JP2015117942A - 爪振動計測装置、爪振動モニタリングシステムおよび爪振動フィードバック提示システム - Google Patents

爪振動計測装置、爪振動モニタリングシステムおよび爪振動フィードバック提示システム Download PDF

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Abstract

【課題】人の触感覚を評価するより良い指標となる量を爪から検出するため、爪の振動を計測し触感の評価を行う計測装置を提供する。【解決手段】爪振動計測装置は、可撓性を有する梁状の部材であり、先端に爪と点で接触する爪接触部材を有する爪の振動を計測するための計測部材と、前記計測部材を支持し、かつ、指先に装着されるベース部材と、を備える。さらに、爪振動モニタリングシステムは、爪振動計測装置1と、前記爪計測装置1が計測した前記爪の振動を解析する制御装置4と、前記制御装置4の解析結果を表示するモニタ5と、を備える。爪振動フィードバック提示システムは、爪振動計測装置1と、前記爪振動計測装置の前記計測部材により計測された振動に応じて振動する振動形成部材8と、を備える。【選択図】図13

Description

本発明は、爪の振動を計測する爪振動計測装置、爪振動計測装置の計測結果に応じた表示を行う爪振動モニタリングシステム、および、計測した情報を人に触刺激で提示する爪振動フィードバック提示システムに関する。
製品の触感は、重要な設計パラメータの一つである。しかしながら、その評価は、人の官能評価に頼っていることが多く、またその設計についても、試行錯誤的に行われていることが多い。触感については、人の知覚メカニズムや多様な触感の相互の関係性も明らかになっていないためである。
これまでは、例えば、モノのヤング率や表面粗さといった材料特性から、触感の計測が試みられてきた。あるいは、モノに計測装置を付け、人がモノを触っている時の力や動きを計測して、触感の計測が試みられている。しかしながら、触感の十分な計測には至っていない。
さらに近年では、触感が、モノと人との力学的相互作用に基づき、かつ、ヒトが取得している情報は、自身の指や皮膚の変形に基づくものであるという観点から、例えば、特許文献1では、ヒトの指に似た構造と特性を有し、かつ、ヒトが触覚情報を取得する機械受容器に似た特性を持つセンサ素子を用いた人工指を構成し、当該人工指で、ヒトのようにモノをさわることで、センサ素子で取得された振動情報を基に、触感の計測を試みている。
また、必ずしも触感の計測が目的とは限らないが、ヒトの身体に計測装置を取り付け、ヒトがモノを触っている時の皮膚や指の状態を計測する装置が提案されている。例えば、非特許文献1では、爪の上に圧電素子を貼り付け、爪に発生した振動を計測し、当該指を使用して行っている作業を特定する装置が提案されている。また、特許文献2では、爪の上に歪ゲージを貼り付け、モノを指腹で触った際に指腹に加えられた力を計測している。特許文献3では、爪に、可撓性を有するシートが貼り付けられており、さらにこのシートに歪ゲージを貼付けることで、例えば、スイッチの勘合の感覚の評価が試みられている。また、非特許文献2では、指腹の側面部にマイクフロフォンを取り付け、当該部で生じた振動を計測し、粗さ評価を試みている。
特開2007−333522号公報 特開2001−265522号公報 特開2008−171409号公報
Y. Makino, T. Murao, T. Maeno: "Life log system based on tactile sound," Proc. of EuroHaptics 2010, Part I, LNCS 6191, pp.292-297, 2010. Y. Tanaka, Y. Horita, A. Sano, H. Fujimoto: "Tactile sens- ing utilizing human tactile perception," Proc. of IEEE World Haptics Conference 2011, pp.621-626, 2011.
特許文献1では、人工指で対象を触る。したがって、筆感のような、ペンを把持し筆記を伴いながらの触感など、複雑な指の姿勢あるいは運動を伴う場合は、適応が困難である。人と同様の操作能力を有する人工指を開発する必要がある。
特許文献2、特許文献3、非特許文献1、および、非特許文献2は、人が触りながら触感に関わる情報を得ることができるが、非特許文献2では、センサ素子が指腹の側面部に接触しており、筆記のようなモノを扱いながらの条件では、センサ素子がモノあるいは他の指に触れてしまう可能性があり、使用は困難である。このような理由から、爪の状態を計測することは、モノや他の指との接触を避けやすく有効であり、特許文献2、特許文献3、および、非特許文献1では、爪の振動または変形を計測している。
しかし、特許文献2、特許文献3、および、非特許文献1では、センサ素子が比較的広い面積で爪あるいは爪に沿ったシートに貼付けられているので、センサ素子が爪の3次元的な変形に対応した量を検出することになる。これでは、爪に生じた振動そのものを量的に評価することは困難である。
本願発明者らの検討によれば、このような爪の3次元的な変形に対応した量は、人の触感覚を評価するための指標として必ずしも最適なものではない。なぜなら、爪自体には機械受容器がなく、人は、爪の根元の周囲に存在する機械受容器を通じて、爪への刺激を感じるからである。爪の根元の周囲に存在する機械受容器で得られる刺激が、爪の3次元的な変形をそのまま表している可能性は低いと考えられる。
本発明は上記点に鑑み、人の触感覚を評価するより良い指標となる可能性を有した量を爪から検出するため、従来にない計測装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、可撓性を有する梁状の部材であり、先端に爪と点で接触する爪接触部材(11b)を有する爪の振動を計測するための計測部材(11)と、前記計測部材を支持し、かつ、指先に装着されるベース部材(12)と、を備える爪振動計測装置である。
このように、本願発明者らは、爪接触部材(11b)を爪に点接触させることを着想した。このようになっていることで、爪全体の変形を表す情報は計測部材(11)に伝達されず、単に当該点接触部の振動を表す情報が、計測部材(11)に伝達される。このような情報は、人の触感覚を評価するより良い指標となる可能性を有した量であると考えられる。また、爪振動計測装置は、指に装着されることで、使用物(例えばボールペンなど)の複雑な運動操作にも適応が可能となった。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の爪振動計測装置において、前記計測部材(11)は、圧電材料を含むことを特徴とする。このようにすることで、歪ゲージなどのセンサ素子を用いる場合と比較して、部品点数を少なく、装置の構成を単純にすることができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の爪振動計測装置において、前記ベース部材(12)は、前記指の両側面を押圧して前記指を挟むための挟み部(12b、12c)を有することを特徴とする。このようにすることで、使用者ごとの指のサイズに応じてベース部材(12)のサイズを多数種類用意する必要が少なくなり、かつ、指へのベース部材(12)の固定を強くすることができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の爪振動計測装置において、前記ベース部材(12)は、回転防止部材(12d)を備え、前記回転防止部材(12d)は、前記指に当接することで、当該ベース部材(12)が、前記指に対して、前記挟み部(12b、12c)と前記指との接触位置を中心として、前記爪接触部材(11b)が前記爪から離れる方向に、回転してしまうことを、制限することを特徴とする。
