<第1実施形態>
<パチンコ機10>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図31を参照し、第1実施形態におけるパチンコ機10について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことであり、後述する第1入球口64への入球(始動始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。例えば、浅瀬の海の中をモチーフにした「海ステージ」、海底宮殿をモチーフにした「宮殿ステージ」、深海をモチーフにした「深海ステージ」等が、ステージとして用意される。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われる。
また、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。なお、操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されている間、所定時間毎に球が連続的に発射される(例えば、0.6秒に1個の球が発射される)。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、第1スルーゲート67、第2スルーゲート670、可変表示装置ユニット80、確変役物700(図4参照)等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、2つの第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37Aには、発光手段である複数のLED37Abと7セグメント表示器37Aaとが設けられている。他方の第1図柄表示装置37Bもまた同様に、発光手段である複数のLED37Baと7セグメント表示器37Bbとが設けられている。
第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図6参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、これらの第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入球口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
複数のLED37Ab,37Baは、いずれも、パチンコ機10が大当たりの抽選確率が通常時よりも高確率に設定される遊技状態である確変中(高確率遊技状態中)か、大当たりの抽選確率は通常時の低確率であるが、大当たりの抽選確率は低確率で、第1図柄(普通図柄)の抽選確率が通常時よりも高確率に設定される時短中(時短遊技状態中)か大当たりの抽選確率が通常時の低確率に設定される通常中(通常確率遊技状態中)であるかを点灯状態により示したり、変動中(動的表示中)であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37Aa,37Bbは、いずれも、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37Ab,37Baは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、詳細については後述するが、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入球があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。LED37Ab,37Baには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
詳細は後述するが、パチンコ機10は確変役物700の電動チューリップ702に遊技球が入球して、確変発生スイッチ703(図4参照)が遊技球を検出することで高確率状態へ移行する。この電動チューリップ702への入球は、高確率状態が付与されることが決定されている、即ち、「15R確変大当たり」または「4R確変大当たり」の実行が決定されている場合でないと、制限されている。よって、確変が発生される場合が、制御的に決定されているので、射幸性が著しく高くなってしまう不具合を抑制できる。
また、「15R確変大当たり」または「4R確変大当たり」の実行が決定されると、後述の確変開始予定フラグ203m(図7(a)参照)がオンされる。確変発生スイッチ703が遊技球を検出した場合には、この確変開始予定フラグ203mがオンであることを条件に、確変が付与されるように構成されている。よって、不正に電動チューリップ702に遊技球が入球された場合にも、確変が発生してしまう不具合を抑制できる。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、電動チューリップ702へ球を入球させることが可能となる特別な特典が遊技者に付与される大当たりのことである。「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、電動チューリップ702へ球を入球させることが可能となる特別な特典が遊技者に付与される大当たりのことである。さらに、「15R確変大当たり」、「4R確変大当たり」の実行が決定されると、確変開始予定フラグ203mがオンに設定され、電動チューリップ702に遊技球が入球して、確変発生スイッチ703が遊技球を検出したことに基づいて、確変が設定される。
一方、「15R通常大当たり」では、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となるが、電動チューリップ702へ遊技球が入球可能となる特典も、確変開始予定フラグ203mがオンに設定されることもない。
また、「確変(高確率遊技状態)」とは、第1入球口64及び第2入球口640へ入球があったことを契機として行われる抽選の大当たり確率がアップした状態の時をいい、換言すれば、特別遊技状態(大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。詳細は後述するが、本実施形態における確変期間(高確率遊技状態の期間)は、確変役物700の確変発生スイッチ703が遊技球を検出してから、確変終了スイッチ707が遊技球を検出するまでの期間である。
一方、「低確率遊技状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が確変の時より低い状態をいう。また、「低確率遊技状態」には時短状態(時短中)と通常中とがある。「低確率遊技状態」の時短中とは、大当たり確率が通常時の低確率のままで、第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入球口640へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。一方、「低確率状態」の通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
詳細は後述するが、確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2図柄の変動時間が通常時よりも短く設定され、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入球口640へ球が入球し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更することに限らず、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670の球の通過回数は合計で最大4回まで保留され、その保留球数を点灯表示する第2図柄保留ランプ84が、第3図柄表示装置81の下方に最大保留数分の4つ左右対称に配設されている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。第3図柄のなお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
このように、第1図柄の表示に応じて動的表示される第3図柄を表示することで、第1図柄が動的表示を継続しなければならない期間であっても、第3図柄を非表示にしてキャラクタ等を表示したり、図柄を縮小して表示したり、仮停止して表示させたりすることが可能となる。また、第1図柄の停止表示に合わせて、第3図柄を第1図柄と同様の抽選結果を示す図柄で停止表示させることで、遊技者に第1図柄の抽選結果を分かり易く報知できる。また、第1図柄の停止表示に合わせて、第3図柄を第1図柄の抽選結果の情報とは異なる抽選結果を示す図柄(例えば、確変大当たりであれば、通常大当たりを示す図柄)で表示しておき、大当たり遊技中に確変大当たりであることを報知するように構成することで、遊技者に大当たり遊技中も、確変状態への移行を期待させて遊技をさせることができる。
<確変役物700の構成>
ここで、図4を参照して、パチンコ機10の遊技盤13に配設された確変役物700の構成について説明する。図4は、パチンコ機10の遊技盤13に配設された確変役物700を示した模式図である。確変役物700は、スルースイッチ701、電動チューリップ702、遮断部702b、確変回転体704により構成されている。
スルースイッチ701は、球が入球すると、電動チューリップ702を開放するか否かを判定する契機となるスイッチである。本実施形態では、スルースイッチ701へ球が入球したときに、確変開始予定フラグ203m(図7参照)がオンにされている場合に、電動チューリップ702を開放するように構成している(図16のS203参照)。
電動チューリップ702を開放する方法は、これに限られるものではなく、スルースイッチ701へ球が入球したことに基づき電動チューリップ702を開放するか否かを決定する抽選をするように構成してもよい。例えば、スルースイッチ701へ球が入球したことに基づき大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1を取得し、その値が例えば、7である場合に、確変開始予定フラグ203mがオンかオフかに拘わらず電動チューリップ702を開放するように構成してもよい。このように構成すると確変大当たりに当選しなくても、パチンコ機10の遊技状態を確変へと遷移させることができるため、遊技性の幅を広げることができる。
また、スルースイッチ701を設けずに、「15R確変大当たり」または「4R確変大当たり」が付与されることが決定されたことに基づいて、一定期間の間、電動チューリップ702を開放するように構成してもよい。この場合には、第1図柄が停止表示されてから大当たり遊技が開始されるまでの間や、大当たり遊技中の所定期間や、大当たり遊技終了後の所定期間の間に開放するようにする等が考えられる。
電動チューリップ702は、電動役物702a、確変発生スイッチ703、経路703a、経路出口703bにより構成されている。電動役物702aは、遊技球が1球通過可能な幅で向かい合わせて配置された羽根部材を一対有している。この羽根部材は、通常時は垂直に起立した状態で保持されている。その起立した羽根部材が形成する遊技球が入球可能な開口位置に遮断部702bが配置されており、遊技球が電動チューリップ702内に入球することを妨げて(禁止して)いる。そして、確変開始予定フラグ203mがオンである状態で、スルースイッチ701に遊技球が入球すると、羽根部材が約45度互いの先端が離間する方向へ回動して、電動チューリップ702内へ遊技球が可能な状態に可変される。
電動チューリップ702に入球した遊技球は、電動チューリップ702内に形成された経路703bを流下して、その経路703bの終端に設けられた確変発生スイッチ703により検出される。この確変発生スイッチ703は、遊技球の通過を検出することが可能な磁場検出センサであり、遊技球が通過することにより磁場が変化することで遊技球の通過を検出している。
確変発生スイッチ703により遊技球が検出された場合に、確変開始予定フラグ203mがオンであると遊技状態が高確率遊技状態(確変)に設定される。即ち、確変発生スイッチ703は、高確率遊技状態を設定する契機となるスイッチである。
電動役物702aは、スルースイッチ701への入球に伴い開放される以外は、常に起立した状態(電動チューリップを閉鎖した状態)に設定される。そして、電動役物702aが回動した状態(電動チューリップ702が開放した状態)にされた場合に、電動チューリップ702に遊技球が入球して、その遊技球が確変発生スイッチ703に検出されると、電動役物702aが起立した状態に回動(電動チューリップ702は閉鎖)される(図16のS205参照)。
また、電動チューリップ702を閉鎖させる方法は、これに限られるものではなく、所定時間(例えば、5秒)開放を継続した場合に閉鎖させるように構成してもよい。開放する場合には、閉鎖と開放を所定期間毎に所定回数繰り返して行うようにしてもよい。
確変発生スイッチ703は、球の入球を検出するスイッチである。確変発生スイッチ703で球の入球を検出すると、主制御装置110のMPU201により確変が設定(発生)される(図16のS206参照)。
確変発生スイッチ703の上下方向には、筒状の経路703aと経路出口703bとがあり、電動チューリップ702と確変役物ケース705とを接続している。経路703aは内部が透過可能な素材で構成されており、経路703aの内部の球を視認することができる。
確変回転体704は、確変回転体モータ704a、球受部704b、確変役物ケース705、球排出部706、確変終了スイッチ707、経路707a、経路出口707bにより構成されている。
確変回転体モータ704は、球受部704bの中心に軸支され、球受部を回転するためのものである。ここで、球受部704bは、図4に示すように円筒形の外形の一部に、遊技球が1球入球可能な凹部が形成されている。通常時には、この球受部704bは、確変回転体モータ704により凹部が垂直上方を向いた状態(経路出口707bより排出される遊技球を凹部により受け入れ可能な状態)に配置される。球受部704bの凹部に遊技球が入球すると、確変回転体モータ704により球受部704bが回動されて、球排出部706の位置まで凹部が移動すると、凹部に入球している遊技球が球排出部706より経路707aに流入するように構成されている。
経路707aの途中には、確変終了スイッチ707が配置されており、遊技球を検出可能に構成されている。確変終了スイッチ707に検出された遊技球は、経路707aをさらに流下した後、経路出口707bより排出される。
ここで、確変回転体モータ704aについて、さらに詳細を説明する。確変回転体モータ704aはステッピングモータとモータドライバとにより構成されている。MPU201からモータドライバに対して少なくとも目標角度(絶対角度、相対角度)、回転方向、回転速度を指定可能な所定のコマンドを出力することによりステッピングモータは制御される。モータドライバは、MPU201から指定される目標角度が、ステッピングモータの現在の角度に対してステッピングモータの1ステップ(例えば1000パルスで1回転の場合、1ステップが0.36度に相当)以上離れていれば、指定される回転方向と回転速度に従いステッピングモータに所定数のパルスを出力して回転させる。また、MPU201はモータドライバから確変回転体モータ704a(ステッピングモータ)の現在の角度と回転方向とを取得することができる。なお、モータドライバの最大クロック周波数は、MPU201のタイマ割込処理の実行間隔である2ミリ秒毎(=500Hz)以上(例えば、5MHz)なので、MPU201のタイマ割込処理の実行間隔である2ミリ秒毎に、モータドライバに対して所定のコマンドを出力してステッピングモータを制御可能である。
確変回転体モータ704aが主制御装置110のMPU201により作動されることで(図22のS702参照)、球受部704bの凹部に受けた球を確変終了の契機となる確変終了スイッチ707へ接続されている球排出部706へ導くものである。
詳細は後述するが、本実施形態では、タイマ割込処理(図15参照)のS109の変動処理(図21参照)のS702の確変期間進行処理(図22参照)において、タイマ割込処理の実行間隔である2ミリ秒毎に、確変回転体704を時計回りに(毎回、同じ角度である)「角度AX」回転させている(図22参照)。即ち、球受部704bの凹部に停留されている球は、確変回転体704の確変回転体モータ704aにより、一定速度で球受部704bが回転されて、球排出部706に移動される。そして、球排出部706より排出された遊技球が確変終了スイッチ707に検出されることで、抽選確率が高確率から低確率に移行して設定される。つまり、確変回転体704が回動する時間(期間)により、確変の期間が設定される。なお、「角度AX」については後述する。
以下において、球受部704bの凹部が垂直上方を向いた状態(経路出口703bの下部に位置する状態)を、確変回転体704が「角度A1」の状態と記載する。また、球受部704bの凹部と、球排出部706とが重なっている状態を、確変回転体704が「角度A2」の状態と記載する。さらに、確変回転体704が「角度A1」の状態から「角度A2」の状態までの時計回りのなす角度を「確変回転体704の角度A1−A2」と記載する。なお、本実施形態では、「確変回転体704の角度A1−A2」は300度である。
確変役物ケース705は、確変回転体704の周囲を囲い、内部の確変回転体704を視認することが可能な円筒のケース体で構成されている。確変役物ケース705は、内部が透過可能な素材で構成されているので、球受部704bの凹部に受けた遊技球が遊技者から視認できる。また、確変役物ケース705の円筒側面は、電動チューリップ702に入球した遊技球が流下する経路出口703bからの遊技球が通過可能な開口部以外は設けられていないので、経路出口703bから以外で、球受部704bの凹部に遊技球が入球することを防止するように構成されている。この確変役物ケース705は、球受部704bの凹部に遊技球が入球すると、その遊技球が凹部に入球した状態で、球受部704bが回動することが可能なように構成され、また、凹部から遊技球が凹部外へ出てしまうのを防止する距離に内部の側壁面が配置される。これにより、球受部704bの凹部が垂直下方へ向く位置まで、球受部704bが回転されたとしても、凹部より遊技球が外部に出てしまう不具合を抑制できる。
球排出部706は、球受部704bの凹部に受けた球を確変役物700外に排出するための排出口である。球排出部706は、遊技盤13に設けられた穴であり、確変終了スイッチ707が設けられた経路707aと接続されている。球受部704bは停留させている球の下部分が球排出部706の方向に傾斜しているので、球受部704bと球排出部706とが重なると、球受部704bにある球が、球排出部706から排出される。
確変終了スイッチ707は、確変終了スイッチ707で球の入球を検出することに基づいて、確変の終了が設定される(図19のS404参照)。確変終了スイッチ707の上下方向には、筒状の経路707aがあり、球排出部706と経路出口707bとを接続している。経路出口707bを通過した球は遊技機10の球排出路(図示せず)へと案内される。
パチンコ機10の確変役物700は確変の開始と終了とを設定するための役物である。確変発生スイッチ703に球が入球したことを契機として確変の開始が設定され、確変終了スイッチ707に球が入球したことを契機として確変の終了が設定される。確変発生スイッチ703を通過した球は、球受部704bの凹部に停留されて、確変終了スイッチ707へ接続されている球排出部706に一定速度で導かれた後、確変終了スイッチ707を通過する。確変が設定されている最長期間としては、確変発生スイッチ703が遊技球を検出して確変の開始が設定されてから、その遊技球が確変終了スイッチ707により検出されて確変の終了が設定されるまでであることから、確変期間において大当たりせずに、確変が終了するまでの期間となる。この確変が設定されている最長の期間を「確変最長期間」と記載する。なお詳細は後述するが、「確変最長期間」は本実施形態では確変役物700に球が1個だけ入球した場合、約361秒である。
このように、本実施形態では、確変が設定された場合に、その確変の残り時間が確変役物700により判別することができる構成としたので、遊技者により確変期間の残り時間について意識させることができ、遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
次に、図5を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図5は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図であり、図5(a)は、第3図柄表示装置81の表示画面及び有効ライン設定を模式的に示した模式図であり、図5(b)は、所謂ダブルリーチが成立した場合の第3図柄表示装置81の表示画面を示した図である。
図5(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、画面のほぼ全領域にわたって第3図柄を変動表示する主表示領域Dmとなっている。また、主表示領域Dmの中央下部には、第1入球口64及び第2入球口640に入球された球のうち、変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する保留表示領域Dbが設けられている。
主表示領域Dmに表示される第3図柄は、「0」から「9」の数字に対応する10種類のキャラクタ図柄(カメ、サメ、ジュゴン、エンゼルフィッシュ等)からなる10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された1種類の副図柄(本実施の形態では、貝の絵図柄)とにより構成されている。これらの主図柄及び副図柄は、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されることによって図柄列を構成している。
パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640への入球を検出すると、大当たり抽選を行い、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示とあわせて、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動演出(動的演出)を実行する。変動演出(動的演出)は、各図柄列毎に主図柄及び副図柄が周期性をもって右から左(矢印X方向)へスクロール(横スクロール)するように行われる。なお、図5に示すように、各図柄列は、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。この場合、上図柄列Z1においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び下図柄列Z3においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
図5(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面には、それぞれ、各図柄列(Z1〜Z3)毎に左・中・右の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。また、第3図柄表示装置81の表示画面には、5つの有効ラインが設定されている。具体的には、図5(a)に示すように、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つのラインが有効ラインとして設定されている。
パチンコ機10では、毎回の遊技に際して、横にスクロールする変動演出の停止時に、いずれかの有効ラインL1〜L5上に、大当たり図柄の組み合わせ(例えば、同一の主図柄の組み合わせ)が揃えば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
即ち、後述の主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、いずれかの有効ラインL1〜L5上に同一の主図柄が揃う変動表示(変動演出)が行われ、その変動演出が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に確変発生スイッチ703(図4参照)へ球を入球させることが可能(入球させることが通常時よりも容易)となる場合(確変大当たりの場合)は、奇数番号に対応する主図柄(「確変図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。
確変大当たりの場合、確変役物700への入球を許可する確変開始予定フラグ203mがオンにされる(図23のS907参照)ので、スルースイッチ701を遊技球が通過することで、電動チューリップ702が開放され、電動チューリップ702へ遊技球が入球可能な状態となる。一方、通常大当たりの場合は、偶数番号に対応する主図柄(「通常図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。通常大当たりの場合、確変開始予定フラグ203mはオンされない(オフのまま維持される)。即ち、電動チューリップ702は、スルースイッチ701を遊技球が通過しても開放状態に設定されず、電動チューリップ内に遊技球が入球可能な状態とならない。
変動演出の停止は、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に行われる。そして、上図柄列Z1と下図柄列Z3とが停止表示された段階で、いずれかの有効ラインL1〜L5上に、その上図柄列Z1と下図柄列Z3とにおいて同一の主図柄が停止表示されていた場合、「リーチ成立」として、その旨を報知する画面が第3図柄表示装置81に表示されると共に、リーチを知らせる音声がパチンコ機10に設けられた音声出力装置226(図5参照)から出力される。ここで、「リーチ」とは、中図柄列Z2が停止表示された場合に、その中図柄列Z2に停止表示された図柄によって、大当たりが発生する可能性がある状態を表すものである。
また、本実施形態のパチンコ機10は、上述した通り、上図柄列Z1においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、下図柄列Z3においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されているので、図5(b)に示すように、上図柄列Z1と下図柄列Z3とが停止表示された段階で、それぞれの図柄列Z1,Z3における左・中・右の3段の第3図柄の並びが、逆の並びとなる場合がある。例えば、図5(b)に示した例では、上図柄列Z1には、左から順に「7」の主図柄(ジュゴン)、副図柄(貝)、「6」の主図柄(サメ)が並び、下図柄列Z1には、左から順に「6」の主図柄(サメ)、副図柄(貝)、「7」の主図柄(ジュゴン)が並んでおり、上図柄列Z1と下図柄列Z3とは、第3図柄の並びが逆になっている。
この場合において、中図柄列Z2が停止表示されたときに、中図柄列Z2の真ん中の図柄が「6」の主図柄(サメ)となれば、有効ラインL4上に「6」の主図柄(サメ)、即ち、偶数図柄に対応する主図柄である通常図柄が揃うので、通常大当たりとなり、大当たり終了後に低確率状態へ移行すると共に時短状態となる。一方、中図柄列Z2の真ん中の図柄が「7」の主図柄(ジュゴン)となれば、有効ラインL5上に「7」の主図柄(ジュゴン)、即ち、奇数図柄に対応する主図柄である確変図柄が揃うので、確変大当たりとなり、大当たり終了後に確変役物700の確変発生スイッチ703(図4参照)へ球が入球させ易くなる。つまり、図5(b)に示した状態は、2つの有効ラインL4,L5上において大当たりとなる可能性があり、中図柄列Z2に停止表示された図柄によって、通常大当たりにも確変大当たりにもなり得る状態、即ち、2つのリーチが成立した「ダブルリーチ」状態にある。
このように、本実施形態におけるパチンコ機10は、第3図柄表示装置81における変動演出においてダブルリーチが成立し得る。このダブルリーチを成立させることによって、単なるシングルリーチ(上図柄列Z1と下図柄列Z3とが停止表示された段階で、1つの有効ライン上にのみ大当たりとなる可能性が示されたリーチ)に比べ、遊技者に大当たりとなる可能性をより高く期待させることができる。また、確変大当たりとなるのか、通常大当たりとなるのか、或いは、確変大当たりにも通常大当たりにもならず、外れとなってしまうのか、といったより複雑な感情を、遊技者に抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる。
保留表示領域Dbは、第1入球口64及び第2入球口640に入球された球のうち、変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域である。第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37A,37B)にて変動表示が行われている間に、球が第1入球口64又は第2入球口640へ入球した場合、その入球回数は第1入球口64への入球に対して最大4回まで保留され、また、第2入球口640への入球に対しても最大4回まで保留される。この第1入球口64及び第2入球口640における保留球数の合計値が、第1図柄表示装置37A,37Bにより示されると共に、保留表示領域Dbにも示される。
保留表示領域Dbには、保留球数1球につき1つの保留球数図柄(図5(a),(b)の●図柄)が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、保留表示領域Dbに1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、8つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が8球であることを示す。また、保留表示領域Dbに保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。同様に、第2入球口640への入球においても、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64への入球に対する最大保留球数と、第2入球口640への入球に対する最大保留球数とは、同一の回数に限定されるものではなく、異なった回数に設定してもよい。例えば、第1入球口64への入球に対する最大保留球数を4回に設定し、第2入球口640への入球に対する最大保留球数を2回に設定してもよい。
また、保留表示領域Dbにおける保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、1又は複数に区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の8つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入球口640へ球が入球しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入球口640へ球が入球しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
第1スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の左方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。また、第2スルーゲート670は、可変表示装置ユニット80の右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置83にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37AのLED37Abで示される。
一方、可変表示装置ユニット80の正面視右方には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37BのLED37Baで示される。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施の形態においては、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入球口640へ入球しにくい状態となっている。一方、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置83に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入球口640へ入球しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態を作ることができる。
ここで、詳細については後述するが、第1入球口64に球が入球した場合と第2入球口640へ球が入球した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入球口64の下方には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64への入球に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37AのLED37Abを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
また、第2入球口640の下方には第2可変入賞装置650が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)650aが設けられている。パチンコ機10においては、第2入球口640への入球に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37BのLED37Baを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65a,650aは、いずれも所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65a,650aが所定時間開放される。この特定入賞口65a,650aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置65及び第2可変入賞装置650は、具体的には、特定入賞口65a又は特定入賞口650aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とをいずれも備えている。特定入賞口65a,650aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65a,650aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLED37Ab,LED37Baが点灯した場合に、特定入賞口65a,650aが所定時間開放され、その特定入賞口65a,650aの開放中に、球が特定入賞口65a,650a内へ入賞することを契機として特定入賞口65a,650aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65a,640,650aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
ここで、図7を参照して、RAM203及びROM202に格納されている各種データについて説明する。図7(a)は、RAM203に格納される各種データを模式的に示した模式図であり、図7(b)は、ROM202に格納される各種データを模式的に示した模式図である。
RAM203は、図7(a)に示す通り、特図1保留球格納エリア203a、特図2保留球格納エリア203b、特図保留球実行エリア203c、特図1保留球数カウンタ203d、特図2保留球数カウンタ203e、普図保留球数カウンタ203f、普図保留球格納エリア203i、普図保留球実行エリア203j、特図種別フラグ203k、確変中フラグ203l、確変開始予定フラグ203m、確変役物入球カウンタ203n、確変期間メモリ203o、確変期間計測カウンタ203p、確変終了予定フラグ203qを少なくとも有している。
また、ROM202は、図7(b)に示す通り、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、大当たり用変動パターンテーブル202c、外れ用変動パターンテーブル202dを少なくとも有している。
更に、主制御装置110では、上述した、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行するために、RAM203には、各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図8参照)が設けられている。
ここで、図8及び図9を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられる各種カウンタと、ROM202内に格納された各種テーブル202a〜202dと、RAM203内に設けられた各種保留球格納エリア203a,203b,203i及び各種保留球実行エリア203c,203jとについて説明する。まず、図8は、各種カウンタの概要を示す図である。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
各カウンタとしては、第1図柄の大当たり抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、第2図柄表示装置83の抽選に用いられる第2当たり乱数カウンタC4と、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定に用いられる第2初期値乱数カウンタCINI2とが設定されている。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図15参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図26参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。カウンタ用バッファは、更新された各カウンタの値を格納するための領域であり、MPU201は、カウンタ毎に、そのカウンタの更新タイミングで、カウンタ用バッファに格納された値を用いて、そのカウンタの更新を行う。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜899)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜899の値を取り得るカウンタの場合は899)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり乱数カウンタC1の更新が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれ、その新たに読み込まれた初期値から、第1乱数カウンタC1の更新が行われる。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜899の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜899の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図15参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図26参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新される。そして、詳細については後述するが、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの第1当たり乱数カウンタC1の値が、特図1保留球格納エリア203aに設けられた特図1保留第1〜第4エリアのいずれかに格納される。また、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの第1当たり乱数カウンタC1の値が、特図2保留球格納エリア203bに設けられた特図2保留第1〜第4エリアのいずれかに格納される。
大当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202a(図7(b)参照)によって設定されている。第1入球口64又は第2入球口640に球が入賞(始動入賞)したタイミングで特図1保留球格納エリア203a又は特図第2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)と一致する場合に、MPU201は大当たりと判定する。
ここで、図9(a)を参照して、大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図9(a)は、大当たり乱数テーブル202aの一例を示した模式図である。この大当たり乱数テーブル202aは、遊技状態が低確率状態(確変中ではない状態)用と、その低確率状態より大当たりとなる確率の高い高確率状態(確変中の状態)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の数が異なって設定されている。大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜899の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1では、低確率状態に大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は3で、その大当たり乱数値「7,307,582」が、「遊技状態」の「低確率状態」に対応付けられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。即ち、低確率状態の大当たり確率は1/300(=3/900)である。
一方で、高確率状態における大当たり乱数値の数は30で、その大当たり乱数値「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が、「遊技状態」の「高確率状態」に対応付けられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。即ち、高確率状態の大当たり確率は1/30(=30/900)である。
尚、本実施形態では、大当たり乱数テーブル202aにおいて、「低確率状態」に対応付けられている大当たり乱数値と、「高確率状態」に対応付けられている大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たり乱数値を設定している。パチンコ機10の状況にかかわらず大当たり乱数値となる値が存在すれば、その値が外部から予測されやすくなるので、不正に大当たりを引き当てられる可能性が高くなる恐れがある。本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図8に戻り、説明を続ける。第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後に0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新される。そして、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの第1当たり種別カウンタC2の値が第1当たり乱数カウンタC1の値と共に、RAM203の特図1保留球格納エリア203aに設けられた特図1保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。また、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの第1当たり種別カウンタC2の値が第1当たり乱数カウンタC1の値と共に、RAM203の特図2保留球格納エリア203bに設けられた特図2保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
ここで、特図1保留球格納エリア203a又は特図2保留球格納エリア203b内の1の保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア、特図2保留第1〜第4エリアのいずれか)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、特図1保留球格納エリア203a又は特図2保留球格納エリア203b内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202b(図7(b)参照)とに基づいて、大当たり種別が決定される。ここで、図9(b)を参照して、大当たり種別テーブル202bについて説明する。図9(b)は、大当たり種別テーブル202bの一例を模式的に示した図である。図9(b)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に、高確率状態へ移行する契機となる電動チューリップ702へ球を入球させることが可能となる「15R確変大当たり」、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態の100変動回数の間は時短状態となる「15R通常大当たり」、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、高確率状態へ移行する契機となる電動チューリップ702へ球を入球させ易くなる「4R確変大当たり」がある。
大当たり種別テーブル202bでは、第1入球口64への入賞に基づいて行われる大当たり抽選の結果が大当たりの場合の大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値との対応付けと、第2入球口640への入賞に基づいて行われる大当たり抽選の結果が大当たりの場合の大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値との対応付けが別々に規定されている。
図9(b)の例では、第1入球口64への入賞に基づいて行われる大当たり抽選の結果が大当たりの場合の大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値との対応付けとして、「第1入球口」用の大当たり種別テーブルとして次のように規定している。即ち、15R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜24」が対応付けられ、15R通常大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「25〜49」が対応付けられ、4R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「50〜99」が対応付けられている。つまり、第1入球口64への入賞に伴って大当たりとなる場合は、その大当たり種別は、1/4(=25/100)の確率で15R確変大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で15R通常大当たりとなり、1/2(=50/100)の確率で4R確変大当たりとなる。
一方、第2入球口640への入賞に基づいて行われる大当たり抽選の結果が大当たりの場合の大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値との対応付けとして、「第2入球口」用の大当たり種別テーブルとして次のように規定している。即ち、4R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜24」が対応付けられ、15R通常大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「25〜49」が対応付けられ、15R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「50〜99」が対応付けられている。つまり、第2入球口640への入賞に伴って大当たりとなる場合は、その大当たり種別は、1/2(=50/100)の確率で15R確変大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で15R通常大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で4R確変大当たりとなる。
このように、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、上述した通り、第2入球口640には電動役物640aが付随しており、電動役物640aの開閉状態に応じて第2入球口640への球の入球し易さが変化するのに対し、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常時においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
図8に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」との3つの停止(演出)パターンが選択される。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新される。そして、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの停止パターン選択カウンタC3の値が第1当たり乱数カウンタC1の値と共に、RAM203の特図1保留球格納エリア203aに設けられた特図1保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。また、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの停止パターン選択カウンタC3の値が第1当たり乱数カウンタC1の値と共に、RAM203の特図2保留球格納エリア203bに設けられた特図2保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
特図1保留球格納エリア203a又は特図2保留球格納エリア203b内の1の保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア、特図2保留第1〜第4エリアのいずれか)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、外れ時の停止種別として、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、停止種別が選択される。
停止パターン選択カウンタC3に対応して、停止種別の選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブル(図示せず)がROM202に設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、変動パターンの決定に用いられるカウンタであり、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図15参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図26参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。
