JP2015139228A - 地絡検出装置 - Google Patents

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Tomihiro Takano
富裕 高野
哲史 大野
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哲史 大野
板屋 伸彦
Nobuhiko Itaya
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【課題】本発明は、自立運転時の自立運転系統における地絡の発生を高速かつ正確に検出することが可能な地絡検出装置を提供することを目的とする。【解決手段】本発明による地絡検出装置は、非接地の高圧配電系統内に存在する少なくとも1つ以上の負荷に対して、自立運転によって電力を供給する自立運転系統における地絡を検出する地絡検出装置1であって、自立運転系統を接地する中性点接地回路2と、中性点接地回路2の開閉を行う開閉器21と、自立運転系統における地絡を検出する過電流保護継電器4とを備え、自立運転系統は、自立運転の開始時には開閉器21が投入されることによって中性点接地回路2を介して接地状態となり、自立運転の終了時には開閉器21が開放されることによって非接地状態となることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、非接地の高圧配電系統内に存在する少なくとも1つ以上の負荷に対して、自立運転によって電力を供給する自立運転系統における地絡を検出する地絡検出装置に関する。
災害等によって高圧配電系統(商用配電系統)が長時間に渡って停電した場合において、停電した高圧配電系統から一部の配電系統を切り離した自立運転系統内で自給自足によって電力を使用できるようにする自立運転が注目されている。
しかしながら、日本国内の高圧配電系統は非接地であるため、高圧配電系統内で地絡が発生しても三相間の線間電圧はほとんど変化せず、地絡相にも地絡による大きな電流が流れない。高圧配電系統を非接地とする理由は、例えば、変電所や分散電源から地絡点(地絡が発生した箇所)に大電流が流れ込み、流れ込んだ大電流に起因する電磁誘導によって近隣の通信等に対して障害を与える誘導障害等を回避するためである。
上記を踏まえ、従来では、配電用変電所や、蓄電池あるいは太陽光発電等の分散電源連系点(分散電源設置点)では、零相電圧および零相電流を監視し、零相電圧値および零相電流値が所定値以上となった場合に地絡が発生したと判断する方式が採用されている。ここで、零相電圧を計測するセンサーとしては、一般的な配電用変電所ではGPT(Ground Potential Transformer:接地型計器用変成器)が採用され、配電用変電所以外の分散電源連系点ではZPD(Zero-phase Potential Device)が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
自立運転系統内では、配電用変電所から切り離された状態で自立運転が行われるため、地絡発生時に生じる零相電圧は、分散電源連系点に設置されるZPDにて計測される。地絡発生時に生じる零相電圧は、下記の式(1)に示すように高圧配電系統の対地静電容量に応じて変化する。
Figure 2015139228
ここで、Vは零相電圧、Vは地絡相の健全時の対地電圧、Cは1相分の対地静電容量、Rは地絡抵抗(地絡線と対地との間における抵抗、完全地絡時はゼロ)、jは複素数、ωは系統周波数(50Hzまたは60Hz)の角速度である。
対地静電容量は、市街地に多く見られるケーブル系統や長距離系統において大きくなり、その結果、零相電圧は一般的に使用されるZPDの精度限界である基準電圧の2%よりも低くなることがある。
このような問題の対策として、各電力会社では配電用変電所に対地静電容量を減少させる補償リアクトルを設置しているが、配電用変電所から切り離して自立運転を行う自立運転系統内では補償リアクトルによる効果を得ることができない。従って、自立運転時には、自立運転系統内で地絡が発生してもZPDにて零相電圧を正確に計測することができない(すなわち、地絡を正確に検出することができない)可能性がある。
一方、高圧配電系統の停電時に低圧需要家内で自立運転を行う場合についても、上記と同様の地絡(低圧系統では漏電と呼ぶ場合が多い)検出時の問題がある。
この問題の対策として、従来では、低圧系統の自立運転系統が、高圧配電系統とは完全に異なる別系統の自立運転を行う専用系統であることを前提として、自立運転系統内に予め中性点接地回路を設置しておく方式が開示されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2では、自立運転系統内で地絡(漏電)が発生した場合において、地絡が発生した自立運転系統、大地、および中性点接地回路によって、地絡発生時には循環電流として自立運転系統内に通常時(地絡が発生していないとき)よりも大きな電流が流れる原理を利用している。
