JP2015078918A - 開路電圧推定装置、蓄電装置および開路電圧推定方法 - Google Patents

開路電圧推定装置、蓄電装置および開路電圧推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】開路電圧値を高精度に推定する開路電圧推定装置、蓄電装置および開路電圧推定方法を提供する。【解決手段】二次電池の開路電圧値を算出する開路電圧算出器と、前記二次電池の複数の分極電圧成分のうちの時定数が相対的に大きい成分を推定する分極電圧推定器と、前記開路電圧算出器で算出された前記開路電圧値を前記分極電圧推定器で推定された前記時定数が相対的に大きい成分で補正する開路電圧補正器とを備える。【選択図】図1

Description

本開示は、開路電圧推定装置、蓄電装置および開路電圧推定方法に関する。より詳しくは、開路電圧値を推定する開路電圧推定装置、蓄電装置および開路電圧推定方法に関する。
従来から、二次電池の開路電圧(OCV)値を推定する技術が提案されていた。例えば、特許文献1では、適応フィルタによる開路電圧の推定技術が提案されている。
特開2004−14231号公報
開路電圧値は精度良く推定されることが望ましい。
本開示は、開路電圧値を高精度に推定する開路電圧推定装置、蓄電装置および開路電圧推定方法を提供する。
本開示に係る開路電圧推定装置は、二次電池の開路電圧値を算出する開路電圧算出器と、前記二次電池の複数の分極電圧成分のうちの時定数が相対的に大きい成分を推定する分極電圧推定器と、前記開路電圧算出器で算出された前記開路電圧値を前記分極電圧推定器で推定された前記時定数が相対的に大きい成分で補正する開路電圧補正器とを備えるものである。
前記分極電圧推定器は、前記二次電池の電流および電池温度の少なくとも1つの平均値を算出する平均算出器と、前記平均算出器で算出された前記平均値に基づいて前記時定数が相対的に大きい成分を算出する分極電圧算出器とを備えてもよい。
この場合、前記分極電圧算出器は、予め取得された前記平均値と前記時定数が相対的に大きい成分との対応関係を示すテーブルに基づいて前記時定数が相対的に大きい成分を算出してもよい。
この場合、前記テーブルは、前記二次電池の充電状態に応じた前記対応関係を示し、前記分極電圧算出器は、取得された前記充電状態に該当する前記対応関係を参照して前記時定数が相対的に大きい成分を算出してもよい。または、前記分極電圧推定器は、前記平均算出器が前記平均値を算出する際に用いる除数を算出する除数算出器を備えてもよい。もしくは、前記分極電圧算出器は、前記時定数が相対的に大きい成分を前記テーブルの値を補間することで算出してもよい。
前記開路電圧推定装置は、前記開路電圧補正器によって補正された前記開路電圧値に基づいて前記二次電池の充電状態を算出する充電状態算出器が接続されてもよい。
または、前記開路電圧算出器は、デジタルフィルタを備えてもよい。
もしくは、前記開路電圧推定装置は、通信によって取得された前記二次電池の端子電圧情報、電流情報および電池温度情報に基づいて、前記時定数が相対的に大きい成分で補正された前記開路電圧値を推定してもよい。
本開示に係る蓄電装置は、二次電池と、開路電圧推定装置と、を備え、前記開路電圧推定装置は、前記二次電池の開路電圧値を算出する開路電圧算出器と、前記二次電池の複数の分極電圧成分のうちの時定数が相対的に大きい成分を推定する分極電圧推定器と、前記開路電圧算出器で算出された前記開路電圧値を前記分極電圧推定器で推定された前記時定数が相対的に大きい成分で補正する開路電圧補正器と、を備えるものである。
本開示に係る開路電圧推定方法では、算出された二次電池の開路電圧値を、推定された前記二次電池の複数の分極電圧成分のうちの時定数が相対的に大きい成分で補正する。
本開示によれば、開路電圧値を高精度に推定することができる。
本開示の第1の実施形態の蓄電装置の構成例を模式的に示す図である。 本開示の第1の実施形態の蓄電装置の構成例を説明するための二次電池の等価回路図である。 本開示の第1の実施形態の蓄電装置の構成例を説明するための二次電池の特性を示すタイムチャートであり、Aは、電流を示し、Bは、電流休止時における電圧緩和過程を示すタイムチャートである。 本開示の第1の実施形態の蓄電装置の構成例を説明するためのタイムチャートであって、二次電池における分極電圧の緩和過程と時定数との関係を示すタイムチャートである。 本開示の第1の実施形態の蓄電装置の動作例を示すフローチャートである。 本開示の第1の実施形態の蓄電装置の動作例を説明するためのタイムチャートであり、Aは、時定数が相対的に大きい成分で補正しない場合を示し、Bは、時定数が相対的に大きい成分で補正した場合を示すタイムチャートである。 本開示の第1の実施形態の第1の変形例の蓄電装置の構成例を模式的に示す図である。 本開示の第1の実施形態の第1の変形例の蓄電装置の構成例を説明するための充電状態と開路電圧値との対応関係を示すグラフである。 本開示の第1の実施形態の第1の変形例の蓄電装置の動作例を示すフローチャートである。 本開示の第2の実施形態の蓄電装置の構成例を模式的に示す図である。 本開示の第2の実施形態の蓄電装置の動作例を示すフローチャートである。 本開示の第2の実施形態の第1の変形例の蓄電装置の構成例を説明するための電池温度および電流と時定数が相対的に大きい成分との対応関係を示すテーブルの模式図である。 本開示の第2の実施形態の第1の変形例の蓄電装置の動作例を示すフローチャートである。 本開示の第2の実施形態の第2の変形例の蓄電装置の構成例を模式的に示す図である。 本開示の第2の実施形態の第2の変形例の蓄電装置の構成例を説明するための電池温度および電流と時定数が相対的に大きい成分との対応関係を示すテーブルの模式図であり、充電状態に応じて異なるテーブルの模式図である。 本開示の第2の実施形態の蓄電装置の構成例を説明するためのグラフで、Aは、電流及び充電状態と時定数が相対的に大きい成分との対応関係を示し、Bは、電池温度及び充電状態と時定数が相対的に大きい成分との対応関係を示すグラフである。 本開示の第2の実施形態の第2の変形例の蓄電装置の動作例を示すフローチャートである。 本開示の第2の実施形態の第3の変形例の蓄電装置の構成例を模式的に示す図である。 本開示の第2の実施形態の第3の変形例の蓄電装置の構成例を説明するためのテーブルであり、Aは、電池温度および電流と時定数が相対的に大きい成分との対応関係を示し、Bは、電池温度および電流と除数算出用の時間情報との対応関係を示す。 本開示の第2の実施形態の第3の変形例の蓄電装置の動作例を示す第1のフローチャートである。 本開示の第2の実施形態の第3の変形例の蓄電装置の動作例を示す第2のフローチャートである。 本開示の第2の実施形態の第3の変形例の蓄電装置の動作例を示す第3のフローチャートである。 本開示の第2の実施形態の第4の変形例の蓄電装置の構成例を説明するための二次電池の等価回路図である。 本開示の第2の実施形態の第4の変形例の蓄電装置の構成例を説明するための電池温度および電流と時定数が相対的に大きい成分との対応関係を示すテーブルの模式図である。 本開示の第3の実施形態の蓄電装置の動作例において、電池温度がテーブルの値に合致し電流がテーブルの値に合致しない場合の線形補間を説明するためのグラフである。 本開示の第3の実施形態の蓄電装置の動作例において、電流がテーブルの値に合致し電池温度がテーブルの値に合致しない場合の線形補間を説明するためのグラフである。 本開示の第4の実施形態の蓄電装置の構成例を模式的に示す図である。 本開示の第4の実施形態の蓄電装置の動作例を示すフローチャートである。 本開示の第5の実施形態の蓄電装置の構成例を模式的に示す図である。 本開示の第5の実施形態の蓄電装置の動作例を示すフローチャートである。 本開示の第5の実施形態の第1の変形例の蓄電装置の構成例を模式的に示す図である。 本開示の第5の実施形態の第1の変形例の蓄電装置の動作例を示すフローチャートである。
