JP2015098467A - 安定性が改善された製剤 - Google Patents

安定性が改善された製剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2015098467A
JP2015098467A JP2014209601A JP2014209601A JP2015098467A JP 2015098467 A JP2015098467 A JP 2015098467A JP 2014209601 A JP2014209601 A JP 2014209601A JP 2014209601 A JP2014209601 A JP 2014209601A JP 2015098467 A JP2015098467 A JP 2015098467A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
olanzapine
mixed
fluidizing agent
oral preparation
related substances
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014209601A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5823592B2 (ja
Inventor
正孝 齋藤
Masataka Saito
正孝 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meiji Seika Kaisha Ltd
Meiji Seika Pharma Co Ltd
Original Assignee
Meiji Seika Kaisha Ltd
Meiji Seika Pharma Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meiji Seika Kaisha Ltd, Meiji Seika Pharma Co Ltd filed Critical Meiji Seika Kaisha Ltd
Priority to JP2014209601A priority Critical patent/JP5823592B2/ja
Publication of JP2015098467A publication Critical patent/JP2015098467A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5823592B2 publication Critical patent/JP5823592B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

【課題】製剤の主たる賦形剤として繁用される糖アルコール又は糖類等は流動性が劣る為、造粒時の流動性を改善する目的で流動化剤が配合されるが、流動化剤にはしばしば薬物の分解を促進する課題があり、これに適切な添加剤を配合することによる製剤の安定性の改善。【解決手段】流動化剤により不安定化するオランザピンの製剤組成物にアルカリ性添加剤を配合することで、熱、湿度及び光照射による類縁物質の増加を抑制することができ、一般的な方法で製造可能で、安定性や物理的品質にも優れた口腔内崩壊錠をはじめとするオランザピンの経口製剤。【選択図】なし

