JP2015087726A - 画像投影装置 - Google Patents

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Goro Shimizu
悟郎 清水
大津 誠
Makoto Otsu
誠 大津
北浦 竜二
Ryuji Kitaura
竜二 北浦
岩内 謙一
Kenichi Iwauchi
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Abstract

【課題】紙面に印刷された文章の視認性の大幅な低下を招来することなく、紙面に投影されたコメントの視認性を高めることが可能なコメント投影装置を実現する。
【解決手段】物理媒体上に画像を投影する画像投影装置(2)において、物理媒体を撮像して得られた第1の画像を取得する第1の画像取得手段(11)と、物理媒体に投影する第2の画像を取得する第2の画像取得手段(12)と、第2の画像の明るさを、第1の画像の特性及び第2の画像の特性に基づいて補正する補正手段(103)とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、物理媒体に画像(例えば、コメント画像)を投影する画像投影装置に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などのデジタル機器の普及によって、デジタル化された文章を取り扱う機会が増えている。また、これらのデジタル機器には、しばしばカメラが内蔵されていることから、デジタル化された画像を取る扱う機会も増えている。更に、これらのデジタル機器間で通信を行うためのネットワークも普及しているため、デジタル化された文章や画像を、ネットワークを介して受け渡しすることも、広く行われている。
デジタル機器を用いてデジタル化された文章をやりとりする際に、その文章に対して追加の情報を与えるべく、コメントを付加することが広く行われている。多くのデジタル機器は、デジタル化された文章にコメント付加する機能、及び、デジタル化された文章に付加されたコメントを表示する機能を有している。
また、デジタル化した文章にコメントを付す要領で、実在の文章に対してコメントを付すことを可能ならしめる技術も開発されている。例えば、非特許文献1に記載の技術は、プロジェクタを用いて文章が印刷された紙面にコメントを投影することによって、実現の文章に対してコメントを付すことを可能ならしめている。
また、特許文献1には、プロジェクタなどの表示機器に画像を出力するプレゼンテーション装置であって、操作者が発表原稿にマーカーペンによって着色した領域を、撮像した画像に基づいて検出し、当該領域に対して点滅等の表示効果(視覚的効果)を付与して画像を修正し、修正した画像を出力する技術が記載されている。
特開2004−208231号公報(2004年7月22日公開)
社団法人電子情報通信学会、"プロジェクタを用いた情報投影による印刷文書へのインタラクティブ性の付加"、[online]、2013年8月23日検索、インターネット(URL:http://www.m.cs.osakafu-u.ac.jp/publication_data/1236/prmu1124.pdf)
しかしながら、文章が印刷された紙面にコメントを投影する従来の技術においては、コメントの視認性を高めるために紙面に投影するコメント画像(コメントを像として含む画像)の明度を高めると、紙面に印刷された文章の視認性が低下するという問題があった。
このような問題が生じる原因は、以下のとおりである。すなわち、紙面に投影されたコメントは、加法混色により発色する発光体である。一方、紙面に印刷された文章は、減法混色により発色する反射体であり、紙面に投影されたコメントとは見えが異なる。このため、コメント画像の明度を高めると、コメント画像が投影された領域とそれ以外の領域との明るさの差異から、ユーザは、コメントが眩しく感じる。これにより、視界の把握を困難にする「不能グレア」又は「減能グレア」と呼ばれる現象や、不快感を与える「不快グレア」と呼ばれる現象が生じる。また、投影されたコメントの色味が印刷された文章の色味に近いと、投影されたコメントに印刷された文字が溶け込んでしまい、印刷された文字の視認に不都合が生じる。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、紙面に印刷された文章の視認性の大幅な低下を招来することなく、紙面に投影されたコメントの視認性を高めることが可能なコメント投影装置を実現することにある。
なお、ここでは、文章が印刷された紙面にコメントを投影する場合を例に、本発明が解決しようとする課題を説明したが、任意のオブジェクトが描かれた物理媒体に任意の画像を投影する際にも、同様の課題が成立する。すなわち、本発明の目的は、一般化すれば、物理媒体に描かれたオブジェクトの視認性の大幅な低下を招来することなく、物理媒体に投影された画像の視認性を高めることが可能な画像投影装置を実現することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像投影装置は、物理媒体上に画像を投影する画像投影装置において、上記物理媒体を撮像して得られた第1の画像を取得する第1の画像取得手段と、上記物理媒体に投影する第2の画像を取得する第2の画像取得手段と、上記第2の画像の明るさあるいは色味の少なくとも何れか一方を、上記第1の画像の特性及び上記第2の画像の特性に基づいて補正する補正手段と、を備えている。
本発明の一態様によれば、紙面に印刷された文章の視認性の大幅な低下を招来することなく、紙面に投影されたコメントの視認性を高めることが可能なコメント投影装置を実現できる。
実施形態1に係るコメント投影システムの模式的な外観図である。 実施形態1に係るコメント投影システムにおいて、コメント投影装置の構成を示すブロック図である。 実施形態1に係るコメント投影システムにおいて、補正前文章画像データが表す文章画像を示す図である。 実施形態1に係るコメント投影システムにおいて、補正後文章画像データが表す文章画像を示す図である。 実施形態1に係るコメント投影システムにおいて、コメント入力装置のディスプレイに表示される画面の図である。 実施形態1に係るコメント投影システムにおいて、コメント画像データが表すコメント画像を示す図である。 実施形態1に係るコメント投影システムにおいて、複数のコメント画像データの各々が表すコメント画像を示す図である。 実施形態1に係るコメント投影システムにおいて、補正前投影画像データが表す投影画像を示す図である。 実施形態1に係るコメント投影システムにおいて、補正後投影画像データが表す投影画像を示す図である。 実施形態1に係るコメント投影システムにおいて、コメント投影装置が紙面に投影画像を投影した図である。 実施形態1に係るコメント投影システムにおいて、コメント投影装置の処理の流れを示すフローチャート図である。 実施形態1に係るコメント投影システムにおいて、オブジェクトを抽出した文書抽出画像データを示す図である。 実施形態1に係るコメント投影システムにおいて、文書上に手のひらがかざされた文書画像を示す図である。 実施形態1に係るコメント投影システムにおいて、図13における文書画像の手のひらの領域を検出した手のひら領域検出データを示す図である。 実施形態1に係るコメント投影システムにおいて、図13における手のひらにコメント画像を投影した図である。 実施形態2に係るコメント投影システムにおいて、コメント投影装置の構成を示す概略ブロック図である。 実施形態2に係るコメント投影システムにおいて、文書データのデータ内部構成例を示した表である。 実施形態2に係るコメント投影システムにおいて、コメントデータのデータ内部構成例を示した表である。 実施形態2に係るコメント投影システムにおいて、コメント表示手法指示データのデータ内部構成例を示した表である。 実施形態3に係るコメント投影システムにおいて、環境情報データのデータ内部構成例を示した表である。 実施形態2に係るコメント投影システムにおいて、データベース部に記憶されているデータのフォーマットを示した表である。 実施形態2に係るコメント投影システムにおいて、コメント投影装置の処理の流れを示すフローチャート図である。 実施形態2に係るコメント投影システムにおいて、コメント投影装置の処理の流れを示すフローチャート図である。 実施形態3に係るコメント投影システムの模式的な外観図である。 実施形態3に係るコメント投影システムにおいて、コメント投影装置の構成を示すブロック図である。 実施形態3に係るコメント投影システムにおいて、コメント投影装置の処理の流れを示すフローチャート図である。
(コメント投影システムの概要)
本実施形態に係るコメント投影システム1の概要について、図1を参照して説明する。図1は、コメント投影システム1の模式的な外観図である。
コメント投影システム1は、文章が印刷された紙面20にコメントを投影するためのシステムであり、図1に示すように、コメント投影装置(画像投影装置)2とコメント入力装置3とにより構成されている。コメントの投影対象となる紙面20は、コメント投影装置2が備える撮像部11及び投影部13に正対するように配置される。
コメント投影システム1によるコメントの投影は、概略的に言うと、以下のように行われる。
まず、コメント投影装置2が、紙面20に印刷された文章を撮像することによって、画像データ(以下、「文章画像データ」と記載)を生成する。文章画像データは、紙面20に印刷された文章を像として含む画像(以下、「文章画像」と記載)を表す画像データである。
次に、コメント入力装置3が、受信した文章画像データの表す文章画像をディスプレイに表示する。ユーザがディスプレイに表示された文章画像に対してテキストや図形などのオブジェクト(以下、「コメントオブジェクト」と記載)を入力すると、コメント入力装置3は、入力されたコメントオブジェクトを表すコメント画像データを生成する。コメント画像データは、ユーザにより入力されたコメントオブジェクトを像として含む画像(以下、「コメント画像」と記載)を表す画像データ、又は、そのような画像データに変換可能なデータである。
次に、コメント投影装置2が、受信したコメント画像データが表すコメント画像を紙面20に投影する。ただし、コメント投影装置2は、受信したコメント画像データが表すコメント画像そのものを紙面20に投影するのではなく、コメント画像に対して画像処理(紙面20に投影されるコメントオブジェクトの視認性を高めるための画像処理)を施すことによって得られた画像(以下、「投影画像」と記載)を紙面20に投影する。
なお、本実施形態においては、コメント入力装置3として液晶タブレット(液晶パネルをディスプレイとするタブレット型PC)を用いるものとするが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、(1)コメント投影装置2から送信された文章画像データを受信する受信手段、(2)受信した文章画像データが表す文章画像を表示する表示手段、(3)表示した文章画像に対するコメントをユーザが入力するための入力手段、(4)入力されたコメントを表すコメント画像データを生成する生成手段、(5)生成したコメント画像データをコメント投影装置2に送信する送信手段を備えた装置であれば、どのような装置であっても、コメント入力装置3として用いることができる。例えば、液晶タブレット以外のタブレット型PC、デスクトップ型PC、ラップトップ型PC、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン、携帯電話端末等を、コメント入力装置3として用いることができる。
また、本実施形態においては、コメント投影装置2とコメント入力装置3との間の通信は、無線LAN等による無線通信であるものとするが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、コメント投影装置2とコメント入力装置3との間の通信は、専用ケーブル等による有線通信であってもよい。また、コメント投影装置2とコメント入力装置3との間の通信は、インターネット等の公衆網を介した通信であってもよい。
また、本実施形態においては、コメントの投影対象物として文章が印刷された紙面(より具体的には書籍の見開き)を想定するが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、任意のオブジェクト(文字、記号、図形、写真、絵など)が描かれた任意の物理媒体(紙や板などの平面的な物理媒体、ボールや箱などの立体的な物理媒体、又は、布などの不定形の物理媒体)を、コメントの投影対象物とすることができる。更に言えば、任意のオブジェクトが表示されたディスプレイ(表示装置)を、コメントの投影対象物とすることもできる。
(コメント投影装置の構成)
次に、コメント投影装置2の構成について、図2を参照して説明する。図2は、コメント投影装置の構成を示すブロック図である。
コメント投影装置2は、図2に示すように、制御部10、撮像部(第1の画像取得手段)11、通信部(第2の画像取得手段)12(図1において図示省略)、投影部13、及び制御スイッチ15(図2において図示省略)を備えている。
撮像部11は、紙面20に印刷された文章を撮像することによって、文章画像データを生成するための構成である。本実施形態においては、撮像部11として、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの画像処理回路とを備えたデジタルカメラを用いる。このようなデジタルカメラを撮像部11として用いた場合、紙面20にて反射された反射光が、撮像素子にて電気信号に変換され、更に、撮像素子にて生成された電気信号が、画像処理回路にて所定のフォーマットに従うデジタルデータに変換される。撮像部11は、このようにして生成した文章画像データを、制御部10及び通信部12に提供する。
