JP2015115480A - 発光装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】白色LEDデバイスなどとして用いられる発光装置において、蛍光体量のばらつきに対して、光特性のばらつきを抑制し、歩留りを向上する。【解決手段】青色LED素子5の光取り出し面上に、黄色系蛍光体であるYAG系蛍光体粉末を含有した蛍光体含有フィルムを積層する。その後、所望の色温度となるように、ダイサーによって溝を形成し、透明領域3と蛍光体含有領域2とに分割する。したがって、蛍光体層の出光面から出るトータル光は、蛍光体含有領域2からのブロードな黄色系の光および青色光と、透明領域3からの青色光とによって構成されることになり、色温度は、蛍光体含有領域2の黄色系蛍光体の濃度と、透明領域3の溝の幅および数とに依存する。こうして、所望の色温度を得つつも、蛍光体含有領域2の濃度は高濃度で、濃度ばらつきに対する色温度のばらつきは小さく、歩留りを向上することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、LED照明等に用いられる発光装置及びその製造方法に関し、前記発光装置としては、特に青乃至紫色の光を発する半導体発光素子と、その青乃至紫色の光を白色光に変換する蛍光体とを備えて構成されるものに関する。
近年、LEDなどの半導体発光素子を用いた照明装置が実用化され、白熱電球や蛍光灯をはじめ、水銀灯やハロゲン灯をも置き換えつつある。その理由は、必要な輝度を低消費電力で得られ、地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出量を大幅に削減できるエコ商品の切り札となるからである。例えば、60W級の白熱電球と同等の輝度は、9WのLED電球で実現できている。以下、LEDのチップを素子と言い、パッケージされた部品をデバイスと言い、上記LED電球のように製品レベルを装置と言うが、特許請求の範囲および実施形態では、デバイスを発光装置と称している。
このように、すべての照明装置がLED照明装置に代われば、二酸化炭素排出量の削減目標は容易に達成できるのであるが、これを阻んでいるのが、LED照明装置と従来の照明装置との価格差がまだ大きいことである。寿命を考慮すれば、その価格差はかなり小さくなっているものと見なすことができ、また特殊な場所の照明には、前記白熱電球や蛍光灯などの発光素子を交換する人件費も削減できるため、LED照明装置に置き換えられつつある。しかしながら、最もニーズの多い一般の照明装置には、初期の価格差がまだ大きいため、普及を妨げている。
ここで、LED照明装置を高価にしている原因は、大きく分けると2つあり、第1は、LED素子の駆動電源が直流の定電流電源で、交流からの変換器が必要になること、第2は、白色LEDデバイス自体が高価であることである。白色LEDデバイスを高価にしている原因は、材料費が高いことと、歩留りが悪いことである。白色LEDデバイスの材料費は、割合が高い順に、パッケージ、LED素子、蛍光体、樹脂の順である。また、白色LEDデバイスの歩留りを悪くしている主要因は、色度または色温度の歩留り、つまり目標の色度を出すための良品率が、蛍光体の量のバラツキなどで、悪くなることである。白色LEDデバイスを販売している各社は、この観点から、価格を下げるために努力を払っている。
その1つの例として、特許文献1に示されているような、CREE社の取り組みがある。その取り組みによれば、従来は、パッケージに青色光を発するLED素子を実装した後に、蛍光体粉末を混ぜた樹脂でパッケージ内を封じることにより、白色LEDデバイスが製造されていたが、これでは、デバイスの色度検査でNGとなった時は、パッケージも含めたデバイス全体がNGとなり、一番高価なパッケージまでが捨てられることになっていた。そこで、特許文献1では、図13(a)(b)に示すように、LED素子139のワイヤーボンドパッド131を除く光取り出し面、もしくはLED素子139の側面まで含めて、蛍光体層138を形成し、白色LED素子130としている。その白色LED素子130を、図13(c)で示すように、基板133に搭載し、ワイヤー135をボンディングし、透明樹脂レンズ134で封止して、白色LEDデバイス132が構成されている。
この場合、色度検査は、白色LED素子130の段階で行うことができ、不良品を除外することで、基板133および透明樹脂レンズ134で構成される高価なパッケージが破棄されることがなくなり、さらに、白色LED素子130の表面の範囲でしか蛍光体が使用されないので、蛍光体の節約にもなる。さらに、白色LED素子130の点光源で色度が決定されるので、白色LEDデバイス132の指向角による色度のバラツキも改善される。
そして、同じような取り組みは、特許文献2や3でも行われている。特許文献2では、図14(a)に示すように、蛍光体チップ141をLEDチップ(素子)に透明樹脂で接着させたチップ組立体142として、パッケージにフリップチップ方式で実装したり、また別の例では、ワイヤーボンディング方式(電極面を上にして実装し、基板との結線はワイヤーボンディングで行う方式)で実装したりして、LED発光デバイス140が構成されている。
