであって、払出制御基板4110とCRユニット6とが遊技球等貸出装置接続端子板869を介して電気的に接続されているときには、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をHIとして払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からCRユニット6へ出力する一方、その論理がLOWであるとき、つまりパチンコ遊技機1が電源投入されているときであって、払出制御基板4110とCRユニット6とが遊技球等貸出装置接続端子板869を介して電気的に接続されていないときには、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をLOWとして払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からCRユニット6へ出力する。なお、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号の論理の状態は、EXS信号出力設定情報として払出制御内蔵RAMのCR通信情報記憶領域に記憶され、払出制御基板4110とCRユニット6とが電気的に接続されているか否かを伝えるCR接続信号は、CR接続情報として状態情報記憶領域に記憶されるようになっている。
ステップS554に続いて、払出制御プログラムは、満タン及び球切れチェック処理を行う(ステップS556)。この満タン及び球切れチェック処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、満タンスイッチ550からの検出信号により上述したファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを判定したり、球切れスイッチ750からの検出信号により上述した賞球装置740の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かを判定したりする。例えば、ファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かの判定は、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ550からの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ550からの検出信号がOFFとなったとき、つまり満タンスイッチ550からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した満タン判定時間(504ms)の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で満タン判定時間が値0となったとき、つまり満タン判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ550からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、満タンスイッチ550からの検出信号がONであるときには、ファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるとしてその旨を伝える満タン情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。一方、満タンスイッチ550からの検出信号がOFFであるときには、ファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンでないとしてその旨を伝える満タン情報を状態情報記憶領域域に記憶する。
賞球装置740の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定も、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がOFFとなったとき、つまり球切れスイッチ750からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した球切れ判定時間(119ms)の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で球切れ判定時間が値0となったとき、つまり球切れ判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチ750からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、球切れスイッチ750からの検出信号がONであるときには、賞球装置740の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上であるとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する一方、球切れスイッチ750からの検出信号がOFFであるときには、賞球装置740の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS556に続いて、払出制御プログラムは、発射球送制御回路エラーチェック処理を行う(ステップS557)。この発射球送制御回路エラーチェック処理では、図13に示した、発射球送不具合監視回路4120ahからステータス情報を取得して発射球送制御回路4120agに不具合が発生しているか否かを判別する。発射球送不具合監視回路4120ahは、上述したように、発射ソレノイド654による発射制御と、球送ソレノイド585による球送制御と、を行う発射球送制御回路4120agに不具合が発生しているか否かを監視するものであり、監視結果(不具合の発生の有無)をステータス情報として記憶保持することができるようになっている。払出制御プログラムは、発射球送不具合監視回路4120ahからステータス情報を取得して発射球送制御回路4120agに不具合が発生しているかを判別する。払出制御プログラムは、発射球送不具合監視回路4120ahからステータス情報を取得して発射球送制御回路4120agに不具合が発生していないと判別したときには、発射球送制御回路4120agによる遊技球の発射制御を開始するために発射球送制御回路4120agに対して発射動作許可を設定するとともに、発射動作許可状態である旨を伝える発射動作許可情報を状態情報記憶領域に記憶する一方、発射球送制御回路4120agに不具合が発生していると判別したときには、発射球送制御回路4120agによる遊技球の発射制御を強制的に停止するために発射球送制御回路4120agに対して発射動作禁止を設定するとともに、発射動作禁止状態である旨を伝える発射動作禁止情報を状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS557に続いて、払出制御プログラムは、コマンド受信処理を行う(ステップS558)。このコマンド受信処理では、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンド(図36に示した、賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を受信する。この各種コマンドを正常に受信したときには、その旨を伝える払主ACK情報を上述した出力情報記憶領域に記憶する。一方、各種コマンドを正常に受信できなかったときには、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の接続に異常が生じている(各種コマンド信号に異常が生じている)旨を伝える接続異常情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS558に続いて、払出制御プログラムは、コマンド解析処理を行う(ステップS560)。このコマンド解析処理では、ステップS558で受信したコマンドの解析を行い、その解析したコマンドを受信コマンド情報として払出制御内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶する。
ステップS560に続いて、払出制御プログラムは、主要動作設定処理を行う(ステップS562)。この主要動作設定処理では、賞球、貸球、球抜き及び球がみ等の動作設定を行ったり、リトライ動作の判定を行ったり、未払い出しの球数(賞球ストック数)を監視したりする。
ステップS562に続いて、払出制御プログラムは、LED表示データ作成処理を行う(ステップS564)。このLED表示データ作成処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、払出制御基板4110のエラーLED表示器860bに表示する表示データを作成してLED表示情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。例えば、状態情報記憶領域から上述した球切れ情報を読み出し、この球切れ情報に基づいて、賞球装置740の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、対応する表示データ(本実施形態では、表示値1(数字「1」))を作成してLED表示情報を出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS564に続いて、払出制御プログラムは、コマンド送信処理を行う(ステップS566)。このコマンド送信処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、この各種情報に基づいて図39に示した状態表示に区分される各種コマンド(扉開放コマンド、扉枠閉鎖コマンド、本体枠開放コマンド、本体枠閉鎖コマンド、枠状態1コマンド(第1のエラー発生コマンドに相当)、エラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンドに相当)及び枠状態2コマンド)を作成して主制御基板4100に送信する。例えば、状態情報記憶領域から球切れ情報を読み出すと、この球切れ情報に基づいて、賞球装置740の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、枠状態1コマンドを作成して主制御基板4100に送信したり、状態情報記憶領域から発射動作許可情報を読み出すと、この発射動作許可情報に基づいて、枠状態2コマンド(発射球送制御回路エラーでない旨を伝えるためにB0に値0をセットする。)を作成して主制御基板4100に送信したり、状態情報記憶領域から発射動作禁止情報を読み出すと、この発射動作禁止情報に基づいて、枠状態2コマンド(発射球送制御回路エラーである旨を伝えるためにB0に値1をセットする。)を作成して主制御基板4100に送信したりする。また、このコマンド送信処理においては、この払出制御プログラムは、例えば遊技球の払出動作に関するエラーが発生したなどの枠状態の変化があると、この払出動作に関して発生したエラーの発生部位に関する情報(以下「エラー発生位置情報」という)を含めた枠状態1コマンド(第1のエラー解除コマンド)を生成している(エラー発生コマンド生成手段)。一方、このコマンド送信処理では、払出制御プログラムが、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値1であると、即ち、操作スイッチ860aの操作に応じた操作信号が検出されていると、上述したエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンド)を出力する(コマンド送出手段)。また、この払出制御プログラムは、本体枠開放スイッチ619からの本体枠開放検出信号が入力されると、本体枠開放コマンド(第1の本体枠開放コマンド)を送信する(本体枠コマンド送出手段、第1の本体枠コマンド送出手段)。イ歩婦、この払出制御プログラムは、本体枠開放スイッチ619からの本体枠閉鎖検出信号が入力されると、本体枠閉鎖コマンド(第1の本体枠閉鎖コマンド)を送信する(本体枠コマンド送出手段、第1の本体枠コマンド送出手段)。また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からの扉枠開放検出信号が入力されると、扉枠開放コマンド(第1の扉枠開放コマンド)を送信する(扉枠コマンド送出手段、第1の扉枠コマンド送出手段)。一方、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からの扉枠閉鎖検出信号が入力されると、扉枠閉鎖コマンド(第1の扉枠閉鎖コマンド)を送信する(扉枠コマンド送出手段、第1の扉枠コマンド送出手段)。また、この払出制御プログラムは、上述したコマンド送信処理(ステップS566)において、上述した状態情報記憶領域からエラー内容を含むエラー情報を読み出し、他のパチンコ機と自らを識別するための台番号情報及び当該エラー情報に基づくエラー情報信号を外部端子板784を経由してホールコンピュータに出力する。なお、ホールコンピュータは、このエラー情報信号を受け取ると、ホール店員が所持する無線装置に、上記台番号情報及びエラー情報を提供し、このホール店員が、この台番号情報に基づく台番号のパチンコ機において、エラー情報に含まれるエラー内容が発生していることを認識可能とすることができる。
ステップS566に続いて、払出制御プログラムは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットする(ステップS568)。ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cがセットされることにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS546においてセットされた値Bに続いて値Cがセットされる。これにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、値A、値Bそして値Cが順にセットされ、ウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS568に続いて、再びステップS539に戻り、払出制御プログラムは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットし、ステップS540で停電予告信号(払出停電予告信号)が入力されているか否かを判定し、この停電予告信号(払出停電予告信号)の入力がなければ、ステップS542で2ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定し、この2ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したときには、ステップS544で2ms経過フラグHT−FLGに値0をセットし、ステップS546でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットし、ステップS548でポート出力処理を行い、ステップS550でポート入力処理を行い、ステップS552でタイマ更新処理を行い、ステップS554でCR通信処理を行い、ステップS556で満タン及び球切れチェック処理を行い、ステップS558でコマンド受信処理を行い、ステップS560でコマンド解析処理を行い、ステップS562で主要動作設定処理を行い、ステップS564でLED表示データ作成処理を行い、ステップS566でコマンド送信処理を行い、ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットし、ステップS539〜ステップS568を繰り返し行う。なお、このステップS539〜ステップS568の処理を「払出制御部メイン処理」という。
主制御基板4100による遊技の進行に応じて払出制御部メイン処理の処理内容が異なってくる。このため、払出制御MPU4120aの処理に要する時間が変動することとなる。そこで、払出制御MPU4120aは、ステップS548のポート出力処理において、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信した旨を伝える払主ACK信号を、優先して主制御基板4100に出力している。これにより、払出制御MPU4120aは、変動する他の処理を十分に行えるよう、その処理時間を確保している。
一方、ステップS540で停電予告信号(払出停電予告信号)の入力があったときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS570)。この設定により後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われなくなり、払出制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した払出情報の書き換えを保護している。
ステップS570に続いて、払出制御プログラムは、払出モータ744への駆動信号の出力を停止する(ステップS574)。これにより、遊技球の払い出しを停止する。
ステップS574に続いて、払出制御プログラムは、ウォッチドックタイマのクリア設定を行う(ステップS576)。このクリア設定は、上述したように、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットすることにより行われる。
ステップS576に続いて、払出制御プログラムは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS578)。このチェックサムは、ステップS524で算出したチェックサムの値及び払出バックアップフラグHBK−FLGの値の記憶領域を除く、払出制御内蔵RAMの作業領域の払出情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS578に続いて、払出制御プログラムは、払出バックアップフラグHBK−FLGに値1をセットする(ステップS580)。これにより、払出バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS580に続いて、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMへのアクセスの禁止設定を行う(ステップS582)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスが禁止され書き込み及び読み出しができなくなり、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が保護される。
ステップS582に続いて、払出制御プログラムは、無限ループに入る。この無限ループでは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットしないためウォッチドックタイマがクリア設定されなくなる。このため、払出制御MPU4120aにリセットがかかり、その後、払出制御プログラムは、払出制御MPU4120aの制御の下、この払出制御部電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS570〜ステップS582の処理及び無限ループを「払出制御部電源断時処理」という。
パチンコ遊技機1(払出制御MPU4120a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により払出制御部電源投入時処理を行う。
なお、ステップS526では払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS528では払出制御部電源断時処理が正常に終了されたか否かを検査している。このように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報を2重にチェックすることにより払出バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
[16−2.払出制御部タイマ割り込み処理]
次に、払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。この払出制御部タイマ割り込み処理は、図43〜図45に示した払出制御部電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、2ms)ごとに繰り返し行われる。
払出制御部タイマ割り込み処理が開始されると、払出制御基板4110の払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図46に示すように、タイマ割り込みを禁止に設定してレジスタの切替(退避)を行う(ステップS590)。ここでは、上述した払出制御部メイン処理で使用していた汎用記憶素子(汎用レジスタ)から補助レジスタに切り替える。この補助レジスタを払出制御部タイマ割り込み処理で使用することにより汎用レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS590に続いて、払出制御プログラムは、2ms経過フラグHT−FLGに値1をセットする(ステップS592)。この2ms経過フラグHT−FLGは、この払出制御部タイマ割り込み処理が行われるごとに、つまり2msごとに2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS592に続いて、払出制御プログラムは、レジスタの切替(復帰)を行う(ステップS594)。この復帰は、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタから汎用記憶素子(汎用レジスタ)に切り替える。この汎用レジスタを払出制御部メイン処理で使用することにより補助レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS594に続いて、払出制御プログラムは、割り込み許可の設定を行い(ステップS596)、このルーチンを終了する。
[16−3.回転角スイッチ履歴作成処理]
次に、回転角スイッチ履歴作成処理について説明する。この回転角スイッチ履歴作成処理では、図13に示した回転角スイッチ752からの検出信号の履歴を作成する。
回転角スイッチ履歴作成処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図47に示すように、払出制御内蔵RAMから回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS610)。この回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTは、1バイト(8ビット:最上位ビットB7、B6、B5、B4、B3、B2、B1、最下位ビットB0、「B」はビットを表す。)の記憶容量を有しており、回転角スイッチ752からの検出信号の履歴を回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTとして払出制御内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域に記憶されている。ステップS610では、この回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出している。
ステップS610に続いて、払出制御プログラムは、回転角スイッチ752からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS612)。この判定は、図45に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理において回転角スイッチ752からの検出信号に基づいて行われる。具体的には、その検出信号は、入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS612では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して回転角スイッチ752からの検出信号があるか否かの判定を行う。入力情報に回転角スイッチ752からの検出信号があるときには、払出制御プログラムは、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体の回転位置を把握する検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態であると判定する。一方、入力情報に回転角スイッチ752からの検出信号がないときには、払出制御プログラムは、検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態と判定する。
ステップS612で検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態であるときには、払出制御プログラムは、回転角スイッチ検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS614)。この回転角スイッチ検出履歴情報のシフト処理では、ステップS610で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS614に続いて、払出制御プログラムは、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの最下位ビットB0に値1をセットし(ステップS616)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS612で検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態であるときには、払出制御プログラムは、回転角スイッチ検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS618)。この回転角スイッチ検出履歴情報のシフト処理では、払出制御プログラムは、ステップS614の回転角スイッチ検出履歴情報のシフト処理と同一の処理を行い、ステップS610で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS618に続いて、払出制御プログラムは、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの最下位ビットB0に値0をセットし(ステップS620)、このルーチンを終了する。
このように、この回転角スイッチ履歴作成処理が行われるごとに、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトしたのち、検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態又は検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態に応じて最下位ビットB0に値1又は値0がセットされるため、回転角スイッチ752からの検出信号の履歴を作成することができる。
[16−4.スプロケット定位置判定スキップ処理]
次に、スプロケット定位置判定スキップ処理について説明する。このスプロケット定位置判定スキップ処理は、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体が定位置にあるか否かの判定を、所定の条件が成立しているときにスキップする。なお、払出回転体の定位置判定は、賞球装置740による遊技球の払い出しが終了した際に行われるようにもなっている。これにより、球がみが発生していない状態で払出モータ744の回転軸の回転を確実に開始することができる。
スプロケット定位置判定スキップ処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図48に示すように、定位置判定スキップフラグSKP−FLGが値0であるか否かを判定する(ステップS630)。この定位置判定スキップフラグSKP−FLGは、払出回転体の定位置判定を行うか否かを示すフラグであり、払出回転体の定位置判定を行わないとき(スキップするとき)値1、払出回転体の定位置判定を行うとき(スキップしないとき)値0にそれぞれ設定される。
ステップS630で定位置判定スキップフラグSKP−FLGが値0であるとき(スキップしないとき)、つまり払出回転体の定位置判定を行うときには、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出し(ステップS632)、定位置判定値と一致しているか否かを判定する(ステップS634)。この定位置判定値は、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS634の判定では、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ここで、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0が値1となる場合は、4回のタイマ割り込み周期で続けて、上述した、検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態であることを意味している。この4回のタイマ割り込み周期の発生では、図13に示した払出モータ744が4ステップ回転している。払出モータ744の回転は、第1ギア、第2ギア、第3ギアを介して回転検出盤の払出回転体の回転となる。これらの第1ギア、第2ギア、第3ギアには遊び(バックラッシュ)があるため、払出回転体が時計方向又は反時計方向に回転することとなるものの、このバックラッシュによる払出回転体の回転は、払出モータ744の約2ステップの回転に相当する程度となるように設計されているため、本実施形態では、払出回転体の定位置判定を行う場合には、回転角スイッチ752からの検出信号の履歴、図47で示した回転角スイッチ履歴作成処理で回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを作成し、作成した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0、つまり最新の4回のタイマ割り込み周期の発生による回転角スイッチ752からの検出信号に基づいて行っている。これにより、4回のタイマ割り込み周期では、払出モータ744が4ステップ回転しているため、バックラッシュによる払出回転体の回転より多く回転しており、バックラッシュによる払出回転体の回転を吸収することができる。したがって、バックラッシュによる払出回転体の定位置の誤検出を防ぐことができるため、払出回転体の回転位置を払出モータ744の回転位置で正しく管理することができる。なお、本実施形態では、4回のタイマ割り込み周期は8ms(=2ms×4回)であり、バックラッシュ吸収時間として設定されている。
ステップS634で、ステップS632で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、払出制御プログラムは、定位置判定スキップフラグSKP−FLGに値1をセットする(ステップS636)。これにより、払出回転体の定位置判定を行わない(スキップする)ように設定することができる。なお、払出制御MPU4120aは、ステップS636における払出回転体の回転位置を払出回転体の定位置に設定する。
ステップS636に続いて、払出制御プログラムは、スキップ判定時間を有効に設定し(ステップS638)、このルーチンを終了する。ここで、検出スリットは、払出回転体の凹部と同じ数の3個であり、回転検出盤の外周に等分(120度ごと)に形成されている。また、払出モータ744の回転は、上述したように、第1ギア、第2ギア、第3ギアを介して回転検出盤の払出回転体の回転となる。本実施形態では、回転検出盤(払出回転体)の各検出スリット間(120度)の回転は、払出モータ744の18ステップの回転に相当するように設計されている。
払出制御プログラムは、払出制御MPU4120aの制御の下、払出回転体の回転位置を払出モータ744のステップ数に基づいて管理している。具体的には、(1)検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移し出す過渡状態(「エッジ検出状態」という。)と、(2)検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態(「定位置確定状態」という。)と、(3)検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態(「定位置判定スキップ状態」)と、の3つの状態で管理している。(1)のエッジ検出状態では払出モータ744の1ステップの回転に相当し、(2)の定位置確定状態では払出モータ744の4ステップの回転に相当し、(3)の定位置判定スキップ状態では払出モータ744の13ステップの回転に相当し、計18ステップの回転で回転検出盤の各検出スリット間(120度)の回転位置、つまり払出回転体の回転位置を管理している。
(3)の定位置判定スキップ状態では、検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態であるため、スキップ判定時間は、払出モータ744の13ステップ回転する時間が設定されている。上述したように、タイマ割り込み周期が2msに設定されているので、スキップ判定時間が26ms(=2ms×13ステップ)となる。
ステップS638でスキップ判定時間が有効になることによって、図45に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理でスキップ判定時間の減算が行われる。なお、払出制御MPU4120aは、スキップ判定時間を減算し、その減算結果が値0になると、定位置判定スキップフラグSKP−FLGに初期値0をセットする。
一方、ステップS630で定位置判定スキップフラグSKP−FLGが値0でない(値1である)とき(スキップするとき)、つまり払出回転体の定位置判定を行わないときには、又はステップS634で、ステップS632で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する。なお、ステップS636でセットされた定位置判定スキップフラグSKP−FLGは、払出制御MPU4120aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
パチンコ島設備から供給された遊技球は、賞球タンク720及びタンクレール731に貯留され、賞球装置740の供給通路に取り込まれ、賞球装置740に導かれる。遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生する。このため、賞球装置740はノイズの影響を受けやすり環境下にある。図3に示した賞球装置740の回転角スイッチ基板753には、回転角スイッチ752が設けられており、この回転角スイッチ752からの検出信号は遊技球の静電放電によるノイズの影響を受けやすい。また、払出制御基板4110と、図3に示した賞球装置740内の賞球ケース内基板754と、の基板間を接続する配線(ハーネス)も遊技球の静電放電によるノイズの影響を受けやすい。
そこで、本実施形態では、ノイズの影響による誤検出を抑制するために、上述した(3)の定位置判定スキップ状態、つまり検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態では、払出回転体の定位置判定を行わないようにしている。これにより、払出回転体の定位置判定の精度を高めている。なお、払出回転体の定位置を検出するために必要な周期や期間は、上述したように、予め計算によって求めることができるため、スキップ判定時間を簡単に設定及び調整するこができる。
[16−5.球がみ判定処理]
次に、球がみ判定処理について説明する。この球がみ判定処理は、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体による球がみ状態が生じているか否かを判定する。
球がみ判定処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、図49に示すように、上述した払出制御内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS640)。
ステップS640に続いて、払出制御プログラムは、上述した回転角スイッチ752からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS642)。この判定は、ステップS640で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTが定位置判定値と一致しているか否かを判定する。この定位置判定値は、上述したように、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS642の判定では、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS642で、ステップS640で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、払出制御プログラムは、検出スリットが回転角スイッチ752の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態、つまり払出回転体が回転している状態であり、球がみ状態が生じていないとして、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS642で、ステップS640で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、球がみ中フラグPBE−FLGに値1をセットする(ステップS644)。この球がみ中フラグPBE−FLGは、払出回転体による球がみ状態が生じているか否かを示すフラグであり、払出モータ744が球がみ動作を行っているとき値1、球がみ動作を行っていないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS644に続いて、払出制御プログラムは、球がみ判定時間を有効に設定し(ステップS646)、このルーチンを終了する。この球がみ判定時間が有効になることによって、図45に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で球がみ判定時間の減算が行われる。
[16−6.各種賞球ストック数加算処理]
次に、各種賞球ストック数加算処理について説明する。この各種賞球ストック数加算処理には、賞球用賞球ストック数加算処理と貸球用賞球ストック数加算処理とがあり、賞球用賞球ストック数加算処理は主制御基板4100からの後述する賞球コマンドに基づいて払い出す球数を加算する処理であり、貸球用賞球ストック数加算処理はCRユニット6からの貸球要求信号に基づいて払い出す球数を加算する処理である。まず、賞球用賞球ストック数加算処理について説明し、続いて貸球用賞球ストック数加算処理について説明する。なお、本実施形態では、賞球用賞球ストック数加算処理が優先的に行われるように設定されており、この賞球用賞球ストック数加算処理で加算された賞球ストック数に応じた遊技球が賞球装置740で払い出されたあと、貸球用賞球ストック数加算処理を行うように設定されている。
[16−6−1.賞球用賞球ストック数加算処理]
賞球用賞球ストック数加算処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図50に示すように、賞球コマンドがあるか否かを判定する(ステップS650)。この判定は、図45に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS560のコマンド解析処理で解析したコマンドに基づいて行う。具体的には、その解析したコマンドは受信コマンド情報として払出制御内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶されている。ステップS650では、払出制御プログラムが、この受信コマンド情報記憶領域から受信コマンド情報を読み出して賞球コマンドであるか否かの判定を行う。
ステップS650で受信コマンド情報が賞球コマンドでないときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS650で受信コマンド情報が賞球コマンドであるときには、払出制御プログラムは、この賞球コマンドに対応する賞球数PBVを、賞球数情報テーブルから読み出す(ステップS652)。この賞球数情報テーブルは、その詳細な説明を後述するが、賞球コマンドと賞球数PBVとを対応付けて払出内蔵ROMに予め記憶されている情報テーブルである。
ステップS652に続いて、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMから賞球ストック数PBSを読み出す(ステップS654)。この賞球ストック数PBSは、賞球装置740で遊技球を未だ払い出していない数、つまり未払い出しの球数を表しており、本実施形態では、2バイト(16ビット)の記憶容量を有している。これにより、賞球ストック数PBSは、値0〜値32767個までの未払い出しの球数を記憶することができるようになっている。なお、賞球ストック数PBSは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている。ステップS652では、この賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出している。
払出制御プログラムは、ステップS654で読み出した賞球ストック数PBSにステップS652で読み出した賞球数PBVを加算し(ステップS656)、このルーチンを終了する。なお、ステップS656で加算したあと、ステップS650で読み出した賞球コマンドを受信コマンド情報記憶領域から消去する。
[16−6−2.貸球用賞球ストック数加算処理]
次に、貸球用賞球ストック数加算処理について説明する。この貸球用賞球ストック数加算処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図51に示すように、貸球要求信号があるか否かを判定する(ステップS660)。この判定は、図45に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理でCRユニット6からの貸球要求信号に基づいて行われる。具体的には、その貸球要求信号は入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS660では、払出制御プログラムは、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して貸球要求信号があるか否かの判定を行う。
ステップS660で貸球要求信号がないときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS660で貸球要求信号があるときには、払出制御プログラムは、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS662)、この賞球ストック数PBSに貸球数RBVを加算し(ステップS664)、このルーチンを終了する。貸球数RBVは固定値であり、払出内蔵ROMに予め記憶されている。本実施形態では、貸球数RBVとして値25が設定されている。なお、ステップS664で加算したあと、払出制御プログラムは、ステップS660で読み出した貸球要求信号を入力情報記憶領域から消去する。また、本実施形態では、賞球を優先している(賞球と貸球とを区別して管理している)ため、貸球要求信号があるときであっても、貸球要求信号を保持し、賞球の払い出しの完了をもって貸球の払い出しを行う。したがって、本実施形態では、賞球ストック数PBSが値0になってから貸球の払い出しを行うようになっている。
[16−7.ストック監視処理]
次に、ストック監視処理について説明する。このストック監視処理は、遊技者が遊技中に、図1に示したファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンにした状態(ストックした状態)で遊技を続けていないか監視する処理である。
ストック監視処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図52に示すように、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS670)、読み出した賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH以上であるか否かを判定する(ステップS672)。注意的しきい値THは、固定値であり、払出内蔵ROMに予め記憶されている。本実施形態では、注意的しきい値THとして値50が設定されている。
ステップS672で賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH以上であるときには、払出制御プログラムは、注意フラグCA−FLGに値1をセットし(ステップS674)、このルーチンを終了する。この注意フラグCA−FLGは、遊技者がファールカバーユニット540の収容空間に遊技球のストックを開始し、遊技球の未払い出し数(上述した賞球ストック数)が注意的しきい値TH以上に達している旨を示すフラグであり、注意的しきい値TH以上に達しているとき値1、注意的しきい値TH以上に達していないとき値0にそれぞれ設定される。
一方、ステップS672で賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH未満であるときには、払出制御プログラムは、注意フラグCA−FLGに値0をセットし(ステップS676)、このルーチンを終了する。
遊技状態が大当りとなり、遊技者がリラックスして図15に示した遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470で繰り広げられる演出に見入ったりしていると、遊技者は、うっかりして1ラウンドの間、賞球として払い出された遊技球を、図7に示した、下皿302から下皿球抜きボタン354を操作して抜かないことがある。この状態で遊技を続けると、下皿302が遊技球で満タンとなり、そしてファールカバーユニット540の収容空間に遊技球が溜まり出す。ファールカバーユニット540の収容空間が遊技球で満タンになると、上述したように、賞球ストック数PBSの値が増加して注意的しきい値TH以上となり、注意演出として扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDが点滅する。この点滅によって、例えばホールの店員に対して遊技者の遊技を注意する旨を伝えることができる。これにより、ホールの店員は遊技者に下皿302から遊技球を抜く旨を伝えることができ、遊技者は下皿302(ファールカバーユニット540の収容空間)に遊技球を満タンにした状態で遊技を継続することを防止することができる。
なお、本実施形態では、注意的しきい値THは、1バイト(8ビット)で表せる上限値255の約5分の1に相当する値50に設定されている。これにより、ホールの店員に対してできるだけ早い段階で遊技者の遊技に注意を促す旨を伝えることができるようになっている。
[16−8.払出球がみ動作判定設定処理]
次に、払出球がみ動作判定設定処理について説明する。この払出球がみ動作判定設定処理は、払出モータ744で遊技球を、図7に示した、上皿301や下皿302に払い出すか、球がみ動作を行うか、又はこのような払い出しや排出等を行わないか、いずれかに設定する処理である。
払出球がみ動作判定設定処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図53に示すように、上述した払出制御内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS680)。
ステップS680に続いて、払出制御プログラムは、図13に示した回転角スイッチ752からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS682)。この判定は、ステップS680で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTが定位置判定値と一致しているか否かを判定する。この定位置判定値は、上述したように、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS682の判定では、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS682で、払出制御プログラムは、ステップS680で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、リトライエラーフラグRTERR−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS684)。このリトライエラーフラグRTERR−FLGは、後述するリトライ動作が異常動作しているか否かを示すフラグであり、リトライ動作が異常動作しているとき値1、リトライ動作が異常動作していないとき(リトライ動作が正常動作している)とき値0にそれぞれ設定される。
