以下に本発明の実施の形態を遊技機たるスロットマシンを例に図面を参照しつつ説明する。なお、図1はスロットマシンの分解斜視図、図2は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの分解斜視図、図3はスロットマシンの斜視図、図4は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図、図5は図4のZ1部拡大図、図6はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図4のZ1部拡大図、図7は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの横断面図、図8(a)は図7のZ2部拡大図、図8(b)はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図7のZ2部拡大図、図9は図8(a)の要部を示す拡大図、図10は背板側を示すスロットマシン要部の横断面図、図11はケース部材の分解斜視図、図12はケース部材を後ろから見た斜視図、図13(a),(b)はコネクタホルダーの仮止め状態を説明するケース部材の要部の斜視図、図14は配線中継部材の分解斜視図、図15は配線中継部材のカバー体を省略した正面図、図16,図17はコネクタホルダーの分解斜視図、図18はケース部材を止めるストッパーの斜視図、図19は他の形態を示すストッパーの斜視図、図20,図21はケース部材のガイド構造を示す要部の断面図、図22は把手の他の形態を示す図柄変動表示装置の部分斜視図、図23はケース部材と外本体側のストッパーとの関係を示す要部の斜視図、図24は配線窓と図柄変動表示装置のリールとの関係を示す要部の断面図、図25はスロットマシン上部の縦断面図、図26はメダル放出装置を省略してスロットマシンの下半部を示す斜視図、図27は図26の分解斜視図、図28はスロットマシンの裏側から放熱口を見た背面図、図29は電源装置を示すスロットマシンの一部断面部分正面図、図30は電源装置を下から見上げた状態を示す斜視図、図31は他の形態を示すもので外本体の側板と電源装置の要部断面図、図32は他の形態を示す照明装置の概略断面図、図33は透明板と発光ユニットを分解して示す扉形前面部材の斜視図、図34は透明板を分解して示す扉形前面部材の斜視図、図35は透明板を装着した扉形前面部材の図33A−A線相当断面図、図36はヒンジ金具の分解・組み立て斜視図、図37はヒンジ金具の連鎖を示す線図、図38は扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図39は開く途中の扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図40は扉形前面部材の上半部を示す裏側から見た斜視図、図41は連結具を縦方向に切断した断面斜視図、図42は他のヒンジ金具の例を示す扉形前面部材の要部横断平面図、図43は図42の扉形前面部材の開く途中を示す要部の横断平面図、図44は機種ユニットにおいて前面開閉部材を開いた状態を示す斜視図、図45は連結具を連結したまま扉形前面部材を開いた状態を示す斜視図である。
本発明のスロットマシン1は、図1及び図2に示すように、前面が開口する箱形の外本体100と、該外本体100の前面に回転軸100aをもって横開きの扉状に回動可能に取り付けた扉形前面部材200と、複数の図柄を駆動手段で変動させる図柄変動表示装置300と、前記外本体100に対し着脱自在であって前面に開口部401を有するケース部材400と、任意の画像を表示する画像表示体500と、を有する。
[外本体]
外本体100は、図1〜図4に示したように底板101の左右に側板102,102を取着すると共に該側板102,102の頂部に天板103を設置して正面視縦長「口」字形の枠状となし、その枠の背に背板104を固着して前面のみ開口する箱形に形成してなる。左右の側板102,102は前縁が後傾状態に僅かに傾斜する台形になっており、従って外本体100の開口は後傾状態の傾きを有する。また、天板103には、遊技機設置島(図示せず)に設置した状態で該遊技機設置島の上桟600(図25想像線参照)と対向する領域内に複数(実施形態では4個)の貫通孔132,132…が穿設されている。
[外本体−仕切板]
外本体100内には高さのほぼ中央に棚板状の仕切板105が設けられている。該仕切板105は金属製であって、図1,図2に示したように中央に突段部106を有する正面視略凸形であり、両端に形成した垂直な取付片107を外本体100の側板102,102内面に固着し、また、後端に形成した垂直な取付片108を外本体100の背板104内面に固着して取り付けられる。なお、仕切板105の後端の取付片108にはバーリング加工(下孔の孔径をポンチで広げながら短筒状の突起を立ち上げる金属加工)による筒状突起(図示せず)が形成されており、該筒状突起を外本体100の背板104にプレ加工した小孔(図示せず)に打ち込んで位置決めされる。また、仕切板105の両横の最奥部には外本体100の背板104との間に配線用の開口109が形成されている。
[外本体−仕切板−下スペース]
外本体100内の前記仕切板105より下のスペースには、遊技媒体たるメダルを前記扉形前面部材200の前面下部にあるメダル用受皿201に放出するメダル放出装置110と、メダル放出装置110からオーバーフローするメダルを貯めるメダル用補助収納箱111と、電源装置112等が設けられている。
[外本体−仕切板−下スペース−メダル放出装置]
前記メダル放出装置110は、駆動手段を内蔵した装置本体110aにメダル貯留用のホッパ110bを取り付けたものであり、装置本体110aの前面にメダルの放出口110cが設けられていて、ホッパ110b内にあるメダルが前記駆動手段の作動により放出口110cに向けて1枚ずつ送り出される。また、ホッパ110bには溢れたメダルを排出させるオーバーフロー樋110dが設けてあり、そのオーバーフロー樋110dの突端下方に前記したメダル用補助収納箱111が臨む。なお、メダル放出装置110のメダル放出機構は、現在公知のどのようなものを採用してもよく、よって詳細な説明を省略する。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置]
前記電源装置112は、図26〜図30に示したように、外本体100の底板101と、正面向かって左側の側板102と、背板104の三部材が直交する内側コーナー部分に取り付けられている。電源装置112は、前記メダル放出装置110等の電気部品に電気を供給するためのものであって発熱しやすい部品であり、従って外本体100の背板104には電源装置112の取付部位に放熱口104aが開設されている。
電源装置112の装置ケース112aは、透明な合成樹脂で形成されている。こうすることにより装置ケース112aの内部が見えるから、電源装置112の基板112s(図30参照)等に対する不正工作の発見が容易になる。装置ケース112aは、上面をカバーする上面板112bと、外本体100の背板104に対向する後面板112cと、該後面板112cの反対側をカバーする正面板112dと、スロットマシン1の内部に向かう側をカバーする側面板112eと、上面板112bと側面板112eの境界部分を面取り形態にカバーする斜面板112fと、底部をカバーする底面板112r(図30参照)で形成されている。一方、装置ケース112aの、外本体100の側板102に対向する側の面はカバーされておらず開放状態にあるが、この開放面は外本体100に取り付けた状態で外本体100の側板102によって塞がれる。
なお、外本体100の側板102には図26,図27に示したように凸面部102aを設けて段状のガード部102bを形成し、該ガード部102bの下に装置ケース112aの上面板112bの一側を潜り込ませる仕様になっている。これにより装置ケース112aの一面をカバーしなくてもガード部102bによって装置ケース112aと側板102の継ぎ目が塞がれるから異物の差込みが行えない。図31は前記ガード部102bを溝状にした他の実施形態を示すものであり、この例では装置ケース112aの上面板112bの縁を側板102側に若干突出させてその先をガード部102bの溝に嵌め込むようになっている。
このように電源装置112の装置ケース112aにおいて、外本体100の側板102に当接する側の面をカバー無しの開放構造にして使用時に前記側板102で塞がるようにした場合は、装置ケース112a内への基板112s等の組み込みが開放面を使って行い易く、また、装置ケース112aに基板112s等を組み込んだ後の開放面へのカバー付けが不要であるから作業性が向上する。
前記装置ケース112aの上面板112b、側面板112e、斜面板112f、後面板112c、底面板112rには多数の通気孔112g,112g…が形成されていて内部に熱がこもらないようになっている。装置ケース112aは、底部に設けた脚部112h,112h…によって高床式に持ち上げられており、装置ケース112aの底面板112rと外本体100の底板101の間に通気空間112iが形成されている。従って、通気空間112iから底面板112rの通気孔112g,112g…を通って低層の比較的冷たい空気が装置ケース112a内に導入できる。実施形態の通気空間112iは、外本体100の前記放熱口104aに連通するようになっているため、機裏の冷たい空気を通気空間112iに導入することができる。なお、装置ケース112aの後面板112cと底面板112rの境界部に前記通気空間112iを嵩上げする逆L字形の段部112j(図30参照)を形成すれば、脚部112hの高さと放熱口104aの高さにズレがあっても通気空間112iを放熱口104aに連通させることができる。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−固定]
電源装置112は、装置ケース112aの正面板112dの一側辺に対して直角である取付片112kと、装置ケース112aの後面板112cから外本体100の背板104に向けて突設した突部112mと、外本体100の背板104に開設した放熱口104aと、の組合せにより外本体100に固定される。
すなわち、放熱口104aの輪郭は装置ケース112aの後面板112cの輪郭より小さく形成されており、従って電源装置112は外本体100の背板104に当たって放熱口104aを通らない。また、装置ケース112aの後面板112cに突設した突部112mは、前記放熱口104aに内接する位置にあり、電源装置112の浮き上がり動作に抗すべく放熱口104aの上辺に内接する水平な突片112m−1と、電源装置112の横転動作に抗すべく放熱口104aの縦辺に内接する垂直な突片112m−2で構成される。従って、電源装置112を外本体100の側板102の内面に沿わせて押し込み、放熱口104aに突部112mを差し込むだけで、装置ケース112aの後面(奥側)の上方向(浮き上がり)と図26において右方向(横転)への固定が完了する。もちろん電源装置112は、下方向に対しては外本体100の底板101によって、また、図26において左方向に対しては外本体100の側板102によってその動きが規制されるため、放熱口104aに突部112mを嵌め込むだけの単純な操作で、手前に引っ張る方向以外について電源装置112の動きが完全に規制できる。
一方、正面板112dに突設した取付片112kにはビス用の透孔112pが複数穿設されており、該透孔112pの少なくとも1個に木ねじ112qを通して外本体100の側板102に固定する。これにより手前に引っ張る方向についても電源装置112の動きが規制されるため、1本の木ねじ112qで外本体100への電源装置112の確実な固定が可能である。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−電源コード]
電源装置112には外部から電気の供給を受けるための電源コード(図示せず)が接続されている。そして、従来は前記放熱口104aの横に膨出部を設けてそこから前記電源コードを引き出すようにしていたが、この位置では電源コードを束ねても地面にすれる危険性が高い。スロットマシン1は、製造途中で電源を投入する場合があり、そのときに備えて外本体100の外に電源コードを出しておかなければならないから、製造ライン上での移動の際やライン間での移動の際に電源コードが地面にすれたり、スロットマシン1の底板101の下に入って挟まるおそれがある。
これに対し実施形態の放熱口104aは、その上辺から上に向けてコード引出口104bを拡張し、そこから電源コードを引き出すようにしている。これにより束ねた電源コードを宙づり状態にぶら下げるに十分な高さが確保できる。よってスロットマシン1を製造する工程で誤って電源コードを傷めてしまうトラブルが激減する。
以上のように本発明のスロットマシン1は、電源装置112を外本体100の内側コーナー部分にセットして1本の木ねじ112qをねじ込むだけで取り付けが完了するため、従来に比べて電源装置112の取付作業の大幅な省力化が可能である。また、本発明では、1つの面に対してネジ止めすれば固定が完了するので、特に、固定する部位を電源装置112の前方(手前)に持ってきた場合は視認しやすく、確実に固定できる。ちなみに、従来は電源装置112の複数の面或は部材に対してネジ止めする必要があり、特に、背板104に固定するネジは視認しにくいため忘れる可能性があった。
また、放熱口104aは、電源装置112の冷却手段として必要なものであるから、この放熱口104aを電源装置112の固定に利用しても余分な工程やコストは殆ど発生しない。却って、固定のために放熱口104aの位置と電源装置112の位置を一致させることになるから冷却効率が向上する。加えて、装置ケース112aを実施形態のごとく合成樹脂製にした場合には、取付用の突部112mも一体成形できるため殆どコストが掛からない。よって電源装置112の取り付けに要するトータルのコストも従来に比べて削減できる。
さらにまた、装置ケース112aを合成樹脂製にした場合には、電源装置112の発熱対策として有用な装置ケース112aの脚部112hや段部112jも殆どコストをかけずに実施できるメリットがある。
[外本体−仕切板−上スペース]
一方、外本体100内の仕切板105より上のスペースには前記ケース部材400が納められ、また、外本体100の背板104の内面には後述する配線手段の中核となる配線中継部材113が取り付けられ(図1,図2参照)、さらに背板104には配線中継部材113より上方に放熱用の通気口133が形成されている。
[扉形前面部材]
図3に扉形前面部材200の表側が、また、図1に扉形前面部材200の裏側が示されている。扉形前面部材200は、表側の下方にメダル用受皿201を有し、また、表側のほぼ中央に操作部202が設けられている。この操作部202には、メダル投入用の投入口203と、後述するメイン基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルから1枚のみの投入(引き落と)を指示する1枚投入ボタン205と、同じく1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するMAX投入ボタン206と、後述するメダルセレクタ207の中に詰まったメダルをメダル用受皿201に戻すためのメダル返却ボタン208と、メイン基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルの貯留解除命令(精算による放出命令)を入力するための貯留解除スイッチ209と、前記図柄変動表示装置300を作動させる始動レバー210と、図柄変動表示装置300の各リール301a,301b,301cを停止させる3個のリール停止ボタン211a,211b,211c等が設けられている。もちろんここに示した操作部202の構成は1つの例示であり、これらに限定されるものではない。なお、3個のリール301a,301b,301cは、解決手段に記載の可動体に相当する。
また、前記投入口203の裏側にはメダルセレクタ207が設けられており、そのメダルセレクタ207の横にメダル樋212が、また、下に返却樋213が接続している。メダルセレクタ207は内蔵したソレノイド(図示せず)をON・OFFさせることによって流路を切り替える公知のものであり、遊技者からのメダルの投入を待つ遊技状態のときには流路をメダル樋212側に、また、規定枚数を超えたメダルの投入など、メダルの投入を拒否する遊技状態のときには流路を返却樋213側に設定する。前記メダル樋212は、扉形前面部材200が外本体100の前面に被さる閉じ位置にあるときその突端がメダル放出装置110のホッパ110b内に臨むようになっており、投入口203からメダルセレクタ207を通ってメダル樋212に流れたメダルはホッパ110bに行き着く。一方、前記返却樋213は表側のメダル用受皿201に繋がっており、投入口203からメダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。
[扉形前面部材−透視窓]
扉形前面部材200は、外本体100の前面全体をカバーする大きさであって、その上半部は、図33,図34に示したように、透明板214aで覆ったゲーム用の透視窓214になっている。実施形態の透視窓214並びに透明板214aは、前記画像表示体500と図柄変動表示装置300が上下に並んで見えるよう通常より大きくなっており、扉形前面部材200と一体の額フレーム216によって画像表示体500と図柄変動表示装置300の領域が視覚上、上下に区画されている。このように一枚の透明板214aを、画像表示体500と図柄変動表示装置300の双方をカバーする大きさに設定しておけば、画像表示体500と図柄変動表示装置300の配置が上下入れ替わっても、そのまま使用することができる。
[扉形前面部材−透視窓−透明板]
透明板214aは、透明な合成樹脂(例えば耐衝撃性、耐擦傷性、光学特性に優れたゴム入りのメタクリル樹脂、実施形態では三菱レイヨン株式会社製「アクリペット(登録商標)IR D30」を使用)をほぼ逆さ台形にした上広がりの形態であって、底辺を除く三辺(左右側辺と上辺)の周縁に、遊技者と向かい合う側を前面としてその前面側に膨出する縁部材214b,214b,214bを、樹脂成型用型枠を用いての樹脂成型時に一体成型してなる。このように平らな板状の透明板214aの周縁に縁部材214bを一体に成型した場合には、縁部材214bが補強バーになって透明板214a全体の強度を高めるため、透明板214aが上記のように画像表示体500と図柄変動表示装置300の双方をカバーする程度に大きくても撓みや歪みが生じにくい。
前記縁部材214bは、図35に示したように、後面側に開口する殻構造(中実でなく、内部に空間がある殻のような構造であり、各部の肉厚は任意である。)になっており、その内部空間に発光ユニット217と、必要に応じて例えば表面に模様や文字を施した装飾部材(図示せず)が組み込まれる。
なお、図34では、発光ユニット217が扉形前面部材200に取り付けられているように描かれているが、実際の発光ユニット217は、図35に示したように縁部材214bの中に嵌め込まれている。従って、透明板214aと発光ユニット217は、一体の部品として取り扱われる。
縁部材214bの形状は図示したものに限定されず、発光ユニット217や装飾部材のデザインに合わせて任意に変更可能である。また、縁部材214bを設ける部位も実施形態のように透明板214aの周縁の三辺に限定されず、最低限、何れかの一辺に設けるだけでもよい。
その他、図33,図34において符号218は、透明板214aの上の左右コーナー部分に設けた固定部材であって、透明板214aの裏側から透孔214c(図33拡大図参照)に通したビス(図示せず)により、縁部材214bと縁部材214bの間に嵌った図34の状態で止められている。該固定部材218は、外見上コーナー飾りとしての役割を果たす一方、扉形前面部材200と透明板214aの夫々の上のコーナー部分に設けた通孔200a,214d(図33拡大図参照)に対し扉形前面部材200の裏側から通したビス(図示せず)に螺合し、もって透明板214aを扉形前面部材200に固定するナット的な役割を果たす。
また、図33〜図35において、符号217aは発光ユニット217の発光体、217bは発光体217aを支持する反射部材である。左右に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、図35に示したように、棒状の発光体217aの光をスロットマシン1の周囲に向けて多く反射するように角度が設定されている。なお、透明板214aの縁部材214bの内部に発光ユニット217を組み込んだ形態は、発光体217aをスロットマシン1の、より手前側に配置することができるから、あたかも岬の突端にある灯台のごとく、光を周囲に向けて放射させる場合に有利である。また、上に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、発光体217a(光源217a−1と導光板217a−2の組合せ)の光をスロットマシン1の上方に向けて多く反射するように設定されている。
以上の構成である発光ユニット217は、遊技中、特に大当たりが出た場合などに点灯して大当たりの発生を周囲にアピールする演出を行うことができる。このように周囲に対しアピール度の高い演出を行うことによって、大当りを得た遊技者に注目させることができ、多くの者の視線が遊技者に優越感を抱かせるから、遊技がさらに盛り上がる。また、大当たりが出ていることを周囲にアピールすることにより、その機種の人気が高まり、稼働率が向上することも期待される。
実施形態の透明板214aは以上のような構成であって、扉形前面部材200の裏側に設けた凹溝219(図34拡大図参照)に対し、板状の底辺を扉形前面部材200の前面から斜めに差し入れて建具式に嵌め込み、その状態で透明板214aを直立させて扉形前面部材200の前面に全ての縁部材214b,214b,214bを当接させ、さらに扉形前面部材200の裏から通したビス603(図1参照)によって固定する。図35は、このときの扉形前面部材200の要部を切断したものであり、この図35から明らかなように、もし仮に、遊技者が扉形前面部材200と縁部材214bの境から異物を無理矢理差し込んだとしても、その異物の先が縁部材214bの内部を横断して透明板214aの裏側に到達する余地は殆どない。従って、優れた防犯効果を発揮する。
[扉形前面部材−錠装置]
扉形前面部材200の自由端側の一側には専用キー(図示せず)を使って開閉操作する錠装置215が設けてある。
[図柄変動表示装置]
図柄変動表示装置300はリール回転式表示装置であって、モータ等の駆動手段303で個別に回転可能な例えば3個のリール301a,301b,301cと、該リール301a,301b,301cを組込み・収容する装置ケース302とを有し、リール301a,301b,301cの周面に描いた複数の図柄(図示せず)の組合せで遊技を行う周知のものである。
前記装置ケース302は、あたかも横倒しにした八角柱から正面(遊技者)に向かう3面を除いた変形六角柱形態であって、底部板304と、天板部305と、図11において向かって右側の右側板306と、同じく左側の左側板307と、後面を覆う垂直な後部板308と、天板部305と後部板308の間に設けた上斜板309と、底部板304と後部板308の間に設けた下斜板310で囲った箱形であり、前記リール301a,301b,301cの円弧の一部が装置ケース302の正面からはみ出す状態になっている。
また、装置ケース302の天板部305には指掛可能な使用状態と、天板部305に伏した不使用状態とに変化可能な把手311が設けられており、該把手311に指を掛けて持ち運ぶようになっている。
このように装置ケース302の天板部305に上記のごとく変化可能な把手311を設ける構成は、ケース部材400の強度アップ策と密接に関連する。すなわち、実施形態では後述するようにケース部材400の開口部401に補強桟402を設け、もってケース部材400の開口部401に画像表示体500を片持ちさせるに十分な強度を付与しているが、そのような補強桟402は開口部401を横切るから装置ケース302のケース部材400への出し入れに対し、明らかに障害となる。これに対し実施形態のように把手311を変化可能にして天板部305に伏させておけば、把手311の出っ張りがなくなるから、装置ケース302が補強桟402の下を難なく通過できるのである。従って、装置ケース302の天板部305に上記のように変化可能な把手311を設けてこそ、ケース部材400の開口部401に該開口部401を横切る向きの補強桟402を設けることが可能になる。ちなみに、従来の装置ケースは、天部板から把手が出っ張っていてそれが障害になるため、ケース部材の開口部に補強桟を設ける余地がない。
なお、実施形態の把手311は、立てた使用状態と伏した不使用状態とに揺動して変化させる構造としたが、把手311を使用状態と不使用状態とに変化させ得る構造は、実施形態に限定されない。例えば図22に示したように、天板部305に2つのベルト通し314,314を切り起こし、該ベルト通し314,314に例えば合成樹脂や革製であって両端に抜け止め部315,315を設けてなる帯状の把手311を挿通し、図22の伏した不使用状態から中央を引き上げて指掛可能な使用状態に変化させる構造にするなど、指掛可能な使用状態と、天板部305に伏した不使用状態とに変化可能であれば、どのような構造であってもよい。
また、実施形態の装置ケース302の底部板304には図4,図11に示したようにフランジ状の下把手316が突設されており、該下把手316をつかんで装置ケース302を押し込み又は引っ張ることにより、ケース部材400への出し入れが行い易くなっている。
[ケース部材]
ケース部材400は、前記外本体100の仕切板105から上のスペースにほぼ合致する大きさであって、底板403と、該底板403の左右両横に立設した側板404,404と、底板403の後縁に立設した後面板405と、該後面板405と前記側板404,404の上面を覆う天板406とからなり、前面に開口部401を有する箱形である。
該ケース部材400は、底板403が金属製で、側板404,404、後面板405、天板406が合成樹脂製であり、側板404,404と天板406の開口部401内面に金属製の補強部材407,407,407が設けられ、さらに側板404,404の補強部材407,407の間に開口部401を横切る金属製の補強桟402が掛け渡されている。そして、この補強桟402を境にそれより下が前記図柄変動表示装置300の設置領域として、また、補強桟402より上の開口部401が前記画像表示体500の設置領域として、さらにまた、画像表示体500より後方のケース部材400で囲われた領域が配線作業空間408として割り当てられ、その配線作業空間408の後面板405の内壁面に、主たる制御基板であるメイン基板409が装着され、さらにメイン基板409以外の制御基板等(例えば演出制御基板510(図44参))も配線作業空間408内に装着されている。
ケース部材400の天板406には、図1に示したように天窓部443,443が形成されている。この天窓部443,443は、天板406の強度を保つための補強帯444を挟んで2つに分けられており、その夫々が前記外本体100の貫通孔132,132…を通る軸線との交点を含む領域にあり、該貫通孔132,132…より十分に広く開口している。もっとも天窓部443の前側の周縁は前側に位置する貫通孔132の近くに寄せられている。そうすることにより天窓部443の周縁を基準として手探りで貫通孔132が見つけ出せるから、たとえ天窓部443の中を作業者が覗き込めなくとも貫通孔132の位置が素早く簡単に割り出せる。ここで、天窓部443が本発明の開口部としても機能している。つまり、ケース部材400の上面に開口部として複数の天窓部443を備えることにより、軽量化を図ることができ、輸送時や交換時における作業者の負担を一層軽減することが可能になる。
ケース部材400の後面板405の外面には図2,図5,図6,図12に示したように複数のボス410,410が突設されており、該ボス410を外本体100の背板104にプレ加工したボス孔114,114に嵌めて位置決めされる。なお、このボス410,410は、図2,図5に示したように後述する配線窓411近くに設けられており、一方、外本体100側のボス孔114,114は前記配線中継部材113近くに設けられており、これによりケース部材400の配線窓411と背板104の配線中継部材113の位置決めが正確になる。
一方、ケース部材400の底板403の底面には、図2に示したように凹段部412が形成されており、該凹段部412が前記仕切板105の突段部106に嵌まり合う。凹段部412の後面板405側の端部には後方に向かって拡大する向きのテーパ部413が設けてあり、該テーパ部413に案内され仕切板105の突段部106とケース部材400の凹段部412との嵌め合わせが円滑に行える。このようにケース部材400の凹段部412と仕切板105の突段部106の嵌め合いによってケース部材400が仕切板105の奥に真っ直ぐに案内されるが、例えば図20に示したように仕切板105に凹溝形態のレール部材115を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の底板403に車輪414を設置し、該車輪414をレール部材115の溝内で転がらせるようにしてもよい。或は、図21に示したように仕切板105に凸形態のレール部材116を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の前記車輪414の両端に鍔415,415を形成し、該車輪414の鍔415,415でレール部材116を挟ませるようにしてもよい。
また、ケース部材400は、仕切板105上の所定の位置にセットした状態で、図1,図2,図18,図23に示した揺動レバー形態のストッパー117で止められている。このストッパー117は、図1,図2に示したように仕切板105の前端部と、天板103に垂設した2つの取付具118,118とに軸着されており、図18実線のようにケース部材400の一部に係合する作動姿勢と、図18想像線のようにケース部材400に係合しない非作動姿勢とを手動で切り替えてケース部材400の仕切板105上における前方向の動きを規制する。なお、ストッパー117を図19に示したように鍵形にしてケース部材400に設けた引掛部416に係合させるようにすれば、ケース部材400の仕切板105上における上方向の動きも規制することができる。
また、天板103の取付具118に軸着したストッパー117は、図23に示したようにケース部材400の側板404と天板406のコーナー部に貫設した係止孔442に臨む位置にあり、ケース部材400を所定の位置に押し込んだ状態でケース部材400の内側から作動姿勢と非作動姿勢の切り替えが行えるようになっている。
また、ケース部材400の後面板405には外本体100の背板104側に貫通する長孔形態の配線窓411が開設されている。該配線窓411は、図4,図5,図24に示したようにケース部材400に設置した図柄変動表示装置300の装置ケース302の上斜板309に対応し且つ前記メイン基板409の下側の位置にあり、上斜板309の上にある横長の空きスペース417(或は上斜板309とメイン基板409の間に形成される横長の三角スペース417と観念してもよい。)と背板104を結ぶ開口として機能する。
また、ケース部材400には図5,図12に示したように空きスペース417の高さのほぼ中間位置に棚板状の仮止め部材418(以下「仮止め棚」ともいう。)が設けられており、また、後面板405の外側であって配線窓411の両横にケース部材400の左右側面に抜ける配線通路たる凹み419,419が形成されている。
なお、前記配線窓411の配置を、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cを基準に特定するならば、配線窓411は、図24に示したように図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの回転中心を通る水平面HLと、リール301a,301b,301cの最高高さ位置を通る水平面HHとの間の範囲を下限とする状態、つまりその範囲内に下辺を置く高さに配置したものである、と言い換えることもできる。
[画像表示体]
画像表示体500は、例えば、少なくとも液晶ディスプレイ(他にもプラズマディスプレイや有機ELディスプレイ等でもよい。)で構成される画像表示可能なパネル形のユニットであり、ケース部材400の前面開口を開閉可能に閉鎖する前面開閉部材90(図44参照)としても機能している。なお、画像表示体500は、図11においてケース部材400の左側の側板404に設けた補強部材407にヒンジ金具420を取り付けて(取付位置は図11斜線部参照)、該ヒンジ金具420により回動自在に支持されている。
また、図44に示すように、画像表示体500の裏面側には、演出制御基板510が組付けられている。このため、液晶ディスプレイ等の画像表示体500と演出制御基板510とを一体的に構成することが可能になり、取扱いが容易になるとともに、両者を繋ぐ配線が省略でき、ケース部材400内における配線作業空間408の煩雑さを抑制できる。また、画像表示体500が開かれると、演出制御基板510がケース部材400内から飛び出すように出現するため、演出制御基板510に対する作業性を著しく向上させることができる。
[画像表示体−ヒンジ金具]
図36は、ヒンジ金具420の分解・組み立て斜視図である。なお、ヒンジ金具420は、上下が対称な構造であるため、主として上部について説明する。ヒンジ金具420は、前記ケース部材400の補強部材407に取り付く固定部材420aと、画像表示体500の裏側(図36の破線領域500s参照)に取り付く回動部材420bと、該回動部材420bと固定部材420aを連結する短リンク420c及び長リンク420dで構成される。
ヒンジ金具420の固定部材420aは、棚板形態である横向きの固定片420eを有し、該固定片420eの上面に長リンク420dの一端をピンP1で、また、固定片420eの下面に短リンク420cの一端をピンP2で回動自在に軸着する。一方、ヒンジ金具420の回動部材420bは、棚板形態である横向きの軸承片420fを有し、該軸承片420fの上面に長リンク420dの一端をピンP3で、また、軸承片420fの下面に短リンク420cの一端をピンP4で回動自在に軸着する。
こうして固定片420eと軸承片420fと長リンク420dと短リンク420c及びピンP1〜P4は、図37の線図に示したように四節回転連鎖を構成し、その連鎖の中でも特に、最短リンクである軸承片420fに向かい合う固定片420eを固定リンクとする、いわゆる両てこ機構を構成する。この両てこ機構は、図37(a)〜(c)に示したように、画像表示体500の回動軌道を、扉形前面部材200の回転軸100aを中心とする回動軌道に近似させるべく、それぞれのピン位置が設定されている。つまり、ヒンジ金具420が回転中心移動機構として機能しており、扉形前面部材200の回動位置が変化しても、扉形前面部材200の回動外縁側と画像表示体500の回動外縁側との距離が略一定になるようにしている。
なお、長リンク420dと短リンク420cは、画像表示体500がほぼ90度回動した(開いた)状態で上下に重なり合うように重合領域420g,420hが設定されており(例えば長リンク420dの重合領域420gを三角形に膨出させて短リンク420cの重合領域420hに重なるようにする。)、その重合領域420g,420hの夫々にピン孔420i,420jが形成されている。このピン孔420i,420jは、両者を同軸上に揃えて棒状の止めピン(図示せず)を差し込むことにより長リンク420dと短リンク420cを連結し、もって両てこ機構をロックして画像表示体500を開いた位置に固定するためのものである。
[画像表示体−ロック片]
図11,図12に示したように、ケース部材400の縦の補強部材407のうち前記ヒンジ金具420を設けた補強部材407の反対側の補強部材407(図11において向かって右側)にはロック片421が軸着されており、該ロック片421を図11の状態から時計回りに回動させるとその先端が画像表示体500の裏側に突設した受部508に係合し、この状態で画像表示体500がケース部材400の開口部401の上部を閉じた位置にロックされる。一方、前記ロック片421をロック状態から逆向きに回動させると画像表示体500のロックが解除され、ヒンジ金具420を中心に回動自在になる。通常、ケース部材400を外本体100に装着する前の状態では画像表示体500を閉じ位置にロックして無用な回動を防止し、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では画像表示体500のロックを解除して回動自在とする。
[画像表示体−連結具]
ところで、外本体100の扉形前面部材200とは別に、ケース部材400に開閉可能な画像表示体500が設けられることから、ケース部材400内を視認したりケース部材400内で作業したりする場合には、まず手前側の扉形前面部材200を開放し、その後さらに奥側の画像表示体500を開放しなければならず、これにより作業性を低下させたり煩わしさを与えることが懸念される。
そこで、本例のスロットマシン1では、画像表示体500の回動方向を扉形前面部材200の回動方向と同方向にするとともに、扉形前面部材200と画像表示体500を適宜な連結具700で連結し、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500も一緒に開閉させるようにしてある。これによれば、扉形前面部材200を開放させると、連結具700を介して画像表示体500も同方向に回動し、ケース部材400の前面が開放される。つまり、画像表示体500が扉形前面部材200に連れ回ることとなり、一回の横開き操作によって外本体100内は勿論、ケース部材400の内部までも視認させることが可能になる。
ここで、前記のように実施形態の扉形前面部材200と画像表示体500とは、ヒンジ金具420の両てこ機構によって、画像表示体500の回動軌跡が扉形前面部材200の回転軸100aを回転中心とする回動軌跡に近似するようになっているものの、それでもなお両者の動きには相対的なずれが生じる。そこで、実施形態の連結具700は、図40及び図41に示したように、画像表示体500の自由端側の裏面に固定鞘部材701を形成し、該固定鞘部材701の内部に摺動自在な状態にロッド702を納め、そのロッド702の先端を扉形前面部材200の裏面(具体的には錠装置215のベース部材215a)に対し、止め軸703で回転可能な状態に連結してある。こうすることにより、図39のように、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500が扉形前面部材200の付属部品であるかのごとく一緒に開閉し、その際生じる両者の動きの相対的なずれを連結具700のロッド702が固定鞘部材701に出入りして吸収する。
なお、ロッド702が画像表示体500の回動外縁(自由端)から最も突出したときの最大突出長さは、画像表示体500が開放位置である場合(例えば90°開放された場合)の、扉形前面部材200の回動外縁(止め軸703の位置)と画像表示体500の回動外縁との距離に基づいて設定されている。このため、ロッド702の長さを必要最小限の長さとすることができ、連結具の大型化を抑制することが可能になる。
また、前記止め軸703は、錠装置215のベース部材215aの一部を曲げて形成した支持片215b,215b,215bに対し、上下動自在に装着されており、スプリング703aにより常時下向きに付勢されている。よって、この止め軸703は、スプリング703aの付勢に抗して上動させることが可能であり、上動させて下端を浮かせることによって前記連結具700のロッド702の着脱が可能である。すなわち、ロッド702の先端部分に形成された軸孔部702aに対し上方から止め軸703を挿入させ、スプリング703aの付勢力によって保持することが可能になっている。
また、図40において、符号704は連結具700の固定鞘部材701の上面に設けた弾性的な片持ち梁式のストッパであって、前記止め軸703から外したロッド702を固定鞘部材701の内部に納めて保持するためのものであり、ロッド702の上面に形成した溝705の端部の引掛壁702bに係合してロッド702の盲動を防止する。ロッド702には、その側面に摺動方向と直交する方向に摘み片706が突設されており、該摘み片706を摘んでロッド702を強制的に移動させることにより前記ストッパ704のロックが外れるようになっている。また、固定鞘部材701の先端側底面には、抜止め防止片701aが垂下され、ロッド702の溝705内に挿入されている。この抜止め防止片701aは、ロッド702が最も突出した際に引掛壁702bと当接し、ロッド702が固定鞘部材701から抜け出ることを阻止するものである。
また、図40において、連結具700の近傍にある符号509は、画像表示体500の回動外縁側の裏面に突設した係合部である。該係合部509は、ケース部材400の開口部401を横切る補強桟402に係合して、閉じ位置にある画像表示体500の自由端側の荷重を支えるものである。なお、図11に示したように、補強桟402には、前記係合部509を補強桟402の上面に円滑に導くべく、画像表示体500に向かって下り傾斜する滑り台式の案内部402aが設けてある。また、画像表示体500の係合部509は、画像表示体500とは別の潤滑性に優れた合成樹脂で形成されており、画像表示体500に対し着脱自在(交換自在)に装着されている。
ところで、扉形前面部材200と画像表示体500の回動軌跡の相違に起因する動きの相対的なずれは、上記のような伸縮自在なロッド形式の連結具700の他、柔軟なワイヤーにしても吸収することができる。但し、連結具が柔軟なワイヤー等であると、扉形前面部材200を閉じる段階で扉形前面部材200が開いたまま停止している画像表示体500にぶつかることになって、円滑さを損なうおそれがある。これに対し、例えば画像表示体500に巻バネなどの付勢手段を設けて常時閉じ方向に付勢するようにすればよい。そうすることにより扉形前面部材200の閉じ動作に際し、画像表示体500が上記付勢力の作用で連結具を引っ張りつつ自力で閉じるから、扉形前面部材200と画像表示体500がぶつからない。もちろん扉形前面部材200と画像表示体500の連れ回りのための手段は上記に限定されない。例えば、上記において連れ回りのための一要素たるヒンジ金具420は、上記のような両てこ機構の構造に限定されず、図41,図42に示したような、単独のピン420kを中心にして画像表示体500を回動させる単純なものであってもよい。
ケース部材400に対する画像表示体500の取着手段をヒンジ構造にして該画像表示体500を扉状に回動させ得る構成に、上記のように画像表示体500を閉じ位置にロックするロック手段(上記のロック片421)を付加した場合には、ケース部材400を外本体100に装着した状態で原則ロックを継続させ、配線作業空間408内のチェック等、必要な時にのみロックを解除する、という取り扱いを選択することも可能であり、その場合には画像表示体500によって配線作業空間408内の重要部品(例えばメイン基板409や演出制御基板510)がブロックできるから、防犯性能の向上に効果がある。
ケース部材400の開口部401上縁と閉じた画像表示体500の上縁との前後間には隙間10が設けられており、該隙間10に通した指で天板406の前記補強部材407が掴めるようになっている。また、ケース部材400の天板406の前方中央部分(天窓部443,443の間の補強帯444)には把手口422が形成されており、該把手口422に通した指で天板406の補強部材407が掴めるようになっている。従ってケース部材400は、取り扱う場所や姿勢に応じて該把手口422と前記隙間10との適宜な使い分けが可能である。例えば、ケース部材400を外本体100に組み込む前の搬送時には把手口422を使って鞄形態に持ち運ぶ方がバランスがよく、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では、図4に示したように把手口422が外本体100の奥に隠れて指が入らないため、前記隙間10から補強部材407に指を掛けてケース部材400を引っ張り出す、という具合である。なお、ケース部材400の底板403の正面中央には前記した装置ケース302の下把手316(図4,図11参照)が突出しており、該下把手316を持って押し込み又は引っ張ることで外本体100へのケース部材400の出し入れが容易に行える。この場合の下把手316は、装置ケース302がケース部材400にビスで固着されていることよりケース部材400と一体であり、従ってケース部材400の底板403の正面に下把手316が突設されているに等しい。
[画像表示体−枠部材]
画像表示体500は、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から上の領域のほぼ全部を覆う大きさである。また、画像表示体500の下側には、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から下の領域、つまり図柄変動表示装置300の前方領域を額縁状に囲う枠部材501が一体に垂設されており、該枠部材501により前記図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cが縁取られる。この枠部材501の表面は装飾面になっており、適宜な模様等が描かれている。なお、図示しないが、枠部材501にはLED等の発光源と、その発光源を制御する発光制御基板と、発光源の前方に配置され光を透過可能な装飾部材とから構成された電飾部が設けられている。ここで、画像表示体500と枠部材501とを組合せたものを、以下、前面開閉部材90(図44参照)として説明する。
[画像表示体−枠部材−照明装置]
