[第1実施形態]
以下、本発明を適用したパチンコ遊技機10に係る一実施形態を、図1〜図71に基づいて説明する。なお、以下の説明において「左右」とは、パチンコ遊技機10を正面から見たときの左右である。
<パチンコ遊技機10の前面側の概要構造について>
パチンコ遊技機10は、図2に示す遊技盤11の前面にガイドレール12で囲まれた略円形の遊技領域Rを備え、その遊技領域Rを、パチンコ遊技機10の前面に備えた前面窓10W(図1参照)を通して視認することができる。
図1に示すように、パチンコ遊技機10の前面の下部には、遊技球を貯留可能な球受け皿13が設けられている。球受け皿13の右側方には、発射ハンドル14が備えられ、この発射ハンドル14を回動操作することで、図示しない発射装置から遊技領域Rに向かって遊技球が発射される。また、発射ハンドル14の回動操作量に応じて、遊技球の発射強度を任意に調節することができる。
図2に示すように、遊技盤11のうち遊技領域Rの中央には、異形の表示窓が貫通形成され、その表示窓に表示装飾枠20が前側から嵌め込まれている。そして、表示装飾枠20を通して、遊技盤11の裏面側のディスプレイ15が前方に臨んでいる。また、表示装飾枠20は遊技盤11の前面から突出していて、ディスプレイ15の前方を遊技球が流下することを禁止している。そして、遊技領域Rが表示装飾枠20により、左右方向で左側流下領域Raと右側流下領域Rbとに分けられ、上下方向で上部連絡通路23と下部流下領域Rcとに分けられている。
表示装飾枠20の下辺部の上面は、左右方向の両端部から中央に向かって下り傾斜したステージ21になっており、表示装飾枠20の左側辺には、左側流下領域Raを流下する遊技球を、表示装飾枠20の内側に取り込むためのワープ路(図示せず)が形成されている。ワープ路を通過した遊技球は、ステージ21の左端から放出されて、ステージ21上を左右に転動する。また、ステージ21上で転動し終えた遊技球は、ステージ21の中央部から下部流下領域Rcに流下する。
左側流下領域Raの上部には、発射装置(図示せず)から発射された遊技球を、遊技領域Rに進入させるための球打出口16が設けられている。また、表示装飾枠20の上端面は、ガイドレール12に沿って円弧状に延びた内側ガイド面22となっており、上部連絡通路23は、それらガイドレール12と内側ガイド面22との間に挟まれて円弧状をなし、左側流下領域Raの上部と右側流下領域Rbの上部とを連絡している。
比較的弱い発射強度で発射された遊技球は、表示装飾枠20や左側流下領域Raに設けられた障害釘に衝突し、上部連絡通路23に進入することなく左側流下領域Raを流下する。一方、比較的強い発射強度で発射された遊技球は、球打出口16からそのままガイドレール12に沿って上部連絡通路23を通過し、右側流下領域Rbを流下する。以下、遊技球が左側流下領域Raを流下するように発射強度を調整して行う遊技のことを「左打ち遊技」といい、遊技球が右側流下領域Rbを流下するように発射強度を調整して行う遊技のことを「右打ち遊技」という。
<左側流下領域Raについて>
左側流下領域Raには、全体に亘って複数の障害釘が分散配置されており、左側流下領域Raの下部には、風車17と、複数の一般入賞部18とが設けられている。一般入賞部18はポケット構造をなしており、その上面には、常時開放の一般入賞口18Aが形成され、その一般入賞口18Aに遊技球が1球ずつ入賞可能になっている。そして、一般入賞口18Aに入賞する度に、所定数の賞球が払い出される。
<下部流下領域Rcについて>
下部流下領域Rcには、ステージ21の中央部の真下にセンター入賞部31が設けられている。センター入賞部31は、一般入賞部18と同様のポケット構造をなし、その上面に常時開放のセンター始動口31Aを有し、そのセンター始動口31Aに遊技球が1球ずつ入賞可能になっている。そして、センター始動口31Aに入賞する度に、所定数の賞球が払い出される。また、下部流下領域Rcには、風車17からセンター入賞部31に向かって複数の障害釘が一列に配設されており、その障害釘列によって、左側流下領域Raを流下した遊技球の一部が、センター始動口31Aに向かうように構成されている。本実施形態では、左側流下領域Raを流下した遊技球のうちの約5〜6%(「左打ち遊技」を1分間(100球)続けた場合に5〜6球)が、センター始動口31Aに入賞するように構成されている。また、右側流下領域Rbを流下した遊技球は、殆どセンター始動口31Aに入賞しないように障害釘や表示装飾枠20等によって流下方向が規制されている。
下部流下領域Rcのうちセンター入賞部31の右側方位置には、特別始動口33Aが設けられている。特別始動口33Aは、遊技盤11の前面(遊技領域R)に向かって開放しており、始動口扉33Tによって開閉可能となっている。始動口扉33Tは、特別始動口33Aの下端部を中心にして前後に回動可能となっており、常には、起立姿勢に保持されて、特別始動口33Aを閉鎖している。そして、始動口扉33Tが前側に倒されて特別始動口33Aを開放し、その倒れた始動口扉33Tを案内にして遊技球が1球ずつ入賞可能になっている。また、特別始動口33Aに遊技球が入賞する度に、所定数の賞球が払い出される。
<右側流下領域Rbについて>
右側流下領域Rbの下寄り位置には、サイド入賞部32が設けられている。図3に示すように、サイド入賞部32は、一般入賞部18と同様のポケット構造をなし、その上面に常時開放のサイド始動口32Aを有し、そのサイド始動口32Aに遊技球が1球ずつ入賞可能になっている。そして、サイド始動口32Aに入賞する度に、所定数の賞球が払い出される。
右側流下領域Rbのうちサイド入賞部32より下流側には、始動ゲート30が配置されている。始動ゲート30は、サイド入賞部32の右斜め下方に離して配置されており、遊技球が1つずつ内側を鉛直下方に向かって通過することができるようになっている。
始動ゲート30より下流側には、第2アタッカー口35Aが設けられている。第2アタッカー口35Aは、始動ゲート30の真下位置よりやや左側でかつ、サイド入賞部32の真下位置よりやや右側にずれた位置に配置されており、始動ゲート30を通過した遊技球が入賞可能となっている。第2アタッカー口35Aは、特別始動口33Aと同様、遊技盤11の前面(遊技領域R)に向かって開放しており、アタッカー扉35Tによって開閉可能となっていて、前側に倒れたアタッカー扉35Tを案内にして遊技球が1球ずつ入賞することができる(アタッカー扉35Tによって閉鎖された入賞不能または困難状態と、アタッカー扉35Tが前側に倒れた入賞可能または容易状態に切り替わる)。その第2アタッカー口35Aに入賞した遊技球は、一度、遊技盤11の裏側を通って次述する大入賞ブロック34内に排出される。また、第2アタッカー口35Aの右隣には球受突壁37が設けられ、その球受突壁37に受け止められた遊技球が、前側に倒れたアタッカー扉35Tに受け渡されるようになっている。
<大入賞ブロック34について>
遊技領域Rの右下部分には、右側流下領域Rbを流下してきた遊技球の大部分を受け止めるガイド上面34Bを有した大入賞ブロック34が設けられている。そのガイド上面34Bは左下がりに傾斜していて、受け止めた遊技球を特別始動口33Aへと案内する。なお、左側流下領域Raを流下した遊技球は、殆ど特別始動口33Aに入賞しないように障害釘や表示装飾枠20等によって流下方向が規制されている。
大入賞ブロック34のガイド上面34Bのうち第2アタッカー口35Aより特別始動口33A側にずれた部分には、遊技球の直径の2〜4倍の範囲に亘って第1アタッカー口34Aが形成されかつ通常はシャッター板34Tにて閉塞されている。これにより、通常は、ガイド上面34B上を遊技球が右端から左端まで転動して上述の如く特別始動口33Aに案内される。そして、シャッター板34Tが遊技盤11の前面より後方に引っ込むように開いて第1アタッカー口34Aが開放状態になると、右側流下領域Rbを流下してガイド上面34Bの右端部分で受け止められた遊技球の大部分が、第1アタッカー口34Aに入賞する(シャッター板34Tによって閉鎖された入賞不能または困難状態と、シャッター板34Tが後方に引っ込むように開いた入賞可能または容易状態に切り替わる)。
図3に示すように、大入賞ブロック34の内部には、通常口36CとV確定口36Aと内部排出口35Hとが設けられている。通常口36Cは、大入賞ブロック34内の下部左寄り位置に配置されている。そして、第1アタッカー口34Aを通して大入賞ブロック34に入球した遊技球は、全て通常口36Cから遊技盤11の後側に取り込まれる。また、遊技球が第1アタッカー口34Aから通常口36Cを経て遊技盤11の後方に取り込まれる度に、一般入賞口18Aや始動口31A,32A,33Aへの入賞時より多くの賞球が払い出される。
内部排出口35Hは、進入規制部材36Bの右斜め上方に配置されている。そして、第2アタッカー口35Aに入賞した遊技球が内部排出口35Hから大入賞ブロック34内に排出される。V確定口36Aは、大入賞ブロック34内の下部右寄り位置に配置され、そのV確定口36Aの上方には、V確定口36Aへの遊技球の入球を禁止した閉位置とV確定口36Aへの入球を許容した開位置との間で前後動する進入規制部材36Bが備えられている。そして、第2アタッカー口35Aを通して大入賞ブロック34に入球した遊技球は、進入規制部材36Bが開いていれば、殆どがV確定口36Aから遊技盤11の後側に取り込まれる。また、進入規制部材36Bが閉じていると、第2アタッカー口35Aを通して大入賞ブロック34に入球した遊技球は、進入規制部材36B上を通過して大入賞ブロック34内を左側に移動し、通常口36Cから遊技盤11の後側に取り込まれる。そして、遊技球が第2アタッカー口35Aに入賞してから通常口36C又はV確定口36Aの何れかを通過して遊技盤11の後方に取り込まれる度に、一般入賞口18Aや始動口31A,32A,33Aへの入賞時より多くの賞球が払い出される。
なお、大入賞ブロック34のうちガイドレール12に沿った外縁部分には、右側流下領域Rbと下部流下領域Rcとを連絡するアウト通路39が形成されており、サイド始動口32Aや第2アタッカー口35Aに入賞せず、ガイド上面34Bの上にも落下しなかった遊技球は、このアウト通路39を通過して、遊技領域Rの最下部に設けられたアウト口19に回収される。
<右側流下領域Rbの流下経路について>
右側流下領域Rbの上部には、その右側流下領域Rbを流下する遊技球の全てが通過する共通基幹経路50が設けられている。共通基幹経路50は、遊技球が1つだけ通過可能は幅をなして上下方向に延び、その共通基幹経路50の下端部に、第1基幹流下経路51と第2基幹流下経路52とが二股状に連絡されている。第2基幹流下経路52は、第1基幹流下経路51との分岐部から遊技領域Rの外縁部に沿って下方に延びており、その下端部の排出口52Bが、始動ゲート30に向かって左斜め下方に開放している。また、第2基幹流下経路52は、遊技球をサイド始動口32Aに入賞させないように案内して、始動ゲート30や、その下流側に配置された特別始動口33A、第1及び第2のアタッカー口34A,35Aに向かわせる。
さらに、第2基幹流下経路52は、比較的小さく左右に蛇行しており、その下端部には図6に示すように第2基幹流下経路52内を蛇行しながら下端部に到達した遊技球を跳ね返して、排出口52Bから始動ゲート30に向かわせる跳ね返し部58が設けられている。跳ね返し部58は、第1基幹流下経路51や第2基幹流下経路52を構成する壁部材とは別部品の板金又は弾性部材で構成されており、第2基幹流下経路52を構成する壁部材に形成された側面開口部52Cを外側から塞いでいる。
図3に示すように、第1基幹流下経路51と第2基幹流下経路52との分岐部には、振分部材53が設けられている。振分部材53は、遊技盤11の前面に対して垂直な回動軸J1を中心にして、第1案内位置(図3に示す状態)と第2案内位置(図4に示す状態)との間で傾動可能となっている。また、図5に示すように、振分部材53は、回動軸J1から上方(共通基幹経路50)に向かって延びた上方規制部54Cと、回動軸J1から第1基幹流下経路51側に延びて上方規制部54Cとの間で左受容部53Aを形成する左規制部54Aと、回動軸J1から第2基幹流下経路52側に延びて、上方規制部54Cとの間で右受容部53Bを形成する右規制部54Bとを備えている。左受容部53A及び右受容部53Bには、それぞれ遊技球が1つだけ受容可能となっている。そして、図3に示す第1案内位置では、上方規制部54Cが第1基幹流下経路51側に傾いて、右受容部53Bが共通基幹経路50と対向し、その右受容部53Bに遊技球を受け入れ可能となり、図4に示す第2案内位置では、上方規制部54Cが第2基幹流下経路52側に傾いて、左受容部53Aが共通基幹経路50と対向し、その左受容部53Aに遊技球を受け入れ可能となる。
また、振分部材53の真下には、山形の傾動規制ストッパ55が設けられており、その傾動規制ストッパ55に、左規制部54A及び右規制部54Bが当接することで、振分部材53が、上記した第1案内位置と第2案内位置とに位置決めされる。そして、振分部材53は、遊技球の自重によって第1案内位置と第2案内位置とに切り替わり、共通基幹経路50に進入した遊技球を、第1基幹流下経路51と第2基幹流下経路52とに自動的に振り分ける。このように、振分部材53は、共通基幹経路50を通過した遊技球を第1基幹流下経路51と第2基幹流下経路52とに正確に振り分けるため、遊技球が進む経路を正確に調整することが可能となる。
図3に示すように、第1基幹流下経路51は、第2基幹流下経路52との分岐部から、第2基幹流下経路52よりも大きく左右に蛇行しながら下方に向かって延びており、遊技球が通過する通過時間が、第2基幹流下経路52よりも長くなるように構成されている。第1基幹流下経路51の下流側には、サイド始動口32A、特別始動口33A、始動ゲート30等が設けられている。
第1基幹流下経路51の途中には、球遊転部材57が備えられている。図5に示すように、球遊転部材57は、遊技球を受ける受壁57Aと、受壁57Aを上下に貫通し、遊技球が1つずつ通過可能な排出孔57Bとを有している。球遊転部材57は、所謂、「クルーン」のように、遊技球を排出孔57Bの周りで周回させてから排出孔57Bに転落させることができ、第1基幹流下経路51における遊技球の通過時間を不規則に変化させる。
図6に示すように、第1基幹流下経路51の下端部には、遊技球をサイド始動口32Aに入賞させるように案内する第1案内流下経路61と、遊技球をサイド始動口32Aに入賞させないように案内して(第1案内流下経路61を流下しなかった場合)、始動ゲート30や、その下流側に配置された特別始動口33A等に向かわせる第2案内流下経路62とが連絡されている。なお、サイド始動口32Aは、第1基幹流下経路51を通過した遊技球が特別始動口33Aに到達するよりも早く到達するように配置され、サイド始動口32Aに到達した遊技球はサイド始動口32A入賞することで下流側に流下しないように構成されている。
第1基幹流下経路51の下端部には、遊技球が転動するように右下がりに傾斜した転動傾斜面56が備えられている。転動傾斜面56における遊技球の転動先には、第1案内流下経路61への進入口61Aが上方に向かって開口している。また、第1案内流下経路61への進入口61Aより下流側に、第2案内流下経路62が延びており、その第2案内流下経路62の下端部と第2基幹流下経路52の下端部とが合流している。ここで、第2案内流下経路62の下端部の排出口62Bは、第2基幹流下経路52の排出口52Bより始動ゲート30の真上に近い位置に配置されている。
第1案内流下経路61への進入口61Aには、スライド板64が備えられている。そのスライド板64は、転動傾斜面56における転動方向に直動し、図6に示すように進入口61Aを開放した開放状態と、図7に示すように、進入口61Aを塞いだ閉鎖状態とに自動的に交互に切り替わる。また、進入口61Aにおける遊技球の噛込みを防止するために、スライド板64は、閉鎖状態から開放状態へと切り替わるときの移動速度より、開放状態から閉鎖状態へと切り替わるときの移動速度の方が速くなっていると共に、スライド板64の下面側の前端縁が斜めにカットされている。さらに、スライド板64の開閉周期は、発射装置による遊技球の連続的な発射周期(連続的に発射を継続した場合の間隔)と異なるように設定されていて、スライド板64の閉鎖状態で遊技球が進入口61A上を通過するタイミングになるように意図的に遊技球の発射タイミングを合わせることができないようになっていて、遊技の公平性を保つことができる。なお、本実施形態の発射装置は、0.6秒の1球の割合で遊技球を発射する仕様となっており、スライド板64は、0.5秒に1回の割合で、不利開放状態から有利閉鎖状態に切り替わる仕様となっている。
図6に示すように、サイド始動口32Aは、第1案内流下経路61への進入口61Aの真下に離して配置され、進入口61Aから第1案内流下経路61に転落した遊技球の殆どはサイド始動口32Aに入賞するようになっている。
第1案内流下経路61のうち、進入口61Aとサイド始動口32Aとの間には、第1入賞逸脱経路63L,63Rが連絡している。第1入賞逸脱経路63L,63Rは、第1案内流下経路61の進入口61Aとサイド始動口32Aとの間を斜め下方に落下して第1案内流下経路61から逸れた遊技球又は、サイド始動口32Aの開口縁で跳ね返った遊技球を受け入れて、特別始動口33Aに向かわせるようになっている。ここで、サイド入賞部32の右側に形成された第1入賞逸脱経路63Rは、第2案内流下経路62に隣接して設けられており、第2基幹流下経路52と第2案内流下経路62の下端同士の合流部に開放している。即ち、始動ゲート30は、第2基幹流下経路52、第2案内流下経路62及び第1入賞逸脱経路63Rの何れを通過した遊技球も入賞可能な位置に配置されている。これに対し、サイド入賞部32の左側に形成された第1入賞逸脱経路63Lは、遊技球が始動ゲート30を通過することなく、第2アタッカー口35Aや、その下流側の、発射されてから流下して到達するまでの距離がサイド始動口32Aよりも遠くに配置されている特別始動口33Aへと向かうように案内する。なお、第1案内流下経路61の進入口61Aは、サイド始動口32Aの真上に配置されているから、第1案内流下経路61に進入した遊技球がサイド始動口32Aに入賞せずに第1入賞逸脱経路63L,63Rに逸れることはほとんどなく、第1入賞逸脱経路63L,63Rに逸れることは極めてまれなケースである。
ここで、上述した振分部材53及びスライド板64を設けたことにより、右側流下領域Rbを流下した全ての遊技球のうちの約2〜3%(「右打ち遊技」を1分間(100球)続けた場合に2〜3球)が、サイド始動口32Aに入賞するように構成されている。即ち、サイド始動口32Aとセンター始動口31Aとを比較すると、遊技状態(高確率状態と低確率状態と)にかかわらず、サイド始動口32Aの方がセンター始動口31Aよりも、遊技球が入賞し難い構成となっている。
<スライド板64の開閉について>
図72には、スライド板64の駆動装置65が示されている。駆動装置65は、従動アーム66とモータ67とを備え、それらがカム機構によって連結されている。従動アーム66の上端部は遊技盤11に直交する回転軸J2に軸支され、従動アーム66の下端寄り位置には、スライド板64が一体に設けられている。また、従動アーム66の下端部には、コイルバネ68が連結され、そのコイルバネ68が、従動アーム66をストッパ69に当接させた原点位置(図72(A)に示す位置)に付勢している。その原点位置のとき、スライド板64は有利閉鎖状態(図7に示す状態)になる。
従動アーム66には従動カム66Aが設けられており、モータ67の出力回転軸67Jには主動カム67Aがギヤ連結されている。主動カム67Aは、円筒面からカム突部67Tが突出した構成をなしており、従動カム66Aがそのカム突部67Tを乗り越える過程で、従動アーム66が原点位置と、原点位置から離れた移動端位置(図72(B)に示す位置)との間を往復動するように構成されている。従動アーム66が移動端位置のとき、スライド板64が不利開放状態(図6に示す状態)になる。
即ち、図72(A)から同図(B)への変化に示すように、主動カム67Aのカム突部67Tが、従動カム66Aを押圧して従動アーム66を原点位置から移動端位置へと移動させることで、スライド板64が有利閉鎖状態から不利開放状態へと変化し、図72(B)から同図(C)への変化に示すように、従動カム66Aがカム突部67Tを乗り越えることで押圧が解除され、その押圧が解除されたときに、移動端位置への移動によって増加したコイルバネ68の弾発力により従動アーム66が原点位置に移動して、スライド板64が有利閉鎖状態に戻るように構成されている。
<当否判定権について>
上記した始動ゲート30、センター始動口31A、サイド始動口32A及び特別始動口33Aに遊技球が入賞すると当否判定権が発生し、その当否判定権を使用した当否判定が行われる。これら当否判定について以下説明する。
<小当り当否判定権について>
遊技球が始動ゲート30を通過すると「小当り当否判定権」が発生し、その小当り当否判定権を使用して、特別始動口33Aを開放状態とする「小当り遊技」を行うか否かの「小当り当否判定」が行われる。その小当り当否判定の判定結果は、表示装飾枠20の一部に設けられた小判定報知部(図示せず)で報知される。小判定報知部では、予め定められた「小判定演出期間」に亘って小当り報知演出を行った後で、小当り当否判定の判定結果を報知する。また、「小判定演出期間」中に、始動ゲート30を遊技球が通過した場合には、その分の「小当り当否判定権」が予め定められた上限数(例えば最大4つ)まで保留され、それ以上は「小当り当否判定権」は発生しない。そして、保留された「小当り当否判定権」は、発生順(古い順)に使用される。
<第1の当否判定権について>
センター始動口31A及びサイド始動口32Aにそれぞれ遊技球が入賞すると第1の当否判定権がそれぞれ発生し、それら第1の当否判定権を使用して大当り当否判定が行われる。第1の当否判定権を使用して行われた大当り当否判定の結果は、ディスプレイ15の例えば画面左上部分に設けられた第1判定報知部15G(図2参照)で報知される。その第1判定報知部15Gは、例えば0〜9の範囲で変化する判定図柄を3つ横並びに配置してなり、大当り当否判定の結果を報知する際には、それら判定図柄を上下方向に変動表示(例えば、スクロール)してから停止表示するという報知演出を行う。そして、大当り当否判定が当りの場合には、停止表示された3つの判定図柄の組み合わせが、当りを意味する当り図柄組み合わせ(例えば、ぞろ目の3桁数)となり、外れの場合には、外れを意味する外れ図柄組み合わせ(例えば、ぞろ目以外の3桁数)になる。また、第1の当否判定権に基づく判定報知演出(第1判定報知部15Gの変動表示)を行っている間、及び、後述の大当り遊技を行っている間に、センター始動口31A,サイド始動口32Aに遊技球が入賞した場合には、その分の第1の当否判定権が、予め定められた上限数である例えば最大4つまで保留され、それ以上は第1の当否判定権は発生しない。そして、保留された第1の当否判定権は、発生順(古い順)に使用される。
