JP2015126765A - スロットマシン - Google Patents

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Abstract

【課題】一の制御部の記憶容量や処理負担の増大を回避できるスロットマシンを提供することである。【解決手段】遊技制御基板に第1メイン制御部と、第2メイン制御部とを搭載したスロットマシンであって、1ゲームを制御するゲーム処理を実行するための遊技用データを、第1メイン制御部のROMに格納し、当該データに基づいて第1メイン制御部がゲーム処理を実行するとともに、ゲーム処理のうちのリール回転処理の一部を実行するために用いるリール制御用のデータを第2メイン制御部のROMに格納し、当該リール制御用のデータに基づいてリール回転処理の一部に相当するリール制御処理を第2メイン制御部が実行する。【選択図】図9

Description

本発明は、たとえば、スロットマシンに関する。詳しくは、遊技用価値を賭数として設定した後に各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を変動表示させ、表示結果が導出されることにより該表示結果に応じた価値を付与する単位ゲームを繰り返し実行可能なスロットマシンに関する。
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれた複数(通常は3つ)のリールを有する可変表示装置を備えており、遊技者がスタートレバーを操作することにより各リールの回転が開始し、遊技者が各リールに対応して設けられた停止ボタンを操作することにより、リールの回転を停止させて導出された図柄の組合せに応じて入賞を発生させるものがある。このようなスロットマシンにおいては、遊技制御基板に搭載されている一の制御部が、BET処理、抽選処理、リール回転処理、入賞判定処理、および、払出処理などを含む複数の処理を一つずつ段階的に実行することにより、遊技の進行を制御するものがあった(たとえば、特許文献1)。
特開2005−124947号公報
しかしながら、従来のスロットマシンでは、たとえば遊技の複雑化などに伴って処理を実行するために必要となるデータ量が多くなると、遊技制御基板に搭載された一の制御部の記憶容量を増大させる必要が生じるとともに、その分、当該制御部の処理負担も増大してしまう虞があった。
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、一の制御部の記憶容量や処理負担の増大を回避できるスロットマシンを提供することである。
(1) 遊技用価値を賭数として設定した後に各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を変動表示させ、表示結果が導出されることにより該表示結果に応じた価値(メダル払出、クレジット加算、再ゲーム、ボーナスなど)を付与する単位ゲーム(1ゲーム)を繰り返し実行可能なスロットマシン(スロットマシン1)であって、
一の制御状態に対応する処理が終了した後に次の段階の制御状態に移行させて遊技を進行させ、遊技の進行により複数の制御状態を段階的に移行(図6)させて単位ゲームを実行可能に制御する第1制御手段(第1メイン制御部41)を備え、
前記第1制御手段は、
遊技を進行させるために用いる遊技用データのうち所定のデータを記憶する第1記憶手段(ROM41b)と、
前記第1記憶手段に記憶されているデータを用いて単位ゲームを実行可能に制御する単位ゲーム制御手段(第1メインCPU41a)と、
制御状態に応じた制御情報を出力する制御情報出力手段(I/Oポート41d、図8のSf01、Sk01など)とを含み、
前記スロットマシンは、
前記第1記憶手段とは別個に設けられた第2記憶手段(第2メイン制御部42のROM42b)と、
前記制御情報出力手段から出力された制御情報に応じた制御状態に対応する処理を、前記第2記憶手段に記憶されているデータを用いて実行可能な第2制御手段(第2メイン制御部42、第2メインCPU42a、図9)とを備える。
このような構成によれば、第2記憶手段に記憶されたデータを用いて、第2制御手段により制御状態に対応する処理が実行される。このため、第1記憶手段に記憶するデータ量を低減でき、かつ、単位ゲーム制御手段の制御負担を軽減できる。
(2) 上記(1)のスロットマシンにおいて、
前記第1制御手段は、前記第1記憶手段に記憶されているデータを用いて、所定の異常が発生しているときに遊技の進行を停止させる(図11のSh06)。
このような構成によれば、異常の発生については第1制御手段が一括で判定して遊技の進行を停止させることができるため、処理の効率化を図ることができる。
(3) 上記(1)または(2)のスロットマシンにおいて、
周期的に所定信号(クロック信号)を出力する所定信号出力手段(パルス発振器45c)をさらに備え、
前記スロットマシンは、前記第1制御手段および前記第2制御手段のそれぞれに前記所定信号が入力される所定信号入力手段(図4の遊技制御基板40内の接続状態、I/Oポート41d、I/Oポート42d)を備える。
このような構成によれば、所定信号出力手段から第1制御手段および第2制御手段のそれぞれに所定信号を同じタイミングで入力することができる。その結果、第1制御手段と第2制御手段とにおける制御タイミングがずれてしまうといった不具合の発生を防止できる。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかのスロットマシンにおいて、
所定検出手段(たとえば、リールセンサ33L〜33R)による検出結果を判別可能な判別信号を出力する判別信号出力手段(スイッチ検出回路45a)をさらに備え、
前記スロットマシンは、前記第1制御手段および前記第2制御手段のそれぞれに前記判別信号が入力される判別信号入力手段(図4の遊技制御基板40内のスイッチ検出回路45aからの接続状態、I/Oポート41d、I/Oポート42d)を備える。
このような構成によれば、所定検出手段から第1制御手段および第2制御手段のそれぞれに判別信号を同じタイミングで入力することができる。その結果、第1制御手段と第2制御手段とにおいて判別信号から判別される検出結果に応じた処理がずれてしまうといった不具合の発生を防止できる。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかのスロットマシンにおいて、
前記第2制御手段は、実行した処理に応じた制御情報を出力し(図9のSg03、Sg08など)、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段から出力された制御情報に応じて制御する(図8など)。
このような構成によれば、第1制御手段は、第2制御手段で実行した処理を把握することができ、その状況に応じた最適な制御を行うことができる。
スロットマシンの正面図である。 スロットマシンの内部構造図である。 リールの図柄配列を示す図である。 スロットマシンの構成を示すブロック図である。 第1メイン制御部が実行する起動処理の制御内容を示すフローチャートである。 第1メイン制御部が実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。 入賞として定められた役の構成および遊技状態別の内部抽選の対象役を示す図である。 第1メイン制御部が実行するリール回転処理の制御内容を示すフローチャートである。 第2メイン制御部が実行するリール制御処理の制御内容を示すフローチャートである。 第2メイン制御部のROMに格納されているリール制御用のデータの一例を説明するための図である。 第1メイン制御部側におけるタイマ割込処理の制御内容を示すフローチャートである。 第2メイン制御部側におけるタイマ割込処理の制御内容を示すフローチャートである。 第1メイン制御部が実行する入賞判定処理の制御内容を示すフローチャートである。 第2メイン制御部が実行する停止図柄判定制御処理の制御内容を示すフローチャートである。 第2メイン制御部のROMに格納されている停止図柄判定用のデータの一例を説明するための図である。 第2メイン制御部が内部抽選処理の一部を実行する例について説明するための図である。
第1実施の形態
以下、添付図面を参照して、第1実施の形態について説明する。本実施の形態においては、遊技機としてスロットマシンを一例として説明する。図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図であり、図2は、スロットマシンの内部構造を示す図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種類の識別情報が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、識別情報の一例として図3に示すような図柄が配列されている。図3に示すように、リール2L、2C、2Rの外周部には、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「黒チェリー」、「白チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、リール基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bおよび透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、さらにその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では遊技状態がRB(BB)の場合には2、通常遊技状態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するBB中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作によりエラー状態(後述するRAM異常エラー及び異常入賞エラーを除く)および打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100、前面扉1bの開放状態を検出するためのドア開放検出スイッチ25が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、BB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、BB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、電源投入時(起動時)に設定変更状態または設定確認状態に切替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
また、ドア開放検出スイッチ25は、後述するように設定値を変更する際に操作される設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が搭載された電源ボックス100が設けられた側面と対向する側面に設けられている。また、電源ボックス100は、筐体1a内部の下方位置に設けられているのに対し、ドア開放検出スイッチ25は、筐体1a内部の上方位置に設けられている。すなわち、ドア開放検出スイッチ25は、筐体1a内部において、電源ボックス100が設けられている位置に対し、対角する位置に設けられている。
なお、ドア開放検出スイッチ25は、電源ボックス100が設けられた側面と対向する側面あるいは電源ボックス100と対角する位置において、前面扉1bの開放状態を検出するものであれば、筐体1aに設けられているものに限らず、前面扉1bの内側に設けられているものであってもよい。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、或いはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として遊技状態がRB(BB)では2枚、通常遊技状態では3枚が定められている。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。
また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。
ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施の形態では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40に搭載されている制御部によって遊技の進行や遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品のうちリールモータ32L、32C、32R以外の電気部品は、遊技制御基板40に搭載された第1メイン制御部41の制御に基づいて駆動され、リールモータ32L、32C、32Rは、遊技制御基板40に搭載された第2メイン制御部42の制御に基づいて駆動される。
遊技制御基板40には、一の基板でありながら、第1メイン制御部41と、第2メイン制御部42とが搭載されている。また、遊技制御基板40には、乱数発生回路43a、サンプリング回路43b、ソレノイド駆動回路43c、LED駆動回路43d、モータ駆動回路44、スイッチ検出回路45a、リセット回路45b、パルス発振器45c、タイマ回路45d、電断検出回路45eが搭載されている。
第1メイン制御部41は、第1メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えた1チップマイクロコンピュータにて構成されている。第1メインCPU41aは、ROM41bに記憶された制御プログラムを実行して、ROM41bに記憶された遊技用データを用いて、遊技の進行に関する処理を実行することにより遊技の制御を行う。
