JP2015110278A - 造形装置、造形方法、および造形物 - Google Patents

造形装置、造形方法、および造形物 Download PDF

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Abstract

【課題】積層造形法において廃棄される造形材料の量がより少なく、より低い材料コストで造形できる造形装置、造形方法を提供する。
【解決手段】造形装置100は、粒体2aを含む造形材料1を積層して造形物9を形成する造形装置であって、造形材料1を用いたシート材5を作成するシート作成部10と、シート材5を所望の形状の造形シート6と第1不要部分7とにカットする裁断部11と、造形シート6を搬送して積層する積層機構30と、積層された造形シート6の所望の領域に粒体2a同士を結着させるUVインク205を付与する描画部20と、第1不要部分7を回収する第1回収部60とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、造形装置、造形方法、および造形物に関する。
3次元形状の立体モデル(造形物)を造形する方法の一つに積層造形法がある。積層造形法としては、例えば、光硬化性樹脂を積層させながらレーザーで選択的に硬化させて造形物の断面各層を形成する光造形法、粉末材料を積層させながらレーザーで選択的に溶着し固化させて各層を形成する粉末焼結法、熱可塑性材料を加熱しノズルから押し出して堆積させることにより各層を形成する溶融物堆積法、紙などのシート材をモデルの断面形状にカットして積層し接着することにより形成するシート積層法、などが提案されている。
特許文献1には、シート積層法による造形装置において、連続シートを積層領域に送り出す連続シート送り手段を備え、巻取りローラーが不要で、巻取りのためのシート領域(積層領域の外側に幅広の領域)を必要としないシート積層式造形装置が提案されている。この装置により、シート材料が無駄に消費される量が多いという問題点が解決されるとしている。
特開2001−301060号公報
しかしながら、特許文献1のシート積層式造形装置では、シート材料で有効に使用できる領域(積層領域)をより広くすることはできるが、造形物を構成しない領域のシート材料は切断され排除されるため、造形物の形状によっては、無駄に消費されるシート材料の量が多くなってしまうという問題があった。つまり、造形物の構成に必要な正味のシート材料が少ない場合であっても、切断され排除されるシート材料の量が多い場合には、材料コストが高くなってしまうという問題があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
[適用例1] 本適用例に係る造形装置は、粒体を含む造形材料を用いて造形物を形成する造形装置であって、前記造形材料を用いたシート材を作成するシート作成部と、前記シート材を所望の形状の造形シートと第1不要部分とにカットする裁断部と、前記第1不要部分を回収する第1回収部と、を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、造形装置は、造形材料を用いたシート材を作成するシート作成部と、シート材を所望の形状の造形シートと第1不要部分とにカットする裁断部とを備えている。すなわち、本造形装置に造形材料を供給することにより造形シート(造形物を構成するために積層するシート)が作成されるため、予め積層造形用のシート材を準備しておく必要がなくなる。
また、本適用例の造形装置は、第1不要部分を回収する第1回収部を備えている。すなわち、造形物を構成するための造形シートに使われない造形材料が、廃棄されずに第1不要部分として回収される。その結果、回収された第1不要部分を、本適用例の造形装置において、再度、シート材を作成するための原料として活用することができ、造形に必要な材料コストをより低減させることができる。
[適用例2] 上記適用例に係る造形装置において、前記シート作成部と前記裁断部と前記第1回収部とは同一領域に設けられていることを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に係る造形装置において、シート作成部と裁断部と第1回収部とは同一領域に設けられている。すなわち、シート作成部において、造形材料を用いたシート材が造形シートと第1不要部分とにカットされ、カットされた第1不要部分がシート作成部において回収される。つまり、シート作成部と裁断部を有する裁断部と第1回収部を有する回収部とを別々の領域に設けることなく同一の領域に構成しているため、造形装置をよりコンパクトにすることができる。
[適用例3] 上記適用例に係る造形装置において、前記造形シートの所望の領域に前記粒体同士を結着させる結着液を付与する描画部と、前記造形シートに付与された前記結着液を硬化する硬化部と、前記造形シートの前記結着液が付与されていない第2不要部分を除去する造形現出部と、除去された前記第2不要部分を回収する第2回収部と、を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に係る造形装置は、造形シートの所望の領域に粒体同士を結着させる結着液を付与する描画部と、造形シートに付与された結着液を硬化する硬化部と、造形シートの結着液が付与されず硬化していない第2不要部分を除去する造形現出部とを備えている。造形物を造形するために所望の領域に付与した結着液は、造形物を構成する主材としての粒体同士を結着させる。また、硬化部によって硬化することで、造形物としての剛性がより高められる。造形現出部において、結着液が付与されず硬化していない第2不要部分が除去されることで、所望の造形物が現出する。
更に、本適用例の造形装置は、除去された第2不要部分を回収する第2回収部を備えている。すなわち、造形物を構成しない領域の造形材料が、廃棄されずに第2不要部分として回収される。その結果、回収された第2不要部分を、本適用例の造形装置において、再度、シート材を作成するための原料として活用することができ、造形に必要な材料コストをより低減させることができる。
[適用例4] 上記適用例に係る造形装置において、回収された前記第1不要部分および/または前記第2不要部分を粉砕する粉砕部を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に係る造形装置は、回収された第1不要部分および/または第2不要部分を粉砕する粉砕部を備えている。つまり、シート材として作成された造形材料の不要部分が回収され粉砕されるため、シート材を作成するための原料としてより再利用しやすい状態にすることができる。
[適用例5] 上記適用例に係る造形装置において、前記シート作成部に前記造形材料を供給する造形材料供給部を備え、前記第1回収部が前記造形材料供給部に前記第1不要部分を搬送する第1搬送部および/または前記第2回収部が前記造形材料供給部に前記第2不要部分を搬送する第2搬送部を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に係る造形装置は、シート作成部に造形材料を供給する造形材料供給部を備え、第1回収部が造形材料供給部に第1不要部分を搬送する第1搬送部および/または第2回収部が造形材料供給部に第2不要部分を搬送する第2搬送部を備えている。すなわち、回収された第1不要部分、第2不要部分は、それぞれを搬送する第1搬送部、第2搬送部によって造形材料供給部に搬送される。つまり、例えば、回収された不要部分がそのまま造形材料として再利用できる仕様の場合には、装置内でダイレクトにリユースできる環境が構築される。回収された不要部分が、再度、シート材を作成するための原料として活用されるため、造形に必要な材料コストをより低減させることができる。
[適用例6] 上記適用例に係る造形装置において、前記造形材料供給部が、供給される前記造形材料と搬送される前記第1不要部分および/または前記第2不要部分とが混合される比率を調整する混合比率調整部を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に係る造形装置において、造形材料供給部は、供給される造形材料と搬送される第1不要部分および/または第2不要部分とが混合される比率を調整する混合比率調整部を備えている。例えば、回収された不要部分がそのまま造形材料として再利用できる仕様の場合には、装置内でダイレクトにリユースできる構成であっても良いが、より安定した造形を行うためには、造形材料や回収される不要部分の仕様や特性のバラツキなどを考慮して造形シートの仕様を一定の範囲で管理する必要がある。具体的には、例えば、造形材料の粘度や粒体の密度などを一定の範囲で管理する必要がある。
本適用例によれば、混合比率調整部を備えているため、回収され再利用される造形材料の比率を一定の値以下にする、あるいは、新しく供給される造形材料のバラツキおよび回収される不要部分のバラツキの度合いに合わせて、それぞれが混合される比率を適正な範囲に調整するなどのコントロールが可能となる。その結果、より材料コストを低減する中で、より品質の安定した造形物を得ることができる。
