JP2015130995A - 生体ガス検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運動を妨げる程度を小さくすることができる生体ガス検出装置を提供する。【解決手段】人の口唇2の一部または全部を覆い、口唇2から放出された生体ガスを含む試料を採取する試料採取部10と、試料採取部10で採取された生体ガスを検出する検出部と、検出部で検出された生体ガスの信号強度から生体ガスの量を計算する演算部と、演算部で計算された結果を出力する出力部と、を含む。【選択図】図5
Description
本発明は、生体ガス検査装置に関する。
過去、人類は飢饉などを経験しているため、余分なエネルギーは出来るだけ体内に蓄積するように遺伝的に組み込まれてきた。しかし、戦後物質的に豊かになり、日本人の摂取カロリーは1970年頃までは緩やかに増加傾向にあったが、それ以降は緩やかに減少傾向が続いている。それにもかかわらず、生活習慣病と言われる糖尿病や高脂血症などは増加傾向にある。その第一の原因は、動物性脂肪の摂取量が戦後増加したこと、第二の原因は、週休2日制度が定着し自動車の普及率が高くなってきたことで、日常の活動量が減少してきている(例:1日の平均歩行数が減少傾向)ことである。健康に関するアンケートを取ると、関心の高い項目に男女とも「脂肪」「体重」が上げられ、ダイエットへの関心が高かまっている。また、高齢化社会の到来とともに、国民医療費が年々増加しており、これ以上の国民医療費の増加は許容できない状況になっている。その対策の1つとして、特定健診・特定保健指導(通称メタボ健診)が、2008年4月より始まった40歳〜74歳までの公的医療保険加入者全員を対象とした保健制度が始まった。以上のような背景で、脂肪燃焼量を測定するニーズは高まってきている。
現在、脂肪燃焼量を測定または算出する方法としては、(1)呼気ガス中O2とCO2とから脂肪燃焼量に換算する呼気ガス分析法、(2)歩数や加速度計による活動量から消費カロリーを測定し、脂肪燃焼量を統計的なデータに基づいて算出する方法がある。呼気ガス分析法は、酸素消費量(VO2)と二酸化炭素産生量(VCO2)とを測定し、その値からエネルギー消費量を算出することができ、比較的よく利用されている。この算出にはWeirの公式が用いられている。それによると、安静時エネルギー消費量(REE:Resting Energy Expenditure)は、
REE(kcal/day)=3.941×VO2(L/day)+1.106×VCO2(L/day)−2.17×UN 式(1)
となる。UNはたんぱく質の代謝による尿中窒素量を示す。
REE(kcal/day)=3.941×VO2(L/day)+1.106×VCO2(L/day)−2.17×UN 式(1)
となる。UNはたんぱく質の代謝による尿中窒素量を示す。
実際には、尿中尿素窒素排泄量を用いずに、たんぱく質の占める割合を12.5%と仮定したWeirの変式は、
REE(kcal/day)=3.94×VO2(L/day)+1.11×VCO2(L/day) 式(2)
となる。または、比較的短時間の測定の簡易式として、
REE(kcal/day)=[3.94×VO2(ml/min)+1.11×VCO2(ml/min)]×1.44 式(3)
を用いることも多い。
REE(kcal/day)=3.94×VO2(L/day)+1.11×VCO2(L/day) 式(2)
となる。または、比較的短時間の測定の簡易式として、
REE(kcal/day)=[3.94×VO2(ml/min)+1.11×VCO2(ml/min)]×1.44 式(3)
を用いることも多い。
炭水化物、脂質、たんぱく質は、それぞれ代謝される際に消費される酸素の量と二酸化炭素の産生量の比が異なっている。これは呼吸商(respiratory quotient:RQ)と呼ばれるものである。例えばブドウ糖が代謝される場合には、
C6H12O6+6O2→6CO2+6H2O+エネルギー 式(4)
であり、呼吸商は1.0となる。同様に、たんぱく質では0.81、脂質では0.71となる。したがって、呼気分析法(間接熱量測定)では、呼吸商RQや炭水化物と脂質の消費エネルギーも算出することができる。
C6H12O6+6O2→6CO2+6H2O+エネルギー 式(4)
であり、呼吸商は1.0となる。同様に、たんぱく質では0.81、脂質では0.71となる。したがって、呼気分析法(間接熱量測定)では、呼吸商RQや炭水化物と脂質の消費エネルギーも算出することができる。
上記のように代謝物質から脂肪の消費量を測定する方法では、例えば、呼気ガスを採取する装置を用いる。このように呼気ガスを採取する装置として、例えば特許文献1では、呼気ガス中のアセトン量を測定し、その量から脂肪燃焼に適した運動強度を算出し指示する装置が記載されている。
しかしながら、特許文献1のように、呼気ガス中のアセトン量を測定する装置では、呼気ガスを採取するために、口や鼻を覆うマスクを装着する必要があり、当該マスクの装着が運動の妨げになることがある。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、運動を妨げる程度を小さくすることができる生体ガス検出装置を提供することにある。
本発明に係る生体ガス検出装置は、
人の口唇の一部または全部を覆い、前記口唇から放出された生体ガスを含む試料を採取する試料採取部と、
前記試料採取部で採取された前記生体ガスを検出する検出部と、
前記検出部で検出された前記生体ガスの信号強度から前記生体ガスの量を計算する演算部と、
前記演算部で計算された結果を出力する出力部と、
を含む。
人の口唇の一部または全部を覆い、前記口唇から放出された生体ガスを含む試料を採取する試料採取部と、
前記試料採取部で採取された前記生体ガスを検出する検出部と、
前記検出部で検出された前記生体ガスの信号強度から前記生体ガスの量を計算する演算部と、
前記演算部で計算された結果を出力する出力部と、
を含む。
このような生体ガス検出装置では、例えば呼気ガス中のアセトンを採取する装置のように、呼気ガスを採取するために口や鼻を覆うマスクを必要としない。そのため、このような生体ガス検出装置では、運動を妨げる程度を小さくすることができる。さらに、このような生体ガス検出装置では、汗腺や皮脂腺のない口唇から放出される生体ガスを採取するため、汗腺や皮脂腺による影響を受けにくく、精度の高い測定(検出)が可能となる。
本発明に係る生体ガス検出装置において、
前記試料採取部は、
呼吸路を形成する筒状部と、
前記筒状部の一端に接続され、前記口唇の一部または全部を覆って前記口唇との間に空洞部を形成するカバー部と、
を有してもよい。
前記試料採取部は、
呼吸路を形成する筒状部と、
前記筒状部の一端に接続され、前記口唇の一部または全部を覆って前記口唇との間に空洞部を形成するカバー部と、
を有してもよい。
このような生体ガス検出装置では、使用者は、生体ガス検出装置を装着していても、通常の呼吸を行うことができ、かつ精度よく生体ガスの量(濃度)を測定することができる。
本発明に係る生体ガス検出装置において、
前記筒状部は、前記口唇の上唇と下唇とによって挟持されてもよい。
前記筒状部は、前記口唇の上唇と下唇とによって挟持されてもよい。
このような生体ガス検出装置では、例えばベルトなどで固定されることなく装着されることができる。
本発明に係る生体ガス検出装置において、
前記カバー部は、中空構造を有し、
前記カバー部には、空気弁が設けられていてもよい。
前記カバー部は、中空構造を有し、
前記カバー部には、空気弁が設けられていてもよい。
このような生体ガス検出装置では、空気弁から空気を封入することにより、カバー部に囲まれた空間の圧力を調節することができる。これにより、このような生体ガス検出装置は、カバー部と口唇との密着性やカバー部と皮膚との密着性を向上させることができる。
本発明に係る生体ガス検出装置において、
前記カバー部の一部は、前記口唇または皮膚に接していてもよい。
前記カバー部の一部は、前記口唇または皮膚に接していてもよい。
このような生体ガス検出装置では、運動を妨げる程度を小さくすることができる。
本発明に係る生体ガス検出装置において、
前記試料採取部は、
前記カバー部を貫通し、前記空洞部と前記検出部をつなぐ流路を有してもよい。
前記試料採取部は、
前記カバー部を貫通し、前記空洞部と前記検出部をつなぐ流路を有してもよい。
このような生体ガス検出装置では、流路を介して、生体ガスを検出部に送ることができる。
本発明に係る生体ガス検出装置において、
前記試料採取部の材質は、シリコン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ乳酸樹脂、またはこれらの複合体であってもよい。
前記試料採取部の材質は、シリコン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ乳酸樹脂、またはこれらの複合体であってもよい。