また、第2メイン制御部42は、第2メインCPU42a、ROM42b、RAM42c、I/Oポート42dを備えた1チップマイクロコンピュータにて構成されている。第2メインCPU42aは、ROM42bに記憶された制御プログラムを実行して、ROM42bに記憶された遊技用データを用いて、遊技の進行に関する処理のうちの一部を実行することにより遊技の制御を行う。第1メイン制御部41および第2メイン制御部42は、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
乱数発生回路43aは、所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、所定範囲の乱数を発生させる。サンプリング回路43bは、乱数発生回路43aがカウントしている数値を取得(ラッチ)する。乱数発生回路43aは、カウントする数値の範囲として0〜65535が定められている。
第1メイン制御部41は、サンプリング回路43bに指示を送ることで、乱数発生回路43aが示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用する。また、第1メイン制御部41は、前述のタイマ割込処理により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
ソレノイド駆動回路43cは、第1メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路43dは、第1メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。
モータ駆動回路44は、第2メイン制御部42から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。
スイッチ検出回路45aは、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んで第1メイン制御部41と第2メイン制御部42との双方に伝送する。リセット回路45bは、電源投入時または初期化命令が入力されないときに、第1メイン制御部41と第2メイン制御部42との双方にリセット信号を与える。パルス発振器45cは、一定周波数のクロック信号を第1メイン制御部41と第2メイン制御部42との双方に供給する。これにより、第1メイン制御部41と第2メイン制御部42とにおける制御タイミングを同期させる。タイマ回路45dは、一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)毎にタイマ割込要求を第1メイン制御部41と第2メイン制御部42との双方に供給して、所定のタイマ割込処理を実行させる。電断検出回路45eは、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号を第1メイン制御部41と第2メイン制御部42との双方に対して出力する。
第1メイン制御部41および第2メイン制御部42には、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態(検出結果)を判別可能な信号がI/Oポート41dおよびI/Oポート42dの各々から入力される。そして第1メイン制御部41は、I/Oポート41dから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。また、第2メイン制御部42は、I/Oポート41dから入力される第1メイン制御部41からのコマンドやストップスイッチ8L〜8Rの検出状態に応じて基本処理のうちリール制御に関する処理を実行する。
また、第1メイン制御部41および第2メイン制御部42は、割込の発生により実行中の処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施の形態では、外部マスカブル割込端子XINTが、前述した電断検出回路45eと接続されており、第1メイン制御部41および第2メイン制御部42は電断検出回路45eから出力された電圧低下信号の入力に応じて後述する電断割込処理を実行する。また、第1メイン制御部41および第2メイン制御部42は、タイマ回路45dからタイマ割込要求が発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理を実行する。
また、第1メイン制御部41および第2メイン制御部42は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。本実施の形態では、タイマ割込処理よりも電断割込処理の方が優先順位が高く、これらの割込が同時に発生した場合には電断割込処理が優先して実行される。
なお、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。たとえば、タイマ割込処理の実行中に電圧低下信号が入力された場合に、その時点で電断割込処理が実行されることはないが、実行中のタイマ割込処理が終了した時点で、電圧低下信号の入力が継続している場合には、その時点で電断割込処理が実行されることとなる。
第1メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。
第1メイン制御部41は、基本処理のうち所定の制御状態に対応する処理を実行するときに、所定のコマンドを第2メイン制御部42に対して送信する。また、第2メイン制御部42は、第1メイン制御部41からの所定のコマンドに基づき、遊技を進行させるための処理の一部を実行するとともに、当該処理に応じたコマンドを第1メイン制御部41に対して送信する。第1メイン制御部41と、第2メイン制御部42との間におけるコマンドの送受信は、I/Oポート41dおよびI/Oポート42d各々を介して、シリアル通信にて行われる。第1メイン制御部41および第2メイン制御部42は、それぞれ、他方から送信されてきたコマンドを取得し、所定のバッファに格納する処理を実行する。
本実施の形態では、第1メイン制御部41は、基本処理のうちリール回転処理を実行するときに、リール制御開始コマンドを第2メイン制御部42に対して送信し、第2メイン制御部42は、リールを回転させてから停止させるまでの処理を実行するとともに、停止されたリールの停止位置(透視窓3の下段の領域番号)に応じた停止コマンドを第1メイン制御部41に対して送信する。
第1メイン制御部41は、遊技の進行に応じて、演出制御基板90に各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91が第1メイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役物などを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dなどを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時または電源遮断時にサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する電断検出回路98が搭載されており、サブ制御部91は、第1メイン制御部41から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブ制御部91は、割込機能を備えており、第1メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、第1メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブ制御部91は、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。なお、電断割込処理(サブ)の実行中には、コマンド受信割込処理も禁止されるが、電断割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生した場合にはコマンド受信割込処理を優先して実行する。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、前面扉1bを開放させ、筐体1a内に設けられている電源ボックス100の電源スイッチ39および設定キースイッチ37を操作して、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。操作に応じて選択され設定された設定値は、第1メイン制御部41のRAM41cに記憶されている。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に第1メイン制御部41のRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)が第1メイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。なお、電源スイッチ39を一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態として電源スイッチ39をONさせる操作を行うことにより、設定変更状態に移行されるため、当該操作をまとめて設定変更操作ともいう。
本実施の形態においては、前面扉1bを開放状態とすることにより設定変更操作を行うことが可能となるため、当該前面扉1bが開閉体であるといえる。また、前面扉1bの開放状態を検出するためのドア開放検出スイッチ25が開閉状態検出手段であるといえる。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24に第1メイン制御部41のRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施の形態のスロットマシン1においては、第1メイン制御部41および第2メイン制御部42各々が電断検出回路45eからの電圧低下信号を検出した際に、第1メイン制御部41および第2メイン制御部42各々において電断割込処理を実行する。
第1メイン制御部41側の電断割込処理は、レジスタをRAM41cのスタックに退避し、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施の形態では、たとえば5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。なお、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施の形態では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、第1メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいて第1メイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
なお、本実施の形態では、第1メイン制御部41のRAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、第1メイン制御部41は、電源投入時において第1メイン制御部41のRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、第1メイン制御部41のRAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、第1メイン制御部41のRAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。第2メイン制御部42側の電断割込処理および起動時(電源投入時)の処理では、RAM42cに対して、第1メイン制御部41側の電断割込処理および起動時(電源投入時)の処理と同様の処理を行う。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、たとえば、I/Oポート41dおよびI/Oポート42dの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
また、サブ制御部91も電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタをRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行うようになっている。
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
なお、本実施の形態では、RAM91cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブ制御部91は、電源投入時においてRAM91cのデータが正常であると判定した場合に、RAM91cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM91cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、サブ制御部91の入出力ポートの状態や、演出が途中で中断された場合の途中経過などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
次に、第1メイン制御部41に搭載されているRAM41cの初期化について説明する。第1メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。
特別ワークは、第2メイン制御部42から受信したコマンドのデータや、第2メイン制御部42や演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時に第1メイン制御部41のRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。
未使用領域は、第1メイン制御部41のRAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、第1メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
