JP2015148564A - 水素センサ - Google Patents

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Yuji Zenitani
勇磁 銭谷
西原 孝史
Takashi Nishihara
孝史 西原
哲也 浅野
Tetsuya Asano
哲也 浅野
伊藤 彰宏
Akihiro Ito
彰宏 伊藤
宏樹 竹内
Hiroki Takeuchi
宏樹 竹内
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Abstract

【課題】より実用的な水素センサを提供する。【解決手段】水素センサは、組成式AaB1-xB’xO3-δで表されるペロブスカイト型結晶構造を有するプロトン伝導体101と、プロトン伝導体に接して配置され、水素ガスを透過し、水素を酸化して、プロトンを生成する触媒作用を有する検出電極102と、プロトン伝導体に接して配置された基準電極103とを備え、Aは、2族元素から選択される少なくとも1つであり、Bは、4族の元素およびCeから選択される少なくとも1つであり、B’は、3族元素、13族元素またはランタノイド元素であり、0.5<a≰1.0、0.0≰x≰0.5、かつ0.0≰δ<3であり、組成式の電荷は、−0.13以上+0.14未満の範囲で電気的中性からずれている。【選択図】図3

Description

本開示は、水素センサに関する。本開示は、特に、プロトン伝導体を備える水素センサに関する。
プロトン伝導性固体電解質の中でも、組成式AB1-xB'x3-δで表されるペロブスカイト型プロトン伝導体は数多く報告されている。ここで、Aはアルカリ土類金属、Bは4価の4族遷移金属元素や4価のランタノイド元素であるCe、B'は3価の3族または13族の元素、Oは酸素である。xは、Bの元素を置換するB'の元素の組成比率であり、0<x<1.0を満たす。δは酸素欠損または酸素過剰を表す値である。ペロブスカイト構造の基本構成については、後に図面を参照しながら簡単に説明する。
非特許文献1に、ペロブスカイト構造を有する酸化物が開示されている。非特許文献1の酸化物は、組成式BaZr1-xx3-δまたは組成式BaCe1-xx3-δである。ここで、Aがバリウム(Ba)であり、BがZrまたはCeであり、B'がYの酸化物である。
また、特許文献1に、ペロブスカイト構造を有するプロトン伝導性膜が開示されている。特許文献1のプロトン伝導性膜は、化学式AL1-XX3-αである。Aがアルカリ土類金属である。Lがセリウム、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選ばれる1種以上の元素である。Mがネオジム、ガリウム、アルミニウム、イットリウム、インジウム、イッテルビウム、スカンジウム、ガドリウム、サマリウムおよびプラセオジムから選ばれる1種以上の元素である。ここで、Xは、Lの元素を置換するMの元素の組成比率であり、αは酸素欠損の原子比率である。特許文献1のプロトン伝導性膜において、0.05<X<0.35であり、0.15<α<1.00である。
プロトン伝導体は、例えば、水素センサに用いられる。特許文献2は、イットリアを添加した4価の金属酸バリウムからなるプロトン伝導体を備えた水素センサを開示している。
特開2008−23404号公報 特開2007−066885号公報
Nature materials Vol9(October 2010) 846〜852
より実用的な水素センサを提供することが求められている。
本開示の水素センサは、組成式Aa1-xB’x3-δで表されるペロブスカイト型結晶構造を有するプロトン伝導体と、前記プロトン伝導体に接して配置され、水素ガスを透過し、水素を酸化して、プロトンを生成する触媒作用を有する検出電極と、前記プロトン伝導体に接して配置された基準電極とを備え、前記Aは、2族元素から選択される少なくとも1つであり、前記Bは、4族の元素およびCeから選択される少なくとも1つであり、前記B’は、3族元素、13族元素またはランタノイド元素であり、0.5<a≦1.0、0.0≦x≦0.5、かつ0.0≦δ<3であり、前記組成式の電荷は、−0.13以上+0.14未満の範囲で電気的中性からずれている。
本開示の実施形態によれば、より実用的な水素センサが提供される。
組成式ABO3で示される一般的なペロブスカイト構造を示す図である。 実施例1における100℃から600℃の温度範囲におけるプロトン伝導度を示す図である。 本開示の実施形態による水素センサの例を示す模式的な断面図である。 本開示の実施形態による水素センサの他の例を示す模式的な断面図である。
(水素センサについて)
従来の水素センサは、水素吸蔵金属であるパラジウムや、それを含む水素吸蔵合金の物性変化を利用する。具体的には、水素吸蔵金属もしくは水素吸蔵合金が検出対象の気体に含まれる水素を吸蔵もしくは放出することによって生じる金属や合金の電気抵抗率や光透過度、光の反射率等を測定し、その物性値の変化を水素濃度に換算している。この水素吸蔵金属および水素吸蔵合金は温度によって物性値が変化するため、広い温度範囲で正確に水素濃度を測定することが難しい。
一方、特許文献2に開示された水素センサは、検出電極、プロトン伝導体および基準電極を備え、検出電極が被測定ガス側に配置される。被測定ガス中に含まれる水素の濃度に応じて、プロトンをキャリアとする電流が流れるため、検出電極と基準電極との間に流れる電流値に基づき水素濃度を測定することができる。
しかし、特許文献2に開示された水素センサによれば、プロトン伝導体は600℃程度において高いプロトン伝導度を有する。このため、600℃程度の高い温度で動作させることが必要である。
また、プロトン伝導体として、プロトン伝導性固体高分子膜が知られており、このプロトン伝導性固体高分子膜を水素センサに用いることも考えられる。しかし、プロトン伝導性固体高分子膜がプロトン伝導性を発現するためには、膜自体を湿潤させる必要がある。このため、プロトン伝導性固体高分子膜を用いた水素センサは、湿潤させる水分が凍結しない温度であり、かつ、プロトン伝導性固体高分子膜が変質しない温度(一般的には120℃より低温)である比較的狭い範囲の温度で動作させる必要があると考えられる。
本願本発明者は、鋭意研究を重ねることにより、100℃以上500℃以下の温度域においても高いプロトン伝導度を維持するプロトン伝導体を見出し、このようなプロトン伝導体を用いた水素センサを想到した。
本発明の一態様の概要は、以下のとおりである。
本開示の一態様による水素センサは、組成式Aa1-xB’x3-δで表されるペロブスカイト型結晶構造を有するプロトン伝導体と、前記プロトン伝導体に接して配置され、水素ガスを透過し、水素を酸化して、プロトンを生成する触媒作用を有する検出電極と、前記プロトン伝導体に接して配置された基準電極とを備え、前記Aは、2族元素から選択される少なくとも1つであり、前記Bは、4族の元素およびCeから選択される少なくとも1つであり、前記B’は、3族元素、13族元素またはランタノイド元素であり、0.5<a≦1.0、0.0≦x≦0.5、かつ0.0≦δ<3であり、前記組成式の電荷は、−0.13以上+0.14未満の範囲で電気的中性からずれている。