通信部12は、撮像部11から取得した文章画像データをコメント入力装置3に送信すると共に、コメント入力装置3から送信されたコメント画像データを受信するための構成である。コメント投影装置2とコメント入力装置3との間の通信を無線LANにより実現する場合、通信部12として、無線LANモジュールを用いる。通信部12は、受信したコメント画像データを、制御部10に提供する。
投影部13は、制御部10から取得した投影画像データが表す投影画像(コメント入力装置3から取得したコメント画像データが表すコメント画像に、制御部10が画像処理を施すことにより得られる画像)を紙面20に投影するための構成である。本実施形態においては、投影部13として、光源ランプと液晶パネルとを備えた液晶プロジェクタを用いる。投影部13として、このような液晶プロジェクタを用いた場合、ライトバルブとして機能する液晶パネルをコメント画像データに基づいて制御することによって、紙面20にコメント画像を投影する。なお、液晶プロジェクタの代わりに、DMD(Digital Micro-Mirror Device)を用いたDLP(Digital Light Processing)プロジェクタや、レーザを用いたレーザポインタ又はレーザプロジェクタなどを、投影部13として用いてもよい。
制御部10は、図2に示すように、文章データ解析部101、コメントデータ解析部102、画像処理方法決定部103、及び投影画像生成部104(補正手段)として機能する。
文章データ解析部101は、撮像部11から取得した文章画像データを解析することによって、文章画像解析情報を導出するための手段である。文章データ解析部101は、導出した文章画像解析情報を、コメントデータ解析部102を介して画像処理方法決定部103に提供する。
文章画像解析情報は、コメント画像に施す画像処理の方法を決定するために画像処理方法決定部103によって参照される情報であり、例えば、以下の情報の一部又は全部を含む。
・文章画像全体の明るさに関する情報
・文章画像全体の色味に関する情報
・文章画像においてオブジェクト(文字、記号、図形等)に対応する部分の明るさに関する情報
・文章画像においてオブジェクトに対応する部分の色味に関する情報
・文章画像において下地に対応する部分(オブジェクトに対応する部分以外の部分)の明るさに関する情報
・文章画像において下地に対応する部分の色味に関する情報
・文章画像におけるオブジェクトの位置に関する情報
・文章画像において被覆物(紙媒体に覆いかぶさっている手など)に対応する部分を検出することにより得られた情報。
コメントデータ解析部102は、通信部12から取得したコメント画像データを解析することによって、コメント解析情報を導出するための手段である。コメントデータ解析部102は、導出したコメント解析情報を、画像処理方法決定部103に提供する。
コメント解析情報は、コメント画像データに施す画像処理の方法を決定するために画像処理方法決定部103によって参照される情報であり、例えば、以下の情報の一部又は全部を含む。
・コメントオブジェクトの明るさに関する情報
・コメントオブジェクトの色味に関する情報。
画像処理方法決定部103は、コメントデータ解析部102を介して文章データ解析部101から取得した文章画像解析情報、及び、コメントデータ解析部102から取得したコメント解析情報に基づき、コメント画像データが表すコメント画像に施す画像処理の方法を決定するための手段である。画像処理方法決定部103は、決定した画像処理の方法を指定する情報(以下、「画像処理方法指定情報」と記載)を投影画像生成部104に提供する。
画像処理方法指定情報は、例えば、以下の情報の一部又は全部を含む。
・コメントオブジェクトの明るさの補正に関する情報
・コメントオブジェクトの色味の補正に関する情報
・コメントオブジェクトの表示位置の補正に関する情報
投影画像生成部104は、コメントデータ解析部102及び画像処理方法決定部103を介して通信部12から取得したコメント画像データに対して、画像処理方法決定部103から取得した画像処理方法指定情報に従った画像処理を施すことによって、投影画像を表す投影画像データを生成するための手段である。投影画像生成部104は、生成した投影画像データを投影部13に提供する。
なお、コメント画像の投影を停止する場合、例えば、図示しない装置制御部からコメント画像を投影しないよう指示があった場合、投影画像生成部104は、投影画像データとして、各画素が均一の色および輝度を有する画像、例えば、同じ輝度の黒で塗りつぶされた画像を生成する構成を採用してもよい。
上記各部として機能する制御部10は、例えば、コンピュータにより実現することができる。このコンピュータは、DSP(Digital Signal Processor)やCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)やFlashメモリ等の補助記憶装置などを備えており、補助記憶装置に格納されたプログラムを実行することによって、上記各部として機能する。なお、コンピュータの代わりに、制御部10として、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラム可能な集積回路を用いてもよいし、専用LSI(Large Scale Integration)等のプログラム不可能な集積回路を用いてもよい。
(文章画像データに関する補足)
次に、文章画像データに関して、図3〜4を参照して補足する。
上述したように、コメント投影装置2が備える撮像部11は、文章画像を表す文章画像データを生成し、生成した文章画像データを制御部10及びコメント入力装置3に提供する。この文章画像データは、紙面20に印刷された文章を撮像することによって得られた画像データそのもの(以下、「補正前文章画像データ」と記載)であってもよいし、補正前文章画像データに対して歪み補正処理や拡大/縮小処理などの補正処理を施すことによって得られた画像データ(以下、「補正後文章画像データ」と記載)であってもよい。
図3は、補正前文章画像データが表す文章画像51を示す図である。補正前文章画像データが表す文章画像51において、紙面20の像は、通常、紙面20を斜めから見たときのように、画角の一部を占める台形となる。これは、コメント投影システム1において、撮像部11と紙面20とが互いに正対し、かつ、撮像部11から紙面20までの距離が所定の距離(撮像素子の撮像領域全体に紙面20の像全体が形成される距離)になることは稀だからである。
そこで、撮像部11は、補正後文章画像データが表す文章画像52において、紙面20の像が画角全体を占める長方形となるよう、補正前文章画像データに対して歪み補正処理や拡大/縮小処理などの補正処理を施す。図4は、補正後文章画像データが表す文章画像52を示す図である。このような文章画像52を表す補正後文章画像データを用いることによって、文章データ解析部101における文章画像データの解析が容易になる。また、コメント入力装置3に表示される文章画像が見易いものとなるため、コメント入力作業が簡便となる。
歪み補正の具体例としては、台形補正やアフィン変換等の幾何補正やカメラレンズ歪(歪曲収差)補正などがあげられる。なお、これらの歪み補正は、公知の手法により実現することができるので、その詳細についての説明は省略する。また、紙面20の像が画角全体に正しいアスペクト比で表示されるよう、歪み補正を施した後の文章画像データに更に拡大/縮小処理を施してもよい。図4に示す文章画像52は、このような拡大/縮小処理が施された後の補正後文章画像データが表す文章画像である。
なお、本実施形態においては、文書データに対する補正処理を撮像部11(より具体的には、撮像部11が備える画像処理回路)にて行う構成を採用しているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、例えば、このような補正処理を制御部10にて行う構成を採用しても構わない。この場合、撮像部11にて生成され、制御部10にて補正された補正後文章画像データが通信部12を介してコメント入力装置3に提供されることになる。
また、本実施形態においては、文章画像データに対する補正処理の内容を撮像部11が決定する構成を採用しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、撮像部11と紙面20との位置関係が予め定められている場合には、文章画像データに対する補正処理の内容が予め定められていてもよい。
文章画像データに対する補正処理の内容を撮像部11が決定する構成を採用する場合には、文章画像データに対する補正処理の内容を示す補正情報を撮像部11から投影部13に提供する構成を併せて採用するとよい。この際、補正情報は、制御部10を介さずに撮像部11から投影部13に直接的に提供しても構わないし、制御部10を介して撮像部11から投影部13に間接的に提供しても構わない。
本実施形態において、制御部10に提供される文章画像データは、補正前文章画像データではなく、補正後文章画像データであるものとする。ただし、コメント投影装置2の処理量を低下させたい場合には、上述したような補正処理を省略し、補正前文章画像データを制御部10に提供する構成を採用しても構わない。
(コメント画像データに関する補足)
次に、コメントデータに関して、図5〜7を参照して補足する。
上述したように、コメント入力装置3は、ユーザにより入力されたコメントオブジェクトを表すコメント画像データを生成し、生成したコメント画像データをコメント入力装置3に提供する。このコメント画像データは、コメントオブジェクトを像として含むコメント画像を表すラスタ形式又はベクタ形式の画像データであってもよいし、コメント画像を表す画像データに変換可能なデータであってもよい。コメント画像を表す画像データに変換可能なデータとしては、例えば、コメントオブジェクトを含むオブジェクトデータなどが挙げられる。
例えば、コメント入力装置3がタブレット型PCであり、タッチパネル式のディスプレイに文章画像を表示する場合、ユーザは、そのディスプレイに表示された文章画像上の任意の位置に、指先または入力デバイス(ペンなど)を利用して手書コメントを入力することができる。この場合、ユーザが入力した手書コメントを表す画像データを、コメント画像データとして利用することができる。
また、キーボードやマウスなどの入力デバイスを利用して入力されたテキストや図形などのオブジェクトを、コメントオブジェクトとすることも可能である。この場合、文字列、フォント、色等により指定されるテキストオブジェクトや、始点、角度、サイズ等により指定される図形オブジェクトなどのコメントオブジェクトを、各コメントオブジェクトの表示位置指定情報と共に含むオブジェクトデータを、コメントデータとして利用することができる。
図5は、コメント入力装置3のディスプレイに表示される画面、すなわち、文章画像データが表す文章画像にコメント画像データが表すコメント画像を重畳した画像53を示す図である。図5に示す画像53には、複数のコメントオブジェクト(「重要」というテキスト、その文字列の背景となる吹き出し(図形)、その吹き出しに連なる枠線(図形)、「答え=○○」というテキスト、その文字列に連なる矢印(図形)、その矢印に連なる枠線(図形)、及び、チェックマーク(図形))が像として含まれている。
コメント入力装置3は、これらのコメントオブジェクトの全てを含む単一のコメント画像データを生成してもよいし、これらのオブジェクトの一部を含む複数のコメント画像データを生成してもよい。図6は、前者のコメント画像データが表すコメント画像54を示す図である。図6に示すコメント画像54には、図5に示した複数のコメントオブジェクトの全てが含まれている。一方、図7は、後者のコメント画像データの各々が表すコメント画像55a〜55cを示す図である。図7に示すコメント画像55a〜55cの各々には、互いに関連する幾つかのコメントオブジェクトからなるコメントオブジェクト群が含まれている。例えば、コメント画像55aには、「重要」というテキスト、その文字列の背景となる吹き出し(図形)、及び、その吹き出しに連なる枠線(図形)からなるコメントオブジェクト群が含まれている。
なお、コメント画像データには、コメント画像を表す画像データに加えて、各コメントオブジェクトに関するパラメータ(重要度や表示時間など)が含まれていてもよい。この場合、コメント入力装置3は、コメントデータを作成する際に、ユーザにより入力されたパラメータを、そのコメントデータに含めることになる。
また、コメントデータには、コメント画像を表す画像データに加えて、マイクなどの音声入力デバイスを用いて入力された音声情報が含まれていてもよい。音声情報をコメントデータとして入力する場合は、表示用画像上の位置情報を同時に入力し、ユーザが表示用画像の特定位置を、例えば指や、ペンでポイントすることにより、コメントデータとして入力した音声情報を再生しても構わない。他にも、予め所定の図形(絵文字みたいなもの)を準備しておき、それを選択して貼りつける形でも構わない。
