JP2015102402A - タービンブレード振動変位評価方法及び装置 - Google Patents

タービンブレード振動変位評価方法及び装置 Download PDF

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亮 西水
健次郎 成田
Kenjiro Narita
健次郎 成田
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Ryo Akiyama
陵 秋山
智美 田中
Tomomi Tanaka
智美 田中
永島 良昭
Yoshiaki Nagashima
良昭 永島
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Abstract

【課題】既存ブレードにも適用でき、タービンの異常を早期に検出できるタービンブレード振動変位評価方法及び装置を提供する。
【解決手段】
翼先端カバーと対向するように、かつロータ軸方向において互いに所定の間隔を隔てて取付けられた2つ以上の磁場式変位センサの出力電圧を計測する第1処理S100と、前記第1処理で計測した出力電圧から前記2つ以上の磁場式変位センサと前記翼先端カバーとのギャップを特定する第2処理S200と、前記第2処理で特定したギャップに対応する軸方向変位−出力電圧検量線を特定する第3処理S300と、前記第3処理で特定した軸方向変位−出力電圧検量線に基づいて前記第1処理で計測した出力電圧から軸方向変位を特定する第4処理S400とを備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、タービンブレード振動変位評価方法及び装置に関する。
蒸気タービンやガスタービンは、ロータ及びこれに連結された多数のブレードを配置したディスク、及びこれらを格納するケーシングで構成されている。蒸気タービンの場合、蒸気をブレードに向けて流すことで、ロータを高速回転させ、ロータに連結された発電機で電気を生成する。ロータの軸受け部またはその近傍には、ロータ軸の変位を計測するセンサが設けられており、このセンサでロータ軸の振動を検出することにより、タービンの運転状態を監視している。
上述したロータ軸受け部またはその近傍に設けられたセンサは、ロータ軸の回転異常を検知する。ロータ軸の回転異常は、ロータやブレード等で構成される回転体の回転時のバランスが取れていない場合、すなわちブレードの重量のバラツキ等により回転体の重心がずれている場合や、回転時のブレードが異常振動を起こした場合などに発生する。従って、ブレードの異常振動を早期に検知することは、タービンの正常運転を維持する観点において重要である。しかしながら、一般的にロータ軸受け部またはその近傍に設けられたセンサの検出感度では、ブレード振動に起因するロータ軸の振動を検出することは困難である。
上記の課題に対し、近年多用されている、隣接するブレードの先端部に設けられた翼先端カバーがロータ回転時に互いに連結するように構成されたタービンにおいて、ブレードの振動を直接測定する方法が提案されている。例えば、非特許文献1は、ブレード先端部にブレード自身と光学的な反射率が異なる部材を貼り付け、ブレードの半径方向からブレードの先端部に向けて赤外線を照射し、その反射光を光学レンズを有するセンサで検出することによりブレードの通過時刻を計測し、振動を測定する方法を開示している。また、特許文献1は、ブレード先端部にマーカを設け、このマーカをブレードの半径方向からセンサで検出することにより、振動を測定する方法を開示している。
WO 2008/105981号公報
日本機械学会論文集(C編)58巻555号(1992-11),pp3196-3202,論文NO.91-1689
特許文献1の測定方法は、翼先端カバーにマーカを設けることが必要となるため、既存ブレードには適用できない。
また、非特許文献1の測定方法を蒸気タービンに適用した場合、センサの光学レンズに水滴や汚れが付着するとセンサの検出感度が低下するため、定期的にセンサのメンテナンスを行う必要がある。