以下、本開示を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。以下に説明する複数の実施形態は、本開示の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本開示の範囲が狭く解釈されることはない。また、各実施形態において、互いに対応する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明は省略する。説明は以下の順序で行う。

1.第1の実施形態
(開路電圧値を時定数が相対的に大きい成分で補正する蓄電装置の例)
2.第1の実施形態の第1の変形例
(開路電圧値に基づいて充電状態を算出する蓄電装置の例)
3.第2の実施形態
(電流および電池温度の平均値を利用して時定数が相対的に大きい成分を算出する蓄電装置の例)
4.第2の実施形態の第1の変形例
(テーブルを参照して時定数が相対的に大きい成分を算出する蓄電装置の例)
5.第2の実施形態の第2の変形例
(充電状態が考慮されたテーブルを参照して時定数が相対的に大きい成分を算出する蓄電装置の例)
6.第2の実施形態の第3の変形例
(電流および電池温度の平均値を算出するための除数を算出する蓄電装置の例)
7.第2の実施形態の第4の変形例
(時定数が相対的に大きい成分を複数算出する蓄電装置の例)
8.第3の実施形態
(テーブルの値を補間して時定数が相対的に大きい成分を算出する蓄電装置の例)
9.第4の実施形態
(デジタルフィルタで開路電圧値を算出する蓄電装置の例)
10.第4の実施形態の第1の変形例
(適応フィルタで開路電圧値を算出する蓄電装置の例)
11.第5の実施形態
(通信によって取得された二次電池の情報に基づいて時定数が相対的に大きい成分を算出する蓄電装置の例)
12.第5の実施形態の第1の変形例
(二次電池の情報を開路電圧推定装置に送信する蓄電装置の例)
<1.第1の実施形態>
[装置の構成例]
図1は、本実施形態の蓄電装置1の構成例を模式的に示す図である。蓄電装置1は、図1に示すように、大別して、二次電池2と、本開示に係る開路電圧推定装置の一例としての開路電圧推定装置300とを備える。
[二次電池2]
二次電池2は、充放電可能とされている。二次電池2は、充電の際には、不図示の充電装置から供給された充電電流を電荷として蓄積し、放電の際には、蓄積された電荷を放電電流として不図示の負荷に供給することができる。二次電池2の個数や接続の態様は限定されない。
二次電池2は、例えば電解液などのバルク抵抗に起因するオーミック抵抗すなわちオームの法則が成立する抵抗を有する。また、二次電池2は、例えば電極界面や固体内等で発生するイオンの濃度分極等に起因する分極電圧を有する。このため、二次電池2は、図2に示すような等価回路で表現することができる。図2に示すように、等価回路は、オーミック抵抗成分を表現する抵抗Rと、分極電圧を表現する抵抗R、RおよびコンデンサC、Cからなる複数段の並列回路と、開路電圧VOCVとで構成される。図2に示すように、二次電池2の分極電圧は、並列回路ごとの成分VC1、VC2に分けて表現することができる。等価回路の構成は二次電池2の実態に合わせて適宜変更することができる。例えば、RC並列回路は、図2に示すような2段に限定されず、3段以上想定してもよい。
ここで、図3Bは、二次電池2の電流休止時における電圧緩和過程を示す。この電圧緩和過程は、図3Aに示すように、初期に電流I[A]で定電流放電され、時刻tで電流が休止された場合に対応する電圧緩和過程である。図3Bに示すように、二次電池2の端子電圧VC1+VC2は、放電が休止された時刻tから、分極電圧の緩和過程を経て開路電圧値VOCVに収束する。
図3Bに示すように、分極電圧の緩和過程は、応答速度が相対的に速い成分(以下、速い分極電圧成分と称する)VC1と、応答速度が相対的に遅い成分(以下、遅い分極電圧成分と称する)VC2に分解できることが、鋭意研究の結果分かるようになった。また、遅い分極電圧成分は、二次電池の電流、温度および充電状態(SOC)に依存することも分かり、遅い分極電圧成分が、温度や負荷に応じて開路電圧値を大きく変動させる原因となることも突き止められた。本開示は、遅い分極電圧成分に着目し、たとえ温度や負荷の変化が大きい環境下でも、開路電圧値の推定誤差を十分に低減しようとするものである。
図4は、二次電池2における分極電圧の緩和過程と時定数との関係を示す。分極電圧の緩和過程は、図2の等価回路においてRC並列回路で表現されているように、自然数(e)による指数関数として表現することができる。図4中の時定数τは、電圧V=V’×{1−exp(−t/τ)}の収束速度を示す指標として用いられることが多い。時定数τは、電流が大きい程または電池温度が高い程小さくなる。したがって、時定数τは、電流が流れている時の方が休止している時よりも小さい。
図3に示した速い分極電圧成分VC1は、時定数τが相対的に小さい成分であり、遅い分極電圧成分VC2は、時定数τが相対的に大きい成分である。遅い分極電圧成分は、時定数が大きく二次電池2の電圧変動に対して敏速に応答できないので、開路電圧値の推定に誤差を生じさせると考えられる。図2の例で言えば、速い分極電圧成分VC1の時定数はR、遅い分極電圧成分VC2の時定数はRとなる。
二次電池2の具体的な態様は限定されない。例えば、二次電池2は、正極材がリン酸鉄リチウム(LiFePO)とされたリチウムイオン二次電池であってもよい。この種の電池は、安全性の高い電池として知られているが、充電状態に対する開路電圧値の変化が小さい特性を有するため、開路電圧値の推定精度を向上させる意義は大きい。ただし、本開示は、ニッケル水素電池等のリチウムイオン二次電池以外の二次電池の適用を除外しない。
[開路電圧推定装置300]
図1に示すように、開路電圧推定装置300は、開路電圧算出器310と、分極電圧推定器320と、開路電圧補正器330とを備える。
[開路電圧算出器310]
開路電圧算出器310は、二次電池2の開路電圧値を算出する構成である。また、開路電圧算出器310は、算出された開路電圧値を開路電圧補正器330に出力する構成である。
開路電圧算出器310による開路電圧値の算出方法は限定されない。開路電圧算出器310は、二次電池2の端子電圧、電流および温度の各測定結果を入力データとし、入力データに基づいて開路電圧値を算出する構成でもよい。この場合、二次電池2の端子電圧は、二次電池2に接続された電圧計で測定してもよい。また、二次電池2の電流は、二次電池2に接続された電流計で測定してもよい。さらに、二次電池2の温度は、二次電池2に接続された温度計で測定してもよい。