なお、コメント入力装置3において、入力されたコメントオブジェクト(又は、生成したコメント画像データ)を、コメント入力の対象となる文章画像データに紐付して、別途記録しておく構成を採用してもよい。この場合、コメント入力装置3は、文章画像データを受信した際に、対応する過去のコメントデータがあるか否かを検索し、あれば、対応するコメントデータとして読みだしても構わない。もちろん、読みだした既存のコメントデータに対して、ユーザが、新たなコメントを追加したり、既存のコメントを修正したり、既存のコメントを消去したりしても構わない。
(投影画像データに関する補足)
次に、投影画像データについて、図8〜10を参照して補足する。
上述したように、コメント投影装置1の制御部10は、投影画像を表す投影画像データを生成し、生成した投影画像データを投影部13に提供する。この投影画像データは、コメントデータが表すコメント画像に対して文章画像情報及びコメント画像情報に応じた画像処理を施すことによって得られた画像データそのもの(以下、「補正前投影画像データ」と記載)であってもよいし、補正前投影画像データに更に歪み補正処理や拡大/縮小処理などの補正処理を施すことによって得られた画像データ(以下、「補正後投影画像データ」と記載)であってもよい。
図8は、補正前投影画像データが表す投影画像56を示す図である。補正前投影画像データが表す投影画像56は、例えば、図6に示すコメント画像54を表すコメントデータに対して文章画像情報及びコメント画像情報に応じた画像処理を施すことによって得られたものである。
コメント投影システム1において、補正前投影画像データが表す投影画像56を紙面20に投影すると、撮像部11と紙面20とが互いに正対し、かつ、撮像部11から紙面20までの距離が所定の距離(撮像素子の撮像領域全体に紙面20の像全体が形成される距離)になる場合を除き、紙面20に投影されたコメント画像は歪んだものとなる。
そこで、歪みのないコメント画像が紙面20に投影されるよう、換言すれば、各コメントオブジェクトが正しい位置に正しいアスペクト比で投影されるよう、投影部13は、文章画像データに対する補正処理の逆変換に相当する補正処理を補正前投影画像データに対して施す。図9は、補正後投影画像データが表す投影画像57を示す図である。このような投影画像57を表す補正後投影画像データを用いることによって、図10に示すように、各コメントオブジェクトを正しい位置に正しいアスペクト比で投影することが可能になる。
なお、本実施形態においては、このような補正処理を投影部13にて行う構成を採用しているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、例えば、このような補正処理を制御部10にて行う構成を採用しても構わない。この場合、制御部10にて生成された補正後投影画像データが投影部13に提供されることになる。
また、本実施形態においては、投影画像データに対する補正処理の内容を投影部13が決定する構成を採用しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、投影部13と紙面20との位置関係が予め定められている場合には、投影画像データに対する補正処理の内容が予め定められていても構わない。
投影画像データに対する補正処理の内容を投影部13が決定する構成を採用する場合には、上述したように、文章画像データに対する補正処理の内容を示す補正情報を撮像部11から投影部13に提供する構成を併せて採用するとよい。これにより、投影画像データに対する補正処理の内容を撮像部11から取得した補正情報に基づいて決定することが可能になる。なお、投影画像データに対する補正処理の内容が予め定められている場合には、投影画像データに対する補正処理の内容を予め定められた補正情報に基づいて決定すればよい。
また、文章画像データに対する補正処理の逆変換に相当する第1の補正処理に加えて、撮像部11が備える撮像素子の位置と投影部13が備える投影素子の位置との違いを補償する第2の補正処理を投影画像データに施す構成を採用してもよい。ここで、第2の補正処理は、例えば、投影部13によって紙面20に投影したパターンを撮像部11によって撮像したとき、そのパターンが撮像画像において所定の位置を占めるようにする補正処理である。なお、投影画像データに対して第2の補正処理を施す構成の代わりに、撮像部11及び/又は投影部13を機械的に変位させる構成、又は、文章画像データに対して第2の補正処理の逆変換に相当する補正処理を施す構成を採用し、同様の効果を得るようにしてもよい。また、撮像部11の撮像素子の光軸が投影部13の投影素子の光軸と一致する光学設計がなされている場合には、第2の補正処理を省略することができる。
(コメント投影装置の処理)
続いて、コメント投影装置2の処理の流れについて、図11を用いて以下に説明する。
図11は、コメント投影装置2の処理の流れを示すフローチャート図である。なお、各処理における詳細な説明は、後述する。
まず、撮像部11が、紙面20に印刷された文章を撮像することによって、補正前文書画像データを生成すると共に、生成した補正前文章画像に対して補正処理を施すことによって、補正後文章画像データ(以下、単に「文章画像データ」と記載)を生成する(ステップS101)。そして、撮像部11は、生成した文章画像データを、通信部12および制御部10へと出力する。通信部12は、取得した文章画像データをコメント入力装置3に送信し、コメント入力装置3からコメントデータを受信する。そして、通信部12は、受信したコメントデータを制御部10へと出力する。
次に、文章データ解析部101が、制御部10に入力された文章画像データを取得する。文書データ解析部101は、取得した文章画像データを解析し、画像処理方法決定部103の処理に必要な文書画像解析情報を算出する(ステップS102)。また、文書データ解析部101は、算出した文書画像解析情報を画像処理方法決定部103へと出力する。
続いて、コメントデータ解析部102が、制御部10に入力されたコメントデータを取得する。コメントデータ解析部102は、取得したコメント画像データを解析し、画像処理方法決定部103の処理に必要なコメント解析情報を算出する(ステップS103)。また、コメントデータ解析部102は、算出したコメント解析情報を画像処理方法決定部103へと出力する。
次に、画像処理方法決定部103が、文章データ解析部101から取得した文書画像解析情報と、コメントデータ解析部102から取得したコメント解析情報とに基づき、受信したコメントデータに施す画像処理の方法を決定する。そして、画像処理方法決定部103は、決定した画像処理の方法を指定する画像処理方法指定情報を投影画像生成部104へ出力する。
次に、投影画像生成部104が、制御部10に入力されたコメントデータを取得する。投影画像生成部104は、コメント画像を表すコメントデータに対して、画像処理方法指定情報に従った画像処理を施すことによって、投影画像を表す補正前投影画像データを生成する(S105)。また、投影画像生成部104は、生成した補正前投影画像データを投影部13へと出力する。
次に、投影部13は、文章画像データに施す補正処理の逆変換に相当する補正処理を補正前投影画像データに施すことによって、補正後投影画像データを生成する。そして、投影部13は、補正後投影画像データが表す投影画像を紙面20に投影する(S106)。
(ステップS101の詳細)
以下に、ステップS101において、撮像部11が文書画像データを取得する処理の詳細について説明する。
上述したとおり、撮像部11は、紙面20に印刷された文章を撮像することによって、補正前文書画像データを生成すると共に、生成した補正前文章画像に対して補正処理を施すことによって、補正後文章画像データ(以下、単に「文章画像データ」と記載)を生成する。撮像部11としては、デジタルカメラを使用する。
撮像部11は、紙面20が画角内に存在する場合に撮像処理を実行する。撮像処理の実行の仕方としては、以下のような方法が挙げられる。
(1)使用者によって紙面20が撮像部11の画角内に配置された後、常時又は定期的(例えば10秒毎)に撮像処理を実行する。
(2)使用者によってコメント投影装置2が備えている制御スイッチ15が押下された時点で撮像処理を実行する。
(3)撮像部11が備える画像処理回路によって紙面20が画角に収まったことが検知された時点で撮像処理を実行する。
続いて、補正前文書画像データから補正後文書画像データを生成する文書画像歪み補正を行うが、前述しているため省略する。
ここで、本ステップの文書画像歪み補正は、撮像部11で処理を行わなくても構わない。後述するS102において、文書データ解析部101で同処理を行なっても良い。その場合、補正後文書画像データを通信部12へ送信する処理は制御部10にて行う。
(ステップS102の詳細)
以下に、ステップS102において、文書データ解析部101が文書画像データを解析する処理の詳細について説明する。
文書データ解析部101は、前述したとおり、文書画像データを取得し、取得した文書画像データが表す文章画像を解析して、画像処理方法決定部103の処理に必要な文書画像解析情報を算出する。
例えば、文書画像全体の明るさに関する文書画像解析情報を算出する場合、文章データ解析部101は、例えば、文書画像データから文書画像全体の平均明度を算出する。文書画像全体の平均明度をBIall、補正後文書画像データ1bの横画素数をIx、縦画素数をIy、座標x,yにおける明度をBI(x,y)とすれば、下記の計算式(1)によって、BIallを求めることができる。
Figure 2015087726
このとき、各画素の明度を求めるBI(x,y)に関しては、画像データのフォーマットにより変わってくるが、一般的な計算処理であり、本技術の内容の本質とは関係が無いため説明は省略する。
また、文書データ解析部101は、文章画像において下地に対応する部分(オブジェクトに対応する部分以外の部分)の明るさを取得するようにしても良い。この場合、例えば、文書データ解析部101は、文書画像全体における明度の分布を示すヒストグラムを作成し、そのヒストグラムにおける最頻値を下地の明度BImodeとしても構わない。文書画像全体の明度の分布を示すヒストグラムの作成、および、そのヒストグラムにおける最頻値の特定には、公知の技術を利用すればよい。
以上により得られたBIall、もしくは、BImodeを、文書の明るさを示す文書画像解析情報の一つとする。
また、文書データ解析部101は、後述する文字、記号、図形等のオブジェクトを抽出する処理を行うことにより、文章画像においてオブジェクトに対応する部分の明るさを求めることができるが、処理の詳細については、本技術の内容の本質とは関係が無いため説明は省略する。
また、例えば、文書データ解析部101が、文書画像全体の色味に関する文書画像解析情報を算出する場合、文書画像データから文書画像全体の平均色相および平均彩度を計算する処理を行えば、文書画像全体の色味を知ることができる。文書画像全体の文書平均色相をHIall、文書平均彩度をSIall、補正後文書画像データ1bの横画素数をIx、縦画素数をIy、座標Ix,Iyにおける色相をHI(x,y)、彩度をSI(x,y)とすれば、下記の計算式(2)、(3)によって、HIall、SIallを求めることができる。
Figure 2015087726
Figure 2015087726
このとき、各画素の色相を求めるHI(x,y)、および、彩度を求めるSI(x,y)に関しては、画像データのフォーマットにより変わってくるが、一般的な計算処理であり、本技術の内容の本質とは関係が無いため説明は省略する。
また、文書データ解析部101は、明度と同様に、文章画像において下地に対応する部分の色味を取得するようにしても良い。この場合、文書データ解析部101は、文書画像全体における色相および彩度の分布を示すヒストグラムを作成し、それらのヒストグラムからそれぞれの最頻値を下地の色相HImode、彩度SImodeとしても構わない。文書画像全体の色相および彩度の分布を示すヒストグラムの作成、および、それらのヒストグラムにおける最頻値を求める処理は一般的なものであり、本技術の内容の本質とは関係が無いため説明は省略する。
以上により得られたHIall、SIall、もしくは、HImode、SImodeを文書の色味を示す文書画像解析情報の一つとする。
また、撮像部11から、補正後文書画像データではなく、補正前文書画像データを取得することにより、紙面20周辺の明度、色味などを解析し、文書画像解析情報を算出しても構わない。この場合、撮像部11は、S101において文書画像歪み補正処理は行わず、補正前文書画像データを文書データ解析部101へと送信する。文書データ解析部101は、補正前文書画像データの歪み補正処理において、文書領域を判別する際に、歪補正を行う前に、文書領域外の領域に対して、上述と同様の手法を用いて文書外平均明度BOall、文書外平均色相HOall、文書外平均彩度SOallや、文書外下地明度BOall、文書外下地色相HOall、文書外下地彩度SOallを算出する。これらを文書領域外の明るさ、色味を示す情報を、文書画像解析情報の一つとしても構わない。
また、文書の明るさや色味を取得するために明度、色相、彩度を用いているが、同様の情報が得られるならば、別の尺度を用いても構わない。
また、例えば、文書上に記載されている文字、記号、図面等のオブジェクトを抽出するために、補正後文書画像データから、画像上に存在する文字、記号、図面等のオブジェクトを検出する処理を行う。例として、前述した文書下地平均明度BImode、色相HImode、彩度SImodeと、補正後文書画像データ1bの全画素それぞれの明度、色相、彩度を比較し、値が違うものを抽出すると、白いところが抽出したオブジェクトに対応する、図12に示すような文章画像を表す文書抽出画像データ60を得ることができる。ここで、文書抽出画像データ60は、白いところは明度が高く、黒いところは明度が低いという画像データであっても構わない。以上により得られた文書抽出画像データ60を、文書画像解析情報の一つとしても構わない。
