JP2015118698A - エラステック・マップを用いて、社会的ネットワークのノードに向けて通信を送付するための方法、システム、およびコンピュータ・プログラム - Google Patents

Abstract

【課題】社会的ネットワーク中のノードのセットに向けて通信を送付するための方法を提供する。【解決手段】設定可能なパラメータを有する標的空間は、対応する社会的ネットワークのノードが該標的空間のエラステック・マップに適合するように定義することが可能である。計算されたエラステック・マップに基づいて、通信を社会的ネットワークの一つ以上のノードに向けて送付することができる。【選択図】図１

Description

本発明は、一般にコンピュータ・モデリングに関し、さらに具体的には社会的ネットワークの様態のモデリングに関する。

コンピュータ・システムまたは電子ネットワーク上でホストまたはアクセスされる社会的ネットワークは、特性および関係を有するノードのセットを含むことができる。社会的ネットワークのコンテクストによっては、標的となった通信を、その社会的ネットワークのノードのサブセットに向けて送付する際、送付される通信が当該サブセットのノードにとって特に適切となるようなサブセットの識別可能な特性に応じて送付することに関心が示されるであろう。

米国特許出願公開第２００９０２８７６７８号公報

したがって、これらの通信をさらに効果的にするため、社会的ネットワークおよび送付される通信の特性に関して利用可能な、情報を生かすための方法、システム、もしくはコンピュータ・プログラム製品またはこれらの組み合せを実装することが望まれている。

本発明の或る実施形態によれば、複数のコンピュータ化されたホスト上の社会的ネットワーク中のノードのセットに向けて通信を送付するためのコンピュータ実装される方法は、コンピュータを使って、コンピュータ上のデータの標的空間を定義する。この標的空間は複数のポイントおよび設定可能なパラメータのセットを有する。本方法は、コンピュータを使って、複数のコンピュータ化されたホスト上の社会的ネットワーク中の複数のノードの複数の関係尺度に基づいて、標的空間のエラステック・マップを計算する。本方法は、標的空間の計算されたエラステック・マップの配置に基づいて、社会的ネットワーク中の複数のノードの或るノードのセットに向けて複数の通信を送付する。

本開示のさらなる態様によれば、複数のコンピュータ化されたホスト上の社会的ネットワーク中のノードのセットに向けて通信を送付するためのシステムは、プロセッサおよびコンピュータ可読ストレージ・デバイスを有するコンピュータと、プロセッサによる実行のためストレージ・デバイス上に具現化されたプログラムとを含む。本プログラムは、ポイントのセットおよび設定可能なパラメータのセットを有する標的空間を定義するよう構成された定義モジュールを含む、モジュールのセットを有する。計算モジュールは、社会的ネットワーク中のノードの関係尺度に基づいて、標的空間のエラステック・マップを計算するよう構成される。送付モジュールは、標的空間の計算されたエラステック・マップの配置に基づいて、社会的ネットワーク中のノードのセットに向けて通信を送付するよう構成される。

本発明のさらなる態様によれば、複数のコンピュータ化されたホスト上の社会的ネットワーク中のノードのセットに向けて通信を送付するためのコンピュータ・プログラム製品は、具現化されたプログラム・コードを有するコンピュータ可読ストレージ媒体を含み、該プログラム・コードは、方法を実施するために、コンピュータのプロセッサによって可読／実行可能である。この方法は、ポイントのセットおよび設定可能なパラメータのセットを有する標的空間を定義し、社会的ネットワーク中のノードの関係尺度に基づいて、標的空間のエラステック・マップを計算する。本方法は、標的空間の計算されたエラステック・マップの配置に基づいて、社会的ネットワーク中のノードのセットに向けて通信を送付する。

様々な実施形態のさらなる特徴並びに構造およびオペレーションを、添付の図面を参照しながら以下に詳細に説明する。これら図面中の同じ参照番号は、同一のまたは機能的に類似のエレメントを表す。

本発明の或る態様による、コンピュータ・システムのブロック図である。 本発明の或る態様による、社会的ネットワークのノードに向けて通信を送付する方法のフローチャートである。 本発明の或る態様による、社会的ネットワークのノードに向けて通信を送付する方法のフローチャートである。 本開示の発明の或る態様による、例示的なクラウド・コンピューティング環境の概略ブロック図である。 本開示の発明の或る例示的な実施形態による、図４に表されたクラウド・コンピューティング環境の多層機能の事例図である。

図１を参照すると、例示的なコンピュータ・システムの概略図が示されている。コンピュータ・システム１００は、適したコンピュータ・システムの一つの例であり、本明細書で説明する本発明の実施形態の使用または機能の範囲に関するいかなる限定をも示唆することは意図されていない。

図１に示されたコンピュータ・システム１００において、コンピュータ／サーバ１１２は、数々の他の汎用または特殊用途コンピューティング・システム環境または構成と共に動作することが可能である。コンピュータ／サーバ１１２との使用に適切であり得る周知のコンピューティング・システム、環境もしくは構成またはこれらの組み合せの例は、以下に限らないが、パーソナル・コンピュータ・システム、サーバ・コンピュータ・システム、シン・クライアント、シック・クライアント、ハンドヘルドまたはラップトップ・デバイス、マルチプロセッサ・システム、マイクロプロセッサ・ベースのシステム、セット・トップ・ボックス、プログラム可能な家庭用電化製品、ネットワークＰＣ、ミニコンピュータ・システム、メインフレーム・コンピュータ・システム、および前述のシステムまたはデバイスの任意のものを含む分散型クラウド・コンピューティング環境などを含む。

コンピュータ／サーバ１１２は、コンピュータ・システム１００により実行される、プログラム・モジュールなどのコンピュータ・システム実行可能命令の一般的コンテクストで説明することができる。一般に、プログラム・モジュールは、特定のタスクを遂行するか、または特定の抽象データ型を実装するルーティン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、ロジック、データ構造体などを含み得る。コンピュータ／サーバ１１２は、通信ネットワークを介してリンクされた遠隔のプロセッシング・デバイスによってタスクが遂行される分散型クラウド・コンピューティング環境において実践することができる。分散型クラウド・コンピューティング環境では、プログラム・モジュールは、メモリ・ストレージ・デバイスを含む、ローカルおよび遠隔両方のコンピュータ・システム・ストレージ媒体に配置することが可能である。

図１に示されるように、コンピュータ・システム１００中のコンピュータ／サーバ１１２は、汎用コンピューティング・デバイスの形で示されている。コンピュータ／サーバ１１２のコンポーネントには、以下に限らないが、一つ以上のプロセッサまたは処理装置１１６、システム・メモリ１２８、および、システム・メモリ１２８のプロセッサ１１６への連結も含め、様々なシステム・コンポーネントを連結するバス１１８を含めることができる。

バス１１８は、メモリ・バスまたはメモリ・コントローラ、周辺機器用バス、アクセラレーテッド・グラフィックス・ポート、および任意の様々なバス・アーキテクチャを用いたプロセッサ・バスまたはローカル・バスを含め、いくつかの種類のバス構造体の任意の一つ以上を表す。限定でなく例として、かかるアーキテクチャには、業界標準アーキテクチャ（ＩＳＡ：Ｉｎｄｕｓｔｒｙ Ｓｔａｎｄａｒｄ Ａｒｃｈｉｔｅｃｔｕｒｅ）バス、マイクロ・チャネル・アーキテクチャ（ＭＣＡ：Ｍｉｃｒｏ Ｃｈａｎｎｅｌ Ａｒｃｈｉｔｅｃｔｕｒｅ）バス、拡張ＩＳＡ（ＥＩＳＡ：Ｅｎｈａｎｃｅｄ ＩＳＡ）バス、ビデオ・エレクトロニクス・スタンダーズ・アソシエーション（ＶＥＳＡ：Ｖｉｄｅｏ Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃｓ Ｓｔａｎｄａｒｄｓ Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ）ローカル・バス、およびペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト（ＰＣＩ：Ｐｅｒｉｐｈｅｒａｌ Ｃｏｍｐｏｎｅｎｔ Ｉｎｔｅｒｃｏｎｎｅｃｔ）バスが含まれる。

