JP2015087040A - 加湿時におけるco2除去方法および装置 - Google Patents

加湿時におけるco2除去方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、加湿時において発生するCO2を除去することで、CO2濃度が減少した湿気を空気中に放出するための手段の提供。
【解決手段】 空気中の湿度を上昇させる加湿手段において、水を一度蒸発させることでCO2低濃度水蒸気とCO2高濃度空気の混合気体が発生する工程、前記混合気体の外気放出前に、水凝結手段により前記CO2低濃度水蒸気をCO2低濃度水に熱力学的変態させることでCO2高濃度空気と分別する工程、さらに、分別された前記CO2低濃度水を再度蒸発させることによってCO2濃度の軽減された湿気を外気へ放出する工程を有する加湿方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、加湿時において発生するCO2を除去することで、CO2濃度が減少した湿気を空気中に放出するための手段および装置に関する。
内陸部等の常に湿度の低い地域、冬季など湿度の下がる季節、ビルの空調、または食品や製品管理等において、人工的に湿度を高めるために、様々な加湿手段が日本はもとより、世界中で幅広く利用されている。現在、湿度を上昇させる加湿手段としては気化型、スチーム型、超音波型等、各種のものが多数存在するが、これらの装置に共通してみられる特徴的なものは、水を蒸発させることで水蒸気を発生させ、空気中の湿気を上昇させることである。しかしながら、これらの手法で水蒸気を発生させた場合、もともと水中に含有していたCO2を主とするガス成分も同時に放出されてしまうため、水蒸気を放出後の湿度のみでなく、CO2濃度も上昇してしまう問題があった。密室等の密閉された空間で継続加湿した場合には、CO2濃度が異常上昇してしまい、人体やペット等の動物への影響が懸念されていた。我々の日常での空気中のCO2濃度は約350ppm〜450ppmであるが、600ppmを超えると悪臭や眠気を引き起こし、3%以上では呼吸困難や頭痛、脈拍異常を引き起こすとされ、7%を超える空間では、数分で意識を失い、その後呼吸が停止してしまうといわれている。
一般的に市場に最もよく見られる加湿器としては、従来の気化式手段を利用した加湿器である。この場合、電熱等の熱源を使用して貯水槽の水を一度熱することにより気化させ、発生した水蒸気を直後に外部へ噴出させる形で加湿が実施される。しかしながら、従来の気化型加湿手段においては、水の気化に伴い同時発生するCO2を蒸気と共にそのまま外気に放出させていることが難点であった。特許文献1において、気化式手段を利用した場合における加湿に必要な加湿モジュールのみ給水して必要な湿度を得ることにより、低エネルギー消費を可能にした気化型加湿器が開示されている。
気化式以外に見られる従来の加湿手段としては、超音波を利用したものがある。これは、水に超音波振動を与えて霧化させることで湿度を高める方法である。超音波加湿器においては、一般的な気化式のように加熱手段を用いず、常温で蒸気を発生させるため、細菌の発生が懸念されており、霧化直前の給水路に加熱手段を装備することにより殺菌可能なもの(特許文献2参照)や霧化槽に加熱手段を設置するタイプ(特許文献3参照)が提案されている。しかしながら、加熱殺菌時、気化式の加湿手段における加熱温度と比べ、水が蒸発しない低温で加熱が行われ、加熱殺菌された水に含有されたCO2はほぼ変化しないため、最終的に水が霧化蒸発する際にCO2も同時放出し、外気に噴出されていた。さらに、加熱殺菌時に微妙に水から放出すると考えられるCO2は、装置の構造上、霧化手段により発生した蒸気と共に外気に噴出される形となっていた。いずれのタイプにおいても、本発明のようにCO2低濃度水のみを分別して、さらにそれを再蒸発させる工程が取り入れられていないため、水分中のCO2が外気に放出されてしまっていた。