そして、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの変動種別カウンタCS1の値が第1当たり乱数カウンタC1の値と共に、RAM203の特図1保留球格納エリア203aに設けられた特図1保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。また、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの変動種別カウンタCS1の値が第1当たり乱数カウンタC1の値と共に、RAM203の特図2保留球格納エリア203bに設けられた特図2保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
MPU201は、変動種別カウンタCS1と、ROM202に格納された大当たり変動パターンテーブル202c(図9(c)参照)、外れ変動パターンテーブル202d(図9(d)〜(e)参照)とによって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ等の変動パターンを決定する。変動パターンの決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様を決定する。
本パチンコ機10は、変動パターンテーブルとして、大当たり時に用いられる大当たり用変動パターンテーブル202cと、外れ時に用いられる外れ用変動パターンテーブル202dとが用意されている。ここで、外れ用変動パターンテーブル202dとしては、遊技状態が時短中を除く通常中の低確率状態の場合に選択される外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と、時短中または確変中である場合に選択される外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2が設定されている。
ここで、特図1保留球格納エリア203a又は特図2保留球格納エリア203b内の1の保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア、特図2保留第1〜第4エリアのいずれか)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、同じ保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、大当たり用変動パターンテーブル202cから決定される。
また、特図1保留球格納エリア203a又は特図2保留球格納エリア203b内の1の保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア、特図2保留第1〜第4エリアのいずれか)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、(即ち、外れとなる乱数であれば、)遊技状態が時短中を除く通常中の低確率状態にあるときは、変動パターンが、取得されている変動種別カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1から決定される。また、遊技状態が時短中または確変中にあるときは、変動パターンが、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2から決定される。
図9(c)を参照して、大当たり用変動パターンテーブル202cについて説明する。図9(c)は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202cの一例を模式的に示した図である。大当たりの場合に選択される変動パターンには、ノーマルリーチ各種と、スーパーリーチ各種と、スペシャルリーチ各種とがあり、これらの変動パターンの中から、変動種別カウンタCS1の値に応じて変動パターン(変動時間)が選択される。
ここで、ノーマルリーチ各種とは、変動時間が30秒と短い変動パターンであり、短いリーチの後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う変動パターンである。スーパーリーチ各種とは、変動時間が60秒とノーマルリーチ各種よりも長い変動パターンであり、比較的長く行われるリーチ(例えば、ロングリーチやノーマルリーチから発展するリーチなど)後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う変動パターンである。スペシャルリーチ各種とは、変動時間が90秒とスーパーリーチ各種より更に長い変動パターンであり、最も長い時間行われるリーチ(例えば、スーパーリーチ後に更に発展するリーチやノーマルリーチからの発展先がスーパーリーチとは異なる特殊なリーチなど)後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う変動パターンである。
なお、「リーチ各種」とは、各リーチにおいても演出内容が異なるものが多数あることを意味しており、例えば、スーパーリーチには、背面画像を速く変化させて表示するリーチや、あるキャラクタを突然表示するリーチ等があり、そのほか変動開始前の予告演出が付加されるもの、再変動で大当たりとなる演出が付加されるものなど、演出内容が異なる複数のリーチが含まれている。
図9(c)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202cは、変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターン(変動時間)を表している。具体的には、各変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、ノーマルリーチ各種が0〜50、スーパーリーチ各種が51〜179、スペシャルリーチ各種が180〜198となっている。
変動時間の長いスーパーリーチ各種やスペシャルリーチ各種が変動パターンとして多く選択されることにより、スーパーリーチ各種やスペシャルリーチ各種による変動演出が行われている間、遊技者に大当たりとなる期待感を大きく膨らませることができる。
なお、本パチンコ機10では、遊技状態(通常中、時短中、確変中)によらず、各変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けを同じものとしたが、遊技状態ごとに、各変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けを異ならせてもよい。
また、大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して決定するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、大当たりやリーチ演出の開始を予告する予告演出を変動開始前や変動演出中に付加するか否かが、他の変動種別カウンタにより決定されても良いし、リーチが成立した場合に、最後に停止する第1図柄(又は第3図柄)を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後外れ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されても良い。
次に、図9(d)を参照して外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1について説明する。図9(d)は、ROM202に記憶される外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1の一例を模式的に示した図である。図9(d)に示すように、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1は、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用、及び、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通と、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。特図1保留球格納エリア203a又は特図2保留球格納エリア203b内の1の保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア、特図2保留第1〜第4エリアのいずれか)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、第1当たり乱数カウンタC1と同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1から決定される。
完全外れ専用には、短時間(7秒)で変動が終了してリーチも成立しない短外れと、その短外れより長い変動時間(10秒)となるがリーチが成立しない長外れとがあり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、短外れが0〜98、長外れが99〜198となっている。また、リーチ共通には、リーチは成立するが変動時間が30秒と短いノーマルリーチ各種と、そのノーマルリーチ各種より変動時間が60秒と長いスーパーリーチ各種と、そのスーパーリーチ各種より更に変動時間が90秒と長いスペシャルリーチ各種とがあり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、ノーマルリーチ各種が0〜149、スーパーリーチ各種が150〜197、スペシャルリーチ各種が198となっている。
図9(e)は、ROM202に記憶される外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2の一例を模式的に示した図である。図9(e)に示すように、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照され、短外れと長外れとがある完全外れ専用、及び、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照され、ノーマルリーチ各種とスーパーリーチ各種とスペシャルリーチ各種とがあるリーチ共通というように、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
特図1保留球格納エリア203a又は特図2保留球格納エリア203b内の1の保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア、特図2保留第1〜第4エリアのいずれか)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2から決定される。
完全外れ専用における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、短外れが0〜190、長外れが191〜198となっている。また、リーチ共通における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、ノーマルリーチ各種が0〜190、スーパーリーチ各種が191〜197、スペシャルリーチ各種が198となっている。
外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、遊技状態が時短中または確変中にあるときに参照されるテーブルであるので、電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入球口640において始動入賞が発生しやすい状態となる。よって、時短中または確変中にあるときに、長外れが多く行われると、次の変動表示の開始まで時間がかかり、遊技者に待ちの状態を与えてしまい、遊技者に不快感を与える可能性がある。また、ホールとしても稼働率が低下して好ましくない。そこで、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、それ以外の場合よりも短外れが選択され易いように構成し、次の変動表示の開始を早期に行うことで、遊技者に不快感を与える可能性を低下できる。また、稼働率が極端に低下することも抑制できる。
ここで変動パターンの大当たりの信頼度と変動時間との関係について説明する。図9(c)の大当たり用変動パターンテーブル202cに示した変動種別カウンタCS1の値により、リーチの変動パターンが選ばれる確率は、ノーマルリーチ各種(30秒)は51/198、スーパーリーチ各種(60秒)は129/198、スペシャルリーチ(90秒)は19/198である。一方、図9(e)の外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2に示した変動種別カウンタCS1の値により、リーチの変動パターンが選ばれる確率は、ノーマルリーチ各種(30秒)は191/198、スーパーリーチ各種(60秒)は7/198、スペシャルリーチ各種(90秒)は1/198である。大当たり用と外れ用との比率は、ノーマルリーチ各種(30秒)は51/191(=0.267)、スーパーリーチ各種(60秒)は129/7(=18.43)、スペシャルリーチ各種(90秒)は19/1(=19)である。これは変動パターンと大当たりの信頼度を表している。これにより、パチンコ機10は変動時間が長い変動演出である程、大当たりの信頼度が高くなるように構成している。これにより、遊技者は自身にとって有利な大当たりに興味があるため、変動演出期間は長時間であったとしても、大当たりの信頼度が高い変動演出に対して興味を持たせることができる。
また、上述したように、本実施形態では、確変期間は、遊技球が確変開始スイッチ703により検出されてから、一定時間が経過して、その遊技球が確変終了スイッチ707に検出されるまでの期間としたので、比較的に短い変動時間の変動パターンが選択された方が、高確率で抽選される機会が増大されて遊技者に有利となる。本実施形態では、大当たりの期待度が低い変動パターンについては、変動時間を短く設定し、大当たりの期待度が低い変動パターンについては、変動時間を長く設定したので、遊技者は、変動時間の長い変動パターンが選択されることにより、確変期間を多く消化することとなっても、大当たりへの期待度を持って遊技を行うことで、遊技に対する意欲を著しく低下させる不具合を抑制できる。
なお、外れ時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。また、外れ種別の選択を、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2とに分けるように構成したが、遊技状態が通常中であっても、保留球が複数(例えば、最大4個であれば3個以上)の場合は、早期に変動表示を終了しても良いので、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2を参照して選択するものとしても良いし、保留球数に対応した通常用または確変用の変動パターンテーブルを用意するように構成しても良い。
さらに、図9(d)及び図9(e)に示す各外れ用の変動パターンテーブルで、短外れ及び長外れを単に外れとし、その外れが選択された場合に、他のテーブルを参照して、短外れと長外れとを所定の確率で選択するように構成しても良い。勿論、この場合も、保留球数に対応したテーブルをそれぞれ用意しても良い。
さらにまた、本実施形態では、確変期間における外れの変動パターンテーブルを残り確変期間に関わらず一定としたが、それに限らず、残り期間が所定期間以上である場合には、比較的に短い変動パターンが選択され易い変動パターンテーブルを設定しておき、所定期間未満となった場合には、比較的に長い変動時間の変動パターンが選択され易い(例えば、スーパーリーチが選択される確率が高い)変動パターンテーブルが設定され易いように構成してもよい。
さらにまた、第1図柄の当否判定において、外れ、大当たりに加え、小当たりを設定して、小当たりに当選することを契機に、複数の変動パターンテーブルから変動パターンを選択するテーブルを抽選により選択するように構成してもよい。この場合に、選択される変動パターンテーブルについて、変動時間の長い変動パターンの選択される割合を変えて設定しておくことで、確変期間内でも、さらに遊技者に有利となる期間(変動時間の短い変動パターンが選択され易い変動パターンテーブルが選択されている期間)と、遊技者に不利となる期間(変動時間の長い変動パターンが選択され易い変動パターンテーブルが選択されている期間)とを設定することができ、遊技の興趣を増大できる。
図8に戻り、各種カウンタの説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、第2図柄表示装置83にて行われる第2図柄(普通図柄)の変動表示の当たり抽選に用いられるカウンタであり、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。
第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図15参照)毎に更新され、球が第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670を通過したことが検知された時に取得され、RAM203に設けられた普図保留球格納エリア203iの普図保留第1〜第4エリアのいずれかに格納される。
第2当たり乱数カウンタC4において、遊技状態が通常中における当たりとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。即ち、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜153」の範囲にある場合に、遊技状態が通常中の場合は当たりと判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640の電動役物640aが所定時間だけ開放される。また、遊技状態が時短中または確変中における当たりとなる乱数の値の数は250あり、その範囲は「1〜250」となっている。即ち、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「1〜250」の範囲にある場合に、遊技状態が時短中または確変中の場合は当たりと判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640の電動役物640aが、通常中のときよりも長い所定時間だけ開放される。
このように、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く設定されている。また、上述した通り、第2図柄の変動表示にかかる時間も通常中よりも短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。一方、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態を作ることができる。
ここで、上述した通り、第1入球口64に球が入球した場合と第2入球口640へ球が入球した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一であるが、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常時においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図15参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図26参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
さて、RAM203には、第1入球口63への入球に対して各カウンタ値が格納される4つの保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア)からなる特図1保留球格納エリア203aが設けられている。また、RAM203には、第2入球口64への入球に対して各カウンタ値が格納される特図2保留球格納エリア203bが設けられている。図示はしていないが、特図2保留球格納エリア203bも、特図1保留球格納エリア203aと同様に、4つの保留エリア(特図2保留第1〜第4エリア)を有している。
特図1保留球格納エリア203aに設けられた各保留エリアは、いずれも、第1入球口64又は第2入球口640への入球によってカウンタ用バッファより取得される第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の値をそれぞれ格納するための、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2、変動パターン選択カウンタ格納エリア203a3、変動種別カウンタ格納エリア203a4を有している。また、図示はしていないが、特図2保留球格納エリア203bに設けられたいずれの保留エリアも、特図1保留球格納エリア203aの各保留エリアと同様に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の値をそれぞれ格納するための格納エリアが設けられている。
特図1保留球格納エリア203aには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、カウンタ用バッファから取得される第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値が格納される。このとき、特図1保留球格納エリア203aに保留が全くなく、特図1保留第1〜第4エリアの全てが空きエリアとなっている場合は、特図1第1保留エリアに各カウンタの値が格納される。特図1保留球格納エリア203aに保留が1つのみで、特図1保留第1エリアだけに各カウンタの値が格納されている場合は、特図1保留第2エリアに各カウンタの値を格納する。
特図1保留球格納エリア203aでの保留が2つで、特図1保留第1〜第2エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、特図1保留第3エリアに各カウンタの値を格納する。特図1保留球格納エリア203aでの保留が3つで、特図1保留第1〜第3エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、特図1保留第4エリアに各カウンタの値を格納する。これにより、第1入球口64への始動入賞があった順に、その始動入賞のタイミングでカウンタ用バッファから取得した各カウンタの値を、特図1保留第1エリア、特図1保留第2エリア、特図1保留第3エリア、特図1保留第4エリアに格納することができる。
一方、特図2保留球格納エリア203bには、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、カウンタ用バッファから取得される第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。各カウンタの値を、特図2保留球格納エリア203bのどの保留エリア(特図2保留第1〜第4エリア)に格納するかは、特図2保留球格納エリア203bに格納された保留の数に基づいて、特図1保留球格納エリア203aの場合と同じ方法で決められる。これにより、第2入球口640への始動入賞があった順に、その始動入賞のタイミングでカウンタ用バッファから取得した各カウンタの値を、特図2保留第1エリア、特図2保留第2エリア、特図2保留第3エリア、特図2保留第4エリアに格納することができる。
尚、特図1保留第1〜第4エリアの全てに各カウンタの値が格納されているときに第1入球口64への始動入賞が検出された場合は、そのときの各カウンタの値は保留されずに破棄される。同様に、特図2保留第1〜第4エリアの全てに各カウンタの値が格納されているときに第2入球口640への始動入賞が検出された場合は、そのときの各カウンタの値は保留されずに破棄される。即ち、本実施形態では、第1入球口64及び第2入球口640のそれぞれにおいて、最大で4つの始動入賞まで、各カウンタの値が保留可能に構成されている。
RAM203には、また、特図保留球実行エリア203cが設けられている。変動演出の開始タイミングになると、特図2保留球格納エリア203bでの保留がある場合は、その特図2保留球格納エリア203bの特図2保留第1エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び停止種別カウンタCS1の各値が、それぞれ、特図保留球実行エリア203cに設けられた第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3、変動種別カウンタ格納エリア203c4に移される。
また、特図2保留球格納エリア203bでの保留がなく、特図1保留球格納エリア203aでの保留がある場合は、その特図1保留球格納エリア203aの特図1保留第1エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値が、それぞれ、特図保留球実行エリア203cに移される。そして、特図保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3、変動種別カウンタ格納エリア203c4に格納された各カウンタの値に基づいて、大当たり抽選や、変動演出の変動パターンおよび停止図柄の種別の決定が行われるのである。
第1図柄表示装置37A,37Bでは、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。
このように、特図2保留球格納エリア203bでの保留があれば、特図1保留球格納エリア203aでの保留の有無にかかわらず、特図2保留球格納エリア203bに格納された各カウンタの値が特図保留球実行エリア203cへ移され、その特図保留球実行エリア203cに格納された各カウンタの値に基づいて、大当たり抽選や、変動演出の変動パターンおよび停止図柄の種別の決定が行われる。よって、本パチンコ機10では、第2入球口640における始動入賞が、第1入球口64における始動入賞よりも優先して大当たり抽選が行われ、その大当たり抽選に基づいて変動演出が行われるように構成されている。
尚、特図1保留球格納エリア203aの特図1保留第1エリアの各カウンタの値、又は、特図2保留球格納エリア203bの特図2保留球第1エリアの各カウンタの値が、特図保留球実行エリア203cに移されると、その後、特図1保留第2エリア又は特図2保留第2エリアに格納された各カウンタの値が、空いた特図1保留第1エリア又は特図2保留第1エリアにシフトされる。そして、特図1保留第3エリア又は特図2保留第3エリアに格納された各カウンタの値が空いた特図1保留第2エリア又は特図2保留第2エリアにシフトされ、特図1保留第4エリア又は特図2保留第4エリアに格納された各カウンタの値が空いた特図1保留第3エリア又は特図2保留第3エリアにシフトされる。
これにより、特図2保留球格納エリア203bに保留された各カウンタの値に基づいて変動演出が開始されると、第2入球口640による保留が1つ分だけ減り、特図2保留球格納エリア203bの1エリアが開放される。また、特図1保留球格納エリア203aに保留された各カウンタの値に基づいて変動演出が開始されると、第1入球口64による保留が1つ分だけ減り、特図1保留球格納エリア203aの1エリアが開放される。
なお、本パチンコ機10では、各保留エリアにおけるデータの有無にかかわらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成したが、データ(各種カウンタの値)が記憶(保留)されている保留エリアについてのみデータのシフトを行ってもよい。例えば、データのシフトを行う前の特図1保留球格納エリア203aに保留された変動演出の数(保留球数)が2であり、特図1保留第1エリアと特図1保留第2エリアとにのみ、データが記憶されていた場合は、特図1保留第1エリアのデータを特図保留球実行エリア203cへシフトした後、特図1保留第2エリアのデータを特図1保留第1エリアへシフトさせて、シフト処理を終了させてもよい。これにより、データが記憶(保留)されていない保留エリア(上記の例では、特図1保留第3〜第4エリア)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
RAM203には、また、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670における球の通過に対して各カウンタ値が格納される4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)からなる普図保留球格納エリア203iが設けられている。各保留エリアは、それぞれ、第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670における球の通過によってカウンタ用バッファより取得される第2当たり乱数カウンタC4の値を格納するための第2当たり乱数カウンタ格納エリア203i1を有している。
普図保留球格納エリア203iには、第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670における球の通過タイミングに合わせて、カウンタ用バッファから取得される第2当たり乱数カウンタC4が格納される。このとき、普図保留球格納エリア203iに保留が全くなく、普図保留第1〜第4エリアの全てが空きエリアとなっている場合は、普図第1保留エリアに第2当たり乱数カウンタC2の値が格納される。普図保留球格納エリア203aに保留が1つのみで、普図保留第1エリアだけに第2当たり乱数カウンタC4の値が格納されている場合は、普図保留第2エリアに第2当たり乱数カウンタC4の値を格納する。普図保留球格納エリア203iでの保留が2つで、普図保留第1〜第2エリアのみに第2当たり乱数カウンタC4の値が格納されている場合は、普図保留第3エリアに第2当たり乱数カウンタC4の値を格納する。普図保留球格納エリア203aでの保留が3つで、普図保留第1〜第3エリアのみに第2当たり乱数カウンタC4の値が格納されている場合は、普図保留第4エリアに第2当たり乱数カウンタC4の値を格納する。
これにより、第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670において球の通過が検出された順に、その球の通過タイミングでカウンタ用バッファから取得した第2当たり乱数カウンタC4の値を、普図保留第1エリア、普図保留第2エリア、普図保留第3エリア、普図保留第4エリアに格納することができる。尚、普図保留第1〜第4エリアの全てに第2当たり乱数カウンタC4の値が格納されているときに、第1又は第2スルーゲート67,670において球の通過が検出された場合は、そのときの第2当たり乱数カウンタC4の値は保留されずに破棄される。
RAM203には、また、普図保留球実行エリア203jが設けられている。第2図柄(普通図柄)の変動表示の開始タイミングになると、普図保留球格納エリア203iでの保留がある場合は、その普図保留球格納エリア203iの普図保留第1エリアに格納された第2当たり乱数カウンタC4の各値が、普図保留球実行エリア203jに設けられた第2当たり乱数カウンタ格納エリア203j1に移される。そして、普図保留球実行エリア203jの第2当たり乱数カウンタ格納エリア203j1に格納された第2当たり乱数カウンタC4の値に基づいて、第2図柄(普通図柄)の当たり抽選が行われる。
尚、普図保留球格納エリア203iの普図保留第1エリアの第2当たり乱数カウンタC4の値が、普図保留球実行エリア203jに移されると、その後、普図保留第2エリアに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が、空いた普図保留第1エリアにシフトされる。そして、普図保留第3エリアに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が空いた普図保留第2エリアにシフトされ、普図保留第4エリアに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が空いた普図保留第3エリアにシフトされる。
これにより、普図保留球格納エリア203iに保留された第2当たり乱数カウンタC4の値に基づいて第2図柄(普通図柄)の変動表示が開始されると、普通図柄の保留が1つ分だけ減り、普図保留球格納エリア203iの1エリアが開放される。
なお、本パチンコ機10では、普図保留球格納エリア203iの各保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)間でデータのシフト処理を行う場合に、各保留エリアにおけるデータの有無にかかわらず、保留エリア(普図保留第2〜第4エリア)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成したが、特図の場合と同様に、データ(各種カウンタの値)が記憶(保留)されている保留エリアについてのみデータのシフトを行ってもよい。例えば、データのシフトを行う前の普図保留球格納エリア203iに保留された変動演出の数(保留球数)が2であり、普図保留第1エリアと普図保留第2エリアとにのみ、データが記憶されていた場合は、普図保留第1エリアのデータを普図保留球実行エリア203jへシフトした後、普図保留第2エリアのデータを普図保留第1エリアへシフトさせて、シフト処理を終了させてもよい。これにより、データが記憶(保留)されていない保留エリア(上記の例では、普図保留第3〜第4エリア)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図7に戻り、RAM203の説明を続ける。特図1保留球数カウンタ203d、特図2保留球数カウンタ203eは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図15参照)の中で検出される第1入球口64又は第2入球口640への入球(始動入賞)に基づいて、第1図柄表示装置37A,37Bで行われる変動演出(第3図柄表示装置81で行われる変動演出)の保留球数(待機回数)を、それぞれ最大4回まで計数するカウンタである。特図1保留球数カウンタ203d、特図2保留球数カウンタ203eは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図25のS1113参照)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される。一方、特図1保留球数カウンタ203a、特図2保留球数カウンタ203bは、変動演出が実行される毎に1減算される。
普図保留球数カウンタ203fは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図15参照)の中で検出される第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670を球が通過したことに基づいて第2図柄表示装置83で行われる第2図柄(普通図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を、最大4回まで計数するカウンタである。電源投入後のRAM203の初期設定処理(図25のS1113参照)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される。一方、普図保留球数カウンタ203fは、第2図柄(普通図柄)の変動表示が実行される毎に1減算される。
普図保留球数カウンタ203fによって、第2図柄(普通図柄)の変動表示が最大4回まで保留可能に構成される。また、普図保留球数カウンタ203fによって示される保留球数分の第2図柄保留ランプ84(図2参照)が、点灯される。これにより、第2図柄の変動表示の保留球数が、遊技者に対して報知される。
特図種別フラグ203kは、特別図柄である第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第1入球口64への始動入賞に伴って実行されるものであるのか、第2入球口640への始動入賞に伴って実行されるものであるのか、を示すフラグである。特図種別フラグ203kがオフの場合に、第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第1入球口64への始動入賞に伴って実行されるものであることを示し、特図種別フラグ203kがオンの場合に、第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第2入球口640への始動入賞に伴って実行されるものであることを示す。
この特図種別フラグ203kは、第1図柄(第3図柄)の変動演出の開始を設定する初めの段階で、オフ又はオンに設定される。具体的には、第1図柄(第3図柄)の変動演出の実行開始タイミングとなった場合に、特図2保留球数カウンタ203eの値が0より大きく、第2入球口640への始動入賞に伴って取得された各種カウンタの値が特図2保留球格納エリア203bに保留されていれば、その特図2保留球格納エリア203bの特図2保留第1エリアに格納された各種カウンタの値が特図保留球実行エリア203cへシフトされると共に、特図種別フラグ203kがオンに設定される(図21参照)。
また、第1図柄(第3図柄)の変動演出の実行開始タイミングとなった場合に、特図2保留球数カウンタ203eの値が0である一方、特図1保留球数カウンタ203dの値が0より大きく、第1入球口64への始動入賞に伴って取得された各種カウンタの値が特図1保留球格納エリア203aに保留されていれば、その特図1保留球格納エリア203aの特図1保留第1エリアに格納された各種カウンタの値が特図保留球実行エリア203cへシフトされると共に、特図種別フラグ203kがオフに設定される(図21参照)。
MPU201では、第1図柄(第3図柄)の変動演出の実行開始タイミングで行う大当たり抽選によって大当たりと判定した場合に、大当たり種別の決定に用いる大当たり種別テーブル(図9(b)参照)として、特図種別フラグ203kに基づいて、「第1入球口」用と「第2入球口」用とのいずれかを設定する。具体的には、特図種別フラグ203kがオフの場合、大当たりと判定された第1図柄(第3図柄)の変動演出は、第1入球口64への始動入賞に伴って実行されるものであるので、「第1入球口」用の大当たり種別テーブルを設定する。一方、特図種別フラグ203kがオンの場合、大当たりと判定された第1図柄(第3図柄)の変動演出は、第2入球口640への始動入賞に伴って実行されるものであるので、「第2入球口」用の大当たり種別テーブルを設定する。
上述した通り、第1入球口64への入賞に伴って大当たりとなる場合の大当たり種別は、1/4(=25/100)の確率で15R確変大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で15R通常大当たりとなり、1/2(=50/100)の確率で4R確変大当たりとなる。また、第2入球口640への入賞に伴って大当たりとなる場合の大当たり種別は、1/2(=50/100)の確率で15R確変大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で15R通常大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で4R確変大当たりとなる。即ち、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。
上述した通り、第2入球口640には電動役物640aが付随しており、電動役物640aの開閉状態に応じて第2入球口640への球の入球し易さが変化するのに対し、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常時においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
確変中フラグ203lは、遊技状態が高確率状態(確変中)か、低確率状態(通常中、時短中)か、を示すフラグである。確変中フラグ203lがオンの場合に高確率状態(確変中)であることを示し、確変中フラグ203lがオフの場合に低確率状態(通常中、時短中)であることを示す。
この確変中フラグ203lはRAM203の初期設定処理(図25のS1113参照)によって、初期値としてオフが設定される。確変中フラグ203lは確変発生スイッチ703に球が入球し、MPU201により確変が開始(「高確率状態」に遷移)されると、オンされる(図17参照)。確変中フラグ203lは確変終了スイッチ707に球が入球し、確変が終了(「低確率状態」に遷移)されるとオフされる(図19参照)。
この確変中フラグ203lは、MPU201で実行される大当たり抽選処理(図23のS901参照)において、大当たりの決定に用いる大当たり乱数テーブル202a(図9(a)参照)として「高確率状態」用と「低確率状態」用とのいずれを用いるかを決定するのに用いられる。大当たり抽選処理では、確変中フラグ203lがオンの場合「高確率状態」用を用いるので大当たり確率は1/30となる。確変中フラグ203lがオフの場合「低確率状態」用を用いるので大当たり確率は1/300となる。
また、大当たり抽選処理で大当たりが決定した場合に確変中フラグ203lがオンであると、大当たり遊技の1ラウンドあたりの入賞個数を後述の確変期間計測カウンタ203pの値に応じて決定する(図23参照)。
確変開始予定フラグ203mは、パチンコ機10が確変の開始を予定しているか否かを示すフラグである。確変役物700のスルースイッチ701(図4参照)へ球が入球したとMPU201に判別された場合に、確変開始予定フラグ203mがオンであると電動チューリップ702の開放が設定される。
この確変開始予定フラグ203mはRAM203の初期設定処理(図25のS1113参照)によって、初期値としてオフが設定される。また、MPU201の大当たり抽選処理(図23のS901参照)において確変大当たり(前述の15R確変大当たり、又は4R確変大当たり)が決定すると、確変開始予定フラグ203mはオンされる。大当たり中でない場合に、スルースイッチ701へ球が入球したときに、確変開始予定フラグ203mがオンであることによって、電動チューリップ702が開放される(図16参照)。この開放した電動チューリップ702に球が入球し、その球が確変発生スイッチ703に検出され、確変が開始されると確変開始予定フラグ203mはオフされる(図17参照)。
このように、確変開始フラグ203mは、確変発生スイッチ703に検出されるとオフに設定されるので、複数の遊技球が電動リューリップ702に入球し、確変発生スイッチ703を複数の遊技球が通過しても、確変が設定される処理がその都度実行される不具合を抑制できる。
なお、遊技状態が「低確率状態」である場合に、確変開始予定フラグ203mがオンされても遊技状態は「低確率状態」のままである。つまり、スルースイッチ701を遊技球が通過して、電動チューリップ702が開放している間に遊技球が入球しなかった場合にも、再度、スルースイッチ701を遊技球が通過することで、電動チューリップの開放が実行される。これにより、確変大当たりに当選したにも関わらず、電動チューリップ702の1度目の開放で入球させられなかったことで、遊技者に確変遊技が付与されない不具合を抑制でき、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制できる。
また、本実施形態では、確変開始予定フラグ203mがオンされた後、確変が開始されるまで、オンを維持する構成としたが、確変開始予定フラグ203mがオンされた後、所定時間(例えば、10分)経過しても確変が開始されない場合には、MPU201によって確変開始予定フラグ203mをオフするように構成してもよい。このような構成では、確変大当たりであるか通常大当たりであるかを遊技者に報知しない構成とすることで、スルースイッチ701を通過させることで、確変遊技中であるかを遊技者が識別することが可能となり、遊技者の遊技に対する意欲をより向上させることができる。
確変役物入球カウンタ203nは、確変役物700の内部(確変発生スイッチ703から確変終了スイッチ707の間)に入球している球の数を記憶するカウンタである。確変役物入球カウンタ203nは0〜255の範囲で計数可能なカウンタである。
この確変役物入球カウンタ203nはRAM203の初期設定処理(図25のS1113参照)によって、初期値として0が設定される。確変発生スイッチ703が球の入球を検出すると、MPU201によって確変役物入球カウンタ203nは1加算される(図17参照)。確変終了スイッチ707が球の入球を検出すると、MPU201によって確変役物入球カウンタ203nは1減算される(図18参照)。確変役物入球カウンタ203nが1減算されても、確変役物入球カウンタ203nが1以上の場合(確変役物700から球が1個排出されても、まだ確変役物700の内部に球がある場合)には、確変が継続して設定される。一方、確変終了スイッチ707が球の入球を検出し、MPU201によって確変役物入球カウンタ203nが1減算されて0になったことを契機に確変が終了される(図19参照)。
本実施形態では、確変役物入球カウンタ203nが0になるまで確変中を継続する。即ち、確変役物700の内部に入球している球の数に応じて「確変最長期間」を決定できる。また、「確変最長期間」は本実施形態では確変役物700に入球した球1個あたり約361秒となるように構成している。なお、開放した電動チューリップ702に球が入球し、その入り口付近にある確変発生スイッチ703に検出されると電動チューリップ702は閉鎖されるので、確変役物700の内部に球が大量に入球することが防止できるように構成されている。
これにより、電動チューリップ702に入球した遊技球の数により「確変最長期間」がより長くなることから、遊技者は、電動チューリップ702が開放された場合に、より多くの遊技球を入球させようと遊技球を発射させる。よって、より遊技球を消費させて遊技を行わせることができる。また、電動チューリップ702にいくつの遊技球が入球するかについて関心を持たせることができ、大当たり以外にも遊技者を楽しませることができる。
確変期間メモリ203oは、確変回転体704が「角度A1」の状態から「角度A2」の状態となるまでの確変回転体704が回転する期間に相当する値を設定するメモリである。この確変期間メモリ203oは、MPU201により後述の確変期間計測カウンタ203pと値を比較され、「当該確変最長期間」が予定の期間を超えているか否かを判断するのに用いられる(図22参照)。
この確変期間メモリ203oはRAM203の初期設定処理(図25のS1113参照)によって、初期値として0が設定される。また、確変発生スイッチ703に球が入球し、MPU201により確変が開始(「高確率状態」に遷移)される場合に、確変期間メモリ203oは、確変回転体704が「角度A1」の状態から「角度A2」の状態となるまでの確変回転体704が回転する期間に相当する値が設定される(図17参照)。この設定される値について、確変期間計測カウンタ203pはタイマ割込処理の実行間隔である2ミリ秒毎に1加算されるので、確変期間メモリ203oには、本実施形態では360秒に相当する180000(=360秒÷(タイマ割込処理(図15参照)の実行間隔(2ミリ秒))が設定される。
本実施形態のパチンコ機10では、確変中に、確変回転体704の球受部704bに停留されている球を、確変回転体704の確変回転体モータ704aを中心に、一定速度で回転させる。これは、タイマ割込処理(図15参照)のS109の変動処理(図21参照)のS702の確変期間進行処理(図22参照)において、タイマ割込処理の実行間隔である2ミリ秒毎に、時計回りに「角度AX」回転させるからである。
ここで、「角度AX」は、「「確変回転体704の角度A1−A2」/(確変期間メモリ203oの値)」で計算できる。本実施形態においては、「角度AX」は、0.00166…(=300/180000)度である。つまり、確変期間メモリ203oはタイマ割込処理の実行間隔である2ミリ秒毎に、確変回転体704を時計回りに回転させる「角度AX」を計算するのに用いられる。これにより、確変発生スイッチ703に球が入球し、MPU201により確変が開始(「高確率状態」に遷移)される場合に、確変期間メモリ203oに設定する値を変えることで、「確変最長期間」を設定することができる。確変期間メモリ203oに設定する値に相当する秒数に1秒を足した時間が「確変最長期間」となる。
確変期間計測カウンタ203pは、確変が開始されてからの経過期間を記憶するカウンタである。確変期間計測カウンタ203pは0〜65535の範囲で計数可能なカウンタである。確変期間計測カウンタ203pは、確変期間メモリ203oと値を比較され、「当該確変最長期間」が予定の期間を超えているか否かを判断するのに用いられる(図22参照)。
この確変期間計測カウンタ203pはRAM203の初期設定処理(図25のS1113参照)によって、初期値として0が設定される。確変期間計測カウンタ203pは確変発生スイッチ703に球が入球し、MPU201により確変が開始(「高確率状態」に遷移)されると、0クリアされる(図17参照)。また、タイマ割込処理の実行間隔である2ミリ秒毎に所定の条件で1加算される(図22参照)。さらに、確変終了スイッチ707が球の入球を検出して、確変役物入球カウンタ203nが1減算されても、確変役物入球カウンタ203nが1以上の場合(確変役物700から球が1個排出されても、まだ確変役物700の内部に球がある場合)に、確変を継続するために、確変期間計測カウンタ203pは0クリアされる(図18参照)。確変期間計測カウンタ203pによって「確変最長期間」が予定の期間を超えているか否かを判断することができる。
確変終了予定フラグ203qは、確変の終了を予定しているか否かを示すフラグである。確変終了予定フラグ203qがオンの場合に確変の終了を予定していることを示し、確変終了予定フラグ203qがオフの場合に確変の終了を予定していないことを示す。
この確変終了予定フラグ203qはRAM203の初期設定処理(図25のS1113参照)によって、初期値としてオフが設定される。また、確変終了スイッチ707が球の入球を検出し、MPU201によって確変役物入球カウンタ203nが1減算されて0になった場合に、確変終了予定フラグ203qはオンされる(図18参照)。そして、確変が終了される場合に確変終了予定フラグ203qはオフされる(図19参照)。
本実施形態では、確変終了スイッチ707が球の入球を検出し、MPU201によって確変役物入球カウンタ203nが1減算されて0になった場合に、変動演出が変動中であれば直ちに確変を終了するのではなく、当該変動演出が停止したときに確変を終了するように構成している。即ち、確変終了予定フラグ203qによって、変動演出が変動中であれば直ちに確変を終了するのではなく、当該変動演出が停止したときに確変を終了することができる。
