JP2015099983A - 時刻同期システム、時刻同期方法及びコンピュータプログラム - Google Patents
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まず、図1を用いてIEEE1588の時刻同期アルゴリズムについて説明する。図1は、IEEE1588の時刻同期アルゴリズムによる通信シーケンスの動作を表すシーケンス図である。図1では、マスターノード10とスレーブノード20とが双方向通信を行っており、スレーブノード20が定期的にマスターノード10の時刻にスレーブノード20の時刻を同期させる。
スレーブノード20は、Sync送信時刻Tm(0)、Sync受信時刻Ts(0)に基づいて、以下の式1によってマスターノード10における時刻(以下、「マスター時刻」という。)とスレーブノード20における時刻(以下、「スレーブ時刻」という。)との差分MS_Diffを算出する。
以下、本発明の具体的な構成例(第1実施形態及び第2実施形態)について説明する。
図2は、本発明の第1実施形態における時刻同期システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。第1実施形態における時刻同期システム100は、マスターノード10及びスレーブノード20を備える。マスターノード10及びスレーブノード20は、Sync−E対応の装置であり、Sync−E対応の中継装置(不図示)により通信可能に接続される。
まず、マスターノード10の具体的な機能構成について説明する。マスターノード10は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、時刻同期用プログラムを実行する。時刻同期用プログラムの実行によって、マスターノード10は、Sync−E処理部101、検出部102、タイミング制御部103、時刻情報取得部104、パケット生成部105、制御部106、通信部107を備える装置として機能する。なお、マスターノード10の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、時刻同期用プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、時刻同期用プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
タイミング制御部103は、検出部102の検出結果に応じて時刻同期処理の実行タイミングの間隔(実行間隔)を制御する。より具体的には、タイミング制御部103は、Syncメッセージの送信タイミングの間隔を制御する。例えば、検出部102によって周波数情報の異常が検出された場合、タイミング制御部103は時刻同期処理の実行タイミングの間隔を、高精度の発振器が正常に動作しているときにマスターノード10が時刻同期処理を実行するタイミングの間隔と比べて短い間隔に変更する。一方、検出部102によって周波数情報の異常が検出されなかった場合、タイミング制御部103は時刻同期処理の実行タイミングの間隔を、高精度の発振器が正常に動作しているときにマスターノード10が時刻同期処理を実行するタイミングの間隔と比べて長い間隔又は現状の間隔に変更する。
パケット生成部105は、PTPメッセージを生成する。PTPメッセージとは、具体的には、Syncメッセージ、Follow_upメッセージ、Delay_Responseメッセージである。パケット生成部105は、タイミング制御部103の制御に従ってSyncメッセージを生成し、生成したSyncメッセージを通信部107を介してスレーブノード20に送信する。この際、パケット生成部105は、時刻情報取得部104によって取得された現在時刻の情報に基づいてSync送信時刻Tm(0)を記録する。
検出部102は、マスターノード10に供給される周波数情報の異常を検出する(ステップS201)。例えば、Sync−E処理部101によって周波数情報が取得されなかった場合、検出部102は周波数情報に異常があったと検出する。制御部106は、通知用メッセージを生成する(ステップS202)。通信部107は、生成された通知用メッセージをスレーブノード20に送信する(ステップS203)。
タイミング制御部103は、時刻同期処理の実行タイミングの間隔を制御する(ステップS205)。具体的には、タイミング制御部103は時刻同期処理の実行タイミングの間隔を、高精度の発振器が正常に動作しているときにマスターノード10が時刻同期処理を実行するタイミングの間隔と比べて短い間隔に変更する。その後、制御部106は、タイミング変更通知を生成する(ステップS206)。通信部107は、生成されたタイミング変更通知をスレーブノード20に送信する(ステップS207)。
マスターノード10の通信部107は、スレーブノード20から受信確認信号を受信する(ステップS210)。パケット生成部105は、タイミング制御部103の制御に従ってPTPメッセージ(Syncメッセージ)を生成する(ステップS211)。通信部107がPTPメッセージ(Syncメッセージ)をスレーブノード20に送信した後、マスターノード10とスレーブノード20との間で時刻同期処理が実行される(ステップS212)。その後、パケット生成部105がタイミング制御部103の制御タイミングでPTPメッセージ(Syncメッセージ)を生成することにより、マスターノード10とスレーブノード20との間で時刻同期処理が繰り返し実行される(ステップS213)。
1台のマスターノード10に対して複数台のスレーブノード20が接続されるように構成されてもよい。
また、本実施例では、マスターノード10とスレーブノード20との間で送受信されるメッセージとしてPTPメッセージを示したが、これに限定される必要はない。例えば、NTP(Network Time Protocol)メッセージやSNTP(Simple Network Time Protocol)メッセージなどのメッセージが用いられてもよいし、その他のメッセージが用いられてもよい。