また、特許文献3では、図14(b)に示すように、実装部(電極部)にバンプ146を有するLED素子(チップ)のバンプ先端部以外を、蛍光体粉末を混ぜた樹脂で被覆して、構造体147にし、バンプ部に導電性接着剤を用いて、反射壁148を持つキャビティに実装し、透明樹脂149で封止して、LED発光デバイス145を構成している。これら2つの特許文献2,3も、特許文献1と同様な問題の改善を目的とした例である。
つまり、上記の特許文献1、2、及び3は、最終段階での色度検査による不良品選別から、より前の段階での色度検査による不良品選別を実施し、材料費の削減や蛍光体の節約、および点発光体とすることによる指向角の違いによる色度のバラツキ改善を目的として、言わば、白色LEDデバイスの概念を示すものである。この白色LEDデバイスは、白色LED素子のワイヤーボンドパッド部やバンプ部を除いて、白色LED素子の光取り出し面上(側面も含む場合もある)に蛍光体層を形成している。
そして、その蛍光体層は、透明樹脂中に一定の濃度で蛍光体粉末を混合し、ペースト状にしたものを層状に硬化させたものである。白色LED素子の色温度や演色性は、主に、蛍光体の種類で決まるが、一般的に、高輝度の白色光は、青色光を発するLED素子と黄色系蛍光体を、電球色相当の光は、青色光を発するLED素子と、黄色系と赤色系を混合した蛍光体を、高演色の光は、青色光を発するLED素子と、緑色系と赤色系を混合した蛍光体を用いている。
ここで、非特許文献1にも示されているように、白色LED素子を目的の色温度や演色性の光とするためには、蛍光体の種類の選択とともに、その濃度や層厚を調整しなくてはならない。しかしながら、白色LED素子を製造する製造過程では、蛍光体量のばらつき(蛍光体濃度のばらつき)や層厚のばらつきが生じ易く、色温度などに大きなばらつきが生じている。その結果、その白色LED素子を使用した白色LEDデバイスを複数個用いて1つの面を照らすようなウォールウォッシャーやコーブ照明などでは、白色LEDデバイス毎の色の違いが見え易く、違和感を覚えるだけでなく、クレームの原因になることもある。
そのため、現在では、色温度などのばらつきが少ない白色LEDデバイスを得るために、完成品の色温度などの光特性を測定して、適合品を選別する方法が用いられている。しかしながら、この方法では、白色LEDデバイスの不適合品の数が減らず、コスト低減に繋がらないといった課題がある。
建築コスト研究 No.78 2012.7 P40
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、特に、白色LEDデバイスの蛍光体層に起因する製造過程での色温度などの光特性のばらつきを極力抑えることができ、特性も向上する白色LEDデバイスの構造及び製造方法を提示し、さらにそれらを用いた安価な発光装置を提供することを目的とする。
本発明の発光装置は、青乃至紫色の光を発する半導体発光素子と、該半導体発光素子の光取り出し面の上に配置され、該半導体発光素子の光で励起されて、固有の光を発する蛍光体層からなる発光装置において、前記蛍光体層は、層面と垂直な断面によって、層面方向に複数に分割されており、分割された各領域は、蛍光体粉末が、含有されている蛍光体含有領域と、含有されていない透明領域とが混在していることを特徴とする。
上記の構成によれば、青乃至紫色の光を発する半導体発光素子からの光を、蛍光体層で白色光に変換して出力する白色LEDデバイスとして実現される発光装置において、前記蛍光体層における蛍光体量のばらつきに対して、色温度などの光特性のばらつきは、或る濃度を境に急激に増加する。つまり、前記或る濃度を境に、光特性が、敏感な蛍光体の配合領域と、鈍感な蛍光体の配合領域とに分かれる。この点に着目し、本発明の発光装置は、前記蛍光体層を、層面と垂直な断面によって、層面方向に複数に分割し、蛍光体粉末が含有されている蛍光体含有領域と、含有されていない透明領域とを混在させる。
したがって、蛍光体量のばらつきに対して、光特性のばらつきを大幅に抑制することができ、歩留りを向上することができる。
また、本発明の発光装置では、前記蛍光体含有領域は、緑色系蛍光体含有領域、黄色系蛍光体含有領域、および赤色系蛍光体含有領域の内の2種類以上で構成され、前記2種類以上の蛍光体含有領域からの固有の光と、前記透明領域からの青乃至紫色の光とを光の構成要素として含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、緑色系蛍光体含有領域、黄色系蛍光体含有領域、および赤色系蛍光体含有領域の内の2種類以上の蛍光体含有領域をもつ分離型蛍光体層に前記鈍感な配合領域の蛍光体層を用い、前記透明領域と混在させて蛍光体層を形成する。
したがって、演色性がRa=90以上で、5000K以上の白色から電球色の白色LEDデバイスにおいて、色温度のばらつきを抑え、歩留りを向上することができる。
さらにまた、本発明の発光装置では、前記蛍光体粉末は黄色系蛍光体であり、前記蛍光体含有領域からの黄色系の光と、前記透明領域からの青乃至紫色の光とを光の構成要素として含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、黄色系蛍光体含有領域として、前記鈍感な配合領域の蛍光体層を用い、前記透明領域と混在させて蛍光体層を形成する。
