JP2015106512A - アルカリ型燃料電池用炭素触媒及びその製造方法、並びにアルカリ型燃料電池用電極及びアルカリ型燃料電池 - Google Patents

アルカリ型燃料電池用炭素触媒及びその製造方法、並びにアルカリ型燃料電池用電極及びアルカリ型燃料電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2015106512A
JP2015106512A JP2013248556A JP2013248556A JP2015106512A JP 2015106512 A JP2015106512 A JP 2015106512A JP 2013248556 A JP2013248556 A JP 2013248556A JP 2013248556 A JP2013248556 A JP 2013248556A JP 2015106512 A JP2015106512 A JP 2015106512A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon material
fuel cell
carbon
alkaline fuel
boron
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013248556A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6254431B2 (ja
JP2015106512A5 (ja
Inventor
靖雄 今城
Yasuo Imashiro
靖雄 今城
純一 尾崎
Junichi Ozaki
純一 尾崎
久美 成塚
Kumi Narizuka
久美 成塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshinbo Holdings Inc
Gunma University NUC
Original Assignee
Nisshinbo Holdings Inc
Gunma University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshinbo Holdings Inc, Gunma University NUC filed Critical Nisshinbo Holdings Inc
Priority to JP2013248556A priority Critical patent/JP6254431B2/ja
Priority to PCT/JP2014/080401 priority patent/WO2015079956A1/ja
Publication of JP2015106512A publication Critical patent/JP2015106512A/ja
Publication of JP2015106512A5 publication Critical patent/JP2015106512A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6254431B2 publication Critical patent/JP6254431B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
    • H01M4/90Selection of catalytic material
    • H01M4/9008Organic or organo-metallic compounds
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/08Fuel cells with aqueous electrolytes
    • H01M8/083Alkaline fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)