特開平5−137240号公報 特開2012−249451号公報
配電用変電所が接続されている高圧配電系統において、分散電源連系点が常に接地状態であると、高圧配電系統が非接地系統ではなくなる。その結果、地絡発生時に変電所から地絡点に大電流が流れ込んで誘導障害等を引き起こすとともに、零相電圧の分圧効果によって配電用変電所における零相電圧の変化が小さくなり、配電用変電所に設置されている地絡保護継電器の感度が低下する。従って、日本国内では、非接地系統における分散電源連系点での接地は認められていない。このように、自立運転系統が高圧配電系統に接続されている場合では、特許文献2の技術を適用することができなかった。
また、非接地の高圧配電系統を利用した従来(例えば、特許文献1)の自立運転において、自立運転系統の対地静電容量が大きい場合は、地絡発生時でも零相電圧がほとんど変化せず、異常電流(大電流)も流れないため、地絡を正確に検出できない可能性がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、自立運転時の自立運転系統における地絡の発生を高速かつ正確に検出することが可能な地絡検出装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明による地絡検出装置は、非接地の高圧配電系統内に存在する少なくとも1つ以上の負荷に対して、自立運転によって電力を供給する自立運転系統における地絡を検出する地絡検出装置であって、自立運転系統を接地する中性点接地回路と、中性点接地回路の開閉を行う開閉器と、自立運転系統における地絡を検出する保護継電器とを備え、自立運転系統は、自立運転の開始時には開閉器が投入されることによって中性点接地回路を介して接地状態となり、自立運転の終了時には開閉器が開放されることによって非接地状態となることを特徴とする。
本発明によると、非接地の高圧配電系統内に存在する少なくとも1つ以上の負荷に対して、自立運転によって電力を供給する自立運転系統における地絡を検出する地絡検出装置であって、自立運転系統を接地する中性点接地回路と、中性点接地回路の開閉を行う開閉器と、自立運転系統における地絡を検出する保護継電器とを備え、自立運転系統は、自立運転の開始時には開閉器が投入されることによって中性点接地回路を介して接地状態となり、自立運転の終了時には開閉器が開放されることによって非接地状態となるため、自立運転時の自立運転系統における地絡の発生を高速かつ正確に検出することが可能となる。
本発明の実施の形態1による地絡検出装置の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1による自立運転サーバにおける自立運転起動時の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1による自立運転サーバにおける自立運転停止時の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1による過電流保護継電器における地絡検出の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1による非接地系統において地絡が生じた場合における三相電圧ベクトルの変化を説明するための図である。 本発明の実施の形態1による接地系統において地絡が生じた場合における三相電圧ベクトルの変化を説明するための図である。 本発明の実施の形態2による地絡検出装置の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態2による不足電圧保護継電器における地絡検出の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3による地絡検出装置の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態3による過電流保護継電器および不足電圧保護継電器における地絡検出の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態4による地絡検出装置の構成の一例を示す図である。 従来の地絡を検出するための構成の一例を示す図である。
本発明の実施の形態について、図面に基づいて以下に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1による地絡検出装置1の構成の一例を示す図であり、地絡検出装置1を含む自立運転系統の全体像を示している。
開閉器6,7は、高圧配電系統の停電時において、配電用変電所や自立運転系統以外の系統を切り離すために、自立運転系統の両端(高圧配電系統との接続箇所)に設置されている。
発電設備8は、高圧配電系統の停電時において、自立運転系統に対して規定電圧(高圧配電系統では、基準電圧である6.6kVが一般的である)を印加し、負荷12a〜12n(以下、単に負荷12とも称する)に電力を供給する。
