JP2015143164A - カーボンナノチューブ組成物、及び、カーボンナノチューブ膜 - Google Patents

カーボンナノチューブ組成物、及び、カーボンナノチューブ膜 Download PDF

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卓央 杉岡
小川 賢
Masaru Ogawa
賢 小川
明 小塩
Akira Koshio
明 小塩
利信 冨谷
Toshinobu Tomitani
利信 冨谷
崇浩 橋井
Takahiro Hashii
崇浩 橋井
小海 文夫
Fumio Komi
文夫 小海
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Abstract

【課題】本発明は、電気伝導性に優れたカーボンナノチューブ膜を簡便に得ることのできるカーボンナノチューブ組成物、及び、このカーボンナノチューブ組成物を用いて得られるカーボンナノチューブ膜を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のカーボンナノチューブ組成物は、Cuを内包したカーボンナノチューブと、溶媒とを含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、Cuを内包するカーボンナノチューブを含む組成物、及び、この組成物を用いて得られるカーボンナノチューブ膜に関する。
カーボンナノチューブは、グラフェン(炭素の単結合で形成された環構造が連続した層状化合物)が管状となった物質であり、熱伝導性、電気伝導性に優れることが知られている。そのため、カーボンナノチューブは、電極や、半導体、微小回路、光学部品等に有用な材料として注目を集めている。しかしながら、カーボンナノチューブはすす状の堆積物として得られるため、これらを電気・電子部品に搭載するには、例えば膜状に成形する必要がある。しかし、銅の電気抵抗率(1.7×10-6Ωm程度)に比べると導電性に劣っており、金属の代替として実用化するには改良の余地がある。
さらに、カーボンナノチューブ自体の電気伝導性は、カーボンナノチューブを構成するグラフェン上の炭素の環構造がどのような配向(キラルベクトル)をとるかによって実質上決まる。製造時にこのキラルベクトルまでを完全に制御することは困難である。そこで、カーボンナノチューブの電気伝導性を高める方法として、カーボンナノチューブ組成物を硝酸溶液中で加熱する方法等が提案されている(特許文献1)。
しかし、特許文献1に記載の方法では、カーボンナノチューブを予めグラファイト化度の高いもの(欠陥量の少ないもの)としておく必要があり、このためには複数の工程が必須であるため、カーボンナノチューブ膜の電気伝導性を簡便に高める方法が求められていた。
特開2009−149503号公報
本発明は、電気伝導性に優れたカーボンナノチューブ膜を簡便に得ることのできるカーボンナノチューブ組成物、このカーボンナノチューブ組成物を用いて得られるカーボンナノチューブ膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、カーボンナノチューブにCuを内包させておくと、酸化されやすいCuであっても導電性に優れた単体のままで維持できることを見出した。そして、このようなCu内包カーボンナノチューブにエネルギーを加えると、Cuの融点よりも遙かに低い温度で内包Cuが溶出してCu連続層が形成され、電気伝導性が大きく高められたカーボンナノチューブ膜が簡便に得られることを明らかにして、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係るカーボンナノチューブ組成物は、Cuを内包したカーボンナノチューブと、溶媒とを含むことを特徴とする。本発明のカーボンナノチューブ組成物は、さらに分散剤を含有することが好ましい。
また、前記Cu内包カーボンナノチューブのラマンスペクトルにおけるGバンドの半値幅(HMG)と、Dバンドの半値幅(HMD)の比率(HMG/HMD)が1以下であることが好ましい。
本発明のカーボンナノチューブ膜は、前記カーボンナノチューブ組成物を基材に塗布し、エネルギーを加えて内包Cuを溶出させることによって好ましく製造することができる。基材に塗布したカーボンナノチューブ組成物は、水蒸気非含有雰囲気下、温度200℃以上に加熱することが好ましい。本発明のカーボンナノチューブ膜は、Cuの連続層とカーボンナノチューブとを有するものとなる。また本発明のカーボンナノチューブ膜の電気抵抗率は、1Ωcm以下であることが好ましい。本発明のカーボンナノチューブ膜は、厚みが50nm以上、1000nm以下であることが好ましい。
本発明のカーボンナノチューブ組成物は、Cuを内包したカーボンナノチューブを含むため、電気伝導性の高いカーボンナノチューブ膜を簡便に得ることができる。