Abstract

【課題】優れた活性を示すアルカリ型燃料電池用炭素触媒及びその製造方法、並びにアルカリ型燃料電池用電極及びアルカリ型燃料電池を提供する。【解決手段】本発明に係るアルカリ型燃料電池用炭素触媒は、窒素原子及びホウ素原子を含む炭素材料を含む。また、本発明に係るアルカリ型燃料電池用炭素触媒の製造方法は、炭素材料に窒素ドープ処理及びホウ素ドープ処理を施して、窒素原子及びホウ素原子を含む前記炭素材料を有するアルカリ型燃料電池用炭素触媒を得ることを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、アルカリ型燃料電池用炭素触媒及びその製造方法、並びにアルカリ型燃料電池用電極及びアルカリ型燃料電池に関し、特に、アルカリ型燃料電池用炭素触媒の活性の向上に関する。
従来、燃料電池の一つとして、アルカリ電解液を使用するアルカリ型燃料電池が知られており、その電極触媒としては金属触媒が使用されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−288104号公報
しかしながら、従来、アルカリ型燃料電池用の炭素触媒として、十分な活性を有するものはなかった。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、優れた活性を示すアルカリ型燃料電池用炭素触媒及びその製造方法、並びにアルカリ型燃料電池用電極及びアルカリ型燃料電池を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係るアルカリ型燃料電池用炭素触媒は、窒素原子及びホウ素原子を含む炭素材料を含むことを特徴とする。本発明によれば、優れた活性を示すアルカリ型燃料電池用炭素触媒を提供することができる。
また、前記アルカリ型燃料電池用炭素触媒において、前記炭素材料は、内部に金属を含まないこととしてもよい。また、前記炭素材料のX線光電子分光法により測定されるホウ素原子/炭素原子比が0.001〜0.055であることとしてもよい。また、前記炭素材料のX線光電子分光法により測定されるホウ素原子/窒素原子比が0.1〜2.5であることとしてもよい。また、前記炭素材料のX線光電子分光法により測定される窒素原子/炭素原子比が0.005〜0.035であることとしてもよい。また、前記炭素材料は酸素原子をさらに含むこととしてもよい。この場合、前記炭素材料のX線光電子分光法により測定される酸素原子/炭素原子比が0.005〜0.135であることとしてもよい。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係るアルカリ型燃料電池用電極は、前記いずれかの炭素触媒を含むことを特徴とする。本発明によれば、優れた活性を示すアルカリ型燃料電池用電極を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係るアルカリ型燃料電池は、前記電極を含むことを特徴とする。本発明によれば、優れた活性を示すアルカリ型燃料電池を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係るアルカリ型燃料電池用炭素触媒の製造方法は、炭素材料に窒素ドープ処理及びホウ素ドープ処理を施して、窒素原子及びホウ素原子を含む前記炭素材料を含むアルカリ型燃料電池用炭素触媒を得ることを含むことを特徴とする。本発明によれば、優れた活性を示すアルカリ型燃料電池用炭素触媒の製造方法を提供することができる。
また、前記製造方法において、前記炭素材料は、内部に金属を含まない前記炭素材料に前記窒素ドープ処理及び前記ホウ素ドープ処理を施すこととしてもよい。また、前記製造方法において、まず前記炭素材料に前記窒素ドープ処理を施し、次いで、前記窒素ドープ処理後の前記炭素材料に前記ホウ素ドープ処理を施すこととしてもよい。また、前記製造方法において、前記ホウ素ドープ処理は、前記炭素材料とホウ素原子含有化合物との混合物を加熱する処理であることとしてもよい。この場合、前記ホウ素原子含有化合物は、ホウ酸であることとしてもよい。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係るアルカリ型燃料電池用炭素触媒は、前記いずれかの方法により製造されたことを特徴とする。本発明によれば、優れた活性を示すアルカリ型燃料電池用炭素触媒を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係るアルカリ型燃料電池用電極は、前記いずれかの方法により製造された炭素触媒を含むことを特徴とする。本発明によれば、優れた活性を示すアルカリ型燃料電池用電極を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係るアルカリ型燃料電池は、前記いずれかの方法により製造された炭素触媒を含む電極を含むことを特徴とする。本発明によれば、優れた活性を示すアルカリ型燃料電池を提供することができる。
本発明によれば、優れた活性を示すアルカリ型燃料電池用炭素触媒及びその製造方法、並びにアルカリ型燃料電池用電極及びアルカリ型燃料電池を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る実施例において炭素材料を評価した結果の一例を示す説明図である。
以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は本実施形態で示す例に限られない。
まず、本実施形態に係るアルカリ型燃料電池用炭素触媒の製造方法(本方法)について説明する。本方法は、炭素材料に窒素ドープ処理及びホウ素ドープ処理を施して、窒素原子及びホウ素原子を含む当該炭素材料を含むアルカリ型燃料電池用炭素触媒を得ることを含む。
本方法において、窒素ドープ処理及びホウ素ドープ処理を施す炭素材料は、窒素原子及びホウ素原子をドープできる炭素構造を有する材料であれば特に限られない。具体的に、炭素材料は、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー、カーボンフィブリル、活性炭、炭素繊維及び黒鉛粉末からなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。
また、本方法においては、内部に金属(例えば、遷移金属)を含まない炭素材料に窒素ドープ処理及びホウ素ドープ処理を施すこととしてもよい。また、本方法においては、表面に金属(例えば、遷移金属)を含まない炭素材料に窒素ドープ処理及びホウ素ドープ処理を施すこととしてもよい。また、本方法においては、表面及び内部に金属(例えば、遷移金属)を含まない炭素材料に窒素ドープ処理及びホウ素ドープ処理を施すこととしてもよい。
窒素ドープ処理は、炭素材料の炭素構造に窒素原子をドープする処理であれば、特に限られない。窒素ドープ処理は、例えば、炭素材料を加熱下(例えば、400〜1200℃)で窒素原子含有ガスと接触させる処理であることとしてもよい。