図6に戻り、説明を続ける。RAM203は、図7(a)に図示した各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図26参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図25参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図24参照)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65a,650aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
さらに、入出力ポート205には、確変役物700(図4参照)のスルースイッチ701、確変発生スイッチ703、確変回転体モータ704a、確変終了スイッチ707が接続されている。
MPU201は、入出力ポート205を介してスルースイッチ701、確変発生スイッチ703、確変終了スイッチ707のそれぞれが球の入球を検出しているかを判別する。これらのスイッチは球の入球を検出している場合はオン信号をMPU201に出力し、球の入球を検出していない場合はオフ信号をMPU201に出力する。MPU201は後述のスイッチ読み込み処理(図16参照)において球の入球を検出する。
MPU201は、入出力ポート205を介して確変回転体モータ704aの目標角度(絶対角度、相対角度)、回転方向、回転速度を制御することができる。また、MPU201は、確変回転体モータ704aの現在の角度と回転方向とを取得することができる。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図24参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
図10を参照して、主制御装置110のMPU201に制御される確変役物700の動作について説明する。図10は、パチンコ機10の遊技盤13に配設された確変役物700の動作を模式的に示した図であり、図10(a)は、確変開始直後(確変開始時)の模式図であり、図10(b)は、確変中(確変期間中)の模式図であり、図10(c)は、確変終了間際の模式図である。
図10(a)に示したように、大当たり遊技終了直後では、主制御装置110のMPU201によって、確変回転体704の球受部が確変発生スイッチ703の経路703aの下部(経路703bの下部)に位置するように停止されている。ここで、確変回転体704の球受部は「角度A1(図11(a)参照)」の状態である。パチンコ機10の大当たり遊技終了後の遊技状態は「低確率状態」にまず、設定される。ここで、実行された大当たりが確変大当たりであると、確変開始予定フラグ203mがオンに設定されている(図23のS907参照)。そして、大当たり遊技後に遊技者が可変表示装置ユニット80の右側領域を遊技球が流下するように遊技球を発射させる(以下、「右打ち」と称す)ことにより、スルースイッチ701に球が入球すると、確変開始予定フラグ203mがオンであれば、MPU201により電動チューリップ702が開放される。
次に、電動チューリップ702に球が入球し、確変発生スイッチ703が球の入球を検出すると、MPU201が電動チューリップ702を閉鎖し、確変開始処理(図17参照)により確変を開始する。この時、パチンコ機10の遊技状態は「高確率状態」へ遷移される。確変発生スイッチ703で検出された球は確変発生スイッチ703以下の経路703aを流下し、経路出口703bを流下する。この時、確変回転体704の球受部が「角度A1」の状態であり経路出口703bの下部に、確変回転体704の球受部704bが位置しているので、その球受部704bに確変発生スイッチ703で検出された球が停留する(即ち、図10(a)のBの位置に球は停留する)。確変発生スイッチ703が球の入球を検出してから所定時間(1秒)、確変回転体704の球受部は「角度A1」の状態で停止した状態に維持される(図22のS803参照)。
次に、確変発生スイッチ703が球の入球を検出してから所定時間(1秒)経過すると、確変回転体704の確変回転体モータ704aに回転角度が指定されて、確変回転体704の球受部が確変回転体モータ704aを中心に、時計回りに回転を開始する。詳細は後述するが、本実施形態では、確変期間進行処理(図22のS702参照)において、タイマ割込処理の実行間隔である2ミリ秒毎に、確変回転体704の球受部を時計回りに(毎回、同じ角度である)「角度AX」回転させている(図22のS805参照)。即ち、確変回転体704の球受部704bに停留されている球は、確変回転体704の確変回転体モータ704aのより、一定速度で球排出部706へ時計回りに回転して移動する。
図10(b)は、確変中における確変回転体704の球受部が時計回りに回転を開始してから所定時間(例えば、130秒)経過した時の模式図である。確変回転体704の球受部704bに停留されている球は、確変回転体704の確変回転体モータ704aのより、一定速度で球受部704bが回転することで移動している最中である(図10(b)のB参照)。MPU201がタイマ割込処理の実行間隔である2ミリ秒毎に、確変回転体704の球受部を時計回りに(毎回、同じ角度である)「角度AX」回転させているからである。なお、本実施形態において「角度AX」は、360秒で確変回転体704が約315度回動して、球排出部706と重なる位置まで回動することとなるので、360000msで315度回動することになるので、2msでは、315/180000より約0.00175度となっている。
図10(c)は、確変終了間際の模式図である。図10(b)から、さらに所定時間経過し、確変回転体704の球受部704bと、球排出部706とが重なっている状態である(確変回転体704の球受部が「角度A2」の状態)。球受部704bと、球排出部706とが重なると、球受部704bにある球が、球排出部706から排出される。球受部704bの底面は、球排出部706の方向に傾斜しているので、球受部704bと球排出部706とが重なると、球受部704bにある球が、球排出部706から排出される。この球は、球排出部706下部の経路707aを流下して、確変終了スイッチ707で検出される。なお、図10(c)のBの球は、球受部704bから球排出部706から排出される瞬間である。確変終了スイッチ707での検出を契機として、確変終了処理(図19参照)において確変を終了する。
パチンコ機10では遊技状態が「低確率状態」の通常中では、第2入球口640よりも第1入球口64へ遊技球が入球し易い状態となるので、遊技者は、第1入球口64へ遊技球が入球し易いルートとして、可変表示装置ユニット80の左側を遊技球が流下するように遊技球を発射させる「左打ち」で遊技する。
そして、大当たりすると、遊技領域に中央下部に配置された可変入賞装置65と遊技領域の右側に配置された可変入賞装置650とに遊技球が入球可能に可変されるので、可変入賞装置65と可変入賞装置650との両方に遊技球を入球させることが可能なルートである可変表示装置ユニット80の右側を遊技球が流下するように遊技球を発射させる「右打ち」で大当たり遊技を消化する。
大当たり遊技の終了後に、遊技状態は「低確率状態」の時短中に移行する。大当たりが確変大当たり(15R確変大当たり又は4R確変大当たり)であった場合には、電動チューリップ702へ遊技球を入球させることが可能となる。これは、確変大当たりしたときに、確変開始予定フラグ203mがオンされるからである(図23参照)。この状態で、電動チューリップ702へ遊技球を入球させると、確変発生スイッチ703により遊技球が検出されたことに基づいて、遊技状態が「高確率状態」(確変中)へ移行する。
確変発生スイッチ703を通過した球は、確変回転体704の球受部704bに停留されて、確変終了スイッチ707へと誘導される球排出部706に一定速度で導かれる。確変の期間は、確変が開始されてから、その確変において大当たりせずに、確変が終了するまでの期間が最長の期間となる(本実施形態では、遊技球が1球だけ電動チューリップ702に入球した場合で361秒)。この間、変動演出が実行された回数に関わらず、確変の期間(時間)は変わることがない。なお、確変終了スイッチ707に球が入球すると、遊技状態は「低確率状態」の時短中に移行する。時短中は、第1入球口64よりも第2入球口640の方が入球し易い状態となるので、時短が終わるまで、遊技者は「右打ち」で遊技する。
以上のように、本実施形態における確変の期間は、確変発生スイッチ703が球の入球を検出して、確変開始処理(図17参照)により確変を開始してから、確変回転体704の球受部704bに停留させた球を、後述する確変期間進行処理(図22参照)により、確変回転体704の確変回転体モータ704aを一定速度で回転させて、確変終了スイッチ707が遊技球の通過を検出して、確変終了処理(図19参照)において確変を終了するまでの期間となる。即ち、確変の期間は一定である(確変が開始されてから予め定められた所定期間経過後に確変が終了する)。
本実施形態のパチンコ機10において、変動演出期間は、大当たりの信頼度が高い変動演出(例えば、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ)である程、その変動演出期間は長く設定されている(例えば、外れの変動演出期間は7秒であるのに対して、スペシャルリーチの変動演出期間は90秒である等)。遊技者は自身にとって有利な大当たりに興味があるため、変動演出期間は長時間であったとしても、大当たりの信頼度が高い変動演出は見たいものである。
ここで、例えば、確変中に、図9を用いて説明した変動パターンの内、大当たりの信頼度が高く変動演出期間が長い変動パターン(例えば、スペシャルリーチ(90秒))が実行されると、限られた確変期間の多くがその変動演出期間により新たな抽選が実行されずに経過してしまうという遊技者にとってデメリットがある。しかしながら、本実施形態では、変動演出期間が長い変動パターンは大当たりの信頼度(抽選結果が大当たりである場合に、外れである場合よりも選択される確率)が高く設定されているので、遊技者は、大当たりへの期待を高く持つことができ、変動演出期間が長いことを気にせずに遊技を行うことができる。よって、遊技者が遊技を行うことによる興奮を高めることができ、遊技者が早期に飽きてしますことを抑制できる。
また、その実行された変動演出期間が長い変動パターンの抽選結果が外れのものであったとしても、確変期間が変動演出が実行された回数で決まっている構成のように確変期間が無駄に長くなってしまい、遊技者が遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
また、大当たりの信頼度が高く変動演出期間が長い変動パターンが実行されず、大当たりの信頼度が低い変動演出期間が短い変動パターン(例えば、短外れ(7秒)、長外れ(10秒))が実行される場合は、当該確変が終了するまでの残りの期間は、変動演出期間が長い変動パターンが実行される場合よりも、減りが少ない。よって、より多く大当たり抽選の機会が残されるので、高確率状態で抽選される機会をより多く遊技者に与えることができる。
また、確変回転体704の球受部704bに停留させた球の動作から遊技者は確変の終了を予測することができる。よって、遊技者は、残りの確変期間をアナログ的に認識することで、確変期間の終了までの時間を予測して、より多くの抽選機会が得られるように、短い変動時間の変動パターンが選択されて、大当たりが得られることを期待して遊技を行うことができる。従って、遊技者が遊技に対する興趣を向上することができる。
図11(a)〜(d)を参照して、確変役物700の動作について説明する。図11(a)〜(d)は、パチンコ機10の遊技盤13に配設された確変役物700の確変回転体704の球受部704bの角度と確変開始からの経過時間との関係を模式的に示した模式図である。
図11(a)は、確変中に大当たりしなかった場合の模式図であり、図11(b)は、確変中に大当たりした場合の模式図であり、図11(c)は、確変役物に2つの球が入球した場合の模式図であり、図11(d)は、確変中に確変役物の確変回転体が停止した場合の模式図である。
まず、図11(a)を参照して、確変中に大当たりしない場合の確変回転体704の角度と確変開始からの経過時間との関係を説明する。ta0時は、電動チューリップ702に球が入球し、確変発生スイッチ703が球の入球を検出した時である。ta0時に、確変回転体704の球受部704bは「角度A1」の状態であり、確変開始処理(図17参照)により確変を開始する。
ta1時は、ta0時から1秒経過した時であり、確変回転体704の球受部704bが確変回転体モータ704aを中心に、時計回りに回転を開始する時である(図10(a)参照))。
ta2時は、ta1時から120秒経過した時であり、確変回転体704の球受部704bに停留されている球は、確変回転体704の確変回転体モータ704aにより、所定時間(本実施形態では、1秒毎)に所定角度ずつ一定速度で回転している最中である。この時、確変回転体704が「角度A3」の状態である(図10(b)参照)。
ta3時は、ta2時から240秒経過した時であり、確変回転体704の球受部704bと、球排出部706とが重なっている状態である(図10(c)参照)。即ち、確変回転体704が「角度A2」の状態である。本実施形態では、確変回転体704が回転開始してから確変回転体704の球受部704bと、球排出部706とが重なっている状態になるまでの時間(ta1時からta3時)を360秒としている。この間、確変回転体704の球受部704bに停留されている球は、確変回転体704の確変回転体モータ704aを中心に、一定速度で球受部704bと共に回転する。これは、タイマ割込処理(図15参照)のS109の変動処理(図21参照)のS702の確変期間進行処理(図22参照)において、タイマ割込処理の実行間隔である2ミリ秒毎に、時計回りに「角度AX」回転させているからである。
ta4時は、ta3時と略同時であり、確変回転体704の球受部704bに停留されている球が、球排出部706以下の経路707aを流下して確変終了スイッチ707で検出される時である。ta4時に、確変終了処理(図19参照)により確変を終了する。ta4時には、確変回転体704は「角度A2」の状態である。ta4時の後、確変回転体704が「角度A1」の状態となるように、反時計回りに回転され(図19のS405参照)、ta4時から0.5秒経過したta5時までには、確変回転体704の球受部704bが「角度A1」の状態となる。「確変回転体704の角度A1−A2」は300度であるので、ta4時に、MPU201から確変回転体704の確変回転体モータ704a(のモータドライバ)に対して、確変回転体704の確変回転体モータ704aを「反時計回りに600度毎秒の速度」で回転させる所定のコマンドを出力することによりMPU201は確変回転体704を制御する。
この確変中の期間(ta0時からta4時までの期間)において、第1入球口64及び第2入球口640へ入球があったことを契機として抽選が行われる。この抽選では、「高確率状態」の大当たり乱数テーブル202aにより行われる。なお、ta0時からta4時までの期間である「確変最長期間」は約361秒である。
次いで、図11(b)を参照して、確変中に大当たりする場合の確変回転体704の角度と確変開始からの経過時間との関係を説明する。tb0時は、図11(a)のta0時と同じである。tb1時は、図11(a)のta1時と同じである。tb1時からtb2時は、図11(a)のta1時からta2時と同じである。
tb2時は、確変回転体704の球受部704bに停留されている球が、確変回転体704の確変回転体モータ704aにより、一定速度で球受部704bと共に回転している最中である。この時、確変回転体704が「角度A3」の状態である(図10(b)参照)。図11(b)では、tb2時に大当たりとなる変動演出が停止した状態を表している。大当たりとなる変動演出が停止すると、その後、確変回転体704の球受部704bが「角度A2」の状態となるように、時計回りに回転され(図21のS720)、tb2時から0.5秒経過したtb3時までには、確変回転体704の球受部704bが「角度A2」の状態となる。tb2時に、確変回転体704の確変回転体モータ704a(のモータドライバ)から確変回転体モータ704aの現在の角度である「角度A3」を取得する。例えば、確変回転体704が「角度A3」の状態から「角度A2」の状態までの時計回りのなす角度が200度である場合には、tb2時に、MPU201から確変回転体704の確変回転体モータ704a(のモータドライバ)に対して、確変回転体704の確変回転体モータ704aを「時計回りに400度毎秒の速度」で回転させる所定のコマンドを出力することによりMPU201は確変回転体704を制御する。
tb4時は、tb3時と略同時であり、確変回転体704の球受部704bに停留されている球が、球排出部706以下の経路707aを流下して確変終了スイッチ707で検出される時である。この時、確変終了処理(図19参照)により確変を終了する。tb4時の後、確変回転体704が「角度A1」の状態となるように、反時計回りに回転され、tb4時から0.5秒経過したtb5時までには、確変回転体704が「角度A1」の状態となる。なお、tb4時からtb5時におけるMPU201による確変回転体704の制御は、図11(a)のta4時からta5時と同じである。
次いで、図11(c)を参照して、確変役物700に2つの球が入球した場合の確変回転体704の角度と確変開始からの経過時間との関係を説明する。tc0時は、電動チューリップ702に球が入球し、確変発生スイッチ703が1つ目の遊技球の入球を検出した時である。tc0時に電動チューリップ702を閉鎖するが、その閉鎖の前に電動チューリップ702にもう1つの球(2つ目の球)が入球している。tc0時には、確変回転体704は「角度A1」の状態である。また、この時、確変開始処理(図17参照)により確変を開始する。さらに、確変役物700の内部(確変発生スイッチ703から確変終了スイッチ707の間)に入球している球の数を記憶する確変役物入球カウンタ203nに1加算している(図17のS301参照)。
tc1時は、tc0時から1秒経過した時であり、確変回転体704が確変回転体モータ704aを中心に、時計回りに回転を開始する時である(図10(a)参照))。なお、電動チューリップ702にもう1つの球(2つ目の球)が入球しているので、tc0時からtc1時において、確変発生スイッチ703が2つ目の球の入球を検出し、確変役物入球カウンタ203nに1加算している(図17のS301参照)。tc1時において、確変役物入球カウンタ203nの値は2である。
tc2時は、tc1時から360秒経過した時であり、確変回転体704の球受部704bと、球排出部706とが重なっている状態である(図10(c)参照)。即ち、確変回転体704が「角度A2」の状態である。tc1時からtc2時の期間では、1つ目の球は、確変回転体704の球受部704bに停留されて、確変回転体704の確変回転体モータ704aを中心に、一定速度で回転している。一方、2つ目の球は、確変発生スイッチ703以下の経路703aで、確変回転体704の球受部704b以外の部分(球受部704bと経路703aとの境目部分)により停留されている。
tc3時は、tc2時と略同時であり、確変回転体704の球受部704bに停留されていた1つ目の球が、球排出部706以下の経路707aを流下して確変終了スイッチ707で検出される時である。tc3時の後、確変回転体704が「角度A1」の状態となるように、反時計回りに回転され(図18のS504参照)、tc3時から0.5秒経過したtc4時までには、確変回転体704が「角度A1」の状態となる。なお、tc3時において、確変終了スイッチ707への入球に基づき確変役物入球カウンタ203nの値は1減算されるので(図18のS501参照)、確変役物入球カウンタ203nの値は1である。
ここで、本実施形態では、確変終了スイッチ707が遊技球を検出した場合においても、確変役物入球カウンタ203nの値が0でなければ、遊技状態は高確率状態から低確率状態へは移行されず、高確率状態(確変)が維持される。よって、遊技球が2球以上、電動チューリップ702に入球した場合には、入球したすべての遊技球が確変終了スイッチ707に検出されるまで、高確率状態を維持することができる。
tc4時になると、確変発生スイッチ703以下の経路703aで停留されていた2つ目の球が、確変回転体704の球受部704bに流下する。
tc5時は、tc4時から0.5秒経過した時であり、確変回転体704の球受部704bが確変回転体モータ704aにより、時計回りに回転を開始される時である(図10(a)参照))。tc3時に確変終了スイッチ707に球が入球したことに基づき確変期間計測カウンタ203pが0に設定される(図18のS505参照)。そしてtc3時からtc4時において、タイマ割込処理(図15参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で確変期間計測カウンタ203pは1加算される(図22参照)。tc3時から1秒経過したtc5時には確変期間計測カウンタ203pは500(1秒に相当)となる(図22参照)。これにより、tc5時に確変回転体704が確変回転体モータ704aを中心に、時計回りに回転を開始させる(図22参照)。
tc6時は、tc5時から360秒経過した時であり、確変回転体704の球受部704bと、球排出部706とが重なっている状態である(図10(c)参照)。即ち、確変回転体704が「角度A2」の状態である。tc5時からtc6時の期間では、2つ目の球は、確変回転体704の球受部704bに停留されて、確変回転体704の確変回転体モータ704aにより、一定速度で球受部704bと共に回転している。
tc7時は、tc6時と略同時であり、確変回転体704の球受部704bに停留されていた2つ目の球が、球排出部706以下の経路を流下して確変終了スイッチ707で検出される時である。tc7時に、確変終了処理(図19参照)により確変を終了する。tc7時の後、確変回転体704が「角度A1」の状態となるように、反時計回りに回転され、tc8時までには、確変回転体704が「角度A1」の状態となる。なお、tc0時からtc7時までの期間である「当該確変最長期間」は約722秒である。
本実施形態では、確変発生スイッチ703に入球した球の個数に応じて、「確変最長期間」が2倍、3倍となるように構成した。即ち、確変発生スイッチ703への入球に基づいて確変役物入球カウンタ203nが1減算されても、確変役物入球カウンタ203nが1以上の場合(確変役物700から球が1個排出されても、まだ確変役物700の内部に球がある場合)に、確変を継続するように構成した(図18のS504からS506参照)。これにより、複数の遊技球が電動チューリップ702に入球しても、その入球した遊技球の数に比例して、確変期間が延長されるように構成できる。よって、遊技者は、電動チューリップ702により多くの遊技球を入球させることを目指して遊技を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、確変発生スイッチ703に入球した球の個数に応じた処理はこれに限られるものではなく、確変発生スイッチ703に入球した球が2個以上である場合は、例えば、確変を開始してから確変回転体704が確変回転体モータ704aを中心に、時計回りに回転を開始する(図22参照)1秒間に、確変役物700の内部に球が1個のみとなるように、2個以上の球を球排出部706から排出するように構成してもよい。具体的には、その1秒間の間に、確変役物入球カウンタ203nが1になるまで、確変回転体704が「角度A1」の状態と「角度A2」の状態とを往復するように確変回転体モータ704aを制御するように構成する。また、確変発生スイッチ703に入球する球が必ず1個となるような構造を電動チューリップ702に備えるようにしてもよい。具体的には、確変発生スイッチ703のすぐ上に、経路703aの球の通過を許可する状態と経路703aの球の通過を阻止する状態とを取り得る部材を設ける。経路703aの球の通過を阻止する状態では、通過を阻止した球を遊技機10の球排出路(図示せず)へと案内する経路を設ける。そして、確変発生スイッチ703への入球を検知したらMPU201により経路703aの球の通過を許可する状態から例えば10秒間だけ経路703aの球の通過を阻止する状態とするように構成する。
また、本実施形態では、電動チューリップ702に複数の遊技球が入球した場合に、そのすべての遊技球が確変終了スイッチ707に検出されるまで確変を継続する構成としたが、それに限らず、1球目の遊技球が確変終了スイッチ707に検出されたことに基づいて、高確率状態から低確率状態に移行させて、球受部702を高速に回転させて残りの遊技球を排出するように構成してもよい。このように構成することで、確変期間を常に一定にすることができ、射幸性を一定にすることができる。また、1球に限らず、所定個数の遊技球まで確変期間を継続するように構成しても当然よい。
次いで、図11(d)を参照して、確変中に確変役物700の確変回転体704の回転が停止した場合(停止させられた場合)について、説明する。例えば、確変中に、確変回転体モータ704aが故障したり、確変回転体モータ704aとMPU201とを接続する線が不正に切断されたりすることにより、確変回転体704の球受部704bの回転が停止させられた場合を想定する。確変回転体704の球受部704bの回転が停止させられ続ける限り、確変回転体704の球受部704bに停留されている球が球排出部706に至ることはない。即ち、確変回転体704の球受部704bに停留されている球が確変終了スイッチ707により入球が検出されることがなく、確変期間が通常よりも長く継続されてしまうという不具合がある。
また、例えば、確変回転体704の球受部704bと、球排出部706とが重なる状態で、球受部704bに停留されている球が経路707aへ排出されるのを不正に防ぐ目的で、パチンコ機10のガラスユニット16の外側であって球排出部706の前面側に磁石を当てられる不正行為がなされたとしても、確変回転体704の球受部704bに停留されている球が球排出部706に至ることはない。これらにより、確変が不正に延長され得る。しかし、本実施形態におけるパチンコ機10はこの不正行為を防止する手段を備えているので、確変が不正に延長されることを防止できるという効果がある。この確変が不正に延長されることを防止できる手段について図11(d)を参照して説明する。
td0時に、確変回転体704は「角度A1」の状態であり、確変開始処理(図17参照)により確変を開始する。td0時において、確変期間メモリ203oには、確変回転体704が「角度A1」の状態から「角度A2」の状態となるまでの確変回転体704が回転する期間に相当する値が設定される。本実施形態では、確変期間メモリ203oには、360秒に相当する180000(=360秒÷(タイマ割込処理の実行間隔(2ミリ秒))を設定する。また、td0時において、確変期間計測カウンタ203pに0を設定する。確変期間計測カウンタ203pは、確変中は、タイマ割込処理の実行間隔(2ミリ秒)毎に、確変期間進行処理(図22参照)において1加算される。
td1時は、td0時から1秒経過した時であり、確変回転体704の球受部704bが確変回転体モータ704aにより、時計回りに回転を開始する時である(図10(a)参照))。td1時において、確変期間計測カウンタ203pの値は500(1秒に相当)である。
td2時は、td1時から120秒経過した時であり、確変回転体704の球受部704bに停留されている球は、確変回転体704の確変回転体モータ704aを中心に、一定速度で回転している最中である。この時、確変回転体704が「角度A3」の状態である(図10(b)参照)。このtd2時において、確変回転体モータ704aが故障したり、確変回転体モータ704aとMPU201とを接続する線が不正に切断されたりすることにより、確変回転体704が回転を停止する。td2時以降、確変回転体704は「角度A3」に停止し続ける。しかし、確変期間進行処理(図22参照)では、確変期間計測カウンタ203pの値が確変期間メモリ203oの値の所定量(1000)以上である場合に、確変を終了するように構成している。
td3時は、td2時から241秒経過した時であり、td3時は、td0時から362秒経過した時である。td3時において、確変期間計測カウンタ203pの値は181000(362秒に相当)である。確変期間メモリ203oの値は180000(360秒に相当)で、確変期間計測カウンタ203pの値が確変期間メモリ203oの値の所定量(1000)以上であるので、td3時において確変を終了する(図22のS807参照)。
例えば、確変中に、確変回転体モータ704aが故障したり、確変回転体モータ704aとMPU201とを接続する線が不正に切断されたりすることにより、確変回転体704の回転が停止させられた場合を想定する。確変回転体704の回転が停止させられ続ける限り、確変回転体704の球受部704bに停留されている球が球排出部706に至ることはない。即ち、確変回転体704の球受部704bに停留されている球が確変終了スイッチ707により入球が検出されることがない。これにより、確変が不正に延長され得る。しかし、パチンコ機10はこの不正行為を防止する手段(前述のtd3時において確変を終了する(図22参照))を備えているので、確変が不正に延長されることを防止できるという効果がある。また、例えば、確変中に、確変回転体704の球受部704bと、球排出部706とが重なる状態で、球受部704bに停留されている球が経路707aへ排出されるのを不正に防ぐ目的で、パチンコ機10のガラスユニット16の外側であって球排出部706の前面側に磁石を当てられる不正行為がなされたとしても、不正行為を防止する手段(前述のtd3時において確変を終了する(図22参照))を備えているので、確変が不正に延長されることを防止できるという効果がある。
なお、本実施形態では、確変終了スイッチ707により遊技球が検出されることで確変が終了するように設定され、さらに、所定時間が経過しても、確変終了スイッチ707が遊技球を検出しない場合には、強制的に確変を終了するように構成したが、それに限らず、予め所定時間で確変を終了するように設定しておき、その時間を遊技者に報知する手段のみで、本実施形態のように遊技球を利用した演出を行うように構成してもよい。このように構成することで、より不正を防止できる。
<表示制御装置114について>
次に、図12を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する表示制御装置114の電気的構成について説明する。図12は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、プログラムROM232と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入出力ポート237と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入出力ポート238には音声ランプ制御装置113が接続されており、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113によって決定された第3図柄表示装置81の表示態様を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113から受信すると共に、表示制御装置114の制御によって実際に第3図柄表示装置81に表示する表示内容を通知する表示コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
入出力ポート238には、また、バスライン240を介して、MPU231、プログラムROM232、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237が接続されている。画像コントローラ237には、ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
MPU231は、音声ランプ制御装置113から入力されたコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。プログラムROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。また、ROM232は、表示データテーブル格納エリア232aを少なくとも有している。
表示データテーブル格納エリア232aは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる演出毎に用意された表示データテーブルが格納される領域である。表示データテーブルは、その表示データテーブルに対応した演出において、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルが格納される領域である。MPU231は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに従って第3図柄表示装置81に表示させる演出を特定し、その演出に対応する表示データテーブルを、表示データテーブル格納エリア232aから読み出して、その読み出した表示データテーブルに従って、第3図柄表示装置81の表示を制御する。
ここで、表示データテーブルの詳細について説明する。表示データテーブルは、音声ランプ制御装置113からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、デモ演出、確定表示演出、再始動演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
尚、デモ演出は、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
確定表示演出は、変動演出後に音声ランプ制御装置113を介して、主制御装置110より確定コマンドを受信することによって停止図柄を確定表示する場合に第3図柄表示装置81に表示される演出である。例えば、停止図柄が外れ図柄である場合は、外れを強調する演出が行われ、停止図柄が15R確変大当たり、15R通常大当たり、4R確変大当たりのいずれかである場合は、それぞれの大当たりが強調される演出が行われる。遊技者は、この確定表示演出を視認することにより、停止図柄の内容によって付与される遊技価値を容易に判断することができる。
再始動演出は、変動パターンコマンドにより示された変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても主制御装置110から送信される確定コマンドが受信されない場合に、所定位置を中心に第3図柄を振動(揺動)させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出である。遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動演出が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
表示データテーブル格納エリア232aには、デモ演出および再始動演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。変動演出用の表示データテーブルである変動用表示データテーブルは、設定される変動演出パターンと停止図柄との組み合わせに応じて、1テーブルずつ用意される。また、確定表示演出に対応する表示データテーブルとしては、停止図柄として外れ図柄を確定表示させるものと、確変大当たり(15R確変大当たり又は4R確変大当たり)を確定表示されるものと、通常大当たり(15R通常大当たり)を確定表示させるものとが、それぞれ用意されている。
ここで、図13を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図13は、表示データテーブルのうち、変動用表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、人物や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動用表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者が枠ボタン22を操作することによって選択されているステージ(「海ステージ」、「宮殿ステージ」、「深海ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応して、どの状態の背面画像を表示すべきかを示す表示状態情報とを規定するようにしてもよい。背面画像は、時間の経過とともに表示範囲や、明るさ、色合いなどが変化して表示される。この表示状態情報は、例えば、初期状態の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像を、表示状態情報により示される初期状態の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、表示状態情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、この表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像を、表示データテーブルに基づき画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の状態と、表示状態情報により示される該画像の描画(もしくは、該画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、表示状態情報は、背面種別に応じて、初期状態に対応する背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および表示状態情報とともに、その表示状態情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、表示状態情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、第3図柄に割り当てられた固有の識別番号が記載されている。本実施形態では、第3図柄の一つ一つに、それぞれを識別するための固有の識別番号を付している。例えば、「0」の主図柄には識別番号として「0」が付され、「0」と「1」との間の副図柄には識別番号として「1」が付され、「1」の主図柄には識別番号として「2」が付され、「1」と「2」との間の副図柄には識別番号として「3」が付されている。このように、副図柄についても、その副図柄が挿入される位置(どの主図柄の間にあるか)に応じて異なる識別番号が付されている。
また、変動演出が開始されてから所定時間が経過するまでの第3図柄の図柄種別情報としては、第3図柄の識別情報を直接規定するのではなく、1つ前に行われた変動演出の停止図柄の識別番号とのオフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に対して付された識別番号の差分を表す情報である。
変動が開始されてから所定時間が経過するまでの第3図柄の図柄種別情報として、オフセット情報を規定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためである。変動が開始されてから所定時間経過するまでは、各アドレスにおける図柄種別情報として、そのアドレスに対応する時間に表示すべき第3図柄の識別情報と1つ前に行われた変動演出の停止図柄の識別情報との差分(オフセット情報)を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出を開始することができる。
なお、図柄種別情報として、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報から、実際に表示する第3図柄の識別番号そのものに切り換えられる前記所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルでは、描画内容のほかに、一部のアドレスにおいて、これから第3図柄表示装置81に表示させる画像の表示内容を規定している。この表示データテーブルに規定される表示内容は、音声ランプ制御装置113に対して、第3図柄表示装置81に表示される表示内容を通知するために用いられる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図13の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア232aから読み出して、ワークRAM233に設けられた後述の表示データテーブルバッファ233aに格納すると共に、ポインタ233bを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233bを1加算し、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233bが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図14参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラに対しその画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233bの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
また、ポインタ233bが示すアドレスに表示内容が規定されている場合は、その表示内容に従って、その表示内容を表す表示コマンドを生成し、その表示コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。これにより、音声ランプ制御装置113に対して第3図柄表示装置81の表示内容が通知される。音声ランプ制御装置113では、この表示コマンドによって通知される表示内容にあった音声を音声出力装置226より出力する制御が行われる。
ポインタ233bが示すアドレスに、複数の表示内容が規定されている場合は、先に規定されている表示内容から順に、その表示内容を表す表示コマンドを生成して、その表示コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
ワークRAM233は、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。このワークRAM233は、表示データテーブルバッファ233a、ポインタ233b、描画リストエリア233c、計時カウンタ233d、演出許可フラグ233e、変動中フラグ233fを少なくとも有している。
表示データテーブルバッファ233aは、主制御装置113からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブル格納エリア223aから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233bを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233bで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図14参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
また、ポインタ233bで示されるアドレスに表示内容が規定されている場合は、その表示内容に従って、その表示内容を表す表示コマンドを生成し、その表示コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。これにより、音声ランプ制御装置113に対して第3図柄表示装置81の表示内容が通知される。音声ランプ制御装置113では、この表示コマンドによって通知される表示内容にあった音声を音声出力装置226より出力する制御が行われる。
ポインタ233bは、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルから、対応する描画内容を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233bを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図30のS2702参照)の中で、ポインタ233bの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233bの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルから、ポインタ233bが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図14参照)を作成する。これにより、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233aに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。よって、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
描画リストエリア233cは、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図14を参照して、描画リストの詳細について説明する。図14は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図14に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているアドレスが記述されており、画像コントローラ237は、キャラクタROM234に設けられた後述のキャラクタ記憶エリア234aのそのアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、キャラクタROM234より読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、ビデオRAM236に展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233bによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納アドレスは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されるキャラクタ記憶エリア234aのエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されているアドレスを即座に特定し、その情報を、描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
図12に戻って、説明を続ける。計時カウンタ233dは、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図30のS2702参照)が実行される度に、計時カウンタ233dが1ずつ減算される。その結果、計時カウンタ233dの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
演出許可フラグ233eは、主制御装置110内のMPU201により演出が許可されているかを表すフラグである。演出許可フラグ233eがオンの場合に演出が許可され、演出許可フラグ233eがオフの場合に演出が許可されない。
この演出許可フラグ233eはRAM233の初期設定処理(図29(a)のS2601参照)によって、初期値としてオフが設定される。主制御装置110内により演出許可コマンドが送信された後、この演出許可コマンドを表示制御装置114で受信したときに、演出許可フラグ233eがオンされる(図31のS2803参照)。MPU231により実行されるV割込処理(図30参照)において、演出の表示をするか否か判断するのに用いられる。演出許可フラグ233eがオンにされた時から、演出の表示がなされる。
変動中フラグ233fは、第3図柄表示装置81の変動演出が変動中か否かを表すフラグである。変動中フラグ233fがオンの場合に第3図柄表示装置81の変動演出が変動中であり、変動中フラグ233fがオフの場合に第3図柄表示装置81の変動演出が変動中ではないことを示す。
この変動中フラグ233fはRAM233の初期設定処理(図29(a)のS2601参照)によって、初期値としてオフが設定される。音声ランプ制御装置113において、主制御装置110より受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成され、表示制御装置114へ送信される。この表示用変動パターンコマンドを表示制御装置114で受信したときに、変動中フラグ233fがオンされる(図31のS2803参照)。また、主制御装置110により確定コマンドが送信された後、この確定コマンドを表示制御装置114で受信したときに、変動中フラグ233fがオフされる(図31のS2805参照)。変動中フラグ233fは変動演出の最中か否かを判断するのに用いられる。変動中フラグ233fがオンの場合、表示制御装置114の描画処理(図30のS2704)により、第3図柄表示装置81に表示用変動パターンコマンドに対応した変動演出が表示される。変動中フラグ233fがオフされると、描画処理(図30のS2704)によって第3図柄表示装置81に表示されていた変動演出が停止表示される。
キャラクタROM234は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)といった各スプライトの画像データが記憶されたキャラクタ記憶エリア234aを備えている。キャラクタ記憶エリア234aには、記憶するデータ量を少なくするために、上記の画像データが圧縮形式のデータで記憶されている。本実施形態では、圧縮前の画像データは約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトの画像データが、約768Mバイトに圧縮されて、キャラクタ記憶エリア234aに記憶されている。
ビデオRAM236は、第3図柄表示装置81に表示される1フレーム分の画像を記憶するフレームバッファ領域を2フレーム分有するメモリである。
画像コントローラ237は、描画リストに従って、1フレーム分の画像データを生成して、ビデオRAM236の一方のフレームバッファ領域に書き込むと共に、ビデオRAM236の他方のフレームバッファ領域に書き込まれた1フレーム分の画像データを読み出して、読み出した画像データを、出力ポート239を介して第3図柄表示装置81へ出力することで、複数のフレーム画像を連続して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
画像コントローラ237は、描画リストに記述された順番に従って、その描画リストで規定されたスプライトの画像データ(圧縮形式の画像データ)をキャラクタ記憶エリア234aから読み出し、その画像データを解凍した上で、描画リストにて規定された描画情報に従って加工処理を行い、描画リストで指定された表示位置座標に、そのスプライトの画像データをビデオRAMの一方のフレームバッファ領域に書き込む。描画リストに規定された全てのスプライトについて、画像データの解凍・加工・書き込みを行うことで、1フレームで表示させる画像データが生成される。
