JP2015082376A - 中性子発生装置及び医療用加速器システム - Google Patents

中性子発生装置及び医療用加速器システム Download PDF

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【課題】発生する中性子の量及びエネルギーを高精度に調整することのできる中性子発生装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、中性子発生装置は、荷電粒子ビーム2aを所定のエネルギーまで加速する加速器3と、加速器3により加速された荷電粒子ビーム2bが照射されて中性子を発生するターゲット5と、ターゲット5に対して電圧を印加し、ターゲット5への入射時の荷電粒子ビーム2bのエネルギーを調整する高電圧電源6と、ターゲット5に荷電粒子ビーム2bを照射して発生した中性子線量を検出する線量検出器16と、線量検出器16により検出された中性子線量に基づいて高電圧電源6からターゲット5に印加する電圧の値を制御する電圧制御装置18と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、中性子発生装置及び医療用加速器システムに関する。
中性子発生装置おいて、特に中性子治療に適用するための中性子発生装置は、高強度の中性子束を得ることが要求される。
このような中性子発生装置としては、加速器によって加速された高エネルギーの陽子ビーム(荷電粒子ビーム)をターゲットに照射して中性子を発生させる中性子発生装置がある(例えば、特許文献1参照)。ここで、中性子を発生させるには、エネルギーの閾値がある。すなわち、荷電粒子ビームのエネルギーがこの閾値より高くなければ、中性子を発生させることができない。
また、非特許文献1には、ターゲットに高電圧を印加することにより、ターゲット入射時の陽子のエネルギーを調整する技術が開示されている。
特開2009−47432号公報
世界に誇る高性能単色中性子標準照射場が完成(お知らせ)III.主な技術開発の概要 独立行政法人 日本原子力研究開発機構 平成22年10月4日発表 http://www.jaea.go.jp/02/press2010/p10100401/index.html
上記特許文献1に記載された中性子発生装置は、加速器からの荷電粒子ビームのエネルギーを反応閾値近傍で必要な中性子束が得られる値に設定することが望ましい。因みに、これはターゲットの発熱や構造物の放射化及び副次的なガンマ線の発生を抑えるためである。
しかしながら、上記中性子発生装置は、加速器からの荷電粒子ビームのエネルギーを応答性よく、高精度で制御することは困難であった。この点、上記非特許文献1に記載された技術では、荷電粒子ビームのエネルギーをある程度制御することができるものの、さらに高精度で制御することが望まれていた。
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、発生する中性子の量及びエネルギーを高精度に調整することのできる中性子発生装置及び医療用加速器システムを提供することである。
本実施形態の中性子発生装置は、荷電粒子ビームを所定のエネルギーまで加速する加速器と、前記加速器により加速された前記荷電粒子ビームが照射されて中性子を発生するターゲットと、前記ターゲットに対して電圧を印加し、前記ターゲットへの入射時の前記荷電粒子ビームのエネルギーを調整する高電圧電源と、前記ターゲットに前記荷電粒子ビームを照射して発生した中性子線量を検出する線量検出器と、前記線量検出器により検出された中性子線量に基づいて前記高電圧電源から前記ターゲットに印加する電圧の値を制御する電圧制御装置と、を備えることを特徴とする。
本実施形態の医療用加速器システムは、荷電粒子ビームを所定のエネルギーまで加速する加速器と、前記加速器により加速された前記荷電粒子ビームを照射して中性子を発生させるターゲットと、前記ターゲットに対して電圧を印加し、前記ターゲット入射時の前記荷電粒子ビームのエネルギーを調整する高電圧電源と、前記ターゲットにより発生した中性子線量を検出する線量検出器と、前記線量検出器により検出された中性子線量に基づいて前記高電圧電源の電圧の値を制御する電圧制御装置と、を備え、前記ターゲットは、ホウ素中性子補足療法(BNCT)に用いる中性子を放出するBNCT用ターゲットであって、前記中性子を照射対象に照射することを特徴とする。
本実施形態によれば、発生する中性子の量及びエネルギーを高精度に調整することができ、制御性及び保守性を向上させることができる。
