JP2015130454A - 電子制御ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】コンデンサの容量を低減しつつ、伝導ノイズを効率的に抑制することができる電磁コイルの駆動制御装置を提供する。
【解決手段】直流電源2の正極ラインL1と負極ラインL5を接続する接続ラインにコンデンサ6とインピーダンス素子7を直列に配置し、コンデンサとインピーダンス素子の間の接続ラインL3と電磁コイル3の一端とを還流ダイオード5を介して接続し、更に還流ダイオードと電磁コイルの一端の間と正極ライン、或いは負極ラインの間をスイッチング素子4で接続した。インピーダンス素子によって電磁コイルの駆動電流に起因した伝導ノイズを抑制でき、更にコンデンサの容量を小さくできるために、電磁コイルの駆動制御装置を小型化することが可能となる。さらに、スイッチング素子の駆動タイミングを制御することによって、インピーダンス素子の損失低減とリプル電圧低減が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は電磁石を用いた調節機構や電動機に使用される電磁コイルの駆動制御装置に係り、特に直流電源から電力を供給される電磁コイルの駆動制御装置に関するものである。
例えば、自動車等においては、環境問題、排気ガス排出規制への対応はもとより、省エネルギー意識の高まりや資源枯渇の懸念から内燃機関の燃費(燃料消費量)を改善することが要請されている。そして、このためには内燃機関の燃焼効率を高めることによって少ない燃料で燃焼を行い、更に排気有害成分を低減するようにしている。
内燃機関の燃焼効率を高める例として、内燃機関の回転数や吸入空気量(負荷)に基づいて吸気バルブや排気バルブの開閉タイミングを最適化するバルブタイミング制御装置(VTC:Valve Timing Control)が知られている。このバルブタイミング制御装置はカムシャフトを相対的に回転させる油圧機構を備え、電磁石を使用した油圧制御弁の開度を制御することで油圧機構の油量を調整して吸気バルブや排気バルブの開閉タイミングを変えるようにしたものである。
このバルブタイミング制御装置の他にも、燃費を改善するために自動変速機に使用される変速制御弁や吸気通路に設けた電子スロットル制御装置等が使用されている。これらは電磁石や電動機を主たる駆動源としており、これらは電磁コイルに供給される電力によって駆動、制御されている。このように、自動車の機構部を操作するためには電磁石や電動機の電磁コイルに流れる電力を制御する電磁コイルの駆動制御装置が必須の構成となっている。
例えば、電磁コイルを駆動するための駆動制御装置としては、特開2006−35190号公報(特許文献1)にあるように、電磁コイルにローサイドスイッチを設け、このスイッチを開閉することで電磁コイルに流れる電流等を制御するようにしている。この特許文献1にいては電磁コイルの温度上昇を抑える目的で電磁コイルに発生する誘導電流の減衰時間を短くする方法が記載されている。
特開2006−351910号公報
ところで、電磁コイルを駆動、制御する電磁コイルの駆動制御装置において、電磁コイルに流れる電流をオン/オフして電磁コイルを励起状態、或いは非励起状態に駆動する際に、直流電源の正極に繋がれたケーブルや基板パターン等の配線に電磁コイルに流れる電流のオン/オフに起因する伝導ノイズが発生するという現象がある。
従来の技術においては、大容量のコンデンサを配線に配置することで伝導ノイズを吸収する手法が一般的であった。しかしながら、近年、電磁コイルの駆動制御装置の小型化等の理由から大容量のコンデンサを小型化すると共に、伝導ノイズを効率的に抑制したいとの要請が強くなされてきている。
本発明の目的は、このような要請に応えるため、コンデンサの容量を低減しつつ、伝導ノイズを効率的に抑制することができる電磁コイルの駆動制御装置を提供することにある。
本発明の特徴は、直流電源の正極ラインと負極ラインとを接続する接続ラインにコンデンサとインピーダンス素子を直列に配置し、コンデンサとインピーダンス素子の間の接続ラインと直流電源の正極側に繋がれた電磁コイルの反対側の端部を還流ダイオードを介して接続し、更に還流ダイオードと電磁コイルの端部の間の接続線と正極ライン、或いは負極ラインの間をスイッチング素子を有した接続線で接続した、ところにある。ここで、スイッチング素子が正極ラインと接続された場合はハイサイドスイッチとなり、負極ラインと接続された場合はローサイドスイッチとなる。
本発明によれば、インピーダンス素子によって電磁コイルの駆動電流に起因した伝導ノイズを抑制でき、更にコンデンサの容量を小さくできるために、電磁コイルの駆動制御装置を小型化することが可能となる。
本発明の第1の実施形態になる電磁コイルの駆動制御装置の回路構成を示す回路図である。 従来の電磁コイルの駆動制御装置の伝導ノイズに関する説明を行うための電磁コイルの電圧、電流と、還流ダイオードの電流と、コンデンサの電圧、電流と、電源電圧の変化状態を示す説明図である。 図1に示す電磁コイルの駆動制御装置の伝導ノイズに関する説明を行うための電磁コイルの電圧、電流と、還流ダイオードの電流と、コンデンサの電圧、電流と、電源電圧の変化状態を示す説明図である。 図1に示す電磁コイルの駆動制御装置と従来の電磁コイルの駆動制御装置の比較を行うためのノイズスペクトルを示した説明図である。 従来の電磁コイルの駆動制御装置の電源のリプル電圧を示した特性図である。 図1に示す電磁コイルの駆動制御装置の電源のリプル電圧を示した特性図である。 インピーダンス素子の抵抗に対するソレノイドに流れる電流とリプル電圧の関係を示す説明図である。 インピーダンス素子の抵抗に対するソレノイドに流れる電流と損失の関係を示す説明図である。 