この一方のフレームバッファ領域への1フレーム分の画像データの書き込みと、他方のフレームバッファ領域からの1フレーム分の画像データの読み出しは、並行して行われ、いずれも20ミリ秒で完了する。そして、他方のフレームバッファ領域からの1フレーム分の画像データの読み出しが完了すると、続いて、一方のフレームバッファ領域から先に書き込まれた1フレーム分の画像データの読み出しが行われ、その間、他方のフレームバッファ領域に対して、次の1フレーム分の画像データの書き込みが行われる。
このように、一方のフレームバッファ領域と他方のフレームバッファ領域とを、交互に、画像データの書き込みおよび画像データの読み出しを行うことによって、連続して複数のフレーム画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
<主制御装置110における制御処理について>
次に、図15から図26のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図15は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば、2ミリ秒毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
このタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行する(S101)。タイマ割込処理やメイン処理では、各種処理に基づいて、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等へ送信すべきコマンド等を生成し、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦記憶する。S101の外部出力処理では、このコマンド送信用リングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する。
例えば、変動処理(図21参照)や変動処理の一処理である変動開始処理(図23参照)で設定された変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド、確変終了コマンド、確変異常コマンド、演出許可コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。その他、後述のS111の処理において球の発射を行う場合に設定された球発射信号を、発射制御装置112に送信する。
次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S102)、次いで、大当たり状態である場合において可変入賞装置65,650の特定入賞口(大開放口)65a,650aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S103)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65a,650aを開放し、特定入賞口65a,650aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65a,650aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65a,650aを閉鎖する。この特定入賞口65a,650aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
なお、本実施形態では、大当たり遊技が開始されると特定入賞口65aと特定入賞口650aとの両方を開放するように構成したがそれに限らず、特定入賞口65aと特定入賞口650aとのどちらか一方を開放するように構成してもよい。なお、開放する特定入賞口については、大当たりの種別、大当たりの図柄、所定の抽選等により決定してもよいし、ラウンド毎に開放する特定入賞口を切り替えるように構成してもよい。
次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S105)。簡単に説明すると、普図保留球格納エリア203iに、球が第2入球口(スルーゲート)267を通過したことに伴って、第2当たり乱数カウンタC4の値が保留されている場合に、普図保留球格納エリア203iの普図保留第1エリアに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値を普図保留球実行エリア203jへシフトする。このとき、普図保留第2エリア→普図保留第1エリア、普図保留第3エリア→普図保留第2エリア、普図保留第4エリア→普図保留第3エリアといった具合に、各保留エリア内の第2当たり乱数カウンタの値もシフトさせる。
そして、普図保留球実行エリア203jに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が当たりとなる乱数値と一致するか否かを抽選(当たり抽選)し、当たりとなる乱数値と一致する場合は、第2図柄(普通図柄)の当たりとして、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示を実施した後「○」の図柄を停止表示させ、「○」の図柄の停止表示後に、第2入球口640に付随する電動役物640aを所定時間開放動作させる。一方、当たり抽選の結果、普図保留球実行エリア203jに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が当たりとなる乱数値と一致しない場合は、第2図柄(普通図柄)の外れとして、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示を実施した後「×」の図柄を停止表示させる。この場合、電動役物640aは閉鎖状態のままとする。
なお、当たりとなる乱数値は、遊技状態が通常中と時短中及び確変中とで、異なる数が設定される。即ち、遊技状態が通常中における当たりとなる乱数の値の数は149あり、その値は「5〜153」となっている。つまり、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜153」の範囲にある場合に、遊技状態が通常中の場合は当たりと判定される。一方、遊技状態が時短中または確変中における当たりとなる乱数の値の数は250あり、その範囲は「1〜250」となっている。つまり、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「1〜250」の範囲にある場合に、遊技状態が時短中または確変中の場合は当たりと判定される。
また、第2図柄(普通図柄)の変動時間は、遊技状態が時短中または確変中のほうが、通常中のときよりも短く設定される。更に、第2図柄(普通図柄)の当たりと判定された場合の電動役物640aの開放時間は、遊技状態が時短中または確変中のほうが、通常中のときよりも長い時間開放される。
このように、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く設定されている。また、上述した通り、第2図柄の変動表示にかかる時間も通常中よりも短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。一方、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態を作ることができる。
ここで、上述した通り、第1入球口64に球が入球した場合と第2入球口640へ球が入球した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一であるが、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常時においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
次いで、スイッチ読み込み処理を実行する(S106)。なお、スイッチ読み込み処理は図16を参照して後述する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S107)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S108)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、停止種別カウンタCS1及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、899,99,99,198,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。また、第1当たり乱数カウンタC1又は第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1又は第2初期値乱数カウンタCINI2の値を当該第1当たり乱数カウンタC1又は第2当たり乱数カウンタC2の初期値として読み込み、その初期値を第1当たり乱数カウンタC1又は第2当たり乱数カウンタC2に設定する。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bによる表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S109)。次いで、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S110)。なお、変動処理の詳細は図21を参照して後述し、始動入賞処理の詳細は図20を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S111)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S112)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、ワークRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、球発射信号が払出制御装置111を介して発射制御装置112へ送信される。
次に、図16のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスイッチ読み込み処理(S106)を説明する。図16は、このスイッチ読み込み処理(S106)を示すフローチャートである。スイッチ読み込み処理(S106)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、主に確変役物700を構成するスルースイッチ701、確変発生スイッチ703、確変終了スイッチ707への入球を検出して、その検出に応じた処理を実行したり、その他、主制御装置110に接続された各種スイッチの入力状態を読み込む処理が実行される処理である。
スイッチ読み込み処理が実行されると、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S200)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37A,37Bで表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S200:Yes)、S211の処理へ移行する。パチンコ機10は大当たり中に遊技状態を確変へと遷移させないので、遊技状態を遷移させうる確変役物700のスイッチ(スルースイッチ701、確変発生スイッチ703、確変終了スイッチ707)への球の入球を大当たり中に判別する必要がない。S200の処理により、確変開始予定フラグ203mがオンに設定されていたとしても、電動チューリップ702を開放させる処理が実行されず、大当たり遊技が終了するまでは、電動チューリップ702へ遊技球が入球しないように設定できる。
大当たり中でなければ(S200:No)、球がスルースイッチ701に入球したか否かを検出する(S201)。そして、球がスルースイッチ701に入球したと判別されると(S201:Yes)、電動チューリップ702を開放すべき状態かを判別するため、確変開始予定フラグ203mがオンであるか否かを判別する(S202)。確変開始予定フラグ203mがオンであると判別されると(S202:Yes)、電動チューリップ702を開放(電動役物702aを開放)し(S203)、S204の処理へ移行する。
これにより、電動チューリップ702の内部の確変発生スイッチ703に遊技球が入球可能となる。一方、確変開始予定フラグ203mがオフであれば(S202:No)、S204の処理へ移行する。これにより、球がスルースイッチ701に入球しても、電動チューリップ702を開放すべき状態でなければ、電動チューリップ702の内部の確変発生スイッチ703に球を入球させない状態を維持することができる。なお、MPU201の大当たり抽選処理(図23のS901参照)において確変大当たり(前述の15R確変大当たり、又は4R確変大当たり)が決定すると、確変開始予定フラグ203mはオンされる(図23のS907参照)。よって、確変大当たりが決定した後の大当たり遊技終了後(遊技状態は「低確率状態」の時短中)にスルースイッチ701に球を入球させることで、電動チューリップ702を開放させることができ、電動チューリップ702の内部の確変発生スイッチ703に球を入球させることができるようになる。また、球がスルースイッチ701に入球していないと判別されると(S201:No)、S204の処理へ移行する。
次いで、S204の処理では、確変発生スイッチ703が遊技球を検出したか否かを判別する(S204)。そして、確変発生スイッチ703が遊技球を検出した判別すると(S204:Yes)、電動チューリップ702を閉鎖(電動役物702aを閉鎖)し(S205)、確変開始処理(S206)を実行して、S207の処理へ移行する。これにより、開放した電動チューリップ702に球が入球し、その入り口付近にある確変発生スイッチ703に検出されると電動チューリップ702は閉鎖されるので、確変役物700の内部に球が大量に(例えば最大4個)入球しない。なお、確変開始処理は、図17を参照して後述する。また、球が確変発生スイッチ703に入球していないと判別されると(S204:No)、S207の処理へ移行する。
ここで、本実施形態では、電動チューリップ702が開放すると、確変発生スイッチ703が遊技球を検出するまで、開放状態が維持される構成であるので、遊技者は、確実に電動チューリップ702に遊技球を入球させることができる。また、残りの持ち球が少ない場合にも、電動チューリップ702に遊技球を入球させることができなくても、購入してから電動チューリップ702に遊技球を入球させることができるので、遊技者が焦ってしまうことを抑制できる。
次いで、S207の処理では、確変終了スイッチ707が遊技球を検出しているか否かを判別する(S207)。そして、確変終了スイッチ707が遊技球を検出していると判別すると(S207:Yes)、確変終了予定処理(S208)を実行する。なお、確変終了予定処理(S208)については、図18を参照して後述する。
確変終了予定処理(S208)が実行された後、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であるか否かを判別し(S209)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中でなければ(S209:No)、確変終了処理(S210)を実行して、S211の処理へ移行する。なお、確変終了処理(S210)については、図19を参照して後述する。一方、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であれば(S209:Yes)、S211の処理へ移行する。
ここで、S209の処理において第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であるか否かを判別して(S209)、確変終了処理(S210)を実行するか否かを決定している理由について説明する。
例えば、確変中に、変動演出の停止直前に、確変回転体704が「角度A2」の状態となり、確変回転体704の球受部704bに停留されていた遊技球が、球排出部706以下の経路707aを流下して確変終了スイッチ707に検出される場合、即ち、「変動演出の停止直前に確変が終了したように見える状況」を想定する。この場合、遊技者は、当該変動演出の大当たりの確率は確変中の確率であるか、通常中の確率であるか戸惑う虞がある。これに対して、パチンコ機10によれば、確変終了スイッチ707が遊技球を検出したと判別され(S207:Yes)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中である(S209:Yes)場合は、スイッチ読み込み処理では、確変終了予定処理(S208)を実行し、確変終了処理(S210)を実行しない。
変動処理(図21参照)において、変動が停止(S717)した後に、確変終了処理(S210)を実行する。その確変終了処理(図19参照)において、確変終了コマンドが設定(図19のS403)される。その後、表示制御装置114が、音声ランプ制御装置113を介して確変終了コマンドを受信して(図31のS2808参照)、第3図柄表示装置81に「確変終了」を表示(図31のS2809参照)するので、遊技者はこの「確変終了」の表示を視認することにより、確変の終了を認識する。
つまり、確変終了スイッチ707が遊技球を検出しても、変動演出の変動中には確変を終了せず、当該変動演出が停止した後に確変を終了し、遊技者に通知する。よって、前述の「変動演出の停止直前に確変が終了したように見える状況」でも、遊技者を戸惑わせることがないという効果がある。
一方、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中でない(S209:No)場合は、その時に確変を終了しても、次の変動演出の大当たりの確率は確変中の確率であるか、通常中の確率であるか戸惑うことはないので、確変終了予定処理(S208)を実行した直後に、確変終了処理(S210)を実行して確変を終了させる。
このように構成することで、特別図柄の変動中という、抽選機会が与えられない期間について、確変期間を延長することで、パチンコ機10の予め定められている出玉率等を変化させてしまう不具合を抑制できる。また、分かり易いタイミングで、確変の終了が設定されるので、遊技者が混乱してしまうのを抑制できる。
次いで、S211の処理では、その他の処理を実行し(S211)、スイッチ読み込み処理を終了し、タイマ割込処理に戻る。S211の処理では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。
なお、本実施形態では、第1図柄(特別図柄)が変動中である場合には、確変を終了せず、第1図柄が停止した後に確変を終了させる構成(確変の終了を遅延させる構成)としたが、それに限らず、確変は、第1図柄が変動中であっても終了するように構成してもよい。この場合、確変終了を示す表示態様を第1図柄の変動停止まで遅延させて表示させることで、遊技者が困惑してしまう不具合を抑制できる。さらに、このように構成することで、確変期間を一定にすることができ、公平性な遊技機を提供することができる。
次に図17のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される確変開始処理(S206)を説明する。図17は、この確変開始処理(S206)を示すフローチャートである。確変開始処理(S206)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行されるスイッチ読み込み処理(図16参照)の中で実行され、確変発生スイッチ703への入球に基づいて、確変を開始する処理である。
確変開始処理(図17、S206)が実行されると、まず、電動チューリップ702に入球した遊技球の数をカウントする確変役物入球カウンタ203nに1加算する(S301)。次いで、確変開始予定フラグ203mがオンであるか否か判別する(S302)。ここで、確変開始予定フラグ203mがオンではない(即ち、オフである)と判別されると(S302:No)、確変開始処理を終了する。
確変開始予定フラグ203mがオンであれば(S302:Yes)、確変開始予定フラグ203mをオフする(S303)。次いで、確変期間メモリ203oに確変期間に相当する値を設定する(S304)。本実施形態では、確変回転体704が「角度A1」の状態から「角度A2」の状態となるまでの確変回転体704が回転する期間である360秒に相当する180000(=360秒÷(タイマ割込処理の実行間隔(2ミリ秒))を設定する。次いで、確変期間計測カウンタ203pに0を設定し(S305)、確変中フラグ203lをオンして(S306)、確変開始処理を終了する。
ここで、S304〜S306の処理が、パチンコ機10の遊技状態を確変へと遷移させる処理である。S306の処理で遊技状態が低確率状態の時短状態(時短中)から高確率状態(確変中)へと遷移する。以降、MPU201で実行される大当たり抽選処理(図23のS901参照)において、大当たりの決定に用いる大当たり乱数テーブル202a(図9(a)参照)として「高確率状態」用が用いられる。
ここで、確変開始予定フラグ203mがオンであれば(S302:Yes)、確変開始予定フラグ203mをオフ(S303)しているのは、確変発生スイッチ703に複数の球が入球しても、1回目に入球したときにのみ、確変へと遷移させる処理を実行するためである。即ち、確変発生スイッチ703が1つ目の球の入球を検出した時には、確変開始予定フラグ203mはオンであるので、S301〜S306の処理全てが実行される。次いで、確変発生スイッチ703が2つ目の球の入球を検出した時には、確変開始予定フラグ203mをオフされている(S303)ので、S301とS302の処理が実行されて、S303〜S306の処理は実行されない。これにより、確変発生スイッチ703に複数の球が入球しても、正常に確変を開始できる。
<確変終了予定処理>
次に図18のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される確変終了予定処理(S208)を説明する。図18は、この確変終了予定処理(S208)を示すフローチャートである。確変終了予定処理(S208)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行されるスイッチ読み込み処理(図16参照)の中で実行され、確変終了スイッチ707への入球に基づいて、確変終了の予定をする処理である。
確変終了予定処理(図18、S208)が実行されると、まず、確変役物入球カウンタ203nを1減算する(S501)。次いで、確変役物入球カウンタ203nは0か否かを判別する(S502)。確変役物入球カウンタ203nは0と判別されると(S502:Yes)、確変役物700の内部(確変発生スイッチ703から確変終了スイッチ707の間)に入球している球はない状態であるので、確変終了処理(図19参照)により、確変を終了するために、確変終了予定フラグ203qをオンして(S503)、確変終了予定処理を終了し、スイッチ読み込み処理に戻る。これにより、次に確変終了処理(図19参照)が実行されると、確変が終了される。
S502において、確変役物入球カウンタ203nは0ではない(即ち、1以上)と判別されると(S502:No)、確変回転体704を「角度A1」まで反時計回りに回転する(S504)。次いで、確変期間計測カウンタ203pに0を設定し(S505)、確変期間メモリ203oに確変期間に相当する値(360秒に相当する180000)を設定し(S506)、確変終了予定処理を終了し、スイッチ読み込み処理に戻る。
ここで、S504〜S506の処理は、確変の終了を予定する処理ではなく、確変発生スイッチ703に入球した球の個数に応じて、「当該確変最長期間」が2倍、3倍となるようにするための処理である。S504〜S506の処理は、確変発生スイッチ703に入球した球が複数個である場合に実行される。確変発生スイッチ703に入球した球が複数個である場合、確変発生スイッチ703以下の経路703aに球が停留されているので、確変回転体704を「角度A1」まで反時計回りに回転すると(S504)、確変発生スイッチ703以下の経路703aで停留されていた球が、確変回転体704の球受部704bに流下する。S506が実行されてから1秒後から、確変期間進行処理(図22参照)により、確変回転体704は時計回りに回転を開始するように構成されている(図11(c)参照)。
なお、S504の処理が実行される時には確変回転体704は「角度A2」の状態である。「確変回転体704の角度A1−A2」は300度であるので、S504の処理において、MPU201から確変回転体704の確変回転体モータ704a(のモータドライバ)に対して、確変回転体704の確変回転体モータ704aを「反時計回りに600度毎秒の速度」で回転させる所定のコマンドを出力することによりMPU201は確変回転体704を制御する。これにより、S504の処理から0.5秒後に、確変回転体704は「角度A1」の状態となる。ここで、確変回転体704を「角度A1」の状態に反時計回りするのに要する時間(本実施形態では、0.5秒)も確変期間に含まれており、その間にも設定された確変期間計測カウンタ203pの値は更新されているので、確変回転体704が「角度A1」の位置に移動してから0.5秒間停止した後、「角度AX」回動される処理が実行される。これにより、確変期間が2倍、3倍となる場合にも一定して設定することができる。よって、確変期間にばらつきがでてしまう不具合を抑制できる。
<確変終了処理>
次に図19のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される確変終了処理(S210)を説明する。図19は、この確変終了処理(S210)を示すフローチャートである。確変終了処理(S210)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行されるスイッチ読み込み処理(図16参照)の中で実行され、確変終了スイッチ707への入球に基づいて、確変を終了する処理である。また、確変終了処理(S210)は、変動処理(図21参照)において、変動が停止した後にも、実行される。確変終了スイッチ707への入球を検出した時に、変動中である場合は、変動処理(図21参照)において、変動が停止した後に、確変終了処理(S210)により確変が終了し、第3図柄表示装置81に「確変終了」が表示される。これにより、前述の「変動演出の停止直前に確変が終了したように見える状況」でも、遊技者を戸惑わせることがないという効果がある。
確変終了処理が実行されると、まず、確変終了予定フラグ203qがオンか否かを判別する(S401)。確変終了予定フラグ203qは、確変終了予定処理(図18参照)でオンされる。S401の処理で、確変終了予定フラグ203qがオンではない(即ち、オフである)と判別されると(S401:No)、確変終了処理を終了する。このように、確変終了予定フラグ203qがオンでない場合は、確変終了処理が実行されても、確変を終了しない。これにより、変動処理(図21参照)において、変動が停止した後に、確変終了処理(S210)を実行しても、確変終了予定フラグ203qがオフであれば、確変は終了されない。
確変終了予定フラグ203qがオンであると判別されると(S401:Yes)、確変終了予定フラグ203qをオフし(S402)、確変終了コマンドを設定し(S403)、確変中フラグをオフし(S404)、確変回転体704を「角度A1」まで反時計回りに回転させ(S405)、確変終了処理を終了する。S404の処理で遊技状態が高確率状態(確変中)から低確率状態の時短状態(時短中)へと遷移する。以降、MPU201で実行される大当たり抽選処理(図23のS901参照)において、大当たりの決定に用いる大当たり乱数テーブル202a(図9(a)参照)として「低確率状態」用が用いられる。
なお、確変終了処理が実行される時には確変回転体704は「角度A2」の状態である。「確変回転体704の角度A1−A2」は300度であるので、S405の処理において、MPU201から確変回転体704の確変回転体モータ704a(のモータドライバ)に対して、確変回転体704の確変回転体モータ704aを「反時計回りに600度毎秒の速度」で回転させる所定のコマンドを出力することによりMPU201は確変回転体704を制御する。これにより、S405の処理から0.5秒後に、確変回転体704は「角度A1」の状態となる。これにより、確変期間を一定に設定することができる。
S405の処理によって、確変の終了時に、確変回転体704を「角度A1」の状態にするので、次回、確変役物700に球が入球する時には、確変発生スイッチ703で検出された球は確変発生スイッチ703以下の経路703aを流下し、確変回転体704の球受部704bで受けられるので、その後、確変回転体704を1秒毎に回転させることができ、確変期間の減少を遊技者にわかりやすく報知できる。
<始動入賞処理>
次に、図20のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S110)を説明する。図20は、この始動入賞処理(S110)を示すフローチャートである。始動入賞処理(S110)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、第1入球口64及び第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合は、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、保留球数の計数処理とを実行する。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、特図1保留球数カウンタ203dの値(第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NA)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。そして、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NA<4でなければ(S602:No)、S605の処理へ移行する。
一方、第1入球口64への入賞があり(S601:Yes)、且つ、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NA<4であれば(S602:Yes)、特図1保留球数カウンタ203dの値(保留球数NA)を1加算し(S603)、更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の特図1保留球格納エリア203aの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S604)。
続くS605の処理では、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S605)。ここでは、第2入球口640への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口640に入賞したと判別されると(S605:Yes)、特図2保留球数カウンタ203eの値(第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NB)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S606)。そして、第2入球口640への入賞がないか(S605:No)、或いは、第2入球口640への入賞があっても第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NB<4でなければ(S606:No)、始動入賞処理を終了し、タイマ割込処理に戻る。
一方、第2入球口640への入賞があり(S605:Yes)、且つ、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NB<4であれば(S606:Yes)、特図2保留球数カウンタ203の値(保留球数NB)を1加算し(S607)、更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の特図2保留球格納エリア203bの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S608)。そして、始動入賞処理を終了し、タイマ割込処理に戻る。
<変動処理>
次に、図21のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S109)について説明する。図21は、この変動処理(S109)を示すフローチャートである。この変動処理(S109)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37A,37Bや第3図柄表示装置81にて行う変動表示を制御する。そして、確変回転体704を回転させて確変期間を進行する確変期間進行処理(図22参照)も実行される。
この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S701)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37A,37Bで表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S701:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S701:No)、確変期間進行処理(S702)を実行する。なお、確変期間進行処理は図22を参照して後述する。次いで、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であるか否かを判別し(S703)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中でなければ(S703:No)、次いで、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S704)。その結果、変動停止後、所定時間経過していなければ(S704:No)、そのまま本処理を終了する。これにより、変動演出における停止図柄が所定時間だけ第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S704の処理の結果、変動停止後、所定時間経過していれば(S704:Yes)、第1図柄(第3図柄)の変動演出が開始可能な状態となったことを意味するので、まず、特図2保留球数カウンタ203eの値(第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NB)が0よりも大きいか否かを判別する(S705)。その結果、特図2保留球数カウンタ203eの値(保留球数NB)が0より大きいと判別された場合は(S705:Yes)、特図2保留球数カウンタ203eの値(保留球数NB)を1減算し(S706)、特図2保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフト処理する(S707)。
このデータシフト処理は、特図2保留球格納エリア203bの特図2保留第1エリアに格納されているデータ(各カウンタ値)を特図保留球実行エリア203cへシフトさせ、また、特図2保留第2エリア→特図2保留第1エリア、特図2保留第3エリア→特図2保留第2エリア、特図2保留第4エリア→特図2保留第3エリアといった具合に、各保留エリア内のデータ(各カウンタ値)をシフトさせるものである。
データシフト処理の後は、特図種別フラグ203kをオンに設定し(S708)、これから開始する第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第2入球口640への始動入賞に伴って実行されるものであることを指し示した後、第1図柄表示装置37Bにおける変動開始処理(S709)を実行し、本処理を終了する。なお、変動開始処理については、図23を参照して後述する。
S705の処理の結果、特図2保留球数カウンタ203eの値(保留球数NB)が0よりも大きくない、即ち、保留球数NBが0であり、第2入球口640への始動入賞に伴う保留された変動演出がないと判別されると(S705:No)、次いで、特図1保留球数カウンタ203dの値(第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NA)が0よりも大きいか否かを判別する(S710)。
その結果、特図1保留球数カウンタ203dの値(保留球数NA)が0よりも大きくない、即ち、保留球数NAが0であり、第1入球口64への始動入賞に伴う保留された変動演出がないと判別されると(S710:No)、そのまま本処理を終了する。一方、特図1保留球数カウンタ203dの値(保留球数NA)が0より大きいと判別された場合は(S710:Yes)、特図1保留球数カウンタ203dの値(保留球数NA)を1減算し(S711)、特図1保留球格納エリア203dに格納されたデータをシフト処理する(S712)。
このデータシフト処理は、特図1保留球格納エリア203aの特図1保留第1エリアに格納されているデータ(各カウンタ値)を特図保留球実行エリア203cへシフトさせ、また、特図1保留第2エリア→特図1保留第1エリア、特図1保留第3エリア→特図1保留第2エリア、特図1保留第4エリア→特図1保留第3エリアといった具合に、各保留エリア内のデータ(各カウンタ値)をシフトさせるものである。
データシフト処理の後は、特図種別フラグ203kをオフに設定し(S713)、これから開始する第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第1入球口64への始動入賞に伴って実行されるものであることを指し示した後、S709の処理へ移行し、第1図柄表示装置37Aにおける変動開始処理を実行して(S709)、本処理を終了する。
この変動処理では、変動演出を開始可能な状態となった場合(S704:Yesの場合)に、まず、特図2保留球数カウンタ203eの値が0よりも大きいか否かを確認し(S705)、特図2保留球数カウンタ203eの値が0よりも大きい場合、即ち、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出が保留されている場合は(S705:Yes)、特図1保留球数カウンタ203dの値にかかわらず、即ち、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出が保留されているか否かにかかわらず、特図2保留球格納エリア203bに保留されたデータ(各カウンタ値)に基づいて、変動演出を開始する。これにより、第2入球口640における始動入賞が、第1入球口64における始動入賞よりも優先して大当たり抽選が行われ、その大当たり抽選に基づいて変動演出が行われるように構成されている。
S703の処理において、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であると判別されると(S703:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S714)。第1図柄表示装置37A,37Bの変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S714:No)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新して(S715)、本処理を終了する。
本実施形態では、第1図柄表示装置37AのLED37Ab又は第1図柄表示装置37BのLED37Bbの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は2ミリ秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが200に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37A,37Bの変動時間が経過していれば(S714:Yes)、第1図柄表示装置37A,37Bの停止図柄に対応した表示態様を設定する(S716)。停止図柄の設定は、図23を参照して後述する変動開始処理(S709)によって予め行われる。
即ち、S709の処理により、特図保留球実行エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に15R確変大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、高確率状態へ移行する契機となる確変発生スイッチ703へ球を入球させ易くなる確変大当たり)となる図柄か、4R確変大当たり(最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、高確率状態へ移行する契機となる確変発生スイッチ703へ球を入球させ易くなる確変大当たり)となる図柄か、15R通常大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たり)となる図柄かが決定される。
本実施形態では、大当たり後に15R確変大当たりになる場合には青色のLEDを点灯させ、4R確変大当たりになる場合には赤色のLEDを点灯させ、15R通常大当たりになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯さる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S716の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動演出の停止図柄を第1図柄表示装置37A,37BにおけるLEDの点灯と同調して確定させるために確定コマンドを設定して(S717)、確変終了処理(図19参照)を実行する(S210)。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対してそのまま確定コマンドを送信する。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、確定コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が確定される。
確変終了処理(S210)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行されるスイッチ読み込み処理(図16参照)の中でも実行され、確変終了スイッチ707への入球に基づいて、確変を終了する処理である。また、確変終了処理(S210)は、変動処理(図21参照)において、変動演出が停止した後にも、実行される。確変終了スイッチ707への入球を検出した時に、変動中である場合は、変動処理(図21参照)において、変動演出が停止した後に、確変終了処理(S210)により確変が終了し、第3図柄表示装置81に「確変終了」が表示される。これにより、前述の「変動演出の停止直前に確変が終了したように見える状況」でも、遊技者を戸惑わせることがないという効果がある。
S210の後、たった今、停止した変動演出が大当たりか否かを判別する(S718)。大当たりでなければ(S718:No)、本処理を終了する。一方、大当たりであれば(S718:Yes)、確変役物入球カウンタ203nは1以上か否かを判別する(S719)。確変役物入球カウンタ203nは1以上でない(即ち、0である)と判別されると(S719:No)、本処理を終了する。
一方、確変役物入球カウンタ203nは1以上であると判別されると(S719:Yes)、遊技状態は確変中であり、確変役物700の確変回転体704の球受部704bに球が停留していることになるので、確変役物700の球を排出させるために、確変回転体704を「角度A2」まで、時計回りに回転させる(S720)。球受部704bと、球排出部706とが重なると、球受部704bにある球が、球排出部706から排出される。この排出された球は、球排出部706下部の経路707aを流下して、確変終了スイッチ707で検出される(図16のS207参照)。この検出を契機として、確変終了処理(図19参照)において確変を終了する。なお、確変役物入球カウンタ203nが2以上である場合には、大当たり遊技が開始される前に、確変回転体704を「角度A1」の状態と「角度A2」の状態とを往復させ、大当たり遊技終了後には、確変役物700の中には、球がない状態とする。
<確変期間進行処理>
次に、図22のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される確変期間進行処理(S702)を説明する。図22は、この確変期間進行処理(S702)を示すフローチャートである。確変期間進行処理(S702)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行される変動処理(図21参照)の中で実行される処理であり、確変回転体704を回転させて確変期間を進行させる処理である。確変期間進行処理(S702)は、変動処理(図21参照)において、大当たり中でない場合に(S701:No)、タイマ割込処理(図15参照)の実行間隔である2ミリ秒毎に実行される処理である。
確変期間進行処理(図22、S702)では、まず、確変中フラグ203lがオンであるか否か判別する(S801)。確変中フラグ203lがオンでない(即ち、オフである)と判別されると(S801:No)、本処理を終了する。これにより、確変中以外に確変期間進行処理が実行されてもS802〜S808の処理は実行されない。一方、確変中フラグ203lがオンであると判別されると(S801:Yes)、確変期間計測カウンタ203pに1加算する(S802)。
次いで、S803の処理では、確変期間計測カウンタ203pは500以上であるか否か判別する(S803)。確変期間計測カウンタ203pは500以上でない(即ち、500未満である)と判別されると(S803:No)、本処理を終了する。一方、確変期間計測カウンタ203pは500以上であると判別されると(S803:Yes)、確変回転体704は「角度A2」以上か判別する(S804)。
ここで確変回転体704は「角度A2」以上とは、確変回転体704の球受部704bと、球排出部706とが重なっている状態を含み、「角度A2」から更に時計回りに回転した場合の状態である。S804の処理ではMPU201から確変回転体704の確変回転体モータ704a(のモータドライバ)から確変回転体モータ704aの現在の角度を取得することにより、確変回転体704は「角度A2」以上か判別する。
確変回転体704は「角度A2」以上であると判別されると(S804:Yes)、本処理を終了する。一方、確変回転体704は「角度A2」以上でない(即ち、「角度A2」未満)であると判別されると(S804:No)、確変回転体704を現在の角度から時計回りに「角度AX」回転させる(S805)。
ここで、S802の処理は、確変期間中である場合に、タイマ割込処理(図15参照)の実行間隔である2ミリ秒毎に実行される処理であるので、確変期間計測カウンタ203pは、確変中に2ミリ秒毎に1加算される。S803の処理において、確変期間計測カウンタ203pは500以上であるか否か判別しているが、この500という値は1秒に相当する。即ち、確変期間計測カウンタ203pが0に設定されてから、1秒間は、確変回転体704を現在の角度から時計回りに「角度AX」回転させる処理(S805)を実行しない。
確変発生スイッチ703に複数の球が入球した場合において、確変終了スイッチ707が1つの球の入球を検出した時に、なお、確変役物700の内部(確変発生スイッチ703から確変終了スイッチ707の間)に球が存在する場合、その入球の検出の時から、0.5秒間は、確変回転体704は反時計回りに「角度A2」から「角度A1」まで回転し、その後の0.5秒間は、確変回転体704は「角度A1」の状態で停止している。これにより、確変発生スイッチ703に入球した球の個数に応じて、「当該確変最長期間」が一定して2倍、3倍となるように構成できる。
また、S804の処理において、確変回転体704は「角度A2」以上であると判別されると(S804:Yes)、本処理を終了している。確変回転体704は「角度A2」の状態であるとは、確変回転体704の球受部704bと、球排出部706とが重なっている状態である。確変回転体704が「角度A2」の状態となった直後、確変回転体704の球受部704bの球は確変終了スイッチ707に検出される。この場合、確変回転体704を現在の角度「角度A2」から更に時計回りに回転させる必要はない。即ち、S805の処理を実行する必要はないので、本処理を終了している。これにより、確変終了スイッチ707が球の入球を検出し、他に確変役物700の内部(確変発生スイッチ703から確変終了スイッチ707の間)に球が存在しなければ、確変が終了するまで、確変回転体704は「角度A2」の状態を維持する。その後、確変期間の終了が設定されると、「角度A1」に回動するように設定される。なお、本実施形態では、「角度A2」から角度「A1」へは反時計回りで高速で回動するように構成したが、それに限らず、時計回りに回動するように構成してもよい。このように構成することで、確変回転体704をより早く「角度A1」へと移動させることができる。
また、S805の処理により、確変回転体704を現在の角度から時計回りに「角度AX」回転させている。本実施形態では、確変回転体704が回転開始してから確変回転体704の球受部704bと、球排出部706とが重なっている状態になるまでの時間(図11のta1時からta3時)を360秒としている。この360秒に相当する180000が確変期間メモリ203oに設定されている。S805の処理は、確変中に(S801:No)、タイマ割込処理(図15参照)の実行間隔である2ミリ秒毎に実行される処理であるので、「角度AX」は、「「確変回転体704の角度A1−A2」/(確変期間メモリ203oの値)」で計算できる。本実施形態においては「角度AX」は0.00166…(=300/180000)度である。
S805の処理が実行されると、次いで、確変期間の経過期間の超過を判別するために、確変期間計測カウンタ203pは確変期間メモリ203oと1000との合計以上であるか否か判別する(S806)。確変期間計測カウンタ203pは確変期間メモリ203oと1000との合計以上でないと判別されると(S806:No)本処理を終了する。
確変期間計測カウンタ203pは確変期間メモリ203oと1000との合計以上であると判別されると(S806:Yes)、確変を強制的に終了するために確変中フラグをオフして(S807)、確変異常コマンドを設定して(S808)、本処理を終了する。確変異常コマンドを設定した後に、表示制御装置114が、音声ランプ制御装置113を介して確変異常コマンドを受信して(図31のS2810参照)、第3図柄表示装置81に「確変異常」を表示する(図31のS2811参照)。これにより、確変期間の経過期間の超過が判別されると確変を強制的に終了するので、確変期間が不正に延長されることはない。
なお、確変回転体704は「角度A2」以上であると判別されると(S804:Yes)、S805〜S808の処理は実行されない。これにより、確変回転体704が「角度A2」の状態となった直後、確変回転体704の球受部704bの球は確変終了スイッチ707に検出されるが、その時、変動演出が変動中であれば直ちに確変を終了するのではなく、当該変動演出が停止したときに確変を終了するとしても、その変動演出の変動中にS806〜S808の処理が実行されて、確変異常コマンドを設定することはない。