図1は、実施例で得られたCu内包CNTの透過型電子顕微鏡(TEM)写真(倍率:150万倍)である。 図2は、Cu内包CNTの加熱前の透過型電子顕微鏡(TEM)写真(倍率:20万倍)である。 図3は、Cu内包CNTを500℃で加熱した後の透過型電子顕微鏡(TEM)写真(倍率:20万倍)である。 図4は、実施例1−1で得られたCu内包CNTのラマンスペクトルを示すチャートである。 図5は、比較例1−1のMWCNTのラマンスペクトルを示すチャートである。 図6は、比較例1−2のSWCNTのラマンスペクトルを示すチャートである。 図7は、実施例2−1で得られたCNT膜の加熱前の電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)写真(倍率:50,000倍)である。 図8は、実施例2−1で得られたCNT膜を400℃で加熱した後の電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)写真(倍率:100,000倍)である。 図9は、比較例2−1で得られたCNT膜の加熱前の電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)写真(倍率:50,000倍)である。 図10は、比較例2−1で得られたCNT膜を400℃で加熱した後の電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)写真(倍率:50,000倍)である。
1.Cu内包カーボンナノチューブ(以下、カーボンナノチューブをCNTと略記する場合がある)
本発明のカーボンナノチューブ組成物は、金属Cuを内包したカーボンナノチューブ(CNT)を含有する点に特徴がある。Cu内包CNTでは、Cuと大気(酸素)との直接の接触が避けられ、金属Cuが酸化されずにその高い導電性を利用可能である。またCu内包CNTでは、CuがCNTに内包されていても、Cuの融点よりも遙かに低い温度で内包Cuを溶出させることが可能である。この様にCu内包CNTは、Cuの保護作用とCuの溶出作用を有するため、これを用いて塗布用組成物を構成すると、簡便に導電性に優れた膜を得ることができる。
Cu内包CNTを構成する前記金属Cuは、金属としての性質を有する限り特に限定されないが、例えば、CNT中に結晶として存在していてもよい。Cuの結晶状態は、Cu内包CNTの透過型電子顕微鏡(TEM)により得られる透過像(明視野像)によって確認できる。Cuが結晶として存在している場合、CNTの内部(カーボンナノウォールで囲まれた領域)に、Cuの(111)面の結晶格子間隔(0.2088nm)に対応する格子縞が観察される。
一方、本発明のCu内包CNTのCNT部は、通常のCNTと同様、グラフェンを管状にしたカーボンナノウォールが2層以上の複数層に積層された構造を有することを特徴とし、各カーボンナノウォール層の中心軸は同一となるものであることが好ましい。
またカーボンナノウォールの平均層数は、2以上であり、より好ましくは3以上、特に4以上であってもよい。また、平均層数は、20以下であることが好ましく、より好ましくは15以下であり、さらに好ましくは12以下である。カーボンナノウォールの層の数が少ないほど、内包Cuがカーボンナノウォール層を透過してCu連続層が形成されやすくなる。
また、前記カーボンナノウォール層の厚み(積層構造の場合は層全体の厚み)は、例えば、0.3nm以上、特に0.6nm以上である。また、カーボンナノウォール層の前記厚みは、7nm以下であることが好ましく、より好ましくは5nm以下であり、さらに好ましくは4nm以下である。
なお、グラフェン(カーボンナノウォール)は、TEMにより得られるCNTの透過像において、その境界付近に現われる幅0.3nm程度の暗色の線として識別することができる。この暗色線に基づいて、グラフェン(カーボンナノウォール)の層数や厚みを決定できる。
前記CNT部は、欠陥(炭素−炭素結合の欠損等)を含むものであることが好ましい。カーボンナノウォールに欠陥が含まれると、内包Cuがカーボンナノウォールを透過してCu連続層を形成しやすくなるため、得られる加工体(膜など)の電気伝導性はより一層優れたものとなる。
カーボンナノウォールに含まれる欠陥は、ラマン分光法を用いて測定することができる。具体的には、Cu内包CNTのラマン分光測定により得られるラマンスペクトルにおいて、ラマンシフト1550cm-1付近のGバンドにあるピークと、ラマンシフト1350cm-1付近のDバンドにあるピークの強度を指標として、カーボンナノチューブに含まれる欠陥量を規格化することができる。前記Gバンドは、グラファイト(炭素原子で構成される連続した六員環構造)に由来するスペクトルであり、Dバンドは、グラファイトの欠陥に由来するスペクトルである。本発明において、Gバンドの半値幅(HMG)と、Dバンドの半値幅(HMD)の比率(HMG/HMD)は、1以下であることが好ましく、より好ましくは0.8以下であり、さらに好ましくは0.7以下である。前記比率(HMG/HMD)が小さいほど、カーボンナノウォールに含まれる欠陥が多い。なお前記比率(HMG/HMD)の下限は特に限定されないが、例えば0.2以上であることが好ましく、より好ましくは0.3以上である。
