以下に、本発明に係る遊技機の一例である、回胴式のパチスロ機について図面に基づいて説明する。
[パチスロ機の機能フロー]
図1に示したように、パチスロ機(遊技機)1は、遊技者によりメダル(遊技媒体)が投入され、スタートレバー(開始操作指示手段)16が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、"0〜65535")の乱数から1つの値(以下、乱数値)を抽出する。
内部当籤役決定手段(後述のメインCPU73)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。すなわち、内部当籤役決定手段は、開始操作検出手段としてのスタートスイッチ57(図6参照)によるスタートレバー16に対する単位遊技の開始操作の検出(所定の開始条件の成立)に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する。
内部当籤役の決定に伴って、図柄決定手段(後述のメインCPU73)により、有効ラインとしての後述の入賞判定ライン8(図2参照)に沿って表示を行うことを許容する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外の、いわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
「入賞」に係るものとしては、主制御回路71で管理される遊技状態の移行を伴う図柄の組合せおよび伴わない図柄の組合せの種別である「リプレイ1〜10」や「小役1〜9」を含んでいる(図12参照)。
続いて、複数のリール3L、3C、3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン17L、17C、17Rが押下されると、リール停止制御手段(メインCPU73)は、内部当籤役とストップボタン17L、17C、17Rが押下されたタイミングとに基づいて、図柄表示手段(後述の表示窓4L、4C、4R)に対して、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ機1では、基本的に、ストップボタン17L、17C、17Rを押下する停止操作の実行が停止操作検出手段(後述のストップスイッチ基板58)により検出されたときから規定時間内に、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L、3C、3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分(最大滑り駒数)に定める(いわゆる、4コマ制御)。
リール停止制御手段は、「入賞」に係る図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ライン8(図2参照)に沿って極力表示されるように、最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
その一方で、内部当籤役によって、その表示が許容されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ライン8(図2参照)に沿って表示されることがないように、最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L、3C、3Rの回転が全て停止されると、表示役判定手段(後述のメインCPU73)は、入賞判定ライン8(図2参照)に沿って表示された図柄の組合せが、「入賞」に係るものであるか否かの判定を行う。すなわち、表示役判定手段は、リール停止制御手段により図柄の変動が停止されたことに基づいて、入賞判定ライン8上に停止した図柄の組合せに基づいて役の成立または不成立を判定する。
「入賞」に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。
以上のような一連の流れが、パチスロ機1における1回のゲーム(一単位遊技)として行われる。
なお、本実施の形態では、全てのリール3L、3C、3Rが回転しているときに最初に行われるリール停止操作(ストップボタン17L、17C、17Rの押下)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
また、パチスロ機1では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置10により行う映像の表示、ランプ(LED等)20により行う光の出力、スピーカ48L、48R、49L、49Rにより行う音の出力、あるいは、これらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
また、当籤役に応じた告知音が、スピーカ48L、48R、49L、49Rから出力されるようになっている。この告知音は、ストップボタン17L、17C、17Rが押下されたタイミングで出力される。これにより、ストップボタン17L、17C、17Rの操作が終了した後に行われる演出が、該告知音と競合しないようになっている。
遊技者によりスタートレバー16が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(後述のサブCPU82)は、内部当籤役に対応付けられた複数種類の演出内容(演出データ)の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出手段(液晶表示装置10、スピーカ48L、48R、49L、49R、ランプ20)は、各リール3L、3C、3Rの回転が開始されるとき、各リール3L、3C、3Rの回転が停止されるとき、「入賞」に係るものであるかの判定が行われたとき等の、各契機に連動させて演出の実行を進める。
なお、演出の一部に関しては、ベットボタン(後述のMAXBETボタン12、後述の1BETボタン14)が操作されることを条件として実行される。
このように、パチスロ機1では、内部当籤役に対応付けられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知るあるいは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
また、本実施の形態においては、後述するART中において、特定の内部当籤役(特定役)が決定された場合に、遊技者に対する当籤報知として、リールアクション演出を伴ったフリーズ当籤告知を行うようになっている。
詳細については後述するが、リールアクション演出とは、フリーズの解除後の次ゲームにおいて、スタートレバー16を擬似的に操作する毎に連続的に行われる、リール3L、3C、3Rの通常のゲーム時とは異なる挙動(例えば、逆回転、低速回転、振動等)である。これにより、リール3L、3C、3Rに視線を向けたままの遊技者に対して、遊技に対する集中力を低下させることなく、当籤報知を確実に認識させることができ、今後の遊技の展開に対する様々な期待感を持たせることが可能となる。
また、遊技者に与えられる特典として、リールアクション演出に伴うフリーズ当籤告知時には、規定のARTゲーム数に対するゲーム数の上乗せが行われるようになっている。これにより、遊技に対する興趣を向上させることが可能である。
[パチスロ機の構造]
次に、図2を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1の構造について説明する。
<外部構造>
図2は、本実施の形態におけるパチスロ機1の外観構造を示す斜視図である。
パチスロ機1は、コイン、メダル、遊技球またはトークン等の他、遊技者に付与されたもしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の、いわゆる遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
図2に示すように、パチスロ機1の外装体2は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bと、を有している。
キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている。この把手7は、パチスロ機1を運搬するときに手をかける凹部である。
キャビネット2aの内部には、3つのリール3L、3C、3Rが横並びに設けられている。以下、各リール3L、3C、3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L、3C、3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば、21個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて表示されている。
フロントドア2bは、その正面右側に設けられたドアキー15によってキーロック解除を行うことができるようになっている。ドアキー15は、キーロック解除を行う機能に加えて、打止解除およびエラー解除の操作を行う機能をも有している。ドアキー15を左に回すことで、打止解除およびエラー解除を行うこともできる。
フロントドア2bの中央には、液晶表示装置10が設けられている。この液晶表示装置10には、図柄表示手段としての図柄表示領域4L、4C、4Rを含む表示画面が、正面から見て3つのリール3L、3C、3Rに重畳する手前側に位置するように設けられている。
本実施の形態では、図柄表示領域4L、4C、4Rを含めた表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
図柄表示領域4L、4C、4Rは、3つのリール3L、3C、3Rのそれぞれに対応して設けられている。この図柄表示領域4L、4C、4Rは、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられた各リール3L、3C、3Rのそれぞれに表示された複数の図柄の一部を外部から視認可能なように表示するものである。
以下、図柄表示領域4L、4C、4Rを、それぞれ、左表示窓4L、中表示窓4C、右表示窓4R(これらを総称して、表示窓4L、4C、4Rともいう)という。
表示窓4L、4C、4Rは、その背後に設けられたリール3L、3C、3Rの回転が停止されたとき、各リール3L、3C、3Rの複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段および下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。各表示窓4L、4C、4Rが有する上段、中段および下段からなる3つの領域のうち、予め定められたいずれかをそれぞれ組合せてなる疑似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となる有効ライン(入賞判定ライン)として定義する。
本実施の形態では、1つの入賞判定ライン8が設けられている。入賞判定ライン8は、左表示窓4Lの中段、中表示窓4Cの中段、および、右表示窓4Rの中段の組合せからなる。
液晶表示装置10の表示画面の下方には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器6が設けられている。この7セグ表示器6は、特典として遊技者に対して払い出されるメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ機1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
フロントドア2bには、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。選択ボタン9aおよび決定ボタン9bは、液晶表示装置10に表示されるホールメニュー(図示省略)内の項目を選択するためのものである。メダル投入口11は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられている。メダル投入口11に受け入れられたメダルは、予め定められた規定数を上限として1回の遊技に投入されることとなり、規定数を超えた分は、パチスロ機1の内部に預けられる(いわゆる、クレジット機能)。
MAXBETボタン12は、パチスロ機1の内部に預けられているメダルから1回の遊技において投入可能な最大の規定数分を投入するために設けられている。1BETボタン14は、パチスロ機1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に1枚のメダルを投入するために設けられている。
精算ボタン(図示せず)は、パチスロ機1の内部に預けられているメダルを外部に排出するために設けられている。なお、精算ボタンは、フロントドア2bの正面部に設けられており、MAXBETボタン12、1BETボタン14等と同様に、フロントドア2bを開けることなく、外部から操作可能なボタンである。
スタートレバー16は、全てのリール3L、3C、3Rの回転を開始するために設けられている。ストップボタン17L、17C、17Rは、3つのリール3L、3C、3Rのそれぞれに対応付けられ、対応するリールの回転を停止するために設けられている。以下、ストップボタン17L、17C、17Rを、それぞれ、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rという。
メダル払出口18は、後述のホッパー装置34の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口18から排出されたメダルは、メダル受皿19に貯められる。
ランプ20は、演出内容に応じた点消灯のパターンによって光を出力するために複数個用意されるもので、その一部が回転するリール3L、3C、3Rを照明するためにも用いられる。
スピーカ用孔21L、21R、22L、22Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力するために設けられている。
<内部構造>
図3〜図5は、パチスロ機1の内部構造を示す斜視図である。図3では、フロントドア2bが開放され、フロントドア2bの裏面側の構造およびキャビネット2aの内部の構造が示されている。図4は、キャビネット2aの内部を示す説明図である。図5は、フロントドア2bの裏面側を示す説明図である。
図3および図4に示すように、キャビネット2aの内部の上側には、主制御回路71(図7参照)を構成する主制御基板31が配設されている。主制御回路71は、内部当籤役の決定、リール3L、3C、3Rの回転および停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ機1における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路71の具体的な構成は後述する。
キャビネット2aの内部の中央には、3つのリール3L、3C、3Rが設けられている。なお、図4では、各リール3L、3C、3Rからシート材を取り除いてリール本体を露出させた状態を示している。3つのリール3L、3C、3Rには、所定の減速比をもったギアを介して、各ステッピングモータ38cが接続されている(図6参照)。
キャビネット2aの内部を正面から見て、右リール3Rの右側には、設定用鍵型スイッチ32と、外部集中端子板33と、が配設されている。
設定用鍵型スイッチ32は、パチスロ機1の設定値を変更もしくは確認を行う際に使用するものである。したがって、設定用鍵型スイッチ32により設定値の変更が可能となっている。設定値は、遊技者にとって有利さの度合いを示す値で、例えば"1"〜"6"の6段階に設定することができる。
後述するメインCPU73は、当該設定値に基づいて、後述する内部抽籤テーブルを選択することにより、リプレイ役や小役等の各役が内部当籤役に決定される確率を変化させる。なお、設定値は、遊技者にとって不利な方から順に並べると"1"、"2"、"3"、"4"、"5"、"6"となる。すなわち、設定値が"6"である場合が遊技者にとって最も有利となる。
ただし、本実施の形態においては、所定の内部抽籤テーブル(図14参照)を用いて遊技を行うものとして説明する。
外部集中端子板33は、キャビネット2aの側板に取り付けられている。この外部集中端子板33は、メダル投入信号、メダル払出信号およびセキュリティ信号等の信号をパチスロ機1の外部へ出力するために設けられている。
キャビネット2aの内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置であるホッパー装置34が設けられている。このホッパー装置34は、貯留されたメダルが例えば50枚を超えたとき、または、精算ボタンが押圧されてメダルの精算を行うときに、メダルを払い出す。ホッパー装置34によって払い出されたメダルは、メダル払出口18(図2参照)から排出される。
キャビネット2aの内部を正面から見て、ホッパー装置34の右側には、ホッパー装置34から溢れたメダルを収納するメダル補助庫35が配設されている。また、キャビネット2aの内部を正面から見て、ホッパー装置34の左側には、パチスロ機1が有する各装置に対して必要な電力を供するための電源装置36が設けられている。この電源装置36は、電源スイッチ36aと、電源基板36b(図6参照)と、を有している。
また、ホッパー装置34と3つのリール3L、3C、3Rとの間には、サブスピーカ37が配設されている。
図3および図5に示すように、フロントドア2bの裏面における上側には、副制御基板41(図6参照)を収容する副制御基板ケース42が配設されている。副制御基板41は、副制御基板ケース42を介して、キャビネット2aの内部の主制御基板31に対向している。そして、副制御基板41は、副制御回路81(図8参照)を構成する。副制御回路81は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路81の具体的な構成は後述する。
フロントドア2bを裏面側から見て、副制御基板ケース42の右側方には、副中継基板43が配設されている。この副中継基板43は、副制御基板41と、この副制御基板41の周辺に配設された基板と、の配線を中継する基板である。なお、副制御基板41の周辺に配設される基板としては、後述するLED基板45A、45B、45CやサウンドI/O基板46(図6参照)が挙げられる。
LED基板45Aは、フロントドア2bの裏面側から見て、副制御基板ケース42の上方に配設されている。また、LED基板45Bは、フロントドア2bの裏面側から見て、副中継基板43の右側方に配設されており、LED基板45Cは、副中継基板43の左側方に配設されている。これらLED基板45A、45B、45Cは、副制御回路81(図8参照)の制御により実行される演出に応じて、点滅パターンを表示する。
サウンドI/O基板46は、フロントドア2bの裏面における中央(表示窓4L、4C、4Rの下側)に配設されている。このサウンドI/O基板46は、後述するスピーカ48L、48R、49L、49Rへの音声の出力を行う。
サウンドI/O基板46の下側には、遊技動作表示基板47が配設されている。この遊技動作表示基板47は、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L、3C、3Rが回動可能なとき、および、再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器6に表示させるための基板である。
サウンドI/O基板46および遊技動作表示基板47の左側および右側には、上部スピーカ48L、48Rが配設されている。そして、フロントドア2bの裏面における下側には、下部スピーカ49L、49Rが配設されている。上部スピーカ48L、48Rは、それぞれスピーカ用孔21L、21Rに対向しており、下部スピーカ49L、49Rは、それぞれスピーカ用孔22L、22Rに対向している。
上部スピーカ48Rと下部スピーカ49Rとの間には、セレクタ51と、ドア開閉監視スイッチ52と、が配設されている。セレクタ51は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口11に受け入れられた適正なメダルをホッパー装置34へ案内する。セレクタ51内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダル通過センサ(図示せず)が設けられている。
ドア開閉監視スイッチ52は、フロントドア2bを裏面側から見て、セレクタ51の左側に配置されている。このドア開閉監視スイッチ52は、パチスロ機1の外部へ、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティ信号を出力する。
フロントドア2bを裏面側から見て、セレクタ51の右側には、ドア中継基板53が配設されている。このドア中継基板53は、主制御基板31(図6参照)と、各種のボタンやスイッチ、副制御基板41(図6参照)、遊技動作表示基板47およびセレクタ51と、の配線を中継する基板である。
なお、各種のボタンおよびスイッチとしては、例えば、MAXBETボタン12、1BETボタン14、精算ボタン(図示せず)、ドア開閉監視スイッチ52、出玉率を予め定められた6段階中の1つに切り替えるための設定変更スイッチとしてのリセットスイッチ(図示せず)、後述する1BETスイッチ55A、MAXBETスイッチ55Bおよびスタートスイッチ57等を挙げることができる。
