JP2015095288A - 燃料電池システム - Google Patents

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Yasushi Ichikawa
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Abstract

【課題】燃料電池の耐久性能の低下を抑制する燃料電池システムを提供する。【解決手段】燃料電池システム100は、燃料電池200にアノードガス及びカソードガスを供給する。燃料電池システム100は、燃料電池200内を流れるアノードガスの流れ方向に振動換気の効果が得られる所定周期で振動する振動流を発生させる振動流発生器500を備える。【選択図】図4

Description

この発明は、燃料電池にアノードガス及びカソードガスを供給する燃料電池システムに関する。
燃料電池に供給されるカソードガスとしては、外気からの空気が使用されることが一般的であり、その空気には、発電反応に使われない窒素などの、いわゆる不活性ガスが含まれている。そのため、燃料電池内のカソードガス流路を流れる不活性ガスは、膜電極接合体を透過してアノードガス流路に流れてくる。
特許文献1には、アノードガス排出通路に設けられたパージ弁によって、カソードガス流路からアノードガス流路に透過してきた不活性ガスを排出する燃料電池システムが開示されている。
特表2007−517369号公報
現在開発中の燃料電池システムでは、アノードガス供給通路に設けられた調圧弁によって、発電に必要な圧力でアノードガスを燃料電池に供給すると共に、燃料電池内の不活性ガスを一緒に押し出すためにアノードガスの圧力を脈動させている。
このような燃料電池システムでは、アノードガスの脈動幅を大きくするほど、アノードガス流路内の不活性ガスを押し出しやすくなるので、燃料電池の発電領域における不活性ガスの濃度が下がり、発電に良好な条件となる。
しかしながら、アノードガスの脈動幅を大きくすると、アノードガスの脈動上限圧力とカソードガス圧力との最大差圧が大きくなるため、膜電極接合体に生じる応力が大きくなる。そしてこの大きな応力がアノードガス圧力の脈動によって繰り返し膜電極接合体にかかることになるため、膜電極接合体の耐久性能が低下しやすくなるという問題がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、燃料電池の耐久性能の低下を抑制する燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。
本発明による燃料電池システムのひとつの態様は、燃料電池内を流れるアノードガスの流れ方向に振動換気の効果が得られる所定周期で振動する振動流を発生させる振動流発生手段を備えることを特徴とする。
この態様によれば、振動流発生手段によって、振動換気の効果が現れる所定周期で、燃料電池内のアノードガスの流れ方向に振動流を発生させる。これにより、燃料電池内のアノードガス流路に透過してきた不活性ガスが拡散され、燃料電池内のアノードガス濃度が均一になり、全体的に不活性ガスの濃度が下がる。
このように、振動流によって不活性ガスの濃度を下げつつ、アノードガスの圧力変動を小さくできるので、膜電極接合体の耐圧性能の低下を抑制することができる。
図1は、本発明の第1実施形態における燃料電池スタックの外観を示す斜視図である。 図2は、燃料電池スタックに積層された単セルを示す断面図である。 図3Aは、燃料電池を構成するアノードセパレータを示す平面図である。 図3Bは、燃料電池を構成するカソードセパレータを示す平面図である。 図4は、本発明の第1実施形態における燃料電池システムの構成を示す図である。 図5Aは、脈動運転によるアノードガスの圧力を示す波形図である。 図5Bは、脈動回数とMEAの許容応力との関係を示す図である。 図6は、一般的な高頻度振動換気による分子の拡散性を示す参考図である。 図7Aは、振動流発生器による振動流の発生手法を示す観念図である。 図7Bは、振動流発生器によるアノードガス圧力の変動を示す波形図である。 図8は、第2実施形態における振動流の生成手法を示す図である。 図9は、第3実施形態における燃料電池システムの構成を示す図である。 図10は、第4実施形態における振動流の生成手法を示す波形図である。 図11は、第5実施形態における燃料電池システムの構成を示す図である。 図12は、第6実施形態における振動流の生成手法を示す波形図である。 図13は、開閉弁の制御方法を示すフローチャートである。 図14は、排水要求の決定方法を示すフローチャートである。 図15は、燃料電池スタックの内部抵抗マップを示す図である。 図16は、燃料電池スタックに蓄積される液水量マップを示す図である。 図17は、排水要求時にアノードガス圧力を脈動させる制御手法の一例を示す図である。 図18は、第7実施形態における振動流の生成手法を示す波形図である。 図19は、第8実施形態における燃料電池システムの構成を示す図である。 図20は、第9実施形態における燃料電池システムの構成を示す図である。 図21は、第10実施形態における燃料電池システムの制御手法を示す図である。 図22は、第11実施形態における燃料電池システムの構成を示す図である。
以下に、図面等を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の燃料電池システムに用いられる燃料電池スタック200を示す斜視図である。
燃料電池スタック200は、本実施形態では、車両を駆動する駆動モータに電力を供給する電源として用いられる。燃料電池スタック200は、複数枚の燃料電池(電池セル)を積層したものである。
燃料電池は、アノード電極(いわゆる燃料極)と、カソード電極(いわゆる酸化剤極)と、これらの電極に挟まれた電解質膜と、を備える。ここでは、積層された複数の燃料電池のひとつを「単セル」という。
燃料電池は、アノード電極に供給される水素を含有するアノードガス(いわゆる燃料ガス)及びカソード電極に供給される酸素を含有するカソードガス(いわゆる酸化剤ガス)を用いて発電する。燃料電池の電気化学反応、すなわち発電反応は、アノード電極及びカソード電極の両電極において、以下のとおり進行する。
アノード電極: 2H→ 4H+4e ・・・(1)
カソード電極: 4H+4e+O→ 2HO ・・・(2)
燃料電池スタック200は、積層された複数の単セル1と、一対の集電板2a及び2bと、一対の絶縁板3a及び3bと、一対のエンドプレート4a及び4bと、不図示の4本のテンションロッドに螺合するナット5と、を有する。
単セル1は、起電力を生じる固体高分子型の1枚の燃料電池である。単セル1は、1ボルト程度の起電圧を生じる。単セル1の構造については図2を参照して後述する。
一対の集電板2a及び2bは、積層された複数の単セル1の外側にそれぞれ配置される。集電板2a及び2bは、ガス不透過性の導電性部材で形成される。ガス不透過性の導電部材は、例えば緻密質カーボンである。集電板2a及び2bは、上辺の一部に出力端子6を備える。燃料電池スタック200は、出力端子6から単セル1ごとに生じた電子e−を取り出して出力する。
一対の絶縁板3a及び3bは、集電板2a及び2bの外側にそれぞれ配置される。絶縁板3a及び3bは、絶縁性の部材で形成される。絶縁性の部材は例えばゴムである。
一対のエンドプレート4a及び4bは、絶縁板3a及び3bの外側にそれぞれ配置される。エンドプレート4a及び4bは、剛性を備える金属性の材料で形成され、例えば鋼で形成される。
一対のエンドプレート4a及び4bのうち、一方のエンドプレート4aには、冷却水の入口孔41a及び出口孔41bと、アノードガスの入口孔42a及び出口孔42bと、カソードガスの入口孔43a及び出口孔43bとが形成される。なお、冷却水入口孔41a、アノードガス出口孔42b及びカソードガス入口孔43aは、エンドプレート4aの一端側(図中右側)に形成され、冷却水出口孔41b、アノードガス入口孔42a及びカソードガス出口孔43bは、他端側(図中左側)に形成される。
ここで、アノードガス入口孔42aに水素を供給する方法としては、例えば水素ガスを水素貯蔵装置から直接供給する方法、又は、水素を含有する燃料を改質して改質した水素含有ガスを供給する方法がある。
なお、水素貯蔵装置としては、高圧ガスタンク、液化水素タンク、水素吸蔵合金タンク等がある。水素を含有する燃料ガスとしては、天然ガス、メタノール、ガソリン等が考えられる。また、カソードガス入口孔43aに供給する酸化剤ガスとしては、一般的に空気が使用される。
ナット5は、燃料電池スタック200の内部を貫通する4本のテンションロッドの両端部に形成された雄ねじ部に螺合する。テンションロッドにナット5を螺合締結することで、燃料電池スタック200を積層方向に締め付ける。テンションロッドは、剛性を備えた金属材料で形成され、例えば鋼などで形成される。テンションロッドの表面には絶縁処理が施され、単セル1同士の電気短絡を防止している。
図2は、図1のII-II線に沿う方向から見た単セル1の断面の一部を示す図である。
単セル1は、膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:以下「MEA」という)11を、アノードセパレータ20とカソードセパレータ30とで挟持して構成する。
MEA11は、電解質膜11aと、アノード電極11bと、カソード電極11cとを有する。MEA11は、電解質膜11aの一方の面にアノード電極11bを有し、他方の面にカソード電極11cを有する。
電解質膜11aは、フッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜である。電解質膜11aは、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。