CNTの平均直径は、例えば、5nm以上であり、好ましくは7nm以上、より好ましくは10nm以上である。CNTの平均直径が大きいほど、一つのCNT内に多くのCuを内包可能となる。またCNTの平均直径は、例えば、90nm以下、好ましくは70nm以下、より好ましくは60nm以下である。CNTの直径が小さいほど、内包Cuのサイズを小さくできる。Cuのサイズが小さいと、Cuの通常の融点よりもはるかに低い温度でCuを溶融することが可能となる。なおCNTの平均直径は、TEM画像に基づいて決定できる。
CNTの端は、開放されていても閉じていてもよい。
Cu内包CNTにおいて、その内包状態は特に限定されない。例えば、CNTの内部全体に亘ってCuを内包してもよく、CNTの内部の一部にCuを内包してもよい。また一部のCNTがCuを内包していなくてもよい。Cuを内包する部分(CNTの一部にCuが内包される場合は、当該一部分)の割合は、前記TEMの透過像での面積比率によって定めることができる。Cuを内包する部分の面積は、全CNTの面積100%に対して、例えば、50%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上であり、100%であってもよい。
またCNTに内包されていないCuが存在していてもよく、その割合もまた前記電子顕微鏡での面積比率によって定めることができる。CNTに内包されているCuは、全Cuに対して、例えば、80%以上、好ましくは90%以上であり、100%であってもよい。
内包Cuの充填率は、50%以上が好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上であり、最も好ましくは100%である。内包Cuの充填率が高いほど、溶出しやすくなり、得られるCNT膜において連続層を形成するCu量が増えるので、導体化に有利となる。なお、本発明において内包Cuの充填率とは、Cu内包CNTを構成するCNT内部の空洞部に占める、内包Cuの割合を意味するものであり、TEMの透過像における面積比率(CNT空洞部の全面積100%としたときの内包金属の面積%)によって定めることができる。
1−1.Cu内包CNTの製造方法
前記Cu内包CNTは、例えば、陰極として炭素のみで構成された電極を用い、陽極として炭素と円柱状のCuとで構成された電極を用いてアーク放電する方法によって製造でき、例えば、特開2009−167031号公報に記載の方法を参考にして製造できる。この製造方法では、チャンバー内でアーク放電を行うことにより、陰極から放出された炭素蒸気と電子が陽極に衝突して陽極が加熱されるため、陽極を構成する炭素及びCuが蒸発し、チャンバー内に析出することでCu内包CNTを得ることができる。
前記陰極としては、炭素(好ましくはグラファイト)の棒を用いることができる。陰極の直径は10mm以上、30mm以下であることが好ましい。
また、前記陽極としては、円柱状のCuとCuの円柱を取り囲む炭素(好ましくはグラファイト)とで構成されているものであることがより好ましく、具体的には、炭素棒を円柱状にくり抜き、内部にCuの粉末を充填したものであることが特に好ましい。陽極電極の直径は4.5mm以上、6mm以下であることが好ましく、陽極電極におけるCuの円柱の直径は2mm以上4mm以下であることが好ましい。また、円柱状のCuがCu粉末で構成されている場合、Cu粉末の粒子径は、200μm以下であることが好ましく、より好ましくは150μm以下であり、さらに好ましくは120μm以下である。Cu粉末の粒子径が小さいほど、Cu内包率を向上することができる。Cu粉末の粒子径の下限は特に限定されないが、取り扱い性の観点から、例えば70μm以上であり、より好ましくは80μm以上である。Cu粉末の粒子径は、例えば、篩分け法により求めることができる。
陰極電極と陽極電極は、鉛直方向に対置されていることが好ましく、上側が陰極電極、下側が陽極電極となるように垂直方向に対置されていることがさらに好ましい。陰極電極と陽極電極の配置が前記の通りであると、陽極電極の蒸発が効率的に起こり、Cu内包CNTの収率が向上する。
