JP2015084908A - 遊技機 - Google Patents

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Daisuke Takeda
大輔 武田
拓也 稲葉
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拓也 稲葉
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Abstract

【課題】普通図柄抽選の当否に興味をもった遊技者の興趣低下を抑制する遊技機を提供する。【解決手段】遊技機は、第1始動口および第2始動口を有し、第2始動口への入球を契機とする大当たり抽選の方が遊技者に有利な結果となり易い。遊技機は、長当たり遊技および短当たり遊技を少なくとも実行し得る。遊技機は、短当たり遊技後に第1特別図柄の変動表示時間を短縮する。【選択図】図35

Description

本発明は、遊技機に関する。
従来から、第1始動口および第2始動口を有すると共に、始動可動片の開閉動作によって第2始動口の開放態様が制御される遊技機がある。第2始動口に設けられた始動可動片は、普通図柄の抽選に当選することで開放され、第2始動口への入球が容易となる。
例えば、特許文献1には、非時短遊技状態における第2始動口の開放態様として複数回の開放回数を有する遊技機が記載されている。特許文献1では、通常の開放(いわゆるショート開放)後に、開放時間が通常よりも長い開放(いわゆるロング開放)を行う。ロング開放時の第2始動口には、多くの遊技球が入球され易い。遊技者は、始動可動片が開動作により第2始動口への入球が容易となれば、第2始動口へ多数入球させて、当該入球を契機とする大当たり抽選の権利を多数得たいと考える。このため、遊技者は普通図柄の抽選に興味を抱き得る。
特開2013−13528号公報
しかしながら、従来の遊技機では、第2始動口の開放態様としてショート開放およびロング開放を有する場合であっても、普通図柄抽選の当否に興味をもった遊技者の興趣低下を招くことがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、普通図柄抽選の当否に興味をもった遊技者の興趣低下を抑制する遊技機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の遊技機は、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられた第1始動領域に進入した前記遊技球を検出する第1始動領域検出手段と、前記遊技領域に設けられた前記第1始動領域とは異なる第2始動領域に進入した前記遊技球を検出する第2始動領域検出手段と、前記遊技領域に設けられた特別入賞領域に前記遊技球が進入し易い開放状態と前記遊技球が進入し難い閉鎖状態とに前記特別入賞領域の開放態様を変化可能な特別可変入賞装置と、前記第1始動領域検出手段によって前記遊技球が検出されると、前記特別入賞領域を前記開放状態とする特別遊技を実行するか否かを決定すると共に該特別入賞領域の開放態様に応じた該特別遊技の種類を決定するための第1判定を行う第1特別遊技判定手段と、前記第2始動領域検出手段によって前記遊技球が検出されると、前記特別遊技を実行するか否かを決定すると共に該特別遊技の種類を決定するための第2判定を行う第2特別遊技判定手段と、前記第1判定の判定結果を遊技者に報知する第1特別図柄の変動表示を制御すると共に、前記第2判定の判定結果を遊技者に報知する第2特別図柄の変動表示を制御する特別図柄制御手段と、前記特別可変入賞装置を制御して、前記第1判定の判定結果又は前記第2判定の判定結果に対応する前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、を備え、前記第2特別遊技判定手段は、前記特別遊技の種類のうち遊技者に有利な種類を、前記第1特別遊技判定手段よりも多く決定し易く、前記特別遊技の種類は、前記特別入賞領域が前記閉鎖状態である期間より前記特別入賞領域が前記開放状態である期間が長い長当たり遊技と、前記特別入賞領域が前記閉鎖状態である期間より前記特別入賞領域が前記開放状態である期間が短い短当たり遊技とを含み、前記特別図柄制御手段は、前記特別遊技実行手段によって前記短当たり遊技が実行される前には、前記第1特別図柄の変動表示時間を第1変動表示時間に設定し、前記特別遊技実行手段によって前記短当たり遊技が実行された後には、所定条件が成立するまで前記第1特別図柄の変動表示時間を前記第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間に設定することを特徴とする。
本発明によれば、普通図柄抽選の当否に興味をもった遊技者の興趣低下を抑制することができる。
遊技機の正面図の一例を示す図である。 ガラス枠を開放させた状態の遊技機の斜視図の一例を示す図である。 遊技機の裏面側の斜視図の一例を示す図である。 遊技機全体のブロック図の一例を示す図である。 大当たり判定テーブルの一例を示す図である。 図柄決定テーブルの一例を示す図である。 大当たり遊技終了時設定データテーブルの一例を示す図である。 特別電動役物作動態様決定テーブルの一例を示す図である。 大入賞口開放態様決定テーブルの一例を示す図である。 第1特別図柄の変動パターン決定テーブルAの一例を示す図である。 第1特別図柄の変動パターン決定テーブルBの一例を示す図である。 第2特別図柄の変動パターン決定テーブルの一例を示す図である。 普通図柄及び始動可動片に関するテーブルの一例を示す図である。 主制御基板におけるメイン処理を示す図である。 主制御基板におけるタイマ割込処理を示す図である。 主制御基板における入力制御処理を示す図である。 主制御基板における第1始動口検出スイッチ入力処理を示す図である。 主制御基板における特図特電制御処理を示す図である。 主制御基板における特別図柄記憶判定処理を示す図である。 主制御基板における大当り判定処理を示す図である。 主制御基板における変動パターン決定処理を示す図である。 主制御基板における特別図柄変動処理を示す図である。 主制御基板における特別図柄停止処理を示す図である。 主制御基板における大当たり遊技処理を示す図である。 主制御基板における大当たり遊技終了処理を示す図である。 主制御基板における小当たり遊技処理を示す図である。 主制御基板における普図普電制御処理を示す図である。 主制御基板における普通図柄変動処理を示す図である。 主制御基板における普通電動役物制御処理を示す図である。 主制御基板から演出制御基板に送信されるコマンドの種別を示す図である。 演出制御基板におけるメイン処理を示す図である。 演出制御基板におけるタイマ割込処理を示す図である。 演出制御基板におけるコマンド解析処理1を示す図である。 演出制御基板におけるコマンド解析処理2を示す図である。 本実施形態の遊技機における遊技の主な流れを示す図である。 本実施形態の変形例に係る図柄決定テーブルの一例を示す図である。 本実施形態の変形例に係る大当たり遊技終了時設定データテーブルの一例を示す図である。 本実施形態の変形例に係る特別電動役物作動態様決定テーブルの一例を示す図である。 本実施形態の変形例に係る第1特別図柄の変動パターン決定テーブルAの一例を示す図である。 本実施形態の変形例に係る第1特別図柄の変動パターン決定テーブルBの一例を示す図である。 本実施形態の変形例に係る主制御基板から演出制御基板に送信されるコマンドの種別を示す図である。 従来の遊技機において第2始動口の開放したときの入球と特別図柄の変動表示の関係を示す図である。
図42に示すように、従来の遊技機では、普通図柄の抽選に当選し(図42(a))、第2始動口がショート開放後にロング開放され(図42(b))、遊技球が第2始動口に入球した場合には(図42(c)、大当たり抽選が行われ、第2特別図柄を変動表示後に停止表示させることによって(図42(e))、抽選結果を遊技者に報知する。第2特別図柄が停止表示される前に、更に遊技球が第2始動口に入球すると(図42(c))、その入球に対する大当たり抽選の権利は上限4個まで保留される。
ここで、第2始動口に遊技球が入球する前に、既に第1始動口に遊技球が入球されて第1特別図柄が変動表示されている場合(図42(d))、第1特別図柄の変動表示が終了し停止表示後でなければ、第2始動口への入球に対する大当たり抽選の権利は処理されない(図42(e))。このため、第2始動口への入球で保留された大当たり抽選の権利について処理の開始が遅くなる。よって、更に第2始動口に入球できたとしても、大当たり抽選の権利は無効となり、この入球が無駄となってしまう(図42(c))。これにより、普通図柄抽選の当否に興味をもった遊技者にとっては、第2始動口がロング開放されて遊技球を多数入球させたにもかかわらず、入球が無駄となれば多数入球させても受け得る恩恵が少なく、興趣低下を招き兼ねない。
本発明の実施形態に係る遊技機は、普通図柄抽選の当否に興味をもった遊技者の興趣低下を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
[遊技機の構成]
これより、図1〜図3を参照して、遊技機1の構成について具体的に説明する。図1は本発明の実施形態における遊技機1の正面図の一例である。また、図2は、本発明の実施形態におけるガラス枠を開放させた状態の遊技機1の斜視図の一例である。また、図3は本発明の実施形態における遊技機1の裏面側の斜視図である。
遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠60と、その外枠60と回動可能に支持されたガラス枠50とが備えられている(図1、図2参照)。また、外枠60には、遊技球200が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2が設けられている。ガラス枠50には、回動操作されることにより遊技領域6に向けて遊技球を発射させる操作ハンドル3と、スピーカからなる音声出力装置32と、複数のランプを有する演出用照明装置34と、押圧操作により演出態様を変更させるための演出ボタン35と、少なくとも2方向(通常4方向)へ押圧操作が可能な十字キー36とが設けられている。
さらに、ガラス枠50には、複数の遊技球を貯留する受け皿40が設けられており、この受け皿40は、操作ハンドル3の方向側に遊技球が流下するように下りの傾斜を有している(図2参照)。この受け皿40の下りの傾斜の端部には、遊技球を受け入れる受入口が設けられており、この受入口に受け入れられた遊技球は、玉送りソレノイド4bが駆動することにより、ガラス枠50の裏面に設けられた玉送り開口部41へ遊技球が1個ずつ送り出される。
そして、玉送り開口部41へ送り出された遊技球は、打出部材4cの方向に向けて下り傾斜を有している発射レール42により、発射レール42の下り傾斜の端部に誘導される。発射レール42の下り傾斜の端部の上方には、遊技球を停留させる停止するストッパー43が設けられており、玉送り開口部41から送り出された遊技球は、発射レール42の下り傾斜の端部で1個の遊技球が停留されることになる(図2参照)。
そして、遊技者が操作ハンドル3に触れることで、操作ハンドル3の内部に設けられているタッチセンサ3a(図4参照)が、操作ハンドル3と遊技者とが接触していることを検知する。その後、遊技者が操作ハンドル3を回動させると、操作ハンドル3に直結している発射ボリューム3bも回動し、発射ボリューム3bにより遊技球の発射強度が調整され、調整された発射強度で発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cが回転する。この打出部材4cが回転することで、打出部材4cにより発射レール42の下り傾斜の端部に貯留されている遊技球200が打ち出され、遊技球が遊技領域6に発射されることとなる。
上記のようにして発射された遊技球は、発射レール42からレール5a、5b間を上昇して玉戻り防止片5cを超えると、遊技領域6に到達し、その後遊技領域6内を自由落下する。このとき、遊技領域6に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
また、上記遊技領域6には、複数の一般入賞口12が設けられている。これら各一般入賞口12には、一般入賞口検出スイッチ12aが設けられており、この一般入賞口検出スイッチ12aが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
また、上記遊技領域6の中央下側の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を構成する第1始動口14および第2始動口15が設けられている。
この第2始動口15は、始動可動片15bを有しており、この始動可動片15bが閉鎖状態に維持される態様と、始動可動片15bが開放状態となる態様とに可動制御される。このとき、第2始動口15が上記開放状態に制御されているときには、始動可動片15bが受け皿として機能し、第2始動口15への遊技球の入賞が容易となる。つまり、第2始動口15は、閉鎖状態にあるときには遊技球の入賞機会がなく、開放状態にあるときには閉鎖状態に比べて遊技球の入賞機会が増すこととなる。
本実施形態では、始動可動片15bが始動可変入賞装置を構成する。
ここで、第1始動口14には遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ14aが設けられ、第2始動口15には遊技球の入球を検出する第2始動口検出スイッチ15aが設けられている。そして、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出すると、後述する「大当たり抽選」を行うための特別図柄判定用乱数値を取得する。
なお、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出した場合には、上記特別図柄判定用乱数値の他にも、停止表示する特別図柄を決定するための大当たり図柄用乱数値・小当たり図柄用乱数値、特別図柄の変動時間を決定するためのリーチ判定用乱数値・特図変動用乱数値も取得される。
さらに、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出した場合にも、一般入賞口検出スイッチ12aが遊技球の入賞を検知したときと同様に、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
本実施形態では、第1始動口検出スイッチ14aおよび第2始動口検出スイッチ15aが、第1始動領域検出手段および第2始動領域検出手段を構成する。
なお、遊技者が操作ハンドル3を大きく回動させて遊技球を強い力で打ち出し、打ち出された遊技球を主に遊技領域6の右側で流下させる操作を「右打ち」ともいう。同様に、遊技者が操作ハンドル3を小さく回動させて遊技球を弱い力で打ち出し、打ち出された遊技球を主に遊技領域6の左側で流下させる操作を「左打ち」ともいう。
第1始動口14は、遊技領域6の中央下側の領域に設けられているものの、遊技領域6に設けられた釘や風車の配置によって、上記右打ちでは遊技球の入球が困難となるよう構成されていてもよい。第2始動口15は、左打ちまたは右打ちの違いにかからず、開放状態にあるときには遊技球の入球が容易となるよう構成されていてもよい。
また、上記遊技領域6の左右の領域には、遊技球が通過可能な普通領域を構成する普通図柄ゲート13が設けられている。
この普通図柄ゲート13には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ13aが設けられている。そして、普通図柄ゲート13に遊技球が通過すると、ゲート検出スイッチ13aが遊技球の通過を検出し、後述する「普通図柄抽選」を行うための普通図柄判定用乱数値を取得する。
なお、ゲート検出スイッチ13aが遊技球の通過を検出した場合には、上記普通図柄判定用乱数値の他にも、停止表示する普通図柄を決定するための普図停止用乱数値、普通図柄の変動時間を決定するための普図時間用乱数値も取得される。
本実施形態では、ゲート検出スイッチ13aが普通領域検出手段を構成する。
さらに、上記遊技領域6の右側の領域には、遊技球が通過可能な普通領域を構成する普通図柄ゲート13に加え、遊技球が入球可能な第1大入賞口16と、遊技球が入球可能な第2大入賞口17も設けられている。
このため、操作ハンドル3を大きく回動させ、強い力で打ち出された遊技球でないと、第1大入賞口16及び第2大入賞口17には遊技球が入賞しないように構成されている。
第1大入賞口16は、通常は第1大入賞口開閉扉16bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、第1大入賞口開閉扉16bが開放されるとともに、この第1大入賞口開閉扉16bが遊技球を第1大入賞口16内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口16に入球可能となる。この第1大入賞口16には第1大入賞口検出スイッチ16aが設けられており、この第1大入賞口検出スイッチ16aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
この第2大入賞口17の右端には、第2大入賞口開閉扉17bが設けられており、この第2大入賞口開閉扉17bの一方を支点として可動することによって第2大入賞口17への入賞を容易にする開放状態と入賞ができない閉鎖状態とを制御する。そして、第2大入賞口開閉扉17bが開放状態となると、その第2大入賞口開閉扉17bが遊技球を第2大入賞口17内に導く受け皿として機能し、遊技球が第2大入賞口17に入球可能となる。この第2大入賞口17には、第2大入賞口検出スイッチ17aが設けられており、この第2大入賞口検出スイッチ17aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
本実施形態では、第1大入賞口16および第2大入賞口17が特別入賞領域を構成する。本実施形態では、第1大入賞口開閉扉16bおよび第2大入賞口開閉扉17bが特別可変入賞装置を構成する。
さらには、遊技領域6の最下部の領域には、一般入賞口12、第1始動口14、第2始動口15、第1大入賞口16および第2大入賞口17のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口11が設けられている。
また、遊技領域6の中央には、遊技球の流下に影響を与える飾り部材7が設けられている。この飾り部材7の略中央部分には、LCD(Liquid Crystal Display)等によって構成される第1液晶表示装置31(以下、「メイン液晶」とも称する)が設けられている。
また、この第1液晶表示装置31の下方には第1液晶表示装置31に比べて小さいサイズの第2液晶表示装置37(以下、「サブ液晶」とも称する)が設けられている。
本実施形態では、その一例として第1液晶表示装置31のサイズ(19インチ)よりも小さいサイズ(4.3インチ)の第2液晶表示装置37の例を示しているが、これに限定されることなく、同サイズの表示装置であってもよく、さらには、第2液晶表示装置37の方が第1液晶表示装置31よりも大きいサイズであってもよい。
この第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、後述する大当りの抽選結果を報知するための3個の演出図柄38が表示され、特定の演出図柄38の組合せ(例えば、777等)が停止表示されることにより、大当りの抽選結果として大当りが報知される。
この演出図柄38は、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときには、後述する特別図柄の変動表示に合わせて変動表示するとともに、所定の変動時間経過後に後述する特別図柄の停止表示に合わせて停止表示する。すなわち、演出図柄38と特別図柄との変動表示のタイミング、演出図柄38と特別図柄との停止表示のタイミングは、それぞれが対応している(同じ時間になっている)。さらに、本実施形態では、この演出図柄38は、第1始動口14に遊技球が入球したときであっても、第2始動口15に遊技球が入球したときであっても、同じ種類の演出図柄38が変動表示又は停止表示されるようになっている。ただし、第1始動口14に遊技球が入球したときと、第2始動口15に遊技球が入球したときとで異なる種類の演出図柄38が変動表示又は停止表示されるように構成しても構わない。
また、第1液晶表示装置31の上方には、仮面の形からなり、駆動可能な装飾部材33が設けられている。この装飾部材33は、演出用駆動装置33aによって駆動され、上下方向に移動することが可能であって、この上下方向の移動によって第1液晶表示装置31の前面に移動することとなる。そして、この装飾部材33の動作態様によって、遊技者にさまざまな期待感を与えることができるのである。
また、演出ボタン35は、遊技者の操作により演出を実行するためのものであるが、この演出ボタン35は演出用駆動装置33aによって上下方向に移動することが可能に構成されている(図2参照)。
この演出ボタン35には、演出ボタン検出スイッチ35aが設けられており、この演出ボタン検出スイッチ35aが遊技者の操作を検出すると、この操作に応じてさらなる演出が実行されることになる。同様にして、十字キー36にも、十字キー検出スイッチ36bが設けられており、遊技者が遊技機1へ所定の情報を入力することができるように構成されている。
さらに、上記の各種の演出装置に加えて、音声出力装置32は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出を行っている。また、演出用照明装置34は、各ランプの光の照射方向や発光色を変更して、照明による演出を行うようにしたものであって複数の位置に設けられている。
遊技領域6の右側の下方には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示器23、第2特別図柄保留表示器24、普通図柄保留表示器25が設けられている。
上記第1特別図柄表示装置20は、第1始動口14に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選の抽選結果を、特別図柄として報知するものであり、LED等によって構成される複数の点灯部材によって構成されている。大当たりの抽選の抽選結果に対応する特別図柄は、すぐに報知されるものではなく、所定時間に亘って変動表示(点滅)された後に、停止表示(点灯)されるようにしている。
なお、第2特別図柄表示装置21は、第2始動口15に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たり抽選の抽選結果を、特別図柄として報知するためのもので、その機能は、上記第1特別図柄表示装置20と同一である。
また、第1特別図柄表示装置20及び/又は第2特別図柄表示装置21は、7セグメントのLEDによっても構成することができる。例えば、大当たりに当選した場合には「7」を停止表示し、ハズレであった場合には「−」を停止表示するように構成してもよい。
ここで、「大当たり抽選」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定する処理をいう。
また、本実施形態において「大当たり」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たり遊技を実行する権利を獲得したことをいう。「大当たり遊技」においては、第1大入賞口16または第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を所定回数(例えば、15回)行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16または第2大入賞口17の最大開放時間については予め定められた時間が設定されており、この間に第1大入賞口16または第2大入賞口17に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「大当たり遊技」は、第1大入賞口16または第2大入賞口17に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できる遊技である。
なお、この大当たり遊技には、複数種類の大当たりが設けられているが、詳しくは後述する。
また、普通図柄表示装置22は、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄抽選の抽選結果を報知するためのものである。
ここで、「普通図柄抽選」とは、普通図柄ゲート13に遊技球が通過したときに、普通図柄判定用乱数値を取得し、取得した普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理をいう。この普通図柄抽選の抽選結果についても、普通図柄ゲート13を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、普通図柄表示装置22において普通図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、普通図柄抽選の抽選結果に対応する普通図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。そして、この普通図柄抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置22の特定の普通図柄(例えば「○」)が点灯し、その後、上記第2始動口15が所定時間、開放態様に制御される。
また、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球して、即座に大当たり抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで、大当たり抽選の権利が保留される。
より具体的には、第1始動口14に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第1保留として記憶し、第2始動口15に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第2保留として記憶する。これら両保留は、それぞれ上限保留個数を4個に設定し、その保留個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24とに表示される。
なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の最左端のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の最左端から2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の最左端から3つのLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の最左端から4つのLEDが点灯する。また、第2特別図柄保留表示器24においても、上記と同様に第2保留の保留個数が表示される。
そして、普通図柄の上限保留個数も4個に設定されており、その保留個数が、上記第1特別図柄保留表示器23および第2特別図柄保留表示器24と同様の態様によって、普通図柄保留表示器25において表示される。
ガラス枠50は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板52を支持している。なお、ガラス板52は、ガラス枠50に対して着脱可能に固定されている。
また、図2に示すように、ガラス枠50は、左右方向の一端側(たとえば遊技機1に正対して左側)においてヒンジ機構部51を介して外枠60に連結されており、ヒンジ機構部51を支点として左右方向の他端側(たとえば遊技機1に正対して右側)を外枠60から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠50は、ガラス板52とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部51を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠60の内側部分を開放することができる。
ガラス枠50における左右方向の他端側には、ガラス枠50の他端側を外枠60に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠50には、ガラス枠50が外枠60から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ133も設けられている。
