JP2015094596A - 太陽エネルギー利用計算システム - Google Patents

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Abstract

【課題】計算対象構造物に対する日射量を正確に導出できる太陽エネルギー利用計算システムの提供。
【解決手段】太陽エネルギー利用計算システムSが、地形データベースDB1と、地図データベースDB2と、構造物データベースDB3と、気象データベースDB4と、日射量計算の対象とする計算対象構造物の指定を受け付ける構造物指定受付手段と、計算対象構造物の構造物データを構造物データベースDB3から読み出し、地図データベースDB2が記憶している地図データ及び地形データベースDB1に記憶されている地形データと合成して、合成地図データを作成する合成地図データ作成手段と、計算対象構造物の表面を複数の単位計算対象領域に分割し、複数の単位計算対象領域のそれぞれにおいて、直達日射量及び散乱日射量の合計である全天日射量を計算する日射量計算手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、構造物の表面に対する日射量を計算する太陽エネルギー利用計算システムに関する。
太陽電池発電装置を家屋やビルなどの構造物に設置するとき、その設置場所でどの程度の日射量を受けることができるのかを事前に見積もることができれば、その太陽光発電装置の発電電力量を予測できる。そのため、所定の構造物に対する日射量を計算するシステムが提案されている。
例えば、非特許文献1には、構造物の形状をモデル化した3次元CADデータを用いて、その構造物の屋上における日射量をシミュレートするシステムが記載されている。具体的には、障害物によって日射が遮られることを考慮して、即ち、日射量計算の対象とする構造物の周辺建物の影響とその構造物自身の屋上形状の影響を考慮して、構造物の屋上における日射量をシミュレートしている。
榊愛、他6名、「屋上太陽エネルギー有効利用に関する研究 その2 太陽エネルギー取得量のシミュレーション」、日本建築学会大会、2012年,D-1分冊,p.939
非特許文献1では、構造物が設置されている地表の標高が考慮されていない。そのため、日射量計算の対象とする構造物にとって、周辺の建物が日射をどの程度遮るのかを正確に導出できない場合がある。
例えば、二つの構造物が標高差の無い平野部に設置されており、且つ、それらの構造物自体の高さが互いに同じであれば、それら二つの構造物の標高は互いに同じになる。そのため、一方の構造物の屋上への日射が、他方の構造物によって遮られることは無いと考えられる。
これに対して、二つの構造物が標高差の有る傾斜地に設置されていれば、それらの構造物自体の高さが互いに同じであっても、それら二つの構造物の標高は互いに異なる。そのため、構造物自体の高さが互いに同じであっても、一方の構造物の屋上への日射が、他方の構造物によって遮られることが起こり得る。更に、台地や山などの地表の形状自体が、日射を遮る障害物となる可能性もある。
このように、地表の標高を考慮しない場合には、日射量計算の対象とする構造物に対する日射量が正確に計算されない場合が起こり得る。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、日射量計算の対象とする構造物に対する日射量を正確に導出できる太陽エネルギー利用計算システムを提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る太陽エネルギー利用計算システムの特徴構成は、地表の標高情報を有する地形データを記憶している地形データベースと、
地表上での複数の構造物の位置情報と当該構造物の二次元形状情報と当該構造物の高さ情報とを有する地図データを記憶している地図データベースと、
前記構造物の個々の三次元形状情報を有する構造物データを記憶している構造物データベースと、
所定タイミングでの太陽の位置及び地表上の所定位置での基準日射量の情報を記憶する気象データベースと、
前記複数の構造物の中から、日射量計算の対象とする計算対象構造物の指定を受け付ける構造物指定受付手段と、
前記構造物指定受付手段が指定を受け付けた前記計算対象構造物の構造物データを前記構造物データベースから読み出し、前記地図データベース上の構造物と対応付けて、当該計算対象構造物の構造物データを、前記地図データベースが記憶している地図データ及び前記地形データベースに記憶されている地形データと合成して、合成地図データを作成する合成地図データ作成手段と、
前記構造物指定受付手段が指定を受け付けた前記計算対象構造物の表面を複数の単位計算対象領域に分割し、前記複数の単位計算対象領域のそれぞれにおいて、直達日射量及び散乱日射量の合計である全天日射量を、前記合成地図データ作成手段が作成した前記合成地図データと前記気象データベースに記憶している所定タイミングでの太陽の位置及び地表上の所定位置での基準日射量の情報とを参照して計算する日射量計算手段とを備える点にある。
上記特徴構成によれば、合成地図データ作成手段は、日射量計算の対象とする計算対象構造物の三次元形状情報を有する構造物データを、地表上での複数の構造物の位置情報と当該構造物の二次元形状情報と当該構造物の高さ情報とを有する地図データ、及び、地表の標高情報を有する地形データと合成して、合成地図データを作成する。そして、日射量計算手段は、合成地図データと気象データベースに記憶している所定タイミングでの太陽の位置及び地表上の所定位置での基準日射量の情報とを参照して、計算対象構造物の表面における全天日射量を計算する。つまり、日射量計算手段は、構造物が設置される地表の標高についても考慮して日射量計算を行うので、日射量計算の対象とする計算対象構造物にとって周辺の建物が日射をどの程度遮るのかを正確に導出できるようになる。