また、例えば、文書上にかざされている手のひらや、カードなどの、文書に記載されている文字、記号、図面等以外のオブジェクトに関する情報収集として、文書抽出画像データ60から画像上に存在する文字、記号、図面等以外のオブジェクト検出処理を行う。例として文書上に手のひらがかざされた場合をあげると、紙面20を撮像後、撮像部11から出力される補正後文書画像データは、図13に示すようになる。ここで、公知のオブジェクト検出技術を用いて、補正後文書画像データ上にある手のひらの領域を検出し、図14で示されるような、白いところが手のひらであることを示す、手のひら領域検出データ62を取得することができる。ここで、手のひら領域検出データ62の白いところは明度が高く、黒いところは明度が低いという画像データであっても構わない。ここで、手のひらを検出する処理については、本技術の内容の本質とは関係が無いため説明は省略する。また、ここでのオブジェクト検出処理の対象は、手のひらに限らない。
以上により得られた、手のひら領域検出データ62を文書画像解析情報の一つとしても構わない。
(ステップS103の詳細)
以下に、ステップS103において、コメントデータ解析部102がコメント解析情報を算出する処理の詳細について、説明する。
コメントデータ解析部102は、前述したとおり、通信部12から取得したコメントデータが表すコメント画像を解析して、画像処理方法決定部103の処理に必要なコメント解析情報を算出する。
例えば、コメントオブジェクトの明るさに関するコメント解析情報を算出する場合、コメントデータ解析部102は、コメントオブジェクトの平均明度を計算する。前述の文書画像全体の平均明度を求める処理と似ているが、コメントデータ解析部102は、コメント画像全体の平均明度を求めるのではなく、コメント画像においてコメントオブジェクト(文字、記号、図形等)に対応する部分の平均明度を算出する。コメント平均明度をBCall、コメント画像データに描かれているオブジェクトの総画素数をCa、コメントオブジェクトを構成する画素を順番に示す座標Cp(i)、座標Cp(i)における明度をBC(Cp(i))とすれば、下記の計算式(4)によって、コメントデータ解析部102は、BCallを求めることができる。
Figure 2015087726
また、ここで、コメントデータ解析部102が、文書画像解析と同様に色味に関するコメント解析情報を算出するとすれば、下記の計算式(5)、(6)にてコメント平均色相HCall、コメント平均彩度SCallを求めることができる。
Figure 2015087726
Figure 2015087726
なお、計算処理を簡易にするために、文書画像全体の平均明度、色相、照度を求めるときと同様、コメント画像全体に対しての平均明度を求めても構わない。
以上により得られたBCall、HCall、SCallをコメントの明度、色味を示すコメント解析情報の一つとする。
また、ここで、文書の明るさや色味を取得するために明度、色相、彩度を用いているが、同様の情報が得られるならば、別の尺度を用いても構わない。
また、例えば、コメントデータ解析部102は、コメント画像においてコメントが占める面積に関するコメント解析情報を算出する構成を採用しても構わない。この場合、上述したコメントを構成する画素の総数Caをそのままコメントの表示面積として扱っても構わない。このコメント総画素数Caをコメント表示面積を示すコメント解析情報の一つとする。
また、コメントデータが図7に示すように、一つの文書画像データに対して、いくつかのコメント画像データとして別れる場合は、それぞれ、コメント情報解析を行なっても構わない。
(ステップS104の詳細)
以下に、ステップS104において、画像処理方法決定部103が画像処理方法指定情報を算出する処理の詳細について説明する。
画像処理方法決定部103は前述したとおり、文章データ解析部101にて算出された文書画像解析情報と、コメントデータ解析部102にて算出されたコメント解析情報とを取得し、コメント画像データに対して投影画像生成部104が実施する画像処理方法を示す画像処理方法指定情報を算出する。
画像処理方法の一つとして、文書画像の明るさとコメントとの明るさの差異から、ユーザが眩しさを感じていたり、不快感を生じたりしていないか判断し、それを改善するための画像処理方法がある。この画像処理方法を指定する画像処理方法指定情報を、下記の計算式によって算出する。
ユーザが感じる眩しさを定量化した眩しさ指標値をBR、文書平均明度をBIall、コメント平均明度をBCall、コメント総画素数Ca、BRを適切な値として出せるようにするための文書明度補正係数をLBI、コメント明度補正係数をLBCとすれば、下記の計算式(7)によって、画像処理方法決定部103はBRを求めることができる。
また、本実施例において、明度は0〜255の値を取るものとする。明度の算出方法については一般的なものであり、本技術の内容の本質とは関係が無いため説明は省略する。
Figure 2015087726
上述の計算式(7)において、演算子“・”は乗算を意味しているが、補正係数の内容により適切に処理を変えるものとする。例えば、LBIがLUT(Look Up Table)である場合は、BIallを入力とするテーブル処理となる。また、以降の計算式において、演算子“・”が使われている場合は、上記と同じ意味で使われるものとする。
ここで、文書明度補正係数LBI、コメント明度補正係数をLBCは使用する装置の構成により値が変わるものである。例として、文書明度補正係数LBIは、撮像部11に使用するデジタルカメラの性能や設定により変化するが、その性能や設定毎に決定されているものとする。また、コメント明度補正係数LBCは、投影部13に使用するプロジェクタの性能や設定により変化するが、その性能や設定毎に決定されているものとする。
画像処理方法決定部103は、上記計算式(7)を行うことにより、眩しさ指標値BRを算出できる。続いて、画像処理方法決定部103は、このBRが所定の閾値Tbrに収まるように、出力明度補正係数Obrを下記に示す計算式(8)により算出する。
Figure 2015087726
前述したように、上述の計算式において、演算子“・”は乗算を意味しているが、補正係数の内容により適切に処理を変わるものとし、以降同演算子は同じ意味として扱う。また、画像処理方法決定部103は、上記よりも簡易的に出力明度補正係数Obrを算出する処理として、文書平均明度をBIall、コメント平均明度をBCallのみを使用して、下記計算式(9)の簡易眩しさ指標値BRsを算出しても構わない。
Figure 2015087726
続いて、画像処理方法決定部103は、このBRsが所定の閾値Tbrsに収まるように、出力明度補正係数Obrを下記に示す計算式(10)により算出する。
Figure 2015087726
また、このとき、出力明度補正係数Obrを算出する手法は、上記計算式(8)を用いるのではなく、例えば、LUTなどを用いて算出しても構わない。また、出力明度補正係数Obrが、LUTになるようにしても構わない。
また、ここで、コメントデータが図7に示すように、一つの文書画像データに対して、いくつかのコメントデータとして別れる場合、画像処理方法決定部103は、それぞれのコメントデータに対して、上記計算処理を行なっても構わない。
また、画像処理方法決定部103は、明るさ制御を行う判断基準として、計算式(8)のようなObrを算出するだけではなく、前述の画像上に存在する文字、記号、図面等のオブジェクトを検出した結果である、文書抽出画像データと、コメントデータの表示位置とを確認し、文字、記号、図面等のオブジェクトの上に、コメントデータが配置されるような位置関係になっていないか、という手法を使用しても構わない。
具体的には、例えば、画像処理方法決定部103は、下記のように計算することで判断することが可能である。
文書抽出画像データにおいて白く示された部分は、文書における文字、記号、図面等のオブジェクトであることを示しており、画像データの中で明度が高い部分であるということは前述したとおりである。ここで、コメントデータに描かれているオブジェクトの総画素数をCa、オブジェクトが存在している画素を順番に示す座標Cp(i)、座標Cp(i)におけるオブジェクトの明度をBC(Cp(i))、文書抽出画像データにおける明度をBG(Cp(i))とすれば、下記計算式(10.5)にて、オブジェクトとコメントの重なり指標値Bovgを求めることができる。
Figure 2015087726
このBovgの値が大きければ大きいほど、文書のオブジェクトとコメントのオブジェクトの重なり具合が大きく、それぞれが干渉しているため、オブジェクトの視認が阻害されていると判断できる。そこで、画像処理方法決定部103は、このBovgが所定の閾値Tovgを超えないようにするため、下記計算式(10.6)に示される、出力明度補正係数Obrを計算する。
Figure 2015087726
また、ここで、単純に所定のしきい値Tovgをコメントの重なり指標値Bovgが超えた場合、任意の補正値Obrを与えるようにしても構わない。
以上のように算出された出力明度補正係数Obrが、投影画像データを生成する際に必要となる画像処理方法指定情報の一つとなる。
また、ここで、これ以降の画像処理方法指定情報の算出手法については、コメントデータが図7に示されるように、一つの文書画像データに対して、いくつかのコメントデータとして別れている場合の方が都合が良い。
また、画像処理方法の一つとして、文書画像データとコメント画像データの色味の差異から、ユーザーが文書とコメントの色の区別をつけづらくなっていないかを判断し、区別をつけづらい場合は、それを改善するための画像処理方法を後段で行うために、画像処理方法決定部103は、下記の計算を行う。
ユーザが感じる色相の差異による区別のしづらさを定量化した色相差指標値をHR、文書平均色相をHIall、コメント平均色相をHCall、HRを適切な値として出せるようにするための文書色相補正係数をLHI、コメント色相補正係数をLHCとすれば、画像処理方法決定部103は、下記の計算式(11)によってHRを求めることができる。
また、本実施例において、色相は0〜255の値を取るものとする。色相の算出方法については一般的なものであり、本技術の内容の本質とは関係が無いため説明は省略する。
Figure 2015087726
ここで、min()は、カンマで区切られる計算式によって算出された値をそれぞれ比較し、値の小さい方を返すという関数を示す。
また、ここで、文書色相補正係数をLHI、コメント色相補正係数をLHCは、使用する装置の構成により値が変わるものである。例として、文書色相補正係数をLHIは、撮像部11に使用するデジタルカメラの性能や設定により変化するが、その性能や設定毎に決定されているものとする。また、コメント色相補正係数をLHCは、投影部13に使用するプロジェクタの性能や設定により変化するが、その性能や設定毎に決定されているものとする。
上記計算式(11)を行うことにより、画像処理方法決定部103は、色相差指標値HRを算出できる。続いて、画像処理方法決定部103は、このHRが所定の閾値Thrに収まるように、出力色相補正係数Ohrを下記に示す計算式(12)により算出する。
Figure 2015087726
また、このとき、出力明度補正係数Ohrを算出する手法は、上記計算式(12)を用いるのではなく、例えば、LUTなどを用いて算出しても構わない。また、出力色相補正係数OhrがLUTになるようにしても構わない。
また、彩度差指標値をSR、文書平均彩度をSIall、コメント平均彩度をSCall、SRを適切な値として出せるようにするための文書彩度補正係数をLSI、コメント彩度補正係数をLSCとすれば、画像処理方法決定部103は、下記の計算式(13)によってSRを求めることができる。
Figure 2015087726
また、ここで、文書彩度補正係数をLSI、コメント彩度補正係数をLSCは使用する装置の構成により値が変わるものである。例として、文書彩度補正係数をLSIは、撮像部11に使用するデジタルカメラの性能や設定により変化するが、その性能や設定毎に決定されているものとする。また、コメント彩度補正係数をLSCは、投影部13に使用するプロジェクタの性能や設定により変化するが、その性能や設定毎に決定されているものとする。
上記計算式(13)を行うことにより、画像処理方法決定部103は、彩度差指標値SRを算出できる。続いて、画像処理方法決定部103は、このSRが所定の閾値Tsrに収まるように、出力彩度補正係数Osrを下記に示す計算式(14)により算出する。
Figure 2015087726
また、このとき、出力明度補正係数Osrを算出する手法は、上記計算式(14)を用いるのではなく、例えば、LUTなどを用いて算出しても構わない。また、出力彩度補正係数OsrがLUTになるようにしても構わない。
以上のように算出された、この出力色相補正係数Ohr、出力彩度補正係数Osrが投影画像データを生成する際に必要となる画像処理方法指定情報の一つとなる。
また、画像処理方法の一つとして、上述した手法により明るさおよび色味の差異によって文書およびコメントの視認性の低下があると判断された場合、出力するコメントの明るさおよび色味を変更することで対応するのではなく、出力するコメントの表示時間を限定することにより、視認性の低下を防ぐ画像処理方法もある。この画像処理方法の画像処理方法指定情報を算出するために、下記の処理を行う。
