JP2015098323A - 電動ブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 この電動ブレーキ装置は、電動モータ2と、制動力負荷機構4と、ロック機構5と、温度センサ6と、凍結防止の手段7とを有する。凍結防止の手段7は、制動力負荷機構4が制動力を負荷し、且つ、ロック機構5がロック状態のとき、温度センサ6が、設定された電動ブレーキ装置の凍結直前の温度を検出すると、凍結防止の動作を開始する。温度センサ6で外気温度を検出するときに電動ブレーキ装置のハウジング内の温度が外気温度と異なる場合には、設定する電動ブレーキ装置の凍結直前の温度を、温度センサ6で検出される外気温度と前記ハウジング内の温度との差で補正される値とする。
【選択図】 図4
Description
例えば、寒冷地等において、車両の駐車中、電動パーキングブレーキの凍結を防止するため、車両の外気温度を検出するセンサが凍結温度になると、電動パーキングブレーキを解除する技術が提案されている(特許文献1)。
この構成において、前記凍結防止の手段は、前記温度センサで外気温度を検出するときに前記電動ブレーキ装置のハウジング内の温度が外気温度よりも比較的高く保持される場合に、設定する前記電動ブレーキ装置の凍結直前の温度を前記温度センサで検出される外気温度よりも低く定めるようにしても良い。
また、これらの構成において、前記凍結防止の手段は、前記電動モータに通電を開始するように制御する凍結防止通電手段であっても良い。
前記凍結防止通電手段は、制動力負荷機構による制動力が低減する方向に、電動モータを通電させるものであっても良い。この場合、ロック機構がロック状態になっているため、電動モータの回転が制限される。したがって、制動力負荷機構による制動力が実際に低減することはない。
したがって、凍結防止通電手段は、一定時間毎に電動モータへの通電と遮断を繰り返し行うことで、電動モータへ連続通電する場合よりも、バッテリへの負荷を低減しつつ発電効率を高めて、電動ブレーキ装置の凍結を防止し得る。なお、電動モータへ連続通電し、所定の温度上昇傾向になったとき電動モータへ供給する電流を小さくすることも考えられるが、車両の駐車時間が長い場合において、例えば、昼夜で寒暖の差が大きいときには、連続通電しつつ電流制御を行う場合よりも、一定時間毎に電動モータへの通電と遮断を繰り返す方が、バッテリへの負荷を低減でき、且つ、簡単に制御できる。
前記電動モータの回転を減速する減速機構を有し、前記制動力負荷機構は、減速機構で出力される回転運動を直線運動に変換して車輪に対して制動力を負荷するものとしても良い。
前記発進操作検出手段は、車両のドアロック解除を検出信号とするものであっても良い。
前記発進操作検出手段は、車両のイグニッション「オン」を検出信号とするものであっても良い。
前記発進操作検出手段は、車両の運転席側シートに運転者が着座したことを検出するセンサを含むものであっても良い。
前記発進操作検出手段は、車輪に対し制動力を与えるペダルの操作を検出信号とするものであっても良い。
この発明の自動車は、前記いずれかの電動ブレーキ装置を備えたものである。
この電動ブレーキ装置は、図1に示すように、ハウジング1と、電動モータ2と、この電動モータ2の回転を減速する減速機構3と、制動力負荷機構4と、ロック機構5と、温度センサ6(図4)と、凍結防止の手段である凍結防止通電手段7(図4)を有する。ハウジング1の開口端に、径方向外方に延びるベースプレート8が設けられ、このベースプレート8に電動モータ2が支持されている。ハウジング1内には、電動モータ2の出力により車輪、この例ではブレーキディスク9に対して制動力を負荷する制動力負荷機構4が組込まれている。ハウジング1の開口端およびベースプレート8の外側面は、カバー10によって覆われている。
制動力負荷機構4は、減速機構3で出力される回転運動を直線運動に変換して車輪に対して制動力を負荷するいわゆる直動機構である。この制動力負荷機構4は、スライド部材11と、軸受部材12と、環状のスラスト板13と、スラスト軸受14と、転がり軸受1