窒素原子含有ガスは、窒素原子含有化合物を含むガスであって、炭素材料と加熱下で接触することにより、当該炭素材料に窒素原子がドープされるようなガスであれば特に限られない。
窒素原子含有ガスに含まれる窒素原子含有化合物は、その分子内に窒素原子を有する化合物であって、炭素材料と加熱下で接触することにより、当該炭素材料に窒素原子がドープされるような化合物であれば特に限られないが、例えば、アンモニア(NH)、一酸化窒素、二酸化窒素、アセトニトリル、アクリロニトリル、ピリジン、ピロール、ピリミジン、エチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、アニリン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン及びテトラメチルエチレンジアミンからなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。
窒素原子含有ガスにおける窒素原子含有化合物の含有量は、窒素原子がドープされる範囲であれば特に限られないが、当該窒素原子含有ガスは、例えば、当該窒素原子含有化合物を5〜100体積%含むこととしてもよい。また、炭素材料を窒素原子含有ガスと接触させる時間は、窒素原子がドープされる範囲であれば特に限られないが、例えば、10〜300分であることとしてもよい。
窒素ドープ処理は、例えば、アンモオキシデーション法による窒素ドープ処理であることとしてもよい。アンモオキシデーション法においては、例えば、炭素材料を加熱下(例えば、400〜1200℃)で、酸素を含む雰囲気中、アンモニア含有ガスと接触させることにより、当該炭素材料に窒素原子をドープする。
アンモニア含有ガスは、例えば、アンモニア(NH)を5〜100体積%含むガスであることとしてもよい。なお、アンモニア含有ガスは、例えば、アンモニアと酸素とを含むガス(例えば、アンモニアと空気とを含むガス)であることとしてもよい。
また、窒素ドープ処理は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法による窒素ドープ処理であることとしてもよい。CVD法においては、例えば、炭素材料を加熱下(例えば、400〜1200℃)、アセトニトリル等の窒素原子含有化合物を含むガスと接触させることにより、当該炭素材料に窒素原子をドープする。
窒素原子含有化合物を含むガスは、例えば、当該窒素原子含有化合物と不活性ガス(例えば、窒素(N)ガス及び/又はヘリウム(He)ガス)とを含むガスであることとしてもよい。
また、窒素ドープ処理は、例えば、炭素材料と窒素原子含有化合物との混合物を加熱する処理であることとしてもよい。窒素原子含有化合物は、その分子内に窒素原子を含む化合物であれば特に限られず、例えば、アクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、メラミン、メラミン樹脂、ピロール、ポリピロール、3−メチルポリピロール、ポリビニルピロール、チアゾール、ピラゾール、ビニルピリジン、ポリビニルピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾ−ル、キノキサリン、アニリン、ポリアニリン、ベンゾイミダゾ−ル、ポリベンゾイミダゾ−ル、ヒドラジン、ポリカルバゾール、トリアジン、ポリカルボジイミド、キレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアクリロニトリル−ポリメタクリル酸共重合体、オキサゾール、モルホリン、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ポリビスマレイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリイミド、ポリアクリルアミド、ポリアミド、キチン、キトサン、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、ポリアミノ酸、核酸、ヒドラジド、尿素、サレン、ポリウレタン及びポリアミドアミンからなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。
炭素材料と窒素原子含有化合物との混合物を加熱する温度は、当該炭素材料に窒素原子がドープされる温度であれば特に限られないが、例えば、300〜1500℃であることとしてもよい。
ホウ素ドープ処理は、炭素材料の炭素構造にホウ素原子をドープする処理であれば、特に限られない。ホウ素ドープ処理は、例えば、炭素材料を加熱下(例えば、400〜1200℃)でホウ素原子含有ガスと接触させる処理であることとしてもよい。
ホウ素原子含有ガスは、ホウ素原子含有化合物を含むガスであって、炭素材料と加熱下で接触することにより、当該炭素材料にホウ素原子がドープされるようなガスであれば特に限られない。
ホウ素原子含有ガスに含まれるホウ素原子含有化合物は、その分子内にホウ素原子を含む化合物であって、炭素材料と加熱下で接触することにより、当該炭素材料にホウ素原子がドープされるような化合物であれば特に限られないが、例えば、三塩化ホウ素(BCl)、三フッ化ホウ素(BF)、ジボラン(B)及びトリメチルボロンからなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。
また、ホウ素原子含有化合物を含むガスは、例えば、当該ホウ素原子含有化合物と不活性ガス(例えば、窒素(N)ガス及び/又はヘリウム(He)ガス)とを含むガスであることとしてもよい。
ホウ素原子含有ガスにおけるホウ素含有化合物の含有量は、ホウ素原子がドープされる範囲であれば特に限られないが、当該ホウ素原子含有ガスは、例えば、当該ホウ素原子含有化合物を0.1〜100体積%含むこととしてもよい。
より具体的に、例えば、ホウ素原子含有ガスがBClを含む場合、当該ホウ素原子含有ガスは、BClを0.1〜100体積%含むこととしてもよく、0.5〜5体積%含むことが好ましい。炭素材料をホウ素原子含有ガスと接触させる時間は、ホウ素原子がドープされる範囲であれば特に限られないが、例えば、5〜300分であることとしてもよい。
また、ホウ素ドープ処理は、炭素材料とホウ素原子含有化合物との混合物を加熱する処理であることとしてもよい。ホウ素原子含有化合物は、その分子内にホウ素原子を含む化合物であれば特に限られず、例えば、ホウ酸、三フッ化ホウ素(BF)メタノール錯体、9−BBN(9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン)、炭化ホウ素(BC)及び酸化ホウ素(B)からなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。特に、炭素材料とホウ酸との混合物を加熱するホウ素ドープ処理により、当該炭素材料に、ホウ素原子を効果的にドープすることができる。