遊技機1の裏面には、図3に示すように、主制御基板110、演出制御基板120、払出制御基板130、電源基板170、遊技情報出力端子板30等が設けられている。また、電源基板170に遊技機1に電力を給電するための電源プラグ171や、図示しない電源スイッチが設けられている。
[遊技機全体のブロック図]
次に、図4の遊技機1の全体のブロック図を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。
主制御基板110は遊技の基本動作を制御する主制御手段であり、第1始動口検出スイッチ14a等の各種検出信号を入力して、第1特別図柄表示装置20や第1大入賞口開閉ソレノイド16c等を駆動させて遊技を制御するものである。
この主制御基板110は、メインCPU110a、メインROM110bおよびメインRAM110cから構成されるワンチップマイコン110mと、主制御用の入力ポートと出力ポート(図示せず)とを少なくとも備えている。
この主制御用の入力ポートには、払出制御基板130、一般入賞口12に遊技球が入球したことを検知する一般入賞口検出スイッチ12a、普通図柄ゲート13に遊技球が通過したことを検知するゲート検出スイッチ13a、第1始動口14に遊技球が入球したことを検知する第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口15に遊技球が入球したことを検知する第2始動口検出スイッチ15a、第1大入賞口16に遊技球が入球したことを検知する第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口17に遊技球が入球したことを検知する第2大入賞口検出スイッチ17aが接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板110に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、払出制御基板130、第2始動口15の始動可動片15bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド15c、第1大入賞口開閉扉16bを動作させる第1大入賞口開閉ソレノイド16c、第2大入賞口開閉扉17bを動作させる第2大入賞口開閉ソレノイド17c、特別図柄を表示する第1特別図柄表示装置20と第2特別図柄表示装置21、普通図柄を表示する普通図柄表示装置22、特別図柄の保留球数を表示する第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24、普通図柄の保留球数を表示する普通図柄保留表示器25、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板30が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
メインCPU110aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM110bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
主制御基板110のメインROM110bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、大当たり抽選に参照される大当り判定テーブル(図5参照)、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル(図6参照)、大当たり終了後の遊技状態を決定するための大当たり遊技終了時設定データテーブル(図7参照)、大入賞口開閉扉の開閉条件を決定する特別電動役物作動態様決定テーブル(図8参照)、大入賞口開放態様テーブル(図9参照)特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル(図10〜図12参照)、大当たり抽選の事前判定テーブル、普通図柄抽選に参照される当り判定テーブル(図13参照)等がメインROM110bに記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板110のメインRAM110cは、メインCPU110aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
例えば、メインRAM110cには、特図特電処理データ記憶領域、普図普電処理データ記憶領域、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、停止普図データ記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、第1特別図柄乱数値記憶領域、第2特別図柄乱数値記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、大入賞口入球数(C)記憶領域、始動開放回数(S)カウンタ、遊技状態記憶領域(高確率遊技フラグ記憶領域と時短遊技フラグ記憶領域)、高確率遊技回数(X)カウンタ、時短回数(J)カウンタ、特別回数(SP)カウンタ、遊技状態バッファ、停止特図データ記憶領域、停止普図データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタ、普通遊技タイマカウンタ、始動開放タイマカウンタ、始動閉鎖タイマカウンタなど各種のタイマカウンタが設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
遊技情報出力端子板30は、主制御基板110において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板30は、主制御基板110と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板170は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機1に電源電圧を供給するとともに、遊技機1に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板110に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU110aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU110aは動作停止状態になる。なお、バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板120は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板120は、サブCPU120a、サブROM120b、サブRAM120cを備えており、主制御基板110に対して、当該主制御基板110から演出制御基板120への一方向に通信可能に接続されている。
サブCPU120aは、主制御基板110から送信されたコマンド、または、上記演出ボタン検出スイッチ35a、十字キー検出スイッチ36b、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM120bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板140または画像制御基板150に送信する。
サブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、第1液晶表示装置31、第2液晶表示装置37、音声出力装置32、演出用駆動装置33a、演出用照明装置34に所定の演出を実行させるための演出用データ(後述する演出パターン指定コマンド等)を決定する。そして、決定した演出用データを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
演出制御基板120のサブROM120bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて図柄変動演出パターンを決定するための図柄変動演出パターン決定テーブル、停止表示する演出図柄38の組み合わせを決定するための演出図柄決定テーブル等がサブROM120bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板120のサブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。サブRAM120cには、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、図柄変動演出パターン記憶領域、予告演出パターン記憶領域、普通図柄記憶領域、演出図柄記憶領域、特図記憶数カウンタ、普図記憶数カウンタ、特図変動時間カウンタ、普図変動時間カウンタ、時短回数カウンタ等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
払出制御基板130は、遊技球の払い出し制御を行う。この払出制御基板130は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板110に対して、双方向に通信可能に接続されている。
払出CPUは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ132、扉開放スイッチ133、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板110に送信する。
また、払出制御基板130の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の遊技球を払い出すための払出装置の払出モータ131が接続されている。払出CPUは、主制御基板110から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出装置の払出モータ131を制御して所定の遊技球を払い出す。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
ランプ制御基板140は、演出制御基板120、演出用駆動装置33aおよび演出用照明装置34と接続されている。このランプ制御基板140は、演出制御基板120から演出用データ(各種のコマンド)を受信し、受信した演出用データに基づいて、演出用駆動装置33aを動作させるソレノイドやモータ等の駆動源の通電制御、演出用照明装置34における光の点灯制御等を行う。
画像制御基板150は、上記第1液晶表示装置31、第2液晶表示装置37および音声出力装置32が接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37における画像の表示制御や、音声出力装置32における音声の出力制御を行う。
このとき、画像制御基板150と、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37との間には、画像データを表示させる際に所定の画像形式に変換して出力するブリッジ機能を有する汎用基板39が設けられている。
この汎用基板39は、画像データを表示する第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37の性能に対応する画像形式に変換するブリッジ機能を有しており、例えば、SXGA(1280ドット×1080ドット)の19インチのメイン液晶を第1液晶表示装置31として接続したときと、XGA(1024ドット×768ドット)の17インチのメイン液晶を第1液晶表示装置31として接続したときとの解像度の違い等を吸収する。
この画像制御基板150は、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37に表示する演出画像の画像表示制御を行うため液晶制御CPU150a、液晶制御RAM150b、液晶制御ROM150c、CGROM151、水晶発振器152、VRAM153、画像制御部(VDP(Video Display Processor))2000(以下、「VDP2000」と称する)と、音声出力装置32から音情報を出力する制御を行う音制御回路3000とを備えている。
液晶制御CPU150aは、演出制御基板120から受信した「演出パターン指定コマンド」に基づいて、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストを作成し、このディスプレイリストをVDP2000に対して送信することによってCGROM151に記憶されている画像データを第1液晶表示装置31および/または第2液晶表示装置37に表示させる指示を行う。
また、液晶制御CPU150aは、VDP2000からVブランク割込信号や描画終了信号を受信すると、適宜割り込み処理を行う。さらに、液晶制御CPU150aは、音制御回路3000にも、演出制御基板120から受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、所定の音声データを音声出力装置32に出力させる指示を行う。
液晶制御RAM150bは、液晶制御CPU150aに内蔵されており、液晶制御CPU150aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、液晶制御ROM150cから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。
また、液晶制御ROM150cは、マスクROM等で構成されており、液晶制御CPU150aの制御処理のプログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報等が記憶されている。
このアニメパターンは、演出パターンのアニメーションを表示するにあたり参照され、その演出パターンに含まれるアニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序等を記憶している。また、アニメシーン情報には、ウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法、演出画像を表示する表示装置を指定した情報等などの情報を記憶している。
CGROM151は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば、32ピクセル×32ピクセル)における画素情報の集まりからなる画像データ(スプライト、ムービー)等を圧縮して記憶している。なお、この画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。このCGROM151は、VDP2000によって画像データ単位で読み出しが行われ、このフレームの画像データ単位で画像処理が行われる。
さらに、CGROM151には、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータを圧縮せずに記憶している。なお、CGROM151は、全ての画像データを圧縮せずとも、一部のみ圧縮している構成でもよい。また、ムービーの圧縮方式としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
水晶発振器152は、パルス信号をVDP2000に出力し、このパルス信号を分周することで、VDP2000が制御を行うためのシステムクロック、第1液晶表示装置31や第2液晶表示装置37と同期を図るための同期信号等が生成される。
VRAM153は、画像データの書込みまたは読み出しが高速なSRAMで構成されている。このVRAM153は、液晶制御CPU150aから出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するディスプレイリスト記憶領域、第1液晶表示装置31に対応するメイン液晶用フレームバッファ領域、第2液晶表示装置37に対応するサブ液晶用フレームバッファ領域等を有している。
このメイン液晶用フレームバッファ領域とサブ液晶用フレームバッファ領域は、画像を描画または表示するための記憶領域であり、それぞれ第1フレームバッファ領域と第2フレームバッファ領域とを更に有している。そして、第1フレームバッファ領域と第2フレームバッファ領域とは、描画の開始毎に、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とに交互に切り替わるものである。
VDP2000は、いわゆる画像プロセッサであり、液晶制御CPU150aからの指示(ディスプレイリスト)に基づいて、CGROM151に記憶された画像データをVRAM153のメイン液晶用フレームバッファ領域および/またはサブ液晶用フレームバッファ領域の「描画用フレームバッファ」に描画する。さらに、VDP2000は、メイン液晶用フレームバッファ領域および/またはサブ液晶用フレームバッファ領域の「表示用フレームバッファ」から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて、映像信号(LVDS信号やRGB信号等)を生成して、第1液晶表示装置31および/または第2液晶表示装置37に出力して表示させる。
音制御回路3000には、音声データが多数格納されている音声ROMが備えられており、音制御回路3000が、演出制御基板120から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置32における音声を出力制御する。
発射制御基板160は、遊技球の発射制御を行う。この発射制御基板160は、入力側にタッチセンサ3aおよび発射ボリューム3bが接続されており、出力側に発射用ソレノイド4aおよび玉送りソレノイド4bを接続している。発射制御基板160は、タッチセンサ3aからのタッチ信号を入力するとともに、発射ボリューム3bから供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aや玉送りソレノイド4bを通電させる制御を行う。
タッチセンサ3aは、操作ハンドル3の内部に設けられ、遊技者が操作ハンドル3に触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成される。タッチセンサ3aは、遊技者が操作ハンドル3に触れたことを検知すると、発射制御基板160(図4参照)に発射用ソレノイド4aの通電を許可するタッチ信号を出力する。発射制御基板160は、大前提としてタッチセンサ3aからタッチ信号の入力がなければ、遊技球200を遊技領域6に発射させないように構成されている。
発射ボリューム3bは、操作ハンドル3が回動する回動部に直結して設けられ、可変抵抗器から構成される。発射ボリューム3bは、その発射ボリューム3bに印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板160に供給する(発射制御基板160に供給する電圧を可変させる)。発射制御基板160は、発射ボリューム3bにより分圧された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aを通電して、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cを回転させることで、遊技球200を遊技領域6に発射させる。
発射用ソレノイド4aは、ロータリーソレノイドから構成され、発射用ソレノイド4aには打出部材4cが直結されており、発射用ソレノイド4aが回転することで、打出部材4cを回転させる。
ここで、発射用ソレノイド4aの回転速度は、発射制御基板160に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、1個の遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
玉送りソレノイド4bは、直進ソレノイドから構成され、受け皿40にある遊技球を、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cに向けて1個ずつ送り出す。
[遊技状態の説明]
次に、遊技が進行する際の遊技状態について説明する。本実施形態においては、大当たり抽選に関する状態として「低確率遊技状態」と「高確率遊技状態」とを有し、第2始動口15が有する始動可動片15bに関する状態として「非時短遊技状態」と「時短遊技状態」とを有する。この大当たり抽選に関する状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)と始動可動片15bに関する状態(非時短遊技状態、時短遊技状態)とは、それぞれの状態を関連させることもでき、独立させることもできる。つまり、
(1)「低確率遊技状態」かつ「時短遊技状態」である場合と、
(2)「低確率遊技状態」かつ「非時短遊技状態」である場合と、
(3)「高確率遊技状態」かつ「時短遊技状態」である場合と、
(4)「高確率遊技状態」かつ「非時短遊技状態」である場合とを設けることが可能になる。
なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわち遊技機1の初期の遊技状態は、「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」に設定されており、この遊技状態を本実施形態においては「通常遊技状態」と称することとする。
本実施形態において「低確率遊技状態」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たり抽選において、大当たりの当選確率が、例えば1/399と低く設定された遊技状態をいう。これに対して「高確率遊技状態」というのは、低確率遊技状態と比べて大当たりの当選確率が向上し、大当たりの当選確率が、例えば1/39.9と高く設定された遊技状態をいう。したがって、「高確率遊技状態」では、「低確率遊技状態」よりも、大当たりに当選しやすいこととなる。なお、低確率遊技状態から高確率遊技状態に変更するのは、後述する大当たり遊技を終了した後である。
本実施形態では、高確率遊技状態への移行の契機となる大当たりを「確変大当たり」といい、低確率遊技状態への移行の契機となる大当たりを「通常大当たり」という。
本実施形態において「非時短遊技状態」というのは、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄抽選において、その抽選結果に対応する普通図柄の平均の変動時間が「時短遊技状態」よりも長く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口15の開放時間が短く設定されやすい遊技状態をいう。例えば、普通図柄ゲート13を遊技球が通過すると、普通図柄抽選が行われて、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示が行われるが、普通図柄は変動表示が開始されてから、例えば30秒後に停止表示する。そして、抽選結果が当たりであった場合には、普通図柄の停止表示後に、第2始動口15が0.2秒間、開放態様に制御される。
これに対して「時短遊技状態」というのは、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄抽選において、その抽選結果に対応する普通図柄の平均の変動時間が「非時短遊技状態」よりも短く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口15の開放時間が例えば3秒と、「非時短遊技状態」よりも長く設定された遊技状態をいう。さらに、「非時短遊技状態」においては普通図柄抽選において当たりに当選する確率が例えば1/16と低く設定され、「時短遊技状態」においては普通図柄抽選において当たりに当選する確率が例えば15/16と高く設定される。したがって、「時短遊技状態」においては、「非時短遊技状態」よりも、普通図柄ゲート13を遊技球が通過すると、第2始動口15が開放態様に制御されやすくなる。これにより、「時短遊技状態」では、遊技者は遊技球を消費せずに遊技を進行することが可能となる。
なお、実施形態において、「時短遊技状態」は、「非時短遊技状態」と比べて、普通図柄の変動時間、第2始動口15の開放時間および普通図柄抽選の当選確率が有利になるよう設定されている。しかしながら、「時短遊技状態」は、普通図柄の変動時間、第2始動口15の開放時間および普通図柄抽選の当選確率のいずれか1つのみが有利になるように設定されていてもよい。
[大当たり遊技の種類の説明]
本実施形態においては、第1大入賞口16を長い開放時間で開放させる「長当たり遊技」と、第2大入賞口17を短い開放時間で開放させる「短当たり遊技」との2種類の「大当たり遊技」と、1種類の「小当たり遊技」とが設けられている。なお、本実施形態においては、「大当たり遊技」と上記「小当たり遊技」とを総称して「特別遊技」という。
本実施形態において「長当たり遊技」というのは、大当たり抽選において、大当りに当選し、長大当たりに対応する特別図柄が決定された後に、実行される特別遊技をいう。
「長当たり遊技」においては、第1大入賞口16が開放されるラウンド遊技を例えば合計15回行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16の最大開放時間は最大29秒に設定されており、この間に第1大入賞口16に規定個数(例えば9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「長当たり遊技」は、第1大入賞口16に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能な特別遊技である。
また、第1大入賞口16は、遊技領域6の右側の領域に設けられていることから、「長当たり遊技」のときには、操作ハンドル3を大きく回動させ、強い発射強度で遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。
本実施形態において「短当たり遊技」というのは、大当たり抽選において、大当りに当選し、短当たりに対応する特別図柄が決定された後に、実行される特別遊技をいう。
「短当たり遊技」においては、第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を例えば合計15回行う。各ラウンド遊技における第2大入賞口17の最大開放時間は、最大0.052秒に設定されており、1個の遊技球が発射される発射時間(約0.6秒)よりも短くなっている。この間に第2大入賞口17に規定個数(例えば9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となるが、上記のとおり第2大入賞口17の開放時間が極めて短いため、遊技球が入球することはほとんどない。つまり、「短当たり遊技」は、「長当たり遊技」とは異なり、賞球の獲得が困難な特別遊技である。
本実施形態において「小当たり遊技」というのは、大当たり抽選において、小当たりに当選した場合に、実行される特別遊技をいう。
「小当たり遊技」においても、上記「短当たり遊技」と同様、第2大入賞口17が15回開放される。このときの第2大入賞口17の開放時間、開閉タイミング、開閉態様は、上記「短当たり遊技」と同じか、または、遊技者が「小当たり遊技」と「短当たり遊技」との判別を不能もしくは困難な程度に近似するように設定している。
次に、図5〜図13を参照して、メインROM110bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
[大当たり判定テーブル]
図5は、大当たり抽選に用いられる大当り判定テーブルを示す図である。図5(a−1)は、第1特別図柄表示装置20において参照される大当り判定テーブルであり、図5(a−2)は、第2特別図柄表示装置21において参照される大当り判定テーブルである。図5(a−1)と図5(a−2)とのテーブルでは、小当たりの当選確率が相違しているものの、大当たり確率は同一である。
図5(a−1)、図5(a−2)に示すように大当り判定テーブルには、確率遊技状態、特別図柄判定用乱数値と、大当たり抽選の抽選結果とが対応付けられている。
メインCPU110aは、図5(a−1)、図5(a−2)に示す大当り判定テーブルを参照し、現在の確率遊技状態と取得された特別図柄判定用乱数値に基づいて、「大当たり」か「小当たり」か「ハズレ」かを判定する。