ステップS682で、ステップS680で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、又は、ステップS684で、リトライエラーフラグRTERR−FLGが値1でない(値0である)とき、つまりリトライ動作が異常動作していないときには、払出制御プログラムは、球がみ中フラグPBE−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS686)。この球がみ中フラグPBE−FLGは、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体による球がみ状態が生じているか否かを示すフラグであり、払出モータ744が球がみ動作を行っているとき値1、球がみ動作を行っていないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS686で球がみ中フラグPEB−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり球がみ動作を行っていないときには、払出制御プログラムは、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS688)、読み出した賞球ストック数PBSが値0より大きいか否かを判定する(ステップS690)。この判定では、払出モータ744による遊技球の払い出しにおいて未払い出しの球数があるか否かが判定されている。
ステップS690で賞球ストック数PBSが値0より大きいとき、つまり未払い出しの球数があるときには、払出制御プログラムは、ファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かを判定する(ステップS692)。この判定では、図45に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS556の満タン及び球切れチェック処理で記憶された満タン情報に基づいて行われる。具体的には、満タン情報は上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域に記憶されている。ステップS692では、この状態情報記憶領域から満タン情報を読み出してファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かを判定する。
ステップS692でファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンでないときには、払出制御プログラムが後述する払出設定処理を行い(ステップS694)、このルーチンを終了する。この払出設定処理では、上皿301や下皿302に遊技球を払い出す払出動作を行う。
一方、ステップS692でファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する。本実施形態のパチンコ遊技機1では、ファールカバーユニット540の収容空間が貯留された遊技球で満タンになると、払出モータ744を強制停止する。この払出モータ744が強制停止中に賞球が発生すると、払出モータ744による未払い出しの球数が増え、図50に示した賞球用賞球ストック数加算処理によって賞球ストック数PBSが加算されて増加することとなる。
一方、ステップS690で賞球ストック数PBSが値0より大きくない(値0である)とき、つまり未払い出しの球数がないときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する。これにより、遊技球の払い出しを行わない。
一方、ステップS686で球がみ中フラグPBE−FLGが値1、つまり球がみ動作を行っているときには、払出制御プログラムが、後述する球がみ動作設定処理を行い(ステップS700)、このルーチンを終了する。この球がみ動作設定処理では、賞球装置740の払出回転体による球がみ状態を解消する球がみ動作を行う。
一方、ステップS684で、リトライエラーフラグRTERR−FLGが値1であるとき、つまりリトライ動作が異常動作しているときには、払出制御プログラムは、払出モータ744への駆動信号の出力停止(停止)を設定する(ステップS702)。この設定では、払出モータ744に駆動信号を停止する駆動情報を設定して上述した払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS702に続いて、払出制御プログラムは、CRユニット6へのエラー状態の出力を設定し(ステップS704)、このルーチンを終了する。ステップS704では、現在、球貸しができない状態となっている旨をCRユニット6に伝えるために、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、CRユニット6と通信中でないとき(CRユニット6からのBRDYの論理がLOW、つまり立ち下がって保持されているとき)にはPRDY信号の論理をLOW、つまり立ち下げた状態を保持し、PRDY信号の論理の状態をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図45の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報、つまり論理がLOWであるPRDY信号を、払出制御部4120の払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。一方、CRユニット6と通信中であるとき(CRユニット6からのBRDYの論理がHI、つまり立ち上がって保持されているとき)にはEXS信号の論理の状態を維持し、EXS信号の論理の状態をEXS信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図45の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からEXS信号出力設定情報を読み出してこの読み出したEXS信号出力設定情報、つまり論理が維持されたEXS信号を、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。なお、「EXS信号の論理の状態を維持」とは、EXS信号の論理がLOWである(EXS信号が立ち下がって保持されている)ときにはその論理LOWを維持し、EXS信号の論理がHIである(EXS信号が立ち上がっている保持されている)ときにはその論理HIを維持することである。
[16−8−1.払出設定処理]
次に、払出設定処理について説明する。この払出設定処理では、払出モータ744を駆動して遊技球を払い出す設定を行う処理である。
払出設定処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図54に示すように、払出制御内蔵RAMから駆動指令数DRVを読み出す(ステップS710)。この駆動指令数DRVは、払出モータ744で払い出す遊技球の球数を指令するものであり、賞球ストック数PBSと同値である。なお、駆動指令数DRVは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている。ステップS710では、この賞球情報記憶領域から駆動指令数DRVを読み出している。
ステップS710に続いて、払出制御プログラムは、駆動指令数DRVが値0であるか否かを判定する(ステップS712)。この判定は、払出モータ744で払い出す遊技球の球数が残っているか否かを駆動指令数DRVに基づいて判定される。
ステップS712で駆動指令数DRVが値0であるとき、つまり払出モータ744で払い出す遊技球の球数がゼロ個であるときには、払出制御プログラムは、払出モータ744への駆動信号の出力停止(停止)を設定する(ステップS714)。この設定では、払出モータ744に駆動信号を停止する駆動情報が設定されて、上述した払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶される。
ステップS714に続いて、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS716)、実球計数PBを読み出す(ステップS718)。この実球計数PBは、払出モータ744が実際に払い出した遊技球の球数をカウントしたものである。このカウントは、その詳細な説明を後述するが、図45に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理で図13に示した計数スイッチ751からの検出信号に基づいて行う。なお、実球計数PBは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている。ステップS718では、この賞球情報記憶領域から実球計数PBを読み出している。
ステップS718に続いて、払出制御プログラムは、ステップS716で読み出した賞球ストック数PBSからステップS718で読み出した実球計数PBを引いた値を、賞球ストック数PBS及び駆動指令数DRVにセットし(ステップS720)、実球計数PBに値0をセットし(ステップS722)、このルーチンを終了する。なお、駆動指令数DRV及び実球計数PBが値0であるときには、ステップS722では、ステップS716で読み出した賞球ストック数PBSの値がそのまま駆動指令数DRVにセットされる。
一方、ステップS712で駆動指令数DRVが値0でないとき、つまり払出モータ744で払い出す遊技球の球数があるときには、払出制御プログラムは、払出モータ744への駆動信号の出力を設定する。(ステップS724)。この設定では、払出モータ744に駆動信号を停止する駆動情報が設定されて払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶される。
ステップS724に続いて、払出制御プログラムは、駆動指令数DRVから値1だけ引き(デクリメントし、ステップS726)、計数スイッチ751からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS728)。この判定は、図45に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理において計数スイッチ751からの検出信号に基づいて行われる。具体的には、その検出信号は入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS728では、払出制御プログラムが、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して計数スイッチ751からの検出信号があるか否かの判定を行う。
ステップS728で計数スイッチ751からの検出信号があるときには、払出制御プログラムが、実球計数PBに値1だけ足し(インクリメントし、ステップS730)、このルーチンを終了する。ステップS730で実球計数PBをインクリメントすることで実球計数PBをカウントアップすることとなる。
一方、ステップS728で計数スイッチ751からの検出信号がないときには、払出制御プログラムが、そのままこのルーチンを終了する。このように、払出制御プログラムは、払出制御MPU4120aの制御の下、ステップS726で駆動指令数DRVをデクリメントする場合であって、ステップS728の判定で計数スイッチ751からの検出信号がないとき、つまり実球計数PBにインクリメントしない場合には、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に遊技球が受け止められていなかったために遊技球を1球が払い出すことができなかったと判断する。そこで、払出制御プログラムは、その払い出されるはずの1球をもう一度払い出すために、上述したステップS720で、賞球ストック数PBSから実球計数PBを引いた値を駆動指令数DRVにセットする。これにより、ステップS728の判定で計数スイッチ751からの検出信号がないとき、つまり実球計数PBにインクリメントしないときには、その払い出されるはずの1球である値1を賞球ストック数PBSに含めることができ、換言すれば、その払い出されるはずの1球である値1を賞球ストック数PBSにまるめ込むことができるため、その払い出されるはずの1球を再び払い出すリトライ動作を行うことができる。このリトライ動作を行うことによって、遊技者への遊技球の未払い出しが生ずるおそれを極めて小さくすることができ、遊技球の未払い出しによる遊技者の不利益を防止することができる。
[16−8−2.球がみ動作設定処理]
次に、球がみ動作設定処理について説明する。この球がみ動作設定処理では、賞球装置740の払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体による球がみ状態を解消する設定を行う処理である。
球がみ動作設定処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図55に示すように、球がみ判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS750)。この判定は、図45に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で減算された球がみ判定時間に基づいて行われる。具体的には、その球がみ判定時間は、時間管理情報として上述した払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶されている。ステップS750では、この時間管理情報記憶領域から時間管理情報を読み出して球がみ判定時間が経過したか否かを判定する。
ステップS750で球がみ判定時間が経過していないときには、払出制御プログラムは、上述した払出制御内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS752)。
ステップS752に続いて、払出制御プログラムは、上述した回転角スイッチ752からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS754)。この判定は、ステップS752で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTが定位置判定値と一致しているか否かが判定される。この定位置判定値は、上述したように、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS754の判定では、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS754で、ステップS752で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、払出制御プログラムは、球がみ動作を行うよう払出モータ744への駆動信号の出力を設定し(ステップS756)、このルーチンを終了する。この設定では、払出モータ744に駆動信号を出力する駆動情報が設定されて上述した払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶される。
一方、ステップS754で、ステップS752で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、払出制御プログラムは、払出モータ744への駆動信号の停止を設定する(ステップS758)。この設定では、払出モータ744に駆動信号を停止する駆動情報が設定されて払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶される。
ステップS758に続いて、払出制御プログラムは、球がみ動作の終了として球がみ中フラグPBE−FLGに値0をセットし(ステップS760)、このルーチンを終了する。この球がみ中フラグPBE−FLGは、払出回転体による球がみ状態が生じているか否かを示すフラグであり、払出モータ744が球がみ動作を行っているとき値1、球がみ動作を行っていないとき(球がみ動作の終了)値0にそれぞれ設定される。
一方、ステップS750で球がみ判定時間が経過したときには、払出制御プログラムは、払出モータ744への駆動信号の停止を設定する(ステップS762)。この設定では、払出モータ744に駆動信号を停止する駆動情報を設定して払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS762に続いて、払出制御プログラムは、CRユニット6へのエラー状態の出力を設定する(ステップS764)。ここでは、現在、球貸しができない状態となっている旨をCRユニット6に伝えるために、払出制御MPU4120aは、CRユニット6と通信中でないとき(CRユニット6からのBRDYの論理がLOW、つまり立ち下がって保持されているとき)にはPRDY信号の論理をLOW、つまり立ち下げた状態を保持し、PRDY信号の論理の状態をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図45の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報、つまり論理がLOWであるPRDY信号を、払出制御部4120の払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。一方、CRユニット6と通信中であるとき(CRユニット6からのBRDYの論理がHI、つまり立ち上がって保持されているとき)にはEXS信号の論理の状態を維持し、EXS信号の論理の状態をEXS信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図45の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からEXS信号出力設定情報を読み出してこの読み出したEXS信号出力設定情報、つまり論理が維持されたEXS信号を、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。なお、「EXS信号の論理の状態を維持」とは、上述したように、EXS信号の論理がLOWである(EXS信号が立ち下がって保持されている)ときにはその論理LOWを維持し、EXS信号の論理がHIである(EXS信号が立ち上がっている保持されている)ときにはその論理HIを維持することである。
ステップS764に続いて、払出制御プログラムは、球がみ動作の終了として球がみ中フラグPBE−FLGに値0をセットし(ステップS766)、このルーチンを終了する。
[16−9.リトライ動作監視処理]
次に、リトライ動作監視処理について説明する。このリトライ動作監視処理では、払い出されるはずの遊技球を再び払い出すリトライ動作が正常に行われているか否かを監視する処理である。
リトライ動作監視処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図56に示すように、上述した払出制御内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS770)。
ステップS770に続いて、払出制御プログラムは、上述した回転角スイッチ752からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS772)。この判定は、ステップS770で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTが定位置判定値と一致しているか否かを判定する。この定位置判定値は、上述したように、払出制御内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS772の判定では、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS772において、ステップS770で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、払出制御プログラムは、不整合カウンタINCCに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS774)。この不整合カウンタINCCは、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、計数スイッチ751で検出された球数と、の差を算出するためのカウンタであり、通常、払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、計数スイッチ751で検出された球数と、が一致しているため、値0となる。払出制御プログラムは、図54に示した払出設置処理において、リトライ動作を行うため、このリトライ動作によって、払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に計数スイッチ751で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを不整合カウンタINCCで監視して判断している。なお、不整合カウンタINCCは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている。ステップS774では、払出制御プログラムは、この賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCをインクリメントしている。
ステップS774に続いて、又はステップS772で、ステップS770で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、払出制御プログラムは、計数スイッチ751からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS776)。この判定は、図45に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理で計数スイッチ751からの検出信号に基づいて行う。具体的には、その検出信号は、上述したように、入力情報として上述した払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS776では、払出制御プログラムが、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して計数スイッチ751からの検出信号があるか否かの判定を行う。
ステップS776で計数スイッチ751からの検出信号があるときには、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCから値1だけ引く(デクリメントし、ステップS778)。
ステップS778に続いて、又はステップS776で計数スイッチ751からの検出信号がないときには、払出制御プログラムは、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいか否かの判定する(ステップS780)。パチンコ遊技機1では、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球が1球払い出される確率が数百万分の1程度であることが実験によって得られており、本実施形態では、不整合しきい値INCTHとして値5が設定されている。
図45の払出制御部電源投入時処理におけるステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において、上述したように、復電時に、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報である、賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCに基づいてこのリトライ動作監視処理に使用する情報が設定される。この処理によって、例えば、瞬停又は停電しても、復電時における不整合カウンタINCC等の値を、払出バックアップ情報として記憶した、瞬停又は停電する直前における不整合カウンタINCC等の値に復元することができるようになっている。これにより、ステップS780の判定では、瞬停又は停電する直前まで行っていた、賞球装置740による遊技球の払出動作(リトライ動作)の監視を、復電時から継続することができるようになっている。このため、例えば、瞬停又は停電する直前において、ステップS780の判定で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいときには、リトライ動作が正常動作していると判断し、つまり賞球装置740による遊技球の払出動作が正常状態であると判断し、復電時においても、ステップS780の判定で賞球装置740による遊技球の払出動作が正常状態であると判断することができる。一方、ステップS780の判定で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないときには、リトライ動作が異常動作していると判断し、つまり賞球装置740による遊技球の払出動作が異常状態であると判断し、復電時においても、ステップS780の判定で賞球装置740による遊技球の払出動作が異常状態であると判断することができる。
ステップS780で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS780で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないとき、つまり不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上であるときには、払出制御プログラムは、「リトライエラー」である旨を報知するために、払出制御基板4110に実装されているセグメント表示器であるエラーLED表示器860bに数字「5」を表示するリトライエラー情報を設定して上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)する(ステップS782)。一方、「賞球ストック中」である旨を報知する場合には、払出制御プログラムは、エラーLED表示器860bに数字「9」を表示する賞球ストック中情報を設定して上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)する(ステップS782)。
ステップS782に続いて、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCに値0(初期値0)をセットする(ステップS784)。ステップS784では、不整合カウンタINCCは、ステップS780で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないとき、つまり不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上であるときには、この内的要因が発生したことを契機として初期化されるようになっている。なお、不整合カウンタINCCは、電源投入時において操作スイッチ860aがRAMクリアするために操作されると、この外的要因が発生したことを契機として初期化されるようになっている。操作スイッチ860aが電源投入時に操作されると、上述したように、その操作に対応した操作信号がRAMクリア信号として図12に示した主制御基板4100の主制御MPU4100aに入力される。上述したメイン制御プログラムは、主制御MPU4100aの制御の下、上述したように、主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報をすべて消去し、RAMクリア報知コマンドを、図12に示した周辺制御基板4140に出力する。これにより、図5に示した本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び図2に示した扉枠5に設けたスピーカ130からRAMクリア報知音が流れるようになっている。
ステップS784に続いて、リトライエラーフラグRTERR−FLGに値1をセットし(ステップS786)、このルーチンを終了する。このリトライエラーフラグRTERR−FLGは、リトライ動作が異常動作しているか否かを示すフラグであり、リトライ動作が異常動作しているとき値1、リトライ動作が異常動作していないとき(リトライ動作が正常動作している)とき値0にそれぞれ設定される。
なお、払出制御プログラムは、払出制御MPU4120aの制御の下、ステップS782で払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域にセット(記憶)したリトライエラー情報(或いは賞球ストック中情報)を、図45に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS566のコマンド送信処理でリトライエラーの状態コマンドを作成して主制御基板4100に送信し、同処理におけるステップS564のLED表示データ作成処理でエラーLED表示器860bに表示する表示データを作成してLED表示情報として出力情報記憶領域に記憶し、同処理におけるステップS548のポート出力処理で出力情報記憶領域に記憶されたLED表示情報に基づいてエラーLED表示器860bに駆動信号を出力し、このエラーLED表示器860bに数字「5」を表示する。状態コマンドを受信した主制御基板4100では、メイン制御プログラムが、図42に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で周辺制御基板4140に送信する。この周辺制御基板4140は、扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDを所定の色(本実施形態では、赤色)で発光させる、点灯信号を出力する扉枠側点灯点滅コマンドを図15に示した枠装飾駆動アンプ基板194に出力し、複数のLEDを所定の色で発光させる。この複数のLEDの発光に気付いたホールの店員等は、上述したように、本体枠3を外枠2に対して開放することで払出制御基板4110に実装されたエラーLED表示器860bに数字「5」が表示されることを目視することによって「リトライエラー」が発生していることを確認することができる。これにより、ホールの店員等は、その発生原因を調べるために、計数スイッチ751の不具合や、計数スイッチ751からの払出制御基板4110まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等の確認作業を、複数のLEDの発光とエラーLED表示器860bの表示内容とが報知されない場合と比べると、極めて早く行うことができる。
また、計数スイッチ751を意図的に非作動状態とすることによって、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球を検出困難として上述したリトライ動作を強制的に発生させて、このリトライ動作によって払い出される遊技球を不正に獲得する不正行為が行われたとしても、上述した不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上となると、扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDが発光するため、ホールの店員等がパチンコ遊技機1の状態を確認するために駆け付けることとなる。そうすると、不正行為を行う遊技者は、その行為が発見されないように中断せざるを得なくなり、不正行為による不正な遊技球を継続して獲得することができない。不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHと一致しても、不正行為を行う遊技者が獲得できる遊技球の球数は不整合しきい値INCTHと同一となるため、つまり5球であるため、計数スイッチ751を意図的に非作動状態とする行為によるホールの損害を極めて小さく抑えることができる。
更に、不整合カウンタINCCは、上述したように、ステップS780で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないとき、つまり不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上となったという内的要因が発生したことを契機として初期化されるようになっている。これにより、不整合カウンタINCCは、例えば、エラー解除するために操作スイッチ860aを操作したという外的要因が発生したことを契機として初期化されないようになっている。したがって、操作スイッチ860a等を不正に改造して、その操作信号が払出制御MPU4120aに入力されるようにしても、このような不正行為によって、不整合カウンタINCCが強制的に初期化されることがない。
[16−10.不整合カウンタリセット判定処理]
次に、不整合カウンタリセット処理について説明する。この不整合カウンタリセット処理では、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、計数スイッチ751で検出された球数と、の差を算出する不整合カウンタINCCを、リセットするか否かを判定する処理である。
不整合カウンタリセット判定処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図57に示すように、不整合カウンタリセット判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS790)。この判定は、図45に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で更新された不整合カウンタリセット判定時間に基づいて行われる。具体的には、その不整合カウンタリセット判定時間は、時間管理情報として上述した払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶されている。ステップS790では、この時間管理情報記憶領域から時間管理情報を読み出して不整合カウンタリセット判定時間が経過したか否かを判定する。
ステップS790で不整合カウンタリセット判定時間が経過していないときには、払出制御プログラムが、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS790で不整合カウンタリセット判定時間が経過したときには、払出制御プログラムが不整合カウンタリセット判定時間の初期化を行う(ステップS792)。この初期化によって、不整合カウンタリセット判定時間に初期値である7000s(約2時間)がセットされる。
ステップS792に続いて、払出制御プログラムは、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCに値0(初期値0)をセットし(ステップS794)、このルーチンを終了する。不整合カウンタINCCは、上述したように、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、計数スイッチ751で検出された球数と、の差を算出するためのカウンタであり、通常、払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、計数スイッチ751で検出された球数と、が一致しているため、値0となる。払出制御プログラムは、払出制御MPU4120aの制御によって、図54に示した払出設置処理において、リトライ動作を行うため、このリトライ動作によって、払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に計数スイッチ751で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを不整合カウンタINCCで監視して判断している。本発明のパチンコ遊技機1では、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球が1球払い出される確率が数百万分の1程度であることが実験によって得られている。
ここで、パチンコ遊技機1は、上述したように、遊技盤4と、遊技盤4が装着される本体枠3等の枠体と、からなり、遊技盤4を交換(新台入替)することにより遊技仕様を変更できるように構成されているため、賞球装置740を制御する払出制御基板4110、賞球装置740の駆動電源や払出制御基板4110の制御電源を生成する電源基板851は、共通の機能として枠体側に装備されている。払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、上述したように、不整合カウンタINCCを監視することによって、リトライ動作を繰り返し行っているか否かの異常動作を判定することができるようになっており、図45に示した払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理では電源遮断時に遮断直前の不整合カウンタINCCを記憶する一方、図44に示した払出制御部電源投入時処理におけるステップS530の処理(RAM作業領域の復電時設定)では電源投入時にその記憶した不整合カウンタINCCから再び処理を開始するようになっている。
そうすると、電源を遮断してパチンコ遊技機1に装着されている遊技盤4から、この遊技盤4と異なる他の遊技仕様の遊技盤4’に交換して電源を投入する場合には、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、遊技盤4がパチンコ遊技機1に装着されたときに記憶された不整合カウンタINCCから再び処理を開始することとなる。つまり、遊技盤4’が装着されたパチンコ遊技機1を遊技者が遊技すると、交換前の遊技盤4が装着されたパチンコ遊技機1における不整合カウンタINCCをそのまま受け継ぐこととなる。このため、遊技盤4’が装着されたパチンコ遊技機1を遊技者が遊技して、たまたま数百万分の1という確率で、つじつまの合わない遊技球の球数が生じて不整合カウンタINCCが増加し、この不整合カウンタINCCが上述した不整合しき値INCTH以上となると、遊技盤4から遊技盤4’に交換して短い期間で、払出制御MPU4120aによって、リトライ動作の異常動作として判定されるおそれがある。つまり、遊技盤4から遊技盤4’に交換されてから間もない期間で、計数スイッチ751の不具合や、計数スイッチ751からの払出制御基板4110まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等が生じていないにもかかわらず、突然、リトライ動作の異常動作として判定されるおそれがある。
このように、遊技盤4から遊技盤4’に交換して短い期間でリトライ動作の異常動作として判定されると、交換された遊技盤4’は新しいにもかかわらず、故障しやすいという印象を遊技者に与えかねない。リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球が1球払い出される数百万分の1という確率は、パチンコ遊技機1をホールに設置して、1週間、ホールの営業時間中、連続稼働させた場合における、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球が1球払い出される確率と同一であるため、図56に示したリトライ動作監視処理におけるステップS778の処理で不整合カウンタINCCから数百万分の1の確率で値1だけ引かれない状態となる。そうすると、1週間では不整合カウンタINCCに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値1となり、2週間では不整合カウンタINCCにさらに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値2となり、3週間では不整合カウンタINCCにさらに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値3となり、4週間では不整合カウンタINCCにさらに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値4となり、5週間では不整合カウンタINCCにさらに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値5となって上述した不整合しきい値INCTHと一致することとなる。つまり5週間が経過すると、不整合カウンタINCCが不整合しきい値INCTHと一致するために、払出制御プログラムは、払出制御MPU4120aの制御の下、図56に示したリトライ動作監視処理におけるステップS776の判定で、計数スイッチ751からの検出信号がないものとして判定することとなり、計数スイッチ751の不具合や、計数スイッチ751からの払出制御基板4110まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等が生じていると判断して、図56に示したリトライ動作監視処理におけるステップS782の処理で、「リトライエラー」である旨を報知するために、払出制御基板4110に実装されているセグメント表示器であるエラーLED表示器860bに数字「5」を表示するリトライエラー情報を設定して払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)することとなる。
そこで、払出制御MPU4120aは、この不整合カウンタリセット判定処理におけるステップS790の判定で不整合カウンタリセット判定時間が経過したと判定したときには、つまり7000s(約2時間)ごとに、繰り返し、不整合カウンタリセット判定処理におけるステップS794の処理で不整合カウンタINCCに値0を強制的にセット、つまり強制的にリセットすることによって、上述した数百万分の1という確率で発生する不整合カウンタINCCのインクリメントを無効化している。これにより、計数スイッチ751の不具合や、計数スイッチ751からの払出制御基板4110まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等が生じていないにもかかわらず、リトライ動作にエラーが生じている旨を伝えるリトライエラー情報を払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)することを防止することができる。
なお、計数スイッチ751を意図的に非作動状態とすることによって、払出モータ744の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球を検出困難として上述したリトライ動作を強制的に発生させ、このリトライ動作によって払い出される遊技球を不正に獲得する不正行為が行われても、計数スイッチ751を意図的に短時間繰り返し非作動状態とする場合では、上述したように、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上となると、扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDが発光するため、ホールの店員等がパチンコ遊技機1の状態を確認するために駆け付けることとなる。そうすると、不正行為を行う遊技者は、その行為が発見されないように中断せざるを得なくなり、不正行為による不正な遊技球を継続して獲得することができない。一方、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上とならないよう計数スイッチ751を意図的に長時間繰り返し非作動状態する場合では、7000s(約2時間)ごとに、不整合カウンタINCCがリセットされるものの、この間に、不正行為を行う遊技者が獲得できる遊技球の球数は、上述したように、不整合カウンタINCCが不整合しきい値INCTHまでであり、計数スイッチ751を意図的に長時間繰り返し非作動状態としても、不正行為を行う遊技者が獲得できる遊技球の球数を極めて少なくすることができる。
[16−11.エラー解除操作判定処理]
次に、エラー解除操作判定処理について説明する。このエラー解除操作判定処理では、図13に示した操作スイッチ860aが操作されているか否かを判定する。
エラー解除操作判定処理が開始されると、払出制御基板4110における払出制御部4120では、払出制御プログラムが、払出制御MPU4120aの制御の下、図58に示すように、操作スイッチ860aがエラー解除するために操作されているか否かを判定する(ステップS800)。この判定は、図45に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理で操作スイッチ860aからの操作信号に基づいて行われる。具体的には、その操作信号は入力情報として上述した払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS800では、払出制御プログラムが、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して、操作スイッチ860aからの操作信号の論理値がHIであるときにはエラー解除を行うことを指示するものではないと判断して操作スイッチ860aが操作されていないと判定する一方、操作スイッチ860aからの操作信号の論理値がLOWであるときにはエラー解除を行うことを指示するものであると判断して操作スイッチ860aが操作されていると判定する。
ステップS800で操作スイッチ860aが操作されていないときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS800で操作スイッチ860aが操作されているときには、払出制御プログラムは、エラーフラグ状態確認処理を行う(ステップS802)。このエラーフラグ状態判定処理では、賞球装置740に関する各種エラー情報に対応するエラーフラグの状態を確認する。例えば、リトライ動作が異常動作しているか否かを示すリトライエラーフラグRTERR−FLGの状態を確認する。このリトライエラーフラグRTERR−FLGは、上述したように、リトライ動作が異常動作しているとき値1、リトライ動作が異常動作していないとき(リトライ動作が正常動作している)とき値0にそれぞれ設定されるため、払出制御プログラムは、払出制御MPU4120aの制御の下、リトライエラーフラグRTERR−FLGの値が値0であるか、又は値1であるか、を確認している。
ステップS802に続いて、払出制御プログラムが状態情報設定処理を行う(ステップS804)。この状態情報設定処理では、ステップS802で確認したエラーフラグに基づいて、エラーフラグの状態が、エラーが生じている旨を示すものである場合には、そのエラーフラグに対応する状態情報を、上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)する。これにより、図45に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS566のコマンド送信処理で、上記状態情報記憶領域から各種情報(状態情報)を読み出し、この読み出した状態情報に基づいて状態コマンドを作成して主制御基板4100に送信することとなる。例えば、上述したリトライ動作が異常動作しているか否かを示すリトライエラーフラグRTERR−FLGが値1であるとき、つまりリトライ動作が異常動作しているときには、リトライ動作にエラーが生じている旨を伝えるリトライエラー情報を、払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)すると、図45に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS566のコマンド送信処理で、リトライエラーの状態コマンドを作成して主制御基板4100に送信することとなる。
なお、リトライエラー情報を受信した主制御基板4100は、メイン制御プログラムが、図42に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で周辺制御基板4140に送信し、周辺制御基板4140では、サブ制御プログラムが、リトライ動作にエラーが生じている旨を伝えるリトライ動作エラー報知処理を行う。このリトライ動作エラー報知処理では、「賞球ユニットを確認してください。」、そして「払出制御基板のハーネスを確認してください。」のリトライ動作のエラー報知アナウンスを、所定回数(本実施形態では、2回。)繰り返し図5に示した本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び図2に示した扉枠5に設けたスピーカ130から流れることによって、ホールの店員等に報知するようになっている。このリトライ動作のエラー報知アナウンスを聞いたホールの店員等は、図13に示した計数スイッチ751の不具合や、計数スイッチ751からの払出制御基板4110まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等を、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130からリトライ動作のエラー報知アナウンスが流れない場合と比べると、極めて早く確認することができる。またリトライ動作エラー報知処理では、扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDを所定の色(本実施形態では、赤色)で発光させている。