このようになっていることで、指に対するベース部(12a)の姿勢が安定すると共に、爪接触部材(11b)と爪の接触が強固になる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の爪振動計測装置において、前記爪接触部材(11b)のうち、前記爪と接触する箇所の表面は、前記爪の方向に対して凸な曲面となっていることを特徴とする。
このようになっていることで、爪接触部材(11b)と爪の接触面積が個人差に左右され難くなり、安定する。
また、請求項6に記載の発明は、指の爪の振動を計測するための計測部材(11)と、前記計測部材(11)を支持し、かつ、前記指に装着可能なベース部材(12)と、を備え、前記計測部材(11)は、前記爪と点接触するための爪接触部材(11b)と、前記爪接触部材(11b)と接触し、前記爪接触部材(11b)を介して前記爪の振動が伝達されると、伝達された前記振動に応じた信号を出力する検出部(11a)と、を有することを特徴とする爪振動計測装置である。
このように、本願発明者らは、爪接触部材(11b)を爪に点接触させることを着想した。このようになっていることで、爪全体の変形を表す情報は計測部材(11)に伝達されず、単に当該点接触部の振動を表す情報が、計測部材(11)に伝達される。このような情報は、人の触感覚を評価するより良い指標となる可能性を有した量であると考えられる。また、爪振動計測装置は、指に装着されることで、使用物(例えばボールペンなど)の複雑な運動操作にも適応が可能となった。
また、請求項7に記載の発明は、指の爪の振動を計測するための計測部材(11)と、前記計測部材(11)を支持し、かつ、前記指に装着可能なベース部材(12)と、を備え、前記計測部材(11)は、前記爪と接触するための爪接触部材(11b)と、前記爪接触部材(11b)と接触し、前記爪接触部材(11b)を介して前記爪の振動が伝達されると、伝達された前記振動に応じた信号を出力する検出部(11a)と、を有し、前記検出部(11a)は薄膜形状であり、前記爪接触部材(11b)と前記爪の接触面積は、前記検出部(11a)のうち前記ベース部から突出する部分の前記爪に対向する側の面の面積よりも小さいことを特徴とする爪振動計測装置である。
このようになっていることで、例えば、検出部(11a)のうちベース部材(12)から先端方向へ突出している部分を、直接爪に接触させるような場合に比べ、計測部材(11)と爪の接触面積をより狭くすることができる。その結果、爪全体の変形を表す情報は検出部(11a)に伝達され難くなる。従って、検出部(11a)に伝達される振動は、人の触感覚を評価するより良い指標となる可能性を有したものとなる。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の爪振動計測装置(1)と、前記爪計測装置(1)が計測した前記爪の振動を解析する制御装置(4)と、前記制御装置(4)の解析結果を表示するモニタ(5)とを備えた爪振動モニタリングシステムである。このようなシステムにより、使用者が視覚的に計測結果を確認することができる。すなわち、自分が得ている触感の情報と計測結果を容易に対応づけることができる。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の爪振動計測装置(1)と、前記爪振動計測装置の前記計測部材(11)により計測された振動に応じて振動する振動形成部材(8)と、を備えたことを特徴とする爪振動フィードバック提示システムである。このようなシステムにより、計測した情報を、触覚を通じて人に知覚させることができる
人の触感の知覚メカニズムが明らかでないため、爪振動計測装置が計測した情報の解析手法も確立したものはない。そこで、計測した情報を触刺激で人に提示することで、触覚を通じて人に知覚させ、評価が可能となった。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の爪振動フィードバック提示システムにおいて、前記振動形成部材(8)は、人が触れて前記爪の振動のフィードバックを受けるための振動提示部材(82)を有し、前記振動提示部材(82)の形状は、ボールペンの形状とは異なることを特徴とする。
爪振動計測装置(1)を指に装着してボールペンを使用した場合、このように、ボールペンで筆記しているときに爪に発生した振動を、形状がボールペンと異なる形状の振動提示部材(82)で再現することで、却って筆記の触感の差を明瞭に感じることができるようになる場合がある。
また、請求項11に記載の発明は、請求項9または10に記載の爪振動フィードバック提示システムにおいて、前記振動形成部材(8)は、人が触れて前記爪の振動のフィードバックを受けるための振動提示部材(82)を有し、前記振動提示部材(82)の形状は爪の形状とは異なることを特徴とする。
このように、爪に発生した振動を、形状が爪と異なる形状の振動提示部材(82)で再現することで、却って筆記の触感の差を明瞭に感じることができるようになる場合がある。
また、請求項12に記載の発明は、請求項9に記載の爪振動フィードバック提示システムにおいて、前記振動形成部材(8)は、前記計測部材(11)により計測された振動に応じて振動を発生する振動発生部材(81)と、人が触れて前記爪の振動のフィードバックを受けるための部材であり、前記振動発生部材(81)に接触して設けられ、前記振動発生部材(81)の振動が伝達される振動提示部材(82)と、を有することを特徴とする。
このようになっていることで、振動発生部材(81)と振動提示部材(82)の組み合せに応じて、同一の情報でも、様々な触感を提示することができる。
また、請求項13に記載の発明は、請求項10ないし12のいずれか1つに記載の爪振動フィードバック提示システムにおいて、前記振動提示部材(82)は、コップ形状、あるいは筒形状の部材であることを特徴とする。このようになっていることで、計測中に使用者(例えば、ボールペンの筆記者)が感じていた触感とは質的に異なる触感を提示することができる。
また、請求項14に記載の発明は、請求項9ないし13のいずれか1つに記載の爪振動フィードバック提示システムにおいて、前記振動形成部材(8)を複数個有し、前記複数の振動形成部材(8)は、前記爪振動計測装置の前記計測部材(11)により計測された振動に応じて同時に振動することを特徴とする。このようになっていることで、複数人が、触覚を通じて同じフィードバック情報を共有することができる。これは、計測した情報に関する評価や検討を促すことに有効である。