コンピュータ／サーバ１１２は、一般に、様々なコンピュータ・システム可読媒体を含む。かかる媒体は、コンピュータ／サーバ１１２がアクセス可能な任意の利用可能な媒体とすることができ、揮発性および不揮発性媒体、リムーバブルおよび固定型媒体の各両方を含む。

システム・メモリ１２８は、ランダム・アクセス・メモリ（ＲＡＭ：ｒａｎｄｏｍ ａｃｃｅｓｓ ｍｅｍｏｒｙ）１３０もしくはキャッシュ・メモリ１３２またはその両方など、揮発性メモリの形でコンピュータ・システム可読媒体を含むことができる。コンピュータ／サーバ１１２には、他のリムーバブル／固定型、揮発性／不揮発性コンピュータ・システム・ストレージ媒体さらに含めることが可能である。単なる例として、ストレージ・システム１３４は、固定型不揮発性の磁気媒体（図示せず、一般に「ハード・ドライブ」と呼ばれる）の読み取り書き込み用として設けることができる。図示されていないが、リムーバブル不揮発性磁気ディスク（例えば「フレキシブル・ディスク」）の読み取り書き込みのための磁気ディスク・ドライブ、およびＣＤ−ＲＯＭ、ＤＶＤ−ＲＯＭ、または他の光媒体などのリムーバブル不揮発性光ディスクの読み取り書き込みのための光ディスク・ドライブを設けることが可能である。かかる事例において、その各々は一つ以上のデータ媒体インターフェースによってバス１８に接続することができる。下記でさらに提示・説明するように、メモリ１２８は、本発明の実施形態の機能を遂行するよう構成されたプログラム・モジュールのセット（例えば少なくとも一つ）を有する、少なくとも一つのプログラム製品を含むことができる。

メモリ１２８中には、限定でなく例として、プログラム・モジュール１４２のセット（少なくとも一つ）を有するプログラム／ユーティリティ１４０、並びにオペレーティング・システム、一つ以上のアプリケーション・プログラム、他のプログラム・モジュール、およびプログラム・データを格納することができる。オペレーティング・システム、一つ以上のアプリケーション・プログラム、他のプログラム・モジュール、およびプログラム・データの各々またはそれらのいくつかの組み合せは、ネットワーキング環境の実装を含み得る。プログラム・モジュール１４２は、一般に、本明細書に記載の本発明の実施形態の機能もしくは手法またはその両方を遂行する。

また、コンピュータ／サーバ１１２は、キーボード、ポインティング・デバイス、ディスプレイ１２４など一つ以上の外部デバイス１１４、ユーザがコンピュータ／サーバ１１２とやり取りできるようにする一つ以上のデバイス、もしくはコンピュータ／サーバ１１２が一つ以上の他のコンピューティング・デバイスと通信できるようにする任意のデバイス（例えば、ネットワーク・カード、モデムなど）またはこれらの組み合せと通信することができる。かかる通信は、入力／出力（Ｉ／Ｏ：Ｉｎｐｕｔ／Ｏｕｔｐｕｔ）インターフェース１２２を介して行うことができる。さらに、コンピュータ／サーバ１１２は、ネットワーク・アダプタ１２０を介し、ローカル・エリア・ネットワーク（ＬＡＮ：ｌｏｃａｌ ａｒｅａ ｎｅｔｗｏｒｋ）、一般広域ネットワーク（ＷＡＮ：ｗｉｄｅ ａｒｅａ ｎｅｔｗｏｒｋ）、もしくは公衆ネットワーク（例えば、インターネット）、またはこれらの組み合せなど一つ以上のネットワークと通信することができる。図示のように、ネットワーク・アダプタ１２０は、バス１１８を介して、コンピュータ／サーバ１１２の他のコンポーネントと通信する。当然のことながら、図示されていないが、他のハードウェアもしくはソフトウェア・コンポーネントまたはその両方を、コンピュータ／サーバ１１２と共に用いることができよう。例としては、以下に限らないが、マイクロコード、デバイス・ドライバ、冗長処理装置、外部ディスク・ドライブ・アレイ、ＲＡＩＤシステム、テープ・ドライブ、およびデータ保管ストレージ・システムなどが含まれる。

次いで図２を参照すると、本開示の発明の或る態様は、複数のポイントと設定可能なパラメータのセットとを有する標的空間を定義するステップ（２０４）と、社会的ネットワーク中の複数のノードの複数の関係尺度に基づいて、標的空間のエラステック・マップを計算するステップ（２０８）と、標的空間のエラステック・マップの配置に基づいて、社会的ネットワークのノードに向けて複数の通信を送付するステップ（２１２）と、を含む。配置とは、例えばエラステック・マップを含め、定義されたｎ次元の空間中のポイント同士の間の任意に定義された関係の尺度を指し得る。これらの各々をどのように実装するかについての詳細は、本発明の関連する実施形態中に実装可能な他の特徴と共に後で説明する。

本開示の発明の或る態様によれば、方法２００は、複数のポイントおよび設定可能なパラメータのセットを有する標的空間を定義する（２０４）。この標的空間は、ポイントを定義するまたはポイントに関係付けられた関連する設定可能なパラメータを有する、ポイントのセットとすることができる。一実施形態において、標的空間中に定義されたこれらのポイントは、企業によって販売に出される製品のセットとすることができよう。これらのポイントは、コンピュータ上の電子データによって表すことが可能である。この実施形態において、標的空間を形成するパラメータには、例えば、製品中に使われている材料、製品の技術的詳細、もしくは製品の用途またはこれらの組み合せを含め、当該製品の特徴を含めることができる。これら製品は、例えば、電子機器、家具、日曜大工用品などであり得る。パラメータには、加えて、製品のコスト範囲、および企業がその製品を識別するのに使用したい任意の他の特徴を含めることができる。さらに、かかる各パラメータは、多層化することができ、例えば、電子機器パラメータの中に、携帯電話とデジタル・モニタとの間の区別をするための追加パラメータがあってもよい。標的空間のこれらのパラメータは、方法２００によってまとめて用いられてもよく、これによってポイント群のユークリッド空間が構築され、この空間と関連させて標的空間が定義され、これらパラメータがその空間の座標を規定する。

方法２００は、社会的ネットワーク中の複数のノードの複数の関係尺度に基づいて、標的空間のエラステック・マップを計算すればよい（２０８）。エラステック・マップの計算（２０８）は、標的空間の一つ以上のポイントへの各ノードの連結ばかりでなく、社会的ネットワークの各ノードと、社会的ネットワークの他ノードの各々との間の連結性の程度にも基づいて、標的空間の中に社会的ネットワークを形作る。このため、この計算（２０８）は、標的場所のパラメータを、社会的ネットワークの一部または全部のノードを結び付けるアンカーとして使い、社会的ネットワークを標的空間へと統合する。こうすることによって、方法２００は、社会的ネットワークの一つ以上のノードに向けて通信を送付する（２１２）際に（後で説明する）、定量化可能な尺度によって、有意義な方法で一つのノードと別のノードとを区別することを可能にし、受信側にとってより高い関連性と有意性とを通信に持たせることを可能にする。このマッピングの正確さおよび有用性は、標的空間のポイントの定義、それらのパラメータ、および社会的ネットワーク中の情報に左右される。方法２００は、通信を送付する（２１２）際に、後述するように、標的空間のエラステック・マップの配置の相異なるアスペクトを利用することができる。