また、特許文献4に見られるように、余熱コイルを設置する等により、従来の空気調和機を改造することで、ボイラーによる化石燃料の使用量を削減することでボイラー操業におけるCO2排出量を軽減する蒸気式加湿器も提案されているが、加湿器自体から蒸気と共に発生するCO2を削減する手段ではなかった。
このように、気化型、超音波型等、従来の手法で水蒸気を発生させた場合、蒸気発生直後にCO2高濃度空気と共に混合気体として外気に放出してしまうため、水蒸気と同時発生するCO2を外気放出前に除去する事が不可能であった。そのため、水蒸気放出後の湿度のみでなくCO2濃度も上昇してしまい、前記混合気体を加湿器外へ放出する以前にCO2が抑制できる手段が求められていた。
特開2009-210212号公報 特許第2589922号公報 特開平2−238237号公報 特開2012−127564号公報
従来の加湿手段において、水分中に溶解しているCO2が水の蒸発と共に発生してしまうために、放出後の室内の湿気上昇だけではなく、CO2濃度も高まってしまうことで、人体及びペット等の動物の健康管理やオフィスビル及び工場における空調管理への影響が指摘されており、蒸気放出時もしくはそれ以前にCO2除去または減少できる加湿方法と装置の開発が課題であった。
本発明では、空気中の湿度を上昇させる加湿手段において、水を一度蒸発させることでCO2低濃度水蒸気とCO2高濃度空気の混合気体が発生する工程、前記混合気体の外気放出前に、水凝結手段により前記CO2低濃度水蒸気をCO2低濃度水に熱力学的変態させることでCO2高濃度空気と分別する工程、さらに、分別された前記CO2低濃度水を再度蒸発させることによってCO2濃度の軽減された湿気を外気へ放出する工程を有する加湿方法より上記課題を解決する。
すなわち、本発明の第1は、水を一度蒸発させることでCO2低濃度水蒸気とCO2高濃度空気の混合気体が発生する工程、前記混合気体の外気放出前に、水凝結手段により前記CO2低濃度水蒸気をCO2低濃度水に熱力学的変態させることでCO2高濃度空気と分別する工程、さらに、分別された前記CO2低濃度水を再度蒸発させることによってCO2濃度の軽減された湿気を外気へ放出する工程を有する加湿方法である。
また、本発明の第2は、前記第1の発明において、水凝結手段の代替として、CO2凝結手段、フィルター式CO2回収手段、またはフィルター式H2O回収手段により行われることを特徴とする加湿方法である。
また、本発明の第3は、前記第1の発明において、前記CO2低濃度水とCO2高濃度空気との分別が、前記第1の発明及び第2の発明に記載の手段により、原料水または前記水において行われることを特徴とする加湿方法である。
また、本発明の第4は、前記第1の発明において、原料に使用する水が、CO2がすでに低減されているCO2減量水であることを特徴とする加湿方法である。
また、本発明の第5は、空気中の湿度を上昇させる加湿装置であって、水蒸気を発生させる蒸発手段と、前記水蒸気生成に伴いCO2低濃度水蒸気とCO2高濃度空気の混合気体が発生する手段と、前記混合気体において前記CO2低濃度水蒸気を凝結によりCO2低濃度水に相変態させて前記CO2高濃度空気より分別する手段と、分別された前記CO2低濃度水を再度蒸発させ、CO2低濃度水蒸気を発生させる手段と、分別された前記CO2高濃度空気を排出する手段が収納される本体とを備え、再蒸発により発生した前記CO2低濃度水蒸気によってCO2濃度の軽減された湿気を放出する加湿装置である。
また、本発明の第6は、前記第5の発明において、前記CO2低濃度水とCO2高濃度空気との分別が、前記第1〜4の発明に記載の分別手段により行われることを特徴とする加湿装置である。