前記Aは、Ba、SrおよびCaからなる群から選ばれる少なくとも1つであり、前記Bは、Zr、CeおよびTiからなる群から選ばれる少なくとも1つであり、前記B'は、Yb、Y、NdおよびはInからなる群から選ばれる1つであってもよい。
x=0であり、前記組成式の電荷は、0より大きく0.14未満の範囲で電気的中性からずれていてもよい。
0.0<x≦0.50であり、前記組成式の電荷は、−0.13以上0未満の範囲で電気的中性からずれていてもよい。
前記検出電極は、Ti、Zr、Ta、Zn、Cr、Fe、Co、Al、Ni、Sn、Vからなる群から選ばれる少なくとも1つを有する金属または合金を含んでいてもよい。
前記検出電極は、Ti、Zr、Ta、Zn、Cr、Fe、Co、Al、Ni、Sn、Vからなる群から選ばれる少なくとも1つ有する酸化物を含んでいてもよい。
前記検出電極は、Ti、Zr、Ta、Zn、Cr、Fe、Co、Al、Ni、Sn、Vからなる群から選ばれる少なくとも1つと、B、CおよびNからなる群から選ばれる少なくとも1つとを有する金属間化合物を含んでいてもよい。
前記基準電極は、水素ガスを透過しない構造を備えていてもよい。
前記基準電極は、水素よりイオン化傾向の小さい金属、または、水素よりイオン化傾向の小さい金属を含む合金を含んでいてもよい。
前記基準電極は、Cu、Ir、Pt、Auからなる群から選ばれる少なくとも1つを有する金属または合金を含んでいてもよい。
前記基準電極は、Cu、Ir、Pt、Auからなる群から選ばれる少なくとも1つと、B、CおよびNからなる群から選ばれる、少なくとも1つとを有する金属間化合物を含んでいてもよい。
本開示による水素センサの実施形態を説明する前に、この水素センサに用いられるプロトン伝導体を説明する。以下に説明するプロトン伝導性酸化物は、ペロブスカイト構造を有するペロブスカイト型プロトン伝導体であり、100℃以上500℃以下の温度域においても、高いプロトン伝導性を有する。
(ペロブスカイト構造)
一般的なペロブスカイト構造は、図1に例示されるように、元素A、B、Oによって構成され、組成式ABO3によって表される。ここで、Aは2価のカチオンとなり得る元素、Bは4価のカチオンとなり得る元素、Oは酸素である。ペロブスカイト構造を有する結晶の単位格子は、典型的には立方体に近い形を有している。図示されるように、単位格子の8個の頂点には元素Aのイオンが位置する。一方、単位格子の6個の面の中心には酸素Oのイオンが位置する。また、単位格子の中央付近には元素Bのイオンが位置する。元素A、B、Oが占める位置を、それぞれ、Aサイト、Bサイト、Oサイトと呼んでも良い。
上記の構造は、ペロブスカイト結晶の基本的な構造であり、元素A、B、Oの一部が欠損していたり、過剰であったり、あるいは他の元素によって置換されていても良い。例えば、元素B以外の元素B'がBサイトに位置する結晶は、組成式AB(1-x)B'x3によって表されるペロブスカイト結晶である。ここで、xは、B'の組成比(原子数比)であり、置換率と呼んでもよい。このような元素の置換、欠損、または過剰が生じると、単位格子の構造は立方体から歪んだり、変形したりし得る。ペロブスカイト結晶は、「立方晶」に限定されず、より対称性の低い「斜方晶」や「正方晶」に相転移した結晶を広く含む。
(本発明者らの知見)
ペロブスカイト構造を有する従来のプロトン伝導体では、4価の元素であるBを、3価の元素であるB'で置換すると、プロトン伝導体に酸素欠損が生じる。すなわち、4価のカチオンの一部が3価のカチオンで置換されると、カチオンが有するプラス電荷の合計が減るため、電気的中性を維持する電荷補償の作用により、2価のアニオンである酸素イオンの組成比率が低下し、酸素欠損が生じると考えられている。このような組成を有するプロトン伝導体では、酸素欠損の位置(Oサイト)に水分子(H2O)が導入されることにより、プロトン伝導体にプロトン伝導のキャリアが導入されると考えられている。
従来のプロトン伝導体内では、酸素原子の周囲をプロトンがホッピング伝導することにより、プロトン伝導性が発現すると考えられている。この場合、プロトン伝導度の温度依存性は、活性化エネルギが0.4〜1.0eV程度の熱活性型になる。そのため、プロトン伝導度は温度の低下に伴って指数関数的に低下する。
100℃以上500℃以下の温度域においても、プロトン伝導体が、10-2S/cm(ジーメンス/センチメートル)以上の高いプロトン伝導度を維持するためには、プロトン伝導度の活性化エネルギを0.1eV以下にすることにより、温度の低下に伴うプロトン伝導度の低下を抑制することが望まれる。
本発明者らは、3価の元素B'の固溶量(置換量)を増加させてプロトンキャリアの濃度または密度を高め、従来のホッピングよりも容易にプロトンが移動できる状態を作ることを試みた。しかし、従来のペロブスカイト型プロトン伝導体において、B'の元素の組成比率の上限が0.2程度であり、酸素欠損量に上限があった。
本発明者は、より多くのプロトンキャリアを導入する方法として、Aの元素の組成比率を減少させることにより、B'の元素の組成比率の増加と同様な効果が得られることを見出した。これにより、上述したように従来よりも多くの酸素が欠損したサイトをプロトン伝導体内に設けることができる。また、さらに、酸素欠損の位置に水分子を導入したり、酸素の周辺にプロトンを導入し、ペロブスカイト構造を構成する組成式の電荷を電気的中性からずらすことによって、プロトンキャリアの濃度または密度を高められることを見出した。その結果、高いプロトン伝導性を有するペロブスカイト型プロトン伝導体が得られた。本発明の一態様の概要は以下の通りである。
本発明の一態様であるプロトン伝導体は、組成式Aa1-xB'x3-δで表されるペロブスカイト型結晶構造を有するプロトン伝導体であって、前記Aは、2族元素から選択される少なくとも1つであり、前記Bは、4族の元素およびCeから選択される少なくとも1つであり、前記B'は、3族元素、13族元素またはランタノイド元素であり、0.5<a≦1.0、0.0≦x≦0.5、かつ0.0≦δ<3であり、前記組成式の電荷は、−0.13以上+0.14未満の範囲で電気的中性からずれている。
前記Aは、Ba、SrおよびCaからなる群から選ばれる少なくとも1つであり、前記Bは、Zr、CeおよびTiからなる群から選ばれる少なくとも1つであり、前記B'は、Yb、Y、NdおよびはInからなる群から選ばれる1つであってもよい。
x=0であり、前記組成式の電荷は、0より大きく0.14未満の範囲で電気的中性からずれていてもよい。
0.0<x≦0.50であり、前記組成式の電荷は、−0.13以上0未満の範囲で電気的中性からずれていてもよい。
(実施の形態1)
以下、実施の形態を説明する。
本開示のプロトン伝導体は、組成式Aa1-xB'x3-δで表されるペロブスカイト型結晶構造を有する。Aは、アルカリ土類金属から選択される少なくとも1つである。Bは、4族の遷移金属およびCeから選択される少なくとも1つである。B'は、3族または13族の元素である。上記組成式におけるa、x、δは、0.5<a≦1.0、0.0≦x≦0.5、かつ0.0≦δ<3を満たす。また、上記組成式の電荷は、−0.13以上+0.14未満の範囲で電気的中性からずれている。つまり、組成式Aa1-xB'x3-δが電気的中性ではないように、組成比a、x、および酸素欠損量δが定められている。プロトン伝導体の結晶組織としては、電気的に中性であり、組成式Aa1-xB'x3-δで表されるペロブスカイト型結晶構造の電荷を補償するために、ペロブスカイト型結晶構造にはプロトンが導入されていたり、酸素が電気的に過剰に存在していたりしていると考えられる。