アノード電極11b及びカソード電極11cは、ガス拡散層、撥水層、及び触媒層から構成される。ガス拡散層は、充分なガス拡散性および導電性を有する部材によって形成され、例えば、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスで形成される。撥水層は、ポリエチレンフルオロエチレンと炭素材を含む層である。触媒層は、白金が担持されたカーボンブラック粒子から形成される。
アノードセパレータ20は、アノード電極11bと接する。アノードセパレータ20は、アノード電極11bと接する側に、アノード電極11bにアノードガスを供給するためのアノードガス流路24を有する。そして、アノード電極11bと直接接する面(後述する流路リブ25の頂面)25aの反対面に、発電により暖められた燃料電池スタック200を冷却する冷却水が流れる冷却水流路26を有する。
カソードセパレータ30も同様に、カソード電極11cと接する側に、カソード電極11cにカソードガスを供給するためのカソードガス流路34を有し、カソード電極11cと接する面(後述する流路リブ35の頂面)35aの反対面に冷却水流路36を有する。アノードセパレータ20及びカソードセパレータ30は、金属又はカーボンである。
なお、隣接するアノードセパレータ20とカソードセパレータ30とに設けられたそれぞれの冷却水流路26及び冷却水流路36は、互いに向き合うように形成されており、この冷却水流路26及び冷却水流路36によって1つの冷却水流路51が形成される。
また、ガス流路24を流れるアノードガスと、ガス流路34を流れるカソードガスとは、MEA11を介して互いに逆向きに流れている。本実施形態では、ガス流路24を流れるアノードガスは紙面奥から手前へ流れており、ガス流路34を流れるカソードガスは紙面手前から奥へ流れている。
図3Aは、アノードセパレータ20をアノード電極側から見た平面図である。
アノードセパレータ20の一端(図中左側)には、上から順に、カソードガス出口孔43b、冷却水出口孔41b、アノードガス入口孔42aが形成される。一方、アノードセパレータ20の他端(図中右側)には、上から順に、アノードガス出口孔42b、冷却水入口孔41a、カソードガス入口孔43aが形成される。
また、アノードセパレータ20の表面には、アノードガス拡散部21と、複数の溝状のアノードガス流路24と、アノードガス合流部27とが形成される。ここでは、アノードガス流路を、単に「ガス流路」という。
ガス流路24は、ガス流路底面24aからアノード電極側へ突出してアノード電極と接する複数の流路リブ25の間に形成される流路である。なお、流路リブ25の背面が、前述した冷却水流路26となっている。流路リブ25の側面25bはテーパ状となっており、流路リブ頂面25aからガス流路底面24aへ向けて一定の角度で傾斜している。これにより、ガス流路24を流れるガスの余分な乱流を抑制して圧力損失を低減している。
アノードガス拡散部21は、アノードガス入口孔42aとガス流路24との間に形成される。アノードガス拡散部21には、アノードガスを各ガス流路24へ均等に分配するために、アノードガス拡散部底面21aからアノード電極へ突出してアノード電極と接する複数の突起状の拡散リブ222が格子状に形成される。
アノードガス合流部27は、ガス流路24とアノードガス出口孔42bとの間に形成される。アノードガス合流部27は、ガス流路24からアノードガス出口孔42bへ向かって幅が狭くなっていくガス流路である。
アノードガス合流部27には、アノードガス合流部底面27aからアノード電極へ突出してアノード電極と接する複数の合流リブ28が形成される。アノードガス合流部27は、この合流リブ28によって複数の領域29に区分けされる。以下では、この区分けされた各領域29を「ガス合流流路29」という。
合流リブ28は、ガス流路終端24cからアノードガス出口孔42bへ向かって形成される。合流リブ28は、アノードガス出口孔42bへ行くほどガス合流流路29の幅が狭くなるように形成される。合流リブ28は、ガス流路24から各ガス合流流路29に流れ込むガス流量が略同一となるように形成される。合流リブ28の本数は、流路リブ25の本数よりも少ない。なお、隣接するガス合流流路29の流路幅がガス流路24の流路幅と略同一になるまで、一部の流路リブ25の終端が延長されている。
図3Bは、カソードセパレータ30をカソード電極11c側から見た平面図である。
カソードセパレータ30は、アノードセパレータ20と同様の構成である。カソードセパレータ30は、カソードガス拡散部31と、カソードガス流路34と、流路リブ35と、カソードガス合流部37とを有する。ここでは、カソードガス流路を単に「ガス流路」という。
カソードガス拡散部31には拡散リブ322が設けられる。カソードガス合流部37には、合流リブ38が設けられ、ガス合流流路39が形成される。
カソードセパレータ30は、MEA11を介してアノードセパレータ20と対向しているため、カソードセパレータ30の一端側(図3Bの左側)は、アノードセパレータ20の他端側(図3Aの右側)となる。そして、カソードセパレータ30の他端側(図3Bの右側)が、アノードセパレータ20の一端側(図3Aの左側)となる。
したがって、カソードセパレータ30の一端側(図3Bの左側)には、アノードセパレータ20の他端側に形成される3つの孔と同じアノードガス出口孔42b、冷却水入口孔41a、カソードガス入口孔43aが形成される。そして、カソードセパレータ30の他端側(図3Bの右側)にも、アノードセパレータ20の一端側に形成される3つの孔と同じカソードガス出口孔43b、冷却水出口孔41b、アノードガス入口孔42aが形成される。
図4は、本発明の第1実施形態における燃料電池システム100の構成を示す図である。
燃料電池システム100は、燃料電池スタック200にアノードガス及びカソードガスを供給すると共に、駆動モータなどの負荷に応じて燃料電池スタック200を発電させる。本実施形態の燃料電池システム100は、アノードガス非循環型の燃料電池システム、いわゆるアノードデッドエンドシステムである。
燃料電池システム100は、燃料電池スタック200と、アノードガス供給装置300と、コントローラ400と、を備える。なお、燃料電池スタック200にカソードガスを供給するカソードガス供給装置、及び燃料電池スタック200を冷却する冷却装置については、本発明の主要部分ではないため、ここでは便宜上、図示を省略している。
燃料電池スタック200は、アノードガス及びカソードガスの供給を受けると共に、燃料電池スタック200に接続される負荷に応じて発電する。燃料電池スタック200では、積層された複数の単セル1が互いに直列に接続されているため、単セル1ごとに生じるセル電圧の総和が出力電圧となる。燃料電池スタック200が発電した出力電力は、車両に搭載された駆動モータ等の各種電気機器(負荷)に供給される。
アノードガス供給装置300は、高圧タンク310と、アノードガス供給通路320と、調圧弁330と、圧力センサ340と、アノードガス排出通路350と、バッファタンク360と、パージ通路370と、パージ弁380と、を備える。
高圧タンク310は、燃料電池スタック200に供給されるアノードガスを高圧状態に保って貯蔵する。
アノードガス供給通路320は、高圧タンク310から流れ出るアノードガスを燃料電池スタック200に供給するために用いられる通路である。アノードガス供給通路320の一端部は高圧タンク310に接続され、他端部が、燃料電池スタック200のアノードガス入口孔210に接続される。なお、アノードガス入口孔210は、図1及び図3Aに示したアノードガス入口孔42aを連通した孔である。
調圧弁330は、アノードガス供給通路320に設けられる。調圧弁330は、高圧タンク310から押し出されるアノードガスを所望の圧力に調節して燃料電池スタック200に供給する。調圧弁330は、連続的又は段階的に開度を調節可能な電磁弁である。調圧弁330の開度は、コントローラ400によって制御される。
圧力センサ340は、調圧弁330よりも下流のアノードガス供給通路320に設けられる。圧力センサ340は、アノードガス入口孔210を流れるアノードガスの圧力を検出する。本実施形態では、圧力センサ340で検出されるアノードガスの圧力は、バッファタンク360と、図3Aに示したアノードガス流路24とを含むアノード系全体の圧力として代用される。
アノードガス排出通路350は、燃料電池スタック200のアノードガス出口孔220からアノードガスを排出する通路である。アノードガス排出通路350には、燃料電池スタック200の発電反応に使用されなかった余剰のアノードガスと、カソードガス流路34からMEA11を介してアノードガス流路24にクロスリーク(透過)してきた窒素ガスや水蒸気などの不純物ガス(不活性ガス)と、が排出される。余剰のアノードガスと不純物ガスとの混合ガスのことを、以下「アノードオフガス」という。
バッファタンク360は、アノードガス排出通路350を通って流れてきたアノードオフガスを一時的に蓄える。アノードオフガス中の水蒸気の一部は、バッファタンク360内で凝縮して液水となり、アノードオフガスから分離される。
パージ通路370は、バッファタンク360で分離された液水を排出する通路である。パージ通路370の一端部は、アノードガス排出通路350に接続され、パージ通路370の他端部は、開口端となっている。バッファタンク360に溜められたアノードオフガス及び液水は、パージ通路370を通って開口端から外気へ排出される。
パージ弁380は、パージ通路370に設けられる。パージ弁380は、連続的又は段階的に開度を調節可能な電磁弁である。パージ弁380の開度は、コントローラ400によって制御される。コントローラ400は、バッファタンク360内のアノードガス濃度が一定の値以下になるように、パージ弁380の開度を調節する。これにより、バッファタンク360からパージ通路370を介して外気へ排出されるアノードオフガスの排出量が調整される。