例えば、図5(a−1)に示す第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態であるときには、「7」、「8」という2個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。一方、高確率遊技状態であるときには、「7」〜「26」の20個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。また、図5(a−1)に示す第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態であっても高確率遊技状態であっても、特別図柄判定用乱数値が「50」、「100」、「150」、「200」の4個の特別図柄判定用乱数値であった場合に「小当たり」と判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
従って、特別図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜797であるから、低確率遊技状態のときに大当たりと判定される確率は1/399であり、高確率遊技状態のときに大当たりと判定される確率は10倍アップして1/39.9である。また、第1特別図柄表示装置においては、小当たりと判定される確率は、低確率遊技状態であっても高確率遊技状態であっても1/199となる。
[図柄決定テーブル]
図6は、大当たり抽選の抽選結果に対応する特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを示す図である。図6(a)は、大当たりのときに特別図柄の停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルであり、図6(b)は、小当たりのときに特別図柄の停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルであり、図6(c)は、ハズレのときに特別図柄の停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルである。
図6(a)に示すように大当たりにおける図柄決定テーブルには、特別図柄表示装置の種別(遊技球が入賞した始動口の種別)と、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに取得される大当たり図柄用乱数値と、特別図柄(停止特図データ)とが対応付けられている。
また、図6(b)に示すように小当たりにおける図柄決定テーブルには、特別図柄表示装置の種別と、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに取得される小当たり図柄用乱数値と、特別図柄(停止特図データ)とが対応付けられている。
また、図6(c)に示すようにハズレにおける図柄決定テーブルには、特別図柄表示装置の種別と、特別図柄(停止特図データ)とが対応付けられている。なお、図6(c)に示すようにハズレにおける図柄決定テーブルにおいても、ハズレ図柄用乱数値を備えて、ハズレ図柄用乱数値にも対応付けられていてもよい。
メインCPU110aは、図6に示す図柄決定テーブルを参照し、特別図柄表示装置の種別と、大当たり図柄用乱数値または小当たり図柄用乱数値等とに基づいて、特別図柄の種類(停止特図データ)を決定する。
例えば、第1特別図柄表示装置においては、大当たりのときには図6(a)に示す図柄決定テーブルを参照し、取得された大当たり図柄用乱数値が「50」であれば、停止特図データとして「01」(特別図柄1(第1確変長当たり))を決定する。また、第1特別図柄表示装置においては、小当たりのときには図6(b)に示す図柄決定テーブルを参照し、取得された小当たり図柄用乱数値が「50」であれば、停止特図データとして「10」(特別図柄B(小当たりB))を決定する。また、ハズレのときには、いずれの乱数値も参照せずに、停止特図データとして「00」(特別図柄0(ハズレ))を決定する。
そして、特別図柄の変動開始時には、決定した特別図柄の種類(停止特図データ)に基づいて、特別図柄の情報としての演出図柄指定コマンドを決定する。ここで、演出図柄指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAデータとから構成される。このことは、後述する変動パターン指定コマンド等についても同様である。
なお、後述するように、特別図柄の種類(停止特図データ)によって、大当たり遊技終了後の遊技状態(図7参照)、大当たり遊技の種類(図8参照)が決定されることから、特別図柄の種類が大当たり遊技終了後の遊技状態と大当たり遊技の種類を決定するものといえる。
本実施形態では、第1始動口14に遊技球が入球したことによって取得された大当たり図柄用乱数値に対応する特別図柄の種類が、高確率遊技状態への移行の契機となる「確変大当たり」でかつ「長当たり」を決定するものであるときは、「第1確変長当たり」に当選したともいう。また、第1始動口14に遊技球が入球したことによって取得された大当たり図柄用乱数値に対応する特別図柄の種類が、高確率遊技状態への移行の契機となる「確変大当たり」でかつ「短当たり」を決定するものであるときは、「第1確変短当たり」に当選したともいう。また、第1始動口14に遊技球が入球したことによって取得された大当たり図柄用乱数値に対応する特別図柄の種類が、低確率遊技状態への移行の契機となる「通常大当たり」でかつ「長当たり」を決定するものであるときは、「第1通常長当たり」に当選したともいう。
同様に、本実施形態では、第2始動口15に遊技球が入球したことによって取得された大当たり図柄用乱数値に対応する特別図柄の種類が、高確率遊技状態への移行の契機となる「確変大当たり」でかつ「長当たり」を決定するものであるときは、「第2確変長当たり」に当選したともいう。また、第2始動口15に遊技球が入球したことによって取得された大当たり図柄用乱数値に対応する特別図柄の種類が、高確率遊技状態への移行の契機となる「確変大当たり」でかつ「短当たり」を決定するものであるときは、「第2確変短当たり」に当選したともいう。また、第2始動口15に遊技球が入球したことによって取得された大当たり図柄用乱数値に対応する特別図柄の種類が、低確率遊技状態への移行の契機となる「通常大当たり」でかつ「長当たり」を決定するものであるときは、「第2通常長当たり」に当選したともいう。
[大当たり遊技終了時設定データテーブル]
図7は、大当たり遊技終了後の遊技状態を決定するための大当たり遊技終了時設定データテーブルである。
図7に示すように大当たり遊技終了時設定データテーブルには、特別図柄の停止特図データと、遊技状態バッファと、時短遊技状態と、時短回数(J)と、確率遊技状態と、高確率遊技回数(X)とが対応付けられている。
ここで、「遊技状態バッファ」とは、大当たり当選時の遊技状態を示す情報である。そして、遊技状態は、時短遊技状態(又は非時短遊技状態)および高確率遊技状態(又は低確率遊技状態)の組合せから構成されている。
具体的には、遊技状態バッファが「00H」であれば、時短遊技フラグと高確率遊技フラグの両方がセットされていない低確率遊技状態かつ非時短遊技状態の遊技状態情報を示す。遊技状態バッファが「01H」であれば、時短遊技フラグはセットされていないが高確率遊技フラグはセットされている高確率遊技状態かつ非時短遊技状態の遊技状態情報を示す。遊技状態バッファが「02H」であれば、時短遊技フラグがセットされているが高確率遊技フラグがセットされていない低確率遊技状態かつ時短遊技状態の遊技状態情報を示す。遊技状態バッファが「03H」であれば、時短遊技フラグと高確率遊技フラグとの両方がセットされている高確率遊技状態かつ時短遊技状態の遊技状態情報を示す。
メインCPU110aは、図7に示す大当たり遊技終了時設定データテーブルを参照し、特別図柄の停止特図データと、遊技状態バッファとに基づいて、時短遊技状態と、時短回数(J)と、確率遊技状態と、高確率遊技回数(X)を決定する。
図7に示す大当たり遊技終了時設定データテーブルの特徴としては、同じ特別図柄の停止特図データであっても、遊技状態バッファに記憶された情報(大当たり当選時の遊技状態)に基づいて、時短遊技フラグの設定や時短回数(J)を異ならせることを可能にしている。例えば、特別図柄の停止特図データが停止特図データ03(特別図柄3(第1確変短当たりに対応)の場合には、時短遊技フラグ及び時短回数(J)に関して、遊技状態バッファに時短遊技フラグがセットされていない遊技状態を示す情報(00Hまたは01H)が記憶されていれば、大当たり終了後には時短遊技フラグのセットは行わず、時短回数(J)も0回にセットする。これに対して、遊技状態バッファに時短遊技フラグがセットされている遊技状態を示す情報(02Hまたは03H)が記憶されていれば、大当たり遊技終了後には時短遊技フラグをセットして、時短回数(J)を10000回にセットする。これにより、大当たり当選時の遊技状態によって時短回数(J)を変化させ、大当たり当選時の遊技状態に対する興味を遊技者に持たせることができる。
なお、第1始動口14に遊技球が入球したことによって大当たり抽選が行われ、図6(a)に示す大当たり図柄用乱数値が「70〜79」のいずれかの値を取得したとき特別図柄の種類が特別図柄3(停止特図データ=03)である第1確変短当たりに当選したと判定される。そして、遊技状態バッファが「00H」又は「01H」のとき、すなわち大当たり抽選において第1確変短当たりに当選した時の遊技状態が、「低確率遊技状態かつ非時短遊技状態」または「高確率遊技状態かつ非時短遊技状態」であるときには、図7に示すように、短当たり遊技終了後の遊技状態は「高確率遊技状態かつ時短遊技状態」に設定される。
本実施形態では、短当たり遊技終了後の遊技状態が高確率遊技状態かつ非時短遊技状態であることを「潜伏確変」もいう。
[特別電動役物作動態様決定テーブル]
図8は、大入賞口開放態様テーブルを決定するための特別電動役物作動態様決定テーブルである。後述するように、この大入賞口開放態様テーブルに基づいて、大当たり遊技が実行されることから、大入賞口開放態様テーブルが大当たり遊技の種類を示すものといえる。なお、本実施形態では、「テーブル」のことを適宜省略して「TBL」と記載することにする。
図8に示すように特別電動役物作動態様決定テーブルには、特別図柄の停止特図データと、大入賞口開放態様テーブルとが対応付けられている。
メインCPU110aは、図8に示す特別電動役物作動態様決定テーブルを参照し、特別図柄の停止特図データに基づいて、大入賞口開放態様テーブルを決定することになる。
[大入賞口開放態様テーブル]
図9は、図8で決定された大入賞口開放態様テーブルの構成を示す図であり、大入賞口開放態様テーブルによって第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17bの開閉条件が決定される。図9(a)は、大当たり遊技のときに参照される大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブル群であり、長当たりTBLおよび短当たりTBLから構成されている。図9(b)は、小当たり遊技のときに決定される小当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルを示している。
図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルには、開放する大入賞口の種類(第1大入賞口16または第2大入賞口17)と、1回の大当たり遊技における最大ラウンド遊技回数(R)と、1つのラウンドにおける大入賞口への最大入賞個数を示す規定個数と、大当り遊技の開始から最初のラウンド遊技を実行するまでの開始インターバル時間と、各ラウンド遊技における大入賞口の最大開放回数(K)と、各ラウンド遊技の1回の開放に対しての大入賞口の開放時間と、各ラウンド遊技の1回の開放に対しての大入賞口の閉鎖時間と、1つのラウンド遊技の終了から次のラウンド遊技を実行するまでの大入賞口の閉鎖インターバル時間と、最後のラウンド遊技の終了から大当り遊技の終了までの終了インターバル時間とが対応付けられている。
これに対して、図9(b)に示す小当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルには、開放する大入賞口の種類(第1大入賞口16または第2大入賞口17)と、1回の小当たり遊技における最大開放回数(K)と、1回の小当たり遊技における大入賞口への最大入賞個数を示す規定個数と、小当り遊技の開始から最初に大入賞口が開放するまでの開始インターバル時間と、各開放回数における大入賞口の開放時間と、各開放回数における大入賞口の閉鎖時間と、最後の大入賞口の閉鎖時間の終了から小当り遊技の終了までの終了インターバル時間とが対応付けられている。
メインCPU110aは、長当たりTBLに基づいて長当たり遊技を実行し、短当たりTBLに基づいて短当たり遊技を実行し、小当たりTBLに基づいて小当たり遊技を実行することになる。
ここで、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルの長当たりTBLによれば、第1大入賞口開閉扉16bを作動させて、遊技領域6の右側にある第1大入賞口16を、1ラウンドあたり最大29秒まで開放させることができる。ただし、開放時間が29秒を経過するまでに、規定個数(9個)の遊技球が第1大入賞口16に入賞すると、第1大入賞口開閉扉16bの作動が終了して、1ラウンドの遊技が終了することになる。長当たり遊技は、大入賞口が開状態である期間(1回の開放時間=1ラウンドあたり29秒)が閉状態である期間(閉鎖インターバル時間=2秒)よりも長い遊技であるといえる。
また、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルの短当たりTBLと図9(b)の小当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルとは、最大ラウンド遊技回数(R)と最大開放回数(K)、閉鎖インターバル時間と各開放回数における大入賞口の閉鎖時間において、データの差異こそあるものの、同じ第2大入賞口17が同じ開閉動作を行い(第2大入賞口17が0.052秒の開放と2.0秒の閉鎖とを15回繰り返し)、遊技者は外見から短当たり遊技であるのか小当たり遊技であるのか判別することはできない。これにより、遊技者に短当たり遊技であるのか小当たり遊技であるのかということを推測させる楽しみを付与させることができる。短当たり遊技および小当たり遊技は、大入賞口が開状態である期間(1回の開放時間=1ラウンドあたり0.052秒)が閉状態である期間(閉鎖インターバル時間=2秒)よりも短い遊技であるといえる。
なお、本実施形態では、短当たり遊技の開放時間と小当たり遊技の開放時間とを全く同じ開放時間(0.052秒)に設定し、短当たり遊技の閉鎖時間と小当たり遊技の閉鎖時間とを全く同じ閉鎖時間(2秒)に設定した。しかしながら、全く同じ時間に設定せずとも、短当たり遊技であるのか小当たり遊技であるのかを遊技者が判別不能な時間の差異を設けても構わない。
また、「短当たり遊技」と「小当たり遊技」の短い開放時間(0.052秒)は、上述したように遊技球が1個発射される時間(約0.6秒)よりも短いため、第2大入賞口開閉扉17bが作動したとしても、第2大入賞口17に入賞することが困難である。このため、「短当たり遊技」と「小当たり遊技」とは「不利な開放態様」といえる。一方、「長当たり遊技」の長い開放時間(29秒)は、遊技球が1個発射される時間(約0.6秒)よりも長いため、「有利な開放態様」といえる。
また、本実施形態では、図6(a)で示したように、第2始動口15へ遊技球の入球を契機とする大当たり抽選の抽選結果は、第1始動口14へ遊技球の入球を契機とする大当たり抽選の抽選結果よりも、「有利な開放態様」といえる長当たり遊技が実行され易く構成されている。更に、大当たり遊技終了後に高確率遊技状態となり易く構成されている。
よって、第2始動口15へ遊技球の入球を契機とする大当たり抽選の抽選結果は、第1始動口14へ遊技球の入球を契機とする大当たり抽選の抽選結果よりも、大当たり遊技の種類および大当たり遊技終了後の遊技状態が遊技者に有利な抽選結果となりやすい。
また、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルによれば、長当たり遊技、短当たり遊技に関わらず、全ての大当たりのときの最大ラウンド遊技回数(R)を同一の回数に設定している。このため、従来のようにラウンド遊技回数を識別させるためのラウンド表示装置を設ける必要がなくなる。
[特別図柄の変動パターン決定テーブル]
図10〜図12は、後述するように特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブルを示す図である。
図10は、第1特別図柄表示装置20で表示される第1特別図柄の変動パターン決定テーブルAを示す図であって、後述する特別回数(SP)が設定されていない通常時に参照されるテーブルである。図11は、第1特別図柄表示装置20で表示される第1特別図柄の変動パターン決定テーブルBを示す図であって、後述する特別回数(SP)が設定されているときに参照されるテーブルである。図12は、第2特別図柄表示装置21で表示される第2特別図柄の変動パターン決定テーブルを示す図である。
図10〜図12に示す各変動パターン決定テーブルには、それぞれ特別図柄表示装置の種別(遊技球が入賞した始動口の種別)と、大当たり抽選の抽選結果と、特別図柄(停止特図データ)と、特別図柄の保留球数(U1またはU2)と、リーチ判定用乱数値と、特図変動用乱数値と、特別図柄の変動パターンと、特別図柄の変動時間とが対応付けられている。
メインCPU110aは、図10〜図12に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルのいずれかを参照し、作動する特別図柄表示装置、大当たり抽選の抽選結果、停止する特別図柄(停止特図データ)、特別図柄保留球数(U1またはU2)、リーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値に基づいて、特別図柄の変動パターンと特別図柄の変動時間を決定する。そして、決定した特別図柄の変動パターンに基づいて、演出制御基板120に特別図柄の情報を送信する特別図柄の変動パターン指定コマンドが生成される。
従って、「特別図柄の変動パターン」とは、少なくとも大当たりの判定結果及び特別図柄の変動時間を定めるものといえる。
図12に示す第2特別図柄の変動パターン決定テーブルと、図10に示す第1特別図柄の変動パターン決定テーブルAとによって決定される「特別図柄の変動パターン」は共通している。
しかし、図11に示す第1特別図柄の変動パターン決定テーブルBで決定される第1特別図柄の変動パターンは、例えば、図10に示す第1特別図柄の変動パターン決定テーブルAで決定される変動パターンと異なっている。
具体的には、大当たり抽選の抽選結果が「大当たり」である場合、図10に示す変動パターン決定テーブルAでは、第1特別図柄の種類及び特図変動用乱数値に応じて、複数の変動パターン(変動パターン1〜4)のいずれかに決定される。そして、変動パターン1〜4によって設定される第1特別図柄の変動時間は15秒、20秒、又は30秒である。
一方、図11に示す変動パターン決定テーブルBでは、第1特別図柄の種類にかかわらず1つの変動パターン(変動パターン101)に決定される。そして、変動パターン101によって設定される第1特別図柄の変動時間は5秒であり、変動パターン1〜4によって設定される第1特別図柄の変動時間よりも短い。
大当たり抽選の抽選結果が「小当たり」及び「ハズレ」である場合も、上記と同様である。
すなわち、図11に示す変動パターン決定テーブルBで決定される第1特別図柄の変動パターンは、図10に示す変動パターン決定テーブルAで決定される第1特別図柄の変動パターンに比べて、第1特別図柄の変動時間が短くなるように定められている。
メインCPU110aは、第2特別図柄表示装置21で表示される第2特別図柄の変動パターンを決定する際には、図12に示す変動パターン決定テーブルを参照する。
また、メインCPU110aは、第1特別図柄表示装置20で表示される第1特別図柄の変動パターンを決定する際には、図10に示す変動パターン決定テーブルAまたは図11に示す変動パターン決定テーブルBのいずれかを参照する。
図10に示す変動パターン決定テーブルAまたは図11に示す変動パターン決定テーブルBのいずれを参照するかを選択する際、メインCPU110aは、メインRAM110cの特別回数(SP)カウンタにセットされた特別回数(SP)の値に基づいて選択する。
特別回数(SP)は、第1特別図柄の変動パターンを決定する際に図11に示す変動パターン決定テーブルBを参照することによって、第1特別図柄の変動時間を短縮する期間を定めるための情報である。特別回数(SP)の値が1以上であれば現在は第1特別図柄の変動時間を短縮する期間中であることを意味し、特別回数(SP)の値が1以上でなければ(すなわち0)現在は第1特別図柄の変動時間を短縮する期間中でないことを意味する。
本実施形態では、特別回数(SP)は、短当たり遊技終了後の遊技状態を高確率遊技状態かつ非時短遊技状態に設定する際(いわゆる潜伏確変)に、特別回数(SP)カウンタに例えば50がセットされる。そして、特別回数(SP)カウンタにセットされた特別回数(SP)は、短当たり遊技終了後に第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示のいずれかが行われるごとに1ずつ減算される。すなわち、本実施形態では、短当たり遊技終了後に第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数の合計が50回に至るまでは、特別回数(SP)の値は1以上となり、当該合計が50回を超えると0になる。なお、特別回数としてセットする値は、50回に限定されず任意の回数でよい。
メインCPU110aは、図10に示す変動パターン決定テーブルAまたは図11に示す変動パターン決定テーブルBのいずれを参照するかを選択する際、特別回数(SP)カウンタの値を確認する。そして、メインCPU110aは、特別回数(SP)が1以上であれば、図11に示す変動パターン決定テーブルBを参照することを選択する。また、メインCPU110aは、特別回数(SP)が1以上でなければ(すなわちデフォルト値である0)、図10に示す変動パターン決定テーブルAを参照することを選択する。
これにより、短当たり遊技終了後の遊技状態が高確率遊技状態かつ非時短遊技状態である場合には、その後の第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数の合計が特別回数(SP)=50回に至るまでは、第1特別図柄の変動時間が短縮されることとなる。
特別図柄の変動パターン指定コマンドは、コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、コマンドの内容(機能)を示す1バイトのDATAデータとから構成されている。そして、図10および図11に示すように、MODEデータとして「E6H」であるときには第1始動口14に遊技球が入賞したことに対応する(第1特別図柄表示装置20の)特別図柄の変動パターン指定コマンドを示す。また、図12に示すように、MODEデータとして「E7H」であるときには、第2始動口15に遊技球が入賞したことに対応する(第2特別図柄表示装置21の)特別図柄の変動パターン指定コマンドを示している。
なお、図10および図12に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルの特徴として、特別図柄の保留球数(U1またはU2)が多くなると、特別図柄の平均変動時間が短くなるように設定されている。例えば、大当たりの判定結果がハズレの場合に保留球数が2以下のときには、リーチ判定用乱数値に基づいて90%の確率で変動時間が10秒の変動パターン6(通常変動)が決定されるが、同じ条件下で保留球数が3以上のときには、リーチ判定用乱数値に基づいて90%の確率で変動時間が3秒の変動パターン10(短縮変動)が決定される。
更に、図11に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルBの特徴として、他の変動表示に比べて変動時間が長いリーチを行わないように設定されている。これにより、図11に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルBを参照する際には、第1特別図柄の変動時間の短縮化をより一層図ることができる。「リーチ」とは、特別遊技に移行することを報知する演出図柄38の組合せの一部が停止表示され、他の演出図柄38が変動表示を行っている状態である。
本実施形態では、図10に示す第1特別図柄の変動パターン決定テーブルAに定められた変動時間が、第1変動表示時間を構成し、図11に示す第1特別図柄の変動パターン決定テーブルBに定められた変動時間が、第2変動表示時間を構成する。
図13は、普通図柄及び第2始動口15の始動可動片15bに関するテーブルを示す図である。図13(a)は、普通図柄抽選に用いられる当り判定テーブルを示す図であり、図13(b)は、普通図柄抽選の抽選結果に対応する普通図柄の停止図柄を決定する停止図柄決定テーブルを示す図である。また、図13(c)は、普通図柄の変動時間を決定する変動時間決定テーブルであり、図13(d)は、普通図柄抽選に当選したときの始動可動片15bの開放態様を決定するための始動口開放態様決定テーブルを示す図である。
[普通図柄抽選の当たり判定テーブル]
図13(a)に示すように当り判定テーブルには、時短遊技状態の有無と、普通図柄判定用乱数値と、普通図柄抽選の抽選結果とが対応付けられている。
メインCPU110aは、図13(a)に示す当り判定テーブルを参照し、現在の時短遊技状態と取得された普通図柄判定用乱数値とに基づいて、「当たり」か「ハズレ」かを判定する。
例えば、図13(a)に示す当り判定テーブルによれば、非時短遊技状態であるときには、「0」という1個の特定の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。一方、時短遊技状態であるときには、「0」〜「14」の15個の特定の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。従って、普通図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜15であるから、非時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は1/16であり、時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は15/16である。
[普通図柄の停止図柄決定テーブル]
図13(b)に示すように停止図柄決定テーブルには、時短遊技状態の有無と、普通図柄抽選の抽選結果と、普図停止用乱数値と、普通図柄(停止普図データ)とが対応付けられている。
メインCPU110aは、図13(b)に示す停止図柄決定テーブルを参照し、現在の時短遊技状態と、普通図柄抽選の抽選結果と、取得された普図停止用乱数値とに基づいて、停止表示する普通図柄(停止普図データ)を決定する。
そして、メインCPU110aは、普通図柄の変動開始時には、決定した普通図柄の種類(停止普図データ)に基づいて、普通図柄の情報としての普図指定コマンドを決定して、決定した普図指定コマンドを演出制御基板120に送信することになる。
図13(b)に示す普通図柄の停止図柄決定テーブルの特徴として、時短遊技状態で普通図柄抽選に当選したときは普通図柄3に決定される確率は90%である。一方、非時短遊技状態で普通図柄抽選に当選したときは普通図柄3に決定される確率は1%である。
すなわち、時短遊技状態で普通図柄抽選に当選したとき、普通図柄3(停止普図データ=03)に決定される場合が殆どである。
また、図13(b)に示す普通図柄の停止図柄決定テーブルの特徴として、時短遊技状態で普通図柄抽選に当選したときは普通図柄2に決定される確率は5%である。一方、非時短遊技状態で普通図柄抽選に当選したときは普通図柄2に決定される確率が39%である。
すなわち、非時短遊技状態で普通図柄抽選に当選したとき、普通図柄2(停止普図データ=02)に決定される場合が度々あり得る。
ここで、図13(d)に示すように、普通図柄(停止普図データ)によって、始動可動片15bの開放態様が決定されることから、普通図柄の種類が始動可動片15bの開放態様を決定するものといえる。
[普通図柄の変動時間決定テーブル]
図13(c)に示すように変動時間決定テーブルには、時短遊技状態の有無と、普通図柄抽選の抽選結果と、普図時間用乱数値と、普通図柄の変動時間とが対応付けられている。
メインCPU110aは、図13(c)に示す変動時間決定テーブルを参照し、現在の時短遊技状態と、普通図柄抽選の抽選結果と、取得された普図時間用乱数値とに基づいて、普通図柄の変動時間を決定する。