ステップS804に続いて、払出制御プログラムが解除設定処理を行う(ステップS806)。この解除設定処理では、ステップS802で確認した各種エラー情報に対応するエラーフラグに基づいて、エラーフラグの状態が、エラーが生じている旨を示すものである場合には、そのエラーフラグに対応するエラーがすでに払出制御基板4110に実装されているセグメント表示器であるエラーLED表示器860bによって表示されている内容を強制的に停止したり、球貸しができる状態となっている旨をCRユニット6に伝えるために、上述したPRDY信号の論理をHI、つまり立ち上げた状態を保持し、払出制御部4120の払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力したりする。例えば、上述したリトライ動作が異常動作しているか否かを示すリトライエラーフラグRTERR−FLGが値1であるとき、つまりリトライ動作が異常動作しているときには、すでにエラーLED表示器860bによって表示されている「リトライエラー」である旨を報知する数字「5」を強制的に停止するために、上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域に記憶されているリトライエラー情報を、「正常」である旨を報知する図形「−」が表示される情報に強制的に上書きする。また、球貸しができる状態となっている旨をCRユニット6に伝えるために、PRDY信号の論理をHI、つまり立ち上がった状態を保持し、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。
ステップS806に続いて、払出制御プログラムがエラーフラグ初期化処理を行い(ステップS808)、このルーチンを終了する。このエラーフラグ初期化処理では、ステップS802で確認した各種エラー情報に対応するエラーフラグに基づいて、エラーフラグの状態が、エラーが生じている旨を示すものである場合には、そのエラーフラグを初期化する。例えば、上述したリトライ動作が異常動作しているか否かを示すリトライエラーフラグRTERR−FLGが値1であるとき、つまりリトライ動作が異常動作しているときには、リトライエラーフラグRTERR−FLGに値0をセットして初期化する。このとき、上述した、PRDY信号の論理をHI、つまり立ち上がった状態を保持し、このPRDY信号の論理の状態をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図45の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報、つまり論理がLOWであるPRDY信号を、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。
このように、リトライエラーフラグRTERR−FLGは、図56に示したリトライ動作監視処理におけるステップS780の判定で、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上であるときには、この内的要因が発生したことを契機として同処理のステップS786の処理でリトライエラーフラグRTERR−FLGに値1がセットされる一方、操作スイッチ860aが操作されると、これを契機として、つまりこの外的要因が発生したことを契機としてリトライエラーフラグRTERR−FLGに値0がセットされて初期化されるようになっている。なお、リトライエラーフラグRTERR−FLGは、電源投入時において操作スイッチ860aがRAMクリアするために操作されると、これを契機として、つまり操作スイッチ860aがエラーを解除するためにRAMクリアするために操作スイッチ860aが操作された場合と同様に、この外的要因が発生したことを契機として初期化されるようになっている。
以上のようにパチンコ遊技機1は、本来、払出動作に関して発生したエラーを解除するために使用されるはずであった操作スイッチ860a(操作スイッチ)を、電源投入時から主制御側メイン処理が実行されるまでの所定時間に亘って、その代わりに、主制御内蔵RAM(遊技記憶部)及び払出制御内蔵RAM(払出記憶部)の初期化を開始させるためのRAMクリア機能を発揮させるための操作部として機能させている。またこのパチンコ遊技機1は、当該所定時間の経過後に、この操作スイッチ860aを、遊技球の払出動作に関して発生したエラーを解除するための操作部として機能させている。ここで、ホール店員が仮にパチンコ機の操作に慣れていない者であっても、遊技機の背面における操作スイッチ860aの位置さえ覚えていれば、この操作スイッチ860aを操作したタイミングに応じて、それが電源投入時から所定時間を経過していれば、遊技球の払出動作に関して発生したエラーを解除する機能を発揮させる一方、操作スイッチ860aを操作したタイミングに応じて、それが電源投入時から所定時間内であれば、記憶部を初期化する機能を発揮させることができる。従って、ホール店員は、このような遊技機においてエラーが発生した場合でも、エラー対応時におけるスイッチ操作の効率化が図られてスイッチ操作に迷うことなく適切に対処することができるため、遊技が中断された遊技者が遊技意欲を損なう前に遊技を再開させることができる。
[16−12.CRユニットとの各種信号のやり取り]
次に、図45の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理についてタイミングチャートを用いて説明する。このCR通信処理では、図14に示した、払出制御基板4110とCRユニット6との各種信号のやり取りを行う。まず、球貸しによる払出動作時の信号処理について説明し、続けてCRユニット6からの入力信号確認処理について説明する。ここでは、金額として200円分の遊技球の球数(本実施形態では、50球であり、金額として100円分の25球の払出動作を2回行っている。)を貸球数として、図7に示した、上皿301や下皿302に払い出す場合について説明する。なお、CRユニット6からのBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号は、払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの読み出した入力情報に記憶されているものであり、CR通信処理は、割り込みタイマ周期である2msごとに、入力情報からBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号の論理の状態を確認している。
[16−12−1.球貸しによる払出動作時の信号処理]
払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、払出制御内蔵RAMのCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報が、貸球を払い出すための払出動作が可能状である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態に設定されている場合には、図59(d)に示すように、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理をHIとして、つまり立ち上げて保持して払出制御部4120の払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH0)。この状態で、例えば遊技者によって図2に示した貸球ユニット360の貸球ボタン361が押圧操作されると、球貸スイッチ365bのスイッチが入る(ONする)ようになっており、この球貸操作信号が図14に示したTDSとして度数表示板365から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力される。このTDSが入力されたCRユニット6は、金額として200円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すため、図59(a)に示すように、貸球要求信号であるBRDYを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)に出力し、その信号を立ち上げて保持する(タイミングH1)。このBRDYは、BRDY信号として払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
このBRDY信号が入力された払出制御MPU4120aは、払出制御プログラムが、図59(b)に示すように、タイミングH1から貸出要望監視時間HA(本実施形態では、20ミリ秒(ms)〜58msに設定されている。)が経過するまでに、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、1回の払出動作で所定の貸球数(本実施形態では、25球であり、金額として100円に相当する。)を払い出すための1回の払出動作開始要求信号であるBRQが立ち上がるか否かを監視する。
CRユニット6は、金額として200円分の遊技球の球数のうち、まず100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すため、図59(b)に示すように、タイミングH1から貸出要望監視時間HAが経過するまでに、BRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力し、その信号を立ち上げて保持する(タイミングH2)。このBRQは、BRQ信号として払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
払出制御MPU4120aは、図59(c)に示すように、タイミングH1から貸出要望監視時間HAが経過するまでにBRQ信号が立ち上がると、タイミングH2からBRQ要望了解ACK監視時間HB(本実施形態では、20ms±1msに設定されている。)が経過するまでに、1回の払出動作を開始した旨を伝えるために、EXS信号の論理をHIとして、つまり立ち上げた状態を保持して払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH3)。
このEXSが入力されたCRユニット6は、図59(b)に示すように、タイミングH3から貸出指示監視時間HC(本実施形態では、20ms〜58msに設定されている。)が経過するまでに、タイミングH2から立ち上げて保持したBRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110に出力し、その信号を立ち下げて保持する(タイミングH4)。
払出制御MPU4120aは、図59(c)に示すように、タイミングH4から払出監視時間HD(本実施形態では、球払出時間に設定されている。)が経過するまでに、1回の払出動作を行って所定の貸球数だけ、つまり100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出す。そして払出監視時間HDが経過すると、タイミングH3から立ち上げて保持したEXS信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH5)。
CRユニット6は、金額として200円分の遊技球の球数のうち、残り100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すため、図59(b)に示すように、タイミングH5から次要求確認タイミングHE(本実施形態では、最大268msに設定されている。)が経過するまでに、BRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)に出力し、その信号を立ち上げて保持する(タイミングH6)。
払出制御MPU4120aは、上述した方法を用いて同様に、残り100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すと、図59(c)に示すように、立ち上げて保持したEXS信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH7)。
CRユニット6は、タイミングH7からCRユニット貸出完了監視時間HF(本実施形態では、最大268msに設定されている。)が経過するまでに、図59(a)に示すように、タイミングH1から立ち上げて保持したBRDYを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)に出力し、その信号を立ち下げて保持する(タイミングH8)。
上述した、貸出要望監視時間HA、BRQ要望了解ACK監視時間HB、貸出指示監視時間HC、払出監視時間HD、次要求確認タイミングHE、CRユニット貸出完了監視時間HFは、図45に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で計時されている。
なお、払出制御MPU4120aは、球切れ、球がみ、計数スイッチエラー、リトライエラー、満タン等が生じているとき場合には、CRユニット6と通信中でないとき(CRユニット6からのBRDYの論理がLOW、つまり立ち下がって保持されているとき)には、図59(d)に示すように、タイミングH1から立ち上げて保持したPRDY信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH9)。一方、CRユニット6と通信中であるとき(CRユニット6からのBRDYの論理がHI、つまり立ち上がって保持されているとき)には、図示しないが、EXS信号の論理の状態を維持し、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する。「EXS信号の論理の状態を維持」とは、EXS信号の論理がLOWである(EXS信号が立ち下がって保持されている)ときにはその論理LOWを維持し、EXS信号の論理がHIである(EXS信号が立ち上がっている保持されている)ときにはその論理HIを維持することである。
このように、CRユニット6は、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aと各種信号のやり取りを行い、払出制御MPU4120aが金額として200円分の遊技球の球数を、金額として100円分の25球の払出動作を2回行うことによって、貸球数が50球となる遊技球を上皿301や下皿302に払い出している。なお、CRユニット6の正面側に設けられている、図示しない設定部をホールの店員等が操作して、例えば、金額として100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すように設定した場合には、払出制御MPU4120aが金額として100円分の25球の払出動作を1回行い、金額として500円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すように設定した場合には、払出制御MPU4120aが金額として100円分の25球の払出動作を5回行い、金額として1000円分の遊技球の球数を貸球数として上皿301や下皿302に払い出すように設定した場合には払出制御MPU4120aが金額として100円分の25球の払出動作を10回行うこととなる。
[16−12−2.CRユニットからの入力信号確認処理]
払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aは、上述した貸出要望監視時間HAが経過しても、CRユニット6がBRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110に出力し、その信号を立ち上げていない場合や、上述した貸出指示監視時間HCが経過しても、CRユニット6がBRDYを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110に出力し、その信号を立ち下げていない場合や、上述した次要求確認タイミングHEが経過しても、CRユニット6がBRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110に出力し、その信号を立ち上げていない場合や、上述したCRユニット貸出完了監視時間HFが経過しても、CRユニット6がBRDYを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110に出力し、その信号を立ち下げていない場合には、上述した、PRDY及びEXSを用いて、BRQ及びBRDYが正常であるか否かの確認を行う。具体的には、払出制御MPU4120aは、図59(e),(f)に示すように、BRQ及びBRDYが正常でないと判断すると(タイミングJ0)、このタイミングJ0から所定期間JA(本実施形態では、200ms±1msに設定されている。)の経過後に、PRDY信号の論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態を保持して払出制御部4120の払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力し、EXS信号の論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態を保持して払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ1)。
続いて払出制御MPU4120aは、タイミングJ1から所定期間JB(本実施形態では、200ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ1から立ち下げて保持したPRDY信号を、その論理をHIとして、つまり立ち上げた状態に保持して払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ2)。
続いて払出制御MPU4120aは、タイミングJ2から所定期間JC(本実施形態では、100ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ2から立ち上げて保持したPRDY信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ3)。
続いて払出制御MPU4120aは、タイミングJ3から所定期間JD(本実施形態では、100ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ3から立ち下げて保持したPRDY信号を、その論理をHIとして、つまり立ち上げた状態に保持して払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ4)。
続いて払出制御MPU4120aは、タイミングJ4から所定期間JE(本実施形態では、100ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ4から立ち上げて保持したPRDY信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ5)。
続いて払出制御MPU4120aは、タイミングJ5から所定期間JF(本実施形態では、10000ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ5から立ち下げて保持したPRDY信号を、その論理をHIとして、つまり立ち上げた状態に保持して払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ6)。
上述した、所定期間JA〜所定期間JFは、図45に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で計時されている。
[17.周辺制御基板の各種制御処理]
次に、図12に示した、主制御基板4100(主制御MPU4100a)から各種コマンドを受信する周辺制御基板4140の各種処理について、図60〜図71を参照して説明する。図60は周辺制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図61は周辺制御部Vブランク割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図62は周辺制御部1msタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図63は周辺制御部コマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図64は周辺制御部停電予告信号割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図65は復電時節電モード移行判定処理の一例を示すフローチャートであり、図66は電力消費量監視処理の一例を示すフローチャートであり、図67は電力抑制用のマスターボリューム値として設定される値と電力消費抑制段階との関係を示す図(a)、電力抑制用の輝度として設定される輝度と電力消費抑制段階との関係を示す図(b)であり、図68はLOCKN信号履歴作成処理の一例を示すフローチャートであり、図69は接続不具合判定処理の一例を示すフローチャートであり、図70は接続回復処理の一例を示すフローチャートであり、図71は上皿側液晶用トランスミッタICのINIT端子に対して接続確認信号を出力するタイミングを説明するタイミングチャートである。
周辺制御基板4140は、図15に示したように、周辺制御部4150と液晶及び音制御部4160とから構成されており、ここでは、周辺制御部4150の各種制御処理について説明する。まず、周辺制御部電源投入時処理について説明し、続いて周辺制御部Vブランク割り込み処理、周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、周辺制御部停電予告信号割り込み処理、復電時節電モード移行判定処理、電力消費量監視処理、LOCKN信号履歴作成処理、接続不具合判定処理、接続回復処理について説明する。復電時節電モード移行判定処理は、後述する周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1004の処理であり、電力消費量監視処理は、後述する周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1027の処理であり、LOCKN信号履歴作成処理は、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるステップS1110の描画状態情報取得処理の一処理として実行され、接続不具合判定処理及び接続回復処理は、後述する周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行され、接続不具合判定処理に続いて接続回復処理が実行されるようになっている。なお、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部停電予告信号割り込み処理が最も高く設定され、続いて電力消費抑制信号割り込み処理、周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、そして周辺制御部Vブランク割り込み処理という順番に設定されている。
[17−1.周辺制御部の各種制御処理]
[17−1−1.周辺制御部電源投入時処理]
まず、周辺制御部電源投入時処理について、図60を参照して説明する。パチンコ遊技機1に電源が投入されると、図15に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図60に示すように、周辺制御部電源投入時処理を行う。この周辺制御部電源投入時処理が開始されると、演出制御プログラムが周辺制御MPU4150aの制御の下、初期設定処理を行う(ステップS1000)。この初期設定処理では、演出制御プログラムが、周辺制御MPU4150a自身を初期化する処理と、ホットスタート/コールドスタートの判定処理と、リセット後のウェイトタイマを設定する処理等を行う。周辺制御MPU4150aは、まず自身を初期化する処理を行うが、この周辺制御MPU4150aを初期化する処理にかかる時間は、マイクロ秒(μs)オーダーであり、極めて短い時間で周辺制御MPU4150aを初期化することができる。これにより、周辺制御MPU4150aは、割り込み許可が設定された状態となることによって、例えば、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において、主制御基板4100から出力される、図37及び図38に示した、遊技演出の制御に関するコマンドやパチンコ遊技機1の状態に関するコマンド等の各種コマンドを受信することができる状態となる。
ホットスタート/コールドスタートの判定処理では、図16に示した周辺制御RAM4150cついては、そのバックアップ第1エリア4150cbにおける、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1fr)を比較するとともに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1ms)を比較し、そのバックアップ第2エリア4150ccにおける、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1fr)を比較するとともに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1ms)を比較し、この比較した内容が一致しているときには図16に示した周辺制御RAM4150cの通常使用する記憶領域である、Bank0(1fr)に対してBank1(1fr)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(1fr)と、Bank0(1ms)に対してBank1(1ms)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(1ms)と、をそれぞれコピーバックしてホットスタートとする一方、比較した内容が一致していないとき(つまり、不一致であるとき)には周辺制御RAM4150cの通常使用する記憶領域である、Bank0(1fr)及びBank0(1ms)に対してそれぞれ値0を強制的に書き込んでコールドスタートとする。
またホットスタート/コールドスタートの判定処理では、図16に示した周辺制御SRAM4150dについても、そのバックアップ第1エリア4150dbにおける、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(SRAM)を比較するとともに、そのバックアップ第2エリア4150dcにおける、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(SRAM)を比較する。この比較した内容が一致しているときには図16に示した周辺制御SRAM4150dの通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に対してBank0(SRAM)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(SRAM)をコピーバックしてホットスタートとする一方、比較した内容が一致していないとき(つまり、不一致であるとき)には周辺制御SRAM4150dの通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に対して値0を強制的に書き込んでコールドスタートとする。このようなホットスタート又はコールドスタートに続いて、図16に示した周辺制御RAM4150cのバックアップ非管理対象ワークエリア4150cfに対して値0を強制的に書き込んでゼロクリアする。そして周辺制御MPU4150aは、この初期化設定処理を行った後に、図16に示した周辺制御内蔵WDT4150afと、図15に示した周辺制御外部WDT4150eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1000に続いて、演出制御プログラムは現在時刻情報取得処理を行う(ステップS1002)。この現在時刻情報取得処理では、図15に示したRTC制御部4165のRTC41654aのRTC内蔵RAM4165aaから、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して、図16に示した周辺制御RAM4150cのRTC情報取得記憶領域4150cadに、現在のカレンダー情報としてカレンダー情報記憶部にセットするとともに、現在の時刻情報として時刻情報記憶部にセットする。また、現在時刻情報取得処理では、液晶表示装置の輝度設定処理も行う。この液晶表示装置の輝度設定処理では、周辺制御MPU4150aがRTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから輝度設定情報を取得して、この取得した輝度設定情報に含まれるLEDの輝度となるように、遊技盤側表示装置1820のバックライトの輝度を調節して点灯する処理を行う。輝度設定情報は、上述したように、遊技盤側表示装置1820のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側表示装置1820のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれているものである。
液晶表示装置の輝度設定処理では、具体的には、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaに記憶されている輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側表示装置1820のバックライトを点灯するときには、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側表示装置1820のバックライトの輝度を調節して点灯し、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaに記憶されている輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が80%で遊技盤側表示装置1820のバックライトを点灯するときには、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側表示装置1820のバックライトの輝度を調節して点灯する。なお、この液晶表示装置の輝度設定処理では、上述した、遊技盤側表示装置1820の使用時間に応じて遊技盤側表示装置1820の輝度を補正するための輝度補正プログラムと同様な補正が全く行われないようになっている。これは、この液晶表示装置の輝度設定処理に輝度補正プログラムと同様な補正プログラムが組み込まれることにより、液晶表示装置の輝度設定処理が実行されるごとに、LEDの輝度が100%に向かって補正されるのを防止するためである。
本実施形態では、周辺制御MPU4150aがRTC4165aのRTC内蔵RAM4165aaからカレンダー情報と時刻情報とを取得するのは、電源投入時の1回のみとなっている。また周辺制御MPU4150aは、この現在時刻情報取得処理を行った後に、周辺制御内蔵WDT4150afと周辺制御外部WDT4150eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1002に続いて、復電時節電モード移行判定処理を行う(ステップS1004)。この復電時節電モード移行判定処理では、その詳細な説明を後述するが、図15に示した電力消費状況履歴RAM4150fに記憶保持されている電力消費状況履歴情報に基づいて、電源断時(電源断直前)においてパチンコ遊技機1で消費していた電力状況を復電時において把握してパチンコ遊技機1で消費する電力を抑制する復電時節電モードへ移行するか否かを判定し、復電時節電モードへ移行する場合には、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる演出音の音量を小さくする設定、扉枠5に備える発光装飾用のLEDや遊技盤4に備える各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度を小さくする設定等を行う。
ステップS1004に続いて、演出制御プログラムは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットする(ステップS1006)。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、後述する周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。Vブランク信号検出フラグVB−FLGは、周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が音源内蔵VDP4160aから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。このステップS1006では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットすることによりVブランク信号検出フラグVB−FLGを一度初期化している。また周辺制御MPU4150aは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットした後に、周辺制御内蔵WDT4150afと周辺制御外部WDT4150eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1006に続いて、演出制御プログラムは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS1008)。このVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1でない(値0である)ときには、再びステップS1008に戻ってVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを繰り返し判定する。このような判定を繰り返すことにより、周辺制御部定常処理を実行するまで待機する状態となる。また周辺制御MPU4150aは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定した後に、周辺制御内蔵WDT4150afと周辺制御外部WDT4150eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行するときには、まず定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットする(ステップS1009)。この定常処理中フラグSP−FLGは、周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1009に続いて、演出制御プログラムは1ms割り込みタイマ起動処理を行う(ステップS1010)。この1ms割り込みタイマ起動処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理を実行するための1ms割り込みタイマを起動するとともに、この1ms割り込みタイマが起動して周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするための1msタイマ割り込み実行回数STNに値1をセットして1msタイマ割り込み実行回数STNの初期化も行う。この1msタイマ割り込み実行回数STNは周辺制御部1msタイマ割り込み処理で更新される。
ステップS1010に続いて、演出制御プログラムは、ランプデータ出力処理を行う(ステップS1012)。このランプデータ出力処理では、演出制御プログラムが図15に示したランプ駆動基板4170へのDMAシリアル連続送信を行う。ここでは、図16に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御DMAコントローラ4150acを利用してランプ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信を行う。このランプ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、図16に示した周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御RAM4150cのランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaに、図8に示した遊技盤4に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号、又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATが後述するランプデータ作成処理で作成されてセットされた状態となっている。
図16に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信を指定し、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの先頭アドレスに格納された遊技盤側発光データSL−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ4150acは、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア4150aaがバスを使用していない場合に、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaに格納された残りの遊技盤側発光データSL−DATを1バイトずつ、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
またランプデータ出力処理では、演出制御プログラムが、図15に示した枠装飾駆動アンプ基板194へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでも、周辺制御MPU4150aの周辺制御DMAコントローラ4150acを利用して枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート連続送信を行う。この枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、図16に示した周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御RAM4150cの枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabに、扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATが後述するランプデータ作成処理で作成されてセットされた状態となっている。
周辺制御MPU4150aの周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因に枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信を指定し、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの先頭アドレスに格納された扉側発光データSTL−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側発光クロック信号STL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ4150acは、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア4150aaがバスを使用していない場合に、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabに格納された残りの扉側発光データSTL−DATを1バイトずつ、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側発光クロック信号STL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
ステップS1012に続いて、演出制御プログラムは、操作ユニット監視処理を行う(ステップS1014)。この操作ユニット監視処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理における操作ユニット情報取得処理において、図7に示した操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいてダイヤル操作部401の回転(回転方向)及び押圧操作部405の操作等を取得した各種情報(例えば、操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて作成するダイヤル操作部401の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部405の操作履歴情報など。)がセットされる図16に示した周辺制御RAM4150cの操作ユニット情報取得記憶領域4150caiに基づいて、ダイヤル操作部401の回転方向や押圧操作部405の操作有無を監視し、ダイヤル操作部401の回転方向や押圧操作部405の操作の状態を遊技演出に反映するか否かを適宜決定する。
ステップS1014に続いて、演出制御プログラムは、プロジェクタ監視処理を行う(ステップS1015)。このプロジェクタ監視処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるプロジェクタ情報取得処理において、図16に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの非バックアップ非管理対象ワークエリア4150cfにおける図示しない空冷装置監視情報取得記憶領域にセットされる、図31に示した遊技盤側表示装置1820のプロジェクタ1850に備える空冷装置FAN0,FAN1からの作動中信号が入力されているか否かの情報に基づいて、空冷装置FAN0,FAN1のいずれか一方又は両方が作動してないとして空冷装置FAN0,FAN1を点検する旨を伝えるメンテナンス情報出力信号を図30に示した外部端子板784を介してホールコンピュータへ出力する。
ステップS1015に続いて、演出制御プログラムは、表示データ出力処理を行う(ステップS1016)。この表示データ出力処理では、後述する表示データ作成処理で音源内蔵VDP4160aの内蔵VRAM上に生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを音源内蔵VDP4160aが図17に示したチャンネルCH1,2から遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470に出力する。これにより、遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470にさまざまな画面が描画される。なお、表示データ出力処理では、音源内蔵VDP4160aの描画能力を超える描画を行った場合には、生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470に出力することをキャンセルするようになっている。これにより、処理時間の遅れを防止することができるが、いわゆるコマ落ちが発生することとなるものの、ステップS1012のランプデータ出力処理による、図8に示した遊技盤4に設けた各種装飾基板の複数のLED、及び扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDによる演出と、後述する音データ出力処理による、図5に示した本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び図2に示した扉枠5に設けたスピーカ130から各種演出に合わせた音楽や効果音等による演出と、の同期を優先することができる仕組みとなっている。
ステップS1016に続いて、演出制御プログラムは、音データ出力処理を行う(ステップS1018)。この音データ出力処理では、演出制御プログラムが、後述する音データ作成処理で音源内蔵VDP4160aに設定された音楽及び効果音等の音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力したり、音楽及び効果音のほかに報知音や告知音の音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力したりする。このオーディオデータ送信IC4160cは、音源内蔵VDP4160aからのシリアル化したオーディオデータが入力されると、右側オーディオデータを、プラス信号及びマイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するとともに、左側オーディオデータを、プラス信号及びマイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信する。これにより、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から各種演出に合わせた音楽や効果音等がステレオ再生されたりするほかに報知音や告知音もステレオ再生されたりする。
ステップS1018に続いて、演出制御プログラムはスケジューラ更新処理を行う(ステップS1020)。このスケジューラ更新処理では、演出制御プログラムが図16に示した周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた各種スケジュールデータを更新する。例えば、スケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを音源内蔵VDP4160aに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、先頭の発光データから何番目の発光データを各種LEDの発光態様とするのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された、音楽や効果音等の音データ、報知音や告知音の音データを指示する音指令データのうち、先頭の音指令データから何番目の音指令データを音源内蔵VDP4160aに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、先頭の駆動データから何番目の駆動データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データは、後述する、1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるモータ及びソレノイド駆動処理で更新される。この1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行されるモータ及びソレノイド駆動処理では、ポインタが指示する駆動データに従ってモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、自身の処理を実行するごとに、ポインタを更新する。つまり、モータ及びソレノイド駆動処理において更新したポインタの指示する駆動データは、スケジューラ更新処理において強制的に更新される仕組みとなっているため、仮に、モータ及びソレノイド駆動処理においてポインタが何らかの原因で本来指示するはずの駆動データから他の駆動データを指示することとなっても、スケジューラ更新処理において本来指示するはずの駆動データに指示するように強制的に更新されるようになっている。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされたメイン賞球情報出力信号用スケジュールデータを構成する時系列に配列された、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している旨をメイン賞球情報としてホールコンピュータへ伝えるメイン賞球情報出力信号を生成するための出力波形データのうち、先頭の出力波形データから何番目の出力波形データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。メイン賞球情報出力信号用スケジュールデータを構成する時系列に配列された出力波形データは、後述する、1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるメイン賞球数情報出力処理で更新される。この1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行されるメイン賞球数情報出力処理では、ポインタが指示する出力波形データに従ってメイン賞球情報出力信号を外部端子板784へ出力するとともに、時系列に規定された次の出力波形データにポインタを更新し、自身の処理を実行するごとに、ポインタを更新する。つまり、メイン賞球数情報出力処理において更新したポインタの指示する出力波形データは、スケジューラ更新処理において強制的に更新される仕組みとなっているため、仮に、メイン賞球数情報出力処理においてポインタが何らかの原因で本来指示するはずの出力波形データから他の出力波形データを指示することとなっても、スケジューラ更新処理において本来指示するはずの出力波形データに指示するように強制的に更新されるようになっている。