<第2の当否判定権について>
特別始動口33Aに遊技球が入賞すると第2の当否判定権が発生し、その第2の当否判定権を使用して大当り当否判定が行われる。その第2の当否判定権を使用して行われる大当り当否判定の結果は、表示装飾枠20の右下部に一体に設けられた第2判定報知部25で報知される。第2判定報知部25では、判定報知演出を行った後、大当り当否判定の結果を表示する。その第2判定報知部25は、複数のLEDで構成された判定図柄で、判定報知演出はLEDの点滅(変動表示)にて行う。そして、大当り当否判定が当りの場合には、判定報知演出の後で全てのLEDが点灯状態になり、外れの場合には、判定報知演出の後で、一部又は全部のLEDが消灯状態になる。
第2の当否判定権に基づく判定報知演出(LEDの点滅)を行っている間、及び、後述の大当り遊技を行っている間に、特別始動口33Aに遊技球が入賞した場合には、その分の第2の当否判定権が、予め定められた上限数である例えば最大4つまで保留され、それ以上は第2の当否判定権は発生しない。そして、保留された第2の当否判定権は、発生順(古い順)に使用される。また、上記したように第1の当否判定権同士の間及び第2の当否判定権同士の間では、発生順に当否判定権を使用して判定報知演出が開始され、第1又は第2の一方の当否判定権の判定報知演出が実行中か否かとは無関係に他方の当否判定権の判定報知演出が開始される。以下、適宜、第1の当否判定権に基づく判定報知演出のことを「第1の判定報知演出」といい、第2の当否判定権に基づく判定報知演出のことを「第2の判定報知演出」という
<大当りの種類について>
下記表1に示すように、第1の当否判定権を使用した「大当り当否判定」の当りには、「特典無し大当り」と「特典付き大当り」との2種類があり、第2の当否判定権を使用した「大当り当否判定」の当りには、「特典付き大当り」のみがある。つまり、第2の当否判定権の当り(つまり、特別始動口33Aに入賞したときの大当り)で、「特典付き大当り」になる確率は100%である。これに対し、第1の当否判定権で当り(つまり、センター始動口31A又はサイド始動口32Aに入賞したときの大当り)で、「特典付き大当り」になる確率は例えば1/5(即ち、20%)、「特典無し大当り」になる確率は4/5(即ち、80%)に設定されている。
上記表1に示した何れの大当りであっても大当りになると、第1又は第2のアタッカー口34A,35Aを開放状態にする「大当り遊技」が実行される。その「大当り遊技」は、2ラウンドで構成され、第1ラウンドで第1アタッカー口34Aのみが開放状態になり、第2ラウンドで第2アタッカー口35Aのみが開放状態になる。また、第1及び第2のアタッカー口34A,35Aの開放は、予め定められた規定の開放期間(例えば、15秒間)を上限とし、その開放期間中に予め定められた規定数(例えば、10球)の遊技球が入賞すると直ちに閉鎖する。なお、上記配置により第1又は第2のアタッカー口34A,35Aに遊技球を入賞させるには右打ちを行う必要があるので、より多くの賞球を望む遊技者にとって「大当り遊技」中は「右打ち遊技」が必須になる。
第2ラウンド中には、予め設定された態様でアタッカー扉35Tが作動して第2アタッカー口35Aが開放する。「特典付き大当り」では、普通に右打ちを行っていれば第2アタッカー口35Aに遊技球が入球する(例えば、1秒間の開放を複数回繰り返す)一方、「特典無し大当り」では、右打ちを行っても通常は第2アタッカー口35Aに遊技球が入球しない(例えば、1秒間の開放を1回のみ行う)ように設定されている。即ち、「特典無し大当り」の大当り遊技中に、遊技球がV確定口36Aに入球することは実質的にはない設定になっている。なお、V確定口36Aを開閉する進入規制部材36Bの動きは、「特典付き大当り」か「特典無し大当り」かに拘らず一定となっている。
大当り遊技中にV確定口36Aに入球したか否かにより、その大当り遊技後の「大当りの判定確率」及び「小判定演出期間の長さ」の一方又は両方が通常時に比べて変更されるようになっている。
<確率について>
「大当り当否判定の確率」に関しては、通常時より当りとなる確率が高い「高確率状態」と通常通りの「低確率状態」との2つの設定がある。ここで、「低確率状態」から「高確率状態」に切り替わることが「確変」と呼ばれ、「高確率状態」が「確変状態」と呼ばれている。以下の説明では、「低確率状態」を適宜「非確変状態」と呼ぶこととする。本実施形態では、「大当りとなる判定確率」は、「高確率状態」で1/10、「低確率状態」で1/99に設定されている。また、「大当りとなる判定確率」は、センター始動口31A、サイド始動口32A及び特別始動口33Aのいずれも同じであるが、前述したように第2の当否判定権の当り、つまり特別始動口33Aに入賞した場合の当りは、100%の確率で「特典付き大当り」であるのに対し、第1の当否判定権の当り、つまりセンター始動口31A又はサイド始動口32Aに入賞した場合の当りは、1/5の確率で「特典付き大当り」、4/5の確率で「特典無し大当り」になるので、最も遊技者が望む「特典付き大当り」を引く確率は、特別始動口33Aに入賞した場合は、高確率状態で1/10、低確率状態で1/99となる一方、センター始動口31A又はサイド始動口32Aに入賞した場合は、高確率状態で1/50、低確率状態で1/495ということになる。
<時短について>
本実施形態では、「大当り当否判定」が行われる頻度が通常より高い「時短状態」と通常通りの「非時短状態」との2つの設定がある。詳細には、「通常状態」のときは、第1及び第2の判定報知演出の実行時間は、共に、例えば、15秒〜180秒に設定されているのに対し、「時短状態」では、例えば、第1の判定報知演出の実行時間は、30秒〜360秒に設定され、第2の判定報知演出の実行時間は、「通常状態」のときよりも短い2秒に設定されている。これにより、例えば30秒間に行われる「大当り当否判定」の回数は、「通常状態」では最大4回(第1,第2の当否判定権を使用した大当り当否判定で2回ずつ)であるのに対し、「時短状態」では最大16回(第1の当否判定権を使用した大当り当否判定で1回,第2の当否判定権を使用した大当り当否判定で15回)となり、「時短状態」の方が「非時短状態」よりも「大当り当否判定」が行われる頻度が高くなる。
また、「小判定演出期間」に関しても、比較的短い「時短用の小判定演出期間」(例えば、1秒)と、比較的長い「通常用の小判定演出期間」(例えば、10秒)との2つの設定がある。時短状態になると非時短状態に比べて前述した「小当り当否判定」の実行頻度が高くなり、「小当り」となる頻度も高くなる。また、時短状態で小当りとなったときには、非時短状態で小当りとなったときより特別始動口33Aの開放時間が長くなるように設定され(例えば、時短状態で小当りとなったときは、2秒間の開放を3回繰り返し、非時短状態で小当りとなったときは、1秒間の開放を1回だけ行う)、非時短状態で右打ち遊技を行っても特別始動口33Aにほとんど入賞することはないが、時短状態で右打ち遊技を行えば特別始動口33Aに多くの遊技球が入賞するようになっている。なお、本実施形態では、時短状態のときの方が非時短状態のときよりも「小当り当否判定」において「小当りとなる確率」が高くなるように設定されている。
<V確定口36Aへの入球の有無について>
大当り遊技後に「大当りの判定確率」,「第1及び第2の判定報知演出期間の長さ」及び「小判定演出期間の長さ(変動時間の長さ)」が変更されるか否かは、その大当り遊技中にV確定口36Aに遊技球が入球したか否かによって確定される。具体的には、前記した表1に示したように、第1の当否判定権か第2の当否判定権かに拘わらず、「特典付き大当り」となった場合には、その大当り遊技中にV確定口36Aに遊技球が入球すれば、その大当り遊技後に「確変状態」でかつ「時短状態」(以下、これを適宜「確変有り時短状態」という)になり、V確定口36Aに遊技球が入球しなければ、「確変状態」ではない「時短状態」(以下、これを適宜「確変無し時短状態」という)になる。また、「特典無し大当り」となった場合には、その大当り遊技中にV確定口36Aに遊技球が入球すれば、その大当り遊技後に「時短状態」ではない「確変状態」(以下、これを適宜「時短無し確変状態」という)になり、V確定口36Aに遊技球が入球しなければ、「確変状態」ではなく「時短状態」でもない「通常状態」になる。これら遊技状態の決定は、現状が「通常状態」か「確変有り時短状態」か「確変無し時短状態」か「時短無し確変状態」かに拘わらず行われる。但し、「確変無し時短状態」だけは、大当り当否判定で当りになる前に行われた大当り当否判定の外れ回数が、予め定められた大当り判定上限回数に達した時点で終了して「通常状態」に転落する。
大当り遊技中におけるディスプレイ15上の表示は、上記表2に示すように、どの遊技状態での大当りか、その大当りが第1及び第2の当否判定権のうちどちらの当否判定権によるものか、第2の当否判定権による大当りの場合、第1判定報知部15Gが変動中か否か、によって異なる。具体的には、「通常状態」における大当り遊技では、ディスプレイ15に例えば「V」という文字が表示され、「確変状態」における大当り遊技では、「V」という文字は表示されない。なお、「確変状態」において第1の当否判定権によって当りとなった場合は、その当りが「特典付き大当り」であれば、ディスプレイ15に例えば「確変継続」と表示され、「特典無し大当り」であれば、例えば「確変終了」と表示される、「確変報知演出」が行われる。
また、「通常状態」において第1の当否判定権によって当りとなった場合は、第1判定報知部15Gの判定図柄が表示されなくなる。ここで、「通常状態」において第2の当否判定権によって当りとなった場合は、大当り遊技開始時に第1判定報知部15Gの判定図柄が変動中でなければ(停止表示であれば)、第1の当否判定権による大当り遊技と同様に第1判定報知部15Gの判定図柄が表示されなくなり、第1判定報知部15Gの判定図柄が変動中であれば、第1判定報知部15Gの変動表示が継続される。つまり、第1判定報知部15Gの変動中に大当り遊技が開始された場合に、「V」という字とともに、第1判定報知部15Gが継続して変動表示する(後述するように変動時間の計時は行われていないが、遊技者に変動表示しているように見せるために実際の変動表示と同じ変動態様が表示される)ので、遊技者に対して第2の当否判定権による大当り遊技であると認識させることができ、第1判定報知部15Gの変動途中で突然大当り遊技が始まったという違和感を遊技者に感じさせにくくすることができる。
なお、「確変状態」では、第1の当否判定権による大当り遊技、及び、第1判定報知部15Gの停止表示時に開始された第2の当否判定権による大当り遊技の場合は、第1判定報知部15Gの停止表示が継続され、第1判定報知部15Gの変動中に開始された第2の当否判定権による大当り遊技の場合は、第1判定報知部15Gの変動表示が継続される。
<遊技状態に応じた左打ち遊技と右打ち遊技の選び方について>
前述したように、「特典付き大当り」の大当り遊技中では、普通に右打ちを行っていればV確定口36Aに遊技球が入球し、「特典無し大当り」では、V確定口36Aに遊技球が入球することは実質的にはないように第2アタッカー口35Aの開放タイミングとV確定口36Aの開放タイミングとが設定されているので、「大当り当否判定」で「特典付き大当り」になれば、極めてまれなケースを除いて、「確変有り時短状態」になり、「大当り当否判定」で「特典無し大当り」になれば、「確変」でも「時短」でもない「通常状態」になる。そして、「通常状態」では、前述したように右打ち遊技を行っても特別始動口33Aにほとんど入賞することはなく、また、サイド始動口32Aよりセンター始動口31Aの方が入賞し易い構造になっているので、「通常状態」で遊技を始めて、より多くの賞球を得るべく「大当り当否判定」を行わせるためには、センター始動口31Aへの入賞を狙って左打ち遊技を行うことが好ましい打ち方になる。その結果、大当り当否判定が行われて当りとなり、大当り遊技が実行されたときには、第1アタッカー口34A及び第2アタッカー口35Aに入賞させるために右打ち遊技を行うことが好ましい打ち方になる。
また、「通常状態」でセンター始動口31Aに入賞して当りになった場合、その当りが「特典無し大当り」であったときには「通常状態」が継続されることになる。一方、「特典付き大当り」であったときには、V確定口36Aに入賞させれば、大当り遊技後に「通常状態」から「確変有り時短状態」に昇格することになる。そして、「確変有り時短状態」では、今度は特別始動口33Aへの入賞が容易になるので、右打ち遊技を続けることが好ましい打ち方となる。その「確変有り時短状態」における右打ち遊技中は特別始動口33Aに入賞して当りになれば、その当りは必ず「特典付き大当り」であるので、V確定口36Aに入賞させれば「確変有り時短状態」が継続されることになる。ところが、サイド始動口32Aに入賞して当りになり、その当りの内の4/5の確率の「特典無し大当り」になると、「確変有り時短状態」から「通常状態」に転落することになる。換言すると、「確変有り時短状態」でサイド始動口32Aに入賞したときには、外れになれば「通常状態」に転落する危険性は全くないが、当りになると「転落」する危険性が高まる。つまり、「確変有り時短状態」でサイド始動口32Aに入賞して当りになったときには、4/5の確率で「通常状態」へと「転落」する憂き目にあうロシアンルーレット遊技が実行されることになる。
これにより、「確変有り時短状態」で右打ち遊技を行っている遊技者の心理を、特別始動口33Aには入賞するが、サイド始動口32Aには入賞しないことを願うように仕向けることができる。そして、特別始動口33Aとその特別始動口33Aを開くための始動ゲート30を狙うワクワク感と共に、それらの上流側のサイド始動口32Aに入賞してしまわないかというドキドキ感を抱かせて、遊技の趣向性を高めることができる。
<判定報知演出の実行時間について>
大当り当否判定が当りか否かの判定報知演出の実行時間に関しては、遊技状態に応じて以下のように設定されている。例えば、「通常状態」のときの第1及び第2の判定報知演出の実行時間は、上述したように15秒〜180秒に設定されている。「時短状態」のときの第1及び第2の判定報知演出の実行時間は、「確変無し時短状態」か「確変有り時短状態」かにより異なっている。すなわち、「確変有り時短状態」では、第1の判定報知演出の実行時間は、30秒〜360秒に設定され、第2の判定報知演出の実行時間は、「通常状態」のときよりも短い2秒に設定されている(上記「時短状態」の説明では、この「確変有り時短状態」のときを例に挙げている)。一方、「確変無し時短状態」では、第1及び第2の判定報知演出の実行時間は、共に、「通常状態」のときよりも短い4秒に設定されている。また、前述したように、第1と第2の当否判定権の間では、第1又は第2の一方の判定報知演出が実行中か否かとは無関係に他方の判定報知演出が開始されるので、「確変有り時短状態」で右打ち遊技を行っているときには、例えば、1つの第1の判定報知演出の実行時間(30秒〜360秒)の間に、第2の判定報知演出が複数回に亘って実行されることがしばしばおこる(図12(B)参照)。
<大当り遊技と判定報知演出との関係について>
第1又は第2の一方の当否判定権に基づいた大当り遊技の実行中は、他方の当否判定権に基づいた判定報知演出(第1判定報知部15G又は第2判定報知部25による演出)は、継続して行われる。つまり、第1判定報知部15G又は第2判定報知部25が変動し続ける。そして、その大当り遊技の終了後、変動表示が大当り遊技の実行時間分延長して行われ、その後停止される。つまり、当否判定結果の表示(判定図柄の停止表示)が先延ばしにされる。以下に詳細を説明する。
第1の判定報知演出の実行時間は、当初から所定の第1の判定報知演出時間(30秒〜360秒)に設定されていて、第1の判定報知演出として判定図柄の変動表示が実行されると、その演出実行時間がカウントされて、その演出実行時間分が当初の第1の判定報知演出時間から減らされていく。ここで、判定図柄の変動表示中に大当り遊技が実行されると、判定図柄の変動表示は継続して行われる(変動表示が継続して行われているように見せている変動表示が行われる)ものの、演出実行時間のカウントは中断される。換言すれば、大当り遊技の実行中か否かに拘わらず、第1の判定報知演出を実行して(判定図柄の変動表示を実行して)、その演出実行時間をカウントし、第1の判定報知演出中に大当り遊技が実行された場合には、大当り遊技の総実行時間分を、当初の第1の判定報知演出時間の後に加え、第1の判定報知演出時間が大当り遊技の実行時間分だけ実質的に延長される。これにより、判定報知演出は、大当り遊技の実行後、大当り遊技の実行時間分、当初の演出時間から延長して行われることとなる。この構成によれば、大当り遊技の実行中に当否判定結果が表示されるということがなく、遊技者は、他方の判定報知演出の成り行きを気にすることなく、大当り遊技に集中して取り組むことができる。図8から図12にはこの演出実行時間カウントの中断に係る概念が示されている。なお、図8〜図11では、説明の便宜上、第1の当否判定権の判定報知演出の実行時間に対する第2の当否判定権の判定報知演出の実行時間の比率が実際の比率より大きくなっている。
また、本実施形態の判定報知演出は第1又は第2の何れか一方の当否判定権に基づいた大当り遊技の実行中は、他方の当否判定権に基づいた判定報知演出を継続して、演出実行時間のカウントのみ中断するように構成しているが、必ずしも本実施形態と同様の構成にする必要はなく、例えば演出実行時間のカウントが中断した時点で他方の判定報知演出も同時に中断、或いは停止し(表示していた変動表示の態様を消したり、仮停止状態にするなど)、演出実行時間のカウントの再開と同時に中断した判定報知演出を再開、或いは新たな判定報知演出を実行するように構成してもよい。
ここで、外れの第1の判定報知演出を行っている間に、第2の当否判定権に基づく大当り遊技が開始されると、その大当り遊技の実行時間分、第1の判定報知演出が延長され、その分、保留されている第1の当否判定権の消化を遅らすことができる。特に、「確変有り時短状態」であって、保留された第1の当否判定権の中に「当り」が含まれている場合には、将来、その当りによる大当り遊技の実行後に、現在の「確変有り時短状態」が「通常状態」へと「転落」する可能性がある。従って、「確変有り時短状態」のときに第2の当否判定権で当りを引き当てることで「通常状態」に転落し得るピンチの到来を、遅らせることが可能になる。
<当りの重複排除について>
図8及び図9に示すように判定結果が当りとなる一方の当否判定権に基づく判定報知演出(つまり、大当り遊技の直前に行われる判定報知演出)の実行時間中に、他方の当否判定権に基づく判定報知演出が開始されたときには、他方の当否判定権に基づく判定報知演出の判定結果は、必ず、強制的に外れになるように制御されている(本実施例では当否判定を行わずに外れになるように構成されている)。これにより、第1又は第2の一方の当否判定権に基づく大当り遊技の実行中に、他方の当否判定権の大当り遊技を開始しなければならないような事態の発生を防いでいる。また、第1及び第2の当否判定権は発生後に直ちに使用されるか保留されるかに拘わらず、発生直後に直ちに当りか否かが先読み判定されるようになっている。そして、本来は当りとなるはずの第1の当否判定権が強制的に外れにされた場合には、その当りキャンセルの報知がディスプレイ15で行われるようになっている。
ここで、本実施形態では、「確変有り時短状態」において、第1の当否判定権に係る判定報知演出の実行時間の方が、第2の当否判定権に係る判定報知演出の実行時間に比べて長く設定されているので、第1の当否判定権の当りとなる判定報知演出の実行時間中に第2の当否判定権の判定報知演出が開始されて、本来、当りであった第2の当否判定権が強制的に外れにされることはしばしばある。これに対し、第2の当否判定権の当りとなる判定報知演出の実行時間中に、第1の当否判定権の判定報知演出が開始されて、本来、当りであった第1の当否判定権(入賞時に取得した当否用の乱数値が当りの場合)が当否判定を行わずに強制的に外れにされることも稀にある。この場合、上記したロシアンルーレット遊技を回避したことになり、「確変有り時短状態」から「通常状態」へと「転落」する危機から脱出したことになるので、ディスプレイ15における当りキャンセルの報知を見た遊技者は、危険を危機一髪で回避した幸運感を抱くことになる。なお、当りキャンセルの報知の態様としては、例えば、ディスプレイ15に「危険回避」と表示することや、ディスプレイ15の画面が暗い状態から明るくなることが挙げられる。また、音声や効果音で当りキャンセルの報知を行ってもよい。
また、図10及び図11に示すように、他方の当否判定権に基づいた判定報知演出の中断無しに大当り遊技が開始され、その大当り遊技の実行中に第1及び第2の当否判定権の両方の保留が揃った状態になったときには、いずれの保留が先に生じたかに拘わらず、大当り遊技の終了後に、第1の当否判定権、第2の当否判定権の順番で判定報知演出が開始されるように制御されている。このとき、第1の当否判定権の大当り当否判定が当りであれば、その当りに基づいて大当り遊技が行われ、第2の当否判定権に基づく判定報知演出の判定結果は、実際の当否とは無関係に強制的に外れにされる。これにより、大当り遊技後に第1と第2の当否判定権の両方の判定報知演出が開始し得る状況になったときに、遊技者にドキドキ感を与えることができる。
また、第2の当否判定権の当りでは、遊技状態が「確変有り時短状態」から「通常状態」へと転落することはないが、第1の当否判定権の当りでは、遊技状態が「確変有り時短状態」から「通常状態」に転落する可能性があるから、「確変有り時短状態」で、第1と第2の当否判定権の両方の判定報知演出が開始し得る状況になったときに、遊技状態を変化し易くすることができる。
<基礎残時間の報知による演出について>
「確変有り時短状態」中は、遊技者の心理を更に高揚させるために、「確変有り時短状態」の残時間に係る「液晶表示時間」が、図2に示すようにディスプレイ15の例えば左端の残時間表示部15Hに表示される(以下、適宜、「残時間報知演出」という)。