[適用例7] 上記適用例に係る造形装置において、前記造形材料は、前記粒体同士を結着する熱可塑性バインダーを含み、前記シート作成部は、前記造形材料を前記熱可塑性バインダーの融点以上の温度に加熱する造形材料加熱部と、加熱された前記造形材料を展延し前記シート材を形成する展延部と、を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に係る造形装置において、造形材料は、粒体同士を結着する熱可塑性バインダーを含み、シート作成部は、造形材料を熱可塑性バインダーの融点以上の温度に加熱する造形材料加熱部を備えている。換言すると、本適用例に係る造形装置は、粒体同士を結着する熱可塑性バインダーを含んだ造形材料を使用して造形物を造形する装置である。使用する造形材料が粒体同士を結着する熱可塑性バインダーを含んでいるため、例えば、熱可塑性バインダーの融点より低い温度の場合、造形材料は、粒体を含んだ固体の状態(例えば、ろう状、ワセリン状、フレーク状など)であり、また、造形材料加熱部により、熱可塑性バインダーの融点より高い温度にすると、造形材料は、シート状に展延することが可能な流動性を備えた状態(例えばペースト状や液状)となる。
また、シート作成部は、加熱され流動性を備えた造形材料を展延しシート材を形成する展延部を備えている。造形材料が熱可塑性バインダーの融点以上の温度に加熱された状態においては、展延部は、例えば、水平な平板上でスクイージなどを用いることで、造形材料を容易に略均一な厚みの層に展延させることができる。次に、展延した造形材料の層を再び熱可塑性バインダーの融点未満の温度に冷却する(あるいは戻す)ことで、固体としての略均一な厚みのシート材を得ることができる。
このように作成されたシート材は、裁断部により、造形のための(所望の形状の)造形シートと第1不要部分とにカットされる。造形シートは積層機構により搬送され、残された第1不要部分が第1回収部によって回収される。回収された第1不要部分は、展延される前の造形材料と同じ(組成が同じであり、同じ温度では同じ状態を呈する)であるため、シート材作成前の造形材料に混ぜる(戻す)ことができる。
[適用例8] 上記適用例に係る造形装置において、回収された前記第1不要部分および/または前記第2不要部分を前記熱可塑性バインダーの融点以上の温度に加熱する回収材料加熱部を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に係る造形装置は、回収された第1不要部分および/または第2不要部分を熱可塑性バインダーの融点以上の温度に加熱する回収材料加熱部を備えている。つまり、シート材として作成された造形材料の不要部分が回収され、回収材料加熱部によって加熱されることで、流動性を備えた状態(例えばペースト状や液状)となるため、シート材作成前の造形材料に混ぜる(戻す)ことがより容易となり、シート材を作成するための原料としてより再利用しやすい状態にすることができる。
[適用例9] 上記適用例に係る造形装置において、前記造形材料は、前記粒体同士を結着する熱可塑性バインダーを含み、前記シート作成部は、前記造形材料を前記熱可塑性バインダーの融点以上の温度に加熱する造形材料加熱部と、加熱された前記造形材料を展延し前記シート材を形成する展延部と、を備え、前記第1回収部が前記第1不要部分を前記造形材料加熱部に搬送する第3搬送部を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に係る造形装置において、第1回収部は、第1不要部分を、造形材料加熱部に搬送する第3搬送部を備えている。造形材料加熱部に搬送された第1不要部分は、熱可塑性バインダーの融点以上の温度に加熱されることで、流動性を備えた状態(例えばペースト状や液状)となり、シート作成部に供給される造形材料に容易に融合する。つまり、シート材作成前の造形材料に混ぜる(戻す)ことがより容易となる。
[適用例10] 上記適用例に係る造形装置において、前記硬化部は、前記造形シートに付与された前記結着液に光を照射する光照射部を有し、前記結着液が光硬化性インクであることを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に係る造形装置において、硬化部は、造形シートに付与された結着液に光を照射する光照射部を有し、結着液が光硬化性インクである。つまり、造形物を造形するために所望の領域に光硬化性インクを付与し、硬化部が有する光照射部によって光硬化性インクに光を照射することで、結着した粒体同士が硬化し、造形物としての剛性をより高めることができる。
[適用例11] 本適用例に係る造形方法は、粒体を含む造形材料を用いて造形物を形成する造形方法であって、前記造形材料を用いたシート材を作成するシート作成工程と、前記シート材を所望の形状の造形シートと第1不要部分とにカットする裁断工程と、前記第1不要部分を回収する第1回収工程と、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、造形方法は、造形材料を用いたシート材を作成するシート作成工程と、シート材を所望の形状の造形シートと第1不要部分とにカットする裁断工程とを含んでいる。すなわち、造形方法には、造形シート(造形物を構成するために積層するシート)を作成する工程が含まれているため、予め積層造形用のシート材を準備しておく必要がない。
また、本適用例の造形方法は、第1不要部分を回収する第1回収工程を含んでいる。すなわち、造形物を構成するための造形シートに使われない造形材料が、廃棄されずに第1不要部分として回収される。その結果、回収された第1不要部分を、再度、シート材を作成するための原料として活用することができ、造形に必要な材料コストをより低減させることができる。
[適用例12] 上記適用例に係る造形方法において、前記造形シートの所望の領域に前記粒体同士を結着させる結着液を付与する描画工程と、前記造形シートに付与された前記結着液を硬化する硬化工程と、前記造形シートの前記結着液が付与されていない第2不要部分を除去する造形現出工程と、除去された前記第2不要部分を回収する第2回収工程と、を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に係る造形方法は、造形シートに付与された結着液を硬化する硬化工程と、造形シートの結着液が付与されていない第2不要部分を除去する造形現出工程とを含んでいる。造形物を造形するために所望の領域に付与した結着液は、造形物を構成する主材としての粒体同士を結着させる。また、硬化工程によって硬化することで、造形物としての剛性がより高められる。造形現出工程において、結着液が付与されず硬化していない第2不要部分が除去されることで、所望の造形物が現出する。
更に、本適用例の造形方法は、除去された第2不要部分を回収する第2回収工程を含んでいる。すなわち、造形物を構成しない領域の造形材料が、廃棄されずに第2不要部分として回収される。その結果、回収された第2不要部分を、再度、シート材を作成するための原料として活用することができ、造形に必要な材料コストをより低減させることができる。
[適用例13] 上記適用例に係る造形方法において、回収された前記第1不要部分および/または前記第2不要部分を粉砕する粉砕工程を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に係る造形方法は、回収された第1不要部分および/または第2不要部分を粉砕する粉砕工程を含んでいる。つまり、シート材として作成された造形材料の不要部分が回収され粉砕されるため、シート材を作成するための原料としてより再利用しやすい状態にすることができる。
[適用例14] 上記適用例に係る造形方法において、前記造形材料に回収された前記第1不要部分および/または前記第2不要部分を加えるリユース工程を含み、前記リユース工程は、前記造形材料と加えられる前記第1不要部分および/または前記第2不要部分とが混合される比率を調整する混合比率調整工程を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に係る造形方法は、造形材料に回収された第1不要部分および/または第2不要部分を加えるリユース工程を含んでいる。すなわち、造形物を構成するための造形シートに使われない造形材料(第1不要部分および/または第2不要部分)が、廃棄されずに再度造形材料として造形材料に加えられる。その結果、造形に必要な材料コストをより低減させることができる。
また、リユース工程は、造形材料と加えられる第1不要部分および/または第2不要部分とが混合される比率を調整する混合比率調整工程を含んでいる。例えば、回収された不要部分がそのまま造形材料として再利用できる仕様の場合には、そのままダイレクトにリユースしても良いが、より安定した造形を行うためには、造形材料や回収される不要部分の仕様や特性のバラツキなどを考慮して造形シートの仕様を一定の範囲で管理する必要がある。具体的には、例えば、造形材料の粘度や粒体の密度などを一定の範囲で管理する必要がある。本適用例によれば、混合比率調整工程を含んでいるため、回収され再利用される造形材料の比率を一定の値以下にする、あるいは、新しく供給される造形材料のバラツキおよび回収される不要部分のバラツキの度合いに合わせて、それぞれが混合される比率を適正な範囲に調整するなどのコントロールが可能となる。その結果、より材料コストを低減する中で、より品質の安定した造形物を得ることができる。