本実施形態では、検出部102は、Sync−E処理部101によって周波数情報が取得されなかった場合に周波数情報の異常を検出する構成を示したが、その他の方法で周波数情報の異常を検出するように構成されてもよい。例えば、検出部102は、マスターノード10に新たに供給された周波数情報に基づいて生成されるマスタークロックと、マスターノード10が動作している現時点のマスタークロックとのずれが閾値以上である場合に周波数情報に異常があると検出してもよい。
本実施形態では、状態変化の具体例として、検出部102が自装置の周波数の異常を検出する構成を示したが、これに限定される必要はない。例えば、検出部102は、トラフィックの輻輳や中継装置(不図示)の異常等によるパケットロスの発生を状態変化として検出してもよいし、その他の情報を状態変化として検出してもよい。
以下、図5を用いて時刻同期システム100aの時刻同期処理の動作について具体的に説明する。
Sync−Eマスタ11の検出部112は、周波数情報の異常を検出する(ステップS301)。例えば、Sync−E処理部111によって周波数情報が取得されなかった場合、検出部112は周波数情報に異常があったと検出する。制御部113は、通知用メッセージを生成する(ステップS302)。通信部114は、生成された通知用メッセージをPTPマスタ12に送信する(ステップS303)。
スレーブノード20aの通信部201aは、通知用メッセージをPTPマスタ12から受信する(ステップS305)。制御部202aは、通知用メッセージを生成する(ステップS306)。通信部201aは、生成された通知用メッセージをPTPマスタ12に送信する(ステップS307)。
PTPマスタ12の通信部121は、受信確認信号をスレーブノード20aから受信する(ステップS314)。その後、パケット生成部124は、タイミング制御部123の制御に従ってPTPメッセージ(Syncメッセージ)を生成する(ステップS315)。通信部121がパケット生成部124によって生成されたPTPメッセージ(Syncメッセージ)をスレーブノード20aに送信した後、PTPマスタ12とスレーブノード20aとの間で時刻同期処理が実行される(ステップS316)。その後、パケット生成部124がタイミング制御部123の制御タイミングでPTPメッセージ(Syncメッセージ)を生成することにより、PTPマスタ12とスレーブノード20aとの間で時刻同期処理が繰り返し実行される。
時刻同期システム100aでは、PTPマスタ12がスレーブノード20aから通知用メッセージを受信した場合に、時刻同期処理の実行タイミングを変更する構成を示したが、これに限定される必要はない。例えば、Sync−Eマスタ11の検出部112が周波数情報の異常を検知した場合に、Sync−Eマスタ11からPTPマスタ12宛てに通知用メッセージを送信し、PTPマスタ12が受信した通知用メッセージに基づいて時刻同期処理の実行タイミングを変更するように構成されてもよい。
図6は、本発明の第2実施形態における時刻同期システム100bのシステム構成を示す概略ブロック図である。第2実施形態における時刻同期システム100bは、マスターノード10b及びスレーブノード20bを備える。マスターノード10b及びスレーブノード20bは、Sync−E対応の装置であり、Sync−E対応の中継装置(不図示)により通信可能に接続される。
まず、マスターノード10bの具体的な機能構成について説明する。マスターノード10bは、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、時刻同期用プログラムを実行する。時刻同期用プログラムの実行によって、マスターノード10bは、Sync−E処理部101b、タイミング制御部103b、時刻情報取得部104b、パケット生成部105b、制御部106b、通信部107bを備える装置として機能する。なお、マスターノード10bの各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、時刻同期用プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、時刻同期用プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
パケット生成部105bは、PTPメッセージを生成する。パケット生成部105bは、タイミング制御部103bの制御に従ってSyncメッセージを生成し、生成したSyncメッセージを通信部107bを介してスレーブノード20bに送信する。この際、パケット生成部105bは、時刻情報取得部104bによって取得された現在時刻の情報に基づいてSync送信時刻Tm(0)を記録する。
通信部107bは、スレーブノード20bとの間で通信を行う。
制御部202bは、スレーブノード20bの各機能部を制御する。例えば、制御部202bは、通信部201bがマスターノード10bとの間でPTPメッセージを送受信した際に取得される時刻情報((Sync送信時刻Tm(0)、Sync受信時刻Ts(0)、Delay送信時刻Ts(1)、Delay受信時刻Tm(1))に基づいてOffsetを算出する。そして、制御部202bは、算出したOffsetに基づいてスレーブノード20bの時刻を補正する。 Sync−E処理部203bは、スレーブノード20bにおける1秒の時間幅を決定する。具体的には、Sync−E処理部203bは、通信部201bによって受信された同期用メッセージに格納されるマスタークロックの情報に基づいてスレーブクロックを生成することによって、スレーブノード20bにおける1秒の時間幅を決定する。
スレーブノード20bの検出部204bは、周波数の精度の劣化を検出する(ステップS401)。制御部202bは、通知用メッセージを生成する(ステップS402)。通信部201bは、生成された通知用メッセージをマスターノード10bに送信する(ステップS403)。
マスターノード10bの通信部107bは、スレーブノード20bから通知用メッセージを受信する(ステップS404)。その後、ステップS205からステップS213までの処理が実行される。