このような生体ガス検出装置は、柔軟性の高い材料で構成されているため、口唇周辺の筋肉で容易に開くことができ、使用者は、通常の呼吸が可能である。
本発明に係る生体ガス検出装置において、
前記生体ガスは、アセトンであってもよい。
前記生体ガスは、アセトンであってもよい。
このような生体ガス検出装置では、肝臓での脂肪燃焼による代謝物質であるアセトンを検出することで、精度の高い脂肪燃焼量の測定を行うことができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 生体ガス検出装置
1.1. 構成
まず、本実施形態に係る生体ガス検出装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る生体ガス検出装置100を模式的に示す機能ブロック図である。
1.1. 構成
まず、本実施形態に係る生体ガス検出装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る生体ガス検出装置100を模式的に示す機能ブロック図である。
生体ガス検出装置100は、図1に示すように、人の口唇(唇)の一部または全部を覆い、口唇から放出された生体ガスを含む試料を採取する試料採取部10と、試料採取部10で採取された生体ガスを検出する検出部20と、検出部20で検出された生体ガスの信号強度から生体ガスの量を計算する演算部30と、演算部30で計算された結果を出力する出力部40と、を含む。以下、各部について具体的に説明する。
1.2. 試料採取部
図2〜図5は、試料採取部10を模式的に示す図である。なお、図2は、口唇を閉じた状態の図であり、図3〜図5は、口唇を開いた状態の図である。また、図2および図3では、試料採取部10を簡略化して図示している。また、図5は、図4に示すV−V線断面図である。
図2〜図5は、試料採取部10を模式的に示す図である。なお、図2は、口唇を閉じた状態の図であり、図3〜図5は、口唇を開いた状態の図である。また、図2および図3では、試料採取部10を簡略化して図示している。また、図5は、図4に示すV−V線断面図である。
試料採取部10は、図2〜図5に示すように、筒状部12と、カバー部14と、流路16と、を有している。
筒状部12は、図4および図5に示すように、口唇2の上唇2aと下唇2bとによって挟持される。図4に示す例では、筒状部12の貫通孔13の形状は、円である。筒状部12は、呼吸路を形成するための部材である。具体的には、貫通孔13は、試料採取部10を使用する人が呼吸をするための経路となる。筒状部12は、例えば、外部と口内3とを連通している。ここで、口内とは、口唇と歯との間の領域を含む。図5に示す例では、筒状部12の一端12aは、口内3の外側に設けられ、筒状部12の他端12bは、口内3に設けられている。
カバー部14は、筒状部12の一端12aに接続されている。図5に示す例では、カバー部14の一端14aは、口唇2に接しており、カバー部14の他端14bは、筒状部12の一端12aに接続されている。図示はしないが、カバー部14の一端14aは、皮膚1に接していてもよい。カバー部14は、筒状部12と一体的に設けられていてもよい。なお、皮膚とは、表皮、真皮、および皮下組織を含む部分であって、口唇以外の部分のことをいう(具体的には後述する図16参照)。
カバー部14は、口唇2の一部または全部を覆って口唇2との間に空洞部4を形成する。言い換えると、カバー部14は、口唇2の外側を、空洞部4を介して包み込むように設けられる。口唇2は、毛細血管や小静脈が特に発達して赤く見える赤唇縁を有している。赤唇縁は、生体ガスがよく放出される部分である。カバー部14は、このような赤唇縁を覆っている。
カバー部14、筒状部12、および口唇2は、図5に示すように、空洞部4を規定している。図5に示す例では、カバー部14は、空洞部4を介して、口唇2と対向する部分を有している。空洞部4は、図4に示すように筒状部12の軸(貫通孔13の軸)方向から見て、貫通孔13を囲んで設けられている。空洞部4は、口唇2から放出された生体ガスの流路となる。
カバー部14は、中空構造を有している。図示の例では、カバー部14は、空間6を取り囲んで設けられている。カバー部14には、空気弁15が設けられている。試料採取部10では、空気弁15を介して、空間6に空気を入れたり、空間6から空気を抜いたりすることができる。
流路16は、カバー部14を貫通し、空洞部4と連通している。流路16は、後述する吸引口102a(図15参照)に接続されている。すなわち、流路16は、空洞部4と検出部20とをつないでいる。流路16は、空洞部4内の生体ガスを排出することができる。
試料採取部10の材質は、例えば、シリコン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ乳酸樹脂、またはこれらの複合体である。
口唇2から放出される生体ガスは、例えば、アセトン、エチルアルコール、イソプレン、アセトアルデヒド、アンモニアである。
1.3. 検出部
1.3.1. 表面増強ラマン分光(SERS)センサー
図1に示す検出部20がSERSセンサーを含む例について、図面を参照しながら説明する。図6は、SERSセンサー120を説明するための図であり、(a)はラマン分光の説明図、(b)は金属ナノ粒子に光を照射した時に形成される増強電場の説明図、(c)は金属ナノ構造における表面増強ラマン散乱の説明図である。
1.3.1. 表面増強ラマン分光(SERS)センサー
図1に示す検出部20がSERSセンサーを含む例について、図面を参照しながら説明する。図6は、SERSセンサー120を説明するための図であり、(a)はラマン分光の説明図、(b)は金属ナノ粒子に光を照射した時に形成される増強電場の説明図、(c)は金属ナノ構造における表面増強ラマン散乱の説明図である。
まず、図6(a)を参照してラマン分光について説明する。標的分子(被検出物質分子)に入射光(波長ν)が照射されると、多くはレイリー散乱光として波長が変化せず散乱される。一部に標的分子の分子振動の情報を含んだラマン散乱光(波長ν− ν´)が散乱される。そのラマン散乱光から、標的分子(ここではアセトアルデヒドを例)の指紋スペクトルが得られる。この指紋スペクトルによって、検出した物質がアセトアルデヒドと特定することが可能である。しかしながら、ラマン散乱光は非常に微弱であり、微量にしか存在しない物質を検出することは困難であった。
そこで、図6(b)を参照して、入射する光の波長よりも小さな金属ナノ粒子に光を照射した時に形成される増強電場について説明する。金属ナノ粒子に対して光を照射する場合には、金属ナノ表面に存在する自由電子が、入射光の電場によって作用を受け共鳴することになり、金属ナノ粒子近傍には自由電子による電気双極子が揃った状態になった結果、入射光の電場よりも強い増強電場が形成される。この現象は、光の波長よりも小さな金属粒子に特有の現象であり、局在表面プラズモン共鳴と言われている現象である。
次いで、金属ナノ構造における表面増強ラマン散乱について図6(c)を参照して説明する。SERSセンサー120は、この金属ナノ構造127を有する。
金属ナノ構造127は、基板124上にマトリクス状に配置された柱状の構造体125の先端部に金属ナノ粒子126が形成されたものである。
ラマン散乱光が増強電場中で発生すると、増強電場の影響によってラマン散乱光が増強されるという現象が、表面増強ラマン散乱(SERS)である。図6(c)のように、基板124上に金属ナノ構造127を形成し、その間隙に増強電場を形成するように配置しておく。ここで標的分子が入り込むと、そのラマン散乱光は増強電場で増強されて強いラマン信号が得られることになる。結果として、微量に存在する標的分子であっても、ラマン分光ができることになる。このことによって、微量の標的分子(検出対象物質)を高感度に検出することができる。
次に、SERSセンサー120の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図7は、SERSセンサー120の製造工程を模式的に示す断面図である。
図7(a)に示すように、支持基板121を準備する。支持基板121は、例えば、石英基板である。なお、支持基板121は、石英基板に限定されるものではない。
図7(b)に示すように、支持基板121上に金属層122を形成する。金属層122は、例えば、真空蒸着法またはスパッタ法によって形成される。図示の例では、金属層122は、平坦な膜であるが、周期的な凹凸のある金属格子であってもよい。金属層122の厚さは、例えば、10nm以上100nm以下である。金属層122の材質は、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)である。金属層122は、単一波長の励起光が照射されると伝播型プラズモンを励起することができる。
図7(c)に示すように、金属層122上に、誘電体層123を形成する。誘電体層123は、例えば、スパッタ、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によって形成される。誘電体層123の厚さは、例えば、10nm以上200nm以下である。誘電体層123の材質は、例えば、SiO2、Al2O3、Ti2O3、Ta2O5である。