第1メイン制御部41は、スロットマシンにおける遊技の進行に応じて、当該遊技を制御するためのデータを読み出しおよび書き込みが可能となるようにRAM41cの格納領域に格納する。
本実施の形態において第1メイン制御部41は、設定キースイッチ37がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、BB終了時、設定キースイッチ37がOFFの状態での起動時において第1メイン制御部41のRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がONの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化1では、第1メイン制御部41のRAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。
初期化1において初期化される情報には、たとえば、電断時にバックアップされていた情報(設定されていた賭数を特定するための情報、BB当選を特定するための情報など)が含まれる。これにより、初期化1が行われたときには、電断前に賭数が設定されていたとしても当該賭数が設定された状態に復帰されることがなく、また、電断前にBB当選していたとしてもBB当選状況に復帰されることがない。これにより、設定変更状態となる前の遊技状態を設定変更状態となった後に引き継がれることを防止することができ、遊技の公平性を担保することができる。
初期化2は、BB終了時に行う初期化であり、初期化2では、第1メイン制御部41のRAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がOFFの状態であり、かつ第1メイン制御部41のRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、第1メイン制御部41のRAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施の形態では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行うようにしてもよい。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定変更状態終了時の初期化では、設定値ワークの初期化は行われない。
次に、第2メイン制御部42に搭載されているRAM42cの初期化について説明する。第2メイン制御部42のRAM42cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、I/Oの入出力データなどが格納されるワークである。一般ワークは、後述するリール制御処理で作成される停止制御テーブル、停止操作に応じた停止位置(透視窓3の下段の領域番号)などが格納されるワークである。特別ワークは、第1メイン制御部41から受信したコマンドのデータや、第1メイン制御部41へコマンドを送信するためのデータが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時に第2メイン制御部42のRAM42cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。
未使用領域は、第2メイン制御部42のRAM42cの格納領域のうち使用していない領域であり、第1メイン制御部41側と同様に複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、第2メイン制御部42のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
第2メイン制御部42は、スロットマシンにおける遊技の進行に応じて、当該遊技を制御するためのデータを読み出しおよび書き込みが可能となるようにRAM42cの格納領域に格納する。
本実施の形態において第2メイン制御部42は、第1メイン制御部41と同様に、設定キースイッチ37がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、BB終了時、設定キースイッチ37がOFFの状態での起動時において第1メイン制御部41のRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。初期化については、第1メイン制御部41側における初期化と同様である。第1メイン制御部41は、いずれかの初期化条件が成立すると、当該初期化条件の種類を特定可能な初期化コマンドを第2メイン制御部42に送信する。第2メイン制御部42は、第1メイン制御部41からの初期化コマンドに基づいて、成立した初期化条件を判別し、対応する初期化処理を実行する。
次に、第1メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施の形態では、第1メイン制御部41が演出制御基板90に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定開始コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施の形態の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、設定変更状態の終了時およびゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、その後エラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、第1メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、第1メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定開始コマンドは、設定変更状態の開始を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する際に送信される。また、設定変更状態への移行に伴って第1メイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始コマンドにより第1メイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
確認開始コマンドは、設定確認状態の開始を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に送信される。確認終了コマンドは、設定確認状態の終了を示すコマンドであり、設定確認状態の終了時に送信される。
これらコマンドのうち設定開始コマンド、RAM異常または乱数回路異常を示すエラーコマンド、復帰コマンドは、起動処理において割込が許可される前の段階で生成され、第1メイン制御部41のRAM41cの特別ワークに割り当てられた特定コマンド送信用バッファに格納され、直ちに送信される。
設定開始コマンド、RAM異常または乱数回路異常を示すエラーコマンド、復帰コマンド以外のコマンドは、ゲーム処理においてゲームの進行状況に応じて生成され、第1メイン制御部41のRAM41cの特別ワークに設けられた通常コマンド送信用バッファに一時格納され、タイマ割込処理(メイン)において実行するコマンド送信処理において送信される。
次に、本実施の形態における第1メイン制御部41および第2メイン制御部42が実行する各種制御内容を、図5〜図12に基づいて以下に説明する。
第1メイン制御部41は、リセット回路45bからリセット信号が入力されると、図5のフローチャートに示す起動処理を行う。なお、リセット信号は、電源投入時および第1メイン制御部41の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴うCPU41aの起動時及びCPU41aの不具合に伴う再起動時に行われる処理である。
起動処理では、まず、Sa1において、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化する。その後、Sa2において、I/Oポート41dから電圧低下信号の検出データを取得し、電圧低下信号が入力されているか否か、すなわち電圧が安定しているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されている場合には、電圧低下信号が入力されているか否かの判定以外は、いずれの処理も行わないループ処理に移行する。
Sa2において電圧低下信号が入力されていないと判定した場合には、Sa3において、Iレジスタ及びIYレジスタの値を初期化するとともに、Sa4において、打止スイッチ36の状態を取得し、CPU41aの特定のレジスタに打止機能の有効/無効を設定する。Iレジスタ及びIYレジスタの初期化により、Iレジスタには、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスが設定され、IYレジスタには、RAM41cの格納領域を参照する際の基準アドレスが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
次いで、Sa5においてRAM41cへのアクセスを許可し、Sa6において設定キースイッチ37がONの状態か否かを判定する。Sa6において設定キースイッチ37がONの状態でなければ、Sa7において、RAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算し、Sa8において、RAMパリティが0か否かを判定する。正常に電断割込処理が行われていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa8のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではないので、Sa10において、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し、エラー処のみ理に移行する。
また、Sa8のステップにおいてRAMパリティが0であれば、更にSa9において、破壊診断用データが正常か否かを判定する。正常に電断割込処理が行われていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa9において破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、RAM41cのデータが正常ではないので、Sa10において、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し、エラー処理に移行する。
エラー処理では、現在の遊技補助表示器12の表示状態をスタックに退避し、レジスタに格納されているエラーコードを遊技補助表示器12に表示する。次いで、レジスタに格納されているエラーコードを確認し、当該エラーコードがRAM異常エラー(RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合のエラー)または異常入賞エラー(内部抽選で当選していない役が入賞ライン上に揃った場合のエラー)を示すエラーコードであるか否かを判定し、RAM異常エラーまたは異常入賞エラーを示すエラーコードを示すエラーコードである場合には、いずれの処理も行わないループ処理に移行する。
一方、RAM異常エラーおよび異常入賞エラーではないと判定された場合には、リセット/設定スイッチ38かリセットスイッチ23の操作が検出されるまで、遊技の進行が不能な状態で待機する。リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23の操作が検出された場合には、レジスタに格納されているエラーコードをクリアし、遊技補助表示器12の表示状態をスタックに退避した表示状態に復帰させて、もとの処理に戻る。
このようにエラー処理においては、RAM異常エラー及び異常入賞エラー以外によるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されることで、エラー状態を解除してもとの処理に復帰するが、RAM異常エラーまたは異常入賞エラーによるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されてもエラー状態が解除されることはない。
Sa9において破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM41cのデータは正常であるので、Sa11において、RAM41cの非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域を初期化する初期化3を行った後、Sa12において、破壊診断用データをクリアする。なお、初期化3を行うときには、初期化3を行う旨を特定可能な初期化コマンドを第2メイン制御部42に送信する。次いで、Sa13において、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰し、Sa14において割込を許可して、電断前の最後に実行していた処理に戻る。
また、Sa6において設定キースイッチ37がONの状態であれば、Sa15において、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を実行した後、Sa16において設定値ワークに格納されている値(この時点では0)を1に補正する。なお、初期化1を行うときには、初期化1を行う旨を特定可能な初期化コマンドを第2メイン制御部42に送信する。次いで、Sa17において、割込を許可して、Sa18において設定変更処理を実行する設定変更モードに移行した後、ゲーム処理に移行する。なお、Sa14やSa17で割込が許可されたときには、割込が許可され起動処理が終了する旨を特定可能な起動完了コマンドを第2メイン制御部43に送信する。
