以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについて重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態における遊技機1の外観構成を示す正面図である。図2は、遊技機1の下部を拡大して示す斜視図である。図3は、遊技機1の遊技機本体1aを開放した状態で背面側を示す図である。この遊技機1は、遊技者の指示操作によって発射装置が打ち出す遊技球が各種入賞口に入賞すると賞球を払い出すように構成された弾球式の遊技機であって、遊技の進行状況に応じて各種の演出を行う遊技機である。遊技機1は、図3に示すように、ホール(店舗)の島設備などに固定される本体枠1bを有し、その本体枠1bの左端部1cを中心に回動可能に軸支され、本体枠1bの内側に嵌め込んだ状態に固定することが可能な遊技機本体1aを有している。また遊技機1は、図1に示すように、遊技機本体1aの正面側に遊技球を転動させる遊技盤10が取り付けられており、その遊技盤10の正面側に透明ガラス板2が嵌め込まれた前枠扉3を有している。この前枠扉3は遊技機本体1aに左端部を中心に回動可能に軸支され、遊技機本体1aの正面側を開放可能である。前枠扉3の右側下方には鍵孔3aが配置されており、この鍵孔3aにホールで管理される鍵を差し込み、例えば右方向に回動させると、前枠扉3が解錠され、遊技機本体1aの正面側を開放することができる。また鍵を左方向に回動させると、遊技機本体1aが解錠され、遊技機本体1aが図3(a)に示すように本体枠1bの左端部1cを中心に回動可能となる。
透明ガラス板2は、前枠扉3が遊技機本体1aの前面側を閉鎖した状態で、遊技機本体1aの正面側に取り付けられる遊技盤10を視認可能にするためのものである。また前枠扉3の下部中央には、正面側から張り出した棚状の球貯留部4が設けられる。
この球貯留部4の上面には、図2に示すように遊技者が操作可能な第1操作ボタン6および第2操作ボタン7が設けられると共に、遊技盤10に打ち出すための遊技球を貯留しておくための貯留皿4aが設けられる。第1操作ボタン6は、例えば遊技者が押し込み操作することが可能なボタンである。第2操作ボタン7は、上下左右中央に5箇所に配置された複数のボタン7a,7b,7c,7d,7eを備えており、それら複数のボタン7a〜7eによって十字キーが構成されている。これら第1操作ボタン6および第2操作ボタン7は、いわゆる客待ち待機状態においては遊技機1における遊技履歴を表示させたり、或いは、遊技の進行中においては遊技機1で行われる演出を所定のタイミングで別の演出に切り替えるために遊技者が操作するボタンである。また第2操作ボタン7は、上記の他、遊技者が演出音の音量調整を行う際に操作するボタンでもある。また貯留皿4aは、前枠扉3の右側背面部に設けられる発射装置に向けて遊技球を1球ずつ案内するように構成され、底面が遊技機1の右側に向かって下降傾斜している。遊技機1によって払い出される賞球は、この貯留皿4aの上流側に供給される。
また前枠扉3は、球貯留部4の右下部に、遊技者が遊技球を発射させるために時計回り方向に回転操作可能なハンドルレバー5を備えている。さらに前枠扉3は、図1に示すように、透明ガラス板2の上方に設けられた上部枠ランプ9a、下方に設けられた下部枠ランプ9b、左方に設けられた左枠ランプ9cおよび右方に設けられた右枠ランプ9dから成る複数の枠ランプ9を備えている。これら複数の枠ランプ9のそれぞれは、遊技の進行に伴って各種パターンで点灯する。そして前枠扉3は、上部枠ランプ9aの左右両側に、遊技の進行に伴って各種演出用の音響出力を行うスピーカー8を備えている。このスピーカー8は、遊技機1の正面側に着座する遊技者に向けて、歌唱付き音楽やBGMなどの各種音楽や効果音、音声などを遊技の進行状況に応じて予め定められた音量レベルで出力する。
一方、遊技機本体1aの背面側には、遊技機1の基本動作に関する各種の操作部材が設けられる。例えば、図3(a)に示すように、電源スイッチ27、設定スイッチ28およびRAMクリアボタン29が遊技機本体1aの背面側に配設されている。これら電源スイッチ27、設定スイッチ28およびRAMクリアボタン29は、いずれも遊技機本体1aを解錠して図3(a)に示すように本体枠1bから開放することによって操作が可能になる操作部材であるため、遊技者が操作できないように配置されており、ホールの店員によってのみ操作される操作部材である。
電源スイッチ27は、遊技機1に接続される電源ラインを開閉するスイッチである。店員はこの電源スイッチ27を操作することにより、遊技機1に対する電源の投入又は遮断を切り替えることができる。尚、電源スイッチ27を常にオン状態にしておけば、島設備側で電源の投入又は遮断を切り替えることにより、島設備全体で一括して電源の投入又は遮断を行うこともできる。
設定スイッチ28は、遊技機1に関する設定、より具体的には、遊技機1で行う各種演出に関する基本的な設定を行うためのスイッチである。この設定スイッチ28は、遊技機1において演出が行われるときの枠ランプ9の輝度や発光パターン、後述する画像表示器12の輝度、並びに、スピーカー8から出力される演出音の基本的な音量レベルなどを予め設定しておくためのスイッチである。例えば図3(b)に示すように、設定スイッチ28は、店員が操作可能な設定調整部28aを4つの設定位置P1,P2,P3,P4のいずれかにスライド移動させて演出に関する基本的な設定を行うように構成される。例えば、設定調整部28aが設定位置P1に設定されると、枠ランプ9や画像表示器12の輝度が通常の輝度レベルに設定されると共に、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルの初期値が最大値に設定される。また設定調整部28aが設定位置P2に設定されると、枠ランプ9や画像表示器12の輝度が通常の輝度レベルに設定され、賞球の払い出し球数が所定球数を超えることにより枠ランプ9を所定の発光パターンで発光させるアピールランプ機能がオンとなり、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルの初期値が小レベルに対応する所定値に設定される。尚、設定調整部28aが設定位置P2に設定された場合には、遊技者による音量調整操作を受け付けないようになる。また設定調整部28aが設定位置P3に設定されると、枠ランプ9や画像表示器12の輝度を通常の輝度レベルよりも低下させるエコモードがオンとなり、且つ、上述のアピールランプ機能もオンとなる。また設定調整部28aが設定位置P3に設定された場合は、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルの初期値が中レベルに対応する所定値に設定される。さらに設定調整部28aが設定位置P4に設定されると、枠ランプ9や画像表示器12の輝度が通常の輝度レベルに設定されると共に、上述のアピールランプ機能がオンとなり、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルの初期値が最大値に設定される。
RAMクリアボタン29は、遊技機1の遊技状態をリセットするボタンである。つまり、遊技機1は、現在の遊技状態をバッテリバックアップされたRAMに記憶しており、電源が投入されたときにはそのRAMに記憶されている遊技状態を再現して起動する。ただし、店舗の開店時などにおいて、遊技状態を初期化する必要があるときには、店員がRAMクリアボタン29を操作することにより、遊技状態を初期状態にリセットすることができる。このRAMクリアボタン29はボタンカバー29aにより保護されており、店員が意図的に遊技状態をリセットするときにはボタンカバー29aを回転させてずらすことにより、RAMクリアボタン29を操作することができる。これにより、店員が不注意で遊技状態をリセットしてしまうことを未然に防止することができる。
次に遊技盤10の構成例について説明する。図1に示すように、遊技盤10は、前枠扉3が閉じられた状態のとき、その盤面と、前枠扉3に嵌め込まれた透明ガラス板2との間に遊技球が転動可能な遊技領域を形成する。遊技者によってハンドルレバー5が操作されると、その操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技領域の左上部に打ち出され、その後、遊技球が遊技領域を転動しながら流下する。そして遊技球が遊技盤10に設けられた各種入賞口に入賞すると、遊技機1は、球貯留部4の貯留皿4aに賞球を払い出す。
遊技盤10の中央には、遊技の進行に伴って各種演出を行うためのセンター役物11が設けられる。また遊技盤10は、センター役物11の周囲に、多数の釘や風車などの他、第1始動口13、第2始動口14、第1大入賞口15、第2大入賞口16、スルーゲート21およびアウト口23といった公知の部材を備えている。またこの他にも、遊技盤10には、図示を省略する普通入賞口なども設けられる。さらに、遊技盤10は、遊技球が転動する遊技領域の外側における盤面左下部に、特別図柄の変動表示を行って特別遊技判定(大当たり判定)の判定結果に応じた特別図柄を表示したり、第1始動口13および第2始動口14に遊技球が入賞したことによる保留数を表示したり、或いは、スルーゲート21を遊技球が通過したことによる普通図柄の抽選結果を表示したりするための図柄表示器22を備えている。
図1に示す遊技盤10では、スルーゲート21がセンター役物11の右側に設けられている。このスルーゲート21は、遊技機1において普通図柄抽選が行われる条件となるゲートであり、遊技球がこのゲートを通過すると遊技機1において普通図柄抽選が行われる。
第1始動口13はセンター役物11の下方位置に設けられており、第2始動口14はその第1始動口13の右側に設けられている。ここで第1始動口13に入賞する可能性が比較的高い遊技球は、遊技盤10に打ち出される遊技球が矢印F1で示すようにセンター役物11の左側を転動していく遊技球である。つまり、矢印F2が示すようにセンター役物11の右側を転動していく遊技球は第1始動口13に入賞する可能性が極めて低くなるように第1始動口13が設けられている。また第2始動口14に入賞する可能性が比較的高い遊技球は、遊技盤10に打ち出される遊技球が矢印F2で示すようにセンター役物11の右側を転動していく遊技球である。つまり、矢印F1で示すようにセンター役物11の左側を転動していく遊技球は第2始動口14に入賞する可能性が極めて低くなるように第2始動口14が設けられている。ただし、これに限らず、第2始動口14は、例えば第1始動口13の下方に設けられ、遊技盤10に打ち出された遊技球がセンター役物11の左右両側のいずれを転動する場合であってもほぼ同等の割合で入賞するように設けられていても良い。
第1始動口13および第2始動口14のそれぞれは、所定球数の賞球を払い出すための入賞口であると共に、遊技機1において遊技者に有利な特別遊技である大当たり遊技を行うか否かの特別遊技判定(大当たり判定)が行われる条件となる入賞口である。これら始動口13,14に入賞した遊技球が始動検知領域を通過して始動条件が成立すると、遊技機1において特別遊技判定が行われ、図柄表示器22において特別図柄の変動表示が開始されると共に、センター役物11などにおいてもその特別遊技判定の結果に応じた図柄変動演出が開始される。そして所定時間経過後に特別図柄の変動表示及び図柄変動演出が終了し、特別遊技判定の結果が表示される。その特別遊技判定の結果が大当たりを示すものであれば、遊技機1はその後、大当たり遊技として、遊技者にとって有利な特別遊技を開始する。
尚、図柄表示器22は、遊技盤10の隅の遊技者にとって視認し難い位置に設けられており、特別図柄の変動表示の表示態様なども遊技者にとっては識別し難い表示態様で表示される。それ故、遊技者は、特別遊技判定の結果などを、主にセンター役物11などで行われる演出によって認識する。
また第2始動口14は、その左右両側の近傍位置に羽根状に開閉する電動チューリップ14aを備えている。電動チューリップ14aが閉鎖状態のとき、第2始動口14の近傍に転動してくる遊技球は、電動チューリップ14aにより第2始動口14への入賞しないようにブロックされる。これに対し、電動チューリップ14aが開放状態のとき、第2始動口14の近傍に転動してくる遊技球は、電動チューリップ14aにより第2始動口14へ入賞するよう補助される。すなわち、電動チューリップ14aは、遊技盤10に打ち出された遊技球が第2始動口14に入賞することを補助する補助状態(開放状態)と、遊技球が第2始動口14に入賞することを補助しない非補助状態(閉鎖状態)とに駆動される補助部材として設けられる。電動チューリップ14aは通常、閉鎖状態となっており第2始動口14への遊技球の入賞を補助しない。これに対し、遊技盤10に打ち出された遊技球がスルーゲート21を通過することによって行われる普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ14aは、そのときの遊技状態に応じて所定時間および所定回数開放状態となり、第2始動口14への遊技球の入賞を補助する補助状態となる。
第1大入賞口15は、遊技盤10において第2始動口14のさらに右側に設けられている。この第1大入賞口15は、遊技球が入賞可能な開放状態と、遊技球が入賞不可能な閉鎖状態とに駆動される第1可変入賞装置であり、通常は閉鎖状態となっている。そして、第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入賞することによって行われる特別遊技判定で大当たりに当選すると、その後に開始される特別遊技の予め定められたラウンドにおいて、第1大入賞口15が開放状態に駆動され、遊技球が第1大入賞口15に入賞可能な状態となる。第1大入賞口15が開放されると、所定時間が経過するまでの間、又は所定数の入賞がカウントされるまでの間、その開放状態が継続する。したがって、第1大入賞口15が開放状態になると、所定時間が経過するまでの間に、遊技球を所定数まで入賞させることが可能であり、それによって遊技者は賞球を獲得することができる。そして、開放状態に駆動された第1大入賞口15は、所定時間が経過した時点、又は所定数の入賞がカウントされた時点で閉鎖状態に戻る。
第2大入賞口16は、センター役物11の右側に設けられている。この第2大入賞口16は、遊技球が入賞可能な開放状態と、遊技球が入賞不可能な閉鎖状態とに駆動される第2可変入賞装置であり、通常は閉鎖状態となっている。そして、第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入賞することにより行われる特別遊技判定で大当たりに当選すると、その後に開始される特別遊技の予め定められたラウンドにおいて、第2大入賞口16が開放状態に駆動され、遊技球が第2大入賞口16に入賞可能な状態となる。第2大入賞口16が開放されると、所定時間が経過するまでの間、又は所定数の入賞がカウントされるまでの間、その開放状態が継続する。したがって、第2大入賞口16が開放状態になると、所定時間が経過するまでの間に、遊技球を所定数まで入賞させることが可能であり、それによって遊技者は賞球を獲得することができる。そして、開放状態に駆動された第2大入賞口16は、所定時間が経過した時点、又は所定数の入賞がカウントされた時点で閉鎖状態に戻る。
特別遊技では、上記のような第1大入賞口15または第2大入賞口16を択一的に開放状態へ駆動するラウンド遊技が所定回数実行される。そのため、第1大入賞口15および第2大入賞口16が同時に開放状態となることはない。また、第1大入賞口15または第2大入賞口16を開放するラウンド遊技が複数回行われる特別遊技は、遊技者に対して通常よりも多くの賞球を獲得できる機会を付与する遊技であるため、遊技者にとって特別有利な遊技状態(特別遊技状態)となる。尚、第1大入賞口15または第2大入賞口16の開放状態を継続させる開放時間は、特別遊技の種類に応じてラウンド毎に設定されるものであり、ラウンド毎に異なる開放時間を設定することも可能である。例えば、特別遊技として行われる複数ラウンドのうちの特定のラウンドにおいて、第1大入賞口15または第2大入賞口16の開放時間を、遊技球が入球し難い程の短い時間に設定することもできる。
またセンター役物11は、その中央に、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成される画像表示器12を備えている。この画像表示器12は、例えば数字やアルファベット、文字などの図柄が付された3つの装飾図柄12a、12b、12cを表示可能である。遊技機1において特別遊技判定が行われて特別図柄の変動表示が開始されることに伴い、画像表示器12は、それら3つの装飾図柄12a、12b、12cを上下方向又は左右方向に変動させる図柄変動演出を開始し、所定時間経過後にその図柄変動演出を停止させることにより、特別遊技判定の結果を遊技者に報知する演出を行う。例えば、画像表示器12で行われる図柄変動演出が、3つの装飾図柄12a,12b,12cの全てを同じ図柄に揃えた状態で停止すると、その停止図柄が揃った状態により大当たりであることが報知される。また3つの装飾図柄12a,12b,12cの少なくとも1つが他の図柄と揃わない状態で停止すれば、その停止図柄の不揃いにより、ハズレであることが報知される。
画像表示器12は、図柄変動演出を開始してから停止させるまでの間に、様々な遊技演出を行うこともある。例えば、通常の図柄変動演出から通常のリーチ演出を行ったり、また通常のリーチ演出から遊技者に第1操作ボタン6又は第2操作ボタン7の操作を促す操作演出を行ったりすることもある。更に、画像表示器12は、操作演出を行っているときに遊技者が第1操作ボタン6又は第2操作ボタン7に対するボタン操作を行って成功すると、通常のリーチ演出を発展的に次の段階に移行させて、特定のキャラクタなどを出現させて目的となるアクションが達成できるか否かなどを演出として表示する各種発展演出を行ったりすることもある。
アウト口23は、遊技盤10の中央最下部に設けられており、上述した各種入賞口のいずれにも入賞しなかった遊技球を、アウト球として遊技盤10の背面側へ排出する。
センター役物11の右側部には、第2大入賞口16が開放状態のとき、その第2大入賞口16に入球した遊技球が転動する転動領域17が形成されている。図4は、その転動領域17を拡大して示す図である。この転動領域17の下部には、例えば図4(a)に示すように、第2大入賞口16に入球した遊技球の入賞を検知して遊技盤10の背面側へ排出するための排出口20が設けられる。第2大入賞口16が図4(a)に示すように閉鎖状態であるとき、遊技盤10に打ち出された遊技球B1は、転動領域17に進入することはない。これに対し、図4(b)、(c)に示すように第2大入賞口16が開放状態であるとき、遊技盤10に打ち出され、第2大入賞口16に入球する遊技球B2、B3は転動領域17に進入する。この転動領域17の一部の領域には、スルーゲート21と同様に遊技球が通過可能であり、且つ、その遊技球の通過を検知可能なように構成されたVゲート18が設けられている。すなわち、転動領域17は、第2大入賞口16に入球した遊技球B2、B3を排出口20へ案内する経路として、Vゲート18を通過する経路である第1通過領域17aと、Vゲート18を通過しない経路である第2通過領域17bとの2つの通過領域を有している。
例えば、図4(b)に示すように、Vゲート18が第2大入賞口16に入球した遊技球B2通過を検知すると、その特別遊技が終了した後の特別遊技判定において大当たりに当選する確率が通常確率よりも高い高確率状態となる。つまり、Vゲート18は、その後の大当たりに当選する確率を、通常の低確率状態(通常確率状態)よりも高くなる高確率状態へと移行させるための契機となるゲート(通過領域)である。また、Vゲート18の上部には、第2大入賞口16の開放動作と連動して駆動され、遊技盤10の盤面に対して前後方向に進退することによりVゲート18への進入経路を開閉するシャッター19が設けられる。このシャッター19は、例えば第2大入賞口16が開放状態に駆動されると、その開放タイミングから1〜2秒程度の所定時間遅延したタイミングで、Vゲート18への進入経路を開放する。したがって、図4(c)に示すように、シャッター19がVゲート18を封鎖しているときに第2大入賞口16に遊技球B3が入球すると、その遊技球B3は第1通過領域17aへ進入しないので、Vゲート18を通過することなく、第2通過領域17bを経由して排出口20へと導かれる。これに対し、図4(b)に示すように、シャッター19がVゲート18の上方を開放しているときに第2大入賞口16に遊技球B2が入球すると、その遊技球B2は、第1通過領域17aへと進入し、Vゲート18を通過して排出口20へと導かれる。このようにシャッター19は、第2大入賞口16へ入球した遊技球を振り分ける振分手段として機能する。
上記のように、本実施形態の遊技機1は、大当たりに当選して行われる特別遊技中に第2大入賞口16に遊技球が入球し、その入球した遊技球が転動領域17に設けられた第1通過領域17aを通過すると、その後の大当たりに当選する確率状態を低確率状態から高確率状態へと変化させる構成である。そして、転動領域17に設けられたVゲート18は遊技盤10の正面側から視認可能である。そのため、遊技機1において大当たりが発生すると、遊技者は、その大当たりの特別遊技中に遊技球がVゲート18を通過したか否かを目視で確認することにより、その後の確率状態が低確率と高確率とのいずれであるかを把握することが可能である。
次に、図5は遊技盤10の背面側に取り付けられる遊技機1の制御機構を示すブロック図である。遊技盤10の背面側には、遊技機1における電源を制御する電源基板30と、遊技機1の主たる動作を制御するメイン制御基板31と、メイン制御基板31から出力される信号やコマンドに基づいて各部を制御するサブ制御基板35とが設けられている。サブ制御基板35は、さらに払出制御基板51、演出制御基板52、画像制御基板53、ランプ制御基板54、発射制御基板55等で構成される。
電源基板30は、島設備などに設けられる商用電源に接続されており、メイン制御基板31やサブ制御基板35の他、遊技機1の各部に対して電力を供給する。この電源基板30には、上述の電源スイッチ27が接続され、電源スイッチ27がオンであれば商用電源から供給される電力をメイン制御基板31などの各部に供給する。また電源スイッチ27がオフになると、電源基板30は各部への電力供給を停止する。ただし、電源スイッチ27がオン状態のまま、商用電源がオンオフされるときには、商用電源のオンオフに応じて電力を供給又は停止する。
メイン制御基板31は、CPU31aとROM31bとRAM31cとを有する。このメイン制御基板31には、遊技球が第1始動口13に入賞したことを検知する第1始動口スイッチ36、遊技球が第2始動口14に入賞したことを検知する第2始動口スイッチ37、遊技球が普通入賞口に入賞したことを検知する普通入賞口スイッチ38、スルーゲート21を遊技球が通過したことを検知するスルーゲートスイッチ39、第1大入賞口15に遊技球が入賞したことを検知する第1大入賞口スイッチ40、第1大入賞口15を開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド41、第2大入賞口16に遊技球が入賞したことを検知する第2大入賞口スイッチ42、第2大入賞口16を開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド43、Vゲート18を遊技球が通過したことを検知するVゲートスイッチ44、第2大入賞口16の転動領域17に設けられたシャッター19を進退駆動するシャッターソレノイド45、および、上述したRAMクリアボタン29のそれぞれが接続されている。
メイン制御基板31は、電源基板30による電力供給が開始されると、CPU31aがRAM31cに記憶された遊技状態を再現するための処理を実行する。このとき、店員によってRAMクリアボタン29が操作されると、メイン制御基板31は、RAM31cに記憶されている遊技状態をクリアして初期化する。またメイン制御基板31は、電源投入後の遊技状態を設定するとき、サブ制御基板35のそれぞれに対して初期設定コマンドを送信し、電源投入後の初期動作を行わせる。そして、それらの処理が全て終了すると、メイン制御基板31は、各種入賞口に遊技球が入賞したか否かを監視する状態となる。これにより、遊技機1は、遊技者が遊技を行うことができる状態となる。
その後、メイン制御基板31は、第1始動口スイッチ36、第2始動口スイッチ37、普通入賞口スイッチ38、第1大入賞口スイッチ40、第2大入賞口スイッチ42のそれぞれが遊技球の入賞を検知した場合、払出制御基板51に対して賞球コマンドを送出する。払出制御基板51は、CPU51aとROM51bとRAM51cとを備え、遊技盤10の背面側に設けられた払出モーター51dを制御するように構成されており、メイン制御基板31から賞球コマンドを入力すると、入賞した入賞口に応じて所定球数の払い出しを行う。
また、メイン制御基板31は、特別遊技を行うか否かを判定するための特別遊技判定や、電動チューリップ14aを開閉するか否かを決定するための普通図柄抽選を行うように構成されている。メイン制御基板31は、遊技球が第1始動口13や第2始動口14に入賞したことを検知した場合には、その入賞した始動口に応じた特別遊技判定を行い、図柄表示器22においてその判定結果に基づく所定時間の特別図柄の変動表示を開始する。そして、メイン制御基板31は、図柄表示器22において特別図柄の変動表示を開始することに伴い、その特別遊技判定の結果に応じた所定時間の図柄変動演出を行わせるべく、演出制御基板52に対して信号やコマンドなどを送出する。また遊技球が第1始動口13や第2始動口14に入賞したことを検知した時点で先の特別図柄の変動表示が終了していない場合、メイン制御基板31は、その入賞に伴う特別図柄の変動表示を保留する。そして、先の特別図柄の変動表示が終了して次の変動表示を開始することが可能なタイミングになると、メイン制御基板31は、保留を消化して特別遊技判定を行い、その特別遊技判定の結果に基づいて特別図柄の変動表示を開始する。
また、メイン制御基板31は、特別遊技判定において大当たりに当選していることが判明した場合、特別図柄の変動表示を所定時間行った後に、その大当たりの種別に応じた特別遊技を開始し、その特別遊技中の各ラウンドにおいて第1大入賞口ソレノイド41または第2大入賞口ソレノイド43を択一的に開放状態へ駆動することにより、第1大入賞口15または第2大入賞口16を開放させる。また、メイン制御基板31は、特別遊技を開始することに伴い、演出制御基板52に対してその特別遊技に対応した大当たり遊技演出を行わせるべく、信号やコマンドを送出する。
このようにメイン制御基板31は、各種入賞口に遊技球が入賞することに伴い、遊技機1における遊技の進行を統括的に制御する。
演出制御基板52は、CPU52aとROM2bとRAM52cとリアルタイムクロック(RTC)52dとを備えており、メイン制御基板31から受信する信号やコマンドなどに基づいて遊技機1で行う具体的な演出内容を決定し、その決定した演出の実行を制御する。つまり、演出制御基板52は、画像制御基板53およびランプ制御基板54のそれぞれを制御することにより、決定した具体的な演出内容に基づく演出を実行させる。このように演出制御基板52は、メイン制御基板31からの指示に基づき、遊技機1の全体で行う具体的な演出を決定すると共に、その演出の実行を統括的に制御する。
例えば、メイン制御基板31により特別遊技判定が行われて特別図柄の変動表示が所定時間行われる場合、演出制御基板52は、その所定時間の間、画像表示器12において3つの装飾図柄12a、12b、12cを変動させる図柄変動演出を制御する。この図柄変動演出では、3つの装飾図柄12a,12b,12cが単に上下方向などに変動するだけの通常の図柄変動演出や、そのような通常の図柄変動演出からキャラクタなどが出現する様々な予告演出に発展的に移行させる演出など、特別遊技判定の結果に応じて様々な演出が行われる。また、演出制御基板52には、第1操作ボタン6および第2操作ボタン7が接続されている。そのため、演出制御基板52は、遊技者がボタン操作を行うことが可能な所定のタイミングで、第1操作ボタン6または第2操作ボタン7が操作されたことを検知した場合、そのボタン操作に応じた演出を行うことも可能である。
また、メイン制御基板31によって特別遊技が行われる場合、演出制御基板52は、特別遊技判定において当選した大当たりの種類に応じた特別遊技演出(大当たり遊技演出)の実行を制御する。
また演出制御基板52には、遊技機本体1aの背面側に設けられる設定スイッチ28が接続される。遊技機1に電源が投入され、メイン制御基板31から初期設定コマンドを受信すると、演出制御基板52は、設定スイッチ28の設定状態に基づき、演出に関する基本的な設定を行う。すなわち、演出制御基板52は、設定スイッチ28の設定調整部28aの位置に基づき、枠ランプ9の輝度や発光パターン、画像表示器12の輝度、並びに、スピーカー8から出力する演出音の音量レベルの初期値を設定する。その後、演出制御基板52は、遊技が開始されることに伴ってメイン制御基板31から受信する信号やコマンドに基づいて上述した各種演出の実行を制御する。このとき、演出制御基板52は、設定スイッチ28の設定状態に基づき、各種演出の実行を制御する。ただし、本実施形態の遊技機1は、遊技者が第2操作ボタン7を操作することによって演出音の音量レベルの初期値を変更することが可能である。そのため、演出制御基板52は、遊技者による操作に基づいてスピーカー8から出力する演出音の音量レベルを初期値から変更し、その後、その変更後の音量レベルで演出音が出力されるように制御する。