コントローラ400は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び、入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。
コントローラ400には、前述した圧力センサ340の他にも、燃料電池システム100の運転状態を検出する各種センサの信号等が入力される。各種センサとしては、燃料電池スタック200を冷却する冷却水の温度を検出する温度センサ410や、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルストロークセンサ420などがある。
コントローラ400は、各種センサ等の入力信号に基づいて、調圧弁330及びパージ弁380を制御する。
例えば、コントローラ400は、調圧弁330を周期的に開閉することにより、アノードガスの圧力を周期的に脈動させる脈動運転を実施する。これと共にコントローラ400は、パージ弁380の開度を調節してバッファタンク360から排出されるアノードオフガスの流量を制御する。これにより、バッファタンク360内の不純物ガスの濃度が所定濃度以下に維持される。
このようにアノードガス非循環系の燃料電池システム100では、パージ弁380で燃料電池スタック200内にアノードガスを溜めた状態で発電する。そのため、アノードガス循環型の燃料電池システムに比べて燃料電池スタック200の下流側に、カソードガス流路34からMEA11を介してアノードガス流路24に透過してくる窒素ガスや、発電反応で生成される生成水などの不純物が滞留しやすい。
燃料電池スタック200内に蓄積される不純物が増加すると、アノードガス流路24内の不純物の濃度が高くなり、燃料電池スタック200の発電効率が低下する。この対策として、調圧弁330の開度を制御してアノードガス圧力を脈動させることにより、アノードガス流路24の下流側に存在する窒素ガスや生成水などの不純物を押し出している。
図5Aは、脈動運転によるアノードガスの脈動圧力を示す図である。図5Aでは、縦軸が、燃料電池スタック200に供給されるアノードガスの圧力を示し、横軸が、時間を示す。なお、図5Aでは、脈動流を連続して形成した例が示されている。
時刻t1では、調圧弁330の開度が一時的に大きな値に設定され、これによってアノードガスの圧力が、脈動下限圧力から所定の脈動幅△Pp(例えば50kPa)まで上昇する。
そして時刻t2においてアノードガスの圧力が脈動上限圧力に到達すると、調圧弁330が閉じられる。その後、燃料電池スタック200の発電に伴いアノードガスが消費されるため、アノードガスの圧力は徐々に低下する。
時刻t3においてアノードガスの圧力が脈動下限圧力まで低下すると、再び調圧弁330が開かれる。
このように、時刻t1から時刻t3までの脈動周期Tpごとに、調圧弁330の開閉制御によって、アノードガスの圧力を脈動上限圧力まで上昇させその後に脈動下限圧力まで低下させる。これにより、燃料電池スタック200に供給されるアノードガスの圧力が脈動する。
このような燃料電池システム100では、アノードガス圧力の脈動幅△Ppを大きくするほど、アノードガス流路24に透過してきた不純物を押し出しやすくなるので、燃料電池スタック200の発電領域内の不純物の濃度が下がり、発電に良好な状態となる。
しかしながら、アノードガス圧力の脈動幅△Ppを大きくすると、アノードガスの脈動上限圧力とカソードガスの圧力との最大差圧によってMEA11に生じる応力が大きくなり、その大きな応力が、アノードガス圧力の脈動によって繰り返しMEA11にかかる。
図5Bは、アノードガス圧力の脈動回数とMEA11の許容応力との関係を示す図である。図5Bでは、縦軸が、MEA11で許容可能な応力の限界値を示し、横軸が、MEA11にかかる最大差圧の繰り返し回数(振動回数)Nを示す。
図5Bに示すように、繰り返し回数Nが増えるほど、MEA11で許容できる応力の上限値は低下する。さらに、アノードガスの脈動上限圧力とカソードガス圧力との最大差圧が大きくなると、MEA11で許容できる繰り返し回数Nは少なくなってしまい、MEA11の耐久性能を低下させることになる。
MEA11に生じる応力は、アノードガス拡散部21とアノードガス流路24との境界部分や、アノードガス流路24の外周部分に設けられたガスシール部材で特に大きくなる。これらの箇所でMEA11の許容応力を超える応力が生じると、例えばガスシール部材が破れて、アノードガスや生成水などがリークしてしまう。
そのため、アノードガス流路24に透過してきた窒素ガスを押し出すために、アノードガス圧力の脈動幅を大きくしようとすると、MEA11の耐久性が低下してしまう。
そこで本実施形態では、高頻度振動喚気(High Frequency Oscillation Ventilation:HFOV)法を利用して、燃料電池スタック200内に振動流を発生させる。
高頻度振動換気法は、例えば人工呼吸器で使用されており、僅かな体積変化で肺の中の空気を換気する手法である。高頻度振動換気法では、人間が1分間に呼吸する回数よりも極めて高い頻度で肺にガスを送り込むことにより、1回で送り込むガスの換気量を減らした状態で肺の奥までガスを輸送することが可能になる。
図6は、一般的な高頻度振動換気法による分子の拡散特性を示す参考図である。図6では、横軸が、ガス中の分子に与えられる振動周波数αを示し、縦軸が、分子に与えられた振動によって拡散される分子の拡散性を示す。
分子の拡散性を表わす指標としては、実効拡散係数Deffを分子拡散係数Dmolで除算した値が用いられている。実効拡散係数Deffは、振動が与えられたガス中の分子を所定の距離だけ離れた地点で検出した結果から求められる実効値であり、分子拡散係数Dmolは、ガスが移動していない状態での分子の拡散性を表わす基準値である。
図6に示すように、分子の振動周波数αが数Hzから十数Hzまでの周波数範囲では、分子の拡散性(Deff/Dmol)は、分子が振動していないときの拡散性Dmolに比べて、数十倍から数千倍のオーダーで著しく向上する。また、振動させる分子の濃度が高くなるほど、分子の拡散性(Deff/Dmol)は向上する。
そこで本実施形態では、燃料電池スタック200の下流側に窒素ガスが滞留するため、高頻度振動換気法を利用して、燃料電池スタック200に供給されるアノードガスの水素分子を脈動周期Tpよりも短い周期、つまり高い頻度で振動させて振動流を発生させる。
これにより、1回のアノードガス圧力の変動を抑えつつ、アノードガスの水素分子を燃料電池スタック200の下流側まで送り込みやすくなる。
具体的には、図4に示すように、燃料電池スタック200内に振動流を発生させる振動流発生器500が、燃料電池システム100に設けられる。振動流とは、燃料電池スタック200内を流れるアノードガスの流れ方向に振動する波のことである。振動流発生器500は、コントローラ400によって制御される。
振動流発生器500は、調圧弁330とアノードガス入口孔210との間のアノードガス供給通路320に設けられる。振動流発生器500は、シリンダ511内を摺動すると共に圧力室512を形成するピストン513と、圧力室512とアノードガス供給通路320とを連通する連通路514と、を備える。
ピストン513は、電動モータ、例えばAC(alternating current)サーボモータ等によって駆動される。圧力室512が収縮するようにピストン513が上昇する場合には、燃料電池スタック200に供給されるアノードガスの流速が速くなる。一方、圧力室512が拡張するようにピストン513が下降する場合には、アノードガスの流速が遅くなる。
なお、振動流発生器500としては、ピストンの代わりに空気流を振動流に変換する切換え弁、いわゆるロータリーバルブが用いられても良い。この場合には、ロータリーバルブを回転させることにより振動流を形成する。
振動流発生器500で形成される振動流の振動周波数は、例えば高頻度振動換気の効果が得られる0.1Hz(ヘルツ)から数Hz程度の周波数である。この振動流の振動周波数、すなわち振動周波数の逆数で表わされる振動周期は、燃料電池スタック200内のアノードガス流路24の形状、流路長、流路幅や、アノードガスの粘性等によって変わるため、例えば、実験データや予測データに基づいて定められる。
また、振動流の形成に必要なアノードガス圧力の振幅は、アノードガスをアノードガスの流れ方向に振動させればよいので、図5Aに示した脈動幅△Ppに比べて小さくできる。そのため、振動流発生器500によるアノードガス圧力の変動幅は、脈動幅△Ppよりも1/5〜1/10程度まで小さくできる。
図7Aは、振動流発生器500によって形成される振動流に関する観念図である。
振動流発生器500では、ピストン513が高頻度振動換気の効果が現れる所定の振動周期で往復運動を繰り返す。具体的には、圧力室512が収縮するようにピストン513が上昇すると、アノードガスの圧力が上昇してアノードガスの流速が速くなる(増加する)。その後、圧力室512が拡張するようにピストン513が下降すると、アノードガスの圧力が低下してアノードガスの流速が遅くなる(低下する)。
またピストン513の往復運動中は、調圧弁330でアノードガスの圧力が一定に維持されているので、MEA11でアノードガスが消費されるに従って、横揺れしているアノードガスが高圧タンク310から燃料電池スタック200へ移動する。
このように、ピストン513の往復運動によって、燃料電池スタック200に供給されるアノードガスの流速が変化し、所定の振動周期でアノードガスに振動流が発生する。
図7Bは、振動流の発生に伴うアノードガス圧力の変動幅を示す図である。図7Bでは、振動流の波形が実線によって示され、振動流と比較するために、図5Aに示した脈動流の波形が破線によって示されている。
