JP2015148155A - 多段型圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、起動時の圧縮効率を低下させずに中間部での結露を抑制した多段型圧縮機を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、外部から流体を吸い込み圧縮する低圧側圧縮部と、前記低圧側圧縮部で圧縮した流体を吸い込み圧縮する高圧側圧縮部と、前記低圧側圧縮部と前記高圧側圧縮部との間に配置され、前記低圧側圧縮部からの流体を前記高圧側圧縮部へ供給する中間部と、前記低圧側圧縮部および前記高圧側圧縮部の運転を制御する制御部とを備え、前記制御部は、起動時に前記中間部の表面温度を通常運転よりも早く上昇させるように前記圧縮機本体を制御することを特徴とする多段型圧縮機を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、外部から流体を吸い込み圧縮する低圧側圧縮部と、前記低圧側圧縮部で圧縮した流体を吸い込み圧縮する高圧側圧縮部と、前記低圧側圧縮部と前記高圧側圧縮部との間に配置され、前記低圧側圧縮部からの流体を前記高圧側圧縮部へ供給する中間部と、前記低圧側圧縮部および前記高圧側圧縮部の運転を制御する制御部とを備え、前記制御部は、起動時に前記中間部の表面温度を通常運転よりも早く上昇させるように前記圧縮機本体を制御することを特徴とする多段型圧縮機を提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、多段往圧縮機に関する。
本技術分野の背景技術として、特開平10−61547号公報(特許文献1)、特開平9−234609号公報(特許文献2)がある。
特許文献1には、「多段式圧縮機と共に使用するためのサーモスタット制御のインタークーラシステムは、空気のような圧縮ガスからの水の凝縮を防止して、第1の圧縮機段に続く第2の圧縮機段に入る圧縮ガスの温度を、圧縮ガスが後続の第2の圧縮機段で更に圧縮された後、水の分圧が含水率の飽和限界を超えることはないように、選択的バイパスシステムを用いて目標温度に制御する」ことが記載されている。
特許文献2には、「圧縮運転の初期段階で中間配管内の圧力を下げることによりドレンの発生を防止し、高い圧縮性能を得るようにする」多段式空気圧縮機が記載されている。
特許文献1の多段式空気圧縮機は、間欠運転の際、低圧側から高圧側への中間部(インタークーラ、配管)の表面温度が低く、内部空気温度と圧力が高いという状態になり、結露が発生し、多段式空気圧縮機の信頼性を向上することができない。
特許文献2の多段式空気圧縮機は、中間配管内の圧力を下げることで結露の発生を防止しているものの、中間配管内の温度を通常運転時に比べて早く上昇させるようにしてはいない。そのため、中間配管内の温度が上昇するまでに時間がかかり、起動時に得られる圧縮空気の量が減り、圧縮効率が低下してしまう。
そこで本発明は、起動時の圧縮効率を低下させずに中間部での結露を抑制した多段型圧縮機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、外部から流体を吸い込み圧縮する低圧側圧縮部と、前記低圧側圧縮部で圧縮した流体を吸い込み圧縮する高圧側圧縮部と、前記低圧側圧縮部と前記高圧側圧縮部との間に配置され、前記低圧側圧縮部からの流体を前記高圧側圧縮部へ供給する中間部と、前記低圧側圧縮部および前記高圧側圧縮部の運転を制御する制御部とを備え、前記制御部は、起動時に前記中間部の表面温度を通常運転よりも早く上昇させるように前記圧縮機本体を制御することを特徴とする多段型圧縮機を提供する。
本発明によれば、起動時の圧縮効率を低下させずに中間部での結露を抑制した多段型圧縮機を提供することができる。
以下、実施例を図面を用いて説明する。
図1、図2を用いて、実施例1における多段型圧縮機について往復動圧縮機を例に挙げて説明する。
図1は、本実施例は本実施例における多段型往復動圧縮機の構成図である。本実施例における多段型往復動圧縮機は、流体を圧縮する圧縮機本体10と圧縮機本体10を駆動するモータ16と圧縮機本体10の運転を制御する制御部17によって構成される。圧縮機本体10は、低圧側圧縮部1と高圧側圧縮部2から構成される。圧縮機本体10では、吸込口1で吸い込んだ流体を低圧側圧縮部2で圧縮し、低圧側圧縮部2で圧縮した流体をさらに高圧側圧縮部3で圧縮している。低圧側圧縮部2と高圧側圧縮部3は、シリンダ内においてピストンが往復動することによって流体を圧縮するものである。このように複数段階で圧縮することで気筒(圧縮部)毎の負荷を低減して熱の発生を抑え、圧縮効率を向上させている。
本実施例における多段型圧縮機では、低圧側圧縮部2と高圧側圧縮部3とを接続する中間部にインタ-クーラシステム11(例えば、インタークーラ4および配管5のように低圧側圧縮部2と高圧側圧縮部3とを接続し、低圧側圧縮部2から高圧側圧縮部3へ供給される流体を放熱性を高めて冷却するシステムをインタークーラシステムとする)を設けている。インタークーラシステムを介することで流体機械各部が高温になるのを抑制し、流体機械各部の信頼性・寿命を向上している。