ドア中継基板53の下側には、24hドア開閉監視ユニット54が配設されている。この24hドア開閉監視ユニット54は、フロントドア2bの開閉の履歴を保存する。また、フロントドア2bを開放したとき、または、セレクタ51を取り外したときに、液晶表示装置10にエラー表示を行うための信号を副制御基板41(副制御回路81)に出力する。
<パチスロ機が備える制御系>
次に、パチスロ機1が備える制御系について、図6を参照して説明する。図6は、パチスロ機1の制御系を示すブロック図である。
パチスロ機1は、キャビネット2aに配設された主制御基板31と、フロントドア2bに配設された副制御基板41と、を有している。主制御基板31には、設定用鍵型スイッチ32と、外部集中端子板33と、ホッパー装置34と、モータ駆動回路38aと、リール位置検出回路38bと、電源装置36の電源基板36bと、メダル補助庫スイッチ39と、が接続されている。
設定用鍵型スイッチ32、外部集中端子板33およびホッパー装置34については、上述したため、説明を省略する。
電源装置36の電源基板36bには、電源スイッチ36aと電源プラグ36cとが接続されている。電源プラグ36cと、この電源プラグ36cと電源基板36bを接続するコードとは、キャビネット2aの背面部に設けられた貫通孔(図示せず)から引き出される。そして、電源プラグ36cは、パチスロ機1の外部に設けられた、図示せぬホール内の電源コンセントの差し込み口に差し込まれる。
モータ駆動回路38aは、主制御回路71(図7参照)からの指令信号に応じて、各リール3L、3C、3Rに対応して設けられた各ステッピングモータ38cを回転させるための駆動信号を出力する回路である。
リール位置検出回路38bは、図示しないフォトセンサからの出力パルス信号を受けて各リール3L、3C、3Rの回転位置を検出し、検出結果に応じた信号を主制御回路71に出力する。
これらモータ駆動回路38a、リール位置検出回路38b、ステッピングモータ38c、主制御回路71は、スタートスイッチ57により行われる開始操作の検出(所定の開始条件の成立)に基づき、各リール3L、3C、3Rを回転させることによって、各リール3L、3C、3Rにより表示される複数の図柄を変動させるための、いわゆる図柄制御手段を構成している。
また、メインCPU73は、決定された内部当籤役と、停止操作検出手段(後述するストップスイッチ基板58)により検出されたストップボタン17L、17C、17Rが停止操作されたタイミングと、に基づいて、各リール3L、3C、3Rの回転を停止させることによって、表示窓4L、4C、4R(図2参照)に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段を構成している。
メダル補助庫スイッチ39は、メダル補助庫35に設けられている。このメダル補助庫スイッチ39は、メダル補助庫35がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
また、主制御基板31には、ドア中継基板53を介して、セレクタ51、ドア開閉監視スイッチ52、遊技動作表示基板47、1BETスイッチ55A、MAXBETスイッチ55B、精算スイッチ56、スタートスイッチ57、ストップスイッチ基板58、打止解除スイッチ63、および、副中継基板43が接続されている。
セレクタ51、ドア開閉監視スイッチ52および遊技動作表示基板47については、上述したため、説明を省略する。
主制御基板31とドア中継基板53との間、ドア中継基板53と副中継基板43との間は、それぞれ、光ケーブルにより接続されている。主制御基板31とドア中継基板53との間は、双方向通信が行われるようになっている。ドア中継基板53と副中継基板43との間は、ドア中継基板53から副中継基板43への一方向通信が行われるようになっている。これにより、主制御基板31と副中継基板43にボード トゥ ボード(BOARD TO BOARD)で接続されている副制御基板41との間においては、主制御基板31から副制御基板41への一方向通信が行われる。
1BETスイッチ55Aは、1BETボタン14が遊技者により押下されたことを検出する。MAXBETスイッチ55Bは、MAXBETを行うために操作されるMAXBETボタン12の操作結果を検出する。
精算スイッチ56は、精算ボタン(図示せず)が遊技者により押下されたことを検出する。
スタートスイッチ57は、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
打止解除スイッチ63は、打ち止めを解除する際に操作されるスイッチである。この打止解除スイッチ63は、フロントドア2bをキーロック/キーロック解除するためのドアキー15(図2)に設けられ、このキー15を左に回すことで打止解除を行うことができる。
因みに、ドアキー15を左に回すことで、打止解除の他に、エラー解除を行うこともできるようになっている。
ストップスイッチ基板58は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをランプ20等により表示するための回路と、を構成する基板である。このストップスイッチ基板58には、各リール3L、3C、3Rに対応した各ストップボタン17L、17C、17R毎に、図示せぬストップスイッチが設けられている。これらストップスイッチは、各ストップボタン17L、17C、17Rが遊技者により押下されたこと(停止操作)を検出する。つまり、このストップスイッチ基板58は、各リール3L、3C、3Rを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段を構成している。
遊技動作表示基板47には、7セグ表示器6とLED59とが接続されている。LED59は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマーク等を点灯させる。
副制御基板41は、ドア中継基板53と副中継基板43とを介して、主制御基板31に接続されている。この副制御基板41には、副中継基板43を介して、LED基板45A、45B、45C、サウンドI/O基板46、24hドア開閉監視ユニット54が接続されている。
サウンドI/O基板46には、スピーカ48L、48R、49L、49Rに加えて、選択スイッチSW1および決定スイッチSW2が接続されている。選択スイッチSW1および決定スイッチSW2は、図2において、上述した選択ボタン9aおよび決定ボタン9bの操作結果を受けるスイッチであり、ホールメニュー内の項目を選択するためのものである。
LED基板45A、45B、45Cには、ランプ20に加えて、可動体装置64A、64Bが接続されている。可動体装置64A、64Bは、副制御基板41によって制御される演出用の可動体、いわゆる可動式役物である。
LED基板45A、45B、45C、サウンドI/O基板46および24hドア開閉監視ユニット54については、上述したため、説明を省略する。
また、副制御基板41には、ROMカートリッジ基板61と液晶中継基板62とが接続されている。これらROMカートリッジ基板61および液晶中継基板62は、副制御基板41とともに、副制御基板ケース42に収容されている。
ROMカートリッジ基板61は、演出用の画像(映像)、音声、LED基板45A、45B、45Cおよび通信のデータを管理するための基板である。
液晶中継基板62は、副制御基板41と液晶表示装置10との配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板31により構成される主制御回路71について、図7を参照して説明する。図7は、パチスロ機1の主制御回路71の構成例を示すブロック図である。
主制御回路71は、主制御基板31上に設置されたマイクロコンピュータ72を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ72は、メインCPU73、メインROM74およびメインRAM75により構成される。
メインROM74には、メインCPU73により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御回路81に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。
メインRAM75には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
また、メインRAM75は、後述するロック番号をストックするための演出態様ストック手段であって、メイン側のストック格納領域(図示せぬ)を構成している。
メインCPU73には、クロックパルス発生回路76、分周器77、乱数発生器78およびサンプリング回路79が接続されている。
クロックパルス発生回路76および分周器77は、クロックパルスを発生する。メインCPU73は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。
乱数発生器78は、予め定められた範囲の乱数(例えば、"0〜65535")を発生する。サンプリング回路79は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU73は、リールインデックスを検出してからモータ駆動回路38aが各リール3L、3C、3Rのステッピングモータ38cに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU73は、各リール3L、3C、3Rの回転角度(主に、リール3L、3C、3Rが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
ここで、各リール3L、3C、3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。モータ駆動回路38aからステッピングモータ38cに対して出力されたパルスの数は、メインRAM75に設けられたパルスカウンタ(図示せず)によって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば、16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM75に設けられた図柄カウンタ(図示せず)が1ずつ加算される。
図柄カウンタは、各リール3L、3C、3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出回路38b(図6参照)によってリールインデックスが検出されると、クリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L、3C、3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
上述したように、本実施の形態では、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めている。したがって、左ストップボタン17Lが押下されたときに、左表示窓4Lの中段にある左リール3Lの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、左表示窓4Lの中段に停止可能な図柄となる。
<副制御回路>
次に、副制御基板41により構成される副制御回路81について、図8を参照して説明する。図8は、パチスロ機1の副制御回路81の構成例を示すブロック図である。
副制御回路81は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路81は、基本的に、サブCPU82、サブRAM83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、ドライバ86、サブROM87を含んで構成されている。
サブCPU82は、主制御回路71から送信されたコマンドに応じて、サブROM87に記憶されている制御プログラムにしたがい、映像、音、光の出力の制御を行う。
サブROM87は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域とによって構成される。
本実施の形態において、サブROM87のプログラム記憶領域には、サブCPU82が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路71との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容の決定および登録を行うための演出内容決定処理のサブルーチン等が含まれる。
また、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置10(図6参照)による映像の表示(描画処理)を制御するメインタスク、ランプ20による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ48L、48R、49L、49Rによる音の出力を制御するサウンド制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域には、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM83には、決定された演出内容(演出データ)を登録する格納領域や、主制御回路71から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
また、サブRAM83は、後述するART上乗せゲーム数(上乗せ遊技回数)をロック番号に対応付けてストックするための遊技回数ストック手段であって、サブ側のストック格納領域(図示せぬ)を構成している。
サブCPU82、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM(フレームバッファを含む)85およびドライバ86は、演出内容により指定されたアニメーションデータにしたがって映像を作成し、作成した映像を液晶中継基板62に出力することで、液晶表示装置10に表示させる。
また、サブCPU82は、演出内容により指定されたサウンドデータにしたがってBGM等の音をスピーカ48L、48R、49L、49Rにより出力させる。また、サブCPU82は、ランプ駆動制御手段を構成し、演出内容により指定されたランプデータにしたがってランプ20の点灯および消灯を制御する。
このような副制御回路81を構成する副制御基板41は、副制御基板ケース42に収納されている(図5参照)。副制御基板ケース42は、ケース本体の外面全体にメッキ部を形成しており、電波遮断シートを用いるよりもコストの削減を図ることができる。
[遊技状態変移]
図9に示すように、パチスロ機1には、主制御回路71において制御される主制御側の遊技状態として、RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態(ART中)がある。
RT0遊技状態は、非ボーナス遊技状態用内部抽籤テーブル(図14参照)に基づいて当籤番号を抽籤する遊技状態であり、再遊技役であるリプレイ役の当籤確率が低いリプレイ低確率状態(低確率再遊技状態)である。
すなわち、RT0遊技状態は、図14におけるRT0遊技状態の欄に記載された抽籤値で内部当籤役を抽籤する遊技状態である。このRT0遊技状態では、再遊技役に関しては、遊技状態の移行に関係しない「リプレイ1」にのみ内部当籤する。
一方、「入賞」に係る役としては、「小役1+小役2+小役3+小役4」に内部当籤する場合と、「小役1+小役5+小役6+小役7」に内部当籤する場合と、「小役8」に内部当籤する場合と、「小役8+小役9」に内部当籤する場合とがある。
なお、本実施の形態においては、「入賞」に係る役(小役)に当籤する確率が、各遊技状態(RT0、RT1、RT2、RT3)について共通とされている。
遊技状態は、RT0遊技状態において、「RT移行図柄1、2」のいずれかが表示されることで、RT1遊技状態に移行する(図12参照)。
RT1遊技状態は、非ボーナス遊技状態用内部抽籤テーブル(図14参照)に基づいて当籤番号を抽籤する遊技状態であり、リプレイ役の当籤確率が低いリプレイ低確率状態(低確率再遊技状態)である。
すなわち、RT1遊技状態は、図14におけるRT1遊技状態の欄に記載された抽籤値で内部当籤役を抽籤する遊技状態である。このRT1遊技状態では、再遊技役に関しては、遊技状態の移行に関係しない「リプレイ1」と、遊技状態の移行に関係する「リプレイ2」+遊技状態の移行に関係しない「リプレイ5」と、遊技状態の移行に関係する「リプレイ3」+遊技状態の移行に関係しない「リプレイ5」と、遊技状態の移行に関係する「リプレイ4」+遊技状態の移行に関係しない「リプレイ5」と、に同確率で内部当籤する。
「入賞」に係る役(小役)に当籤する確率は、RT0遊技状態の場合と同一なので、説明を省略する。
遊技状態は、RT1遊技状態において、「リプレイ2〜4」に入賞したとき、つまり、「リプレイ2〜4」のいずれかが表示されることでRT2遊技状態に移行する。
RT2遊技状態は、非ボーナス遊技状態用内部抽籤テーブル(図14参照)に基づいて当籤番号を抽籤する遊技状態であり、RT0遊技状態およびRT1遊技状態よりもリプレイ役の当籤確率がやや高いリプレイ中確率状態(低確率再遊技状態)である。
すなわち、RT2遊技状態は、図14におけるRT2遊技状態の欄に記載された抽籤値で内部当籤役を抽籤する遊技状態である。このRT2遊技状態では、再遊技役に関しては、遊技状態の移行に関係しない「リプレイ1」と、遊技状態の移行に関係する「リプレイ6」+遊技状態の移行に関係しない「リプレイ9」と、遊技状態の移行に関係する「リプレイ7」+遊技状態の移行に関係しない「リプレイ9」と、遊技状態の移行に関係する「リプレイ8」+遊技状態の移行に関係しない「リプレイ9」と、に同確率で内部当籤する。
「入賞」に係る役(小役)に当籤する確率は、RT0、RT1の各遊技状態の場合と同一なので、説明を省略する。
遊技状態は、RT2遊技状態において、「リプレイ6〜8」に入賞したとき、つまり、「リプレイ6〜8」のいずれかが表示されることでRT3遊技状態に移行する。
また、RT2遊技状態においては、「リプレイ9」または「RT移行図柄1、2」のいずれかが表示されることで、RT1遊技状態に移行する。
RT3遊技状態は、非ボーナス遊技状態用内部抽籤テーブル(図14参照)に基づいて当籤番号を抽籤する遊技状態(ART中)であり、RT2遊技状態よりもリプレイ役の当籤確率がさらに高いリプレイ高確率状態(高確率再遊技状態)である。
すなわち、RT3遊技状態は、図14におけるRT3遊技状態の欄に記載された抽籤値で内部当籤役を抽籤する遊技状態である。このRT3遊技状態では、再遊技役に関しては、遊技状態の移行に関係しない「リプレイ1」と、遊技状態の移行に関係しない「リプレイ10(特定役)」と、に内部当籤する。
つまり、リプレイ高確率状態として、RT3遊技状態における「リプレイ1、10」の当籤確率が、RT0、RT1、RT2の各遊技状態の場合よりも高く設定されている。
「入賞」に係る役(小役)に当籤する確率は、RT0、RT1、RT2の各遊技状態の場合と同一なので、説明を省略する。
遊技状態は、RT3遊技状態において、「RT移行図柄1、2」のいずれかが表示されることで、RT1遊技状態に移行する。
また、RT3遊技状態は、RT2遊技状態中において、特定の条件としての、「小役9」に入賞したことに伴って、または、「小役8」の入賞時にART当籤フラグ抽籤に当籤したことに伴って、後述するART当籤フラグがオンし、その状況下で、「リプレイ6〜8」に入賞したとき、つまり、「リプレイ6〜8」が表示されることでART状態(特定演出状態)となる。
本実施の形態においては、メインCPU73によって、本発明の遊技状態移行制御手段が構成されている。
ここで、「リプレイ10」とは、図13に示すように、内部当籤役が当籤番号8の場合であって、ストップボタン17L、17C、17Rのどれが最初に停止操作されたかに関わらず、図12に示すように、各リール3L、3C、3Rの中段(入賞判定ライン8上)に「ベル−スイカ−ベル(所定の図柄の組合せ)」が停止表示されることにより成立する役(特定役)である。
ART中において、この「リプレイ10」に当籤することによって、リールアクション演出を伴ったフリーズ当籤告知、より具体的には、後述するフリーズ開始処理(図28、図29参照)およびフリーズ放出処理(図30、図31参照)が実行されることになる。
なお、ART状態は、主制御(メイン)側のRT3遊技状態において、副制御(サブ)側がAT遊技状態に移行することで実行される遊技状態であり、メインCPU73とサブCPU82とにより実現される。すなわち、メインCPU73とサブCPU82とによって、いわゆる特定遊技実行手段が構成されている。
また、本実施の形態においては、ART状態での規定遊技回数(後述するARTゲーム数)として50ゲームが設定されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
また、RT0、RT1、RT2、RT3の各遊技状態は、ゲーム数管理のRTではなく、移行条件が成立したときにのみ他の遊技状態に移行する。その意味において、RT0、RT1、RT2、RT3の各遊技状態は、無限RTである。
[メイン側の各種のデータテーブル]
図10〜図21は、メインROM74に記憶されている各種のデータテーブルである。
<図柄配置テーブル>