従って、日射量計算の対象とする構造物に対する日射量を正確に導出できる太陽エネルギー利用計算システムを提供できる。
本発明に係る太陽エネルギー利用計算システムの別の特徴構成は、前記日射量計算手段が計算した前記全天日射量に相当する光エネルギーを所定のエネルギー変換装置でエネルギー変換したときに得られる電気エネルギー量又は熱エネルギー量である太陽エネルギー変換量を算出する太陽エネルギー変換量計算手段を備える点にある。
上記特徴構成によれば、太陽エネルギー変換量計算手段は、日射量計算手段が計算した複数の単位計算対象領域のそれぞれでの全天日射量に相当する光エネルギーを所定のエネルギー変換装置でエネルギー変換したときに得られる電気エネルギー量又は熱エネルギー量である太陽エネルギー変換量を算出するので、太陽エネルギー利用計算システムの利用者は、計算対象構造物の表面での、エネルギー変換装置による太陽エネルギー変換量の計算値(例えば、太陽光発電装置の発電電力量の計算値や太陽熱集熱パネルの集熱量の計算値など)を正確に知ることができる。
本発明に係る太陽エネルギー利用計算システムの更に別の特徴構成は、前記日射量計算手段は、前記合成地図データ作成手段が作成する前記合成地図データの中から、データ排除条件を満たす地形データ及び地図データ及び構造物データを排除した上で前記全天日射量を計算する点にある。
上記特徴構成によれば、データ排除条件を満たす地形データ及び地図データ及び構造物データが排除されると、直達日射量及び散乱日射量の合計である全天日射量を計算するときに日射量計算手段が参照する、障害物となり得る地形及び構造物に関するデータ量は少なくなる。従って、日射量計算手段の計算負荷を小さくすることができる。
本発明に係る太陽エネルギー利用計算システムの更に別の特徴構成は、前記日射量計算手段は、前記合成地図データ作成手段が作成する前記合成地図データの中から、前記単位計算対象領域よりも標高の低い位置にある前記地形データ及び前記地図データ及び前記構造物データを、前記データ排除条件を満たしていると判定して排除した低標高データ排除モデルで前記直達日射量及び前記散乱日射量を計算する点にある。
単位計算対象領域への直達日射の有無は、日射量計算の対象とする計算対象構造物の表面の単位計算対象領域と太陽との間に障害物が存在するか否かに応じて決まるため、単位計算対象領域よりも標高の低い位置にある地形データ及び地図データ及び構造物データは直達日射量の計算結果に対して実質的に影響しない。また、単位計算対象領域への散乱日射には、単位計算対象領域よりも標高の高い位置にある地形データ及び地図データ及び構造物データが関与するため、単位計算対象領域から見て水平線よりも下に存在する障害物、即ち、単位計算対象領域よりも標高の低い位置にある地形データ及び地図データ及び構造物データは散乱日射量の計算結果に対して実質的に影響しない。
このように、本特徴構成では、上記データ排除条件を満たす特定のデータを排除することで、日射量計算の正確性に実質的に影響を及ぼすことなく、日射量計算における計算負荷を小さくすることができる。
本発明に係る太陽エネルギー利用計算システムの更に別の特徴構成は、前記日射量計算手段は、前記合成地図データ作成手段が作成する前記合成地図データの中から、前記単位計算対象領域にとっての日の出方向及び日の入り方向よりも北側に位置する前記地形データ及び前記地図データ及び前記構造物データを、前記データ排除条件を満たしていると判定して排除した北側データ排除モデルで前記直達日射量を計算する点にある。
単位計算対象領域への直達日射の有無は、日射量計算の対象とする計算対象構造物の表面の単位計算対象領域と太陽との間に障害物が存在するか否かに応じて変化するため、単位計算対象領域にとっての日の出方向及び日の入り方向よりも北側に位置する地形データ及び地図データ及び構造物データは直達日射量の計算結果に対して影響しない。
このように、本特徴構成では、上記データ排除条件を満たす特定のデータを排除することで、日射量計算の正確性に影響を及ぼすことなく、日射量計算における計算負荷を小さくすることができる。
本発明に係る太陽エネルギー利用計算システムの更に別の特徴構成は、前記日射量計算手段は、前記合成地図データ作成手段が作成する前記合成地図データの中から、前記単位計算対象領域から所定距離以上離れ且つ標高が所定高さ以下である前記地形データ及び前記地図データ及び前記構造物データを、前記データ排除条件を満たしていると判定して排除した離間低標高データ排除モデルで前記散乱日射量を計算する点にある。
単位計算対象領域への散乱日射には、単位計算対象領域よりも標高の高い位置にある地形データ及び地図データ及び構造物データが関与するため、単位計算対象領域から見て水平線近傍に存在する障害物、即ち、単位計算対象領域から所定距離以上離れ且つ標高が所定高さ以下である地形データ及び地図データ及び構造物データは、散乱日射量の計算結果に対して実質的に影響しない。
このように、本特徴構成では、上記データ排除条件を満たす特定のデータを排除することで、日射量計算の正確性に実質的に影響を及ぼすことなく、日射量計算における計算負荷を小さくすることができる。