図7Bに示すように、振動流の形成に必要なアノードガス圧力の振幅△Poは、脈動流の脈動幅△Ppに比べて極めて小さい。本実施形態では、振動流発生器500によるアノードガス圧力の変動幅△Poは、5kPa(キロパスカル)〜10kPa程度で十分である。
また、振動流の振動周期Toは、脈動周期Tpよりも短い周期であり、振動流についての振動回数の頻度は、脈動流の振動回数よりも高頻度である。本実施形態では、振動流の振動周波数は、0.1Hzから1Hzまでの周波数範囲において高頻度振動換気の効果が得られやすい。
振動流発生器500によって形成される振動流の高頻度振動換気の効果によって、アノードガス中の水素分子は拡散性が高くなるので、燃料電池スタック200に供給されるアノードガスは、アノードガス流路24の下流側へ拡散されやすくなる。
さらに振動流発生器500による振動流によって、アノードガス流路24に滞留する窒素ガスも、アノードガスと共に振動するため、アノードガス流路24の下流側から上流側へも窒素ガスが拡散され、アノードガスと窒素ガスとが混ざりやすくなる。
以上のように、燃料電池システム100では、アノードガス流路24の下流側で窒素ガスが滞留するため、振動流発生器500を駆動することにより、アノードガスの流れ方向に振動流を発生させる。
この振動流によって高頻度振動換気の効果が現れるため、アノードガス圧力の僅かな振動でアノードガス供給通路320から流入するアノードガスが、燃料電池スタック200の下流側に滞留する窒素ガスと混ざりやすくなる。
そのため、アノードガス流路24の下流側に滞留する窒素ガスの濃度が下がり、アノードガス流路24全体に存在する窒素ガスの密度分布が均一化され、燃料電池スタック200内の窒素濃度を全体的に下げることができる。
したがって、アノードガス流路24の下流側でアノードガスが不足して電解質膜11aのカーボンブラック粒子が発電反応に使用されてしまうことを回避できる。そのため、カーボンブラック粒子の減少に伴うMEA11の発電性能の劣化を抑制することができる。
さらに振動流発生器500によるアノードガス圧力の変動幅△Poは、図5Aに示した脈動幅△Ppに比べて5分の1〜10分の1程度まで小さくできる。このため、MEA11に生じる応力を、脈動流を発生させるときよりも小さくできるので、MEA11の耐久性の低下を抑制することができる。
したがって、アノードガスの濃度を均一にしつつ、アノードガスの圧力変動を小さく抑えることができる。すなわち、燃料電池スタック200の発電性能を維持しつつ、MEA11の耐久性の低下を抑制することができる。
本発明の第1実施形態によれば、振動流発生器500がアノードガス供給通路320に接続され、振動流発生器500に設けられたピストン513の往復運動によって、アノードガスの流れ方向に振動流を発生させる。振動流の振動周期Toは、燃料電池スタック200内のアノードガス流路24において高頻度振動換気の効果が得られる所定の周期に設定される。
アノードガス流路24に振動周期Toの振動流を発生させることにより、アノードガスの水素分子の拡散性が高くなるので、アノードガスが燃料電池スタック200の下流側まで拡散しやすくなる。このため、アノードガス流路24の下流側に滞留した窒素ガスは、アノードガスとミキシングされやすくなり、アノードガス流路24の上流側へ広がることになる。
したがって、燃料電池スタック200内のアノードガス濃度が均一になり、全体的に窒素濃度を下げることができる。
さらに振動流発生器500で振動流を発生させることによって、燃料電池スタック200内の窒素濃度を均一にしつつ、振動流の発生に伴うアノードガスの圧力変動△Poを、図5Aに示した脈動幅ΔPpより数倍も小さくできる。
このため、振動流によるアノードガスの上限圧力とカソードガスの圧力との最大差圧によって生じるMEA11の応力を小さくできるので、MEA11の耐久性能の低下を抑制することができる。
なお、高頻度振動換気の効果が特に大きくなる振動周期Toは、アノードガスの流動性と、アノードガス流路24の流路長や幅などの形状とによって変わる。そのため振動流の振動周期Toは、アノードガス流路24の形状とアノードガスの粘性とによって定めることが可能である。このように振動周期Toを定めることにより、アノードガス流路24に適した振動周期Toを設定できるようになるので、アノードガスの拡散性をより一層高めることができる。
また、本実施形態では振動流発生器500は、発電に伴う生成水を排出するのに必要な脈動幅△Ppよりも小さな振幅△Poで振動流を発生させる。これにより、燃料電池スタック200内のアノードガス圧力とカソードガス圧力との最大差圧を小さくできるので、MEA11の耐久性の低下を抑制できる。
また、本実施形態では振動流発生器500は、燃料電池スタック200よりも上流のアノードガス供給通路320に設けられる。このため、燃料電池スタック200で生成される水蒸気が、振動流発生器500へ到達することはなくなる。
したがって、燃料電池システム100が零下で使用される環境において、凝縮した水蒸気が氷結して振動流発生器500が凍結することを防止できる。このため、振動流発生器500に対する凍結対策を燃料電池システム100に施す必要がなくなる。
(第2実施形態)
燃料電池スタック200のアノードガス流路24には、窒素ガスの他に発電によって生成された生成水も滞留する。一般的に、燃料電池スタック200に供給されるアノードガス圧力の昇圧速度を速くするほど、アノードガス流路24内に存在する生成水を排出しやすくなる。
そこで第2実施形態では、振動流発生器500を制御してアノードガスの昇圧速度をアノードガスの降圧速度よりも速くする。なお、本実施形態の燃料電池システムは、図4に示した燃料電池システム100の構成と同じである。以下、図4と同じ構成については、図4で示した符号を付して説明する。
具体的には振動流発生器500において、ピストン513を上昇させるときの上昇速度が、ピストン513を下降させるときの下降速度よりも速くなるように、ピストン513の往復運動が設定される。
図8は、本発明の第2実施形態における振動流の生成方法を示す図である。図8(a)は、アノードガス入口孔210を流れるアノードガスの流速の変化を示す図である。図8(b)は、アノードガス入口孔210を流れるアノードガスの圧力の変化を示す図である。また、図8(a)及び図8(b)の横軸は、互いに共通の時間軸である。
時刻t11において、振動流発生器500で圧力室512が収縮するようにピストン513が上昇するので、図8(a)に示すように、アノードガスの流速が尖鋭的に上昇する。
時刻t11から時刻t12までの上昇期間では、図8(b)に示すように、ピストン513の上昇に伴いアノードガスの圧力が急激に上昇する。
時刻t12から時刻t13までの下降期間では、アノードガスの流速が変わらないようにピストン513の上昇速度よりも遅い速度でピストン513が下降する。このとき、発電反応によってアノードガスが消費されて、高圧タンク310から燃料電池スタック200へアノードガスが移動するので、図8(b)に示すように、アノードガスの圧力は、アノードガスの昇圧速度よりも遅い速度で降下する。
このように第2実施形態によれば、燃料電池スタック200に供給されるアノードガス圧力の昇圧速度を、アノードガス圧力の降圧速度よりも速くする。これにより、窒素ガスの拡散を促進すると共に、アノードガス流路24の下流側に滞留する生成水を排出することができる。
なお、本実施形態ではピストン513が上死点(圧力室512が最も収縮する状態)に達した後直ぐにピストン513を下降させる例について説明したが、ピストン513が上死点に達してから所定時間を経過した後にピストン513を下降させさてもよい。所定時間待機させることにより、アノードガスの圧力を十分に昇圧することができるので、燃料電池スタック200から生成水をより排出しやすくなる。
(第3実施形態)
図9は、本発明の第3実施形態における燃料電池システム101の構成を示す図である。
燃料電池システム101では、振動流発生器500が燃料電池スタック200の下流側に設けられている。すなわち、図4に示した燃料電池システム100に対して振動流発生器500の位置が異なる。また、燃料電池スタック200には、図3Aに示したアノードガス出口孔42bと連通する連通孔230が、アノードガス出口孔220に対して反対側に形成されている。それ以外の構成は、燃料電池システム100と同じである。
振動流発生器500は、燃料電池スタック200の連通孔230に接続される。すなわち、振動流発生器500は、燃料電池スタック200に形成されたアノードガス流路24の下流側に接続されている。
第3実施形態によれば、アノードガス流路24の下流側に滞留した窒素ガスを直接振動させることができるので、第1実施形態に比べて窒素ガスの拡散性をより向上させることができる。
なお、本実施形態ではアノードガス出口孔220に対して反対側に振動流発生器500を配置する例について説明したが、これに限られるものではない。振動流発生器500によってアノードガスに振動流を発生させることができれば良く、例えば、アノードガス排出通路350に振動流発生器500を設けてもよい。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態では、振動流発生器500に調圧弁330を協調させて、振動流の昇圧を同時に行う。本実施形態の燃料電池システムの構成は、図4に示した燃料電池システム100と同じである。
図10は、第4実施形態における振動流発生器500及び調圧弁330の制御方法を示す図である。
図10では、振動流発生器500及び調圧弁330で協調してアノードガスを昇圧したときの振動流が実線によって示され、比較のために振動流発生器500のみでアノードガスを昇圧したときの振動流が破線によって示されている。また、縦軸がアノードガス入口孔210を流れるアノードガスの圧力を示し、横軸が時間を示す。