画像制御基板53は、CPU53aとROM53bとRAM53cとVRAM53dとを備えており、画像表示器12に表示する画像を制御するものである。この画像制御基板53は、演出制御基板52からの指示に基づいて3つの装飾図柄12a、12b、12cを変動させる図柄変動演出を開始すると共に、その図柄変動演出をリーチ演出に移行させたり、様々な発展演出へと移行させたりする。また、画像制御基板53は、演出制御基板52からの指示に基づいて特別遊技中に現在のラウンドのラウンド表示を行ったり、動画像などの特別遊技演出画像を表示したりする。この画像制御基板34においてVRAM53dは、画像表示器12に表示するための画像を書き込むメモリである。CPU53aはこのVRAM53dに対して背景画像表示処理、装飾図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理などの各種処理を実行することにより、画像表示器12に対して、背景画像、装飾図柄画像、キャラクタ画像などを重畳的に表示して最前面の画像を遊技者に視認させることができる。また、画像制御基板53は、演出用の歌唱付き音楽やBGMなどの各種音楽や効果音、音声などを演出音としてスピーカー8から出力するように構成されている。このとき、画像制御基板53は、演出制御基板52から指定される音量レベルで演出音を出力する。
ランプ制御基板54は、CPU54aとROM54bとRAM54cとを備えており、演出制御基板52からの指示に基づいて枠ランプ9および盤面ランプ56を点灯させる制御を行う。尚、盤面ランプ56は、図1において図示を省略しているが、例えばセンター役物11やその他遊技盤10の各所に設けられるランプであり、透明ガラス板2を介して遊技機1の正面側から視認可能なランプである。
尚、画像表示器12、スピーカー8、枠ランプ9および盤面ランプ56は、遊技機1における遊技の進行に伴って遊技者が簡単に知覚可能な各種演出を行うために設けられた演出手段である。
発射制御基板55は、遊技者が遊技球を発射させる際に操作するハンドルレバー5に接続されている。ハンドルレバー5は、遊技者による操作が行われているか否かを検知すると共に、時計回り方向への回転角度を検知し、それらの検知結果を発射制御基板55に出力する。発射制御基板55は、それらの検知結果に基づき、遊技者によって実際にハンドルレバー5が操作されている状態のときにその操作角度に応じて発射装置に設けられる発射ソレノイド57を間欠的に駆動する。したがって、遊技者がハンドルレバー5を時計回り方向に回転させた状態で保持していれば、その操作角度に応じた打球力で遊技球が所定の時間間隔で連続的に遊技盤10に打ち出されるようになる。またハンドルレバー5は、上記検知結果を演出制御基板52へも出力するように構成される。
上記のように構成される遊技機1の制御機構について更に詳しく説明する。図6は、メイン制御基板31における主たる機能構成を模式的に示したブロック図である。
メイン制御基板31のRAM31cには、遊技データ格納部65と、保留記憶部66とが設けられる。遊技データ格納部65は、大当たり乱数や図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数などの各種乱数を遊技データとして格納するものである。遊技データ格納部65に格納される各種乱数は、それぞれ予め定められた範囲内の値を採り得る乱数であり、その値が図示を省略する乱数更新部によって上記範囲内で逐次更新される。そのため、遊技データ格納部65から遊技データが読み出されるタイミングによって、各種乱数の値が異なる。なお、遊技データ格納部65には、普通図柄抽選に用いられる普通図柄乱数なども遊技データとして格納される。一方、保留記憶部66は、遊技データ取得部61によって遊技データ格納部65から読み出された遊技データを所定の上限数まで一時的に記憶して保留しておくための記憶領域である。
メイン制御基板31のROM31bには、特別遊技判定テーブル67と、変動パターンテーブル68と、開放パターンテーブル69とが予め記憶されている。特別遊技判定テーブル67は、大当たり乱数の当選値が定義されたテーブルであり、特別遊技判定を行うために参照される。この特別遊技判定テーブル67には、低確率用判定テーブルと高確率用判定テーブルとが含まれており、低確率用判定テーブルには大当たり乱数が大当たりとなる当選値として所定数の値が定義されており、高確率用判定テーブルには低確率用判定テーブルよりも多くの当選値が定義されている。
変動パターンテーブル68は、メイン制御基板31において特別遊技判定が行われた場合に、その判定結果を表示するための特別図柄の変動時間を決定するために参照されるテーブルである。変動パターンテーブル68には、大当たり乱数が大当たりを示す場合に参照されるテーブルや、リーチ乱数がリーチを示す場合に参照されるテーブルなど、複数のテーブルが含まれている。そして、変動パターンテーブル68に含まれる複数のテーブルのそれぞれは、変動パターン乱数に対して特別図柄の変動時間が1対1で対応付けられたテーブルとなっている。そのため、この変動パターンテーブル68を参照すれば、特別遊技判定の結果やリーチ乱数などに対応する特別図柄の変動時間を決定することができる。
開放パターンテーブル69は、特別遊技判定において大当たりに当選し、特別遊技を行うことが決定された場合に、大当たり遊技として行われる特別遊技において第1大入賞口15および第2大入賞口16のそれぞれを開放させる開放パターンを決定するために参照されるテーブルである。この開放パターンテーブル69には、複数の開放パターンが定義されており、それら開放パターンに対して図柄乱数が1対1で対応付けられたテーブルである。そのため、特別遊技判定において大当たりに当選したことが判定されると、図柄乱数に基づいて開放パターンテーブル69を参照することにより、特別遊技中において第1大入賞口15および第2大入賞口16を開放させる一の開放パターンを決定することができる。またこの開放パターンテーブル69は、第1始動口13に入賞して取得された図柄乱数を判定するためのテーブルと、第2始動口14に入賞して取得された図柄乱数を判定するためのテーブルとが区別して設けられている。そのため、図柄乱数が同じ値であっても、第1始動口13に入賞して大当たりになる場合と、第2始動口14に入賞して大当たりになる場合とで、異なる開放パターンが決定されるようになっている。
メイン制御基板31のCPU31aは、遊技機の動作を統括的に制御するものである。そのためCPU31aは様々な処理部として機能する。図6にはその一部の機能が例示されており、CPU31aは、遊技データ取得部61、特別図柄制御部62、特別状態制御部63および特別遊技制御部64として機能する。
遊技データ取得部61は、第1始動口スイッチ36および第2始動口スイッチ37のそれぞれが遊技球の入賞を検知した場合に、そのタイミングで遊技データ格納部65から、大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数およびリーチ乱数を含む遊技データを取得する。遊技データ取得部61は、第1始動口13または第2始動口14への入賞によって遊技データを取得すると、その遊技データを保留記憶部66に格納する。保留記憶部66は、第1始動口13への入賞によって取得された遊技データと第2始動口14への入賞によって取得された遊技データとを区別して、それぞれの遊技データを所定の上限数(例えば4つ)まで記憶することが可能である。そのため、遊技データ取得部61は、第1始動口13への入賞によって取得した遊技データを第1始動口用の保留記憶領域へ格納し、第2始動口14への入賞によって取得した遊技データを第2始動口用の保留記憶領域へ格納する。なお、それらの保留記憶領域に対して既に上限数の遊技データが格納されている場合には、遊技データ取得部61は、遊技データ格納部65から取得した遊技データを破棄し、保留記憶部66へ格納する処理は行わない。
特別図柄制御部62は、特別遊技判定部62aと図柄変動制御部62bとを備える。特別遊技判定部62aは、保留記憶部66に記憶されて保留状態にある遊技データを読み出し、その遊技データに基づいて特別遊技判定を行う。すなわち、特別遊技判定部62aは、遊技データに含まれる大当たり乱数に基づいて特別遊技判定テーブル67を参照し、該大当たり乱数が大当たりの当選値に一致するか否かを判定する。上述したように、特別遊技判定テーブル67には高確率用判定テーブルと低確率用判定テーブルとがあり、特別遊技判定部62aは、遊技データを読み出す時点での確率状態に応じて低確率用判定テーブルおよび高確率用判定テーブルのいずれか一方を選択し、大当たり乱数がその選択したテーブルに定められた大当たりの当選値に一致するか否かを判定する。このような判定により、保留記憶部66から読み出した遊技データの当選またはハズレが決定する。なお、低確率用判定テーブルは、大当たりとなる確率が例えば1/399程度に設定されたテーブルであり、高確率用判定テーブルは、低確率用判定テーブルよりも大当たりとなる確率が高く、例えば1/68程度に設定されたテーブルである。
図柄変動制御部62bは、特別遊技判定部62aによる特別遊技判定が行われた後に機能し、特別遊技判定の結果に基づいて特別図柄の変動表示を制御する。この図柄変動制御部62bは、特別遊技判定部62aによる特別遊技の判定結果、特別遊技判定部62aによって読み出された遊技データに含まれる変動パターン乱数やリーチ乱数などに基づき、変動パターンテーブル68を参照し、特別図柄の変動時間を決定する。そして図柄変動制御部62bは、図柄表示器22において特別図柄の変動表示を開始する。また図柄変動制御部62bは、特別図柄の変動表示を開始することに伴い、演出制御基板52に対して変動開始コマンドを送信する。この変動開始コマンドには、例えば、特別遊技の判定結果や、特別図柄の変動時間などが含まれる。そして図柄変動制御部62bは、特別図柄の変動表示を開始した後、予め決定した変動時間が経過すると、その変動表示を停止させ、図柄表示器22において特別遊技判定の結果を表示する。このとき、図柄変動制御部62bは、演出制御基板52に対して変動停止コマンドを送信する。
特別遊技判定部62aは、図柄変動制御部62bによって特別図柄の変動表示が行われているときには、保留記憶部66からの遊技データの読み出しを行わない。この場合、図柄変動制御部62bによって行われている特別図柄の変動表示が停止し、次の変動表示を行うことが可能となったタイミングで、特別遊技判定部62aは、保留記憶部66から遊技データの読み出しを行い、その読み出した遊技データに基づいて次の特別遊技判定を行う。このとき、特別遊技判定部62aは、第2始動口用の保留記憶領域に遊技データが格納されていれば、その遊技データを読み出して特別遊技判定を行う。すなわち、本実施形態における特別遊技判定部62aは、第1始動口用の保留記憶領域に格納されている遊技データよりも、第2始動口用の保留記憶領域に格納されている遊技データを優先的に読み出して保留消化を行っていくように構成されている。
特別状態制御部63は、遊技機1の遊技状態を移行させる処理部である。この特別状態制御部63は、例えば電源投入時にRAMクリアボタン29が操作されると、遊技機1を通常遊技状態で起動する。その後、図柄変動制御部62bによって行われる特別図柄の変動表示が停止して特別遊技が行われるとき、特別状態制御部63は、遊技状態を特別遊技状態へ移行させる。また特別遊技が終了すると、特別状態制御部63は、遊技状態を特定遊技状態へと移行させる。さらに特別状態制御部63は、特別遊技が終了して特定遊技状態へと移行させるとき、特別遊技中にVゲート18を遊技球が通過していれば、その後の大当たりの当選確率を高確率状態に設定し、特別遊技中にVゲート18を遊技球が通過していなければ、その後の大当たりの当選確率を低確率状態(通常確率状態)に設定する。尚、特別状態制御部63による遊技状態の移行については、後に詳しく説明する。
特別遊技制御部64は、特別遊技判定部62aによる特別遊技判定において大当たりに当選し、遊技者にとって特別有利な特別遊技へ移行させることが決定され、特別状態制御部63によって遊技状態が特別遊技状態に設定されることにより機能する。特別遊技制御部64は、特別遊技判定部62aによって大当たりであることが判定された遊技データに含まれる図柄乱数に基づき、第1大入賞口15および第2大入賞口16をそれぞれ開放させる開放パターンを決定する。そして特別遊技制御部64は、大当たり遊技である特別遊技を開始し、決定した開放パターンに基づいて複数ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口15および第2大入賞口16をそれぞれ択一的に開放させることにより、特別遊技中において第1大入賞口15または第2大入賞口16を開放状態へ作動させる開放特別遊技を制御する。
この特別遊技制御部64は、特別遊技状態における開放パターンを決定する際、第1始動口13と第2始動口14とのいずれに入賞して取得された遊技データが大当たりとなったのかに応じて異なるテーブルを参照する。例えば、第1始動口13への入賞に伴って保留記憶部66に記憶された遊技データが大当たりである場合、特別遊技制御部64は、開放パターンテーブル69から第1始動口13に対応するテーブルを読み出し、その遊技データに含まれる図柄乱数に基づいて一の開放パターンを決定する。また、第2始動口14への入賞に伴って保留記憶部66に記憶された遊技データが大当たりである場合、特別遊技制御部64は、開放パターンテーブル69から第2始動口14に対応するテーブルを読み出し、その遊技データに含まれる図柄乱数に基づいて一の開放パターンを決定する。
言い換えると、特別遊技制御部64は、特別遊技判定において大当たりに当選した場合に、その後に大当たり遊技として行う特別遊技の種類を決定するものである。本実施形態では、特別遊技の種類として、例えば第1から第3の3つの特別遊技がある場合を例示する。
図7は、第1始動口13または第2始動口14へ入賞して大当たりが発生する場合の特別遊技の種類を示す図である。まず図7(a)は、第1始動口13への入賞によって取得された遊技データが大当たりと判定された場合の特別遊技の種類を示している。第1始動口13に遊技球が入賞して取得された遊技データが大当たりであると判定されると、特別遊技制御部64は、図7(a)に示すように、第1、第2および第3の特別遊技PA1乃至PA3のうちから一の特別遊技を決定する。図7(a)の例では、第1の特別遊技PA1の発生する割合が40%、第2の特別遊技PA2の発生する割合が30%、第3の特別遊技PA3の発生する割合が30%となっている。したがって、第1始動口13に遊技球が入賞して大当たりとなった場合には、その後に行われる大当たり遊技として、第1乃至第3の特別遊技PA1乃至PA3のうちのいずれかが実行される。
一方、図7(b)は、第2始動口14への入賞によって取得された遊技データが大当たりと判定された場合の特別遊技の種類を示している。第2始動口14に遊技球が入賞して取得された遊技データが大当たりであると判定されると、特別遊技制御部64は、図7(b)に示すように、100%の割合で第3の特別遊技PA3を実行すべき大当たり遊技として決定する。したがって、第2始動口14に遊技球が入賞して大当たりに当選すると、第1または第2の特別遊技PA1,PA2が行われることはなく、常に第3の特別遊技PA3が実行される。
図8は、第1乃至第3の特別遊技PA1乃至PA3における第1大入賞口15および第2大入賞口16の開放パターンを示す図である。まず、第1乃至第3の特別遊技PA1乃至PA3では、いずれの特別遊技であっても第1大入賞口15および第2大入賞口16のいずれか一方を開放するラウンドが所定回数(例えば合計16ラウンド)行われる。そして、第1ラウンドから第4ラウンドまでは第1大入賞口15が開放し、第5ラウンドでは第2大入賞口16が開放する。その後、第6ラウンドから第15ラウンドまでは再び第1大入賞口15が開放し、第16ラウンドでは再び第2大入賞口16が開放する。以上の点は、第1乃至第3の特別遊技PA1乃至PA3のいずれにおいても共通する。
第1乃至第3の特別遊技PA1乃至PA3において相違する点は、まず第1に、各ラウンドにおける第1大入賞口15または第2大入賞口16の開放時間である。すなわち、第1大入賞口15および第2大入賞口16のいずれにもロング開放とショート開放とが定められており、各特別遊技PA1乃至PA3のラウンド毎にロング開放とショート開放のいずれか一方が設定されている。ロング開放の場合、第1大入賞口15または第2大入賞口16の開放時間が例えば30秒程度の比較的長い時間に設定される。これに対し、ショート開放の場合には、第1大入賞口15または第2大入賞口16の開放時間が例えば0.2秒程度の極めて短い時間に設定される。そのため、第1大入賞口15または第2大入賞口16がロング開放される場合には、開放中の第1大入賞口15または第2大入賞口16に遊技球が入賞し易い状態となるのに対し、ショート開放の場合には開放中の第1大入賞口15または第2大入賞口16に遊技球が入賞し難い状態となる。また、ロング開放およびショート開放のいずれの場合であっても、第1大入賞口15または第2大入賞口16の開放中に所定の上限個数(例えば9個程度)の遊技球が入賞すれば、開放時間が経過する前であっても第1大入賞口15または第2大入賞口16は閉鎖する。ただし、ショート開放の場合には、第1大入賞口15または第2大入賞口16の開放中に1個または2個程度の遊技球が稀に入賞することはあっても、所定の上限個数(例えば9個程度)の遊技球が入賞することはほとんど無いといえる。そのため、ショート開放の場合には、0.2秒程度の開放時間が経過することによって第1大入賞口15または第2大入賞口16を閉鎖するケースが多くなる。
尚、ロング開放の場合の開放時間は30秒に限られるものではなく、ショート開放の場合の開放時間も0.2秒に限られるものではない。例えば、ロング開放の場合は、遊技盤10に対して遊技球が連続的に打ち出されるときの打ち出し間隔よりも長く、開放状態において複数の遊技球が入球可能な開放時間であればよい。これに対し、ショート開放の場合は、例えば遊技盤10に対して遊技球が連続的に打ち出されるときの打ち出し間隔よりも短く、開放状態において遊技球が入球し難い開放時間であればよい。
第1の特別遊技PA1では、図8(a)に示すように、第1乃至第4ラウンドまで第1大入賞口15がロング開放となり、第5ラウンド以降では第1大入賞口15または第2大入賞口16が全てショート開放となる開放パターンが決定され、この開放パターンに基づく開放特別遊技が行われる。
第2の特別遊技PA2では、図8(b)に示すように、第1乃至第3ラウンドまで第1大入賞口15がロング開放となり、第4ラウンドで第1大入賞口15がショート開放となり、第5ラウンドで第2大入賞口16がロング開放となり、第6ラウンド以降では第1大入賞口15または第2大入賞口16が全てショート開放となる開放パターンが決定され、この開放パターンに基づく開放特別遊技が行われる。
第3の特別遊技PA3では、図8(c)に示すように、第1乃至第16ラウンドまでの全てのラウンドで第1大入賞口15または第2大入賞口16がロング開放となる開放パターンが決定され、この開放パターンに基づく開放特別遊技が行われる。
特別遊技制御部64は、大当たりであると判定された遊技データに含まれる図柄乱数を判定することにより、上記第1乃至第3の特別遊技PA1乃至PA3のうちから一の特別遊技を決定する。ただし、第2始動口14への入賞によって大当たりとなった場合には、毎回第3の特別遊技PA3が決定されることになる。そして、遊技機1が特別遊技状態へ移行すると、特別遊技制御部64は、その決定した一の特別遊技の開放パターンに基づき、第1大入賞口ソレノイド41、第2大入賞口ソレノイド43及びシャッターソレノイド45を駆動することにより、第1大入賞口15または第2大入賞口16を開放させる開放特別遊技を進行させる。また、特別遊技制御部64は、Vゲートスイッチ44を監視しており、特別遊技の進行中において遊技球がVゲート18を通過すると、それを検知することができる。
ここで、第2大入賞口16が開放される第5および第16ラウンドに着目すると、第1の特別遊技PA1で行われる開放特別遊技では、いずれのラウンドでも第2大入賞口16がショート開放となる。そのため、遊技機1において第1の特別遊技PA1が行われるときには、第2大入賞口16に遊技球が入球する可能性は極めて低い。これに対し、第2の特別遊技PA2では、第5ラウンドで第2大入賞口16がロング開放し、第3の特別遊技PA3では、第5ラウンドおよび第16ラウンドで第2大入賞口16がロング開放する。そのため、遊技機1において第2または第3の特別遊技PA2またはPA3が行われるときには、第2大入賞口16に遊技球が入球する可能性がある。
上述したとおり、第2大入賞口16の開放中に入球した遊技球がVゲート18を通過すると、その後に特別遊技判定部62aにおいて大当たりと判定される確率が高確率状態となる。そのため、第2または第3の特別遊技PA2またはPA3は、第2大入賞口16がロング開放されるラウンド遊技を有するため、特別遊技終了後の確率状態を高確率状態に移行させることができる遊技となる。これに対し、第1の特別遊技PA1は第2大入賞口16がロング開放されるラウンド遊技を有しないため、特別遊技終了後の確率状態を高確率状態に移行させることができない遊技となり、特別遊技終了後の確率状態が低確率状態となる。
このように、特別遊技終了後に大当たりの当選確率が高確率状態と低確率状態のいずれになるかという観点から、上記第1乃至第3の特別遊技PA1乃至PA3で行われる開放特別遊技を大別すると、第1の特別遊技PA1で行われる開放特別遊技は、特別遊技終了後に大当たりの当選確率を高確率状態に移行することができない開放特別遊技であり、第2および第3の特別遊技PA2およびPA3で行われる開放特別遊技は、特別遊技終了後に大当たりの当選確率を高確率状態へ移行させることが可能な開放特別遊技となる。
ここで、第2大入賞口16がショート開放される場合でも、遊技球が第2大入賞口16に入球する可能性は0ではない。すなわち、第2大入賞口16が0.2秒程度の僅かな時間だけ開放したタイミングで遊技球が入球する可能性がある。しかし、そのようなショート開放において第2大入賞口16に遊技球が入球した場合には、その遊技球がVゲート18を通過することがないように、特別遊技制御部64がシャッター19の動作を制御する。
図9は、第2大入賞口16の開閉動作に連動するシャッター19の動作を示すタイミングチャートであり、(a)はロング開放の場合を示しており、(b)はショート開放の場合を示している。シャッター19は、ロング開放およびショート開放のいずれの場合であっても第2大入賞口16が開放してから例えば数秒程度の所定時間Txを経過した後にVゲート18を開放する。なお、所定時間Txは、ロング開放とショート開放とで同じ時間である。
図9(a)に示すように、第2大入賞口16がロング開放される場合は、第2大入賞口16がタイミングT1で開放してから所定時間Txが経過した後のタイミングT2でシャッター19がVゲート18を開放する。Vゲート18が開放されたタイミングT2において、第2大入賞口16は開放された状態であるため、第2大入賞口16に入球する遊技球は第1通過領域17aを通ってVゲート18を通過する。したがって、第2大入賞口16がロング開放されるラウンドを有する第2および第3の特別遊技PA2およびPA3は、遊技機1の確率状態を高確率状態に移行させることができる。
一方、図9(b)に示すように、第2大入賞口16がショート開放される場合は、第2大入賞口16がタイミングT1で開放してから所定時間Txが経過した後のタイミングT2でシャッター19がVゲートを開放したときには、既に第2大入賞口16が閉鎖した状態となっている。したがって、仮に第2大入賞口16がショート開放される短時間の間に遊技球が第2大入賞口16に入球した場合であっても、その遊技球はシャッター19がVゲート18を通過することなく、第2通過領域17bを通って排出口20から遊技盤10の背面側へ排出される。また、シャッター19がVゲート18を開放するときには、既に第2大入賞口16が閉鎖した状態となっているため、そのタイミングで第2大入賞口16に遊技球が入球することはなく、Vゲート18を遊技球が通過することもない。したがって、第2大入賞口16がロング開放されるラウンドを有しない第1の特別遊技PA1は、遊技機1の確率状態を高確率へ移行させることができない遊技である。
特別遊技制御部64は、上記のように特別遊技における開放パターンを決定し、その開放パターンに基づく開放特別遊技を開始するとき、演出制御基板52にその開放特別遊技に対応する演出を行わせるべく、各種の信号やコマンドなどを送信する。これら信号やコマンドには、開放特別遊技の種類に関する情報やラウンドの進行を示す情報などが含まれる。また特別遊技制御部64は、特別遊技中にVゲート18を遊技球が通過したことを検知すれば、それを示す情報を演出制御基板52に送信することもできる。そして特別遊技が終了すると、特別遊技制御部64は、特別遊技の終了を通知するコマンドなどを演出制御基板52へ送信する。
図10は、特別状態制御部63による遊技機1の遊技状態の移行を示す図である。特別状態制御部63は、図10に示すように遊技の進行に応じて遊技機1の遊技状態を通常遊技状態ST1、特別遊技状態ST2および特定遊技状態ST3のそれぞれに移行させる。まず、遊技機1に電源が投入され、RAMクリアボタン29が操作されると、遊技機1は通常遊技状態ST1で動作する。通常遊技状態ST1は、大当たりに当選する確率が高確率状態よりも低い低確率(通常確率)で遊技を進行させる状態である。この通常遊技状態ST1では、スルーゲート21を遊技球が通過することにより行われる普通図柄抽選に当選した場合であっても、電動チューリップ14aが第2始動口14を開放する時間は極めて短く、第2始動口14へ遊技球が入賞する可能性は低い。そのため、通常遊技状態ST1では、遊技者はハンドルレバー5を操作することにより、図1の矢印F1で示すように、遊技盤10の遊技領域に打ち出される遊技球がセンター役物11の左側領域を流下していくように調整し、遊技球を第1始動口13に入賞させることを狙って遊技を行う。
そして、通常遊技状態ST1において遊技球が第1始動口13へ入賞することにより大当たりが発生すると(矢印A1)、遊技機1は、第1の特別遊技PA1、第2の特別遊技PA2および第3の特別遊技PA3のいずれか一つを大当たり遊技として実行する特別遊技状態ST2に移行する。遊技機1において特別遊技が開始されると、センター役物11の右側に配置された第1大入賞口15および第2大入賞口16のそれぞれを所定のラウンドで開放させる開放特別遊技が行われる。そのため、遊技者は、特別遊技状態ST2では、ハンドルレバー5を操作することにより、図1の矢印F2で示すように、遊技盤10の遊技領域に打ち出される遊技球がセンター役物11の右側領域を流下していくように調整し、遊技球を第1大入賞口15または第2大入賞口16に入賞させることを狙って遊技を行う。
特別遊技状態ST2が終了すると、その後の遊技状態は時短モードの特定遊技状態ST3へ移行する(矢印A2)。ここで、時短モードは、大当たり遊技の終了後、電動チューリップ14aを通常よりも頻繁に閉鎖状態(非補助状態)から開放状態(補助状態)へと駆動することにより、通常よりも頻繁に第2始動口14へ遊技球が入賞し易くしやすくなるようにした遊技状態で遊技を行うモードである。上述のように、電動チューリップ14aは、遊技球がスルーゲート21を通過することによって行われる普通図柄抽選に当選することによって開放される。時短モードでは、遊技球がスルーゲート21を通過することによって行われる普通図柄抽選の結果を表示するための普通図柄の変動時間が通常遊技状態ST1よりも短くなり、しかも当選時に開放される電動チューリップ14aの開放時間が通常遊技状態ST1よりも長くなる。このようなことから、特定遊技状態ST3に移行すると、遊技者は、図1の矢印F2で示すように、遊技盤10の遊技領域に打ち出される遊技球がセンター役物11の右側領域を流下していくようにハンドルレバー5を調整し、遊技球をスルーゲート21に通過させることを狙って遊技を行う。これにより、第2始動口14に遊技球が頻繁に入賞するようになるので、遊技者は特別遊技状態ST2において獲得した賞球をあまり減らすことなく遊技を進行させることができる。したがって、この特定遊技状態ST3は、通常遊技状態ST1と比較すると、遊技球をあまり減らすことなく遊技を進行させることができるという点で通常遊技状態ST1よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。また特定遊技状態ST3では、大当たりに当選する確率が高確率状態となる場合と、低確率状態となる場合とがある。つまり、特別遊技状態ST2において遊技球がVゲート18を通過した場合には、特定遊技状態ST3での確率状態が高確率状態となり、Vゲート18を通過しなかった場合には、特定遊技状態ST3での確率状態が低確率状態となる。
特定遊技状態ST3において遊技球が第2始動口14へ入賞することにより大当たりが発生すると(矢印A3)、再び特別遊技状態ST2となり、遊技機1は、第3の特別遊技PA3を大当たり遊技として実行する。一方、特定遊技状態ST3において大当たりが発生することなく、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)に達すると、遊技状態は通常遊技状態ST1へと戻る(矢印A4)。特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ移行させるとき、特別状態制御部63は、大当たりに当選する確率を、低確率状態に設定する。