また、蓄電装置1が二次電池2の充電状態を算出する構成の場合、開路電圧算出器310は、算出された二次電池2の充電状態を入力とし、入力された充電状態を開路電圧値の算出に用いる構成でもよい。この場合、充電状態は、最新の値であることが望ましい。ただし、充電状態の算出値の信頼度が低いとみなされる場合には、充電状態を開路電圧値の算出に用いないようにしてもよい。
開路電圧算出器310の具体的な態様は限定されない。例えば、開路電圧算出器310は、電子装置等によって構成してもよい。電子装置は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)等の演算処理装置およびRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの記憶装置等を備えてもよい。ROMには、開路電圧算出器310の機能を実現するためのプログラムやデータを格納してもよい。演算処理装置は、ROMに格納されたプログラムを実行することで、開路電圧算出器310の機能を実現してもよい。RAMは、演算処理装置の作業領域等として利用してもよい。開路電圧算出器310は、DSP(digital signal processor)を備えてもよい。
[分極電圧推定器320]
分極電圧推定器320は、二次電池2の複数の分極電圧成分のうちの時定数τが相対的に大きい成分を推定する構成である。すなわち、分極電圧推定器320は、遅い分極電圧成分の最大値を推定する構成である。また、分極電圧推定器320は、推定された遅い分極電圧成分を開路電圧補正器330に出力する構成である。
遅い分極電圧成分は、図3に示したような電流休止時の電圧緩和過程を、フィッティングなどによって速い分極電圧成分と遅い分極電圧成分とに分解して得ることもできる。
遅い分極電圧成分は、1つの分極電圧成分に限定されない。3つ以上の分極電圧成分を想定する場合、時定数が最大の分極電圧成分を遅い分極電圧成分と扱ってもよいが、時定数が大きい側から数えて2つ以上の分極電圧成分を遅い分極電圧成分と扱ってもよい。
遅い分極電圧成分は、1回の開路電圧値の計算で使う入力データの時間長よりも時定数が大きい分極電圧成分であってもよい。その場合、入力データの時間長は、入力データの入力周期すなわちサンプリング周期と、入力データの数すなわちサンプル数との積であってもよい。
分極電圧推定器320の具体的な態様は限定されない。例えば、分極電圧推定器320は、電子装置等によって構成してもよい。電子装置は、CPUやMPU等の演算処理装置およびRAMやROMなどの記憶装置等を備えてもよい。ROMには、分極電圧推定器320の機能を実現するためのプログラムやデータを格納してもよい。演算処理装置は、ROMに格納されたプログラムを実行することで、分極電圧推定器320の機能を実現してもよい。RAMは、演算処理装置の作業領域等として利用してもよい。分極電圧推定器320は、開路電圧算出器310との間でハードウェアの少なくとも一部を共有してもよく、または、開路電圧算出器310と完全に別個の構成でもよい。
[開路電圧補正器330]
開路電圧補正器330は、開路電圧算出器310によって算出された開路電圧値を、分極電圧推定器320によって推定された遅い分極電圧成分の最大値(以下、単に遅い分極電圧成分と称する)で補正する構成である。
開路電圧補正器330は、二次電池2の放電量が充電量よりも多い場合すなわち放電過多の場合には、開路電圧算出器310によって算出された開路電圧値に、分極電圧推定器320によって推定された遅い分極電圧成分を加算してもよい。一方、開路電圧補正器330は、二次電池2の充電量が放電量よりも多い場合すなわち充電過多の場合には、開路電圧算出器310によって算出された開路電圧値から、分極電圧推定器320によって推定された遅い分極電圧成分を減じてもよい。このような場合の開路電圧値は、次の数式1で表すことができる。
Figure 2015078918
但し、数式1において、VOCVは、補正後の開路電圧値である。V’OCVは、補正前の開路電圧値である。ΔVdiff−Lは、遅い分極電圧成分である。Iは、電流である。
開路電圧補正器330の具体的な態様は限定されない。例えば、開路電圧補正器330は、電子装置等によって構成してもよい。電子装置は、CPUやMPU等の演算処理装置およびRAMやROMなどの記憶装置等を備えてもよい。ROMには、開路電圧補正器330の機能を実現するためのプログラムやデータを格納してもよい。演算処理装置は、ROMに格納されたプログラムを実行することで、開路電圧補正器330の機能を実現してもよい。RAMは、演算処理装置の作業領域等として利用してもよい。開路電圧補正器330は、開路電圧算出器310および分極電圧推定器320との間で、ハードウェアの少なくとも一部を共有してもよく、または、完全に別個の構成でもよい。
[装置の動作例]
図5は、本実施形態の蓄電装置1の動作例を示すフローチャートである。図5に示す動作例は、本開示に係る開路電圧推定方法の一実施形態を含む。ただし、本開示に係る開路電圧推定方法は、蓄電装置1以外の構成で具現化されてもよい。
先ず、図5のステップ1(S1)では、開路電圧算出器310により、開路電圧値を算出する。
次いで、ステップ2(S2)において、分極電圧推定器320により、遅い分極電圧成分を推定する。ステップ2(S2)は、ステップ1(S1)と前後が入れ替わってもよく、または、ステップ1(S1)と同時でもよい。
次いで、ステップ3(S3)において、開路電圧補正器330により、ステップ1(S1)で算出された開路電圧値を、ステップ2(S2)で推定された遅い分極電圧成分によって補正する。例えば、図6Aの推定開路電圧カーブに示すように、ステップ1(S1)で算出された開路電圧値が、放電過多によって図6Aの正解開路電圧カーブに示される開路電圧値の真値よりも低くなったと仮定する。なお、図6Aには、放電過多を示す充放電カーブが図示されている。このような場合には、図6Bに示すように、ステップ2(S2)で推定された遅い分極電圧成分によって開路電圧値が上方修正されて、開路電圧値の真値と同一または近似する値になる。
本実施形態の蓄電装置1によれば、遅い分極電圧成分を考慮することで、温度や負荷の変化が大きい環境下でも開路電圧値を高精度に推定することができる。また、本実施形態の蓄電装置1によれば、高精度な開路電圧値の推定を、実使用状態すなわち充放電時において行うことができる。開路電圧値の高精度な推定は、充電状態の高精度な検知につながり、ひいては、検知された二次電池2の充電状態に対する信頼性を確保することができる。また、二次電池2の劣化状態についても、開路電圧値と電流積算量Qによるカーブを使用し、カーブの収縮やシフトの状態を捕捉することで、高精度に推測できることが期待できる。
<2.第1の実施形態の第1の変形例>
図7は、本実施形態の第1の変形例の蓄電装置1の構成例を模式的に示す図である。本変形例の蓄電装置1は、図1の蓄電装置1に対して、充電状態を算出することが特定されている。
具体的には、図7に示すように、本変形例の蓄電装置1は、開路電圧推定装置300に接続された充電状態算出器4を備える。充電状態算出器4は、開路電圧推定装置300の後段に接続されている。充電状態算出器4は、開路電圧推定装置300によって推定された開路電圧値すなわち開路電圧補正器330による補正後の開路電圧値のデータが入力される構成である。充電状態算出器4は、入力された開路電圧値に基づいて、二次電池2の充電状態を算出する構成である。