第1実施形態の太陽エネルギー利用計算システムの構成を説明する図である。 第1実施形態の太陽エネルギー利用計算システムを構成するコンピュータ装置の機能を説明する図である。 地形データベースに記憶されている地形データを図示した場合の例である。 地図データベースに記憶されている地図データを図示した場合の例である。 構造物データベースに記憶されている構造物データを図示した場合の例である。 気象データベースに記憶している所定時間帯毎(1時間毎)の基準日射量の情報を図示した場合の例である。 合成地図データの例である。 (a)は計算対象構造物の表面が複数の単位計算対象領域に分割された状態を模式的に示す図であり、(b)は単位計算対象領域の中の計算対象点が太陽の位置から可視であるか又は不可視であるかの判定処理を模式的に示す図であり、(c)は可視又は不可視の判定処理の結果を模式的に示す図である。 障害物を天空に投影し、更に平面に正射影するときのモデルを示す図である。 第2実施形態の太陽エネルギー利用計算システムの構成を説明する図である。 第2実施形態の太陽エネルギー利用計算システムを構成するコンピュータ装置の機能を説明する図である。
<第1実施形態>
以下に図面を参照して第1実施形態の太陽エネルギー利用計算システムS1(S)について説明する。
本実施形態の太陽エネルギー利用計算システムS1は、太陽光発電装置用の光電変換パネルや太陽熱集熱装置の集熱パネル等を家屋やビルなどの構造物に設置するのに先立って、その光電変換パネルや集熱パネル等がどの程度の日射量、即ち、太陽エネルギーを取得できるのかについての推定計算を行うシステムである。そのため、後述するように、太陽エネルギー利用計算システムS1の利用者は、複数の構造物の中から、太陽光発電装置用の光電変換パネルや太陽熱集熱装置の集熱パネル等を設置する予定の構造物の指定を行い、その構造物の表面における全天日射量計算(即ち、日射量計算)を太陽エネルギー利用計算システムS1に対して行わせる。その結果、太陽エネルギー利用計算システムS1の利用者は、その構造物のどの位置に光電変換パネルや集熱パネル等を設置するのが良いか等を知ることができる。
図1は、第1実施形態の太陽エネルギー利用計算システムS1の構成を説明する図である。図2は、太陽エネルギー利用計算システムS1を構成するコンピュータ装置10A(10)の機能を説明する図である。
図1及び図2に示すように、太陽エネルギー利用計算システムS1は、地形データベースDB1と、地図データベースDB2と、構造物データベースDB3と、気象データベースDB4と、構造物指定受付手段11と、合成地図データ作成手段12と、日射量計算手段13とを備える。それに加えて、本実施形態では、太陽エネルギー利用計算システムS1は、情報を記憶する記憶手段14を備える。
本実施形態では、この太陽エネルギー利用計算システムS1は、上述した地形データベースDB1及び地図データベースDB2及び構造物データベースDB3及び気象データベースDB4といったデータベースと、それらのデータベースに対して通信線1を介して接続されている1台又は複数台のコンピュータ装置10Aとの組み合わせによって実現する。例えば、構造物指定受付手段11は、コンピュータ装置10Aに接続されているキーボードやマウスなどの情報入力機器を用いて実現でき、合成地図データ作成手段12及び日射量計算手段13は、コンピュータ装置10Aが備える演算処理装置を用いて実現できる。記憶手段14は、コンピュータ装置10Aが内蔵して備える又は外部接続で備える半導体メモリやハードディスクドライブなどの装置を用いて実現できる。
地形データベースDB1は、地表の標高情報を有する地形データを記憶している。図3は、地形データベースDB1に記憶されている地表の標高情報を有する地形データを図示した場合の例である。例えば、地形データベースDB1には、地表の座標情報(緯度情報及び経度情報)と、その座標における標高情報とが数値で記述される地形データが記憶されている。
地図データベースDB2は、地表上での複数の構造物の位置情報と当該構造物の二次元形状情報と当該構造物の高さ情報とを有する地図データを記憶している。図4は、地図データベースDB2に記憶されている地図データを図示した場合の例である。例えば、地図データベースDB2には、地表上での複数の構造物の位置情報が座標情報(緯度情報及び経度情報)によって記憶され、加えて、それら構造物の二次元(平面)形状情報とその構造物の高さ情報とが数値で記述される地図データが記憶されている。この地図データにおいて、構造物は、二次元形状に高さデータが付与された三次元形状をしているが、高さは一様としている。即ち、天面が平坦な形状で構造物の三次元形状が規定されている。
構造物データベースDB3は、構造物の個々の三次元形状情報を有する構造物データを記憶している。図5は、構造物データベースDB3に記憶されている構造物の三次元形状情報を図示した場合の例である。例えば、構造物データベースDB3には、構造物の二次元(平面)形状情報と、その二次元形状を構成する単位二次元形状毎の高さ情報とが数値で記述される三次元形状情報が記憶されている。このような構造物の三次元形状情報は、例えば航空レーザ測量により得られたDSM(Digital Surface Model)点群データを例えば3m四方(上記単位二次元形状の一例)のメッシュデータに変換し、各メッシュの有する高さ情報を基にして作成することができる。また、各メッシュには、位置情報(緯度情報及び経度情報)も付加されている。