社会的ネットワークは、ノードの集合体を表すものとしてよく、ノードは、通信（例えば、以下に限らないが、郵便メール、電子メール、電話／テキスト／インスタント・メッセージ、およびファクシミリを含む）を受信する能力のある単位として識別された（または識別可能な）、識別可能エンティティ、または情報のセットである。ノードは、規定のまたは確定可能なアイデンティティを有し、通信を受信する能力のある自然人、または抽象的エンティティ（法人など）に関連付けることができる。ノードの例は、以下に限らないが、オンライン社会的ネットワーク上にアカウントまたはプロフィールを有する個人、企業の従業員ネットワークにいる従業員、または社会的ネットワーク上で連結された企業のセットを含み得る。社会的ネットワークは、一つ以上のコンピュータ／システム上でホストすることができる。

本開示によれば、社会的ネットワークおよびそのノードの非限定的な特徴は、社会的ネットワークが、該ネットワーク中の諸ノードの一つ以上の特性を識別し、記録し、維持し、追跡することができ、これらの特性に基づいて、一つのノードの他の一つ以上のノードに対する関係尺度を解釈し、構成し、または追跡することにある。例えば、社会的ネットワークは、該社会的ネットワーク中の個人の系譜情報を維持することができる。この情報に基づいて、社会的ネットワークは、ネットワーク中の個人間の家族的な関係に対応する関係尺度を維持することが可能である。但し、必ずしも、個人／ノードの誰もが実際に何らかのかかる関係尺度によってつながっているわけではない。例えば、社会的ネットワーク中の個人の誰もが実際には家族同士でないこともある。場合によっては、社会的ネットワークが追跡可能な関係尺度の不在が、それ自体、その社会的ネットワークの性質についての重要な洞察を提供することがある。

社会的ネットワーク中で関係尺度を識別し維持するうえで、対応する関係を有する社会的ネットワークのノードがその関係に気付くことは不要である。例えば、ある社会的ネットワーク中の二人の個人が、同じスポーツ・チームまたは同じジャンルの映画への相互の親和性に基づけば強い関係尺度を有するが、どちらの個人も他方の個人の興味を知らないこともあり得る。

方法２００によって用いられる社会的ネットワークは、既存のネットワークであってよい。また一方、いくつかの実施形態において、該ネットワークは、分散して存在し得る既存情報から構成することが可能である。例えば、方法２００（または別の方法、但し、そのアウトプットに方法２００がアクセスできること）は、データ源にアクセスし、対応するデータを分析して、アイデンティティと関係尺度とを有する個別ノードを生成することができる。より具体的な例として、方法２００は、個人間の通信のデータベースからのデータを分析し、かかる通信の内容に基づいて、関与する個人の氏名、彼らの家族的または社会的関係、および各個人およびその相互の関係を画定することの可能な他の情報を判定することができる。この分析を、さらに複数の既存のまたは構築された社会的ネットワーク全体に亘って行えば、より詳細な社会的ネットワークにたどり着くことができる。これは、例えば、複数の既存の社会的ネットワークのデータを分析し、それらの各々にあるノードを識別し、かかるネットワークの一つの中の或るノードが、他の一つ以上のネットワーク中に別名を有するか否かを判定し、それらの各情報を新規のノード中に組み合せることによって達成することができる。このように、方法２００は、様々な既存の社会的ネットワーク中の潜在的な情報を抽出して、より多くのノードもしくはより多くの次元またはその両方を有する、より包括的な社会的ネットワークを生成することができる。

計算された（２０８）マップはエラステックであると言われる。というのは、マップが依拠する関係尺度の一つ以上が変化する能力を備えているからである。例えば、社会的ネットワーク中の一つの関係尺度を、個人間の家族的な関係としてよく（各個人を該社会的ネットワーク中のノードとしてよい）、個人Ａは個人Ｂの配偶者であり、彼らの結婚歴が社会的ネットワークの関係尺度であり、エラステック・マップの計算のための情報となる。個人Ａと個人Ｂとの間の離別があった場合、関係尺度は変更される。方法２００は、後記のように、かかる関係尺度を連続的に評価し、エラステック・マップを更新してその変化を反映することができる。

エラステック・マップの計算（２０８）および社会的ネットワークのノードの関係尺度の評価において、方法２００は、各ノードの一つ以上のさらなるノードに対する近接度値を算定することができる。さらに、ノードの関係尺度は、例えば、個人間の友情と面識とを区別したり、または企業所有と企業間のジョイント・ベンチャ関係との間を区別したりするなどのために、相異なる重み付けをして、強度値を割り当てることが可能である。加えて、いくつかの特性を共有することは、２つのノードの間の結合性の強度を増大することもあるし、他の共有特質がそれを低下させることもある（例えば、共有する特性が、競争および緊張の兆候である場合など）。

さらに、方法２００は、エラステック・マップの計算（２０８）において、標的空間にマップされた社会的ネットワークの各ノードに対する通信価値のコストを算定することが可能である。かかるコスト情報は、以下に説明するように、ノードに向け送付される（２１２）通信を、エラステック・マップ中の標的空間にマップされたどのノードが受け取るべきかに関し、有益な情報を提供することができる。

エラステック・マップを計算する（２０８）ことが可能な特定のメカニズムは、本開示の発明の一つの実施形態から別の実施形態まで変わり得る。さらに、一つのやり方で計算されたエラステック・マップが、そのエラステック・マップを使って、送付される（２１２）通信を誰が受信すべきかの決定情報を知らせる前に、別の計算方法によって変更されてもよい。かかる一つの実施形態によれば、標的空間には、広告のセット（これらの広告は標的空間のポイントである）含めることができ、それらは多次元ユークリッド空間中のベクトルＳのセットによって表すことが可能で、各広告のベクトルは、一般には広告対象の商品またはサービスの分析に基づいて、当該広告の内容の相異なる次元を表す。

これらの次元は、「電子機器」、「家庭用品」、および「運動関連」など事前に決めることができ、あるいは、広告内容の未加工測定値の教師なし分析（例えば、主成分分析）によって見出すことが可能である。しかして、空間の各次元は全広告の内容の品質を表し、特定の種類の広告には、この品質の次元において大きなベクトル量が与えられる。

この実施形態において、社会的ネットワークのメンバーは、Ｓと同じ空間中のホスト・ノードＷｊのセットとして表すことができ、Ｓの中の各広告ｓは、クラスＫのセットによって表された最も近い個人ノードＷｊにマップされる。システムのエネルギＤは、このとき、各広告をその標的／関連する個人につなぐ、単位弾力性を有するスプリングのエネルギである。個々人が含まれたセットに対し、ノードの各ペア（Ｗｉ、Ｗｊ）の間の友人関係、および通信仲間の小集団（例えばＴｗｉｔｔｅｒ（Ｒ））により課される他のトポロジ的制約を含む、社会的ネットワークのトポロジと、ノードのタプルとして表され、エラステック・マップの曲げリブ（Ｗｉ、Ｗｊ、Ｗｋ）を近似する他のより高い次元の関係と、を表す追加の構造体を定義することができる。このとき、マップＵ＿Ｅの伸長エネルギは、社会的関連性を有する個人ノードのペアが空間中でどの位離れてマップされているかの関数であり、曲げエネルギＵ＿Ｇは、空間へのＷのマッピングが、社会的ネットワークの通信仲間の小集団（曲げリブ）のトポロジ的制約にどの位うまく従っているかの関数である。このとき、システムの総エネルギは、Ｕ＝Ｄ＋Ｕ＿Ｅ＋Ｕ＿Ｇとして定義することができる。