ここで、発電設備8としては、負荷12にて消費される有効電力および無効電力に応じた有効電力および無効電力を出力することによって、系統内における電圧および周波数を一定に維持する自立運転機能を有する発電設備であればよく、例えばガスエンジン発電機やディーゼルエンジン発電機等の回転機系の発電機や、燃料電池、蓄電池、あるいは太陽光発電等のインバータ型の発電機であってもよい。
Y−Δ結線変圧器9は、分散電源連系で一般に用いられるものであるが、Y−Y結線、Δ−Y結線、Δ−Δ結線等の他の結線方式であってもよい。ただし、高圧側がΔ結線の場合は、中性点のとれるY結線を別途用意する必要がある。
自立運転サーバ5は、高圧配電系統の電圧を監視し、高圧配電系統の電圧がゼロの停電時には自立運転への移行を決定する。自立運転への移行時には、自立運転系統の両端の開閉器6,7を開放するように制御するとともに、発電設備8を起動するように制御する。
また、自立運転サーバ5は、自立運転系統以外(上記の高圧配電系統)の電圧が規定電圧付近に戻って復電したと判断した場合は、発電設備8を停止するように制御するとともに、自立運転系統の両端の開閉器6,7を投入するように制御することによって、平常時の連系運転へと移行する。
地絡検出装置1は、中性点接地回路2と、CT(Current Transformer)3と、過電流保護継電器4(保護継電器)とを備えている。
中性点接地回路2は、地絡発生時に地絡点から循環した電流を地絡検出装置1にて検出することができるように、地絡検出装置1から見て自立運転系統とは反対側、すなわちY−Δ結線変圧器9の高圧側付近に接続されている。図1において、中性点接地回路2は、Y−Δ結線変圧器9におけるY結線の中性点に接続されている。
また、中性点接地回路2は、開閉器21を有しており、開閉器21が中性点接地回路2の開閉を行う。すなわち、中性点接地回路2は、自立運転系統を接地することができる。
CT3は、Y−Δ結線変圧器9の高圧側(一次側)に流れる各相電流を計測する。なお、図1では、中性点接地回路2が開閉器21を備えている場合について示しているが、開閉器21と中性点接地回路2とが別個に設けられていてもよい。
過電流保護継電器4は、Y−Δ結線変圧器9の高圧側に流れる各相電流の何れかが閾値以上になると地絡が発生したと判断し、開閉器6,7を開放するように制御する。すなわち、過電流保護継電器4は、自立運転系統における過電流を検出することによって、自立運転系統における地絡を検出する。
参考として、従来の分散電源における地絡の検出は、図12に示すように、Y−Δ結線変圧器9の高圧側(一次側)に設置されたZPT(Zero Phase Potential Transformer)にて零相電圧を計測する。地絡保護継電器16は、地絡発生時の零相電圧の増加分を検出し、遮断器10を開放するように制御する。しかし、上述の通り、従来の地絡の検出方法では、地絡発生時でも零相電圧がほとんど変化せず、異常電流(大電流)も流れないため、地絡を正確に検出できない可能性があった。
図2は、自立運転サーバ5における自立運転起動時の動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS101において、自立運転系統が自立運転中であるか否かを判断する。自立運転中である場合は、処理を終了する。一方、自立運転中でない場合は、ステップS102に移行する。
ステップS102において、自立運転系統の範囲外(高圧配電系統)に設置されたPT(Potential Transformer)11から電圧の瞬時波形(電圧値)を取り込み、実効値を演算する。
ステップS103において、ステップS102にて演算した電圧の実効値が、所定時間継続してゼロであるか否かを判断する。電圧の実効値が所定時間継続してゼロである場合は、ステップS104に移行する。すなわち、高圧配電系統で停電が発生したと判断し、自立運転の起動処理を開始する。一方、電圧の実効値が所定時間継続してゼロでない場合は、処理を終了する。ここで、上記の所定時間とは、例えば1分間であってもよい。
ステップS104において、自立運転系統の両端の開閉器6,7を開放し、自立運転系統を他の系統(高圧配電系統)から切り離す。
ステップS105において、中性点接地回路2の開閉器21を投入し、自立運転系統を非接地状態(非接地系統)から接地状態(接地系統)に切り替える。すなわち、自立運転系統は、自立運転の開始時には開閉器21が投入されることによって中性点接地回路2を介して接地状態となる。
ステップS106において、自立運転用の発電設備8を起動し、自立運転系統を規定電圧に充電するとともに、負荷12に応じた電力を供給する。
図3は、自立運転サーバ5における自立運転停止時の動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS201において、自立運転系統が自立運転中であるか否かを判断する。自立運転中である場合は、ステップS202に移行する。一方、自立運転中でない場合は、処理を終了する。