前記アーク放電法は、水素を含む気体が存在する減圧雰囲気下で行うことが好ましい。水素を含む気体が存在する減圧雰囲気下でアーク放電を行うことにより、水素が反応に関与し、Cu内包CNTを高収率で得ることができる。この水素アーク放電法により得られたCu内包CNTは、そのカーボンナノウォール中に、適度な欠陥を有しており、またカーボンナノウォール層の特性(カーボンナノウォールの層の数、厚み)も、CNT組成物に適したものとなる。
前記水素を含む気体中、水素のモル分率は、0.8以上であることが好ましく、より好ましくは0.9以上であり、さらに好ましくは0.95以上である。水素のモル分率が上記範囲であると、Cu内包CNTの収率が高い。水素のモル分率の上限は1である。なお水素を含む気体中、水素以外の気体には、窒素、メタン、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが含まれる。
アーク放電を行う時のチャンバー内の水素分圧は0.08MPa以上であることが好ましく、0.09MPa以上であることがより好ましい。また、水素分圧は、1.5MPa以下であることが好ましく、より好ましくは1.2MPa以下であり、さらに好ましくは1.1MPa以下である。水素分圧が前記範囲にあると、Cu内包CNTの収率が高い。なおチャンバー内の全圧は、例えば、10Pa以下、好ましくは7Pa以下である。この全圧になるまでチャンバーを排気した後、前記水素を含む気体を例えば400〜600mL/minの流量で流すことで、前記水素分圧を達成できる。
アーク放電の発生手順は特に限定されないが、好ましくは、陰極電極と陽極電極を接触させアーク電流を流して通電加熱した後、陰極電極と陽極電極を離間させて両極間にアーク放電を生じさせる。両電極(陰極電極、陽極電極)の通電加熱を効率的に行う観点からは、アーク電流を30A以上とすることが好ましく、40A以上とすることがより好ましい。また、アーク電流120A以下であることが好ましく、100A以下であることがより好ましい。アーク電流がこの範囲であると、陰極電極と陽極電極でアーク放電が安定的に維持される。
また、アーク放電時、陰極電極と陽極電極の間の距離は、5mm以下であることが好ましく、より好ましくは4mm以下であり、さらに好ましくは3mm以下である。陰極電極と陽極電極の間の距離が小さくなると、アーク放電が安定的に起こり、Cu内包CNTの収率が向上する。陰極電極と陽極電極の間の距離は、特に限定されないが、例えば1mm以上であることが好ましい。陰極電極と陽極電極の間の距離がこの範囲にあると、陽極電極の蒸発が効率的に起こり、Cu内包CNTの収率が向上する。
アーク放電の時間は、5分以下であることが好ましく、より好ましくは3分以下であり、さらに好ましくは2分以下である。アーク放電の時間が短いほど、Cu内包CNTのCu内包率が向上する。また、アーク放電の時間の下限は、例えば10秒以上であり、より好ましくは30秒以上である。アーク放電の時間がこの範囲にあると、より多くのCu内包CNTを得ることができる。
2.CNT組成物
2−1.基本成分
本発明のCNT組成物は、前記Cu内包CNTと溶媒とを含む。このような組成物は、Cu内包CNTを対象物に塗布して使用するのに適している。前記溶媒としては従来公知の溶媒を適宜用いることができる。このような溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、2−メチルプロピルアルコール、2−メチル−2−プロパノール等のアルコール溶媒;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール等のグリコール溶媒;グリセリン、ヘキサントリオール等のトリオール溶媒;テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;酢酸ブチル等のエステル溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルアセテート溶媒;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等のアミン溶媒;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド溶媒;アセトニトリル等のニトリル溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶媒;スルホラン等のスルホン溶媒;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、モルホリン、N−エチルモルホリン等の複素環溶媒;トルエン等の芳香族溶媒;等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記溶媒としては、沸点が250℃以下であるものが好ましく、より好ましくは230℃以下であり、さらに好ましくは200℃以下である。溶媒の沸点が低いほど、CNT膜を製造する際にも溶媒の蒸発による発泡が生じないため、均一なCNT膜を得ることができる。溶媒の沸点の下限は特に限定されないが、例えば50℃である。溶媒の沸点の下限が大きいほど、CNT組成物の安定性が良好である。