また、請求項15に記載の発明は、請求項9ないし14のいずれか1つに記載の爪振動フィードバック提示システムにおいて、前記計測部材(11)により計測された振動を周波数毎に変換する変換装置(7)を備え、前記振動形成部材(8)は、前記変換装置(7)によって変換された後の振動に応じて振動することを特徴とする。このようになっていることで、爪振動計測装置(1)が計測した情報の評価だけでなく、どのように情報を変えると触感が変化するかも確認することができる。
また、請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の爪振動フィードバック提示システム(100)を用いた道具の製造方法であって、前記爪振動フィードバック提示システム(100)の前記爪振動計測装置(1)を指に装着した上で試作品を前記指で持って使用すると共に、前記変換装置(7)の周波数毎の変換の設定として第1の設定を実現した上で、前記振動形成部材(8)に接触して前記振動形成部材(8)の振動を評価し、前記爪振動計測装置(1)を指に装着した上で前記試作品を前記指で持って使用すると共に、前記変換装置(7)の周波数毎の変換の設定として第2の設定を実現した上で、前記振動形成部材(8)に接触して前記振動形成部材(8)の振動を評価し、道具の使用時に前記爪振動計測装置(1)で計測された振動が、前記試作品を使用して前記爪振動計測装置(1)で計測された振動に比べて、前記第1の設定と前記第2の設定のうち評価の高い方の設定が施された状態になっているよう、前記道具を製造することを特徴とする道具の製造方法である。
このような方法を採用することで、設計変更して新たな試作品を作成する必要なく道具の使用感を予測してボールペンを製造できる。これは,手間の大幅な削減だけでなく、試作品を作成しながら試行錯誤的に製造する場合には見出せない新しいの書き心地(例えばより良い心地良さ)の実現に繋がる。
本発明の第1実施形態における爪振動モニタリングシステム10の全体構成を示す模式図である。 爪振動計測装置1の斜視図である。 爪振動計測装置1の正面図である。 爪振動計測装置1の側面図である。 爪振動計測装置1の底面図である。 爪振動計測装置1の平面図である。 爪振動計測装置1を指20に装着した状態を示す図である。 制御装置4で取得した信号の周波数特性の一例を示すグラフである。 爪振動モニタリングシステム10、加速度センサ、および力センサを同時に用いてボールペンの筆記時に計測を行った際に得られた被験者Aの計測結果である。 爪振動モニタリングシステム10、加速度センサ、および力センサを同時に用いてボールペンの筆記時に計測を行った際に得られた被験者Bの計測結果である。 爪振動モニタリングシステム10、加速度センサ、および力センサを同時に用いてボールペンの筆記時に計測を行った際に得られた被験者Cの計測結果である。 爪振動モニタリングシステム10、加速度センサ、および力センサを同時に用いてボールペンの筆記時に計測を行った際に得られた被験者Dの計測結果である。 第2実施形態に係る爪振動フィードバック提示システム100の全体構成を示す模式図である。 振動形成部材8の外観を示す図である。 ソフトグリップを付けた場合と付けない場合における周波数特性の違いを表すグラフである。 第3実施形態に係る爪振動フィードバック提示システム100の全体構成を示す模式図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る爪振動モニタリングシステム10の構成について説明する。図1に模式的に示すように、本実施形態の爪振動モニタリングシステム10は、爪振動計測装置1、アンプ2、A/Dコンバータ3、制御装置4、およびモニタ5を有している。
爪振動計測装置1は、人の指に装着され、爪に発生した振動に応じたアナログ信号(検出信号)を出力するセンサである。アンプ2は爪振動計測装置1から出力されたアナログ信号を増幅し、A/Dコンバータ3はこの増幅されたアナログ信号をサンプリングしてデジタル信号(デジタル検出信号)として制御装置4に入力する。
制御装置4は、A/Dコンバータ3から入力されたデジタル信号に対して周波数解析等の解析を行い、解析結果をモニタ5に画像で表示させる。制御装置4としては、例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション等のコンピュータを用いることができる。
図2〜図6に、爪振動計測装置1の斜視図、正面図、側面図、底面図、および平面図を示す。なお、以下では、先端方向、反先端方向、横方向、上下方向は、図3〜図6に示した方向とする。爪振動計測装置1は、計測部材11と、ベース部材12と、信号ケーブル13とから構成されている。計測部材11は、可撓性を有する片持ち梁状の部材であるピエゾフィルム11a(検出部の一例に相当する)と、ピエゾフィルム11aに接触し、爪と点接触するための爪接触部材11bとを有している。
ピエゾフィルム11aは、可撓性を有する圧電材料であるシート形状のPVDF(ポリフッ化ビニリデン)の両面に電極膜が形成された圧電素子と、当該圧電素子を電磁的にシールドするために圧電素子を覆う金属フィルムと、金属フィルムおよび電極膜の一方(グラウンドでない方の電極膜)の間の絶縁を確保するために両者の間に挟まれた樹脂テープと、を備えている。なお、金属フィルムと電極膜の他方(グラウンドとなる方)とは導通している。
圧電素子およびピエゾフィルム11aは、ほぼ同じ大きさおよび形状となっており、全体として長方形のフィルム形状(薄膜形状)となっている。本実施形態では、圧電素子およびピエゾフィルム11aは、厚み0.5mm、幅12mm、長さ35mmの形状であるが、この寸法に限られない。
爪接触部材11bは、アクリル製で半球の形状を有しており、その半球の平面部が、ピエゾフィルム11aの先端方向の端部の下方向を向いた面(より具体的には樹脂フィルムの下方向を向いた面)に接着されている。なお、この下方向を向いた面は、爪振動計測装置1を人の指に装着したときに人の爪に対向する側の面となる。本実施形態では、当該半球の直径は4mmであるが、この寸法に限られない。
ただし、爪接触部材11bが爪に接触する部分の面積も、爪接触部材11bがピエゾフィルム11aに接触する部分の面積も、ピエゾフィルム11aの下方向を向いた面全体の面積より遙かに小さく、更には、ピエゾフィルム11aのうちベース部材12から先端方向へ突出している部分の、下方向を向いた面の面積よりも、小さい。このようになっていることで、例えば、ピエゾフィルム11aのうちベース部材12から先端方向へ突出している部分を、直接爪に接触させるような場合に比べ、計測部材11と爪の接触面積をより狭くすることができる。その結果、爪全体の変形を表す情報はピエゾフィルム11aに伝達され難くなる。
ベース部材12は、ピエゾフィルム11aを支持するための樹脂製の部材である。ピエゾフィルム11aの反先端方向側(爪接触部材11bが取り付けられている側の反対側)が、このベース部材12に固定装着されている。ベース部材12は、本体部12aと、2つの指挟み部12b、12cと、回転防止部12dとが一体に形成されている。