ステップS1020に続いて、演出制御プログラムは、受信コマンド解析処理を行う(ステップS1022)。この受信コマンド解析処理では、演出制御プログラムが、図33に示した、タッチパネル駆動基板450から周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して送信された情報(例えば、タッチパネル480に指が触れている位置を示す接触位置データなど。)を、後述するタッチパネル処理において受信してその受信した情報の解析を行うとともに、主制御基板4100から送信された各種コマンドを、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理(コマンド受信手段)において受信した各種コマンドの解析を行う(コマンド解析手段)。演出制御プログラムは、タッチパネル駆動基板450から周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して送信された情報に基づいて、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域に4150caeにセットする。また、演出制御プログラムは、この周辺制御部コマンド割り込み処理で受信された主制御基板4100からのコマンドが、例えば、始動口入賞演出の開始を指示するための始動口入賞コマンド、普通図柄の保留数(0〜4個)を識別するための普通図柄記憶コマンド、図柄同調演出の開始を指示するための図柄同調演出開始コマンド、始動保留数が変化すると出力される図柄記憶コマンド、大入賞口2103に遊技球が受け入れられる度に出力された大入賞口1カウント表示コマンド(大入賞口カウントコマンド)、または、図38に示される満タンという内容を示す枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンド、満タンエラー発生コマンド)であるか否かを解析し(コマンド解析手段)、現在、どの遊技状態であるかを認識する。また、この演出制御プログラムは、電源投入時から所定時間が経過した後、この周辺制御部コマンド受信割り込み処理によって受信されたコマンドが本体枠開放コマンド、本体枠閉鎖コマンド、扉開放コマンドまたは扉枠閉鎖コマンドであるか否かを解析する。主制御基板4100からの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて図16に示した周辺制御RAM4150cの受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されるようになっており、受信コマンド解析処理では、演出制御プログラムが、受信コマンド記憶領域4150cacに記憶された各種コマンドの解析を行う。各種コマンドには、図37に示した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、図38に示した、報知表示に区分される各種コマンド、上述した扉枠開放コマンド、扉枠閉鎖コマンド、本体枠開放コマンド及び本体枠閉鎖コマンド並びにエラー解除ナビコマンド(第2のエラー解除コマンドに相当)、枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンドに相当)、及び枠状態2コマンドなどの状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドがある。
ここで、演出制御プログラムは、上記受信コマンド解析処理(ステップS1022)において解析されたコマンドが枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンド)または上記大入賞口1カウント表示コマンド(大入賞口カウントコマンド)であると判明した場合、上皿側液晶表示装置470(第2表示装置)を用いて、図72に示すように押圧操作部405(操作部)を押下すべきことを促すための示唆表示物として、示唆表示物画像データに基づいて、例えば「ボタンを押して店員を呼んでください」との文言が重ねられた表示態様の矢印型アイコンの表示制御を行う(操作喚起手段)。続いて演出制御プログラムは、呼出制御機能として、この矢印型アイコンの表示を開始した後、押圧操作部405の操作を契機として外部に対して直近の演出動作とは異なる呼出動作を制御し(呼出制御手段)、ホール店員の注意を引き易い態様とする。
このようにすると、ホール店員を呼び出そうとした遊技者は、パチンコ機1よりも上部に配置されていることが多かったデータカウンタにまで手を届かせるために腕や体を伸ばさなくても、より遊技者に近い位置である扉枠5に設けられた押圧操作部405を押下すれば良いため、ホール店員を呼び出すことについて体格的な不都合を体感したり肉体的な負担を感じることが抑制されて、パチンコ機1で長時間に亘り遊技しても不要なストレスを受けにくくなる。従って、このような構成によれば稼働率の向上に寄与することができる。
ところで、上述した呼び出しに応じて遊技者のところに登場したホール店員による作業は、早く遊技を再開したいという遊技者の心理状態を考慮すれば、できる限り早く完了されるべきであり、遊技者は、可能な限りホール店員に協力したいとの考えを持っているはずである。これに対し、このパチンコ機1では、演出制御プログラムが、主制御基板4100から受領した枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンド)に基づいてそのエラー内容を解析する(エラー内容解析手段)。さらに演出制御プログラムは、各エラー内容に応じて遊技者が席を外すべきか否かを管理する図示しないエラー内容管理テーブルに基づいて、当該エラー内容に応じてホール店員による複雑な対処作業(例えば本体枠3或いは扉枠5の開閉)が必要であると判定すると、上述したように「ボタンを押して店員を呼んでください」という標準的なメッセージのみを上記矢印型アイコンに重ね合わせた表示態様とする一方、当該エラー内容に応じてホール店員による複雑な対処作業が必要ないと判定すると、上記標準的なメッセージに加えて「席を離れてお待ちください」という追加的なメッセージを上記矢印型アイコンに重ね合わせた表示態様とする。このようにすると、このようなエラーに遭遇した遊技者は、上述した追加的なメッセージの存在により、席を外してホール店員を待つべきか否かを迷うことなく即時に自らどうのように行動すべきであるかについて判断することができ、必要に応じて、ホール店員に十分な作業スペースを与え、その後の作業を完了させることができる。
また、演出制御プログラムは、押圧操作部405の操作に応じて出力された操作信号を検出すると、矢印型アイコンを表示しているか否かを判断し、この矢印型アイコンを表示している場合には当該操作信号が当該矢印型アイコンの登場に応答して押圧操作部405が操作されたものとみなす。その一方、この演出制御プログラムは、上記操作信号を検出すると、この矢印型アイコンを表示していない場合には当該操作信号が当該矢印型アイコンの登場ではなくその他の要因(演出上操作が促されたこと)に応答して押圧操作部405が操作されたものとみなしている。
ここで、演出制御プログラムは、主制御基板4100から受領するコマンドに基づいて通常遊技状態から大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行したと判断した場合、その後、液晶及び音制御ROM4160bから読み出した示唆表示物画像データに基づいて、上皿側液晶表示装置470(第2表示装置)に、例えば「ドル箱から溢れそうになったら押圧操作部を押して店員を呼んでください」という文言を矢印型アイコンに重ねた表示態様としても良い。このようにすると、遊技者は、大当り遊技状態において払い出された後に下皿302を介して排出された遊技球が収容箱(上記ドル箱に相当)から溢れそうになった場合、遊技者は、いわゆるデータカウンターの呼び出しボタンを手で操作するために腕や体を伸ばす必要がなくなるため、より遊技に集中することができ、稼働率の低下を抑制するこができる。
ところで、このように大当り遊技状態において新たな収容箱を求めてホール店員を呼び出すために、上皿側液晶表示装置470の表示態様によって遊技者に押圧操作部405の操作を促す形態とすると、演出制御プログラムは、一見すると、大当り遊技状態自体において演出上実際に遊技者に押圧操作部405の操作を促した場合との操作信号の区別が困難であるようにも見える。つまり、演出制御プログラムは、操作信号が検出された場合、新たな収容箱を求めて遊技者が押圧操作部405を操作したのか、或いは、大当り遊技状態における演出に応答して遊技者が押圧操作部405を操作したのかを区別することができないようにも思える。
しかしながら、演出制御プログラムは、タイムシェアリングの概念を用いて、大当り遊技状態(特別遊技状態)において演出上実際に遊技者に押圧操作部405による操作を促すとともに上記呼出制御機能による呼出動作の実行が規制される参加操作可能時間帯と、押圧操作部405の操作によってホール店員の呼び出しが可能であって呼出制御機能による呼出動作の実行が許容される店員呼出可能時間帯とを区別するようにしている(タイムシェアリング制御手段)。具体的には、演出制御プログラムは、上記受信コマンド解析処理(ステップS1022)において解析されたコマンドが、満タンであることを示す枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンド)であると判明した場合、上記店員呼出可能時間帯とみなす一方、それ以外の時間帯を上記参加操作可能時間帯としている。この演出制御プログラムは、上記店員呼出可能時間帯であるとみなした場合、大当り中であることを表示している上皿側液晶表示装置470(第2表示装置)を用いて、図73に示すように画面上部に「球を抜いてください」との文言の表示制御を行うとともに、「ボタンを押して店員を呼んでください」との文言が重ねられた表示態様の矢印型アイコンの表示制御を行っている。このようにすると、演出制御プログラムは、大当り遊技状態において操作信号を検出した場合、その検出タイミングが上記参加操作可能時間帯内であった場合には大当り遊技状態の演出に応答して押圧操作部405が操作されたと判断する一方、その検出タイミングが上記店員呼出可能時間帯内であった場合にはホール店員を呼び出すために押圧操作部405が操作されたと判断して区別する。なお、上述した演出制御プログラムは、上皿側液晶表示装置470の表面にタッチパネルを搭載し、押圧操作部405の代わりに上皿側液晶表示装置470に表示したボタンの操作を促すようにしても良い。ところで、演出制御プログラムは、上記受信コマンド解析処理(ステップS1022)において解析されたコマンドが、上記大入賞口1カウント表示コマンド(大入賞口カウントコマンド)であり、かつ、満タンであることを示す枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンド)であると判明した場合には、大当り時に収容箱に遊技球が収まり切らなくなりそうになり、遊技者がホール店員を呼び出すための契機として、上述した図73に示す画面を表示するようにしている。
ところで、この演出制御プログラムは、上記受信コマンド解析処理(ステップS1022)において解析されたコマンドが扉開放コマンドまたは本体枠開放コマンドであると判明した場合(即ち、扉枠5が本体枠3に対して開放された場合または本体枠3が外枠2に対して開放された場合)、上皿側液晶表示装置470(第2表示装置)に、次のような表示態様で表示を行わせる。つまり、演出制御プログラムは、上皿側液晶表示装置470に、ホール店員による作業のためのサービスモード画面(図74参照)を表示させるための指示を行った後、遊技者によるダイヤル操作部401(操作部)の回転操作後に押圧操作部405(操作部)の押圧操作によって「食事休憩設定」が選択されたことが検出されると、上述した稼働を許容しない稼働停止時間を設定するための稼働設定画面に相当する休憩タイマー設定画面(図75参照)を表示させるための指示を行う(稼働設定画面表示制御手段)。このようにホール店員の操作によってしか発生し得ない扉開放コマンドまたは本体枠開放コマンドを契機とすることにより、遊技者による操作では、このような休憩タイマー設定画面の表示をし難い態様とすることができる。
また演出制御プログラムは、ダイヤル操作部401(操作部)及び押圧操作部405を用いたホール店員の操作に応じて休憩タイマー設定画面(稼働設定画面)に入力された時間情報(例えば60分)を稼働停止時間として設定させる(稼働停止時間設定手段)。さらに演出制御プログラムは、この休憩タイマー設定画面(稼働設定画面)において稼働停止時間が設定されたことを契機として、上皿側液晶表示装置470(第2表示装置)に当該設定された稼働停止時間の残り時間を図76のように表示させる(残り時間表示制御手段)。併せて、演出制御プログラムは、周辺制御基板4140による演出動作のうちの少なくとも一部の演出動作を停止状態または抑制状態とするようにしても良い(残り時間表示制御手段)。なお、この演出制御プログラムは、当該設定された稼働停止時間に亘り周辺制御基板4140による遊技盤側表示装置1820(第1の表示装置)の表示動作を少なくとも抑制し、例えばブラックアウトの表示態様とするようにしても良い(第1の表示制御抑制手段)。このようにすると、遊技者が遊技しない稼働停止時間に亘り遊技盤側表示装置1820の電力消費を抑制することができる。
また、演出制御プログラムは、この稼働停止時間の残り時間が規定の状態、例えばカウントゼロとなった場合、または、上述した受信コマンド解析処理(ステップS1022)において解析されたコマンドが扉閉鎖コマンド或いは本体枠閉鎖コマンドであると判明した場合、図76に示す稼働停止時間の残り時間の表示制御を終了するとともに上記一部の演出動作の停止状態または抑制状態を解除する(停止状態解除手段)。このようにすると、このようにホール店員の操作によってしか発生し得ない扉閉鎖コマンドまたは本体枠閉鎖コマンドを契機とすることにより、遊技者による操作では、このような解除をなし難いようにすることができる。
ところで、この演出制御プログラムは、この稼働停止時間の残りの時間がカウントゼロ(規定の状態)となり、かつ、上述した受信コマンド解析処理(ステップS1022)において解析されたコマンドが扉閉鎖コマンドまたは本体枠閉鎖コマンドではない場合、直近の上記演出動作とは異なる特定態様で、例えば遊技盤側表示装置1820を制御し、稼働停止時間の残りの時間が終了した旨の報知動作を実行させる(報知動作開始手段)。このようにすると、休憩許容時間が終了したことがホール店員のみならず、当該パチンコ機1が第三者に開放されることを待ち望んでいる遊技者にも即座かつ容易に分かるようにすることができる。さらに、演出制御プログラムは、このような報知動作の開始後に、上述した受信コマンド解析処理(ステップS1022)において解析されたコマンドが扉閉鎖コマンド或いは本体枠閉鎖コマンドであると判明した場合(即ち、扉枠5が本体枠3に対して閉鎖された場合或いは本体枠3が外枠2に対して閉鎖された場合)、上述した報知動作を停止させている(報知動作停止手段)。このようにすると、休憩など遊技者の意思に基づくパチンコ機1が稼働できない時間を極力短くすることができる。
このようにすると、パチンコ機1の稼働を保留したり再開するのに本体枠3または扉枠5の開閉が必要となるため、その開閉に必要な鍵を所持するホール店員のみがこのようなパチンコ機1の稼働保留及び再開を行うようにすることができる。しかも、あるホール店員が、休憩中であるとしてパチンコ機1の稼働をしばらく保留させた後、多くの遊技者からの呼び出しを受けるなどして各パチンコ機1や各遊技者に十分に気を配ることができない場合においても、当該稼働を保留させていたパチンコ機1において稼働停止時間が経過すると即座に、その稼働低時間が経過したことが公に第三者によって容易に認識可能な状態となる。このため、遊技者がなかなか休憩から戻ってこない場合にも、ホール店員は、早期に、このパチンコ機1をその他の遊技者が遊技可能な状態とすることができることから、ホールとしては、このパチンコ機1に関する稼働率を少しでも高めることができるとともに、各島設備に設置されている各パチンコ機1の各稼働率を全体として高めることができる。
ところで、演出制御プログラムは、周辺制御基板4140に搭載されているRTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaに記憶されているカレンダー情報及び時刻情報に基づいて、遊技者が休憩を取る時間帯に応じて、稼働停止時間を設定する際に1操作当りに変更可能な単位時間(以下「可変単位時間」という)を、図75に示すように5分から希望単位時間(例えば15分)へと変更するようにしても良い。このような変更が可能であると、1日のうちまたは曜日などの時間帯に応じて稼働停止時間を柔軟に設定することができるため、高い稼働率を確保したい平日夜の時間帯(或いは週末)にはより可変単位時間を短くすることにより少しでも稼働率を高く維持するとともに、元々高い稼働率を望みにくい時間帯(平日昼間)にはより長い可変単位時間としてホールサービスに対する心証を良くすることにより、次回も当該ホールで再度遊技をしようという遊技者の意欲を損なわないようにすることができる。
一方、この演出制御プログラムは、上述のように受信コマンド解析処理(ステップS1022)において解析されたコマンドがエラー解除ナビコマンド(第2のエラー発生コマンド)であった場合には、このエラー解除ナビコマンドに含まれるエラー発生位置情報を抽出して取得している(エラー発生場所特定手段)。
ステップS1022に続いて、演出制御プログラムが警告処理を行う(ステップS1024)。この警告処理では、さらに、演出制御プログラムが、上述のようにステップS1022の受信コマンド解析処理で解析したコマンドに、図38に示した報知表示に区分される各種コマンドが含まれているときには、各種異常報知を実行するための異常表示態様に設定されている、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域に4150caeにセットする。なお、警告処理では、複数の異常が同時に発生した場合には、予め登録した優先度の高い順から異常報知から行われ、その異常が解決して残っている他の異常報知に自動的に遷移するようになっている。これにより、一の異常が発生した後であってその異常を解決する前に他の異常が発生して一の異常が発生しているという情報を失うことなく、複数の異常を同時に監視することができる。
またさらに、この警告処理では、電源投入時から所定時間が経過した後に、演出制御プログラムが、上述した受信コマンド解析処理(ステップS1022)において解析したコマンドが、図38に示した状態表示に区分される各種コマンド、例えばエラー解除ナビコマンド(第2のエラー解除コマンド)である場合、演出動作に伴う通常の演出態様とは異なる態様で液晶及び音制御部4160を制御することにより、例えば、遊技盤側表示装置1820(演出装置)、上皿側液晶表示装置470(演出装置)、ランプ(演出装置)を用いて視覚的に外部に警告したり、一対のサイドスピーカ130(演出装置)を用いて聴覚的に外部に警告する(エラー報知手段)。このようにすると、悪意のある遊技者が、遊技状態であるにも拘わらず払出制御基板4110の操作スイッチ860aを操作することにより主制御基板4100にエラー解除ナビコマンドを入力しようと試行した際に、パチンコ機1が外部に警告を行う構成となっているため、遊技の進行に影響を及ぼしかねない主制御基板4100に対する不正行為が抑止されるようになる。
上述したように外部に報知されると、演出制御プログラムは、これを契機として、液晶及び音制御ROM4160b(データ格納部)から本体枠背面画像データを読み出すとともに、この読み出された本体枠背面画像データに基づいて、上皿側液晶表示装置470(第2表示装置)に、枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンド)に含められたエラー発生位置情報に基づいて指定される本体枠背面画像上の特定領域を規定の表示態様としたメンテナンス画面を、図72に示すように表示させる(エラー発生位置示唆手段)。
図72に示すメンテナンス画面では、その上部に水平方向に細長く、エラー番号及びエラー内容が表示されているとともに、中央やや左側に、上述した矢印型アイコンの他にも、例えば「払い出しが不足しています。」とのエラー内容の詳細が表示されている。またさらに、このメンテナンス画面では、右半分に、本体枠背面画像が表示されている。この本体枠背面画像は、パチンコ機1を背面から見た様子、即ち、遊技盤4が装着されている本体枠3の背面側の各部位の配置を模式化したものである。上述した演出制御プログラムは、主制御基板4100から受け取った枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンド)に含められたエラー発生位置情報に基づいて本体枠背面画像上の特定領域(領域740Zに相当)を特定し、この本体枠背面画像上において特定領域740Zを点滅する表示態様(規定の表示態様)とする。
このようにすると、遊技者の呼び出しに応じて遊技者の元に到着したホール店員は、従来のように、外枠2に対して本体枠3を開放して本体枠3に装着されている遊技盤4の払出制御基板4110に設けられたエラーLED表示器860cのエラー内容を確認しなくても、扉枠5の一部に設けられた上皿側液晶表示装置470(第2表示装置)のメンテナンス画面における本体枠背面画像上の領域740Zを確認すれば、この領域740Zの点滅態様を視認することによってパチンコ機1のどの部分にエラーが発生しているかに関して即座に把握することができる。このため、本実施形態の構成によれば、近年のようにパチンコ機1が複雑化している状況においても、エラー対処に掛かる時間が長くなってしまうことを抑制し、複雑な構成のパチンコ機1においてもホール店員ができるだけ早くエラー対処を完了させることができるようになり、エラー対処中における遊技者の焦りや不満が発生しにくくすることができる。
ここで、演出制御プログラムは、エラー解除ナビコマンド(第2のエラー解除コマンド)を受け取ったことを契機として上皿側液晶表示装置470から上記エラー発生位置示唆画像を消滅させる他にも、その代わりに、このエラー解除ナビコマンドよりも先に本体枠閉鎖コマンドを受け取ると、この本体枠閉鎖コマンドをエラー解除ナビコマンドとみなし、この本体枠閉鎖コマンドを受け取ったことを契機として上皿側液晶表示装置470(第2表示装置)から上記本体枠メンテナンス画像を消滅させている(画面復帰手段)。このようにすると、エラー対処が完了したホール店員が、操作スイッチ860aの操作を忘れた場合においても、本体枠閉鎖コマンドをエラー解除ナビコマンドの代わりとみなし、エラー報知の解除のみならず上皿側液晶表示装置470のメンテナンス画面の表示を消すことができる。このようにすると、仮にホール店員がエラー対処後に上皿側液晶表示装置470のメンテナンス画面を消し忘れた場合でも、外枠2に対する本体枠3の閉鎖によって自動的に消して、その後遊技者が違和感を感じることなく遊技を継続することができる。
次に、上述したステップS1024に続いて、演出制御プログラムはメイン賞球数情報出力判定処理を行う(ステップS1025)。このメイン賞球数情報出力判定処理では、演出制御プログラムが、ステップS1022の受信コマンド解析処理で解析されたコマンドが図38に示したその他に区分されるメイン賞球数情報出力コマンドであるときには、周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している旨をメイン賞球情報としてホールコンピュータへ伝えるメイン賞球情報出力信号を外部端子板784へ出力するか否かの判定を行う。この周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタは、ステップS1022の受信コマンド解析処理で解析された図38に示したその他に区分されるメイン賞球数情報出力コマンドに基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数をカウントするものであり、周辺制御RAM4150cの図示しない賞球予定情報記憶領域に記憶更新されるようになっている。図38に示したその他に区分されるメイン賞球数情報出力コマンドは、上述したように、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している旨を伝えるものであるため、このメイン賞球数情報出力コマンドを受信すると、周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に値10が加算されて周辺制御RAM4150cの図示しない賞球予定情報記憶領域に記憶更新されるようになっている。
メイン賞球数情報出力判定処理では、演出制御プログラムが、ステップS1022の受信コマンド解析処理で解析されたコマンドが図37に示した電源投入に区分される電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドであるときには、この電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが指示する内容に基づいて、主制御基板4100が遊技盤4に設けられる図8に示した上始動口2101、下始動口2102、一般入賞口2104,2201、及び大入賞口2103等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数をカウントしたメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの初期値としてセットする一方、ステップS1022の受信コマンド解析処理で解析されたコマンドが図38に示したその他に区分されるメイン賞球数情報出力コマンドであるときには、このメイン賞球数情報出力コマンドは賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している旨を伝えるものであるため、周辺制御側メイン賞球数情報管理カウンタの値に値10を加算する。
またメイン賞球数情報出力判定処理では、演出制御プログラムが、ステップS1022の受信コマンド解析処理で解析されたコマンドが図37に示した電源投入に区分される電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドであるときには、この電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが指示する内容に基づいて、主制御基板4100が遊技盤4に設けられる図8に示した上始動口2101、下始動口2102、一般入賞口2104,2201、及び大入賞口2103等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数をカウントしたメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの初期値としてセットするときにおいて、ステップS1002の現在時刻情報取得処理において取得して図16に示した周辺制御RAM4150cのRTC情報取得記憶領域4150cadにおける時刻情報記憶部にセットした時刻情報に基づいて、ホールの営業を開始するためにパチンコ遊技機1への電源が投入された状態(又はパチンコ遊技機1が設置されているパチンコ島設備への電源が投入された状態)であると判別したときには周辺制御側メイン賞球数情報管理カウンタの値を強制的にリセットしてデフォルト値にセットすることにより初期値として値0(ゼロ)に戻して周辺制御RAM4150cの図示しない賞球予定情報記憶領域に記憶更新する(例えば、ステップS1022の受信コマンド解析処理で解析されたコマンドが図37に示した電源投入に区分される電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドであり、この電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドがメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値が値9であることを示す内容である場合には、この値9が周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの初期値としてセットされても、リセットされて初期値としてデフォルト値である値0(ゼロ)に戻される。これにより、ステップS1022の受信コマンド解析処理で解析されたコマンドが図38に示したその他に区分されるメイン賞球数情報出力コマンドである場合には、このメイン賞球数情報出力コマンドを受信するごとに周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に値10が加算されることとなる。つまり、主制御基板4100側において更新されるメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値と、周辺制御基板4140側において更新される周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値と、が同値となる。)一方、ホールの営業を開始するためにパチンコ遊技機1への電源が投入されたものではなく、ホールの営業中に停電や瞬停が発生して電力が回復した状態であると判別したときには周辺制御側メイン賞球数情報管理カウンタの値を強制的にリセットしてデフォルト値にセットすることにより初期値として値0(ゼロ)に戻さず、周辺制御側メイン賞球数情報管理カウンタの値をそのまま維持する(例えば、ステップS1022の受信コマンド解析処理で解析されたコマンドが図37に示した電源投入に区分される電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドであり、この電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドがメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値が値9であることを示す内容である場合には、この値9が周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの初期値としてセットされる。これにより、ステップS1022の受信コマンド解析処理で解析されたコマンドが図38に示したその他に区分されるメイン賞球数情報出力コマンドである場合には、このメイン賞球数情報出力コマンドを受信するごとに周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値であるメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値としてセットされた値9に値10が加算されることとなる。つまり、主制御基板4100側において更新されるメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値と、周辺制御基板4140側において更新される周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値と、が同値とならない)。
そしてメイン賞球数情報出力判定処理では、演出制御プログラムが、加算された周辺制御側メイン賞球数情報管理カウンタの値に基づいて、この周辺制御側メイン賞球数情報管理カウンタの値が値10を超えているときには(つまり、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているときには)、その旨をメイン賞球情報としてホールコンピュータへ伝えるメイン賞球情報出力信号を外部端子板784へ出力するためのメイン賞球情報出力信号用スケジュールデータを、図16に示した周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットするとともに、その超えた球数を示す値を、周辺制御側メイン賞球数情報管理カウンタの値として、周辺制御RAM4150cの図示しない賞球予定情報記憶領域に記憶更新するようになっている。
ここで、メイン賞球数情報出力判定処理において、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している旨をメイン賞球情報としてホールコンピュータへ伝えるメイン賞球情報出力信号を外部端子板784へ出力するか否かを判定するための周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を復電時において維持又はリセットする点について説明する。まず、電源を遮断した状態から電源を投入した状態であるのか、それとも、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態であるのかを判断せずに、復電時において、常に、ステップS1022の受信コマンド解析処理で解析されたコマンドが図37に示した電源投入に区分される電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドであるときには、この電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが指示する内容に基づいて、主制御基板4100が遊技盤4に設けられる図8に示した上始動口2101、下始動口2102、一般入賞口2104,2201、及び大入賞口2103等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数をカウントしたメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの初期値としてそのままセットする場合における問題点について説明する。
まず、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上述したように、図42に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS104のスイッチ入力処理において、図8に示した一般入賞口2104,2201に入球した遊技球を検出する図12に示した一般入賞口スイッチ3020,3020からの検出信号、図8に示した大入賞口2103に入球した遊技球を検出する図12に示したカウントスイッチ2110からの検出信号、図8に示した上始動口2101に入球した遊技球を検出する図12に示した上始動口スイッチ3022からの検出信号、図8に示した下始動口2102に入球した遊技球を検出する図12に示した下始動口スイッチ2109からの検出信号等をそれぞれ読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶するようになっており、主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、同処理におけるステップS108の賞球制御処理において、賞球として払い出す予定の遊技球の球数をカウントしてメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を更新記憶し、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に基づいて、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値が値10に達している場合(つまり、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している場合)には、その旨を伝えるために図38に示したその他に区分されるメイン賞球数情報出力コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶する。そして、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、同処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、メイン賞球数情報出力コマンドを周辺制御基板4140へ送信する。
ホールの店員等の係員は、ホールの営業が終了した後に、日をまたいで深夜遅くまでパチンコ遊技機1の電源を入れたままメンテナンスを行う場合もあり、このような場合、そのメンテナンスの終了後に、パチンコ遊技機1が設置されるパチンコ島設備への電源を遮断しても、図18に示した電源基板851に備えるバックアップ電源としてのキャパシタBC0に蓄えられた電源(電力)によって、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電源(電力)が供給されるようになっている。これにより、パチンコ島設備への電源を遮断してからホールの営業を開始するために再びパチンコ島設備への電源を投入するまでの間、キャパシタBC0に蓄えられた電源(電力)が完全に放電されない場合には、このキャパシタBC0により主制御MPU4100aは、主制御内蔵RAMに各種情報が記憶保持された状態となる。そうすると、ホールの店員等の係員が電源投入時から所定時間に亘って主制御内蔵RAM(遊技記憶部)の初期化を行うために払出制御基板4110の操作スイッチ860aを操作しいない場合には、図40に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS34で遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域に記憶することによって昨日の遊技状態が復元されることなり、昨日のメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値がそのまま引き継がれることにより、図42に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、メイン賞球数情報出力コマンドを周辺制御基板4140へ送信するという問題が生ずる。
そこで、本実施形態では、演出制御プログラムは、ステップS1025のメイン賞球数情報出力判定処理において、ステップS1022の受信コマンド解析処理で解析されたコマンドが図37に示した電源投入に区分される電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドであるときには、この電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが指示する内容に基づいて、主制御基板4100が遊技盤4に設けられる図8に示した上始動口2101、下始動口2102、一般入賞口2104,2201、及び大入賞口2103等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数をカウントしたメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの初期値としてセットするときにおいて、ステップS1002の現在時刻情報取得処理において取得して図16に示した周辺制御RAM4150cのRTC情報取得記憶領域4150cadにおける時刻情報記憶部にセットした時刻情報に基づいて、この時刻情報がホールの営業を開始するため(又はパチンコ遊技機1のメンテナンスを開始するため)の営業開始前期間(本実施形態では、午前0時〜午前9時までに亘る期間に設定されており、周辺制御ROM4150bに予め記憶されている。)内である場合には、ホールの営業を開始するためにパチンコ遊技機1への電源が投入された状態(又はパチンコ遊技機1が設置されているパチンコ島設備への電源が投入された状態)であると判別したときには周辺制御側メイン賞球数情報管理カウンタの値を強制的にリセットしてデフォルト値にセットすることにより初期値である値0(ゼロ)に戻して周辺制御RAM4150cの図示しない賞球予定情報記憶領域に記憶更新する一方、この時刻情報がホールの営業を開始するため(又はパチンコ遊技機1のメンテナンスを開始するため)の営業開始前期間でない期間(本実施形態では、ホールの営業中期間)内である場合には、ホールの営業を開始するためにパチンコ遊技機1への電源が投入されたものではなく、ホールの営業中に停電や瞬停が発生して電力が回復した状態であると判別したときには周辺制御側メイン賞球数情報管理カウンタの値を強制的にリセットしてデフォルト値にセットすることにより初期値として値0(ゼロ)に戻さず、周辺制御側メイン賞球数情報管理カウンタの値をそのまま維持するという仕組みを採用した。
これにより、ホールの営業を開始して終了するまでに、実際に停電や瞬停が発生する確率は極めて低いものの、仮に停電や瞬停が発生したときには、ホールの営業がすでに開始されているため、復電時において、主制御基板4100からの電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが指示する内容に基づいて、主制御基板4100が遊技盤4に設けられる図8に示した上始動口2101、下始動口2102、一般入賞口2104,2201、及び大入賞口2103等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数をカウントしたメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの初期値としてセットするときにおいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している旨をメイン賞球情報としてホールコンピュータへ伝えるメイン賞球情報出力信号を外部端子板784へ出力するか否かを判定するための周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を強制的にリセットすることなく、その値を維持することにより、停電や瞬停が発生する直前におけるメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を、停電又は瞬停からその後の電力の復旧(回復)による復電時において、そのまま引き継いで周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値としてセットするようになっている。
これに対して、ホールの営業を終了して再びホールの営業を開始するときには、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している旨をメイン賞球情報としてホールコンピュータへ伝えるメイン賞球情報出力信号を外部端子板784へ出力するか否かを判定するための周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を強制的にリセットしてデフォルト値にセットすることにより初期値である値0(ゼロ)に戻し、ホールの営業が終了してパチンコ遊技機1の電源が遮断された時点(又はパチンコ遊技機1が設置されるパチンコ島設備の電源が遮断された時点)におけるメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を、ホールの営業を開始するためにパチンコ遊技機1への電源の投入による復電時(又はパチンコ遊技機1が設置されるパチンコ島設備の電源の投入による復電時)において、周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値としてセットしても、そのまま引き継がず、この周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を強制的にリセットしてデフォルト値にセットすることにより初期値である値0(ゼロ)に戻すようになっているため、ホールの営業が開始されて終了するまでに亘って更新記憶されるメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に基づいて送信される主制御基板4100からのメイン賞球数情報出力コマンドに基づいて、周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を更新することにより、この周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に基づいて、メイン賞球数情報を外部端子板784へ出力するか否かを判定することができるようになっている。これにより、周辺制御側メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に基づいて、正確なメイン賞球情報を周辺制御基板4140から外部端子板784を介してホールコンピュータへ出力することができる。このメイン賞球数情報は、上述したように、外部端子板784における水色に施された出力端子PT10から、図8に示した上始動口2101、下始動口2102、一般入賞口2104,2201、及び大入賞口2103等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出される予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝えるメイン賞球数情報出力信号としてホールコンピュータへ出力される。したがって、ホールの営業が開始されて終了されるまでに亘って払い出される遊技球の球数をホールコンピュータが正確に把握することができる。
次に、上述したステップS1025に続いて、演出制御プログラムはRCT取得情報更新処理を行う(ステップS1026)。このRTC取得情報更新処理では、演出制御プログラムが、ステップS1002の現在時刻情報取得処理で取得して図16に示した周辺制御RAM4150cのRTC情報取得記憶領域4150cadにセットした、カレンダー情報記憶部に記憶されたカレンダー情報と時刻情報記憶部に記憶された時刻情報とを更新する。このRCT取得情報更新処理により、時刻情報記憶部に記憶される時刻情報である時分秒が更新され、この更新される時刻情報に基づいてカレンダー情報記憶部に記憶されるカレンダー情報である年月日が更新される。
ステップS1026に続いて、演出制御プログラムは電力消費量監視処理を行う(ステップS1027)。この電力消費量監視処理では、パチンコ遊技機1における電力消費量に応じて、この電力消費量を抑制するために音量や各種LEDの輝度を調整するための処理であり、その詳細な説明を後述する。
ステップS1027に続いて、演出制御プログラムはランプデータ作成処理を行う(ステップS1028)。このランプデータ作成処理では、この演出制御プログラムが、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、そのポインタが指示する発光データに基づいて、図8に示した遊技盤4に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号、又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して作成するとともに、図16に示した周辺制御RAM4150cのランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaにセットするとともに、扉枠5に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して作成して、図16に示した周辺制御RAM4150cの枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabにセットする。
ステップS1028に続いて、演出制御プログラムは表示データ作成処理を行う(ステップS1030)。この表示データ作成処理では、演出制御プログラムが、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、そのポインタが示す画面データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。音源内蔵VDP4160aは、周辺制御MPU4150aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM4160bからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上に生成する。
