JP2015096255A - イオン液体の分離方法 - Google Patents

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一章 仁宮
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Abstract

【課題】セルロース系バイオマスの酵素糖化前処理剤としてイオン液体を用いた場合などに、イオン液体を含む2種以上の溶質が溶解した混合溶液から、容易にイオン液体を分離することができる方法を提供する。【解決手段】本発明のイオン液体分離方法は、イオン交換膜を用いて、例えば、イオン液体を含む2種以上の溶質が溶解した混合溶液からイオン液体を分離する分離ステップ(ステップ3、ステップ4)により、混合溶液からイオン液体を分離して、イオン液体のみを含む溶液と中性分子のみを含む溶液とを得ることができるから、目的物たる中性分子を得ることおよびイオン液体を再利用することが可能となる。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、2種以上の溶質を含む混合溶液などの溶液からイオン液体を分離するイオン液体の分離方法に関する。
室温付近で液体として存在する物質であるイオン液体は、水や有機溶媒とは異なる特徴をもつ第3の液体として注目を浴びており、他の溶媒にはない優れた機能を有する例が多数報告されている。このようなものとしては、例えば、有機溶媒に代わる反応溶媒としての利用例が非常に多く報告されている。また、イオン液体はセルロース系バイオマスの酵素糖化前処理剤などとして用いられている。セルロース系バイオマスの酵素糖化前処理にイオン液体が有用であることが、多くの研究により示されてきている(例えば、特許文献1、2)。また、イオン液体に関連する非特許文献の数も近年急増している。
特許文献1には、木質バイオマスを糖化、発酵する際に、イオン液体と超音波照射とを組み合わせる前処理方法が記載されている。また、特許文献2には、セルロースから単糖類を製造する際、イオン液体と、糖ポリマーとを水の存在下で接触させて、糖ポリマーを分解させて単糖を得る方法が記載されている。
一般的に、イオン液で前処理したバイオマスの酸触媒による糖化反応は極めて効率がよく、イオン液体によるバイオマス前処理は有用であることが世界的に認められ、多くの研究が活発に進められている。
また、米国エネルギー省傘下のJbeiグループ (Lawrence Berkeley National
Laboratory, Sandia National Laboratories, University of California campuses of
Berkeley and Davis, Carnegie Institution for Science, Lawrence Livermore
National Laboratory)により、イオン液体1−メチル−3−エチルイミダゾリウム アセテートを用いてバイオマス(スイッチグラス)を前処理し、塩酸を加えて酸加水分解により極めて効率よくグルコースを得るプロセスが提案されている(非特許文献1)。このプロセスによって得られる生成物は、「グルコース+イオン液体+少量の酸+大量の水」の混合物である。この糖水溶液混合物からイオン液体を分離する必要があり、分離するための方法が検討されている。
特開2012−86154号公報 特開2009−201394号公報
Sun et al. Biotechnology for Biofuels, 6:39(2013)
セルロースを糖化した後において、糖を含む溶液中にイオン液体が存在するとその後の糖の発酵を阻害する。そこで、特許文献1では、イオン液体を分離するために、糖化前処理後のサンプルに蒸留水を添加し、イオン液体に溶解しているバイオマスを析出させた後、遠心分離によって上清のイオン液体水溶液を取り除いている。また、特許文献2では、イオン交換樹脂を充填したカラムに濾液を通す作業を繰り返すことにより、イオン液体を取り除いている。
しかし、上記従来の方法はいずれも、イオン液体と目的物質を分離するために、酵素糖化反応前にバイオマスとイオン液体を分離している。もし、糖化反応後にグルコースとイオン液体とを分離することができれば、高価な酵素を用いない糖化反応プロセスが可能となる。