時刻t21から時刻t22までの期間において振動流発生器500で圧力室512が収縮するようにピストン513が上昇する。この期間にコントローラ400は、調圧弁330の開度を、要求電力に基づく目標開度よりも大きくする。要求電力は、駆動モータなどの負荷の駆動に要求される電力である。
これにより、アノードガス圧力を振動幅ΔPoまで昇圧させるときの昇圧速度を、振動流発生器500のみでアノードガスを昇圧するときよりも速くすることができる。
第4実施形態によれば、振動流発生器500でピストン513の往復運動が繰り返されている状況において、コントローラ400は、振動流発生器500でアノードガスを昇圧するタイミングで調圧弁330の開度を大きくする。
このように、振動流を発生させるため、振動流発生器500及び調圧弁330によって共同でアノードガス圧力を昇圧することにより、アノードガスの圧力を振動流の上限圧力まで昇圧するときの昇圧速度をさらに速くすることができる。これにより、アノードガス流路24に滞留する窒素ガスの分布が均一化されると共に、アノードガス流路24から生成水をより一層排出しやすくなる。
上記実施形態では1個の振動流発生器500を燃料電池システム100及び101に設ける例について説明したが、振動流発生器500の個数については2個以上でもよい。そこで2つの振動流発生器500を用いる例について説明する。
(第5実施形態)
図11は、本発明の第5実施形態における燃料電池システム102の構成を示す図である。
燃料電池システム102は、振動流発生器500に加えて振動流発生器501を備えている。なお、燃料電池システム102のうち振動流発生器501以外の構成は、図4に示した燃料電池システム100と同じである。
振動流発生器501は、図10に示した振動流発生器500と同じように、燃料電池スタック200の下流側に設けられる。具体的には、振動流発生器501の連通路524が、燃料電池スタック200の連通孔230に接続される。振動流発生器501は、振動流発生器500と同じ構成である。
また振動流発生器501は、振動流発生器500によるアノードガス流れ方向の振幅が大きくなるように、振動流発生器500と同じ振動周期Toでシリンダ521内のピストン523を往復運動させる。
具体的には、振動流発生器500で圧力室512が収縮するようにピストン513が上昇するときに、振動流発生器501で圧力室522が拡張するようにピストン523を下降させる。すなわち、振動流発生器500がアノードガス流路24よりも上流のアノードガスの圧力を降圧しているときに振動流発生器501は、アノードガス流路24よりも下流のアノードガスを昇圧する。
そして振動流発生器500で圧力室512が拡張するようにピストン513が下降するときに、振動流発生器501で圧力室522が収縮するようにピストン523を上昇させる。すなわち、振動流発生器500がアノードガス流路24よりも上流のアノードガスの圧力を昇圧しているときに振動流発生器501は、アノードガス流路24よりも下流のアノードガスの圧力を降圧する。
このように振動流発生器500で往復運動するピストン513の振動に対し、振動流発生器501で往復運動するピストン523の振動の位相を180度ずらすことにより、振動周期Toの振動流のアノードガス流れ方向の振幅の減衰を抑制することができる。
なお、本実施形態では互いに独立した振動流発生器500及び振動流発生器501を設ける例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、ピストン513の往復運動が180度ずれるようにピストン523を駆動可能にする機構を備える一体型の振動流発生器を用いても良い。あるいは、1つのピストンで2つの圧力室が形成され、ピストンが摺動することで一方の圧力室が収縮すると他方の圧力室が拡張するような構成の振動流発生器を用いても良い。
第5実施形態によれば、燃料電池システム102には、燃料電池スタック200よりも上流に第1の振動流発生器500が設けられ、燃料電池スタック200の下流側に第2の振動流発生器501が設けられる。そして振動流発生器500に対して振動流発生器501の位相を180度ずらして駆動することにより、振動周期Toの振動流についてのアノードガス流れ方向の振幅を大きくする。
これにより、振動流発生器500で燃料電池スタック200よりも上流のアノードガスが加圧される場合には、振動流発生器501によって燃料電池スタック200の下流側のアノードガスが減圧されることになる。このため、振動周期Toの振動流を発生させることに伴う、燃料電池スタック200内のアノードガス圧力の上昇が抑えられるので、MEA11にかかる応力を軽減することができる。また、燃料電池スタック200内のアノードガス流路24全体に生じる振動流の振幅を均一化することができる。よって、高頻度振動換気の効果がより得られやすくなる。
また、第1から第4実施形態までの各実施形態と同様に、カソードガス流路34からアノードガス流路24に透過してきた窒素ガスが、振動周期Toの振動流によって拡散されるので、アノードガス流路24内の窒素濃度が均一になる。このため、全体的に窒素濃度が下がるので、燃料電池スタック200の発電効率の低下を抑制できる。
なお、本実施形態では、振動流発生器500及び振動流発生器501を同一の振動周期Toでアノードガスに振動流を発生させる例について説明したが、互いに異なる振動周期で振動流を発生させてもよい。
例えば、振動流発生器500では、水素分子の拡散性が高まる振動周期Toでピストン513を振動させ、振動流発生器501では、アノードガス流路24の下流側に滞留する窒素分子の拡散性が高まる振動周期でピストン523を振動させてもよい。
あるいは、振動流発生器500で発生させる振動流と、振動流発生器501で発生させる振動流とを合成して新たな振動周期の振動流を発生させてもよい。これにより、燃料電池スタック200の運転状態に応じて、アノードガスの拡散性が高くなるように振動周期の異なる振動流を発生させることが可能になる。
次に他の実施形態について説明する。アノードデッドエンドシステムでは、発電によって生成される生成水である液水がアノードガス流路24の下流側に溜まりやすい。この液水を排出するのに振幅ΔPoの振動流を発生させただけでは、アノードガスの圧力変動が小さいため、生成水の排水性を確保することが困難である。この対策について本発明の第6実施形態で説明する。
(第6実施形態)
図12は、本発明の第6実施形態における燃料電池システム103の構成を示す図である。
本実施形態では、コントローラ400は、調圧弁330の開度を制御して、生成水を排出するために必要な脈動幅ΔPpでアノードガスの圧力を脈動させる脈動運転を実施する。具体的には、図5Aで示したように脈動流を発生させる。これにより、振動流発生器500で発生させる振幅ΔPoの振動流だけでは排出が困難な生成水を押し出すことができる。
燃料電池システム103は、図4に示した燃料電池システム100の構成に加えて開閉弁530を備える。開閉弁530以外の構成については、燃料電池システム100と同じであるため、ここでの説明を省略する。
開閉弁530は、燃料電池スタック200のアノードガス入口孔210と、振動流発生器500に形成される圧力室512とを連通するための連通路514に設けられる。
開閉弁530は、調圧弁330によって振動流発生器500に加えられるアノードガスの脈動上限圧力を遮断する。すなわち、開閉弁530は、脈動運転に伴う圧力変動によって振動流発生器500を保護するために用いられる。開閉弁530は、例えば電磁弁により実現される。
開閉弁530は、コントローラ400によって制御される。開閉弁530の制御方法については図13を参照して後述する。
図13は、コントローラ400による開閉弁530の制御方法を示すフローチャートである。この制御方法は、所定間隔(例えば100ms)で繰り返し実行される。
ステップS901において、コントローラ400は、負荷である駆動モータ等から要求される要求電力に基づいて、発電に必要なアノードガスの要求圧力を算出する。例えば、要求電力が大きくなるほど、コントローラ400は、大きな要求圧力を算出する。コントローラ400は、その要求圧力をアノードガスの目標圧力に設定し、圧力センサ340で検出された圧力値が目標圧力となるように、調圧弁330の開度をフィードバック制御する。すなわち、コントローラ400は通常の圧力制御を実行する。
ステップS902においてコントローラ400は、振動流発生器500のピストン513を駆動する。これにより、燃料電池スタック200に供給されるアノードガスに対して振動周期Toの振動流を発生させることができる。
次にステップS903においてコントローラ400は、燃料電池スタック200内に蓄積した液水を排出する必要があるか否か、すなわち生成水の排水要求の有無を判断する。そしてコントローラ400は、生成水の排水要求が無い場合にはステップS901に戻り、生成水を排水する必要があると判断されるまで、ステップS901及びS902の処理を繰り返す。なお、排水要求の判断については、図14を参照して後述する。
ステップS904において、コントローラ400は、生成水を排出する必要があると判断した場合には、開閉弁530を閉じる。これにより、脈動運転によって振動流発生器500に加圧されるアノードガスの圧力変動ΔPpを防ぐことができるので、振動流発生器500の故障の発生を抑制できる。
ステップS905においてコントローラ400は、アノードガス圧力の脈動運転を開始する。すなわちコントローラ400は、生成水を排出する必要があると判断した場合には、アノードガスの目標圧力を脈動上限圧力に設定する。