気象データベースDB4は、所定タイミングでの太陽の位置及び地表上の所定位置での基準日射量の情報を記憶している。図6は、気象データベースDB4に記憶している特定の年月日の所定時間帯毎(1時間毎)の基準日射量の情報を図示した場合の例である。気象データベースDB4には、日本国内の多数の位置での基準日射量の情報が例えば座標情報(緯度情報及び経度情報)と共に記憶されている。そのため、後述するように、日射量計算の対象とする構造物が指定されたとき、その指定された構造物の位置での基準日射量の情報、或いは、その指定された構造物に最も近い位置での基準日射量の情報を気象データベースDB4から読み出すことができる。この基準日射量の情報は、直達日射量の情報と、散乱日射量の情報とで構成される。直達日射量は、太陽の方向から直接到達する日射の量である。散乱日射量は、大気や雲などで散乱して到達する日射(天空日射)の量である。図6に例示しているこれらのデータは、NEDOにより公開されている、特定の年月日における特定の緯度及び経度及び標高でのデータである。本実施形態では、日射量の情報として、法線面直達日射量のデータと水平面散乱日射量のデータとを用いる。
構造物指定受付手段11は、地表上に設けられている複数の構造物の中から、日射量計算の対象とする計算対象構造物の指定を受け付ける。ここで指定される計算対象構造物は、太陽エネルギー利用計算システムS1の利用者が、日射量計算を行うに当たって詳細な三次元形状情報が必要と考えた構造物である。例えば、太陽エネルギー利用計算システムS1を実現するコンピュータ装置10Aの表示画面に、図4に例示したような地図データ(複数の構造物)が表示されているとき、太陽エネルギー利用計算システムS1の利用者は、太陽エネルギー利用計算システムS1を構築するコンピュータ装置10Aのキーボードやマウスなどを用いて、複数の構造物のうちの一つの構造物に対する選択入力を表示画面上で行うことで、日射量計算の対象とする計算対象構造物(即ち、太陽光発電装置の設置対象とする構造物)を指定できる。或いは、太陽エネルギー利用計算システムS1の利用者は、特定の構造物の位置情報(緯度情報及び経度情報)をコンピュータ装置10Aのキーボード等を用いて入力することで、日射量計算の対象とする計算対象構造物を指定できる。
合成地図データ作成手段12は、構造物指定受付手段11が指定を受け付けた計算対象構造物の三次元形状情報を有する構造物データを構造物データベースDB3から読み出し、地図データベースDB2上の構造物と対応付けて、その計算対象構造物の構造物データを、地図データベースDB2が記憶している地図データ及び地形データベースDB1に記憶されている標高情報を有する地形データと合成して、合成地図データを作成する。図7は、合成地図データ作成手段12が作成した合成地図データの例である。つまり、図3に例示した地表の地形データと、図4に例示した地図データと、図5に例示した構造物の構造物データとを、各データの位置情報(緯度情報及び経度情報)を参照して位置合わせすることによって合成して得られるデータである。合成地図データにおいて、地図データベースDB2上の構造物のうち、構造物指定受付手段11が指定を受け付けた計算対象構造物に対応する構造物の部分が、構造物データベースDB3に記憶されている計算対象構造物の詳細な構造物データで置き換えられることになる。このとき、構造物の位置情報或いは構造物のID等が構造物の対応付けに使用される。図7において、参照符号Bで示すのが計算対象構造物である。
日射量計算手段13は、構造物指定受付手段11が指定を受け付けた計算対象構造物Bの表面を複数の単位計算対象領域b1に分割し、複数の単位計算対象領域b1のそれぞれにおいて、直達日射量及び散乱日射量の合計である全天日射量を、合成地図データ作成手段12が作成した合成地図データと気象データベースDB4に記憶している所定タイミングでの太陽の位置及び地表上の所定位置での基準日射量の情報とを参照して計算する。本実施形態では、日射量計算手段13は、気象データベースDB4が記憶している、日本国内の多数の位置での基準日射量の情報のうち、構造物指定受付手段11が指定を受け付けた計算対象構造物Bの位置での基準日射量の情報を読み出して、或いは、その指定された計算対象構造物Bに最も近い位置での基準日射量の情報を自動的に選択して読み出して、上述した計算において参照する基準日射量の情報とする。
具体的な計算例は以下の通りである。
所定時間帯毎の全天日射量:TSは、所定時間帯毎の直達日射量:DSと所定時間帯毎の散乱日射量:SSとの合計であるので、以下の〔数式1〕が成立する。
TS=DS+SS ・・・・・〔数式1〕
上記〔数式1〕において、所定時間帯の直達日射量:DSは、以下の手法によって導出する。
先ず、日射量計算手段13は、構造物指定受付手段11が指定を受け付けた計算対象構造物Bの表面を複数の単位計算対象領域b1に分割する。図8(a)は、計算対象構造物Bの表面が複数の単位計算対象領域b1に分割された状態を模式的に示す図である。図8(a)に示す例では、外部に露出している計算対象構造物Bの側壁及び天面が正方形で構成される複数の単位計算対象領域b1に分割されている。加えて、日射量計算手段13は、各単位計算対象領域b1の所定位置(本実施形態では、中心位置)に、計算対象点b2を設定する。
次に、日射量計算手段13は、各単位計算対象領域b1の中心位置である各計算対象点b2が、所定タイミングでの太陽の位置から可視であるか又は不可視であるかの判定処理を行う。例えば、1年間の全天日射量の計算を行う場合、日射量計算手段13は、1日24時間の中の所定タイミングでの全天日射量の計算を1年間分(365日分)にわたって行う。例えば1日間の計算について説明すると、日射量計算手段13は、時刻0時30分から時刻23時30分までの1時間毎のタイミングで、各タイミングにおいて各単位計算対象領域b1の中心位置である各計算対象点b2が太陽の位置から可視であるか又は不可視であるかの判定処理を行う。このとき、各時刻における太陽の位置を例えば気象データベースDB4に記憶させておき、日射量計算手段13が各時刻における太陽の位置を気象データベースDB4から逐次読み出せるように構成しておけばよい。本実施形態では、日射量計算手段13は、上記判定処理を、ESRIジャパン株式会社から提供されているArcGISの「見通し」ツールを使用して実行する。