したがって、演色性がRa=70台で高輝度の白色LEDデバイスに用いられ、図6から明らかなように、特に色温度が5000K以上の白色LEDデバイスにおいて、色温度のばらつきを抑え、歩留りを向上することができる。
また、本発明の発光装置では、前記蛍光体粉末は、緑色系蛍光体、黄色系蛍光体、および赤色系蛍光体の中から2種類以上を混合した混合蛍光体であり、前記蛍光体含有領域からの混合蛍光体固有の光と、前記透明領域からの青乃至紫色の光とを光の構成要素として含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、緑色系蛍光体、黄色系蛍光体、および赤色系蛍光体の中から2種類以上を混合した混合蛍光体含有領域として、前記鈍感な配合領域の蛍光体層を用い、前記透明領域と混在させて蛍光体層を形成する。
したがって、演色性がRa=80台で、5000K以上の白色から電球色の白色LEDデバイスにおいて、色温度のばらつきを抑え、歩留りを向上することができる。
さらにまた、本発明の発光装置では、前記蛍光体含有領域の蛍光体濃度は、青色の光が該蛍光体含有領域を通過した発光スペクトルにおいて、青色の光のピークの高さが蛍光体の固有の光のスペクトルの高さの半分以下となる蛍光体濃度であることを特徴とする。
上記の構成によれば、蛍光体粉末の配合量のばらつきで、従来の白色LEDデバイスの色温度が敏感に変化する蛍光体の配合領域は、図7のように青色の光のピークが高く残る蛍光体濃度であり、鈍感な配合領域は、図8のように青色の光のピークが蛍光体固有の光のピークの半分以下(好ましくは4分の1以下)の高さになる蛍光体濃度である。このように蛍光体濃度の数値は、蛍光体の種類で大きく異なるので、白色LEDデバイスを実現する場合、青色の光のピークの高さで判断するのが適切である。前記の図8は、黄色系蛍光体(YAG蛍光体)のデータであるが、他の蛍光体(緑色系蛍光体、赤色系蛍光体、他の黄色系蛍光体、または混合蛍光体、たとえば電球色に用いられる黄色系蛍光体に赤色系蛍光体を混合したものや、高演色に用いられる緑色系蛍光体に赤色系蛍光体を混合したもの)においても同じように判断すればよい。
したがって、光特性のばらつきの少ない濃度を容易に決定することができる。
また、本発明の発光装置は、前記透明領域に、前記蛍光体含有領域の蛍光体濃度よりも低濃度の蛍光体を含有した樹脂を充填して、光特性を調整することを特徴とする。
上記の構成によれば、蛍光体含有領域の光特性(色度や色温度など)を厳密に調整しておかなくても、該蛍光体含有領域と透明領域との相対的な面積比とともに、充填樹脂によっても光特性を調整することができ、微調整が可能であるとともに、調整幅も広げることができる。
また、本発明の発光装置の製造方法は、前記の発光装置を製造するにあたって、前記蛍光体層は、前記半導体発光素子上に蛍光体含有フィルムを積層する第1の工程と、前記蛍光体含有フィルムの一部分の領域から該蛍光体含有フィルム片を取り除くことで、前記透明領域を形成する第2の工程とによって作成されることを特徴とする。
上記の構成によれば、蛍光体含有フィルムをダイサーなどで研削することで、容易、かつ正確に、蛍光体含有領域と透明領域とを所望の比率で作成(混在)させることができる。
さらにまた、本発明の発光装置の製造方法は、前記の発光装置を製造するにあたって、前記蛍光体層は、透明樹脂フィルムを形成する第3の工程と、前記透明樹脂フィルムの一部分の領域から該透明樹脂フィルム片を取り除く第4の工程と、前記一部分の領域に蛍光体含有フィルム片を埋め込むことで、前記蛍光体含有領域を形成する第5の工程とによって作成されることを特徴とする。
上記の構成によれば、取り除くのは蛍光体含有フィルム片ではなく、透明樹脂フィルム片であり、蛍光体含有フィルムは、予め形成された片が取り除いた領域に埋め込むので、捨てる蛍光体を少なくできる。
また、本発明の発光装置の製造方法では、前記蛍光体含有領域および透明領域は、矩形状であることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記蛍光体含有フィルム片をダイサーなどで研削することで、容易、かつ正確に、前記蛍光体含有領域と透明領域とに区分することができ、色度や色温度などの光特性のばらつきを少なくし、歩留まりもよくすることができる。
本発明の発光装置およびその製造方法は、以上のように、青乃至紫色の光を発する半導体発光素子からの光を、蛍光体層で白色光に変換して出力する白色LEDデバイスとして実現される発光装置において、蛍光体層を、層面と垂直な断面によって、層面方向に複数に分割し、蛍光体粉末が含有されている光特性が鈍感な蛍光体の配合領域と、蛍光体の含有されていない透明領域とを混在させる。
それゆえ、蛍光体量のばらつきに対して、光特性のばらつきを大幅に抑制することができ、歩留りを向上することができる。
以下、本発明の発光装置とその製造方法の実施形態について、第1から第5実施形態の順に、図面を参照して詳細に説明する。
その前に、先ず本発明の着眼点について説明する。前述のように、白色LEDデバイスに使用される白色LED素子の製造工程において、蛍光体量のばらつきが生じると、色温度などの光特性のばらつきとなる。例えば、青色光を発する半導体発光素子と該半導体発光素子の光で励起されて黄色系の光を発する黄色系蛍光体(一般的にYAG蛍光体が使用される)とから構成される高輝度の白色LEDデバイスの場合、色温度は、シャープな青色光のスペクトルの強さと、ブロードな黄色系蛍光体からの黄色光のスペクトルの強さによって決定される。その内、色温度が5000K以上になると、蛍光体の濃度(または蛍光体の配合量)の少しの変化で、大きく色温度が変化してくる。その様子を図6に示す。