具体的には、コントローラ400は、負荷から要求される要求電力に基づいて生成水の排水に必要な脈動幅ΔPpを算出し、その脈動幅ΔPpを、ステップS902で算出された要求圧力に加算してアノードガスの脈動上限圧力を算出する。コントローラ400は、その算出した脈動上限圧力をアノードガスの目標圧力に設定し、圧力センサ340で検出された圧力値が目標圧力となるように、調圧弁330の開度をフィードバック制御する。
ステップS906においてコントローラ400は、圧力センサ340で検出された圧力値がアノードガスの目標圧力に到達すると、アノードガスの目標圧力を要求電力に基づく要求圧力に設定する。そしてコントローラ400は、圧力センサ340で検出される電圧値が目標圧力となるように、調圧弁330の開度をフィードバック制御する。すなわち、脈動運転から通常の圧力制御に復帰する。
ステップS907においてコントローラ400は、圧力センサ340で検出される電圧値が目標圧力まで低下した場合には、開閉弁530を開き、連通路514を介して振動周期Toの振動流をアノードガスに発生させる。そしてコントローラ400は、開閉弁530の制御方法を終了する。
図14は、発電に伴う生成水を排出するための排水要求の決定方法を示すフローチャートである。この決定方法は、所定間隔(例えば100ms)で繰り返し実行される。
ステップS911においてコントローラ400は、温度センサ410で検出された冷却水の温度を取得する。ここでは温度センサ410は、燃料電池スタック200から排出された冷却水の温度(以下「スタック出口水温」という。)を検出する。
ステップS912においてコントローラ400は、負荷から要求される要求電力を取得する。
例えば、コントローラ400は、アクセルストロークセンサ420で検出された踏み込み量に基づいて、駆動モータから要求される電力値を算出し、駆動モータの電力値と、燃料電池スタック200の運転に必要な補機類の消費電力値とを加算する。コントローラ400は、その加算した値を、負荷からの要求電力として取得する。
あるいは、コントローラ400は、駆動モータに供給される電圧値及び電流値を測定して駆動モータの実際の電力値を算出し、実際の電力値と補機類の消費電力とを加算した値を負荷の要求電力として用いても良い。
なお、燃料電池スタック200に加え、電力供給源としてバッテリを設けたシステムでは、要求電力にバッテリの充放電電力の目標値を加算してもよい。また補機類は、燃料電池スタック200にカソードガスを供給するコンプレッサなどである。
ステップS913においてコントローラ400は、燃料電池スタック200に対する要求電力とスタック出口水温とに基づいて、燃料電池スタック200の内部抵抗値、いわゆるHFR(High Frequency Resistance)を取得する。
例えば、燃料電池スタック200に対する要求電力と内部抵抗値とを互いに対応付けた内部抵抗マップが、スタック出口水温ごとに予めコントローラ400に記憶されている。そしてコントローラ400は、要求電力の算出値とスタック出口水温の検出値とを取得すると、そのスタック出口水温の検出値によって特定される内部抵抗マップを参照し、要求電力の算出値に対応付けられた内部抵抗値を取得する。なお、内部抵抗マップについては、図15を参照して後述する。
なお、燃料電池スタック200の内部抵抗値は、内部抵抗測定装置を用いて検出することも可能である。内部抵抗測定装置は、燃料電池スタック200のアノード電極側出力端子6、及びカソード電極側出力端子6のそれぞれに高周波(例えば1kHz)の交流電流を供給する。そして内部抵抗測定装置は、アノード電極側出力端子6と、燃料電池スタック200に設けられた中途端子との端子間に生じるアノード側の交流電圧を検出すると共に、カソード電極側出力端子6と中途端子との端子間に生じるカソード側の交流電圧を検出する。なお、中途端子は、アノード電極側出力端子6の電位と、カソード電極側出力端子6の電位との中間の電位が出力される端子である。内部抵抗測定装置は、アノード側の交流電圧とカソード側の交流電圧とが互いに等しくなるように、アノード電極側出力端子6、及びカソード電極側出力端子6に供給する交流電流の振幅を調整しつつ、交流電圧及び交流電流の検出値に基づいて内部抵抗値を算出する。内部抵抗測定装置は、その内部抵抗値をコントローラ400に出力する。
ステップS914においてコントローラ400は、燃料電池スタック200の内部抵抗値を用いて、燃料電池スタック200内に蓄積された液水の量を推定する。
例えば、コントローラ400には、燃料電池スタック200の内部抵抗値と単セル1内の液水量とを互いに対応付けた液水量マップが、予め記憶されている。そしてコントローラ400は、内部抵抗値を取得すると、その内部抵抗値に対応付けられた液水量を液水量マップから推定する。なお、液水量マップについては、図16を参照して後述する。
このようにしてコントローラ400は、燃料電池スタック200に対する要求電力とスタック出口水温とに基づいて、単セル1の液水量すなわち電解質膜11aの湿潤度を推定する。
ステップS915においてコントローラ400は、単セル1内の液水量を取得すると、その液水量に基づいて、生成水の排水が必要であるか否かを決定する。
例えば、コントローラ400は、推定した液水量が所定の排水閾値を超えた場合には、生成水を排水する必要があると判断し、排水要求情報を設定する。そして排水要求情報が設定されると、図14に示したステップS904の処理が実行される。このように燃料電池スタックの発電状態、例えば要求電力及び温度に応じて排水量を補正するので、精度の高い排水要求を出すことができ、無用な排水要求を抑制できる。なお、排水閾値は、システム設計に応じて適宜設定される。
ステップS915が終了すると、排水要求の決定方法の一連の処理が終了する。
図15は、コントローラ400に設定される内部抵抗マップの一例を示す図である。図15では、横軸が、負荷から要求される要求電力を示し、縦軸が、燃料電池スタック200の内部抵抗値を示す。
内部抵抗マップでは、要求電力が小さくなるほど、内部抵抗値は指数関数的に大きくなる。また、同一の要求電力においては、スタック出口水温が高くなるほど、内部抵抗値は大きくなる。なお、内部抵抗マップは、実験データ等によって設定される。
図16は、コントローラ400に設定される液水量マップの一例を示す図である。図16では、横軸が、燃料電池スタック200の内部抵抗値を示し、縦軸が、単セル1内の液水量を示す。
液水量マップでは、内部抵抗値が大きくなるほど、単セル1内の液水量は少なくなる。なお、内部抵抗マップは、実験データ等によって設定される。
図17は、排水要求時にアノードガスの圧力を脈動させる制御手法の一例を示す図である。アノードガス圧力の変化を示す図である。また、図17では、横軸が時間を示し、縦軸がアノードガス入口孔210を流れるアノードガスの圧力を示す。
時刻t31前は、開閉弁530が開いた状態であり、振動流発生器500のピストン513によって、燃料電池スタック200に供給されるアノードガスが振幅ΔPoで昇降圧されて振動周期Toの振動流が形成される。本実施形態では図8(b)に示したように、アノードガス圧力の昇圧速度を降圧速度よりも速くして、燃料電池スタック200から生成水を排出しやすくしている。
時刻t31では、図14で示した排水要求の決定方法によって排水要求情報が設定され、コントローラ400は、開閉弁530を完全に閉じる。そしてコントローラ400は、アノードガスの目標圧力を脈動上限圧力の算出値に設定し、圧力センサ340で検出された圧力値が目標圧力となるように調圧弁330をフィードバック制御する。
その後、圧力センサ340で検出された圧力値が脈動上限圧力に達すると、コントローラ400は、負荷から要求される要求電力に基づいてアノードガスの要求圧力を脈動下限圧力として算出し、その脈動下限圧力をアノードガスの目標圧力に設定する。そしてコントローラ400は、圧力センサ340で検出された圧力値が目標圧力となるように調圧弁330をフィードバック制御する。
時刻t32では、圧力センサ340で検出された圧力値が脈動下限圧力まで低下するので、開閉弁530を開ける。これにより、振動流発生器500によって、燃料電池スタック200に供給されるアノードガスに振動周期Toの振動流が形成される。
このようにコントローラ400は、生成水の排水要求に応じて開閉弁530を全閉に切替え、調圧弁330を制御して脈動幅ΔPpでアノードガスを脈動させた後に開閉弁530を全開にする。
第6実施形態によれば、調圧弁330を制御してアノードガスの圧力を脈動させることにより、振動流発生器500で発生させる振幅ΔPoの圧力変動だけでは排出が困難な液水を押し出すことができる。
したがって、振幅ΔPoの振動流によってアノードガス流路24に滞留した窒素ガスを均一化しつつ、振幅ΔPoよりも大きな脈動幅ΔPpの脈動流によって、アノードガス流路24に蓄積された液水を排出することができる。
また、図7Bに示したような燃料電池システムでは、アノードガス流路24に存在する液水だけでなく、窒素ガスなどの不純物についても脈動幅ΔPpの脈動流によって排出する。
これに対して、本実施形態では、振幅ΔPoの振動流によってアノードガス流路24に滞留した窒素ガスを均一化しているので、窒素ガスを排出するために脈動させていた脈動流の発生回数を減らすことができる。これにより、MEA11の耐久性の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、連通路514に開閉弁530が設けられている。そしてコントローラ400は、排水要求時には開閉弁530を閉じてからアノードガスの圧力を脈動させ、その後に開閉弁530を開き、振動流発生器500によって燃料電池スタック200に供給されるアノードガスに振動流を発生させる。
これにより、振動流発生器500に加えられる脈動流の圧力変動ΔPpを回避できるので、振動流発生器500の故障を抑制することができる。
また、アノードガスの圧力を脈動させている間は開閉弁530を閉じることにより、脈動幅ΔPpの脈動流と振幅ΔPoの振動流とが合成されるのを防ぐことができる。