前記枠部材501の裏側上下には、図4に示したように、照明装置502が設けられており、該照明装置502によって図柄変動表示装置300の図柄が明るく照らされる。枠部材501は画像表示体500の下に垂設されていて図柄変動表示装置300に近いから、そのような枠部材501に照明装置502を組み込むことで光源を図柄変動表示装置300に近づけることができる。従って枠部材501に照明装置502を組み込む手段は、従来の照明装置に比べて低光量でも十分な明るさが確保できる、という特徴がある。
実施形態として例示した照明装置502は、図4に示したように、図の紙面と直交する方向(スロットマシン1の幅方向であってリール301a…の回転軸と同方向)に細長い帯状の基板503に多数の発光ダイオード(以下LEDという。)504を並べたものであり、下側の照明装置502は、上面を例えば乳白色の透光性蓋板505で塞いだチューブ枠506の中にLED504を上向きにして配置し、一方、上側の照明装置502は、断面上向きコ字状の例えば乳白色である透光性カバー507内にLED504を下向きにして配置してなる。
なお、上側の照明装置502は、照明方向を図4に示したように真下より遊技者側、すなわち透明板214a側に向かう斜め下向きに設置してある。実施形態では比較的強い指向性を持ったLED504の主たる照射領域の中心線L(図4拡大図参照)を透明板214aに対し斜めに向かわせるべく、基板503のLED取付面の向きが、前記透明板214a側に向けて斜め下向きに傾けられている。
また、もし照明装置502の光源として蛍光灯のような棒状発光体を採用した場合には、図4の基板503を板状又は光源を包むような凹面状の反射部材に変更し、直射光と反射光の総和により方向付けられる主たる照射領域の中心線が、透明板214a側の裏面に斜めに当たるように設定すればよい。以上のように照明装置502の照射照準を透明板214aに設定すれば、漏れた一部の光がリール301a,301b,301cの外周面を照らしても殆ど影響はない。
実験によれば、照明装置502の照明方向をリール301a,301b,301cの周面側に向けた場合には、湾曲するリール301a,301b,301cの特定部分が強く反射して見辛くなるのに対し、上記のように主たる照射領域の中心線Lを透明板214aに対し斜めに向かわせた場合には、透明板214aを介してリール外周面が照らされることにより、リール301a,301b,301cの広い範囲が明るく見え易くなることが確認できた。その理由として、照明装置502から照射した光が扉形前面部材200の透視窓214に嵌めた透明板214aに当たって反射し全体に拡散するか、或は透明板214aが明るく照らされることでリール301a,301b,301cの広い範囲が明るく見えるか、或はそれらの相乗作用によるものと推測される。
以上のような上側の照明装置502の構造は、下側の照明装置502にも採用することができ、もちろん図32に示したように下側の照明装置502にのみ採用することもできる。なお、図32は図4の上側の照明装置502を下側に配置し、下側の照明装置502を上側に配置したものであるため、上記照明装置502の説明の「上」を「下」に読み替え、「下」を「上」に読み替えればよい。
ところで照明装置502の光源として実施形態のようにLEDを採用した場合には、(a)低電圧で駆動するため約200Vの高電圧で駆動する従来の冷陰極管より安全性が高い、(b)冷陰極管より寿命が長い、(c)ガラス管である冷陰極管より丈夫である、(d)多色発光が可能であるため演出の幅を広げることができる、(e)インバータと組み合わせて使用する冷陰極管より軽く、従って画像表示体500を支えるヒンジ金具420の負担が少ない、というメリットがある。
[配線手段]
前記外本体100に取り付けられている例えばメダル放出装置110や電源装置112及び扉形前面部材200の操作部202にある例えば各投入ボタン205,206や始動レバー210(以下、これらの総称として単に「本体側電気部品」という場合もある。)と、ケース部材400にある例えばメイン基板409等(ケース部材側の電気部品の総称として単に「ケース部材側電気部品」という場合もある。)とは電気的に接続されている。そして、実施形態のスロットマシン1は、前面開閉部材90とケース部材400とからなる機種ユニット50(図44及び図45参照)が外本体100に対し着脱自在であるため、機種ユニット50の交換等に際して本体側電気部品(筐体側電気部品)とケース部材側電気部品とを簡単に接続又は切り離すための合理的な配線手段が設けられている。
[配線手段−配線中継部材]
前記のように外本体100の背板104の内面上部には、図14に示した配線中継部材113が取り付けられている。該配線中継部材113は図4,図5に示したように、前記ケース部材400の配線窓411に対応する位置にあって該配線窓411からケース部材400の空きスペース417に臨むようになっている。配線中継部材113は、前記本体側電気部品につながる本体側配線類119と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423とを中継するものであって、外本体100の背板104にビス止めされる取付板120と、該取付板120の前面に被さるカバー体121と、該カバー体121と前記取付板120の間に納められる複数(実施形態では大小2枚)のコネクタ基板(以下「コネクタ接続用端子基板」という場合もある。)122,123とからなる。
前記2枚のコネクタ基板122,123のうち、図14,図15において左側に位置する大きい方のコネクタ基板122は取付板120に対して固定的に取り付けられており、前記メイン基板409につながっているハーネス424の先端のコネクタ425と対をなすコネクタ124が設けられている。
一方、図14,図15において右側に位置する小さい方のコネクタ基板123は、取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的な遊動可能状態に取り付けられており、従って図15拡大図に示したように上下方向に移動可能であり、また、左右方向にも移動し得る。この小さいコネクタ基板123には、メイン基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先端のコネクタ427と対をなすコネクタ125が設けられている。なお、該コネクタ125と前記コネクタ124は、プリント基板にハンダ付け等の固着手段で固着する基板固着型であり、安価なDIN規格のものが使われている。
また、取付板120の前面に被さるカバー体121は、前記コネクタ124,125が通る大小2つの開口126,127と、該開口126,127と横並びの位置に突設した支持筒128と、下半部前方に張り出すトンネル状の配線ダクト129と、を有する。
配線中継部材113に接続する本体側配線類119は、前記配線ダクト129の内部を通るか、または配線中継部材113の取付板120の下側前面に突設したフック形状の配線止め130に束ねられた状態で、図1一点鎖線Lに示したように外本体100の側板102,102側に振り分けられ、該側板102,102と背板104のコーナー付近でほぼ垂直に向きを変え、その多くは仕切板105の奥に設けた配線用の開口109を通って本体側電気部品に夫々接続される。もちろん仕切板105より上の領域に本体側電気部品(例えば図1において側板102の内面に設けた外部中継端子板131)がある場合には、仕切板105の配線用の開口109とは無関係にそのまま接続される。
ここまでで説明した配線手段から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)ケース部材400の後面板405に、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの回転中心を通る水平面とリール301a,301b,301cの最高高さ位置を通る水平面との間に自己の下辺が位置する高さにして配線窓411を形成する。
(b)外本体100の背板104に、本体側電気部品につながる本体側配線類119と、ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423とを中継する配線中継部材113を設置する。
(c)外本体100の側板102,102の内面沿いに配線を通す上下方向の配線経路を形成する。
(d)配線中継部材113につながる本体側配線類119をケース部材400の側方に導き、そこから前記配線経路を通って本体側電気部品に接続する。
以上(a)〜(d)の構成要素を備えた遊技機は、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの後ろを本体側配線類119が通らず、外本体100の側板102,102沿い(背板104とのコーナーを含む(図10参照)。)に設けた配線経路を迂回するため、リール301a,301b,301cを外本体100の背板104近くにまで寄せることが可能になり、従来の構成、すなわち、本体側配線類119が背板104のほぼ中央を下ってリール301a,301b,301cの後ろを通っていた従来の構成に比べて、リール301a,301b,301cの径を大きくすることができる。なお、リール301a,301b,301cの径は大きい方が、回転時の迫力が増す。
[配線手段−コネクタ425,427]
上記のように配線中継部材113に設けられている2つのコネクタ124,125には、ケース部材400のメイン基板409につながっているハーネス424の先のコネクタ425と、メイン基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先のコネクタ427がそれぞれ接続されている。
この2つのコネクタ425,427は、図16に示したように1つのコネクタホルダー428に一体に取り付けられている。該コネクタホルダー428は、コネクタ425,427がビス止めされるホルダー主体429と、ほぼ中央に透孔430を有し前記ホルダー主体429の両横に突設した板状の取着片431と、該取着片431の透孔430に装着した周知のボタン形パネルファスナー432(商品名「ナイラッチ」:登録商標)と、からなり、図5,図8(a)に示したように配線中継部材113の前記支持筒128の先に取着片431を当て、該取着片431のボタン形パネルファスナー432を支持筒128に差し込んでロックしてある。従ってコネクタホルダー428が固定手段たる支持筒128に固定され、ひいては配線中継部材113に固定されるため、コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合が外れない。
[配線中継基板−コネクタ425,427−仮止め棚]
上記のようにコネクタ425,427は配線中継部材113のコネクタ124,125に接続されているが、ケース部材400が外本体100に組み込まれる前、つまり工場出荷から設置完了までの間、コネクタ425,427は、ケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされている。
前記仮止め棚418は、図5,図6,図12,図13に示したようにケース部材400の内側から前記配線窓411に向かわせた棚板状の部材であり、図6に示したようにコネクタホルダー428を載置するほぼ水平なベンチ部433と、そのベンチ部433の両端に立設したベンチ側板434と、各ベンチ側板434に突設した3本の内向き爪片435,435,435とを有する。この内向き爪片435,435,435の中央の1本と他の上下の2本との間にはコネクタホルダー428の取着片431が嵌まり得る間隔が設けてある。なお、一方のベンチ側板434は、先端に指掛部436を延設した薄板構造であって、指掛部436に指を掛け図8(b)矢示X方向に力を加えることにより一端支持の板バネのごとく外向きに反らせ得るようになっており、その反らせた状態で内向き爪片435,435,435からコネクタホルダー428の取着片431が簡単に外れるようになっている。図8(a)の想像線は指掛部436の先を鍵形に折り曲げた例を示したものであり、こうすることにより矢示Yのようにボタンを押す感覚でコネクタホルダー428の取外しが楽に行える。
しかして、図6に示したように前記仮止め棚418のベンチ部433にコネクタホルダー428を載置し、該コネクタホルダー428の取着片431を図7に示すベンチ側板434の内向き爪片435,435,435の間に嵌めることによってコネクタホルダー428が仮止め棚418に仮止めされる。もちろん仮止めと言っても、ケース部材400の輸送中にコネクタホルダー428が仮止め棚418から外れない強度を有する設定になっており、従ってケース部材400が外本体100に組み込まれる前までは、コネクタホルダー428と一体のコネクタ425,427はケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされて動かない。よってケース部材400を輸送したり、ケース部材400を外本体100に組み込む作業の最中に、ハーネス424,426の先にあるコネクタ425,427が、ケース部材400内の部品に当たってその部品はもちろん、自らも損傷する、というようなおそれがない。
そして、図8(b)→図8(a)に示したように、ケース部材400を外本体100に固定した後の配線工程で、上記のように一方のベンチ側板434を外向きに反らせてコネクタホルダー428を仮止め棚418から外し、そのコネクタホルダー428を自己の取着片431が配線中継部材113の支持筒128に当たる位置まで移動させれば、コネクタ425,427が配線中継部材113のコネクタ124,125に嵌まるから(その詳細は後述する。)、その状態で取着片431のボタン形パネルファスナー432を押し込んで取着片431を支持筒128にロックする。なお、このとき図5,図6に二点鎖線で示したように、ベンチ部433にガイド用の案内レール440を設けておけば、コネクタホルダー428を奥に押し込むだけでよいため、作業性が向上する。
以上のようにして配線中継部材113に取り付けたコネクタホルダー428は、外本体100の背板104を支持基盤として安定し、ケース部材から離間していて接触しないため、輸送時の振動等で外本体100と機種ユニット50が相対的に動いても無理な負荷が加わらない。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、
(b)前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、
(c)前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、
(d)前記ケース側配線類の先端に取り付けたコネクタと、
(e)該コネクタに取り付けたコネクタホルダーと、
(f)該コネクタホルダーを仮止めするためケース部材に設けた仮止め部材と、
(g)前記コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、を有し、(h)機種ユニットを外本体に装着する前の状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材に仮止めし、機種ユニットを外本体に装着した状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材から固定手段に付け替えてコネクタホルダーのコネクタを配線中継部材に接続するようにしたことを特徴とする
(i)遊技機。
上記の遊技機は、機種ユニット50の外本体100への装着とコネクタ同士の結合とを別々に行うようにしたものであるが、これとは対照的に、例えば機種ユニット50に直接コネクタを取り付け、機種ユニット50を外本体100に押し込む動作で自動的にコネクタ同士を結合させる、という方式が考えられる。しかしこの方式は、質量の大きな機種ユニット50が輸送中などに外本体100の内部で振動した場合、大きな負担がコネクタ結合部に掛かるため信頼性に不安があり、その対策にコストが掛かる課題がある。
また、上記の遊技機は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して機種ユニット50を物理的に独立させた構成であるが、これとは対照的に、扉形前面部材を上下2段に分割し、上部の扉形前面部材を機種ユニット50側の部品とする遊技機も考えられる。しかし、このような遊技機では、遊技中に興奮した遊技者が上部の扉形前面部材を叩いた場合にコネクタ結合部に直接衝撃が加わるためコネクタの結合が不安定になるおそれがあり、さらに上下の扉形前面部材同士の継ぎ目に対し新たな防犯構造を要する課題がある。
これに対し上記の遊技機は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して機種ユニット50を物理的に独立させた構成であり、さらに、コネクタホルダー428を配線中継部材113に接続した後、該コネクタホルダー428は、図5に示したように外本体100に固定した部品(配線中継部材113)と結合し機種ユニット50から離間した独立構造になっているため、プリント基板にハンダ付けして用いる低コストで一般的なコネクタを使用した場合でも、輸送中においても、遊技中においても信頼性・耐久性に不安がない。また、機種ユニット50のみが機種変更時の交換対象であり、扉形前面部材200は交換対象とならないため、機種変更のための遊技場の負担も軽くなる。
[コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合]
前記のようにコネクタ425とコネクタ427は、1つのコネクタホルダー428に取り付けられている。こうすることによりコネクタホルダー428を配線中継部材113の所定の位置にセットする1回の動作で2つのコネクタ425,427の接続が完了する。しかし現実の問題として、2つのコネクタ425,427とコネクタホルダー428という独立した要素を寄せ集めて一体にする構造では、コネクタ425,427とコネクタ124,125の「正確な位置決め」という困難な問題に直面する。すなわち2つのコネクタ425,427と配線中継部材113側のコネクタ124,125の4要素の位置決めが全て正確でなければ、コネクタ425,124とコネクタ427,125の一括結合は不可能であるのに、そのような位置決めの精度を量産品レベルのコストで達成するのは困難だからである。そのような問題を解決する1つの手段として、プリント基板にハンダ付けすることなく結合時の融通性を高める機構を施したいわゆるドロワーコネクタを使用する方法が考えられるが、ドロワーコネクタ自体が高価であるため、まだコスト面の負担が大きい。
これに対し実施形態の配線手段では、基板支持部材たる配線中継部材113のコネクタ基板122,123を分割してそれぞれにコネクタ124,125を装着し、そのコネクタ基板122,123の少なくとも一方を、配線中継部材113の取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的に納めてコネクタ427とコネクタ125の結合方向と直交する方向(ここでの「直交」は、厳密な90度にこだわらず、社会通念上のほぼ90度という程度の意味である。)に遊動可能状態にする手段を講じている。かかる構成においてコネクタホルダー428の結合照準をコネクタ425とコネクタ124に定めた場合、もう一方のコネクタ427とコネクタ125の相対位置に若干の狂いがあっても、コネクタ基板123が遊動してその狂いを矯正すべく移動するから、コネクタ427とコネクタ125の結合も可能になる。これにより基板固着型で安価なDIN規格のコネクタで十分に対応できる。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。
(1)「2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループをコネクタ基板に装着し、さらにそのコネクタ基板をコネクタ毎に分割してその1つを基板支持部材に固定すると共に他のコネクタ基板を基板支持部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(2)「前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、前記2系統以上のコネクタグfの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、該コネクタ接続用端子基板をコネクタ毎に分割してその1つを前記配線中継部材に固定すると共に他のコネクタ接続用端子基板を配線中継部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。
(3)「2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループをコネクタ基板を介して基板支持部材に固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに装着し、さらにそのコネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(4)「前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、
前記コネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
以上の遊技機は、固定したコネクタ接続用端子基板のコネクタに照準を合わせてコネクタホルダーを操作するようにすれば、他のコネクタ同士の相対位置に製造誤差等で若干の狂いがあっても、非固定のコネクタ接続用端子基板がコネクタごと遊動してその狂いを矯正すべく移動し誤差を吸収するから、結合照準でないコネクタ同士の結合も可能になる。従って1つのコネクタホルダーを用いて複数系統のコネクタの一括接続が可能である。しかも使用しているコネクタは、プリント基板にハンダ付けして用いるような汎用的で安価な例えばDIN規格のものであり、コストも安い。
また、コネクタホルダーは、ナイラッチ(登録商標)等の固定手段で配線中継部材、ひいては該配線中継部材を介して外本体の背板に確実に固定される。一方、コネクタホルダーと機種ユニットの間では、フレキシブルなハーネスを介してつながっているのみであり、機種ユニットが動いたとしても、その動きはフレキシブルなハーネスが吸収するので、コネクタホルダーに動きは伝わらない。このため、たとえ輸送中の振動により外本体と機種ユニットの間に相対的な動きが生じても、コネクタホルダーは、外本体のみと一緒に動き、機種ユニットの干渉を受けないから、コネクタの結合部には全く負荷が掛からない。よってコネクタ結合の信頼性が非常に高い。
なお、実施形態のように、小さいコネクタ125に対応する小さいコネクタ基板123を遊動可能とし、大きいコネクタ425,コネクタ124同士を結合の基準に定める構成は、その逆の構成に比べてコネクタ425,124,427,125の結合が楽に行える。小さいコネクタ基板123の方が軽い力で扱えるため、狂いの自動矯正が容易だからである。また、実施形態では、図9のようにコネクタ425,124の方がもう一方のコネクタ427,125より先に結合するようになっており、そうすることにより結合照準のコネクタ同士が合わせやすい。
また、図9に拡大して示したように凸形のコネクタ425,427の凸部先端の周縁角部及び/又は凹形のコネクタ124,125の差込口の周縁角部に面取り部C(直線的な面取り、曲線的な面取りのいずれも可)を形成しておけば、面取り部Cのテーパに沿った誘導作用が、コネクタ同士の結合性をより良好にする。
また、実施形態のように、配線中継部材113のコネクタ基板122,123を遊動可能にする構成の他、コネクタホルダー428側のコネクタ425,427の何れか一方を遊動可能にすることも可能であり、その場合も上記と同様の作用効果が得られる。なお、かかるコネクタホルダー428の具体例を図17に示した。この例では、コネクタホルダー428のホルダー主体429に雌ねじ付きの受筒429aを突設し、一方、コネクタ427の両横に遊孔427aを有する耳片427bを形成し、コネクタホルダー428の受筒429aにコネクタ427の遊孔427aを遊嵌させ、座金付きのビス427cをもって耳片427bの抜け止めとしている。そうすることによりコネクタ427は、コネクタホルダー428に対し、遊孔427aと受筒429aの径の差の範囲で自由に遊動し得る。この場合のコネクタ基板122,123は、一体にして取付板120に固定すればよい。また、実施形態では2つのコネクタを1つのコネクタグループとして取り扱ったが、1つのコネクタグループのコネクタ数は2以上でもよい。
また、実施形態では図4,図12に示したように、ケース部材400の後面板405の裏側であって、前記図柄変動表示装置300の装置ケース302の下斜板310に向けて凹ませたケーブル溝437が形成され、該ケーブル溝437の両端近傍にケース部材400の側板404(又は後面板405)を貫く配線口438,438が開設されている。この配線口438,438とケーブル溝437は、図柄変動表示装置300とメイン基板409等とを接続するためのものであり、図11において図柄変動表示装置300の装置ケース302の向かって右側面(扉形前面部材200の非ヒンジ側の側面)に設けたリール基板312のケーブル313(図12参照)を1つの配線口438からケース部材400の外に引き出し、そのケーブル313を図12のようにケーブル溝437に納め、さらにそのケーブル313の先を他の配線口438からケース部材400の中に戻してメイン基板409等につなぐようにしてある。なお、ケーブル溝437には所定の間隔でケーブル止め439が設けられていて、ケーブル溝437からケーブル313が脱落しないようになっている。
しかしてメイン基板409等とリール基板312は、共にケース部材400の中にあるケース部材側電気部品であり、本来、ケース部材400の外にケーブル313を引き出す要はない。それを敢えてケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにした理由は次のとおりである。
リール基板312の設置場所は、限られたスペースの中でコネクタを抜き差しする配線の作業性を考慮すると、図柄変動表示装置300(装置ケース302)の側面のうち扉形前面部材200の非ヒンジ側に相当する側が好ましい。もし逆に、扉形前面部材200のヒンジ側に相当する装置ケース302の側面にリール基板312を設けると、開ききった扉形前面部材200(図1参照。)とリール基板312が近接位置で向かい合うため、コネクタの抜き差しに必要な広い作業空間が確保できないからである。
しかし一方、リール基板312の接続対象たる基板類(メイン基板409,演出制御基板510,画像表示体500等)の接続部がケース部材400の扉形前面部材200のヒンジ側に相当する側にあると、ケーブル313がケース部材400の内部を横切る格好になる。そうすると前記装置ケース302をケース部材400に装着する際にケーブル313を噛み込んだり、逆に装置ケース302を引き出す際にケーブル313を引っ掛けるおそれがある。
これに対し上記の実施形態のように、ケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにすれば、上記したようなケーブル313のトラブルは生じない。また、配線作業は、装置ケース302を所定の位置から若干引き出した状態で行う方が作業性がよく、それに伴って配線口438からリール基板312までのケーブル313の長さは、配線代とでも言うべき余裕が設けられている。従って装置ケース302を所定の位置にセットした状態でケーブル313に弛みが生じ、引き出し量によってはケーブル313の弛みが大きくなる。そのようなケーブル313の弛みが大きい場合には、配線口438と横並びの位置にある、装置ケース302の下斜板310とケース部材400の奥のコーナー部分との間に出来る三角スペースにケーブル313の弛んだ部分を逃がすことができる。
また、実施形態のようにケーブル溝437を装置ケース302の下斜板310に向かわせて膨らませるようにした場合には、ケース部材400の奥と装置ケース302の下斜板310との間にできるデッドスペースの有効活用に役立つ。なお、配線口438,438とケーブル溝437を使った配線は、リール基板312のケーブル313に限定する必要はなく、ケース部材400の内部を横切るケーブル全てに適用できる。
その他、図11中、符号441は機能分離中継端子板である。
以上のように構成されるスロットマシン1は、ケース部材400を外本体100に装着し、必要な配線を完了した完成品の状態で工場から出荷される。そして、その完成品のまま遊技場の遊技機設置島に取り付けられるが、このとき図25想像線のように、外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟600とを木ねじ等の固定部材601で止める場合は、扉形前面部材200と画像表示体500を開放し、外本体100の貫通孔132に対しケース部材400の内側から天窓部443越しに固定部材601を挿通させ、さらにドライバー等の工具602で天窓部443越しに固定部材601を締め付けて外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟600とを固定的に連結する。なお、貫通孔132は複数設けられているため、必要に応じてその中から任意に選択して使用することができる。例えば、上桟600の位置やサイズにばらつきがあってもその上桟600に対応する貫通孔132を選択することができる。また、遊技機をまるごと入れ替える場合に、使用する貫通孔132を変更すれば、上桟600の同じ位置に固定部材601の穴が開く弊害(いわゆる、ばか穴化)が防止できる。
ところで、図25に示したように外本体100とケース部材400の間には隙間Sが形成されており、画像表示体500等から発生した熱が画像表示体500の冷却ファン(図示せず)で煽られ、ケース部材400の天窓部443から前記隙間Sを通って背板104の通気口133に至り、そこから遊技機設置島の内部に抜ける。このとき背板104とケース部材400の間に配線中継部材113がありこれが障壁のごとく作用して前記隙間Sを広範囲に塞ぐから、隙間Sを流れる熱気がこの部分で遮られ、配線中継部材113より上方にある背板104の通気口133から積極的に外部に放出される。従って放熱効果が高い。
[各リールの図柄、図柄列]
各リール301a,301b,301cには、図46に示すように、複数種類の図柄が一定間隔に配置されることで構成された図柄列(配列番号0番から20番までで示した合計21個の図柄)が表記されたリール帯(図柄帯)が付されている。図46では、各リール301a,301b,301cに付されたそれぞれのリール帯321a,321b,321cに表記された図柄列を平面的に展開した状態を示す。なお、図柄列中に配置された図柄を識別するために上記配列番号を便宜的に記している。
そして、各リール301a,301b,301cは、各々の図柄列中に配置された図柄のうち、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が開口部401(図柄表示窓ともいう、以下では図柄表示窓401として統一する)を介して視認可能となるように配置されている(次に説明する図47参照)。
また、図柄の種類は、図46に示すように、「赤で塗りつぶされている「7」図柄(第1リール配列番号6番等、以下「赤7図柄」という)、「青で塗りつぶされている「7」図柄(第1リール配列番号17番等、以下「青7図柄」という」)、「BAR図柄」、「チェリーの図柄が施された「チェリー図柄」」、「リプレイ図柄」、「ベル1図柄」、「ベル2図柄」、「スイカ図柄」、「義」と記載された図柄(以下では「義図柄」という)、「正」と記載された図柄(以下では「正図柄」という)がある。
図46において、「赤7図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号3番・6番の2つ、リール帯321bにおいては配列番号12番の1つ、リール帯321cにおいては配列番号10番の1つが相当する。「青7図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号16番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号3番の1つ、リール帯321cにおいては配列番号15番の1つが相当する。「BAR図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号11番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号6・9番の2つ、リール帯321cにおいては配列番号2番の1つが相当する。「チェリー図柄」」は、リール帯321aにおいては配列番号10番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号1番・14番・17番の3つ、リール帯321cにおいては配列番号7番・14番の2つが相当する。「リプレイ図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号1番・4番・7番・12番・17番の5つ、リール帯321bにおいては配列番号0番・5番・8番・11番・16番・の5つ、リール帯321cにおいては配列番号1番・5番・8番・13番・17番の5つが相当する。「ベル1図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号13番・15番・18番の3つ、リール帯321bにおいては配列番号2番・7番・10番・15番・18番の5つ、リール帯321cにおいては配列番号9番・12番・16番の3つが相当する。「ベル2図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号2番・5番・8番の3つ、リール帯321cにおいては配列番号0番・4番の2つが相当する。「スイカ図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号9番・14番・19番の3つ、リール帯321bにおいては配列番号4番・13番の2つ、リール帯321cにおいては配列番号3番・6番・11番・20番の4つが相当する。「義図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号20番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号19番の1つ、リール帯321cにおいては配列番号18番の1つが相当する。「正図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号0番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号20番の1つ、リール帯321cにおいては配列番号18番の1つが相当する。なお、図柄の種類は一例であって、これらの種類に限られるものではない。
[枠部材]
図47は、図柄表示窓401を含む枠部材501の部分を拡大したところを示している。図柄表示窓401からは、各リール301a,301b,301cの図柄列中の図柄のうち、連続する3つの図柄が視認可能となっている。この図柄が表示されている3つの位置を上から「上段(または上段位置)」(例えば、リール301aの「ベル1図柄」が表示されている位置)、「中段(または中段位置)」(例えば、リール301bの「リプレイ図柄」が表示されている位置)、「下段(または下段位置)」(例えば、リール301cの「ベル1図柄」が表示されている位置)という。
上記のことから、図柄表示窓401内では、「段数×リールの数」個の図柄を表示させることが可能である。従って、スロットマシン1では「段数(3)×リールの数(3)」より図柄表示窓401内には最大で9個の図柄を表示させることができる。
枠部材501(表示パネルともいう、以下では表示パネル501として統一する)の左側端(図柄表示窓401から見て左側には、各種のランプが備えられており、そのうち、「BET1」,「BET2」,「BET3」と記されているのがBETランプ(ベットランプ)614である。BETランプの数字(上記の「BET1」,「BET2」,「BET3」の1,2,3の数字)はそれぞれベット数(賭け数のこと、賭けたメダルの枚数に応じた数のこと)に対応している。すなわち、「1」は1ベット(賭けたメダルの枚数は1枚)、「2」は2ベット(賭けたメダルの枚数は2枚)、「3」は3ベット(MAXベットともいう、賭けたメダルの枚数は3枚)に対応しているということである。
ベット数に応じて有効となる並びが決められている。この「有効となる並び」は有効ラインとも呼ばれる。以下では有効ラインと統一して称する。後述する所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ(出目)は、一つの有効ライン上に並んで表示されてはじめて当該当選役に対応する図柄の組み合わせ態様として表示されたと判断されるものである。すなわち、所定の当選役に対応する図柄を構成する各図柄が図柄表示窓401内に個々に表示されたとしても、それぞれの図柄がいずれかの有効ライン上に並んでいなければ(すなわち所定の当選役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に並んでいなければ)、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたとは判断されないことになる。なお、このように、所定の当選役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に並んでいない場合は、バラバラな図柄の組み合わせ態様(すなわちハズレの図柄の組み合わせ)が表示されたと判断される。
次に、ベット数及び有効ラインについて具体的に説明する。本実施形態のスロットマシン1は、3枚賭け専用機であり、通常ゲームでは、メダルを3枚投入するとゲームを実行することが可能となる。このとき、右上がりの直線型の並び及び右下がりの直線型の並びが有効ラインとなる。
なお、有効ラインは上記のような右上がりの直線型の並びや右下がりの直線型の並びに限られるものではない。さらに、本実施形態のスロットマシン1は3枚賭け専用機であるが、これに代えて、ベット数に応じて有効ライン数が変化するようにしてもよい。
本実施形態のスロットマシン1では、上述したとおり、賭け数は3ベット(MAXベット)のみとし、有効ラインを図47の図柄表示窓401内で「BAR図柄−リプレイ図柄−義図柄」が表示されているライン(すなわち右上がりライン)623bと、「ベル1図柄−リプレイ図柄−ベル1図柄」が表示されているライン(すなわち右下がりライン623a)の2つのラインのみを有効ラインとしている。
図47の図柄表示窓401内に表示されている図柄の組み合わせは、有効ラインの一つである右下がりライン623aに表示されている「ベル1図柄−リプレイ図柄−ベル1図柄」であり、この図柄の組み合わせは、リプレイ役(再遊技役)に対応する図柄の組み合わせであるから、次ゲームにおいて、メダルを投入することなく自動ベットされ、前回のゲームと同様のゲームを再び実行することが可能となる。なお、有効ライン上に「ベル1図柄−リプレイ図柄−ベル1図柄」が表示されたとしても、遊技者は、いずれの役の図柄の組み合わせが表示されたのか、一見して把握し難い。しかし、有効ラインではない中段ラインに「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」の図柄の組み合せが表示されることで、遊技者は、リプレイに入賞したことを把握することが可能となる。
その他、表示パネル501には、スロットマシン1の遊技状態に合わせて点灯(あるいは点滅)可能なランプ及びLED類が設けられている。これらのランプ類は図の上から、「ERR」という文字の描かれたエラーランプ604、上記BETランプ614のすぐ下に位置する、「REP」という文字の描かれたリプレイランプ606、「STR」という文字の描かれたスタートランプ608、「INS」という文字の描かれたメダルINランプ610、及び2つの横並びの7セグメントLEDを備えた払出枚数表示LED612がそれぞれ備えられている。なお、これらの他に後述するボーナスゲームの当選を告知するボーナス告知ランプや、ボーナスゲームなどでのメダルの累計払い出し枚数を表示したり、ボーナスゲームをカウントしたりする7セグメントLED等を別途設けてもよい。
エラーランプ604は、スロットマシン1の遊技中に何かトラブル、故障等が生じた場合に点灯(あるいは点滅)を開始し、現在トラブル等が生じていることを遊技者等(ホールの係員なども含む)に知らせる役割を持っている。
リプレイランプ606は、ゲーム結果がリプレイ(後述する)となった場合に、再遊技(新たにメダルを賭けずにもう一度遊技ができること)ができることを遊技者に知らせる役割を持っている。
スタートランプ608は、ベット数がMAXベットに達すると点灯(あるいは点滅)を開始し、遊技者に始動レバー210の操作(始動操作)を促す役割を持っている。
メダルINランプ610は、ベット数が最大(MAXベット)になるまで点灯(あるいは点滅)を続けることにより、遊技者にベットを促す役割を持っている。
払出枚数表示LED612は、ゲーム結果に伴うメダルの払い出しがある場合に、その払い出し数(払出されるメダルの枚数)を表示することにより、遊技者にメダルの払出枚数を知らせる役割を持っている。
[スロットマシンの内部構成]
図48は、スロットマシン1に装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示している。スロットマシン1は遊技の進行を統括的に制御するためのメイン基板409を有しており、このメイン基板409にはCPU1110をはじめROM1112、RAM1114、入出力インタフェース1116等が実装されている。
前述した1枚投入ボタン205,206や始動レバー210、リール停止ボタン211a,211b,211c、貯留解除スイッチ209等はいずれもメイン基板409に接続されており、これら操作ボタン類は図示しないセンサを用いて遊技者による操作を検出し、検出された操作信号をメイン基板409に出力することができる。具体的には、始動レバー210が操作されると前述した図柄変動表示装置300を始動させる(リール301a,301b,301cの回転を開始させる)操作信号がメイン基板409に出力され、リール停止ボタン211a,211b,211cが操作されると、リール301a,301b,301cをそれぞれ停止させる操作信号がメイン基板409に出力される。メイン基板409では、始動レバー210の操作信号を検出した場合に、内部当選役を決定するための内部抽選を行う。メイン基板409は、抽選手段に相当する。
なお、以下では必要に応じて、リール301a,301b,301cをそれぞれ左リール301a,中リール301b,右リール301cと呼ぶ。そして、これに対応するそれぞれのリール停止ボタン211a,211b,211cを左リール停止ボタン211a,中リール停止ボタン211b,右リール停止ボタン211cと呼ぶ。
またスロットマシン1にはメイン基板409とともにその他の機器類が収容されており、これら機器類からメイン基板409に各種の信号が入力されている。機器類には、図柄変動表示装置300のほか、メダル放出装置110等がある。
図柄変動表示装置300はリール301a,301b,301cをそれぞれ回転させるためのリール駆動モータ341a,341b,341cを備えている(左リール駆動モータ341a、中リール駆動モータ341b、右リール駆動モータ341c)。このリール駆動モータはステッピングモータからなり、それぞれのリール301a,301b,301cは独立して回転、停止することができ、その回転時には図柄表示窓401にて複数種類の図柄が上から下へ連続的に変化しつつ表示される。リール駆動モータ341a,341b,341c及びリール301a,301b,301cは、図柄表示手段に相当する。
また各リール301a,301b,301cの回転に関する基準位置を検出するための位置センサ331a,331b,331cを有しており、各リール301a,301b,301cにはそれぞれ位置センサ331a,331b,331cがリール内に対応して設けられている(左リール位置センサ331a、中リール位置センサ331b、右リール位置センサ331c)。これら位置センサからの検出信号(インデックス信号)がメイン基板409に入力されることで、メイン基板409では各リールの停止位置情報を得ることができる。
メダルセレクタ207内には、前述したソレノイド207aや投入センサ207bが設置されている。投入センサ207bは、メダル投入口203から投入されたメダルを検出し、メダルの検出信号をメイン基板409に出力する。ソレノイド207aがOFFの状態のとき、投入されたメダルは投入センサ207bで検出される。逆にソレノイド207aがONの状態のときは、メダルセレクタ207内で投入センサ207bに到達する通路がロックアウトされてメダルの投入が受け付けられなくなり、遊技者がメダルを投入しても、メダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。このとき合わせて投入センサ207bの機能が無効化されるので、メダル投入によるベットまたはメダルの貯留のいずれも行われなくなる。
メダル放出装置110は、払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ110eを放出口110c内に有しており、この払出センサ110eからメダル1枚ごとの払出メダル信号がメイン基板409に入力されている。また、遊技メダル用補助収納箱111にはメダル満タンセンサ111aが設けられており、内部に貯留されたメダルの貯留数が所定数量を超えた場合、メダルが所定数量を超えた検出信号をメイン基板409に出力する。このとき画像表示体500、エラーランプ604等によりメダル貯留の異常を知らせるエラー表示が行われ、遊技者やホール従業員等に異常が発生したことが報知される。