図7(d)に示すように、誘電体層123上にレジスト層Rを形成する。レジスト層Rは、例えば、スピンコートなどの装置で塗布して乾燥させることによって形成される。次に、レジスト層Rをレーザー干渉露光する。レーザー干渉露光の光源としては、例えば、連続発振のYVO4レーザー(波長266nm、最大出力200mW)を用いる。レジスト層Rは、例えば、ポジ型のレンジストからなる。レジスト層Rの厚さは、例えば、1μm程度である。レジスト層Rの露光パターンは、一方のパターンを格子状とし、他方のパターンも格子状として、両者の交差する角度によって色々なパターンが形成することができ、レーザーの波長の半分の大きさまで小さくすることが可能である。両者の干渉縞の潜像をレジスト層R中に形成し、現像することによって、図7(e)に示すように、所望のパターンを形成する。
図7(f)に示すように、レジスト層Rをマスクとして、誘電体層123をエッチングし、凹部を形成する。これにより構造体125および基板124を形成することができる。次に、図7(g)に示すように、レジスト層Rを、例えば、公知の方法により、除去する。なお、便宜上、図6では、基板124を簡略化して図示している。
図7(h)に示すように、構造体125に、金属ナノ粒子126を形成する。金属ナノ粒子126を形成する方法としては、まず、スパッタ装置や蒸着装置などで、金属膜を形成する。最初は全体に薄く金属膜が形成されるが、段々と構造体125付近に多く金属が付着するようになり、結果として、図7(h)に示すようになる。隣り合う金属ナノ粒子126のギャップは、金属膜の厚さによって制御することができる。
以上の工程により、SERSセンサー120を製造することができる。
1.3.2. 半導体センサー
図1に示す検出部20が図8(a)(b)に示す半導体センサー220を含む例について、図面を参照しながら説明する。半導体センサー220の基板221の表面221aには、図8(a)に示すように、感ガス材料板222a〜222dと、各感ガス材料板222a〜222dに接続された2つの電極223a,223bと、を有する。基板221の裏面221bには、図8(b)に示すように、ヒーター224と、それに接続された電極225a,225bと、を有する。感ガス材料板222a〜222dには、酸化スズSnO2、アンチモン添加酸化スズSb:SnO2、酸化亜鉛ZnO、酸化タングステンWO3、インジウムスズ酸化物、酸化チタンTiO2、ニオブ添加酸化チタンNb:TiO2などがあり、これらの複合材や他の添加剤を含めることも可能である。
図1に示す検出部20が図8(a)(b)に示す半導体センサー220を含む例について、図面を参照しながら説明する。半導体センサー220の基板221の表面221aには、図8(a)に示すように、感ガス材料板222a〜222dと、各感ガス材料板222a〜222dに接続された2つの電極223a,223bと、を有する。基板221の裏面221bには、図8(b)に示すように、ヒーター224と、それに接続された電極225a,225bと、を有する。感ガス材料板222a〜222dには、酸化スズSnO2、アンチモン添加酸化スズSb:SnO2、酸化亜鉛ZnO、酸化タングステンWO3、インジウムスズ酸化物、酸化チタンTiO2、ニオブ添加酸化チタンNb:TiO2などがあり、これらの複合材や他の添加剤を含めることも可能である。
図9は、半導体センサー220の等価回路図である。ヒーター224により例えば300℃〜450℃程度に加熱された感ガス材料板222a〜 222dに還元性ガスが曝露されると、感ガス材料板222a〜222dの表面に吸着されていた酸素が減少してポテンシャル障壁が下がり、電子が動きやすくなる。それにより、感ガス材料板222a〜222dのセンサー抵抗RL1〜RL4が減少する。図10は、ある一つの感ガス材料板を用いた半導体センサーの初期のセンサー抵抗Roとガス分析時のセンサー抵抗Rsとの(Rs/Ro)と、ガス濃度と、の相関を示している。ガス種に応じて、ガス濃度に依存するRs/Roの変化率が異なる。図10の特性は、感ガス材料板によって異なる。したがって、図8(a)に示す複数の感ガス材料板222a〜222dにセンサー抵抗比(Rs/Ro)に応じた出力電圧VOUT1〜VOUT4(図9参照)を分析することで、線形判別法や主成分分析法などでガス種とガス濃度とを分析することができる。半導体センサー220は、小型で耐久性に優れていることと同時に、量産性が高く比較的安価に製造することができる。また、半導体センサー220の駆動回路も図8(b)に示すように単純である。
1.3.3. 水晶振動子マイクロバランス(QCM)センサー
図1に示す検出部20がQCMセンサーを含む例について、図面を参照しながら説明する。QCMセンサー320は、図11(a)(b)または図12(a)(b)に示すように、水晶振動子321の両面に電極322a,322bを配置し、電極322a,322bに接続されるリード線323a,323bを基板324に固定している。図11(b)ではリード線323a,323bは基板324と(基板324のリード線323a,323bが接続される面と)平行に配置される一方で、図12(b)ではリード線323a,323bは基板324と垂直に配置される。図12(a)(b)の方が空気の流れはよく、水晶振動子321の両面に皮膚ガスが接触しやすい。
図1に示す検出部20がQCMセンサーを含む例について、図面を参照しながら説明する。QCMセンサー320は、図11(a)(b)または図12(a)(b)に示すように、水晶振動子321の両面に電極322a,322bを配置し、電極322a,322bに接続されるリード線323a,323bを基板324に固定している。図11(b)ではリード線323a,323bは基板324と(基板324のリード線323a,323bが接続される面と)平行に配置される一方で、図12(b)ではリード線323a,323bは基板324と垂直に配置される。図12(a)(b)の方が空気の流れはよく、水晶振動子321の両面に皮膚ガスが接触しやすい。
水晶振動子321の周波数は、電極322a,322b上の物質の質量に応じて変化し、周波数の変化量と付着物質の質量との関係は、Sauerbrey式と呼ばれる。付着物質量が減少すると周波数が増加する。この現象を利用し、水晶振動子の周波数変化を検出することで、その電極上での物質の質量変化を計測する方法を水晶振動子マイクロバランス法(QCM法)という。Sauerbrey式は、基本周波数をF0、周波数の変化量をΔF、質量変化量をΔm、水晶の密度をρ、水晶のせん断応力をμ、電極の面積をAとすると、
ΔF=−2F0 2・Δm/[A・(ρμ)(1/2)] 式(5)
と表せる。電極322a,322bの表面にて、付着物質量が増加すると周波数は減少し、付着物質量が減少すると周波数は増加する。このように、分析物質が吸着すると振動数が変化するので、周波数変化ΔFを検出することで、分析物質がどれ位吸着したかを知ることができる。
ΔF=−2F0 2・Δm/[A・(ρμ)(1/2)] 式(5)
と表せる。電極322a,322bの表面にて、付着物質量が増加すると周波数は減少し、付着物質量が減少すると周波数は増加する。このように、分析物質が吸着すると振動数が変化するので、周波数変化ΔFを検出することで、分析物質がどれ位吸着したかを知ることができる。
図13(a)(b)に、QCMセンサーの回路例とその周波数応答を示す。C−MOSのインバータ、抵抗、コンデンサーから構成されている一般的な回路であるが、この回路に限定されるものではない。生体ガスの特定成分を吸着しやすくするために、QCMセンサーの電極表面にポリマーを薄く形成することがある。ポリマーに対する分析物質の応答曲線として、図13(b)の周波数応答のグラフのように応答するポリマーを選択し、周波数変化量を求めて、予め検量線を求めておくことで、周波数変化量から所望の成分の濃度を知ることができる。なお、周波数応答のグラフは、図示するようにきれいに応答するものだけではないが、予めポリマーを選択しておくと、目的の成分ガスに対してよい応答が得られる。図14は、QCMセンサー(水晶AT振動子)にポリマーをスピンコートで塗布形成し、ガス3種類に対する周波数変化量の例を示したものである。
1.4. 演算部
図1に示す演算部30は、検出部20で検出された生体ガスの信号強度から生体ガスの量を計算する。具体的には、検出部20としてSERSセンサー120を用いる場合、演算部30は、検出部20で検出された生体ガス(例えばアセトン)のラマンスペクトルのピーク強度と、予め作成された検量線と、に基づいて、アセトンの濃度を計算する。演算部30は、例えば、記憶部32に記憶されているプログラムに従って、生体ガスの量を計算する。演算部30は、アセトンの濃度から脂肪燃焼に適した運動強度を算出してもよい。演算部30は、アセトンの濃度から個人毎の適切な運動条件を算出してもよい。演算部30は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