本発明に係る中性子発生装置の第1実施形態を示す断面図である。 本発明に係る中性子発生装置の第2実施形態を示す断面図である。 本発明に係る中性子発生装置の第3実施形態の駆動式ターゲットを示す説明図である。 第3実施形態の変形例の回転式ターゲットを示す説明図である。 本発明に係る中性子発生装置の第4実施形態の斜角度入射ターゲットを示す説明図である。 本発明に係る中性子発生装置の第5実施形態のターゲットの配置態様を示す断面図である。
以下に、本発明に係る中性子発生装置及び医療用加速器システムの実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明に係る中性子発生装置の第1実施形態を示す断面図である。
本実施形態の中性子発生装置は、例えば医療用加速器システムに適用される。この医療用加速器システムとしては、例えば病院内のホウ素中性子捕捉療法(BNCT:Boron Neutron Capture Therapy)に適用される。このBNCTとは、腫瘍内部に選択的に留められたホウ素化合物に体外から中性子を照射することによりホウ素と核反応を生じさせ、核分裂したヘリウムとリチウム原子核により腫瘍細胞のDNAのみを局部的に破壊するという治療方法である。
図1に示すように、本実施形態の中性子発生装置は、イオン源1と、線形加速器3と、ターゲット部15とを備える。イオン源1は、荷電粒子ビーム2aを生成する。イオン源1は、輸送系4aを介して線形加速器3と接続されている。
線形加速器3は、イオン源1で生成した荷電粒子ビーム2aを所定のエネルギーまで加速する。線形加速器3としては、例えば高周波四重極線形加速器(RFQ:Radio Frequency Quadrupole)が用いられる。また、線形加速器3を多段に接続してもよい。この場合、RFQとドリフトチューブ線形加速器(DTL:Drift Tube Linac)を多段に接続した構成等を適用することができる。
線形加速器3は、輸送系4bを介してターゲット部15と接続されている。このターゲット部15は、ターゲット5と、ガンマシールド10と、モデレータ(減速体)11と、コリメータ12と、照射ポート13とを有している。
ターゲット5は、ターゲット収納室15a内に設置され、例えばリチウムが用いられる。ターゲット5には、線形加速器3により加速された荷電粒子ビーム2bが照射されて中性子8を発生する。ターゲット5は、絶縁部14により他の部材に対して電気的に絶縁されている。ターゲット5は、導線7を通して高電圧電源6と電気的に接続されている。高電圧電源6は、導線7を通してターゲット5に高電圧を印加する。
ターゲット収納室15a内には、線量検出器16が設置されている。この線量検出器16は、ターゲット5に荷電粒子ビーム2bを照射して発生した中性子の線量を検出する。この中性子の線量は、中性子線量モニタ17によりモニタ表示される。この中性子線量モニタ17は、電圧制御装置18と電気的に接続されている。この電圧制御装置18は、線量検出器16により検出された中性子線量に基づいて高電圧電源6からターゲット5に印加する高電圧の値を制御する。
ガンマシールド10は、中性子8を発生する際に副次的に発生するガンマ線9を遮蔽する。モデレータ11は、荷電粒子ビーム2bをターゲット5に照射して生成される中性子8を減速しながら照射ポート13へ導く。この中性子8は、病院内等において照射対象である患者Pの腫瘍Tに照射される。
次に、本実施形態の作用を説明する。
まず、イオン源1により荷電粒子ビーム2aを生成し、この荷電粒子ビーム2aを線形加速器3により所定のエネルギーまで加速する。そして、線形加速器3により加速された荷電粒子ビーム2bは、ターゲット収納室15a内のターゲット5に照射されて中性子8を発生する。この中性子8は、照射対象である患者Pの腫瘍Tに照射されて治療が行われる。
ここで、本実施形態では、ターゲット5としてリチウムを用い、荷電粒子ビーム2bとして陽子ビームを用いている。この場合、Li(p,n)Beの核反応が生じる閾値は、1.88MeVで吸熱反応である。
なお、Li(p,n)反応では、リチウム7(Li)に陽子(p)が衝突することによってリチウム7(Li)がベリリウム7(Be)に変換される過程で中性子(n)が発生する(Li+p→Be+n)。ベリリウム7(Be)の半減期は、約2ヶ月であり、β崩壊によりリチウム7(Li)に戻る。つまり、Li(p,n)反応によって生成されたベリリウム7(Be)は、リチウム7(Li)に戻ることによって再びLi(p,n)反応に利用される。