充電状態の算出方法は限定されない。例えば、充電状態算出器4は、図8に示すような開路電圧値と充電状態との対応関係が既述されたデータに基づいて、充電状態を一義的に算出してもよい。図8の対応関係が既述されたデータは、テーブルのような散点的なデータであってもよい。
充電状態算出器4の具体的な態様は限定されない。例えば、充電状態算出器4は、電子装置等によって構成してもよい。電子装置は、CPUやMPU等の演算処理装置およびRAMやROMなどの記憶装置等を備えてもよい。ROMには、充電状態算出器4の機能を実現するためのプログラムやデータを格納してもよい。演算処理装置は、ROMに格納されたプログラムを実行することで、充電状態算出器4の機能を実現してもよい。RAMは、演算処理装置の作業領域等として利用してもよい。充電状態算出器4は、開路電圧推定装置300との間で、ハードウェアの少なくとも一部を共有してもよく、または、開路電圧推定装置300と完全に別個の構成でもよい。
[装置の動作例]
図9は、本変形例の蓄電装置1の動作例を示すフローチャートである。図9に示す動作例は、本開示に係る開路電圧推定方法の一実施形態を含む。
本変形例では、図5のステップ3(S3)の後に、ステップ4(S4)を実行する。具体的には、ステップ4(S4)では、充電状態算出器4により、ステップ3(S3)で算出された開路電圧値に基づいて充電状態を算出する。
本変形例によれば、図1の蓄電装置1と同様の作用効果を奏することができ、または、
充電状態を高精度に算出することができる。
<3.第2の実施形態>
[装置の構成例]
図10は、本実施形態の蓄電装置1の構成例を模式的に示す図である。本実施形態の蓄電装置1は、図1の蓄電装置1に対して、分極電圧推定器320の構成が特定されている。以下、詳細に説明する。
[分極電圧推定器320]
図10に示すように、本実施形態の分極電圧推定器320は、平均算出器321および分極電圧算出器322を備える。
[平均算出器321]
平均算出器321は、二次電池2側から、二次電池2の電流および温度の少なくとも一方の測定値が入力される構成である。平均算出器321は、入力された測定値に基づいて、二次電池2の電流および/または温度の平均値を算出する構成である。平均算出器321は、算出された平均値を分極電圧算出器322に出力する構成である。平均値の具体的態様は限定されない。例えば、平均値は、電流および/または温度の測定値の所定入力回数分すなわち所定サンプル数分の相加平均値等であってもよいが、これに限定されない。
[分極電圧算出器322]
分極電圧算出器322は、平均算出器321から入力された平均値に基づいて遅い分極電圧成分を算出する構成である。
平均値に基づく遅い分極電圧成分の算出方法は限定されない。例えば、分極電圧算出器322は、予め取得されている二次電池2の電流および/または温度と遅い分極電圧成分との対応関係に平均値を当てはめることで遅い分極電圧成分を算出してもよい。対応関係は、充電状態が加味されたものであってもよい。
[装置の動作例]
図11は、本実施形態の蓄電装置1の動作例を示すフローチャートである。図11に示す動作例は、本開示に係る開路電圧推定方法の一実施形態を含む。
本実施形態では、図5のステップ2(S2)の具体例として、ステップ21(S21)〜ステップ23(S23)の一連の工程を実行する。
具体的には、ステップ21(S21)では、平均算出器321により、二次電池2の電流および温度の少なくとも一方を取得する。
ステップ22(S22)では、平均算出器321により、ステップ21(S21)で取得された二次電池2の電流および/または温度の平均値を算出する。
ステップ23(S23)では、分極電圧算出器322により、ステップ22(S22)で算出された平均値に基づいて遅い分極電圧成分を算出する。
本実施形態の蓄電装置1によれば、図1の蓄電装置1と同様の作用効果を奏することができ、または、平均値を用いることで、二次電池2の電流および温度に依存する遅い分極電圧成分の演算を簡素化することができる。
<4.第2の実施形態の第1の変形例>
[装置の構成例]
本変形例の蓄電装置1は、図10の蓄電装置1に対して、分極電圧算出器322の構成が特定されている。
[テーブル]
具体的には、本変形例の分極電圧算出器322は、例えば図12に示すような予め取得されている平均値と遅い分極電圧成分との対応関係を示すテーブルに基づいて、遅い分極電圧成分を算出する構成である。テーブルは、分極電圧算出器322の記憶領域に記憶されていてもよいが、これに限定されない。
[装置の動作例]
図13は、本変形例の蓄電装置1の動作例を示すフローチャートである。図13に示す動作例は、本開示に係る開路電圧推定方法の一実施形態を含む。
本変形例では、図11のステップ23(S23)の具体例として、ステップ231(S231)〜ステップ232(S232)の一連の工程を実行する。
具体的には、ステップ231(S231)では、分極電圧算出器322により、テーブルを参照する。
ステップ232(S232)では、分極電圧算出器322により、テーブルから、図11のステップ22(S22)で算出された平均値に該当する遅い分極電圧成分を一義的に特定して算出結果とする。
本変形例の蓄電装置1によれば、図10の蓄電装置1と同様の作用効果を奏することができ、または、遅い分極電圧成分を、更に簡便、迅速かつ少ない演算負荷および消費電力で算出することができる。
<5.第2の実施形態の第2の変形例>
[装置の構成例]
本変形例の蓄電装置1は、図12で説明した蓄電装置1に対して、分極電圧推定器320の構成が相違する。
具体的には、図14に示すように、分極電圧算出器322は、充電状態算出器4によって算出された前回すなわち最新の充電状態のデータが入力すなわち帰還される構成である。分極電圧算出器322は、充電状態算出器4から取得された充電状態に該当するテーブルの対応関係すなわち二次電池2の電流および/または温度の平均値と遅い分極電圧成分との対応関係を参照して、遅い分極電圧成分を算出する構成である。
テーブルは、充電状態に応じた二次電池2の電流および/または温度の平均値と遅い分極電圧成分との対応関係を示す構成である。テーブルの具体的な態様は限定されず、例えば、図15に示すように充電状態ごとに異なるテーブルが用意すなわち記憶されていてもよい。
ここで、図16Aに示すように、遅い分極電圧成分は、電流および充電状態に依存する特性を示すことが見出された。また、図16Bに示すように、遅い分極電圧成分は、電池温度および充電状態にも依存する特性を示すことが見出された。図15のテーブルを図16に示すような特性に基づいて作成すれば、遅い分極電圧成分の電流、温度および充電状態依存性をテーブルに適切に反映させることができる。これにより、遅い分極電圧成分の推定精度を簡便に向上させることができる。
[装置の動作例]
図17は、本変形例の蓄電装置1の動作例を示すフローチャートである。図17に示す動作例は、本開示に係る開路電圧推定方法の一実施形態を含む。
本変形例では、図13のステップ231(S231)の具体例として、ステップ2311(S2311)〜ステップ2312(S2312)の一連の工程を実行する。