このように起動処理においては、設定キースイッチ37がONの状態ではない場合に、RAMパリティが0であるか否か、破壊診断用データが正常であるか否かを判定することでRAM41cに記憶されているデータが正常か否かを判定し、RAM41cのデータが正常でなければ、異常エラー処理に移行する。RAM異常エラーによるエラー処理では、RAM異常エラーを示すエラーコードを遊技補助表示器12に表示させた後、いずれの処理も行わないループ処理に移行するので、ゲームの進行が不能化される。そして、RAM41cのデータが正常でなければ、割込が許可されることがないので、一度RAM異常エラーによるエラー処理に移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、割込が許可されるまでは、電断しても電断割込処理は行われない。すなわち電断割込処理において新たにRAMパリティが0となるようにRAM調整用データが計算されて格納されることはなく、破壊診断用データが新たに設定されることもないので、CPU41aが再起動しても設定キースイッチ37がONの状態で起動した場合を除き、CPU41aを再起動させてもゲームを再開させることができないようになっている。
そして、RAM異常エラーによるエラー処理に一度移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、RAM41cの使用中スタック領域を除く全ての領域が初期化された後、設定変更処理が行われ、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。すなわちRAM異常エラーによるエラー処理に移行した状態では、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されたことを条件に、ゲームの進行が不能な状態が解除され、ゲームを再開させることが可能となる。なお、異常入賞エラー時も、RAM異常エラーと同様に、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、RAM41cの使用中スタック領域を除く全ての領域が初期化された後、設定変更処理が行われ、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。
第2メイン制御部42側においても、リセット回路49からリセット信号が入力されると起動処理に相当する処理が実行される。第2メイン制御部42側の起動処理では、Sa1〜Sa5に相当する処理を行った後、Sa7〜Sa9に相当する処理を行い、RAMパリティが0でないときや破壊診断用データが正常でないと判定されたときには初期化1を行う。また、第1メイン制御部41側から初期化コマンドを受信した場合には、対応する初期化を行う。第1メイン制御部41側から起動完了コマンドを受信した場合には、割込を許可して、第2メイン制御部42側における起動処理を終了する。
第1メイン制御部41側の起動処理におけるSa8やSa9によりRAM異常であると判定されたときには、エラー処理に移行され、その後設定変更操作がされてSa6でYESと判定されて初期化1が行われるまで、遊技の進行が不能化される。また、初期化1が行われたときには、初期化1に対応する初期化コマンドが送信される。このため、第2メイン制御部42のRAM42cに異常がない場合であっても、第1メイン制御部41のRAM41cに異常が判定された場合には、第2メイン制御部42の起動処理において初期化1が行われて、RAM42cが初期化される。これにより、第1メイン制御部41のRAM41cに異常が判定された場合には、RAM41cが初期化されることに併せて、第2メイン制御部42のRAM42cも初期化できる。
なお、起動処理におけるRAM41cおよびRAM42cの初期化は、次のようにしてもよい。第1の例として、たとえば、RAM41cおよびRAM42cのいずれか一方でも異常が判定されたときには、RAM41cおよびRAM42c双方を初期化するようにしてもよい。この場合、たとえば、RAM41cおよびRAM42cのいずれか一方でも異常が判定されたときには、当該RAMを初期化するとともに、その旨を特定可能なコマンドを他方のメイン制御部に送信して、当該他方のメイン制御部のRAMを初期化するようにしてもよい。
第2の例として、第1メイン制御部41の起動処理において、RAM41cのみならずRAM42cの異常を判定して、異常があれば、RAM41cおよびRAM42cを初期化するようにしてもよい。RAM41cのみならずRAM42cの異常を判定する手法としては、たとえば、電断時に、まず、第2メイン制御部42側における電断割込処理において、RAM42cのRAMパリティを特定可能なRAMコマンドを第1メイン制御部に送信して、第1メイン制御部41側の電断割込処理においてRAMコマンドに基づくRAMパリティをRAM41cに記憶する。その上で、起動時には、まず、第2メイン制御部42側における起動処理において、RAM42cのRAMパリティを特定可能なRAMコマンドを第1メイン制御部に送信して、第1メイン制御部41側の起動処理においてRAMコマンドに基づくRAMパリティを用いて、RAM41cのみならずRAM42cの異常を判定するようにしてもよい。これにより、起動時におけるRAM41cおよびRAM42cに対する初期化の整合をとることができる。
図6は、第1メイン制御部41が実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。ゲーム処理とは、複数の制御状態を段階的に移行させることにより構成される単位ゲーム、つまり1ゲームの進行を制御するための処理である。ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でBET処理を終了させて、次の内部抽選処理へ移行する。BET処理中は、賭数の設定や、スタートスイッチ操作待ちの制御状態であるといえる。本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施の形態では、遊技状態として、レギュラーボーナス(以下ではRBと称す)、ビッグボーナス(以下ではBBと称す)、通常遊技状態があり、このうちRBやBBでは賭数の規定数として2が定められており、通常遊技状態では賭数の規定数として3が定められている。このため、遊技状態がRBやBBであれば、賭数として2が設定されるとゲームを開始させることが可能となり、通常遊技状態であれば、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施の形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されるようになっており、RBやBBでは賭数として2が定められた時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることなり、通常遊技状態では賭数として3が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることとなる。
また、BET処理では、投入メダルセンサ31により適正な検出(投入メダルセンサ31が複数のセンサから構成されている場合において、当該複数のセンサが所定の順序および間隔で検出されることなど)で投入されたメダルが検出されたか否かを判定し、適正な検出でなかったときに投入エラーであると判定し、遊技の進行を停止させる。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出時にラッチされた数値データに基づいて予め定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行った後、内部抽選処理を終了させて、次のリール回転処理へ移行する。内部抽選処理中は、内部抽選の結果待ちの制御状態であるといえる。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、第1メイン制御部41のRAM41cに当選フラグが設定される。また、内部抽選処理では、RAM41cに記憶されている設定値が所定の範囲内(1〜6)であるか否かを判定し、所定の範囲内にないときには設定値エラーであると判定し、遊技の進行を停止させる。
Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させ、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させるための処理を実行した後、リール回転処理を終了させて、次の入賞判定処理へ移行する。リール回転処理中は、リール回転やリール停止待ちの制御状態であるといえる。
Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行した後、入賞判定処理を終了させて、次の払出処理へ移行する。入賞判定処理中は、入賞判定の結果待ちの制御状態であるといえる。また、入賞判定処理では、入賞が発生したと判定された役の当選フラグがRAM41cに記憶されているか否かを判定し、記憶されていないときには異常入賞エラーであると判定し、遊技の進行を停止させる。
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行った後、払出処理を終了させて、次のゲーム終了時処理へ移行する。払出処理中は、払出完了待ちの制御状態であるといえる。また、払出処理では、払出を指令していないにもかかわらず、クレジット加算やメダルの払出が行われたか否かを判定し、クレジット加算やメダルの払出が行われたときには不正行為による払出エラーが発生していると判定し、遊技の進行を停止させる。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行することにより、単位ゲームである1ゲームの処理を終了させて、次の単位ゲームにおけるBET処理へ移行する。ゲーム終了時処理中は、1ゲーム完了待ちの制御状態であるといえる。
また、第1メイン制御部41のゲーム処理では、ゲームの進行制御に応じてコマンドを生成し、通常コマンド送信用バッファに設定することで、その後のタイマ割込処理(メイン)においてサブ制御部91に対して設定されたコマンドが送信されるようになっている。
また、第1メイン制御部41のゲーム処理では、各種のエラー判定を行う例について説明したが、判定対象となるエラーは前述したものに限らず、ホッパータンクにメダルが貯留されていない状態を示す払出メダル切れエラーや、ホッパー内において払出されたメダルが詰まっている払出メダル詰りエラー、ホッパータンクのメダルが満タンである満タンエラー、メダル投入口4から投入されたメダルが詰まっている投入メダル詰りエラー、前面扉14が開放された状態を示すドア開放エラーなどの発生についても判定し、エラーの発生に応じて遊技の進行を停止させるようにしてもよい。また、エラー判定および遊技進行の停止を、ゲーム処理で実行するのではなく、後述する第1メイン制御部41側のタイマ割込処理で実行するようにしてもよい。
Sd2の内部抽選処理において内部抽選の対象となる役の種類には、遊技状態に応じて定められているが、大別すると、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグが第1メイン制御部41のRAM41cに設定されている必要がある。
なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
このスロットマシン1における役としては、図7に示すように、特別役としてビッグボーナス(以下ではビッグボーナスをBBとする)、レギュラーボーナス(以下ではレギュラーボーナスをRBとする)が、小役としてスイカ、チェリー、ベルが、再遊技役としてリプレイが定められている。
チェリーは、いずれの遊技状態においても右リールについて入賞ラインのいずれかに「白チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、いずれの遊技状態においても1枚のメダルが払い出される。なお、「白チェリー」の図柄が右リールの上段または下段に停止した場合には、入賞ラインL2、L5または入賞ラインL3、L4の2本の入賞ラインにチェリーの組合せが揃うこととなり、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞したこととなるので、2枚のメダルが払い出されることとなる。
スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せまたは「スイカ−スイカ−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBやBBでは15枚のメダルが払い出され、通常遊技状態では12枚のメダルが払い出される。ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBやBBでは15枚のメダルが払い出され、通常遊技状態では10枚のメダルが払い出される。
リプレイは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せ、「BAR−リプレイ−リプレイ」の組合せ、または「黒7−リプレイ−リプレイ」の組合せのうちいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイが入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
RBは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「網7−網7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態がRBに移行する。RBは、小役、特にベルの当選確率が高まることによって他の遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態であり、RBが開始した後、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。