[適用例15] 上記適用例に係る造形方法において、前記造形材料は、前記粒体同士を結着する熱可塑性バインダーを含み、前記シート作成工程は、前記造形材料を前記熱可塑性バインダーの融点以上の温度に加熱する造形材料加熱工程と、加熱された前記造形材料を展延し前記造形シートを形成する展延工程と、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に係る造形方法において、造形材料は、粒体同士を結着する熱可塑性バインダーを含み、シート作成工程は、造形材料を熱可塑性バインダーの融点以上の温度に加熱する造形材料加熱工程を含んでいる。使用する造形材料が粒体同士を結着する熱可塑性バインダーを含んでいるため、例えば、熱可塑性バインダーの融点より低い温度の場合、造形材料は、粒体を含んだ固体の状態(例えば、ろう状、ワセリン状、フレーク状など)であり、また、造形材料加熱工程により、熱可塑性バインダーの融点より高い温度にすると、造形材料は、シート状に展延することが可能な流動性を備えた状態(例えばペースト状や液状)となる。
また、シート作成工程は、加熱され流動性を備えた造形材料を展延し造形シートを形成する展延工程を含んでいる。造形材料が熱可塑性バインダーの融点以上の温度に加熱された状態においては、展延部は、例えば、水平な平板上でスクイージなどを用いることで、造形材料を容易に略均一な厚みの層に展延させることができる。次に、展延した造形材料の層を再び熱可塑性バインダーの融点未満の温度に冷却する(あるいは戻す)ことで、固体としての略均一な厚みのシート材を得ることができる。
このように作成されたシート材は、裁断工程により、造形のための(所望の形状の)造形シートと第1不要部分とにカットされる。造形シートは積層工程により搬送され、残された第1不要部分が第1回収工程によって回収される。回収された第1不要部分は、展延される前の造形材料と同じ(組成が同じであり、同じ温度では同じ状態を呈する)であるため、シート材作成前の造形材料に混ぜる(戻す)ことができる。
[適用例16] 上記適用例に係る造形方法において、回収された前記第1不要部分および/または前記第2不要部分を前記熱可塑性バインダーの融点以上の温度に加熱する回収材料加熱工程を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に係る造形方法は、回収された第1不要部分および/または第2不要部分を熱可塑性バインダーの融点以上の温度に加熱する回収材料加熱工程を含んでいる。つまり、シート材として作成された造形材料の不要部分が回収され、回収材料加熱工程によって加熱されることで、流動性を備えた状態(例えばペースト状や液状)となるため、シート材作成前の造形材料に混ぜる(戻す)ことがより容易となり、シート材を作成するための原料としてより再利用しやすい状態にすることができる。
[適用例17] 上記適用例に係る造形方法において、前記熱可塑性バインダーが水系溶媒に可溶であることを特徴とする。
本適用例のように、造形材料に含まれる熱可塑性バインダーが水系溶媒に可溶であることで、例えば、結着液が付与されず、従って硬化することなく残った造形材料は、水に溶解させることができる。つまり、造形材料による積層構造から、硬化した部分で造形された造形物を取り出す(現出させる)場合に、例えば、水洗など、水を用いたより簡便な方法により、造形物を構成しない不要部分を取り除くことができる。また、取り除いた不要部分から水を除去することで、再度、シート材を作成するための原料を得ることができ、造形に必要な材料コストをより低減させることができる。
[適用例18] 上記適用例に係る造形方法において、前記硬化工程は、前記造形シートに付与された前記結着液に光を照射する光照射工程を含み、前記結着液が光硬化性インクであることを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に係る造形方法において、硬化工程は、造形シートに付与された結着液に光を照射する光照射工程を含み、結着液が光硬化性インクである。つまり、造形物を造形するために所望の領域に光硬化性インクを付与し、光照射工程によって光硬化性インクに光を照射することで、結着した粒体同士が硬化し、造形物としての剛性をより高めることができる。
[適用例19] 本適用例に係る造形物は、上記適用例に記載の造形装置によって造形されたことを特徴とする。
上記適用例に係る造形装置によって造形された造形物は、造形に必要な材料コストがより低減されて造形されるため、より安価に提供される。
[適用例20] 本適用例に係る造形物は、上記適用例に記載の造形方法によって造形されたことを特徴とする。
上記適用例に係る造形方法によって造形された造形物は、造形に必要な材料コストがより低減されて造形されるため、より安価に提供される。
造形材料の常温における状態を示す概念図 (a):実施形態に係る造形装置を模式的に示す側面図、(b):造形装置が備える回収部を模式的に示す側面図 シート作成部を模式的に示す側面図 造形シートの所望の領域に結着液を付与した様子を示す概念図 造形材料のリユースルートを示す概念図
以下に本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。以下は、本発明の一実施形態であって、本発明を限定するものではない。なお、以下の各図においては、説明を分かりやすくするため、実際とは異なる尺度で記載している場合がある。
(実施形態)
実施形態の一例として、3次元形状の立体モデル(造形物)を造形する一つの手法としての積層造形における「造形装置」およびそれを用いた「造形方法」を説明する。積層造形の方法としては、造形物の断面形状を形成すべく造形材料で構成された薄い層に選択的に結着液を付与し、結着液を付与した部分を硬化させながら次々と積層することにより造形物を形成する方法を用いている。
以下、それぞれについて具体的に説明する。
<造形材料>
まず、本実施形態の造形装置、造形方法に用いる造形材料1について説明する。
図1は、造形材料1の常温(15〜25℃)における状態を示す概念図である。
造形材料1は、積層造形法により3次元形状の立体モデル(造形物)を造形する際に使用する材料(主材)であり、造形材料1によって造形物の基本となる各層、つまり造形物の各断面形状を形成するための造形シートを形成する。
造形材料1は、粉末の「粒体」から成る粉末材料2および「熱可塑性バインダー」としてのバインダー材料3などによって構成される。
粉末材料2は、造形材料1を用いて形成される造形物の主要な構成材料である。粉末材料2には、アクリル樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、アクリルシリコーン樹脂粉末、ポリエチレン樹脂粉末、ポリスチレン樹脂粉末、ナイロン樹脂粉末、ポリアクリロニトリル樹脂粉末、二酸化ケイ素粉末、酸化アルミニウム粉末などの粉末材料から選ばれる1種類または2種類以上の粉末を用いることができる。
粉末材料2は、粒体2aの集合体として構成される。粒体2aは、平均球相当径が0.1μm以上30μm以下の略球形であることが好ましく、1μm以上15μm以下であることが更に好ましい。また、真球形状に近いほどより好ましい。これにより、造形物の形状に係る制御性、特に造形物の外形を規定する辺や角部における形状の制御性が向上する。
また、粒体2aの粒径は、造形材料1によって形成される造形シートの平均厚さ以下であることが好ましく、造形シートの平均厚さの2分の1以下であることがより好ましい。これにより、造形シートにおける粒体2aの体積充填率を向上させ、ひいては、造形物の機械的強度を向上させることができる。
また、粉末材料2には、上記粒径の範囲内で、互いに異なる粒径の粒体2aが含まれていることが好ましい。なお、粒体2aの粒径の分布としては、ガウス分布(正規分布)に近い分散であってもよいし、最大径側あるいは最小径側に粒径分布の最大値を有するような分散(片分散)であってもよい。
粒体2aの粒径が単一の値である場合、造形物を形成したときの粒体2aによる体積充填率は、最密充填時の理論値である69.8%を超えることはなく、実際には50〜60%程度の充填率となる。これに対し、粉末材料2に互いに異なる粒径の粒体2aが含まれる(粒径が範囲を持って分布する)ようにすれば、例えば相対的に大きな粒径を有した粒体2a同士によって形成された空隙に、相対的に粒径の小さい粒体2aが配置されることによって体積充填率が向上される。これにより、造形物の機械的強度を向上させることができる。
粉末材料2に用いる粒体2aの材料の例を以下に示す。
シリコーン樹脂粒体として、例えば、トスパール(登録商標)1110(粒径11μm)、トスパール120(粒径2μm)、トスパール130(粒径3μm)、トスパール145(粒径4.5μm)、トスパール2000B(粒径6μm)、トスパール3120(粒径12μm)(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)(トスパール:登録商標)等が挙げられる。
アクリルシリコーン樹脂粒体として、例えば、シャリーヌ(登録商標)R−170S(粒径30μm)(日信化学工業(株)製)(シャリーヌ:登録商標)が挙げられる。
アクリル樹脂粒体としては、例えば、エポスター(登録商標)L15(粒径10〜15μm)、エポスターM05(粒径4〜6μm)、エポスターGPH40〜H110(粒径4〜11μm)((株)日本触媒製)(エポスター:登録商標)、テクポリマー(登録商標)MB−8C(粒径8μm)、テクポリマーMBX−8(粒径8μm)、テクポリマーMBP−8(粒径8μm)(積水化成品工業(株)製)(テクポリマー:登録商標)が挙げられる。