図8(b)は、この判定処理を模式的に示す図である。図8(b)に示すように、日射量計算手段13は、所定タイミングでの太陽の位置(即ち、図8(b)にも例示する太陽光の照射方向)と、合成地図データ作成手段12が作成した合成地図データから知ることができる当該単位計算対象領域b1以外の障害物の存在とを考慮して、各単位計算対象領域b1の中心位置である各計算対象点b2が、太陽の位置から可視であるか又は不可視であるかの判定処理を行う。ここで、当該単位計算対象領域b1以外の障害物には、計算対象構造物B以外の他の構造物J、及び、計算対象構造物Bの中の当該単位計算対象領域b1以外の他の領域とが含まれる。
言い換えると、図8(b)に示しているのは、日射量計算手段13が、合成地図データ作成手段12によって作成された合成地図データに含まれる、計算対象点b2の位置情報(緯度情報及び経度情報)及び標高情報、並びに、その計算対象点b2の周辺に存在して計算対象点b2への直達日射に関して障害物となり得る物体の位置情報(緯度情報及び経度情報)及び標高情報と、気象データベースDB4から読み出す所定タイミングでの太陽の位置とを考慮して、太陽光が計算対象点b2に到達するか、或いは、太陽光の到達が障害物によって阻止されるか、の判定処理の様子を示す模式図である。
図8(c)は、所定タイミングでの可視又は不可視の判定処理の結果を模式的に示す図である。図8(c)に示すように、日射量計算手段13は、この判定処理を行うことで、計算対象点b2が可視(直達日射が有り)であった単位計算対象領域b1と、計算対象点b2が不可視(直達日射が無し)であった単位計算対象領域b1とを区別することができる。
図8(b)及び図8(c)では、計算対象点b2が可視であった単位計算対象領域b1を濃色で示し、計算対象点b2が不可視であった単位計算対象領域b1を淡色で示す。
次に、日射量計算手段13は、可視であった単位計算対象領域b1に対しては、以下の〔数式2〕により求めた直達日射量:DSの値をその所定タイミングに関連付けて与える。これに対して、日射量計算手段13は、不可視であった単位計算対象領域b1に対しては、直達日射量=0の値をその所定タイミングに対して与える。例えば、時刻10時30分という所定タイミングに対しては、その所定タイミングを含む時刻10時30分から時刻11時30分までの時間帯の日射量の計算結果が与えられる。〔数式2〕において、DNは気象データベースDB4に記憶している所定タイミングを含む所定時間帯の基準日射量の情報(法線面直達日射量)であり、iは単位計算対象領域b1に対応する側壁面又は天面の斜面勾配であり、hはその所定タイミングでの太陽高度であり、αはその所定タイミングでの太陽方位角であり、βは単位計算対象領域b1に対応する側壁面又は天面の斜面方位角である。
DS=DN×cos θ=DN×{cos i×sin h+sin i×cos h×cos(α−β)} ・・・・・〔数式2〕
上記〔数式1〕において、所定タイミングを含む所定時間帯の散乱日射量:SSは、以下の〔数式3〕によって導出する。〔数式3〕において、SHは気象データベースDB4に記憶している所定時間帯の基準日射量の情報(水平面散乱日射量)であり、iは単位計算対象領域b1に対応する側壁面又は天面の斜面勾配である。Rsは天空率である。
SS=SH×(1+cos i)/2×Rs ・・・・・〔数式3〕
天空率:Rsは、例えば、ESRIジャパン株式会社から提供されているArcGISの機能を利用して導出できる。即ち、ArcGISでは、単位計算対象領域b1の計算対象点b2を中心とした任意の半球の内側に存在する障害物(地形及び構造物)を天空に投影したのち平面に正射影し、上記障害物の面積を円の面積にて除算することにより、単位計算対象領域b1の計算対象点b2の天空率:Rsを算出している。天空率:Rsの導出式は、以下の〔数式4〕で表すことができる。図9は、障害物を天空に投影し、更に平面に正射影するときのモデルを示す図である。〔数式4〕及び図9において、Asは上述した円の面積であり、Abは障害物によって視界が遮られる面積である。
Rs=(As−Ab)/As ・・・・・〔数式4〕
以上のようにして、日射量計算手段13は、日射量計算の対象とする計算対象構造物の全ての単位計算対象領域b1について、所定時間帯毎の全天日射量を計算する。例えば、日射量計算手段13は、1日の中の1時間毎の全天日射量を1年間分(365日分)計算し、その情報を記憶手段14に記憶させる。このような計算が行われることで、太陽エネルギー利用計算システムS1の利用者は、日射量計算の対象とする計算対象構造物Bのどの部位に太陽光発電装置の光電変換パネルや太陽熱集熱装置の集熱パネル等を設置すれば、その光電変換パネルの集熱パネル等がどの程度の日射量を受けることができるのかを知ることができる。