ステップS202において、自立運転系統の範囲外(高圧配電系統)に設置されたPT11から電圧の瞬時波形(電圧値)を取り込み、実効値を演算する。
ステップS203において、ステップS202にて演算した電圧の実効値が、所定時間継続して所定値以上であるか否かを判断する。電圧の実効値が所定時間継続して所定値以上である場合は、ステップS204に移行する。すなわち、停電復旧したと判断し、自立運転の停止処理を開始する。一方、電圧の実効値が所定時間継続して所定値以上でない場合は、処理を終了する。ここで、上記の所定時間とは、例えば1分間であってもよい。また、上記の所定値とは、例えば基準電圧である6.6kVの90%の値であってもよい。
ステップS204において、自立運転用の発電設備8を停止し、自立運転系統を一旦停電状態にする。
ステップS205において、中性点接地回路2の開閉器21を開放し、自立運転系統を接地状態から非接地状態に切り替える。すなわち、自立運転系統は、自立運転の終了時には開閉器21が開放されることによって非接地状態となる。
ステップS206において、自立運転系統の両端の開閉器6,7を投入し、自立運転系統を他の系統(高圧配電系統)に接続する。すなわち、自立運転系統は、高圧配電系統から電力供給される平常時の状態となる。
図4は、過電流保護継電器4における地絡検出の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図4に示す動作は、地絡を検出する必要があるため、高速周期(例えば、50Hz系統での交流波形の1サイクル分に相当する20ミリ秒周期)で起動するものとする。
ステップS301において、CT3からU相の電流の瞬時値(U相電流値)を取り込み、実効値を演算する。
ステップS302において、ステップS301にて演算したU相電流値が閾値以上であるか否かを判断する。U相電流値が閾値以上である場合は、地絡が発生した(地絡を検出した)と判断し、ステップS307に移行する。一方、U相電流値が閾値以上でない場合は、ステップS303に移行する。
ステップS303において、CT3からV相の電流の瞬時値(V相電流値)を取り込み、実効値を演算する。
ステップS304において、ステップS303にて演算したV相電流値が閾値以上であるか否かを判断する。V相電流値が閾値以上である場合は、地絡が発生したと判断し、ステップS307に移行する。一方、V相電流値が閾値以上でない場合は、ステップS305に移行する。
ステップS305において、CT3からW相の電流の瞬時値(W相電流値)を取り込み、実効値を演算する。
ステップS306において、ステップS305にて演算したW相電流値が閾値以上であるか否かを判断する。W相電流値が閾値以上である場合は、地絡が発生したと判断し、ステップS307に移行する。一方、W相電流値が閾値以上でない場合は、処理を終了する。
ステップS307において、遮断器10を開放する。
上記のステップS302,S304,S306における地絡検出の閾値としては、発電設備8が定格出力運転した状態で自立運転系統内を流れる最大電流I(A)の値を用いることができる。すなわち、発電設備8の定格出力をW(kW)、高圧配電系統の基準線間電圧をV(kV)とすると、最大電流Iは下記の式(2)で求められる。
Figure 2015139228
また、上記の式(2)の他に、CT3における瞬時値計測時の誤差、瞬時値から実効値への演算時の誤差、あるいは誘導機負荷起動時のインラッシュ電流のような瞬間的な負荷増等を考慮し、安全率α(1より大きい数値、例えば1.2程度)を見込んで最大電流Iを下記の式(3)のように設定してもよい。
Figure 2015139228
通常時(地絡が発生していないとき)の運転では、自立運転系統内の電圧が基準電圧よりも大幅に下回ることはないため、自立運転系統内の電流が最大電流Iを超えることはないが、接地状態の自立運転系統で地絡が発生した場合は、自立運転系統内の電圧が大幅に低下することによって、発電設備8から最大電流I以上の電流が地絡点に流れ込むことになる。
図5は、非接地系統において地絡が生じた場合における三相電圧ベクトルの変化を説明するための図であり、U相で地絡が発生した場合を示している。図5において、実線の矢印は各相間の線間電圧を示し、破線の矢印は各相の対地電圧を示している。
図5に示すように、各相の線間電圧からなる電圧三角形は変化せず、電圧三角形の重心点がU相の電圧ベクトルとは逆方向に移動する。すなわち、各相の対地電圧は変化するが、線間電圧の大きさは変化しない。従って、線間電流も変化しない。
また、非接地系統であるため、地絡発生時の電流の循環経路がなく、対地電圧が変化しても地絡による新たな電流が発生しないため、相電流も変化しない。その結果、地絡が発生したU相には、通常の運転と同様に、発電設備8が定格最大出力で運転する際に出力される最大電流I以上は流れない。
図6は、接地系統において地絡が生じた場合における三相電圧ベクトルの変化を説明するための図であり、U相で地絡が発生した場合を示している。図6において、実線の矢印は各相間の線間電圧を示し、破線の矢印は各相の対地電圧を示している。