社会的ネットワーク中の特定の個別ノードに向けて広告の的を絞るタスク（すなわち、社会的ネットワークの諸関係尺度に基づいて、広告標的空間のエラステック・マップを算出すること）は、この場合、所与のＷに対してＫを見出すこと、所与のＫに対してＵを最小化し新規のＷを見出すこと、変化がない場合には終了すること、の内の一つとなる。このアプローチは、社会的ネットワークの個々人がユークリッド標的空間の各種のポイント／次元に適切に割り振られ、Ｕが最小化されて、これら個人Ｋへの広告のマッピングが効率的でしかしてコスト効果的であることが確実になったとき終了する。さらに、社会的ネットワークのトポロジは、この最適化において重要な制約事項であり得、製品およびサービスのカテゴリ並びにそれらの広告が、社会的ネットワークを介して固くつながれた個人を標的にすることを強いる。

続けて図２を参照すると、方法２００は、複数の通信を、計算された（２０８）標的空間のエラステック・マップ中に存在する、社会的ネットワーク中の複数のノードの一つ以上に向けて送付する（２１２）ことができる。この通信（群）は、例えば、標的空間に合わせた広告とすることができる。エラステック・マップを計算する（２０８）ことによって社会的ネットワークが標的空間にマップされているので、方法２００は、定義された設定可能なパラメータまたは制約に該当する、社会的ネットワークのノードのサブセットだけに向けて、その通信を送付する（２１２）ことが可能である。これにより、社会的ネットワークの全メンバーに届けようとしたり、または社会的ネットワークからおよび標的空間から利用可能な潜在的情報を利用せずに、かかるサブセットをやみくもに選択しようとしたりする必要性を排除できる。これは、定義された（２０４）標的空間と関係がないと方法２００が判定したノードを除外することによって、かかる通信の送付に関連するコストを大幅に低減することを可能にする。例えば、広告会社が、クライアントの代わりに送信したｅメール１，０００通毎に料金をクライアントに請求する場合、可能な限りの正確さで適切な受信者を選択することが重要となる。広告主は、社会的ネットワークの、自分が広告したい特定の製品に最も近い社会的ネットワークの１，０００のノードに届くことを希望していよう。

引き続き図２を参照すると、方法２００は、その分析に、社会的ネットワークの一つ以上の模擬ノードを加える（２２８）ことによって、社会的ネットワーク中の標的空間のエラステック・マップを計算する（２０８）こともできる。このシミュレーション、または社会的ネットワークへの模擬ノードの付加は、必須ではないが、方法２００自体によって行うことが可能である。例えば、方法２００が利用可能な社会的ネットワークのデータに、模擬ノード（群）を前もって含めておくことができる。これに換えて（またはこれに加えて）、シミュレーションを介して、社会的ネットワークの既存のノードを変更することも可能である。

ノード全体またはその一部をシミュレートする一つの目的として、社会的ネットワーク中でのかかる変化が、エラステック・マップの計算（２０８）（これについては前に詳しく説明した）に及ぼす影響、およびエラステック・マップ中のノードに向けて通信を送付する（２１２）ことに関連するコストに及ぼす影響をテストすることがあり得る。例えば、ある特定のノードの他のノードとの関係尺度がエラステック・マップ中に過剰な緊張を生成し、これが、ノードに向けて通信を送付する（２１２）には不適切となるノードが多数ある可能性、を示唆することもある。その場合、エラステック・マップの計算（２０８）において考慮されなかった他の情報が、当該情報が不正確または不適当であることを示唆している。

より具体的な例によれば、模擬ノードの付加（２２８）は、広告主が、社会的ネットワークのノードに向けて他の通信を送付する（２１２）前に、マーケティングまたは他の手段を介して社会的ネットワークを作り変えこれに影響を及ぼすことができるようにしてもよい。社会的ネットワークの中に挿入された模擬ノードは、既存の非模擬ノードの関係尺度を変化させ（強化および弱化を含む）得る。例えば、社会的ネットワーク中のノードのセットの間で、互いの存在（例えば、同じ本が好きな人々）を知らず、互いにつながりを持つべきだと特には示されることもなかった、共通の興味をもつセットを想定し、このセットに基づいて模擬ノードを構成することができる。このセット中の各ノードは、模擬ノードを用いて作り変えられた関連付けを介し、当該セット中の他のノードと知り合い、例えばメッセージの送信を含めた相互交流を開始する。２つのノードが相互にメッセージを送る回数が、社会的ネットワーク中の関係尺度であるかまたは関係尺度に影響を与える場合、模擬ノードが当該セットのノードの間のこの関係尺度の強度を増大したことになる。増大された関係尺度は、同じく標的空間のエラステック・マップに影響を与えることになる。これらのノードが、今まで近接してマップされていなかった場合、模擬ノードを使った後はこれらは近接してマップされ得る。また、模擬ノードは、エラステック・マッピングには無用と思われる関係をやめるためにも用いることが可能である。模擬ノードは、別の仕方で結ばれていたノードの間の違いを利用し、それらを異なる方向に引っ張ってそれらの関係尺度の強度を低下させることもできる。

更なる具体的な例として、社会的ネットワーク中の個人が、各自、２つの張り合っているスポーツ・チームのファンであると名乗っていることがある。この２つのチームの第一チームの著名な選手を主役にした広告は、それが第二チームのファンに向けられた場合、不適切または効果がないと判断できる。したがって、その著名な選手に関係するパラメータを有する標的空間のエラステック・マップの計算（２０８）は、そのエラステック・マップ中に緊張をもたらし、かかる緊張から、対応する各個人がその広告を受信するのは不適であると判断をされる。しかしながら、この２つのチームの張合いが、検討中の広告の効果に実際上関係しない状況もあり得る。例えば、広告中で主役となる選手が、そのスポーツにおけるどのチームのファンにも高い割合で尊敬されている場合などがそうである。模擬ノードの社会的ネットワークへの付加は、こういったファクタを算出に導入すること、または少なくとも、かかるファクタが実際に当てはまるならば、エラステック・マップの性質に本当に違いをもたらすものかどうかを判定することを可能にする。方法２００は、模擬ノード（群）または模擬特性を既存のノード（群）に付加した（２２８）結果に基づいて、さらなるマーケット・リサーチを導くことができる。シミュレーションの後でエラステック・マップに有意な変化が検知されない場合、マーケット・リサーチによって、このシミュレーションの前提を検証することはそのコストに見合わないであろうと結論付けるのは合理的であり得よう。

方法２００は、社会的ネットワークに模擬ノードを付加した（２２８）後、通信を社会的ネットワークのノードに向け送付する（２１２）のに先立って、（後述するように）エラステック・マップの計算を繰り返す（２２０）ことができる。