そして、メインCPU110aは、普通図柄の変動開始時には、決定した普通図柄の変動時間に基づいて、普通図柄の変動時間の情報としての普図変動指定コマンドを決定して、決定した普図変動指定コマンドを演出制御基板120に送信することになる。
図13(c)に示す変動時間決定テーブルの特徴として、時短遊技状態の変動時間(3秒または5秒)は、非時短遊技状態の変動時間(30秒または40秒)よりも短くなるように構成されている。
[始動可動片の始動口開放態様決定テーブル]
図13(d)に示すように始動口開放態様決定テーブルには、停止普図データ(普通図柄)と、始動可動片15bの最大開放回数(S)と、始動可動片15bの開放時間と、始動可動片15bの閉鎖時間と、始動可動片15bの開始インターバル時間と、始動可動片15bの閉鎖インターバル時間とが対応付けられている。
メインCPU110aは、図13(d)に示す始動口開放態様決定テーブルを参照し、停止普図データに基づいて、始動可動片15bの最大開放回数(S)、開放時間、閉鎖時間、開始インターバル時間、閉鎖インターバル時間を決定する。
本実施形態では、図13(d)に示す始動口開放態様決定テーブルでは、停止普図データ=01の開放態様は、開放時間が非常に短い(0.2秒)ショート開放が1回だけ行われる態様となっている。停止普図データ=02の開放態様は、開放時間が非常に短い(0.2秒)ショート開放と開放時間が比較的長い(3秒)ロング開放との2回の開放が行われる態様となっている。停止普図データ=03の開放態様は、開放時間が比較的長い(3秒)ロング開放が2回行われる態様となっている。
すなわち、本実施形態では、図13(d)に示す始動口開放態様決定テーブルでは、停止普図データ=02が、停止普図データ=01よりも有利な開放態様となっている。更に、停止普図データ=03が、停止普図データ=02よりも有利な開放態様となっている。
そして、図13(b)の停止図柄決定テーブルの普図停止用乱数値に示すように、時短遊技状態において当たりとなったときには、非時短遊技状態において当たりとなったときよりも、最も有利な開放態様となる停止普図データ=03が選択されやすくなっている。
これにより、時短遊技状態では、非時短遊技状態よりも遊技者に有利に始動可動片15bが作動することになる。
また、図13(b)の停止図柄決定テーブルの普図停止用乱数値に示すように、非時短遊技状態であっても、ロング開放が行われる停止普図データ=02が選択される場合が度々あり得る。
これにより、非時短遊技状態であっても、遊技球がたびたび第2始動口15に入球可能となるよう始動可動片15bが作動することになる。このため、非時短遊技状態であっても遊技者は普通図柄抽選に興味を持ち得る。
特に、第2始動口15へ遊技球の入球を契機とする大当たり抽選の抽選結果は、第1始動口14へ遊技球の入球を契機とする大当たり抽選の抽選結果よりも、大当たり遊技の種類および大当たり遊技終了後の遊技状態が遊技者に有利な抽選結果となりやすい。このため、非時短遊技状態であっても、遊技者に有利な第2始動口15への入球がたびたび可能となれば、遊技者は普通図柄抽選に一層興味を持ち得る。
本実施形態では、始動可動片15bの作動によって第2始動口15を開放させる遊技を「普通遊技」ともいう。
本実施形態では、第2始動口15の開放態様を上記の「ショート開放」を1回だけとする普通遊技が、第1普通遊技を構成する。
また、第2始動口15の開放態様を上記の「ショート開放」と「ロング開放」との2回とする普通遊技、または、第2始動口15の開放態様を上記の「ロング開放」を2回とする普通遊技が、第2普通遊技を構成する。
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
[主制御基板のメイン処理]
図14を用いて、主制御基板110のメイン処理を説明する。
電源基板170により電源が供給されると、メインCPU110aにシステムリセットが発生し、メインCPU110aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS10において、メインCPU110aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU110aは、電源投入に応じて、メインROM110bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM110cに記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
ステップS20において、メインCPU110aは、特別図柄の変動態様(変動時間)を決定するためのリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値の更新を行う演出用乱数値更新処理を行う。
ステップS30において、メインCPU110aは、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期値乱数値、普通図柄判定用初期乱数値、普図停止用初期乱数値の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20とステップS30との処理を繰り返し行う。
[主制御基板のタイマ割込処理]
図15を用いて、主制御基板110のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板110に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS100において、メインCPU110aは、メインCPU110aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS110において、メインCPU110aは、特別図柄時間カウンタの更新処理、特別電動役物の開放時間等などの特別遊技タイマカウンタの更新処理、普通図柄時間カウンタの更新処理、始動可動片15bの開閉時間の更新処理等の各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。具体的には、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタ、普通図柄時間カウンタから1を減算する処理を行う。
ステップS120において、メインCPU110aは、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、普通図柄判定用乱数値、普図停止用乱数値、普図時間用乱数値の乱数更新処理を行う。
具体的には、それぞれの乱数値及び乱数カウンタを+1加算して更新する。なお、加算した乱数カウンタが乱数範囲の最大値を超えた場合(乱数カウンタが1周した場合)には、乱数カウンタを0に戻し、その時の初期乱数値からそれぞれの乱数値を新たに更新する。
ステップS130において、メインCPU110aは、ステップS30と同様に、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期値乱数値、普通図柄判定用初期乱数値、普図停止用初期乱数値を更新する初期乱数値更新処理を行う。
ステップS200において、メインCPU110aは、入力制御処理を行う。
この処理において、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ12a、ゲート検出スイッチ13a、第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口検出スイッチ15a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17aの各種スイッチに入力があったか否か判定し、入力があった場合には所定のデータをセットする入力制御処理を行う。詳しくは、図16を用いて後述する。
ステップS300において、メインCPU110aは、大当たり抽選、特別図柄の表示制御、第1大入賞口16または第2大入賞口17の開閉制御、遊技状態の制御を行うための特図特電制御処理を行う。詳しくは、図18を用いて後述する。
ステップS400において、メインCPU110aは、普通図柄抽選、普通図柄の表示制御、始動可動片15bの開閉制御を行うための普図普電制御処理を行う。詳しくは、図27を用いて後述する。
ステップS500において、メインCPU110aは、払出制御処理を行う。
この払出制御処理において、メインCPU110aは、ぞれぞれの賞球カウンタを参照し、各種入賞口に対応する払出個数指定コマンドを生成して、生成した払出個数指定コマンドを払出制御基板130に送信する。
ステップS600において、メインCPU110aは、外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置データ、普通図柄表示装置データ、記憶数指定コマンドのデータ作成処理を行う。
ステップS700において、メインCPU110aは、出力制御処理を行う。この処理において、上記S600で作成した外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータの信号を出力させるポート出力処理を行う。
また、ステップS700において、メインCPU110aは、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21および普通図柄表示装置22の各LEDを点灯させるために、上記S600で作成した特別図柄表示装置データと普通図柄表示装置データとを出力する表示装置出力処理を行う。
さらに、ステップS700において、メインCPU110aは、メインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを演出制御基板120に送信するコマンド送信処理も行う。なお、演出制御基板120に送信されるコマンドの種別については、図30を用いて後述する。
ステップS800において、メインCPU110aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU110aのレジスタに復帰させる。
[主制御基板の入力制御処理]
図16を用いて、主制御基板110の入力制御処理を説明する。
ステップS210において、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ入力処理を行う。
この一般入賞口検出スイッチ入力処理では、一般入賞口検出スイッチ12aから検出信号を入力したか否かの判定を行う。一般入賞口検出スイッチ12aから検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移す。
一般入賞口検出スイッチ12aから検出信号を入力した場合には、一般入賞口用の賞球カウンタに所定のデータを加算して更新した後、次のステップに処理を移す。
ステップS220において、メインCPU110aは、大入賞口検出スイッチ入力処理を行う。
この大入賞口検出スイッチ入力処理では、第1大入賞口検出スイッチ16aまたは第2大入賞口検出スイッチ17aから検出信号を入力したか否かの判定を行う。第1大入賞口検出スイッチ16aまたは第2大入賞口検出スイッチ17aから検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移す。
第1大入賞口検出スイッチ16aまたは第2大入賞口検出スイッチ17aからの検出信号を入力した場合には、大入賞口用の賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、第1大入賞口16または第2大入賞口17に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球数(C)記憶領域に1を加算して更新した後、次のステップに処理を移す。
ステップS230において、メインCPU110aは、第1始動口検出スイッチ入力処理を行う。
この第1始動口検出スイッチ入力処理では、第1始動口検出スイッチ14aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1始動口14に入賞したか否かを判定して、所定のデータをセットする。詳しくは、図17を用いて後述する。
ステップS240において、メインCPU110aは、第2始動口検出スイッチ入力処理を行う。この第2始動口検出スイッチ入力処理では、後述する図17に示す第1始動口検出スイッチ入力処理と同様の処理を行う。
ただし、第1始動口検出スイッチ入力処理と第2始動口検出スイッチ入力処理と比較すると、データを記憶する領域が相違している。すなわち、第1始動口検出スイッチ入力処理における第1特別図柄保留数(U1)記憶領域が、第2始動口検出スイッチ入力処理では第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に代わり、第1始動口検出スイッチ入力処理における第1特別図柄乱数値記憶領域が、第2始動口検出スイッチ入力処理では第2特別図柄乱数値記憶領域に代わって構成されている。
ステップS250において、メインCPU110aは、ゲート検出スイッチ入力処理を行う。
このゲート検出スイッチ入力処理は、まずゲート検出スイッチ13aから検出信号を入力したか否かの判定を行う。ゲート検出スイッチ13aから検出信号を入力していなければ、ゲート検出スイッチ入力処理を終了して、次のステップに処理を移す。
ゲート検出スイッチ13aから検出信号を入力した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域にセットされているデータが4未満であるか否かを判定して、普通図柄保留数(G)記憶領域が4未満であれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に1を加算する。また、普通図柄保留数(G)記憶領域が4未満でなければ、ゲート検出スイッチ入力処理を終了し、次のステップに処理を移す。
普通図柄保留数(G)記憶領域に1を加算した後には、普通図柄判定用乱数値、普図停止用乱数値、普図時間用乱数値をそれぞれ取得して、取得した各種乱数値を普通図柄保留記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
最後に、普通図柄保留数(G)記憶領域にセットされているデータに基づいて、普通図柄保留数を示すための「普通図柄記憶数指定コマンド」を決定し、決定した普通図柄記憶数指定コマンドをメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットして、ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。
[主制御基板の第1始動口検出スイッチ入力処理]
図17を用いて、主制御基板110の第1始動口検出スイッチ入力処理を説明する。
まず、ステップS230−1において、メインCPU110aは、第1始動口検出スイッチ14aからの検出信号を入力したか否かを判定する。
第1始動口検出スイッチ14aからの検出信号を入力した場合にはステップS230−2に処理を移し、第1始動口検出スイッチ14aからの検出信号を入力しなかった場合には、第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
ステップS230−2において、メインCPU110aは、賞球のために用いる始動口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する処理を行う。
ステップS230−3において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であるか否かを判定する。第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であった場合には、ステップS230−4に処理を移し、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満でない場合には、今回の第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
ステップS230−4において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に「1」を加算して記憶する。
ステップS230−5において、メインCPU110aは、特別図柄判定用乱数値を取得して、第1特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に取得した特別図柄判定用乱数値を記憶する。
ステップS230−6において、メインCPU110aは、大当たり図柄用乱数値を取得して、第1特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に取得した大当たり図柄用乱数値を記憶する。
ステップS230−7において、メインCPU110aは、小当たり図柄用乱数値を取得して、第1特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に取得した小当たり図柄用乱数値を記憶する。
ステップS230−8において、メインCPU110aは、演出用乱数値として、リーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値を取得して、第1特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に取得したリーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値を記憶する。
以上より、第1特別図柄乱数値記憶領域の所定の記憶部には、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値が記憶されることとなる。
ステップS230−9において、メインCPU110aは、事前判定処理を行う。
この事前判定処理では、図示しない事前判定テーブルを参照し、特別図柄表示装置の種類、現在の遊技状態、今回取得した特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値に基づいて、始動口の判定情報を事前に把握するための入賞情報を決定する。
ステップS230−10において、メインCPU110aは、上記ステップS230−9の事前判定処理で決定された入賞情報に基づいた入賞情報指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
これにより、入賞情報を入賞情報指定コマンドとして演出制御基板120へ送信することができ、入賞情報指定コマンドを受信した演出制御基板120のサブCPU120aは、入賞情報指定コマンドを解析して、今回の第1始動口への遊技球の入賞を契機とした特別図柄の変動が開始される前から、事前に所定の演出を実行することができる。
ステップS230−11において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされている値を参照し、上記ステップS230−4で更新された第1特別図柄保留数(U1)に対応する第1特別図柄記憶指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
なお、第2始動口検出スイッチ入力処理においても、ステップS230−9〜S230−11と同様に、事前判定テーブルを参照して入賞情報が生成され、入賞情報に基づいた入賞情報指定コマンド、第2特別図柄保留数(U2)に対応する特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120へ送信される。
[主制御基板の特図特電制御処理]
図18を用いて、主制御基板110の特図特電制御処理を説明する。
まず、ステップS301において特図特電処理データの値をロードし、ステップS302においてロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば大当り遊技終了処理(ステップS350)に処理を移し、特図特電処理データ=5であれば小当り遊技処理(ステップS360)に処理を移す。
この「特図特電処理データ」は、後述するように特図特電制御処理の各サブルーチンの中で必要に応じてセットされていくので、その遊技において必要なサブルーチンが適宜処理されていくことになる。
ステップS310の特別図柄記憶判定処理においては、メインCPU110aは、大当たり判定処理、停止表示する特別図柄の決定をする特別図柄決定処理、特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定処理等を行う。この特別図柄記憶判定処理については、詳しくは図19を用いて、後述することにする。
ステップS320の特別図柄変動処理においては、メインCPU110aは、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する処理を行い、特別図柄の変動時間が経過した場合には、ステップS330の特別図柄停止処理に移行させる処理を行う。この特別図柄変動処理については、詳しくは図22を用いて、後述することにする。
ステップS330の特別図柄停止処理においては、メインCPU110aは、停止表示された特別図柄(大当たり図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄)に対応する処理を行うとともに、時短回数(J)、時短遊技フラグ、高確率遊技回数(X)、高確率遊技フラグの設定処理を行う。更に、メインCPU110aは、特別回数減算処理を行う。この特別図柄停止処理については、詳しくは図23を用いて、後述することにする。
ステップS340の大当たり遊技処理においては、メインCPU110aは、長当たりまたは短当たりのいずれかの大当たり遊技を制御する処理を行う。この大当たり遊技処理については、詳しくは図24を用いて、後述することにする。
ステップS350の大当り遊技終了処理においては、メインCPU110aは、高確率遊技状態または低確率遊技状態のいずれかの確率遊技状態を決定するとともに、時短遊技状態または非時短遊技状態のいずれかの遊技状態を決定する処理を行う。更に、メインCPU110aは、特別回数設定処理を行う。この大当り遊技終了処理については、詳しくは図25を用いて、後述することにする。
ステップS360の小当たり遊技処理においては、メインCPU110aは、小当たり遊技を制御する処理を行う。この小当たり遊技処理については、詳しくは図26を用いて、後述することにする。
[主制御基板の特別図柄記憶判定処理]
図19を用いて、主制御基板110の特別図柄記憶判定処理を説明する。
ステップS310−1において、メインCPU110aは、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ここで、特別図柄の変動表示中であれば(特別図柄時間カウンタ≠0)、特別図柄記憶判定処理を終了し、特別図柄の変動表示中でなければ(特別図柄時間カウンタ=0)、ステップ310−2に処理を移す。
ステップS310−2において、メインCPU110aは、特別図柄の変動中ではない場合には、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域と第2特別図柄保留数(U2)記憶領域との合計が1以上であるかを判定する。
第1特別図柄保留数(U1)記憶領域と第2特別図柄保留数(U2)記憶領域との合計が1以上であるとは、第1始動口14に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値の第1保留、または、第2始動口15に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値の第2保留のいずれかが記憶されている場合に相当する。
メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域と第2特別図柄保留数(U2)記憶領域との合計が1以上であると判定した場合にはステップS310−3に処理を移す。一方、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域と第2特別図柄保留数(U2)記憶領域との合計が1以上でない場合には本処理を終了する。
ステップS310−3において、メインCPU110aは、最先に保留された特別図柄の保留球が第2保留であるか否かを判定する。
最先に保留された特別図柄の保留球が第2保留であるとは、第1始動口14または第2始動口15への入球によって保留された保留球のうちで、保留された時刻が最も早い保留球を意味する。より具体的には、現在メインRAM110cの第1特別図柄乱数値記憶領域または第2特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データのうちで、最先に記憶されたデータは、第2特別図柄乱数値記憶領域の第1記憶部に記憶されデータであるかを意味する。メインCPU110aは、第1特別図柄乱数値記憶領域または第2特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部にデータを記憶させる際には、各データが記憶された順番を記憶している。
メインCPU110aは、最先に保留された特別図柄の保留球が第2保留であれば、ステップS310−4に処理を移し、最先に保留された特別図柄の保留球が第2保留でなければ、ステップS310−5に処理を移す。
ステップS310−4において、メインCPU110aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値から1を減算して更新する。
ステップS310−5において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値から1を減算して更新する。
ステップS310−6において、メインCPU110aは、上記ステップS310−4またはS310−5において減算された特別図柄保留数(U)記憶領域に対応する特別図柄乱数値記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、上記ステップS310−4またはS310−5において減算された第1特別図柄乱数値記憶領域または第2特別図柄乱数値記憶領域のいずれかにある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。ここで、第1記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)にシフトさせる。このとき、第1記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれるとともに、既に判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれていたデータは特別図柄乱数値記憶領域からは消去されることとなる。これにより、前回の遊技で用いた特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、特図変動用乱数値が消去される。
なお、本実施形態では、ステップS310−3〜ステップS310−5において、最先に保留された保留球に係る第1または第2特別図柄乱数値記憶領域に記憶されたデータをシフトさせることによって、始動口への入球順序でシフトさせることとした。
しかしながら、第2特別図柄乱数値記憶領域を第1特別図柄乱数値記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。これにより、第1始動口14への入球によって保留された保留球が存在する場合であっても、第2始動口15への入球によって保留された保留球を優先的に消化することができる。このため、遊技者に有利な抽選結果となりやすい第2特別図柄に係る保留球を優先的に消化することができる。
また、第1特別図柄乱数値記憶領域を第2特別図柄乱数値記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。
ステップS310−7において、メインCPU110aは、上記ステップS310−4またはステップS310−5で減算された第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に基づいて、特別図柄記憶指定コマンドを決定し、決定した特別図柄記憶指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS311において、メインCPU110aは、上記ステップS310−6において特別図柄乱数値記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれたデータ(特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値)に基づいて、大当たり判定処理を実行する。詳しくは、図20を用いて、後述する。
