JP2015078968A - 位相変調子及びそれを用いた光電流センサ - Google Patents

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Kinichi Sasaki
欣一 佐々木
高橋 正雄
Masao Takahashi
正雄 高橋
平田 幸久
Yukihisa Hirata
幸久 平田
寛之 梅崎
Hiroyuki Umezaki
寛之 梅崎
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Abstract

【課題】 偏波面保持アァイバの2つの光学軸をそれぞれ伝播する2つの独立な光に対して、大きな位相変調深度で相対的な光学的位相変調を印加することにある。
【解決手段】 実施の形態によれば、外周面の法線方向に振動する円筒状の圧電素子11と、この圧電素子の外周面上に巻装された光ファイバ12とを備え、圧電素子の振動伸縮力によって生じる機械的応力を受けて、光ファイバを伝播する光に対して、光学的位相変調を印加する位相変調子において、前記光ファイバは、所望の変調周波数を得るために、圧電素子の外周面上に多層構造となるように形成した位相変調子である。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、光ファイバに機械的応力を付与して光学的に位相変調する位相変調子及びそれを用いた光電流センサに関する。
光学的に位相変調を印加する位相変調子として、機械的振動を誘起する圧電素子の周りに、互いに直交する2つの光学軸(複屈折軸とも呼ぶ)を持つ偏波面保持ファイバを巻装した位相変調子がある。ここで、偏波面保持ファイバは、その2つの光学軸の間に伝播定数差を生じさせ、それぞれ一方の光学軸から他方の光学軸への結合を抑制し偏波保持能力を高めたファイバである。
従って、このような偏波面保持ファイバを用いた位相変調子は、例えば所定レベルの電圧信号を印加して圧電素子を振動伸縮させると、それに巻き付けられている偏波面保持ファイバが応力を受けて伸縮することで2つの光学軸をそれぞれ伝播する伝播定数が変化し、2つの光学軸をそれぞれ伝播する2つの独立した光に対して、相対的な光学的位相変調を印加する作用を有する(特許文献1)。
ところで、位相変調子は、光を位相変化させる素子であって、使用される光源によって種々の波長のものがある。従来は、特許文献1のように光センサを光源とする場合には800nm帯の光源波長が用いられているが、最近では、低コスト化、かつ通信用の場合には1300nm帯や1550nm帯の光源波長のものが用いられる傾向にある。
そこで、以上のような用途の位相変調子においては、適用する光源波長が長波長化したとき、十分な位相変調深度を得ることができない、つまり、後記する相対的位相変化を大きくできないといった課題が生じる。
以下、光源の長波長化と位相変調深度との関係について説明する。
光弾性理論から、偏波面保持ファイバの2つの光学軸であるslow軸(X軸とも呼ぶ)及びfast軸(Y軸とも呼ぶ)のそれぞれに現れる光弾性効果による屈折率の変化Δnphotoelasticは、非特許文献1に記載されるように次のような式で表すことができる。なお、slow軸は直線偏光の伝送速度が相対的に遅れる軸、fast軸は直線偏光の伝送速度が相対的に進む軸(光弾性効果に伴って光の位相がslow軸に対して進むようになる軸)を意味する。
Figure 2015078968
上式において、nは応力無付与時の屈折率、νはポアソン比、P11,P12は光弾性定数、εは軸歪を示し、それぞれのサブインデックスは、slow軸、fast軸での構造パラメータを意味する。
一方、偏波面保持ファイバの伸縮による屈折率の変化Δne.c.は、次式で表すことができる。
Figure 2015078968
そこで、これら光弾性効果分と偏波面保持ファイバ伸縮分との軸歪によるslow軸、fast軸のトータルの屈折率変化Δnを求めると、次式により計算できる。
Figure 2015078968
よって、これら2つの式で表す屈折率変化Δnslow、Δnfastの差分が実際に位相変調子で生じる相対的位相変化を示すことになる。従って、(5)式、(6)式に示すように、相対的位相変化は、slow軸、fast軸の構造パラメータで決定されることになる。
ここで、適用波長をλ、偏波面保持ファイバのビート長(入射された直線偏光の偏光状態が変化し、前記両軸の各偏波の位相差が2πとなって入射した状態の直線偏光となるまでの距離)をLBとすると、位相変調子で生じる相対的位相差(φ+Δφ)は、次式で評価することができる。
Figure 2015078968