例えば、前述の計算式(7)を計算し、その得られた結果が計算式(8)における眩しさ指標値BRが所定の閾値Tbrを超えた場合、コメント表示の視認性が阻害されていると判断し、画像処理方法決定部103は、コメントの表示を開始してから、ある所定の閾値Ttime秒後にその明るさを0にするようにObrを設定し、コメントの表示を止める処理を行う。
このとき、コメント表示時間の計測に関しては、画像処理方法決定部103にて行なっても構わないし、制御部10に備えられている図1にて図示していない装置制御部で行ない、その結果のみ画像処理方法決定部103が取得するようにしても構わない。
また、画像処理方法決定部103は、表示時間を限定するのではなく、コメント表示の明るさを補正していないコメントを表示する時間を限定するようにしても良い。具体的には、上記と同様に視認性が阻害されていると判断したら、コメントの表示を開始してから、ある所定の閾値Ttime秒後にその明るさを0にするようにObrを設定するのでは無く、閾値Ttime秒後に計算式(8)のObrになるようにしても構わない。
また、この時、コメント表示時間の限定を、逆に最初は表示せず、ある所定の閾値Ttime秒後経過したら表示を開始するようにObrを処理しても構わない。
また、上記のコメント表示時間の処理は、コメントの色味の差異が無いことによる視認性が阻害の処理(計算式(11)〜(14))に対して行われても構わない。
また、画像処理方法の一つとして、上述した手法により明るさが極端に違うことおよび色味の差異が無いことによって、文書およびコメントの視認性の低下があると判断された場合、出力するコメントの明るさを低下、もしくは、色味を変更することで対応するのではなく、出力するコメントの表示位置を限定することも可能である。このように視認性の低下を防ぐ画像処理方法の画像処理方法指定情報を算出するために、下記の処理を行う。
ここでは、計算式(7)を計算し、その得られた結果が計算式(8)における眩しさ指標値BRが所定の閾値Tbrを超えた場合、文書およびコメント表示の視認性が阻害されていると判断し、コメントの表示位置を当初の表示位置と違う場所に表示するようにすることで問題を解決する。
前述したように、文書抽出画像データは画像上に存在する文字、記号、図面等のオブジェクトを検出した結果であり、計算式(10.5)を用いることにより、文書とコメントとの重なり具合を検出することができる。例えば、この重なり指標値Bovgが所定のしきい値Tovgを超えていた場合、コメント画像の表示位置を変更するように、コメント画像の表示位置補正を行うようにすれば、視認性の低下を防ぐことができる。
このとき、コメント画像の変更先表示位置については、例えば、文書の文字、記号、図面等のオブジェクトの配置密度が低いところでも構わないし、コメント投影装置2において、文書外の領域に対して、投影部13で画像を投影しても構わない。また、コメントの移動元から移動先への相関関係がわかるように、移動先から移動元への矢印を表示するようにしても構わないが、詳細な手法に関しては、本技術の内容の本質とは関係が無いため説明は省略する。
出力時のコメントの位置を補正するための、出力水平位置補正量をOdpx、出力垂直位置補正量Odpyとすると、当初のコメントの水平表示位置PCx、垂直表示位置をPCy、移動先の水平表示位置QCx、垂直表示位置をQCyとすれば、OdpxとOdpyは下記計算式(14.5)、(14.6)にて計算することができる。
Figure 2015087726
Figure 2015087726
以上のように算出された、この出力水平位置補正量をOdpx、出力垂直位置補正量Odpyが、コメント画像データを生成する際に必要となる画像処理方法指定情報の一つとなる。
また、上述した画像処理方法により、明るさが極端に違うことおよび色味の差異が無いことによる文書およびコメントの視認性の低下があると判断された場合、出力するコメントの明るさを低下、もしくは、色味を変更することで対応するのではなく、文書上にかざされている手のひらやカードなどの、文書に記載されたオブジェクト以外のオブジェクトに、出力するコメント画像の表示位置を限定することも可能である。このような視認性の低下を防ぐ補正処理を行うために下記の処理を行う。
ここでは、ステップS102において生成した、手のひら領域検出データを使用する。
前述したように、手のひら領域検出データは、文書上にかざされている手のひらやカードなどの、文書に記載されたオブジェクト以外のオブジェクトを検出した画像データであり、その一例である図14に示す白いところが、文書に記載されたオブジェクト以外のオブジェクトが存在している領域である。
本実施形態では、白いところは明度が高い領域であるとしているが、その明度値を、出力する投影画像を表示するか否かを判別する、画像の透過値として使用することができる。例えば、明度値の関係をそのまま透過値に変換する場合、図14に示すような、明度値の高い手のひらの領域は透過値も高くなり、一方明度値の低いそれ以外の領域は透過値も低くなる。この透過値をコメント画像データの生成時に適用させることで、図15に示すような透過値の高い箇所である手のひらのみに コメント画像を出力することができる。
このようなコメント投影方法を取ることにより、文書とコメント画像の表示箇所を明確に分けることが出来るため、文書およびコメント画像の視認性の低下を防ぐことができる。
以上に示してきた画像処理方法に関しては、すべて実施しても構わないし、選択的に実施しても構わない。この場合、画像処理方法を選択する手段は、例えば、前述の制御スイッチ15に、画像処理方法を選択する個別のスイッチを用意するようにしても構わない。また、制御部10において自動的に画像処理方法を選択する処理を設けても構わない。また、コメント入力装置3において、画像処理方法を選択するための機能を実装しても構わない。また、コメントデータに含まれている重要度を判断基準として実施するとしても構わない。以上に述べた、画像処理方法を選択する手段については、本技術の内容の本質とは関係が無いため説明は省略する。
(ステップS105の詳細)
以下に、ステップS105において、投影部13が、紙面20に投影するための投影画像データを、投影画像生成部104が生成する処理の詳細について、説明する。
投影画像生成部104は、前述したとおり、画像処理方法決定部103から取得したコメント画像データと画像処理方法指定情報を元に、紙面20に投影する投影画像データを生成する。
本ステップでは、画像処理方法決定部103から取得する画像処理方法指定情報に従って、コメント画像データに対して画像処理を行う。
まず、コメント画像データの明るさに対する画像処理を示す画像処理方法指定情報として、出力明度補正係数Obrが与えられている場合、投影画像生成部104は、コメント画像データ内のオブジェクトが存在している画素を順番に示す座標Cp(i)、座標Cp(i)における明度をBC(Cp(i))、出力されるコメントを構成するオブジェクトの各画素BO(Cp(i))、入力された値が0〜255の範囲を逸脱する場合にその範囲に値が収まるように処理する関数をClip()とすれば、出力されるコメント画像の各画素の明度は、下記計算式(15)により算出される。
Figure 2015087726
同様に、コメント画像データの色相に対する画像処理を示す画像処理方法指定情報として、出力色相補正係数Ohr、出力彩度補正係数Osrが与えられている場合、コメントオブジェクトが存在している画素を順番に示す座標Cp(i)、座標Cp(i)における色相をHC(Cp(i))、出力されるコメントを構成するオブジェクトの各画素の色相HO(Cp(i))、入力された値が0〜255の範囲を逸脱する場合にその範囲に値が収まるように処理する関数をClip()とすれば、出力されるコメント画像の各画素の色相は、下記計算式(16)により算出される。
Figure 2015087726
同様に、コメントデータの彩度に対する画像処理を示す画像処理方法指定情報として、出力彩度補正係数Osr、出力彩度補正係数Osrが与えられている場合、コメントオブジェクトが存在している画素を順番に示す座標Cp(i)、座標Cp(i)における彩度をSC(Cp(i))、出力されるコメントを構成するオブジェクトの各画素の彩度SO(Cp(i))、入力された値が0〜255の範囲を逸脱する場合にその範囲に値が収まるように処理する関数をClip()とすれば、出力されるコメント画像の各画素の彩度は、下記計算式(17)により算出される。
Figure 2015087726
上述の計算式(15)〜(17)において、演算子“・”は乗算を意味しているが、補正係数の内容により適切に処理を変わるものとする。例えば、ObrがLUTである場合は、BC(Cp(i))が入力で、BO(Cp(i))が出力されるテーブル処理となる。
同様に、コメントデータの表示位置に対する画像処理を示す画像処理方法指定情報として、出力水平位置補正量をOdpx、出力垂直位置補正量Odpy、当初のコメントの水平表示位置PCx、垂直表示位置をPCyが与えられている場合、コメントオブジェクトの最終表示位置を示す出力水平位置をPOx、出力垂直位置をPOyとすれば、出力されるコメント画像の表示位置は下記計算式(17.5)、(17.6)により計算される。
Figure 2015087726
Figure 2015087726
投影画像生成部104は、以上のような画像処理をコメント画像データに対して行うことにより、図8に示されるような投影画像データを生成することができる。
(ステップS106の詳細)
以下に、ステップS106において、投影部13が紙面20にコメント画像を投影する処理の詳細について、説明する。
まず、投影部13は、制御部10から取得した投影画像データを、紙面20に投影するために、画像の歪み補正処理を行い、投影画像データから補正後コメント画像データを生成する。処理の詳細については、前述しているため省略する。
続いて、補正後コメント画像データを文書上に投影する処理を行う。本実施形態ではプロジェクタを使用し、その映像投影範囲が紙面20全体を投影範囲に含めるようにコメント投影装置2に設置されており、取得した補正後投影画像データを常に投影し続ける処理を行う。
以上で述べた実施形態における処理の一部、例えば、撮像部11における文書歪み補正処理や、例えば、投影部13におけるコメント画像歪み補正処理などの処理は、制御部10の、文書データ解析部101、投影画像生成部104にて処理を行なっても良い。
このように、本実施形態におけるコメント投影装置2は、紙面20上にコメント画像を投影する際に、紙面20に記載されているオブジェクトと、投影するコメント画像のオブジェクトとの明るさの差を抑えることが可能となる。したがって、コメント投影装置2は、紙面20に記載されている文書と、投影するコメント画像の明るさの差が大きすぎて、文書が見づらくなることを防ぐことができる。
また、紙面20上にコメント画像を投影する際に、紙面20に記載されている文書と、投影するコメント画像の色味の差が無くなることを抑えることが可能となる。したがって、コメント投影装置2は、紙面20に記載されている文書と、投影するコメント画像の色味の差が少なすぎて、文書が見づらくなることを防ぐことができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態におけるコメント投影装置2では、コメント画像に対して実施する画像処理の方法は、撮像部11における文書画像データの解析から取得した文書画像解析情報と、通信部12から取得したコメント画像データの解析から得られたコメント解析情報を元に算出される。本実施形態では、事前に与えられている、もしくはコメント投影装置2を動作させる過程で取得する文書画像データやコメント画像データ等を記憶、読み出しを行えるようにする。そして、文書画像データやコメントデータ等を記憶、読み出しすることにより、第1の実施形態に示した手法では得ることの出来ない新たな情報を得ることが可能となる。本実施形態について、図16〜19及び図21〜23を用いて、説明する。
図16は、本実施形態におけるコメント投影装置2の構成を示す概略ブロック図である。また、ここで、前述したとおり、第1の実施形態において同じ符号を付している構成は同様のものであるとして説明は省略する。
本実施形態におけるコメント投影装置2の構成は、文書データ解析部101、コメントデータ解析部102、および画像処理方法決定部103が、前述のとおり、事前に与えられている、もしくは装置を動作させる過程で取得する文書画像データやコメントデータ等を記憶、読み出しを行えるようにするために、各種データを記憶しておくデータベース部(蓄積手段)105に接続されている。
データベース部105は、各種データを記憶、また読み出しが可能な機能を有する。ここで、本実施形態における各種データとは、撮像部11より出力される文書画像データと、通信部12より出力されるコメント画像データと、文書データ解析部101より出力される文書画像解析情報と、コメントデータ解析部102より出力されるコメント解析情報と、画像処理方法決定部103より出力される画像処理方法指定情報を指すものとする。