そこで、本発明は、蒸気タービンに適用した場合もセンサの検出感度が低下せず、既存ブレードにも適用でき、早期に異常を検出することができる測定方法及び装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するための第1の発明は、隣接するブレードの先端部に設けられた翼先端カバーがロータ回転時に互いに連結するように構成されたブレードのロータ軸方向における振動変位を評価するタービンブレード振動変位評価方法において、前記翼先端カバーと対向するように、かつロータ軸方向において互いに所定の間隔を隔てて取付けられた2つ以上の磁場式変位センサの出力電圧を計測する第1処理と、前記第1処理で計測した出力電圧から前記2つ以上の磁場式変位センサと前記翼先端カバーとのギャップを特定する第2処理と、前記第2処理で特定したギャップに対応する軸方向変位−出力電圧検量線を特定する第3処理と、前記第3処理で特定した軸方向変位−出力電圧検量線に基づいて前記第1処理で計測した出力電圧から軸方向変位を特定する第4処理とを備えを備えるものとする。
上述の課題を解決するための第2の発明は、隣接するブレードの翼先端カバーがロータ回転時に互いに連結するように構成されたブレードの軸方向振動変位を測定するタービンブレード振動変位評価装置において、前記翼先端カバーと対向するように、かつロータ軸方向において互いに所定の間隔を隔てて取付けられた少なくとも2つの磁場式変位センサと、前記2つの磁場式変位センサの出力電圧をデジタル信号に変換するA/D変換装置と、前記2つの磁場式変位センサの出力電圧と前記翼先端カバーの軸方向変位との関係を示す検量線データを格納するデータベース部、前記データベース部に格納された検量線データに基づいて前記A/D変換装置で変換したデジタル信号から前記翼先端カバーのロータ軸方向における変位を特定する演算部、及び前記演算部による演算結果を保持するメモリ部を有するデータ処理装置と、前記データ処理装置による処理結果を表示する表示装置とを備えるものとする。
本発明によれば、ブレードの軸方向変位を測定することにより、タービンの異常を早期に検出できる。
実施例1に係るタービンブレード振動変位評価装置の構成及びタービンの構成に示す図である。 ブレードの斜視図である。 ブレードをロータ軸の半径方向から見た図である。 磁場式変位センサに対する翼先端カバーが軸方向位置が変化した場合のセンサ出力電圧の変化を示す図である。 磁場式変位センサと翼先端カバーのギャップが変化した場合のセンサ出力電圧の変化を示す図である。 ギャップ−最小出力電圧検量線と変位−出力電圧検量線との関係を示す図である。 本発明に係る測定方法を示すフロー図である。 実施例1におけるセンサと翼先端カバーの位置関係を示す図である。 実施例1における2つの磁場式変位センサの出力電圧波形を示す図である。 軸方向変位−出力電圧検量線とギャップ−差分電圧検量線との関係を示す図である。 実施例1における2つの磁場式変位センサの出力電圧の変化を軸方向変位−出力電圧検量線上に示す図である。 実施例1における測定方法を示すフロー図である。 実施例2における磁場式センサと翼先端カバーの位置関係を示す図である。 実施例2における2つの磁場式変位センサの出力電圧波形を示す図である。 実施例2における2つの磁場式変位センサの出力電圧の変化を軸方向変位−出力電圧検量線上に示す図である。 実施例2における測定方法を示すフロー図である。 実施例3における測定方法を示すフロー図である。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るタービンブレード振動変位評価装置の構成を、タービンの構成と共に示す図である。
図1において、タービン100は、ロータ軸10、ロータ軸10に取付けられたディスク11、ディスク11の周りに複数配置されたブレード30、各ブレード30の先端部に設けられたカバー31(以下、翼先端カバーという)等で構成された回転体101と、回転体101を格納するケーシング102とを備えている。
図1において、タービンブレード振動変位評価装置200は、ケーシング102に取付けられた磁場式変位センサ34,35(以下、センサという)と、センサ34,35の出力電圧をデジタル信号に変換するA/D変換装置201と、データ処理装置202と、データ処理装置202の処理結果を表示する表示装置203とを備えている。データ処理装置202は、センサ34,35の出力電圧と翼先端カバー31の軸方向変位との関係を示す検量線データが格納されたデータベース部204、データベース部204に格納された検量線データに基づいてA/D変換装置201で変換したデジタル信号から翼先端カバー31のロータ軸方向における変位を特定する演算部205、及び演算部205の演算結果を保持するメモリ部206等を有する。