図6は、横軸に透明樹脂(たとえばSi樹脂)0.5gに分散する蛍光体粉末の配合量(グラム数)をとり、縦軸にこの配合比(蛍光体粉末の配合量をXgとすると、蛍光体粉末の重さ:透明樹脂の重さ=X:0.5)で製作した従来の蛍光体層を使用した白色LEDデバイスの色温度をとったグラフである。この図6から理解されるように、蛍光体粉末の配合量が0.3g以下(すなわち色温度が5000K以上)の配合領域になると、蛍光体粉末の配合量の僅かなばらつきに対して、色温度は大きく変化する。したがって、この配合領域の色温度をもつ従来の白色LEDデバイスは、色温度の歩留まりが悪くなる。これに対して、蛍光体粉末の配合量が0.3gより多い配合領域になると、蛍光体粉末の配合量のばらつきによる色温度の変化は小さいことが理解される。
一方、蛍光体粉末の配合量が0.3gと0.2gとの従来の白色LEDデバイスの発光スペクトルを図7に示す。この配合領域では、0.1gの差で、シャープな青色光のスペクトルの高さが大きく変化している。この配合領域を、色温度に敏感な配合領域と記す。
一方、蛍光体粉末の配合量が0.3gと0.2gとの従来の白色LEDデバイスの発光スペクトルを図7に示す。この配合領域では、0.1gの差で、シャープな青色光のスペクトルの高さが大きく変化している。この配合領域を、色温度に敏感な配合領域と記す。
また、蛍光体粉末の配合量が0.8gでの従来の白色LEDデバイスの発光スペクトルを図8に示す。この配合領域では、シャープな青色光のスペクトルの高さの変化は、敏感な配合領域より小さく、青色光の高さ自体が小さいことが理解される。この配合領域を、色温度に鈍感な配合領域と記す。
以上のことから、前記鈍感な配合領域の蛍光体層を蛍光体含有領域に用いて、蛍光体の含有していない透明領域と混在させて蛍光体層を形成すれば、シャープな青色光の高さは、透明領域からの青色光で増強され、5000K以上の色温度で、蛍光体粉末の配合量のばらつきで色温度の変化が少ない白色LEDデバイスの製造が可能になるということが、本願発明者の着想点である。もちろん、透明領域からの青色光の光量は、該透明領域のサイズが、ダイサーなどの手段で高精度に形成できるので、安定した量に制御可能である。なお、上記の説明は青色光で説明しているが、照明用途では、青乃至紫色の光を用いることができる。
(実施形態1)
図1は、本発明の第1実施形態の発光装置(発光デバイス)1を示す図である。(a)は光取り出し面から見た正面図であり、(b)は背面図であり、(c)は(a)の切断面線A−Aから見た断面図である。この発光装置1は、青色光を発光する半導体発光素子である青色LED素子5を備えて構成される。青色LED素子5は、(c)の断面が台形状に形成され、そのため図1で上面となる光取り出し面が、下面の電極形成面より小さく形成されて、側面が傾斜しており、その側面からの光取り出しも考慮されている。青色LED素子5の電極形成面(下面)には、n側電極とp側電極との表面層に、それぞれ3μmの厚みのAuSn層が形成され、−電極E1および+電極E2となっている。
図1は、本発明の第1実施形態の発光装置(発光デバイス)1を示す図である。(a)は光取り出し面から見た正面図であり、(b)は背面図であり、(c)は(a)の切断面線A−Aから見た断面図である。この発光装置1は、青色光を発光する半導体発光素子である青色LED素子5を備えて構成される。青色LED素子5は、(c)の断面が台形状に形成され、そのため図1で上面となる光取り出し面が、下面の電極形成面より小さく形成されて、側面が傾斜しており、その側面からの光取り出しも考慮されている。青色LED素子5の電極形成面(下面)には、n側電極とp側電極との表面層に、それぞれ3μmの厚みのAuSn層が形成され、−電極E1および+電極E2となっている。
前記青色LED素子5の光取り出し面(上面)上には、トータルな白色光を発するように、本実施形態の蛍光体層が形成されている。本実施形態では、該蛍光体層は、図1(a)で示すように、7個の矩形状の蛍光体含有領域2と、それらの間に設けられる6本の線状の透明領域3とを備えて構成される。青色LED素子5の側面には、前記蛍光体層を底面とする逆四角錐形状の透明樹脂部6が形成される。さらに、該青色LED素子5の電極形成面の全面、または電極形成面の−電極E1および+電極E2部と前記蛍光体層の上面(出光面)以外の露出した面とは、反射壁4によって被覆されている。前記反射壁4の上面側の一部は、前記線状の透明領域3の延長線上で、切り込みが形成されている。
この発光装置1は、従来の構造の基板に相当するものはなく、青色LED素子5の電極(上述のように、表面には3μmの厚みのAuSn層が形成されている−電極E1および+電極E2)が、直接、実装基板に半田で実装される。そのため、デバイスとしての熱抵抗は小さく抑えられており、また高価な基板の材料費が不要となり、低価格で作製することができる。