図10に示した図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3Cおよび右リール3Rの各々の周面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、21個の図柄位置0〜20と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置0〜20は、左リール3L、中リール3Cおよび右リール3Rの各々において、回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置0〜20に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて、この図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
図柄の種類としては、「赤7」、「青7」、「黄7」、「スイカ」、「ベル」、および、「リプレイ」を含んでいる。「赤7」、「青7」および「黄7」(以下、これらを総称して「7図柄」という場合がある)は、各リール3L、3C、3Rにおいて、7駒間隔で配置されている。「スイカ」、「ベル」、「リプレイ」は、各リール3L、3C、3Rにおいて、3駒間隔または4駒間隔で配置されている。
なお、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図11に示した図柄コード表によって規定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。
図10に示す図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに、表示窓4L、4C、4Rの中段に位置する図柄(表示窓の中段を通過中の図柄)を図柄位置0に割り当てるとともに、リール3L、3C、3Rの回転方向に変動する順に、21個の図柄の各々に対して図柄位置0〜20を割り当てた対応関係を規定する。
このように、表示窓4L、4C、4Rの中段を基準にすることで、表示窓4L、4C、4Rの中段に位置する図柄の種別を、3つのリール3L、3C、3R毎に特定することができる。
<図柄コード表>
図11に示した図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの周面に配された図柄を特定するためのデータを格納している。
本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、上述のように、「赤7」、「青7」、「黄7」、「スイカ」、「ベル」、および、「リプレイ」の6種類である。
図柄コード表では、「赤7」図柄(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられている。「青7」図柄(図柄コード2)に対しては、データとして「00000010」が割り当てられている。「黄7」図柄(図柄コード3)に対しては、データとして「00000011」が割り当てられている。
「スイカ」図柄(図柄コード4)に対しては、データとして「00000100」が割り当てられている。「ベル」図柄(図柄コード5)に対しては、データとして「00000101」が割り当てられている。「リプレイ」図柄(図柄コード6)に対しては、データとして「00000110」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
図12に示した図柄組合せテーブルは、図柄の組合せ、入賞作動フラグ、および、払出枚数の対応関係を規定している。
本実施の形態のパチスロ機1では、有効化された入賞判定ライン8に沿って並んだ図柄の組合せが、入賞や作動のための判断の対象となる。すなわち、有効化された入賞判定ライン8(図2参照)に沿って並んだ図柄の組合せが、予め定められた所定の図柄の組合せと一致するか否か判断される。
予め定められた所定の図柄の組合せとは、この図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せのことである。
有効化された入賞判定ライン8に沿って並んだ図柄の組合せが、所定の図柄の組合せと一致する場合には、メダルの払い出し、再遊技の作動、あるいは、遊技状態の移行等が行われる。
≪図柄の組合せ≫
図柄の組合せは、左リール3Lの中段の図柄と、中リール3Cの中段の図柄と、右リール3Rの中段の図柄と、の組合せからなる。
上述したように、この図柄組合せテーブルの図柄の組合せが、入賞判定ライン8に沿って並んだ図柄の組合せと一致するか否かが判断される。入賞判定の対象となる役(表示役)としては、「リプレイ役(リプレイ1〜10)」および「小役(小役1〜9)」である。
「リプレイ役」は、遊技を行うために投入したメダルと同数のメダルでの遊技を、新たなメダルの投入を行うことなく行える役であり、よって入賞判定時の払い出し枚数は0枚である。
「リプレイ1」は、入賞判定ライン8に沿って、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が並んだ場合に入賞判定される通常リプレイである。
「リプレイ2」は、入賞判定ライン8に沿って、「リプレイ−赤7−リプレイ」が並んだ場合に入賞判定される昇格リプレイである。「リプレイ2」に入賞することにより、遊技状態がRT1遊技状態からRT2遊技状態に移行する。
「リプレイ3」は、入賞判定ライン8に沿って、「リプレイ−青7−リプレイ」が並んだ場合に入賞判定される昇格リプレイである。「リプレイ3」に入賞することにより、遊技状態がRT1遊技状態からRT2遊技状態に移行する。
「リプレイ4」は、入賞判定ライン8に沿って、「リプレイ−黄7−リプレイ」が並んだ場合に入賞判定される昇格リプレイである。「リプレイ4」に入賞することにより、遊技状態がRT1遊技状態からRT2遊技状態に移行する。
「リプレイ5」は、入賞判定ライン8に沿って、「リプレイ−ベル−リプレイ」が並んだ場合に入賞判定されるリプレイである。「リプレイ5」は、内部当籤役が当籤番号2〜当籤番号4である場合に、「リプレイ2」、「リプレイ3」および「リプレイ4」と同時に当籤する。
「リプレイ6」は、入賞判定ライン8に沿って、「リプレイ−リプレイ−赤7」が並んだ場合に入賞判定される昇格リプレイである。「リプレイ6」に入賞することにより、遊技状態がRT2遊技状態からRT3遊技状態に移行する。
「リプレイ7」は、入賞判定ライン8に沿って、「リプレイ−リプレイ−青7」が並んだ場合に入賞判定される昇格リプレイである。「リプレイ7」に入賞することにより、遊技状態がRT2遊技状態からRT3遊技状態に移行する。
「リプレイ8」は、入賞判定ライン8に沿って、「リプレイ−リプレイ−黄7」が並んだ場合に入賞判定される昇格リプレイである。「リプレイ8」に入賞することにより、遊技状態がRT2遊技状態からRT3遊技状態に移行する。
「リプレイ9」は、入賞判定ライン8に沿って、「リプレイ−リプレイ−ベル」が並んだ場合に入賞判定される降格リプレイである。「リプレイ9」に入賞することにより、遊技状態がRT2遊技状態からRT1遊技状態に移行する。「リプレイ9」は、内部当籤役が当籤番号5〜当籤番号7である場合に、「リプレイ6」、「リプレイ7」および「リプレイ8」と同時に当籤する。
「リプレイ10」は、入賞判定ライン8に沿って、「ベル−スイカ−ベル」が並んだ場合に入賞判定される特定リプレイ役(特定役)である。「リプレイ10」に入賞することにより、後述するリールアクション演出を伴ったフリーズ当籤告知が行われる。
「小役」は、メダルの投入枚数が3枚のときの払出枚数が6枚の「小役1」、払出枚数が10枚の「小役2」〜「小役7」、および、払出枚数が15枚の「小役8」、「小役9」を含んでいる。
「小役1」は、入賞判定ライン8に沿って、「ベル−ベル−ベル」が並んだ場合に入賞判定されるベル役である。
「小役2」〜「小役4」は、それぞれ入賞判定ライン8に沿って、「スイカ−赤7−スイカ」、「スイカ−青7−スイカ」、「スイカ−黄7−スイカ」が並んだ場合に入賞判定される役である。
「小役5」〜「小役7」は、それぞれ入賞判定ライン8に沿って、「スイカ−スイカ−赤7」、「スイカ−スイカ−青7」、「スイカ−スイカ−黄7」が並んだ場合に入賞判定される役である。
「小役8」は、入賞判定ライン8に沿って、「スイカ−スイカ−スイカ」が並んだ場合に入賞判定されるスイカ役であり、「小役9」は、入賞判定ライン8に沿って、「赤7−スイカ−スイカ」が並んだ場合に入賞判定される役である。
RT2遊技状態において、「小役9」が入賞判定されることにより、または、「小役8」が入賞判定されてART当籤フラグ抽籤に当籤することにより、ART当籤フラグがオンとなる。
なお、「RT移行図柄1」は、各リール3L、3C、3Rの中段(入賞判定ライン8上)に「スイカ−リプレイ−スイカ」が停止表示される役であり、「RT移行図柄2」は、各リール3L、3C、3Rの中段(入賞判定ライン8上)に「スイカ−スイカ−リプレイ」が停止表示される役である。
「RT移行図柄1」または「RT移行図柄2」が停止表示されることにより、遊技状態がRT0遊技状態からRT1遊技状態に、または、遊技状態がRT2遊技状態からRT1遊技状態に、もしくは、遊技状態がRT3遊技状態からRT1遊技状態に、それぞれ移行する。
≪入賞作動フラグ≫
入賞作動フラグは、表示役を示すために固有の図柄の組合せに対応して割り当てられたデータであり、1バイト(8ビット)データおよび格納領域種別を含んでいる。
格納領域種別は、1バイトデータを区別するための格納領域識別データである。1バイトデータは、複数の図柄の組合せに関するデータを含んでいる。各図柄の組合せ(表示役)は、格納領域識別データと1バイトデータとによって区別される。
本実施の形態においては、図12に示すように、図柄の組合せが8種類を超えているため、入賞作動フラグを構成する1バイト(8ビット)のデータのみでは、全ての図柄の組合せを特定したり識別したりすることができない。このため、本実施の形態においては、格納領域種別の格納領域識別データ1、2、3(図16(a)参照)を用いて、1バイトデータを区別する。
このようにすることで、1バイトデータの値が同一であっても、格納領域識別データ1、2、3のうちのいずれか1つを指定することによって、8種類を超える図柄の組合せを異なる図柄の組合せとして扱うことができる。
表示役がリプレイ1〜8については、格納領域種別の格納領域識別データ1が割り当てられ、表示役がリプレイ9、10および小役1〜6については、格納領域種別の格納領域識別データ2が割り当てられ、表示役が小役7〜9およびRT移行図柄1、2については、格納領域種別の格納領域識別データ3が割り当てられている。
1バイトデータに関しては、割り当てられた格納領域種別について、各表示役に対応するビットが「1」とされ、残りのビットが「0」とされる。
例えば、格納領域種別の格納領域識別データを「1」とし、かつ、1バイトデータの値を「00000100」とすることで、表示役「リプレイ3」を指定することができ、格納領域種別の格納領域識別データを「2」とし、かつ、1バイトデータの値を「00000100」とすることで、表示役「小役1」を指定することができ、格納領域種別の格納領域識別データを「3」とし、かつ、1バイトデータの値を「00000100」とすることで、表示役「小役9」を指定することができる。
≪払出枚数≫
払出枚数は、図柄の組合せの各々に対応して、遊技者に払い出すメダルの枚数を示すデータである。
入賞判定ライン8に沿って並んだ図柄の組合せが、図柄組合せテーブルの「図柄の組合せ」と一致したときには、対応する払出枚数に基づいて、ホッパー装置34の駆動によるメダルの排出や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタ(図示せず)の加算が行われる。
因みに、リプレイ役の払出枚数は0枚、ベル役(「小役1」)の払出枚数は6枚、「小役2」〜「小役7」の払出枚数は10枚、「小役8」、「小役9」の払出枚数は15枚である。
<入賞役等の表示>
図13は、押し順とリプレイ・小役の入賞役等との関係を示す図である。ここで、図13における第1停止操作とは、スタートレバー16が開始操作された後に、ストップボタン17L、17C、17Rのうちで最初に押下操作(停止操作)が実行されることをいう。
なお、図12に示した「RT移行図柄1、2」は小役ではなく、それぞれ、「小役2〜7」のいずれかに当籤したものの入賞に失敗した不正解時に表示される、いわゆる「こぼし目」である。
当籤番号1は、内部当籤役が「リプレイ1」である。「リプレイ1」は、第1停止操作をストップボタン17L、17C、17Rに対して実行した場合に、リール3L、3C、3Rの停止操作位置に関係なく、入賞判定ライン8に入賞する。
当籤番号2は、内部当籤役が「リプレイ2」+「リプレイ5」である。「リプレイ2」は、第1停止操作をストップボタン17Cに対して実行し、中リール3Cの正解位置に「赤7」を停止可能な場合(正解時)に入賞する。「リプレイ5」は、第1停止操作をストップボタン17L、17Rに対して実行した場合に、リール3L、3Rの停止操作位置に関係なく、入賞判定ライン8に入賞する。
ここで、"正解位置"とは、最大滑り駒数である4駒滑りの範囲で、入賞判定ライン8に、目的とする図柄が停止可能な位置をいう。
当籤番号3は、内部当籤役が「リプレイ3」+上記の「リプレイ5」である。「リプレイ3」は、第1停止操作をストップボタン17Cに対して実行し、中リール3Cの正解位置に「青7」を停止可能な場合(正解時)に入賞する。
当籤番号4は、内部当籤役が「リプレイ4」+上記の「リプレイ5」である。「リプレイ4」は、第1停止操作をストップボタン17Cに対して実行し、中リール3Cの正解位置に「黄7」を停止可能な場合(正解時)に入賞する。
当籤番号5は、内部当籤役が「リプレイ6」+「リプレイ9」である。「リプレイ6」は、第1停止操作をストップボタン17Rに対して実行し、右リール3Rの正解位置に「赤7」を停止可能な場合(正解時)に入賞する。「リプレイ9」は、第1停止操作をストップボタン17L、17Cに対して実行した場合に、リール3L、3Cの停止操作位置に関係なく、入賞判定ライン8に入賞する。
当籤番号6は、内部当籤役が「リプレイ7」+上記の「リプレイ9」である。「リプレイ7」は、第1停止操作をストップボタン17Rに対して実行し、右リール3Cの正解位置に「青7」を停止可能な場合(正解時)に入賞する。
当籤番号7は、内部当籤役が「リプレイ8」+上記の「リプレイ9」である。「リプレイ8」は、第1停止操作をストップボタン17Rに対して実行し、右リール3Rの正解位置に「黄7」を停止可能な場合(正解時)に入賞する。
当籤番号8は、内部当籤役が「リプレイ10」である。「リプレイ10」は、第1停止操作をストップボタン17L、17C、17Rに対して実行した場合に、リール3L、3C、3Rの停止操作位置に関係なく、入賞判定ライン8に入賞する。
当籤番号9は、内部当籤役が「小役1」+「小役2」〜「小役4」のいずれかである。「小役1」は、第1停止操作をストップボタン17Cに対して実行した場合に入賞する。また、「小役2」〜「小役4」は、第1停止操作をストップボタン17L、17Rに対して実行し、中リール3Cの正解位置に「赤7」、「青7」、「黄7」を停止可能な場合(正解時)に、いずれかが入賞する。
当籤番号10は、内部当籤役が「小役1」+「小役5」〜「小役7」のいずれかである。「小役1」は、第1停止操作をストップボタン17Rに対して実行した場合に入賞する。また、「小役5」〜「小役7」は、第1停止操作をストップボタン17L、17Cに対して実行し、右リール3Rの正解位置に「赤7」、「青7」、「黄7」を停止可能な場合(正解時)に、いずれかが入賞する。
当籤番号11は、内部当籤役が「小役8」である。「小役8」は、第1停止操作をストップボタン17L、17C、17Rに対して実行した場合に、リール3L、3C、3Rの停止操作位置に関係なく、入賞判定ライン8に入賞する。
当籤番号12は、内部当籤役が「小役8」+「小役9」である。「小役8」は、第1停止操作をストップボタン17C、17Rに対して実行した場合に、リール3C、3Rの停止操作位置に関係なく、入賞する。また、「小役9」は、第1停止操作をストップボタン17Lに対して実行し、左リール3Lの正解位置に「赤7」を停止可能な場合(正解時)に入賞する。
<内部抽籤テーブル>
図14は、非ボーナス遊技状態用の内部抽籤テーブルである。図14に示す内部抽籤テーブルは、当籤番号に対応して遊技状態毎の抽籤値とデータポインタとを規定するテーブルである。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲"0〜65535"から抽出される抽籤用乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる、「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって、内部的な抽籤が行われる。したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。
減算の結果が負となったか否かの判断処理の回数が、予め定められた最大回数を超えた場合、内部抽籤処理の結果は、「ハズレ」となる。
なお、所定の確率としての各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。したがって、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、その結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにすることができる。
データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。すなわち、データポインタは、図15に示す小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、格納領域種別および1バイトデータを決定するために用いられるデータである。
データポインタは、複数の当籤番号1〜12の各々に対応して、小役・リプレイ用データポインタが個別に規定されている。
図14に示すように、非ボーナス遊技状態用の内部抽籤テーブルは、RT0、RT1、RT2、RT3の各遊技状態のそれぞれの抽籤値を規定している。これらの遊技状態では、「リプレイ1〜10」および「小役1〜9」の抽籤値が異なっている。
RT0遊技状態では、当籤番号1および当籤番号9〜12に抽籤値の振り分けがあるものの、当籤番号2〜8の振り分けはない。
RT1遊技状態では、当籤番号1〜4および当籤番号9〜12に抽籤値の振り分けがあるものの、当籤番号5〜8の振り分けはない。
RT2遊技状態では、当籤番号1、5〜7および当籤番号9〜12に抽籤値の振り分けがあるものの、当籤番号2〜4、8の振り分けはない。
RT3遊技状態では、当籤番号1および当籤番号8〜12に抽籤値の振り分けがあるものの、当籤番号2〜7の振り分けはない。
当籤番号9〜12に関しては、RT0、RT1、RT2、RT3の各遊技状態における抽籤値が共通(同一)とされている。
<小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブル>
図15に示した小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、メダルの払い出しに係る図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役(小役)や、再遊技の作動に係る図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役(リプレイ役)等を規定する。
内部当籤役の内容は、小役・リプレイ用データポインタ0〜12に応じて決定される。小役・リプレイ用データポインタ0〜12のうち、「ハズレ」に対応する小役・リプレイ用データポインタ0を除く、小役・リプレイ用データポインタ1〜12が、図13に示した当籤番号に一致している。
各データポインタ0〜12は、3つの1バイトデータに対応している。例えば、「リプレイ1」に対応するデータポインタ1は、格納領域種別の格納領域識別データ1が「00000001」、格納領域識別データ2が「00000000」、格納領域識別データ3が「00000000」である。
対して、「小役8」に対応するデータポイント11は、格納領域種別の格納領域識別データ1が「00000000」、格納領域識別データ2が「00000000」、格納領域識別データ3が「00000010」である。
<格納領域>
図16(a)〜図16(f)は、メインRAM75に格納される各種の格納領域の例を示す図である。
≪内部当籤役格納領域≫
図16(a)に示した内部当籤役格納領域は、内部当籤役格納領域1、2、3の3つの格納領域種別によって構成される。
内部当籤役格納領域1、2、3の各々の格納領域種別の大きさは、1バイトである。したがって、内部当籤役格納領域1、2、3の全体の大きさは3バイトである。内部当籤役格納領域1、2、3には、図15に示す小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルが規定する内部当籤役のデータ(格納領域種別の格納領域識別データ)に基づいて定まるデータが格納される。
図示した内部当籤役格納領域では、例えば内部当籤役格納領域1のビット0は、「リプレイ1」に対応し、ビット1は、「リプレイ2」に対応し、ビット2は、「リプレイ3」に対応し、ビット3は、「リプレイ4」に対応し、ビット4は、「リプレイ5」に対応し、ビット5は、「リプレイ6」に対応し、ビット6は、「リプレイ7」に対応し、ビット7は、「リプレイ8」に対応している。
同様に、内部当籤役格納領域2のビット0は、「リプレイ9」に対応し、ビット1は、「リプレイ10」に対応し、ビット2は、「小役1」に対応し、ビット3は、「小役2」に対応し、ビット4は、「小役3」に対応し、ビット5は、「小役4」に対応し、ビット6は、「小役5」に対応し、ビット7は、「小役6」に対応している。