この「液晶表示時間」を表示するために、「確変有り時短状態」中は、保留されている第1の当否判定権が外れだけの場合、それら外れの第1の判定報知演出の実行予定時間の合計が「基礎残時間」として演算され、保留されている第1の当否判定権に当りがある場合には、その大当り遊技が開始されるまでの第1の判定報知演出の実行予定時間の合計が「基礎残時間」として演算される。つまり、保留中の第1の当否判定権が全て外れである場合の「基礎残時間」とは、現時点から保留中の外れの第1の判定報知演出を全部実行するために最低限必要な時間のことであり、保留中の第1の当否判定権に当りがある場合の「基礎残時間」とは、現時点から保留中の第1の当否判定権による大当り遊技が開始されるまでの最短時間のことである。
そして、基礎残時間が「0」になった後には、「大当り遊技」が開始され得る。残時間表示部15Hには、基礎残時間に基づいた「液晶表示時間」がカウントダウン表示される。ここで、第1の当否判定権の「大当り遊技」の終了後には、現在の「確変有り時短状態」が「通常状態」へと転落し得るので、「液晶表示時間」のカウントダウン表示により「通常状態」へと転落し得るピンチの到来が刻一刻と迫ってくる緊迫感を遊技者に与えることができる。
また、第1及び第2の当否判定権は発生後に直ちに使用されるか保留されるかに拘わらず、発生直後に直ちに当りか否か及び第1の判定報知演出の変動時間が先読み判定されるようになっている。これにより、保留されている第1の当否判定権群中の当たりの有無が判り、上記「基礎残時間」の演算が可能になる。なお、この先読み判定は、当たりか否かの判定については入賞時の遊技状態に関係なく、低確率状態の場合と高確率状態の場合の当否判定を同時に行う一方、判定報知演出の実行時間は入賞時の遊技状態によって判定される。例えば、高確率状態のときに発生した当否判定権については、たとえ、この当否判定権の消化の前に低確率状態となる場合であっても、高確率状態で実行可能な判定報知演出の実行時間の中から選択される。なお、低確率状態のときに発生した当否判定権の保留を基に「基礎残時間」が演算される場合、先読み判定された低確率状態での判定報知演出の実行時間ではなく、第1の判定報知演出の実行時間の最短時間である「30秒」を判定報知演出の実行時間として、演算される。
残時間表示部15Hにおける「液晶表示時間」のカウントダウン表示中に、第2の当否判定権に基づく大当り遊技が実行された場合は、ディスプレイ15において第1の判定報知演出としての判定図柄の変動表示中に、第2の当否判定権に基づく大当り遊技が実行された場合に行われる処理に準じた処理が行われる。即ち、前述の如く、第1の判定報知演出の実行時間は、当初から所定の第1の判定報知演出時間(30秒〜360秒)に設定されていて、第1の判定報知演出として判定図柄(以下、適宜「第1の判定図柄」という)の変動表示が実行されると、その演出実行時間がカウントされて(以下、カウントされる演出実行時間を、適宜、「特図1変動時間」という)、その演出実行時間分が当初の第1の判定報知演出時間から減らされていくが、第1の判定図柄の変動表示中に第2の当否判定権に基づく大当り遊技が実行されると、第1の判定図柄の変動表示は継続して行われるものの、演出実行時間のカウントは中断される処理が行われていた。換言すれば、大当り遊技の実行中か否かに拘わらず、第1の判定報知演出を実行して(判定図柄の変動表示を実行して)、その演出実行時間をカウントし、第1の判定報知演出中に大当り遊技が実行された場合には、大当り遊技の総実行時間分を、当初の第1の判定報知演出時間の後に加え、第1の判定報知演出時間を大当り遊技の実行時間分だけ実質的に延長する処理を行っている。残時間表示部15Hにおける「液晶表示時間」のカウントダウン表示に関しても、これに準じた処理を行うために、「液晶表示時間」の素となる「基礎残時間」は、第1の判定報知演出時間の実質的な延長時間を取り込んで演算される。
具体的には、「基礎残時間」の演算は、例えば、第1の判定報知演出が開始されたタイミングと、第1の当否判定権の保留が発生したタイミングで必ず行う。そして、第1の判定報知演出中に大当り遊技が実行された場合、第1の判定報知演出中の大当り遊技の総実行時間が15秒未満であったときには「基礎残時間」の演算を行わず、15秒以上であったときには、その15秒以上の第1の判定報知演出時間の実質的な延長時間を取り込むために以下のタイミングで「基礎残時間」の演算を行う。即ち、第1の判定報知演出時間の実質的な延長時間が15秒以上であったときには、その延長時間を除いた当初の第1の判定報知演出時間における終了タイミングで、「基礎残時間」の演算を行う。このとき、その延長時間内の数値のうちの「15」の最大公倍数と、保留されている第1の当否判定権に係る実行予定時間とを合わせた時間を、「基礎残時間」として演算する。これにより、第1の判定報知演出中に大当り遊技が実行された場合には、大当り遊技の総実行時間分に応じて、15秒の倍数分、「基礎残時間」が実質的に延長される。具体的には、延長時間が「10秒」のときは「基礎残時間」が延長されず、延長時間が「20秒」のときは「基礎残時間」が「15秒」延長され、延長時間が「35秒」のときは「基礎残時間」が「30秒」延長される。また、このため、第1の判定報知演出時間の実質的な延長時間が15秒で割り切れない時間(例えば、10秒)であった場合には、基礎残時間と、延長時間を含めた第1の判定報知演出時間との間に端数(例えば、10秒)の演算誤差が生じる。なお、この演算誤差を修正する処理に関しては後に詳説する。
残時間表示部15Hでは、「液晶表示時間」として最初から「基礎残時間」の全部を表示するのではなく、「基礎残時間」を一部ずつ順次「液晶表示時間」に追加しながらカウントダウン表示する。具体的には、第1の判定報知演出の開始時(第1の当否判定権が消化されるとき)に、その開始される第1の判定報知演出の判定報知演出時間を所定時間(例えば、15秒)毎のブロックに分割する。そして、そのブロックの消化が開始されるタイミングで、「液晶表示時間」に追加する「上乗せ時間」の抽選を行う。つまり、カウントダウンされる「液晶表示時間」に、所定時間(例えば、15秒)毎に「基礎残時間」の一部が上乗せされていく。例えば、「液晶表示時間」が「20秒」、基礎残時間が「60秒」、抽選で決定された上乗せ時間が「25秒」の場合、最初の「20秒」から所定時間、例えば、15秒経過して、「液晶表示時間」が「5秒」となったときに、「25秒」が上乗せされて、「液晶表示時間」が「30秒」となる(この時点での基礎残時間は45秒)。その後も、「基礎残時間」がなくなるまで所定時間(例えば、15秒)毎に「基礎残時間」から抽選された「上乗せ時間」を「液晶表示時間」に加えながらカウントダウン表示していき、「基礎残時間」がなくなるときには、「液晶表示時間」も「0」となっている。このように、残時間表示部15Hでは、カウントダウン表示が進むと、「基礎残時間」から抽選された「上乗せ時間」が「液晶表示時間」に上乗せされて、残時間が一気に増えるという演出を行うので、恰も「確変有り時短状態」からの転落が延期されたかのような演出になり、遊技者の気分を盛り上げることができる。
また、「上乗せ時間」などの演出の抽選を第1及び第2の判定報知演出の開始時(判定図柄の変動開始時)だけでなく所定時間ごとに行うことで、本実施形態のように長い判定報知演出の演出時間が設定された場合であっても定期的に演出が実行され、遊技者を退屈させないようにすることができる。
また、第2の当否判定権に基づく大当り遊技の実行により、第1の当否判定権に基づく判定報知演出の変動時間のカウントが中断された場合に、その中断分の時間は、第1の判定報知演出の当初の判定報知演出時間の終了時(ブロックが全て消化されたとき)に、当初の基礎残時間に上乗せされる。詳細には、中断分の時間の合計が一定長(例えば15秒)を超えた場合、中断分の時間は改めて所定時間(例えば、15秒)毎のブロックに分割され、そのブロック単位で基礎残時間に上乗せされ、一定長に満たなかった場合には切り捨てられる。
メイン表示演出部15Uでは、上乗せ時間を上乗せしてそのカウントダウン表示を開始する前に、上乗せされた後の「液晶表示時間」を所定時間に亘って表示する演出(これを以下「上乗せ演出」という)が行われ、上乗せ演出の終了後に、上乗せ演出で表示された「液晶表示時間」からカウントダウン表示を開始する(図2参照)。この「上乗せ演出」の実行時間は、抽選によって決定される。また、「上乗せ演出」の実行中には、前述したブロックの消化が開始されるタイミングであっても、「上乗せ演出」の抽選は行われない。なお、上述した例では、「上乗せ演出」の実行時間を0秒と仮定して「液晶表示時間」の増減の流れを説明している。以下に、「上乗せ演出」を含めた「液晶表示時間」の増減の流れを説明する。最初の「20秒」からのカウントダウン表示が、15秒後に「5」となったときに、2秒間の上乗せ演出後に「25秒」を上乗せした「液晶表示時間」として「28」を表示し、その上乗せ演出を「2秒間」(この間にカウントダウン表示は「5」→「3」になる)行った後で、残時間表示部15Hにおける「液晶表示時間」のカウントダウン表示を「3」→「28」にして、その「28」からカウントダウン表示を開始する。
ここで、「確変有り時短状態」で保留されている第1の当否判定権に当りがある場合には、残時間表示部15Hによるカウントダウン表示が終了した(「0」になった)後で、第1の当否判定権の当りによる「大当り遊技」が開始される。つまり、残時間表示部15Hのカウントダウン表示が終了するまでは、極めてまれなケースを除いて、現在の「確変有り時短状態」から転落することはないから、遊技者は、少なくとも残時間表示部15Hに表示された時間分は、「確変有り時短状態」が保証されていると認識して、その残時間表示部15Hにおけるカウントダウン表示と、「上乗せ時間」が追加されたときの残時間表示部15Hと、メイン表示演出部15Uにおける上乗せ演出とを見ながら遊技を楽しむことができる。
ここで、上述した「極めてまれなケース」とは、「確変有り時短状態」で第2の当否判定権の大当り遊技が行われ、その大当り遊技でV確定口36Aに入球させることに失敗した場合のことであり、この場合には、残時間表示部15Hに表示された時間よりも早く、「確変有り時短状態」から「確変無し時短状態」へと転落する。この場合の残時間報知演出や上乗せ演出については、後に詳説する。
<「残時間報知演出」の内部処理について>
「残時間報知演出」の内部処理について概要を説明する。図73に示すように、本実施形態では、「残時間報知演出」において「液晶表示時間」を制御するために、「特図1変動時間タイマ」、「変動シナリオタイマ」、「主制御タイマ」、「演出タイマ」、「液晶タイマ」の各種タイマが備えられている。
「特図1変動時間タイマ」は、第1の判定報知演出の変動時間(特図1変動時間)をカウントするためのものであり、第1の判定報知演出開始時にその規定変動時間がセットされ、常には時間経過に合わせて減算される一方、第2の当否判定権に基づく大当り遊技の実行中にはその減算が中断される。
「変動シナリオタイマ」は、第1の判定報知演出の開始時にカウントスタートして15秒毎にカウントを再スタートするタイマで、この15秒のピリオドが、前述した「ブロック」に相当する。
「主制御タイマ」は、前述のごとく演算される「基礎残時間」を管理するもので、第1の判定報知演出が開始されるタイミングと、第1の当否判定権の保留が発生したタイミングと、当初の第1の判定報知演出時間の終了時に「特図1変動時間タイマ」が15秒以上残っているタイミングとの3つのタイミングで、演算された「基礎算時間」がセットされる。そして、「主制御タイマ」は、ブロックの消化が開始されるタイミングで15秒減算される(即ち、15秒刻みで減算される)。なお、1つめのブロックの消化が開始されるタイミング(第1の判定報知演出の演出開始時)では、15秒の減算は行われない。つまり、「主制御タイマ」のカウント結果は、真の「基礎残時間」に対して、0〜15秒の範囲で遅れることになる。
「演出タイマ」は、上乗せ演出の実行時間を管理するもので、ブロックの消化が開始されるタイミングで行われる上乗せ演出の抽選時に、その抽選で決定した上乗せ演出の実行時間がセットされる。そして、次のブロックの消化が開始されるタイミング(原則、15秒後)で15秒減算される(即ち、15秒刻みで減算される)。なお、このタイミングで、減算後の「演出タイマ」が、「0」の場合には、再び上乗せ演出の抽選が行われ、「0」でない場合には、上乗せ演出の抽選は行われない。
「液晶タイマ」は、「液晶表示時間」と15秒毎に一致するもので、ブロックの消化が開始されるタイミングで行われる上乗せ演出の抽選時に、その抽選で決定した「上乗せ時間」を上乗せした時間に更新される。また、「演出タイマ」と同様に、次のブロックの消化が開始されるタイミング(原則、15秒後)で15秒減算される(即ち、15秒刻みで減算される)。そして、このタイミングで上乗せ演出の抽選が行われると、減算後の「液晶タイマ」に、抽選で決定した「上乗せ時間」を上乗せした時間に更新される。
ここで、「演出タイマ」と「液晶タイマ」とは、15秒減算されるタイミングがブロックの消化が開始されたタイミングであるので、実行中の第1の判定報知演出に係る全てのブロックが消化され、かつ、次の第1の判定報知演出が開始されないタイミングでは、減算は行われない。このとき、これらのタイマは、前述したタイミングの15秒後、又は、次の第1の判定報知演出が開始されたタイミングで15秒減算される。
主要タイマと「液晶表示時間」の増減の流れを、図73に基づいて説明する。図73には、液晶表示時間及び液晶タイマが「10」のタイミングで特図1変動時間「60」の第1の判定報知演出が開始され、かつ、第1の当否判定権の保留がない場合の各種タイマのタイムチャートが示されている。まず、特図1変動時間が「60」であるため、4つのブロックに分割され、「主制御タイマ」には「60」がセットされる。ここで、1つめのブロックの消化が開始されるタイミング(第1の判定報知演出が開始されるタイミング)で、上乗せ演出の抽選が行われる。このとき、「上乗せ時間」は、「主制御タイマ」の値から「液晶タイマ」の値を引いた数値以内(例えば、60−10=50以内)の値になるように抽選される。例えば、抽選された上乗せ時間が「30秒」で上乗せ演出の実行時間が「10秒」の場合、演出タイマには「10」がセットされ、液晶タイマは直ちに30秒上乗せされて「10」から「40」となる。そして、メイン表示演出部15Uには、上乗せ演出後の液晶表示時間である「30」が、上乗せ演出として10秒間表示され、この間、残時間表示部15Hの液晶表示時間は、「10」から「0」までカウントダウンされる。その後、その「0」に「30秒」が上乗せされて、液晶表示時間が「30」となり、「30」からカウントダウンが行われる。
2つめのブロックの消化が開始されるタイミング(第1の判定報知演出開始から15秒後)に、主制御タイマ「60」、演出タイマ「10」、液晶タイマ「40」は15秒ずつ減算され、それぞれ「45」、「0」、「25」となる。「演出タイマ」が「0」であるので、再び上乗せ演出の抽選が行われる。このとき、「液晶表示時間」は前回の上乗せ演出直後から5秒経過していて、「30」から「25」となっている。そして、「上乗せ時間」が、20秒(45(主制御タイマ)−25(液晶タイマ))以内となるように抽選される。例えば、抽選された上乗せ時間が「10秒」で上乗せ演出の実行時間が「10秒」の場合、液晶タイマ「25」は直ちに10秒上乗せされて「35」となる。そして、残時間表示部15Hの液晶表示時間は、「25」から「15」まで10秒間カウントダウンされた後に、10秒上乗せされて「25」となり、「25」からカウントダウンが行われる。その後も同様に15秒ごとに上乗せ演出が行われ、「液晶タイマ」及び「液晶表示時間」が更新されていく。
また、図74の※1に示すように、抽選された上乗せ演出の実行時間が15秒以上である場合、次のブロックの消化が開始されるタイミングでは、上乗せ演出の抽選は行われない。例えば、抽選された上乗せ演出の実行時間が20秒であった場合、その上乗せ演出が開始されるタイミング(図74の※2、2つめのブロックの消化が開始されるタイミング)で、「演出タイマ」が「20」にセットされる。そして、その15秒後(3つめのブロックの消化が開始されるタイミング)に、演出タイマ「20」が15減算されて「5」となる(図74の※3)。このとき、「演出タイマ」が「0」でないので、上乗せ演出の抽選は行われない。これによれば、上乗せ演出中に、次の上乗せ演出が開始される事態を防ぐことができる。
ここで、「液晶タイマ」と「液晶表示時間」とは、上乗せ演出の抽選時(「液晶タイマ」においては15秒減算後、かつ、上乗せ前)に一致するように構成されている。具体的には、図73に示すように、例えば、「液晶タイマ」と「液晶表示時間」とが共に「25」で(図73の※1のタイミング)、上乗せ時間が「10秒」で、上乗せ演出の実行時間が「10秒」の上乗せ演出が抽選で決定されたとき、液晶タイマ「25」は直ちに「10秒」上乗せされて「35」となる。この時点で、「液晶タイマ」と「液晶表示時間」とにずれが生じる。一方、「液晶表示時間」は、その10秒後(図73の※2のタイミング)、つまり、「25」から「15」までカウントダウンされた後に、「10秒」上乗せされて「25」となる。この時点でも、液晶タイマ「35」と液晶表示時間「25」とはずれている。そして、その5秒後に、液晶タイマ「35」は15秒減算されて「20」となり、「液晶表示時間」も「25」から5秒間カウントダウンされて「20」となるので、「液晶タイマ」と「液晶表示時間」とが再び一致する。つまり、「液晶タイマ」と「液晶表示時間」とは、15秒刻みでしか一致しない。
「液晶タイマ」は、実際には15秒刻みでしか減算されないが、仮に時間経過とともに1秒刻みで減算されると仮定すると、上乗せ演出後の液晶表示時間「25」と液晶タイマ「25(35−10)」とは一致することとなる。即ち、「液晶タイマ」は、上乗せ時間を、上乗せ演出の抽選時に前もって加算されて、上乗せ演出後に「液晶表示時間」と一致するように構成され、「液晶タイマ」と「液晶表示時間」とが上乗せ演出の抽選時に一致するようになっている。これにより、上乗せ演出の抽選時に、例えば、上乗せ後の「液晶表示時間」が「主制御タイマ」を超える等の上乗せ不可能な「上乗せ時間」が決定されることを防ぐことができる。
さて、図73の※3に示されたように、途中で第2の当否判定権による大当り遊技が実行されると、「特図1変動時間タイマ」では、減算が中断され、大当り遊技の終了後に、その減算が再開される。一方、「液晶表示時間」や、「主制御タイマ」、「液晶タイマ」等の他のタイマは、大当り遊技中も減算が継続される。
例えば、「特図1変動時間タイマ」の減算が10秒間中断されていた場合、「液晶表示時間」は、ブロックが全て消化された時点(図73の※4、当初の変動時間が経過した時点)で「0」となる。「特図1変動時間タイマ」は、その10秒後に「0」となり、第1の判定報知演出が終了する。また、「液晶タイマ」は、ブロックが全て消化された時点では減算されないため、例えば「15」のままとなり、その15秒後に15秒減算されて「0」となる。
また、図75に示すように、「特図1変動時間タイマ」の中断時間が15秒以上であった場合、全てのブロックが消化された時点(図75の※1、当初の変動時間が経過した時点)で、残りの「特図1変動時間タイマ」が再び15秒ずつのブロックに分割される。例えば、残りの「特図1変動時間タイマ」が20秒の場合、1つのブロックが作成され、そのブロックの消化が開始されるタイミングで上乗せ演出の抽選がさらに行われる。
ここで、第2の当否判定権による大当り遊技の実行によって第1の判定報知演出が当初よりも長引いたときに、次の第1の判定報知演出が開始されると、上乗せ演出抽選時に「液晶タイマ」と「液晶表示時間」との間にずれが生じることがある。以下に詳細を説明する。
図76には、60秒の第1の判定報知演出が2回行われ、1回目の第1の判定報知演出で10秒間「特図1変動時間タイマ」が中断される場合の各種タイマの流れが示されている。まず、1回目の第1の判定報知演出が開始されるタイミングでは、この第1の判定報知演出の実行予定時間と、次に予定されている第1の判定報知演出の実行予定時間とを合わせた「120秒」が「主制御タイマ」にセットされる。以降、途中までは、図73に示された各種タイマの流れと同様に各種タイマが増減していくので割愛し、主制御タイマが「90」→「75」となるタイミング(図76の※1)から説明する。まず、「90」→「75」となる(4つめのブロックの消化が開始される)タイミングでは、「液晶タイマ」及び「液晶表示時間」がともに、例えば、「12」となっている。そして、上乗せ演出の抽選で、上乗せ時間が「28秒」、上乗せ演出の実行時間が「10秒」と決定すると、液晶タイマ「12」は直ちに「28秒」上乗せされて「40」となる。一方、「液晶表示時間」は、「12」から10秒間カウントダウンされて「2」となった後に、28秒上乗せされて「30」となる。その5秒後(図76の※2)には、4つめのブロックが消化し終わり、当初の変動時間が経過したことになる。また、「特図1変動時間タイマ」の中断時間が「10秒」で15秒未満であるため、ブロックの追加も行われない。このとき、全てのブロックが消化され、かつ、次のブロックの消化が開始されないので、「液晶タイマ」は減算されず、「40」のままとなる。一方、「液晶表示時間」は「30」から5秒間カウントダウンされて「25」となっている。
そして、その10秒後に、「特図1変動時間タイマ」が「0」となり、1回目の第1の判定報知演出が終了するとともに、2回目の第1の判定報知演出が開始される(図76の※3)。第1の判定報知演出の実行時間「60秒」が4つのブロックに分割され、一つめのブロックの消化が開始され、上乗せ抽選が行われる。このとき、液晶タイマ「40」は、ブロックの消化の開始に伴い15秒減算されて「25」となる一方、「液晶表示時間」は、「25」から10秒間カウントダウンされて「15」となる。つまり、「液晶表示時間」は時間経過通りに減算されるのに対し、「液晶タイマ」は、実際には「25秒」経過しているのに「15秒」しか減算されないので、その差である「10秒」のずれが上乗せ演出抽選時の両者の間に生じることになる。
ここで、このように「液晶タイマ」と「液晶表示時間」とがずれたまま、残時間報知演出が進行すると、例えば、主制御タイマが「15」、「液晶タイマ」が「10」、「液晶表示時間」が「0」となったときに、実際には「15秒」以内の時間が上乗せ可能であるのに、「5秒」以内で上乗せ時間が抽選されてしまう。これでは、「主制御タイマ」が残っているのに「液晶表示時間」が「0」となってしまうことが、「液晶タイマ」と「液晶表示時間」とにずれが生じていない状態よりも起こりやすくなってしまう。