インピーダンス素子の第1の例を示す回路素子の説明図である。 インピーダンス素子の第2の例を示す回路素子の説明図である。 インピーダンス素子の第3の例を示す回路素子の説明図である。 インピーダンス素子の第4の例を示す回路素子の説明図である。 インピーダンス素子の第5の例を示す回路素子の説明図である。 インピーダンス素子の第6の例を示す回路素子の説明図である。 本発明の第2の実施形態になる電磁コイルの駆動制御装置の回路構成を示す回路図である。 図8に示す第2の実施形態の変形例になる電磁コイルの駆動制御装置の回路構成を示す回路図である。 本発明の第2の実施形態になる電磁コイルの駆動制御装置のインピーダンス素子が共通に使用された時の損失(同時変化)を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態になる電磁コイルの駆動制御装置のインピーダンス素子が共通に使用された時の損失(半周期ずらし)を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態になる電磁コイルの駆動制御装置のタイミング生成(固定シフト)を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態になる電磁コイルの駆動制御装置のタイミング生成(固定シフト)を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態になる電磁コイルの駆動制御装置のタイミング生成(巡回シフト)を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態になる電磁コイルの駆動制御装置のタイミング生成(巡回シフト)を示すブロック図である。 従来の電磁コイルの駆動制御装置の回路構成を示す回路図である。 本発明の第2の実施形態になる電磁コイルの駆動制御装置のインピーダンス素子が各々個別に使用された時の損失(同時変化)を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態になる電磁コイルの駆動制御装置のインピーダンス素子が各々個別に使用された時の損失(半周期ずらし)を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
本発明の第1の実施形態について図1に基づき詳細に説明する。図1において、参照番号1は本発明が対象とする電磁コイルの駆動制御装置であって、内部に電磁コイル3に流れる電流を制御する回路素子が設けられている。電磁コイル3は種々の調整機構に用いられるが、本実施例においてはバルブタイミング制御装置に使用される油圧制御弁の電磁コイルを示している。油圧制御弁は電流の大きさによって位置が線形的に変わる制御弁であり、駆動電流のオン/オフ比率(デューティ)に応じて変化する平均電流値によって可動子の位置を制御できるものである。一般にこの種の直動式電気機器はソレノイドと呼ばれているので、以下、電磁コイル3をソレノイド3と称することにする。尚、この図においては、ソレノイド3を駆動する回路素子を示し、これ以外の回路素子は説明を省略している。
電磁コイルの駆動制御装置1には端子T1、T2、T3が設けられており、端子T1は直流電源2、例えば車載バッテリの正極端子と接続され、端子T2は直流電源2の負極端子と接続され、端子T3はソレノイド3を介して直流電源2の正極端子と接続されている。このソレノイド3が電磁石を構成するためのコイルであり、このソレノイド3に流れる電流によって油圧制御弁の位置が変わり、油圧機構の油量を調整することができるものである。この種の機構は良く知られているので、ここでは詳細な説明は省略する。
端子T1は電磁コイルの駆動制御装置1内で正極ラインL1と接続され、端子T2は電磁コイルの駆動制御装置1内で負極ラインL5と接続されている。正極ラインL1と負極ラインL5は接続ラインL3によって接続されており、この接続ラインL3の途中に正極ラインL1から負極ラインL5に向かってインピーダンス素子7とコンデンサ6とが直列に配置、接続されている。コンデンサ6とインピーダンス素子7の間の接続ラインL3とソレノイド3の一端は接続ラインL2によって接続され、この接続ラインL2には還流ダイオード5が配置されている。還流ダイオード5のカソード側はコンデンサ6とインピーダンス素子7の間の接続ラインL3に接続され、還流ダイオード5のアノード側はソレノイド3の一端と接続されている。
ここで、コンデンサ6は電解コンデンサ等を含め種々のコンデンサを使用することができるが、本実施例ではセラミックコンデンサを使用している。セラミックコンデンサの場合は抵抗値が小さいので、ノイズの発生を抑制するのに適しているからである。
更に、還流ダイオード5のアノード側とソレノイド3の一端の間と、負極ラインL5とは接続ラインL4によって接続され、この接続ラインL4にはローサイドスイッチとしてのスイッチング素子4が接続されている。このスイッチング素子4はFETであり、スイッチング素子4のドレイン側は還流ダイオード5のアノード側とソレノイド3の一端の間に接続され、スイッチング素子4のソース側は負極ラインL5と接続されている。
尚、直流電源2の正極側は正極ラインL1を介して、またGND側は負極ラインL5を介して電磁コイルの駆動制御装置1内の他の回路へ接続されて電力を供給するが、ここでは本発明に関係しないので詳細な説明は省略する。
以上において、所定の制御信号がスイッチング素子4のゲートに与えられると、スイッチング素子4がオン状態に遷移し、ドレイン電圧は0Vになってソレノイド3に電流が流れる。ソレノイド3に流れる電流は、スイッチング素子4がオン状態の時に直流電源2とソレノイド3が閉回路になってソレノイド3に駆動電流が流れるものである。この駆動電流は時間経過とともに増加し、ソレノイド3のインダクタンスに電気的なエネルギーが蓄積される。