同様に、内部当籤役格納領域3のビット0は、「小役7」に対応し、ビット1は、「小役8」に対応し、ビット2は、「小役9」に対応している。
なお、本実施の形態では、内部当籤役格納領域3のビット3は、「RT移行図柄1」に対応し、ビット4は、「RT移行図柄2」に対応し、ビット5〜7は、未使用になっている。
≪表示役格納領域≫
図16(b)に示した表示役格納領域は、表示役格納領域1、2、3の3つの格納領域種別によって構成される。
表示役格納領域1、2、3の各々の格納領域種別の大きさは、1バイトである。したがって、表示役格納領域1、2、3の全体の大きさは3バイトである。表示役格納領域1、2、3には、図12に示す図柄組合せテーブルが規定する表示役のデータ(格納領域種別の格納領域識別データ)に基づいて定まるデータが格納される。
図示した表示役格納領域では、例えば表示役格納領域1のビット0は、「リプレイ1」に対応し、ビット1は、「リプレイ2」に対応し、ビット2は、「リプレイ3」に対応し、ビット3は、「リプレイ4」に対応し、ビット4は、「リプレイ5」に対応し、ビット5は、「リプレイ6」に対応し、ビット6は、「リプレイ7」に対応し、ビット7は、「リプレイ8」に対応している。
同様に、表示役格納領域2のビット0は、「リプレイ9」に対応し、ビット1は、「リプレイ10」に対応し、ビット2は、「小役1」に対応し、ビット3は、「小役2」に対応し、ビット4は、「小役3」に対応し、ビット5は、「小役4」に対応し、ビット6は、「小役5」に対応し、ビット7は、「小役6」に対応している。
同様に、表示役格納領域3のビット0は、「小役7」に対応し、ビット1は、「小役8」に対応し、ビット2は、「小役9」に対応している。
なお、本実施の形態では、表示役格納領域3のビット3は、「RT移行図柄1」に対応し、ビット4は、「RT移行図柄2」に対応し、ビット5〜7は、未使用になっている。
≪作動ストップボタン格納領域≫
図16(c)に示した作動ストップボタン格納領域は、大きさが1バイトである。ビット0〜2は、有効なストップボタン17L、17C、17Rに対応する停止操作が直前に検出されたストップボタン17L、17C、17Rを示す格納領域である。ビット4〜6は、遊技者による停止操作を検出することが可能であるストップボタン17L、17C、17R、すなわち有効なストップボタン17L、17C、17Rを示す格納領域である。
なお、本実施の形態では、ビット3およびビット7は未使用であり、「0」が格納されている。
ビット0は、左ストップボタン17Lに対応する。左ストップボタン17Lが遊技者によって操作されたときには、ビット0に「1」が格納される。ビット1は、中ストップボタン17Cに対応する。中ストップボタン17Cが遊技者によって操作されたときには、ビット1に「1」が格納される。ビット2は、右ストップボタン17Rに対応する。右ストップボタン17Rが遊技者によって操作されたときには、ビット2に「1」が格納される。
ビット4は、左ストップボタン17Lに対応する。左ストップボタン17Lが有効であるときには、ビット4に「1」が格納される。ビット5は、中ストップボタン17Cに対応する。中ストップボタン17Cが有効であるときには、ビット5に「1」が格納される。ビット6は、右ストップボタン17Rに対応する。右ストップボタン17Rが有効であるときには、ビット6に「1」が格納される。
本実施の形態において、ストップボタン17L、17C、17Rが有効とは、停止操作を検出することが可能であることを意味する。また、定速回転中のリール3L、3C、3Rに対応するストップボタン17L、17C、17Rであって、停止操作を検出することが可能なストップボタン17L、17C、17Rを有効ストップボタンと称する。
≪押下順序格納領域≫
図16(d)に示した押下順序格納領域は、3つのストップボタン17L、17C、17Rの押下順序を示す情報を格納するための領域である。
この押下順序格納領域は、大きさが1バイトであり、ビット0〜5が使用され、ビット6およびビット7は未使用であり、「0」が格納されている。
ビット0は、押下順序が「左→中→右」に対応し、押下順序が「左→中→右」であるときにビット0に「1」が格納(オン)される。同様に、押下順序が「左→右→中」の場合にはビット1に「1」が格納(オン)され、押下順序が「中→左→右」の場合にはビット2に「1」が格納(オン)され、「中→右→左」の場合にはビット3に「1」が格納(オン)され、「右→左→中」の場合にはビット4に「1」が格納(オン)され、「右→中→左」の場合にはビット5に「1」が格納(オン)される。
≪遊技状態フラグ格納領域≫
図16(e)に示した遊技状態フラグ格納領域は、遊技状態がRT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態のいずれであるかを示すためのフラグを格納するものであり、大きさが1バイトである。
この遊技状態フラグ格納領域は、ビット0、1、2が使用され、ビット3〜7は未使用、すなわち遊技状態に関係なく、「0」である。
ビット0は、RT1遊技状態に関するものであり、ビット1は、RT2遊技状態に関するものであり、ビット3は、RT3遊技状態に関するものである。
RT1遊技状態である場合には、ビット0が「1」(オン)とされ、RT2遊技状態である場合には、ビット1が「1」(オン)とされ、RT3遊技状態である場合には、ビット2が「1」(オン)とされる。
すなわち、遊技状態フラグ格納領域のデータは、RT1遊技状態では「00000001」、RT2遊技状態では「00000010」、RT3遊技状態では「00000100」となる。
≪持越役格納領域≫
図16(f)に示した持越役格納領域は、大きさが1バイトであり、ビット0〜ビット7は未使用となっている。
すなわち、持越役格納領域は、本来、内部抽籤の結果、内部当籤役「MB」に当籤した際にビット0に"1"が格納されるものであり、その状態が、ボーナス役の図柄の組合せが表示役として入賞判定ライン8に表示されるまでの間、つまり、ボーナス役に当籤した単位遊技から入賞する単位遊技まで維持されることを「持ち越し」と称し、内部当籤した「MB」を"持越役"と呼ぶ。
したがって、本実施の形態においては、持越役格納領域のビット0〜ビット7は未使用となっている。
<引込優先順位テーブル選択テーブル>
図17に示す引込優先順位テーブル選択テーブルでは、引込優先順位テーブル選択テーブル番号毎に、停止操作の順序を示す停止操作種別に対する引込優先順位テーブル番号が対応付けられている。
例えば、引込優先順位テーブル選択テーブル番号01では、第1停止操作が「左」である場合には、引込優先順位テーブル番号01が対応付けられ、第1停止操作が「中」である場合には、引込優先順位テーブル番号00が対応付けられ、第1停止操作が「右」である場合には、引込優先順位テーブル番号01が対応付けられている。
また、引込優先順位テーブル選択テーブル番号02では、第1停止操作が「左」である場合には、引込優先順位テーブル番号01が対応付けられ、第1停止操作が「中」である場合には、引込優先順位テーブル番号01が対応付けられ、第1停止操作が「右」である場合には、引込優先順位テーブル番号00が対応付けられている。
また、引込優先順位テーブル選択テーブル番号03では、第1停止操作が「左」である場合には、引込優先順位テーブル番号02が対応付けられ、第1停止操作が「中」である場合には、引込優先順位テーブル番号03が対応付けられ、第1停止操作が「右」である場合には、引込優先順位テーブル番号02が対応付けられている。
また、引込優先順位テーブル選択テーブル番号04では、第1停止操作が「左」である場合には、引込優先順位テーブル番号02が対応付けられ、第1停止操作が「中」である場合には、引込優先順位テーブル番号02が対応付けられ、第1停止操作が「右」である場合には、引込優先順位テーブル番号03が対応付けられている。
また、引込優先順位テーブル選択テーブル番号05では、第1停止操作が「左」である場合には、引込優先順位テーブル番号02が対応付けられ、第1停止操作が「中」である場合には、引込優先順位テーブル番号03が対応付けられ、第1停止操作が「右」である場合には、引込優先順位テーブル番号03が対応付けられている。
<引込優先順位テーブル>
図18(a)に示す引込優先順位テーブルは、引込み範囲内に表示してよい図柄(内部当籤役として決定されている役に対応する図柄)が複数ある場合に、どの図柄を優先して引込むかを表している。なお、図18(a)では、簡便のために、入賞作動フラグのデータは省略して示した。
引込優先順位テーブルでは、入賞作動フラグ(表示役)に係る図柄の組合せの引込みの優先順位を示す引込データが表されている。引込優先順位データは、引込みの優先順位をメインCPU73が識別するために設けられた情報である。
ここで、「引込み」とは、最大の滑り駒数の範囲内で内部当籤役に係る図柄の組合せを構成する図柄を入賞判定ライン8に沿って表示するように、リール3L、3C、3Rの回転を停止させることをいう。
例えば、引込優先順位テーブル番号00において、入賞作動フラグ「リプレイ1、10」と入賞作動フラグ「リプレイ2〜4、6〜8」と入賞作動フラグ「リプレイ5、9」とが入賞する可能性が有ると判定されている場合には、「リプレイ5、9」より「リプレイ2〜4、6〜8」の方が優先順位が高く、「リプレイ2〜4、6〜8」より「リプレイ1、10」の方が優先順位が高いため、「リプレイ1、10」を優先して引込むように、リール3L、3C、3Rの回転の停止制御が行われる。
また、引込優先順位テーブル番号01において、入賞作動フラグ「リプレイ5、9」と入賞作動フラグ「リプレイ2〜4、6〜8」とが入賞する可能性が有ると判定されている場合には、「リプレイ2〜4、6〜8」より「リプレイ5、9」の方が優先順位が高いため、「リプレイ5、9」を優先して引込むように、リール3L、3C、3Rの回転の停止制御が行われる。
また、引込優先順位テーブル番号02において、入賞作動フラグ「小役9、2〜4、5〜7」と入賞作動フラグ「小役8、1」とが入賞する可能性が有ると判定されている場合には、「小役8、1」より「小役9、2〜4、5〜7」の方が優先順位が高いため、「小役9、2〜4、5〜7」を優先して引込むように、リール3L、3C、3Rの回転の停止制御が行われる。
また、引込優先順位テーブル番号03では、入賞作動フラグ「小役8、1」と入賞作動フラグ「小役9、2〜4、5〜7」とが入賞する可能性が有ると判定されている場合には、「小役9、2〜4、5〜7」より「小役8、1」の方が優先順位が高いため、「小役8、1」を優先して引込むように、リール3L、3C、3Rの回転の停止制御が行われる。
<引込優先順位データ格納領域>
図18(b)に示した引込優先順位データ格納領域は、左リール用引込優先順位データ格納領域、中リール用引込優先順位データ格納領域、および、右リール用引込優先順位データ格納領域を含んでいる。なお、中リール用引込優先順位データ格納領域および右リール用引込優先順位データ格納領域の内容については、左リール用引込優先順位データ格納領域と同様であるため、以下においては、左リール用引込優先順位データ格納領域について説明する。
左リール用引込優先順位データ格納領域は、図柄位置データ(図10参照)のそれぞれについて、引込優先順位データを格納可能である。例えば、図柄位置データ0に対しては、図18(a)の優先順位1〜3に規定する役(例えば、データ008Hとして「リプレイ1、10」から004Hの「リプレイ5、9」)およびデータ000Hとしての「エンドコード」が規定されており、これらの引込優先順位データから、当籤役および他のリール3C、3Rの停止位置に応じて、いずれかの引込優先順位データが格納される。これにより、左リール3Lは、当籤役に対応する図柄を入賞判定ライン8に停止させ、あるいは停止させないように制御される。
なお、図柄位置データ1〜20についても同様に、データ008Hからデータ000Hに対応する内容が規定されており、これらの引込優先順位データから、当籤役および他のリール3L、3C、3Rの停止位置に応じて、いずれかの引込優先順位データを格納する。
<リール停止初期設定テーブル>
図19に示すリール停止初期設定テーブルでは、内部当籤役に対して、引込優先順位テーブル選択テーブル番号または引込優先順位テーブル番号と、停止テーブル選択データ群と、が対応付けられている。これらの各種のデータは、一単位遊技の進行の状況に応じて、リール3L、3C、3Rの停止制御において選択すべき各種のテーブル番号を示す。
引込優先順位テーブル選択テーブル番号は、図17に示す引込優先順位テーブル選択テーブル番号を選択するためのデータである。引込優先順位テーブル番号は、図18(a)に示す引込優先順位テーブル番号を選択するためのデータである。
停止テーブル選択データ群については、詳細を省略するが、リール押下位置と滑り駒数とを対応付けて記憶する停止テーブル等を選択するためのデータである。
これらのデータは、一単位遊技の進行の状況に応じて、「滑り駒数決定データ」の決定、すなわち、3つのリール3L、3C、3Rを停止する位置をそれぞれ決定するために用いるデータである。
リール停止初期設定テーブルでは、停止操作の順序により異なる停止制御が行われるデータポインタに対応する内部当籤役に対しては、引込優先順位テーブル選択テーブル番号が対応付けられ、停止操作の順序に関わらず停止制御が変わらないデータポインタに対応する内部当籤役に対しては、引込優先順位テーブル番号が対応付けられている。
例えば、当籤番号0、1、8、11に対しては、それぞれ引込優先順位テーブル番号00、00、00、03が対応付けられ、当籤番号2〜4、5〜7、9、10、12に対しては、それぞれ引込優先順位テーブル番号01、02、03、04、05が対応付けられている。
<リールアクション選択番号テーブル>
図20に示すリールアクション選択番号テーブルは、フリーズ(ロック)の発生に伴って行われる所定の演出態様としてのリールアクション演出のための、リールアクションパターンの抽籤(以下、ロック番号抽籤ともいう)に用いられるもので、ロック番号毎に、抽籤値と、フリーズの解除後の次ゲームにおいて実行されるリールアクション(リール3L、3C、3Rの挙動)と、を規定するものである。このリールアクション選択番号テーブルは、例えばメインROM74内に設けられる。
すなわち、このリールアクション選択番号テーブルは、例えば、所定の抽籤確率で実行される各種のリールアクションの種別(演出パターン)に応じて、"1〜6"のロック番号を割り当てたものであって、ロック番号1〜6の順に当籤の確率が40%、25%、18%、10%、5%、2%となるように設定されている。
リールアクション選択番号テーブルにおいて、例えば、ロック番号1は、演出パターンとしての、左リール3L、中リール3C、右リール3Rの各アクションの種別の組合せが、いずれも「振動」とされている。
また、ロック番号2は、左リール3Lのアクションパターンが「逆回転」とされ、中リール3Cのアクションパターンが「振動」とされ、右リール3Rの各アクションパターンが「振動」とされている。
また、ロック番号3は、左リール3Lのアクションパターンが「振動」とされ、中リール3Cのアクションパターンが「逆回転」とされ、右リール3Rのアクションパターンが「振動」とされている。
また、ロック番号4は、左リール3Lのアクションパターンが「逆回転」とされ、中リール3Cのアクションパターンが「逆回転」とされ、右リール3Rのアクションパターンが「逆回転」とされている。
また、ロック番号5は、左リール3Lのアクションパターンが「逆回転」とされ、中リール3Cのアクションパターンが「逆回転」とされ、右リール3Rのアクションパターンが「振動」とされている。
また、ロック番号6は、左リール3L、中リール3C、右リール3Rの各アクションパターンが、いずれも「逆回転」とされている。
なお、本実施の形態において、「挙動」とは、リール3L、3C、3Rが通常ゲーム時の回転とは異なる動きをすることであり、通常ゲーム時よりも低速で回転する等、本実施の形態おけるリールアクションの種別やその組合せおよび抽籤確率は、一例であって、本発明は、これに限定されるものではない。
本実施の形態においては、フリーズ中に当籤した全てのロック番号に対応する演出パターンを一時的にストックしておき、そのストックした全ての演出パターンを、フリーズ解除後の次ゲームに対して一気に放出させるようになっている。
ここで、フリーズとは、ART中において、一単位遊技が終了したときに、後述する特定役の入賞に伴って遊技者による遊技操作を所定の期間無効化(所定時間停止)するもので、遊技者による遊技操作としては、例えば、BET操作、メダルの投入、および、再遊技時のレバー操作等、次の単位遊技を開始させる操作を含む。
また、ART中とは、RT3遊技状態であって、特定の条件が成立したときに、副制御回路81側でART当籤告知が行われるとともに、所定の内部当籤役の入賞のさせ方(入賞態様に応じた停止操作の情報)が報知される遊技状態である。換言すれば、ART中は、予め定められた規定の遊技回数の間、特定演出状態制御手段としてのサブCPU82が、メダルの付与に関する有利な停止操作の順序に係る情報(ストップボタン17L、17C、17Rの押し順)を報知する遊技状態である。
本実施の形態においては、図9に示したように、RT2遊技状態中に「小役9」に入賞し、または、「小役8」の入賞時にART当籤フラグ抽籤に当籤し、ART当籤フラグがオンのときに、「リプレイ6〜8」が表示されることによりART状態となる。
なお、ART中においては、遊技回数が予め定められており、例えば、ARTゲーム数が50ゲームと規定されている。
また、本実施の形態においては、後述するように、規定のARTゲーム数に対し、図20に示したロック番号1〜6の抽籤の結果に基づいた抽籤の結果(図22参照)に応じて、異なるART上乗せゲーム数の加算が行われるようになっている。こうして、ART上乗せゲーム数の加算とともに、加算するART上乗せゲーム数をロック番号1〜6に応じて変動させるようにした場合には、リールアクション演出による遊技者の期待度の向上とともに、遊技者の興趣をより高めることが可能となる。
<フリーズ継続抽籤テーブル>
図21に示すフリーズ継続抽籤テーブルは、フリーズ発生中の遊技において、フリーズを継続させるか否かを決定するための内部抽籤(以下、フリーズ継続抽籤ともいう)に用いられるものである。このフリーズ継続抽籤テーブルは、例えばメインROM74内に設けられる。
本実施の形態においては、「終了」の抽籤値(20%)に対して、「継続」の抽籤値が80%の確率で当籤するように設定されている。
[サブ側のデータテーブル]
図22は、サブROM87に記憶されているデータテーブルである。
<上乗せゲーム数抽籤テーブル>
図22に示す上乗せゲーム数抽籤テーブルは、サブCPU82において、図20に示したリールアクション選択番号テーブルのロック番号1〜6に基づいて、規定回数のARTゲームに加算されるART上乗せゲーム数を抽籤(以下、上乗せゲーム数抽籤ともいう)により決定するためのものである。
この上乗せゲーム数抽籤テーブルは、サブROM87内に設けられたものであるが、例えば、ROMカートリッジ基板61内に設けるようにしてもよい。
本実施の形態の場合、ロック番号1〜3については、ART上乗せゲーム数が"100"、"300"、"500"の場合の確率が"100"、"10"、"1"の共通(同一)とされている。ロック番号4〜6については、ART上乗せゲーム数が"10"、"30"、"50"の場合の当籤の確率が"1"、"10"、"100"の共通(同一)とされている。ただし、分母は"65536"で共通である。
より詳しくは、ロック番号1については、例えば、ART上乗せゲーム数の"10"、"30"、"50"、"100"、"300"、"500"に対して、それぞれ当籤の確率が、"45875"、"13107"、"6443"、"100"、"10"、"1"に設定されている。
また、ロック番号2については、例えば、ART上乗せゲーム数の"10"、"30"、"50"、"100"、"300"、"500"に対して、それぞれ当籤の確率が、"13107"、"45875"、"6443"、"100"、"10"、"1"に設定されている。
また、ロック番号3については、例えば、ART上乗せゲーム数の"10"、"30"、"50"、"100"、"300"、"500"に対して、それぞれ当籤の確率が、"6443"、"13107"、"45875"、"100"、"10"、"1"に設定されている。
また、ロック番号4については、例えば、ART上乗せゲーム数の"10"、"30"、"50"、"100"、"300"、"500"に対して、それぞれ当籤の確率が、"1"、"10"、"100"、"45875"、"13107"、"6443"に設定されている。
また、ロック番号5については、例えば、ART上乗せゲーム数の"10"、"30"、"50"、"100"、"300"、"500"に対して、それぞれ当籤の確率が、"1"、"10"、"100"、"13107"、"45875"、"6443"に設定されている。
また、ロック番号6については、例えば、ART上乗せゲーム数の"10"、"30"、"50"、"100"、"300"、"500"に対して、それぞれ当籤の確率が、"1"、"10"、"100"、"6443"、"13107"、"45875"に設定されている。
本実施の形態においては、ART状態での規定回数のARTゲームの消化とは別の態様として、ART中において、フリーズの発生時に抽籤の結果に応じたロック番号1〜6のリールアクションパターンをストックしておき、フリーズの発生中にストックされた全リールアクションパターンをフリーズの解除後の次ゲームにおいて放出させるとともに、放出させるリールアクションパターンに応じて予め割り当てられたART上乗せゲーム数を、規定のARTゲーム数に加算するようになっている。