このような事態を防ぐために、本実施形態では、上乗せ後の「液晶表示時間」は、上乗せ直前の「液晶表示時間」に「上乗せ時間」を追加した値ではなく、「液晶タイマ」から上乗せ演出の実行時間(演出タイマ)を引いて「上乗せ時間」を加えた値が設定される構成になっている。具体的には、ずれが生じているタイミング(図76の※3)の上乗せ演出の抽選で、上乗せ時間が「15秒」、上乗せ演出の実行時間が「10秒」と決定すると、液晶タイマ「25」は直ちに15秒上乗せされて「40」となる。一方、「液晶表示時間」は、「15」から10秒間カウントダウンされて「5」となった後に(図76の※4)、この「5」に15秒上乗せされて「20」となるのではなく、上乗せ演出時の液晶タイマ「25」に上乗せ演出の実行時間分の10秒を引いて15秒上乗せして「30」となる。これにより、その5秒後に上乗せ演出が抽選されるタイミングにおいて(図76の※5)、「液晶表示時間」は「40」から15秒減算されて「25」になり、「液晶タイマ」は「30」から「25」となるので、両者が再び一致する。このように、本実施形態では、上乗せ演出の度に、「液晶表示時間」を「液晶タイマ」に合わせる処理を行うので、両者の間にずれが生じても、上乗せ演出によってそのずれを修正することができる。さらに、このずれの修正を、上乗せ演出のタイミングで行うので、遊技者に違和感を感じさせにくくすることができる。
なお、本実施形態では、確変状態における第1の判定報知演出の時間は15の倍数となるように構成されており、大当り遊技による特図1変動時間タイマの中断が生じた場合のみ、上述したような「液晶表示時間」と「液晶タイマ」とのずれが生じるが、仮に第1の判定報知演出の時間に15の倍数以外の時間が含まれており、両者の間にずれが生じる構成であっても、上述した処理により、ずれた状態が長時間継続することを防ぐことができる。
なお、「液晶タイマ」と「液晶表示時間」とが上乗せ演出の抽選時にずれていても、「液晶表示時間」が「液晶タイマ」よりも大きくなることはないため、上乗せ後の「液晶表示時間」が「主制御タイマ」を超える等の上乗せ不可能な「上乗せ時間」が抽選されることはない。
<メイン表示演出部の表示について>
確変有り時短状態の間、メイン表示演出部15Uでは、「上乗せ演出」が行われている時間以外の時間に「確変有り時短状態用演出」が行われる。「確変有り時短状態用演出」では、例えば、特定のキャラクターが走っている映像がメイン表示演出部15Uに表示される。そして、「上乗せ演出」が開始されると一旦「確変有り時短状態用演出」は表示されなくなり、「上乗せ演出」終了後に再び表示される。この「確変有り時短状態用演出」を表示することで、確変有り時短状態であることを遊技者に対して認識させることができる。
<上乗せ演出中の転落について>
前述したように極めてまれなケースであるが、「確変有り時短状態」で第2の当否判定権の大当り遊技が行われ、その大当り遊技でV確定口36Aに入球させることができずに「確変有り時短状態」から「確変無し時短状態」に転落することがある。また、「確変無し時短状態」は、前述したように、大当り当否判定で当りになる前に行われた大当り当否判定の外れ回数が、大当り判定上限回数に達した時点で終了して「通常状態」に転落する。このため、図12(A)に示すように、大当り判定上限回数の設定しだいでは、メイン表示演出部15Uで「確変有り時短状態用演出」が表示されている状態で、遊技状態が「確変無し時短状態」から「通常状態」にさらに「転落」し、すると、特別始動口33Aに殆ど遊技球が入賞しなくなるので遊技者が遊技状態の急変に気づき、演出内容と遊技状態との落差に違和感を覚える事態が起こり得る。
これに対し、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1の判定報知演出の最長実行時間より長く、「確変無し時短状態」が継続されるように、大当り判定上限回数が設定されている。具体的には、第1の判定報知演出の最長実行時間は、「確変有り時短状態」のときに実行され得る「360秒」であり、「確変無し時短状態」における第2の判定報知演出の実行時間は、「4秒」であるので、大当り判定上限回数は90回(=360/4)以上の値に設定されている。これにより、図12(B)に示すように、遊技状態が「確変無し時短状態」であるうちに、メイン表示演出部15Uにおける「確変有り時短状態」用の演出表示が終了する。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、「確変有り時短状態」用の演出表示が終了した後、ディスプレイ15のメイン表示演出部15Uに「確変無し時短状態」用の演出表示(例えば、「Danger」という表示)を行ってから、遊技状態が「確変無し時短状態」から「通常状態」にさらに転落すると同時に、ディスプレイ15のメイン表示演出部15Uの表示も「通常状態」用の演出表示に移行する。これにより、上記違和感を遊技者に与えることがなくなり、遊技を楽しませることができる。
また、上述した「確変有り時短状態」から「確変無し時短状態」への転落であって、特に、第2の当否判定権の大当り遊技の実行直前又は実行中に、メイン表示演出部15Uでの「上乗せ演出」(上乗せ後の「液晶表示時間」の表示)が開始され、その大当り遊技の終了後にも「上乗せ演出」が継続して実行されている場合には、大当り遊技の終了後に、「上乗せ演出」が行われる(上乗せ後の「液晶表示時間」が表示される)一方で、遊技状態が「確変有り時短状態」から「確変無し時短状態」に転落する。
ここで、遊技状態が「確変無し時短状態」に転落したことを受けて、残時間表示部15Hのカウントダウン表示(残時間報知演出)を直ちに終了してしまうと、大当り遊技の終了後に実行途中の「上乗せ演出」との間で、演出の整合性がとれなくなる。即ち、メイン表示演出部15Uでは、次の上乗せを意味する「上乗せ演出」が行われる一方で、残時間表示部15Hでは、「液晶表示時間」のカウントダウン表示が終了するという状態になる。
これに対し、本実施形態のパチンコ遊技機10によれば、「上乗せ演出」の実行途中で、第2の当否判定権の当りにより「確変有り時短状態」から「確変無し時短状態」へと転落した場合には、「上乗せ演出」が終了しかつ、「上乗せ演出」の表示内容通りに、残時間表示部15Hにブロック時間(上乗せ後のブロック時間)を表示してから、そのブロック時間のカウントダウン表示(残報知演出)の終了を早めるように構成してある。具体的には、例えば、上乗せ演出として、メイン表示演出部15Uに「18秒」という表示を行った状態で、大当り遊技が終了して「確変有り時短状態」から「確変無し時短状態」へと転落した場合には、上乗せ演出が終了した後で、残時間表示部15Hに一旦「18」と表示する。その後、残時間表示部15Hのカウントダウン速度を速めて、表示されている「液晶表示時間」よりも短い時間で(例えば、3秒以内に)残時間表示部15Hに表示されている「液晶表示時間」を「0」にする(このことを、適宜「時短演出」という)。これにより、「上乗せ演出」と「残時間報知演出」との間で演出の整合性を図ることができかつ、遊技状態と演出とを速やかに整合させることができる。なお、「時短演出」は「液晶表示時間」を「時短演出」の演出時間内に「0秒」にすることができればよく、例えばメイン表示演出部15Uに表示された「18秒」をカウントダウンすることなくいきなり「0秒」にしてもよい。なお、「時短演出」は、上乗せ演出が抽選されるタイミングで「上乗せ演出」に代わって実行される。これにより、上乗せ演出中に時短演出が実行される事態を防ぐことができる。
なお、上述した構成のうち、発射装置は本発明の「遊技球発射手段」に相当し、表示装飾枠20は本発明の「流下規制枠壁」に相当し、左側流下領域Raは本発明の「第1流下領域」に相当し、右側流下領域Rbは本発明の「第2流下領域」に相当する。また、サイド始動口32Aは本発明の「第1始動口」に相当し、特別始動口33Aは本発明の「第2始動口」に相当する。また、第1アタッカー口34A及び第2アタッカー口35Aは、本発明の「大入賞口」に相当する。また、第1基幹流下経路51及び第2案内流下経路62は本発明の「第1分岐路」に相当し、第2基幹流下経路52は本発明の「第2分岐路」に相当し、共通基幹経路50は本発明の「共通通過路」に相当する。また、第1案内流下経路61の進入口61Aは本発明の「転落口」に相当する。
<パチンコ遊技機10における本発明の作用・効果について>
以上が、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御フロー以外の説明である。次に、本実施形態のパチンコ遊技機10における本発明の作用・効果について説明し、その後に制御フローに関しては詳説することとする。
本実施形態のパチンコ遊技機10によれば、特別始動口33Aに入賞した場合には、サイド始動口32Aに入賞した場合よりも、大当り当否判定において「特典付き大当り」に当り易いから、特別始動口33Aとサイド始動口32Aとの間で「特典付き大当り」の当選確率を同一にした場合に比べて、趣向性を向上させることが可能となる。また、サイド始動口32Aは右側流下領域Rbに配置され、特別始動口33Aは左側流下領域Raより右側流下領域Rbを流下する遊技球の方が入賞し易くかつサイド始動口32Aより下流側となる位置に配置されているから、特別始動口33Aを狙って右側流下領域Rbで流下させた遊技球が、特別始動口33Aに辿り着く前にサイド始動口32Aに入賞してしまわないかというドキドキ感を抱かせて趣向性を高めることが可能となる。
また、右側流下領域Rbで遊技球を流下させて、特別始動口33Aとその特別始動口33Aを開放状態にするための始動ゲート30を狙うワクワク感と共に、それらの上流側のサイド始動口32Aに遊技球が入賞してしまわないかというドキドキ感を抱かせることが可能となる。
さらに、共通基幹経路50から第2基幹流下経路52へと振り分けられた遊技球が、サイド始動口32Aに向かうことなく始動ゲート30又は特別始動口33Aに向かうのに対し、共通基幹経路50から第1基幹流下経路51へと振り分けられた遊技球の一部が、サイド始動口32Aに入賞するようにし、残りを第2案内流下経路62と第2基幹流下経路52の下端同士の合流部から始動ゲート30又は特別始動口33Aに向かわせることが可能となる。これにより、共通基幹経路50から第2基幹流下経路52に振り分けられるか否かのドキドキ感と、第1基幹流下経路51と第2案内流下経路62との間に設けられた進入口61Aに転落するのか否かのドキドキ感を遊技者に与えることが可能となる。
<パチンコ遊技機10の電気的構成について>
次に、遊技機10の電気的構成について説明する。遊技機10の後面には図示しない主制御回路、サブ制御回路、液晶制御回路等の各制御回路、及び電源基板が設けられている。各制御回路は、電源基板から電源供給を受けて作動する。
主制御回路は、CPUとRAM及びROM、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータを主要部として備え、遊技に関わる主制御を行う。主制御回路のCPUは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、大当りや小当りの当否判定に関する乱数等も生成し、制御信号を他の制御回路及び中継回路等へ出力(送信)可能に構成されている。主制御回路のRAMは、特別図柄保留球数及び普通図柄保留球数の記憶領域、CPUで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPUの作業領域を備える。主制御回路のROMには、後述する主制御回路メインプログラムPG1(図13参照)や制御データ、普通図柄表示装置での変動表示に関する図柄変動データ等が書き込まれている他、「大当り」及び「小当り」の判定値等が書き込まれている。
サブ制御回路は、CPUとRAM及びROMを備えたマイクロコンピュータを主要部として備えている。サブ制御回路のCPUは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備えている。サブ制御回路のRAMは、各種データの記憶領域とCPUによる作業領域を有している。サブ制御回路のROMには、後述するサブ制御回路メインプログラムPG2(図53参照)や定数、ディスプレイ15に表示する演出等が記憶されている。そして、サブ制御回路は、主制御回路からの制御信号(受信コマンド)に基づいて液晶制御回路、音声制御回路等に信号を出力する。
液晶制御回路は、CPUとRAM及びROMを備えたマイクロコンピュータを主要部として備えている。液晶制御回路のRAMは、各種データの記憶領域とCPUによる作業領域を有している。液晶制御回路のROMには、後述する液晶制御プログラムPG3(図57参照)や定数等が記憶されている。そして、液晶制御回路は、サブ制御回路からの情報(液晶受信情報)に基づいて、ディスプレイ15に判定図柄、演出画像等を表示する。
<内部処理の説明で使用する用語について>
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10の内部処理を、図13から図71に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、以下の説明では、上述の構成における「小判定報知部」を「普通図柄」といい、上述の構成における「第1判定報知部15G」を「特図1(特別図柄1)」といい、上述の構成における「第2判定報知部25」を「特図2(特別図柄2)」という。そして、それぞれの図柄での「判定報知演出」のことを「変動」という。また、「特典無し大当り」と「特典付き大当り」をあわせて「大当り」という。
<主制御回路メインプログラムについて>
パチンコ遊技機10の電源をオンすると、パチンコ遊技機10に備えられた主制御回路が主制御回路メインプログラムPG1を実行する。図13に示すように、主制御回路メインプログラムPG1は、まず、CPU等の初期設定を行う(S1)。なお、初期設定(S1)は、主制御回路メインプログラムPG1が、電源オン後の1回目にランされたときだけ実行し、それ以降は実行しない。
初期設定(S1)に次いで、後述する割り込み処理(S5)を実行するまでの残余時間には、以下のステップS2〜S4の各処理をループして行う。まず、割り込みを禁止し(S2)、タイマ割り込みが入って来ても割り込み許可となるまで割り込み処理を行わないようにする。続いて、普通図柄・特別図柄乱数更新処理(S3)を実行する。この処理(S3)では、下記表3に示した乱数カウンタを1加算して更新する。更新したカウンタ値はRAMの更新値記憶領域に逐一記憶する。普通図柄・特別図柄乱数更新処理(S3)が終了すると、割り込みを許可し(S4)、割り込み処理(S5)を実行可能とする。
乱数カウンタとしては、表3に示したラベル−TRND−A,ラベル−TRND−AZ,ラベル−TRND−RC,ラベル−TRND−T,ラベル−TRND−B1,ラベル−TRND−B2,ラベル−TRND−B3,ラベル−TRND−H等のカウンタが設けられている。
これら乱数カウンタは、パチンコ遊技機10が電源オンされたときに0から始まって乱数更新処理(S3,S11)が行われると1加算され、「数値範囲」の最大値に至ると0にされて再び前記加算を繰り返す。
そして、始動ゲート30を遊技球が通過したときに、上記表3に示した乱数カウンタのうち、ラベル−TRND−Hのカウンタ値を取得し、RAMに記憶する。また、センター始動口31A、サイド始動口32A、特別始動口33Aに遊技球が入賞したときに、上記表3に示した乱数カウンタのうちラベル−TRND−H以外(ラベル−TRND−A、ラベル−TRND−AZ等)の各カウンタ値を取得して、RAMに記憶する。以下、上記3つの始動口31A,32A,33Aへの入賞時に取得される複数のカウンタ値(ラベル−TRND−A、ラベル−TRND−AZ等)を纏めて、適宜、「特別図柄関連カウンタ値」という。
ここで、RAMの乱数記憶領域には、入賞時に取得された特別図柄関連カウンタ値やラベル−TRND−Hのカウンタ値を、それぞれ保留の上限である「4つ」まで記憶可能となっている。そして、乱数記憶領域に記憶された各カウンタ値(乱数値)は、古いものから順に遊技に使用されるようになっている。
割り込み処理(S5)は、例えば、4msec周期で入力する割り込みパルスに従って実行される。そして、割り込み処理(S5)が終了してから、次に割り込み処理(S5)が開始するまでの残余処理期間中に、普通図柄・特別図柄乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値(表3参照)の更新処理を複数回に亘って繰り返し実行する。また、割り込み禁止状態のときに割り込みパルスが入力した場合は、割り込み処理(S5)をすぐには開始せず、割り込み許可(S4)となってから開始する。
メイン割り込み処理(S5)について説明する。図14に示すように、メイン割り込み処理(S5)では、まず、コマンド処理(S10)を行う。コマンド処理(S10)では、RAMの出力バッファにセットされた各種コマンドを、対応するサブ制御装置(例えば、表示制御装置、ランプ制御装置等)に出力する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S11)は、上記した主制御回路メインプログラムPG1のループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。即ち、上記表3に示した各種カウンタ値の更新処理は、メイン割り込み処理(S5)の実行期間内と、その残余処理期間(メイン割り込み処理(S5)の終了後、次のメイン割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)の両方で行われている。
<入賞時の処理について>
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S11)に次いで、始動入賞口スイッチ検出処理(S12)が実行される。始動入賞口スイッチ検出処理(S12)は、図15に示されており、始動ゲート30、センター始動口31A、サイド始動口32A、特別始動口33Aそれぞれの通過又は入賞に応じて、対応した保留球数の加算及び当否判定用の乱数取得を行う。詳細には、まず、遊技球が始動ゲート30を通過したか否かを判定する(S100)。遊技球が始動ゲート30を通過していれば(S100でYes)、ゲート通過処理(S101)を実行する。
図16に示すように、ゲート通過処理(S101)では、普通図柄保留球数(普通図柄の変動表示の保留回数)が4以上であるか(保留上限に達しているか)否かを判定し(S110)、4以上でなければ(S110でNo)、普通図柄保留球数を1加算し(S111)、普通図柄乱数取得処理(S112)を実行する。即ち、RAMの更新値記憶領域から普通図柄当否判定カウンタ値「ラベル−TRND−H」を乱数として取得してRAMの乱数格納領域に記憶する。一方、普通図柄保留球数が4以上である場合(S110でYes)はこの処理(S101)を抜ける。
次いで、図15に示すように、ステップS100の判定でNoになった後(始動ゲート30を通過していない場合)、及びゲート通過処理(S101)を行った後に、センター始動口31A又はサイド始動口32A(フローチャートでは「特図1始動入賞口」と表記する)に遊技球が入賞したか否かを判定する(S102)。そして、センター始動口31A又はサイド始動口32Aに遊技球が入賞していなければ(S102でNo)、特別始動口33A(フローチャートでは「特図2始動入賞口」と表記する)に遊技球が入賞したか否かを判定する(S106)。センター始動口31A又はサイド始動口32Aに遊技球が入賞していれば(S102でYes)、現在の特図1保留球数が4以上(保留上限)であるか判定する(S103)。特図1保留球数が4以上である場合(S103でYes)には、そのままこの処理(S12)を抜ける一方、特図1保留球数が4以上でなければ(S103でNo)、特図1保留球数を1加算し(S104)、特図関係乱数取得処理(S105)を実行する。具体的には、RAMの更新値記憶領域から、特別図柄関連カウンタ値(ラベル−TRND−A、ラベル−TRND−AZ等)を取得して、それらをRAMの乱数記憶領域に記憶する。そして、取得したカウンタ値に基づき当否判定結果及び変動時間を取得し、その内容を入賞コマンドに設定し、入賞コマンドをRAMの出力バッファにセットする。このとき、当否判定結果については、現在の遊技状態に拘わらず、高確率状態と低確率状態それぞれでの当否判定結果を取得し、両方を設定する。変動時間については、現在の遊技状態に応じたものを取得し、設定する。その後、この処理(S12)を抜ける。
センター始動口31A又はサイド始動口32Aに遊技球が入賞しておらず(S102でNo)、特別始動口33Aに遊技球が入賞していれば(S106でYes)、現在の特図2保留球数が4以上(保留上限)であるか判定する(S107)。特図2保留球数が4以上である場合(S107でYes)には、そのままこの処理(S12)を抜ける一方、特図2保留球数が4以上でなければ(S107でNo)、特図2保留球数を1加算し(S108)、特図関係乱数取得処理(S109)を実行する。この特図関係乱数取得処理(S109)は上記した、特図1保留球数の加算処理(S104)の後に実行される特図関係乱数取得処理(S105)と同じである。その後、この処理(S12)を抜ける。
<普通図柄による当否判定及び入賞口の開閉制御について>
図14に示すように、始動入賞口スイッチ検出処理(S12)に次いで、普通動作処理(S13)を行う。この処理(S13)では、始動ゲート30の通過を条件に取得(RAMの乱数記憶領域に記憶)した普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)に基づいて「小当り遊技」を行うか否かの「小当り判定」を行うと共に、その判定結果が「小当り」である場合には、特別始動口33Aに設けられた始動口扉33Tを開閉させる。
詳細には、図17に示すように、まず、始動口扉33T(フローチャートでは「開閉部材」と表記する)が前側に倒れて特別始動口33Aが開放する「小当り遊技」の実行中か否かを判定する(S120)。「小当り遊技」中である場合(S120でYes)には、予め定められた小当り遊技期間を過ぎたか否かを判定する(S121)。小当り遊技期間を過ぎていない場合(S121でNo)には、この処理(S13)を抜ける一方、小当り遊技期間を過ぎた場合(S121でYes)は、小当り遊技の終了処理として、開閉部材閉鎖処理(S122)を行ってから、この処理(S13)を抜ける。
小当り遊技が実行中ではない場合(S120でNo)には、始動ゲート30に係る普通図柄保留球数が0か否かを判定する(S123)。普通図柄保留球数が「0」である場合(S123でYes)には、この処理(S13)を抜ける一方、「0」でない場合(S123でNo)には、RAMに記憶されている普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)をロードする(S134)。