前記蛍光体層の7個の矩形状の蛍光体含有領域2は、黄色系蛍光体であるYAG系蛍光体粉末を、透明樹脂であるシリコン樹脂(例えばレジンタイプのシリコーン)中に混ぜ合わせて耐熱性のプラスチックシート(PETシート)上に0.1mmの厚みで層状(フィルム状)に塗布し、硬化させた蛍光体含有フィルムを用いている。この蛍光体含有フィルムは、該発光装置1が、たとえば3W級である場合、適正サイズである約2.4mm×2.4mm×0.1mmの板状の単位で組み込まれ、最終形状として、幅約35μmで深さ約0.1mmの6本の線状溝として形成された透明領域3によって、7個の蛍光体含有領域2に分割されている。
したがって、青色LED素子5からの青色光(ピーク波長が約445nm)は、その多くが前記7個の蛍光体含有領域2に入射し、一部がブロードな黄色系の光に変換される。変換される光の割合は、黄色系蛍光体の濃度に依存する。また、青色光の残りは、前記6本の透明領域3を通過して外部に放出される。すなわち、前記蛍光体層の出光面から出るトータル光は、蛍光体含有領域2からのブロードな黄色系の光および青色光と、透明領域3からの青色光とによって構成されることになる。したがって、発光装置1の発光の色温度は、蛍光体含有領域2の黄色系蛍光体の濃度と、透明領域3の溝の幅および数とに依存する。
ここで、前記蛍光体含有領域2として、YAG系蛍光体の配合量Xが0.3gから0.9gの範囲(すなわち、上述の図6から、蛍光体配合量のばらつきに鈍感な配合領域)にある蛍光体含有フィルムを用いた場合の発光装置1の色温度をy軸にとり、透明領域3である幅35μmの溝の数をx軸にとったグラフを図11に示す。溝が無い場合、発光装置1の色温度は、配合量Xが0.3gの時に5106K、0.9gの時に3350Kである。図11から、透明領域の溝数に対する色温度の変化は、35μmの溝幅12本で、0.3gでは530K程度、0.9gでは140K程度と共に変化量は小さく、0.3gの場合に比べて、0.9gの時の変化は非常に小さくなることが理解される。
このように本実施形態の発光装置1は、青色光を発する青色LED素子5からの光を、蛍光体層で白色光に変換して出力する白色LEDデバイスとして実現される発光装置において、前記蛍光体層における蛍光体量のばらつきに対して、色温度などの光特性のばらつきは、或る濃度(図6では0.3/0.5)を境に、敏感な蛍光体の配合領域と、鈍感な蛍光体の配合領域とに分かれることに着目して、前記蛍光体層を、層面と垂直な断面によって、層面方向に複数に分割し、蛍光体粉末が含有されている蛍光体含有領域2と、含有されていない透明領域3とを混在させる。
したがって、蛍光体量のばらつきに対して、光特性のばらつきを大幅に抑制することができ、歩留りを向上することができる。
また、本実施形態の発光装置1では、前記蛍光体粉末を黄色系蛍光体として、前記蛍光体含有領域2からの黄色系の光と、前記透明領域3からの青色光とを光の構成要素として含むので、演色性がRa=70台で、高輝度の白色LEDデバイスに用いられ、図6から明らかなように、特に色温度が5000K以上の白色LEDデバイスにおいて、色温度のばらつきを抑え、歩留りを向上することができる。
ここで、図12に、溝の本数は左右1本で、YAG系蛍光体の配合量Xが0.9gの時の溝幅(トータルの溝幅)に対する色温度の変化量を示す。この図12から、5000K以上の色温度にするためには、溝幅は800μm以上(左右各1本の溝幅は400μm)が必要であることが理解される。なお、同じトータルの溝幅でも、細い溝を複数個入れるよりも、1本の溝を太い幅に形成する方が、色温度の変化は大きくなる。これは、35μmの細い溝は、粘着性がある樹脂の切カスなどが溝に残り、実質的な溝幅が狭くなってしまうためである。
上記の実施形態から、蛍光体配合量のばらつきに鈍感な配合領域を用いた蛍光体含有フィルムを用いる場合、5000K以上の色温度を実現するためには、左右1本溝を形成し、その幅により色温度を調整し、望む色温度を決定すれば良いことが理解される。また、細い溝は、色温度の微調整に用いることができる。
そして、上述のような発光装置1の製造は、第1の工程で青色LED素子5上に蛍光体含有フィルムを積層し、第2の工程で、前記蛍光体含有フィルムの一部分の領域から該蛍光体含有フィルム片を取り除き、前記透明領域3を形成することで行うことができる。
詳しくは、図4を用いて説明する。図4は上述のような発光装置1の製造方法を説明するための断面図である。先ず、黄色系蛍光体であるYAG系蛍光体粉末をシリコン樹脂(例えばレジンタイプのシリコーン)中に適量混合し、蛍光体含有樹脂ペーストを準備する。次に図4(a)に示すように、メタルマスク(図には書かれていない)などを用いたスクリーン印刷法で、前記蛍光体含有樹脂ペーストを耐熱性プラスチックシート(例えばPETシート)41上に、スキジーなどで0.1mmの厚みで均一なフィルム状になるように塗布した後、硬化炉で150℃、1時間の条件で硬化させ、前記蛍光体含有領域2となる蛍光体含有フィルムを作製する(工程1)。
次に、図4(b)に示すように、その蛍光体含有フィルムに、発光装置1が行列状に配列されて、板状のシートを形成する。
次に、図4(c)に示すように、前記板状のシートをひっくり返し、耐熱性プラスチックシート41を剥ぎ取り、さらに蛍光体含有フィルム(蛍光体層)側を、ダイサー42を用いて透明領域3に相当する部分にダイシング溝を形成する(工程2)。溝幅は、ダイサー42のブレードを用いて、最適な幅に調整する。