本発明において、水を蒸発させることで加湿された空気を、水凝結手段によりCO2低濃度水とCO2高濃度空気とに分別し、分別された前記CO2低濃度水を用いてCO2濃度の軽減された湿気を放出するため、CO2の放出が抑制された加湿方法が可能になった。したがって、従来の加湿手段において危惧されていたCO2過放出による人体やペットの健康への影響等を最小限に抑えることができる。また、水凝結手段の代わりにCO2凝結手段、フィルター式CO2回収手段、または重力分離手段による分別方法で代替させることで、スピーディなCO2低濃度加湿を実施することもできる。さらに、これら分別手段を原料水に適用したり、CO2がすでに低減されているCO2減量水を利用したりすることで、よりスピーディで簡素にCO2低濃度加湿を提供することができる。
本発明を実施するための装置の側面図 本発明を実施するための装置の平面図 本発明を実施するための装置の正面図 本発明を実施するための装置の背面図 本発明の実験によるCO2濃度変化を示したグラフ
本発明では、加湿装置内で発生させた水蒸気を含んだ空気をCO2低濃度水またはCO2低濃度水蒸気とCO2またはCO2高濃度空気とに分別させ、分別したCO2低濃度水分を利用してCO2濃度の軽減された湿気を放出することにより、CO2低濃度の加湿が実施される。
前記加湿装置はステンレススチールのように錆びにくい材料でできていることが望まれるが、プラスチック製にして家庭でしやすくポータブルな材料を利用することもできる。
本発明はCO2低濃度水またはCO2低濃度水蒸気とCO2またはCO2高濃度空気とに分別できる全ての種類の手段と装置を含む。すなわち、前記分別手段としては、水凝結手段の他、CO2凝結手段、フィルター式H2O回収手段、フィルター式CO2回収手段、重力分離手段、温度・圧力昇降手段、イオナイザー手段等、その他各種の分別手段も使用することができる。前記分別手段は原料水や蒸発前の水、または水蒸気においても使用することができる。また、事前にCO2の除去または減少させられた水を使用することで分別工程を安易にし、さらには省略した形でCO2低濃度な加湿を実施することができる。
以下本発明の代表的な実施例として、水の蒸発にヒーターを用いた場合の気化式の加湿器を例にあげて説明する。図1〜4は本発明を実施するための加湿装置全体の概念図を表しており、図1は本発明を実施するための装置の側面図、図2は本発明を実施するための装置の平面図、図3は本発明を実施するための装置の正面図、図4は本発明を実施するための装置の背面図である。
本発明に係る加湿装置は、立方形状の本体1、背面に放出口2、上面に給水口9と加湿口10、本体1内部後方に凝結器3、第一ヒーター4、第二ヒーター5、本体1内部下方に水路6、本体1正面に設置された貯水槽8に貯水された水7から成っている。
次に、本発明に係る加湿装置の作用とメカニズムについて説明する。
本体1正面の貯水槽8に貯水されている水は本体1下部の水路6を通って第一ヒーター4により加熱され気化し蒸発する。この蒸発によって低圧力となった水路6に吸い込まれる形で水7が水路6に継続的に導かれる仕組みになっている。またキャピラリティー力を利用して水7を水路6に吸い込むこともできる。第一ヒーター4で蒸発した水は、気化することにより、もとより含有していたCO2を主とするガス成分を必然的に同時放出するため、第一ヒーター4と凝結器3の間に存在するのはCO2低濃度水蒸気とCO2高濃度空気の混合気体となる。従来の加湿手段においては、このCO2高濃度空気を含んだ水蒸気の混合気体を外部に放出して加湿を実行するが、本発明では、前記混合気体はCO2低濃度水蒸気をCO2低濃度水として回収する凝結器3において、CO2低濃度水分とCO2高濃度空気とに分別される。分別されたCO2低濃度水分は、第二ヒーター5において再度、蒸発させられ、最終的に加湿口10よりCO2低濃度湿気として放出される。また第二ヒーター5の温度調整や加湿口10の開閉の微調整により放出率をコントロールすることもできる。なお、凝結器3でCO2低濃度水より分別されたCO2高濃度空気は放出口2より排出される。凝結器3における水蒸気の凝結は冷却手段及び圧縮手段により露点以下にすることで水を凝結(凝縮)させることで実施される。