本明細書において、プロトン伝導体の結晶組織は、プロトン伝導体、及びペロブスカイト型結晶構造の電荷を補償するプロトン又は酸素などを含む。ここで、ペロブスカイト型結晶構造の電荷を補償するプロトン又は酸素などは、プロトン伝導体の組成及び電荷の条件などに応じて位置するため、プロトン又は酸素が意図的に導入された構成ではない。よって、プロトン伝導体のプロトン伝導度は、主に、プロトン伝導体の組成及び電荷の条件に依存すると考えられる。
<Aの元素>
Aの元素の例は、2族元素(アルカリ土類金属)である。Aの元素が2族元素であることによって、ペロブスカイト型構造が安定化する。Aの元素の具体的な例は、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、およびマグネシウム(Mg)から選ばれる群からなる少なくとも1つである。特に、Aの元素がカルシウム(Ca)、バリウム(Ba)およびストロンチウム(Sr)からなる群から選ばれる少なくとも1つであるプロトン伝導体は、高いプロトン伝導性を有するので望ましい。また、Aの元素は、少なくともバリウム(Ba)を含み、かつ、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、およびマグネシウム(Mg)からなる群から選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。例えば、Aの元素は、BayA'1-y(0<y≦1)である。
Aの元素は、2族元素であり、原子価が2価であるため、Aの元素量を減少させることで、B'の元素量の組成比の増加と同様な効果が得られ、酸素欠損を生じやすくなる。このため、電気的中性からずれ、プロトンのキャリアが導入されやすくなり、プロトンのキャリア濃度を高める効果が得られる。
<Bの元素>
Bの元素の例は、4族の元素およびセリウム(Ce)から選択される少なくとも1つである。Bの元素の具体的な例は、ジルコニウム(Zr)、セリウム(Ce)、チタン(Ti)およびハフニウム(Hf)からなる群から選ばれる少なくとも1つである。Bの元素がジルコニウム(Zr)の場合、ペロブスカイト型構造が安定になるので、プロトン伝導性を有さない組織成分の生成が少なくなる。その結果、高いプロトン伝導性を有するプロトン伝導体が得られるので望ましい。
<B'の元素>
B'の元素の例は、3族の元素、13族の元素、または3価のランタノイド元素である。B'の元素は、0.5Åより大きく1.02Åより小さいイオン半径を有することが好ましい。これにより、ペロブスカイト型構造を安定に保つことができる。よって、結晶構造を維持したまま、酸素欠損が生じやすくなり、上記組成式Aa1-xB'x3-δの電荷が電気的中性からずれても安定に存在し得る。
B'の元素の具体的な例は、イッテルビウム(Yb)、ネオジム(Nd)、イットリウム(Y)、またはインジウム(In)である。B'の元素が、イッテルビウム(Yb)、ネオジム(Nd)、イットリウム(Y)またはインジウム(In)であるプロトン伝導体は、ペロブスカイト構造が安定であり、かつ、高いプロトン伝導性も有するので、より望ましい。
(a、x、およびδについて)
Aの元素の組成比を示すaの値は、0.5<a≦1.0の範囲である。組成比aが0.5以下である場合、ペロブスカイト構造を有する酸化物を合成することは可能であるが、上記組成式の電荷を電気的中性から制御することが困難になるため好ましくない。
組成比aが1.0より大きい場合、プロトン伝導性を示さない相を有する酸化物となるため、プロトン伝導性が大きく低下する。
B'の元素の組成比を示すxの値は、0.0≦x≦0.5の範囲である。組成比xが0より大きいことにより、ペロブスカイト構造に酸素欠損を生じさせ、プロトン伝導体にプロトン伝導のキャリアが導入される。一方、組成比xが0.5より大きい場合、ペロブスカイト構造を有する酸化物を合成することは可能であるが、プロトン伝導性を示さない相も生成する。このため、酸化物全体のプロトン伝導性を大きく低下する。
上記組成式において、Aは2価の元素、Bは4価の元素、B'は3価の元素、酸素は2価の元素である。よって、組成比a、xおよび酸素欠損量δによって、上記組成式の電荷が決まる。電気的中性を考えると、Aの欠損量aの値とB'の置換量の半分の量の和が酸素欠損量になると考えられる。本実施形態のプロトン伝導体において、上記組成式の電荷は、−0.13以上+0.14未満の範囲で電気的中性からずれている。つまり、組成式Aa1-xB'x3-δが電気的中性ではないように、組成比a、x、および酸素欠損量δが定められている。
より具体的には、B'の組成比xが0である場合には、上記組成式の電荷は、0より大きく0.14未満の範囲で電気的中性からずれている。また、B'の組成比xが0.0<x≦0.5である場合には、上記組成式の電荷は、−0.13以上0未満の範囲で電気的中性からずれている。
組成比a、xが、0.5<a≦1.0であり、かつ、0.0≦x≦0.5であることにより、酸素欠損が多く、かつ、ペロブスカイト構造を有する安定した酸化物が得られる。この酸素欠陥の位置に、水分子が導入されたり、また、酸素欠陥の位置が空のままであることにより、上記組成式の電荷が、−0.13以上+0.14未満の範囲で電気的中性からずれる。詳細な理由は現時点では不明であるが、これにより、プロトンのキャリア濃度の高い、あるいは、結晶構造における電荷の分布上、比較的低い温度でもプロトンが伝導しやすいプロトン伝導体が実現し得ると考えられる。本実施形態によれば、100℃程度の温度において、10-1S/cm程度のプロトン伝導度を有するプロトン伝導体が実現し得る。
本開示によれば、組成および結晶構造が実質的に均一な(ホモジニアスな)単相から構成された単結晶または多結晶のペロブスカイト構造体が実現される。ここで、「組成および結晶構造が実質的に均一な単相から構成された」とは、プロトン伝導体が本発明の範囲から外れる組成を有する異相を含まないこと意味している。なお、本開示によるプロトン伝導体の実施形態は、不可避的な不純物を微量に含有していてもよい。また、本開示のプロトン伝導体を焼結によって製造する場合、焼結助剤などの化合物や元素を一部に含んでいてもよい。その他、製造プロセスの途上で意図せず、あるいは、何らかの効果を得るために意図的に不純物が添加されていてもよい。重要な点は、A、B、B'、Oの各元素が本開示によって規定された範囲内にあり、これらがペロブスカイト結晶構造を構成している点にある。従って、製造途中に混入される不純物の含有は許容され得る。
(組成式の決定および組成式の電荷の測定)