引き続き図２を参照すると、方法２００は、エラステック・マップの計算（２０８）において、社会的ネットワークのノードのサブセットまたはその特性を無視する（２３２）ことが可能である。無視されるサブセットは、もし無視されなければ、計算されたエラステック・マップに基づいて通信を送付する（２１２）のに適していると見えるであろう。ノードを無視する一つの理由として、そのノードが、不正確または望ましくない形で、エラステック・マップに対して歪んだ影響を及ぼす、または及ぼすように見えることがあり得る。もっと具体的な例として、社会的ネットワーク中の両親とその子供とは、強い関係尺度を有し、通常の状況下では、その強い関係尺度から、彼らを標的空間中のポイントの共有セットに近接させてマップするエラステック・マップがもたらされ得る。これは、例えば、標的空間中のポイントが、大人のサイズだけが入手でき子供用がない衣類を含む場合、望ましいマッピングとは言えない。したがって、社会的ネットワークの親子関係尺度の無視は、エラステック・マップの算出において、潜在的歪みファクタの排除を可能にする。

方法２００は、或るノードのサブセットを無視した（２３２）後、社会的ネットワークのノード群に向けて通信を送付する（２１２）のに先立って、（後述のように）エラステック・マップの計算を繰り返す（２２０）ことができる。

引き続き図２を参照すると、方法２００は、社会的ネットワーク中の複数のノードに対し定義された尺度を、重視するまたは重視しないことによって、エラステック・マップを変更する（２３６）ことが可能である。

さらに具体的な例によれば、広告会社は、家族休暇のシーズンの間、社会的ネットワークのノードが家族のために製品を購入することに関心を持っているであろうとの前提に立ち、社会的ネットワーク中のノードの家族関係を重視することによって、社会的ネットワークの最適なエラステック・マップを算出することによって、変更（２３６）を加えることができる。

さらに、方法２００は、或るノードのセットに新規の関係尺度を割り当てて、かかる尺度がエラステック・マップをどのように変化させるのか評価することもできる（２３６）。これまで未定義であった尺度を包含させるには、以下の質疑で特徴を明らかにすればよい。すなわち、もし当を得ているならば、（これまで未定義であった尺度を含む）社会的ネットワークの性質は、エラステック・マップの性質に対し有意な影響を有するのであろうか？もしそうならば、今まで未定義であった尺度を、社会的ネットワークのノードの特性に実際に付加し、社会的ネットワーク中の各個人がその付加された特性に如何に関係するか判定するためにリソースを費やすことは賢明であろう。新規の関係尺度に対するデータは、データベースから収集するか、またはノード間の通信を分析することによって、もしくは手に入れられる潜在的情報（例えば、複数の社会的ネットワークまたは他のデータ源に亘って有効であるノードについての情報）を分析することによって、動的に生成することができる。

方法２００は、前述のようにノードに対して定義されていなかった尺度によってエラステック・マップを変更した（２３６）後、社会的ネットワークのノードに向けて通信を送付する（２１２）のに先立って、（後述のように）エラステック・マップの計算を繰り返す（２２０）ことが可能である。

引き続き図２を参照すると、標的空間の設定可能なパラメータ、社会的ネットワークのノードの関係尺度、またはその両方に変化があれば、方法２００は、エラステック・マップの計算を繰り返し（２２０）、更新されたエラステック・マップを得ることができる。前に詳しく述べたように、方法２００は、次いで通信を社会的ネットワークの諸ノードに向けて送付する（２１２）ことができる。

引き続き図２を参照すると、方法２００は、エラステック・マップの計算の繰り返し（２２０）において、発生したあらゆる変化を考慮に入れる必要はない。代わりに、前述した理由に対するものも含め、ある特定の基準を満たさない変化を無視する（２２４）ことが可能である。方法２００は、前に述べたように、次いで通信を社会的ネットワークの諸ノードに向けて送付する（２１２）ことができる。

引き続き図２を参照すると、エラステック・マップの計算（２０８）において、方法２００は、社会的ネットワークの複数のノードの任意の一つと、標的空間中の複数のポイントの任意の一つとの間の距離を測定する（２４０）こともできる。この距離に基づいて、方法２００は、例えば、社会的ネットワークのノードをランク付けする（２３６）ことが可能である。

引き続き図２を参照すると、方法２００は、標的空間の計算された（２０８）エラステック・マップ、および社会的ネットワークのノードと標的空間のポイントとの間の測定された（２４０）距離に基づいて、複数の通信を、社会的ネットワーク中（および、標的空間中）のノードの一つ以上に向けて送付する（２４４）ことができる。

引き続き図２を参照すると、定義された（２０４）標的空間のパラメータには、通信を社会的ネットワークの一つ以上のノードに向けて送付する（２１２）ことに関連するコストを決めるコスト・パラメータを含める（２４８）ことが可能である。エラステック・マップのエネルギの算出において、考慮されるファクタの一つとして、このコストを計算（２０８）に含めることができる。

方法２００の説明を、主として、関連する標的空間が販売用の製品（またはサービス）であり、対応する通信が広告であり、対応する社会的ネットワークがかかる製品の潜在的顧客であり、かかる通信の潜在的受信者であるとして述べてきたが、本開示の発明の他の実施形態も可能である。かかる一つの実施形態は、限定はされないが、ノードがＱＡ（ｑｕｅｓｔｉｏｎ−ａｎｓｗｅｒｉｎｇ（質疑−応答））システムのユーザである社会的ネットワークと、ＱＡの質問と関連する回答とのセットを含む通信と、そのノードをＱＡの質問および関連する回答に有効にマッピングしたものを提供可能な、社会的ネットワークの特性を定義する標的空間と、を含み得る。或るＱＡ（質疑−応答）システムは、データ・リポジトリに照会し、言語処理、情報検索、およびマシン学習の要素を適用して結論に至ることによって、自然言語の質問に回答するコンピュータ・システムとして定義することができる。用語ＱＡは総称であり、限定はされないが、２００８年５月１４日出願の、Ｂｒｏｗｎらの米国特許出願公開第２００９０２８７６７８号、名称「Ｓｙｓｔｅｍ ａｎｄ Ｍｅｔｈｏｄ ｆｏｒ Ｐｒｏｖｉｄｉｎｇ Ａｎｓｗｅｒｓ Ｔｏ Ｑｕｅｓｔｉｏｎｓ」に記載された、ＩＢＭ（ＩＢＭ社の登録商標）のＤｅｅｐＱＡ技術を含み、この出願は、参照することによりその全体が本明細書に組み入れられる。

上記は、社会的ネットワークのノード間の通信などを含めた該社会的ネットワークを分析し、ノードの間に存在する関係を表すマトリックスを生成し、さらに、ノード間の関係の各タイプ、それらノードが如何にＱＡシステムに関係付けられ得るのか（従属関係の度合い、フォーマリティ度などを含む）、その関係の強さ、並びに、例えば、格納された会話、会話の時間的分析（例えば、時間経過によってどのようにフォーマリティのレベルが変化するか）、関係における各個人の社会的側面に関する情報、および他のファクタなどの包括的な背景情報を識別することによって実装することができる。分析は、例えば、回答の長さ、メッセージに応答するのにかかる相対的な時間、メッセージの内容、および類似のファクタに基づいてもよい。内容は、言語、論調、以前のメッセージとの関連性などについて分析してもよい。ＱＡシステムは、システムが回答を構築する元となる対象材料にアクセスするのと同じ程度に、システムに質疑を提起した個人についての情報におそらくはアクセスできるであろう。

個人およびその個人の他の人との通信の分析を用いて、その個人の社会タイプ（ｓｏｃｉｏｔｙｐｅ）を判定することができる。この情報は、関係の分析を強化するために用いることができ、新しい関係の潜在的強度、または個人の現在の或るグループへの適応性を予測するために用いることが可能である。