BBは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組合せ、「網7−網7−網7」の組合せまたは「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。
BBが入賞すると、遊技状態がBBに移行するとともに同時にRBに移行し、RBが終了した際に、BBが終了していなければ、再度RBに移行し、BBが終了するまで繰り返しRBに制御される。すなわちBB中は、常にRBに制御されることとなる。そして、BBは、当該BB中において遊技者に払い出したメダルの総数が465枚を超えたときに終了する。BBの終了時には、RBの終了条件が成立しているか否かに関わらずRBも終了する。
内部抽選では、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定する。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。そして、遊技状態および特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
本実施の形態では、図7に示すように、遊技状態が、通常遊技状態であるか、RBやBBであるか、によって内部抽選の対象となる役が異なる。さらに遊技状態が通常遊技状態においては、特別役の持越中であるか否かによっても内部抽選の対象となる役が異なる。
遊技状態が通常遊技状態であり、いずれの特別役も持ち越されていない状態では、BB、RB、リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態が通常遊技状態であり、いずれかの特別役が持ち越されている状態では、リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRB(BB中を含む)では、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
なお、本実施の形態においては、BBに対応する図柄組合せが3種類、リプレイに対応する図柄組合せが3種類、スイカに対応する図柄組合せが2種類定められている例について説明したが、内部抽選では、図柄組合せ毎に対象役として読み出される。たとえば、BBについては、「黒7−黒7−黒7」の組合せ、「網7−網7−網7」の組合せ、「白7−白7−白7」の組合せが内部抽選の抽選対象役として順に読み出される。リプレイやスイカについても、図柄組合せ毎に、抽選対象役として順に読み出される。なお、順に読み出される抽選対象役には、複数の図柄組合せを読み出す抽選対象役が含まれるものであってもよく、たとえば、「黒7−黒7−黒7」の組合せと、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せとを読み出す抽選対象役などが含まれるものであってもよい。また、内部抽選で用いられる判定値数は、設定値1〜6に対応して、図柄組合せ毎に定められている。すなわち、当選率は、設定値1〜6に対応して、図柄組合せ毎に定められている。このため、内部抽選においては、設定値に対応して図柄組合せ毎に定められた判定値数(多いほど当選率が高い)にしたがって、図柄組合せの導出(発生)が許容されることになる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークの値)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグを第1メイン制御部41のRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
次に、Sd3のリール回転処理について説明する。図8は、第1メイン制御部41が実行するリール回転処理の制御内容を示すフローチャートである。Sf01では、単位ゲームの制御状態がリール回転処理を行うリール制御状態に移行した旨を特定可能なリール制御開始コマンドを第2メイン制御部42に送信する。第2メイン制御部42では、リール制御開始コマンドを受信したことに基づいてリールを回転・停止させるリール制御処理を行う。リール制御開始コマンドは、内部抽選処理の抽選結果に応じて設定される当選フラグを特定可能なコマンドである。なお、本実施の形態におけるリール制御開始コマンドは、当選フラグに加えて今回ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドである例について説明するが、当選フラグのみ特定可能なコマンドであってもよい。また、リール制御開始コマンドは、当選フラグとは異なる情報を特定可能なコマンドであってもよく、この場合には、リール制御開始コマンドとは別に、当選フラグを特定可能なコマンドが第1メイン制御部41から第2メイン制御部42へ送信することで、第2メイン制御部42において内部当選状況が特定可能となるようにしてもよい。
図9は、第2メイン制御部42が実行するリール制御処理の制御内容を示すフローチャートである。Sg01では、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(本実施例では、約4.1秒)が経過したか否かを判定し、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。ウェイトタイムが経過していれば、Sg02へ移行して、ウェイトタイムを新たに設定する。
Sg03では、ROM42bからデータを読み出してリールの回転を開始させるためのリール回転開始処理を行う。Sg03のリール回転開始処理では、リール回転が開始された旨を特定可能な回転開始コマンドが第1メイン制御部41へ送信される。回転開始コマンドが送信されると第1メイン制御部41側では、図8のSf02において、回転開始コマンドを受信したと判定されて、Sf03において、リール回転開始コマンドをサブ制御部91へ送信するための設定が行われ、SF04へ移行される。
図9へ戻り、Sg04では、ROM42bに格納されているデータを参照して、遊技状態および役の内部当選状況に応じた停止制御用データを特定し、特定した停止制御用データに基づいて、停止制御テーブルを回転中のリール別に作成する。停止制御テーブルとは、リール2L〜2R各々の領域番号毎に対応する滑りコマ数を特定可能なデータである。第1停止操作以降におけるSg04では、さらに停止状況に応じた停止制御用データが特定されて、停止制御テーブルが作成される。
Sg05においては、停止準備完了時の設定を行う。停止準備完了時の設定としては、リールの回転速度が定速回転になれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作を有効化する処理などが含まれる。第2メイン制御部42は、リールの回転速度が定速回転になったか否かを、後述するようにリール回転開始から所定時間で定速回転に到達するように励磁パターンが定められているために、リール回転開始から所定時間経過したか否かにより判定する。ストップスイッチ8L〜8Rの操作を有効化する条件には、リールの回転速度が定速回転になることに加えて、リール2L〜2Rすべてのリール基準位置の通過が検出されることを条件としてもよい。なお、リールセンサ33L〜33Rからの検出信号は、第1メイン制御部41と第2メイン制御部42との双方に供給される。
ストップスイッチ8L〜8Rが有効化された後、Sg06においてストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかのストップスイッチの操作が検出されたか否かを判定し、いずれのストップスイッチの操作も検出されていなければ、停止操作されるまで待機する。
いずれかのストップスイッチの操作が検出された場合には、Sg07において、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。
具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段の領域)に停止することとなる。なお、いずれかのストップスイッチの操作が検出された場合には、以降においてSg05の処理が実行されるまで、すべてのストップスイッチを無効化してもよい。この場合でも、未だ回転中のリールはすでに定速回転中であるから、当該リールに対応するストップスイッチはSg05においてすぐに有効化される。
Sg08では、停止コマンドを第1メイン制御部41に対して送信する。停止コマンドは、停止コマンドは、停止したリール、当該リールの停止操作時における停止基準位置の領域番号、当該リール停止時における停止基準位置の領域番号、および、滑りコマ数を特定可能なコマンドである。なお、リールの停止操作時における停止基準位置の領域番号と、リール停止時における停止基準位置の領域番号とから滑りコマ数を算出できるため、停止コマンドは、滑りコマ数そのものを示す情報を含まないものであってもよい。Sg09では、全てのリールが停止したか否かを判定し、全てのリールが停止していなければ、Sg04に戻り、全てのリールが停止していれば、リール制御処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。
以上のようにリール制御処理では、リール2L、2C、2Rの回転を開始させるとともに回転開始コマンドを第1メイン制御部41へ送信した後、停止制御テーブルを作成し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うとともに、停止コマンドを第1メイン制御部41へ送信するようになっている。
図8に戻り、Sf04では、停止コマンドを受信したか否かが判定される。Sf04で停止コマンドを受信したと判定したときには、Sf05において停止コマンドから特定される、停止したリール、当該リールの停止操作時における停止基準位置の領域番号、当該リール停止時における停止基準位置の領域番号、および、滑りコマ数を特定可能な情報をRAM41cに格納し、Sf06において対応するリール停止コマンドをサブ制御部91へ送信するための設定が行われ、SF07へ移行される。
Sf07では、すべてのリールが停止したか否かが判定される。Sf07ですべてのリールが停止していないと判定されたときには、Sf04へ移行し、すべてのリールが停止していると判定されたときには、リール回転処理を終了させて、入賞判定処理に移行する。入賞判定処理では、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果を、RAM41cに格納されている停止基準位置の領域番号から特定し、入賞の発生の有無が判定される。
以上のように、第2メイン制御部42は、リール制御処理を実行することにより、リール2L〜2Rの回転・停止を実質的に制御する。このために、第2メイン制御部42のROM42bには、リール制御処理を実行するためのプログラムや、リール制御用のデータが格納されている。図10には、第2メイン制御部42のROM42bに格納されているリール制御用のデータの一例として、領域番号配列テーブル、モータ制御テーブル、および、停止制御用データが例示されている。
領域番号配列テーブルとは、リールモータ32L〜32Rのステップ数と、図3に示した0番から20番の図柄が配列される領域番号との対応関係を特定するためのデータである。領域番号配列テーブルによれば、たとえば、リールモータ32Lのステップ0〜7に対して領域番号0が、ステップ8〜15に対して領域番号1が、…ステップ160〜167に対して領域番号20が対応していることを特定できる。
第2メイン制御部42は、図9のSg07においてリール回転中に停止操作がされたときのリール基準位置からのステップ数から停止基準位置の領域番号を特定するときや、Sg08において停止基準位置の領域番号を特定するときに、領域番号配列テーブルを参照する。
モータ制御テーブルとは、ステッピングモータからなるリールモータの励磁パターンを特定するためのデータである。第2メイン制御部42は、モータ制御テーブルを参照して、Sg03においてリール回転開始時の励磁パターンに従ってリールを加速回転させた後、定速回転時の励磁パターンに従ってリールを回転させ、Sg07においてリールを停止させるときには滑りコマ数に応じた励磁パターンに従ってリールを停止させる。リールの回転が開始されてから定速回転に到達するまでに要する時間は、所定時間となるように、リール回転開始時の励磁パターンが定められている。このため、リール回転開始から所定時間経過したときに、定速回転時の励磁パターンに切り替えられる。
停止制御用データとは、リールおよび領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、データを展開することによって、リールおよび領域番号別の滑りコマ数を特定可能な停止制御テーブルを作成できるように構成されているデータである。第2メイン制御部42は、Sg04において、停止制御用データを参照して、遊技状態、内部当選状態、および、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止基準位置の領域番号)から予め定められた一の停止制御テーブルを作成する。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブルに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
なお、図10では、リール制御用のデータの一例を示したに過ぎず、第2メイン制御部42のROM42bは、図10に示すデータをすべて格納しているものに限るものではなく、図10に示すデータのうち一部のデータを格納しているものであってよく、また、図10に示すデータ以外のデータを格納しているものであってもよい。
また、本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。
これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