本体部12aは、ピエゾフィルム11aを挿入するためのスリットが複数個形成されている樹脂製の部材であり、これらのスリットにピエゾフィルム11aを圧入することで、ピエゾフィルム11aがベース部材12に固定装着される。ピエゾフィルム11aがベース部材12に固定装着された状態で、ピエゾフィルム11aのベース部12から先端方向に突出する長さは7mmであるが、この寸法に限られない。
指挟み部12b、12cは、本体部12aと一体に形成された樹脂製部材であり、本体部12aの先端方向側端部(爪接触部材11bに近い側の端部)の両サイドから、下方向にほぼ真っ直ぐ伸びている。指挟み部12b、12cが本体部12aから下に伸びる長さは、1.5cmあるいはそれより少し大きいか小さい長さである。
図3に示すように、正面から爪振動計測装置1を見ると、本体部12aと2つの指挟み部12b、12cが、下向きの弧形状となっている。より具体的には、下向きのコの字形状となっているが、他の例として、下向きの円弧形状となっていてもよい。これら挟み部12b、12cは、可撓性を有していることで、人の指に爪振動計測装置1が装着される際、人の指の両側面を押圧して当該指を挟むことができるようになっている。
回転防止部12dは、指挟み部12b、12cよりも反先端方向に1cm(あるいはそれより少し大きいか小さい長さ)ずれた位置において、本体部12aから下方向に伸びる板形状の部材である。回転防止部12dが本体部12aから下に伸びる長さは、指挟み部12b、12cが本体部12aから下に伸びる長さよりも、短くなっており、例えば、5mmあるいはそれより少し大きいか小さい長さである。
図7に、この爪振動計測装置1を人の手の指20に装着した状態を示す。なお、装着対象の指は、親指、人差し指、中指、薬指、小指のいずれでもよい。この図に示すように、指挟み部12b(および図示していないが指挟み部12c)ならびに回転防止部12dが、指20の第1関節21よりも指先側(すなわち末節22)かつ爪23よりも指の付け根側に接触するよう、爪振動計測装置1が装着される。
このとき、末節22が、挟み部12b、12cの間に挟まれると共に、可撓性を有する挟み部12b、12cの弾性力によって末節22の両側面が押圧される。したがって、指20の移動または爪振動計測装置1に対する外力が発生した場合も、挟み部12b、12cと末節22との接触位置がずれにくくなる。
また、回転防止部12dの下端が、末節22に当接している。このようになっていることで、ベース部材12を含む爪振動計測装置1が、指20に対して、挟み部12b、12cと末節22との接触位置を中心として、爪接触部材11bが爪23から離れる方向に、回転してしまうことが、制限(より具体的には防止)される。このようになっていることで、指に対するベース部12aの姿勢が安定すると共に、爪接触部材11bと爪23の接触が強固になる。
また、挟み部12b、12cが可撓性を有した弧形状になっていることで、爪振動計測装置1は、ある程度の指の大きさの違いに適応する。つまり、指の大きさがある程度の範囲内なら、爪振動計測装置1を固定装着することができる。その結果、使用者ごとの指のサイズに応じてベース部材12のサイズを多数種類用意する必要が少なくなり、かつ、指へのベース部材12の固定を強くすることができる。
また、爪振動計測装置1が指20に装着された状態で、ピエゾフィルム11aの先端の下側面に固定された爪接触部材11bは、その下端(球面形状になっている)の一点が爪23の根元側に点接触する。ここで、点接触とは、爪のごく狭い一部と接触することをいい、10平方ミリメートル以下の接触ならば、点接触に該当する。
本実施形態では、爪接触部材11bのうち、爪と接触する箇所の表面は、下方向(爪の方向)に対して凸な球面となっているので、爪接触部材11bと爪の接触面積が個人差に左右され難くなり、安定する。仮に、このようになっておらず、爪接触部材11bのうち爪と接触する箇所の表面が、平面であったり、あるいは、上方向に対して凸な形状となっていたりした場合、人の爪の凹凸の個人差に応じて、爪接触部材11bと爪の接触面積が大きく変化する。つまり、爪接触部材11bと爪の接触面積が不安定になる。
なお、爪接触部材11bと爪23とは接着されておらず、ある程度、ピエゾフィルム11aの弾性力を利用して半球が爪に押さえつけられるよう、ピエゾフィルムがしなった状態になるようにして、ベース部12が末節22に固定される。
また、爪23の根元側のうちでも、爪接触部材11bが接触するのは、指20の表面に出ている部分である。なお、ここでいう爪23の根元側とは、爪23上で、爪23の根元側端までの最短距離が爪23の先端までの最短距離よりも短くなるような部分をいう。
信号ケーブル13は、一方の端部で、ピエゾフィルム11aの電極膜に接続しており、他方の端部で、アンプ2に接続されている。アンプ2は、信号ケーブル13を介して爪振動計測装置1からアナログ信号の入力を受ける。
ここで、爪振動モニタリングシステム10の作動について説明する。図7のように指20に爪振動計測装置1が取り付けられた状態で、この指20を使って何らかの作業(例えば、ボールペンで筆記を行う作業)を行うと、その作業に起因して爪23の根元側に発生した振動が爪接触部材11bを介してピエゾフィルム11aに伝達される。この際、爪接触部材11bは爪23の根元側の一点と点接触しているだけなので、爪23全体の変形(振動モード)を表す情報はピエゾフィルム11aに伝達されず、単に当該一点の振動を表す情報のみが、ピエゾフィルム11aに伝達される。その結果、ピエゾフィルム11aで伝達された当該振動に応じた電圧が発生し、その電圧を示すアナログ信号がケーブル13を介してアンプ2に入力される。
このようになっていることで、爪根元に生じた振動を量的に評価できる計測装置を提供することができる。そして、このような振動を表す量は、人の触感覚を評価するより良い指標となる可能性を有した量である。
ピエゾフィルム11aから得られたこのアナログの電圧信号は、アンプ2を介してA/Dコンバータ3に入力され、A/Dコンバータ3からデジタル電圧信号として制御装置4に入力される。制御装置4では、入力されたデジタル電圧信号が示す電圧の情報(以下、計測情報という)を、メモリに記録する。更に制御装置4は、記録した計測情報に対して、FFT(高速フーリエ変換)などの周波数解析をリアルタイムで瞬時に(例えば、0.1秒以内の遅れで)行い、その解析結果を、モニタ5に、瞬時(例えば、0.1秒以内の遅れで)に表示させる。解析結果はリアルタイムで随時更新される。これにより、爪振動モニタリングシステム10の作動中、上記作業(ボールペンでの筆記等)を行っている者が得ている触感に対応させて、計測情報の解析結果を視覚的に表示させることができる。このような構成により、使用者が視覚的に計測結果を瞬時に確認することができる。すなわち、自分が得ている触感の情報と計測結果を容易に対応づけることができる。