本実施形態のプロトン伝導体の組成式、および、上記組成式で示した場合における、電荷の電気的中性からのずれは、例えば、電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA)を用いることによって測定し得る。具体的には、プロトン伝導体の、上記組成式で表される元素の定量測定を行い、構成している元素の価数と組成比とから、上記組成式あたりの電荷を算出する。測定に用いる電子線マイクロプローブアナライザーを用いた評価では、波長分散型の分光器を用いて測定を行うことが好ましい。この場合、化学組成が既知である標準試料を用いて、定量評価できるよう検量を行うことが好ましい。一方、エネルギ分散型の分光器では、酸素等の軽元素の定量評価では大きな誤差が発生し得るため好ましくない。また誘導プラズマ分光法(ICP)を用いた定量分析では材料を構成している金属元素は測定出来るものの、酸素元素は定量できない。このため、電気的中性のずれを測定するには適していない。
電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA)には、例えば、日本電子株式会社製 JXA−8900Rを用いることができる。電子線を照射し発生する特性X線は波長分散型検出器(WDS)を用いる。測定する特性X線は、組成が既知である標準試料を用いて、検量されている特性X線と分光結晶を用いて定量測定を行う。プロトン伝導体の構成元素比率を解析し、各々の構成元素の価数と構成元素比率の積を求める。例えば、組成式Aa1-xB'x3-δで表されるペロブスカイト型結晶構造のAがBa、BがZr、B'がYであったとする。この場合、Baは+2価、Zrは+4価、Yは+3価、Oは−2価として計算を行う。これらの元素の価数は、安定な酸化物の状態で最も価数として取り得る値を採用する。次にEPMAを用いた分析で、A(Ba)の比率がa、B(Zr)の比率がb、B'(Y)の比率がc、Oの比率がdであるとする。この場合、化学組成式は、BaaZrbYcOdと記述できる。組成式の電荷つまり、電気的中性からのずれは、((2×a)+(4×b)+(3×c)−(2×d))÷(b+c)として計算できる。この計算によれば、電荷は、各構成元素の価数とその構成元素比率の積をとり、各元素での価の和を取った後に、BおよびB'の構成元素比率の和を1として規格化される。BおよびB'はペロブスカイト型構造内の酸素で囲まれた八面体の中心に位置し、欠損しにくいため、BとB'の和で規格化することにより、単位胞(単位格子)あたりの電気的中性からの電荷のずれが求められる。
分析するイオン伝導体の表面は平坦であることが好ましい。大きな凹凸が存在する場合、電子線を照射し、試料内部より発生する特性X線が正しく検出されず、定量測定が困難になるためである。またプロトン伝導体は電気伝導性が乏しいため、カーボン等を表面に薄く蒸着し、入射電子線の帯電を防いでもよい。観察する電子線入射条件には、WDSで十分な信号強度が得られ、試料が電子線入射による焼きつき等で変質しない限り特に制限はない。また、測定点は5点以上測定を行い、その平均値を採用することが好ましい。5点以上の計測点において、測定値が明らかに他の測定値とかけ離れている場合には、平均値を算出する値として採用しないことが好ましい。
(製造方法)
本実施形態のプロトン伝導体は、種々の形態で実施することができる。膜状のプロトン伝導体を得る場合には、スパッタ法、プラズマレーザーデポジション法(PLD法)、ケミカルベイパーデポジション法(CVD法)等の膜形成方法によって製造することができる。組成の調整は、これらの膜形成方法で用いられる一般的な手法による。例えば、スパッタ法やプラズマレーザーデポジション法による場合は、ターゲットの組成を調整することによって、生成するプロトン伝導体の組成を制御できる。ケミカルベイパーデポジション法による場合には、原料ガスの反応室への導入量を調整することによって、生成するプロトン伝導体の組成を制御できる。
また、バルク状態のプロトン伝導体を得る場合には、固相反応法や水熱合成法等で合成することができる。
本実施形態のプロトン伝導体を上記組成式で示した場合における、電荷の電気的中性からのずれを調整するためには、上述した製造方法時の構成元素のモル比を制御したり、合成後に還元雰囲気での熱処理を行うことによって制御することができる。
(その他)
プロトン伝導体はプロトン伝導性固体電解質とも呼ばれる。プロトン伝導体はプロトンを伝導する機能を有していればよく、連続した膜やバルクでなくてもよい。
また、膜状の形態でプロトン伝導体を実施する場合、プロトン伝導体を支持する基材の表面は平坦でなくてもよい。本実施形態のプロトン伝導体にプロトンを供給する原料となるガスと、プロトン伝導体を伝導したプロトンと反応するガスや、プロトンの還元体である水素とが直接反応するのを避けるため、これらの2つのガスの流路には漏れがないように構成されていることが好ましい。このため、例えば、平滑な平面を有する酸化マグネシウム(MgO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、またはシリコン(Si)等で構成される基材上に、本実施形態のペロブスカイト型プロトン伝導体の薄膜を形成してもよい。その後、エッチング等を用いて、基材の一部または全体を除去し、プロトン伝導体の表面の一部を基材側において露出させ、ガスを供給してもよい。基材の材料および形状に特に制限はない。
プロトン伝導体の結晶構造は、上述したように単結晶であっても多結晶であってもよい。酸化マグネシウム(MgO)またはチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)の基板、および格子定数を制御したバッファ層が形成されたシリコン(Si)基板上に、結晶成長の方位を制御することにより配向された結晶組織を有するプロトン伝導体は、より高いプロトン伝導性を有するので好ましい。また、基板に対してエピタキシャル成長した単結晶の結晶組織を有するプロトン伝導体は、より高いプロトン伝導性を有するのでより好ましい。なお、基板の面方位、温度、圧力、雰囲気等の成膜条件の制御により、プロトン伝導体は、単結晶構造を有することが可能であるが、単結晶構造を得るための条件および単結晶構造における結晶成長方向や配向方向に特に制限はない。
(実施例)
以下、実施例により、本開示を具体的に説明する。
(実施例1)
基材(10mm×10mm、厚さ0.5mm)を、真空チャンバー内部の加熱機構を有する基板ホルダーにセットし、真空チャンバー内を10-3Pa程度の真空度に排気した。基材の材料は、酸化マグネシウム(MgO)単結晶であった。
真空チャンバー内を真空排気後、基材を650℃〜750℃に加熱した。酸素ガス(2sccmの流量)とアルゴンガス(8sccmの流量)とを導入し、真空チャンバー内の圧力を1Pa程度に調整した。
Ba:Zr=1:1の元素比率を有する焼結体ターゲットを用い、スパッタ法にて、プロトン伝導体を成膜した。形成したプロトン伝導体の厚さは500nmであり、大きさは、10mm×10mmであった。
成膜したプロトン伝導体の構造、組成比およびプロトン伝導性を評価した。また、電荷のずれおよびプロトン伝導の活性化エネルギを求めた。結果を表1に示す。以下、それぞれの評価方法およびその結果を示す。
Cuターゲットを用いて、作製したプロトン伝導体のX線回折を測定した。得られたプロトン伝導体は、ペロブスカイト型の結晶構造を有していることを確認した。