特別状態制御部63は、上記のように遊技状態を移行させることに伴い、現在の遊技状態をRAM31cに記録する。RAM31cは、バッテリバックアップされており、電源が遮断された場合であっても、RAM31cに記録された遊技状態はその記録状態を継続する。そのため、次回の電源投入時に、RAMクリアボタン29が店員によって操作されないときには、特別状態制御部63は、前回の電源遮断時の遊技状態をRAM31cから読み出してその遊技状態を反映させた状態で起動することができる。尚、RAM31cには、遊技状態に関する情報の他にも、遊技履歴など、遊技に関する様々な情報が記録される。
次に、メイン制御基板31において行われる主たる動作手順について説明する。図11は、遊技機1に電源が投入された際に行われる電源投入処理を示すフローチャートである。遊技機1に電源が投入されると、メイン制御基板31は、RAM31cへのアクセスを許可する。次に、RAMクリアボタン29が店員によって操作されたオン状態であるか否かの判定を行い、RAMクリアボタン29がオン状態でない場合(ステップS10でNO)、バックアップフラグがオンであるか否かの判定を行う(ステップS12)。バックアップフラグは、例えばRAM31cに遊技に関する情報が記録されているか否かを示すフラグである。そのため、バックアップフラグがオンであれば、RAM31cに前回の電源遮断時の遊技に関する情報が記録されていることになる。バックアップフラグがオンである場合(ステップS12でYES)、次にチェックサムが正常であるか否かの判定を行う(ステップS13)。すなわち、チェックサムが正常であるか否かの判定を行うことにより、RAM31cに記録されている遊技に関する情報が正常な情報であるか否かを判定するのである。そしてチェックサムが正常である場合(ステップS13でYES)、メイン制御基板31は、RAM31cのバックアップデータを読み出し(ステップS14)、そのバックアップデータに基づいて遊技状態の復旧処理を行う(ステップS15)。これにより、遊技機1は、前回の電源遮断時の遊技状態を復旧させた状態で起動する。
これに対し、ステップS10においてRAMクリアボタン29が店員によって操作されたオン状態であると判定した場合(ステップS10でYES)、ステップS12においてバックアップフラグがオンでないと判定した場合(ステップS12でNO)、またはステップS13においてチェックサムが正常でないと判定した場合(ステップS13でNO)、RAM31cに記録されている各種の遊技に関する情報を強制的に消去(RAMクリア)し、遊技機1を初期状態で起動する(ステップS16)。これにより、遊技機1における遊技履歴などは削除され、遊技機1は、通常遊技状態ST1で起動されることになる。
次に、メイン制御基板31は、演出制御基板52を含むサブ制御基板35のそれぞれに対し、初期設定コマンドを送信する(ステップS17)。これにより、サブ制御基板35では、遊技機1への電源投入に伴う各種の初期動作が実行される。そのような初期動作では、サブ制御基板35によって制御される各部が正常に動作するか否かの初期駆動(テスト駆動)が行われるため、全ての動作が完了するまでに一定の時間を要する。メイン制御基板31は、初期設定コマンド送信後、初期動作を完了させるべく、所定時間が経過するまで待機する(ステップS18)。そして所定時間を経過すると(ステップS18でYES)、メイン制御基板31は、一定時間ごと(例えば4ミリ秒)のタイマ割込処理を許可して(ステップS19)電源投入処理を終了する。
図12は、メイン制御基板31における主要動作を示すフローチャートである。メイン制御基板31は、電源投入時における電源投入処理後、図12に示すフローチャートに基づく処理をタイマ割込処理として一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。この処理が開始されると、メイン制御基板31は、乱数更新処理(ステップS101)、第1始動口スイッチ処理(ステップS102)、第2始動口スイッチ処理(ステップS103)、ゲートスイッチ処理(ステップS104)、各種スイッチ処理(ステップS105)、賞球処理(ステップS106)、特別図柄処理(ステップS107)、特別遊技処理(ステップS108)、普通図柄処理(ステップS109)、補助遊技処理(ステップS110)、および出力処理(ステップS111)を一連の処理として順次実行し、それら一連の処理が終了すると、その後は初期値乱数更新処理(ステップS112)を繰り返し実行する。その後、時間が経過し、再びタイマによる割込が発生することにより、再び乱数更新処理(ステップS101)以降の処理の実行を開始する。以降このような処理が繰り返される。
乱数更新処理(ステップS101)では、RAM31cの遊技データ格納部65に格納されている大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数などの各種乱数の値が更新される処理が行われる。第1始動口スイッチ処理(ステップS102)では、遊技データ取得部61が第1始動口スイッチ36の状態を監視し、第1始動口13に入球した遊技球が所定の領域を通過することによって第1始動口スイッチ36がオンとなった場合に、遊技データ格納部65から遊技データを取得する処理が行われる。第2始動口スイッチ処理(ステップS103)では、遊技データ取得部61が第2始動口スイッチ37の状態を監視し、第2始動口14に入球した遊技球が所定の領域を通過することによって第2始動口スイッチ37がオンとなった場合に、遊技データ格納部65から遊技データを取得する処理が行われる。ゲートスイッチ処理(ステップS104)では、スルーゲート21を遊技球が通過してスルーゲートスイッチ39がオンとなった場合に、普通図柄を抽選するために普通図柄乱数を取得する処理が行われる。各種スイッチ処理(ステップS105)では、その他全てのスイッチ(例えば大入賞口スイッチなど)からの信号を入力する処理が行われる。賞球処理(ステップS106)では、各種入賞口への入賞数を計数し、その計数値に基づいて賞球コマンドを設定する処理が行われる。特別図柄処理(ステップS107)では、特別遊技判定部62a、特別遊技制御部64および特別状態制御部63による特別遊技判定処理及びその特別遊技判定の結果に基づく特別図柄の変動処理などが行われる。特別遊技処理(ステップS108)では、第1大入賞口15および第2大入賞口16を開放させる開放特別遊技の動作が制御される。普通図柄処理(ステップS109)では、普通図柄変動およびその普通図柄変動に伴う処理が行われる。補助遊技処理(ステップS110)では、電動チューリップ14aの開閉動作制御が行われる。また、出力処理(ステップS111)では、メイン制御基板31から払出制御基板51および演出制御基板52のそれぞれに対して各種信号やコマンド、遊技データなどを出力する処理が行われる。サブ制御基板35に出力するコマンドやデータは、ステップS102〜S110の各処理において生成され、予めRAM31cにセットされているので、この出力処理ではRAM31cにセットされたコマンドやデータを読み出して出力する。そして、初期値乱数更新処理(ステップS112)では、遊技データ格納部65に格納されている大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数などの各種乱数の初期値が更新される。
図13は、第1始動口スイッチ処理(図12のステップS102)および第2始動口スイッチ処理(図12のステップS103)の詳細を示すフローチャートである。まず、図13(a)に示すように、第1始動口スイッチ処理(ステップS102)では、第1始動口13に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ36がオンになったか否かを判断する(ステップS201)。ここで、第1始動口スイッチ36がオンになっていない場合には第1始動口スイッチ処理を終了する。第1始動口スイッチ36がオンになっていれば、保留記憶部66の第1始動口用の保留記憶領域に記憶されている保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップS202)。図例の場合、上限値を4個としている。そして、保留数U1が上限値に達している場合には(ステップS202でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、第1始動口スイッチ処理を終了する。一方、保留数U1が上限値未満である場合(ステップS202でYES)、保留数U1の値を1加算する(ステップS203)。そして、第1始動口13へ入賞したことによる遊技データを遊技データ格納部65から読み出し、その遊技データに含まれる各種乱数の値を保留記憶部66の第1始動口用の保留記憶領域に格納する(ステップS204)。このとき読み出した大当たり乱数の値によって、「大当たり」であるか「ハズレ」であるかが確定する。また、「大当たり」である場合、読み出した図柄乱数の値によってその大当たり遊技として行う特別遊技の種類が確定する。また、「ハズレ」である場合、読み出したリーチ乱数の値によってリーチ演出が行われるか否かが確定する。そして、メイン制御基板31は、読み出した各種乱数を含む遊技データを演出制御基板52に送信するための送信用遊技データとしてセットする(ステップS205)。このときセットする送信用遊技データには、第1始動口13へ入賞したことによって取得した遊技データであることを示す情報が付与される。遊技データのセットが完了すれば、第1始動口スイッチ処理を終了する。
次に、図13(b)に示すように、第2始動口スイッチ処理(図12のステップS103)では、第2始動口14に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ37がオンになったか否かを判断する(ステップS301)。ここで、第2始動口スイッチ37がオンになっていない場合には、第2始動口スイッチ処理を終了する。第2始動口スイッチ37がオンになっていれば、保留記憶部66の第2始動口用の保留記憶領域に記憶されている保留数U2が上限値未満か否かを判断する(ステップS302)。図例の場合、上限値を4個としている。そして、保留数U2が上限値に達している場合には(ステップS302でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、第2始動口スイッチ処理を終了する。一方、保留数U2が上限値未満である場合(ステップS302でYES)、保留数U2の値を1加算する(ステップS303)。そして、第2始動口14に入賞したことによる遊技データを遊技データ格納部65から読み出し、その遊技データに含まれる各種乱数の値を保留記憶部66の第2始動口用の保留記憶領域に格納する(ステップS304)。このとき読み出した各種乱数の値により、大当たりであるか否か、また、ハズレの場合はリーチ演出を行うか否かなどが確定する。そして、メイン制御基板31は、読み出した各種乱数を含む遊技データを演出制御基板52に送信するための送信用遊技データとしてセットする(ステップS305)。このときセットする送信用遊技データには、第2始動口14へ入賞したことによって取得した遊技データであることを示す情報が付与される。遊技データのセットが完了すれば、第2始動口スイッチ処理を終了する。
次に、図14は、ゲートスイッチ処理(図12のステップS104)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、スルーゲート21を遊技球が通過してスルーゲートスイッチ39オンになったか否かを判断する(ステップS401)。スルーゲートスイッチ39がオンになっていない場合にはゲートスイッチ処理を終了する。スルーゲートスイッチがオンになっていれば、普通図柄抽選の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップS402)。図例の場合、上限値を4個としている。そして、保留数Gが上限値に達している場合には(ステップS402でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。一方、保留数Gが上限値未満である場合(ステップS402でYES)、保留数Gの値を1加算する(ステップS403)。そして、遊技球がスルーゲート21を通過したことによる普通図柄の抽選のための普通図柄乱数を読み出し、その乱数値をRAM31cに格納する(ステップS404)。なお、このとき読み出される乱数の値により、遊技球がスルーゲート21を通過したことによる普通図柄抽選の当否が確定する。
次に、図15は、特別図柄処理(図12のステップS107)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が特別遊技中(大当たり遊技中)であるか否かを判断する(ステップS501)。特別遊技中であれば、その特別遊技(大当たり遊技)が終了するまで新たな特別図柄の変動表示を行うことができないため、特別図柄の変動処理を開始することなく特別図柄処理を終了する(ステップS501でYES)。これに対し、特別遊技中でない場合(ステップS501でNO)、メイン制御基板31は、遊技機1の現在の状態が特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS502)。特別図柄の変動表示中でない場合(ステップS502でNO)、保留数U2が1以上であるか否かを判断する(ステップS503)。保留数U2が1以上である場合(ステップS503でYES)、メイン制御基板31は、保留記憶部66の第2始動口用の保留記憶領域において最も先に記憶された遊技データを読み出し(ステップS504)、その保留数U2の値を1減算する(ステップS505)。そして、第2始動口用の保留記憶領域に記憶されている他の保留の記憶領域を順にシフトさせる(ステップS506)。
一方、保留数U2が0である場合(ステップS503でNO)、メイン制御基板31は、保留数U1が1以上であるか否かを判断する(ステップS507)。保留数U1が1以上である場合(ステップS507でYES)メイン制御基板31は、保留記憶部66の第1始動口用の保留記憶領域において最も先に記憶された遊技データを読み出し(ステップS508)、その保留数U1の値を1減算する(ステップS509)。そして、第1始動口用の保留記憶領域に記憶されている他の保留の記憶領域をシフトさせる(ステップS510)。また、保留数U1が0である場合(ステップS507でNO)は、特別遊技判定の条件となる第1始動口13または第2始動口14への入賞に基づく保留がないことを意味するため、特別図柄の変動表示を開始せずに処理を終了する。
ステップS504とステップS508のいずれか一方で遊技データの読み出しが行われた場合、その読み出した遊技データに基づく特別遊技判定のための処理(ステップS511〜S517)へと進む。すなわち、メイン制御基板31は、まず現在の遊技機1の遊技状態が高確率状態であるか否かを判断し(ステップS511)、高確率であれば高確率用判定テーブルを選択して読み出し(ステップS512)、高確率でなければ低確率用判定テーブルを選択して読み出す(ステップS513)。そして、メイン制御基板31は、遊技者に有利な特別遊技として大当たり遊技を行うかを判定するための特別遊技判定処理を実行する(ステップS514)。この特別遊技判定処理(ステップS514)では、ステップS504またはS508で読み出された遊技データに含まれる大当たり乱数に基づき大当たりの当否が判定されると共に、その判定結果に応じて特別図柄の変動表示を行う変動時間が決定される。このとき、変動時間は、特別遊技判定の結果やリーチ乱数などに基づいて決定される。例えば特別遊技判定の結果が大当たりに当選している場合、演出制御基板52によって必ずリーチ演出が行われるため、リーチ乱数の値に関係なく、十数秒〜数分程度の比較的長い変動時間が決定される。これに対し、特別遊技判定の結果がハズレである場合、リーチ乱数に基づいてリーチ演出を行うか否かが決定され、リーチ演出を行わないときには数秒程度の比較的短い変動時間が決定され、リーチ演出を行うときには大当たりに当選しているときと同様に十数秒〜数分程度の比較的長い変動時間が決定される。
メイン制御基板31は、特別遊技判定処理(ステップS514)を行った後、その特別遊技判定処理で決定された変動時間に対応して装飾図柄12a、12b、12cの変動表示を含む図柄変動演出を演出制御基板52に行わせるための変動開始コマンドをRAM31cにセットする(ステップS515)。この変動開始コマンドには、特別遊技判定の結果や特別遊技判定処理で決定された変動時間などが含まれる。そしてメイン制御基板31は、図柄表示器22における特別図柄の変動表示を開始し(ステップS516)、その変動表示を変動時間が経過するまで継続させるために、変動時間の計測を開始する(ステップS517)。
一方、ステップS502において特別図柄の変動表示中であった場合(ステップS502でYES)、メイン制御基板31は、その変動時間が終了したか否かを判断する(ステップS518)。ここでは特別図柄の変動表示開始に伴いステップS517で計測を開始した変動時間が特別遊技判定処理(ステップS514)で決定された変動時間に達したか否かが判断される。そして、変動時間が終了していなければ(ステップS518でNO)、特別図柄の変動表示が継続されるので、そのまま特別図柄処理を終了する。これに対し、変動時間が終了した場合には(ステップS518でYES)、メイン制御基板31は、演出制御基板52によって行われている図柄変動演出を停止させて特別遊技判定の結果を報知するための確定演出を行わせるための変動停止コマンドをRAM31cにセットする(ステップS519)。そして、図柄表示器22における特別図柄の変動表示を大当たり判定の結果に対応する停止図柄で停止させ(ステップS520)、計測された変動時間をリセットする(ステップS521)。そして、メイン制御基板31は、停止中処理(ステップS522)を実行する。
図16は、停止中処理(図15のステップS522)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、特別図柄の変動表示が停止させた後、遊技機1の遊技状態を特別遊技(大当たり遊技)に移行させたり、大当たりに当選する確率を高確率状態から低確率状態に戻したりする処理が行われる。停止中処理が開始すると、メイン制御基板31は、大当たりが発生して特別遊技へ移行するか否かを判断し(ステップS571)、特別遊技へ移行する場合(ステップS571でYES)、その特別遊技の種類に対応した特別遊技状態をセットする(ステップS572)。このとき、図柄乱数に基づいて特別遊技中の第1大入賞口15及び第2大入賞口16の開放パターンが決定され、複数の開放特別遊技のうちから一の開放特別遊技が決定される。そして特別遊技状態がセットされることにより、遊技機1の遊技状態が特別遊技状態ST2へと移行する。そして、メイン制御基板31は、演出制御基板52に、遊技機1で行われる特別遊技に対応した演出を行わせるべく、特別遊技開始コマンドをRAM31cにセットする(ステップS573)。その後、メイン制御基板31は、大当たり遊技として特別遊技の実行を開始する(ステップS574)。
また、メイン制御基板31は、特別遊技へ移行しないと判断した場合(ステップS571でNO)、現在の遊技状態が特定遊技状態ST3であるか否かを判断する(ステップS575)。そして、特定遊技状態ST3である場合(ステップS575でYES)、メイン制御基板31は、特定遊技状態ST3を継続させる特別図柄の変動表示の残り回数であるカウント値SCを1だけデクリメントし(ステップS576)、そのカウント値SCが0になったか否かを判断する(ステップS577)。そのカウント値SCが0になった場合(ステップS577でYES)、メイン制御基板31は、現在の確率状態が高確率状態であるか否かを判断し(ステップS578)、高確率状態であれば、確率状態を低確率状態に変更してセットする(ステップS579)。これにより、その後の大当たりの当選確率が低確率に切り替わる。一方、現時点での確率状態が高確率状態でなかった場合には、ステップS579の処理を行わずにスキップする。そして、メイン制御基板31は遊技機1の遊技状態を特定遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へ戻す(ステップS580)。尚、カウント値SCをデクリメントした後に、そのカウント値SCが0にならなかった場合(ステップS577でNO)、特定遊技状態ST3が継続するので、ステップS578〜S580の処理を行わずに、停止中処理を終了する。
また、メイン制御基板31は、現在の遊技状態が特定遊技状態ST3ではなく通常遊技状態ST1であると判断した場合(ステップS575でNO)、その後は特別な処理は行わずに停止中処理を終了する。
次に、図17および18は、特別遊技処理(図12のステップS108)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、特別遊技が開始された後の第1大入賞口15および第2大入賞口16の開閉動作が制御される。メイン制御基板31は、遊技機1の現在の遊技状態が特別遊技中であるか否かを判断する(ステップS601)。特別遊技中でない場合(ステップS601でNO)、第1大入賞口15または第2大入賞口16の開閉動作は行わないため、特別遊技処理を終了する。これに対し、特別遊技中である場合(ステップS601でYES)、メイン制御基板31は、遊技機1が停止中処理(図16のステップS574)で開始させた特別遊技のオープニング動作中であるか否かを判断する(ステップS602)。遊技機1がオープニング動作中である場合(ステップS602でYES)、メイン制御基板31は予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップS603)。オープニング時間を経過していない場合(ステップS603でNO)、オープニング動作が継続されるので特別遊技処理を終了する。
オープニング時間を経過している場合(ステップS603でYES)、メイン制御基板31は、第1大入賞口15または第2大入賞口16を開放する現在のラウンド値Rに対して1を加算する(ステップS604)。このラウンド値Rは、大当たりの発生時点において0に初期化されており、ステップS604で1を加算することにより今回行うべきラウンドの値となる。そして、メイン制御基板31は、予めセットされている開放パターンを確認し(ステップS605)、その開放パターンに定められている今回のラウンドRにおける第1大入賞口15または第2大入賞口16の開放時間をセットする(ステップS606)。そして、メイン制御基板31は、今回のラウンドRに対応して第1大入賞口15および第2大入賞口16のいずれか一方を開放する(ステップS607)。尚、第1大入賞口15または第2大入賞口16を開放すると、メイン制御基板31はステップS606でセットされた開放時間の計測動作を開始する。
そして、メイン制御基板31は、Vゲートスイッチ44が遊技球の通過を検知したか否かを判断し(ステップS608)、Vゲートスイッチ44が遊技球の通過を検知していれば、Vゲート通過コマンドをRAM31cにセットする(ステップS609)。これに対し、Vゲートスイッチ44が遊技球の通過を検知していなければ(ステップS608でNO)、ステップS609の処理をスキップする。
次にメイン制御基板31は、大入賞口を開放してからステップS606でセットされた開放時間が経過したか否かを判断し(ステップS610)、開放時間が経過していない場合(ステップS610でNO)、更に開放中の大入賞口に対して所定の上限個数の遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS611)。その結果、開放時間が経過しておらず、しかも入賞個数が上限値に達していない場合(ステップS611でNO)には、大入賞口の開放状態が継続するため、そのまま特別遊技処理を終了する。
一方、開放時間が経過している場合(ステップS610でYES)、又は大入賞口への入賞個数が上限値に達した場合(ステップS611でYES)、メイン制御基板31は、現在開放中の第1大入賞口15または第2大入賞口16を閉鎖する(ステップS612)。そして、現在のラウンドRが最終ラウンドを示す値(例えば16)であるか否かを判断する(ステップS613)。最終ラウンドでない場合(ステップS613でNO)には特別遊技が継続するため、そのまま特別遊技処理を終了する。
現在のラウンドRが最終ラウンドであった場合(ステップS613でYES)、メイン制御基板31は、特別遊技を終了させるためのステップS614以降の処理を実行する。すなわち、メイン制御基板31は、現在のラウンド値Rを0にリセットし(ステップS614)、その特別遊技中にVゲート18を遊技球が通過したか否かを判断する(ステップS615)。遊技球がVゲート18を通過している場合(ステップS615でYES)、メイン制御基板31は、その後の特別遊技判定における大当たりの当選確率として高確率状態をセットする(ステップS616)。これに対し、遊技球がVゲート18を通過していない場合(ステップS615でNO)、メイン制御基板31は、ステップS616の処理を行わず、その後の特別遊技判定における大当たりの当選確率を低確率状態にする(ステップS617)。
その後、メイン制御基板31は、遊技状態を特定遊技状態ST3にセットし(ステップS618)、特別図柄の残り変動回数のカウント値SCの値を100にセットして(ステップS619)、特別遊技のエンディングを開始する(ステップS620)。
そしてメイン制御基板31は、特別遊技のエンディングのための時間計測を開始し、エンディングが終了したか否かを判断する(ステップS621)。エンディングを開始してから所定時間が経過していないときには、エンディングが未終了であると判断し(ステップS621でNO)、特別遊技処理を終了する。エンディングを開始してから所定時間が経過しているときには、エンディングが終了したと判断し(ステップS621でYES)、演出制御基板52に特別遊技演出を終了させるべく、特別遊技終了コマンドをRAM31cにセットし(ステップS622)、特別遊技を終了する(S623)。
一方、ステップS602の判断において、遊技機1がオープニング中でないと判断した場合(ステップS602でNO)、図18のフローチャートに進み、メイン制御基板31は、第1大入賞口15または第2大入賞口16が開放中であるか否かを判断し(ステップS651)、開放中である場合には(ステップS651でYES)、図17に示すステップS608以降の処理を実行する。また、開放中でない場合は(ステップS651でNO)、遊技機1が特別遊技のエンディング中であるか否かを判断する(ステップS652)。そして、エンディング中である場合には(ステップS652でYES)、図17に示すステップS621以降の処理を実行する。また、エンディング中でない場合には(ステップS652でNO)、第1大入賞口15または第2大入賞口16が閉鎖した後の経過時間が予め設定された各ラウンドの実施間隔(インターバル時間)を経過したか否かを判断する(ステップS653)。インターバル時間を経過していない場合は(ステップS653でNO)、まだ次のラウンド遊技を実行するタイミングではないので、特別遊技処理を終了する。これに対し、インターバル時間が経過した場合は(ステップS653でYES)、次のラウンド遊技を実施すべく、図17に示すステップS604以降の処理を実行する。
上記のような特別遊技処理により、遊技機1において特別遊技が開始されると、その特別遊技の種類に応じた開放パターンで第1大入賞口15または第2大入賞口16を開放させるラウンド遊技が所定回数(例えば16ラウンド)行われる。また、特別遊技が終了して特定遊技状態ST3に移行するときには、Vゲート18を遊技球が通過したか否かに応じて高確率状態と低確率状態のいずれか一方がセットされるようになる。
図19は、普通図柄処理(図11のステップS109)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が補助遊技中であるか否かを判断する(ステップS701)。補助遊技中とは、普通図柄抽選に当選して電動チューリップ14aの開放動作中であることを意味している。そして補助遊技中である場合(ステップS701でYES)、メイン制御基板31は、普通図柄変動を行うことなく普通図柄処理を終了する。また、補助遊技中でない場合(ステップS701でNO)、遊技機1の現在の状態が普通図柄変動中であるか否かを判断する(ステップS702)。普通図柄が変動中でない場合(ステップS702でNO)、メイン制御基板31は、普通図柄抽選の保留数Gが1以上であるか否かを判断する(ステップS703)。保留数Gが0である場合には(ステップS703でNO)、普通図柄抽選の条件となるスルーゲート21への遊技球通過がないことを意味するため、普通図柄の変動表示を開始せずに普通図柄処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(ステップS703でYES)、メイン制御基板31は、最先の保留に対応する遊技データ(普通図柄乱数)を読み出し(ステップS704)、保留数Gの値を1減算し(ステップS705)、他の保留を記憶している記憶領域をシフトさせる(ステップS706)。そして、メイン制御基板31は、保留から読み出した普通図柄乱数が所定の当選値であるか否かの当たり判定を行い、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップS707)。普通図柄抽選に当選すると(ステップS707でYES)、メイン制御基板31は、普通図柄抽選に当選したことを示す図柄(当たり図柄)をRAM31cにセットする(ステップS708)。また、普通図柄抽選に当選しなかった場合(ステップS708でNO)、普通図柄抽選に外れたことを示す図柄(ハズレ図柄)をRAM31cにセットする(ステップS709)。