Description

本発明は、流動化剤により不安定化するオランザピンの製剤組成物にアルカリ性添加剤を配合することで、保存安定性を改善することに関する。
医薬品の経口投与製剤には、液剤、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等種々の剤形が存在する。その中で、製造性や服用性に優れるため最も繁用されるのは錠剤である。さらに、近年では易服用性を目的とする口腔内崩壊錠が多数開発され、上市されている。
口腔内崩壊錠の製法は、凍結乾燥による鋳型錠、湿潤顆粒を成形後に乾燥する湿製錠、低圧成形錠を加湿後乾燥する方法など様々あるが、最近ではコスト面などから特殊装置でなく既存の造粒機や打錠機を用いて口腔内崩壊錠を製する方法が増えている。
口腔内崩壊錠が求められる例には、高血圧治療剤、糖尿病治療剤、認知症治療剤など、嚥下能力の低下した高齢者を主な対象とする疾患があり、服用時のつかえ感を軽減する目的が挙げられる。そのほか、統合失調症や双極性障害等の精神疾患における治療剤においても、服用を拒む患者に介助者が速やかに投薬・嚥下させるのに有用とされる(非特許文献1)。
統合失調症及び双極性障害の治療薬であるオランザピンは、イーライ・リリー社よりジプレキサ(登録商標)としてフィルムコート錠、ザイディス(登録商標)錠、細粒及び筋注の4剤形が発売されている。この中で、ザイディス錠は上述の凍結乾燥による鋳型錠に相当する。ザイディス錠は口腔内において数秒で溶解するため、本疾患の剤形として優れる半面、製造には特殊な装置を要するほか、製剤が非常にもろく取り扱いにくいといった課題がある。特許文献1にはオランザピンの口腔内崩壊錠を湿製錠方式で製する方法が開示されているが、これも一般的装置では製造できないうえ、平均硬度も3kpと十分でない。
また、オランザピンの製剤化には安定性に関する課題もある。特許文献2には、オランザピンがある種の添加剤との接触により褪色し、高温、高湿条件ではそれが加速するため、錠剤にフィルムコーティングを施すことで美観を維持する方法が開示されている。特許文献3には、アルカリ性賦形剤を用いるとオランザピンの安定性に負の効果をもたらすが、事前にオランザピンを単離剤と十分に混合しておけば分解が抑制されるほか、機能性ポリマーで錠剤をコーティングすることでも錠剤の着色及びアルカリ性賦形剤による不安定化を改善できることが開示されている。しかし、これらはいずれも普通錠の安定化方策である。口腔内崩壊錠は一般に錠剤硬度が低く摩損しやすいことから、フィルムコーティングを適用すると操作中に錠剤の欠けなどを生じ外観を損ねやすいほか、被膜の存在が口腔内崩壊性を落とすことにもつながり、困難と予想される。
そのため、特殊でない一般的装置で製造ができ、かつ安定性や物理的品質に優れたオランザピンの口腔内崩壊錠が求められていた。
なお、特許文献4には、水分と接触すると崩壊する、炭酸マグネシウムヘビーを含有する速崩壊型の製剤が開示され、オランザピンを含有する口腔分散性錠剤が例示されているが、安定性には言及していない。
特表2008-536922号公報 特表平11−502848号公報 特表2009−521518号公報 特表2008−531681号公報
月刊薬事、2008.10(Vol.50 No.11)25−32
普通錠を得る一般的な方法で口腔内崩壊錠を製する場合、流通上及び取扱い上支障のない錠剤硬度に加え、服用性に優れた速やかな崩壊をいかに両立させるかが課題となる。その中で、比較的簡便な方法としては、シリカ系(ケイ酸類)に代表される流動化剤を配合することで高い硬度と速崩壊性を両立できることが知られている。口腔内崩壊錠の主たる賦形剤として繁用される糖アルコールまたは糖類などは流動性が劣るため、造粒時の流動性を改善するのにも都合が良い。しかし、流動化剤にはしばしば薬物の分解を促進する課題がある。オランザピンも原薬単独は非常に安定であるが、口腔内崩壊錠を製するに当たり賦形剤の流動性を改善する目的で流動化剤を検討したところ、熱、湿度及び光照射のいずれでも顕著に類縁物質が増加することが分かった。
オランザピンの口腔内崩壊錠の検討において、造粒時の賦形剤等の流動性確保と、得られる錠剤の硬度及び速崩壊性を両立するには流動化剤の配合が好ましいことから、安定化する方法につき検討した。その結果、アルカリ性添加剤を配合することで、流動化剤の配合に伴う類縁物質の増加を明らかに抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。これは特許文献3でアルカリ性賦形剤がオランザピンの安定性に負の効果をもたらすという結果と相反しており、意外な効果であった。
すなわち本発明は、流動化剤により不安定化するオランザピンの製剤組成物にアルカリ性添加剤を配合することで、保存安定性を改善した製剤である。
本発明によれば、アルカリ性添加剤を配合することで、流動化剤による類縁物質の増加を抑制することができ、一般的な方法で製造可能で、安定性や物理的品質にも優れたオランザピンの口腔内崩壊錠をはじめとするオランザピンの経口製剤を提供することができる。
比較例1〜3の錠剤硬度と崩壊時間の関係を示す。 比較例1〜3の保存試験における類縁物質量の経時的推移を示す。 比較例4、実施例1〜2の錠剤硬度と崩壊時間の関係を示す。 比較例4、実施例1〜2の保存試験における類縁物質量の経時的推移を示す。 比較例4、実施例3〜4の保存試験における類縁物質量の経時的推移を示す。 比較例5、実施例5の保存試験における類縁物質量の経時的推移を示す。 比較例4、実施例6〜7の保存試験における類縁物質量の経時的推移を示す。 比較例4、実施例2、実施例8〜11の保存試験における類縁物質量の経時的推移を示す。 比較例6、実施例12の保存試験における類縁物質量の経時的推移を示す。 比較例7、実施例13の保存試験における類縁物質量の経時的推移を示す。 比較例8、実施例14の保存試験における類縁物質量の経時的推移を示す。 比較例9、実施例15の保存試験における類縁物質量の経時的推移を示す。 比較例10、実施例16〜17の保存試験における類縁物質量の経時的推移を示す。 比較例4、実施例8〜11の光安定性試験における類縁物質量を示す。
流動化剤による安定性の低下をアルカリ性添加剤の配合により改善した本発明の一例であるオランザピン口腔内崩壊錠は、その他の成分として賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤などを加え、普通錠を得る一般的な方法で製造できる。
流動化剤は、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、タルクなどのシリカ系の流動化剤のほか、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウムなどが例示される。この中で、流動性改善効果や崩壊補助効果の点で好ましいのはシリカ系流動化剤、さらに好ましくは軽質無水ケイ酸が挙げられる。なお、流動化剤により不安定化する、あるいは安定性が低下するとは、これを配合しない処方と比べ、熱、湿度、光照射により主薬由来の類縁物質が増える状態を指し、安定化あるいは安定性を改善するとは、アルカリ性添加剤を配合しない処方に比べ同様の類縁物質が低減する状態を指す。(改行なし) なお、流動化剤は医薬品の承認申請上、賦形剤に区分される場合もあるが、本発明の目的はこれらがオランザピン製剤中に存在することによる安定性の低下をアルカリ性添加剤の配合で改善したことにあるため、承認申請上の配合目的に関わらず、前記に例示された流動化剤が配合されたオランザピン製剤が本発明の対象となる。