また、イオン液体でバイオマスを前処理した際、イオン液体にはバニリン等のリグニン成分が溶解している。従来、イオン液体を再利用(リサイクル)するために、使用したイオン液体に水を加えてリグニン成分を沈殿させる操作が行われている。しかし、リグニン成分をイオン液体と完全に分離することはできないという問題がある。このため、イオン液体を再利用することは困難であった。
また、非特許文献2において、Jbeiグループは糖混合物に多量の水酸化ナトリウム(NaOH)を加えることによりイオン液体を析出させる方法を公開している。しかし、この方法では得られたグルコース水溶液には高濃度の水酸化ナトリウムが溶解しており、そのままではエタノール発酵に用いることはできない。しかし上記糖混合物から直接目的物質を分離することができれば、グルコースを得るプロセスの効率がさらに向上する。このように、ともに同一溶媒に溶解性がある2種以上の溶質が溶解した混合溶液から目的物質を分離することができれば効率向上などの利益が得られるという事は、イオン液体を用いる反応において多く遭遇する事例である。
そこで、本発明は、2種以上の溶質が溶解した混合溶液等のイオン液体を含む溶液からイオン液体を分離することができる方法の提供を目的としている。
本発明のイオン液体の分離方法は、イオン交換膜を用いて、イオン液体を含む溶液から前記イオン液体を分離する分離ステップを有する。
本発明によれば、イオン液体のみイオン交換膜を通過させて、溶液から選択的にイオン液体のみを取り除くことができる。例えば、イオン液体を用いてバイオマスを前処理し糖化処理した後に、糖とイオン液体とを分離することが可能となる。
バイオマスをイオン液体で前処理した後に、糖化、発酵によりエタノールを生産する方法の模式図 実施例において用いたイオン交換膜分離の概略を示す模式図 1−メチル−3−エチルイミダゾリウム−アセテートを含む水溶液から1−メチル−3−エチルイミダゾリウム−アセテートを分離する過程における試験溶液(水溶液)の濃度変化を電気伝導度の変化により測定した結果を示すグラフ(実施例1) コリン酢酸を溶質として含む水溶液からコリン酢酸を分離する過程における試験溶液(水溶液)の濃度変化を電気伝導度の変化により測定した結果を示すグラフ(実施例2) アニオンサイズの異なるイオン液体を溶質として含む水溶液からイオン液体を分離する過程における試験溶液(水溶液)の濃度変化を電気伝導度の変化により測定した結果を示すグラフ(実施例3〜6) カチオンサイズの異なるイオン液体を溶質として含む水溶液からイオン液体を分離する過程における試験溶液(水溶液)の濃度変化を電気伝導度の変化により測定した結果を示すグラフ(実施例3および7〜9) カチオンサイズの大きいイオン液体として、1−メチル3−テトラデシルイミダゾリウム−クロライドを溶質として含む水溶液からイオン液体を分離する過程における試験溶液(水溶液)の濃度変化を電気伝導度の変化により測定した結果を示すグラフ(実施例3および10) 中性分子として、グルコース、スクロースまたはバニリンを含み、イオン液体として1−メチル−3−ブチルイミダゾリウム−クロライドを含む混合溶液からイオン液体を分離する過程における試験溶液(混合溶液)の濃度変化を電気伝導度の変化により測定した結果を示すグラフ(実施例11〜13) 中性分子としてグルコースを含み、イオン液体として1−メチル−3−ブチルイミダゾリウム−クロライドを含む混合溶液から、イオン液体を分離する過程における、分離開始後の各時刻での試験溶液(混合溶液)の組成を測定した結果を示す液体クロマトグラフィーのチャート(実施例11) 中性分子としてバニリンを含み、イオン液体として1−メチル−3−ブチルイミダゾリウム−クロライドを含む混合溶液から、イオン液体を分離する過程における、分離開始後の各時刻での混合溶液の組成を測定した結果を示す液体クロマトグラフィーのチャート(実施例13)
イオン液体は、セルロース系バイオマスの酵素糖化前処理に有用であることが、多くの研究により示されてきた。また、イオン液体を溶媒として用いた有機合成反応や高分子重合例が多数報告されている。イオン液体を用いることにより、有機溶媒を用いた場合よりも収率や選択律が高くなること、反応時間が短縮することなど、有利な効果が多数報告されている。イオン液体を含む混合溶液から反応後の生成物を分離するために、様々な試みがなされている。しかし、イオン液体を回収・分離して再利用するためには、解決すべき課題が多い。
発明者らは、イオン液体に溶解した生成物等を分離することが困難な例に遭遇してきた。
例えば、