特に、本実施形態では、合成地図データ作成手段12は、日射量計算の対象とする計算対象構造物の三次元形状情報を有する構造物データを、地表上での複数の構造物の位置情報と当該構造物の二次元形状情報と当該構造物の高さ情報とを有する地図データ、及び、地表の標高情報を有する地形データと合成して、合成地図データを作成する。そして、日射量計算手段13は、合成地図データと気象データベースDB4に記憶している所定タイミングでの太陽の位置及び地表上の所定位置での基準日射量の情報とを参照して、計算対象構造物の表面における全天日射量を計算する。つまり、日射量計算手段13は、構造物が設置される地表の標高についても考慮して日射量計算を行うので、日射量計算の対象とする計算対象構造物にとって周辺の建物が日射をどの程度遮るのかを正確に導出できるようになる。
<第2実施形態>
第2実施形態の太陽エネルギー利用計算システムS2(S)は、電気エネルギー量又は熱エネルギー量である太陽エネルギー変換量を算出する点で上記第1実施形態と異なっている。以下に第2実施形態の太陽エネルギー利用計算システムS2について説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
本実施形態の太陽エネルギー利用計算システムS2は、上記第1実施形態で説明した全天日射量を計算した後、その全天日射量に相当する光エネルギーをエネルギー変換したときに得られる太陽エネルギー変換量(即ち、電気エネルギー又は熱エネルギー或いはそれらの両方)を算出するシステムである。その結果、太陽エネルギー利用計算システムS2の利用者は、計算対象構造物のどの位置に太陽光発電装置用の光電変換パネルや太陽熱集熱装置の集熱パネル等を設置すれば、どの程度の発電電力量(電気エネルギー)又は熱量(熱エネルギー)を得ることができるのか等を知ることができる。
図10は、第2実施形態の太陽エネルギー利用計算システムS2の構成を説明する図である。図11は、太陽エネルギー利用計算システムS2を構成するコンピュータ装置10B(10)の機能を説明する図である。
図10及び図11に示すように、太陽エネルギー利用計算システムS2は、地形データベースDB1と、地図データベースDB2と、構造物データベースDB3と、気象データベースDB4と、装置データベースDB5と、構造物指定受付手段11と、合成地図データ作成手段12と、日射量計算手段13と、装置指定受付手段15と、太陽エネルギー変換量計算手段16とを備える。それに加えて、本実施形態でも、太陽エネルギー利用計算システムS2は、情報を記憶する記憶手段14を備える。このうち、地形データベースDB1、地図データベースDB2、構造物データベースDB3、気象データベースDB4、構造物指定受付手段11、合成地図データ作成手段12、日射量計算手段13、記憶手段14の構成は第1実施形態で説明したのと同様である。
装置指定受付手段15は、太陽エネルギー利用計算システムS2の利用者から、エネルギー変換装置の指定を受け付ける手段である。つまり、装置指定受付手段15は、後述する太陽エネルギー変換量計算手段16が算出する太陽エネルギー変換量が、どのようなエネルギー変換装置でエネルギー変換されるものであるのかの指定を受け付ける手段である。装置データベースDB5には、複数種のエネルギー変換装置の特性が記憶されている。例えば、エネルギー変換装置が太陽光発電装置である場合、その太陽光発電装置が有する光電変換パネルの変換効率(入力される全天日射量(光エネルギー)に対して出力する発電電力量(電気エネルギー)の割合等)などの特性が記憶され、エネルギー変換装置が太陽熱集熱装置である場合、その太陽熱集熱装置が有する集熱パネルの変換効率(入力される全天日射量(光エネルギー)に対して出力する集熱量(熱エネルギー)の割合等)などの特性が記憶されている。そして、装置指定受付手段15が、エネルギー変換装置として特定の太陽光発電装置の指定を利用者から受け付けたとき、装置データベースDB5からその特定の太陽光発電装置の上記変換効率についての情報が読み出され、指定結果と共に記憶手段14に記憶される。
尚、装置指定受付手段15は、太陽エネルギー変換量計算手段16が太陽エネルギー変換量を算出する度に上述した装置の指定を受けなくてもよい。例えば、装置指定受付手段15が一旦装置の指定を受け付けると、上述したように装置の指定結果が記憶手段14に記憶されているため、太陽エネルギー変換量計算手段16は記憶手段14に記憶されているその装置の指定結果についての情報を用いればよい。つまり、装置指定受付手段15の機能は、太陽エネルギー変換量計算手段16が太陽エネルギー変換量を算出するときに利用されないこともある。
太陽エネルギー変換量計算手段16は、日射量計算手段13が計算した全天日射量に相当する光エネルギーを所定のエネルギー変換装置でエネルギー変換したときに得られる電気エネルギー量又は熱エネルギー量である太陽エネルギー変換量を算出する。つまり、太陽エネルギー変換量計算手段16は、日射量計算手段13が計算した全天日射量と、装置指定受付手段15が指定を受け付けた或いは既に記憶手段14に記憶されている装置(エネルギー変換装置)とその特性(例えば変換効率等)についての情報とに基づいて、その全天日射量に相当する光エネルギーをエネルギー変換することにより得られる太陽エネルギー変換量を算出する。また、日射量計算手段13による全天日射量の計算が複数の単位計算対象領域のそれぞれにおいて行われているので、太陽エネルギー変換量計算手段16による太陽エネルギー変換量の算出も複数の単位計算対象領域のそれぞれにおいて行われる。その結果、第2実施形態の太陽エネルギー利用計算システムS2の利用者は、計算対象構造物の表面での、エネルギー変換装置としての太陽光発電装置の発電電力量の計算値や太陽熱集熱装置の集熱量の計算値を正確に知ることができる。例えば、計算対象構造物の表面のどの部位で、どの程度の発電電力量又は集熱量を得ることができるのかを知ることができる。