一方、スイッチング素子4がオフ状態に遷移した時には、ソレノイド3、還流ダイオード5及びインピーダンス素子7が閉回路となってフリーホイール電流が流れる。フリーホイール電流はソレノイド3のインダクタンスに蓄えられた電気的なエネルギーを放出するように流れ、電流は時間経過とともに減少する。フリーホイール電流は、スイッチング素子4がオフ状態の時に、ソレノイド3、還流ダイオード5、インピーダンス素子7が閉回路になって流れる電流である。スイッチング素子4がオン状態の時には還流ダイオード5のアノード側の電圧が0Vになるために、この結果、カソード側の電圧が高くなることでフリーホイール電流は流れないものである。
また、これに加えてスイッチング素子4がオフ状態の時に、直流電源2、ソレノイド3、還流ダイオード5とコンデンサ6が閉回路になって、コンデンサ6に電荷が蓄えられる。逆にスイッチング素子4がオン状態の時には、還流ダイオード5に電流が流れないので、スイッチング素子4がオフ状態の時にコンデンサ6に蓄えられた電荷は、インピーダンス素子7に向かって流れ出るようになる。このコンデンサ6に蓄えられた電荷は正極ラインL1に加えられることになるが、本実施例ではコンデンサ6と正極ラインL1の間にインピーダンス素子7が配置されているので、コンデンサ6蓄えられた電荷はインピーダンス素子7によって消費されて、正極ラインL1に重畳されないようになる。これによって、正極ラインL1にはリプル電圧が発生するのが抑制され、伝導ノイズが低減できるようになるものである。このリプル電圧はソレノイド3のオン/オフに対応した高周波の伝導ノイズである。
本実施例と比較するため、図14にインピーダンス素子7を設けていない従来の電磁コイルの駆動制御装置を示している。図14からわかるように、本実施例と比較して異なるのは四角形の点線で囲まれた部分である。従来の電磁コイルの駆動制御装置では図14に示すように、還流ダイオード5とコンデンサ6の接続点が接続ラインL3を介して電源側の正極ラインL1と直接的に接続される回路構成であった。このため、リプル電圧を抑制するためにはコンデンサ6の容量を大きくする必要があった。したがって、コンデンサ6の容量が大きくなる分だけ電子制御装1の体格が大きくなるという課題が生じていた。
一方、本実施例においてはインピーダンス素子7によってリプル電圧を抑制できるようになるので、効率的に伝導ノイズを抑制し、かつコンデンサ6の容量を小さくできるので電子制御装1の体格を小さくすることができるようになる。
次に、図1に示す第1の実施形態になる電磁コイルの駆動制御装置と図14に示す従来の電磁コイルの駆動制御装置の動作を比較して説明することとする。図2A、図2Bは、直流電源2(本実施例では車載バッテリを用いている)の電圧が14V、ソレノイド3のコイルのインダクタンスが15mHでその抵抗値が8Ω、スイッチング素子4の駆動周波数が10kHzでデューティ=50%とした場合の例である。
図2Aは図14に示した従来の電磁コイルの駆動制御装置で、コンデンサ6の容量は220μFの場合を示し、図2Bは図1に記載の電磁コイルの駆動制御装置で、コンデンサ6の容量は10μFでインピーダンス素子7が6Ωの抵抗値を有する抵抗とした場合の例である。このように本実施例ではコンデンサ6の容量を1/22としている。以下、各回路素子の電流や電圧の挙動を説明する。
(1)図2A、図2Bに示すソレノイド電圧
ソレノイド3の電圧は、スイッチング素子4のドレイン側の電圧である。駆動周波数10kHz、デューティ=50%とした場合のオン/オフ状態を示している。スイッチング素子4がオン状態である時、ドレイン電圧は約0Vになってソレノイド3に電流が流れ、スイッチング素子4がオフ状態である時、ドレイン電圧は約14Vになってソレノイド3の電流が遮断される。
(2)図2A、図2Bに示すソレノイド電流
ソレノイド電流は、スイッチング素子4のドレイン側の電流である。スイッチング素子4がオン状態の時に直流電源2とソレノイド3が閉回路になってソレノイド3に駆動電流が流れる。この駆動電流は時間経過とともに増加し、ソレノイド3のインダクタンスに電気的なエネルギーが蓄積される。また、スイッチング素子4がオフ状態の時にはソレノイド3と還流ダイオード5とインピーダンス素子7が閉回路となってフリーホイール電流が流れる。ソレノイド3のインダクタンスに蓄えられた電気的なエネルギーを放出するよう流れ、電流は時間経過とともに減少する。尚、従来の電磁コイルの駆動制御装置ではインピーダンス素子7が備えられていないので、後述するようにコンデンサ6の電荷の消費は行われない。
(3)図2A、図2Bに示すフリーホイール電流
フリーホイール電流は、スイッチング素子4がオフ状態の時に、ソレノイド3、還流ダイオード5及びインピーダンス素子7が閉回路になって流れる電流であり、図では還流ダイオード5のカソード側の電流を示している。スイッチング素子4がオン状態の時には還流ダイオード5のアノード電圧が0Vになるために、カソード電圧が高くなるので流れないようになる。この場合も、従来の電磁コイルの駆動制御装置ではインピーダンス素子7が備えられていないので、後述するようにコンデンサ6の電荷の消費は行われない。
(4)図2A、図2Bに示すコンデンサ電流
スイッチング素子4がオフ状態の時に、直流電源2とソレノイド3、還流ダイオード5、コンデンサ6が閉回路になって、コンデンサ6に電荷が蓄えられる。スイッチング素子4がオン状態の時には還流ダイオード5に電流が流れないので、それまでに蓄えられた電荷はインピーダンス素子7に向かって流れ出るようになる。図ではコンデンサ6と、接続線L2と接続線L3の接続点(VCで(図示:)の間の電流を示している。従来の電磁コイルの駆動制御装置ではインピーダンス素子7が備えられていないので、正極ラインL1に向かってコンデンサ6の電荷は流れ出るようになる。