ブレード30とセンサ34,35との位置関係を、図2及び図3を用いて説明する。図2は、ブレードの斜視図である。図中、矢印32はロータの軸方向を示し、矢印33はロータの半径方向を示している。隣接するブレード30の先端部に設けられた翼先端カバー31は、ロータ回転時に互いに連結するよう構成されている。センサ34,35は、半径方向33において翼先端カバー31と対向するように図示しないケーシングに脱着可能に取付けられている。図3は、ブレードをロータ軸の半径方向から見た図である。図3に示すように、磁場式変位センサ34,35は、軸方向32において所定の間隔Wを隔てて取付けられている。
センサ34(35)に対する翼先端カバー31の位置とセンサ34(35)の出力電圧との関係について、図4及び図5を用いて説明する。
図4は、センサ34(35)と翼先端カバー31の半径方向33における距離G(以下、ギャップという)とセンサ出力電圧との関係を示す図である。図4に示すように、半径方向33において磁場式変位センサ34(35)を翼先端カバー31と対向するように配置すると、センサ34(35)に内蔵されたコイルから発生する交流磁場の作用により、翼先端カバー31に渦電流38が発生する。翼先端カバー31がセンサ34(35)から離れる(センサ34(35)と翼先端カバー31のギャップGが大きくなる)と、翼先端カバー31に発生する渦電流38は減少する。センサ34(35)は、この渦電流38の強度を電圧信号に変換して出力する。センサ34(35)の出力電圧をギャップGに対してプロットすると、図4下に示すようなギャップGと出力電圧との関係を示す検量線40(以下、ギャップ−出力電圧検量線という)が得られる。
図5は、ギャップGは一定で、センサ34(35)と翼先端カバー31の軸方向32における距離L(以下、軸方向変位という)が変化した場合の軸方向変位Lとセンサ出力電圧との関係を示す図である。ここで、軸方向変位Lは、センサ34(35)により翼先端カバー31に生じる渦電流38の発生領域が最大となるときをゼロと定義している。そのため、軸方向変位Lが大きくなるにしたがって渦電流38の発生領域が減少する。このように、ギャップGが一定の場合でも、センサ34(35)に対する翼先端カバー31の軸方向変位Lが変化すると、センサ34(35)の出力電圧が変化する。センサ34(35)の出力電圧V1(V2)を軸方向変位Lに対してプロットすると、図5下に示すような軸方向変位Lと出力電圧との関係を示す検量線41(軸方向変位−出力電圧検量線)が得られる。
なお、センサ34(35)の出力電圧は、図4下及び図5下に示すように、渦電流が強い(又は広い)場合、言い換えれば、センサ34,35と翼先端カバー31のギャップGが小さい(又は軸方向変位Lが小さい)場合に低くなるが、設定により高低を逆にすることも可能である。以降、ギャップGが小さい(又は軸方向変位Lが小さい)場合に出力電圧が低くなるよう設定しているものとして説明する。
図6は、軸方向変位−ギャップ検量線データ、及びギャップ−最小出力電圧検量線の例を示す図である。図6左に示す軸方向変位−出力電圧検量線データ46は、異なるギャップGa,Gb,Gc,Gb(以下、Gxと表記する)のそれぞれにおいて予め測定された複数の軸方向変位−出力電圧特性検量線46Ga,46Gb,46Gc,46Gd(以下、46Gxと表記する)で構成される。図6右に示すギャップ−最小出力電圧検量線47は、軸方向変位Lがゼロとなる(センサ出力電圧が最小となる)位置で予め測定されたギャップ−出力電圧検量線である。
軸方向変位−出力電圧検量線データ46は、図1に示したタービンブレード振動変位評価装置200のデータベース部205に格納されており、ギャップGxが特定されれば、ギャップGxに対応する軸方向変位−出力電圧検量線46Gxが特定され、軸方向変位−出力電圧検量線46Gxに基づいてセンサ出力電圧V1,V2から軸方向変位L1,L2を特定することができる。