ステップS312においては、メインCPU110aは、変動パターン決定処理を行う。変動パターン決定処理は、図10〜図12に示す変動パターン決定テーブルを参照して、大当たり抽選の結果、特別図柄、特別図柄保留数(U)、取得したリーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値に基づいて、変動パターンを決定する。詳しくは、図21を用いて、後述する。
ステップS313において、メインCPU110aは、決定した変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS314において、メインCPU110aは、変動開始時の遊技状態を確認し、現在の遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS315において、メインCPU110aは、上記ステップS312において決定した変動パターンに基づいた特別図柄の変動時間(カウンタ値)を特別図柄時間カウンタにセットする。なお、特別図柄時間カウンタは上記S110において4ms毎に減算処理されていく。
ステップS316において、メインCPU110aは、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄の変動表示(LEDの点滅)を行わせるための変動表示データを所定の処理領域にセットする。これにより、所定の処理領域に変動表示データがセットされていると、上記ステップS600でLEDの点灯または消灯のデータが適宜作成され、作成されたデータがステップS700において出力されることで、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の変動表示が行われる。
ステップS317において、メインCPU110aは、特図特電処理データ=1をセットし、図22に示す特別図柄変動処理に処理を移して、特別図柄記憶判定処理を終了する。
[主制御基板の大当り判定処理]
図20を用いて、主制御基板110の大当り判定処理を説明する。
ステップS311−1において、メインCPU110aは、確率遊技状態に基づいて、上記ステップS310−6において特別図柄乱数値記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた特別図柄判定用乱数値が「大当たり」の乱数値であるか否かを判定する。
具体的には、上記ステップS310−6においてシフトされた特別図柄乱数値記憶領域が第1特別図柄乱数値記憶領域である場合には、図5(a−1)の第1特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照し、上記ステップS310−6においてシフトされた特別図柄乱数値記憶領域が第2特別図柄乱数値記憶領域である場合には、図5(a−2)の第2特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照して、特別図柄判定用乱数値が「大当たり」であるか否かを判定する。その判定結果として、大当りと判定された場合にはステップS311−2に処理を移し、大当りと判定されなかった場合にはステップS311−5に処理を移す。
ステップS311−2において、メインCPU110aは、上記ステップS310−6において特別図柄乱数値記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた大当たり図柄用乱数値を判定して、特別図柄の種類(停止特図データ)を決定し、決定した停止特図データを停止特図データ記憶領域にセットする大当たり図柄決定処理を行う。
具体的には、図6(a)に示す大当たりにおける図柄決定テーブルを参照し、判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた大当たり図柄用乱数値に基づいて、停止する特別図柄の種類を示す停止特図データを決定し、決定した停止特図データを停止特図データ記憶領域にセットする。
なお、決定された特別図柄は、後述するように図23の特別図柄停止処理において「大当たり」か「小当たり」を決定するのに用いられるとともに、図24の大当たり遊技処理や図26の小当たり遊技処理において大入賞口の作動態様を決定するのにも用いられ、図25の大当たり遊技終了処理において大当たり終了後の遊技状態を決定するためにも用いられる。
ステップS311−3において、メインCPU110aは、上記ステップS311−2で決定された大当たりの停止特図データに基づいて演出図柄指定コマンドを決定し、決定した演出図柄指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS311−4において、メインCPU110aは、遊技状態記憶領域(時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域)にセットされた情報から大当たり当選時の遊技状態を判定し、大当たり当選時の遊技状態を示す遊技状態情報を遊技状態バッファにセットする。具体的には、時短遊技フラグと高確率遊技フラグの両方がセットされていなければ00Hをセットし、時短遊技フラグはセットされていないが高確率遊技フラグはセットされていれば01Hをセットし、時短遊技フラグがセットされているが高確率遊技フラグがセットされていなければ02Hをセットし、時短遊技フラグと高確率遊技フラグとの両方がセットされていれば03Hをセットする。
このように遊技状態記憶領域(時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域)とは別に、遊技状態バッファに大当たり当選時の遊技状態をセットすることとしたのは、大当たり遊技中には遊技状態記憶領域(時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域)にある高確率遊技フラグや時短遊技フラグがリセットされてしまうため、大当たり終了後に大当たりの当選時の遊技状態に基づいて、新たに大当たり終了時の遊技状態を決定する場合には、遊技状態記憶領域を参照することができないからである。このため、遊技状態記憶領域とは別に、大当たり当選時の遊技状態を示す遊技情報を記憶するための遊技状態バッファを設けることにより、大当たり終了後に遊技状態バッファにある遊技情報を参照することで、大当たり当選時の遊技状態に基づいて新たに大当たり終了後の遊技状態(時短遊技状態や時短回数など)を設定できる。
ステップS311−5において、メインCPU110aは、小当たりと判定されたか否かの判定を行う。小当りと判定された場合には、ステップS311−6に処理を移し、小当りと判定されなかった場合には、ステップS311−8に処理を移す。
具体的には、上記ステップS310−6においてシフトされた特別図柄乱数値記憶領域が第1特別図柄乱数値記憶領域である場合には、図5(a−1)の第1特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照し、上記ステップS310−6においてシフトされた特別図柄乱数値記憶領域が第2特別図柄乱数値記憶領域である場合には、図5(a−2)の第2特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照して、特別図柄判定用乱数値が「小当たり」であるか否かを判定することとなる。
ステップS311−6において、メインCPU110aは、上記ステップS310−6において特別図柄乱数値記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた小当たり図柄用乱数値を判定して、特別図柄の種類を決定し、決定した停止特図データを停止特図データ記憶領域にセットする小当たり図柄決定処理を行う。
具体的には、図6(b)の図柄決定テーブルを参照して、小当たり図柄用乱数値に基づいて、特別図柄の種類を示す停止特図データを決定し、決定した停止特図データを停止特図データ記憶領域にセットする。
ステップS311−7において、メインCPU110aは、上記ステップS311−6で決定された小当たりの停止特図データに基づいて演出図柄指定コマンドを決定し、決定した演出図柄指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS311−8において、メインCPU110aは、図6(c)の図柄決定テーブルを参照してハズレ用の特別図柄を決定し、決定したハズレ用の停止特図データを停止特図データ記憶領域にセットする。
ステップS311−9において、メインCPU110aは、上記ステップS311−8で決定されたハズレの停止特図データに基づいて演出図柄指定コマンドを決定し、決定した演出図柄指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットして、大当たり判定処理を終了する。
本実施形態では、図20に示す大当たり判定処理を行うメインCPU110aが、第1特別遊技判定手段および第2特別遊技判定手段を構成する。
[主制御基板の特別図柄の変動パターン決定処理]
図21を用いて、主制御基板110の特別図柄の変動パターン決定処理を説明する。
ステップS312−1において、メインCPU110aは、大当たりの停止特図データを確認する。
メインCPU110aは、上記ステップS311−2で決定され、メインRAM110cの停止特図データ記憶領域にセットされた停止特図データの値を確認する。停止特図データは、図6(a)に示すように、「01」〜「08」のいずれかであり得る。
ステップS312−2において、メインCPU110aは、ステップS311−1で確認した停止特図データが「第1特別図柄」に該当するか否かを判定する。
停止特図データが「第1特別図柄」に該当する場合とは、図6(a)に示すように、停止特図データが「01」〜「04」のいずれかにセットされている場合である。
メインCPU110aは、確認した停止特図データが「01」〜「04」のいずれかであればステップS312−4に処理を移す。一方。メインCPU110aは、確認した停止特図データが「01」〜「04」のいずれかでなければステップS312−3に処理を移す。
ステップS312−3において、メインCPU110aは、第2特別図柄の変動パターン決定テーブルを参照する。
メインCPU110aは、ステップS312−2において、停止特図データが「01」〜「04」のいずれかでなければ「第2特別図柄」の変動パターンを決定するために、図12に示す第2特別図柄用の変動パターン決定テーブルを参照する。
メインCPU110aは、メインROM110bに予め格納された第2特別図柄用の変動パターン決定テーブルを読み出してこれを参照し、ステップS312−7に処理を移す。
ステップS312−4において、メインCPU110aは、特別回数(SP)が1以上であるか否かを判定する。
メインCPU110aは、ステップS312−2において、停止特図データが「01」〜「04」のいずれかであれば「第1特別図柄」の変動パターンを決定するために、図10に示す第1特別図柄用の変動パターン決定テーブルAまたは図11に示す第1特別図柄の変動パターン決定テーブルBのいずれかを参照する。
図12を用いて説明したように、メインCPU110aは、図10に示す変動パターン決定テーブルAまたは図11に示す変動パターン決定テーブルBのいずれを参照するかを選択するかは、特別回数(SP)の値に基づいて決定する。特別回数(SP)は、第1特別図柄の変動時間を短縮する期間を定めるための情報であり、1以上であれば現在は第1特別図柄の変動時間を短縮する期間中であることを意味する。
メインCPU110aは、メインRAM110cの特別回数(SP)カウンタにセットされた特別回数(SP)の値が1以上であれば、現在が第1特別図柄の変動時間を短縮する期間中であると判断する。そして、メインCPU110aは、第1特別図柄の変動時間を短縮する期間中に用いる変動パターン決定テーブルBを参照するべくステップS312−5に処理を移す。
一方、メインCPU110aは、メインRAM110cの特別回数(SP)カウンタにセットされた特別回数(SP)の値が1以上でなければ、現在が第1特別図柄の変動時間を短縮する期間中でないと判断する。そして、メインCPU110aは、第1特別図柄の変動時間を短縮する期間でない通常時に用いる変動パターン決定テーブルAを参照するべくステップS312−6に処理を移す。
ステップS312−5において、メインCPU110aは、第1特別図柄の変動パターン決定テーブルBを参照する。
メインCPU110aは、メインROM110bに予め格納された第1特別図柄用の変動パターン決定テーブルBを読み出してこれを参照し、ステップS312−7に処理を移す。
ステップS312−6において、メインCPU110aは、第1特別図柄の変動パターン決定テーブルAを参照する。
メインCPU110aは、メインROM110bに予め格納された第1特別図柄用の変動パターン決定テーブルAを読み出してこれを参照し、ステップS312−7に処理を移す。
ステップS312−7において、メインCPU110aは、ステップS310−6において第1または第2特別図柄乱数値記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた保留球数、リーチ判定用乱数値、および特図変動用乱数値を確認する。
ステップS312−8において、メインCPU110aは、当該変動の特別図柄の変動パターンを特定する。
メインCPU110aは、ステップS312−3、ステップS312−5、またはステップS312−6で参照した特別図柄の変動パターン決定テーブルに定められた変動パターンの中から、ステップS312−7で確認した保留球数、リーチ判定用乱数値、および特図変動用乱数値に該当する変動パターンを特定する。
このステップS312−8で特定された特別図柄の変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドは、ステップS313において演出用伝送データ格納領域にセットされることとなる。
[主制御基板の特別図柄変動処理]
図22を用いて、特別図柄変動処理を説明する。
ステップS320−1において、メインCPU110aは、ステップS315においてセットされた変動時間が経過したか否か(特別図柄時間カウンタ=0か?)を判定する。その結果、変動時間を経過していないと判定した場合には、特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
ステップS320−2において、メインCPU110aは、セットされた時間を経過したと判定した場合には、上記ステップS316でセットされた変動表示データをクリアして、上記ステップS311−2、S311−6、S311−8でセットされた特別図柄を第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に停止表示させるための、停止特図データを所定の処理領域にセットする。これにより、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄が停止表示され、遊技者に大当たりの判定結果が報知されることとなる。
ステップS320−3において、メインCPU110aは、図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS320−4において、メインCPU110aは、上記のようにして特別図柄の停止表示を開始したら、特別図柄時間カウンタに図柄停止時間(0.5秒=125カウンタ)をセットする。なお、特別図柄時間カウンタは上記S110において4ms毎に1を減算して更新されていく。
ステップS320−5において、メインCPU110aは、特図特電処理データに2をセットし、図23に示す特別図柄停止処理に処理を移して、特別図柄変動処理を終了する。
(主制御基板の特別図柄停止処理)
図23を用いて、特別図柄停止処理を説明する。
ステップS330−1において、メインCPU110aは、ステップS320−4においてセットされた図柄停止時間が経過したか否か(特別図柄時間カウンタ=0か?)を判定する。その結果、図柄停止時間を経過していないと判定した場合には、特別図柄停止処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
ステップS330−2において、メインCPU110aは、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグがセットされているか否かを判定し、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがセットされている場合には、時短回数(J)カウンタに記憶されている時短回数(J)から1を減算して更新し、新たな時短回数(J)が「0」か否かを判定する。その結果、時短回数(J)が「0」である場合には、時短遊技フラグ記憶領域にセットされている時短遊技フラグをクリアし、時短回数(J)が「0」でない場合には、時短遊技フラグ記憶領域に記憶されている時短遊技フラグをセットしたまま、ステップS330−3に処理を移す。一方、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグがセットされていない場合には、そのままステップS330−3に処理を移す。
ステップS330−3において、メインCPU110aは、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグがセットされているか否かを判定し、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグがセットされている場合には、高確率遊技回数(X)カウンタに記憶されている高確率遊技回数(X)から1を減算して更新し、新たな高確率遊技回数(X)が「0」か否かを判定する。その結果、高確率遊技回数(X)が「0」である場合には、高確率遊技フラグ記憶領域に記憶されている高確率遊技フラグをクリアし、高確率遊技回数(X)が「0」でない場合には、高確率遊技フラグ記憶領域に記憶されている高確率遊技フラグをセットしたまま、ステップS330−4に処理を移す。一方、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグがセットされていない場合には、そのままステップS330−4に処理を移す。
ステップS330−4において、メインCPU110aは、現在の遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS330−5において、メインCPU110aは、特別回数減算処理を行う。
図11を用いて説明したように、特別回数(SP)は、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示のいずれかが行われるごとに1ずつ減算する。
メインCPU110aは、メインRAM110cの特別回数(SP)カウンタにセットされている特別回数(SP)の値から1を減算して更新し、ステップS330−6に処理を移す。特別回数(SP)カウンタにセットされている特別回数(SP)の値が0であれば、メインCPU110aは、特別回数(SP)の値を0のままとして、ステップS330−6に処理を移す。
ステップS330−6において、メインCPU110aは、大当たりであるか否かを判定する。具体的には停止特図データ記憶領域に記憶されている停止特図データが大当たり図柄(停止特図データ=01〜08)のものであるか否かを判定する。ここで、大当たり図柄と判定された場合には、ステップS330−11に処理を移し、大当たり図柄と判定されなかった場合には、ステップS330−7に処理を移す。
ステップS330−7において、メインCPU110aは、小当たりであるか否かを判定する。具体的には停止特図データ記憶領域に記憶されている停止特図データが小当たり図柄(停止特図データ=09〜12)であるか否かを判定する。ここで、小当たり図柄と判定された場合には、ステップS330−8に処理を移し、小当たり図柄と判定されなかった場合には、ステップS330−10に処理を移す。
ステップS330−8において、メインCPU110aは、特図特電処理データに5をセットし、図26に示す小当たり遊技処理に処理を移す。
ステップS330−9において、メインCPU110aは、小当たり開始準備設定処理を行う。
この小当たり開始準備設定処理では、図8に示す特別電動役物作動態様決定テーブルを参照して、停止特図データに基づいて、小当たりの開放態様を決定するための図9(b)に示す大入賞口開放態様決定テーブル(「小当たりTBL」)を決定する。
ステップS330−10において、メインCPU110aは、特図特電処理データに0をセットし、図19に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
ステップS330−11において、メインCPU110aは、特図特電処理データに3をセットし、図24に示す大当たり遊技処理に処理を移す。
ステップS330−12において、メインCPU110aは、遊技状態や時短回数ならびに特別回数(SP)をリセットする。具体的には、高確率遊技フラグ記憶領域、高確率遊技回数(X)カウンタ、時短遊技フラグ記憶領域、時短回数(J)カウンタ、および特別回数(SP)カウンタに記憶されているデータをクリアする。
ステップS330−13において、メインCPU110aは、大当たり開始準備設定処理を行う。
この大当たり開始準備設定処理では、図8に示す特別電動役物作動態様決定テーブルを参照して、停止特図データに基づいて、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブル群から、「長当たりTBL」および「短当たりTBL」のいずれかの大入賞口開放態様決定テーブルを決定する。
ステップS330−14において、メインCPU110aは、上記ステップS330−9または上記ステップS330−13で決定された大入賞口開放態様決定テーブルに基づいて、特別遊技の種類(長当たり遊技、短当たり遊技、小当たり遊技)を判定し、特別遊技の種類に応じたオープニング指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS330−15において、メインCPU110aは、上記ステップS330−9または上記ステップS330−13で決定された大入賞口開放態様決定テーブルに基づいて、開始インターバル時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。本処理を終了したら、特別図柄停止処理を終了する。
[主制御基板の大当たり遊技処理]
図24を用いて、大当たり遊技処理を説明する。
ステップS340−1において、メインCPU110aは、現在オープニング中であるか否かを判定する。具体的には、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に「0」が記憶されていれば、現在オープニング中であるので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域を参照し、現在オープニング中であるか判定する。現在オープニング中であると判定した場合には、ステップS340−2に処理を移し、現在オープニング中でないと判定した場合には、S340−6に処理を移す。
ステップS340−2において、メインCPU110aは、上記ステップS330−15で決定された開始インターバル時間を経過したか否かを判定する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、特別遊技タイマカウンタ=0となったら、開始インターバル時間を経過したと判定する。その結果、開始インターバル時間を経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、開始インターバル時間を経過している場合にはステップS340−3に処理を移す。
ステップS340−3において、メインCPU110aは、大当たり開始設定処理を行う。
大当たり開始設定処理は、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に、記憶されている現在のラウンド遊技回数(R)に「1」を加算して記憶する。ここでは、まだラウンド遊技が1回も行われていないので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域には「1」が記憶されることとなる。
ステップS340−4において、メインCPU110aは、大入賞口開放処理を行う。
大入賞口開放処理は、まず開放回数(K)記憶領域に記憶されている開放回数(K)に「1」を加算して更新する。また、第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17bを開放するために、第1大入賞口開閉ソレノイド16cまたは第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データをセットするとともに、上記ステップS330−13で決定された大入賞口開放態様決定テーブル(図9(a)参照)を参照して、現在のラウンド遊技回数(R)及び開放回数(K)に基づいて、第1大入賞口16または第2大入賞口17の開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS340−5において、メインCPU110aは、K=1であるか否かを判定し、K=1であった場合には、演出制御基板120にラウンド回数の情報を送信するため、ラウンド遊技回数(R)に応じて大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。例えば、大当たりの1ラウンド目の開始においては、ラウンド遊技回数(R)が「1」にセットされ、K=1となっているので、大入賞口開放1ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。一方、K=1でない場合には、大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットせずに、大当たり遊技処理を終了する。すなわち、K=1である場合というのはラウンドの開始を意味するので、ラウンドの開始のときのみ、大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを送信するようにしている。
ステップS340−6において、メインCPU110aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいうエンディングとは、予め設定されたラウンド遊技を全て終了した後の処理をいうものである。したがって、現在エンディング中であると判定した場合には、ステップS340−18に処理を移し、現在エンディング中でないと判定した場合には、ステップS340−7に処理が移される。
ステップS340−7において、メインCPU110aは、大入賞口の閉鎖中であるか否かを判定する。具体的には、第1大入賞口開閉ソレノイド16cまたは第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データがセットされている否かが判定される。その結果、大入賞口の閉鎖中と判定された場合には、ステップS340−8に処理を移し、大入賞口の閉鎖中でないと判定された場合には、ステップS340−9に処理を移す。
ステップS340−8において、メインCPU110aは、後述するステップS340−10において設定された閉鎖時間が経過したか判定される。なお、閉鎖時間は、後述するステップS340−10において開始インターバル時間と同様に特別遊技タイマカウンタにセットされ、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かで判定される。その結果、閉鎖時間を経過していない場合には、大入賞口の閉鎖を維持するため大当たり遊技処理を終了し、閉鎖時間を経過している場合には大入賞口を開放させるためステップS340−4に処理を移す。
ステップS340−9において、メインCPU110aは、大入賞口の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。
この「開放終了条件」は、大入賞口入球カウンタ(C)の値が規定個数(9個)に達したこと、または開放回数(K)における1回あたりの開放時間が経過したこと(特別遊技タイマカウンタ=0となったこと)が該当する。
そして、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS340−10に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該大当たり遊技処理を終了する。