ここで、φ、(nslow−nfast)、λ/LBは、偏波面保持ファイバのslow軸、fast軸の構造パラメータで決まる初期値であることから、正味の相対的位相変化(Δφ)としては次の式により評価することができる。
Figure 2015078968
しかし、ビート長LBの異なる偏波面保持ファイバを用いても、その構造がほぼ同じであれば、発生する軸歪(ε)はほぼ同じとなる。その結果、一般にΔLBの変化はLBの大きさに比例した形で変化する。よって、(8)式から、以下のような関係が成立する。
Figure 2015078968
一般に偏波面保持ファイバの適用波長(λ)とそのビート長(LB)は比例関係にあるため、(9)式から適用波長が長くなるほど、位相変調子で発生する相対的位相変化(Δφ)は、LB が効く為に小さくなる。その結果、特許文献1で記載されるような従来の位相変調子では、適用波長が長くなるほど(長波長化するほど)、十分な位相変調深度を得ることができない。
そこで、十分な位相変調深度を得る方法としては、圧電素子に巻き付ける偏波面保持ファイバの長さを長くすることが考えられる。しかし、偏波面保持ファイバの長さを長くするためには、該偏波面保持ファイバを巻付けるための圧電素子の長さを長くする必要がある。
本来、光学素子としては、コンパクトが望ましいが、圧電素子が長くなれば、位相変調子自体が大きくなり、光学素子としての大形化は避けられない問題がある。また、円筒状又は円柱状の圧電素子が長くなって大形化すると、共振周波数(共振点)が低周波側にずれてしまい、必要な変調周波数を得ることができないといった課題がある。
また、円筒状又は円柱状の圧電素子の径方向を大きくし、巻き付ける偏波面保持ファイバの長さを長くすることも考えられるが、径方向の大きさに逆比例する形で共振周波数(共振点)が低周波側にずれてしまい、前述同様に必要な変調周波数を得ることができなくなる課題がある。
特開2009−168465号公報 “光波センシングの基礎と応用”p.171、田中俊一著、オーム社、1990年8月発行。
本発明が解決しようとする課題は、圧電素子の振動伸縮によって機械的応力を受けたとき、偏波面保持アァイバの2つの光学軸(複屈折軸)をそれぞれ伝播する2つの独立な光に対して、大きな位相変調深度をもって相対的な光学的位相変調を印加する位相変調子及びそれを用いた光電流センサを提供することにある。
上記課題を解決するために、実施の形態に係る位相変調子は、外周面の法線方向に振動する円筒状又は円柱状の圧電素子と、この圧電素子の外周面上に巻き付けられる光ファイバとを備え、前記圧電素子の振動伸縮力によって生じる機械的応力を受けて、前記光ファイバを伝播する光に対して、光学的位相変調を印加する位相変調子であって、前記光ファイバは、所定の位相変調周波数を得るために、前記圧電素子の外周面上に多層構造となるように巻き付けた構成である。
第1ないし第3の実施の形態に係る位相変調子の概略構成を示す図。 第1の実施の形態に係る位相変調子の構成を説明する図1のA−A´矢印方向に沿って切断したときの断面図。 第2の実施の形態に係る位相変調子の構成を説明する図1のA−A´矢印方向に沿って切断したときの断面図。 第3の実施の形態に係る位相変調子の構成を説明する図1のA−A´矢印方向に沿って切断したときの断面図。 各実施の形態に係る位相変調子を用いた光電流センサの構成図。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態:請求項1〜請求項3に対応)
図1は第1の実施の形態に係る位相変調子の概略構成を示す図である。
第1の実施の形態に係る位相変調子10は、外周面の法線方向に機械的振動を誘起する円筒状の圧電素子11と、この圧電素子11の外周面に巻装された偏波面保持ファイバ12とを含む構成である。11a〜11dは円筒状の圧電素子11の機械的応力の方向を示している。
圧電素子11は、所定の電圧波形が印加されたとき、機械的振動を誘起する特性をもっている。電圧波形としては、正弦波が用いられるが、例えば鋸歯状波、三角波、矩形波の何れの電圧波形であっても構わない。
圧電素子11は、共振周波数の低周波側へのずれを回避するために、ファイバ巻き付け方向の巻幅が例えば従来の位相変調子で用いられる圧電素子と変わらない巻幅を実現することで、必要な変調周波数が容易に取得できるようにする。
なお、圧電素子11としては、円筒状の圧電素子を用いているが、円柱状の圧電素子を用いてもよい。
偏波面保持ファイバ12は、圧電素子11の振動による伸縮力によって機械的応力を受けたとき、当該ファイバ12の2つの光学軸(光伝播軸)をそれぞれ伝播する2つの独立な光に対して、相対的な光学的位相変調を印加する機能を有する。