(5)図2A、図2Bに示すコンデンサ電圧
コンデンサ6の電圧(VC点)は、定常時は直流電源2の14Vであり、コンデンサ電流によって変動した電圧分だけ重畳する。図では接続線L2と接続線L3の接続点(VCで(図示:)の電圧である。この電圧は一般にはQ=ITとQ=CVより、V=IT/Cで求められて、電流に比例し、容量に反比例することがわかる。ここで、Qは電荷、Cは容量、Vは電極間の電圧、Iは電極間を流れる電流、Tは時間である。
図2Aに示す従来の電磁コイルの駆動制御装置では、コンデンサ電流が約0.4A、時間は約50μs、静電容量が220μFより、コンデンサ電圧は、
V=14+0.4×50/220=14+0.1=14.1(V)
となる。
図2B示す本実施例になる電磁コイルの駆動制御装置では、コンデンサ電流が約0.4A、時間は約50μs、静電容量が10μFより、コンデンサ電圧は、
V=14+0.4×50/10=14+2.5V=16.5(V)
となる。
(6)図2A、図2Bに示す電源電圧
電源電圧は正極ラインL1或いは端子T1の電圧である。図2Aの従来の電磁コイルの駆動制御装置では、電源のリプル電圧の大きさは最大電圧と最低電圧の差から求められ、この例では数百mV程度と小さい。これは、コンデンサ6の電荷が正極ラインL1に直接伝わる回路構成であるが、コンデンサ6の容量が220μFと大きく設定されていることから電圧変動が少ないものである。しかしながら、このように、コンデンサ6を大きくすると電磁コイルの駆動制御装置の体格が大きくなり、好ましいものではなかった。
一方、図2Bの本実施例になる電磁コイルの駆動制御装置においても電源のリプル電圧が数百mV程度と小さいことがわかる。この理由は、コンデンサ6の容量をかなり小さくしても、インピーダンス素子7がコンデンサ6と正極ラインL1との間に配置されているため、コンデンサ6で発生した電圧(この場合は2.5V程度)はインピーダンス素子7によって消費されるために正極ラインL1には現れないからである。このため、伝導ノイズを抑制すると共に、コンデンサ6の容量を小さくできるので、電磁コイルの駆動制御装置の体格を小さくできるようになる。
仮に、直流電源2からインピーダンス素子7までの間の配線などのインピーダンスが0Ωである場合は、端子T1の電圧は14Vに固定され、電源のリプル電圧は0Vになる。しかしながら、実際には、直流電源2からインピーダンス素子7までの間に配線インダクタンスや配線抵抗があるため、若干のインピーダンスが存在することになる。その場合、端子T1には、その配線インピーダンスとインピーダンス素子7の分圧比に相当する電圧が観測される。例えば、配線のインダクタンスを10μHと仮定すると、配線インピーダンス(リアクタンス)は、約0.6Ωである。インピーダンス素子7が6Ω、コンデンサ6の電圧が2.5V変動した場合のリプル電圧は、V=2.5×0.6/(0.6+6)=0.2Vとなり、十分小さくすることができる。
以上、説明したように、従来の電磁コイルの駆動制御装置においては大容量のコンデンサ6によって伝導ノイズを抑える構成であり、伝導ノイズは抑制できるが、その容量が大きいことから電磁コイルの駆動制御装置の体格が大きくなるという課題があった。
これに対して、本実施例によれば、インピーダンス素子7とコンデンサ6を使用することで伝導ノイズをして十分抑制し、更にコンデンサ6の容量をかなり小さくできるので電磁コイルの駆動制御装置の体格を小さくできるようになる。
次に、伝導ノイズの基準について簡単に説明する。国際規格としては、国際無線障害特別委員会(CISPR)が作成した規格CISPR25(1995)「車載受信機保護のための妨害波の限度値及び測定法」がある。CISPR25の規格は、150kHz〜1、000MHzの周波数帯の無線妨害波に関し、自動車内で使用する電子部品に適用される。その推奨値は、自動車内の部品やモジュールから発生する妨害波から、同じ車内の受信機を保護するために定めたものであり、保護対象となる受信機は、ラジオ及びテレビや無線機類である。
そして、この基準に基づいて図1に示した実施例と、図14に示した従来例のノイズスペクトルを測定した。このノイズスペクトルは端子T1と直流電源2の間の電源ラインの電圧に由来するノイズである。図3にあるように、周波数は100kHzから500kHzの範囲を示した。そして、図14に示す従来例ではコンデンサ6の容量を220μFに設定し、図1に示す本実施例ではコンデンサ6の容量を10μF、インピーダンス素子7が抵抗器で、その抵抗値を6Ωに設定した。測定周波数が100kHzにおけるノイズレベルは、従来例(破線で(図示:)では69dBμVであり、本実施例(実線で(図示:)では64dBμVであった。更に、測定周波数が高くなるにつれてノイズレベルは小さくなっていくが、従来例に比べて本実施例では常にノイズレベルを小さく維持していることが理解できる。
このように、従来例で達成していた破線で示すノイズ抑制効果(ノイズレベル)に対して、本実施例によれば実線で示すようにノイズ抑制効果がより促進され、従来例に比べてノイズレベルが小さいことがわかる。
更に、図4Aに図14に示す従来例のリプル電圧の大きさを示し、図4Bに図1に示す本実施例のリプル電圧の大きさを示している。従来例においては0.4Vであったリプル電圧に対して、本実施例によれば、リプル電圧が0.2Vまで低減されており、リプル電圧の大きさが約半分となっており、ノイズレベルが効率的に抑制されていることがわかる。