ステップS340−10において、メインCPU110aは、大入賞口閉鎖処理を行う。
大入賞口閉鎖処理は、第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17bを閉鎖するために、第1大入賞口開閉ソレノイド16cまたは第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データを停止する。次に、上記ステップS330−13で決定された大入賞口開放態様決定テーブル(図9(a))を参照して、現在のラウンド遊技回数(R)及び開放回数(K)に基づいて、第1大入賞口16または第2大入賞口17の閉鎖時間(閉鎖インターバル時間または1回の閉鎖時間)を特別遊技タイマカウンタにセットする。これにより、大入賞口が閉鎖することになる。
ステップS340−11において、メインCPU110aは、1回のラウンドが終了したか否かを判定する。具体的には、1回のラウンドは、大入賞口入球カウンタ(C)の値が規定個数(9個)に達したこと、または開放回数(K)が最大開放回数となることを条件に終了するので、かかる条件が成立したか否かを判定する。
そして、1回のラウンドが終了したと判定した場合にはステップS340−12に処理を移し、1回のラウンドが終了していないと判定した場合には当該大当たり遊技処理を終了する。
ステップS340−12において、メインCPU110aは、開放回数(K)記憶領域に0をセットするとともに、大入賞口入球数(C)記憶領域に0をセットするラウンドデータ初期化処理を行う。すなわち、開放回数(K)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域をクリアする。ただし、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)はクリアしない。
ステップS340−13において、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)が最大であるか否かを判定する。ラウンド遊技回数(R)が最大である場合には、ステップS340−15に処理を移し、ラウンド遊技回数(R)が最大でない場合には、ステップS340−14に処理を移す。
ステップS340−14において、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に、記憶されている現在のラウンド遊技回数(R)に「1」を加算して記憶する。
ステップS340−15において、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)をリセットする。
ステップS340−16において、メインCPU110aは、上記ステップS330−13で決定された大入賞口開放態様決定テーブル(図9(a)参照)に基づいて、特別遊技の種類(長当たり遊技または短当たり遊技)を判定し、特別遊技の種類に応じたエンディング指定コマンドを演出制御基板120に送信するために演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS340−17において、メインCPU110aは、上記ステップS330−13で決定された大入賞口開放態様決定テーブル(図9(a)参照)に基づいて、大当たりの種別に応じた終了インターバル時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS340−18において、メインCPU110aは、設定された終了インターバル時間を経過したか否かを判定し、終了インターバル時間を経過したと判定した場合にはステップS340−19において、メインCPU110aは、特図特電処理データに4をセットし、図25に示す大当たり遊技終了処理に処理を移す。一方、終了インターバル時間を経過していないと判定した場合には、今回の大当たり遊技処理を終了する。
[主制御基板の大当たり遊技終了処理]
図25を用いて、大当たり遊技終了処理を説明する。
ステップS350−1において、メインCPU110aは、停止特図データ記憶領域にセットされた停止特図データ及び遊技状態バッファにある遊技情報をロードする。
ステップS350−2において、メインCPU110aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、上記S350−1においてロードした停止特図データ及び遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、大当り終了時に高確率遊技フラグ記憶領域に高確率フラグをセットさせるか否かの処理を行う。例えば、停止特図データが「03」であれば、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率フラグをセットする。
ステップS350−3において、メインCPU110aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、上記S350−1においてロードした停止特図データ及び遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域に所定の回数をセットさせる。例えば、停止特図データが「03」であれば、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域に10000回をセットする。
ステップS350−4において、メインCPU110aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、上記S350−1においてロードした停止特図データ及び遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットさせるか否かの処理を行う。例えば、停止特図データが「03」の場合に、遊技状態バッファにある遊技情報が00Hまたは01Hのときには時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットしないが、遊技状態バッファにある遊技情報が02Hまたは03Hのときには時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットする。
ステップS350−5において、メインCPU110aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、上記S350−1においてロードした停止特図データ及び遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域に所定の回数をセットさせる。例えば、停止特図データが「03」の場合に、遊技状態バッファにある遊技情報が00Hまたは01Hのときには時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域に0回をセットし、遊技状態バッファにある遊技情報が02Hまたは03Hのときには時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域に50回をセットする。
ステップS350−6において、メインCPU110aは、遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS350−7において、メインCPU110aは、S350−1においてロードした停止特図データが「03」であるか否かを判定する。
停止特図データが「03」である場合とは、停止表示する特別図柄が「特別図柄3」であることを意味する。「特別図柄3」は、大当たり抽選において「第1確変短当たり」に当選したこと示す。
メインCPU110aは、停止特図データが「03」であれば、ステップS350−8に処理を移す。一方、メインCPU110aは、停止特図データが「03」でなければ、ステップS350−10に処理を移す。
ステップS350−8において、メインCPU110aは、ステップS350−1においてロードした遊技状態バッファにある遊技情報が「00H」または「01H」であるか否かを判定する。
遊技状態バッファにある遊技情報が「00H」または「01H」である場合とは、ステップS350−4において、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットしない場合を意味する。すなわち、第1確変短当たりに当選したことで行われる短当たり遊技の後の遊技状態は「非時短遊技状態」となることを意味する。
メインCPU110aは、遊技状態バッファにある遊技情報が「00H」または「01H」であれば、ステップS350−9に処理を移す。一方、メインCPU110aは、遊技状態バッファにある遊技情報が「00H」または「01H」でなければ、ステップS350−10に処理を移す。
ステップS350−9において、メインCPU110aは、特別回数設定処理を行う。
このステップS350−9は、ステップS350−7およびステップS350−8でYesと判定されたことにより行われる処理である。すなわち、ステップS350−9は、大当たり抽選で第1確変短当たりに当選したことで短当たり遊技が行われ、その後の遊技状態を非時短遊技状態とする場合に行われる処理である。
本実施形態では、図11を用いて説明したように、第1確変短当たりに当選したことで行われる短当たり遊技後から特別回数(SP)=50までの間は、第1特別図柄の変動時間を短縮する期間とする。
メインCPU110aは、第1特別図柄の変動時間を短縮する期間を定めるべく特別回数設定処理を行う。メインCPU110aは、特別回数設定処理として、メインRAM110cの特別回数(SP)カウンタに特別回数(SP)=50をセットする。
ステップS350−10において、メインCPU110aは、特図特電処理データに0をセットし、図19に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
本実施形態では、ステップS350−1〜ステップS350−3およびステップS350−6の処理を行うメインCPU110aが、確率遊技状態設定手段を構成する。また、本実施形態では、ステップS350−1、ステップS350−4〜ステップS350−6の処理を行うメインCPU110aが、時短遊技状態設定手段を構成する。
また、本実施形態では、図19のステップS312〜ステップS316、図21の変動パターン決定処理、図22の特別図柄変動処理、図23の特別図柄停止処理、図25のステップS350−7〜ステップS350−9を行うメインCPU110aが特別図柄制御手段を構成する。
[主制御基板の小当たり遊技処理]
図26を用いて、小当たり遊技処理を説明する。
ステップS360−1において、メインCPU110aは、現在オープニング中であるか否かを判定する。現在オープニング中であると判定した場合には、ステップS360−2に処理を移し、現在オープニング中でないと判定した場合には、S360−4に処理を移す。
ステップS360−2において、メインCPU110aは、上記ステップS330−15で決定された開始インターバル時間を経過したか否かを判定する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、特別遊技タイマカウンタ=0となったら、開始インターバル時間を経過したと判定する。その結果、開始インターバル時間を経過していない場合には、当該小当たり遊技処理を終了し、開始インターバル時間を経過している場合にはステップS360−3に処理を移す。
ステップS360−3において、メインCPU110aは、大入賞口開放処理を行う。
大入賞口開放処理は、まず開放回数(K)記憶領域に記憶されている開放回数(K)に「1」を加算して記憶する。また、第2大入賞口開閉扉17bを開放するために第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データをセットするとともに、上記ステップS330−9で決定された開放態様決定テーブル(図9(b)参照)を参照して、開放回数(K)に基づいて、第2大入賞口17の開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS360−4において、メインCPU110aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいうエンディングとは、予め設定された開放回数(K)の遊技を全て終了した後の処理をいうものである。したがって、現在エンディング中であると判定した場合には、ステップS360−13に処理を移し、現在エンディング中でないと判定した場合には、ステップS360−5に処理が移される。
ステップS360−5において、メインCPU110aは、大入賞口の閉鎖中であるか否かを判定する。具体的には、第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データがセットされている否かが判定される。大入賞口の閉鎖中と判定された場合には、ステップS360−6に処理を移し、大入賞口の閉鎖中でないと判定された場合には、ステップS360−7に処理を移す。
ステップS360−6において、メインCPU110aは、後述するステップS360−8において設定された閉鎖時間が経過したか判定される。なお、閉鎖時間は、後述するステップS360−8において開始インターバル時間と同様に特別遊技タイマカウンタにセットされ、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かで判定される。その結果、閉鎖時間を経過していない場合には、大入賞口の閉鎖を維持するため当該小当たり遊技処理を終了し、閉鎖時間を経過している場合には大入賞口を開放させるためステップS360−3に処理を移す。
ステップS360−7において、メインCPU110aは、大入賞口の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。
この「開放終了条件」は、大入賞口入球カウンタ(C)の値が規定個数(9個)に達したこと、または開放回数(K)における1回あたりの開放時間が経過したこと(特別遊技タイマカウンタ=0となったこと)が該当する。
そして、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS360−8に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該小当たり遊技処理を終了する。
ステップS360−8において、メインCPU110aは、大入賞口閉鎖処理を行う。
大入賞口閉鎖処理は、第2大入賞口開閉扉17bを閉鎖するために、第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データを停止するとともに、上記ステップS330−9で決定された開放態様決定テーブル(図9(b)参照)を参照して、現在の開放回数(K)に基づいて、第2大入賞口17の閉鎖時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。これにより、大入賞口が閉鎖することになる。
ステップS360−9において、メインCPU110aは、小当たり終了条件が成立したか否かを判定する。具体的には、1回の小当たりは、大入賞口入球カウンタ(C)の値が規定個数(例えば9個)に達したこと、または開放回数(K)が最大開放回数となることを条件に終了するので、かかる条件が成立したか否かを判定する。
そして、小当たり終了条件が成立したと判定した場合にはステップS360−10に処理を移し、小当たり終了条件が成立していないと判定した場合には当該小当たり遊技処理を終了する。
ステップS360−10において、メインCPU110aは、開放回数(K)記憶領域に0をセットするとともに、大入賞口入球数(C)記憶領域に0をセットする。すなわち、開放回数(K)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域をクリアする。
ステップS360−11において、メインCPU110aは、小当たりの種別に応じたエンディング指定コマンドを演出制御基板120に送信するために演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS360−12において、メインCPU110aは、上記ステップS330−9で決定された開放態様決定テーブル(図9(b)参照)を参照して、小当たりの種別に応じた終了インターバル時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS360−13において、メインCPU110aは、設定された終了インターバル時間を経過したか否かを判定し、終了インターバル時間を経過したと判定した場合には、ステップS360−14において、メインCPU110aは、特図特電処理データに0をセットし、図19に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移し、終了インターバル時間を経過していないと判定した場合には、小当たり遊技処理を終了する。
本実施形態では、大当たり図柄用乱数値に基づいて決定された停止特図データに応じて、長当たり用開放態様決定テーブル、短当たり用開放態様決定テーブルを決定するステップS330−9またはステップS330−13の処理、図24の大当たり遊技処理、図26の小当たり遊技処理を行うメインCPU110aが特別遊技実行手段を構成する。
[主制御基板の普図普電制御処理]
図27を用いて、普図普電制御処理を説明する。
ステップS401において普図普電処理データの値をロードし、ステップS402においてロードした普図普電処理データから分岐アドレスを参照し、普図普電処理データ=0であれば普通図柄変動処理(ステップS410)に処理を移し、普図普電処理データ=1であれば普通電動役物制御処理(ステップS420)に処理を移す。詳しくは、図28、図29を用いて後述する。
[主制御基板の普通図柄変動処理]
図28を用いて、普通図柄変動処理を説明する。
ステップS410−1において、メインCPU110aは、普通図柄の変動表示中であるか否かを判定する。
メインCPU110aは、普通図柄の変動表示中であればステップS410−9に処理を移し、普通図柄の変動表示中でなければステップS410−2に処理を移す。
ステップS410−2において、メインCPU110aは、普通図柄の変動表示中でない場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶された普通図柄の保留数(G)が1以上であるかを判定する。保留数(G)が「0」の場合には普通図柄の変動表示は行われないため、普通図柄変動処理を終了する。
ステップS410−3において、メインCPU110aは、ステップS410−2において、普通図柄の保留数(G)が「1」以上であると判定した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている値(G)から「1」を減算した新たな保留数(G)を記憶する。
ステップS410−4において、メインCPU110aは、普通図柄保留記憶領域に記憶された普通図柄判定用乱数値のシフト処理を行う。具体的には、第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、普通図柄保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている普通図柄判定用乱数値は、普通図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれるとともに、既に判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれていた乱数値は普通図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。
さらに、ステップS410−4では、普通図柄判定用乱数値のシフト処理を行った後、普通図柄保留数(G)記憶領域にセットされているデータに基づいて、普通図柄保留数を示すための「普通図柄記憶数指定コマンド」を決定し、決定した普通図柄記憶数指定コマンドをメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS410−5において、メインCPU110aは、普通図柄保留記憶領域の判定記憶部(第0記憶部)に記憶された普通図柄判定用乱数値が「当たり」ものであるかの判定を行う。
具体的には、図13(a)に示す当たり判定テーブルを参照し、取得した普通図柄判定用乱数値を上記のテーブルに照らし合わせて当たりか否かの判定を行う。例えば、上記テーブルによれば、非時短遊技状態であれば「0」〜「15」の当たり乱数のうち「0」の1個の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定され、時短遊技状態であれば「0」〜「15」の当たり乱数のうち「0」〜「14」の15個の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定され、その他の乱数値はハズレと判定される。
ステップS410−6において、メインCPU110aは、上記ステップS410−5の当たり判定処理の判定の結果を参照して、普通図柄決定処理を行う。
この普通図柄決定処理は、図13(b)に示す停止図柄決定テーブルを参照し、現在の時短遊技状態と、普通図柄抽選の抽選結果と、取得された普図停止用乱数値とに基づいて、停止表示する普通図柄(停止普図データ)を決定し、決定した停止普図データを停止普図データ記憶領域にセットする。そして、メインCPU110aは、決定した停止普図データに基づいた普図指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットして、停止普図データの情報を演出制御基板120に送信する。
ステップS410−7において、メインCPU110aは、普通図柄の変動時間決定処理を行う。
この普通図柄の変動時間決定処理は、図13(c)に示す変動時間決定テーブルを参照し、現在の時短遊技状態と、普通図柄抽選の抽選結果と、取得された普図時間用乱数値とに基づいて、普通図柄の変動時間を決定する。そして、決定した普通図柄の変動時間に対応するカウンタを普通図柄時間カウンタにセットする。なお、普通図柄時間カウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
さらに、普通図柄の変動時間決定処理では、普通図柄の変動時間が決定された後、決定した普通図柄の変動時間に基づいた普図変動指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットして、普通図柄の変動時間の情報を演出制御基板120に送信する。
ステップS410−8において、メインCPU110aは、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示を開始する。普通図柄の変動表示というのは、普通図柄表示装置22においてLEDを所定の間隔で点滅させるものである。この普通図柄の変動表示は、上記ステップS410−7において設定された時間だけ継続して行われることとなる。本処理を終了すると、普通図柄変動処理が終了する。
ステップS410−9において、メインCPU110aは、上記ステップS410−1において普通図柄の変動表示中であると判定した場合、設定された変動時間を経過したか否かを判定する。すなわち、普通図柄時間カウンタ=0であるか否かを判定する。その結果、設定された変動時間を経過していないと判定した場合には、そのまま変動表示を継続して行う必要があるため、普通図柄変動処理を終了して次のサブルーチンを実行する。
ステップS410−10において、メインCPU110aは、設定された変動時間を経過したと判定した場合には、普通図柄表示装置22における普通図柄の変動を停止する。
メインCPU110aは、ステップS410−6において停止普図データ記憶領域にセットされた停止普図データに基づいた普通図柄停止コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットして、普通図柄の停止表示に関する情報を演出制御基板120に送信する。
普通図柄停止コマンドは、停止普図データ記憶領域にセットされた停止普図データに対応する普通図柄(当たり図柄またはハズレ図柄)を普通図柄表示装置22に停止表示させるためのコマンドである。これにより、普通図柄表示装置22に普通図柄が停止表示され、普通図柄抽選の抽選結果が遊技者に報知されることとなる。
メインCPU110aは、上記のようにして普通図柄の停止表示を開始したら普通図柄時間カウンタに図柄停止時間(0.5秒=125カウンタ)をセットする。なお、普通図柄時間カウンタは上記S110において4ms毎に1を減算して更新されていく。
ステップS410−11において、メインCPU110aは、停止普図データ記憶領域にセットされた普通図柄のデータが当たり図柄であるか否かを判定し、普通図柄が当たり図柄であった場合には、ステップS410−12に処理を移し、設定されていた普通図柄がハズレ図柄であった場合には、普通図柄変動処理を終了する。
ステップS410−12において、メインCPU110aは、普図普電処理データ=1をセットし、普通電動役物制御処理に処理を移す。
ステップS410−13において、メインCPU110aは、第2始動口15の始動可動片15bの開放態様を決定するための開放態様決定処理を行う。
この開放時間設定処理は、図13(d)に示す始動口開放態様決定テーブルを参照し、停止普図データ記憶領域にセットされた停止普図データに基づいて、始動可動片15bの最大開放回数(S)、開始インターバル時間、閉鎖インターバル時間、開放時間、閉鎖時間、を決定する。
開始インターバル時間は、普通遊技の開始から始動可動片15bの開放が開始されるまでのインターバル時間である。閉鎖インターバル時間は、始動可動片15bの1回目の開放が終了(閉鎖)してから2回目の開放までのインターバル時間である。
メインCPU110aは、決定した始動可動片15bの最大開放回数(S)をメインRAM110cの始動開放回数(S)カウンタにセットする。また、メインCPU110aは、決定した開始インターバル時間をメインRAM110cの普通遊技タイマカウンタにセットする。なお、普通遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
ステップS410−14において、メインCPU110aは、上記ステップS410−13で決定された始動可動片15bの開放時間を、メインRAM110cの始動開放タイマカウンタにセットする。なお、始動開放タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
ステップS410−15において、メインCPU110aは、始動口開閉ソレノイド15cに通電を開始して、普通図柄変動処理を終了する。これにより、始動可動片15bが作動して第2始動口15が開放することとなる。
本実施形態では、図28の普通図柄変動処理でステップS410−1〜ステップS410−6の処理を行うメインCPU110aが、普通遊技判定手段を構成する。また、ステップS410−7〜ステップS410−12を行うメインCPU110aが、普通図柄制御手段を構成する。
[主制御基板の普通電動役物制御処理]
図29を用いて、普通電動役物制御処理を説明する。
ステップS420−1において、メインCPU110aは、当該普通電動役物制御処理中において、第2始動口15に予め設定された最大入賞個数(例えば10個)の入賞があったか否かを判定する。
最大入賞個数(例えば10個)の入賞があったと判定した場合には、ステップS420−11に処理を移し、最大入賞個数(例えば10個)の入賞があったと判定しなかった場合には、ステップS420−2に処理を移す。
ステップS420−2において、メインCPU110aは、第2始動口15の開放時間が経過したか否かを判定する。すなわち、始動開放タイマカウンタ=0であるか否かを判定する。
第2始動口15の開放時間が経過したと判定した場合には、ステップS420−3に処理を移し、第2始動口15の開放時間が経過したと判定しなかった場合には、今回の普通電動役物制御処理を終了する。
ステップS420−3において、メインCPU110aは、第2始動口15が閉鎖中か否かを判定する。すなわち、始動口開閉ソレノイド15cに通電開始データがセットされているかを判定する。
第2始動口15が閉鎖中であると判定した場合には、ステップS420−6に処理を移し、第2始動口15が閉鎖中でないと判定した場合には、ステップS420−4に処理を移す。
ステップS420−4において、メインCPU110aは、始動口開閉ソレノイド15cの通電を停止する。これにより、第2始動口15は閉鎖態様に復帰し、再び遊技球の入球が不可能または困難となる。