偏波面保持ファイバ12は、圧電素子外周面のファイバ巻き付け方向に沿って巻き付けていくが、このとき一層目の巻き付けファイバの隣接間どうしが隙間の無い状態で巻き付けた後、図2に示すように次の層となる二層目へ巻き渡していく。
二層目の巻き付けファイバ12は、一層目の隣接する巻き付けファイバ12の間に生じる僅かなくぼみに沿った状態で巻き付けることで、一層目の巻き付けファイバ12に支えられて安定な状態で巻き付ける。
よって、偏波面保持ファイバ12は、圧電素子11の外周面上の所定巻幅の範囲内で整列巻きされた状態で巻き付けられ、かつ順次上の層に巻き渡しながら順次積み重ねていくことによって多層構造に形成される。
ところで、無作為に偏波面保持ファイバ12を圧電素子11に巻き付けた場合、次に巻き付ける上の層の偏波面保持ファイバ12の巻き付け面が不整列な凹凸状態になり、局所的な軸変位による曲がりによる光損失の一つであるマイクロベンディングが発生してしまう。
マイクロベンディングが発生すると、偏波面保持ファイバ12内のクロストークが大きくなり、結果として偏波面保持ファイバ12を伝播する光の消光比が悪化し、位相変調子としての性能が悪くなる。また、マイクロベンディングが生じると、その部分にてコアからクラッド側への漏れ光が大きくなり、光伝送損失が大きくなってしまう。そのため、偏波面保持ファイバ12としては、各層整列巻とすることで、次の上層の巻き付け面が平坦に近い状態とすることにより、マイクロベンディングの発生を抑制することができる。ここで、各層整列巻としたときの巻き付け面の凹凸度合いは、偏波面保持ファイバ12の外径の約6.7%程度となる。このことは、凹凸度合いが偏波面保持ファイバ12の外径約6.7%以内である場合に限り、一層目の巻き付けファイバ12の隣接間が均一な隙間で整列巻きしたものであってもよい。
従って、以上のような実施の形態によれば、偏波面保持ファイバ12を多層巻構造とすることにより、圧電素子11を長くすることなく偏波面保持ファイバ12の長さを長くすることが可能となり、位相変調深度を大きくすることができる。
また、偏波面保持ファイバ12の各層を整列巻とすることで、巻き付け時の偏波面保持ファイバ12のマイクロベンディングを抑制することができる。
(第2の実施の形態:請求項1〜請求項5及び請求項7に対応)
図3は、第2の実施の形態に係る位相変調子10の構成を示す図であり、さらに詳しくは図1のA−A´矢印方向にそって断面して見たときの断面図である。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同様に圧電素子11の外周面に偏波面保持ファイバ12を多層巻構造とするが、ファイバ巻き付け面の平坦化を図るために、各層の巻付け終了段階で当該層を構成する巻き付けファイバ12を被包し、かつ、外周面が平坦となるように形成された平坦整形部20が設けられている。平坦整形部20としては、例えばシリコーンゴム接着剤のような弾性体が用いられる。
具体的には、図3に示すように偏波面保持ファイバ12の各層には、シリコーンゴム接着剤のような平坦整形部20が被包するように施した後、そのシリコーンゴム接着剤の硬化前に平坦に整形しておくことにより、次の上層の偏波面保持ファイバ12の巻き付け面の平坦化を図るものである。
この実施の形態例では、偏波面保持ファイバ12を整列巻とした第1の実施の形態の巻き付け面に比べてより平坦化することができ、また、巻き付け面における凹凸の度合いは、整列巻とした場合の偏波面保持ファイバ12の外径の約6.7%よりも小さく管理することができる。その結果、偏波面保持ファイバ12のマイクロベンディングの発生を確実に抑制することができる。
なお、平坦整形部13としては、シリコーンゴム接着剤のような弾性体を使用したが、弾性体となる材料としては様々なものが存在する。例えば、ヤング率が3GPa程度のスチロール樹脂系接着剤などを用いてもよい。
しかし、ヤング率が高い接着剤は、硬化時の弾性体の伸縮力により、偏波面保持ファイバ12にマイクロベンディングを発生させ易く、消光比や光伝送損失を悪化させる。その為、平坦整形部13としては、消光比や光伝送損失を悪化させない程度の弾性体である必要があり、例えば機械強度が100MPa以下のゴム弾性を呈する弾性体であれば、マイクロベンディングの影響を抑制することができる。
本実施の形態では、偏波面保持ファイバ12の巻層は、整列巻とする構成で示されているが、偏波面保持ファイバ12どうしが交差しなければ、整列巻でなくてもよく、平坦整形部13にて次の上層の巻き付け面を平坦化することで、次層となる偏波面保持ファイバ12のマイクロベンディングを抑制することができ、消光比や光伝送損失の悪化を抑制することができる。