ポリエチレン樹脂粒体として、例えば、フロービーズ(登録商標)LE−1080(粒径6μm)、フロービーズLE−2080(粒径11μm)、フロービーズHE−3040(粒径11μm)、フロービーズCL−2080(粒径11μm)(住友精化(株)製)(フロービーズ:登録商標)が挙げられる。
ポリスチレン樹脂粒体として、例えば、テクポリマー(登録商標)SBX−12(粒径12μm)(積水化成品工業(株)製)が挙げられる。
ナイロン樹脂粒体として、例えば、SP−5(粒径5μm)、SP−10(粒径10μm)、TR−1(粒径13μm)、TR−2(粒径20μm)(東レ(株)製)が挙げられる。
ポリアクリロニトリル樹脂粒体として、例えば、A−20(粒径24μm)、ASFシリーズ(粒径7μm)(東洋紡(株)製)が挙げられる。
二酸化ケイ素粒体として、例えば、SO−E1(粒径0.25μm)、SO−E2(粒径0.5μm)((株)アドマテックス製)、サンスフェア(登録商標)H−31(粒径3μm)、サンスフェアH−51(粒径5μm)、サンスフェアH−121(粒径12μm)、サンスフェアH−201(粒径20μm)、サンスフェアL−31(粒径3μm)、サンスフェアL−51(粒径5μm)、サンスフェアNP−30(粒径4μm)、サンスフェアNP−100(粒径10μm)、サンスフェアNP−200(粒径200μm)(AGCエスアイテック(株)製)(サンスフェア:登録商標)が挙げられる。
酸化アルミニウム粒体として、例えば、AO−502(粒径0.7μm)、AO−809(粒径10μm)、AO−820(粒径20μm)((株)アドマテックス製)が挙げられる。
バインダー材料3は、造形材料1において粉末材料2とバインダー材料3とを混ぜ、略均一に分散させたときに粒体2a同士を結着する機能を持つ所謂バインダーである。図1に示すように、粉末材料2とバインダー材料3とが略均一に分散するように混ぜ合わせたとき、バインダー材料3は、例えば、フレーク状のバインダーフレーク3aとして粒体2aを結着している。
バインダー材料3には、30℃以上90℃以下の融点を有する熱可塑性の高分子化合物が用いられる。バインダー材料3としては、例えば、好適例として、水溶性のポリエチレングリコールを用いることができる。具体的には、例えば、平均分子量が1000〜8000のポリエチレングリコールとして、PEG1000(融点:37〜40℃)、PEG1500(融点:38〜41℃)、PEG2000(融点:50〜53℃)、PEG4000(融点:53〜58℃)などが挙げられる。それぞれ、常温では、ろう状、ワセリン状、フレーク状などの固体で、融点を超えると融解し透明液体となる。
バインダー材料3は、ポリエチレングリコールに限定するものではなく、常温で固体の熱可塑性バインダーであれば良く、例えば、ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業(株)KF‐6004)(融点:45℃)、水溶性ナイロン(東レ(株)P−70)(融点:85℃)、ポリカプロラクトンジオール((株)ダイセル製 PCL−210;融点:46〜48℃、PCL−230;融点:55〜58℃)、などであっても良い。
なお、水系溶媒とは水、および無機塩の水溶液等の非有機系溶媒を含むものであって、このうち水が水系溶媒として用いられることが好ましい。造形材料による積層構造から、結合(硬化)した部分で造形された造形物を取り出す(現出させる)場合に、加温して現出することができるため、現出まで含めた全体の造形時間を短縮することが可能である。
また、上記水系溶媒は水溶性の有機溶媒を添加したものであってもよい。例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、IPA(イソプロピルアルコール)、 ノルマルプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール、TBA(ターシャリーブタノール)、ブタンジオール、エチルヘキサノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類や、1.3 ジオキソラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、イソプロピルエーテル、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、ジオキサン、MTBE(メチルターシャリーブチルエーテル)、ブチルカルビトールなどのエーテル系溶媒が挙げられる。水溶性の有機溶媒が添加されることにより、造形材料による積層構造から、結合(硬化)した部分で造形された造形物を取り出す(現出させる)場合に、現出まで含めた全体の造形時間を短縮することが可能である。
<造形装置>
図2(a)は、本実施形態に係る造形装置100を模式的に示す側面図、図2(b)は、造形装置100が備える回収機構を模式的に示す側面図である。
図2(a)において、Z軸方向が上下方向、Z方向が上方向(つまり−Z方向が鉛直方向)、Y軸方向が前後方向、+Y方向が手前方向、X軸方向が左右方向、+X方向が左方向、X−Y平面が、造形装置100が設置される平面と平行な面としている。
造形装置100は、造形材料1を用いて積層造形法により3次元形状の立体モデル(造形物9)を造形する装置である。
造形装置100は、シート作成部10、裁断部11、描画部20、積層機構30、造形部40、造形現出部50、第1回収部60、第2回収部70、造形材料供給部80およびそれぞれを制御する制御部(図示省略)などから構成されている。
図3を参照し、シート作成部10を説明する。図3は、シート作成部10を模式的に示す側面図である。
シート作成部10は、造形材料1を用いたシート材5、およびシート材5を裁断して造形シート6(図2(a),(b)参照)を作成する部分であり、展延テーブル15、造形材料加熱部12、展延部13などを備えている。また、裁断部11および第1回収部60は、シート作成部10に備えられている。
造形材料加熱部12は、展延テーブル15の+X側の端部に設けられており、供給された造形材料1をバインダー材料3の融点以上の温度に加熱し維持するホットプレート14を備えている。造形材料供給部80から供給された造形材料1は、ホットプレート14上でバインダー材料3が溶融することで、流動性の有る流動性造形材料4となる。
展延テーブル15は、ホットプレート14と同一の面内(同一の高さ)のホットプレート14に対して−X側に延在し、展延部13によって、流動性造形材料4が展延されるX―Y平面を構成している。
展延部13は、展延スクイージ16を備えている。展延スクイージ16は、X軸方向に移動可能に設けられたY軸方向に延在する細長い板状体であり、X−Y平面上で流動性造形材料4を−X方向にすり押すように移動させることで、流動性造形材料4を薄く展延させることができる。展延部13は、展延テーブル15に流動性造形材料4を展延させ、バインダー材料3の融点未満の温度に戻す(冷却する)ことでシート材5を形成する。
なお、バインダー材料3の融点や、造形装置100が稼動する環境によっては、図3に示すように、展延テーブル15を冷却するための冷却機構17を設けても良い。
裁断部11は、カッター111、カッターヘッド112を備え、制御部のコントロールによって、シート材5を所望の形状の造形シート6と第1不要部分7とにカットする。
カッターヘッド112は、Z軸方向に上下することで、カッターヘッド112の下端に備えるカッター111をシート材5(展延テーブル15の表面のレベル)に当接させ、次に、造形物9の断面形状に基づく所望の形状が得られるようにX−Y平面で移動してシート材5を裁断し、造形シート6を切り出す。シート材5は、造形シート6と第1不要部分7とに分離する。
カッターヘッド112をZ軸方向およびX―Y平面内で移動させる駆動機構については、図示を省略している。
なお、裁断部11は、シート材5にカッター111を当接させて裁断する構成に限定するものではない。例えばレーザー光などを用いて裁断する方法であっても良い。
造形シート6が呈する「造形物9の断面形状に基づく所望の形状」とは、造形物9の断面形状を略忠実に再現した形状、造形物9がオーバーハング形状(上方ほど大きな形状や上部に張り出す部分の有る形状)を有する場合には、そのサポート部を含む形状、あるいは、造形物9の最大の断面形状が含まれる共通のシート形状(例えば同じ大きさの長方形や円形)などが含まれる。
第1回収部60は、第1不要部分7を回収し、再び造形材料1として活用できるようにするための機構であり、「第3搬送部」としての回収スクイージ18xおよび回収スクイージ18y(図示省略)、回収部61、「第1搬送部」の一部を構成するスクリューコンベア62などを備えている。
回収スクイージ18xは、X軸方向に移動可能に設けられたY軸方向に延在する細長い板状体であり、X−Y平面上の残留する第1不要部分7を移動させることで、ホットプレート14上に戻すことができる。
回収スクイージ18yは、Y軸方向に移動可能に設けられたX軸方向に延在する細長い板状体であり、X−Y平面上の残留する第1不要部分7を移動させることで、第1回収部60が備える回収部61に回収することができる。
回収部61は、回収スクイージ18yによって回収される第1不要部分7を集め、底部に設けられたスクリューコンベア62に渡す受け皿を構成している。スクリューコンベア62は「粉砕部」として第1不要部分7を粉砕しながら搬送する。