炭素材料とホウ素原子含有化合物との混合物を加熱する温度は、当該炭素材料にホウ素原子がドープされる温度であれば特に限られないが、例えば、300〜1500℃であることとしてもよい。
本方法において、上述した窒素ドープ処理とホウ素ドープ処理とは、任意に組み合わせて行うことができる。すなわち、例えば、まず炭素材料に窒素ドープ処理を施し、次いで、当該窒素ドープ処理後の当該炭素材料にホウ素ドープ処理を施すこととしてもよい。
この場合、例えば、まず窒素原子及びホウ素原子を含まない炭素材料に窒素ドープ処理を施し、次いで、当該窒素ドープ処理後の窒素原子を含む炭素材料にホウ素ドープ処理を施して、窒素原子及びホウ素原子を含む炭素材料を得ることとしてもよい。
また、例えば、まず炭素材料を加熱下で窒素原子含有ガスと接触させる窒素ドープ処理を行い、次いで、当該窒素ドープ処理後の当該炭素材料とホウ素原子含有化合物との混合物を加熱するホウ素ドープ処理を行うこととしてもよい。
この場合、例えば、窒素ドープ処理後の炭素材料と、ホウ酸、三フッ化ホウ素(BF)メタノール錯体、9−BBN(9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン)、炭化ホウ素(BC)及び酸化ホウ素(B)からなる群より選択される1種以上との混合物を加熱するホウ素ドープ処理を行うこととしてもよい。特に、窒素ドープ処理後の炭素材料とホウ酸との混合物を加熱するホウ素ドープ処理を行うことにより、当該炭素材料にホウ素原子を効果的にドープすることができる。
また、例えば、まず炭素材料を加熱下で窒素原子含有ガスと接触させる窒素ドープ処理を行い、次いで、当該窒素ドープ処理後の当該炭素材料を加熱下でホウ素原子含有ガスと接触させるホウ素ドープ処理を行うこととしてもよい。
そして、本方法においては、上述のような窒素ドープ処理及びホウ素ドープ処理を行って、窒素原子及びホウ素原子がドープされた炭素材料を得る。こうして得られた窒素原子及びホウ素原子を含む炭素材料は、それ自身が、アルカリ型燃料電池用炭素触媒としての触媒活性を示す。したがって、本方法においては、上述の窒素ドープ処理及びホウ素ドープ処理後の窒素原子及びホウ素原子を含む炭素材料を、アルカリ型燃料電池用炭素触媒として得ることとしてもよい。
次に、本実施形態に係るアルカリ型燃料電池用炭素触媒(本触媒)について説明する。本触媒は、窒素原子及びホウ素原子を含む炭素材料を含むアルカリ型燃料電池用炭素触媒である。すなわち、本触媒の炭素材料は、窒素原子及びホウ素原子を含む炭素構造を有する。この炭素材料は、それ自身がアルカリ型燃料電池における触媒活性を示す。そして、本触媒は、アルカリ型燃料電池に使用される炭素触媒(より具体的には、アルカリ型燃料電池の電極に使用される炭素触媒)である。
本触媒は、上述した本方法により好ましく製造される。すなわち、本触媒は、上述のとおり、炭素材料に窒素ドープ処理及びホウ素ドープ処理を施して得られた、窒素原子及びホウ素原子を含む炭素材料を含むこととしてもよい。
本触媒の炭素材料は、内部に金属(例えば、遷移金属)を含まないこととしてもよい。すなわち、この場合、本触媒は、窒素原子及びホウ素原子を含み、且つ内部に金属を含まない炭素材料を含む。また、本触媒は、内部に金属を含まない炭素材料に窒素ドープ処理及びホウ素ドープ処理を施して得られた、窒素原子及びホウ素原子を含み、且つ内部に金属を含まない炭素材料を含むこととしてもよい。
また、本触媒の炭素材料は、表面に金属(例えば、遷移金属)を含まないこととしてもよい。また、本触媒の炭素材料は、表面に貴金属を含まないこととしてもよい。また、本触媒の炭素材料は、表面及び内部に金属(例えば、遷移金属)を含まないこととしてもよい。
本触媒の炭素材料のX線光電子分光法により測定されるホウ素原子/炭素原子比(B/C比)は、0.001〜0.055であることとしてもよい。本触媒の炭素材料のB/C比がこの範囲内であることは、本触媒が優れた触媒活性を示す上で好ましい。
また、本触媒の炭素材料のB/C比は、例えば、0.003〜0.055であることとしてもよい。本触媒の炭素材料のB/C比がこの範囲内であることは、本触媒が優れた触媒活性を示す上でより好ましい。
さらに、本触媒の炭素材料のB/C比は、例えば、0.006〜0.055であることとしてもよく、0.010〜0.055であることとしてもよく、0.020〜0.055であることとしてもよく、0.030〜0.055であることとしてもよく、0.040〜0.055であることとしてもよい。本触媒の炭素材料のB/C比がこれらの範囲内であることは、本触媒が優れた触媒活性を示す上で特に好ましい。また、本触媒の炭素材料のB/C比が増加するにつれて、本触媒の触媒活性が向上する傾向がある。
本触媒の炭素材料のX線光電子分光法により測定されるホウ素原子/窒素原子比(B/N比)は、0.1〜2.5であることとしてもよい。本触媒の炭素材料のB/N比がこの範囲内であることは、本触媒が優れた触媒活性を示す上で好ましい。
また、本触媒の炭素材料のB/N比は、例えば、0.3〜2.5であることとしてもよく、0.5〜2.5であることとしてもよく、1.0〜2.5であることとしてもよく、1.5〜2.5であることとしてもよい。本触媒の炭素材料のB/N比がこれらの範囲内であることは、本触媒が優れた触媒活性を示す上で特に好ましい。また、本触媒の炭素材料のB/N比が増加するにつれて、本触媒の触媒活性が向上する傾向がある。
本触媒の前記炭素材料のX線光電子分光法により測定される窒素原子/炭素原子比(N/C比)は、0.005〜0.035であることとしてもよい。本触媒の炭素材料のN/C比がこの範囲内であることは、本触媒が優れた触媒活性を示す上で好ましい。
また、本触媒の炭素材料のN/C比は、例えば、0.015〜0.035であることとしてもよく、0.02〜0.035であることとしてもよい。本触媒の炭素材料のN/C比がこれらの範囲内であることは、本触媒が優れた触媒活性を示す上でより好ましい。
また、本触媒の炭素材料は酸素原子をさらに含むこととしてもよい。この場合、本触媒の炭素材料のX線光電子分光法により測定される酸素原子/炭素原子比(O/C比)は、0.005〜0.135であることとしてもよい。本触媒の炭素材料のO/C比がこの範囲内であることは、本触媒が優れた触媒活性を示す上で好ましい。
また、本触媒の炭素材料のO/C比は、例えば、0.050〜0.135であることとしてもよい。本触媒の炭素材料のO/C比がこの範囲内であることは、本触媒が優れた触媒活性を示す上でより好ましい。
また、本触媒の炭素材料のO/C比は、例えば、0.100〜0.135であることとしてもよい。本触媒の炭素材料のO/C比がこの範囲内であることは、本触媒が優れた触媒活性を示す上で特に好ましい。