前述のように、導出されたマトリックスを用いて、個人間の社会的ネットワークを推測することができる。次いで、方法２００（または図３に示された方法３００）などの本発明の実施形態によって、この推測された情報を使い、ＱＡシステムによって提供された情報を、それらを積極的に求めなかった個人／ノードに提供することが可能である。これは、個人が、自分で必要だと必ずしも認識していない、または迅速に入手する方法を知らない貴重な情報を、個々人に積極的に提供する、有用なツールとなり得る。

したがって、方法２００のエレメントは、ＤｅｅｐＱＡシステムなどのＱＡシステムにも同様に適用が可能で、該システムの質問／回答情報は社会的ネットワークのノードに向けて送付される通信であり、この社会的ネットワークはＱＡシステムのユーザである。ＱＡシステムのコンテクストにおける標的空間には、例えば、質問／回答に関連付けられたキーワード、または対応する標的空間を定義するためのベースとして有用な役割を果たすと考えられ得る、社会的ネットワークのノードの他の特性を含めることが可能である。

ここで図３を参照すると、本開示のさらなる実施形態によって、方法３００は、ネットワーキング・ツール（またはそのセット）およびＤｅｅｐＱＡのユーザの社会的ネットワークを構築する（３０４）ことができる（これに換えて、この社会的ネットワークは、すでに構築されており、方法３００によって単に参照されるようにすることも可能である）。図３に示された実施形態は、ＤｅｅｐＱＡシステムに関連させて説明されているが、これらの説明は、一般に諸ＱＡシステムにも同様に当てはまり、したがって、ＤｅｅｐＱＡ技術だけに限定されるように読み取るべきではない。ＤｅｅｐＱＡとは、ＤｅｅｐＱＡシステムのユーザが提起する質問およびそれに対する回答を含む情報のセットを言い、これは、自動化自然言語質問システムによって編集しておくことができる。この実施形態では、質問および関連する回答が標的空間のポイントを形成し、社会的ネットワークは、対応するネットワーキング・ツール（質問機能などを提供する）のユーザであるノード（個人としてもよい）を含む。

引き続き図３を参照すると、方法３００は、マーケット分析／ＤｅｅｐＱＡ質問分析に基づいて、広告／質問空間を生成する（３０８）ことができる。これには、既存の収集データ（例えば、マーケットについてのデータ、または質問のデータ）、または集められて方法３００中に取り込まれたデータを分析することによって自動的に生成された情報を含めることが可能である。

引き続き図３を参照すると、方法２００およびこれに関して挙げられた事例に関連付けて説明したように、方法３００は、マーケット／ＤｅｅｐＱＡ分析に基づいて、社会的ネットワークを広告／質問空間に挿入する（３１２）ことができる。広告または質問は、社会的ネットワークが、対応する標的空間中にどのように挿入された（３１２）かに従って、社会的ネットワーク中の個人に割り当てる（３１６）ことができる。

方法２００に関連して説明したように、方法３００は、社会的ネットワーク中の個人に対する広告／質問の割り当て（３１６）に基づいて、対応する割り当てエネルギを計算し（３２０）、対応するＵＧ値を計算し（３２４）、エネルギを合計し（３２８）、システムをリラックスさせる（３３２）（すなわち、スプリングがネットワーク中の個人を移動させる）ことが可能である。

方法３００は、これらの計算の結果を評価し、結果が、標的空間の定義パラメータに関して十分かどうか（例えば、関連するコストが容認可能かどうか）を判定することができる（３３６）。十分でない場合、再マッピング（３４０）が必要となり、これは十分なマッピングが作成されるまで行うことが可能である。

計算の結果が十分であれば、方法３００は完了し（３４４）、当該社会的ネットワークに対する広告および予測調査の有用なマッピングに到達したということができる。その後、エラステック・マップのエネルギが、所定の閾値（これは設定可能にすることができる）より低ければ（３４８）、本方法は終了できる（３５２）。そうでない場合、本方法は、新規のまたは変更されたマーケット分析／ＤｅｅｐＱＡ質問分析に基づいて、広告／質問空間を再度生成する（３０８）ことが可能である。

本発明の他の実施形態を用いて、交通警報、企業通信、公表、保健警告、一般の警告、ハウツー情報、ソフトウェア活用の豆知識、および、対応する標的空間に合った社会的ネットワークのメンバーに対する他の形態の通信を提供することが可能である。

次いで図４を参照すると、例示的なクラウド・コンピューティング環境４００が示されている。図示のように、クラウド・コンピューティング環境４００は、一つ以上のクラウド・コンピューティング・ノードを含み、各ノードは、クラウド消費者によって用いられるローカル・コンピューティング・デバイスが通信可能なシステム１００（図１）、例えば、携帯情報端末（ＰＤＡ：ｐｅｒｓｏｎａｌ ｄｉｇｉｔａｌ ａｓｓｉｓｔａｎｔ）または携帯電話４００Ａ、デスクトップ・コンピュータ４００Ｂ、ラップトップ・コンピュータ４００Ｃ、もしくは車載コンピュータ・システム４００Ｎまたはこれらの組み合せなどであり得る。これらノード１００は相互に通信することが可能である。これらは、プライベート、コミュニティ、パブリック、もしくはハイブリッド・クラウドまたはこれらの組み合せなど、一つ以上のネットワークに、物理的にまたは仮想的にグループ化する（図示せず）ことができる。これは、クラウド・コンピューティング環境４００が、クラウド消費者がローカルのコンピューティング・デバイス上にリソースを維持する必要のない、サービスとしてのインフラストラクチャ、プラットフォーム、もしくはソフトウェアまたはこれらの組み合せを提供することを可能にする。当然のことながら、図４に示したコンピューティング・デバイス４００Ａ〜Ｎの種類は例示だけを意図したものであり、コンピューティング・ノード１００およびクラウド・コンピューティング環境４００は、任意の種類のネットワークもしくはネットワーク・アドレス可能な接続またはその両方を介し（例えば、ウェブ・ブラウザを使って）、任意の種類のコンピュータ化デバイスと通信することが可能である。

次いで図５を参照すると、（図４の）クラウド・コンピューティング環境４００によって提供される機能抽象化層のセットが示されている。当然のことながら、図５に示されたコンポーネント、層、および機能は、例示のためだけのものであり、本発明の実施形態はこれらに限定されない。図示のように、以下の層および対応する機能が提供される。

ハードウェアおよびソフトウェア層５１０は、ハードウェアおよびソフトウェア・コンポーネントを含む。ハードウェア・コンポーネントの事例には、メインフレーム、一例としてＩＢＭ（ＩＢＭ社の登録商標）ｚＳｅｒｉｅｓ（ＩＢＭ社の登録商標）システム；ＲＩＳＣ（Ｒｅｄｕｃｅｄ Ｉｎｓｔｒｕｃｔｉｏｎ Ｓｅｔ Ｃｏｍｐｕｔｅｒ（縮小命令セットコンピュータ））アーキテクチャ・ベースのサーバ、一例としてＩＢＭ（ＩＢＭ社の登録商標）ｐＳｅｒｉｅｓ（ＩＢＭ社の登録商標）システム；ＩＢＭ（ＩＢＭ社の登録商標）ｘＳｅｒｉｅｓ（ＩＢＭ社の登録商標）システム；ＩＢＭ（ＩＢＭ社の登録商標）ＢｌａｄｅＣｅｎｔｅｒ（ＩＢＭ社の登録商標）システム；ストレージ・デバイス；ネットワークおよびネットワーキング・コンポーネントが含まれる。ソフトウェア・コンポーネントの事例には、ネットワーク・アプリケーション・サーバ・ソフトウェア、一例としてＩＢＭ（ＩＢＭ社の登録商標）ＷｅｂＳｐｈｅｒｅ（ＩＢＭ社の登録商標）アプリケーション・サーバ・ソフトウェア；およびデータベース・ソフトウェア、一例としてＩＢＭ（ＩＢＭ社の登録商標）ＤＢ２（ＩＢＭ社の登録商標）データベース・ソフトウェアが含まれる。（ＩＢＭ、ｚＳｅｒｉｅｓ、ｐＳｅｒｉｅｓ、ｘＳｅｒｉｅｓ、ＢｌａｄｅＣｅｎｔｅｒ、ＷｅｂＳｐｈｅｒｅ、およびＤＢ２は、世界中の多くの司法管轄区域で登録されているＩｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｂｕｓｉｎｅｓｓ Ｍａｃｈｉｎｅｓ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎの商標である）。