(1)バイオマスをイオン液体で酵素糖化前処理すると、イオン液体に低分子量リグニンが溶解する。このリグニンを有機溶媒等で抽出することを試みたが、抽出することはできなかった。
(2)バイオマスをイオン液体で酵素糖化前処理し、その後酸加水分解反応を行うと、極めて効率よくグルコースを得ることができたが、グルコースとイオン液体を分離することができなかった。この(イオン液体+グルコース)水溶液をエタノール発酵に用いたが、イオン液体による発酵阻害のため、バイオエタノールを得ることができなかった。
これら問題点を解決するために、発明者らは、溶媒抽出法、溶媒蒸発法、濾過、無機塩添加による相分離方法などを試みてきた。しかしながら、いずれの方法を用いても、イオン液体とグルコースなどの目的物質との分離に関して満足な結果を得ることは困難であった。そこで、従来、ナトリウムイオン(Na)や塩化物イオン(Cl)のような小さなイオンに対してのみ用いられており、一般に、イオン液体のような大きなイオンには適用できないと考えられていたイオン交換膜に着目した。そして、発明者らは、十分な時間をかけることにより、イオン液体のような大きなイオンであっても、イオン交換膜を用いて分離できることを見出した。
〔第1の実施形態〕
本発明は、イオン交換膜を用いて、イオン液体が溶解した溶液からイオン液体を分離する分離ステップを有するイオン液体分離方法として実施することができる。
本実施形態において、「イオン液体」とは、イオンのみからなり、100℃以下の温度(例えば常温)で液体の物質であり、常温融解塩とも称されるものである。イオン液体は、100℃以下で融解しているものであればよく、有機塩、無機塩の何れも使用することが可能である。
本発明により溶液から分離することができるイオン液体としては、イミダゾリウム塩およびコリン塩が挙げられる。また、これら以外に、アンモニウム塩、ピロリジニウム塩、ピペリジニウム塩、ピリジン塩などがあり、先に示したイミダゾリウム塩と同様のアニオンをもつ構造のイオン液体を用いることも可能である。
イオン液体のカチオンとしては、(CHCHCHOHおよび以下のものが挙げられる。
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アルコキシルアルキル基、またはフェニル基を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、ヒドリド、アルケニル基、アルコキシルアルキル基、またはフェニル基を表す。)
カチオンが下記の式(1)で示されるイミダゾリウム塩(イミダゾリウム系イオン液体)や、(CHCHCHOHであるコリン塩(コリン系イオン液体)が好適である。

(式中、式中、RおよびRは、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アルコキシルアルキル基、またはフェニル基を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、ヒドリド、アルケニル基、アルコキシルアルキル基、またはフェニル基を表す。)
上記アルキル基としては、例えば、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。また、本発明においては、これらのアルキル基末端にスルホ基がついたサルフォメチル基、サルフォエチル基、サルフォブチル基などもアルキル基に含まれる。
イオン液体のアニオンとしては、例えば、以下のものが挙げられる。塩化物イオン(Cl)、ヨウ素イオン(I)、臭化物イオン(Br)、テトラフルオロホウ酸イオン(BF )、サルフォメチルイオン(CHSO )、各種有機酸アニオン(ギ酸アニオン、酢酸アニオンなど)、各種アミノ酸アニオン(グルタミン酸アニオンなど)、メチルホスホネート、硫酸イオン、PF 、(CFSOなど。
イオン液体は、水溶性および非水溶性の何れのものであっても、イオン交換膜により分離することができる。水溶性のイオン液体は、例えば木質バイオマスを糖化、発酵することによるエタノール生産に好適に用いることができる。また、非水溶性のイオン液体は、例えば、イオン液体を溶媒として用いた有機合成反応や高分子重合に好適に用いることができる。
水溶性のイオン液体としては、例えば、以下のものが挙げられる。エチル-メチルイミダゾリウム-クロライド、ブチル-メチルイミダゾリウム-クロライド、ヘキシル-メチルイミダゾリウム-クロライド、エチル-メチルイミダゾリウム-アセテート、ブチル-メチルイミダゾリウム-アセテート、エチル-メチルイミダゾリウム-テトラフルオロボーレート、コリン-アセテートなど。