ステップS420−5において、メインCPU110aは、上記ステップS410−13で決定された始動可動片15bの閉鎖時間を、メインRAM110cの始動閉鎖タイマカウンタにセットする。
ステップS420−6において、メインCPU110aは、第2始動口15の閉鎖時間が経過したか否かを判定する。すなわち、始動閉鎖タイマカウンタ=0であるか否かを判定する。
第2始動口15の閉鎖時間が経過したと判定した場合には、ステップS420−7に処理を移し、第2始動口15の閉鎖時間が経過したと判定しなかった場合には、今回の普通電動役物制御処理を終了する。
ステップS420−7において、メインCPU110aは、メインRAM110cの始動開放回数カウンタに1を加算する開放回数の更新処理を行う。
ステップS420−8において、メインCPU110aは、上記始動開放回数カウンタに記憶されている回数が、上記ステップS410−13で決定された始動可動片15bの最大開放回数となったか否かを判定する。
メインCPU110aは、最大開放回数となったと判定した場合には、ステップS420−11に処理を移す。一方、メインCPU110aは、最大開放回数となっていないと判定した場合には、上記ステップS410−13で決定された閉鎖インターバル時間をメインRAM110cの普通遊技タイマカウンタにセットし、ステップS420−9に処理を移す。
ステップS420−9において、メインCPU110aは、普通遊技タイマカウンタにセットされた閉鎖インターバル時間が経過していれば、すなわち普通遊技タイマカウンタ=0となっていれば、上記ステップS410−13で決定された始動可動片15bの開放時間を、メインRAM110cの始動開放タイマカウンタにセットする。
なお、メインCPU110aは、普通遊技タイマカウンタにセットされた閉鎖インターバル時間が経過していなければ、本処理を終了してもよい。
ステップS420−10において、メインCPU110aは、始動口開閉ソレノイド15cに通電を開始して、今回の普通電動役物制御処理を終了する。これにより、始動可動片15bが再度作動して第2始動口15が再び開放することとなる。
ステップS420−11において、メインCPU110aは、メインRAM110cの始動開放回数カウンタ、始動開放タイマカウンタ、始動閉鎖タイマカウンタ等に記憶されている各種のデータを初期化する開放態様の初期化処理を行う。
ステップS420−12において、メインCPU110aは、普図普電処理データ=0をセットして図28の普通図柄変動処理に処理を移し、普通電動役物制御処理を終了する。
本実施形態では、図28のステップS410−13〜ステップS410−15の処理、図29に示す普通電動役物制御処理を行うメインCPU110aが、普通遊技実行手段を構成する。
[コマンドの説明]
上述の主制御基板110におけるフローチャートでは一部説明を省略した主制御基板110から演出制御基板120に送信されるコマンドの種別について、図30を用いて説明する。
主制御基板110から演出制御基板120に送信されるコマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEの情報と、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAの情報とから構成されている。
「演出図柄指定コマンド」は、停止表示される特別図柄の種別を示すものであり、「MODE」が「E0H」で設定され、特別図柄の種別に合わせてDATAの情報が設定されている。なお、特別図柄の種別が結果的に大当たりの種別や高確率遊技状態を決定するものであるから、演出図柄指定コマンドは、大当たりの種別や、遊技状態を示すものともいえる。
この演出図柄指定コマンドは、各種の特別図柄が決定され、特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS311−3、S311−7、S311−9において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている演出図柄指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「第1特別図柄記憶指定コマンド」は、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている保留記憶数を示すものであり、「MODE」が「E1H」で設定され、保留記憶数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この第1特別図柄記憶指定コマンドは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている保留記憶数が切り替わるときに、保留記憶数に対応する第1特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS230−11または上記ステップS310−7において第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値が増減したときに、増減後の保留記憶数に対応する第1特別図柄記憶指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第1特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「第2特別図柄記憶指定コマンド」は、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている保留記憶数を示すものであり、「MODE」が「E2H」で設定され、保留記憶数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この第2特別図柄記憶指定コマンドは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている保留記憶数が切り替わるときに、保留記憶数に対応する第2特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS240または上記ステップS310−7において第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値が増減したときに、増減後の保留記憶数に対応する第2特別図柄記憶指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第2特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
なお、本実施形態では、「第1特別図柄記憶指定コマンド」と「第2特別図柄記憶指定コマンド」とをまとめて「特別図柄記憶指定コマンド」という。
「図柄確定コマンド」は、特別図柄が停止表示されていることを示すものであり、「MODE」が「E3H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。
この図柄確定コマンドは、特別図柄が停止表示されているときに演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS320−3において特別図柄を第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に停止表示させるときに、図柄確定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている図柄確定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「普図停止指定コマンド」は、普通図柄が停止表示されていることを示すものであり、「MODE」が「E4H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。
この普図停止指定コマンドは、普通図柄が停止表示されているときに演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS410−10において普通図柄を普通図柄表示装置22に停止表示させるときに、普図停止指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている普図停止指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「普通図柄記憶数指定コマンド」は、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている保留記憶数を示すものであり、「MODE」が「E5H」で設定され、保留記憶数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この普通図柄記憶数指定コマンドは、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている保留記憶数が切り替わるときに、保留記憶数に対応する普通図柄記憶数指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS250または上記ステップS410−4において、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている値が増減したときに、増減後の保留記憶数に対応する普通図柄記憶数指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている普通図柄記憶数指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「第1特別図柄用変動パターン指定コマンド」は、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の変動時間(変動態様)を示すものであり、「MODE」が「E6H」で設定され、各種の変動パターンに合わせてDATAの情報が設定されている。
この第1特別図柄用変動パターン指定コマンドは、第1特別図柄表示装置20の特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第1特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS313において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第1特別図柄用変動パターン指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第1特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「第2特別図柄用変動パターン指定コマンド」は、第2特別図柄表示装置21における特別図柄の変動時間(変動態様)を示すものであり、「MODE」が「E7H」で設定され、各種の変動パターンに合わせてDATAの情報が設定されている。
この第2特別図柄用変動パターン指定コマンドは、第2特別図柄表示装置21の特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第2特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS313において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第2特別図柄用変動パターン指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第2特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
なお、本実施形態では、「第1特別図柄用変動パターン指定コマンド」と「第2特別図柄用変動パターン指定コマンド」とをまとめて、「変動パターン指定コマンド」という。
「入賞情報指定コマンド」は、大当たり抽選の結果を事前に判定するための情報であり、特別図柄表示装置に応じて「MODE」が「E8H」または「E9H」で設定され、各種の入賞情報に合わせてDATAの情報が設定されている。
この入賞情報指定コマンドは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入賞したときに、決定された入賞情報に対応する入賞情報指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS230−10またはS240において第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入賞したときに、決定された入賞情報に対応する入賞情報指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている入賞情報指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「大入賞口開放指定コマンド」は、各種大当りの種別に合わせた大当たりのラウンド数を示すものであり、「MODE」が「EAH」で設定され、大当たりのラウンド数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この大入賞口開放指定コマンドは、大当りラウンドが開始されるときに、開始されたラウンド数に対応する大入賞口開放指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS340−5において第1大入賞口開閉扉16b(または第2大入賞口開閉扉17b)を開放させるときに、開放させるときのラウンド数に対応する大入賞口開放指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている大入賞口開放指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「オープニング指定コマンド」は、各種の大当りが開始することを示すものであり、「MODE」が「EBH」で設定され、大当たりの種別に合わせてDATAの情報が設定されている。
このオープニング指定コマンドは、各種の大当りが開始するときに、大当たりの種別に対応するオープニング指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS330−14の大当たり遊技処理の開始のときに、大当たりの種別に対応するオープニング指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているオープニング指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「エンディング指定コマンド」は、各種の大当りが終了したことを示すものであり、「MODE」が「ECH」で設定され、大当たりの種別に合わせてDATAの情報が設定されている。
このエンディング指定コマンドは、各種の大当りが終了するときに、大当たりの種別に対応するエンディング指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS340−16の大当り遊技終了処理の開始のときに、大当たりの種別に対応するエンディング指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているエンディング指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「普図指定コマンド」は、普通図柄表示装置22に停止表示される普通図柄の種別を示すものであり、「MODE」が「EDH」で設定され、普通図柄の種別に合わせてDATAの情報が設定されている。
この普図指定コマンドは、各種の普通図柄が決定され、普通図柄の変動表示が開始されるときに、決定された普通図柄に対応する普図指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS410−6において普通図柄の変動表示が開始されるときに、決定された普通図柄に対応する普図指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている普図指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「普図変動指定コマンド」は、普通図柄表示装置22における普通図柄の変動時間を示すものであり、「MODE」が「EEH」で設定され、各種の普通図柄の変動時間に合わせてDATAの情報が設定されている。
この普図変動指定コマンドは、普通図柄表示装置22の普通図柄の変動表示が開始されるときに、決定された普通図柄の変動時間に対応する普図変動指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS410−7において普通図柄の変動表示が開始されるときに、決定された普通図柄の変動時間に対応する普図変動指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている普図変動指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「遊技状態指定コマンド」は、時短遊技状態であるか非時短遊技状態であるかを示すものであり、「MODE」が「EFH」で設定され、非時短遊技状態であれば「DATA」が「00H」に設定され、時短遊技状態であれば「DATA」が「01H」に設定されている。
この遊技状態指定コマンドは、特別図柄の変動開始時、特別図柄の変動終了時、大当り遊技の開始時および大当りの終了時に、遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS314において特別図柄の変動表示が開始されるとき、上記ステップS330−4において高確率遊技フラグ、高確率遊技回数、時短遊技フラグおよび時短回数(J)が変更した可能性があるとき、上記ステップS350−6において高確率遊技フラグ、高確率遊技回数、時短遊技フラグおよび時短回数(J)の設定を行ったときに、現在の遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている遊技状態指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
次に、演出制御基板120におけるサブCPU120aにより実行される処理について説明する。
[演出制御基板のメイン処理]
図31を用いて、演出制御基板120のメイン処理を説明する。
ステップS1000において、サブCPU120aは、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、電源投入に応じて、サブROM120bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM120cに記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。
ステップS1100において、サブCPU120aは、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cに記憶される乱数(演出用乱数値1〜3、演出図柄決定用乱数値等)を更新する処理を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、上記ステップS1100の処理を繰り返し行う。
[演出制御基板のタイマ割込処理]
図32を用いて、演出制御基板120のタイマ割込処理を説明する。
図示はしないが、演出制御基板120に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生され、タイマ割込処理プログラムを読み込み、演出制御基板のタイマ割込処理が実行される。
ステップS1400において、サブCPU120aは、サブCPU120aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS1500において、サブCPU120aは、演出制御基板120で用いられる各種タイマカウンタの更新するタイマ更新処理を行う。
ステップS1600において、サブCPU120aは、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。コマンド解析処理の具体的な説明は、図33および図34を用いて後述する。なお、演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、ステップS1600において受信したコマンドの解析処理が行われる。
ステップS1700において、サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35aおよび十字キー検出スイッチ36bの信号のチェックを行い、演出ボタン35または十字キー36に関する演出入力制御処理を行う。
特に、この演出入力制御処理では、演出図柄38の変動表示中に演出ボタン検出スイッチ35aまたは十字キー検出スイッチ36bの信号を入力すると、演出態様を変更させる演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
さらに、この演出入力制御処理では、演出図柄38の停止表示中(いわゆるデモ演出中)に演出ボタン検出スイッチ35aまたは十字キー検出スイッチ36bの信号を入力すると、パチログの登録処理が行われる。このパチログの登録処理では、演出ボタン検出スイッチ35aまたは十字キー検出スイッチ36bから所定の順序で特定の信号を入力すると(遊技者の固有情報であるパスワードを入力すると)、パチログ機能が作動して、遊技機1に遊技履歴の情報が蓄積されていくことになる。
ここで、「パチログ」とは、遊技機1に遊技者の固有情報を入力させて、遊技機1に遊技履歴の情報を記憶させていく遊技のことをいい、「パチログ機能の作動」とは、遊技機1に遊技者の固有情報が入力された状態のことを意味している。
ステップS1800において、サブCPU120aは、サブRAM120cの送信バッファにセットされている各種のコマンドをランプ制御基板140や画像制御基板150へ送信するデータ出力処理を行う。
ステップS1900において、サブCPU120aは、ステップS1810で退避した情報をサブCPU120aのレジスタに復帰させる。
[演出制御基板のコマンド解析処理]
図33および図34を用いて、演出制御基板120のコマンド解析処理を説明する。なお、図34のコマンド解析処理2は、図33のコマンド解析処理1に引き続いて行われるものである。
ステップS1601において、サブCPU120aは、受信バッファにコマンドがあるか否かを確認して、コマンドを受信したかを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファにコマンドがなければコマンド解析処理を終了し、受信バッファにコマンドがあればステップS1602に処理を移す。
ステップS1602において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、普通図柄記憶数指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが普通図柄記憶数指定コマンドであれば、ステップS1603に処理を移し、普通図柄記憶数指定コマンドでなければステップS1606に処理を移す。
ステップS1603において、サブCPU120aは、今回受信した普通図柄記憶数指定コマンドに基づいて普図記憶数が増加したか否かを判定する。
サブCPU120aは、普図記憶数が増加したと判定すれば、ステップS1604に処理を移し、普図記憶数が増加していない(普図記憶数が減少した)判定すれば、ステップS1605に処理を移す。
ステップS1604において、サブCPU120aは、普通図柄記憶数指定コマンドから普図記憶数を解析して、解析した普図記憶数をサブRAM120cの普図記憶数カウンタにセットして、普図記憶数を更新する。
その後、ステップS1604では、第2液晶表示装置37に表示させる普図保留画像の表示態様を決定する。そして、決定した普図保留画像の表示態様に対応する普図保留画像指定コマンドを画像制御基板150に送信するため、普図保留画像指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1605において、サブCPU120aは、普通図柄記憶数指定コマンドから普図記憶数を解析して、解析した普図記憶数をサブRAM120cの普図記憶数カウンタにセットして、普図記憶数を減算する。その後、普図当選フラグ記憶領域の各記憶部に記憶されているデータを1つ前にシフトする。そして、既に第2液晶表示装置37に表示されている普図保留画像を1つ前にシフトさせるため、普図保留シフト指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1606において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、普図指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが普図指定コマンドであれば、ステップS1607に処理を移し、普図指定コマンドでなければステップS1608に処理を移す。
ステップS1607において、サブCPU120aは、普通図柄記憶処理を行う。
サブCPU120aは、受信した普図指定コマンドから停止普図データを解析して、解析した停止普図データに対応する普通図柄の情報をサブRAM120cの普通図柄記憶領域に記憶する。そして、サブCPU120aは、解析した普通図柄の情報に対応する図柄の表示データを決定する。そして、サブCPU120aは、決定した表示データに対応する演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1608において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、普図変動時間指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが普図変動時間指定コマンドであれば、ステップS1609に処理を移し、普図変動時間指定コマンドでなければステップS1610に処理を移す。
ステップS1609において、サブCPU120aは、受信した普図変動時間指定コマンドから普通図柄の変動時間を解析して、解析した普通図柄の変動時間をサブRAM120cの普図変動時間カウンタにセットする。なお、普図変動時間カウンタにセットされた変動時間は、上記ステップS1500で減算されていくことになる。
ステップS1610において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、普図停止指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが普図停止指定コマンドであれば、ステップS1611に処理を移し、普図停止指定コマンドでなければステップS1615に処理を移す。
ステップS1611において、サブCPU120aは、普図図柄停止表示処理を行う。
サブCPU120aは、変動表示された普通図柄を停止表示させるために、普通図柄を停止表示させるための停止指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1612において、サブCPU120aは、サブRAM120cの遊技状態記憶領域を参照して、時短遊技状態であるか否かを確認する。
サブCPU120aは、時短遊技状態であればコマンド解析処理を終了し、時短遊技状態でなければステップS1613に処理を移す。
ステップS1613において、サブCPU120aは、ステップS1607で記憶した普通図柄の情報に対応する普通図柄の種類が「普通図柄2」を示すか否かを確認する。
サブCPU120aは、普通図柄2でなければコマンド解析処理を終了し、普通図柄2であればステップS1614に処理を移す。
ステップS1614において、サブCPU120aは、右打ち示唆演出処理を行う。
このステップS1614は、ステップS1612およびステップS1613でYesと判定されたことにより行われる処理である。すなわち、ステップS1614は、現在が非時短遊技状態であって、普通図柄抽選の抽選結果が普通図柄2に当選したことを示すときに行われる処理である。
普通図柄2に当選したときの普通遊技に係る第2始動口15の開放態様は、図13(d)に示すように、1回目でショート開放を行った後、2回目でロング開放を行う態様である。
本実施形態では、1回目のショート開放と2回目のロング開放との間の閉鎖インターバル時間中に、右打ち示唆演出を実行する。