Cu内包CNTと溶媒の割合は、Cu内包CNTの分散性、塗布作業性、塗布膜の厚みなどに応じて適宜設計できる。CNT組成物中、Cu内包CNTの含有量は、Cu内包CNTと溶媒の合計100質量%中、例えば、0.1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上である。また、Cu内包CNTの含有量は、Cu内包CNTと溶媒の合計100質量%中、20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは18質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以下である。
またCNT組成物中、Cu内包CNTと溶媒の合計量は、例えば、80質量%以上、好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。
2−2.その他の成分
本発明のCNT組成物は、さらに他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、例えば、分散剤が含まれる。CNT組成物が分散剤を含むことにより、Cu内包CNTの分散性がより一層向上するとともに、CNT組成物のレベリング性が良好となり、得られるCNT膜がさらに均質なものとなるため、好ましい。
前記分散剤としては特に限定なく従来公知の分散剤を用いることができるが、CNT組成物の溶媒に溶解することが可能であり、かつCNTの分散性を高めることができるものを適宜使用できる。このような分散剤としては、例えば、親水性高分子、界面活性剤等を挙げることができる。
前記親水性高分子としては、ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド重合体等のポリアルキレンオキシド;ポリ(メタ)アクリル酸;ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル等のポリ(メタ)アクリル酸エステル;カルボキシメチルセルロース等のセルロース;等を好ましく用いることができる。これらの親水性高分子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、前記界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤のいずれも用いることができる。前記アニオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ブチルナフタレンスルホン酸塩等のアルキルアリルスルホン酸塩;ドデシルフェニルエーテルスルホン酸塩、ドデシルジフェニルエーテルスルホン酸塩等のアルキルアリルエーテルスルホン酸塩;ポリオキシアルキレンオクチルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンジブチルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンジスチリルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンベンジルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンビスフェノールエーテル硫酸塩等のポリオキシアルキレンアリルエーテル硫酸塩;ポリオキシアルキレンフェニルエーテルリン酸塩等のポリオキシアルキレンアリルエーテルリン酸塩;ポリオキシアルキレンフェニルエーテルカルボン酸塩等のポリオキシアルキレンアリルエーテルカルボン酸塩;等が挙げられる。
前記カチオン性界面活性剤としては、第4級アルキルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルアミン塩等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、スルホベタイン、アルキルアミンオキシド等が挙げられる。