これにより、振動流発生器500によるアノードガスの昇圧によって、アノードガスの圧力が本来の脈動上限圧力を超えてしまい、MEA11の耐久性が低下するのを抑制できる。さらに、振動流発生器500によるアノードガスの降圧によって、アノードガスの圧力が本来の脈動下限圧力よりも低くなり過ぎてしまい、燃料電池スタック200の発電効率が低下することを防止できる。
また、液水の排水要求に応じて開閉弁530を制御することにより、ピストン513の往復運動を排水要求の有無にかかわらず、継続することが可能となる。このため、燃料電池システム103の運転中に、排水要求に応じて振動流発生器500を精度良く停止又は開始させる必要がないので、安価な部品を用いることができる。
なお、本実施形態では調圧弁330を利用してアノードガスの圧力を脈動させる例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、図11に示したように振動流発生器501を燃料電池スタック200の下流側に設け、調圧弁330の代わりに、振動流発生器501によってアノードガスの圧力を脈動させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、図17に示したように排水要求を受けた場合に脈動幅ΔPpの脈動流を1回発生させる例について説明したが、排水要求時において脈動幅ΔPpの脈動流を複数回発生させるようにしてもよい。
また、上記実施形態ではアノードガス非循環型の燃料電池システムを例にして説明したが、本発明はアノードガス循環型の燃料電池システムにも適用することができる。
(第7実施形態)
図18は、本発明の第7実施形態における燃料電池システム104の構成を示す図である。
燃料電池システム104は、アノードガス循環型の燃料電池システムである。燃料電池システム104は、図4に示した燃料電池システム100の構成に加えて循環通路610とエゼクタ620とを備えている。また、燃料電池スタック200には、アノードガス出口孔221と反対に連通孔231が設けられている。
循環通路610は、燃料電池スタック200の連通孔231から流れ出るアノードガスをアノードガス供給通路320に循環させる通路である。循環通路610は、調圧弁330と振動流発生器500との間のアノードガス供給通路320から分岐して、燃料電池スタック200の連通孔231に接続される。
エゼクタ620は、アノードガス供給通路320に循環通路610が合流する部分に設けられる。エゼクタ620は、調圧弁330から流入するアノードガスの流速を速めることによって、循環通路610のアノードガスを吸入して燃料電池スタック200にアノードガスを供給する機械式のポンプである。
コントローラ400は、燃料電池スタック200の負荷から要求される要求電力に応じて、調圧弁330を制御して燃料電池スタック200のアノードガス入口孔210に供給するアノードガスの圧力を調整する。
一般的に、燃料電池スタック200対する要求電力が低いときには、エゼクタ620に流入するアノードガスの圧力は低くなる。このため、エゼクタ620においては、調圧弁330から燃料電池スタック200のアノードガス入口孔210へ流れるアノードガスの流速が遅くなり、循環通路610を循環するアノードガスが吸入されにくくなる。その結果、循環通路610を流れるアノードガスの循環が悪くなり、燃料電池スタック200内のアノードガス流路24に透過してくる窒素ガスや水蒸気などの不活性ガスが局所的に滞留しやすくなる。
また、エゼクタ620に流入するアノードガスの圧力が低くても高くても、循環通路610からアノードガスを吸入して燃料電池スタック200に循環させるには、設計精度の高いエゼクタを用いるか、複数のエゼクタを多段構成にしなかればならない。このような対策ではシステムの製造コストが高くなってしまう。
この対策として本実施形態では、振動流発生器500がエゼクタ620よりも下流のアノードガス供給通路320に設けられている。これにより、燃料電池スタック200へ供給されるアノードガスに対して振動周期Toの振動流が生じるので、局所的に窒素ガスが滞留しても、振動流によって窒素ガスを拡散させることができる。
したがって、エゼクタ620を多段構成にすることなく、燃料電池スタック200内のアノードガス濃度が均一化されて全体的に窒素ガスの濃度が下がるので、燃料電池スタック200の発電効率の低下を低減することができる。すなわち、製品コストの増加を抑制しつつ、エゼクタ620の使用に伴う燃料電池スタック200の発電効率の低下を低減することができる。
また、振動流発生器500がアノードガス供給通路320に接続されることにより、振動流によって各単位セル1にアノードガスが分配されやすくなる。すなわち、各単位セル1へのアノードガスの分配量の偏りを抑制することができる。
(第8実施形態)
図19は、本発明の第8実施形態における燃料電池システム105の構成を示す図である。
燃料電池システム105では、振動流発生器500が燃料電池スタック200の上流側であってアノードガス入口孔210と反対側に設けられている。すなわち、図18に示した燃料電池システム104に対して振動流発生器500の位置が異なる。また、燃料電池スタック200には、図3Aに示したアノードガス入口孔42aと連通する連通孔240が、アノードガス入口孔210に対して反対に形成されている。それ以外の構成は、燃料電池システム104と同じである。
振動流発生器500は、燃料電池スタック200の連通孔240に接続される。なお、アノードガス入口孔210から連通孔240までの通路は、エゼクタ620から供給されるアノードガスを複数の単セル1のそれぞれに分配する分配通路であり、単セル1に設けられたアノードガス入口孔42aが積層されて形成されたものである。
一般的に、燃料電池スタック200対する要求電力が低いときには、エゼクタ620に流入するアノードガスの圧力は低くなり、アノードガス入口孔210へ流れるアノードガスの流速が遅くなる。さらにアノードガスの流速は、アノードガス入口孔210から連通孔240へ離れるほど遅くなるので、連通孔240近傍の単セル1のそれぞれにアノードガスが分配されにくくなり、不活性ガスが溜まりやすくなる。
この対策として本実施形態では、振動流発生器500が燃料電池スタック200の分配通路の下流側、すなわち連通孔240に設けられている。これにより、負荷からの要求電力が低い場合であっても、第7実施形態に比べて、連通孔240側の単セル1に分配されるアノードガスに対して、確実に振動周期Toの振動流を生じさせることができる。このため、燃料電池スタック200の連通孔240側の単セル1に分配されるアノードガスの拡散性が高まり、アノードガス濃度の偏りをより均一化することができる。
(第9実施形態)
図20は、本発明の第9実施形態における燃料電池システム106の構成を示す図である。
燃料電池システム106は、図18に示した燃料電池システム104の構成に加えて、振動流発生器501を備えている。
振動流発生器501は、燃料電池スタック200内を流れるアノードガスの下流側に設けられる。具体的には、振動流発生器501の連通路524が、燃料電池スタック200の連通孔231寄りの循環通路610に接続される。振動流発生器501は、振動流発生器500と同じ構成である。
振動流発生器501は、図11で述べたように、振動流発生器500によって生成される振動流のアノードガス流れ方向の振幅が大きくなるように、振動流発生器500と同じ振動周期Toでピストン523を往復運動させる。
すなわち、振動流発生器500がアノードガス流路24よりも上流のアノードガスの圧力を降圧しているときに、振動流発生器501はアノードガス流路24よりも下流のアノードガスの圧力を昇圧する。そして、振動流発生器500がアノードガス流路24よりも上流のアノードガスの圧力を昇圧しているときに、振動流発生器501は、アノードガス流路24よりも下流のアノードガスの圧力を降圧する。
このように振動流発生器500で往復運動するピストン513の振動に対し、振動流発生器501で往復運動するピストン523の振動の位相を180度ずらすことにより、振動周期Toの振動流のアノードガス流れ方向の振幅を大きくする。
これにより、エゼクタ620の製品コストを抑制しつつ、第5実施形態と同様にアノードガス流路24全体に生じる振動流の振幅を均一化することができる。
なお、本実施形態では調圧弁330によって燃料電池スタック200に供給する圧力を、駆動モータ等の負荷からの要求圧力に応じて高くしたが、所定周期でアノードガスを昇降圧してアノードガスを循環させるシステムにも本発明を適用できる。
(第10実施形態)
図21は、本発明の第10実施形態における燃料電池システムの制御手法を示す図である。本実施形態の燃料電池システムは、基本的には、図18に示した燃料電池システム104と同じ構成である。
図21(a)は、調圧弁330からエゼクタ620に流入するアノードガスの圧力を示す図である。図21(b)は、循環通路610からエゼクタ620に吸入されるアノードガスの流量を示す図である。図21(c)は、調圧弁330の開度を示す図である。図21(a)から図21(c)までの各図面の横軸は、互いに共通する時間軸である
時刻t41では、図21(c)に示すように、コントローラ400によって調圧弁330が開弁状態に設定される。これにより、図21(a)に示すようにアノードガスの圧力が所定の循環上限圧力まで上昇し、これに伴い、図21(b)に示すようにエゼクタ620に循環通路610からアノードガスが吸入されて燃料電池スタック200にアノードガスが循環する。
時刻t42では、図21(c)に示すように、コントローラ400によって調圧弁330が閉弁状態に設定される。これにより、図21(a)に示すようにアノードガスの圧力が低下し、これに伴い、図21(b)に示すようにエゼクタ620には循環通路610からアノードガスが吸入されず、燃料電池スタック200へのアノードガスの循環が停止される。