図7は、上述の測定方法を示すフロー図である。図7のフローを構成する各ステップについて順に説明する。まず、センサ34,35の出力電圧V1,V2を計測する(ステップS100)。ステップS100に続いて、ステップS100で計測した出力電圧V1,V2からギャップGxを特定する(ステップS200)。ステップS200に続いて、軸方向変位−出力電圧検量線データ46の中で、ステップS200で特定したギャップGxに対応する軸方向変位−出力電圧検量線46Gxを特定する(ステップS300)。ステップS300に続いて、ステップS200で特定した軸方向変位−出力電圧検量線46Gxに基づいてステップS100で計測したセンサ出力電圧V1から軸方向変位L1を特定する(ステップS400)。これにより、ブレード先端部の軸方向32における振動変位を評価することができる。
実施例1に係るブレード振動変位評価方法について、図8〜11を用いて説明する。
図8は、実施例1におけるセンサ34,35と翼先端カバー31の位置関係を示す図である。図8に示すように、センサ34,35は、半径方向33において翼先端カバー31とギャップGを隔て、かつ軸方向32において互いに所定の間隔Wを隔てて取付けられている。
さらに、実施例1では、図8に示すように、翼先端カバー31が軸方向32において変位ΔL(振幅ΔL/2)で振動した場合に、センサ34,35からの翼先端カバー31の軸方向変位L1,L2がゼロとならない位置にセンサ34,35が設置されていることを前提としている。なお、予めこのような前提でセンサ34,35を設置することが難しい場合は、3つ以上のセンサを互いに所定の間隔Wを隔てて取付け、各センサの出力電圧波形に基づいて上記の前提を満たす位置に設置されている2つのセンサを選択しても良い。
2つのセンサ34,35の出力電圧V1,V2に基づいてギャップGを求める方法について説明する。図9は、図8に示すように翼先端カバー31が振動した場合のセンサ34,35の出力電圧波形を示す図である。図9において、センサ34,35の出力電圧波形をそれぞれ波形60,61で示す。図中、ある同時刻t1におけるセンサ34,35の出力電圧をそれぞれV1a,V2aとし、出力電圧V1a,V2aの差分電圧をΔVとする。2つの出力電圧V1a,V2aからギャップGを求める際には、ギャップと差分電圧との関係を示すギャップ−差分電圧検量線データを利用する。ギャップ−差分電圧検量線データの作成方法を、図10を用いて説明する。図10は、軸方向変位−出力電圧検量線データ46とギャップ−差分電圧検量線データ48との関係を示す図である。図10に示すように、ギャップ−差分電圧検量線データ48は、複数のギャップ−軸方向検量線で構成される。軸方向変位−出力電圧検量線データ46に基づいて作成される。
以下、ギャップ−差分電圧検量線の求め方を具体的に説明する。図10左に示す軸方向変位−出力電圧検量線データ46において、例えば、センサ34の出力電圧がV1aの場合、ギャップGaに対応する軸方向変位−出力電圧検量線46Gaにおける間隔Wに対応する差分電圧ΔVはαとなる。同様にギャップGbに対応する検量線46Gbにおける差分電圧ΔVはβとなり、ギャップGcに対応する検量線46Gcにおける差分電圧はγとなる。このように、各ギャップGxに対応する検量線47xのそれぞれにおける間隔Wに対応する差分電圧ΔVを求め、横軸をギャップG、縦軸を差分電圧ΔVとしてプロットすると、図10右に示すように、出力電圧V1aに対応するギャップ−差分電圧検量線48aが得られる。センサ出力電圧を変化させながら同様の操作を行うことで、センサ34の各出力電圧V1a,…,V1b,…に対応するギャップ−差分電圧検量線48a,…,48b,…(以下、48xと表記する)が得られる。
ギャップ−差分電圧検量線データ48は、図1に示したタービンブレード振動変位評価装置200のデータベース部204(図1に示す)に格納されており、センサ34の出力電圧V1に対応するギャップ−差分電圧検量線48xが特定されれば、ギャップ−差分電圧検量線48xに基づいてセンサ34,35の出力電圧V1,V2の差分電圧ΔVからギャップGxを特定することできる。