5,15と、回転軸16と、キャリア17と、すべり軸受18,19とを有する。ハウジング1の内周面に、円筒状のスライド部材11が、回り止めされ且つ軸方向に移動自在に支持されている。スライド部材11の内周面には、径方向内方に所定距離突出し螺旋状に形成された螺旋突起11aが設けられている。この螺旋突起11aに、後述する複数の遊星ローラが噛合している。
キャリア17のインナ側ディスク17bと、遊星ローラ20の軸方向一端部との間には、ワッシャーおよびスラスト軸受(いずれも図示せず)が介在されている。ハウジング1内において、インナ側ディスク17bと軸受部材12との間には、環状のスラスト板13およびスラスト軸受14が設けられている。
図2に示すように減速機構3は、電動モータ2の回転を、回転軸16に固定された出力ギヤ23に減速して伝える機構であり、複数のギヤ列を含む。この例では、減速機構3は、電動モータ2のロータ軸2aに取付けられた入力ギヤ24の回転を、ギヤ列25,26,27により順次減速して、回転軸16の端部に固定された出力ギヤ23に伝達可能としている。
図3に示すように、ロック機構5は、制動力負荷機構4(図2)の制動力弛み動作を阻止するロック状態と許容するアンロック状態とにわたって切換え可能に構成されている。図3の丸枠A内において、ロック機構5のロック状態を二点鎖線で表し、アンロック状態を実線で表す。前記減速機構3に、ロック機構5が設けられている。すなわち、ギヤ列26の出力側の中間ギヤ28には、複数の係止孔28aが円周方向一定間隔おきに形成されている。これら係止孔28aのピッチ円上の一点に対し、ロックピン29が、ピン駆動用アクチュエータであるリニアソレノイド30により進退可能に設けられている。リニアソレノイド30は前記ベースプレート8に支持され、このベースプレート8には、ロックピン29の進退を許すピン孔が形成されている。リニアソレノイド30によりロックピン29を進出させて係止孔28aに係合し、中間ギヤ28の回転を禁止することで、ロック機構5を丸枠A内の二点鎖線で示すようにロック状態にする。逆に、ロックピン29を退入させて係止孔28aから離脱させ、中間ギヤ28の回転を許すことで、ロック機構5を丸枠A内の実線で示すようにアンロック状態にし得る。
図4に示すように、車両には、車両全般を制御する電気制御ユニットであるECU31、および、この車両の外気温度を検出する温度センサ6がそれぞれ設けられている。車両の例えばナックルアームに温度センサ6が取り付けられている。ECU31は、主に、走行制御部31aと、一般制御部31bとを有する。走行制御部31aは、アクセルペダル37の踏み込み量に応じてセンサ38から出力される加速指令と、ブレーキペダル32の動作量に応じてセンサ33から出力される減速指令等から、加速・減速指令を生成する。この例では、車両本体のナックルアームに温度センサ6を設けているが、この形態に限定されるものではない。
ECU31にインバータ装置39が接続され、インバータ装置39は、各電動モータ2に対して設けられたパワー回路部39aと、このパワー回路部39aを制御するモータコントロール部39bとを有する。モータコントロール部39bは、各パワー回路部39aに対して共通して設けられていても、別々に設けられていても良い。
凍結防止通電手段7は、前記制動力負荷機構4が制動力を負荷し、且つ、ロック機構5がロック状態のとき、温度センサ6が、設定された電動ブレーキ装置の凍結直前の温度を検出すると、電動モータ2に通電を開始するように制御する。前記設定された電動ブレーキ装置の凍結直前の温度は、温度0℃を基準として任意に定めることが可能である。なお、温度センサ6で外気温度を検出する際、電動ブレーキ装置のハウジング1内の温度が、外気温度よりも比較的高く保持される場合には、電動ブレーキ装置の凍結直前の温度を、温度センサ6で検出された外気温度よりも低く補正しても良い。
凍結防止通電手段7は、前記三つの条件を全て満たすと、制動力負荷機構4による制動力が低減する方向に、電動モータ2を通電させるものであっても良い。この場合、ロック機構5がロック状態になっているため、電動モータ2の回転が制限される。したがって、制動力負荷機構4による制動力が実際に低減することはない。