すなわち、サブCPU82は、フリーズが発生した後のARTゲームにおいて、フリーズ継続抽籤での「継続」に当籤し続ける間に、リールアクション演出のためのロック番号抽籤を繰り返し行い、当籤した全リールアクションの演出パターンをロック番号毎にストックしておき(後述する、フリーズ開始処理)、そのストックしておいた全リールアクションの演出パターンを、フリーズ継続抽籤に非当籤(終了)となってフリーズが解除された後の次ゲームに対して放出し続けることにより(後述する、フリーズ放出処理)、フリーズ当籤告知のためのリールアクション演出に連続性を持たせることができるようにしている。
これにより、ゲーム毎のリール単体の挙動ではリールアクション演出が単調になりがちであった当籤報知において、単に、遊技に対する遊技者の集中力を低下させることなしに、当籤報知の見過ごしを防止できるのみでなく、当籤報知のためのリールアクション演出の内容がパターン化するのを防止できるようになる結果、遊技者の飽きを抑止できる。
しかも、規定のARTゲーム数を、一律ではなく、リールアクション演出の抽籤の結果(より具体的には、ロック番号抽籤の結果に基づいた上乗せゲーム数抽籤の結果)に応じて上乗せできるようになるため、遊技者の興趣をも高めることが可能になる。
また、リールアクション演出の内容がパターン化しやすくなるという従来の問題を回避できることにより、類似の演出を行う他の機器との差別化が容易となる。
なお、リールアクション演出の実行時においては、フリーズ当籤告知をリール3L、3C、3Rの挙動のみで行う場合に限らず、例えば、リール3L、3C、3Rを照明するためのランプ20の点灯や消灯のタイミングを変化させる等、演出手段の連動した演出を伴うようにしてもよい。
[制御処理]
主制御回路71のメインCPU73は、図23〜図35に示すフローチャートにしたがって、各種のプログラムを実行する。
<メインCPUのメイン制御>
図23は、メイン制御処理を示すフローチャートである。
最初に、パチスロ機1に電源が投入されると、メインCPU73は、後述する図24に示す電源投入時処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S1)。この電源投入時処理では、バックアップが正常であるか、設定変更が適切に行われたか等が判断され、判断結果に応じた初期化処理が実行される。
次に、メインCPU73は、一遊技(単位遊技)終了時の初期化処理を実行する(S2)。この処理において、例えば、1ゲームに係る内部データをクリアする。つまり、この初期化処理によって、メインRAM75の内部当籤役格納領域や表示役格納領域に格納されたデータがクリアされる。
次に、メインCPU73は、後述する図25に示すメダル受付・スタートチェック処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S3)。このメダル受付・スタートチェック処理によって、リプレイ役か、3枚のメダルを投入できるか等の条件に応じて、遊技者により投入されたメダルを検出する処理、および、開始操作を検出する処理が行われる。
次に、メインCPU73は、スタートレバー16が操作されたことを条件に乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(S4)。
次に、メインCPU73は、後述する図26に示す内部抽籤処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S5)。この内部抽籤処理によって、内部当籤役を決定する処理が行われる。
次に、メインCPU73は、後述する図27に示すリール停止初期設定処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S6)。このリール停止初期設定処理によって、内部当籤役に基づいて停止テーブル選択データ群(図19参照)等を決定する処理が行われる。このリール停止初期設定処理により、内部抽籤処理の結果(内部当籤役)に基づいて、リール3L、3C、3Rの停止制御に関する各情報(例えば、停止テーブル番号等)を格納する。
次に、メインCPU73は、スタートコマンドデータを、主制御基板31から副制御基板41へ送信するスタートコマンド送信処理を実行する(S7)。スタートコマンドデータには、内部当籤役等の演出に必要な各種の情報が含まれる。
次に、メインCPU73は、後述する図28、図29に示すフリーズ開始処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S8)。このフリーズ開始処理は、「リプレイ10」に当籤したことを契機に実行されるもので、リールアクション演出のための演出パターンをストックするための処理が行われる。
次に、メインCPU73は、後述する図30、図31に示すフリーズ放出処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S9)。このフリーズ放出処理は、上述したフリーズ開始処理が行われたゲームの、次のゲーム(「リプレイ10」が内部当籤役として決定された遊技の次遊技)に対して実行されるものであって、リールアクション演出を伴うフリーズ当籤告知を行うための処理が行われる。
なお、本実施の形態におけるメインCPU73によって、本発明のフリーズ開始制御手段およびフリーズ終了制御手段がそれぞれ構成される。各処理の詳細については、後述する。
次に、メインCPU73は、ウェイト処理を実行する(S10)。このウェイト処理は、前回の遊技開始(前回の単位遊技の開始)から所定時間を経過しているか否かを判断し、所定時間を経過していないと判断した場合には、所定時間を経過するまで待機して待ち時間を消化する処理である。ウェイト処理における所定時間、すなわちウェイト時間は、通常は、例えば前回の単位遊技の開始から4.1秒に設定される。
次に、メインCPU73は、投入されたメダルの枚数に応じて、全てのリール3L、3C、3Rの回転開始の処理を実行する(S11)。このリール回転開始処理によって、図16(c)に示す作動ストップボタン格納領域に「11100000」を格納する。
上述したステップS11のリール回転開始処理は、割込処理(図35のS124)によって実行される。この割込処理は、一定の周期(1.1172ミリ秒(ms))で実行される処理である。
この割込処理によって、各リール3L、3C、3Rのステッピングモータ38cの駆動を制御し、リール3L、3C、3Rの回転を開始する。その後、この割込処理によって、ステッピングモータ38cの駆動を制御し、リール3L、3C、3Rの回転が定速に達するまで加速を行う。
さらに、リール3L、3C、3Rの回転が定速に達すると、この割込処理によって、ステッピングモータ38cの駆動を制御し、リール3L、3C、3Rが定速で回転するように維持される。
次に、メインCPU73は、リール回転開始コマンドデータを主制御基板31から副制御基板41へ送信するリール回転開始コマンド送信処理を実行する(S12)。このリール回転開始コマンド送信処理により、副制御回路81では、リール回転開始を認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することが可能になる。
次に、メインCPU73は、引込優先順位格納処理を実行する(S13)。この引込優先順位格納処理では、図18(a)に示した引込優先順位テーブルの選択処理等が行われ、回転しているリール3L、3C、3Rの全ての図柄の引込優先順位が決定される。すなわち、引込優先順位格納処理では、内部当籤役に基づいて、回転中の各リール3L、3C、3Rの図柄位置毎に停止情報が引込優先順位データ格納領域(図18(b)参照)に格納される。
例えば、各リール3L、3C、3Rの各図柄に対して、該図柄が停止許可の場合には、引込優先順位テーブルに基づいて、その引込優先順位データが引込優先順位データ格納領域に格納され、停止不許可の場合(つまり、当籤していない役が入賞してしまう場合等)には、引込優先順位データ格納領域に停止禁止を表すデータが格納される。
次に、メインCPU73は、後述する図32に示すリール停止制御処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S14)。この処理によって、リール3L、3C、3Rの停止制御が行われる。
次に、メインCPU73は、入賞検索処理を実行する(S15)。この入賞検索処理は、全てのリール3L、3C、3Rが停止した後に、入賞判定ライン8に表示された図柄組合せと図柄組合せテーブルとを照合して、入賞判定ライン8に表示された図柄組合せを判定する処理である。
具体的には、図柄コード格納領域(図示略)に格納されたデータと、図12に示す図柄組合せテーブルのデータとを照合し、その結果を、表示役格納領域(図16(b))に格納する。
より具体的には、図柄コード格納領域のデータを表示役格納領域にそのまま複写する。その際に、図柄組合テーブルを参照して、払出枚数を求める。この入賞検索処理によって、全てのリール3L、3C、3Rが停止したことで、表示窓4L、4C、4Rに表示される図柄の組合せを特定する処理が行われる。
次に、メインCPU73は、入賞検索処理の結果に基づいて、表示された図柄組合せに応じたメダル枚数の払い出しを実行する(S16)。このメダル払出処理に伴って、払出枚数カウンタ(不図示)に基づいて、ホッパー装置34の駆動制御やクレジットカウンタの更新が行われる。
次に、メインCPU73は、表示コマンドデータを、主制御基板31から副制御基板41へ送信する表示コマンド送信処理を実行する(S17)。表示コマンドデータには、表示役等の情報が含まれる。
次に、メインCPU73は、後述する図33に示すRT制御処理を実行する(S18)。RT制御処理によって、RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態の間で、遊技状態が更新される。
次に、メインCPU73は、後述する図34に示すリプレイ作動チェック処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S19)。このリプレイ作動チェック処理によって、リール3L、3C、3Rにより表示された図柄の組合せに基づいて、リプレイの作動を行う処理が行われる。
ステップS25の処理を実行した後、メインCPU73は、上述したステップS2に処理を戻す。
<電源投入時処理>
図24は、図23に示したメイン制御処理のステップS1で呼び出される電源投入時処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、メインCPU73は、バックアップが正常であるか否かを判断する(S30)。この判断処理において、メインCPU73は、チェックサム値を用いた誤り検出を行うことにより、バックアップが正常であるか否かを判断する。
例えば、電源オフ時にパチスロ機1の設定値(出玉率を予め定められた6段階の1つに設定する値)およびその設定値から算出されたチェックサム値をバックアップデータとしてメインRAM75に格納しておき、電源投入時の当該判断処理において、メインRAM75に格納されている設定値およびチェックサム値を読み出す。読み出された設定値から算出したチェックサムと、バックアップされていたチェックサムと、を比較する。比較結果が一致していれば、バックアップが正常であると判断する。
メインCPU73は、バックアップが正常であると判断したときには(Yes)、バックアップされた設定値をセットする(S31)。これにより、バックアップが正常であった場合には、電源オフ前の設定値がセットされることになる。
ステップS31の処理の後、または、ステップS30においてバックアップが正常でないと判断したとき(No)、メインCPU73は、不図示の設定変更スイッチ(リセットスイッチ)がオンであるか否かを判断する(S32)。
メインCPU73は、設定変更スイッチがオンでないと判断したときには(No)、バックアップが正常であるか否かを判断する(S38)。
ステップS38の処理において、バックアップが正常でないと判断されると(No)、メインCPU73は、電源投入時エラー処理を実行する(S40)。この処理において、メインCPU73は、バックアップが正常ではないことをエラー表示等によって表示する。
因みに、メインCPU73は、バックアップが正常でないエラー(バックアップエラー)の状態では、打止解除スイッチ63またはリセットスイッチの操作によってエラー状態を解除しないようになっており、新たに設定変更が行われた場合にのみ、エラー状態を解除する。
これに対して、ステップS32において、設定変更スイッチがオンであると判断すると(Yes)、メインCPU73は、ステップS33に処理を移して、設定変更時の初期化処理を実行する。
この設定変更時の初期化処理において、メインCPU73は、例えば、メインRAM75の内部当籤役格納領域や表示役格納領域に格納されているデータをクリアするとともに、設定値をクリアする。
ステップS33の処理の後、メインCPU73は、ステップS34へ処理を移して、初期化コマンドデータを主制御基板31から副制御基板41へ送信する初期化コマンド送信処理を実行する。初期化コマンドデータには、例えば設定値変更の有無、設定値情報等が含まれる。
続いて、メインCPU73は、ステップS35へ処理を移して、設定値変更処理を実行する。設定値変更処理において、メインCPU73は、リセットスイッチの操作結果に応じて、設定値が予め定められている場合には"1〜6"のうちから選択し、これに続いて操作されるスタートレバー16の操作結果に基づいて設定値を確定させる。
設定値変更処理(S35)の後、メインCPU73は、ステップS36へ処理を移して、設定変更スイッチはオン状態であるか否かを判断し、オン状態でない判断結果が得られるまで、当該処理(S36)を繰り返す。
設定変更スイッチがオン状態ではない判断結果(No)が得られた場合、このことは、設定変更スイッチの操作が完了したことを意味しており、メインCPU73は、ステップS37へ処理を移して、初期化コマンドデータを送信する初期化コマンド送信処理を実行する。
メインCPU73は、ステップS37の処理の後、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS38においてバックアップが正常であると判断されると(Yes)、メインCPU73は、ステップS39へ処理を移して、メインRAM75に格納されているバックアップデータに基づいて、電断前の状態に復帰させる。
<メダル受付・スタートチェック処理>
図25は、図23に示したメイン制御処理のステップS3の処理で呼び出されるメダル受付・スタートチェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、メインCPU73は、自動投入要求があるか否かを判断する(S50)。前回の単位遊技でリプレイに入賞した場合には、今回の単位遊技では、自動的にメダルが投入される。
すなわち、ステップS50の判断処理は、この前回の単位遊技でリプレイに入賞したか否か判断するのと等価である。
メインCPU73は、ステップS50の判断処理で、自動投入要求があると判断したときには(Yes)、前回の単位遊技で投入されたメダルと同数のメダルを自動投入する処理を実行する(S51)。
具体的には、メインCPU73は、自動投入カウンタ(不図示)のデータを投入枚数カウンタ(不図示)に複写し、自動投入カウンタをクリアする。この処理が終了した場合には、ステップS58に処理を移す。
メインCPU73は、ステップS50の判断処理で、自動投入要求がないと判断したときには(No)、メダル受付許可を実行する(S52)。具体的には、メインCPU73は、セレクタ(図示せず)のソレノイドの駆動を行い、セレクタ内のメダルの通過を促す。
メインCPU73は、ステップS52の処理を実行した後、ステップS53へ処理を移して、メダル受付許可の実行に伴い、遊技状態に応じてメダルの投入枚数の最大値を設定する処理を行う。
メインCPU73は、ステップS53の処理を実行した後、ステップS54へ処理を移して、メダル受付許可があるか否かをチェックする。
メダル受付許可があるとの判断結果が得られた場合(Yes)、メダルを受け付けることが可能であることを意味しており、メインCPU73は、ステップS55に処理を移し、投入されたメダルをチェックする。メダル受付許可があるとの判断結果が得られない場合(No)、ステップS58に処理を移す。
メインCPU73は、ステップS54の判断処理で、メダル受付許可があると判断したときには(Yes)、投入されたメダルの枚数をチェックする(S55)。この処理によって、チェックしたメダルの枚数に応じて、投入枚数カウンタの値を更新する。
メインCPU73は、ステップS55の処理を実行した後、ステップS56へ処理を移して、メダル投入コマンドデータを主制御基板31から副制御基板41へ送信するメダル投入コマンド送信処理を実行する。
次に、メインCPU73は、ステップS57へ処理を移して、投入されたメダルの投入枚数が遊技を開始できる枚数であるか否かを判断する。すなわち、メインCPU73は、投入されたメダルの投入枚数が3枚であるかを判断する。
メインCPU73は、ステップS57の判断処理で、投入されたメダルの投入枚数が遊技を開始できる枚数でないと判断したときには(No)、上述したステップS54に処理を戻す。
メインCPU73は、ステップS57の判断処理で、投入されたメダルの投入枚数が遊技を開始できる枚数であると判断したときには(Yes)、スタートスイッチ57がオンであるか否かを判断する(S58)。
また、上記したステップS51の自動投入処理を実行した後、および、上記ステップS54の判断処理において、メダル受付許可があるとの判断結果が得られない場合(No)にも、このステップS58での判断処理が行われる。
メインCPU73は、ステップS58の判断処理で、スタートスイッチ57がオンでないと判断したときには(No)、上述したステップS54に処理を戻す。
メインCPU73は、ステップS58の判断処理で、スタートスイッチ57がオンであると判断したときには(Yes)、メダル受付禁止の処理を行い(S59)、本サブルーチンを終了する。
具体的には、セレクタ(図示せず)のソレノイドの駆動を行わずに、メダル投入口11に投入されたメダルのメダル払出口18からの排出を促す。
<内部抽籤処理>
図26は、図23に示したメイン制御処理のステップS5の処理で呼び出される内部抽籤処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、メインCPU73は、遊技状態に応じた内部抽籤テーブルをセットする(S60)。本実施の形態では、遊技状態がRT0、RT1、RT2、RT3遊技状態のいずれである場合にも、図14に示す非ボーナス遊技状態用内部抽籤テーブルをセットする。
次に、メインCPU73は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得する(S61)。
次に、メインCPU73は、ステップS60の処理でセットされた内部抽籤テーブルの所定領域を用いて、当籤番号に応じた抽籤値を取得し、乱数値から抽籤値を減算する(S62)。すなわち、メインCPU73は、内部当籤役を照合する。
次に、メインCPU73は、減算結果が"0"より小さいか否かを判断する(S63)。
メインCPU73は、ステップS63の判断処理で、減算結果が"0"より小さくないと判断したとき(No)、すなわち、いわゆる桁借りが行われていないと判断したときには、乱数値および当籤番号を更新する(S64)。
次に、メインCPU73は、使用している内部抽籤テーブルの全ての当籤番号をチェックしたか否かを判断する(S65)。この処理において、全ての当籤番号をチェックしていないと判断した場合には(No)、メインCPU73は、上述したステップS62に処理を戻す。
一方、ステップS65の判断処理で、全ての当籤番号をチェックしたと判断した場合には(Yes)、メインCPU73は、データポインタの値として"0"をセットする(S66)。すなわち、メインCPU73は、内部抽籤の結果、表示役を「ハズレ」であると判定する。
次に、上述したステップS63の判断処理で、減算結果が"0"より小さいと判断した場合(Yes)、すなわち、いわゆる桁借りが行われたと判断した場合には、メインCPU73は、使用している内部抽籤テーブルを参照して小役・リプレイ用データポインタの値を取得する(S67)。
次に、メインCPU73は、上述したステップS66またはステップS67の処理を実行した後、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブル(図15参照)を参照して、小役・リプレイ用データポインタの値に基づいて内部当籤役を取得する(S68)。
このステップS68の処理は、上述したステップS66またはステップS67の処理で決定した小役・リプレイ用データポインタの値を用いて、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタの値に対応する内部当籤役を示す3バイトのデータ値を決定する処理である。
次に、メインCPU73は、取得した内部当籤役を、対応する内部当籤役格納領域(図16(a)参照)に格納する(S69)。このステップS69の処理は、ステップS68の処理で決定した内部当籤役を示す3バイトのデータ値を、内部当籤役格納領域(格納領域1〜3)に格納する処理である。
ステップS69の処理を実行した後には、本サブルーチンを終了する。