一方、メイン基板409からは、図柄変動表示装置300やメダル放出装置110に対して制御信号が出力される。すなわち、前述した各リール駆動モータ341a,341b,341cの起動及び停止を制御するための駆動パルス信号がメイン基板409から出力される。またメダル放出装置110には、有効ライン上に停止した図柄の組み合わせの種類に応じてメイン基板409から駆動信号が入力され、これを受けてメダル放出装置110はメダルの払い出し動作を行う。このときメダル放出装置110内に払い出しに必要な枚数のメダルが不足しているか、あるいはメダルが全く無い状態であった場合、払出センサ110eによる枚数検出が滞ることとなる。そして所定時間(例えば3秒間)が経過すると、払出センサ110eより払い出しメダルの異常信号がメイン基板409へ出力され、これを受けてメイン基板409は、メダルの払い出しに異常が発生したことを知らせる内容をエラーランプ604や画像表示体500等に表示させて遊技者やホール従業員等に異常が発生したことを報知する。
スロットマシン1は、メイン基板409の他に演出制御基板510を備えており、この演出制御基板510にはCPU1118やROM1120、RAM1122、入出力インタフェース1130、VDP(Video Display Processor)1124、AMP(オーディオアンプ)1126、音源IC1128等が実装されている。演出制御基板510はメイン基板409から各種の指令信号を受け、画像表示体500の表示や照明装置502等の発光(または点灯、点滅、消灯等)及びスピーカ512の作動を制御している。
さらに、メイン基板409に外部中継端子板131を設けた場合には、スロットマシン1はこの外部中継端子板131を介して遊技場のホールコンピュータ1200に接続される。外部中継端子板131はメイン基板409から送信される各種信号(投入メダル信号や払出メダル信号、遊技ステータス等)をホールコンピュータ1200に中継する役割を担っている。
その他、電源装置112には、設定キースイッチ112tやリセットスイッチ112u、電源スイッチ112v等が付属している。これらスイッチ類はいずれもスロットマシン1の外側に露出しておらず、扉形前面部材200を開けることではじめて操作可能となる。このうち電源スイッチ112vは、スロットマシン1への電力供給をON−OFFするためのものであり、設定キースイッチ112tはスロットマシン1の設定(例えば設定1〜6)を変更するためのものである。またリセットスイッチ112uはスロットマシン1で発生したエラーを解除するためのものであり、更には設定キースイッチ112tとともに設定を変更する際にも操作される。
以上がスロットマシン1の内部構成例である。スロットマシン1によるゲームは、遊技者がメダルの賭け数を決定した状態で始動レバー210を操作すると各リール301a,301b,301cが回転し、この後、遊技者がリール停止ボタン211a,211b,211cを操作すると、対応する各リール301a,301b,301cが停止制御され、そして、全てのリール301a,301b,301cが停止すると、有効ライン上での図柄の組み合わせ態様からゲーム結果を判断し、必要に応じて該当する当選役に対応する規定数のメダルが付与される。
前述したとおり、各リール301a,301b,301cには、それぞれリール帯321a,321b,321cが付されている(図46参照)。そして、全てのリール301a,301b,301cを停止させた際に図柄表示窓401内に表示される表示内容(有効ライン上に表示された図柄の組み合わせ態様)から所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かが判断される。具体的には、図柄表示窓401内で前述の有効ライン(右上がりライン623b及び右下がりライン623a)のうち少なくともいずれか1つのラインに所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか否かが判断される。このとき、右上がりライン623bと右下がりライン623aとで、別の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して表示された場合には、複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が同時に表示されたと判断されて、それぞれの払出数を合算した数量のメダルの払い出しが行われる。すなわち、複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓401内の有効ライン上に表示されるものとなる。
以下では、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様がいずれか一つの有効ライン上に表示された場合のことを、(所定の)当選役に対応する図柄(これを当選役図柄という)の組み合わせが揃う、あるいは当選役図柄が揃った、という。
スロットマシン1の図柄には、「赤7図柄」、「青7図柄」、「BAR図柄」、「チェリー図柄」、「リプレイ図柄」、「ベル1図柄」、「ベル2図柄」、「スイカ図柄」、「義図柄」及び「正図柄」があることは既に述べたとおりであるが、このうち、「赤7図柄」、「青7図柄」、「BAR図柄」、「義図柄」、及び「正図柄」は他の図柄に比べて目立ち易く、識別しやすい図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リールの回転中や、リールの停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことをいう。これらの図柄はリールの回転中もその色彩や図柄の大きさから、遊技者が停止操作する際に、これらの図柄が図柄表示窓401内に停止されるように狙って停止操作することが容易となっている(すなわち目押しすることが容易である)。さらに「義図柄」及び「正図柄」についても、図46を見ても分かるように、「義図柄」と「正図柄」との2つの図柄で円状を形成するかたちで「正義」と読めるように互いに上下に隣接して配置されているとともに、各リール301a,301b,301cにおいて1つしか配置されていないので、目押しすることが容易である。
これらの図柄はそれだけでは象徴的な図柄(図柄1つだけでは当選役に対応しない)に過ぎないものであるが、所定の組み合わせとなることにより当選役に対応する図柄の組み合わせとなるものである。すなわち、所定の遊技特典が付与される。以下に、図49に示された各当選役に対応して許容される図柄の組み合わせ態様について説明する。
[当選役と図柄の組み合わせ]
ここで、スロットマシン1の当選役(入賞役と呼ばれるものを含む)と、これに対応する図柄の組み合わせについて、図49、図50及び図51〜53を用いて説明する。図49は、スロットマシン1の各入賞役についての当選確率を示す図であり、当たり値判定テーブルとして予めROM1112等に格納されているものである。図50は、各当選役と、これら各当選役に対応して成立する条件装置を示す図であり、予めROM1112等に格納されているものである。図51〜53は、各条件装置に対応する図柄の組み合わせ及びメダルの払出数を示す図であり、これについても予めROM1112等に格納されているものである。
本実施形態のスロットマシン1における遊技状態としては、一般状態、準備RT、準RT、チャンスRT、ボーナス内部中、及びボーナス中が用意されている。これらの遊技状態は、メイン基板409及び演出制御基板510によって制御されている。メイン基板409では、内部抽選の結果として決定された内部当選役に基づく特典を付与する。さらには、演出制御基板510においては、メイン基板409で実行される内部抽選の結果に基づいて、特典を付与する。ここでの特典としては、当選役に応じたメダルの払出や有利な遊技状態への移行などがある。メイン基板409及び演出制御基板510は、特典付与手段に相当する。スロットマシン1では、一般状態またはボーナス内部中においてボーナスに入賞した場合にボーナス中に移行し、ボーナス中が終了した後、一般状態に移行する。また、一般状態の際、ART付与抽選に当選した場合に準備RTに移行し、準備RTの際に昇格リプレイに入賞した場合にチャンスRT(ART)に移行する。ARTでは、移行時にARTの継続ゲーム数が決定され、転落リプレイに入賞した場合、準RTまたは一般状態に移行する。さらに、ARTの際にゲーム数上乗せ抽選に当選した場合には、ARTの継続ゲーム数が上乗せされる。
各当選役についての当選確率は、図49に示されるように、遊技状態毎に決められている。なお、図49において「RB1」と記載されている条件装置については、「RB1+チャンス目1」、「RB1+チャンス目2」、「RB1+スイカ1」、「RB1+スイカ2」、「RB1+チェリー1」、「RB1+チェリー2」、「RB1+ベル2」があるが、これらをまとめて「RB1」と記載している。同様に、「BB2」については「BB2+チャンス目1」、「BB2+チャンス目2」、「BB2+スイカ1」、「BB2+スイカ2」、「BB2+チェリー1」、「BB2+チェリー2」、「BB2+ベル2」をまとめて「BB2」と記載している。さらに、「BB1」については「BB1+チャンス目1」、「BB1+チャンス目2」、「BB1+スイカ1」、「BB1+スイカ2」、「BB1+チェリー1」、「BB1+チェリー2」、「BB1+ベル2」をまとめて「BB1」と記載している。
そして、抽選の結果として何らかの役に当選すると、当選役に応じた条件装置が作動し、作動した条件装置に基づいた図柄組み合わせが有効ライン上に表示されるように、後述するリール停止処理が行われる。本実施形態のスロットマシン1では、一の条件装置とリール制御のパターンとが1対1で対応しているので、一の当選役に対して複数のリール制御パターンを用意したい場合には、一の当選役に対して複数の条件が成立する場合もある。こうすることで、一の当選役に対して、複数パターンの停止出目(有効ライン上に表示される図柄の組み合わせ)を用意することが可能となる。ここで、有効ライン上に表示される図柄組み合わせについて、図49に示される「RB1」のうちの「RB1+ベル2」、「スイカ」、「AT1」〜「AT10」、「ALL」、「昇格リプ5+転落リプ5」を例に挙げて説明する。
「RB1+ベル2」は、RB1とベル2とが同時に重複して当選する重複役である。このとき、RB1及びベル2の両方に対応する条件装置が作動し、これらに対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されることが許容され、これに基づいて、後述するステップS5のリール停止処理が行われる。そして、ベル2に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、賞として例えば9枚のメダルが払い出され、RB1に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、後述するRB1ゲームが開始される。ただし、RB1に対応する図柄の組み合わせ及びベル2に対応する図柄の組み合わせの両方について有効ライン上に表示されることが許容されたとしても、ベル2に対応する図柄の組み合わせが優先して有効ライン上に表示されるようにリール停止処理が行われる。ここで、ベル2に対応する図柄の組み合わせは、当選した当該ゲームに限って、有効ライン上に表示されることが許容される。一方、RB1に対応する図柄の組み合わせは、当選した当該ゲームだけに限らず、次ゲーム以降においても、RB1に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されるまで継続して、有効ライン上に表示されることが許容される。
なお、重複役とは、1回の抽選機会において複数の役が同時に選び出される役であることを意味する。例えば、当選成立状態が次ゲーム以降に持ち越される持ち越し役が1ゲーム目に選び出されたもののこの持ち越し役に対応する図柄組み合わせが表示されなかった場合において、例えば2ゲーム目で第1の役が選び出されたときは、持ち越し役と第1の役との両方が当選成立している状態となるが、この場合は、互いに別の抽選機会において選び出されているから、重複役に該当しない。これとは逆に、単独役とは、1回の抽選機会において一つの役のみが選び出される役を意味する。
また、BB1、BB2、RB1及びRB2をボーナス役とし、図51〜53においてメダルの払い出しがある役(例えばチェリー、スイカ、ベル1、ベル2等)を小役とし、前回ゲームと同じゲームを実行できる役(例えば通常リプ等)をリプレイ役とし、複数の図柄組み合わせについて有効ライン上に表示されることが同時に許容されたとき、リプレイ役、小役、ボーナス役の優先順位で、これらに対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されるように、後述するリール停止処理が行われる。
また、「スイカ」は、スイカの単独当選役である。このとき、有効ライン上にはスイカに対応する図柄の組み合わせが表示されることが許容され、これに基づいて、後述するステップS5のリール停止処理が行われる。そして、スイカに対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、賞として例えば5枚のメダルが払い出される。
なお、抽選の結果、いずれかの役に当選したとしても、当該当選役に対応する図柄の組み合わせは、後述する引き込み制御を実行可能な範囲で図柄表示窓401内(すなわち有効ライン上)に停止されるように狙って停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cを押す操作)が行われないと、有効ライン上に当選役に対応する図柄の組み合わせを表示させることができない。したがって、抽選の結果、いずれかの役に当選したにもかかわらず、この当選役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されなければ、後述するステップS6においてゲーム結果がハズレである旨が判定される。
「AT1」〜「AT10」は、いずれも、各々に決められた適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合と、各々に決められた適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作されなかった場合とで、賞として払い出されるメダル枚数が異なっている。
具体的には、「AT1」及び「AT2」についての適正な押し順は、「左→中→右」(以下「順押し」と称する)である。そして、この適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、作動している条件装置のうち小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることが許容され、これに基づいて、後述するステップS5のリール停止処理が行われる。そして、小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、賞として例えば9枚のメダルが払い出される。なお、小物17の図柄組み合わせを構成する図柄は、リールの引き込み制御を実行可能な範囲内に配置されているので、抽選の結果が「AT1」又は「AT2」であるときには、適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作される限り必ず、小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される。
また、すべての押し順が不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、1の有効ライン上に賞として1枚のメダルが払い出される図柄の組み合わせ(以下「1枚払出図柄組み合わせ」という)が表示され、他の有効ライン上に賞として2枚のメダルが払い出される図柄の組み合わせ(以下「2枚払出図柄組み合わせ」という)が表示される。すべての押し順が不適正な押し順としては、例えば「AT1」及び「AT2」の場合には、「右→左→中」、「中→右→左」となる。ただし、不適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、ハズレの図柄組み合わせが有効ライン上に表示される。このとき、賞としてのメダルは払い出されない。
すなわち、抽選の結果が「AT1」又は「AT2」であるとき、適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作される限り必ずベル1の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される。ただし、不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、1枚払出図柄組み合わせ及び2枚払出図柄組み合わせが各有効ライン上に表示され、不適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、ハズレの図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることとなる。
なお、不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合における上記の「適正なタイミング」は、抽選の結果が「AT1」であるときと「AT2」であるときとで異なっている。より具体的には、抽選の結果が「AT1」であるときにおける「適正なタイミング」は、抽選の結果が「AT2」であるときにおける「不適正なタイミング」となり、抽選の結果が「AT1」であるときにおける「不適正なタイミング」は、抽選の結果が「AT2」であるときにおける「適正なタイミング」となる。
さらに、一部の押し順が不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、1の有効ライン上に2枚払出図柄組み合わせ(以下「2枚払出図柄組み合わせ」という)が表示され、他の有効ライン上に賞として4枚のメダルが払い出される図柄の組み合わせ(以下「4枚払出図柄組み合わせ」という)が表示される。一部の押し順が不適正な押し順としては、例えば「AT1」及び「AT2」の場合には、「左→右→中」、「左→中→右」、「中→右→左」となる。ただし、不適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、ハズレの図柄組み合わせが有効ライン上に表示される。このとき、賞としてのメダルは払い出されない。
また、「AT3」及び「AT4」についての適正な押し順は「左→右→中」(以下「はさみ押し」と称する)であり、「AT5」及び「AT6」についての適正な押し順は「中→左→右」又は「中→右→左」(以下これらを「中押し」と称する)であり、「AT7」及び「AT8」についての適正な押し順は「右→左→中」(以下「逆押し」と称する)であり、「AT9」及び「AT10」についての適正な押し順は「右→左→中」(以下「逆はさみ押し」と称する)である。そして、この適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることが許容され、これに基づいて、後述するステップS5のリール停止処理が行われる。ただし、不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、1枚払出図柄組み合わせ及び2枚払出図柄組み合わせ、あるいは2枚払出図柄組み合わせ及び4枚払出図柄組み合わせが各有効ライン上に表示され、不適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されるとハズレの図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることとなる。ここで、抽選の結果が「AT3」、「AT5」、「AT7」及び「AT9」である場合における「適正なタイミング」は、それぞれ、抽選の結果が「AT4」、「AT6」、「AT8」及び「AT10」である場合における「不適正なタイミング」となり、抽選の結果が「AT3」、「AT5」、「AT7」及び「AT9」である場合における「不適正なタイミング」は、それぞれ、抽選の結果が「AT4」、「AT6」、「AT8」及び「AT10」である場合における「不適正なタイミング」となる。
なお、抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のうちいずれかであるときに、不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作され、さらに不適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されたことによって有効ライン上に表示されたハズレの図柄組み合わせは、この実施形態において「ベルこぼ目」と称する。また、「AT5」及び「AT6」についての適正な押し順は「中→左→右」又は「中→右→左」であり、すべての押し順が不適正な押し順は存在せず、「中→左→右」又は「中→右→左」以外の押し順は、一部の押し順が不適正な押し順となる。
「ALL」は、ボーナスゲーム中に限って抽選対象となる役であり、抽選の結果が「ALL」であるとき、いかなる押し順で且ついかなるタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合であっても、小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることが許容され、これに基づいて、後述するステップS5のリール停止処理が行われる。上述したとおり、小物17の図柄組み合わせを構成する図柄は、リールの引き込み制御を実行可能な範囲内に配置されているので、抽選の結果が「ALL」であるときには、常に、小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される。そして、小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、賞として例えば9枚のメダルが払い出される。
「昇格リプ5+転落リプ5」〜「昇格リプ1+転落リプ1」は、いずれも、昇格リプレイと転落リプレイとが同時に重複して当選する役であり、一般状態、ボーナス内部中、及びボーナス中では抽選対象とならず、準備RT、準RT、及びチャンスRTであるときに限り、抽選対象とされる。「昇格リプ5+転落リプ5」〜「昇格リプ1+転落リプ1」に当選したとき、各々に決められた適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合と、各々に決められた適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作されなかった場合とで入賞する役が異なっている。
ここで、ボーナス役(BB1、BB2、RB1、RB2)、リプレイ役(再遊技役とも呼ばれる)、小役(ベル役(ベル1、ベル2)、チェリー役(チェリー1、チェリー2)、スイカ役、AT専用役、ALL役、ボーナスゲーム専用役)、シングルボーナス役(SB1、SB2、SB3)について説明する。
[ボーナス役]
本実施形態のスロットマシン1では、BB1、BB2、RB1又はRB2といったボーナス役に当選し、これらいずれかの役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、BB1ゲーム、BB2ゲーム、RB1ゲーム又はRB2ゲームといったボーナスゲームが実行される。このボーナスゲームは、複数ゲームにわたって、遊技者がメダルを集中して獲得できる機会が設けられるゲームである。ただし、遊技者が大量のメダルを獲得することが可能なものは、図50に示されるように、BB1ゲーム及びBB2ゲームだけである。
また、スロットマシン1では、右上がりライン623b及び右下がりライン623aのうち少なくともいずれかの有効ラインに、作動した条件装置に対応する図柄組み合わせ(図50に示された図柄組み合わせ)が停止すると、1回のゲーム結果として、有効ラインに停止した図柄組み合わせに応じた賞が付与される。ただしこの場合、右上がりライン623b及び右下がりライン623aといった二つの有効ラインに、同時に重複して二つの当選役に対応する図柄の組み合わせが表示された場合には、この二つの図柄の組み合わせに応じたメダルが賞として払い出される。なお、本実施形態のスロットマシン1では有効ラインの数が二つであるが、有効ラインの数を三つ以上とし、この三つの有効ラインに、同時に重複して三つ以上の当選役に対応する図柄の組み合わせが表示された場合に、この三つ以上の図柄の組み合わせに応じたメダルが賞として払い出されるようにしてもよい。ただし、1回のゲームで払い出されるメダルの最大枚数(例えば、15枚)が予め決められており、1回のゲーム結果として払い出されるメダルの枚数はこの最大枚数を超えないものとなっている。
なお、本実施形態のスロットマシン1には、上述したとおり、SB1、SB2及びSB3といったシングルボーナス役も用意されている。このシングルボーナス役に当選すると、次ゲームに限り、当選したSB役に応じて、図49に示されるSB中に制御されるとともに、抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のいずれかであるときに適正な押し順が遊技者に教えられるATゲームの上乗せ抽選が行われる。
[リプレイ役]
本実施形態のスロットマシン1には、リプレイ役(再遊技役ともいう)として、通常リプレイ(図49では「通常リプ」と記載)、昇格リプレイ1〜5(図49では「昇格リプ1」〜「昇格リプ5」と記載)、及び転落リプレイ1〜5(図49では「転落リプ1」〜「転落リプ5」と記載)とが用意されている。このリプレイ役に対応する図柄の組み合わせ態様は、図53に示されるとおりである。そして、リプレイ役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、リプレイの図柄組み合わせが揃ったと判定される。なお、上記のリプレイ役のうち、通常リプレイに対応する図柄の組み合わせは、図49を見ても分かるように遊技者がすぐに把握し難いものであるが、有効ラインではないものの中段ラインに「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」の図柄の組み合せが表示されることで、遊技者は、リプレイに入賞したことを把握することが可能となる。なお、昇格リプレイに対応する図柄の組み合わせとしては、右上がりライン623aに「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」の図柄の組み合せが表示される。さらに、転落リプレイに対応する図柄の組み合わせとしては、右上がりライン623aに「リプレイ図柄−リプレイ図柄−スイカ図柄/青7図柄」の図柄の組み合せ、または右上がりライン623aに「赤7図柄/青7図柄/スイカ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」が表示される。
リプレイの図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、リプレイゲームという遊技特典が付与される。このリプレイゲームでは、改めてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく、リプレイの図柄組み合わせが表示されたゲームと同じゲームを、再遊技として実行できる。なお、リプレイの図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたとしても、賞としてのメダルは払い出されない。
このリプレイゲームの遊技特典の特徴は、メダルの払出しを行わない代わりに次回のゲームで新たにメダルを消費する(新たにメダルを賭ける)必要がないことである。またリプレイはメダルの払い出しを伴わない当選役であるため、例えばその当選確率を高くすることにより、当選頻度が高くなったとしてもホールにとって不利益となることは非常に少ないといえる。従って、スロットマシン1では、一般状態において、概ね6〜7回に1回程度は当選する確率としている(詳細は後述)。これにより、遊技者が消費するメダルの量(一定時間当たりにつき消費するメダル数)をある程度一定の範囲に保つことが可能となる。つまり、リプレイという当選役にゲーム進行における過剰なメダルの消費を抑える役割を持たせることができるということになる。
また、各リール301a,301b,301cにリプレイ役に対応する図柄の組み合わせ態様を構成する図柄をそれぞれ満遍なく配置する(例えば、リプレイ役に対応する図柄の組み合わせ態様を構成する図柄と、同じくリプレイ役に対応する図柄の組み合わせ態様を構成する図柄との間に配置される他の図柄(リプレイ役に対応する図柄の組み合わせ態様を構成しない図柄)を1個から最大でも4個までにする)ことにより、リプレイ役に対応する図柄の組み合わせ態様を目押しの必要なく揃えることのできるものとすることができる。
なお、通常リプレイに対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示された場合には、通常リプレイに対応する図柄の組み合わせが表示されたゲームと同じゲームを再遊技として実行できるだけである。また、準備RTまたは準RTの際に昇格リプレイ1〜5に基づいた図柄の組み合わせが有効ライン上に表示された場合には、チャンスRTへ移行する契機として機能している。さらに、チャンスRTの際に転落リプレイ1〜5に基づいた図柄の組み合わせが有効ライン上に表示された場合には、準RTまたは一般状態へ移行する契機として機能している。
[ベル役]
本実施形態のスロットマシン1には、ベル役として、上述したとおり、「ベル1」と「ベル2」とが用意されている。このベル役に対応する図柄の組み合わせ態様は、図51〜53に示されるとおりである。そして、ベル役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、ベル役の図柄組み合わせが揃ったと判定され、賞としてのメダル(例えば9枚)が払い出される。なお、ベル2に対応する図柄の組み合わせは、図49を見ても分かるように遊技者がすぐに把握し難いものであるが、有効ラインではないものの中段ラインに「ベル1図柄orベル2図柄−ベル1図柄−ベル1図柄orベル2図柄」の組み合せが表示されることで、遊技者は、ベル2に入賞したことを把握することが可能となる。なお、ベル1図柄とベル2図柄とは形態に若干違いがあるものの、ベルといった同じ観念を遊技者に生じさせる点で両図柄は共通する。
ベル1に対応する図柄の組み合わせ又はベル2に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、規定枚数(例えば9枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。このように、ベル1又はベル2に対応する図柄の組み合わせは、ゲームを進めるうえでメダルの増加を期待できたり、メダルの消費を抑えることが期待できたりする。ただし、ベル1に対応する図柄の組み合わせ又はベル2に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示される頻度が高くなると、遊技者はゲームを進めていくだけでメダルを増加させることが可能となる。なお、ベル1に対応する図柄の組み合わせ及びベル2に対応する図柄の組み合わせを構成する図柄は、目押しすることなく有効ライン上に表示することができるように、各リール上に配置されている。
[チェリー役]
本実施形態のスロットマシン1には、チェリー役として、上述したとおり、「チェリー1」と「チェリー2」とが用意されている。このチェリー役に対応する図柄の組み合わせ態様は、図51〜53に示されるとおりである。そして、チェリー役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、チェリー役の図柄組み合わせが揃ったと判定され、賞としてのメダル(例えば2枚)が払い出される。
[スイカ役]
スイカ役に対応する図柄の組み合わせ態様は、図51〜53に示されるとおりである。このスイカ役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、スイカ役の図柄組み合わせが揃ったと判定され、賞としてのメダル(例えば5枚)が払い出される。
[AT専用役]
本実施形態のスロットマシン1には、AT専用役として、上述したとおり、「AT1」〜「AT10」が用意されている。これらAT専用役に対応する図柄の組み合わせ態様は、図51〜53に示されるとおりである。すなわち、抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のうちのいずれかであって且つ適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、作動した条件装置のうち小物17に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示される。ただし、抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のうちのいずれかであったとしても、適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作されず、すべての押し順が不適正な押し順及び適正なタイミングで操作された場合には、1枚払出図柄組み合わせ及び2枚払出図柄組み合わせが2ラインにそれぞれ表示される。また、一部の押し順が不適正な押し順及び適正なタイミングで操作された場合には、2枚払出図柄組み合わせ及び4枚払出図柄組み合わせが2ラインにそれぞれ表示されることとなる。
[ALL役]
ALL役に対応する図柄組み合わせは、図51〜53に示されるとおりである。ただし、いかなる押し順で且ついかなるタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されたとしても、作動した条件装置のうち小物17に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されるように、リール制御される。
[ボーナスゲーム専用役]
さらに、ボーナスゲーム中(BB1ゲーム中、BB2ゲーム中、RB1ゲーム中及びRB2ゲーム中)にのみ有効となる当選役としてボーナスゲーム専用役がある。このボーナスゲーム専用役は、図49の「ロゴ」に相当し、これらに対応する図柄(ボーナスゲーム専用役図柄)の組み合わせは、図49に示されるとおりである。
ボーナスゲーム中にボーナスゲーム専用役図柄が揃うと、規定枚数(例えば10枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、ボーナスゲーム専用役図柄が揃うと10枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。そして、ボーナスゲーム中はこのボーナスゲーム専用役を揃いやすくすることにより、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームを集中して実行することができる。従って、ボーナスゲーム専用役図柄の組み合わせを構成する各図柄は、目押しを行うことなく有効ライン上に揃えることができるものとなっている。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、ボーナスゲームにおいて、上記ボーナスゲーム専用役とALL役とが抽選対象とされているが、これらとは異なる当選役を設けてもよい。さらには、ボーナスゲーム専用役のようなボーナスゲーム中限定の当選役を設けずに、ベル役やスイカ役を代わりに用いるものとしてもよい。この場合、一般状態中とボーナスゲーム中とで、メダルの払い出し枚数を変えるようにしてもよい。
[ハズレ]
図51〜53に示された図柄の組み合わせのいずれにも該当しない場合は、ハズレとなる。そして、ハズレとなった当該ゲームでは、メダルの付与は行われず、また次回以降のゲームに変化を及ぼすこともない。なお、ハズレは遊技者に当該ゲーム及び次回以降のゲームにおいて何の遊技特典も付与しない役であるともいえる。また、一般状態の際にハズレとなった場合には、その一部、具体的には、2/37263の割合で確定役となる。確定役の図柄組み合わせは、ハズレと同一の手順で決定される。この確定役となった場合には、後に説明するチャンスRT移行抽選の当選確率が高くされる。
以上がスロットマシン1におけるそれぞれの当選役と、それぞれの当選役に対応する図柄の組み合わせ態様である。
なお、これらの図柄は上記で説明した図柄や図柄の組み合わせ態様に限定されるものではない。また、上記の図柄に加えて複数種類の図柄を新たに設けることもできる。そして、当選役の種類をさらに増やすことや、あるいは減らすこともできる。さらに、上記で述べた当選役は全てを必ず設けることに限定されるものではなく、適宜必要な種類の当選役を選ぶこととしてもよい。
[ゲーム処理]
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、メイン基板409(主にCPU1110等)にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
図54は、スロットマシン1における基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している。先ずステップS1では、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。
次のステップS2では、投入口203から投入されたメダルの枚数により、あるいはすでに貯留されているメダルがある場合にはMAX投入ボタン206(あるいは1枚投入ボタン205)の押下操作により賭け数が決定され、始動レバー210の操作待ちの状態となる。すなわち、1回のゲームの賭け数が決定され、始動レバー210の操作が可能な状態となるまでがBET処理にて実行される。なお、本実施形態のスロットマシン1は、3枚のメダルを投入することによってゲームの実行が可能となる3枚賭け専用機である。したがって、1枚投入ボタン205を備えていなくてもよい。
ステップS3では、ステップS2において操作待ちの状態となった始動レバー210の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理とは、次のステップS4にて回転を開始する全てのリール301a,301b,301cが停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、リール301a,301b,301cの停止操作が行われたときに、該当する当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止することが許容されるのである。
次にステップS4では、ステップS3の内部抽選処理の終了に伴い全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理においては、全てのリール301a,301b,301cの回転が開始された時点でリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作を有効とし、リール停止ボタン211a,211b,211cが有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させるとともに、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプは各リール停止ボタン211a,211b,211cにそれぞれ内蔵されるランプである。
ステップS5では、遊技者によるリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられて、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応するリール301a,301b,301cの回転を停止させるリール停止処理を実行する。
次のステップS6では、ステップS5において、「バー図柄−リプレイ図柄−正図柄」が表示されているライン(すなわち右上がりライン)623bと、「ベル1図柄−リプレイ図柄−ベル1図柄」が表示されているライン(すなわち右下がりライン623a)の2つのラインのみを有効ラインとして全てのリール301a,301b,301cが停止状態になったと判定した時点で、有効ライン上に表示された表示内容(図柄の組み合わせ態様)と、上記のステップS3において決定された内部抽選の結果として許容されているものを照合して当選役の判定を行う判定処理を実行する。
ステップS7では、ステップ6において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に基づくメダルの払出処理を実行する。また当選役がBB1、BB2、RB1、RB2、SB1、SB2、リプレイの場合には、それぞれ遊技状態の変更(図49に示される遊技状態の変更)や再遊技等の各種遊技特典に付与を実行する。
以上が、スロットマシン1の基本的な1ゲームの処理手順である。ここで、ステップS2(BET処理)、ステップS3(内部抽選処理)、ステップS4(リール回転処理)は、一連の外部操作として遊技者により行われるものである。従って、これらの処理(ステップS2、ステップS3、ステップS4)をまとめて始動処理と呼ぶ。以下ではこの始動処理の具体的な説明をする。
[始動処理]
図55は、始動処理で行われる各処理を具体的に示したものである。
始動処理では、まずステップS101にてメダルの投入または1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206の操作が待ち受けられる。MAXベット操作またはメダル投入があると、ステップS101の判定が満たされ、ステップS102に移る。なお、この判定はMAXベットに相当するメダルの投入(つまり、3枚以上のメダルの投入)やMAXベットとなる1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206の操作が有った場合にのみ満たされるものとしている。
次のステップS102では、受付処理として、ベット数(この例ではMAXベットのみ)を決定するとともに、ベット数に応じた有効ラインランプを点灯させる。本実施形態のスロットマシン1は、3枚賭け専用機であり、3枚のメダルが投入されると、右上がりライン623bと、右下がりライン623aの2つのラインが有効ラインとなり、これを示す有効ラインランプを点灯させる。
ステップS103では、始動レバー210の操作を有効化する。始動レバー210の操作が有効化されると、この始動レバー210の操作が受け付けられるまで操作待ちの状態となり、次のステップS104に移る。
次のステップS104では、始動レバー210の操作が有効化されているか、またその場合は始動レバー210の操作が受け付けられたかを判定する。先のステップS103にて始動レバー210の操作が有効化されている場合、遊技者による始動レバー210の操作が受け付けられると、この判定が満たされ、次のステップS105へ移る。
また、上記のステップS101にて遊技者がベット操作またはメダル投入をしない、あるいはMAXベットに至らないうちはステップS101の判定が満たされず、ステップS104に移る。このときはステップS104の判定も満たされず、ステップS101に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、リプレイゲームでは、新たにメダルのベットを必要としない。これは、後述するリプレイゲーム処理にてMAXベットコマンドがRAM1114に格納されている場合、自動的にMAXベット状態にする。これにより、ステップS101の判定が満たされることになる。
ステップS105では、ステップS104での始動レバー210の操作を受けて、始動レバー210の操作を無効化する。
次に、ステップS106では、出目変換制御処理を行う。出目変換制御処理では、フリーズフラグがセットされているか否かを判定し、フリーズフラグがセットされていると判定したときに、フリーズタイマをセットしてスタートさせる。フリーズタイマがカウントされている間にフリーズ制御が実行され、このフリーズ制御が実行されている間に出目変換制御処理が実行される。その後、ステップS107に移る。出目変換制御処理の詳細については、後にさらに説明する。また、フリーズフラグがセットされていないと判定したときには、フリーズタイマをセットすることなくステップS107に移る。
ステップS107では、始動レバー210の操作があると、この始動レバー210の操作に基づいて乱数の抽出を行う。乱数の抽出を行った後、次のステップS108に移る。なお、このときの乱数を抽出するタイミングについては、始動レバー210の操作後直ぐに行っても所定時間(例えば0.5秒後など)後に行うなど、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
ステップS108では、抽出された乱数値(以下では、抽出乱数値という)からいずれの当選役に該当するかの当たり判定(乱数値の照合)を行う。この当たり判定では、後述する当たり値判定テーブルにて抽出乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは、予め決められた当選役の乱数値に、抽出乱数値が該当(合致、一致)するか否かを判定することである。このとき抽出乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合、該当する当選役に対応する条件装置をON(=1)にする(図50を参照)。なお、抽出された乱数値と当たり判定テーブルとを照合して行われる当たり判定における各当選役についての当選確率は、図49に示されるとおりである。