図5にインピーダンス素子7の抵抗値に対する、ソレノイド3に流れる駆動電流とリプル電圧の関係を示している。本実施例によれば、インピーダンス素子7の抵抗値が大きいほどリプル電圧の振幅を抑えることができることがわかる。先に説明したように、このリプル電圧は、直流電源2からの配線インピーダンスとインピーダンス素子7の分圧比に相当する電圧として観測される。したがって、インピーダンス素子7の値が大きいほど分圧比が大きくなるため、リプル電圧は小さくなることがわかる。
一方、図6にインピーダンス素子7の抵抗値に対する、ソレノイド3の駆動電流とインピーダンス素子7の損失の関係を示している。本実施例によれば、インピーダンス素子7の抵抗値が大きいほど損失が大きいことがわかる。インピーダンス素子7とこれに流れる電流による損失であるため、ソレノイド電流が同じとすると、インピーダンス素子7の抵抗値に比例した損失になることが理解できる。
以上のように、リプル電圧とインピーダンス素子7の損失は相反する関係にある。つまり、伝導ノイズの低減という観点では、インピーダンス素子7の抵抗を高くすることが望まれるが、損失の観点からはインピーダンス素子7の抵抗を低くすることが望まれる。したがって、リプル電圧の許される範囲、及びインピーダンス素子7の損失の許される範囲からインピーダンス素子7の値の範囲は、おのずと定まるのである。例えば、リプル電圧の最大値が0.4V以下でインピーダンス素子の損失が0.7Wまで許される場合は抵抗値6Ωを選択し、リプル電圧の最大値が1.4V以下でインピーダンス素子の損失が0.4Wまで許される場合は2Ωを選択すればよいことになる。
このように、インピーダンス素子7の抵抗値はリプル電圧と損失の関係からその適用される電磁コイルの駆動制御装置の仕様によって適切に選択されれば良いものであり、要は伝導ノイズを効率よく低減し、しかも損失を少なくできる抵抗値を選択すれば良いものである。
ここで、インピーダンス素子7は抵抗器で説明したが、図7A乃至図7Fに示すように、抵抗器以外の受動素子や能動素子、または抵抗器との組み合わせであっても良いものである。このようなインピーダンス素子7の具体的な構成を図7A乃至図7Fを用いて説明する。尚、図7A乃至図7Fにおいては、効率的にノイズを低減するために抵抗器を基本構成とし、これに他のインピーダンス素子を組み合わせる構成を提案している。
図7Aはインピーダンス素子7として、一本の抵抗器を使用した例である。抵抗器を一本に特定して使用することにより、回路の実装面積を削減でき、またコスト低減のために効果的である。
図7Bはインピーダンス素子7として、二本の抵抗器を並列に使用した例である。インピーダンス素子7の損失は流れる電流の2乗に比例する。そこで、抵抗器Raと抵抗器Rbとに分散することによって、各々の抵抗器の損失を半減させるために効果的である。
図7Cはインピーダンス素子7として、複数(ここでは二本)の抵抗器とそれらを選択するための複数の抵抗調整素子、すなわちスイッチング素子からなる例である。この例では各々2つずつ配置した場合を示している。尚、抵抗器Rxと抵抗器Ryは異なる抵抗値が望ましい。そうすることで、スイッチSWxとスイッチSWyのオン/オフの組み合わせにより、複数の選択を可能とするものである。例えば、一方の抵抗値を大きく、他方の抵抗値を小さくしておくと、一方の抵抗値を選択した場合は伝導ノイズをより抑制でき、他方の抵抗値を選択した場合は損失をより小さくすることができる。
図7Dはインピーダンス素子7として、抵抗調整素子の機能を備えるバイポーラトランジスタTRのコレクタ−エミッタ間に抵抗器を並列に接続した例である。バイポーラトランジスタTRのベース電流を制御することによって、コレクタ−エミッタ間のオン抵抗を変えると、抵抗器Rとの並列抵抗が形成できるため、無段階で抵抗値を変えることが可能となる。これによって、伝導ノイズの抑制と損失を適切に選択できる効果がある。また、バイポーラトランジスタTRがオフ状態で故障した場合では、抵抗Rを単独に使用できるのでフェールセーフ機能を備えることになる。
図7Eはインピーダンス素子7として、抵抗器RとインダクタンスLを直列に組み合わせた例である。高周波数帯域の周波数のインピーダンスをより高めたい、すなわち、高周波数の伝導ノイズをより抑えたい場合に効果的である。
図7Fはインピーダンス素子7として、抵抗器R、インダクタンスL、及びコンデンサCの並列共振回路を直列にした例である。これによれば、特定の周波数においてインピーダンスを高めたい、すなわち特定の伝導ノイズをより抑えたい場合に効果的である。
尚、図7E、図7Fのようなインピーダンス素子7を用いると、抵抗器、インダクタンス、コンデンサを適切に組み合わせることは極めて容易である。また、インダクタンスやコンデンサは損失が無いためにインピーダンス素子として好適である。
以上の述べたように、第1の実施例によれば、直流電源の正極ラインL1と負極ラインL5を接続する接続ラインL3に正極ラインL1から負極ラインL5に向けてインピーダンス素子7とコンデンサ6とを直列に配置し、インピーダンス素子7とコンデンサ6と間の接続ラインL3とソレノイド3の一端をフリーホイール電流がインピーダンス素子7とコンデンサ6に流れるように還流ダイオードを介して接続し、更に還流ダイオード5のアノード側とソレノイド3の一端の間と負極ラインL3の間をローサイドのスイッチング素子4で接続したものである。
この構成によれば、インピーダンス素子7によってソレノイド3の駆動電流に起因した伝導ノイズを抑制でき、更にコンデンサ6の容量を小さくできるために、電磁コイルの駆動制御装置を小型化することが可能となるものである。