上述したB/C比、N/C比、B/N比及びO/C比は、任意に組み合わされる。すなわち、例えば、本触媒の炭素材料のB/C比は0.001〜0.055であり、当該炭素材料のB/N比は0.1〜2.5であることとしてもよい。この場合、本触媒の炭素材料のN/C比は0.005〜0.035であることとしてもよい。また、本触媒の炭素材料のO/C比は0.005〜0.135であることとしてもよい。本触媒の炭素材料の表面元素比がこれらの範囲の組み合わせであることは、本触媒が優れた触媒活性を示す上で好ましい。
また、例えば、本触媒の炭素材料のB/C比は0.003〜0.055であり、当該炭素材料のB/N比は0.1〜2.5であることとしてもよい。この場合、本触媒の炭素材料のN/C比は0.015〜0.035であることとしてもよい。また、本触媒の炭素材料のO/C比は0.050〜0.135であることとしてもよい。本触媒の炭素材料の表面元素比がこれらの範囲の組み合わせであることは、本触媒が優れた触媒活性を示す上でより好ましい。
また、例えば、本触媒の炭素材料のB/C比は0.006〜0.055であり、当該炭素材料のB/N比は0.3〜2.5であることとしてもよい。この場合、本触媒の炭素材料のB/C比は0.010〜0.055であることとしてもよく、0.020〜0.055であることとしてもよく、0.030〜0.055であることとしてもよく、0.040〜0.055であることとしてもよい。また、これらの場合、炭素材料のB/N比は0.5〜2.5であることとしてもよく、1.0〜2.5であることとしてもよい。さらに、これらの場合、本触媒の炭素材料のN/C比は0.015〜0.035であることとしてもよく、0.02〜0.035であることとしてもよい。また、本触媒の炭素材料のO/C比は0.100〜0.135であることとしてもよい。本触媒の炭素材料の表面元素比がこれらの範囲の組み合わせであることは、本触媒が優れた触媒活性を示す上で特に好ましい。
本触媒は、その触媒活性の一つとして、例えば、酸素還元活性を示す。本触媒の酸素還元活性は、例えば、当該本触媒をアルカリ電解液中で電極触媒として使用した場合における電流密度により評価される。
すなわち、この電流密度は、例えば、本触媒を塗布した作用電極を有する回転リングディスク電極装置を用いて電位を掃引印加した場合に得られる電圧と電流密度との関係を示すデータ(酸素還元ボルタモグラム)における、電圧0(ゼロ)Vでの電流密度として求められる。
具体的に、本触媒は、例えば、0.20mA/cm以上の上記電流密度を示すこととしてもよく、0.30mA/cm以上の上記電流密度を示すことが好ましく、0.40mA/cm以上の上記電流密度を示すことがより好ましく、0.50mA/cm以上の上記電流密度を示すことがさらに好ましく、0.60mA/cm以上の上記電流密度を示すことが特に好ましい。この電流密度の上限値は、特に限られないが、当該電流密度は、例えば、4.0mA/cm以下であることとしてもよい。
また、本触媒の酸素還元活性は、例えば、当該本触媒をアルカリ電解液中で電極触媒として使用した場合における酸素還元開始電位により評価される。酸素還元開始電位は、例えば、本触媒を塗布した作用電極を有する回転リングディスク電極装置を用いて電位を掃引印加し、このとき得られる電圧と電流密度との関係を示すデータ(酸素還元ボルタモグラム)に基づき、−10μA/cmの還元電流が流れたときの電圧(EO2)として求められる。
具体的に、本触媒は、例えば、0.07V(vs.NHE)以上(より具体的には、例えば、0.07V(vs.NHE)以上、1.2V(vs.NHE)以下)の酸素還元開始電位を示すこととしてもよく、0.08V(vs.NHE)以上の酸素還元開始電位を示すことが好ましい。
本実施形態に係るアルカリ型燃料電池用電極(本電極)は、上述した本触媒を含む、アルカリ型燃料電池の電極である。すなわち、本電極は、例えば、本触媒が担持された電極である。具体的に、本電極は、例えば、電極基材と、当該電極基材に担持された本触媒と、を含む電極である。本電極は、例えば、アルカリ型燃料電池用カソード(酸素極)として使用される。
本実施形態に係るアルカリ型燃料電池(本電池)は、上述した本電極を含む。すなわち、本電池は、例えば、上述した本電極をカソード(酸素極)として含むアルカリ型燃料電池である。
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
[実施例1]
まず、炭素材料に窒素原子をドープした。すなわち、炭素材料であるカーボンブラック(バルカン:XC−72)300mgを石英管中に固定し、当該石英管を電気炉中に置いた。電気炉内において、窒素雰囲気下で石英管内の炭素材料を加熱して、その温度を室温から600℃まで上昇させた。
次いで、電気炉内において、アンモニア(NH)と空気との混合ガス(NH濃度:70体積%)を流量200mL/分で流通させながら、炭素材料を600℃で2時間保持した。その後、電気炉を開けて空冷し、炭素材料を取り出した。こうしてアンモオキシデーション法により、窒素原子を含む炭素材料を得た。
さらに、炭素材料にホウ素原子をドープした。すなわち、上述のようにして得られた窒素原子を含む炭素材料1000mgを、ホウ酸を1250mg/Lの濃度で含む水溶液200mL中に80℃で1時間浸漬することにより、当該炭素材料100重量部とホウ酸20重量部とを混合し、当該炭素材料にホウ酸を含浸させた。
次いで、ホウ酸を担持した炭素材料100mgを石英管中に固定し、当該石英管を電気炉中に置いた。電気炉内において、窒素雰囲気下で石英管内の炭素材料を加熱して、その温度を室温から1000℃まで上昇させた。
さらに、電気炉内において、炭素材料を1000℃で1時間保持した。その後、電気炉を開けて空冷し、炭素材料を取り出した。こうして、窒素原子及びホウ素原子を含む炭素材料を、アルカリ型燃料電池用炭素触媒として得た。
[実施例2]
まず、炭素材料に窒素原子をドープした。すなわち、炭素材料であるカーボンブラック(バルカン:XC−72)200mgを石英管中に固定し、当該石英管を電気炉中に置いた。電気炉内において、窒素雰囲気下で石英管内の炭素材料を加熱して、その温度を室温から600℃まで上昇させた。
次いで、電気炉内において、アンモニア(NH)と空気との混合ガス(NH濃度:70体積%)を流量200mL/分で流通させながら、炭素材料を600℃で2時間保持した。
続いて、炭素材料にホウ素原子をドープした。すなわち、上述のようにして炭素材料に窒素原子をドープした後、電気炉内の温度を低下させることなく、まずアンモニア(NH)と空気との混合ガスを窒素(N)ガスに置換し、次いで、当該窒素(N)ガスをBCl/N混合ガス(BCl濃度は1体積%)に置換した。
そして、このBCl/N混合ガスの流通下、窒素原子がドープされた炭素材料を600℃で45分保持した。その後、電気炉を開けて空冷し、炭素材料を取り出した。こうして、窒素原子及びホウ素原子を含む炭素材料を得た。
[実施例3]
まず、上述の実施例1と同様にして、アンモオキシデーション法により炭素材料(カーボンブラック(バルカン:XC−72))に窒素原子をドープした。