仮想化層５１４は、次の例の仮想エンティティ：例えば、仮想サーバ、仮想ストレージ、仮想プライベート・ネットワークを含む仮想ネットワーク、仮想アプリケーションおよびオペレーティング・システム、並びに仮想クライアントなど、を設けることが可能な抽象化層を提供する。

一例において、管理層５１８は、下記の機能を提供すればよい。リソース・プロビジョニングは、クラウド・コンピューティング環境内のタスクを実施するのに用いられる、コンピューティング・リソースおよび他のリソースの動的調達を提供する。計量および料金設定は、リソースがクラウド・コンピューティング環境内で用いられる際のコストの追跡、およびこれらリソースの消費に対する請求書または使用明細書の作成を提供する。一例において、これらのリソースには、アプリケーション・ソフトウェアのライセンスを含めることができる。セキュリティは、クラウド消費者およびタスクに対する身元確認、並びにデータおよび他のリソースに対する保護を提供する。ユーザ・ポータルは、消費者およびシステム管理者に対し、クラウド・コンピューティング環境へのアクセスを提供する。サービス品質管理は、必要なサービス品質に適合するように、クラウド・コンピューティング・リソースの割り当ておよび管理を提供する。サービス品質保証制度（ＳＬＡ：Ｓｅｒｖｉｃｅ Ｌｅｖｅｌ Ａｇｒｅｅｍｅｎｔ）の計画および達成は、ＳＬＡに従って今後の必要性が予期されるクラウド・コンピューティング・リソースに対する事前の取り決めおよび調達を提供する。

作業負荷層５２２は、クラウド・コンピューティング環境の使用が可能な機能の事例を提供する。この層からの提供が可能な作業負荷および機能の例には、マッピングおよびナビゲーション、ソフトウェア開発およびライフサイクルの管理、仮想教室による教育配信、データ分析処理、トランザクション処理、並びに、例えば図２〜３に関連して説明したものを含め、社会的ネットワークの分析およびこれとの通信、および標的空間のエラステック・マップの計算が含まれる。

本発明を、その好適な実施形態に関連させて具体的に示し説明してきたが、当業者であれば理解しているように、本出願の趣旨および範囲から逸脱することなく、これらの形態および細部に変更を加えることが可能である。したがって、本発明は、本明細書で説明され例示された通りの形態および細部に限定されるものでなく、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。

当業者には当然のことながら、本発明の態様は、システム、方法、またはコンピュータ・プログラム製品として具現化することができる。したがって、本発明の態様は、全体がハードウェアの実施形態、全体がソフトウェアの実施形態（ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む）、あるいは、ソフトウェア態様およびハードウェア態様を組み合せた実施形態の形を取ることができ、これらは、一般に本明細書では全て「モジュール」または「システム」と称されることがある。さらに、本発明の態様は、具現化されたコンピュータ可読プログラム・コードを有する一つ以上のコンピュータ可読媒体（群）中に具現化されたコンピュータ・プログラム製品の形を取ることも可能である。

一つ以上のコンピュータ可読媒体（群）の任意の組み合せを用いることができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読ストレージ媒体とすることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体は、例えば、以下に限らないが、電子的、磁気的、光学的、電磁気的、赤外的、または半導体の、システム、装置、またはデバイス、もしくはこれらの任意の適切な組み合せであり得る。コンピュータ可読ストレージ媒体のさらに具体的な例（非包括的リスト）には、一つ以上の配線を有する電気接続、携帯型コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ（ＲＡＭ：ｒａｎｄｏｍ ａｃｃｅｓｓ ｍｅｍｏｒｙ）、読み取り専用メモリ（ＲＯＭ：ｒｅａｄ−ｏｎｌｙ ｍｅｍｏｒｙ）、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ（ＥＰＲＯＭ：ｅｒａｓａｂｌｅ ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ ｒｅａｄ−ｏｎｌｙ ｍｅｍｏｒｙまたはフラッシュ・メモリ）、光ファイバ、携帯型コンパクト・ディスク読み取り専用メモリ（ＣＤ−ＲＯＭ：ｃｏｍｐａｃｔ ｄｉｓｃ ｒｅａｄ−ｏｎｌｙ ｍｅｍｏｒｙ）、光ストレージ・デバイス、磁気ストレージ・デバイス、または前述の任意の適切な組み合せが含まれよう。本明細書の文脈において、コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、もしくはこれらに関連させて使用するためのプログラムを包含または格納できる任意の有形媒体であり得る。

コンピュータ可読信号媒体は、例えばベースバンド中または搬送波の一部としての、具現化されたコンピュータ可読プログラム・コードを有する伝播データ信号を含み得る。かかる伝播信号は、以下に限らないが、電磁気的、光学的、またはこれらの任意の適切な組み合せを含め、さまざまな形態の任意の形を取ることが可能である。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読ストレージ媒体ではないが、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによって、またはこれらに関連させて使用するためのプログラムの通信、伝播、または伝送が可能な任意のコンピュータ可読媒体であり得る。

コンピュータ可読媒体上に具現化されたプログラム・コードは、以下に限らないが、無線、有線、光ファイバ・ケーブル、ＲＦなど、または前述の任意の適切な組み合せを含め、任意の適切な媒体を用いて送信することができる。

本発明の態様のオペレーションを実行するためのコンピュータ・プログラム・コードは、Ｊａｖａ（Ｒ）、Ｓｍａｌｌｔａｌｋ（Ｒ）、Ｃ＋＋などのオブジェクト指向プログラミング言語、および、“Ｃ”プログラミング言語または類似のプログラミング言語などの従来式手続き型プログラミング言語を含め、一つ以上のプログラミング言語の任意の組み合せで記述することができる。このプログラム・コードは、スタンドアロン・ソフトウェア・パッケージとしてユーザのコンピュータで専ら実行することも、ユーザのコンピュータで部分的に実行することもでき、一部をユーザのコンピュータで一部を遠隔コンピュータで実行することも可能であり、あるいは遠隔のコンピュータまたはサーバで専ら実行することもできる。後者の場合は、ローカル・エリア・ネットワーク（ＬＡＮ）または広域ネットワーク（ＷＡＮ）を含む任意の種類のネットワークを介して、遠隔コンピュータをユーザのコンピュータに接続することもでき、あるいは（例えばインターネット・サービス・プロバイダを使いインターネットを介し）外部のコンピュータへの接続を行うこともできる。