作製したプロトン伝導体の組成式および組成式の電荷を上述したEMPAによって測定した。表1に示すように、プロトン伝導体(AaBO3-δ)の組成式は、Aの元素がバリウム(Ba)であり、aの値はBの元素であるジルコニウムを1としたとき、0.904であった。また酸素量(3−δ)は2.876であり、組成式の電荷は電気的中性から正側に0.057ずれていた。
プロトン伝導体の上に銀ペーストを用いて電極を形成した。5%の水素(H2)を混合したアルゴン(Ar)ガス中で、かつ、100℃から600℃の温度範囲の条件下で、インピーダンス法を用いてプロトン伝導度を測定した。プロトン伝導度の温度依存性を図2に示す。
表1に示すように、100℃でのプロトン伝導度は0.12S/cmであり、500℃でのプロトン伝導度は0.25S/cmであった。プロトン伝導度の活性化エネルギは0.041eVと求められた。
(実施例2)
Ba:Zr:Ce:Nd=10:5:4:1の元素比率を有する焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導体の構造、組成比、およびプロトン伝導性を示す。
プロトン伝導体は、ペロブスカイト型の結晶構造であることが確認された。表1に示すように、プロトン伝導体(Aa1-xB'x3-δ)は、Aの元素がバリウム(Ba)であり、aの値は0.975であり、Bの元素がジルコニウム(Zr)とセリウム(Ce)でありそれぞれの値は0.495と0.412であった。B'の元素はネオジム(Nd)であり、xの値が0.93であった。また酸素量(3−δ)は2.975であり、Ceが4価であるとすると、組成式の電荷は、電気的中性から負側に0.099ずれていることが分かった。表1に示すように、100℃でのプロトン伝導度は0.33S/cmであり、500℃でのプロトン伝導度は0.48S/cmであった。プロトン伝導度の活性化エネルギは0.022eVと求められた。
(実施例3)
Ba:Zr:Y=2:1:1の元素比率を有する焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導体の構造、組成比、およびプロトン伝導性を示す。
プロトン伝導体は、ペロブスカイト型の結晶構造であり、かつ、多結晶であることが確認された。表1に示すように、プロトン伝導体(Aa1-xB'x3-δ)は、Aの元素がバリウム(Ba)であり、aの値は0.539であり、Bの元素がジルコニウム(Zr)であり、B'の元素がイットリウム(Y)であり、xの値が0.48(Zr:0.52、Y:0.48)であった。また酸素量は2.363であり、Ceが4価であるとすると、組成式の電荷は、電気的中性から負側に0.129ずれていることが分かった。表1に示すように、100℃でのプロトン伝導度は0.39S/cmであり、500℃でのプロトン伝導度は0.71S/cmであった。プロトン伝導度の活性化エネルギは0.035eVと求められた。
(実施例4)
Ba:Zr:Ti:In=6:7:1:2の元素比率になる焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導体の構造、組成比、およびプロトン伝導性を示す。
プロトン伝導体は、ペロブスカイト型の結晶構造であることが確認された。表1に示すように、プロトン伝導体(Aa1-xB'x3-δ)は、Aの元素がバリウム(Ba)であり、aの値は0.522であり、Bの元素がジルコニウム(Zr)とチタン(Ti)であり、ジルコニウムが0.682、チタンが0.098であった。また酸素量は2.474であり、組成式の電荷は、電気的中性から負側に0.124ずれていることが分かった。B'の元素がインジウム(In)であり、xの値が0.22であった。表1に示すように、100℃でのプロトン伝導度は0.34S/cmであり、500℃でのプロトン伝導度は0.67S/cmであった。プロトン伝導度の活性化エネルギは0.037eVと求められた。
(実施例5)
Ba:Zr:Y=5:4:1の元素比率になるように、炭酸バリウム(BaCO3)と酸化ジルコニウム(ZrO2)と酸化イットリウム(Y23)を秤量、混合し、1300℃程度で仮焼した後、1700℃で焼成することでセラミックスのバルク試料を作成した。セラミックスのバルク体を用いた以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導体の構造、組成比、およびプロトン伝導性を示す。
プロトン伝導体は、ペロブスカイト型の結晶構造であることが確認された。表1に示すように、プロトン伝導体(Aa1-xB'x3-δ)は、Aの元素がバリウム(Ba)であり、aの値は0.966であり、Bの元素がジルコニウム(Zr)であり、B'の元素がイットリウム(Y)であり、xの値が0.197であった。また酸素量は2.932であり、組成式の電荷は、電気的中性から負側に0.128ずれていることが分かった。表1に示すように、100℃でのプロトン伝導度は0.37S/cmであり、500℃でのプロトン伝導度は0.78S/cmであった。プロトン伝導度の活性化エネルギは0.039eVと求められた。
(実施例6)
Sr:Zr=1:1の元素比率になるように、焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導体の構造、組成比、およびプロトン伝導性を示す。
プロトン伝導体は、ペロブスカイト型の結晶構造であることが確認された。表1に示すように、プロトン伝導体(AaBO3-δ)は、Aの元素がストロンチウム(Sr)であり、aの値は0.98であった。また酸素量は2.969であり、組成式の電荷は、電気的中性から正側に0.022ずれていることが分かった。表1に示すように、100℃でのプロトン伝導度は0.10S/cmであり、500℃でのプロトン伝導度は0.21S/cmであった。プロトン伝導度の活性化エネルギは0.055eVと求められた。
(実施例7)
Sr:Zr:Yb=10:7:3の元素比率になるように、焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導体の構造、組成比、およびプロトン伝導性を示す。
プロトン伝導体は、ペロブスカイト型の結晶構造であることが確認された。表1に示すように、プロトン伝導体(Aa1-xB'x3-δ)は、Aの元素がストロンチウム(Sr)であり、aの値は0.965であった。Bの元素がジルコニウム(Zr)であり、B'の元素がイッテルビウム(Yb)であり、xの値が0.05であった。また酸素量は2.955であり、組成式の電荷は、電気的中性から負側に0.03ずれていることが分かった。表1に示すように、100℃でのプロトン伝導度は0.10S/cmであり、500℃でのプロトン伝導度は0.22S/cmであった。プロトン伝導度の活性化エネルギは0.055eVと求められた。
(実施例8)
Sr:Zr:Ce:Y=8:4:3:3の元素比率になるように、焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導体の構造、組成比、およびプロトン伝導性を示す。