ステップS1030に続いて、演出制御プログラムは、タッチパネル処理を行う(ステップS1031)。このタッチパネル処理では、演出制御プログラムが、図2に示した上皿側液晶表示装置470の表示領域を覆うように設けられる静電容量型のタッチパネル480の接触状態の検知制御を行うタッチパネル駆動基板450と制御コマンドや各種情報(各種データ)をやり取りする(送信や受信する)処理である。例えば、制御コマンドとして、タッチパネル480の接触状態の検知制御を開始するための検知制御開始コマンド、タッチパネル480に指が触れている位置(接触位置データ)を要求するための接触位置データ要求コマンド、省電力モードへ移行するための省電力モード移行コマンドなどがある。演出制御プログラムが、タッチパネル駆動基板450からの接触位置データに基づいて、指が触れている接触部分の中心を示すタッチパネル480の接触面の座標値を取得し、この座標値で表される位置を検出ポイントとして特定する(検出ポイント取得手段)。なお、この演出制御プログラムは、このような座標値を取得するのみならず接触面の範囲(以下、接触範囲という)を取得するようにしても良い。
ステップS1031に続いて、演出制御プログラムは音データ作成処理を行う(ステップS1032)。この音データ作成処理では、演出制御プログラムが、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された音指令データのうち、そのポインタが指示する音指令データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。音源内蔵VDP4160aは、周辺制御MPU4150aから音指令データが入力されると、液晶及び音制御ROM4160bに記憶されている音楽や効果音等の音データを抽出して内蔵音源を制御することにより、音指令データに規定された、トラック番号に従って音楽及び効果音等の音データを組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定する。
なお、音データ作成処理では、この音データ作成処理を行うごとに(つまり、周辺制御部定常処理を行うごとに)、図16に示した周辺制御A/Dコンバータ4150akを起動し、音量調整ボリューム4140aのつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理しており、基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aを制御して、上述したステップS1018の音データ出力処理で音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力することにより、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から音楽や効果音が流れるようになっている。
また、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aを制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ遊技機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
ステップS1032に続いて、演出制御プログラムはバックアップ処理を行う(ステップS1034)。このバックアップ処理では、演出制御プログラムが、図16に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbと、バックアップ第2エリア4150ccと、にそれぞれコピーしてバックアップするとともに、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御SRAM4150dに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150dbと、バックアップ第2エリア4150dcと、にそれぞれコピーしてバックアップする。
具体的には、バックアップ処理では、周辺制御RAM4150cについて、図16に示した、バックアップ対象ワークエリア4150caにおける、1フレーム(1frame)ごとに、つまり周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(1fr)に含まれる、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caa、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cab、受信コマンド記憶領域4150cac、RTC情報取得記憶領域4150cad、及びスケジュールデータ記憶領域4150caeに記憶されている内容である演出情報(1fr)を、演出バックアップ情報(1fr)として、バックアップ第1エリア4150cbのBank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア4150ccのBank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ4150acによるBank0(1fr)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図16に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank1(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150cbのBank1(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank2(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150cbのBank2(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150ccのBank3(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150ccのBank3(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150ccのBank4(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150ccのBank4(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
またバックアップ処理では、周辺制御SRAM4150dについて、図16に示した、バックアップ対象ワークエリア4150daにおける、1フレーム(1frame)ごとに、つまり周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(SRAM)に記憶されている内容である演出情報(SRAM)を、演出バックアップ情報(SRAM)として、バックアップ第1エリア4150dbのBank1(SRAM)及びBank2(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア4150dcのBank3(SRAM)及びBank4(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ4150acによるBank0(SRAM)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図16に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150dbのBank1(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150dbのBank1(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150dbのBank2(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150dbのBank2(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150dcのBank3(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150dcのBank3(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150dcのBank4(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150dcのBank4(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
ステップS1034に続いて、WDTクリア処理を行う(ステップS1036)。このWDTクリア処理では、周辺制御内蔵WDT4150afと、周辺制御外部WDT4150eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1036に続いて、演出制御プログラムが、周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットし(ステップS1038)、再びステップS1006に戻り、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットして初期化し、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理においてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで、ステップS1008の判定を繰り返し行う。つまりステップS1008では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで待機し、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1009〜ステップS1038の処理を行い、再びステップS1006に戻る。このように、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1009〜ステップS1038の処理を行うようになっている。ステップS1009〜ステップS1038の処理を「周辺制御部定常処理」という。
この周辺制御部定常処理は、演出制御プログラムが、まずステップS1009で周辺制御部定常処理を実行中であるとして定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることから開始し、ステップS1010で1ms割り込みタイマ起動処理を行い、ステップS1012、ステップS1014、・・・、そしてステップS1036の各処理を行って最後にステップS1038において周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすると、完了することとなる。周辺制御部定常処理は、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるときに実行される。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が音源内蔵VDP4160aから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。本実施形態では、遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっている。
[17−1−2.周辺制御部Vブランク信号割り込み処理]
次に、図15に示した、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aから入力されたことを契機として実行する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部Vブランク信号割り込み処理が開始されると、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図61に示すように、定常処理中フラグSP−FLGが値0であるかを判定する(ステップS1045)。この定常処理中フラグSP−FLGは、上述したように、図60の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1009〜ステップS1038の周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり周辺制御部定常処理を実行中であるときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したときには、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットし(ステップS1050)、このルーチンを終了する。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。
本実施形態では、ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定し、周辺制御部定常処理を実行完了したときにはステップS1050でVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットするようになっているが、これは、周辺制御部定常処理を実行中であるときに、Vブランク信号が入力されてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットすると、図60の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008の判定で周辺制御部定常処理を実行するものとして、現在実行中の周辺制御部定常処理を途中で強制的にキャンセルして周辺制御部定常処理を最初から実行開始するため、これを防止する目的で、図60の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1009で定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることで周辺制御部定常処理を実行中である旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えるとともに、図60の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1038で定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすることで周辺制御部定常処理を実行完了した旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えることにより、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理におけるステップS1045の判定で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定するようになっている。換言すると、Vブランク信号が入力されて次のVブランク信号が入力されるまでに周辺制御部定常処理を実行完了することができず、いわゆる処理落ちした場合の処置である。
これにより、今回の周辺制御部定常処理においては、約33.3msという時間でその処理を完了できず処理落ちした場合には、図60の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008の判定で次回のVブランク信号が入力されるまで待機する状態となる。つまり、処理落ちした今回の周辺制御部定常処理を実行するための時間が約66.6msとなる。通常、図60の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理は1回の周辺制御部定常処理に対して32回だけ実行されるものの、上述した処理落ちした今回の周辺制御部定常処理が存在する場合には、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が64回ではなく、32回だけ実行されるようになっている。つまり、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても演出の進行状態を確実に整合させることができる。
[17−1−3.周辺制御部1msタイマ割り込み処理]
次に、図60の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する周辺制御部1msタイマ割り込み処理について説明する。この周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されると、図15に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図62に示すように、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいか否かを判定する(ステップS1100)。この1msタイマ割り込み実行回数STNは、上述したように、図60の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするカウンターである。本実施形態では、遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっているため、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを起動した後、次の周辺制御部定常処理が実行されるまでに、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が32回だけ実行されるようになっている。具体的には、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマが起動されると、まず1回目の1msタイマ割り込みが発生し、2回目、・・・、そして32回目の1msタイマ割り込みが順次発生することとなる。
ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、そのままこのルーチンを終了する。33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部1msタイマ割り込み処理の方が周辺制御部Vブランク割り込み処理と比べて高く設定されているものの、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルするようになっている。換言すると、本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板4140のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。そして、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。
一方、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいときには、1msタイマ割り込み実行回数STNに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1102)。この1msタイマ割り込み実行回数STNに値1が足されることにより、図60の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数が1回分だけ増えることとなる。
ステップS1102に続いて、モータ及びソレノイド駆動処理を行う(ステップS1104)。このモータ及びソレノイド駆動処理では、図16に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに従って、図15に示した、枠装飾駆動アンプ基板194及びモータ駆動基板4180のモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、このモータ及びソレノイド駆動処理を実行するごとに、ポインタを更新する。
具体的には、モータ及びソレノイド駆動処理では、枠装飾駆動アンプ基板194へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでは、図16に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御DMAコントローラ4150acを利用して枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート連続送信を行う。この枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、まず周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに基づいて、図7に示した操作ユニット400のダイヤル駆動モータ414への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データSTM−DATを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して作成するとともに、図16に示した周辺制御RAM4150cの枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafにセットする。そして周辺制御MPU4150aの周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因に枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信を指定し、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの先頭アドレスに格納された扉側モータ駆動データSTM−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側モータ駆動クロック信号STM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ4150acは、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア4150aaがバスを使用していない場合に、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafに格納された残りの扉側モータ駆動データSTM−DATを1バイトずつ、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側モータ駆動クロック信号STM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
またモータ及びソレノイド駆動処理では、モータ駆動基板4180へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでも、図16に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御DMAコントローラ4150acを利用してモータ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信を行う。このモータ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、まず周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに基づいて、図8に示した遊技盤4に設けられる各種可動体を可動させるためのモータやソレノイドへの駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DATを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して作成するとともに、図16に示した周辺制御RAM4150cのモータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagにセットする。そして周辺制御MPU4150aの周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にモータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信を指定し、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの先頭アドレスに格納された遊技盤側モータ駆動データSM−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ4150acは、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア4150aaがバスを使用していない場合に、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagに格納された残りの遊技盤側モータ駆動データSM−DATを1バイトずつ、外部バス4150h、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
ステップS1104に続いて、可動体情報取得処理を行う(ステップS1106)。この可動体情報取得処理では、遊技盤4に設けた各種検出スイッチからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報(例えば、原位置履歴情報、可動位置履歴情報など。)を作成し、図16に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの可動体情報取得記憶領域4150cahにセットする。この可動体情報取得記憶領域4150cahにセットされる各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報から遊技盤4に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を取得することができる。
ステップS1106に続いて、操作ユニット情報取得処理を行う(ステップS1108)。この操作ユニット情報取得処理では、操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報(例えば、ダイヤル操作部401の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部405の操作履歴情報など。)を作成し、図16に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの操作ユニット情報取得記憶領域4150caiにセットする。この操作ユニット情報取得記憶領域4150caiにセットされる各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報からダイヤル操作部401の回転方向や押圧操作部405の操作有無を取得することができる。
ステップS1108に続いて、プロジェクタ情報取得処理を行う(ステップS1109)。このプロジェクタ情報取得処理では、図31に示した遊技盤側表示装置1820のプロジェクタ1850に備える空冷装置FAN0,FAN1からの作動中信号のいずれか一方又は両方が入力されなくなっていなかを監視し、図16に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの非バックアップ非管理対象ワークエリア4150cfにおける図示しない空冷装置監視情報取得記憶領域にセットする。この図示しない空冷装置監視情報取得記憶領域にセットされる空冷装置FAN0,FAN1からの作動中信号が入力されているか否かの情報から空冷装置FAN0,FAN1の作動状態を取得することができる。
ステップS1109に続いて、描画状態情報取得処理を行う(ステップS1110)。この描画状態情報取得処理では、図32に示したタッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴情報を作成し、図16に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの描画状態情報取得記憶領域4150cakにセットする。LOCKN信号は、上述したように、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0が、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号である。描画状態情報取得記憶領域4150cakにセットされるLOCKN信号の履歴情報から周辺制御基板4140とタッチパネル駆動基板450との接続間における不具合の頻度や不具合の発生状態を取得して上皿側液晶表示装置470の描画状態を取得することができる。
ステップS1110に続いて、メイン賞球数情報出力処理を行う(ステップS1112)。このメイン賞球数情報出力処理では、図16に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされたメイン賞球情報出力信号用スケジュールデータを構成する時系列に配列された、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している旨をメイン賞球情報としてホールコンピュータへ伝えるメイン賞球情報出力信号を生成するための出力波形データのうち、ポインタが指示する出力波形データに従ってメイン賞球情報出力信号を図30に示した外部端子板784へ出力するとともに、時系列に規定された次の出力波形データにポインタを更新し、このメイン賞球数情報出力処理を実行するごとに、ポインタを更新する。
ステップS1112に続いて、電力消費状況履歴情報作成処理を行う(ステップS1113)。この電力消費状況履歴情報作成処理では、電源基板851からの電力消費抑制信号が伝える値(電力消費抑制段階)をサンプリングして電力消費状況履歴情報として図15に示した周辺制御部4150の電力消費状況履歴RAM4150fに逐次記憶する。電力消費抑制信号は、上述したように、電力消費監視回路855daから出力されるものである。この電力消費監視回路855daは、図19(a)に示したように、電力計測回路855daa、電力消費抑制段階判定回路855dabを備えている。平滑化回路855cから供給される+37Vは、電力計測回路855daaを介して、+5V電源作成回路855db、+12V電源作成回路855dc、及び+24V電源作成回路855ddへそれぞれ供給されている。電力計測回路855daaは、平滑化回路855cから供給される+37Vの電力消費量をリアルタイムで計測して電力消費抑制段階判定回路855dabに出力する。電力消費抑制段階判定回路855dabは、電力計測回路855daaで計測した電力消費量に基づいて、どの程度電力消費を抑制すべきかを示す電力消費抑制段階を判定して、この判定結果を、3本の信号配線として構成される電力消費抑制信号の値に設定して枠周辺中継端子板868に出力することにより、この枠周辺中継端子板868を介して、電力消費抑制信号が周辺制御部4150に入力されるようになっている。電力消費抑制信号は、上述したように、3本の信号配線として構成されており(つまり、3本のパラレル信号として構成されており)、値0〜値7までの8通りの値を伝えることができるようになっている。
電力消費抑制段階判定回路855dabは、上述したように、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が0%以上10%未満であるときには電力消費抑制段階として段階0である判定して電力消費抑制信号の値として値0を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が10%以上20%未満であるときには電力消費抑制段階として段階1である判定して電力消費抑制信号の値として値1を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が20%以上30%未満であるときには電力消費抑制段階として段階2である判定して電力消費抑制信号の値として値2を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が30%以上40%未満であるときには電力消費抑制段階として段階3である判定して電力消費抑制信号の値として値3を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が40%以上50%未満であるときには電力消費抑制段階として段階4である判定して電力消費抑制信号の値として値4を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が50%以上60%未満であるときには電力消費抑制段階として段階5である判定して電力消費抑制信号の値として値5を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が60%以上70%未満であるときには電力消費抑制段階として段階6である判定して電力消費抑制信号の値として値6を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が70%以上であるときには電力消費抑制段階として段階7である判定して電力消費抑制信号の値として値7を設定するようになっている。
このように、電力消費状況履歴情報作成処理では、本ルーチンが実行されるごとに、つまり1msごとに、電源基板851からの電力消費抑制信号が伝える値(値0〜値7)をサンプリングして電力消費抑制段階(段階0〜段階7)として周辺制御部4150の電力消費状況履歴RAM4150fに逐次記憶することにより、電力消費抑制段階を時系列に電力消費状況履歴情報として配列する。
ステップS1113に続いて、バックアップ処理を行い(ステップS1114)、このルーチンを終了する。このバックアップ処理では、図16に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbと、バックアップ第2エリア4150ccと、にそれぞれコピーしてバックアップするとともに、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御SRAM4150dに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150dbと、バックアップ第2エリア4150dcと、にそれぞれコピーしてバックアップする。
具体的には、バックアップ処理では、周辺制御RAM4150cについて、図16に示した、バックアップ対象ワークエリア4150caにおける、1ms割り込みタイマが発生するごとに、つまり本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(1ms)に含まれる、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150caf、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cag、可動体情報取得記憶領域4150cah、及び操作ユニット情報取得記憶領域4150caiに記憶されている内容である演出情報(1ms)を、演出バックアップ情報(1ms)として、バックアップ第1エリア4150cbのBank1(1ms)及びBank2(1ms)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア4150ccのBank3(1ms)及びBank4(1ms)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ4150acによるBank0(1ms)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図16に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank1(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150cbのBank1(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank2(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150cbのBank2(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150ccのBank3(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150ccのBank3(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150ccのBank4(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150ccのBank4(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
このように、周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、1msという期間内において、演出の進行として上述したステップS1104〜ステップS1108の演出に関する各種処理を実行している。これに対して、図60の周辺制御部電源投入時処理における周辺制御部定常処理では、約33.3msという期間内において、演出の進行として上述したステップS1012〜ステップS1032の演出に関する各種処理を実行している。周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが値33より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、そのままこのルーチンを終了するようになっているため、仮に、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合でも、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルし、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。つまり、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、演出の進行状態を確実に整合させることができる。
また、上述したように、Vブランク信号が出力される間隔は、遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470の液晶サイズによって多少変化するし、周辺制御MPU4150aと音源内蔵VDP4160aとが実装された周辺制御基板4140の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合もある。本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板4140のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。つまり本実施形態では、Vブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合であっても、33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルすることによって、このVブランク信号が出力される間隔が多少変化することによる時間ズレを吸収することができるようになっている。
[17−1−4.周辺制御部コマンド受信割り込み処理]
次に、主制御基板4100からの各種コマンドを受信する周辺制御部コマンド受信割り込み処理について説明する。図15に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、主制御基板4100からの各種コマンドがシリアルデータとして送信開始されると、これを契機として主周シリアルデータを周辺制御MPU4150aに内蔵する主制御基板用シリアルI/Oポートで1バイト(8ビット)の情報を受信バッファに取り込み、この取り込みが完了すると、これを契機として割り込みが発生し、周辺制御部コマンド受信割り込み処理を行う。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されており、1バイト目としてステータスが割り振られ、2バイト目としてモードが割り振られ、3バイト目としてステータスとモードとを数値とみなしてその合計を算出したサム値が割り振られている。
周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されると、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図63に示すように、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1200)。この1バイト受信期間タイマは、主制御基板4100から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を設定するものである。
ステップS1200で1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板4100から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間内であるときには、周辺制御MPU4150aの内蔵する主制御基板用シリアルI/Oポートの受信バッファから受信した1バイトの情報を取り込み(ステップS1202)、受信カウンタSRXCに値1を加える(インクリメントする、ステップS1204)。この受信カウンタSRXCは、受信バッファから取り出した回数を示すカウンタであり、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスを受信バッファから取り出すと値1、主周シリアルデータの2バイト目であるモードを受信バッファから取り出すと値2、主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出すと値3となる。なお、受信カウンタSRXCは、電源投入時等に初期値0がセットされる。
ステップS1204に続いて、受信カウンタSRXCが値3であるか否か、つまり主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出したか否かを判定する(ステップS1206)。この判定では、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したか否かを判定している。
ステップS1206で受信カウンタSRXCが値3でないとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、まだ主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出していないときには、1バイト受信期間タイマのセットを行い(ステップS1208)、このルーチンを終了する。ステップS1208で1バイト受信期間タイマがセットされることで、主周シリアルデータの2バイト目であるモード又は主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信し得る期間が設定される。
一方、ステップS1206で受信カウンタSRXCが値3であるとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したときには、受信カウンタSRXCに初期値0をセットし(ステップS1210)、サム値を算出する(ステップS1212)。この算出は、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスと、主周シリアルデータの2バイト目であるモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出する。
ステップS1212に続いて、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているか否かを判定する(ステップS1214)。ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値は、主制御基板4100からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値であるため、ステップS1212で算出したサム値と一致しているはずである。ところが、パチンコ遊技機1は、パチンコ島設備から遊技球が供給されており、遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生するため、パチンコ遊技機1はノイズの影響を受けやすり環境下にある。そこで、本実施形態では、周辺制御部4150側において、受信した主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出し、この算出したサム値が、主制御基板4100からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値と一致しているか否かを判定している。これにより、周辺制御MPU4150aは、主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間において、主周シリアルデータがノイズの影響を受けて正規と異なる主周シリアルデータに変化したか否かを判定することができる。
ステップS1214で、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているときには、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとを、図16に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの受信コマンド記憶領域4150cacに記憶し(ステップS1216)、このルーチンを終了する。この受信コマンド記憶領域4150cacは、リングバッファとして用いており、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとは、受信コマンド記憶領域4150cacの周辺制御部受信リングバッファに記憶される。この「周辺制御部受信リングバッファ」とは、バッファの最後と先頭が繋がっているように使われるバッファのことであり、バッファの先頭から順次データを記憶し、バッファの最後まできたら最初に戻って記憶する。なお、周辺制御MPU4150aは、ステップS1216で周辺制御部受信リングバッファに記憶する際に、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を対応付けて記憶しており、3バイト目として割り振られたサム値を破棄する。
一方、ステップS1200で1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板4100から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を超えているときには、又はステップS1214で、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していないときには、そのままこのルーチンを終了する。
[17−1−5.周辺制御部停電予告信号割り込み処理]
次に、図18に示した、主制御基板4100の停電監視回路4100eからの停電予告信号(周辺停電予告信号)が主制御基板4100から入力されたことを契機として実行する周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されると、図15に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、まず2マイクロ秒タイマを起動し(ステップS1300)、停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されているか否かを判定する(ステップS1302)。この判定で停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されていないときには、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS1302で停電予告信号が入力されているときには、2マイクロ秒経過したか否かを判定する(ステップS1304)。この判定では、ステップS1300で起動したタイマが2マイクロ秒経過した否かを判定している。ステップS1304で2マクロ秒経過していないときには、ステップS1302に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定し、停電予告信号が入力されていないときにはそのままこのルーチンを終了する一方、停電予告信号が入力されているときには、再びステップS1304で2マイクロ秒経過したか否かを判定する。つまりステップS1304の判定では、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているか否かを判定している。