図8は、爪振動計測装置1の周波数特性を測定した実験の結果を表している。この実験では、爪振動計測装置1を指に装着するのではなく、設定された振幅および周波数で振動する振動子を爪接触部材11bに押し当てて振動させている。そして、その振動に応じて制御装置4に入力されたデジタル電圧信号の示す電圧値が、図8のようになっている。横軸は、振動子に発生させた振動の周波数であり、縦軸は、制御装置4に入力されたデジタル電圧信号の示す電圧値である。
実験を行った周波数は、10Hzから2kHzの範囲内の周波数である。この範囲は、筆記時の爪23の振動を、爪振動計測装置1を用いて計測した場合の出力値に基づいて、筆記による爪の振動と大きく離れない範囲として推測されたものである。また、実験を行った振動子の振幅は、0.13μm、0.24μm、0.32μmである。
図8に基づけば、爪振動計測装置1の共振周波数は910Hzであり、爪振動計測装置1はこの周波数付近の振動測定には適さない。また、30Hz以下の低周波数の振動は出力信号かが小さく測定が困難である。しかしながら、人が知覚可能な振動刺激は、概ね0Hzから1000Hzまでの周波数の範囲であり、図1で示した爪振動計測装置は、そのほとんどの帯域について、利用可能であることが確認できる。このように、爪振動計測装置1の共振周波数は910Hz以上とすればよい。なお、爪振動計測装置1の共振周波数はピエゾフィルム11aのベース部材12からの先端方向への突出長さや幅、厚み、ヤング率、粘性、質量によって決まる。
図1で示した爪振動計測装置1の有効性を確認するために、次の実験を行った。予備実験において明らかに筆感の異なることが確かめられた2種類のボールペン(ペンX、ペンYとする)を実験に用いた。これらのボールペンの形状は同一で把持部分の直径は約9.6mm、質量は7.0gである。ペンXとペンYは、使用するインクおよびボールが異なり、ペンXは油性インクを用いると共にボール径は0.7mmであり、ペンYはエマルジョンインクを用いてボール径は1.0mmであった。ペンXは重たい筆感、ペンYは滑らかな筆感であった。
筆記の作業を行う被験者は4名(A、B、C、D)であり、各々の年齢は19−22歳であり、全員が男性、右利きであった。各自、一度の試行において紙面上で左右方向に約18cmの直線を筆記した。被験者は利き手の親指に本装置(爪振動計測装置1)を装着した。また、爪振動計測装置1から得られた計測結果(すなわち、制御装置4がモニタ5に出力した解析結果)を、従来の計測装置の計測結果と比較するために、被験者が筆記を行うボールペンには、1軸の加速度センサ(昭和測器、2302B)を設置し、筆記する直線に平行な方向の振動を同時に計測した。さらに、紙面の下には6軸力センサ(ニッタ株式会社、IFS−67M25A25−I40)を設置し、左右方向および鉛直方向(紙面に垂直な方向)の振動も同時に計測した。被験者には自然な筆記で、2本のボールペンの筆感の違いを感じるよう指示した。筆記速度については筆記時間が2秒ほどになるよう指示した。被験者は2本のボールペンについて各5回、計10回の試行を行った。
図9〜図12に、それぞれ被験者A、B、C、Dについて得られた実験結果を示す。各図とも、上から順に爪振動計測装置1、加速度センサ出力、6軸力センサ検出の左右方向の振動、および、6軸力センサ検出の鉛直方向の振動の結果を示す。各ボールペンの5回の試行においてそれぞれ、記録した計測情報に対して、FFTにより周波数解析し、各周波数についてのパワースペクトル密度(PSD)を求め、さらに、5回の試行の平均値を求めた。またさらに、各計測装置で信号の大きさが異なるため、被験者ごとに、ペンX、または、ペンYにおける最大のPSD値で各周波数のPSD値を割り、相対的な評価値を求めた。
図9〜図12に見られるように、爪振動計測装置1を用いた計測結果では、いずれの被験者においても200−400Hzの範囲で振動が大きいことがわかった。また、ペンXとペンYを比べると、4名中3名においてペンYの振動が小さく、明瞭な差異が見られた。一方、加速度センサを用いたボールペンの計測結果での差異は僅かであり、6軸力センサにおいては、差異がほとんど見られなかった。
ボールペンによる爪の振動は、元々はボールペン自体の振動に起因すると考えられる。しかしながら、実験結果からボールペン自体の振動の明瞭な差異は得られなかった。これはヒトの指が機械的フィルタの役割をしており、ボールペンの振動がヒトの指に伝わった結果、ボールペンの違いによる差異が明瞭になったためと考えられる。本実験で使用したボールペンについて、ヒトは筆記時にその触感を区別することができたことからも、ヒトの指や皮膚の機械的フィルタの効果が推測できる。また、250Hz付近の周波数の振動刺激は、ヒトが知覚しやすい。このようなヒトの知覚特性から、図9〜図12の結果を見ると、爪の振動が筆感の形成に寄与している可能性が考えられる。ペンYはペンXと比べて、滑らかな筆感であり、図9〜図12に示した結果では、ペンYの方がペンXより、100−400Hz付近でPSDが小さく、実際の触感との関連性も伺える。この結果に鑑みれば、爪振動計測装置1の共振周波数は、910Hz未満であっても、500Hz以上であれば、ある程度意義のある解析が可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態における爪振動フィードバック提示システム100の全体構成を図13に示す。爪振動フィードバック提示システム100は、第1実施形態と同じ構成の爪振動モニタリングシステム10と、アンプ6と、イコライザ7と、振動形成部材8とを備えている。
アンプ6は、アンプ2から出力されたアナログ電圧信号をアナログのまま、ユーザが設定した増幅率で増幅、維持、または減衰させてイコライザ7に出力する。イコライザ7(変換装置の一例に相当する)は、アンプ6から入力されたアナログ電圧信号の周波数毎の強度を、ユーザの設定に従って変換するまたは維持する電気回路であり、変換後のアナログ信号を振動形成部8に出力する。
図14に、振動形成部8の外観を示す。振動形成部8は、振動発生部材81、振動提示部材82、およびケーブル83を有している。
振動発生部材81は、ケーブル83を介してイコライザ7から入力されたアナログ電圧信号に応じて振動する振動アクチュエータである。具体的には、イコライザ7から入力されたアナログ電圧信号に応じて磁力を発生する電磁石を備えた振動アクチュエータ(例えばスピーカ)であってもよい。
振動提示部材82は、人が触れて爪の振動のフィードバックを受けるための部材であり、振動発生部材81に接触して設けられ、振動発生部材81の振動が伝達されるようになっている。振動提示部材82の形状は、コップ形状であり、そのコップ形状の底の部分で振動発生部材81に接触している。
爪振動フィードバック提示システム100中の爪振動モニタリングシステム10の作動は、第1実施形態と同じである。以下、アンプ6、イコライザ7、振動形成部材8の作動について説明する。
爪振動フィードバック提示システム100の作動中、図7のように指20に爪振動計測装置1が取り付けられた状態で、この指20を使って何らかの作業(例えば、ボールペンで筆記を行う作業)を行った場合、第1実施形態と同様、ピエゾフィルム11aで爪の根元側の振動に応じたアナログ電圧信号が発生し、発生したアナログ電圧信号がアンプ2に入力され、アンプ2からA/Dコンバータ3に出力される。