前記非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテル;ポリオキシアルキレンナフトールエーテル等のポリオキシアルキレンアリルエーテル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシアルキレンアルケニルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルアミン等のポリオキシアルキレンアルキルアミン;ポリオキシエチレンアミン等のポリオキシアルキレンアミン;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンラウリル酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステル等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンナフトールエーテル等のポリオキシアルキレンアリルエーテル;アセチレングリコールのオキシアルキレン付加物;ビスフェノールAのオキシアルキレン付加物;等が挙げられる。
これらの界面活性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のCNT組成物において、分散剤としては、上記の親水性高分子、界面活性剤から、溶媒に応じて適宜選択して使用することが好ましい。また、親水性高分子、及び界面活性剤のいずれか一方を使用してもよく、これらの双方を併せて使用してもよい。例えば、溶媒がアルコール溶媒の場合は、親水性高分子を好ましく用いることができる。
CNT組成物において、分散剤の含有量は、CNT組成物100質量%中、0.1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.2質量%以上であり、さらに好ましくは0.4質量%以上である。分散剤の含有量が多いほど、Cu内包CNTの分散性、及び、CNT組成物のレベリング性が向上し、より均質なCNT膜を得ることができる。また、分散剤の含有量が多いほど、CNT組成物の粘度が大きくなるため、得られるカーボンCNT膜の厚みを厚くすることができる。また、分散剤の含有量は、CNT組成物100質量%中、40質量%以下であることが好ましく、より好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下である。分散剤の含有量がこの範囲にあると、CNT組成物が塗布に適した粘度となる。その結果、得られるCNT膜の厚みを薄くすることができる。
3.CNT組成物の膜化
前記CNT組成物を基材に塗布し、エネルギーを加えてCu内包CNTから内包Cuを溶出させることにより、本発明のCNT膜を製造できる。エネルギーとしては、熱エネルギーが好ましく、熱エネルギーを用いた場合には、Cu内包CNTからの溶出は、小さい熱エネルギーで生じ、溶出したCuがCNTの周りに連続層を形成する。そのため、電気伝導性に優れたCNT膜を簡便に得ることができる。
前記CNT組成物を塗布する基材は、特に限定されず従来公知の基材を使用することができ、例えば、ガラス、アルミナ、サファイヤ、金属酸化物、金属窒化物等のセラミックス基材;シリコン、炭化ケイ素、GaAs、GaP、InAs、InPなどの半導体基材;ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリパラキシレン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等の有機基材;が挙げられる。
また、基材表面には、Al、Ag、Au、Pt等の金属層や、ITO等の金属酸化物層、ダイヤモンド層、金属フッ化物層、金属シリサイド層などが形成されていてもよい。
CNT組成物の塗布方法は、塗布物の用途に応じて公知の塗布法、例えば、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、スピンコーティング法、バーコーティング法などから適宜選択できる。
塗布量は、単位面積当たりの固形分の付着量によって規定できる。CNT組成物の固形分の付着量は、0.1g/m2以上であることが好ましく、より好ましくは0.3g/m2以上であり、さらに好ましくは0.5g/m2以上である。また、CNT組成物の固形分の付着量は、10g/m2以下であることが好ましく、より好ましくは8g/m2以下であり、さらに好ましくは5g/m2以下である。
本発明のCNT膜を得るには、このようにして基材に塗布したCNT組成物に、エネルギーを加えて内包Cuを溶出させる必要がある。ここで用いられるエネルギーとしては、熱エネルギーが好ましいが、これに限定されるものではなく、例えば、UV光やレーザー光等の光エネルギー等を利用することもできる。熱エネルギーを用いる場合、CNT組成物を基材に塗布した後、必要に応じて適宜溶媒を乾燥し、形成された膜を加熱する。
CNT組成物を基材に塗布した後は、必要に応じて適宜溶媒を乾燥した後、該CNT組成物を加熱する。加熱によってCNTに内包されている金属Cuを溶出できる。特にCNTに内包されている金属Cuは、Cuの融点よりも遙かに低い温度で溶出可能である。従って加熱温度は、例えば、200℃以上、好ましくは300℃以上、より好ましくは350℃以上である。加熱温度が高くなるほど、Cuの溶出が容易になる。また、加熱温度が高くなると、CNT組成物に他の成分(例えば分散剤等)が含まれていても、これらを除去できる場合がある。加熱温度の上限は特に限定されないが、例えば1000℃以下であることが好ましく、より好ましくは800℃以下であり、さらに好ましくは600℃以下である。