そして、フラグ処理では、当該ゲームにて抽出乱数値の照合を行う際に、判定の基準となる当たり値判定テーブルを決定する場合、後述するBBゲーム中フラグなどのゲーム状態フラグを参照して当該ゲームにおける当たり値判定テーブルを決定する。すなわち、当該ゲームにてON(=1)状態となっているゲーム状態フラグに対応する当たり値判定テーブルをセットして抽出乱数値の照合を行う。ゲーム状態フラグには、準備RTフラグ、準RTフラグ、チャンスRTフラグ、ボーナス内部中フラグ、ボーナス中フラグがある。そして、これらのゲーム状態フラグのいずれもOFF(=0)状態となっている場合には、常に一般状態中フラグをON(=1)状態とする。
一方、ステップS108にて、抽出乱数値がいずれの当選役にも該当しないと判定された場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となり、いずれの条件装置も作動させない(図50を参照)。ここで、いずれかの条件装置がONになっているとき(成立しているとき)には、その成立している条件装置に対応する図柄組み合わせを揃えることが可能となる。各条件装置に対応する図柄組み合わせは、図51〜53に示されるとおりである。従って、いずれの条件装置も成立していないハズレである場合は、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせも、有効ライン上に揃えることができないことになる。上記のステップS107及びステップS108はスロットマシン1の内部にて乱数抽選を行ってものであり、以下ではこれらのステップのことを、まとめて内部抽選、あるいは内部抽選を行う等という。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは内部抽選(前述の図54のステップS3)に相当する。
次のステップS109では、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの1回前のゲーム)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かを判定する。なお、このウェイトタイマと呼ばれるタイマは、当該ゲームにおいてリールの回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアップ(既に4.1秒経過した)となった場合にはこの判定が満たされ、次のステップS110に移る。また、この判定はウェイトタイマがタイムアップするまでループする。
ステップS110では、出目変換制御処理にてスタートさせたフリーズタイマがタイムアップしたか否かを判定する。なお、フリーズタイマがタイムアップとなる時間は、後に説明するフリーズ時間決定処理によって決定される、このフリーズタイマがタイムアップするまでの間に、出目変換制御が実行される。また、この判定はフリーズタイマがタイムアップするまでループする。
ステップS111では、全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させる。そして全てのリール301a,301b,301cの回転の速さが一定となると、それぞれのリール停止ボタン211a,211b,211cの操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者はリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が有効になったことを知ることとなる。
なお、スロットマシン1では、回転を開始したリールは遊技者による停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)が受け付けられるまで上記の一定の速さで回転を維持し続けるものである。
次にステップS112では、ウェイトタイマをリセットするとともに、次回の始動処理までウェイトタイマをスタートさせ始動処理は終了となる。
[内部抽選確率]
上記のとおり、スロットマシン1では、内部抽選の結果(抽出乱数値の照合の結果)が当該ゲームで該当する当選役(以下では、該当当選役をいう)として許容される。ここで該当当選役が許容されると、該当当選役に対応する条件装置を作動させて、この作動した条件装置の情報は、内部抽選の結果を示す情報コマンドとして以降の処理(リール停止処理、判定処理、払出処理等)に反映されることになる。
スロットマシン1では、乱数抽出を行う際の乱数値の範囲(これを抽出範囲という)を予め決めておくものである。この抽出範囲は、例えば、0から16383までの整数値(つまり、214=16384個の乱数)と決めることができる。なお、本実施形態のスロットマシン1では、抽出範囲の乱数値を、便宜上、0から59999までとしているが、これに限られないことはいうまでもない。この乱数の抽出範囲を拡大すると、その分だけ抽出可能な乱数値の範囲(いわゆる分母)が大きくなるので特定の乱数値が偏って抽出されるといった事象が起こりにくくなる。
上記の抽出範囲内においては、さらにそれぞれの当選役に対応する乱数値が予め割り当てられている。例えば、抽出範囲(本実施形態のスロットマシン1では0から59999)内の乱数値のうち、RB2に対応する乱数値を「1」とすれば、抽出乱数値が「1」となった場合に、内部抽選の結果は「RB2に当選した」ということになり、RB2の条件装置が当該ゲームでの情報コマンドとして処理されることになる。また、これを利用すると、抽出範囲及びRB2に対応する乱数値から、RB2の当選確率(RB2が内部抽選の結果として選び出される確率、抽選確率)を算出することができる。上記の例(RB2)でいえば、
〔 RB2に対応する乱数値の総個数/抽出範囲内の乱数値の総個数 〕
が、2/60000となり、RB2の当選確率は1/30000であるということになる。
このように全ての当選役にはそれぞれ対応する乱数値が決められており、これらの乱数値は、それぞれの当選役に対応する当たり値と呼ばれる。上記の例(RB2)では、抽出範囲内の乱数値「1」がRB2に対応する当たり値ということになる。また、当たり値が複数存在する場合、例えば、所定役の当たり値を抽出範囲内の連続する乱数値「1」、「2」、「3」、「4」とすれば、この所定役の当たり値の範囲は乱数値「1」から「4」までとなる。そして、抽出乱数値が乱数値「1」から「4」までのいずれかに該当すると判定される(照合される)と、内部抽選の結果として「所定役に当選した」ということになる。なお、本実施形態のスロットマシン1では、一の当選役のみに当選する単独役(例えばRB2、ベル1、ベル2等)の他に、複数の当選役が同時に当選する重複役(例えば「RB1+ベル2」、「BB2+ベル1」等)が用意されている。したがって、このような重複役については、重複役の当たり値についても、上記の当たり値に含まれる。
このことから全ての当選役はその当たり値の範囲が決められ、内部抽選で抽出乱数値がいずれかの当選役の当たり値の範囲に該当するか否かが判定されることになる。このとき、抽出乱数値がいずれの当選役の当たり値の範囲にも該当しない場合は、ハズレ、となる。すなわち、ハズレの当たり値の範囲は、全ての当選役の当たり値の範囲以外ということになる。なお、当たり値は当選許容値とも呼ばれることもある。
ところで、単独役とは、1つの抽出乱数値に対して1つの当選役が対応するものであり、重複役とは、1つの抽出乱数値に対して、複数(この場合2つ)の当選役が対応するものである。つまり、抽出された乱数値が重複役の当たり値に該当する場合、複数の当選役のいずれにも当選したということになる。例えば、抽出された乱数値が図49に示された「昇格リプ5+転落リプ5」に該当する当たり値に該当する場合、前述したフラグ処理(図55のステップS107参照)にて、図50に示されるように、昇格リプ5に対応する条件装置及び転落リプ5に対応する条件装置を同時に成立させるということである。
また、図49に示すように、ボーナス中は、ALL役とボーナスゲーム専用役(ロゴ)の当たり値が抽出範囲の大半以上を占めている。従って、ボーナスゲームが実行されると、このボーナスゲームが実行されている期間内に多量のメダルが払い出されることとなる。
[遊技状態の遷移]
図56は、メイン基板409に搭載されたCPU1110により実行される遊技状態移行制御処理を示すフローチャートである。
先ず、BB1ゲーム、BB2ゲーム、RB1ゲーム、RB2ゲームなどのボーナスゲーム(BG)中であるか否かが判定され(ステップS151)、ボーナスゲーム中であると判定されたときにボーナスゲームが終了したか否か(BGE)を判定する(ステップS152)。ここで、ボーナスゲームが終了したと判定すると(ステップS152におけるYES)、ボーナスゲームまたはボーナス内部中に移行する前の遊技状態、例えば一般状態(GGC)に移行される(ステップS153)。ボーナスゲームが終了していないと判定した場合には、ボーナスゲームが終了するまでこの判定をループする。
ステップS151においてボーナスゲーム(BB1ゲーム、BB2ゲーム、RB1ゲーム、RB2ゲーム)中でないと判定されると(ステップS151におけるNO)、ボーナス内部(BI)中であるか否かが判定される(ステップS154)。すなわち、内部抽選においてボーナス役(BB1、BB2、RB1、RB2)に当選すると、ボーナス役に対応する条件装置が作動するが、このボーナス役に対応する条件装置は、内部抽選に当選したゲームにおいてボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインに表示されなかったとしても、次ゲーム以降においても、ボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインに表示されるまで継続して作動する。そして、ボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインに表示されたと判定される(BG)と(ステップS155におけるYES)、ボーナス中に移行し(ステップS156)、ボーナスゲーム(BG)が実行される。
ステップS154においてボーナス内部中でないと判定されると(ステップS154におけるNO)、準備RT(PRT)または準RT(SRT)であるか否かが判定される(ステップS157)。準備RTまたは準RTであると判定されたときには(ステップS157におけるYES)、昇格リプレイ(PRP)に入賞したか否かが判定される(ステップS158)。
ここで、昇格リプレイに入賞したと判定されると(ステップS158におけるYES)、チャンスRT(CRT)に移行される(SステップS159)。また、昇格リプレイに入賞していないと判定されると(ステップS158におけるNO)、転落リプレイに入賞したか否か(DRP)が判定される(ステップS160)。転落リプレイに入賞したと判定された場合は(ステップS160におけるYES)、遊技状態を一般状態(GGC)に移行させる(ステップS161)。また、転落リプレイに入賞していないと判定された場合は(ステップS160におけるNO)、ステップS158に戻り、昇格リプレイまたは転落リプレイに入賞するまでステップS158、ステップS160の判定をループする。
ステップS157において準備RTまたは準RTでないと判定されると(ステップS157におけるNO)、チャンスRT(CRT)であるか否かが判定される(S162)。チャンスRTであると判定されたときには(ステップS162におけるYES)、転落リプレイ(DRP)に入賞したか否かが判定される(ステップS163)。
転落リプレイに入賞したと判定されると(ステップS163におけるYES)、転落リプレイに入賞したゲームにおいて、適正な押し順が教示(NAVI)されていたか否かが判定される(ステップS164)。適正な押し順が教示されていたと判定されると(ステップS164におけるYES)、準RT(SRT)に移行する(ステップS165)。その一方、適正な押し順が教示されていないと判定されると(ステップS164におけるNO)、一般状態(GGC)に移行される(ステップS166)。また、転落リプレイに入賞していないと判定されると(ステップS163におけるNO)、転落リプレイに入賞したと判定されるまで、ステップS163をループする。
ステップS162においてチャンスRTでないと判定されると(ステップS162におけるNO)、遊技状態が一般状態にあることとなる。このとき、ART付与抽選に当選した(ARTGL)か否かを判定する(ステップS167)。ART付与抽選は、図57に示すように、チェリー2(弱チェリー),チェリー1(強チェリー)、スイカ、確定役といったいわゆる小役に当選した場合に実行される抽選である。各小役に当選した場合、図57に示す割合でART付与抽選に当選する。また、ART付与抽選は、出目変換制御で各小役等が表示された場合等にも実行される。ART付与抽選については、後にさらに説明する。ART付与抽選に当選した場合には(ステップS167におけるYES)、準備RTに遊技状態が移行する(ステップS168)。また、ART付与抽選に当選していない場合には(ステップS167におけるNO)、一般状態が維持される。他方、準備RT、準RT、チャンスRT、及び一般状態中にボーナスゲームに当選すると、ボーナス内部中に移行する。
なお、一般状態では、一定期間にわたってゲームを実行したときに、この一定期間内に、ゲームの結果として払い出されるメダル枚数よりも遊技者がゲームを実行するために賭けるメダル枚数の方が多くなる。すなわち、一般状態は、遊技者がゲームを実行すると、それに伴ってメダル枚数が減少していく遊技状態である。また、準備RT及び準RTでは、一般状態と同様に、一定期間にわたってゲームを実行したときに、この一定期間内に、ゲームの結果として払い出されるメダル枚数よりも遊技者がゲームを実行するために賭けるメダル枚数の方が多くなる。すなわち、準備RT及び準RTは、一般状態と同様に、遊技者がゲームを実行すると、それに伴ってメダル枚数が減少していく遊技状態である。
さらに、一般状態、準備RT、準RT、チャンスRT、ボーナス内部中及びボーナス中の各遊技状態における内部抽選において、各入賞役が当選する確率は、図49に示されるとおりである。
ところで、本実施形態のスロットマシン1では、上述したとおり、メイン基板409から内部抽選の結果情報が情報コマンドとして演出制御基板510のCPU1118に向けて出力される。メイン基板409から出力された内部抽選の結果情報を受信した演出制御基板510のCPU1118は、この結果情報に基づいて、例えば画像表示体500又は/及びスピーカ512を用いた演出を実行する手段を備える。例えば、準備RT、準RT、チャンスRTでは、内部抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のうちのいずれかであるとき、リール停止ボタン211a〜211cについての適正な押し順が、例えば画像表示体500又は/及びスピーカ512を用いた演出のナビゲートによって教示される。この適正な押し順のナビゲート(以下「押し順ナビ」という)については,後に詳しく説明する。また、押し順ナビについては、例えば一般状態やボーナスゲーム中には行われない。したがって、内部抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のうちのいずれかであるとき、一般状態に制御されているときよりもチャンスRTに制御されているときの方が、「AT1」〜「AT10」に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に表示させることが遊技者にとって容易となる。この点で、チャンスRTは、一般状態と比べて遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。
ところで、本実施形態のスロットマシン1では、適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作されることを、上記の特定条件としている。具体的には、昇格リプレイ1〜5と転落リプレイ1〜5との重複役が内部抽選にて選び出された場合には、「左→中→右」の順押し、「左→右→中」のはさみ押し、「中→左→右」または「中→右→左」の中押し、「右→左→中」の逆押し、及び、「右→左→中」の逆はさみ押しの5通りの押し順のうち、いずれか一の押し順が適正な押し順に決定される。この場合、適正な押し順とは異なるが、一部の押し順が適正な押し順と共通する一部の押し順が不適正な押し順が2通り決められ、全部の押し順が不適正な押し順が2通りに決められる。ただし、中押しの場合には、適正な押し順が「中→左→右」または「中→右→左」の2通りあるので、中押しの場合の一部の押し順が不適正な押し順は、「中→左→右」の押し順を基準として定められる。その結果、一部の押し順が不適正な押し順が2通り決められ、全部の押し順が不適正な押し順が2通りに決められる。そして、適正な押し順または一部の押し順が不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、昇格リプレイ1〜5のいずれかに入賞する。さらに、全部の押し順が不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、転落リプレイ1〜5のいずれかに入賞する。
なお、転落リプレイ役と通常リプレイ役との重複役が内部抽選にて選び出された場合には、上記5通りの押し順のうちいずれか一の押し順に決定されるようにしたが、決定される押し順の通り数は1に限られず、2以上の通り数であってもよい。
また、昇格リプレイに入賞させるための手順は、適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作されることに限られないことは言うまでもない。例えば、三つのリール301a〜301cのうち少なくとも一のリール又は全てのリールが適正なタイミングで停止されるように、リール停止ボタン211a〜211cが停止操作されたこととしてもよい。
本実施形態のスロットマシン1は、上述したとおり、遊技状態として、一般状態のほか、準備RT、準RT、及びチャンスRTゲームが設けられている。以下に、これらのRTゲームについて説明する。
[準備RT]
準備RTとは、一般状態において所定のART付与抽選に当選した場合に移行する遊技状態であり、図49を見ても分かるように、リプレイの当選確率が一般状態に比べて当選しやすくされている。また、準備RT中は、昇格リプレイ1〜昇格リプレイ5のいずれかに当選した場合に、チャンスRTに移行する。また、準備RT中に「AT1」〜「AT10」のいずれかに当選すると、適正な押し順を教示する押し順ナビが実行され、実行された押し順ナビにしたがってリール停止ボタン211a,211b,211cを操作することにより、容易に9枚の払出が行わせる図柄組み合わせを表示させることができる。
[準RT]
準RTとは、チャンスRTにおいて転落リプレイに入賞した場合に移行する遊技状態であり、チャンスRT以外の遊技状態から準RTに移行することはないものである。また、図49を見ても分かるように、リプレイの当選確率が一般状態に比べて当選しやすくされている。さらに、準RT中は、昇格リプレイ1〜昇格リプレイ5のいずれかに当選した場合に、チャンスRTに移行する。準RTは、準備RTと比較して、リプレイの当選確率は同一とされているものの、昇格リプレイ1〜5の当選確率は高く設定されている。このため、準RTは、準備RTよりもチャンスRTへの移行しやすくなっている。また、一般状態では、準備RTを経てチャンスRTに移行するものであり、準備RT及び準RTは、一般状態よりもチャンスRTへ移行しやすくなっている。また、準RT中に「AT1」〜「AT10」のいずれかに当選すると、適正な押し順を教示する押し順ナビが実行され、実行された押し順ナビにしたがってリール停止ボタン211a,211b,211cを操作することにより、容易に9枚の払出が行わせる図柄組み合わせを表示させることができる。
[チャンスRT]
チャンスRTとは、チャンスRTが開始されてから継続ゲーム数が0となるまでのゲーム期間におけるゲームであり、このチャンスRTでは、図49を見ても分かるように、リプレイの当選確率が一般状態に比べて当選しやすくされている。さらに、チャンスRT中に「AT1」〜「AT10」のいずれかに当選すると、適正な押し順を教示する押し順ナビが実行され、実行された押し順ナビにしたがってリール停止ボタン211a,211b,211cを操作することにより、容易に9枚の払出が行わせる図柄組み合わせを表示させることができる。
また、チャンスRTが開始されるときに、チャンスRTの継続ゲーム数が決定される。チャンスRTでは、継続ゲーム数が0となる以前に転落リプレイに当選することにより、準RTに移行し、継続ゲーム数が0となった後に転落リプレイに当選することにより一般状態に移行する。継続ゲーム数が0となる以前では、準RTへの移行を避けるべく、転落リプレイが入賞することを回避するために、演出制御基板510のCPU1118により、例えば画像表示体500又は/及びスピーカ512を用いた押し順ナビの演出が実行される。すなわち、内部抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のうちいずれかであるときに、転落リプレイが入賞しないように、適正な押し順でのリール停止ボタン211a〜211cの操作を促す演出、又は、適正なタイミングでのリール停止ボタン211a〜211cの操作を促すが実行される。押し順ナビにしたがったリール停止ボタン211a〜211cの操作が実行されることによって、継続ゲーム数の間、転落リプレイの入賞を回避してチャンスRTを継続させることが可能となる。
そして、継続ゲーム数が消化されると、押し順ナビの演出が実行されなくなる。その後、「昇格リプ+転落リプ」の条件装置が作動した場合には、遊技者の勘によって適正な押し順または押し順の一部が不適正な押し順でリール停止ボタン211a,211b,211cを操作することにより、チャンスRTから一般状態への転落(移行)を回避できる。しかしながら、勘が外れて全部の押し順が不適正な押し順でリール停止ボタン211a,211b,211cを操作してしまった場合に、遊技状態がチャンスRTから一般状態に転落する。
また、チャンスRT中は、遊技者に向けてその遊技状態がチャンスRT中であることを認識(識別)できる態様にて実行させる。具体的には、チャンスRT中であることの表示(画像表示体500等による)や、効果音(スピーカ512等による)により識別可能なものとする。
なお、スロットマシン1には複数の設定値(設定値1から6までの6段階)を設けている(それぞれ図示はしない)。そして、それぞれの設定値では内部抽選確率に格差(段階的な差、極端な差など)がつけられている。この設定値は、設定値1<設定値2<設定値3<設定値4<設定値5<設定値6、というように設定値が高くなるほどボーナス当選役やチャンスRT(ART)への移行確率が優遇されるようにするとよい。例えば、設定値1に比べると設定値4ではBB1の当選確率が高く決められているのでBB1に当選する可能性が高いといったようなことである。このように段階的な設定値を設けることにより、設定値ごとに特徴を持たせて遊技者が設定値の推測する際の手掛かりとしたり、ホール等の経営に合わせた設定値にてスロットマシン1の運用をしたり、といったことが可能となる。なお、上記のような設定値に限られることはない。
[リール停止処理]
始動処理が終了すると、一定速度で回転を続けているリールを停止させるための操作(停止操作、つまりリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)待ちの状態となる。図58では、一例として「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示している。以下では、リール停止制御の処理の流れを説明する。
リール停止処理では、まずステップS201で、当該ゲームでの内部抽選の結果に対応して作動した条件装置にしたがってリール停止制御テーブルを選択する。このリール停止制御テーブルは予め全ての条件装置に1対1で対応するパターンが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとしてメイン基板409のROM1112に格納されている。
上記のステップS201にて成立している条件装置に基づいてリール停止制御テーブルが選択された状態になると、各リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217)。これらの待ち受け状態で、左リール301a、中リール301b、右リール301cの各リールがすでに停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグがONとなっていない状態(F=0、つまりOFFの状態)であるか否かを判定するとともに、合わせてリール停止ボタン211a,211b,211cのいずれかが押下されたかについても判定する。全てのリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまでは、ステップS209の判定が満たされず、ステップS202以降の処理を繰り返す。
ここで、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の受け付けられた順番(停止操作手順)を、それぞれ「順押し」、「はさみ押し」、「逆押し」、「逆はさみ押し」、「中押し」と呼ばれる停止操作手順(または押し順ともいう)に分ける。
上記の「順押し」の停止操作手順とは、左リール301aを第1番目に停止させ、続いて中リール301bを第2番目に停止させ、最後に右リール301cを第3番目に停止させる操作手順をいう。また、「はさみ押し」の停止操作手順とは、左リール301aを第1番目に停止させ、続いて右リール301cを第2番目に停止させ、最後に中リール301bを第3番目に停止させる操作手順をいう。なお、「順押し」と「はさみ押し」とをまとめて「順押し」と表す場合もある。
上記の「逆押し」の停止操作手順とは、「順押し」と反対に右リール301cを第1番目に停止させ、続いて中リール301bを第2番目に停止させ、最後に左リール301aを第3番目に停止させる操作手順をいう。また、「逆はさみ押し」の停止操作手順とは、右リール301cを第1番目に停止させ、続いて左リール301aを第2番目に停止させ、最後に中リール301bを第3番目に停止させる操作手順をいう。なお、「逆押し」と「逆はさみ押し」とをまとめて「逆押し」と表す場合もある。
上記の「中押し」の停止操作手順とは、中リール301bを第1番目に停止させる操作手順(つまり、中リール停止ボタン211bを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 中リール→左リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 中リール→右リール→左リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「中押し」と呼ぶ。
ステップS202では、左リール301aが停止状態となったことを示すフラグ(左リール停止フラグLF)がOFF(LF=0)であり、なおかつ、左リール停止ボタン211aの押下操作が受け付けられたかを判定する。ステップS201で、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の待ち受け状態から「順押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に左リール停止ボタン211aが押下されたとすると、ステップS202の判定が満たされ、ステップS203に移る。
ステップS203では、第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。ここでいう「第1リール」とは第1番目に停止操作が受け付けられる、あるいは第1番目に停止するリールのことをいう。この例(「順押し」)では、左リール301aの停止操作が第1番目に受け付けられるので、第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)となっている。従って、ステップS203の判定は満たされ、次のステップS204に移る。
次のステップS204では、左リール301aについて第1リール停止処理が行われる。この第1リール停止処理では、作動している条件装置に対応するリール停止制御テーブルに基づいて内部抽選フラグに対応する当選役図柄の停止位置の制御を実行する。
ステップS206では、残りの中リール301b、右リール301cのリール停止制御テーブルを決定する。前述のとおり、スロットマシン1の有効ラインは右上がりラインと右下がりラインとの2ラインのみであるため、この時点で残りのリール(中リール301b、右リール301c)の停止制御テーブルは1つに決定することができる。つまり、第1停止リール(この場合は左リール301a)の図柄表示窓401内の図柄(これを停止目と呼ぶ、以下同様)のうち特に上段位置または下段位置の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、その該当図柄を基準とした有効ライン上に残りのリール(中リール301b、右リール301c)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。
ステップS207では、第1リール停止フラグをON(F=1)として、次のステップS208に移る。
次いでステップS208では、左リール停止フラグLFをON(LF=1)として、ステップS209に移る。
そして、ステップS209では、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となったかを判定する。この例では、まだ左リール停止フラグLFがONとなっただけであり、中リール301b及び右リール301cはまだ回転中であることから、この判定が満たされず、ステップS202に戻り以降の処理を繰り返し実行する。
そして、再びステップS202以降の処理が実行される場合、すでに左リール301aは停止状態となっているのでステップS202の判定は満たされず、ステップS210に移る。
ステップS210では、中リール301bが停止状態となったことを示すフラグ(中リール停止フラグMF)がOFF(MF=0)であり、なおかつ、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられたかを判定する。ここでは「順押し」の停止操作手順に沿うため、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられることとなる。従って、ステップS210の判定が満たされ、次のステップS211に移る。
ステップS211では、上記のステップS203と同様に第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。そして、この時点ではすでに第1リール停止フラグはON(F=1)となっているため、この判定が満たされず、ステップS213に移る。
ステップS213では、中リール停止処理として、作動している条件装置に対応するリール制御テーブル(この場合は上記のステップS206で決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、このとき中リール301bは第2番目に停止するリール(第2リール)となり、ステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216に移り、中リール停止フラグMFをON(MF=1)としてステップS209に移る。
そして、再度ステップS209では、左リール301a及び中リール301bが停止状態となっただけであり、まだ右リール301cは回転中で停止状態(右リール停止フラグRFがOFFとなっている)となっていないので、この判定が満たされず、ステップS202に戻り、再度以降の処理を繰り返し実行する。
さらに、3度目のステップS202以降の処理では、先ずステップS217で右リール停止フラグMFがOFF(MF=0)であり、なおかつ、右リール停止ボタン211cの押下操作が受け付けられたかを判定していくことになるが、以降のステップS218,S220等の処理は、上記のステップS210以降の処理(ステップS211,S213)と同様であるため詳細な説明は省略する。
そして、ステップS223にて、右リール停止フラグRFをON(MF=1)として、ステップS209に移る。
最後にステップS209では、この時点において、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となっていることから、この判定が満たされ、リール停止処理が終了する。
なお、「中押し」の停止操作手順の場合も上記と同様の説明ができるため詳細は省略する。ただし、「逆押し」の停止操作手順の場合は上記の説明と一部異なる点があるため、以下に説明する。
「逆押し」の停止操作手順で、上記の「順押し」あるいは「中押し」の停止操作手順と異なる点は、ステップS221(第1リール停止処理の後に残りのリール停止制御テーブルの決定)についてである。すなわち、「逆押し」の停止操作手順では、右リール301cのみが停止状態となり、なおかつ、右リール301cの停止目のうち、下段位置にいずれかの当選役図柄があった場合、まだ2つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。従って、ステップS221の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
[リール停止制御]
上記のリール停止処理では、成立フラグに対応した当選役図柄(該当当選役図柄)を極力図柄表示窓401内に引き込むリール停止制御を行う(いわゆる、引き込み制御といわれる)。具体的には、遊技者によるリールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓401内に停止させることが可能な範囲(該当当選役図柄を引き込むことが可能な範囲、例えば、図柄4個分)を予め決めておき、その範囲内に該当当選役図柄がある場合、これを図柄表示窓401内に引き込んでリールを停止させる制御を実行する。なお、ここでいう「引き込むことが可能な範囲」とは、リールの停止操作が受け付けられてから当該リールが停止するまでに、リールの回転方向にみて移動が可能な図柄の最大数のことをいう。例えば、引き込み可能な範囲を最大で図柄4個分とすれば、当該リールの停止操作が受け付けられた場合、その位置を基点にしてさらに図柄4個分までリールの回転移動が可能となる。
従って、このようなリール停止制御によれば、リールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓401内に該当当選役図柄がなかったとしても、該当当選役図柄が引き込み可能な範囲内にあれば、その該当当選役図柄を図柄表示窓401内にまで移動させたうえで停止させることが可能となる。また、この引き込み制御を行うことにより、遊技者は該当当選役図柄の目押しのタイミングが多少早かったとしても、引き込み可能範囲内に当該当選役図柄があれば、その当該当選役図柄を図柄表示窓401内に引き込んで停止させることができる。従って、取りこぼし(当該当選役図柄を揃えることができずに当該当選役に対応する遊技特典を獲得できずにその遊技特典が消滅してしまうこと)が生じることを極力抑えることができる。
スロットマシン1では、リプレイ役、ベル1、ベル2、ALL役等に対応する条件装置が作動している場合には、遊技者の目押しを必要とせずに必ず該当当選役図柄を揃えることができる(前述の図46参照)。これは、リプレイ役、ベル1、ベル2、ALL役等のそれぞれに対応する図柄組み合わせを構成する図柄については、対応するそれぞれの当選役図柄が最大で4個分の図柄おきに配置されているからである。
なお、リプレイ図柄についてさらに着目すると、左リール301a上では、リプレイ図柄からリプレイ図柄までのあいだに他の図柄が最大で4個分配置されている(図46参照)。これにより、左リール301aでは、リールのどの位置で停止操作が受け付けられても、リプレイ役に対応する条件装置が作動している限り、必ずリプレイ図柄を有効ライン上のいずれかに引き込んで停止させることができる。
また、内部抽選の結果がボーナス役と小役との重複役である場合は、ボーナス図柄よりも小役を優先的に引き込むものとしている。ボーナス役と小役との重複役に当選した場合、この当選したゲームにおいては小役に対応する図柄組み合わせが表示されたとしても、次ゲーム以降においてボーナス役に対応する図柄組み合わせが表示されるからである。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
[判定処理]
リール停止処理が終了すると、図柄表示窓401内にていずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かについて判定を行う。図59では、この判定処理の内容を具体的に説明する。
リール停止処理により全てのリール301a,301b,301cが停止した状態となると、図柄表示窓401内の停止目の態様から、いずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かを判定する。なお、特に全てのリールが停止状態となった場合の停止目のことは出目と呼ばれることもある。
ステップS301及びS302では、それぞれ、RBゲーム中(RB中)であるか、BBゲーム中(BB中)であるかを判定する。これはRBゲーム中フラグ、BBゲーム中フラグというゲーム状態フラグのON状態(=1)、OFF状態(=0)を判定することである。
RBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS301の判定が満たされ、ステップS380に移る。また、BBゲーム中フラグがON(=1)となっているとステップS302の判定が満たされ、ステップS370に移る。RBゲーム中フラグ及びBBゲーム中フラグのいずれもOFF(=0)となっている場合、ステップS301及びS302の判定がいずれも満たされず、ステップS303に移る。
ステップS303で、RTゲーム終了判定処理(RTEP、詳細は後述する)を実行した後、いずれかの有効ライン上に揃っている当選役図柄に応じて、さらに以下のステップS310,S320,S340,S350のいずれかに移る。
ステップS310では、BB図柄が揃っているか(BBPD)を判定する。いずれかの有効ライン上にBB図柄(「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」または「青7図柄−青7図柄−青7図柄」)が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS312に移る。
次のステップS312では、BBゲーム開始処理を実行する(BBSP)。ここでは、BBゲームとして、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS320では、RB図柄が揃っているか(RBPD)を判定する。いずれかの有効ライン上にRB図柄(「赤7図柄−赤7図柄−青7図柄」または「青7図柄−青7図柄−赤7図柄」)が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS322に移る。
次のステップS322では、RBゲーム開始処理を実行する(RBSP)。ここでは、RBゲームとして、BBゲームに準じたメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS340では、リプレイ図柄が揃っているか(RPPD)を判定する。いずれかの有効ライン上にリプレイ図柄が揃っている場合(「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」)、この判定が満たされ、次のステップS342に移る。
次のステップS342では、リプレイゲーム処理を実行する(RPGP)。このリプレイゲーム処理では、当該ゲームでのベット数と同じベット数(この例ではMAXベット)にて次回のゲームを開始させるために、MAXベットコマンドをRAM1114に一旦記憶させる。このコマンドに基づき、次回のゲームを再遊技として開始させることができる。
そして、ステップS344では、リプレイ当選フラグをOFF(=0)にして(RPHF←0)処理を終了する。
ステップS350では、小役図柄が揃っているか(SFPD)を判定する。いずれかの小役に当選した場合、この判定が満たされ、次のステップS351に移る。
次のステップS351では、RTゲーム開始処理を行う(RTSP)。RTゲーム開始処理では、当選した小役が当選した小役に基づいて実行されるART付与抽選の結果を参照し、ART付与抽選に当選している場合にはRTゲームを開始し、ART付与抽選に当選していない場合にはRTゲームを開始しない処理を行う。
次のステップS352では、いずれかの有効ライン上に小役図柄が揃っている場合に、揃っている小役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(MOP、メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)。これにより、遊技者には当該小役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
そして、ステップS354では、該当する小役当選フラグをOFF(=0)にして(SFHF←0)処理を終了する。
有効ライン上にいずれの当選役図柄も揃っていない場合、上記のステップS310,S320,S340,S350のいずれの判定も満たされず、ステップS360に移る。なお、このときの出目は「ハズレ目(バラバラな図柄の組み合わせ態様)」とも呼ばれる。
ステップS360では、ハズレ処理を実行する(MIP)。このハズレ処理では、この時点でON(=1)状態となっている当選フラグがBB及びRBを除く他の当選フラグの場合、当該当選フラグをOFF(=0)にする。また、いずれの当選フラグもON(=1)となっていない場合(このときはハズレフラグがON(=1)となっている)には、ハズレフラグをOFF(=0)にする。
上記のステップS303からステップS360までの処理は、一般状態、準備RT、準RT、及びチャンスRTの場合に実行する処理となる。次にステップS370以降の処理について説明する。ここでの処理は、BBゲーム(BB1ゲーム、BB2ゲーム)及びRBゲーム(RB1ゲーム、RB2ゲーム)の場合に実行する処理である。
まず、ステップS370では、BBゲーム時払出役図柄が揃っているか(BB中OP)を判定する。ここでいう「BBゲーム時払出役」とは、ALL役及びボーナスゲーム専用役の総称である。そして、いずれかの有効ライン上にBBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS372に移る。
次のステップS372では、揃っているBBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(MOP、メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該BBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS372に次いで、ステップS374では、BBゲーム終了判定処理(BBEP)を実行する(詳細は後述する)。
また、上記のステップS370の判定が満たされない場合、ステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする(CIEF←0)。特にこの例では、取りこぼしが生じないため、当該成立フラグにはハズレフラグが該当する。すなわち、ステップS378では、当該ハズレフラグをOFF(=0)にする。
次にステップS380以降の説明をする。ステップS380では、RBゲーム時払出役図柄が揃っているか(RB中OP)を判定する。なお、この「RBゲーム時払出役」も、前述のBBゲーム時払出役と同様にRBゲーム中に払い出しがある当選役の総称であり、本実施形態では、「BBゲーム時払出役」と同じである。そして、いずれかの有効ライン上にRBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS382に移る。
次のステップS382では、揃っているRBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(MOP、メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該RBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS382に次いで、ステップS384では、RBゲーム終了判定処理(RBEP)を実行する(詳細は後述する)。
また、上記のステップS380の判定が満たされない場合、前述のステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。これは先に説明したため、説明は省略する。
[BBゲーム開始処理]
前述の図59のステップS310の判定が満たされた場合、BBゲーム開始処理を実行する。このBBゲーム開始処理について図60を用いて説明する。
まず、ステップS401では、BB1フラグ、BB2フラグといったBBフラグ(BBF)がON(=1)となっているかを判定する。ステップS401の判定が満たされると、ステップS404に移る。ステップS404では、BBゲーム中フラグ(BBGF)をON(=1)にする。また図示はしないが、このときBBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS406にて、BBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする(BB中ACCC)。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の賭け数3ベット(3枚賭け)にてBBゲームが開始される。