プロトン伝導体は、ペロブスカイト型の結晶構造であることが確認された。表1に示すように、プロトン伝導体(Aa1-xB'x3-δ)は、Aの元素がストロンチウム(Sr)であり、aの値は0.736であった。Bの元素がジルコニウム(Zr)とセリウム(Ce)であり、ジルコニウムが0.423、セリウムが0.307であった。B'の元素がイットリウム(Y)であり、xの値が0.27であった。また酸素量は2.616であり、組成式の電荷は、電気的中性から負側に0.03ずれていることが分かった。表1に示すように、100℃でのプロトン伝導度は0.13S/cmであり、500℃でのプロトン伝導度は0.25S/cmであった。プロトン伝導度の活性化エネルギは0.042eVと求められた。
(実施例9)
Sr:Zr:In=7:6:4の元素比率になるように、焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導体の構造、組成比、およびプロトン伝導性を示す。
プロトン伝導体は、ペロブスカイト型の結晶構造であることが確認された。表1に示すように、プロトン伝導体(Aa1-xB'x3-δ)は、Aの元素がストロンチウム(Sr)であり、aの値は0.686であった。Bの元素がジルコニウム(Zr)であり、B'の元素がインジウム(In)であり、xの値が0.351であった。また酸素量は2.542であり、組成式の電荷は、電気的中性から負側に0.062ずれていることが分かった。表1に示すように、100℃でのプロトン伝導度は0.13S/cmであり、500℃でのプロトン伝導度は0.24S/cmであった。プロトン伝導度の活性化エネルギは0.041eVと求められた。
(実施例10)
Sr:Zr:Y=3:3:2の元素比率になるように、焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導体の構造、組成比、およびプロトン伝導性を示す。
プロトン伝導体は、ペロブスカイト型の結晶構造であることが確認された。表1に示すように、プロトン伝導体(Aa1-xB'x3-δ)は、Aの元素がストロンチウム(Sr)であり、aの値は0.563であった。Bの元素がジルコニウム(Zr)であり、B'の元素がイットリウム(Y)であり、xの値が0.474であった。また酸素量は2.358であり、組成式の電荷は、電気的中性から負側に0.063ずれていることが分かった。表1に示すように、100℃でのプロトン伝導度は0.18S/cmであり、500℃でのプロトン伝導度は0.30S/cmであった。プロトン伝導度の活性化エネルギは0.025eVと求められた。
(実施例11)
Ca:Zr=1:1の元素比率になるように、焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導体の構造、組成比、およびプロトン伝導性を示す。
プロトン伝導体は、ペロブスカイト型の結晶構造であることが確認された。表1に示すように、プロトン伝導体(AaBO3-δ)は、Aの元素がカルシウム(Ca)であり、aの値は0.987であった。酸素量は2.972であり、組成式の電荷は、電気的中性から正側に0.03ずれていることが分かった。表1に示すように、100℃でのプロトン伝導度は0.02S/cmであり、500℃でのプロトン伝導度は0.18S/cmであった。プロトン伝導度の活性化エネルギは0.055eVと求められた。
(実施例12)
Ca:Zr:Y=10:9:1の元素比率になるように、焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導体の構造、組成比、およびプロトン伝導性を示す。
プロトン伝導体は、ペロブスカイト型の結晶構造であることが確認された。表1に示すように、プロトン伝導体(Aa1-xB'x3-δ)は、Aの元素がカルシウム(Ca)であり、aの値は0.95であった。Bの元素がジルコニウム(Zr)であり、B'の元素がイットリウム(Y)であり、xの値が0.099であった。また酸素量は2.926であり、組成式の電荷は、電気的中性から負側に0.05ずれていることが分かった。表1に示すように、100℃でのプロトン伝導度は0.030S/cmであり、500℃でのプロトン伝導度は0.21S/cmであった。プロトン伝導度の活性化エネルギは0.055eVと求められた。
(実施例13)
Ba:Sr:Zr:Y=5:5:8:2の元素比率になるように、焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導体の構造、組成比、およびプロトン伝導性を示す。
プロトン伝導体は、ペロブスカイト型の結晶構造であることが確認された。表1に示すように、プロトン伝導体(Aa1-xB'x3-δ)は、Aの元素がバリウム(Ba)とストロンチウム(Sr)であり、Baの比率が0.39でありSrの比率が0.43であり、aの値は0.92であった。Bの元素がジルコニウム(Zr)であり、B'の元素がイットリウム(Y)であり、xの値が0.192であった。また酸素量は2.876であり、組成式の電荷は、電気的中性から負側に0.103ずれていることが分かった。表1に示すように、100℃でのプロトン伝導度は0.290S/cmであり、500℃でのプロトン伝導度は0.41S/cmであった。プロトン伝導度の活性化エネルギは0.021eVと求められた。
(比較例1)
Ba:Zr:Y=6:7:3の元素比率になるように、焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導体の構造、組成比、およびプロトン伝導性を示す。
プロトン伝導体は、ペロブスカイト型の結晶構造であることが確認された。表1に示すように、プロトン伝導体(Aa1-xB'x3-δ)は、Aの元素がバリウム(Ba)であり、aの値は0.603であった。Bの元素がジルコニウム(Zr)であり、B'の元素がイットリウム(Y)であり、xの値が0.315であった。また酸素量は2.445であり、組成式の電荷は、電気的中性であることが分かった。表1に示すように、100℃でのプロトン伝導度は3.3×10-6S/cmであり、500℃でのプロトン伝導度は8.4×10-3S/cmであった。プロトン伝導度の活性化エネルギは0.454eVと求められた。
(比較例2)
Ba:Zr:Y=7:7:3の元素比率を有する焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導体の構造、組成比、およびプロトン伝導性を示す。
プロトン伝導体は、ペロブスカイト型の結晶構造であることが確認された。表1に示すように、プロトン伝導体(Aa1-xB'x3-δ)は、Aの元素がバリウム(Ba)であり、aの値は0.635であった。Bの元素がジルコニウム(Zr)であり、B'の元素がイットリウム(Y)であり、xの値が0.318であった。また酸素量は2.55であり、組成式の電荷は、電気的中性から負側に0.148ずれていることが分かった。表1に示すように、100℃でのプロトン伝導度は6.6×10-6S/cmであり、500℃でのプロトン伝導度は9.5×10-3S/cmであった。プロトン伝導度の活性化エネルギは0.419eVと求められた。
(比較例3)
Ba:Zr:Y=10:9:1の元素比率を有する焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導体の構造、組成比、およびプロトン伝導性を示す。