図6に示すように、地絡が発生すると、U相の対地電圧がゼロ付近まで低下するとともに、線間電圧も1/√3付近まで低下する。従って、線間電圧が低下した分だけ線間電流は大きくなる。
また、接地系統であるため、地絡が発生したU相では、地絡点、大地、接地点、地絡点の順に地絡発生時の電流の循環経路が成立し、地絡による新たな電流が加算される。その結果、地絡が発生したU相には、発電設備8が定格最大出力で運転する際に出力される最大電流I以上の電流が流れる。
以上のことから、本実施の形態1によれば、自立運転時の自立運転系統における地絡の発生を高速かつ正確に検出することが可能となり、地絡発生後は速やかに自立運転を停止することができる。また、自立運転時は接地状態とし、自立運転時以外は従来通り非接地状態としているため、既設の保護システムへの影響を与えることなく誘導障害等を引き起こすこともない。
<実施の形態2>
図7は、本発明の実施の形態2による地絡検出装置1の構成の一例を示す図であり、地絡検出装置1を含む自立運転系統の全体像を示している。
図7に示すように、本実施の形態2による地絡検出装置1は、実施の形態1(図1参照)におけるCT3および過電流保護継電器4に代えて、PT13および不足電圧保護継電器14を備えることを特徴としている。その他の構成および動作は、実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
PT13は、三相(U相、V相、W相)の線間電圧を計測する。
不足電圧保護継電器14は、PT13にて計測された線間電圧が所定値以下になると地絡が発生したと判断する。すなわち、不足電圧保護継電器14は、自立運転系統における電圧低下を検出する。
上述の図6を用いて説明した通り、地絡が発生すると、地絡が発生した相の対地電圧がゼロ付近まで低下するとともに、線間電圧も1/√3付近まで低下する。
図8は、不足電圧保護継電器14における地絡検出の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図8に示す動作は、地絡を検出する必要があるため、高速周期(例えば、50Hz系統での交流波形の1サイクル分に相当する20ミリ秒周期)で起動するものとする。
ステップS401において、PT13からUV相の線間電圧の瞬時値(UV相電圧値)を取り込み、実効値を演算する。
ステップS402において、ステップS401にて演算したUV相電圧値が閾値以下であるか否かを判断する。UV相電圧値が閾値以下である場合は、地絡が発生した(地絡を検出した)と判断し、ステップS407に移行する。一方、UV相電圧値が閾値以下でない場合は、ステップS403に移行する。
ステップS403において、PT13からVW相の線間電圧の瞬時値(VW相電圧値)を取り込み、実効値を演算する。
ステップS404において、ステップS403にて演算したVW相電圧値が閾値以下であるか否かを判断する。VW相電圧値が閾値以下である場合は、地絡が発生したと判断し、ステップS407に移行する。一方、VW相電圧値が閾値以下でない場合は、ステップS405に移行する。
ステップS405において、PT13からWU相の線間電圧の瞬時値(WU相電圧値)を取り込み、実効値を演算する。
ステップS406において、ステップS405にて演算したWU相電圧値が閾値以下であるか否かを判断する。WU相電圧値が閾値以下である場合は、地絡が発生したと判断し、ステップS407に移行する。一方、WU相電流値が閾値以下でない場合は、処理を終了する。
ステップS407において、遮断器10を開放する。
上記のステップS402,S404,S406における地絡検出の閾値Vとしては、高圧配電系統の基準線間電圧をV(kV)(通常は、6.6kV)とすると、完全な地絡発生時には、地絡が発生した相の線間電圧Vは下記の式(4)のように低下するため、VはVとVとの間で設定すればよい。
Figure 2015139228
ここで、上記の通り、V<V<VとなるようにVを設定する場合は、式(4)より下記の式(5)の通りとなる。
Figure 2015139228
従って、式(5)より、
0.577V<V<V ・・・(6)
とすればよい。
一般的に、系統内の電圧は基準電圧の±10%の範囲内とすることが電気事業法で定められているため、自立運転系統が電気事業法に準拠している場合は、
=0.9V ・・・(7)
とすればよい。
また、PT13における瞬時値計測時の誤差、瞬時値から実効値への演算時の誤差、あるいは誘導機負荷起動時のインラッシュ電流のような瞬間的な負荷増等を考慮し、安全率α(1より小さい数値、例えば0.8程度)を見込んで閾値Vを下記の式(8)のように設定してもよい。
=α×0.9V ・・・(8)
以上のことから、本実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。
<実施の形態3>
図9は、本発明の実施の形態3による地絡検出装置1の構成の一例を示す図であり、地絡検出装置1を含む自立運転系統の全体像を示している。