なお、本実施の形態では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や新たに特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した特別役よりも当選した小役が優先され、小役が引き込めない場合のみ、特別役を入賞ライン上に揃える制御を行っているが、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行ってもよい。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。なお、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
本実施の形態において第2メイン制御部42は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
なお、本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
図11および図12は、タイマ回路45dからのタイマ割込要求の発生に応じて(具体的には0.56msの間隔で起動処理やゲーム処理に割り込んで)実行するタイマ割込処理の制御内容を示すフローチャートであり、図11は第1メイン制御部41側におけるタイマ割込処理であり、図12は第2メイン制御部42側におけるタイマ割込処理である。
まず、図11に示すタイマ割込処理においては、Sh01において割込を禁止する。すなわち、タイマ割込処理の実行中に他の割込処理が実行されることを禁止する。そして、Sh02において、使用中のレジスタをスタック領域に退避する。
次いで、Sh03では、2種類のタイマ割込1および2から当該タイマ割込処理において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める。Sh03では、分岐用カウンタ値が0の場合に1が加算され、カウンタ値が1の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理が実行される毎に、0→1→0・・・の順番でループする。
次いで、Sh04では、分岐用カウンタ値を参照して、タイマ割込1か否かを判定し、タイマ割込1であれば、Sh05でI/Oポート41dから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理を行う。また、Sh06では、回転中のリール2L、2C、2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックし、リール回転エラーの発生を検知する原点通過時処理を行う。リール回転エラーが発生したときには、前述したように、エラー処理へ移行し、遊技の進行が不能な状態で待機する。
リール回転エラーが発生した場合には、リール回転エラーが発生した旨を特定可能なリール回転エラーコマンドを第2メイン制御部42に出力する。第2メイン制御部42は、リール回転エラーコマンドを受信したときには、一時的にリールの回転を停止させ、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38が操作されることでリール回転を再開させることができる。
Sh07では、各種スイッチ類の検出信号に基づいてこれら各種スイッチが検出条件を満たしているか否かを判定するスイッチ入力判定処理を順次実行した後、Sh14およびSh15の処理を行って、Sh02においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し、Sh01において禁止した割込を許可して、割込前の処理に戻る。
また、Sh04においてタイマ割込2であると判定された場合には、Sh08において各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理を行う。また、Sh09においては、各種LED等の点灯信号等のデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理を行う。また、Sh10では、各種ソフトウェア乱数を更新する乱数更新処理を行う。Sh11では、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理を行う。Sh12においては、コマンドキューに格納されたコマンドを演出制御基板90に対して送信するコマンド送信処理を行う。Sh13では、外部出力信号を更新する外部出力信号更新処理を行った後、Sh14およびSh15の処理を行って、割込前の処理に戻る。
次に、図12に示すタイマ割込処理においては、Sj01において割込を禁止する。Sj02において、使用中のレジスタをスタック領域に退避する。Sj03では、2種類のタイマ割込AおよびBから当該タイマ割込処理において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める。Sj03では、分岐用カウンタ値がタイマ割込Aに対応する0の場合に1が加算され、カウンタ値がタイマ割込Bに対応する1の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理が実行される毎に、0→1→0・・・の順番でループする。
次いで、Sj04では、分岐用カウンタ値を参照して、タイマ割込Aか否かを判定し、タイマ割込Aの場合には、Sj06において、リールモータ32L、32C、32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行うリール始動処理を行う。また、Sj07では、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号データの変更を行うモータステップ処理を行う。また、Sj08では、リールモータ32L、32C、32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理を行った後、Sj12においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し、Sj13において禁止した割込を許可して、割込前の処理に戻る。
一方、Sj04において分起用カウンタ値を参照してタイマ割込Bであると判定した場合には、Sj09において、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出が判定されたときに、停止制御テーブルに基づき、停止操作位置から停止位置を決定し、何ステップ後に停止すればよいかを特定する停止スイッチ処理を行う。また、Sj10では、停止スイッチ処理で算出された停止までのステップ数をカウントして、停止する時期になったら2相励磁によるブレーキを開始する停止処理を行う。これにより、図9のSg07において、対応するリールを停止制御テーブルから特定される停止位置で停止させることができる。また、Sj11では、停止処理においてブレーキを開始してから一定時間後に3相励磁とする最終停止処理を実行した後、Sj12およびSj13へ移行し、割込前の処理に戻る。
次に、第1メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、第1メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施の形態では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
また、サブ制御部91は、第1メイン制御部41からエラーコマンドを受信すると、当該エラーコマンドから特定されるエラーの種類に応じた報知処理を行う。報知処理では、エラーコマンドを受信してからエラー解除コマンドを受信するまでの間に亘り、当該エラーコマンドから特定されるエラーの種類に応じたエラー報知演出を実行するための処理が行われる。
次に、前述した第1実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した第1実施の形態によれば、図6で示したSd1〜Sd6の処理を段階的に移行させて1ゲームを制御するゲーム処理のリール回転処理のうち、図9で示すように、ウェイトタイムに関する処理(Sg01、02)や、リール回転に関する処理(Sg03)、停止制御テーブル作成に関する処理(Sg04)、停止操作待ちに関する処理(Sg05)、リール停止に関する処理(Sg06〜Sg09)などを、第2メイン制御部42側のROM42bに格納されているリール制御用のデータを用いて、第2メイン制御部42側において実行する。このため、リール回転処理を実行するためのデータのうち、第1メイン制御部41側のROM41bに格納するデータ量を低減でき、かつ、図8に示すように、Sf01においてリール制御開始コマンドを送信した後は回転開始コマンドを受信するまで待機可能となり、さらに、Sf03においてリール回転開始コマンドをサブ制御部91へ送信した後は停止コマンドを受信するまで待機可能となるために、第1メイン制御部41による制御負担を軽減できる。
(2) 前述した第1実施の形態によれば、図11のSh06に例示されるリール回転エラーを含むエラー判定は、第1メイン制御部41が一括して実行し、エラー発生時には遊技の進行を不能化できる。このため、エラー判定処理の効率化を図ることができる。
(3) 前述した第1実施の形態によれば、図4に例示されるように、パルス発振器45cから周期的に出力されるクロック信号は、第1メイン制御部41と第2メイン制御部42との双方に入力される。このため、第1メイン制御部41および第2メイン制御部42のそれぞれに対してクロック信号を同じタイミングで入力することができる。その結果、第1メイン制御部41と第2メイン制御部42とにおける制御タイミングを同期させることができ、ずれてしまうといった不都合の発生を防止できる。
(4) 前述した第1実施の形態によれば、図4に例示されるように、リールセンサ33L〜33Rを含む複数の検出手段からの検出信号は、スイッチ検出回路45aを介して、第1メイン制御部41と第2メイン制御部42との双方に入力される。このため、第1メイン制御部41および第2メイン制御部42のそれぞれに対して検出信号を同じタイミングで入力することができる。その結果、第1メイン制御部41と第2メイン制御部42とにおいて検出信号に基づく制御タイミングを同期させることができ、ずれてしまうといった不都合の発生を防止できる。
(5) 前述した第1実施の形態によれば、図9のSg03におけるリール回転開始処理では、リール回転開始に伴って回転開始コマンドが第1メイン制御部41へ送信されることにより、第1メイン制御部41側においてリール回転開始されたことを特定可能となる。また、Sg08において、リール停止に伴って停止コマンドが第1メイン制御部41へ送信されることにより、第1メイン制御部41側においてリール停止されたこと、および、リールの停止位置を特定可能となる。このように、リール制御については、第2メイン制御部42が実行しつつも、第1メイン制御部41側では、リール制御の状況を把握することができ、その状況に応じた適切な制御を行うことができる。
第2実施の形態
前述した第1実施の形態では、第1メイン制御部41が実行するゲーム処理のうち、リール回転処理の一部を第2メイン制御部42が実行する例について説明した。第2実施の形態では、第1メイン制御部41が実行するゲーム処理のうち、リール回転処理の一部に加えて、入賞判定処理の一部を第2メイン制御部42が実行する例について説明する。なお、第2実施の形態において、第1実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1実施の形態と異なる部分について説明する。
図13は、第1メイン制御部41が実行するゲーム処理のうち入賞判定処理の制御内容を示すフローチャートである。入賞判定処理では、まず、Sk01において、単位ゲームの制御状態が入賞判定処理を行う入賞判定制御状態に移行した旨を特定可能な停止図柄判定コマンドを、第2メイン制御部42に送信し、Sk02において停止図柄判定結果コマンドを受信するまで待機する。停止図柄判定コマンドは、Sf05でRAM41cに格納している停止基準位置の領域番号(停止位置)と今回ゲームの遊技状態とを特定可能なコマンドである。第2メイン制御部42では、停止図柄判定コマンドを受信したことに基づいて停止図柄判定するための停止図柄判定制御処理を行う。なお、本実施の形態における停止図柄判定コマンドは、停止基準位置の領域番号とは異なる情報を特定可能なコマンドであってもよく、この場合には、停止図柄判定コマンドとは別に、停止基準位置の領域番号を特定可能なコマンドが第1メイン制御部41から第2メイン制御部42へ送信することで、第2メイン制御部42において停止基準位置の領域番号が特定可能となるようにしてもよい。
図14は、第2メイン制御部42が実行する停止図柄判定制御処理の制御内容を示すフローチャートである。Sm01では、ROM42bに格納されているデータを参照して、停止図柄判定コマンドから特定される停止基準位置の領域番号から、入賞ラインL1〜L5各々の停止図柄の組合せを特定する。Sm02では、ROM42bに格納されているデータを参照して、Sm01で特定された停止図柄の組合せに入賞を発生させる図柄の組合せが存在するか否かの停止図柄判定を行う。
本実施の形態におけるROM42bには、停止図柄判定制御処理を実行するためのプログラムや、停止図柄判定用のデータが格納されている。図15には、第2メイン制御部42のROM42bに格納されている停止図柄判定用のデータの一例として、ポジション検索テーブル、リールテーブル、入賞検索テーブル、および、フラグ配当テーブルが例示されている。