次に本発明の第2の実施形態について、図8、図9を用いて詳細に説明する。第2の実施形態はソレノイド3を2個使用するものであり、例えば、バルブタイミング制御装置に使用される吸気バルブと排気バルブの夫々に使用される油圧制御弁の電磁コイルを示している。
図8に示す実施例は図1に記載の駆動回路を2つ備え、インピーダンス素子7とコンデンサ6を2つの駆動回路に共通に接続した点に特徴を有している。尚、インピーダンス素子7とコンデンサ6の機能は、図1に示すインピーダンス素子7とコンデンサ6と実質同じであるのでその詳細な説明は省略し回路構成について説明する。
1つの駆動回路は、ソレノイド3a、接続ラインンL2a、スイッチング素子4a及び還流ダイオード5aからなり、もう1つの駆動回路は、ソレノイド3n、接続ラインンL2n、スイッチング素子4n及び還流ダイオード5nからなる。これらの基本的な接続は図1に示す回路と実質同じである。そして、還流ダイオード5aと還流ダイオード5nの各々のカソードはインピーダンス素子7とコンデンサ6の間になる接続ラインL3に接続される。この構成によれば、インピーダンス素子7が1つとコンデンサ6が1つずつあれば良いので、部品数を削減するために効果的である。尚、この場合、コンデンサ6の容量及びインピーダンス素子7の抵抗値は2つの駆動回路に合わせた値に適合されることが必要である。
図9に示す実施例は図8に示す実施例の変形例を示しており、図1に記載の駆動回路を2つ備え、インピーダンス素子とコンデンサもこれに対応して夫々の駆動回路に備えられているものである。この実施例においても、インピーダンス素子7とコンデンサ6の機能は、図1に示すインピーダンス素子7とコンデンサ6と実質同じであるのでその詳細な説明は省略し回路構成について説明する。
1つの駆動回路は、ソレノイド3a、接続ラインンL2a、スイッチング素子4a及び還流ダイオード5aからなり、もう1つの駆動回路は、ソレノイド3n、接続ラインンL2n、スイッチング素子4n及び還流ダイオード5nからなる。還流ダイオード5aのカソードはインピーダンス素子7aとコンデンサ6aとともにラインL3aに接続され、還流ダイオード5nのカソードはインピーダンス素子7nとコンデンサ6nとともにラインL3nに接続されている。これらの基本的な接続は図1に示す回路と実質同じである。
この実施例によれば、インピーダンス素子7a、7nとコンデンサ6a、6nは2つの駆動回路の各々に独立して存在するため、特にインピーダンス素子7の損失を低減するために効果的である。図8の実施例ではインピーダンス素子7は2つの駆動回路に共通して用いられているため、その抵抗値が大きくなり、図6に示すように損失が大きくなる恐れがある。しかしながら、図9に示す実施例ではそれぞれの駆動回路にインピーダンス素子7a、7nを設けているため抵抗値を小さくできるので損失を少なくできるものである。尚、インピーダンス素子7は抵抗器で説明したが、図7A乃至図7Fに示すような構成のインピーダンス素子を用いることも可能である。
以上のように、図8、図9に記載の第2の実施例によれば、複数のソレノイド3の駆動回路であってもコンデンサ6とインピーダンス素子7を配置できるため、伝導ノイズを低減すると共に、コンデンサの容量を小さくすることで、電磁コイルの駆動制御装置の体格を小さくすることができる。
以下、実施例2の構成にて、インピーダンス素子の損失低減方法について説明する。
図10と図11にて、図8の実施例に示す2つの駆動回路がある構成におけるインピーダンス素子7nの損失を説明する。回路解析ツールによる解析波形と平均損失を示す。
図10は2つの駆動回路が同時変化するタイミングである。図10では、2つの駆動回路のスイッチング素子4aとスイッチング素子4nをオフすると(図示:回路1オフ、回路2オフ)、還流ダイオード5aと還流ダイオード5nが順方向バイアスとなり(回路1電流(還流)、回路2電流(還流))、ソレノイド電流が還流して(図示:ソレノイド電流1、ソレノイド電流2)、コンデンサ6の両端電圧が時間経過とともに上昇する(図示:コンデンサ両端電圧)。そのため、インピーダンス素子7nに流れる電流も上昇して、スイッチング素子がオフからオンに遷移する点が最大電流となることが見てとれる(図示:インピーダンス素子電流)。インピーダンス素子7nには2つの駆動回路からのソレノイド電流が還流するため約2倍の電流となり、損失=R×Iの2乗より、損失は駆動回路が1つの場合の約4倍に増えてしまう。解析結果によれば、平均損失は約1160mWと大きいことが見てとれる(図示:インピーダンス素子損失)。
図11は、2つの駆動回路のPWM駆動の位相を半周期ずらした場合である。スイッチング素子4nをオフすると(図示:回路2オフ)、還流ダイオード5nが順方向バイアスとなり、ソレノイド電流が還流する(図示:ソレノイド2電流)。一方、スイッチング素子4aはオン状態にあり(図示:回路1オン)、還流ダイオード5nが逆方向バイアスとなり、還流はしない(図示:ソレノイド1電流)。このように、2つの駆動回路のうち一方が還流しないので(図示:回路1還流なし、回路2還流)、インピーダンス素子7nに流れる電流を低減することが出来る(図示:インピーダンス素子電流)。解析結果によれば、平均損失は約910mWまで抑えられることが見てとれる(図示:インピーダンス素子損失)。
さらには、図10で示すVBリプル電圧と(図示:リプル電圧)、図11に示すVBリプル電圧によれば(図示:リプル電圧)、PWMの位相をずらしたことにより、VBリプル電圧も大幅に低減出来るという効果が見てとれる。
図15と図16にて、図9の実施例に示す2つの駆動回路がある構成におけるインピーダンス素子7a、7nの損失を説明する。回路解析ツールによる解析波形と平均損失を示す。