次いで、現在の小当り判定が「高確率」で行われているか否かを判定し(S125)、高確率で行われている場合(S125でYes)には、高確率用の当否判定値と、ロードした普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)とを照合して小当り判定を行う(S126)。ここで、小当り判定では、遊技状態が確変の有無に拘わらず「時短状態」のときに、小当たり判定が「高確率」で行われている、と判定している。その判定結果が、「小当り」であった場合(S126でYes)には、小当り遊技を実行する(S127)。高確率で当選したときの小当り遊技は、例えば、「1回あたり2秒間の開放を3回繰り返す」という内容になっている。
また、現在の小当り判定が高確率で行われていない(低確率で行われている)場合(S125でNo)には、低確率用の当否判定値と、ロードした普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)とを照合して小当り判定を行う(S128)。その判定結果が「小当り」であった場合(S128でYes)には、小当り遊技を実行する(S129)。低確率で当選したときの小当り遊技は、例えば、「1秒間の開放を1回だけ行う」という内容になっている。
ロードした普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)が、当否判定値と一致しなかった場合(S126又はS128でNo)は、小当り遊技を実行せずに、この処理(S13)を抜ける。
<特別図柄による当否判定の制御について>
図14に示すように、普通動作処理(S13)に次いで、特別動作処理(S14)を行う。この処理(S14)は、図18に示されており、特図1に係る動作状態を表す特図1動作ステータスと、特図2に係る動作状態を表す特図2動作ステータスを判定し、大当り動作中(特図1動作ステータス又は特図2動作ステータスが「4」〜「8」のとき。以降「大当り動作中」という)の場合には、特図1大当り動作処理又は特図2大当り動作処理を実行する。大当り動作中でない場合には、特図1の変動処理及び大当り判定処理、特図2の変動処理及び大当り判定処理を順に行う。
詳細には、まず、大当り動作中か否かを判定する(S130)。大当り動作中の場合(S130でYes)は、特図1による大当り動作中(特図1動作ステータスが「4」〜「8」)であった場合には特図1大当り動作処理(S131A)を実行し、特図2による大当り動作中(特図2動作ステータスが「4」〜「8」)であった場合には特図2大当り動作処理(S131B)を実行して、この処理(S14)を抜ける。なお、特図1による大当り動作と特図2による大当り動作とが同時に発生する(特図1動作ステータスと特図2動作ステータスとが同時に「4」〜「8」になる)ことはない。大当り動作中でない場合(S130でNo)には、特図2が「大当り確定」であるか否か(特図2動作ステータスが「3」であるか否か)を判定する(S132)。特図2が「大当り確定」でない場合(S132でNo)には、特図1が変動中でないか否か(特図1動作タイマが「0」であるか否か)を判定し(S133)、特図1が変動中の場合(S133でNo)には、特図1動作タイマ(特図1の変動時間)を減算(本実施例では4[ms]減算)する(S134)。次いで、ステップS133の判定でYesになった後(特図1が変動中でない場合)、及び特図1動作タイマの減算処理(S134)を行った後に、特図1変動動作処理(S135)を実行する。このときの特図1動作ステータスは「0」〜「3」の何れかになっている。次いで、大当り動作中か否かを判定し(S136)、大当り動作中の場合(S136でYes)には、この処理(S14)を抜ける。
ステップS132の判定でYesになった後(特図2が「大当り確定」である場合)、及び特図1変動動作処理(S135)の後で大当り動作中でない場合(S136でNo)には、特図1が「大当り確定」であるか否か(特図1動作ステータスが「3」であるか否か)を判定し(S137)、特図1が「大当り確定」である場合(S137でYes)には、この処理(S14)を抜ける。特図1が「大当り確定」でない場合(S137でNo)には、特図2が変動中でないか否か(特図2動作タイマが「0」であるか否か)を判定し(S138)、特図2が変動中の場合(S138でNo)には、特図2動作タイマを4[ms]減算する(S139)。次いで、ステップS138の判定でYesになった後(特図2が変動中でない場合)、及び特図2動作タイマの減算処理(S139)を行った後に、特図2変動動作処理(S140)を実行する。このときの特図2動作ステータスは「0」〜「3」の何れかになっている。その後、この処理(S14)を抜ける。
このような処理構成とすることで、特図1と特図2とを同時変動させつつ、一方の特図で大当りが発生した場合には、大当り確定から大当り動作が終了するまでの間は他方の特図の変動が延長(変動時間の計測を行わないことで当該変動が終了しないように構成し、変動が終了しないことで次の当否判定を行わないようにしている)されるので、両方の特図で大当りが発生することがないようにすることが可能になる。また、特図2での大当り判定より特図1の大当り判定を優先的に処理することが可能になる。
<特別図柄1による当否判定について>
図19に示される特図1変動動作処理(S135)では、特図1動作ステータスを判定し(S150)、処理を分岐する。特図1動作ステータスが「0」である場合(S150で「0」)には特図1待機処理(S151)を行い、特図1動作ステータスが「1」である場合(S150で「1」)には特図1変動処理(S152)を行い、特図1動作ステータスが「2」である場合(S150で「2」)には特図1外れ確定処理(S153)を行い、特図1動作ステータスが「3」である場合(S150で「3」)には特図1大当り確定処理(S154)を行う。以下、これら各処理(S151,S152,S153,S154)を順に説明する。
図20に示される特図1待機処理(S151)では、特図1の保留が存在する場合には、最も古い特図1の保留の情報を利用して、特図1による大当りの判定及び特図1の変動表示に必要な情報の設定を行い、特図1の保留が存在しない場合には待機画面の設定を行う。詳細には、まず、特図1の保留があるか否か(特図1保留球数が「0」でないか否か)を判定する(S200)。特図1の保留がない場合(S200でNo)には、ディスプレイ15が待機画面になっている(例えば、待機中フラグがON)か否かをチェックする(S201)。そして、待機画面である場合(S201でYes)には、直ちにこの処理(S151)を抜ける一方、待機画面でない場合(S201でNo)には、待機画面設定処理(S202。例えば、待機中フラグをON)を行ってから、この処理(S151)を抜ける。
特図1の保留がある場合(S200でYes)には、特図2が当否判定結果が当りとなる変動中(以下、大当り変動中という)であるか否か(特図2大当りフラグがONであるか否か)を判定する(S203)。特図2が大当り変動中の場合(S203でYes)には、特図1大当りフラグをOFFにする(S204)。即ち、特図2の大当り変動中に消化された特図1保留球は全て強制的に外れとなる。特図2が大当り変動中でない場合(S203でNo)は、特図1大当り判定処理(S205)を行う。
図21に示すように、特図1大当り判定処理(S205)では、まず、センター始動口31A又はサイド始動口32Aへの入賞時に取得(RAMの乱数記憶領域に記憶)した特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)をロードする(S300)。次いで、現状が高確率状態か否かをチェックし(S301)、高確率状態ではない場合(S301でNo)は、特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が低確率状態時の判定値と一致した「大当り」か否かをチェックする(S302)。特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が何れの判定値とも一致しなかった場合、即ち、「外れ」である場合(S302でNo)には、特図1大当りフラグをOFFにして(S303)、この処理(S205)を抜ける。また、高確率状態である場合(S301でYes)には、特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が、高確率状態時の判定値の何れかと一致した「大当り」か否かをチェックする(S304)。特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が何れの判定値とも一致しなかった場合、即ち、「外れ」である場合(S304でNo)には、特図1大当りフラグをOFFにして(S305)、この処理(S205)を抜ける。上述したように、センター始動口31A、サイド始動口32Aへの入賞から「大当り」に当選する確率は、高確率状態で1/10であり、低確率状態で1/99である。
一方、各ステップS302,S304において、特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が予め設定された判定値と一致した場合、即ち「大当り」に当選した場合(S302でYes又はS304でYes)には、特図1大当りフラグをONにして(S306)、その「大当り」の種別が、V確定口36Aへの遊技球の通過を許容する「特典付き大当り」であるか否かを判定し、当りコマンドを設定する(S307)。具体的には、例えば、大当り図柄乱数値(ラベル−TRAND−AZ)が予め定めた値である場合に「特典付き大当り」であると判定し、その値以外である場合に「特典付き大当り」ではないと判定する。「特典付き大当り」の場合には、第2大当りフラグをONし、「特典付き大当り」ではない(「特典無し大当り」である)場合には第2大当りフラグをOFFする。その後、この処理(S205)を抜ける。本実施形態では、ステップS307において、20%の確率で「特典付き大当り」と判定されるように設定されている。
<特別図柄1の変動内容の決定について>
ステップS204及び特図1大当り判定処理(S205)に次いで行う特図1図柄選択処理(S206)(図20参照)では、第1判定報知部15Gに停止表示させる判定図柄を決定する。
図22に示すように、特図1図柄選択処理(S206)では、まず、特図1が大当りか否か(特図1大当りフラグがONか否か)を判定する(S320)。大当りであれば(S320でYes)、センター始動口31A又はサイド始動口32Aへの入賞時に取得(RAMに記憶)した大当り図柄乱数値(ラベル−TRND−AZ)を、RAMの出力バッファにセットし(S321)、この処理(S206)を抜ける。即ち、3つの判定図柄が、全て大当り図柄乱数値(ラベル−TRND−AZ)と同じ図柄(ゾロ目)になるようにセットする。
一方、特図1が大当りでなければ(S320でNo)、RAMから左図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B1)、中図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B2)、右図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B3)の値をロードする(S322)。そして、これら3つの乱数値が一致しているか否かを判定し(S323)、一致していれば(S323でYes)、センター始動口31A又はサイド始動口32Aへの入賞時に取得したリーチ有無決定用乱数値(ラベル−TRND−RC、以下、「リーチ乱数値」という)が予め設定されたリーチ判定値と一致しているか否かを判定する(S324)。リーチ判定値と一致していない場合(S324でNo)は、右図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B3)を左図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B1)に1加算した値にして、これら3つの図柄決定用乱数値をRAMの出力バッファにセットする(S326)。つまり、左、中の判定図柄を同一図柄とし、右の判定図柄だけを異ならせた「リーチ無し外れ」の組み合わせとなるようにセットする。また、リーチ判定値と一致していれば(S324でYes)、中図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B2)を左図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B1)に1加算した値にして、これら3つの図柄決定用乱数値をRAMの出力バッファにセットする(S325)。つまり、左、右の判定図柄を同一図柄とし、中の判定図柄だけを異ならせた「リーチ外れ」の組み合わせとなるようにセットする。
ステップS323において、左・中・右の各乱数値が一致していなければ(S323でNo)、続いて、左・右の乱数値が一致しているか否かを判定する(S327)。そして、左・右の乱数値が一致していれば(S327でYes)、リーチ乱数値(ラベル−TRND−RC)がリーチ判定値と一致しているか否かを判定する(S328)。リーチ判定値と一致していなければ(S328でNo)、ステップS326に進んで、「リーチ無し外れ」の組み合わせとなるようにセットする。一方、リーチ乱数値(ラベル−TRND−RC)がリーチ判定値と一致していれば(S328でYes)、ステップS322でロードした3つの図柄決定用乱数値(ラベル−TRAND−B1,B2,B3)をそのままRAMの出力バッファにセットする(S329)。つまり、「リーチ外れ」の組み合わせとなるようにセットする。
ステップS327において、左・右の両乱数値が一致していなければ(S327でNo)、リーチ乱数値(ラベル−TRND−RC)がリーチ判定値と一致しているか否かを判定し(S330)、一致していなければ(S330でNo)、ステップS329に進んで、「リーチ無し外れ」の組み合わせにセットする。一方、リーチ判定値と一致していれば(S330でYes)、右図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B3)を左図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B1)と同一値とし、中図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B2)を左図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B1)に1加算した値にして、RAMの出力バッファにセットする(S331)。つまり、強制的に「リーチ外れ」の組み合わせとなるようにセットする。以上の処理で、判定図柄の停止表示図柄が決定したら、その他の処理(S332)を行ってこの処理(S206)を抜ける。
図20に示すように、特図1図柄選択処理(S206)に次いで、特図1変動態様選択処理(S207)を実行する。この処理(S207)では、大当り当否判定の結果やリーチの有無等に基づいて、判定図柄が停止表示するまでの変動表示態様に関するデータを選択する。
詳細には、図23に示すように、特図1変動態様選択処理(S207)では、まず、現状が高確率状態か否かをチェックする(S340)。高確率状態の場合(S340でYes)は、次いで、特図1大当りフラグがONか否かを判定し(S341)、ONの場合(S341でYes)には、「確変大当り」用の変動態様テーブルの中から、変動態様決定用乱数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データを選択する(S342)。
一方、ステップS341において、特図1大当りフラグがONでない場合(S341でNo)には、リーチ乱数値(ラベル−TRND−RC)がリーチ判定値と一致したか否かを判定する(S343)。
リーチ成立の場合(S343でYes)は、「確変リーチ外れ」用の変動態様テーブルの中から、変動態様決定用乱数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データを選択する(S344)。一方、リーチ不成立の場合(S343でNo)は、「確変リーチ無し外れ」用の変動態様テーブルの中から、変動態様決定用乱数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データを選択する(S345)。
高確率状態ではない場合(S340でNo)は、次いで、特図1大当りフラグがONか否かを判定し(S346)、ONの場合(S346でYes)には、「通常大当り」用の変動態様テーブルの中から、変動態様決定用乱数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データを選択する(S347)。
一方、ステップS346において、特図1大当りフラグがONでない場合(S346でNo)には、リーチ乱数値(ラベル−TRND−RC)がリーチ判定値と一致したか否かを判定する(S348)。
リーチ成立の場合(S348でYes)は、「通常リーチ外れ」用の変動態様テーブルの中から、変動態様決定用乱数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データを選択する(S349)。一方、リーチ不成立の場合(S348でNo)は、「通常リーチ無し外れ」用の変動態様テーブルの中から、変動態様決定用乱数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データを選択する(S350)。
ここで、ステップS342で設定される「確変大当り」の変動時間は30秒、ステップS344,S345で設定される「確変リーチ外れ」、「確変リーチ無し外れ」の変動時間は30〜360秒、ステップS347,S349,S350で設定される「通常大当り」、「通常リーチ外れ」、「通常リーチ無し外れ」の変動時間は15〜180秒になるよう設定されている。
その後、選択した変動態様に応じたコマンドをRAMの出力バッファにセットし(S351)、その他の処理(S352)を行って、この処理(S207)を抜ける。このとき、その他の処理(S352)では、変動時間を特図1動作タイマに設定する処理も行っている。
<特別図柄1の保留繰り上げについて>
図24に示すように、特図1変動態様選択処理(S207)に続いて、特図1乱数シフト処理(S208)を行う。この処理(S208)では、最も古い特図1の保留の情報を処理した後に、残りの特図1の保留の情報を繰り上げる処理を行う。具体的には、図24に示すように、特図1保留球数を1減算し(S360)、RAMの特図1保留記憶に対応する乱数記憶領域に記憶されている各種乱数を1つずつ下位側の乱数記憶領域にシフトさせて(S361)、最上位(4個目)の乱数記憶領域をクリアする(S362)。
<特別図柄1の変動の制御について>
図20に示すように、特図1乱数シフト処理(S208)に続いて、特図1変動開始処理(S209)を行う。詳細には、図25に示すように、特図1変動態様選択処理(S207)で選択された変動態様の変動時間を特図1変動開始コマンドに設定し(S370)、特図1変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S371)。
図20に示すように、特図1変動開始処理(S209)に続いて、特図1動作ステータスを「1(変動)」に設定する処理(S210)を行い、時短回数の減算判定処理(S211)を行う。時短回数の減算判定処理(S211)では、低確率状態かつ時短状態の場合に設定される時短カウンタを用いて、時短回数の減算を行い、時短カウンタが「0」になった場合には時短状態を終了する。詳細には、図70に示すように、時短カウンタが「0」か否かを判定し(S1200)、「0」の場合(S1200でYes)はこの処理(S211)を抜ける。時短カウンタが残っている場合(S1200でNo)には、時短カウンタを1減算し(S1201)、その後に時短カウンタが「0」か否かを判定する(S1202)。そして、時短カウンタが残っている場合(S1202でNo)にはこの処理(S211)を抜ける。時短カウンタが「0」の場合(S1202でYes)には、時短フラグをOFFし(S1203)、時短終了コマンドをRAMの出力バッファにセットして(S1204)、時短回数の減算判定処理(S211)を抜ける。その後、特図1待機処理(S151)を抜ける。以上が、特図1待機処理(S151)の説明である。
次に、特図1変動動作処理(S135)(図19参照)における特図1変動処理(S152)を、図26に基づいて説明する。この処理(S152)では、特図1の変動表示が終わった後で、特図1の当否判定結果が外れの場合には特図1動作ステータスを「外れ確定」に設定し、大当りの場合には特図1動作ステータスを「大当り確定」に設定する。詳細には、まず、特図1が変動中でないか否か(特図1動作タイマが「0」であるか否か)を判定し(S380)、変動中の場合(S380でNo)には、この処理(S152)を抜ける。特図1が変動中でない場合(S380でYes)には、確定処理の基本設定(例えば、特図1動作タイマの設定)を行い、特図1動作ステータスに「2(外れ確定)」を設定する(S381)。次いで、特図1大当りフラグがONか否かを判定し(S382)、特図1大当りフラグがONでない場合(S382でNo)には、この処理(S152)を抜ける。特図1大当りフラグがONの場合(S382でYes)には、特図1動作ステータスに「3(大当り確定)」を設定し(S383)、この処理(S152)を抜ける。
次に、特図1変動動作処理(S135)(図19参照)における特図1外れ確定処理(S153)を、図27に基づいて説明する。この処理(S153)では、外れの変動確定後、特図1動作ステータスを「待機」に戻す処理を行う。詳細には、まず、所定の時間が経過したか否か(特図1動作タイマが「0」であるか否か)を判定し(S390)、経過していない場合(S390でNo)には、この処理(S153)を抜ける。所定の時間が経過した場合(S390でYes)には、待機処理の基本設定を行い、特図1動作ステータスに「0(待機)」を設定し(S391)、この処理(S153)を抜ける。
次に、特図1変動動作処理(S135)(図19参照)における特図1大当り確定処理(S154)を、図28に基づいて説明する。この処理(S154)では、大当りの変動確定後、特図1動作ステータスを「大当り開始」に設定する。詳細には、まず、所定の時間が経過したか否か(特図1動作タイマが「0」であるか否か)を判定し(S400)、経過していない場合(S400でNo)には、この処理(S154)を抜ける。所定の時間が経過した場合(S400でYes)には、大当りオープニングコマンド(以下、適宜「大当りOPコマンド」という)をRAMの出力バッファにセットするなど、大当り動作の設定を行い、特図1大当りフラグをOFFして、特図1動作ステータスに「4(大当り開始)」を設定し(S401)、この処理(S154)を抜ける。