ギャップGxが特定された後、ギャップGxに対応する軸方向変位−出力電圧検量線47xが特定され、この特定された検量線47xに基づいてセンサ34の出力電圧V1から軸方向変位L1が特定される。図11は、ギャップGbに対応する軸方向変位−出力電圧検量線46Gbにおける出力電圧V1,V2と軸方向変位L1,L2との関係を示す図である。図11において、符号62,63は、軸方向変位L1,L2の変動範囲を示している。センサ34の出力電圧V1は検量線46Gbと変動範囲62とが交差する範囲で変化し、センサ35の出力電圧V2は検量線46Gbと変動範囲63とが交差する範囲で変化する。なお、本実施例では、図11に示すように、軸方向変位L1,L2のどちらを用いても翼先端カバー31の振動変位ΔLを評価することが可能であるが、センサ34の方が出力電圧が高い(検出感度が良い)ため、軸方向変位L1を用いて評価する方が望ましい。
図12は、上記の測定方法を示すフロー図である。図中、図7に示したフローにおける処理と同様の処理には同じ符号を付している。以下、図7に示したフローと相違する部分を中心に説明する。
ステップS100に続いて、ステップS100で計測した出力電圧V1,V2の波形から、ある同時刻におけるセンサ出力電圧V1,V2及びこれらの差分電圧ΔV(=V1−V2)を求める(ステップS201)。ステップS201に続いて、ギャップ−差分電圧検量線データ48の中から、センサ34の出力電圧V1に対応するギャップ−差分電圧検量線48xを特定する(ステップS202)。ステップS202に続いて、ギャップ−差分電圧検量線48xに基づいて差分電圧ΔVからギャップGxを特定する(ステップS203)。ステップS203に続いて、ステップS300及びS400を実行する。
図17に示すフローは、図1に示したタービンブレード振動変位評価装置200のデータ処理装置202によって実行される。
上記のように構成したタービンブレード振動変位評価方法及び装置によれば、ブレードに追加の細工を施すことなくブレードの振動変位を評価することができるため、既存ブレードの振動測定が可能となり、タービンの異常を早期に検出することができる。
また、水滴や汚れが付着しても検出感度が低下しない磁場式変位センサを使用しているため、蒸気タービンに適用した場合も高精度の測定が可能となる。
実施例2に係るタービンブレード振動変位評価方法及び装置について、図13〜図16を用いて説明する。
図13は、実施例2におけるセンサ34,35と翼先端カバー31の位置関係を示す図である。図13に示すように、センサ34,35は、実施例1と同様、半径方向33において翼先端カバー31とギャップGを隔て、かつ軸方向32において所定の間隔Wを隔てて設置されている。
さらに、実施例2では、図13に示すように、翼先端カバー31が軸方向32において変位ΔL(振幅ΔL/2)で振動した場合に、センサ34,35からの翼先端カバー31の軸方向変位L1,L2のうちいずれか一方(本実施例ではL2)がゼロとなる位置にセンサ34,35が設置されていることを前提としている。なお、予めこのような前提でセンサ34,35を設置することが難しい場合は、3つ以上のセンサを所定の間隔Wで設置し、各センサの出力電圧波形に基づいて上記の前提を満たす位置に設置されている2つのセンサを選択しても良い。
まず、ギャップGを求め方について説明する。図14は、図13に示すように翼先端カバー31が振動した場合のセンサ34,35の出力電圧波形を示す図である。図14において、センサ34,35の出力電圧波形をそれぞれ波形80,81で示す。図14に示すように、センサ35の出力電圧波形81には、ブレードの振動1周期T内に最小出力電圧Vminが2回現れる。すなわち、センサ35の出力電圧波形81においては、ブレードの振動1周期T内に極大値と極小値が合計で3個以上現れる。この場合、センサ35の出力電圧波形81から最小出力電圧Vminを特定され、図8で示したギャップ−最小出力電圧検量線47に基づいて最小出力電圧VminからギャップGxが特定される。なお、ギャップ−最小出力電圧検量線47は、図6に示した軸方向変位−出力電圧検量線データ46と共に、図1に示したタービンブレード振動変位評価装置200のデータベース部205に格納されている。