このとき、アンプ2から出力されたアナログ電圧信号は、アンプ6にも入力され、アンプ6でユーザの設定に応じて増幅、維持、または減衰された後、イコライザ7に入力される。イコライザ7では、上述の通りアンプ6から入力された当該アナログ電圧信号の周波数毎の強度を、ユーザの設定に従って変換または維持して振動形成部材8に出力する。
すると、振動発生部材81は、このアナログ電圧信号に応じた振動を発生し、この振動は、振動提示部材82に伝達され、振動提示部材82が振動する。このとき、被験者が、この振動提示部材82を把持している。
したがって、振動提示部材82を把持している被験者は、爪振動計測装置1によって検出された爪の振動を、振動提示部材82の振動によって体感することができる。このようにして、振動形成部材8は、振動計測装置1により検出された爪23の振動情報を被験者にフィードバック提示することができる。
ここで、爪振動計測装置1で発生した電圧信号は、振動形成部材8に入力されるまで、アナログ信号のままである。このようになっていることで、爪振動計測装置1で発生した電圧信号がデジタル化のためにデジタルサンプリングされることなく、振動形成部材8に入力される。このようになっていることで、デジタルサンプリングによって一部の情報が失われることなく、振動形成部材8が爪23の振動を再現(フィードバック提示)することができる。
なお、この被験者は、上記作業(例えば、ボールペンで筆記を行う作業)を行っているユーザであってもよいし、または別のユーザであってもよい。前者の場合、例えば、当該ユーザが、一方の手の指に爪振動計測装置1を装着してボールペンで筆記を行い、爪振動計測装置1を装着していない側の手で振動提示部材82を把持し、このフィードバック提示を受けることもできる。
本実施形態における爪振動フィードバック提示システム100の有効性を確認するために、次の実験を行った。筆記時の触感がやや異なるボールペンを2本準備し、爪振動フィードバック提示システム100を用いて、それぞれのボールペン筆記時に爪振動計測装置1を用いて得られた信号を、爪振動計測装置1を指に装着するユーザ、または、他のユーザにフィードバック提示した。その結果、コップ形状の振動提示部材82を有する振動形成部8から得られた触感は、筆記時にボールペンから得られる触感とは質的に異なる触感となっていた。さらに、用意した2本のボールペンの触感の差異について、筆記時にボールペンから得られる触感よりも、振動形成部8から得られた触感の方が明瞭に感じられた。なお、別の例として、振動提示部材82の形状を、有底ではない筒形状とした場合も、2本のボールペンの触感の差を明瞭に感じることができた。
人は触感の知覚において、状況に左右される。例えば、同じ形状のコップを二つ準備し、一方のコップの底にマイクロフォンを貼り付け、もう一方には、振動アクチュエータを貼り付ける。マイクロフォンを貼り付けたコップの中でガラス玉を転がし、もう一方の振動アクチュエータを貼り付けたコップを手に持ち、マイクロフォンで得られた信号を振動アクチュエータに送ると、当該コップについて、ガラス玉がないにも関わらず、あたかもガラス玉がコップの中で回っているような触感を感じることができる。しかしながら、この組み合せを変えて、例えば、振動アクチュエータを貼り付けたコップを、振動アクチュエータを中に埋込んだ箱にすると、ガラス玉が回っているような触感を感じることができない。このように、ボールペンを把持し筆記している状況と異なる状況(上記では、コップ)で、フィードバック提示を行うことで、異なる知覚が生まれる場合がある。これは、量的あるいは質的に異なる触感に変換して、その評価を可能にするものであり、分析を多角的に、かつ、深めることに繋がり、評価に有効である。
したがって、本実施形態においても、ボールペンで筆記しているときに爪に発生した振動を、形状および性質がボールペンとも爪とも全く異なるコップ形状の振動提示部材82で再現することで、却って筆記の触感の差を明瞭に感じることができるようになったと考えられる。特に、コップ形状の物体のうちでも、紙コップを振動提示部材82として用いることで、筆記の触感の差を顕著に感じることができた。これは、ボールペンで筆記して いるときに爪に発生した振動と、コップとの相性が良いからだと推測される。また、振動発生部材81と振動提示部材82が別々に設けられているので、これらの組み合わせを変化させることで、同一の情報でも、様々な触感を提示することができる。
また、ボールペンの筆記時の触感について、爪振動フィードバック提示システムを用いて、爪振動計測装置を用いて得られた信号について、イコライザ7を介して、高周波数(10kHzおよびその周辺)、低周波数(100Hzおよびその周辺)、の信号を減衰させ、高周波数と低周波数の間の中周波数(2.5kHzおよびその周辺)の信号を増幅させ、コップ状の振動提示部材82を用いた振動形成部材8でフィードバック提示した。すると、上記のように信号を変換した場合としない場合とでは、提示された触感が異なり、上記のように変換した場合、より心地の良いものとなった。具体的には、ゴリゴリ感のような触感が減少し、全体的に振動は感じるが、滑らかに感じられた。したがって、計測した情報の評価だけでなく、どのように情報を変えると触感が変化するかも確認することができる。これは、どのような触感を設計するか検討するための有用な情報となると考えられる。
例えば、ユーザが爪振動計測装置1を指に装着し、あるボールペンにソフトグリップを付けた状態で筆記を行った場合における、制御装置4の周波数解析の結果が、図15の点線となった。また、そのボールペンからソフトグリップを外した状態で筆記を行った場合における、制御装置4の周波数解析の結果が、図15の実線となった。この実験結果によれば、ソフトグリップを付けた場合は、ソフトグリップを付けない場合に比べ、ある特定の境界周波数(図15の例では200Hz)よりも高い帯域ではPSDが低下し、当該境界周波数よりも低い帯域ではPSDが上昇する傾向にある。
この傾向に基づいて、本実施形態の爪振動フィードバック提示システム100を用いて、ボールペンの設計に反映することができる。具体的には、あるソフトクリップなしのボールペンを試作し、爪振動フィードバック提示システム100を用いて、そのボールペンで筆記しているときに指の爪の根元に発生した振動を爪振動計測装置1で検出して振動形成部材8でフィードバック提示させる。
具体的には、まず、イコライザ7を操作して、どの周波数も増幅も減衰もさせずに維持するよう設定する。このような周波数毎の変換の設定を第1の設定Aとする。第1の設定Aを実現した上で、振動提示部材82を把持し、振動形成部材8がフィードバック提示した振動を体感および評価する。このときに受ける感覚を感覚Aとする。