流動化剤の配合量は、多いほど錠剤硬度や崩壊補助効果が高まるが、薬物の安定性を低下させる成分であるため、製剤中の0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5重量%、さらに好ましくは1〜3重量%である。
流動化剤による安定性低下を改善するために使用するアルカリ性添加剤としては、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩や、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属またはマグネシウムの塩、あるいはL−アルギニン、オルニチンなどの塩基性アミノ酸が例示される。この中で、好ましくはアルカリ土類金属またはマグネシウムの塩及び塩基性アミノ酸、さらに好ましくは炭酸マグネシウム及びL−アルギニンが挙げられる。これらは2種以上を組み合わせても良い。
アルカリ性添加剤の配合量は多いほど安定性改善に有効であるが、添加剤の種類によっては崩壊遅延を生じることから、製剤物性への影響も考慮すると好ましくは製剤中の0.05〜10重量%であり、さらに好ましくは0.1〜5重量%である。
賦形剤は、特に限定されるものではないが、口腔内崩壊錠を製するのに適したものとしてD−マンニトール、エリスリトール、ソルビトールなどの糖アルコール、乳糖、マルトースなどの糖類、リン酸水素カルシウムなどの無機塩類やセルロース類などが例示される。この中で、好ましくは糖アルコール、さらに好ましくはD−マンニトールが挙げられる。これらは2種以上を組み合わせても良い。
賦形剤の配合量は、他の成分の配合量を優先した後の重量調整にはなるが、製剤中の50重量%以上が好ましく、さらに好ましくは70重量%以上である。
崩壊剤は、特に限定されるものではないが、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルメロース、デンプングリコール酸ナトリウム、部分アルファー化デンプン、デンプンなどが例示される。この中で、好ましくはクロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、さらに好ましくはクロスポビドン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。これらは2種以上を組み合わせても良い。
崩壊剤の配合量は、多いほど錠剤の崩壊を速やかにできるが、湿度の高い条件に保存した際に膨張して錠剤硬度を低下させるなど負の影響もあることから、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは5〜15重量%である。
結合剤は、特に限定されるものではないが、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コムギデンプン、デキストリン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプンなどのデンプン系結合剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポビドン、コポリビドン、ポリビニルアルコールなどの水溶性合成高分子が例示される。この中で、好ましくはデンプン系、さらに好ましくはトウモロコシデンプンが挙げられる。
結合剤の配合量は、多いほど錠剤硬度が高く、少ないほど速崩壊性には有利になるが、製剤中の1〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは1.5〜2.5重量%である。
滑沢剤は、特に限定されるものではないが、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ショ糖脂肪酸エステルが例示される。この中で、好ましくはステアリン酸マグネシウム及びフマル酸ステアリルナトリウムが挙げられる。
滑沢剤の配合量は、多いほどスティッキング等の打錠障害回避に有利であるが、その半面で疎水性に基づく崩壊遅延を生じることから、製剤中の0.1〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜2重量%である。ただし、外部滑沢装置を使用する場合はごく少量でも必要とする機能を満たすことができる。
そのほか、必要に応じて甘味剤、矯味剤、着色剤、コーティング剤、香料などを配合することもできる。
口腔内崩壊錠の製造方法は、特に限定されるものではないが、薬物と賦形剤、流動化剤、崩壊剤等を流動層造粒機、撹拌造粒機、乾式造粒機などの一般的造粒装置を用いて造粒する方法が例示される。この中で、好ましくは流動層造粒法が挙げられる。アルカリ性物質は造粒時に粉末として添加するのでも良く、結合液に溶解または分散して添加しても良い。その後、造粒によって得た顆粒に滑沢剤を混合し、打錠機を用いて打錠すれば、普通錠と同様の方法で簡便に口腔内崩壊錠を得ることができる。
本発明はオランザピンの口腔内崩壊錠に限定されるものではなく、流動化剤により不安定化するオランザピンの経口製剤であれば適用することができる。また、各添加剤の種類や配合量も、求める製剤品質に応じて変更でき、上記に例示した範囲に限らない。
本発明の好適な実施形態について、オランザピンの口腔内崩壊錠の例を以下に説明する。
比較例1〜3:流動化剤を配合し、アルカリ性添加剤を配合しない例
D−マンニトール(三菱商事フードテック製、マンニットP)、軽質無水ケイ酸(日本アエロジル製、アエロジル(登録商標)200)、アスパルテーム(味の素製、味の素KKアスパルテーム)を混合後、ピンミル(ホソカワミクロン製、ファインインパクトミル100UPZ)で14000回転にて粉砕した。これに低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業製、L−HPC(登録商標)LH22)、クロスポビドン(ISP製、ポリプラスドン(登録商標)XL−10)及びオランザピンを混合し、トウモロコシデンプン(日澱化学製、トウモロコシデンプンST−C)の水分散液を加熱して得た糊液を用いて流動層造粒機(パウレック製、MP−01)にて2800錠スケールで造粒した。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム(日油製、ステアリン酸マグネシウムS)を混合後、ロータリー式打錠機(菊水製作所製、VIRG0518SS2AZ)で打錠して、表1に示す配合の製剤を得た。錠剤は1錠中にオランザピンを5mg含み、質量を160mg、形状はφ8.0mm、9.5Rとした。
打錠圧650、750、800、850、950kgf/杵で得た各配合の製剤について、10錠の錠剤硬度(硬度計:シュロイニゲル製8M)と6錠の崩壊時間(崩壊試験器:富山産業製NT-60H、試験条件:水、37℃)を測定した結果、図1のように軽質無水ケイ酸の配合量が多いほど、一定錠剤硬度における崩壊時間は短くなった。