また、ステップS401の判定が満たされない場合、ステップS402に移り、エラー処理(ER処理)を実行する。このような場合となるのは、BBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、BB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[BBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図59のステップS374のBBゲーム終了判定処理について図61を用いて説明する。
まず、ステップS451では、前述の図59のステップS372にてメダルの払い出しがあったことを受けて、BBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する(BB中ACCUP)。
次にステップS452では、累計払出枚数が300枚(BB2の場合は200枚)を超えたかを判定する(AAC>TH)。このステップS452の判定が満たされない場合、ステップS454に移り、BBゲーム中の累計払出枚数を表示する(BB中APCS)。このステップでは、払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい。また、ステップS452の判定が満たされると、ステップS460に移る。
ステップS460では、BBゲーム中フラグ(BBGF)をOFF(=0)にして処理を終了する。
[RBゲーム開始処理]
前述の図59のステップS320の判定が満たされた場合、RBゲーム開始処理を実行する。このRBゲーム開始処理について図62を用いて説明する。
まず、ステップS501では、RB1フラグ、RB2フラグといったRBフラグ(RBF)がON(=1)となっているかを判定する。ステップS501の判定が満たされると、ステップS504に移る。ステップS504では、RBゲーム中フラグ(RBGF)をON(=1)にする。また図示はしないが、このときRBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS506にて、RBゲーム中の累計払出枚数カウント(RB中ACCC)をクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の賭け数3ベット(3枚賭け)にてRBゲームが開始される。このことにより、遊技者は通常ゲームと比べて特別な違和感を覚えることなくゲームを行うことができる。
また、ステップS501の判定が満たされない場合、ステップS502に移り、エラー処理(ER処理)を実行する。このような場合となるのは、RBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、RB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[RBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図59のステップS384のRBゲーム終了判定処理について図63を用いて説明する。
まず、ステップS551では、前述の図59のステップS382にてメダルの払い出しがあったことを受けて、RBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算(RB中ACCUP)する。
次にステップS552では、累計払出枚数(AAC)が20枚を超えたかを判定する。このステップS552の判定が満たされない場合、ステップS554に移り、RBゲーム中の累計払出枚数を表示する(RB中APCS)。このステップでは、払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい。
また、ステップS552の判定が満たされると、ステップS556に移る。
ステップS556では、RBゲーム中フラグ(RBGF)をOFF(=0)にして処理を終了する。
[RTゲーム開始処理]
次に、前述の図59のステップS351のRTゲーム開始処理について説明する。RTゲームは、準備RT、準RT、またはチャンスRTにおいて実行されるゲームであり、一般状態においてART付与抽選に当選した場合に実行される。一般状態においてART付与抽選に当選すると、準備RTに移行する。また、準備RT中または準RT中に昇格リプレイに入賞するとチャンスRTに移行する。さらに、チャンスRT中に、押し順ナビが実行された状態で転落リプレイに入賞すると準RTに移行し、押し順ナビが実行されない状態で転落リプレイに入賞すると一般状態に移行する。
一般状態においてART付与抽選に1回当選すると、1セットのチャンスRTゲームが実行される。また、チャンスRTゲーム中にゲーム数上乗せ抽選が行われると、このゲーム数上乗せ抽選に当選する毎に、別途決定される継続ゲーム数が上乗せされていく。さらに、チャンスRTゲーム中にセット数上乗せ抽選が行われると、このセット数上乗せ抽選に当選する毎に、別途決定されるセット数が上乗せされていく。そして、この上乗せされた継続ゲーム数のチャンスRTゲームが全て消化されるまで、チャンスRTゲームが継続することとなる。以下、RTゲーム開始処理について、図64を用いて詳細に説明する。
まず、ステップS801において、遊技状態が一般状態(GGC)か否かを判定する。遊技状態が一般状態であると判定されると、ステップS802では、ART付与抽選(ARTGL)に当選したかを判定する。ここで、ART付与抽選に当選していないと判定されると、そのまま処理が終了となる。一方、ART付与抽選に当選したと判定されると、ステップS804において準備RTフラグ(SRTF)をON(=1)にする。
また、ステップS801において、一般状態でないと判定されると(ステップS801におけるNO)、遊技状態が準備RTまたは準RTであるか否かが判定される(ステップS810)。遊技状態が準備RTまたは準RTであるかと判定されると(ステップS810におけるYES)、昇格リプ(PRP)に入賞したか否かを判定する(ステップS811)。
ここで、昇格リプに入賞していないと判定されると(ステップS811におけるNO)、そのまま処理が終了となる。また、昇格リプに入賞したと判定されると(ステップS811におけるYES)、チャンスRTフラグ(CRTF)をON(=1)にし(ステップS813)、準備RTフラグ(PRTF)及び準RTフラグ(SRTF)をOFF(=0)にする。その後、チャンスRTの継続ゲーム数(CRTN)を「50回」にセットして(ステップS817)、処理が終了となる。
さらに、ステップS810において、準備RTまたは準RTでないと判定されると(ステップS810におけるNO)、チャンスRTであることとなる(ステップS820)。この場合、ゲーム数上乗せ抽選(GNU)に当選したか否かが判定される(ステップS821)。ゲーム数上乗せ抽選に当選したと判定されると、上乗せするゲーム数(α)を決定して、そのゲーム数をチャンスRTの継続ゲーム回数に加算する(ステップS823)。また、ゲーム数上乗せ抽選の代わりにセット数上乗せ抽選が行われる場合もある。このセット数上乗せ抽選に当選した場合には、チャンスRTゲームのセット数が上乗せされる。その後、処理が終了となる。一方、ステップS821において、ゲーム数上乗せ抽選に当選していないと判定されると(ステップS821におけるNO)、そのまま処理が終了となる。
[RTゲーム終了判定処理]
次にRTゲーム終了判定処理について、図65を用いて詳細に説明する。前述の図59の判定処理において、準備RT、準RT、及びチャンスRT中に、RTゲーム終了判定処理が実行される。
まず、ステップS901では、チャンスRTフラグ(CRTF)がON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされると、次のステップS902では、チャンスRTの継続ゲーム数(ARTN)を「1」だけ減算して、ステップS904に移る。
ステップS904では、転落リプレイに入賞したか否かを判定する。転落リプレイに入賞していない場合、処理は終了となる。一方、転落リプレイに入賞したと判定されると、転落リプレイに入賞したゲームにおいて、適正な押し順が教示(NAVI)されていたか否かが判定される(ステップS906)。適正な押し順が教示されていたと判定されると(ステップS906におけるYES)、いわゆる押し準ミスが発生していることとなるため、準RTフラグ(SRTF)をON(=1)にする。その後、チャンスRTフラグをOFF(=0)にして、処理を終了する(ステップS910)。
また、ステップS906において、適正な押し順が教示されていないと判定されると(ステップS906におけるNO)、チャンスRTの継続ゲーム数が消化しており、押し順ナビが発生していないこととなる。この場合には、一般状態に移行させるため、そのままチャンスRTフラグをOFF(=0)にして、処理を終了す(ステップS910)。
さらに、ステップS901において、チャンスRTフラグがONとなっていないと判定されると、準備RTフラグ(PRTF)または準RTフラグ(SRTF)がON(=1)となっているか否かを判定する(ステップS912)。準備RTフラグまたは準RTフラグがON(=1)となっていと判断されたら、処理を終了する。
準備RTフラグまたは準RTフラグがON(=1)となっていると判定されると、転落リプレイに入賞したか否かを判定する(S914)。ここで、転落リプレイに入賞していると判定されたら、準備RTフラグ及び準RTフラグをOFF(=0)にする。こうして、遊技状態を一般状態に移行させて処理を終了する。さらに、準備RTフラグまたは準RTフラグがON(=1)となっていると判定されると、処理は終了となり、RT状態が維持される。
[演出動作の制御]
以上は、メイン基板409による制御の例であるが、スロットマシン1では、ゲームの進行にあわせて演出制御基板510により各種演出動作の制御を実行する。これはメイン基板409から出力される各種コマンド(情報コマンド、出力信号)に基づいて、演出制御基板510(主にCPU1118等)にて実行するものである。前述の通りメイン基板449から出力された各種コマンドは、一旦、RAM1122に記憶される。そして、当該コマンドに基づき、予め用意された演出態様を選択し、実行するものである。このような演出態様は、演出態様データテーブル(図示しない)としてROM1120内に格納されており、当該コマンドに対応する演出態様が複数用意されている。
例えば、演出態様としては、当該ゲームのみで完結するもの(以下、単発演出態様という)や、複数のゲームにわたって行われるもの(以下、連続演出態様という)などが含まれる。このうち、単発演出態様には、当該当選フラグを示唆する演出(示唆演出、告知演出、詳細は後述)、メダルの払い出しを知らせる演出(払出演出、なお、払い出し枚数までを知らせる態様でもよい)などがある。さらに、単発演出態様には、適正な押し順を教示する押し順ナビがある。押し順ナビでは、適正なタイミングを教示する場合もある。
[示唆演出]
示唆演出は、遊技者に当該当選フラグを直接的に知らせる演出(告知演出)とは異なり、当該当選フラグを間接的に知らせる演出のことをいう、例えば、当該当選フラグに該当する当選役の形、色などを表現した表示等を行うといったことである。また、示唆演出は、当該当選フラグがない場合(つまり、ハズレの場合)にも行われる。この場合には、ハズレであることを気付きにくい内容の演出とする(例えば、いずれの当選役とも取れるような曖昧な内容)。これにより、当該ゲームがハズレであることを遊技者に気付きにくくすることができる。
[告知演出]
告知演出は、例えば、当該当選フラグがBBであった場合、「ボーナス確定!」等、遊技者が当該ゲームでいずれの当選役となったかを明確に知ることのできるものである。この演出は、特にBBやRBなど遊技者にとって喜ばしい当選役(メダルを大量に獲得できるため)について実行させるとより効果的である。すなわち、遊技者がBB等に当選した際に、そのことを祝福する意味合いを持たせることができるからである。
[押し順ナビ]
チャンスRT(ART)中、「AT1」〜「AT10」のいずれかの当選役に当選した場合、押し順ナビの演出を実行する。また、「昇格リプ5+転落リプ5」〜「昇格リプ1+転落リプ1」のいずれかの当選役に重複当選した場合にも、押し順ナビの演出を実行する。「AT1」〜「AT10」のいずれかの当選役に当選した場合に、押し順ナビの演出にしたがってリール停止ボタン211a〜211cを適正な押し順で操作すると、9枚のメダルが払い出される。
「AT1」〜「AT10」のいずれかの当選役に当選した場合の流れについて、例えば、「AT1」の当選役に当選した場合の演出について説明する。「AT1」の当選役に当選した場合、図66(a)に模式的に示すように、画像表示体500に適正な押し順に対応する順番を表示する。具体的に、適正な押し順は「左→中→右」であるので、画像表示体500には、左側には、「1」の数字を表す左装飾文字LLが表示され、中央には、「2」の数字を表す中装飾文字LC、右側には、「3」の文字を表す右装飾文字LRが表示される。
続いて、押し順ナビにしたがって左リール停止ボタン211aが操作されると、図66(b)に示すように、左リール301aが停止し、左装飾文字LLが消去される。さらに、押し順ナビにしたがって中リール停止ボタン211bが操作されると、図67(a)に示すように、中リール301bが停止し、中装飾文字LCが消去される。それから、押し順ナビにしたがって右リール停止ボタン211cが操作されると、図67(b)に示すように、右リール301cが停止し、右下がりライン632a(図47参照)にベル図柄が揃う。このとき、画像表示体500では、右装飾文字LRが消去されるとともに「9枚GET!」の装飾文字が表示される。こうして、ベルの入賞による9枚の払い出しがあることを遊技者に報知する。
一方、押し順ナビの演出では、リール停止ボタン211a〜211cについての適正な押し順を教示しても、遊技者の不注意等によって教示通りにリール停止ボタン211a〜211cが操作されないことがある。例えば、図68(a)に示すよう、画像表示体500に適正な押し順である装飾文字LL,LC,LRを表示した後、図68(b)に示すように、教示された押し順と異なり、中リール停止ボタン211bを操作してしまったとする。この場合には、画像表示体500に「MISS!」の装飾文字に表示する警告を発することで、押し順ミスをしたことを遊技者に報知する。
その後、左右リール停止ボタン211a,211cを操作することによって、図69(a)に示すように、左右リール301a,301cが停止する。このとき、左右リール停止ボタン211a,211cが適正なタイミングで操作された場合には、2枚払出図柄組み合わせ及び4枚払出図柄組み合わせが2本の有効ラインにそれぞれ表示され、画像表示体500に「6枚GET!」の装飾文字が表示される。その一方、左右リール停止ボタン211a,211cが不適正なタイミングで操作された場合には、図69(b)に示すように、「ベルこぼ目」が表示される。
他方、ART中に昇格リプレイと転落リプレイとに重複当選した場合には、押し順ナビの演出にしたがってリール停止ボタン211a,211b,211cを適正な押し順で操作された場合、あるいは一部の押し順が不適正な押し順で操作された場合には、ARTが維持される。その一方、全部の押し順が不適正な押し順で操作されると、ARTから準RTに遊技状態が移行する。
「昇格リプ5+転落リプ5」〜「昇格リプ1+転落リプ1」のいずれかの当選役に当選した場合の流れについて、例えば、「昇格リプ5+転落リプ5」の当選役に重複当選した場合の演出について説明する。「昇格リプ5+転落リプ5」の当選役に当選した場合、図70(a)に模式的に示すように、画像表示体500に適正な押し順に対応する順番を表示する。具体的に、適正な押し順は「左→中→右」であるので、画像表示体500には、左側には、「1」の数字を表す左装飾文字LLが表示され、中央には、「2」の数字を表す中装飾文字LC、右側には、「3」の文字を表す右装飾文字LRが表示される。
続いて、押し順ナビにしたがって左リール停止ボタン211aが操作されると、図70(b)に示すように、左リール301aが停止し、左装飾文字LLが消去される。さらに、押し順ナビにしたがって中リール停止ボタン211bが操作されると、図71(a)に示すように、中リール301bが停止し、中装飾文字LCが消去される。それから、押し順ナビにしたがって右リール停止ボタン211cが操作されると、図71(b)に示すように、右リール301cが停止し、右上がりライン632b(図47参照)にリプレイ図柄が揃う。このとき、画像表示体500では、右装飾文字LRが消去され、ARTがそのまま継続する。
一方、押し順ナビの演出では、リール停止ボタン211a〜211cについての適正な押し順を教示しても、遊技者の不注意等によって教示通りにリール停止ボタン211a〜211cが操作されないことがある。例えば、図72(a)に示すよう、画像表示体500に適正な押し順である装飾文字LL,LC,LRを表示した後、図72(b)に示すように、教示された押し順と異なり、中リール停止ボタン211bを操作してしまったとする。この場合には、画像表示体500に「MISS!」の装飾文字に表示する警告を発することで、押し順ミスをしたことを遊技者に報知する。この時点で、リール停止ボタン211a〜211cが適正な押し順で操作されることはなくなり、一部の押し順が不適正な押し順または全部の押し順が不適正な押し順で操作されることとなる。
その後、一部の押し順が不適正な押し順で左右リール停止ボタン211a,211cが操作されると、図73(a)に示すように、左右リール301a,301cが停止し、昇格リプレイが表示されて、遊技状態はARTのまま維持される。このとき、画像表示体500に「KEEP!」の装飾文字が表示される。一方、全部の押し順が不適正な押し順で左右リール停止ボタン211a,211cが操作されると、図73(b)に示すように、左右リール301a,301cが停止し、転落リプレイが表示されて、遊技状態は準RTに移行(転落)する。このとき、画像表示体500に「FALL!」の装飾文字が表示される。
[連続演出]
他方、連続演出態様としては、一般状態、準備RT、準RT、チャンスRT中、ボーナス中等の遊技状態に対応したものがある。これらは、遊技状態がどのようになっているかを明確にするものであり、遊技者はこれらの演出(連続演出)が行われることにより、現在の遊技状態が、例えば準備RT中であるのかチャンスRT中であるのか、といった区別を付けることが容易となる。
そして、ART中は、開始から終了まで、その旨を遊技者が認識できるよう連続演出を実行させる。例えば、ARTゲームの回数をカウントする表示や、規定回数に近づくにつれて危機感迫る効果音を発生させることなどである。このようにすると、遊技者はARTゲームの残り回数がどれほどあるのか確認しながらゲームを進めていくことができる。
以上の演出態様は、画像表示体500による画像の表示や、スピーカ512等による効果音の発生、LED装飾等による発光や点灯等、として実行させることができる。このような演出態様は、遊技者が長い時間ゲームを続けている場合など、退屈な印象を与えづらくすることができるものである。なお、演出態様は、画像表示体500、スピーカ512、LED装飾等で実行されることに限られるものではない。例えば、画像表示体500に代えて、ELディスプレイ(Electroluminescence Display)や、ドットLEDを用いてもよい。さらに、キャラクタを模した人形や、可動可能な模型等や、サイドリール(例えば、各リールとは別の位置に配され、演出の一環として遊技者の操作に因らずにその始動と停止を実行するもの)や、あるいは、ランプなどの照明(例えば、回転灯に代表される回転可能なライト等)を設けて各種演出を実行させるものとしてもよい。このような方法をとれば、液晶表示等を用いずとも遊技者を十分に楽しませることが可能である。
[ART付与抽選]
さらに、メイン基板409においては、遊技状態を一般状態から準備RTを経てチャンスRTに移行させるためのART付与抽選を実行している。以下、ART付与抽選について説明する。ART付与抽選は、遊技状態が一般状態にあるときに実行され、一般状態中における高低状態及び当選役(当選小役)、あるいは高低状態及び後に説明する変換後出目等に基づいて実行される。高低状態としては、高確率状態と低確率状態とが設けられており、高確率状態の方が低確率状態よりも総じてチャンスRTに移行する確率が高くされている。
[高低状態]
遊技状態が一般状態であるときには、高低状態として高確率状態と低確率状態との間で移行している。また、高確率状態にあるときには、低確率状態への移行抽選を実行しており、低確率状態にあるときには、高確率状態への移行抽選を実行している。これらの高確率状態への移行及び低確率状態への移行抽選は、当選役に基づいて実行される。
図74は、高低状態の移行確率を示す図であり、高低状態移行テーブルとして予めメイン基板409におけるROM1112等に格納されているものである。高低状態移行テーブルとしては、図74(a)に示す低確率滞在時状態移行抽選テーブルと、図74(b)に示す高確率滞在時状態移行抽選テーブルとが設けられている。
図74(a)に示す低確率滞在時状態移行テーブルが、遊技状態が一般状態の低確率状態に滞在しているときに参照されるテーブルであり、設定1〜設定6に対してそれぞれ高確率状態への移行確率が決められている。具体的に、設定1の場合、当選役が「はずれ」「リプレイ」のときには1/1024の確率で高確率状態に移行し、当選役が「ベル(ベル1、ベル2)」のときには5/1024の確率で高確率状態に移行する。また、当選役が「弱チェリー(チェリー2)」のときには200/1024の確率で高確率状態に移行し、当選役が「スイカ」のときには10/1024の確率で高確率状態に移行し、当選役が「強チェリー(チェリー1)」のときには20/1024の確率で高確率状態に移行する。また、設定2〜設定6の場合には、それぞれ図74(a)に示す確率で高確率状態に移行する。
一方、図74(b)に示す高確率滞在時状態移行テーブルが、遊技状態が一般状態の高確率状態に滞在しているときに参照されるテーブルであり、設定1〜設定6で共通の高確率状態への移行確率が決められている。具体的に、当選役が「はずれ」のときには50/1024の確率で低確率状態に移行し、当選役が「リプレイ」のときには10/1024の確率で高確率状態に移行する。また、当選役がその他の役であるときには、高確率状態が維持される。
[チャンスRTへの移行抽選]
さらに、メイン基板409では、現在の滞在している高低状態及び当選役に基づいて、チャンスRTへの移行抽選を実行する。図75は、チャンスRTへの移行確率を示す図であり、チャンスRT移行テーブルとして予めメイン基板409におけるROM1112等に格納されているものである。チャンスRT移行テーブルとしては、図75(a)に示す低確率滞在時チャンスRT移行抽選テーブルと、図75(b)に示す高確率滞在時チャンスRT移行抽選テーブルとが設けられている。
図75(a)に示す低確率滞在時チャンスRT移行テーブルが、遊技状態が一般状態の低確率状態に滞在しているときに参照されるテーブルであり、設定1〜設定6に対してそれぞれチャンスRT(準備RT)への移行確率が決められている。具体的に、設定1の場合、当選役が「はずれ」「リプレイ」「ベル(ベル1、ベル2)」のときには1/1024の確率でチャンスRTに移行し、当選役が「弱チェリー(チェリー2)」のときには15/1024の確率でチャンスRTに移行する。また、当選役が「スイカ」のときには50/1024の確率でチャンスRTに移行し、当選役が「強チェリー(チェリー1)」のときには100/1024の確率でチャンスRTに移行する。また、設定2〜設定6の場合には、それぞれ図75(a)に示す確率でチャンスRTに移行する。
一方、図75(b)に示す高確率滞在時チャンスRT移行テーブルが、遊技状態が一般状態の高確率状態に滞在しているときに参照されるテーブルであり、設定1〜設定6に対してそれぞれチャンスRT(準備RT)への移行確率が決められている。具体的に、設定1の場合、当選役が「はずれ」「リプレイ」のときには1/1024の確率でチャンスRTに移行し、当選役が「ベル(ベル1、ベル2)」のときには2/1024の確率でチャンスRTに移行する。また、当選役が「弱チェリー(チェリー2)」のときには30/1024の確率でチャンスRTに移行し、当選役が「スイカ」のときには100/1024の確率でチャンスRTに移行する。さらに、当選役が「強チェリー(チェリー1)」のときには200/1024の確率でチャンスRTに移行する。
このように、チャンスRTに移行しやすい図柄組み合わせを移行しにくい側から順に並べると、「ハズレ」「リプレイ」「ベル」「弱チェリー」「スイカ」「強チェリー」の順となる。したがって、「ハズレ」からみて「リプレイ」「ベル」「弱チェリー」「スイカ」「強チェリー」はいずれもチャンスRTに移行しやすい図柄組み合わせであり、遊技者にとって有利な図柄組み合わせとなる。これらの遊技者にとって有利な図柄な図柄組み合わせは、メイン基板409において決定される。
また、これらの小役を内部抽選による当選確率の順に並べると「ハズレ」「リプレイ」「ベル」「弱チェリー」「スイカ」「強チェリー」の順となる。したがって、内部抽選の当選確率が低いほど、チャンスRTに移行しやすい小役となっている。
[出目変換制御処理]
次に、出目変換制御処理について説明する。出目変換制御処理は、メイン基板409によって実行され、後に説明する出目変換周期の天井ゲーム数に到達したときに実行される。出目変換制御では、図柄表示手段に表示された図柄組み合わせを所定の図柄組み合わせに変換する制御を実行可能とされている。メイン基板409は、図柄変換制御手段に相当する。フリーズ制御が実行されると、スロットマシン1における1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206、スタートレバー210、リール停止ボタン211a,211b,211cなどのすべての操作子の受付が無効化される。
フリーズ制御が実行されている間、メイン基板409は、リール301a〜301cを適宜回転させて、現在表示されている出目を所定の出目に変換する制御を実行する。出目変換制御では、リール301a〜301cを回転させて、出目変換制御実行するゲームの前ゲームにおける出目(以下「前ゲーム出目」という)から、出目変換制御によって変換された後に表示される出目(所定の図柄組み合わせ、以下「変換後出目」という)に変換して表示する。変換後出目は、設定値、チャンスRTまたはボーナスゲームが終了してから計測した状態の消化ゲーム数、高低状態、所定のゲーム(前ゲームを含む)で実行された抽選結果等に基づいて決定される。変換後出目の決定手順については、後に説明する。このような出目変換制御を実行することにより、出目の表示回数を、各ゲームで実行される抽選回数よりも多くすることができる。その結果、各ゲームで実行される抽選確率よりも高い割合で出目を表示させることができる。
出目変換制御はフリーズ制御が実行されている間に完了し、フリーズタイマが0となってフリーズ制御が終了した後には、リール301a〜301cが回転を開始する。その後は、フリーズ制御が実行されない場合と同様、リール301a〜301cの回転速度が等速となった後にリール停止ボタン211a,211b,211cが有効となる。
出目変換制御が実行される場合のリール301a,301b,301cの具体的な動きについて図を参照して簡単に説明する。例えば、前ゲーム出目が「ベル」であり、変換後出目が「スイカ」であるとする。この場合、図76(a)に示すように、例えば前ゲーム出目として右下がり有効ライン623aに「ベル1図柄−ベル1図柄−ベル1図柄」が表示されて前ゲームが終了する。
続いて、次ゲームを開始させるため、遊技者が始動レバー210を操作し、メイン基板409が始動レバー210の操作を検知すると、フリーズ制御が実行されて、スロットマシン1における1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206、スタートレバー210、リール停止ボタン211a,211b,211cなどのすべての操作子の受付が無効化される。これらの操作子の受付が無効化されたまま、図76(b)に示すように、リール301a,301b,301cが回転を開始する。このときの回転速度は、ゲームが実行されているときにおけるリールの回転速度よりも低い速度とされている。また、リール301a,301b,301cが回転を開始すると、画像表示体500には「CHANGE!」の装飾文字が表示され、出目変換が実行されていることを遊技者に教示している。
続いて、図77(a)に示すように、左リール301aが停止し、左リール301aの上から順に「スイカ図柄・ベル1図柄・リプレイ図柄」の図柄が停止表示される。このとき、中リール301b及び右リール301cは回転を継続している。このとき、画像表示体500に「COMP?」の装飾文字が表示され、出目変換制御により、レア小役などが表示される期待感を遊技者に抱かせている。
続いて、図77(b)に示すように、中リール301b及び右リール301cが順次停止し、中リール301bの上から順に「リプレイ図柄・スイカ図柄・青7図柄」の図柄が停止表示され、右リール301cの上から順に「リプレイ図柄・ベル1図柄・スイカ図柄」の図柄が停止表示される。こうして、右下がりライン623a上に当選役がスイカである場合に対応する図柄組み合わせである「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」の図柄組み合わせが表示される。また、画像表示体500に「スイカGET!」の装飾文字が表示される。こうして、スイカに出目変換したことを遊技者に報知している。
右下がりライン623a上に「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」の図柄組み合わせが表示されたまま、フリーズ制御が継続し、フリーズタイマがタイムアップしたら、リール301a,301b,301cが回転を開始する。このときのリール301a,301b,301cの回転速度は、ゲームが実行されているときにおけるリールの回転速度とされる。このように出目変換制御が実行される。
上記の基本的な構成を有するスロットマシン1のほかの技術思想に係る遊技機について、以下に参考として示す。
[参考技術思想1]
当選役に関する抽選を行うことで複数の可動体を回転させ、回転中である該複数の可動体を停止させて当該抽選の結果を表示する遊技機であって、
通常遊技状態、および当該通常遊技状態よりも有利な複数の有利遊技状態を少なくとも含む遊技状態がある中で、複数の移行条件が満たされたときに、遊技状態を当該複数の有利遊技状態のうちの所定有利遊技状態に移行させ得る遊技状態制御手段と、
前記複数の移行条件の一部である所定の移行条件が満たされている中でゲームの進行がなされているときに、前記複数の移行条件を満たすことが可能とされながらも、前記所定有利遊技状態と類似する類似遊技状態への移行も可能とすることで、前記有利遊技状態へ移行させる頻度を向上させ得る有利遊技状態制御向上手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
上記参考技術思想に係る遊技機は、通常遊技状態(一般状態)、及び当該通常遊技状態よりも有利な複数の有利遊技状態(擬似ボーナス、ボーナス中)を少なくとも含む遊技状態がある中で、複数の移行条件(ボーナス役の当選、ボーナス図柄組み合わせの表示)が満たされたときに、遊技状態を当該複数の有利遊技状態のうちの所定有利遊技状態(ボーナス中)に移行させ得る遊技状態制御手段(メイン基板409、演出制御基板510)を備えている。また、前記複数の移行条件の一部である所定の移行条件(所定の当選役の当選)が満たされている中でゲームの進行がなされているときに、前記複数の移行条件(ボーナス役の当選、ボーナス図柄組み合わせの表示)を満たすことが可能とされながらも、複数の移行条件の一部または全部が成立されているか否かに拘わらず、前記所定有利遊技状態と類似する類似遊技状態(擬似ボーナス)への移行も可能とすることで、前記有利遊技状態へ移行させる頻度を向上させ得る有利遊技状態制御向上手段(メイン基板409、演出制御基板510)と、を備えている。
上記の参考技術思想に係る遊技機において、遊技状態制御手段(メイン基板409、演出制御基板510)は、複数の移行条件(所定の当選役の当選、所定の図柄組み合わせの表示)が満たされたときに、所定有利遊技状態(ボーナス中)に移行させ得る。所定有利遊技状態に移行させ得るためには、複数の移行条件(所定の当選役の当選、所定の図柄組み合わせの表示)が満たされることが条件となり、所定有利遊技状態への移行機会が少なくなってしまうことが考えられる。
この点、上記の参考技術思想に係る遊技機において、有利遊技状態制御向上手段は、所定有利遊技状態と類似する類似遊技状態(擬似ボーナス)への移行も可能とすることで、有利遊技状態へ移行させる頻度を向上させ得る。このため、所定有利遊技状態に移行しない場合でも、所定有利遊技状態に類似する類似遊技状態に移行する可能性があるので、有利遊技状態への移行機会を多くすることができる。したがって、有利遊技状態の遊技機会を多くすることができるので、有利遊技状態を遊技する機会が少なくなることによる興趣の低下を抑制することができる。さらには、下記の参考技術思想としてあらわすことができる。
[参考技術思想2]
当選役に関する抽選を行うことで複数の可動体を回転させ、回転中である該複数の可動体を停止させて当該抽選の結果を表示する遊技機であって、
通常遊技状態、および当該通常遊技状態よりも有利な複数の有利遊技状態を少なくとも含む遊技状態がある中で、移行条件としての移行可能条件及び移行実行条件が満たされたときに、遊技状態を当該複数の有利遊技状態のうちの所定有利遊技状態に移行させ得る遊技状態制御手段と、
前記移行可能条件が満たされている中でゲームの進行がなされているときに、前記移行実行条件を満たすことが可能とされながらも、前記所定有利遊技状態と類似する類似有利遊技状態への移行も可能とすることで、前記有利遊技状態へ移行させる頻度を向上させ得る有利遊技状態制御向上手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
この参考技術思想に係る遊技機において、遊技状態制御手段は、移行条件としての移行可能条件(ボーナス役の当選)及び移行実行条件(ボーナス図柄組み合わせの表示)が満たされたときに、遊技状態を当該複数の有利遊技状態のうちの所定有利遊技状態(ボーナス中)に移行させ得る。このように、移行条件を移行可能条件と移行実行条件とすることにより、有利遊技状態に移行させるまでの過程の興趣を向上させることができる。
[参考技術思想3]
当選役に関する抽選を行うことで複数の可動体を回転させ、回転中である該複数の可動体を停止させて当該抽選の結果に基づいた図柄組合せを表示する遊技機であって、
通常遊技状態、及び当該通常遊技状態よりも有利な複数の有利遊技状態を少なくとも含むいずれかの遊技状態に制御する遊技状態制御手段と、
前記抽選の結果として所定の結果が選び出されて、当該所定の結果に基づいた特別図柄組合せを表示させることで、遊技状態を前記複数の有利遊技状態のうちの所定有利遊技状態に移行させる有利遊技状態移行制御手段と、
前記抽選の結果として所定の結果が選び出されている中でゲームの進行がなされているときに、前記特別図柄組合せが表示可能とされながらも、前記所定有利遊技状態と類似する類似有利遊技状態への移行も可能とすることで、前記有利遊技状態へ移行させる頻度を向上させ得る有利遊技状態制御向上手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
上記参考技術思想に係る遊技機において、有利遊技状態移行制御手段は、前記抽選の結果として所定の結果が選び出されて、当該所定の結果に基づいた特別図柄組合せを表示させることで、遊技状態を前記複数の有利遊技状態のうちの所定有利遊技状態に移行させる。このため、有利遊技状態への移行を遊技者に対して明確に知らせることができる。以下、上記の遊技機に係るスロットマシンについて、さらに説明する。
[遊技状態]
上記の参考技術思想に係るスロットマシン3は、遊技状態として、一般状態、ART、第一ボーナス内部中、第二ボーナス内部中、及びボーナス中が用意されている。これらの遊技状態は、メイン基板409によって制御されている。メイン基板409は、遊技状態制御手段に相当する。また、後に説明する擬似ボーナスは、メイン基板409及び演出制御基板510によって制御される。なお、擬似ボーナス中、メイン基板409では、ARTと同等の制御を実行する。演出制御基板510も遊技状態制御手段に相当する。
スロットマシン3では、一般状態またはボーナス内部中においてボーナスに入賞した場合にボーナス中に移行し、ボーナス中が終了した後、一般状態に移行する。なお、遊技状態が一般状態であるときにボーナス役に当選した場合には、第一ボーナス内部中に移行し、ARTであるときにボーナス役に当選した場合には、第二ボーナス内部中に移行する。
メイン基板409は、ボーナス役に当選した後にゲームの進行がなされているときに、ボーナス図柄組み合わせを表示させてボーナス中に移行させることが可能としている。その一方で、メイン基板409及び演出制御基板510は、ボーナス役の当選の有無に拘わらず、ボーナス中に類似する擬似ボーナスに移行可能とし、有利遊技状態へ移行させる頻度を向上させている。メイン基板409及び演出制御基板510は、有利遊技状態制御向上手段に相当する。
また、一般状態の際、ART付与抽選に当選した場合にARTに移行する。ARTでは、移行時にARTの継続ゲーム数が決定され、転落リプレイに入賞した場合に一般状態に移行する。さらに、ARTの際にゲーム数上乗せ抽選に当選した場合には、ARTの継続ゲーム数が上乗せされる。
[賭け数]
上記の参考技術思想に係るスロットマシン3は、遊技を開始する際の賭け数を遊技者が選択可能とされており、この点で上記のスロットマシン1とは異なっている。スロットマシン3では、メダルの賭け数を3枚と1枚のいずれかから遊技者が任意に選択可能とされている。
メダルの賭け数が3枚である場合と、1枚である場合とでは、内部抽選を実行する際の抽選確率が異なっている。メダルの賭け数を3枚として行う3枚賭けゲームでは、図78に示す当選役抽選テーブルを用いた内部抽選が実行され、メダルの賭け数を1枚として行う1枚賭けゲームでは、図79に示す当選役抽選テーブルを用いた内部抽選が実行される。3枚賭けゲーム及び1枚掛けゲームのいずれにおいても、一般状態及びボーナス内部中の遊技状態では、メダルの投入枚数に対する払い出し枚数の期待値は負となり、ゲームを進行するにつれて、遊技者から見ると、メダル払出の期待値が負となり、メダルが減少する状態となる。
各遊技状態中における各当選役についての当選確率は、図78,79に示すように、、遊技状態毎に決められている。このうち、「RB」と記載されている条件装置については、「RB+チャンス目」、「RB+スイカ2」、「RB+スイカ1」、「RB+チェリー3」、「RB+チェリー2」、「RB+チェリー1」、「RB+ベル」があるが、これらをまとめて「RB」と記載している。同様に、「BB」については「BB+チャンス目」、「BB+スイカ2」、「BB+スイカ1」、「BB+チェリー3」、「BB+チェリー2」、「RB+チェリー1」、「BB+ベル」をまとめて「BB」と記載している。
また、このスロットマシン3では、チェリーに関する当選役として、「チェリー3」「チェリー2」「チェリー1」の3つの当選役が設けられている。「チェリー3」は、「弱チェリー」に相当し、「チェリー3」に当選した場合には、有効ライン623a,623bのいずれかに「チェリー」−「ANY」−「ANY」の図柄組み合わせが表示可能となる。なお、ここでの「ANY」−「ANY」は、「チェリー」−「チェリー」以外の図柄から構成される。
また、「チェリー2」は、「強チェリー」に相当し、「チェリー2」に当選した場合には、有効ライン623a,623bのいずれかに「チェリー」−「チェリー」−「チェリー」の図柄組み合わせが表示可能となる。さらに「チェリー1」は、「中段チェリー」に相当し、「チェリー1」に当選した場合には、左リール301aの中段に「チェリー」が配置される図柄組み合わせが表示可能となる。
そして、抽選の結果として何らかの役に当選すると、当選役に応じた条件装置が作動し、作動した条件装置に基づいた図柄組み合わせが有効ライン上に表示されるように、リール停止処理が行われる。この点は、上記のスロットマシン1と同様の構成とされている。
スロットマシン3には、図81に示すように、MAX投入ボタン206及び1枚投入ボタン205が設けられている。貯留されているメダル(クレジット)が1枚以上あるときに1枚投入ボタン205を1回押下操作することにより、賭け数が1枚とされる。また、貯留されているメダルが3枚以上あるときに、MAX投入ボタン206を1回押下操作することにより、賭け数が3枚とされる。こうして賭け数が決定された後に始動レバー210が操作されることによって、ゲームが開始される。
[ボーナスゲーム及び擬似ボーナス]
スロットマシン3では、有利遊技状態として、本ボーナス(BBゲーム)と擬似ボーナスとが用意されている。遊技を進行させる過程において、メイン基板409で実行される内部抽選によってボーナス役に当選し、図81に示すように、ボーナス図柄組み合わせが表示されることによって、本ボーナス(BBゲーム)に移行する。この点は、上記スロットマシン1と同様である。
擬似ボーナスは、演出制御基板510で実行される擬似ボーナス抽選に当選することによって実行される。擬似ボーナス抽選は、遊技状態が一般状態またはARTにあるときに、演出制御基板510において、メイン基板409から出力された内部抽選の結果情報を用いて実行される。演出制御基板510は、メイン基板409から出力される情報コマンドに基づいて、現在の遊技状態を判断する。擬似ボーナス抽選では、一般状態よりもARTの方が擬似ボーナス抽選に当選し易くされている。擬似ボーナスの当選割合は、図80に示す擬似ボーナス抽選テーブルに示されている。
例えば、一般状態のときにベルに当選すると、メイン基板409は、遊技状態及び内部抽選の結果を情報コマンドとして演出制御基板510に出力する。演出制御基板510では、出力された情報を用いて擬似ボーナス抽選を実行する。出力された情報コマンドでは、遊技状態が一般状態で抽選結果の情報コマンドがベルコマンドである。この場合、当選確率が0.01%の条件の下で擬似ボーナス抽選を実行する。
ここで、例えば内部抽選の抽選結果の情報コマンドがベルコマンドの場合、遊技状態が一般状態でもARTでも同一の確率で擬似ボーナス抽選が実行される。また、内部抽選の抽選結果の情報コマンドがチェリー2コマンドの場合、遊技状態がARTの方が一般状態よりも高い当選確率で擬似ボーナス抽選が実行される。こうして、総じて一般状態よりもARTの方が擬似ボーナスへの移行確率が高くされている。また、内部抽選を実行した後に図柄変換が実行された場合には、図柄変換が実行された後に表示される出目を抽選結果に置き換えて、表示された出目を用いて擬似ボーナス抽選を実行する。図柄変換制御については、後に説明する。
擬似ボーナスに移行するためには、図82に示すように、左リール301aの上段、中リール301bの中段、右リール301cの上段を結んだライン(以下「擬似有効ライン」という)に「青7」−「青7」−「青7」の図柄組み合わせ(以下、「擬似ボーナス図柄組み合わせ」という)が停止表示される。
擬似ボーナス抽選に当選したときに特殊リプレイに当選すると、画像表示体500に特殊リプレイを揃えるための押し順ナビが表示される。特殊リプレイは、常に通常リプレイと重複して成立しており、押し順ナビによる押し順でリール停止ボタン211a,211b,211cが操作された場合に、特殊リプレイに入賞し、その他の押し順でリール停止ボタン211a,211b,211cが操作された場合に通常リプレイが入賞する。そして、特殊リプレイの1つの図柄組み合わせが擬似ボーナス図柄組み合わせとなる。
擬似有効ラインに擬似ボーナス図柄組み合わせが停止表示されると、擬似ボーナスが実行される。擬似ボーナスには、擬似有効ラインに「青7」−「青7」−「青7」の図柄組み合わせが停止表示されるほか、特殊リプレイの入賞となる所定の図柄組み合わせが有効ライン623a,623bに停止表示されることによって移行する。
擬似ボーナス中、メイン基板409では、ART同様の当選確率で内部抽選を実行している。一方、演出制御基板510では、内部抽選の結果を示す情報コマンドがメイン基板409から出力されたとき、出力された情報コマンドが「AT10」から「AT1」のいずれかである場合には、適正な押し順を教示する押し順ナビを実行する。なお、スロットマシン3では、本ボーナス中においても適正な押し順を教示する押し順ナビを実行する。
本ボーナス及び擬似ボーナスは、いずれも最大払出枚数によって管理されている。具体的に、払出枚数が所定の枚数、例えば306枚を超えた場合に、本ボーナス及び擬似ボーナスが終了する。本ボーナス及び擬似ボーナスが終了すると、原則として、本ボーナス及び擬似ボーナスに移行する前の遊技状態に復帰する。なお、本ボーナスのうちのRBは、払出枚数が112枚を超えた場合に終了する。
また、一般状態から移行した本ボーナス中には、ART移行抽選を実行しており、当該ART移行抽選に当選した場合には、本ボーナスが終了した後、一般状態に復帰することなく、ARTに移行する。ARTから移行したボーナス中は、ART移行抽選に代えて上乗せ抽選が実行される。上乗せ抽選の際には、当選時における上乗せゲーム数を抽選によって決定している。ここで、上乗せ抽選に当選した場合には、当選したゲーム数をARTゲームに上乗せする。