ポジション検索テーブルとは、停止基準位置の領域番号から、入賞ラインL1〜L5各々の領域番号の組合せを特定するためのデータである。たとえば、停止基準位置のリール2L〜2R各々の領域番号の組合せ(つまり入賞ラインL3上の領域番号の組合せ)が「12・12・12」であれば、入賞ラインL1上の領域番号の組合せが「13・13・13」であり、入賞ラインL2上の領域番号の組合せが「14・14・14」であり、入賞ラインL4上の領域番号の組合せが「14・13・12」であり、入賞ラインL5上の領域番号の組合せが「12・13・14」であることを特定できる。
リールテーブルとは、各リールの領域番号毎に配列されている図柄の種類を特定するためのデータである。たとえば、リール2Lの領域番号「14」の図柄が「スイカ」であり、リール2Cの領域番号「13」の図柄が「チェリー」であり、リール2Rの領域番号「12」の図柄が「ベル」であることを特定でき、その結果、たとえば、領域番号の組合せ「14・13・12」が「スイカ・チェリー・ベル」の組合せであることを特定できる。
第2メイン制御部42は、Sm01において、停止図柄判定コマンドから特定される停止基準位置の領域番号から、ポジション検索テーブルを参照して入賞ラインL1〜L5各々の領域番号の組合せを特定し、リールテーブルを参照して入賞ラインL1〜L5各々の停止図柄の組合せを特定する。
入賞検索テーブルとは、遊技状態毎に発生可能な役の種類と、その役を発生させる図柄の組合せとを特定するためのデータである。第2メイン制御部42は、Sm01において特定した入賞ラインL1〜L5各々の停止図柄の組合せに、今回ゲームの遊技状態において入賞検索テーブルから特定される発生可能な役の図柄組合せが存在するか否かをSm02において判定する。なお、今回ゲームの遊技状態は、停止図柄判定コマンドから特定される。
フラグ配当テーブルとは、遊技状態に応じた役毎の配当(メダル払出枚数、再ゲーム付与など)を特定するためのデータである。第2メイン制御部42は、Sm02において、役の図柄組合せが存在すると判定したときに、その役の配当を特定する。たとえば、通常遊技状態においてスイカ入賞が発生したと判定されたときには、メダル払出枚数として10枚が特定される。また、リプレイ入賞が発生したと判定されたときには、再ゲーム付与が特定される。
なお、図15では、停止図柄判定用のデータの一例を示したに過ぎず、第2メイン制御部42のROM42bは、図15に示すデータをすべて格納しているものに限るものではなく、図15に示すデータのうち一部のデータを格納しているものであってよく、また、図15に示すデータ以外のデータを格納しているものであってもよい。
図14に戻り、Sm03では、停止図柄判定の結果に応じて、当該結果(入賞となる停止図柄の組合せの有無、入賞となる役の種類、および、配当など)を特定可能な停止図柄判定結果コマンドを第1メイン制御部41に送信し、停止図柄判定制御処理を終了する。
図13に戻り、Sk02において、停止図柄判定結果コマンドを受信したと判定されたときには、Sk03において異常入賞が発生していないか否かを判定する。具体的には、停止図柄判定結果コマンドから入賞した旨が特定される役の当選フラグが、RAM41cに格納されているか否かを判定し、格納されていないときに異常入賞が発生したと判定される。Sk03において異常入賞が発生していないと判定されたときには、Sk04において入賞に対応する処理を行い、入賞判定処理を終了する。Sk04の入賞に対応する処理では、入賞の有無、発生した役の種類、および配当がRAM41cに格納されるとともに、入賞判定コマンドがサブ制御部91へ送信される。入賞判定処理に続いて行われる払出処理では、RAM41cに格納されている情報に基づき、対応する処理(メダル払出や再ゲーム付与)が行われる。一方、異常入賞が発生していると判定されたときには、Sk05において異常入賞エラーを示すエラーコードをレジスタに設定して、エラー処理に移行する。
本実施の形態では、異常入賞の判定を、第1メイン制御部41側で行う例について説明したが、第2メイン制御部42側で行うようにしてもよい。この場合には、内部当選状況を特定可能な情報を第1メイン制御部41から第2メイン制御部42に送信し、第2メイン制御部42側において、Sm02の処理を行った後に、Sk03と同様の処理を行い、停止図柄判定の結果と異常入賞判定の結果とを特定可能なコマンドを第1メイン制御部41へ送信するようにしてもよい。当該コマンドに基づいて、第1メイン制御部41は、入賞の有無などに加えて、異常入賞の発生の有無を特定可能となり、異常入賞がなければSk04へ移行し、異常入賞があればSk05へ移行するようにしてもよい。
以上、説明した第2実施の形態によれば、図6で示したゲーム処理の入賞判定処理のうち、図14で示すように、停止図柄の組合せの特定に関する処理(Sm01)や、入賞判定に関する処理(Sm02)などを、第2メイン制御部42側のROM42bに格納されている停止図柄判定制御用のデータを用いて、第2メイン制御部42側において実行する。このため、リール回転処理を実行するためのデータに加えて、さらに入賞判定処理を実行するためのデータのうち第1メイン制御部41側のROM41bに格納するデータ量を低減でき、かつ、図13に示すように、Sk01において停止図柄判定コマンドを送信した後は停止図柄判定結果コマンドを受信するまで待機可能となるために、第1メイン制御部41による制御負担をより一層軽減できる。
また、前述した第2実施の形態におけるスロットマシンにおいては、前述した第1実施の形態と共通する技術思想による構成について、前述した第1実施の形態の場合と同様の技術的効果を得ることができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例などについて説明する。
[第2メイン制御部が実行する処理内容の変形例1]
前述した第1実施の形態では、ゲーム処理のうち、リール回転処理の一部を実行する例について説明し、第2実施の形態では、ゲーム処理のうち、リール回転処理の一部と入賞判定処理の一部とを第2メイン制御部42が実行する例について説明した。しかし、第2メイン制御部42が実行する処理は、これらに限るものではなく、たとえば、第2メイン制御部42は、リール回転処理の一部については実行せずに、入賞判定処理の一部のみを実行するものであってもよい。この場合、たとえば、図13のSk01において第1メイン制御部41から第2メイン制御部42へ送信される停止図柄判定コマンドに、停止基準位置の領域番号を特定するための情報を含めてもよい。これにより、図14のSm01において、停止図柄の組合せを特定することが可能となる。
また、第2メイン制御部42が実行するリール回転処理の一部は、図9に示した処理に限らず、たとえば、ウェイトタイムに関する処理(Sg01、02)について第1メイン制御部41側で実行し、ウェイトタイムに関する処理が終了した以降のSg03〜Sg09の処理を第2メイン制御部42により実行するようにしてもよい。
また、停止制御テーブル作成に関する処理(Sg04)、停止操作待ちに関する処理(Sg05)を第2メイン制御部42により実行するようにし、Sg05で停止準備が完了(たとえば定速回転に到達)したときに停止可能となった旨を示す停止可能コマンドを第1メイン制御部41に送信するようにしてもよい。この場合、第1メイン制御部41では、停止可能コマンドを受信すると、図9のSg06に相当する処理を実行し、停止操作が検出されると、停止リールおよび停止操作がされたときの停止基準位置の領域番号を特定可能な停止操作時コマンドを第2メイン制御部42に送信する。第2メイン制御部42では、停止操作時コマンドを受信すると、Sg07〜Sg09に相当する処理を実行する。Sg09ですべてのリールが停止していないと判定したときには、前述したSg04に移行させて、停止状況などに基づいて停止制御テーブルを作成して同様の処理を実行する。停止コマンドを受信した第1メイン制御部41では、すべてのリールが停止されるまで再び図9のSg06に相当する処理を実行し、停止操作が検出されると、停止リールおよび停止操作がされたときの停止基準位置の領域番号を特定可能な停止操作時コマンドを第2メイン制御部42に送信する。これにより、リール回転処理のうち、比較的大きなデータ量を必要とする停止制御テーブル作成に関する処理を行うためのデータを第2メイン制御部42のROM42bに格納することができるとともに、その処理を第2メイン制御部42に実行させることができるため、前述した実施の形態と同様の効果を奏する。
また、第2メイン制御部42によりリール回転処理の一部と入賞判定処理の一部とを実行する場合、第2実施の形態では、リール停止毎にリール制御処理のSg08において停止コマンドを第2メイン制御部42から第1メイン制御部41へ送信してRAM41cに停止リールおよび停止位置を格納し、入賞判定開始毎に入賞判定処理のSk01において停止図柄判定コマンドを第1メイン制御部41から第2メイン制御部42へ送信して停止図柄判定制御処理を行わせる例について説明した。しかし、たとえば、Sg08において停止コマンドを第2メイン制御部42から第1メイン制御部41に送信せず、かつ、Sk01において停止図柄判定コマンドを第1メイン制御部41から第2メイン制御部42に送信せずに、リール制御処理においてリール停止時に停止リールおよび停止位置を特定可能な情報を第2メイン制御部42のRAM42cに格納するようにし、Sg09においてすべてのリールが停止したと判定されたときには、停止図柄判定制御処理のSm01へ移行するようにしてもよい。つまり、第2メイン制御部42において、ゲーム処理のうちリール回転処理の一部を開始してからリール回転処理を完結させて、引き続いて、ゲーム処理のうち入賞判定処理の一部を実行するようにしてもよい。
また、第1実施の形態における図9のSg08において送信される停止コマンドは、停止位置として停止基準位置の領域番号を特定可能な情報を含む例について説明したが、これに限らず、停止位置として、停止基準位置の領域番号の図柄の種類を特定可能な情報を含む停止コマンドを送信するようにしてもよい。この場合、第2メイン制御部42のROM42bに、リール制御用のデータとして、第2実施の形態で説明したリールテーブルを格納してもよい。これにより、第1メイン制御部41は、ROM41bにリールテーブルを格納していなくても、第2メイン制御部42からの停止コマンドに基づいて、停止基準位置の領域番号の図柄の種類を特定可能となる。
[第2メイン制御部が実行する処理内容の変形例2]
第2メイン制御部42は、リール回転処理や入賞判定処理の一部に替えてあるいは加えて、ゲーム処理のうちのその他の処理を実行するものであってもよい。図16は、第2メイン制御部42が内部抽選処理の一部を実行する例について説明するための図である。図16(a)は、第1メイン制御部41と第2メイン制御部42との間で送受信されるコマンドを説明するための図である。第1メイン制御部41によりゲーム処理のうち内部抽選処理に移行されたときに、第1メイン制御部41は、スタートスイッチ7検出時にラッチされた乱数値と、今回ゲームの遊技状態と、現在の設定値とを特定可能な内部抽選開始コマンドを第2メイン制御部42へ送信する。
第2メイン制御部42では、内部抽選開始コマンドを受信すると、ROM42bに格納されている内部抽選用データを参照して、内部抽選を行って、その抽選結果を特定可能な抽選結果コマンドを第1メイン制御部41へ送信する。
第2メイン制御部42のROM42bには、第2メイン制御部42側において内部抽選を実行するためのプログラムや、内部抽選用のデータが格納されている。図16(b)には、第2メイン制御部42のROM42bに格納されている内部抽選用データの一例として、当選データテーブル、抽選テーブル、抽選値データテーブル、および、当選フラグテーブルが例示されている。
当選データテーブルは、すべての役の種類を特定するためのデータである。当選データテーブルは、図5に示す役構成の場合、「黒7−黒7−黒7」の組合せ、「網7−網7−網7」の組合せ、「白7−白7−白7」の組合せ、「網7−網7−黒7」の組合せ、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せ、「BAR−リプレイ−リプレイ」の組合せ、「黒7−リプレイ−リプレイ」の組合せ、「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せ、「スイカ−スイカ−BAR」の組合せ、「ANY−ANY−白チェリー」の組合せ、「ベル−ベル−ベル」の組合せの、全11種類の役(以下では、全11種類の役を順に役1〜役11という)を特定することができるように構成されている。
抽選テーブルは、当選データテーブルから特定される役のうち、遊技状態に応じた抽選の対象となる役として読み出す抽選対象役を特定するためのデータである。抽選テーブルは、図5に示す役構成の場合、たとえば、通常遊技状態においては、役1、役2、役3…、役11が順に特定され、ボーナス当選中においては、役5、役6…、役11が順に特定されるように構成されている。なお、第1実施の形態でも説明したように、抽選対象役は、1つの役に限らず、複数の役が同時に読み出され得るものであってもよい。この場合、抽選テーブルは、1の抽選対象役として、たとえば役1と役5とが同時に読み出される(特定される)ものであってもよい。
抽選値データテーブルは、抽選テーブルから特定される抽選対象役の判定値数であって、遊技状態および設定値に応じた判定値数を特定するためのデータである。当選フラグテーブルは、第1メイン制御部41のRAM41cにおいて格納される当選フラグのうち、抽選で当選した抽選対象役の当選フラグを設定するためのデータである。たとえば、抽選対象役として読み出された役1に当選したときには、役1に対応する当選フラグを設定し、抽選対象役として役1と役5とが同時に読み出されて当選したときには、役1と役5に対応する当選フラグを設定するためのデータが特定される。
なお、図16(b)では、内部抽選用のデータの一例を示したに過ぎず、第2メイン制御部42のROM42bは、図16(b)に示すデータをすべて格納しているものに限るものではなく、図16(b)に示すデータのうち一部のデータを格納しているものであってよく、また、図16(b)に示すデータ以外のデータを格納しているものであってもよい。