比較例1〜3の製剤は口腔内崩壊錠としての物性は問題なかったため、安定性を調査した。高密度ポリエチレン(HDPE)製容器に100錠充填したのち、40℃75%RH恒温恒湿器に気密(1gのアロフェン製乾燥剤付フタ)及び開放(フタなし)で保存して、一定期間後に取り出した。以下に示す高速液体クロマトグラフィ(HPLC)条件で類縁物質総量を測定した結果、図2に示すように軽質無水ケイ酸の配合量が多いほど類縁物質量は増加しやすく、特に湿度の影響を顕著に受け、許容できる品質ではなかった。
(HPLCによる類縁物質測定条件)
装置:LC−2010CHT(島津製作所)
検出器:紫外吸光光度計(220nm)
カラム:オクチルジイソプロピルシリル化シリカゲル
カラム温度:35℃
移動相:30mMドデシル硫酸ナトリウム水溶液にリン酸3.3mLを加え、25%(w/v)水酸化ナトリウム水溶液でpHを2.5に調整し、1Lとする(A液)。A液520mLにアセトニトリル480mLを混合し、B液とする。また、A液300mLにアセトニトリル700mLを混合し、C液とする。B液とC液を以下の時間で濃度勾配制御する。
時間(分) 移動相B液 移動相C液
0〜20 100→0 0→100
20〜25 0 100
25〜27 0→100 100→0
27〜35 100 0
流量:約1.5mL/分(オランザピンの保持時間を約13分に調整する)
注入量:20μL
比較例4、実施例1、実施例2:軽質無水ケイ酸に炭酸マグネシウムを併用した例
比較例4は、D−マンニトール470.9g及び軽質無水ケイ酸11.5gを混合後、ピンミルで粉砕したのち375.2gを秤量し、これにオランザピン14.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31.9g、クロスポビドン14.0gを混合して流動層造粒機に投入した。これに、精製水581.7gにトウモロコシデンプン18.0g及びショ糖脂肪酸エステル(第一工業製薬製、DKエステル(登録商標)SS)0.28gを分散し、加熱して得た糊液242.7gを噴霧して造粒した。得られた造粒品395.0gにステアリン酸マグネシウム5.0gを混合後、ロータリー式打錠機で打錠した。
実施例1は、D−マンニトール452.9g及び軽質無水ケイ酸11.5gを混合後、ピンミルで粉砕したのち361.2gを秤量し、これにオランザピン14.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31.9g、クロスポビドン14.0gを混合して流動層造粒機に投入した。これに、精製水364.7gにトウモロコシデンプン12.0g、ショ糖脂肪酸エステル0.18g及び炭酸マグネシウム(協和化学工業製、炭酸マグネシウム)23.1gを分散し、加熱して得た糊液242.7gを噴霧して造粒した。得られた造粒品395.0gにステアリン酸マグネシウム5.0gを混合後、ロータリー式打錠機で打錠した。
実施例2は、D−マンニトール452.9g、軽質無水ケイ酸11.5g及び炭酸マグネシウム18.0gを混合後、ピンミルで粉砕したのち375.2gを秤量し、これにオランザピン14.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31.9g、クロスポビドン14.0gを混合して流動層造粒機に投入した。これに、比較例4で調製した糊液242.7gを噴霧して造粒した。得られた造粒品395.0gにステアリン酸マグネシウム5.0gを混合後、ロータリー式打錠機で打錠した。
打錠圧650、750、800、850、950kgf/杵で得た各配合の製剤について、10錠の錠剤硬度と6錠の崩壊時間の関係を図3に示したが、炭酸マグネシウムは錠剤の硬度及び崩壊性にほとんど影響を与えなかった。
比較例4及び実施例1〜2の製剤は口腔内崩壊錠としての物性は問題なかったため、安定性を調査した。HDPE製容器に100錠充填したのち、40℃75%RH恒温恒湿器に気密(1gのアロフェン製乾燥剤付フタ)及び開放(フタなし)で保存して、一定期間後に取り出して類縁物質を測定した。その結果、図4に示すように比較例4の製剤は類縁物質が増加しやすいのに対し、炭酸マグネシウムを配合した実施例1及び2は明らかに類縁物質の増加が抑制されていた。特に、湿度の高い条件での安定性改善効果は大きかった。また、炭酸マグネシウムは造粒時に粉末で添加しても、結合液に分散して添加しても、安定性改善効果は同等であった。
実施例3、実施例4:炭酸マグネシウムの配合量を変動させた例
安定性向上に対する炭酸マグネシウム量の影響を調査するため、実施例3、実施例4として各々1mg/錠、10mg/錠とした製剤を調製した。
実施例3は、D−マンニトール467.3g、軽質無水ケイ酸11.5g及び炭酸マグネシウム3.6gを混合後、ピンミルで粉砕したのち375.2gを秤量し、これにオランザピン14.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31.9g、クロスポビドン14.0gを混合して流動層造粒機に投入した。これに、精製水581.7gにトウモロコシデンプン18.0g及びショ糖脂肪酸エステル0.27gを分散し、加熱して得た糊液242.7gを噴霧して造粒した。得られた造粒品395.0gにステアリン酸マグネシウム5.0gを混合後、ロータリー式打錠機で打錠した。
実施例4は、D−マンニトール434.9g、軽質無水ケイ酸11.5g及び炭酸マグネシウム36.0gを混合後、ピンミルで粉砕したのち375.2gを秤量し、これにオランザピン14.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31.9g、クロスポビドン14.0gを混合して流動層造粒機に投入した。これに、実施例3で調製した糊液242.7gを噴霧して造粒した。得られた造粒品395.0gにステアリン酸マグネシウム5.0gを混合後、ロータリー式打錠機で打錠した。
得られた製剤をHDPE製容器に100錠充填したのち、40℃75%RH恒温恒湿器に気密(1gのアロフェン製乾燥剤付フタ)及び開放(フタなし)で保存して、一定期間後に取り出して類縁物質を測定した。その結果、図5に示すように比較例4と比べて、炭酸マグネシウムの配合量が1mg/錠(実施例3)であっても類縁物質の増加が抑制されていた。特に、湿度の高い条件での安定性改善効果は大きかった。
比較例5、実施例5:ケイ酸カルシウムにL−アルギニンを併用した例
流動化剤にケイ酸カルシウム、アルカリ性添加剤にL-アルギニンを用い、安定性を比較した。
比較例5は、D−マンニトール473.8g及びケイ酸カルシウム(富田製薬製、フローライト(登録商標)RE)8.6gを混合後、ピンミルで粉砕したのち375.2gを秤量し、これにオランザピン14.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31.9g、クロスポビドン14.0gを混合して流動層造粒機に投入した。これに、精製水1066.5gにトウモロコシデンプン33.0g及びショ糖脂肪酸エステル0.51gを分散し、加熱して得た糊液242.7gを噴霧して造粒した。得られた造粒品395.0gにステアリン酸マグネシウム5.0gを混合後、ロータリー式打錠機で打錠した。