ステップS1304で本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているときには、節電処理を行う(ステップS1306)。この節電処理では、遊技盤側表示装置1820及び上皿側液晶表示装置470のバックライトの消灯、遊技盤4に設けられるモータやソレノイドへの励磁OFF、各種LEDの消灯等を順次実行することによりパチンコ遊技機1のシステム全体の消費電力を抑えることによって、パチンコ遊技機1の電力が遮断されても周辺制御MPU4150aが動作可能な時間である20ミリ秒の期間だけ安定動作を確保している。
ステップS1306に続いて、コマンド受信待機処理を行う(ステップS1308)。このコマンド受信待機処理では、主制御基板4100が送信中の各種コマンドがある場合を想定して、送信中のコマンドを周辺制御MPU4150aが受信することができるように、少なくとも、17ミリ秒の期間だけ待機するようになっている。コマンドを受信すると、上述した、周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されて、図16に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの受信コマンド記憶領域4150cac(周辺制御部受信リングバッファ)に受信したコマンドが記憶される。
ステップS1308に続いて、コマンドのバックアップ処理を行う(ステップS1310)。このコマンドのバックアップ処理では、図16に示した、バックアップ対象ワークエリア4150caにおけるBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア4150ccのBank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ4150acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ4150acによるBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図16に示した周辺制御MPU4150aの周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank1(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150cbのBank1(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア4150cbのBank2(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア4150cbのBank2(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150ccのBank3(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150ccのBank3(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア4150aaが周辺制御DMAコントローラ4150acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacに記憶されている内容を、バックアップ第2エリア4150ccのBank4(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域4150cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア4150ccのBank4(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
ステップS1310に続いて、停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されているか否かを判定する(ステップS1312)。この判定で停電予告信号が入力されているときには、WDTクリア処理を行う(ステップS1314)。このWDTクリア処理では、周辺制御MPU4150aは、図16に示した周辺制御内蔵WDT4150afと、図15に示した周辺制御外部WDT4150eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようにする。
一方、ステップS1312で停電予告信号が入力されていないとき、又はステップS1314に続いて、再びステップS1312に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。つまり、停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されているか否かを無限に判定し続けることとなる。このように無限に判定し続けることにより、ステップS1312で停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されていないときには、周辺制御MPU4150aは、周辺制御内蔵WDT4150afと、周辺制御外部WDT4150eと、にクリア信号を出力することができなくなり、周辺制御MPU4150aにリセットがかかる一方、ステップS1312で停電予告信号が入力されているときには、ステップS1314でWDTクリア処理を行い、周辺制御MPU4150aにリセットがかからない。なお、周辺制御MPU4150aにリセットがかかると、図60に示した周辺制御部電源投入時処理が再び開始されることとなる。
このように、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号(周辺停電予告信号)の入力が継続する場合には、ステップS1314でWDTクリア処理が実行されることによって停電状態になる直前で周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようになっている。これに対して、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、WDTクリア処理が実行されないため、周辺制御内蔵WDT4150afと、周辺制御外部WDT4150eと、にクリア信号を出力が中断されるようになっている。これにより、ノイズなどで本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が誤って開始され、そのノイズが2マイクロ秒の期間を超えて発生することでステップS1302の判定を通過したとしても、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号(周辺停電予告信号)の入力が継続されず解除された場合には、ステップS1314のWDTクリア処理が実行されないことにより周辺制御MPU4150aにリセットがかかるようになっているため、そのようなノイズに対して自動的にリセット復帰することで対応することができるようになっている。
[17−1−6.復電時節電モード移行判定処理]
次に、電源断時(電源断直前)においてパチンコ遊技機1で消費していた電力状況を復電時において把握してパチンコ遊技機1で消費する電力を抑制する復電時節電モードへ移行するか否かを判定し、復電時節電モードへ移行する場合には、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる演出音の音量を小さくする設定、扉枠5に備える発光装飾用のLEDや遊技盤4に備える各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度を小さくする設定等を行う復電時節電モード移行判定処理について説明する。この復電時節電モード移行判定処理は、図60に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1004の処理において行われる。
復電時節電モード移行判定処理が開始されると、図15に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図65に示すように、電力消費状況履歴情報に基づいて電力消費抑制段階を特定する(ステップS1350)。電力消費状況履歴情報は、上述したように、図62に示した周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるステップS1113の電力消費状況履歴情報作成処理において、電源基板851からの電力消費抑制信号が伝える値(値0〜値7)をサンプリングして電力消費抑制段階(段階0〜段階7)として図15に示した周辺制御部4150の電力消費状況履歴RAM4150fに逐次記憶することにより、電力消費抑制段階が時系列に配列されている。電力消費状況履歴RAM4150fには、電源断時において、図15に示した周辺制御部4150の電池4150gからバックアップ電源が供給されることにより電力消費状況履歴RAM4150fの電力消費状況履歴情報が記憶保持されるようになっている。
ステップS1350では、周辺制御MPU4150aがサンプリングして記憶保持した値が時系列に配列された電力消費状況履歴情報のうち、パチンコ遊技機1の電源断(パチンコ遊技機1の電力消費による停電や瞬停を含まず、例えば、落雷による停電や落雷による瞬停のほかに、ホールに供給される電力の停電やホールに供給される電力の不安定による瞬停、ホールの店員等の係員によるパチンコ遊技機1への電源遮断等を含む。)直前においてサンプリングして記憶保持した値を抽出して、電源断直前における電力消費抑制段階を特定する。これにより、パチンコ遊技機1の電源断直前における電力消費抑制段階を把握することができる。
ステップS1350に続いて、電力消費抑制段階がしきい値に達しているか否かを判定する(ステップS1352)。この判定では、ステップS1350で特定したパチンコ遊技機1の電源断直前における電力消費抑制段階がしきい値に達しているか否かを判定する。本実施形態では、しきい値として段階7が設定されている。
ステップS1352で電力消費抑制段階がしきい値に達していないときには、復電時節電モード移行フラグECO−FLGに値0をセットし(ステップS1354)、このルーチンを終了する一方、ステップS1352で電力消費抑制段階がしきい値に達しているときには、復電時節電モード移行フラグECO−FLGに値1をセットし(ステップS1356)、復電時節電モードタイマ起動処理を行う(ステップS1358)。
復電時節電モード移行フラグECO−FLGは、パチンコ遊技機1の復電時において、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる演出音の音量を小さくする設定、扉枠5に備える発光装飾用のLEDや遊技盤4に備える各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度を小さくする設定等を行う復電時節電モードへ移行するか否かを設定するものであり、復電時節電モードへ移行しないとき値0、復電時節電モードへ移行するとき値1にそれぞれ設定される。
ステップS1358において起動される復電時節電モードタイマは、パチンコ遊技機1が復電時節電モードとして起動された状態が維持される復電時節電モード状態維持期間を計時するものであり、本実施形態では、復電時節電モード状態維持期間として5分が設定されている。この復電時節電モードタイマが起動して復電時節電モード状態維持期間の計時が開始されて復電時節電モード状態維持期間が経過すると、復電時節電モードタイマが停止され、図60に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1027の電力処理量監視処理によって、パチンコ遊技機1における電力消費量に応じて、この電力消費量を抑制するために、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる演出音の音量、扉枠5に備える発光装飾用のLEDや遊技盤4に備える各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度が調整されるようになっている。
ステップS1358に続いて、復電時節電モード移行回数カウンタECO−CTに値1を加え(インクリメントし、ステップS1360)、このルーチンを終了する。復電時節電モード移行回数カウンタECO−CTは、復電時節電モードへ移行した回数を計数して総和(積算結果の値)を求めるものであり、換言すると、パチンコ遊技機1が復電時節電モードとして起動した回数をカウントするものである。復電時節電モード移行回数カウンタECO−CTは、図15に示した周辺制御部4150の電力消費状況履歴RAM4150fの移行回数保持領域4150faに記憶保持されるようになっている。なお、復電時節電モード移行回数カウンタECO−CTは、製造元において出荷時に値0(初期値)がセットされるようになっており、その後、ホーチにパチンコ遊技機1が設置されて稼働されると、パチンコ遊技機1が復電時節電モードとして起動するごとに、値1がインクリメントされて更新されるものの、初期化されることがない。
[17−1−7.電力消費量監視処理]
次に、パチンコ遊技機1における電力消費量に応じて、この電力消費量を抑制するために音量や各種LEDの輝度を調整するための電力消費量監視処理について説明する。この電力消費量監視処理は、図60に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1027の処理において行われる。
電力消費量監視処理が開始されると、図15に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図66に示すように、電力消費抑制信号に基づいて電力消費抑制段階を特定する(ステップS1400)。電力消費抑制信号は、上述したように、電力消費監視回路855daから出力されるものである。この電力消費監視回路855daは、図19(a)に示したように、電力計測回路855daa、電力消費抑制段階判定回路855dabを備えている。平滑化回路855cから供給される+37Vは、電力計測回路855daaを介して、+5V電源作成回路855db、+12V電源作成回路855dc、及び+24V電源作成回路855ddへそれぞれ供給されている。電力計測回路855daaは、平滑化回路855cから供給される+37Vの電力消費量をリアルタイムで計測して電力消費抑制段階判定回路855dabに出力する。電力消費抑制段階判定回路855dabは、電力計測回路855daaで計測した電力消費量に基づいて、どの程度電力消費を抑制すべきかを示す電力消費抑制段階を判定して、この判定結果を、3本の信号配線として構成される電力消費抑制信号の値に設定して枠周辺中継端子板868に出力することにより、この枠周辺中継端子板868を介して、電力消費抑制信号が周辺制御部4150に入力されるようになっている。電力消費抑制信号は、上述したように、3本の信号配線として構成されており(つまり、3本のパラレル信号として構成されており)、値0〜値7までの8通りの値を伝えることができるようになっている。
電力消費抑制段階判定回路855dabは、上述したように、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が0%以上10%未満であるときには電力消費抑制段階として段階0である判定して電力消費抑制信号の値として値0を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が10%以上20%未満であるときには電力消費抑制段階として段階1である判定して電力消費抑制信号の値として値1を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が20%以上30%未満であるときには電力消費抑制段階として段階2である判定して電力消費抑制信号の値として値2を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が30%以上40%未満であるときには電力消費抑制段階として段階3である判定して電力消費抑制信号の値として値3を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が40%以上50%未満であるときには電力消費抑制段階として段階4である判定して電力消費抑制信号の値として値4を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が50%以上60%未満であるときには電力消費抑制段階として段階5である判定して電力消費抑制信号の値として値5を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が60%以上70%未満であるときには電力消費抑制段階として段階6である判定して電力消費抑制信号の値として値6を設定し、電力計測回路855daaで計測した+37Vの電力消費量が70%以上であるときには電力消費抑制段階として段階7である判定して電力消費抑制信号の値として値7を設定するようになっている。
ステップS1400で電力消費抑制段階判定回路855dabが設定した電力消費抑制信号の値を取得して、この取得した値から電力消費抑制段階を特定することができる。
ステップS1400に続いて、復電時節電モード移行フラグECO−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS1402)。この復電時節電モード移行フラグECO−FLGは、上述したように、図60に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1004の復電時節電モード移行判定処理において、パチンコ遊技機1の復電時において、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる演出音の音量を小さくする設定、扉枠5に備える発光装飾用のLEDや遊技盤4に備える各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度を小さくする設定等を行う復電時節電モードへ移行するか否かを設定するものであり、復電時節電モードへ移行しないとき値0、復電時節電モードへ移行するとき値1にそれぞれ設定される。
ステップS1402で復電時節電モード移行フラグECO−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり復電時節電モードへ移行しないときには、通常時電力抑制用音量設定処理を行う(ステップS1404)。この通常時電力抑制用音量設定処理では、音生成用スケジュールデータを構成する音指令データに規定される出力するチャンネルの音量を調節するためのマスターボリューム値から電力抑制用のマスターボリューム値へ強制的に変更設定する。
この電力抑制用のマスターボリューム値として設定される値について簡単に説明すると、周辺制御MPU4150aは、図67(a)に示すように、電力消費抑制段階として段階0〜段階7を横軸とし、音指令データに規定される出力するチャンネルの音量を調節するためのマスターボリューム値(以下、「音指令データ規定のマスターボリューム値」と記載する。)に対する割合(つまり、電力抑制用のマスターボリューム値として設定される値)を縦軸とすると、電力消費抑制段階が段階0又は段階1であるとき、つまりステップS1400で取得した電力消費抑制段階が段階0又は段階1であるときには電力抑制用のマスターボリューム値として音指令データ規定のマスターボリューム値に対して100%の音量(換言すると、電力抑制用のマスターボリューム値として音指令データ規定のマスターボリューム値の音量そのもの)を設定し、電力消費抑制段階が段階2又は段階3であるとき、つまりステップS1400で取得した電力消費抑制段階が段階2又は段階3であるときには電力抑制用のマスターボリューム値として音指令データ規定のマスターボリューム値に対して90%の音量を設定し、電力消費抑制段階が段階4であるとき、つまりステップS1400で取得した電力消費抑制段階が段階4であるときには電力抑制用のマスターボリューム値として音指令データ規定のマスターボリューム値に対して80%の音量を設定し、電力消費抑制段階が段階5であるとき、つまりステップS1400で取得した電力消費抑制段階が段階5であるときには電力抑制用のマスターボリューム値として音指令データ規定のマスターボリューム値に対して70%の音量を設定し、電力消費抑制段階が段階6であるとき、つまりステップS1400で取得した電力消費抑制段階が段階6であるときには電力抑制用のマスターボリューム値として音指令データ規定のマスターボリューム値に対して60%の音量を設定し、電力消費抑制段階が段階7であるとき、つまりステップS1400で取得した電力消費抑制段階が段階7であるときには電力抑制用のマスターボリューム値として音指令データ規定のマスターボリューム値に対して50%の音量を設定する。
音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数の出力チャンネルには、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値と、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音量となる電力抑制用のマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力するようになっている。つまり、通常時電力抑制用音量設定処理が行われると、演出音による演出内容は変わらないものの、演出音の音量は、電力消費抑制段階が段階0から段階1までにおいて音指令データ規定のマスターボリューム値そのものの音量となる一方、電力消費抑制段階が段階2から段階7へ向かってすすむに従って電力抑制用のマスターボリューム値として設定される音量がほぼ小さくなるようになっているため、演出音の音量が小さくなるようになっている。
図66に戻り、ステップS1404に続いて、通常時電力抑制用輝度設定処理を行い(ステップS1406)、このルーチンを終了する。この通常時電力抑制用輝度設定処理では、発光態様生成用スケジュールデータを構成する発光データに規定される各種LEDの発光態様における各種LEDの輝度から電力抑制用の輝度へ強制的に変更設定する。
この電力抑制用の輝度として設定される輝度について簡単に説明すると、周辺制御MPU4150aは、図67(b)に示すように、電力消費抑制段階として段階0〜段階7を横軸とし、発光データに規定される各種LEDの発光態様における各種LEDの輝度(以下、「発光データ規定の輝度」と記載する。)に対する割合(つまり、電力抑制用の輝度として設定される輝度)を縦軸とすると、電力消費抑制段階が段階0、段階1、段階2、段階3、及び段階4のうち、一の段階であるとき、つまりステップS1400で取得した電力消費抑制段階が段階0、段階1、段階2、段階3、及び段階4のうち、一の段階であるときには電力抑制用の輝度として発光データ規定の輝度に対して100%の輝度(換言すると、電力抑制用の輝度として発光データ規定の輝度そのもの)を設定し、電力消費抑制段階が段階5であるとき、つまりステップS1400で取得した電力消費抑制段階が段階5であるときには電力抑制用の輝度として発光データ規定の輝度に対して70%の輝度を設定し、電力消費抑制段階が段階6であるとき、つまりステップS1400で取得した電力消費抑制段階が段階6であるときには電力抑制用の輝度として発光データ規定の輝度に対して60%の輝度を設定し、電力消費抑制段階が段階7であるとき、つまりステップS1400で取得した電力消費抑制段階が段階7であるときには電力抑制用の輝度として発光データ規定の輝度に対して50%の輝度を設定する。
通常時電力抑制用輝度設定処理が行われると、扉枠5に備える発光装飾用のLEDや遊技盤4に備える各種装飾基板に実装される各種LEDの発光態様による演出内容は変わらないものの、各種LEDの輝度は、電力消費抑制段階が段階0から段階4までにおいて発光データ規定の輝度となる一方、電力消費抑制段階が段階5から段階7へ向かってすすむに従って電力抑制用の輝度として設定される輝度が小さくなるようになっているため、各種LEDの輝度が小さくなるようになっている。
一方、ステップS1402で復電時節電モード移行フラグECO−FLGが値1である(値0でない)とき、つまり復電時節電モードへ移行するときには、復電時節電モードタイマが上限時間に達したか否かを判定する(ステップS1408)。復電時節電モードタイマは、上述したように、パチンコ遊技機1が復電時節電モードとして起動された状態が維持される復電時節電モード状態維持期間を計時するものであり、本実施形態では、復電時節電モード状態維持期間として5分が設定されている。判定に使用される上限時間は、復電時節電モード状態維持期間の5分である。
ステップS1408で復電時節電モードタイマが上限時間に達していないとき、つまり復電時節電モードタイマが復電時節電モード状態維持期間の5分に達していないときには、復電時電力抑制用音量設定処理を行う(ステップS1410)。この復電時電力抑制用音量設定処理では、上述したステップS1404の通常時電力抑制用音量設定処理と同様に、音生成用スケジュールデータを構成する音指令データに規定される出力するチャンネルの音量を調節するためのマスターボリューム値から電力抑制用のマスターボリューム値へ強制的に変更設定するものの、電力抑制用のマスターボリューム値として音指令データ規定のマスターボリューム値に対して50%の音量を常に設定する点で異なる。つまり復電時電力抑制用音量設定処理では、通常時電力抑制用音量設定処理で電力消費抑制段階が段階7であるときに設定される電力抑制用のマスターボリューム値が常に設定されるようになっている。
復電時電力抑制用音量設定処理が行われると、演出音による演出内容は変わらないものの、演出音の音量は電力消費抑制段階が段階7という最も小さく設定されたものとなるようになっている(換言すると、演出音の音量は電力消費抑制段階が段階7という最も電力消費量が小さくなるものが設定されるようになっている)。
ステップS1410に続いて、復電時電力抑制用輝度設定処理を行い(ステップS1412)、このルーチンを終了する。この復電時電力抑制用輝度設定処理では、上述したステップS1406の通常時電力抑制用輝度設定処理と同様に、発光態様生成用スケジュールデータを構成する発光データに規定される各種LEDの発光態様における各種LEDの輝度から電力抑制用の輝度へ強制的に変更設定するものの、電力抑制用の輝度として発光データ規定の輝度に対して50%の輝度を常に設定する点で異なる。つまり復電用電力抑制用輝度設定処理では、通常時電力抑制用輝度設定処理で電力消費抑制段階が段階7であるときに設定される電力抑制用の輝度が常に設定されるようになっている。
復電時電力抑制用輝度設定処理が行われると、扉枠5に備える発光装飾用のLEDや遊技盤4に備える各種装飾基板に実装される各種LEDの発光態様による演出内容は変わらないものの、各種LEDの輝度は電力消費抑制段階が段階7という最も小さく設定されたものとなるようになっている(換言すると、各種LEDの輝度は電力消費抑制段階が段階7という最も電力消費量が小さくなるものが設定されるようになっている)。
一方、ステップS1408で復電時節電モードタイマが上限時間に達しているとき、つまり復電時節電モードタイマが復電時節電モード状態維持期間の5分に達しているときには、復電時節電モータの移行を終了するために、復電時節電モード移行フラグECO−FLGに値0をセットし(ステップS1414)、復電時節電モードタイマ停止処理を行い(ステップS1416)、このルーチンを終了する。復電時節電モードタイマ停止処理では、単に復電時節電モードタイマを停止する処理のみ行うものであり、復電時節電モードタイマを初期化(リセット)する処理が含まれていない。これは、何らかの原因により(例えば、ノイズの影響を受けて)復電時節電モード移行フラグECO−FLGの値が値0から値1へ変化してステップS1402の判定でステップS1408へ進んだとしても、すでに復電時節電モードタイマ停止処理において、復電時節電モードタイマが上限時間である復電時節電モード状態維持期間の5分に停止されていることにより復電時節電モードタイマが上限時間である復電時節電モード状態維持期間の5分に達した状態が維持されることで、ステップS1408の判定で必ずステップS1414の処理へ進み、ステップS1414の処理おいて復電時節電モード移行フラグECO−FLGの値を正規な値である値0へ強制的に戻すことができるようにするためである。なお、図60に示した周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1000の初期設定処理において、復電時節電モードタイマが初期化(リセット)されるようになっている。
このように、図60に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1004の復電時節電モード移行判定処理において、パチンコ遊技機1の復電時において、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる演出音の音量を小さくする設定、扉枠5に備える発光装飾用のLEDや遊技盤4に備える各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度を小さくする設定等を行う復電時節電モードへ移行するか否かが判定され、この判定結果が復電時節電モードへ移行しないというものである場合には、上述したステップS1400において、電力消費抑制段階判定回路855dabが設定した電力消費抑制信号の値を取得して、この取得した値から電力消費抑制段階を特定することができるようになっているため、パチンコ遊技機1における電力消費量に応じて、電力消費抑制段階を段階0〜段階7のうち、どの段階であるかを特定し、各段階と対応する上述したステップS1404の通常時電力抑制用音量設定処理で強制的に変更設定した電力抑制用のマスターボリューム値と、各段階と対応する上述したステップS1406の通常時電力抑制用輝度設定処理で強制的に変更設定した電力抑制用の輝度と、による少ない消費電力によって演出の進行を制御することができるようになっている。したがって、パチンコ遊技機1自身の電力消費によって停電が発生することを防止することができる。また、パチンコ遊技機1自身の電力消費による停電により遊技が中断されることを防止することができる。
一方、図60に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1004の復電時節電モード移行判定処理において、パチンコ遊技機1の復電時において、本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる演出音の音量を小さくする設定、扉枠5に備える発光装飾用のLEDや遊技盤4に備える各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度を小さくする設定等を行う復電時節電モードへ移行するか否かが判定され、この判定結果が復電時節電モードへ移行するというものである場合には、上述したステップS1410の復電時電力抑制用音量設定処理で強制的に変更設定した電力抑制用のマスターボリューム値(つまり、通常時電力抑制用音量設定処理で電力消費抑制段階が段階7であるときに設定される電力抑制用のマスターボリューム値)と、上述したステップS1412の復電時電力抑制用輝度設定処理で強制的に変更設定した電力抑制用の輝度(つまり、通常時電力抑制用輝度設定処理で電力消費抑制段階が段階7であるときに設定される電力抑制用の輝度)と、による最も小さい消費電力によって演出の進行を、復電時節電モードタイマが上限時間である復電時節電モード状態維持期間の5分に達するまでに亘って、制御することができるようになっている。これにより、パチンコ遊技機1の電力消費による停電や瞬停が発生して電源断するのではなく、例えば、落雷による停電や落雷による瞬停が発生してパチンコ遊技機1が電源断する場合のほか、ホールに供給される電力の停電やホールに供給される電力の不安定による瞬停が発生してパチンコ遊技機1が電源断する場合、そしてホールの店員等の係員によりパチンコ遊技機1への電源が遮断されて電源断する場合であっても、電源断時(電源断直前)にパチンコ遊技機1で消費していた電力状況を復電時において把握することができるため、復電時において段階7という最も小さい消費電力によって演出の進行することができる状態でパチンコ遊技機1を起動することができる。したがって、復電時においても、パチンコ遊技機1自身の電力消費によって停電が発生することを防止することができる。また、パチンコ遊技機1自身の電力消費による停電により遊技が中断されることを防止することができる。
また、本実施形態では、上述したステップS1404の通常時電力抑制用音量設定処理が行われると、演出音による演出内容は変わらないものの、演出音の音量は、電力消費抑制段階が段階0から段階1までにおいて音指令データ規定のマスターボリューム値そのものの音量となる一方、電力消費抑制段階が段階2から段階7へ向かってすすむに従って電力抑制用のマスターボリューム値として設定される音量がほぼ小さくなるようになっているため、演出音の音量が小さくなり、上述したステップS1406の通常時電力抑制用輝度設定処理が行われると、扉枠5に備える発光装飾用のLEDや遊技盤4に備える各種装飾基板に実装される各種LEDの発光態様による演出内容は変わらないものの、各種LEDの輝度は、電力消費抑制段階が段階0から段階4までにおいて発光データ規定の輝度となる一方、電力消費抑制段階が段階5から段階7へ向かってすすむに従って電力抑制用の輝度として設定される輝度が小さくなるようになっているため、各種LEDの輝度が小さくなるようになっている。本実施形態では、電力消費抑制段階が段階2へすすむと、各種LEDの輝度と比べて演出音の音量を先に小さく制御を行っている。これは、複数種類のパチンコ遊技機がホールに設置されてさまざまな演出音を大音量でそれぞれ発しているため、演出音の音量を小さくしても遊技者に気付かれないためであり、演出音の音量が小さくなったことによる遊技者の遊技意欲の低下を招くことがなく、かつ、演出音の音量を小さくすることでパチンコ遊技機1が消費する電力を抑制することができる。
[17−1−8.LOCKN信号履歴作成処理]
次に、図62に示した周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるステップS1110の描画状態情報取得処理の一処理として実行するLOCKN信号履歴作成処理について説明する。このLOCKN信号履歴作成処理では、図32に示したタッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴を作成する。このLOCKN信号は、上述したように、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0が、図17に示した周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号である。
LOCKN信号履歴作成処理が開始されると、図15に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図68に示すように、図16に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの描画状態情報取得記憶領域4150cakからLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを読み出す(ステップS1500)。このLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTは、1バイト(8ビット:最上位ビットB7、B6、B5、B4、B3、B2、B1、最下位ビットB0、「B」はビットを表す。)の記憶容量を有しており、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴がLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTとして描画状態情報取得記憶領域4150cakに記憶されている。
ステップS1500に続いて、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号があるか否かを判定する(ステップS1502)。この判定は、上皿側液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるときには、上皿側液晶用レシーバICSDIC0が、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから受信した描画データが異常なデータであると判断して、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと上皿側液晶用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求していると判定する一方、上皿側液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号がないときには、上皿側液晶用レシーバICSDIC0が、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから受信した描画データが異常なデータでない(正常なデータである)と判断して、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと上皿側液晶用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求していないと判定する。
ステップS1502で上皿側液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるときには、LOCKN信号検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS1504)。このLOCKN信号検出履歴情報のシフト処理では、上皿側液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるときには、ステップS1500で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS1504でLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTをシフトした場合には、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの最下位ビットB0に値1をセットし(ステップS1506)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS1502で上皿側液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号がないときには、LOCKN信号検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS1508)。このLOCKN信号検出履歴情報のシフト処理では、ステップS1504のLOCKN信号検出履歴情報のシフト処理と同一の処理を行い、上皿側液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号がないときには、ステップS1500で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS1508でLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTをシフトした場合には、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの最下位ビットB0に値0をセットし(ステップS1510)、このルーチンを終了する。
このように、このLOCKN信号履歴作成処理が実行されるごとに、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトしたのち、最下位ビットB0に値1又は値0がセットされるため、上皿側液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号の履歴を作成することができる。
[17−1−9.接続不具合判定処理]
次に、図60に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行する接続不具合判定処理について説明する。この接続不具合判定処理では、図32に示したタッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴に基づいて、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否か判定する。
接続不具合判定処理が開始されると、図15に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図69に示すように、図16に示した、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cの描画状態情報取得記憶領域4150cakからLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを読み出す(ステップS1520)。このLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTには、上述したように、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴が記憶されている。このLOCKN信号は、上述したように、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0が、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号である。
ステップS1520に続いて、上皿側液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるか否かを判定する(ステップS1522)。この判定は、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTが接続確認判定値と一致しているか否かを判定する。この接続確認判定値は、図15に示した周辺制御ROM4150bに予め記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS1522の判定では、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの下位4ビットB3〜B0と接続確認判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS1522で、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの下位4ビットB3〜B0と接続確認判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していない状態であると判定して、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS1522で、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの下位4ビットB3〜B0と接続確認判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定して通信チェックカウンタCC−CNTに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1524)。この通信チェックカウンタCC−CNTは、本ルーチンが実行されるごとに、ステップS1522の判定において、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数をカウントアップする(累積回数を数える)ものである。なお、通信チェックカウンタCC−CNTは、パチンコ遊技機1が電源投入されると、値0がセットされてリセットされるようになっているのに対して、瞬停や停電によってリセットされず、復電時において瞬間や停電となる直前の通信チェックカウンタCC−CNTの値に復元されるようになっている。
ステップS1524に続いて、通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さいか否かを判定する(ステップS1526)。この判定では、通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さいときには、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないと判定する一方、通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さくない(大きい)ときには、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していると判定する。
ステップS1526で通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さいとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、通信異常フラグCC−FLGに値0をセットし(ステップS1528)、このルーチンを終了する。一方、ステップS1526で通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さくない(大きい)とき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているときには、通信異常フラグCC−FLGに値1をセットし(ステップS1530)、このルーチンを終了する。通信異常フラグCC−FLGは、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達してトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているか否かを示すフラグであり、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているとき値1、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないとき値0にそれぞれ設定される。なお、通信異常フラグCC−FLGは、パチンコ遊技機1が電源投入されると、値0がセットされてリセットされるようになっているのに対して、瞬停や停電によってリセットされず、復電時において瞬間や停電となる直前の通信異常フラグCC−FLGの値に復元されるようになっている。
[17−1−10.接続回復処理]
次に、図60に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行する接続回復処理について説明する。この接続回復処理では、図69に示した接続不具合判定処理に続いて実行され、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するために所定のデータパターン(SYNCパターン)を出力する一方、トランスミッタとレシーバとの間の接続が異常であるときにその旨を報知する。
接続回復処理が開始されると、図15に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、図70に示すように、図60に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理において、図16に示した周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた各種スケジュールデータのうち、画面生成用スケジュールデータを起動中であるか否かを判定する(ステップS1540)。この判定では、スケジューラ更新処理において、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを音源内蔵VDP4160aに出力するのかを指示するために、ポインタが更新されているか否かを判定する。換言すると、スケジューラ更新処理において、ポインタを更新しているときには画面生成用スケジュールデータに沿って演出が進行しているため、画面生成用スケジュールデータが起動中であると判定する一方、画面生成用スケジュールデータに沿って演出が完了してポインタの更新がすべて終了しているときには画面生成用スケジュールデータが未起動であると判定する。なお、この判定では、パチンコ遊技機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射して表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900によるデモンストレーションを行っている(投射して表示している)期間であるか否かを、画面生成用スケジュールデータに基づいて判断することができるようになっており、パチンコ遊技機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射して表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900によるデモンストレーションを行っている(投射して表示している)期間であるときには、後述するステップS1542へ進む一方、パチンコ遊技機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射して表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900によるデモンストレーションを行っている(投射して表示している)期間でないとき(単なる、客待ちの待機した状態であるとき)には、そのままこのルーチンを終了するようになっている。