図9に示すように、本実施の形態3による地絡検出装置1は、実施の形態1(図1参照)におけるCT3および過電流保護継電器4と、実施の形態2(図7参照)におけるPT13および不足電圧保護継電器14とを備えることを特徴としている。その他の構成および動作は、実施の形態1,2と同様であるため、ここでは説明を省略する。
図10は、過電流保護継電器4および不足電圧保護継電器14における地絡検出の動作の一例を示すフローチャートである。
なお、図10のステップS501〜ステップS506は図4のステップS301〜ステップS306に対応し、図10のステップS507〜ステップS512は図8のステップS401〜ステップS406に対応し、図10のステップS513は図4のステップS307および図8のステップS407に対応しているため、ここでは詳細な説明を省略する。すなわち、図10では、いずれかの相電流が過電流となるか、あるいはいずれかの線間電圧が不足電圧となった場合に、地絡が発生したと判断して遮断器10を開放している。
以上のことから、本実施の形態3によれば、電流増加による地絡検出と、電圧低下による地絡検出とを併用することによって、自立運転時における地絡検出の精度を実施の形態1,2よりも向上させることができる。
<実施の形態4>
図11は、本発明の実施の形態4による地絡検出装置1の構成の一例を示す図であり、地絡検出装置1を含む自立運転系統の全体像を示している。
図11に示すように、本実施の形態4による地絡検出装置1は、中性点接地回路2が電流制限用インピーダンス22を備えることを特徴としている。その他の構成および動作は、実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
電流制限用インピーダンス22は、開閉器21と、中性点接地回路2における接地点との間に設けられており、開閉器21と接地点との間を流れる電流を制限する。
なお、電流制限用インピーダンス22は、直列接続の抵抗器であってもよく、リアクトルであってもよい。
図11では、中性点接地回路2が電流制限用インピーダンス22を備える場合について示しているが、開閉器21、電流制限用インピーダンス22、および中性点接地回路2がそれぞれ別個に設けられていてもよい。
電流制限用インピーダンス22を設けることによって、自立運転時における自立運転系統は、直接接地系統ではなく抵抗接地系統となるため、地絡発生時に流れる循環電流の大きさが緩和される。従って、発電設備が、定格出力の1.5倍程度の電流しか出力することができないインバータ型ではなく、定格出力の数倍の電流を供給して発電設備に不具合が生じる可能性のある回転機型に適用すると、地絡発生時における回転機への影響を緩和することができる。
以上のことから、本実施の形態4によれば、自立運転時の自立運転系統における地絡の発生を高速かつ正確に検出することが可能になるとともに、自立運転時の自立運転系統において地絡が発生した場合であっても、発電設備への影響を緩和することができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 地絡検出装置、2 中性点接地回路、3 CT、4 過電流保護継電器、5 自立運転サーバ、6 開閉器、7 開閉器、8 発電設備、9 Y−Δ結線変圧器、10 遮断器、11 PT、12 負荷、13 PT、14 不足電圧保護継電器、15 ZPT、16 地絡保護継電器、17 自立運転サーバ、21 開閉器、22 電流制限用インピーダンス。

Claims (4)

  1. 非接地の高圧配電系統内に存在する少なくとも1つ以上の負荷に対して、自立運転によって電力を供給する自立運転系統における地絡を検出する地絡検出装置であって、
    前記自立運転系統を接地する中性点接地回路と、
    前記中性点接地回路の開閉を行う開閉器と、
    前記自立運転系統における前記地絡を検出する保護継電器と、
    を備え、
    前記自立運転系統は、前記自立運転の開始時には前記開閉器が投入されることによって前記中性点接地回路を介して接地状態となり、前記自立運転の終了時には前記開閉器が開放されることによって前記非接地状態となることを特徴とする、地絡検出装置。
  2. 前記保護継電器は、前記自立運転系統における過電流を検出する過電流保護継電器を備えることを特徴とする、請求項1に記載の地絡検出装置。
  3. 前記保護継電器は、前記自立運転系統における電圧低下を検出する不足電圧保護継電器を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の地絡検出装置。
  4. 前記開閉器と前記中性点接地回路における接地点との間に、前記開閉器と前記中性点接地回路における前記接地点との間を流れる電流を制限する電流制限用インピーダンスをさらに備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の地絡検出装置。
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