上記の製造方法により、蛍光体含有領域2と透明領域3との形成が可能になる。また、工程2のダイシング溝(透明領域3)の形成は、(b)の板状のシートから、各発光装置1を個別に分離して、基板に実装後行ってもよい。
こうして、透明領域3の形成を、ダイサー42などで該透明領域3に相当する部分から蛍光体フィルム片を削り取るような方法で行うことで、特に(c)で示すように、蛍光体含有フィルムを発光装置1に組み込んだ後に蛍光体含有フィルム片の研削を行うことで、発光装置1の完成直前で、色度や色温度を研削で調整できるようになる。
その際、ダイサー42による研削の深さは、蛍光体含有フィルムを貫通してもよいし、一部残す深さでもよい。また、この研削した部分に、色度や色温度調整用の蛍光体濃度の低い蛍光体含有樹脂を再度塗布してもよい。これに対して、蛍光体含有フィルムの作成直後に、該蛍光体含有フィルムを青色の光源の上に置き、その光特性を測定して、ダイサー42による研削や上記した色度や色温度の調整プロセスを予め行った後、青色LED素子5上に積層するようにしてもよい。
このように蛍光体含有フィルムをダイサー42などで研削することで、容易、かつ正確に、蛍光体含有領域2と透明領域3とを、色温度などの光特性に応じた所望の比率で作成(混在)させることができる。そして、前記蛍光体含有領域2および透明領域3の形状は、矩形状にすることが好ましい。その理由は、矩形状にすれば、前記ダイサー42を用いて、極めて正確にそのサイズを加工することができるからである。この方法で色温度のばらつきを抑えるためには、サイズのばらつきをなくすことが重要である。
(実施形態2)
図2は、本発明の第2実施形態の発光装置(発光デバイス)10を示す図である。この発光装置10は、前述の発光装置1に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。図2において、図1と同様に、(a)は光取り出し面から見た正面図であり、(b)は背面図であり、(c)は(a)の切断面線B−Bから見た断面図である。この発光装置10で発光装置1と異なる点は、蛍光体層が、3組の矩形状の蛍光体含有領域12と、幅が約0.2mmの矩形状のダイシング溝による2本の透明領域11とを備えて構成されることである。
図2は、本発明の第2実施形態の発光装置(発光デバイス)10を示す図である。この発光装置10は、前述の発光装置1に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。図2において、図1と同様に、(a)は光取り出し面から見た正面図であり、(b)は背面図であり、(c)は(a)の切断面線B−Bから見た断面図である。この発光装置10で発光装置1と異なる点は、蛍光体層が、3組の矩形状の蛍光体含有領域12と、幅が約0.2mmの矩形状のダイシング溝による2本の透明領域11とを備えて構成されることである。
各組の蛍光体含有領域は、1番外側の2つの黄色系蛍光体含有領域12a、内側の2つの赤色系蛍光体含有領域12b、及び中央の1つの緑色系蛍光体含有領域12cで構成された蛍光体の分離型で、それぞれの色の蛍光体含有領域の蛍光体濃度は、すべて55.0%にされている。この濃度であれば、それぞれの色の蛍光体含有領域で、青色光のピークの高さが、各蛍光体の固有の光のスペクトルの高さの半分以下となる。
詳しくは、蛍光体粉末の配合量のばらつきで、従来の白色LEDデバイスの色温度が敏感に変化する蛍光体の配合領域は、図7のように青色の光のピークが高く残る蛍光体濃度であり、鈍感な配合領域は、図8のように青色の光のピークが蛍光体固有の光のピークの半分以下(好ましくは4分の1以下)の高さになる蛍光体濃度である。このように蛍光体濃度の数値は、蛍光体の種類で大きく異なるので、白色LEDデバイスを実現する場合、青色の光のピークの高さで判断するのが適切である。前記の図8は、黄色系蛍光体(YAG蛍光体)のデータであるが、他の蛍光体(緑色系蛍光体、赤色系蛍光体、他の黄色系蛍光体、または混合蛍光体、たとえば電球色に用いられる黄色系蛍光体に赤色系蛍光体を混合したものや、高演色に用いられる緑色系蛍光体に赤色系蛍光体を混合したもの)においても同じように判断すればよい。こうして、スペクトルの高さおよび比率から、適切な蛍光体の濃度を算出することで、色温度などの光特性のばらつきの少ない濃度を容易に決定することができる。
このような構成の分離型蛍光体層において、ダイシング溝による透明領域11を形成しない時の発光装置10の色温度は、4486.3Kで、スペクトルを図9に示す。図9では青色光のスペクトルの高さは、各色の蛍光体含有領域12a,12b,12cからの青色光が重なっているので、高くなっている。このような蛍光体層に、約幅0.2mmで深さ0.1mmのダイシング溝による透明領域11を2本形成して、色温度が約8000Kの発光装置10にしている。
また、透明領域11を、各色の蛍光体含有領域12a,12b,12cの延びる方向(図2の左右方向)と垂直方向(図2の上下方向)に延びるように形成することによって、各色の蛍光体からの光のスペクトルの高さの比を保ったまま、青色光の高さのみ、容易に調整することができる。また、平行に形成する場合は、除かれた蛍光体の固有の光のスペクトルの高さが減り、青色光の高さが増えることになる。