続いて、軸方向変位−出力電圧検量線データ46から、このギャップGxに対応する軸方向変位−出力電圧検量線46Gxが特定され、軸方向変位−出力電圧検量線46Gxに基づいてセンサ34の出力電圧V1から軸方向変位L1が特定される。図15は、ギャップGbに対応する軸方向変位−出力電圧検量46Gbにおける出力電圧V1,V2と軸方向変位L1,L2との関係を示す図である。図15において、符号83,84は、軸方向変位L1,L2の変動範囲を示している。センサ34の出力電圧V1は検量線46Gbと変動範囲83が交差する範囲で変化し、センサ35の出力電圧V2は検量線46Gbと変動範囲84が交差する範囲で変化する。なお、本実施例では、図15に示すように、センサ35の出力電圧V2から軸方向変位L2を一つに特定できない場合があるため、軸方向変位L2を用いて振動変位ΔLを評価することはできない。
図16は、上述の測定方法を示すフロー図である。図中、図7で示したフローと同等の処理には同じ符号を付している。以下、図16に示すフローについて、図7に示したフローと相違する部分を中心に説明する。
ステップS100に続いて、センサ35の出力電圧波形から最小出力電圧Vminを特定する(ステップS204)。ステップS204に続いて、ギャップ−最小出力電圧検量線47に基づいて最小出力電圧VminからギャップGを特定する(ステップS205)。ステップS205に続いて、軸方向変位−出力電圧検量線データ46の中から、ギャップGに対応する軸方向変位−出力電圧検量線46xを特定する(ステップS300)。ステップS300に続いて、ステップS300で特定した検量線47xに基づいてセンサ34の出力電圧V1から軸方向変位L1を特定する。
本実施例に係るタービンブレード振動変位評価装置の構成は、データ処理装置202が図16に示すフローを実行するよう構成されている点を除き、実施例1と同様である。
上記のように構成したタービンブレード振動変位評価方法及び装置によれば、ブレードに追加の細工を施すことなく振動変位を評価することができるため、既存ブレードの振動測定が可能となり、タービンの異常を早期に検出することができる。
また、水滴や汚れが付着しても検出感度が低下しない磁場式変位センサを使用しているため、蒸気タービンに適用した場合も高精度の測定が可能となる。
実施例3に係るタービンブレード振動変位評価方法及び装置について、図17を用いて説明する。
実施例3に係る測定方法は、センサ34,35の出力電圧波形に応じて、実施例1に係る測定方法と実施例2に係る測定方法とを使い分けるものである。図17は、実施例3に係る測定方法を示すフロー図である。図中、図7及び図16で示したフローにおける処理と同等の処理には同じ符号を付している。以下、図17に示すフローについて、図7及び図16のフローと相違する部分を中心に説明する。
ステップS100に続き、ステップS100で計測したセンサ34,35出力電圧の振動1周期内に、極大値と極小値が合計3個以上あるか否かを判定する(ステップS206)。
ステップS206でYES(極大値と極小値が合計3個以上無い)と判定された場合は、同時刻の第1のセンサ出力電圧値と第2のセンサ出力電圧値及び差分電圧を求める(ステップS201)。ステップS201に続いて、出力電圧V1に対応するギャップ−差分電圧検量線48xを特定する(ステップS202)。ステップS202に続いて、ステップS202で特定したギャップ−差分電圧検量線48xに基づいてステップS201で求めた差分電圧ΔVからギャップGxを特定する(ステップS203)。
一方、ステップS206でNO(極大値と極小値が合計3個以上有る)と判定された場合は、センサ35の出力電圧波形から最小出力電圧Vminを特定する(ステップS204)。ステップS204に続いて、ギャップ−最小出力電圧検量線47に基づいて最小出力電圧VminからギャップGを特定する(ステップS205)。
ステップS203又はS205に続いて、ステップS300、S400を実行する。
本実施例に係るタービンブレード振動変位評価装置の構成は、データ処理装置202が図17に示すフローを実行するよう構成されている点を除き、実施例1と同様である。
上記のように構成したタービンブレード振動変位評価方法及び装置によれば、ブレードに追加の細工を施すことなく振動変位を評価することができるため、既存ブレードの振動測定が可能となり、タービンの異常を早期に検出することができる。
また、水滴や汚れが付着しても検出感度が低下しない磁場式変位センサを使用しているため、蒸気タービンに適用した場合も高精度の測定が可能となる。
さらに、実施例1及び2のようにセンサ34,35の位置を限定する必要がないため、センサ34,35の設置が容易となる。