さらに、炭素材料にホウ素原子をドープした。すなわち、上述のようにして得られた窒素原子を含む炭素材料100mgを、三フッ化ホウ素(BF)メタノール錯体(BF:15%)12mLと混合した。
次いで、この混合物を電気炉内で加熱して、1000℃で1時間保持した。その後、電気炉を開けて空冷し、炭素材料を取り出した。こうして、窒素原子及びホウ素原子を含む炭素材料を得た。
[比較例1]
窒素原子及びホウ素原子がドープされていない炭素材料として、上述の実施例1〜3で使用された、未処理のカーボンブラック(バルカン:XC−72)を用意した。
[比較例2]
窒素原子がドープされ、ホウ素原子はドープされていない炭素材料を用意した。すなわち、上述の実施例1と同様にして、カーボンブラック(バルカン:XC−72)に窒素原子をドープすることにより、窒素原子がドープされた炭素材料を得た。
[比較例3]
窒素原子がドープされ、ホウ素原子はドープされていない炭素材料であって、窒素原子のドープ後に熱処理が施された炭素材料を用意した。すなわち、まず、上述の実施例1と同様にして、炭素材料(カーボンブラック(バルカン:XC−72))に窒素原子をドープした。その後、電気炉内のアンモニア(NH)と空気との混合ガスを窒素(N)ガスに置換した。
そして、このNガスの流通下、窒素原子がドープされた炭素材料を加熱して、1000℃で1時間保持した。その後、電気炉を開けて空冷し、炭素材料を取り出した。こうして、窒素原子がドープされ、熱処理が施された炭素材料を得た。
[比較例4]
ホウ素原子がドープされ、窒素原子はドープされていない炭素材料を用意した。すなわち、カーボンブラック(バルカン:XC−72)1000mgを、ホウ酸を1250mg/Lの濃度で含む水溶液200mL中に室温で1時間浸漬することにより、当該炭素材料100重量部に20重量部のホウ酸を含浸させた。
次いで、ホウ酸を担持した炭素材料100mgを石英管中に固定し、当該石英管を電気炉中に置いた。電気炉内において、窒素雰囲気下で石英管内の炭素材料を加熱して、その温度を室温から1000℃まで上昇させた。
さらに、電気炉内において、炭素材料を1000℃で1時間保持した。その後、電気炉を開けて空冷し、炭素材料を取り出した。こうして、ホウ素原子がドープされた炭素材料を得た。
[X線光電子分光法]
上述のようにして得られた炭素材料をX線光電子分光法(XPS)により分析した。すなわち、X線光電子分光装置(Kratos AXIS NOVA、株式会社島津製作所製)(X線:AlKα線、出力:10mA×15kV)により、炭素材料の表面元素を分析した。具体的に、XPS測定により得られたスペクトルの各ピークの面積と検出感度係数とから、炭素原子、ホウ素原子、窒素原子及び酸素原子の表面元素濃度(%)を求め、当該各元素の濃度の比として、表面におけるホウ素原子の炭素原子に対する比(B/C比)、窒素原子の炭素原子に対する比(N/C比)、及び酸素原子の炭素原子に対する比(O/C比)の値を算出した。また、定量計算の際のバックグラウンドはShirley法により決定した。
[触媒活性]
また、上述のようにして得られた炭素材料の触媒活性として、アルカリ電解質を使用した場合における、電圧0Vでの電流密度(I0v)と、酸素還元開始電位(EO2)とを評価した。
すなわち、まず触媒スラリーを調製した。具体的に、上述のようにして得られた炭素材料5mgと、25μLのバインダー溶液(ナフィオン(商標登録)、デュポン株式会社)と、200μLの超純水と、175μLのエタノールと、スパチュラで2杯(約15粒)のガラスビーズ(直径1mm)とを混合し、20分間超音波処理することにより、触媒スラリーを得た。
次いで、上述の触媒スラリー1.8μLをピペットにより吸い取り、回転リングディスク電極装置(RRDE−3A Ver.1.2S、ビー・エー・エス株式会社製)のディスク電極(0.1256cm)に塗布し、乾燥させることにより、作用電極を作製した。また、リング電極としては、白金電極を用いた。参照電極として飽和塩化カリウム銀/塩化銀(Ag/AgCl)電極を用いた。アルカリ電解質としては、酸素を常温で溶解させた、0.1M水酸化カリウム水溶液を用いた。
そして、電気化学アナライザー(CHI700B、株式会社ALS社製)を用いてリニアスイープボルタンメトリーを行った。リニアスイープボルタンメトリーにおいて、電位は、飽和塩化カリウム銀/塩化銀電極を用いて測定した値を標準水素電極(NHE)基準値に換算することにより算出した。
まず、25℃で酸素を20分間バブリングすることにより電解質溶液を酸素飽和させた後、測定を開始した。次いで、初期電位を600秒保持した後に、電極を回転速度1500rpmで回転させ、25℃にて、掃引速度1mV/秒で0.1V(vs.Ag/AgCl)から−0.6V(vs.Ag/AgCl)まで電位を掃引し、作用電極に流れる電流値を測定した。すなわち、標準水素電極(NHE)基準値に換算すると、0.3V(vs.NHE)から−0.4V(vs.NHE)まで電位を掃引した。
このときの流れた電流を電位の関数として記録した。そして、得られた分極曲線から、−10μA/cmの還元電流が流れたときの電圧を、“酸素還元開始電位(EO)”(V vs. NHE)として記録した。また、0V(vs. NHE)の電位を印加したときの電流密度(mA/cm)も“I0V”として記録した。
[結果]
図1には、各炭素材料について評価された、表面元素比と触媒活性とを示す。すなわち、図1には、各炭素材料の表面のB/C比、N/C比、B/N比及びO/C比と、電圧0Vでの電流密度(I0v(mA/cm))及び酸素還元開始電位(Eо(V vs.NHE))とを示す。
図1の「B/C比」に示すように、その製造過程でホウ素ドープ処理を行った実施例1〜3及び比較例4では、炭素材料にホウ素原子がドープされていることが確認された。特に、窒素ドープ処理後の炭素材料とホウ酸との混合物を加熱するホウ素ドープ処理を行った実施例1では、当該炭素材料にホウ素原子を効果的にドープすることができた。
また、図1の「N/C比」に示すように、その製造過程で窒素ドープ処理を行った実施例1〜3及び比較例2、3では、炭素材料に窒素原子がドープされていることが確認された。
また、図1の「B/C比」に示すように、実施例1で得られた炭素材料のB/N比は、実施例2、3のそれに比べて顕著に大きかった。また、図1の「O/C比」に示すように、実施例1〜3及び比較例2〜4では、炭素材料に酸素原子が導入されていることが確認された。
そして、図1の「触媒活性」に示すように、実施例1〜3の炭素材料を使用して測定された電流密度(I0v)及び酸素還元開始電位(EO2)は、比較例1〜4の炭素材料を使用して測定されたそれらに比べて顕著に大きかった。
すなわち、実施例1〜3の炭素材料は、比較例1〜4の炭素材料に比べて顕著に優れた触媒活性を示すことが確認された。さらに、実施例1、2の炭素材料は、実施例3の炭素材料に比べて大きな電流密度を示し、実施例1の炭素材料は特に大きな電流密度を示した。