図15は2つの駆動回路が同時変化するタイミングである。図15は、2つの駆動回路のスイッチング素子4aをオフすると(図示:回路1オフ)、還流ダイオード5aが順方向バイアスとなり、ソレノイド電流が還流して(図示:ソレノイド1電流)、コンデンサ6aの両端電圧が時間経過とともに上昇する(図示:コンデンサ両端電圧)。そして、インピーダンス素子7aに流れる電流も上昇して(図示:インピーダンス素子電流)、スイッチング素子がオフからオンに遷移する点が最大電流となることが見てとれる。
また、スイッチング素子4nをオフすると(図示:回路2オフ)、還流ダイオード5nが順方向バイアスとなり、ソレノイド電流が還流して(図示:ソレノイド2電流)、コンデンサ6nの両端電圧が時間経過とともに上昇する(図示:コンデンサ両端電圧)。そして、インピーダンス素子7nに流れる電流も上昇して(図示:インピーダンス素子電流)、スイッチング素子がオフからオンに遷移する点が最大電流となることが見てとれる。解析ツールの結果によれば、平均損失は約330mWであることが見てとれる(図示:インピーダンス素子損失)。
図16は、2つの駆動回路のPWM駆動の位相を半周期ずらした場合である。スイッチング素子4nをオフすると(図示:回路2オフ)、還流ダイオード5nが順方向バイアスとなり、ソレノイド電流が還流する(図示:ソレノイド2電流)。一方、スイッチング素子4aはオン状態にあり(図示:回路1オン)、還流ダイオード5nが逆方向バイアスとなり、還流はしない(図示:ソレノイド1電流)。上記のように、両者共にスイッチング素子がオフからオンに遷移する点が最大電流となることが見てとれる(図示:インピーダンス素子電流)。 解析ツールの結果によれば、平均損失は320mWであることが見てとれる(図示:インピーダンス素子損失)。
このように、2つの駆動回路は各々にインピーダンス素子を配置することによって、両者の電流が合わさることがないため、損失が大きくなることがない。
以上の2つの形態から、インピーダンス素子を共用した場合における損失を改善するためには、電流のピーク時のタイミングをずらす手法が平均電流を下げることに繋がり、大きな損失削減の効果を得られることは明白である。
さらには、図15で示すVBリプル電圧(図示:リプル電圧)と図16に示すVBリプル電圧(図示:リプル電圧)によれば、PWMの位相をずらしたことにより、VBリプル電圧も大幅に低減出来るという効果が見てとれる。
次に、実施例2に示す、2つの駆動回路がある構成における制御方法について説明する。図12と図13ともにマイコンのタイマモジュールを使用した場合のタイミング波形とブロック構成を示して実施例を説明する。
図12は、予め定めた位相差でタイミングをずらす制御方法である。図12Aはタイミング図であり、図12Bにブロック構成を示して動作の流れを説明する。
・(図12A1)定周期タイマ11aは、初期値はゼロである。基準クロックClkを入力して1つずつカウントアップを開始して、PWM周期毎にゼロクリアされるアップタイマである。Ch1=0は駆動回路1がオン状態、CH2=1は駆動回路2がオフ状態であることを示す。しきい値レジスタ12aは駆動回路1のPWMオン時間設定値、しきい値レジスタ12bは駆動回路2のPWMオン時間設定値、シフト値レジスタ14は、駆動回路2の位相差(タイミングずらし)の時間設定値であり、PWM周波数の半周期を設定値の例に説明する。
(図12A2)しきい値レジスタ12aの出力Th1は比較器13aに入力されて、定周期タイマ11aの出力Tm1より上回った時(A>Bが真)となり、Ch1が1となって駆動回路1がオフする。
(図12A3)定周期タイマ11aの値Tm1=シフト値レジスタ14の値Sftの時にCh2=0となって駆動回路2がオンする。
(図12A4)定周期タイマ11aの値Tm1>(シフト値レジスタ14の値Sft+しきい値レジスタ12bの値Th2)の時、比較器13bのCh2が1となって駆動回路2がオフする。
以上のように、予め定めた位相差でタイミングをずらす制御方法である。なお、位相差は、駆動回路が2つの場合として、半周期(PWM周期/2)で説明したが、駆動回路が増えた場合には、例えば、3回路ではPWM周期/3、4回路ではPWM周期/4が効果的であることは言うまでもない。
図13は、一方のタイマの終了イベントをトリガにして、もう一方のタイマを起動することでタイミングをずらす制御方法である。図13Aはタイミング図であり、図13Bに構成を示し、動作の流れを説明する。
(図13A1)定周期タイマ11aは、初期値はゼロである。基準クロックClkを入力して1つずつカウントアップを開始して、PWM周期毎にゼロクリアされるアップタイマである。Ch1=0は駆動回路1がオン状態、CH2=1は駆動回路2がオフ状態であることを表す。しきい値レジスタ12aは駆動回路1のPWMのオン時間設定値、しきい値レジスタ12bは駆動回路2のPWMのオン時間設定値である。
(図13A2)しきい値レジスタ12aの出力Th1は比較器13aに入力されて、定周期タイマ11aの出力Tm1より上回った時(A>Bが真)となり、Ch1が1となって駆動回路1がオフする。
同時に、Ch2が0となって駆動回路2をオンする(この時が、駆動回路1の電流最大で、駆動回路2の電流最小である。)。また、Chが1により、定周期タイマ11bのカウント許可ENがイネーブルとなり、基準クロックClkを入力して1つずつカウントアップを開始する。
(図12A3)定周期タイマ11bの値Tm2>しきい値レジスタ12bの値Th2の時、比較器13bのCh2が1となって駆動回路2がオフする。
以上のように、一方のタイマの終了イベントをトリガにして、もう一方のタイマを起動することでタイミングをずらす制御方法である。なお、本実施例では、2つの駆動回路のオン時間の総和が,PWM周期を超えてはならないことは(駆動回路が増えた場合、例えば、3回路、4回路でも同様である)、言うまでもない。