このように、本実施の形態において、メインCPU73は、内部当籤役決定手段を構成する。
<リール停止初期設定処理>
図27は、図23に示したメイン制御処理のステップS6において呼び出されるリール停止初期設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、メインCPU73は、リール停止初期設定テーブル(図19参照)を参照し、当籤番号(内部当籤役)に基づいて各情報を取得する(S80)。
ステップS80の処理において、メインCPU73は、例えば、第1〜第3停止時に使用する停止テーブルの番号や制御変更処理において制御変更を行うために必要な情報(すなわち、リール3L、3C、3Rが特定の順番で停止される際に、特定の位置で停止(あるいは押下)された場合に、再度、停止テーブルを選択し直すために用いられる情報)等を取得する。
停止テーブル選択データ群には、押下位置に対する滑り駒数の情報が直接的または間接的に格納されており、これらの情報を使用して、遊技者に不利益を与えず、かつ、誤入賞を発生させない限度において、開発者の意図する停止位置で停止させるように構成されている。
次に、メインCPU73は、メインRAM75の図柄コード格納領域の各格納領域に回転中の識別子を格納し(S81)、ストップボタン未作動カウンタに"3"を格納し(S82)、このリール停止初期設定処理を終了する。
<フリーズ開始処理>
図28は、図23に示したメイン制御処理のステップS8の処理で呼び出されるフリーズ開始処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、メインCPU73は、ART中に、ゲームを開始するためのスタートレバー16が操作されると、フリーズ当籤の契機となる「リプレイ10」が当籤したか否かを判断する(S320)。当籤したと判断しない場合(No)、メインCPU73は、本サブルーチンを終了する。
一方、内部当籤役を決定する内部抽籤処理によって、「リプレイ10」が当籤したと判断した場合(Yes)、メインCPU73は、例えば、メインRAM75内に準備されるメイン側のストック格納領域(図示せず)にエリア番号1をセットする(S321)。
すなわち、メイン側のストック格納領域内に、図20のリールアクション選択番号テーブルにおけるロック番号を個々(一単位遊技毎)にストックさせるためのエリアを確保する。
次に、メインCPU73は、ステップS321の処理を実行した後、ステップS322に処理を移して、リールアクション選択番号テーブル(図20参照)による抽籤処理を行って、ロック番号1〜6のいずれか1つを決定する。
本実施の形態においては、メインCPU73によって、本発明のリール演出決定手段が構成される。
次に、メインCPU73は、ステップS322の処理を実行した後、ステップS323に処理を移して、所定の制限時間を設けるためにロックタイマ(制限時間検出手段)に、例えば"10000"をセットする。
次に、メインCPU73は、ステップS323の処理を実行した後、ステップS324に処理を移して、リール3L、3C、3Rをフリーズ(所定時間停止)させる(例えば、図29(a)参照)。
その際、サブCPU82は、リール3L、3C、3Rを照明するランプ20の消灯を実行する。
次に、メインCPU73は、ステップS324の処理を実行した後、ステップS325に処理を移して、ロック用ストップボタン未作動カウンタ(図示せず)に、例えば"3"を格納する。
次に、メインCPU73は、ステップS325の処理を実行した後、ステップS326に処理を移して、フリーズ開始コマンドデータを主制御基板31から副制御基板41へ送信するフリーズ開始コマンド送信処理を実行する。
このフリーズ開始コマンド送信処理により、副制御回路81では、主制御回路71側でのフリーズ開始やストックのために決定されたロック番号を認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することが可能になる。
次に、メインCPU73は、ステップS326の処理を実行した後、ステップS327に処理を移して、所定の共通リールアクションを実行する。所定の共通リールアクションとは、例えば図29(b)に示すように、リール3L、3C、3Rが同時に通常のゲーム時よりも低速で順回転されるリールアクションパターンでの演出である。
なお、所定の共通リールアクションとしては、リール3L、3C、3Rを低速回転させる場合に限らず、例えば、通常のゲーム時とは異なる挙動を全リール3L、3C、3Rが一律に行うものであればよい。
次に、メインCPU73は、ステップS327の処理を実行した後、ステップS328に処理を移して、上述のステップS322で決定したロック番号のリールアクションを実行するための準備を行う。準備として、メインCPU73は、例えば、決定したリールアクションに応じて、各リール3L、3C、3Rの挙動を制御するために、ステッピングモータ38cに出力されるパルスを生成する。
この際、サブCPU82は、例えば、フリーズ開始コマンドに基づいた所定のART当籤告知等の演出を実行するとともに、第1〜第3停止操作するストップボタン17L、17C、17Rの押し順報知(ナビ)を行う。
次に、メインCPU73は、ステップS328の処理を実行した後、ステップS329に移行して、押し順報知に対応する、有効(実際の遊技の進行に寄与しない擬似的)なストップボタン17L、17C、17Rが押下されたか否かを、ボタン毎に判断する処理を行う。
有効なストップボタン17L、17C、17Rが押下されたか否かの判断は、例えば図16(c)に示した作動ストップボタン格納領域をチェックすることにより判断できる。
メインCPU73は、ステップS329での判断処理により、有効なストップボタン17L、17C、17Rが押下されたと判断しない場合(No)、ステップS334に処理を移す。
次に、メインCPU73は、上述したステップS323においてセットされたロックタイマのタイマ値が"0"か否かを判断する(S334)。この判断処理において、ロックタイマのタイマ値が"0"でないと判断した場合には(No)、メインCPU73は、上述したステップS329に処理を戻す。
この場合、例えば図29(d)に示すように、各リール3L、3C、3Rは、所定の制限時間を経過するまで、上述した所定の共通リールアクションを実行したままとなる。なお、所定の制限時間を経過することにより、自動的に次段の処理(すなわち、フリーズ状態が継続するか否かを内部抽籤により決定する処理)へと移行する。
一方、ステップS329での判断処理により、有効なストップボタン17L、17C、17Rが押下されたと判断した場合(Yes)、メインCPU73は、ステップS330において、有効なボタン操作に対応するリールによって、ロック番号抽籤の結果に応じたリールアクションを実行する。
次に、メインCPU73は、ステップS330の処理を実行した後、ステップS331に処理を移して、ロック用ストップボタン未作動カウンタの格納値から"1"を減算する処理を行う。
次に、メインCPU73は、ステップS331の処理を実行した後、ステップS332に処理を移して、ロック用ストップボタン未作動カウンタの格納値が"0"か否かを判断する。この判断処理において、ロック用ストップボタン未作動カウンタの格納値が"0"でないと判断した場合には(No)、メインCPU73は、上述したステップS329に処理を戻す。
こうして、メインCPU73は、リール3L、3C、3Rの個数に応じて上記ステップS329〜S332を繰り返すことにより、各ストップボタン17L、17C、17Rが押下されたことを契機として、それぞれ、ステップS322において決定されたロック番号に対応するリールアクションパターンによって、各リール3L、3C、3Rの挙動を1つずつ制御する(例えば、図29(c)参照)。
また、メインCPU73は、全ストップボタン17L、17C、17Rが停止操作されたことに伴って、擬似的に、つまりゲームの開始には関係しない(内部当籤役の決定に寄与しない)スタートレバー16の操作を促す案内を行う。
一方、ステップS332での判断処理により、ロック用ストップボタン未作動カウンタの格納値が"0"であると判断した場合(Yes)、メインCPU73は、ステップS333において、スタートレバー16が操作されたか否か、あるいは、ロックタイマのタイマ値が"0"か否かを判断する処理を行う。
この判断処理において、いずれも"No"の判断結果が得られた場合には、メインCPU73は、いずれか"Yes"の判断結果が得られるまで、当該処理(S333)を繰り返す。すなわち、スタートレバー16が操作されたと判断するまで、あるいは、ロックタイマのタイマ値が"0"であると判断するまで、メインCPU73は、このステップS333での処理を繰り返す。
上述の判断処理において、スタートレバー16が操作されたと判断し、あるいは、ロックタイマのタイマ値が"0"であると判断した場合(ステップS333、S334のYes)、メインCPU73は、メイン側のストック格納領域にセットされているエリア番号1に対応付けて、リールアクション選択番号テーブルより決定されたロック番号をストックする処理を行う(S335)。
すなわち、ステップS335においては、スタートレバー16が操作されたこと、あるいは、所定の制限時間が経過したことを契機として、メインCPU73の制御により、ステップS321においてセットされたメイン側のストック格納領域のエリア番号1に対応するエリアに、ステップS322において決定されたロック番号をストックさせるための処理が行われる。
次に、メインCPU73は、ステップS335の処理を実行した後、ステップS336に処理を移し、メイン側のストック格納領域にセットされている最大のエリア番号に"1"を加算する。これにより、メイン側のストック格納領域に、上記のエリア番号1とは異なるエリア番号のエリアが確保される。
この処理により、メイン側のストック格納領域には、順次、決定されるロック番号に対応するリールアクション演出のための各種のアクションパターンが、エリア番号毎(ロック番号毎)にストックされる。
次に、メインCPU73は、ステップS336の処理を実行した後、フリーズ継続抽籤テーブル(図21参照)による抽籤処理を行い(S337)、フリーズ継続抽籤に当籤したか否かを判断する(S338)。
本実施の形態においては、メインCPU73によって、本発明のフリーズ継続決定手段が構成される。
この抽籤に非当籤となった場合、すなわち、「終了」に当籤した場合(ステップS338のNo)、メインCPU73は、本サブルーチンを終了する。
フリーズ継続抽籤に非当籤となると、フリーズが解除された後の次のゲーム(次遊技)において、リール3L、3C、3Rが規定の速度で回転される。また、有効なストップボタン17L、17C、17Rの停止操作(実際の遊技の進行に寄与する停止操作)により、フリーズ発生時の「リプレイ10」が入賞となる(例えば、図29(f)参照)。
一方、ステップS337でのフリーズ継続抽籤において、当籤となった場合、すなわち、「継続」に当籤した場合(ステップS338のYes)、メインCPU73は、ステップS322に処理を移し、再度、ステップS322〜の処理を繰り返す(例えば、図29(e)参照)。
このように、ステップS337でのフリーズ継続抽籤において「継続」に当籤し続ける限り、本ゲーム(「リプレイ10」が内部当籤役として決定された遊技)について、ステップS322において決定されるロック番号に対応するリールアクション演出のためのアクションパターンが、メイン側のストック格納領域の各エリアにエリア番号順(一単位遊技毎)にストックされる。
図29(c)に示したように、本実施の形態においては、リールアクション演出のためのアクションパターンをストックするのみでなく、ストップボタン17L、17C、17Rの停止操作に伴って、ロック番号抽籤の結果に応じたリールアクションを実行するようにしている。そのため、リール3L、3C、3Rに視線を向けたままの遊技者に対して、「リプレイ10」が当籤したこと等を簡単に報知でき、今後の遊技の展開に対する期待感を向上させることが可能となる。
<フリーズ放出処理>
図30は、図23に示したメイン制御処理のステップS9の処理で呼び出されるフリーズ放出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、メインCPU73は、ゲームを開始するためのスタートレバー16が操作されると、前回のゲーム(「リプレイ10」が内部当籤役として決定された遊技)において、フリーズ当籤の契機となる「リプレイ10」が入賞したか否かを判断する(S340)。入賞したと判断しない場合(No)、メインCPU73は、本サブルーチンを終了する。
すなわち、スタートレバー16の操作が、「リプレイ10」が入賞した状態でのARTゲームの開始を指示するものか否かを判断する。「リプレイ10」が入賞した状態での次遊技でない場合には、メインCPU73は、このフリーズ放出処理をスルーする。
一方、前回のゲーム(「リプレイ10」が内部当籤役として決定された遊技)において、「リプレイ10」が入賞したと判断した場合(Yes)、メインCPU73は、例えば、メインRAM75におけるメイン側のストック格納領域から放出させるリールアクションを決定する(S341)。
本実施の形態においては、メイン側のストック格納領域内に確保された各エリアにストックされたロック番号が、例えば各エリア番号の昇順に放出されることになる。なお、エリア番号の昇順によらず、抽籤等により決定することとしてもよい。
次に、メインCPU73は、ステップS341の処理を実行した後、ステップS342に処理を移して、所定の制限時間を設けるためにロックタイマ(図示せず)に、例えば"10000"をセットする。
次に、メインCPU73は、ステップS342の処理を実行した後、ステップS343に処理を移して、リール3L、3C、3Rをフリーズ(所定時間停止)させる(例えば、図31(a)参照)。
その際、サブCPU82は、リール3L、3C、3Rを照明するランプ20の消灯を実行する。
次に、メインCPU73は、ステップS343の処理を実行した後、ステップS344に処理を移して、放出用ストップボタン未作動カウンタ(図示せず)に、例えば"3"を格納する。
次に、メインCPU73は、ステップS344の処理を実行した後、ステップS345に処理を移して、ストック放出コマンドデータを主制御基板31から副制御基板41へ送信するストック放出コマンド送信処理を実行する。
このストック放出コマンド送信処理により、副制御回路81では、主制御回路71側でのストック放出や放出のために決定されたロック番号を認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することが可能になる。
次に、メインCPU73は、ステップS345の処理を実行した後、ステップS346に処理を移して、リール3L、3C、3Rが同時に通常のゲーム時よりも低速で順回転される、上述した所定の共通リールアクションを実行する(例えば、図31(b)参照)。
次に、メインCPU73は、ステップS346の処理を実行した後、ステップS347に処理を移して、上述のステップS341で放出すると決定したリールアクションを実行するための準備を行う。準備として、メインCPU73は、例えば、決定したリールアクションに応じて、各リール3L、3C、3Rの挙動を制御するために、ステッピングモータ38cに出力されるパルスを生成する。
この際、サブCPU82は、例えば、ストック放出コマンドに基づいた所定の演出を実行するとともに、第1〜第3停止操作するストップボタン17L、17C、17Rの押し順報知(ナビ)を行う。
次に、メインCPU73は、ステップS347の処理を実行した後、ステップS348に移行して、押し順報知に対応する、有効(実際の遊技の進行に寄与しない擬似的)なストップボタン17L、17C、17Rが押下されたか否かを、ボタン毎に判断する処理を行う。
メインCPU73は、ステップS348での判断処理により、有効なストップボタン17L、17C、17Rが押下されたと判断しない場合(No)、ステップS353に処理を移す。
次に、メインCPU73は、上述したステップS342においてセットされたロックタイマのタイマ値が"0"か否かを判断する(S353)。この判断処理において、ロックタイマのタイマ値が"0"でないと判断した場合には(No)、メインCPU73は、上述したステップS348に処理を戻す。
この場合、例えば図31(d)に示すように、各リール3L、3C、3Rは、所定の制限時間を経過するまで、上述した所定の共通リールアクションを実行したままとなる。なお、所定の制限時間を経過することにより、自動的に次段の処理へと移行する。
一方、ステップS348での判断処理により、有効なストップボタン17L、17C、17Rが押下されたと判断した場合(Yes)、メインCPU73は、ステップS349において、有効なボタン操作に対応するリールによって、放出すると決定されたロック番号に対応するアクションパターンによるリールアクション演出を実行する。
その際、サブCPU82は、リール3L、3C、3Rを照明するランプ20の消灯を実行する。
また、サブCPU82においては、この移行時に、決定されたロック番号に基づいて抽籤されたART上乗せゲーム数の報知が行われる。すなわち、サブCPU82は、上乗せゲーム数抽籤テーブル(図22参照)による抽籤処理を行って、決定されたロック番号に応じた抽籤確率でART上乗せゲーム数を抽籤し、その抽籤の結果を、ロック番号に対応させて、サブRAM83内の対応するエリア番号のエリアに格納するとともに、液晶表示装置10により表示させる。
次に、メインCPU73は、ステップS349の処理を実行した後、ステップS350に処理を移して、放出用ストップボタン未作動カウンタの格納値から"1"を減算する処理を行う。
次に、メインCPU73は、ステップS350の処理を実行した後、ステップS351に処理を移して、放出用ストップボタン未作動カウンタの格納値が"0"か否かを判断する。この判断処理において、放出用ストップボタン未作動カウンタの格納値が"0"でないと判断した場合には(No)、メインCPU73は、上述したステップS348に処理を戻す。
こうして、メインCPU73は、リール3L、3C、3Rの個数に応じて上記ステップS348〜S351を繰り返すことにより、各ストップボタン17L、17C、17Rが押下されたことを契機として、それぞれ、ステップS341において決定されたロック番号に対応するリールアクションパターンによって、各リール3L、3C、3Rの挙動を1つずつ制御する(例えば、図31(c)参照)。
また、メインCPU73は、全ストップボタン17L、17C、17Rが停止操作されたことに伴って、ゲームの開始には関係しない(内部当籤役の決定に寄与しない)スタートレバー16の擬似的な操作を促す案内を行う。
一方、ステップS351での判断処理により、放出用ストップボタン未作動カウンタの格納値が"0"であると判断した場合(Yes)、メインCPU73は、ステップS352において、スタートレバー16が操作されたか否か、あるいは、ロックタイマのタイマ値が"0"か否かを判断する処理を行う。
この判断処理において、いずれも"No"の判断結果が得られた場合には、メインCPU73は、いずれか"Yes"の判断結果が得られるまで、当該処理(S352)を繰り返す。すなわち、スタートレバー16が操作されたと判断するまで、あるいは、ロックタイマのタイマ値が"0"であると判断するまで、メインCPU73は、このステップS352での処理を繰り返す。
上述の判断処理において、スタートレバー16が操作されたと判断し、あるいは、ロックタイマのタイマ値が"0"であると判断した場合(ステップS352、S353のYes)、メインCPU73は、メイン側のストック格納領域にストックされているロック番号(エリア番号)のストック数から"1"を減算する(S354)。
すなわち、ステップS354においては、スタートレバー16が操作されたこと、あるいは、所定の制限時間が経過したことを契機として、メインCPU73の制御により、ステップS349において実行されたリールアクションに対応するロック番号がストックされたエリアを未記録状態にするための処理が行われる。
次に、メインCPU73は、ステップS354の処理を実行した後、ステップS355に処理を移して、メイン側のストック格納領域にストックされているロック番号のストック数が"0"か否かを判断する。
この判断処理において、ストックされているロック番号のストック数が"0"であると判断した場合には(Yes)、メインCPU73は、本サブルーチンを終了する(例えば、図31(f)参照)。すなわち、次回のARTゲームにおいて、遊技状態が通常のART状態に復帰するとともに、リール3L、3C、3Rが規定の速度で回転される。
一方、ステップS355での判断処理において、メイン側のストック格納領域にストックされているロック番号のストック数が"0"でないと判断した場合には(No)、メインCPU73は、ステップS341に処理を移し、ステップS341〜の処理を繰り返す(例えば、図31(e)参照)。
より詳しくは、フリーズが解除された直後の1回目のARTゲーム(次遊技)においては、例えば、メインRAM75におけるメイン側のストック格納領域のエリア番号1に対応するエリアにストックされたロック番号1の演出パターンにしたがって、各リール3L、3C、3Rがともに振動される。
ロック番号のストック数が"0"でなければ、スタートレバー16の擬似的な操作に伴って、例えば、メインRAM75におけるメイン側のストック格納領域のエリア番号2に対応するエリアにストックされたロック番号6の演出パターンにしたがって、各リール3L、3C、3Rがいずれも逆回転される。