本発明の実施例において、本体1は立方体状の場合を説明しているが、デザインや目的に応じて、本体1の形状や大きさは容易に変更することができる。また、水の気化式での蒸発手段として第一ヒーター4と第二ヒーター5を提示しているが、水の蒸発は簡易に実行できるため、ヒーターを利用した気化式に限る必要はない。そのため、蒸発手段としては気化式の他、揮発式、超音波式等、各種のものを利用することができる。
凝結器3で分別したCO2低濃度水、またはCO2低濃度水蒸気は外部に放出して他目的に有効利用することもできる。多目的に利用する場合、前記CO2低濃度水分を外気や他のCO2含有ガスと接触させてCO2を該水分に吸収させることで、外気やCO2含有ガス内のCO2濃度を減少、または除去することができる。また、CO2低濃度水をシャワー、風呂、温泉、料理に使用する水や湯水等に利用することもできる。凝結器3をCO2フィルター等で代替してCO2低濃度水分を分別した場合も同じ有効利用が可能である。
凝結器3で分別したCO2高濃度空気は放出口2を通って本体1外部に放出される。この場合、放出先が室外や屋外に接続されていることが望ましい。加湿器をポータブルにするために、新たな貯水槽を本体1背面に設置し、CO2高濃度空気をこの貯水槽内の冷水に噴射してCO2の溶解を促進することで、CO2高濃度空気のCO2濃度を軽減させてから外気に放出することもできる。また、CO2高濃度空気を多目的に有効利用する場合、CO2高濃度空気噴射により生成されたCO2リッチ水を炭酸浴等の医療や、炭酸飲料水生産に利用することができる。凝結器3をCO2除去フィルター等で代替してCO2高濃度空気を分別した場合も同じ有効利用が可能である。
凝結器3の代替として、フィルター効力のある各種H2O回収手段を応用して利用することもできる。吸着または吸収性のあるフィルター手段としてはシリカゲルやゼオライトを利用して再生使用することもできる。H2O回収手段はスクリーン状のメッシュを利用して水を物理的に分別することもできる。また、凝結器3の代わりにCO2凝結器やフィルター式CO2回収手段を使用することで湿気分より直接CO2を除去して、CO2濃度の減少した湿気分を放出口2から放出することで低濃度CO2な加湿を実施することができる。この場合、第二ヒーター5と加湿口10での工程を省略することもできる。
フィルター式CO2回収手段には、CO2凝結手段以外には、各種吸収・吸着剤を使用することができるが、活性炭やアミジン系のものから水酸化リチウムやセラミックス製のゼオライト膜、イオン式等、幅広い手段を応用することもできる。また、吸収・吸着剤を蒸発中または蒸発前の水と水中接触させておくことでCO2を連続回収し、熱処理等で吸収・吸着されたCO2を外部に放出することで再生使用することもできる。前記吸着剤以外には、冷水を使用してCO2を吸収・吸着除去させることもできる。さらに、前記CO2回収手段を水路6または貯水槽8に設置したり、事前にCO2が除去された水を使用したりすることで、第一ヒーター4、凝結器3、および放出口2を簡素化または省略することもできる。また、ガス中のCO2とH2Oの密度差によって、第一ヒーター4で発生したCO2低濃度水蒸気とCO2高濃度空気が重力により上下に分かれることを利用して、重力分離手段により、CO2低濃度水蒸気とCO2高濃度空気とに分別することもできる。重力分離手段は遠心力を使用して人工的に促進することも可能である。