そしてメイン制御基板31は、遊技機1の現在の遊技状態が特定遊技状態ST3であるか否かを判断し(ステップS710)、特定遊技状態ST3である場合(ステップS710でYES)、普通図柄の変動時間を短時間(図例の場合は3秒)に設定する(ステップS711)。また、現在の遊技状態が特定遊技状態ST3ではなく通常遊技状態ST1であると判断した場合(ステップS710でNO)、普通図柄の変動時間を長時間(図例の場合は29秒)に設定する(ステップS712)。そして、メイン制御基板31は、ステップS711又はS712でセットされた変動時間に基づき、図柄表示器22における普通図柄の変動表示を開始し(ステップS713)、その変動時間の計測動作を開始する(ステップS714)。
また、普通図柄の変動表示中であった場合(ステップS702でYES)、メイン制御基板31は、普通図柄の変動時間が終了したか否かを判断する(ステップS715)。つまり、ステップS714で計測開始された変動時間が、ステップS711またはS712でセットされた変動時間に達したか否かが判断される。そして、変動時間が終了していない場合(ステップS715でNO)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理を終了する。また、変動時間が終了した場合(ステップS715でYES)、メイン制御基板31は、普通図柄の変動表示を停止させ、ステップS708またはS709でセットされた図柄を表示する(ステップS716)。その後、計測された変動時間をリセットする(ステップS717)。そして、普通図柄抽選に当選したか否かを判断し(ステップS718)、当選していれば(ステップS718でYES)、電動チューリップ14aを開放させるための補助遊技を開始する(ステップS719)。これにより、遊技機1の動作状態は補助遊技中となる。他方、普通図柄抽選に当選していなければ(ステップS718でNO)、遊技機1の現在の状態を保持したまま普通図柄処理を終了する。
図20は、電動チューリップ14aを開放させるための補助遊技処理の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が補助遊技中であるか否かを判断する(ステップS801)。補助遊技中でない場合(ステップS801でNO)、電動チューリップ14aは開放しないため、補助遊技処理を終了する。補助遊技中である場合(ステップS801でYES)、メイン制御基板31は、電動チューリップ14aが開放中か否かを判断し(ステップS802)、電動チューリップ14aが開放中でない場合には(ステップS802でNO)、更に現在の遊技状態が特定遊技状態ST3であるか否かを判断する(ステップS803)。そして、特定遊技状態ST3である場合(ステップS803でYES)、メイン制御基板31は、電動チューリップ14aの開放時間を長時間(図例の場合は3.5秒)に設定する(ステップS804)。特定遊技状態ST3でない場合(ステップS803でNO)、メイン制御基板31は、電動チューリップ14aの開放時間を短時間(図例の場合は0.2秒)に設定する(ステップS805)。そして、メイン制御基板31は、電動チューリップ14aを開放し(ステップS806)、ステップS804またはS805でセットした開放時間の計測を開始する(ステップS807)。他方、電動チューリップ14aが既に開放中であった場合(ステップS802でYES)、ステップS803〜S807の処理をスキップする。その後、メイン制御基板31は、ステップS804またはS805で設定された開放時間を経過したか否かを判断し(ステップS808)、開放時間が経過していない場合(ステップS808でNO)、電動チューリップ14aの開放状態が継続されるので、補助遊技処理を終了する。また、開放時間が経過した場合(ステップS808でYES)、メイン制御基板31は電動チューリップ14aを閉鎖状態に戻し(ステップS809)、補助遊技を終了して(ステップS810)補助遊技処理を終了する。
図19および20に示した処理により、特定遊技状態ST3においては、通常遊技状態ST1に比べて電動チューリップ14aが頻繁に、しかも長時間開放されるようになり、第2始動口14に対して遊技球が入賞し易くなる。
次に、演出制御基板52について説明する。演出制御基板52は、上述したメイン制御基板31によって制御される遊技機1の動作状態に対応した各種演出の実行を制御する。この演出制御基板52は、遊技機1への電源投入時に遊技機本体1aの背面側に設けられた設定スイッチ28の設定状態に基づき、遊技演出に関する初期設定を行う。このとき、演出制御基板52は、スピーカー8から出力する音量レベルを、設定スイッチ28で定められた初期値に設定する。そして遊技機1において電源投入に伴う起動処理(各種の初期化処理を含む)が終了すると、演出制御基板52は、メイン制御基板31から送信される信号やコマンドに基づいて様々な遊技演出を実行するようになる。演出制御基板52は、メイン制御基板31からの信号やコマンドに基づいて演出を実行するとき、その演出に対応する演出音をスピーカー8から出力する。このとき、演出制御基板52は、予め設定された音量レベルで演出音をスピーカー8から出力する。また電源投入時に設定される音量レベルは、例えば遊技者が第2操作ボタン7を操作することによって変更することが可能であり、演出制御基板52は、遊技者によって行われる音量調整操作を受け付けてスピーカー8から出力する音量レベルを初期値から変更するように構成される。以下、このような演出制御基板52について詳しく説明する。
図21は、演出制御基板52における主たる機能構成を模式的に示したブロック図である。演出制御基板52は、CPU52aが所定のプログラムを実行することにより、遊技演出制御部71、遊技演出設定部72、報知処理部73,初期設定部74及び遊技検知部75として機能する。
遊技演出制御部71は、電源投入に伴う起動処理が終了した後に動作し、メイン制御基板31から受信する各種の信号やコマンドなどに基づき、遊技の進行に応じた各種の遊技演出の実行を制御する。この遊技演出制御部71には、第1操作ボタン6及び第2操作ボタン7が接続されている。そのため、遊技演出制御部71は、遊技者により第1操作ボタン6又は第2操作ボタン7が操作された場合に、遊技機1で実行する演出をその操作に対応した演出に切り替えることが可能である。この遊技演出制御部71は、待機演出制御部81、通常遊技演出制御部82、特別遊技演出制御部83及び特定遊技演出制御部84を備えている。
待機演出制御部81は、電源投入に伴う起動処理が終了した後、遊技者による遊技が行われず、メイン制御基板31から信号やコマンドを受信しない状態が所定時間以上継続することによって動作し、画像表示器12にデモ演出画像などを表示させることにより、遊技者による遊技を待機する待機演出の実行を制御する。この待機演出制御部81は、電源投入直後に限らず、メイン制御基板31から信号やコマンドを受信しない状態が所定時間以上継続すると、待機演出の実行を開始する。待機演出制御部81は、デモ演出画像などを画像表示器12に表示させているとき、遊技者によって第1操作ボタン6が操作されると、その操作に応じてRAM52cに記憶している遊技履歴などを読み出して画像表示器12に表示させることが可能である。そのため、遊技者は、遊技機1において待機演出が行われているとき、第1操作ボタン6を操作すれば、電源投入後の大当たりの履歴などを把握することができる。また待機演出制御部81は、遊技機1が通常遊技状態ST1であるときに待機演出を実行するときには、通常遊技状態ST1に対応する通常待機演出を実行し、通常遊技状態ST1であるときに待機演出を実行するときには、通常待機演出とは異なる待機演出であって、特定遊技状態ST3に対応する特定待機演出を実行する。例えば、通常待機演出には演出音が設定されておらず、遊技機1が通常遊技状態ST1であるときに待機演出が実行されるときにはスピーカー8は無音状態となる。これに対し、特定待機演出には歌唱付き音楽やBGMなどの演出音が設定されていても良く、その場合は特定待機演出が実行されると、スピーカー8から歌唱付き音楽やBGMなどの演出音が継続して出力される。ただし、特定待機演出においても演出音が設定されず、遊技機1が特定待機演出を実行するときにもスピーカー8が無音状態となるものであっても構わない。
通常遊技演出制御部82は、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態ST1であるときにメイン制御基板31から変動開始コマンドを受信することによって動作し、通常遊技状態ST1における図柄変動演出の実行を制御する。すなわち、通常遊技演出制御部82は、メイン制御基板31から変動開始コマンドを受信することに伴い、通常遊技状態ST1のために予め設けられている複数の演出パターンの中から、メイン制御基板31において行われる特別図柄の変動表示の変動時間に対応する一の演出パターンを決定する。このとき、通常遊技演出制御部82は、特別遊技判定の結果に対応する演出パターンを決定する。例えば、特別遊技判定の結果が大当たりであり、メイン制御基板31によって行われる特別図柄の変動表示の変動時間が120秒である場合、通常遊技演出制御部82は、通常の図柄変動演出からリーチ演出へと移行させ、そのリーチ演出を更に発展させた発展リーチ演出などを行って最終的に3つの装飾図柄12a,12b,12cが揃った状態で停止して大当たりとなる120秒間の演出パターンを決定する。そして通常遊技演出制御部82は、決定した演出パターンに基づいて画像制御基板53やランプ制御基板54を制御することにより、その演出パターンに基づく図柄変動演出の実行を開始する。尚、複数の演出パターンには、それぞれの演出パターンに対応する演出音が予め設定されている。そのため、通常遊技演出制御部82が演出パターンに基づく図柄変動演出の実行を開始すると、スピーカー8からその演出パターンに対応する音楽や効果音、音声などの演出音が出力されるようになる。
この通常遊技演出制御部82は、操作演出の実行を制御する操作演出制御部82aと、特定示唆演出の実行を制御する特定示唆遊技演出制御部82bを備える。操作演出とは、遊技者に第1操作ボタン6又は第2操作ボタン7の操作を促す演出である。例えば、変動開始コマンドに基づいて決定した演出パターンに、所定のタイミングで操作演出を行うパターンが含まれている場合、通常遊技演出制御部82は、図柄変動演出を開始してから操作演出を行うタイミングになると、操作演出制御部82aを機能させる。そして操作演出制御部82aは、例えば、画像表示器12に、第1操作ボタン6又は第2操作ボタン7の操作を促す画像などを表示させることにより、操作演出を実行する。また特定示唆演出とは、遊技者に対して有利な遊技価値が付与される期待度が通常よりも高いことを示唆する演出である。例えば、図柄変動演出中における特定示唆演出には、遊技者によって所定のタイミングで第1操作ボタン6又は第2操作ボタン7が操作された場合に通常よりも大当たりとなる可能性が高い画像を画像表示器12にカットイン表示させる演出や、リーチ演出から発展させて行われる発展リーチ演出が通常の発展リーチ演出よりも大当たりとなる可能性が高い特定の発展リーチ演出がある。またこの他にも、特定示唆演出には、複数回の図柄変動演出にわたって連続的に行われる演出であって、大当たりとなる期待度が通常よりも高いことを示唆する期待度アップゾーンでの演出などが含まれる。変動開始コマンドに基づいて決定した演出パターンが、そのような特定示唆演出を行うパターンである場合、通常遊技演出制御部82は、特定示唆遊技演出制御部82bを機能させる。そして特定示唆遊技演出制御部82bは、変動開始コマンドに基づいて決定された演出パターンに定められている特定示唆演出を実行する。操作演出制御部82a及び特定示唆遊技演出制御部82bは、それぞれ図柄変動演出の実行中に、操作演出や特定示唆演出を行うとき、遊技演出設定部72に対してその旨を通知する。
そして通常遊技演出制御部82は、図柄変動演出の実行を開始した後、メイン制御基板31から変動停止コマンドを受信すると、図柄変動演出を終了させ、画像表示器12において3つの装飾図柄12a,12b,12cを特別遊技判定の結果に対応する確定図柄で停止させる。例えば、特別遊技判定の結果が大当たりである場合、3つの装飾図柄12a,12b,12cが全て同じ図柄で揃った状態の確定図柄(大当たり図柄)を停止させる。またハズレの場合は、3つの装飾図柄12a,12b,12cのうち少なくとも1つの図柄が揃わない状態の確定図柄(ハズレ図柄)で停止させる。これにより、遊技者に特別遊技判定の結果を報知することができる。
通常遊技演出制御部82による図柄変動演出が大当たり図柄で停止して大当たりが発生すると、メイン制御基板31から受信する特別遊技開始コマンドに基づき、遊技演出制御部71における演出制御は、通常遊技演出制御部82から特別遊技演出制御部83に移る。
特別遊技演出制御部83は、遊技機1において特別遊技が開始されることに伴って機能し、その特別遊技に対応する特別遊技演出の実行を制御するものである。特別遊技演出制御部83は、メイン制御基板31から受信する特別遊技開始コマンドに基づき、遊技機1で行われる特別遊技の種類を特定し、特別遊技演出の演出パターンを決定する。そして特別遊技演出制御部83は、その決定した演出パターンに基づいて画像制御基板53やランプ制御基板54を制御することにより、特別遊技演出の実行を開始する。また特別遊技演出の演出パターンにも、それぞれの演出パターンに対応する歌唱付き音楽や効果音、音声などの演出音が予め設定されている。そのため、特別遊技演出制御部83が特別遊技演出の実行を開始すると、スピーカー8からその演出パターンに対応する演出音が出力されるようになる。
この特別遊技演出制御部83は、さらに特別遊技状態ST2における操作演出を制御する操作演出制御部83aと、特別遊技状態ST2におけるラウンドごとのラウンド演出を制御するラウンド演出制御部83bを備える。操作演出制御部83aは、特別遊技演出の演出パターンに、遊技者に第1操作ボタン6又は第2操作ボタン7の操作を促す操作演出が含まれている場合に、その操作演出を行うタイミングで操作演出制御部83aを機能させる。そして操作演出制御部83aは、例えば、画像表示器12に、第1操作ボタン6又は第2操作ボタン7の操作を促す画像などを表示させることにより、操作演出を実行する。また操作演出制御部83aは、特別遊技演出の実行中に、操作演出を行うとき、遊技演出設定部72に対してその旨を通知する。
ラウンド演出制御部83bは、特別遊技状態ST2において所定の開放パターンにより第1大入賞口15または第2大入賞口16がロング開放となるラウンドをカウントし、現在のラウンドに対応するラウンド演出を制御するものであり、ラウンドの進行に伴ってラウンド演出を更新する。このラウンド演出制御部83bは、第2大入賞口16がロング開放となるラウンドを有する開放パターンの場合に、第2大入賞口16がロング開放となるラウンドにおいて、第2大入賞口16に向けて遊技球を発射することを促すための特定示唆演出を実行する。すなわち、第2大入賞口16がロング開放となるラウンドは、その後の大当たりの当選確率を高確率状態へと移行させることができるラウンドであるため、他のラウンドと比較して遊技者に有利な遊技価値が付与される期待度が高いラウンドである。そのため、第2大入賞口16がロング開放となるラウンドにおいて、遊技者に、第2大入賞口16に向けて遊技球を発射することを促す演出は、上述した特定示唆演出の一種である。ラウンド演出制御部83bは、特別遊技演出の実行中に、特定示唆演出を行うとき、遊技演出設定部72に対してその旨を通知する。
特定遊技演出制御部84は、特別遊技状態ST2が終了して特定遊技状態ST3へ移行することに伴って機能する。この特定遊技演出制御部84は、特定遊技状態ST3においてメイン制御基板31から変動開始コマンドを受信すると、特定遊技状態ST3における図柄変動演出の実行を制御する。すなわち、特定遊技演出制御部84は、メイン制御基板31から変動開始コマンドを受信することに伴い、特定遊技状態ST3のために予め設けられている複数の演出パターンの中から、メイン制御基板31において行われる特別図柄の変動表示の変動時間に対応する一の演出パターンを決定する。このとき、特定遊技演出制御部84は、特別遊技判定の結果に対応する演出パターンを決定する。そして特定遊技演出制御部84は、決定した演出パターンに基づいて画像制御基板53やランプ制御基板54を制御することにより、その演出パターンに基づく図柄変動演出の実行を開始する。尚、特定遊技状態ST3のために設けられる複数の演出パターンには、それぞれの演出パターンに対応する演出音が予め設定されている。そのため、特定遊技演出制御部84が演出パターンに基づく図柄変動演出の実行を開始すると、スピーカー8からその演出パターンに対応する音楽や効果音、音声などの演出音が出力されるようになる。
また特定遊技状態ST3において大当たりに当選する確率状態には、高確率状態と、低確率状態の2つがある。特定遊技演出制御部84は、高確率状態であれば、高確率状態に対応する複数の演出パターンの中から一の演出パターンを決定する。また低確率状態である場合、特定遊技演出制御部84は、低確率状態に対応する複数の演出パターンの中から一の演出パターンを決定する。そのため、特定遊技演出制御部84が特定遊技状態ST3において図柄変動演出を行うときには、大当たりに当選する確率状態が高確率状態である場合と、低確率状態である場合とで、異なる演出態様の演出が行われるようになる。そのため、遊技者は、特定遊技状態ST3において行われる演出態様により、現在の確率状態が高確率状態と低確率状態とのいずれであるかを把握することができる。
この特定遊技演出制御部84は、通常遊技演出制御部82と同様に、特定遊技状態ST3における操作演出を制御する操作演出制御部84aと、特定示唆演出を制御する特定示唆遊技演出制御部84bを備える。そのため、変動開始コマンドに基づいて決定した演出パターンに、所定のタイミングで操作演出を行うパターンが含まれている場合、操作演出制御部84aは、所定のタイミングで操作演出を実行することが可能である。また変動開始コマンドに基づいて決定した演出パターンに、特定示唆演出を行うパターンが含まれている場合、特定示唆遊技演出制御部84bは、図柄変動演出を開始してから特定示唆演出を行うタイミングになると、特定示唆演出を実行することが可能である。操作演出制御部84a及び特定示唆遊技演出制御部84bは、それぞれ図柄変動演出の実行中に、操作演出や特定示唆演出を行うとき、遊技演出設定部72に対してその旨を通知する。
そして通常遊技演出制御部82は、図柄変動演出の実行を開始した後、メイン制御基板31から変動停止コマンドを受信すると、図柄変動演出を終了させ、画像表示器12において3つの装飾図柄12a,12b,12cを特別遊技判定の結果に対応する確定図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる。これにより、遊技者に特別遊技判定の結果を報知することができる。特定遊技演出制御部84によって行われる図柄変動演出が大当たり図柄で停止すると、遊技演出制御部71による演出制御は、特定遊技演出制御部84から再び特別遊技演出制御部83へと移り、特別遊技演出制御部83による特別遊技演出が行われる。
また通常遊技演出制御部82又は特定遊技演出制御部84による図柄変動演出が停止した後、メイン制御基板31から次の変動開始コマンドを受信しない状態が所定時間以上継続すると、遊技演出制御部71による演出制御は、待機演出制御部81へと移る。そして待機演出制御部81が、通常遊技状態ST1又は特定遊技状態ST3に応じた待機演出を実行する。
このように遊技演出制御部71は、待機演出制御部81、通常遊技演出制御部82、特別遊技演出制御部83及び特定遊技演出制御部84のそれぞれを動作させることにより、メイン制御基板31から受信する信号やコマンドなどに基づいて遊技の進行に応じて遊技機1で行うべき演出を統括的に制御する。
次に、遊技演出設定部72、報知処理部73、初期設定部74および遊技検知部75について説明する。
遊技演出設定部72は、遊技演出に関する各種の設定を行う処理部である。この遊技演出設定部72は、電源投入時には、初期設定部74からの指示に基づき、演出に関する基本的な設定を行う。すなわち、遊技機1への電源投入時、初期設定部74は、設定スイッチ28の設定状態に基づき、枠ランプ9や画像表示器12の輝度レベル、スピーカー8から演出音を出力するときの音量レベルの初期値、アピールランプ機能などの設定を遊技演出設定部72に指示する。遊技演出設定部72は、そのような初期設定部74からの指示に基づき、枠ランプ9や画像表示器12の輝度レベルを設定スイッチ28で指定されたレベルに設定する共に、スピーカー8の音量レベルを設定スイッチ28で指定された初期値に設定する。また遊技演出設定部72は、初期設定部74からの指示に基づき、アピールランプ機能をオン又はオフに設定する。アピールランプ機能がオンになると、遊技機1における賞球の払い出し球数が所定球数を超えると、例えば枠ランプ9が所定の発光パターンで発光するようになる。遊技演出設定部72は、初期設定部74からの指示に基づいて遊技演出に関する初期設定を行うと、その初期設定の内容を報知処理部73へ通知する。
この遊技演出設定部72は、音量調整部72aを備えている。音量調整部72aは、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルを調整する処理部であり、演出制御基板52から画像制御基板53に対して演出音が出力されるときにその音量レベルを予め設定されたレベルに調整して出力するように構成される。この音量調整部72aは、電源投入時には音量レベルを初期設定部74から指示される初期値に設定する。そのため、遊技機1に電源が投入されると、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルは、店員が操作可能な設定スイッチ28で指定された初期値に設定される。また遊技演出設定部72には第2操作ボタン7が接続されており、音量調整部72aは、電源投入時に音量レベルを設定スイッチ28で指定された初期値に設定した後、遊技者によって第2操作ボタン7が操作されると、その操作に基づいて音量レベルを変更することができるように構成される。したがって、遊技者は、第2操作ボタン7を操作することにより、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルを所定の調整可能範囲内で所望のレベルに変更することが可能である。そして音量調整部72aは、現在の音量レベルを報知処理部73へ通知する。
ただし、音量調整部72aは、遊技者によって第2操作ボタン7が操作された場合に常にその操作に基づいて音量レベルを変更するのはなく、遊技者による第2操作ボタン7の操作を音量調整操作として受け付ける期間に制限がある。すなわち、遊技演出制御部71によって図柄変動演出や特別遊技演出などの各種演出が行われているとき、遊技者に第2操作ボタン7の操作を促し、遊技者によって所定のタイミングで第2操作ボタン7が操作されると、その操作に応じた演出が行われることがある。この場合、遊技者による第2操作ボタン7の操作は、音量調整のために行われる操作ではなく、現在の演出を別の演出に切り替えるために行われる操作である。そのため、音量調整部72aは、遊技演出制御部71が遊技者による第2操作ボタン7の操作に応じた演出を行う期間中に、遊技者による第2操作ボタン7の操作を検知したとしても、そのような操作を音量調整操作として受け付けない。言い換えると、音量調整部72aは、遊技演出制御部71によって第2操作ボタン7の操作に応じた演出が行われない期間中に限り、遊技者による第2操作ボタン7の操作を音量調整操作として受け付け、その操作に基づいてスピーカー8から出力される演出音の音量レベルを変更する。
また音量調整部72aは、遊技者によって音量レベルが初期値から変更された後、遊技演出制御部71において待機演出制御部81による待機演出が開始されると、その待機演出が開始されてからの経過時間を計測する。そして待機演出が開始されてから所定時間が経過すると、音量調整部72aは、所定条件下で音量レベルを初期値に戻すように構成される。そのため、例えば遊技者が音量レベルを変更した後に遊技を止めて遊技機1の正面位置から立ち去ってしまった場合、音量レベルは自動的に設定スイッチ28で定められた初期値に復帰する。
また音量調整部72aは、遊技者によって調整された音量レベルで演出音が出力されているとき、遊技演出制御部71によって所定の演出が行われるタイミングで音量レベルを上昇させる。これにより、遊技演出制御部71によって所定の演出が行われるときの演出音をそれ以前よりも大音量でスピーカー8から出力することができるようになり、遊技者を所定の演出に注目させることができる。音量レベルを上昇させる演出には、例えば遊技者の操作に関わる演出や、遊技者に有利な遊技価値が付与される期待度が通常よりも高い演出、歌唱付き音楽などの所定の音楽がスピーカー8から出力される演出などがある。また遊技者の操作に関わる演出には、遊技者に第1操作ボタン6や第2操作ボタン7の操作を促す操作演出や、遊技者にハンドルレバー5の操作角度を調整させて遊技盤10の所定位置に向けて遊技球を打ち出すことを促す演出などが含まれる。音量調整部72aは、これら所定の演出が行われるタイミングで音量レベルを上昇させるときには、音量レベルを最大レベルまで上昇させるようにして良いし、また所定レベル未満のときには所定レベルまで上昇させるようにしても良い。さらに、現在の音量レベルを所定デシベル上昇させるものであっても構わない。そして遊技演出制御部71によって行われる所定の演出が終了すると、音量調整部72aは、それ以前の音量レベルに戻す。これにより、遊技演出制御部71によって所定の演出が行われる期間中だけ、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルが上がることになり、遊技者を所定の演出に注目させることができると共に、所定の演出が終了すると、遊技者が所望する音量レベルに戻る。
尚、遊技演出制御部71によって所定の演出が行われるとき、音量レベルが既に最大レベルになっていれば、音量調整部72aは音量レベルを上昇させる必要はない。ただし、遊技者によって調整可能な最大レベルと、遊技機1が出力可能な最大音量レベルとが相違しており、遊技者が調整可能な最大レベルが遊技機1で出力可能な最大音量レベルよりも小さいときには、遊技者が調整可能な最大レベルを越えて遊技機1で出力可能な最大音量レベルに上昇させるようにしても良い。また、遊技者によって音量レベルが調整されていない場合であっても、電源投入時に設定した音量レベルの初期値が最大値よりも小さいときには、遊技演出制御部71によって所定の演出が行われるときに音量レベルを初期値から更に上昇させるようにすることが好ましい。
初期設定部74は、上述のように電源投入時に動作し、演出制御基板52が制御する各部の初期駆動(テスト駆動)を行って各部が正常に動作するか否かを検証する。このとき、初期設定部74は、設定スイッチ28の設定状態を読み出して遊技演出設定部72に遊技演出に関する基本的な設定を行うように指示する。また初期設定部74は、電源投入時に動作すると、報知処理部73に対して報知指示を出力する。
遊技検知部75は、遊技者によって遊技が行われることを検知する検知手段である。この遊技検知部75は、例えば第1操作ボタン6、第2操作ボタン7およびハンドルレバー5に接続されており、遊技者によって第1操作ボタン6、第2操作ボタン7又はハンドルレバー5が操作されると、遊技者が遊技を行おうとしていることを検知する。すなわち、この遊技検知部75は、遊技者が操作可能な操作部材が操作されると、それによって遊技者を検知するように構成される。ただし、これに限られるものではなく、例えば遊技盤10に発射される遊技球を検知して遊技者による遊技状態であることを検知するようにしても良いし、また遊技機本体1a又は遊技盤10の任意の位置に遊技機1の正面側に位置する遊技者を非接触で検知するセンサを配置し、そのセンサによって遊技者による遊技状態であることを検知するようにしても良い。
そして遊技検知部75は、遊技演出制御部71において待機演出制御部81による待機演出が行われているときに、遊技者を検知すると、報知処理部73に対してその検知結果を通知する。待機演出制御部81によって行われる待機演出には、上述のように通常遊技状態ST1における通常待機演出と、特定遊技状態ST3における特定待機演出との2種類がある。そのため、遊技検知部75は、それら通常待機演出と特定待機演出のいずれが実行されている場合であっても、遊技者を検知すれば、報知処理部73に対して遊技者を検知したことを通知するようにしても良い。ただし、これに限らず、通常待機演出が行われているときには、遊技者を検知することに伴って報知処理部73への通知を行い、特定待機演出が行われているときには、遊技者を検知しても報知処理部73への通知は行わないようにしても良い。