<技術的思想1〜3の作用効果>
以上のように、本実施形態における確変の期間は、確変発生スイッチ703が球の入球を検出して、確変開始処理(図17参照)により確変を開始してから、確変回転体704の球受部704bに停留させた球を、確変期間進行処理(図21で実行される図22参照)により、確変回転体704の確変回転体モータ704aを一定速度で回転させて、確変終了スイッチ707が球の入球を検出して、確変終了処理(図19参照)において確変を終了するまでの期間となる。即ち、確変の期間は一定である(確変が開始されてから予め定められた所定期間経過後に確変が終了する)。
従来の遊技機において、変動演出期間は、大当たりの信頼度が高い変動演出(例えば、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ)である程、その変動演出期間は長い傾向にある(例えば、外れの変動演出期間は7秒であるのに対して、スペシャルリーチの変動演出期間は90秒である等)。遊技者は自身にとって有利な大当たりに興味があるため、変動演出期間は長時間であったとしても、大当たりの信頼度が高い変動演出は見たいものである。
ここで、例えば、確変中に、図9を用いて説明した変動パターンの内、大当たりの信頼度が高く変動演出期間が長い変動パターン(例えば、スペシャルリーチ(90秒))が複数回なされたとしても、確変の期間は確変役物700により一定期間となるので、変動演出期間を要因として確変の期間が長くなることはない。従来のST機では、確変中に、大当たりの信頼度が高く変動演出期間が長い変動パターンが複数回なされても、大当たりすることもなく、単に確変の期間が長くなるだけでは遊技が単調になってしまい、遊技者に不快感を与える可能性があった。パチンコ機10によれば、大当たりの信頼度が高く変動演出期間が長い変動演出を行っても「当該確変最長期間」は一定とするので、単に確変の期間が長くなることにより遊技者に与える不快感を低減することができる。
そして、大当たりの信頼度が高く変動演出期間が長い変動パターンが実行されず、大当たりの信頼度が低い変動演出期間が短い変動パターン(例えば、短外れ(7秒)、長外れ(10秒))が実行される場合は、当該確変が終了するまでの残りの期間は、変動演出期間が長い変動パターンが実行される場合よりも、減りが少ない。よって、より多く大当たり抽選の機会が残される。
一方、大当たりの信頼度が高く変動演出期間が長い変動パターンが実行され、大当たりの信頼度が低い変動演出期間が短い変動パターンが実行されない場合は、当該確変が終了するまでの残りの期間は、変動演出期間が短い変動パターンが実行される場合よりも、減りが多い。よって、当該変動演出で大当たりしないと、大当たり抽選の機会が残り少なくなっていることになる。これにより、遊技者は当該変動演出において、どうしても大当たりして欲しい欲求が高まる。即ち当該変動演出に対する熱意が特別に高まる。
従って、確変において実行される変動演出に応じて、大当たり抽選の機会の減り具合が異なることになるので、遊技者に対して新しい遊技性を提供することができるという効果がある。また、確変回転体704の球受部704bに停留させた球の動作から遊技者は確変の終了を予測することができる。
<技術的思想6の作用効果>
例えば、確変中に、確変回転体モータ704aが故障したり、確変回転体モータ704aとMPU201とを接続する線が不正に切断されたりすることにより、確変回転体704の回転が停止した場合を想定する。確変回転体704の回転が停止し続ける限り、確変回転体704の球受部704bに停留されている球が球排出部706に至ることはない。即ち、確変回転体704の球受部704bに停留されている球が確変終了スイッチ707により入球が検出されることがない。また、例えば、確変回転体704の球受部704bと、球排出部706とが重なる状態で、球受部704bに停留されている球が経路707aへ排出されるのを不正に防ぐ目的で、パチンコ機10のガラスユニット16の外側であって球排出部706の前面側に磁石を当てられる不正行為がなされたとしても、確変回転体704の球受部704bに停留されている球が球排出部706に至ることはない。これらにより、確変が不正に延長され得る。
しかし、パチンコ機10によれば、S806により、確変期間計測カウンタ203pと確変期間メモリ203oとから、確変期間の経過期間が超過していることを判別すると、確変中フラグをオフして(S807)、確変を強制的に終了するので、前述のように確変が不正に延長されることを防止できるという効果がある。
<変動開始処理>
次に、図23を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理(S709)について説明する。図17は、変動開始処理(S709)を示すフローチャートである。この変動開始処理(S709)は、タイマ割込処理(図15参照)の変動処理(図21参照)の中で実行され、特図保留球実行エリア203cに格納された各種カウンタの値に基づき、「大当たり」又は「外れ」の抽選(大当たり抽選)を行うと共に、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定する。
変動開始処理では、まず、特図保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選処理を行う(S901)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態との関係に基づいて判別される。上述した通り、パチンコ機10の遊技状態が低確率状態(即ち、通常中および時短中、確変中フラグ203lがオフ)の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「低確率状態」に対応づけられた「7,307,582」が大当たり乱数値となり、パチンコ機10の遊技状態が高確率状態(即ち、確変中、確変中フラグ203lがオン)の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「高確率状態」に対応づけられた「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が大当たり乱数値となる。S901の処理では、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。
そして、S901の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S901:Yes)、確変中フラグがオンか否かを判別する(S902)、確変中フラグがオンであると判別されると(S902:Yes)、確変期間計測カウンタ203pの値に応じて大当たり遊技の1ラウンドあたりの特定入賞口65a,650aへの入賞個数を決定する(S903)。即ち、大当たり遊技の1ラウンドにおいて、特定入賞口65a,650aに球がS903で決定する大当たり遊技の1ラウンドあたりの入賞個数だけ入賞するまで、特定入賞口65a,650aを開放する。本実施形態では、確変期間メモリ203oに360秒に相当する値を設定しており、大当たり決定時の確変期間計測カウンタ203pが60秒未満に相当する値の場合には、1ラウンドあたりの入賞個数を10個とする。以下、同様に、60秒以上120秒未満の場合には、1ラウンドあたりの入賞個数を9個とする。120秒以上180秒未満の場合には、1ラウンドあたりの入賞個数を8個とする。180秒以上240秒未満の場合には、1ラウンドあたりの入賞個数を7個とする。240秒以上300秒未満の場合には、1ラウンドあたりの入賞個数を6個とする。300秒以上の場合には、1ラウンドあたりの入賞個数を5個とする。特定入賞口65a,650aへ1個の球が入球すると15個の球を賞球として払出す場合、1ラウンドあたりの入賞個数が10個であれば、1ラウンドあたりの賞球個数は150個と決定される。これにより、確変中に大当たりした場合には、確変が開始されてからの経過期間が早いほど(確変期間計測カウンタ203pの値が小さい程)、大当たり遊技の1ラウンドあたりの入賞個数と賞球個数とが多くなる。
確変中フラグがオンではない(即ち、オフである)と判別されると(S902:No)、賞球個数を決定する(S904)。本実施形態では、大当たり遊技の1ラウンドにおいて、特定入賞口65a,650aに球が10個入賞するまで、特定入賞口65a,650aを開放する。特定入賞口65a,650aへ1個の球が入球すると15個の球を賞球として払出す場合、1ラウンドあたりの入賞個数が10個であれば、1ラウンドあたりの賞球個数は150個と決定される。
<技術的思想9の作用効果>
本実施形態では、確変中に、大当たり抽選処理(S901)において、大当たりした場合、S903の処理において、確変期間計測カウンタ203pの値が小さいほど、遊技者に付与する賞球個数を多く決定するように構成した。即ち、確変が開始されてからの経過期間が早いほど、大当たり遊技における賞球個数の量が多くなる。
例えば、確変中に大当たりした場合に、大当たり遊技の後に、新たな確変が開始されるパチンコ機では、遊技者は、確変が開始されてからの経過期間が早い段階で大当たりして欲しいと願うものである。パチンコ機10によれば、この遊技者の願いを叶えた場合には、これに加え、賞球個数の量までも多くなるので、遊技者にとって喜ばしいことが2度も訪れることになる。逆に、確変が開始されてからの経過期間が遅い段階で大当たりした場合、賞球個数は少ないので、遊技者は落胆する。一方、大当たりの後に、確変が新たに開始されることが決定すれば、落胆するだけでなく、新たな希望を見いだせる。このように、確変の期間は確変役物700により一定期間となるパチンコ機10において、その確変の期間と賞球個数が対応した新しい興趣を提供できるという効果がある。
なお、本実施形態では、確変期間の残り時間(経過時間)により、1ラウンドあたりの入賞個数を増減させるように構成したが、それに限らず、常に一定にして構成するように構成してもよい。このように構成することで、大当たり遊技の出玉を一定にすることができ、射幸性を一定に保つことができる。
S903又はS904の処理において、賞球個数を決定した後、大当たり種別テーブル202bと、特図保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて大当たり種別を決定し、その大当たり種別に対応する大当たり時の表示態様を設定する(S905)。ここで、特図種別フラグがオンの場合は、これから開始する第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第2入球口640への始動入賞に伴って実行されるものであることを示しているので、大当たり種別を決定する大当たり種別テーブル202bとして、「第2入球口」用の大当たり種別テーブル(図9(b)参照)を用いる。一方、特図種別フラグがオフの場合は、これから開始する第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第1入球口64への始動入賞に伴って実行されるものであることを示しているので、大当たり種別を決定する大当たり種別テーブル202bとして、「第1入球口」用の大当たり種別テーブル(図9(b)参照)を用いる。
次いで、S905の処理で決定した大当たり種別が確変大当たりか否かを判別する(S906)。即ち、大当たり種別が15R確変大当たり又は4R確変大当たりである場合には確変大当たりであり、大当たり種別が15R通常大当たりである場合には確変大当たりではない。確変大当たりであると判別されると(S906:Yes)、確変開始予定フラグ203mをオンして(S907)、S908の処理へ移行する。確変大当たりでないと判別されると(S906:No)、S908の処理へ移行する。
S907の処理で確変開始予定フラグ203mをオンすることにより、以降、大当たり中でないときに、スルースイッチ701へ球を入球させると、電動チューリップ702が開放されるので(図16参照)、高確率状態へ移行する契機となる確変発生スイッチ703へ球を入球させ易くなる。
S901の処理で大当たりではないと判別された場合には(S901:No)、外れ時の表示態様が設定される(S910)。S910の処理では、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の場合は第1図柄表示装置37Aの表示態様を、また、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の場合は第1図柄表示装置37Bの表示態様を、外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特図保留球実行エリア203cに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。次いでS908の処理へ移行する。
S908の処理では、変動パターンを決定する(S908)。この変動パターンの決定は、変動種別カウンタCS1の値と、大当たり用変動パターンテーブル202c、外れ用変動パターンテーブル202d(外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2)とに基づいて行われる。S908の処理で表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する。
S905又はS910の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定して(S909)、本処理を終了する。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、タイマ割込処理(図15)のS101の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
<NMI割込処理>
次に、図24のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。図24は、このNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。
即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1001)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
<立ち上げ処理>
次に、図25のフローチャートを参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図25は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1101)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1102)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122がオンされているか否かを判別し(S1104)、オンされていれば(S1104:Yes)、処理をS1111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1105)、記憶されていなければ(S1105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1111へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1105:Yes)、RAM判定値を算出し(S1106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1107:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1111へ移行する。なお、図26のS1207の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1111の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1112,S1113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1112,S1113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1112,S1113)を実行する。RAMの初期化処理(S1112,S1113)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1113)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1109)、S1110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1110の処理では、割込みを許可する(S1110)。S1110の処理で、演出許可コマンドを設定し、以降、サブ制御装置による演出を許可する。そして、後述するメイン処理に移行する。
なお、図示は省略したが、確変回転体704は、この立ち上げ処理において、初期設定や、電源断前の状態に復帰される処理が実行される。確変期間中に電源断した場合には、その残り確変期間の値に基づいて、確変回転体704の回動量が設定される。また、確変期間が設定されている場合に電源断が発生して、その後、RAM消去スイッチがオンされて電源投入された場合には、残りの確変期間が0に設定されて、確変回転体704は、「角度A1」に設定される。
なお、本実施形態では、電源が再投入された場合には、確変回転体704を電源断時の状態にバックアップされるように構成したが、それに限らず、確変回転体704は、回動させずに、第3図柄表示装置81に残り確変期間を表示するように構成してもよい。その後、確変期間が0となる事に基づいて、「角度A2」に確変回転体704を回動させてもよい。
また、確変役物入球カウンタ203nが2以上である場合には、その値に対応した確変期間を設定して、第3図柄表示装置81に表示して、確変期間を設定するように構成してもよい。このように構成することで、確変期間中に電源断が発生して、確変役物700内の遊技球が初期設定処理等で排出されてしまっても、電源再投入後に確変期間が正しく設定されないという不具合を抑制できる。
<メイン処理>
次に、図26のフローチャートを参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図26は、このメイン処理を示すフローチャートである。概要として、4m秒周期の残余時間でS1203,S1204のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1201)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1201:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1202)、既に所定時間が経過していれば(S1202:Yes)、処理をS1201へ移行して、S1201の処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1202:No)、所定時間に至るまでの間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1及び第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1203,S1204)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1203)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1204)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファに格納する。
ここで、S1201〜S1204の各処理の実行途中にも、タイマ割込処理(図15参照)は2ミリ秒毎に繰り返し実行されるので、S1203の処理とS1204の処理とが実行される4m秒周期の残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1201の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1201:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図24のNMI割込処理が実行されたということなので、S1205以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1205)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1206)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1207)、RAM203のアクセスを禁止して(S1208)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えばRAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
<音声ランプ制御装置113のフローチャート>
次に、図27と図28とを参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
<立ち上げ処理>
まず、図27を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図27は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S2117の電源断処理(図28参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S2002)。図28を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図28のS2114参照)、S2117の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S2117の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S2002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS2117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S2003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S2006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S2003:Yes)、S2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S2003:No)、S2008へ移行する。
一方、電源断処理中フラグがオンであれば(S2002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S2117の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S2004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S2004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S2005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定し(S2006)、S2008の処理へ移行する。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S2005:No)、RAM223の異常を報知して(S2007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S2008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S2008)。電源断フラグはS2117の電源断処理の実行時にオンされる(図28のS2117参照)。つまり、電源断フラグは、S2117の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS2117の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2117の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S2008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S2009)、RAM223の初期値を設定した後(S2010)、割込み許可を設定して(S2011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS2004からS2006の処理を経由してS2008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S2008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS2009をスキップして、処理をS2010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S2010)、割込み許可を設定して(S2011)、メイン処理へ移行する。
なお、S2009のクリア処理をスキップするのは、S2004からS2006の処理を経由してS2008の処理へ至った場合には、S2004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
<メイン処理>
次に、図28を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図28は、このメイン処理を示したフローチャートである。
メイン処理が実行されると、まず、該メイン処理が開始されてから、又は、前回S2101の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S2101)、1ミリ秒以上経過していなければ(S2101:No)、S2102〜S2111の処理を行わずにS2112の処理へ移行する。
S2101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S2102〜S2111が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2112の変動表示処理やS2113のコマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。
S2113のコマンド判定処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止できる。
S2112の変動表示処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信された変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2101の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S2101:Yes)、まず、S2103〜S2113の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2109の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2103)、その後電源投入報知処理を実行する(S2104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2105の処理へ移行する。
S2105の処理では客待ち演出が実行され(S2105)、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S2106)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数に応じて保留ランプ285を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、枠ボタン操作コマンドに代えて、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S2107の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、振動センサ入力監視処理が行われる(S2108)。この振動センサ入力監視処理は、振動センサ(図示せず)からの入力信号を監視し、パチンコ機10に振動が与えられたか否かを検出する処理である。
次いで、ランプ編集処理を実行し(S2109)、その後音編集・出力処理を実行する(S2110)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するように、表示制御装置114からの表示コマンド(リーチ表示コマンドを含む)に従って、RAM223に格納された音声データをそれぞれ復号し、復号された全チャンネルの音声をミキシングして、音声出力装置226から音が出力される。また、警報音の出力が設定された場合は、この音編集・出力処理によって、警報音の出力パターンが設定され、警報音が音声出力装置226から出力される。
S2110の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S2111)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2109のランプ編集処理が実行される。なお、S2110の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S2111の処理後、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づいて表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを生成し、生成したこれらのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示処理を実行する(S2112)。
S2112の処理では、第3図柄表示装置81の変動表示処理が実行される。この変動表示処理では、音声ランプ制御装置113に搭載された複数のカウンタ(大当たり時の停止図柄を設定するカウンタ、外れ時の停止図柄を選択するカウンタなど)が更新され、そのカウンタの値と主制御装置110から送信される変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき第3図柄表示装置81で停止表示される図柄を設定したり、変動表示のパターン(短外れ、長外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ)などが設定されたりする。その設定された停止図柄や変動パターンは、コマンドとして表示制御装置114に送信される。
次いで、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S2113)。主制御装置110からのコマンドを受信すると、そのコマンドに応じて音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM233に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信する。なお、主制御装置110からの確定コマンド、確変終了コマンド、確変異常コマンド、演出許可コマンドは表示制御装置114にそのまま送信する。
S2113の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2114)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2114の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2114:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S2116)、電源断処理を実行する(S2117)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2118)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S2114の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2114:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S2115)、RAM223が破壊されていなければ(S2115:No)、S2101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2115:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
<表示制御装置114のフローチャート>
次いで、図29から図31を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、V割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。V割込信号は、画像コントローラ237がMPU231に対して送信する信号で、画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理を完了する20ミリ秒毎にMPU231に対してV割込信号を送信する。
MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
<メイン処理>
まず、図29(a)を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図29(a)は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理では、初期設定処理を実行する(S2601)。具体的には、ワークRAM233、ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。また、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
S2601の処理の後、割込許可を設定し(S2602)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2602の処理によって割込許可が設定されて以降、MPU231は、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
<コマンド割込処理>
次いで、図29(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図29(b)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2603)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
<V割込処理>
次いで、図30を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図30は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図14参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
このV割込処理では、まず、コマンド判定処理(S2701)を実行し、次いで、表示設定処理(S2702)を実行する。コマンド判定処理(S2701)では、コマンドバッファ領域に格納されたコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行する。例えば、コマンドバッファ領域に表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、その表示用変動パターンコマンドで示される変動パターン種別に応じた変動用表示データテーブルを、表示データテーブル格納エリア232aから読み出して、表示データテーブルバッファ233aに設定する。表示データテーブルバッファ233aに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを計時カウンタ233dに設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが20ミリ秒の間にコマンドバッファ領域に格納される可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出や連続予告演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、コマンド判定処理(S2701)は図31を参照して、後述する。
S2701の処理の後、表示設定処理を実行する(S2702)。表示設定処理(S2702)では、コマンド判定処理(S2701)などによって表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルにおいて、ポインタ233bが示すアドレスに規定された描画内容に基づいて、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルにおいて、そのポインタ233bが示すアドレスに、これから第3図柄表示装置81に表示させる表示内容(図13参照)が規定されている場合は、その表示内容を音声ランプ制御装置113へ通知する表示コマンドを生成し、生成した表示コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するための処理を行う。
なお、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルにおいて、ポインタ233bが示すアドレスに、複数の表示内容が規定されている場合は、先に規定されている表示内容から順に、その表示内容を表す表示コマンドを生成して、その表示コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。
ここで、本パチンコ機10では、コマンド判定処理および表示設定処理によって、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
また、表示設定処理(S2702)では、大当たり中であれば、大当たり演出の表示設定がなされ、第3図柄表示装置81に表示する大当たりのラウンド数や、賞球獲得数、ラウンド毎に異なる背景などの表示設定がなされる。また、確変中であれば、第3図柄表示装置81に表示する確変が終了するまでの期間(または、確変が開始してからの経過期間)の表示設定がなされる。表示設定処理(S2702)が実行される度に、計時カウンタ233dが1ずつ減算される。その結果、計時カウンタ233dの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
表示設定処理(S2702)が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2703)。このタスク処理では、表示設定処理(S2702)によって特定された、第3表示装置281に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、描画処理を実行する(S2704)。この描画処理では、タスク処理(S2703)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送指示とから、図14に示す描画リストを生成し、描画リストエリア233cに格納する。その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。
<コマンド判定処理>
次に、図31を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行されるコマンド判定処理について説明する。図31は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理は、V割込処理(図30参照)の中で実行され、コマンドバッファ領域に格納されたコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行する。
コマンド割込み処理が実行されると、まず、表示用変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2801)。表示用変動パターンコマンドを受信した場合(S2801:Yes)、その表示用変動パターンコマンドで示される変動パターン種別に応じた変動用表示データテーブルを、表示データテーブル格納エリア232aから読み出して、表示データテーブルバッファ233aに設定する(S2802)。そして、変動中フラグ233fをオンし(S2803)、S2804の処理へ移行する。なお、変動中フラグ233fがオンの場合、描画処理(図30のS2704)により、第3図柄表示装置81に表示用変動パターンコマンドに対応した変動演出が表示される。一方、表示用変動パターンコマンドを受信していない場合(S2801:No)、S2804の処理へ移行する。
次いで、確定コマンドを受信したか否かを判別する(S2804)。確定コマンドを受信した場合(S2804:Yes)、変動中フラグ233fをオフする(S2805)。変動中フラグ233fがオフされると、描画処理(図30のS2704)によって第3図柄表示装置81に表示されていた変動演出が停止表示される。そして、S2805の後、S2806の処理へ移行する。表示用変動パターンコマンドを受信(S2801:Yes)してから、確定コマンドを受信するまでの時間、即ち、変動演出期間は、図8(c)、図8(d)を参照して説明したように、変動パターンによって異なる。本実施形態の変動演出期間は、短外れ7秒、長外れ10秒、ノーマルリーチ各種30秒、スーパーリーチ各種60秒、スペシャルリーチ各種90秒である。確定コマンドを受信していない場合(S2804:No)、S2806の処理へ移行する。
次いで、主制御装置110の立ち上げ処理(図25参照)で設定される演出許可コマンドを受信したか否かを判別する(S2806)。演出許可コマンドを受信した場合(S2806:Yes)、演出許可フラグ233eをオンする(S2807)。演出許可フラグ233eがオンにされた時から、V割込処理(図30参照)において、演出の表示がなされる。一方、演出許可コマンドを受信していない場合(S2806:No)、S2808の処理へ移行する。
次いで、確変終了コマンドを受信したか否かを判別する(S2808)。確変終了コマンドを受信した場合(S2808:Yes)、第3図柄表示装置81に「確変終了」と表示するためのデータを表示データテーブルバッファ233aに設定する(S2809)。一方、確変終了コマンドを受信していない場合(S2808:No)、S2810の処理へ移行する。
次いで、確変異常コマンドを受信したか否かを判別する(S2810)。確変異常コマンドを受信した場合(S2810:Yes)、第3図柄表示装置81に「確変異常」と表示するためのデータを表示データテーブルバッファ233aに設定する(S2811)。一方、確変異常コマンドを受信していない場合(S2810:No)、S2812の処理へ移行する。
次いで、その他のコマンドを受信したか否かを判別する(S2812)。その他のコマンドを受信した場合(S2812:Yes)、その他のコマンドに応じた処理(S2813)を実行し、本処理を終了する。確変異常コマンドを受信していない場合(S2812:No)、本処理を終了する。
<技術的思想1〜3の作用効果>
以上のように、本実施形態における確変の期間は、確変発生スイッチ703が球の入球を検出して、確変開始処理(図17参照)により確変を開始してから、確変回転体704の球受部704bに停留させた球を、確変期間進行処理(図21で実行される図22参照)により、確変回転体704の確変回転体モータ704aを一定速度で回転させて、確変終了スイッチ707が球の入球を検出して、確変終了処理(図19参照)において確変を終了するまでの期間となる。即ち、確変の期間は一定である(確変が開始されてから予め定められた所定期間経過後に確変が終了する)。
従来の遊技機において、変動演出期間は、大当たりの信頼度が高い変動演出(例えば、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ)である程、その変動演出期間は長い傾向にある(例えば、外れの変動演出期間は7秒であるのに対して、スペシャルリーチの変動演出期間は90秒である等)。遊技者は自身にとって有利な大当たりに興味があるため、変動演出期間は長時間であったとしても、大当たりの信頼度が高い変動演出は見たいものである。
ここで、例えば、確変中に、図9を用いて説明した変動パターンの内、大当たりの信頼度が高く変動演出期間が長い変動パターン(例えば、スペシャルリーチ(90秒))が複数回なされたとしても、確変の期間は確変役物700により一定期間となるので、変動演出期間を要因として確変の期間が長くなることはない。従来のST機では、確変中に、大当たりの信頼度が高く変動演出期間が長い変動パターンが複数回なされても、大当たりすることもなく、単に確変の期間が長くなるだけでは遊技が単調になってしまい、遊技者に不快感を与える可能性があった。パチンコ機10によれば、大当たりの信頼度が高く変動演出期間が長い変動演出を行っても「当該確変最長期間」は一定とするので、単に確変の期間が長くなることにより遊技者に与える不快感を低減することができる。
そして、大当たりの信頼度が高く変動演出期間が長い変動パターンが実行されず、大当たりの信頼度が低い変動演出期間が短い変動パターン(例えば、短外れ(7秒)、長外れ(10秒))が実行される場合は、当該確変が終了するまでの残りの期間は、変動演出期間が長い変動パターンが実行される場合よりも、減りが少ない。よって、より多く大当たり抽選の機会が残される。
一方、大当たりの信頼度が高く変動演出期間が長い変動パターンが実行され、大当たりの信頼度が低い変動演出期間が短い変動パターンが実行されない場合は、当該確変が終了するまでの残りの期間は、変動演出期間が短い変動パターンが実行される場合よりも、減りが多い。よって、当該変動演出で大当たりしないと、大当たり抽選の機会が残り少なくなってしまっていることになる。これにより、遊技者は当該変動演出において、どうしても大当たりして欲しい欲求が高まる。即ち当該変動演出に対する熱意が最高潮に高まる。
従って、確変において実行される変動演出に応じて、大当たり抽選の機会の減り具合が異なることになるので、遊技者に対して新しい遊技性を提供することができるという効果がある。また、確変回転体704の球受部704bに停留させた球の動作から遊技者は確変の終了を予測することができる。
<第2実施形態>
次いで、図32及び図33を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。
上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、確変の期間は、確変発生スイッチ703が球の入球を検出して、確変開始処理(図17参照)により確変を開始してから、確変回転体704の球受部704bに停留させた球を、確変期間進行処理(図21で実行される図22参照)により、確変回転体704の確変回転体モータ704aを一定速度で回転させて、確変終了スイッチ707が球の入球を検出して、確変終了処理(図19参照)において確変を終了するまでの期間となる。即ち、確変の期間は一定である(確変が開始されてから予め定められた所定期間経過後に確変が終了する)。
これに対し、第2実施形態におけるパチンコ機10では、確変の期間は、確変発生スイッチ703が球の入球を検出して、確変開始処理(図17参照)により確変を開始してから、確変回転体704の球受部704bに停留させた球を、第1図柄(第3図柄)の変動演出が変動中である場合に限り、確変期間進行処理(図33で実行される図22参照)により、確変回転体704の確変回転体モータ704aを一定速度で回転させて、確変終了スイッチ707が球の入球を検出して、確変終了処理(図19参照)において確変を終了するまでの期間となる。即ち、確変が開始されてから、第1図柄(第3図柄)の変動演出が変動中である場合に限り、確変の期間が経過する。つまり、確変が開始されてから予め定められた所定期間、変動演出がなされた後に確変が終了する。
なお、第2実施形態におけるパチンコ機10の構成は、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S109)において実行される確変期間進行処理(図22のS702)の実行のタイミングが異なる点を除き、第1実施形態と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
<確変回転体704の角度と確変開始からの経過時間>
図32(a)〜(b)を参照して、第2実施形態における確変役物700の動作について説明する。図32(a)〜(b)は、パチンコ機10の遊技盤13に配設された確変役物700の確変回転体704の角度と確変開始からの経過時間との関係を模式的に示した模式図である。図32(a)は、確変中に変動演出が途切れない場合の模式図であり、図32(b)は、確変中に変動演出が途切れる場合の模式図である。
まず、図32(a)を参照して、確変中に変動演出が途切れない場合の確変回転体704の角度と確変開始からの経過時間との関係を説明する。ta0時は、電動チューリップ702に球が入球し、確変発生スイッチ703が球の入球を検出した時である。ta0時に、確変回転体704は「角度A1」の状態であり、確変開始処理(図17参照)により確変を開始する。
ta1時は、ta0時から1秒経過した時であり、確変回転体704が確変回転体モータ704aを中心に、時計回りに回転を開始する時である(図10(a)参照))。
ta2時は、ta1時から120秒経過した時であり、確変回転体704の球受部704bに停留されている球は、確変回転体704の確変回転体モータ704aを中心に、一定速度で回転している最中である。この時、確変回転体704が「角度A3」の状態である(図10(b)参照)。
ta3時は、ta2時から240秒経過した時であり、確変回転体704の球受部704bと、球排出部706とが重なっている状態である(図10(c)参照)。即ち、確変回転体704が「角度A2」の状態である。本実施形態では、確変回転体704が回転開始してから、停止することなく、確変回転体704の球受部704bと、球排出部706とが重なっている状態になるまでの時間(ta1時からta3時)を360秒としている。この間、確変回転体704の球受部704bに停留されている球は、確変回転体704の確変回転体モータ704aを中心に、一定速度で回転している。これは、タイマ割込処理(図15参照)のS109の変動処理(図33参照)のS702の確変期間進行処理(図22参照)において、タイマ割込処理の実行間隔である2ミリ秒毎に、第1図柄(第3図柄)の変動演出が変動中である場合に限り、時計回りに「角度AX」回転させているからである。