図7に示すように、凍結防止通電手段7は、前記温度を検出している間、一定時間毎(時間t1毎)に電動モータ2への通電と遮断を繰り返し行うものとしても良い。電動モータ2への通電開始後、温度センサ6で検出される温度は、例えば、時間と共に温度上昇傾向となる。その後も連続して電動モータ2への通電を行うことで、温度低下傾向となることなく電動ブレーキ装置の凍結を確実に防止できるが、この場合、バッテリに負荷がかかる。また、電動モータ2へ比較的長い時間通電を行い、モータ自体が高温になると、電動モータ2への通電を一時的に遮断しても温度低下し難くなる傾向がある。
したがって、凍結防止通電手段7は、一定時間毎に電動モータ2への通電と遮断を繰り返し行うことで、電動モータ2へ連続通電する場合よりも、バッテリへの負荷を低減しつつ発電効率を高めて、電動ブレーキ装置の凍結を防止し得る。車両の駐車時間が長い場合において、例えば、昼夜で寒暖の差が大きいときには、連続通電しつつ電流制御を行う場合よりも、一定時間毎に電動モータ2への通電と遮断を繰り返す方が、バッテリへの負荷
を低減でき、且つ、簡単に制御できる。
発進操作検出手段36は、以下の検出信号を適用可能である。
・車両のドア「開」を検出信号とする。
・車両のドアロック解除を検出信号とする。
・車両のイグニッション「オン」を検出信号とする。
・車両の運転席側シートに運転者が着座したことを検出するセンサによる検出信号
・車輪に対し制動力を与えるペダルの操作を検出信号とする。
若干の凍結が生じていても、上記のように、車両の発進操作を表す検出信号を検出すると電動モータ2に通電を行うようにしてあると、電動ブレーキ装置の凍結を早期に解消できて、車両を遅滞無く発進させることができる。
3…減速機構
4…制動力負荷機構
5…ロック機構
6…温度センサ
7…凍結防止通電手段
36…発進操作検出手段
Claims (3)
- 電動モータと、この電動モータの出力により車輪に対して制動力を負荷する制動力負荷機構と、この制動力負荷機構の制動力弛み動作を阻止するロック状態と許容するアンロック状態とにわたって切換え可能なロック機構とを備えた電動ブレーキ装置であって、
車両の外気温度を検出する温度センサを設け、
前記制動力負荷機構が制動力を負荷し、且つ、ロック機構がロック状態のとき、前記温度センサが、設定された電動ブレーキ装置の凍結直前の温度を検出すると凍結防止の動作を開始する凍結防止の手段を設け、前記温度センサで外気温度を検出するときに前記電動ブレーキ装置のハウジング内の温度が外気温度と異なる場合には、設定する前記電動ブレーキ装置の凍結直前の温度を、前記温度センサで検出される外気温度と前記ハウジング内の温度との差で補正される値とすることを特徴とする電動ブレーキ装置。 - 請求項1に記載の電動ブレーキ装置において、前記凍結防止の手段は、前記温度センサで外気温度を検出するときに前記電動ブレーキ装置のハウジング内の温度が外気温度よりも比較的高く保持される場合に、設定する前記電動ブレーキ装置の凍結直前の温度を、前記温度センサで検出される外気温度よりも低く定める電動ブレーキ装置。
- 請求項1または請求項2に記載の電動ブレーキ装置において、前記凍結防止の手段は、前記電動モータに通電を開始するように制御する凍結防止通電手段である電動ブレーキ装置。
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JP2004175203A (ja) * | 2002-11-27 | 2004-06-24 | Advics:Kk | 電動パーキングブレーキ装置 |
JP2005082035A (ja) * | 2003-09-09 | 2005-03-31 | Calsonic Kansei Corp | 車両用電動駐車ブレーキ装置及び初期凍結センサ |
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