非水溶性のイオン液体としては、例えば、以下のものが挙げられる。エチル-メチルイミダゾリウム-ビストリフルオロメタンサルフォニルイミド、ブチル-メチルイミダゾリウム-ビストリフルオロメタンサルフォニルイミド、ヘキシル-メチルイミダゾリウム-ビストリフルオロメタンサルフォニルイミド、エチル-メチルイミダゾリウム-ヘキサフルオロホスファートなど。
本発明のイオン液体分離方法の分離ステップにおいて用いられるイオン交換膜とはイオン交換能力をもつ膜をいう。イオン交換膜には、選択的透過性をもち、陰イオンを選択的に透過させる陰イオン交換膜(アニオン交換膜)と陽イオンを選択的に透過させる陽イオン交換膜(カチオン交換膜)がある。分離ステップにおいては、通常、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とが組み合わせて用いられる。イオン交換膜は、その構造により均質膜、不均質膜、融合膜、含浸膜などがあるが、いずれも用いることができる。イオン交換樹脂を母体とするイオン交換膜としては、強塩基性の第4級アンモニウム基をもつ陰イオン交換膜、強酸性のスルホ基をもつ陽イオン交換膜などが挙げられる。
〔第2の実施形態〕
本発明は、木質バイオマスを糖化、発酵することによるエタノール生産方法における、目的物質とイオン液体との分離方法として用いることができる。
図1は、バイオマスをイオン液体で前処理した後に、糖化、発酵によりエタノールを生産する方法の模式図である。同図に示すステップ1がイオン液体でバイオマスを処理する前処理ステップに相当し、ステップ2が前処理したバイオマスを糖化処理する糖化処理ステップに相当し、ステップ3およびステップ4が分離ステップに相当する。エタノールを得るためのステップ3とは別のステップ4により、リグニン類を得ることができる。
(糖を含む混合溶液からのイオン液体の分離)
図1に示すように、エタノール生産方法の途中段階においては、糖を含んだ混合溶液が得られる。すなわち、ステップ1においてイオン液体による前処理がなされたセルロースは、ステップ2において酵素により糖化される。本発明によれば、この糖を含んだ混合溶液中に含まれる糖とイオン液体とを分離することができる(ステップ3)。ここで、「糖」としては、例えば、ブドウ糖(グルコース)、しょ糖(スクロース)、フルクトース、キシロース、アラビノース、ラクトース、セロビオース、シクロデキストリンなどが挙げられる。本発明では、これら糖類のように電気的に中性の分子を中性分子という。
従来、ステップ1の後、ステップ2のセルロースを糖化する前の段階において、前処理された混合溶液からイオン液体を析出させるために、多量の水酸化ナトリウムを加える方法が用いられていた。この方法では、イオン液体を取り除いた混合溶液をエタノール発酵に用いる前に、混合溶液から水酸化ナトリウムを取り除く必要がある。
これ対して、本発明のイオン液体分離方法によれば、イオン液体による前処理がなされたセルロースを糖化した後の混合物から、選択的にイオン液体を取り除くことができる。また、バイオマスをイオン液体で酵素糖化処理し、その後酸加水分解反応を行うと、極めて効率よくグルコースを得ることができる。このように、本発明によれば、水酸化ナトリウムを取り除くステップが不要となるから、糖化および糖の発酵によるアルコール(エタノール)化を効率よく行うことが可能となる。
(リグニンを含む混合溶液からのイオン液体の分離)
図1に示すように、エタノール生産方法の途中段階においては、リグニン類を含んだ混合溶液が得られる。本発明によれば、このリグニン類を含んだ混合溶液中に含まれるリグニン類とイオン液体とを分離することができる(ステップ4)。なお、リグニン類としては、例えば、アルカリリグニン、スルホン化リグニン、酸不溶リグニン、酵素糖化残差リグニンなどが挙げられる。
イオン液体の分離には図2に模式的に示したイオン交換膜装置を用いた。イオン交換膜ユニット部には、カチオン交換膜、室枠(カチオン交換膜とアニオン交換膜の間にスペースを作るためのもの)およびアニオン交換膜の3つを交互にサンドイッチ配列したものを5組セットし、イオンが抜けて行く空間とイオンが集まる空間を形成した。また、イオン交換膜ユニット部の両端には電極が配置されている。電極の陽極としてはチタンイリジウム(Ti/Ir)を用いた。陰極としてはステンレス(SUS316)を用いた。なお、同図中では、イオン液体を丸で囲った+または−で示し、混合溶液中に含まれる他の溶質である中性分子の一例であるグルコースを丸で囲ったGで示した。