図1に示す演算部30は、検出部20で検出された生体ガスの信号強度から生体ガスの量を計算する。具体的には、検出部20としてSERSセンサー120を用いる場合、演算部30は、検出部20で検出された生体ガス(例えばアセトン)のラマンスペクトルのピーク強度と、予め作成された検量線と、に基づいて、アセトンの濃度を計算する。演算部30は、例えば、記憶部32に記憶されているプログラムに従って、生体ガスの量を計算する。演算部30は、アセトンの濃度から脂肪燃焼に適した運動強度を算出してもよい。演算部30は、アセトンの濃度から個人毎の適切な運動条件を算出してもよい。演算部30は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
記憶部32は、各種のアプリケーションプログラムやデータを記憶する。記憶部32は、演算部30の処理により生成されるデータのうち、長期的な保存が必要なデータを記憶してもよい。記憶部32は、生体ガスの量を計算するための、検量線に関するデータが記憶されていてもよい。記憶部32は、例えば、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、メモリー(ROM、フラッシュメモリーなど)により実現される。
1.5. 出力部
図1に示す出力部40は、演算部30で計算した結果を出力する。具体的には、出力部40は、演算部30で計算されたアセトンの濃度を出力する。出力部40は、演算部30で計算されたアセトンの濃度を表示する表示部を含んで構成されていてもよい。表示部は、演算部30で計算されたアセトンの濃度を文字やグラフその他の情報として表示する。表示部は、演算部30で算出された脂肪燃焼に適した運動強度を算出してもよい。表示部は、演算部30で算出された、個人毎の適切な運動条件を算出してもよい。表示部は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、タッチパネル型ディスプレイなどである。なお、出力部40は、音声によって、演算部30で計算されたアセトンの濃度を出力してもよい。
図1に示す出力部40は、演算部30で計算した結果を出力する。具体的には、出力部40は、演算部30で計算されたアセトンの濃度を出力する。出力部40は、演算部30で計算されたアセトンの濃度を表示する表示部を含んで構成されていてもよい。表示部は、演算部30で計算されたアセトンの濃度を文字やグラフその他の情報として表示する。表示部は、演算部30で算出された脂肪燃焼に適した運動強度を算出してもよい。表示部は、演算部30で算出された、個人毎の適切な運動条件を算出してもよい。表示部は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、タッチパネル型ディスプレイなどである。なお、出力部40は、音声によって、演算部30で計算されたアセトンの濃度を出力してもよい。
1.6. 具体的な構成
次に、生体ガス検出装置100の具体的な構成について、図面を参照しながら説明する。図15は、生体ガス検出装置100の具体的な構成を説明するための図である。なお、図15では、試料採取部10および出力部40の図示を省略している。以下では、検出部20がSERSセンサー120を含む例について説明する。
次に、生体ガス検出装置100の具体的な構成について、図面を参照しながら説明する。図15は、生体ガス検出装置100の具体的な構成を説明するための図である。なお、図15では、試料採取部10および出力部40の図示を省略している。以下では、検出部20がSERSセンサー120を含む例について説明する。
生体ガス検出装置100の検出部20は、図15に示すように、SERSセンサー120や流路102,103などの消耗品を格納および交換できるように開閉可能なカバー部101、吸引流路102、排出流路103、光源104、レンズ105、ハーフミラー106、フィルター107、分光器108、受光素子109、およびSERSセンサー120を有している。さらに、生体ガス検出装置100は、検出された信号の処理や、検出部20の制御をする信号処理部130、電力を供給する電力供給部(電池)140、外部とのインターフェイスを取るための接続部150と、検出部20、信号処理部130、および電力供給部140を収容する筐体160と、を含む。
排出流路103にある吸引手段103aを作動させると、吸引流路102、SERSセンサー120内の流路、および排出流路103内が負圧になり吸引口102aから検出すべき標的物質を含んだ気体試料(生体ガス)が吸引される。吸引口102aは、試料採取部10の流路16に接続されている(図4および図5参照)。吸引流路102には除塵フィルター102bがあり、比較的大きな粉塵などが除去される。気体試料は吸引流路102を通り、SERSセンサー120内の流路を経由して排出流路103から排出される。その際に、標的物質がSERSセンサー120表面付近を通過しSRESセンサーに吸着および散乱されて検出されることになる。吸引流路102および排出流路103は、SERSセンサー120に外光が入らないように、さらに気体試料に対して流路抵抗が小さくなるように設計される。測定に先立って、光源104をONして出力される波長が安定してから、吸引手段を動作させ気体試料を吸引してSERSセンサー120へ誘導する。
SERSセンサー120に対して、単一波長で直線偏光の光源(レーザー光源)104からの光が照射され、SERSセンサー120からはSERS(表面増強ラマン散乱)光が放射され、レンズ105で集光されてハーフミラー106によって受光側へ入る。この光には、光源104からの入射波長と同じ波長のレイリー散乱光とラマン散乱光(SERS光)などが含まれているので、光学フィルター107によってレイリー散乱光を除去して、分光器108へ入る。分光器108と受光素子109とによって、標的物質特有の指紋スペクトルが得られ、予め保持するデータと照合することで、標的物質と特定することができる。また、光学系としては、外部の光を検出系にいれないように、共焦点を持つ光学系が効果的である。
1回標的物質の検出を終了すると、(1)標的物質が自然に拡散し排出される、(2)積極的に排出を促す、(3)次の検出に備えて使用済みのSERSセンサー120などを交換する、という3つ方法がある。以下では、(3)のSERSセンサー120を交換する方法について説明する。
SERSセンサー120交換のために、カバー部101がヒンジ部110を中心に開き、SERSセンサー120と吸引流路102、除塵フィルター102bなどが一体となった消耗品を取り外す。そこへ新しい消耗品の吸引口102aの封止部を解除してから、SERSセンサー120の位置決め部材に沿ってセットすると、検出部20が作動して、検出可能な状態と判断される。
信号処理部130は、検出された信号の処理や、検出部20の制御を行う。信号処理部130は、例えば、図1に示す演算部30を含んで構成されている。信号処理部130は、例えば、図1に示す出力部40と電気的に接続されている。
電力供給部140には、1次電池または2次電池が使用されることができる。1次電池の場合には筐体160の下部に電池交換用の開口部があり、例えば、表示部に電池切れが表示されたら、電池を交換することができる。2次電池の場合には表示部に電池切れが表示されたら、筐体160の下部の接続部150に、充電器を接続することで2次電池が充電され、充電終了が表示されたら、充電器をはずして再度使用することができる。消費電力を抑えるためには、気体試料吸引手段は測定のサンプリングする時にのみ動作させることが効果的である。
1.7. 生体ガス検出装置の特徴
生体ガス検出装置100は、例えば、以下の特徴を有する。
生体ガス検出装置100は、例えば、以下の特徴を有する。
生体ガス検出装置100では、人の口唇2の一部または全部を覆い、口唇2から放出された生体ガスを含む試料を採取する試料採取部10を含む。そのため、生体ガス検出装置100は、例えば呼気ガス中のアセトンを採取する装置のように、呼気ガスを採取するために口や鼻を覆うマスクを必要としない。そのため、生体ガス検出装置100では、運動を妨げる程度を小さくすることができる。
さらに、生体ガス検出装置100では、汗腺や皮脂腺のない口唇2から放出される生体ガスを採取するため、汗腺や皮脂腺による影響を受けにくく、精度の高い測定(検出)が可能となる。
生体ガス検出装置100では、試料採取部10は、呼吸路を形成する筒状部12と、筒状部12の一端12aに接続され、口唇2の一部または全部を覆って口唇2との間に空洞部4を形成するカバー部14と、を有する。そのため、使用者は、生体ガス検出装置100を装着していても、通常の呼吸を行うことができ、かつ精度よく生体ガスの量(濃度)を測定することができる。
生体ガス検出装置100では、筒状部12は、口唇2の上唇2aと下唇2bとによって挟持される。そのため、生体ガス検出装置100は、例えばベルトなどで固定されることなく装着されることができる。