以上、簡潔な形態の加湿装置を示したが、本発明はCO2除去・減少装置を含むいかなる種類の加湿装置をも含んでいる。加湿口10からCO2低濃度蒸気を放出するまでの各工程の順序を変更させることも、本発明の効力を損なうことなく実行することが可能である。また、本発明の方法または装置の全てまたは一部を利用して、CO2以外の他のガス成分の濃度を昇降させることができることは明らかである。本発明の加湿装置はCO2除去・減少装置と共に新しく製作することも、あるいは既存する装置を改造してCO2除去・減少装置を追加設置することによっても完成させることができる。
本発明における、CO2低濃度水分とCO2高濃度空気との分別による湿気中のCO2濃度減少への効果を気化法による手段を用いて実験により評価した。CO2濃度は赤外線式CO2センサー(CO2 Meter製 pSense Portable AZ-0001)を用いて測定した。CO2センサーのメーカー規定の測定精度は±30〜75ppmであった。実験室内の温度は摂氏26度、そしてCO2濃度は約370ppmであった。本実験では水道水を水蒸気の原料水として使用した。実験は全て常気圧中(1atm)で行なわれた。
本実験では、まず、気化法を利用した加湿器における、水の気化により同時発生するCO2が引き起こすCO2濃度の上昇を測定するために、水道水500mLを、密閉された空間において、電熱手段により約100℃で蒸発させることで発生した水蒸気を10秒間、500mL容器内に集めた後、容器を上下逆にすることで、上部に設置されたCO2センサーにより容器内のCO2濃度変化を測定した。CO2センサーと容器の間にはキムワイプ紙を重ねたフィルターを施して湿気による影響を最小化した。CO2センサーにおける湿気(RH)は測定中常に90%以下であった。実験前の空容器内のCO2濃度は約370ppmであったが、測定開始後すぐにCO2濃度の上昇が観測され、最終的には1216ppmに達した。測定は5分間続けられた。
続いて、凝結法を用いてCO2低濃度水分とCO2高濃度空気を分別することで、本発明におけるCO2濃度変化に与える効果を評価した。前記水道水500mLを、密閉された状態で、電熱手段により約100℃で蒸発させることで発生した水蒸気(250mL)を連続して冷却された500mL容器内に凝結水として集め、該凝結水を、密閉された状態で、再び電熱手段により約100℃で徐々に蒸発させることで発生した水蒸気を10秒間、別途用意された500mL容器内に集めた後、容器を上下逆にすることで、上部に設置されたCO2センサーにより容器内のCO2濃度変化を測定した。前記凝結水を集めた容器は常に冷水で冷却することで凝結を促進した。CO2センサーと容器の間にはキムワイプ紙を重ねたフィルターを施して湿気による影響を最小化した。CO2センサーにおける湿気(RH)は測定中常に90%以下であった。実験前の空容器内のCO2濃度は約370ppmであったが、測定開始後すぐにCO2濃度の下降が観測され、約3分後には345ppmに減少した。測定は5分間続けられた。CO2濃度減少の理由は、分別されたCO2低濃度水を再蒸発させて発生した水蒸気はCO2低濃度水蒸気であり、蒸発時のCO2発生が最小であったためと考えられる。また、放出先である容器内に既存ガス中のCO2が、熱力学的平衡に到達しようとするため、CO2低濃度水蒸気の凝結に伴い発生したCO2低濃度凝結水に溶解したためと考えられる。
本実験においてのCO2濃度の時間経過による変化は図5の通りであった。
本実験において、1216ppmに至るCO2増加は、10秒間のみの水蒸気収集における混合気体から得られた数字であり、一般家庭やオフィスビルにおいて、加湿器または加湿装置を備えた空調設備等を連続運転した場合、室内に放出される総CO2量はかなり高くなるものであると想定される。
以上、本発明を、複数の形態について説明した。しかしながら、当分野に精通したものには本発明の視野から離れずに、多種の修正を施すことが可能なのは明らかである。