カチオン交換膜およびアニオン交換膜の寸法は50mm×130mmとし、カチオン交換膜とアニオン交換膜の間隔は0.75mmとした。カチオン交換膜およびアニオン交換膜には旭硝子社製の炭化水素系のイオン交換膜(セレミオン(登録商標))CMVおよびAMVをそれぞれ用いた。なお、本実施例では比較的入手しやすいイオン交換膜である炭化水素系のイオン交換膜を用いた。しかし、イオン交換膜はこれに限られるものではなく、イオンが通過できる通過孔を有するイオン交換膜であれば、他のイオン交換膜を用いてイオン交換装置を構成することもできる。電極間へ電圧を印加するために菊水電子工業株式会社製の汎用コンパクト電源(型名PMC18−3A)を用いた。電極間の印可電圧は8V程度で行った。電解液には硫酸ナトリウム溶液を用いた。また、溶液を循環させるために、マグネットポンプ(イワキ、RD−05型)を3台用いた。流量は約4L/min(1分間あたり4L)で行った。タンク内の溶液のイオン液体の濃度変化を測るため、電気伝導度の変化を伝導度計((株)堀場製作所、DS−72)で測定した。以下の実施例においてイオン液体の濃度は、特に記述がない場合は全て10wt%(重量%)で行った。
なお、上記イオン交換装置および実施条件は、本発明を実施可能な装置および条件の一例である。このため、本発明のイオン液体分離方法を実施するにあたり、炭化水素系以外のイオン交換膜を用いたイオン交換装置など上記イオン交換装置以外の装置を使用したり、上記以外の条件を用いたりすることもできる。
上記イオン交換装置を用いて、本発明を実施した例を以下に示す。なお、下記実施例におけるイオン液体および中性分子は何れも例であり、本発明のイオン液体分離方法は、実施例に記載されたイオン液体および中性分子以外にも使用することができる。
(実施例1)
イオン液体として1−メチル−3−エチルイミダゾリウム−アセテートを含む水溶液を用いて、水溶液からイオン液体の分離を行った。整流器の電圧を8Vに設定し、イオン液体の分離を開始した。試験溶液(水溶液)の濃度変化を電気伝導度の変化として測定した。図3に、時間経過に伴う試験溶液の電気伝導度の変化を示した。以後の図では主に時間経過に伴う電気伝導度の変化を示すが、電気伝導度の変化はイオン液体濃度の変化と同等である。このため、電気伝導度によりイオン液体濃度の変化を評価することができる。この実施例では、約110分で溶液の電気伝導度はゼロとなった。この結果により、本発明の分離方法によって、イオン液体を溶質として含む水溶液からイオン液体である1−メチル−3−エチルイミダゾリウム−アセテートが分離できることが示された。
(実施例2)
イオン液体として、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム−アセテートの代わりに、コリン酢酸を用いた以外は、実施例1と同様にした。整流器の電圧を8Vに設定し、イオン液体の分離を行った。図4に、時間経過に伴う、試験溶液(水溶液)の電気伝導度の変化を示した。約120分で溶液の電気伝導度はゼロとなった。この結果より、本発明の分離方法によって、水溶液からイオン液体であるコリン酢酸が分離できることが示された。
(実施例3)
イオン液体として、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム−アセテートの代わりに、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム−クロライド(Emim−Cl)を用いた以外は、実施例1と同様にして、試験水溶液の電気伝導度の時間変化を測定し、イオン液体の分離を評価した。
(実施例4)
イオン液体として、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム−アセテートの代わりに、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムアセテート(Emim−OAc)を用いた以外は、実施例1と同様にして、時間経過に伴う、試験水溶液の電気伝導度の変化を測定し、イオン液体の分離を評価した。
(実施例5)