生体ガス検出装置100では、カバー部14は、中空構造を有し、カバー部14には、空気弁15が設けられている。そのため、生体ガス検出装置100は、空気弁15から空気を封入することにより、カバー部14に囲まれた空間6の圧力を調節することができる。これにより、生体ガス検出装置100は、カバー部14と口唇2との密着性やカバー部14と皮膚1との密着性を向上させることができる。
生体ガス検出装置100では、試料採取部10は、カバー部14を貫通し、空洞部4と検出部20をつなぐ流路16を有する。そのため、生体ガス検出装置100では、流路16を介して、生体ガスを検出部20に送ることができる。
生体ガス検出装置100では、試料採取部10の材質は、シリコン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ乳酸樹脂、またはこれらの複合体である。生体ガス検出装置100は、このように柔軟性の高い材料で構成されているため、口唇2周辺の筋肉で容易に開くことができ、使用者は、通常の呼吸が可能である。これにより、長時間、生体ガスを採取し、検出することができる。
生体ガス検出装置100では、生体ガスは、アセトンである。そのため、生体ガス検出装置100では、肝臓での脂肪燃焼による代謝物質であるアセトンを検出することで、精度の高い脂肪燃焼量の測定を行うことができる。心拍数や脈拍数から脂肪燃焼に適した運動条件は一般的に100〜140位と言われているが、年齢や男女の統計的な平均値であり、個人毎の差異が考慮されないため、本当にその人に適した運動条件となっているかは不明であった。また、運動習慣のない人が、比較的長期間の運動を継続することで、細胞中のミトコンドリアが活性化されたり、あるいはミトコンドリア数が増加したりするなど、脂肪燃焼し易い体質へ変化していくことが分かっており、生体ガス検出装置100は、このような変化にも対応することができる。
さらに、生体ガス検出装置100では、少なくとも運動前と運動後のアセトンを検出し、その濃度変化から行った運動がその人に適した運動条件であったかが分かり、個人毎の適切な運動条件を指示することができる。その結果として、運動の効果が向上し、さらに運動に対するモチベーションがアップするため、運動が継続的に行われることで、健康維持に効果が期待できる。
2. 通常の皮膚部位および口唇部位の皮膚構造
次に、通常の皮膚部位および口唇部位の皮膚構造について、図面を参照しながら説明する。図16(a)は通常の皮膚部位の皮膚構造を説明するための図であり、図16(b)は口唇部位の皮膚構造を説明するための図である。
次に、通常の皮膚部位および口唇部位の皮膚構造について、図面を参照しながら説明する。図16(a)は通常の皮膚部位の皮膚構造を説明するための図であり、図16(b)は口唇部位の皮膚構造を説明するための図である。
通常部位の皮膚は、図16(a)に示すように、外表面から表皮、真皮、皮下組織によって構成されている。表皮には乾燥、紫外線や外からの刺激から体を守るための丈夫な角層があり、その表面には皮脂腺から分泌された皮脂層で覆われている。角層の下部は顆粒層、有棘層、基底層からなる。真皮には毛細血管や神経が通っており、コラーゲンやエラスチンなどが含まれている。この構造が皮膚に丈夫さと柔軟さを与えている。
これに対して、口唇部位では、図16(b)に示すように、最表面の皮脂層がなく、代わりに口唇内部では粘膜層に覆われている。角層は通常部位よりも薄くその分透明性が高く、メラノサイトが少なく産毛なども生えていないため、表皮を通して真皮の血管が透けて見えやすく赤く見える。
さらに、口唇部位では、角層が薄いため、皮膚のバリア機能も低く、水分も放散し易くなっている。そのため、皮膚から放散される生体ガスも放散され易い状態になっており、生体ガス採取には適している。また、口唇部位の皮膚ではエクリン汗腺がなく、毛が生えておらず皮脂腺もないため、エクリン汗腺からの汗成分や皮脂腺から皮脂成分の影響を受け難いという特徴もある。
さらに、通常の皮膚表面には、皮膚のバリア機能に関与する常在菌が生息している。皮膚常在菌は、ヒトの皮脂や汗をエサに生息しており、種類や量は人それぞれに異なるが、約1兆個、数10種類程度がいると言われている。例えば、グラム陽性球菌であるStaphylococcus epidermidis(表皮ブドウ球菌)などであるcoagulase−negative staphylococci(コアグラーゼ陰性ブドウ球菌:CNS)、グラム陽性桿菌であるCorynebacterium spp.(コリネバクテリウム属)、グラム陰性桿菌であるAcinetobacter spp.(アシネトバクター属)などが常在し、それに毛包管内に生息する嫌気性のPropionibacteriumに加えて真菌のCandida属やPityrosporum属なども僅かであるが生息する。通常の皮膚では常在菌から放散されるガスもあるが、口唇部は常在菌も少ないので、その影響も少ない。
皮膚のターンオーバーは個人差があるが、概ね自分の年齢×(1.5〜2.0)位と言われている。10代で約20日、20代で約28日、30代で約45日、40代で約55日、50代で約75日、60代で約100日位が目安となる。
以下に、20代の場合の皮膚のターンオーバーのプロセスについて例示する。
(1)新陳代謝の出発点は表皮の一番底の部分「基底層」の細胞分裂から始まる。この基底層は、ケラチンやメラニン色素が生成されるケラチノサイトとメラノサイトという細胞から構成されている。このケラチノサイトから分裂した細胞が、すぐ上の有棘層へ上がっていく。
(2)有棘層では、いらない成分を分解し形がだんだん偏平になっていく。
(3)顆粒層では、素肌のうるおいの決め手ともいえる、天然保湿因子NMFや細胞間脂質を生成している。ここまでのプロセス、(1)〜(3)で、約14日間を要する。
(4)角層に達した細胞は核やミトコンドリアの無い状態になっている。つまり、これ以上分化しない生命力の無い細胞になってしまい、このような状態になることを「角化」という。角層は水分の貯蔵庫であり、その表面は、皮脂腺から分泌される脂分と汗腺から出た汗とが混じり合って(乳化)できた皮脂膜のバリアのおかげで、みずみずしい状態を保っている。角層細胞は約14日間(20代)でアカとなって剥がれ落ちていき、ターンオーバーは終わりを迎える。
(1)新陳代謝の出発点は表皮の一番底の部分「基底層」の細胞分裂から始まる。この基底層は、ケラチンやメラニン色素が生成されるケラチノサイトとメラノサイトという細胞から構成されている。このケラチノサイトから分裂した細胞が、すぐ上の有棘層へ上がっていく。
(2)有棘層では、いらない成分を分解し形がだんだん偏平になっていく。
(3)顆粒層では、素肌のうるおいの決め手ともいえる、天然保湿因子NMFや細胞間脂質を生成している。ここまでのプロセス、(1)〜(3)で、約14日間を要する。
(4)角層に達した細胞は核やミトコンドリアの無い状態になっている。つまり、これ以上分化しない生命力の無い細胞になってしまい、このような状態になることを「角化」という。角層は水分の貯蔵庫であり、その表面は、皮脂腺から分泌される脂分と汗腺から出た汗とが混じり合って(乳化)できた皮脂膜のバリアのおかげで、みずみずしい状態を保っている。角層細胞は約14日間(20代)でアカとなって剥がれ落ちていき、ターンオーバーは終わりを迎える。
3. 運動解析とその評価データ
次に、運動解析とその評価データについて説明する。図17は、運動をした時の脂肪燃焼のメカニズムを説明するための図である。
次に、運動解析とその評価データについて説明する。図17は、運動をした時の脂肪燃焼のメカニズムを説明するための図である。
図17に示すように、運動をするとアドレナリンが出て、白色脂肪細胞中のホルモン感受性リパーゼが活性化され、中性脂肪の分解が促進され、脂肪酸とグリセロールになる。脂肪酸のままでは血液中に循環できないため、アルブミンと結合して遊離脂肪酸となって血液中を循環する。その内の一部は、心筋や骨格筋に供給され、β酸化の後アセチル-CoAになり、TCA回路(通称クエン酸回路)を経て最終的には二酸化炭素(CO2)と水(H2O)になる。骨格筋では、解糖系が主体となってグリコーゲン、グルコースが主にエネルギーとして消費され、遊離脂肪酸の消費は少ない。心筋では約70%が脂肪燃焼で、残りが糖質燃焼と言われている。
他方、遊離脂肪酸の多くはカルニチンと結合しアシルカルニチンとなり肝臓へ供給される。肝臓ではアシルCoAになって、肝臓のミトコンドリアでβ酸化され、アセチルCoAになる(β酸化)。さらにアセチルCoAはアセト酢酸になり、3−ヒドロキシ酪酸とアセトンになる。アセト酢酸、3−ヒドロキシ酪酸、アセトンの3つを総称してケトン体というが、この内アセトンのみが気体となる。アセトンは血液中に循環し、肺でガス交換され呼気として排出され、あるいは口唇部、掌などの皮膚近傍の毛細血管から皮膚ガスとして放出されることになる。運動強度が50%程度未満では、糖質と脂質の燃焼比が約50:50であるが、運動強度が高くなるにつれ、糖質の燃焼比が高くなる。しかし、グルコースや筋グリコーゲン、肝グリコーゲンが不足してくると、脂肪燃焼の比率を高め、既にあるケトン体を利用するようになる。例えば、マラソンのような長距離走では、脂肪燃焼をうまく利用できないと30km〜 35km位でばてることになる。