実施例5は、D−マンニトール1253.3g、ケイ酸カルシウム23.8g及びクロスポビドン49.5gを混合後、ピンミルで粉砕したのち412.7gを秤量した。これを流動層造粒機に投入し、精製水432.0gにL−アルギニン(和光純薬工業製、試薬特級)18.0gを溶解して得た水溶液385.0gを噴霧した。得られた粉末389.2gにオランザピン14.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31.9gを混合して流動層造粒機に投入した。これに、精製水824.1gにトウモロコシデンプン25.5g及びショ糖脂肪酸エステル0.39gを分散し、加熱して得た糊液242.7gを噴霧して造粒した。得られた造粒品395.0gにステアリン酸マグネシウム5.0gを混合後、ロータリー式打錠機で打錠した。
得られた製剤をHDPE製容器に100錠充填したのち、40℃75%RH恒温恒湿器に気密(1gのアロフェン製乾燥剤付フタ)及び開放(フタなし)で保存して、一定期間後に取り出して類縁物質を測定した。その結果、図6に示すように比較例5と比べて、L−アルギニンを配合した実施例5は類縁物質の増加が抑制されていた。特に、気密条件での安定性改善効果は大きかった。
実施例6〜7:軽質無水ケイ酸にL−アルギニンを併用した例
流動化剤に軽質無水ケイ酸、アルカリ性添加剤に実施例5よりも少ない量のL−アルギニンを用い、安定性を比較した。
実施例6は、D−マンニトール859.3g及び軽質無水ケイ酸21.1gを混合後、ピンミルで粉砕したのち373.5gを秤量し、これにオランザピン14.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31.9g、クロスポビドン14.0gを混合して流動層造粒機に投入した。これに、精製水310.0gにトウモロコシデンプン9.6g、ショ糖脂肪酸エステル0.15g及びL−アルギニン0.7gを分散し、加熱して得た糊液242.7gを噴霧して造粒した。得られた造粒品394.0gにステアリン酸マグネシウム6.0gを混合後、ロータリー式打錠機で打錠した。
実施例7は、実施例6で得たD−マンニトール及び軽質無水ケイ酸の粉砕品を373.0g秤量し、これにオランザピン14.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31.9g、クロスポビドン14.0gを混合して流動層造粒機に投入した。これに、精製水309.0gにトウモロコシデンプン9.6g、ショ糖脂肪酸エステル0.15g及びL−アルギニン1.5gを分散し、加熱して得た糊液242.7gを噴霧して造粒した。得られた造粒品394.0gにステアリン酸マグネシウム6.0gを混合後、ロータリー式打錠機で打錠した。
得られた製剤をHDPE製容器に100錠充填したのち、40℃75%RH恒温恒湿器に気密(1gのアロフェン製乾燥剤付フタ)及び開放(フタなし)で保存して、一定期間後に取り出して類縁物質を測定した。その結果、図7に示すように比較例4と比べて、少量のL−アルギニンを配合した実施例6〜7は類縁物質の増加が抑制されていた。
実施例8〜11:軽質無水ケイ酸に炭酸マグネシウムとL−アルギニンを併用した例
流動化剤に軽質無水ケイ酸、アルカリ性添加剤に炭酸マグネシウムとL−アルギニンを併用し、安定性を比較した。
実施例8は、D−マンニトール452.2g、軽質無水ケイ酸11.5g及び炭酸マグネシウム18.0gを混合後、ピンミルで粉砕したのち374.6gを秤量し、これにオランザピン14.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31.9g、クロスポビドン14.0gを混合して流動層造粒機に投入した。これに、精製水386.9gにトウモロコシデンプン12.0g、ショ糖脂肪酸エステル0.18g及びL−アルギニン0.92gを分散し、加熱して得た糊液242.7gを噴霧して造粒した。得られた造粒品395.0gにステアリン酸マグネシウム5.0gを混合後、ロータリー式打錠機で打錠した。
実施例9は、D−マンニトール451.4g、軽質無水ケイ酸11.5g及び炭酸マグネシウム18.0gを混合後、ピンミルで粉砕したのち374.1gを秤量し、これにオランザピン14.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31.9g、クロスポビドン14.0gを混合して流動層造粒機に投入した。これに、精製水386.0gにトウモロコシデンプン12.0g、ショ糖脂肪酸エステル0.18g及びL−アルギニン1.8gを分散し、加熱して得た糊液242.7gを噴霧して造粒した。得られた造粒品395.0gにステアリン酸マグネシウム5.0gを混合後、ロータリー式打錠機で打錠した。
実施例10は、D−マンニトール450.7g、軽質無水ケイ酸11.5g及び炭酸マグネシウム18.0gを混合後、ピンミルで粉砕したのち373.5gを秤量し、これにオランザピン14.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31.9g、クロスポビドン14.0gを混合して流動層造粒機に投入した。これに、精製水385.0gにトウモロコシデンプン12.0g、ショ糖脂肪酸エステル0.18g及びL−アルギニン2.8gを分散し、加熱して得た糊液242.7gを噴霧して造粒した。得られた造粒品395.0gにステアリン酸マグネシウム5.0gを混合後、ロータリー式打錠機で打錠した。
実施例11は、D−マンニトール449.3g、軽質無水ケイ酸11.5g及び炭酸マグネシウム18.0gを混合後、ピンミルで粉砕したのち372.4gを秤量し、これにオランザピン14.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31.9g、クロスポビドン14.0gを混合して流動層造粒機に投入した。これに、精製水383.2gにトウモロコシデンプン12.0g、ショ糖脂肪酸エステル0.18g及びL−アルギニン4.6gを分散し、加熱して得た糊液242.7gを噴霧して造粒した。得られた造粒品395.0gにステアリン酸マグネシウム5.0gを混合後、ロータリー式打錠機で打錠した。
得られた製剤をHDPE製容器に100錠充填したのち、40℃75%RH恒温恒湿器に気密(1gのアロフェン製乾燥剤付フタ)及び開放(フタなし)で保存して、一定期間後に取り出して類縁物質を測定した。その結果、図8に示すように、炭酸マグネシウムのみを配合した実施例2と比べてL−アルギニンを併用した実施例8〜11は、L−アルギニンの配合量増加に従って類縁物質の増加が抑制されていた。
比較例6、実施例12:結晶セルロースにL−アルギニンを併用した例
流動化剤に結晶セルロース、アルカリ性添加剤にL-アルギニンを用い、安定性を比較した。
比較例6は、D−マンニトール(三菱商事フードテック製、マンニットC)693.8g及び結晶セルロース(旭化成ケミカルズ製、セオラス(登録商標)UF711)94.1gを混合後、JP30号ふるいで篩過したのち372.4gを秤量し、これにオランザピン14.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31.9g、クロスポビドン14.0gを混合して流動層造粒機に投入した。これに、精製水543.2gにトウモロコシデンプン16.8gを分散し、加熱して得た糊液242.7gを噴霧して造粒した。得られた造粒品395.0gにステアリン酸マグネシウム5.0gを混合後、ロータリー式打錠機で打錠した。