プロトン伝導体は、ペロブスカイト型の結晶構造であることが確認された。表1に示すように、プロトン伝導体(Aa1-xB'x3-δ)は、Aの元素がバリウム(Ba)であり、aの値は1.00であった。Bの元素がジルコニウム(Zr)であり、B'の元素がイットリウム(Y)であり、xの値が0.101であった。また酸素量は3.051であり、組成式の電荷は、電気的中性から負側に0.202ずれていることが分かった。表1に示すように、100℃でのプロトン伝導度は4.2×10-6S/cmであり、500℃でのプロトン伝導度は8.5×10-3S/cmであった。プロトン伝導度の活性化エネルギは0.436eVと求められた。
Figure 2015148564
表1に示すように、実施例1〜13のプロトン伝導体は、Aの元素がBとB'の和を1とした場合の組成比a、xが、0.5<a≦1.0であり、かつ、0.0≦x≦0.5である。また、実施例1〜13のプロトン伝導体において、ペロブスカイト構造を構成する元素の組成式の電荷は電気的中性からずれている。具体的には、電荷のずれは、−0.128から0.057の範囲内であり、ゼロではない。B'元素を含まない場合には、組成式の電荷は電気的中性から0より大きく0.057以下の範囲で正側にずれている。B'元素を含む場合には、組成式の電荷は電気的中性から−0.129以上0より小さい範囲で負側にずれている。
これに対し、比較例1〜3のプロトン伝導体では、組成比a、xは上述した実施例1〜13の範囲内にあるが、ペロブスカイト構造を構成する元素の組成式の電荷は電気的中性(比較例1)または、−0.128よりもさらに負側へずれている。
表1に示すように、実施例1〜13のプロトン伝導体は、比較例1〜3のプロトン伝導体と比較して、100℃において、4桁以上高いプロトン伝導度を有している。また、実施例1〜13のプロトン伝導体は、500℃においても、10倍以上高いプロトン伝導度を有している。つまり、100℃以上500℃以下の温度域において、実施例1〜13のプロトン伝導体は、10-2S/cm以上の高いプロトン伝導度を有している。
特に、実施例1〜13のプロトン伝導体は、比較例のプロトン伝導体に比べて、特に、100℃程度の低温で高いプロトン伝導度を有する。このため、実施例1〜13のプロトン伝導度の活性化エネルギは、比較例の活性化エネルギに比べて、1桁程度小さく、0.1eVよりも低い。これに対し、比較例1〜3のプロトン伝導体は、0.4eVよりも高い活性化エネルギを有していた。このことから、実施例1〜13のプロトン伝導体は、100℃以下の温度においても、急激にプロトン伝導度が低下することなく、従来に比べて高いプロトン伝導度を有していると考えられる。
したがって、本実施例から、本実施形態のプロトン伝導体によれば、組成比a、xおよび組成式の電荷が上述した範囲にあることによって、従来よりも高いプロトン伝導度を備えていることがわかった。特に、100℃から500℃程度の温度範囲において、従来よりも顕著にプロトン伝導性の向上がみられることが分かった。
(水素センサの実施形態)
以下、図3を参照しながら、本開示の実施形態による水素センサの構成及び動作を説明する。
図3に示す水素センサ100は、プロトン伝導体101と、プロトン伝導体101に接して配置された検出電極102および基準電極103とを備える。プロトン伝導体101には、実施例を参照しながら説明した上述のプロトン伝導体を用いることができる。プロトン伝導体101は、100℃以上500℃以下の温度域においても、高いプロトン伝導性を有する。そのため、水素センサ100は、100℃以上500℃以下の温度域において、高い感度で水素ガスを検出することができる。また、上述したように、プロトン伝導度の活性化エネルギも従来のプロトン伝導体に比べて小さいため、100℃以下の温度においても、水素ガスを検出することが可能である。また、プロトン伝導性固体高分子膜を備えた水素センサとは異なり、水素センサ100は、積極的に加湿されていない被検出ガス中の水素を検出することが可能である。
図3に例示するように、検出電極102と基準電極103とは、典型的には、プロトン伝導体101を挟むようにして配置される。図示する例では、検出電極102は、プロトン伝導体101の一方の主面上に配置されており、基準電極103は、プロトン伝導体101において検出電極102が配置されていない側の主面上に配置されている。プロトン伝導体101、検出電極102及び基準電極103の配置は、図3の例に限定されず、種々の配置を採用し得る。例えば、検出電極102及び基準電極103が、プロトン伝導体101における同一の主面上に配置されていてもよい。また、この場合、検出電極102及び基準電極103が設けられていない主面に、加熱用のヒータ等を設けてもよい。
水素センサ100の検出電極102および基準電極103には、電圧計104が接続される。
検出電極102は、水素ガスを透過する構造を備える。また、水素を酸化して、プロトンを生成する触媒作用を有する。具体的には、検出電極102は、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、すず(Sn)、バナジウム(V)からなる群から選ばれる少なくとも1つを有する金属または合金を含んでいてもよい。
また、水素ガスを透過する多孔性の構造を得るために、検出電極102は、上述した金属の酸化物を還元することによって得られる金属または合金を含んでいてもよい。この場合、検出電極102において、上述した金属の酸化物が還元されず、酸化物のまま残っていてもよい。つまり、検出電極102は、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、すず(Sn)、バナジウム(V)からなる群から選ばれる少なくとも1つを有する酸化物を含んでいてもよい。この場合、検出電極102は、全体として電子伝導性を有する。
また、検出電極102は、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、すず(Sn)、バナジウム(V)からなる群から選ばれる少なくとも1つと、ホウ素(B)、炭素(C)および窒素(N)からなる群から選ばれる少なくとも1つとを有し、電子伝導性の金属間化合物を含んでいてもよい。
検出電極102は、スパッタ法、PLD法、CVD法等の膜形成方法によって形成できる。上記の材料の粉末を溶剤に分散させたインクをスクリーン印刷した後、加熱、真空処理等により乾燥及び固化させ、検出電極102を形成してもよい。検出電極102の形成方法は、特に限定されない。
基準電極103は、水素よりもイオン化傾向の小さい金属を含んでいる。具体的には、銅(Cu)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)および金(Au)からなる群から選ばれる少なくとも1つを有する金属または合金を含んでいてもよい。
また、基準電極103は、銅(Cu)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)および金(Au)からなる群から選ばれる少なくとも1つと、ホウ素(B)、炭素(C)および窒素(N)からなる群から選ばれる少なくとも1つとを有し、電子伝導性の金属間化合物を含んでいてもよい。