ta4時は、ta3時と略同時であり、確変回転体704の球受部704bに停留されている球が、球排出部706以下の経路707aを流下して確変終了スイッチ707で検出される時である。ta4時に、確変終了処理(図19参照)により確変を終了する。ta4時には、確変回転体704は「角度A2」の状態である。ta4時の後、確変回転体704が「角度A1」の状態となるように、反時計回りに回転され(図19のS405参照)、ta4時から0.5秒経過したta5時までには、確変回転体704が「角度A1」の状態となる。「確変回転体704の角度A1−A2」は300度であるので、ta4時に、MPU201から確変回転体704の確変回転体モータ704a(のモータドライバ)に対して、確変回転体704の確変回転体モータ704aを「反時計回りに600度毎秒の速度」で回転させる所定のコマンドを出力することによりMPU201は確変回転体704を制御する。なお、確変中に変動演出が途切れない限り、ta0時からta4時までの期間である「当該確変最長期間」は約361秒である。
この確変中の期間(ta0時からta4時までの期間)において、第1入球口64及び第2入球口640へ入球があったことを契機として抽選が行われる。この抽選では、「高確率状態」の大当たり乱数テーブル202aにより行われる。
次に、図32(b)を参照して、確変中に変動演出が途切れる場合の確変回転体704の角度と確変開始からの経過時間との関係を説明する。tb0時は、電動チューリップ702に球が入球し、確変発生スイッチ703が球の入球を検出した時である。tb0時に、確変回転体704は「角度A1」の状態であり、確変開始処理(図17参照)により確変を開始する。
tb1時は、tb0時から1秒経過した時であり、確変回転体704が確変回転体モータ704aを中心に、時計回りに回転を開始する時である(図10(a)参照))。
tb2時は、tb1時から120秒経過した時である。tb2時以前から、例えば、球を遊技盤13に発射する球発射ユニット112aの故障、遊技盤13上の釘に球が詰まる、第1入球口64や第2入球口640への遊技盤13上の釘が締められている等の要因により、第1入球口64や第2入球口640への入球がされていない場合である。そして、tb2時には、特図1保留球数カウンタ223aおよび特図2保留球数カウンタ223bの値が0になり、以降、変動演出が実行されない状態である。本実施形態のパチンコ機10では、第1図柄(第3図柄)の変動演出が変動中である場合に限り、確変期間進行処理(図33で実行される図22参照)により、確変回転体704の確変回転体モータ704aを一定速度で回転させる。これにより、図32(b)のように変動演出が実行されない状態では、確変回転体704は回転せず「角度A3」で停止し続ける。即ち、変動演出が実行されない状態では、確変の期間は経過しない。
tb3時は、tb2時から約120秒経過した時である。tb3時以前に第1入球口64または第2入球口640へ球が入球し、新たな変動演出が開始される時である。本実施形態のパチンコ機10では、第1図柄(第3図柄)の変動演出が変動中である場合に限り、確変期間進行処理(図33で実行される図22参照)により、確変回転体704の確変回転体モータ704aを一定速度で回転させるので、確変回転体704は、tb3時から確変回転体モータ704aを中心に、一定速度で回転を開始する。即ち、変動中であれば確変の期間は経過する。
tb4時は、tb4時から240秒経過した時であり、確変回転体704の球受部704bと、球排出部706とが重なっている状態である(図10(c)参照)。即ち、確変回転体704が「角度A2」の状態である。本実施形態では、確変回転体704が回転開始してから確変回転体704の球受部704bと、球排出部706とが重なっている状態になるまでの変動時間の合計の時間(tb1時からtb2時およびtb3時からtb4時の合計)を360秒としている。この間、確変回転体704の球受部704bに停留されている球は、確変回転体704の確変回転体モータ704aを中心に、一定速度で回転している。これは、タイマ割込処理(図15参照)のS109の変動処理(図33参照)のS702の確変期間進行処理(図22参照)において、タイマ割込処理の実行間隔である2ミリ秒毎に、第1図柄(第3図柄)の変動演出が変動中である場合に限り、時計回りに「角度AX」回転させているからである。
tb5時は、tb4時と略同時であり、確変回転体704の球受部704bに停留されている球が、球排出部706以下の経路707aを流下して確変終了スイッチ707で検出される時である。tb5時に、確変終了処理(図19参照)により確変を終了する。tb5時の後、確変回転体704が「角度A1」の状態となるように、反時計回りに回転され、tb5時から0.5秒経過したtb6時までには、確変回転体704が「角度A1」の状態となる。この確変中の期間(tb0時からtb5時までの期間)において、第1入球口64及び第2入球口640へ入球があったことを契機として抽選が行われる。この抽選では、「高確率状態」の大当たり乱数テーブル202aにより行われる。
<変動処理>
図33を参照して、第2実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S109)について説明する。図33は、第2実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S109)である。
この変動処理(S109)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37A,37Bや第3図柄表示装置81にて行う変動表示を制御する。そして、確変回転体704を回転させて確変期間を進行する確変期間進行処理(図22参照)も実行される。第1実施形態における変動処理(図21参照)と第2実施形態における変動処理(図33)とは、確変期間進行処理(図22のS702)の実行のタイミングが異なる点を除き、第1実施形態と同一である。
第1実施形態では、大当たり中でなければ(図22のS701:No)、確変期間進行処理(S702)を実行した。一方、第2実施形態では、S703の処理において、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であると判別され(S703:Yes)、かつ、変動時間が経過していなければ(S714:No)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新して(S715)、その後に、確変期間進行処理(S702)を実行するように構成している(図33のS702)。これにより、確変が開始されてから、第1図柄(第3図柄)の変動演出が変動中である場合に限り、確変の期間は経過するように構成できる。つまり、確変が開始されてから予め定められた所定期間、変動演出がなされた後に確変が終了する。
<技術的思想4の作用効果>
例えば、球を遊技盤13に発射する球発射ユニット112aの故障、遊技盤13上の釘に球が詰まる、第1入球口64や第2入球口640への遊技盤13上の釘が締められている等の要因により、第1入球口64や第2入球口640へ球を入球させることができない又は困難な場合が考えられる。これらの場合に、確変回転体704の球受部704bに停留された球が、確変終了スイッチ707(球排出部706)へ近づいていくと、確変中の抽選の機会が減っていくので、遊技者の利益を確保できない。第2実施形態におけるパチンコ機10によれば、第1入球口64や第2入球口640へ球を入球させない限り、確変回転体704の球受部704bに停留された球が確変終了スイッチ707(球排出部706)へ近づくことはなく、確変中の抽選の機会が減ることはないので、遊技者の利益を守ることができるという効果がある。また、本実施形態では、特別図柄が変動中である場合に確変回転体704を回転させるように構成したが、それに限らず、特別図柄が変動表示された時間を加算(集計)して、その合計時間に対して予め定められている角度で確変回転体704を回動するように構成してもよい。このように構成することで、特別図柄の変動時間に対して一定した回動量を回動させることができる。
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、第1実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
<第3実施形態>
次いで、図34から図39を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。
上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、確変の期間は、確変発生スイッチ703が球の入球を検出して、確変開始処理(図17参照)により確変を開始してから、確変回転体704の球受部704bに停留させた球を、確変期間進行処理(図21で実行される図22参照)により、確変回転体704の確変回転体モータ704aを一定速度で回転させて、確変終了スイッチ707が球の入球を検出して、確変終了処理(図19参照)において確変を終了するまでの期間となる。即ち、確変の期間は一定である(確変が開始されてから予め定められた所定期間経過後に確変が終了する)。
これに対し、第3実施形態におけるパチンコ機10では、確変の期間は、確変発生スイッチ703が球の入球を検出して、確変開始処理(図17参照)により確変を開始する。確変の開始時に、確変の期間を表す点数(本実施形態では50点)を付与する。確変を開始してから、確変回転体704の球受部704bに停留させた球を、第1図柄(第3図柄)の変動演出の停止直前(例えば、2秒)に、確変期間進行処理(図37で実行される図39参照)により、確変回転体704の確変回転体モータ704aを変動演出の変動パターンに応じた角度(ステップ数)を一気に回転させて、変動パターンに応じて確変期間を進行する点数(以下、「確変期間進行点数」)を加算する。なお、「確変期間進行点数」は、短外れが1点、長外れが1点、ノーマルリーチ各種が2点、スーパーリーチ各種が3点、スペシャルリーチ各種が5点である。「確変期間進行点数」の合計値が、確変の期間を表す点数(本実施形態では50点)以上になった時に、確変回転体704が「角度A2」の状態となるように、確変回転体704を動作させる。ここで、「確変期間進行点数」の1点に相当する確変回転体704の回転角度は「「確変回転体704の角度A1−A2」÷(確変の期間を表す点数(50点))」で計算できるので、「確変期間進行点数」の1点に相当する確変回転体704の回転角度は6度である。変動演出の度に、変動パターンごとに異なった角度だけ確変回転体704が回転され、その結果、確変回転体704が「角度A2」の状態となると、確変終了スイッチ707が球の入球を検出して、確変終了処理(図19参照)において確変を終了する。即ち、確変が開始されてから、変動演出の度に、変動パターンごとに異なった期間だけ、確変の期間は経過する。
なお、第3実施形態におけるパチンコ機10の構成は、主制御装置110内のRAM203の一部の構成と、ROM202の一部の構成と、MPU201により実行される変動処理(図37)の一部の処理と、変動開始処理(図38)の一部の処理と、確変期間進行処理(図39)の一部の処理が異なる点を除き、第1実施形態と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
<確変期間減点メモリ203r>
図34(a)〜(b)を参照して、第3実施形態におけるRAM203及びROM202に格納されている各種データについて説明する。図34(a)は、第3実施形態におけるRAM203に格納される各種データを模式的に示した模式図であり、図34(b)は、第3実施形態におけるROM202に格納される各種データを模式的に示した模式図である。
まず、図34(a)は、第3実施形態におけるRAM203に格納される各種データを模式的に示した模式図である。第1実施形態におけるRAM203のデータに加え、確変期間減点メモリ203rを有している。
確変期間減点メモリ203rは、「確変期間進行点数」を記憶するメモリである。「確変期間進行点数」は、短外れが1点、長外れが1点、ノーマルリーチ各種が2点、スーパーリーチ各種が3点、スペシャルリーチ各種が5点である。
この確変期間減点メモリ203rはRAM203の初期設定処理(図25のS1113参照)によって、初期値として0が設定される。MPU201により変動演出の開始時に、変動開始処理(図38参照)において、「確変期間進行点数」が確変期間減点メモリ203rに設定される。確変期間減点メモリ203rは、従前に開始された変動演出の変動時間経過直前(例えば、2秒前)の確変期間進行処理(図39参照)において、確変期間計測カウンタ203pに値を加算するためと、確変回転体704を回転させるためとに用いられる。確変期間減点メモリ203rによって、変動演出の変動時間経過直前に確変回転体704を回転させることができる。なお、確変期間減点メモリ203rの値(「確変期間進行点数」)の1点に相当する確変回転体704の回転角度は6度である。
次に、図34(b)は、第3実施形態におけるROM202に格納される各種データを模式的に示した模式図である。第1実施形態におけるROM202の大当たり用変動パターンテーブル202cに代えて、大当たり用変動パターンテーブル202eを有しており、第1実施形態におけるROM202の外れ用変動パターンテーブル202dに代えて、外れ用変動パターンテーブル202fを有している。
大当たり用変動パターンテーブル202eは、第1実施形態における大当たり用変動パターンテーブル202cの各変動パターンに対して、「確変期間進行点数」を追加したテーブルである。
外れ用変動パターンテーブル202fは、第1実施形態における外れ用変動パターンテーブル202dの各変動パターンに対して、「確変期間進行点数」を追加したテーブルである。
図35(a)は、第3実施形態におけるROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202eの一例を模式的に示した図である。第1実施形態におけるROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202c(図8(c)参照)に対して、「確変期間進行点数」が追加されている。「確変期間進行点数」は、ノーマルリーチ各種が2点、スーパーリーチ各種が3点、スペシャルリーチ各種が5点である。
図35(b)は、第3実施形態におけるROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202fの一例を模式的に示した図である。第1実施形態におけるROM202に記憶される外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1(図8(d)参照)に対して、「確変期間進行点数」が追加されている。
第1実施形態では、外れ用変動パターンテーブルを通常中と確変中で2つ、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2(図8(e)参照)との2つがあったが、第3実施形態の外れ用変動パターンテーブルは1つである。「確変期間進行点数」は、短外れが1点、長外れが1点、ノーマルリーチ各種が2点、スーパーリーチ各種が3点、スペシャルリーチ各種が5点である。
<確変開始からの経過時間と「確変期間進行点数」の合計値>
次に、第3実施形態における確変役物700の動作について説明する。図36は確変開始からの経過時間と「確変期間進行点数」の合計値の関係を模式的に示した模式図である。
t0時は、電動チューリップ702に球が入球し、確変発生スイッチ703が球の入球を検出した時である。t0時に、確変回転体704は「角度A1」の状態であり、確変開始処理(図17参照)により確変を開始する。確変の開始時に、確変の期間を表す点数(本実施形態では、50点)が付与される。t0時から、確変中の最初の変動演出としてスーパーリーチ(60秒、3点)が実行開始される。
t1時は、t0時から58秒経過した時であり、変動時間経過2秒前に、確変回転体704が確変回転体モータ704aを中心に、時計回りに回転を開始する時である。確変回転体704は、現在の角度から「確変期間進行点数」の3点に相当する角度(18度)回転し、t2時までには回転を終えている。これは、変動処理(図37参照)において変動演出の変動時間経過2秒前に確変期間進行処理(図39参照)を実行して、その確変期間進行処理において、確変回転体704を2秒で回転させている(図39のS3205参照)からである。なお、前述の通り「確変期間進行点数」の1点に相当する角度は6度である。
t2時は、t1時から2秒経過した時であり、確変回転体704は「角度A1」から「確変期間進行点数」の合計値の3点に相当する角度(18度)まで回転している状態である。t2時にスーパーリーチの変動演出が停止され、次の変動演出として、短外れ(7秒、1点)が実行開始される。
t3時は、t2時から5秒経過した時であり、変動時間経過2秒前に、確変回転体704が確変回転体モータ704aを中心に、時計回りに回転を開始する時である。確変回転体704は、現在の角度から「確変期間進行点数」の1点に相当する角度(6度)回転し、t4時までには回転を終えている。
t4時は、t3時から2秒経過した時であり、確変回転体704は「角度A1」から「確変期間進行点数」の合計値の4点に相当する角度(24度)まで回転している状態である。t4時に短外れの変動演出が停止され、次の変動演出として、長外れ(10秒、1点)が実行開始される。
t5時は、t4時から8秒経過した時であり、変動時間経過2秒前に、確変回転体704が確変回転体モータ704aを中心に、時計回りに回転を開始する時である。確変回転体704は、現在の角度から「確変期間進行点数」の1点に相当する角度(6度)回転し、t6時までには回転を終えている。
t6時は、t5時から2秒経過した時であり、確変回転体704は「角度A1」から「確変期間進行点数」の合計値の5点に相当する角度(30度)まで回転している状態である。t6時に長外れの変動演出が停止され、次の変動演出として、ノーマルリーチ(30秒、2点)が実行開始される。
t7時は、t6時から28秒経過した時であり、変動時間経過2秒前に、確変回転体704が確変回転体モータ704aを中心に、時計回りに回転を開始する時である。確変回転体704は、現在の角度から「確変期間進行点数」の2点に相当する角度(12度)回転し、t8時までには回転を終えている。
t8時は、t7時から2秒経過した時であり、確変回転体704は「角度A1」から「確変期間進行点数」の合計値の7点に相当する角度(42度)まで回転している状態である。t8時にノーマルリーチの変動演出が停止され、次の変動演出として、スペシャルリーチ(90秒、5点)が実行開始される。
t9時は、t8時から88秒経過した時であり、変動時間経過2秒前に、確変回転体704が確変回転体モータ704aを中心に、時計回りに回転を開始する時である。確変回転体704は、現在の角度から「確変期間進行点数」の5点に相当する角度(30度)回転し、t10時までには回転を終えている。
t10時は、t9時から2秒経過した時であり、確変回転体704は「角度A1」から「確変期間進行点数」の合計値の12点に相当する角度(72度)まで回転している状態である。t10時に、スペシャルリーチの変動演出で大当たりが決定し、その後、大当たり遊技が開始される。
図36では、確変中に大当たりする場合を説明したが、確変中に大当たりしない場合は、「確変期間進行点数」の合計値が、確変の開始時に付与される確変の期間を表す点数(本実施形態では50点)以上となるまで、確変が継続する。
<変動処理>
図37のフローチャートを参照して、第3実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S109)について説明する。図37は、第3実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S109)である。
この変動処理(S109)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37A,37Bや第3図柄表示装置81にて行う変動表示を制御する。そして、確変回転体704を回転させて確変期間を進行する確変期間進行処理(図39参照)も実行される。第1実施形態における変動処理(図21参照)と第3実施形態における変動処理(図37)とは、確変期間進行処理(第1実施形態は図22参照、第3実施形態は図39参照)の実行のタイミングが異なる点を除き、第1実施形態と同一である。
第1実施形態では、大当たり中でなければ(図22のS701:No)、確変期間進行処理(図22のS702)を実行した。一方、第3実施形態では、S703の処理において、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であると判別され(S703:Yes)、かつ、変動時間が経過していなければ(S714:No)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する(S715)。その後に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動時間経過2秒前か否かを判定し(S3001)、変動時間経過2秒前より前であれば(S3001:No)、本処理を終了する。一方、変動時間経過2秒前であれば(S3001:Yes)、確変期間進行処理(図39参照)を実行し(S3002)、本処理を終了する。これにより、変動演出の変動時間経過直前に確変期間を進行させることができる。なお、確変期間進行処理は図39を参照して後述する。
<変動開始処理>
次に、図38のフローチャートを参照して、第3実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理について説明する。図38は、第3実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理(S709)である。
第1実施形態の変動開始処理(図23参照)に対して、第3実施形態の変動開始処理(図38)は、変動開始処理の終了直前の処理としてS3101の処理が追加されている点が異なる。S3101の処理では、確変期間減点メモリ203rに、変動種別カウンタCS1と変動パターンテーブル(大当たり用変動パターンテーブル202eまたは外れ用変動パターンテーブル202f)とに基づいた点「確変期間進行点数」を設定する(S3101)。即ち、変動パターンに対して、変期間減点メモリ203rに設定する点の値は、短外れが1点、長外れが1点、ノーマルリーチ各種が2点、スーパーリーチ各種が3点、スペシャルリーチ各種が5点である。これにより、変動演出の変動時間経過直前に実行される確変期間進行処理(図39参照)において、変期間減点メモリ203rに設定した値に応じて確変期間を進行させることができる。
<確変期間進行処理>
次に、図39のフローチャートを参照して、第3実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される確変期間進行処理について説明する。図39は、第3実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される確変期間進行処理(S3002)を示すフローチャートである。確変期間進行処理(S3002)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行される変動処理(図37参照)の中で実行される処理であり、確変回転体704を回転させて確変期間を進行させる処理である。
確変期間進行処理では、まず、確変中フラグ203lがオンであるか否か判別する(S3201)。確変中フラグ203lがオンでない(即ち、オフである)と判別されると(S3201:No)、本処理を終了する。これにより、確変中以外に確変期間進行処理が実行されてもS3202〜S3208の処理は実行されない。確変中フラグ203lがオンであると判別されると(S3201:Yes)、確変期間計測カウンタ203pは確変期間メモリ203oの値以上か否か判別する(S3202)、確変期間計測カウンタ203pは確変期間メモリ203oの値以上でない(即ち、未満である)場合(S3202:No)、確変期間計測カウンタ203pに、確変期間減点メモリ203rに対応した値を加算する(S3203)。これにより、確変期間を進行させるべき場合(S3202:No)にのみ、S3203〜S3206の処理を実行できる。
ここで、確変期間メモリ203oに設定されている値は、確変回転体704が「角度A1」の状態から「角度A2」の状態となるまでの確変回転体704が回転する期間に相当する値が設定される。確変期間メモリ203oには、確変開始処理(図17参照)において、第1実施形態と同様に、360秒に相当する180000(=360秒÷(タイマ割込処理の実行間隔(2ミリ秒))が設定されている(図17のS304参照)。第3実施形態では、確変回転体704が「角度A1」の状態から「角度A2」の状態となるまでの確変回転体704が回転する期間に相当する値、即ち、確変の期間を表す点数を、50点としている。よって、S3203の処理において、確変期間計測カウンタ203pには、第1実施形態と異なり、「確変期間減点メモリ203rの値÷確変の期間を表す点数(50点)×確変期間メモリ203oの値(180000)」で計算した値を加算する。例えば、変動パターンが短外れだった場合、確変期間減点メモリ203rには、変動開始処理において、1点が設定される(図38のS3101参照)。従って、S3203の処理において、確変期間計測カウンタ203pに、「確変期間計測カウンタ203pの値×3600」を加算する。
S3203の処理の後、確変期間計測カウンタ203pは確変期間メモリ203oの値以上か否か判別する(S3204)、確変期間計測カウンタ203pは確変期間メモリ203oの値以上でない(即ち、未満である)場合(S3204:No)、確変回転体704を現在の角度から時計回りに確変期間減点メモリ203rの値(「確変期間進行点数」)に対応した「角度AY」回転させる(S3205)。ここで、「角度AY」は、「確変期間減点メモリ203rの値÷(確変の期間を表す点数(50点))×(確変回転体704の角度A1−A2(300度))」で計算できる。例えば、変動パターンが短外れだった場合、確変期間減点メモリ203rには、変動開始処理において、1点が設定される(図38のS3101参照)。従って、S3205の処理において、確変回転体704を現在の角度から時計回りに「角度AY(確変期間減点メモリ203rの値×6度)」回転させる。変動演出が停止する2秒後までに、「角度AY」回転完了させるために、MPU201から確変回転体704の確変回転体モータ704a(のモータドライバ)に対して、確変回転体704の確変回転体モータ704aを「時計回りに「角度AY」/2度毎秒の速度」で回転させる所定のコマンドを出力する。これにより、変動演出の変動パターンに応じて、変動演出の停止直前に確変期間を進行させることができる。
一方、S3204の処理において、確変期間計測カウンタ203pは確変期間メモリ203oの値以上であると判別した場合(S3204:Yes)、確変役物700の球を排出させるために、確変回転体704を「角度A2」まで、時計回りに回転させて(S3206)、本処理を終了する。球受部704bと、球排出部706とが重なると、球受部704bにある球が、球排出部706から排出される。この排出された球は、球排出部706下部の経路707aを流下して、確変終了スイッチ707で検出される(図16のS207参照)。この検出を契機として、確変終了処理(図19参照)において確変を終了する。
S3202の処理において、確変期間計測カウンタ203pは確変期間メモリ203oの値以上であると判別されると(S3202:Yes)、確変中フラグをオフして(S3207)、確変異常コマンドを設定して(S3208)、本処理を終了する。確変異常コマンドを設定した後に、表示制御装置114が、音声ランプ制御装置113を介して確変異常コマンドを受信して(図31のS2810参照)、第3図柄表示装置81に「確変異常」を表示(図31のS2811参照)する。
<技術的思想6の作用効果>
例えば、確変中に、確変回転体モータ704aが故障したり、確変回転体モータ704aとMPU201とを接続する線が不正に切断されたりすることにより、確変回転体704の回転が停止した場合を想定する。確変回転体704の回転が停止し続ける限り、確変回転体704の球受部704bに停留されている球が球排出部706に至ることはない。即ち、確変回転体704の球受部704bに停留されている球が確変終了スイッチ707により入球が検出されることがない。また、例えば、確変回転体704の球受部704bと、球排出部706とが重なる状態で、球受部704bに停留されている球が経路707aへ排出されるのを不正に防ぐ目的で、パチンコ機10のガラスユニット16の外側であって球排出部706の前面側に磁石を当てられる不正行為がなされたとしても、確変回転体704の球受部704bに停留されている球が球排出部706に至ることはない。これらにより、確変が不正に延長され得る。
しかし、パチンコ機10によれば、S3202により、確変期間計測カウンタ203pと確変期間メモリ203oとから、確変期間の経過期間が超過していることを判別すると、確変中フラグをオフして(S3207)、確変を強制的に終了するので、前述のように確変が不正に延長されることを防止できるという効果がある。
<技術的思想5の作用効果>
第3実施形態のパチンコ機10によれば、確変の期間は、確変発生スイッチ703が球の入球を検出して、確変開始処理(図17参照)により確変を開始する。確変の開始時に、確変の期間を表す点数(本実施形態では50点)を付与する。確変を開始してから、確変回転体704の球受部704bに停留させた球を、第1図柄(第3図柄)の変動演出の停止直前(例えば、2秒)に、確変期間進行処理(図37で実行される図39参照)により、確変回転体704の確変回転体モータ704aを変動演出の変動パターンに応じた角度(ステップ数)を一気に回転させる。これにより、変動演出に対応する確変回転体704の回転量を知っている遊技者は、変動演出を視認したときに、確変回転体704の球受部704bに停留されている球がどれだけ確変終了スイッチ707(球排出部706)に近づくかを判断することができる。即ち、変動演出から確変の終了を予測できるという効果がある。
その他、第3実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、第1実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
<第4実施形態>
次いで、図40から図47を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。
第4実施形態におけるパチンコ機10では、第1実施形態から第3実施形態のパチンコ機10に対して、大当たり遊技中に確変役物700が故障していないか検査(確変を開始することが可能か否か判定)する構成が追加されている。
なお、第4実施形態におけるパチンコ機10の構成は、主制御装置110内のRAM203の一部の構成と、MPU201により実行されるスイッチ読み込み処理(図41、図42)と、変動処理(図45)の一部の処理と、変動開始処理(図46)の一部の処理と、が異なる点を除き、第1実施形態と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
<確変可能判定フラグ203s>
図40を参照して、第4実施形態におけるRAM203に格納されている各種データについて説明する。図40は、第4実施形態におけるRAM203に格納される各種データを模式的に示した模式図である。第1実施形態におけるRAM203のデータに加え、確変可能判定フラグ203sを有している。
確変可能判定フラグ203sは、確変役物700が故障していないか検査する確変可能判定処理を開始するか否かを示すフラグである。確変可能判定フラグ203sがオンの場合に確変可能判定処理を開始することを示し、確変可能判定フラグ203sがオフの場合に確変可能判定処理を開始しないことを示す。確変可能判定フラグ203sはMPU201による確変可能判定処理(図47参照)を開始するか否かを決定するのに用いられる。
この確変可能判定フラグ203sはRAM203の初期設定処理(図25のS1113参照)によって、初期値としてオフが設定される。確変大当たり(前述の15R確変大当たり、又は4R確変大当たり)が決定すると(図46参照)、確変可能判定フラグ203sがオンされ、大当たり遊技中に確変発生スイッチ703へ球を入球できるようになる。確変可能判定開始処理(図43参照)において、確変可能判定処理(図47参照)を開始すると、確変可能判定フラグ203sがオフされる。
<スイッチ読み込み処理>
次いで、図41及び図42のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスイッチ読み込み処理(S106)を説明する。図41及び図42は、このスイッチ読み込み処理(S106)を示すフローチャートである。スイッチ読み込み処理(S106)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、主に確変役物700を構成するスルースイッチ701、確変発生スイッチ703、確変終了スイッチ707への入球を検出して、その検出に応じた処理を実行する処理である。
第4実施形態のスイッチ読み込み処理(図41)は、S4001の処理でYesと判別した場合(図41の「A」)と、S211の処理へ移行する処理(図41の「B」)と、が第1実施形態のスイッチ読み込み処理(図16参照)に対して異なる。
スイッチ読み込み処理が実行されると、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S4001)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37A,37Bで表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中でなければ(S4001:No)、S201の処理へ移行する。S201〜S211の処理は、第1実施形態におけるスイッチ読み込み処理(図16参照)と同一である。
一方、大当たり中であれば(S4001:Yes)、S4002の処理へ移行する(図42の「A」参照)。これにより、大当たり遊技中に確変発生スイッチ703へ球を入球しうる処理を実行できる。S4002の処理では、球がスルースイッチ701に入球したか否かを検出する(S4002)。ここでは、スルースイッチ701への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球がスルースイッチ701に入球したと判別されると(S4002:Yes)、電動チューリップ702を開放すべき状態かを判別するため、確変可能判定フラグ203sがオンであるか否かを判別する(S4003)。確変可能判定フラグ203sがオンであると判別されると(S4003:Yes)、電動チューリップ702を開放(電動役物702aを開放)し(S4004)、S4005の処理へ移行する。これにより、電動チューリップ702の内部の確変発生スイッチ703に球を入球させることができるようになる。一方、確変可能判定フラグ203sがオンでなければ(S4003:No)、S4005の処理へ移行する。これにより、球がスルースイッチ701に入球しても、電動チューリップ702を開放すべき状態でなければ、電動チューリップ702の内部の確変発生スイッチ703に球を入球させない状態を維持することができる。なお、MPU201の大当たり抽選処理(図46のS901参照)において確変大当たり(前述の15R確変大当たり、又は4R確変大当たり)が決定すると、確変可能判定フラグ203sはオンされる(図23のS907参照)。よって、確変大当たりが決定した後の大当たり遊技中にスルースイッチ701に球を入球させることで、電動チューリップ702を開放させることができ、電動チューリップ702の内部の確変発生スイッチ703に球を入球させることができるようになる。また、球がスルースイッチ701に入球していないと判別されると(S4002:No)、S4005の処理へ移行する。
次いで、S4005の処理では、球が確変発生スイッチ703に入球したか否かを検出する(S4005)。ここでは、確変発生スイッチ703への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が確変発生スイッチ703に入球したと判別されると(S4005:Yes)、電動チューリップ702を閉鎖(電動役物702aを閉鎖)し(S4006)、確変可能判定開始処理(S4007)を実行して、S4008の処理へ移行する。これにより、開放した電動チューリップ702に球が入球し、その入り口付近にある確変発生スイッチ703に検出されると電動チューリップ702は閉鎖されるので、確変役物700の内部に球が大量に(例えば最大4個)入球しない。なお、確変可能判定開始処理は、図43を参照して後述する。また、球が確変発生スイッチ703に入球していないと判別されると(S4005:No)、S4008の処理へ移行する。
次いで、S4008の処理では、球が確変終了スイッチ707に入球したか否かを検出する(S4008)。ここでは、確変終了スイッチ707への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が確変終了スイッチ707に入球したと判別されると(S4008:Yes)、確変可能判定終了処理(S4009)を実行して、図41のS211の処理へ移行する。なお、確変可能判定終了処理は、図44を参照して後述する。
球が確変終了スイッチ707に入球していないと判別されると(S4008:No)、図41のS211の処理へ移行する。S211の処理では、その他の処理を実行し(S211)、スイッチ読み込み処理を終了し、タイマ割込処理に戻る。
<確変可能判定開始処理>
次に、図43のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される確変可能判定開始処理(S4007)を説明する。図43は、この確変可能判定開始処理(S4007)を示すフローチャートである。確変可能判定開始処理(S4007)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行されるスイッチ読み込み処理(図41及び図42参照)の中で実行され、確変発生スイッチ703への入球に基づいて、大当たり遊技中に確変役物700が故障していないか検査(確変を開始することが可能か否か判定)する処理を開始する処理である。
確変可能判定開始処理が実行されると、まず、確変役物700の内部(確変発生スイッチ703から確変終了スイッチ707の間)に入球している球の数を記憶するカウンタである確変役物入球カウンタ203nに1加算する(S4101)。次いで、確変可能判定フラグ203sがオンであるか否か判別する(S4102)。ここで、確変可能判定フラグ203sがオンではない(即ち、オフである)と判別されると(S4102:No)、確変可能判定開始処理を終了し、スイッチ読み込み処理(図42参照)に戻る。
確変可能判定フラグ203sがオンであれば(S4102:Yes)、確変可能判定フラグ203sをオフする(S4103)。次いで、確変期間計測カウンタ203pに0を設定し(S4104)、確変期間メモリ203oに確変可能判定の予定期間に相当する値を設定する(S4105)。本実施形態では、確変期間メモリ203oに確変可能判定の予定期間30秒に相当する15000(=30秒÷(タイマ割込処理の実行間隔(2ミリ秒)))を設定する。確変可能判定の予定期間30秒は、確変回転体704が「角度A1」の状態から「角度A2」の状態となるまでの確変回転体704が回転する期間である。
ここで、S4103〜S4105の処理が、確変可能判定処理を開始させる処理である。ここで、確変可能判定フラグ203sがオンであれば(S4102:Yes)、確変可能判定フラグ203sをオフ(S4103)しているのは、確変発生スイッチ703に複数の球が入球しても、1回目に入球したときにのみ、確変可能判定処理を開始させる処理を実行するためである。即ち、確変発生スイッチ703が1つ目の球の入球を検出した時には、確変可能判定フラグ203sはオンであるので、S4101〜S4105の処理全てが実行される。次いで、確変発生スイッチ703が2つ目の球の入球を検出した時には、確変可能判定フラグ203sをオフされている(S4103)ので、S4101とS4102の処理が実行されて、S4103〜S4105の処理は実行されない。これにより、確変発生スイッチ703に複数の球が入球しても、確変可能判定処理を開始できる。
<確変可能判定終了処理>
次に、図44のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される確変可能判定終了処理(S4009)を説明する。図44は、この確変可能判定終了処理(S4009)を示すフローチャートである。確変可能判定終了処理(S4009)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行されるスイッチ読み込み処理(図41及び図42参照)の中で実行され、確変終了スイッチ707への入球に基づいて、大当たり遊技中に確変役物700が故障していないか検査(確変を開始することが可能か否か判定)する処理を終了する処理である。
確変可能判定終了処理が実行されると、まず、確変役物入球カウンタ203nを1減算して(S4201)、確変の開始を予定するために、確変開始予定フラグ203mをオンする(S4202)。これにより、以降、大当たり中でないときに、スルースイッチ701へ球を入球させると、電動チューリップ702が開放されるので(図41参照)、高確率状態へ移行する契機となる確変発生スイッチ703へ球を入球させ易くなる。次いで、確変役物入球カウンタ203nは0か否かを判別する(S4203)。確変役物入球カウンタ203nは0と判別されると(S4203:Yes)、確変回転体704を「角度A1」まで反時計回りに回転して(S4204)、確変可能判定終了処理を終了して、スイッチ読み込み処理に戻る。なお、S4204の処理が実行される時には確変回転体704は「角度A2」の状態である。「確変回転体704の角度A1−A2」は300度であるので、S4204の処理において、MPU201から確変回転体704の確変回転体モータ704a(のモータドライバ)に対して、確変回転体704の確変回転体モータ704aを「反時計回りに600度毎秒の速度」で回転させる所定のコマンドを出力することによりMPU201は確変回転体704を制御する。これにより、S4204の処理から0.5秒後に、確変回転体704は「角度A1」の状態となる。よって、大当たり遊技の終了時には確変回転体704は「角度A1」の状態である。
S4203の処理において、確変役物入球カウンタ203nは0ではない(即ち、1以上)と判別されると(S4203:No)、確変回転体704を「角度A1」まで反時計回りに回転する(S4205)。次いで、確変期間計測カウンタ203pに0を設定し(S4206)、確変期間メモリ203oに確変可能判定の予定期間に相当する値を設定し(S4207)、確変可能判定終了処理を終了し、スイッチ読み込み処理に戻る。本実施形態では、確変期間メモリ203oに確変可能判定の予定期間30秒に相当する15000(=30秒÷(タイマ割込処理の実行間隔(2ミリ秒)))を設定する。
ここで、S4205〜S4207の処理は、確変可能判定処理を終了する処理ではなく、確変発生スイッチ703に入球した球の個数に応じて、再度、確変可能判定処理を再開するための処理である。S4205〜S4207の処理は、確変発生スイッチ703に入球した球が複数個である場合に実行される。確変発生スイッチ703に入球した球が複数個である場合、確変発生スイッチ703以下の経路703aに球が停留されているので、確変回転体704を「角度A1」まで反時計回りに回転すると(S4205)、確変発生スイッチ703以下の経路703aで停留されていた球が、確変回転体704の球受部704bに流下する。S4205〜S4207が実行されてから1秒後から、確変可能判定処理(図45参照)により、確変回転体704は時計回りに回転を開始するように構成されている。なお、S4205の処理は、S4204の処理と同じである。
<変動処理>
図45を参照して、第4実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S109)について説明する。図45は、第4実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S109)である。
この変動処理(S109)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37A,37Bや第3図柄表示装置81にて行う変動表示を制御する。そして、確変回転体704を回転させて、大当たり遊技中に確変役物700が故障していないか検査(確変を開始することが可能か否か判定)する確変可能判定処理(図47参照)も実行される。第1実施形態における変動処理(図21参照)と第4実施形態における変動処理(図33)とは、確変可能判定処理(図47参照)が実行される点を除き、第1実施形態と同一である。
変動処理が実行されると、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S701)。大当たり中でない場合(S701:No)のS702以降の処理は第1実施形態と同一である。一方、大当たり中であれば(S701:Yes)、確変可能判定処理(S4301)を実行し、本処理を終了する。なお、確変可能判定処理は図47を参照して後述する。これにより、大当たり遊技中にのみ、確変役物700が故障していないか検査するための確変可能判定処理を実行できる。
<変動開始処理>
図46を参照して、第4実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理について説明する。図46は、第4実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理(S709)である。
第1実施形態の変動開始処理(図23参照)の確変開始予定フラグ203mをオンする処理(図23のS907参照)に代えて、第4実施形態の変動開始処理(図46)は、S4401の処理が追加されている点が異なる。S4401の処理は、S901の大当たり抽選処理で、大当たりであると判別され(S901:Yes)、S906の処理で、確変大当たりであると判別された場合に(S906:Yes)、実行される。S4401の処理では、確変可能判定フラグ203sをオンする(S4401)。これにより、大当たり遊技中に、スルースイッチ701へ球を入球させると、電動チューリップ702が開放する。そこで、電動チューリップ702の内部の確変発生スイッチ703への球の入球に基づいて、大当たり遊技中に確変役物700が故障していないか検査(確変を開始することが可能か否か判定)することができる。
<確変可能判定処理>
次に、図47のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される確変可能判定処理(S4301)を説明する。図47は、この確変可能判定処理(S4301)を示すフローチャートである。確変可能判定処理(S4301)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行される変動処理(図45参照)の中で実行される処理であり、確変回転体704を回転させて、大当たり遊技中に確変役物700が故障していないか検査(確変を開始することが可能か否か判定)する処理である。
確変可能判定処理(S4301)は、変動処理(図45参照)において、大当たり中である場合に(S701:Yes)、タイマ割込処理(図15参照)の実行間隔である2ミリ秒毎に実行される処理である。
確変可能判定処理が実行されると、まず、確変役物入球カウンタ203nは0か否か判別する(S4501)。確変役物入球カウンタ203nは0であれば(S4501:Yes)、本処理を終了する。これにより、確変役物700の内部(確変発生スイッチ703から確変終了スイッチ707の間)に球が存在しない場合に確変可能判定処理が実行されてもS4502〜S4507の処理は実行されない。確変役物入球カウンタ203nは0でない(即ち、1以上)と判別されると(S4501:No)、確変期間計測カウンタ203pに1加算する(S4502)。
次いで、確変期間計測カウンタ203pは500以上であるか否か判別する(S4503)。確変期間計測カウンタ203pは500以上でない(即ち、500未満である)と、判別されると(S4503:No)、本処理を終了する。一方、確変期間計測カウンタ203pは500以上であると判別されると(S4503:Yes)、確変回転体704は「角度A2」以上か判別する(S4504)。
ここで確変回転体704は「角度A2」以上とは、確変回転体704の球受部704bと、球排出部706とが重なっている状態を含み、「角度A2」から更に時計回りに回転した場合の状態である。S4504の処理ではMPU201から確変回転体704の確変回転体モータ704a(のモータドライバ)から確変回転体モータ704aの現在の角度を取得することにより、確変回転体704は「角度A2」以上か判別する。
確変回転体704は「角度A2」以上であると判別されると(S4504:Yes)、本処理を終了する。一方、確変回転体704は「角度A2」以上でない(即ち、「角度A2」未満)であると判別されると(S4504:No)、確変回転体704を現在の角度から時計回りに「角度AZ」回転させる(S4505)。
ここで、S4501〜S4505の処理は、大当たり遊技中に、タイマ割込処理(図15参照)の実行間隔である2ミリ秒毎に実行される処理であるので、確変期間計測カウンタ203pは、2ミリ秒毎に1加算される。S4503の処理において、確変期間計測カウンタ203pは500以上であるか否か判別しているが、この500という値は1秒に相当する。即ち、確変期間計測カウンタ203pが0に設定されてから、1秒間は、確変回転体704を現在の角度から時計回りに「角度AZ」回転させる処理(S4505)を実行しない。大当たり遊技中に、確変期間計測カウンタ203pが0に設定される処理は、確変可能判定開始処理(図43参照)と確変可能判定終了処理(図44参照)との2つの処理である。確変可能判定開始処理(図43参照)が実行された後、即ち、確変発生スイッチ703が球の入球を検出した時から1秒間は、確変回転体704は「角度A1」の状態で停止している。また、確変可能判定終了処理(図44参照)の後、即ち、確変発生スイッチ703に複数の球が入球した場合において、確変終了スイッチ707が1つの球の入球を検出した時に、なお、確変役物700の内部(確変発生スイッチ703から確変終了スイッチ707の間)に球が存在する場合、その入球の検出の時から、0.5秒間は、確変回転体704は反時計回りに「角度A2」から「角度A1」まで回転し、その後の0.5秒間は、確変回転体704は「角度A1」の状態で停止している。これにより、確変発生スイッチ703に入球した球の個数に応じて、再度、確変可能判定処理を実行することができる。