[図柄変換制御]
メイン基板409では、内部抽選を実行する際、内部抽選と同時に図柄変換抽選を行っている。図柄変換抽選に当選すると、図柄変換が実行される。図柄変換抽選は、内部抽選の結果が「はずれ役」「ベル役」「AT10」〜「AT1」の場合に実行される。図柄変換抽選に当選すると、図柄変換制御が実行される。図柄変換制御は、内部抽選の結果が図柄表示窓401に表示された後、上記の出目変換制御と同様のフリーズ制御が実行され、フリーズ制御が実行されている間、メイン基板409においてリール301a,301b,301cを適宜回転させ、表示されている図柄を変換する。また、図柄変換制御では、フリーズ時間を抽選によって決定し、決定したフリーズ時間に基づいて図柄の変換回数を決定する。
次に、スロットマシン3における遊技の進行手順について説明する。図83(a)に示すように、始動レバー210が操作されると、リール301a,301b,301cが回転を開始する。このとき、メイン基板409では、内部抽選が実行されて当選役が決定されている。また、画像表示体500には、キャラクタが表示されて、所定の演出が実行されている。
続いて、リール停止ボタン211a,211b,211cが操作されることにより、リール301a,301b,301cがそれぞれ停止し、図柄組み合わせが表示される。すると、表示された図柄組み合わせに応じた特典が付与される。ここでの特典としては、メダルの払出や遊技状態の移行などがある。
また、例えば当選役として「チェリー2」が当選している場合、図83(b)に示すように、「チェリー図柄」を引き込み可能な範囲でリール停止ボタン211a,211b,211cを操作することにより、右上がり有効ライン623bに「チェリー」−「チェリー」−「チェリー」の図柄組み合わせ(以下「強チェリー図柄組み合わせ」という)が表示される。「チェリー2」に当選しているときには、ボーナス役に重複して当選している可能性もある。このため、強チェリー図柄組み合わせが表示されることで、遊技者に付与するボーナスゲームへの期待を高めることができる。
強チェリー図柄組み合わせが表示されることで、ボーナスゲームへの移行の期待が高まるとともに、画像表示体500には、「CHANCE!」の装飾文字を表示するとともに、チャンスを想定させるキャラクタの動きを表示して、ボーナスゲームへの期待をさらに高めている。
それから、ボーナス役に重複して当選していない場合には、図83(a)に示すように、キャラクタによる所定の演出が実行される。その一方で、ボーナス役に重複当選していた場合には、図84(a)に示すように、画像表示体500に「BONUS確定!」の装飾文字を表示して、ボーナス役に当選したことを遊技者に報知する。
ボーナス確定の報知を行った後は、図84(b)に示すように、画像表示体500に「1枚掛けだ!」の文字を表示するとともに、「奥の1BETボタンを押せ1」との装飾文字を表示し、メダルの賭け数を1枚として行う1枚掛けによるゲームの開始を促す。このとき、1枚投入ボタン205を押下操作することでメダルの賭け数を1枚とすることができる。したがって、図84(b)に示すように、画像表示体500では、1枚投入ボタンの操作を促している。ただし、1枚投入ボタンの押下操作でメダルの賭け数を1枚とするためには、貯留されているメダルの枚数が1枚以上あることが必要であるので、貯留されているメダルが無い場合には、1枚のメダルを投入して遊技を開始する操作を促すこともできる。
ボーナス役に当選した後は、ボーナスフラグが成立し、ボーナス図柄組み合わせが表示されるまでボーナスフラグが成立した状態となる。ボーナスフラグが成立してボーナス図柄組み合わせが可能となる状態は、ボーナス図柄組み合わせが表示されるまで継続する。ボーナスフラグが成立した状態でゲームを継続している場合、内部抽選で「リプレイ役」「ベル役」「チェリー役」「スイカ役」等に当選した場合には、これらの当選役に対応する図柄組み合わせが優先的に表示可能される。また、内部抽選で「ボーナス役」「はずれ役」に当選した場合に、ボーナス図柄組み合わせを表示可能とされる。
ここで、3枚掛けゲーム及び1枚掛けのいずれにおいても、遊技者から見てメダルが減少する状態が続くが、3枚掛けゲームの方が1枚掛けゲームよりも減少度合いが低くなる。さらには、ボーナス役の当選率やARTへの移行割合を加味すると、ボーナスフラグが成立してないときには、3枚掛けゲームの方が1枚掛けゲームよりもメダル払出の期待値が大きくなる。このため、遊技者から見ると、3枚掛けゲームの方が、1枚掛けゲームを行うよりも獲得できるメダルの数は大きくなる可能性が高くなる。
その一方、ボーナスフラグが成立した後は、メダルの減少を抑えるためには、ボーナス図柄組み合わせを表示させてボーナスゲームに移行させた方がメダルの減少を防ぐことができる。ボーナスフラグが成立した後は、ボーナス図柄組み合わせは、3枚掛けゲームであっても1枚掛けゲームであっても表示させることができるので、消費する枚数(賭ける枚数)が少ない1枚掛けの方が遊技者からみたメダルの減少が少なくなる。
そこで、遊技者に1枚掛けゲームを促すために、図84(b)に示すように、図柄表示体500に1枚賭けゲームを促す演出を表示する。こうして、繰り返し実行されるゲーム中における遊技者の損失を少なくすることができる。その結果、遊技機の稼働の低下を抑制することができる。
その後、1枚投入ボタン205が1回押下操作され、またはメダル投入口203に1枚のメダルが投入されてメダルが1枚掛けによるゲームを開始した後は、図85(a)に示すように、「いいぞ、その調子だ!次に青7を狙うんだ!」の装飾文字を表示する。こうして、画像表示体500の表示通りの遊技操作である1枚掛けによる遊技の開始操作が実行されたことに対して遊技者に高揚感を与えることができる。
それから、所定のタイミングでリール停止ボタン211a,211b,211cが操作されることで、図85(b)に示すように、リール301a,301b,301cにおける右下がりライン623aに「青7」−「青7」−「青7」の図柄組み合わせが表示される。そして、その後にボーナスゲームに移行する。
ボーナスゲームは、3枚掛けでのみ実行可能とされており、図78に示す当選役抽選テーブルを参照して当選役が抽選される。また、ボーナスゲームを実行する過程において、当選役としてAT10〜AT1のいずれかであった場合には、演出制御基板510によって、適切な押し順をナビする押し順ナビを画像表示体500や所定のランプによって実行する。
[擬似ボーナス]
また、「強チェリー2」に当選すると、ボーナス役と重複して当選する場合のほか、擬似ボーナス移行抽選が行われる。この擬似ボーナス抽選に当選すると、チャンスリプレイに入賞することを条件として擬似ボーナスに移行する。このため、図83(b)に示すように、右上がりライン623aに強チェリー図柄組み合わせが表示されると、擬似ボーナスに移行する可能性がある。このときの流れについて説明する。
図83(b)に示すように、右上がりライン623aに強チェリー図柄組み合わせが表示され、ボーナス役に当選していない場合には、図86(a)に示すように、画像表示体500には、「残念!」の装飾文字が表示される。この状態から、次ゲームを開始するために始動レバー205を操作すると、図86(b)に示すように、リール301a,301b,301cが回転を開始するとともに、画像表示体500に「復活!」の装飾文字が表示される。
続いて、図87(a)に示すように、画像表示体500には、「青7を狙って!」という装飾文字が表示される。続いて、リール停止ボタン211a,211b,211cを青7が引き込み可能な範囲で操作することにより、図87(b)に示すように、擬似有効ラインに擬似ボーナス図柄組み合わせが停止表示される。
擬似ボーナスが実行される際、遊技状態はARTに移行する。また、擬似ボーナスを実行する過程において、当選役としてAT10〜AT1のいずれかであった場合には、演出制御基板510によって、適切な押し順をナビする押し順ナビを画像表示体500や所定のランプによって実行する。
擬似ボーナスが実行される際の遊技状態は、ARTとされている。図78に示すように、ARTの各当選役の当選確率とボーナス中の各当選役とを比較すると、「BB」「RB」「はずれ」以外の当選確率は共通とされている。「BB」「RB」に当選した場合のメダルの払出は0枚であるので、擬似ボーナスとボーナス中とでは、払い出されるメダルの期待値は共通である。このように、擬似ボーナスは、BBに当選することによって移行するボーナス中と酷似するほどに類似している。
ボーナスには、当選役としてBBに当選することによって移行するが、当選役としてBBに当選しない場合には、ボーナスに移行することがない。いま、BBに当選するか否かは、図78または図79に示す当選役抽選テーブルを参照して実行される内部抽選によって行われるので、ボーナス中への移行機会が少なくなることがある。
この点、スロットマシン3では、ボーンス中以外に、ボーナス中と類似する擬似ボーナスに移行可能としている。このため、ボーナス中に移行しない場合でも、ボーナス中に類似する擬似ボーナスに移行する可能性があるので、ボーナスなどの有利遊技状態への移行機会を多くすることができる。したがって、有利遊技状態を遊技する機会が少なくなることによる興趣の低下を抑制することができる。
また、ここでは一般状態中にボーナス役に当選した場合の例について説明しているが、ART中にボーナス役に当選することもある。ボーナス役に当選した状態でARTゲームを進行すると、既にボーナスゲームへ移行可能となっていることから、実質的にボーナス役の抽選を受けていない状態の第二ボーナス内部中のままARTゲームを消化してしまい、遊技者にとって不利な状態となる。したがって、ARTゲームをART中にボーナス役に当選した場合にも、画像表示体500に1枚賭けゲームを促す演出を表示することより、早期にボーナスゲームに移行させることができる。
なお、このように、ART中にボーナス役に当選した場合に、早期に1枚賭けゲームを促して早期にボーナスゲームに移行させるのではなく、ARTゲームが終了するまで1枚掛けゲームを促すことなく、ARTゲームが終了したときにボーナスゲームへの移行を告知することもできる。あるいは、ART中に1枚掛けゲームを促して早期にボーナスゲームに移行させる場合と、ARTゲームの最終ゲームでボーナスゲームへの移行を告知する場合とを併用することもできる。また、第二ボーナス内部中は、ARTゲームのゲーム数の減算を中止するようにすることもできる。
さらに、ARTゲーム中には、擬似ボーナスに当選しないようにすることもできるし、擬似ボーナスに当選するようにすることもできる。ART中に擬似ボーナスに当選する場合には、擬似ボーナス中はARTゲームの減算を中止することもできるし、ARTゲームの減算を継続することもできる。擬似ボーナス中にARTゲームの減算を中止する場合には、例えば擬似ボーナス中は、ゲーム数上乗せによる上乗せ確率を擬似ボーナス以外のときよりも高くすることができる。
[図柄変換の進行]
また、スロットマシン3では、図柄変換抽選に当選した場合に、図柄変換制御を実行する。図柄変換制御では、フリーズ時間を抽選によって決定し、決定したフリーズ時間に応じて図柄の変換回数を決定する。フリーズ時間は、4秒、8秒、12秒、15秒の4種類とされている。図柄変換抽選に当選した場合の6549/8192で4秒が決定され、1634/8192で8秒が決定される。また、8/8192で12秒が決定され、1/8192で15秒が決定される。
ここで、図88に示すように、フリーズ時間が4秒の場合には、変換回数は1回であり、図柄表示窓401に「チェリー3」に相当する弱チェリー図柄組み合わせが表示される。また、フリーズ時間が8秒の場合には、変換回数は2回であり、図柄表示窓401に「チェリー2」に相当する強チェリー図柄組み合わせが表示される。さらに、フリーズ時間が12秒の場合には、変換回数は3回であり、図柄表示窓401に「チェリー1」に相当する中段チェリー図柄組み合わせが表示される。そして、フリーズ時間が4秒の場合には、変換回数は4回であり、図柄表示窓401に「ボーナス役」に相当するボーナス図柄組み合わせまたはボーナス図柄組み合わせを想起させるボーナス想起図柄組み合わせが表示される。ここでのボーナス想起図柄組み合わせとは、ボーナス図柄組み合わせが「青7」−「青7」−「青7」であるのに対して、ボーナス想起図柄組組み合わせが「赤7」−「赤7」−「赤7」である。
フリーズ時間として4秒が決定されて図柄変換制御が実行される場合、図柄表示窓401には「はずれ役」に対応するはずれ役図柄組み合わせまたは「ベル役」に対応するベル役図柄組み合わせが表示されている。例えば、はずれ役に当選したときに図柄変換抽選に当選していると、図89(a)に示すように、はずれ図柄組み合わせが表示された後、フリーズ制御が実行される。このとき、左リール301aが震えるように上下動し、左リール301aの動き出しを示唆する。また、画像表示体500では、キャラクタが「あれ???」「ゆれてる??」という発言をするような装飾文字を表示することにより、上下動しているリール301aを遊技者に注目させる。
その後、図89(b)に示すように、左リール301aが回転し、左リール301aの下段にチェリー図柄が表示される位置で左リール301aが停止する。こうして、図柄表示窓401に弱チェリー図柄組み合わせが表示される。このとき、画像表示体500では、キャラクタが「あっ!?変わった!?」という発言をするように装飾文字を表示する。こうして、図柄変換が実行されたことを遊技者に知らせている。
また、フリーズ時間として8秒が決定されて図柄変換制御が実行される場合は、例えば、図89(a)に示すように、はずれ図柄組み合わせが表示された後、フリーズ時間として4秒が決定された場合と同様に左リール301aが回転し、図89(b)に示すように下段にチェリー図柄が停止する。この状態から、図90(a)に示すように、中リール301b及び右リール301cが震えるように上下動し、中リール301b及び右リール301cが動き出しそうな動作をする。また、画像表示体500では、キャラクタが「え???まだ??」という発言をするような装飾文字を表示する。
その後、図90(b)に示すように、中リール301b及び右リール301cが回転し、中リール301bの中段及び右リール301cの上段にチェリー図柄が表示される位置で中リール301b及び右リール301cが停止する。こうして、図柄表示窓401に強が表示される。このとき、画像表示体500では、キャラクタが「えーっ!?」「強チェリー!?」という発言をするように装飾文字を表示する。こうして、図柄変換が実行されたことを遊技者に知らせている。
さらに、フリーズ時間として12秒が決定されて図柄変換制御が実行される場合、強チェリー図柄組み合わせが表示された後、リール301a,301b,301cが上下動をした後に回転し、図柄表示窓401には中段チェリー図柄組み合わせが表示される。そして、フリーズ時間として15秒が決定されて図柄変換制御が実行される場合、図91(a)に示すように、リール301a,301b,301cが上下動し、リール301a,301b,301cの動き出しを示唆する。このとき、画像表示体500には、「終わらない・・・」「どこまでいくの・・・」という発言をするように装飾文字を表示する。
それから、図91(b)に示すように、リール301a,301b,301cが回転し、各リール301a,301b,301cの中段に「赤7」−「赤7」−「赤7」のボーナス想起図柄組み合わせが中段のラインに表示される。このとき、画像表示体500では、キャラクタが「うわーいっ!?」「スゴいスゴい!?」という発言をするように装飾文字を表示する。こうして、図柄変換が実行されたことを遊技者に知らせている。
図柄変換が実行された後に表示された図柄組み合わせに基づいて、図80に示す擬似ボーナス抽選テーブルを参照した擬似ボーナス抽選が実行される。このため、3回の図柄変換が実行されて中段チェリー図柄組み合わせが表示された場合には、擬似ボーナス抽選の当選が確定する。また、フリーズ時間が15秒となって4回の図柄変換が実行された場合には、3回の擬似ボーナスが実行される。
このように、上記のスロットマシン3においては、ボーナス役に当選し、ボーナス図柄組み合わせが表示されるという複数の移行条件が満たされたときに、遊技状態が有利遊技状態の一つであるボーナス中に移行する。ところが、ボーナス中に移行させるためには、ボーナス役の当選及びボーナス図柄組み合わせの表示という複数の移行条件を満たすことが条件となり、ボーナス中への移行機会が少なくなることが考えられる。特に、ボーナス役の当選は、出玉率などの関係から低くしなければならないこととなり、さらに移行条件を満たすことが難しくなる。このためさらにボーナス中への移行機会が少なくなる可能性がある。
ところが、スロットマシン3では、ボーナス中と類似する擬似ボーナスへの移行も可能としている。このため、複数の移行条件を満たさず、特に、ボーナス役に当選しなくとも、ボーナス中の類似する擬似ボーナスへの移行することができるため、有利遊技状態への移行機会を多くすることができる。したがって、有利遊技状態の遊技機会を多くすることができるので、有利遊技状態を遊技する機会が少なくなることによる興趣の低下を抑制することができる。
また、図柄変換制御を実行する際、フリーズ時間が長いほど擬似ボーナスへの移行という特典が付与される期待度合いが大きくなる制御が実行されており、期待向上手段となっている。このため、フリーズ時間の経過に伴い、擬似ボーナスへの移行の期待感を段階的に高めることができる。さらに、段階的に移行して擬似的に表示される図柄組み合わせごとに擬似ボーナスへの移行抽選を実行している。このため、擬似ボーナスへの移行という特典付与の機会をさらに増加させることができる。
以上は、本発明のスロットマシン3の一形態であるが、これに限定されることはない。例えば、上記のスロットマシン3では、本ボーナスと擬似ボーナスとの抽選を独立して実行しているが、本ボーナスと擬似ボーナスとの入賞比率を調整して擬似ボーナスまたは本ボーナスの入賞確率を調整するボーナス確率調整手段を設けることもできる。例えば、本ボーナスの当選確率の設計値が一定に定められている場合、本ボーナスの当選確率または入賞確率の実績値が一定の確率しきい値以上となっていない場合に、擬似ボーナスへの移行確率を高めるようにすることができる。具体的には、例えば本ボーナスの当選確率の設計値が1/300のときに、本ボーナスの当選確率または入賞確率の実績値が1/1000以下の場合に、擬似ボーナスへ強制的に移行させたり、擬似ボーナスへの移行確率を高くしたりすることができる。このように、ボーナス(有利遊技状態)への移行確率を調整することにより、ボーナスへの移行が少なくなることを好適に抑制することができる。
このとき、本ボーナスの当選確率の設計値と当選確率の実績値、または入賞確率の実績値との乖離が大きいほど、擬似ボーナスへの移行確率を高めるようにすることもできる。この場合、本ボーナスまたは擬似ボーナスへの移行確率の実績値の和を、本ボーナスまたは擬似ボーナスへの移行確率の設計値の和に近づけることができ、いわばボーナス(有利遊技状態)への移行確率を設計値に収束させることができ、確率収束手段として機能させることができる。
さらには、本ボーナスの入賞確率(移行確率)よりも擬似ボーナスの入賞確率(移行確率)の方が高くなるようにすることができる。一般的に、本ボーナスの場合、ボーナスを実行するという実感を遊技者に大きく与えることができるので、本ボーナスの入賞確率(移行確率)よりも擬似ボーナスの入賞確率(移行確率)の方が高くなるようにすることで、遊技者に与える満足感を大きくすることができる。
本ボーナスの入賞確率(移行確率)を擬似ボーナスの入賞確率(移行確率)よりも高くするためには、擬似ボーナスの入賞確率(移行確率)を調整して、本ボーナスの入賞確率(移行確率)よりも低くすることができる。あるいは、逆に本ボーナスの入賞確率(移行確率)を調整して、擬似ボーナスの入賞確率(移行確率)よりも高くすることができる。
また、上記のスロットマシン3では、掛け数に対して得られる特典が最善となる態様でボーナス図柄組み合わせを表示させるための手順として、1枚掛けを実行する手順を教示している。これに対して、1枚掛けを示唆する教示などを実行することもできる。また、1枚掛けの教示を実行するまでに、数ゲームの間隔をおくようにすることもできる。この場合、ボーナス当選しているか否かの期待感を遊技者にある程度の期間与えることができる。
さらに、1枚掛けを教示した際に1枚掛けで遊技を実行した回数を計数し、教示にしたがった遊技の回数が所定回数以上となった場合、あるいは教示の回数に対する教示の実行の回数の割合が所定の割合以上となった場合に、遊技者に高揚感を与える演出を実行することもできる。このような高揚感を与える演出を実行することで、教示にしたがった演出の実行を遊技者に促すことができる。
あるいは、教示にしたがった遊技の回数または教示の実行の割合に応じた演出を実行することもできる。例えば、1枚掛けの教示があるごとに1枚掛けで遊技を実行する遊技者は、スロットマシン3の遊技を長期間または頻繁にしている遊技者と考えられるので、当該遊技の実行に対する感謝を示す演出を実行することができる。その一方、教示にしたがった1枚掛けでの遊技の実行をあまり行わない遊技者は、少し損している旨を教示する演出を実行することができる。
また、上記のスロットマシン3では、フリーズ制御の出現割合は状況によらずに一定とされているが、フリーズ制御の出現確率を調整することもできる。このとき、フリーズ制御の出現確率として、フリーズ制御の出現実績が多いほど、フリーズ制御の出現確率を低くすることができる。フリーズ制御が多数回実行されると、フリーズ制御による操作受付中止期間が長くなり、遊技の円滑な進行の妨げとなりえる。このとき、フリーズ制御の出現実績が多いほど、フリーズ制御の出現確率を低くすることにより、遊技の円滑な制御を促進することができ、遊技進行円滑手段とすることができる。
さらに、フリーズの出現確率を調整した場合、フリーズ確率がいかなる確率であっても、フリーズ確率が元に戻る確率が同じとなるようにすることができる。例えば、比較的短い10ゲーム間等でフリーズ確率が元に戻るようにすることにより、緊張感を維持したままの遊技を実行させることができる。
上記の基本的な構成を有するスロットマシン1,3に対して、本発明の実施形態に係るスロットマシンについて、その特徴的な構成や動作等を中心として説明する。本発明に係るスロットマシンは、以下の技術思想としてあらわすことができる。
[技術思想1]
当選役に関する抽選を実行することによって複数の可動体を回転させ、回転中の該複数の可動体を停止させて当該抽選の結果を表示する遊技機であって、
所定の条件が満たされるまで継続する特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、
前記特別遊技状態における前記条件の残余数を遊技者に認識させ得る残認手段と、
前記特別遊技状態制御手段によって前記特別遊技状態に制御されているときに遊技進行中断事態が発生した場合、当該遊技進行中断事態の解消に基づいて当該特別遊技状態を再開させる特別遊技状態復帰手段と、
前記特別遊技状態復帰手段によって前記特別遊技状態を再開させたときに前記条件の残余数が比較的少ない場合には、当該残余数が比較的少ないことを容易に認識させうるべく、前記残余数を強調して表示する強表手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
上記の技術思想1に係る遊技機は、所定の条件が満たされるまで継続する特別遊技状態(初期ゲーム数決定ゲーム)に制御する特別遊技状態制御手段(メイン基板409、演出制御基板510)と、特別遊技状態における条件の残余数を遊技者に認識させ得る残認手段(メイン基板409、演出制御基板510、画像表示体500)と、を備える。また、特別遊技状態制御手段によって特別遊技状態に制御されているときに遊技進行中断事態(電断等)が発生した場合、当該遊技進行中断事態の解消に基づいて当該特別遊技状態を再開させる特別遊技状態復帰手段(メイン基板409、演出制御基板510)と、特別遊技状態復帰手段によって特別遊技状態を再開させたときに条件の残余数が比較的少ない場合には、当該残余数が比較的少ないことを容易に認識させうるべく、残余数を強調して表示強表手段(メイン基板409、演出制御基板510、画像表示体500)を備えている。
所定の条件が満たされるまで継続する特別遊技状態が実行されている際には、当該条件の残余数を残認手段によって遊技者に認識させ得る。ここで、特別遊技状態の実行中に遊技進行中断事態が発生すると、残認手段によって条件の残余数を認識することができなくなる。その後、遊技進行中断事態が解消に基づいて特別遊技状態が再開させた場合、当該条件の残余数が少ないと、特別遊技状態が終了しそうであるとの意識を持つことなく不意に特別遊技状態が終了してしまうと感じられることがあり、興趣の低下を招くおそれがあった。
この点、技術思想1に係る遊技機においては、特別遊技状態を再開させたときに条件の残余数が比較的少ない場合には、当該残余数が比較的少ないことを容易に認識させうるべく、強表手段によって残余数を強調して表示することで、特別遊技状態の終了に対する緊張感を提供しうる。このため、特別遊技状態が終了思想であることを容易に認識させ得るので、不意に特別遊技状態が終了してしまうと感じられることを抑止することができ、興趣の低下を抑制することができる。
なお、比較的少ない残余数としては、特別遊技状態の全体量に対して少ない数を意味し、例えば5ゲーム継続される初期ゲーム数決定ゲームの場合には、1ゲームまたは2ゲーム程度が比較的少ない残余数を意味する。また、ART遊技状態のように、数十ゲーム〜数百ゲーム継続する場合には、10ゲーム以下、または5ゲーム以下程度が比較的少ない残余数を意味する。さらに、10ゲーム〜20ゲーム程度継続する上乗せ特化ゾーンでは、3ゲーム以下程度が比較的少ない残余数を意味する。上乗せ特化ゾーンとは、ART遊技状態中にARTゲーム数の上乗せが発生する確率が高くされた遊技状態に制御されるゾーンを意味する。
[技術思想2]
当選役に関する抽選を実行することによって複数の可動体を回転させ、回転中の該複数の可動体を停止させて当該抽選の結果を表示する遊技機であって、
所定の条件が満たされるまで継続する特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、
前記特別遊技状態の制御中に所定の利益付与条件を満たしたときに、所定の利益を付与しうる利益付与手段と、
前記特別遊技状態における前記条件の残余数を遊技者に認識させ得る残認手段と、
前記特別遊技状態制御手段によって前記特別遊技状態に制御されているときに遊技進行中断事態が発生した場合、当該遊技進行中断事態の解消に基づいて当該特別遊技状態を再開させる特別遊技状態復帰手段と、
前記特別遊技状態復帰手段によって前記特別遊技状態を再開させたときに前記条件の残余数が比較的少ない場合には、当該残余数が比較的少ないことを容易に認識させうるべく、前記残余数を強調して表示する強表手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
この技術思想に係る遊技機においては、特別遊技状態の制御中に利益付与条件を満たしたときに、所定の利益を付与しうる。このため、特別遊技状態が継続することで、利益付与手段による利益を受けることができる。したがって、特別遊技状態の継続を遊技者が望むところ、電断等が生じた後、特別遊技状態を再開する際に、残余数が比較的少ないことを容易に認識させうるべく、前記残余数を強調して表示する。このため、不意に特別遊技状態が終了して利益付与手段による利益が受けられなくなってしまうと感じられることを抑止することができ、興趣の低下を抑制することができる。以下、上記の遊技機に係るスロットマシンについて、上記のスロットマシン1,3との相違点を中心として、さらに説明する。
[演出ボタン]
図92に示すように、本実施形態に係るスロットマシン5は、図3に示すスロットマシン1と比較して、演出ボタン800が設けられている点において異なっている。演出ボタン800は、始動レバー210の操作前であって遊技が開始される前や、始動レバー210が操作されることで遊技が開始した後に操作することで、画像表示体500やリール301a,301b,301cなどで実行される演出の結果に影響を及ぼす。演出ボタン800の操作時期や操作に応じた演出等については、後に説明する。
[各リールの図柄、図柄列]
本実施形態に係るスロットマシン5における各リール301a,301b,301cには、図93に示すように、複数種類の図柄が一定間隔に配置されることで構成された図柄列(配列番号0番から20番までで示した合計21個の図柄)が表記されたリール帯(図柄帯)が付されている。図93では、各リール301a,301b,301cに付されたそれぞれのリール帯321a,321b,321cに表記された図柄列を平面的に展開した状態を示す。なお、図柄列中に配置された図柄を識別するために上記配列番号を便宜的に記している。
そして、各リール301a,301b,301cは、各々の図柄列中に配置された図柄のうち、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄表示窓401を介して視認可能となるように配置されている。
また、図柄の種類は、図93に示すように、「赤で塗りつぶされている「7」図柄(第1リール配列番号1番等、以下「7図柄」という)、「BAR図柄」、「チェリーの図柄が施された「チェリー図柄」」、「リプレイ図柄」、「ベル図柄」、「スイカ図柄」、星のマークが記載された図柄(以下では「星図柄」という)がある。
図93において、「7図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号1番・3番の2つ、リール帯321bにおいては配列番号2番の1つ、リール帯321cにおいては配列番号1番・3番の2つが相当する。「BAR図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号15番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号18番の1つ、リール帯321cにおいては配列番号19番の1つが相当する。「チェリー図柄」」は、リール帯321aにおいては配列番号14番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号1番・3番・6番・9番・12番・17番の6つ、リール帯321cにおいては配列番号6番・9番・14番・17番の4つが相当する。「リプレイ図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号2番・6番・11番・16番・19番の5つ、リール帯321bにおいては配列番号0番・5番・8番・11番・16番の5つ、リール帯321cにおいては配列番号4番・7番・10番・15番・20番の5つが相当する。「ベル図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号4番・7番・12番・17番・20番の5つ、リール帯321bにおいては配列番号4番・7番・10番・15番・20番の5つ、リール帯321cにおいては配列番号2番・5番・8番・13番・18番の5つが相当する。「スイカ図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号0番・5番・8番・10番・13番・18番の6つ、リール帯321bにおいては配列番号14番・19番の2つ、リール帯321cにおいては配列番号0番・11番・16番の3つが相当する。「星図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号9番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号13番の1つ、リール帯321cにおいては配列番号12番の1つが相当する。なお、図柄の種類は一例であって、これらの種類に限られるものではない。
[当選役と図柄組み合わせ]
スロットマシン5では、上記のスロットマシン1と比較して、当選役の種類及び当選役の当選確率等が異なっている。以下にその当選役(入賞役)とこれに対応する図柄の組み合わせについて説明する。図94,図95は、スロットマシン5の各入賞役についての当選確率を示す図であり、当たり値判定テーブルとして予めROM1112等に格納されているものである。スロットマシン5では、上記のスロットマシン3と同様、1枚掛けゲームと、3枚掛けゲームとが実行可能である。これらの1枚掛けゲームと、3枚掛けゲームでは当選役の当選確率が異なっている。また、スロットマシン5では、上記のスロットマシン3と同様のボーナスゲーム及び擬似ボーナスゲームが実行可能とされている。
メダルの賭け数が3枚である場合と、1枚である場合とでは、内部抽選を実行する際の抽選確率が異なっている。メダルの賭け数を3枚として行う3枚賭けゲームでは、図94に示す当選役抽選テーブルを用いた内部抽選が実行され、メダルの賭け数を1枚として行う1枚賭けゲームでは、図95に示す当選役抽選テーブルを用いた内部抽選が実行される。3枚賭けゲーム及び1枚掛けゲームのいずれにおいても、一般状態及びボーナス内部中の遊技状態では、メダルの投入枚数に対する払い出し枚数の期待値は負となり、ゲームを進行するにつれて、遊技者から見ると、メダル払出の期待値が負となり、メダルが減少する状態となる。また、3枚掛けゲームの方が、1枚掛けゲームよりもメダルが減少する割合が高くされている。
各遊技状態中における各当選役についての当選確率は、図94,95に示すように、遊技状態毎に決められている。このうち、「RB」と記載されている条件装置については、「RB+チャンス目」、「RB+スイカ2」、「RB+スイカ1」、「RB+チェリー3」、「RB+チェリー2」、「RB+チェリー1」、「RB+ベル」があるが、これらをまとめて「RB」と記載している。同様に、「BB」については「BB+チャンス目」、「BB+スイカ2」、「BB+スイカ1」、「BB+チェリー3」、「BB+チェリー2」、「RB+チェリー1」、「BB+ベル」をまとめて「BB」と記載している。
また、このスロットマシン5では、チェリーに関する当選役として、「チェリー3」「チェリー2」「チェリー1」の3つの当選役が設けられている。「チェリー3」は、「弱チェリー」に相当し、「チェリー3」に当選した場合には、有効ライン623a,623bのいずれかに「チェリー」−「ANY」−「ANY」の図柄組み合わせが表示可能となる。なお、ここでの「ANY」−「ANY」は、「チェリー」−「チェリー」以外の図柄から構成される。
また、「チェリー2」は、「強チェリー」に相当し、「チェリー2」に当選した場合には、有効ライン623a,623bのいずれかに「チェリー」−「チェリー」−「チェリー」の図柄組み合わせが表示可能となる。さらに「チェリー1」は、「中段チェリー」に相当し、「チェリー1」に当選した場合には、左リール301aの中段に「チェリー」が配置される図柄組み合わせが表示可能となる。
「7揃いリプレイ」は、常に「通常リプレイ」と重複して当選する。「7揃いリプレイ」に当選した場合にリール301a,301b,301cの停止順を「右→中→左」とすると、左リール301aの中段、中リール301bの中段、右リール301cの中段を結んだライン(以下「特定ライン」という)に「7」−「7」−「7」の図柄組み合わせが表示可能となる。さらに、「星揃いリプレイ」に当選した場合にリール301a,301b,301cの停止順を「右→中→左」とすると、特定ラインに「星」−「星」−「星」の図柄組み合わせが表示可能となる。さらに、「星揃いミスリプレイ」に当選した場合にリール301a,301b,301cの停止順を「右→中→左」とすると、特定ラインに「スイカ」−「星」−「星」の図柄組み合わせが表示可能となる。
そして、抽選の結果として何らかの役に当選すると、当選役に応じた条件装置が作動し、作動した条件装置に基づいた図柄組み合わせが有効ライン上に表示されるように、リール停止処理が行われる。この点は、上記のスロットマシン1と同様の構成とされている。
[ART移行抽選]
スロットマシン5においては、一般状態及びボーナス中において、所定のART移行条件が成立した場合に、遊技状態をART遊技状態に移行させる。ART遊技状態では、図94に示すように、一般状態と比較して、はずれの当選確率が著しく低く設定されている。また、ART遊技状態では、押し順ナビが実行されるので、「AT10」〜「AT1」のいずれかに当選した場合には、正しい押し順によるベルの入賞が可能となる。このため、ART遊技状態中は、押し順ナビにしたがうことを条件として、メダルの投入枚数に対する払い出し枚数の期待値は正となり、ゲームを進行するにつれて、遊技者から見ると、メダル払出の期待値が正となり、メダルが増加する状態となる。
図96は、ART移行抽選テーブルを示す図である。ART移行抽選テーブルには、一般状態、BB中、RB中からART遊技状態に移行する条件が規定されている。一般状態、BB中、RB中に所定の小役(特別役)が成立すると、図96に示す確率でART移行抽選に当選する。ART移行抽選による当選の後、所定の条件の成立、例えば所定の前兆ゲーム数の消化によってART移行条件が成立し、ART遊技状態に移行する。
一般状態の際、7揃いリプレイに当選した場合には、1%の確率でART遊技状態に移行する。また、ベルに当選した場合の0.01%、チェリー3に当選した場合の0.39%、チェリー2に当選した場合の25%、チェリー1に当選した場合の100%の確率でART遊技状態に移行する。さらに、スイカ2に当選した場合の1.25%、スイカ1に当選した場合の6.75%、チャンス目に当選した場合の12.5%でART遊技状態に移行する。
BB中の場合、7揃いリプレイに当選した場合には、100%の確率でART遊技状態に移行する。また、ベルに当選した場合の0.01%、チェリー3に当選した場合の0.39%、チェリー2に当選した場合の25%、チェリー1に当選した場合の100%の確率でART遊技状態に移行する。さらに、スイカ2に当選した場合の1.25%、スイカ1に当選した場合の6.75%、チャンス目に当選した場合の12.5%でART遊技状態に移行する。
RB中の場合、ベルに当選した場合の.01%、チェリー3に当選した場合の3.9%、チェリー2に当選した場合の50%、チェリー1に当選した場合の100%の確率でART遊技状態に移行する。さらに、スイカ2に当選した場合の12.5%、スイカ1に当選した場合の38.0%、チャンス目に当選した場合の62.5%でART遊技状態に移行する。
一般状態の際にART移行抽選に当選した場合には、図示しない前兆ゲーム数テーブルを用いて前兆ゲーム数決定抽選を行う。ここでは、1ゲーム〜32ゲームの前兆ゲーム数が決定される。前兆ゲーム数が決定されたら、決定された前兆ゲーム数を経た後に一般状態からART遊技状態に移行する。一般状態の場合、ART移行抽選の当選および前兆ゲーム数の消化によってART移行条件が成立する。
BB中の際にART移行抽選に当選した場合には、決められた最大払出枚数の払出が済んでBBゲームが終了した後にART遊技状態に移行する。また、BBゲームが終了した後、一旦一般状態に移行し、その後に所定の条件、例えばベルこぼ目が表示されることを条件としてART遊技状態に移行させるようにすることもできる。BB中の場合、ART移行抽選の当選およびベルこぼ目の表示によってART移行条件が成立する。
RB中にART移行抽選に当選した場合には、30ゲームを消化した後、ART状態に移行する。ここで、メイン基板409は。RBゲームのゲーム数は30ゲームとして規定している。メイン基板409は、RB中の継続許可条件としてのゲーム数を決定し、有利遊技状態継続許可条件決定手段となる。また、RB中からART遊技状態に移行した際には、RB中にART遊技状態への移行が決定したときの未消化分のゲーム数(残りゲーム数)をそのまま、あるいは残りゲーム数をさらに増加させてARTゲームの残りゲーム数に加算する。なお、RB中からART遊技状態に移行する場合、ART遊技状態への移行が決定されたゲームの次のゲームからART遊技状態に移行することもできるし、RBゲームの規定ゲーム数を消化した後にART遊技状態に移行することもできる。
[小役変換制御]
スロットマシン5では、小役変換制御が実行される。小役変換制御は、上記のスロットマシン3において実行されている図柄変換制御と同様の制御によって実行される。また、スロットマシン5では、星揃いリプレイに当選した場合、その後の所定ゲーム数の間、小役確変状態に移行する。小役確変状態とは、一般状態、BB中、RB中、及びART遊技状態のいずれかで実行される状態であり、小役確変状態となっていない状態(小役通常状態)と比較して、図柄変換制御の発生確率が高くなる。星揃いリプレイは、必ず通常リプレイと重複して当選する。そして、リール停止ボタン211a,211b,211cの押し順を「右→中→左」とする逆押しを行ったときに星図柄リプレイに入賞して星図柄リプレイ図柄組み合わせが図柄表示窓401に表示される。また、逆押し以外の押し順でリール301a,301b,301cを操作した場合には、通常リプレイに入賞して通常リプレイに対応する図柄組み合わせが図柄表示窓401に表示される。
図柄変換制御は、図柄変換抽選に当選した場合に実行されるが、小役変換制御における小役確変状態の際にはこの図柄変換抽選の当選確率が高くなる。小役確変制御における小役確変状態は、図97(a)に示す小役確変継続ゲーム数抽選テーブル、図97(b)に示す小役確変時変換倍率抽選テーブル、図97(c)に示す小役確変時変換回数抽選テーブルを用いて決定される。
星揃いリプレイに当選すると、図97(a)に示す小役確変継続ゲーム数抽選テーブルを用いて、小役確変状態の継続ゲーム数を決定する。小役確変状態の継続ゲーム数は、30%の割合で5ゲームと決定される。また、60%の割合で10ゲームと決定され、10%の割合で30ゲームと決定される。
また、星揃いリプレイに当選すると、小役確変状態の継続ゲーム数の決定と同時に、図97(b)に示す小役確変時変換倍率抽選テーブルを用いて小役確変時の倍率を決定する。小役確変状態時における小役変換制御の変換倍率は、50%の割合で2倍に決定され、30%の割合で5倍に決定される。また、18%の割合で10倍に決定され、2%の割合で30倍に決定される。
小役確変時における小役変換制御の実行割合は、図97(b)に示す小役確変時変換倍率抽選テーブルを用いて決定された倍率に応じて決定される。例えば、小役確変状態以外のときにおいて、図柄変換抽選の当選確率が「ベル」「AT10」〜「AT1」が成立した場合の3%であり、変換倍率が2倍に決定されていたとすると、小役変換確変状態では、6%の確率で図柄変換抽選に当選されることとなる。また、変換倍率が30倍に決定されていたとすると、小役変換確変状態では、90%の確率で図柄変換抽選に当選することとなる。
小役確変状態では、図柄変換抽選に当選すると、図97(c)に示す小役確変時変換回数抽選テーブルを参照して、図柄変換の回数を決定する。具体的に、65.5%の割合で1回の図柄変換が実行され、29.0%の割合で図柄変換が実行される。また、4.5%の割合で3回の図柄変換が実行され、1.0%の割合で4回の図柄変換が実行される。
なお、小役確変状態以外のときには、内部抽選の結果が「はずれ」「ベル」「AT10」〜「AT1」の場合に図柄変換制御が実行されるが、小役確変状態のときには、これら以外の抽選結果、例えば「スイカ2」「スイカ1」「チェリー3」「チェリー2」等の際に図柄変換制御を実行するようにもできる。
さらに、スロットマシン5では、星揃いミスリプレイに当選した回数を計数している。そして、星揃いミス揃いリプレイに当選した回数が所定回数、たとえば4回に到達した場合に、小役確変状態に移行させる。こうして小役確変状態に移行した場合、星揃いリプレイに当選して小役確変状態に移行する場合と同様の処理がなされる。なお、星揃いミスリプレイに当選した回数は、小役確変状態に移行した時点で0回にリセットされる。
[ART遊技状態の初期ゲーム数]
スロットマシン5では、演出制御基板510において、ART遊技状態に移行する際、ART遊技状態の初期ゲーム数を決定する。初期ゲーム数は、後に説明するARTゲームの初期ゲーム数決定ゲームによって決定する。初期ゲーム数決定ゲームは、解決手段に記載の特別遊技状態に相当し、メイン基板409および演出制御基板510によって実行される。メイン基板409および演出制御基板510によって、初期ゲーム数決定ゲームが開始され、所定の終了条件が成立した際に有利遊技状態を終了する。メイン基板409および演出制御基板510は、解決手段に記載の特別遊技状態制御手段および特別遊技状態復帰手段に相当する。ART遊技状態の初期ゲーム数は、図98(a)に示す初期ゲーム数決定時継続確率決定テーブル、図98(b)に示す初期ゲーム数決定時押下回数決定テーブル、図98(c)に示す初期ゲーム数決定時単位上乗せゲーム数決定テーブルを用いて決定される。
初期ゲーム数は、単位上乗せゲーム数の上乗せさせる上乗せゲームをループさせることによって行われるARTゲームの初期ゲーム数の決定ゲーム(以下「初期ゲーム数決定ゲーム」という)で決定される。単位上乗せゲーム数の上乗せのループが終了し、初期ゲーム数決定ゲームが終了した時点で決定されるゲーム数がART遊技状態の初期ゲーム数となる。初期ゲーム数決定ゲームでは、1回の上乗せゲームごとに単位上乗せゲーム数を決定するとともに上乗せゲーム継続抽選を実行し、上乗せゲーム継続抽選に当選した場合に、次の上乗せゲームにループさせることができ、落選した場合に初期ゲーム数決定ゲームが終了する。上乗せゲームのループは、図98(a)に示すように、継続回数(ループ数)に応じてその継続確率が決定されている。ARTゲームにおけるARTゲーム数の残存が有利遊技状態の継続条件となり、上乗せゲーム継続抽選によって初期ゲーム数が上乗せされることが、継続条件の緩和となる。また、演出制御基板510は、有利遊技状態継続制御手段となる