また、呼気ガスの場合には、運動開始時にイソプレンが一時的に放散されるが、皮膚ガスの場合にはイソプレンの放散は検出が難しい程度の極微量となる。これは、皮膚の表面にある角層には、図16で示したように、角層細胞間脂質は、主にセラミド約50%、コレステロールエステル約15%、コレステロール5%、脂肪酸20%から構成されており、スクワレンなども含まれる。イソプレンが皮膚ガス中から放散され難いのはスクワレンなどとの親和性によるものと推定される。
次に、運動や食事を考慮して皮膚から放散されたアセトン量がどれくらい出るのかを算出する。三大栄養素は糖、脂質、タンパク質であり、それぞれ炭素原子、酸素原子、水素原子などの構成割合が異なる。そのため、内呼吸のとき、どの栄養素が分解しているかにより、消費されるO2と産生されるCO2の割合が異なる。体細胞全体である栄養素が主に代謝されているとき、その割合は呼吸にも反映されるはずである。それを表現したのが呼吸商RQ(Respiratory Quotient)であり、下記の式で表される。
呼吸商RQ=(単位時間あたりのCO2の排出量)/(単位時間あたりのO2の消費量) 式(6)
脂質は、脂肪酸自体の中に酸素原子が非常に少ないため、分解するときは多くの酸素を消費しなければならない。O2消費量の割にはCO2産生量が少ないため、呼吸商は0.70と三大栄養素の中では最小である。脂肪は、酸素の含有率が低いので、重量あたりの熱量は9.3kcal/gと三大栄養素中最大である。エネルギーを保存する場合に適した栄養素であり、過食により皮下に貯蔵されるのも脂質である。
糖類の代表であるグルコースの原子の割合はC6H12O6である。酸素原子が多く含まれているため、酸素消費量は少なくても分解できる。呼吸商は1.00と三大栄養素の中では最大である。逆に、酸素の含有が高いので、重量あたりの熱量は4.1kcal/gと三大栄養素中最小である。
タンパク質は、原子の割合は脂質と糖質の中間であり、呼吸商は0.85、熱量は5.3kcal/gである。理論的には、呼吸商RQが1以上にもなり得るが、実際には呼吸商RQが1を超えることは条件が限られる。一方、呼吸商RQが0.7のときは脂肪利用を示し、呼吸商RQが0.7以下の際は飢餓状態でケトン体産生(ケトーシス)であることを示す。ごく最近では、安静時では呼吸商RQがほぼ一定であると考えてよく、個人の呼吸商のばらつきも0.78〜0.87の範囲であることが知られている。図18に運動強度と呼吸商の関係を示す。
図18には、Astrand & Rodahl,Textbook of physiology,McGraw−Hill Book Company,1986による運動強度と非蛋白呼吸商の関係を示してある。非蛋白呼吸商が1の時には糖質の燃焼が100%となり、非蛋白呼吸商が0.71の時には脂質の燃焼が100%となる。運動強度は、酸素摂取量または心拍数(脈拍数)から求めることができる。安静時から運動強度50%程度までの範囲では、糖質と脂質との燃焼割合はだいだい半々であるが、運動強度が高くなるにつれて糖質の燃焼割合が増加し運動強度100%で糖質の燃焼割合がほぼ100%になる。
三大栄養素が酸化される時に、生じるエネルギーは次の通りである。
1)糖質が酸化される場合
C6H12O6+6O2→6CO2+6H2O+36ATP (657kcal)
[RQ=6CO2/6O2=1.0]
2)脂肪が酸化される場合
C55H102O6+77.5O2→55CO2+51H2+429ATP (7,833kcal)
[RQ=55CO2/77.5O2=0.71]
3)タンパク質が酸化される場合
C100H159O32S0.7+105.3O2→13CON2H4(urea)+87CO2+52.8H2O+0.7H2SO4+27ATP (4,948kcal)
[RQ=87CO2/105.3O2=0.83]
C6H12O6+6O2→6CO2+6H2O+36ATP (657kcal)
[RQ=6CO2/6O2=1.0]
2)脂肪が酸化される場合
C55H102O6+77.5O2→55CO2+51H2+429ATP (7,833kcal)
[RQ=55CO2/77.5O2=0.71]
3)タンパク質が酸化される場合
C100H159O32S0.7+105.3O2→13CON2H4(urea)+87CO2+52.8H2O+0.7H2SO4+27ATP (4,948kcal)
[RQ=87CO2/105.3O2=0.83]
計算例として、年齢をY(歳)、体重をW(kg)、身長をH(cm)とし、基礎エネルギー消費BEE(Basal Energy Expenditure)は、ハリスベネディクト(Harris− Benedict)の式から、
男性:BEE=66.4730+13.7516W+5.0033H−6.7550Y 式(7)
女性:BEE=655.0955+9.5634W+1.8496H−4.6756Y 式(8)
となる。
男性:BEE=66.4730+13.7516W+5.0033H−6.7550Y 式(7)
女性:BEE=655.0955+9.5634W+1.8496H−4.6756Y 式(8)
となる。
あるいは、国立健康・栄養研究所の式(Ganpule et al., EJCN, 2007)によれば、男性を1、女性を2とする係数Aを用いて、
BEE=(0.0481W+0.0234H−0.0138Y− 0.5473A+0.1238)×1000÷4.186 式(9)
と表される。
BEE=(0.0481W+0.0234H−0.0138Y− 0.5473A+0.1238)×1000÷4.186 式(9)
と表される。
全エネルギー消費量TEE(Total Energy Expediture)は、図19に示す身体活動レベルAFを用いて、
TEE=BEE×AF 式(10)
と表すことができる(ここでは、ストレス因子を除いた)。
TEE=BEE×AF 式(10)
と表すことができる(ここでは、ストレス因子を除いた)。
以下に、基礎エネルギー消費量BEEの計算例を示す。男性、年齢Y=40(歳)、体重W=65(kg)、身長H=172(cm)の場合の基礎エネルギー消費量BEEは、
(1)ハリスベネディクトの式からBEEは1,551(kcal/日)または64.6(kacl/時)となる。
(2)国立健康・栄養研究所の式からBEEは1,475(kacl/日)または61.5(kcal/時)となる。
(1)ハリスベネディクトの式からBEEは1,551(kcal/日)または64.6(kacl/時)となる。
(2)国立健康・栄養研究所の式からBEEは1,475(kacl/日)または61.5(kcal/時)となる。
ここでは、日本人に適している国立健康・栄養研究所の式を採用する。身体活動レベルが普通であれば、図18のグラフよりエネルギー消費は、糖質と脂質の比はほぼ50:50位と推定される。
午前中に運動を行った時のエネルギー収支を計算するために、前日の夕食から運動当日の朝食(直前の食事)までを考える。図20に一例として、タイムスケジュールと行動、身体活動レベル、エネルギー消費量を示してある。図20において、運動前日の夕食から運動直前までの消費カロリーの計は、277+474+369=1,120(kcal)となる。
ここで、自転車エルゴメーター(負荷80Wで100分間)による運動時エネルギー消費量を計算する。運動時心拍数HR120で、100分間運動したので、心拍数から運動強度を求める。最大心拍数HRmaxは、年齢をY(歳)として、
HRmax=220− Y 式(11)
と表される。安静時の心拍数をHR0として、運動強度S(%)は、
S=(HR− HR0)÷(HRmax-HR0)×100 式(12)
となる。年齢Y=40(歳)、安静時心拍数HR0=80の場合には、
HRmax=220− 40=180となり、
S=(120− 80)÷(180− 80)×100=40(%)
となる。すると、図18から運動強度40(%)の時の、エネルギー消費の比率は50:50位と推定される。
HRmax=220− Y 式(11)
と表される。安静時の心拍数をHR0として、運動強度S(%)は、
S=(HR− HR0)÷(HRmax-HR0)×100 式(12)
となる。年齢Y=40(歳)、安静時心拍数HR0=80の場合には、
HRmax=220− 40=180となり、
S=(120− 80)÷(180− 80)×100=40(%)
となる。すると、図18から運動強度40(%)の時の、エネルギー消費の比率は50:50位と推定される。
運動によるエネルギー消費量の算出には、独理行政法人 国立健康・栄養研究所 健康増進プログラム エネルギー代謝プロジェクト「身体活動のメッツ(METs)表」から求める。この表から、自転車エルゴメーターで運動した場合には、図21に示すようになる。図21をグラフにして、プロットされた曲線の近似式を求めると、