また、スクリューコンベア62は、回収された第1不要部分7をバインダー材料3の融点以上の温度に加熱する「回収材料加熱部」としてのヒーター63を備えている。ヒーター63により、回収された第1不要部分7は、加熱され流動性を帯びることで、スクリューコンベア62により搬送されることを容易としている。
図2(a)に戻り造形装置100の説明を継続する。
積層機構30は、切り出された造形シート6を搬送して造形部40に積層する機能を有し、造形シート6を吸着する吸着板31、吸着板31を造形部40が備える積層ステージ41の位置まで移動させる積層駆動部(図示省略)などを含み構成されている。
造形部40は、積層ステージ41と、積層ステージ41をZ軸方向に昇降させるステージ昇降機構42などを備えている。
積層ステージ41は、積層機構30によって搬送された造形シート6を次々に積層させるX―Y平面を構成している。
ステージ昇降機構42は、積層ステージ41上に展延され形成された造形シート6の層厚みに応じて積層ステージ41を降下させる。積層ステージ41が降下することで、積層機構30によって搬送され積層のために造形シート6が載置される面が一定の位置となる。
描画部20は、吐出ヘッド201、カートリッジ装填部202、キャリッジ203、キャリッジ移動機構204(構成図省略)などを備えている。
吐出ヘッド201は、インクジェット法により「結着液」としての光硬化性インク(UVインク205)を積層ステージ41に積層された造形シート6に吐出するノズル(図示省略)を備えている。
カートリッジ装填部202は、UVインク205を収容したインクカートリッジを装填し、UVインク205を吐出ヘッド201に供給する。
キャリッジ203は、吐出ヘッド201、カートリッジ装填部202(つまりはインクカートリッジ)を搭載し、キャリッジ移動機構204によって、積層ステージ41の上面を移動する。
キャリッジ移動機構204は、X−Y軸直動搬送機構を有し、キャリッジ203をX―Y平面で移動(走査)させる。
描画部20は、制御部(図示省略)による制御によって、積層ステージ41の最上層に積層された造形シート6に、UVインク205による所望の画像(造形物9の断面形状を反映した画像)を形成する。具体的には、制御部は、予め入力された造形物9を構成する各断面層の画像情報を有し、この画像情報に応じて、吐出ヘッド201(キャリッジ203)を移動する位置、UVインク205を吐出するタイミングを制御し、対応する各造形シート6にUVインク205を付与する。
硬化部21は、造形シート6に付与されたUVインク205を硬化させる「光照射部」としての紫外線照射機211を備えている。最上層に積層され、UVインク205が付与された造形シート6に紫外線を照射し、次に積層される造形シート6に付与されるUVインク205との融合が阻害されない程度に(光重合が完了しない程度に)UVインク205を硬化させる。より深層の造形シート6に付与されたUVインク205は、透過する紫外線の照射によりその硬度が徐々に高められる。
なお、造形装置100は、紫外線照射機211をキャリッジ203に搭載する構成としても良い。この場合、UVインク205を付与しながら紫外線を照射し硬化させる。
造形現出部50は、造形シート6のUVインク205が付与されず硬化していない第2不要部分8を除去する部分であり、切削ナイフ、回転ブラシなどの不要部除去部材(図示省略)を備えている。不要部除去部材によって、第2不要部分8が除去され、造形物9が現出される。ここで造形物9から分離した第2不要部分8は、第2回収部70によって回収される。
なお、図2(a)では、造形部40と造形現出部50とが同じ位置の構成になっているが、別の位置つまり造形現出部50を独立させる構成でも良い。具体的には、例えば、造形現出部50を造形部40の−X方向側に設け、描画部20による描画と硬化部21による硬化が完了した積層物を載せた積層ステージ41が造形部40から分離し、造形現出部50に移動する構成でも良い。
第2回収部70は、造形現出部50で除去された第2不要部分8を回収し、再び造形材料1として活用できるようにするための機構であり、回収部71、「第2搬送部」の一部を構成するスクリューコンベア72などを備えている。
回収部71は、造形現出部50の不要部除去部材によって除去される第2不要部分8を集め、底部に設けられたスクリューコンベア72に渡す受け皿を構成している。スクリューコンベア72は「粉砕部」として第2不要部分8を粉砕しながら搬送する。
また、スクリューコンベア72は、回収された第2不要部分8をバインダー材料3の融点以上の温度に加熱する「回収材料加熱部」としてのヒーター73を備えている。ヒーター73により、回収された第2不要部分8は、加熱され流動性を帯びることで、スクリューコンベア72により搬送されることを容易としている。
第1回収部60によって回収された(回収部61に回収され、スクリューコンベア62により搬送される)第1不要部分7および第2回収部70によって回収された(回収部71に回収されスクリューコンベア72により搬送される)第2不要部分8は、図2(b)に示すように、スクリューコンベア74によりまとめられて造形材料供給部80に搬送される。つまり、スクリューコンベア62とそれに連結するスクリューコンベア74により「第1搬送部」が構成され、スクリューコンベア72とそれに連結するスクリューコンベア74により「第2搬送部」が構成されている。
また、スクリューコンベア74は、回収された第1不要部分7および/または第2不要部分8をバインダー材料3の融点以上の温度に加熱する「回収材料加熱部」としてのヒーター75を備えている。
造形材料供給部80は、収容された造形材料1をシート作成部10(造形材料加熱部12)に供給する部分であり、ホッパー81および混合比率調整部90を備えている。
ホッパー81は造形材料加熱部12の上方に位置する材料吐出口から内部に収容された造形材料1を造形材料加熱部12に供給する。また、ホッパー81は、造形材料1が投入される2つの投入口82a、82bを備えている。投入口82aには、新規の造形材料1が、投入口82bには、回収された(スクリューコンベア74により搬送された)造形材料1(第1不要部分7および/または第2不要部分8)が投入される。
混合比率調整部90は、2つの投入口82a、82bのそれぞれから投入された新規の造形材料1と回収された造形材料1(第1不要部分7および/または第2不要部分8)とが混合される比率を調整することができる。混合比率調整部90によって調整された混合比の造形材料1が、シート作成部10に供給される。
<造形方法>
次に、造形装置100を使用した造形方法について説明する。
本実施形態に係る造形方法は、以下の工程を含んでいる。
(1)粒体2aと粒体2a同士を結着するバインダー材料3とを含む造形材料1を、バインダー材料3の融点以上の温度に加熱し、流動性造形材料4を形成する工程
(2)流動性造形材料4を展延しシート材5を作成するシート作成工程
(3)シート材5を所望の形状の造形シート6と第1不要部分7とにカットする裁断工程
(4)造形シート6を搬送して積層する積層工程
(5)積層された造形シート6の所望の領域にUVインク205を付与する描画工程
(6)第1不要部分7を回収する第1回収工程
(7)造形シート6に付与されたUVインク205を硬化する硬化工程
(8)造形シート6のUVインク205が付与されず硬化していない第2不要部分8を除去する造形現出工程
(9)除去された第2不要部分8を回収する第2回収工程
(10)回収された第1不要部分7および/または第2不要部分8を粉砕する粉砕工程
(11)回収された第1不要部分7および/または第2不要部分8をバインダー材料3の融点以上の温度に加熱する回収材料加熱工程
(12)造形材料1と第1不要部分7および/または第2不要部分8とが混合される比率を調整する混合比率調整工程
(13)混合比率が調整された第1不要部分7および/または第2不要部分8がリユースされるリユース工程
以下、図2(a),(b)を参照して順に説明する。
造形装置100に造形材料1を供給した後の工程から造形物9を現出させる前までの工程は、予め設定した条件に従い、造形装置100が備える制御部の制御によって行われる。
まず、粒体2aおよびバインダー材料3を含む造形材料1を準備し、造形材料供給部80(ホッパー81の投入口82a)に充填する。粒体2aおよびバインダー材料3の比率は、粒体2aの粒径、粒経の分布、粒体2aによる体積充填率、展延して形成するシート材5の層厚みなど、造形物9の造形仕様に応じ、適宜設定することが望ましい。また、それぞれの分散が均一になることが好ましい。
次に、造形材料供給部80から造形材料加熱部12に造形材料1を供給する。造形材料加熱部12に供給される造形材料1の量は、シート材5の1層分の量に見合う量に制御されている。また、この段階では、回収された造形材料1が無いため、混合比率調整部90において混合比率調整は行わない。
造形材料加熱部12は、ホットプレート14により造形材料1をバインダー材料3の融点以上の温度に加熱し、バインダー材料3を融解することで、造形材料1の流動性を高め、流動性造形材料4を形成する。
次に、展延部13により流動性造形材料4を展延テーブル15上に展延する。具体的には、流動性を帯びた造形材料1(流動性造形材料4)の+X側に当接させた展延スクイージ16を−X方向に移動させることによって展延テーブル15の表面に押し伸ばす。