10 ロータ軸
11 ディスク
30 ブレード
31 翼先端カバー
32 軸方向
33 半径方向
34,35 磁場式変位センサ
38 渦電流
46 軸方向変位−出力電圧検量線データ
47 ギャップ−最小出力電圧検量線
48 ギャップ−差分電圧検量線データ
60,61 出力電圧波形
62,63 変動範囲
80,81 出力電圧波形
83,84 変動範囲
100 タービン
101 回転体
102 ケーシング
200 タービンブレード振動変位評価装置
201 A/D変換装置
202 データ処理装置
203 表示装置
204 データベース部
205 演算部
206 メモリ部

Claims (5)

  1. 隣接するブレードの先端部に設けられた翼先端カバーがロータ回転時に互いに連結するように構成されたブレードのロータ軸方向における振動変位を評価するタービンブレード振動変位評価方法において、
    前記翼先端カバーと対向するように、かつロータ軸方向において互いに所定の間隔を隔てて取付けられた2つ以上の磁場式変位センサの出力電圧を計測する第1処理と、
    前記第1処理で計測した出力電圧から前記2つ以上の磁場式変位センサと前記翼先端カバーとのギャップを特定する第2処理と、
    前記第2処理で特定したギャップに対応する軸方向変位−出力電圧検量線を特定する第3処理と、
    前記第3処理で特定した軸方向変位−出力電圧検量線に基づいて前記第1処理で計測した出力電圧から軸方向変位を特定する第4処理と
    を備えたことを特徴とするタービンブレード振動変位評価方法。
  2. 請求項1記載のタービンブレード振動変位評価方法において、
    前記第2処理は、前記第1処理で計測した出力電圧の差分電圧を求め、前記第2つの磁場式変位センサの出力電圧のうち高い方の出力電圧に対応するギャップ−差分電圧検量線を特定し、この特定されたギャップ−差分電圧検量線に基づいて前記差分電圧からギャップを特定することを特徴とするタービンブレード振動変位評価方法。
  3. 請求項1記載のタービンブレード振動変位評価方法において、
    前記第2処理は、前記第1処理で計測した前記2つの磁場式変位センサの出力電圧波形から最小出力電圧を求め、ギャップ−最小出力電圧検量線に基づいて前記最小出力電圧からギャップを特定することを特徴とするタービンブレード振動変位評価方法。
  4. 請求項1記載のタービンブレード振動変位評価方法において、
    前記第2処理は、前記第2センサの出力電圧波形の振動1周期内に極大値及び極小値が合計で3個以上あるか否かを判定し、3個以上ないと判定された場合は、前記第1処理で検出した出力電圧の差分電圧を求め、前記第1センサの出力電圧に対応するギャップ−差分電圧検量線に基づいて前記差分電圧からギャップを特定し、3個以上あると判定された場合は、前記第1処理で計測した前記第2センサの出力電圧波形から最小出力電圧を特定し、ギャップ−最小出力電圧検量線に基づいて前記最小出力電圧からギャップを特定することを特徴とするタービンブレード振動変位評価方法。
  5. 隣接するブレードの翼先端カバーがロータ回転時に互いに連結するように構成されたブレードの軸方向振動変位を評価するタービンブレード振動変位評価装置において、
    前記翼先端カバーと対向するように、かつロータ軸方向において互いに所定の間隔を隔てて取付けられた少なくとも2つの磁場式変位センサと、
    前記2つの磁場式変位センサの出力電圧をデジタル信号に変換するA/D変換装置と、
    前記2つの磁場式変位センサの出力電圧と前記翼先端カバーの軸方向変位との関係を示す検量線データを格納するデータベース部、前記データベース部に格納された検量線データに基づいて前記A/D変換装置で変換したデジタル信号を前記翼先端カバーのロータ軸方向における変位を特定する演算部、及び前記演算部による演算結果を保持するメモリ部を有するデータ処理装置と、
    前記データ処理装置による処理結果を表示する表示装置と
    を備えたことを特徴とするタービンブレード振動変位評価装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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