イオン液体として、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム−アセテートの代わりに、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム−メチルサルフォネート(Emim−CH3SO3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、時間経過に伴う、試験水溶液の電気伝導度の変化を測定し、イオン液体の分離を評価した。
(実施例6)
イオン液体として、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム−アセテートの代わりに、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム−メトキシエトキシエチルサルフォネート(Emim−CH3OC2H4OSO3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、時間経過に伴う、試験水溶液の電気伝導度の変化を測定し、イオン液体の分離を評価した。
図5は、アニオンサイズの異なるイオン液体を溶質として含む水溶液からイオン液体を分離する過程における試験溶液(水溶液)の濃度変化を電気伝導度の変化として測定した実施例3〜6の結果を示すグラフである。同図には、アニオンの大きさによるイオン液体分離速度の違いが示されている。
実施例3〜6におけるそれぞれのイオン液体の初期濃度がわずかに異なるので、図5では、初期濃度で規格化した値(規格化値)を縦軸に表示した。アニオンがClのとき(図中Emim−Clで表示)イオン液体の分離速度が一番速かった。アニオンが酢酸である場合(図中Emim−OAcで表示)とアニオンがメチルサルフォネートである場合(図中Emim−CH3SO3で表示)では分離速度に大きな違いはなかった。アニオンサイズが大きい1−メチル−3−エチルイミダゾリウム−メトキシエトキシエチルサルフォネート(図中Emim−CH3OC2H4OSO3で表示)の分離速度が一番遅かった。
(実施例7)
イオン液体として、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム−クロライド(Emim−Cl)の代わりに、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウム−クロライド(Bmim−Cl)を用いた以外は、実施例3と同様にして、時間経過に伴う、試験水溶液の電気伝導度の変化を測定し、イオン液体の分離を評価した。
(実施例8)
イオン液体として、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム−クロライド(Emim−Cl)の代わりに、1−メチル−3−ヘキシルイミダゾリウム−クロライド(Hmin−Cl)を用いた以外は、実施例3と同様にして、時間経過に伴う、試験水溶液の電気伝導度の変化を測定し、イオン液体の分離を評価した。
(実施例9)
イオン液体として、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム−クロライド(Emim−Cl)の代わりに、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム−クロライド(Omim−Cl)を用いた以外は、実施例3と同様にして、時間経過に伴う、試験水溶液の電気伝導度の変化を測定し、イオン液体の分離を評価した。
図6は、カチオンサイズの異なるイオン液体を溶質として含む水溶液からイオン液体を分離する過程における試験溶液(水溶液)の濃度変化を電気伝導度の変化により測定した、実施例3および7〜9の結果を示すグラフである。同図には、カチオンの大きさによるイオン液体分離速度の違いが示されている。
実施例3および7〜9においては、全てアニオンが塩化物イオン(塩素アニオン、Cl)であるイオン液体を用いた。これら実施例におけるイオン液体分離速度の比較により、カチオンの大きさ(これら実施例ではアルキル基の炭素数の数)が大きくなると分離速度は遅くなることが分かった。
実施例3〜9によりアニオンサイズよりもカチオンサイズのほうが、イオン液体の分離速度に及ぼす影響が大きいことが分かった(図5および図6参照)。
そこで、アルキル鎖長が、より長いイミダゾリウム系イオン液体を用いて、水溶液からイオン液体を分離することを試みた。
(実施例10)