また、S4504の処理において、確変回転体704は「角度A2」以上であると判別されると(S4504:Yes)、本処理を終了している。確変回転体704は「角度A2」の状態であるとは、確変回転体704の球受部704bと、球排出部706とが重なっている状態である。確変回転体704が「角度A2」の状態となった直後、確変回転体704の球受部704bの球は確変終了スイッチ707に検出される。この場合、確変回転体704を現在の角度「角度A2」から更に時計回りに回転させる必要はない。即ちS4505の処理を実行する必要はないので、本処理を終了している。これにより、確変終了スイッチ707が球の入球を検出するまで、確変回転体704は「角度A2」の状態を維持する。
また、S4505の処理により、確変回転体704を現在の角度から時計回りに「角度AZ」回転させている。本実施形態では、確変回転体704が回転開始してから確変回転体704の球受部704bと、球排出部706とが重なっている状態になるまでの時間(確変可能判定の予定期間)を30秒としている。この30秒に相当する15000が確変期間メモリ203oに設定されている。S4505の処理は、タイマ割込処理(図15参照)の実行間隔である2ミリ秒毎に実行される処理であるので、「角度AZ」は、「「確変回転体704の角度A1−A2」/(確変期間メモリ203oの値)」で計算できる。本実施形態においては「角度AZ」は0.02(=300/15000)度である。
S4505の処理が実行されると、次いで、確変可能判定の予定期間の超過を判別するために、確変期間計測カウンタ203pは確変期間メモリ203oと1000との合計以上であるか否か判別する(S4506)。確変期間計測カウンタ203pは確変期間メモリ203oと1000との合計以上でないと判別されると(S4506:No)、本処理を終了する。
確変期間計測カウンタ203pは確変期間メモリ203oと1000との合計以上であると判別されると(S4506:Yes)、確変異常コマンドを設定して(S4507)、本処理を終了する。確変異常コマンドを設定した後に、表示制御装置114が、音声ランプ制御装置113を介して確変異常コマンドを受信して(図31のS2810参照)、第3図柄表示装置81に「確変異常」を表示(図31のS2811参照)する。
<技術的思想7の作用効果>
本実施形態におけるパチンコ機10は、大当たり中(図41のS4001:Yes)には、確変発生スイッチ703が球の入球を検出しても、確変を開始しない(確変開始処理(図17参照)を実行せずに、確変可能判定開始処理(図43参照)を実行する)。大当たり遊技中に、確変発生スイッチ703に入球して確変回転体704の球受部704bに停留された球を確変可能判定処理(図47参照)により確変終了スイッチ707(球排出部706)へ導く。主制御装置110によって、確変期間メモリ203oと確変期間計測カウンタ203pとから確変可能判定の予定期間を経過期間が超過していると、判断されると確変異常コマンドを設定する(図47のS4507)。確変異常コマンドを受信した表示制御装置114が第3図柄表示装置81に「確変異常」を表示して報知する。これにより、大当たり遊技中に、確変役物700(特に、確変回転体モータ704aや確変終了スイッチ707)の動作が正常であれば、「確変異常」と表示された報知がされることはない。よって、「確変異常」と表示された報知がされた場合、「確変異常」と表示された報知を視認した遊技者または遊技場の店員は、確変役物700(特に、確変回転体モータ704aや確変終了スイッチ707)が故障していることを知ることができるという効果がある。
その他、第4実施形態におけるパチンコ機10は、第1〜第3実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、第1実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
<第5実施形態>
次いで、図48から図53を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。
第5実施形態におけるパチンコ機10では、第1実施形態のパチンコ機10に対して、当たり以外に小当たりを設定して、確変中に小当たりに当選すると抽選により外れ時の変動パターンを選択するための外れ(確変)変動パターンテーブルを切り替える処理を実行する構成が追加されている。
なお、第5実施形態におけるパチンコ機10の構成は、第1実施形態に対して、主制御装置110内のRAM203、ROM202の一部の構成が変更されている。また、MPU201により実行されるタイマ割込処理(図15)、始動入賞処理(図20、S110)、変動開始処理(図23、S709)がタイマ割込処理(図50)、始動入賞処理(図51,S110)、変動開始処理(図52、S709)にそれぞれ変更されている。その他の処理については、第1実施形態と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
<第5実施形態における電気的構成について>
第5実施形態における電気的構成では、第1実施形態に対して、主制御装置110のMPU201のRAM203及びR0M202の構成の一部が変更されている。
図48(a)に示すように、第5実施形態におけるRAM203では、第1実施形態におけるRAM203(図7(a)参照)に対して、移行回数カウンタ203tが追加されている。その他の構成については、第1実施形態と同一の構成である。
移行回数カウンタ203tは、確変状態中に小当たりに当選した場合に、外れの変動パターンテーブルについて、特定の変動パターンテーブル(外れ用(確変)変動パターンテーブルA〜E)が選択されると、その変動パターンテーブルに設定されている移行回数が設定される記憶エリアである。特定の変動パターンテーブルが選択されると、その変動パターンに設定されている移行回数まで、特別図柄の変動表示が実行されると、通常の変動パターンテーブル(外れ用(確変)変動パターンテーブル)が設定される。
この移行回数カウンタ203tは、主制御装置110のMPU201が実行する小当たり処理(図53、S929)のS945の処理において、設定された移行先テーブルに設定された移行回数が設定される。また、変動開始処理(図52、S709)のS932の処理により、特別図柄が変動開始される毎(当否判定が外れ)に1ずつ減算されて更新される。
このように、小当たりに当選すると、抽選により外れの場合の変動パターンテーブルが切り替えて設定されるが、その設定された変動パターンテーブルの移行回数が経過すると通常の変動パターンテーブルに切り替えられる。よって、遊技者は、何回の移行回数が設定されているテーブルが設定されているかを予測しながら遊技を行うことができる。さらに、本実施形態では、所定期間(遊技球が確変終了スイッチに検出されるまでの期間)を確変遊技状態としたので、小当たりが当選した場合に選択される変動パターンテーブルは、極端に変動時間の短い変動パターンが選択され易く構成されており、より多くの抽選遊技を確変中に行うことができる。よって、遊技者は、より多くの移行回数が設定された変動パターンテーブルが選択されることを期待して遊技を行うことができる。
なお、RAM203の内容が初期化された場合には、移行回数カウンタ203tは初期値である0に初期設定される。一方、通常、電源断時には、移行回数カウンタ203tの値はバックアップされ、再び電源投入された場合には、電源断時の値に復帰して設定されるように構成されている。
図48(b)に示すように、本第5実施形態におけるROM202は、第1実施形態におけるROM202(図7(b)参照)に対して、外れ用変動パターンテーブル202g、切替選択テーブル202h、小当たり乱数テーブル202iがそれぞれ追加されている。その他の構成については、第1実施形態と同一の構成であるので、その詳細な説明は省略する。
外れ用変動パターンテーブル202gは、第1実施形態における外れ用変動パターンテーブル202dに外れ用(確変)変動パターンテーブルA〜E(図49(a)参照)が追加されている点で異なる。外れ用(確変)変動パターンテーブルA〜Dは、遊技状態が高確率状態(確変状態)である場合に、小当たりに当選すると、抽選により選択される変動パターンテーブルである。また、外れ用(確変)変動パターンテーブルEは、遊技状態が確変であり、さらに、外れ用(確変)変動パターンテーブルA〜Dが選択されている場合に、小当たりに当選すると、抽選により選択される変動パターンテーブルである。
また、各外れ用(確変)変動パターンテーブルA〜Eには、図49(b)に示すようにそれぞれ移行回数が設定されている。この移行回数は、それぞれの変動パターンテーブルが選択された場合に、その移行回数に設定された回数まで、特別図柄の変動が実行されると、通常の変動パターンテーブルである外れ用(確変)変動パターンテーブル(図9(e))に強制的に移行して設定されるように制御される。
なお、本実施形態では、外れ(確変)変動パターンテーブルA〜Dが設定されている場合に、小当たりに当選すると、外れ(確変)変動パターンテーブルEへ移行するか否かの抽選が実行されるように構成されている。
ここで、外れ(確変)変動パターンテーブルEは、移行回数が500回と他の変動パターンテーブルの移行回数よりも多く設定されている。また、この外れ(確変)変動パターンテーブルEは、外れ(確変)変動パターンテーブルA〜Dのいずれかが設定されている場合に小当たりに当選した場合(当選確率28/900)であり、その場合に取得している切替カウンタCK1の値が399の場合のみ(選択確率1/400)であり、極端に選択されがたい変動パターンテーブルとなっている。
しかしながら、高確率状態における大当たり確率は、1/30に設定されており、最低でも高確率状態の期間は、360秒間が設定されるので、外れ(確変)変動パターンテーブルEの最長の変動時間がすべて選択されても、72回の特別図柄の変動が可能となり、実際には、それ以上の変動が可能であるため、高確率状態の期間中に大当たりが抽選される可能性を高めることができる。
このように、外れ(確変)変動パターンテーブルA〜Dに移行すると、遊技者は、極端に短い外れの変動パターンが選択され易くなり、より多くの抽選を短時間で実行できるので、大当たりへの期待を高めることができる。さらに、外れ(確変)変動パターンテーブルA〜Dが設定されている場合に、小当たりに当選すると、外れ(確変)変動パターンテーブルEに移行するか否かの抽選が実行されるので、遊技者は、外れ(確変)変動パターンテーブルEへの移行を期待して遊技を行うことができる。よって、遊技者が高確率状態での遊技をより楽しむことができ、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる。
また、本実施形態では、外れ(確変)変動パターンテーブルA〜Dが設定されている場合に小当たりに当選すると、外れ(確変)変動パターンテーブルEへ移行するか否かの抽選のみが実行されるように構成したので、移行回数の多い変動パターンテーブルが選択去れている場合に、移行回数の少ない変動パターンテーブルが選択されて、移行回数が実質的に減ってしまう不具合を防止できるように構成した。さらに、外れ(確変)変動パターンテーブルEが選択されている場合には、小当たりに当選しても、移行抽選により選択される変動パターンテーブルが設定されていないように、切替選択テーブル202h(図49(b)参照)を構成したので、移行回数が0になる前に、大当たりしていないにも関わらず、他の変動パターンテーブルに移行してしまう不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、外れ(確変)変動パターンテーブルA〜Eのいずれかが設定されている場合に、大当たりしたり、高確率遊技状態が終了すると、移行回数が残っている状態であっても、次の遊技状態に対応した変動パターンテーブルが設定されるように構成している。
また、本実施形態では、外れ(確変)変動パターンテーブルA〜Eが設定されている場合に大当たりすると、大当たり遊技終了後には、高確率状態であれば、外れ(確変)変動パターンテーブル(図9(e))に移行し、低確率遊技状態であれば、外れ(通常)変動パターンテーブルが設定されるように構成したが、それに限らず、大当たり遊技後にさらに高確率遊技状態が維持される場合には、設定されていた外れ(確変)変動パターンテーブルA〜Eをそのまま設定するように構成して、残りの移行回数で遊技を実行するように構成してもよい。このように構成することで、より遊技者に有利となる遊技機を提供できる。
切替選択テーブル202h(図49(b)参照)は、上記したように、高確率遊技状態が設定されている場合に小当たりに当選すると、設定されている変動パターンテーブルを他の変動パターンテーブルに移行させるかを決定するための選択テーブルである。図49(b)に示すように、小当たりに当選した場合に、選択されている変動パターンテーブルが外れ(確変)変動パターンテーブル(図9(e)参照)である場合と、外れ変動パターンテーブルA〜Dが選択されている場合とに分けて、切替カウンタCK1の値が移行先の変動パターンテーブルに対して設定されている。
外れ(確変)変動パターンテーブル(図9(e))が設定されている場合に、小当たりに当選すると、図49(b)に示すように、外れ(確変)変動パターンテーブルA〜Dに対して、それぞれ切替カウンタCK1の当たりが割り付けされて設定されている。なお、設定されている切替カウンタCK1の値以外の値を取得している場合には、変動パターンテーブルの移行が行われない。外れ(確変)変動パターンテーブルA〜Dには、それぞれ移行回数(10回〜40回)が設定されており、いずれかの変動パターンテーブルが選択されると、その選択した変動パターンテーブルに設定されている移行回数が移行回数カウンタ203tに設定される。
図49(b)に示したように、外れ(確変)変動パターンテーブルA〜Dのいずれかが設定されている場合に、小当たりに当選すると、取得している切替カウンタCK1が399であれば、外れ(確変)変動パターンテーブルEが設定されるように切替カウンタCK1の判定値が設定されている。
このように、切替選択テーブル202h(図49(b)参照)によれば、高確率遊技状態中に、移行回数の設定されていない、通常の外れ(確変)変動パターンテーブル(図9(e))が設定されている場合には、小当たりに当選することで、遊技者に有利となる外れ(確変)変動パターンテーブルA〜Dへの移行抽選が実行されので、遊技者は、高確率遊技状態中に小当たりに当選することを期待して遊技を行うことができる。よって、大当たり以外にも遊技者が当選することを期待させる判定結果を設定することができるので、早期に遊技者が遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
また、外れ(確変)変動パターンテーブルA〜Dのいずれかが設定されている場合に、小当たりに当選すると、外れ(確変)変動パターンテーブルA〜Dよりも遊技者に有利となる外れ(確変)変動パターンテーブルEへ移行するか否かの抽選が切替選択テーブル202hに基づいて実行されるので、遊技者は、外れ(確変)変動パターンテーブルA〜Dが設定されている場合にも、小当たりの当選を期待して遊技を行うことができる。
小当たり乱数テーブル202i(図49(c)参照)は、小当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(判定値)が遊技状態別に設定されているデータテーブルである。小当たり乱数テーブル202iでは、低確率状態では、小当たりの判定値は設定されていない。これにより、低確率状態では、小当たりに当選することはない。また、高確率状態では、「0〜27」の判定値が小当たりの当選判定値として設定されている。この判定値は、大当たりと判定される判定値以外に設定されているので、外れと判定される判定値の中に、小当たりの判定値を設定している。これにより、高確率状態における大当たり確率を下げることなく、小当たりを設定することができる。
なお、小当たりに当選すると、小当たりを示す図柄(本実施形態では、341)が第3図柄表示装置に表示され、第1図柄表示装置37にも小当たりを示す表示態様でLEDが点灯される。その後、特定入賞口65aが3秒間の開放時間で2ラウンド実行される小当たり遊技が実行される。なお、小当たり遊技後の遊技状態は、小当たり当選時の遊技状態が維持される(小当たり当選後に高確率状態が終了した場合は低確率状態が設定される)。
次に、図50〜53を参照して、本第5実施形態における制御処理について説明する。本第5実施形態における制御処理では、第1実施形態に対して、主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込制御処理、変動開始処理、始動入賞処理がそれぞれ変更されている。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
図50を参照して、第5実施形態における主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理について説明する。図50は、このタイマ割込処理を示したフローチャートである。本第5実施形態におけるタイマ割込処理(図50参照)は、第1実施形態におけるタイマ割込処理(図15参照)に対して、S120の処理に切替カウンタCK1の値を1加算して更新する処理が追加されている。この切替カウンタCK1は、0〜299の範囲で繰り返し更新されるカウンタであり、高確率状態時に小当たりに当選した場合に、変動パターンテーブルを移行させるかを決定するためのカウンタである。
次に、図51を参照して、本第5実施形態における主制御装置110のMPU201が実行する変動処理(図21、S109)内の一処理である変動開始処理(S709)について説明する。図51は、この変動開始処理(S709)を示したフローチャートである。
変動開始処理(図51、S709)では、まず、当否判定結果が当たり(大当たり)であるか判別する(S921)。当否判定結果が当たりであると判別した場合には(S921:Yes)、大当たり遊技に必要な設定を設定する(S922)。ここで、大当たり遊技に必要な設定とは、選択されている大当たり種別に対応した大当たりラウンドの数、特定入賞口65aへの1ラウンド当たりの最大入賞数や1ラウンドの最大時間等が設定される。
大当たり時の表示態様(第1図柄表示装置37の表示態様)を設定する(S923)。選択されている大当たり種別は、確変大当たりであるか判別する(S924)。確変大当たりであると判別した場合には(S924:Yes)、確変開始予定フラグ203mをオンに設定する(S925)。一方、確変大当たりでないと判別した場合には(S924:No)、S926の処理を実行する。
S926の処理では、設定されている変動パターンテーブルに基づいて、変動パターンを変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターンを決定する(S926)。停止種別コマンドを設定して(S927)、この処理を終了する。
一方、S921の処理において、当否判定結果が外れであると判別した場合には(S921:No)、当否判定結果が小当たりであるか判別する(S928)。小当たりであると判定した場合には(S928:Yes)、小当たり処理を実行する(S929)。
ここで、図52を参照して、この小当たり処理(S929)について説明する。図52は、この小当たり処理(S929)を示したフローチャートである。
確変中フラグ203lがオンであるか、即ち、確変中(高確率状態中)であるか判別する(S941)。確変中フラグ203lがオンであると判別した場合には(S941:Yes)、取得している切替カウンタCK1の値に基づいて、切替選択テーブル202h(図49(c))より変動パターンテーブルの選択抽選を実行する(S942)。ここでは、現在設定されている変動パターンテーブルと、切替カウンタCK1の値とに基づいて、切替選択テーブル202hより移行先の変動パターンテーブルについて選択抽選が行われる。この抽選により、移行先の変動パターンテーブルが設定されていない切替カウンタCK1の値を取得している場合には、変動パターンテーブルの移行は行われない。
なお、本実施形態では、抽選により移行先の変動パターンテーブルを決定するように構成したが、それに限らず、小当たりに当選した場合に、予め定められている変動パターンテーブルに移行するように構成してもよい。
S943の処理では、S942の処理において、変動パターンテーブルの移行が決定されたか判別する。変動パターンテーブルの移行が決定されていると判別した場合には(S943:Yes)、決定された移行先の変動パターンテーブルを設定する(S944)。設定された変動パターンテーブルに設定されている移行回数を移行回数カウンタ203tに設定する(S945)。小当たり遊技の設定をする(S946)。小当たり遊技の設定としては、ラウンド数(本実施形態では、2ラウンド)、特定入賞口への最大入賞個数(本実施形態では、10個)、1ラウンドの最大時間(本実施形態では、3秒)等が設定される。小当たり時の表示態様(第1図柄表示装置37に表示されるLEDの点灯態様)が設定される(S947)。
一方、S941の処理において、確変中フラグ203lがオフであると判別した場合(S941:No)、S943の処理において、テーブル移行が決定されていないと判別した場合には(S943:No)、S946,S947の処理を実行してこの処理を終了する。
次に、図53を参照して、本第5実施形態における主制御装置110のMPU201が実行する始動入賞処理(S110)について説明する。図53は、この始動入賞処理(S110)を示したフローチャートである。第5実施形態における始動入賞処理(図53、S110)は、第1実施形態における始動入賞処理(図20、S110)に対して、S604の処理がS620に、S608の処理がS630にそれぞれ変更されている。
S620,S630の処理では、S604,S608の処理に対して、それぞれ切替カウンタCK1を取得して、特図1保留球格納エリア203a、特図2保留球格納エリア203bにそれぞれ格納する処理が追加されている。その他の処理については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明を省略する。
なお、本実施形態では、小当たりに当選したことに基づいて、変動パターンテーブルを切り替えるかを抽選により決定するように構成したが、それに限らず、所定回数、特別図柄の抽選が実行される毎に、変動パターンテーブルを切り替える抽選を実行してもよいし、予め定めた順序で変動パターンテーブルを切り替えるように構成してもよい。
例えば、高確率遊技状態が設定されてから、所定回数までは、変動時間の短い変動パターンが選択され易い変動パターンテーブルを設定して、その後、変動時間の長い変動パターンが選択され易い変動パターンテーブルに切り替えるように設定してもよい。このように設定することで、より多くの特別図柄の抽選を実行させつつ、高確率状態が残り少なくなった状態では、比較的変動時間の長い変動パターンである大当たりへの期待度の高い変動態様を楽しむことができる。
また、逆に、高確率遊技状態が設定されてから、所定回数までは、変動時間の長い変動パターンが選択され易い変動パターンテーブルを設定して、その後、変動時間の短い変動パターンが選択され易い変動パターンテーブルに切り替えるように設定してもよい。このように構成することで、高確率状態の残り期間が少なくなってからも、より多くの特別図柄の抽選を実行させることができ、遊技者に大当たりへの期待をより長く持続させることができる。
<実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応>
尚、上記実施形態に記載の「第1入球口スイッチまたは第2入球口スイッチ」が特許請求の範囲に記載の「検出手段」に対応する。上記実施形態に記載の「第1図柄または第3図柄」が特許請求の範囲に記載の「識別情報」に対応する。上記実施形態に記載の「大当たり」が特許請求の範囲に記載の「特別遊技状態」に対応する。上記実施形態に記載の「ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種、スペシャルリーチ各種」が特許請求の範囲に記載の「第1動的表示」に対応する。上記実施形態に記載の「短外れ、長外れ」が特許請求の範囲に記載の「第2動的表示」に対応する。上記実施形態に記載の「低確率状態の大当たり確率」が特許請求の範囲に記載の「第1確率」に対応する。上記実施形態に記載の「高確率状態の大当たり確率」が特許請求の範囲に記載の「第2確率」に対応する。
<変形例>
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしても良い。また、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
例えば、上記第1実施形態では、確変回転体704が「角度A1」の状態から「角度A2」の状態になるまでの時間(「当該確変最長期間」より1秒少ない期間)を360秒とする場合について説明したが、360秒より長くても短くてもよい(例えば、100秒、600秒等)。また、確変回転体704が「角度A1」の状態から「角度A2」の状態になるまでの時間を360秒と固定値にしたが、この時間を第1当たり種別カウンタC2の値と対応付けるように構成してもよい。例えば、第1当たり種別カウンタC2の値「0〜24」に対して、100秒を対応付けてもよいし、第1当たり種別カウンタC2の値「50〜99」に対して、600秒を対応付けても良い。この場合、確変発生スイッチ703が球の入球を検出した場合に、高確率状態へ移行するときに、そのときの第1当たり種別カウンタC2の値に応じて確変回転体704が「角度A1」の状態から「角度A2」の状態になるまでの時間を決定する。これにより、確変の開始時に決定する確変の期間の長短に応じて、遊技者を一喜一憂させることができる。よって、遊技者に与える遊技性の幅を広げることができる。
また、上記第1〜第5実施形態では、確変期間進行処理(図22参照)において、タイマ割込処理の実行間隔である2ミリ秒毎に、確変回転体704を時計回りに(毎回、同じ角度である)「角度AX」回転させる場合について説明したが、タイマ割込処理が実行される度に、確変回転体704を回転させなくてもよく、タイマ割込処理が所定回(2回、3回等)実行される度に確変回転体704を回転させてもよい。これにより、確変回転体704をタイマ割込処理が実行される度に確変回転体704を回転させるよりも、MPU201の処理負担を軽減できる。
また、上記第1〜第4実施形態では、確変の残り時間を表示する役物として確変回転体704を有する確変役物700を説明したが、確変回転体704を有さない役物で確変の残り時間を表示してもよい。例えば、確変役物700は、確変開始の契機である確変発生スイッチ703が入球を検出した球を、確変終了の契機である確変終了スイッチ707への入球経路を封鎖する封鎖部材であってもよい。該封鎖部材の手前に該球を留まらせて、所定条件の成立(所定時間の経過等)により該封鎖部材を開放して、確変終了スイッチ707へ導くように構成してもよい。
また、例えば、確変役物700は球が転がる斜面により構成され、確変発生スイッチ703に入球した球が、該斜面を流下した先に確変終了スイッチ707があってもよい。なお、確変役物700は、確変発生スイッチ703に入球した球を確変終了スイッチ707へ導くまでの期間(「当該確変最長期間」より1秒少ない期間)が、変動演出の回数に依存する期間ではなく、確変が開始されてから予め定められた所定期間経過後に確変が終了する構成であればよい。
また、上記第1〜第5実施形態では、確変の残り時間を表示する役物として確変回転体704を有する確変役物700を説明したが、役物自体が確変の残り時間を表示しなくてもよく、役物自体は遊技者から視認できなくてもよいし、第3図柄表示装置81に確変の残り時間を表示するように構成してもよい。第3図柄表示装置81に確変の残り時間を表示する場合には、例えば、確変開始処理(図17参照)において確変を開始するときに、確変が開始されることを示す確変開始コマンドを、主制御装置110から表示制御装置114に対して送信するように構成する。この確変開始コマンドに「当該確変最長期間」の情報を含める。確変開始コマンドを受信した表示制御装置114は、確変開始コマンドの「当該確変最長期間」と確変開始コマンドを受信したときからの経過時間に応じて、第3図柄表示装置81に確変の残り時間を表示するようにすればよい。これにより、遊技者は確変の残り時間の減り具合を認識できる。
また、上記第1〜第5実施形態では、「15R通常大当たり」に当選した場合、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる場合について説明したが、確変役物700により、所定の時間の間は時短状態とするように構成してもよい。これにより、確変の期間だけでなく時短の期間も時短状態が開始されてから予め定められた所定期間経過後に時短状態を終了させることができる。
また、上記第1〜第5実施形態では、確変発生スイッチ703に入球した球の個数に応じて、「当該確変最長期間」が2倍、3倍となるように構成したが、確変発生スイッチ703に入球した球の個数に応じた処理はこれに限られるものではなく、確変発生スイッチ703に入球した球が2個以上である場合は、例えば、確変を開始する前に、確変役物700の内部に球が1個のみとなるように、2個以上の球を球排出部706から排出するように構成してもよい。具体的には、その1秒間の間に、確変役物入球カウンタ203nが1になるまで、確変回転体704が「角度A1」の状態と「角度A2」の状態とを往復するように確変回転体モータ704aを制御するように構成する。また、確変発生スイッチ703に入球する球が必ず1個となるような構造を電動チューリップ702に備えるようにしてもよい。具体的には、確変発生スイッチ703のすぐ上に、経路703aの球の通過を許可する状態と経路703aの球の通過を阻止する状態とを取り得る部材を設ける。経路703aの球の通過を阻止する状態では、通過を阻止した球を遊技機10の球排出路(図示せず)へと案内する経路を設ける。そして、確変発生スイッチ703への入球を検知したらMPU201により経路703aの球の通過を許可する状態から例えば10秒間だけ経路703aの球の通過を阻止する状態とするように構成する。
上記第1〜第5実施形態では、確変回転体704を所定角度ずつ(所定周期毎に所定角度ずつ)回動するように構成したが、それに限らず、なめらかに所定速度で回動するように構成してもよい。このように、構成することで、遊技者に確変期間の残り期間が減少していることをわかり易く報知できる。
また、第1〜第5実施形態では、確変期間が所定期間(設定された最大期間)以上経過しても確変回転体704が所定角度以上回動していない場合には、不正や不具合が起きていると判別して、高確率状態から通常状態に強制的に移行するように構成したが、それに限らず、確変回転体704を回動させるように制御した場合に、確変回転体704の移動角度を判別して、制御と実際の角度(位置)にズレが発生した場合に、報知態様を第3図柄表示装置81に表示したり、警報音を鳴らしたり、ホールコンピュータに信号を出力する等の不正処理を実行してもよい。さらに、不正処理として、高確率状態から通常確率状態に移行するように構成してもよい。また、一時的に高確率状態から通常確率状態に移行させて、電源が店員により入れ直された場合に高確率状態に復旧させるように制御するように構成してもよい。このように構成することで、確変回転体740が構造上かみこんで回動しなくなった場合や、遊技球がかみ込んだ場合等にも遊技者に不利益を与えてしまうことを抑制できる。
上記各実施形態では、表示制御装置114において、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターン毎に表示データテーブルを用意する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、変動演出を、例えば、「変動立ち上げ」、「高速変動」、「予告演出」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」といった各要素毎に表示データテーブルを用意し、表示用変動パターンコマンドに示される変動パターンに応じてその変動演出に必要な要素を特定した上で、その特定された変動演出に必要な要素に対応する表示データテーブルを1つにまとめて、その変動パターンに対応する最終的な表示データテーブルを生成するようにしてもよい。「変動立ち上げ」、「高速変動」、「ノーマルリーチ」などは、それぞれの変動パターンに共通した表示が行われる場合が多い。よって、このように変動演出を要素化し、それぞれの要素に対応して表示データテーブルを用意することで、データテーブルを効率的に持たせることができる。
上記各実施形態では、画像コントローラ237が、描画処理を終了する1フレーム分の画像の表示間隔毎(上記各実施形態では20ミリ秒毎)に、V割込信号をMPU231に対して送信する場合について説明したが、画像コントローラ237は、第3図柄表示装置81を駆動して1フレーム分の画像を表示させる度に、このV割込信号をMPU231に対して送信するようにしてもよい。第3図柄表示装置81の駆動は、常に1フレーム分の画像を常に等時間間隔(20ミリ秒間隔)で表示されるように行われるので、1フレーム分の画像の表示毎にV割込信号を送信することで、その時間間隔を計時しなくても正確に保つことができる。
上記各実施形態では、画像コントローラ237は、MPU231から送信される描画対象バッファ情報に基づいて、描画した画像を展開すべきフレームバッファを特定すると共に、もう一方のフレームバッファから先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237が、描画リストを受信する毎に、描画した画像を展開すべきフレームバッファを交互に選択するようにし、その選択されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信するようにしてもよい。また、画像コントローラ237が、第3図柄表示装置81に1フレーム分の画像情報を送信する度に、描画した画像を展開すべきフレームバッファと、第3図柄表示装置81に対して画像情報を出力するフレームバッファとを入れ替えるようにしてもよい。
上記各実施形態では、デモ演出が「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動表示で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記各実施形態において、表示データテーブルは、20ミリ秒を1単位として表した時間に対応して、その時間に描画すべき画像の内容(描画内容)を規定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の時間間隔毎に表示内容を規定するものであればよい。この所定の時間間隔は、第3図柄表示装置81のフレームレートにあわせて設定するようにしてもよい。例えば、第3図柄表示装置81のフレームレートが30fps、即ち、第3図柄表示装置81が1秒間に30フレームの画像を表示するものである場合は、第3図柄表示装置81は1/30秒毎に1フレームの画像が表示されるので、表示データテーブルは、1/30秒間隔毎に表示内容を規定するものにしてもよい。
また、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される描画すべきスプライト種別として、そのスプライト種別そのものを指示するのではなく、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定するものであってもよい。表示制御装置114では、第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別に対応する画像データをキャラクタROM234から読み出すため、各スプライト種別に対応付けて、そのスプライト種別の画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを管理している。よって、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される表示内容として、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定すれば、各スプライト種別に対応付けて、スプライトを特定する情報とキャラクタROM234のアドレスとの両方を管理する必要がなくなるため、処理負担の軽減を図ることができる。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示したりしてもよい。
上記各実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置114に音声ランプ制御装置113を接続して、表示制御装置114から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。これらを1つの制御装置とすることで、部品点数が削減でき、パチンコ機のコスト増加を抑制することができる。
音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とを1つの制御装置として構成する場合、音声ランプ制御装置113で生成して表示制御装置114に通知するコマンドに代えてフラグを生成し、そのフラグに基づいて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定したり、警告画像などの各種画像データを生成したりしてもよい。また、表示制御装置114で生成して音声ランプ制御装置113に通知する表示コマンドに代えて、表示フラグを生成し、その表示フラグに基づいて、音声データを音声データ記憶エリア222aから読み出し、再生音声データ記憶エリア223dへ設定してもよい。
上記各実施形態においては、第1入球口64への入賞、第2入球口640への入賞、および、第1スルーゲート67と第2スルーゲート670とへの球の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動演出の保留球数および第2入球口640への入賞に基づく変動演出の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37A,37Bとは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動演出は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を横方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記説明した各実施形態および変形例の一部または全部をそれぞれ組み合わせても当然よい。
<各種発明の概念>
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(確変期間を遊技球が終了スイッチまで移動させる期間により報知)
判定条件の成立に基づいて、判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による当否判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報の動的表示時間を決定する動的表示時間決定手段と、前記表示手段に特定の識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記当否判定手段により当たりと判定される確率が通常状態である所定の確率よりも高く設定される特別状態を所定条件の成立に基づいて設定する状態設定手段と、を有する遊技機において、前記特別状態が設定されてからの所定期間が経過した後で成立する設定条件が成立したかを判別する設定条件判別手段と、その設定条件判別手段により前記設定条件が成立したと判別されたことに基づいて、前記通常状態を設定する状態切替設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、判定条件の成立に基づいて、当否判定手段により判定が実行される。その当否判定手段による当否判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。その表示手段に表示される識別情報の動的表示時間が動的表示時間決定手段により決定される。表示手段に特定の識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段のより実行される。当否判定手段により当たりと判定される確率が通常状態である所定の確率よりも高く設定される特別状態が所定条件の成立に基づいて状態設定手段のより設定される。特別状態が設定されてからの所定期間が経過した後で成立する設定条件が成立したかが設定条件判別手段により判別される。その設定条件判別手段により設定条件が成立したと判別されたことに基づいて、通常状態が状態切替設定手段により設定される。これにより、特典遊技状態が状態設定手段により設定されてから、所定期間が経過した後には、設定条件が成立すると、通常状態に切り替えられるので、特別状態を所定期間の間は少なくとも設定することができる。よって、遊技者は、所定期間の間、特別状態を少なくとも楽しむことができる。従って、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる。
遊技機A1において、遊技球を検出可能な第1検出手段と、その第1検出手段により検出された遊技球を第1位置で保持可能な保持手段と、その保持手段により保持された遊技球を前記第1位置から第2位置まで前記保持手段に保持された状態で移動させる移動手段と、その移動手段により第2位置まで移動された後で、その移動された遊技球を検出する第2検出手段と、を有し、前記状態設定手段は、前記第1検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、前記特別状態を設定するものであり、前記設定条件判別手段は、前記第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、前記設定条件が成立したと判別するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球を検出可能な第1検出手段により検出された遊技球が保持手段により第1位置で保持される。その保持手段により保持された遊技球を第1位置から第2位置まで保持手段に保持された状態で移動手段により移動される。その移動手段により第2位置まで移動された後で、その移動された遊技球が第2検出手段により検出される。第1検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、第1検出手段により特別状態が設定される。第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、設定条件判別手段により設定条件が成立したと判別される。よって、保持手段に保持されてから第2検出手段に検出されるまでの期間が特別状態の設定される期間となり、遊技者に斬新な遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機A2において、第1検出手段により検出された遊技球の数を記憶する検出数記憶手段と、その検出数記憶手段に記憶された数を前記第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて減算して更新する更新手段と、を有し、前記状態切替設定手段は、前記第2検出手段により遊技球が検出され、前記更新手段により前記検出数記憶手段に記憶された数が更新されて0となる場合には、前記特別状態に切り替えるものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1検出手段により検出された遊技球の数が検出数記憶手段により記憶される。その検出数記憶手段に記憶された数が第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて減算して更新手段により更新される。第2検出手段により遊技球が検出され、更新手段により検出数記憶手段に記憶された数が更新されて0となる場合に、状態切替設定手段により特別状態に切り替えられる。これにより、複数の遊技球が第1検出手段に検出されると、特別状態が設定される期間を長く設定することが可能となり、遊技者に多くの遊技球を第1検出手段に検出させることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A3において、遊技球が入球可能な入球口と、その入球口に入球した遊技球を前記保持手段まで誘導する誘導手段とを有し、前記第1検出手段は、前記入球口に入球した遊技球を検出するものであり、前記保持手段は、遊技球を1球保持可能な保持部を有し、その保持部に遊技球が保持されている場合に、前記入球口に遊技球が入球すると、その入球した遊技球が前記保持部に保持されるまで、前記誘導部に貯留されるものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な入球口に入球した遊技球が保持手段まで誘導手段により誘導される。入球口に入球した遊技球が第1検出手段により検出される。保持手段の保持部により遊技球が1球保持され、その保持部に遊技球が保持されている場合に、入球口に遊技球が入球すると、その入球した遊技球が保持部に保持されるまで、誘導部により貯留される。これにより、第1検出手段に検出された遊技球を順に保持部に誘導することができる。よって、第1検出手段に検出された遊技球を確実に保持部へと誘導することが可能となり、遊技者の利益を損ねる不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記動的表示時間決定手段は、複数の動的表示時間で設定された動的表示時間群より1の動的表示時間を前記当否判定手段による当否判定結果に基づいて決定し、当否判定結果が前記特定の識別情報で示される判定結果であると判定された場合に、長い動的表示時間を決定し易いものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の動的表示時間で設定された動的表示時間群より1の動的表示時間が当否判定手段による当否判定結果に基づいて動的表示時間決定手段により決定される。当否判定結果が特定の識別情報で示される判定結果であると判定された場合に、長い動的表示時間が動的表示時間決定手段により決定され易い。これにより、長い動的表示時間で識別情報が動的表示されると、遊技者に特定の識別情報が表示されることを期待させることができる。よって、遊技者に、動的表示時間に興味を持たせることができ、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制できるという効果がある。
<特徴B群>(図柄の変動期間中だけ回転役物を回転させる)
判定条件の成立に基づいて、当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による当否判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報の動的表示時間を決定する動的表示時間決定手段と、前記表示手段に特定の識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記当否判定手段により当たりと判定される確率が通常状態である所定の確率よりも高く設定される特別状態を所定条件の成立に基づいて設定する状態設定手段と、を有する遊技機において、前記状態設定手段により前記特別状態が設定されてから、前記表示手段により前記識別情報が動的表示された時間の合計時間が所定時間経過した後で成立する設定条件が成立したかを判別する設定条件判別手段と、その設定条件判別手段により前記設定条件が成立したと判別されたことに基づいて、前記通常状態を設定する状態切替設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、判定条件の成立に基づいて、当否判定が当否判定手段により実行される。その当否判定手段による当否判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。その表示手段に表示される識別情報の動的表示時間が動的表示時間決定手段により決定される。表示手段に特定の識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。当否判定手段により当たりと判定される確率が通常状態である所定の確率よりも高く設定される特別状態が所定条件の成立に基づいて状態設定手段により設定される。状態設定手段により特別状態が設定されてから、表示手段により識別情報が動的表示された時間の合計時間が所定時間経過した後で成立する設定条件が成立したかが設定条件判別手段により判別される。その設定条件判別手段により設定条件が成立したと判別されたことに基づいて、通常状態が状態切替設定手段により設定される。これにより、識別情報が所定時間、動的表示した後に、特別状態から通常状態に切り替えて設定されるので、遊技者が遊技を行わない間は、特別状態の設定が維持されるように構成できる。よって、遊技者が遊技を行わない間に、遊技者の利益が損なわれる不具合を抑制できる。従って、遊技者が利益を損なわれることで、意欲が低下して、遊技に飽きてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機B1において、遊技球を検出可能な第1検出手段と、その第1検出手段により検出された遊技球を第1位置で保持可能な保持手段と、その保持手段により保持された遊技球を前記第1位置から第2位置まで前記保持手段に保持された状態で移動させる移動手段と、前記識別情報の動的表示が実行されている間に、前記移動手段が遊技球を移動するように制御する移動制御手段と、前記移動手段により第2位置まで移動された後で、その移動された遊技球を検出する第2検出手段と、を有し、前記状態設定手段は、前記第1検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、前記特別状態を設定するものであり、前記設定条件判別手段は、前記第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、前記設定条件が成立したと判別するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球を検出可能な第1検出手段により検出された遊技球が第1位置で保持手段により保持される。その保持手段により保持された遊技球が第1位置から第2位置まで保持手段に保持された状態で移動手段により移動される。識別情報の動的表示が実行されている間に、移動手段が遊技球を移動することが移動制御手段により制御される。移動手段により第2位置まで移動された後で、その移動された遊技球が第2検出手段により検出される。前記状態設定手段は、第1検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、特別状態が状態設定手段により設定される。第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、設定条件が成立したことが設定条件判別手段により判別される。これにより、遊技球が移動される期間で特別状態を設定することができる。よって、遊技者に斬新な遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機B2において、取得条件の成立に基づいて、前記当否判定手段により当否判定される判定情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された判定情報を前記判定条件が成立するまでは保留情報として記憶することが可能な記憶手段とを有し、前記移動制御手段は、前記識別情報の動的表示が停止した場合に、前記記憶手段に前記保留情報が記憶されている場合には、前記移動手段による前記遊技球の移動を継続するように制御するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、取得条件の成立に基づいて、当否判定手段により当否判定される判定情報が取得手段により取得される。その取得手段により取得された判定情報が記憶手段により判定条件が成立するまでは保留情報として記憶される。識別情報の動的表示が停止した場合に、記憶手段に保留情報が記憶されていると、移動手段による遊技球の移動が継続するように移動制御手段により制御される。よって、保留情報が記憶されている場合には、移動制御手段により遊技球の移動が継続されるように制御されるので、移動手段を停止制御する処理をする必要がなく、制御処理を簡略化することができるという効果がある。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、移動手段は、前記第1位置から前記第2位置まで一定速度で前記遊技球を移動させるものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、第1位置から第2位置まで一定速度で遊技球が移動手段により移動されるので、特別状態を一定の時間に制御することが容易にできるという効果がある。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記移動手段は、前記第1位置から前記第2位置までを、所定の周期毎に所定の移動量を移動させるものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、第1位置から第2位置までを、所定の周期毎に所定の移動量で移動手段により移動されるので、特別状態を一定の時間に制御することが容易にできるという効果がある。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記当否判定手段は、前記判定条件が成立した場合に設定されている前記通常状態または前記特別状態に対応する確率に基づいて、当否判定を実行するものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかの奏する効果に加え、判定条件が成立した場合に設定されている通常状態または特別状態に対応する確率に基づいて、当否判定が当否判定手段により実行されるので、特別状態である期間に判定条件が成立することを期待させて遊技を行わせるようにすることで、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記特別状態が設定された後に、前記表示手段に前記識別情報の動的表示が開始されたことに基づいて、その動的表示時間の合計時間を記憶する時間記憶手段を有し、前記移動制御手段は、前記時間記憶手段に記憶された前記合計時間に対応して、前記移動手段を制御するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB6のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別状態が設定された後に、表示手段に識別情報の動的表示が開始されたことに基づいて、その動的表示時間の合計時間が時間記憶手段により記憶される。時間記憶手段に記憶された合計時間に対応して、移動手段が移動制御手段により制御される。