<特別図柄2による当否判定について>
次に、図29〜図37を用いて特図2の変動動作処理について説明する。特図2の変動動作処理は、参照及び設定するパラメータが特図2に係るものであることと、特別図柄及び変動態様の選択処理(S506,S507)が特図1の場合と異なることを除けば、図19〜図28に示した特図1の変動動作処理と同じである。
図29に示される特図2変動動作処理(S140)では、特図2動作ステータスを判定し(S160)、処理を分岐する。特図2動作ステータスが「0」である場合(S160で「0」)には特図2待機処理(S161)を行い、特図2動作ステータスが「1」である場合(S160で「1」)には特図2変動処理(S162)を行い、特図2動作ステータスが「2」である場合(S160で「2」)には特図2外れ確定処理(S163)を行い、特図2動作ステータスが「3」である場合(S160で「3」)には特図2大当り確定処理(S164)を行う。以下、これら各処理(S161,S162,S163,S164)を順に説明する。
図30に示される特図2待機処理(S161)では、特図2の保留が存在する場合には、最も古い特図2の保留の情報を利用して、特図2による大当りの判定及び特図2の変動表示に必要な情報の設定を行い、特図2の保留が存在しない場合には待機画面の設定を行う。詳細には、まず、特図2の保留があるか否か(特図2保留球数が「0」でないか否か)を判定する(S500)。特図2の保留がない場合(S500でNo)には、ディスプレイ15が待機画面になっている(例えば、待機中フラグがON)か否かをチェックする(S501)。そして、待機画面である場合(S501でYes)には、直ちにこの処理(S161)を抜ける一方、待機画面でない場合(S501でNo)には、待機画面設定処理(S502。例えば、待機中フラグをON)を行ってから、この処理(S161)を抜ける。
特図1の保留がある場合(S500でYes)には、特図1が大当り変動中であるか否か(特図1大当りフラグがONであるか否か)を判定する(S503)。特図1が大当り変動中の場合(S503でYes)には、特図2大当りフラグをOFFにする(S504)。即ち、特図1の大当り変動中に消化された特図2保留球は全て強制的に外れとなる。特図1大当りフラグがONでない場合(S503でNo)は、特図2大当り判定処理(S505)を行う。
図31に示すように、特図2大当り判定処理(S505)では、まず、特別始動口33Aへの入賞時に取得(RAMの乱数記憶領域に記憶)した特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)をロードする(S600)。次いで、現状が高確率状態か否かをチェックし(S601)、高確率状態ではない場合(S601でNo)は、特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が低確率状態時の判定値と一致した「大当り」か否かをチェックする(S602)。特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が何れの判定値とも一致しなかった場合、即ち、「外れ」である場合(S602でNo)には、特図2大当りフラグをOFFにして(S603)、この処理(S605)を抜ける。また、高確率状態である場合(S601でYes)には、特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が、高確率状態時の判定値の何れかと一致した「大当り」か否かをチェックする(S604)。特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が何れの判定値とも一致しなかった場合、即ち、「外れ」である場合(S604でNo)には、特図2大当りフラグをOFFにして(S605)、この処理(S505)を抜ける。上述したように、特別始動口33Aへの入賞から「大当り」に当選する確率は、高確率状態で1/10であり、低確率状態で1/99である。
一方、各ステップS602,S604において、特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が予め設定された判定値と一致した場合、即ち「大当り」に当選した場合(S602でYes又はS604でYes)には、特図2大当りフラグをONにして(S606)、その「大当り」の種別が、V確定口36Aへの遊技球の通過を許容する「特典付き大当り」であるか否かを判定し、当りコマンドを設定する(S607)。具体的には、例えば、大当り図柄乱数値(ラベル−TRAND−AZ)が予め定めた値である場合に「特典付き大当り」であると判定し、その値以外である場合に「特典付き大当り」ではないと判定する。「特典付き大当り」の場合には、第2大当りフラグをONし、「特典付き大当り」ではない(「特典無し大当り」である)場合には第2大当りフラグをOFFする。その後、この処理(S505)を抜ける。本実施形態では、ステップS607において、「特典付き大当り」と判定される確率は100%に設定されている。つまり、特別始動口33Aへの入賞から発生する大当りは、全て「特典付き大当り」である。
<特別図柄2の変動内容の決定について>
図30に示すように、特図2大当り判定処理(S505)に次いで、特図2図柄選択処理(S506)を実行する。この処理(S506)は、大当り当否判定の結果やリーチの有無等に基づいて、特図2の表示内容を決定する。
図30に示すように、特図2図柄選択処理(S506)に次いで、特図2変動態様選択処理(S507)を実行する。この処理(S507)は、大当り当否判定の結果やリーチの有無等に基づいて、特図2の変動表示態様に関するデータを選択する。
詳細には、図32に示すように、特図2変動態様選択処理(S507)では、まず、現状が高確率状態か否かをチェックする(S640)。高確率状態の場合(S640でYes)は、次いで、特図2大当りフラグがONか否かを判定し(S641)、ONの場合(S641でYes)には、「確変大当り」用の変動態様テーブルの中から、変動態様決定用乱数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データを選択する(S642)。
一方、ステップS641において、特図2大当りフラグがONでない場合(S641でNo)には、リーチ乱数値(ラベル−TRND−RC)がリーチ判定値と一致したか否かを判定する(S643)。
リーチ成立の場合(S643でYes)は、「確変リーチ外れ」用の変動態様テーブルの中から、変動態様決定用乱数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データを選択する(S644)。一方、リーチ不成立の場合(S643でNo)は、「確変リーチ無し外れ」用の変動態様テーブルの中から、変動態様決定用乱数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データを選択する(S645)。
高確率状態ではない場合(S640でNo)は、次いで、特図2大当りフラグがONか否かを判定し(S646)、ONの場合(S646でYes)には、「通常大当り」用の変動態様テーブルの中から、変動態様決定用乱数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データを選択する(S647)。
一方、ステップS646において、特図2大当りフラグがONでない場合(S646でNo)には、リーチ乱数値(ラベル−TRND−RC)がリーチ判定値と一致したか否かを判定する(S648)。
リーチ成立の場合(S648でYes)は、「通常リーチ外れ」用の変動態様テーブルの中から、変動態様決定用乱数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データを選択する(S649)。一方、リーチ不成立の場合(S648でNo)は、「通常リーチ無し外れ」用の変動態様テーブルの中から、変動態様決定用乱数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データを選択する(S650)。
ここで、ステップS642,S644,S645で設定される「確変大当り」、「確変リーチ外れ」、「確変リーチ無し外れ」の変動時間は2秒、ステップS647,S649,S650で設定される「通常大当り」、「通常リーチ外れ」、「通常リーチ無し外れ」の変動時間は15〜180秒になるよう設定されている。
その後、選択した変動態様に応じたコマンドをRAMの出力バッファにセットし(S651)、その他の処理(S652)を行って、この処理(S507)を抜ける。このとき、その他の処理(S652)では、変動時間を特図2動作タイマに設定する処理も行っている。
<特別図柄2の保留繰り上げについて>
図30に示すように、特図2変動態様選択処理(S507)に続いて、特図2乱数シフト処理(S508)を行う。この処理(S508)では、最も古い特図2の保留の情報を処理した後に、残りの特図2の保留の情報を繰り上げる処理を行う。具体的には、図33に示すように、特図2保留球数を1減算し(S660)、RAMの特図2保留記憶に対応する乱数記憶領域に記憶されている各種乱数を1つずつ下位側の乱数記憶領域にシフトさせて(S661)、最上位(4個目)の乱数記憶領域をクリアする(S662)。
<特別図柄2の変動の制御について>
図30に示すように、特図2乱数シフト処理(S508)に続いて、特図2変動開始処理(S509)を行う。詳細には、図34に示すように、特図2変動態様選択処理(S507)で選択された変動態様の変動時間を特図2変動開始コマンドに設定し(S670)、特図2変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S671)。
図30に示すように、特図2変動開始処理(S509)に続いて、特図2動作ステータスを「1(変動)」に設定する処理(S510)、時短回数の減算判定処理(S511)等、特図2の変動開始に必要な処理を行ってから、特図2待機処理(S161)を抜ける。この時短回数の減算判定処理(S511)は、特図1変動開始処理(S209)で実行される時短回数の減算判定処理(S211)と同じである。以上が、特図2待機処理(S161)の説明である。
次に、特図2変動動作処理(S140)(図29参照)における特図2変動処理(S162)を、図35に基づいて説明する。この処理(S162)では、特図2の変動表示が終わった後で、特図2の当否判定結果が「外れ」の場合は特図2動作ステータスを「外れ確定」に設定し、大当りの場合は特図2動作ステータスを「大当り確定」に設定する。詳細には、まず、特図2が変動中でないか否か(特図2動作タイマが「0」であるか否か)を判定し(S680)、変動中の場合(S680でNo)には、この処理(S162)を抜ける。特図1が変動中でない場合(S680でYes)には、確定処理の基本設定(例えば、特図2動作タイマの設定)を行い、特図2動作ステータスに「2(外れ確定)」を設定する(S681)。次いで、特図2大当りフラグがONか否かを判定し(S682)、特図2大当りフラグがONでない場合(S682でNo)には、この処理(S162)を抜ける。特図2大当りフラグがONの場合(S682でYes)には、特図2動作ステータスに「3(大当り確定)」を設定し(S683)、この処理(S162)を抜ける。
次に、特図2変動動作処理(S140)(図29参照)における特図2外れ確定処理(S163)を、図36に基づいて説明する。この処理(S163)では、外れの変動確定後、特図2動作ステータスを「待機」に戻す処理を行う。詳細には、まず、所定の時間が経過したか否か(特図2動作タイマが「0」であるか否か)を判定し(S690)、経過していない場合(S690でNo)には、この処理(S163)を抜ける。所定の時間が経過した場合(S690でYes)には、待機処理の基本設定を行い、特図2動作ステータスに「0(待機)」を設定し(S691)、この処理(S163)を抜ける。
次に、特図2変動動作処理(S140)(図29参照)における特図2大当り確定処理(S164)を、図37に基づいて説明する。この処理(S164)では、当りの変動確定後、特図2動作ステータスを「大当り開始」に設定する。詳細には、まず、所定の時間が経過したか否か(特図2動作タイマが「0」であるか否か)を判定し(S700)、経過していない場合(S700でNo)には、この処理(S164)を抜ける。所定の時間が経過した場合(S700でYes)には、大当り動作の設定を行い、特図2大当りフラグをOFFして、特図2動作ステータスに「4(大当り開始)」を設定し(S701)、この処理(S164)を抜ける。
<大当り動作の制御の概要について>
図18に示す特図1大当り動作処理(S131A)を、図38に基づいて説明する。同図に示すように、この処理(S131A)では、まず、特図1上大入賞口内処理(S170)を実行し、次いで、特図1動作ステータスを判定し(S171)、処理を分岐する。特図1動作ステータスが「4」である場合(S171で「4」)には特図1大当り開始処理(S172)を行い、特図1動作ステータスが「5」である場合(S171で「5」)には特図1大入賞口開放処理(S173)を行い、特図1動作ステータスが「6」である場合(S171で「6」)には特図1大入賞口閉鎖1処理(S174)を行い、特図1動作ステータスが「7」である場合(S171で「7」)には特図1大入賞口閉鎖2処理(S175)を行い、特図1動作ステータスが「8」である場合(S171で「8」)には特図1大当り終了処理(S176)を行う。
特図2大当り動作処理(S131B)を、図39に基づいて説明する。同図に示すように、この処理(S131B)では、まず、特図2上大入賞口内処理(S180)を実行し、次いで、特図2動作ステータスを判定し(S181)、処理を分岐する。特図2動作ステータスが「4」である場合(S181で「4」)には特図2大当り開始処理(S182)を行い、特図2動作ステータスが「5」である場合(S181で「5」)には特図2大入賞口開放処理(S183)を行い、特図2動作ステータスが「6」である場合(S181で「6」)には特図2大入賞口閉鎖1処理(S184)を行い、特図2動作ステータスが「7」である場合(S181で「7」)には特図2大入賞口閉鎖2処理(S185)を行い、特図2動作ステータスが「8」である場合(S181で「8」)には特図2大当り終了処理(S186)を行う。
以下、これら各処理(S170,S180,S172,S173,S174,S175,S176,S182,S183,S184,S185,S186)を順に説明する。以降の処理では、特図1による大当りと特図2による大当りとで同じ処理になるので、「特図1上大入賞口内処理」、「特図1動作ステータス」など特図1と特図2に関連した文言は、「上大入賞口内処理」、「動作ステータス」など「特図1」、「特図2」を省略して表記する。
<大当り動作の設定及び上大入賞口の制御について>
図40に示される上大入賞口内処理(S170,S180)では、遊技球が第2アタッカー口35A(フローチャートでは「上大入賞口」と表記する)に入賞した後に、V確定口36A(フローチャートでは「確変領域」と表記する)を通過したかどうかの判定を行う。詳細には、まず、第2アタッカー口35Aに入賞可能か否か(大当り動作中かつ、ラウンドカウンタが「2」か否か)を判定し(S710)、第2アタッカー口35Aに入賞可能でない場合(S710でNo)はこの処理(S170,S180)を抜ける。第2アタッカー口35Aに入賞可能の場合(S710でYes)は、確変領域ソレノイド動作処理(S711)を実行する。
図41に示される確変領域ソレノイド動作処理(S711)では、進入規制部材36B(フローチャートでは「確変領域ソレノイド」と表記する)の開閉動作及び、V確定口36A通過の検出を行うか否かの設定を行う。進入規制部材36Bは大当り遊技の開始後、アタッカー扉35Tの開閉状態とは連動しない、時間経過による開閉動作を行う。また、V確定口36A通過の検出を行うか否かも時間経過により切り替わる。この開閉動作及び検出判定をまとめたものが表4である。開閉状態及び検出判定の有効無効は確変領域動作カウンタにより決定され、確変領域動作カウンタは確変領域実行時間が経過することによりカウントアップされる。
図41に示される確変領域ソレノイド動作処理(S711)について詳細に説明する。確変領域ソレノイド動作処理(S711)では、まず、確変領域動作カウンタをRAMからロードし(S720)、進入規制部材36Bの動作が完了しているか否か(確変領域動作カウンタが「10」以上か否か)を判定し(S721)、進入規制部材36Bの動作が完了している場合(S721でYes)には、この処理(S711)を抜ける。進入規制部材36Bが動作中の場合(S721でNo)には、現在の動作の残り時間があるか否か(確変領域実行時間が「0」でないか否か)を判定し(S722)、残り時間がある場合(S721でYes)には、この処理(S711)を抜ける。現在の動作の残り時間がない場合(S722でNo)には、確変領域動作カウンタを1加算し(S723)、加算後の確変領域動作カウンタをRAMからロードする(S724)。次いで、V確定口36Aが遊技球の通過を検出するか否か(確変領域動作カウンタに対応した通過判定が有効か否か)を判定し(S725)、検出しない場合(S725でNo)には、この処理(S711)を抜ける。V確定口36Aが遊技球の通過を検出する場合(S725でYes)には、確変領域有効フラグをONし(S726)、この処理(S711)を抜ける。
図40に戻り、上大入賞口内処理(S170、S180)では、確変領域ソレノイド動作処理(S711)に次いで、遊技球がV確定口36Aを通過したか否か(確変領域スイッチを検知したか否か)を判定する(S712)。V確定口36Aを通過していない場合(S712でNo)には、この処理(S170、S180)を抜ける。遊技球がV確定口36Aを通過した場合(S712でYes)には、V確定口36Aが遊技球の通過を検出するか否か(確変領域有効フラグがONか否か)を判定し(S713)、遊技球の通過を検出しない場合(S713でNo)には、この処理(S170、S180)を抜ける。V確定口36Aが遊技球の通過を検出する場合(S713でYes)には、確変領域通過フラグをONし(S714)、この処理(S170、S180)を抜ける。即ち、遊技球がV確定口36Aを通過し、かつV確定口36Aが遊技球の通過を検出する状態になっている場合にのみ、遊技球のV確定口36A通過は有効になる。
次に、特図1大当り動作処理(S131A)(図38参照)における特図1大当り開始処理(S172)及び、特図2大当り動作処理(S131B)(図39参照)における特図2大当り開始処理(S182)を、図42に基づいて説明する。この処理(S172,S182)では、大当り遊技のラウンド設定及びラウンドに対応した大入賞口の設定を行う。詳細には、まず、オープニング時間が終了したか否か(大当りオープニングを開始してから大当りオープニングコマンドに設定された所定の時間が経過したか否か)を判定する(S730)。オープニング時間が終了していない場合(S730でNo)には、この処理(S172,S182)を抜ける。オープニング時間が終了した場合(S730でYes)には、ラウンド設定処理(S731)を行う。
図43に示すように、ラウンド設定処理(S731)では、まず、ラウンドが残っているか否か(ラウンド有効回数が1以上か否か)を判定し(S740)、ラウンドが残っていない場合(S740でNo)には、この処理(S731)を抜ける。ラウンドが残っている場合(S740でYes)には、ラウンド回数を1加算し(S741)、ラウンド有効回数を1減算して(S742)、この処理(S731)を抜ける。本実施形態では、ラウンド回数の初期値は「0」に、ラウンド有効回数の初期値は「2」に設定されている。
図42に示すように、ラウンド設定処理(S731)に次いで、大入賞口動作設定処理(S732)を行う。この処理(S732)では、図44に示すように、まず、ラウンド数に対応して、開放する大入賞口の設定を行う(S750)。具体的には、ラウンド回数が「1」の場合には下大入賞口(第1アタッカー口34A、シャッター板34T)の設定を行い、ラウンド回数が「2」の場合には上大入賞口(第2アタッカー口35A、アタッカー扉35T)の設定を行う。次いで、大当りの種類に対応した大入賞口ラウンドの設定を行う(S751)。具体的には、第2大当りフラグがON(特典付き大当り)かつラウンド回数が「2」(上大入賞口)の場合にはロング大当りの設定(表5参照)をRAMに行い、第2大当りフラグがOFF(特典無し大当り)かつラウンド回数が「2」(上大入賞口)の場合にはショート大当りの設定(表6参照)をRAMに行う。ラウンド回数が「1」(下大入賞口)の場合には、下大入賞口用の設定をRAMに行う。
表5及び表6に示したように、特典付き大当り時には、アタッカー扉35Tは1秒間の開放後に0.1秒の閉鎖を行うという動作を22回繰り返す。これに対し、特典無し大当り時にはアタッカー扉35Tは1秒間の開放を1回だけ行う。また、表4に示したように、V確定口36Aへの進入を規制する進入規制部材36Bは大当り開始0.1秒後から約0.1秒間開放され、その後は約3秒間閉鎖された後、約26秒間開放される。これにより、特典付き大当り時には第2アタッカー口35Aに進入した遊技球はV確定口36Aを高確率で通過可能になる。これに対して、特典無し大当り時には遊技球が第2アタッカー口35Aに進入可能なタイミングのほとんどで進入規制部材36Bが閉鎖されており、遊技球がV確定口36Aを通過することがない(困難になる)ように構成されている。
大入賞口ラウンドの設定(S751)に次いで、大入賞口ラウンドの設定で設定した大入賞口が上大入賞口か否か(ラウンド回数が「2」か否か)を判定する(S752)。上大入賞口の設定を行っていない場合(S752でNo)には、この処理(S732)を抜ける。大入賞口ラウンドの設定で上大入賞口の設定を行った場合(S752でYes)には、RAMから確変領域動作カウンタ値をロードし(S753)、進入規制部材36Bの動作時間(表4の確変領域動作カウンタに対応した実行時間)をRAMに設定する(S754)。このとき、確変領域動作カウンタは初期値「0」になっている。その後、この処理(S732)を抜ける。
図42に戻り、大入賞口動作設定処理(S732)に次いで、動作ステータスを「5(大入賞口開放)」に設定して(S733)、大当り開始処理(S172,S182)を抜ける。以上が、大当り開始処理(S172,S182)の説明である。