実施例12は、比較例6と同じ粉体成分を流動層造粒機に投入し、精製水536.7gにトウモロコシデンプン16.8g及びL−アルギニン(味の素製)6.5gを分散し加熱して得た糊液242.7gを噴霧して造粒した。得られた造粒品395.0gにステアリン酸マグネシウム5.0gを混合後、ロータリー式打錠機で打錠した。
得られた製剤をHDPE製容器に100錠充填したのち、40℃75%RH恒温恒湿器に気密(1gのアロフェン製乾燥剤付フタ)及び開放(フタなし)で保存して、一定期間後に取り出して類縁物質を測定した。その結果、図9に示すように比較例6と比べて、L−アルギニンを配合した実施例12は類縁物質の増加が抑制されていた。
比較例7、実施例13:結晶セルロース・カルメロースナトリウムにL−アルギニンを併用した例
流動化剤に結晶セルロース・カルメロースナトリウム、アルカリ性添加剤にL-アルギニンを用い、安定性を比較した。
比較例7及び実施例13は、表8の通り比較例6及び実施例12と比べ結晶セルロースを結晶セルロース・カルメロースナトリウム(旭化成ケミカルズ製、セオラスRC-A591NF)に替えた以外は同じ処方及び製法で製剤を得た。
得られた製剤をHDPE製容器に100錠充填したのち、40℃75%RH恒温恒湿器に気密(1gのアロフェン製乾燥剤付フタ)及び開放(フタなし)で保存して、一定期間後に取り出して類縁物質を測定した。その結果、図10に示すように比較例7と比べて、L−アルギニンを配合した実施例13は類縁物質の増加が抑制されていた。
比較例8、実施例14:ケイ酸アルミニウムにL−アルギニンを併用した例
流動化剤にケイ酸アルミニウム、アルカリ性添加剤にL-アルギニンを用い、安定性を比較した。
比較例8は、D−マンニトール(マンニットC)769.1g及びケイ酸アルミニウム(和光純薬工業製、試薬)18.8gを混合後、JP30号ふるいで篩過したのち375.2gを秤量し、これにオランザピン14.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31.9g、クロスポビドン14.0gを混合して流動層造粒機に投入した。これに、精製水543.2gにトウモロコシデンプン16.8gを分散し、加熱して得た糊液242.7gを噴霧して造粒した。得られた造粒品395.0gにステアリン酸マグネシウム5.0gを混合後、ロータリー式打錠機で打錠した。
実施例14は、比較例8と同じ粉体成分を流動層造粒機に投入し、精製水536.7gにトウモロコシデンプン16.8g及びL−アルギニン(味の素製)6.5gを分散し加熱して得た糊液242.7gを噴霧して造粒した。得られた造粒品395.0gにステアリン酸マグネシウム5.0gを混合後、ロータリー式打錠機で打錠した。
得られた製剤をHDPE製容器に100錠充填したのち、40℃75%RH恒温恒湿器に気密(1gのアロフェン製乾燥剤付フタ)及び開放(フタなし)で保存して、一定期間後に取り出して類縁物質を測定した。その結果、図11に示すように比較例8と比べて、L−アルギニンを配合した実施例14は類縁物質の増加が大幅に抑制されていた。
比較例9、実施例15:タルクにL−アルギニンを併用した例
流動化剤にタルク、アルカリ性添加剤にL-アルギニンを用い、安定性を比較した。
比較例9及び実施例15は、表10の通り比較例8及び実施例14と比べケイ酸アルミニウムをタルク(松村産業製、ハイ・フィラー(登録商標)♯17)に替えた以外は同じ処方及び製法で製剤を得た。
得られた製剤をHDPE製容器に100錠充填したのち、40℃75%RH恒温恒湿器に気密(1gのアロフェン製乾燥剤付フタ)及び開放(フタなし)で保存して、一定期間後に取り出して類縁物質を測定した。その結果、図12に示すように比較例9と比べて、L−アルギニンを配合した実施例15は類縁物質の増加が抑制されていた。
比較例10、実施例16〜17:軽質無水ケイ酸に酸化マグネシウムまたはポリリン酸ナトリウムを併用した例
流動化剤に軽質無水ケイ酸、アルカリ性添加剤に酸化マグネシウム(実施例16)またはポリリン酸ナトリウム(実施例17)を用い、安定性を比較した。
比較例10は、D−マンニトール(マンニットC)384.6g及び軽質無水ケイ酸9.4gを混合後、JP30号ふるいで篩過したのち375.2gを秤量し、これにオランザピン14.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31.9g、クロスポビドン14.0gを混合して流動層造粒機に投入した。これに、精製水776.0gにトウモロコシデンプン24.0gを分散し、加熱して得た糊液242.7gを噴霧して造粒した。得られた造粒品395.0gにステアリン酸マグネシウム5.0gを混合後、ロータリー式打錠機で打錠した。
実施例16は、D−マンニトール(マンニットC)369.9g、軽質無水ケイ酸9.4g及び酸化マグネシウム(和光純薬工業製、試薬特級)14.7gを混合後、JP30号ふるいで篩過したのち375.2gを秤量し、これにオランザピン14.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31.9g、クロスポビドン14.0gを混合して流動層造粒機に投入した。これに、比較例10で調製した糊液242.7gを噴霧して造粒した。得られた造粒品395.0gにステアリン酸マグネシウム5.0gを混合後、ロータリー式打錠機で打錠した。
実施例17は、D−マンニトール(マンニットC)369.9g及び軽質無水ケイ酸9.4gを混合後、JP30号ふるいで篩過したのち361.2gを秤量し、これにオランザピン14.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31.9g、クロスポビドン14.0gを混合して流動層造粒機に投入した。これに、精製水291.9gにトウモロコシデンプン9.6g及びポリリン酸ナトリウム(和光純薬工業製、食品添加物)18.5gを分散し加熱して得た糊液242.7gを噴霧して造粒した。得られた造粒品395.0gにステアリン酸マグネシウム5.0gを混合後、ロータリー式打錠機で打錠した。
得られた製剤をHDPE製容器に100錠充填したのち、40℃75%RH恒温恒湿器に気密(1gのアロフェン製乾燥剤付フタ)及び開放(フタなし)で保存して、一定期間後に取り出して類縁物質を測定した。その結果、図13に示すように比較例10と比べて、酸化マグネシウムを配合した実施例16及びポリリン酸ナトリウムを配合した実施例17のいずれも類縁物質の増加が抑制されていた。特に、湿度の高い条件での安定性改善効果は大きかった。
オランザピンは流動化剤の共存によって光照射でも類縁物質が増加することから、比較例4、実施例8〜11の製剤について光安定性試験(試験器:ナガノサイエンス製、LTL-200AS-14WC)を行った。製剤をシャーレ開放状態で保存し、25℃で白色ランプを毎時5000lux、総照度120万lux・hrとなるまで照射した。照射後に類縁物質を測定した結果を図14に示した。実施例8〜11のように、比較例4と比べL-アルギニンの併用量増加に伴って類縁物質量は抑制された。
本発明によれば、流動化剤により不安定化するオランザピンの製剤組成物にアルカリ性添加剤を配合することで、熱、湿度及び光照射による類縁物質の増加を抑制することができ、一般的な方法で製造可能で、安定性や物理的品質にも優れた口腔内崩壊錠をはじめとするオランザピンの経口製剤を提供することができる。