(第3の実施の形態:請求項6に対応)
図4は、第3の実施の形態に係る位相変調子10の構成を示す図であり、さらに詳しくは図1のA−A´矢印方向にそって断面して見たときの断面図である。
第3の実施の形態は、偏波面保持ファイバ12の下層から次の上層へのファイバ渡し部が緩やかに所望の曲率をもって次の上層へ巻き渡すように巻き付ける構成である。
その理由について説明する。整列巻とした偏波面保持ファイバ12の各層の端部は、下層から次の上層へ巻き渡す際、当該下層では一様な曲率をもって巻き付けていた偏波面保持ファイバ12に大きな曲率変化が生じることになる。そのため、下層から次の上層へ巻き渡すとき、適切に曲率を管理しないと、偏波面保持ファイバ12にファイバ断面の円周程度の曲率が発生することになる。つまり、下層の最終端部の巻き付けファイバ12に次の上層へのファイバ渡す部が跨いで交差した状態となり、当該ファイバ渡し部にてマイクロベンディングが発生してしまう。そのため、偏波面保持ファイバ12による上層へのファイバ渡す部としては、マイクロベンディングが発生しないように、緩やかな大きな曲率をもって次の上層へ渡す必要がある。
そこで、ファイバ渡し部の曲率管理手段としては、偏波面保持ファイバ12の各層の圧電素子11への巻き付け直径程度の曲率を有するように、浮き上がりをもたせた状態にして次の上層に渡すように巻き付け、かつ、その上層へのファイバ渡し部をヤング率100MPa以下のゴム弾性を呈する接着剤などの平坦整形部13´で固定するようにすれば、ファイバ渡し部での曲率変化を抑えることができる。
従って、この実施の形態によれば、偏波面保持ファイバ12の各層間のファイバ渡し部にて、下層の曲率よりも少し大きめとなる浮き上がりをもたせた状態で次の上層に渡すようにすれば、ファイバ渡し部のマイクロベンディングを抑制でき、消光比や光伝送損失の少ない位相変調子を実現することができる。
なお、図4に示す第3の実施の形態では、複数層にわたって被抱するように平坦整形部20´に設けたが、図3に示すように各層ごとに平坦整形部20を設けた構成であってもよい。
(第4の実施の形態:請求項8及び請求項9に対応)
図5は、第4の実施の形態に係る光電流センサを説明する図であり、さらに詳しくは第1ないし第3の何れかの実施の形態に係る位相変調子を用いて、電流を測定する光電流センサの構成を示す図である。
本実施の形態の光電流センサ30は、位相変調法を光検波手段として使用するサニャック干渉型光電流センサであって、電流センサを用いて発電所,変電所,直流送電線などの所要個所の電流を測定し、その測定された電流信号に応じた光信号に変換して出力する光センシング部31と、この光センシング部31から入力された光信号を伝送する光ファイバ32と、前記第1ないし第3の実施の形態で記載された何れかの位相変調子10及び該位相変調子10から取得された光学的位相変調信号から所望とする信号を取り出す信号処理系33aを含む信号処理ユニット33とで構成されている。
位相変調法を光検波手段として用いたサニャック干渉型光電流センサは、電流変化、温度変化、振動・音響や機械的応力などの外部環境変化に対して出力が安定し、かつ、高精度な測定を得ることができる。
信号処理ユニット33内の位相変調子10を構成する偏波面保持ファイバ12として、例えば楕円コアファイバを採用すれば、次のような作用、効果を奏することができる。
楕円コアファイバは、引っ張り応力に対して2つの光学軸の伝播定数差の変化が小さい偏波面保持ファイバ12である。そのため、このような楕円コアファイバを使用することで、偏波面保持ファイバ12に振動や熱衝撃や音響などに起因した機械的応力が印加されても、機械的応力により偏波面保持ファイバ12内に発生する誤差位相差が小さいため、結果として高精度な測定が可能な光電流センサが実現できる。
また、一般的な楕円コアファイバやボウタイファイバは、一般的なパンダ型ファイバと比較して約20倍程度、引っ張り応力に対する位相変化が小さい。そのため、送光用偏波面保持ファイバ12に楕円コアファイバやボウタイファイバを使用することで、偏波面保持ファイバ12に振動や熱衝撃や音響などに起因した機械的応力が印加されても、機械的応力により偏波面保持ファイバ12内に発生する誤差位相差が小さく、結果として高精度な測定が可能な光電流センサが実現できる。
一般に、楕円コアファイバやボウタイファイバには、そのクラッド径が約125μmのものと約80μmのものとがある。クラッド径が小さい光ファイバほど、光ファイバ自体に印加される曲げに起因したファイバ側圧方向の機械的応力が小さい。