次に、特図1大当り動作処理(S131A)(図38参照)における特図1大入賞口開放処理(S173)及び、特図2大当り動作処理(S131B)(図39参照)における特図2大入賞口開放処理(S183)を、図45に基づいて説明する。この処理(S173,S183)では、ラウンドの終了判定と、アタッカー扉35Tの開閉動作の設定を行う。詳細には、まず、大入賞口スイッチ検出処理(S760)を行う。大入賞口スイッチ検出処理(S760)では、図46に示すように、遊技球が大入賞口に入賞したか否かを判定し(S770)、遊技球が大入賞口に入賞していない場合(S770でNo)には、この処理(S760)を抜ける。遊技球が大入賞口に入賞した場合(S770でYes)は大入賞口入賞個数を1加算し(S771)、この処理(S760)を抜ける。
<大当り動作の終了について>
図45に示すように、大入賞口スイッチ検出処理(S760)に次いで、大入賞口入賞個数が規定個数に達したか否か(10個以上か否か)を判定し(S761)、規定個数に達していない場合(S761でNo)には、ラウンド時間が経過したか否かを判定する(S762)。
大入賞口入賞個数が規定個数に達しておらず、かつラウンド時間が経過していない場合(S761でNo、かつS762でNo)、即ちラウンド継続中の場合には、第2アタッカー口35Aの設定がされているか否か(ラウンド回数が「2」か否か)を判定し(S763)、第2アタッカー口35Aの設定がされている場合(S763でYes)には、第2アタッカー口35Aの動作時間が経過しているか判定する(S764)。第2アタッカー口35Aの動作時間が経過している場合(S764でYes)には、上大入賞口動作カウンタを1減算し(S765)、上大入賞口での大当り遊技が終了したか否か(上大入賞口動作カウンタが「0」か否か)を判定する(S766)。上大入賞口での大当り遊技が継続している場合(S766でNo)には、上大入賞口開閉設定処理(S767)を行う。上大入賞口開閉設定処理(S767)では、図47に示すように、上大入賞口動作カウンタをロードし(S780)、上大入賞口動作カウンタ及び大当りの種類に対応した第2アタッカー口35Aの動作時間を設定し(S781)、上大入賞口開閉設定処理(S767)を抜ける。
図45に示すように、第2アタッカー口35Aの設定がされていない、又は第2アタッカー口35Aの動作時間が経過していない、又は上大入賞口動作カウンタが「0」の場合(S763でNo、又はS764でNo、又はS766でYes)、には、大入賞口開放処理(S173,S183)を抜ける。また、大入賞口入賞個数が規定個数に達する、又はラウンド時間が経過した場合(S761でYes又はS762でYes)には、ラウンドが終了したものとして、大入賞口閉鎖1のデータ(例えば、大入賞口閉鎖1時間)を設定し(S768)、動作ステータスに「6(大入賞口閉鎖1)」を設定して(S769)、この処理(S173,S183)を抜ける。以上が、大入賞口開放処理(S173,S183)の説明である。
次に、特図1大当り動作処理(S131A)(図38参照)における特図1大入賞口閉鎖1処理(S174)及び、特図2大当り動作処理(S131B)(図39参照)における特図2大入賞口閉鎖1処理(S184)を、図48に基づいて説明する。この処理(S174,S184)では、所定の時間待機を行う。詳細には、この処理(S174,S184)では、まず、大入賞口閉鎖1時間が終了したか否か(大入賞口閉鎖1時間を設定してから、大入賞口閉鎖1のデータに設定された所定の時間が経過したか否か)を判定する(S790)。大入賞口閉鎖1時間が終了していない場合(S790でNo)には、この処理(S174,S184)を抜ける。大入賞口閉鎖1時間が終了した場合(S790でYes)には、大入賞口閉鎖2のデータ(例えば、大入賞口閉鎖2時間)を設定し(S791)、動作ステータスに「7(大入賞口閉鎖2)」を設定して(S792)、この処理(S174,S184)を抜ける。
次に、特図1大当り動作処理(S131A)(図38参照)における特図1大入賞口閉鎖2処理(S175)及び、特図2大当り動作処理(S131B)(図39参照)における特図2大入賞口閉鎖2処理(S185)を、図49に基づいて説明する。この処理(S175,S185)では、残ラウンドがある場合には次ラウンドの設定を行い、残ラウンドがない場合は大当りエンディングに必要な設定を行う。詳細には、まず、大入賞口閉鎖2時間が終了したか否か(大入賞口閉鎖2時間を設定してから、大入賞口閉鎖2のデータに設定された所定の時間が経過したか否か)を判定する(S800)。大入賞口閉鎖2時間が終了していない場合(S800でNo)には、この処理(S175,S185)を抜ける。
大入賞口閉鎖2時間が終了した場合(S800でYes)には、ラウンドが残っているか否か(ラウンド有効回数が「0」か否か)を判定し(S801)、ラウンドが残っている場合(S801でNo)には、次ラウンドの設定として、ラウンド設定処理(S802)を行い、大入賞口動作設定処理(S803)を行い、動作ステータスに「5(大入賞口開放)」を設定して(S804)、この処理(S175,S185)を抜ける。このラウンド設定処理(S802)及び大入賞口動作設定処理(S803)は、上記した大当り開始処理(S172,S182)におけるラウンド設定処理(S731)及び大入賞口動作設定処理(S732)と同じである。
ラウンドが残っていない場合(S801でYes)には、大当りエンディングコマンド(以下、適宜「大当りEDコマンド」という)にデータを設定し(S805)、動作ステータスに「8(大当り終了)」を設定し(S806)、大当りEDコマンドをRAMの出力バッファにセットして(S807)、この処理(S175,S185)を抜ける。以上が、大入賞口閉鎖2処理(S175,S185)の説明である。
次に、特図1大当り動作処理(S131A)(図38参照)及び、特図2大当り動作処理(S131B)(図39参照)における特図1大当り終了処理(S176)及び、特図2大当り終了処理(S186)を、図50に基づいて説明する。この処理(S176,S186)では、大当りエンディングの終了後に、大当り遊技後の遊技状態の設定を行い、大当り動作で使用したフラグやカウンタの初期化を行う。詳細には、まず、大当りエンディングが終了したか否か(大当りエンディングを開始してから大当りEDコマンドに設定された所定の時間が経過したか否か)を判定する(S810)。大当りエンディングが終了していない場合(S810でNo)には、この処理(S176,S186)を抜ける。
<大当り遊技後の遊技状態の決定について>
大当りエンディングが終了している場合(S810でYes)には、大当りが「特典付き大当り」であったか否か(第2大当りフラグがONか否か)を判定し(S811)、「特典付き大当り」であった場合(S811でYes)には、V確定口36Aに遊技球が入球したか否か(確変領域通過フラグがONか否か)を判定する(S812)。V確定口36Aに遊技球が入球した場合(S812でYes)には、高確率時短有りのデータ設定を行い(S813)、入球しなかった場合(S812でNo)には、低確率時短有りのデータ設定を行う(S814)。「特典付き大当り」でなかった場合(S811でNo)には、V確定口36Aに遊技球が入球したか否か(確変領域通過フラグがONか否か)を判定し(S815)、V確定口36Aに遊技球が入球した場合(S815でYes)には、高確率時短無しのデータ設定を行い(S816)、入球しなかった場合(S815でNo)には、低確率時短無しのデータ設定を行う(S817)。本実施形態では、低確率時短有り(特典付き大当りでV確定口36Aに遊技球が入球せず)の場合(S814)のみ、時短回数に係る設定を行っている(例えば、時短フラグをONし、時短カウンタに90回を設定する)。
大当り遊技後の遊技状態の設定(S813,S814,S816,S817)を行った後に、大当り動作に使用したフラグやカウンタの初期化を行い(S818)、主制御状態コマンドをRAMの出力バッファにセットし(S819)、動作ステータスに「0(待機)」を設定して(S820)、この処理(S176,S186)を抜ける。以上が、割り込み処理(S5)における特別動作処理(S14)の説明である。
<保留球数のサブ制御回路への通知や電源断監視処理等について>
図14に戻って説明を続けると、上述した特別動作処理(S14)に次いで保留球数処理(S15)が行われる。この処理(S15)は、図51に示されており、特図1保留球数(特別図柄1の変動表示の保留回数)、特図2保留球数(特別図柄2の変動表示の保留回数)、及び普通図柄保留球数(普通図柄の変動表示の保留回数)をRAMからロードし(S825)、それら保留球数のデータを、保留コマンドとしてRAMの出力バッファにセットする(S826)。
保留球数処理(S15)に次いで行われる電源断監視処理(S16)は、図52に示されており、電源断信号が入力した(本実施例では、電源断状態が12ms続いた)か否かを判定する(S830)。そして、電源断信号が入力していれば(S830でYes)、現在のデータをRAMへバックアップし(S831)、電源断フラグをONする(S832)。
図14に示すように、割り込み処理(S5)では、電源断監視処理(S16)に次いで、本発明に深く関連しないその他の処理(S17)を実行して、割り込み処理(S5)から抜ける。そして、図13に示すように、次に割り込みパルスが入力するまで、ステップS2〜S4の処理を繰り返し実行し、割り込みパルスの入力を起因(約4msec後)に、再度、割り込み処理(S5)を実行する。すると、上述の如く、前回の割り込み処理(S5)においてRAMの出力バッファにセットされた各種コマンドが、次に実行された割り込み処理(S5)のコマンド処理(S10)において出力される。以上が、主制御回路の内部処理に関する説明である。
<サブ制御回路メインプログラムについて>
サブ制御回路が実行するサブ制御回路メインプログラムPG2の処理について、図53〜図68、図71に示すフローチャートを参照しつつ詳説する。サブ制御回路メインプログラムPG2では、まず最初にCPU初期化処理(S30)を行う。この処理では、後述する割り込み処理の設定を行う。また、電源基板に電源を投入すると、電源基板から電源断信号がサブ制御回路に送信される。この電源断信号が送信されたときに、電源断信号がONで、RAMの内容が正常であるか判断する(S31)。正常であれば(S31でyes)次に進み、正常でなければ(S31でno)、RAM52を初期化し各種フラグ及びカウンタ値がリセットされる(S32)。なお、これらステップS30〜S32は、サブ制御回路メインプログラムPG2が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
S30〜S32によって初期設定が終了すると、割込みが禁止され(S33)、乱数シード更新処理(S34)が実行される。次いで、表示制御回路、ランプ制御回路、音声制御回路に各種コマンドを送信するコマンド送信処理(S35)を実行し、割込み許可(S36)を行う。そして、これら処理(S33〜36)を無限ループで繰り返す。
サブ制御回路メインプログラムPG2の無限ループに対して、受信割り込み処理(S37)、2msタイマ割り込み処理(S38)、10msタイマ割り込み処理(S39)が割り込んで実行される。サブ制御回路が主制御回路からストローブ信号を受けると、他の割り込み処理(S38,S39)に優先して受信割り込み処理(S37)が実行される。また、2msタイマ割り込み処理(S38)は、10msタイマ割り込み処理(S39)より優先して実行され、10msタイマ割り込み処理(S39)は、2msタイマ割り込み処理(S38)間の残余時間に割り込んで実行される。
図54に示すように、受信割込み処理(S37)ではまず、ストローブ信号をチェックし(S900)、ストローブ信号がONでなければ(S900でNo)、そのままこの処理(S37)を抜ける。ストローブ信号がONであれば(S900でYes)、主制御回路から受信したコマンドや制御信号(変動態様や特別図柄当否判定に関するデータ)をRAMに格納する(S901)。
2msタイマ割り込み処理(S38)は、サブ制御回路に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行される。図55に示すように、この処理(S38)では、入力処理(S910)、ランプデータ出力処理(S911)、駆動処理(S912)、特図1変動時間更新処理(S913)を行う。
入力処理(S910)では、遊技機10に備えられた図示しない演出用操作スイッチのエッジデータ及びレベルデータ(スイッチデータ)の作成を行う。ランプデータ出力処理(S911)では、後述する10msタイマ割り込み処理(S39)で作成したランプデータの出力を行う。駆動処理(S912)では、図示しない電動役物を駆動するための駆動用データを作成し、その出力を行う。特図1変動時間更新処理(S913)では、大当り遊技以外の遊技状態のときに、サブ制御回路のRAMに記憶されている特図1の残り変動時間(以下、特図1変動時間という)を減少させる。詳細には、図64に示すように、まず、大当り遊技中か否か(大当りフラグがONか否か)を判定し(S1070)、大当り遊技中の場合(S1070でYes)にはそのまま特図1変動時間更新処理(S913)を抜ける。大当り遊技中でない場合(S1070でNo)には、特図1が変動中か否か(特図1変動時間が「0」でないか否か)を判定し(S1071)、変動中でない場合(S1071でNo)にはこの処理(S913)を抜ける。特図1が変動中の場合(S1071でYes)には、特図1変動時間を2[ms]減算して(S1072)、特図1変動時間更新処理(S913)を抜ける。
10msタイマ割り込み処理(S39)は、10msec周期で繰り返して割り込み実行される。図56に示すように、10msタイマ割り込み処理(S39)では、メインコマンド解析処理(S920)、変動シナリオ処理(S921)が順番に実行される。
<メインコマンド解析処理について>
メインコマンド解析処理(S920)は、図45に詳細が示されている。この処理(S920)では、まず、サブ制御回路が主制御回路からコマンドを受信しているかどうかを判定する(S930)。そして、コマンドを受信していた場合(S930でYes)には、受信したコマンド(以下、適宜「受信コマンド」という)の種類を判定し、その内容に基づいて処理を実行する。受信コマンドの種類は、特図1変動コマンド、特図1入賞コマンド、特図1保留コマンド、主制御状態コマンド、大当りOPコマンド、大当りEDコマンドという順番で判定される、そして、受信コマンドの種類に基づいた処理が実行された後、あるいは受信コマンドに基づいて実行する処理がない場合(S930でNoあるいはS941でNo)は受信コマンドの判定後、受信コマンドに対応するその他処理(S943)が実行される。その他処理(S943)では、例えば特図2変動コマンドを受信した場合に特図2変動コマンド処理が実行される。特図2変動コマンド処理は図示しないが、特図2の変動時間の設定等を行う。
具体的には、受信コマンドが特図1変動コマンドの場合(S931でYes)には特図1変動コマンド処理(S932)を実行し、特図1入賞コマンドの場合(S933でYes)には特図1入賞コマンド処理(S934)を実行し、特図1保留コマンドの場合(S935でYes)には特図1保留コマンド処理(S936)を実行し、主制御状態コマンドの場合(S937でYes)には主制御状態コマンド処理(S938)を実行し、大当りOPコマンドの場合(S939でYes)には大当りOPコマンド処理(S940)を実行し、大当りEDコマンドの場合(S941でYes)には大当りEDコマンド処理(S942)を実行する。以下、それぞれの処理について説明する。
<特図1変動コマンド処理について>
まず、受信コマンドが特図1変動コマンドであった場合(図57のS931でYes)に実行する特図1変動コマンド処理(S932)について、図58に基づいて説明する。この処理(S932)では、上乗せ演出の基本設定と、特別図柄1の演出及び変動の実行とを行う。詳細には、まず、現在の遊技状態が「確変有り時短状態」か否か(主制御状態フラグが「確変」か否か)を判定し(S950)、現在の遊技状態が「確変有り時短状態」でない場合(S950でNo)には、受信コマンドに対応するその他の処理(S958)に進む。現在の遊技状態が「確変有り時短状態」の場合(S950でYes)には、特図1変動コマンドの変動時間を15,000[ms]で割った商(例えば、変動時間が30秒の場合は「2」)を演出ブロックに設定し(S951)、特図1変動コマンドの変動時間を特図1変動時間に設定し(S952)、変動シナリオタイマに「0」を設定する。
<主制御タイマについて>
次いで、主制御タイマ更新1処理(S954)を実行する。主制御タイマ更新1処理(S954)では、「確変有り時短状態」で保留されている特図1の当否判定結果に「大当り」がある場合には、その大当り遊技が開始されるまでの特図1変動時間の全部を主制御タイマに設定する。「確変有り時短状態」で保留されている特図1の当否判定結果が「外れ」だけの場合には、それら外れの特図1変動時間の全部を主制御タイマに設定する。ここで、主制御タイマとは、サブ制御回路のRAMに記憶された、上述した「基礎残時間」のことである。なお、保留されている特図1の当否判定結果としては、高確率状態と低確率状態それぞれの遊技状態に対応したものが両方設定されているが、以後は特に断りがない限り、その当否判定結果を参照するときの遊技状態に応じた当否判定結果を参照しているものとする。
主制御タイマ更新1処理(S954)では、図65に示すように、演出ブロックに15,000[ms]を乗じた値を主制御タイマに設定し(S1080)、現在の変動が大当り変動であるか否か(大当りフラグがONか否か)を判定し(S1081)、現在の変動が大当り変動の場合(S1081でYes)には、この処理(S954)を抜ける。現在の変動が大当り変動でない場合(S1081でNo)には、ループ変数に「0」を設定した(S1082)後、ループ変数が特図1保留数より小さいか否かを判定し(S1083)、ループ変数が特図1保留数より小さい間(S1083でYes)、主制御タイマに特図1保留変動時間[ループ変数]を加算し(S1084)、特図1保留大当り情報[ループ変数]が外れか否かを判定し(S1085)、外れの場合(S1085でYes)はループ変数を1加算する(S1086)処理を繰り返す。ここで、[ループ変数]は配列の「ループ変数+1」番目の要素を示す。(例えば、ループ変数が0のとき、特図1保留変動時間[ループ変数]は特図1保留変動時間の1番目、即ち先頭の要素を示す。)ループ変数が特図1保留数より小さくなくなった(S1083でNo)あるいは、特図1保留大当り情報[ループ変数]が外れでない(S1085でNo)場合には、この処理(S954)を抜ける。なお、図示しないが、ステップS1084における主制御タイマの加算処理で、現在の主制御状態フラグが「確変」かつ、特図1の保留情報の中に遊技状態が「通常」時に取得された保留情報が存在する場合には、当否の情報に基づいて「選択される変動時間の最小値」を設定する。なお、本実施形態では「当り」と「外れ」の最小変動時間が共に30秒に設定されている。
図58に示すように、主制御タイマ更新1処理(S954)に続いて、変動シナリオフラグをONし(S955)、変動終了フラグをOFFする(S956)。
<当りキャンセルの報知について>
変動終了フラグの設定を行った(S956)後には、特殊演出判定処理(S957)を実行する。特殊演出判定処理(S957)では、遊技者にとって不利な特図1での当りが外れに転じたことを報知する演出(上述した「当りキャンセルの報知」。以下、特殊演出という)を実行するかどうかを判定し、特殊演出を実行する。
詳細には、図71に示すように、まず受信した特図1変動コマンドの当否判定結果が「外れ」か否かを判定し(S1210)、「外れ」の場合(S1210でYes)には、次いで特図1の最も古い保留(特1入賞コマンド[0]。受信した特図1変動コマンドの入賞時のコマンド)の当否判定結果が「大当り」か否かを判定する(S1211)。特図1変動コマンドが「外れ」でない、又は特図1の最も古い保留が「大当り」でない場合(S1210でNo又はS1211でNo)には、この処理(S957)を抜ける。特図1変動コマンドの当否判定結果が「外れ」、かつ特図1の最も古い保留の当否判定結果が「大当り」の場合(S1210でYesかつS1211でYes)には、特殊演出を実行し(S1212)、この処理(S957)を抜ける。このように、特殊演出判定処理(S957)では、センター始動口31A、サイド始動口32Aへの入賞時の当否判定結果が「大当り」だった保留が、特図1の変動表示時に「外れ」に転じていた場合には、特殊演出を実行する(S1212)。なお、特殊演出の内容は遊技者に有利な状態が継続した、危機を回避したことを報知するものであればどのような報知であってもよく、例えば上述した上乗せ演出が特殊演出を兼ねていてもよい。
図58に戻り、特殊演出判定処理(S957)の後、または現在の遊技状態が「確変有り時短状態」でない場合(主制御状態フラグが「確変」でない場合、S950でNo)には、受信コマンドに対応するその他の処理を実行して(S958)、この処理(S932)を抜ける。以上が、特図1変動コマンド処理(S932)の説明である。
<特図1入賞コマンド処理について>
次に、受信コマンドが特図1入賞コマンドであった場合(図57のS933でYes)に実行する特図1入賞コマンド処理(S934)について、図66に基づいて説明する。この処理(S934)では、特図1の入賞情報を特図1の保留情報としてRAMに格納する。
詳細には、特図1の保留に空きがあるか否か(特図1保留数が4より小さいか否か)を判定し(S1090)、特図1の保留が上限に達している場合(S1090でNo)にはこの処理(S934)を抜ける。特図1の保留に空きがある場合(S1090でYes)には、特図1保留変動時間[特図1保留数]に特図1入賞コマンドの変動時間を設定し(S1091)、特図1保留大当り情報[特図1保留数]に特図1入賞コマンドの当否判定結果を設定し(S1092)、この処理(S934)を抜ける。なお、上述したように、特図1入賞コマンドには高確率状態と低確率状態それぞれの当否判定結果が両方設定されているので、特図1保留大当り情報にも両方の当否判定結果を設定する。また、図示しないが特図1入賞コマンド処理(S934)では、特図1入賞コマンドの遊技状態もRAMに設定している。
<保留情報の更新について>