具体的には、ステップ2311(S2311)では、分極電圧算出器322により、充電状態算出器4から充電状態を取得する。
ステップ2312(S2312)では、分極電圧算出器322により、ステップ2311(S2311)で取得された充電状態に該当するテーブルの対応関係を参照する。
本変形例の蓄電装置1によれば、図12で説明した蓄電装置1と同様の作用効果を奏することができ、または、充電状態を考慮して遅い分極電圧成分を更に高精度に算出することができる。
<6.第2の実施形態の第3の変形例>
[装置の構成例]
本変形例の蓄電装置1は、図10の蓄電装置1に対して、分極電圧推定器320の構成が相違する。
[分極電圧推定器320]
具体的には、図18に示すように、本変形例の分極電圧推定器320は、除数算出器323を備える。
[除数算出器323]
除数算出器323は、平均算出器321が平均値を算出する際に用いる除数を算出する構成である。除数算出器323は、図19Bに示すようなテーブルを用いて除数を算出してもよい。図19Bのテーブルには、二次電池2の温度と、電流と、除数に関する時間情報[sec]との対応関係が記述されている。図19Bのテーブルは、充電状態60[%]に対応するテーブルであるが、除数算出器323は、充電状態に応じて異なるテーブルを参照できる構成であってもよい。図19Aは、図19Bと同じ態様で二次電池2の温度および電流が割り当てられたテーブルであり、温度と、電流と、遅い分極電圧成分との対応関係が記述されている。
図19Bにおける除数に関する時間情報は、図19Aにおいて同一の温度および電流に対応する遅い分極電圧成分の時定数と合致してもよい。除数に関する時間情報として遅い分極電圧成分の時定数を用いる場合、この時定数は、例えば、定電流充電から定電流放電に切り替えた際の電圧軌跡からフィッティングなどで求められた電流が流れている時の遅い分極電圧成分の時定数であってもよい。
除数算出器323は、図19Bのテーブルを参照することで、次回の平均値の計算に用いられる除数を算出する構成でもよい。例えば、図19Bにおいて、現在の温度の平均値が20℃、電流の平均値が2Aであるとする。この場合、除数算出器323は、除数に関する時間情報として60秒を取得する。そして、除数算出器323は、取得された時間情報(60秒)を、予め設定された演算周期(例えば、1秒)で除することで、次回の温度および電流の平均値の算出に用いる除数(例えば、60)を求めてもよい。なお、温度の変化は電流の変化に比べて遅いので、図19Bのテーブルは、平均値ではなく1回の温度測定値に基づく除数の算出に用いられることを除外しない。すなわち、遅い分極電圧成分の算出に1回の温度の測定値が用いられる場合も本開示の範囲内である。
[平均算出器321]
除数算出器323の算出結果に基づく平均算出器321の算出結果は、例えば次の数式2で表すことができる。
Figure 2015078918
但し、数式2において、Iavgは、ある時刻tにおける電流の平均値である。It−1は、1つ前の電流値である。Nは、除数である。Tavgは、時刻tにおける温度の平均値である。Tt−1は、1つ前の温度である。
[装置の動作例]
[第1のフローチャート]
図20は、本変形例の蓄電装置1の動作例を示す第1のフローチャートである。図20に示す動作例は、本開示に係る開路電圧推定方法の一実施形態を含む。
本変形例では、図11のステップ22(S22)の後に、ステップ5(S5)を実行する。
具体的には、ステップ5(S5)では、除数算出器323により、ステップ22(S22)で算出された平均値に基づいて、次回の平均値の算出に用いられる除数を算出する。
[第2のフローチャート]
また、本変形例では、図11のステップ22(S22)の具体例として、図21のステップ221(S221)〜ステップ222(S222)の一連の工程を実行する。
具体的には、ステップ221(S221)では、平均算出器321により、除数算出器323から除数を取得する。
ステップ222(S222)では、平均算出器321により、ステップ221(S221)で取得された除数を用いて、二次電池2の電流および/または温度の平均値を算出する。
[第3のフローチャート]
さらに、本変形例では、図20のステップ5(S5)の具体例として、図22のステップ51(S51)〜ステップ52(S52)の一連の工程を実行する。
具体的には、ステップ51(S51)では、除数算出器323により、現在の充電状態に対応するテーブルを参照して、現在の電流および電池温度に対応する除数に関する時間情報を割り出す。
ステップ52(S52)では、除数算出器323により、ステップ51(S51)で割り出された時間情報を予め設定された演算周期で除することで、除数を算出する。
本変形例の蓄電装置1によれば、図14の蓄電装置1と同様の作用効果を奏することができ、または、電流および電池温度の経時変化に柔軟に対応した平均値の動的な算出が可能となる。
<7.第2の実施形態の第4の変形例>
本変形例の蓄電装置1は、図12で説明した蓄電装置1に対して、分極電圧推定器320の構成が相違する。
具体的には、図23に示すように、本変形例の蓄電装置1は、二次電池2を3段以上のRC並列回路を有する等価回路とみなした上で、互いに時定数が異なる複数の遅い分極電圧成分を推定する構成である。
複数の遅い分極電圧成分の推定には、図24に示すような電池温度および電流と複数の遅い分極電圧成分との対応関係が既述されたテーブルを用いてもよい。テーブルを参照した遅い分極電圧成分の算出および算出された遅い分極電圧成分による開路電圧値の補正については図13等において既に説明した通りである。
本変形例によれば、図12で説明した蓄電装置1と同様の作用効果を奏することができ、または、複数の遅い分極電圧成分を推定することで、開路電圧値の推定精度を更に向上させることができる。
<8.第3の実施形態>
[装置の構成例]
本実施形態の蓄電装置1は、図18の蓄電装置1に対して、分極電圧算出器322の構成が相違する。
具体的には、本実施形態の分極電圧算出器322は、平均算出器321によって算出された平均値に該当する値がテーブルに存在しない場合に、テーブルの値を補間して遅い分極電圧成分を算出する構成である。テーブルとしては、図19Aに示したテーブル等を用いてもよい。
補間の態様は限定されない。例えば、分極電圧算出器322は、線形補間やスプライン補間等を行う構成でもよい。分極電圧算出器322は、テーブル中の平均値に直近の値を用いて線形補間を行う構成でもよい。
[装置の動作例]
以下の動作例は、本開示に係る開路電圧推定方法の一実施形態を含む。
[温度がテーブルの値に合致し電流がテーブルの値に合致しない場合の線形補間]
分極電圧算出器322は、平均算出器321が算出した温度の平均値に合致する温度値がテーブルに存在し、平均算出器321が算出した電流の平均値に合致する電流値がテーブルに存在しない場合、次の数式3にしたがった線形補間を行ってもよい。
Figure 2015078918
但し、数式3において、Vは、線形補間によって算出される遅い分極電圧成分である。Iavgは、平均算出器321によって算出された電流の平均値である。Iは、テーブル内に存在する電流値であり、Iavgに対して高電流側において直近の値である。Iは、テーブル内に存在する電流値であり、Iavgに対して低電流側において直近の値である。Vは、テーブル内に存在する遅い分極電圧成分であり、Iに対応する値である。Vは、テーブル内に存在する遅い分極電圧成分であり、Iに対応する値である。数式3のVは、図25に示すようなIを変数とした一次関数の関係を満足する。図25の一次関数は、(V−V)/(I−I)を傾き、(I−I)/(I−I)を遅い分極電圧成分側の切片としている。