第2メイン制御部42側における内部抽選では、まず、当選データテーブルと、抽選テーブルとを参照して抽選対象役を特定し、次に、特定した抽選対象役の判定値数であって遊技状態および設定値に応じた判定値数を、抽選値データテーブルを参照して特定し、該特定された判定値数を、内部抽選開始コマンドから特定される乱数値に順次加算し、加算の結果がオーバーフローするか否かの判定を行う。当該判定においてオーバーフローしたときに、当該抽選対象役に当選したものと判定される。遊技状態に応じたすべての抽選対象役の判定値数を加算してもオーバーフローしなかった場合には、はずれ(非当選)であることが特定される。なお、当選したか否かを、オーバーフローするか否かにより判定するものに限らず、たとえば、乱数値から判定値数を減算して0に到達するか否かにより判定するものなど、どのような手法で判定するものであってもよい。
オーバーフローするか、遊技状態に応じたすべての抽選対象役についての判定が終了すると、当選フラグテーブルを参照して、その抽選で当選した抽選対象役の当選フラグを設定するためのデータか、はずれを設定するためのデータを特定する。そして、第2メイン制御部42は、内部抽選の抽選結果を特定可能な抽選結果コマンドを第1メイン制御部41へ送信する。第1メイン制御部41は、抽選結果コマンドに基づいて、内部抽選で当選した抽選対象役に対応する当選フラグをRAM41cに格納し、リール回転処理に移行させる。このようにして、第2メイン制御部42は、リール回転処理や入賞判定処理の一部に替えてあるいは加えて、ゲーム処理のうちの内部抽選処理を実行するようにしてもよい。
[第2メイン制御部が実行する処理内容の変形例3]
第2メイン制御部42は、リール回転処理や、入賞判定処理、内部抽選処理の一部に替えてあるいは加えて、ゲーム処理のうちの、BET処理や、払出処理、ゲーム終了時処理の一部を実行するものであってもよい。この場合においても同様に、BET処理や、払出処理、ゲーム終了時処理の一部を第2メイン制御部42側において実行するためのプログラムやデータは、ROM42bに格納されるように構成すればよい。また、第2メイン制御部42は、ゲーム処理のうちのある一処理の一部を実行するものに限らず、一処理のすべてを実行するようにしてもよく、また、一処理の途中から最後までを実行した後、そのまま引き続いて次の一処理の途中まで実行するようにしてもよい。
[サブ制御部へのコマンド送信について]
前述した実施の形態では、サブ制御部91へのコマンド送信制御は、第1メイン制御部41が統括して行う例について説明した。しかし、これに限らず、コマンドの種類によっては、第2メイン制御部42がサブ制御部91へのコマンド送信制御を行うようにしてもよい。たとえば、第1実施の形態においては、Sg03においてリール回転開始コマンドをサブ制御部91へ送信するようにしてもよく、また、Sg08においてリール停止コマンドをサブ制御部91へ送信するようにしてもよい。また、第2実施の形態においては、Sm03において、入賞判定コマンドをサブ制御部91へ送信するようにしてもよい。この場合、第1メイン制御部41から対応するコマンドをサブ制御部91へ送信する必要がなくなるため、処理負担を軽減することができる。
また、第2メイン制御部42からサブ制御部91へ送信されるコマンドは、一旦、第1メイン制御部41を経由して、第1メイン制御部41がサブ制御部91へコマンドを送信するときと同じ経路(たとえば、信号線)を用いて、サブ制御部91側へ送信されるように構成してもよい。
[第2メイン制御部による制御対象となる構成について]
前述した実施の形態では、第2メイン制御部42によりモータ駆動回路44を介して、リールモータ32L〜32Rを駆動制御する例について説明したが、これに替えてあるいは加えて、第2メイン制御部による処理内容に応じてその他の構成を制御するようにしてもよい。たとえば、図9のSg05において、停止準備が完了したときに、LED駆動回路43dを介して左・中・右停止有効LED22L〜22Rを点灯させ、停止操作される毎に対応するLEDを消灯させるようにしてもよい。これにより、第1メイン制御部41による制御負担を軽減することができる。
[所定期間に亘って変更される可能性が高い情報について]
前述した実施の形態では、所定期間に亘って変更される可能性が高い情報(遊技状態、設定値)についても、第2メイン制御部42側の処理で必要な情報については、その都度、第1メイン制御部41から第2メイン制御部42へコマンドに含めて送信される例について説明した。しかし、所定期間に亘って変更される可能性が高い情報については、当該情報が変更されたとき(たとえば、設定変更操作により設定値が変更されたとき、遊技状態が変化したときなど)にその旨を特定可能なコマンドを、第1メイン制御部41から第2メイン制御部42へ送信し、第2メイン制御部42のRAM42cの所定領域において記憶するようにしてもよい。具体的に、第2メイン制御部42のRAM42cの所定領域において、現在の設定値や遊技状態を特定可能な情報を記憶するようにしてもよい。この場合、所定期間に亘って変更される可能性が高い情報については、毎ゲーム送信する必要性がなくなるため、第1メイン制御部41から第2メイン制御部42に送信するコマンドのデータ容量を軽減できる。
[ゲーム処理への移行について]
前述した実施の形態では、図5のSa14やSa17で割込が許可されたときには、起動完了コマンドを第2メイン制御部43に送信することで、第2メイン制御部42でも割込を許容させて、第1メイン制御部41はゲーム処理に移行する例について説明したが、これに限らず、第2メイン制御部42では、起動完了コマンドを受信したときに第2メイン制御部42側の所定の起動処理が終了していることを条件として、最終完了コマンドを第1メイン制御部41に送信するとともに、割込を許容するようにし、第1メイン制御部41側では、起動完了コマンドを送信した後において最終完了コマンドを受信したことにより、ゲーム処理に移行するようにしてもよい。これにより、第2メイン制御部42側において所定の起動処理が完了していないにもかかわらず、ゲーム処理が開始されてしまい、その結果、第2メイン制御部42側で実行すべき処理を実行できないといった不具合の発生を防止できる。
[フリーズについて]
前述した実施の形態におけるスロットマシンにおいて、遊技の進行を所定期間に亘り遅延させる遅延手段を備える、つまりフリーズを発生させるようにしてもよい。この場合、ゲーム処理により、フリーズを発生させるか否かを抽選するフリーズ抽選処理や、フリーズ抽選の結果にしたがってフリーズに制御するためのフリーズ制御処理が行われる。よって、フリーズ抽選処理やフリーズ制御処理を実行するためのデータをROM42bに格納させて、第2メイン制御部42によりフリーズ抽選処理やフリーズ制御処理を実行するようにしてもよい。また、フリーズ中においては、リール2L〜2Rを通常時とは異なる特別態様(回転方向が異なる、回転速度が異なる、意図的に特定の図柄が揃った態様で回転あるいは停止など)で駆動制御するようにしてもよい。この場合、フリーズ中にリール2L〜2Rを特別態様で駆動制御するフリーズ中リール制御処理を実行するためのデータをROM42bに格納させて、第2メイン制御部42によりフリーズ中リール制御処理を実行するようにしてもよい。この場合でも、第1メイン制御部41においてフリーズに関する処理を実行する場合と比較して、第1メイン制御部41のROM41bの記憶容量や制御負担を増大させてしまうことを防止できる。
フリーズ中にリール2L〜2Rを特別態様で駆動制御することにより、たとえば、遊技者にとって有利な有利状態に制御されることに対する期待度を煽るようにしてもよく、有利状態に制御するための権利が付与されたことを報知するようにしてもよく、遊技者にとっての有利度合いや有利量(制御される有利状態の有利性、有利状態に制御される期間など)を報知するようにしてもよい。
[エラー判定について]
前述した実施の形態では、エラー判定処理を第1メイン制御部41が一括して実行する例について説明したが、これに限らず、第2メイン制御部42の処理内容に応じて、所定のエラー判定処理については、第2メイン制御部42が実行するようにしてもよい。たとえば、リール回転エラーについては、第2メイン制御部42により実行し、リール回転エラーであると判定したときには、その旨を特定可能なコマンドを第1メイン制御部41へ送信し、遊技の進行を不能化してもよい。
[各種表示器やLEDの制御について]
前述した実施の形態では、図4に示したように、各種表示器やLEDは、第1メイン制御部41によりLED駆動回路43dを介して制御する例について説明した。しかし、第2メイン制御部42の処理内容に応じて、各種表示器やLEDの一部を第2メイン制御部42により制御可能となるように接続させて、当該第2メイン制御部42により制御するようにしてもよい。
[スイッチ類からの検出信号について]
前述した実施の形態では、図4に示したように、スイッチ類からの検出信号が、スイッチ検出回路45aを介して、第1メイン制御部41および第2メイン制御部のそれぞれに入力される例について説明した。しかし、スイッチ類からの検出信号は、一旦、第1メイン制御部41にのみ入力し、第2メイン制御部42の処理に必要な検出信号のみ、第1メイン制御部41から第2メイン制御部42へ入力するようにしてもよい。また、第2メイン制御部42へは、スイッチ類のうち、第2メイン制御部42の処理に必要なスイッチ類からの検出信号についてのみ入力されるようにしてもよい。
[各種回路からの信号について]
前述した実施の形態では、図4に示したように、リセット回路45bや、パルス発振器45c、タイマ回路45d、電断検出回路45eからの信号が、第1メイン制御部41および第2メイン制御部のそれぞれに入力される例について説明した。しかし、各種回路からの信号は、一旦、第1メイン制御部41にのみ入力し、第2メイン制御部42の処理に必要な信号のみ、第1メイン制御部41から第2メイン制御部42へ入力するようにしてもよい。
[遊技制御基板について]
前述した実施の形態では、一の遊技制御基板に、第1メイン制御部41と、第2メイン制御部42とが搭載されている例について説明した。しかし、遊技の進行を制御する制御部を2以上備えたスロットマシンであれば、たとえば、第1メイン制御部が搭載された第1の遊技制御基板と、当該第1の遊技制御基板とは別体であって、第2メイン制御部が搭載された第2の遊技制御基板とを備えるスロットマシンであってもよい。この場合、第1の遊技制御基板と、第2の遊技制御基板とは、信号(コマンド)を双方向に送受信可能となるように接続されているものであればよい。さらに、この場合には、一の基板ケースにより、第1の遊技制御基板と、第2の遊技制御基板と、両基板を接続する接続手段とを収納するとともに、痕跡を残さずに開封することができないように基板ケースを封止する封止手段を備えるようにしてもよい。
[ゲーム処理の一部を実行するメイン制御部について]
前述した実施の形態では、第1メイン制御部41が実行するゲーム処理に含まれる各制御状態に対応する処理(内部抽選処理、リール回転処理、入賞判定処理など)の一部を、第2メイン制御部42が統括して実行する例について説明したが、これに限らず、制御状態の種類に応じた制御部を設けて、制御状態に対応する処理の一部については、当該制御状態に応じた制御部が実行するようにしてもよい。たとえば、内部抽選処理の一部については第2メイン制御部が実行し、リール回転処理の一部については第3メイン制御部が実行し、入賞判定処理の一部については第4メイン制御部が実行するようにしてもよい。これにより、ゲーム処理の一部の割り振りの設計を行いやすくすることができる。
[その他]
前述した実施例では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
また、上記の実施例では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施例で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、上記の実施例では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
本実施例として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。
なお、今回開示された実施例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、6 MAXBETスイッチ、7 スタートスイッチ、8L,8C,8R ストップスイッチ、41 メイン制御部、91 サブ制御部。

Claims (1)

  1. 遊技用価値を賭数として設定した後に各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を変動表示させ、表示結果が導出されることにより該表示結果に応じた価値を付与する単位ゲームを繰り返し実行可能なスロットマシンであって、
    一の制御状態に対応する処理が終了した後に次の段階の制御状態に移行させて遊技を進行させ、遊技の進行により複数の制御状態を段階的に移行させて単位ゲームを実行可能に制御する第1制御手段を備え、
    前記第1制御手段は、
    遊技を進行させるために用いる遊技用データのうち所定のデータを記憶する第1記憶手段と、
    前記第1記憶手段に記憶されているデータを用いて単位ゲームを実行可能に制御する単位ゲーム制御手段と、
    制御状態に応じた制御情報を出力する制御情報出力手段とを含み、
    前記スロットマシンは、
    前記第1記憶手段とは別個に設けられた第2記憶手段と、
    前記制御情報出力手段から出力された制御情報に応じた制御状態に対応する処理を、前記第2記憶手段に記憶されているデータを用いて実行可能な第2制御手段とを備える、スロットマシン。
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