展延テーブル15は、常温に維持されており、展延テーブル15上に展延された流動性造形材料4が常温に冷却される。造形装置100が稼動する環境によっては、冷却機構17(図3)によって展延テーブル15を冷却する。
流動性造形材料4は、常温に冷却されることで、バインダー材料3が凝固し、シート材5が形成される。
シート材5の層厚みは、展延スクイージ16による展延の仕様によって制御する。具体的には、シート材5の層厚みは、展延スクイージ16の下端とX―Y平面(例えば初期位置における展延テーブル15の表面)との間隙の大きさ、展延スクイージ16の移動速度、流動性造形材料4の粘度などによって変化するため、所望の厚みになるように適宜設定を行うことが望ましい。
次に、裁断部11により、シート材5を造形物9の断面形状に基づき、所望の形状の造形シート6と第1不要部分7とにカットする(裁断工程)。
次に、積層機構30によって、切り出された造形シート6を搬送して造形部40に積層する(積層工程)。一方、搬送されずに展延テーブル15に残った第1不要部分7は、第1回収部60によって回収部61に回収する(第1回収工程)。回収した第1不要部分7は、スクリューコンベア62によって粉砕しながら(粉砕工程)また、スクリューコンベア62が備えるヒーター63により、加熱し(回収材料加熱工程)流動性を高めて搬送する。
次に、描画部20によって、積層ステージ41上に形成された造形シート6に、UVインク205による所望の画像を形成する(描画工程)。具体的には、予め制御部に入力された造形物9を構成する各断面層の画像情報に応じて、吐出ヘッド201を移動させながらUVインク205を吐出して、造形物の断面形状に対応する位置にUVインク205を付与する。
図4は、造形装置100によって造形シート6の所望の領域にUVインク205(結着液)を付与した様子を示す概念図である。
図1においてフレーク状に分散していたバインダー材料3は、一旦溶融し凝固することで、粒体2aの体積充填率を高め、造形シート6の全体に略均一に分布する。所望の位置に選択的に付与されたUVインク205は、図3に示すように、粒体2a、バインダー材料3を含む領域に浸透する。
次に、硬化部21によって、造形シート6に付与されたUVインク205を硬化させる(硬化工程)。具体的には、キャリッジ203を積層ステージ41上から退避させた後に、紫外線照射機211によって造形シート6に紫外線を照射し、造形シート6に付与されたUVインク205を硬化させる。
なお、UVインク205の硬化は、次に積層される造形シート6に付与されるUVインク205との界面の接合強度を保つために、光重合が完了しない程度に紫外線を照射し硬化させることが好ましい。より深層の造形シート6に付与されたUVインク205は、透過する紫外線の照射によりその硬度が徐々に高められるが、造形物9を構成する最上層の造形シート6に対しては、光重合が完了するように充分な紫外線の照射を行う。
造形装置100が、紫外線照射機211をキャリッジ203に搭載している場合には、UVインク205を付与しながら紫外線を照射し硬化させる。
次に、ステージ昇降機構42は、積層ステージ41上に展延され形成された造形シート6の層厚みに応じて積層ステージ41を降下させる。積層ステージ41が降下することで、積層機構30によって搬送され積層のために造形シート6が載置される面が一定の位置となる。
以降、造形材料供給部80から造形材料加熱部12に造形材料1を供給する工程から上記の工程を繰り返し、造形シート6を積層する。
造形シート6の積層が造形物9の造形に対応した高さに達し積層が完了したら、造形物9を現出させる。具体的には、造形現出部50において、造形シート6のUVインク205が付与されず硬化していない第2不要部分8を除去する(造形現出工程)。
次に、第2回収部70によって除去された第2不要部分8を回収する(第2回収工程)。回収した第2不要部分8は、スクリューコンベア72によって粉砕しながら(粉砕工程)また、スクリューコンベア72が備えるヒーター73により、加熱し(回収材料加熱工程)流動性を高めて搬送する。
第1回収部60によって回収した第1不要部分7および第2回収部70によって回収した第2不要部分8は、スクリューコンベア74によりまとめて造形材料供給部80に搬送し、造形材料供給部80の投入口82bに投入する。
投入口82bから投入する造形材料1(第1不要部分7および/または第2不要部分8)は、新たに投入する新規の造形材料1に対して混合比率調整部90によって予め指定した混入比率で混入しリユースする(リユース工程)。
以上述べたように、本実施形態による造形装置、造形方法、および造形物によれば、以下の効果を得ることができる。
造形装置100は、造形材料1を用いたシート材5を作成するシート作成部10と、シート材5を所望の形状の造形シート6と第1不要部分7とにカットする裁断部11とを備えている。すなわち、造形材料1を供給することにより造形物9を構成するために積層する造形シート6が作成されるため、予め積層造形用のシート材を準備しておく必要がなくなる。
また、作成された造形シート6を搬送して積層する積層機構30と、積層された造形シート6の所望の領域に粒体2a同士を結着させるUVインク205を付与する描画部20とを備えている。粒体2aは、造形物9を構成する主材として活用することができ、積層させた造形シート6の所望の領域にUVインク205を付与し、粒体2a同士を結着させることで造形物9が構成されていく。
更に、造形装置100は、第1不要部分7を回収する第1回収部60を備えている。すなわち、造形物9を構成するための造形シート6に使われない造形材料1が、廃棄されずに第1不要部分7として回収される。その結果、回収された第1不要部分7を、再度、シート材5を作成するための原料として活用することができ、造形に必要な材料コストをより低減させることができる。
また、造形装置100は、裁断部11および第1回収部60がシート作成部10に備えられている。すなわち、シート作成部10において、造形材料1を用いたシート材5が造形シート6と第1不要部分7とにカットされ、カットされた第1不要部分7がシート作成部10において回収される。つまり、例えば、シート作成部10と裁断部11を有する裁断部と第1回収部60を有する回収部とを別々の領域に設けることなく一つの領域(シート作成部10)に構成しているため、造形装置100をよりコンパクトにすることができる。
また、造形装置100は、造形シート6に付与されたUVインク205を硬化する硬化部21と、造形シート6のUVインク205が付与されず硬化していない第2不要部分8を除去する造形現出部50とを備えている。造形物9を造形するために所望の領域に付与したUVインク205は、造形物9を構成する主材としての粒体2a同士を結着させる。また、硬化部21によって硬化することで、造形物9としての剛性がより高められる。造形現出部50において、UVインク205が付与されず硬化していない第2不要部分8が除去されることで、所望の造形物9が現出する。
更に、造形装置100は、除去された第2不要部分8を回収する第2回収部70を備えている。すなわち、造形物9を構成しない領域の造形材料1が、廃棄されずに第2不要部分8として回収される。その結果、回収された第2不要部分8を、再度、シート材5を作成するための原料として活用することができ、造形に必要な材料コストをより低減させることができる。
また、造形装置100は、回収された第1不要部分7および/または第2不要部分8を粉砕する粉砕部としてスクリューコンベア62,72を備えている。つまり、シート材5として作成された造形材料1の不要部分が回収され粉砕されるため、シート材5を作成するための原料としてより再利用しやすい状態にすることができる。
また、造形装置100は、シート作成部10に造形材料1を供給する造形材料供給部80を備え、第1回収部60が造形材料供給部80に第1不要部分7を搬送する第1搬送部(スクリューコンベア62とそれに連結するスクリューコンベア74)および第2回収部70が造形材料供給部80に第2不要部分8を搬送する第2搬送部(スクリューコンベア72とそれに連結するスクリューコンベア74)を備えている。すなわち、回収された第1不要部分7、第2不要部分8は、それぞれを搬送する第1搬送部、第2搬送部によって造形材料供給部80に搬送される。つまり、例えば、回収された不要部分がそのまま造形材料1として再利用できる仕様の場合には、装置内でダイレクトにリユースできる環境が構築される。回収された不要部分が、再度、シート材5を作成するための原料として活用されるため、造形に必要な材料コストをより低減させることができる。
また、造形装置100において、造形材料供給部80は、供給される造形材料1と搬送される第1不要部分7および/または第2不要部分8とが混合される比率を調整する混合比率調整部90を備えている。そのため、回収され再利用される造形材料1の比率を一定の値以下にする、あるいは、新しく供給される造形材料1のバラツキおよび回収される不要部分のバラツキの度合いに合わせて、それぞれが混合される比率を適正な範囲に調整するなどのコントロールが可能となる。その結果、より材料コストを低減する中で、より品質の安定した造形物9を得ることができる。