分極電圧算出器322は、テーブルに温度が合致し電流が合致しないことを検知すると、Iavgを挟む直近の2点I、Iをテーブルから抽出し、かつ、2点I、Iに対応する遅い分極電圧成分VL、をテーブルから抽出してもよい。そして、抽出された値I、I、V、Vと平均算出器321から取得した値Iavgとを数式3に代入することで、遅い分極電圧成分を算出してもよい。
ここで、図19Aのテーブルを用いる場合を例示する。今、平均算出器321によって算出された温度の平均値は20℃であり、テーブル内に合致する温度値(20℃)が存在すると仮定する。一方、平均算出器321によって算出された電流の平均値Iavgは3Aであり、テーブル内に合致する電流値(3A)が存在しないと仮定する。この場合、20℃に対応する欄から、Iとして2Aが抽出され、Iとして4Aが抽出される。また、20℃に対応する欄から、Vとして10mVが抽出され、Vとして20mVが抽出される。これらの値Iavg、I、I、V、Vを数式3に代入すると、遅い分極電圧成分として15mVを得ることができる。
[電流がテーブルの値に合致し温度がテーブルの値に合致しない場合の線形補間]
分極電圧算出器322は、平均算出器321が算出した電流の平均値に合致する電流値がテーブルに存在し、平均算出器321が算出した温度の平均値に合致する温度値がテーブルに存在しない場合、次の数式4にしたがった線形補間を行ってもよい。
Figure 2015078918
但し、数式4において、Vは、線形補間によって算出される遅い分極電圧成分である。Tavgは、平均算出器321によって算出された温度の平均値である。Tは、テーブル内に存在する温度値であり、Tavgに対して高温側において直近の値である。Tは、テーブル内に存在する温度値であり、Tavgに対して低温側において直近の値である。Vは、テーブル内に存在する遅い分極電圧成分であり、Tに対応する値である。Vは、テーブル内に存在する遅い分極電圧成分であり、Tに対応する値である。数式4のVは、図26に示すようなTを変数とした一次関数の関係を満足する。図26の一次関数は、(V−V)/(T−T)を傾き、(T−T)/(T−T)を遅い分極電圧成分側の切片としている。数式4を用いた遅い分極電圧成分の算出は、数式3を用いる場合と同様であるので、詳細は割愛する。
[温度も電流もテーブルの値に合致しない場合の線形補間]
分極電圧算出器322は、平均算出器321が算出した温度の平均値に合致する温度値がテーブルに存在せず、平均算出器321が算出した電流の平均値に合致する電流値もテーブルに存在しない場合、例えば、次の手順を含む線形補間を行ってもよい。
・Tavgから、TおよびTを抽出する(STEP1)。
・テーブルにおけるTに対応する電流の欄を参照して、Iavgから、I、I、V、Vを抽出する(STEP2−1)。
・テーブルにおけるTに対応する電流の欄を参照して、Iavgから、I、I、V、Vを抽出する(STEP2−2)。
・STEP2−1の値Iavg、I、I、V、Vを数式3に代入して遅い分極電圧成分を算出する(STEP3−1)。
・STEP2−2の値Iavg、I、I、V、Vを数式3に代入して遅い分極電圧成分を算出する(STEP3−2)。
・STEP3−1で算出された遅い分極電圧成分を数式4のVに代入し、STEP3−2で算出された遅い分極電圧成分を数式4のVに代入し、STEP1で既知のTavg、T、Tを数式4に代入することで、遅い分極電圧成分を算出する(STEP4)。
ここで、図19Aのテーブルを用いる場合を例示する。今、平均算出器321によって算出された温度の平均値は24℃であり、テーブル内に合致する温度値が存在しないと仮定する。また、平均算出器321によって算出された電流の平均値Iavgは3Aであり、テーブル内に合致する電流値が存在しないと仮定する。この場合、Tavg=24℃から、テーブルより、T=30℃、T=20℃を抽出する(STEP1)。次いで、テーブルにおけるT=30℃に対応する電流の欄を参照して、Iavg=3Aから、I=4A、I=2A、V=14mV、V=7mVを抽出する(STEP2−1)。また、テーブルにおけるT=20℃に対応する電流の欄を参照して、Iavg=3Aから、I=4A、I=2A、V=20mV、V=10mVを抽出する(STEP2−2)。次いで、T=30℃に対応する遅い分極電圧成分を算出する。この算出は、数式3にSTEP2−1の値すなわちIavg=3A、I=4A、I=2A、V=14mV、V=7mVを代入することで行う(STEP3−1)。これにより、T=30℃に対応する遅い分極電圧成分は、10.5mVと求まる。また、T=20℃に対応する遅い分極電圧成分を算出する。この算出は、数式3にSTEP2−2の値すなわちIavg=3A、I=4A、I=2A、V=20mV、V=10mVを代入することで行う(STEP3−2)。これにより、T=20℃に対応する遅い分極電圧成分は、15mVと求まる。次いで、T=30℃に対応する10.5mVを数式4のVに代入し、T=20℃に対応する15mVを数式4のVに代入し、また、数式4に、Tavg=24℃、T=30℃、T=20℃を代入する(STEP4)。これにより、温度24℃、電流3Aに対応する遅い分極電圧成分として、13.2mVが求まる。
本実施形態の蓄電装置1によれば、図18の蓄電装置1と同様の作用効果を奏することができ、または、テーブルの分解能が粗い場合でも遅い分極電圧成分を適切に算出することができる。
<9.第4の実施形態>
[装置の構成例]
本実施形態の蓄電装置1は、第3の実施形態の蓄電装置1に対して、開路電圧算出器310の構成が相違する。
具体的には、図27に示すように、本実施形態の開路電圧算出器310は、デジタルフィルタ311を備える。デジタルフィルタ311は、二次電池2の電圧および電流の測定値に基づいて、図2に示した等価回路のパラメータR、R、C、C等を更新する構成である。開路電圧算出器310は、デジタルフィルタ311によって更新されたパラメータを用いて、開路電圧値を動的に算出する構成である。
デジタルフィルタ311の具体的な態様は限定されない。例えば、デジタルフィルタ311は、適応フィルタ等であってもよく、または、カルマンフィルタ等であってもよい。
[装置の動作例]
図28は、本実施形態の蓄電装置1の動作例を示すフローチャートである。図28に示す動作例は、本開示に係る開路電圧推定方法の一実施形態を含む。
本実施形態では、図5のステップ1(S1)の具体例として、ステップ11(S11)〜ステップ12(S12)の一連の工程を実行する。
具体的には、ステップ11(S11)では、デジタルフィルタ311により、等価回路のパラメータを更新する。
ステップ12(S12)では、開路電圧算出器310により、ステップ11(S11)で更新されたパラメータと、電圧、電流および温度の入力値とから、開路電圧値を算出する。
本実施形態の蓄電装置1によれば、第3の実施形態の蓄電装置1と同様の作用効果を奏することができ、または、等価回路を逐次最適化することで、入力値の変動に柔軟に対応した開路電圧値の算出が可能となる。