中性子治療に必要な中性子の量は、1.0×10n/cm/s程度である。上記閾値をやや超えるように例えば1.90MeVに反応エネルギーを設定した場合、ターゲット5との衝突で陽子ビームが1.88MeVの閾値まで減速されるまでに生成する中性子の量は、陽子ビーム1mAあたり1.0×1011n/s以上となり、20mA程度の陽子ビームで治療に十分な中性子が得られる見込みとなっている。
なお、リチウムターゲットとして液体リチウムを用いることも可能である。この液体リチウムターゲットは、供給と冷却の面から循環させるようにして用いる。この場合には、液体リチウムの循環系全体に高電圧を印加することができる機構にすればよい。
上記のように構成された本実施形態では、高電圧電源6からターゲット5に高電圧を印加すると、荷電粒子ビーム2bをターゲット5に照射した際の相対的なエネルギーは、高電圧印加分だけ変化することになる。荷電粒子ビーム2bとして陽子ビームを用いた場合、高電圧電源6に負の電圧を印加すると、ターゲット5に入射する入射エネルギーを増大させることができる。
ここで、照射の際の相対的なエネルギーを変えることができれば、本実施形態のように必ずしもターゲット5のみを絶縁する必要はない。つまり、ターゲット5を含む構造物全体を絶縁して高電圧を印加する構成とすることも可能である。
したがって、本実施形態では、高電圧電源6の電圧のみで荷電粒子ビーム2bの照射エネルギーを調整することができるので、反応によって生成する中性子8の量及びエネルギーを高精度で制御することができる。
また、本実施形態では、荷電粒子ビーム2bのターゲット5に対する相対的なエネルギーを、閾値をやや超えるように設定することにより、照射に直接使用可能な熱中性子が得られるため、減速材なしの構成とすることも可能である。この場合には、中性子8を減速する際に生じるガンマ線9も削減することができる。そのため、治療に用いる場合には、照射対象である患者Pへの不要な被ばくを低減させることができる。
さらに、本実施形態では、ターゲット5に荷電粒子ビーム2bを照射して発生した中性子線量を線量検出器16により検出している。電圧制御装置18は、この線量検出器16により検出された中性子線量に基づいて高電圧電源6からターゲット5に印加する高電圧の値を制御している。これにより、荷電粒子ビーム2bをターゲット5に照射した際の相対的なエネルギーを線量検出器16及び電圧制御装置18により制御することができる。その結果、反応によって生成する中性子8の量及びエネルギーを一段と高精度に制御することができ、制御性及び保守性を向上させることができる。
すなわち、本実施形態では、高電圧電源6によって荷電粒子ビーム2bをターゲット5に照射した際の相対的なエネルギーを大きく上げるように調整すれば、熱外中性子の領域までの中性子を得ることができ、熱中性子では届かない深部に存在する腫瘍Tへの照射が可能になる。
このように本実施形態では、エネルギー可変な中性子照射が実現することができ、高電圧電源6の高電圧を制御するだけの単純系であるので、高電圧電源6をターゲット5の近傍に設置すれば、応答性も非常に良好となり、フィードバック制御に最適である。
なお、ターゲット5の厚さは、ターゲット5を通過した荷電粒子ビーム2bの平均エネルギーが丁度閾値になるように設定すると、ビームを有効に使えることになる。例えば、線形加速器3からの陽子ビームが1.90MeVでリチウムのターゲット5に照射される場合は、およそ3μm程度となる。平均エネルギーが丁度閾値になるように設定した場合には、中性子生成反応に寄与しない陽子ビームによるターゲット5の発熱や不要なガンマ線9の発生を抑えることができる。
(第2実施形態)
図2は本発明に係る中性子発生装置の第2実施形態を示す断面図である。
なお、以下の各実施形態は、前記第1実施形態の変形例であって、基本的な構成及び作用は、前記第1実施形態と同様であるので、異なる構成及び作用について説明する。また、以下の各実施形態では、前記第1実施形態と同一又は対応する部分には、同一の符号を付して説明する。
図2に示すように、本実施形態では、線量検出器16が照射ポート13の出口近傍に設置されている。この線量検出器16は、荷電粒子ビーム2bの進行方向に対してターゲット5の下流側に設置されていればよい。線量検出器16は、中性子を透過可能な透過型(非破壊型)であるならば、荷電粒子ビーム2bのビーム軸線上に設置するようにしてもよい。