Claims (17)

  1. 窒素原子及びホウ素原子を含む炭素材料を含む
    ことを特徴とするアルカリ型燃料電池用炭素触媒。
  2. 前記炭素材料は、内部に金属を含まない
    ことを特徴とする請求項1に記載のアルカリ型燃料電池用炭素触媒。
  3. 前記炭素材料のX線光電子分光法により測定されるホウ素原子/炭素原子比が0.001〜0.055である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアルカリ型燃料電池用炭素触媒。
  4. 前記炭素材料のX線光電子分光法により測定されるホウ素原子/窒素原子比が0.1〜2.5である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のアルカリ型燃料電池用炭素触媒。
  5. 前記炭素材料のX線光電子分光法により測定される窒素原子/炭素原子比が0.005〜0.035である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のアルカリ型燃料電池用炭素触媒。
  6. 前記炭素材料は酸素原子をさらに含む
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のアルカリ型燃料電池用炭素触媒。
  7. 前記炭素材料のX線光電子分光法により測定される酸素原子/炭素原子比が0.005〜0.135である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のアルカリ型燃料電池用炭素触媒。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の炭素触媒を含む
    ことを特徴とするアルカリ型燃料電池用電極。
  9. 請求項8に記載の電極を含む
    ことを特徴とするアルカリ型燃料電池。
  10. 炭素材料に窒素ドープ処理及びホウ素ドープ処理を施して、窒素原子及びホウ素原子を含む前記炭素材料を含むアルカリ型燃料電池用炭素触媒を得ることを含む
    ことを特徴とするアルカリ型燃料電池用炭素触媒の製造方法。
  11. 内部に金属を含まない前記炭素材料に前記窒素ドープ処理及び前記ホウ素ドープ処理を施す
    ことを特徴とする請求項10に記載のアルカリ型燃料電池用炭素触媒の製造方法。
  12. まず前記炭素材料に前記窒素ドープ処理を施し、次いで、前記窒素ドープ処理後の前記炭素材料に前記ホウ素ドープ処理を施す
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載のアルカリ型燃料電池用炭素触媒の製造方法。
  13. 前記ホウ素ドープ処理は、前記炭素材料とホウ素原子含有化合物との混合物を加熱する処理である
    ことを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載のアルカリ型燃料電池用炭素触媒の製造方法。
  14. 前記ホウ素原子含有化合物は、ホウ酸である
    ことを特徴とする請求項13に記載のアルカリ型燃料電池用炭素触媒の製造方法。
  15. 請求項10乃至14のいずれかに記載の方法により製造された
    ことを特徴とするアルカリ型燃料電池用炭素触媒。
  16. 請求項15に記載の炭素触媒を含む
    ことを特徴とするアルカリ型燃料電池用電極。
  17. 請求項16に記載の電極を含む
    ことを特徴とするアルカリ型燃料電池。
JP2013248556A 2013-11-29 2013-11-29 アルカリ型燃料電池用炭素触媒及びその製造方法、並びにアルカリ型燃料電池用電極及びアルカリ型燃料電池 Active JP6254431B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013248556A JP6254431B2 (ja) 2013-11-29 2013-11-29 アルカリ型燃料電池用炭素触媒及びその製造方法、並びにアルカリ型燃料電池用電極及びアルカリ型燃料電池
PCT/JP2014/080401 WO2015079956A1 (ja) 2013-11-29 2014-11-17 アルカリ型燃料電池用炭素触媒及びその製造方法、並びにアルカリ型燃料電池用電極及びアルカリ型燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013248556A JP6254431B2 (ja) 2013-11-29 2013-11-29 アルカリ型燃料電池用炭素触媒及びその製造方法、並びにアルカリ型燃料電池用電極及びアルカリ型燃料電池