本発明において発生するCO2低濃度水またはCO2低濃度水蒸気は、家庭用の小型の加湿器から産業規模の大型の加湿装置に至るまで様々な形態の空調用途に使用することができる。例えば、内陸部の乾燥地帯や冬季における乾燥期の家庭の室内で利用することにより、CO2過放出の懸念なく加湿を実施することができる。さらにはCO2低濃度を必要とする精密工場や、人の呼吸によるCO2増加に対する公共施設、学校、病院、オフィスビル及び地下鉄内における空調、さらには調理場等のクッキングによるCO2増加に対する空調においても、本発明を利用してCO2を低減させた加湿を提供することができる。
また、本発明におけるCO2低濃度水分とCO2高濃度空気とを分別する手段により分別させられたCO2低濃度水をシャワー、お風呂、温泉、自動皿洗浄器、または鍋などの料理に使う水等に利用すれば、CO2発生率の軽減された環境を提供しながら、実施することが可能である。さらには、該CO2低濃度水分と接触させることで、CO2低濃度を必要とする精密工場や、人の呼吸によるCO2増加に対する公共施設、オフィスビル及び地下鉄内、さらにはクッキングによりCO2が増加した調理場等の空調においても、本発明を利用してCO2を除去または減少させることで快適な空間を提供することができる。
また、本発明で前記分別放出されるCO2高濃度空気を水または湯に噴出することでCO2リッチ水または湯を簡易に供給することができ、CO2高濃度を必要とする炭酸浴やそれらを利用した医療等、または炭酸飲料水製造等に有効利用することができる。
また、医療用等、超小型なタイプや複雑な形状を必要とする場合においても、本発明により分別されるCO2低濃度水やCO2高濃度空気を利用した装置を開発することができる。その場合、管状やペン型の物も考えられる。
1 本体
2 放出口
3 凝結器
4 第一ヒーター
5 第二ヒーター
6 水路
7 水
8 貯水槽
9 給水口
10 加湿口

Claims (6)

  1. 空気中の湿度を上昇させる加湿手段において、水を一度蒸発させることでCO2低濃度水蒸気とCO2高濃度空気の混合気体が発生する工程、前記混合気体の外気放出前に、水凝結手段により前記CO2低濃度水蒸気をCO2低濃度水に熱力学的変態させることでCO2高濃度空気と分別する工程、さらに、分別された前記CO2低濃度水を再度蒸発させることによってCO2濃度の軽減された湿気を外気へ放出する工程を有する加湿方法。
  2. 請求項1記載の水凝結手段の代替として、CO2凝結手段、フィルター式CO2回収手段、フィルター式H2O回収手段、または重力分離手段により行われることを特徴とする請求項1に記載の加湿方法。
  3. 前記CO2低濃度水とCO2高濃度空気との分別が、請求項1及び2に記載の手段により、原料水または前記水において行われることを特徴とする請求項1に記載の加湿方法。
  4. 原料に使用する水が、CO2がすでに低減されているCO2減量水であることを特徴とする請求項1に記載の加湿方法。
  5. 空気中の湿度を上昇させる加湿装置であって、水蒸気を発生させる蒸発手段と、前記水蒸気生成に伴いCO2低濃度水蒸気とCO2高濃度空気の混合気体が発生する手段と、前記混合気体において前記CO2低濃度水蒸気を凝結によりCO2低濃度水に相変態させて前記CO2高濃度空気より分別する手段と、分別された前記CO2低濃度水を再度蒸発させ、CO2低濃度水蒸気を発生させる手段と、分別された前記CO2高濃度空気を排出する手段が収納される本体とを備え、再蒸発により発生した前記CO2低濃度水蒸気によってCO2濃度の軽減された湿気を放出する加湿装置。
  6. 前記CO2低濃度水とCO2高濃度空気との分別が、請求項1〜4に記載の分別手段により行われることを特徴とする請求項5に記載の加湿装置。
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