このデータベース部105を備えることにより、撮像部11において取得した文書画像データが、既にデータベース部105にて記憶されている場合、文書データ解析部101、コメントデータ解析部102、および画像処理方法決定部103は、その文書画像データを解析した結果である文書画像解析情報、その文書画像データに関わりのあるコメント画像データ、コメント解析情報、および画像処理方法指定情報を、データベース部105より読み出すことができる。したがって、新たに通信部12からコメントデータを受信する必要がなくなり、また、コメントデータを解析する必要もなくなる。また、保存されているそれらデータに基づいて、画像処理方法決定部103が画像処理方法指定情報を算出することで、コメント画像データに対してより高度な画像処理を行えるようになり、コメント画像の投影に伴う文書及びコメント画像の視認性の低下という課題を、実施形態1で述べたコメント投影装置2より、高度に処理することが可能となる。
(データベース部105に記憶するデータのフォーマット)
続いて、データベース部105に記憶するデータのフォーマットについて図17〜19、及び図21を用いて説明する。なお、各データにおける管理IDについては、後述する。
図17は、本実施形態における文書データ30のデータ内部構成例を示した表である。本実施形態においては、データベース部105に文書画像データを記憶する際に、図17に記載しているような文書データ30を画像データに付加して記憶することで、データの管理を容易にさせることができる。続いて、それぞれのデータについて説明する。
文書データID301は、文書データ30に割り当てられたユニークな番号であり、文書データ30を区別するために使用される。
文書データ取得日時302は、文書データ30が作成された日時を示す。
文書画像データ303は、文書データ30に紐付いている実際の文書画像データである。
図18は、本実施形態におけるコメントデータ31のデータ内部構成例を示した表である。本実施形態においては、データベース部105にコメント画像データを記憶する際に、図18に記載しているようなコメントデータ31をコメント画像データに付加して記憶することで、データの管理を容易にさせることができる。続いて、それぞれのデータについて説明する。
コメントデータID311は、コメントデータ31に割り当てられたユニークな番号であり、コメントデータ31を区別するために使用される。ここで、コメントデータ31は文書データ30に対して1対1とは限らず、図7において説明したように、コメントデータ31の方が多くなることもある。
コメントデータ取得日時312は、コメントデータ31が作成された日時を示す。
コメント画像データ313は、コメントデータ31に紐付いている実際のコメント画像データである。ただし、このコメントデータ31は、一般的なビットマップ形式の画像でも良いし、ベクタ形式の画像でも良いし、丸や三角などといった記号や、テキストの文字列の表示位置やサイズを指定して表示する画像でも良い。
コメント表示領域314は、コメントデータ31のコメント画像データ313を表示する位置を指定する。
コメント表示色315は、コメントデータ31のコメント画像データ313を表示する際の表示色を指定する。コメント画像データ313自体に表示色が指定されていても良いが、コメント表示色315で指定することにより、表示色をさらに制御できるようにする。
コメント重要度316は、コメントデータ31の重要度を指定する。
コメント表示時間317は、コメントデータ31のコメント画像データ313を表示する際の表示時間を指定する。表示時間は、最初表示せずに一定時間経過後表示されるような指定方法でも良いし、逆に最初表示されており一定時間経過後表示されなくなるような指定方法でも良いし、ある一定間隔で表示されたり、表示されなくなったりを繰り返すような指定方法でも良いし、また、それらを複合した指定方法でも良い。
図19は、本実施形態における文書画像解析情報データを示すコメント表示手法指示データ32のデータ内部構成例を示した表である。本実施形態においては、データベース部105に記憶されているコメントデータ31に対して、投影画像生成部104が画像処理を実施し、投影部13へ出力する投影画像データを生成する。その際の画像処理の内容を記憶することにより、データの管理を容易にすることができる。続いて、それぞれのデータについて説明する。
コメント表示手法指示データID321は、コメント表示手法指示データ32に割り当てられたユニークな番号であり、コメント表示手法指示データ32を区別するために使用される。
コメント表示手法指示データ取得日時322は、コメント表示手法指示データ32が作成された日時を示す。
対象コメントデータIDは、コメント表示手法指示データID321が示す画像処理を実施する対象のコメントデータのコメントデータIDである。
輝度補正値324は、コメント画像データに実施する輝度補正の値である。
色度補正値325は、コメント画像データに実施する色度補正の値である。
表示時間補正値326は、投影部13が、コメント画像を表示する時間である。
表示領域補正値327は、投影部13が、コメント画像を表示する領域を示す値である。
次に、管理ID3aについて、説明する。
データベース部105は、記憶するデータに管理ID3aを付与して記憶している。例えば、文書データ解析部101は、文書データを取得すると、取得した文書データと一致する文書データがデータベース部105に記憶されているか否かを検索する。取得した文書データに一致する文書データが記憶されている場合、文書データ解析部101は、一致した文書データの管理ID3aを取得する。一方、取得した文書データと一致する文書データが記憶されていない場合、文書データ解析部101は、取得した文書データに新たな管理ID3aを付与し、データベース部105に記憶する。
(制御部10の構成)
次に制御部10の各構成部について説明する。
ここで、以下の説明において、本装置内における各構成部間でのデータ通信の手法についての詳細に関しては、本技術の内容の本質とは関係が無いため説明は省略する。
文書データ解析部101は、文書画像データを入力とする。文書データ解析部101は、文書画像データを取得すると、データベース部105にアクセスし、取得した文書画像データと、データベース部105の内部に記憶されている文書データとを照らし合わせる。取得した文書画像データが、参照した文書データの文書画像データと一致するかを解析(データマッチング)する。取得した文書画像データが、データベース部105に記憶されていない場合、文書データ解析部101は、管理IDを生成し、生成した管理IDをコメントデータ解析部102に出力する。また、取得した文書画像データを、生成した管理IDと紐付け、データベース部105に記録する。一方、入力された文書画像データと一致する文書画像データがデータベース部105に記憶されている場合は、文書データ解析部101は、文書画像データの管理IDをコメントデータ解析部102に出力する。
また、このとき、文書データ解析部101がデータベース部105にアクセスする処理以外については、実施例1における処理と同様であるため説明は省略する。
コメントデータ解析部102は、実施例1におけるコメントデータ解析部102の入力情報に加え、前述の管理IDを入力とする。新たに取得した管理IDがある場合、コメントデータ解析部102は、データベース部105から、取得した管理IDに含まれるコメントデータIDと同じコメントデータIDをもつコメントデータの探索を行う。そして、既存のコメントデータがある場合は、新たに取得したコメント画像データをコメントデータ31のコメント画像データ313に重ねる形で追加する。または、新たなコメントデータIDを持つ新規コメントデータを追加し、データベース部105に記憶させる。既存のコメントデータがない場合は、外部から入力されたコメントデータを新規コメントデータとして、文書データ解析部101から取得した管理IDと同じ管理IDをコメントデータに割り当て、データベース部105に新規登録を行った後、管理IDを画像処理方法決定部103に出力する。
ここで、実施形態1において説明したコメント画像データについて、本実施形態における補足説明をする。
実施形態1において説明した、図6および7に示すコメント画像データ54、55a、55b、55cは、コメント自体の画像データだけではなく、コメント入力装置3にて各コメントを作成した際に付与される、表示色、重要度、表示時間、等のパラメータを同時に持つコメント画像データとしても構わない。
また、コメント画像データ54、55a、55b、55cは、画像データではなく、支点、角度、サイズ等で指示される図形オブジェクトや、文字列、フォント、色などで指示されるテキストオブジェクトの表示位置をそれぞれ指示することで、画像と同様のコメント表示ができるようなオブジェクトデータとしても構わない。
また、コメントデータ解析部102がデータベース部105にアクセスする処理以外については、実施形態1における処理と同様であるため説明は省略する。
画像処理方法決定部103は、実施形態1における画像処理方法決定部103の入力情報に加え、コメントデータ解析部102を経由して取得する管理IDを入力とする。また、画像処理方法決定部103は、データベース部105から、管理IDに対応する文書データおよびコメントデータを読み出す。そして、画像処理方法決定部103は、読みだしたコメントデータに対して、投影画像生成部104が実施する画像処理方法を示す画像処理方法指定情報を算出する。画像処理方法決定部103は、取得したコメントデータおよび算出した画像処理方法指定情報を、投影画像生成部104に出力する。
このとき算出される画像処理方法指定情報は、文書画像解析情報や、コメント解析情報、およびデータベース部105から取得する情報に基づいて算出される。また、画像処理方法決定部103がデータベース部105にアクセスする処理以外については、実施例1における処理と同様であるため説明は省略する。
投影画像生成部104については、実施例1における処理と同様であるため説明は省略する。
データベース部105は、文書データ30と、コメントデータ31と、をデータベースとして記憶する装置である。さらに、このデータベース部105は、あらかじめ用意された文書データ30と、コメントデータ31と、を記憶していても構わず、記憶している情報は外部から自由に読みだすことができる。
各データを記憶する際、データベース部105は、記憶するデータの種別が分かるように、そのデータが、文書データ30か、コメントデータ31か、を示すデータ種別情報を合わせて記憶しても構わない。
このとき、データベース部105に複数の情報を合わせて記憶するデータのフォーマットついて図面を用いて説明する。
図21は、本実施形態におけるデータベース部105に記憶されているデータ33のフォーマットを示す。
図21において、データベース部105に記憶されているデータ33は、管理ID3aと、データ種別情報3bと、コンテンツ情報とから構成されている。ここで管理ID3aとは、データベース部105が記憶する各データの管理IDを示す。データ種別情報3bとは、データ33に含まれるコンテンツ情報が、文書データ30、あるいはコメントデータ31のいずれかを示す情報である。コンテンツ情報とは、文書データ30、あるいはコメントデータ31のいずれかである。
また、データベース部105は、内部に記憶している文書データ30とコメントデータ31とに対し、各情報に対応関係がある場合、その対応関係を紐付き情報として、記憶しても構わない。各データに対する紐付き情報の一例として、関連のある文書データ30と、コメントデータ31に、同じ番号の管理ID3aを付与しても構わない。例えば、所定の文書データ30を参照して作成したコメントデータ31がある場合は、該当する文書データ30と、コメントデータ31に、同じ管理ID3aを付与しても構わない。
撮像部11と、通信部12と、投影部13については、実施形態1における処理と同様であるため、説明は省略する。
続いて、本実施形態におけるコメント投影装置2aの処理の流れについて、図22および図23を用いて以下に説明する。図22および図23は、コメント投影装置2の処理の流れを示すフローチャート図である。
まず、S101の処理については、実施例1と同様であるため説明は省略する。
(ステップS102a 文書データの解析)
次に文書データ解析部101における文書データの解析についての詳細を説明する。
文書データ解析部101は前述したとおり、実施形態1で説明した文書データ解析部101の処理に加え、新たに撮像部11より取得した文書画像データを、データベース部105に保存されている文書データと比較し、すでに記憶されている文書画像データであるか否かを判断する。なお、実施形態1で説明した文書データ解析部101の処理については前述しているので説明は省略する。
まず、文書データ解析部101は、撮像部11から取得した文書画像データと、データベース部105に記憶されている文書データとの比較処理を行う(ステップS1021、文書画像データとのマッチング)。なお、ステップS1021の具体的な処理については、非特許文献1に示されるような手法を用いる。
文書データ解析部101は、比較結果から、データベース部105に、取得した文書画像データがあるか否かを判定する(ステップS1022)。
取得した文書画像データが、データベース部105に記憶されているデータと一致した場合(S1022:Yes)、文書データ解析部101は、マッチングした文書データに記憶されている管理IDを、後段のコメントデータ解析部102へと出力する(ステップS1023、該当管理ID取得)。
一方、取得した文書画像データが、データベース部105に記憶されているデータと一致しなかった場合(S1022:No)、文書データ解析部101は、新たな管理IDを、取得した文書画像データに割り当て(ステップS1024、新規管理ID割り当て)、取得した文書画像データを記憶するための文書データを作成する。また、文書データ解析部101は、新たに作成した文書データを、新規の文書データとしてデータベース部105に記憶する(S1025新規文書データ作成)。そして、割り当てた管理IDを、後段のコメントデータ解析部102へと出力する。このとき、割り当てられた管理IDは、制御部10内でユニークな識別子を持つIDとなる。