ここで、この多段型圧縮機を間欠運転した場合に、停止時にインタークーラシステム11の表面温度が低下する。このとき、多段型圧縮機の運転を開始すると、低圧側圧縮部2で高温高圧になった圧縮流体がインタークーラシステム11によって急激に冷却され、インタークーラシステム11内の圧縮空気中の水分が凝縮し、結露が発生する。そこで、本実施例における多段型圧縮機においては、通常運転時よりも圧縮流体の温度とインタークーラシステム11の表面温度を早く上昇させ、圧縮流体の温度が露点温度以下にならないようにし、結露を最小限に抑制するようにした。
図2に示すように、本実施例では、圧縮機本体10の起動時において、制御部17は、高圧側圧縮部3の吸い込み弁6を常時開状態(タンク内に貯留された圧縮空気による圧力でピストン7が吸い込み弁6を押さえて開く等)にし、ピストン8が往復動運動しても圧縮を行わない空運転をさせる。高圧側圧縮部3のみ空運転を行わせることにより、低圧側圧縮部2のみで圧縮を行うこととなり、単段圧縮機と同様の動作となる。単段圧縮機と同様の動作となることで、本来低圧側圧縮部2と高圧側圧縮部3の多段で昇圧していた場合より、低圧側圧縮部2の単気筒で多段分の昇圧を行うことになるため、多段型圧縮機より気筒への負荷が大きくなり、熱量が多く発生することとなる。また、低圧側圧縮部2は受圧面積が大きいため、低圧側圧縮部2で単段圧縮を行うことで高圧側圧縮部3よりも熱量が多く発生する。
これらの理由から、間欠運転する場合に圧縮機本体の起動時において、仮想単段圧縮状態にして熱量を多段圧縮時よりも多く発生させることで、圧縮流体の温度とインタークーラシステム11内の温度を通常運転した場合よりも早く上昇させるようにした。これにより、インタークーラシステム11内の表面温度をできるだけ早く露点温度以上になるようにして結露を最小限に抑制する。インタークーラシステム11内の表面温度が上昇し、圧縮流体が結露しない温度に達したら高圧側圧縮部を通常運転に戻す。迅速に多段圧縮に戻すことにより、起動時の圧縮効率低下の影響を最小限に抑えることができる。
以上より、本実施例によれば、低圧側圧縮部2と高圧側圧縮部3とを接続する中間部の温度を迅速に上昇させることで、圧縮機本体10の起動時の圧縮効率を低下させずに中間部内での結露を抑制することができる。
図3を用いて、本発明の実施例2について説明する。実施例1と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施例は、圧縮機本体10の起動時において圧縮機本体10に設けられた圧縮機プーリ9の回転方向を逆方向とする点に特徴がある。
図3に示すように往復動圧縮機では圧縮機本体10に設けられた圧縮機プーリ9(冷却ファン)の回転により、冷却風を圧縮機本体10に向けて発生して、圧縮機本体10および中間部(インタークーラシステム11)の冷却を行っている。
ここで、本実施例では、間欠運転する場合に圧縮機本体10の起動時において、制御部17がモータ16の回転方向を逆方向にすることで、圧縮機プーリ9の回転方向を逆方向にした。これにより、圧縮機プーリ9の回転による冷却風が圧縮機本体10に供給されなくなり、インタークーラシステム11の温度を通常運転した場合よりも早く上昇させることができ、圧縮流体の温度が露点温度以下にならないようにして結露を抑制する。
ここで、インタークーラシステム11内の表面温度が上昇し、圧縮流体が結露しない温度に達したら制御部17はモータ16の回転を通常の回転方向に戻すことにより、圧縮機プーリ9の回転方向を通常の回転方向に戻す。
以上より、本実施例によれば、実施例1と同様に低圧側圧縮部2と高圧側圧縮部3とを接続する中間部の温度を迅速に上昇させることで、圧縮機本体10の起動時の圧縮効率を低下させずに中間部内での結露を抑制することができる。さらに、実施例1と比較して、最初から二段圧縮で運転を開始できるため、起動時の圧縮効率の低下をさらに抑制することができる。
図4、5を用いて、本発明の実施例3について説明する。実施例1、2と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施例では、インタークーラシステム11の露点温度を算出する機構を設けた点に特徴がある。
ここで、圧縮流体が結露する条件は、湿度一定とした場合、圧縮流体の温度・圧力、インタークーラシステム11の表面の温度によって決まる。そのため、インタークーラシステム11の各部の値を測定することにより、結露する条件を算出することができる。
図4に、圧縮流体の結露する条件を算出するために設けられた機構を示す。まず圧縮空気の温度・圧力は、インタークーラ11によって冷却される前の箇所、つまりインタークーラ12の手前に、圧力センサ13、熱電対14を取り付けることで最適な値を測定することができる。そして、インタークーラシステムの表面温度は、インタークーラシステムにおいて最も温まりにくい箇所である最後部に熱電対15を取り付けることで測定する。これら圧力センサ13、熱電対14、熱電対15から得られた情報から制御部17において、圧縮流体の露点温度を換算・演算することで結露する条件を把握することができる。
本実施例における制御フローチャートを図5に示す。制御部17は、圧縮機本体10を起動し、圧縮運転を開始すると、インタークーラシステム11の各部の値(インタークーラ12の手前の温度、圧力、インタークーラシステム最後部の温度)を測定する。制御部17は、これらの値からインタークーラシステム11(インタークーラ12)内の露点を計算する。計算された露点と熱電対14で測定された温度とを比較する。