報知処理部73は、遊技機1の演出に関する設定状態や、第2操作ボタン7を操作することによって音量レベルを調整可能であることを報知する処理部である。報知処理部73は、画像制御基板53を介して画像表示器12に報知画像を表示したり、スピーカー8から報知用の音声を出力したりすることで報知するものであっても良いし、ランプ制御基板54を介して枠ランプ9又は盤面ランプ56を所定の発光パターンで発光させることにより報知するものであっても良い。この報知処理部73は、電源投入時に初期設定部74から報知指示を受けることによって機能する第1報知部73aと、電源投入後の通常の動作時において遊技検知部75から遊技者を検知した通知を受けることによって機能する第2報知部73bとを備えている。
第1報知部73aは、電源投入時に初期設定部74から報知指示を受けると、遊技演出設定部72による初期設定の内容を店員に対して報知する。上述したように、遊技機1において遊技演出に関する基本的な設定を行う設定スイッチ28は、遊技機本体1aの背面側に設けられており、例えば電源スイッチ27が常時にオン状態にされており、島設備側で電源の投入又は遮断を切り替えることにより、島設備全体で一括して遊技機1に対する電源の投入が行われることもある。そのような場合、遊技機本体1aを本体枠1bから開放することなく、本体枠1bに固定して施錠した状態のままで遊技機1に電源が投入される。このとき、第1報知部73aは、設定スイッチ28に基づく初期設定の内容を店員に報知するため、店員は遊技機本体1aを解錠して本体枠1bから開放することなく、初期設定の状態を確認することができ、スピーカー8から出力される音量レベルの初期値も同時に確認することができる。したがって、各店員が開店前の作業を行うときには、店舗において予め定められた設定状態になっていない遊技機1だけを選択して遊技機本体1aを本体枠1bから開放すれば良いため、島設備に設けられた全ての遊技機1を開放する必要がなく、効率的に作業を進めることができるようになる。
第2報知部73bは、待機演出制御部81による待機演出が行われているときに、遊技検知部75から遊技者を検知したことが通知されることに伴い、遊技者に対して音量レベルの調整操作に関する報知を行う。すなわち、第2操作ボタン7は、主として遊技演出制御部71によって行われる演出を別の演出に切り替えたりするために遊技者によって操作されるボタンであるため、遊技者によってはそのような第2操作ボタン7を操作することにより音量レベルの調整が可能であることを熟知していないこともある。そのため、第2報知部73bは、待機演出制御部81によって待機演出が行われているときに、遊技検知部75から遊技者を検知したことが通知されると、これから遊技を始めようとする遊技者に対し、第2操作ボタン7を操作することによって演出音の音量レベルが調整可能であることを報知したり、或いは、現在の音量レベルを報知したりする。
また第2報知部73bは、遊技者による音量調整操作に基づいて演出音の音量レベルが変更されたとき、遊技演出設定部72から通知される現在の音量レベルを遊技者に報知する。例えば、第2報知部73bは、画像表示器12で表示する画像と、スピーカー8から出力する演出音との双方によって現在の音量レベルを報知する。すなわち、遊技者による音量調整操作が行われたタイミングでスピーカー8から現在行われている演出に対応する演出音が出力されている場合、第2報知部73bは、その出力中の演出音の音量レベルをリアルタイムで変更する。これにより、遊技者は、音量調整操作に基づいて変更された現在の音量レベルに基づく演出音がどの程度の音量であるかを、音量調整操作を行いながら把握することができる。これに対し、例えば、遊技者による音量調整操作が行われたタイミングにおいて遊技演出制御部71による待機演出が行われており、スピーカー8から演出音が出力されていない無音状態の場合、第2報知部73bは、現在の遊技状態に対応する演出音をスピーカー8から強制的に出力させ、その演出音の音量レベルをリアルタイムで変更する。例えば、通常遊技状態ST1における通常待機状態であるとき、第2報知部73bは、通常遊技演出制御部82によって図柄変動演出が行われるときの演出音を強制的にスピーカー8から出力させると共に、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルを、音量調整操作に基づきリアルタイムで変更する。また例えば、特定遊技状態ST3における特定待機状態であるとき、第2報知部73bは、特定遊技演出制御部84によって図柄変動演出が行われるときの演出音を強制的にスピーカー8から出力させると共に、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルを、音量調整操作に基づきリアルタイムで変更する。したがって、遊技機1が演出音を出力していない無音状態において遊技者による音量調整操作が行われた場合には、スピーカー8から現在の遊技状態に対応する演出音が出力されるようになり、しかも音量調整操作に基づいてスピーカー8から実際に出力される演出音の音量が変化するため、遊技者はスピーカー8から実際に出力される演出音を聞きながら音量調整操作を行うことができる。
以下、このような演出制御基板52の具体的な動作について説明する。
図22は、演出制御基板52において電源投入時に行われる電源投入処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、演出制御基板52において主として上述した初期設定部74、遊技演出設定部72および報知処理部73が機能して行われる処理であり、遊技機1への電源投入に伴って開始される。演出制御基板52は、この処理を開始すると、メイン制御基板31から初期設定コマンドを受信したか否かを判断し(ステップS900)、メイン制御基板31から初期設定コマンドを受信した場合(ステップS900でYES)、その初期設定コマンドに基づいて初期動作を開始する(ステップS901)。初期動作において、演出制御基板52は、初期設定部74を機能させ、盤面ランプ56、画像表示器12、スピーカー8などの演出手段を初期駆動させる。メイン制御基板31から初期設定コマンドを受信しない場合(ステップS900でNO)、演出制御基板52は、受信するまで待機状態となる。
演出制御基板52は初期動作を開始すると、設定スイッチ28における設定状態を読み出し、その設定状態に基づいて遊技演出に関する初期設定を行う(ステップS902)。そして演出制御基板52は、第1報知部73aを機能させ、設定スイッチ28の設定状態に基づく初期設定の内容を店員に報知する(ステップS903)。これにより、音量レベルの初期値を含む遊技演出に関する初期設定の状態が店員に報知される。そのため、店員は、その報知により、遊技演出に関する初期設定が店舗において予め定められた設定状態になっているか否かを把握することができる。そして店舗において予め定められた設定状態になっていないときには、遊技機本体1aを開放して設定スイッチ28を操作することにより、適切な設定状態に変更することができる。演出制御基板52は、初期動作が終了したか否か判断し(ステップS904)、初期動作が終了していない場合(ステップS904でNO)、ステップS902およびS903を繰り返し行う。したがって、店員が設定スイッチ28を操作して遊技演出に関する基本的な設定を変更すると、その都度、遊技機1から報知される報知内容が変更される。これにより、店員は、適切な設定状態に変更されたか否かを確認することができる。初期動作が終了した場合(ステップS904でYES)、設定スイッチ28に基づく設定状態の報知処理を終了し(ステップS905)、タイマ割込許可を行って(ステップS906)、電源投入処理を終了する。以上の処理により、演出制御基板52は、電源投入後において盤面ランプ56などの演出手段を所定時間初期駆動させた後に遊技を進行させることが可能な待機状態へと移行させる。そして第1報知部73aは演出制御基板52により初期動作が行われているときに、設定スイッチ28によって調整されている音量レベルを店員に報知することができる。
図23は、設定スイッチ28に基づく遊技演出に関する初期設定の状態を報知する一態様を示す図である。図23の例では、画像表示器12の液晶表示部12dにおいて、設定スイッチ28が中に設定されていることが報知されている。同様に、枠ランプ9を設定スイッチ28が「中」である場合の点灯パターンで点灯させることにより、設定スイッチ28が「中」に設定されていることが報知されている。すなわち、図23では、遊技盤10の左側に配置された左枠ランプ9c及び遊技盤10の右側に配置された右枠ランプ9dのうち、所定の範囲のランプを点灯させることによって、設定スイッチ28が「中」に設定されていることが報知されている。また、遊技盤10の上方に配置された上枠ランプ9a及び遊技盤10の下方に配置された下枠ランプ9bのうち、所定の範囲のランプを点灯させることによって、設定スイッチ28が「中」に設定されていることが報知されている。なお、設定スイッチ28の設定状態の報知態様は図23に示す態様に限られるものではなく、例えば可動役物を所定位置まで駆動させることにより設定スイッチ28の設定状態を報知し、或いは遊技盤10の遊技者側に配置された盤面ランプを点灯させることにより設定スイッチ28の設定状態を報知することも可能である。また、図23に示すような報知が行われるとき、演出制御基板52はスピーカー8から設定スイッチ28が「中」に設定されていることを音声により報知するようにしても良い。
電源投入時に図23に示す態様で設定スイッチ28に基づく遊技演出に関する初期設定の状態が報知されることにより、店員は、遊技機1への電源投入直後において、遊技機本体1aを本体枠1bから開放することなく、所望の設定状態となっているか否かを把握することができる。そして所望の設定状態となっていれば、遊技機本体1aを本体枠1bから開放して設定スイッチ28の状態を確認する必要がないため、効率良く開店前の作業を行っていくことができる。
そして電源投入処理が完了すると、演出制御基板52において遊技演出制御部71が動作を開始し、変動開始コマンドなどの遊技の進行に応じてメイン制御基板31から出力される各種コマンドを待機する状態となる。すなわち、遊技演出制御部71においては、はじめに待機演出制御部81が機能し、待機演出を実行する。
図24は、待機演出の実行中において画像表示器12に表示される表示画面例を示す図である。図24(a)は、待機演出中において画像表示器12に表示される待機画面12eの一例を示したものである。この待機画面12eは、その中央部に、例えば遊技者の来店を歓迎する旨の文言を表示する。待機画面12eは、遊技検知部75が遊技者を検知したか否かにかかわらず表示され、待機演出が実行されている間、表示状態が継続する。また待機画面12eが通常遊技状態ST1における通常待機演出の表示画面であるとすると、待機画面12eが表示されている状態のとき、スピーカー8から演出音は出力されない。
このような待機画面12eが表示されているとき、遊技者によって第1操作ボタン6が操作されると、画像表示器12の表示画面は、図24(a)から図24(b)に示す画面に切り替わる。すなわち、遊技者によって第1操作ボタン6が押下操作されることにより、図24(b)のように、遊技機1における直近のRAMクリア後の遊技履歴を示す遊技履歴表示画面12fが表示される。このとき、遊技検知部75によって遊技者が検知されるため、遊技機1においては遊技者に対する音量調整操作に関する報知処理が行われる。そのような報知処理では、演出音の音量レベルの設定値を調整変更することが可能である旨の操作案内画像が画像表示器12に表示される。かかる操作案内画像については後ほど詳説する。画像表示器12に遊技履歴表示画面12fが表示されている状態で、遊技者は例えば再び第1操作ボタン6を押下することにより遊技履歴表示画面12fを消去することが可能である。この場合、画像表示器12の表示画面は、図24(a)に示す待機画面12eに戻る。
これに対して、待機画面12eが表示されているときに遊技者が第1操作ボタン6ではなく演出音の音量レベルの設定値を調整変更する第2操作ボタン7を操作した場合には、演出制御基板52において報知処理部73が機能し、その報知処理部73の第2報知部73bにより、図24(c)のように、画像表示器12に音量レベルの設定値を調整変更する音量調整画面GAが表示される。この音量調整画面GAは、画像制御基板53により待機画面12eの前面側の一部領域に重畳して表示される。そのため、音量調整画面GAの表示領域以外では、遊技者は待機画面12eを視認することが可能である。このような音量調整画面GAは、現在の音量レベルを数値で表示すると共に、遊技者による音量調整可能な範囲内における現在の音量レベルをレベルバー態様で表示する。尚、図24(c)の例では、現在の音量レベルが70である場合を例示している。待機画面12eの表示中に音量調整画面GAを表示するとき、後に詳しく説明する、演出音の音量レベルの設定値を調整変更することが可能である旨の操作案内画像は、画像表示器12に表示する必要はない。なぜなら、待機画面12eが表示されている状態で遊技者が第2操作ボタン7を操作する場合、遊技者は音量レベルの設定値を調整変更可能であることを知って第2操作ボタン7を操作していると推認されるため、音量レベルの設定値を調整変更可能であることを報知する操作案内報知を敢えて行う必要がないからである。ただし、これに限らず、音量調整画面GAを表示するとき、それと合わせて演出音の音量レベルの設定値を調整変更することが可能である旨の操作案内画像を表示するようにしても良い。図24(c)に示すような音量調整画面GAが表示されると、遊技者は、音量調整画面GAで現在の音量レベルを確認しながら、音量レベルを所望のレベルに調整することができるようになる。
図25および図26は、音量調整部72aが遊技者による音量調整操作に基づいて音量レベルを変更することに伴う音量調整画面GAの変化を示す図である。例えば図25(a)に示すように、音量調整画面GAに表示された現在の音量レベルが「70」であるとき、図25(b)に示すように、遊技者によって第2操作ボタン7に含まれる右側のボタン7c(又は上側のボタン7a)が1回押下操作されると、音量調整部72aは現在の音量レベルを1段階アップさせる。このとき、報知処理部73によって画像表示器12に表示される音量調整画面GAは、図25(c)に示すような表示画面に更新される。すなわち、図25(c)の画面例では、音量レベルが1段階アップして「80」となって表示されている。尚、図例では、音量レベルが1段階変化すると、音量レベルの値が10ずつ変化する場合を示しているが、これに限られるものではなく、音量レベルの値が1ずつ変化するものであっても良い。
また図26(a)に示すように、音量調整画面GAに表示された現在の音量レベルが「70」であるとき、図26(b)に示すように、遊技者によって第2操作ボタン7に含まれる左側のボタン7c(又は下側のボタン7a)が1回押下操作されると、音量調整部72aは現在の音量レベルを1段階ダウンさせる。このとき、報知処理部73によって画像表示器12に表示される音量調整画面GAは、図26(c)に示すような表示画面に更新される。すなわち、図26(c)の画面例では、音量レベルが「70」から「60」に1段階ダウンした状態となって表示されている。
また待機演出の実行中において上記のような音量調整操作が行われるとき、第2報知部73bは、現在の遊技状態に応じた演出音をスピーカー8から強制的に出力し、遊技者による音量調整操作に基づき、スピーカー8から出力される演出音の音量を変化させる。したがって、遊技者は、画像表示器12に表示される音量調整画面GAにより視覚で現在の音量レベルを確認することができると共に、実際にスピーカー8から出力される演出音により聴覚で現在の音量レベルを確認することができる。そのため、遊技者は遊技を開始する前にスピーカー8から出力される演出音を予め所望の音量レベルに設定しておくことができる。
次に、図27は、現在の音量レベルが最大に調整されている状態において、さらに音量レベルをアップさせるボタン7cが押下操作された場合の音量レベル調整の一例を示す図である。図27(a)に示すように、現在の音量レベルが最大の「100」に調整されているとき、図27(b)に示すように遊技者によって音量レベルをアップさせるための右側のボタン7c(又は上側のボタン7a)が押下されると、音量調整部72aは、音量レベルを最大から最小に変更する。このとき、画像表示器12に表示される音量調整画面GAは、図27(c)に示すような表示画面に更新される。すなわち、図27(c)の画面例では、音量レベルが最小の「10」を示した状態となって表示されている。なお、右側のボタン7cがさらに押下されると、音量レベルは最小から1段階ずつアップする。そして、再び音量レベルが最大の「100」に達した場合、ボタン7cがさらに押下されると、音量レベルが再び最小の「10」に変更される。すなわち、第2操作ボタン7において音量レベルをアップさせる右側のボタン7cが遊技者によって操作されることに伴い、音量調整部72aは、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルを上昇させると共に、最大音量レベルである状態でボタン7cが遊技者によってさらに操作されることに伴い、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルを最小レベルに変更する。これにより遊技者は、一つのボタン7cのみの押下操作により音量レベルを所望のレベルに調整でき、仮に第2操作ボタン7を構成する他のボタンに不具合が発生し操作不可能となっても、適切に所望の音量レベルに調整できる。
図28は、現在の音量レベルが最小に調整されている状態において、さらに音量レベルをダウンさせるボタン7dが押下操作された場合の音量レベル調整の一例を示す図である。図28(a)に示すように、現在の音量レベルが最小の「10」に調整されているとき、図28(b)に示すように遊技者によって音量レベルをダウンさせるための左側のボタン7d(又は下側のボタン7b)が押下されると、音量調整部72aは、音量レベルを最小から最大に変更する。このとき、画像表示器12に表示される音量調整画面GAは、図28(c)に示すような表示画面に更新される。すなわち、図28(c)の画面例では、音量レベルが最大の「100」を示した状態となって表示されている。なお、左側のボタン7dがさらに押下されると、音量レベルは最大から1段階ずつダウンする。そして、再び音量レベルが最小の「10」に達した場合、ボタン7cがさらに押下されると、音量レベルは再び最大の「100」に変更される。すなわち、第2操作ボタン7において音量レベルをダウンさせる左側のボタン7dが遊技者によって操作されることに伴い、音量調整部72aは、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルを低下させると共に、最小音量レベルである状態でボタン7dが更に操作されることに伴い、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルを最大レベルに変更する。これにより遊技者は、一つのボタン7dのみの押下操作により音量レベルを所望のレベルに調整でき、仮に第2操作ボタン7を構成する他のボタンに不具合が発生し操作不可能となっても、適切に所望の音量レベルに調整できる。
上記のような音量調整画面GAは、遊技者による音量調整操作が行われなくなってから、所定時間が経過した後に画面上から消去され、非表示状態となる。そのため、第2報知部73bは、音量調整画面GAの表示を開始してから、遊技者による第2操作ボタン7の操作が検知される度に時間計測を開始し、最後の操作が行われてからの計測時間が所定時間を経過すると、音量調整画面GAを非表示に切り替える。
次に待機演出の実行中に遊技検知部75が遊技者を検知することにより、第2報知部73bによって行われる音量調整操作に関する報知について説明する。第2報知部73bは、遊技検知部75によって遊技を行おうとしている遊技者が検知されると、演出音の音量レベルが調整可能であることを遊技者に報知する。このような報知は、スピーカー8から出力する音声により行っても良いが、画像表示器12に、演出音の音量レベルが調整可能であることを示す操作案内画像を表示して報知するようにしても良い。
図29は、音量調整操作が可能であることを報知する操作案内画像GBの一例を示す図である。第1操作ボタン6、第2操作ボタン7、又はハンドルレバー5が操作され、遊技を行おうとしている遊技者を遊技検知部75が検知することにより、第2報知部73bは、操作案内画像GBを画像表示器12に表示させる。この操作案内画像GBは、スピーカー8から演出音が出力されるときの音量レベルを、第2操作ボタン7を操作することによって調整できることを遊技者に報知するものである。この操作案内画像GBは、画像制御基板53により待機画面12eの前面側の一部領域に重畳して表示される。そのため、操作案内画像GBの表示領域以外では、遊技者は待機画面12eを視認することが可能である。操作案内画像GBを表示するタイミングとしては、遊技者による遊技が検知されることにより即時に表示してもよいし、遊技者による遊技が検知されてから所定時間経過後に表示を開始してもよい。
第2報知部73bは、操作案内画像GBを画像表示器12に表示させるとき、図29(a)に示すように第2操作ボタン7を操作することによって音量レベルを調整可能であることを示す情報だけを含む態様で表示させるようにしても良い。このような表示態様によれば、遊技者に対して、第2操作ボタン7を操作することにより音量レベルが調整可能であることを報知することができる。第2報知部73bは、図29(a)に示すような操作案内画像GBを表示したときには、報知開始後所定時間が経過することにより操作案内画像GBを画面上から消去し、非表示状態へと戻す。
また第2報知部73bは、操作案内画像GBを画像表示器12に表示させるとき、図29(b)に示すように、操作案内画像GBを、第2操作ボタン7を操作することによって音量レベルを調整可能であることを示す情報に加え、上述の音量調整画面GAと同様に、現在の音量レベルを数値やレベルバー態様で示す情報を含む態様で表示させるようにしても良い。このような表示態様によれば、遊技者に対して、第2操作ボタン7を操作することにより音量レベルが調整可能であることだけでなく、現在の音量レベルを報知することも可能である。第2報知部73bは、図29(b)に示すような操作案内画像GBを表示したときには、報知開始後所定時間が経過することにより操作案内画像GBを画面上から消去し、非表示状態へと戻す。ただし、遊技者による音量調整操作が行われるときには、その音量調整操作が終了して所定時間が経過するまで操作案内画像GBの表示状態を継続させるようにしても良い。
また第2報知部73bは、操作案内画像GBを画像表示器12に表示させるとき、図29(c)に示すように、第2操作ボタン7を操作することによって音量レベルを調整可能であることを示す情報だけを含む操作案内画像GBと、上述した音量調整画面GAとを並べた態様で表示させるようにしても良い。この場合、操作案内画像GBと音量調整画面GAの表示は、遊技者による遊技が検知されてから即時に表示してもよいし、遊技検知後所定時間を経過してから表示しても良い。また、操作案内画像GBと音量調整画面GAの表示を同時に開始してもよいし、別々のタイミングで表示を開始してもよい。第2報知部73bは、図29(c)に示すような態様で操作案内画像GBを表示したときには、報知開始後所定時間が経過することにより操作案内画像GBを画面上から消去し、非表示状態へと戻す。このとき、遊技者による音量調整操作が行われていないときには、同時に音量調整画面GAを非表示にする。ただし、遊技者による音量調整操作が行われるときには、音量調整画面GAの表示状態を継続し、操作案内画像GBだけを画面上から消去する。また操作案内画像GBは、遊技者によって第2操作ボタン7に対する音量調整操作が開始されることに伴い消去されるように構成してもよい。なぜなら、遊技者が音量調整のため第2操作ボタン7の押下操作する状態になった後には、音量調整が可能である旨の案内表示は不要となるからである。
待機演出の実行中に遊技を行おうとしている遊技者が検知されると、上記のような操作案内画像GBを画像表示器12に表示させることにより、遊技者に対して音量レベルが調整可能であること、および、音量レベルの調整方法が報知される。そのため、第2操作ボタン7を操作すれば音量レベルの調整が可能であることを知らない遊技者が遊技を開始する前の、又は遊技を開始した直後の比較的早い段階で、遊技者に、音量レベルの調整方法を知らせることができる。その結果、遊技者は、初期値に設定された音量レベルや、他の遊技者によって設定された音量レベルを、自身で所望のレベルに変更したうえで遊技を行うことができるようになる。
次に、遊技演出制御部71によって行われる遊技演出について説明する。まず図30は、通常遊技演出制御部82によって図柄変動演出が行われるときの演出態様の一例を示す図であり、(a)は通常ゾーン演出として図柄変動演出が行われる場合を、(b)は期待度アップゾーンとして図柄変動演出が行われる場合を例示している。ここで通常ゾーン演出とは、通常の演出態様で行われる図柄変動演出をいう。これに対し、期待度アップゾーン演出とは、例えば保留の先読み判定などにより通常ゾーンから移行させて設定される演出であって、複数回の連続的な図柄変動演出に跨って設定される、通常の演出態様とは異なる態様の図柄変動演出をいう。通常遊技状態ST1において通常ゾーン演出に対応する図柄変動演出が行われる場合、例えば図30(a)に示すように、画像表示器12に所定の背景画像12gが表示され、その背景画像12gの前面側において3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示が行われる。このような通常の演出態様で図柄変動演出が行われるとき、大当たりに当選する期待度はそれ程高くない。これに対し、例えば保留として記憶された遊技データの先読み判定などにより、通常ゾーン演出から期待度アップゾーン演出に移行すると、図30(a)に示す状態から図30(b)に示す状態へと移行し、期待度アップゾーンに対応する演出態様で図柄変動演出が行われる。期待アップゾーン演出に対応する図柄変動演出が行われる場合、例えば図30(b)に示すように、画像表示器12において通常ゾーン演出とは異なる背景の背景画像12hが表示され、その背景画像12hの前面側において3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示が行われるようになる。このような期待度アップゾーンは、例えば先読み判定などにより、保留として記憶されている遊技データの中に、大当たりとなるものや、リーチとなるものが含まれている場合に設定される。そのため、期待度アップゾーンにおいて複数回の図柄変動演出が連続的に行われる場合、いずれかの図柄変動演出で大当たりとなる可能性があるリーチ演出が行われるため、期待度アップゾーンにおける図柄変動演出は、遊技者に有利な遊技価値が付与される期待度が通常ゾーン演出よりも高い演出となる。そして期待度アップゾーンにおいて所定回数の図柄変動演出が終了すると、通常の演出態様で図柄変動演出が行われる通常ゾーン演出に戻る。このように本実施形態では、通常遊技演出制御部82によって行われる図柄変動演出として、通常ゾーンに対応する演出態様と、期待度アップゾーンに対応する演出態様との2つの演出態様があり、期待度アップゾーンに対応する演出態様が通常ゾーンに対応する演出態様よりも、遊技者に有利な遊技価値を付与する期待度が高い演出となっている。
上記のような期待度アップゾーンは、特定示唆演出のひとつとして行われる。そして音量調整部72aは、通常遊技演出制御部82によって行われる図柄変動演出が通常ゾーン演出から期待度アップゾーン演出に移行することに伴い、現在の音量レベルを一時的に上昇させる。これにより、遊技者を、期待度アップゾーンにおいて行われる図柄変動演出に注目させることができるようになる。そして期待度アップゾーンで図柄変動演出が継続する期間中、その上昇させた音量レベルを維持し、期待度アップゾーンから通常ゾーンへ戻ると、音量調整部72aは、音量レベルを元のレベルに戻す。
ただし、音量調整部72aは、現在の音量レベルが所定レベル以下である場合にのみ、期待度アップゾーン演出に移行したときに音量レベルを上昇させるようにしても良い。例えば、音量調整部72aは、現在の音量レベルが所定レベル以下である場合に、現在の音量レベルをこれより大きい所定の音量レベル(例えば最大レベルなど)に変更するようにしても良い。