また、造形装置100において、造形材料1は、粒体2a同士を結着する熱可塑性バインダーとしてのバインダー材料3を含み、シート作成部10は、造形材料1をバインダー材料3の融点以上の温度に加熱する造形材料加熱部12を備えている。そのため、バインダー材料3の融点より低い温度の場合、造形材料1は、粒体2aを含んだ固体の状態(例えば、ろう状、ワセリン状、フレーク状など)であり、また、造形材料加熱部12により、バインダー材料3の融点より高い温度にすると、造形材料1は、シート状に展延することが可能な流動性を備えた状態(例えばペースト状や液状)となる。
また、シート作成部10は、加熱され流動性を備えた造形材料1を展延し、バインダー材料3の融点未満の温度に冷却して造形シート6を形成する展延部13を備えている。造形材料1がバインダー材料3の融点以上の温度に加熱された状態においては、展延部13は、展延テーブル15上で展延スクイージ16を用いることで、造形材料1を容易に略均一な厚みの層に展延させることができる。次に、展延した造形材料1の層を再びバインダー材料3の融点未満の温度に冷却する(あるいは戻す)ことで、固体としての略均一な厚みのシート材5を得ることができる。
シート材5は、裁断部11により、造形のための(所望の形状の)造形シート6と第1不要部分7とにカットされる。造形シート6は積層機構30により搬送され、残された第1不要部分7が第1回収部60によって回収される。回収された第1不要部分7は、展延される前の造形材料1と同じ(組成が同じであり、同じ温度では同じ状態を呈する)であるため、シート材5作成前の造形材料1に混ぜる(戻す)ことができる。
また、造形装置100は、回収された第1不要部分7および第2不要部分8をバインダー材料3の融点以上の温度に加熱する回収材料加熱部としてヒーター63,73,75を備えている。シート材5として作成された造形材料1の不要部分が回収され、これら回収材料加熱部によって加熱されることで、流動性を備えた状態(例えばペースト状や液状)となるため、シート材5作成前の造形材料1に混ぜる(戻す)ことがより容易となり、シート材5を作成するための原料としてより再利用しやすい状態にすることができる。
また、造形装置100において、第1回収部60は、第1不要部分7を、造形材料加熱部12に搬送する第3搬送部としての回収スクイージ18xを備えている。造形材料加熱部12に搬送された第1不要部分7は、バインダー材料3の融点以上の温度に加熱されることで、流動性を備えた状態(例えばペースト状や液状)となり、シート作成部10に供給される造形材料1に容易に融合する。つまり、シート材5作成前の造形材料1に混ぜる(戻す)ことがより容易となる。
また、造形装置100において、硬化部21は、造形シート6に付与されたUVインク205に光を照射する紫外線照射機211を有し、結着液がUVインク205である。つまり、造形物9を造形するために所望の領域にUVインク205を付与し、紫外線照射機211によってUVインク205に光を照射することで、結着した粒体2a同士が硬化し、造形物9としての剛性をより高めることができる。
また、本実施形態の造形方法は、造形材料1を用いたシート材5を作成するシート作成工程と、シート材5を所望の形状の造形シート6と第1不要部分7とにカットする裁断工程とを含んでいる。すなわち、造形材料1を供給することにより造形物9を構成するために積層する造形シート6が作成されるため、予め積層造形用のシート材5を準備しておく必要がなくなる。
また、造形シート6を搬送して積層する積層工程と、積層された造形シート6の所望の領域に粒体2a同士を結着させるUVインク205を付与する描画工程とを含んでいる。粒体2aは、造形物9を構成する主材として活用することができ、積層させた造形シート6の所望の領域にUVインク205を付与し、粒体2a同士を結着させることで造形物9が構成されていく。
更に、本実施形態の造形方法は、第1不要部分7を回収する第1回収工程を含んでいる。すなわち、造形物9を構成するための造形シート6に使われない造形材料1が、廃棄されずに第1不要部分7として回収される。その結果、回収された第1不要部分7を、再度、シート材5を作成するための原料として活用することができ、造形に必要な材料コストをより低減させることができる。
また、本実施形態の造形方法は、造形シート6に付与されたUVインク205を硬化する硬化工程と、造形シート6のUVインク205が付与されず硬化していない第2不要部分8を除去する造形現出工程とを含んでいる。造形物9を造形するために所望の領域に付与したUVインク205は、造形物9を構成する主材としての粒体2a同士を結着させる。また、硬化工程によって硬化することで、造形物9としての剛性がより高められる。造形現出工程において、UVインク205が付与されず硬化していない第2不要部分8が除去されることで、所望の造形物9が現出する。
更に、本実施形態の造形方法は、除去された第2不要部分8を回収する第2回収工程を含んでいる。すなわち、造形物9を構成しない領域の造形材料1が、廃棄されずに第2不要部分8として回収される。その結果、回収された第2不要部分8を、再度、シート材5を作成するための原料として活用することができ、造形に必要な材料コストをより低減させることができる。
また、本実施形態の造形方法は、回収された第1不要部分7および/または第2不要部分8を粉砕する粉砕工程を含んでいる。つまり、シート材5として作成された造形材料1の不要部分が回収され粉砕されるため、シート材5を作成するための原料としてより再利用しやすい状態にすることができる。
また、本実施形態の造形方法は、造形材料1に回収された第1不要部分7および/または第2不要部分8を加えるリユース工程を含んでいる。すなわち、造形物9を構成するための造形シート6に使われない造形材料1(第1不要部分7および/または第2不要部分8)が、廃棄されずに再度造形材料1として造形材料1に加えられる。その結果、造形に必要な材料コストをより低減させることができる。
また、リユース工程は、造形材料1と加えられる第1不要部分7および/または第2不要部分8とが混合される比率を調整する混合比率調整工程を含んでいる。そのため、回収され再利用される造形材料1の比率を一定の値以下にする、あるいは、新しく供給される造形材料1のバラツキおよび回収される不要部分のバラツキの度合いに合わせて、それぞれが混合される比率を適正な範囲に調整するなどのコントロールが可能となる。その結果、より材料コストを低減する中で、より品質の安定した造形物9を得ることができる。
また、本実施形態の造形方法は、造形材料1は、粒体2a同士を結着するバインダー材料3を含み、シート作成工程は、造形材料1をバインダー材料3の融点以上の温度に加熱する造形材料加熱工程を含んでいる。そのため、バインダー材料3の融点より低い温度の場合、造形材料1は、粒体2aを含んだ固体の状態(例えば、ろう状、ワセリン状、フレーク状など)であり、また、造形材料加熱工程により、バインダー材料3の融点より高い温度にすると、造形材料1は、シート状に展延することが可能な流動性を備えた状態(例えばペースト状や液状)となる。
また、シート作成工程は、加熱され流動性を備えた造形材料1を展延し、バインダー材料3の融点未満の温度に冷却して造形シート6を形成する展延工程を含んでいる。造形材料1がバインダー材料3の融点以上の温度に加熱された状態においては、展延部13は、展延テーブル15上で展延スクイージ16を用いることで、造形材料1を容易に略均一な厚みの層に展延させることができる。次に、展延した造形材料1の層を再びバインダー材料3の融点未満の温度に冷却する(あるいは戻す)ことで、固体としての略均一な厚みのシート材5を得ることができる。
このように作成されたシート材5は、裁断工程により、造形のための(所望の形状の)造形シート6と第1不要部分7とにカットされる。造形シート6は積層工程により搬送され、残された第1不要部分7が第1回収工程によって回収される。回収された第1不要部分7は、展延される前の造形材料1と同じ(組成が同じであり、同じ温度では同じ状態を呈する)であるため、シート材5作成前の造形材料1に混ぜる(戻す)ことができる。
また、本実施形態の造形方法は、回収された第1不要部分7および第2不要部分8をバインダー材料3の融点以上の温度に加熱する回収材料加熱工程を含んでいる。つまり、シート材5として作成された造形材料1の不要部分が回収され、回収材料加熱工程によって加熱されることで、流動性を備えた状態(例えばペースト状や液状)となるため、シート材5作成前の造形材料1に混ぜる(戻す)ことがより容易となり、シート材5を作成するための原料としてより再利用しやすい状態にすることができる。
また、本実施形態の造形方法において、硬化工程は、造形シート6に付与されたUVインク205に光を照射する光照射工程を含み、結着液がUVインク205である。つまり、造形物9を造形するために所望の領域にUVインク205を付与し、光照射工程によってUVインク205に光を照射することで、結着した粒体2a同士が硬化し、造形物9としての剛性をより高めることができる。
また、造形装置100によって造形された造形物9は、造形に必要な材料コストがより低減されて造形されるため、より安価に提供される。
また、本実施形態の造形方法によって造形された造形物9は、造形に必要な材料コストがより低減されて造形されるため、より安価に提供される。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。ここで、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略している。
(変形例)