前記加熱温度における加熱時間は、1時間以上であることが好ましく、より好ましくは2時間以上であり、さらに好ましくは3時間以上である。加熱時間が長いほど、溶出するCuが多くなる。また、加熱時間は、20時間以下であることが好ましく、より好ましくは10時間以下であり、さらに好ましくは7時間以下である。
加熱時の雰囲気は、水蒸気非含有雰囲気であることが好ましい。水蒸気非含有雰囲気下で加熱することにより、CNTの熱分解やCuの酸化を抑制できる。水蒸気非含有雰囲気としては、例えば、窒素雰囲気、Ar雰囲気、真空等を挙げることができる。
加熱時の圧力は、通常、大気圧程度であり、例えば、0.8気圧〜1.2気圧程度でもよい。
加熱によって内包Cuが溶出して連続層を形成したか否かは、CNT膜の電気特性(電流電圧特性)の測定により簡易的に確認できる。加熱の前後で、CNT膜の抵抗率(Ωcm)は、通常、10-2倍以下となり、より好ましくは10-4倍以下となる。
4.CNT膜
本発明のCNT膜は、例えば、上記の製法によって製造可能であり、Cuの連続層とCNTとを有する点に特徴がある。Cu連続層を形成することによって、導電性を確保することができる。
本発明のCNT膜において、Cuの割合は、CNT膜100質量%中、例えば、40質量%以上、好ましくは45質量%以上、より好ましくは50質量%以上である。また、Cuの割合は、CNT膜100質量%中、例えば、90質量%以下、好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。
またCNT膜に含まれるCNTは、前記組成物中のCNTと同等の特性を有するのが好ましい。このような特性としては、例えば、比率(HMG/HMD)、カーボンナノウォールの層数、厚み、欠陥量、CNTの直径、大きさが挙げられる。
また、本発明のCNT膜は、厚みが50nm以上であることが好ましく、55nm以上であることがより好ましく、60nm以上であることがさらに好ましい。CNT膜の厚みが大きくなるほど、Cu連続層の連続性が向上し、CNT膜の電気伝導性がより一層高められる。また、CNT膜の厚みは、1000nm以下であることが好ましく、より好ましくは900nm以下であり、さらに好ましくは800nm以下である。CNT膜の厚みがこの範囲にあると、Cu連続層の存在量を膜全体で一定にすることが容易となり、CNT膜の電気伝導性を一層向上することができる。
また、CNT膜を薄くすると、透明性(可視光の透過性)を向上することができる。このような観点からは、CNT膜の厚みは、200nm以下であることが好ましく、より好ましくは150nm以下であり、さらに好ましくは100nm以下である。
本発明のCNT膜の電気抵抗率は、30Ωcm以下であることが好ましい。より好ましくは20Ωcm以下であり、さらに好ましくは10Ωcm以下、特に好ましくは1Ωcm以下である。電気抵抗率の下限は特に限定されないが、例えば0.01Ωcmである。電気抵抗率は、例えば、四端子法により測定できる。
なお、CNT膜は、CNTに内包する金属がCuであるCu内包CNTのみならず、金属Ag、Ti、Au、Ge、Sn等の他の金属を使用した金属内包CNTを使用して得られたものとしてもよい。この場合、上記Cu内包CNT、CNT膜の製造方法において、Cuの代わりに前記他の金属を使用することによって、当該他の金属の連続層とカーボンナノチューブとを有するカーボンナノチューブ膜を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
実施例、比較例における各種測定は、以下の方法で行った。
(膜厚測定)
以下の実施例において、本発明のCNT膜の平均厚さは触針式段差計(製品名「DEKTAK」、株式会社アルバック社製)を用いて測定した。
(FE−SEM,TEM測定)
得られたCNT膜について、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)(日立ハイテクノロジーズ社製、「FE−SEM S−4800」)を用いて加速電圧0.8KV(リターディング)〜5KV、エミッション電流10μAの条件で塗膜表面のキャラクタリゼーションを行った。また、Cu内包CNTについて、TEM(日立製作所社製、「H−700」)を用い、加速電圧100kVで透過像の観察を行った。
(ラマン分光測定)
得られたCNT膜について、顕微レーザーラマン分光装置(日本分光社製、「NRS−3100」)を用い、ラマン分光測定を行った。
(電気特性測定)