ステップS1540で画面生成用スケジュールデータに沿って演出が進行しているとき、つまり画面生成用スケジュールデータが起動中であるときには、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS1540で画面生成用スケジュールデータに沿って演出が完了してポインタの更新がすべて終了しているとき、つまり画面生成用スケジュールデータが未起動であるときには、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないか否かを判定する(ステップS1542)。この通信チェックカウンタCC−CNTは、上述したように、図69に示した接続不具合判定処理が実行されるごとに、同処理におけるステップS1522の判定において、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数をカウントアップする(累積回数を数える)ものである。この判定では、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもあったか否かを判定する。
ステップS1542で通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回もないときには、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS1542で通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもあったときには、通信異常フラグCC−FLGの値が値0であるか否かを判定する(ステップS1544)。この通信異常フラグCC−FLGは、上述したように、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達してトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているか否かを示すフラグであり、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているとき値1、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS1544で通信異常フラグCC−FLGの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、SYNCパターン出力処理を行い(ステップS1546)、このルーチンを終了する。このSYNCパターン出力処理では、周辺制御MPU4150aが周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dのINIT端子に対して接続確認信号を出力することにより、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dがタッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0に対して所定のデータパターン(SYNCパターン)を出力する。この所定のデータパターン(SYNCパターン)は、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dに予め記憶されているものであって上皿側液晶用レシーバICSDIC0に対して出力されるものであり、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと上皿側液晶用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復するものである。
一方、ステップS1544で通信異常フラグCC−FLGの値が値0でない(値1である)とき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているときには、通信エラー表示処理を行い(ステップS1548)、このルーチンを終了する。この通信エラー表示処理では、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生している旨を伝えるために、図8に示した遊技盤4に備える遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900へ投射する処理を行う。例えば、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージが投射されて表示される。また、通信エラー表示処理では、パチンコ遊技機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射して表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900によるデモンストレーションを行っている(投射して表示している)期間において、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、上皿側液晶表示装置470の動作確認要求として、周辺制御MPU4150aに内蔵するタッチパネル駆動基板用シリアルI/OポートからLOCKN信号出力要求データを送信し、上皿側液晶用レシーバICSDIC0がLOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN端子からLOCKN信号を周辺制御MPU4150aに出力し、このLOCKN信号が入力されていないときには、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとして上皿側液晶表示装置470に不具合が発生していると判断し、その旨を、報知画像(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」)として、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900へ投射して表示する処理を行うとともに、報知音(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しています。」)が扉枠5に設けたスピーカ130,222,262等から繰り返し流れる処理を行う。このとき、扉枠5に備える発光装飾用のLEDや遊技盤4に備える各種装飾基板に実装される各種LEDをすべて点灯する処理を行うようにしてもよい。
次に、周辺制御MPU4150aが図17に示した周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dのINIT端子に対して接続確認信号を出力するタイミングについて図71のタイミングチャートを用いて説明する。
まず、図8に示した遊技盤4に備える遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900へ投射されて変動表示される装飾図柄について簡単に説明すると、図60に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理等により装飾図柄の変動表示が実行されるようになっており、図12に示した主制御基板4100の主制御MPU4100aよる図41に示した主制御側電源投入時処理の主制御側メイン処理や図42に示した主制御側タイマ割り込み処理等により図8に示した上始動口2101への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は図8に示した下始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果が「大当り」となると、図8に示した大入賞口2103の開閉動作の繰返し回数(ラウンド数)が1ラウンド〜15ラウンドまでの計15ラウンドとなり、各ラウンドでは、所定時間(例えば、30秒間)内において、大入賞口2103に遊技球が入球して、その球数が所定個数(例えば、9球)となると、そのラウンドが消化するようになっており、大入賞口2103に遊技球が1球入球するごとに、所定個数(例えば、15球)の遊技球が払い出されるようになっている。
上始動口2101への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は下始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果は、主制御基板4100からのコマンドに基づいて、周辺制御基板4140の周辺制御部4150が液晶及び音制御部4160を制御することにより、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900の正面視左側には左側装飾図柄、正面視中央には中央装飾図柄、そして正面視右側には右側装飾図柄の変動表示が開始され、所定時間経過した後に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が停止されて第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果を遊技者が認識することができるようになっており、このとき、図11に示した機能表示ユニット1180の上特別図柄表示器1185又は下特別図柄表示器1186で表示された第一特別図柄又は第二特別図柄においても第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果を確認することができるようになっている。左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が変動表示されているときには背景画像が視認できる程度に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が半透明な態様となり、左側装飾図柄はスクリーン1900の正面視左上側から正面視左下側に向かって、中央装飾図柄はスクリーン1900の正面視中央上側から正面視中央下側に向かって、右側装飾図柄はスクリーン1900の正面視右上側から正面視右下側に向かってそれぞれリールが回転しているかのような態様で変動表示されるとともに、左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示されると、停止表示された左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄と対応する位置における背景画像が視認困難となるように左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が不透明な態様となるようになっている。このように、図11に示した機能表示ユニット1180の上特別図柄表示器1185又は下特別図柄表示器1186において変動表示開始されて停止表示される第一特別図柄又は第二特別図柄と、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900へ投射されて変動表示開始されて停止表示される左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄と、が同期化されている。
周辺制御基板4140の周辺制御部4150は、上始動口2101への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は下始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を伝える主制御基板4100からのコマンドを受信すると、この受信したコマンドに基づいて、液晶及び音制御部4160を制御することにより、図71に示すように、図8に示した遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されると(タイミングK0)、図60に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理において、図16に示した周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを音源内蔵VDP4160aに出力するのかを指示するために、ポインタが更新されているため、つまりスケジューラ更新処理において、ポインタを更新しているときには画面生成用スケジュールデータに沿って演出が進行しているため、画面生成用スケジュールデータが起動中であり、画面生成用スケジュールデータが起動中である間、つまり左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示されるまでの間においては、図60に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理において、図70に示した接続回復処理を実行しても、この接続回復処理におけるステップS1540の判定で、そのままルーチンを強制的に終了するようになっている。
これにより、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示されるまでの間においては、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないときであっても、つまり周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続)に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもある場合であっても、接続回復処理におけるステップS1546のSYNCパターン出力処理を行わず、トランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行わないようになっているし、接続回復処理におけるステップS1548の通信エラー表示処理を行わず、例えば、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージが投射されず表示されないようになっているため、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える上皿側液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号を無効化するとともに、上皿側液晶表示装置470は、上皿側液晶用レシーバICSDIC0が上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから受信した描画データに基づいて画像を表示する。
遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示されると(タイミングK1)、図60に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理において、図16に示した周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに沿って演出が完了してポインタの更新がすべて終了しているため、つまりスケジューラ更新処理において、画面生成用スケジュールデータが未起動であり、画面生成用スケジュールデータが未起動である間においては、図60に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行する図70に示した接続回復処理におけるステップS1540の判定で、同処理におけるステップS1542の処理へ進み、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回もないときには、そのままルーチンを終了する一方、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもあったときには、同処理におけるステップS1544の処理へ進み、通信異常フラグCC−FLGの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、同処理におけるステップS1546の処理へ進み、上述したSYNCパターン出力処理を行い、ルーチンを終了する一方、通信異常フラグCC−FLGの値が値0でない(値1である)とき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているときには、同処理におけるステップS1548の処理へ進み、上述した通信エラー表示処理を行い、ルーチンを終了する。換言すると、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示されている間においては、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと上皿側液晶用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、SYNCパターン出力処理を必ず行うことにより、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと上皿側液晶用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行う一方、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているとき(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生している)には、通信エラー表示処理を必ず行うことにより、例えば、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージを投射して表示して報知する処理を行うようになっており、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える上皿側液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号を有効化している。
遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示され、再び左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されるまでのインターバル期間においては、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示されている間であるため、上述したように、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える上皿側液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号が有効化され、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと上皿側液晶用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、SYNCパターン出力処理を必ず行うことにより、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと上皿側液晶用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行う一方、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているとき(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生している)には、通信エラー表示処理を必ず行うことにより、例えば、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージを投射して表示して報知する処理を行うようになっている。
再び左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されると(タイミングK2)、上述したように、画面生成用スケジュールデータが起動中であるため、左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示される(タイミングK3)までの間においては、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないときであっても、つまり周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続)に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもある場合であっても、接続回復処理におけるステップS1546のSYNCパターン出力処理を行わず、トランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行わないようになっているし、接続回復処理におけるステップS1548の通信エラー表示処理を行わず、例えば、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージが投射されず表示されないようになっているため、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える上皿側液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号を無効化するとともに、上皿側液晶表示装置470は、上皿側液晶用レシーバICSDIC0が上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから受信した描画データに基づいて画像を表示する。
このように、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示され、再び左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されるまでのインターバル期間においては、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える上皿側液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号が有効化される一方、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示されるまでの間においては、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える上皿側液晶用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号が無効化されるようになっている。これは、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900において左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の停止表示される組み合わせ結果が遊技者には最も関心のある情報であり、遊技者に利益が付与される大当り遊技状態が発生するか否かを遊技者が判断することができるため、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が投射されて変動表示されると、左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示されるまでは、上皿側液晶表示装置470の表示領域に描画される演出の画像がノイズの影響等により乱れて正しく描画できない状態となったとしても、途中で演出を中断し、正しく描画できる状態に回復する処理を行うのではなく、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄を停止表示させることにより、遊技者の最も関心のある情報を描画完了させている。
この点においては、周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aが、パチンコ遊技機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射して表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900によるデモンストレーションを行っている(投射して表示している)期間において、内蔵するタッチパネル駆動基板用シリアルI/OポートからLOCKN信号出力要求データを、周辺制御基板4140に備える差動化回路4160eに送信する場合と大きく異なっている。このLOCKN信号出力要求データは、パチンコ遊技機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射して表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900によるデモンストレーションを行っている(投射して表示している)期間において、周辺制御MPU4150aに内蔵するタッチパネル駆動基板用シリアルI/Oポートから送信されるものであって、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、上皿側液晶表示装置470の動作確認要求として送信されるものである。
周辺制御MPU4150aに内蔵されるタッチパネル駆動基板用シリアルI/Oポートから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データが周辺制御基板4140に備える差動化回路4160eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化されると、上述したように、差動化回路4160eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が周辺制御基板4140に備える強制切替回路4160fに入力される。強制切替回路4160fは、差動化回路4160eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、その2つの信号を伝送するように回路接続するため、その2つの信号が、周辺制御基板4140から扉枠5の皿ユニット300内に収納されるタッチパネル駆動基板450に送信される。そしてタッチパネル駆動基板450に備える液晶モジュール回路450Vの上皿側液晶用レシーバICSDIC0は、受信したその2つの信号がタッチパネル駆動基板用シリアルI/OポートからのLOCKN信号出力要求データであると判断したときには、そもそも、LOCKN信号出力要求データは、上述したように、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから出力される信号とデータ形式が異なる構造であるため、異常なデータであると判断され、LOCKN信号を周辺制御基板4140の周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに出力する。これにより、周辺制御MPU4150aは、LOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN信号が入力されているときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していないとしてタッチパネル駆動基板450に不具合が発生していないと判断することができる一方、LOCKN信号が入力されていないときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとしてタッチパネル駆動基板450に不具合が発生していると判断して、その旨を伝える報知画像(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」)を、音源内蔵VDP4160aを制御してプロジェクタ駆動基板1800を介して遊技盤側表示装置1820に出力するとともに、その旨を伝える報知音(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しています。」)を、音源内蔵VDP4160aを制御してオーディオデータ送信IC4160cに出力することにより扉枠5に設けたスピーカ130,222,262等から報知音が流れる。これにより、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射されて表示される報知画像と、扉枠5に設けたスピーカ130,222,262等から繰り返し流れる報知音と、により報知を行うことができるようになっている。このとき、扉枠5に備える発光装飾用のLEDや遊技盤4に備える各種装飾基板に実装される各種LEDをすべて点灯してもよい。
このように、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、その内蔵するタッチパネル駆動基板用シリアルI/OポートからシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データを送信すると、強制切替回路4160fがLOCKN信号出力要求データを上皿側液晶用レシーバICSDIC0で受信することができるように回路接続し、LOCKN信号出力要求データを受信した上皿側液晶用レシーバICSDIC0が応答信号として上皿側液晶用レシーバICSDIC0のLOCKN端子からLOCKN信号を周辺制御MPU4150aに出力するようになっているため、LOCKN信号が入力されているときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していないとして上皿側液晶表示装置470に不具合が発生していないと判断することができる一方、LOCKN信号が入力されていないときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとして上皿側液晶表示装置470に不具合が発生していると判断することができる。そして、周辺制御MPU4150aは、上皿側液晶表示装置470に不具合が発生していると判断したときには報知処理として、図70の接続回復処理におけるステップS1548の通信エラー表示処理を実行することができるようになっている。換言すると、周辺制御MPU4150aは、上皿側液晶表示装置470の不具合を発見すると、その旨を、報知処理を実行することにより、ホールの店員等に報知することができるようになっているため、ホールの店員等は、遊技者が遊技を行う前に、上皿側液晶表示装置470に不具合が発生しているか否かを極めて簡単にチェックすることができ、そのチェックに手間がかからないようになっている。したがって、上皿側液晶表示装置470の不具合を手間をかけずに発見することができる。
また、LOCKN信号は、上述したように、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0が、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号であるため、上皿側液晶用レシーバICSDIC0は、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから送信される画像を正常に受信できないときには上皿側液晶用レシーバICSDIC0と上皿側液晶用トランスミッタIC4160dとの画像通信間において通信不具合が発生して受信した描画データが異常なデータとなる旨を伝えるために、LOCKN信号を周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに出力することができるようになっている。これにより、LOCKN信号が入力される周辺制御MPU4150aは、所定のデータパターン(SYNCパターン)を上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから上皿側液晶用レシーバICSDIC0へ送信開始する旨を伝える接続確認信号を上皿側液晶用トランスミッタIC4160dに出力することにより、画像通信間における通信不具合を解消させることができるようになっている。換言すると、周辺制御MPU4150aは、画像通信間における通信不具合による上皿側液晶表示装置470の不具合を早期に発見して、その不具合を解消させるように上皿側液晶用トランスミッタIC4160dに働きかけることができるようになっている。したがって、上皿側液晶表示装置470の不具合を発見して解消することにより遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
更に、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから送信される画像を受信して上皿側液晶表示装置470に出力する上皿側液晶用レシーバICSDIC0は、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから送信される画像を正常に受信できないときには上皿側液晶用レシーバICSDIC0と上皿側液晶用トランスミッタIC4160dとの画像通信間において通信不具合が発生している旨を伝える通信不具合発生信号であるLOCKN信号を演出制御マイクロプロセッサである周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aに出力することができるようになっているため、LOCKN信号が入力される周辺制御MPU4150aは、液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aを制御して通信不具合が発生している旨を伝える画像である「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージを生成し、この生成した画像を遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射して表示して報知することができるようになっている。換言すると、周辺制御MPU4150aは、画像通信間における通信不具合による上皿側液晶表示装置470の不具合を早期に発見して、その旨を、パチンコ遊技機1の前面に着座する遊技者に報知してその遊技者がホールの店員等に伝えたり、パチンコ遊技機1の前をたまたま通りかかったホールの店員等に直接報知することができるようになっているため、ホールの店員等は、その不具合が発生して早い段階でその不具合を解消するための作業に取り掛かることができる。したがって、上皿側液晶表示装置470の不具合を早期発見して解消することにより遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
更にまた、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、タイミングK1〜タイミングK2の期間(インターバル期間)において、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、LOCKN信号を有効化して画像通信間における通信不具合を解消するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから上皿側液晶用レシーバICSDIC0に送信開始する旨を伝える接続確認信号を上皿側液晶用トランスミッタIC4160dに、その累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達するまで、繰り返し出力し続けることができるようになっている。これにより、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、主制御基板4100の主制御MPU4100aが上特別図柄表示器1185又は下特別図柄表示器1186において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して停止表示して遊技の進行を実行していない期間に限って、繰り返し接続確認信号を出力し続けることができるため、通信不具合が解消される方向へ向かわせることができる。
そして、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、タイミングK1〜タイミングK2の期間(インターバル期間)において、周辺制御基板4140に備える上皿側液晶用トランスミッタIC4160dと、タッチパネル駆動基板450に備える上皿側液晶用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、LOCKN信号を有効化して画像通信間における通信不具合を解消するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を上皿側液晶用トランスミッタIC4160dから上皿側液晶用レシーバICSDIC0に送信開始する旨を伝える接続確認信号を上皿側液晶用トランスミッタIC4160dに、その累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達するまで、繰り返し出力し続けている際に、主制御基板4100の主制御MPU4100aが上特別図柄表示器1185又は下特別図柄表示器1186において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して遊技の進行を再び実行開始したときには接続確認信号の出力を停止し、上皿側液晶用トランスミッタIC4160dは、周辺制御MPU4150aから出力される接続確認信号が停止されて接続確認信号が入力されなくなると、所定のデータパターン(SYNCパターン)を上皿側液晶用レシーバICSDIC0に送信するのを停止して液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aが生成する画像を上皿側液晶用レシーバICSDIC0に出力することができるようになっている。これにより、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、主制御基板4100の主制御MPU4100aが上特別図柄表示器1185又は下特別図柄表示器1186において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して停止表示して遊技の進行を実行していない期間に限って、繰り返し不具合解消信号である接続確認信号を出力し続けることにより、通信不具合が解消される方向へ向かわせることができるようになっているため、主制御基板4100の主制御MPU4100aが上特別図柄表示器1185又は下特別図柄表示器1186において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して停止表示して遊技の進行を実行していない期間に限って、繰り返し接続確認信号を出力し続けている際に、主制御基板4100の主制御MPU4100aが上特別図柄表示器1185又は下特別図柄表示器1186において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して遊技の進行を再び実行開始したとしても、上皿側液晶表示装置470の表示画面において進行する演出の歪み(画像の乱れ)は、主制御基板4100の主制御MPU4100aが遊技の進行を再び実行開始して終了するごと(タイミングK1〜タイミングK2の期間(インターバル期間)となるごと)に、解消する方向へ向かわせることができる。
以上のような実施形態によれば、パチンコ遊技機1が図12の主制御基板4100及び図13の払出制御基板4110を備えている。主制御基板4100は、図8の遊技盤4に区画形成される遊技領域1100に向かって図5の打球発射装置650によって発射される遊技球が遊技領域1100に設けられる始動領域である図8の上始動口2101や下始動口2102に侵入したことに基づいて遊技の進行を制御する遊技制御マイクロプロセッサである図12の主制御MPU4100aが実装されている。払出制御基板4110は、主制御基板4100からの払出指令である図36(a),(b)の賞球コマンドに基づいて図5の賞球装置740による遊技球の払い出しを制御する払出制御マイクロプロセッサである図13の払出制御MPU4120aが実装されている。
遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU4100aは、少なくとも、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM(主制御内蔵RAM)を備えている。主制御内蔵RAMは、電源遮断後においても遊技に関する情報を記憶することができるようになっている。
払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU4120aは、少なくとも、払出制御MPU4120aに内蔵されているRAM(払出制御内蔵RAM)を備えている。払出制御内蔵RAMは、電源遮断後においても払い出しに関する情報を記憶することができるようになっている。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、さらに、図13の操作スイッチ860aを備えている。操作スイッチ860aは、電源投入時から図40の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間内に操作されると、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技に関する情報を消去するための図21のRAMクリア信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU4100a出力するとともに、電源投入時から図43の払出制御部電源投入時処理におけるステップS512の判定処理が行われる期間内に操作されると、払出制御内蔵RAMに記憶されている払い出しに関する情報を消去するためのRAMクリア信号として図26のRWMCLR信号を払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU4120aに出力するRAMクリア機能と、電源投入時から図40の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間(又は、電源投入時から図43の払出制御部電源投入時処理におけるステップS512の判定処理が行われる期間)が経過した後に操作されると、賞球装置740に関して発生したエラーを解除するためのエラー解除信号として図26のRWMCLR信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU4100aに出力せずに払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU4120aに出力するエラー解除機能と、を兼備するものである。
このように、操作スイッチ860aは、電源投入時から図40の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間内に操作されると、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技に関する情報を消去するための図21のRAMクリア信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU4100aに出力するとともに、電源投入時から図43の払出制御部電源投入時処理におけるステップS512の判定処理が行われる期間内に操作されると、払出制御内蔵RAMに記憶されている払い出しに関する情報を消去するためのRAMクリア信号として図26のRWMCLR信号を払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU4120aに出力するRAMクリア機能と、電源投入時から図40の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間(又は、電源投入時から図43の払出制御部電源投入時処理におけるステップS512の判定処理が行われる期間)が経過した後に操作されると、賞球装置740に関して発生したエラーを解除するためのエラー解除信号として図26のRWMCLR信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU4100aに出力せずに払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU4120aに出力するエラー解除機能と、を兼備しているため、1つの操作スイッチ860aによる操作により、RAMクリア機能とエラー解除機能との2つの異なる機能をそれぞれパチンコ遊技機1に設けることができる。したがって、コスト削減に寄与しながらRAMクリア機能及びエラー解除機能を設けることができる。
ところで、上述したようにパチンコ機1では、本体枠3に対して開閉可能な扉枠5に上皿側液晶表示装置470の表示領域に操作面が重なるようにタッチパネル480が設けられている。演出制御プログラムは、周辺制御MPU4140aの制御による音源内蔵VDP4160aによって、液晶及び音制御ROM4160bに予め格納されている読み出された選択表示物の表示に用いる各選択表示物画像データや操作メニュー背景画像データに基づいて、上皿側液晶表示装置470(第2表示装置)に、図77に示すような操作メニュー背景画像に少なくとも1つの選択表示物を重ねた表示態様で操作メニュー画面を表示させる(選択表示物表示制御手段)。具体的には、この操作メニュー画面では、主に、例えば、音量・光量リセットのための音量光量選択表示物、サングラスを掛けた「爆弾王」と名乗る乱暴者を模したおまけ選択表示物、及び、不慣れなパチンコ初心者の視線を引く文言「初めてのパチンコ」とともに遊技球を模した初心者向け選択表示物を水平方向に沿ってほぼ等間隔で配列して表示しており、ほぼ中心に配置している選択表示物を他の選択表示物よりもやや拡大して表示している。
図78に示すように操作者がその指Fを用いて上皿側液晶表示装置470の表示領域やや右側に表示された初心者向け選択表示物の位置においてタッチパネル480の接触面を触れて右から左に向けてスライドさせると、演出制御プログラムは、タッチパネル480の接触面の接触状態に基づいて上記おまけ選択表示物を縮小表示させるとともに当該初心者向け選択表示物を、例えば次に選択される候補として拡大して表示させるとともに、図79に示すように左に向けて各選択表示物を移動させるよう表示させる。
引き続き、この操作者が、図80に示すように指Fで初めてのパチンコ選択表示物KHBを触れる(以下、「タップする」と記載する。)と、演出制御プログラムは、上述したように、図33に示したタッチパネル駆動基板450からの接触位置データによりタッチパネル480の接触面の接触状態に応じた接触部分に基づいて検出ポイントを特定する(検出ポイント取得手段)。さらに演出制御プログラムは、上皿側液晶表示装置470の表示領域において対応する当該検出ポイントに、上記液晶及び音制御ROM4160b(演出制御記憶部)から読み出された環状画像データに基づいて当該初めてのパチンコ選択表示物の位置に小さな初期の環状表示物KHBを表示させる(初期表示制御手段)。
次に演出制御プログラムは、図82に示すように、上述した「初めてのパチンコ」という文言を拡大表示させて当該初めてのパチンコ選択表示物が選択されたことを遊技者に視認させる。この演出制御プログラムは、図83に示すように、上記検出ポイントにおいて時間の経過とともに当該初期の環状表示物を連続的に拡大させる表示態様の途中の環状表示物の残像を残しつつ濃度を薄くしながら連続的に拡大させて最終の環状表示物を表示させるとともに上記検出ポイントに対応する初めてのパチンコ選択表示物を消滅させつつ当該初めてのパチンコ選択表示物に対応付けられた次の遷移先画面を表示させる(残像表示制御手段)。