<10.第4の実施形態の第1の変形例>
[装置の構成例]
本変形例の蓄電装置1は、図27の蓄電装置1に対して、デジタルフィルタ311が適応フィルタである点が特定されている。
[装置の動作例]
以下、本変形例の蓄電装置1の動作例として、適応フィルタの動作原理を説明する。
図2の等価回路において、二次電池2の端子間のインピーダンスは次の数式5のようになる。
Figure 2015078918
数式5のインピーダンスをラプラス空間で表現すると、次の数式6のようになる。
Figure 2015078918
二次電池2の端子間電圧をラプラス空間で表現すると次の数式7のようになる。
Figure 2015078918
端子間電圧をデジタル信号処理で取り扱うため、数式7をZ空間で表現すると、次の数式8のようになる。
Figure 2015078918
但し、数式8中のa、a、b、b、bは、等価回路中のR、R、R、C、Cおよび演算周期Tsで表現される変数である。
数式8を変形すると、次の数式9のようになる。
Figure 2015078918
1つ前の時刻における電圧V(k−1)は、次の数式10のようになる。
Figure 2015078918
数式9および数式10から、電圧変化ΔV(k)は次の数式11のようになる。
Figure 2015078918
数式11を行列で表現すると次の数式12のようになる。
Figure 2015078918
但し、数式12において、φは、データ行列である。θは、等価回路モデルの係数行列である。添え字のtは、行列の転置を表現する。
測定値となる電圧Vおよび電流Iから等価回路モデルの係数行列をシステム同定するアルゴリズムの一例として、逐次最小二乗法を用いたシステム同定のアルゴリズムがある。このアルゴリズムは次の数式13で表現される。
Figure 2015078918
但し、数式13において、Pは、共分散行列である。εは、同定誤差である。λは、忘却係数と呼ばれる1以下の正数である。添え字の^は、推定値を表現する。
システム同定によって得られた等価回路モデルの係数を使用し、次の数式14から、開路電圧値であるVOCV(k)が算出される。
Figure 2015078918
本変形例の蓄電装置1によれば、適応フィルタを用いて開路電圧値を算出することで、分極電圧の非線形な変動にかかわらず、開路電圧補正器330による補正前の開路電圧値としてはある程度良好な精度の開路電圧値を求めることができる。ここで、適応フィルタが1回の計算で使用する入力データの時間長(例えば、サンプリング周期1秒で入力サンプル数が3つの場合は時間長が3秒)は、遅い分極電圧成分の時定数(例えば、60秒)より小さくなることは珍しくない。この場合、遅い分極電圧成分の変動を計算結果に反映させることができず、開路電圧値を高精度に算出することが困難となる。また、その一方で、入力データの時間長が遅い分極電圧成分の時定数より大きくても、時間長に該当する期間における遅い分極電圧成分の変動が小さければ、やはり遅い分極電圧成分の変動を計算に反映させて開路電圧値を高精度に算出することは困難となる。これに対して、本変形例では、適応フィルタを用いて算出された開路電圧値を開路電圧補正器330で補正することで、遅い分極電圧成分が加味された十分に高精度の開路電圧値を得ることができる。
<11.第5の実施形態>
[装置の構成例]
本実施形態の蓄電装置1は、第1〜第4の実施形態の蓄電装置1に対して、開路電圧推定装置300の構成が相違する。
すなわち、本実施形態の開路電圧推定装置300は、通信によって取得された二次電池2の端子電圧情報、電流情報および電池温度情報に基づいて、開路電圧を推定する構成である。
より具体的な構成例を図29に示す。図29に示すように、蓄電装置1は、第1の通信機5を備える。開路電圧推定装置300は、第1の通信機5を介して、二次電池2の端子電圧情報、電流情報および電池温度情報を通信によって受信する。そして、開路電圧推定装置300は、受信情報に基づいて、開路電圧算出器310による開路電圧値の算出、分極電圧推定器320による遅い分極電圧成分の推定および開路電圧補正器330による開路電圧値の補正を行う。
開路電圧推定装置300は、二次電池2と隔離された位置に存在してもよい。開路電圧推定装置300は、ネットワークを介して二次電池2側の構成と通信接続されてもよい。ネットワークは、外部ネットワーク等であってもよい。外部ネットワークは、インターネット等であってもよい。開路電圧推定装置300は、インターネット上のサーバ等であってもよい。開路電圧推定装置300による二次電池2の情報の受信形態は限定されず、如何なるルートを経て二次電池2の情報が開路電圧推定装置300に受信されようと本開示の範囲内である。第1の通信機5の通信方式等の具体的な態様も限定されない。第1の通信機5は、開路電圧推定装置300に備えられてもよい。
[装置の動作例]
図30は、本実施形態の蓄電装置1の動作例を示すフローチャートである。図30に示す動作例は、本開示に係る開路電圧推定方法の一実施形態を含む。
本実施形態では、図5のステップ1(S1)の前に、ステップ6(S6)を実行する。具体的には、ステップ6(S6)では、開路電圧推定装置300により、二次電池2の端子電圧情報、電流情報および電池温度情報を通信によって受信する。受信のトリガは限定されない。例えば、開路電圧推定装置300側から二次電池2側に二次電池2の情報を要求し、二次電池2側が要求に応答する構成でもよく、または、常時もしくは定期的に二次電池2側から開路電圧推定装置300側に二次電池2の情報が送信される構成でもよい。
本実施形態によれば、第1〜第4の実施形態と同様の作用効果を奏することができ、または、複数の場所に存在する二次電池2の開路電圧値を単一の開路電圧推定装置300によって推定することも可能となる。
<12.第5の実施形態の第1の変形例>
[装置の構成例]
本変形例の蓄電装置1は、図30の蓄電装置1に対して、二次電池2側の構成が特定されている。
具体的には、図31に示すように、本変形例の蓄電装置1は、二次電池2に接続された電圧測定器6、電流測定器7および温度測定器8と、各測定器6、7、8に接続された第2の通信機9とを更に備える。
電圧測定器6は、二次電池2の端子電圧を測定し、測定結果を第2の通信機9に出力する構成である。電流測定器7は、二次電池2の充放電電流を測定し、測定結果を第2の通信機9に出力する構成である。温度測定器8は、二次電池2の温度を測定し、測定結果を第2の通信機9に出力する構成である。第2の通信機9は、測定器6〜8の測定情報を開路電圧推定装置300に向けて送信する構成である。測定器6〜8および第2の通信機9の具体的な態様は限定されない。
[装置の動作例]
図32は、本実施形態の蓄電装置1の動作例を示すフローチャートである。図32に示す動作例は、本開示に係る開路電圧推定方法の一実施形態を含む。
本実施形態では、図30のステップ6(S6)の前に、ステップ7(S7)〜ステップ10(S10)の一連の工程を実行する。
具体的には、ステップ7(S7)では、電圧測定器6により、二次電池2の端子電圧を測定し、測定結果を第2の通信機9に出力する。
ステップ8(S8)では、電流測定器7により、二次電池2の電流を測定し、測定結果を第2の通信機9に出力する。