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015106512A true JP2015106512A (ja) 2015-06-08
JP2015106512A5 JP2015106512A5 (ja) 2017-01-12
JP6254431B2 JP6254431B2 (ja) 2017-12-27

Family

ID=53198901

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013248556A Active JP6254431B2 (ja) 2013-11-29 2013-11-29 アルカリ型燃料電池用炭素触媒及びその製造方法、並びにアルカリ型燃料電池用電極及びアルカリ型燃料電池

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6254431B2 (ja)
WO (1) WO2015079956A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017217331A1 (ja) * 2016-06-15 2017-12-21 国立大学法人東北大学 炭素材料及びその製造方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6223798B2 (ja) * 2013-11-29 2017-11-01 日清紡ホールディングス株式会社 固体塩基触媒並びにこれに関する方法及び反応装置
CN114497601B (zh) * 2020-10-26 2024-04-02 中国石油化工股份有限公司 掺杂碳材料、铂碳催化剂及其制备方法和应用

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006331846A (ja) * 2005-05-26 2006-12-07 Asahi Kasei Corp 燃料電池用電極触媒
JP2009119423A (ja) * 2007-11-19 2009-06-04 Asahi Kasei Corp 活性b−c−n材料及びその製造方法
JP2009125693A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Japan Carlit Co Ltd:The 触媒体及びその製造方法
JP2009291714A (ja) * 2008-06-05 2009-12-17 Seizo Miyata 触媒及びその製造方法、膜電極接合体及びその製造方法、燃料電池部材及びその製造方法、燃料電池及び蓄電装置
WO2010064556A1 (ja) * 2008-12-02 2010-06-10 日清紡ホールディングス株式会社 炭素触媒及びその製造方法、これを用いた電極及び電池

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006331846A (ja) * 2005-05-26 2006-12-07 Asahi Kasei Corp 燃料電池用電極触媒
JP2009119423A (ja) * 2007-11-19 2009-06-04 Asahi Kasei Corp 活性b−c−n材料及びその製造方法
JP2009125693A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Japan Carlit Co Ltd:The 触媒体及びその製造方法
JP2009291714A (ja) * 2008-06-05 2009-12-17 Seizo Miyata 触媒及びその製造方法、膜電極接合体及びその製造方法、燃料電池部材及びその製造方法、燃料電池及び蓄電装置
WO2010064556A1 (ja) * 2008-12-02 2010-06-10 日清紡ホールディングス株式会社 炭素触媒及びその製造方法、これを用いた電極及び電池

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JUN-ICHI OZAKI, NAOFUMI KIMURA, TOMONORI ANAHARA, ASAO OYA: "Preparation and oxygen reduction activity of BN-doped carbons", CARBON, vol. 45, JPN6015000710, 10 May 2007 (2007-05-10), pages 1847 - 1853, ISSN: 0003673198 *

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017217331A1 (ja) * 2016-06-15 2017-12-21 国立大学法人東北大学 炭素材料及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015079956A1 (ja) 2015-06-04
JP6254431B2 (ja) 2017-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Lin et al. Electrocatalytic hydrogen evolution of ultrathin Co‐Mo5N6 heterojunction with interfacial electron redistribution
Deng et al. Metal–organic framework‐derived carbon nanorods encapsulating bismuth oxides for rapid and selective CO2 electroreduction to formate
Rao et al. Borocarbonitrides as metal‐free catalysts for the hydrogen evolution reaction
Alia et al. Porous platinum nanotubes for oxygen reduction and methanol oxidation reactions
Hosseini et al. Highly active nickel nanoparticles supported on TiO2 nanotube electrodes for methanol electrooxidation
Luo et al. Palladium phosphide as a stable and efficient electrocatalyst for overall water splitting
Sahraie et al. Quantifying the density and utilization of active sites in non-precious metal oxygen electroreduction catalysts
Pi et al. Trimetallic oxyhydroxide coralloids for efficient oxygen evolution electrocatalysis
Moon et al. Highly active cobalt‐based electrocatalysts with facile incorporation of dopants for the oxygen evolution reaction
Pillai et al. New insights into electrochemical ammonia oxidation on Pt (100) from first principles
Watanabe et al. Tailored design of boron‐doped diamond electrodes for various electrochemical applications with boron‐doping level and sp2‐bonded carbon impurities
Jaouen et al. Oxygen reduction activities compared in rotating-disk electrode and proton exchange membrane fuel cells for highly active FeNC catalysts
Meng et al. Electrodeposition of cobalt oxide nanoparticles on carbon nanotubes, and their electrocatalytic properties for nitrite electrooxidation
Yi et al. Electrochemical Activity of Novel Titanium‐Supported Porous Binary Pd‐Ru Particles for Ethanol Oxidation in Alkaline Media
Mecheri et al. Carbon‐supported zirconium oxide as a cathode for microbial fuel cell applications
Yu et al. Amorphous FeOOH decorated CoSe2 nanorod heterostructured arrays for efficient water oxidation
JP6254431B2 (ja) アルカリ型燃料電池用炭素触媒及びその製造方法、並びにアルカリ型燃料電池用電極及びアルカリ型燃料電池
Janicek et al. High performance activated carbon/carbon cloth cathodes for microbial fuel cells
WO2017199653A1 (ja) 電池電極、電池電極触媒層用組成物及び電池
Wang et al. Polyaniline synthesis by cyclic voltammetry for anodic modification in microbial fuel cells
Kübler et al. Impact of surface functionalization on the intrinsic properties of the resulting Fe–N–C catalysts for fuel cell applications
CN110273162B (zh) 一种铁/钴/镍氮耦合的碳基复合材料及其应用
Li et al. Dopamine-derived nitrogen-doped carboxyl multiwalled carbon nanotube-modified graphite felt with improved electrochemical activity for vanadium redox flow batteries
Wang et al. Oxygen evolution reaction on nanoporous gold modified with Ir and Pt: Synergistic electrocatalysis between structure and composition
Srinivas et al. Co/Co‐N@ Nanoporous Carbon Derived from ZIF‐67: A Highly Sensitive and Selective Electrochemical Dopamine Sensor

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161125

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20161125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170718

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170901

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6254431

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250