具体的に、上乗せゲームの継続回数が3〜5回目の時には継続確率は50%、6〜10回目の時には継続確率は66.6%、11回目以降は、継続確率が90%とされている。なお、上乗せゲームの継続回数が1回目と2回目とは、継続確率が100%とされており、必ず次ループに移行する。このため、初期ゲーム数決定ゲームは、少なくとも3回は継続するようにされている。この場合、初期ゲーム数を決定する際に、1回でループが終了してしまう事態を防止でき、遊技者の失望感を軽減することができる。
ただし、上乗せゲームのループ率を他の態様で決定することもでき、例えばループ率の初期値を上記のように50%に固定せず、抽選によって決定することもできる。ループ率の初期値を一定の数値に限定せずに、抽選等によって決定することで、ループ率に対する期待感、さらには初期ゲーム数に対する期待感を多様化させることができる。
また、ループ率は1回目と2回目を100%とせずに、1回目や2回目で終了してしまう可能性がある態様とすることもできる。あるいは、所定回数の際、例えば10〜14回目のループ率を100%とすることにより、10回目まで継続させればさらに5回以上の継続が補償されるので、10回目まで継続させようとする目標を遊技者に提示することができる。
また、初期ゲーム数の決定を行う際における上乗せゲームでは、上乗せゲーム継続抽選に当選した場合、図92に示す演出ボタン800を所定の押下回数だけ押下したときに上乗せ抽選(初期ゲーム数決定時の上乗せ抽選)に当選することとなり、このときに単位上乗せゲーム数を決定する。上乗せ抽選は、有利抽選となる。
上乗せゲーム継続抽選に当選した場合には、図98(b)に示す初期ゲーム数決定時押下回数決定テーブルを参照して演出ボタン800の押下回数が決定される。ここで決定された押下回数の演出のボタン800の押下操作があった時点で、単位上乗せゲーム数および上乗せゲーム継続抽選の当選の報知がなされる。そして、上乗せゲーム継続抽選に落選した(当選しなかった)場合には、押下ボタン800の押下操作を5回行っても、単位上乗せゲーム数および上乗せゲーム継続抽選の当選の告知がなされず、初期ゲーム数決定ゲームが終了する。
上乗せゲーム継続抽選に当選した場合、具体的に、ループ数が1回目〜5回目では、演出ボタン800の1回目の押下時に上乗せ抽選に当選する確率が1.0%、2回目の押下時に上乗せ抽選に当選する確率が1.0%である。また、3回目の押下時に上乗せ抽選に当選する確率が8.0%、4回目の押下時に上乗せ抽選に当選する確率が10.0%、5回目の押下時に上乗せ抽選に当選する確率が80.0%である。
ループ数が6回目〜10回目では、演出ボタン800の1回目の押下時に上乗せ抽選に当選する確率が10.0%、2回目の押下時に上乗せ抽選に当選する確率が2.0%である。また、3回目の押下時に上乗せ抽選に当選する確率が2.0%、4回目の押下時に上乗せ抽選に当選する確率が38.0%、5回目の押下時に上乗せ抽選に当選する確率が48.0%である。
ループ数が11回目〜20回目では、演出ボタン800の1回目の押下時に上乗せ抽選に当選する確率が10.0%、2回目の押下時に上乗せ抽選に当選する確率が30.0%である。また、3回目の押下時に上乗せ抽選に当選する確率が30.0%、4回目の押下時に上乗せ抽選に当選する確率が28.0%、5回目の押下時に上乗せ抽選に当選する確率が2.0%である。
ループ数が21回目以降は、演出ボタン800の1回目の押下時に上乗せ抽選に当選する確率が60.0%、2回目の押下時に上乗せ抽選に当選する確率が35.0%である。また、3回目及び4回目の押下時に上乗せ抽選に当選する確率は0%、5回目の押下時に上乗せ抽選に当選する確率は5.0%である。なお、上乗せゲーム継続抽選に落選してループが終了する際には、演出ボタン800を5回押下しても上乗せ抽選に当選せず、そのまま初期ゲーム数決定ゲームが終了する告知がなされ、最終的に決定された初期ゲーム数が告知される。
さらに、初期ゲーム数を決定する際における各継続回では、図98(c)に示す初期ゲーム数決定時単位上乗せゲーム数決定テーブルを参照して決定される単位上乗せゲーム数が上乗せされる。単位上乗せゲーム数としては、具体的に、10ゲーム、30ゲーム、50ゲーム、100ゲーム、300ゲームが設定されている。
ループ数が1回目〜5回目では、60.0%の割合で10ゲームが決定され、30.0%の割合で30ゲームが決定される。また、9.0%の割合で50ゲームが決定され、0.99%の割合で100ゲームが決定される。さらに、0.01%の割合で300ゲームが決定される。
ループ数が6回目〜10回目では、40.0%の割合で10ゲームが決定され、45.0%の割合で30ゲームが決定される。また、14.0%の割合で50ゲームが決定され、0.99%の割合で100ゲームが決定される。さらに、0.01%の割合で300ゲームが決定される。
ループ数が11回目〜20回目では、40.0%の割合で10ゲームが決定され、34.0%の割合で30ゲームが決定される。また、25.0%の割合で50ゲームが決定され、0.99%の割合で100ゲームが決定される。さらに、0.01%の割合で300ゲームが決定される。
ループ数が21回目以降は、44.0%の割合で10ゲームが決定され、35.0%の割合で30ゲームが決定される。また、20.0%の割合で50ゲームが決定され、0.9%の割合で100ゲームが決定される。さらに、0.1%の割合で300ゲームが決定される。このように、ループ回数が増えるほど、単位上乗せゲーム数の平均ゲーム数は大きくなる傾向として設けられている。上乗せゲーム継続抽選を行う期間である。この所定期間の終了間際、例えば所定期間の終了まで1から3ゲーム程度となったときが所定期間の終了が切迫した際となる。また、初期ゲーム数決定ゲーム内における上乗せゲーム継続抽選および上乗せ抽選を実行する演出制御基板510は、期待感持続手段となる。
また、初期ゲーム数決定ゲームには、遊技者が関心を示すと想定される関心事として、複数の関心事が含まれている。その一つとして、図98(a)に示す初期ゲーム数決定時継続率決定テーブルを参照して決定される上乗せゲームの継続確率がある。また、他の一つとして、上乗せゲームごとに図98(c)に示す初期ゲーム数決定時単位上乗せゲーム数決定テーブルを参照して決定される単位上乗せゲーム数である。
上乗せゲームの継続確率は、上乗せゲームの継続回数によっておおよそ想像することができる。たとえば、上乗せゲームが10回以上継続していれば、上乗せゲームの継続確率が高確率であると想定できる。一方、単位上乗せゲーム数は、上乗せゲームが実行されるごとに1回の上乗せゲームの最後に行われる告知によって認識することができる。
したがって、初期ゲーム数決定ゲームにおける上乗せゲームが実行された回数が少ない段階では、上乗せゲームの継続確率は想定しにくくされており、上乗せゲームが実行されるごとに徐々に想定しやすくなり、多くの上乗せゲームが実行されることで上乗せゲームの継続確率が高確率であることが容易に想定される。一方の単位上乗せゲーム数は、1回の上乗せゲームが実行されるごとに告知されるので、上乗せゲームが実行された回数にかかわらず、その認識は容易なものとされている。
演出制御基板510では、初期ゲーム数決定ゲームが実行している間、遊技者が関心を示すと想定される複数の抽選を実行している。演出制御基板510は、抽選実行手段となる。
[ART中断制御]
スロットマシン5では、「チェリー3」「チェリー2」「チェリー1」に入賞した場合、ART中断制御実行抽選を行い、ART中断制御実行抽選に当選した場合に、メイン基板409および演出制御基板510において、ART中断制御(ゲーム数減算中断制御)が実行される。メイン基板409および演出制御基板510は、ART遊技状態を実行し得る残りゲーム数を減数し、減数停止条件を満たすことでARTゲームの残りゲーム数の減数を中断する減数手段となる。また、メイン基板409および演出制御基板510は、強チェリー図柄組み合わせ等の図柄組み合わせが所定回数表示されるなどの所定の減数終了条件を満たすことで、残りゲーム数の減数の中断を終了する減数中断終了手段となる。
ART中断制御実行抽選に当選確率は、「チェリー3」に当選した場合の0.39%、「チェリー2」に当選した場合の20%。「チェリー1」に当選した場合の50%とされている。ART中断制御を実行する際には、図99(a)に示すART中断終了チェリー個数決定テーブルを用いて、ART中断が終了するまでに表示されるチェリーの個数を決定する。
具体的に、「チェリー3」「チェリー2」「チェリー1」の当選回数または図柄変換制御によってチェリー図柄組み合わせ(強チェリー図柄組み合わせ、弱チェリー図柄組み合わせ、中段チェリー図柄組み合わせ)やボーナス図柄組み合わせが表示された回数(以下「チェリー表示等回数」という)が1回となったときにART中断制御が終了すると決定される確率は40%とされている。また、チェリー表示等回数が2回となったときにART中断制御が終了すると決定される確率は25%とされている。
さらに、チェリー表示等回数が3回となったときにART中断制御が終了すると決定される確率は20%とされている。また、チェリー表示等回数が5回となったときにART中断制御が終了すると決定される確率は10%とされている。そして、チェリー表示等回数が10回となったときにART中断制御が終了すると決定される確率は5%とされている。
また、ART中断制御が実行されている間、図柄変換制御の実行確率が高くされている。具体的に、図99(b)に示すように、ART中断制御が終了するまでの残りチェリー個数が1個の場合、内部抽選の結果が「はずれ」「ベル」「AT10」〜「AT1」の場合(以下、「通常小役等」という)の10%で図柄変換制御が実行される。
同様に、ART中断制御が終了するまでの残りチェリー個数が2個または3個の場合、内部抽選の結果が「通常小役等」の15%で図柄変換制御が実行される。ART中断制御が終了するまでの残りチェリー個数が4個または5個の場合、内部抽選の結果が「通常小役等」の20%で図柄変換制御が実行される。
ART中断制御が終了するまでの残りチェリー個数が6個〜9個のいずれかの場合、内部抽選の結果が「通常小役等」の30%で図柄変換制御が実行される。ART中断制御が終了するまでの残りチェリー個数が10個の場合、内部抽選の結果が「通常小役等」の50%で図柄変換制御が実行される。
図99(b)に示すように、ART中断制御中は、チェリー図柄組み合わせ等の表示確率を変動させ、ART中断制御が終了するまでの残りチェリー個数が少ないほど、チェリー図柄組み合わせ等の表示確率が少なくなるようにする。こうして、ART中断状態の継続を促進することにより、ART中断制御の継続に対する期待感を維持させうる。メイン基板409および演出制御基板510は、中断状態維持手段となる。
[上乗せ抽選]
ART中に実行される上乗せ抽選は、内部抽選の結果に基づいて実行される。例えば、内部抽選の結果が「チェリー3」「チェリー2」「チェリー1」「スイカ2」「スイカ1」「チャンス目」などのいわゆるレア小役である場合に、上乗せ抽選を実行し、上乗せ抽選に当選した場合に、ARTの残りゲーム数に所定のゲーム数を上乗せする。上乗せ抽選は、上記の態様の他、例えば全ての役の当選時に実行することもできる。また、上乗せするゲーム数は、一定とすることもできるし、当選した役等に応じて決定することもできる。さらに、こられの上乗せするゲーム数は予め決定しておくこともできるし、抽選等によって決定することできる。このときの抽選としては、例えば、役の当選時に1回で実行することもできるし、複数回にわたって実行することもできる。また、これらの上乗せするゲーム数を決定するにあたり、所定の操作、例えば演出ボタン800を押下する操作が実行された際に上乗せゲーム数を決定する抽選を実行することもできる。この場合、複数回にわたってゲーム数を決定する態様では、遊技者が演出ボタン800を複数回押下することとなり、その分遊技者に演出ボタン800の押下操作の楽しみを与えることができる。
[図柄変換制御による利益]
さらに、スロットマシン5では、ART中においては、内部抽選の結果のほか、図柄変換制御が実行されて「チェリー3」「チェリー2」「チェリー1」等の図柄組み合わせが表示された場合にも、上乗せ抽選が実行される。ここで、上乗せ抽選の当選確率としては、内部抽選でこれらの「チェリー3」「チェリー2」「チェリー1」等に当選した場合の上乗せ抽選の当選確率と、図柄変換制御が実行されて「チェリー3」「チェリー2」「チェリー1」等の図柄組み合わせが表示された場合とで、共通とされている。ただし、両者を異なる抽選確率とすることもできる。両者を異なる抽選確率とする場合には、例えば「チェリー3」より「チェリー2」の方が、「チェリー2」よりも「チェリー1」の方が上乗せ抽選の当選確率を高くするなど、その傾向を共通させることができる。
また、一般状態及びボーナス中には、図96に示すART移行抽選テーブルを参照して、所定の小役の成立(当選)に基づいてARTの移行抽選を実行しているが、さらには、図柄変換制御が実行された場合にも、ART移行抽選を実行している。このときのART移行抽選の当選確率は、内部抽選でこれらの「チェリー3」「チェリー2」「チェリー1」等に当選した場合の上乗せ抽選の当選確率と、図柄変換制御が実行されて「チェリー3」「チェリー2」「チェリー1」等の図柄組み合わせが表示された場合とで、共通とされている。ただし、両者を異なる抽選確率とすることもできる。両者を異なる抽選確率とする場合には、例えば「チェリー3」より「チェリー2」の方が、「チェリー2」よりも「チェリー1」の方が上乗せ抽選の当選確率を高くするなど、その傾向を共通させることができる。
[遊技の進行]
本実施形態に係るスロットマシン5では、主に一般状態、ボーナス中、及びART遊技状態を中心としてゲームが進行する。以下に、その流れの概要について説明する。スロットマシン5では、通常は、一般状態から遊技が開始される。なお、他の遊技状態から遊技を開始した場合でも、遊技の流れは同様のものとなる。
[ボーナス中への移行]
一般状態またはART遊技状態の実行中に、ボーナス役に当選すると、ボーナス内部中に移行する。ボーナス内部中は、一般状態およびART遊技状態には表示されることがないボーナス図柄組み合わせが表示可能とされており、図柄表示窓401にボーナス内部中にボーナス図柄組み合わせが表示されると、ボーナス中に移行する。
[ART遊技状態への移行]
一般状態の実行中に、ART移行抽選に当選してART移行条件が成立すると、一般状態からART遊技状態に移行する。このとき、ART移行条件が成立した後、所定の前兆ゲームを経てART遊技状態に移行する。また、ボーナス中にART移行条件が成立すると、ボーナス中が終了してからART遊技状態に移行する。ただし、ボーナス中からART遊技状態に移行する際には、ボーナス中が終了する前に移行してもよいし、ART移行条件の成立後またはボーナス中の終了後、所定の待機ゲーム数を経てからART遊技状態に移行することもできる。
[一般状態への移行]
ボーナス中にART移行条件が成立することなくボーナス中が終了すると、ボーナス中の終了後に一般状態に移行する。さらに、ART遊技状態における所定の継続ゲーム数が終了する(消費する)と、その後一般状態に移行する。一般状態への移行は、ボーナス中またはART遊技状態が終了した直後に行われてもよいし、ボーナス中またはART遊技状態が終了してから所定の条件、例えば図柄表示窓401におけるベルこぼ目の表示があった場合などに行われてもよい。以下、ボーナス中(ボーナスゲーム)及びART(ART遊技状態)についてさらに説明する。
[ボーナスゲーム及びART]
スロットマシン5においては、上記スロットマシン3と同様、本ボーナス及び擬似ボーナスが設けられているが、本ボーナスとしては、BBゲームの他にRBゲームが設けられている。図100に示すように、有効ライン623a(図47参照)にBB図柄組み合わせ(「7」−「7」−「7」の図柄組み合わせ)が表示されることでBBゲームへ移行する。なお、内部抽選でBBに当選することが、有効ライン623aに「7」−「7」−「7」の図柄組み合わせが表示される前提条件となる。
BBゲームに移行する際には、画像表示体500に「Dynamite BIG BONUS!」の装飾文字がキャラクタとともに表示されて、BBゲームへ移行による遊技者の高揚感を扇動させることができる。BBゲームでは、3枚掛けゲームのみが実行可能とされており、BBゲームの終了条件は、メダルの払出枚数が273枚を超えることとされている。
また、図101に示すように、有効ライン623a(図47参照)にRB図柄組み合わせ(「7」−「7」−「バー」)が表示されることでRBゲームに移行する。なお、内部抽選でRBに当選することが、有効ライン623aに「7」−「7」−「バー」の図柄組み合わせが表示される前提条件となる。
RBゲームに移行する際には、画像表示体500に「Dynamite REG BONUS!」の装飾文字が第1キャラクタCDとともに表示される。この場合、BBゲームよりも遊技者に付与する利益が小さくなるものの、RBゲームへ移行による遊技者の高揚感を高めることができる。RBゲームでは、3枚掛けゲームのみが実行可能とされており、RBゲームの終了条件は、BBゲームと異なっており、30ゲームを消化した時点でRBゲームは終了する。
さらに、ART移行条件が成立した場合には、図102に示すように、画像表示体500には、「HERO RUSH」の装飾文字が複数の第1キャラクタCD、第2キャラクタCG、第3キャラクタCE、第4キャラクタCMとともに表示される。ART移行条件は、所定の前兆ゲーム数の消化などを条件とするため、ARTへの移行の際に、例えばハズレ目の図柄組み合わせ等、種々の図柄組み合わせが図柄表示窓401に表示される。ARTゲームは、上記の手順で決定された初期ゲーム数および上乗せゲーム数を消化するまで継続し、これらのゲーム数の消化後、またはBB中やRB中に移行する場合等に終了する。
次に、スロットマシン5における遊技の進行手順について説明する。スロットマシン5では、上記のスロットマシン1,3と同様、図92に示す始動レバー210が操作されると、リール301a,301b,301cが回転を開始する。このとき、メイン基板409では、内部抽選が実行されて当選役が決定されている。また、画像表示体500には、第1キャラクタDが表示されて、所定の演出が実行されている。
続いて、リール停止ボタン211a,211b,211cが操作されることにより、リール301a,301b,301cがそれぞれ停止し、図柄組み合わせが表示される。すると、表示された図柄組み合わせに応じた特典が付与される。ここでの特典としては、メダルの払出や遊技状態の移行などがある。
[ARTゲームの初期ゲーム数決定ゲーム]
ART遊技状態に移行した際には、最初に、初期ゲーム数決定ゲームを行う。初期ゲーム数決定ゲームは、ART移行抽選に当選してART移行条件を満たした後の1ゲームにおいて実行される。具体的には、図102に示す画像が画像表示体500に表示された後に始動レバー210が操作されると、フリーズ制御が実行され、スロットマシン1における1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206、スタートレバー210、リール停止ボタン211a,211b,211cなどの操作子の受付が無効化される。ただし、演出ボタン800の受付は有効状態とされる。フリーズ制御は、初期ゲーム数決定ゲームが終了するまで継続する。
続いて、図103(a)に示すように、画像表示体500に「HERO CHALLENGE !」の装飾文字が表示されるとともに、各キャラクタCD,CG,CE,CMがバンザイする画像が表示される。そして、ARTゲームの初期ゲーム数を決定する初期ゲーム数決定ゲームが開始される。
初期ゲーム数決定ゲームが行われるにあたり、図103(a)に示す画像の表示によって初期ゲーム数決定ゲームが行われることを遊技者に報知してARTゲームの初期ゲーム数に対する遊技者の高揚感を高めている。また、初期ゲーム数決定ゲームは、始動レバー210の操作に基づく内部抽選を実行する前に行われる。このため、初期ゲーム数決定ゲームが終了した後に内部抽選が実行されることとなる。このように、ARTゲームの初期ゲーム数が決定された後に内部抽選が実行されることにより、初期ゲーム数が決定された後にさらにレア小役に当選するなどした場合に、ARTゲームを長くすることができる。したがって、ART遊技状態が短時間で終了してしまう可能性を低くすることができ興趣の低下を抑制することができる。
初期ゲーム数決定ゲームでは、上乗せゲーム継続抽選および単位上乗せゲーム数抽選が実行される。初期ゲーム数決定ゲームにおける上乗せゲーム数継続抽選を行う際の継続確率は、上乗せゲーム継続抽選の当選確率であり、図98(a)に示す初期ゲーム数決定時継続確率決定テーブルを参照して行われる。その継続確率としては、ループ数が1回目の上乗せゲーム(以下n回目の上乗せゲームを「第n上乗せゲーム」という)および第2上乗せゲームでは、100%とされており、初期ゲーム数決定ゲームは、必ず第3上乗せゲームまで行われる。
初期ゲーム数決定ゲームが開始されると、図103(b)に示すように、画像表示装置500に「5回以内に破壊せよ!」の装飾文字を表示するとともに、演出ボタン800を示す演出ボタン表示画像800Aを表示する。この演出ボタン表示画像800Aの表示により、演出ボタン800を押下する操作を遊技者に促している。また、このときには、各キャラクタCD,CG,CE,CMが応援している画像を表示することで、初期ゲーム数決定ゲームによってARTゲームの初期ゲーム数が大きなゲーム数となる期待感を大きくしている。
第1上乗せゲームでは、図98(b)に示す初期ゲーム数決定時押下回数決定テーブルを参照して決定された押下回数だけ演出ボタン800が操作されることで、第1上乗せゲームで上乗せされる単位上乗せゲーム数が表示される。続いて、図104(a)に示すように、上乗せ抽選が実行される最大回数である5回の意味を示す「5」の装飾文字からなる残回数表示画像NPが画像表示体500の左方に表示されるとともに、画像表示体500の右方には、卵を模した卵画像EPが表示される。さらに、画像表示体500の中央に第1キャラクタCD、第2キャラクタCG、第3キャラクタCE、第4キャラクタCMが表示され、卵画像EPを壊そうとする画像が表示される。
続いて、遊技者等が演出ボタン800を押下すると、卵画像EPを第1キャラクタCD、第2キャラクタCG、第3キャラクタCE、第4キャラクタCMが壊している演出が表示される。ここで、上乗せ抽選に当選していないと、残回数表示画像NPの数字が1減算するカウントダウン表示がなされる。また、演出ボタン800の押下操作により、卵画像EPが、ひびが入った画像に変化していく。
そして、上乗せ抽選に当選する場合、例えば、演出ボタン800の3回目の押下時に上乗せ抽選に当選し、単位上乗せゲーム数として10ゲームが決定された場合、図104(b)に示すように、残回数表示画像NPの数字は「2」と表示されているとともに、卵画像EPが破壊された画像が表示される。ここで、卵画像EPとともに「Good!」の装飾文字が表示される。なお、「Good!」の他に「Excellent!」「Perfect!」などの装飾文字を表示することができる。これらの装飾文字が表示された場合には、「Good!」の装飾文字が表示された場合よりも単位上乗せゲーム数が大きなゲーム数となる可能性を高くされている。こうして、装飾文字の態様によって、単位上乗せゲーム数に対する期待感を高めている。
続いて、図105(a)に示すように、画像表示体500には、破壊されて破片が飛び散る卵画像EPとともに、歓喜する第1キャラクタCD、第2キャラクタCG、第3キャラクタCE、第4キャラクタCMが表示される。それから、図105(b)に示すように、画像表示体500の中央に大きく「+10」の単位上乗せゲーム数画像APが表示される。この単位上乗せゲーム数画像APによって、遊技者に単位上乗せゲーム数を認識させることができる。
続いて、図106(a)に示すように、画像表示体500の中央に「NEXT」の文字が表示され、上乗せゲームの継続を遊技者に認識させる。さらに、これまでの上乗せゲームで上乗せされた単位上乗せゲーム数の総数を画像表示体500の左上に表示する。それから、図103(b)に示す画像を表示して、遊技者に演出ボタン800の押下操作を促した後、図106(b)に示す画像が表示され、以後、上乗せ抽選に落選するまで同様の画像表示制御がなされる。このとき、上乗せ抽選に当選した際の演出ボタン800の押下回数及び決定された単位上乗せゲーム数に応じて、図104(b)に示す残回数表示画像NP及び図105(b)に示す単位上乗せゲーム数画像APの表示が変わる。
また、上乗せ抽選に落選する場合について説明すると、図104(a)に示す画像から、図104(b)に示す画像までの表示がなされ、図107(a)に示すように、残回数表示画像NPの数字が「0」となると、上乗せ抽選の落選し、初期ゲーム数決定ゲームの終了を遊技者に認識させる。なお、図107(a)に示す画像を便宜上「初期ゲーム数決定ゲーム終了画像」という。このとき、画像表示体500には、第1キャラクタCD、第2キャラクタCG、第3キャラクタCE、第4キャラクタCMがひっくり返る画像を表示し、上乗せゲームの終了に対する残念感を表している。また、画像表示体500には、上乗せゲームによって上乗せされた単位上乗せゲーム数の総数が表示されている。この例では単位上乗せゲーム数の総数として「+250」の数字が表示されている。
その後、図107(b)に示すように、画像表示体500の中央には、単位上乗せゲーム数の総数である「+250」の装飾文字が大きく表示される。以下、図107(b)に示す画像をART初期ゲーム数表示画像という。この単位上乗せゲーム数は、ART遊技状態の継続ゲーム数の初期ゲーム数となる。こうして、ART初期ゲーム数表示画像によってART遊技状態の初期ゲーム数を画像表示体500の中央に大きく表示することで、遊技者にART遊技状態の初期ゲーム数を容易に認識させることができる。
続いて、フリーズ制御が終了するとともに、図108(a)に示すように、画像表示体500に「HERO RUSH !」の装飾文字が表示され、ART遊技状態が開始することを遊技者に報知する。このときに、第1キャラクタCD、第2キャラクタCG、第3キャラクタCE、および第4キャラクタCMがART遊技状態への移行を祝福する画像が表示されている。こうして、ART遊技状態への移行に対する期待感を遊技者に与えることができる。
その後、フリーズ制御の終了により、初期ゲーム数決定ゲームが終了し、初期ゲーム数決定ゲームが行われた1ゲームにおける内部抽選が実行され、図108(b)に示すように、画像表示体500に「HERO RUSH START」の装飾文字を表示することにより、次のゲームからART遊技状態が開始されることを遊技者に報知する。さらに、「250G」の装飾文字を表示することにより、ART遊技状態の初期ゲーム数が250ゲームであることを遊技者に報知する。
その後、停止ボタン211a,211b,211cが操作されることによって、図109(a)に示すように、内部抽選の結果に応じた図柄組み合わせが図柄表示窓401に表示される。例えば、内部抽選によって強チェリーに当選しており、図柄表示窓401に強チェリーに対応する図柄組み合わせが表示された場合に、ART遊技状態のゲーム数を上乗せすることができる。上乗せしたゲーム数は、後に報知するようにしているが、ここで報知することもできる。また、この例では、内部抽選の結果が表示されるまでの間、画像表示体500には、ART遊技状態の初期ゲーム数が表示された画像が表示されているが、内部抽選の結果等に応じた種々の演出を実行することもできる。
なお、内部抽選は、初期ゲーム数決定ゲームが開始される際の始動レバー210の操作に基づいて実行されるが、内部抽選の結果に基づくゲーム数上乗せの抽選は、停止ボタン211a,211b,211cのうちの最後の停止ボタンの操作に基づいて実行される。ただし、内部抽選についてもフリーズ制御の終了後に実行することもできる。この場合、例えば、内部抽選は、リール301a,301b,301cが回転を開始してからリール停止ボタン211a,211b,211cの操作が有効化されるまでの間に実行することができる。
それから、始動レバー210が操作されてART遊技状態が開始すると、図109(b)に示すように、画像表示体500には、第1キャラクタCD、第2キャラクタCG、第3キャラクタCE、および第4キャラクタCMが種々の動作を行う演出を表示し、ARTゲームの進行を盛り上げて興趣の向上を図っている。また、画像表示体500の右上方には、ART遊技状態の残りゲーム数を示す249Gの装飾文字が小さく表示される。
このように、ARTゲームの初期ゲーム数決定ゲームでは、上乗せ継続抽選において、上乗せゲームを実行し、演出ボタン800を押下させ、演出ボタン800の押下回数が5回以内で上乗せ抽選に当選すると、単位上乗せゲーム数が上乗せされ、次の上乗せゲームに移行する。次の上乗せゲームにおいても、同様にして、演出ボタン800の押下回数が5回以内で上乗せ抽選に当選すると、単位上乗せゲーム数が上乗せされ、次の上乗せゲームに移行する。これらの初期ゲーム数決定ゲームは、メイン基板409および演出制御基板510によって実行される。また、単位上乗せゲーム数および初期ゲーム数の総数は、画像表示体500に表示される。
ここで、上乗せゲーム中に上乗せ抽選に当選する確率は、図98(b)に示すように、上乗せゲームのループ回数に応じて決められている。例えば、上乗せゲームの進行中に演出ボタン800の押下回数が少ない時点で上乗せ抽選に当選していない場合、上乗せゲームが進行するにつれて、上乗せ抽選の機会が徐々に少なくなり、上乗せ抽選に対するあきらめ感が生じてしまい、興趣の低下の原因となりえる。
この点、スロットマシン5では、上乗せゲームのループ数が少ない状態における上乗せゲーム継続抽選を行う期間において、たとえば上乗せゲームのループ数が1〜5回の場合には、演出ボタン800の押下回数が多いほど上乗せ抽選に当選する確率が高くされている。このため、上乗せゲームにおいて、演出ボタンの押下回数が多くなっていっても、上乗せゲームが終了するまでの間には、上乗せ抽選に当選する確率は十分に残されている。特に、1〜5回目のループ数では、80%が5回目の押下によって上乗せ抽選に当選する。したがって、上乗せゲーム継続を行う期間の終了間際においても上乗せ抽選の当選に対する期待感を持続させることができる。したがって、初期ゲーム数決定ゲームにおける単位上乗せゲーム数の上乗せに対する期待感を維持することができる。
なお、スロットマシン5では、上乗せゲームごとに上乗せゲーム継続抽選を実行し、上乗せゲーム継続抽選に当選した場合に上乗せ抽選に当選するようにしているが、上乗せゲーム中における演出ボタン800の押下回数ごとに、上乗せ抽選の当選確率を決めておくこともできる。この場合でも、上乗せゲーム継続抽選を継続する期間、例えば演出ボタン800を5回押下するまでの期間の終了が切迫した際に、演出ボタン800の押下回数が多くなるほど、上乗せ抽選の当選確率が高くなるようにすることが好適である。
他方、初期ゲーム数決定ゲームが実行されている間、上乗せゲームの継続確率および各上乗せゲームでの単位上乗せゲーム数は遊技者にとっての関心事となると想定される。このうち、上乗せゲームの実行回数が少ない段階では、このまま上乗せゲームが続くのか否かがわかりにくく、上乗せゲームの継続確率は遊技者にとって関心度が高い高関心事であると想定される。これに対して、単位上乗せゲーム数については、関心事ではあるものの、結局上乗せゲームが継続すればさらなるゲーム数の上乗せが見込めることから、関心事としての度合いは比較的低い低関心事であると想定される。
その後、初期ゲーム数決定ゲームが進行し、多数回の上乗せゲームが実行されても未だに上乗せゲームが継続している状況となることがある。多数回の上乗せゲームが実行されていると、その履歴から、上乗せゲームの継続確率は高いものとなっていると考えられる。この場合、上乗せゲームが継続したとしても、継続するのは当然であると考えられ、関心度が低くなって低関心事となると想定される。その一方で、今度は、関心度の低かった単位上乗せゲーム数の関心が高まるので、単位上乗せゲーム数が高関心事となると想定される。
また、上乗せゲームが継続するか否かは演出ボタン800を4回目に押下して継続が告知される場合を除いて、最終的には5回目に押下する際に告知されることとなる。一方、単位上乗せゲーム数の告知は、演出ボタン800を所定回数押下した時点で告知される。このため、演出ボタン800を押下する回数が少なく、たとえば押下回数が1回目や2回目となるときには、上乗せゲーム数に対する注目度が高くなり、押下回数が多くなり、特に押下回数が5回目となるときには、上乗せゲーム数の継続に対する注目度が高くなる。
この点、スロットマシン5では、上乗せゲームのループ回数が少ない1〜5回、または6〜10回の段階では、図98(b)に示すように、単位上乗せゲーム数の告知などを行う演出ボタン800の押下回数を多くする割合を高めて、押下回数が多くなったときに対する注目度を高めるようにしている。このため、上乗せゲームが継続するか否かに対する注目を高めうる高注目度告知が実行される。
また、上乗せゲームのループ回数が多くなった11回以降の段階では、単位上乗せゲーム数の告知などを行う演出ボタン800の押下回数を少なくする割合を高めて、押下回数が少ないときに対する注目度を高めるようにしている。このため、単位上乗せゲーム数に対する注目を高めうる高注目度告知が実行される。これらの告知を実行する画像表示手段500は、抽選結果告知手段および注目度向上手段となる。
このように、初期ゲーム数決定ゲームにおける少ないループ回数の上乗せゲームにおいては低想定関心事であった単位上乗せゲーム数について、ループ回数が多くなったときに、演出ボタン800の押下回数が少ない段階での告知を行うことにより、低想定関心事であった単位上乗せゲーム数の抽選結果に対する期待感を高めることができる。その結果、歓喜状態によって満足感が満たされうることによる興趣の低下を抑制することができる。
ART遊技状態の継続ゲーム数を、ART遊技状態を開始させたゲームにおける抽選手段による抽選が実行される前に、遊技者に対して認識可能とさせている。仮に、ART遊技状態を開始させたゲームにおける抽選結果が表示等された後にART遊技状態の継続ゲーム数を認識可能とすると、当該ゲームで決定されるART遊技状態の上乗せゲーム数が当該ゲームの完了によって決められてしまい、ART遊技状態の継続ゲーム数が短いままとなってしまうことが多くなる。
この点、スロットマシン5では、ART遊技状態を開始させたゲームにおける抽選手段による抽選が実行される前に継続ゲーム数を遊技者に対して認識可能とさせることで、抽選手段の抽選結果に対する期待感を維持している。このため、ART遊技状態の継続ゲーム数が遊技者に認識された後においても、当該ゲームにおける抽選手段の抽選結果によっては、ART遊技状態の継続ゲーム数の上乗せがなされる可能性が残されている。こうして、ART遊技状態の継続ゲーム数を認識可能とした後においても、当該継続ゲーム数がさらに延長されうる可能性が残る。よって、その分ATやARTは短時間で終了してしまう可能性を小さくすることができ、興趣の低下を抑制することができる。
なお、ARTの継続ゲーム数としては、ART遊技状態中に継続ゲーム数の上乗せがなかった場合には、ここで遊技者に認識させうるART遊技状態の継続ゲーム数がART遊技状態の継続ゲーム数のすべてとなる。また、ART遊技中に継続ゲーム数の上乗せがあった場合には、ここで遊技者に認識させうるART遊技状態の継続ゲーム数はART遊技状態の継続ゲーム数の一部となる。
また、上記スロットマシン5では、演出ボタン800を押下操作することによって初期ゲーム数決定ゲームが実行されるが、演出ボタン800に代えて、MAX投入ボタン206や他のボタンを用いることができるようにしてもよい。MAX投入ボタン206を用いる場合、例えば前回のゲームでリプレイに入賞した場合でもMAX投入ボタン206が無効化されずに、初期ゲーム数決定ゲームに利用できるようにすることが好適である。
さらに、初期ゲーム数決定ゲームが行われる際には、フリーズ制御が実行されているが、フリーズ制御を実行することなく初期ゲーム数決定ゲームを行うこともできる。また、演出ボタン800を複数回押下操作して初期ゲーム数を決定しているが、演出ボタン800の複数回の押下操作をキャンセルして、一括して初期ゲーム数を決定できるようにすることもできる。
[RB中からART遊技状態への移行]
スロットマシン5では、一般状態またはART遊技状態中に内部抽選によってRBに入賞すると、30ゲームのRBゲームに移行する。この場合、RBに入賞したゲーム以後のゲームにおいて、図110(a)に示すように、「77バーを狙え!」という装飾文字を第1キャラクタCDとともに画像表示体500に表示する。この表示により、遊技者にRB図柄組み合わせを狙わせるようにする。
画像表示体500の表示にしたがって遊技者がリール停止ボタン211a,211b,211cを操作すると、図110(b)に示すように、有効ライン623aにRB図柄組み合わせが表示される。また、画像表示体500には、第1キャラクタCDおよび「Dynamite REG BONUS!」の装飾文字が表示されて、30ゲームのRBゲームに移行する。
RBゲーム中は、図111(a)に示すように、ゲームの進行中、キャラクタによる画像表示がなされている。ここでは、迷子になった第1キャラクタCDを第2キャラクタCG、第3キャラクタCE、および第4キャラクタCMが探しに行く画像が表示されている。これらのキャラクタの表示の他、画像表示体500の左上方には、RBゲームの残りゲーム数が表示されている。この表示によって、RBゲームの残りゲーム数を遊技者に報知している。ここで、
さらに、RBゲームでは、図96に示すART移行抽選テーブルを参照したART移行抽選を行っている。ここで、ART移行抽選に当選すると、図111(b)に示すように、画像表示体500には、第1キャラクタCDが大きく表示され、第1キャラクタCDを探し出した第2キャラクタCG、第3キャラクタCE、および第4キャラクタCMが第1キャラクタCDを囲んで喜んでいる画像が表示される。さらに、画像表示体500には、「Dynamite発見!」の装飾文字が表示される。
続いて、遊技者等によって始動レバー210が操作されることにより、図112(a)に示すように、画像表示体500に「HERO RUSH 確定 !」の装飾文字が表示される。この装飾文字の表示によって、ART遊技状態への移行を遊技者に報知することができる。
また、ART遊技状態に移行する際には、RBゲームの残りゲーム数をARTゲームに持ち越して、ARTゲームの残りゲーム数に加算される。図112(a)に示す例では、RBゲームの残りゲーム数が25ゲームであるときにART移行抽選に当選している。このため、RBゲームの残りゲーム数である25ゲームが持ち越されてARTゲームに加算されるので、画像表示体500に「+25」の装飾文字を表示する。この表示によって、RBゲームの残りゲーム数である25ゲームがARTゲームに加算されることを遊技者に報知することができる。
続いて、RBゲームの規定ゲーム数を消化した後、図112(b)に示すように、リール停止ボタン211a,211b,211cが操作されてリール301a,301b,301cが停止すると、画像表示体500に「HERO RUSH !」の装飾文字が表示され、ART遊技状態が開始することを遊技者に報知する。このときに、第1キャラクタCD、第2キャラクタCG、第3キャラクタCE、および第4キャラクタCMがART遊技状態への移行を祝福する画像が表示されている。こうして、ART遊技状態への移行に対する期待感を遊技者に与えることができる。
また、RB中に残りゲーム数が0となって消尽する前にART移行抽選に当選すると、遊技状態がRB中からART遊技状態に移行する。この場合、RB中の残りゲーム数をARTゲームに持ち越している。このため、RB中からART遊技状態に移行する際にも、RB中の早いうちにART遊技状態に移行した方がART遊技状態の継続回数を多くすることができる。メイン基板409および演出制御基板510は、先行有利遊技状態終了制御手段および条件持越手段となる。
残りゲーム数の持ち越しがない場合、RB中の残りゲーム数があるときにART移行抽選に当選してART遊技状態に移行するとき、RBゲームを完全に消化することができなくなりうる。このため、RBゲームの遊技中、残りゲーム数が十分に残っているときには、ART遊技状態への移行に対する興味が低く、遊技中に緊張感を覚えにくくなることがある。
この点、スロットマシン5においては、RB中からART遊技状態に遊技状態を移行させる際、ART有利遊技状態への移行時にRB中の残りゲーム数をART遊技状態に持越しうる。このため、RB中からART遊技状態に移行することとなる場合でも、RB中における継続許可条件が持ち越される分、RB中における早い時期の移行の方が有利となる。したがって、RBゲームを遊技している間、なるべく早くART遊技状態に移行することを遊技者に期待させることで、RBゲームを遊技中の遊技者に緊張感を維持させうることができ、興趣の低下を抑制することができる。
その後、上記の初期ゲーム数決定ゲームが実行されてART遊技状態の初期ゲーム数が決定される。ここではARTゲームの初期ゲーム数が50ゲームと決定された例を示している。初期ゲーム数決定ゲームによってARTゲームの初期ゲーム数が決定された後、始動レバー210が操作されると、図113(a)に示すように、画像表示体500に「HERO RUSH START!」の装飾文字を表示する。この表示により、ARTゲームが開始することを遊技者に報知することができる。
また、このとき、画像表示体500には、「50G+25G」の表示がなされる。このゲーム数は、初期ゲーム数として決定された50ゲームと、RBゲームから持ち越された25ゲームとを示す数値である。そして、図113(b)に示すように、リール停止ボタン211a,211b,211cが操作されてリール301a,301b,301cが停止した後、画像表示体500に「75G」の装飾文字が表示される。こうして、残りゲームが75ゲームであるARTゲームが開始することを遊技者に報知する。そして、操作レバー210が操作されると、図109に示すように、リール301a,301b,301cが回転を開始して、ART遊技状態が開始する。
また、スロットマシン5においては、通常遊技状態中やART遊技状態中に小役確変ゲームが実行されたり、ART遊技状態中にART中断ゲームなどが実行されたりしえる。なお、小役確変ゲームは、ボーナス中に実行されるようにすることもできる。以下に、これらの小役確変ゲームやART中断ゲームについて説明する。
[小役確変ゲーム]
一般状態、BB中、RB中、及びART遊技状態に、星揃いリプレイに当選すると、小役確変状態に移行し、小役確変ゲームが実行される。例えば、ART遊技状態中に星揃いリプレイに当選すると、図114(a)に示すように、画像表示体500には、「右から《星図柄》を狙え!」という装飾文字が表示される。また、画像表示体500には、同時に左側を向いた矢印の画像が表示され、リール停止ボタン211a,211b,211cの押し順を「右→中→左」とする逆押しを遊技者に促し、表示結果として、リール301a,301b,301cのすべての中段からなるラインに星図柄が表示される星揃いリプレイ図柄組み合わせが表示されることを狙わせる。さらに、画像表示体500には、第2キャラクタCG、第3キャラクタCE、および第4キャラクタCMを表し、星揃いリプレイの表示に対する期待感を高めている。このときの画像表示体500の表示が所定の表示結果を狙わせる操作の指示となる。画像表示体500は、操作指示手段となる。
この画像表示体500の表示にしたがってリール停止ボタン211a,211b,211cを右から順に操作すると、右リール停止ボタン211cおよび中リール停止ボタン211bを操作した時点で、図114(b)に示すように、中リール301bおよび右リール301cの中段にそれぞれ「星図柄」が表示される。続いて、左リール停止ボタン211aを操作して左リール301aの中段に星図柄が表示される。こうして、星揃いリプレイ図柄組み合わせが図柄表示窓401に表示されると、図115(a)に示すように、画像表示体500には、「小役確変ゾーン!」の装飾文字が表示されて、小役確変状態への移行を遊技者に報知する。メイン基板409および演出制御基板510は、画像表示体500の指示にしたがった操作が実行された結果、図柄表示窓401に星揃いリプレイ図柄組み合わせが表示されたときに、遊技者にとって有利となる操作対応特典として小役確変ゲームへの移行を付与している。メイン基板409および演出制御基板510は、操作対応特典付与手段となる。
また、画像表示体の表示にしたがった操作を実行した場合でも、リール301a,301b,301cの操作タイミングによっては、星揃いリプレイ図柄組み合わせ以外の図柄組み合わせである星揃いリプレイ代替図柄組み合わせが表示される。このときに表示される星揃いリプレイ代替図柄組み合わせは、通常リプレイの図柄組み合わせとは異なるリプレイの図柄組み合わせである。星揃いリプレイ図柄組み合わせおよび星揃いリプレイ代替図柄組み合わせ(以下「星揃いリプレイ図柄組み合わせ等」という)は、所定の表示結果となる。
画像表示体500の表示にしたがったものの、リール301a,301b,301cの操作タイミングによって星揃いリプレイ代替図柄組み合わせが図柄表示窓401に表示された場合でも、星揃いリプレイに当選している場合には、画像表示体500には「小役確変ゾーン!」の装飾文字が表示され、小役確変状態への移行を遊技者に報知する。
星揃いリプレイに当選した場合には、図97(a)に示す小役確変継続ゲーム数抽選テーブルを参照して、小役確変ゲームの継続数が決定され、合わせて図97(b)に示す小役確変時変換倍率抽選テーブルを参照して、小役変換倍率を決定する。小役確変ゲームの継続回数および小役変換倍率を決定したら、図115(b)に示すように、「×30」の装飾文字が表示され、小役変換倍率が30倍となっていることを遊技者に報知している。