次に、受信コマンドが特1保留コマンドであった場合(図57のS935でYes)に実行する特1保留コマンド処理(S936)について、図59に基づいて説明する。特1保留コマンド処理(S936)では、センター始動口31A,サイド始動口32Aの保留球数(特別図柄1の変動表示の保留回数)の増減に応じた保留情報の変更を行う。詳細には、まず、保留が増加したか否か(特1保留球数に1を加えた値が受信コマンドの保留球数と等しいか否か)を判定し(S960)、保留が増加した場合(S960でYes)には、主制御タイマ更新1処理(S961)を実行する。この主制御タイマ更新1処理(S961)は上記した、特図1変動コマンド処理(S932)で実行される主制御タイマ更新1処理(S954)と同じである。その後、この処理(S936)を抜ける。
保留が増加していなかった場合(S960でNo)には、保留が減少したか否か(特1保留球数から1を減じた値が受信コマンドの保留球数と等しいか否か)を判定し(S962)、保留が減少した場合(S962でYes)には後続の処理を行い、減少していなかった場合(S962でNo)にはそのままこの処理(S936)を抜ける。保留が減少した場合(S962でYes)の処理としては、保留情報を一つずつ繰り上げるシフト処理を行う。具体的には、まず、ループ変数に「0」を設定する(S963)。そして、ループ変数が3より小さいか否かを判定し(S964)、ループ変数が3より小さい間(S964でYes)、特図1保留変動時間[ループ変数]に特図1保留変動時間[ループ変数+1]の値を設定し(S965)、特図1保留大当り情報[ループ変数]に特図1保留大当り情報[ループ変数+1]の値を設定し(S966)ループ変数を1加算する(S967)処理を繰り返す。ループ変数が3より小さくなくなったら(S964でNo)、特図1保留変動時間[3](特図1保留変動時間の末尾)に「0」を設定し(S968)、特図1保留大当り情報[3](特図1保留大当りの末尾)に「外れ」を設定し(S969)、この処理(S936)を抜ける。なお、上述したように、特図1保留大当り情報には高確率状態と低確率状態それぞれの当否判定結果が両方設定されている。また、図示しないが特1保留コマンド処理(S936)では、特図1保留の遊技状態についての情報もシフト処理されている。以上が、特1保留コマンド処理(S936)の説明である。
<遊技状態の更新について>
次に、受信コマンドが主制御状態コマンドであった場合(図57のS937でYes)に実行する主制御状態コマンド処理(S938)について、図60に基づいて説明する。この処理(S938)では、遊技状態の設定を行う。主制御状態コマンドは大当り遊技終了後に必ず送られてくるので、大当り遊技終了の設定もこの処理(S938)で行う。詳細には、大当り遊技後の遊技状態を設定し(受信した主制御状態コマンドの主制御状態フラグをRAMの主制御状態フラグに設定、S980)、大当りフラグをOFFする(S981)。次いで、遊技状態が「確変無し時短状態」でないか否か(主制御状態フラグが「時短」でないか否か)を判定し(S982)、遊技状態が「確変無し時短状態」でない場合(S982でYes)には時短演出フラグに「なし」を設定して(S983)、この処理(S938)を抜ける。遊技状態が「確変無し時短状態」の場合(S982でNo)には、時短演出フラグに「未実施」を設定して(S984)、この処理(S938)を抜ける。
<大当りOPコマンド処理について>
次に、受信コマンドが大当りOPコマンドであった場合(図57のS939でYes)に実行する大当りOPコマンド処理(S940)について、図61に基づいて説明する。この処理(S940)では、大当りが特図1によるものである場合には、遊技状態に応じて低確率状態では通常大当り演出を、高確率状態では確変大当り演出を実行する。また、その大当りが特図2によるもので、かつ遊技状態が低確率状態である場合には、特図1が変動中でなければ特図1での大当りと同じ通常大当り演出を実行し、特図1が変動中であれば特殊大当り演出を実行する。なお、本実施形態では、通常大当り演出はディスプレイ15に例えば「V」という文字が表示されるものであり、特殊大当り演出はディスプレイ15に例えば「V」という文字が表示されると共に特図1の変動が表示されるものとなっている。
詳細には、まず、大当りフラグをONし(S990)、大当りOPコマンドが特図1での大当りによるものか否かを判定する(S991)。特図1での大当りによるものであった場合(S991でYes)には、特図1の変動演出の設定初期化を行い、液晶に大当り演出を送信する(S1001)。このとき、遊技状態が低確率状態であれば通常大当り演出を送信し、遊技状態が高確率状態であれば確変大当り演出を送信する。その後、この処理(S940)を抜ける。なお、特図1の変動演出の設定初期化の具体的な内容は、演出ブロックに「0」を設定(S992)、主制御タイマに「0」を設定(S993)、特図1変動時間に「0」を設定(S994)、変動シナリオタイマに「0」を設定(S995)、変動シナリオフラグをOFFする(S996)、液晶タイマに「0」を設定(S997)、演出タイマに「0」を設定(S998)、上乗せ可能時間に「0」を設定(S999)、上乗せ時間に「0」を設定(S1000)、となっている。
大当りOPコマンドが特図1での大当りによるものでなかった場合(S991でNo)には、遊技状態が通常状態か否か(主制御状態フラグが「通常」か否か)を判定し(S1002)、通常状態でない場合(S1002でNo)には、この処理(S940)を抜ける。遊技状態が通常状態の場合(S1002でYes)には、特図1が変動中でないか否か(特図1変動時間が「0」か否か)を判定し(S1003)、変動中でない場合(S1003でYes)には、液晶に通常大当り演出を送信し(S1004)、この処理(S940)を抜ける。この送信処理(S1004)で送信される通常大当り演出は、上記した特図1での大当りによる大当り演出の送信処理(S1001)において、低確率状態のときに送信される通常大当り演出と同じものである。特図1が変動中の場合には、液晶に特殊大当り演出を送信し(S1005)、この処理(S940)を抜ける。以上が、大当りOPコマンド処理(S940)の説明である
<大当りEDコマンド処理について>
次に、受信コマンドが大当りEDコマンドであった場合(図57のS941でYes)に実行する大当りEDコマンド処理(S942)について、図62に基づいて説明する。この処理(S942)では、終了した大当りの情報をディスプレイ15に表示すると共に、異常があったか検査し、異常があった場合には、異常報知ランプの設定を行う。ここでいう異常とは、「特典無し大当り」で遊技球のV確定口36Aの通過が検出された場合である。本実施形態では、終了した大当りの情報として、大当りが特図1によるものか特図2によるものか(特図1の場合は特図1用の青色の表示領域、特図2の場合は特図2用の赤色の表示領域)、「特典付き大当り」においてV確定口36Aを通過しなかったこと(表示領域中に「L」を表示)、「特典無し大当り」においてV確定口36Aを通過したこと(表示領域中に「S」を表示)を表示する。
詳細には、まず、大当りEDコマンドが特図1によるものか否かを判定し(S1010)、特図1によるものであった場合(S1010でYes)には、大当り情報特図2をグレーアウトに設定し(S1011)、大当りが「特典付き大当り」(フローチャートでは「ロング開放」と表記する)であったか否か(大当りEDコマンドの第2大当りフラグがONか否か)を判定する(S1012)。大当りが「特典付き大当り」であった場合(S1012でYes)には、次いで大当り遊技中に遊技球がV確定口36Aを通過したか否か(確変領域通過フラグがONか否か)を判定する(S1013)。遊技球がV確定口36Aを通過した場合(S1013でYes)には、大当り情報特図1に「青四角」を設定する(S1014)。大当り遊技中に遊技球がV確定口36Aを通過しなかった場合(S1013でNo)には、大当り情報特図1に「青四角+L」を設定する(S1015)。大当りが「特典付き大当り」でなかった場合(S1012でNo)には、次いで大当り遊技中に遊技球がV確定口36Aを通過しなかった否か(確変領域通過フラグがOFFか否か)を判定する(S1016)。遊技球がV確定口36Aを通過しなかった場合(S1016でYes)には、大当り情報特図1に「青四角」を設定する(S1017)。大当り中に遊技球がV確定口36Aを通過した場合(S1016でNo)には、大当り情報特図1に「青四角+S」を設定し(S1018)、異常報知ランプの設定を行う(S1019)。
大当りEDコマンドが特図1によるものでなかった場合(S1010でNo)には、大当り情報特図1をグレーアウトに設定し(S1020)、大当りが「特典付き大当り」であったか否か(大当りEDコマンドの第2大当りフラグがONか否か)を判定する(S1021)。大当りが「特典付き大当り」であった場合(S1021でYes)には、次いで大当り遊技中に遊技球がV確定口36Aを通過したか否か(確変領域通過フラグがONか否か)を判定する(S1022)。遊技球がV確定口36Aを通過した場合(S1022でYes)には、大当り情報特図2に「赤四角」を設定する(S1023)。大当り遊技中に遊技球がV確定口36Aを通過しなかった場合(S1022でNo)には、大当り情報特図2に「赤四角+L」を設定する(S1024)。大当りが「特典付き大当り」でなかった場合(S1021でNo)には、次いで大当り遊技中に遊技球がV確定口36Aを通過しなかった否か(確変領域通過フラグがOFFか否か)を判定する(S1025)。遊技球がV確定口36Aを通過しなかった場合(S1025でYes)には、大当り情報特図2に「赤四角」を設定する(S1026)。大当り遊技中に遊技球がV確定口36Aを通過した場合(S1025でNo)には、大当り情報特図2に「赤四角+S」を設定し(S1027)、異常報知ランプの設定を行う(S1028)。この異常報知ランプの設定処理(S1028)は上記した、特図1による特典無し大当り時に実行される異常報知ランプの設定処理(S1019)と同じである。
そして、大当り情報特図1あるいは大当り情報特図2の設定処理(S1014,S1015,S1017,S1018,S1023,S1024,S1026,S1027)及び、異常報知ランプの設定処理(S1019,S1028)の後に、大当り情報特図1を液晶に送信し(S1029)、大当り情報特図2を液晶に送信して(S1030)、この処理(S942)を抜ける。以上が、大当りEDコマンド処理(S942)の説明である。
<変動シナリオ処理(上乗せ演出の実行判定)について>
図56に戻り、メインコマンド解析処理(S920)に次いで行う、変動シナリオ処理(S921)について説明する。この処理(S921)では、変動シナリオ演出の実行時(「確変有り時短状態」時)に、15秒ごとに上乗せ演出を実行するか否か、上乗せ時間、及び上乗せ演出の内容を決定する。上乗せ時間及び上乗せ演出には、「液晶表示時間」に追加したときに基礎残時間を超えない長さのものが選択される。
ここで、変動シナリオ処理(S921)及び後述の上乗せ抽選処理(S1053)で使用する変数について説明する。これらの処理(S921,S1053)では、上述した、基礎残時間を表す主制御タイマ、特図1の変動の残り時間である特図1変動時間に加えて、これらの処理(S921,S1053)を行うタイミング(15秒ごと)を管理する変動シナリオタイマ、特図1の変動予定時間を一定時間(15秒)ごとに区切ったもので、特図1の変動における残り上乗せ抽選回数を表す演出ブロック、「液晶表示時間」を管理する液晶タイマ、上乗せ演出の長さを管理する演出タイマを使用する。
次いで、これらの変数を使用して行う処理の基本的な流れについて説明する。「確変有り時短状態」のときにサブ制御回路が特図1の変動開始を意味する特図1変動コマンドを受け取ると、特図1変動コマンド処理(S932)では、その当否判定結果及び変動時間に応じて、主制御タイマ、特図1変動時間、演出ブロックを設定する。そして、変動シナリオ処理(S921)では、特図1の当初の変動時間が経過する間、15秒ごとに上乗せ抽選処理を実行する。この時間経過、及び15秒経過の判定は演出ブロック、及び変動シナリオタイマを用いて行う。上乗せ抽選処理では、主制御タイマと液晶タイマに基づいて上乗せ時間及び上乗せ演出を抽選し、その結果に基づいて液晶タイマと演出タイマを設定し、上乗せ演出を実行する。なお、主制御タイマ、演出ブロック、液晶タイマ、及び演出タイマは15秒ごとの上乗せ抽選処理前にそれぞれ減算される。それに対して、特図1変動時間は2ミリ秒ごと(大当り遊技中以外)に減算され、変動シナリオタイマは10ミリ秒ごとに減算される。
詳細には、図63に示すように、まず、現在の変動が変動シナリオ処理の対象か否か(変動シナリオフラグがONか否か)を判定し(S1040)、変動シナリオ処理の対象でない場合(S1040でNo)には、この処理(S921)を抜ける。現在の変動が変動シナリオ処理の対象である場合(S1040でYes)には、15秒ごとの判定タイミングであるか否か(変動シナリオタイマが「0」か否か)を判定し(S1041)、判定タイミングでない場合(S1041でNo)には、変動シナリオタイマを10[ms]減算して(S1042)、この処理(S921)を抜ける。15秒ごとの判定タイミングである場合(S1041でYes)には、変動シナリオタイマに「15,000[ms](=15秒)」を設定し(S1043)、特図1の当初の変動時間が経過したか否か(演出ブロックが「0」でないか否か)を判定する(S1044)。特図1の当初の変動時間が経過した場合(S1044でNo)には、演出ブロックが「0」のときの特図1変動時間(特図2での大当りによる特図1の変動の延長時間)が15秒以上か否か(特図1変動時間が15,000[ms]以上か否か)を判定し(S1049)、特図1変動時間が15秒以上の場合(S1049でYes)には、主制御タイマ更新2処理(S1050)を実行する。
図67に示される主制御タイマ更新2処理(S1050)では、実行中の特図1変動の残りの変動時間を15,000[ms]で割った商を演出ブロックに設定し(S1110)、主制御タイマ更新1処理(S1111)を実行して、この処理(S1050)を抜ける。この主制御タイマ更新1処理(S1111)は、上記した、特図1変動コマンド処理(S932)で実行される主制御タイマ更新1処理(S954)及び、特1保留コマンド処理(S936)で実行される主制御タイマ更新1処理(S961)と同じである。
特図1の変動時間が経過していない場合(S1044でYes)及び、主制御タイマ更新2処理(S1050)を行った後には、液晶タイマが「0」でないか否かを判定し(S1045)、液晶タイマが「0」でない場合(S1045でYes)には液晶タイマを15,000[ms]減算する(S1046)。次いで、演出タイマが「0」でないか否かを判定し(S1047)、演出タイマが「0」でない場合(S1047でYes)には演出タイマを15,000[ms]減算する(S1048)。
次いで、演出ブロックを1減算する(S1051)。このとき、主制御タイマ更新直後でない場合(「確変有り時短状態」の変動コマンド受信、保留増加の保留コマンド受信、特図1の当初の変動時間が経過した後の主制御タイマの再演算、の何れかの処理を行った後で演出ブロックの減算が2回以上行われている場合)には、主制御タイマを15秒減算するように構成するとよい。次いで、上乗せ演出中か否か(演出タイマが「0」でないか否か)を判定し(S1052)、上乗せ演出中の場合(S1052でNo)には、この処理(S1050)を抜ける。上乗せ演出中でない場合(S1052でYes)には、上乗せ抽選処理(S1053)を実行する。
<上乗せ抽選処理について>
図68に示される上乗せ抽選処理(S1053)では、上乗せ演出で追加する時間と実行する演出の抽選を行い、演出用の設定を更新して、上乗せ演出を実行する。ただし、遊技状態が「確変無し時短状態」になっていた場合には、上乗せ演出は実行せず、特図1の変動演出の設定初期化を行い、「液晶表示時間」を0秒にする時短演出を実行する。
詳細には、まず、時短演出を実行しないか否か(時短演出フラグが「なし」か否か)を判定し(S1120)、時短演出を実行しない場合(S1120でYes)には上乗せ演出の抽選を行い、上乗せ演出の情報を液晶制御に送信する。具体的には、上乗せ可能時間に「主制御タイマ(特図1の大当り遊技が開始されるまでの残時間)から液晶タイマ(「液晶表示時間」)を引いた値」を設定し(S1121)、上乗せ可能時間以下の長さの上乗せ時間を抽選で設定し(S1122)、液晶タイマ以下の長さの上乗せ演出を抽選して、その演出時間を演出タイマに設定する(S1123)。次いで、「液晶タイマに上乗せ時間を加え、演出タイマを引いた値」を「液晶表示時間」として設定し(S1124)、液晶制御に送信する(S1125)。次いで、演出タイマと上乗せ演出を液晶制御に送信して(S1126,S1127)、液晶タイマにステップS1122で設定した上乗せ時間を加える(S1128)。その後、この処理(S1053)を抜ける。
時短演出を実行する場合(S1120でNo)には、時短演出が実行済か否か(時短演出フラグが「未実施」か否か)を判定し(S1129)、実行済の場合(S1129でNo)には、この処理(S1053)を抜ける。時短演出が未実施の場合(S1129でYes)には、特図1の変動演出の設定初期化を行い、時短演出を液晶制御に送信し(S1139)、時短演出フラグに「なし」を設定して(S1140)、この処理(S1053)を抜ける。この設定初期化の具体的な内容は、演出ブロックに「0」を設定(S1130)、主制御タイマに「0」を設定(S1131)、特図1変動時間に「0」を設定(S1132)、変動シナリオタイマに「0」を設定(S1133)、変動シナリオフラグをOFFする(S1134)、液晶タイマに「0」を設定(S1135)、演出タイマに「0」を設定(S1136)、上乗せ可能時間に「0」を設定(S1137)、上乗せ時間に「0」を設定(S1138)、となっている。この設定初期化の内容は大当りOPコマンド処理(図61のS940)で特図1の大当りであった場合に設定される内容(S992〜S1000)と同じである。
図63に戻り説明を続けると、特図1の当初の変動時間が経過しており(S1044でNo)、演出ブロックが「0」のときの特図1変動時間(特図2での大当りによる特図1の変動の延長時間)が15秒未満の場合(S1049でNo)には、上乗せ演出は行わず、特図1の変動終了後に液晶タイマと演出タイマの減算を行う。詳細には、変動終了フラグがOFFか否かを判定し(S1054)、変動終了フラグがOFFの場合(S1054でYes)には、変動終了フラグをONして(S1055)、この処理(S921)を抜ける。変動終了フラグがOFFでない場合(S1054でNo)には、液晶タイマが「0」でないか否かを判定し(S1056)、液晶タイマが「0」でない場合(S1056でYes)には液晶タイマを15,000[ms]減算する(S1057)。次いで、演出タイマが「0」でないか否かを判定し(S1058)、演出タイマが「0」でない場合(S1058でYes)には演出タイマを15,000[ms]減算して(S1059)、この処理(S921)を抜ける。以上が、変動シナリオ処理(S921)の説明である。
<「液晶表示時間」の調整について>
ところで、特図1変動時間の減算は特図2による大当り遊技中は停止し、特図2による大当り遊技による特図1の変動の延長を反映したものになるのに対し、「液晶表示時間」は遊技状態に拘わらず常にカウントダウンされる。そのため、特図1の変動が延長された場合に、「液晶表示時間」が0になっても特図1の変動が続き、遊技者に違和感を与える虞がある。本実施形態では、特図1の変動が一定時間(15秒)以上延長された場合には、特図1の当初の変動が終了するタイミングで延長された時間を主制御タイマに反映し、その分の時間を「液晶表示時間」に上乗せできるようにしているので、「液晶表示時間」が0になった後で特図1の変動が長時間続き、遊技者に違和感を与えるのを防ぐことが可能である。
また、「液晶表示時間」を管理する液晶タイマは、基本的には15秒経過するごとに15秒減算されるが、特図1の保留がある状態で特図1の変動が延長され、その延長時間が15秒で割り切れない時間であった場合には、特図1の次の変動の開始時に実際には15秒+割り切りれない時間が経過しているにも拘わらず液晶タイマは15秒しか減算されない。そのため、「液晶表示時間」と液晶タイマとの間に割りきれなかった時間分のずれが生じる。本実施形態では、上乗せ演出時に主制御タイマと液晶タイマに基づいて上乗せ時間を抽選し、その結果に基づいて「液晶表示時間」を再設定している。これにより、上乗せ演出が実行されると「液晶表示時間」と液晶タイマとの間のずれは解消される。このとき、上乗せ演出で表示されるのは、ずれが解消された後の「液晶表示時間」なので、遊技者に違和感を与えることなく「液晶表示時間」と液晶タイマとのずれを解消することが可能である。
<液晶制御処理について>
サブ制御回路の内部処理に関する説明は以上である。次に、液晶制御回路が無限ループで実行する液晶制御プログラムPG3の処理について、図69に示すフローチャートを参照しつつ説明する。液晶制御プログラムPG3では、まず、液晶制御回路がサブ制御回路からコマンドを受信しているかどうかを判定する(S50)。そして、コマンドを受信していた場合(S50でYes)には、受信したコマンドに含まれた情報(以下、適宜「液晶受信情報」という)の種類を判定し、その内容に基づいて表示あるいは処理を行う。液晶受信情報の種類は、大当りOP情報、大当り図柄情報、演出情報という順番で判定される。
詳細には、液晶受信情報が大当りOP情報か否かを判定し(S51)、大当りOP情報の場合(S51でYes)は液晶に大当りOPを表示する(S52)。液晶受信情報が大当りOP情報でない場合(S51でNo)には、液晶受信情報が大当り図柄情報か否かを判定し(S53)、大当り図柄情報の場合(S53でYes)には液晶に大当り図柄を表示する(S54)。液晶受信情報が大当り図柄情報でない場合(S53でNo)には、液晶受信情報が演出情報か否かを判定し(S55)、演出情報の場合(S55でYes)には液晶に演出を表示する(S56)。液晶受信情報が演出情報でない場合(S55でNo)には、液晶受信情報に対応するその他処理(S57)が実行される。以上が、液晶制御プログラムPG3の説明である。
なお、上述した各処理のうち、普通動作処理(S13)を実行しているときの主制御回路が、本発明の「小判定手段」に相当する。また、特図1大当り判定処理(S205)及び、特図2大当り判定処理(S505)を実行しているときの主制御回路が、本発明の「始動口入賞判定手段」に相当する。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、上記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。