中性子線量モニタ17は、積算部21及び判定部22を備えている。この積算部21は、線量検出器16により検出された中性子線量を積算する。判定部22は、積算部21で積算された中性子線量が予め設定された値以上になったか否かを判定する。本実施形態は、積算部21で積算された中性子線量が予め設定された値以上であると判定された場合、荷電粒子ビーム2bの供給を停止するようにしている。
以下に荷電粒子ビーム2bの供給を停止する手段について説明する。
荷電粒子ビーム2bの供給を停止する手段としては、例えば以下の3つの手段がある。すなわち、電圧制御装置18を制御する手段と、イオン源1を制御する手段と、輸送系4aを制御する手段である。なお、荷電粒子ビーム2bの供給を停止するには、上記3つの手段のうち、少なくとも1つの手段を設ければよい。
電圧制御装置18を制御する手段は、積算部21で積算された中性子線量が予め設定された値以上になった場合に電圧制御装置18により高電圧電源6からターゲット5に印加する電圧をゼロにする。
イオン源1には、イオン源制御装置25が設けられている。このイオン源制御装置25は、イオン源1により生成するイオンを制御する。イオン源制御装置25は、積算部21で積算された中性子線量が予め設定された値以上になった場合にイオンの生成を停止するように制御する。
輸送系4aには、ビームチョッパ23が設置されている。このビームチョッパ23は、電場によって荷電粒子ビーム2aを曲げて荷電粒子ビーム2aが線形加速器3に入射しないようにするものである。ビームチョッパ23は、輸送系制御装置24により制御され、この輸送系制御装置24は、積算部21で積算された中性子線量が予め設定された値以上になった場合にビームチョッパ23を作動させるように制御することで、荷電粒子ビーム2aを線形加速器3に入射しないようにする。
このように本実施形態によれば、中性子線量が予め設定された値以上になった場合に荷電粒子ビーム2bの供給を停止することにより、中性子を医療用に用いた場合に照射対象である患者Pに対して必要以上の中性子を照射することがなくなる。その結果、患者Pへの不要な被ばくを低減させることができる。
また、本実施形態によれば、荷電粒子ビーム2bの供給を停止する手段として3つの手段を用いたことにより、信頼性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、荷電粒子ビーム2bの供給を停止する手段として3つの手段を用いたが、これに限らず予め設定された時間を経過すると、自動的に荷電粒子ビーム2bの供給を停止するように制御してもよい。
(第3実施形態)
図3は本発明に係る中性子発生装置の第3実施形態の駆動式ターゲットを示す説明図である。なお、以下の各実施形態は、前記第1実施形態のターゲットの変形例であって、基本的な構成及び作用は、前記第1実施形態と同様であるので、異なる構成及び作用について説明する。
図3に示すように、本実施形態のターゲット5には、図示しない駆動機構が設けられている。これにより、荷電粒子ビーム2bのビーム軸に対して垂直な面内でターゲット5を上下左右に移動することができる。
このように本実施形態によれば、ターゲット5に駆動機構を設けて、荷電粒子ビーム2bのビーム軸に対して垂直な面内でターゲット5を上下左右に移動可能としたことにより、荷電粒子ビーム2bの照射位置20を変えることができる。そのため、荷電粒子ビーム2bの照射に伴うターゲット5の発熱によるターゲット5の消耗あるいは損傷を抑えることができる。
図4は第3実施形態の変形例の回転式ターゲットを示す説明図である。
図4に示すように、本変形例のターゲット5は、円形に形成されている。ターゲット5には、ターゲット5を回転駆動する回転駆動機構が設けられている。この回転駆動機構の回転軸は、ターゲット5において荷電粒子ビーム2bのビーム軸に対してずらした位置に固定されている。
このように本変形例によれば、ターゲット5に回転駆動機構を設けて、荷電粒子ビーム2bのビーム軸に対して回転軸をずらした円形のターゲット5を回転させることにより、荷電粒子ビーム2bの照射位置20を変えることができる。その結果、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本変形例において回転体であるターゲット5へ高電圧を印加するには、ブラシを用いることで回転範囲の制約をなくすことができる。
(第4実施形態)
図5は本発明に係る中性子発生装置の第4実施形態の斜角度入射ターゲットを示す説明図である。