尚、太陽エネルギー変換量計算手段16が太陽エネルギー変換量を導出するために参照する装置の特性は上述した変換効率に限定されない。例えば、太陽エネルギー変換量計算手段16が、計算対象構造物の表面への、太陽光発電装置用の光電変換パネルや太陽熱集熱装置の集熱パネルの設置角度について情報を、エネルギー変換装置の特性として参照してもよい。それらのパネルの設置角度が異なれば、太陽光の入射角度も異なるため、発電電力量や集熱量に変化が生じ得るからである。或いは、太陽エネルギー変換量計算手段16は、エネルギー変換装置の周辺の温度を参照した上で、太陽エネルギー変換量を算出してもよい。それらのエネルギー変換装置の周辺の温度が異なれば、光電変換効率や集熱効率に変化が生じ得るからである。これら設置角度の情報や周辺温度の情報などは、太陽エネルギー利用計算システムS2の利用者から逐次受け付けた情報、記憶手段14に記憶されている情報、インターネットの等の通信回線を利用して取得する情報等であってもよい。
<別実施形態>
<1>
上記実施形態において、日射量計算手段13は、合成地図データ作成手段12が作成した合成地図データを参照して全天日射量の計算を行っていたが、この合成地図データには、計算対象点b2への直達日射及び散乱日射に関して全く影響の無い或いは影響の非常に小さい地形データ及び地図データ及び構造物データも含まれている。例えば、合成地図データ作成手段12が作成した合成地図データには、計算対象点b2から見て水平線以下に存在する地形データ及び地図データ及び構造物データや、計算対象点b2から見て水平線近傍に存在する地形データ及び地図データ及び構造物データも含まれている。そして、そのような地図データ及び構造物データは、計算対象点b2への直達日射及び散乱日射に関して全く影響が無いか、或いは、影響が非常に小さいものである。
そこで、計算負荷を軽減することを目的として、日射量計算手段13が、合成地図データ作成手段12が作成する合成地図データの中から、データ排除条件を満たす地形データ及び地図データ及び構造物データを排除した上で全天日射量を計算するように構成してもよい。データ排除条件を満たす地形データ及び地図データ及び構造物データが排除されると、直達日射量及び散乱日射量の合計である全天日射量を計算するときに日射量計算手段13が参照するデータ量は少なくなる。従って、日射量計算手段13の計算負荷を小さくすることができる。
一つの例では、日射量計算手段13は、合成地図データ作成手段12が作成する合成地図データの中から、単位計算対象領域よりも標高の低い位置にある地形データ及び地図データ及び構造物データを、上記データ排除条件を満たしていると判定して排除した低標高データ排除モデルで直達日射量及び散乱日射量を計算してもよい。
単位計算対象領域への直達日射の有無は、日射量計算の対象とする計算対象構造物の表面の単位計算対象領域と太陽との間に障害物が存在するか否かに応じて変化するため、単位計算対象領域よりも標高の低い位置にある地形データ及び地図データ及び構造物データは直達日射量の計算結果に対して実質的に影響しない。また、単位計算対象領域への散乱日射には、単位計算対象領域よりも標高の高い位置にある地形データ及び地図データ及び構造物データが関与するため、単位計算対象領域から見て水平線よりも下に存在する障害物、即ち、単位計算対象領域よりも標高の低い位置にある地形データ及び地図データ及び構造物データは散乱日射量の計算結果に対して実質的に影響しない。このように、本例では、上記データ排除条件を満たす特定のデータを排除することで、日射量計算の正確性に実質的に影響を及ぼすことなく、日射量計算における計算負荷を小さくすることができる。
別の例では、日射量計算手段13は、合成地図データ作成手段12が作成する合成地図データの中から、単位計算対象領域にとっての日の出方向及び日の入り方向よりも北側(即ち、黄道が水平面よりも上に出てこない場所)に位置する地形データ及び地図データ及び構造物データを、上記データ排除条件を満たしていると判定して排除した北側データ排除モデルで直達日射量を計算してもよい。
単位計算対象領域への直達日射の有無は、日射量計算の対象とする計算対象構造物の表面の単位計算対象領域と太陽との間に障害物が存在するか否かに応じて変化するため、単位計算対象領域にとっての日の出方向及び日の入り方向よりも北側に位置する地形データ及び地図データ及び構造物データは直達日射量の計算結果に対して影響しない。このように、本例では、上記データ排除条件を満たす特定のデータを排除することで、日射量計算の正確性に影響を及ぼすことなく、日射量計算における計算負荷を小さくすることができる。
更に別の例では、日射量計算手段13は、合成地図データ作成手段12が作成する合成地図データの中から、単位計算対象領域から所定距離以上離れ且つ標高が所定高さ以下である地形データ及び地図データ及び構造物データを、上記データ排除条件を満たしていると判定して排除した離間低標高データ排除モデルで散乱日射量を計算してもよい。
単位計算対象領域への散乱日射には、単位計算対象領域よりも標高の高い位置にある地形データ及び地図データ及び構造物データが関与するため、単位計算対象領域から見て水平線近傍に存在する障害物、即ち、単位計算対象領域から所定距離以上離れ且つ標高が所定高さ以下である地形データ及び地図データ及び構造物データは、散乱日射量の計算結果に対して実質的に影響しない。このように、本例では、上記データ排除条件を満たす特定のデータを排除することで、日射量計算の正確性に影響を及ぼすことなく、日射量計算における計算負荷を小さくすることができる。
<2>