本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置（システム）およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図もしくはブロック図またはその両方を参照しながら説明されている。当然のことながら、フローチャート図もしくはブロック図またはその両方の各ブロック、および、フローチャート図もしくはブロック図またはその両方中のブロックの組み合せは、コンピュータ・プログラム命令によって実装することが可能である。これらのコンピュータ・プログラム命令については、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、またはマシンを形成する他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供し、そのコンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行されるこれらの命令が、フローチャートもしくはブロック図またはその両方のブロックもしくはブロック群中に特定されている機能群／動作群を実装するための手段を生成するようにすることができる。

また、これらのコンピュータ・プログラム命令については、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、または他のデバイスに対し、特定の仕方で機能するよう命令することができるコンピュータ可読媒体に格納し、そのコンピュータ可読媒体に格納された命令が、フローチャートもしくはブロック図またはその両方のブロックまたはブロック群中に特定されている機能／動作を実装する命令群を包含する製造品を作り出すようにすることができる。

さらに、コンピュータ・プログラム命令を、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、または他のデバイスにロードし、そのコンピュータ上、他のプログラム可能装置上、または他のデバイス上で一連のオペレーション・ステップを実行させて、コンピュータ実装されるプロセスを作り出し、当該コンピュータ上もしくは他のプログラム可能装置上で実行される命令が、フローチャートもしくはブロック図またはその両方のブロックもしくはブロック群中に特定されている機能群／動作群を実装するためのプロセスを提供するようにすることも可能である。

これら図面のフローチャートおよびブロック図は、本発明のさまざまな実施形態による、システム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、およびオペレーションを示している。この点に関し、フローチャートまたはブロック図中の各ブロックは、特定の論理機能（群）を実装するための一つ以上の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、またはコードの部分を表し得る。また、一部の別の実装においては、ブロック中に記載された機能が、図面に記載された順序を外れて行われ得ることに留意すべきである。例えば、連続して示された２つのブロックが、関与する機能によって、実際にはほぼ同時に実行されることがあり、時にはこれらのブロックが逆の順序で実行されることもあり得る。なお、ブロック図もしくはフローチャート図またはその両方の各ブロック、およびブロック図もしくはフローチャート図またはその両方中のブロック群の組み合せは、特定の機能または動作を実施する特殊用途ハードウェア・ベースのシステム、または特殊用途ハードウェアとコンピュータ命令との組み合せによっても実装が可能である。

開示された方法のステップ、並びに開示されたシステムおよび環境のコンポーネントは、番号または文字記号を使って順次的にまたは連続的に識別されているが、かかる番号または文字記号の付与は、かかるステップが列挙された順序で遂行されなければならないことを示すものではなく、単に、方法のステップの明瞭な参照を促すために提示されている。さらに、方法のステップは、それらの説明された機能を遂行するために並行して実施することも可能である。

１００ コンピュータ・システム
１１２ コンピュータ／サーバ
１１４ 外部デバイス（群）
１１６ 処理装置
１１８ バス
１２０ ネットワーク・アダプタ
１２２ Ｉ／Ｏインターフェース（群）
１２４ ディスプレイ
１２８ システム・メモリ
１３０ ランダム・アクセス・メモリ
１３２ キャッシュ・メモリ
１３４ ストレージ・システム
１４０ プログラム／ユーティリティ
１４２ プログラム・モジュール

Claims (14)

1. 複数のコンピュータ化されたホスト上のネットワーク中のノードのセットに向けて通信を送付するためのコンピュータ実装される方法であって、前記方法は、
   コンピュータを使って、コンピュータ上のデータの標的空間を定義するステップであって、前記標的空間は複数のポイントおよび設定可能なパラメータのセットを有する、前記定義するステップと、
   コンピュータを使って、前記複数のコンピュータ化されたホスト上の前記ネットワーク中の複数のノードの複数の関係尺度に基づいて、前記標的空間のエラステック・マップを計算するステップと、
   前記標的空間の前記計算されたエラステック・マップの配置に基づいて、前記ネットワーク中の前記複数のノードの或るノードのセットに向けて複数の通信を送付するステップと、
   を含む方法。
2. 前記複数のポイントは、ある企業によって販売に出される製品のセットであり、
   前記標的空間を形成するパラメータは、前記製品中に使われている材料、製品の技術的詳細、もしくは製品の用途またはこれらの組み合せを含む、前記製品の特徴を含む請求項１に記載の方法。
3. 前記ネットワークは、前記ネットワーク中の諸ノードの一つ以上の特性を識別し、記録し、維持し、追跡することができ、これらの特性に基づいて、一つのノードの他の一つ以上のノードに対する関係尺度を解釈し、構成し、または追跡することができる社会ネットワークである請求項１または２に記載の方法。
4. 前記標的空間を定義するステップが、コンピュータと通信しているＱＡ(質疑・応答)データベースから情報を取り入れるステップを含む、請求項１乃至３のいずれかに記載の方法。
5. 前記ネットワーク中の前記複数のノードの前記ノードのセットへの前記複数の通信が、提案された質疑を含む、請求項４に記載の方法。
6. 前記標的空間の前記設定可能なパラメータの一つ以上に変化があることを条件に、または前記ネットワーク中の前記複数のノードの前記複数の関係尺度の一つ以上に変化があることを条件に、前記エラステック・マップを計算するステップが繰り返される、請求項１乃至５のいずれかに記載の方法。
7. 前記標的空間の前記設定可能なパラメータの一つ以上の変化が無視される、請求項６に記載の方法。
8. 前記計算されたエラステック・マップが、前記ネットワークの前記ノードの或る関係尺度を重視する／重視しないことによって、または、前記ネットワーク中の前記複数のノードに対して未定義であった関係尺度によって変更される、請求項１乃至７のいずれかに記載の方法。
9. 前記エラステック・マップを計算するステップが、前記複数のノードの或るサブセットを無視する、請求項１乃至８のいずれかに記載の方法。
10. 前記ネットワークに模擬ノードが付加されてから、前記エラステック・マップが計算される、請求項１乃至９のいずれかに記載の方法。
11. コンピュータによって、前記複数のノードの任意の一つと、前記標的空間中の前記複数のポイントの任意の一つとの間の距離を測定するステップと、
    コンピュータによって、前記ノードと前記標的空間中の前記複数のポイントと間の、前記測定された距離に基づいて、前記ネットワーク中の前記ノードのセット中の各ノードに向けて前記複数の通信を送付するステップと、
    をさらに含む、請求項１乃至１０のいずれかに記載の方法。
12. 前記複数の設定可能なパラメータがコスト・パラメータを含む、請求項１乃至１１のいずれかに記載の方法。
13. 複数のコンピュータ化されたホスト上のネットワーク中のノードのセットに向けて通信を送付するためのシステムであって、前記システムは、
    プロセッサおよびコンピュータ可読ストレージ・デバイスを有するコンピュータと、
    前記プロセッサによる実行のため前記ストレージ・デバイス上に具現化されたプログラムと、
    を含み、前記プログラムは複数のモジュールを有し、前記複数のプログラム・モジュールは、
    複数のポイントおよび設定可能なパラメータのセットを有する標的空間を定義するよう構成された定義モジュールと、
    前記ネットワーク中の複数のノードの複数の関係尺度に基づいて、前記標的空間のエラステック・マップを計算するよう構成された計算モジュールと、
    前記標的空間の前記計算されたエラステック・マップの配置に基づいて、前記ネットワーク中の前記複数のノードの或るノードのセットに向けて複数の通信を送付するよう構成された送付モジュールと、
    を含む、システム。
14. コンピュータにより実行されるコンピュータ・プログラムであり、実行されることにより前記コンピュータに請求項１乃至１２のいずれかに記載の方法を実行させるコンピュータ・プログラム。

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