基準電極103は、スパッタ法、PLD法、CVD法等の膜形成方法によって形成できる。上記の材料の粉末を溶剤に分散させたインクをスクリーン印刷した後、加熱、真空処理等により乾燥及び固化させ、基準電極103を形成してもよい。基準電極103の形成方法は、特に限定されない。
図3に示すように、本実施形態では、水素センサ100は、ケース111をさらに備え、ケース111内において、プロトン伝導体101がケース111の内部の空間を検出用空間109と基準空間112とに分けている。検出用空間109内には、検出電極102が露出している。また、検出用空間109に被検出ガスを導入する入口105および検出用空間109からガスを排出する出口106がケース111に設けられている。基準空間112内には、基準電極103が露出している。また、基準空間112は密閉されており、水素を含まないガスで満たされている。基準空間112は、基準電極103に生じる起電力が測定環境によって変化しないように設けられている。測定環境が大きく変化しない等、基準電極103に生じる起電力の変動が測定に大きな影響を与えない場合には、基準空間112は設けられていなくてもよく、基準電極103は大気に曝されていてもよい。
水素センサ100において、入口105から水素ガスを含む被検出ガスが導入され、検出用空間109を被検出ガスが満たし、過剰な被検出ガスが出口106から排出される。検出電極102を透過し、プロトン伝導体101と検出電極102との界面に到達する。この界面は、三相界面であり、以下の式に従って、被検出ガス中の水素が酸化され、プロトンが生成する。
2 → 2H+ + 2e-
生成したプロトンはプロトン伝導体101を拡散する。また、生成した電子は、検出電極102を伝導し、起電力が発生する。
この起電力は、基準電極103を基準とする電位差として、電圧計104によって検出される。被検出ガス中の水素ガスの濃度に応じて、上記プロトンの生成量は変化するため、検出電極102において生じる起電力は、被検出ガス中の水素ガスの濃度に応じて変化する。したがって、電圧計104によって検出される電圧により、被検出ガス中の水素ガスの濃度を測定することができる。例えば、水素濃度が既知である検量用の被検出ガスを用いて、電圧計104で電圧を測定し、検量線を作成することにより、任意の濃度で水素を含む被検出ガス中の水素濃度を測定することができる。
上述したように、本開示の実施形態によれば、プロトン伝導体101は、100℃以上500℃以下の温度域においても、高いプロトン伝導性を有する。そのため、水素センサ100は、100℃以上500℃以下の温度域において、従来に比べて、大きな起電力が発生し、高い感度で水素ガスを検出することができる。また、被検出ガスが加湿されていなくても、高い精度で、被検出ガス中の水素を検出することが可能である。
なお、本実施形態では、基準電極103は基準空間112内において密閉され、基準ガスに接しているが、水素センサは、基準電極103が被検出ガスに接しない構造を備えていてもよい。具体的には、図4に示すように、基準電極103の表面を、被検出ガスが透過しない材料によって構成されるコーティング113で覆っていてもよい。この場合、図4に示す水素センサ120は、全体を被検出ガスに曝すように配置しても、被検出ガス中の水素ガスの濃度を測定することが可能である。
また、本実施形態では、水素センサ100、120は、被検出ガス中の水素ガスの濃度を測定すると説明してきたが、水素センサ100、120は、液体中に溶け込んだ水素ガスを検出することも可能である。
本開示の実施形態による水素センサは、種々の産業分野や用途において、気体や液体中の水素ガスの濃度を測定することが可能である。
100、120 水素センサ
101 プロトン伝導体
102 検出電極
103 基準電極
104 電圧計
105 入口
106 出口
109 検出用空間
111 ケース
112 基準空間
113 コーティング

Claims (11)

  1. 組成式Aa1-xB’x3-δで表されるペロブスカイト型結晶構造を有するプロトン伝導体と、
    前記プロトン伝導体に接して配置され、水素ガスを透過し、水素を酸化して、プロトンを生成する触媒作用を有する検出電極と、
    前記プロトン伝導体に接して配置された基準電極と、
    を備え、
    前記Aは、2族元素から選択される少なくとも1つであり、
    前記Bは、4族の元素およびCeから選択される少なくとも1つであり、
    前記B’は、3族元素、13族元素またはランタノイド元素であり、
    0.5<a≦1.0、0.0≦x≦0.5、かつ0.0≦δ<3であり、
    前記組成式の電荷は、−0.13以上+0.14未満の範囲で電気的中性からずれている、水素センサ。
  2. 前記Aは、Ba、SrおよびCaからなる群から選ばれる少なくとも1つであり、
    前記Bは、Zr、CeおよびTiからなる群から選ばれる少なくとも1つであり、
    前記B'は、Yb、Y、NdおよびはInからなる群から選ばれる1つである、請求項1に記載の水素センサ。
  3. x=0であり、前記組成式の電荷は、0より大きく0.14未満の範囲で電気的中性からずれている、請求項1または2に記載の水素センサ。
  4. 0.0<x≦0.50であり、前記組成式の電荷は、−0.13以上0未満の範囲で電気的中性からずれている、請求項1または2に記載の水素センサ。
  5. 前記検出電極は、Ti、Zr、Ta、Zn、Cr、Fe、Co、Al、Ni、Sn、Vからなる群から選ばれる少なくとも1つを有する金属または合金を含む請求項1から4のいずれかに記載の水素センサ。
  6. 前記検出電極は、Ti、Zr、Ta、Zn、Cr、Fe、Co、Al、Ni、Sn、Vからなる群から選ばれる少なくとも1つ有する酸化物を含む請求項1から4のいずれかに記載の水素センサ。
  7. 前記検出電極は、
    Ti、Zr、Ta、Zn、Cr、Fe、Co、Al、Ni、Sn、Vからなる群から選ばれる少なくとも1つと、
    B、CおよびNからなる群から選ばれる少なくとも1つと
    を有する金属間化合物を含む請求項1から4のいずれかに記載の水素センサ。
  8. 前記基準電極は、水素ガスを透過しない構造を備えている請求項1から7のいずれかに記載の水素センサ。
  9. 前記基準電極は、水素よりイオン化傾向の小さい金属、または、水素よりイオン化傾向の小さい金属を含む合金を含む請求項1から8のいずれかに記載の水素センサ。
  10. 前記基準電極は、Cu、Ir、Pt、Auからなる群から選ばれる少なくとも1つを有する金属または合金を含む請求項1から8のいずれかに記載の水素センサ。
  11. 前記基準電極は、
    Cu、Ir、Pt、Auからなる群から選ばれる少なくとも1つと、
    B、CおよびNからなる群から選ばれる、少なくとも1つと
    を有する金属間化合物を含む請求項1から8のいずれかに記載の水素センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021193129A1 (ja) * 2020-03-25 2021-09-30 パナソニックIpマネジメント株式会社 電極材料、膜電極接合体、電気化学セルおよび燃料電池システム

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