得られたCNT膜について、四端子法を用い、電流電圧測定、及び、体積抵抗率の測定を行った。
(Cu内包CNTの製造)
陽極として、直径5mmの炭素棒(ニラコ社製、純度99.99%)の中心部に直径3mm、深さ3cmの穴を開け、内部に粉末Cu(粒径100μm、ニラコ社製、純度99.8%)を充填したものを使用した。また、陰極としては、直径20mmの炭素棒(ニラコ社製、純度99.99%)を使用した。そして、陽極を下側、陰極を上側として、両電極が鉛直線上に位置するように配置した。次に、チャンバー内部の圧力が5Paとなるように排気した後、純粋な水素を大気圧(0.1MPa)となるように満たし、そののち、純粋な水素を500mL/分の流量で流した。次いで、陽極と陰極に90Aの電流を流し、電極間の距離が1〜2mmとなるように配置して、アーク放電を行った。アーク放電を1分間維持して、本発明のCu内包CNTを得た。得られたCu内包CNTのTEM像から、Cuの(111)面の結晶格子間隔に対応する格子縞と、その周囲に幅0.3nm程度の暗色の線が10層以下に積層している構造が観察され、Cu内包CNTが生成していることを確認した。得られたCu内包CNTの充填率は90%以上と判断した。
(実施例1−1、1−2、比較例1−1、1−2:CNT組成物の製造)
溶媒としてエタノール、分散剤としてポリビニルピロリドン(商品名「PVP K−30」、日本触媒社製)を撹拌混合し、この混合液に、上記Cu内包CNT、多層カーボンナノチューブ(以下MWCNT、東京化成工業社製、直径10nm、長さ1〜2μm)、または、単層カーボンナノチューブ(以下SWCNT、東京化成工業社製、直径2nm、長さ10μm)を加えて、さらに攪拌した。さらに、超音波ホモジナイザー(42kHz、130W、)で2時間超音波照射し、本発明のCNT組成物1〜4を調製した。エタノール、ポリビニルピロリドン、Cu内包CNTの使用量は、表1に示す通りの部数とした。
得られたCNT組成物は、沈澱等が確認されず、分散性は良好であった。
得られた組成物1、3、4を用いてラマン分光測定を行った。ラマンスペクトルとそれから算出したHM、HMおよびHM/HMを表2に示す。
(実施例2−1〜実施例2−4、比較例2−1:CNT膜の製造)
ガラス基板上に所定のパターンでAl蒸着した四端子法測定用基板を用意し、表3に示す条件で、スピンコート法によりCNT組成物1、2、3を塗布し、膜厚を測定した。得られた塗布物の膜厚は、表3に示す通りであった。さらに得られた塗布物を60℃で1時間乾燥した。得られた塗布物(実施例2−2)について、SEM−EDX観察を行ったところ、Al蒸着箇所と、非蒸着箇所とで、C、Cuの存在密度は同等であり、得られたCNT膜の均質性が確認された。
次いで、得られた塗布物をAr雰囲気下、ホットプレートを用いて400℃まで加熱し、室温まで冷却して、本発明のCNT膜を得た。加熱前、100℃、200℃、300℃、400℃、冷却後の各段階で、電流電圧特性を測定した。抵抗率測定の結果を表3に示す。
また、CNT組成物1から得られた膜およびMWCNTから得られた膜のSEM−EDX像、TEM像を図7〜10に示す。
上記より、以下のように考察できる。本発明のCNT組成物の塗布により均質性に優れたCNT膜を得ることができた。また、このCNT膜の加熱により、Cu内包CNTから、Cuが溶出し、電気伝導性に優れたCNT膜が得られることが確認された。さらに、CNT膜は、厚みが50nm以上になるとCNT連続層の連続性が向上し、その結果、電気伝導性が格段に向上することが確認された。

Claims (8)

  1. Cuを内包したカーボンナノチューブと、溶媒とを含む塗布用カーボンナノチューブ組成物。
  2. さらに分散剤を含有する請求項1に記載の組成物。
  3. 前記Cu内包カーボンナノチューブのラマンスペクトルにおけるGバンドの半値幅(HMG)と、Dバンドの半値幅(HMD)の比率(HMG/HMD)が1以下である請求項1に記載の組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のカーボンナノチューブ組成物を基材に塗布し、加熱して内包Cuを溶出させることによって得られるカーボンナノチューブ膜。
  5. 基材に塗布したカーボンナノチューブ組成物を、水蒸気非含有雰囲気下、温度200℃以上に加熱することによって得られる請求項4に記載のカーボンナノチューブ膜。
  6. Cuの連続層とカーボンナノチューブとを有するカーボンナノチューブ膜。
  7. 電気抵抗率が1Ωcm以下である請求項4〜6のいずれかに記載のカーボンナノチューブ膜。
  8. 厚みが50nm以上、1000nm以下である請求項4〜7のいずれかに記載のカーボンナノチューブ膜。
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