右打ち示唆演出とは、遊技球を主に遊技領域6の右側で流下させる操作ハンドル3の操作である「右打ち」を遊技者に示唆するための演出である。
上記のように本実施形態では、第1始動口14は、遊技領域6の中央下側の領域に設けられているものの、遊技領域6に設けられた釘や風車の配置によって、右打ちでは遊技球の入球が困難となるよう構成されている。一方、第2始動口15は、開放状態にあれば右打ちで遊技球の入球が可能となるように構成されている。
このため、第2始動口15の開放時間が非常に短いショート開放と比較的長いロング開放との間に右打ち示唆演出を行うことで、遊技者は、ショート開放の後にはロング開放が行われることを予測することができる。このため、遊技者はロング開放前に右打ちの準備をすることができ、遊技者に有利な第2始動口15に対してより多くの遊技球を入球することができる。
本実施形態では、第1特別図柄の変動時間を短縮する期間は、短当たり遊技終了後に遊技状態が高確率遊技状態かつ非時短遊技状態に設定されたときであることから、このときに行われる上記右打ち示唆演出は、短当たり遊技終了後に遊技状態が高確率遊技状態かつ非時短遊技状態に設定されたことを遊技者に示唆する演出であるといえる。
右打ち示唆演出は、非時短遊技状態であって普通図柄抽選の抽選結果が普通図柄2に当選した場合に毎回行わなくてもよい。例えば、非時短遊技状態であって普通図柄抽選の抽選結果が普通図柄2に当選した場合に、右打ち示唆演出を実行するか否かの抽選を行い、当該抽選に当選したときにだけ右打ち示唆演出を実行してもよい。また、右打ち示唆演出は、短当たり遊技終了後に遊技状態が高確率遊技状態かつ非時短遊技状態に設定され(すなわち潜伏確変)、第1特別図柄の変動時間が短縮されている期間中に、普通図柄抽選の抽選結果が普通図柄2に当選したときにだけ実行してもよい。
ステップS1615において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、特別図柄記憶指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが特別図柄記憶指定コマンドであれば、ステップS1616に処理を移し、特別図柄記憶指定コマンドでなければステップS1617に処理を移す。
ステップS1616において、サブCPU120aは、特別図柄記憶指定コマンドから特図記憶数を解析して、解析した特図記憶数をサブRAM120cの特図記憶数カウンタにセットする。
ステップS1617において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、演出図柄指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄指定コマンドであれば、ステップS1618に処理を移し、演出図柄指定コマンドでなければステップS1619に処理を移す。
ステップS1618において、サブCPU120aは、受信した演出図柄指定コマンドの内容に基づいて、第1液晶表示装置31または第2液晶表示装置37に停止表示させる演出図柄38を決定する演出図柄決定処理を行う。
この演出図柄決定処理では、まず演出図柄指定コマンドを解析して、大当たりの有無、大当たりの種別に応じて演出図柄38の組み合わせを構成する演出図柄データを決定し、決定された演出図柄データを演出図柄記憶領域にセットする。そして、決定された演出図柄データを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、演出図柄データ示す停止図柄指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1619において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、変動パターン指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドであれば、ステップS1620に処理を移し、変動パターン指定コマンドでなければステップS1621に処理を移す。
ステップS1620において、サブCPU120aは、図柄変動演出パターンを決定する図柄変動演出パターン決定処理を行う。
この図柄変動演出パターン決定処理では、まず上記ステップ1100において更新されている演出用乱数値1から1つの乱数値を取得する。その後、図柄変動演出パターン決定テーブルを参照し、受信した変動パターン指定コマンドと取得した演出用乱数値1とに基づいて図柄変動演出パターンを決定し、決定した図柄変動演出パターンを図柄変動演出パターン記憶領域にセットする。そして、決定した図柄変動演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した図柄変動演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
また、サブCPU120aは、受信した変動パターン指定コマンドから特別図柄の変動時間を解析して、解析した特別図柄の変動時間をサブRAM120cの特図変動時間カウンタにセットする。なお、特図変動時間カウンタにセットされた変動時間は、上記ステップS1500で減算されていくことになる。
その後、かかる図柄変動演出パターンに基づいて、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37、音声出力装置32、演出用駆動装置33a、演出用照明装置34が制御されることになる。なお、ここで決定した図柄変動演出パターンに基づいて、演出図柄38の変動態様が決定されることとなる。
ステップS1621において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、図柄確定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドであれば、ステップS1622に処理を移し、図柄確定コマンドでなければステップS1623に処理を移す。
ステップS1622において、サブCPU120aは、演出図柄38を停止表示させるために、演出図柄を停止表示させるための停止指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする演出図柄停止処理を行う。
ステップS1623において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドであればステップS1624に処理を移し、遊技状態指定コマンドでなければステップS1627に処理を移す。
ステップS1624において、サブCPU120aは、受信した遊技状態指定コマンドに基づいた遊技状態を示すデータをサブRAM120cにある遊技状態記憶領域にセットする。
ステップS1625において、サブCPU120aは、サブRAM120cの遊技状態記憶領域を参照して、時短遊技状態であるか否かを確認する。
サブCPU120aは、時短遊技状態でなければコマンド解析処理を終了し、時短遊技状態であればステップS1626に処理を移す。
ステップS1626において、サブCPU120aは、右打ち報知処理を行う。
このステップS1626は、現在が時短遊技状態であるときに行われる処理である。
時短遊技状態では、図13(b)および(d)に示すように、第2始動口15の開放態様がロング開放を2回行う態様となり易い。このため、右打ちを報知された遊技者は、多数の遊技球を第2始動口15へ入球させ得る。
ステップS1627において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、オープニング指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがオープニング指定コマンドであればステップS1628に処理を移し、オープニング指定コマンドでなければステップS1629に処理を移す。
ステップS1628において、サブCPU120aは、当たり開始演出パターンを決定する当たり開始演出パターン決定処理を行う。
この当たり開始演出パターン決定処理では、オープニング指定コマンドに基づいて当たり開始演出パターンを決定し、決定した当たり開始演出パターンを演出パターン記憶領域にセットする。そして、決定した当たり開始演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり開始演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1629において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、大入賞口開放指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが大入賞口開放指定コマンドであればステップS1630に処理を移し、大入賞口開放指定コマンドでなければステップS1631に処理を移す。
ステップS1630において、サブCPU120aは、大当たり演出パターンを決定する大当たり演出パターン決定処理を行う。
この大当たり演出パターン決定処理では、大入賞口開放指定コマンドに基づいて大当たり演出パターンを決定し、決定した大当たり演出パターンを演出パターン記憶領域にセットする。そして、決定した大当たり演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した大当たり演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1631において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、エンディング指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがエンディング指定コマンドであればステップS1632に処理を移し、エンディングコマンドでなければコマンド解析処理を終了する。
ステップS1632において、サブCPU120aは、当たり終了演出パターンを決定する当たり終了演出パターン決定処理を行う。
この当たり終了演出パターン決定処理では、エンディング指定コマンドに基づいて当たり終了演出パターンを決定し、決定した当たり終了演出パターンを演出パターン記憶領域にセットする。そして、決定した当たり終了演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり終了演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
以上により、演出制御基板120から各種コマンドを受信したランプ制御基板140及び画像制御基板150は、受信した各種コマンドに従って演出用照明装置34を制御したり、音声出力装置32における音声を出力制御したり、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37における画像表示を制御したりする。
特に、演出制御基板120から各種コマンドを受信した画像制御基板150の液晶制御CPU150aは、受信した各種コマンドに基づいて、上記ディスプレイリストを作成し、このディスプレイリストをVDP2000に対して送信することによって第1液晶表示装置31および/または第2液晶表示装置37に所定の画像を表示させることになる。
本実施形態では、図33および図34に示すコマンド解析処理を行うサブCPU120aが、演出制御手段を構成する。
[本実施形態の遊技機における遊技の主な流れ]
次に、図35を用いて、本実施形態の遊技の主な流れの概要を説明する。
図35は、本実施形態の遊技機における遊技の主な流れ示す図である。
第1始動口14に入球して大当たりの抽選が行われ、特別図柄の種類が特別図柄3であったとき(図35(a))、本実施形態では、図6(a)に示すように、第1確変短当たりに当選したとして短当たり遊技が行われる(図35(b))。当選時の遊技状態は、低確率遊技状態かつ非時短遊技状態(すなわち通常遊技状態)であったとする。
この場合、短当たり遊技が終了すると、図7に示すように、短当たり遊技後の遊技状態は、高確率遊技状態かつ非時短遊技状態(すなわち潜伏確変)に設定される(図35(c)、(d))。
このとき、本実施形態では、特別回数(SP)が50回にセットされる(図35(e))。特別回数(SP)は、その後に第1特別図柄または第2特別図柄のいずれかの変動表示が行われるごとに1ずつ減算される。そして、本実施形態では、特別回数(SP)が1以上である期間、すなわち、第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動回数が50回に至るまでは、第1特別図柄の変動時間が短縮される(図35(e))。具体的には、特別回数(SP)がセットされた後は、第1特別図柄の変動パターンを決定する際に、第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動回数が50回に至るまでは、図11に示す第1特別図柄の変動パターン決定テーブルBを参照して決定される。
その後、普通図柄抽選が行われ、普通図柄の種類が普通図柄2であったとき(図35(f))、本実施形態では、図13(d)に示すように第2始動口15の開放態様がショート開放およびロング開放の態様である普通遊技が行われる(図35(g))。
第2始動口15の開放態様がショート開放であるとき、第2始動口15への入球は困難であるが、第2始動口15の開放態様がロング開放であるとき、第2始動口15への入球は容易となる。
第2始動口15の開放態様がロング開放となり遊技球が第2始動口15に入球すると(図35(h))、大当たり抽選が行われ、その抽選結果に対応する第2特別図柄が変動表示された後に第2特別図柄表示装置21に停止表示される。
第2特別図の変動中、更に第2始動口15に入球すると(図35(h))、その入球に応じた大当たり抽選の権利が保留される。
このとき、既に第1始動口14に遊技球が入球されて大当たり抽選が行われ、第1特別図柄が変動表示されていても、第1特別図柄の変動表示時間を短縮する期間中であると(図35(e)、(j))、第1特別図柄の入球に係る大当たり抽選の権利を処理するのに要する時間が短くなり(図35(i))、その後に処理する第2特別図柄の入球に係る大当たり抽選の権利についての処理を早く開始することができる(図35(j))。このため、第2特別図柄の保留球の消化を早く開始することができ、保留個数が上限である4個あるときでも、第2始動口15への入球が無駄にならずに済ますことができる(図35(h)、(j))。
すなわち、本実施形態では、非時短遊技状態であっても、第2始動口15への入球が容易なロング開放が行われると共に第2特別図柄の保留球の消化を早く開始し得ることから、普通図柄抽選に対する遊技者の興味を向上させることができる。
特に、第2始動口15への入球を契機とする大当たり抽選では、第1始動口14へ遊技球の入球を契機とする大当たり抽選よりも、大当たり遊技の種類および大当たり遊技終了後の遊技状態が遊技者に有利な抽選結果となりやすい。このため、本実施形態では、普通図柄抽選に対する遊技者の興味を一層向上させることができる。
また、本実施形態では、第2始動口15のショート開放とロング開放の間に、右打ち示唆演出を行う(図35(k))。このため、遊技者は、ショート開放の後にはロング開放が行われることを予測することができる。よって、遊技者はロング開放前に右打ちの準備をすることができ、遊技者に有利な第2始動口15に対してより多くの遊技球を入球することができる。これにより、本実施形態では、普通図柄抽選に対する遊技者の興味をより一層向上させることができる。
また、本実施形態では、短当たり遊技終了後の遊技状態が高確率遊技状態かつ非時短遊技状態(すなわち潜伏確変)に設定されたときに第1特別図柄の変動表示時間が短縮されるため、遊技者に対し潜伏確変に当選したことを認識させることができる。特に、本実施形態では、潜伏確変のときにだけ右打ち示唆演出を実行する構成とすれば、当該示唆演出により、遊技者に対し潜伏確変に当選したことを一層認識させることができる。
[変形例等]
本実施形態では、非時短遊技状態で第1確変短当たり(特別図柄3)に当選したときに、特別回数(SP)を設定して第1特別図柄の変動時間を短縮することとしたが、これに限定されない。非時短遊技状態で第2確変短当たり(特別図柄7)に当選したときに、特別回数(SP)を設定して第1特別図柄の変動時間を短縮してもよい。すなわち、非時短遊技状態で第2始動口15への入球を契機に行われた大当たり抽選結果が短当たり遊技を実行すると共に短当たり遊技後に高確率遊技状態に移行することを示す場合であっても、特別回数(SP)を設定して第1特別図柄の変動時間を短縮してもよい。
また、本実施形態では、第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動回数が特別回数(例えば50回)に至るまでは、第1特別図柄の変動時間が短縮されることとしたが、これに限定されない。第1特別図柄または第2特別図柄のいずれかの変動回数が特別回数に至るまで、第1特別図柄の変動時間が短縮されるとしてもよい。
また、本実施形態では、潜伏確変に当選したことを契機として特別回数(SP)を設定し第1特別図柄の変動時間を短縮することとしたが、小当たりに当選したことを契機として特別回数(SP)を設定し第1特別図柄の変動時間を短縮してもよい。また、潜伏確変若しくは小当たりの両方または一方に当選したときに第1特別図柄の変動時間を短縮してもよい。
また、本実施形態では、第1特別図柄の変動時間を短縮する期間を定めるための情報として、特別図柄の変動回数である特別回数(SP)を用いたが、これに限定されない。第1特別図柄の変動時間を短縮する期間を定めるための情報は、特定時間であってもよいし、別の計数可能な閾値であってもよい。
また、本実施形態では、右打ち示唆演出は、ショート開放とロング開放との間に実行したが、これに限定されない。ショート開放の前に実行してもよい。また、第2始動口15の開放態様が2回のロング開放である場合に実行してもよい。この場合においても、1回目のロング開放と2回目のロング開放との間に右打ち示唆演出を実行してもよいし、1回目のロング開放の前に右打ち示唆演出を実行してもよい。
また、本実施形態では、第2始動口15の開放態様は、1回のショート開放、ショート開放およびロング開放、2回のロング開放の3つの態様としたが、これに限定されない。第2始動口へ入球可能な開放状態が行われる開放を少なくとも含んだ複数回の開放が行われる態様であってもよい。この場合においても、右打ち示唆演出は、上記同様にさまざまなタイミングで実行してもよい。
また、本実施形態では、第1始動口14に遊技球が入球したことによる大当たり抽選において決定される特別図柄の種類を、図6(a)に示すように、特別図柄1である第1確変長当たり、特別図柄2である第1確変長当たり、特別図柄3である第1確変短当たり、特別図柄4である第1通常長当たりの4種類とした。すなわち、図6(a)に示す図柄決定テーブルでは、第1確変短当たりを特別図柄3の1種類だけ設けることとした。
しかしながら、本実施形態ではこれに限定されず、第1始動口14に遊技球が入球したことによる大当たり抽選において決定される特別図柄の種類を、図36(a)に示すように、特別図柄1である第1確変長当たり、特別図柄2である第1確変短当たり1、特別図柄3である第1確変短当たり2、特別図柄4である第1通常長当たりの4種類としてもよい。すなわち、本実施形態の変形例では、図36(a)に示す図柄決定テーブルのように、第1確変短当たりを、特別図柄2である第1確変短当たり1と、特別図柄3である第1確変短当たり2との2種類設けることとしてもよい。第1確変短当たりを3種類以上設けてもよい。
本実施形態の変形例の場合、メインROM110bに記憶される各種テーブルを、第1確変短当たりを第1確変短当たり1と第1確変短当たり2との2種類設けることに対応したテーブルとし、メインCPU110aが当該テーブルを参照して遊技を進行するよう予め定めておけばよい。
具体的には、第1確変短当たりを第1確変短当たり1と第1確変短当たり2との2種類設けることに対応したテーブルは、次のようなテーブルであってもよい。すなわち、大当たりにおける図柄決定テーブルは、図36(a)に示すテーブルであってもよい。大当たり遊技終了時設定データテーブルは、図37に示すテーブルであってもよい。特別電動役物作動態様決定テーブルは、図38に示すテーブルであってもよい。第1特別図柄の変動パターン決定テーブルAは、図39に示すテーブルであってもよい。第1特別図柄の変動パターン決定テーブルBは、図40に示すテーブルであってもよい。
また、主制御基板110から演出制御基板120に送信されるコマンドの種別は、図41に示す図のように定めておけばよい。
本実施形態の変形例では、特別図柄3である第1確変短当たり2に当選したときには、図25のステップS350−7〜ステップS350−9に示すように、特別回数(SP)を設定し、第1特別図柄の変動表示時間が所定期間だけ短縮されることとなる。特別図柄3である第1確変短当たり2に当選したときは、短当たり遊技終了後の遊技状態が高確率遊技状態かつ非時短遊技状態(すなわち潜伏確変)に設定される。つまり、本実施形態の変形例では、特別図柄3である第1確変短当たり2に当選したときには、潜伏確変中に第1特別図柄の変動表示時間が短縮されることになる。
一方、本実施形態の変形例では、特別図柄2である第1確変短当たり1に当選したときには、図25のステップS350−7〜ステップS350−9に示すように、第1特別図柄の変動表示時間は短縮されないこととなる。特別図柄2である第1確変短当たり1に当選したときも、短当たり遊技終了後の遊技状態が高確率遊技状態かつ非時短遊技状態(すなわち潜伏確変)に設定される。つまり、本実施形態の変形例では、特別図柄2である第1確変短当たり1に当選したときには、潜伏確変中に第1特別図柄の変動表示時間が短縮されないことになる。
すなわち、本実施形態の変形例では、潜伏確変中の第1特別図柄の変動表示時間は、短縮される場合と短縮されない場合とがある。このため、遊技者に対して「潜伏確変に当選しても第1特別図柄の変動表示時間が短縮されるとは限らない」と認識させることができる。
短当たり遊技及び小当たり遊技で実行される第2大入賞口17の短い開閉態様に注目した遊技者は、第1始動口14へ遊技球の入球を契機とする大当たり抽選において潜伏確変に当選したのか小当たりに当選したのかを判別することができないことで、「潜伏確変に当選したかもしれない」という期待感を抱く。
つまり、本実施形態の変形例では、第2大入賞口17の短い開閉態様に注目した遊技者が第1特別図柄の変動表示時間の短縮に起因して潜伏確変への当選に対する期待感を喪失してしまうことを抑止することができる。
以上、これまで説明してきた実施形態は、本発明の実施の一形態であって、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
13 普通図柄ゲート(普通領域等)
13a ゲート検出スイッチ(普通領域検出手段等)
14 第1始動口(第1始動領域等)
14a 第1始動口検出スイッチ(第1始動領域検出手段等)
15 第2始動口(第2始動領域等)
15a 第2始動口検出スイッチ(第2始動領域検出手段等)
15b 始動可動片(始動可変入賞装置等)
16 第1大入賞口(特別入賞領域等)
16b 第1大入賞口開閉扉(特別可変入賞装置等)
17 第2大入賞口(特別入賞領域等)
17b 第1大入賞口開閉扉(特別可変入賞装置等)
100 遊技機
110 主制御基板
110a メインCPU(第1特別遊技判定手段、第2特別遊技判定手段、特別図柄制御手段、特別遊技実行手段、確率遊技状態設定手段、時短遊技状態設定手段、普通遊技判定手段、普通図柄制御手段、普通遊技実行手段等)
110b メインROM
110c メインRAM
120 演出制御基板
120a サブCPU(演出制御手段等)
120b サブROM
120c サブRAM

Claims (3)

  1. 遊技球が流下可能な遊技領域に設けられた第1始動領域に進入した前記遊技球を検出する第1始動領域検出手段と、
    前記遊技領域に設けられた前記第1始動領域とは異なる第2始動領域に進入した前記遊技球を検出する第2始動領域検出手段と、
    前記遊技領域に設けられた特別入賞領域に前記遊技球が進入し易い開放状態と前記遊技球が進入し難い閉鎖状態とに前記特別入賞領域の開放態様を変化可能な特別可変入賞装置と、
    前記第1始動領域検出手段によって前記遊技球が検出されると、前記特別入賞領域を前記開放状態とする特別遊技を実行するか否かを決定すると共に該特別入賞領域の開放態様に応じた該特別遊技の種類を決定するための第1判定を行う第1特別遊技判定手段と、
    前記第2始動領域検出手段によって前記遊技球が検出されると、前記特別遊技を実行するか否かを決定すると共に該特別遊技の種類を決定するための第2判定を行う第2特別遊技判定手段と、
    前記第1判定の判定結果を遊技者に報知する第1特別図柄の変動表示を制御すると共に、前記第2判定の判定結果を遊技者に報知する第2特別図柄の変動表示を制御する特別図柄制御手段と、
    前記特別可変入賞装置を制御して、前記第1判定の判定結果又は前記第2判定の判定結果に対応する前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
    を備え、
    前記第2特別遊技判定手段は、前記特別遊技の種類のうち遊技者に有利な種類を、前記第1特別遊技判定手段よりも多く決定し易く、
    前記特別遊技の種類は、前記特別入賞領域が前記閉鎖状態である期間より前記特別入賞領域が前記開放状態である期間が長い長当たり遊技と、前記特別入賞領域が前記閉鎖状態である期間より前記特別入賞領域が前記開放状態である期間が短い短当たり遊技とを含み、
    前記特別図柄制御手段は、前記特別遊技実行手段によって前記短当たり遊技が実行される前には、前記第1特別図柄の変動表示時間を第1変動表示時間に設定し、前記特別遊技実行手段によって前記短当たり遊技が実行された後には、所定条件が成立するまで前記第1特別図柄の変動表示時間を前記第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間に設定する
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技球が進入し易い開放状態と前記遊技球が進入し難い閉鎖状態とに前記第2始動領域の開放態様を変化可能な始動可変入賞装置と、
    前記特別遊技を実行後の遊技状態を、前記第1又は第2特別遊技判定手段によって前記特別遊技を実行すると判定され易い高確率遊技状態と、前記特別遊技判定手段によって前記特別遊技を実行すると判定され難い低確率遊技状態との何れかに設定する確率遊技状態設定手段と、
    前記特別遊技を実行後の遊技状態を、前記始動可変入賞装置により前記第2始動領域が前記開放状態になり易い時短遊技状態と、該第2始動領域が前記閉鎖状態になり易い非時短遊技状態との何れかに設定する時短遊技状態設定手段と、
    を備え、
    前記特別図柄制御手段は、前記短当たり遊技を実行後の遊技状態を、前記確率遊技状態設定手段によって前記高確率遊技状態に設定され、且つ、前記時短遊技状態設定手段によって前記非時短遊技状態に設定されたとき、前記第1特別図柄の変動表示時間を前記第2変動表示時間に設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記遊技領域に設けられた普通領域を通過した前記遊技球を検出する普通領域検出手段と、
    前記普通領域検出手段によって前記遊技球が検出されると、前記特別遊技より遊技者に不利な普通遊技を実行するか否かを決定すると共に前記第2始動領域の開放態様に応じた該普通遊技の種類を決定するための第3判定を行う普通遊技判定手段と、
    前記第3判定の判定結果を遊技者に報知する普通図柄の変動表示を制御する普通図柄制御手段と、
    前記始動可変入賞装置を制御して、前記第3判定の判定結果に対応する前記普通遊技を実行する普通遊技実行手段と、
    前記第1特別図柄及び前記第2特別図柄並びに前記普通図柄に対応する演出を表示制御する演出制御手段と、
    を備え、
    前記普通遊技の種類は、前記第2始動領域を前記開放状態とする第1普通遊技と、前記第2始動領域を複数回に亘って前記開放状態とする第2普通遊技とを含み、
    前記演出制御手段は、前記第3判定の判定結果が前記第2普通遊技の実行を示すときは、複数回に亘る前記開放状態の間に、前記短当たり遊技を実行後の遊技状態が前記高確率遊技状態、且つ、前記非時短遊技状態に設定されていることを示唆する示唆演出を表示制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
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