このような発光装置10を用いて照明装置にしたもののスペクトルを図10に示す。このスペクトルは、発光装置10を基板に直線状に一定ピッチで10個実装した水草用の照明で、基板毎のデータ16本分を重ねて示している。そのため、スペクトル線の幅が少し太くなっているが、基板毎のスペクトルの再現性は非常に良い。また1つの基板中の10個の発光装置10を目視で見ても、色温度のばらつきは全く目立たない。基板毎の色温度は、7700Kから8100Kの範囲に入っており、平均値は7969.1Kである。
このように本実施形態の発光装置10では、前記蛍光体含有領域は、黄色系蛍光体含有領域12a、赤色系蛍光体含有領域12b、及び緑色系蛍光体含有領域12cの内の2種類以上で構成され、前記2種類以上の蛍光体含有領域12a,12b,12cからの固有の光と、透明領域11からの青色光とを光の構成要素として含むので、演色性がRa=90以上で、5000K以上の白色から電球色の白色LEDデバイスにおいて、色温度のばらつきを抑え、歩留りを向上することができる。
本実施形態では、複数の蛍光体を使用した白色LEDデバイスであるので、図4のように、透明樹脂と各色の蛍光体粉末とを混合したペーストを、耐熱性プラスチックシート上に、前記各蛍光体含有領域12a,12b,12cに区分けして層状(フィルム状)に塗布し、それを硬化する方法以外に、予め作成された異なる発光色の蛍光体含有フィルム片を用いて、前記分離型蛍光体層とした蛍光体含有フィルムを作成し、発光装置10に積層するようにしてもよい。
(実施形態3)
図3は、本発明の第3実施形態の発光装置(発光デバイス)20を示す図である。この発光装置20も、前述の発光装置1,10に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。図3において、(a)は光取り出し面から見た正面図であり、(b)は断面図である。この発光装置20で発光装置1,10と異なる点は、蛍光体層が、3個の矩形状の蛍光体含有領域22と、2本の矩形状の透明樹脂フィルム片を用いた透明領域21とを備えて構成されることである。
図3は、本発明の第3実施形態の発光装置(発光デバイス)20を示す図である。この発光装置20も、前述の発光装置1,10に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。図3において、(a)は光取り出し面から見た正面図であり、(b)は断面図である。この発光装置20で発光装置1,10と異なる点は、蛍光体層が、3個の矩形状の蛍光体含有領域22と、2本の矩形状の透明樹脂フィルム片を用いた透明領域21とを備えて構成されることである。
そして、蛍光体含有領域22に、YAG蛍光体を用いて、その濃度を64.3%にすれば、透明領域21の幅を変えたときの色温度の変化は、図12と同じような結果が得られる。透明樹脂フィルムを用いて透明領域21を形成すれば、蛍光体含有フィルム形成の時に透明領域21も形成することができる。
また、図面は示していないが、図2の分離型蛍光体層においても同様に、透明樹脂フィルム片で透明領域11を形成することができる。その場合、透明領域11は、各色の蛍光体含有領域12a,12b,12cの並びと平行に形成されることになる(すなわち、各蛍光体含有領域12a,12b,12cの間に透明領域11が形成されることになる)。
図5を用いて、前記発光装置20の製造方法について説明する。先ず、図4の蛍光体含有樹脂ペーストの代わりに、シリコン樹脂などの透明樹脂に微粉末シリカ(アエロジル)などを適量混合し、最適な粘度にした透明樹脂ペーストを準備する。
次に、図5(a)に示すように、メタルマスク(図示していない)などを用いたスクリーン印刷法で透明樹脂ペーストを耐熱性プラスチックシート(例えばPETシート)41上にスキジーなどで均一なフィルム状になるように塗布した後、硬化炉で150℃、1時間の条件で硬化させ、透明領域21となる透明樹脂フィルムを作成する(工程1(特許請求の範囲における工程3))。
次に、図5(b)(c)に示すように、透明樹脂フィルムに幅35μmのブレードを用いてダイサー42により切れ目を入れ、透明樹脂フィルムの部分領域(前記蛍光体含有領域22に相当する部分)から透明樹脂フィルム片を取り除く(工程2(特許請求の範囲における工程4))。
次に、図5(d)に示すように、前記蛍光体含有領域22に相当する部分に、別に作成済みの蛍光体含有フィルム片を嵌め込み、或いは蛍光体含有ペーストを塗り込み、蛍光体含有領域22を形成する(工程3(特許請求の範囲における工程5))。
上記の製造方法により作製した透明領域21および蛍光体含有領域22からなる蛍光体含有フィルムを用いて、発光装置20を形成する工程(図5(e))へと移る。この製造方法は、初期のフィルム製造の段階で、透明領域21および蛍光体含有領域22が形成される。加工はともにダイサー42で精度良く行うことができるので、透明領域21からの青色光のばらつきも小さく抑えることができる。また、取り除くのは蛍光体含有フィルム片ではなく、透明樹脂フィルム片であるので、蛍光体の無駄も無くすことができる。
(実施形態4,5)