METs=0.0466×(負荷W)+0.7619 (相関係数R2=0.9914) 式(13)
となるので、自転車エルゴメーターにはこの式(13)を利用してもよい。この式から自転車エルゴメーターの負荷(W)に対するMETsは、
METs=0.0466×80(W)+0.7619≒4.5
が分かるので、次の式からエネルギー消費量を求めることができる。運動時間をte(h)、体重をW(kg)として、
エネルギー消費量(kcal)
=1.05×(METs)×te×W
=1.05×4.5(METs)×1.67(h)×65(kg)=512(kcal)
METs=0.0466×(負荷W)+0.7619 (相関係数R2=0.9914) 式(13)
となるので、自転車エルゴメーターにはこの式(13)を利用してもよい。この式から自転車エルゴメーターの負荷(W)に対するMETsは、
METs=0.0466×80(W)+0.7619≒4.5
が分かるので、次の式からエネルギー消費量を求めることができる。運動時間をte(h)、体重をW(kg)として、
エネルギー消費量(kcal)
=1.05×(METs)×te×W
=1.05×4.5(METs)×1.67(h)×65(kg)=512(kcal)
この式の(METs)は運動に安静時エネルギー消費量を含めてある。運動によるエネルギー消費量のみの場合には、(METs)を(METs−1)とする。
また、運動が歩行やジョギングの場合には、川久保 清, 内藤 義彦, 吉武 裕, 李 廷秀, 大場 美穂, 野田 奈津実, 柏崎 浩,「身体活動量評価法の開発に関する研究」体力科学(2007)56,25−26に、歩行またはジョギングの速度とMETsの関係が次の式で表されることが報告されている。
歩行のMETs=0.62×歩速(km/時)+1 式(14)
ジョギングのMETs=0.79×歩速(km/時)+1 式(15)
ジョギングのMETs=0.79×歩速(km/時)+1 式(15)
このMETsが分かると、消費カロリーを計算することができる。歩行とジョギングの違いは、両足が同時に地面から離れる瞬間を持たないのが歩行である。消費カロリーは、METsを使って次のように表される。
消費カロリー(kcal)=1.05×Mets×運動時間(hour)×体重(kg) 式(16)
例えば、体重65(kg)の人が、歩速8(km/時)で1時間ジョギングをした場合には、消費カロリー=1.05×(0.79×8+1)×1×65≒500(kcal)となる。
食事については、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」に男女別、年齢別に摂取基準が示されている。また摂取した食事のカロリーについては、文部科学省の「日本食品標準成分表」、または「食品標準成分表(2012)最新版(全国調理師養成施設協会、全国調理師養成施設協会、調理栄養教育公社)」、「調理のためのベーシックデータ5訂増補(女子栄養大学出版部)」に多くの食品の栄養成分が示されているので、図22のように計算することができる。
基礎代謝に活動代謝を考慮した消費カロリー(A)、自転車エルゴメーターによる運動代謝の消費カロリー(B)、運動前日の夕食と当日の朝食の摂取カロリー(C)を、夫々糖質と脂質に分けて計算したものが図23になる。
運動後に、飲食などのエネルギー供給がない状態を想定すると、カロリー収支は−505(kcal)となる。これらの不足分は、糖質としては筋グリコーゲンや肝グリコーゲンから、脂質としては体内に蓄積されている体脂肪を分解して補うと考えられる。以下では、脂肪(トリアシルグリセロール)は、脂肪酸の種類が複数あるが、ここでは代表的なパルミチン酸として計算を進める。
体脂肪1gは9kcalに相当するので、409÷9=45.4gの脂肪に相当する。肝臓で、パルミチン酸は、C16H32O2+7O2→4アセト酢酸+4H2O+33ATPに変わる。4つのアセトン酢酸から仮に2アセトンが生成すると仮定すれば、脂肪はグリセロール+3パルミチン酸の構成だから、グリセロールC3H5O3(177)とパルミチン酸C16H31O2(482)+7O2の1molは、177+482×3=1977gとなる。運動で45.4gの脂肪が減少すれば、45.4/1977=0.023(mol)、パルミチン酸は3倍で2つのアセトンに相当するから0.023×6=0.138(mol)のアセトンが生成する。1(mol)の気体は0℃、1気圧で22.4(L)だから室温23℃では0.138×22.4×(273+23)/273=3.35(L)のアセトンが総量として発生する。
人の単位時間当たりの呼吸量(=呼吸率)については、放射線医学総合研究所ラドン濃度測定・線量評価委員会(1988)で、行動別の日本人男女平均呼吸率が示されており、Snyder,W.S.et al.(1975)に示されている行動別呼吸率に0.9乗じた値となっている。図24にその値を示してある。
図24から呼吸率を算出する。自転車エルゴメーターによる運動(100分)を「VI:速やかな歩行」とし、運動後(340分)は「III:立姿勢での活動」として求めた。
(運動1.93m3/h×1.67h)+(運動後0.91m3/h×5.67h)=3.22+5.16=8.38(m3)
運動平均アセトン濃度上昇=3.35(L)÷(8.38×106L)
=0.4(ppm)
と概略の呼気の平均アセトン濃度上昇を算出することができる。以上は、呼気ガスの計算例であるが、皮膚ガスの場合には更にアセトン濃度が低下する。皮膚ガス中(掌の場合)のアセトンと呼気ガス中のアセトンの割合は、約1:20であった。
運動平均アセトン濃度上昇=3.35(L)÷(8.38×106L)
=0.4(ppm)
と概略の呼気の平均アセトン濃度上昇を算出することができる。以上は、呼気ガスの計算例であるが、皮膚ガスの場合には更にアセトン濃度が低下する。皮膚ガス中(掌の場合)のアセトンと呼気ガス中のアセトンの割合は、約1:20であった。
図25に、人の部位におけるエクリン腺と皮脂腺の「多い・少ない・無い」の関係を示す。エクリン腺が多い所は掌、足の裏、額であり、少ない所はまぶたであり、無い所は口唇である。皮脂腺が多い所はTゾーン(額から鼻先の部分)、頭、口の周りであり、少ない所はまぶたであり、無い所は口唇、掌、足の裏である。
図26に、人の肌(頬)と口唇との比較を示す。口唇は頬に比べて、角層は薄く、角層のターンオーバーは速く(頬の約半分の日数)、皮膚からの水分蒸発速度は速く、水分量はやや少ない。そのため、冬場になると口唇が粉を吹いたり、硬くなって皮が剥げたりする「唇荒れ」が生じることがある。唇の荒れは、気候の変動、日照時間、疲れ、食生活の変化などちょっとしたきっかけによって発生していることが報告されている。
4. 運動によるアセトン濃度の変化(モデル例)
図27および図28は、運動による呼気アセトン濃度を測定した場合のモデル例を示す。運動は自転車エルゴメーター、脈拍120で100分間行い、その後340分間経過を測定した。呼気アセトン濃度の測定は、半導体式ガスクロセンサーを用いて、10分毎に測定した。呼気ガスの採取は、サンプル袋に呼気をゆっくり息が切れるまで吹き入れ(できるだけ死腔ガスの影響を少なく)、そのサンプル袋からシリンジで一部分を取り、半導体式ガスクロセンサーの試料部へ供給した。被験者は日頃運動習慣のない男性である。
図27および図28は、運動による呼気アセトン濃度を測定した場合のモデル例を示す。運動は自転車エルゴメーター、脈拍120で100分間行い、その後340分間経過を測定した。呼気アセトン濃度の測定は、半導体式ガスクロセンサーを用いて、10分毎に測定した。呼気ガスの採取は、サンプル袋に呼気をゆっくり息が切れるまで吹き入れ(できるだけ死腔ガスの影響を少なく)、そのサンプル袋からシリンジで一部分を取り、半導体式ガスクロセンサーの試料部へ供給した。被験者は日頃運動習慣のない男性である。
図27の場合には、食事から3時間経過してから運動を開始し、運動中にアセトン濃度が運動前に比較してゆっくり上昇し、60分を過ぎたころからアセトン濃度の上昇が少し多くなり、運動終了後100分からはさらにアセトン濃度の上昇があり、その後160分までほぼ安定したアセトン濃度となり、440分ころには安静時のレベルに落ち着いた。
図28には、同じ被験者で炭水化物の比較的多い食事の後30分から運動を開始した例や、別な被験者について測定した結果から、代表的なモデルケースを3つ例示した。
a:初期値が高く、運動後も上昇
b:初期値は低く、運動後は上昇
c:初期値は低く、運動後の上昇も小さい
b:初期値は低く、運動後は上昇
c:初期値は低く、運動後の上昇も小さい
aの場合は日頃から運動を行っている例で、脂肪を燃焼し易い体質になっていると推定され、アセトン濃度の初期値は比較的高く、運動後のアセトン濃度上昇も大きい。bの場合は日頃あまり運動する習慣はなくアセトン濃度の初期値は比較的低いが、運動後のアセトン濃度は上昇した。cの場合は、bと同じ被験者で食事の後30分程度で血糖値が高く脂肪燃焼が亢進しない状況で運動を開始し、運動中も運動後もアセトン濃度の上昇は小さかった。運動の強度がゆっくりした歩行程度の場合にも、cのようなパターンになる。