ステップ9(S9)では、温度測定器8により、二次電池2の温度を測定し、測定結果を第2の通信機9に出力する。ステップ7(S7)〜ステップ9(S9)は、前後を問わず、また、同時でもよい。
ステップ10(S10)では、第2の通信機9により、測定器6〜8から取得した測定結果を開路電圧推定装置300側に送信する。
本変形例によれば、第1〜第4の実施形態と同様の作用効果を奏することができ、または、二次電池2ごとに開路電圧推定装置300を備える必要がなくなり、コストを削減することができる。
蓄電装置1の用途は限定されず、公共用、産業用または家庭用の蓄電システム、非常用電源、ハイブリッド自動車または電気自動車などの自動車等といった目的に応じた種々の負荷に適用されてもよい。本開示を非常用電源に適用すれば、例えば、十分な残容量をディスプレイに表示しているにもかかわらず、実際の充電状態が表示に整合していないがために予期せぬ停電が起こるような問題を回避することができる。本開示を自動車に適用すれば、十分な残容量をディスプレイに表示しているにもかかわらず予期せぬ突然停止が生じて目的地に到達できないといった問題を回避することができる。
上述の各実施形態および変形例は、これらを適宜組み合わせてもよい。任意の1つの実施形態または変形例中のある構成部を、他の実施形態または変形例に追加したり、他の実施形態または変形例中の構成部と置換したりする場合も、本開示の範囲内である。
二次電池2にエネルギーを供給する電源の態様も限定されず、太陽電池、風力発電機、発電所および余剰電力を有する二次電池等の各種の電源を適用してもよい。
各実施形態および変形例に記載された作用効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の作用効果があってもよい。本開示は、各実施形態および変形例に記載された複数の作用効果のいずれか一つを奏すればよい。
また、本開示は、以下のような構成をとることもできる。
(1)二次電池の開路電圧値を算出する開路電圧算出器と、
前記二次電池の複数の分極電圧成分のうちの時定数が相対的に大きい成分を推定する分極電圧推定器と、
前記開路電圧算出器で算出された前記開路電圧値を前記分極電圧推定器で推定された前記時定数が相対的に大きい成分で補正する開路電圧補正器と
を備える開路電圧推定装置。
(2)前記分極電圧推定器は、前記二次電池の電流および電池温度の少なくとも1つの平均値を算出する平均算出器と、前記平均算出器で算出された前記平均値に基づいて前記時定数が相対的に大きい成分を算出する分極電圧算出器とを備える(1)に記載の開路電圧推定装置。
(3)前記分極電圧算出器は、予め取得された前記平均値と前記時定数が相対的に大きい成分との対応関係を示すテーブルに基づいて前記時定数が相対的に大きい成分を算出する構成の(2)に記載の開路電圧推定装置。
(4)前記テーブルは、前記二次電池の充電状態に応じた前記対応関係を示し、前記分極電圧算出器は、取得された前記充電状態に該当する前記対応関係を参照して前記時定数が相対的に大きい成分を算出する構成の(3)に記載の開路電圧推定装置。
(5)前記分極電圧推定器は、前記平均算出器が前記平均値を算出する際に用いる除数を算出する除数算出器を備える(3)または(4)に記載の開路電圧推定装置。
(6)前記分極電圧算出器は、前記時定数が相対的に大きい成分を前記テーブルの値を補間することで算出する構成の(3)〜(5)のいずれかに記載の開路電圧推定装置。
(7)前記開路電圧補正器によって補正された前記開路電圧値に基づいて前記二次電池の充電状態を算出する充電状態算出器が接続される(1)〜(6)のいずれかに記載の開路電圧推定装置。
(8)前記開路電圧算出器は、デジタルフィルタを備える(1)〜(7)のいずれかに記載の開路電圧推定装置。
(9)通信によって取得された前記二次電池の端子電圧情報、電流情報および電池温度情報に基づいて、前記時定数が相対的に大きい成分で補正された前記開路電圧値を推定する構成の(1)〜(8)のいずれかに記載の開路電圧推定装置。
(10)コンピュータを、
二次電池の開路電圧値を算出する手段、
前記二次電池の複数の分極電圧成分のうちの時定数が相対的に大きい成分を推定する手段、
算出された前記開路電圧値を推定された前記時定数が相対的に大きい成分で補正する手段
として機能させる開路電圧推定プログラム。
1 蓄電装置
2 二次電池
300 開路電圧推定装置
310 開路電圧算出器
320 分極電圧推定器
330 開路電圧補正器

Claims (11)

  1. 二次電池の開路電圧値を算出する開路電圧算出器と、
    前記二次電池の複数の分極電圧成分のうちの時定数が相対的に大きい成分を推定する分極電圧推定器と、
    前記開路電圧算出器で算出された前記開路電圧値を前記分極電圧推定器で推定された前記時定数が相対的に大きい成分で補正する開路電圧補正器と
    を備える開路電圧推定装置。
  2. 前記分極電圧推定器は、前記二次電池の電流および電池温度の少なくとも1つの平均値を算出する平均算出器と、前記平均算出器で算出された前記平均値に基づいて前記時定数が相対的に大きい成分を算出する分極電圧算出器とを備える請求項1記載の開路電圧推定装置。
  3. 前記分極電圧算出器は、予め取得された前記平均値と前記時定数が相対的に大きい成分との対応関係を示すテーブルに基づいて前記時定数が相対的に大きい成分を算出する構成の請求項2記載の開路電圧推定装置。
  4. 前記テーブルは、前記二次電池の充電状態に応じた前記対応関係を示し、前記分極電圧算出器は、取得された前記充電状態に該当する前記対応関係を参照して前記時定数が相対的に大きい成分を算出する構成の請求項3記載の開路電圧推定装置。
  5. 前記分極電圧推定器は、前記平均算出器が前記平均値を算出する際に用いる除数を算出する除数算出器を備える請求項3記載の開路電圧推定装置。
  6. 前記分極電圧算出器は、前記時定数が相対的に大きい成分を前記テーブルの値を補間することで算出する構成の請求項3記載の開路電圧推定装置。
  7. 前記開路電圧補正器によって補正された前記開路電圧値に基づいて前記二次電池の充電状態を算出する充電状態算出器が接続される請求項1記載の開路電圧推定装置。
  8. 前記開路電圧算出器は、デジタルフィルタを備える請求項1記載の開路電圧推定装置。
  9. 通信によって取得された前記二次電池の端子電圧情報、電流情報および電池温度情報に基づいて、前記時定数が相対的に大きい成分で補正された前記開路電圧値を推定する構成の請求項1記載の開路電圧推定装置。
  10. 二次電池と、
    開路電圧推定装置と、を備え、
    前記開路電圧推定装置は、
    前記二次電池の開路電圧値を算出する開路電圧算出器と、
    前記二次電池の複数の分極電圧成分のうちの時定数が相対的に大きい成分を推定する分極電圧推定器と、
    前記開路電圧算出器で算出された前記開路電圧値を前記分極電圧推定器で推定された前記時定数が相対的に大きい成分で補正する開路電圧補正器と、を備える蓄電装置。
  11. 算出された二次電池の開路電圧値を、推定された前記二次電池の複数の分極電圧成分のうちの時定数が相対的に大きい成分で補正する開路電圧推定方法。
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