図15(a)および(b)は、それぞれ本発明の第4および第5実施形態の発光装置(発光デバイス)を示す断面図である。この発光装置は、前述の図2で示す発光装置10に類似している。図15(a)は、前記発光装置10における透明領域11の深さを、蛍光体層を一部残す深さにした透明領域15を形成したものである。また、図15(b)は、前記発光装置10の透明領域11に、蛍光体濃度を低くしたシリコン樹脂16を充填したものである。これらの実施形態は、光特性(色度や色温度など)を調整するために有効な手段である。
図15(a)および(b)は、それぞれ本発明の第4および第5実施形態の発光装置(発光デバイス)を示す断面図である。この発光装置は、前述の図2で示す発光装置10に類似している。図15(a)は、前記発光装置10における透明領域11の深さを、蛍光体層を一部残す深さにした透明領域15を形成したものである。また、図15(b)は、前記発光装置10の透明領域11に、蛍光体濃度を低くしたシリコン樹脂16を充填したものである。これらの実施形態は、光特性(色度や色温度など)を調整するために有効な手段である。
上述の蛍光体含有領域12a,12b,12cは、各色の蛍光体をそれぞれ塗布して作成されているが、2種類以上の蛍光体を予め混合した混合蛍光体を共通に塗布して作成されてもよい。また、半導体発光素子は、LED素子に限らず、また青色に限らず、蛍光体によって照明域の光に波長変換できればよく、青〜紫色の間の波長の光を発する素子を用いることができる。
さらにまた、透明樹脂フィルムの製造時に、スクリーン印刷などで透明樹脂を耐熱性プラスチックシート上に塗布する際、前記透明樹脂の粘度を調整するために、微粉末シリカなどを混ぜてもよい。また、上述の例ではダイサー42を使用しているが、他に精度良く加工する手段があれば、各蛍光体含有領域12a,12b,12cなどは、矩形状に限られるものではない。例えば、エンドミルによるフライス盤加工であれば、任意の形状が可能である。
1,10,20 発光装置
2,12,22 蛍光体含有領域
3,11,15,21 透明領域
4 反射壁
5 半導体発光素子(LED素子)
6 透明樹脂
16 蛍光体含有樹脂
41 耐熱性プラスチックシート
42 ダイサー
E1,E2 電極
2,12,22 蛍光体含有領域
3,11,15,21 透明領域
4 反射壁
5 半導体発光素子(LED素子)
6 透明樹脂
16 蛍光体含有樹脂
41 耐熱性プラスチックシート
42 ダイサー
E1,E2 電極
Claims (9)
- 青乃至紫色の光を発する半導体発光素子と、該半導体発光素子の光取り出し面の上に配置され、該半導体発光素子の光で励起されて、固有の光を発する蛍光体層からなる発光装置において、
前記蛍光体層は、層面と垂直な断面によって、層面方向に複数に分割されており、分割された各領域は、蛍光体粉末が、含有されている蛍光体含有領域と、含有されていない透明領域とが混在していることを特徴とする発光装置。 - 前記蛍光体含有領域は、緑色系蛍光体含有領域、黄色系蛍光体含有領域、および赤色系蛍光体含有領域の内の2種類以上で構成され、前記2種類以上の蛍光体含有領域からの固有の光と、前記透明領域からの青乃至紫色の光とを光の構成要素として含むことを特徴とする請求項1記載の発光装置。
- 前記蛍光体粉末は黄色系蛍光体であり、前記蛍光体含有領域からの黄色系の光と、前記透明領域からの青乃至紫色の光とを光の構成要素として含むことを特徴とする請求項1記載の発光装置。
- 前記蛍光体粉末は、緑色系蛍光体、黄色系蛍光体、および赤色系蛍光体の中から2種類以上を混合した混合蛍光体であり、前記蛍光体含有領域からの混合蛍光体固有の光と、前記透明領域からの青乃至紫色の光とを光の構成要素として含むことを特徴とする請求項1記載の発光装置。
- 前記蛍光体含有領域の蛍光体濃度は、青色の光が該蛍光体含有領域を通過した発光スペクトルにおいて、青色の光のピークの高さが蛍光体の固有の光のスペクトルの高さの半分以下となる蛍光体濃度であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の発光装置。
- 前記透明領域に、前記蛍光体含有領域の蛍光体濃度よりも低濃度の蛍光体を含有した樹脂を充填して、光特性を調整することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の発光装置。
- 前記請求項1〜6の何れか1項に記載の発光装置を製造するにあたって、前記蛍光体層は、
前記半導体発光素子上に蛍光体含有フィルムを積層する第1の工程と、
前記蛍光体含有フィルムの一部分の領域から該蛍光体含有フィルム片を取り除くことで、前記透明領域を形成する第2の工程とによって作成されることを特徴とする発光装置の製造方法。 - 前記請求項1〜6の何れか1項に記載の発光装置を製造するにあたって、前記蛍光体層は、
透明樹脂フィルムを形成する第3の工程と、
前記透明樹脂フィルムの一部分の領域から該透明樹脂フィルム片を取り除く第4の工程と、
前記一部分の領域に蛍光体含有フィルム片を埋め込むことで、前記蛍光体含有領域を形成する第5の工程とによって作成されることを特徴とする発光装置の製造方法。 - 前記蛍光体含有領域および透明領域は、矩形状であることを特徴とする請求項6又は7記載の発光装置の製造方法。
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