次に図31は、通常遊技演出制御部82によって図柄変動演出が行われるときの演出の移行パターンの一例を示す図である。尚、図31では、上述した通常ゾーンでの演出態様を示している。通常遊技演出制御部82は、図柄変動演出を開始すると、図31(a)に示すように、3つの装飾図柄12a,12b,12cを例えば上下方向に変動させる図柄変動演出を開始する。このとき、通常遊技演出制御部82は、3つの装飾図柄12a,12b,12cを単に上下方向に変動させるだけの通常変動演出として図柄変動演出を開始する。このような図柄変動演出では、例えば3つの装飾図柄12a,12b,12cのうちの2つの図柄が同一図柄で揃うことにより、リーチとなってリーチ演出が行われることがある。そしてその後、図31(b)に示すように、遊技者に対して例えば第1操作ボタン6を押下操作することを促す操作演出に移行することがある。図31(b)の例では、変動中の3つの装飾図柄12a,12b,12cの前面側に、操作演出画像GCが表示されることにより操作演出が行われている。この操作演出は、所定期間が経過するまでの間に遊技者による第1操作ボタン6の操作を受け付ける演出である。そのため、操作演出画像GCは、遊技者にボタン操作を促す画像と、遊技者が第1操作ボタン6を操作可能な残り期間を示すタイミングバーとを含んでおり、タイミングバーの残り期間中にボタン操作を行うことを促す画像となっている。そして、遊技者が第1操作ボタン6をその期間中に押下操作すると、通常遊技演出制御部82は、操作演出画像GCに代わって、図31(c)に示すようなカットイン画像GDを表示するカットイン演出を行う。遊技者による操作に基づいて表示されるカットイン画像GDには、様々な種類の画像があり、大当たりに当選する期待度が中程度であることを示唆する通常の画像や、大当たりに当選する期待度が通常の画像よりも高いことを示唆する高期待度画像などがある。図31(c)では、高期待度画像がカットイン画像GDとして表示された例を示している。したがって、遊技者は、操作演出が行われているときに第1操作ボタン6を操作すると、それに伴って表示されるカットイン画像GDの種類により、当該図柄変動演出が大当たりとなる期待度が高いか低いかを把握することができる。また図31(b)に示すような操作演出が行われている状態で遊技者が所定期間内に第1操作ボタン6を操作しなかった場合、操作演出は終了し、カットイン演出は行われない。そのため、遊技者がカットイン画像GDの種類によって当該図柄変動演出が大当たりとなる期待度が高いか低いかを把握するためには、操作演出が行われている期間中に第1操作ボタン6を操作することが必要となる。
そして音量調整部72aは、通常遊技演出制御部82によって行われる図柄変動演出において図31(b)に示すような操作演出が行われるとき、現在の音量レベルを一時的に上昇させる。これにより、遊技者を、操作演出に注目させることができ、操作演出が行われている期間中にボタン操作を行わせることができるようになる。また音量調整部72aは、操作演出に引き続いて図31(c)に示すようなカットイン演出が行われるとき、そのカットイン演出において表示されるカットイン画像GDが高期待度画像であれば、現在の音量レベルを上昇させる。これにより、遊技者を、カットイン演出において表示されるカットイン画像GDに注目させることができ、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される可能性が通常よりも高いことを認識させることができる。そして音量調整部72aは、それらの演出が継続する期間中、その上昇させた音量レベルを維持し、それらの演出が終了すると、音量レベルを元のレベルに戻す。尚、音量調整部72aは、現在の音量レベルが所定レベル以下である場合にのみ、操作演出や高期待度画像によるカットイン演出が行われるときに音量レベルを上昇させるようにしても良い。
図32は、通常遊技演出制御部82が変動開始コマンドに基づいて決定する演出パターンの一例を示す図である。例えばメイン制御基板31において図32に示す変動時間TDが決定された場合、通常遊技演出制御部82は、その変動時間TDに対応する演出パターンを一つ決定する。図32では、変動時間TDに対応する2つの演出パターンPT1,PT2を示しており、例えば演出パターンPT1は特別遊技判定の結果がハズレの場合に選択される演出パターンであり、演出パターンPT2は特別遊技判定の結果が大当たりの場合に選択される演出パターンである。これら2つの演出パターンPT1,PT2は、いずれも、通常変動演出から通常リーチ演出、操作演出、カットイン演出、第1発展リーチ演出、第2発展リーチ演出へと順次移行し、最終的に確定図柄を表示する確定演出が行われる演出となっている。具体的に説明すると、タイミングT0で通常変動演出を開始し、タイミングT1で2つの装飾図柄が揃った状態の通常リーチ演出が行われる。そしてタイミングT2で操作演出が行われ、その操作演出が行われているT2からT3までの間に、遊技者により第1操作ボタン6または第2操作ボタン7が操作された場合、カットイン演出が入る場合がある。操作演出またはカットイン演出終了後、タイミングT3において第1発展リーチ演出に移行し、更にタイミングT4で第1発展リーチ演出から第2発展リーチ演出に移行する。そしてタイミングT5で3つ目の装飾図柄を停止させ、タイミングT6までの所定時間の間、特別遊技判定の結果を報知する確定演出を行う。このように2つの演出パターンPT1,PT2は同様の演出を順次行っていくパターンである。ただし、2つの演出パターンPT1,PT2において行われる各演出が示す大当たりとなる期待度は互いに異なる。例えば、演出パターンPT1において操作演出の後に行われるカットイン演出は期待度が中であるのに対し、演出パターンPT2において操作演出の後に行われるカットイン演出は期待度が高である。したがって、演出パターンPT2で行われるカットイン演出は、遊技者に有利な遊技価値が付与される期待度が演出パターンPT1で行われるカットイン演出よりも高い演出であり、特定示唆演出となっている。また演出パターンPT1において行われる第2発展リーチ演出は期待度が中であるのに対し、演出パターンPT2において行われる第2発展リーチ演出は期待度が高である。したがって、演出パターンPT2で行われる第2発展リーチ演出は、遊技者に有利な遊技価値が付与される期待度が演出パターンPT1で行われる第2発展リーチ演出よりも高い演出であり、特定示唆演出となっている。このような特定示唆演出が行われるとき、通常遊技演出制御部82において特定示唆遊技演出制御部82bが動作し、遊技者に対して有利な遊技価値が付与される期待度が通常よりも高いことを示唆するように構成される。
このように通常遊技演出制御部82は、メイン制御基板31から受信する変動開始コマンドに基づいて一の演出パターンを決定し、その決定した演出パターンに基づいて図柄変動演出を実行する。そして通常遊技演出制御部82は、操作演出や特定示唆演出を行うとき、その旨を遊技演出設定部72に通知し、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルを一時的に上昇させる。
尚、通常遊技演出制御部82が変動開始コマンドに基づいて決定する演出パターンには、図32に示した演出パターン以外にも様々なパターンがある。通常遊技演出制御部82は、メイン制御基板31において行われる特別図柄の変動時間TDに対応する演出パターンであって、現在の遊技状態に応じた一の演出パターンを決定する。例えば通常遊技演出制御部32は、通常ゾーンの演出態様で図柄変動演出を行うときには通常ゾーン演出に対応する複数の演出パターンの中から一の演出パターンを決定し、期待度アップゾーンの演出態様で図柄変動演出を行うときには期待度アップゾーン演出に対応する複数の演出パターンの中から一の演出パターンを決定する。そのため、メイン制御基板31において行われる特別図柄の変動時間TDが仮に同じ時間であっても、遊技機1における遊技状態や演出ゾーンが異なる場合には、遊技機1において異なる演出態様の図柄変動演出が行われるようになり、スピーカー8から出力される演出音も異なる演出音となることがある。
図33は、特別遊技演出制御部83によって特別遊技演出が行われるときの演出の移行パターンの一例を示す図である。上述したように、特別遊技状態ST2では第1大入賞口15または第2大入賞口16が開放パターンにより予め定められたラウンドにおいて開放状態に駆動され、所定時間が経過するまでの間、又は所定数の入賞がカウントされるまでの間、その開放状態が継続する。遊技球を第1大入賞口15または第2大入賞口16に入賞させることにより遊技者は多くの遊技球を獲得することが可能となる。そして、第1大入賞口15は第2始動口14のさらに右側に設けられ、第2大入賞口16はセンター役物11の右側に設けられていることから、遊技者は特別遊技においてセンター役物11の右側を転動していくように遊技球を発射させる必要がある。特別遊技演出制御部83は、メイン制御基板31から受信する特別遊技開始コマンドに基づき、第1大入賞口15及び第2大入賞口16の開放パターンを特定し、特別遊技中に行う特別遊技演出を決定する。そして特別遊技における第1ラウンドが開始されると、特別遊技演出制御部83は、ラウンド演出制御部83bを機能させ、図33(a)に示すように画像表示器12に第1ラウンドであることを表示するラウンド演出画面12iを表示させる。このラウンド演出画面12iでは、図33(a)に示すように、ラウンド表示の他に、大当たりになったことを示す3つの装飾図柄が揃った状態の停止図柄(大当たり図柄)が表示される。また特別遊技演出制御部83は、遊技者に、遊技球がセンター役物11の右側を転動するように発射させる操作を行わせるべく、遊技領域の右側を狙って遊技球を打ち出すことを促す発射案内情報をラウンド演出画面12iの上部に表示させる。尚、特別遊技状態ST2に移行すると、特別遊技が終了するまで、遊技者が遊技領域の右側領域を狙って遊技球を打ち出す遊技状態が継続するため、ラウンド演出画面12iの上部における発射案内情報は特別遊技が終了するまで継続的に表示される。また、特別遊技演出制御部83は、この発射案内情報の表示と共に、音声により遊技領域の右側を狙って遊技球を打ち出すことを促す案内をスピーカー8から出力してもよい。そして、この音声による案内をスピーカー8から出力する際、音量レベルを一時的に上昇させてもよい。これにより、遊技領域の右側を狙って遊技球を打ち出すべきタイミングを、演出画面の表示および音声の両方により遊技者に対して報知されるため、遊技者は時機を失することなく遊技領域の右側を狙って遊技球を打ち出すことが可能となる。
そしてラウンド演出制御部83bは、特別遊技中においてラウンド遊技が進行する度にラウンド演出画面12iにおけるラウンド表示を更新させていく。このとき、ラウンド演出制御部83bは、第1大入賞口15又は第2大入賞口16がロング開放するラウンドだけをカウントし、ショート開放するラウンドについてはカウントしない。つまり、ラウンド演出制御部83bは、特別遊技中に遊技者が多くの賞球を獲得し得るラウンド遊技が開始されることに伴ってラウンド表示を更新し、遊技者が賞球を獲得することが困難なショート開放のラウンド遊技が行われるときにはラウンド表示を更新しない。それ故、遊技機1において図8(a)、(b)に示した第1及び第2の特別遊技PA1,PA2が行われるときには、特別遊技演出として4ラウンドまでのラウンド演出が行われるようになり、図8(c)に示した第2の特別遊技PA3が行われるときには、特別遊技演出として全16ラウンド分のラウンド演出が行われるようになる。このようなラウンド演出には歌唱付き音楽などの様々な演出音が設定されており、ラウンド演出の実行が開始されると、スピーカー8から特別遊技の種類に対応する演出音が出力されるようになる。
ラウンド演出制御部83bによるラウンド演出が進行していく過程において、操作演出制御部83aが機能し、例えば図33(b)に示すように、遊技者に対して例えば第1操作ボタン6を押下操作することを促す操作演出が行われることがある。図33(b)の例では、ラウンド演出画面12iの前面側に、操作演出画像GEが表示されることにより操作演出が行われる。この操作演出は、上述したものと同様、所定期間が経過するまでの間に遊技者による第1操作ボタン6の操作を受け付ける演出である。そのため、操作演出画像GEは、遊技者にボタン操作を促す画像と、遊技者が第1操作ボタン6を操作可能な残り期間を示すタイミングバーとを含んでおり、タイミングバーの残り期間中にボタン操作を行うことを促す画像となっている。操作演出制御部83aによる操作演出が行われている期間中に、遊技者によって第1操作ボタン6が操作されると、特別遊技演出制御部83は、その操作に基づいて次の演出の実行を開始する。
このような操作演出は、第1又は第2の特別遊技PA1,PA2が行われている場合に、4ラウンド目のラウンド遊技が開始される前に行われる。例えば3ラウンド目のラウンド遊技が行われている途中から4ラウンド目のラウンド遊技が開始される前に、或いは、3ラウンド目のラウンド遊技が終了してから4ラウンド目のラウンド遊技が開始される前に、操作演出が行われる。そして操作演出が行われている期間中に遊技者によって第1操作ボタン6が操作されると、ラウンド演出制御部83bによる次の4ラウンド目のラウンド演出が開始される。ただし、操作演出が行われている期間中に遊技者によって第1操作ボタン6が操作されなかった場合でも、ラウンド演出制御部83bは、その期間の経過後に次の4ラウンド目のラウンド演出を開始する。
つまり、第1又は第2の特別遊技PA1,PA2が行われる場合、4ラウンド目のラウンド演出が行われるときに、第1大入賞口15がロング開放すればその後の大当たりの当選確率が低確率となるのに対し、第2大入賞口16がロング開放すればその後の大当たりの当選確率が高確率となる。そのため、操作演出制御部83aは、4ラウンド目のラウンド演出が開始される直前に操作演出を行うことにより、遊技者に第2大入賞口16がロング開放されることを期待させながらボタン操作を行わせることができる。
そして音量調整部72aは、操作演出制御部83aによる操作演出が行われることに伴い、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルを上昇させる。例えば、操作演出が行われるとき、演出音の音量レベルが所定レベル未満であれば、所定レベル以上の音量レベルに上昇させる。これにより、遊技者が音量の変化に気付いて遊技盤10に注目するため、操作演出画像GEを看過することなく、操作ボタン6,7を適切なタイミングにて押下操作可能となる。なお、操作演出開始後所定時間が経過した場合、又は遊技者が第1操作ボタン6を操作した場合、操作演出は終了する。ここで、操作演出の終了に伴い、音量調整部72aは、音量レベルの設定値を操作演出前の設定値に復する。なぜなら、操作演出終了により、遊技者をして遊技盤10に注目させる必要がなくなるからである。これにより、遊技者が事前に所望の音量レベルに手動設定していれば、その所望の音量レベルに復帰する。
操作演出が行われている期間中に遊技者がボタン操作を行った場合、或いは、操作演出の期間中に遊技者がボタン操作を行うことなくその期間が経過した場合、ラウンド演出制御部83bは、4ラウンド目のラウンド演出の実行を開始する。このとき、特別遊技として第2の特別遊技PA2が行われている場合、ラウンド演出制御部83bは、図33(c)に示すように第2大入賞口16がロング開放され、遊技者に有利な遊技価値が付与される期待度が高いことを示唆する特定ラウンド演出を行う。この特定ラウンド演出では、第2大入賞口16に設けられたVゲート18に遊技球を通過させることを狙って遊技者に遊技球の発射操作を行わせるべく、画像表示器12に特定ラウンド画像GFが表示される。このとき、スピーカー8からはVゲート18を狙って遊技球を発射すべきことを報知する音声を出力するようにしても良い。このような特定ラウンド演出は、遊技者にハンドルレバー5の操作角度を大きくさせて遊技領域の右側領域を狙わせる演出であり、遊技者の操作に関する演出の一種である。また特定ラウンド演出は、遊技者に有利な遊技価値が付与される期待度が高いことを示唆する演出であるため、特定示唆演出の一種である。
尚、特別遊技として第1の特別遊技PA1が行われている場合、ラウンド演出制御部83bは、4ラウンド目のラウンド演出として、図33(c)に示す特定ラウンド演出とは異なる演出であって、図33(a)に示したような通常のラウンド演出を実行する。
そして音量調整部72aは、ラウンド演出制御部83bによって特定ラウンド演出が行われるとき、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルを上昇させる。例えば、操作演出が行われるとき、演出音の音量レベルが所定レベル未満であれば、所定レベル以上の音量レベルに上昇させる。これにより、遊技者に演出音の音量レベルの変化を気付かせて遊技盤10に注目させることができ、遊技者が特定ラウンド画像GFを看過することなく、第2大入賞口16に遊技球が入賞するようにハンドルレバー5の操作角度を調整して遊技球を発射できる。なお、特定ラウンド演出が終了すると、音量調整部72aは、音量レベルの設定値を特定ラウンド演出前の設定値に復する。なぜなら、第2大入賞口16がロング開放するラウンドが終了するため、第2大入賞口16に入賞するよう遊技球を発射することを遊技者に促す必要がなくなるからである。これにより、遊技者が事前に所望の音量レベルに手動設定していれば、その所望の音量レベルに復帰する。なお、特別遊技演出制御部83は、特別遊技状態ST2が終了する際に、遊技領域の左側を狙って遊技球を打ち出すことを促す案内情報を演出画面に表示してもよい。また、特別遊技演出制御部83は、特別遊技状態ST2が終了する際、この案内情報を音声によりスピーカー8から出力させてもよく、音声を出力するときに音量レベルを一時的に上昇させてもよい。これにより、特別遊技状態ST2が終了するため遊技領域の左側を狙って遊技球を打ち出すことを促す案内情報は、演出画面における表示および音声によって遊技者に対して報知されるため、遊技者は確実にこの案内情報を認識し、時機を失することなく遊技領域の左側を狙って遊技球を打ち出すことが可能となり、遊技球を無駄にすることを防止できる。
次に図34は、特定遊技演出制御部84によって図柄変動演出が行われるときの演出の移行パターンの一例を示す図である。特定遊技演出制御部84は、図柄変動演出を開始すると、図34(a)に示すように、3つの装飾図柄12a,12b,12cを例えば上下方向に変動させる図柄変動演出を開始する。このとき、特定遊技演出制御部84は、特定遊技状態ST3に対応する背景12jの前面側で3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる。つまり、特定遊技演出制御部84によって行われる図柄変動演出は、通常遊技演出制御部82によって行われる図柄変動演出とは異なる態様で行われる。また特定遊技演出制御部84による図柄変動演出中にスピーカー8から出力される演出音についても、通常遊技演出制御部82による図柄変動演出中にスピーカー8から出力される演出音とは異なる演出音である。例えば、特定遊技演出制御部84による図柄変動演出中にスピーカー8から出力される演出音には歌唱付き音楽が含まれることがあるのに対し、通常遊技演出制御部82による図柄変動演出中にスピーカー8から出力される演出音には歌唱付き音楽は含まれない。特定遊技演出制御部84は、スピーカー8から歌唱付き音楽を出力する場合、画像表示器12の画面下部に歌唱進行に応じた歌詞情報を表示するようにしても良い。
特定遊技演出制御部84による図柄変動演出が行われるとき、遊技機1は特定遊技状態ST3であり、普通図柄抽選によって開放される電動チューリップ14aが通常よりも頻繁に閉鎖状態から開放状態へ駆動する時短モードとなっており、通常遊技状態ST1に比べて、頻繁に第2始動口14へ遊技球が入賞し易くなる。そこで、特定遊技演出制御部84は、画像表示器12の画面上部に、スルーゲート21が設けられている遊技領域の右側領域に向けて遊技球を発射させるための案内情報を表示する。この案内情報により、遊技者は、右側領域に向けて遊技球を発射させるべく、ハンドルレバー5の操作角度を大きくする。なお、特定遊技演出制御部84は、この案内情報を音声によりスピーカー8から出力させてもよく、また、その際、スピーカー8から出力される音声の音量レベルを一時的に上昇させてもよい。これにより、遊技球の右側領域に向けて遊技球を発射させるための案内情報は、演出画面の表示およびスピーカー8から出力される音声の両方により遊技者に対して報知され、遊技者は確実にこの案内情報を確実に認識でき、時機を失することなく遊技領域の右側を狙って遊技球を発射することができる。
特定遊技演出制御部84による図柄変動演出が行われているとき、通常遊技演出制御部82による図柄変動演出中と同様に、遊技者にボタン操作を促す操作演出が行われることがある。図34(b)は、そのような操作演出が行われた状態を示している。特定遊技演出制御部84は、操作演出を行うタイミングになると、図34(b)に示すように画像表示器12の最前面に操作演出画像GCを表示させる。操作演出が行われている期間中に、遊技者が第1操作ボタン6を操作すると、特定遊技演出制御部84は、操作演出画像GCに代わって、図34(c)に示すようなカットイン画像GDを表示するカットイン演出を行う。ここでも、遊技者による操作に基づいて表示されるカットイン画像GDには、様々な種類の画像があり、大当たりに当選する期待度が中程度であることを示唆する通常の画像や、大当たりに当選する期待度が通常の画像よりも高いことを示唆する高期待度画像などがある。図34(c)では、高期待度画像がカットイン画像GDとして表示された例を示している。したがって、遊技者は、操作演出が行われているときに第1操作ボタン6を操作すると、それに伴って表示されるカットイン画像GDの種類により、当該図柄変動演出が大当たりとなる期待度が高いか低いかを把握することができる。また図31(b)に示すような操作演出が行われている状態で遊技者が所定期間内に第1操作ボタン6を操作しなかった場合、操作演出は終了し、カットイン演出は行われない。そのため、遊技者がカットイン画像GDの種類によって当該図柄変動演出が大当たりとなる期待度が高いか低いかを把握するためには、操作演出が行われている期間中に第1操作ボタン6を操作することが必要となる。
そして音量調整部72aは、特定遊技演出制御部84によって行われる図柄変動演出において図34(b)に示すような操作演出が行われるとき、現在の音量レベルを一時的に上昇させる。これにより、遊技者を、操作演出に注目させることができ、操作演出が行われている期間中にボタン操作を行わせることができるようになる。また音量調整部72aは、操作演出に引き続いて図34(c)に示すようなカットイン演出が行われるとき、そのカットイン演出において表示されるカットイン画像GDが高期待度画像であれば、現在の音量レベルを上昇させる。これに対し、カットイン画像GDが高期待度画像でない場合は、音量レベルを上昇させず、現在のレベルを維持する。これにより、遊技者を、カットイン演出において表示される期待度の高いカットイン画像GDに注目させることができ、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される可能性が通常よりも高いことを認識させることができる。そして音量調整部72aは、それらの演出が継続する期間中、その上昇させた音量レベルを維持し、それらの演出が終了すると、音量レベルを元のレベルに戻す。尚、音量調整部72aは、現在の音量レベルが所定レベル以下である場合にのみ、操作演出や高期待度画像によるカットイン演出が行われるときに音量レベルを上昇させるようにしても良い。さらに、特定遊技演出制御部84は、特定遊技状態ST3が終了する際に、遊技領域の左側を狙って遊技球を打ち出すことを促す案内情報を演出画面に表示してもよい。また、特定遊技演出制御部84は、特定遊技状態ST3が終了する際、この案内情報を音声によりスピーカー8から出力させてもよく、音声を出力するときに音量レベルを一時的に上昇させてもよい。これにより、この案内情報は、演出画面の表示および音声により遊技者に報知されるため、遊技者は確実にこの案内情報を認識し、時機を失することなく遊技領域の左側を狙って遊技球を打ち出すことができ、遊技球を無駄にすることを防止できる。
次に上記のような遊技演出を行うために演出制御基板52において実行される具体的な処理手順の一例について説明する。図35は、演出制御基板52におけるタイマ割込処理を示すフローチャートである。この処理は、図22のステップS906においてタイマ割込許可が行われた後、所定時間間隔(例えば数ミリ秒)でタイマ割込が発生する都度、繰り返し行われる処理である。演出制御基板52は、タイマ割込が発生すると、まずメイン制御基板31から変動開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1000)。変動開始コマンドを受信した場合(ステップS1000でYES)、画像制御基板53やランプ制御基板54を制御して図柄変動演出を行うための図柄変動演出開始処理を行う(ステップS1001)。図柄変動演出開始処理の詳細は後述する。変動開始コマンドを受信していない場合(ステップS1000でNO)、演出制御基板52は、図柄変動中か否かを判断する(ステップS1002)。図柄変動中である場合(ステップS1002でYES)、図柄変動演出処理を行う(ステップS1003)。図柄変動演出処理の詳細は後述する。図柄変動中でない場合(ステップS1002でNO)、演出制御基板52は、メイン制御基板31から特別遊技開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1004)。メイン制御基板31から特別遊技開始コマンドを受信した場合(ステップS1004でYES)、演出制御基板52は、特別遊技に応じた特別遊技演出を開始するため特別遊技演出開始処理(ステップS1005)を行う。演出制御基板52が特別遊技開始コマンドを受信していない場合(ステップS1004でNO)、大当たり(特別遊技)中か否かを判断する(ステップS1006)。大当たり中である場合(ステップS1006でYES)、特別遊技に応じた特別遊技演出を行うため特別遊技演出処理を行う(ステップS1007)。大当たり中でない場合(ステップS1006でNO)、演出制御基板52は、待機演出実行中であるか否か判断する(ステップS1008)。待機演出実行中である場合(ステップS1008でYES)、待機演出中における音量レベルの操作案内報知や音量レベル調整などの待機中処理を行う(ステップS1011)。演出制御基板52が待機演出実行中でない場合(ステップS1008でNO)、演出制御基板52は、図柄変動演出が終了してメイン制御基板31から何らコマンドを受信しない状態で所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS1009)、所定時間が経過していない場合(ステップS1009でNO)、待機中処理を行う(ステップS1011)。これに対して、所定時間が経過した場合(ステップS1009でYES)、待機演出の実行を開始するために待機演出実行開始処理を行う(ステップS1010)。そして、演出制御基板52は、待機演出実行開始処理(ステップS1010)を行った後、待機中処理(ステップS1011)を行ってタイマ割込処理を終了する。
図36は、図柄変動演出開始処理(図35のステップS1001)の詳細を示すフローチャートである。演出制御基板52は、メイン制御基板31から受信した変動開始コマンドの変動時間を確認する(ステップS1101)。次に、現在の遊技状態が通常遊技状態ST1か否かを判断する(ステップS1102)。現在の遊技状態が通常遊技状態ST1である場合(ステップS1102でYES)、現在の演出ゾーンが通常ゾーン演出であるか否かを判断し(ステップS1103)、通常ゾーン演出である場合(ステップS1103でYES)、通常ゾーン演出用のテーブルを参照し(ステップS1104)、図柄変動演出の一の演出パターンを決定する(ステップS1107)。
ステップS1102において通常遊技状態ST1でない場合(ステップS1102でNO)、特定遊技状態用のテーブルを参照し(ステップS1106)、図柄変動演出の一の演出パターンを決定する(ステップS1107)。また、ステップS1103において通常ゾーン演出でない場合(ステップS1103でNO)、期待度アップゾーン演出として図柄変動演出を行うことになる。そのため、演出制御基板52は、期待度アップゾーン用のテーブルを参照し(ステップS1105)、期待度アップゾーンの演出として行うべき一の演出パターンを決定する(ステップS1107)。演出パターンが決定されると、演出制御基板52は、決定された演出パターンに従って図柄変動演出の開始を実行し(ステップS1108)、図柄変動演出開始処理を終了する。このような図柄変動開始処理により、遊技機1において図柄変動演出が開始され、画像表示器12において3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示が開始されると共に、スピーカー8からその図柄変動演出に対応する演出音が出力される。
図37は、図柄変動演出処理(図35のステップS1003)の詳細を示すフローチャートである。通常遊技演出制御部82または特定遊技演出制御部84は、図柄変動中において現在実行中の演出パターンに操作演出が含まれているか否かを判断する(ステップS1201)。操作演出が含まれている場合(ステップS1201でYES)、操作演出処理を行う(ステップS1202)。操作演出処理の詳細については後述する。操作演出処理が行われた後、通常遊技演出制御部82または特定遊技演出制御部84は、現在実行中の演出パターンに大当たりとなる期待度が高いことを示唆する特定示唆演出が含まれているか否かを判断する(ステップS1203)。特定示唆演出が含まれている場合(ステップS1203でYES)、特定示唆演出処理を行う(ステップS1204)。特定示唆演出処理の詳細については後述する。また特定示唆演出が含まれていない場合(ステップS1203でNO)、特定示唆演出処理をスキップする。