Claims (8)

  1. 流動化剤により不安定化するオランザピンの製剤組成物中に少なくとも1種類のアルカリ性物質を配合することで、経時的な類縁物質の増加を抑制したオランザピンの経口製剤。
  2. 流動化剤がシリカ系の流動化剤または結晶セルロースを含む流動化剤である、請求項1記載の経口製剤。
  3. シリカ系流動化剤が軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム及びタルクから選ばれる少なくとも1種類である、請求項1または2記載の経口製剤。
  4. 結晶セルロースを含む流動化剤が、結晶セルロース及び結晶セルロース・カルメロースナトリウムから選ばれる少なくとも1種類である、請求項1または2記載の経口製剤。
  5. アルカリ性物質がアルカリ金属、アルカリ土類金属またはマグネシウムの塩、あるいは塩基性アミノ酸から選ばれる少なくとも1種類である、請求項1〜4のいずれかに記載の経口製剤。
  6. アルカリ性物質が炭酸マグネシウムである請求項1〜5のいずれかに記載の経口製剤。
  7. 塩基性アミノ酸がL−アルギニンである請求項1〜6のいずれかに記載の経口製剤。
  8. 経口製剤が口腔内崩壊錠である請求項1〜7のいずれかに記載の経口製剤。


JP2014209601A 2013-10-15 2014-10-14 安定性が改善された製剤 Active JP5823592B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014209601A JP5823592B2 (ja) 2013-10-15 2014-10-14 安定性が改善された製剤