そこで、偏波面保持ファイバ12にクラッド径80μmの光ファイバを使用することで、偏波面保持ファイバ12の2つの光学軸に加わる光ファイバ側圧方向の機械的応力を低減することができ、2つの光学軸間の曲げ応力による光伝送損失差を小さくすることができ、かつ、前述の機械的応力に起因してファイバ内に発生する誤差位相差を小さくでき、その結果として高精度な測定が可能な光電流センサが実現できる。なお、曲げ応力には電流変化、温度変化、振動・音響による局所的な偏波面保持ファイバ12の曲げも含む。
さらに、クラッド径約80μmの楕円コアファイバやボウタイファイバは、パンダ型ファイバと比較して引っ張り応力に対するファイバの2つの光学軸の伝播定数差の変化が小さい。そのため、温度変化、振動・音響などに起因した機械的応力がクラッド径約80μmの楕円コアファイバやボウタイファイバに印加されても、その機械的応力によりクラッド径約80μmの楕円コアファイバやボウタイファイバ内に発生する誤差位相差が小さく、結果として高精度な可能となる光電流センサを実現できる。
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
例えば、上記実施の形態では、偏波面保持ファイバ12を用いたが、該偏波面保持ファイバ12の代わりに、シングルモードファイバを用いても、マイクロベンディングによって生じる光伝送損失の悪化を抑制することができる。
さらに、上記各実施の形態は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…圧電素子、11a〜11d…圧電素子11の機械的応力方向、12…偏波面保持ファイバ、20,20´…平坦整形部、30…光電流センサ、31…光センシング部、32…光ファイバ、33…信号処理ユニット、33a…信号処理系。

Claims (8)

  1. 外周面の法線方向に振動する円筒状又は円柱状の圧電素子と、この圧電素子の外周面上に巻装された光ファイバとを備え、前記圧電素子の振動伸縮力によって生じる機械的応力を受けて、前記光ファイバを伝播する光に対して、光学的位相変調を印加する位相変調子において、
    前記光ファイバは、所望の変調周波数を得るために、前記圧電素子の外周面上に多層構造となるように形成したことを特徴とする位相変調子。
  2. 前記光ファイバは、偏波面保持ファイバで構成され、前記圧電素子から機械的応力を受けたとき、該偏波面保持ファイバの2つの光学軸(複屈折軸)をそれぞれ伝播する2つの独立の光に対して、相対的な光学的位相変調を印加することを特徴とする請求項1に記載の位相変調子。
  3. 前記圧電素子の外周面上に巻装された前記光ファイバの各層は、整列巻とするとともに、上下層の向き合うファイバ表面の凹凸高さは前記光ファイバの外径の約6.7%以下となるように形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の位相変調子。
  4. 前記圧電素子の外周面上に巻装された前記光ファイバの各層ごとに被包し、かつ、その被包された外周面が平坦となるように形成した平坦整形部を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の位相変調子。
  5. 前記光ファイバの各層ごとに設けた前記平坦整形部は、ヤング率100MPa以下の弾性体を固定したものであることを特徴とする請求項4に記載の位相変調子。
  6. 前記平坦整形部を構成する前記弾性体としては、シリコーンゴムの接着剤を用いることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の位相変調子。
  7. 前記偏波面保持ファイバの下層から次の上層へのファイバ渡り部の曲率は、渡る前の下層のファイバ巻き付け層の平均曲率よりも大きな曲率で渡らせることを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れか一項に記載の位相変調子。
  8. 電流センサにより測定される電流信号に応じた光信号に変換して出力する光センシング部と、この光センシング部の出力側に光学的に接続された光ファイバと、請求項1ないし請求項7の何れか一項に記載の位相変調子を含んで前記光ファイバから受け取った光信号を所定の物理量に演算処理する信号処理ユニットとを備え、
    前記位相変調子を構成する2つの光学軸(光伝播軸)を有する偏波面保持ファイバは、当該ファイバ外周面に巻装される圧電素子の振動による伸縮力によって機械的応力を受けたとき、前記2つの光学軸をそれぞれ伝播する2つの独立な前記光電流信号に対して、相対的な光学的位相変調を印加することを特徴とする光電流センサ。
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