1台のマスターノード10bに対して複数台のスレーブノード20bが接続されるように構成されてもよい。
また、本実施例では、マスターノード10bとスレーブノード20bとの間で送受信されるメッセージとしてPTPメッセージを示したが、これに限定される必要はない。例えば、NTP(Network Time Protocol)メッセージやSNTP(Simple Network Time Protocol)メッセージなどのメッセージが用いられてもよいし、その他のメッセージが用いられてもよい。
本実施形態では、状態変化の具体例として、検出部204bが周波数の精度の劣化を検出する構成を示したが、これに限定される必要はない。例えば、検出部204bは、トラフィックの輻輳や中継装置(不図示)の異常等によるパケットロスの発生を状態変化として検出してもよいし、その他の情報を状態変化として検出してもよい。
第2実施形態では、Sync−E処理部101b、タイミング制御部103b、時刻情報取得部104b、パケット生成部105b、制御部106b、通信部107bの全ての機能部が1台の装置(マスターノード10b)に備えられる構成を示したが、これに限定される必要はない。図8は、時刻同期システム100bの変形例である時刻同期システム100cのシステム構成を示す概略ブロック図である。図8に示されるように、マスターノード10bは、例えばSync−Eマスタ11c及びPTPマスタ12cの2つの装置で構成されてもよい。このように構成される場合、Sync−Eマスタ11cはSync−E処理部111c、制御部113c及び通信部114cを備え、PTPマスタ12cは通信部121c、制御部122c、タイミング制御部123c、パケット生成部124c、時刻情報取得部125c及びSync−E処理部126cを備える。
以上のように構成された時刻同期システム100cにおける時刻同期処理の動作については、図7と同様の処理が行なわれる。
Claims (5)
- 双方向通信を行うマスターノードとスレーブノードとを備え、前記スレーブノードにおける時刻を前記マスターノードにおける時刻に同期させる時刻同期システムであって、
前記マスターノードは、
前記マスターノード又は前記スレーブノードの状態変化が検出されると、前記スレーブノードにおける時刻を前記マスターノードにおける時刻に同期させるための処理である時刻同期処理の実行間隔を制御するタイミング制御部と、
前記タイミング制御部の制御に従って、前記スレーブノードとの間で前記時刻同期処理に使用される制御メッセージの送受信を行う通信部と、
を備え、
前記スレーブノードは、
前記マスターノードと前記制御メッセージの送受信を行う通信部と、
前記通信部が前記制御メッセージを送受信した際に取得される時刻情報に基づいて前記スレーブノードの時刻を前記マスターノードの時刻に同期させる時刻同期処理部と、
を備える時刻同期システム。 - 前記マスターノードは、
自装置の動作基準となる周波数の異常を検出する検出部を更に備え、
前記タイミング制御部は、前記マスターノード又は前記スレーブノードの状態変化として自装置の動作基準となる周波数の異常が検出されると、前記時刻同期処理の実行間隔を制御する、請求項1に記載の時刻同期システム。 - 前記スレーブノードは、
周波数の精度の劣化を検出する検出部を更に備え、
前記タイミング制御部は、前記マスターノード又は前記スレーブノードの状態変化として周波数の精度の劣化が検出されると、前記時刻同期処理の実行間隔を制御する、請求項1に記載の時刻同期システム。 - 双方向通信を行うマスターノードとスレーブノードとを備え、前記スレーブノードにおける時刻を前記マスターノードにおける時刻に同期させる時刻同期システムが行う時刻同期方法であって、
前記マスターノードが、前記マスターノード又は前記スレーブノードの状態変化が検出されると、前記スレーブノードにおける時刻を前記マスターノードにおける時刻に同期させるための処理である時刻同期処理の実行間隔を制御するタイミング制御ステップと、
前記マスターノードが、前記タイミング制御ステップにおける制御に従って、前記スレーブノードとの間で前記時刻同期処理に使用される制御メッセージの送受信を行う通信ステップと、
前記スレーブノードが、前記マスターノードと前記制御メッセージの送受信を行う通信ステップと、
前記スレーブノードが、前記通信ステップにおいて前記制御メッセージを送受信した際に取得される時刻情報に基づいて前記スレーブノードの時刻を前記マスターノードの時刻に同期させる時刻同期処理ステップと、
を有する時刻同期方法。 - 双方向通信を行うマスターノードとスレーブノードとを備え、前記スレーブノードにおける時刻を前記マスターノードにおける時刻に同期させる時刻同期システムとして、前記マスターノードに相当する第1のコンピュータ及び前記スレーブノードに相当する第2のコンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、
前記第1のコンピュータに対し、
前記マスターノード又は前記スレーブノードの状態変化が検出されると、前記スレーブノードにおける時刻を前記マスターノードにおける時刻に同期させるための処理である時刻同期処理の実行間隔を制御するタイミング制御ステップと、
前記タイミング制御ステップにおける制御に従って、前記スレーブノードとの間で前記時刻同期処理に使用される制御メッセージの送受信を行う通信ステップと、
を実行させ、
前記第2のコンピュータに対し、
前記マスターノードと前記制御メッセージの送受信を行う通信ステップと、
前記通信ステップにおいて前記制御メッセージを送受信した際に取得される時刻情報に基づいて前記スレーブノードの時刻を前記マスターノードの時刻に同期させる時刻同期処理ステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
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