時刻t43では、図21(a)に示すようにアノードガスの圧力が元の圧力に戻るため、再び、燃料電池スタック200にアノードガスを循環させるために循環上限圧力までアノードガスの圧力を上昇させる。
このように本実施形態では、所定の循環周期ごとに調圧弁330を制御してアノードガス圧力を昇圧することにより、エゼクタ620によって間欠的にアノードガスを循環させる。
第10実施形態によれば、図18乃至図20に示したように振動流発生器500を用いることにより、燃料電池スタック200を循環するアノードガスの拡散性が高まるため、アノードガスの上限圧力を低くすることができる。このため、燃料電池スタック200内のアノードガス圧力とカソードガス圧力との極間差圧を、振動流発生器500が設けられていない場合に比べて小さくできるので、MEA11の耐久性の低下を抑制することができる。
(第11実施形態)
図22は、本発明の第11実施形態における燃料電池システム106の構成を示す図である。
燃料電池システム106は、図18に示した燃料電池システム104のエゼクタ620に代えて循環ポンプ630を備える。
循環ポンプ630は、アノードガス供給通路320から分岐して連通路231に接続される循環通路610に設けられる。循環ポンプ630は、例えば水素循環ブロワ(HRB)により実現される。循環ポンプ630は、コントローラ400によって制御される。
コントローラ400は、振動周期Toの脈動流が発生するように循環ポンプ630の回転速度を制御する。例えばコントローラ400は、循環ポンプ630の回転速度を正回転にさせた後に回転速度を逆回転に切り替える。コントローラ400は、このような制御を繰り返し実行することにより、循環通路610を流れるアノードガスに脈動流を発生させる。
第11実施形態によれば、循環ポンプ630の回転方向を振動周期Toで切り替えることにより振動流を発生させる。これにより、燃料電池スタック200内でアノードガスが拡散されるため、窒素ガスが滞留しにくくなる。これにより、局所的な窒素ガス濃度の上昇を抑制することができる。
なお、本実施形態では循環ポンプ630によって振動流を発生させる例について説明したが、図4に示したように振動流発生器500をアノードガス供給通路320に設けるようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、各実施形態では、振動流発生器500によって振動流を発生させる例について説明したが、調圧弁330によって振動流を発生させるようにしてもよい。これにより、燃料電池システム100に振動流発生器500を設ける必要がないので、燃料電池システム100の製造コストの増加を抑制しつつ、振動流を発生させることができる。
なお、上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。
100〜106 燃料電池システム
200 燃料電池スタック(燃料電池)
1 単セル(電池セル)
24 アノードガス流路
330 調圧弁
400 コントローラ(算出部;ステップS913、S914、判断部;S915、設定部;S905)
500、501 振動流発生器(振動流発生手段)
514 連通路
530 開閉弁
630 循環ポンプ(振動流発生手段)

Claims (16)

  1. 燃料電池にアノードガス及びカソードガスを供給して前記燃料電池を発電させる燃料電池システムであって、
    前記燃料電池内を流れるアノードガスの流れ方向に、振動換気の効果が得られる所定周期で振動する振動流を発生させる振動流発生手段を備える
    燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記所定周期は、前記燃料電池に形成されたアノードガス流路の形状と前記アノードガスの粘性とによって定まる周期である、
    燃料電池システム。
  3. 請求項1又は2に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記所定周期は、前記発電に伴う不純物を排出するのに必要な脈動幅でアノードガスを脈動させるときの脈動周期よりも短い周期である、
    燃料電池システム。
  4. 請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記振動流発生手段は、アノードガスの圧力を前記脈動幅よりも小さな振幅で昇降圧して前記振動流を発生させる、
    燃料電池システム。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記振動流発生手段は、前記所定周期においてアノードガスの昇圧速度を降圧速度よりも速くして前記振動流を発生させる、
    燃料電池システム。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記振動流発生手段は、前記燃料電池にアノードガスを供給するためのアノードガス供給通路に設けられる、
    燃料電池システム。
  7. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記振動流発生手段は、前記振動流を発生させる第1及び第2の振動流発生器を含み、
    前記第1の振動流発生器は、前記燃料電池にアノードガスを供給するためのアノードガス供給通路に設けられ、
    前記第2の振動流発生器は、前記燃料電池内のアノードガス流路の下流側に接続される、
    燃料電池システム。
  8. 請求項7に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記第1の振動流発生器は、前記所定周期でアノードガスの圧力を昇降圧させることにより、前記振動流を発生させ、
    前記第2の振動流発生器は、前記第1の振動流発生器がアノードガスの圧力を降圧しているときにアノードガスの圧力を昇圧し、前記第1の振動流発生器がアノードガスの圧力を昇圧しているときにアノードガスの圧力を降圧することにより、前記振動流を発生させる、
    燃料電池システム。
  9. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池にアノードガスを供給するためのアノードガス供給通路に設けられ、前記燃料電池に接続される負荷に基づいてアノードガスの圧力を調整する調圧弁と、
    アノードガス中の不純物に含まれる生成水の排水要求時に、前記調圧弁を制御してアノードガスの圧力を脈動させる制御部と、を含む
    燃料電池システム。
  10. 請求項9に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記振動流発生手段に形成された圧力室と、前記燃料電池に形成されたアノードガス流路とを連通するための連通路と、
    前記連通路に設けられ、前記振動流発生手段に供給されるアノードガスの脈動上限圧力を遮断する開閉弁と、を含み、
    前記制御部は、前記排水要求時には、前記開閉弁を閉じた後、アノードガスの圧力を前記脈動上限圧力まで昇圧してから前記負荷に基づく要求圧力まで降圧したとき前記開閉弁を開き、前記振動流を発生させる、
    燃料電池システム。
  11. 請求項10に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記制御部は、
    前記燃料電池の温度と前記負荷とに基づいて前記燃料電池の湿潤度を算出する算出部と、
    前記燃料電池の湿潤度に基づいて前記生成水の排水が必要か否かを判断する判断部と、
    前記判断部により前記生成水の排水が必要と判断された場合には、アノードガスの圧力を前記脈動上限圧力に設定する設定部と、を含む、
    燃料電池システム。
  12. 請求項9に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記調圧弁よりも下流の前記アノードガス供給通路へ前記燃料電池から流れ出るアノードガスを循環させる循環通路と、
    前記アノードガス供給通路に設けられ、前記調圧弁から流入するアノードガスの流速によって前記循環通路のアノードガスを吸入して前記燃料電池へアノードガスを供給するエゼクタと、を含み、
    前記振動流発生手段は、前記エゼクタよりも下流の前記アノードガス供給通路に設けられる、
    燃料電池システム。
  13. 請求項11に記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料電池に形成されたアノードガス流路は、前記アノードガス供給通路と接続され、アノードガスを複数の電池セルのそれぞれに分配する分配通路を含み、
    前記振動流発生手段は、前記分配通路又は前記アノードガス供給通路に接続される、
    燃料電池システム。
  14. 請求項13に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記振動流発生手段は、前記分配通路の下流側に接続される、
    燃料電池システム。
  15. 請求項9から請求項14までのいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記振動流を発生させるためのアノードガス圧力の昇圧は、前記振動流発生手段、及び前記調圧弁により共同で行われる、
    燃料電池システム。
  16. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記振動流発生手段は、前記燃料電池に供給するアノードガスの圧力を制御する調圧弁である、
    燃料電池システム。
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