このようにして、メイン側のストック格納領域にストックされているロック番号のストック数が"0"になるまで、上述したリールアクション演出がストック数に応じて次回のARTゲームに対して連続して一気に放出される。
本実施の形態においては、メインCPU73によって、本発明の演出態様ストック放出手段が構成されている。
すなわち、本実施の形態によれば、フリーズの当籤告知を行う際に、ストップボタン17L、17C、17Rやスタートレバー16の操作に伴い、ストック数に応じたリールアクションパターンに基づいて、フリーズが解除した後の次ゲームに対するリールアクション演出が継続する仕様とすることができる。これにより、リールアクション演出に継続性が生まれ、フリーズ当籤告知のためのリールアクション演出のバリエーションを増加できるようになる。その結果、他の機器との差別化が容易になるとともに、ゲーム毎に決められたリール単体の動きによる告知によって演出が単調になるのを防ぐことが可能となる。したがって、フリーズ当籤告知の方法がパターン化して遊技者が飽きるのを改善できる。
なお、リールアクション演出は、ストック数によらず、次回のARTゲームに対して全て放出する場合に限らず、例えば、複数回のARTゲームにおいて個々に放出することとしてもよい。
<リール停止制御処理>
図32は、図23に示したメイン制御処理のステップS14の処理で呼び出されるリール停止制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、メインCPU73は、引込優先順位格納処理を実行する(S90)。この引込優先順位格納処理によって、メインCPU73は、回転しているリール3L、3C、3Rの全ての図柄の引込優先順位を決定する。
すなわち、内部当籤役に基づいて、回転中の各リール3L、3C、3Rの図柄位置毎に停止情報を格納する。例えば、停止許可の場合には、引込優先順位テーブル(図18(a)参照)に基づいて、その引込優先順位データを格納する。他方、停止不許可(例えば、当籤していない役が入賞してしまう場合等)の場合には、停止禁止を格納する。
次に、メインCPU73は、有効なストップボタン17L、17C、17Rが押下されたか否かを判断する(S91)。この処理は、ストップスイッチ基板58に設けられたストップスイッチ(図示せず)から信号が出力されたか否かを判断する処理である。
メインCPU73は、有効なストップボタン17L、17C、17Rが押下されていないと判断したときには(No)、このステップS91の処理を繰り返す。
メインCPU73は、ステップS91の判断処理で、有効なストップボタン17L、17C、17Rが押下されたと判断したときには(Yes)、押下されたストップボタン17L、17C、17Rに応じて、図16(c)に示す作動ストップボタン格納領域と、図16(d)に示す押下順序格納領域と、を更新する(S92)。
メインCPU73は、第1停止操作、第2停止操作および第3停止操作のそれぞれに対応する作動ストップボタンの種別を、図16(d)に示す押下順序納領域に格納し、該当該格納領域を参照することで、ストップボタン17L、17C、17Rの押し順を判断することができる。
次に、メインCPU73は、ストップボタン未作動カウンタから"1"を減算する(S93)。
次に、メインCPU73は、作動ストップボタンから検索対象リールを決定する(S94)。
次に、メインCPU73は、図柄カウンタに基づいて停止開始位置を格納する(S95)。停止開始位置は、ストップスイッチによって停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置である。
次に、メインCPU73は、リール停止コマンドデータを主制御基板31から副制御基板41へ送信するリール停止コマンド送信処理を実行する(S96)。このリール停止コマンドには、停止されるリールの種別、停止開始位置および滑り駒数(または、停止予定位置)等の情報も含まれる。
次に、メインCPU73は、リール停止初期設定処理(図27参照)で取得した各情報と、引込優先順位データと、停止開始位置と、に基づいて停止予定位置を決定し、格納する(S97)。停止予定位置は、滑り駒数として規定されている予め定められた"0"〜"4"の数値のうちのいずれかを停止開始位置に加算した図柄位置であり、リールの回転が停止する図柄位置である。
次に、メインCPU73は、ストップボタン未作動カウンタが"0"であるか否かを判断する(S98)。
メインCPU73は、ステップS98の判断処理で、ストップボタン未作動カウンタが"0"でないと判断したときには(No)、引込優先順位格納処理を実行し(S99)、ステップS91に処理を戻す。
メインCPU73は、ステップS98の判断処理で、ストップボタン未作動カウンタが"0"であると判断したときには(Yes)、直ちに本サブルーチンを終了する。
<RT制御処理>
図33は、図23に示したメイン制御処理のステップS18の処理で呼び出されるRT制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、メインCPU73は、遊技状態がRT0遊技状態か否かを判断する(S300)。例えば、図16(e)に示す遊技状態フラグ格納領域の各ビット0〜2をチェックすることにより、メインCPU73は、遊技状態がRT0遊技状態か否かを判断する。すなわち、メインCPU73は、遊技状態フラグ格納領域の各ビット0〜2のデータが全て"0"ならば、RT0遊技状態であると判断する。
メインCPU73は、ステップS300の判断処理において、遊技状態がRT0遊技状態であると判断したときには(Yes)、「RT移行図柄1、2」が表示されたか否かを判断する(S301)。
ここで、「RT移行図柄1(「スイカ−リプレイ−スイカ」)」および「RT移行図柄2(「スイカ−スイカ−リプレイ」)」は、RT1遊技状態への移行図柄であるため(図9、図12参照)、ステップS301の判断処理において、遊技状態をRT1遊技状態に移行させるかが判断される。
メインCPU73は、ステップS301の判断処理において、「RT移行図柄1、2」が表示されたと判断したときには(Yes)、遊技状態をRT1遊技状態に更新し(S302)、本サブルーチンを終了する。
ステップS300の判断処理において、遊技状態がRT0遊技状態でないと判断した場合(No)、または、ステップS301の判断処理において、「RT移行図柄1、2」が表示されていないと判断した場合(No)、メインCPU73は、遊技状態がRT1遊技状態か否かを判断する(S303)。例えば、図16(e)に示す遊技状態フラグ格納領域のビット0のデータが"1"ならば、メインCPU73は、RT1遊技状態であると判断する。
メインCPU73は、ステップS303の判断処理において、遊技状態がRT1遊技状態であると判断したときには(Yes)、「リプレイ2〜4」が表示されたか否かを判断する(S304)。
ここで、「リプレイ2(「リプレイ−赤7−リプレイ」)」、「リプレイ3(「リプレイ−青7−リプレイ」)」、「リプレイ4(「リプレイ−黄7−リプレイ」)」は、RT2遊技状態への移行図柄であるため(図9、図12参照)、ステップS304の判断処理において、遊技状態をRT2遊技状態に移行させるかが判断される。
メインCPU73は、ステップS304の判断処理において、「リプレイ2〜4」が表示されたと判断したときには(Yes)、遊技状態をRT2遊技状態に更新し(S305)、本サブルーチンを終了する。
ステップS303の判断処理において、遊技状態がRT1遊技状態でないと判断した場合(No)、または、ステップS304の判断処理において、「リプレイ2〜4」が表示されていないと判断した場合(No)、メインCPU73は、遊技状態がRT2遊技状態か否かを判断する(S306)。例えば、図16(e)に示す遊技状態フラグ格納領域のビット1のデータが"1"ならば、メインCPU73は、RT2遊技状態であると判断する。
メインCPU73は、ステップS306の判断処理において、遊技状態がRT2遊技状態であると判断したときには(Yes)、「リプレイ6〜8」が表示されたか否かを判断する(S307)。
ここで、「リプレイ6(「リプレイ−リプレイ−赤7」)」、「リプレイ7(「リプレイ−リプレイ−青7」)」、「リプレイ8(「リプレイ−リプレイ−黄7」)」は、RT3遊技状態への移行図柄であるため(図9、図12参照)、ステップS307の判断処理において、遊技状態をRT3遊技状態に移行させるかが判断される。
メインCPU73は、ステップS307の判断処理において、「リプレイ6〜8」が表示されたと判断したときには(Yes)、遊技状態をRT3遊技状態に更新し(S308)、本サブルーチンを終了する。
メインCPU73は、ステップS307の判断処理において、「リプレイ6〜8」が表示されていないと判断したときには(No)、「リプレイ9」、「RT移行図柄1、2」が表示されたか否かを判断する(S309)。
ここで、「リプレイ9(「リプレイ−リプレイ−ベル」)」、「RT移行図柄1、2」は、RT1遊技状態への移行図柄であるため(図9、図12参照)、ステップS309の判断処理において、遊技状態をRT1遊技状態に移行させるかが判断される。
メインCPU73は、ステップS309の判断処理において、「リプレイ9」、「RT移行図柄1、2」が表示されていないと判断した場合(No)、本サブルーチンを終了する。
メインCPU73は、ステップS309の判断処理において、「リプレイ9」、「RT移行図柄1、2」が表示されたと判断したときには(Yes)、遊技状態をRT1遊技状態に更新し(S310)、本サブルーチンを終了する。
ステップS306の判断処理において、遊技状態がRT2遊技状態でないと判断した場合(No)、メインCPU73は、遊技状態がRT3遊技状態か否かを判断する(S311)。例えば、図16(e)に示す遊技状態フラグ格納領域のビット2のデータが"1"ならば、メインCPU73は、RT3遊技状態であると判断する。
メインCPU73は、ステップS311の判断処理において、遊技状態がRT3遊技状態であると判断したときには(Yes)、「RT移行図柄1、2」が表示されたか否かを判断する(S312)。
メインCPU73は、ステップS312の判断処理において、「RT移行図柄1、2」が表示されたと判断したときには(Yes)、遊技状態をRT1遊技状態に更新し(S313)、本サブルーチンを終了する。
ステップS311の判断処理において、遊技状態がRT3遊技状態でないと判断した場合(No)、または、ステップS312の判断処理において、「RT移行図柄1、2」が表示されていないと判断した場合(No)、本サブルーチンを終了する。
なお、本実施の形態においては、「小役9(「赤7−スイカ−スイカ」)」の入賞により、または、「小役8(「スイカ−スイカ−スイカ」)」の入賞時にART当籤フラグ抽籤に当籤したことにより、ART当籤フラグがオンになった状況で、「リプレイ6〜8」が表示されることによって、ART状態へと移行する(図9、図12参照)。
<リプレイ作動チェック処理>
図34は、図23に示すメイン制御処理のステップS19の処理で呼び出されるリプレイ作動チェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、メインCPU73は、「リプレイ1〜10」のいずれかが入賞したかを判断する(S110)。
「リプレイ1〜10」のいずれにも入賞していないと判断した場合(No)、メインCPU73は、本サブルーチンを終了する。
一方、「リプレイ1〜10」のいずれかが入賞したと判断した場合には(Yes)、メインCPU73は、自動投入カウンタに投入枚数カウンタの値を複写する自動投入要求を行い(S111)、本サブルーチンを終了する。
<メインCPUの制御による割込処理>
図35は、メインCPU73の制御による割込処理のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理は、1.1172ミリ秒(ms)毎に呼び出されて実行される。
最初に、メインCPU73は、レジスタの退避を行う(S120)。
続いて、メインCPU73は、入力ポートチェック処理を行う(S121)。この処理では、メインCPU73は、マイクロコンピュータ72へ送信される信号の有無を確認する。例えば、メインCPU73は、スタートスイッチ57、ストップスイッチ等のオンエッジ、オフエッジを割込処理毎に格納する。
また、メインCPU73は、各種スイッチのオンエッジ、オフエッジの情報を含む入力状態コマンドをメインRAM75の通信データ格納領域(不図示)に格納する。格納された入力状態コマンドは、後述する割込処理のコマンドデータ送信処理において、副制御回路81に送信される。これにより、スタートレバー16やストップボタン17L、17C、17Rといった操作手段を用いて、各種演出を実行することができる。
続いて、メインCPU73は、タイマ更新処理を行う(S122)。
次に、メインCPU73は、コマンドデータ送信処理を行う(S123)。この処理では、コマンドデータを副制御基板41の副制御回路81へ送信する。
続いて、メインCPU73は、リール3L、3C、3Rの回転を制御するリール制御処理を行う(S124)。
より詳細には、メインCPU73は、リール3L、3C、3Rの回転を開始する旨の要求、すなわち、開始操作に応じて、リール3L、3C、3Rの回転を開始するとともに、一定の速度でリール3L、3C、3Rが回転するように制御を行う。また、停止操作に応じて、停止操作に対応するリール3L、3C、3Rの回転が停止するように制御を行う。
続いて、メインCPU73は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(S125)。例えば、メインCPU73は、クレジットされているメダルの枚数、払出枚数等を各種表示部に表示する。
続いて、メインCPU73は、レジスタの復帰を行い(S126)、定期的に発生する割込みの処理を終了する。
<副制御処理>
副制御回路81のサブCPU82は、図36〜図50に示すフローチャートにしたがって、各種のプログラムを実行する。
<電源投入時の処理>
図36は、電源投入時の処理に係る副制御回路81の動作(サブ制御処理)を示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、初期化処理を実行する(S130)。この処理では、サブCPU82は、サブRAM83等のエラーチェック、タスクシステムの初期化を行う。タスクシステムは、タイマ割込同期のタスクグループであるランプ制御タスク、サウンド制御タスク、および、VSYNC(Vertical Synchronization)割込同期のタスクグループであるマザータスクを含む。
次に、サブCPU82は、図37に示すランプ制御タスクを起動する(S131)。ランプ制御タスクは、サブCPU82が、サブCPU82に対して2ミリ秒毎に送信されるタイマ割込イベントメッセージを受け取るのを待ち、このタイマ割込イベントメッセージを受け取ったことに応じて、各種ランプの点灯状態を制御する処理を実行するためのものである。
次に、サブCPU82は、図38に示すサウンド制御タスクを起動する(S132)。サウンド制御タスクは、サブCPU82が、スピーカ48L、48R、49L、49Rからの出音状態を制御する処理を実行するためのものである。
次に、サブCPU82は、図39に示すマザータスクを起動し(S133)、処理を打ち切る。マザータスクは、VSYNC割込同期のタスクグループであり、液晶表示装置10で1フレームの映像が表示されたときに、液晶表示装置10から送られる垂直同期信号(VSYNC割込信号)を用いる。
<ランプ制御タスク>
図37は、ランプ制御タスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、タイマ割込初期化処理を実行する(S140)。
次に、サブCPU82は、ランプ関連データの初期化処理を実行する(S141)。
次に、サブCPU82は、タイマ割込待ちを実行する(S142)。この処理では、サブCPU82が2ミリ秒毎にタイマ割込イベントメッセージを受け取るまでの間、サブCPU82は、タイマ割込同期とは異なるタスクグループを実行する。
タイマ割込同期とは異なるタスクグループとして、例えば、コマンド受信割込同期のタスクグループである主基板通信タスクが挙げられる。また、電源割込同期のタスクグループ(図示せず)や、ドア開閉監視ユニット通信同期のタスクグループ(図示せず)が挙げられる。
次に、サブCPU82は、図38に示すサウンド制御タスクを実行する(S143)。この処理では、ランプ制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスクを実行する。
本実施の形態では、タイマ割込同期のタスクグループの優先順位は、基本的に、ランプ制御タスク、サウンド制御タスクの順としている。したがって、ステップS143では、ランプ制御タスクの次の優先順位にあるサウンド制御タスクを実行する。
なお、ステップS143では、図38に示すサウンド制御タスクのうち、ステップS152およびステップS153の処理が行われる。
次に、サブCPU82は、ランプデータ解析処理を実行する(S144)。
次に、サブCPU82は、ランプ演出実行処理を実行し(S145)、ステップS142に処理を戻す。
<サウンド制御タスク>
図38は、サウンド制御タスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、スピーカ48L、48R、49L、49Rからの出音状態に関連するサウンド関連データの初期化処理を実行する(S150)。
次に、サブCPU82は、サウンド制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスク、すなわち、ランプ制御タスクを実行する(S151)。
次に、サブCPU82は、サウンドデータの解析処理を実行する(S152)。
次に、サブCPU82は、サウンド演出実行処理を行い(S153)、ステップS151に処理を戻す。
<マザータスク>
図39は、マザータスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、メインタスクの起動を実行する(S160)。
次に、サブCPU82は、主基板通信タスクの起動を実行する(S161)。
次に、サブCPU82は、アニメタスクを起動し(S162)、処理を打ち切る。
<メインタスク>
図40は、メインタスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、VSYNC割込初期化処理を実行する(S170)。
次に、サブCPU82は、VSYNC割込待ちを実行する(S171)。
次に、サブCPU82は、描画処理を実行し(S172)、ステップS171に処理を戻す。
<主基板通信タスク>
図41は、主基板通信タスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、通信メッセージキューの初期化を実行する(S180)。
次に、サブCPU82は、受信コマンドのチェックを実行する(S181)。
次に、サブCPU82は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判断する(S182)。
サブCPU82は、ステップS182の判断処理で、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判断したときには(No)、上述のステップS181へ処理を移す。
これに対して、前回とは異なるコマンドを受信したと判断したときには(Yes)、受信したコマンドが正規のコマンドであると判断して、ステップS183へ処理を移し、受信したコマンドから遊技情報を作成し、格納する。
そして、サブCPU82は、図42に示すコマンド解析処理のサブルーチンを呼び出して実行し(S184)、上述のステップS181へ処理を移す。
<コマンド解析処理>
図42は、図41に示す主基板通信タスクのステップS184の処理で呼び出されるコマンド解析処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、演出内容決定処理を実行する(S190)。
次に、サブCPU82は、ランプデータ決定処理を実行する(S191)。
次に、サブCPU82は、サウンドデータ決定処理を実行する(S192)。
次に、サブCPU82は、決定された各データを登録し(S193)、本サブルーチンを終了する。
<アニメタスク>
図43は、アニメタスクを示すフローチャートである。
初めに、サブCPU82は、前回の遊技情報との変化をチェックする(S200)。具体的には、サブCPU82は、割込処理(図35参照)によって更新された現在の遊技情報が、前回までの割込処理において、サブRAM83に登録されている遊技情報とは異なる遊技情報となっているか否かをチェックする。
続いて、サブCPU82は、オブジェクト制御処理を実行する(S201)。具体的には、上述のステップS200において、遊技状態が変化しているチェック結果が得られた場合に、サブCPU82は、当該遊技状態の変化に応じた画像の制御を行う。
続いて、サブCPU82は、アニメタスク管理処理を実行し(S202)、上述のステップS200へ処理を移す。
具体的には、パチスロ機1のキャビネット2a内に設けられている設定変更スイッチがオン状態のときに電源が投入されると、その旨を表す初期化コマンドが、主制御回路71から副制御回路81へ送信されることにより、サブCPU82は、アニメタスク管理処理(S202)において、当該初期化コマンドに応じたホールメニュータスクの実行要求を行う。これにより、初期化コマンドを受信すると、液晶表示装置10に、ホールメニューが表示される。