図5に示すように、本実施形態は、ターゲット5に、ターゲット5の面をビーム軸30に対して傾斜させる図示しない傾斜駆動機構が設けられている。これにより、本実施形態は、ターゲット5の面をビーム軸30に対して傾斜可能としている。すなわち、ターゲット5の面をビーム軸30の入射角に対して調整可能となる。
したがって、本実施形態では、ビーム軸30に対してターゲット5を傾けることにより、ビームが通過するターゲット5の厚さが変わることになる。これにより、中性子の生成量を制御することができる。また、ターゲット5の厚さを変えることで、照射によるターゲット5の消耗分を補うことも可能となる。
なお、本実施形態は、前記第2実施形態及びその変形例と組み合わせた構成とすることもできる。
(第5実施形態)
図6は本発明に係る中性子発生装置の第5実施形態のターゲットの配置態様を示す断面図である。
図6に示すように、本実施形態では、荷電粒子ビーム2bのビーム軸方向に対して前記第1実施形態で用いたターゲットを2枚配置してターゲット5a,5bとして示す。ターゲット5aは、荷電粒子ビーム2bの進行方向に対して上流側に設置され、ターゲット5bは、荷電粒子ビーム2bの進行方向に対して下流側に設置されている。この場合、高電圧を印加するのは、ターゲット5a,5bのいずれか一方であっても構わない。以下、ターゲット5a,5bを区別する場合には、ターゲット5aを上流側のターゲット5aとし、ターゲット5bを下流側のターゲット5bとする。
したがって、本実施形態では、上流側のターゲット5aに照射された荷電粒子ビーム2bのうち大部分は、上流側のターゲット5aの厚さに依存したエネルギーを平均的に失った後、下流側のターゲット5bに入射することになる。この時のエネルギーが中性子生成反応の閾値よりも高ければ、下流側のターゲット5bからも中性子8が得られる。
なお、本実施形態では、2枚のターゲット5a,5bの厚さの合計を前記第1実施形態のターゲット5の厚さと同じにすれば、得られる中性子8の量は、前記第1実施形態と同程度になる。その一方でターゲットを2つに分割することで熱負荷を分散させることができる。この場合、上流側のターゲット5a、下流側のターゲット5bへの印加電圧は、抵抗分割部40によって調整することもできる。
また、本実施形態では、下流側のターゲット5bの電位を上流側のターゲット5aで失う平均エネルギーに相当する分に低下させれば、下流側のターゲット5bでも上流側のターゲット5aとほぼ同等の中性子8が得られることになり、上流側のターゲット5aの通過後の荷電粒子ビーム2bを再利用して効率よく中性子8を生成することが可能となる。
(その他の実施形態)
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、上記実施形態では、医療用加速器システムとしてBNCTに適用した例について説明したが、これに限らず陽電子放出断層撮像(PET:Positron Emission Tomography)用の放射性同位体元素を製造するために適用することができる。
また、上記実施形態では、線形加速器3を用いて荷電粒子ビーム2aを所定のエネルギーまで加速するようにしたが、これ以外の加速器としてはサイクロトロンあるいはFFAG(Fixed Field Alternating Gradient)加速器を用いることもできる。
さらに、上記実施形態において、荷電粒子ビーム2bのビーム進行方向に対してターゲット5の上流側に荷電粒子ビーム2bを偏向させるための電場あるいは磁場を生じさせることも可能である。これにより、ターゲット5への荷電粒子ビーム2bの照射位置を変えることができる。
そして、上記実施形態において、荷電粒子ビーム2bのビーム進行方向に対してターゲット5の上流側に荷電粒子ビーム2bを集束又は発散させるための四極電場あるいは磁場を生じさせることも可能である。これにより、ターゲット5への荷電粒子ビーム2bの照射面積を変えることができる。
1…イオン源、2a,2b…荷電粒子ビーム、3…線形加速器、4a…輸送系、4b…輸送系、5…ターゲット、5a…上流側のターゲット、5b…下流側のターゲット、6…高電圧電源、7…導線、8…中性子、9…ガンマ線、10…ガンマ線シールド、11…モデレータ、12…コリメータ、13…照射ポート、14…絶縁部、15…ターゲット部、15a…ターゲット収納室、16…線量検出器、17…中性子線量モニタ、18…電圧制御装置、20…照射位置、21…積算部、22…判定部、23…ビームチョッパ、24…輸送系制御装置、25…イオン源制御装置、30…ビーム軸、40…抵抗分割部、P…患者、T…腫瘍