(ステップS103a コメントデータの取得)
以下に、コメントデータ解析部102が、コメントデータを取得する処理の詳細について、説明する。
コメントデータ解析部102は、前述したとおり、実施形態1で説明したコメントデータ解析部102の処理に加え、文書データ解析部101から取得した管理IDを元に、取得した文書データに関連するコメントデータを、データベース部105より抽出してくる機能を有する。実施形態1で説明したコメントデータ解析部102の処理については前述しているので説明は省略する。
まず、コメントデータ解析部102は、文書データ解析部101から取得した管理IDと同じ管理IDを持つコメントデータを、データベース部105に記憶されているか否か検索する(ステップS1031、コメントデータの検索)。
そして、コメントデータ解析部102は、検索結果から、データベース部105に該当する管理IDを持つコメントデータはあるか否かを判定する(ステップS1032、コメントデータ検索結果確認)。
取得した管理IDと同じ管理IDを持つコメントデータが見つかった場合(S1032:Yes)、コメントデータ解析部102は、そのまま取得した管理IDを、後段の画像処理方法決定部103に出力する。
一方、取得した管理IDと同じ管理IDを持つコメントデータが見つからなかった場合(S1032:No)、新たなコメントデータを作成するために、コメント画像データを取得する(ステップS1033、コメント画像データの取得)。
S1033を具体的に説明すると、本処理では制御部10と繋がっている通信部12から、コメント画像データを取得する処理を行う。通信部12は、事前に撮像部11から文書画像データを受け取っており、取得した文書画像データをコメント入力装置3に送信する。コメント入力装置3は、図5に示すように、受信した文書画像データに対してユーザが付加したコメントを取得する。そして、コメント入力装置3は、付加されたコメントをコメントデータへと変換し、通信部12に送信する。通信部12は、受信したコメントデータを、制御部10に出力する。コメント入力装置3で行う処理については、一般的なものであるため詳細についての説明は割愛する。
通信部12よりコメントデータを取得したコメントデータ解析部102は、新規コメントデータとして管理IDを割り当て、データベース部105に記憶する(S1034、新規コメントデータを記憶)。
コメントデータを保存する処理を行うタイミングは、実施形態1のステップS101で述べた文書画像データの取得により、新たな文書データが取得された時となる。
そして、コメントデータ解析部102は、割り当てた管理IDを後段へと送信する。
(ステップS104a コメントの表示手法決定)
以下に、画像処理方法決定部103処理についての詳細を説明する。
画像処理方法決定部103は、前述したとおり、実施例1で説明した画像処理方法決定部103の処理に加え、コメントデータ解析部102から取得した管理IDを元に、データベース部105に記憶しているコメント表示手法指示データと、画像処理方法決定部103にて紙面20に重畳するコメントデータの表示方法を決定し、コメントデータ31と画像処理方法指定情報を後段へと渡す機能を有する。
まず、画像処理方法決定部103は、コメントデータ解析部102から取得した管理ID3aと同じ管理ID3aを持つ、データベース部105に記憶されているコメント表示手法指示データ32を検索する(S1041表示手法指示データ検索)。
S1041において、コメントデータ解析部102から取得した管理ID3aと同じ管理ID3aを持つ、データベース部105に記憶されているコメント表示手法指示データ32が見つかった場合(S1041:Yes)、画像処理方法決定部103は、該当のコメント表示手法指示データ32を取得する(ステップS1043)。
一方、S1041において、コメントデータ解析部102から取得した管理ID3aと同じ管理ID3aを持つ、データベース部105に記憶されているコメント表示手法指示データ32が見つからなかった場合(S1041:No)、画像処理方法決定部103は、新たにコメント表示手法指示データ32を作成する(ステップS1044)。このとき、画像処理手法決定部103は、コメント表示手法指示データ32の管理ID3aフィールドに取り扱う管理ID3aを入力する。また、このとき、画像処理手法決定部103は、取り扱う管理ID3aに紐付けられているコメントデータ31が複数存在する場合は、それぞれのコメントデータ31で個別のコメント表示手法を行えるように、コメント表示手法指示データ32同じ数だけ作成し、対象コメントデータID323フィールドに該当のコメントデータID311を紐付けしておく。
続いて、画像処理手法決定部103は、取り扱う管理ID3aと同じ管理ID3aを持つコメントデータ31をデータベース部105より取得する(ステップS1046)。
そして、画像処理手法決定部103は、得られた文書画像解析情報データとコメントデータ31を元に、コメント表示手法指示データ32を修正する(ステップS1047)。
S1047を具体的に説明すると、例えば、画像処理手法決定部103は、コメント画像の輝度値を制御することで紙面20と重畳表示するコメント画像のコントラスト差を低減させても構わない。この場合、画像処理手法決定部103は、文書データ解析部101にて解析済みの文書データの明るさと、コメントデータのオブジェクトの出力時想定輝度を比較し、そのコントラストが、第1の所定の閾値T1に収まるようにコメントデータの輝度値を低減させるようなコメント表示手法指示データ32を生成する。
続いて、画像処理手法決定部103は、コメント表示手法を修正する対象のコメントデータ31、もしくは、コメント表示手法指示データ32が残っていないかを判定する(ステップS1048)。
ステップS1048において、コメント表示手法を修正する対象のコメントデータ31、もしくは、コメント表示手法指示データ32が残っていないと判定された場合(ステップS1048:Yes)、画像処理手法決定部103は、処理が完了したコメントデータ31、および、コメント表示手法指示データ32を後段の投影画像生成部104へと送信する。
一方、ステップS1048において、コメント表示手法を修正する対象のコメントデータ31、もしくは、コメント表示手法指示データ32が残っていると判定された場合(ステップS1048:No)、画像処理手法決定部103は、ステップS1046の処理に戻る。
なお、ステップS105、およびステップS106の処理については、実施形態1と同様であるため説明は省略する。
このように、本実施形態におけるコメント投影装置2は、データベース部105を備えることにより、事前に与えられている、もしくは、コメント投影装置2の処理の過程において取得する文書データやコメントデータ等を参照し、画像処理方法決定部103における処理に使用することで、より高度に文書、およびコメントの視認性低下に対する補正を行うことができる。
(第3の実施形態)
上述の実施形態で述べたコメント投影装置2では、コメントの表示手法決定の処理は、撮像部11における文書データの解析から得られた文書画像解析情報と、コメントデータ解析部102におけるコメントデータの解析から得られたコメント解析情報を元に判断するようにしている。
本実施形態では、図24に示すように、コメント投影装置2の周辺環境の情報を収集するために、コメント投影装置2に各種センサーを備えた環境情報取得部(測定手段)14を備えることにより、文書画像解析情報、およびコメント解析情報からだけでは得ることができない、新たな情報を得ることが可能となる。
環境情報取得部14は、コメント投影装置2において、各種センサーが情報を収集できる場所に取り付けられている。その場所は、コメント投影装置2の横であっても構わないし、上部であっても構わないし、コメント投影装置2から離されて設置されていても構わない。コメント投影装置2の周辺の情報を取得することができ、その情報を制御部10へ送信する経路を備えていれば、設置する場所については問わない。
この、環境情報取得部14から得ることができる、コメント投影装置2周辺環境の情報を、実施形態1で述べた実施形態の画像処理方法決定部103の処理に追加することで、より高度なコメント出力画像の補正処理を行えるようになり、文書とコメントとの重畳表示に伴う視認性の低下という課題を、実施形態1で述べた実施形態より高度に処理することが可能となる。本実施形態について、図20、および図24〜26を用いて、説明する。
図25は、本実施形態におけるコメント投影装置2の構成を示す概略ブロック図である。また、ここで、前述したとおり、前述した実施形態において同じ符号を付している構成は同様のものであるとして説明は省略する。
前述のとおり、新たにコメント投影装置2周辺環境の情報を取得する処理を行う構成部である環境情報取得部14があり、そこからの情報が制御部10に備わる画像処理方法決定部103へと渡される。
環境情報取得部14は、コメント投影装置2の周辺の各種情報をその構成部に備えるセンサーにより収集し、制御部10に送信する機能を有する。ここで、本実施形態において各種情報とは、コメント投影装置2周辺の「明るさ」「色味」「温度」「音声」に関するものであり、それぞれセンサーを備えることにより取得可能なものとする。
「明るさ」「色味」の情報を得るためのセンサーは、例えば、光電管を用いたセンサーを用いても構わないし、実施形態1、および、本実施形態において撮像部にて使用しているようなデジタルカメラを用いても構わない。コメント投影装置2周辺の「明るさ」「色味」の計測することができ、その情報を制御部10へ送信することが可能なセンサーであれば、計測の手法は問わない。
「温度」の情報を得るためのセンサーは、例えば、半導体温度センサーを用いても構わないし、赤外線カメラを使用しても構わない。コメント投影装置2周辺の「温度」の計測することができ、その情報を制御部10へ送信することが可能なセンサーであれば、計測の手法は問わない。
「音声」の情報を得るためのセンサーは、例えば、アナログマイクを使用しても構わないし、半導体マイクを使用しても構わない。コメント投影装置2周辺の「音声」の計測することができ、その情報を制御部10−3へ送信することが可能なセンサーであれば、計測の手法は問わない。
また、このとき、各情報の取得のタイミングに関しては、実施形態1の撮像部11における文書データ取得のタイミングと同時で構わないし、常に取得し続けてその情報を送出しても構わない。
画像処理方法決定部103は、実施形態1における画像処理方法決定部103と行う処理は同じであるが、入力データとして、前述した、環境情報取得部14で得られた環境情報データも使用する。処理の詳細については後述する。
(環境情報データのフォーマット)
図20は、本実施形態における環境情報データのデータ内部構成例を示した表である。本実施形態における、環境情報データのデータフォーマットについて説明する。なお、以下の説明において、本装置内における各構成部間でのデータ通信の手法についての詳細に関しては、本技術の内容の本質とは関係が無いため説明は省略する。
環境情報データは、前述したように、環境情報取得部14から得られるコメント投影装置2の周囲環境の情報をデータとしてまとめたものである。
本実施形態において、コメント投影装置2周囲環境の情報とは以下のものを指すこととする。
・コメント投影装置2の周囲環境の明るさに関する情報
・コメント投影装置2の周囲環境の色味に関する情報
・コメント投影装置2の周囲環境の温度に関する情報
・コメント投影装置2の周囲環境の音声に関する情報
以上の情報を環境情報データとして、構成部間でデータ通信を行う。
次に、本実施形態におけるコメント投影装置2の処理の流れについて、図26を用いて以下に説明する。図26は、本実施形態におけるコメント投影装置2の処理の流れを示すフローチャート図である。
まず、S101〜S103までの処理については、実施形態1と同様であるため説明は省略する。
次に、画像処理方法決定部103は、コメントデータ解析部102から渡された文書画像解析情報と、コメント画像データと、コメント解析情報と、環境情報取得部14から取得した環境情報データと、を受け取り、コメント画像データを投影画像生成部104でどのように画像処理をさせるかを計算する。また、画像処理方法決定部103は、入力された文書画像解析情報と、コメント画像データと、コメント解析情報と、算出された画像処理方法指定情報と、を投影画像生成部104へ出力する(ステップS104−3)。
ここで、ステップS104−3の処理の詳細について説明する。
まず、実施形態1において説明した明るさの処理について、新たに、環境情報データから得られる情報を加味した計算処理を、画像処理方法決定部103は行う。
具体的には、画像処理方法決定部103は、計算式(7)における各変数と、さらに、周囲環境明度BE、環境明度補正係数LBEとすれば、下記計算式(18)で周囲環境の明度も参照した眩しさ指標値BRを取得することが可能となる。
Figure 2015087726
ここで、環境明度補正係数LBEは、使用する装置の構成により値が変わるものである。例として、環境明度補正係数LBEは、環境情報取得部14に使用するセンサーの性能や設定により変化するが、その性能や設定毎に決定されているものとする。
画像処理方法決定部103は、上記、計算式(18)を行うことにより、例えば、コメント投影装置2の周囲環境が暗い時に、明る過ぎないコメントを表示するための眩しさ指標値BRが取得できる。以降の処理についての説明は、実施形態1で述べているので省略する。