1…電磁コイルの駆動制御装置、2…直流電源、3、3a、3n…電磁コイル(ソレノイド)、4、4a、4n…スイッチング素子、5、5a、5n…還流ダイオード、6、6a、6n…コンデンサ、7、7a、7n…インピーダンス素子、L1…正極ライン、L2、L3、L4…接続ライン、L5…負極ライン、L2a、L2n、L3a、L3n、L4a、L4n…接続ライン。
11a、11b…定周期タイマ、12a、12b…しきい値レジスタ、
13a、13b…比較器、14…シフト値レジスタ、15…加算器

Claims (6)

  1. 直流電源の正極側に一端が接続された第一の電磁コイルと、
    前記第一の電磁コイルに流れる電流をオン/オフするため前記第一の電磁コイルの他端と接続された第一のスイッチング素子と、
    前記第一のスイッチング素子がオフしたときに前記第一の電磁コイルに蓄えられた電気的なエネルギーをフリーホイール電流として還流させる第一の還流ダイオードを備え、
    前記直流電源の正極ラインと負極ラインとを接続する接続ラインにコンデンサとインピーダンス素子を直列に配置し、前記コンデンサと前記インピーダンス素子の間の前記接続ラインと前記第一の電磁コイルの他端とを前記第一の還流ダイオードを介して接続し、
    前記直流電源の正極側に一端が接続された第二の電磁コイルと、
    前記第二の電磁コイルに流れる電流をオン/オフするため前記第二の電磁コイルの他端と接続された第二のスイッチング素子と、
    前記第二のスイッチング素子がオフしたときに前記第二の電磁コイルに蓄えられた電気的なエネルギーをフリーホイール電流として還流させる第二の還流ダイオードを備え、
    前記直流電源の正極ラインと負極ラインとを接続する接続ラインに前記コンデンサと前記インピーダンス素子を直列に配置し、前記コンデンサと前記インピーダンス素子の間の前記接続ラインと前記第二の電磁コイルの他端とを前記第二の還流ダイオードを介して接続し、
    前記第一のスイッチング素子と前記第二のスイッチング素子の動作は、オンとオン、あるいはオフとオフの動作が同時に重ならないようにタイミングをずらして駆動されることを特徴とする電磁コイルの駆動制御装置。
  2. 直流電源の正極側に一端が接続された第一の電磁コイルと、
    前記第一の電磁コイルに流れる電流をオン/オフするため前記第一の電磁コイルの他端と接続された第一のスイッチング素子と、
    前記第一のスイッチング素子がオフしたときに前記第一の電磁コイルに蓄えられた電気的なエネルギーをフリーホイール電流として還流させる第一の還流ダイオードを備え、
    前記直流電源の正極ラインと負極ラインとを接続する接続ラインに第一のコンデンサと第一のインピーダンス素子を直列に配置し、前記第一のコンデンサと前記第一のインピーダンス素子の間の前記接続ラインと前記第一の電磁コイルの他端とを前記第一の還流ダイオードを介して接続し、
    前記直流電源の正極側に一端が接続された第二の電磁コイルと、
    前記第二の電磁コイルに流れる電流をオン/オフするため前記第二の電磁コイルの他端と接続された第二のスイッチング素子と、
    前記第二のスイッチング素子がオフしたときに前記第二の電磁コイルに蓄えられた電気的なエネルギーをフリーホイール電流として還流させる第二の還流ダイオードを備え、
    前記直流電源の正極ラインと負極ラインとを接続する接続ラインに第二のコンデンサと第二のインピーダンス素子を直列に配置し、前記第二のコンデンサと前記第二のインピーダンス素子の間の前記接続ラインと前記第二の電磁コイルの他端とを前記第二の還流ダイオードを介して接続し、
    前記第一のスイッチング素子と前記第二のスイッチング素子の動作は、オンとオン、あるいはオフとオフの動作が同時に重ならないようにタイミングをずらして駆動されることを特徴とする電磁コイルの駆動制御装置。
  3. 請求項1に記載の電磁コイルの駆動制御装置において、
    前記第一のスイッチング素子と前記第二のスイッチング素子のオン/オフ動作タイミングをずらしてなる制御は、
    前記第一のスイッチング素子と前記第二のスイッチング素子の一方がオンした後に、他方があらかじめ定めた位相差の後にオンするようにタイミングをずらす制御方法からなることを特徴とする電磁コイルの駆動制御装置。
  4. 請求項2に記載の電磁コイルの駆動制御装置において、
    前記第一のスイッチング素子と前記第二のスイッチング素子のオン/オフ動作タイミングをずらしてなる制御は、
    前記第一のスイッチング素子と前記第二のスイッチング素子の一方がオンした後に、他方があらかじめ定めた位相差の後にオンするようにタイミングをずらす制御方法からなることを特徴とする電磁コイルの駆動制御装置。
  5. 請求項1に記載の電磁コイルの駆動制御装置において、
    前記第一のスイッチング素子と前記第二のスイッチング素子のオン/オフ動作タイミングをずらしてなる制御は、
    前記第一のスイッチング素子と前記第二のスイッチング素子の一方のオフした後に、他方がオンするようにタイミングをずらす制御方法からなることを特徴とする電磁コイルの駆動制御装置。
  6. 請求項2に記載の電磁コイルの駆動制御装置において、
    前記第一のスイッチング素子と前記第二のスイッチング素子のオン/オフ動作タイミングをずらしてなる制御は、
    前記第一のスイッチング素子と前記第二のスイッチング素子の一方のオフした後に、他方がオンするようにタイミングをずらす制御方法からなることを特徴とする電磁コイルの駆動制御装置。
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