図柄変動演出中において現在実行中の演出パターンに操作演出が含まれていない場合(ステップS1201でNO)、通常遊技演出制御部82または特定遊技演出制御部84は、遊技者による第1操作ボタン6または第2操作ボタン7の操作を検知したか否かを判断する(ステップS1205)。遊技者によるボタン操作を検知した場合(ステップS1205でYES)、その操作が第2操作ボタン7に対する操作であるか否かを判断する(ステップS1206)。遊技者によって第2操作ボタン7が操作された場合(ステップS1206でYES)、音量調整部72aは、音量レベル調整処理(ステップS1207)を行う。この音量レベル調整処理では、画像表示器12の所定位置に音量調整画面GAを表示し、遊技者による第2操作ボタン7の操作に基づいて音量レベルを変更する処理が行われる。すなわち、演出制御基板52は、図柄変動演出の実行中であっても、その実行中の図柄変動演出に遊技者のボタン操作に応じて行う演出が含まれていない場合には、遊技者による第2操作ボタン7に対する操作を音量調整操作として受け付け、音量レベル調整処理を行う。言い換えると、現在実行中の図柄変動演出に遊技者のボタン操作に応じて行う演出が含まれている場合には、音量レベル調整処理は行われず、遊技者によって第2操作ボタン7が操作されたとしても、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルは変更されない。尚、音量レベル調整処理の詳細な処理手順については後述する。
一方、ボタン操作を検知しない場合(ステップS1205でNO)、またはボタン操作を検知した場合であっても第2操作ボタン7に対するボタン操作でない場合(ステップS1206でNO)、通常遊技演出制御部82または特定遊技演出制御部84は、音量レベル調整処理(ステップS1207)をスキップし、音量調整画面GAの表示時間を計測中であるか否か判断する(ステップS1208)。尚、音量レベル調整処理(ステップS1207)では、音量調整画面GAを表示することに伴い、表示時間の計測が開始されている。表示時間の計測中である場合(ステップS1208でYES)、画像表示器12に音量調整画面GAが表示されていることになるため、その表示時間が所定時間を経過したか否かを判断する(ステップS1209)そして、所定時間が経過している場合(ステップS1209でYES)、通常遊技演出制御部82または特定遊技演出制御部84は音量調整画面GAを画面上から消去し(ステップS1210)、ステップS1211へ進む。ステップS1208で表示時間を計測中でない場合(ステップS1208でNO)、又は表示時間の計測中であってもその表示時間が所定時間を経過していない場合(ステップS1209でNO)、音量調整画面GAを表示させた状態のままステップS1211へ進む。
続いて通常遊技演出制御部82または特定遊技演出制御部84は、メイン制御基板31から変動停止コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1211)。変動停止コマンドを受信した場合(ステップS1211でYES)、通常遊技演出制御部82または特定遊技演出制御部84は、図柄確定演出を行い、特別遊技判定の結果を表示する(ステップS1212)。変動停止コマンドを受信していない場合(ステップS1211でNO)、現在の図柄変動演出が更に継続するため、ステップS1212をスキップして図柄変動演出処理を終了する。
図38は、操作演出処理(図37のステップS1202)の詳細を示すフローチャートである。通常遊技演出制御部82の操作演出制御部82aまたは特定遊技演出制御部84の操作演出制御部84aは、現在実行中の図柄変動演出において操作演出を開始するタイミングになったか否かを判断する(ステップS1301)。操作演出を開始するタイミングである場合(ステップS1301でYES)、操作演出制御部82aまたは84aは、音量調整部72aにその旨を通知する。これにより、音量調整部72aは、現在の音量レベルの設定値を読み出し(ステップS1302)、現在の音量レベルの設定値が所定レベル未満であるか否かを判断する(ステップS1303)。その結果、所定レベル未満である場合(ステップS1303でYES)、音量調整部72aは、音量レベルの設定値を変更する(ステップS1304)。音量レベルの設定値の変更の態様としては、設定値を予め設定された所定のレベルに変更してもよく、或いは最大レベルに変更してもよい。また最大レベルは、遊技者が第2操作ボタン7を操作することによって調整可能な範囲の最大レベルであっても良い。また遊技者が調整可能な最大レベルを越えて遊技機1が出力可能な最大レベルが設定されている場合には、遊技機1が出力可能な最大レベルに変更されるものであっても良い。現在の音量レベルの設定値が所定レベル以上である場合(ステップS1303でNO)、音量調整部72aは、ステップS1304をスキップする。この場合は、音量レベルは変更されない。ただし、これに限らず、現在の音量レベルの設定値が所定レベル以上であっても、音量レベルを更に上昇させることが可能であれば、音量レベルを上昇させるようにしても良い。そして、操作演出制御部82aまたは84aは、操作演出の実行を開始する(ステップS1305)。尚、現在実行中の図柄変動演出において操作演出を開始するタイミングでなかった場合(ステップS1301でNO)、ステップS1302からステップS1305までの処理を行わないでスキップする。
次に、操作演出制御部82aまたは84aは、操作演出を実行中であるか否かを判断する(ステップS1306)。操作演出を実行中でない場合(ステップS1306でNO)、操作演出処理を終了する。操作演出を実行中である場合(ステップS1306でYES)、操作演出制御部82aまたは84aは、例えば遊技者による第1操作ボタン6の操作を検知したか否かを判断する(ステップS1307)。第1操作ボタン6の操作を検知した場合(ステップS1307でYES)、通常遊技演出制御部82または特定遊技演出制御部84は、遊技者のボタン操作に基づいて演出を切り替えるための処理を行う(ステップS1308)。例えば、遊技者のボタン操作に基づいてカットイン演出を行う場合、カットイン演出を開始するタイミングになったことを示すフラグをセットすることにより、カットイン演出が行われるようにする。また第1操作ボタン6の操作を検知しない場合(ステップS1307でNO)、操作演出制御部82aまたは84aは、操作演出を終了させるタイミングか否かを判断し(ステップS1309)、操作演出を終了させるタイミングでない場合(ステップS1309でNO)、操作演出が継続するのでそのまま操作演出処理を終了する。操作演出を終了させるタイミングである場合(ステップS1309でYES)、操作演出開始に伴い音量レベルの設定値を変更したか否かを判断し(ステップS1310)、音量レベルの設定値を変更していない場合(ステップS1310でNO)、操作演出処理を終了する。操作演出の開始時に音量レベルの設定値を変更した場合(ステップS1310でYES)、操作演出制御部82aまたは84aは、音量調整部72aに音量レベルの設定値を操作演出が行われる前の元の設定値に復元させるための復元処理(ステップS1311)を行った後、操作演出の実行を終了させて(ステップS1312)、操作演出処理を終了する。
上述した操作演出処理が行われることにより、遊技機1において、遊技者にボタン操作を促す操作演出が行われるときには、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルを一時的に上昇させた状態で出力することができるようになる。
図39は、特定示唆演出処理(図37のステップS1204)の詳細を示すフローチャートである。通常遊技演出制御部82の特定示唆遊技演出制御部82bまたは特定遊技演出制御部84の特定示唆遊技演出制御部84bは、特定示唆演出を開始するタイミングであるか否かを判断する(ステップS1401)。特定示唆演出を開始するタイミングである場合(ステップS1401でYES)、特定示唆遊技演出制御部82bまたは84bは、その旨を音量調整部72aに通知する。これにより、音量調整部72aは、現在の音量レベルの設定値の読み出し(ステップS1402)、現在の音量レベルの設定値が所定レベル未満であるか否かを判断する(ステップS1403)。その結果、所定レベル未満である場合(ステップS1403でYES)、音量調整部72aは、音量レベルの設定値を変更する(ステップS1404)。音量レベルの設定値の変更の態様としては、設定値を予め設定する所定レベルにしてもよく、或いは設定値を最大レベルにしてもよい。その後、特定示唆遊技演出制御部82bまたは84bは、実行中の演出パターンに定められている特定示唆演出の実行を開始する(ステップS1405)。この特定示唆演出により、遊技者に対して当該図柄変動演出が大当たりとなる期待度が通常よりも高いことが示唆される。なお、ステップS1401において特定示唆演出を開始するタイミングでない場合(ステップS1401でNO)、特定示唆遊技演出制御部82bまたは84bは、ステップS1402からS1405をスキップさせる。
次に、特定示唆遊技演出制御部82bまたは84bは、特定示唆演出を終了するタイミングであるか否かを判断する(ステップS1406)。特定示唆演出を終了するタイミングでない場合(ステップS1406でNO)、特定示唆演出が継続するので、特定示唆遊技演出制御部82bまたは84bは、特定示唆演出処理を終了する。特定示唆演出を終了するタイミングである場合(ステップS1406でYES)、特定示唆演出開始時に音量レベルの設定値が変更されたか否かを判断する(ステップS1407)。音量レベルの設定値が特定示唆演出開始時に変更されていた場合(ステップS1407でYES)、特定示唆遊技演出制御部82bまたは84bは、音量調整部72aに、音量レベルの設定値を、特定示唆演出開始前における設定値に復元させる音量レベル復元処理を行い(ステップS1408)、特定示唆演出処理を終了する。音量レベルの設定値が特定示唆演出開始時に変更されていない場合(ステップS1407でNO)、ステップS1408をスキップして特定示唆演出処理を終了する。
上記のような特定示唆演出処理が行われることにより、遊技機1において、遊技者に遊技な遊技価値が付与される期待度が通常よりも高いことを示唆する特定示唆演出が行われるときには、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルを一時的に上昇させた状態で出力することができるようになる。
図40は、通常遊技状態ST1における図柄変動演出の推移と音量レベルの変更とを示すタイミングチャートである。演出パターンPT2は、図32に示したものと同様であり、遊技者にボタン操作を促す操作演出を含むと共に、遊技者に有利な遊技価値が付与される期待度が通常よりも高いことを示唆する特定示唆演出として、期待度が「高」のカットイン演出及び第2発展リーチ演出を含んでいる。この演出パターンPT2に基づき、タイミングT0で図柄変動演出が開始されると、演出パターンPT2に定義された各種の演出が順次実行されていく。尚、図40では、遊技者がタイミングT0よりも以前に音量レベルを所定レベル未満に設定している場合を例示している。
演出パターンPT2に基づく図柄変動演出が開始され、大当たりとなる期待度が通常よりも低い通常変動演出及び通常リーチ演出が行われるとき、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルは、遊技者によって事前に設定された設定値となる。そしてタイミングT2で操作演出が開始されると、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルは、所定レベルよりも大きな最大レベルに変更される。したがって、遊技者は、操作演出に注目するようになる。操作演出の実行中に遊技者がタイミングTaでボタン操作を行うと、その直後のタイミングTbで特定示唆演出であるカットイン演出が開始される。このときもまた、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルは、所定レベルよりも大きな最大レベルに変更される。したがって、遊技者は、期待度の高いカットイン演出に注目するようになる。尚、遊技者によるボタン操作に基づいて操作演出からカットイン演出への切り替えを所定時間内に瞬時に行う場合は、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルを最大レベルに保持したままにしておいても良い。そしてカットイン演出が終了すると、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルは、元の設定値に戻る。
その後、タイミングT4において特定示唆演出である第2発展リーチ演出が開始されると、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルは、再び所定レベルよりも大きな最大レベルに変更される。したがって、遊技者は、期待度の高い第2発展リーチ演出に注目するようになる。そして第2発展リーチ演出が終了すると、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルは再び元の設定値に戻る。
次に図41は、音量レベル調整処理(図37のステップS1207)の詳細を示すフローチャートである。音量調整部72aは、遊技者によって第2操作ボタン7が押下操作されたことに伴い、その操作に基づいて音量レベルの設定値を変更する(ステップS1501)。例えばボタン7cが押下操作された場合、音量調整部72aは音量レベルを1段階ずつアップさせ、ボタン7dが押下操作された場合、音量調整部72aは音量レベルを1段階ずつダウンさせて現在の設定値を変更する。これにより、スピーカー8から出力されている演出音の音量レベルが変わるため、遊技者は実際の演出音の音量を聞きながら音量調整操作を行うことができる。
次に音量調整部72aは、音量レベル調整を行う音量調整画面GAが画像表示器12に表示中であるか否かを判断する(ステップS1502)。音量調整画面GAが表示されていない場合(ステップS1502でNO)、音量調整部72aは、報知処理部73を介して画像表示器12に音量調整画面GAを表示させる。音量調整画面GAが既に表示されている場合(ステップS1502でYES)、あらためて音量調整画面GAを表示させる必要はないため、ステップS1503をスキップする。そして音量調整部72aは、音量レベルの設定変更値を報知処理部73へ通知し、音量調整画面GAにおける音量レベルの表示状態を更新させる(ステップS1504)。これにより、音量調整画面GAに表示される音量レベルは、ステップS1501で変更された設定値に更新される。音量調整部72aは、画像表示器12に音量調整画面GAを表示させることに伴い、音量調整画面GAの表示時間の計測を開始し(ステップS1505)、音量レベル調整処理を終了する。ステップS1505で計測が開始される表示時間は、図37のステップS1208〜S1210において所定時間が経過したか否かが判定される。そして音量調整画面GAの表示を開始してから、遊技者により第2操作ボタン7の更なる操作が行われることなく所定時間が経過すると、音量調整画面GAは画面上から消去され、非表示状態となる。また音量調整画面GAが既に表示されている状態で遊技者が繰り返し第2操作ボタン7を操作すると、その都度、音量調整画面GAに表示される音量レベルが更新されると共に、表示時間の計測値が初期値にリセットされた後にあらためて表示時間の計測が再開される。
図42は、図柄変動演出中に音量調整操作が行われた場合の画面遷移を示す図である。例えば、図42(a)に示すように3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示が行われているとき、図42(b)に示すように遊技者によって第2操作ボタン7が操作されると、画像表示器12には、図42(c)に示すように音量調整画面GAが表示される。この音量調整画面GAは、画像表示器12において最前面に表示される。ただし、音量調整画面GAが3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示を隠蔽してしまうことは好ましくないため、音量調整画面GAは、図柄変動演出が行われている画像表示器12の一部表示に表示されると共に、背景側で表示される図柄変動演出の画像を透過させる態様で表示される。したがって、遊技者は、音量調整操作を行いながら、図柄変動演出を注目することも可能であり、音量調整画面GAが遊技の進行に支障を来すことはない。
図43は、図柄変動演出中に音量レベルの調整が行われた場合のタイミングチャートである。図43に示すように図柄変動演出中は、その図柄変動演出に対応する演出音がスピーカー8から継続的に出力される。図柄変動演出が行われている状況で、例えば遊技者により第2操作ボタン7が3回押下操作された場合、第1操作M1が行われるタイミングで音量調整画面GAが透過画像として画像表示器12の前面側に表示され、最後の操作である第3操作M3が行われてから所定時間経過の後、音量調整画面GAが画像表示器12から消去される。すなわち、音量調整部72aは第3操作M3が行われた時点で表示時間の計測を開始し、計測時間が所定の時間になると音量調整画面GAを画像表示器12から消去させる。なお、所定時間の経過を待つことなく、遊技者により第2操作ボタン7の押下操作が行われ、第2操作ボタン7の操作が終了すると直ちに音量調整画面GAを画像表示器12から消去してもよい。あるいは、第2操作ボタン7の操作が行われてから所定時間経過後、音量調整画面GAが画像表示器12から消去され、前記所定時間は、始動条件が成立していない待機中において第2操作ボタン7の操作が行われてから音量調整画面GAが画像表示器12から消去されるまでの時間よりも短いとしてもよい。
第1操作M1が検知されると、音量調整部72aは操作がなされたタイミングで音量レベルの設定値を1段階アップさせる。これに応じてスピーカー8から出力されている演出音の音量もアップする。また、音量調整画面GAにおいて示される現在の音量レベルの値が、1段階アップして更新される。第2操作ボタン7の操作が検知されない場合には、音量レベルは第1操作M1によりアップした設定値を維持する。その後、第2操作M2が検知されると、音量調整部72aは第1操作M1により変更した音量レベルの設定値をさらに1段階アップさせる。これに応じてスピーカー8から出力されている演出音も1段階アップし、また、音量調整画面GAにおいて表示される現在の音量レベルの値が1段階アップして更新される。更に続いて第3操作M3が検知されると、音量調整部72aは第2操作M2により変更した音量レベルの設定値をさらに1段階アップする。これに応じてスピーカー8から出力されている演出音もアップし、また、音量調整画面GAにおいて表示される現在の音量レベルの値が1段階アップして更新される。第3操作M3が行われてから第2操作ボタン7の操作が検知されない場合、音量レベルの設定値は、第3操作M3によりアップした設定値を保持する。
このように図柄変動演出の実行中に、遊技者によって音量調整操作が行われる場合、画像表示器12の前面側に透過画像として表示される音量調整画面GAにより、遊技者は現在の音量レベルが音量調整範囲内においてどれくらいのレベルにあるかを視覚的に把握することができる。また、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルにより、遊技者は現在の音量レベルが聴覚上どれくらいのレベルにあるかを実際に聞きながら把握することができる。
次に図44は、特別遊技演出開始処理(図35のステップS1005)の詳細を示すフローチャートである。演出制御基板52がメイン制御基板31から特別遊技開始コマンドを受信すると、特別遊技演出制御部83は、特別遊技制御部64により決定された開放パターンを特定し(ステップS1601)、特定された開放パターンに応じた演出パターンを決定する(ステップS1602)。次に第1大入賞口15または第2大入賞口16がロング開放されるときに行うラウンド演出のラウンド値Rを0にセットする(ステップS1603)。そして、特別遊技演出の実行を開始して(ステップS1604)特別遊技演出開始処理を終了する。
図45は、特別遊技演出処理(図35のステップS1007)の詳細を示すフローチャートである。特別遊技演出処理は、主として特別遊技演出制御部83が行う処理である。まず、第1大入賞口15または第2大入賞口16が開放されるタイミングであるか否かを判断する(ステップS1701)。第1大入賞口15または第2大入賞口16が開放されるタイミングである場合(ステップS1701でYES)、ラウンド演出開始処理を行う(ステップS1702)。ラウンド演出開始処理の詳細は後述する。第1大入賞口15または第2大入賞口16が開放されるタイミングでない場合(ステップS1701でNO)、ステップS1702をスキップする。次に、第1大入賞口15又は第2大入賞口16が閉鎖されたタイミングであるか否かを判断する(ステップS1703)。第1大入賞口15又は第2大入賞口16が閉鎖されたタイミングである場合(ステップS1703でYES)、特別遊技演出制御部83は、ラウンド演出終了処理を行う(ステップS1704)。ラウンド演出終了処理の詳細は後述する。第1大入賞口15または第2大入賞口16が閉鎖されたタイミングでない場合(ステップS1703でNO)、ステップS1704をスキップする。
次に、特別遊技演出制御部83は、図44のステップS1602で決定された演出パターンに操作演出が含まれているか否かを判断し(ステップS1705)、操作演出が含まれている場合(ステップS1705でYES)、操作演出処理を行う(ステップS1706)。操作演出処理の詳細は後述する。他方、操作演出がない場合(ステップS1705でNO)、特別遊技演出制御部83は遊技者による第1操作ボタン6または第2操作ボタン7の操作を検知したか否かを判断する(ステップS1707)。遊技者によるボタン操作を検知した場合(ステップS1707でYES)、その操作が第2操作ボタン7の操作であるか否かを判断する(ステップS1708)。第2操作ボタン7の操作である場合(ステップS1708でYES)、音量調整部72aによる音量レベル調整処理(ステップS1709)が行われる。この音量レベル調整処理(ステップS1709)の詳細な処理手順は、図41のフローチャートを用いて説明したものと同じである。
特別遊技演出制御部83が第1操作ボタン6または第2操作ボタン7の操作を検知しない場合(ステップS1707でNO)、或いは操作ボタンの操作を検知したが第2操作ボタン7の操作でない場合(ステップS1708でNO)、特別遊技演出制御部83は、透過画像として表示される音量調整画面GAの表示時間計測中であるか否かを判断する(ステップS1710)。表示時間計測中である場合(ステップS1710でYES)、予め表示時間として設定された所定時間を経過したか否かを判断し(ステップS1711)、所定時間を経過している場合には(ステップS1711でYES)、音量調整画面GAを画像表示器12から消去する(ステップS1712)。これに対し、音量調整画面GAの表示時間計測中でない場合(ステップS1710でNO)、又は表示時間計測中であって所定時間未経過である場合(ステップS1711でNO)、ステップS1712をスキップする。その後、演出制御基板52は、メイン制御基板31から特別遊技終了コマンドを受信したか否かを判断し(ステップS1713)、特別遊技終了コマンドを受信していれば(ステップS1713でYES)特別遊技演出を終了して(ステップS1714)、特別遊技演出処理を終了する。特別遊技終了コマンドを受信していない場合(ステップS1713でNO)、ステップS1714をスキップして特別遊技演出処理を終了する。
なお、本実施形態において、演出パターンに操作演出が含まれている場合には操作演出処理を行うこととし、操作演出が含まれていない場合であって遊技者による第2操作ボタン7の操作を検知すれば音量レベル調整処理を行う例について説明した。ここで、操作演出には、所定の演出において、遊技者が第2操作ボタン7を操作することにより演出音として出力される曲目を選択可能な場合を含んでもよい。すなわち、出力される演出音を複数の曲目から選択可能な演出において、第2操作ボタン7を操作することにより曲目の選択および決定が可能な場合、第2操作ボタン7を操作することにより曲目の選択を行っている或いは曲目の選択が可能な状態である間は、第2操作ボタン7が曲目選択のため使用される。そこで、その間は、第2操作ボタン7の操作によって音量レベルの調整を行うことができないとしてもよい。
図46はラウンド演出開始処理(図45のステップS1702)の詳細を示すフローチャートである。特別遊技演出制御部83は、今回開放される第1大入賞口15または第2大入賞口16が遊技球の入賞し易いロング開放であるか、又は遊技球の入賞し難いショート開放であるかを判断する(ステップS1801)。大入賞口がショート開放される場合(ステップS1801でNO)、特別遊技演出制御部83は、新たなラウンド演出を開始することなくラウンド演出開始処理を終了する。これに対し、大入賞口がロング開放される場合(ステップS1801でYES)、特別遊技演出制御部83は、現在のラウンド値Rに1を加算する(ステップS1802)。次に、特別遊技演出制御部83は、ロング開放される大入賞口が第2大入賞口16であるか否かを判断する(ステップS1803)。第1大入賞口15がロング開放される場合(ステップS1803でNO)、特別遊技演出制御部83は、通常ラウンド演出の実行を開始する。
これに対して、第2大入賞口16がロング開放される場合(ステップS1803でYES)、第2大入賞口16に遊技球が入賞し易い状態となる。そして、第2大入賞口16に入球した遊技球がVゲート18を通過すると、特別遊技終了後の確率状態が高確率状態に移行するため、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。そこで、特別遊技演出制御部83は、遊技者に第2大入賞口16に入賞するように遊技球を発射することを促すため、ラウンド演出制御部83bにより特定ラウンド演出を開始する処理を行う。そして演出音の音量レベルを一時的に上昇させる。すなわち、音量調整部72aは、現在の演出音の音量レベルの設定値を読み出し(ステップS1805)、現在の音量レベルの設定値が予め設定された所定レベル未満であるか否かを判断する(ステップS1806)。現在の音量レベルの設定値が所定レベル未満である場合(ステップS1806でYES)、音量調整部72aは、音量レベルの設定値を変更する(ステップS1807)。すなわち、スピーカー8から出力される音量レベルを上げる。音量レベルの設定値の変更の態様としては、設定値を予め設定する所定レベルにしてもよく、或いは設定値を最大レベルにしてもよい。現在の音量レベルの設定値が所定レベル以上である場合(ステップS1806でNO)、ステップS1807をスキップし、音量レベルは変更しない。ただし、現在の音量レベルの設定値が所定レベル以上であっても音量レベルを更にアップさせるようにしても良い。そして、ラウンド演出制御部83bは、遊技者に対して第2大入賞口16に入賞するように遊技球を発射することを促す特定ラウンド演出を開始し(ステップS1808)、ラウンド演出開始処理を終了する。したがって、遊技機1において特定ラウンド演出が行われるときには、スピーカー8から出力される音量レベルがそれ以前よりも上がり、大音量で特定ラウンド演出が行われるようになる。
図47は、ラウンド演出終了処理(図45のステップS1704)の詳細を示すフローチャートである。第1大入賞口15又は第2大入賞口16が閉鎖された場合、ラウンド演出制御部83bは特定ラウンド演出又は通常ラウンド演出を実行中か否かを判断し(ステップS1901)、特定ラウンド演出又は通常ラウンド演出を実行中でない場合には(ステップS1901でNO)、ラウンド演出終了処理を終了する。特定ラウンド演出又は通常ラウンド演出を実行中である場合(ステップS1901でYES)、ラウンド演出制御部83bは実行中の特定ラウンド演出又は通常ラウンド演出を終了する(ステップS1902)。そして、ラウンド演出開始時に音量レベルの設定値が変更されたか否かを判断し(ステップS1903)、音量レベルの設定値が変更されていない場合には(ステップS1903でNO)ラウンド演出終了処理を終了する。音量レベルの設定値が変更されていた場合(ステップS1903でYES)、特別遊技演出制御部83は、音量レベル復元処理を行い、音量レベルの設定値をラウンド演出開始前の元の設定値に戻して(ステップS1904)、ラウンド演出終了処理を終了する。
図48は、特別遊技演出の実行中における大入賞口の開閉と演出音の音量レベル変化を示すタイミングチャートである。図48では、第1ラウンドから第3ラウンドは第1大入賞口15がロング開放し、第4ラウンドは第2大入賞口16がロング開放する開放パターンの例を示している。第1ラウンドから第3ラウンドにおいて、特別遊技演出制御部83は、第1大入賞口15がロング開放されるタイミングで通常ラウンド演出を開始する。このとき、演出音の音量レベルは、初期値又は遊技者が任意に設定した通常レベルであり、その通常レベルに対応する音量レベルで通常ラウンド演出の演出音がスピーカー8から出力される。そして第1大入賞口15がショート開放されるときには、特別遊技演出制御部83は、ラウンド演出を行わない。第2大入賞口16がロング開放する第4ラウンドの特定ラウンド演出が開始されるとき、音量調整部72aは、音量レベルの設定値を例えば最大レベルに変更し、演出音を最大レベルで出力する。すなわち、音量調整部72aは、特別遊技演出制御部83により特別遊技演出が行われているとき、遊技球がVゲート18を通過可能となるラウンドに対応する特定ラウンド演出が行われるタイミングで、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルを現在の設定レベルよりも大きくする。