上記実施形態では、合成地図データ作成手段12が、構造物指定受付手段11が指定を受け付けた日射量計算の対象とする構造物(計算対象構造物)のみを、構造物データベースDB3から読み出して詳細な三次元形状とする例を記載したが、他の構造物についても構造物データベースDB3から読み出した詳細な三次元形状とした上で、上記合成地図データを作成してもよい。
例えば、構造物指定受付手段11が計算対象構造物の指定を受け付けたとき、合成地図データ作成手段12が、その計算対象構造物から所定距離以内に存在する全ての構造物の詳細な三次元形状情報を構造物データベースDB3から読み出して、それらの三次元形状情報を用いて上記合成地図データを作成してもよい。
或いは、構造物指定受付手段11が、日射量計算の対象とする計算対象構造物の指定と、日射量計算の対象とはしないが詳細な三次元形状情報を利用者が合成地図データに含めたいと考える一又は複数の構造物の指定とを受け付け、合成地図データ作成手段12が、それらの指定された全ての構造物の詳細な三次元形状情報を構造物データベースDB3から読み出して、それらの三次元形状情報を用いて上記合成地図データを作成してもよい。
<3>
上記実施形態では、本発明に係る太陽エネルギー利用計算システムについて日射量などの具体的な数値を例示して説明を行ったが、本発明はそれらの具体例に限定されることはない。また、全天日射量から太陽エネルギー変換量を算出するロジックとしては特に限定されず様々な算出ロジックを用いることができる。
本発明は、日射量計算の対象とする構造物に対する日射量を正確に導出できる太陽エネルギー利用計算システムに利用できる。
11 構造物指定受付手段
12 合成地図データ作成手段
13 日射量計算手段
15 装置指定受付手段
16 太陽エネルギー変換量計算手段
B 計算対象構造物
b1 単位計算対象領域
b2 計算対象点
DB1 地形データベース
DB2 地図データベース
DB3 構造物データベース
DB4 気象データベース
J 構造物(障害物)
S(S1、S2) 太陽エネルギー利用計算システム

Claims (6)

  1. 地表の標高情報を有する地形データを記憶している地形データベースと、
    地表上での複数の構造物の位置情報と当該構造物の二次元形状情報と当該構造物の高さ情報とを有する地図データを記憶している地図データベースと、
    前記構造物の個々の三次元形状情報を有する構造物データを記憶している構造物データベースと、
    所定タイミングでの太陽の位置及び地表上の所定位置での基準日射量の情報を記憶する気象データベースと、
    前記複数の構造物の中から、日射量計算の対象とする計算対象構造物の指定を受け付ける構造物指定受付手段と、
    前記構造物指定受付手段が指定を受け付けた前記計算対象構造物の構造物データを前記構造物データベースから読み出し、前記地図データベース上の構造物と対応付けて、当該計算対象構造物の構造物データを、前記地図データベースが記憶している地図データ及び前記地形データベースに記憶されている地形データと合成して、合成地図データを作成する合成地図データ作成手段と、
    前記構造物指定受付手段が指定を受け付けた前記計算対象構造物の表面を複数の単位計算対象領域に分割し、前記複数の単位計算対象領域のそれぞれにおいて、直達日射量及び散乱日射量の合計である全天日射量を、前記合成地図データ作成手段が作成した前記合成地図データと前記気象データベースに記憶している所定タイミングでの太陽の位置及び地表上の所定位置での基準日射量の情報とを参照して計算する日射量計算手段とを備える太陽エネルギー利用計算システム。
  2. 前記日射量計算手段が計算した前記全天日射量に相当する光エネルギーを所定のエネルギー変換装置でエネルギー変換したときに得られる電気エネルギー量又は熱エネルギー量である太陽エネルギー変換量を算出する太陽エネルギー変換量計算手段を備える請求項1に記載の太陽エネルギー利用計算システム。
  3. 前記日射量計算手段は、前記合成地図データ作成手段が作成する前記合成地図データの中から、データ排除条件を満たす地形データ及び地図データ及び構造物データを排除した上で前記全天日射量を計算する請求項1に記載の太陽エネルギー利用計算システム。
  4. 前記日射量計算手段は、前記合成地図データ作成手段が作成する前記合成地図データの中から、前記単位計算対象領域よりも標高の低い位置にある前記地形データ及び前記地図データ及び前記構造物データを、前記データ排除条件を満たしていると判定して排除した低標高データ排除モデルで前記直達日射量及び前記散乱日射量を計算する請求項3に記載の太陽エネルギー利用計算システム。
  5. 前記日射量計算手段は、前記合成地図データ作成手段が作成する前記合成地図データの中から、前記単位計算対象領域にとっての日の出方向及び日の入り方向よりも北側に位置する前記地形データ及び前記地図データ及び前記構造物データを、前記データ排除条件を満たしていると判定して排除した北側データ排除モデルで前記直達日射量を計算する請求項3又は4に記載の太陽エネルギー利用計算システム。
  6. 前記日射量計算手段は、前記合成地図データ作成手段が作成する前記合成地図データの中から、前記単位計算対象領域から所定距離以上離れ且つ標高が所定高さ以下である前記地形データ及び前記地図データ及び前記構造物データを、前記データ排除条件を満たしていると判定して排除した離間低標高データ排除モデルで前記散乱日射量を計算する請求項3〜5の何れか一項に記載の太陽エネルギー利用計算システム。
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