続いて、実施形態1において説明した色味の処理について、新たに、環境情報データから得られる情報を加味した計算処理を、画像処理方法決定部103は行う。
具体的には、画像処理方法決定部103は、計算式(11)における各変数と、さらに、周囲環境色相HE、環境色相補正係数LHEとすれば、下記計算式(19)、(20)で周囲環境の色相も参照した色相差指標値HRを取得することが可能となる。
Figure 2015087726
Figure 2015087726
同様に、画像処理方法決定部103は、計算式(13)における各変数と、さらに、周囲環境彩度SE、環境彩度補正係数LSEとすれば、下記計算式(21)、(22)で周囲環境の色相も参照した彩度差指標値SRを取得することが可能となる。
Figure 2015087726
Figure 2015087726
ここで、環境明度補正係数LBEと同様に環境色相補正係数LHEと環境彩度補正係数LSEは、使用する装置の構成により値が変わるものである。
上記、計算式(20)、(22)を行うことにより、画像処理方法決定部103は、例えば、コメント投影装置2の周囲環境の照明が赤っぽい時に、コメント表示の色味を赤っぽくして見えづらくすることを防ぐことができるような色相差指標値HR、および、彩度差指標値SRが取得できる。以降の処理についての説明は、実施形態1で述べているので省略する。
続いて、環境情報取得部14が取得した、コメント投影装置2の周囲環境の温度情報を元にコメント表示の補正をかけるための計算について説明する。
具体的には、例えば、環境情報取得部14においてコメント投影装置2の周囲温度を計測し、その温度が、ある暑さを感じる閾値Thotを超えている場合、画像処理方法決定部103は、コメント表示の色味を青っぽく変更させる。また、逆に、ある寒さを感じる閾値Tcoldを下回った場合、画像処理方法決定部103は、コメント表示の色味を赤っぽく変更することにより、周囲の環境の雰囲気に表示コメントが埋没しないようにすることで、表示されるコメントの視認性低下を防ぐことができるようになる。
続いて、環境情報取得部14が取得した、コメント投影装置2周囲環境の音声情報を元にコメント表示の補正をかけるための計算について説明する。
例えば、紙面20を見ているユーザは、文書の視認性が悪いと判断した際に、「コメントオフ」等の、コメントの重畳表示を停止させるような意味を持つコマンドを言葉として発する。環境情報取得部14は、その言葉を、備え付けられたマイク等の音声センサーで取得し、音声データとして画像処理方法決定部103に出力する。音声データを受け取った画像処理方法決定部103は、音声認識を行いユーザが発声したコマンドを解析する。ここで、音声データからコマンドを解析する音声認識技術については、多数の既存技術が存在するし、また、本技術の内容の本質とは関係が無いため説明は省略する。
具体的な処理例としては、画像処理方法決定部103は、「コメントオフ」のようなコメント表示の停止コマンドを受け取った場合、計算式(10)における、出力明度補正係数Obrを0にすることで、出力コメント画像を消すことができる。
また、別の例として、画像処理方法決定部103は、「コメントを右に」のようなコメント表示の位置を変更するコマンドを受け取った場合は、計算式(14.5)、(14.6)における、出力水平位置補正量をOdpxがある所定の移動距離になるような値に変更することで、出力コメント画像の表示位置を右に動かすことができる。
このように、音声にてコマンドを指示することにより、コメントの出力補正をかけることで文書、および、コメントの視認性低下の対策とすることができる。
なお、S105、S106の処理については、実施例1と同様であるため説明は省略する。
このように、本実施形態におけるコメント投影装置2は、環境情報取得部14を備えることにより、コメント投影装置2の周辺の情報を加味したコメント表示手法の計算を行うことが可能となり、より高度に文書、および、コメントの視認性低下に対する補正を行うことができる。
また、このとき、本実施形態におけるコメント投影装置2は、実施形態2において説明したデータベース部105を備えていても構わない。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
以上で述べた実施形態におけるコメント投影装置2の各部における処理は、コンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、制御部10に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、コメント投影装置2の各部に、コンピュータシステムを搭載していても構わない。
このとき、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものであってもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上述した実施形態における処理の一部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。各装置の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る画像投影装置(コメント投影装置2)は、物理媒体(紙面20)上に画像を投影する画像投影装置において、上記物理媒体を撮像して得られた第1の画像を取得する第1の画像取得手段(撮像部11)と、上記物理媒体に投影する第2の画像を取得する第2の画像取得手段(通信部12)と、上記第2の画像の明るさを、上記第1の画像の特性及び上記第2の画像の特性に基づいて補正する補正手段(投影画像生成部104)と、を備えている。
上記の構成によれば、画像投影装置は、物理媒体に投影する第2の画像の明るさを、物理媒体を撮像して得られた第1の画像の特性と、第2の画像の特性と、に基づいて補正する。したがって、明るさを補正した第2の画像を物理媒体に投影できるので、画像投影装置は、物理媒体および投影された第2の画像が見やすい第2の画像を投影することができる。
本発明の態様2に係る画像投影装置は、上記態様1において、上記補正手段は、更に、上記第2の画像の色味を、上記第1の画像の特性及び上記第2の画像の特性に基づいて補正してもよい。
上記の構成によれば、画像投影装置は、物理媒体に投影する第2の画像の色味を、物理媒体を撮像して得られた第1の画像の特性と、第2の画像の特性に基づいて補正する。したがって、色味を補正した第2の画像を物理媒体に投影できるので、物理媒体に投影画像を投影させた場合、画像投影装置は、物理媒体および投影された第2の画像が見やすい第2の画像を投影することができる。
本発明の態様3に係る画像投影装置は、上記態様1または2において、上記補正手段は、更に、上記第2の画像の投影時間を、上記第1の画像の特性及び上記第2の画像の特性に基づいて制限してもよい。
上記の構成によれば、画像投影装置は、物理媒体に投影する第2の画像の投影時間を、物理媒体を撮像して得られた第1の画像の特性と、第2の画像の特性に基づいて補正する。したがって、投影時間を補正した第2の画像を物理媒体に投影できるので、物理媒体に投影画像を投影させた場合、画像投影装置は、物理媒体および投影された第2の画像が見やすい第2の画像を投影することができる。
本発明の態様4に係る画像投影装置は、上記態様1〜3の何れかにおいて、上記第1の画像と上記補正の内容と互いに関連付けて蓄積する蓄積手段を備えており、上記補正手段は、上記第2の画像取得手段が取得した第2の画像を、上記蓄積手段に蓄積された補正の方法であって、上記物理媒体を撮像して得られた第1の画像に関連付けられた補正の方法に従って補正してもよい。
上記の構成によれば、画像投影装置は、蓄積した補正の方法に従って、第2の画像を補正することができる。したがって、画像投影装置は、物理媒体および投影された第2の画像がより見やすい第2の画像を投影することができる。
本発明の態様5に係る画像投影装置は、上記態様1〜4の何れかにおいて、当該画像投影装置の周辺環境を測定する測定手段を更に備え、上記補正手段は、上記第2の画像取得手段が取得した第2の画像を、上記測定手段が測定した周辺環境を参照して補正してもよい。
上記の構成によれば、画像投影装置は、画像投影装置の周辺の環境を参照して、第2の画像を補正することができる。したがって、画像投影装置は、物理媒体および投影された第2の画像がより見やすい第2の画像を投影することができる。
本発明の態様6に係る画像投影装置は、上記態様1において、上記補正手段は、上記第2の画像の明るさを、上記第1の画像の明るさに近づけるように補正してもよい。
上記の構成によれば、画像投影装置は、物理媒体の明るさと、物理媒体に投影する第2の画像の明るさとを近付けることができる。したがって、画像投影装置は、物理媒体および投影された第2の画像が見やすい第2の画像を投影することができる。
本発明の態様7に係る画像投影装置は、上記態様2において、上記補正手段は、上記第2の画像の色味を、上記第1の画像の色味から遠ざけるように補正してもよい。
上記の構成によれば、画像投影装置は、物理媒体の色味と、物理媒体に投影する第2の画像の色味とを遠ざけることができる。したがって、画像投影装置は、物理媒体および投影された第2の画像が見やすい第2の画像を投影することができる。
本発明の態様8に係る画像投影装置は、上記態様3において、上記補正手段は、上記第1の画像の特性及び上記第2の画像の特性から定まる眩しさ指標値が予め定められた閾値を超える場合、上記第2の画像の投影時間を制限してもよい。
上記の構成によれば、画像投影装置は、物理媒体に第2の画像を投影した場合の眩しさが閾値を超えた場合、第2の画像の投影時間を制限できる。したがって、画像投影装置は、物理媒体および投影された第2の画像が見やすい第2の画像を投影することができる。
本発明の態様9に係る画像投影装置は、上記態様1において、上記第1の画像の特性は、上記第1の画像の全部又は一部の明るさ、及び、上記第1の画像の全部又は一部の色味の何れか一方又は両方であり、上記第2の画像の特性は、上記第2の画像の全部又は一部の明るさ、及び、上記第2の画像の全部又は一部の色味の何れか一方又は両方であってもよい。
上記の構成によれば、画像投影装置は、第1の画像の全部又は一部の明るさ、及び、第1の画像の全部又は一部の色味の何れか一方または両方に基づいて、第2の画像を補正することができる。また、画像投影装置は、第2の画像の全部又は一部の明るさ、及び、第2の画像の全部又は一部の色味の何れか一方または両方に基づいて、第2の画像を補正することができる。したがって、画像投影装置は、物理媒体および投影された第2の画像がより見やすい第2の画像を投影することができる。
本発明の各態様に係る画像投影装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記画像投影装置が備える各手段として動作させることにより上記画像投影装置をコンピュータにて実現させる画像投影装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、画像を投影する画像投影装置に広く利用することができる。
1 コメント投影システム
2 コメント投影装置(画像投影装置)
3 コメント入力装置
10 制御部
11 撮像部(第1の画像取得手段)
12 通信部(第2の画像取得手段)
13 投影部
14 環境情報取得部(測定手段)
101 文書データ解析部
102 コメントデータ解析部
103 画像処理方法決定部
104 投影画像生成部(補正手段)
105 データベース部(蓄積手段)

Claims (5)

  1. 物理媒体上に画像を投影する画像投影装置において、
    上記物理媒体を撮像して得られた第1の画像を取得する第1の画像取得手段と、
    上記物理媒体に投影する第2の画像を取得する第2の画像取得手段と、
    上記第2の画像の明るさあるいは色味の少なくとも何れか一方を、上記第1の画像の特性及び上記第2の画像の特性に基づいて補正する補正手段と、を備えている、ことを特徴とする画像投影装置。
  2. 上記補正手段は、上記第2の画像の明るさ及び色味の両方を、上記第1の画像の特性及び上記第2の画像の特性に基づいて補正する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像投影装置。
  3. 上記第1の画像の特性は、上記第1の画像の全部又は一部の明るさ、あるいは、上記第1の画像の全部又は一部の色味の少なくとも何れか一方を含み、
    上記第2の画像の特性は、上記第2の画像の全部又は一部の明るさ、あるいは、上記第2の画像の全部又は一部の色味の少なくとも何れか一方を含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像投影装置。
  4. 上記補正手段は、更に、上記第2の画像の投影時間を、上記第1の画像の特性及び上記第2の画像の特性に基づいて制限する、ことを特徴とする請求項1〜3までの何れか1項に記載の画像投影装置。
  5. 当該画像投影装置の周辺環境を測定する測定手段を更に備え、
    上記補正手段は、上記第2の画像取得手段が取得した第2の画像を、上記測定手段が測定した周辺環境を参照して補正する、ことを特徴とする請求項1〜4までの何れか1項に記載の画像投影装置。
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