このとき、第1キャラクタCD、第2キャラクタCG、第3キャラクタCE、および第4キャラクタCMが画像表示体500に表示され、小役確変ゲームに対する期待感を煽っている。スロットマシン5では、スロットマシン5では、小役確変ゲームのゲーム数の表示を行わないようにしている。このため、遊技者に対して、小役確変ゲームがいつまで続くかを分からせないようにしているので、小役確変ゲームの継続に対する期待感を高めることができる。
なお、スロットマシン5では、小役確変ゲームの移行時に小役確変ゲームのゲーム数を小役確変継続ゲーム数抽選テーブルを参照して固定数として決定しているが、小役確変ゲーム中に小役確変ゲームのゲーム数の上乗せ抽選を実行する態様などとすることもできるし、小役変換倍率を各ゲーム毎、あるいは3ゲームなどの単位ゲームごとに随時決定することもできる。
[星揃いミスリプレイ当選回数]
また、星揃いミスリプレイに当選した場合には、図114(a)に示す画像表示体500の表示にしたがって右リール停止ボタン211cおよび中リール停止ボタン211bを操作することで、図114(b)に示すように、中リール301bおよび右リール301cの中段にそれぞれ星図柄が表示される。その後、左リール停止ボタン211aを操作すると、図116(a)に示すように、左リール301aの中段には、星図柄ではなく、スイカ図柄が表示され、星図柄は左リール301aの下段に表示される。こうして、星揃いリプレイ図柄組み合わせ以外の図柄組み合わせの1つである星揃いミスリプレイ図柄組み合わせが図柄表示窓401に表示される。
また、星揃いミスリプレイに当選した場合に画像表示体の表示にしたがった操作を実行した場合でも、リール301a,301b,301cの操作タイミングによっては、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ以外の図柄組み合わせである星揃いミスリプレイ代替図柄組み合わせが表示される。このときに表示される星揃いリプレイ代替図柄組み合わせは、通常リプレイの図柄組み合わせおよび星揃いリプレイ代替図柄組み合わせとは異なるリプレイの図柄組み合わせである。星揃いミスリプレイ図柄組み合わせおよび星揃いミスリプレイ代替図柄組み合わせ(以下「星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等」という)は、異態様表示結果となり、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示が異態様表示結果の表示事実となる。
このとき、画像表示体500には、「残念!」の装飾文字が表示されるとともに、第1キャラクタCD、第2キャラクタCG、第3キャラクタCE、および第4キャラクタCMがこけている画像が表示される。こうして、星揃いリプレイに当選しておらず、星揃いミスリプレイに当選したことによって遊技者が覚えうる喪失感を和らげている。
また、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等が表示されると、メイン基板409においては、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示回数を記憶している。星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等が表示されることにより、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示回数を1回加算する。演出制御基板510は、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示回数を加算した後、図116(b)に示すように、画像表示体500に、第1キャラクタCD、第2キャラクタCG、第3キャラクタCE、および第4キャラクタCMがそれぞれ扇形のマス目に描かれた円形図形を表示する。ここで、第1キャラクタCDが表示されたマス目を「左上領域」、第2キャラクタCGが表示されたマス目を「右下領域」、第3キャラクタCEが表示されたマス目を「右上領域」、第4キャラクタCMが表示されたマス目を「左下領域」という。
このとき、メイン基板409に記憶されている星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示回数が1回目であった場合には、画像表示体500に表示された円形図形における第3キャラクタCEが表示された右上領域の色彩が、他のマス目と異なる色に変化して表示される。さらに、円形図形における右上領域の色彩が変化するとともに、右上領域に表示されていた第3キャラクタCEが円形図形から飛び出す表示がなされる。飛び出した第3キャラクタCEは、円形図形の右上領域に表示された図よりも強そうな図となって表されている。その後に円形図柄表示される場合には、小役確変状態に移行するまで円形図形の右上領域には、強そうに表現された第3キャラクタCEが表示された状態となっている。
星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示回数が1回と記憶されている状態で、次に星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等が表示された場合には、メイン基板409では、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示回数を加算し、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示回数として記憶される回数が2回目となり、第2キャラクタCGが表示された右下領域の色彩が、左上下領域の色彩と異なる色彩に変化して表示される。このときの右下領域の色彩は、右上領域色彩と共通しているが、これらを異なる色彩とすることもできるし、色彩ではなく模様等で表現したり、色彩と模様とを合わせて表現したりすることもできる。また、このときには、円形図形の右下領域から第2キャラクタCGが飛び出した表示がなされる。飛び出した第2キャラクタCGは、円形図形の右下領域に表示された図よりも強そうな図となって表され、その後に円形図形が表示される場合には、小役確変状態に移行するまで、円形図形の右下領域には、強そうに表現された第2キャラクタCEが表示された状態となっている。
さらに、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示回数が2回と記憶されている状態で、次に星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等が表示された場合には、メイン基板409では、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示回数を加算し、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示回数として記憶される回数が3回目となり、第4キャラクタCMが表示された左下領域の色彩が、左上領域の色彩と異なる色彩に変化して表示される。また、円形図形の左下領域から第4キャラクタCMが飛び出した表示がなされる。飛び出した第4キャラクタCMは、円形図形の右下領域に表示された図よりも強そうな図となって表され、その後に円形図形が表示される場合には、小役確変状態に移行するまで円形図形の左下領域には、強そうに表現された第2キャラクタCEが表示された状態となっている。
そして、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示回数が3回と記憶されている状態で、次に星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等が表示された場合には、メイン基板409では、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示回数を加算し、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示回数として記憶される回数が4回目となり、図117(a)に示すように、第1キャラクタCDが表示された左上領域の色彩が、元の色彩と異なる色彩に変化して表示される。また、円形図形の左上領域から第4キャラクタCDが飛び出した表示がなされる。
こうして、メイン基板409に記憶された星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示回数が4回となって円形図形の各領域の色彩が元の色彩と異なると、図117(b)に示すように、円形図形が爆発したような画像が表示されるとともに、爆発した円形図形から第1キャラクタCDのほか、第2キャラクタCG、第3キャラクタCE、および第4キャラクタCMも飛び出す表示がなされる。さらには、「小役確変ゾーン!」の装飾文字が表示される。こうして、小役確変状態への移行を遊技者に報知している。
また、演出制御基板510に記憶された星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示回数が4回となって小役確変状態に移行した後、演出制御基板510に記憶される星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示回数が0回となる。そして、改めて星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等が表示された場合に、その当選回数の記憶を開始する。
このように、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等が表示されると、星揃いリプレイ図柄組み合わせが表示されなかったことに対して、遊技者が失意を覚えることがある。この点、メイン基板409においては、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示回数を記憶し、記憶された星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示回数が4回となったときに、遊技者にとって有利となる所定の特典として小役確変ゲームを付与している。このため、星揃いリプレイ図柄組み合わせが表示されることなく星揃いミスリプレイ図柄組み合わせが表示されたことによる失意を軽減することができる。よって、特典付与の機会が少ないことによる興趣の低下を抑制することができる。なお、星揃いミスリプレイの当選を星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示事実に置き換えて、星揃いミスリプレイの当選を記憶することもできる。
また、小役確変状態への移行という特典を付与するにあたり、星図柄リプレイ図柄組み合わせを狙わせる操作指示を画像表示体500に表示している。このような星図柄リプレイ図柄組み合わせを狙わせる操作指示という目押しを要する操作指示を行うことにより、遊技者に緊張感を与えることができる。さらには目押しを行って星図柄リプレイ図柄組み合わせを表示させる労力に対する見返りとして特典を付与することもできる。この場合、星図柄リプレイ図柄組み合わせが表示された場合に特典を付与し、星図柄リプレイ代替図柄組み合わせが表示された場合には、特典を付与しないようにすることもできる。星図柄リプレイ図柄組み合わせが表示された場合に特典を付与することで、遊技者の技量による差を設けることができる。
[ART中断ゲーム]
ART遊技状態中、ART中断制御実行抽選に当選すると、ART遊技状態が継続するものの、ARTゲームの減算が中断するART中断ゲームが進行する。図118(a)に示すように、有効ライン623a(図47参照)に「チェリー」−「チェリー」−「チェリー」からなる強チェリー図柄組み合わせが表示された場合、「チェリー2」の当選に基づくART中断制御実行抽選が行われる。このART中断制御実行抽選に当選した場合、図118(a)に示すように、画像表示体には「Reproduction」の装飾文字が表示されるととともに、この装飾文字に重ね合わせてチェリー図柄を模した画像(以下「チェリー画像」という)が表示される。
次に、図118(b)に示すように、画像表示体500に表示されていたチェリー画像が分裂を開始する。ここで、例えば図99(a)に示すART中断終了チェリー個数決定テーブルを参照して決定されたチェリーの個数が10個である場合、図118(b)に示すように、チェリーが4つに分裂した画像を表示する。
さらに、図119(a)に示すように、チェリーを分割する表示が進み、画像表示体500には、チェリー画像が10個に分裂した画像が表示される。こうして、ART中断ゲームが開始する。ART中断制御が開始すると、図119(b)に示すように、画像表示体500の左上方に表示される残りゲーム数が暗表示となり、ART遊技状態が進行しても、ARTゲームの残りゲームの減算が中断する。
その一方で、ART中断制御中は、ART中断ゲーム中におけるチェリーの表示等回数、この例では10個が画像表示体500の右上方に表示される。その後、「チェリー3」「チェリー2」「チェリー1」に当選し、または図柄変換制御によってチェリー図柄組み合わせまたはボーナス図柄組み合わせ表示されると、画像表示体500の右上方の表示が「1」ずつ減算する。以後、画像表示体500の右上方に表示が「0」となるまでART中断ゲームが進行する。
また、ART中断ゲーム中は、チェリー等変換制御が実行される。チェリー等変換制御は、はずれまたはベルに当選したときに、図柄変換制御を実行し、表示された図柄組み合わせをチェリー図柄組み合わせやボーナス図柄組み合わせに変更する制御である。チェリー等変換制御の発生確率は、図99(b)に示すように、チェリーの表示等回数の残りの回数によって変動し、総じてチェリーの表示等回数の残りの回数が多いほど、図柄変換制御の実行割合が高くされている。
このように、ART中断ゲーム中に図柄変換制御によってチェリー図柄組み合わせ等が表示されると、上乗せ抽選を行う。ART中断ゲーム中は、図柄変換制御が実行される割合が高くなっており、上乗せ抽選の機会が増加するので、上乗せ抽選に対する期待感を高めることができる。
また、図99(b)に示すように、ART中断ゲームにおいては、ART中断制御が終了するまでの残りチェリー個数が多いときには、図柄変換制御によるチェリー図柄組み合わせ等の表示確率が高くされており、残りチェリー個数が少なくなると、チェリー図柄組み合わせ等の表示確率が低くなるようにしている。こうして、ART中断制御の継続に対する期待感を維持し、興趣の低下を抑制することができる。
[遊技進行中断事態発生時の対応]
スロットマシン5における遊技の進行中、停電等による電断があったり、スロットマシン5に種々のエラーが発生したりして遊技の進行が中断される遊技進行中断事態が生じることがある。このような電断やエラー(以下「電断等」という)といった遊技進行中断事態が発生した場合、電断等の原因が取り除かれて電断等が解消した後に遊技の進行が再開される。
電断が生じると、画像表示体500の表示が消灯する。また、エラーが生じると、画像表示体500には、エラー原因に応じたエラー画像が表示される。エラー画像は、スロットマシン5の遊技が可能となっている時には表示されることがない画像である。そして、電断から復帰した場合やエラー原因が取り除かれた場合に、スロットマシン5を遊技再開可能となるとともに、原則的、例えば一般状態のときには、画像表示体500に電断またはエラー発生前の画像が再表示される。ただし、以下の場合には、画像表示体500に表示される画像が異なってくる。以下、これらの例について説明する。
[残回数表示画像表示中の電断等からの回復]
初期ゲーム数決定ゲームの進行中、予め定められた回数の演出ボタン800の押下操作が実行されたときに、上乗せ抽選の当否の報知が行われる。このとき、演出ボタン800の押下操作の回数に応じて、図104(b)に示すように、残回数表示画像NPとして示される数字が「5」→「4」→「3」→「2」→「1」→「0」とカウントダウンしていく。ここで、上乗せ抽選に当選することが解決手段に記載の所定の条件を満たすこととなる。また、画像表示体500に残回数表示画像NPを表示することで、初期ゲーム数決定ゲームの残余数を遊技者に認識させ得る。画像表示体500およびこれを制御する演出制御基板510、さらに、メイン基板409は解決手段に記載の残認手段に相当する。そして、残回数表示画像NPが「0」となっても卵画像EPが破壊されないと、初期ゲーム数決定ゲームが終了することとなるので、残回数表示画像NPの数字が減数するたびに、初期ゲーム数決定ゲームの終了の危機が迫ってくる。さらには、残り回数が比較的少なく、例えば1回や2回となると、初期ゲーム数決定ゲームが終了してしまう可能性がより高くなってくる。
このように、残回数表示画像NPに示された数字が比較的少なくなったときでも電断等が生じることがある。その後、電断等が解消した場合には、元の遊技状態に復帰して初期ゲーム数決定ゲームの続きが実行される。ここで、残回数表示画像NPに示された数字が比較的少なくなったときに生じた電断等が解消して初期ゲーム数決定ゲームが開始されると、遊技者が初期ゲーム数決定ゲームを行っていることを忘れてしまうなどすることがある。この場合、あまり注意を払うことなく演出ボタン800を押下操作すると、遊技者が意識しないまま不意に初期ゲーム数決定ゲームが終了してしまうことが考えられる。
この点、スロットマシン5においては、初期ゲーム数決定ゲームの進行中に電断等が発生し、その電断等から復帰する場合、電断等が発生したときに画像表示体500に表示された画像ではなく、図120(a)に示すように、画像表示体500には、残回数表示画像NPを中央に大きく強調表示した復帰画像を表示する。例えば残回数表示画像NPに1の数字が表示されていたときに電断等が発生したとすると、この復帰画像では、残回数表示画像NPとして1の数字を中央に大きく表示する。こうして、電断等から復帰して初期ゲーム数決定ゲームが再開させたときに残回数が比較的少ないときに、残回数表示画像NPを強調表示している。また、残回数表示画像NPを強調して表示することで、初期ゲーム数決定ゲームの終了に対する緊張感を付与している。残回数表示画像NPを表示する画像表示体500および画像表示体500の表示制御を実行する演出制御基板510、さらにメイン基板409は、解決手段に記載の強表手段に相当する。また、現在初期ゲーム数決定ゲームが進行中であることを報知するため、画像表示体500に「HERO CHALLENGE」の装飾文字を表示する。
そして、一定時間復帰画像を表示したら、図120(b)に示すように、電断等が発生したときに表示されていた画像を画像表示体500に表示する。その後、遊技者に初期ゲーム数決定ゲームを継続するように促し、初期ゲーム数決定ゲームを再開させることができる。
このように、復帰画像において残回数表示画像NPを大きく強調表示することにより、初期ゲーム数決定ゲームにおける演出ボタン800の押下操作可能回数を誤認識することを抑制することができる。その結果、初期ゲーム数決定ゲームの継続を意識させながら演出ボタン800の押下操作を行わせることができる。したがって、遊技者が意識しないまま不意に初期ゲーム数決定ゲームが終了してしまうことを抑制できる。
このような復帰画像は、電断等が発生し、当該電断等から復帰した時にのみ表示させることができる。電断等から復帰したときにのみ復帰画像を表示することにより、電断等から復帰し、初期ゲーム数決定ゲームが再開されることを遊技者により明確に報知することができる。ただし、復帰画像を電断等から復帰した時以外に表示する態様とすることもできる。
なお、復帰画像における強調表示の態様は、図120(a)に示す例にとらわれず、種々の態様とすることができる。例えば、残回数表示画像NPの輝度をより大きくしたり、残回数表示画像NP以外の画像と異なる配色を持ったりして強調表示することもできる。また、残回数表示画像NPの表示位置も画像表示体500の中央に限られず、端部などの他の位置とすることもできる。あるいは、残回数表示画像NPについては、画像表示体500ではなく、画像表示体500から外れた位置において、7セグ表示やドット表示などとすることもできる。さらには、画像表示体500以外のサブ画像表示体を設けて、このサブ画像表示体に残回数表示画像NPを表示することもできる。他方、強調表示の態様としては、画像表示のみならず、例えば音声によることもできる。
さらに、上記の例では、初期ゲーム数決定ゲームの残回数表示画像NPの表示を対象としているが、他の残り回数の表示、例えばART遊技状態の残りゲーム数の表示やいわゆる上乗せ特化ゾーンの残りゲーム数の表示などとすることもできる。ART遊技状態は、数十ゲームから数百ゲーム継続するので、比較的少ない残りゲーム数としては、10ゲーム以下や5ゲーム以下とすることもできる。あるいは、ARTゲーム数が50ゲームである場合には、その半分程度の25ゲームなどを比較的少ないゲーム数とすることができる。同様に、上乗せ特化ゾーンが10ゲームである場合には、その半分の5ゲームを比較的少ないゲーム数とすることができる。
[単位上乗せゲーム数画像表示中の電断等からの回復]
初期ゲーム数決定ゲームの進行中、上乗せ抽選に当選することにより、単位上乗せゲーム数が上乗せされ、図105(b)に示すように、単位上乗せゲーム数が画像表示体500の中央に大きく表示される。単位上乗せゲーム数が表示された後は、初期ゲーム数決定ゲームが継続して実行され、再び上乗せ抽選に当選することで、単位上乗せゲーム数の上乗せが行われる。
具体的に初期ゲーム数決定ゲームの流れについて、図121を用いて説明する。ここでは、最初に10ゲーム、次に10ゲーム、次に50ゲームの単位上乗せゲーム数の上乗せが行われる例について説明する。最初の10ゲームの単位上乗せゲーム数の上乗せの際には、図121(a)に示すように、画像表示体500の中央に大きく単位上乗せゲーム数を表す「+10」の装飾文字が表示され、続いて、初期ゲーム数の総数を表す「Total+10」の装飾文字が画像表示体500の左上部に小さく表示される。
次に上乗せ抽選に当選すると、図121(b)に示すように、画像表示体500の中央に大きく「+10」の装飾文字が表示される。続いて、先の上乗せ抽選によって得られた初期ゲーム数の総数である10ゲームを表す「Total+10」の装飾文字の横に、今回の上乗せ抽選で得られた10ゲームを表す「+10」の装飾文字が表示される。それから、初期ゲーム数決定ゲームにおける上乗せゲーム数の総数としての20ゲームを表す「Total+20」の装飾文字が画像表示体500の左上部に小さく表示される。
その次に上乗せ抽選に当選すると、図121(c)に示すように、画像表示体500の中央に大きく「+50」の装飾文字が表示される。続いて、先の上乗せ抽選によって得られた初期ゲーム数の総数である20ゲームを表す「Total+20」の装飾文字の横に、今回の上乗せ抽選で得られた50ゲームを表す「+50」の装飾文字が表示される。それから、初期ゲーム数決定ゲームにおける上乗せゲーム数の総数としての70ゲームを表す「Total+70」の装飾文字が画像表示体500の左上部に小さく表示される。以後、同様にして上乗せ抽選に落選するまで、単位上乗せゲーム数の上乗せが行われる。
ここで、画像表示体500に単位上乗せゲーム数が表示されているときに電断等が生じると、画像表示体500が消灯する。その後、電断等の原因が排除されて画像表示体500の表示が復帰する場合、復帰画像として単位上乗せゲーム数が表示された画像ではなく、その後に表示される画像を表示する。
例えば、図121(a)に示す例では、画像表示体500の中央に大きく「+10」の装飾文字が表示されているときに電断等が生じた場合には、電断等から復帰した際には、この画像が表示されることなく、画像表示体500の左上部に小さく「Total+10」の装飾文字が表示された画像が表示される。また、図121(b)、(c)に示す例では、画像表示体500の中央に大きく「+10」「+50」の装飾文字が表示されているときに電断等が生じた場合には、電断等から復帰した際には、この画像が表示されることなく、画像表示体500の左上部に小さく「Total+10+10」「Total+20+50」の装飾文字が表示された画像が表示される。または、画像表示体500の左上部に小さく「Total+20」「Total+70」の装飾文字が表示された画像を表示することもできる。
このように、スロットマシン5においては、画像表示体500によって単位上乗せゲーム数を表示して、当選した単位上乗せゲーム数を遊技者に知らせている。また、単位上乗せゲーム数を表示した後は、初期ゲーム数決定ゲームの総数を表示する。ここで、単位上乗せゲーム数を表示しているときに電断等が生じ、電断等の原因が排除されたときに再び単位上乗せゲーム数を表示すると、表示された単位上乗せゲーム数は、再度表示されたものであるか新たに表示されたものであるかが分かり難くなり、初期ゲームの総数に対して、遊技者に誤解を与えるおそれがある。
この点、スロットマシン5では、電断等の原因が排除された場合、画像表示体500における表示を再開させる際には、単位上乗せゲーム数の表示中に電断等が生じたにも拘わらず初期ゲーム数の総数を表示して表示を再開し、単位上乗せゲーム数の重複表示を抑制して、遊技者の上乗せゲーム数の理解を補助している。したがって、初期ゲーム数の総数を表示する場合における遊技者の誤解を抑制することができる。
ところで、画像表示体500の中央に大きく単位上乗せゲーム数を表示する際には、小さく表示されていた数字を拡大させながら大きな表示とすることがある。このとき、例えば画像表示体500に小さく表示されていた数字を拡大させているときに電断等が生じた場合でも、電断等から復帰する際には、初期ゲーム数の総数を表示することができる。また、画像表示体500の中央に大きく単位上乗せゲーム数を表示する際には、大きな数字をそのまま表示する場合でも、電断等から復帰する際には、初期ゲーム数の総数を表示することができる。
なお、ここでは、初期ゲーム数決定ゲームにおける単位上乗せゲーム数が表示されているときに電断等が生じた場合の例について説明したが、他の状況で電断等が生じた場合にも同様の処理を行うことができる。例えば、ART遊技状態中にゲーム数上乗せが発生した場合、特に、上乗せ特化ゾーンなどで上乗せゲーム数が加算されていく場合などにも、同様の処理を行うことにより、上乗せゲーム数を表示する場合における遊技者の誤解を抑制することができる。
[初期ゲーム数決定ゲーム終了画像表示中の電断等からの回復]
初期ゲーム数決定ゲームが終了する際には、図107(a)に示すように、初期ゲーム数決定ゲーム終了画像が表示され、初期ゲーム数決定ゲームの終了を遊技者に認識させ得る。初期ゲーム数決定ゲームは、継続した方がART遊技状態の初期ゲーム数が加算されていくことから、遊技者は、一般的には、初期ゲーム数決定ゲームが継続することを望むものである。このため、初期ゲーム数決定ゲーム終了画像が表示されると、遊技者は、軽い落胆を覚えることがある。
ここで、初期ゲーム数決定ゲーム終了画像が表示されているときに電断等が生じて画像表示体500の画面が消灯すると、表示されていた初期ゲーム数決定ゲーム終了画像が消灯することになる。続いて電断等が解消して画像表示体500の画面が再度表示される際、初期ゲーム数決定ゲーム終了画像が再度表示されると、遊技者は、初期ゲーム数決定ゲームが終了することを再認識させられることがあり、遊技者に嫌悪感を与える可能性がある。
この点、上記のスロットマシン5においては、初期ゲーム数決定ゲーム終了画像が表示されている最中に電断等が生じて画像表示体500の画像が消灯された後、電断等が解消して再度画像表示体500の表示を行う際には、初期ゲーム数決定ゲーム終了画像を表示することなく、図107(b)に示すART初期ゲーム数表示画像を表示する。
このように、初期ゲーム数決定ゲーム終了画像が表示されている最中に電断等が生じ、その後電断等が解消したときには、再度画像表示体500には、初期ゲーム数決定ゲーム終了画像ではなくART初期ゲーム数表示画像を表示する。このため、遊技者は、電断等が復帰した後に初期ゲーム数決定ゲーム終了画像を見ないで済むので、遊技者に与える嫌悪感を軽減し、興趣の低下を抑制することができる。
なお、この例では電断等が終了した後にART初期ゲーム数表示画像を表示しているが、初期ゲーム数決定ゲーム終了画像と異なるその他の画像を表示することもできる。また、上記の例では、初期ゲーム数決定ゲーム終了画像が表示されているときの電断等の場合について説明したが、その他の場合に同様の処理を行うこともできる。例えば、ART遊技状態が終了することを示すART遊技状態終了画像や上乗せ特化ゾーンが終了することを示す上乗せ特化ゾーン終了画像が表示されているときに電断等が生じたときには、それらの画像ではなく、電断等が生じていなければその次に表示される画像を表示することができる。
以上は、スロットマシンの一形態であるが、これに限定されることはない。例えば、上記のスロットマシン3では、本ボーナスと擬似ボーナスとの抽選を独立して実行しているが、本ボーナスと擬似ボーナスとの入賞比率を調整して擬似ボーナスまたは本ボーナスの入賞確率を調整するボーナス確率調整手段を設けることもできる。例えば、本ボーナスの当選確率の設計値が一定に定められている場合、本ボーナスの当選確率または入賞確率の実績値が一定の確率しきい値以上となっていない場合に、擬似ボーナスへの移行確率を高めるようにすることができる。具体的には、例えば本ボーナスの当選確率の設計値が1/300のときに、本ボーナスの当選確率または入賞確率の実績値が1/1000以下の場合に、擬似ボーナスへ強制的に移行させたり、擬似ボーナスへの移行確率を高くしたりすることができる。このように、ボーナス(有利遊技状態)への移行確率を調整することにより、ボーナスへの移行が少なくなることを好適に抑制することができる。
このとき、本ボーナスの当選確率の設計値と当選確率の実績値、または入賞確率の実績値との乖離が大きいほど、擬似ボーナスへの移行確率を高めるようにすることもできる。この場合、本ボーナスまたは擬似ボーナスへの移行確率の実績値の和を、本ボーナスまたは擬似ボーナスへの移行確率の設計値の和に近づけることができ、いわばボーナス(有利遊技状態)への移行確率を設計値に収束させることができ、確率収束手段として機能させることができる。
さらには、本ボーナスの入賞確率(移行確率)よりも擬似ボーナスの入賞確率(移行確率)の方が高くなるようにすることができる。一般的に、本ボーナスの場合、ボーナスを実行するという実感を遊技者に大きく与えることができるので、本ボーナスの入賞確率(移行確率)よりも擬似ボーナスの入賞確率(移行確率)の方が高くなるようにすることで、遊技者に与える満足感を大きくすることができる。
本ボーナスの入賞確率(移行確率)を擬似ボーナスの入賞確率(移行確率)よりも高くするためには、擬似ボーナスの入賞確率(移行確率)を調整して、本ボーナスの入賞確率(移行確率)よりも低くすることができる。あるいは、逆に本ボーナスの入賞確率(移行確率)を調整して、擬似ボーナスの入賞確率(移行確率)よりも高くすることができる。
また、上記のスロットマシン3では、掛け数に対して得られる特典が最善となる態様でボーナス図柄組み合わせを表示させるための手順として、1枚掛けを実行する手順を教示している。これに対して、1枚掛けを示唆する教示などを実行することもできる。また、1枚掛けの教示を実行するまでに、数ゲームの間隔をおくようにすることもできる。この場合、ボーナス当選しているか否かの期待感を遊技者にある程度の期間与えることができる。
さらに、1枚掛けを教示した際に1枚掛けで遊技を実行した回数を計数し、教示にしたがった遊技の回数が所定回数以上となった場合、あるいは教示の回数に対する教示の実行の回数の割合が所定の割合以上となった場合に、遊技者に高揚感を与える演出を実行することもできる。このような高揚感を与える演出を実行することで、教示にしたがった演出の実行を遊技者に促すことができる。
あるいは、教示にしたがった遊技の回数または教示の実行の割合に応じた演出を実行することもできる。例えば、1枚掛けの教示があるごとに1枚掛けで遊技を実行する遊技者は、スロットマシン3の遊技を長期間または頻繁にしている遊技者と考えられるので、当該遊技の実行に対する感謝を示す演出を実行することができる。その一方、教示にしたがった1枚掛けでの遊技の実行をあまり行わない遊技者は、少し損している旨を教示する演出を実行することができる。
また、上記のスロットマシン3では、フリーズ制御の出現割合は状況によらずに一定とされているが、フリーズ制御の出現確率を調整することもできる。このとき、フリーズ制御の出現確率として、フリーズ制御の出現実績が多いほど、フリーズ制御の出現確率を低くすることができる。フリーズ制御が多数回実行されると、フリーズ制御による操作受付中止期間が長くなり、遊技の円滑な進行の妨げとなりえる。このとき、フリーズ制御の出現実績が多いほど、フリーズ制御の出現確率を低くすることにより、遊技の円滑な制御を促進することができ、遊技進行円滑手段とすることができる。
さらに、フリーズの出現確率を調整した場合、フリーズ確率がいかなる確率であっても、フリーズ確率が元に戻る確率が同じとなるようにすることができる。例えば、比較的短い10ゲーム間等でフリーズ確率が元に戻るようにすることにより、緊張感を維持したままの遊技を実行させることができる。
また、上記スロットマシン5において、RB中にART移行抽選に当選すると、ART遊技状態に移行し、残りゲーム数が0となる前にART移行抽選に当選しない場合にはART遊技状態へは移行せず、一般遊技状態に移行する。ここで、ART移行抽選の当選確率は、遊技状態ごとに異なるものの、一般状態、BB中、RB中においてはそれぞれ一律である。これに対して、RB中またはBB中におけるART移行抽選の当選確率を変動させ、例えばRB中の最終ゲームに近づくほどART移行抽選の当選確率を高くする意地手段を設けることもできる。この場合、RBゲームを1ゲーム消化するごとにART移行抽選の当選確率することもできるし、適宜のゲーム、例えば残り10ゲームからART移行抽選の当選確率を高くすることもできる。
あるいは、RB中における残りゲーム数をART遊技状態に持ち越す代わりに、ART遊技状態への移行確率を高くすることもできる。この場合、ART遊技状態に移行する確率は高まるものの、移行したART遊技状態の継続ゲーム数が少なくなる。この意味でどちらに態様であっても、遊技媒体の増減に対する均衡を保つことができる。また、遊技者側から見れば、継続ゲーム数は少なくても、ART遊技状態に移行させることに対する興味を付与することができる。
さらには、RB中における残りゲーム数をART遊技状態に持ち越すか、その代わりに、ART遊技状態への移行確率を高くするかを遊技者が選択する選択手段を設けることができる。このような選択手段を設けることにより、遊技者の嗜好に応じた遊技性によって遊技を進行させることができるようになる。
また、RB中における残りゲーム数をART遊技状態に持ち越す代わりに、ART移行抽選に当選した場合、持ち越されるゲーム数を増加させる持越しゲーム数増加手段を設けることもできる。持ち越しゲーム数が少なく、例えば2,3ゲームであった場合には、ART遊技状態の継続ゲーム数が増えたとしてもその増加量が微量であり、遊技者に与える喜びが小さくなってしまう。この点、持越しゲーム数増加手段を設けることで、遊技者に大きな満足感を与えることができる。ゲーム数を増加させる態様としては、例えば所定のゲーム数を順次加算したり、増加のたびにゲーム数となるいわゆる倍々ゲームによったりすることができる。
さらに、上記のスロットマシン5においては星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等が4回表示されることで付与される特典として、星揃いリプレイ図柄組み合わせ等が表示された場合に付与される特典である小役確変ゲームが付与されるが、他の特典が付与される態様とすることができる。この場合、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等が4回表示されることで付与される特典の方が、星揃いリプレイ図柄組み合わせ等が表示された場合に付与される特典よりも大きな特典とすることができる。この場合、星揃いリプレイ図柄組み合わせ等が表示されないことによる遊技者の失意をより小さくすることができる。また、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等が4回表示されることで付与される特典の方が、星揃いリプレイ図柄組み合わせ等が表示された場合に付与される特典よりも小さな特典とすることもできる。この場合、星揃いリプレイ図柄組み合わせ等が表示されなかったことに対する失意の軽減が小さくなるので、星揃いリプレイ図柄組み合わせ等が表示されて星という期待感をより大きくすることができる。
また、画像表示体500には、星揃いリプレイを表示させる指示がなされるが、他の指示、例えばリール301a,301b,301cの停止とは無関係に、画像表示体500で実行されるゲームなどにおける指令などを指示することもできる。さらに、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等が4回表示された場合に特典が付与されるが、その他の回数の表示をもって特典を付与することもできるし、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示をきっかけとして、抽選を実施し、抽選に当選した場合に特典を付与することもできる。また、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等の表示回数が所定回数となった時などにこの抽選を実施することなどもできる。
さらに、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせとして、複数の図柄組み合わせを設定しておき、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ等が表示された回数によって特典を付与する代わりに、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせの表示態様に応じてポイントを記憶し、記憶されたポイントが所定数に達したときに特典を付与するようにすることもできる。たとえば、右リール301cおよび中リール301bの中段に星図柄が表示された後、左リール301aの上段に星図柄が表示される図柄組み合わせを強星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ、右リール301cおよび中リール301bの中段に星図柄が表示された後、左リール301aの下段に星図柄が表示される図柄組み合わせを中星揃いミスリプレイ図柄組み合わせ、右リール301cおよび中リール301bの中段に星図柄が表示された後、左リール301aの上中下段のいずれにも星図柄以外の図柄が表示される図柄組み合わせを弱星揃いミスリプレイ図柄組み合わせとすることができる。そして、強星揃いミスリプレイ図柄組み合わせが表示された場合には+3ポイント、中星揃いミスリプレイ図柄組み合わせが表示された場合には+2ポイント、弱星揃いミスリプレイ図柄組み合わせが表示された場合には+1ポイントをそれぞれ加算し、合計で10ポイントに到達した場合に特典を付与するようにすることもできる。
あるいは、星揃いミスリプレイ図柄組み合わせとしてさらに多様なパターンを設定し、これらのパターンに応じてポイントを加算するようにすることもできる。例えば、前提として、星図柄が複数設けられたリールを設定し、星揃いリプレイ図柄組み合わせとして、3ラインに「星図柄」−「星図柄」−「星図柄」が表示される強星揃いリプレイ図柄組み合わせ、2ラインに「星図柄」−「星図柄」−「星図柄」が表示される中星揃いリプレイ図柄組み合わせ、1ラインに「星図柄」−「星図柄」−「星図柄」が表示される弱星揃いリプレイ図柄組み合わせを設ける。このうち、強星揃いリプレイ図柄組み合わせ、中星揃いリプレイ図柄組み合わせ、弱星揃いリプレイ図柄組み合わせの順に特典が大きくなるとする。このとき、右リール301cおよび中リール301bを停止させた時点で3ラインに「回転中」−「星図柄」−「星図柄」が表示された場合(以下「テンパイ表示された場合」という)の星揃いミスリプレイ図柄組み合わせが表示された場合には+3ポイント、2ラインにテンパイ表示された場合の星揃いミスリプレイ図柄組み合わせが表示された場合には+2ポイント、1ラインにテンパイ表示された場合の星揃いミスリプレイ図柄組み合わせが表示された場合には+1ポイントなどとすることもできる。このようにすることで、テンパイ表示によって遊技者が与えられる期待感が変化し、その期待感を満たされなかったことに対する失意の大きさが変化するが、得られなかった特典が大きいほど、失意を大きく軽減することができる。
さらに、スロットマシン5では、上乗せゲーム継続抽選を実行した際に、上乗せゲームにおいて、上乗せ抽選に当選すると、その上乗せ抽選の当選の際にそのまま単位上乗せゲーム数を上乗せするとともに、次の上乗せゲームに移行する。これに対して、例えば上乗せゲームの演出ボタン800の押下回数が少ない段階で上乗せ抽選に当選した場合には、上乗せ抽選の当選の告知を遅延させる遅延手段を設けることもできる。たとえば演出ボタン800の1回目の押下で上乗せ抽選に当選した場合に、4回目または5回目の演出ボタン800の押下で上乗せ抽選の当選の告知を遅延させることもできる。上乗せ抽選の当選の告知を遅延させることにより、上乗せ抽選の当落に対する注目を高めることができる。
また、遅延手段を設けた場合、上乗せ抽選の告知を遅延させているときには、その遅延時期に追加的な上乗せ抽選である追加上乗せ抽選を行うこともできる。たとえば、演出ボタン800の1回目の押下で上乗せ抽選に当選して10ゲームが上乗せされ、遅延手段で上乗せ抽選の告知を遅延させているときに追加上乗せ抽選に当選して10ゲームが上乗せされた場合に合わせて、上乗せゲーム数が20ゲームとなるようにすることができる。
このときの追加上乗せ抽選によって決定される上乗せゲーム数は、上乗せ抽選で決定される上乗せゲーム数と同一のゲーム数とすることができる。この場合、1回の上乗せ抽選によって大量の上乗せゲーム数が上乗せされたと遊技者に認識させることができるので、遊技者に優越感を与えることができる。逆に、追加上乗せ抽選によって決定される上乗せゲーム数は、上乗せ抽選で決定される上乗せゲーム数と異なるゲーム数とすることもできる。この場合、遊技者は追加上乗せ抽選が実行されていることを認識するので、例えば上乗せ抽選による上乗せがないとの表示がなされたとしても、実は上乗せ抽選に当選している可能性があると遊技者に認識させることができる。
また、スロットマシン5では、演出ボタン800の押下回数による上乗せ抽選を初期ゲーム数決定ゲームによって実行しているが、その他場合、例えばART遊技状態中における上乗せ抽選等において実行することもできる
さらに、スロットマシン5においては、初期ゲーム数決定ゲームにおいて、多くのループ回数となり、たとえばループ回数が10回から15回のいずれかの回数となったとき、またはそれ以上の回数となったときに上乗せ抽選を実行し、高想定関心事から低想定関心事となった上乗せゲームの継続確率を教示または示唆する報知手段を設けることもできる。このように、低想定関心事となった上乗せゲームの継続確率については、明確にまたは暗に遊技者に報知することにより、以後の上乗せゲームにおいては、高想定関心事である単位上乗せゲーム数の告知に意識を集中させることができその分興趣の低下を抑制することができる。
また、ループ回数が多くなったときには、上乗せゲームの継続確率が低かった、たとえば50%であったとしても上乗せゲームの継続確率が高く、たとえば80%〜90%であったとの教示や示唆を行うこともできる。ループ回数が多くなったときには、実際の上乗せゲームの継続確率によらず、継続確率が高いと考えやすくなると考えられる。このため、実際の継続確率が低かったとしても継続確率が高いと教示または示唆することで、単位上乗せゲーム数の告知に意識を集中させることができ、興趣の低下を抑制することができる。
さらに、ループ回数が多くなってくると、演出ボタン800を押下する際の緊張感が減少してくると考えられる。このため、継続確率と単位上乗せゲーム数とを調整して緊張感を付与する緊張感付与手段を設けることもできる。継続確率と単位上乗せゲーム数とを調整する際には、最終的な上乗せゲーム数の期待値が一定となるような調整を行うことにより、遊技の公平性を担保することができる。たとえば、単位上乗せゲーム数の平均値が10ゲームとして、上乗せゲームの継続確率が90%であったところ、単位上乗せゲーム数の平均値を90ゲームとして上乗せゲームの継続確率を50%とすることができる。この場合、いずれの態様を決定しても上乗せゲーム数の期待値は90ゲームとなる。さらには、単位上乗せゲーム数の平均値が少ないものの上乗せゲームの継続確率が高い態様と、単位上乗せゲーム数の平均値が多いものの上乗せゲームの継続確率が低い態様と、を遊技者が選択可能とする選択手段を設けることもできる。
また、スロットマシン5では、ART中断ゲームの終了条件の一部として、図柄変換制御によって表示されたチェリー図柄組み合わせ等の表示が含まれていたが、これに代えて、またはこれと合わせて、容易な操作態様、たとえば押し順ナビにしたがった操作を実行することで表示される図柄組み合わせの表示などをART中断ゲームの終了条件の一部とすることができる。
また、ART中断制御への移行条件は、ART中断制御実行抽選の当選とされているが、たとえば小役確変ゲーム中など、ART中断ゲームの終了条件が成立しやすい条件の下でART中断制御実行抽選に当選しやすくされている態様とすることもできる。この場合、ART中断ゲームの長時間の継続を抑制することができる。
他方、スロットマシン以外の遊技機、例えば、パチンコ機や、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる遊技機(いわゆるパロット)等であっても本発明を適用することができる。