これにより、識別情報が動的表示されている場合に、移動手段が遊技球を移動させるように構成することができる。よって、遊技者が遊技を特別状態中に休憩しても、不利益が生じることを抑制できるという効果がある。
遊技機B7において、前記状態切替設定手段により前記特別状態が設定されること、または、前記通常状態が設定されることに基づいて、前記時間記憶手段に記憶されている値を初期値に設定する初期化手段を有するものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、状態切替設定手段により特別状態が設定されること、または、通常状態が設定されることに基づいて、時間記憶手段に記憶されている値が初期化手段により初期値に設定されるので、特別状態が設定された場合に、移動制御手段による制御を容易に行うことができるという効果がある。
<特徴C群>(不正対策、所定期間経過しても確変終了しない場合には異常報知)
判定条件の成立に基づいて、判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による当否判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報の動的表示時間を決定する動的表示時間決定手段と、前記表示手段に特定の識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記当否判定手段により当たりと判定される確率が通常状態である所定の確率よりも高く設定される特別状態を所定条件の成立に基づいて設定する状態設定手段と、を有する遊技機において、前記特別状態が設定されてからの所定期間が経過した後で成立する設定条件が成立したかを判別する設定条件判別手段と、その設定条件判別手段により前記設定条件が成立したと判別されたことに基づいて、前記通常状態を設定する状態切替設定手段と、前記特別状態が設定されたことに基づいて、その特別状態に設定されている期間を判別する期間判別手段と、その期間判別手段により前記所定期間以上の期間が経過した場合に異常条件が成立していると判別し、所定の異常処理を実行する異常処理手段とを有するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、判定条件の成立に基づいて、判定が当否判定手段により実行される。その当否判定手段による当否判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。その表示手段に表示される識別情報の動的表示時間が動的表示時間決定手段により決定される。表示手段に特定の識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。当否判定手段により当たりと判定される確率が通常状態である所定の確率よりも高く設定される特別状態が状態設定手段により所定条件の成立に基づいて設定される。特別状態が設定されてからの所定期間が経過した後で成立する設定条件が成立したかが設定条件判別手段により判別される。その設定条件判別手段により設定条件が成立したと判別されたことに基づいて、通常状態が設定される。特別状態が設定されたことに基づいて、その特別状態に設定されている期間が期間判別手段により判別される。その期間判別手段により所定期間以上の期間が経過した場合に異常条件が成立していると判別し、所定の異常処理が異常処理手段により実行される。これにより、特別状態が過度に長期間に渡って設定されることを抑制できる。よって、遊技店の利益を損ねる不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機C1において、前記異常処理手段は、前記所定の異常処理として、前記通常状態を設定するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、所定の異常処理として、通常状態が異常処理手段により設定されるので、特別状態から通常状態に強制的に切り替えることで、不正に特別状態が続く不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、遊技球を検出可能な第1検出手段と、その第1検出手段により検出された遊技球を第1位置で保持可能な保持手段と、その保持手段により保持された遊技球を前記第1位置から第2位置まで前記保持手段に保持された状態で移動させる移動手段と、その移動手段により第2位置まで移動された後で、その移動された遊技球を検出する第2検出手段と、を有し、前記状態設定手段は、前記第1検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、前記特別状態を設定するものであり、前記設定条件判別手段は、前記第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、前記設定条件が成立したと判別するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球を検出可能な第1検出手段により検出された遊技球が第1位置で保持手段により保持される。その保持手段により保持された遊技球が第1位置から第2位置まで保持手段に保持された状態で移動手段により移動される。その移動手段により第2位置まで移動された後で、その移動された遊技球が第2検出手段により検出される。第1検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、特別状態が状態設定手段により設定される。第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、設定条件が成立したと設定条件判別手段により判別される。これにより、遊技球が移動する期間が特別状態の設定される期間とすることができる。よって、斬新な遊技を遊技者に提供することができるという効果がある。
遊技機C3において、前記期間判別手段により判別される期間と移動手段により移動された移動量とが正常値内であるかを判別する移動量判別手段を有し、前記異常処理手段は、その移動量判別手段により正常値外である判別されたことに基づいて、前記所定の異常処理を実行するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、期間判別手段により判別される期間と移動手段により移動された移動量とが正常値内であるかが移動量判別手段により判別される。その判別結果により正常値外である判別されたことに基づいて、所定の異常処理が異常処理手段により実行される。よって、早期に異常を判別できるという効果がある。
<特徴D群>(不正防止(動的表示中のみ可動するタイプ))
判定条件の成立に基づいて、当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による当否判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報の動的表示時間を決定する動的表示時間決定手段と、前記表示手段に特定の識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記当否判定手段により当たりと判定される確率が通常状態である所定の確率よりも高く設定される特別状態を所定条件の成立に基づいて設定する状態設定手段と、を有する遊技機において、前記状態設定手段により前記特別状態が設定されてから、前記表示手段により前記識別情報が動的表示された時間の合計時間が所定時間経過した後で成立する設定条件が成立したかを判別する設定条件判別手段と、その設定条件判別手段により前記設定条件が成立したと判別されたことに基づいて、前記通常状態を設定する状態切替設定手段と、前記特別状態が設定された後に、前記識別情報が動的表示開始されたことに基づいて、前記特別状態中の動的表示時間の合計時間を判別する時間判別手段と、その時間判別手段により所定時間以上の時間が経過したと判別された場合に異常条件が成立していると判別し、所定の異常処理を実行する異常処理手段とを有するものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、判定条件の成立に基づいて、当否判定が当否判定手段により実行される。その当否判定手段による当否判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。その表示手段に表示される識別情報の動的表示時間が動的表示時間決定手段により決定される。表示手段に特定の識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。当否判定手段により当たりと判定される確率が通常状態である所定の確率よりも高く設定される特別状態が所定条件の成立に基づいて状態設定手段により設定される。状態設定手段により特別状態が設定されてから、表示手段により識別情報が動的表示された時間の合計時間が所定時間経過した後で成立する設定条件が成立したかが設定条件判別手段により判別される。その設定条件判別手段により設定条件が成立したと判別されたことに基づいて、通常状態が状態切替設定手段により設定される。特別状態が設定された後に、識別情報が動的表示開始されたことに基づいて、特別状態中の動的表示時間の合計時間が時間判別手段により判別される。その時間判別手段により所定時間以上の時間が経過していると判別された場合に、異常条件が成立していると判別し、所定の異常処理が異常処理手段により実行される。これにより、特別状態が過度に長期間に渡って設定されることを抑制できる。よって、遊技店の利益を損ねる不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機D1において、前記異常処理手段は、前記所定の異常処理として、前記通常状態を設定するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、所定の異常処理として、通常状態が異常処理手段により設定されるので、特別状態から通常状態に強制的に切り替えることで、不正に特別状態が続く不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機D1またはD2において、遊技球を検出可能な第1検出手段と、その第1検出手段により検出された遊技球を第1位置で保持可能な保持手段と、その保持手段により保持された遊技球を前記第1位置から第2位置まで前記保持手段に保持された状態で移動させる移動手段と、前記識別情報が動的表示されている場合に、前記移動手段により遊技球が移動されるように前記移動手段を制御する移動制御手段と、前記移動手段により第2位置まで移動された後で、その移動された遊技球を検出する第2検出手段と、を有し、前記状態設定手段は、前記第1検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、前記特別状態を設定するものであり、前記設定条件判別手段は、前記第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、前記設定条件が成立したと判別するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球を検出可能な第1検出手段により検出された遊技球が第1位置で保持手段により保持される。その保持手段により保持された遊技球が第1位置から第2位置まで保持手段に保持された状態で移動手段により移動される。識別情報が動的表示されている場合に、移動手段により遊技球が移動されるように移動手段が移動制御手段により制御される。移動手段により第2位置まで移動された後で、その移動された遊技球が第2検出手段により検出される。第1検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、特別状態が状態設定手段により設定される。第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、設定条件が成立したと設定条件判別手段により判別される。これにより、遊技球が移動する期間が特別状態の設定される期間とすることができる。よって、斬新な遊技を遊技者に提供することができるという効果がある。
遊技機D3において、前記時間判別手段により判別される前記合計時間と移動手段により移動された移動量とが正常値内であるかを判別する移動量判別手段を有し、前記異常処理手段は、その移動量判別手段により正常値外である判別されたことに基づいて、前記所定の異常処理を実行するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、時間判別手段により判別される合計時間と移動手段により移動された移動量とが正常値内であるかが移動量判別手段により判別される。その判別結果が正常値外である判別されたことに基づいて、所定の異常処理が異常処理手段により実行される。よって、早期に異常を判別できるという効果がある。
<特徴E群>(小当たりにより変動時間のテーブル切替)
判定条件の成立に基づいて、判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による当否判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報の動的表示時間を決定する動的表示時間決定手段と、その動的表示時間決定手段により決定される複数の異なる動的表示時間で構成された動的表示時間群が複数記憶された記憶手段と、その記憶手段に記憶された動的表示時間群の中より変更条件の成立に基づいて、前記動的表示時間決定手段により動的表示時間が決定される前記動的表示時間群を変更する群種別変更手段と、前記表示手段に特定の識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記当否判定手段により当たりと判定される確率が通常状態である所定の確率よりも高く設定される特別状態を所定条件の成立に基づいて設定する状態設定手段と、を有する遊技機において、前記状態設定手段により前記特別状態が設定されてから、前記表示手段に前記識別情報が動的表示された時間の合計時間が所定時間経過した後で成立する設定条件の成立を判別する設定条件判別手段と、その設定条件判別手段により前記設定条件が成立したと判別されたことに基づいて、前記通常状態を設定する状態切替設定手段とを有し、前記記憶手段に記憶された動的表示時間群には、他の動的表示時間群よりも短い動的表示時間が決定され易く設定された短動的表示時間群が設定されているものであることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、判定条件の成立に基づいて、判定が当否判定手段に実行される。その当否判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。その表示手段に表示される識別情報の動的表示時間が動的表示時間決定手段により決定される。その動的表示時間決定手段により決定される複数の異なる動的表示時間で構成された動的表示時間群が記憶手段により複数記憶される。その記憶手段に記憶された動的表示時間群の中より変更条件の成立に基づいて、動的表示時間決定手段により動的表示時間が決定される動的表示時間群が群種別変更手段により変更される。表示手段に特定の識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。当否判定手段により当たりと判定される確率が通常状態である所定の確率よりも高く設定される特別状態が所定条件の成立に基づいて状態設定手段により設定される。状態設定手段により特別状態が設定されてから、表示手段に識別情報が動的表示された時間の合計時間が所定時間経過した後で成立する設定条件の成立が設定条件判別手段により判別される。その設定条件判別手段により設定条件が成立したと判別されたことに基づいて、通常状態が状態切替設定手段により設定される。他の動的表示時間群よりも短い動的表示時間が決定され易く設定された短動的表示時間群が記憶手段に記憶された動的表示時間群には設定されている。これにより、短動的表示時間群が設定されることにより、特別状態中に多くの回数で識別情報を動的表示させることができ、効率良く遊技を行うことができる。よって、特別状態において、大当たりへの期待を高めることができる。従って、遊技者が遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機E1において、遊技球を検出可能な第1検出手段と、その第1検出手段により検出された遊技球を第1位置で保持可能な保持手段と、その保持手段により保持された遊技球を前記第1位置から第2位置まで前記保持手段に保持された状態で移動させる移動手段と、その移動手段により第2位置まで移動された後で、その移動された遊技球を検出する第2検出手段と、を有し、前記状態設定手段は、前記第1検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、前記特別状態を設定するものであり、前記設定条件判別手段は、前記第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、前記設定条件が成立したと判別するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球を検出可能な第1検出手段により検出された遊技球が第1位置で保持手段により保持される。その保持手段により保持された遊技球が第1位置から第2位置まで保持手段に保持された状態で移動手段により移動される。その移動手段により第2位置まで移動された後で、その移動された遊技球が第2検出手段により検出される。状態設定手段は、第1検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、特別状態が状態設定手段により設定される。設定条件判別手段は、第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、設定条件が成立したと設定条件判別手段により判別される。これにより、遊技球が移動する期間が特別状態の設定される期間とすることができる。よって、斬新な遊技を遊技者に提供することができるという効果がある。
遊技機E1またはE2において、前記群種別変更手段は、前記特別状態が設定されている場合に前記短動的表示時間群を前記変更条件が成立すると選択することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1またはE2の奏する効果に加え、特別状態が設定されている場合に短動的表示時間群が群種別変更手段により変更条件が成立すると選択されるので、特別状態が設定されている期間に動的表示する識別情報の回数を多くすることができ、効率よく特別状態で遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記短動的表示時間群は、前記通常状態である場合よりも前記特別状態である場合の方が前記群種別変更手段により選択され易く設定されているものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかが奏する効果に加え、通常状態である場合よりも特別状態である場合の方が群種別変更手段により短動的表示時間群が選択され易く設定されているので、特別状態が設定された場合に、短動的表示時間群が選択されることを遊技者が期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、前記群種別変更手段は、前記短動的表示時間群に変更してから、前記識別情報が所定回数動的表示されたことに基づいて、予め定められた他の動的表示時間群に変更するものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4のいずれかが奏する効果に加え、短動的表示時間群に変更してから、識別情報が所定回数動的表示されたことに基づいて、予め定められた他の動的表示時間群に群種別変更手段により変更されるので、過剰に短動的表示時間が選択されることを抑制できるという効果がある。
<特徴F群>(変形M)
特定領域への遊技球の入球を検出する検出手段と、その検出手段により遊技球の入球が検出されることに基づいて遊技者に有利な特別遊技状態へ遷移させるか否かを抽選するとともに、その抽選結果に基づいた制御を行う制御手段と、その制御手段による抽選の抽選結果に基づいて識別情報の動的表示を決定する動的表示決定手段と、その動的表示決定手段が決定した動的表示に対応する期間において、識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段とを備えるものであり、遊技球が入球した場合に前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を第1確率よりも高い第2確率とする契機となる高確率開始領域に遊技球が入球したことを検出する開始領域検出手段と、その開始領域検出手段により前記高確率開始領域に遊技球が入球したことが検出された場合に前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を前記第2確率とする高確率開始手段と、その高確率開始手段により前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を前記第2確率とされてから、所定の期間後に、前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を前記第1確率とする高確率終了手段と、を備え、前記動的表示決定手段は、前記動的表示実行手段が実行する動的表示として、少なくとも、第1動的表示と第2動的表示とを決定するものであり、前記動的表示実行手段が実行する動的表示の実行の期間は、前記第2動的表示より前記第1動的表示の方が長い期間であり、前記動的表示実行手段において、前記第2動的表示が実行される場合より前記第1動的表示が実行される場合の方が前記抽選において前記特別遊技状態に当選した可能性が高いものであることを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、制御手段が検出手段により特定領域への遊技球の入球が検出されることに基づいて遊技者に有利な特別遊技状態へ遷移させるか否かを抽選する。その抽選の結果に基づいて、動的表示決定手段は識別情報の動的表示を決定し、動的表示実行手段は動的表示決定手段が決定した動的表示に対応した期間において識別情報の動的表示を実行する。高確率開始手段は、開始領域検出手段により高確率開始領域に遊技球が入球したことが検出された場合に抽選において特別遊技状態に当選する確率を第2確率とする(高確率状態とする)。一方、高確率終了手段は、高確率開始手段により抽選において特別遊技状態に当選する確率を第2確率とされてから、所定の期間後に、抽選において特別遊技状態に当選する確率を第1確率とする(高確率状態を終了する)。動的表示決定手段は、動的表示実行手段が実行する動的表示として、少なくとも、第1動的表示と第2動的表示とを決定する。第2動的表示より第1動的表示の方が、動的表示実行手段により実行される動的表示の実行の期間が長く、かつ、抽選において特別遊技状態に当選した可能性が高い。これにより、高確率終了手段は、高確率開始手段により抽選において特別遊技状態に当選する確率を第2確率とされてから、所定の期間後に、抽選において特別遊技状態に当選する確率を第1確率とするので、抽選において特別遊技状態に当選した可能性が高く、動的表示の実行される期間が長い第1動的表示がされた場合であっても、動的表示の期間を要因として高確率状態の期間が長くなることはない。例えば、高確率状態の時に、特別遊技状態へ遷移することもなく、抽選において特別遊技状態に当選した可能性が高く、動的表示の実行される期間が長い動的表示が複数回なされて、単に高確率状態の期間が長くなるだけでは遊技が単調になってしまい、遊技者に不快感を与える可能性があった。本発明によれば、動的表示の期間を要因として高確率状態の期間が長くなることはないので、単に高確率状態の期間が長くなることにより遊技者に与える不快感を低減することができる。そして、抽選において特別遊技状態に当選した可能性が高い第1動的表示が実行されず、抽選において特別遊技状態に当選した可能性が低い第2動的表示が実行される場合は、第2動的表示が実行される期間は第1動的表示よりも短いので、当該高確率状態が終了するまでの残りの期間は、第1動的表示が実行される場合よりも、減りが少ない。よって、より多く特別遊技状態へ遷移し得る抽選の機会が残される。一方、抽選において特別遊技状態に当選した可能性が高い第1動的表示が実行され、抽選において特別遊技状態に当選した可能性が低い第2動的表示が実行されない場合は、第1動的表示が実行される期間は第2動的表示よりも長いので、当該高確率状態が終了するまでの残りの期間は、第2動的表示が実行される場合よりも、減りが多い。よって、当該動的変動で特別遊技状態へ遷移することが決定しないと、特別遊技状態へ遷移し得る抽選の機会が残り少なくなってしまっていることになる。これにより、遊技者は当該動的表示において、どうしても特別遊技状態へ遷移することが決定して欲しい欲求が高まる。即ち、当該動的表示に対する熱意が最高潮に高まる。従って、高確率状態において実行される動的表示に応じて、特別遊技状態へ遷移し得る抽選の機会の減り具合が異なることになるので、遊技者に対して新しい遊技性を提供することができるという効果がある。
遊技機F1において、遊技球が入球した場合に前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を前記第1確率とする契機となる高確率終了領域に遊技球が入球したことを検出する終了領域検出手段と、前記高確率開始手段により前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を前記第2確率とされてから、所定の期間後に、前記高確率開始領域に入球した遊技球を前記高確率終了領域へ導く導球手段と、を備え、前記高確率終了手段は、前記終了領域検出手段により前記高確率終了領域に遊技球が入球したことが検出された場合に前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を前記第1確率とするように構成されていることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。高確率終了手段は、終了領域検出手段により高確率終了領域に遊技球が入球したことが検出された場合に、抽選において特別遊技状態に当選する確率を第1確率とする。導球手段は、高確率開始手段により抽選において特別遊技状態に当選する確率を第2確率とされてから、所定の期間後に、高確率開始領域に入球した遊技球を高確率終了領域へ導く。これにより、導球手段により導かれる球の動きから遊技者は高確率状態の終了を予測することができる。なお、遊技機F2に記載の導球手段は、高確率開始領域に入球した遊技球を高確率終了領域へ導く態様は、該遊技球を高確率終了領域へ近づける態様に限定されない。例えば、導球手段は高確率終了領域への経路を封鎖する封鎖部材であって、該封鎖部材の手前に該遊技球を留まらせ、所定条件の成立により該封鎖部材を開放して、高確率終了領域へ導く態様であってもよい。また、導球手段が斜面であって、高確率開始領域に入球した遊技球が、該斜面を流下した先に高確率終了領域があってもよい。導球手段が高確率開始領域に入球した遊技球を高確率終了領域へ導くまでの期間は、高確率開始手段により抽選において特別遊技状態に当選する確率を第2確率とされてから、動的表示決定手段が決定した動的表示の回数とは関係なければよい。
遊技機F2において、前記導球手段は、前記高確率開始手段により前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を前記第2確率とされてから前記高確率終了手段により前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を前記第1確率とされるまでの第1期間は、その第1期間において前記特別遊技状態へ遷移しない場合には、前記高確率開始手段により前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を前記第2確率とされる場合に定められた期間となるように、前記高確率開始領域に入球した遊技球を前記高確率終了領域へ導く構成であることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。導球手段は、高確率開始手段により抽選において特別遊技状態に当選する確率を第2確率とされてから高確率終了手段により抽選において特別遊技状態に当選する確率を第1確率とされるまでの第1期間は、その第1期間において特別遊技状態へ遷移しない場合には、定められた期間となるように、高確率開始領域に入球した遊技球を高確率終了領域へ導く構成である。これにより、動的表示の実行される期間の長短に拘わらず、特別遊技状態へ遷移しない場合の高確率状態の期間は一定にできる。よって、単に高確率状態の期間が長くなることにより遊技者に与える不快感をより低減することができるという効果がある。
遊技機F2記載の遊技機において、前記導球手段は、前記高確率開始領域に入球した遊技球を停留させる第1停留手段と、その第1停留手段により停留された遊技球を、前記動的表示実行手段が識別情報の動的表示を実行する期間中には、前記高確率終了領域へ導くように移動させる第1移動実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。導球手段は、高確率開始領域に入球した遊技球を停留させる第1停留手段と、その第1停留手段により停留された遊技球を、動的表示実行手段が識別情報の動的表示を実行する期間中には、高確率終了領域へ導くように移動させる第1移動実行手段と、を備える。これにより、特定領域へ遊技球を入球させない限り、動的表示実行手段による識別情報の動的表示は実行されないので、第1停留手段に停留された遊技球が高確率終了領域へ近づくことはない。
例えば、遊技球を遊技盤に発射する球発射装置の故障、遊技盤上の釘に遊技球が詰まる、特定領域への遊技盤上の釘が締められている等の要因により、特定領域へ遊技球を入球させることができない又は困難な場合が考えられる。これらの場合に、第1停留手段に停留された遊技球が、高確率終了領域へ近づいていくと、高確率状態における抽選の機会が減っていくので、遊技者の利益を確保できない。本発明によれば、特定領域へ遊技球を入球させない限り、第1停留手段に停留された遊技球が高確率終了領域へ近づくことはなく、高確率状態における抽選の機会が減ることはないので、遊技者の利益を守ることができるという効果がある。
遊技機F2において、前記導球手段は、前記高確率開始領域に入球した遊技球を停留させる第2停留手段と、その第2停留手段により停留された遊技球を前記高確率終了領域へ導くように、前記動的表示決定手段が識別情報の動的表示を決定した場合に、前記動的表示決定手段が決定した動的表示の期間に対応する移動量、移動させる第2移動実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。導球手段は、高確率開始領域に入球した遊技球を停留させる第2停留手段と、その第2停留手段により停留された遊技球を高確率終了領域へ導くように、動的表示決定手段が決定した動的表示の期間に対応する移動量、移動させる第2移動実行手段と、を備える。これにより、動的表示の期間に対応する第2停留手段に停留された遊技球の移動量を知っている遊技者は、動的表示を視認したときに、遊技球がどれだけ高確率終了領域へ近づくかを判断することができる。即ち、動的表示から高確率状態の終了を予測できるという効果がある。
遊技機F1からF5のいずれかにおいて、前記高確率開始手段により前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を前記第2確率とされてから前記高確率終了手段により前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を前記第1確率とされるまでの期間を表す値を記憶する第1期間記憶手段と、前記高確率開始手段により前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を前記第2確率とされてからの経過期間を表す値を記憶する第1経過記憶手段と、その第1経過記憶手段の値と前記第1期間記憶手段の値とから前記経過期間が超過していることを判断する第1超過判断手段と、その第1超過判断手段により前記経過期間が超過していると判断されたことに基づいて前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を前記第1確率とする高確率強制終了手段と、を備えることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F1からF5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。例えば、導球手段が故障したり、破壊されたり、導球手段による遊技球の導球を阻止されたり等の不正行為によって、高確率開始領域に入球した遊技球が高確率終了領域へ到達できない場合、その遊技球が高確率終了領域へ到達しない限り、高確率状態が終了することがないので、高確率状態が不正に延長され得る。しかし、本発明によれば、第1超過判断手段により、第1経過記憶手段の値と第1期間記憶手段の値とから、抽選において特別遊技状態に当選する確率を第2確率とされてからの経過期間が超過していることを判断すると、高確率強制終了手段により抽選において特別遊技状態に当選する確率を第1確率とするので、高確率状態が不正に延長されることを防止できるという効果がある。
遊技機F1からF6のいずれかにおいて、前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を前記第2確率とする前の所定の遊技状態か否かを判断する判断手段と、その判断手段により所定の遊技状態であると判断される場合には、前記開始領域検出手段により前記高確率開始領域に遊技球が入球したことが検出されても、前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を前記第2確率としない高確率非開始手段と、前記開始領域検出手段により前記高確率開始領域に遊技球が入球したことが検出されて、前記高確率非開始手段により前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を前記第2確率とされなかった場合に、前記高確率開始領域に入球した遊技球を停留させる第3停留手段と、その第3停留手段に停留された遊技球を、前記高確率終了領域へ導くように移動させる第3移動実行手段と、前記開始領域検出手段により前記高確率開始領域に遊技球が入球したことが検出されてから、その遊技球が前記第3移動実行手段により移動されて、前記終了領域検出手段により前記高確率終了領域に遊技球の入球が検出されるまでの予定期間を表す値を記憶する第2期間記憶手段と、前記開始領域検出手段により前記高確率開始領域に遊技球が入球したことが検出されてからの経過期間を表す値を記憶する第2経過記憶手段と、その第2経過記憶手段の値と前記第2期間記憶手段の値とから前記経過期間が前記予定期間を超過していることを判断する第2超過判断手段と、その第2超過判断手段が前記経過期間が前記予定期間を超過していると判断したことに基づいて所定の報知をする報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F1からF6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。判断手段により抽選において特別遊技状態に当選する確率を第2確率にする前の所定の遊技状態であると判断される場合には、高確率非開始手段は、開始領域検出手段により高確率開始領域に遊技球が入球したことが検出されても、抽選において特別遊技状態に当選する確率を第2確率としない。この所定の遊技状態の場合に、高確率開始領域に入球して第3停留手段に停留された遊技球を、第3移動実行手段により高確率終了領域へ導く。第2超過判断手段により第2期間記憶手段と第2経過記憶手段とから予定期間が経過期間を超過していると判断されると、報知手段により所定の報知がなされる。これにより、所定の遊技状態である場合に、導球手段および終了領域検出手段が正常であれば、所定の報知がなされることはない。よって、所定の報知がなされた場合、所定の報知を視認した遊技者または遊技場の店員は、導球手段または終了領域検出手段が故障していることを知ることができるという効果がある。
遊技機F1からF7のいずれかにおいて、前記終了領域検出手段により前記高確率終了領域に遊技球の入球が検出されたことに基づいて前記動的表示実行手段が動的表示を実行中か否かを判断する動的表示実行判断手段と、その動的表示実行判断手段により前記動的表示実行手段が動的表示を実行中と判断され、前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を前記第1確率とする場合には、前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を前記第1確率とすることを予定する高確率終了予定手段と、を備え、前記高確率終了手段は、前記高確率終了予定手段により前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を前記第1確率とすることが予定された場合、前記動的表示実行手段が動的表示を停止した後に、前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率を前記第1確率とするように構成されていることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F1からF7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。例えば、高確率開始領域に入球した遊技球が導球手段により導かれ、動的表示の停止の直前に、高確率終了領域に入球させられた場合、遊技者は、当該動的表示の抽選において特別遊技状態に当選する確率は第1確率であるか第2確率であるかを戸惑う虞がある。本発明によれば、高確率終了予定手段は動的表示実行判断手段により動的表示実行手段が動的表示を実行中と判断され、抽選において特別遊技状態に当選する確率を第1確率とする場合には、抽選において特別遊技状態に当選する確率を第1確率とすることを予定する。この予定がなされた場合、高確率終了手段は、動的表示実行手段が動的表示を停止した後に、抽選において特別遊技状態に当選する確率を第1確率とするので、前述の遊技者が戸惑う虞のある場面でも、遊技者を戸惑わせることがないという効果がある。
遊技機F1からF8のいずれかにおいて、前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率が前記第2確率である期間の経過期間を表す値を記憶する第3経過記憶手段と、前記抽選において前記特別遊技状態に当選する確率が前記第2確率である間に、前記抽選において前記特別遊技状態へ遷移することが決定した場合、前記第3経過記憶手段の値が小さいほど、遊技者に付与する有価価値の量を多く決定する有価価値量決定手段を備えることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F1からF8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。有価価値量決定手段は、抽選において特別遊技状態に当選する確率が第2確率である間に、抽選において特別遊技状態へ遷移することが決定した場合、第3経過記憶手段の値が小さいほど、遊技者に付与する有価価値の量を多く決定する。即ち、高確率状態が開始されてからの経過期間が早いほど、遊技者に付与される有価価値の量も多くなる。
例えば、高確率状態の間に特別遊技状態へ遷移することが決定した場合に、当該特別遊技状態の後に、高確率状態が新たに開始される遊技機では、遊技者は、高確率状態が開始されてからの経過期間が早い段階で特別遊技状態へ遷移することが決定して欲しいと願うものである。本発明によれば、この遊技者の願いを叶えた場合には、これに加え、有価価値の量までも多くなるので、遊技者にとって喜ばしいことが2度も訪れることになる。逆に、高確率状態が開始されてからの経過期間が遅い段階で特別遊技状態へ遷移することが決定した場合、有価価値の量は少ないので、遊技者は落胆する。一方、特別遊技状態の後に、高確率状態が新たに開始されることは決定しているので、落胆するだけでなく、新たな希望を見いだせる。このように、導球手段が高確率開始領域に入球した遊技球を高確率終了領域へ導くまでの期間を抽選において特別遊技状態に当選する確率を第2確率とする遊技機において、その期間と有価価値とが対応した新しい興趣を提供できるという効果がある。なお、特許請求の範囲に記載の「期間」とは「時間」のことである。
<特徴G群>(確変期間を選択された変動パターンに設定されている点数の合計値に達するまでの期間で設定)
判定条件の成立に基づいて、当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による当否判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報の動的表示態様を複数の動的表示態様から1の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記当否判定手段により当たりと判定される確率が通常状態である所定の確率よりも高く設定される特別状態を所定条件の成立に基づいて設定する状態設定手段と、を有する遊技機において、前記動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様には、その動的表示態様毎にそれぞれ固有の集計可能な集計情報が付与されており、前記動的表示態様決定手段により前記動的表示態様が決定されたことに基づいて、その決定された動的表示態様に付与されている前記集計情報を取得して、これまでに取得した前記集計情報と集計する集計手段と、前記状態設定手段により前記特別状態が設定された場合に、前記集計手段により集計されている前記集計情報を判別する集計判別手段と、その集計判別手段により判別された結果が所定の結果であると判別された場合に、前記特別状態を前記通常状態に切り替えるように設定する状態切替設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、判定条件の成立に基づいて、当否判定が当否判定手段により実行される。その当否判定手段による当否判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。その表示手段に表示される識別情報の動的表示態様を複数の動的表示態様から1の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。表示手段に特定の識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。当否判定手段により当たりと判定される確率が通常状態である所定の確率よりも高く設定される特別状態が所定条件の成立に基づいて状態設定手段により設定される。ここで、動的表示態様決定手段により決定される動的表示態様には、その動的表示態様毎にそれぞれ固有の集計可能な集計情報が付与されている。動的表示態様決定手段により動的表示態様が決定されたことに基づいて、その決定された動的表示態様に付与されている集計情報が集計手段により取得される。そして、これまでに取得した集計情報が集計手段により集計される。状態設定手段により特別状態が設定された場合に、集計手段により集計されている集計情報が集計判別手段により判別される。その集計判別手段により判別された結果が所定の結果であると判別された場合に、特別状態を通常状態に切り替えるように状態切替設定手段により設定される。これにより、集計判別手段により所定の結果となるまで、特別状態が設定されるので、遊技者は、現在の集計結果を予測しながら遊技を楽しむことができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機G1において、前記動的表示態様に付与されている集計情報は、数値情報で構成され、前記集計判別手段は、前記数値情報の合計値が予め定められた上限値以上であるかを判別するものであり、前記動的表示態様決定手段は、前記当否判定手段の当否判定結果に基づいて、複数の異なる動的表示態様の中より1の動的表示態様を決定するものであり、前記動的表示態様決定手段により前記当否判定手段の当否判定結果が前記特定の識別情報で表示されることとなる判定結果である場合に決定され易い前記動的表示態様には、より大きい数値情報が前記集計情報として付与されているものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示態様に付与されている集計情報が数値情報で構成されている。集計判別手段は、数値情報の合計値が予め定められた上限値以上であるかが集計判別手段により判別される。動的表示態様決定手段は、当否判定手段の当否判定結果に基づいて、複数の異なる動的表示態様の中より1の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。動的表示態様決定手段により当否判定手段の当否判定結果が特定の識別情報で表示されることとなる判定結果である場合に決定され易い動的表示態様には、より大きい数値情報が集計情報として付与されている。よって、当否判定結果が特定の識別情報で表示され易く設定されている動的表示態様が選択された場合には、大きい数値情報が設定されるので、遊技者の大当たりへの期待に合わせて特別状態の残り期間を減らすように設定することができるという効果がある。
遊技機G1またはG2において、前記集計手段は、前記状態設定手段により前記特別状態が設定されたことに基づいて、集計を開始するものであり、前記状態設定手段により、前記特別状態または通常状態が設定されたことに基づいて、前記集計手段が集計した情報を初期化する初期化手段を有するものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1またはG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状態設定手段により特別状態が設定されたことに基づいて、集計が集計手段により開始される。状態設定手段により、特別状態または通常状態が設定されたことに基づいて、集計手段が集計した情報が初期化手段により初期化される。これにより、特別状態が開始されると、初期化された状態から集計を開始することができる。よって、特別状態が開始されてから所定の集計結果となるまで特別状態を毎回設定することができるという効果がある。
遊技機A1からA5,B1からB8,C1からC4,D1からD4,E1からE5,F1からF9,G1からG3のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA5,B1からB8,C1からC4,D1からD4,E1からE5,F1からF9,G1からG3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA5,B1からB8,C1からC4,D1からD4,E1からE5,F1からF9,G1からG3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。