5. 皮膚ガス検出に基づく推奨運動条件の提示
図29(a)は、個人毎の適正な運動条件を決めるために、予め用意してある推奨運動条件の例である。図29には、トレッドミルでジョギングを行う時の比較的運動時間の短い30分の場合の例を示してある。始めは1分刻みで走行速度を段階的に増していき、ステップ1、ステップ2、ステップ3、ステップ4の例えば4段階を用意しておく。夫々のステップを順番に走行して、皮膚ガス中のアセトン濃度を測定する。例えば、ステップ1とステップ2との時には、運動中も運動後もアセトン濃度の上昇が小さく、ステップ3になって運動中および運動後のアセトン濃度上昇が大きくなった場合には、この人にとっての脂肪燃焼を目的としたトレッドミルの運動条件としては、ステップ3を推奨運動条件として、記憶する。この推奨運動条件は、性別、年齢、運動習慣によって異なっている。一般的には、性別については男性の方が女性より運動強度が少し高くなり、成人では年齢が増すにつれて運動強度は低くなり、運動習慣のある人は運動強度が高くなる傾向にある。
図29(a)は、個人毎の適正な運動条件を決めるために、予め用意してある推奨運動条件の例である。図29には、トレッドミルでジョギングを行う時の比較的運動時間の短い30分の場合の例を示してある。始めは1分刻みで走行速度を段階的に増していき、ステップ1、ステップ2、ステップ3、ステップ4の例えば4段階を用意しておく。夫々のステップを順番に走行して、皮膚ガス中のアセトン濃度を測定する。例えば、ステップ1とステップ2との時には、運動中も運動後もアセトン濃度の上昇が小さく、ステップ3になって運動中および運動後のアセトン濃度上昇が大きくなった場合には、この人にとっての脂肪燃焼を目的としたトレッドミルの運動条件としては、ステップ3を推奨運動条件として、記憶する。この推奨運動条件は、性別、年齢、運動習慣によって異なっている。一般的には、性別については男性の方が女性より運動強度が少し高くなり、成人では年齢が増すにつれて運動強度は低くなり、運動習慣のある人は運動強度が高くなる傾向にある。
図29(b)には、トレッドミルでジョギングを行う時の比較的運動時間の長い60分の場合の例を示してある。始めは3分刻みで走行速度を段階的に増していき、ステップ1、ステップ2、ステップ3の例えば3段階を用意しておく。図29(a)の場合と同様に順番に運動を行って、アセトン濃度の上昇の程度から、その人の推奨運動条件を求める。
図30には、本発明の実施例のフローチャートの例を示している。ステップS1100〜S1300では個人データが登録される。続いてテスト運動を実施する場合は(ステップS1400がYES)、運動前の食事のカロリーが入力され(ステップS1500)、初期化が実施された後に(ステップS1600,S1700)、運動の推奨条件が読み出されて表示される。ここで、年齢、体重、身長。運動前の食事カロリーに基づいて、例えば図29(a)(b)の推奨運動条件や、あるいは図31に示す目標心拍数HRの中から選択して、図1の出力部40に表示(出力)した後、運動条件を設定する(ステップS2100)。図31の例では、最大心拍数(拍/分)HRmax=220− 年齢(AGE)、安静時心拍数(拍/分)HRrestとし、運動強度S(%)=(HRa− HRrest)/(HRmax− HRrest)×100で求められる。目標心拍数HRtarget=(HRmax− HRrest)xS+HRrestから求められる。
次に、引き続いてテスト運動を開始する場合には(ステップS2200がYES)、テスト運動中にて皮膚ガスが測定され、記録される(ステップS2300,S2400)。テスト運動が終了アすると(ステップS2500がYES)、脂肪燃焼最適条件が判定されて登録される(ステップS2600,S2700)。
テスト運動がすべて終了したら(ステップS2800がYES)、脂肪燃焼最適条件が図1の出力部40に表示(出力)される(ステップS3000)。ここでは図28のアセトン濃度のグラフを例にとると、例えばbパターンは、アセトン濃度が高まっており良い条件と判定し、cパターンはその人の運動能力や運動習慣から不十分と判定する。よって、脂肪燃焼最適条件としてパターンbを表示する。
その後運動が開始されれば(ステップS3100がYES)、測定データが記録され(
ステップS3200)、全てが終了することで(ステップS3300がYES)で動作停
止となる。
ステップS3200)、全てが終了することで(ステップS3300がYES)で動作停
止となる。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…皮膚、2…口唇、2a…上唇、2b…下唇、3…口内、4…空洞部、6…空間、10…試料採取部、12…筒状部、12a…一端、12b…他端、13…貫通孔、14…カバー部、14a…一端、14b…他端、15…空気弁、16…流路、20…検出部、30…演算部、32…記憶部、40…出力部、100…生体ガス検出装置、101…カバー部、102…吸引流路、102a…吸引口、102b…除塵フィルター、103…排出流路、103a…吸引手段、104…光源、105…レンズ、106…ハーフミラー、107…フィルター、108…分光器、109…受光素子、110…ヒンジ部、120…SERSセンサー、121…支持基板、122…金属層、123…誘電体層、124…基板、125…構造体、126…金属ナノ粒子、127…金属ナノ構造体、130…信号処理部、140…電力供給部、150…接続部、160…筐体、220…半導体センサー、221…基板、221a…表面、222a,222b,222c,222d…感ガス材料板、223a,223b…電極、224…ヒーター、225a,225b…電極、320…QCMセンサー、321…水晶振動子、322a,322b…電極、323a,323b…リード線、324…基板
Claims (8)
- 人の口唇の一部または全部を覆い、前記口唇から放出された生体ガスを含む試料を採取する試料採取部と、
前記試料採取部で採取された前記生体ガスを検出する検出部と、
前記検出部で検出された前記生体ガスの信号強度から前記生体ガスの量を計算する演算部と、
前記演算部で計算された結果を出力する出力部と、
を含む、生体ガス検出装置。 - 請求項1において、
前記試料採取部は、
呼吸路を形成する筒状部と、
前記筒状部の一端に接続され、前記口唇の一部または全部を覆って前記口唇との間に空洞部を形成するカバー部と、
を有する、生体ガス検出装置。 - 請求項2において、
前記筒状部は、前記口唇の上唇と下唇とによって挟持される、生体ガス検出装置。 - 請求項2または3において、
前記カバー部は、中空構造を有し、
前記カバー部には、空気弁が設けられている、生体ガス装置。 - 請求項2ないし4のいずれか1項において、
前記カバー部の一部は、前記口唇または皮膚に接している、生体ガス装置。 - 請求項2ないし5のいずれか1項において、
前記試料採取部は、
前記カバー部を貫通し、前記空洞部と前記検出部をつなぐ流路を有する、生体ガス装置。 - 請求項1ないし6のいずれか1項において、
前記試料採取部の材質は、シリコン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ乳酸樹脂、またはこれらの複合体である、生体ガス検出装置。 - 請求項1ないし7のいずれか1項において、
前記生体ガスは、アセトンである、生体ガス検出装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014003962A JP2015130995A (ja) | 2014-01-14 | 2014-01-14 | 生体ガス検査装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020016651A (ja) * | 2018-07-17 | 2020-01-30 | 大阪瓦斯株式会社 | 指標値決定システム、ミトコンドリア活性評価システム、指標値決定方法及びミトコンドリア活性評価方法 |
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-
2014
- 2014-01-14 JP JP2014003962A patent/JP2015130995A/ja active Pending
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JP7361517B2 (ja) | 2018-07-17 | 2023-10-16 | 大阪瓦斯株式会社 | 指標値決定システム、ミトコンドリア活性評価システム、指標値決定方法及びミトコンドリア活性評価方法 |
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