Claims (11)

  1. 荷電粒子ビームを所定のエネルギーまで加速する加速器と、
    前記加速器により加速された前記荷電粒子ビームが照射されて中性子を発生するターゲットと、
    前記ターゲットに対して電圧を印加し、前記ターゲットへの入射時の前記荷電粒子ビームのエネルギーを調整する高電圧電源と、
    前記ターゲットに前記荷電粒子ビームを照射して発生した中性子線量を検出する線量検出器と、
    前記線量検出器により検出された中性子線量に基づいて前記高電圧電源から前記ターゲットに印加する電圧の値を制御する電圧制御装置と、
    を備えることを特徴とする中性子発生装置。
  2. 前記線量検出器により検出された中性子線量を積算する積算部と、
    前記積算部で積算された中性子線量が予め設定された値以上になったか否かを判定する判定部と、を有し、
    前記中性子線量が予め設定された値以上になった場合に前記荷電粒子ビームの供給を停止することを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の中性子発生装置。
  3. 前記電圧制御装置は、前記積算部で積算された中性子線量が予め設定された値以上になった場合に前記高電圧電源から前記ターゲットへの電圧の印加を停止することを特徴とする請求項2に記載の中性子発生装置。
  4. 前記荷電粒子ビームを生成するイオン源と、
    前記イオン源のイオンの生成を制御するイオン源制御装置と、を有し、
    前記イオン源制御装置は、前記積算部で積算された中性子線量が予め設定された値以上になった場合に前記イオンの生成を停止することを特徴とする請求項2又は3に記載の中性子発生装置。
  5. 前記イオン源と前記加速器との間に設けられた輸送系と、
    前記輸送系に設置され、前記イオン源で生成した前記荷電粒子ビームを前記加速器に入射しないように進行方向を曲げるビームチョッパと、
    前記ビームチョッパの作動を制御する輸送系制御装置と、を有し、
    前記輸送系制御装置は、前記中性子線量が予め設定された値以上になった場合に前記ビームチョッパを作動させ前記荷電粒子ビームが前記加速器に入射しないように制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の中性子発生装置。
  6. 前記ターゲットは、前記荷電粒子ビームのビーム軸に垂直な面内を移動させる駆動機構を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載された中性子発生装置。
  7. 前記ターゲットは、円形に形成され、前記荷電粒子ビームのビーム軸に対して回転軸をずらして回転させる回転駆動機構を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載された中性子発生装置。
  8. 前記ターゲットは、その面を前記荷電粒子ビームのビーム軸に対して傾斜可能とする傾斜駆動機構を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の中性子発生装置。
  9. 前記ターゲットは、前記荷電粒子ビームのビーム軸方向に複数配置されたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の中性子発生装置。
  10. 前記ターゲットは、前記荷電粒子ビームの進行方向に対して上流側及び下流側に配置され、下流側のターゲットの電位を上流側のターゲットで失う平均エネルギーに相当する分に低下させたことを特徴とする請求項9に記載の中性子発生装置。
  11. 荷電粒子ビームを所定のエネルギーまで加速する加速器と、
    前記加速器により加速された前記荷電粒子ビームを照射して中性子を発生させるターゲットと、
    前記ターゲットに対して電圧を印加し、前記ターゲット入射時の前記荷電粒子ビームのエネルギーを調整する高電圧電源と、
    前記ターゲットにより発生した中性子線量を検出する線量検出器と、
    前記線量検出器により検出された中性子線量に基づいて前記高電圧電源の電圧の値を制御する電圧制御装置と、を備え、
    前記ターゲットは、ホウ素中性子補足療法(BNCT)に用いる中性子を放出するBNCT用ターゲットであって、前記中性子を照射対象に照射することを特徴とする医療用加速器システム。
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