次に、イコライザ7を操作して、上記境界周波数よりも低い帯域を増幅させると共に、上記境界周波数よりも高い帯域を減衰させるよう設定する。このような周波数毎の変換の設定を第2の設定Bとする。第2の設定Bを実現した上で振動提示部材82を把持し、振動形成部材8がフィードバック提示した振動を体感および評価する。このときに受ける感覚を感覚Bとする。もし感覚Aよりも感覚Bの書き心地(使用感)が心地よく滑らかならば(すなわち、評価がより高ければ)、このボールペンにはソフトグリップを付けて製造および販売した方がよいと判断し、実際そのようにする。その結果、ソフトグリップを付けて製造されたボールペンは、イコライザ7で変換されずとも、使用時に爪振動計測装置1で計測(検出)された振動が、試作品のボールペンを使用して爪振動計測装置1で計測(検出)した振動に比べて上記設定Bの変換が施されたものとなっている。
このようにすることで、実際に試作品にソフトグリップを付けて書き心地を試す必要なく、ソフトグリップを付ければよいのか付けない方がよいのかが明らかになる。なお、上記の例では、ソフトグリップを付けるか付けないかという、比較的容易に変更可能な設計を例に挙げて説明したが、それをもっと変更が容易でない設計(例えば、ボールペンの太さ、形状等)に置き換えた例では、設計変更して新たな試作品を作成する必要なく書き心地(使用感)を予測し、より良い書き心地のボールペンを製造および販売できることは、手間の大幅な削減に繋がる。また、手間の大幅な削減だけでなく、試作品を作成しながら試行錯誤的に製造する場合には見出せない新しいの書き心地(例えばより良い心地良さ)の実現に繋がる。
なお、このような爪振動フィードバック提示システム100を利用した製品の製造方法は、ボールペンに限らず、人が指で持って使用する道具(筆記具等)なら、どのような物にでも適用可能である。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、第2実施形態との違いについて説明する。図16に、本実施形態における爪振動フィードバック提示システム100の全体構成を示す。本実施形態の爪振動フィードバック提示システム100が第2実施形態と異なるのは、図16に示すように、振動形成部材8に加え、振動形成部材8と同じ構成および機能を有する振動形成部材8a、8b、8cが、イコライザ7に接続されている点である。他の構成は、第2実施形態と同じである。
イコライザ7は、上述の通りアンプ6から入力された当該アナログ電圧信号の周波数毎の強度を、ユーザの設定に従って変換または維持して、これら複数個の振動形成部材8、8a、8b、8cに、同時に出力する。したがって、各振動形成部材8、8a、8b、8cは、このアナログ電圧信号に応じた振動を同時に提示する。
本実施形態における爪振動フィードバック提示システム100の使用方法および作動は、各振動形成部材8、8a、8b、8cの振動提示部材82の各々が、異なる人によって把持されること以外は、同じである。
このようになっていることで、あるユーザがボールペンで筆記しているときの爪の振動が、各振動形成部材8、8a、8b、8cの振動提示部材82を把持している複数人に同時にフィードバック提示されることになる。したがって、触覚を通じて同じフィードバック情報を複数人が共有することができる。触感は、表現も難しく、定量的に情報伝達する手法も十分確立できていないため、実際の体感を通じて、複数人が触感を共有できる方法は、計測した情報に関する評価や検討を促すことができ、有効である。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。例えば、以下のような変形例も許容される。なお、以下の変形例は、それぞれ独立に、上記実施形態に適用および不適用を選択できる。すなわち、以下の変形例のうち任意の組み合わせを、上記実施形態に適用することができる。
(変形例1)
第3実施形態においては、イコライザ7を1個だけ設けて、それをすべての振動形成部材8、8a、8b、8cに接続しているが、必ずしもこのようにしなくてもよい。例えば、イコライザ7も振動形成部材8、8a、8b、8cと同数だけ用意し、それらを振動形成部材8、8a、8b、8cと1対1に接続してもよい。このようにすることで、振動形成部材8、8a、8b、8cの周波数毎の増幅、維持、減衰を、独立に設定することができる。この場合は、それら複数個のイコライザ7が、アンプ6に接続されていることになる。
(変形例2)
上記各実施形態では、爪振動モニタリングシステム10または爪振動フィードバック提示システム100を1個だけ用意し、爪振動計測装置1を1本の指のみに装着し、その指のみについて、爪の振動を取得し、周波数解析またはフィードバック提示している。
しかし、必ずしもこのようにする必要はない。爪振動モニタリングシステム10または爪振動フィードバック提示システム100を複数個用意し、爪振動計測装置1を同じ手の3本の指(親指、人差し指、中指)に装着し、それら3本指について、爪の振動を取得し、周波数解析またはフィードバック提示するようになっていてもよい。
なお、本変形例においては、アンプ2、A/Dコンバータ3、制御装置4、アンプ6、イコライザ7のうち全部または一部は、複数個の爪振動モニタリングシステム10または複数個の爪振動フィードバック提示システム100の間で共有されていてもよい。
また、振動提示部材82も、複数個の爪振動フィードバック提示システム100の間で共有されていてもよい。具体的には、1個の紙コップから成る振動提示部材82の底面の3箇所に、異なる3つの振動発生部材81が取り付けられ、それぞれの動発生部材81が異なる3つの爪振動フィードバック提示システム100の一部であるようになっていてもよい。この場合、それぞれの振動発生部材81が、異なる3つの爪振動計測装置1で検出された振動を、同じ1つの振動提示部材82に伝達する。このようにすることで、振動提示部材82を把持する人が、より実際のボールペンの触感覚に近い感覚を体験することができる可能性がある。
また、1個の紙コップを3つに分離したそれぞれが、異なる3つの爪振動フィードバック提示システム100の振動提示部材82となっていてもよい。この場合、3つの爪振動フィードバック提示システム100の各振動発生部材81が、それら3つに分離された紙コップ片のそれぞれに取り付けられていてもよい。この場合も、これら3つに分離された紙コップの全部を片手で把持する人が、より実際のボールペンの触感覚に近い感覚を体験することができる可能性がある。
(変形例3)
上記各実施形態では、検出部の一例として、ピエゾフィルム11aが用いられている。しかし、検出部としては、爪接触部材11bを介して伝達された爪の振動に応じた信号を出力するような部材であれば、ピエゾフィルム11a以外の部材を採用してもよい。例えば、ピエゾフィルム11aに代えて歪ゲージを検出部として用いてもよい。なお、歪ゲージなどのセンサ素子を用いる場合と、ピエゾフィルム11aを用いる場合とを比較すると、後者の方が部品点数を少なく、装置の構成を単純にすることができる。
(変形例4)
上記実施形態では、爪接触部材11bのうち、爪と接触する箇所の表面は、下方向(爪の方向)に対して凸な球面となっているので、爪接触部材11bと爪の接触面積が個人差に左右され難くなり、安定する。しかし、このような効果のためには、必ずしも当該箇所の表面は球面でなくともよく、下方向(爪の方向)に対して凸な曲面であれば、どのようなものでもよい。
また、何らかの理由で、爪接触部材11bと爪の接触面積が個人差に左右され易くてもよい場合には、当該表面が、平面であったり、あるいは、上方向に対して凸な形状となっていたりしてもよい。