このようにすると、タッチパネル480の操作者は、自らの操作に応じて、その接触面を透過して上皿側液晶表示装置470の表示領域に表示された環状表示物KHBを視認することができる。ここで、緻密な演出表示が可能となってきた今日、一般的にタッチパネルの反応の鈍さがごく僅かでも残っていると、一見すると、遊技者は、自らの操作に対する応答がなされていないのではないかと誤って認識し、積極的に遊技者参加型演出に参加しようとの心理が働きにくくなってしまいそうである。しかしながら本実施形態によれば、仮に緻密な演出表示が可能となったも、操作者の操作に応じて環状表示物KHBの残像が残るため、操作に対する応答が少々遅れた場合でも操作者が操作に対する応答が確実になされていることを視認することができる。
ところで、上述のような残像表示は、上皿側液晶表示装置470において恒常的になされる代わりに、演出制御プログラムが払出制御基板4110操作スイッチ860aの操作に伴うエラー解除ナビコマンド(第2のエラー解除コマンド)を主制御基板4100から受け取ったことを契機として、その後、一時的に、上皿側液晶表示装置470の動作確認を行うためのテストモードに切り替えて実行されるようにしても良い。即ち、演出制御プログラムは、通常は上皿側液晶表示装置470を用いて上記残像表示を実行しないものの、上記操作スイッチ860aが操作されると、その後、テストモードに切り替えて上記残像表示を実行するようにしても良い。この場合、演出制御プログラムは、再度操作スイッチ860aが操作されたことを契機として、テストモードから通常モードに切り替えるように制御している。このようにすると、操作者の都合に応じて、テストモードにおいて上皿側液晶表示装置470の表示動作を(例えばパチンコ機1の出荷時に)一時的にテストしたり、上皿側液晶表示装置470を用いた演出の一部として恒常的に残像表示を行うことができる。
一方、操作者が、図84に示すような操作メニュー画面において、図85に示すように上皿側液晶表示装置470の表示領域に表示されている音量調整選択表示物に対応するタッチパネル480の接触面をタップして選択した場合、演出制御プログラムは、その接触状態に基づく接触部分に基づいて、図86に示すように小さな初期の環状表示物KHBを表示させる。この演出制御プログラムは、当該初期の環状表示物KHBを連続的に拡大させた表示態様の途中の環状表示物KHBを経て、図87に示すように最終の環状表示物KHBを表示させる(最終表示制御手段)。即ち、演出制御プログラムは、初期の環状表示物KHBから最終の環状表示物KHBに至るまで、例えば無段階に環状表示物KHBを拡大させたり、或いは、例えば10段階に分けて段階的に環状表示物KHBを拡大させるようにしても良い。
このようにすると、上述したようにタッチパネル480の操作者は、自らの操作に応じて、その接触面を透過して上皿側液晶表示装置470の表示領域に表示された環状表示物を視認することができる。ここで、緻密な演出表示が可能となってきている今日において反応の鈍さが残っている場合、今後さらに緻密な演出表示を実現できるようになったときに、このような緻密な演出表示との比較上、一見すると、遊技者に相対的に違和感を与えることも考えられる。しかしながら、本実施形態によれば、タッチパネル480の接触面に触れたことを契機として上皿側液晶表示装置470の表示領域に表示される環状表示物の登場(表示)により、視覚を用いた正確な応答検査が可能となるため、仮に、今後さらに緻密な演出表示を実現できるようになったときであっても、操作に対する直接的な応答によって操作者に違和感を与えにくくすることができる。
一方、同様に、操作者が、図84に示すような操作メニュー画面において、図85に示すように上皿側液晶表示装置470の表示領域に表示されている音量調整選択表示物に対応するタッチパネル480の接触面をタップして選択した場合、演出制御プログラムは、その接触状態に基づく接触部分の接触面積が予め定められた接触面積よりも大きい場合(即ち、押圧力が強い場合)、図86に示すように小さな初期の環状表示物KHBを表示させてから或いは表示させることなく、途中の環状表示物KHBの少なくとも一部を省略して、図87に示すように最終の環状表示物KHBを表示させるようにしても良い。このように押圧力が強い場合には、操作者の指によって、タッチパネル480の接触面を透過して視認される表示領域の初期の環状表示物KHB或いはさらには上記一部の途中の環状表示物KHBをも隠されてしまうが、演出制御プログラムは、このように一部の環状表示物KHBの表示制御を省略することにより、遊技者が視認し得ない無駄な表示を減らしたり処理負担を軽減することができる。
以上のように最終の環状表示物KHBが表示された後、演出制御プログラムは、液晶及び音制御ROM4160bから読み出した音調調整背景画像データに基づいて、図88に示すような1〜6までのボリュームスケールVSCLを含む音量調整背景画像に、同じく液晶及び音制御ROM4160bから読み出した音量設定アイコン画像データに基づく、音符マークが付された音量調整アイコンOCIをボリュームスケールVSCLに沿ってスライド可能に重ねた表示態様の音量調整画面を表示させる。
操作者が、その指Fで音量調整画面の音量調整アイコンOCIをタップして図88のように左に向けてスライドさせると、演出制御プログラムは、上述したように、図33に示したタッチパネル駆動基板450からの接触位置データにより当該接触状態に基づく接触部分に基づいて検出ポイントを特定し(検出ポイント取得手段)、上皿側液晶表示装置470(第2表示装置)の表示領域において対応する当該検出ポイントに、上記液晶及び音制御ROM4160bから読み出された環状画像データに基づいて、まず、小さな初期の環状表示物KHBを表示させる(初期表示制御手段)。
さらに操作者が、図89に示すように、その指Fで音量調整アイコンOCIをボリュームスケールVSCに沿ってスライドさせると、演出制御プログラムは、図88に示すように、タッチパネル駆動基板450からの接触位置データにより上記接触状態に基づく接触部分がある位置(以下、初期位置と扱う)の移動軌跡を各移動検出ポイントごとに検出する(移動軌跡取得手段)。次に演出制御プログラムは、図89に示すように、当該検出された移動軌跡に沿った各移動検出ポイントにおいて時間の経過とともに上記初期の環状表示物KHBをそれぞれ独立して連続的に拡大させた表示態様の上記途中の環状表示物KHBを経由して最終の環状表示物KHBを表示させる(移動軌跡表示制御手段)。この際、演出制御プログラムは、図90に示すように、音量調整アイコンOCIをタップした指Fのスライドに応じて音量調整アイコンOCIをボリュームスケールに沿ってスライドさせるよう移動させて表示し、最終的には、図91に示すように、同様に上記途中の環状表示物の表示を経由して、スライドを完了させた指Fの位置にまで音量調整アイコンOCIを移動させた表示態様とする。操作者が、タッチパネル480の接触面から指Fを離すと、演出制御プログラムは、タッチパネル駆動基板450からの接触位置データにより、いずれの接触物が無くなったことから、図92に示すようにその最終接触面近傍に、さらに拡大させた最終の環状表示物を表示させる。
このようにすると、上述したようにタッチパネル480の操作者は、自らの操作に応じて、その接触面を透過して上皿側液晶表示装置470の表示領域に表示された環状表示物KHBを視認することができる。従って、操作者の操作による接触面における接触部分の移動軌跡に沿った各移動検出ポイントにおいて初期の環状表示物KHBの残像のように各々表された途中の環状表示物KHBを経由して最終の環状表示物KHBが表示されるため、操作者は、この移動軌跡に沿った直近の操作履歴を逐一記憶しておく必要がなく操作時におけるストレスを感じにくくなる。
ところで、上述した演出制御プログラムは、例えば、上述したタッチパネル480の接触状態に基づく接触部分の輪郭面積の最大広さに比例させて最終環状表示物KHBの大きさを拡大するように制御しても良い(最終表示制御手段、残像表示制御手段、移動軌跡表示手段)。具体的には、この演出制御プログラムは、この輪郭面積が相対的に大きい場合には最終環状表示物KHBの大きさを相対的に大きくする一方、この輪郭面積が相対的に小さい場合には最終環状表示物KHBの大きさを相対的に小さくする。このようにすると、最終環状表示物KHBの大きさが操作者による接触面の押圧力に比例するため、操作者の感覚上、この押圧力がどの程度のものであったのかについて事後的にも認識することができる。
その代わりに或いは併せて、この演出制御プログラムは、例えば、上述したタッチパネル480の接触状態に基づく接触部分における輪郭面積の単位時間当りの変化に比例させて、最終環状表示物KHBの拡大態様を制御するようにしても良い(最終表示制御手段、残像表示制御手段、移動軌跡表示手段)。具体的には、この輪郭面積の単位時間当りの変化が大きい場合には相対的に短い時間で途中の環状表示物KHBの大きさを変化させるようにする一方、この輪郭面積の単位時間当りの変化が小さい場合には相対的に長い時間で途中の環状表示物KHBの大きさを変化させるようにする。このようにすると、操作者が相対的に短い時間で接触面に触れると、環状表示物KHBが相対的に速く拡大する一方、操作者が相対的に長い時間で接触面に触れると、環状表示物KHBが相対的に遅く拡大するようになり、操作者の操作態様に応じたタッチパネル480の反応をより正確に検査することができるばかりでなく、遊技者が、現実の世界の物体を操作した際の操作感により近い操作感をえることができるようになる。
[18.遊技盤側表示装置の表示領域に表示される画面]
次に、図8に示した遊技盤4に備える遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射されて表示される画面について、図93、及び図94を参照して簡単に説明する。遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射されて表示される画面は、図15に示した周辺制御基板4140における周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aが図60に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理等を実行することにより表示される。これにより、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900においてさまざまな演出が進行されるようになっている。ここでは、まず、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射されて表示される変動表示等の演出について説明し、続いて遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射されて表示される発射動作不具合報知演出について説明する。図93は遊技盤側表示装置のスクリーンに投射されて表示される変動表示演出の一例を示す図であり、図94は遊技盤側表示装置のスクリーンに投射されて表示される発射動作不具合報知演出の一例を示す図である。
[18−1.遊技盤側表示装置の表示領域に表示される変動表示等の演出]
まず、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射されて表示される変動表示等の画像について、図93を参照して説明する。図12に示した主制御基板4100の主制御MPU4100aよる図41に示した主制御側電源投入時処理の主制御側メイン処理や図42に示した主制御側タイマ割り込み処理等により図8に示した上始動口2101への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は図8に示した下始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果が「大当り」となると、図8に示した大入賞口2103の開閉動作の繰返し回数(ラウンド数)が1ラウンド〜15ラウンドまでの計15ラウンドとなり、各ラウンドでは、所定時間(例えば、30秒間)内において、大入賞口2103に遊技球が入球して、その球数が所定個数(例えば、9球)となると、そのラウンドを消化するようになっており、大入賞口2103に遊技球が1球入球するごとに、所定個数(例えば、15球)の遊技球が払い出されるようになっている。
上始動口2101への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は下始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果は、主制御基板4100からの図37に示した各種コマンドである遊技演出に関する演出コマンドに基づいて、図15に示した周辺制御基板4140の周辺制御部4150が液晶及び音制御部4160を制御することにより、図93(a)に示すように、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900の正面視左側には装飾図柄1950a、正面視中央には装飾図柄1950b、そして正面視右側には装飾図柄1950cの変動表示が開始され、所定時間経過した後に装飾図柄1950a〜1950cの変動表示が停止されて第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果を遊技者が認識することができるようになっており、このとき、図11に示した機能表示ユニット1180の上特別図柄表示器1185又は下特別図柄表示器1186で表示された第一特別図柄又は第二特別図柄においても第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果を確認することができるようになっている。装飾図柄1950a〜1950cが変動表示されているときには背景画像が視認できる程度に装飾図柄1950a〜1950cが半透明な態様となり、装飾図柄1950aはスクリーン1900の正面視左上側から正面視左下側に向かって、装飾図柄1950bはスクリーン1900の正面視中央上側から正面視中央下側に向かって、装飾図柄1950cはスクリーン1900の正面視右上側から正面視右下側に向かってそれぞれリールが回転しているかのような態様で変動表示されるようになっている。
具体的には、図63の周辺制御部コマンド受信割り込み処理において、周辺制御MPU4150aにより実行される演出制御プログラムは、主制御基板4100からの各種コマンドを受信する。そして、図60の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1022の受信コマンド解析処理において、演出制御プログラムは、図63の周辺制御部コマンド受信割り込み処理において受信した各種コマンドの解析を行う。演出制御プログラムは、解析したコマンドが例えば図37に示した特図1同調演出関連に区分される特図1同調演出開始コマンドである場合にはこのモードに指定された演出パターンで図93(a)に示す装飾図柄1950a〜1950bの変動表示態様に設定されている、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域に4150caeにセットする。
例えば、装飾図柄1950a〜1950bの変動表示態様に設定されている画面生成用スケジュールデータが周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出されて周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域に4150caeにセットされると、図60の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新され、同処理におけるステップS1030の表示データ作成処理において、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、そのポインタが示す画面データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。音源内蔵VDP4160aは、周辺制御MPU4150aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM4160bからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射して表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上に生成する。そして、同処理におけるステップS1016の表示データ出力処理において、演出制御プログラムは、上述した表示データ作成処理で音源内蔵VDP4160aの内蔵VRAM上に生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを音源内蔵VDP4160aが図17に示したチャンネルCH1から遊技盤側表示装置1820に出力する。これにより、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に図93(a)に示す遊技演出として装飾図柄1950a〜1950bの変動表示の画面が投射されて表示されることとなる。
装飾図柄1950a〜1950cの変動表示が、図93(a)に示すように、開始されて所定時間経過した後に、装飾図柄1950a〜1950cの停止図柄が同一の装飾図柄で停止表示されると、上述した「大当り」となる。一方、装飾図柄1950a〜1950cの変動表示が、図93(a)に示すように、開始されて所定時間経過した後に、図93(b)に示すように、装飾図柄1950a〜1950cの停止図柄が同一の装飾図柄で停止表示されないと、「はずれ」となる。
遊技球が上始動口2101や下始動口2102に入球しない状態が続いて保留球が消化されてゼロ個となった状態が所定時間継続された場合(例えば、本実施形態では、60秒間)には、図93(c)に示す客待ち状態の画面となるデモンストレーションの画面を遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射して表示するようになっている。このとき、効果音や音楽は、消音に設定されるようになっている。そして、デモンストレーションの画面が遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に所定回数(例えば、本実施形態では、15回)だけ投射されて表示されると(進行されると)、省電力モードへ移行し、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に何も投射されず表示されない状態(つまり、真っ黒の画面となる状態)となるようになっている。このとき、図2に示した扉枠5に設けられた各種ランプや遊技盤4に設けられた各種ランプも消灯する状態となる。
[18−2.遊技盤側表示装置の表示領域に表示される発射動作不具合報知演出]
次に、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射されて表示される発射動作不具合報知演出について説明する。遊技者がパチンコ遊技機1の前面に着座して図7に示した回転ハンドル本体前506を回動操作して遊技を開始している際に、何らかの原因により、図13に示した、払出制御基板4110の払出制御部4120の払出制御MPU4120aに内蔵される発射球送制御回路4120agに不具合が発生している状態を、払出制御MPU4120aがその内蔵される発射球送不具合監視回路4120ahから取得したステータス情報により判別すると、発射球送制御回路4120agによる遊技球の発射制御を強制的に停止するために発射球送制御回路4120agに対して発射動作禁止を設定するとともに、その旨を主制御基板4100へ伝えるようになっている。主制御基板4100は、発射動作禁止状態である旨を周辺制御基板4140へ伝えることにより、周辺制御基板4140は、図94に示すように、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に発射動作不具合報知演出として発射動作不具合報知の画面を投射して表示するようになっている。
具体的には、図45の払出制御部電源投入時処理における払出制御部メイン処理のステップS557の発射球送制御回路エラーチェック処理において、払出制御プログラムは、図13に示した、発射球送不具合監視回路4120ahからステータス情報を取得して発射球送制御回路4120agに不具合が発生しているか否かを判別する。発射球送不具合監視回路4120ahは、上述したように、発射ソレノイド654による発射制御と、球送ソレノイド585による球送制御と、を行う発射球送制御回路4120agに不具合が発生しているか否かを監視するものであり、監視結果(不具合の発生の有無)をステータス情報として記憶保持することができるようになっている。払出制御プログラムは、発射球送不具合監視回路4120ahからステータス情報を取得して発射球送制御回路4120agに不具合が発生しているかを判別する。払出制御プログラムは、発射球送不具合監視回路4120ahからステータス情報を取得して発射球送制御回路4120agに不具合が発生していないと判別したときには、発射球送制御回路4120agによる遊技球の発射制御を開始するために発射球送制御回路4120agに対して発射動作許可を設定するとともに、発射動作許可状態である旨を伝える発射動作許可情報を払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域に記憶する一方、発射球送制御回路4120agに不具合が発生していると判別したときには、発射球送制御回路4120agによる遊技球の発射制御を強制的に停止するために発射球送制御回路4120agに対して発射動作禁止を設定するとともに、発射動作禁止状態である旨を伝える発射動作禁止情報を払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域に記憶する。
そして、同処理におけるステップS566のコマンド送信処理において、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域から発射動作許可情報を読み出すと、この発射動作許可情報に基づいて、図39に示した状態表示に区分される1バイト(8ビット)の枠状態2コマンド(発射球送制御回路エラーでない旨を伝えるためにB0に値0をセットする。)を作成して主制御基板4100に送信したり、払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域から発射動作禁止情報を読み出すと、この発射動作禁止情報に基づいて、図39に示した状態表示に区分される1バイト(8ビット)の枠状態2コマンド(発射球送制御回路エラーである旨を伝えるためにB0に値1をセットする。)を作成して主制御基板4100に送信したりする。
図42の主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS110の枠コマンド受信処理において、メイン制御プログラムは、図39に示した状態表示に区分される1バイト(8ビット)の枠状態2コマンドを受信すると、2バイト(16ビット)のコマンドとして図38に示した状態表示に区分される枠状態2コマンドに整形して、送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。
そして、同処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、メイン制御プログラムは、主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を周辺制御基板4140に送信する。
図63の周辺制御部コマンド受信割り込み処理において、演出制御プログラムは、主制御基板4100からの各種コマンドを受信する。そして、図60の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1022の受信コマンド解析処理において、演出制御プログラムは、図63の周辺制御部コマンド受信割り込み処理において受信した各種コマンドの解析を行う。演出制御プログラムは、解析したコマンドが図38に示した状態表示に区分される枠状態2コマンドである場合であって、発射球送制御回路エラーでない旨を伝えるものである場合にはそのまま次のステップであるステップS1024へと進む一方、発射球送制御回路エラーである旨を伝えるものである場合には発射動作不具合報知を実行するための発射動作不具合報知態様に設定されている、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域に4150caeにセットする。
例えば、発射動作不具合報知態様に設定されている画面生成用スケジュールデータや音生成用スケジュールデータが周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出されて周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域に4150caeにセットされると、図60の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新され、同処理におけるステップS1030の表示データ作成処理において、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、そのポインタが示す画面データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。音源内蔵VDP4160aは、周辺制御MPU4150aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM4160bからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に投射して表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上に生成する。そして、同処理におけるステップS1016の表示データ出力処理において、演出制御プログラムは、上述した表示データ作成処理で音源内蔵VDP4160aの内蔵VRAM上に生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを音源内蔵VDP4160aが図17に示したチャンネルCH1から遊技盤側表示装置1820に出力する。これにより、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に図94に示す発射動作不具合報知演出として発射動作不具合報知の画面が投射されて表示されることとなる。
また、発射動作不具合報知態様に設定されている画面生成用スケジュールデータや音生成用スケジュールデータが周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出されて周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域に4150caeにセットされると、同処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新され、同処理におけるステップS1032の音データ作成処理において、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された音指令データのうち、そのポインタが指示する音指令データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。そして、同処理におけるステップS1018の音データ出力処理において、上述した音データ作成処理で音源内蔵VDP4160aに設定された音楽及び効果音等の音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力したり、音楽及び効果音のほかに報知音や告知音の音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力したりする。これにより、「発射不具合が発生しています。係員をお呼びください。」という音声が図5に示した本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び図2に示した扉枠5に設けたスピーカ130から繰り返し流れることとなる。
このように、払出制御MPU4120aは、その内蔵する発射球送不具合監視回路4120ahが記憶保持するステータス情報から、その内蔵する発射球送制御回路4120agに不具合が発生しているか否かを判別してその判別結果が発射球送制御回路4120agに不具合が発生していると判別したときには発射球送制御回路4120agに対して発射動作禁止状態に設定するとともに、主制御基板4100(主制御MPU4100a)を介して、図38の状態表示に区分される2バイト(16ビット)に整形された枠状態2コマンドとして周辺制御MPU4150aへ伝えることができるため、周辺制御MPU4150aは、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900による図94の発射動作不具合報知演出の進行を制御することができるようになっている。発射球送制御回路4120agにおける不具合としては、上述したように、ポテンショメータ512からの操作信号に基づいて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を調整することが困難となっている場合、ポテンショメータ512からの操作信号がノイズの影響を受けて極めて乱れた信号に化けて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を特定することができず駆動電流を調整することが困難となっている場合、タッチスイッチ516からの検出信号がノイズの影響を受けて極めて乱れた信号に化けて回転ハンドル本体前506に遊技者の手のひらや指が触れているか否かを特定することが困難となっている場合、発射停止スイッチ518からの検出信号がノイズの影響を受けて極めて乱れた信号に化けて遊技者の意志によって遊技球の打ち出し(発射)が強制的に停止されているか否かを特定することが困難となっている場合のほかに、発射球送制御回路4120ag自体が何らかの原因により破壊されて使用不能となっている場合や所定時間当たりに遊技領域1100に向かって打ち出した(発射した)遊技球の球数が所定個数を超えている場合(本実施形態では、1分間当たりに遊技領域1100に向かって打ち出した(発射した)遊技球の球数が100球を超えている場合)などを挙げることができる。
発射球送制御回路4120agにおける不具合として、例えば、ポテンショメータ512からの操作信号がノイズの影響を受けて極めて乱れた信号に化けて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を特定することができず駆動電流を調整することが困難となっている場合には、安定した発射強度を得ることができなくなるため、図8に示した遊技領域1100に設けられた上始動口2101への遊技球の入球率を安定させることができず、遊技者にとって不利な状態のまま遊技を継続させることとなる。そこで、本実施形態では、払出制御MPU4120aに内蔵される発射球送制御回路4120agに不具合が発生して打球発射装置650により遊技球を発射することで遊技者にとって不利な状態となる場合には、払出制御MPU4120aに内蔵される発射球送制御回路4120agに対して発射動作禁止状態が設定されることによりパチンコ遊技機1が自動的に打球発射装置650による発射を停止することで遊技を継続することが困難とすることができるようになっている。したがって、不具合が発生しているという遊技者にとって不利な状態のまま遊技を継続させることを防止することができる。
以上説明した本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、図12の主制御基板4100、図15の周辺制御基板4140、図15の外部端子板784を備えている。主制御基板4100は、図8の遊技盤4に区画形成される遊技領域1100に設けられる図8の上始動口2101や下始動口2102等の始動領域に図1の打球発射装置650により発射された遊技球が入球したことに基づいて遊技の進行を制御することができるものである。周辺制御基板4140は、主制御基板4100からのコマンド(演出の進行を規定する図37及び図38に示す各種コマンド)に基づいて、(演出の進行を規定する図37及び図38に示す各種コマンド)に画像を表示して(遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に画像を投射して表示する)演出の進行を制御することができるものである。外部端子板784は、ホールを管理するホールコンピュータと電気的に接続されるものである。
遊技盤側表示装置1820は、少なくとも、遊技盤側表示装置1820を冷却することができる空冷装置FAN0,FAN1を備えている。具体的には、図31の遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の内部は、図31の各色LED1850a〜1850c、集光レンズ1850d〜1850f、ミラー1850g〜1850i、コンデンサレンズ1850k、偏光ビームスピリッタ1850m、反射型液晶表示パネル(LCOS)である光学素子1850n、及び投射レンズ1850pから構成される光学エンジンによる発熱により温度が上昇するため、この熱を外部へ放出するために2つの空冷装置FAN0,FAN1が設けられている。
周辺制御基板4140は、空冷装置FAN0,FAN1が遊技盤側表示装置1820を空冷している旨を伝える作動中信号が空冷装置FAN0,FAN1から入力されているときには遊技盤側表示装置1820を点検する必要がない旨を、外部端子板784を介して、ホールコンピュータへ伝えることができるようになっている一方、空冷装置FAN0,FAN1が遊技盤側表示装置1820を空冷している旨を伝える作動中信号が空冷装置FAN0,FAN1から入力されていないときには遊技盤側表示装置1820を点検する必要がある旨を、外部端子板784を介して、ホールコンピュータへ伝えることができるようになっている。具体的には、プロジェクタ1850の空冷装置FAN0,FAN1は、プロジェクタ駆動基板1800からの+12Vという電圧により電源が供給されることで駆動されるようになっている。空冷装置FAN0,FAN1は、+12Vという電圧が供給されると、図示しないファンが回転し、作動している旨を伝える作動中信号を、それぞれ出力する。空冷装置FAN0,FAN1からそれぞれ出力される作動中信号は、プロジェクタ駆動基板1800を介して、周辺制御基板4140に入力され、図15に示した周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aにより、図62の周辺制御1msタイマ割り込み処理におけるステップS1109のプロジェクタ情報取得処理において、空冷装置FAN0,FAN1の作動状態が監視されるようになっている。そして、周辺制御MPU4150aは、図60の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1015のプロジェクタ監視処理において、空冷装置FAN0,FAN1からの作動中信号のいずれか一方又は両方が入力されなくなると、空冷装置FAN0,FAN1のいずれか一方又は両方が作動してないとして空冷装置FAN0,FAN1を点検する旨を伝えるためのメンテナンス情報出力信号を外部端子板784に出力するようになっている。
外部端子板784は、図30に示したように、出力端子PT1〜PT11が一列に水平に並んで配置されている。出力端子PT11は、黄緑色に施されてメンテナンス情報出力信号が出力されるものである。外部端子板784からのメンテナンス情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、パチンコ遊技機1における遊技盤側表示装置1820のプロジェクタ1850に備える空冷装置FAN0,FAN1のいずれか一方又は両方が作動してない状態であることを把握することができる。そして、ホールコンピュータが設置されるホールの管理室では、ホールの管理者は、ホールコンピュータのディスプレイに表示される内容を見て、パチンコ遊技機1における遊技盤側表示装置1820のプロジェクタ1850に備える空冷装置FAN0,FAN1を点検するように、ホール内を巡回するホールの店員等の係員に対して、無線機を用いて連絡することができる。
このように、ホールを管理するホールコンピュータには、遊技盤側表示装置1820を点検する必要の有無がパチンコ遊技機1自身が判断して自動的に伝わるようになっているため、ホールの管理者は、ホールコンピュータのディスプレイに表示される内容をみて、ホール内を巡回するホールの店員等の係員に例えば無線機を用いて遊技盤側表示装置1820を点検する必要があるパチンコ遊技機を伝えて向かわせることができるため、遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の空冷装置FAN0,FAN1が作動せず遊技盤側表示装置1820の冷却効果を喪失しても(空冷装置FAN0,FAN1のいずれか一方又は両方が作動せずプロジェクタ1850の冷却効果を喪失しても)、空冷装置FAN0,FAN1が作動しなくなって(空冷装置FAN0,FAN1のいずれか一方又は両方が作動しなくなって)から早い段階で遊技盤側表示装置1820の点検を行うことができるようになっている。したがって、遊技盤側表示装置1820が温度の影響を受けて故障する前に、その前兆を把握して遊技盤側表示装置1820の点検を行うことができる。
[19.別例]
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、周辺制御MPU4150aは、図60の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1015のプロジェクタ監視処理において、空冷装置FAN0,FAN1からの作動中信号のいずれか一方又は両方が入力されなくなると、空冷装置FAN0,FAN1のいずれか一方又は両方が作動してないとして空冷装置FAN0,FAN1を点検する旨を伝えるためのメンテナンス情報出力信号を外部端子板784に出力するものの、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に画像を投射して表示することで演出が進行された状態、つまり遊技者は、遊技を継続することができる状態となっていたが、空冷装置FAN0,FAN1のいずれか一方又は両方が作動していない状態では、空冷装置FAN0,FAN1による冷却効果が低下又は喪失することとなるため、パチンコ遊技機1で消費される電力を抑制することにより、パチンコ遊技機1自身が発する熱量を低減するようにしてもよい。こうすれば、プロジェクタ1850の熱による故障を防止することができる。
具体的には、周辺制御MPU4150aは、復電時節電モードへ移行しないときには、図66の電力消費量監視処理におけるステップS1400の処理において、電力消費抑制段階判定回路855dabが設定した電力消費抑制信号の値を取得して、この取得した値から電力消費抑制段階を特定するものの、この特定した電力消費抑制段階を強制的に無効化して、電力消費抑制段階として段階7を強制的に設定するとともに、ステップS1404の通常時電力抑制用音量設定処理において、音生成用スケジュールデータを構成する音指令データに規定される出力するチャンネルの音量を調節するためのマスターボリューム値から電力抑制用のマスターボリューム値へ強制的に変更設定する。ここでは、ステップS1400で取得した電力消費抑制段階を強制的に段階7に設定しているため、電力抑制用のマスターボリューム値として音指令データ規定のマスターボリューム値に対して50%の音量を設定する。そして、ステップS1406の通常時電力抑制用輝度設定処理において、発光態様生成用スケジュールデータを構成する発光データに規定される各種LEDの発光態様における各種LEDの輝度から電力抑制用の輝度へ強制的に変更設定する。ここでは、ステップS1400で取得した電力消費抑制段階を強制的に段階7に設定しているため、電力抑制用の輝度として発光データ規定の輝度に対して50%の輝度を設定する。なお、復周辺制御MPU4150aは、電時節電モードへ移行するときには、上述したように、ステップS1410の復電時電力抑制用音量設定処理において、通常時電力抑制用音量設定処理で電力消費抑制段階が段階7であるときに設定される電力抑制用のマスターボリューム値が常に設定されるし、ステップS1412の復電時電力抑制用輝度設定処理において、通常時電力抑制用輝度設定処理で電力消費抑制段階が段階7であるときに設定される電力抑制用の輝度が常に設定されるようになっている。
また、上述した実施形態では、周辺制御MPU4150aは、図60の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1015のプロジェクタ監視処理において、空冷装置FAN0,FAN1からの作動中信号のいずれか一方又は両方が入力されなくなると、空冷装置FAN0,FAN1のいずれか一方又は両方が作動してないとして空冷装置FAN0,FAN1を点検する旨を伝えるためのメンテナンス情報出力信号を外部端子板784に出力することにより、ホールコンピュータが設置されるホールの管理室では、ホールの管理者は、ホールコンピュータのディスプレイに表示される内容を見て、ホール内を巡回するホールの店員等の係員に例えば無線機を用いて遊技盤側表示装置1820を点検する必要があるパチンコ遊技機を伝えて向かわせることができるものの、ホールの店員等の係員が遊技盤側表示装置1820を点検する必要があるパチンコ遊技機に到着した段階では、遊技盤側表示装置1820のスクリーン1900に画像を投射して表示することで演出が進行された状態、つまり遊技者は、遊技を継続することができる状態となっていた。このため、ホールの店員等の係員が遊技者に遊技盤側表示装置1820を点検する必要がある旨を伝えても、遊技ができている状態であるのに、遊技を中断させる状態となるため、遊技者を不快にさせる場合がある。そこで、周辺制御MPU4150aは、メンテナンス情報出力信号を外部端子板784に出力するとともに、上皿側液晶表示装置470にプロジェクタ1850の分解写真(又は、コンピュータグラフィックスにより作成されたプロジェクタ1850の分解斜視図)に表示して、空冷装置FAN0,FAN1の部分を例えば赤色の太い実線で囲み、「空冷装置による冷却効果が喪失している可能性があります。」という画面を表示するようにしてもよい。こうすれば、ホールの店員等の係員が遊技中の遊技者のところに突然やってきても、上皿側液晶表示装置470の画面に表示されている内容でパチンコ遊技機に不具合が発生している旨を遊技者が自分でその理由を理解することができるし、ホールの店員等の係員も遊技者に遊技を中断させる理由として、パチンコ遊技機のどこに不具合が発生しているかを遊技者に伝えるのに説明し易くなる。
更に、上述した実施形態では、図30に示した外部端子板784に設けた水色の出力端子PT10は、主制御基板4100からのコマンド(後述するメイン賞球数情報出力コマンド)に基づいて、図8に示した上始動口2101、下始動口2102、一般入賞口2104,2201、及び大入賞口2103等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出される予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を出力するメイン賞球数情報出力信号が0.128秒間出力されていた。また、外部端子板784に設けた黄緑色の出力端子PT11は、遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850の空冷装置FAN0,FAN1のいずれか一方又は両方が作動してないとして空冷装置FAN0,FAN1を点検する旨を伝えるためのメンテナンス情報出力信号が出力されていた。このように、出力端子PT10と出力端子PT11とは、それぞれ別々の信号を出力することができるように構成されていたが、出力端子PT10と出力端子PT11とを1つの出力端子(例えば、出力端子PT10)に共通化するように構成してもよい。メイン賞球数情報出力信号は、賞球として払い出される予定の遊技球の球数が10球に達するごとに出力されるのに対して、メンテナンス情報出力信号は、空冷装置FAN0,FAN1のいずれか一方又は両方が作動してないときに出力された状態となる。そこで、メンテナンス情報出力信号が出力されていないときには、賞球として払い出される予定の遊技球の球数が10球に達するごとにメイン賞球数情報出力信号の0.128秒間という期間だけ凸型の矩形波形によって、空冷装置FAN0,FAN1のいずれも作動していている旨と、予定の遊技球の球数が10球に達した旨と、をホールコンピュータへ伝えることができるし、メンテナンス情報出力信号が出力されているときには、賞球として払い出される予定の遊技球の球数が10球に達するごとにメイン賞球数情報出力信号の0.128秒間という期間だけ凹型の矩形波形となる(換言すると、メンテナンス情報出力信号の出力をメイン賞球数情報出力信号の0.128秒間という期間だけ停止することにより、メイン賞球数情報出力信号の0.128秒間の前後で凹型の矩形波形(反転矩形波形)とする)ことによって、空冷装置FAN0,FAN1のいずれか一方又は両方が作動してない旨と、予定の遊技球の球数が10球に達した旨と、をホールコンピュータへ伝えることができる。ホールコンピュータは、1つの出力端子(例えば、出力端子PT10)から出力されるメンテナンス情報出力信号とメイン賞球数情報出力信号とが混在した状態であっても、正確に識別することができる制御プログラムが組み込まれている。
更にまた、上述した実施形態では、周辺制御MPU4150aは、図60の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1015のプロジェクタ監視処理において、空冷装置FAN0,FAN1からの作動中信号のいずれか一方又は両方が入力されなくなると、空冷装置FAN0,FAN1のいずれか一方又は両方が作動してないとして空冷装置FAN0,FAN1を点検する旨を伝えるためのメンテナンス情報出力信号を外部端子板784に設けた黄緑色の出力端子PT11からパチンコ遊技機1の外部であるホールコンピュータへ出力するように構成していたが、出力端子PT11からホールコンピュータへ出力する配線系統と、パチンコ遊技機1の上方に配置されるデータカウンタへ出力する配線系と、にそれぞれ分岐するように構成してもよい。こうすれば、データカウンタは、出力端子PT11から出力されるメンテナンス情報出力信号が入力されている期間において、空冷装置FAN0,FAN1を点検する旨を空冷装置点検発光態様として、例えば青色に発光した状態が維持されることで、ホール内を巡回するホールの店員等の係員に報知することができる。
そして、上述した実施形態では、周辺制御MPU4150aは、図60の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1015のプロジェクタ監視処理において、空冷装置FAN0,FAN1からの作動中信号のいずれか一方又は両方が入力されなくなると、空冷装置FAN0,FAN1のいずれか一方又は両方が作動してないとして空冷装置FAN0,FAN1を点検する旨を伝えるためのメンテナンス情報出力信号を外部端子板784に設けた黄緑色の出力端子PT11からパチンコ遊技機1の外部であるホールコンピュータへ出力するように構成していたが、空冷装置FAN0,FAN1からの作動中信号を、外部端子板784を介して、パチンコ遊技機1の外部であるホールコンピュータへメンテナンス情報出力信号として出力するように構成してもよい。この場合、外部端子板784に出力端子PT12を新たに設けて、空冷装置FAN0からの作動中信号を出力端子PT11からホールコンピュータへメンテナンス情報出力信号として出力するとともに、空冷装置FAN1からの作動中信号を出力端子PT12からホールコンピュータへメンテナンス情報出力信号として出力する。ホールコンピュータは、出力端子PT11,PT12から出力されるメンテナンス情報出力信号に基づいて、空冷装置FAN0,FAN1の作動状態を識別して監視することができる制御プログラムが組み込まれている。なお、遊技盤側表示装置1820に備えるプロジェクタ1850において、空冷装置FAN0,FAN1のいずれか一方又は両方が作動してないときに、プロジェクタ1850から作動不可信号を、外部端子板784を介して、パチンコ遊技機1の外部であるホールコンピュータへメンテナンス情報出力信号として出力するように構成してもよい。この場合、プロジェクタ1850からの作動不可信号を出力端子PT11からホールコンピュータへメンテナンス情報出力信号として出力する。ホールコンピュータは、出力端子PT11から出力されるメンテナンス情報出力信号に基づいて、空冷装置FAN0,FAN1の作動状態を監視することができる制御プログラムが組み込まれている。
また、上述した実施形態では、パチンコ遊技機1を例にとって説明したが、本発明が適用できる遊技機はパチンコ遊技機に限定されるものではなく、パチンコ遊技機以外の遊技機、例えばスロットマシン又はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させた融合遊技機(遊技球を用いてスロット遊技を行うもの。)などにも適用することができる。