イオン液体として、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム−クロライド(Emim−Cl)の代わりに、アルキル鎖の炭素数が14である1−メチル3−テトラデシルイミダゾリウム−クロライド(1−methyl−3−tetradecylimidazolium
chloride)を用いた以外は、実施例3と同様にして、時間経過に伴う、試験水溶液の電気伝導度の変化を測定し、イオン液体の分離を評価した。
図7は、カチオンサイズの大きいイオン液体として、1−メチル−3−テトラデシルイミダゾリウム−クロライドを溶質として含む水溶液からイオン液体を分離する過程における試験溶液(水溶液)の濃度変化を電気伝導度の変化として測定した、実施例10の結果を示すグラフである(比較対象として、実施例3の結果を併せて示している。)。
同図に示すように、1−メチル−3−テトラデシルイミダゾリウム−クロライド(実施例10)の分離には、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム−クロライド(実施例3)の分離と比較して極めて長い時間を要することが分かった。このため、本発明のイオン液体の分離方法に用いるイオン液体として、イミダゾリウム系イオン液体を用いる場合、メチル基以外のアルキル基の炭素鎖は短い方が、実用的に好ましいことが分かった。
実施例3および7〜10の結果について示した図6および図7から、以下のことが分かる。
式(1)中、Rがメチル基であり、R3〜5がヒドリドであり、アニオンが塩化物イオンである場合、Rが炭素数2、4および6であるEmim−Cl、Bmim−ClおよびHmin−Clでは、炭素数の増加に伴い、イオン液体の分離に要する時間が連続的に変化している。これに対して、Rの炭素数が8であるOmim−Clになると、イオン液体の分離に要する時間が急激に長くなる。例えば、規格値0.2に到達するまでに要する時間を比較すると、Rの炭素数が2、4、6(実施例3、7、8)のイオン液体ではこの順に、18分、40分、65分程度であったのに対して、Rの炭素数が8(実施例9)のイオン液体では、約160分と急激に長くなっている。この結果から、式(1)中、R1がメチル基であり、R3〜5がヒドリドであり、アニオンが塩化物イオンである場合、Rを炭素数6以下のアルキル基とすることにより、効率よくイオン液体を分離できることが分かった。
(実施例11)
次に、溶解した中性分子としてグルコース20wt%および、イオン液体として1−メチル−3−ブチルイミダゾリウム−クロライド10wt%を含んでいる混合溶液を用いて、2種以上の溶質が溶解した混合溶液からイオン液体を分離した。イオン液体水溶液ではなく、混合溶液からイオン液体を分離したこと以外は、実施例1と同様にして、イオン液体の分離を評価した。
(実施例12)
中性分子として、グルコースの代わりに、スクロースを用いた以外は、実施例11と同様にして、イオン液体の分離を評価した。
(実施例13)
中性分子として、バニリン(リグニン類モデル物質)を用いた以外は、実施例11と同様にして、イオン液体の分離を評価した。
図8は、中性分子として、グルコース、スクロースまたはバニリンを含み、イオン液体として1−メチル−3−ブチルイミダゾリウム−クロライドを含む混合溶液からイオン液体を分離する過程における試験溶液(混合溶液)の濃度変化を電気伝導度の変化により測定した、実施例11〜13の結果を示すグラフである。同図から、イオン液体水溶液の場合と同様に、イオン液体に加えてグルコース等が溶解している混合溶液であっても、イオン液体を分離できることが分かった。
また、図9および図10に、中性分子を含み、イオン液体として1−メチル−3−ブチルイミダゾリウム−クロライドを含む混合溶液から、イオン液体を分離する過程において、分離開始後の各時刻での混合溶液の組成を測定した、実施例11および13の結果を示す液体クロマトグラフィーのチャートを示す。
図9は、中性分子としてグルコースを含み、イオン液体として1−メチル−3−ブチルイミダゾリウム−クロライドを含む混合溶液から、イオン液体を分離する過程における、分離開始後の各時刻での試験溶液の組成を測定した、実施例11の結果を示す液体クロマトグラフィーのチャートである。同図において、5分近傍に現れるピークは、イオン液体1−メチル−3−ブチルイミダゾリウム−クロライドのピークであり、8分近傍に出るピークはグルコースによるものである。イオン液体の分離開始後、時間の経過とともにイオン液体に起因するピーク強度は減少する。分離開始後270分では、イオン液体に起因するピークは消失した。一方、グルコースによるピークにはほぼ変化がなかった。つまり、図9の結果により、グルコースが溶解した混合溶液であるイオン液体水溶液から、イオン液体のみを分離して、グルコース水溶液とイオン液体水溶液に分離できることが分かった。