図5は、造形材料のリユースルートを示す概念図である。
上述した実施形態における造形方法では、図5に示すように、第1不要部分7を回収する第1回収工程によるルートA、第2不要部分8を回収する第2回収工程によるルートBにより造形材料1がリユースされるとして説明した。
リユースのルートはこれらに限定するものではなく、例えば、造形現出工程において、水洗などにより造形シート6のUVインク205が付与されず硬化していない第2不要部分8を洗い流し、水洗した水に溶解した造形材料1を回収するルートCを含むものであってもよい。
具体的に説明する。
上述した実施形態では、造形現出工程は、造形シート6のUVインク205が付与されず硬化していない第2不要部分8を切削ナイフ、回転ブラシなどの不要部除去部材によって除去し、造形物9から分離した第2不要部分8を、第2回収部70によって回収する(ルートB)として説明した。例えば、造形物9の形状が細密で複雑な形状をしている場合などにおいては、不要部除去部材による第2不要部分8の除去が適切ではない場合があり、充分に第2不要部分8の除去ができない場合がある。これに対し、造形材料1は、バインダー材料3が水溶性であるため、水洗により、容易に第2不要部分8の除去を行うことができる。
例えば、図5に示すように、造形現出部50において大まかな部分の第2不要部分8を除去した造形物9を取り出し、水槽300に浸して水洗することで、細部に残留した第2不要部分8を除去することができる。なお、水洗の方法はこれに限定するものではなく、シャワー水など流水による水洗であっても良い。
水洗した水301から、ろ過装置などを含む水分除去手段302によって造形材料1を再生し、図5に示すルートCによって、造形装置100にリユースすることができる。
本変形例のように、造形材料1に含まれるバインダー材料3が水溶性であることで、UVインク205が付与されず、従って硬化することなく残った造形材料1は、水に溶解させることができる。つまり、造形材料1による積層構造から、硬化した部分で造形された造形物9を取り出す(現出させる)場合に、水洗など、水を用いたより簡便な方法により、造形物9を構成しない不要部分を取り除くことができる。また、取り除いた不要部分から水を除去することで、再度、シート材5を作成するための原料としての造形材料1を得ることができ、造形に必要な材料コストをより低減させることができる。
1…造形材料、2…粉末材料、2a…粒体、3…バインダー材料、3a…バインダーフレーク、4…流動性造形材料、5…シート材、6…造形シート、7…第1不要部分、8…第2不要部分、9…造形物、10…シート作成部、11…裁断部、12…造形材料加熱部、13…展延部、14…ホットプレート、15…展延テーブル、16…展延スクイージ、17…冷却機構、18x,18y…回収スクイージ、20…描画部、21…硬化部、30…積層機構、31…吸着板、40…造形部、41…積層ステージ、42…ステージ昇降機構、50…造形現出部、60…第1回収部、61…回収部、62,72,74…スクリューコンベア、63,73,75…ヒーター、70…第2回収部、71…回収部、80…造形材料供給部、81…ホッパー、82a,82b…投入口、90…混合比率調整部、100…造形装置、111…カッター、112…カッターヘッド、201…吐出ヘッド、202…カートリッジ装填部、203…キャリッジ、204…キャリッジ移動機構、205…UVインク、211…紫外線照射機。

Claims (20)

  1. 粒体を含む造形材料を用いて造形物を形成する造形装置であって、
    前記造形材料を用いたシート材を作成するシート作成部と、
    前記シート材を所望の形状の造形シートと第1不要部分とにカットする裁断部と、
    前記第1不要部分を回収する第1回収部と、を備えることを特徴とする造形装置。
  2. 前記シート作成部と前記裁断部と前記第1回収部とは同一領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の造形装置。
  3. 前記造形シートの所望の領域に前記粒体同士を結着させる結着液を付与する描画部と、
    前記造形シートに付与された前記結着液を硬化する硬化部と、
    前記造形シートの前記結着液が付与されていない第2不要部分を除去する造形現出部と、
    除去された前記第2不要部分を回収する第2回収部と、を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の造形装置。
  4. 回収された前記第1不要部分および/または前記第2不要部分を粉砕する粉砕部を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の造形装置。
  5. 前記シート作成部に前記造形材料を供給する造形材料供給部を備え、
    前記第1回収部が前記造形材料供給部に前記第1不要部分を搬送する第1搬送部および/または前記第2回収部が前記造形材料供給部に前記第2不要部分を搬送する第2搬送部を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の造形装置。
  6. 前記造形材料供給部が、供給される前記造形材料と搬送される前記第1不要部分および/または前記第2不要部分とが混合される比率を調整する混合比率調整部を備えることを特徴とする請求項5に記載の造形装置。
  7. 前記造形材料は、前記粒体同士を結着する熱可塑性バインダーを含み、
    前記シート作成部は、前記造形材料を前記熱可塑性バインダーの融点以上の温度に加熱する造形材料加熱部と、加熱された前記造形材料を展延し前記シート材を形成する展延部と、を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の造形装置。
  8. 回収された前記第1不要部分および/または前記第2不要部分を前記熱可塑性バインダーの融点以上の温度に加熱する回収材料加熱部を備えることを特徴とする請求項7に記載の造形装置。
  9. 前記造形材料は、前記粒体同士を結着する熱可塑性バインダーを含み、
    前記シート作成部は、前記造形材料を前記熱可塑性バインダーの融点以上の温度に加熱する造形材料加熱部と、加熱された前記造形材料を展延し前記シート材を形成する展延部と、を備え、
    前記第1回収部が前記第1不要部分を前記造形材料加熱部に搬送する第3搬送部を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の造形装置。
  10. 前記硬化部は、前記造形シートに付与された前記結着液に光を照射する光照射部を有し、前記結着液が光硬化性インクであることを特徴とする請求項3に記載の造形装置。
  11. 粒体を含む造形材料を用いて造形物を形成する造形方法であって、
    前記造形材料を用いたシート材を作成するシート作成工程と、
    前記シート材を所望の形状の造形シートと第1不要部分とにカットする裁断工程と、
    前記第1不要部分を回収する第1回収工程と、を含むことを特徴とする造形方法。
  12. 前記造形シートの所望の領域に前記粒体同士を結着させる結着液を付与する描画工程と、
    前記造形シートに付与された前記結着液を硬化する硬化工程と、
    前記造形シートの前記結着液が付与されていない第2不要部分を除去する造形現出工程と、
    除去された前記第2不要部分を回収する第2回収工程と、を備えることを特徴とする請求項11に記載の造形方法。
  13. 回収された前記第1不要部分および/または前記第2不要部分を粉砕する粉砕工程を含むことを特徴とする請求項11または請求項12に記載の造形方法。
  14. 前記造形材料に回収された前記第1不要部分および/または前記第2不要部分を加えるリユース工程を含み、
    前記リユース工程は、前記造形材料と加えられる前記第1不要部分および/または前記第2不要部分とが混合される比率を調整する混合比率調整工程を含むことを特徴とする請求項11ないし請求項13のいずれか一項に記載の造形方法。
  15. 前記造形材料は、前記粒体同士を結着する熱可塑性バインダーを含み、
    前記シート作成工程は、前記造形材料を前記熱可塑性バインダーの融点以上の温度に加熱する造形材料加熱工程と、加熱された前記造形材料を展延し前記造形シートを形成する展延工程と、を含むことを特徴とする請求項11ないし請求項14のいずれか一項に記載の造形方法。
  16. 回収された前記第1不要部分および/または前記第2不要部分を前記熱可塑性バインダーの融点以上の温度に加熱する回収材料加熱工程を含むことを特徴とする請求項15に記載の造形方法。
  17. 前記熱可塑性バインダーが水系溶媒に可溶であることを特徴とする請求項15または請求項16に記載の造形方法。
  18. 前記硬化工程は、前記造形シートに付与された前記結着液に光を照射する光照射工程を含み、前記結着液が光硬化性インクであることを特徴とする請求項12に記載の造形方法。
  19. 請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の造形装置によって造形されたことを特徴とする造形物。
  20. 請求項11ないし請求項18のいずれか一項に記載の造形方法によって造形されたことを特徴とする造形物。
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