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013214332 2013-10-15
JP2013214332 2013-10-15
JP2014209601A JP5823592B2 (ja) 2013-10-15 2014-10-14 安定性が改善された製剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015098467A true JP2015098467A (ja) 2015-05-28
JP5823592B2 JP5823592B2 (ja) 2015-11-25

Family

ID=53375354

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014209601A Active JP5823592B2 (ja) 2013-10-15 2014-10-14 安定性が改善された製剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5823592B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5897196B1 (ja) * 2015-10-05 2016-03-30 大同化成工業株式会社 糖又は糖アルコール、膨潤型結合剤、崩壊剤及び高吸収性賦形剤を含む複合化造粒物及びその製造方法
JP2017014119A (ja) * 2015-06-26 2017-01-19 東和薬品株式会社 経口医薬組成物
JP2017125001A (ja) * 2016-01-13 2017-07-20 三菱商事フードテック株式会社 マンニトール粉末を用いた苦味抑制方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017014119A (ja) * 2015-06-26 2017-01-19 東和薬品株式会社 経口医薬組成物
JP5897196B1 (ja) * 2015-10-05 2016-03-30 大同化成工業株式会社 糖又は糖アルコール、膨潤型結合剤、崩壊剤及び高吸収性賦形剤を含む複合化造粒物及びその製造方法
JP2017071561A (ja) * 2015-10-05 2017-04-13 大同化成工業株式会社 糖又は糖アルコール、膨潤型結合剤、崩壊剤及び高吸収性賦形剤を含む複合化造粒物及びその製造方法
WO2017061426A1 (ja) * 2015-10-05 2017-04-13 大同化成工業株式会社 糖又は糖アルコール、膨潤型結合剤、崩壊剤及び高吸収性賦形剤を含む複合化造粒物及びその製造方法
US10632074B2 (en) 2015-10-05 2020-04-28 Daido Chemical Corporation Composite granulated product including sugar or sugar alcohol, swelling binder, disintegrating agent and highly absorbent excipient, and method for manufacturing composite granulated product
JP2017125001A (ja) * 2016-01-13 2017-07-20 三菱商事フードテック株式会社 マンニトール粉末を用いた苦味抑制方法
JP2017125002A (ja) * 2016-01-13 2017-07-20 三菱商事フードテック株式会社 マンニトール粉末を用いた苦味抑制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5823592B2 (ja) 2015-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2633088T3 (es) Comprimido estable que contiene droxidopa
JP7096164B2 (ja) ジアミン誘導体を含む口腔内崩壊錠
JPWO2009102038A1 (ja) 口腔内崩壊錠
JP2024033011A (ja) 医薬組成物
JP2016204393A (ja) アリピプラゾール無水物を含有する固形製剤の製造方法
JP5823592B2 (ja) 安定性が改善された製剤
JP5713421B1 (ja) 口腔内崩壊錠
JP6496084B2 (ja) 口腔内崩壊錠
WO2016175230A1 (ja) 経口投与用医薬組成物
JP2013216701A (ja) 経口投与用製剤
JP2020015720A (ja) イミダフェナシン含有錠剤及びその製造方法
JP2015110663A (ja) 溶出が良好なイルベサルタン含有医薬組成物および口腔内崩壊錠
JP2010229075A (ja) イミダフェナシンを含有する口腔内崩壊錠
JP7355020B2 (ja) 経口投与用医薬組成物
JP6151413B2 (ja) 溶出が良好なイルベサルタン含有医薬組成物および口腔内崩壊錠
JP6461496B2 (ja) 解熱鎮痛製剤
JP6676816B1 (ja) L−システイン配合ビタミンc高含有圧縮成形製剤
JP5714652B2 (ja) 溶出が良好なイルベサルタン含有医薬組成物および口腔内崩壊錠
TW201803555A (zh) 口腔內崩解錠添加用組成物
JP2021155359A (ja) レボカルニチンを有効成分とする錠剤
JP6283314B2 (ja) アナグリプチン含有固形製剤
JP2015010046A (ja) クロピドグレル乃至その塩含有錠剤及びその製造方法
CN115803020A (zh) 含有苯磺酸米洛巴林的口腔崩解片剂
WO2013137441A1 (ja) 経口医薬組成物
JP2021008444A (ja) メトトレキサートを含むフィルムコーティング錠

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20150508

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150529

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20150529

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20150624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150708

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150807

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150924

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151007

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5823592

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250