図10は、中性分子としてバニリンを含み、イオン液体として1−メチル−3−ブチルイミダゾリウム−クロライドを含む混合溶液から、イオン液体を分離する過程における、分離開始後の各時刻での混合溶液の組成を測定した、実施例13の結果を示す。同図において、5分近傍に現れるピークは、イオン液体1−メチル−3−ブチルイミダゾリウム−クロライドのピークであり、55分近傍に出るピークはバニリンによるものである。イオン液体の分離を開始した後、時間の経過とともにイオン液体に起因するピーク強度は減少する。分離開始後320分では、イオン液体に起因するピークは消失した。一方、バニリンによるピークには変化がなかった。つまり、バニリンおよびイオン液体が溶解した混合溶液から、イオン液体のみを分離して、バニリン水溶液とイオン液体水溶液に分離できることが分かった。
上記実施例11〜13により、混合溶液からイオン液体を選択的に分離することができ、また、イオン液体を分離する分離ステップは、混合溶液中の他の中性分子である糖やリグニンに影響しないことが分かった。
本発明は、目的物を含んでいる溶液からイオン液体を分離する方法として利用することができる。

Claims (10)

  1. イオン交換膜を用いて、イオン液体を含む溶液から前記イオン液体を分離する分離ステップを有するイオン液体分離方法。
  2. 前記イオン液体を含む溶液が、2種以上の溶質が溶解した混合溶液である請求項1に記載のイオン液体分離方法。
  3. 前記イオン液体のカチオンが、(CHCHCHOHおよび以下からなる群から選択される請求項2に記載のイオン液体分離方法。
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アルコキシルアルキル基、またはフェニル基を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、ヒドリド、アルケニル基、アルコキシルアルキル基、またはフェニル基を表す。)
  4. 前記イオン液体中のカチオンが、式(1)で示される請求項3に記載のイオン液体分離方法。
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アルコキシルアルキル基、またはフェニル基を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、ヒドリド、アルケニル基、アルコキシルアルキル基、またはフェニル基を表す。)
  5. 前記イオン液体中のカチオンを示す前記式(1)中のRがメチル基であり、Rが炭素数6以下のアルキル基であり、R、RおよびRがヒドリドであり、
    前記イオン液体中のアニオンが塩化物イオンである請求項4に記載のイオン液体分離方法。
  6. 前記混合溶液中の溶質のうちの少なくとも1つが中性分子であり、前記分離ステップにより、前記中性分子と前記イオン液体とを分離する請求項2〜5の何れか1項に記載のイオン液体分離方法。
  7. 前記混合溶液が、前記中性分子として、その混合溶液に溶解した糖類を含んでおり、前記分離ステップにより、前記糖類と前記イオン液体とを分離する請求項6に記載のイオン液体分離方法。
  8. 前記混合溶液が、前記中性分子として、その混合溶液に溶解したリグニン類を含んでおり、前記分離ステップにより、前記リグニン類と前記イオン液体とを分離する請求項6に記載のイオン液体分離方法。
  9. 前記イオン液体が非水溶性のイオン液体である請求項1〜8の何れか1項に記載のイオン液体分離方法。
  10. イオン液体でバイオマスを処理する前処理ステップと、
    前記前処理したバイオマスを糖化処理する糖化処理ステップと、をさらに含んでおり、
    前記分離ステップの前記混合溶液が、前記糖化処理ステップにより得られた混合溶液である、請求項2〜9の何れか1項に記載のイオン液体分離方法。
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