(変形例4)
上記第1、第3実施形態では、爪振動計測装置1を指に装着し、その指で行う作業としては、ボールペンを用いた筆記のみしか例示されていないが、道具をその指で持って行う作業ならば、道具の種類は問わない。例えば、上記作業としては、ボールペン以外の筆記具を用いた筆記であってもよい。
1 爪振動計測装置
4 制御装置
5 モニタ
7 イコライザ(変換装置)
8、8a、8b、8c 振動形成部材
10 爪振動モニタリングシステム
11 計測部材
11a ピエゾフィルム(検出部)
11b 爪接触部材
12 ベース部材
12b、12c 挟み部
12d 回転防止部材
100 爪振動フィードバック提示システム

Claims (16)

  1. 可撓性を有する梁状の部材であり、先端に爪と点で接触する爪接触部材(11b)を有する爪の振動を計測するための計測部材(11)と、
    前記計測部材を支持し、かつ、指先に装着されるベース部材(12)と、を備える爪振動計測装置。
  2. 前記計測部材(11)は、圧電材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の爪振動計測装置。
  3. 前記ベース部材(12)は、前記指の両側面を押圧して前記指を挟むための挟み部(12b、12c)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の爪振動計測装置。
  4. 前記ベース部材(12)は、回転防止部材(12d)を備え、前記回転防止部材(12d)は、前記指に当接することで、当該ベース部材(12)が、前記指に対して、前記挟み部(12b、12c)と前記指との接触位置を中心として、前記爪接触部材(11b)が前記爪から離れる方向に、回転してしまうことを、制限することを特徴とする請求項3に記載の爪振動計測装置。
  5. 前記爪接触部材(11b)のうち、前記爪と接触する箇所の表面は、前記爪の方向に対して凸な曲面となっていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の爪振動計測装置。
  6. 指の爪の振動を計測するための計測部材(11)と、
    前記計測部材(11)を支持し、かつ、前記指に装着可能なベース部材(12)と、を備え、
    前記計測部材(11)は、
    前記爪と点接触するための爪接触部材(11b)と、
    前記爪接触部材(11b)と接触し、前記爪接触部材(11b)を介して前記爪の振動が伝達されると、伝達された前記振動に応じた信号を出力する検出部(11a)と、を有することを特徴とする爪振動計測装置。
  7. 指の爪の振動を計測するための計測部材(11)と、
    前記計測部材(11)を支持し、かつ、前記指に装着可能なベース部材(12)と、を備え、
    前記計測部材(11)は、
    前記爪と接触するための爪接触部材(11b)と、
    前記爪接触部材(11b)と接触し、前記爪接触部材(11b)を介して前記爪の振動が伝達されると、伝達された前記振動に応じた信号を出力する検出部(11a)と、を有し、
    前記検出部(11a)は薄膜形状であり、
    前記爪接触部材(11b)と前記爪の接触面積は、前記検出部(11a)のうち前記ベース部から突出する部分の前記爪に対向する側の面の面積よりも小さいことを特徴とする爪振動計測装置。
  8. 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の爪振動計測装置(1)と、
    前記爪計測装置(1)が計測した前記爪の振動を解析する制御装置(4)と、
    前記制御装置(4)の解析結果を表示するモニタ(5)と、を備えた爪振動モニタリングシステム。
  9. 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の爪振動計測装置(1)と、
    前記爪振動計測装置の前記計測部材(11)により計測された振動に応じて振動する振動形成部材(8)と、を備えたことを特徴とする爪振動フィードバック提示システム。
  10. 前記振動形成部材(8)は、人が触れて前記爪の振動のフィードバックを受けるための振動提示部材(82)を有し、
    前記振動提示部材(82)の形状は、ボールペンの形状とは異なることを特徴とする請求項9に記載の爪振動フィードバック提示システム。
  11. 前記振動形成部材(8)は、人が触れて前記爪の振動のフィードバックを受けるための振動提示部材(82)を有し、
    前記振動提示部材(82)の形状は、爪の形状とは異なることを特徴とする請求項9または10に記載の爪振動フィードバック提示システム。
  12. 前記振動形成部材(8)は、前記計測部材(11)により計測された振動に応じて振動を発生する振動発生部材(81)と、
    人が触れて前記爪の振動のフィードバックを受けるための部材であり、前記振動発生部材(81)に接触して設けられ、前記振動発生部材(81)の振動が伝達される振動提示部材(82)と、を有することを特徴とする請求項9に記載の爪振動フィードバック提示システム。
  13. 前記振動提示部材(82)は、コップ形状、あるいは筒形状の部材であることを特徴とする請求項10ないし12のいずれか1つに記載の爪振動フィードバック提示システム。
  14. 前記振動形成部材(8)を複数個有し、
    前記複数の振動形成部材(8)は、前記爪振動計測装置の前記計測部材(11)により計測された振動に応じて同時に振動することを特徴とする請求項9ないし13のいずれか1つに記載の爪振動フィードバック提示システム。
  15. 前記計測部材(11)により計測された振動を周波数毎に変換する変換装置(7)を備え、
    前記振動形成部材(8)は、前記変換装置(7)によって変換された後の振動に応じて振動することを特徴とする請求項9ないし14のいずれか1つに記載の爪振動フィードバック提示システム。
  16. 請求項15に記載の爪振動フィードバック提示システム(100)を用いた道具の製造方法であって、
    前記爪振動フィードバック提示システム(100)の前記爪振動計測装置(1)を指に装着した上で試作品を前記指で持って使用すると共に、前記変換装置(7)の周波数毎の変換の設定として第1の設定を実現した上で、前記振動形成部材(8)に接触して前記振動形成部材(8)の振動を評価し、
    前記爪振動計測装置(1)を指に装着した上で前記試作品を前記指で持って使用すると共に、前記変換装置(7)の周波数毎の変換の設定として第2の設定を実現した上で、前記振動形成部材(8)に接触して前記振動形成部材(8)の振動を評価し、
    道具の使用時に前記爪振動計測装置(1)で計測された振動が、前記試作品を使用して前記爪振動計測装置(1)で計測された振動に比べて、前記第1の設定と前記第2の設定のうち評価の高い方の設定が施された状態になっているよう、前記道具を製造することを特徴とする道具の製造方法。
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