そして第2大入賞口16が閉鎖されると、第4ラウンドの特定ラウンド演出が終了する。これに伴い演出音の音量レベルは、第4ラウンドのラウンド演出が行われる前の状態に復帰する。第4ラウンドのラウンド演出が行われるときには第2大入賞口16がロング開放されるため、第2大入賞口16に入賞した遊技球がVゲート18を通過する可能性がある。遊技球がVゲート18を通過することにより、特別遊技終了後の確率状態が高確率となるため、遊技者に有利な遊技価値が付与される。そのため、第2大入賞口16がロング開放する第4ラウンドの特定ラウンド演出開始時に演出音の音量レベルを大きくすることにより、遊技者の注意を特定ラウンド演出に向けさせることができ、第2大入賞口16に入賞するよう遊技球の発射操作を行わせることが可能である。
次に図49は、待機演出実行開始処理(図35のステップS1010)の詳細を示すフローチャートである。待機演出制御部81は、図柄変動演出および特別遊技演出のいずれも行われていない状態が所定時間継続すると、それ以前よりスピーカー8から出力され続けている演出音の出力を停止させる(ステップS2001)。これにより、遊技機1は無音状態となる。次に、待機演出中に画像表示器12に表示するデモ画像を読み出して(ステップS2002)、かかるデモ画像を画像表示器12に表示して待機演出の実行を開始する(ステップS2003)。これにより、遊技機1は、待機演出実行中となる。
図50は、待機中処理(図35のステップS1011)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、遊技者による操作に基づいて音量レベルを調整したり、遊技者によって調整された音量レベルを初期値に戻したりする処理が行われる。以下、具体的に説明する。
報知処理部73は、始動条件が成立していない待機中において、遊技検知部75によって遊技者が検知されることを条件として、演出音の音量レベルの設定値を調整可能であることを示す操作案内を遊技者に対して報知する。まず、遊技検知部75は、ハンドルレバー5、第1操作ボタン6、または第2操作ボタン7により遊技を行おうとしている遊技者を検知したか否かを判断する(ステップS2101)。遊技者を検知した場合(ステップS2101でYES)、報知処理部73は、操作案内を報知中か否か判断し(ステップS2102)、操作案内を報知中でない場合(ステップS2102でNO)、第2操作ボタン7を押下操作することにより音量調整可能である旨の操作案内の報知を開始する(ステップS2103)。これにより、画像表示器12には、図29に示したような操作案内画像GBが表示され、音量レベルの調整が可能であること、及び、音量レベルの調整に関する具体的な操作方法が遊技者に報知される。このとき、スピーカー8から音量レベルの調整が可能であることなどを音声により出力するようにしても良い。このような報知処理により、音量調整が可能であることを知らない遊技者であっても、遊技を開始する前に音量調整操作を行うことができるようになる。報知処理部73は、操作案内の報知処理を開始した後、報知時間の計測を開始する(ステップS2104)。
遊技検知部75が遊技検知しなかった場合(ステップS2101でNO)、報知処理部73は操作案内の報知中か否かを判断し(ステップS2105)、操作案内の報知中である場合には(ステップS2105でYES)ステップS2102からS2104をスキップする。そして報知処理部73は報知時間の計測を開始してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS2106)。所定時間を経過している場合(ステップS2106でYES)、報知処理部73は操作案内の報知処理を終了する(ステップS2107)。これにより、画像表示器12に表示された操作案内画像GBは消去される。なお、ステップS2105において操作案内が報知中でない場合(ステップS2105でNO)、ステップS2106およびステップS2107をスキップする。
次に、遊技検知部75は、第1操作ボタン6または第2操作ボタン7の操作を検知したか否かを判断する(ステップS2108)。ボタン操作を検知した場合(ステップS2108でYES)、第2操作ボタン7の操作であったか否かを判断する(ステップS2109)。第2操作ボタン7の操作であった場合(ステップS2109でYES)、報知処理部73は、待機演出実行中か否かを判断する(ステップS2110)。待機演出実行中である場合(ステップS2110でYES)、報知処理部73は、スピーカー8から演出音が出力されていないこと条件として、スピーカー8から強制的に演出音を出力させるための演出音出力処理を行う(ステップS2111)。演出音出力処理の詳細は後述する。待機演出実行中でない場合(ステップS2110でNO)、スピーカー8から何らかの演出音が出力されている状態であるため、ステップS2111をスキップする。続いて音量調整部72aは音量レベル調整処理を行う(ステップS2112)。このとき、画像表示器12に図24(c)に示したような音量調整画面GAが表示されると共に、スピーカー8から演出音が出力される状態であるため、遊技者は、音量調整画面GAを見ながら、そしてスピーカー8から実際に出力される演出音を聞きながら音量調整操作を行うことができる。音量レベル調整処理の詳細な処理手順は図41で説明した処理と同じである。さらに、遊技が検知されない時間が所定時間継続した場合に音量レベル設定値を初期値に設定変更する音量レベル初期化処理を行い(ステップS2116)、待機中処理を終了する。
他方、ステップS2108においてボタン操作を検知しなかった場合(ステップS2108でNO)、又はボタン操作を検知した場合であって第2操作ボタン7の操作でなかった場合(ステップS2109でNO)、音量調整部72aは、音量レベル調整のための音量調整画面GAの表示時間を計測中か否かを判断する(ステップS2113)。音量調整画面GAの表示時間を計測中であった場合(ステップS2113でYES)、表示時間計測開始の後、所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS2114)。所定時間が経過した場合(ステップS2114でYES)、調整終了処理を行った後(ステップS2115)、待機中処理を終了する。調整終了処理の詳細は後述する。調整終了処理を行った後、音量レベル初期化処理を行う(ステップS2116)。これに対して、ステップS2113で音量調整画面GAの表示時間を計測中でなかった場合(ステップS2113でNO)、又は表示時間の計測中においてその計測時間が所定時間を経過していない場合(ステップS2114でNO)、ステップS2115をスキップして音量レベル初期化処理を行った後(ステップS2116)、待機中処理を終了する。
図51は、演出音出力処理(図50のステップS2111)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、報知処理部73により、現在の遊技状態に応じた演出音を強制的に出力する処理が行われる。報知処理部73は、まず現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判断する(ステップS2201)。現在の遊技状態が通常遊技状態である場合(ステップS2201でYES)、さらに大当たりとなる期待度が通常レベルであることを示唆する通常の図柄変動演出を行う通常ゾーン演出モードであるか否かを判断する(ステップS2202)。通常ゾーン演出モードである場合(ステップS2202でYES)、報知処理部73は、複数の演出パターンの中から通常ゾーン演出用の演出パターンを読み出し、その演出パターンに設定されている演出音をスピーカー8から強制的に出力させる処理を開始し(ステップS2203)、演出音出力処理を終了する。これに対し、現在の遊技状態が大当たりに当選する期待度が通常よりも高いことを示唆する演出が行われる期待度アップゾーン演出モードである場合(ステップS2202でNO)、期待度アップゾーン演出用の演出パターに設定されている演出音をスピーカー8から強制的に出力させる処理を開始し(ステップS2204)、演出音出力処理を終了する。
他方、現在の遊技状態が通常遊技状態ではなく特定遊技状態である場合(ステップS2201でNO)、報知処理部73は、大当たりに当選する確率が高確率状態か否かを判断する(ステップS2205)。高確率状態である場合(ステップS2205でYES)、報知処理部73は、複数の演出パターンの中から特定遊技状態における高確率状態演出用の演出パターンを読み出し、その演出パターンに設定されている演出音をスピーカー8から強制的に出力させる処理を開始し(ステップS2206)、演出音出力処理を終了する。これに対し、大当たりに当選する確率が高確率状態でない場合(ステップS2205でNO)、報知処理部73は、演出パターンの中から低確率状態演出用の演出パターンを読み出し、低確率状態演出用の演出音をスピーカー8から強制的に出力させる処理を開始し(ステップS2207)、演出音出力処理を終了する。上記演出音出力処理により、例えば無音状態で遊技者による音量調整操作が行われたときには、現在の遊技状態や現在の演出モードに応じた演出音がスピーカー8から強制的に出力されるようになる。そのため、遊技者は現在の演出モードなどに対応する遊技演出の演出音を実際に聞きながら音量レベルの調整操作を行うことが可能になり、音量レベルを簡単に所望のレベルに設定することができるようになる。
図52は、調整終了処理(図50のステップS2115)の詳細を示すフローチャートである。報知処理部73は、この処理を開始すると、音量調整画面GAを画像表示器12から消去する(ステップS2301)。そして、待機演出制御部81による待機演出の実行中であるか否かを判断し(ステップS2302)、待機演出を実行中である場合(ステップS2302でYES)、報知処理部73は、強制的にスピーカー8から出力している演出音の出力を停止し(ステップS2303)、調整終了処理を終了する。待機演出の実行中でない場合(ステップS2302でNO)、スピーカー8から出力されている演出音は報知処理部73が強制的に出力させたものではないため、ステップS2303をスキップして調整終了処理を終了する。
図53は、音量レベル初期化処理(図50のステップS2116)の詳細を示すフローチャートである。音量調整部72aは、この処理を開始すると、まず非遊技時間の計測中であるか否かを判断し(ステップS2401)、非遊技時間の計測中でない場合(ステップS2401でNO)、非遊技時間の計測を開始する(ステップS2402)。非遊技時間とは、遊技者による遊技が行われていない時間である。非遊技時間の計測中である場合(ステップS2401でYES)、ステップS2402をスキップする。そして音量調整部72aは、演出音の音量レベルを調整可能であることを示す操作案内の報知中であるか否かを判断する(ステップS2403)。操作案内の報知中である場合(ステップS2403でYES)、非遊技時間の計測時間をリセットして計測を再開する(ステップS2405)。これに対し、操作案内の報知中でない場合(ステップS2403でNO)、遊技者によるボタン操作に基づいて音量レベルを調整中であるか否かを判断する(ステップS2404)。音量レベルの調整中である場合(ステップS2404でYES)、非遊技時間の計測時間をリセットして計測を再開する(ステップS2405)。そして音量レベルの調整中でない場合(ステップS2404でNO)、ステップS2405をスキップする。したがって、遊技者が遊技球の発射操作を行っておらず、また第1操作ボタン6や第2操作ボタン7を操作していない場合は、非遊技時間の計測処理が進行する。
次に、音量調整部72aは、非遊技時間の計測時間が所定時間を経過したか否かを判断する(ステップS2406)。所定時間を経過している場合(ステップS2406でYES)、音量レベルの設定値を設定スイッチ28で定められた初期値に設定変更し(ステップS2407)、音量レベル初期化処理を終了する。またステップS2406で所定時間を経過していない場合(ステップS2406でNO)、ステップS2407をスキップして音量レベル初期化処理を終了する。このような音量レベル初期化処理により、遊技者による遊技が行われていない非遊技時間が所定時間を経過すると、遊技者が任意に調整した音量レベルが初期値に自動復帰する。そのため、先の遊技者が遊技を終了してから次の遊技者が遊技を開始するまでに所定時間以上が経過していると、スピーカー8から出力される音量レベルを初期値に戻すことができる。また遊技者が一時的に遊技を終了してから遊技を再開するまでの期間が所定時間未満であれば、音量レベルは初期値に復帰していないので再度の音量調整操作を繰り返し行う必要がなく、遊技者にとっては利便性が良い。
また上記のような音量レベル初期化処理において音量レベルを初期値に戻すとき、遊技者によって任意に調整された音量レベルが所定の条件を満たしているか否かを判断し、その判断結果に基づいて初期値へ戻すか否かを決定するようにしても良い。例えば、非遊技時間の計測開始後、所定時間を経過した場合、現在の音量レベルの設定値が所定の範囲内であれば、演出音の音量レベル設定値を変更することなくそのまま保持するものであってもよい。図54および図55は、そのような音量レベル初期化処理の一例を示す図である。例えば図54(a)において斜線領域で示すように、音量調整部72aには非遊技時間が所定時間を経過した場合でも音量レベルを初期値に戻さない音量レベルの範囲が下限値Vcと上限値Vdとによって予め定められている。また音量レベルの初期値Vbは、その範囲内に予め設定される。そして非遊技時間が所定時間を経過したとき、図54(a)に示すように、遊技者によって任意に調整された現在の音量レベルVaが下限値Vcと上限値Vdとによって定められる範囲外である場合、音量調整部72aは、図54(b)に示すように現在の音量レベルVaを、初期値Vbに変更する。また図55(a)に示すように、遊技者によって任意に調整された現在の音量レベルVaが下限値Vcと上限値Vdとによって定められる範囲内である場合、音量調整部72aは、図55(b)に示すように現在の音量レベルVaを初期値Vbへ変更することなく、それ以前の遊技者によって任意に調整されたレベルをそのまま保持する。すなわち、音量調整部72aは、現在の音量レベルVaが所定範囲の範囲外である場合には、遊技が行われることなく所定時間が経過することによりその現在の音量レベルをその範囲内の所定レベルに変更し、現在の音量レベルVaが所定範囲の範囲内である場合には、遊技が行われることなく所定時間が経過しても音量レベルを変更しないようにしても良い。このような態様によれば、遊技者が音量レベルを僅かに調整した程度であれば、非遊技状態のままで比較的長時間が経過しても遊技者によって調整された音量レベルを保持することができるため、遊技者にとっては所望の音量レベルに調整する操作を繰り返し行う必要がなくなるので操作性がより一層向上する。
以上のように本実施形態の遊技機1は、遊技者が自身でボタン操作を行うことによりスピーカー8から出力される演出音の音量レベルを自由に調整することが可能であり、遊技演出中に第2操作ボタン7の操作を行うことにより、スピーカー8から出力されている実際の演出音の音量を聞きながら音量調整操作を行うことができる。そして、遊技者に第2操作ボタン7の操作を促し、遊技者により所定のタイミングで第2操作ボタン7が操作されるとその操作に応じた演出が行われる場合を除き、遊技者は第2操作ボタン7を操作することにより、遊技演出中においても音量調整操作を行うことができる。これにより、遊技者は、遊技機が待機状態である場合のみならず、遊技演出中においても音量調整が可能となり、利便性が向上する。
また、待機演出の実行中において音量調整操作が行われるとき、第2報知部73bは、現在の遊技状態に応じた演出音をスピーカー8から出力し、遊技者による音量調整操作に基づき、スピーカー8から出力される演出音の音量を変化させる。これにより、遊技者は、実際にスピーカー8から出力される演出音により聴覚で現在の音量レベルを確認することができ、遊技者は遊技を開始する前にスピーカー8から出力される演出音を予め所望のレベルに設定しておくことが可能となる。
また遊技機1は、遊技者が自身でボタン操作を行うことによりスピーカー8から出力される演出音の音量レベルを自由に調整することが可能であり、遊技の進行中において演出制御基板52により所定の演出が行われるとき、音量調整部72aがスピーカー8から出力される演出音の音量レベルを所定レベル以上に自動変更する構成である。このような構成によれば、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルを上げることにより、遊技者を所定の演出に注目させることができる。音量レベルを上げる契機となる演出としては、例えば、遊技者の操作に関わる演出がある。遊技者の操作に関わる演出が行われるときに音量レベルを上げることにより、そのような演出を遊技者に気付かせることができ、遊技者に適切なタイミングで適切な操作を行わせることができるようになる。
遊技者の操作に関わる演出は、遊技者が遊技機1に対して行う操作に関する演出であればどのような演出であっても良いが、例えば特別遊技中において遊技球がVゲート18を通過可能となるラウンド遊技が行われるときに行われる報知演出であって、遊技者にVゲート18を狙って遊技球の発射操作を行わせるための演出(特定ラウンド演出)がある。またこの他にも、遊技者の操作に関わる演出には、遊技の進行中において所定のタイミングで遊技者に第1操作ボタン6や第2操作ボタン7などのボタン操作を促す演出(操作演出)が含まれる。さらに上述した遊技機1は、遊技状態に応じて遊技者が遊技球を発射すべき遊技領域が切り替わる。遊技球を発射すべき遊技領域が切り替わると、遊技者に対してハンドルレバー5の操作角度の変更を促す演出が行われるため、そのような演出も遊技者の操作に関わる演出のひとつである。本実施形態の遊技機1は、上記のような遊技者の操作に関わる演出が行われるときに演出音の音量レベルを上げてスピーカー8から出力するため、それらの操作を遊技者に適切に行わせることができる。
また音量レベルを上げる契機となる演出としては、遊技者の操作に関わる演出の他にも、例えば遊技者に有利な遊技価値が付与される期待度が通常よりも高いことを示唆する演出がある。このような演出には、上記と同様、例えば特別遊技中において遊技球がVゲート18を通過可能となるラウンド遊技が行われるときに行われる報知演出であって、遊技者にVゲート18を狙って遊技球の発射操作を行わせるための演出(特定ラウンド演出)が含まれる。またこの他にも、図柄変動演出中に行われる演出であって、大当たりとなる期待度が通常よりも高いことを示唆する演出が含まれる。そのような演出が行われるときに音量レベルを上げることにより、遊技者に期待度が高いことを気付かせることができ、遊技者の遊技意欲を向上させることができるようになる。
また上記の他にも、例えばスピーカー8から演出音として歌唱付き音楽が出力される演出が行われるとき、音量調整部72aがスピーカー8から出力される歌唱付き音楽の音量レベルを所定レベル以上に自動変更するようにしても良いし、また特別遊技中において遊技球がVゲート18を通過したことに伴って所定の演出が行われるタイミングで、音量調整部72aがスピーカー8から出力される演出音の音量レベルを所定レベル以上に自動変更するようにしても良い。
また本実施形態の遊技機1は、上述したような所定の演出が行われるタイミングで、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルを現在の設定レベルよりも大きいレベルに変更した後、その所定の演出が終了することに伴い、スピーカー8から出力される演出音の音量レベルを元の設定レベルに戻すようにしている。そのため、遊技者が所望の音量レベルに調整した後、所定の演出が行われた場合でも、再び音量レベルを所望のレベルに調整する操作を行う必要がないため、操作性に優れている。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容のものに限定されるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば上記実施形態では、特別遊技中に遊技球がVゲート18を通過することにより、その後の大当たりの当選確率が高確率状態となるものを例示したが、これに限られるものではなく、例えば特別遊技を行うか否かの特別遊技判定において特別遊技を行うと判定された場合に、その特別遊技判定において特別遊技終了後の確率状態を高確率状態とするか、低確率状態とするかを決定するものであっても構わない。
また上記実施形態では、待機状態において遊技者が検知されると、その遊技者に対して音量調整操作が可能であることを報知する構成について説明した。しかし、上述した遊技機1は、設定スイッチ28の設定状態によっては、遊技者が音量レベルを調整できない設定となっていることもある。そのような場合、遊技者に対して音量調整操作が可能であることを報知してしまうと、遊技者に混乱を生じさせる。そのため、店員によって事前に設定される設定スイッチ28が遊技者による音量レベルの調整操作を受け付けない設定状態であるときには、待機状態において遊技者が検知された場合でも、遊技者に対して音量調整操作が可能であることを報知しないように構成することが好ましい。
また上記実施形態において詳述した内容には、以下の発明が含まれる。
(1)特別遊技状態に移行させるか否かの判定において特別遊技状態へ移行させると判定された場合に、遊技球が入球不可能な閉状態と遊技球が入球可能な開状態とに作動し得る第1可変入賞装置、および、遊技球が入球不可能な閉状態と遊技球が入球可能な開状態とに作動し得るとともに入球した遊技球が通過可能な特定通過領域を有する第2可変入賞装置のうち何れか一方の可変入賞装置を、前記開状態に作動させるラウンド遊技を複数ラウンド有する開放特別遊技を行わせる特別遊技制御手段と、前記特別遊技制御手段により前記開放特別遊技が行われた後に、当該開放特別遊技中に前記第2可変入賞装置に入球した遊技球が前記特定通過領域を通過していないときには、特別遊技状態に移行されるか否かの判定において特別遊技状態へ移行させると判定される確率が第1の確率に設定される低確率遊技状態で遊技を制御する低確率遊技状態制御手段と、前記特別遊技制御手段により前記開放特別遊技が行われた後に、当該開放特別遊技中に前記第2可変入賞装置に入球した遊技球が前記特定通過領域を通過しているときには、特別遊技状態へ移行させるか否かの判定において特別遊技状態へ移行させると判定される確率が前記第1の確率よりも高い第2の確率に設定される高確率遊技状態で遊技を制御する高確率遊技状態制御手段と、を更に備え、前記演出制御手段は、前記特別遊技判定手段による判定の結果に基づいて、前記特別遊技制御手段による前記開放特別遊技が行われるときには、前記第1可変入賞装置および前記第2可変入賞装置のうちの何れか一方が前記開状態となるラウンド遊技に対応するラウンド遊技演出を含む特別遊技演出を前記演出手段に行わせ、前記音量調整手段は、前記演出制御手段によって前記特別遊技演出が行われているとき、前記特別遊技制御手段によって前記第2可変入賞装置に入球する遊技球が前記特定通過領域を通過可能となるラウンド遊技に対応するランド遊技演出が行われるタイミングで、前記スピーカーから出力される演出音の音量レベルを現在の設定レベルよりも大きくすることを特徴とする遊技機。
(2)上記(1)において、前記演出制御手段は、特別遊技状態へ移行させるか否かの判定結果に基づいて、特別遊技状態へと移行する期待度が通常よりも高いことを示唆する特定示唆演出を前記演出手段に行わせることが可能であり、前記音量調整手段は、前記演出制御手段によって前記特定示唆演出が行われるタイミングで、前記スピーカーから出力される演出音の音量レベルを現在の設定レベルよりも大きくすることを特徴とする遊技機。
(3)上記(1)又は(2)において、前記音量調整手段は、前記演出制御手段によって所定の演出が行われるタイミングで、前記スピーカーから出力される演出音の音量レベルを現在の設定レベルよりも大きいレベルに変更した後、前記所定の演出が終了することに伴い、前記スピーカーから出力される演出音の音量レベルを元の前記設定レベルに戻すことを特徴とする遊技機。
(4)始動条件が成立することにより遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるか否かを判定する特別遊技判定手段と、前記特別遊技判定手段による判定の結果に基づいて、所定の演出手段に演出を行わせる演出制御手段と、前記演出制御手段によって演出が行われるときの演出音を出力するスピーカーと、遊技者が操作入力を行うことが可能な操作入力手段と、前記操作入力手段に対して行われる操作に基づいて、前記スピーカーから出力される演出音の音量レベルの設定変更を行う音量調整手段と、遊技者を検知する検知手段と、前記検知手段により遊技者が検知された場合に、前記操作入力手段に対する操作入力を行うことによって音量レベルの設定変更が可能であることを報知する報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
(5)上記(4)において、前記報知手段は、音量レベルの設定変更が可能であることを所定の表示手段に表示させることによって報知することを特徴とする遊技機。
(6)上記(4)又は(5)において、前記報知手段は、音量レベルの設定変更が可能であることをスピーカーから出力する音声によって報知することを特徴とする遊技機。
(7)上記(4)乃至(6)のいずれかにおいて、前記報知手段は、前記始動条件が成立していないときに前記検知手段によって遊技者が検知されることを条件として報知することを特徴とする遊技機。
(8)上記(4)乃至(7)のいずれかにおいて、遊技球を転動させる遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域に対して遊技球を発射させるために遊技者が操作するハンドルレバーと、を更に備え、前記検知手段は、遊技者による前記ハンドルレバーに対する操作を検知することにより遊技者を検知することを特徴とする遊技機。
(9)始動条件が成立することにより遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるか否かを判定する特別遊技判定手段と、前記特別遊技判定手段による判定の結果に基づいて、所定の演出手段に演出を行わせる演出制御手段と、前記演出制御手段によって演出が行われる時の演出音を出力するスピーカーと、遊技者が操作入力を行うことが可能な操作入力手段と、前記操作入力手段に対して行われる操作に基づいて、前記スピーカーから出力される演出音の音量レベルの設定変更を行う音量調整手段と、遊技者を検知する検知手段と、前記検知手段により遊技者が検知された場合に、演出音の現在の音量レベルを報知する報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
(10)上記(9)において、前記報知手段は、演出音の現在の音量レベルを所定の表示手段に表示させることによって報知することを特徴とする遊技機。
(11)上記(9)又は(10)において、前記報知手段は、演出音の現在の音量レベルをスピーカーから出力する音声によって報知することを特徴とする遊技機。
(12)上記(9)乃至(11)のいずれかにおいて、前記報知手段は、前記始動条件が成立していないときに前記検知手段によって遊技者が検知されることを条件として報知することを特徴とする遊技機。
(13)遊技者による遊技操作が行われることによって遊技を進行させる遊技機であって、遊技の進行に伴って所定の演出手段に遊技演出を行わせる演出制御手段と、前記演出制御手段によって行われる遊技演出に対応する演出音を出力するスピーカーと、遊技者が操作できない位置に設けられ、遊技演出に関する設定を行うために店員によって操作される設定操作部と、電源投入後、所定のタイミングにおいて前記設定操作部により設定された遊技演出に関する設定状態を報知する報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
(14)上記(13)において、前記設定操作部は、遊技盤の背面側に設けられることを特徴とする遊技機。
(15)上記(13)又は(14)において、前期設定操作部は、スピーカーから出力される演出音の音量レベルを設定することを特徴とする遊技機。
(16)上記(13)乃至(15)のいずれかにおいて、前記報知手段は、前記設定操作部の設定状態を所定の表示手段に表示させることを特徴とする遊技機。
(17)上記(13)乃至(16)のいずれかにおいて、前記報知手段は、前記設定操作部の設定状態を前記スピーカーから出力する音声により報知することを特徴とする遊技機。
(18)上記(13)乃至(17)のいずれかにおいて、電源投入後において前記演出手段を所定時間初期駆動させた後に遊技を進行させることが可能な待機状態へと移行させる遊技状態制御手段、を更に備え、前記報知手段は、前記遊技状態制御手段によって前記初期駆動が行われているときに、前記設定操作部による設定状態を報知することを特徴とする遊技機。