熱電対14で測定された温度のほうが露点温度よりも低い場合は、インタークーラシステム11の温度がまだ低く、結露する可能性があるので、できるだけ早く結露する条件を脱するように実施例1、実施例2に示した運転を継続し、インタークーラシステム11の温度を早く上昇させる。一方、熱電対14で測定された温度のほうが露点温度よりも高い場合は、インタークーラシステム11の表面温度が上昇し、結露する条件を脱したと判断し、通常運転を開始する。
なお、本実施例では、熱電対14で測定されるインタークーラシステム11の手前の圧縮流体の温度に関する条件を計算し、熱電対14の温度と比較したが、熱電対15で測定されるインタークーラシステム11の最後部の温度に関する条件を計算し、熱電対15の温度と比較することで、結露する条件を判定してもよい。
以上より、本実施例によれば、制御部17によって結露する条件を算出することで、実施例1、2のように通常運転よりも早くインタークーラシステム11の温度を上昇させた場合、通常運転に戻しても結露しない温度までインタークーラシステム11の温度が上昇したタイミングで通常運転に戻すことができる。これにより、適切なタイミングで通常運転に切り替えることができ、インタークーラシステム内の結露を抑制しつつ、圧縮効率の低下を最小限に抑えることができる。
これまで説明してきた実施例は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されない。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
2 低圧側気筒
3 高圧側気筒
4 インタークーラ
5 配管
9 圧縮機プーリ
10 多段型圧縮機本体
16 モータ
17 制御部
3 高圧側気筒
4 インタークーラ
5 配管
9 圧縮機プーリ
10 多段型圧縮機本体
16 モータ
17 制御部
Claims (6)
- 外部から流体を吸い込み圧縮する低圧側圧縮部と、前記低圧側圧縮部で圧縮した流体を吸い込み圧縮する高圧側圧縮部とを有する圧縮機本体と、
前記低圧側圧縮部と前記高圧側圧縮部との間に配置され、前記低圧側圧縮部からの流体を前記高圧側圧縮部へ供給する中間部と、
前記圧縮機本体の運転を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、起動時に前記中間部の表面温度を通常運転よりも早く上昇させるように前記圧縮機本体を制御することを特徴とする多段型圧縮機。 - 前記制御部は起動時に前記高圧側圧縮部を空運転にすることを特徴とする請求項1に記載の多段型圧縮機。
- 前記中間部に冷却風を供給するファンを設けることを特徴とする請求項1に記載の多段型圧縮機。
- 前記制御部は、起動時に前記ファンの回転を逆回転にすることを特徴とする請求項3に記載の多段型圧縮機。
- 前記制御部は、前記中間部の露点温度を計算することを特徴とする請求項1に記載の多段型圧縮機
- 前記制御部は、前記中間部の温度が露点温度以上になったとき、前記多段型圧縮機を通常運転に切り替えることを特徴とする請求項5に記載の多段型圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014019925A JP2015148155A (ja) | 2014-02-05 | 2014-02-05 | 多段型圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014019925A JP2015148155A (ja) | 2014-02-05 | 2014-02-05 | 多段型圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015148155A true JP2015148155A (ja) | 2015-08-20 |
Family
ID=53891713
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014019925A Pending JP2015148155A (ja) | 2014-02-05 | 2014-02-05 | 多段型圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015148155A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019027356A (ja) * | 2017-07-31 | 2019-02-21 | 株式会社日立産機システム | 無給油式往復動圧縮機 |
-
2014
- 2014-02-05 JP JP2014019925A patent/JP2015148155A/ja active Pending
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JP2019027356A (ja) * | 2017-07-31 | 2019-02-21 | 株式会社日立産機システム | 無給油式往復動圧縮機 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20170116 |
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RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20170123 |