<演出内容決定処理>
図44は、図42に示すコマンド解析処理のステップS190の処理で呼び出される演出内容決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、初期化コマンド受信時であるか否かを判断する(S210)。
ステップS210の判断処理で、初期化コマンド受信時であると判断したときには(Yes)、サブCPU82は、初期化コマンド受信時処理を呼び出して実行し(S211)、本サブルーチンを終了する。例えば、メインCPU73は、初期化コマンドとして、設定値変更の有無や設定値の情報を送信する。サブCPU82は、ステップS211の処理で、これらを初期化コマンドとして受信する。
一方、ステップS210の判断処理で、初期化コマンド受信時でないと判断したときには(No)、サブCPU82は、メダル投入コマンド受信時であるか否かを判断する(S212)。
ステップS212の判断処理で、メダル投入コマンド受信時であると判断したときには(Yes)、サブCPU82は、メダル投入コマンド受信時処理を実行し(S213)、本サブルーチンを終了する。例えば、メインCPU73は、メダル投入コマンドとして、メダル投入の有無、投入枚数カウンタ・クレジットカウンタの値を送信する。サブCPU82は、ステップS213の処理で、これらをメダル投入コマンドとして受信する。
一方、ステップS212の判断処理で、メダル投入コマンド受信時でないと判断したときには(No)、サブCPU82は、スタートコマンド受信時であるか否かを判断する(S214)。
ステップS214の判断処理で、スタートコマンド受信時であると判断したときには(Yes)、サブCPU82は、図45に示すスタートコマンド受信時処理を呼び出して実行し(S215)、本サブルーチンを終了する。
例えば、メインCPU73は、スタートコマンドとして、遊技状態フラグの種別、内部当籤役の種別、特殊出力フラグの有無等を送信する。サブCPU82は、ステップS215の処理で、これらをスタートコマンドとして受信する。
一方、ステップS214の判断処理で、スタートコマンド受信時でないと判断したときには(No)、サブCPU82は、リール回転開始コマンド受信時であるか否かを判断する(S216)。
ステップS216の判断処理で、リール回転開始コマンド受信時であると判断したときには(Yes)、サブCPU82は、リール回転開始コマンド受信時処理を実行し(S217)、本サブルーチンを終了する。例えば、メインCPU73は、リール回転開始コマンドとして、リール3L、3C、3Rの回転が開始された旨を送信する。サブCPU82は、ステップS217の処理で、これをリール回転開始コマンドとして受信する。
一方、ステップS216の判断処理で、リール回転開始コマンド受信時でないと判断したときには(No)、サブCPU82は、リール停止コマンド受信時であるか否かを判断する(S218)。
ステップS218の判断処理で、リール停止コマンド受信時であると判断したときには(Yes)、サブCPU82は、リール停止コマンド受信時処理を実行し(S219)、本サブルーチンを終了する。
例えば、メインCPU73は、リール停止コマンドとして、停止リールの種別、停止開始位置および滑り駒数(または、停止予定位置)を送信する。サブCPU82は、ステップS219の処理で、これらをリール停止コマンドとして受信する。
一方、ステップS218の判断処理で、リール停止コマンド受信時でないと判断したときには(No)、サブCPU82は、表示コマンド受信時であるか否かを判断する(S220)。
ステップS220の判断処理で、表示コマンド受信時であると判断したときには(Yes)、サブCPU82は、図47に示す表示コマンド受信時処理を実行し(S221)、本サブルーチンを終了する。
例えば、メインCPU73は、表示コマンドとして、表示役の種別等を送信する。サブCPU82は、ステップS221の処理で、これらを表示コマンドとして受信する。
一方、ステップS220の判断処理で、表示コマンド受信時でないと判断したときには(No)、サブCPU82は、フリーズ開始コマンド受信時であるか判断する(S222)。
ステップS222の判断処理で、フリーズ開始コマンド受信時であると判断したときには(Yes)、サブCPU82は、図49に示すフリーズ開始コマンド受信時処理を呼び出して実行し(S223)、本サブルーチンを終了する。
例えば、メインCPU73は、フリーズ開始コマンドとして、当籤したロック番号等とともに、フリーズが開始された旨を送信する。サブCPU82は、ステップS223の処理で、これらをフリーズ開始コマンドとして受信する。
一方、ステップS222の判断処理で、フリーズ開始コマンド受信時でないと判断したときには(No)、サブCPU82は、ストック放出コマンド受信時であるか否かを判断する(S224)。
ステップS224の判断処理で、ストック放出コマンド受信時であると判断したときには(Yes)、サブCPU82は、図50に示すストック放出コマンド受信時処理を呼び出して実行し(S225)、本サブルーチンを終了する。
例えば、メインCPU73は、ストック放出コマンドとして、決定したロック番号等とともに、リールアクション放出が実行された旨を送信する。サブCPU82は、ステップS225の処理で、これらをストック放出コマンドとして受信する。
一方、ステップS224の判断処理で、ストック放出コマンド受信時でないと判断したときには(No)、サブCPU82は、入力状態コマンド受信時であるか判断する(S226)。
ステップS226の判断処理で、入力状態コマンド受信時であると判断したときには(Yes)、サブCPU82は、入力状態コマンド受信時処理を実行し(S227)、本サブルーチンを終了する。例えば、メインCPU73は、入力状態コマンドとして、各操作部がオンエッジ状態であるか、オフエッジ状態であるかを送信する。サブCPU82は、ステップS227の処理で、これらを入力状態コマンドとして受信する。
一方、ステップS226の判断処理で、入力状態コマンド受信時でないと判断したときには(No)、サブCPU82は、本サブルーチンを終了する。
<スタートコマンド受信時処理>
図45は、図44に示す演出内容決定処理のステップS215の処理で呼び出されるスタートコマンド受信時処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、ARTフラグがオンであるか否かを判断する(S230)。
ステップS230の処理において、ARTフラグがオンであると判断した場合には(Yes)、サブCPU82は、図46に示すART中処理を呼び出して実行し(S231)、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS230の処理において、ARTフラグがオンではないと判断した場合には(No)、サブCPU82は、ART当籤フラグがオンであるか否かを判断する(S232)。
ステップS232の処理において、ART当籤フラグがオンではない判断した場合には(No)、サブCPU82は、「小役9」が入賞したか否かを判断する(S233)。
ステップS233の処理において、「小役9」が入賞したと判断しなかった場合には(No)、サブCPU82は、「小役8」が入賞したか否かを判断する(S234)。
ステップS234の処理において、「小役8」が入賞したと判断した場合には(Yes)、サブCPU82は、ART当籤フラグ抽籤を実行する(S235)。
次に、サブCPU82は、ART当籤フラグ抽籤に当籤したか否かを判断する(S236)。
ステップS236の処理において、ART当籤フラグ抽籤に当籤したと判断した場合(Yes)、および、ステップS233の処理において、「小役9」が入賞したと判断した場合(Yes)、サブCPU82は、ART当籤フラグをオンにする(S237)。
サブCPU82は、ステップS237の処理を実行した後、および、ステップS232の処理において、ART当籤フラグがオンであると判断した場合(Yes)、ART当籤フラグ当籤用演出データを決定し、ステップS234の処理において、「小役8」が入賞したと判断しなかった場合(No)、および、ステップS236の処理において、ART当籤フラグ抽籤に当籤したと判断しなかった場合(No)、内部当籤役の当籤番号に基づいて通常時用演出データを決定する(S238)。
この処理では、サブCPU82は、内部当籤役が当籤番号1〜11である場合(図14参照)、すなわち「小役9」に当籤していない場合に、液晶表示装置10において、該当籤番号1〜11に応じた内容を報知するための演出を実行する。
なお、ランプ20およびスピーカ48L、48R、49L、49Rまたは可動体装置64A、64Bを用いた演出を行うこととしてもよい。
また、この演出の実行中は、右ストップボタン17Rを第1停止操作するようにナビが行われるが、当該演出の実行中以外、つまりART中およびART当籤フラグ当籤時以外に、右ストップボタン17Rが第1停止操作された場合にはペナルティが所定ゲーム数間発生するようにしてもよい。
ステップS238の処理を実行した後、サブCPU82は、本サブルーチンを終了する。
<ART中処理>
図46は、図45に示すスタートコマンド受信時処理のステップS231の処理で呼び出されるART中処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、「リプレイ10」が当籤したか否かを判断する(S240)。
ステップS240の判断処理において、「リプレイ10」が当籤したと判断した場合には(Yes)、サブCPU82は、所定のフリーズ開始用演出データを決定する処理を行い(S245)、本サブルーチンを終了する。
この処理では、サブCPU82は、内部当籤役が当籤番号8である場合(図14参照)に、液晶表示装置10において、フリーズに当籤したことを報知する演出を実行するための演出データを生成する。
なお、ランプ20およびスピーカ48L、48R、49L、49Rまたは可動体装置64A、64Bを用いた演出を実行することとしてもよい。
一方、ステップS240の判断処理において、「リプレイ10」が当籤したと判断しなかった場合には(No)、サブCPU82は、内部当籤役の当籤番号に基づいて、所定のART継続用演出データを決定する処理を行う(S241)。
この処理では、サブCPU82は、液晶表示装置10において、ART状態が継続していることを報知する演出(フリーズに当籤しなかったことを報知する演出)を実行するための演出データを生成する。
なお、ランプ20およびスピーカ48L、48R、49L、49Rまたは可動体装置64A、64Bを用いた演出を実行することとしてもよい。
ステップS241の処理を実行した後、サブCPU82は、図示せぬARTゲーム数カウンタから"1"を減算する(S242)。
次に、サブCPU82は、ARTゲーム数カウンタが"0"であるか否かを判断する(S243)。この処理では、サブCPU82は、ART状態において、規定の遊技回数(本実施の形態では、50ゲーム)の単位遊技が実行されたか否かを判断する。
ステップS243の処理において、ARTゲーム数カウンタが"0"ではないと判断した場合には(No)、サブCPU82は、本サブルーチンを終了する。この処理により、サブCPU82は、遊技状態がRT1遊技状態に降格した場合であっても、ART状態を維持する。
一方、ARTゲーム数カウンタが"0"であると判断した場合には(Yes)、サブCPU82は、ARTフラグをオフにし(S244)、本サブルーチンを終了する。この処理により、サブCPU82は、ART状態を終了する。
<表示コマンド受信時処理>
図47は、図44に示す演出内容決定処理のステップS221の処理で呼び出される表示コマンド受信時処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、サブCPU82は、ARTフラグがオンであるか否かを判断する(S270)。この処理において、ARTフラグがオンであると判断した場合には(Yes)、サブCPU82は、液晶表示装置10等によるART中用演出を実行し(S271)、本サブルーチンを終了する。
ここで、ART中用演出は、次の単位遊技においてもART状態が継続していることを報知する演出である。
一方、ステップS270の処理において、ARTフラグがオンではないと判断した場合には(No)、サブCPU82は、通常時処理を実行し(S272)、本サブルーチンを終了する。
<通常時処理>
図48は、図47に示す表示コマンド受信時処理のステップS272の処理で呼び出される通常時処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、サブCPU82は、ART当籤フラグがオンか否かを判断する(S280)。
この判断処理において、ART当籤フラグはオンでないと判断した場合には(No)、サブCPU82は、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS280の判断処理において、ART当籤フラグはオンであると判断した場合には(Yes)、サブCPU82は、遊技状態がRT2遊技状態か否かを判断する(S281)。
この判断処理において、RT2遊技状態でないと判断した場合には(No)、サブCPU82は、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS281の判断処理において、RT2遊技状態であると判断した場合には(Yes)、サブCPU82は、「リプレイ6〜8」が表示されたか否かを判断する(S282)。
この判断処理において、「リプレイ6〜8」が表示されてないと判断した場合には(No)、サブCPU82は、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS282の判断処理において、「リプレイ6〜8」が表示されたと判断した場合には(Yes)、サブCPU82は、ART当籤フラグをオフにする(S283)。
ステップS283の処理を実行した後、サブCPU82は、ARTフラグをオンにするとともに、ARTゲーム数カウンタに"50"をセットし(S284)、本サブルーチンを終了する。
<フリーズ開始コマンド受信時処理>
図49は、図44に示す演出内容決定処理のステップS223の処理で呼び出されるフリーズ開始コマンド受信時処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、サブCPU82は、決定したロック番号に基づいて、液晶表示装置10、ランプ20、スピーカ48L、48R、49L、49R、可動体装置64A、64Bを制御するための演出データを決定し、実行する(S360)。
また、この演出データは、サブRAM83のサブ側のストック格納領域にロック番号に対応付けられてストックされる。
また、ステップS360の処理を実行した後、サブCPU82は、決定したロック番号に基づいて上乗せゲーム数抽籤テーブル(図20参照)を抽籤し、決定されたART上乗せゲーム数を、サブ側のストック格納領域に、ロック番号に対応付けてストックする(S361)。
すなわち、決定されたART上乗せゲーム数は、例えば、メイン側より送信されるロック番号に対応させてエリア番号が割り当てられたサブ側のストック格納領域の各エリア内に、演出データとともにストックされる。
このステップS361の処理を実行した後、サブCPU82は、本サブルーチンを終了する。
本実施の形態においては、サブCPU82によって、本発明の上乗せ遊技回数決定手段が構成されている。
<ストック放出コマンド受信時処理>
図50は、図44に示す演出内容決定処理のステップS225の処理で呼び出されるストック放出コマンド受信時処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、サブCPU82は、サブ側のストック格納領域にロック番号毎にストックされている演出データを読み出し、当該処理に関して、液晶表示装置10等による所定の演出を実行する(S370)。
また、ステップS370の処理を実行した後、サブCPU82は、サブ側のストック格納領域にストックされている、該ロック番号に対応するART上乗せゲーム数を読み出し、ARTゲーム数カウンタに加算する(S371)。
ART上乗せゲーム数は、規定回数のARTゲームの残りゲーム数に加算される。
次に、ステップS371の処理を実行した後、サブCPU82は、サブ側のストック格納領域にストックされているロック番号の、ストック数から"1"を減算する(S372)。
ステップS372の処理を実行した後、サブCPU82は、ストック数が"0"か否かを判断する(S373)。
サブCPU82は、ストック数が"0"でないならば(No)、ステップS370に処理を移し、上述したステップS370〜の処理を繰り返す。
より具体的には、フリーズが解除された後の次回のARTゲームに対しては、例えば、サブRAM83におけるサブ側のストック格納領域のエリア番号1に対応するエリアにストックされたロック番号1の、"10"、"30"、"50"、"100"、"300"、"500"のいずれかに応じた上乗せゲーム数が加算される。
これに続いて、例えば、サブRAM83におけるサブ側のストック格納領域のエリア番号2に対応するエリアにストックされたロック番号6の、いずれかに応じた上乗せゲーム数が加算される。
この上乗せゲーム数の加算は、ストック数が"0"になるまで繰り返される。
一方、ストック数が"0"ならば(Yes)、所定のフリーズ終了用演出データを決定して、実行し(S374)、本サブルーチンを終了する。
本実施の形態においては、サブCPU82によって、本発明の遊技回数加算手段が構成されている。
上記したように、メダルの付与に関して有利なARTゲーム中において、フリーズに当籤すると、フリーズ状態が継続されている間はリールアクションの抽籤を繰り返し行い、当籤したリールアクションの演出パターンをそれぞれロック番号順にストックしておくとともに、フリーズ状態が終了した後の次回のARTゲームに対し、ストックしておいた全てのリールアクションの演出パターンをロック番号順に放出させることによって、ストック数に応じて次回のARTゲームにおけるリールアクションを、各種の演出パターンに基づいて制御できるようになる。そのため、フリーズ当籤の告知(当籤報知)に連続性を持たせることが可能となる。
特に、フリーズ状態が終了した後の次回のARTゲームにおいて、リールアクションが各種の演出パターンに応じて変化するようにしたことによって、フリーズ当籤告知のための演出のバリエーションを増加できるようになる。これにより、他の機器との差別化が容易になるとともに、リールアクションによる演出の内容が単調になるのを防ぐことが可能となり、フリーズ当籤告知の方法がパターン化して遊技者の興趣が削がれるのを改善できるようになる。
しかも、ストップボタンの停止操作やスタートレバーの開始操作に伴い、各種の演出パターンに基づいて変動する、ARTゲーム数を上乗せできるようになるため、遊技者の興趣をより高めることができる。
また、フリーズ当籤時の演出において、ランプ20を消灯させるようにした場合には、フリーズ当籤告知として、よりインパクトを与えることが可能となる。
また、有効なストップボタンの停止操作が検出されない場合にも、制限時間に基づいて、複数のリールのアクションを制御するための各種の演出パターンを内部抽籤によって決定することが可能となり、遊技の進行が滞るのを防止できる。
以上のように、本実施の形態に係るパチスロ機1は、遊技に対する遊技者の集中力を低下させることなしに、フリーズ当籤告知の見過ごしを防止できるとともに、フリーズ当籤告知のための演出の内容がパターン化するのを防いで、遊技者の興趣が削がれるのを改善できる。
なお、本実施の形態においては、フリーズ当籤を遊技者にとって有利な特定の遊技状態であるART中とした場合について説明したが、これに限らず、例えばAT中であってもよいし、RT中としてもよい。
また、本実施の形態においては、フリーズ当籤の契機となる特定役を「リプレイ10」としたが、他の特定のリプレイ役やチャンス目であってもよいし、スイカ役などのレア役としてもよい。
また、図柄の種別は一例であって、チェリー役を図柄の1つとして備えるものであれば、該チェリー役を特定役としてもよい。
また、本実施の形態において、フリーズ当籤時にランプ20を消灯する場合に限らず、例えば点灯と消灯とを繰り返す、点滅のタイミングに変化をもたせるようにすることも可能である。
また、ランプ20に限らず、フリーズ当籤時には、他の演出手段や可動体装置64A、64Bを用いて演出を実行するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、制限時間を設けることによって有効なストップボタンの停止操作が検出されない場合に、フリーズ状態が継続するか否かを内部抽籤により決定する次段の処理に移行するように構成したが、これに限らず、例えばスタートレバー16が操作されるのを待って、フリーズ状態が継続するか否かを内部抽籤により決定する処理に移行するように構成することとしてもよい。
また、本実施の形態においては、左表示窓4Lの中段、中表示窓4Cの中段および右表示窓4Rの中段の組合せからなる入賞判定ライン8として構成されているが、これに限らず、例えば、左表示窓4Lの上段、中表示窓4Cの中段および右表示窓4Rの下段の組合せからなる入賞判定ラインと、左表示窓4Lの下段、中表示窓4Cの中段および右表示窓4Rの上段の組合せからなる入賞判定ラインとから構成されてもよい。また、パチスロ機1は、上記した全ての入賞判定ラインを有する構造でもよい。
また、本実施の形態においては、パチスロ機に限らず、他の回胴式の遊技機にも同様に適用することが可能である。